週刊『前進』(1870号6面2)
解同全国連茨城県連大会
県内の団結強化を 狭山−三大闘争へ熱気
部落解放同盟全国連合会茨城県連合会の第七回定期大会が六月二十八日、部落大衆、共闘団体、県行政など四百五十人が参加し五霞町中央公民館で開かれた。強まる戦争と大失業、差別の攻撃と対決し、県内部落大衆の総団結をという熱気にあふれてかちとられた。
会場の五霞町は、県西部に位置し、古河市の南側に広がる利根川沿いの町だ。午前十時の開会を前に県内各地から部落大衆が家族ぐるみで続々と結集した。
冒頭、あいさつに立った石川辰衛茨城県連委員長は「部落差別ある限り、県連は徹底糾弾をもって闘う」と県連の決意を述べ、大会の成功をともにかちとることを呼びかけた。
解同全国連中央本部の中田潔書記長は、「部落大衆の生活と権利を守る運動は全国連にしか実現できない。差別糾弾、生活要求、共同闘争の三大闘争を軸に、五万人の組織建設をめざして闘おう」とあいさつした。
関東ブロックの小森勝重事務局長に続き、三里塚反対同盟の伊藤信晴さん、北富士忍草母の会の天野美恵さん、東日本部落解放共闘会議の山川博康さん、全国沖縄青年委員会の新城峯子委員長、茨城県知事、県教育長、五霞町長、町議会議長などの来賓あいさつ(代理を含む)が行われた。
午後から井橋昌夫事務局長が九七年度活動報告、高橋昭一書記長が九八年度運動方針案を提起した。井橋事務局長は、一年間の闘いを振り返り、狭山闘争のぎりぎりの攻防を闘いぬいてきたこと、また同対事業打ち切りと対決し、国が打ち切った住宅新築資金制度を県の事業として継続させたこと、組織建設の面で青年部のめざましい頑張りと、婦人部の『私たちの祖先の話』の紙芝居活動など、着実な前進をかちとってきたことを報告した。
さらに、茨解連や同和会による中小企業資金詐欺事件を口実にした全国連への警察の弾圧と、県行政の解放運動つぶしの策動を徹底弾劾し、弾圧を粉砕して闘うことを呼びかけた。
高橋書記長は、@狭山闘争を軸に差別糾弾闘争を徹底的に闘うこと、A差別行政を糾弾し、部落の団結した力で仕事保障、生活保障をかちとっていくこと、B部落解放の勝利のためにこそ労働者階級との共同闘争を発展させること、C県内五千人の部落民の総団結に向かって前進すること、D当面する新ガイドライン関連法粉砕の闘い、狭山第二次再審闘争勝利に県連が総決起することを訴えた。
これを受けて自由討論が行われた。青年や婦人が自ら受けてきた部落差別への怒りを語り、時には悔しさに涙しながら部落解放への決意を語った。「母は゛かつぎ屋”をやって、大変苦労して私を育ててくれた。差別と闘ってきたこれまでの解放運動を絶対に無駄にしたくない。子のため、孫のためにも頑張る」との婦人の発言に、熱い共感と連帯の拍手が起こった。
最後に議案を一括採択し石川委員長を先頭とする新執行部体制を確立して大会を圧倒的にかちとった。
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