ZENSHIN 2011/03/14(No2479 p06)
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週刊『前進』(2479号1面1)(2011/03/14 )
全国から3・20大デモへ
4・1外注化−新賃金制度粉砕
闘争団の組合員権剥奪・国労解体許さず、大量首切りの嵐に反撃を
3月20日、東京・渋谷に全国から結集し、階級闘争を一変させる一大反戦デモをやろう! 外務大臣・前原の辞任と米国務省日本部長メアの沖縄差別暴言は、菅政権打倒の現実性を示し、日米安保と沖縄基地に対する怒りを爆発させている。3・20は国際的な大焦点に押し上げられた。エジプト革命と連帯し、日本の労働者・学生・人民がいかなる行動をとるのか。ここに世界史の命運がかかっている。3・20渋谷反戦大デモの爆発で菅政権を打倒し、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の闘いを推し進めよう。労働組合と大学をめぐる攻防に勝ち抜き、青年労働者と学生が先頭で決起しよう。18日間の蜂起戦をやりぬいて2月革命に勝利したエジプトに続け。
メア暴言弾劾・安保粉砕へ
3・20闘争の大爆発に向け、第一に訴えたいことは、米帝(米日韓軍事体制)の朝鮮侵略戦争阻止、沖縄基地撤去・安保粉砕の大反戦デモで渋谷の街を席巻しようということだ。
「沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人」「日本政府は沖縄の知事に対して『お金がほしいならサインしろ』という必要がある」。米国務省日本部長メアのこれらの暴言を断じて許すな。戦争と基地建設に反対することが「ごまかしとゆすり」なのか! そもそも沖縄基地と、そこからの出撃で、何度戦争が行われ、アジアや中東のどれだけの人々の命が奪われてきたのか!
沖縄戦の凄惨(せいさん)な記憶、米軍による過酷な統治とやむことのない住民被害、騒音地獄。日常生活をもぶち壊す基地の存在への積もりに積もった怒りが、誇り高き反基地闘争として、営々と闘われてきたのだ。
米帝とメアは、沖縄を始め日本労働者階級人民の、戦争と基地に対する怒りと闘いを心底から憎悪している。とりわけ辺野古新基地建設阻止闘争をだ。メアは沖縄総領事として米側で辺野古への新基地建設を最も強硬に主張し続けてきた一人だ。だが新基地建設阻止の闘いは、15年以上にわたり辺野古の海にくい一本打たせることなく、「闘えば戦争は阻止できる」ことを世界に示してきた。このことに米帝は大打撃を受けている。
メア暴言に対し、官房長官・枝野は「事実なら容認しがたい」などと発言した。しかし辺野古新基地建設を強く推し進めてきたのは日帝・菅政権ではないか。「お金がほしいならサインしろ」と屈服を迫ってきたのは日本政府自身ではないか。膨大なカネを沖縄と辺野古に投下し、買収を策動し、基地建設を迫り、沖縄と本土の連帯と闘いを破壊してきたのは、一体どこのどいつなのだ!
中東革命圧殺狙う軍事介入
3・20闘争の大爆発に向け、第二に訴えたいことは、エジプト・中東革命に軍事介入し革命圧殺を狙う米欧帝の戦争策動と対決し、「戦争を内乱へ」の闘いを切り開くため、反戦大デモに全力で立とうということだ。
戦争突入情勢の超緊迫は、もはや一刻の猶予も許さない。現下の最大の焦点は、中東革命に対する米帝の大反動である。
米国防長官ゲーツは3月1日の記者会見で、リビア内戦に対し、2・26国連決議を口実として、米空母エンタープライズのスエズ運河への移動、米空母カール・ビンソンのアラビア海展開と、強襲揚陸艦・輸送揚陸艦および海兵隊400人の派兵を発表した。さらに米英仏などが「飛行禁止空域」の設定という軍事行動も画策している。緊急避難や人道支援、「カダフィの空爆を防ぐ」ことなどが目的と称しているが、リビア内戦介入の本質は、エジプト・中東革命の圧殺と侵略だ。
さらに、今ひとつの大焦点こそ、朝鮮侵略戦争の超緊迫情勢である。
2月28日から開始された二つの米韓(日)合同演習は、朝鮮侵略戦争の発動そのものだ。北朝鮮の「急変事態」「体制崩壊」を想定し、米軍2万、韓国軍20万の大兵力が投入されている。しかもこれを前後して、韓国が宣伝ビラを空中散布し、北朝鮮に対する露骨な挑発を行っている。北朝鮮は「軍事対応措置をとる」と言っており、実際に米韓に「反撃」が行われれば、そのまま戦争に突入することも想定した米韓合同演習なのだ。
エジプトのタハリール広場を覆った勝利の叫びは、中東全体と世界を揺るがし、中国スターリン主義下の労働者、さらには帝国主義の総本山アメリカの労働者階級の決起を生み出している。エジプトと中東で労働者階級のプロレタリア世界革命の炎が燃え上がっていることに、今や帝国主義は激しく恐怖し、軍事介入に出ているのだ。
エジプトと中東の労働者人民の革命的決起に、3・20反戦デモの大爆発で応えよう。
菅政権を倒し日本革命開け
3・20闘争の大爆発に向け、第三に訴えたいことは、青年労働者・学生を先頭としたストライキとデモの力で菅政権を打倒し、日本革命を手繰り寄せようということだ。
大恐慌が大失業と戦争を生み出し、エジプトを先頭にプロレタリア世界革命が爆発する情勢のもと、今や日本帝国主義足下での日米安保粉砕・侵略戦争阻止と菅政権打倒の闘いが、世界史的な焦点になっている。米帝の戦争を戦後一貫して支え、世界の革命運動や民族解放闘争を圧殺してきた日米安保体制。これを打ち砕くことは、戦争を止め、世界革命への道を一挙に切り開く。その現実性は3・20闘争の大爆発の中にある。
予算関連法案成立の展望もなく、外相・前原も辞任し、今や菅政権は倒壊寸前だ。この菅を支えている最大の実体が、連合など体制内労働運動の潮流だ。前原に対し連合幹部は「早く辞任することがあなたの将来につながる」などと進言している。こうした労働組合ダラ幹の腐敗と堕落が、一体どれほど労働者の怒りを抑えつけていることか。これへの怒りを爆発させて、闘う労働組合をよみがえらせよう。
労働組合を革命派が奪い返した時、どれほどの力を労働者が発揮するか。それをエジプトの労働者階級の闘いが鮮明に示している。反戦デモの中心軸として、階級的労働運動潮流を3・20渋谷に鮮烈に登場させよう。
青年労働者と学生の怒りと決起が、世界を揺るがし、世界を変える。労働組合とともに、革命の帰趨(きすう)を決するのが大学での闘いだ。そこでの学生の怒りは今や頂点に達している。鹿児島大生による東広島市でのバス横転事件や、東北地方の予備校生による入試での「偽計業務妨害」事件、これらの事件はなぜ引き起こされたのか。
今や新自由主義と「教育の民営化」のもとで、大学は変質し腐敗し切っている。資本の利潤増殖と金もうけのための「学問」、就職難を逆手に取った競争、ビラをまき、集会を訴え、学生運動をするだけで、徹底的な弾圧。特に許し難いのは、学生が直面する苦境につけ込み、受験を「営業」と言ってはばからず、受験料3万5千円をせしめ、学内では一切の自由を奪う法大当局だ。法大こそ大学の新自由主義的な変質と腐敗の極だ。
この法大から大学を変えよう。3・20闘争の大爆発で、法大当局による倉岡雅美さんへの処分を絶対に阻止しよう!
動労千葉の春闘ストに続き
青年労働者は今、青年部運動をよみがえらせ、労働運動を大変革する挑戦に立ち上がっている。とりわけ郵政職場では3月末を期限に全国で数千人が「雇い止め」になることに対して全国の至る所から闘いが噴出している。しかし郵政当局は、「24年度に営業黒字を目指す」などと叫んでいる。今や敵ははっきりした。「絶対に解雇には従わない!」。3・20渋谷デモに総決起し、労働者の怒りの根底性を資本に見せつけてやろう!
検修業務全面外注化、新人事・賃金制度、そして東労組支配への怒りが逆巻くJR職場では、青年労働者(平成採)の分岐、流動化が進んでいる。この中で動労千葉は3月春闘ストに立つ。そして青年部結成の大宣言を発しようとしている。動労千葉に続き、ストライキとデモの爆発で菅政権を打倒しよう。
4・1JR外注化を断固阻止しよう。国労本部による闘争団の組合員権剥奪(はくだつ)、国労解体・連合合流を断じて許すな! 国鉄闘争全国運動を全国津々浦々に拡大しよう。
さらに3・20の爆発の力で、4月統一地方選挙戦に勝利しよう。大恐慌下の戦争・大失業攻撃を打ち破るため、絶対に革命的議員が必要だ。民営化・外注化・非正規職化に群がる全政党・勢力をなぎ倒し、青年が先頭に立ち、杉並、相模原、八尾で断固勝利しよう!
朝鮮侵略戦争発動の情勢下で、三里塚闘争は日本階級闘争の管制高地、反戦のとりでとして巨大な位置と意義をもっている。学生を最先頭に3・27三里塚全国集会に結集しよう。
時代は革命的な労働者党を求めている。すべての青年労働者・学生はマル青労同、マル学同中核派に加盟し、ともに闘おう! 3・20闘争への大進撃と一体で、革共同を労働者階級の党、不抜の革命党として、強固に建設しよう。3月20日の渋谷・代々木公園を「タハリール広場」にせよ!
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週刊『前進』(2479号1面2)(2011/03/14 )
ドイツから3・20に連帯
KRDが革命的メッセージ
動労千葉や全学連とともに闘うドイツのグループKRD(レーテ・デモクラシーのための委員会)から3・20反戦デモへの連帯メッセージが寄せられた。KRDからは3人の学生が昨年の8月広島・長崎・靖国反戦闘争に参加し、さらに2人の労働者が11・7全国労働者総決起集会に参加してともに闘った。今回の3・20闘争にはKRDとして呼びかけ人に加わっている。メッセージを以下に掲載します。
(編集局)
* * *
デモ参加者のみなさん、闘う仲間のみなさんへ。
全学連と法政大学文化連盟のみなさんへ。
ドイツからみなさんの3・20集会によせて、心からの革命的あいさつを送ります。
私たちKRD(レーテ・デモクラシーのための委員会)は、資本主義体制と、それらがイラクや朝鮮、アフガニスタンや地球上の他の多くの国々でもたらした戦争に対する、みなさんの闘いにともに決起します。
今日私たちは、チュニジアに、エジプトに、モロッコに、そしてレバノンに仲間を見いだしています。これらの革命によりこうした国々が社会主義にむけて一歩前進することを、私たちは望んでいます。
ドイツではこの2月にドレスデンで、右翼・国粋主義者との大きな闘いがありました。第2次世界大戦中に数千人の市民が殺されたドレスデン空襲の日に際し、2千人のネオナチが人種差別主義的・ファッショ的な狙いをもってデモをやろうとしたのです。しかし、2万人のデモ隊がルートを封鎖し、このネオナチのデモを粉砕しました!
みなさんの闘いの成功を願っています。9千`の距離をこえて、私たちはみなさんとともにあります。
ドイツKRD/みなさんの同志たちより
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週刊『前進』(2479号1面3)(2011/03/14 )
各地で国際婦人デー闘争
「革命」の横断幕で池袋をデモが席巻
3月5〜6日、東京、大阪など全国各地で国際婦人デー集会とデモがかちとられた。中東の革命の息吹が日々新たに届く状況のもとで、いずれの集会でも「エジプト革命に続け!」が共通のスローガンとなった(記事2面)。東京では集会の熱気そのままに、「戦争には革命を/労働者の国際的団結で朝鮮侵略戦争阻止」と色鮮やかに書かれた横断幕を先頭に、池袋の繁華街へデモに繰り出した(写真)。婦人民主クラブ全国協や労組交流センター女性部などののぼりが林立し、「チュニジア、エジプトに続くぞ!」「女性労働者は闘うぞ! 青年・学生とともに闘うぞ!」のコールが力強く響きわたり、沿道の人びとの注目を集めた。2011年「3・8国際婦人デー」闘争は、大失業と戦争の時代に、女性が労働者階級の最先頭で立ち上がる気概を示した。
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週刊『前進』(2479号1面4)(2011/03/14 )
前進速報版から
▼三里塚、鈴木さん一坪裁判▼東京、関西、広島で国際婦人デー闘争▼「国鉄闘争全国運動・沖縄」が結成総会▼仙台で国労春闘行動
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週刊『前進』(2479号1面5)(2011/03/14 )
日程 3・27三里塚集会、3・20渋谷反戦デモ
第3誘導路建設阻止! TPP反対! 現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を守ろう! 軍事空港建設粉砕・改憲阻止!
3・27三里塚全国総決起集会
3月27日(日)正午
成田市天神峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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イラク開戦8年 全世界一斉行動
3・20渋谷反戦デモ
3月20日(日)午後1時集会(3時30分デモ出発)
代々木公園B地区野外ステージ
主催/3・20集会実行委員会
★朝鮮侵略戦争を阻止しよう! 沖縄新基地建設を阻止し、日米安保を粉砕しよう! ★戦争・大失業の菅政権を倒そう! ★法政大学の監獄体制をぶっとばそう!
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週刊『前進』(2479号2面1)(2011/03/14 )
日米韓労働者の力で戦争止めよう
世界の革命的反乱と連帯し3・20へ
大恐慌下に吹き荒れる帝国主義の首切り・賃下げ・生活破壊の暴挙に対して、全世界で労働者階級が「生きさせろ!」の怒りを爆発させて立ち上がっている。それは世界革命のうねりだ。連帯し、3・20渋谷反戦デモに全国から総結集しよう。
アメリカ 団体交渉権のはく奪に怒り ウィスコンシンの公務員労働者州議会を占拠
“マディソンはカイロだ!”
2月11日(金)、北部ウィスコンシン州のスコット・ウォーカー新知事が重大な発表をした。警察と消防を除く公務員の医療保険・年金の自己負担分の大幅引き上げ(=大幅賃下げ)と団体交渉権の剥奪(はくだつ)、組合費のチェックオフの禁止を含む州法「財政再建法」を提出することだ。そして、それへの反発に備えて州兵の動員を準備しているということだ。州の軍隊で弾圧するとは凶暴きわまる。1930年代の大恐慌の時以来だ。
団体交渉権の剥奪は、アメリカの労働関係のもとでは事実上の争議権剥奪でもある。ウォーカーは公務員の大量解雇にも言及した。結局、大幅賃下げや解雇に一切抵抗するなということだ。
全米教育協会(NEA)系、アメリカ教員連盟(AFT)系双方の教職員労組や米州・郡・市従業員連盟(AFSCME)を始めとする労働組合は直ちに次の月曜日からの動員を決定した。
2月14日(月)の州議会前の集会は労組幹部の思惑をはるかに超え、1万人〜2万人の結集となった。決定的だったことは、教育労働者は「病休」をとって連日、議事堂前の集会に参加し、州都マディソン周辺では4日連続の休校となったことだ。ストではないが軒並みの休校となり、「ストよりもストらしい」と言われた。これが全社会的な影響を与え、平日にもかかわらず、動員は日を追って増加し、金曜には7万人に達した。
大集会に、バグパイプの楽隊を先頭に消防士労組が制服姿で入場し、万雷の拍手を受けた。彼らは今回のリストラ・労組破壊の対象にはなっていないが、「分断支配だ。次は自分たちだ」として参加したのだ。
議事堂に数千人が入り、ドーム型天井の音響効果もあって、「恥を知れ!」の大コールがすごい迫力で響きわたった。組合で印刷したプラカードがかすむくらい多数の手書きのプラカードがあった。「恐慌は労働者がつくったんじゃない。責任を押し付けるな」といった恐慌責任転嫁への怒りが多い。そして「ムバラクは倒した。次はウォーカーだ」「怒りの日」など、エジプト革命にインスピレーションを得たスローガンが目立つ。2月11日のムバラク打倒に沸くタハリール広場のように、勝利感と連帯感あふれる集会となった。ニューヨークタイムズも「マディソンがカイロになった」と報じた。
チームスターズ(トラック運転手など)や全米鉄鋼労組、通信労組、建設労組など民間労組からも組合員が自分たちで工夫したプラカードを持参して数多く参加した。団体交渉権剥奪という労働組合の根本への攻撃に、団結して反撃したのだ。
「公務員の高給・特権」を攻撃して、民間労働者や自営業者の反感を組織しようとしたウォーカー知事のもくろみは打ち破られた。
(写真 雪の中、10万人が集まった大集会【ウィスコンシン州議事堂前、2月26日】)
闘いは他の州にも次々波及
マディソンでは、どの商店のウインドーにも、公務員労働者を支持するポスターが張られ、街ぐるみの大闘争になった。
議事堂では、その日から連日の泊まり込みとなった。タハリール広場にテントを張って泊まり込んだエジプトと同じだ。学生と教育労働者が中心となったが、「警察が学生を逮捕しにくいように」と消防士たちが一緒に寝袋を並べた。
州議会占拠は、2月14日から3月3日まで18日間連続で貫徹され、インディアナ、オハイオ、イリノイなど他州にも波及していった。
そして全米50州でウィスコンシン闘争支持の集会が各議会・官庁前で開催された。マディソンには全米から宅配ピザなどの差し入れが集中した。
ついに80年代からの大後退を逆転し、全米的な規模で反転攻勢に打って出る時代がきたのだ。
サブプライムローン破綻が暴露された07年以降、労働者人民は、資本家に対して怒りに怒っている。デマ宣伝で労働者に責任を転嫁する80年代以来の手法はもう通用しない。
今、大失業が深刻化する一方で「景気回復」と言われ、ウォール街のボーナスは過去最高だ。「財政危機」と言いながらオバマやウォーカーは法人税減税を強行している。ブッシュ、オバマの7000億j、7870億jの金融支援、毎週40億jのイラク・アフガニスタン戦費に比べれば全州の公務員の賃金、年金、医療など、2けた、3けた下のレベルだ。
3月9日、州議会は公務員労働者への攻撃の部分だけを「財政再建法」から切り離し、別法案にして強行採決した。
その報が伝わった瞬間、3日に議会から排除されていた労働者数千人が怒りの声を上げ、議事堂に突入した。「ゼネラル・ストライキだ!」と口々に叫んだ。
しかし、NEA、AFT、AFSCMEなどの指導部は、自分たちの統制を超えたランク&ファイルの決起に恐れをなし、闘争の早期終息に必死になっている。
そもそもこの闘争の最初から、彼らは「金の問題ではない」と言ってウォーカー知事の医療保険・年金自己負担増の要求に応じることを自分たちから積極的に宣伝した。譲歩し、団体交渉権や組合費のチェックオフは守ることで手を打つ方針だった。
だが知事は、「財政赤字の原因は公務員の高給だ」と大宣伝しているのだ。ここで組合側から自己負担増を申し出ることは、財政赤字の責任が公務員労働者にあるという敵の言い分を認めることだ。それは州財政の分配をさまざまな部門の労働者同士で争う道であり、労働者階級の団結を破壊することだ。「財政危機は資本家階級の責任」という原則を貫いてこそ労働者階級全体の団結が守られ、敵に勝利できる。
職場の団結こそ労働者の力
また体制内指導部は、教育労働者の病休闘争を抑圧し、すべてを集会動員と共和党議員のリコール運動にのみ制限しようとした。だが、職場生産点を握っていることこそ、最大の労働者の力である。それは最初の4日間の休校の巨大なインパクトが証明している。
すでにマディソン一帯の地区労は「州のAFSCMEまたはAFT、NEAが呼びかければゼネストに賛同する」という決議を上げている。今、ランク&ファイルの戦闘的な労働者は、この団結を守り、他州にも広げて闘おうとしている。
労働者階級は全世界でひとつだ。この日本の地で新自由主義の元凶、国鉄分割・民営化体制と闘ってウィスコンシン、全米の労働者と連帯し、勝利しよう。
韓国 非正規職めぐり激突 現代車、不屈の第2波闘争へ
米韓合同演習が朝鮮半島を再び一触即発の戦争情勢にたたき込む中、韓国では、労働者階級と資本との激突が激しく火を噴いている。韓国経済を牛耳る大資本とイミョンバク政権は、戦争に突き進むためにも、民主労総を始めとする労働組合の破壊・解体に一切をかけ、無法の限りを尽くして襲いかかっている。だがこれに対して闘う労働者は一歩も引かず、ますます根源的な怒りを燃やし、団結を維持しながら不屈に闘いぬいている。
その焦点となっているのは、昨秋の現代自動車蔚山(ウルサン)工場の占拠闘争を契機に全社会を揺るがす大闘争へと発展した非正規職撤廃の闘いだ。全労働者の6割が非正規職の韓国で、昨年の闘いはその怒りに決定的な火をつけた。これが労働運動全体の新たな発展につながることに恐怖したイミョンバク政権と資本は、今や現場の闘いの圧殺に全力でのりだした。これとの大激突が始まったのである。
(写真 蔚山工場前で懲戒解雇との全面対決を宣言する現代車非正規職支会【2日】)
懲戒の乱発に団結で対決
現代自動車では、正規職労組の執行部が会社側の主張を大幅に受け入れて作成した妥結案を、蔚山・牙山(アサン)・全州(チョンジュ)の非正規職3支会が拒否。2月17日には蔚山工場正門前で、交渉決裂を正式に宣言して第2波ストへの出征式を断固かちとった。
これに対して現代車資本は、15日から非正規職支会組合員への大量の懲戒処分に踏み切り、各工場の入り口を厳重封鎖して解雇者の工場内への立ち入りを禁止した。解雇者は七十数人、停職者は150人にのぼる。18日には、本社前の広告塔で高空籠城(ろうじょう)に突入していた組合員を警察特殊部隊を投入して引き下ろした。
この攻撃に、蔚山工場では2月21日、4時間の部分ストライキが職制の暴力と対決しながら打ちぬかれた。牙山工場の社内下請支会も23日に組合員総会を開き、正規職化への全面的で攻勢的な闘争に出ることを全員一致で確認した。26日には蔚山・牙山・全州3支会の組合員が上京闘争に決起し、ソウル駅前で集中集会を開催。野宿闘争をともにやりぬき、3支会の団結を打ち固めた。
2月28日、資本は新たな攻撃に出た。牙山工場の社内下請け業者10社が一斉に、不法派遣正規職化闘争に賛同した組合員への処分を行うと公示したのだ。懲戒委員会が開かれた3月2日、委員会への出席を拒否した組合員は、その場から直ちに抗議のストに突入した。会社側は翌3日、懲戒解雇13人、停職94人、減給143人の処分を発表。ストライキに参加した約250人の組合員全員に対する懲戒だ。
蔚山では3月2日、非正規職支会が非常対策委員会を発足させ、懲戒解雇弾圧との全面対決を宣言した。非常対策委のイウンファ委員長は、労働者の分断と弾圧に熱を上げる会社に「応分の代価を支払わせる」と怒りをたたきつけ、次のように述べた。「工場の外に押し出され懲戒解雇された仲間たち、停職させられた仲間たちが先に立ち上がろう。正門の前にテントを張り、毎日、血を吐くような工場進入闘争を展開しよう。工場の中に入れる仲間たちは、現場の組合員が会社の懐柔と脅迫に屈することなく対抗できるようにしよう。この闘争にすべての力を投入する」
資本の焦りが激突を促進
現代車非正規職をめぐるこの激突は、労働者階級の闘いの発展に追いつめられた資本の絶望的な焦りと凶暴化によって引き起こされている。エジプト革命は韓国をも直撃しており、ムバラク体制の崩壊は彼らにとって「明日のわが身」だ。だからこそ、対北朝鮮の戦争に米帝・日帝と一体となって突き進むとともに、労働者階級の団結破壊に一切をかけた必死の攻撃に出ているのだ。
だがそれは、階級対立をますます非和解化させる。すでに現代車に続き、7日には大宇(デウ)造船の下請け労働者が、社内下請け1万7千人全員の直接雇用を要求して高空籠城闘争に突入した。8日にはソウル地域の各大学の清掃労働者が一斉にストに立ち上がった。韓進重工業での大量整理解雇との闘いやバス労働者のストライキも、激しい弾圧と格闘しつつ継続されている。
日韓労働者の連帯をさらに強め、3・20闘争の大爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2479号2面2)(2011/03/14 )
国際婦人デー集会 “エジプト革命に続く”
東京 “戦争には革命を!” 青年労組員が集会を牽引
3月5日、東京・アットビジネスセンター池袋駅前別館で実行委員会による「戦争には革命を! 労働者の国際的団結で朝鮮侵略戦争阻止! 3・5国際婦人デー集会」が開催され、148人が参加。中東全域に波及するエジプト革命との一体感があふれる集会とデモをかちとった。
司会は東京東部ユニオンと婦人民主クラブ全国協三多摩支部が務めた。まず三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木いとさんがあいさつ。中東情勢を「三里塚の実力闘争を思い起こし、そこにいるような気持ちになる」と語り3・27三里塚集会への結集を呼びかけた。
星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さんは、3・20反戦集会への決起を獄中から呼びかける星野文昭さんの手紙を紹介、集会の成功を熱烈に訴えた。
会場から「必勝!」のかけ声がかかる中、2期目の区議選に挑む杉並の北島邦彦区議が登壇。日本共産党と激突して保育の民営化と闘い、「社会の新しい方向性を見つける」と決意を語った。
中野洋顧問の一周忌のしのぶ会を当日催した動労千葉からは「女性と青年の決起が時代を揺り動かす」というメッセージが寄せられた。
東京労組交流センター女性部長が中東の青年・女性労働者に熱い連帯を込めて基調提起を行った。「『子ども・子育て新システム』による保育所民営化の狙いは労組破壊だ。ストライキで闘おう。国鉄闘争全国運動を推進し菅民主党政権打倒を」と訴えた。自治体職場での自身の闘いにも触れる。「現業労働者への任用替えと闘っている。分断と分限免職のための人事評価制度をつぶさなければ。自己申告書を出さない私はいつもD評価」。屈服を拒否する姿に共感の拍手がわいた。
圧巻は現場からの闘う報告と決意だ。解雇撤回へ闘うJAM神奈川ジェコー労組行田分会は「期間従業員全員解雇2周年の日、本社工場で大闘争をやる」と戦闘宣言。保育労働者は「新システムは首切りだ。自治労本部は何も知らせない。私は新システムとは何かを職場の労働者に明らかにしていく」と明言した。
西村あや子市議を押し立て4月市議選を闘う婦民全国協相模原支部は「労働者・労働者家族に国鉄全国運動を広げるチャンス」と意欲満々。北島区議を押し立てる婦民杉並支部は「保育所民営化と闘い青年と結びつき当選を」と表明した。
東京西部ユニオン青年部の福祉労働者は「大恐慌下の大失業、戦争と闘う労働運動を今こそ最前線に登場させよう」と呼びかけた。東京北部労組交流センターの労組青年部長は「”職場をタハリール広場に”と春闘集会にストライキも含め参加。青年の未来は労組青年部をよみがえらせることにある」と確信を語った。最後に法大から全学連副委員長の倉岡雅美さんが発言。1年の停学処分が終わる3月末を目前にしての処分策動を弾劾し、3・20闘争へ檄(げき)を飛ばした。
全国労組交流センター女性部長の長谷川ユキさんの行動提起を受け、元気にデモに出発した。
(写真 東京の国際婦人デー集会。国鉄闘争全国運動の推進と杉並・相模原選挙の必勝を誓った【5日 池袋】)
大阪 八尾市議選必勝誓う 保育労働者の訴えに共感
3月5日、大阪府八尾市のプリズムホールで「3・8国際婦人デー集会」が婦人民主クラブ全国協関西ブロックと関西労組交流センター女性部の共催で開催された。80人が集まった。
動労千葉のメッセージが読み上げられた後、婦人民主クラブ全国協関西ブロック代表の山本美知子さんが「エジプト革命に続こう! 3〜4月の闘いで菅民主党政権を打ち倒そう! 女性、すべての民衆をプロレタリア革命に組織しよう!」と題して次のような基調報告を力強く行った。
「1917年のロシア革命の口火を切った3・8国際婦人デーの女性労働者のストライキ・デモと、今エジプト革命で闘われていることはまったく同じです。職場・工場での労働者の日常不断の組織化の闘いが官製労働組合の支配を打ち破り、革命に結びついた。路上にほうり出されて命を落とすか、それとも戦場で殺されるかという、こんな資本主義はもう終わってる! 革命を絞め殺す連合や日本共産党、既成女性運動を打ち破り、菅政権もろとも資本家どもの腐りきった社会をひっくり返そう。その基軸こそ国鉄全国運動だ。動労千葉の北嶋君の”絶対に許さない”という言葉は労働者をモノのように使い捨てる社会への非和解の怒りであり、すべての職場に共通の怒りだ。60万幼保労働者の国鉄型解雇=子ども・子育て新システムを阻止しよう」
続いて関西労組交流センター女性部を代表して八尾北医療センター労働組合の灰垣美佐子さんが「新自由主義によるむき出しの攻撃が襲いかかる今こそ、女性部の位置が死活的です。闘う労働組合をよみがえらせ、エジプト革命に続きともに日本革命に突き進みましょう」とアピールした。
さらに4月の八尾市議選に立候補する末光道正市議が「エジプト革命で世界革命は分水嶺(ぶんすいれい)を越えた。TPP推進や大増税、そして八尾北医療センターつぶしの菅政権や田中市政を打倒しよう。市議選に勝利して労働者、とりわけ青年・婦人を獲得しよう」と決意を述べた。
フリートークでは、西郡住宅闘争を闘う地元・西郡の住民、3・20反戦闘争の先頭に立つ全学連、保育新システムと闘う保育労働者、国鉄全国運動の中軸を担う国鉄労働者、教育の民営化と闘う教育労働者などが次々と発言した。とりわけ保育労働者は、「日本共産党・全労連は『よりよい保育所を』と、一見新システム反対のポーズをとっている。だが、彼らこそ自治労以上の推進部隊だ。『保育労働者の首切り攻撃』であることをはっきりさせ、絶対反対で闘おう」と訴え、参加者の胸を打った。
最後に3・13青年労働者集会実行委が集会参加を呼び掛けるアピールを行い、熱気あふれる集会を締めくくった。
集会に先立ち、近鉄八尾駅前で街頭宣伝を行った。リレートークでの「八尾をタハリール広場にしよう」という訴えが道行く人をくぎ付けにし至るところに討論の輪ができた。
(関西・K)
(写真 「エジプト革命に続こう」と関西集会。発言は4月市議選勝利へ決意を語る末光市議【5日 八尾市】)
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週刊『前進』(2479号3面1)(2011/03/14 )
首都圏青年労働者集会
大失業と非正規化に怒り
国鉄を先頭に青年部建設へ
「闘う春闘を取り戻そう! 首都圏青年労働者集会」が3月6日、千葉市内で開催され、産別・職場を越えて350人が結集し大成功した。動労千葉の青年労働者が「今年は青年部をつくり、動労千葉に若手がいることをJR東労組にも示したい」と宣言した。また郵政大リストラで雇い止め・解雇を通告された青年労働者も会社・資本への怒りをたぎらせた。集会は、2千万青年労働者の大失業と民営化・外注化、非正規化への怒りの総反乱の開始を告げ知らせるものとなった。まさに「労働組合に人生をかける時代がきた」のだ。労組青年部運動を大前進させよう。
医療労働者が「全労働者を団結させる力をもってこの情勢に立ち向かおう」と開会を宣言した。
特別アピールでは動労千葉の長田敏之書記長が「青年部が先頭に立って闘ったときに本当に大きな組織拡大ができる」と檄(げき)を飛ばした。
(写真 青年労働者の資本への怒りが爆発。労組青年部の組織化を誓う【3月6日 千葉市】) 国鉄の労働者が集会を牽引
JRの青年労働者が登壇、民営化・外注化を絶対に許さない思い、青年の決起を抑えつけるJR東労組への怒り、青年部建設へのみなぎる熱意を次々と述べた。
動労千葉の青年組合員2人が先陣を切った。「外注化はいやだとはっきり示したかった」と動労千葉への加入の理由を明かし、「僕の加入は、外注化したら平成採3万人のうち1万人を(動労千葉派に)とられる危機感をJR当局にあおった。青年部をつくり東労組の人たちに動労千葉にも若手がいることを示したい」と語った。
続いてもう一人の組合員が、JR当局がろくに業務教育もやらないで作業を強制することに憤り「何でも首を縦に振っていれば、いずれ駅も外注化される。一人ひとりが『おかしい』と声を上げることが外注化阻止につながる」と戦闘宣言を発した。
国労の貨物労働者は「4・9政治和解の大反動に絶対反対を貫き通した。国労の変質に抗する決定的位置に自分がいる」と確信を述べた。
JRの外注先の青年労働者は「外注会社の現実は人員削減と労働強化、徹底した時間管理だ」と暴露、外注化絶対反対の意思を表明し、「JR関連会社の職場と組合を越えた団結で反撃しよう」と熱烈に呼びかけた。
動労千葉の青年部建設を先頭に、JR体制を覆すJR青年労働者の総反乱が始まったのだ。
労働組合に人生かけよう
問題提起では、呼びかけ人の郵政労働者が「労働組合に人生をかける時代がきた」と重々しく勝利の道を示した。
まず、青年労働者がまともに生きられない現実は、国鉄分割・民営化から始まる民営化・外注化、規制緩和の新自由主義攻撃にこそ原因があると明らかにし、「エジプト同様、いよいよ労働組合の出番。連合のように経営者となれ合う一部幹部から労働組合を現場の手に取り戻す闘いは世界共通だ」と確認した。
ではどういう労働組合をつくるのか。「職場でみんながそうだと思うことを闘いにする。始めの一人になるのは勇気がいる。しかし一人でも、やらなければいけない時がある。そしてともに闘う仲間をつくる。ここに闘う青年部はよみがえる」と提起した。
注目を集めたのは、郵政大リストラで2月に雇い止めを通告された青年労働者の怒りをかみしめた発言だ。「自分は生活、家族のために働いてきた。日本郵便は年間1千億円の赤字の責任をすべて『下』に押しつけている。斎藤社長に『非情な男』というレッテルをはってやりたい。これ以上、労働者から生活や夢を奪わないようにみなさんの知恵をお借りしたい」。大恐慌下の大失業への怒り、2千万青年労働者の資本主義への根底的な怒りが堰(せき)を切り、青年部建設の闘いに合流したのだ。
民営化・外注化に職場で反撃
続々と職場の闘いが報告された。民営化はないという理由で組合が合理化に協力している東京交通労働組合の青年は、「民営化絶対反対の闘いで労働組合をよみがえらせる」と意気込んだ。
自治体労働者は「低賃金・非正規化の中で正規職員の業務量が増大している。自治労本部の場当たり的対応はもう限界。職場の怒りを一つにして青年部をつくる」(A市職)、「職場丸ごとの民営化に反対して自治労本部の制動をはねのけ現場で闘いを組織している」(B県職)と報告した。
医療労働者は「ビラをはねつけていた人がついに受け取った。職場から闘いの方針を一緒につくっている」(C病院)、「人事評価制度や外注化攻撃が強まる中、春闘は組合存亡をかけた攻防だ」(D病院)と発言。
さらに非正規職労働者、金属、バス運転士、合同労組、福祉の各職場の闘いが生き生きと語られた。電子カルテ導入を阻止した福祉労働者がカンパアピールを行った。
青年弁護士も「司法制度改革による弁護士増員で弁護士も食えない。団結して資本家の分断攻撃と闘う」と連帯した。さらに法大文化連盟の斎藤郁真委員長が3・20反戦デモを呼びかけた。
まとめに立った医療労働者は、「青年が生きられない原因は民営化・外注化、非正規化だとはっきりした。今こそ怒りを爆発させ労働組合をよみがえらせよう。動労千葉の青年とともに外注化阻止へ闘おう。国鉄闘争全国運動こそ外注化・合理化を阻止する力だ。ストとデモで闘おう。3・20反戦デモに結集しよう」と力強く締めくくった。
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週刊『前進』(2479号3面2)(2011/03/14 )
年金機構職員3千人の3月「雇い止め」阻止を
日本年金機構の契約職員3千人の3月末雇い止めが迫っている。年金機構においては、すでに職員の6割(社会保険庁当時は4割)が非正規化された。さらに年金記録作業のために数万人の外注企業労働者が日々雇い止めの恐怖のもとで働かされている。
社保庁労働者525人の解雇撤回と年金機構非正規職雇い止め阻止は、大恐慌下の道州制・民営化=公務員360万人首切り攻撃を打ち破る国鉄闘争全国運動の戦略的闘いとして発展している。
分限免職の手口 公開審理で暴露
昨年8月広島の平口雅明さんに始まり、沖縄、山口、札幌、埼玉、岡山、秋田と続く人事院公開審理は、社保庁解体・公務員大量解雇の悪質な手口を暴き出している。
社保庁解体は、戦後の階級的力関係の中でできなかった公務員大量解雇への踏み切りとして、正規職員1千人の生首を飛ばすことを最大の目的に強行された。政府はそのために、あらかじめ民間からの採用枠1千人を設けた。処分歴、病歴を理由に採用枠から締め出す。厚労省への配転希望者6千人のうち、形ばかりの面接で4700人を落とす。年金機構希望者1千人以上を不採用とする。不採用者には、官民交流センターへの登録とハローワークに行くことを勧め、自主退職か分限免職かを迫ったのだ。
組合員を解雇し協会派は職確保
2月22〜24日の埼玉での公開審理で、自治労と社保労組の幹部が面接すら受けることなく厚労省配転を遂げていた事実が明らかになった。厚労省への配転希望が通った埼玉県内の社保庁職員はわずかに19人。そのうち名前が判明しているだけでも7人は自治労と社保労組の幹部だった。社保労組本部・協会派は、社保庁解体攻撃に抗して「闘う組織を守った」(労大ブックレット『人勧がなくされる Part2』)と開き直った。労組幹部が組合員の首切りと引き換えに職を確保する――このどこが「闘う組織」だというのか。
労働組合として解雇絶対反対の闘いを行わなかっただけではない。社保庁解体=全員解雇・選別採用の問題について、労働組合がまったく現場に知らせることなく分限免職に至らせた。他の職員による業務外閲覧や業務命令のもとで行われた年金事務の不適正処理という冤罪の不当処分に対して、社保労組も全厚生も争わなかった。こうして現場の団結を破壊し、闘う力を奪い、社保庁解体に協力したのだ。
大恐慌下の4・9反革命として労働組合解体・変質攻撃は極まり、体制内労組幹部はここまで堕落した。国鉄分割・民営化時の動労カクマルの大罪に匹敵する社保労組幹部・協会派の裏切りを、解雇撤回・外注化絶対阻止の職場からの闘いで粉砕しつくそう。
「救済」ではなく525人解雇撤回を
2月札幌に始まる人事院公開審理において全労連・全厚生は、年金問題についての「国の責任放棄」を最大の問題として「安心年金つくろう」と主張した。525人の分限免職の不当性について触れつつ「日本年金機構への就職を希望する195人の採用」に切り縮めて「一日も早い救済」を人事院に求めた。しかし社保庁闘争は解雇された労働者の怒りをもって公務員大量首切りに敢然と立ち向かい、民主党・連合政権を直撃している。「人道的解決と救済」ではなく、525人全員の解雇撤回・原職復帰こそ闘いのスローガンだ。
同時に、日本年金機構における外注化・非正規職化による労働監獄の現実を職場から粉砕する闘いが決定的である。契約職員の大量雇い止め攻撃に対して、自治労ねんきん労組はもとより全厚生もまた闘いを取り組もうとすらしない。現に雇い止め攻撃にさらされ、その恐怖支配のもとで労働強化と低賃金・無権利状態を強いられている非正規職労働者、青年労働者の怒りを知れ。年金業務は全面的な外注化・非正規化で破綻的状況に陥っている。反合理化・運転保安闘争の路線で職場闘争を巻き起こし、闘う労働組合を取り戻そう。
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週刊『前進』(2479号3面3)(2011/03/14 )
国鉄・公務員決戦へのアピール
国鉄闘争全国運動を発展させ公務員360万人解雇を打ち砕け
労働組合めぐる死闘が情勢決す
大恐慌が大失業と戦争として爆発し、エジプト革命を突破口にプロレタリア世界革命にまで行き着く世界史的革命情勢に突入した。解雇撤回・外注化絶対阻止をスローガンに国鉄闘争全国運動を発展させ、「大恐慌を世界革命へ」を実現しよう。大恐慌下の「国鉄型」=「社保庁型」民営化・解雇攻撃との闘いを中心に、国鉄闘争全国運動の前進
のための課題を明らかにし、今春決戦に立つことを訴える。
大迫 達志
国鉄闘争を基軸に大恐慌を革命への路線で勝負しよう
今春決戦の第一の課題は、革命の時代認識と国鉄闘争の戦略的意義を職場の全労働者に徹底的にはっきりさせることだ。
これこそ党派闘争上の最大の核心問題である。職場のビラで、労働組合の議論の中で、労働学校や職場学習会の場で、ゴリゴリと論じよう。
大恐慌下、世界各国は巨大資本救済と大不況克服のために未曽有の財政投入を行い、解決不能の国家財政赤字を抱え込み、年金・社会保障制度解体、大増税と公務員大量解雇・賃下げの階級戦争を全面化させている。だが労働者は体制内労組幹部の支配を打ち破って闘いを爆発させている。
ギリシャ―ヨーロッパのゼネスト、チュニジア・エジプト―中東革命、米ウィスコンシン州の公務員労働者10万人の長期にわたる議会占拠闘争――。プロレタリア世界革命に至る闘いとこれを根絶するための帝国主義の侵略戦争との激突が朝鮮半島や中東・北アフリカで本格化している。
資本主義の歴史的生命力は絶えた。「資本主義の最期を告げる鐘」(『資本論』)が鳴り響き、「戦争か革命か」をかけた世界史的な階級決戦が始まっているのだ。
エジプト革命のデモとストについて興奮して語らない青年労働者・学生はいない。労働者が団結して闘えば勝てる! 労働組合の闘いで社会を変えることができる! エジプト2月革命が示したこの真理を全労働者の共通認識としよう。
さらに国鉄決戦の戦略的意義を明確にさせ、この〈国鉄闘争の解体か爆発か〉の攻防に労働者階級の未来がかかっていることを明らかにしよう。
国鉄闘争は、日本における戦後最大の新自由主義攻撃、国鉄分割・民営化に抗して、89年総評解散・連合結成の大反動にもかかわらず、24年間も闘われてきた。1047名解雇撤回を掲げて100万人の国鉄闘争陣形を形成し、階級的労働運動の結集軸となった。公務員の分限免職を阻んできたのも国鉄闘争の力だ。
日帝ブルジョアジーの最後の頼みの綱、民主党・連合政権は崩壊の危機に陥り、日帝は帝国主義の「最弱の環」に転落した。この中で青年労働者、正規・非正規職労働者の根底的な怒りが爆発し始めた。それゆえに敵階級は昨年、国鉄闘争をめぐって4・9政治和解という大反革命に出、11・23砲撃戦をもって朝鮮侵略戦争に向かって突進したのだ。
これと真っ向から激突し、体制擁護の連合・全労連支配を打ち破って菅民主党政権を打倒する闘いが国鉄闘争全国運動だ。1047名闘争は09年末の社保庁解体で全社会化した倒産・解雇攻撃との最基軸の闘いだ。
社保庁や日本航空、日本郵便をはじめ当局・資本による解雇・雇い止めに怒りと闘いが爆発している。腐った体制内労組幹部や社会主義協会派、日共スターリン主義の制動をはねのけ青年労働者が続々と決起している。
JR「平成採」労働者を先頭とする動労千葉の春闘第1波スト、2・16国鉄集会と2・20新小岩貨物基地廃止阻止闘争、3・6首都圏青年集会の高揚を見よ。動労千葉・動労総連合のJR全面外注化絶対阻止の闘いは現実に外注化・非正規職化を阻止し続けている。JR新人事・賃金制度導入阻止の闘いは全産別の最先端の闘いである。
国鉄闘争全国運動は闘う労働者の最大の結集軸、階級的労働運動再生の柱だ。4・9大反動は現実の闘いで打ち破られつつある。確信も固く職場・地域の労働者を国鉄全国運動に組織しよう。
「国鉄=社保庁型」民営化・解雇攻撃の本質が明らかに
第二の課題は、大恐慌下の「国鉄・社保庁型」民営化・大量解雇=労組解体攻撃の本質を暴き、労働者の根底的な怒りを引き出して闘うことだ。
社保労働者の分限免職取り消しを求める全国の人事院公平委員会公開審理闘争で、社保庁解体攻撃の本質と許すまじき手口が一層明らかになった。民主党・連合政権は、国鉄分割・民営化を引き継ぐ社保庁解体で大恐慌下の公務員360万人解雇=労組解体攻撃に踏み出したのだ。
07年6月の日本年金機構法成立を受け、07年8月から08年6月にかけて内閣官房のもとで年金業務・組織再生会議が業務委託と職員採用の基本計画を策定した。07年8月30日の会議で、民間からの1千人の新規採用枠を設けて現在の職員を整理解雇するのは人事院規則や整理解雇4要件に照らして無理があるとした上で、「採用するのは日本年金機構で、分限免職処分をするのは社会保険庁。組織が違うので割り切って考えれば別々なんだという議論も成り立ちうる」「最高裁(03年12月)でJR各社には責任はないと決着を見た」「今回も国鉄改革法とまったく同じスキームでやっているから、日本年金機構における不採用が不当労働行為となる可能性はない」とのおぞましい議論がなされた。こうして国鉄分割・民営化型の全員解雇・選別採用攻撃を準備したのだ。
この基本計画を受け、日本年金機構設立委員会(奥田碩トヨタ自動車相談役・元日本経団連会長が委員長)に古賀伸明連合事務局長(=当時。現会長)が委員として加わり、64年以来なかった国家公務員の分限免職処分を社保庁職員525人に対して強行した。公務員労働者の大量首切りに手を染めた連合・自治労本部は、組合員の闘いを封殺するために社保労組を解散し、不採用者を排除して新組合を設立した。
昨秋国会に提出され継続審議となっている雇用・能力開発機構廃止法案は「職員の労働契約にかかわる権利及び義務については除外」し継承しないと明記し、「国鉄・社保庁型」民営化・解雇攻撃の全面化を狙った。
大量解雇・労組解体を最大の目的とする省庁解体・業務移管・民営化の乱発。この不当不法をどうして許せるか。大失業情勢下の解雇は家族をも路頭に投げ出す暴挙だ。
「新成長戦略」下の道州制=公務員360万人首切りは「国のかたちを変える」改憲・戦争国家化攻撃であり、正規・非正規の全労働者の首切り自由化、総非正規職化の大攻撃である。分限免職処分を受けて立った誇りある社保労働者525人の解雇撤回闘争を断固進めるとともに、怒りを爆発させ、解雇撤回・外注化絶対阻止の国鉄闘争全国運動で勝負しよう。
数千人の仲間の首を切って生き残った御用組合幹部
一連の人事院公平委員会公開審理闘争で明らかになった事実は、腐りきった体制内労組幹部の問題である。自治労と社保労組の幹部が異様な高率で社保庁から厚労省に配転された。全国数千人の組合員の首切りと引き換えに「御用組合幹部が登用」されたのだ。
自民党がマスコミを総動員して04年に開始した社保庁バッシングから09年末の社保庁解体に至る全過程で、自治労・社保労組幹部は一切の闘いを放棄、「年金問題について労働組合としても問題があった」として屈服と謝罪を重ねた。自治労・社保労組も国公労連・全厚生も「社保庁改革」「労使一丸となって失われた年金の信頼回復を」と叫び、昼休み返上・早朝深夜残業、休日出勤の「働こう」運動に現場を駆り立てた。過重労働のもとで職場の団結は破壊され、心身ともに疲れ果てて、病休者や退職者、自殺に追いやられる労働者が続出した。かちとった労働条件や労働安全衛生規定も、時間内組合活動の権利も、全部放棄し、一時金「自主返納」まで組合員に強制し当局にはいつくばった。
政府と資本、国鉄闘争4者4団体による1047名闘争解体策動と並行し、09年12月31日に社会保険庁解体と525人分限免職処分が行われた。不当不法な大量指名解雇に怒りの闘いが火を噴くことは必至となった。これを阻止するために「解雇撤回を求めず、不当労働行為を争わず、当局の責任を不問に付す」4・9政治和解が行われたのだ。帝国主義の最大の恐慌対策は外注化・非正規職化=労働組合破壊の階級戦争と侵略戦争だ。
広島・福山社保事務所の平口雅明さんに始まる解雇絶対反対の闘いは、自主退職を拒否し分限免職処分を受けて立った525人の誇りある社保労働者の決起を引き出した。国鉄1047名闘争に続く解雇撤回・原職復帰の闘いとして発展し、連合・全労連支配を根底から揺るがしている。日本年金機構・年金事務所で働く正規・非正規職労働者の怒りと結び、国鉄全国運動の戦略的な広がりをつくり出している。
労働組合の再生をかけて職場生産点から闘えば「国鉄・社保庁型」解雇攻撃を打ち破ることはできる。階級的労働運動を当局・資本との職場闘争として進めることこそ最大の党派闘争だ。職場の全労働者を国鉄全国運動に組織し獲得しよう。
民営化・外注化・非正規化阻止の職場闘争を組織しよう
第三の課題は、動労千葉の反合理化・運転保安闘争に徹底的に学び、細胞建設・地区党建設と一体で全職場で民営化・外注化・非正規化絶対反対の闘いを進めることだ。
動労千葉の田中康宏委員長はブックレット『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』の中で次のように強調している。
「『動労千葉の反合・運転保安闘争』と言っているだけではだめ。自分の職場、自分の産別の反合理化闘争を本当に考え抜いてつくってほしい」
「職場の仲間と苦楽を共にし、一体となって、怒りの声を組織し団結させていくことに全力を尽くす……事故が起きた時などに、布施さんなどが繰り返し言われてきたことは、『お前、怒りが足りないんだよ。もっと腹の底から怒れ。労働者がどうなっているのか、家族がどうなってるのか』ということ……本当に怒ったら『なんとかしたい』という必死の思いから方針も生み出される」
「年金というのは労働者一人ひとりにとって一番関心が高い死活的問題です。なのに、現場の労働者はその年金をめちゃくちゃに扱うように強制されていた。なんでそれを徹底的に追及し、暴露して、具体的な反合闘争に組み立ててやらなかったのか。それは絶対に重要な闘いになったはずですし、すべての労働者に支持されたよね。何よりも公務員バッシングを粉砕する力になって社保庁解体・民営化に立ち向かう団結ができたと思う」
動労千葉の闘い、国鉄・JRと社保庁で起こった全事態は、闘いの教訓に満ちている。
業務破綻や事故など、いまやあらゆる職場で合理化・民営化・外注化、人減らし・非正規職化の矛盾が爆発している。資本・当局は職場の団結を破壊し、労働者の誇りを奪い、労働者を犠牲に自らの延命を図っている。現業賃金引き下げ攻撃の一方で事務職への任用替え試験を実施し、分断攻撃を強めている。現業職場が回らなくなったことを口実に民営化・外注化を強行してくる。定年退職者が出たあとに新規採用ではなく非正規の再任用職員を充てる。再任用職員にも目標管理シートの提出を求め、拒否したら雇い止めに直結させる。「子ども・子育て新システム」で保育を資本の金もうけの餌食にし、公立・私立の幼保労働者60万人の解雇・総非正規職化に突き進む――。反合・運転保安闘争路線で職場闘争を組織し、開始された公務員360万人解雇攻撃を打ち砕こう。
3・20渋谷大デモを突破口にエジプト革命連帯、朝鮮侵略戦争阻止、沖縄米軍基地撤去・辺野古新基地建設阻止、菅政権打倒に突き進もう。
実践的な課題は、国鉄全国運動の大発展をかけて、JR青年労働者の怒りを体現し、国労解体を許さず、1047名解雇撤回を貫き、裏切り者をたたき出す職場闘争に総決起することだ。4月1日の国労闘争団員の組合員籍剥奪(はくだつ)攻撃に怒りを燃やそう。新人事・賃金制度粉砕、1047解雇撤回、外注化絶対阻止の闘いは国労の変質・解体策動との大決戦である。3―4月国労決戦に総決起しよう。
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週刊『前進』(2479号4面1)(2011/03/14 )
TPP粉砕・軍事空港廃港へ
三里塚45年の労農学の団結で大恐慌・戦争と「国策」打ち破れ
3・27全国集会に大結集しよう
チュニジア、エジプトに始まった蜂起と革命は、北アフリカ・中東全域から全世界に拡大している。米帝を基軸とした戦後世界体制は音を立てて崩れ始めた。この情勢は米帝による朝鮮侵略戦争を一気に加速させ、日帝・菅政権は混迷を深めながら労働者階級人民に対する反動を激化させている。大失業と戦争を不可避とする世界大恐慌のプロレタリア世界革命への転化が始まった。その中で、三里塚闘争は政府権力との新たな激突を開始した。世界史的激動の時代こそ、三里塚闘争がその真価を発揮するときである。三里塚闘争の階級的意義は絶大だ。3・27三里塚全国集会は3・20渋谷反戦デモと一体の闘いであり、エジプト革命と連帯する総決起集会である。前々号のアピールに続き、労働者、農民、学生、市民の大結集を訴える。 第1章 世界大恐慌を革命へ新自由主義に怒り爆発
世界大恐慌の中で行きづまる米帝基軸の戦後世界支配体制を、ついに打ち破るときが来た。
09年度の米財政赤字は1兆4171億j。10年度は1・5兆jという天文学的数字は、国家としての破産を示している。
FRB(米連邦準備制度理事会)は、「景気回復」「デフレ回避」と銘打って、今年6月までに6千億jもの米長期国債を購入し、市場に湯水のごとく資金を供給するQE2(追加金融緩和策)に踏み込んだ。これが投機マネーとなって世界の食糧価格の高騰を招いている。新自由主義は世界中の労働者人民を低賃金と大失業にたたき込み、食糧までも奪っているのだ。“もうこれ以上我慢ならない”という怒りが次々と爆発している。
中東、北アフリカの革命の嵐は、この新自由主義に対する決起であり、米帝による戦後の中東軍事支配に対するアラブ人民の積もりに積もった怒りの爆発である。この怒りこそ帝国主義を打倒し、新たな時代を切り開くマグマだ。
崩壊の危機にあえぐ米帝オバマは、対中国争闘戦を本格的に開始した。そのはざまで日帝は財政破綻を深め存亡の危機に直面している。国債や地方債など借金総額は1千兆円を超えた。民主党・菅政権は、もはや政権の体をなさず倒壊寸前に追い込まれている。
帝国主義は過剰資本・過剰生産力の問題を解決できない。プロレタリア革命によって打倒される恐怖におののきながら、危機からの絶望的な突破をかけて世界市場の再分割―侵略戦争に突き進まざるをえない。帝国主義の最弱の環・日帝は延命をかけて戦争と階級闘争の圧殺に突進している。
国鉄1047名闘争における4・9反革命はこうした情勢下での労組解体・階級闘争絶滅攻撃だった。民営化・首切り・非正規化の「国鉄分割・民営化25年問題」「公務員制度改革」をめぐる「2012年問題」とはこのための大攻撃だ。労働者人民を侵略戦争へ動員しようとする策動を断じて許してはならない。
4・9反革命を粉砕し、労働組合をよみがえらせる国鉄闘争全国運動こそ、この情勢を革命へと転化する闘いだ。
TPP参加は労働者と農民の生活を破壊する
三里塚闘争の階級的意義の第一は、1966年以来45年間、一貫して「国策」としての空港建設に絶対反対を貫き、農地収用に対して「労農連帯」で闘い続けてきたことである。
菅政権が進めようとしているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加が国論を二分する大問題となっている。TPPは新自由主義政策の極致であり、未曽有の危機に立つ米帝が市場の再分割をかけてアジア・太平洋を勢力圏化しようとする策動である。
日本経団連は、「わが国企業が競争上不利な状況に置かれないようにするためにも、資源の確保に支障を来さないようにするためにもTPPに積極的に参加すべき」と提言した(昨年6月)。
米帝はTPPで日帝の対米対抗的な東アジア共同体構想をたたきつぶすことを狙い、対中国争闘戦に踏み切った。これに対して日帝は、米帝の攻勢に混迷を深めながらも、アジア・太平洋圏の市場争奪戦で敗北しないためには、絶望的に米帝のブロック化政策であるTPPに入るしかない。
しかし、TPPがもたらす事態は、まず日本農業の壊滅である。資本主義は農業問題を絶対に解決できない。とりわけ国土が狭小の日帝が、米豪の資本主義農業と関税ゼロで対抗することはまったく不可能だ。WTO(世界貿易機関)、FTA(自由貿易協定)で、農業問題は日帝の弱点となってきたが、菅政権は「平成の開国」を叫んで、その強行突破を図っている。日本農民の怒りの反乱は不可避である。
しかもTPPは労働者階級の問題でもある。非関税障壁を撤廃して規制をなくし、医療、金融、労働市場などあらゆる分野を競争にたたき込み、米帝の利益を追求するものだ。TPPは「通商条約」などではなく、参加国の国内政策を米帝の利害で改変し、域外に対しては争闘戦と戦争を構えるものである。
絶望のふちに立つ日帝・ブルジョアジーと菅政権は、このTPPを「国難打開の道」と叫び、「国益」論を掲げて再分割戦=アジア侵略に労働者人民を動員しようというのである。
「参加しなければ日本は取り残される」というデマや、「GDP(国内総生産)1・5%の第1次産業のために他の98・5%が犠牲になっている」(前原外相=当時)という分断を粉砕し、労働者・農民が連帯して闘うときだ。
三里塚農民は45年間、国策としての空港建設に実力で闘いを挑み、動労千葉を先頭とするプロレタリアートと連帯して闘い続けてきた。
三里塚反対同盟が昨年11月のAPECに際し、いち早くTPP絶対反対の宣言を発した意義は大きい。開始されたさまざまな農民決起、労働者の闘いに、「国策」との真っ向からの対決が貫かれなければならない。3・27三里塚全国集会はTPP参加策動を核心的に打ち破る歴史的出発点だ。
始まった朝鮮侵略戦争を阻止する“反戦の砦”
三里塚闘争の階級的意義の第二は、朝鮮侵略戦争を阻止する反戦闘争の砦(とりで)だということである。
11・23延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦で歴史は一変した。帝国主義とスターリン主義の戦後体制の崩壊が戦争の危機を現実化させた。昨年をはるかに超える規模の米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」は、米帝の北朝鮮―中国に対する露骨な戦争挑発である。
日帝は体制的危機の突破をかけて、軍事的エスカレーションに突進している。「日米同盟の深化」を掲げ、「日米共通戦略目標」の協議に入った。そして昨年、新防衛大綱でこれまでの「基盤的防衛力構想」から「動的防衛力」に転換し、武器輸出三原則、非核三原則、集団的自衛権のなし崩し的解体へと動きだした。改憲そのものだ。自衛隊を米軍とともに血を流す軍隊へと飛躍させようとしている。
菅政権は11・23を奇貨として、辺野古への普天間基地移転強行をぶち上げ、米帝の朝鮮―中国侵略戦争に参戦する道に踏み出した。それゆえ沖縄や相模原の基地とともに、戦略的な兵站(へいたん)拠点の位置を持つ成田空港をめぐる攻撃が激化しているのだ。
朝鮮侵略戦争の開始という情勢において、反戦・政治闘争はきわめて具体的実践的な闘いだ。
三里塚闘争は45年にわたる闘いで、成田空港を未完成の欠陥空港に追い込んでいる。「農民、人民を犠牲にして造られる軍事空港は廃港だ」という反対同盟の闘いは、革命的祖国敗北主義にもとづく「帝国主義侵略戦争を内乱へ」の実践そのものである。
侵略戦争を阻止する道がここにある。朝鮮侵略戦争阻止を掲げ、3・27闘争を大爆発させよう。
3・20渋谷反戦デモの力を3・27三里塚へ!
1〜2月、第3誘導路建設のための切り回し道路をめぐる攻防で反対同盟は、実力決起で工事をたびたび中断させ、計画を破産させた。市東孝雄さんの農地裁判では、成田空港会社(NAA)を徹底的に追いつめ、明け渡し請求の一部を取り下げさせた。あせりにかられたNAAは第3誘導路の軒先工事にやっきになっているが、デタラメな工事に反対同盟はますます闘いの正義性と勝利性への確信を深めている。
現下の最大の焦点は天神峰現闘本部裁判だ。東京高裁・井上繁規裁判長は2月4日、弁論終結を強行した。断じて許せない。不当きわまりない訴訟指揮に対し、反対同盟と弁護団は裁判官忌避で闘っているが、5月20日にも判決を行おうとしている。3・27三里塚全国集会は現闘本部裁判の仮執行宣言付き判決を粉砕する総決起集会だ。また大激動の時代に対応する新たな三里塚闘争の扉を押し開く決起集会だ。
エジプト革命では、基幹産業の生産点を制圧しゼネストに決起した労働者の組織性がタハリール広場を守り抜き、巨万の人民決起を生みだし、権力との力関係を逆転させた。日本でも新たな時代を切り開く青年の決起が開始されている。3・6青年労働者集会は既成の労働運動をうち破り、労働組合をよみがえらせる闘いへ前進を開始した。
3・20渋谷反戦デモこそ、エジプト・中東―全世界の労働者人民の闘いに呼応した最も鋭い街頭闘争だ。朝鮮侵略戦争情勢の中、日米韓、日朝中労働者人民の連帯をうち固め、侵略戦争阻止の決意みなぎる大デモに立とう。その力で「軍事空港建設粉砕」を掲げ、燃えたぎるエネルギーで、侵略戦争に踏み出した日帝と真っ向から対決する3・27三里塚闘争への大結集をかちとろう。そして、動労千葉の3月決戦スト―4・1全面外注化阻止決戦から5月沖縄闘争へと攻め上ろう。国鉄闘争全国運動の前進で労働運動の革命的再生を!
胸躍る決戦の時が来た。何よりも日帝・菅政権打倒の4月統一地方選挙闘争勝利へ総決起しよう。連綿と続いてきた闘いの礎の上に、今こそ学生、青年労働者は反戦政治闘争に立ち上がろう。3月27日、全国から三里塚に集まろう。
〔白川賢治〕
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週刊『前進』(2479号4面2)(2011/03/14 )
反対同盟が大結集呼びかけ(下)
激動は日本に飛び火 事務局次長 萩原進さん
成田空港の危機は、今や誰の目にも明らかだろう。アジアのハブ空港になれず、羽田との競合にも敗れ、都心から遠く交通の便も悪い、誘導路は曲がりくねって長い、株上場すらいまだにできない――。千葉県知事の森田健作が、「カジノをつくる」とか「リニアモーターカーを走らせる」とか、途方もないことを言うのも、恥も外聞もなく集客努力をしなければお払い箱にされるという危機に駆られてのことだ。それは反対同盟が45年間、こんな空港を絶対に許さぬという執念で闘い、じわじわ締め上げてきた結果だ。
さらに、この政情不安のまっただ中で反対同盟が意気高く闘うこと自体、権力者は放ってはおけない。だから、現闘本部や市東さんの土地を取り上げようと攻撃が激化している。あんな苦しい場所に第3誘導路を建設するなど常識では考えられない発想だが、連中はそれほど追いつめられている。なにしろ市東さん自身が勝利を確信し、頑としてあの地から動かないわけだから。
われわれはそこに手応えを感じ、現地闘争でも法廷闘争でも、やつらの矛盾をもっともっと引き出し、われわれの土俵に引きずり出してたたく。ここに勝機がある。
世界の激動はアフリカ、中東を皮切りに全世界に広がっているが、私は特に中国の若者動向に注目している。大学を出ても就職もできず、社会への不満を募らせる青年が無数におり、彼らがインターネットをも駆使して何千人と結集し立ち上がる事態が起きている。この状況は日本にも必ず飛び火するだろう。TPPで農民と労働者の対立をあおり、排外主義と戦争をあおって危機をのりきろうとしているが、そんなメッキをはがし、労農学人民を立ち上がらせることが問われている。
全学連が担うべき役割は大きい。古くは67年10・8羽田闘争、王子野戦病院闘争を闘った学生が三里塚に来て農民の実力闘争に合流した。学園で闘い、また街頭で政治闘争を爆発させるのが学生運動の神髄だろう。
この間全学連は援農、現地行動などがんばってくれたが、若い学生はそこに存在するだけで場の雰囲気を塗りかえる力がある。またそのことが彼ら自身を変える。現地の空気を吸って、活字や写真、映像では分からない体験を学生たちは五感で獲得し吸収しただろう。
3・27全国集会に若者を先頭に、しかし老いも若きもあらゆる人びとがこぞって立ち上がることを訴えます。
第3誘導路粉砕する 中郷 鈴木謙太郎さん
回を重ねてきた市東さんの農地裁判は、こちら側に風が吹いてきたという実感がある。NAAは孝雄さんのおじいさんの代から耕してきた土地を「明け渡せ」という訴訟を起こしておきながら、土地の特定が全然まちがっていて、ついに南台41―9については「一部取り下げ」と言ってきた。今頃になってふざけるな、ということだ。
暫定滑走路の東側の2本目の誘導路は、東峰の森を破壊し、東峰部落の人たちを追い出すための攻撃だった。第3誘導路工事も、市東さんに圧力をかけ追い出すことだけを目当てにやられている。200億円くらいの金がつぎ込まれてるが、地方空港が三つ四つできる途方もない金額だ。そんなものを絶対に認めるわけにはいかない!
成田市と同様に、芝山町も「空港からの補助金がないとやっていけない」と言って、空港が出す要求をなんでもかんでも受け入れてきた。年間離発着回数の30万回化を元反対同盟員の相川勝重町長が承諾したが、「もうがまんの限界だ」と町民の怒りと反発が強まっている。
今農業はたしかに非常に厳しい局面を迎えている。農家は担い手が高齢化し、みな異口同音に後継者が見つからない苦境を訴えている。
そういう時に、日本はTPPに乗っかって「自由化」の名で農業を明け渡し、切り捨てようとしている。一国の首相がいとも簡単にそんなことを言うのは許せない。
私が住む菱田は暫定滑走路延長線の騒音直下だ。最近は深夜早朝の離発着の時間制限が緩和され、夜の10時を過ぎても平気で騒音をまき散らして飛んでいる。こんな環境で、なにが「空港との共生」か。NAAが「環境」「農業」の名目で多少金を出そうが、化けの皮ははがされた。農業を守るためには空港を追い出すしかない。
この前は関西の学生を中心に、うちにも全学連が援農に来た。不慣れなところもあったが、みなまじめに仕事した。かがんでの作業はどうにも苦手らしくて、座り込んでいたな。80年代はここの菱田の田んぼをめぐって、成田用水粉砕の闘いが爆発した。当時の学生はしょっちゅうこの農道でジグザグデモで機動隊とぶつかっていた。三里塚を闘うには足腰を鍛えるのも重要ということだよ(笑)。
反対同盟は団結街道封鎖や切り回し道路切り替えに対し、全力で闘ってきた。現闘本部強奪を狙う東京高裁の反動判決を絶対に許さない。第3誘導路を必ず粉砕する。3・27集会の大結集が闘いの力になる。みなさんの一人でも多くの参加を心から呼びかけます。
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週刊『前進』(2479号4面3)(2011/03/14 )
東京・杉並 “日帝の核武装阻止を”
ビキニデー57周年で集会
2月27日、東京のセシオン杉並でビキニデー57周年反戦反核集会が開かれ、労働者・学生・市民が会場を満杯にした。
核問題研究情報センター代表・吉田義久さんの主催者あいさつの後、1954年3月1日、米帝の水爆実験で被爆した第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが「ビキニ被災者が訴える戦争反対の声」と題して講演。「ビキニ事件は核兵器が炸裂(さくれつ)したら、どうなるのか警告している。放射能は何万年も生き残る」と、核とは絶対非和解との思いを語り、核廃絶を切々と訴えた。
日帝は、このビキニ事件を政治的に利用して米帝から「原子力技術」を導入した。昨秋の60年代外交文書開示やNHKテレビ「“核”を求めた日本」で衝撃的に突き出されたように、原発や再処理工場・高速増殖炉などは核弾頭に必要な核物質を製造するためのものだった。基調報告で 8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長・三角忠さんがこの点を指摘し、「11・23以降、日帝の核武装衝動はますます高まっている。核の先制攻撃に行き着く朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう」と力強くアピールした。
原水禁運動発祥の地・杉並で区議選に向かって闘う北島邦彦区議の特別報告「朝鮮侵略戦争と杉並区国民保護計画」は、同計画が戦時における米軍・自衛隊の円滑な行動、労働者住民の戦争協力への意識改革を狙いとしたものであると喝破。自治体労働者の戦争協力拒否の闘いが決定的に重要だと強調した。
さらに青森反戦反核学習会実行委員会が、六ケ所村現地からの特別報告。「日本の核武装に真っ向から反対し、反核燃運動と国鉄全国運動を一体で闘う」と固い決意を表明、5月22日の大間原発反対現地集会への結集を呼びかけた。
決意表明は2本。動労千葉の滝口誠さんは、動労千葉と住民が一緒になって闘った産廃反対と勝浦市長選の闘いを報告し、「今後六ケ所などの闘いも含めいろいろな闘いが巨大な決起につながることは間違いない」と日本階級闘争の大きな展望を語った。続いて全学連の中島敦史さんが、「戦争反対のストレートな思いを行動に転化していくことが一番大事。反戦反核の闘いは、ものすごい闘いをやってきた。今こそそれを爆発させる時が来ている」と、3・20闘争への賛同・参加を熱烈に訴えた。
最後に入江史郎・ス労自主委員長が「朝鮮侵略戦争・世界戦争を止めるカギは、日本の核武装阻止だ。これを国鉄闘争全国運動で実現しよう。労働者を物のように切り捨てる状況は、労働者の団結とストライキで止められる。これに力を注いで今年1年闘っていこう」とまとめた。
(写真 反戦反核を闘う労働者・学生・市民が原水禁運動発祥の地、東京・杉並に結集【2月27日】)
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週刊『前進』(2479号4面4)(2011/03/14 )
3月1日〜7日
米欧がリビア軍事介入に着手/米国務省・メア日本部長が沖縄に暴言
●米が地中海に強襲揚陸艦派遣 ゲーツ米国防長官がリビア情勢に対応し、米軍の強襲揚陸艦など2隻と海兵隊員約400人を地中海に派遣したと発表した。空母エンタープライズのリビア周辺への移動も開始、空母カール・ビンソンもアラビア海に待機している。英国防省も空軍戦闘機の派遣計画に着手した。(1日)
●嘉手納の爆音、卒業式を妨害 嘉手納基地で周辺の学校が卒業式の最中に米空母艦載機が有事即応訓練のため飛び立ち、式を妨害した。(1日)
●「核の傘」巡り日米協議 核を含む抑止力に関する日米の初の審議官級協議が開かれ、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応を協議した。(3日)
●米が中国軍近代化に警告 ゲーツ米国防長官がコロラド州の空軍士官学校で演説。中国が開発中の対艦弾道ミサイルや新型潜水艦が「米軍の行動の自由を奪う」と警告。これへの対抗手段として、中国に加えイランと北朝鮮の3カ国を念頭に置いた、海軍と空軍の統合的運用による作戦構想(エア・シー構想)が今後の米軍の抑止力の柱となるという考えを示した。(4日)
●サウジがデモ全面禁止 サウジアラビア政府が国内でのデモや座り込みを全面禁止、違反者には「あらゆる手段を講じる」と発表した。(5日)
●中国全人代が開幕 中国の全国人民代表大会が始まり、温家宝首相が政府活動報告で治安対策や情報統制を強化する「社会管理」徹底の方針を打ち出した。今年度予算案で「公共安全費」に前年比13・8%増の6244億元と国防費(6011億元)をも上回る巨額予算を計上。また第12次5カ年計画(2011〜15年)では、海洋権益確保へ新たに「海洋発展戦略」を制定・実施する方針を打ち出した。(5日)
●米の前在沖総領事が暴言 普天間基地移設の日米交渉に深くかかわってきた米国務省のメア日本部長が昨年末、沖縄を「ごまかしとゆすりの名人」「怠惰でゴーヤーも栽培できない」「軍隊がなければより平和になると信じている。そのような人たちと話をするのは不可能だ」などと発言していた事実が判明した。メア部長は09年まで3年間、在沖縄米総領事を務め、現在は米政府の対日政策責任者。(6日)
●NATOがリビアへの軍事介入を検討 NATO(北大西洋条約機構)のラスムセン事務総長がリビアに対し、「あらゆる不測の事態」に備えた軍事作戦の立案を進めていると明らかにした。オバマ米大統領もNATOが「軍事面を含むすべての手段を検討している」と発言。米英仏が共同で、リビア上空に飛行禁止空域を設定する国連安保理決議の作成に着手した。米のダールダー駐NATO大使は、NATO軍の空中警戒管制機(AWACS)がリビア監視に24時間展開すると発表。国外脱出者収容のため仏は揚陸艦をリビア沖に派遣、英、イタリア、ドイツも軍の輸送機を投入した。(7日)
●グアンタナモの軍事法廷再開へ オバマ米大統領が、2年間凍結してきたグアンタナモ基地の特別軍事法廷を再開すると発表した。(7日)
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週刊『前進』(2479号4面5)(2011/03/14 )
三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可処分取り消し訴訟 3月29日(火)午前10時30分 千葉地裁
※ 傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2479号5面1)(2011/03/14 )
JR新賃金制度粉砕を
分断・競争・忠誠強要と賃下げ
青年労働者の未来を奪うな
JR東日本が4月1日の強行実施をもくろむ新人事・賃金制度を絶対に阻止しよう。4月1日を前にしたこの決戦は、国鉄1047名解雇撤回を貫き、闘争団の国労からの排除と国労解体=連合化を許さない闘いや、検修業務外注化を阻止する闘いと完全に重なった。この三つの闘いは、まさに一体のものである。
業務の外注化と一体の攻撃
4・9政治和解で1047名闘争をたたきつぶそうとした権力と資本は、新人事・賃金制度の導入によりJR本体に攻撃の手を伸ばし、国鉄労働運動を解体しようと策している。だが、平成採の青年労働者を先頭に、新人事・賃金制度に対する根底的な怒りは噴き出し始めた。国労の中からも、新人事・賃金制度と、これに屈した国労本部への激しい怒りがわき上がりつつある。
JR東日本は昨年4月に検修部門の外注化を強行しようとしたが、労働者の怒りの前にその攻撃はひとたび阻まれた。これに続き、新人事・賃金制度の4月実施を阻止すれば、JR体制は根本から揺るがされる。1047名解雇撤回の展望もここから切り開かれる。
新人事・賃金制度を許したら、職場ではごますりとけ落とし合いが横行する。この制度は、労働者をとことん分断し、競争を強いて団結を破壊し、賃下げを強行する攻撃そのものだ。
新人事・賃金制度の最大の問題は、基本給表を全面的に廃止するとしていることだ。賃金の客観的基準はなくなり、すべては資本のさじ加減で決められる。仲間同士でも、誰がいくらの賃金なのかはまったく分からなくなってしまうのだ。
基本給表が廃止されれば、ベースアップという概念もなくなる。労働者が団結し、資本に賃上げを要求して闘う賃金闘争そのものを解体・一掃することが、新人事・賃金制度の狙いだ。まさにこれは、大恐慌下における労働組合解体攻撃の切っ先に位置している。
さらにこの制度は、人をけ落として管理者になっていこうとする者だけを優遇し、大部分の労働者には賃下げを強いるものだ。所定昇給額は、現在の定期昇給よりずっと低い。退職金も下がる。他方で、管理者にごまをすり、資本に忠誠を誓った者には「特別加給」がある。管理者におべっかを使い、仲間を出し抜いてはい上がらなければ、賃金は上がらない。
また、昇職における「飛び級」試験や昇格における「昇格審査」など、資本の裁量は大幅に拡大される。労働者をとことん競わせようとしているのだ。
この制度は、業務の全面外注化攻撃と一体だ。外注化を前提とし、JR本体には管理部門的なもの以外はほとんど残さないと考えているから、基本給表の廃止や、管理者の賃金だけを優遇するという発想が出てくるのだ。こんなものを認めたら、とりわけ青年労働者は、賃金を下げられた上、業務の外注化で出向・転籍を強要される。
JRは新たな制度の導入で55歳以上の賃金減額制度を段階的に改めるとしているが、まずやらなければならないのは年金の支給開始年齢引き上げに応じた定年延長だ。だが、JRはそれを拒否している。定年退職後の労働者をエルダー社員として低賃金労働を強い、外注化の受け皿にしようとしているからだ。
東労組と国労本部の裏切り
まさにこれは、日本経団連の「2011年版経営労働政策委員会報告」が叫ぶ「人事・賃金制度を年齢・勤続基軸から仕事・役割・貢献度を基軸とするものへ見直しを図る」という攻撃の最先端にあるものだ。会長の大塚陸毅を日本経団連の次期副会長に送り込んだJR東日本は、基本給表の廃止という根本的な賃金体系の改悪に先鞭(せんべん)を付け、これを全産別に拡大しようと策している。JR東日本の新人事・賃金制度を粉砕する闘いは、全労働者階級の利害をかけた決戦だ。
JR東日本は、1月13日に提案した新人事・賃金制度を4月1日に強行実施する構えでいる。まともな労資交渉すらせず、短期間に改悪を押し通すというJR東日本のやり方は、提案時点で東労組と大筋了解していることを意味している。
しかし、東労組の青年労働者の圧倒的多数は、こんな制度には絶対反対だ。青年労働者の怒りが噴き出す中で、東労組カクマルも深刻な危機にたたき込まれている。
国労でも、新潟地本定期委員会で「新人事・賃金制度の4月1日強行実施反対」の決議が上がった。郡山工場支部からは「人事・賃金制度および労働条件に関する協約締結に反対する意見書」が出された。そのほかにも、怒りの声は次々に上がっている。
ところが、国労東日本エリア本部の掲げる要求は「実施の1年延期」だ。ふざけるな! 実施自体には賛成なのだ。こんなものは断じて現場組合員の要求ではない。
新人事・賃金制度は、青年の未来をとことん奪う制度だ。こんなものを認めたら、国労は青年労働者に背を向けることになる。国労本部は、国労の未来を自ら閉ざし、資本に現場組合員を差し出そうとしているのだ。
これは、4・9政治和解の必然的な結果だ。国労が解雇を認め、不当労働行為と闘わないと誓約したから、資本は賃金制度という労資関係の根幹にかかわるすさまじい攻撃をかけてきたのだ。
闘争団追放と連合化許さぬ
今や国労本部は、「4月1日時点でJRまたはJR関連会社に籍がない闘争団員は、7月の全国大会で組合員資格がなくなる」と公言してはばからない。昨年7月の大会で、国労本部は闘争団員を選挙権も被選挙権も組合費納入義務もない「特別組合員」とすることを強行した。これ自体、闘争団から組合員資格を奪う重大な攻撃だ。このもとで、北海道や九州では支部や分会の解散が進行し、国労組織の解体が行われている。
闘争団の国労からの追放とは、まさに「3度目の解雇」を国労本部が強行するということだ。4月1日を前に、JRへの雇用などないことは、もはや明白になった。4・9政治和解を主導した張本人の前原誠司(当時、国交相)は外務相を辞任して閣外に去った。菅政権自体が、いつ倒れてもおかしくない。この期に及んで「雇用確保は政府の約束」などと言って闘争団の不安と怒りを抑えつけるやり方など、もはや絶対に通用しない。
4・9政治和解はそもそも、“雇用の保証はないが不当労働行為を争うな”というものだった。これを受け入れた時点で、雇用などないことは4者4団体幹部には分かっていたはずだ。この大恐慌下で闘争団員を路頭にたたき出し、国労からも追放するという国労本部の方針は、雇用ゼロの現実を居直り、闘争団の怒りの追及をかわすための、幹部の卑劣な自己保身以外の何ものでもない。
国労本部が1047名解雇撤回闘争を圧殺し、闘争団の放逐を強行しようとしているのは、彼らが国労を連合化しようとしているからだ。彼らは「連合からオファーがあり、今後……大胆な議論を要請したい」とあけすけに述べている。それは、結局はJR連合と一緒になるということだ。
JR連合の東日本ユニオンは、今や新人事・賃金制度の最先兵となっている。彼らは「新人事・賃金制度の4月1日実施に向けて気迫を持って取り組め」とJRを突き上げているありさまだ。このJR連合と一体化したら、国労は青年労働者から見放されるだけだ。こんな自滅の道を歩みたい裏切り者は、さっさと国労から出て行くがいい。
1047名闘争を基軸に国鉄分割・民営化と闘ってきた国労の現場労働者には、絶対に資本に譲ることのできない誇りがある。そうした本来の国労のあり方を取り戻す闘いは、4・9政治和解を拒否した闘争団員の闘いを軸に力強く開始されている。4・9政治和解と対決してきた不屈の闘いは、JR資本が賃金制度に手をかけた瞬間に、現場からの新たな流動を生み出したのだ。
動労千葉は春闘山場の3月16〜17日を中心にストライキを構えている。これを突破口に、新人事・賃金制度絶対阻止へ大攻勢をかけよう。国労の現場労働者を「共に闘う国労の会」に圧倒的に組織し、国鉄闘争全国運動の大発展をかちとろう。国労の行く末は、全労働の未来を決める。裏切り執行部を打倒し、国労を現場労働者の手に取り戻した時、チュニジア・エジプト・リビア−全中東を覆う革命の高揚は日本でも必ず巻き起こる。青年を先頭に国鉄(JR)の労働者は菅政権打倒の3・20渋谷デモに結集しよう。
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週刊『前進』(2479号5面2)(2011/03/14 )
動労千葉 中野前委員長の遺志継ぎ
逝去から1年、偲ぶ会開く
昨年3月4日に逝去した故中野洋動労千葉前委員長を偲(しの)ぶ会が3月5日、DC会館で開催され、多くのOB、家族会、組合員が駆けつけた。中野前委員長の思い出を語りあいながら、その遺志を引き継いでさらに闘い抜くことを誓いあう場となった。
最初に司会の長田敏之書記長の呼びかけで黙祷(とう)が行われた。
あいさつに立った田中康宏委員長は「早いもので中野前委員長が逝去してから1年になります。この1年、組合員、OB、家族会だけで前委員長の思い出を語りあう場がなかったなと思い、今日はこのような場を設けました」と切り出した。そして「この1年は、本当にいろんなことがありました。闘いの節目節目で『中野前委員長だったらどう判断し、何を組合員に訴えただろう』と考えてきました。1047名解雇撤回闘争を始め労働運動は大変困難な状況下にあります。どんな小さな労働組合であっても全国の労働者の先頭に立つことが中野前委員長への一番の追悼になると思います。中野前委員長がいつも言っていたように『現場組合員の団結さえ崩さなければ展望は必ず見えてくる』という気持ちで、さらに団結を固めてがんばりたい」と決意を表明した。
次に2月勝浦市長選を闘い抜いた水野正美元副委員長が発言に立ち「今度の選挙で中野前委員長が残してくれたものの大きさをしみじみ感じました。負けたという気持ちは全然ありません。党の総力をあげて失地回復を図った自民党に立ち向かい、論戦・組織戦でははるかに凌駕(りょうが)していたと自負しています。選挙責任者を務めてくれた方は『こんな組織選挙は見たことがない』と驚いていました。中野君が育てた動労千葉は素晴らしい団結力、行動力を示してくれた。今後も現役とOBが団結しこの日本を変えていく運動をスクラムを組んでやっていきたい」と思いを語った。
遺族を代表して中野前委員長の弟さんが「自分が小さいころから兄は働きに出ていました。自分にとってはおやじみたいな存在であり家族の柱でした。今後ともみなさんの闘いを応援していきたい」とあいさつした。
献杯の音頭は千葉気動車区時代からの同僚であった山口敏雄顧問がとった。山口顧問は「昨日、千葉交運のかつての仲間との会食がありました。中野前委員長の命日でしたので彼のことを懐かしく語り合いあった。彼の功績は千葉の労働者の中に今も引き継がれています」と述べ、全員で中野前委員長に献杯。参加者は杯を傾けながら中野前委員長の思い出を語り合った。
会場後方の壁一面には中野前委員長の写真が数多く飾られていた。相撲部で活躍していた高校時代。72年船橋事故闘争の先頭に立つ姿。そして国鉄分割・民営化反対のストを指導する中野前委員長。写真を指さしながら話に花が咲いた。
会の後半では、OB会の布施宇一事務長が「外注化阻止、平成採獲得などの闘いをOB会もともに闘う」と発言。家族会の代表は「これからも親組合を支えてがんばっていく」と述べた。動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は「動労千葉とともに新たな労働運動を切り開いていきたい」と決意を語った。最後に幕張支部、千葉運転区支部、新小岩支部の代表がそれぞれ「中野前委員長がつくった動労千葉を大きくするのが私たちの仕事」「さらに若い力を動労千葉に結集していく」「動労千葉の原点である新小岩支部の伝統を守り抜いて闘う」と中野前委員長の遺影に誓った。
閉会あいさつを行った繁沢敬一副委員長は「にぎやかな動労千葉らしい偲ぶ会になり中野前委員長も喜んでくれていると思う。これからも決戦ですが、前委員長の遺志を引き継ぎ一丸となってがんばっていきたい」とお礼の言葉を述べた。
最後に全員で組合歌を斉唱、団結ガンバローで会を締めくくった。
(写真 中野前委員長の遺影を前にあいさつする田中委員長【3月5日 千葉市】)
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週刊『前進』(2479号5面3)(2011/03/14 )
全国運動・沖縄を結成
沖縄労働運動再生へ第一歩
国鉄闘争全国運動・沖縄の結成総会が3月6日、那覇市の八汐荘で開かれた。これをもって沖縄における国鉄闘争全国運動の本格的な推進と、労働運動の拠点建設に向けた闘いがいよいよ始まった。
国鉄闘争全国運動の呼びかけ人で北中城村議の宮城盛光さんが司会を務めた。宮城さんは「昨年の4・9政治和解に対する反撃が6・13大集会をもって全国各地で始まった。沖縄でも団結して国鉄闘争全国運動をつくり出そう」と訴えた。
最初に、国鉄闘争全国運動の呼びかけ人の伊藤晃さんが『労働運動の再生と国鉄全国運動』と題して講演を行った。その中で伊藤さんは基地問題に触れ、菅民主党政権が非常に危険な役割を果たそうとしていることを弾劾、さらに「戦後民主主義、55年体制の根幹に労働運動があった。中曽根の国鉄分割・民営化は、この根幹に手を着けた。そこから労働者の非正規職化・外注化が始まった」「不当労働行為や、労働者の意思に反した解雇が当たり前のようになった。それが4・9政治和解だ」「国鉄1047名解雇撤回闘争を発展させよう。その条件はあらゆる職場にある。『もうがまんできない』という共通の現実がある。それを結集できるかどうかだ」と訴えた。
(写真 「労働運動の再生と国鉄全国運動」と題して講演を行う全国運動呼びかけ人の伊藤晃さん【3月6日 那覇市】)
国鉄と自分たちの闘いは一体だ
沖縄の呼びかけ人からは金城幸男さん(元NTT労働者)、崎浜秀俊さん(元沖縄県高教組副委員長)、真喜志康彦さん(NTT労働者)が発言。それぞれ国鉄闘争全国運動・沖縄結成への決意を語った。崎浜さんは「今の労働組合は首を切られても賃金を下げられても怒りがない。労働組合がないような状態だ。国鉄1047名闘争で労働運動を再構築していこう」と鮮明に提起した。
その後、各産別・職場からの発言に移った。NTT労働者、基地労働者、中部地区の労働者、民間・青年労働者が職場報告を行った。
基地労働者からは「動労千葉を支援する会」を結成したことが報告され、NTT労働者は労働組合をよみがえらせ合理化攻撃に立ち向かって闘うと決意表明した。中部地区の労働者は「社保庁解雇、保育所民営化と闘う。動労千葉のような組合をつくる。ここに未来がある」と述べた。最後に民間の青年労働者が非正規労働者の置かれた現状、外注化攻撃との闘いについて語り「国鉄闘争と自分たちの闘いは一体だ」と力強く発言した。
司会の宮城盛光さんがこの日の集会をもって「国鉄闘争全国運動・沖縄」を結成することを宣言し全体で確認された。
国鉄闘争全国運動・沖縄の結成は、沖縄労働運動の新たな再生に向かっての第一歩だ。 あらゆる職場に国鉄闘争全国運動の旗を打ち立てよう。沖縄・国鉄で労働運動の主流派へと躍り出よう。そして日比谷公会堂で開かれる6・5大集会に結集し大成功させよう!
(沖縄労組交流センター事務局・M)
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週刊『前進』(2479号5面4)(2011/03/14 )
小玉さんが熱烈な訴え
仙台・国労春闘行動で大宣伝
「闘争団切り捨てるな」署名次々
仙台で開催された3・4国労東北春闘総決起集会、さらに3・5の11春闘国労仙台総行動に、全金本山労働組合、みやぎ労組交流センター、みやぎ連帯ユニオン、福島労組交流センター、東北大学学生自治会の仲間が登場し「闘争団の組合員籍はく奪許すな! 国労の解体許すな! 国鉄分割・民営化に反対し解雇撤回を貫こう!」と訴える大宣伝を行った。
3月4日には国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを先頭に、会場の仙台市民会館前に横断幕を掲げて登場した(写真)。
寒風が吹きつける中、小玉さんは結集してくる国労東北3地本(秋田地本、盛岡地本、仙台地本)の仲間に熱烈なアピールを発した。「私は国鉄分割・民営化に反対して全力で職場闘争を闘ったがゆえに解雇された。以来24年間、国労組合員の仲間と解雇撤回・JR復帰を目指して闘い抜いてきた。この苦闘はすべての仲間と一緒だ。ところが国労本部は4・9政治和解で国鉄分割・民営化を認め、それと引き替えに和解金を受け取り、闘争団員の組合員籍を奪い、7月大会で連合合流に向けて国労解体を強行しようとしている。24年間闘った結果が連合合流と国労解体でいいのか! ふざけるな! 新人事・賃金制度導入や総合労働協約締結は絶対反対だ。私は4・9政治和解をキッパリ拒否し、解雇撤回・JR復帰を貫く」。そして小玉さんは「すべての仲間が『国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会』に結集し、国鉄分割・民営化に反対し、解雇撤回を闘おう!」と訴えた。
組合員は次々とビラを受け取り、小玉さんのアピールを聞いて「国鉄分割・民営化でおれも首を切られたかもしれない。一度は覚悟した。だから気持ちは小玉さんと同じだ。署名は協力するよ」「分会でも話になっている。闘争団の切り捨ては許せない」「4・9政治和解はおかしい。国労解散は絶対反対だ」と多くの組合員が小玉さんの鉄道運輸機構訴訟支援署名に応じた。
翌日の行動でも多くの組合員がビラを受け取り2日間で参加者の1割近い組合員が署名した。
エジプト革命は確実に国労組合員の魂に火をつけている。支部、分会が新人事・賃金制度反対、総合労働協約締結反対の意見書を次々と提出し始め、現場組合員の中には「闘争団を切り捨てるな」「国労を解体させてなるものか」という気運が高まっている。
国労組合員の危機感と怒りを「国鉄闘争全国運動」「共に闘う国労の会」に結集し、闘争団の切り捨てを全組合員が団結して阻止するような国労につくりかえよう!
(仙台・IN)
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週刊『前進』(2479号6面1)(2011/03/14 )
団結ひろば 投稿コーナー
福嶋さんへの無罪判決求め最高裁申し入れ 迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会事務局
3月8日、最高裁に対して「無実の福嶋昌男さんに無罪判決を出せ」と求める申し入れ行動を行い、福嶋さんを始め総勢11人が最高裁に赴きました。
2人の訟廷管理官を前に、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会共同代表の久保田文貞さんが「無実の福嶋さんに無罪判決を」との申し入れ書を闘志を込めて読み上げました。続いて福嶋さんが腹の底からの怒りを込めて政治的デッチあげを弾劾し、「無罪判決を出せ」と求めました。また2月21日に最高裁第二小法廷裁判官・古田佑紀に対して忌避申し立てを行ったところ、28日に「訴訟遅延のみが目的」などと傲慢(ごうまん)にも決めつけて却下してきました。この反動決定に対する弾劾声明を事務局が読み上げました。
続いて参加した全員が次々と、福嶋さんに対する予断と偏見に満ちた一審、二審の有罪判決は断じて許せない、我慢ならないと意見を述べました。福嶋さんの弟・明宏さんは訟廷管理官をにらみすえて、「無実の兄貴も獄中に囚(とら)われて苦闘してきたが、家族も人生ガタガタになった。許せない。あんたたちは自分の首をかけて真実を裁判官に伝えろ」と激しく詰め寄りました。
警察、検察と一体となってデッチあげ弾圧を行っている裁判所に対する怒りをさらに押し広げ、最高裁を追い詰め、逆転無罪判決をかちとろう!
共謀罪関連の2法案の閣議決定を阻んだ 東京 吉澤夏樹
3月4日、菅民主党政権が共謀罪法案の一部であった「コンピュータ監視法案」「強制執行妨害罪改悪法案」の閣議決定・即日国会提出を策動したのに対し、治安立法と闘う仲間が国会闘争に決起し、当日の閣議決定を阻みました。しかしあくまでも菅政権は閣議決定を狙っています。菅政権をさらに追撃しよう!
国会前は朝から厳戒態勢で、私たちが着くと警察が「ビラはまかせない」と妨害してきました。しかし私たちは弾圧をはね返し、山と用意したビラを1枚残らず配りきりました。通行人もメールやインターネットの問題に関心を寄せる中、「ネット規制断固反対」を掲げて座り込み・マイク宣伝と昼集会を行いました。(写真)
集会ではチュニジア・エジプト革命とインターネットの意義、革命圧殺のためのインターネット規制の問題点が語られました。破防法研究会は「エジプト革命はマスコミが流すような”ネットが自立的に社会を変える”というものではなく、警察国家と対決する不屈の階級的労働運動が基礎にあって、それがネットを介して爆発的に青年層に広がった」と指摘。「団結破壊のコンピュータ監視法を許さず、戦争と治安管理強化、首切りとTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の菅政権打倒を掲げ3・20渋谷反戦デモに参加しよう」と訴えました。
集会に駆けつけた山下幸夫弁護士は「コンピュータ監視法を通してしまうと次は共謀罪復活、さらにサイバー条約の履行と称して通信傍受法(盗聴法)改正と、いっそう監視を強めるのは明らか。何としても阻止しよう」と発言。地域の労働者は、強制執行妨害罪の拡大重罰化が労働争議とりわけ倒産争議を全面的に禁圧する攻撃であり大問題であることを強調しました。
「エジプトに続け」を合言葉に革命の嵐が世界に広がっています。これに恐怖した帝国主義者は国際的なネット規制を叫び始め、中国スターリン主義は数万人ものネット検閲官を動員して中国労働者の革命的決起を封じようと躍起になっています。インターネットをめぐる攻防が革命と階級的団結にかかわる大問題になっています。無際限のデータ押収とコンピュータ捜索への協力義務を課すコンピュータ監視法は、革命党解体に向けた攻撃でもあります。
3月21日(月曜・休日)午後1時から南部労政会館で行われる「戦争と治安管理に反対するプレ・シンポジウム」にご参加ください(詳しくは「共謀罪新設反対 国際共同署名」HPにて)。
組合つぶしへの怒りJAL本社前を制圧 首都圏学生 T
2月22日、JALの整理解雇に反対するJAL本社前抗議行動に連帯して、支援者として全学連旗を持って参加してきました。
JAL当局は1500人の削減が必要だと述べ、それを上回る1733人が希望退職に応じたにもかかわらず、さらに165人を整理解雇しました。しかも労働組合の組合員を狙い撃ちするという、完全な組合つぶしの解雇です。JAL会長の稲盛も「解雇の必要はなかった」と発言しており、政治的な解雇であることは明らかです。
労働者の怒りはすさまじく、解雇撤回の申し入れ書の提出行動では、入り口で申し入れ書の受け取りを拒否する職員に対して、「ふざけんな」「責任者を出せ」と詰めよりました。JAL本社前を制圧するほどの熱気あふれる闘いが行われ、まるで法大闘争のようでワクワクしました!
もっと労働者の怒りと力を引き出すためには、「日航再生のため」だとか「整理解雇の4要件」をめぐる裁判闘争などではなく、ストライキを含む実力闘争で闘うことが必要だと思います。
労働者の怒りを解放し、闘う団結をつくり出すには体制内労組幹部を打倒しなければならないと強く感じました。ともに頑張りましょう!
「派遣村」で出会った本当に闘う労働組合 東京 川村太郎
2009年1月1日に当時の年越し派遣村に入り、闘う合同労組の方々と出会いました。
派遣村は生活保護と住まいが決まれば、もう面倒を見ないと言っていた。今思うと本当に何もしない!
派遣村で感じたことは、あらゆるマスコミを使って「かわいそう」とかいろいろうまい具合に使うことでした。しまいに政治家で、当時野党だった民主党の菅が出てきてキレイごとを言い、民主党は派遣村を選挙に使い、政権を奪ったわけです。この時、菅は「派遣法は撤廃できない」と言っていました。われわれからすると裏切り者です! ムカついてなりません。
今は西部ユニオンの仲間になり、心強くなり、「革命を成功させよう」と決意して闘っています!
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週刊『前進』(2479号6面2)(2011/03/14 )
星野第2次再審闘争勝利へ
無実を証明する「補充書(2)」@
獄中36年の星野文昭同志取り戻す情勢が到来した
革命のうねりが中東から全世界に拡大している。帝国主義とスターリン主義を打倒する世界革命の時代が到来した。獄中36年の星野文昭同志を実際に取り戻す情勢が来た。星野同志と再審弁護団は1月31日、「補充書(2)」と3通の「鑑定書」「意見書」を東京高裁第11刑事部に提出した。これらは星野同志の無実を決定的に証明し、国家権力、東京高裁を追い詰めている。第2次再審闘争を圧倒的に前進させ、星野同志奪還へ総決起しよう。5回にわたって「補充書(2)」の内容を紹介する。
3月20日、闘う労働者・学生・市民の渋谷反戦デモが行われる。星野文昭同志は中東の革命を熱く語り、3・20闘争を徳島刑務所においてともに闘っている。エジプト革命と固く連帯し、朝鮮侵略戦争絶対阻止・菅内閣打倒に総決起しよう。
(写真 星野文昭同志 自画像)
沖縄返還協定の阻止へ実力決起
1971年11月14日、星野同志を先頭とする労働者・学生は、目前に迫った沖縄返還協定の批准を阻止するために決起した。東京都内の集会・デモが一切禁止される中で、1万2千人の機動隊による制圧を実力で突き破って、深夜にまで及ぶ闘いが展開された。全国の労働者たちはクビをかけ、人生をかけて闘った。大阪から上京した教育労働者・永田典子同志の虐殺と313人の不当逮捕を跳ね返して、渋谷を闘いの街、人民の街に変えたのだ。
この闘いは、治安部隊や市民を装った反革命の襲撃からタハリール広場(エジプト)や真珠広場(バーレーン)を守り抜いた闘いそのものだ。11・14渋谷闘争に恐怖した日帝・国家権力は星野同志を機動隊員せん滅の「実行犯」にデッチあげ、死刑を求刑して、無期懲役を宣告した。星野同志は敵の極限的な弾圧を打ち破り、36年間、不屈・非転向の闘いを貫いている。星野同志の闘いは、世界を覆う革命の波と一体である。
われわれは星野同志の投獄を絶対に許すことができない。星野同志は世界に誇るべき革命の戦士であり、正義の戦士である。無期懲役とされている「殺人罪」はまったくのデッチあげである。世界大恐慌・戦争を革命に転化する闘いの一環として、星野同志奪還の闘いを大前進させよう。
無実を証明する純白のパイプ
世界革命へのうねりはもはや誰にも止められない。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制を打倒し、現代世界を根本から変革する歴史的闘いが始まったのだ。その先頭に立っているのはどの国でも青年労働者だ。「もう我慢できない」と闘いに立ち上がった時、すべては変わった。治安部隊は崩壊し、軍隊は労働者人民の側に付いた。刑務所は解体され、政治犯が次々解放された。
世界革命の最大の焦点はこの日本である。日本帝国主義こそ、国際帝国主義の「最弱の環」である。動労千葉・国鉄闘争全国運動を先頭とする階級的労働運動は、闘う労働組合を再生させ、それを軸とする全人民の決起を生み出している。
昨年8月に開示された159枚の写真の中に、警察官・一郎丸角治が東急本店前付近を撮影したものがある。星野同志が右手に持つ白い紙を巻いた鉄パイプは純白のままで、何の変化もない。確定判決が認定する「機動隊員を激しく殴打した」痕跡などどこにもない。こんな重大な証拠を検察官は40年も隠していたのだ。検察官が隠し持つ全証拠を開示させよう。
「補充書(2)」は、「意見書」「鑑定書」の分析を踏まえて、星野同志の無実を完璧(かんぺき)に証明した。確定判決の核心証拠であるKr供述の信用性は、シミュレーション実験と心理学的分析を行った「厳島鑑定書その2」によって崩壊した。「再審請求書」及び「補充書(1)」「補充書(2)」の内容で武装し、第2次再審勝利・星野文昭同志解放のために総決起しよう。
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週刊『前進』(2479号6面3)(2011/03/14 )
コンピュータ監視法と「強制執行妨害罪」改悪
共謀罪策動絶対阻止へ
標的は労働者の団結だ
チュニジアから始まった革命はエジプトのムバラク政権を打倒した。その渦中でインターネットなどの通信手段が闘いを鼓舞し、具体的行動方針を伝え、団結を固める武器として駆使された。独裁政権はインターネット回線を遮断する、スパイを投入してパスワードを探り個人を特定して拉致するなどの弾圧に出てきたが、労働者階級の街頭への進出、労働現場でのストライキ、軍隊獲得の闘いの前にぶっ飛ばされている。中東の革命の波は、中国や米国にも波及し、今や全世界を覆いつくそうとしている。
コンピュータ社会の破防法
エジプト革命に震え上がった菅民主党政権は、労働者の闘いを抑え込む予防反革命の意図をむき出しにして、「コンピュータ監視法」の今国会成立を狙っている。
同法は欧州評議会で採択された「サイバー犯罪条約」の日本での国内法化として準備された。2004年の国会に共謀罪法案と抱き合わせで出されたもので、共謀罪とともに廃案になってきた。その内容の骨格は以下のとおりである。
@「ウィルス作成罪」の新設。実行以前の作成段階で処罰するもので、捜査当局が「怪しい」とにらんだだけで罪にでき、事前監視が不可避となる。話し合っただけで罪とされる共謀罪と同じ性格を持つものだ。
A電気通信回線で接続されたデータの無際限の押収。サイバー関連ではなくとも、「犯罪」と見なされたものにこの捜査手続きが適用される。特定されたパソコンに対する一つの令状で、そこにネットでつながる相手と内容をすべて掌握し、押収できるようにしようというものだ。
B通信履歴の保全命令。メールやツイッターなどの通信履歴を接続業者であるプロバイダーに60日間まで残すことを警察・検察が要請できるというもの。捜査機関の要請(命令だ!)だけで、裁判所の令状を必要としない。さらに令状さえ取ればいつでも全履歴を押収できる。私たちが日常使っているメールなどが、本人の知らない間にそっくり警察に取得されるのだ。
AとBはコンピュータ社会の破防法とも言えるもので、社会全体に大きく網を張り、労働者階級の団結、組合活動の破壊を狙っていることは明らかである。組合活動などでメールのやり取りをすることが普通になっている現状を見ると、実に重大な労働者への挑戦だ。
次に控えているのは共謀罪
しかも「双罰性を問わない」という規定により、国内では犯罪とされていなくとも、外国からの犯罪捜査の要請があれば捜査(協力)する。例えば米国から要請があれば個人の通信履歴がFBIのファイルに載ることになる。労働者の国際的団結に対する絶対に許せない攻撃だ。
「コンピュータ監視法」が母体としている「サイバー犯罪条約」には、通信履歴のリアルタイム収集と通信内容の盗聴が規定されている。「コンピュータ監視法」の次には共謀罪法案が控えていることを決定的に重視しよう。
労働争議を処罰の対象に
さらに「強制執行妨害罪の拡大と重罰化法」が同時に提出されようとしている。具体的には封印等破棄罪・強制執行妨害罪・競売等妨害罪の拡大と罰則の強化(懲役刑2年→3年、罰金刑が20万円→250万円)、加重処罰の新設(5年以下の懲役、500万円以下の罰金)である。
全国金属機械労働組合港合同は「強制執行妨害罪を飛躍的に拡大し、これまで犯罪にならなかった行為を新たに犯罪とし、職場占拠や示威行為、協定締結等の労働組合の正当な団結活動を刑罰の対象にしようとしている」と弾劾声明を発している。
「コンピュータ監視法」「強制執行妨害罪の拡大と重罰化法」を団結してぶっ飛ばそう。
われわれは3月4日、国会前に登場し、同法案制定絶対阻止の決意をたたきつけた。菅民主党政権は当日、閣議決定を延期せざるをえなかった。
国鉄闘争全国運動の前進、反戦闘争の爆発こそ一切の治安弾圧攻撃を撃破する核心だ。3・20反戦大デモに総結集し、菅政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2479号6面4)(2011/03/14 )
法大弾圧裁判 暴処法弾圧
荻野富士夫さんが証言
“労働運動弾圧が法の狙い”
3月4日、東京地裁刑事1部(河合健司裁判長)で法大暴処法弾圧の第21回公判が行われた。
冒頭、被告の新井拓君が意見を表明し2月28日に東京高裁が新井君と中島宏明君に下した暴行デッチあげ裁判の逆転有罪判決を徹底弾劾した。「闘う法大生が引き出したとも言えるむき出しの階級意志との激突を断固歓迎し、革命に勝利したエジプトの労働者人民と連帯して3・20渋谷デモを爆発させる!」
さらに新井君は、今回の暴処法弾圧における違法・不当な「捜査」の実態を暴露する証人と報告書の証拠採用を裁判所が却下したことに異議を突きつけた。北海道から沖縄まで100人にも及ぶ規模で展開された公安警察・検察による大弾圧の実態を明らかにすることなしに、本件の判決など出せない。しかし河合裁判長はこの異議を理由も言わず棄却した。絶対に許すことはできない。
続いて小樽商科大学教授で日本近現代史、とりわけ戦前・戦後の治安体制を専門に研究している荻野富士夫さんが証言に立った。
荻野さんは、ロシア革命の歴史的・世界的衝撃の中で日本でも大正デモクラシー、米騒動や労働運動が爆発し、暴処法に対しても民衆の反対世論が集中する中で、当時の政府が治安警察法17条(労働争議やストライキの禁圧)の廃止や労働組合法などの労働立法とセットで暴処法の法案審議を進めていたこと(結局労働法は制定されず、暴処法だけが制定された)、さらに当時の司法大臣が「暴力団に対処する法律」「労働運動や水平運動に適用することなど毛頭考えていない」と答弁するなどペテンを弄(ろう)しながら暴処法を制定したことを、当時の新聞報道などを示しながら明らかにした。
さらに荻野さんは制定後、暴処法適用による検挙数について「労働運動が第1位、次が農民運動。暴力団等に適用されたことはほとんど皆無」と制定時の答弁と正反対の運用がなされていること、それを国家権力が完全に居直り、暴処法が文字どおりの治安法として発動された事実を統計や戦前の”思想検事”の著書などを使って明らかにした。暴処法の狙いが労働運動や学生運動への弾圧にこそあったことを示す決定的証言だ。
さらに戦後も暴処法が残されたことについて「本来、廃止されてしかるべき治安法」であり、本件についても暴処法適用は許されないと断言した。最後に荻野さんは70年闘争時の小樽商科大学長の言葉を引用し、権力の「正常」に対して民衆が肌身をとおして異常と感じ、そこから開始されていく闘争こそ、社会を前進させる力だと今回の暴処法弾圧に「警告」を発し、証言を終えた。前々回の宮本弘典教授による暴処法適用の破綻性の証言と合わせ、本件弾圧の政治的性格を浮き彫りにする証言となった。
次回から被告人質問が始まる。闘いの正義を打ち立て、敵権力をさらに圧倒しよう!
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週刊『前進』(2479号6面5)(2011/03/14 )
日程 星野闘争現地調査
3月20日(日)午前10時
小田急線・代々木八幡駅集合
※終了後、代々木公園の集会に合流
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