日刊三里塚 HP版   2007/06  

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2007年 6月

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2007.6.30

「一坪」控訴審判決

東京高等裁判所
●7月11日(水)1時15分

第4550号

「私たちは入会い続ける」

仮処分棄却で東峰区が声明

団結し北延伸阻止・暫定路閉鎖新誘導路の工事着工許すな

 6月12日、東京高裁によって強行された東峰の森仮処分の抗告棄却決定に対して、東峰区と弁護団が6月23日、弾劾声明を発表した。以下、一部省略して掲載する。共に団結し北延伸阻止・暫定滑走路閉鎖へ前進しよう。
     *
 私たちは怒っている。憤っている。
「切ったらもう取り返しがつかない。せめて高裁の決定を待つべきではないか」。私たちの再三の申し入れを蹴って、四月下旬から、空港会社は森の伐採を開始した。数千数万の木々や竹がなぎ倒され、森の中心部分はぽっかりと空に穴をあけた。何ヘクタールもの大地が削られ裸のままうめいている。残余の森もすべてがフェンスと網で囲われ、私たちは立ち入りを拒まれている。この腹立たしい現実、国と空港会社の蛮行に対して、東京高裁は、敢然と司法としての役割を果すのではなく、空港会社のだまし・詭弁を積極的に擁護、追認し、六月十二日になって私たちの即時抗告を棄却した。
 一審千葉地裁の決定は、重大な事実認定の誤りの上に成立っていた。それは、「本件森林の存在する本件土地が空港建設の当初の計画段階から空港施設の建設予定地に含まれていた」と認定し、だから、「東峰区と相談することなしに、森について一方的に計画を策定し進めていくことはしない」などという部落との重大な約束を空港会社(旧空港公団)が本気で結ぶはずがないというものであった。東京高裁は、私たちの抗告理由を認め、その認定部分二行を削除した。が、おかしなことに、その誤った事実認定の上にできた、「森林保全の契約が成立したとは認めがたい」という判断と理由については全文を維持したのだった。
 そして事実認定の破綻をとり繕うために、部落との約束や謝罪の内容を破ったとしても
、それは「新たな事情変更によるもので、これをもって相手方の違約ということはできない」と強調した。それも「(空港側に)何らかの変更が生じた場合には当然見直される余地があることは、事柄の性質上、当事者間において暗黙の内に予定されていたというべきである」など、斟酌できるはずもない私たちの暗黙の内面をでっちあげてまで誤った決定を支持したのである。
 約束や契約は両者が了解しあって成立するもので、『一方に不都合が生じれば独断でそれを破ってよい』ということは、本来世間では通らない。だったら、いかなる約束や契約も後では強者の都合のいいようにされる仮のものにすぎなくなる。司法がそのような言い分を認め擁護するとすれば、法の下の平等や正義は、いったい誰が保障するというのか。
   (中略)
 国や空港会社の無責任で行き当たりばったりの事情変更の被害は、彼らにではなく、私たち部落住民の側にふりそそぐのだ。あの広大な森の約半分が伐採されれば、雨は濁流となって流れ、のちには渇水状態となって周辺の土地や井戸が枯らされる
ことは目に見えている。様々な影響や被害は、非道悪政を行う側ではなく、弱者住民の側が否も応もなく引き受けるのである。当初計画にはありえようも無かった「暫定B滑走路」のために、私たち東峰部落住民は頭上四十bを飛ぶジェット機の轟音と墜落の不安に日夜さらされている。
 しかし、そのような理不尽な現実に私たちは決して屈しない。理不尽な決定を私たちは
決して許さない。私たちはこの地に暮らし続けている。森と私たちの暮らしは、どんなに切ろうとしても切り離されることはない。六十年前、私たちの父母先達が開墾した土地の隣に森が有ったのではない。森を開墾しその中に東峰部落が生まれたのだ。
 私たちは東峰の森に入会い続ける。
 右声明する。 6月23日
        東峰区、仮処分弁護団

【写真】 伐採された東峰の森(6月26日撮影)

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2007.6.27

「一坪」控訴審判決

東京高等裁判所
●7月11日(水)1時15分

第4549号

新誘導路の工事着工許すな

6月26日、天神峰トンネル
入り口でフェンス工事強行

闘争陣形の強化で反撃しよう!

  6月26日、空港会社は新誘導路の建設工事に着手した。場所は、東峰十字路のすぐ西側=小見川県道の天神峰トンネル入り口。2台の大型クレーン(写真)と数十人の作業員、ガードマンを動員した工事用目隠しフェンスの建設だ。周りを私服刑事車両と機動隊のワゴン車がひんぱんに徘徊し、住民と通行の市民を威かくしている。
 工事の主たる目的は、新誘導路を天神峰トンネルの上に通すためのトンネルの補強。そして現在の生活道路(旧小見川県道)について、東峰神社入り口より東側をすべて廃止し、南側に迂回させる「切り回し」である。
 空港会社は東峰区の抗議も無視して、暴力的かつ威圧的に、東峰の森を伐採し、新誘導路建設を開始した。度重なる住民無視に東峰区の怒りは頂点に達している。2009年度末とされる北延伸開港予定に間に合わることが一切に優先する、という41年変わらぬ農民切り捨てだ。
 新誘導路建設は、東峰区を東西に分断し、部落西側部分を完全に空港の中に囲い込んでしまう部落破壊攻撃だ。さらに東峰の森と部落のど真ん中に幅30メートルの誘導路を通して、残った森と部落の環境を決定的に破壊する生活破壊だ。これを意図的に行おうとしているのだ。まさに住民に対する宣戦布告だ。
 東峰区と連帯し、7月闘争の高揚で断固反撃しよう。夏の過程で、闘争陣形を決定的に強化し、この新たな国家犯罪を告発・追及しよう。


【写真】 6月26日に着工が強行された新誘導路のフェンス工事。場所は東峰十字路のすぐ西側

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2007.6.19

革共同政治集会
     ●7月29日(日)豊島公会堂

第4548号

韓国・基地反対闘争の仲間も合流! 6・16闘争が成功

「労農1つになり国家犯罪を打ち砕く」

焦っているのは安倍とNAAだ

   暫定滑走路北延伸粉砕、
     「森」伐採・新誘導路許すな

 6月16日、「東峰の森」伐採弾劾、新誘導路建設阻止現地闘争が東峰・萩原進さんの畑で行なわれ、185名が結集、フェンス越しに伐採される「東峰の森」破壊に対して国家犯罪を打ち砕く怒りのデモを貫徹した。(写真)
 空港会社は、東峰地区の営農を支えてきた「東峰の森」の伐採工事を4月から強行、伐採後の新誘導路を建設するために、東峰地区内の生活道路をトンネル化し、生活権利を踏みにじる殺人的な環境破壊を行なおうとしている。絶対許してはならない。
 集会では、伊藤信晴さんの司会で、北原事務局長が冒頭あいさつ、「東峰の森は住民の共有財産、資本家の利益のために農地をつぶす暴挙は絶対許せない。一切の話し合いを拒否し、軍事使用反対で闘おう」と訴えた。現地情勢の報告で、萩原進事務局次長は、東峰地区住民の仮処分申請の抗告棄却を徹底弾劾し、「東峰の森の伐採強行や空港建設の仕方のデタラメが浮き彫りになってきた。空港建設そのものはギリギリのところで暴力的に行なわれている。北延伸の狙いとして南延伸の策動も出てきている。今行なわれている全裁判闘争を逆手にとり、勝利のてこにし、労農連帯で闘っていこう」と鮮明に提起した。続いて鈴木幸司さんが、「東峰の森の伐採は絶対許せない。この地を軍事空港の基地にはさせない。世界に誇れる三里塚の闘いを示そう」と力強いあいさつ。さらに、敷地内市東さんは、「ここに住んでいるものが悪いとばかりに、伐採や耕作地の取り上げを行なおうとしている。こういうやり方は絶対に許せない。労働者と農民一つになって闘おう」と決意表明。
 韓国から、ピョントンサ(平和と統一を開く人々)の代表が連帯のあいさつ、さらに動労千葉、関西実行委、全学連などの共闘団体のあいさつが続いた。最後に、鈴木謙太郎さんが、団結ガンバロウを行なった。会場から、現闘本部の前を通り、市東さんの畑まで、意気高くデモ行進を貫徹した。

デモ終了後、現地情勢報告会 


デモ終了後、解散地の市東さんの畑で、耕作権をめぐる裁判の経過状況報告を市東さんから受け、その後市東さんの庭に移動して、三里塚現闘主催の現地情勢報告会をおこなった。北原さん、韓国、現闘本部、周辺農民からあいさつと報告を受け、市東さんの耕作権裁判の背景として、政府の農業政策として、日本農業をつぶしていく攻撃が明確にあること、労農連帯の力で、粉砕していくことを活発な論議の中で確認した。

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2007.6.15

市東耕作権裁判
千葉地裁405号法廷
●6月18日10時30分

第4547号

「空港の軍事使用ありうる」

小泉市長、全員協議会で暴言
「国民保護計画」で住民を戦争動員

 成田市の小泉一成市長が今年3月、「成田市国民保護計画」の報告と質疑のあった全員協議会で「成田空港の軍事使用を認める場合がある」と答弁していたことが明らかになった。
 小泉市長は次のように述べていた。「軍事使用した場合、しなかった場合、どちらで住民の安全が確保されるか」「住民の安全が軍事使用によって守られるなら(軍事使用を)認める」「軍事使用しないと住民の安全が脅かされるなら認める」と。
 とんでもない暴言だ。「軍事使用した方が住民が安全になる場合」など百パーセントありえない。軍事使用=軍事基地になることで空港が標的になり、逆に危険が圧倒的に増す。常識だ。
 しかも、実際の戦争は真空の中で起きるのではない。現在の政治・軍事情勢の中では、成田の軍事使用は米軍の使用以外にない。今年1月5日の読売新聞報道では日米共同作戦計画「5055」の実戦化への動きが報道された。その中心テーマが米軍による空港・港湾の軍事使用であり、中でも成田空港の使用が名指しで求められていることが暴露された。
 反対同盟は、この米軍の成田空港軍事使用問題を取り上げて、3月24日と4月13日の2回、市長あての公開質問状を出して追及した。「米軍が軍事使用を実際に要求してきたら反対するのか」と。
 回答は「その時になってみないと分からない」旨の無責任なものだった。今回暴露された小泉市長の発言と重ねると、「米軍から使用を求められた場合には認める」という腹積もりであることがあらためて明らかになった。だが、米軍が朝鮮半島に侵略するために成田を使うことで「住民の安全」が増すなどありえない。
 歴代市長の答弁は「成田空港は民間空港だから軍事使用はありえない(と信じている)」「あってはならない、ないことを願う」という答弁だったが、これらと比べても小泉市長の軍事使用肯定発言は際立っている。
 3月31日に発効した成田市の国民保護計画で、「成田空港が攻撃を受けた場合の対処」が想定されているのも、成田空港の軍事使用を前提に考えていることの表れだ。国民保護計画は「防災訓練」のような装いをとりながら、実際は住民を戦争に動員していくためのものだ。千葉県がこの秋にも演習をやろうとしているが、成田空港を含んだ計画である可能性が高い。
 反対同盟とともに小泉市長をさらに追及しよう。
【写真】 成田空港に飛来した自衛隊のC130輸送機(2001年2月4日)。米軍による軍事使用の危機が切迫している

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2007.6.12

6・16三里塚現地闘争
萩原進さんの畑

●6月16日午後1時半

第4546号

「労農は一つ 安倍を倒し若者の未来を」

6・9集会で反対同盟がアピール

 6月9日、東京・代々木公園で開かれた労働者集会に反対同盟から北原鉱治事務局長、鈴木幸司さん、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さん、野平聰一さんが参加して「社会の主人公は労働者と農民だ」「労農はひとつ」「団結の力で革命を」と叫ぶ、若者を中心にした1860人の参加者と合流した。「農民代表」として紹介された同盟から北原さんと市東さんが登壇した。
 北原さんは三里塚が41年間、反戦の砦として闘い続けていることを強調し、「今の政治が君たち若い人たちに本当に未来をもたらすんだろうか」と怒りを込めて、改憲・戦争へと突き進む安倍政権を弾劾した。法政大学キャンパスでの学生の逮捕、自衛隊イラク派兵の継続、そして成田での農地法による農地取り上げといった諸反動を串刺しにした上で、「若い諸君とともに成田空港の廃港をめざし、三里塚は闘い抜く。君たちの未来を作るために三里塚はともに闘っていくことを反対同盟は宣言します」としめくくった。
 続いて市東さんが自らの農地取り上げ問題に踏まえ、「自動車を売るための農業・農民をつぶしを許さない」と発言、戦争に突き進む安倍政権と対決するために、「どんどん輪を広げていきたい」「農民と労働者は絶対ひとつになれる」と連帯を呼びかけた。
 若い労働者、学生、市民を先頭にした集会には、飛び入り参加も多数かちとられた。「青年労働者を搾取して、戦争に突き進む安倍・御手洗をぶっ倒そう。職場から大反乱を起こそう」「私たちは奴隷じゃない。この社会を動かしているのは労働者だ。労働者には国を止める力もあるんだ。団結して闘おう」と怒りに満ちた発言。
 すべてを労働者・農民のせいにし、犠牲を押しつけて生き延びようとする安倍・御手洗に対し「ひとつになるのは今」なんだというがっちりとした連帯を築いた。
 バンドを先頭にしたデモは数百の若者と合流、渋谷を解放区にした。
【写真】農民代表で登壇する反対同盟(上)。車道の半分を占拠、渋谷は解放区(中)。集会の最後にインター斉唱 (下)

 

日刊三里塚 HP版
全学連現地闘争本部

2007.6.4

市東さん耕作権裁判第3回口頭弁論

●6月18日10時30分

第4545号

6・9 代々木公園に総結集しよう

安倍内閣の暴走許すな! 改憲阻止! 大デモへ
労農連帯の旗掲げ、三里塚から大結集しよう

6月9日、実行委員会主催の「改憲阻止!倒せ安倍 倒せ御手洗!労働者の団結で革命やろう! ワーカーズアクション イン渋谷」全国集会が代々木公園で行なわれる。
 安倍内閣は、改憲投票法の採決強行に続いて教育関連4法改悪、公務員制度改革を強行しようとしている。教育4法とは、以下のようなものだ。@教員免許法の改悪―10年ごとの「教員免許更新制」を導入し、講習を義務付ける。A教育公務員特例法の改悪―「指導が不適切な教員」を認定し、研修を受けさせる。B学校教育法の改悪―義務教育の目標に「郷土や国を愛する態度」などを盛り込み、戦争教育、天皇制教育を狙う。C地方教育行政法改悪―「日の丸・君が代」を指導しない教育委員会に、国が「是正指示」を出せるようにする、など。改憲に向けて3年間で自治労、日教組をつぶし、戦争体制を構築しようとしているもので絶対許せない。
 教育4法改悪案の参議院審議は野党の総屈服の中で、今週にも委員会採決―本会議採決が狙われる重大情勢だ。改悪教基法の具体化である教育4法改悪は、その全体をとおして教育労働者の闘いと団結を解体し、戦争教育を労働者と児童・生徒に強制するもの。まさに改憲攻撃と一体の攻撃であり、〈外への侵略戦争〉〈内への階級戦争〉の一環である。
 安倍政権は今や八方ふさがりの危機に陥り、腐敗し混乱した姿をさらけ出している。その危機を乗り切るために、ますます凶暴な改憲と戦争国家体制作りにのめりこんでいる。この安倍の暴走に対し、怒りの声は日に日に広まり高まっている。労働者を搾取・収奪し、失業と貧困をもたらし、戦争に駆り立てる帝国主義体制に終止符を打とう! 安倍政権を打倒しよう! 6・9代々木公園に結集し、渋谷の街を席巻する大デモを闘おう。
 安倍政権の「戦後レジームからの脱却」を掲げた憲法改悪・戦争国家作りの攻撃の中で、ここに真っ向から立ち向かう反戦・反権力・人権の砦=三里塚からの大結集を心から訴えます。

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