SANRIZUKA 2014/01/01(No886 p02) 
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週刊『三里塚』(S886号1面1)(2014/01/01)
2014年を三里塚勝利の年に
3・23三里塚全国集会(東京 芝公園)に立とう
反対同盟・農民会議新春座談会
(写真 2014年の闘いについて、率直に議論を交わした新年座談会【12月11日】)
裁判長圧倒しよう 市東
年頭から署名全力で 萩原
安倍は崖っぷちだ 伊藤
新自由主義は破産 小川
《新春座談会出席者》
市東孝雄さん(敷地内・天神峰)
萩原富夫さん(敷地内・東峰)
伊藤信晴さん(芝山町・白桝)
小川浩さん(全国農民会議)
司会 週刊「三里塚」編集委員会

(写真左から 市東孝雄さん、萩原富夫さん、伊藤信晴さん、小川浩さん)
三里塚闘争は2013年、市東孝雄さんの農地裁判を中心とした闘いを断固、勝利的に闘いぬいた。2014年決戦に勇躍躍り込む決定的な地歩を築いた。農地取り上げの仮執行宣言を粉砕した地平に立ち「霞が関に攻め上る」展望を開いた。年3月23日に東京・芝公園で開催される全国集会へ、そして3月26日の控訴審裁判第一回弁論へ。年初から開始される3万人署名の貫徹へ、動労千葉をはじめとする国鉄決戦、10万人署名の前進と一体となって決起しよう。
――2013年三里塚闘争は市東さん裁判の千葉地裁闘争を軸に激しく闘いました。その総括と14年の展望を語っていただきたいと思います。
市東 人によっては、13年を「勝利した」と総括するだろう。確かに全体皆よくやってくれて高揚した一年であった。けど、俺の中では「勝利的に闘った」との気持ち。と言うのは、これからがもっと大変だから。
東京高裁、霞が関では、いろいろな課題が出ると思うよ。早速、同盟は3月全国集会を東京にした。これを成功させ、控訴審闘争に突進していかなればならない。控訴審では早く判決を出すから、千葉地裁以上の闘いが必要だ。貝阿彌(かいあみ)裁判長に、空港会社がいかにひどいのか、頭にたたきつけなければならない。裁判長が寝ても「こんなことを言われた、あんなことを言われた」と残るぐらいの攻勢をかけ、「俺の土地は金じゃない」、「いかに土地で親子3代やってきたのを守りぬくか」ということを知らしめることだ。実際うちの畑に来た人は「すごいいい土だ」と言いますよ。
だから、俺の13年の闘いの評価は、まぁ75lかな。14年は80l以上、いよいよ100lに近づけるような闘い方をできればいいなと思う。そのためには皆がいろいろな知恵を出してやってもらいたい。
萩原 13年、同盟は周辺情宣の一斉行動を全力で行ったが、さらに強化して行きたい。今日も自分は、飛行直下の(下総地区)西大須賀にオルグに行った。伺うと、家族で「ああ、どうも。どうも」とニコニコ迎えてくれるんだよね。皆、声を上げないと生活を守れない。同盟への期待は強くなっている。
小川 一審は、6年かかったけど。控訴審は、判決まで早いよね。その点、今までのような考えではできない。3・23東京集会、3・26第1回控訴審弁論。最初が肝心だよね。
市東さんは「75lの勝利」と言うけど。2013年は年明けから、署名、周辺情宣。千葉のトラクターデモをやりきった。そういった闘いを見直して、14年その上で何ができるのかということだ。本当に勝利をかちとるためには、まだまだ足りないと思うんだよね。
萩原 広がりをもっとつくると言うことだ。年頭から署名に全力で取り組もう。署名は前回の署名者にもまた貰うけど、繰り返し行くことによって違うよね。仲間の人に拡がる可能性がある。
伊藤 前回の1万2千の倍以上だから、がんばらないと。
市東 前回は、緊急で2カ月だった。今回は期間が延びるので増えるだろうけど、署名の拡大は集め方だと思う。
今までの枠から出た闘い方を、今度こそ実現したい。三里塚闘争も世間とかみ合って来たよ。これまで孤立した過去のものと成田闘争がキャンペーンされてきたが、ここ何年でネットやブログで広がりが見えてきた。
小川 霞が関の反TPP・反原発闘争とかみ合ってやれば拡がる。
伊藤 原発事故が起きて、「金より命」のスローガンが出てるじゃない。市東さんの闘いは、そのとおりだ。日本の労働運動、労組は「闘わなければ生きていけない」というところに来ている。労働組合も、そこをこじ開けられるかに存立がかかっている。そう考えると、労働者が自分の厳しさを踏まえて市東さんの闘いを自分たちの課題とすることによって壁を突破していく。
萩原 若い人の盛り上がりをどう労働運動に組織していくか、そこに気づいて動き出している人は多いと思うよ。派遣労働者の現実は、すごいじゃないですか。職場でがんばらなければという動きが出ているね。
伊藤 そのような青年労働者が、市東さんの闘いに勇気づけられて、三里塚に来るなど動き出すと大きいと思うんだ。それを作るしかない。13年の闘いは、われわれの周りはある程度やったからね、14年は青年労働者の決起を作りたい。
TPP許さない
伊藤 特定秘密保護法、TPP、経済政策にしても、歴代政権ではここまで踏み込めなかった。経済では禁じ手とした国債の買い上げなど、破綻が見え見えの財政再建に踏み込んだ。にっちもさっちも行かない崖っぷちに安倍はある。だから国家主義で、労働者・農民にはいっさい配慮はしない。この安倍の反動がどこまで続くかは、われわれの闘いいかんだ。
市東 実際のところ、安倍は脆弱なんだよ。だから一気にいかないと自分が折れてしまうところにある。消費増税がおこなわれれば、安倍の支持率はもっと下がる。税金は取れるところからむしりとっている。軽自動車税も上げようとしているね。
小川 それはTPPに関係している。日米協議で軽自動車は槍玉に挙げられているから。
市東 アメリカに自動車など工業製品を売り込むため農業はつぶされる。
伊藤 堤未果『貧困大国』に出ていたが、アメリカはGM(遺伝子組み換え作物)などの農産物の特許を武器に他国の農業を支配しようとしている。アメリカがTPP交渉において、知的財産権にこだわる理由だ。
小川 アメリカは、農業関係の特許を多数もっているからね。
――減反政策の廃止について、意味するものを聞きたい。
小川 減反政策の廃止はこれまで自民党がやりたくてもできなかったことだが、こんな滅茶苦茶なことはない。減反政策は食管政策を廃止して71年頃からやり始めたが、国が需給調整して、一定の価格政策として米価格を維持する役割を持っていた。しかし、それをやめるというのは、米の値段を政策的に下げるということだ。そして、今やっている戸別補償を来年半分、将来ゼロにする。
つまり自民党がこれまでやってきた小さい農家をつぶすことに本格的に手をつけてきたということ。安倍は飼料米に転換すると言っているけど、彼にとってはどうでもいいこと。安倍は、競争力のある農業ということで、生産法人なり企業なりを作って行く、小さい農家を切り捨てて。
――農地集約中間管理機構など安倍の農業の成長戦略(注1)と関係していますね。
小川 10年間で8割の農地を「担い手農家」(注2)か、法人に集積するとしている。今回の中間管理機構は、民主党も尊重すると言い出した。産業競争力会議などでは、集約事業は市町村等にもできる。「等」と言うのは、不動産業者などにも委託できるということだ。白紙委任状で農家から管理機構が委託され、ある程度まとめて借り手に貸す。誰が貸すのを決めるのか。産業会議では、「農業は地域のものだという考えはダメだ」と盛んに強調していた。結局は企業のためだ。
市東 企業は、利益を一番に優先するから結局はダメですよ。農業がダメなら土地を違うのにまわす。企業が農地を保有したいのは、農地を潰して自分たちのために使うためだ。昨年を通して私が強く感じているのは、全国農民と関係できたこと。小川さんなど全国農民会議、福島・山形・山梨など農民が取り組んでくれたというのが大きい。労働者は前から動労千葉はじめやってくれたが、今回は農民がやってくれた。地元成田の農家の結集もできればね。しかし、成田の農家は保守だからね。
小川 それはどこでも同じ。それを突破する契機として、市東さん農地を守る闘いがある。市東さんの農地取り上げは、農業政策の見直しで8割の農家をつぶす安倍の農業破壊そのものだ。市東さんの農地取り上げ問題をとおして安倍の農業政策をきちんと批判していく。新自由主義が完全に行きづまっている中で、労働者にとって生きていくことができない状況。農民だって小さい農家はやめていく。安倍の農民に対する攻撃は、農業・農民に対する国鉄民営化みたいなもの。農地の集約と言うけど農業の6次産業化で、企業の参入・提携ということになる。いずれにせよ、家族経営を一掃することにある。――成田空港の地盤沈下が進む中、NAAの攻撃も激化していますが
市東 成田空港建設は国策と言いながら、権力やNAAは堂々とできない。攻撃は、明け方や裁判で誰もいない時を狙っている。最近ガードマンがまた、家の中をのぞいている。なんでそこまでやるのか。今でも、空港機動隊は1500人体制。ビデオなどで検問を減らす分、車両などを増やし周辺警備を強化すると言っている。
――年末に台湾国営放送が取材にきました。ドイツの反核団体も三里塚に行きたいといっています。このように三里塚は、全世界の人民の抵抗運動を代表していますね。
小川 三里塚は、半世紀にわたって闘っている。市東さんは金ではないというが、これは大変なこと。農家にとってはね、金が大事でね。市東さんが金より1本の大根が大事という農民魂はすごいもんだね。
市東 それが原点だね。確かに金を貰って出て行けば楽かもしれないけど、同級生の中でもそういう風に言う人がいる。
――成田駅街宣などで「空港が出来ているのに、なぜまだ反対を続けているのか」との問いがよくあります。それに対する答えは?
市東 それは、よそ者の質問だよ。現実に俺たちは闘っているわけだから、47年間を口で言うよりそこを見てもらいたいと答えるよ。
伊藤 俺なんかは、負けたくないという…。
萩原 そう、意地だよ。
小川 農民会議の中でも同じで、結局、大義の問題でしょう。率直な疑問から、俺の場合、同じ農家が国家権力を向こうにまわしてやっている、これは一体なんだろうかということで、最初は疑問だよね。その上で、援農したり、闘争に来たりして理解を深めていった。戦前では谷中村闘争が多数の活動家を輩出したように、戦後は三里塚で無数の革命家を生み出している。ここだよね。
市東 伊藤さんと萩原さんは意地と言うけど、俺は違うんだよね。結局、意地と意地のつまらない争いにとられちゃうんじゃないか。だから意地の中身が問題で、三里塚の場合は一般的な意地じゃない。
萩原 そう、自分の利害や感情の問題じゃない。全人民のために闘い続けているということで、これは意地でも通したいということ。だから三里塚は止められない。
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(注1)安倍は、成長戦略第二弾において農業競争力強化・10年間で農業所得倍増、そのために農産物輸出倍増、6次産業化の推進、農地集積による生産性向上の三つを方針とした。農地集積については、都道府県段階に農地の中間的な受け皿機関である公的な機構を新たに設置、この機構が農地をいったん借り受けて、大規模農家や農業法人などの農業の担い手に貸しつける。
(注2)農業経営強化促進法に基づいて承認された一定規模以上の農家や集落営農を指す。
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週刊『三里塚』(S886号1面2)(2014/01/01)
3・26控訴審第1回弁論へ
反対同盟の新年アピール
全てかけ農地死守 「48年の闘いは正しかった」 ●事務局長 北原鉱治さん
2013年、三里塚は大きな勝利を闘いとったと思う。市東孝雄さんへの理不尽極まりない農地取り上げの攻撃に対して、いまだかつてない闘いをやったと自負できる。かつてない規模の宣伝戦をやりぬいた。私自身も闘ったが周辺地域へのねばり強い訴えかけ、これも従来の水準を超えたと思う。辻立ち演説を何度も行った。家の中で聞いている。中には表に出てきて激励してくれる人もいた。こうした闘いで「仮執行宣言」を付けさせなかった。1万2千人という全国のみなさんの奮闘と応援に感謝している。
今度は東京高裁だ。3・23全国集会そして3・26第1回弁論にむけ反対同盟は、決戦の年として、決意を固めている。すべてをかけて市東農地裁判の控訴審に勝利する。市東さんの家は、おじいさんが開墾し、3代100年もの間耕し続けてきた。これ自体が大変なことだ。そのかけがえのない農地を、破綻した空港用地のために奪うなど言語道断、絶対に許さない。
秘密保護法制定の攻撃を見て、ますます、第2次大戦前の状況に近づいたと危機感を抱く。三里塚は人間の生きる権利を主張してきた闘いだが、48年目を迎えて、その責任はますます大きい。三里塚が先頭になって、安倍政権の打倒へ、その憲法改悪・戦争へ向かった政治を何としても止めよう。
私は人間としての生きざまをかけて、闘いの先頭に立つ。TPPにも断固反対する。今、自分たちが立ち上がらなければ未来はない。私が、この道を選んできたことに後悔はないし正しかったと胸を張れる。
霞が関に攻め上る 「減反廃止に怒る農民と共に」 ●事務局次長 萩原進さん
われわれはチャンスを迎えていると感じる。阿倍の戦争政治を見てみろと言いたい。特定秘密保護法案は国会を通ったが、誰もうなだれている者はいない。首相官邸前での反原発の闘いに感心している。規模の大きさで何十万何百万という動員までは至っていないかもしれないが、2年8カ月も毎週毎週止まることなく叫び続けるこの持続性はすごい。経産省前でのテントもそうだ。
さらに先日は狭山差別裁判に対して闘う石川一雄さんの宣伝活動と行きき合ってあいさつしたが、霞が関は怒りのるつぼとなっている。動労千葉の鉄建公団訴訟も最高裁の闘いになっている。
われわれは、市東さんの農地取り上げを何がなんでも打ち砕くために、こういう霞が関に2014年乗り込んでいく。そして「反国策」「反国策裁判」で、大きな統一戦線を作りたい。
2013年、われわれは48年の歴史の中で初めてと言ってもいいくらいの取り組みとして、周辺地域への連続的な訴えを行ってきた。大きな成果を挙げた。やっぱり「3・11」なんだよ。原発事故で、地域に利益をもたらす国策という幻想が崩れ去った。考えてみれば、空港も一緒じゃないかと。「共存共栄」の化けの皮がはがれてきているのも事実だ。毎月取り組み8回目になった。共感を表明してくれる人も出てきている。
実際に成田空港の行きづまりがますます明らかになってきている。全日空が成田から羽田へのシフトの方向性を出した。もう一つ大きな問題は減反だ。あれはTPPの先取り。春には稲の作付が始まるが、農民たちはどうしたらいいのかと右往左往する。三里塚はこの農民の怒りと結びついていく。市東さん裁判控訴審闘争勝利の決意を込めて3・23全国集会はあえて東京で、とした。2014年、面白い勝負ができそうだ。
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週刊『三里塚』(S886号1面3)(2014/01/01)
団結街道
12月9日、全日空が、自らの国際線について、成田から羽田へ大幅にシフトする方針を発表した。羽田空港の国際線枠が来年3月30日から3万回増えることに伴って、同社は毎日往復11便を分け与えられることになった。この増枠分を使って、現在の10路線から16路線へと6路線新設するという▼戦々恐々なのが成田空港会社(NAA)だ。羽田ではすでに国際線が6万回飛んでいるが、成田に配慮してどれも深夜・早朝だ。今回初めて昼間の時間帯に年3万回(毎日の便数に直すと往復計算で40便)を認めた。「脅威」だ。NAAの夏目誠社長も「羽田に移って成田に(地盤沈下の)影響が出るのは避けられない」と認めた▼全日空の方針発表でその流れが明確になった。同社は成田―ロンドン線を廃止して、羽田―ロンドン線とする。さらに、毎日2便飛ばしている成田―シンガポール線、成田―バンコク線のうち1便を羽田に移す。この両路線の残された1便もやがて羽田に移されることはまちがいない▼都心から70`も離れた成田まで来なくても羽田から同じルートで飛行便があるなら、大半の旅客がそちらに移る。国内線との乗り継ぎ便の多さも比較にならない▼成田は48年前の強引な位置決定、暴力的な空港建設という、原点的矛盾に結局引き戻される。それもこれも半世紀近くにわたる三里塚闘争の力だ▼市東さんの農地を守る闘いが決戦となる2014年。動労千葉を先頭とした6千万労働者との連帯、あらゆる階層の人びとの反国策の闘いとの結合を求めて、三里塚は霞が関をめざす。
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週刊『三里塚』(S886号1面4)(2014/01/01)
闘いの言葉
2013年の闘いは75lの勝利だったと思う。14年は高裁を押しつぶすような勢いの闘いをやり、80l、100lの勝利をもぎり取ろう。
12月11日 市東孝雄さん
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週刊『三里塚』(S886号1面5)(2014/01/01)
【要項】1・12新年団結旗開き、三里塚闘争裁判
1・12新年団結旗開き
●新年デモ 1月12日(日)午前10時30分
市東さん宅南側開拓道路集合
●団結旗開き 午後1時 「ハナマサ」 (成田市並木町大久保219−304)
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《三里塚闘争裁判》
●1月22日(水)
天神峰やぐら裁判 午前10時30分
●3月6日(木)
鈴木さん一坪裁判 午前10時30分
●3月10日(月)
第3誘導路裁判 午前10時30分
(いずれも千葉地裁)
●3月26日(水)午後2時
市東さん農地裁判控訴審 東京高裁
●4月28日(月)
団結街道裁判 午前10時30分 千葉地裁
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週刊『三里塚』(S886号2面1)(2014/01/01)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
青年・学生の決起で歴史を動かそう!
行動隊 年頭の決意
世界大恐慌―3・11情勢が深化し、新自由主義の大崩壊が始まる中で、支配階級は分裂し、東アジアをめぐる争闘戦が激化している。大恐慌の根底にある「過剰資本・過剰生産力」の矛盾を資本主義は解決できず、超金融緩和政策の繰り延べで息継ぎしているにすぎない。
安倍政権は治安弾圧を強化しつつ大失業と戦争へと絶望的に突進している。一方で、労働者階級の生きんがための革命的大衆行動の爆発が始まった。安倍を打倒する怒りが地に満ちている。
今年は、この怒りを束ね、戦争・改憲、原発推進の安倍政権を打倒し、プロレタリア独裁権力を打ち立てることができるのか否かの大決戦だ。
昨年の国鉄闘争を圧倒的基軸にすえた闘いは、新自由主義攻撃の一切をひっくり返す展望を切り開いた。9・25判決は、「民営化・外注化・非正規化」の突破口としてあった国鉄分割・民営化における採用差別が不当労働行為であったことを反動の牙城・東京高裁に認めさせたのだ。
今こそ「解雇撤回・JR復帰」の新たな10万筆署名と「反合・運転保安闘争路線」を武器に「解雇撤回、外注化・非正規職撤廃、被曝労働・戦争協力拒否」の闘いを推し進め、職場・キャンパスに労働組合・学生自治会権力を打ち立てよう。
同時に、その力をもって、反戦・政治闘争に決起しよう。「労働組合は労働者階級の結合の手段であり、階級対立をともなう旧来の全社会の転覆のための準備手段」だ。敵を撃破しようとする者は、闘いの費用を論議などしない。労働者階級は賃金から節約しうるすべてを注ぎこみ、革命的行動を生活の最大の楽しみとして決起してきたのだ。
三里塚闘争もまた、安倍打倒の最先端の政治的攻防点だ。世界革命の根拠地として47年にわたり絶対反対・実力闘争を貫き、日帝の戦争政策・農業政策・航空政策の破綻を強制し続けている「反戦・反権力、労農同盟・国際連帯の砦」だ。生産を担う労働者・農民が社会の主人公としての歴史的使命を自覚し、青年・学生が社会の未来を体現し、国境を越え団結したときに歴史は動く。
切りひらいてきた地平が巨大であるからこそ、反対同盟・市東孝雄さんにかけられている攻撃が凶暴化している。第3誘導路の供用、飛行時間の制限の緩和による騒音・振動・排気ガスでの生活・営農破壊を絶対に許してはならない。
裁判闘争においては、現闘本部裁判で認めなかった大法廷での開廷を認めさせ、空港会社が偽造した同意書・確認書の作成経緯等についての文書提出命令をかちとった。 もとより、反対同盟は裁判所に対する幻想は一切持っていない。しかし、絶対に勝利すると宣言している。「金・暴力・法律」をもって生きる誇りを踏みにじる国家・資本への怒りを燃やし、自らの闘いがもつ階級的意義について確信しているからだ。昨年、反対同盟は8回にわたる一斉行動で周辺住民の組織化を開始した。市東さんの「何を仕掛けてきても一切動じない」「裁判所を押しつぶす勢いで闘う」という決意にこたえ、一人でも多くの青年・学生に援農・現地調査に来てほしい。ひとたび現地に来れば闘う勇気と勝利の確信を得ることができる。
反対同盟パンフを武器に新たな3万人署名を全力で集め、職場・キャンパス丸ごとの決起で霞が関に攻め上ろう。東京・芝公園で開催される3・23全国集会―3・26第1回控訴審への大結集をかちとり、東京高裁を十重二十重に包囲しよう。
全学連は、昨年の広島大学生自治会再建の勝利を踏まえ、法政大・沖縄大・福島大〜全国で自治会権力の樹立・維持・発展に向け全力で闘うことを確認した。そして福島―沖縄―三里塚をがっちりと結合させ反戦・政治闘争の先頭に学生自治会が立つ決意を固めている。2014年、北総台地に労組旗・自治会旗を林立させ青年・学生が先頭に農地決戦勝利に向けともに闘おう。
(写真 市東さんの農地を守る闘いの先頭に立つ行動隊【2月18日 千葉地裁前】)
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週刊『三里塚』(S886号2面2)(2014/01/01)
12・14反対同盟 8回目の一斉行動に立つ
新年旗開きへの参加訴え
反対同盟と支援連は、昨年第8回目の一斉行動を、12月14日に行った。快晴の下、午前9時に天神峰の市東さん宅離れに集合。刷られたばかりの「反対同盟ニュース」最新号は、3月26日の東京高裁での農地裁判控訴審第1回への結集を呼びかけ、またこの間の秘密保護法反対運動の高揚を伝えるなどの内容だ。
萩原進事務局次長から「新年から開始する新たな3万人署名・カンパ運動を伝え、さらに反対同盟の新年旗開きへの参加を積極的に呼びかけよう」との提起を受けて、それぞれが「ニュース」を持って分担地域へと飛び出していった。
市東孝雄さんは成田市旧下総地区の西大須賀、名古屋の農村地域をまわった。この日はあいにく留守宅が多かったが、前回訪ねた時の記憶をもとに、次々と訪問し、「空港反対同盟から伺いました。農地裁判の控訴審がいよいよ3月から始まります。ニュースをぜひ読んでください」と元気よくあいさつしていった。
萩原進さんは知人を訪ね関係を深めた。萩原富夫さんは、下総地区を回って旧知の住民に「来年早々、控訴審に向けた新たな署名運動を行いますのでその節はよろしく」と声かけ。伊藤信晴さんは芝山町北部。木内敦子さんと宮本麻子さんもそれぞれ旧大栄町、多古町を訪ねて回った。
各支援はそれぞれの担当地区を粘り強く歩いた。ちなみに翌15日には、ある地区の住民から「同盟の訴えをもっと知りたいので資料がほしい」という希望が寄せられた。
夕方に市東さんの畑のビニールハウスでこの日の行動の集約が行われ、それぞれが自分の訪問先についての報告を持ち寄った。まとめとして萩原進事務局次長が、「今後は後継者となる青年層と話をすることを意識的に追求しよう。住民とここまで話ができるようになったことがこの1年間の成果だと言える。旗開きまでの間にも、それぞれ回れる人はぜひ回って対話を進めてほしい。それが控訴審闘争へ弾みをつける」と提起し、参加者のこの1年の労をねぎらった。
一日行動の熱気を引き継いで、夜には市東さん宅離れで反対同盟の団結忘年会が開かれた。冒頭に北原鉱治事務局長があいさつし、「3月26日にいよいよ控訴審第1回。市東さんは自分の利益ではなく、日本農民全体のために闘っている。48年を振り返ると、みなさんが三里塚に人生をかけて闘ってきたことは絶対に間違いではなかった。来年もともに進もう」と、一同の奮起を促した。 市東さんの音頭で乾杯。お酒と手料理で座は大いに盛り上がり、全員の笑顔が弾けた。全学連行動隊を先頭に次々と歌が飛び出し、2013年の勝利を謳歌する団結忘年会となった。
(写真 今回は市東さん宅ビニールハウスで行動の集約を行った【12月14日 成田市天神峰】)
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週刊『三里塚』(S886号2面3)(2014/01/01)
TPP年内妥結阻む
12・18 日比谷集会に2500人
反対同盟と三里塚現闘は12月8日、東京日比谷野外音楽堂で開かれた「これでいいのかTPP 12・8大行動」に参加するとともに、ビラをまいて市東さんの農地裁判控訴審の訴えを行った。
集会には全国から2500人が集まって、TPP交渉への怒りを訴えた。
この集会は、TPPに反対する弁護士ネットワーク、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会、主婦連合会の3団体が共催。
集会に賛同したのは全国各地のJA、生協、労働組合、商工会、市民団体など156団体、改めてTPPへの反対の声が全国各地で根強いことを示した。
呼びかけ団体を代表して主婦連合会の山根香織会長が、「政府は選挙公約、国会決議を無視してTPP交渉を年内に妥結しようとしている。なんとしてもこれを食い止めなければならない」とTPP交渉から即時撤退すべきだと強調するとともに、「すでに日本全国のさまざまな地域で、多国籍企業が事業に参入しており、ひたすら利益だけを追求した世の中になろうとしている。TPPはこの流れを加速させる」と、TPP参加により地域経済や市民生活が脅かされると訴えた。
そのほか、全国の代表者6人によるリレーメッセージでは、「TPPは経済自治を破壊する。日本中が限界集落になってしまう」(曽我逸郎・長野県中川村長)、「TPPは一握りのグローバル企業による世界的パワハラだ。参加すれば日本の郵政ネットワークは崩壊する」(郵政労働者)、「ISDは司法主権の侵害。TPPは稀代の悪法だ」(弁護士)など、さまざまな立場から問題点が指摘された。
集会では、「日本の主権と食の自給を脅かし…大企業の利益を優先させるTPP」は絶対に認めないこと、日本が聖域とする農産物の重要5品目や国民皆保険制度などを「守れないようなTPP交渉からは毅然と撤退すること」などを求める大会アピールを満場一致で可決した。
集会後、銀座をデモ行進。「TPPは生活を脅かす」、「日本の社会を根底から破壊する」などと道行く人に呼びかけた。
*
12・8集会にいたる粘り強い反対運動の結果、TPPの年内妥結は阻止された。しかし、来年1月に閣僚会議を開き依然として早期妥結を画策している。
今会合では、アメリカ帝国主義の露骨な新自由主義的要求に対するマレーシア、タイ、ベトナム諸国の激しい反発がきわ立った。こうした対立の根底には、新自由主義に対する全世界の労働者人民の怒りが渦巻いている。
さらに、顕著だったのは、日米対立の激化と日帝の孤立・敗勢だ。今会合で全体交渉を「主導」する予定だった日米が土壇場で対立を表面化させたことが年内妥結の失敗につながった。
反対同盟や全国農民会議がくり返し訴えているように、関税の撤廃で農漁民に犠牲を押しつけ、関連産業を含めた労働者の生活と雇用を破壊するTPPを絶対に阻止しよう。
(写真 集会に結集する労働者農民にビラをまく反対同盟と三里塚現闘【12月8日 日比谷野外音楽堂】)
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週刊『三里塚』(S886号2面4)(2014/01/01)
秘密法撤廃へ闘いを
改憲阻止決戦の始まり
12月6日、日帝・安倍政権は参院本会議において、特定秘密保護法案を強行成立させた。しかし、労働者人民の怒りは高まる一方だ。「誰もうなだれていない」(萩原進反対同盟事務局次長)。逆だ。安倍政権との全面対決の始まりであり、60年安保闘争、70年安保・沖縄決戦を超える戦争・改憲阻止の闘いの開始を告げ知らせるものだ。
早くも安倍は共謀罪の制定策動をあらわにし始めた。人民には次の行動を求める意欲がみなぎっている。さらなる怒りの噴出が始まっている。国鉄決戦と結合し、今こそ安倍打倒の闘いを爆発させよう。
(写真 特定秘密保護法の成立強行に怒り、国会前に押しかけた労農学市民【12月6日】)
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週刊『三里塚』(S886号2面5)(2014/01/01)
三里塚営農だより 市東孝雄さん宅
来年はリベンジだ
数年前の話ですが、安売りで評判の近くの市場で買ったブロッコリーを食べるのを忘れ、10日程そのまま倉庫に放置した事がありました。
その後何気なく倉庫をのぞくと10日前に置いたその場所に色も変わらす傷みも出ず買ったままの姿でそこにあったのでビックリしました。
一体どんな薬を使っているのか? 心配になりました。そんな心配のまったくない産直の有機無農薬野菜ですが、ことブロッコリーに関しては、この2年うまくできませんと言うか自分で食べる分もできませんでした。800以上の苗を植え付けたはずなのに。
市東さんも「今年はブロッコリー大丈夫だよね…食べられるよね…」と弱気になっています。他の冬野菜は順調なだけによけい目立っています。
今日15日に、遅れていた里芋の貯蔵を終わらせ、残るはヤーコンの貯蔵のみとなり、市東さんもホッと一息ついた様子。来年のブロッコリー栽培のリベンジを考えています!
(写真 一斉行動で地域を回る市東孝雄さん【12月14日】)
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週刊『三里塚』(S886号2面6)(2014/01/01)
第3誘導路裁判
「騒音調査」提出へ
第3誘導路裁判(第13回)が12月16日、民事第3部・多見谷寿郎裁判長で開かれた。現在、住民の権利・生活を著しく侵害してはならない、とする航空法にさえ違反している大騒音をめぐる問題が焦点となっている。従って、反対同盟は11月18日から23日までの間に、第3誘導路をはじめとする3本の誘導路の使用実態と飛行機の地上走行時の騒音、離着陸時の騒音の調査を市東さんの天神峰やぐらを中心に行った。その調査報告書は松井利仁教授(北海道大学)が来年5月までにまとめ、分析した結果を提出することになった。さらに市東さん宅を2本の誘導路ではさみ込み空港内に取り込んで、大騒音と排気ガスで追い出しを狙う実態を明らかにする。
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週刊『三里塚』(S886号2面7)(2014/01/01)
団結街道裁判 「低額買収」を追及
12月10日、団結街道裁判の口頭弁論が千葉地裁で開かれた。法廷では反対同盟顧問弁護団が、第3誘導路の違法性を問う新たな準備書面を提出した。
さらに、1970年の空港公団による東峰、天神峰の4カ所の開拓道路の収用裁決申請において、評価額が周辺土地(農地)の70%〜74%で評価されているのに対し、それらの道路に近い形状も似ている団結街道を空港会社に売った価格が周辺土地の20%程度でしかないことを暴露し、違法な格安売却であると弾劾し、被告側を圧倒した。
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週刊『三里塚』(S886号2面8)(2014/01/01)
三芝百景 三里塚現地日誌 2013
12月4日(水)〜12月16日(月)
●TPP締結のための閣僚会合がシンガポールで始まった。9日まで。(7日)
●反対同盟は「これでいいのかTPP 12・8大行動」に参加するとともにビラまき情宣を行った。(8日=2面に記事)
●全日空は来年3月30日から始まる夏季ダイヤの改正時に、増枠される国際線で、成田から羽田に路線をシフトさせる方針を発表した。成田―ロンドン線を廃止して羽田―ロンドン線に振り替えるなどする。また国交省は、外国航空会社むけにも16便を割り当てる方針で、ベトナム航空やインドネシア・ガルーダ航空などの羽田進出が予想されている。(9日)
●首都圏航空の発着枠拡大にむけた有識者委員会は、羽田空港の再拡張をめざすため、東京上空の飛行の可能性を検討する議論を行った。(9日)
●千葉地裁民事第3部・多見谷寿郎裁判長の下で、団結街道裁判を闘った。(10日=2面に記事)
●シンガポールで閣僚会合を行っていたTPP参加国12カ国は、目標としていた交渉の年内妥結を断念した。しかし、1月に再び閣僚会合を行う予定を発表した。(10日)
●三里塚闘争支援連絡会議は、京成駅頭で、ビラまき情宣を行った。「成田空港軍事使用の拡大を許すな」として、11月27日に行われた米軍チャーターのデルタ航空機の飛来を弾劾した。(11日)
●安倍首相は、西村康稔内閣府副大臣に対してTPP交渉の早期妥結に向けて協議を進めるよう支持した。(12日)
●反対同盟は今年8回目の周辺地域一斉行動に立ち上がり成果を上げた。この日、「反対同盟ニュース第3号」を発行して配布した。行動の後、市東孝雄さん宅離れで団結忘年会を行い、2014年の闘いの成果を確認しつつ、労をお互いにねぎらった。(14日=写真=2面に記事)
●千葉地裁民事第3部で、第3誘導路裁判を闘った。(16日=2面に記事)
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