SANRIZUKA 2002/04/15(No605 p02)

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週刊『三里塚』(S605号1面1)

 国家的テロ行為に渾身の反撃を 反対同盟決起集会 4・18開港阻止訴え

 前代未聞「40メートル飛行」 敷地内農民ら「何があっても負けぬ」

 三月三十一日、反対同盟は天神峰・市東孝雄さん方の畑で決起集会を行い、4・14全国集会から4・18暫定滑走路開港阻止決戦をたたかいぬく決意を打ち固めた。集会には首都圏を中心に六百六十人の労農学が参加し、4・14全国集会への大動員を誓いあった。
(写真 4・18開港阻止決戦への大動員を訴え、デモに出発する反対同盟。先頭は北原事務局長【3月31日 東峰】)
 暫定滑走路(二一八〇b)の開港とは、平行滑走路(二五〇〇b)予定地の未買収農家の軒先まで滑走路を造り、農家の頭上四十bにジェット機を飛ばしてしまう国家的テロ行為ともいうべき暴挙だ。天神峰の市東孝雄さん宅からわずか五十bの誘導路では、ジェット機が爆噴射をたたきつけて自走する。
 空港公団は三十六年間にわたる力ずくの農地強奪に失敗し、そのあげくに「飛ばしてしまえば反対農家は必ず落ちる」(用地部の日常会話)として暫定滑走路の着工に踏み切った。農家が生活できない環境を強制し、たたきだすという考えだ。「地権者の合意なき滑走路建設は行わない」とした国交省の公的確約(円卓会議最終報告=九四年)も反故にされた。彼らがやっていることは暴力団の地上げと何も変わらない。
 「人権」も何もないこれらの暴挙は、マスコミが事実を隠すことで、かろうじてまかり通っている。
 集会で反対同盟の北原鉱治事務局長は「私は生涯をかけて、開港の暴挙を許さない。三里塚に勝つことで戦争に向かう時代の流れを変えよう」と訴えた。「三里塚はそのためにこそたたかってきたのだ」と。
 暫定開港阻止決戦を、有事法制の国会提出という歴史的大反動を粉砕する突破口としよう。
(写真 暫定滑走路の着陸帯からわずか5b地点に迫る東峰部落の開拓組合道路にて【3月31日】)

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週刊『三里塚』(S605号1面2)

 実機テスト

 迫る轟音に怒り深く

 「人間の所業ではない」

 四月二日、空港公団は暫定滑走路の4・18開港に先立ち、開港後に実際に運用される中型ジェット機の実機による騒音テストを行った。ジェット機は滑走路南側から侵入し北側へ通過、着陸は行わず高度百五十bでのテストとなった。騒音レベルは、天神峰地区の市東孝雄さん方で八十七デシベル、滑走路南端四百b地点の東峰地区の農家で九十七デシベルを記録した。
 開港後の飛行高度は、東峰地区の上空四十b(南側から着陸時)ときわめて低く、市東方で九十デシベル以上、東峰の農家では百デシベルを超えると予想される。「造るべきでない所に造った」(反対同盟と弁護団の評価)滑走路だ。
 公団は暴力団の地上げと同じ考え方で、反対農家の軒先まで一方的に滑走路を造ってしまった。農家を屈服させるための「軒先工事」だ。農家の屈服を「前提」に造った結果、常識では考えられない騒音被害を地元農家に強制することになったのである。もちろんこうした暴挙は、憲法にも法律(航空法)にも反する。開港それ自体が違法行為なのである。
 反対同盟はこの日、北原事務局長や萩原進さん、市東孝雄さん、郡司一治さんらが支援連の部隊とともに騒音を実地体験、天神峰・東峰地区で怒りのデモとシュプレヒコールをたたきつけた。

(実機テストで東峰の農家上空「百五十メートル」を通過するエアバス機。開港後の飛行高度は「四十メートル」になる。暫定開港は、まさに暴挙というべきだ)

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週刊『三里塚』(S605号1面3)

 反対同盟が4・14大動員を訴え

 ”あらゆる闘争手段で暫定開港阻止するぞ”

●基調報告 事務局長・北原鉱治さん

 暫定滑走路計画のあまりのデタラメさがあらわになってきた。反対する農家を潰すだけのために、国際空港として何のメリットもない二一八〇bという短い滑走路を造ってしまった。その結果、もっとも大切な安全が犠牲にされ、事故が避けられないほど危険な滑走路になっている。
 こんなものを造るために、公団は東峰神社のご神木を盗伐するという犯罪に手を染めた。私たちが公団の木の一本も切ればすぐさま逮捕だが、彼らは警察に見守られて人の財産を切り倒した。これが彼らのいう「話し合い」とか民主主義の実態です。
 私も誘導路の予定地にかかる一坪共有地を一カ所所有している。それで誘導路が曲がっている。これは政府の横暴とたたかってきた私たちの勝利の証です。
 人の命を奪わなければできないような空港を許すわけにはいかない。そして成田空港は侵略戦争のための軍事空港であることが証明された。三里塚には反戦の未来がかかっている。三十六年間のたたかいに、民衆の正義がかかっている。世の中を本当に変えるために、ともに勝利の日まで頑張ろう。4・14全国集会、そして4・18開港阻止へ、全国の怒りを結集しよう。
     *
●本部役員 中郷部落・鈴木幸司さん

 三十六年間のたたかいは苦しくもあり、喜びでもあった。何としても再び戦争をやってはならない、との思いで軍事空港反対を叫んできた。いま有事立法という現実を見ると、私たちのたたかいは正しかった。
 有事立法が国会に出され明日にも戦争という時に、国会議員たちはいったい何をやっているのか。自民党の鈴木(宗男)や加藤(紘一)。みな自分の私利私欲しか考えていない。こういうやつらが戦争を引き起こす。すべてを打ち倒し変えなければならない。
 資本主義の奴隷にならず、労働者人民とともにたたかうとはどういうことか。その答えが三里塚にある。暫定滑走路開港阻止の決戦には、あの四〇〇〇b滑走路の開港阻止決戦の経験を生かし、数万の人民を結集して命がけでたたかおう。私も先頭に立ちます。
     *
●カンパアピール

婦人行動隊・木内敦子さん
 危険だらけで、国際空港としてまともに運用できないような暫定滑走路を国が無理やり造って開港を急ぐ理由は、私たち反対同盟を追い出す、ただそれだけのためです。
 敷地内の市東孝雄さんや萩原進さんのたたかいと連帯して、団結を固め、頑張りましょう。

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週刊『三里塚』(S605号1面4)

 農家またぐ滑走路の暴挙!

 農家の上空わずか四十bをジェット機が飛ぶ暫定滑走路の非人間的実態が、4・18開港を前にあらわとなっている。写真は平行滑走路(未着工部含む)を南側上空から見たもの。農地に分断された北側が暫定滑走路(二一八〇b)だ。
 公団はかつて「軒先まで滑走路を造って、反対派にご理解いただく」(空港公団総裁=八八年当時)と公言、土地収用法による強制収用を振りかざして農家に屈服を迫った。力ずくの屈服強要。暴力団の地上げ屋と同じ発想だ。
 その後、強制収用を司る千葉県収用委員会への人民の怒りが炸裂し、委員全員が辞任し解体に追い込まれた。同委員会は以後十四年間、再建できず空白のままだ。強制収用の法的根拠たる「事業認定」(土地収用法に基づく)も期限切れで失効・消滅した。あげくの「四十b飛行」である。
 国や公団はこういう暴挙は二度とやらないと「誓った」はずだ(シンポ・円卓会議など)。もはや農民の怒りがいかなる形で爆発しても、国は文句が言えないことを知るべきだ。

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週刊『三里塚』(S605号1面5)

 ピンスポット

 流血のパレスチナと連帯せよ

 有事法制成立阻止

 日本は虐殺の加担国だ

 有事法制三法案が九日に閣議決定され、国会に提出されることが決まった文字通り戦争のための法律だが、名称は「平和安全法」(略称)。
 これで、戦後憲法のもとで勝手な軍事力行使にタガがはめられていた自衛隊の行動に制約はなくなる。戦時動員を拒否すれば投獄。最終的には言論・結社も統制され、反戦派労働運動や学生運動は真っ先に治安弾圧の対象となる。国内治安戦争の全面化である。改憲も時間の問題となった。
 昨年9・11の反米ゲリラと10・7アフガン開戦を境目に、世界史は確実に三度目の世界戦争へと動き出した。有事法制はそういう次元の問題だ。
 戦後保守政治の腐敗も極まった。「宗男、加藤問題」の大洪水。与野党の暴露合戦。国民の怒りはあまりに当然だ。
 しかし何を置いてもパレスチナやアフガンに目を向けよ。アメリカの世界戦争戦略の下、毎日おびただしい無辜の血が流されている。日本はすでに虐殺の加担・参戦国だ。有事法制粉砕へ!

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週刊『三里塚』(S605号1面6)

 団結街道

 花見桜。古くは鎌倉〜南北朝の時代から庶民も含めた春の宴の習慣があった。稲作に関係があるようだ。大昔、桜の開花が稲を植える時期を知らせた。散り具合で作柄を占った記録もある。神話の世界で不謹慎だが、しばしご容赦を▼サクラは神の木で、山の神同様にあがめられた。富士山近辺にはコノハナサクヤという女神神話もある。それは桜の精。この女神は「稲穂がにぎにぎしく出る」という意味の名の神と結婚、三人の子を産んだ。名はそれぞれ「穂が赤らむ」「穂がせり出す」「穂がたわわに稔って垂れる」との意▼「赤らむ」は、この頃のコメの品種の色。今も古代米として「赤米」が残っている。いずれにせよ桜の咲く頃、農事は本格化する。それゆえ田の神を招いて豊作を祈る。その行事が花見として広がったという説である。やがて桜は侵略戦争の紋章にもなった…▼それにつけても今年の開花は異常に早かった。反対同盟の郡司一治さんは、自分の誕生日に桜の咲いているのは初めてだと語る。天変地異の知らせ? いや暫定開港の暴挙への不吉な兆しに違いない等々。評価はあれこれ▼ところで公団は昨年、「飛行機の神様」東峰神社のご神木(部落の総有関係にある)を勝手に盗伐した。航空機の進入路を妨害しているとの理由だったが、東峰区住民ばかりか、どれほど多くの人々の怒りを買ったのか公団は理解していない。〃神”の逆鱗にもふれただろう▼断言するが、暫定開港は「桜散る」である。三十六年間の暴政の結末は甘くはないことを、彼らはこれからいやというほど思い知る。

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週刊『三里塚』(S605号1面7)

4・14全国総決起集会

【日時】 4月14日(日)正午

【会場】 成田市天神峰 反対同盟員所有地
 (道路が変わりましたのでご注意ください)

《主催》 三里塚芝山連合空港反対同盟
(連絡先)事務局長・北原鉱治 成田市三里塚115
TEL 0476(35)0062

【会場への行き方】

▽JR、京成成田駅からタクシーで東峰十字路まで二千円。▽車は成田インターから国道295号線に入り芝山町(空港)方向へ。日航ホテル手前で小見川県道を左折。東峰十字路へ

(右図: 会場案内図)

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週刊『三里塚』(S605号1面8)

 闘いの言葉

「戦時には人権なし」という時代が始まろうとしている。迎賓館・横田爆取デッチあげ被告の獄死攻撃はその先取りだ。恐るべき暗黒社会の強制許すな。
 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧被告・板垣宏さん(獄中16年)

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週刊『三里塚』(S605号2面1)

 「40メートル飛行」の暴挙

 奴隷にならず労働者と共に

3・31三里塚現地集会には六百二十人の労農学が結集して、反対同盟と共に4・18開港を迎えうつ決意を確認した。発言者は異口同音に「暫定路の開港は国家テロ」「こんな理不尽がゆるされるのか」と国土交通省・空港公団の農民殺しを弾劾、返す刀で暫定路のぶざまさ、欠陥性を強調し三里塚闘争の勝利性を謳歌した。
(写真 左:デモに出発する反対同盟 右:暫定滑走路【向こうの白い部分】に突き刺さるように迫る開拓道路を行くデモ隊。着陸帯までわずか5メートル)

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週刊『三里塚』(S605号2面2)

 3・31集会発言集(1)

 命奪う暫定開港 民衆の正義かけて阻止

 三里塚は騒音等に負けない 忍草母の会・天野美恵さん

 暫定滑走路を造る目的は騒音で三里塚農民を追い出そうという事。だけど三十六年間たたかってきた三里塚の農民が騒音なんかで追い出されるか。そんな事はありえない。
 北富士では大砲の着弾地にゲリラで入って演習を止めてきた。「さあ撃て、殺すなら殺してみろ」と米軍、自衛隊を圧倒してきた。明日から座り込みに入る。戦争への動きに対して三里塚と共にあくまで阻止してたたかいます。

 造れない所に造った滑走路 弁護団・葉山岳夫さん

 二十年前、故戸村一作委員長は「このぶざまな空港を見なさい。われわれは日々勝利している」と訴えたが、今の暫定滑走路は委員長が指摘したとおりの欠陥空港だ。
 着陸帯が国際標準の半分(百五十b)しかない。開拓道路が滑走路のわき腹に突き刺さっている。管制塔からの死角が四カ所もあり、誘導路全体の半分以上にも渡っている。
 さらに最近、反対農家の立木が六本も暫定滑走路の進入表面から五b以上も突き出ている事が世界に通知された。暫定路はさらに二百b短縮を余儀なくされ、実質千九百b前後での運用しかできない。
 造れないところに造った無用の滑走路というしかない。造った目的は国家的地上げのためだ。小泉政権は動労千葉に対しては国家的不当労働行為、三里塚闘争に対しては国家的地上げで圧殺しようとしてきている。たたかう労農学の回答は暫定滑走路、四〇〇〇b滑走路の廃港を強制する事である。

 こんな暴挙まかり通らせぬ 関西実・松原康彦さん

 三十年前から三里塚闘争と連帯してきた。関西新空港反対闘争のきっかけは大阪空港騒音訴訟だった。大阪空港訴訟では上空百bから五百bの飛行が殺人的騒音被害を生むという事で大問題になった。暫定滑走路では上空四十bを飛ばすという。日本という国ではどうしてこんな無法行為がまかり通るのか。これは国家的犯罪だ。
 関西では関西新空港の大赤字が社会的に暴露されている。この上、神戸空港の工事を進めている。ここまでして空港を維持し、拡張する理由は、朝鮮有事の際の軍事拠点にするため。三里塚を先頭に国を変えていこう。

 延長許さぬ闘い 反戦共同・結柴誠一さん

 四月十八日の供用開始がどれだけ非人間的な暴挙であるかはっきりさせよう。元々滑走路両端の四百bは保安地域と呼ばれ、人間が住む事など想定されていないエリアだ。ところがそこに農家が住んでいる。それにも関わらず、どんどん滑走路を造り、実際にジェット機を飛ばそうとしている。どうしてこんな事が許されるか。
 三里塚への攻撃は有事立法攻撃の先取りだ。三里塚では土地収用体制の機能しない状態が続いてきた。有事立法と同じ攻撃に勝利してきたのが三里塚。どうたたかえば勝利できるかを示している。
 4・14集会に大結集し開港を阻止すると同時に大衆闘争を爆発させ、暫定滑走路の延長を許さない新たなたたかいに入ろう。

 反戦行脚が成功 婦民全国協議会

 婦民は一〜三月、反戦キャラバンを行って全国を回った。多くの民衆が今の政治に怒っている。許せない気持ちを持っている。しかし「抗議してもむだ」「どこへ行けばいいのか」と怒りを表す手段を失っている。民衆の気持ちと結びつき、小泉政権と対決する組織が必要だ。イスラム、アジア、イタリアでたたかいは爆発している。世界の民衆と連帯し、暫定滑走路粉砕・延長阻止、小泉政権打倒の大衆運動を作ろう。

 出撃基地化阻止 全学連代表 

 全学連は暫定滑走路の開港を絶対に許さない。反対同盟のたたかいは三十六年間、一切の戦争の動きに反対してきた。有事立法の国会提出を実力で粉砕しよう。朝鮮有事には日本が出撃基地になる。戦争を始めようとする攻撃を唯々諾々と見ているわけにはいかない。米軍、自衛隊の部隊が朝鮮半島占領のために出撃していく事に対して、朝鮮人民は体をはったたたかいで連帯を呼びかけている。
空港公団は昨年十一月二五〇〇b平行滑走路の完成ができず、こっそりと「二〇〇四年三月三十一日完成」と工事完成期限を変更申請していた。これは二〇〇四年までに暫定滑走路を延長するという宣言だ。われわれはこのような攻撃を絶対に許さない。
 成田空港を軍事使用させない反対同盟のたたかいの中に民衆の未来がある。暫定滑走路延長攻撃を許してはならない。

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週刊『三里塚』(S605号2面3)

 3・31集会発言集(2)

 有事立法・改憲阻止の最前線で

 ボロボロ滑走路 部落解放同盟全国連

 暫定滑走路開港を絶対に許さない。欠陥、ボロボロ滑走路を造って農民から土地を奪い、圧殺していく攻撃にがまんができない。三里塚闘争は反戦の砦であり、全人民の希望の星。共同のたたかいの中心環だ。三里塚を守り発展させ、全人民のたたかいの一大結集軸にしていきたい。
 9・11反米ゲリラをもって世界は一変した。パレスチナ、アラブ、全世界でたたかう人民と共に帝国主義打倒へ決起しよう。
 部落解放同盟全国連は三月、第十一回全国大会を開いたが、これに先立って狭山差別裁判の異議審で棄却攻撃が強行された。糾弾闘争に立ち上がり、特別抗告審へ打って出る。そして十万人決起を作り出す決意だ。
 融和主義運動に転落した本部派を打倒して、全国連は五万人組織建設を断固実現する決意です。

 人権侵害の極致 闘う「障害者」

 人権侵害の極致であり、農民の生活と命を破壊する暫定滑走路攻撃を許さない。小泉政権がしゃにむにこうした攻撃をかけてくる背景は、アフガン侵略戦争から世界戦争に向かう流れの中で、戦争のできる国、戦争を推進する国に造り変える事で生き延びるためだ。
 今、精神「障害者」をはじめ「障害者」への差別・抹殺攻撃がすさまじい勢いでかけられている。保安処分新法制定は、予防拘禁制度の復活であり、全人民にかけられた攻撃だ。こうした形で国内治安体制強化の攻撃が一挙に強まっている。
 三里塚闘争を先頭に、これと連帯して日帝打倒のたたかいを強めよう。

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週刊『三里塚』(S605号2面4)

 追及の眼

 「何とぶざまな滑走路か」(故戸村委員長)

 暫定路 誘導路の70%死角!

 パイロット “雨降ったら着陸恐い”

 大事故必至、現場は混乱、無残な滑走路

 4・18の開港予定日が迫る中、暫定滑走路の欠陥性が毎日のように暴露されている。誘導路の死角部分が全体の三分の二=千六百bにもなる事実。「へ」の字誘導路がパイロットに「直線」と錯覚させ、事故につながりかねない問題。着陸の進入表面から突き出た反対農家の立木が、想像以上に危険な事等々。「農民を追い出すためだけ」にこれほどズサンな滑走路を開港しようとする国土交通省・空港公団への怒りは沸騰している。4・18開港に全人民の怒りをたたきつけ、延長阻止へ進撃しよう。
(図 誘導路の3分の2が管制塔から死角になっていることを示す地図、危険きわまりない滑走路だ)
  ◇
 今回新たに分かった事実の一つは、管制塔から見た誘導路の死角部分が四カ所もあるという事だ。
 本紙前号で、「死角部分は三カ所」と報じたが、もう一カ所隠されていた。反対同盟の天神峰現闘本部である(写真下)。管制塔は高さが八十七b。現闘本部は九b。両者の距離は約二千三百b。計算すると現闘本部から北側に向かって二百七十bが死角になっており、「へ」の字誘導路の北側が現闘本部で隠れて見えなくなる。三月十四日と十八日の自走テストでも、この場所でYS11が停止しカメラ検査を行っていた。
 反対同盟の事務所である天神峰現闘本部が、誘導路を「へ」の字にねじ曲げただけではなく、管制塔からの視界をもさえぎって、暫定滑走路の運用に立ちはだかっていたのだ。
 この問題に関連して三月二十八日付け読売新聞千葉版は、「誘導路全体の三分の二が死角になる」と報じた。距離にして約千六百b。これは決定的事実だ。誘導路の死角部分は「ほんのわずか」であるかのように空港公団は隠してきた。しかし、実際は誘導路の三分の二すなわちほとんど全部が赤外線モニターカメラでしか、見えない事が新たに判明したのだ。(上の図参照)
 本来、滑走路と誘導路上の航空機は、すべて管制塔から肉眼で視認できなければならない。赤外線カメラで代用をするなど全世界でも例がない。
 「造れない所にむりやり滑走路をはめ込んだ」結果、誘導路がほとんど見えないという前代未聞の欠陥ぶりをさらす結果になった。空港公団は「赤外線カメラからの映像をコンピュータ処理して、何とか認可検査をクリアした」などと苦しい弁解をしているが、安全性を無視した暴挙に変わりはない。
(写真 誘導路を「へ」の字に曲げ死角部分を作っている天神峰現闘本部。鉄柱は赤外線カメラ)

 ●農家の立木も

 さらに反対農家の立木六本が進入表面を五・二b突き出ている事実についても既報(本紙六〇三号)の通りだが、この事がもたらす危険性が新たに判明した。
 ある現役パイロットは「滑走路が短いというだけでプレッシャーがあるのに、近くに高い樹木があったら飛びにくい」と安全性への不安を語っている(4・3千葉日報)。さらに「雨などの悪天候の場合に四千b滑走路の方を使えるのか」というパイロットからの質問が殺到している事実も報道された(同上)。
 暫定滑走路は気象その他の物理的条件が少しでも悪くなれば、着陸すら危険なおよそ使い物にならない滑走路なのだ。この事実が全面的に暴露されてきている。
 さらに新聞報道では、連絡誘導路が狭く曲がり、かつ坂道になっているため、雨の日などは航空機が自走できなくなる危険が指摘されている。「へ」の字誘導路について「間違って直進し天神峰現闘本部に突っ込む航空機が現れる危険性」についても改めて指摘されている。この他にも欠陥問題が次つぎと発覚している。
 地権者農民を無視して造った結果、何から何まで滑走路と呼べない欠陥施設、それが暫定滑走路なのだ。4・18開港を許してはならない。

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週刊『三里塚』(S605号2面5)

 列車680本止めた! 時代変える労働運動作る

 動労千葉委員長・田中康宏さん

 動労千葉は本日もストを続行している。これは労働者を虫けらのごとく扱う政府・国家権力に対する抗議のたたかいだ。のべ五百二十八人がストに入り、千葉管内で六百八十本の列車を運休にした。このたたかいを出発点に動労千葉はさらに飛躍していきたい。時代を変えるたたかう労働運動の流れを作り出したい。
 一方、三里塚闘争も四月十八日の開港攻撃を迎え新たな局面に入っている。支配階級の狙いは、反対同盟をつぶし追い出し、成田を軍事空港として完成させる事だ。三里塚がたたかいの焦点になる時、いつも動労千葉のたたかいも焦点になる。倒すべき敵は一つだ。三里塚闘争と連帯して国家権力に立ち向かっていきたい。
 蔓延しているのは、国家権力や資本を生き延びさせるために農民や労働者を虫けらの如く扱う攻撃だ。戦争する国に作り変える攻撃だ。われわれは全力でたたかいぬきたい。
 今年は千万人の労働者が、大幅な賃下げ攻撃にさらされている。支配者階級は従来の終身雇用、年功序列制度を維持する余裕もなくなって、完全な弱肉強食の生存競争の中に労働者を叩きこもうとしている。労働者の怒りは沸騰している。
 三月二十八日には動労千葉十二人の採用差別取り消し訴訟において、東京地裁が不当判決を下した。JRでは第二分割・民営化攻撃とも言うべき業務の大幅外注化が強行されようとしている。
 まさにたたかわなかったら生きて行けない時代が到来している。動労千葉は三里塚と車の両輪として、こうした人民圧殺攻撃を断固粉砕して、時代を変えていく決意だ。

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週刊『三里塚』(S605号2面6)

 北総の空の下で

 感動を力に変えて

 若いメンバー

 春まっただ中です。花霞(がすみ)の中を車で走ればボンネットに花びらが舞い落ち、遠景には菜の花の黄色が目に鮮やかです。
 今年、反対同盟の花見は、3・31集会後の夕桜(?)宴会でした。暖かさの続いた三月、桜の季節が十日以上もくり上がり、異常乾燥で吹き荒れた赤っ風のすさまじかったこと!
 三月後半、三里塚は全国の大学から派遣された全学連の若いメンバーを迎えて活気づきました。現地を経験した全学連の学生の成長について「関西集会で発言を聞いて説得力があるのに驚いたよ。やっぱりここに来て体験するとまったく違ってる」と萩原進さん。
 3・27関西集会には萩原さんと市東孝雄さんが参加しました。市東さんにとっては初めての遠征です。三里塚闘争の最前線で生活する重みを伝えるオルガナイザーとして、市東さんの存在がさらに大きくなりました。
 援農や交流会を通して学生諸君は実に多くのものを吸収していきました。「農作業はやった事のないことばかりで苦労した。一つ一つが生活に関わる事でおろそかにできない」「こないだ蒔いた大根の芽が出ていた。成長して実を結んでいく姿を全部見たいと思った。これが農業の楽しさなんだろう」「見かけは普通の人がこんなたたかいをずっと続けている事がすごいと思った」云々。中には「野菜がうまいので困った。このままでは六十キロの大台を突破してしまう」なんていう感想も……。
 「三里塚で僕は初めてたたかう喜びを知った。四月十四日までに十倍返し位の事をお世話になった人たちにしたい」。――感動が生むエネルギーを力に変えていざ四月開港阻止決戦へ!
(北里一枝)

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週刊『三里塚』(S605号2面7)

 三芝百景 三里塚現地日誌 2002

 3月20日(水)〜4月2日(火)

●郡司さん、誕生日 芝山町小原子部落の郡司一治さんが82歳の誕生日を迎えた。山に植わっている桜が開花していたとの事。「あの桜が俺の誕生日前に咲いたのは今年が初めてだ。よっぽど暖かいんだな」と驚いていた。(20日)●春嵐が苗を直撃 三里塚名物の春の嵐゛赤っ風″が吹いた。今年の嵐はかつてない激しさで長く吹いた。鈴木幸司さんの畑ではちょうどリーフレタスの苗を植えていた所。「そのすさまじさたるや畑の中で目を開けている事ができないほどだった」と現闘員のM君。赤っ風は霜よけのビニールをはがしスナックエンドウ用のネットを倒した。それでも翌日に降った慈雨で一息ついていた。(21日)
●行動隊、木内さんと交流会 暫定滑走路開港阻止にむけ3月10日発足した全学連現地行動隊。この日は野戦病院で青年行動隊の木内秀次さんと交流会。三里塚農民の意気込みに接した。(25日)
●成田治安法訴訟で不当判決 現闘本部、闘争会館、木の根育苗ハウスなどの団結小屋に対する成田治安法の使用禁止・封鎖処分取り消しを求めていた裁判で、千葉地裁が請求棄却の反動判決。(26日)
●萩原、市東さんが関西集会へ 萩原進さんと市東孝雄さんが大阪市の「エル・おおさか」で開かれた関西実行委員会主催の三里塚集会に参加し暫定開港攻撃の理不尽さとデタラメさをたっぷりと語った。(27日)
●木内さんが動労千葉スト集会へ 千葉市の労働者福祉センターで行われた動労千葉の「スト貫徹総決起集会」に反対同盟から木内秀次さんが参加して、労農連帯の決意表明を行った。(29日)
●春闘総行動集会に伊藤さん 東京渋谷の宮下公園で行われた春闘総行動総決起集会に伊藤信晴さんが参加し、「4・14三里塚に、闘う労働者の大結集を」と題したビラをまいて決起を訴えた。(30日)
●3・31現地集会が成功 天神峰で開かれた3・31現地集会が620人の労農学の参加をえて成功した。この後三里塚第一公園に場所を移して決戦の中での団結花見会を楽しんだ。(31日=写真)
●4・2実機テスト飛行を弾劾 空港公団が「騒音調査」と称して中型ジェット機を飛ばす攻撃を加えて来た事に対して反対同盟は弾劾の集会・デモで反撃した。(4月2日)

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週刊『三里塚』(S605号2面8)

決戦只中、桜めで春の宴

3・31現地集会の後、反対同盟と労農学は三里塚第一公園に場所を移して団結花見会を楽しんだ

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