ZENSHIN 2001/04/02(No1999
p06)
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週刊『前進』(1999号2面1)
ゼロ解決受諾の臨大策動粉砕を
訴訟取り下げと白紙委任迫る4党協議を弾劾せよ
国労自己解体=連合化を阻め
日帝国家権力は、一・二七定期大会(続開大会)で国労が「四党合意」受諾を決定したのを受けて、千四十七人闘争の最後的解体=国労解体の攻撃を強めている。三月十五日、与党三党と社民党の四党協議会は、国労中央本部執行部に対して訴訟の取り下げを露骨に要求し、国労執行部は事実上、訴訟取り下げを約束した。国家権力は、四月にも「解決案」=ゼロ回答を提示し、国労に臨大での受諾決定を強制しようとしている。この三月から四、五月にかけて、国鉄決戦は確実に最大最高の決戦を迎える。ゼロ解決策動を打ち破り、闘う闘争団を守りぬき、解雇撤回・地元JR復帰へ不屈の反転攻勢に立とう。
「矛盾解消する」と本部が四党に約束
国鉄闘争をめぐり、三月に起きている事態は以下のようなものである。
@一・二七国労大会を受けて三月六日に開かれた第一回四党協議会(座長・甘利明自民党副幹事長、元労相)で、四党の担当者から、国労本部が闘争団を抑えられるか、最高裁闘争と「四党合意」の整合性について、懸念が表明された。
A続いて、十五日の第二回四党協議会に国労本部三役を呼び、四党による意見聴取が行われた。冒頭、甘利座長が、最高裁での裁判闘争に「全力を挙げる」との、国労大会で同時に決めた追加方針に関して「四党合意とはなはだ矛盾する」と指摘し、国労への批判が相次いだ。これに対し、国労三役はなんと「矛盾については整理してわかってもらえると思う。責任をもって矛盾を解消していく」と応じ、事実上、訴訟取り下げの約束をしたのだ。
「四党合意」には、「社民党から国労に対し、少なくともJR発足時における国鉄改革関連の訴訟について、速やかに取り下げるよう求める」との項目が入っている。この「四党合意」受け入れ方針と訴訟継続の追加方針は明らかに矛盾する。四党は当然にも、この矛盾を突いてきたのだ。
その後の記者会見では、「矛盾が解消するまで解決案が出ないということか」という記者の質問に、甘利は「解決案をちびりちびり出すのはそぐわない。中身がセットされて一発でピシャッと終わりだ。『中身がけしからんからやめたい』ということはあってはならない。中身をちびりちびり出したり、国労が解決案の内容を見てから決めるなどということはありえないことだ」と言い放った。要するに、自民党など四党が国労に迫ったのは゛解決してほしければ、まず訴訟を取り下げよ。そして、どんな解決案=ゼロ回答でものむハラを固めよ。四党に白紙委任せよ″ということだ。さらに、゛闘争団が独自に裁判闘争をやることも一切許さない。反対する闘争団は切り捨てろ″ということなのだ。
Bこれと関連して、社民党や国労OB、チャレンジ一派らの間で言われているのは、゛国土交通省・鉄道局との話で、JR採用百二十人と解決金三十億円(一人三百万円)の可能性があるとの感触を得た″゛三月中に国労内の不協和音を解消し、国労内部がまとまるとなれば、四月にも解決案を出す。国労は直ちに臨時大会を開いて解決案をのむことを決定し、その後、国労は鉄産労と統一する″というものである。
「百二十人、三十億円」など闘争団には絶対に受け入れられない。闘争団の「解雇撤回」「名誉回復」の要求を完全に拒否したものだからだ。それでも、なにがしかのものが出るという幻想をあおり、゛蹴れば何も出ないぞ″と恫喝し、限りなくゼロに近い「解決」を狙っているのだ。
以上のような動向から、国労本部は四月冒頭にも訴訟取り下げを行い、五月にもゼロ解決受諾のための臨大を強行し、闘争団を切り捨て、直ちに全労協脱退、国労の名称変更、JR連合―連合への合流に向かおうとしていると断じざるを得ない。これこそ、宮坂「補強五項目」の国労自己解体の道であり、日帝国家権力の国労解体攻撃の狙いだ。「四党合意」によるゼロ解決受諾の臨大策動を断じて許してはならない。
第二の分割・民営化攻撃粉砕の決戦へ
こうした国鉄闘争・国労解体攻撃の激しさには、一・二七国労大会で「四党合意」受け入れ決定を強行させた日帝国家権力の階級意志が表れている。
一・二七の階級的激突の核心は、国労という日本労働運動の中心に位置する労働組合の大会に、国家権力である千三百人の機動隊が導入されたことにある。機動隊を要請した国労本部のチャレンジ一派、革同上村一派、東京地本一部幹部らの意図をもはるかに超えて暴力的な国労解体攻撃として強行された。これこそが「四党合意」の本質だ。国鉄決戦情勢はこれをもって根底的に転換している。昨年七・一臨大以来の単純な延長線上にはない、より激しい激突が始まったのだ。
米帝経済のバブル崩壊から世界経済の一九二九年型恐慌寸前の情勢、日帝経済の破局的危機、そして森政権の末期的危機という情勢下で、自民党などがあえてこの時期に決着を迫ってきたことにもそれは明らかだ。日帝は、危機ゆえに改憲と教育改革、有事立法などの戦争に向けた攻撃をしかけ、春闘解体、大リストラ、労働組合破壊の資本攻勢を激化させている。「四党合意」と一・二七機動隊導入はその最も激しい攻撃である。
今日、日帝がJR完全民営化攻撃(JR会社法改定)に打って出てきたのも、最大の狙いはこの機に国鉄労働運動を解体し尽くすことにある。そもそも国鉄分割・民営化は、国労と総評・社会党解体という目的をもって強行された。だが、なおも闘争団を先頭とする国労が存在し、動労千葉が不屈に闘い続けている。敵権力は完全に追いつめられているのだ。
JR東の「ニューフロンティア21」などの大合理化攻撃、その突破口をなすシニア制度や鉄道業務の全面外注化攻撃も、単なる効率化ではなく、国労・動労千葉解体の目的をもって強行されている。
八七年分割・民営化時に匹敵する、文字どおりの「第二の分割・民営化」攻撃との大決戦に突入したという認識をはっきりさせ、決戦態勢を打ち固めなければならない。「四党合意」を葬り去る闘いは、まさに第二の分割・民営化攻撃粉砕の決戦なのだ。
闘争団の不屈の決起始まる
確かに攻撃は激しい。だが、一・二七とその後の闘いの中で、確実に反転攻勢が始まり、国鉄闘争の新たな発展の道が切り開かれている。十四年間の闘いの中で培われた闘争団・千四十七人の闘いの怒り、魂、生活、それに連帯・支援する労働者は、断じてこれに屈していない。「四党合意」に絶対反対し、解雇撤回・地元JR復帰へ闘う国労闘争団とそれを支援する闘いが強固に生み出された。
各地本大会では、機動隊導入に対する弾劾の声、「四党合意」は絶対に認めないという声が次々と上がっている。公然と機動隊導入を賛美する日共・革同上村一派やチャレンジ一派らとの分岐と激突はより激しくなっている。
寺内書記長が、二月十三日の闘争団全国連絡会議幹事会、二月二十四、二十五日の北海道本部大会で「全面解決要求を下ろす」と発言したことで、「四党合意」の意味が一層鮮明になり、怒りが高まった。寺内は、三月四日の東京地本大会で「全面解決要求を堅持する。四党合意の枠内で生かす」とペテン的に述べたが、組合員にウソをついて取り繕おうとする執行部に対する不信が増大した。
こうした中で、国労本部は、闘争団へのオルグを九州(三月九〜十一日)、北海道(十六〜十八日)、本州(二十日)で行った。各地で闘争団の怒りがたたきつけられた。北海道、本州のオルグでは、高嶋委員長らが、四党協議会について「訴訟取り下げ問題の新聞報道は誤りだ」などとデタラメを言って、ますます怒りをかきたてた。国労本部がいかに「総団結」を訴えようが、闘争団の闘いを抑えつけることはできない。
この中で闘う闘争団の代表が、ILO第二次勧告の是正を求めて、三月七、八日、ジュネーブのILO本部を訪れた。そして結社の自由委員会事務局に追加情報を提出し、受理されるという成果をかちとった。
闘争団が、文字どおり争議当事者として前面に立つ闘いを開始したのである。
「ニューフロンティア21」に一大反撃を
さらに、分割・民営化攻撃に何ひとつ決着が付かないまま、第二の分割・民営化攻撃との激突がJR本体の国労組合員の死活をかけた闘いとして開始されつつある。闘争団とともに闘う主体、当事者として、JR本体の国労組合員が怒りを爆発させて立ち上がる時が来たのだ。
JR東日本の設備メンテナンス合理化は、保守部門を全面的に外注化し、本体の三千人を削減し、二千人を出向、八百〜千人を「余力」とする。「ニューフロンティア21」の一万人削減の突破口であり、国労解体を狙った攻撃だ。JR東労組が率先協力・妥結を策す中で、四月にも強行されようとしている。
この間、一月二十六日の新大久保駅での乗客三人の触車死亡事故、三月十七日の鶴見駅の貨物列車脱線事故など、重大事故が続発している。相次ぐ合理化が安全を破壊し、鉄道輸送業務の根幹を揺るがしている。新大久保駅事故は、ホーム要員が一人もいない中で起きている。鶴見駅の脱線事故は、保線作業を請け負った関連会社の作業ミスと、それをJR東日本会社が何のチェックも行っていない中で起こった。まさにメンテナンス合理化がもたらす現実を先取り的に示した重大事故である。
JR東日本は、「ニューフロンティア21」において、鉄道事業の位置付けを事業戦略の三番目に転落させている。営利優先が第一義となり、鉄道は駅に人を運ぶ手段に過ぎないとされている。この中でさらに労働条件の改悪と安全破壊が強行されようとしている。これに対する怒りの高まりは、闘争団の決起と連動し一体化する。闘う国労を再生する巨大なエネルギーとなって噴出するのだ。
この情勢の中で、動労千葉が二波のストライキに決起する。大幅賃上げと貨物超低額回答打破、シニア制度―業務の全面外注化阻止などを掲げ、本線運転士を含めた全組合員の総決起で闘いぬこうとしている。この闘いは、第二の分割・民営化攻撃に反撃する決定的な闘いである。千四十七人闘争の当事者としての動労千葉が、JR体制と真正面から激突する闘いである。さらに、JR総連解体―組織拡大の闘いを結合して闘われる。
それは必ずや全国鉄労働者と全労働者のリストラ・首切り、賃下げへの怒りの総反撃ののろしとなるだろう。
この闘いと連帯し、「四党合意」受け入れを撤回し、あくまでも政府・JRの責任を徹底追及し、解雇撤回・地元JR復帰、不当労働行為根絶をかちとるために闘おう。そのための闘う新たな執行部の樹立をかちとらなければならない。
四、五月のゼロ解決受諾―臨大策動粉砕へ、直ちに非常決戦態勢を打ち固めて決起しよう。
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