SANRIZUKA 2014/02/10(No889 p02) 
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週刊『三里塚』(S889号1面1)(2014/02/10)
3万人署名達成へ確信つかむ
1・26 周辺一斉行動で170筆
「署名したい」と電話
“3本目滑走路”に怒り

(写真 新年第1回の周辺一斉行動に先立って打ち合わせを行う反対同盟と支援連【1月26日 成田市天神峰】)
鈴木たつお候補を押し立てた東京都知事選は、革命情勢をたぐり寄せる決定的な地平を切り開いた。1000万東京都民に直接、「戦争、過労死、被曝、オリンピック」反対を訴え、国鉄決戦を軸とした4大決戦をアピールし、大きな旋風を巻き起こした。この前進の中に三里塚闘争の勝利もある。その一環として、市東さん農地裁判控訴審に向けた新3万人署名に反対同盟が決起した。1月26日、新年第1回目の周辺一斉行動を闘い170筆の署名を獲得した。「これならやれる」の確信を深めている。3・23全国集会(東京・芝公園)〜3・26第1回弁論へ。
1月26日、反対同盟による新年第1回目の周辺地域一斉行動が行われた。午前9時に約30人が市東孝雄さん宅に集まって意志一致を行った。
集まった面々に反対同盟ニュース第4号が配られた。周辺住民を対象にしたこの反対同盟ニュースでは、「新3万人署名を」の訴えとともに、千葉県経済利権団体による「3本目の滑走路要求」に対する批判が強調された。
伊藤信晴さんの司会で、打ち合わせ開始。北原鉱治事務局長が「新年第1回の一斉行動だ。署名集めを全力でがんばろう。宣伝カーは支援の人たちが回っている地域を中心にアピールし、署名の訴えを支えよう」と呼びかけた。
市東孝雄さんは「去年、千葉地裁に仮執行宣言をつけさせなかったのは、何と言っても1万2千人の署名の力。3万人の署名を集めて、東京高裁に突きつけよう」と訴えた。そして「3本目の滑走路の要望書のことが報道されていた。この点について住民の感想はどのようなものか、聞いてきてほしい」と要望した。
地域の担当を再確認して、新たに作成されたパンフレット、リーフレットそして反対同盟ニュース、署名用紙を抱えて飛び出していった。
伊藤信晴さんは今回も芝山町川津場地区を支援のメンバーと一緒に回った。ある家で年配の男性と議論になった。「私は空港がここまでできた以上、やむをえないと思う。だけど、市東さんの農地問題は別だから反対する」として署名してくれたという。宮本麻子さんは、騒音下全域を北から南へ網羅して宣伝カーで「市東さんの農地取り上げに反対する署名を」とアピールした。
午後には気温が下がるなど、厳しい気候の中、署名活動を貫徹。午後5時、再び集まって一日の活動の集約を行った。署名の合計が発表された。「170筆です!」という伊藤さんの発表に歓声が上がった。昨年5月19日の第1回一斉行動の時が、成田駅頭街宣での署名数を含めて124筆だった。これと比べてもすばらしい成果だ。
(写真 署名集めの先頭に立つ伊藤信晴さん【右=芝山町川津場】)
30人規模で毎月決起 昨年5月から連続9回
全員から一日の闘いの成果と感想が報告された。口々に出されていたのは、継続した取り組みの効果についてだった。一斉行動は去年の5月から9回目だ。「住民との距離が縮まった」「いつもビラ入ってますね、などの声が多かった」。
さらに3本目の滑走路について怒りの声が湧き上がっている事実が報告された。そして成田空港の今後について「沈下する一方だ」などの指摘も住民からあったと報告された。
「30人規模の人間が月に1度とは言え、地域全域を一日かけずり回り制圧することは、権力側にとって脅威だ」との感想も語られた。萩原富夫さんは「去年の第1回目は自分が一番多くて、それでも12筆だった。今日は27筆とか26筆とかすごい数を集めている。これならやれる」と語った。
継続した取り組みの成果も報告された。旧大栄地区のある男性から年末に反対同盟に電話があった。「ぜひ署名したいから家に来てくれ」とのこと。その男性は署名した上で「反対同盟ニュースの『地域住民の声』」欄の取材にも応じてくれた。
「市東さんの農地を守れ」の声が確実に地域を制圧しつつある。最後に市東さんが「2月、3月と続けていこう」と一日の闘いを締めくくった。 萩原進事務局次長が亡くなった後の最初の一斉行動。上々の滑り出しに「3万人署名は達成できる」「萩原さんに報告できる」と自信を深めた。3・23全国集会、3・26控訴審第1回弁論闘争へ闘おう。
(写真 宮本麻子さんは宣伝カーのボイスを担当して、成田市、多古町、芝山町の騒音地域をくまなく回った【1月26日】)
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週刊『三里塚』(S889号1面2)(2014/02/10)
画期的地平切り開いた都知事選
1千万の怒りと結合
労働者階級が首都・東京の権力を取ろうと鈴木たつおさんを先頭にして東京都知事選挙闘争が全力で闘われた。スターリニスト・ファシストとの激突という1930年代型の緊迫した激動情勢の中で闘われた選挙戦の1日は、100日に勝るとも劣らない。街頭での無数の共感、職場での闘いの前進、すべてが「現代革命への挑戦」にとってかけがえのない経験として蓄積され、決定的な地平が切りひらかれたのである。
鈴木さんは、東京都庁やNHK前、JR東日本・JR貨物本社前、鈴木コンクリート工業の工場前など、あらゆる職場に登場し、労働者の怒りを抑え込む連合・全労連などの労働組合の幹部を打倒し、真に闘う労働組合を甦らせようと訴えた。この社会を動かし、成り立たせているにもかかわらず、誇りが奪われ、命までもが奪われる現実に対する怒り、この社会を変える力は労働者の団結だという訴えが、労働者の魂に火をつけた。他の候補は労働者・労働組合に力があるということを言わない中で鈴木さんは、NHK労組の委員長をやり、戦争に反対し、解雇撤回を闘ってきた自身の経験に基づく、労働者が団結すれば新自由主義は打ち破ることができるという確信が労働者に伝わったのだ。
政見放送を見たある青年労働者は、「この腐りきった政治のありかたに対してストレートな怒りをぶつけられる人物を求める。鈴木たつおさんにはその怒りが感じられる。そして核心は、鈴木たつおさんはそんな社会を変えるのは僕等だと言っている」とツイートしている。
戦争・改憲・原発・過労死・貧困という新自由主義の現実は、労働者階級が権力を取る以外に解決の道はない。日共のように資本家との非和解性をあいまいにし、労働者を救済の対象として、現実には資本家を救済するような奴らから労働組合の権力を奪取しなければならない。
安倍政権が進める戦争・改憲、原発に対する人民の怒りは、戦争・原発=核を必要とする社会のあり方への怒りだ。新自由主義という社会・国家のあり方の延命なのか打倒なのか、すなわち「戦争か革命か」をかけて闘われたのが、今次東京都知事選だ。
支配階級はこのことを自覚しているがゆえに、安倍を倒して、「命よりカネ」の社会を変えよう! と訴える鈴木さんを無視抹殺している。人民の怒りをなんとか体制内(4候補)に抑え込もうと必死なのだ。しかし、国鉄はじめ全国の労働者の力で、このマスコミの妨害をはねのけ、多くの労働者との結合がかちとられたのだ。
(写真 都知事選決戦で奮闘する鈴木たつおさん【2月1日 新橋】)
自分達が主人公
鈴木さんへの一票は、この社会の在り方の根底的否定の一票であり、社会を変えるのは自分だという一票としてかちとられた。自らの職場・キャンパスで闘おうという労働者・学生・青年が膨大に生み出されたこと、闘う組合と結びついたことが決定的な勝利だ。
この闘いの中で、反原発や戦争・改憲反対を掲げるあらゆる勢力の化けの皮がはがれた。福島・沖縄をはじめとする怒りを根底のところで受け止めきれず、オリンピックに賛成し、あいまいな態度をとる奴らを打倒し主流派・多数派へと飛躍する環をつかんだ。
反対同盟の「絶対反対・実力闘争」と安倍打倒の怒りが結びつく情勢が完全に成熟している。東京都知事選決選の勝利によって安倍打倒の火柱が上がった。萩原富夫さんは推薦人の言葉で、「原発を止めたい、戦争を止めたい、社会をひっくり返してやりたい。みんなの怒りを鈴木さんに集め、首都東京に安倍政権打倒の火柱を!」と訴え、市東孝雄さんは、「ともに全力で闘います」と都知事選と一体で闘いぬいた。東京都知事選決戦は反対同盟とともに闘い取った勝利だ。3・23−26霞が関に攻め上る闘いを!
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週刊『三里塚』(S889号1面3)(2014/02/10)
2・16国鉄労働者集会へ
最高裁決戦へ10万筆署名を
「国鉄分割・民営化で不当解雇から27年」2・16国鉄集会は、東京・北海道・九州の全国3カ所で開催する。「あの日を忘れるな!国鉄労働者1047名の解雇撤回!」の国鉄労働者の怒りを自らものとして、解雇撤回・JR復帰の最高裁闘争の決戦陣形を構築し、破綻した新自由主義を労働者の団結で打ち破ろう。
2・16集会は、東京高裁9・25判決の歴史的地平を引き継ぎ、最高裁闘争勝利へ新たな攻勢をかけるものだ。9・25東京高裁・難波裁判長は、一審に続き不当労働行為を認定した。国鉄幹部とJR設立委員長が話し合って不採用基準を作った事実が暴かれた。しかし、難波裁判長は「JRにも採用の自由がある」と言い逃れ、解雇撤回を拒否した。こんなごまかしは必ず粉砕できる。
最高裁で不当労働行為を最後的に確定させ、解雇者のJR復帰をかちとる展望を開く力は、10万筆署名だ。すでに1月22日、第1次分として1万7416筆の署名を提出した。集会の成功をばねに全国的な署名運動を猛然と展開しよう。
動労千葉は、2014年冒頭から外注化粉砕の闘いに突入している。1月22日に出向命令無効訴訟第5回弁論が闘われ、2月3日に「ライフサイクル撤廃!北嶋君を取り戻すぞ!」千葉運転区前抗議行動が闘われた。出向命令無効訴訟では、JR職場の偽装請負の実態を次々と追及した。
JRはそれまでの「反論など必要ない」という態度から一転して具体的な事実をめぐって反論せざるをえなくなり、、かつ偽装請負の問題については関係ないと開き直った。違法の外注化なら、今すぐ業務と仲間をすべてJRに戻さなければならない。また、2・3ライフサイクル撤廃闘争では、千葉運転区支部の北嶋君が、ライフサイクルで千葉駅に配転されて丸3年を迎えたにもかかわらず、JR千葉支社は満期日の復帰を拒否しようとしていることを弾劾した。
さらにJR千葉支社は、会社が業務命令で駅に残す者を決めると言いはじめた。当局は、運転職場に戻るための蹴落とし合いを行わせ、労働者としての団結を破壊しようとしているのだ。
JR北海道にみられる安全崩壊は、全JRすべてで同じだ。民営化と外注化の進展によって労働者と乗客の安全が破壊され続けている。
これに対して、動労千葉は反合運転保安闘争を闘い、資本のあくなき利潤追求に労働者の団結で自らの職場を守ることを対置し、新自由主義の極限的な搾取に叩き込まれている青年労働者や非正規労働者の希望となっている。
3・23三里塚全国集会の結集と3・26東京高裁闘争勝利のためにも、国鉄闘争と反原発闘争の前進が必要だ。国鉄闘争と結合し、福島の怒りと連帯を深める中から三里塚・市東さん農地闘争の勝利も切り開かれる。国鉄・福島・星野・改憲阻止の四大闘争の勝利を土台に、動労千葉を先頭とした6千万労働者と、反対同盟・全国農民会議を先頭とした260万人農民との労農連帯の展望をこの中で打ち立てよう。
(写真 1月22日、動労千葉は最高裁への署名提出行動を行った)
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週刊『三里塚』(S889号1面4)(2014/02/10)
支援連が成田駅頭で連続街宣
3万人署名の先頭に
「40年前に参加」の人も

反対同盟のビラまき・街宣が支援連によって毎週水曜に行われているが今年も1月15日から開始された。3月26日から始まる市東さんの農地裁判・控訴審闘争勝利に向けた署名・街宣が成田駅頭で連続的に展開されている。
1月29日、支援連がかわるがわるマイクをもって、一審千葉地裁・多見谷裁判長による極悪の農地強奪判決の弾劾と農地取り上げ反対の署名を訴えた(写真)。通行人も足を止めて聞き入り、積極的に署名に応じて「がんばってください」と激励していく人もいる。この日は30筆の協力を得た。
1971年の強制代執行の時に駆け付けた、という人が声をかけて署名してくれた。「北原さんは元気ですか」という問いに「91歳になり元気でがんばっていますよ」というと驚きの表情を見せた。
とりわけ、三里塚が50年近くも闘い続けていることには驚いていた。この人は、第2次羽田闘争の時に逮捕され、葉山岳夫弁護士が接見に来てくれたという。「協力します」と約束してくれた。
街宣では、かつて三里塚闘争に参加したことがあるという人に出会うことが多い。三里塚闘争の大きさ・偉大さを実感する。
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週刊『三里塚』(S889号1面5)(2014/02/10)
団結街道
ユニクロやワタミをはじめ、長時間労働や使い捨てなどの過酷な労働実態は「ブラック企業」として暴かれ、衆目の認めるところとなっている。だが、グローバル企業のブランド品や廉価商品のために搾取される海外の実態は、さらにひどい▼1月29日、NHKの「クローズアップ現代」で長時間・低賃金に加え、全く安全をかえりみない劣悪な労働現場が紹介された。靴皮の加工を素足で行い、薬品で皮膚がただれるバングラデシュの労働者。やすりがけに手袋も支給されず、多発する事故に怒るミャンマーの労働者。撮影したNGOは「現代の奴隷労働」だと言う▼こうした問題が急速に顕在化し、国連は「状況改善の責任はグローバル企業の側にある」という指針を策定した。海外委託先の労働問題を、経営を揺るがしかねない「人権リスク」として対応に追われるグローバル企業▼だが、労働者の人権問題をリスクととらえるこの感性はなんだ! こうした発想は2003年頃からCSR(企業の社会的責任)として浮上してきた。新自由主義による極限的破壊が社会問題化したら、今度はそれを逆手にとって対策をウリにする。環境対策の喧伝にも通じる腐りきった姿ではないか▼人権問題として世界的に対応が迫られるほど労働者の怒りが爆発しているということだ。新自由主義の破綻はここまで来ている。都知事選で切り開いた階級的労働運動の前進で、新自由主義打倒へ突き進もう!
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週刊『三里塚』(S889号1面6)(2014/02/10)
《三里塚闘争裁判》
●3月6日(木)
鈴木さん一坪裁判 午前10時30分
●3月10日(月)
第3誘導路裁判 午前10時30分
(いずれも千葉地裁)
●3月26日(水)午後2時
市東さん農地裁判控訴審 東京高裁
●4月28日(月)団結街道裁判
午前10時30分 千葉地裁
●5月27日(火)天神峰ヤグラ裁判
午前10時30分 千葉地裁
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週刊『三里塚』(S889号1面7)(2014/02/10)
【要項】2・16国鉄集会
【東 京】2・16国鉄集会
2月16日(日)午後6時 すみだ産業会館8階 サンライズホール
呼びかけ/国鉄闘争全国運動
【北海道】2・16北海道集会
2月16日(日)午後1時半 札幌市・北海道建設会館
主催/国鉄闘争全国運動・北海道
【九 州】2・16国鉄集会
2月16日(日)午後1時半 福岡市中央市民センター
主催/国鉄闘争全国運動・九州
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週刊『三里塚』(S889号1面8)(2014/02/10)
闘いの言葉
五輪を正面から取り上げる候補は私以外にない。五輪を騒ぎ立てることによって原発を再稼働しようとしている。こういう魂胆を見抜かなければいけない。
1月30日 都知事選・鈴木たつお候補
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週刊『三里塚』(S889号2面1)(2014/02/10)
全学連三里塚 現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
圧巻 NHK前演説
都知事選街宣を担う
東北大学・I
先日までの暖かさから一転、寒風が吹きすさぶ東京です。今日は東京でも雪が降りました。
僕は今、東京都知事選に立候補した鈴木たつお候補のボランティアスタッフとして都内を駆け回っています。1月23日から始まった選挙戦も終盤に入り、全国からの応援も強化される中で価値創造的な闘いが繰り広げられています。なんとしてもこの選挙戦に勝利したい。
この選挙戦でまず実感したことは、僕たちの主張が労働者に当たり前に受け入れられるということです。ひとたび街頭に登場すれば、多くの人が立ち止まって聞き入ります。「よくぞ言ってくれた」と握手を求める人、自らの職場や家庭での状況や問題意識をぶつけてくる人、自分も同じ考えだったと飛び入りで演説する人などが次々と現れ、闘いの輪が広がっていきます。
鈴木たつお候補の訴えは鮮明です。「1千万人の怒りでアベを倒そう!」「改憲・戦争・人権侵害を許さない!」という2つのスローガン、「戦争させない」「被曝させない」「貧困・過労死をゆるさない」「だからオリンピックはやらない」「弾圧と闘う」という5つの政策は、労働者が労働者としての誇りを取り戻すためには当たり前のものだと思います。しかしこれらをつかむには、労働者階級とともに呼吸すること、闘いを実践することが必要不可欠です。そして自分の経験を踏まえてあいまいさなく訴えるからこそ、その言葉も響くものになってきました。
特に1月30日のNHK前での演説が象徴的でした。彼が日放労長崎の分会長だった時代の闘いに触れ、NHKで働く労働者に対して「ディレクターも記者もアナウンサーも、ジャーナリストではなく労働者階級として団結した時に闘えるし勝利することができる」ということを熱烈に訴えました。加えてかつてNHK労働者として闘った仲間の発言が続き、雨の中でも多くの労働者の注目を集め、ビラが次々と受け取られていきます。
*
街頭宣伝では多くの労働現場を訪れました。北区の浮間舟渡にある鈴木コンクリート工業の工場前、東京都庁前、NHK前、JR本社、JR貨物本社前…。労働者と肉薄し、闘う労働組合を甦らせることで勝利することができるということ、そしてともに決起することを訴える、どこにこんな選挙戦があったでしょうか。この選挙戦は人気取りや政党の動員による票取り合戦とはまったく違います。ともにつながり闘う仲間を生み出し、その力で安倍政権に反撃していく闘いなのです。
今、名護市長選挙での稲嶺氏の当選、大阪市の橋下市長の打倒と労働者の団結で戦争政策、新自由主義政策を跳ね返す勝利が闘い取られています。労働者―農民―学生が団結し、繰り返し繰り返し闘いを叩きつけることで、団結は必ず拡大し、最後には勝利を勝ち取ることができます。
三里塚闘争も断固労働者階級の海の中に飛び込み、労農連帯の拡大を勝ち取ろう! 団結の拡大から市東さんの農地決戦勝利へ!
(写真 鈴木候補とともに、都知事選での街宣闘争を闘う全学連行動隊【1月30日 都庁前】)
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週刊『三里塚』(S889号2面2)(2014/02/10)
“減反”廃止を許すな
農業破壊に走る安倍政権
日帝・安倍政権による農業・農民切り捨て攻撃が強まっている。その一つが減反廃止政策だ。安倍政権は昨年11月6日に「5年後をメドに生産調整政策を廃止する」と発表した。1月24日の施政方針演説でも、「40年以上続いてきた米の生産調整を見直します。いわゆる『減反』を廃止します」と明言した。
これは、TPP協定締結を前提に、外国からの激安の農産物流入を見越して、小規模農業切り捨て・淘汰を強行するための許しがたい農業破壊攻撃だ。
米の減反を廃止するということは、米の価格政策を一切やめるということであり、それは即ち、米の値段を市場原理に任せるということを意味する。その結果は、米の価格の暴落であり、日本農業の破壊だ。
秋田県大潟村で15fもの米を生産してきた坂本進一郎さん(市東さんの農地取り上げに反対する会共同代表)は言っている。「政府は米の生産規模の拡大を言っている。15f程度をメドにしているが、その15fを作っているこの大潟村ですら米農家が立ちゆかない。そもそも平均1000fの面積のオーストラリアや100fのアメリカと、規模で競争しようとすること自体が間違いだ」と。さらに米農家の解体の一方でTPPが締結されれば、コメ農業にアメリカのカーギルやモンサントといった巨大外資が入ってくることすらありうる。
この問題は、全国農民会議の第2回総会でも議論された(記事別掲)。講演した農業ジャーナリストの大野和興さんは「減反の廃止で米の価格が市場に委ねられることになれば、一番困るのは小規模農家ではなく、中大規模農家だ。なぜなら、どの農家も莫大な借金をして規模を拡大している。そこで米の価格が暴落すれば借金を返せなくなる。そうなったら農家は生産の拡大をさらに進めるしかなくなる。これは、さらに米価の下落に拍車をかけるというアリ地獄だ。こうして倒産する農家が続出する」と。
安倍政権はこうした農家破綻を促進して、その農地を参入巨大企業に取得させようとしている。その軸になるのが「農地中間管理機構」なる農地仲介組織だ。
同機構は、広がり続ける耕作放棄地などを「意欲のある農業者に集約する」ことをうたい文句にしている。しかし、その狙いは企業への農地提供だ。そのカラクリが分かってきた。
同機構の実務は「市町村や農協、信託銀行を含む民間企業に託す」としているが、実際には民間金融機関が取り仕切ることになる。
この水路を通して、「やる気のある」企業に農地を所有させる流れを作り、「非農業者(企業)による農地所有の禁止」という農地法の基本精神に風穴を開けようという魂胆なのだ。
全国農民会議を先頭とした260万農民の決起と団結が今ほど求められている時はない。
(写真 減反廃止によって日本農業の基幹である米作りは壊滅的な打撃を受ける)
農協解体も策動
ところで見過ごせないのが、安倍政権による農協解体攻撃だ。農協の中央本部であるJA全中は、反TPP闘争の先頭に立ち、農業・農民切り捨て攻撃に抵抗する一定の役割を果たしてきた。安倍政権はこの農協骨抜きを意図的に開始したのだ。
その一つが「農協改革」と称するキャンペーンだ。2月3日、安倍政権の規制改革会議は農協の改革や農業の規制緩和の議論を本格的に開始した。農協は独占禁止法の適用を除外されるなど、法的な保護を受けている。この「保護剥奪」をちらつかせて、「農政大改革」なるものへの抵抗を封じ込めようというのだ。
JA全中は、安倍政権の減反廃止に対して反対の態度を表明していない。さらにTPPに関しても態度があいまいになってきている。「全中は、絶対反対の旗を下ろした」との観測があちこちでなされている。
経団連とJAグループは昨年11月11日、「国内農業の競争力強化に向けて」と称して協同の作業部会を設置し、初会合を開いた。ここではTPP締結が前提となっており、その下で、「競争力のある農業としてどう生き残りを図るか」という転倒した議論を、経団連を相手に行っている。
安倍政権によるさまざまな手段を使った農業・農民切り捨て攻撃を労農の団結で打ち砕かなくてはならない。
問われているのは全国農民会議を先頭とし、労働者階級と連携した労農連帯の力だ。農民の団結を直接の武器にした強固な反TPP闘争だ。
6年間もの闘いを貫徹し今なお闘い続けている韓国の韓米FTA阻止汎国民運動本部は、300もの農民団体、環境団体、市民団体、労働組合、弁護士団体、知識人で構成され、今なお巨大な運動を継続している。このような闘いを日本でも実現しよう。その最先端が農地法による農地取り上げを許さない市東さん農地裁判の控訴審決戦だ。3万人署名を集め切り、3・23全国集会〜3・26控訴審第1回弁論へ。
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週刊『三里塚』(S889号2面3)(2014/02/10)
TPP交渉が緊迫
2月22日から閣僚会議
TPP交渉の閣僚会合が2月22日シンガポールで開催されることが分かった。秋の中間選挙日程に規定されて3月末決着を狙うアメリカ帝国主義が、日帝・安倍政権に、農産物5項目(いわゆる聖域5品目)の放棄ないし大幅譲歩を強硬に迫ってくることは間違いない。安倍政権はその要求に乗るタイミングを見計らっている。今こそ労農が連帯して反TPPの闘いを強める時だ。
昨年12月7日〜9日まで、シンガポールで行われたTPP閣僚会議は、物別れに終わった。その理由は、アメリカの通商代表フロマンによる米帝利害のゴリ押しによるものだった。
報道によれば「事務局交渉では農産物5品目について、一部を例外扱いにしつつ一部を撤廃する妥協案を練っていたが、シンガポール交渉でフロマンがこれらを破棄、『農産物関税の全廃』」を要求した」と。
政府系企業の改革など、ベトナム、マレーシアと対立する分野でも主席交渉官が「改革までの期間を長くする妥協案を両国に提示していたが、本会合では、フロマン代表が早急な改革を要求する強硬な要求に変えてきた」。
しかし、2月の会合では、アメリカ主導のもとTPP交渉妥結にむけて一気に事態が動く可能性は高い。アメリカはあらゆる外交手段、手練手管を動員して、強行妥結に向かおうとしている。
反TPP闘争は最大の山場を迎えた。2月4日には、毎週第1火曜日に闘われている首相官邸前行動が展開され、あらためて怒りの声を上げた。「TPPに反対する人びとの運動」など市民団体の危機感も強く行動が呼びかけられている。
全国農民会議を先頭に260万農民の団結で行動に立ち上がろう。
(写真 アメリカ代表の強硬姿勢によって挫折した昨年のTPP閣僚会議【12月10日 シンガポール】)
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週刊『三里塚』(S889号2面4)(2014/02/10)
第2回総会熱い論議
全国農民会議 今こそ組織拡大へ
2月1日〜2日と、全国農民会議の第2回総会が福島県二本松市で行われ大成功した。総会には、地元福島を中心に東北は宮城・山形、関東は千葉・山梨・茨城、信越は新潟、さらに岡山、そして南は沖縄から農民会議会員が集まり、熱い論議を行った。
1日目は1年間の総括、決算・予算の承認と2014年闘争方針の討論。さらに2本の講演。2日目は福島からの報告と自由な討論という日程で行われた。共同代表の千葉県匝瑳市・小川浩さんが総括を提起した。三里塚闘争への取り組み、反原発、反TPP集会への参加など1年間の会議としての闘いと意義を報告した。「年末に亡くなった萩原進さんの遺志を農民会議としても必ず引き継ぎ、農地裁判控訴審闘争の勝利をはじめ、組織拡大など全力でやりきりたい」と訴えた。報告が全体で承認された。
反対同盟から市東孝雄さんと萩原富夫さんが発言、農地裁判控訴審闘争の支援を訴えた。
講演ではまず、三里塚反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫さんが、市東さん農地裁判の解説と提起を行った。「空港公団は、すべて土地収用で解決すれば、畑の場所特定などに間違いがあっても闇に葬れるとタカをくくっていた。しかし、その土地収用が不可能となった結果、悪事が全面的に明るみに出た。1審千葉地裁多見谷判決はNAAの違憲・違法をすべて容認した。控訴審で打ち砕こう」と提起した。続いて、農業ジャーナリストの大野和興さんが、現在切迫しているTPP協定締結攻撃について「生きる権利の侵害だ。闘う農民の決起が今ほど求められている時はない」と訴えた。
2日目は福島からの現地報告を受け、放射能汚染と農産物の問題を中心に、熱い討論を交わして組織拡大を誓った。
(写真 全国農民会議第2回総会で発言する市東孝雄さん【2月1日 福島県二本松市】)
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週刊『三里塚』(S889号2面5)(2014/02/10)
原発の新増設を主張
東電などが自民党内工作
東京電力などで作る電気事業連合会(電事連)が、自民党議員を対象に、原発の新設・増設を促す文書を配布していたことが判明した。(1月31日付 朝日新聞)
安倍政権は昨年12月にエネルギー基本計画の原案を決め、今年1月に閣議決定する予定だった。ところが経済産業省の主導で「原発は重要なベース電源」との内容になっていることに対して、自民党の一部から「衆院選公約と違う」との異論が出て、当初日程を撤回せざるをえなくなった。
そこで自民党執行部は1月6日から20日まで、エネルギー需給に関する基本方針など4点を尋ねる議員アンケートを実施した。今回電事連が配った文書はこのアンケートに対する「模範回答」ともいうべき文書。
特に問題なのは、「原発の新設・増設・建て替え」を積極的に主張している点だ。さすがの安倍政権も、労働者人民の反発を恐れて現時点でそこまでは主張することはできない。言っているのは「再稼働」までだ。
「原発については段階的縮小」などの立場をとる「中間派」議員を主な工作の対象に、安倍政権のエネルギー計画の中に「原発は重要なベース電源」という内容を強引に盛り込もうと、旧態依然たる”原子力ムラ”の手法で、ムラの利益の実現を狙う抱き込み工作を行なっているのだ。これには得意の利益誘導がセットになっていることは火を見るよりも明らかだ。
自民党全議員へのアンケート項目は、@エネルギーの需給に関する基本的な方針Aエネルギーの需給に関し、長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策Bエネルギーの研究開発のための技術的施策などとなっている。
電事連はこれらに関する「模範回答」を用意し@に対する回答として「原発を一定程度の規模を確保すること。そのための新増設。リプレース(建て替え)の必要性を明確化する」などと記載した。Aに対しては「核燃料サイクルを着実に推進する」とした上で、原発事故が起きた場合の電力会社の負担を軽くするため「損害賠償制度における国と民間の役割分担など……を進める」として、これも現段階での安倍政権の政策を、電力会社寄りに進めた身勝手な内容となっている。
汚染水問題を含め事故はまったく収束せず、福島第1原発の敷地境界の被曝線量が基準の8倍に達することが新たに判明するなど、泥沼の一途だ。そうした現実を前に再稼働だけでは「不十分だ」として、原発の新増設を主張するとは何という態度か。3・11郡山集会の成功へ、全原発廃炉の闘いを強めよう。
(写真 東電などで作る電気事業連合会が原発の新増設にむけた政界工作を行っていることを報じる朝日新聞【1月31日】)
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週刊『三里塚』(S889号2面6)(2014/02/10)
北総の空の下で
点から面へ
一斉行動で手応え
冬真只中です。モコモコに着膨れて、寒風の中での農作業が続きます。暖冬より、冬は寒いほうが春野菜の出来がいいようです。野菜も人も、寒さに耐える中で多くのものを蓄えるのでしょうね。
1月26日、今年初の周辺署名一斉行動に参加しました。控訴審に向けた新署名の第1弾です。私は、空港北側直下と側面にあたる二地域を回りました。
前回留守や回りきれなかったお宅で、新たに5軒から9筆の署名をもらうことができました。去年積極的に支援してくれたお宅では近所を紹介してくれたり、他県で働いている息子の署名を加えてくれたり、一つでも増やそうと親身になってくれました。騒音問題やTPPへの危惧など、相手の問題意識も少しずつ聞かせてもらえるようになりました。
全体の署名総数は、昨年の初回に比べて格段に多く、「点から面へ」じわじわと浸透している手ごたえを実感できた1日でした。
長期間のブランクがあるとはいえ、昔各部落に空港反対同盟のあった地域です。前回手渡ししたカラーパンフレットが、埋(うず)み火の点火剤になった側面もあると思います。
また、多くのお宅で、昨年末急逝した萩原進さんの話題になりました。「かっこよかったよ!」という若かりし日の姿とか。
北総台地に新たな闘いの火を灯すこと、農民が社会変革の一翼を担うこと――進さんが強力なリーダーシップでめざしたことを全員の力で実現します。
北里一枝
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週刊『三里塚』(S889号2面7)(2014/02/10)
ヤグラ裁判を闘う
不当な訴訟指揮を弾劾
1月22日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、天神峰ヤグラ裁判の口頭弁論が開かれた。この裁判は、市東孝雄さんの農地裁判で、成田空港会社(NAA)が市東さんに明け渡しを求めている物件のうち、天神峰の監視ヤグラなど4つの工作物が反対同盟の所有であることを認めさせて、強制撤去を阻止するためものだ。
多見谷裁判長は前回、NAAに「原告の請求に対して却下を求める方法もある」と露骨に門前払いをそそのかした。それに応じて今回NAAは1月14日付で、事実関係で争うことを放棄して「請求却下を求める」という書面を臆面もなく提出してきた。裁判所の却下判決を当てにした裁判の常識さえ踏みにじるやり口だ。反対同盟顧問弁護団は「公平な訴訟指揮をやれ」と突きつけ、傍聴席からも多見谷弾劾の声が飛んだ。
さらに、NAAが「所有権のことは執行の段階で申し出ればいい」などと主張していることについて、弁護団は2011年8月6日の現闘本部撤去強制執行時の現実を示して反論した。この時、反対同盟には成田治安法の封鎖解除の通知はなく、執行宣告もなく、立ち会いを求めもせず、執行官に面談を求めた顧問弁護団にはNAA職員を名乗る者が立ちはだかった。これが三里塚への攻撃の現実だ。「これを知っているのか」との追及に対し、NAAの代理人弁護士は「この場で答えるつもりはない」と居直った。弁護団は書面での釈明を断固要求した。
また弁護団は、反対同盟作成の新パンフ「市東さんの農地裁判控訴審勝利へ!農地は私たちの命」を証拠提出した。
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週刊『三里塚』(S889号2面8)(2014/02/10)
三芝百景 三里塚現地日誌 2014
1月22日(水)〜2月4日(火)
●千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)の下で天神峰やぐら裁判が闘われた。前回、多見谷裁判長から「請求却下を求める方法もある」と促されたNAAはそれに従い、却下申請を出してきた。この露骨な連携プレーを反対同盟、支援者が徹底弾劾した。(22日=写真=2面に記事)
●三里塚闘争支援連絡会議は、京成成田駅頭で、市東農地裁判控訴審の勝利をめざして、新3万人署名を呼びかけた。(22日)
●全日空につづいて日本航空も成田―ロドン線を休止して、羽田にシフトさせる方針を発表した。(22日)
●反対同盟は新年第1回目の周辺一斉行動を行い、170筆の農地裁判控訴審署名を集めた。(26日=1面に記事)
●三里塚闘争支援連絡会議は、京成成田駅頭で、市東農地裁判控訴審の勝利にむけ、新3万人署名を訴えた。(29日=1面に記事)
●今年3月末に始まる羽田空港の国際線増枠に伴って、成田から羽田に移る航空便数が週に63便になることが分かった。まだ、シフトについて決めていない航空会社があるためこれからさらに増える可能性も指摘されている。(31日)
●TPP交渉の閣僚会合が2月22日〜25日の4日間の日程でシンガポールで開催される見通しであることが報道された。(31日)
●NAAは格安航空(LCC)専用ターミナルと駐機場のために、空港敷地を西側に6f拡張する変更申請を国土交通省に提出した。(31日)
●全国農民会議の第2回総会が福島県二本松市で開かれ、反対同盟から市東孝雄さんと萩原富夫さんが参加した。(2月1〜2日=2面に記事)
●LCC専用ターミナルのための空港拡張について、NAAは取香地区約40軒の地権者から土地の買収を進めてきたが、2人の地権者は最後まで買収を拒否したことが分かった。その結果、当初予定より搭乗用スペースが3機分狭くなった。(3日)
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