日刊三里塚 HP版   2011/4  

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2011年 4月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.4.26

5・20現闘本部控訴審判決強行粉砕闘争

東京高裁 霞が関デモ

第4801号

4・18耕作権裁判−4・19団結街道裁判闘う

耕作権裁判 藤崎面談記録つきつけ追及

団結街道裁判 “ 道路は我々が維持・管理。廃道許さぬ”

弁論終了後、闘いの成果を確認する報告会

 4月18日千葉地裁において市東耕作権裁判第が行われた。
 弁論に先立ち市東さんと弁護団は、独自に行った旧地主の藤崎政吉氏の面会の録音とテープ起こしを証拠として提出した。これは、NAAが市東さんの畑を不法耕作と決めつける根拠となった図面や文書は、所有者の関与しないものであることが旧地主の藤崎本人が自ら明らかにする証拠だ。藤崎氏は「署名は自分の字ではない」「測量に立ち会ったことは無い」と言い、そして「市東さんの家は行っていない」「畑の耕作場所は知らない」とまで発言している。
 これらの文書はまさにでっち上げの可能性が濃厚だ。この疑惑を晴らす義務がNAAにはある。NAAの主張の証拠である図面・文書偽造疑惑を追及する闘いに大きな一歩を踏み出した。
 ところが白石史子裁判長は、だんまりを決め込むNAAの態度をかばうばかりで市東さん側に「主張をまとめるように」などと促した。傍聴席から「NAAに明らかにさせろ!」と怒りの声が飛ぶと、白石裁判長はむきになって「騒ぐと退廷を命じる」などと精一杯すごんでみせるが、弁護団にたしなめられて反論もできない。
 裁判長の訴訟指揮を打ち破りNAAにすべて白状させなくてはならない。
 弁論終了後、記者会見・報告会が開催された。冒頭、市東さんは「今日はとくに裁判長の態度が許せません。皆で裁判長を弾劾する闘い方をしていこう」と提起した。
 続けて葉山代理人から「裁判所が端からNAAに立ち裁判の公正が保てないが一歩ずつ前進している」と現況を確認した。
 この他、北原鉱治事務局長、動労千葉、関西実行委員会、市東さんの農地取り上げに反対する会などの発言を受け、司会の鈴木謙太郎さんが「明日も団結街道裁判。5・20現闘本部裁判判決闘争へ」と締めくくった。

江戸時代からの入会道路だ

 4月19日、千葉地裁で団結街道裁判弁論が開かれ、「反対同盟には原告適格がない」などとうそぶくNAAと成田市を徹底弾劾した。
 団結街道は天神峰で生活し営農する市東孝雄さんにとって、必要不可欠な生活・営農道路だ。団結街道の「廃道」はまったく違法な処分である。しかも団結街道は江戸時代から存在している入会権がある道路だ。そして道沿いには現闘本部の建物が建っており、不当にも成田治安法で封鎖されているが、その存在が反対同盟の団結を固めている。廃道処分を撤回し第3誘導路の建設をやめよ!
 気迫に満ちた弁護団の訴えは、法廷を圧した。またこの道路の土地が捨て値でNAAに払い下げられた点についても、市とNAAの癒着を今後とことん追及する姿勢を明らかにした。
 弁護士会館で報告集会が開かれた。北原鉱治事務局長につづいて萩原事務局次長が「道路はわれわれが代々、道普請し維持・管理してきたわれわれの道路だ。成田市が勝手に廃道は移動できる
 弁護団の報告と決意表明を受けた後、萩原進事務局次長がまとめを行い、終了した。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.4.16

4・18市東さん耕作権裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4800号

「“41−9”の畑について裁判の放棄も検討する」(!)

4月12日農地法裁判 NAAを決定的に追いつめる

行訴でも転用許可処分のデタラメさを突き出す

弁論終了後の記者会見、報告会でNAAを追いつめた勝利を確認した(2月22日 千葉市 弁護士会館)

 4月12日、市東孝雄さんの二つの農地裁判が千葉地裁で続けて開かれ、反対同盟と支援の労働者・学生が傍聴席を埋めた。
 成田空港会社(NAA)は前回、争点の土地である「南台41―9」について市東さんが占有していないことを認め、「訴えの一部取り下げ」を言い出してきた。「賃貸借契約は終わりだ。土地を明け渡せ」と市東さんを被告席に座らせておきながら、今頃になって土地特定が誤りだったことをしぶしぶ認めて「一部だけ」取り下げるというのだ。
 午前10時半に市東さんが千葉県を訴えた行政訴訟が開廷した。県は06年に賃貸借契約解除許可決定を出し、NAAの農地強奪策動にお墨付きを与えた。顧問弁護団は県の代理人弁護士に対し、NAAの「一部取り下げ」の事態を突きつけ、解約許可処分を取り消すよう鋭く迫った。沈黙を決め込む県に対して、弁護団は「書類上の形式が整っていたから許可処分を行ったなどという主張は通用しない」「土地の登記とはわけが違う!」と迫り、県は求釈明に速やかに誠実に答えなければならないことを裁判所に認めさせた。
 続いて11時10分、農地法裁判が開廷。NAAは「41―9」の土地が「現在は耕作されていない」と言いながら、もともと市東家の契約地でなかったことは認めようとしない。
 NAAは旧地主の藤崎政吉が作成したと称する「境界確認書」「同意書」の図面だけを根拠にして、この土地が契約地だと言い張ってきた。だが弁護団による面談調査で、藤崎自身が「関与していない」と明言している。図面の証拠価値はゼロ、いやマイナスだ。これらの矛盾を弁護団は容赦なく追及した。
 NAA代理人弁護士の上野至(元千葉地裁の反動裁判長!)は、沈黙で乗り切ることができなくなり、「場合によっては請求の放棄を検討する」と裁判長に向かって言い出した。また藤崎を証人申請する意思があるかどうか尋ねられると上野は、「ありません」と否定した。NAAの土地特定の唯一の「根拠」である「同意書」等の証拠価値を自ら否定するに等しい態度だ。
 閉廷直後、市東さんはNAA側に、穏やかな口調だがはっきりと「なぜ藤崎を証人に出さないのか」と迫った。

5・20現闘本部判決闘争へ

 弁護士会館において鈴木謙太郎さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんが傍聴への感謝と決意の言葉を述べた。続いて葉山岳夫弁護士を先頭に、弁護団が法廷での闘いを解説し、NAAの追いつめられた姿を強調した。
 萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「裁判が始まった時マスコミは市東さんを、『人の土地を不法に耕して作物を売って暮らしている五十代男性』みたいに報道した。祖父の代から開墾して農地を育んできた農民にとってこんな屈辱はない! 敵にすきを見せずにさらに闘って勝利しよう。5・20現闘本部裁判控訴審では判決強行を粉砕するため全力で決起を!」と訴え、参加者は大きな拍手で応えた。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.4.6

4・12市東さん行訴・農地法裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4795号

原発停止・被災地支援、TPP粉砕を

3・27全国集会 宮城から被災地報告、福島被災農民がメッセージ

5・20天神峰現闘本部控訴審判決攻撃許すな

天神峰トンネルを通り、デモで工事現場を直撃

 3月27日の三里塚全国総決起集会には840人の労農学市民が結集し、東日本大震災と原発事故に対して、被災地支援と全原発の停止を反対同盟の名において全力で訴えた。
 冒頭に「大震災の犠牲者を悼み、被災地支援の決意をこめて」と題する特別プログラムで、参加者一同が黙祷。続いて東北大学学生自治会委員長・石田真弓君、塩釜市職労として85年10・20三里塚闘争を口実とした不当な懲戒免職と闘ってきた労働者が被災現地の報告を行った。さらに福島の被災農民のメッセージが読み上げられた。
 北原鉱治事務局長が被災者救援と原発即時停止を訴える反対同盟声明を読み上げ、広島、長崎の原爆投下の歴史的事実に踏まえ、核=原発の全面的廃止を強くアピールした。
 森田恒一さんの開会宣言に続き、萩原進事務局次長が「怒りを爆発させ闘うしかない!」と全身に闘志をみなぎらせて基調報告を行った。「@震災と原発事故の責任を徹底的に追及する。被災地支援に全力を上げよう。A原発は核武装の道だ。反戦反核の闘いとして全原発の停止を。中東人民の闘いに続こう。BTPPを推進を許さない。TPPは日本農業壊滅だけでなくアジアへの侵略と植民地化の攻撃だ。C大震災で価値観は完全に一変した。全人民に向け〃国、政府のやることを信じるな〃と言うべき時だ」と闘いの方針を鋭く指し示した。そして、この期に及んで200億円もの巨費を投じて市東さんを追い出すための第3誘導路を造ろうとする成田空港を根底から断罪し、被災地の闘いと一つになって進む反対同盟の強い信念を表した。
 特別報告に立った動労千葉の田中康宏委員長は、「大災害の現実は資本主義、市場原理、新自由主義がもたらしたもの。労働者と農民が団結してこの情勢に立ち向かい、怒りの声と結びつこう。国鉄闘争と大震災との闘いは一つだ」と訴えた。
 鈴木謙太郎さんが「TPP絶対反対/農民アピール」を読み上げ、続いて農民が全国の農家の置かれた苦境を背景に「想定外の闘いをまきおこそう」と決意を表した。

第3誘導路工事と対決を

 NAAの攻撃と最前面で闘う天神峰の市東孝雄さんは「市東さんの農地取り上げに反対する会」とともに登壇。「この地でどっしり構え野菜を作っていく」と不動の姿勢を示し、さらに強い口調で「原発停止の声を上げよう!」と訴え、大きな拍手に包まれた。
 反対同盟顧問弁護団が壇上に並び、葉山岳夫弁護士がNAAの訴訟「一部取り下げ」を闘いの成果として確認し、東京高裁の現闘本部裁判控訴審5月20日判決強行への反撃を呼びかけた。鈴木加代子さんのカンパアピールでは、この日の会場カンパが義援金として被災現地に送られることが明らかにされた。そして全学連の織田陽介委員長らが決意表明。反対同盟を先頭にデモに出発した。
 この日のデモコースは天神峰トンネルをくぐり、第3誘導路工事現場を直撃するもの。断固2・5キロのデモを貫徹した。「被災地の生きるための闘いと一体で、三里塚は進む」という揺るぎないメッセージは、この日全参加者の胸に刻まれた。

 

 

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