日刊三里塚 HP版   2011/10  

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2011年 10月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.10.18

10・24市東さん耕作権裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4818号

反原発・フクシマ連帯、農地死守!

10・9全国集会 市東さん農地決戦突入を宣言

福島農民が感動的決意 「農地必ず甦らせる」

最後に団結がんばろうを三唱

 10月9日、三里塚全国総決起集会が1045人の結集で成田市東峰でかちとられ、反対同盟は、原発反対・再稼働阻止、農業を壊滅させるTPP絶対反対、市東孝雄さんの農地死守決戦への突入をアピールした。
 冒頭、森田恒一さんが開会宣言に立ち、「機動隊を動員して市東さんの畑を奪いに来たときは、体を張って実力阻止する」と決意を表した。続いて北原鉱治事務局長が主催者あいさつを行った。「今日の晴れで、勝利が見える」と切り出し参加者の笑顔を誘ったあと、現闘本部破壊の卑劣さを厳しく弾劾した。
 萩原進事務局次長が基調報告で「市東さんの農地を死守する。福島農民の苦闘に一歩でも近づくような闘いを!」と報告の核心を突き出した。そして原発事故の反人民性を強調し、9・19明治公園の6万人のうねりの中に飛び込んで、三里塚闘争を訴えるよう提起した。さらに「市東さんは農地強奪攻撃を意気揚々と迎え撃っている。これが反原発闘争、反戦闘争、労働者の現場での闘いを限りなく鼓舞激励している。この力が空港の完成を阻んできた。ヘゲモニーはこちらにある」と勝利性を明らかにした。そして裁判闘争への支援、労農連帯の強化、福島および沖縄との連帯を力強く呼びかけた。
 基調に応え動労千葉の田中康宏委員長が、動労千葉の外注化阻止の闘いの勝利と動労水戸の反原発ストライキの報告を行った。
 沖縄と関西の特別報告に続き、農民アピールの最初に福島の農民・大内孝さんが登壇。大内さんは、記録映画『三里塚の夏』を見て感動し、71年駒井野砦の決戦に参加したことや、動労千葉のジェット燃料阻止闘争が「今の自分を支えている」と、足跡を語った。そして3・11で否応なく被災者の立場に立たされる中で、「反対同盟と市東さんの原則的闘いのすばらしさを再確認した。福島の大地を私たちの主導権で必ず再生する」と、並々ならぬ決意を語り、参加者の心を揺さぶった。続いて鈴木謙太郎さんをはじめ反対同盟と千葉県内外の農民が壇上に並び、TPP参加に絶対反対し、市東さんの農地を守る決意を表した。
 大きな拍手に迎えられ「市東さんの農地取り上げに反対する会」と共に天神峰の市東孝雄さんが登壇した。「自分の農地を守ることが、私が福島と連帯する道だと思う。団結街道封鎖、第3誘導路建設と圧力は日々高まっているが、こんなものには絶対に負けない」と不動の決意を表した。
 葉山岳夫弁護士はじめ反対同盟顧問弁護団による裁判闘争報告、鈴木加代子さんのカンパアピール、婦人民主クラブ全国協など諸団体の決意表明が続いた。ひときわ大きな拍手と歓声で迎えられた全学連の斎藤郁真委員長が決意を訴えた。
 最後に団結ガンバローを三唱し、デモに出発した。反対同盟員は手に手に同盟の赤いのぼりを握りしめ先頭を行進した。市東さん宅に迫る第3誘導路工事現場を弾劾し、南台の市東さんの畑に到着。ここが誘導路をへの字に曲げている市東さんの「現場」だ。「この農地を絶対に守りぬこう」と参加者は誓った。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.10.9

10・11団結街道裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4817号

福島農民と連帯し再稼働阻止! 原発全廃へ

市東さんの農地決戦宣言しよう

2裁判長(多見谷 白石)の結審策動許すな

8・30地裁包囲闘争

 世界大恐慌の波は、アメリカから日本―ヨーロッパ(EU)を襲い、ギリシャのゼネスト、アフリカ革命を経て、ついにアメリカ全土での反ウォール街デモの爆発をもたらした。まさに資本主義=最末期帝国主義が音を立てて崩壊を開始し、生き残りをかけた大国間同士の軍事的争闘が過熱しつつある。
 日帝・野田政権は、潜在的核武装政策の一環として、原発再稼働・原発輸出の帝国主義路線を突き進もうとしている。「復興特区」による究極の新自由主義攻撃を準備している。労働者・農民の力で帝国主義を倒し、労農を主人公とした新たな社会を打ち立てることなしに人類の生存すら危うい歴史的段階を迎えている!
 本日の10・9三里塚全国総決起集会は、世界的な激動に身をおきつつ、9・19反原発闘争の歴史的高揚を引き継ぎ、「反原発・農地死守」を三里塚から拡大する決戦突入集会だ。
 特に、市東孝雄さんの農地をめぐる緊迫情勢と闘いの切迫について訴えたい。日帝の全体重をかけた国策と対決し続けて45年。国家の意志を岩盤のようにはね返してきた三里塚が真に輝く情勢下、延命をかけた日帝・野田政権の闘争破壊策動が一線を越えた。三里塚現地攻防は市東さんの農地を守る決戦として完全にすえられた。
 さる8月30日の市東さん裁判=行政訴訟・農地法裁判で、千葉地裁民事3部の多見谷寿郎裁判長は、次の10・18弁論を証人調べ(2人のみ)とし、それをもって結審、年度内判決を下す意図を露骨に示してきた。当日の千葉地裁包囲デモ・大傍聴闘争によって策動を押し返したものの、多見谷裁判長の結審策動は明らかだ。
 一方、耕作権裁判を担当する民事第2部・白石史子裁判長は、市東さん側への敵意をむきだしにしてより露骨な結審・反動判決策動をあらわにしている。同裁判長は脱落派の一坪共有地裁判で、9月16日に反動判決を出した札付きの悪裁判官だ。8・6天神峰現闘本部破壊を経て、今年から来年いっぱいが、市東さんの農地死守をかけた大決戦になったということだ。決戦勝利へ断固闘おうではないか。
 勝利する道は何か。第一に、反原発の巨大なうねりをさらに発展させ、階級闘争の大地を熱くすることである。この中にこそ三里塚闘争―市東さん農地決戦の展望がある。そのために、11・6労働者集会1万人の大結集を何としても実現し、前進のバネにしなければならない。
 第二に、3つの市東さん裁判闘争において、法廷闘争、傍聴闘争を徹底的に重視し、反動判決を出せない所にまで追いつめることである。市東さんの畑の位置特定をめぐっては空港会社を窮地に追いつめている。闘いは確実に前進している。傍聴闘争、地裁包囲デモなどをさらに強めよう。
 第三に、市東さんを支える現地行動に立つことだ。畑の位置特定の誤りを確認する現地調査に参加しよう。放射能風評被害で厳しさを増す営農支援の援農闘争に取り組もう。
 第四に、市東さん支援運動を新たに拡大・発展させることだ。現闘本部破壊をもって市東さんの農地闘争は新たな段階に突入した。この次元に対応した運動の発展が何としても求められている。とりわけ動労千葉を始めとした労農同盟、全国の農民との連帯、福島農民との連帯、三里塚現地の周辺住民との結びつきを強めよう。10・18(火)午後2時、行訴・農地法裁判へ、10・24(月)午前10時30分、耕作権裁判へ。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.10.5

10・9全国総決起集会

正午
萩原さん畑

第4816号

9・29鈴木一坪裁判で仲戸川裁判長を圧倒

同盟・弁護団・傍聴団一体で審理手続き停止させる

訴訟継承問題で 「抗告審決定まで中止を」

「期日指定だけでも」と再三要請
裁判長の悪あがきを粉砕

傍聴券取得のため列をなす労働者・農民・学生・市民(千葉地裁 9月29日)

 9月29日、千葉地裁で鈴木さん一坪共有地裁判の口頭弁論が開かれ、反対同盟、顧問弁護団、支援の労働者・学生が一体で闘いぬいた。
 7月28日、仲戸川隆人裁判長は、この裁判での訴訟継承問題で、鈴木加代子さんが権利を受け継ぐことについて突然却下の決定を出した。この裁判は鈴木幸司さん、いとさん夫妻が共有する駒井野の一坪共有地をめぐって始まったが、幸司さんの逝去にともない、その持ち分は「三里塚地区周辺に土地をもつ会」で、長男の謙太郎さんと妻加代子さんが継承することが確認された。ところが仲戸川裁判長はそれを認めると共有地の組合所有を承認したことになり、千葉県による買収の違法性が明らかになるため、単なる民法上の所有として、いとさんおよび4人の子の一般的相続の決定を出し、加代子さんの裁判継承を却下したのである。
 開廷早々、弁護団は次々と立って仲戸川を徹底追及し、決定の撤回を求めるとともに、継承問題での抗告審の決定が出るまで、審理手続きを停止するよう求めた。傍聴席からも怒りの声。
 仲戸川裁判長は、「抗告審は抗告審として、この裁判の審理は進行したい」と繰り返す。しかし、弁護団は「却下決定文の内容自体が千葉県側に偏ったものだ」「証拠調べも行っていないのにあらかじめ判決を用意しているのと同じだ」「こんな予断と偏見は許されない」「これでは裁判とは言えない」と理詰めで迫った。
 傍聴席からの批判も浴び、追いつめられた仲戸川は、「幸司さんの継承問題になっている件といとさんの件を分離して裁判を進めることもできる」と唐突に、思いつきの弥縫(びほう)策を提案してきた。
 分離していとさんの方だけどんどん進めて、早く反動判決を出すということだ。弁護団はこれを一蹴。「絶対に認められない。裁判を受ける権利の侵害だ。抗告審の結果が出るまで一切の手続きを停止せよ」と強く迫った。裁判長はうろたえながらなお、「進行協議を持とう。期日だけは決めておきたい」などと繰り返したが弁護団は断固これを拒否し「停止」の立場を譲らなかった。市東孝雄さんは傍聴席から「裁判長が考え方を変えろ!」と一喝した。
 結局仲戸川は法廷の怒りに圧倒されて「停止」を受け入れ「期日は追って指定」と言って閉廷した。圧勝だ。
 仲戸川を圧倒した勝利を踏まえ、裁判所1階のロビーで総括が行われた。葉山岳夫弁護士はじめ弁護団一人ひとりの怒りあふれる法廷解説に続き、鈴木さん親子が発言した。鈴木いとさんは「一坪共有地は私ら個人のものではなく反対同盟のものですから、体の続く限り闘います」と決意を表した。続いて謙太郎さんは、「弁護団とともに分離策動を粉砕した。10・9全国集会を今日の勢いで成功させよう」と語った。
 最後に萩原進事務局次長が、「今日のような闘いが、現地での実力闘争につながる。10・9は現在の階級情勢のもとで決定的に重要だ。大結集を実現し、その力でまた裁判所を包囲しよう」と力強く訴えた。

 

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