日刊三里塚 HP版   2011/3  

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2011年 3月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.3.28

第3誘導路認可処分取消訴訟
10時30分
千葉地裁

第4798号

「想定外」の居直り許すな

帝国主義打倒の旗高く

被災地で労農中心に地域共闘を

3・20反戦集会 萩原進さんの発言

 3月20日、東京渋谷で闘われた反戦集会での萩原進事務局次長の発言を紹介します。(要旨)
     *
  情勢が一変した事態が起こっている。反対同盟と動労千葉の声明をもとに。もう一度大きなうねりと闘いを作り上げよう。
 被災した人たちとまず第一に共に闘う、そのことを通して物事を考えていかなければならない。われわれは阪神大震災の時に三日目に阪神の中に入って、そういう経験をして関西の人たちと交流を強め、団結を強め、今日まで闘い抜いてきました。
 これは、単に東北や関東の一部の問題ではない。日本全土が突きつけられている問題だ。政府や東電が予想を超えた大震災だだから避けられなかったと言い訳をしている。だけど、我々農民から言わせれば、「この自然を制御できるんだ」という、大それたおごったとんでもない思いあがった、自民党、民主党の政策の結果のツケです。
 その結果がこの大震災を生んだ。今までの文明や文化などの価値観を変える時期なんだ、それを変えて、ここからもう一度見直す時期に入っている。
 彼らの政策が今、ものの見事に土台から大きく崩れた。これを「天災」だと済ませること自体が許せない。鉄道でも事故を起こしたら自己責任と問われるんです。しかし、裁判官が冤罪を起こしたって、大資本家がこのような事故を起こしたって、彼らはのうのうと生きようとしている。徹底的にかれらの責任を追及しようではないか。
 だいたい「99%地震が発生する]その地に原子炉をどんどん立ててきたのですよ。その結果がこうだ。津波が起こるのもそう。事故が起きるのもそうなんです。
 東北の沿岸の漁民や農民や労働者の生活を奪い取った、そういう政策がやはり労働者を失業の中に叩き込み、生きることもできない現状を作り出している。
 原発事故はこのままではチェルノブイリを上回るような惨事になる。そうなったら日本全土がとんでもない事態になる。今こそ声を大にして、原子力発原所を即刻止めろ、そして廃棄しろと、それを全人民の声として起こそうではありませんか。中国電力は上関にまた新たな原子力発電所を造ろうとして、島民を踏みにじって400名の作業員と関連の従業員をやって新たな工事をやっている。こんなことを許してはダメです。
 菅政府はもう被災者救援もできない。原発事故も制御できず、統治能力を完全に喪失してる。そして国家財政の破たん。そんな中で崖っぷちです。しかし「財源がない」なんて言わせない。ありったけの金を全部被災者に出せ。食料も住宅も医療も生活に必要なものは全部放出しろ。われわれは無条件に被災者の立場に立って、労働者、農民、市民が団結して、地域共闘を作り上げて、官製の救援運動ではなく下から労働者を先頭とする人民の救援運動を作っていく、そしてこの社会を変える、そういう構造を作り上げていく。
 政府・資本家が右から挙国一致体制でやろうとしていることと大激突を開始する。われわれは一歩でも退いたら、後ろを見たら押しつぶされる。しかし、絶対に勝てますよ。日本初の大恐慌が、世界に大きな津波のように発信されたんです。資本主義体制があの津波の中で押しつぶされようとしている。この時に心ある人民が立ち上がって、旗を振って闘おうではありませんか。
 動労千葉と反対同盟の声明をもとに人民は決起しよう。そのために、3・27三里塚の全国集会は非常に重要な意味を持っています。全員があの地にあつまって、新たな出発点はここにありという確信を元に闘いぬく日です。絶対に帝国主義を打倒し、権力を勝ち取って新たな日本を作り上げていこうじゃないか。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.3.27

3・29第3誘導路認可処分取消訴訟

10時30分 千葉地裁

第4797号

放射能事故弾劾、TPP阻止、第3誘導路粉砕

3・27三里塚を新たな出発点に

労農学の力で原発なしには生きられない日帝打倒へ

5・20現闘本部裁判反動判決を阻止せよ

 3・27三里塚全国総決起集会に参加されたすべての労働者、農民、学生、市民のみなさん。
 3月11日に起きた東日本大震災とそれに続く福島原子力発電所事故は、日本の政治社会情勢を一変させた。日本列島1億3000万人の生命を危険にさらさなければ、電気の供給もできないという、日本帝国主義の根源的な危機が全人民の前に突き出されたのだ。

安全破壊が資本の論理

 資本の儲けにならなければ、「最悪の事態」の備えもしない、津波の想定もしない、原発の全電源が喪失した場合の対策も拒否する……。さらに地方を切り捨て、想定可能な最大限の堤防対策もとらない。社会を成り立たせるのに必要不可欠な教育・医療・福祉・農業までも破壊する。
 逆に資本の儲けになれば、いくら環境・生活を破壊しようが原発建設を推進する、海外にまで輸出する…。こうした、資本が儲かることだけを基準に社会的生活の生産を行う今の社会のあり方そのものを、今回の震災、原発事故は問い直している。
 われわれは、今こそ「全原発をだたちに停止せよ」「全原発を廃炉に」の巨大な闘いを起こさなければならない。この要求は、日帝の打倒の要求とほとんどイコールだ。「全原発を停止」させない限り、そのために日帝を打倒しないかぎり、日本の労農学人民は生物的生命の維持すら危うい、という所に立たされている。帝国主義と人民の関係が今ほどあからさまに突き出されている時はない。日帝の戦後最大の危機に、帝国主義打倒の旗を掲げて立ち上がろう。
 同じ問題を成田空港建設においてこそ問わなくてはならない。福島原発なみのデタラメ極まりない空港建設を45年間も強行してきたのが歴代自民党政権であり、現在の民主党菅政権だ。

空港建設も同じ暴挙だ

 空港敷地内に農家、民家を囲い込み、追い出すために頭の上40bにジェット機を飛ばすなどという暴挙を誰が認められるか。家のすぐ東と西に誘導路を造り、騒音と振動で住めなくする、などという異常さ。
 北延伸された暫定滑走路の北端には、切り通しになった東関東自動車道路(高速道路)が通っている。悪天候の時に着陸してきた航空機がオーバーラン事故を起こしでもしたら、この東関道に転落し、爆発炎上する大事故は必至だ。通行する何十台もの自動車も巻き込むだろう。
 しかし、国交省、空港会社はそのような事故は「想定外」として危険性にほおかむりをし、現在も危険な航空機運航を強行している。この背後にある発想は、「資本の儲けのためであれば人間の生活や安全は破壊する」という悪魔の論理だ。
 三里塚45年の闘いは、こうした利益第一主義・人間抹殺の社会のあり方を根底から問うて来た抵抗運動だ。そして、この情勢だからこそ三里塚闘争が光り輝く。3・27全国集会を「三里塚闘争の新たな出発点」(3月20日、萩原進事務局次長)にしよう。5月20日の天神峰現闘本部裁判における井上繁規裁判長の反動判決策動を断固阻止しよう。第3誘導路工事許すな。市東孝雄さんの農地を守ろう。TPP(

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.3.21

3・27全国総決起闘争

正午 成田市天神峰

第4796号

福島原発 爆発事故を弾劾せよ!

原発なしでは生きられない日帝打倒を

空港建設も全く同じ

被災者救援に立ち上がろう

 3月11日に起きた東日本大震災・福島原発事故に怒りを禁ずることができない。犠牲になった人々に哀悼の意を表するとともに、救援を訴える反対同盟と一体となって、全力で運動に取り組みたい。

「想定外」の居直り許すな

 まず何よりも、大地震・津波による被害についてを「想定を上回る規模」「不可抗力」とする日帝・菅政権の居直りを弾劾する。今回の地震も津波も断じて「想定外」ではない。10年以上も前から宮城沖地震の「99%」の可能性について宣伝されていた。巨大な津波についても1896年の「明治三陸沖地震」では38・2b、24・4b、14・6bなどの津波被害が各地で起きている。今回と同程度の津波は2004年のスマトラ沖地震で起きている。
 自民党政権―民主党菅政権へとつづいた新自由主義政策と地方切り捨て・人命無視の政治がこれほどの被害をもたらしたのだ。数万人にも達すると見られる労働者・農民・人民の命を奪った悲惨な災害を「想定外」の一言で済ますことは許されない。
 第2に、現在も進行中の福島原発をめぐる前代未聞の炉心溶融事故の問題だ。反対同盟もわれわれも、原発建設拡大政策に対して、一貫して反対してきた。その理由は、今回まさに暴露された想像を絶する危険性である。本格的な炉心溶融事故が起きたら、日本列島に逃げ場などない。それはチェルノブイリ事故で衝撃的に突き出された。にもかかわらず、日帝国家権力は原発建設をしゃにむに拡大してきた。菅政権などは「原発輸出」まで政策化した。
 福島原発はすでに40年近い老朽施設だ。10年も前に廃炉になっていなければいけない。それを「60年使用できるよう寿命を伸ばす」などと、ただただ利益・利権優先の政治で、稼働を延長し、周辺住民のみならず日本列島全体=1億3千万の労農人民の命を危険にさらしてきた結果が今回の事故だ。

「核武装」と一体の原発

 さらに原発は軍事政策と一体であるという問題だ。日帝の原子力政策は中曽根康弘らによる1956年の政策策定時から「原子力は国家なり」のスローガンを掲げて、「核武装の潜在的能力を保持する」との軍事目的と一体で推進されてきた。日帝や東京電力が宣伝している原子力発電のメリットすなわち「経済性」「供給安定性」「環境適合性」のすべてがウソであるにもかかわらず、原発そして核燃料サイクル事業、高速増殖事業などに何千億もの税金を投入してしがみついてきた理由は、この「潜在的核武装能力の保持」政策にある。
 われわれは、すべての原発の即時停止、廃炉を断固要求する。この要求と日帝の存在は相入れない。今回の事故がわれわれに突き付けている課題は何か。それは、原発なくしては生きられない日本帝国主義の打倒である。前代未聞の今回の地震・津波・原発事故に直面して大半の人々が直感した。これは一領域、一政策の問題ではない。資本主義というシステムが根底からゆらいでいるのだ、と。
 成田空港建設も「利益優先・人命無視」という根っこは福島原発とまったく同じだ。
 今こそ6000万余の労農学人民の闘いで日帝打倒を実現する時だ。そして労働者、農民が主人公の新たな社会を作るのだ。被災者救援、全原発の停止・撤廃、成田空港廃港、日本帝国主義打倒へ。3・27集会の成功をかちとろう。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.3.5

3・10鈴木さん一坪共有地強奪阻止裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4795号

「道路を造るも壊すも行政の勝手なのか!」

3・1団結街道廃道取り消し訴訟 成田市・NAAを追及

“原告不適格”にも反撃

市東さんらへの人権侵害だ

弁論終了後の記者会見、報告会でNAAを追いつめた勝利を確認した(3月1日 千葉市 弁護士会館)

 3月1日、千葉地裁(多見谷寿郎裁判長)で団結街道裁判の第2回弁論が開かれた。市東孝雄さんをはじめ三里塚反対同盟19人が原告となり、団結街道の廃止処分の取り消しと、障害物の撤去を成田市と空港会社(NAA)に求めた訴訟だ。反対同盟および闘う労働者、農民、学生、市民が駆けつけ、傍聴席を埋めた。
 被告の成田市とNAAの主張は、住民無視と人権侵害極致だ。「市長と空港公団との協定で40年前から道路廃止を決めていた。誘導路を整備しないと空港の運営に支障をきたす。成田市は空港と共生していく。市東さんが被ったのはせいぜい反射的利益の侵害だ。反対同盟全員に原告適格がない」。
 「反射的利益の侵害」とは、「行政のはからいで受けていたメリットがなくなっただけで権利の侵害ではない」という意味だ。一字一句たりとも認めることはできない。市東さんが自分の家と畑との間を直線で結んでいた団結街道を封鎖されたことで、日々の農作業にどれだけ過大な負担を強いられていることか! まさに生活破壊、営農妨害以外のものではない。その市東さんに面と向かって「原告適格がない」と決めつけ、空港の犠牲になれ、土地を明け渡して出て行け、と迫るNAAと成田市を許すことはできない。
 顧問弁護団は「路線廃止の根拠は何か」「両者はいつどこで廃止を協議したのか」「成田市はいつどこで〃空港と共生する〃と決定したのか」などの質問を突きつけたが、NAAと市の代理人は「書面で出す」と繰り返した。

東京高裁・井上裁判長の犯罪行為を報告、弾劾

 場所を弁護士会館に移して記者会見が行われた。最初に北原鉱治事務局長が「市東さんの畑を取り囲んでいる鉄板はかつての捕虜収容所よりもひどい。NAAは、市東さんの3代続いた耕地と住宅を第3誘導路建設で空港の中に囲い込もうとしている。もはや人間のやることではない。闘いにこそ正義がある。現地闘争に勝利しよう」と訴えた。
 続いて弁護団の葉山岳夫弁護士が「〃空港と成田市の共生〃とは、空港から20数億円の固定資産税を市がもらって市民・住民を圧迫するという関係だ」と断罪し、裁判闘争と現地闘争を一体のものとして闘う姿勢を一層明らかにした。さらに次々と弁護団が立ち、法廷の解説と闘いの決意を熱く語った。
 この中で、2月4日の天神峰現闘本部控訴審で東京高裁の井上繁規裁判長が、弁護団が行った忌避申立について調書に一切記載せず、逆に、自分が「次回判決は5月20日」との期日指定を行ったと調書にウソを書かせていることが、報告され怒りの声が巻き起こった。(弁護団は2月25日に井上裁判長の忌避申立をあらためて提出)
 締めくくりに司会の鈴木謙太郎さんが、「3月に入ったが、引き続き裁判と現地闘争の日程が続く。気を引き締め全力で闘おう。3・27三里塚全国集会に大結集を!」と呼びかけ、全員が大きな拍手で応えた。

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2011.3.1

3・10鈴木さん一坪共有地強奪阻止裁判

午前10時30分
千葉地裁

第4794号

NAA,「41−9」の明渡請求取り下げ!

2・22市東さん行訴・農地法裁判で重大な勝利

土地特定の誤り認めさす

“千葉県も処分の誤り認めろ”

弁論終了後の記者会見、報告会でNAAを追いつめた勝利を確認した(2月22日 千葉市 弁護士会館)

 2月22日、千葉地裁で市東孝雄さんの二つの農地裁判の口頭弁論が連続して開かれた。土地特定での誤りを反対同盟側から徹底的に追及され窮地に陥った成田空港会社(NAA)は2月15日、焦点の土地「南台41―9」について、「訴えの一部取り下げ」なる書面を提出した。NAAは「賃貸借契約は終わりだ。明け渡せ」と訴訟を起こしておきながら、市東家がここを耕作したことがない動かぬ事実を突きつけられ、ついに己の破産を渋々認めたのだ。
. 10時半に行政訴訟が開廷。県は、土地特定の誤りを「自分らには関係ない」という態度で逃げ回っているが、以前は「同意書、境界確認書からこの土地が市東家の賃借地だ」とNAAによりかかって主張していた。「許可しただけ」などという卑劣な責任逃れを絶対に許さない! 反対同盟、顧問弁護団、傍聴人一体で怒りをたたきつけた。
 11時10分、農地法裁判が開廷。顧問弁護団を代表して葉山岳夫弁護士はこのインチキな「一部取り下げ」について「不同意である」ときっぱりと拒絶した。同書面には「客観的にも被告による現実の占有がうかがえないところから、原告もこれを踏まえて、41―9に係る訴えを取り下げた」とある。しかし弁護団は「占有=耕作をしていないと認めるなら、41―9は賃貸借契約地でないと認めるということか」と鋭く問いただした。「ない」と認めればこの訴訟は崩壊だ。答えられないNAA。
 さらに土地特定の根拠としてきた「旧地主の藤崎政吉が作成した」とするあやしげな土地図面について、弁護団の訪問調査で藤崎当人が関与を一切否定したことを突きつけると、NAA側はまさに死の沈黙状態だ。
 多見谷寿郎裁判長はしきりと裁判進行を促すが、弁護団はNAAが求釈明に誠実に答えるのが先であると頑として譲らず、今後も容赦なく追及することを申し渡した。藤崎本人を証人として出すつもりがあるかを聞かれるとNAAは、「検討します……」とか細く答えるだけ。農地強奪の企みの罪深さをこれからいやというほど思い知らせてやる。

請求のすべて取り下げろ

 弁護士会館で記者会見が開かれた。市東さんがあいさつに立ち、「一部取り下げというすり抜けを許さない。どんどん攻撃し追いつめ、矛盾を引き出しましょう」と述べ、大きな拍手を受けた。弁護団が次々立って法廷での応酬を解説し、「41―9」を自ら争点からはずし、あとの土地は分捕ろうというNAAの思惑を「必ず粉砕する」と決意表明した。萩原進事務局次長がまとめのあいさつを行った。「裁判闘争と現地攻防はまさに一体の闘いだ。裁判のスケジュールも非常に多いが、一つひとつで今日のように勝ち、第3誘導路粉砕、現闘本部強奪阻止の闘いを進めよう。3月1日の団結街道裁判にも全力で駆けつけてほしい」と呼びかけた。最後に鈴木謙太郎さんが「3・27全国総決起集会の大結集を!」と熱く訴え、この日の闘いを締めくくった。

 

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