ZENSHIN  2002/12/28

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「不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動」のアピールを掲載します。(2002年12月28日 『前進』HP編集委員会)

判決もなしに獄中に16年、不当な未決勾留を打ち破り、
無実の須賀さん、十亀さん、板垣さんの保釈をかちとる!

 12月27日、迎賓館・横田裁判で無実を訴えて不当なデッチあげ弾圧と闘いぬいてきた須賀武敏さん、十亀弘史(そがめひろふみ)さん、板垣宏さんの3氏が、15年と2か月に及ぶ前代未聞の長期未決勾留を打ち破って、東京拘置所からの保釈出獄をかちとりました。判決もなしに16年もの拘禁生活は、裁判抜きで無期の禁固刑を執行されているのと同じで絶対に許されないという、広範な人びとの怒りの声が裁判所を包囲して、司法によるこの人権侵害についにストップをかけたのです。

 12月19日、東京地裁刑事第11部(木口信之裁判長)は、12月の公判をもって事実審理が実質的に終了したことを受けて、ようやくにして3氏の保釈を認める決定を出しました。
 検察官は卑劣にもその取り消しを求めて即日、抗告を行いました。その内容は、事実審理が終結した後になってもなお「証拠隠滅のおそれ」を主張し、16年目に入った勾留をも「不当に長期の拘禁には該当しない」と言い放つという許しがたいものです。
 しかし、東京高裁第二刑事部(安廣文夫裁判長)は12月26日、この検事抗告を当然にもしりぞけて保釈を確定させました。そして本日、3氏の出獄がかちとられました。

 第ー審で16年もの未決勾留は、他に例がありません。こんな長期の勾留がなぜ続いてきたのか。その原因はひとえに、無実の3氏を証拠もないままデッチあげ起訴を強行した検察官と、検察側のでたらめな立証を容認しつづけてきた裁判所にあります。とりわけ裁判所はこの間、未決の被告人は判決確定までは無罪の推定を受けるという原則を踏みにじり、検察官と一体となって「無実・無罪を争えば保釈しない」という態度をとり続けてきました。とりわけ3氏のような無実の政治犯に対しては、拘禁そのものを目的とした実質的な「予防拘禁」の攻撃が加えられたのです。

 この長期勾留は同時に、東京拘置所の非人道的な獄中処遇の実態をも赤裸々に突き出しています。3氏が強いられてきた密室の独房への24時間の拘禁は国際社会では拷問とみなされ、厳しい批判が加えられているものです。房内では、日中は机の前に同じ姿勢で座りつづけることが強制され、勝手に体を動かすことも禁じられています。こうした苛酷な生活が15年以上も続く中で、3氏の健康はすでに破壊されているにもかかわらず、東京拘置所では必要な治療すら受けられずに放置され続けてきたのです。

 私たちは3氏に続いて、未決勾留10年の福嶋昌男さんの保釈をもかちとり、さらに国家権力による不当なデッチあげ弾圧と闘うすべての人びとと連帯して、司法によるあらゆる人権侵害を打ち破るために闘います。

  12月27日    不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動

十万人署名運動の主催で開かれた歓迎集会で、元気いっぱいに乾杯する3同志。写真左より板垣、須賀、十亀さん(12月27日 都内)


家族、支持者、同志ら180人が歓迎集会に出席。最後に全員でインターナショナルを斉唱し、出獄を祝った

 

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