ZENSHIN 2000/12/18(No1986 p6)

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週刊『前進』(1986号2面)                 

黒田の指令で白色テロ繰り返すカクマル
坂入監禁を開き直り抹殺狙う
JR総連へのファシスト支配を粉砕する総反乱を

 JR総連カクマルの黒田=カクマル中央からの離反・分裂・抗争は、もはや後戻りのできない不可逆的な事態となって進展している。JR九州労の大量脱退事件から「南雲」こと坂入拉致・監禁事件に至る一連の事態は、カクマルによるJR総連に対するファシスト支配の完全崩壊の始まりを示している。カクマル自らが「JR総連運動の終わりの始めを告げ知らせるもの」と打撃感もあらわに認めているのだ。カクマルによるJR総連支配の崩壊は、そのファシスト的重しによって抑えつけられてきたJRの労働者の怒りを解き放ち、国鉄労働運動の新たな発展の時代の幕開けとなる。JRの労働者は、今こそ黒田=ファシスト・カクマルを打倒しよう。
 〔右の写真は、駅頭でまかれたJR総連のビラ。坂入の拉致・監禁に関与したカクマル白色テロ分子の顔写真を載せている〕

 「JR総連の終わり」は黒田路線の破産だ

 十月六日のJR九州労の大量脱退事件以来、カクマル中央は総力を挙げてこの事態に対応し、JR九州労本部事務所に押し入ったり、JR総連OBの坂入充を拉致・監禁して脱退劇の「真相」を吐かせたり、あらゆる手段を行使してきた。カクマルがそうして暴露した事態は、坂入や船戸、田岡といった、松崎に続くような位置にいるJR総連カクマルの古参メンバーが、JR九州労の北委員長やJR総連の小田委員長、山下書記長と意志統一してJR九州労の大量脱退を推進したということだった。しかも、それをJR総連と他の単組の執行部もすべて容認していたということだったのだ。
 カクマルにとって、まさに「起こるはずのない異常な事態」だったのである。カクマル交運労働者委員会の『進撃』第四号(十一月二十七日付)では、これを「JR総連運動の終わりの始めを告げ知らせるもの」だと言い、さらに「この事態そのものが『JR総連=革マル派』というスローガンが神話でしかないことを示したといえるであろう」などと言っている。
 「JR総連=カクマル」あるいは「カクマル=JR総連」とわれわれが規定し弾劾してきたのは、JR総連および各単組の執行部をカクマルが握り、松崎を先頭にしたJR総連カクマルがそのファシスト労働運動路線と白色暴力によって七万余の労働者を支配してきたということである。
 カクマルはこれに対して、この二月の植田議長声明では「たとえ、JR総連というひとつの労働組合の内部で数千名のわが同盟員が活動していたとしても、この労働組合組織がただちに革命党組織であるとはいいえない」、労働組合と党は別だ、だから「JR総連=革マル派」というのは「神話」なのだと強弁していた。
 ところが、この「神話」そのものが崩壊したと言うのだ。JR総連の中で活動しているカクマル同盟員のほとんどがカクマル中央から離反・分裂していることを、カクマル中央が完全に自認したということだ。そしてカクマル中央からの離反を推進した「南雲」=坂入らの行動になすすべなく敗北したと泣き言をたれ、次のように言うのだ。
 「わが交通運輸労働者委員会にたいして面従腹背の行為をとった一部の反組織的分子(坂入ら)の暗躍に、われわれは当面の敗北を喫したことを認めないわけにはいかない」
 「九州労脱退劇はわが党がつくりだしてきた戦後日本における戦闘的労働運動に一大汚点を印すものにほかならない」「同時にJR労働運動をその終焉(しゅうえん)に導くほどのマイナスの力をもっている」
 確かに、カクマルの「労働運動」にとって「一大汚点」であり、「終焉」なのであろう。カクマルにとっては、動労の権力を握ったこと、そしてJR総連という一時は十数万の組合員を擁した労働組合の権力を握ったことは最大の「成果」であった。しかし、それが丸ごとカクマルの手から離れ、公然と「カクマルを許すな」と叫んでいるのだ。
 これはカクマル黒田=松崎路線の全面破産であるばかりか、カクマルの「党」そのものの崩壊・解体に行き着く事態なのである。

 告発した小田委員長を「打倒する」と脅迫

 こうした中でカクマルは、JR総連カクマルの離反を白色テロによってくい止める以外に手だてがなくなった。
 『解放』一六四一号(十月二十三日付)に、九州労脱退の「裏切り者」を「地獄に落せ」などと白色テロを指令する黒田の「短歌」を掲載し、「JR総連組織破壊者を破壊することこそが、わが党に課せられている任務」、「陰謀・策略分子」をうち砕け、「密通分子」を摘発せよ、と絶叫した。この間暴露してきたように、カクマル中央の西条武夫(木下宏)らが黒田の指令を受けて「南雲」=坂入拉致・監禁を実行した。
 カクマルは今、坂入を拉致・監禁し、九州労の脱退の「真相」を聞き出したことを自白しただけでなく、それを完全に居直った。
 カクマルは、九州労脱退問題やこの春以来のカクマルとJR総連の対立に関して『解放』や『進撃』『主張』に掲載された論文や「短歌」などを集めた『日本労働運動に炎を』という本を出版した。わざわざ帯に「黒田寛一推薦」と記し、黒田の「お墨付き」を得たものとして押し出している。これはこの間の坂入拉致・監禁がまさに黒田の指示で行われたことを自白したも同然である。
 『進撃』第四号には、「南雲の『病状』について」と題して、南雲=坂入のJR総連・小田委員長あての手紙を暴露するコラムを掲載し、坂入拉致・監禁・白色テロを公然と開き直っている。そこで坂入は「私はいま、仲間達との議論と規則正しい生活を送っています」と言っているという。さも、坂入が自分の意志でカクマルとの討論に応じているかのようだが、「かの九州労大量脱退劇は、悪名高き葛西のJR総連つぶしの策略にまんまとはめられたものである。……そこが見抜けないほどにスカスカ頭になっていたことを自覚させられました」と書かれていることから、これが坂入本人が書いたものだとしても、カクマルによって「内部思想闘争」と称する激しい追及を受けていることが分かる。
 しかも、このコラムでカクマルは、「かんじんなのは、南雲じしんの゛精神の病″の深刻さ」だとして、「この病をアルコール中毒とともに治癒するためには、なおかなりの時間と、わが革命的マルクス主義の゛薬″が必要と思われる」などと言っている。カクマルは、こういう暴露を行うことで、実は権力にすがり、権力の放置のもとで、なおも監禁し続けようとしているのだ。
 沖縄教労カクマルの高橋利雄が九二年に職場から姿を消して、一カ月後に大阪の病院にカクマルによって運ばれ、絶命状態で発見されたということがあった。この時もカクマルは、『解放』紙上に「自らの過失によって死亡した」と発表し、権力に見逃してもらった。このように権力の容認のもとで坂入を抹殺することを狙っているのだ。
 さらに、このコラムは、ファシスト特有の差別主義があふれている。カクマルに従わない者は゛精神の病″なのだと。仮にも「同志」であった者に対して投げつける言葉なのか。高橋事件も、今回の坂入拉致事件も、カクマルに従わない者は抹殺されて当然なのだということだ。カクマルとはそうしたファシストだ。
 これに対してJR総連は十一月十六日に小田裕司委員長名で埼玉県警に告発状を提出した。カクマルは、これに対して弾劾声明を『解放』一六四六号(十一月二十七日付)に掲載し、『進撃』では「JR総連小田委員長は労働者階級の敵である」とまで言うに至った。そして、JR総連の小田委員長は、カクマルから「告発を取り下げろ」という内容の手紙が届いたとして、十一月二十七日、脅迫容疑で告訴した。
 カクマルは『解放』一六四八号(十二月十一日付)に「小田裕司君へ」という「海道錨」署名の手紙を掲載した。小田が脅迫されたと言っている手紙である。そこには「最後の勇気をふりしぼって権力に助けを求めている己を打倒することだ。それをしないなら、我々が君を打倒する」と書いてある。小田はこれに対して「身体・生命・自由などに危害を加えると脅迫しています」と告訴状に書いているという。カクマルは、「この『打倒する』ということは『変革する』ことの組織建設における独特の用語であって、こんなことも分からないで肉体的打倒と曲解するのはお前の頭が俗人的に堕落しているからだ」などと言っている。だが、このカクマルにしか分からない用語で実際にやっていることは、坂入拉致・監禁であり、高橋死亡事件のように「肉体的打倒」まで行き着く白色テロそのものではないか。
 これこそ、カクマル頭目・黒田の「組織現実論」による「革命的暴力」=白色テロの論理なのだ。
 カクマルとは、本当に許しがたい、おぞましいファシスト党派だ。カクマルがそういう党派だということを、小田は内部で身にしみて知っているのであり、だからこそ、恐怖もあらわに告発、告訴に及んだのだ。

 九州労の北委員長拉致未遂

 実際、カクマルが坂入に続いてJR総連幹部を狙っていることは明らかだ。
 『JR総連通信』十一月二十七日付によると、十一月二十四日に開催されたJR九州労福岡地本主催のOB会の会場周辺で、三人のカクマルが九州労の北委員長を拉致しようとした。「ところが、本当にどうしようもなく間抜けなテロ集団『革マル派』は、北委員長と大先輩OBとを間違え」「『人違いでした。すみません』と謝り、そそくさと逃げ去った」という。
 JR総連は、「労働者の゛前衛党″を語る、労働者の敵・寄生虫=テロ集団『革マル派』」「『侵入』『暴力』『窃盗』『拉致』『監禁』『盗聴』『盗撮』『尾行』『張り込み』等を繰り返すテロ集団」と弾劾している。
 黒田を頭目とするカクマルとJR総連はまさに゛全面戦争″とも言うべき関係に入ったのだ。

 JR東1万人削減の大合理化攻撃粉砕へ

 このような黒田=カクマルとJR総連の分裂・対立は、カクマルが国鉄分割・民営化の先兵となって以来の悪行に最後的に断を下し、彼らを打倒すべき時が来たことを告げ知らせている。
 国鉄労働者の闘いを抑圧し、さらに日本労働運動と大衆闘争の妨害物となってきた、その体制の根幹が崩壊を始めたのだ。これは分割・民営化との闘いにとっても、この十数年の中でも最も重大な、歴史的な事態なのである。
 カクマルは九一〜九二年の西でのJR総連の分裂以降、列車妨害を繰り返し、JR資本の反カクマルの経営幹部やJR連合幹部、国労幹部、さらにジャーナリストらに対する家宅侵入、窃盗、盗聴、盗撮などを重ねてきた。それで得た材料をもとにしてデマ宣伝をし、脅迫を繰り返してきた。JR総連の支配は、そうした白色テロを背景にして維持してきたJR資本との結託体制によるファシスト支配だった。
 その白色テロを、今度はつい先日まで「同志」であったJR総連カクマルの幹部に向けるところまで黒田=カクマルは追いつめられているのだ。
 さらに、カクマルは資本の合理化に協力して、国労や動労千葉の組合員を差別・選別する不当労働行為をやらせ、自分たちだけは資本の先兵として生き延びるということを路線化してきた。これを労使協調ならぬ「労使協力」=「ニアリーイコール」と路線化したのが松崎だ。その行き着いた先が、今日の「シニア協定」と設備、構内・検修の全面外注化の攻撃である。カクマルは、これをテコに国労・動労千葉を解体することを資本にけしかけたのだ。だが、そうしたファシスト的結託体制も、JR東日本の大塚新体制の発足によってついに瓦解(がかい)が始まった。
 今、JR資本は、まさに第二の分割・民営化ともいうべき攻撃に打って出ている。JR東日本は十一月二十九日、JR東日本グループ全体の中期経営構想である「ニューフロンティア21」を発表した。JR東日本本体の社員数を二〇〇五年度までに一万人削減し、六万五千人体制とする。このうち鉄道事業は省力化や外注化により六千人削減し、四万七千人程度とするというものだ。グループ全体の「連結決算」が問われることから、本体の労働者を大幅に削減し、駅業務や運転部門を含めて鉄道業務の全面外注化で徹底した人件費の削減を図ろうとしているのだ。これをもって「完全民営化」をなし遂げようとしている。
 この攻撃は、国労や動労千葉の組合員はもとより、JR東労組の組合員にも及ぶものである。
 JR九州労は、資本の攻撃で犠牲になることを恐れ、JR連合の懐に飛び込む道を選んだ。ここにも未来はないことは明らかだ。
 問われているのは、JR総連組合員が自らカクマルのファシスト支配を完全に粉砕し、資本と闘う当たり前の労働運動を取り戻すことだ。そして今こそ動労千葉・動労総連合や闘う国労組合員と合流して闘おう。

 

 

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