日刊三里塚 HP版   2012/1  

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2012年 1月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2012.1.30

2・7第3誘導路裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4826号

1・23耕作権裁判 筆跡鑑定書提出しNAAに打撃

「ニセ署名は私文書偽造罪だ」

「提訴却下されるべき」 白石裁判長も助け舟出せず

裁判終了後の報告会で「提訴は却下すべきだ」と訴える市東孝雄さん(1月23日 千葉市)

 市東さん耕作権裁判の第22回口頭弁論が1月23日千葉地裁(白石史子裁判長)で行われた。NAAは市東さんの畑の一部を「不法耕作」と言いなし土地取り上げを策動して市東孝雄さんを被告席に立たせたが、法廷はいよいよNAAの悪辣な偽造を暴く反対同盟の本格的な攻勢段階に入った。
 反対同盟はこの弁論で、農地法裁判・行政訴訟に続き、NAAの大犯罪を暴く筆跡鑑定書を提出した。筆跡鑑定人は、筆跡鑑定協会会長・根本寛氏。
 鑑定において根本氏は、市東東市さんが原告本人尋問に際して法廷で「宣誓」書に署名したものなどと比較し、「筆跡を同一人の筆跡と見る根拠は存在しない」「偽造であり、別人の筆跡だ」と断定したのだ。
 この鑑定を受けて弁論では、葉山岳夫弁護士がこの文書偽造の背景と経過を詳しく陳述した。文書偽造が行われた80年代後半当時、市東東市さんに対する農地収用攻撃が切迫していた。21・3fもの未買収地を取得するため、空港公団、運輸省は、土地収用法発動を決定し準備に入った。まずは地主の藤ア氏に農地取得の策動を強めた。本来、公団は市東さんの小作賃借権を消滅させないかぎり藤ア氏から南台の農地を取得することができない。にもかかわらず公団は、小作人・市東さんの承認をえず、その底地の所有権を買収することを企んだのである。これ自体が農地法3条1項2号に違反し、公団の用地事務取扱規程等にも違反している。
 その中で公団職員上西亮治、法理哲二らは藤ア氏に市東さんから賃借農地の場所を聞くよう要請した。NAAは南台41番内の畑のそれぞれの耕作者の耕作地を特定できなかったからだ。藤ア氏はそれとなく市東さんから聞いた結果をメモと手書き図に作成してこれを空港公団に渡した。この手書き図は著しくズサンであったが、NAAはこれに基づき地積測量図(88年3月1日付)を作成した。それは、現地測量も行われず、藤ア氏の立会いもなく、署名も捺印もない作り物だった。

「収用法失効」に追いつめられ

 ひとまずこれで藤アとの間に買収を進めた空港公団は、さらに88年4月に藤アに再度、東市さんから当初の小作賃借地を特定させ、それを市東さんに承認させることを計画した。しかし「農地死守」を貫く東市さんが確認書や同意書に署名、捺印することはあり得ない。こう判断した公団は、地積測量図の偽造に続き、同意書、確認書も偽造するにいたった。
 葉山弁護士は、最後に「このような偽造文書では対象土地を特定することができないから本件訴えは棄却されるべきである」と宣告し、裁判官・NAA代理人を圧倒した。
 また、今弁論でNAAはこれまで秘匿(ひとく)していた土地売買契約時の藤崎氏との「覚書」(88年1月)文書を提出したが、逆に墓穴を掘るものだ。市東さん裁判は、NAAの偽造隠蔽を完膚なきまでに粉砕する最大の決戦に入った。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2012.1.19

1・23市東さん耕作権裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4825号

1・17団結街道廃止取り消し訴訟を闘う

「国策」による沿道農民の権利侵害だ

「空論でなく事例示せ」

1/5での格安払い下げも追及

裁判終了後の報告会で発言する北原事務局長(1月17日 千葉県弁護士会館)

 1月17日、千葉地裁(民事3部多見谷寿郎裁判長)で団結街道廃止許可取り消し訴訟の口頭弁論が開かれ、反対同盟と顧問弁護団、そして支援の労働者、学生、市民がともに闘いぬいた。
 被告の成田空港会社と成田市は団結街道の廃止を一方的に決め、強行したことについて「住民の同意を得る必要はない」と主張している。そして「道路法は公益を保護するための特別法であり、住民個々の個別的利益を保護する法律ではない」などと述べ立てている。
 天神峰で市東孝雄さんは、自宅と耕作地とを直接結ぶ団結街道を一日に何度も往復して営農を続けてきた。この生活と密着した道を問答無用で一方的に封鎖・破壊するという重大な権利侵害を働いておきながら、「公益」を振りかざして正当化しようとは、強盗の居直りに等しい。
 弁護団は怒りを込めて成田市を追及した。「市は市道の廃止6類型なるものを出してきて、団結街道廃止も正当な手続きだ、と言うが、許せない。6類型と言うが、ただ頭の中での作り話で六つを列挙列しただけ。具体的な事例は何一つ書かれていない」「これでは、団結街道の廃止手続きが不当なのか正当なのかの比較はできない」「沿道住民が隣接土地を耕作しているのに、市道を廃止した例はこれまであるのか、事例を示せ」と、客観的な基準がまったくない廃道処分の違法性を弾劾した。
 また、市が空港会社に団結街道の土地を法外な低価格(鑑定評価額の5分の1)で払い下げたことについて、「帯状の形だから価格は安い」などと詭弁を弄していることを厳しく追及した。だれがどう見ても空港と行政の癒着そのものだ。空港会社と成田市による違法・無法への追及はまだ始まったばかりだ。次回期日は5月8日。

土地取り上げの先兵・成田市

 閉廷後、弁護士会館で記者会見と報告会が開かれた。北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「彼らは空港の中に市東さんの家と畑を囲い込もうとしている。絶対に許してはならない」と力を込めて訴えた。続いて葉山岳夫弁護士をはじめ顧問弁護団がそれぞれ解説した。特に、住民の具体的個別的利害を踏みにじって持ち出される「公益」「国策」の悪らつさを断罪した。
 まとめの発言に、萩原進事務局次長が立った。「なにが公共性か。ふざけるんじゃない。市東さんの土地取り上げの手先に成田市が成り果てている。人民の力でこんなあり方を打ち倒さなくてはならない。3・25三里塚全国総決起集会の大結集を実現し、福島・沖縄と連帯して、農地強奪を粉砕しよう」と力強く呼びかけ、一同は大きな拍手で応えた。
 2012年の裁判闘争が勢いよく開始された。さらに市東裁判闘争の勝利へ。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2012.1.8

1・17団結街道裁判へ

午前10時30分
千葉地裁

第4824号

故鈴木謙太郎さんの闘魂ひきつぎ
2012年市東さん農地死守の勝利へ

「国策」阻む46年目の決戦!
労農学連帯し闘争陣形拡大を

市東さん農地決戦を誓う反対同盟

 反対同盟事務局員の鈴木謙太郎さんが1月7日、急逝された。享年57歳の働きざかりだった。2012年の三里塚闘争が市東孝雄さんの農地を死守する決戦として爆発するまさにその瞬間、命を削る激闘の末、謙太郎さんは旅立たれた。われわれは謙太郎さんの闘魂に三里塚46年目の勝利を誓う。謙太郎さんの三里塚魂は、渾身の力で、ここに結集するすべての労働者・農民・市民・学生へ、2012年決戦決起への檄を発している。今こそ反対同盟との血盟の何たるかを、われとわが身の闘いで示そう。
     *
 2012年は大激動の年である。帝国主義の未曾有の危機が誰の目にも明らかになる中で、アメリカ帝国主義オバマは新国防戦略を採用、TPP(環太平洋経済連携協定)と一体となった対中国、対日帝の争闘戦を本格化させた。焦りにかられた野田政権は、9・19明治公園を頂点とする反原発闘争、動労千葉を先頭とした労働者階級の闘いに追いつめられつつ、「事故収束宣言」による原発推進の強行と沖縄辺野古新基地建設、絶望的な消費増税攻撃にのめり込んでいる。野田政権を今こそ打倒しよう。
 世界と日本のあらゆる場面において、帝国主義と労働者・農民・学生・市民の闘いとの激突の年が2012年だ。
 その最先端が三里塚2012年決戦であり、市東さんの農地決戦である。3・11大震災と福島原発事故は「国策」「国益」なるものがいかに労働者人民の利益と相入れないものであるのかを、この上なく鮮明に突き出した。
 まさに今、「国策」と対峙してきた三里塚46年の闘いの正義が光り輝く時だ。市東さんの農地強奪攻撃は、反戦・反権力の砦=三里塚を破壊する攻撃であり、TPP協定と一体となった農業・農民切り捨て攻撃の先端だ。2012年三里塚ではさらに、闘争破壊を目的にした第3誘導路工事が連日進められており、市東さんへの営農・生活破壊は一線を越えた。そして、成田空港会社は、「ハブ空港からの脱落の危機」にかられ、飛行回数の30万回化にむけた容量拡大と騒音地獄拡大を狙っている。
 「騒音地獄による菱田廃村化を許すな」「成田空港絶対反対・廃港」の闘いを全力で拡大しなければならない。
 本日の団結旗開きを皮切りに2012年前半決戦に踊りこもう。3・25三里塚全国集会の爆発へ。鈴木謙太郎さんの闘魂を我が物に、闘おう。

 

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