日刊三里塚 HP版   2008/5  

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2008年 5月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.30

6・8
三里塚現地闘争
午後1時半 萩原さんの畑

第4616号

鈴木さん裁判第6回弁論

一坪共有地は組合財産だ

「勝手な売買許されぬ」
仲戸川裁判長の拙速審理と対決

   

反対同盟と労農学は5月29日、鈴木幸司・いとさん夫妻に対する一坪共有地の強奪を狙った裁判の弁論闘争に立った。
 司法反動の先兵である千葉地裁に対して、傍聴席を埋める多くの仲間が結集して、仲戸川隆人裁判長と対峙(たいじ)した。今回の第6回弁論で鈴木さん側は、前回に続いて「三里塚地区周辺に土地を持つ会」が民法上の組合契約に基づいて有効に成立していること、「空港反対運動」という厳然たる目的が存在し、共同事業であるという組合成立の要件を十分満たしていることを断固、陳述した。
 原告・千葉県側は「土地を持つ会」は民法上の組合として認められないと主張しているが、とんでもない。一坪共有地は組合財産であり、個人で勝手に分割して処分することはできない。さらに加えて「全面的価格賠償方式」による売買が違法・無効であることの主張を開始した。「全面的価格賠償方式」とは、
共有者が拒否しても、金銭と引き換えに勝手に共有物を取得できる、とする違憲の判例だ。 法廷では、傍聴者と鈴木さん、反対同盟、弁護団が一体となって、仲戸川裁判長の拙速審理策動を許さず闘った。
 全体の怒りに気押された仲戸川裁判長は、またしても被告・鈴木さん側を「原告」と言い間違える始末。「語るに落ちる」とはこのことで、この裁判が成田空港建設の不当性、民法による農地強奪の違法性を裁く裁判であるという本質が浮き彫りになった。

転売狙った強奪! 地上げ屋千葉県を弾劾

 そもそも鈴木さんの一坪共有地は、空港敷地外の4000メートル滑走路北端に隣接するところにあり、緊急の必要性もない。にもかかわらず千葉県はこの共有地を奪い取り、それをNAA(成田空港会社)に売り渡すと公言している。こんな地上げ屋同然の農地強奪を絶対に許すことはできない。この怒りを6・8現地闘争の爆発で示していこう。
 次回の口頭弁論は8月28日(木)午前10時30分から。
 現地闘争と一体で裁判闘争をやり抜いていきたい。傍聴に集まろう。 
 裁判終了後の報告会(写真)では、弁護団から本日の攻防についての説明と裁判闘争に向けた決意に続いて、鈴木幸司さんの烈々たる決意表明といとさんの「がんばります」というあいさつを受け、6・8ー6・12(現闘本部裁判)の連続決起を全体で確認した。

鈴木幸司さんの発言

 私たちの闘いはただ単に個人のものではない。あの市東さんの畑が命であると言ったように、私たちも今回のこの問題は単なる土地問題ではなく、本当にこれからの私たちの生きる道はここなんだ、この闘いにあるんだということを申し上げたい。(裁判長は)今日も、なんか寝言みたいなことを言っていた。これからも弁護団と一緒になって、本当に一致団結してこの問題を大きく取り上げていきたいと思います。よろしくどうぞお願いします。

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.27

6・8
三里塚現地闘争
午後1時半 萩原さんの畑

第4615号

「需要に応えられない」は真っ赤なウソ

成田はハブ空港から転落!北延伸、  3500b化の理由なし

成田の地盤沈下を報じる新聞(5月20日前後)
 

アジアのハブ(中心)空港がすでに成田から韓国仁川空港に移りつつある事実が、「開港30周年キャンペーン」の中で暴露された。5月19日に放送されたNHK首都圏ネットワークでは、新潟空港と仁川空港の結びつきが放映され、新潟県周辺から欧米に向かう旅客の大半が、今では成田経由ではなく、仁川経由で向かっていると紹介された。空港の広さと滑走路の長さ、び機能で差がついている。
 成田空港周辺のホテル関係者の間でも「ハブ空港はすでに韓国に移っている」との認識が定着していると報道された。(5月14日付千葉日報)
 国際貨物量ではすでに、仁川が成田を抜いて世界第2位になっている。すなわち仁川が231万トンに対して成田は224万トンだ。年間発着回数でもほぼ肩を並べた。成田の18万6000回に対して仁川は18万2000回だ。
 このことの意味することは重大だ。政府・国土交通省と空港会社は、「乗り入れ待ちが40数カ国ある」「需要に応えられないから、北延伸が必要だ」「3500メートル化しなければならない。年間飛行回数を30万回にしなければならない」などと宣伝しているが、このすべてがウソだということだ。
 成田はアジアのハブ空港から脱落している。その理由は、国内線のネットワークがないからだ。都心から距離が遠いことが致命的だ。成田以東で国内線があるのは札幌と仙台だけ。ところが、仁川空港は、前述の新潟の他にも東日本エリアで、札幌、函館、青森、秋田、仙台、福島、に路線を張っている。

“成田地盤沈下”大いに結構

 だから、東日本から欧米に向かう旅客の大半が仁川空港に奪い取られている。羽田国際線化についても同じことが言える。国内線で成田に飛べない秋田、岩手、青森、札幌を除く北海道など東日本の旅客は、羽田経由でアジア諸国に向かう。成田が羽田に敗北するのは明白だ。実際、羽田が再拡張(2010年10月)された後、国際線の発着枠を3万回に限定してきたのを、6万回に増やす方針が確定した。成田は対仁川でも対羽田でも徹底的敗勢を強いられる。だとすれば、成田の需要は減りこそすれ増えることなどありえない。ちなみに「乗り入れ待ちが40カ国」云々の話も、数字のトリックがある。これらはすべてが小国であり、便数はせいぜい週に1、2便の要求、すなわち年間でも200回程度の需要でしかない。要するに微々たるものだということだ。
 こうしたデマゴギッシュな宣伝で、北延伸にとどまらず、南延伸による3500b化、年間飛行回数30万回への拡大そして24時間空港化までを狙う政府・国土交通省、空港会社、大手資本の策動を許してはならない。〃成田の地盤沈下〃結構じゃないか。空港にしか頼るもののない地域経済のあり方は異常であり破産する。労働者と農民が真に共同した社会こそが目指されなければならない。
 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.27

6・8
三里塚現地闘争
午後1時半 萩原さんの畑

第4614号

市東さん耕作権(不法耕作でっち上げ)裁判第7回口頭弁論

現在耕している畑が賃借地だ!

 

90年の耕作の歴史を明らかに 市東さん最前列でNAAを圧倒

弁論の後、記者会見・報告会が行なわれ、熱心な
論議が交わされた(5月19日 弁護士会館)

 5月19日、千葉地裁で市東さん耕作権裁判の第7回口頭弁論が開かれた。市東孝雄さんは、弁護団と一緒の最前列に座り、先頭で闘った。
 市東さんは親子3代にわたり、90年間休まず畑を作り続けてきたのだ。現在耕作している畑が、正真正銘の賃借地だ。「農地法による農地取り上げ」などとんでもない。ましてや、不法耕作など断々じてありえない。「不法耕作」だといって奪い取ることなど絶対に許せることではない。市東さんとともに、政府・NAAと知事の決定の不当を徹底的に暴き、国家権力の不当を暴く階級裁判と化そう。法廷では、空港会社が不当に明け渡しを求めている畑の位置・範囲の特定に関するデタラメを徹底的に追及した。さらに「90年間耕作」の歴史的事実を明らかにし、裁判長・NAAを圧倒した。次回公判は、4カ月後の9月1日に追い込んだ。
 弁護士会館で行なわれた記者会見と報告会で、鈴木謙太郎さんが司会。市東さんは、「今日は前にすわった。こんどは裁判長に手を上げて、おかしなことがあれば追及していく」と戦闘的な決意表明。続いて、葉山弁護士が、法廷内の闘いの報告。ここで、浅野弁護士が、革労協に対する前代未聞の10名の逮捕に対する経過の説明があり、三里塚闘争支援連絡会議の弾劾声明が紹介された。
 反対同盟から、北原事務局長が「空港反対闘争も43年を迎えた。今農地法を逆用して土地をとっちゃおうというのが会社のやり方。日本の農業のあり方を本気になって考えなければならない」と訴えた。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」の井村弘子さん、動労千葉支援する会の山本博行さん、関西実行委の松原康彦さん、群馬の青柳晃玄さんが傍聴の報告と決意を表明した。最後に、萩原進事務局次長が「われわれの闘いは正しいが、勝たなければ正しくならない。市東さんはがんばっている。三浦五郎さんは『戦時下における農地取り上げ』と喝破した。裁判所は敵の土俵かもしれないが、誰でも出来る闘い、全員退廷覚悟で断固闘おう」と熱烈に訴えた。

6・8現地闘争へ

 次の闘いとして予定されている6月8日の三里塚現地闘争の会場として、萩原進事務局次長の畑を提供することが発表され、6月12日の11か月ぶりの現闘本部裁判ともども、全力で闘うことが確認された。
 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.17

5・19
市東さん耕作権裁判
10時30分 千葉地裁

第4613号

5・19市東さん耕作権裁判へ

市東さん先頭に空港会社・千葉地裁を圧倒しよう
延伸時、「へ」の字は「へ」の字のまま

 

「へ」の字に曲がった誘導路。市東さんの畑と現闘本部の存在で、2010年4月北延伸時の直線化は不可能な状況に追い詰められている。
 市東孝雄さんの耕作権裁判(第7回弁論)が、5月19日、午前10時30分から千葉地裁405号法廷で闘われる。多数の決起による傍聴闘争で空港会社と千葉地裁・菅原崇裁判長を圧倒しよう。
      *
 市東耕作権裁判は、2007年2月19日の第1回弁論から6回の弁論をへてすでに1年3カ月が経過した。とくに6月18日の第3回弁論で、退廷命令をものともしない激しい法廷闘争をやりぬいて以降、法廷内の主導権を完全に市東さんと反対同盟の側に奪還した。
 その結果、現在でもなお、本論に入る前の求釈明の攻防がつづいており、「2010年4月の北延伸までに市東さんの土地を奪い、『へ』の字の湾曲を解消したい」とのもくろみを、現闘本部裁判の勝利的展開とあいまって、ほぼ粉砕している。毎回、100人になろうとする傍聴闘争がこの前進を切り開いてきたのだ。
 こうしたねばり強い市東さんと反対同盟の闘いの前に、国土交通省や航空政策関係者の間には「日本の空港政策はアジア諸国に比べると周回遅れ(トラック競技で一周遅れること)だ」(国交省の御用学者)との嘆きまで漏れるようになってきた。
 5月19日の弁論では、4月18日に空港会社側から出された書面、すなわち「公図は参考資料にしかならない」「反対運動が激しく現地での境界立会い、測量はできなかった」等のでたらめな主張に対して、「測量できないのにどうやって畑を特定したのか」などと求釈明の形でこれに徹底反論する。さらに「90年間耕作し続けてきた市東さんの耕作実態」について、歴史を踏まえた主張を行い、市東さんに厳然たる耕作権が存在することを証明する。全力で結集しよう。


日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.13

5・19
市東さん耕作権裁判
10時30分 千葉地裁

第4612号

成田の24時間空港化許すな!

自民党の調査会が要求

福田内閣が骨太方針で採用へ

 

福田首相も出席して開かれる骨太方針のための経済財政諮問会議(2007年10月)
  5月7日、朝のNHKニュースは、自民党の国際競争力調査会(会長・尾身幸次前財務相)の物流インフラ・サービス作業部会が、「成田空港の24時間化を要求する提言」を5月中にも行なう予定であることを報じた。
 同提言は福田内閣の経済財政諮問会議に提出され、6月に策定される「骨太方針」に盛り込まれるという。提言は、「首都圏空港は2020年には容量が限界に達する」とのデマの上に立って、「それ以降の首都圏の空港容量の拡大が必要だ」。そのために、成田空港・羽田空港の相互運用による「首都圏空港の24時間化を実施すべきだ」としている。
 その理由として、「羽田が再拡張(2010年10月)し、成田が北延伸した後は、早期の空港の拡張や新設は難しい」だから「24時間運用にして発着枠を増やす」などと得手勝手な主張を行っている。
 冗談ではない。現在でも耐え難い騒音地獄を強制しておきながら、今度は「夜中もジェット機を飛ばす」と言っているのだ。これは空港反対農民、空港周辺住民は夜眠れなくしてやる、という暴挙だ。どこまで、三里塚住民を愚弄すれば気がすむのか。「空港と地域との共生」なる空文句も完全に化けの皮がはがれた。
 これは同時に、安倍前内閣が提唱したアジア・ゲートウェイ戦略を、福田内閣も基本方針に採用することの表明であり、三里塚闘争敵対宣言だ。成田北延伸後のの暫定滑走路3500メートル攻撃を公然と言明し、さらに年間飛行回数の30万回化(現在の1・5倍化)を打ち出した上に今度は「空港の24時間化」だという。
 反対同盟と空港反対農民、周辺住民の怒りは沸騰(ふっとう)している。そもそも、以上の攻撃はどれもこれも、反対同盟が「絶対反対」を貫くかぎり、まったく現実味のない絵空事でしかない。われわれは反対同盟と固く団結し、動労千葉を先頭とする労働者階級とスクラムを組んで、これらの理不尽極まりない攻撃を何が何でも粉砕する決意だ。

6・8現地闘争で粉砕しよう

 
 日帝・福田政権は、どんなに展望がなかろうと、アジア・ゲートウェイ戦略の道を進む以外に選択肢がない危機に追いつめられているのだ。「成田の24時間化」という前代未聞の暴挙を、6・8緊急現地闘争(午後1時30分、三里塚・東峰現地)で断固粉砕しよう。

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.9

5・19
市東さん耕作権裁判
10時30分 千葉地裁

第4611号

市東さん耕作権裁判第7回口頭弁論

不法耕作呼ばわり断じて許せぬ!

親子3代90年間、何事もなく耕作してきた畑 
 耕作者の同意なき売買? 次に明け渡せ?
    こんなことがどうしてまかりとおるのか!

写真は、第6回弁論の傍聴団

 市東孝雄さんの耕作権を守る裁判の第7回口頭弁論が5月19日に千葉地裁で開かれる。傍聴闘争に全力で結集しよう。
 前回、3月3日の第6回弁論では、いよいよ「耕作者の同意なき売買」という、この裁判の核心問題への切り込みが市東さん側から行われ、弁論は白熱化した。
 5月19日の第7回弁論では、4月18日に空港会社側から「公図は参考資料にしかならない」「反対運動が激しく現地での境界立会い、測量はできなかった」等の全くデタラメな主張が書面で出されたことに対して、求釈明の形でこれに徹底反論し、併せて「90年間耕作し続けてきた市東さんの耕作実態」について、歴史を踏まえた主張を行う。
 市東さんへの農地強奪攻撃を絶対に許すわけにはいかない。この攻撃は、土地は「それを耕している農民のもの」としてきた戦後の農地法も憲法も全面的に破壊するものだ。日帝の大資本が生き残るためには農業も農民もつぶすという攻撃だ。
 市東さんは、第1回弁論で、直接空港会社を弾劾した。「90年間異議を唱えられることもなく耕してきて、突然不法耕作呼ばわりされた者の怒りが分かるか。そもそも耕作者の同意を得ない農地の売買自体が違法だ」と空港会社代理人を震え上がらせた。
 この決起に断固として応え、いまこそ労農同盟の団結の力で市東さんへの攻撃を絶対粉砕しよう。
 市東さん耕作権裁判は、第1回弁論からすでに1年3カ月。「2010年3月の北延伸までに市東さんの土地を奪い、『へ』の字の湾曲を解消したい」とのもくろみを、現闘本部裁判の展開とあいまって粉砕している。毎回、100人になろうとする傍聴闘争がこの前進を切り開いてきた。さらに、さらにこの勝利を押し広げよう。

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2008.5.1

5・19
市東さん耕作権裁判
10時30分 千葉地裁

第4610号

「JR尼崎事故(3カ年)を弾劾せよ」

4・26尼崎に560の労農学が結集

分割・民営化が諸悪の根源

解散地で団結ガンバローを行なう参加者(上)。事故現場脇をデモ行進する560人のデモ隊

 「JR尼崎事故糾弾 4・26尼崎労働者集会」が兵庫県の尼崎現地で開かれ、全関西・全国から560人の労働者・農民・学生が駆けつけ闘った。三里塚現地からも現闘3人が参加した。参加者はJR資本への怒りも新たに、尼崎駅前での集会、事故現場までのデモを意気高く闘い抜いた。その先頭には断固たる決意をもって、動労千葉、国労5・27臨大闘争弾圧被告、国鉄1047名解雇撤回闘争当該を先頭とする国鉄労働者が立った。
 あいさつに立った動労千葉の田中康宏委員長は、「事故で107人を殺した経営幹部がみんな天下って社長になっている。こんなことが許せるか。第二次国鉄決戦に勝利して資本を倒そう。労働者の力で世の中を変えよう」と訴えた。基調報告は5・27国労臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さん。「尼崎事故から3年。2度とこのような事故を起こさせないためにも居直るJR資本の足元から最強の闘いを作り出す」「今日の闘いは5・1メーデーの日にアメリカ西海岸の全港湾を全面封鎖しようと闘っているILWU(国際港湾労組)との国際連帯をかけた闘いでもある」「労働者の団結した力で新自由主義の攻撃に勝利しよう」とアピールした。
 第2次国鉄決戦は、JR本体で働く労働者と被解雇者が一体となって、国鉄分割・民営化体制=JR体制打倒まで止むことのない新たな段階に突入した。4・26につづいて、1047名の解雇撤回まで闘おう。

 

 

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