週刊『前進』(1979号5面1)
《JR総連・九州労=カクマル問題についての革共同の見解》
JR総連打倒と国労再生へ攻勢を
JR九州労から737人が大量脱退
黒田=松崎の“東労組絶対主義”とシニア協定締結の大屈服が元凶
現代のナチス、カクマル=JR総連打倒へ総決起すべきかつてない重大情勢が到来した。十月五日、JR総連傘下のJR九州労から六百五十二人という大量の組合員が集団脱退したのである。その後、脱退者は七百三十七人に増え、全組合員九百二十四人中の八割に達している(十八日現在)。JR九州労は壊滅状態となった。国鉄分割・民営化以来十三年間のJR総連=カクマルのファシスト的組合支配は完全に破産し、全矛盾がついに劇的な形で火を噴き始めたのだ。しかも重大なことは、「自作自演の対立劇」がカクマル組織の大規模な内部分裂・対立として進行し、ファシスト労働運動の大崩壊の始まりを告げていることである。カクマルは異例の「政治組織局声明」を出して、受けた衝撃の大きさをさらけ出し、脱退したJR九州労カクマルとJR総連指導部を口汚くののしっている。この大亀裂が、さらに西日本へ東海へ北海道へ貨物労組へ、そして何よりもJR総連=カクマルの最大実体であり矛盾と危機の集中点である東労組へと波及していくことは不可避である。さらに、JR総連のみならず、教労・自治労・全逓などカクマルの全産別組織へ拡大していくことも避けられない。いよいよカクマル完全打倒の決定的情勢が到来したのだ。この情勢こそ、五月テーゼ―一九全総―二〇全総路線のもとでの革共同の闘いと、動労千葉および国労闘争団を先頭とする国鉄労働者の不屈の闘いがたぐり寄せた勝利の情勢にほかならない。全党・全労働者人民はこの決定的情勢の到来に奮い立ち、まなじりを決してカクマル=JR総連打倒の闘いに総蜂起せよ。そして、今こそ国鉄決戦に勝利しよう。十・二八―二九国労定期大会決戦に勇躍、大結集して「四党合意」を完全粉砕し、闘う新執行部を確立し、JR総連打倒、千四十七人闘争の勝利へ攻め上ろう。十一・五労働者集会に大結集しよう。
札付きカクマル筆頭にJR連合に加入届
脱退したのは、小椿次郎(福岡地本委員長)、谷川常水(鹿児島地本委員長)、内川聖司(熊本地本委員長)、一万田秀明(大分地本書記長)ら四人の札付きのカクマル分子とその同調者を先頭とする七百三十七人の組合員だ。カクマル「政治組織局声明」では、分裂・脱退の「黒幕」は九州労結成(九一年十二月)以来の委員長・北弘人そのものであると「断罪」している。
脱退したグループは、即日JR九州労組(JR連合)に加入届を出したが、九州労組は「さまざまな状況を分析する必要から」直ちに受理はせず、いったん保留扱いとなっている。
脱退者たちは、九州労組への「加入にあたっての声明」で次のように言っている。(別掲資料参照)
「私たちは内部からJR九州労の改革に向けて、対決型の労使関係からの脱却・改善をめざしてきました。また、独善的な組織運営での職場の引き回しやJR総連の革マル疑惑の解消に向け奮闘してきました。しかし、その体質は何ら改善されることなく……」「本当にこのままでよいのか? 常識ある仲間との論議を行い、今日の厳しい経済状況から将来への不安を痛切に感じない訳にはいきませんでした」
脱退カクマル分子はこのように言って九州労脱退の「理由」を弁解し、「JR九州の発展と社員・組合員の利益を守るため、今後はJR九州労組の方針に基づきがんばっていく決意です」と結んでいる。
これに対してカクマルは激しい危機感を持って「JR九州労四人組によるクーデタを打ち砕け」と題する異例の「政治組織局声明」を出し、九州のJR社宅などに配布し、また反革命通信『解放』に掲載した。
その内容は「日本労働運動の良心を体現し闘いの炎を燃えたたせてきたJR総連労働運動」などと、労資結託のファシスト労働運動を全面的に賛美・擁護した上で、「十月五日、異常事態が発生した」と大量脱退が出たことを伝え、「JR九州労四人組」を「裏切り者」とののしっている。そして、九州労組合員に向かって「クーデタに断固としてたたかいえなかったことを恥じ」よと罵倒(ばとう)し、「彼ら(四人組)を打ち砕くことをただちに開始せよ!」とけしかけている。
これはカクマルによるJR総連の党的所有意識、私物化意識、支配意識をむき出しにしたファシスト的声明であり、焦りと危機感にかられた異様な声明である。
さらに「政治組織局声明」は、JR総連からの脱退、カクマルの内部分裂がこれからも拡大していくであろうことを示唆している。いわく「JR九州労組織の破壊は、他の地方組織においても現にいま、着々とおし進められていると思われる」「JR総連ならびに各単組・地方本部の役員たちは拱手(きょうしゅ)傍観し、どこ吹く風と決めこんでいる。これは意味深な事態としてわれわれはうけとめざるをえない」と。
今回の九州労からの大量脱退が、北、小椿、谷川ら札付きのカクマル分子に率いられた組織的な大量脱退であること、しかもそれが全国的な波及性を持っていること、ゴリのカクマル分子が集団的・組織的に松崎とカクマル中央に反発し離反し、九州地方組織が崩壊的状態に陥ったことに、カクマルは根底から震撼(しんかん)し衝撃を受けている。このことをカクマルは「声明」で、「組合内党活動の弱体化に起因する痛ましい教訓」と自認している。そしてカクマル中央の指導が貫徹しなくなったことへの無力感と怒りを込めて、「JR総連執行部のかたくなな態度と無思想と無思考」などと、JR総連の「ダラ幹」を罵倒しているのだ。
“東労組カクマルだけ生き残る”路線に反発
決定的な情勢の到来である。これは何よりも、国鉄分割・民営化以来のカクマル頭目・黒田と松崎明(カクマル副議長、JR東労組会長)によるファシスト運動路線、労資結託体制の完全破産である。
JR総連カクマル分子の大量脱退の第一の決定的な原因は、JR総連カクマル分子どもがJR資本による“カクマル使い捨て”の動きにおびえると同時に、黒田・松崎の自己保身丸出しの“東労組絶対主義”に愛想を尽かし、おのれの生き残りをかけて真っ二つに分解し、醜悪ないがみ合いを始めたということである。
この間、黒田・松崎とカクマル中央は、JR東では「ニアリーイコール」路線と称する、会社とのべたべたの労資結託体制をとって甘い汁を吸い、その一方でJR西労やJR九州労などに向かっては、「ストをやれ」とか「対決型労働運動をやれ」などとけしかけてきたのである。それを結局は、東労組の資本との交渉力の強化をはかる材料として使ってきたのだ。
もともと地方のJR総連組織は、カクマルにとって東労組の生き残りのための道具でしかない。この東労組絶対主義をとるカクマル中央、黒田=松崎への不満と反発が地方のJR総連カクマルにうっ積してきた。
そのことは、九州の脱退カクマル・グループの「声明」からも明らかだ。「私たちは独善的な組織運営での職場の引き回しやJR総連の革マル疑惑の解消に向け奮闘してきました」などと言っているが、「独善的な組織運営」とは、地方のJR総連組織を犠牲にして東労組の延命をはかる松崎らの指導方針に対する反発にほかならないのだ。
九州労の脱退グループの本音は、“このままJR総連にとどまっていても、黒田・松崎にいいように利用されるだけであり、大合理化攻撃で真っ先に少数組合の自分たちの首が切られるだけだ”ということである。「今日の厳しい経済状況から将来への不安を痛切に感じ」て、なりふり構わずJR連合の懐にもぐり込もうと考えたのだ。
同様の動きはJR西労=カクマルでも起きている。昨年は安全問題でインチキなストまでやらされた西労カクマルだが、会社が四月から能力・実績主義の「新昇進・賃金制度」を導入した中で、「このままでは自分たちの首が危ない」と焦りを深め、「分割・民営化以来の決断」と称して「会社の増収活動に協力しよう」とか「会社の行事に積極的に参加しよう」という運動に突っ走っているのだ。彼らもまた、黒田・松崎の手先となって分割・民営化攻撃の先兵となってきた歴史を棚にあげて、東労組絶対主義の黒田、松崎らカクマル中央の生き残り戦略に反発と危機感を深め、勝手に自分たちの生き残りの道を探り始めたのだ。
実際、二九年型世界大恐慌過程への突入の中で、JR資本がシニア協定や全面外注化という、「第二の分割・民営化」と言うべき大合理化攻撃をかけている中で、JR総連と東労組自身が、どんなに権力・資本に屈服し忠誠を誓おうとも、これまでのようには生きていけないという絶望的な危機に立たされているのだ。
この中で黒田と松崎、JR総連カクマルは、階級的労働組合として大資本攻勢に真っ向から対決するという立場に全面敵対して、ますます東労組のカクマル組織だけが生き残ることを必死に追求し始めたのである。これに反発し、誰が切られ、誰が生き残るのかをめぐって、カクマル=JR総連の決定的な亀裂と大崩壊が始まったのだ。
松崎路線の完全な大破産
そもそも危機の元凶は黒田=松崎そのものであり、彼らカクマル中央の対応が最も破廉恥なのだ。
彼らは九州の脱退分子やJR総連の「ダラ幹」を非難するために「動労型労働運動の全面否定を許すな」などと言い、あたかも自分たちが「階級的」であるかのように格好つけている。
だが、こんな恥知らずな口実が、通用するはずがない。そもそも「動労の歴史的使命は終わった」(『解放』八六年十月)だとか、「過去の違法ストを国民の皆さんにお詫びする」(松崎、八七年二月の勝共連合『世界日報』)などと叫んで、動労カクマルの反革命的路線転換を全面的に開き直り、ズブズブの労資結託体制にのめり込んでいった首謀者は、黒田と松崎そのものではないか。
黒田・松崎は今や、東ではJR東会社との間で差別・選別、首切り容認のシニア協定を締結し、三千人削減の保守部門全面外注化攻撃の先兵となり、なりふり構わず生き残りに必死になっている。これは、国労・動労千葉などへの組合破壊攻撃であると同時に、JR東労組の地方組織など「身内」の切り捨てすら不可避とするものである。黒田・松崎はそれを承知でおのれの生き残りのために、そこに踏み込んだのだ。
最も恥知らずで卑劣なのは松崎である。一切の混乱をつくり出してきた張本人である松崎は、ここに来てまったく沈黙している。JR総連に「風」が吹いている時は反革命の言いたい放題で政府と資本におもねり、ごう慢な態度をとり続けてきた松崎。その松崎が、JR総連とカクマルの組織存亡の危機という重大情勢の中で何ひとつ指導性を発揮できず、一言の発言もできないでいるのだ。まさに松崎の超無責任さ、卑劣さが全面開花しているのだ。
黒田・カクマルの唯一の方針は、“権力・資本とは一切闘うな。大合理化に全面協力せよ。JR総連をどうするなどと考えるのは「JR総連産別主義」であり、反カクマルの「セクト主義」だ。黒田本の学習会をやって、カクマル組織を生き延びさせることが絶対命令だ”――という完全屈服の路線である。
だが、それは組合としてのJR総連の直面する危機に一切対応不能、無方針、無展望ということであり、JR総連=カクマルの亀裂と混乱を一層泥沼的に深めるものでしかない。
国鉄決戦爆発で矛盾が激化
JR総連カクマル分子の大量脱退の第二の決定的原因は、資本・カクマル一体の卑劣な組織破壊攻撃をはね返して国鉄闘争が不屈に闘われてきたこと、それと結合してわが革共同がカクマル=JR総連打倒の闘いをねばり強く闘い抜いてきたことが、JR総連内カクマル分子に大重圧を与え、カクマルの危機を大爆発させるに至ったことである。
革共同は一九全総―二〇全総路線で、国鉄決戦の勝利とカクマル=JR総連打倒を一個二重の闘いとして位置づけ、全党をあげてその闘いに突入した。
他方では、動労千葉と、闘争団を先頭とする国鉄労働者の千四十七人闘争が、分割・民営化=二十万人首切りの手先となったJR総連の不正義性、反労働者性を暴き出し、ぐいぐいとJR総連カクマルを絞め上げてきた。「国労解体」「動労千葉解体」などと叫べば叫ぶほど、組合員大衆から疑問の声が噴出するという化学変化が生み出されていったのである。
カクマルは、これを暴力支配で抑え込んできたが、それは逆に至るところで組合支配の危機と破たんをつくり出していったのだ。それがまず、九州から劇的な形で火を噴いたのである。
その危機は、実は松崎のひざ元=東労組と東京地本でこそ最も深刻であり、事態は泥沼的に進行しているのである。
全国的波及は不可避 労働者の敵打倒せよ
今回の事態は、二重対峙・対カクマル戦の歴史を画する重大事態である。九一年からのいわゆる「賃プロ魂注入主義者」の台頭と黒田による粛清、それときびすを接して、九二―九五年に発生した沖縄カクマル粛清(高橋利雄の拉致・監禁・殺害と、山里章の逃亡を頂点とするカクマルの白色テロ、沖縄カクマルの分裂的崩壊)などをとおしてカクマルの危機とファシスト的転落はますます深まってきた。そして「神戸謀略論」デマ運動の完全な破産である。その中で、ついにカクマルの最大実体であるJR総連に決定的な亀裂が走り、組織のタガが外れ、ばらばらになるような事態に発展しつつあるのだ。
このような決定的事態だからこそ、宮坂・チャレンジ、革同上村派ら国労中央による国鉄闘争の売り渡し、闘争団切り捨てのための「四党合意」策動を絶対に許すことはできない。
労資結託のJR総連=カクマルがついに決定的な亀裂と大崩壊を開始したことは、国労の戦闘的労働者が闘争団を先頭に国家的不当労働行為と闘い、国労の階級的団結を守って闘ってきたことの成果であり、その正義性、勝利性を証明する事態だ。それなのに、いったいどこを見て「ジリ貧」とか「ラスト・チャンス」などと言っているのか!
こんな連中を一刻も早く執行部から引きずり下ろし闘争団とともに闘う新たな執行部を確立し、JR総連を決定的に追いつめ、闘う国労の組織拡大をかちとる一大組織戦に突入していかなくてはならない。
国労の戦闘的階級的再生と、JR総連の革命的打倒をとおして、戦争・大失業と対決する日本労働運動の戦闘的階級的発展を切り開く絶好機が到来した。
革共同は、九州から始まったカクマル=JR総連の大崩壊の過程に断固、革命的に介入し闘い抜き、ファシスト・カクマルの積年の反人民的悪行への階級的怒りを今こそ大爆発させて、カクマルのおぞましい生き残り策動の一切を必ず粉砕する。日本階級闘争の革命的前進の道に立ちはだかる日帝の先兵、カクマル=JR総連を完全に、跡形もないまでに解体し、息の根を止める決意である。
すべての国鉄労働者、全国全産別で闘う労働者の皆さん! 今こそ反転攻勢の絶好のチャンス到来だ。国労定期大会決戦に総決起し、十一・五労働者集会に大結集しよう。
資料・九州旅客鉄道労働組合への加入にあたっての声明
私たち志を同じくする組合員は、10月5日、JR九州労を脱退し、JR九州労組への加入をここに明らかにします。
ご承知のとおり、私たちの所属していたJR九州労は、1991年JR九州労組のJR総連脱退に端を発して結成されました。
しかし、現実はJR総連、JR九州労に対する様々な内外からの批判や指摘がなされ、民間労働組合としての在るべき姿が問われてきました。
そのような中で、私たちは内部からJR九州労の改革に向けて、対決型の労使関係からの脱却・改善をめざしてきました。また、独善的な組織運営での職場の引き回しやJR総連の革マル疑惑の解消に向け奮闘してきました。しかし、その体質は何ら改善されることなく、革マル疑惑が解消されないばかりか、革マルの介入を手引きする者が明らかになるにつけ、益々、私たちの改革の志は不満へと増大していきました。
私たちは、JR九州労組脱退以後、10年目を迎えるに当たり、原点に立ち返り、本当にこのままでよいのか?常識ある仲間との論議を行い、今日の厳しい経済状況から将来への不安を痛切に感じない訳にはいきませんでした。
その結果、JR九州労にこれ以上とどまっていても、私たちが目指す労働組合の実現を果たすことは困難であると判断し、この思いを多くの仲間に訴え、600数十名の仲間の同意を得ることができました。
いまや、JR九州内におけるJR九州労組の組織力は他に比するべくもなく、歴然としています。
わたしたちは、JR九州会社と対等にして、健全な労使関係を築いておられるJR九州労組の仲間と共に、JR九州の発展と社員・組合員の利益を守るため、今後はJR九州労組の方針に基づきがんばっていく決意です。
九州労組組合員の皆さんのご理解とご指導をよろしくお願いいたします。
2000年10月5日
小椿 次郎 谷川 常水
内川 聖司 一万田秀明
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