ZENSHIN 2001/03/05(No1995
p06)
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週刊『前進』(1995号2面2)
“打倒という人と意見違う” 「大塚体制」を松崎が大歓迎
松崎批判できぬカクマル
「松崎講演はデマ」で墓穴
JR総連の頭目である松崎明(JR東労組会長)が十二月九日のJR東労組全支部委員長会議で行った講演で「最近までカクマルだったが、今や手を切った」と明言したことを本紙上で暴露したことにカクマルは大打撃を受け、「権力がデッチあげた『作文』だ」「ねつ造だ」と叫んだ。
これに対してわれわれはただちに反撃し、「カクマルは肝心なことを言っていない。逃げている」「松崎はJR総連ダラ幹の頭目ではないのか」と追及した。この指摘があまりにも的を射ていたために、カクマルはグーの音も出ない。
だからカクマルは、「松崎講演はねつ造だ」「分裂はデマ宣伝だ」と声高に叫ぶことによって、痛みを和らげようとしている。
しかし、そうやって叫べば叫ぶほど、カクマルは自ら墓穴を掘っているのだ。なぜなら、問題の核心は、松崎こそがカクマルが非難してやまないJR総連「ダラ幹」の頭目であり、分裂の黒幕であるということであり、そのことをカクマルが必死に押し隠そうとしていることにあるからだ。
カクマルよ、なぜ松崎を非難できないのだ。この期に及んでなぜかばい立てするのだ。言えるものなら言ってみろ。松崎問題は黒田・カクマルの最大の弱点なのだ。
松崎の講演を収録したJR東労組の『セミナー』六六号は、同誌編集委員会によって、松崎講演の肝心な個所、今JR東労組会長として松崎が発言する際には、当然言及する(しなければそれ自体が不自然な)カクマル問題の所を、政治的配慮でカットしている。それをいいことに、カクマルは「松崎はカクマルと対立していない」としたいのである。
しかし、これはまったくマンガである。『解放』は、懸命に「松崎はカクマルのことを非難していない。他のダラ幹とは違うのだ」と宣伝することで、カクマル組織の動揺を鎮めようとしているのだ。そんなことで真実を覆い隠せるものではまったくないのに。
「会社守る」と労資結託路線
カクマルは『セミナー』の方が正しい講演再録なのだと一生懸命に言おうとしているが、笑止千万である。『セミナー』によると、そもそもそこで松崎は次のように言っているのだ。
「『大塚体制粉砕』などとおっしゃる方もいらっしゃるようですけれども、私は大塚体制で非常によかったと思っている。心から歓迎しているわけですから、これは『打倒せよ』という人と意見が違うのは当然ですね」「よそ様からどうこう言われる筋合いはまったくない」
カクマルよ、ここで言われている「大塚体制粉砕」を叫んでいるのは、お前たちのことではないのか。
「大塚体制粉砕」を掲げたカクマルと、「大塚体制で非常によかった」と言う松崎。これは正反対だ。
しかもこの講演で松崎は、大塚体制をつくったのは自分だと自慢している。もちろん、松崎が言うような、JR東日本の社長に葛西(JR東海社長)をもってくるというのは荒唐無稽(こうとうむけい)な話である。だが、松崎は、大塚体制をつくったことで、その葛西らの野望を粉砕したとして「勝利宣言」を発するとまで言っているのだ。
しかし、この大塚体制への移行をめぐる過程で、権力・資本の側は、松崎・JR総連に対してカクマルとの関係を清算することを迫ったのであった。これに全面屈服した松崎を先頭とするJR総連内のカクマルが、黒田・カクマルから決別し集団脱党した。そして、大塚体制との労資結託体制をもって一層の資本の先兵となって生き延びようとしているのだ。
これに対して黒田・カクマルは、「大塚体制粉砕」などと言うが、JR総連から振り捨てられてJR内にほとんど足場を失ったカクマルの悲鳴に過ぎない。
とにかく、この大塚体制の成立をめぐる過程で、黒田・カクマルと松崎・JR総連が大分裂したのだ。
カクマルよ。松崎講演を語ってこの重要な部分に触れないのはどうしてなのか。言ってみよ。
松崎は、カクマルと手を切って、「JR東日本の労使がしっかりとスクラムを組んで」「(組合員を)立派なこの会社の社員に育てあげましょう」と言っている。労資協力=労資協調主義を満展開しているのである。松崎こそJR総連のダラ幹中のダラ幹、その頭目であることはこれを見ても明白なのだ。
にもかかわらず、カクマルは「『前進』の松崎講演はデッチあげだ」と言うのだ。そして、「松崎会長の講演内容の核心は、東労組の『最大の課題』を『東日本の会社を守ろう』と呼びかけつつも、『葛西』らJR会社の一部経営陣の腐敗と、この経営陣と結びついた養殖組合(JR連合のこと)の『民主化闘争』と対決し、東労組を『世界に冠たる労働組合』として成長させようというものである」(『解放』二月五日付)と言い、だからカクマルとJR総連との「対立と分裂」ではないと言い張るのである。
だが、この松崎講演のカクマルによる要約は、松崎はダラ幹ではない、「東日本の会社を守ろう」というのは正しい、東労組を「世界に冠たる労働組合」にしようというのは大賛成、ということを意味している。だが、この内容は、明らかにカクマルの言ってきたことと対立している。例えば『解放』一月二十二日付の吉田論文とは相入れない。
そこで吉田は、「JR東会社経営陣が労務政策の転換を図り、東労組破壊に踏みだした」と明言しているのだ。「『東日本の会社を守ろう』と呼びかけつつも」などと言って、留保付きで支持するかの装いをとっているが、そんなごまかしで通り過ぎてはいけないはずの大問題なのだ。
にもかかわらず、無理を承知でカクマルは松崎発言を擁護している。ここに、JR総連執行部を「階級敵」と規定し、「打倒宣言」を行ったカクマルが松崎を非難できないという驚くべき事態が露呈している。松崎問題がカクマルの最大の弱点であることが現れているのだ。
ダラ幹に白色テロ叫ぶ黒田
黒田は、反革命通信『解放』紙上で、二号にわたってJR総連「ダラ幹」に対する毒づきを繰り返している。二月十二日付「“異星人゜にもの申す」と十九日付「『歌を忘れたカナリア』=立花よ」だ。下品・低劣で日本語になっていない、一見して黒田とわかる文章である。
そこで黒田は、JR総連委員長・小田(カクマル組織名・立花)を始め十人以上のJR総連ダラ幹の名前を並べ、悪態の限りをついている。そして、『セミナー』の松崎講演の中の文章を自分に都合のいいように引用して、ダラ幹らに向かって(この)「教えを蹴とばしているんじゃないのかね」と言ったり、「(松崎)講演をもう一度読み直せ。暗記するほど読み直せ」などと叫んでいる。
そして最後は、「待ち受けているのはDeathだけさ」と、立花らに対する白色テロを公言している。
これは、黒田がどこまでも松崎を擁護する、松崎にすがりついていくことを態度表明したものだ。
なぜ、黒田は松崎を否定し批判できないのか。松崎こそ黒田の分身であるからである。黒田の反革命的「組織現実論」の「精華」が松崎であり、それを否定することは黒田の自己否定になってしまうからだ。国鉄分割・民営化攻撃に対して、積極的に支持し率先して協力し、最先兵となって国労、動労千葉を破壊する攻撃を担っていくことを決断したのが、黒田=松崎だったのである。黒田と松崎は分割・民営化攻撃の共同の大戦犯である。
松崎問題は、ファシスト・カクマルの致命的弱点に転化した。今こそ、カクマルとJR総連の分裂を決定的に促進し、カクマル完全打倒、JR総連解体に攻め込む時である。
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