日刊三里塚 HP版   2009/2  

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

2009年 2月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.2.24

3・12再会現闘本部裁判

10時30分 千葉地裁

第4657号

「耕す者に権利あり」(第1条)を抹殺

農地法改悪=解体を許すな

下旬、 法案提出を策動
企業参入自由化と土地強奪狙う

熊本県八代郡郡築村の小作争議。小作料未納者に地主側は差し押さえの強硬手段に出た。これに対して反撃する小作農民組合のデモ【1930年5月】。こうした農民の闘いのエネルギーが戦後、小作地解放の要求となり、農地法制定につながった
  農地法改悪の危機が迫っている。1月28日の施政方針演説における麻生首相の「平成の農地改革」宣言を受けて、農林水産省が、2月下旬の法案提出にむけた作業を急ピッチで行っているからだ。
 最大の焦点は、農地法第1条の否定である。同条は「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であることを認め……」という「耕作者への権利宣言」を明記している。これこそ、3000万農民の反乱によって勝ち取った農地解放の成果をさん奪するものであり、戦後労働法や教育基本法改悪と並ぶ改憲攻撃そのものだ。
 農水省案は第1条に代えて、「農地はこれを有効利用する者に権利の取得を促す」という内容に書き換えようとしているのだ。いわゆる「所有から利用への転換」だ。
 日本経団連もこの動きと一体となって2月13日に「農地制度改革に関する見解」を出し、「自作農主義」の廃止を求め、「所有と利用を分離し、農地の集積を促していくべきだ」と結論付けている。
 これらは、小作農の反乱を抑えるためにに1952年に制定された農地法を根本から覆し、企業の自由な農地所有に道を開く大反動攻撃だ。
     *
 そもそも農地法改悪は安倍内閣の2007年に、優遇税制廃止による農地の暴力的はく奪まで含めた「抜本的改悪」としてもくろまれていた。ところが同年夏の参議院選挙における地方の反乱、農民の反乱によって、策動はいったん頓挫した。
 しかし、08年のリーマンブラザーズ破綻に始まる世界的な金融危機、経済恐慌の中で、「FTA、EPAの締結促進は、貿易立国日本にとってまったなし」「日本独自のAPEC戦略を描くためにも、農産物の輸入自由化を決断すべき」(いずれも日本経済新聞)などの声が、財界・御用学者の大合唱となって煽られている。
 そうした動きを背景に今回、いったん頓挫した農地法の改悪に再び踏み込んできたのだ。とりあえず、所有権ではなく利用権の規制緩和から手をつけようとしているが、いったん、利用権の緩和が認められれば、所有権の自由化までは一直線だ。
 農地法改悪は破たんした新自由主義攻撃の再版であり失敗は明白だ。この攻撃を打ち砕く正面に位置するものこそ市東孝雄さんへの農地法による農地収用を打ち砕く闘いだ。3・29集会の成功で反撃しよう。
日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.2.21

イラク反戦6周年
全国から代々木公園へ

3月20日(金)午後1時半

第4656号

2・16市東さんの耕作権裁判(第10回口頭弁論)

墓穴を掘った空港会社を追撃!

労農連帯の力で 3・20渋谷デモ〜29三里塚へ 大結集をかちとろう!

報告会であいさつする市東孝雄さん
   2月16日、市東さんの耕作権裁判の第10回口頭弁論が千葉地裁で開かれた。この裁判はNAAが市東さんの畑の一部を「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めて起こしたもの。反対同盟先頭に、85名の労農学市民が支援、傍聴に駆けつけ、市東さんと怒りを共にして闘いぬいた。
 裁判の争点は「南台41-9」の土地。NAAは、ここを市東さんの賃借地と決めつけて提訴したが、実際には市東さんがここを耕作したことは一度もないのだ。耕していたのは反対同盟元副委員長の石橋政次であった。この一点でNAAの提訴はデタラメ、即刻取り下げられなければならない。 反対同盟と顧問弁護団の激しい追及を受けて、NAAは前回の第9回でついに「1984年段階では」という留保条件を付けながら、「南台41-9」が石橋の耕作地であったことをしぶしぶ認めた。
 ところが、今回NAAは、市東東市さんが「南台41-9」をもともとの自分の契約地であると認めたとする「証拠」として、旧地主の藤崎政吉の手書きの「メモ」なるものを持ち出してきた。このずさんでいい加減なメモをほぼ唯一の根拠として、この土地は「もともとは市東家の契約地だったが、石橋と土地を交換した」との主張で押し切ろうというのだ。
 だが、87年当事に空港公団が収用委員会に提出した裁決申請書にまで、「南台41-9」は石橋の契約地で、市東さんの契約地であることは別であることが明記されていることが明らかになった。
 弁護団は求釈明を行ない、原告の代理人弁護士を徹底的に追いつめた。NAAよ、見苦しい取り繕いをやめて提訴を取り下げよ!

意気高く、報告会

 閉廷後、弁護士会館で記者会見と報告会が行なわれ、最初に市東さんが「裁判は佳境に入ってきたが、向こうの言っていることは全てデタラメ。弁護士さんとともに、私も頑張ります」ときっぱり。
 弁護団の詳細な解説のあと、北原事務局長が「この裁判の行方に全国の農民の未来がかかっている」とさらなる傍聴、支援を訴えた。
 さらに市東さんの農地取り上げに反対する会の井村弘子さん、動労千葉の滝口誠さん、関西実行委の安藤眞一さん、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんが次々と連帯のあいさつを行なった。最後に事務局の鈴木謙太郎さんがまとめで「3・29の大結集」を訴えた。

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.2.12

2・16市東さん耕作権裁判第10回弁論
10時30分 千葉地裁

第4655号

トヨタによる農地破壊許すな

豊田市で農業委員会抱き込み物流基地に不当転用

4億も税金使った優良農地  愛知県、農水省も加担し許可

2月1日付東京新聞
  多額の税金を使って整備された優良農地を、トヨタ自動車が、物流基地に不当転用している実態が報道された。2月1日の東京新聞は、トヨタの子会社8社が、優良農地20fルを不当に倉庫などに転用していた事実を報じた。
 この20fは、「農業振興地域の整備に関する法律」によって、4億円も使って区画を広げ用水路を埋設するなどし、1966年から40年間もかけて土地改良事業が施された農地だ。「最も転用規制が厳しい」と言われるカテゴリーに分類される優良農地だった。ところがトヨタは、地元の豊田市農業委員会を抱き込んで「農業振興農用地(優良農地)からの除外」を認めさせていた。中でも、8社の内最大の企業である愛知陸運の場合は、「農振農用地」から「除外」させただけでなく、「第一種農地」から「第二種農地」に格下げさせる操作まで行なって、物流基地への転用を認めさせていた。
 愛知陸運の物流基地は、面積が4・5fと4fを超えるため、農林水産大臣の許可が必要なため、「農地として低級なランクへの格下げ」も行なったのだ。そして愛知県農業会議も農水省もグルになって転用を認めた。
 最も厳しく守られなければならない農振農用地ですらこのように次々と転用が認められるとなれば、すべての農地が転用可能ということになる。しかも農振農用地は、工業用地に最適だ。「農道も縦横に走り、平たんに整地された農地は、開発業者にとって垂涎(すいぜん)の的」(同紙)というわけだ。
 そして以上の手続きすべてが「企業城下町の殿様・トヨタ」の圧力で「合法」だというのだから何をかいわんやだ。
 トヨタは「自動車輸出のために農産物輸入自由化を」と農業・農民に敵対してきただけではなく、直接農業・農地破壊に手を染めていたのだ。それも農業補助金で整備された優良農地を、工業用地に横取りするという〃税金ドロボー〃まで行なって。
 世界恐慌下、農地法改悪、農業切り捨て要求の声が、麻生政権、財界から声高に起こっている。この攻撃を打ち破る最先端の攻防が市東孝雄さんの農地を守る闘いだ。3・29集会の成功で反撃しよう。
日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2009.2.7

2・3市東さん土地取り上げ阻止・農地死守裁判へ
9時 中央公園  11時 地裁

第4654号

2・3「農地法による農地取り上げと闘う裁判」

「市東さんの農地を守りぬくぞ」 150人が地裁デモ

第1回口頭弁論で 市東さん、圧倒的な意見陳述

反対同盟先頭に千葉地裁デモ
裁判後の報告会(弁護士会館
    2月3日、市東孝雄さんに対する「農地法による農地取り上げと闘う裁判」の第1回口頭弁論が千葉地裁で始まった。この日は、午前9時から、千葉市中央公園に150人の労働者・農民・学生・市民が結集し、総決起集会が開かれた。市東さんがマイクを握り、「待ちに待った決戦の時が来ました。今日のデモで千葉地裁を圧倒しましょう」と訴えた。この簡潔明瞭な決意表明に全員が奮い立ち、戦闘的な市内デモが闘い取られた。
 11時の開廷に向かって、傍聴にかけつけた人たちが抽選にならび、その数は、100名を越えた。405号法廷の前の廊下は、入りきれない傍聴希望者であふれていた。市東さんは、用意した陳述書を読み上げた。「この裁判は、千葉県の不当な決定に基づく不当な提訴です。まったく認めることができません。祖父が切り開いた時から親子3代にわたって精魂込めた、この土地こそ私の畑です」ときっぱりと宣言し、原告NAA(空港会社)を圧倒した。反対同盟顧問弁護団は「提訴を直ちに取り下げろ」と鋭く迫った。
 NAA側の訴状に対して、弁護団がすかさず、「NAAと市東さんの間には、いつ賃貸借契約が成立したのか」と求釈明を行なった。NAAの代理人弁護士らはうろたえ、絶句。傍聴席から当然にも「ちゃんと答えろ!」の声。何と堀内明裁判長が、反対同盟・萩原富夫さんに退廷命令を発した。怒りが一気に爆発。裁判長は「次回期日は追って指定します」というが早いか閉廷を宣し、そそくさと逃げ出した。
 基本的要件を欠いたこんなずさんでデタラメな提訴で、市東さんの農地を強奪しようなどということは、断じて認められない。許せない。裁判闘争をさらに徹底的に闘い、NAAと裁判所をとことん追いつめよう。3・29全国集会に大結集しよう。

 

 

TOPへ  週刊『三里塚』