日刊三里塚 HP版   2009/11  

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2009年 11月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.11.25

天神峰現闘本部裁判

2・25反動判決策動許すな

第4726号

同時離陸による“30万回化”許すな

国交省とNAA またも国際ルール破りの暴挙

空中衝突の危険を無視 “谷間地域”にはステレオ騒音!

騒音下住民と連帯しよう
 国交省とNAAが、従来禁止していた4000b滑走路と暫定滑走路の同時離陸を強行することで、成田空港の年間発着枠を無理やり30万回化しようと策動していることが明らかになった。11月8日付新聞報道(東京新聞など=写真)は、国交省が、アメリカの専門調査会社なるものに調査依頼をし「同時離陸をしても安全性に問題がない」との「報告を得た」として、同時離陸を強行する方針を固めたことを報じた。
 そもそも平行する滑走路の場合、2機が同時に同じ方角へ離陸する場合には、接触しないように、進行方向を平行状態よりも外側に15度以上開いて飛ぶという国際ルールがある。しかし内陸空港の成田では、三里塚闘争の力によって、騒音地区の拡大を阻止してきた経過があり、離陸機を15度以上開いて飛ぶことは許していない。その結果、直進しなければならず、同時離陸は阻止されてきた。
 ところが、前原発言もあって、「飛行回数の30万回化」を焦る国交省、NAAは「米調査会社の報告」なるものを事実上デッチ上げて、空中衝突の危険を無視して、Aランと暫定滑走路の同時離陸を強行しようとしているのだ。
 しかもこの離陸による騒音の拡大が深刻だ。いわゆる谷間地域(4000b滑走路と暫定滑走路に挟まれる区域)は、東西から同時に騒音が押し寄せることになり、ますます騒音地獄がひどくなる。いわゆる〃ステレオ騒音〃だ。理不尽極まりない「同時離陸」の強行を断じて許してはならない。
 この同時離陸による30万回化の攻撃以外にも、2009年、国交省・NAAは、三里塚農民始め地元住民を無視した前代未聞の攻撃を連続させてきた。
 7・・30新誘導路の前倒し供用、10・22北延伸滑走路の前倒し供用を頂点にして、市東さん宅を空港の中に囲い込む第3誘導路計画(7月4日)、森中小三郎社長の「さらなる北伸もありうる」との発言(10月23日)、「3500メートル化」を要求する利権団体の動き(6・3、10、13)そして11・12の天神峰現闘本部裁判での仲戸川裁判長による結審の強行、等々。
 日帝・小沢鳩山政権による戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃と一体となった三里塚闘争破壊攻撃がエスカレートしている。われわれは世界大恐慌の下で、決起を開始した6000万労働者と連帯して闘うとともに、北延伸に怒る騒音下住民、「同時離陸攻撃」に怒る谷間地域の農民・住民の怒りと結びついて、国交省・NAA、地元自治体、利権団体の地域反動の組織化を断固粉砕して、現闘本部死守、暫定滑走路閉鎖、空港廃港へ闘おう。
日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.11.21

11・22 市東さんの農地取り上げに反対する会主催 講演&ディスカッション

午後1時 千葉市文化センター

第4725号

“藤崎メモはデタラメだ”

11・9市東さん耕作権裁判 青柳鑑定書で徹底追及

尋問拒否でウソ馬脚 NAAは不在地主=農地法6条違反

弁論後の記者会見(11月9日)
 11月9日、市東孝雄さんの耕作権裁判=第13回弁論が闘われ、「藤崎メモはデタラメだ」「NAAは不在地主だ」という同盟側の主張がNAAを圧倒した。 今回弁護団は、NAAの二つの違法・不当を追及する準備書面を提出し、法廷で陳述した。
 第一は、10・20市東さん行政訴訟・農地法裁判で追及したのと同じ論点、すなわち、NAAは1988年に市東さんの畑の底地を藤崎他の地主から買収した時点で本社を東京港区においており、小作権のついた底地を買収することは農地法6条=不在地主の禁止に違反するという問題を耕作権裁判でも激しく追及した。
 第二は、7月27日の前回弁論にひきつづき、反対同盟側が提出した青柳鑑定書に基づいて、旧地主である藤崎政吉が書いた手書きの「藤崎メモ」が、デタラメ極まりない代物であることを改めて暴露・追及した。
 法廷で、反対同盟弁護団から「NAA側の耕作地特定の唯一と言ってもいい『根拠』である藤崎メモの作成者を証人喚問することを考えているのか」という追及に対して、NAAは「証人尋問も陳述書の提出も考えていない」と答えた。
 主張の唯一の根拠である藤崎メモの信憑性(しんぴょうせい)がぐらぐらになっているにもかかわらず、その作成者を法廷に喚問して、自らの主張を補強せず、反対同盟側の追及に任せておく、という態度表明は、この論点に関して〃白旗〃を揚げたに等しい。自ら「藤崎メモは信用できない」と自白しているようなものだ。弁護団の追及と一体となって傍聴席からNAA弾劾の声が上がった。
 菅原崇裁判長はNAAを助けるため「今後の進行について別に協議をやろう」とその場を切り抜けようとしたが、「この法廷でやるべきだ」と弁護団によって拒否された。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見が開かれた。市東孝雄さんは「裁判が進めば進むほどNAA側のひどいやり方が明らかになってきている。今後もどんどん追及していこう」とあいさつした。
 市東さんの闘魂に大きな拍手が起きた。さらに弁護団が次々と立って、法廷での応酬を解説、反対同盟と共に全力をあげて闘う決意を明らかにした。
 その後、記者、傍聴者と弁護団とのあいだで熱心な質疑応答が展開された。次回耕作権裁判は来年2月1日だ。天神峰現闘本部裁判につづいて市東さんの三つの裁判も緊迫した局面に入っている。全力で傍聴闘争に立とう。
日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.11.16

11・22 市東さんの農地取り上げに反対する会主催 講演&ディスカッション

午後1時 千葉市文化センター

第4724号

11・22現闘本部裁判 反対同盟、弁護団、傍聴席が結審弾劾

一体で仲戸川裁判長を圧倒

「裁判長はNAAの犬だ」

来春2・25反動判決許すな

千葉地裁(正面)を直撃した140人のデモ(11・12)
 反対同盟を先頭とする140人の労農学、弁護団は11月12日、天神峰現闘本部裁判において、司法反動の先兵・千葉地裁仲戸川隆人裁判長との一大決戦に決起した。
 11月11日に出していた裁判長への忌避を仲戸川自身が却下してきたことが明らかになった。民事第1部が受け付けたものを民事5部の仲戸川自身が「ひったくって」、自分で却下したのだ。こんな手続きがあるか! 午前9時からの千葉地裁包囲デモ(写真)につづいて、午前10時30分から法廷が始まった。最初からこの忌避の不当却下問題で騒然とする。
 「自分に出された忌避要求を自分で却下するなどということがどうして許されるのか」「違法、不当だ」と弁護人。傍聴席からもヤジと怒号が10分間つづく。さらに追及は、NAAが10月29日に行った「訴状の訂正」問題に移った。「訴状の訂正」問題とは、最終弁論直前になってNAAが「明け渡しを求める範囲」を現闘本部建物だけでなく、水道と蛇口などにも突如、拡張してきた問題を指す。面積にして約30平方メートル。 これに対して反対同盟弁護団は「これは拡張的変更であるから訴えの変更手続きとそのための法廷を開け」「訂正に対する認否・反論の機会(弁論)を与えよ」と要求した。しかし、仲戸川はこれをも拒否。「防御権の侵害だ。これが裁判と言えるのか」と再び法廷はヤジと怒号、弾劾の場と化した。
 反対同盟も「これじゃ先に進めないぞ」(市東さん)、「こんなずさんな裁判は裁判じゃない!」(鈴木加代子さん}などと仲戸川を追及した。押し黙る仲戸川。延々とつづく弾劾と罵倒。自分の不正義を自覚している仲戸川は退廷の警告ひとつ出せない。まさに前代未聞の法廷となった。
 「裁判長は権力とNAAの犬じゃないか」と弁護団、反対同盟、傍聴団は約1時間にわたって法廷を抗議・弾劾集会の場に転化して圧倒した。その後の北原事務局長の陳述も感動的なものだった。葉山弁護士を先頭に6人の弁護人が最終弁論の要旨を分担して展開した。そのすべてが仲戸川の訴訟指揮の違法・不当を余すところなく追及すると共に、現闘本部に反対同盟の確固とした地上権が存在すること、この提訴自身が43年にわたる空港反対闘争への破壊攻撃であること、三里塚闘争は人民の権利を守るかけがえのない闘いであることなどを1時間以上にわたって展開した。
 NAA代理人は沈黙を決め込むのみ。仲戸川は「来年2月25日に判決を下す」とやっとのことで声を絞り出すことしかできなかった。場所を移して行なわれた報告会は〃勝利集会〃となった。まとめで萩原進事務局次長は「闘いはこれから。来年2月まで、不当判決を許さない闘いを断固展開しよう」と訴えて、11・12闘争をしめくくった。
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全学連現地闘争本部

2009.11.11

11・12天神峰現闘本部裁判
千葉地裁包囲デモへ

午前9時
千葉市中央公園

第4723号

萩原事務局次長が民主労総労働者大会に参加

11・7〜9 韓国の労働者・農民と暑く連帯

「労農の団結、全世界へ」
ソウル本部の11・1訪日団と再会、握手

 
【上】ヨンドンボの集会で紹介される萩原さん、【中】理念交流会での発言、【下】5万人が集まった労働者大会(ヨイド公園)
 反対同盟の萩原進事務局次長が11月7日から9日まで、韓国・ソウルを訪れ、民主労総の労働者・農民と熱い交流をかちとった。動労千葉代表団とともに7日夕方に到着した萩原さんは、ヨイド公園で行なわれた前夜祭に参加、。翌日は、今年1月20日に起きたヨンサン事件(強制立ち退きに対して闘った撤去民5人を、警察特殊部隊が虐殺した事件)の現場を見学し、新自由主義政策に基づく李明博政権の強権的な労働者・農民弾圧を確認した。さらに、鉄道労組の労働者と交流。
 そして午後1時からヨンドンポで開かれた「殺人解雇!殺人開発反対!」を掲げたヨンサン(龍山)惨事糾弾・非正規職撤廃・公安弾圧粉砕集会に参加。動労千葉田中康宏委員長の発言の時に、ともに登壇して、全学連と共に紹介された。(写真上左)
 午後3時から「チョンテイル烈士精神継承2009全国労働者大会」がヨイド公園で、5万人の大結集で開催され(写真下)、ここで、中央農協労働組合の労働者や農民の代表と会見し、三里塚闘争を紹介するリーフレットを手渡して、意見を交換・交流した。
 9日は、民主労総ソウル地域本部での理念交流会に参加、冒頭「大地を侵してはならない。三里塚は動労千葉や全国の人民の闘いがあったからこそ闘ってこられた。全世界の労働者・農民・人民と共に闘う決意をもってこの場にいる」「労働者の同盟軍としての農民の決起を作って行きたい」と力強いあいさつを行った。
 この後、理念交流会の講演を学んでソウルでの連帯行動をしめくくった。
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全学連現地闘争本部

2009.11.03

11・9市東さん耕作権裁判

10時30分
千葉地裁 601号法廷

第4722号

北原事務局長アピール “国際連帯が戦争を阻む”

11・1日比谷 動労千葉先頭に5850の労農学

日韓米ブラジルが初の4国連帯 反対同盟 むしろ旗かかげ総決起

 11・1全国労働者総決起集会は、東京・日比谷野外音楽堂に5850人の労農学を結集して、「国鉄1047名解雇撤回、国際連帯、農地死守」を誓う火柱を打ち立てた(写真)。憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士のあいさつにつづいて北原事務局長が連帯のあいさつを行った。北原さんは「三里塚はなぜ43年間闘ってきたか」と提起、「米軍50万が降り立つ軍事空港は無用だ」と軍事空港反対の原則を確認した。さらに、10月30日にかちとられた4回目の韓国民主労総との交流会を報告し「アジアを出発点とする国際連帯のきずなで反戦平和を実現しよう」と訴えた。さらに労働者も農民も未来を描けない現実に対して「一人ひとりが立ち上がるところからしか現実は変わらない」「三里塚若い労働者、学生の未来を共に切り開くために決起する」としめくくった。
 開会あいさつは港合同の中村吉政副委員長。呼びかけ労組からのアピールとして、関西生コン支部の高英男副委員長が「権利侵害には徹底した反撃による非妥協の闘いを」と提起、1047名闘争を軸に全国の闘う労働組合のネットワークをつくり出そうと呼びかけた。
 動労千葉の長田敏之書記長は、「自らの職場と地域で階級的労働運動の復権に向けた闘いをさらに進め、それを国境を越えた一つの団結に広げ、共通の敵=資本家とその政府の支配を食い破ろう」と述べ、すべての労働者の怒りの先頭に1047名解雇撤回の旗を押し立てると宣言した。
 とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長が熱意を込めて連帯あいさつを行った。
 昨年をも超える国際連帯の広がりは、参加者に勝利の確信を与えた。韓国・民主労総は総勢45人が登壇。ソウル地域本部のチェジョンジン本部長は、イミョンバク政権下で吹き荒れる労働者弾圧を暴き、「労働者階級の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせることができる」「資本主義はけっして人類の代案になりえない」と断言。解雇者復職闘争特別委員会のキムベッキュ副委員長は、「資本が労働者を解雇するなら、労働者の反撃を受けることを実践を持ってやつらに確認させてやろう」と強調した。
 アメリカからはILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10のアンソニー・レヴィージさん、UTLA(ロサンゼルス統一教組)のセシリー・マイアート・クルズさんが固い連帯を表明、ブラジル・コンルータス(全国闘争連盟)のファビオ・ポスコさんは、搾取と抑圧を終わらせる闘いを呼びかけた。
 特別報告は「国鉄1047名解雇撤回」のアピール。北海道、秋田、九州の闘争団員、動労水戸、動労千葉争議団が決意を明らかにした。そして自治体、教育、全逓労働者が決意表明。解雇雇攻撃と闘う精研労組、さいたまユニオン、東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会、なんぶユニオンワークフロンティア分会そして躍進する学生を代表して、法政大学文化連盟の洞口朋子さんが、民営化・労組破壊をはね返そう、獄中10同志を取り戻そうと訴えた。デモは1人の不当逮捕をはねのけ都心を文字通り席巻した。

 

 

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