ZENSHIN 2001/03/05(No1995 p06)

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週刊『前進』(1995号2面1)

国労大会 機動隊導入を徹底追及せよ
「総団結」を叫んで闘争団圧殺策す高嶋−寺内執行部許すな
 「四党合意」撤回の反転攻勢へ

 機動隊を導入して強行された一・二七国労定期全国大会(続開大会)は、断じて労働組合の大会ではない。ここで「決定」された「四党合意」受け入れを始めとする「運動方針」は国家権力・JR資本に強制された国労解体方針である。絶対に認めることはできない。これを認めることは国労の死である。一・二七の機動隊導入は、今日の日帝ブルジョアジーの一大資本攻勢|労働組合解体攻撃の本質を示した。これを許すのか否かに闘争団と国労のみならず、日本労働運動の命運がかかっている。今こそ怒りを爆発させ、機動隊導入を徹底弾劾しよう。闘う闘争団を守りぬき、「四党合意」撤回、高嶋|寺内執行部打倒、国労の階級的再生へ闘いぬこう。

 機動隊導入居直り方針に従えと恫喝

 一・二七続開大会以後の国労をめぐる情勢の核心は、機動隊導入と「四党合意」を許すのか否かの激しい分岐と激突である。
 高嶋|寺内新執行部は、「四党合意」を国労総体に強制し、早期の「ゼロ回答」受諾=闘争団切り捨てに向けて、なりふり構わず突っ走っている。その高嶋|寺内が最初にやったことが、東京地本一部指導部と結託して、「総団結」の名のもとに「四党合意」反対の闘争団の闘いに対して「団結阻害行為」と決めつけ、非難したことだ。
 続いて二月十四日、国労中央執行委員会は、「全組合員・家族の皆さんへ! 決定された方針に基づき解決促進をはかる為、総団結・総決起を訴えます」というアピールを出した。
 ここでは「大会の失敗が国労組織の崩壊と解決を断念せざるを得ない状況を作り出すことになることを踏まえ、どんなことがあっても成功させようとの思いで開催しました」と、機動隊導入を居直っている。
 だが一・二七続開大会は、千三百人もの機動隊の導入、報道規制、組合員と支援共闘の排除など、日本労働運動と国労の歴史に汚点を残した最悪の大会である。一・二七は、国労が自主的に開いた大会では断じてない。国家権力・JR資本が「四党合意」によって強制したものである。「四党合意」の反動的・暴力的な本質が露骨に現れたのだ。この一・二七を絶対にあいまいにしてはならない。徹底的な弾劾の嵐(あらし)を巻き起こさなければならない。機動隊導入を認めたら、国労が労働組合ではなくなる。警察労働運動に転落するのだ。
 さらにアピールは、「国労組織・闘争団組織の現状や支援・共闘組織の現状は、残念なことに決定された方針で大同団結という労働組合の姿に必ずしもなっておりません」などと言う。当たり前ではないか。機動隊導入によって決定された方針、しかも国家権力・JR資本に全面屈服した国労自己解体の方針で団結できるわけがない。
 だが「この組織状況が解決や解決水準に大きな影響を与える結果につながる」などと言い、「四党合意」反対の組合員を「解決の妨害者」であるかのように言いなし、抑えつけようとしている。これもまた「総団結」の名による闘争団切り捨ての宣言である。
 他方で、「大会方針が……団結の方向を示した」と二・二『赤旗』の〈解説〉で言明した日共・革同上村一派は、チャレンジ一派とともに、警察労働運動への転換、闘争団への敵対と国労自己解体|JR連合合流の急先鋒(せんぽう)となっている。断じて許してはならない。

 「解雇撤回」降ろすと言い放った寺内

 このように一・二七大会での国家暴力による「四党合意」の強制を認めたら、「解雇撤回・JR復帰」という国労と闘争団の最も基本的な要求を自ら捨て去ることになる。二月十三日の国労闘争団全国連絡会議幹事会での寺内書記長の発言は、それを露骨に示した。
 そこで寺内は、「四党合意に含まれるものは、今大会で過去の方針は改正された。続開大会で四党合意を決めたのだから、その時点から全面解決要求というのは無理だと思う。百パーセントあり得ない。大会決定したのだから全面解決要求は降ろさざるを得ない」「『復職』が『雇用』になる。『解雇撤回』はなくなる。バックペイはなくなる」、さらに「全面解決要求の柱は『JRの法的責任がある』を問うということが前提。四党合意との整合性から変えざるを得ないだろう」と言い放った。
 「JRに法的責任なし」となれば、JRは解雇を撤回する必要はない。未払い賃金の支払い(バックペイ)も必要ない。「雇用」についてはせいぜいJR西日本が言う「失業対策的な数十人の雇用」だけだ。「和解金」については、野中前自民党幹事長らの発言として暴露されている「一人八十万円」である。
 寺内は、このような実質的な「ゼロ回答」をのんで闘争団を切り捨てると宣言したのだ。絶対に許せない。
 さらに、訴訟取り下げの時期について、高嶋委員長は二月四日の九州エリア大会で「解決の見通しがついた時」と発言している。直ちに訴訟取り下げに着手するということだ。「JRに法的責任なし」とは、直接には裁判でJRの不当労働行為責任を問わないことだ。「最高裁での判断を公正に行わせる」という「追加方針」などまったくのペテンなのである。

 ILO超反動勧告を弾劾・粉砕しよう

 高嶋|寺内執行部の反動性は、さらに、昨年十一・一七のILO第二次反動勧告に全面屈服し、その超反動性を徹底的に利用して「ILO勧告に基づく解決」の名のもとに闘争団切り捨てを進めようとしていることである。そのための百万署名も打ち出した。
 (1)ILO第二次勧告は、「四党合意」受け入れを求めているだけでなく、核心は、採用差別はなかった、不当労働行為はなかった、したがって解雇は正当だと言い切ったことである。徹底的に弾劾し、修正・撤回させなければならない代物である。したがって百万署名なるものは、闘争団切り捨ての“踏み絵゜とでも言うべきものになるのだ。
 (2)ILOは、結社の自由委員会の「結論」部分で、北海道・九州の国労組合員らがJRに採用されなかったのは「広域異動」に応じなかったからであり、「反組合的な差別行為の問題が生じていると言うことはできない」と断定している。
 しかし「広域異動」は組合差別=選別的な不当労働行為そのものであった。首都圏の国労組合員らを追い出すために、「血の入れ換え」と称して強行されたのだ。またJR発足後の「広域採用」に対しても、各地の地労委が不当労働行為を認めていた中で、原地原職復帰を求めて清算事業団で闘ったのは当然である。にもかかわらず、清算事業団から「広域採用」でJRに採用された国労組合員らがいることをもって反組合的差別はなかったと言う。
 要するに、「国鉄改革」=国鉄分割・民営化に協力せず、原地原職の採用に固執した国労組合員が採用されなかったのは正当であり、不当労働行為の成立する余地はないと結論づけているのだ。
 (3)東京地裁の五・二八判決と昨年十一月、十二月の二つの高裁判決は、主な論点を「JRに使用者責任はなし」とするような法律的形式論理を中心とするものだった。これ自体、労働委員会制度を否定した超反動判決であった。しかしILO第二次勧告は、不当労働行為そのものを一切なしとしている点で、超ど級の反動的内容である。
 (4)ILO勧告は、国鉄が赤字だったから分割・民営化は当然だったという前提でものを言っているが、これ自体、間違っている。「赤字」そのものが政治的産物であり、また、分割・民営化攻撃は始めから総評や国労、旧動労の解体という狙いを持ち、根底的に反労働組合的なものだった。
 (5)またILOは、国労組合員らの採用率が低いのは「勤務記録に何らかの問題、たとえば無断欠勤などがあった」からだという日本政府の追加情報を載せている。ILO勧告を受け入れることは、こうした政府の追加情報をも容認するということだ。“千四十七人は勤務成績が悪かったから採用されなかったのは当然だ゜というレッテルを張られるのだ。こんな屈辱的なことがあるか。
 (6)なお、ILO勧告が「当事者が満足でき適正に補償される解決」をうんぬんしていることをもって、これを活用できるかのような議論もあるが百パーセント間違っている。「不当労働行為はなかった」という立場からの「解決」しか、そこからは出てこない。
 だから東京地本指導部らが、この勧告を受け入れなければ「長期に失業状態にある事態を解決しようとする意志があるのか否かが問われる」(一・二七東京地本書記長の代表討論)などと言うのはまったくとんでもない話だ。ILO勧告をふりかざし、これに反対するのは、「解決の妨害者」だと言いたいのだ。
 今ひとつ、一・二七の「追加方針」は、「ILOに対し、国鉄時代の『広域異動』の実態について明らかにするとともに、東京高裁が昨年十一月八日及び十二月十四日に相次いで言い渡した九八号条約違反の不当判決について見解を送付する」と言っている。
 この点について、二月十三日の闘争団全国連絡会議幹事会で、寺内書記長は「すでに出されていると思ったが、出されていない」「国労が書面で提出しても勧告は変わらないと聞いている」「方針上新たな勧告を求めることにはならない」などと述べている。要するに、新たな勧告を求める方針はとらないから、勧告の「広域異動」の問題などもどうでもよい、と言っているのだ。「不当労働行為はなかった」ということも認めるということなのだ。
 今や高嶋|寺内執行部の極反動性は明らかである。直ちに総辞職させ、闘う新たな執行部を樹立しなければならない。何よりも、三月三、四日の東京地本を始め、各地本、支部などの大会で、機動隊導入の一・二七続開大会弾劾、「四党合意」撤回の闘いを猛然とやり抜こう。これなくして、国労の団結はあり得ない。

 「ニューフロンティア21」粉砕

 この二〜三月、JR東の「ニューフロンティア21」、その突破口となるシニア制度とメンテナンス外注化などの大合理化攻撃との対決、闘う闘争団を守りぬき千四十七人闘争に勝利する闘い、黒田・カクマルから分裂しJR資本の一層凶悪な先兵となって延命しようとする松崎・JR総連解体の闘い、これらを一体のものとして全力で闘おう。
 あの一・二七の怒り、悔しさ、そして新たな闘いへの決意をもって、今こそ大攻勢に転じよう。

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