日刊三里塚 HP版   2012/4  

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2012年 4月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2012.4.29

第4834号

農地裁判、証人調べの攻防に入る

4・23市東さん行訴・農地法裁判 多見谷裁判長の強権的指揮を弾劾

”石指証人を隠すな” 市東さん、本性現した裁判長追及

NAA側筆跡鑑定も壊滅的に批判

弁論闘争の後、報告会を行った。冒頭市東さんが多見谷裁判長の指揮を弾劾した(4月23日 千葉県弁護士会館)

 4月23日、市東さんの農地裁判(行政訴訟・農地法裁判)が千葉地裁民事3部(多見谷寿郎裁判長)で行われた。証人調べを前にした反対同盟と裁判長との緊迫した法廷闘争が闘われた。
 この日の裁判はまず、陪席裁判官の交代に伴う更新意見の陳述を行った後、市東さん側が藤ア政吉氏の証人調べの必要性を論じつつ、NAA提出の書面の追及に入った。
 「前回弁論とNAAの提出すべき書面の内容が違う」と追及すると多見谷裁判長は、代理人が発言し続けているのを「この件は打ち切ります」とさえぎり、「座ってください」と声を荒立て繰り返した。市東さん側が「前回弁論では藤ア氏の証人調べ不要だとする主張をこれまでの証拠と関連付けて書証にするわけでしたよね」と確認を求めると、「そういえばそう言ったかもしれませんが、(この件はうち切るという)裁判所の結論は変わりません」と居直り、「(弁論調書の記載内容は)あなたたちの説明が悪いからでしょ」と逆ギレし顔面を硬直させた。

次回5・28弁論へ

 法廷が騒然とする中、NAA書証不提出問題を強引に切り上げるため多見谷裁判長は次回5月以降の弁論の予定を一方的に指定した。
 しかも、証人調べの最初に決定していた石崎雅啓(当時国交省成田空港課長)証人調べを10月へ先送りした。これに対して、「順送りにすべき」と反対同盟代理人から異議が出ると多見谷裁判長は「NAAがやらなくてよいと言ってるのを(裁判所が)やるんだから」と居丈高な物言いでその決定を押し付ける。ここで市東孝雄さんが立ち上がり、「ここ(神戸地裁でなく千葉地裁)でやるということでよいのか」と裁判長に切り返すと、多見谷裁判長は「その時に決定します」と言い逃れようとする。ビデオリンク方式で石指追及を逃れようとするNAAの策動の加担の表明だ。
 この証人隠しを許してはならない。そもそも行政裁判において、まずは事業計画全体の総責任者に当たるものから証人調べを行い、順次の事務担当者に詳細な点を明らかにする証拠調べの通則がある。それを無視する理由は何なのか、と代理人は問質すが、多見谷裁判長は「必要最小限の変更にとどめたい」「5月の戸井証人に呼び出し状を発送したから」と理由にもならないことを並べる。結論ありきなのだ。多見谷の反動的指揮を許してはならない。
 裁判後、会場を移して報告会が持たれた。冒頭、市東さんは「今日はひどい裁判だ。NAAがこちらの10分の1も答えていないのを裁判所は擁護している。これは絶対に許さない。傍聴の力で裁判をこちらのものにしよう」と法廷での怒りをあらためて表明した。弁護団からは、藤ア証人の必要性と石指証人調べのビデオリンク方式を粉砕する訴えがなされ、次回から始まる証人尋問は「裁判のメインイベントだ」との提起が確認された。市東さん裁判は次回5月28日から証人尋問に入る。全力で傍聴闘争に結集しよう。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2012.4.15

第4833号

傍聴席あふれる労農学が、白石裁判長を監視

4・9市東耕作権裁判 「藤ア氏からの買収自体が無効」

“明渡求める根拠ない”

NAA側筆跡鑑定も壊滅的に批判

弁論闘争の後、報告会を行った。多数の人びとがけつけ会場を埋めた(4月9日 千葉県弁護士会館)

 4月9日、千葉地裁民事第2部(白石史子裁判長)で、市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が開かれ、反対同盟を先頭に支援の労働者・学生・市民が傍聴席をあふれさせる結集でともに闘った。この裁判は、市東さんの耕作地の一部を、成田空港会社(NAA)が「不法耕作」と決めつけて明け渡しを迫っているものだが、今、この明け渡し請求の前提が崩れる重大局面を迎えている。弁護団は、空港公団の土地取得そのものが違法であり無効であったことを全面的に暴き、突きつけた。
 市東さん側はこの間、南台41ー8番地の土地が空港敷地の内と外にまたがっており、外側については農地法の規定で県知事の許可がいるが、その許可を得ていない、と追及してきた。
 その上で、当該の土地は一筆であり、売買は敷地の外と内と一体的に行われた。つまり敷地からはみ出た部分の売買が違法・無効であるということは、敷地内にあたる部分まで含めて、売買全体が無効だということであり、空港会社はこの41ー8番の土地の所有者ではない、ということになる。
 空港会社が市東さんに土地の明け渡しを求めている根拠は「所有権を取得したから」というものだったが、その根拠がガラガラと崩れ始めた。9日の弁論ではこの点を厳しく追及した。
 さらに弁護団は、署名偽造問題でNAAが警察OBに書かせたインチキな「鑑定書」に対する反論をたたきつけた。また、当時の用地買収に関連する交渉記録、報告書などについて、裁判所がNAAに文書提出命令を出すよう重ねて強く迫った。次回期日を7月23日として閉廷。

「追いつめている」

 弁護士会館で報告集会を行い、4・23行政訴訟・農地法裁判への決起を誓った。最初に市東さんがあいさつに立ち、「いつにも増して多くの方々の結集に感謝します。この裁判も重大な局面に入ってきたので今後もともに闘いましょう」と自信に満ちて語り、大きな拍手を浴びた。続いて葉山岳夫弁護士が法廷を解説し、NAAを追いつめた手応えを込めて「追及の手を緩めずに闘う」と決意を表した。続いて弁護団全員が、民事第3部の行政訴訟・農地法裁判と併せて、NAAの違法を暴き農地強奪攻撃を打ち砕く決意と展望を語り、参加者の熱心な質問に答えた。
 北原鉱治事務局長は、第3誘導路工事の深夜強行を弾劾し、「正義が勝つ闘いをここでやろう」と一層の決起を促した。反対同盟の決意に応え、市東さんの農地取り上げに反対する会の三角忠さん、動労千葉の後藤俊哉さん、関実がそれぞれ連帯発言を行った。最後に萩原進事務局次長がまとめの発言。「今空港周辺の一番の大地主はNAAだ。住民は家も建てられないし、畑を増やすこともできない。そして敷地内外や騒音区域で線引きし、土地の価格で地域を翻弄し分断してきた。空港を粉砕して、これらの土地を人民に解放する日まで闘いぬこう」と熱を込めて訴え、全員が拍手で応えた。

 

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2012.4.1

第4832号

福島の怒りと結び、反TPP、反基地へ1055人が結集

3・25集会 農地死守決戦の橋頭堡築く

市東さん“国策許さぬ”

全国農民会議の旗ひるがえる

市東さんの農地を守るぞ、成田の軍事基地化許さない」とシュプレヒコール(3月25日、天神峰)

 3・25三里塚全国総決起集会は、3・11郡山集会の高揚を引き継ぎ、2012年日本階級闘争を飛躍的に発展させる大きな勝利をかちとった。「全原発廃炉・再稼動阻止」「市東さんの農地を守ろう」を合言葉に、昨年を上回る1055人が結集した。司会の婦人行動隊・宮本麻子さんが急逝した鈴木謙太郎さんへの追悼の言葉を述べた後、全員で黙祷を捧げた。
 開会宣言・森田恒一さんは「最大の課題は、市東農地を守りぬく闘争陣形をかちとること。私は95歳だが、先頭に立って阻止する」と発言した。主催者挨拶で北原鉱治事務局長は、78年開港阻止決戦の勝利に踏まえ「市東さんの農地取り上げで再び決戦の時が来た。勝つためには実力闘争しかない。開港宣言を粉砕したような闘いをしよう」ときっぱり。
 労農同盟の絆を強く呼びかけた萩原進事務局次長は基調報告で、「労働者人民の怒りのマグマが爆発するときだ。福島・沖縄・労働者の連帯の柱が三里塚に立った。この炎をもっと大きくしよう」「PKOなど、成田の軍事基地化許さぬ」と提起した。特別報告で動労千葉・田中康宏委員長は「労働者の総反乱を呼びかけよう。腐りかけた断末魔の資本主義体制を打倒する日が近づいた。団結を取り戻し、反撃を開始しよう」と外注化阻止・基地統廃合粉砕の闘いと動労水戸の反原発ストの意義を強く訴えた。
 新基地建設阻止を訴えた沖縄と関西住民からの発言の後、市東孝雄さんが第3誘導路の夜間工事を弾劾し「自然体で、という段階は終わった。国策許さない闘いをやりぬく」と表明した。市東さんの農地取り上げに反対する会から「TPP反対」「三里塚の闘いが根っこにあって脱原発の闘いが組めている」と発言を受けた。続いて満場の拍手の中、緑のノボリ旗を掲げて全国農民会議が登壇した。福島を始めとする3人がアピール、「260万農民の怒り先頭に立つ」と強調した。
 顧問弁護団から挨拶を受けた。葉山岳夫弁護士は「市東東市さん署名の文書が偽造文書であることが明らかとなった」と市東裁判闘争の重要局面を説明した。
 カンパアピールで登壇した婦人行動隊の鈴木加代子さんは、「娘ともども、謙太郎の遺志をついでこの地で生きて行きたい。父ちゃんの背中見て育った子供があとを継いでくれる。家族の力を合わせ堂々と生きていく。信念を曲げない」とこれからも闘いの先頭に立つことを強く誓った。
 住民団体からは、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」椎名千恵子さん、婦人民主クラブ全国協議会、星野文昭同志のメッセージを代読する星野暁子さんなどが発言し、共闘団体からは全学連の斎藤郁真委員長らが決意表明した。団結ガンバローを三唱後、デモに出発。デモは、「夜間工事強行」の第3誘導路建設現場を直撃し、全隊列がこれに怒りをぶつけながら不当撤去された現闘本部脇の市東さんの畑まで貫徹した。

 

 

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