ZENSHIN
2001/01/29(No1990 p06)
権力導入策動粉砕し四党合意を葬れ 1・27国労続開大会に1万人結集を
闘争団と傍聴者の排除を狙う本部と東京地本の策動許すな
一・二七国労続開大会は、国労と日本労働運動の生死を分かつ一大階級決戦である。二〇〇一年の最初の階級的激突であり、国鉄分割・民営化以来の、国鉄労働運動史上で最大の決戦と言っても過言ではない。「四党合意」をめぐる最後的決着をつけるべき時が来たのである。「四党合意」を粉砕し、現執行部の居座りを許さず総退陣させ、闘う執行部の樹立をかちとろう。ここに国労の階級的再生の唯一の道がある。国労闘争団は、解雇撤回・JR復帰を始めとした「解決要求」を掲げ、一月二十二日から上京行動に決起し、続開大会に攻め上ろうとしている。闘争団の十四年間の闘いと人生のすべてをかけた渾身(こんしん)の決起を国労組合員一人ひとりがわがものとし、国鉄分割・民営化以来の国家的不当労働行為の数々、JR資本とJR総連の結託による差別・選別の攻撃、そして第二の分割・民営化=大合理化攻撃への怒りを、一点、一・二七「四党合意」絶対阻止の闘いとして爆発させようではないか。
暴力的な大会強行は労働組合の死である
一・二七続開大会で「四党合意」受け入れを四たび阻止し、完全に葬り去ることが、国労の階級的団結をよみがえらせ、闘争団・千四十七人闘争を強化し、国鉄闘争勝利の圧倒的な展望を切り開く。分裂カクマルとJR総連のファシスト労働運動を打倒し、国鉄労働運動の戦闘的再編と新たな発展の時代を切り開く。ひいては日本労働運動全体の戦闘的・階級的再生に結びつくのだ。このことに圧倒的な確信をもって一・二七決戦に立ち上がろう。
この勝利の展望は、昨年の三度の大会の闘いが、いかに敵国家権力に打撃を与え、国労組合員の戦闘的・階級的力を引き出したか、そして日本労働運動を二分するほどの巨大なインパクトを与えたかを振り返ってみれば明らかだ。
「JRに法的責任がないことを国労が臨時大会で決定せよ」という「四党合意」は、あらためて国家的不当労働行為に対する根底的な怒りを呼び覚ました。そして、これを受諾し、闘争団切り捨てを狙う国労中央、宮坂・チャレンジ一派と革同上村一派に対する怒りが爆発した。
「四党合意」に至る「改革法承認」などの国労中央の「和解」=屈服路線を突き破り、闘争団とそれを支えるJR本体組合員によって国鉄闘争の原則的な再構築を図る展望を示した。そして、「学校政治」や機関権力によって組合員の決起を抑えつけてきた従来の国労のあり方を突き破り、闘争団を先頭にして現執行部の責任を徹底追及し、「総辞職表明」を行わせるところまで追いつめた。今や、闘う新たな執行部が待ったなしに求められる段階に上りつめた。
さらには支援共闘の労組・労働者の決起を引き出し、連合、全労連傘下を問わず、国鉄闘争支援陣形の労働者の新たな決起を引き出した。今日の一大資本攻勢のもとで苦闘する労働者階級に、このように闘おうという道筋を示した。
この二〇〇〇年国鉄闘争の巨大な地平を守り発展させ、密集する反動を打ち破って四たび「四党合意」を阻止することに全労働者の勝利の展望があるのだ。
国労中央、宮坂・チャレンジ一派と革同上村一派は、昨年の闘いに完全に追いつめられグラグラになっている。彼らは国家権力・機動隊の力を頼みに続開大会を強行し、「四党合意」受け入れの方針案の採決を強行し、闘争団の切り捨て=「整理」をしようとしている。マスコミさえも会場に入れず、代議員以外の闘争団の傍聴は認めないという、とんでもない大会運営を強行しようとしている。だがこれ自体、労働組合の死を意味する。九九年三・一八の「改革法承認」の臨大、昨年の三度の大会をはるかに上回る暴力的な、組合民主主義破壊の暴挙に打って出ようとしているのだ。そのために、大会準備地本である東京地本の酒田委員長らの大裏切りに一切をかけてきている。
十二月十四日に東京地本が打ち出した「続開大会にむけた見解」は、続開大会で「四党合意」受け入れ方針を強行すること以外の何ものでもない。「ILO勧告に基づく解決を求める方針」とは、ILO第二次勧告の「四党合意をすべての関係者が受け入れることを促す」ということを認めるということだ。
酒田らは「続開大会成功のため、妨害勢力に対して毅然(きぜん)たる態度をとり万全を期す」ことなどを国労中央執行委員会に要請し、中執がこれを受け入れたとして、その先頭に立つことを表明している。酒田らは「大会破壊を意識的に策する外部からの動員者によって暴力行為が繰り返され」などと外部勢力によって大会が破壊されたと言いなして、国家権力・機動隊の導入を狙い、闘争団を始めとする組合員の闘いを圧殺し、国家権力に売り渡すことさえ策しているのだ。七・一で決起した闘争団を「暴力集団」呼ばわりしたチャレンジや上村革同と同じ、まったく許しがたい言動である。
国労中央や東京地本・酒田らには、闘争団の理解を得ようとする姿勢も論理も何もない。組合員の団結を強化するという労働組合の指導部として当たり前のことすらなし得ない。このような指導部を打倒し、国労の階級的団結をつくり出さなければならない。
今こそJR総連解体と闘争勝利の好機だ
国労中央―東京地本の暴力的大会強行の策動の背後には、日帝国家権力の国労解体攻撃がある。国家権力とJR資本は、この一・二七続開大会で「四党合意」受け入れを決定させ、国鉄闘争の息の根を止めることに全力を挙げている。一・二七は、国家権力にとってもギリギリのタイムリミットとして設定されている。
敵は、一月三十一日から始まる通常国会でJR会社法改定=「完全民営化法」を成立させ、「国鉄改革の完遂」を実現するために、その前に国労と国鉄闘争の解体のメドをつけようとしているのだ。
そもそも「四党合意」が出てきたのはなぜか。日帝がJR完全民営化を実現するためには、国鉄分割・民営化=JR体制の破綻(はたん)を押し隠し、何がなんでも分割・民営化は成功したと強弁しなければならないからだ。
日米争闘戦での敗勢と大恐慌の危機にあえぐ日帝資本は、省庁再編を突破口とする公務員の首切り攻撃、全産業にわたる国鉄分割・民営化型の大リストラ攻撃を貫徹しようとしている。さらに日経連・奥田は、「労働条件を横並びで決める時代は、二十世紀で終わった」(一月十二日、労問研報告を承認した日経連臨時総会)とうそぶき、春闘解体・労働組合解体の攻撃に一層踏み込んでいる。
この時に、いまだ国鉄分割・民営化を弾劾し、解雇撤回を闘う戦後最大の争議が不屈に闘われていては、いつ労働者階級の総反乱に転化するか分からない。日帝は、これを放置することはできないのだ。
さらに日帝・JR資本にとって、JR三島・貨物会社の赤字問題や安全問題、そして国鉄労働運動の解体という問題が、今なお未解決であるばかりか、ますます深刻な問題となっている。とりわけマスコミなどで「労組問題」と言われる千四十七人問題とJR東のカクマルとの癒着・結託問題は、完全民営化を前になんとしても解決しなければならない問題である。
だから昨年五月に、国労の全面降伏を迫る「四党合意」を打ち出した。その狙いは、国労を首切りや不当労働行為と闘わない、労働組合ならざる労働組合にすることにある。
他方では、JR東の大塚新体制の発足で、JR総連内のカクマルに対して黒田・カクマルと手を切ることを要求した。とりわけJR東労組に対して、JR東の「シニア協定」や保守部門の全面外注化などの合理化攻撃をのんだだけでは許さず、ファシスト的な労資結託体制を再編し、文字どおりの資本の先兵になることを要求したのである。
この完全民営化に向けた新たな攻撃に対して、全面屈服し、「カクマルと手を切る」ことでJR資本との労資結託体制を維持しようとしているのが、今日の松崎を先頭としたJR総連カクマルである。
「四党合意」とJR総連問題は完全に一体である。完全民営化を狙う敵の攻撃の中で起こっている。そして、それは国鉄分割・民営化、国労・総評解体の手先として松崎=動労カクマルを使って以来の国鉄分割・民営化政策の矛盾と破綻の現れでもある。
すなわち、カクマルとの結託体制によって国労と国鉄労働運動を解体することができなくて、一方で「四党合意」という暴力的な国労解体攻撃に訴え、他方でカクマルとの結託体制の再編にのりだしたのだ。
だが、黒田・カクマル中央から決別・離反した松崎・JR総連は、これまで同様に結託体制を維持することができるのか。逆に、JR資本の側は、JR総連が黒田・カクマルと手を切ったことで「解決」と言えるのか。断じて否である。
カクマルにとって松崎・JR総連を失うことは、党派としての死を意味する以上、ここで引き下がるわけにはいかない。JR総連にとっては「カクマルとの決別」の証(あかし)を立てるために、カクマルと対決し続けなければならない。カクマルとJR総連の対立・抗争は、より泥沼化せざるをえない。JR資本は、新たにカクマルとJR総連の泥仕合という問題を抱え込んだのだ。
さらに、この対立・抗争をとおして、これまでの資本・カクマル結託体制による悪行の数々が暴かれ、JR総連組合員の不満と怒りはいよいよ高まる。すでにカクマル支配から離反しつつある青年労働者が、総反乱を開始するのは不可避である。いよいよJR総連の大崩壊が始まるのだ。
ここで問われているのは、国労の闘いなのだ。国労が真に闘う労働組合として再生し、JR総連を解体し、国鉄・JR労働運動の首座に躍り出るのか。それともJR総連の後を追って、国鉄分割・民営化攻撃に全面屈服し、連合化して自滅の道を歩むのか。
JR総連は、「『一〇四七名問題』はILOの『国労・全動労が雇用されなかったのは広域異動を拒否したからだ』との報告と、一一月八日の東京高裁判決で勝負が決しました」(JR東労組委員長・角岸、『緑の風』一月一日付)などと、ILO勧告と東京高裁判決に小躍りし、国労が「四党合意」を受け入れることに、国労解体攻撃の成否をかけている。
だからこそ、国労が「四党合意」を敢然と拒否することが、JR総連の延命の道を断ち切り、JR総連解体、国労の再生と組織拡大の圧倒的な展望を切り開くのである。
敗北主義を打ち破り闘争団防衛へ闘おう
今や、国鉄分割・民営化以降最大の勝利のチャンスが訪れている。
だが、国労中央、宮坂・チャレンジ一派と革同上村一派は、そのように見ようとはしない。彼らは、このままでは国労は「ジリ貧」となるから、ここで「四党合意」をのんで闘争団を切り捨てれば「正常な労使関係」がつくられ、国労解体攻撃が収まると考えている。そしてJR連合に合流すれば、JR総連にとって代わる「受け皿」になれると思いこんでいる。
だが、今日のJR総連をめぐる情勢は、それが彼らのはかない願望であり、幻想に過ぎないことを示している。権力・資本にとって御用組合は二つも必要はない。国労が全面屈服するなら、より一層の資本の攻撃にさらされ、JR総連にじゅうりんされるだけだ。
たしかに、国労の現状は厳しい。その原因は、国労中央が一切の闘いを放棄してきたからだ。この数年、東日本のメンテナンス合理化との闘い、西日本の新賃金制度との闘い、さらに貨物合理化との闘いを投げ捨て、春闘ストを放棄してきた。千四十七人問題の「政治解決」を口実にして、闘いが抑圧されてきた。これでは組合員の闘う意欲やエネルギーを引き出すことはできず、組合の団結が破壊されるだけだ。
東京地本・酒田らは、「大会で方針が決まらないから、闘えない」などと言っているが、では、千四十七人問題を「解決」したら、JR資本と闘うというのか。「四党合意」をのんで、どうして闘う方針が出てくるというのか。
ここには、権力・資本と闘っても絶対に勝てないという根底的な敗北主義がある。彼らは、十四年間も不屈に闘ってきた闘争団を先頭とした組合員の力をなぜ信頼しようとしないのか。なぜ、七・一以来の組合員の決起の力を見ないのか。根底的な労働者魂を見ないのか。ここに依拠して闘おうとしないのか。
問題は、労働者の団結の力を信じ、階級的原則を守りぬいて闘うことなのである。そうすれば、カクマルとJR総連の大分裂の中で、権力・資本との力関係を変え、勝利の展望を切り開くことができるのだ。
一・二七続開大会に向けて、闘争団はすでに「『四党合意』の強行決定を繰り返す続開大会の中止を求めます」(北見闘争団)、「続開大会では、本部原案(運動方針案)及び『四党合意』の採決を行わないこと。続開大会では、新執行部の選出を前段に行うこと。新執行部による、新たな『運動方針案』提起を行うこと」(留萌闘争団)などの意見書を次々と国労中央に突きつけている。
この闘争団絶対防衛の決意を打ち固め、反対派の猛然たる決起で、「四党合意」を阻止しよう。そして、JR東の「ニューフロンティア21」を始めとする第二の分割・民営化攻撃と闘い、JR総連解体・組織拡大の方針を確立しよう。
昨秋以来全国で闘われている、「四党合意」を不当労働行為として申し立てた地労委闘争は、決定的な闘いの武器になる。支援陣形を拡大して闘おう。
そして今こそ、JR総連を打倒し、千四十七人闘争として、国労、動労千葉、全動労が合流し、新たな団結をつくり出して闘うことである。とりわけ、JR東労組からの組織拡大をかちとり、今春、大ストライキ闘争に立とうとしている動労千葉とともに闘おう。
一・二七社会文化会館を一万人の組合員、支援共闘の労働者で包囲し、「四党合意」受諾を阻止すること。ここに闘争団の十四年間の怒りと悔しさのすべて、そして日本労働運動の命運をかけて決起しよう。