ZENSHIN 2011/02/28(No2477 p06)
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週刊『前進』(2477号1面1)(2011/02/28 )
エジプト連帯・菅打倒 3・20大デモを
青年を先頭に春闘―国鉄決戦へ
解雇・雇い止め、非正規化攻撃に国鉄全国運動で大反撃しよう!
(写真 新小岩派出廃止反対!450人が抗議 2・20新小岩集会に動労千葉組合員と支援、東京東部地域の闘う仲間が結集。JR貨物会社による新小岩派出廃止提案に対して怒りの抗議行動をたたきつけた【2月20日 東京都葛飾区・新小岩派出門前】=記事2面)
アメリカで州議会占拠
チュニジア蜂起に続くエジプト2月革命は、北アフリカ・中東全域の独裁政権打倒の激烈なのろしとなった。リビアでは今、デモ隊への無差別空爆と傭兵(ようへい)による虐殺に、労働者階級人民が武装して蜂起し、支配地域を拡大し、カダフィ体制は崩壊寸前だ。軍からも兵士が大量に革命派に合流している。
エジプト2月革命は「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の歴史的序曲である。そこでの戦死者はほとんどが青年労働者であり、兄の死を誇りに思う弟や、子どもの死を誇りとする母など、プロレタリアートの根底的な怒りと決意が今、全世界に発信されている。
このエジプト革命の衝撃は、中国にも波及し、中国スターリン主義体制と激突している。そして何よりもアメリカで、ウィスコンシン州の労働者が、大恐慌下の公務員攻撃に対し、「エジプトのように闘おう」と叫んで、スト、デモ、議事堂占拠に決起している。
ムバラクを打倒したエジプト2月革命を先頭とする労働者人民の革命的反乱の嵐は、新自由主義の総破産と大恐慌の激化こそが生み出したものであり、米帝を軸とする帝国主義の中東支配、世界支配を根底から崩壊させている。今や大恐慌をプロレタリア世界革命の勝利に転化する以外に、いかなる決着もありえない闘いが始まった。
ここで特に、2月14日から始まったバーレーンでの政権打倒闘争は非常に重大だ。バーレーンは米帝の中東支配にとって軍事、金融、原油などで軸をなし、とりわけサウジアラビアを含む原油の安定輸送の要衝である。
そのバーレーンにはペルシャ湾とイランをにらみ、紅海、東アフリカ沿岸までを管轄する米海軍第5艦隊司令部が置かれ、駐留米兵1500人と艦艇乗組員ら3万人を指揮下に入れ、原子力空母、核ミサイル搭載潜水艦など30隻余りの拠点基地がある。そして海峡をはさんだ対岸のカタールは、イラク・ アフガニスタン侵略戦争の空軍拠点なのだ。
このようなアラブ・中東の労働者人民の革命的決起に世界の帝国主義と支配階級は震え上がっている。石原が次の都知事選に出ないと報道されているのは、エジプト革命に恐怖した体制内の右翼ファシストの破産であり打倒あるのみだ。
特に米帝はこの帝国主義の中東・世界支配崩壊の危機を、今や朝鮮侵略戦争のエスカレートで突破しようとしている。米軍は米日韓体制のもと、今年は昨年の倍のペースで毎月共同演習を行い、2月28日から3月10日まで、金正日の死と北朝鮮の内戦を想定して、増援演習「キー・リゾルブ」と野外機動訓練「フォールイーグル」の二つの米韓合同演習を行おうとしている。野外訓練の一部は4月30日まで続き、米軍は2万人を投入する。
日本の労働者階級人民はエジプト革命に全力で連帯し、プロレタリア世界革命の勝利へ国鉄決戦に総決起しよう。とりわけ当面する3・20渋谷反戦大デモと3・27三里塚全国集会をエジプト革命連帯、朝鮮侵略戦争阻止、菅政権打倒の闘いとして大爆発させよう。
「最弱の環」日帝の危機
菅政権は、日帝・支配階級の体制的危機の激化と民主党自身の分裂のもとで、予算関連法案成立の展望も見えず、いつ倒壊してもおかしくない絶望的危機にある。危機感にかられた日本経団連・米倉会長が自民党に協力を要請しても、まったくらちがあかない状態が示すように、日帝の国内支配、政治統治能力そのものが今や崩壊している。
大恐慌は、一方で米英日などの超金融緩和であふれる過剰マネー・投機マネーが全世界で食糧や原油の異様な高騰を生み出し、他方では、国家財政の危機と破綻が南欧を始めさらに深刻化している。この中でとりわけ日本の国と地方の累積債務は09年末にGDPの217%に達して、世界最悪となっている。
日帝・菅政権は今や、公務員労働者360万人の「国鉄方式」による大量首切りと、「新成長戦略」推進、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加、消費大増税・社会保障制度解体の一体的強行などの攻撃に、なりふりかまわず突っ込む以外に道がない。
さらには6月下旬の菅訪米と「日米共通戦略目標」策定の動きが示すように、日米安保同盟の徹底的強化をもって、朝鮮侵略戦争と米帝を軸とした全世界的な侵略戦争・世界戦争に必死に参戦していこうとしている。ゲーツ米国防長官が2月16日に「(普天間基地の代替施設の)滑走路に関する結論を今春後半には得られる」と発言したように、沖縄辺野古新基地建設にも全力を挙げてきている。
そして連合が、この超反動と絶望的危機の菅政権を支えている。エジプト革命に連帯し、連合の体制内指導部を打倒して、国鉄闘争全国運動と外注化阻止決戦の本格的推進、3・20反戦大デモの爆発をかちとろう。
「国鉄方式」で解雇狙う
日帝の民営化・外注化・非正規化と、360万人の大量解雇の攻撃の基本路線は、「国鉄方式」(いったん全員解雇・選別再雇用)である。これを貫くためにこそ、4・9政治和解の反革命が強行されたのだ。1〜2月動労千葉決戦と2・16国鉄集会の成功は、国鉄闘争全国運動だけがこの攻撃と対決し、勝利できることを鮮明にした。そして国鉄闘争全国運動は、エジプト革命を日本階級闘争にストレートにつなぐ大運動でもある。
昨年1月の社会保険庁解体−民営化は、「年金業務・組織再生会議」という審議会で首切りの基本計画が決定された。社保庁の労働者を解雇しながら、一般から1000人を新規に採用する。こういうやり方がはたして通用するのかは、重大問題だった。ここをどうクリアするかをめぐって行われた第2回会議(07年8月30日)の結論は、許し難いことに「国鉄方式でやれば問題はない」というものだった。
すなわち、「同じ企業が、一方で人を採用し、もう一方で減員するというのは難しいと思う。ただし、今回採用するのは(新設される)日本年金機構で、分限免職処分するのは社会保険庁。組織が違うので、割り切って考えれば別々だという議論も成り立ち得る」「最高裁はJRの不当労働行為を否定した。今回も国鉄改革法とまったく同じスキームでやっているから、日本年金機構による不採用が不当労働行為となる可能性はない」と。
しかし、国鉄分割・ 民営化の時は、新会社には国鉄職員の中から採用することが一応法律で決められた。首相の中曽根が「一人も路頭に迷わせない」と国会で誓わされ、再就職あっせんを名目にした「清算事業団」が設けられた。その上で、動労カクマルと松崎が選別・首切りの最先兵となったのである。
しかし社保庁の解体・民営化では、不採用職員に対してペテン的な「雇用対策」さえやらず、さらに攻撃がエスカレートしている。しかも社保庁解体・民営化ではあらかじめ1047名闘争を再び生み出さない仕組みさえ作ったのだ。一つは、日本年金機構設立委員会に連合の事務局長(現連合会長の古賀伸明)を入れたこと。もう一つは、自治労を使って社保労組を解散させたことだ(そして分限免職になった職員を排除して新労組を結成した)。連合と自治労を使い労働者の首を切ったのだ。しかし今や社保庁労働者の中から、525人の分限免職への反撃が始まっている。
だが日帝ブルジョアジーと菅政権には、あくまで「国鉄方式」によって360万人の公務員労働者をいったん全員解雇し選別再雇用する以外に、民営化・外注化・非正規化の攻撃を貫く道はない。この攻撃を基本路線として、「新成長戦略」の推進やTPP参加という労働者への究極の大リストラと労組破壊の攻撃を強めてくるのだ。
4・9反革命の攻撃はまだまったく終わっていないばかりか、政府・資本との攻防はまさに現在進行形であり、これからが正念場である。この攻撃と真正面から対決するものとして、「国鉄1047名解雇撤回、国鉄闘争の火を消すな!」と国鉄闘争全国運動が立ち上げられたのだ。この運動の意義はますます明白で重要になっている。
2・16国鉄集会の大成功をバネに国鉄闘争全国運動を今こそ本格的に拡大し、結成1周年の6・5大集会を日比谷公会堂を埋め尽くす結集で闘いとり大成功させよう。
国労の解体を許すな!
国労本部は、4月1日をもって闘争団員の組合員籍を奪い、賃下げ=新賃金制度を受け入れ、就業規則を労働協約として締結し、さらに7月国労大会では全労協からの脱退、連合合流を強行しようとしている。戦後労働運動の基軸となってきた国労の解体攻撃を絶対に許すな! 4・1の闘争団員の組合員権はく奪など断じて認められない!
今こそ労働者としての根底的怒りを爆発させ、断固として反撃に立とう。平成採の青年労働者を獲得し一体となって闘おう。国労原告団物販を全職場に持ち込もう。「共に闘う国労の会」をどん欲に発展させよう。3月こそ最大の国鉄決戦の正念場だ。国労という日本労働運動の歴史的存在の再生をかけ、一大決戦に立とう。4・1をJR資本、国労本部との闘いの新たな再出発の日にしよう。
エジプトのように労働者が団結し、3月春闘のただ中で、闘う青年部を復権し、労働組合をよみがえらせよう。青年労働者と学生を最先頭に、3・20反戦大デモと3・27三里塚全国集会に総決起しよう。
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週刊『前進』(2477号1面2)(2011/02/28 )
3・27三里塚全国集会へ
反対同盟が大結集呼びかけ
大恐慌下での失業と非正規職化、農業を壊滅させるTPP政策、そして辺野古新基地建設と日米安保の実戦化にのめり込み、空前の政治危機を深める日帝・菅政権と実力で対峙しているのが三里塚闘争だ。三里塚反対同盟から3・27全国集会への招請状が発せられた。(編集局)
招請状
全国の労働者、農民、闘う仲間のみなさん!
朝鮮半島の戦争危機と中東における民衆蜂起、世界は大動乱の時代に突入しました。この時、三里塚闘争もまた、政府権力との新たな激突を開始しました。反対同盟は「国益」を掲げて人々に犠牲を迫り、戦争の惨禍に導くあらゆる策動に反対し、広く闘う人民との連帯を求め、ともに闘うことを呼びかけます。3・27三里塚全国集会に大結集されるよう訴えます。
闘争45年、三里塚闘争は「国策」=成田空港を未完の欠陥空港に追い込みました。追いつめられたあげくの羽田基軸への政策転換は、新自由主義と恐慌による航空産業の低迷と相まって、ハブ空港から陥落した成田の危機をますます促進しています。
羽田国際化が本格的に始まって4カ月、その国際線旅客数は前年比2倍、貨物の取り扱い量は5倍増と言われます。対する成田の国際線旅客数は前年比マイナス15パーセントに落ち込みました(2010年11月)。これこそがぶざまな成田の現実です。
この破たんの取り戻しを、さらなる農地取り上げに求めることは断じて認められません。反対同盟は実力闘争を決意し、市東孝雄さんの決起を先頭に、団結街道封鎖、農地囲い込みと身体を張って闘っています。誘導路のための道路工事と対決しつつ、東京高裁・井上繁規裁判長(第15民事部)の現闘本部裁判結審・反動判決策動と闘い続けています。そして道路切り替えをめぐる1月攻防に勝利し、第3誘導路建設阻止の本格的な闘いに突入したのです。市東さんの農地法裁判ではついに、明け渡し請求の一部取り下げに空港会社を追い込む決定的勝利を勝ちとりました(2・22)。
韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦は新たな朝鮮侵略戦争の危機をもたらし、チュニジア、エジプトの民衆決起は北アフリカから中東、そして世界に拡大しています。米・オバマ政権は戦後最大の危機に陥り、ブロック化と戦争の道に突進し、民主党・菅内閣は混乱と迷走の果てにTPP(環太平洋経済連携協定)と日米同盟の強化へと暴走を始めました。
この歴史の激動にあって、いま、私たちに問われているのは「国策」「国益」との闘いではないでしょうか。日本農業を壊滅させ、労働者の首を切り、若者を非正規へとおいやり、消費大増税を強行し、辺野古に基地を強制する、――これらのすべてが、「国難」をあおり「国益」を振りかざして迫っています。TPPこそその象徴であり、極東から中東、世界に向かう日米同盟のエスカレーションと新防衛大綱に明らかな戦争国家への道はこれと一体です。
みなさん! 反戦・反権力の砦、農民闘争としての三里塚の大義が、その真価を発揮する時が来たのです。いま三里塚はまったく新たな段階を迎えました。
大胆に、攻勢的に闘おう! TPP反対の農民反乱、基地全面撤去を求める沖縄の闘いは、いまや押しとどめようがありません。反対同盟は国鉄解雇撤回・外注化阻止をストライキで闘う動労千葉と労農連帯の絆を強め、沖縄・関西住民と連帯して闘います。未来のために学生こそ立ち上がろう。韓国やアメリカ、全世界の労働者・農民と連帯して闘おう。倒壊の淵(ふち)に立つ菅政権を打倒しよう。第3誘導路建設阻止! 現闘本部控訴審の仮執行宣言付き反動判決策動を粉砕し、市東さんの農地を守りぬく3・27全国集会への大結集を訴えます。
2011年2月23日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2477号1面3)(2011/02/28 )
前進速報版から
▼ギリシャ全土で今年最初のゼネスト▼倉岡さんへの新たな処分策動を粉砕▼JAL本社前行動/稲盛発言に怒り爆発▼鉄建公団訴訟
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週刊『前進』(2477号1面4)(2011/02/28 )
日程 3・27全国総決起集会
第3誘導路建設阻止! TPP反対!
現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を
守ろう! 軍事空港建設粉砕・改憲阻止!
3・27全国総決起集会
3月27日(日)正午
成田市天神峰 反対同盟員所有畑
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2477号1面5)(2011/02/28 )
日程 3・20渋谷反戦デモ
イラク開戦8年全世界一斉行動
3・20渋谷反戦デモ
3月20日(日)午後1時集会 (3時30分デモ出発)
代々木公園B地区野外ステージ
主催/3・20集会実行委員会
●朝鮮侵略戦争を阻止しよう! 沖縄新基地建設を阻止し、日米安保を粉砕しよう!●戦争・大失業の菅政権を倒そう!●法政大学の監獄体制をぶっとばそう!
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週刊『前進』(2477号2面1)(2011/02/28 )
貨物大リストラに反撃
新小岩集会 “おれたちの職場奪うな”
東京東部の仲間が熱い連帯
当局のロックアウトに怒り
「おれたちの働く職場を奪うな!/新小岩貨物基地廃止絶対反対!/2・20新小岩集会」(主催/動労千葉新小岩支部)が2月20日、葛飾区内で開かれた。動労千葉組合員や東京東部地域の闘う仲間を始め450人が結集した。JR貨物大リストラ攻撃への怒りを爆発させ「最後の最後まで基地廃止絶対反対を貫いて闘い抜く」と戦闘宣言をたたきつけた。
千葉機関区新小岩派出(東京都葛飾区)直近の公園に集合した参加者は、まず派出庁舎での抗議行動に向かった。なんとJR貨物会社はこの日、多数の管理者を動員して新小岩派出の門を封鎖しロックアウトしてきた。断じて許せない!
「ここがおれたちの職場だ。最後まで基地廃止絶対反対を貫き、団結の強化、組織拡大へ腹を据えて闘い抜く」――新小岩支部の佐藤正和支部長は、強い怒りと決意を込めて宣言した。本部の大竹哲治副委員長も「当局は門を封鎖し、われわれを構内に入れない体制をとった。われわれの力を恐れている証拠だ。この隊列をもっともっと強固にして今春闘を闘い抜こう」と訴えた。
門前を埋めた参加者は「新小岩派出の廃止を阻止するぞ! 貨物大リストラを許さないぞ! 失敗の責任は国がとれ!」と繰り返しシュプレヒコールを上げた。
(写真 組合員と支援、東京東部の仲間がともにこぶしをあげた【2月20日 葛飾区】)
破綻の矛盾を押しつけるな
参加者は、公園に戻って集会を開始した。
主催者あいさつで佐藤支部長は「会社は、みんなの血と汗と涙がこもったこの職場を、正式提案からわずか1カ月で問答無用でつぶすと言っている。『輸送コストを下げるため』と言っているが、要するに海運やトラックと競争して大企業の輸送コストを下げるために労働者が命を削って働かされているんです。今日は闘いの始まりです。地域の仲間、全国の仲間の先頭に立って新小岩支部は闘い抜きます」と決意表明した。
本部を代表してあいさつに立った田中康宏委員長は「今回の攻撃は貨物大リストラの始まりそのものだ。国鉄分割・民営化破綻の矛盾のすべてを労働者に押しつける攻撃だ。国鉄分割・民営化の問題はなにも終わっていない。それどころか、これから数百万人の労働者が“国鉄方式”で首を切られようとしている。今こそ、われわれの側から国鉄分割・民営化攻撃に決着をつける闘いを開始しよう」と訴えた。
なくてはならない仲間だ!
新小岩支部とともに闘ってきた東京東部地域の仲間が数多く結集し、次々とマイクをとった。
国鉄闘争支援葛飾地区連絡協議会(葛飾支援協)代表は「本日の集会には葛飾支援協幹事会、春闘集会での討論を経て多くの仲間が参加している。新小岩支部は支援協結成以来の仲間。国鉄1047名闘争や地域の争議支援をともに闘ってきた、なくてはならない仲間だ」と基地廃止攻撃に怒りをあらわにした。支援協に参加している各労組からも「今回の攻撃では列車運行は何も変わらず派出の建物もそのまま残る。ただただ新小岩支部破壊だけを狙った露骨な労組破壊だ。私の職場の解雇撤回闘争も支部の支援を受けてきた。最後までともに闘う」「郵政職場でもJAL、JR貨物と同じ大リストラが始まっている。今こそ闘う時だ」と熱い連帯を込めた発言がなされた。
また1047名解雇撤回闘争についても「ムバラクを打倒したエジプトの労働者の闘いこそ今の世界基準だ。そして1047名闘争こそ、誰もがここに集まれる“日本のタハリール広場”になりうる闘いだ」「すべては国鉄分割・民営化から始まった。これに落とし前をつけない限り労働者の未来はない」という戦闘的アピールが続いた。
千葉鉄道サービスによる不当解雇撤回を闘っている女性労働者は「JR東日本が業務外注化しようとしている会社がどれほどデタラメか裁判で証明する。みなさんの外注化反対の闘いと一体で闘う」と決意表明し、大きな拍手が上がった。さらに江戸川区職労や東交の闘う労働者、ス労自主、動労西日本、動労水戸からの発言が続いた。また集会に駆けつけた国労小倉地区闘争団の羽廣憲さん、動労千葉争議団の中村仁さんもともに闘い抜く決意を表明した。
集会の最後に動労千葉の各支部代表が決意表明。新小岩支部の組合員は「支部はみんな怒りに煮えたぎっている。レールを持たない貨物会社が、どんなに合理化しても黒字になるはずがない。派出廃止反対で最後の最後まで闘い抜く」と固い決意を示した。
2・20新小岩集会は、新小岩派出廃止と貨物大リストラを狙うJR貨物会社への反撃の第1波闘争として大高揚をかちとった。同時に、国鉄闘争全国運動のもとで地域共闘を豊かに発展させていく可能性を生き生きと示す闘いとなった。新小岩派出廃止を絶対に許さず、貨物大リストラ粉砕へさらに闘い抜こう。
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週刊『前進』(2477号2面2)(2011/02/28 )
動労千葉鉄建公団訴訟
中村仁さん・俊六郎さんが証言
スト処分の不当性明らかに
動労千葉鉄建公団訴訟の第26回口頭弁論が2月23日、東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で開かれた。原告である動労千葉争議団の中村仁さん、中村俊六郎さんの証人尋問が行われた。
口頭弁論に先立って東京地裁包囲デモが行われた。デモ出発前に田中康宏委員長は「東京地裁は証人採用を拒否するばかりか、今日で結審してしまおうという動きすら見せているため緊急にデモを呼びかけた。このまま裁判を終わらせることなど絶対に許されない」と訴えた。日比谷公園を出発したデモ隊は「1047名解雇撤回! 東京地裁は全証人を採用しろ!」と地裁にシュプレヒコールを浴びせた。
(写真 「1047名解雇撤回! 東京地裁は全証人を採用しろ」の横断幕を掲げて日比谷公園霞門から東京地裁包囲・抗議デモに出発【2月23日 千代田区】)
過去に前例のない不当処分
午後1時半から口頭弁論が始まった。最初は中村仁さんの証言だ。
中村仁さんは1978年に国鉄入社、運転士となり千葉運転区に配属された。
「当時、印象に残っていることは?」と問われた中村仁さんは84年3月30日の外房線・細代踏切事故をあげた。遮断機のない踏切で起きたミキサー車との衝突事故で、動労千葉組合員の平野雅夫運転士が亡くなった。勝浦市から千葉運転区に通勤していた中村仁さんは偶然この電車に乗っていた。直ちに衝突現場に駆けつけたが「電車の運転席は完全につぶれて無くなっていた」という。中村仁さんは「運転士は常に事故に直面していることを痛感させられた」と述べるとともに、動労千葉の再三の改善要求を無視して平野さんを殺した国鉄当局に激しい怒りを覚えたと証言した。
国鉄分割・民営化反対の85〜86年の2波のストを巡って、中村仁さんは第1波ストで停職6カ月、第2波ストでも停職6カ月の処分を受け、この処分を理由にJR不採用とされた。中村仁さんは「当時、私は千葉運転区支部青年部長でありストを指導する立場になかった。スト当日は乗務日でなかったため自分自身はストに入っていない。本当に不当きわまりない処分だ」と語った。
また6カ月もの重処分を受けた時の気持ちを問われ「支部の三役や執行委員など7人が公労法解雇を通告される未曽有の攻撃の渦中でしたから、6カ月の停職処分を受けても支部一丸となって闘い抜くという気持ちでした。こうした闘いを貫いた動労千葉の団結に誇りを持っている」と声を詰まらせながら述べた。中村仁さんの熱い気持ちに傍聴席の組合員からも万感の思いを込めて「そうだ!」の声が上がる。
最後に中村仁さんは「国鉄分割・民営化こそ今、労働者が置かれている状況を生みだした原点。中途半端な解決を許さず解雇撤回まで闘う」と明快に言い切った。
分割・民営化が地域を破壊
次に中村俊六郎さんが証言台に立った。中村俊六郎さんは1965年に国鉄に就職、電車運転士となり71年から津田沼電車区、75年から勝浦機関区に勤務した。
85年9月まで本部特別執行委員だった中村俊六郎さんは「85年第1波スト当時はなんの役職にもついていなかったのに6カ月の停職処分を受け、86年第2波ストについては『勝浦支部副支部長としてストを指導した』として3カ月の停職処分を受けた」と証言した。これらの処分を理由としてJR不採用とされたのだ。「冗談じゃねぇ!」という思いだったと中村俊六郎さんは述べた。
90年4月1日に清算事業団を解雇された中村俊六郎さんは95年に御宿町議選に立候補し当選する。「1047名解雇の問題も立候補の理由のひとつだった。こういうことを2度とやらせないためにも」と議員活動を決意したと述べた。また地方議員の立場から国鉄分割・民営化をどう思うかと問われ「国鉄もNTTも郵便局も民営化されて働く場が無くなり、街の担い手としての若者がごっそりいなくなった。地域を守るためにも民営化は絶対にやってはいけない」と言い切った。
両証人の感動的な証言に圧倒された被告・鉄道運輸機構代理人が「支部の役員にもストの指導責任があるのではないか」などと反対尋問を試みたが完全に一蹴された。
葛西の証人採用拒否を弾劾
最後に原告代理人が、原告らをJR採用候補者名簿から排除した張本人である葛西敬之(当時職員局次長、現JR東海会長)の証人採用をあらためて強く求めた。3人の裁判官は合議の結果、葛西の採用を再度、拒否した。「裁判所は真実を隠すのか!」と怒号のような弾劾の声が傍聴席から上がった。
不当解雇の真実を明らかにするために葛西証人の採用は不可欠だ。国鉄闘争全国運動をさらに発展させ、裁判の早期終結を狙う東京地裁を追い詰めよう。次回の口頭弁論は5月18日午後1時30分から。動労千葉争議団の江口治男さん、塩崎昭広さんの証言が行われる。
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週刊『前進』(2477号2面3)(2011/02/28 )
全国運動相模原 意気高く結成集会
拠点建設と市議選必勝誓う
国鉄闘争全国運動・相模原の結成集会が2月19日、相模原市おださがプラザで開かれた。国鉄闘争全国運動を推進し、闘う労働組合の拠点を相模原―神奈川に建設し、その力で4月西村あやこさんの市議選必勝をかちとることを105人の結集で意気高く宣言した。
基調報告を神奈川労組交流センター事務局長が行い「世界革命が現実となる時代が来た。エジプト革命の原動力は体制内指導部を打ち破って闘う労働組合とストライキだ。職場・地域で『動労千葉を支援する会』を組織し、神奈川労働運動の主流派になろう。職場に団結を、地域に連帯を。相模原市議選で、民営化と戦争絶対反対の西村議員を神奈川の総決起で当選させよう」と熱く訴えた。
(写真 「国鉄分割・民営化にけじめをつける闘いをやる」という国労旭川闘争団・成田昭雄さんの発言に聞き入る参加者【2月19日 相模原市】)
労働運動解体に対する対抗軸を
続いて、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが「いま労働運動を再生させる意味はどこにあるか」と題して講演を行った。菅政権が動揺を重ねる中で戦争の危機を促進していると警鐘乱打し、これを粉砕することが世界的任務だと指摘。そして「戦後民主主義の根幹である労働運動の骨を抜いたのが国鉄分割・民営化であり、さらに4・9和解をもって不当労働行為や解雇はあってはならないという『建前』が空洞化された」と喝破した。そして「これに対する対抗軸が国鉄闘争全国運動であり、動労千葉の闘いに学ぶことだ」と鮮明に訴えた。
国労旭川闘争団の成田昭雄さん、動労千葉争議団の高石正博さんがアピールに立った。成田さんは「国鉄分割・民営化にけじめをつける運動を、おれたちが正面に出てやる」と力強く訴え、高石さんは「支援ではなく私たちと同じ闘いを各職場でやってほしい。労働組合をよみがえらせよう」と訴えた。
西村あやこさんが熱烈な決意
連帯アピールとして高山俊吉弁護士が登壇。多くの弁護士も国鉄闘争全国運動に決起したと述べ「今や裁判員制度は85%が反対で息も絶え絶えだ。これほど勝利感のある闘いはない。全既成政党が賛成という状況下で、裁判員制度反対で選挙も勝てる」と連帯を表明した。
会場全体の歓声の中、相模原市議会議員で国鉄闘争全国運動・神奈川呼びかけ人の西村あやこさんが発言に立った。開口一番、今回の立候補と全国運動にかける決意として「議会の中だけで『革新』がうまくいったためしはない。労働運動・住民運動と一体となって変えようとやってきた。しかし今、民主党・菅政権がその正体を暴露し、あらゆる勢力が危機を深める中で、例えば裁判員制度でも議会の中では反対は私ひとり。逆にそこに存在意義がある。労働者が労働組合をよみがえらせる闘いと一体で進むことに勝利の道がある」と鮮明に述べた。さらに、相模原市の政令指定都市化について「膨大な借金を市民に押しつける一方、民営化で労働者を減らし非正規職にする。国のかたちを変え、侵略戦争で生き延びようとするものであり、反戦議員と反戦勢力をつぶす攻撃だ」と断罪。最後に「労働者市民の怒りはあふれ出している。動労千葉やエジプトのように闘おうと言い切れば必ず勝てる」と熱烈に訴えた。
さらに労組交流センター三浦半島教育労働者部会、地元相模原から2人の労働者、婦民全国協・相模原支部、国鉄闘争全国運動・神奈川が決意表明。国鉄闘争全国運動・相模原の結成を圧倒的に確認して幕を閉じた。
(相模原・N)
(写真 市議選必勝への決意を語る西村さん)
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週刊『前進』(2477号2面4)(2011/02/28 )
解雇撤回へ日航本社行動
稲森会長発言に怒りが爆発
2月22日、日本航空が昨年末に行った165人の整理解雇の撤回を求めて日航本社前抗議行動が闘われた。1月19日に解雇撤回の訴訟を東京地裁に提起した原告団(146人)を先頭に日本航空キャビンクルーユニオン、日本航空乗員組合、航空労組連絡会や支援の労組、団体など250人が東京・品川区天王洲アイルの日航本社前に陣取り、日航本社を追及・弾劾した。全学連、労組交流センター女性部、なんぶユニオン、東京北部ユニオンも参加した。
抗議行動では稲盛会長の2月8日の日本記者クラブでの発言に怒りが爆発した。稲盛発言とは「(被解雇者)160人(正しくは165人)を残すことが経営上不可能かと言えばそうではないのはみなさんもお分かりになると思います。私もそう思います。しかし、裁判所も債権者もみんなが大変な犠牲を払って、これならよろしいと一度認めてもらったもの(更生計画)をやめるわけにはいかない」というものだ。
整理解雇の必要などない。更正計画を盾に問答無用の解雇と労組破壊を強行するやり方こそ国鉄方式の偽装倒産・不当労働行為そのものだ。
声援を受ける中、原告団を先頭とする約100人の要請団が稲盛会長との直接対話を求める要請文と解雇撤回要求署名を携えて日航本社内に入ろうとした。会社は当局側社員を差し向けて立ちふさがり要請団を実力で阻止してきた。要請団と支援は約30分にわたって会社に詰め寄り、シュプレヒコールを浴びせた。会社側は要請団の代表が社内に入ることをしぶしぶ認めた。
一方、宣伝カーの上では客室乗務員の原告団3人が闘う決意を表明した。「年齢や病気を理由にした解雇は不当だ。不当解雇撤回の闘いは雇用保障、安全確保という(労働者階級)全体の課題だ」「安全よりもコストが優先になり、おかしいと思っても、ものが言えない職場では空の安全は絶対守れない」「稲盛会長、大西社長、片山管財人は直ちに解雇を撤回せよ!」
さらに運航乗務員(パイロット)の原告団3人が決意表明した。「原告団は2月7日に稲盛会長に直接対話を求める文書を提出した。返事が2月19日に来た。『当該文書に関する連絡は代理人を通じて行う』と言っている。失礼だ! 稲盛会長は今日の要請文を受け取り、原告団と直接対話をして整理解雇問題を3月3日の第1回口頭弁論までに解決せよ」と迫った。さらに「日本航空は、契約社員の雇い止めを行い、企業年金を切り下げ、賃金を抑え、ボーナスをゼロにした。利益を上げても正社員の首を切った。こんなことを許せば日本中の企業が正社員の首を切るようになる」「解雇の必要性がなかったとはなんだ! 人数を間違うな! 稲盛会長は『私がJALに来た時は更正計画はできていた』なんて責任回避をするな! 謝れ!」。すごい迫力だ。
日本共産党の制動を突き破って闘う原告団の激しい怒りを参加者全体が共有し、ともに闘う決意を固めた。最後に原告団の音頭で「全員解雇撤回まで闘うぞ」と日航本社に向けてシュプレヒコールをとどろかせた。
(写真 要請団の建物への立ち入りを阻む会社側に詰め寄り30分間にわたり抗議【2月22日 品川区】)
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週刊『前進』(2477号3面1)(2011/02/28 )
「私は辞めない」と意思表示し非常勤大量雇い止めに反撃を
支部・分会を組織し郵政大リストラ粉砕へ
非常勤の郵政労働者に対する大量雇い止め攻撃をはじめとする「郵政大リストラ」への怒りが全国の職場で急速に広がっている。JP労組などの既成執行部に相談してもらちがあかず、労組交流センターの窓口に「どうやって闘えばいいか?」という問い合わせが持ち込まれるケースも急増している。岡山のゆうメイトの仲間は広島高裁で、一方的な「雇い止め」は違法であるとの完全勝利判決を闘い取った。郵政民営化を根本から覆すことは可能だ。労働組合が労働組合として闘うこと。闘う労働組合をよみがえらせること。この一点で勝負の行く末は決まる。現場労働者からの投稿を掲載します。(編集局)
(写真 繁忙期の拠点ターミナル。こういう時期にゆうパック統合を強行し大破綻となった) ふざけるな!の怒りあふれ
日本郵政は、新旧の経営陣が郵政民営化の「戦略事業」と銘打った小包部門の子会社化(JPEX計画)の大失敗で作り出した大赤字の責任を完全に居直り、賃金の一律3割カット、成果主義賃金導入などの大リストラの発動を準備しつつ、攻撃の突破口として全国の非正規職員を「数千人規模」で大量に雇い止めにする動きを始めました。ふざけるな!という怒りでいっぱいです。
雇い止め=首切りは、私たち労働者とその家族の生活を破壊するものです。人間として生活し生きるために、働きにきているのではないですか! 非常勤の仲間はすでに現場の6割を支える郵便事業の主力です。低賃金と不安定雇用でさんざんこき使っておきながら、赤字になったからと切り捨てることの、どこに道理があるでしょうか。
私自身は正社員ですが、早朝5時から、あるいは泊まり勤務(深夜勤)の劣悪な労働条件で日夜郵便事業を支えている非常勤労働者を、まるで「モノ扱い」にして使い捨てのように首を切ることを、同じ職場で働く労働者として絶対に許すことは出来ません。
「赤字」は百%経営陣の責任
「郵政大赤字」の責任は百パーセント経営陣にあります。現場には一ミリの責任もありません。この一点でも今回の雇い止めは許し難い。汗水垂らした現場労働者の働きで郵政は昨年度まで黒字で回っていたのです。それが10年度に強行したJPEX計画の失敗で一挙に1050億円の大赤字に転落です。マスコミも「この惨状は月に50億円の赤字を垂れ流した宅配便子会社の損失や、7月ゆうパック再統合の大混乱(34万個の遅配)が主因」と報道しました。総務省も「JPEXは事業計画がズサンだった」(郵政民営化委員会の審議)と認めざるを得ません。さらには政府の調査委員会ですら、前社長の西川善文が「赤字計画だと知りながら統合を強行した」との内幕を露呈させるありさまです。現場を知らず、労働者から搾り取ることしか考えない経営陣の無知無能も暴露されたのです。
大赤字の責任をすべて現場に押しつけ、労働者の首を大量に切り、大幅なリストラ・賃下げで乗り切ろうとする郵政当局の姿勢に怒りが急速に充満しているのは当然です。弱い立場で真っ先に切り捨てられる非正規職の仲間の怒りも完全に正当です。すべての根源は、公益事業を金もうけの手段に変えた郵政民営化だという事実も浮き彫りになりました。
一人で悩まず仲間に相談を
非常勤労働者のみなさんに声を大にして訴えます! 「私は辞めない」とはっきりと意思表示しよう! こういう時こそ一人で悩まず、労働組合に入ろう! 不当な雇い止め=首切りに反撃するための団結こそが命です。闘う方針は必ず生まれます。仲間同士で相談し合い、具体的に闘いを始めよう。そして今こそ「一人の首切りも許さない!」闘いを担う本当の労働組合を復権させようではありませんか。
そして正社員のみなさんに訴えます。非常勤の仲間への攻撃は、労働者全員の死活にかかわる問題です。同じ職場で一緒に働いて、賃金も雇用条件も格段に違う現実がいかに現場を分断してきたか。しかも現場の6割を超える非常勤労働者のがんばりで、はじめて私たち全員の仕事も回っているのです。今回のように非常勤労働者の仲間が切られたらどうなるんですか。さらなる労働強化が現場を襲うことは目に見えています。分断こそ資本当局の武器なのです。
正規・非正規の分断こえて
こんな時こそ正社員が先頭になって、非常勤への不当な雇い止めを許さない組合運動をやりぬくときです。非常勤への大量雇い止めは「大リストラ」の序の口なのです。ここで闘いを起こせなければ経営者の思うつぼです。民営化でめちゃくちゃになった職場を、労働組合を復権させることを通して立て直そうではありませんか!
岡山では、ゆうメイトの仲間が職場の労働者と団結して闘い、「雇い止め=解雇は無効である」との画期的な勝利判決をかちとりました。会社は雇用契約が満期終了しても一方的な解雇はできないことが、闘いを通して法的にも確認されたのです。
団結の力は無限です。独裁政権を倒したエジプトの労働者に続こう! 正規・非正規の分断を今こそのりこえ、不当な雇い止め攻撃阻止へ全国で反撃を開始しよう!
(東京B局・K)
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週刊『前進』(2477号3面2)(2011/02/28 )
“雇い止めは違法・無効”
広島高裁で完全勝利判決 「解雇権濫用」を認定
岡山のゆうメイトの仲間が自分に対する雇い止め=首切り攻撃と徹底的に闘い、ついに2月17日広島高裁岡山支部で「雇い止めは違法であり無効である」とする勝利判決をかちとった。被告人・鍋倉眞一社長(郵便事業会社)に対して「雇用継続」を命じ、雇い止めで失った約3年間分の賃金全額をただちに支払うことを命令(仮執行付き)した。完全勝利判決である。
「郵政大リストラ」の皮切りに3月末の「数千人規模の雇い止め」を準備している郵政当局は大きな衝撃を受けている。それは「解雇権の濫用」だと認定されたのだ。
今回の勝利は、正規・非正規の分断をのりこえ、現場労働者の団結を広げる闘いを基礎に、敵の弱点を見逃さない勝利への執念が実ったものだ。この画期的な、しかしあまりにも当然な判決をも武器に、郵政大リストラ攻撃への全面的な反撃に打って出よう!
判決は、ゆうメイトなど期間雇用職員が「正社員と同等の役割を果たしている」ことを認定し、労働契約の更新を一方的に打ち切ることは「解雇権の濫用」であり「違法・無効である」と認定した。
そして契約更新か雇い止めかの判断は「会社の自由裁量ではない」とし、「解雇権濫用の法理」を適用できると断言した。さらにこれは雇用契約の反復更新の実績があるか否かを問わない問題だとも認定した。
これは郵便局のみならず、すべての産別の非正規職労働者の武器となる判決だ。いま郵便事業会社は最終的な「雇い止め」を振りかざし、ターゲットを勝手に選別して「自主退職」を迫り、労働時間短縮(社会保険もなくなる死活問題)や配転=賃下げの承認を迫るなどの行為を全国的に強行しているが、今回の判決は、これらの行為自体を違法・不当だと認定したのである。
郵政リストラに反撃する絶好機だ。一方的な雇い止め攻撃に対し、職場の団結を基礎に「辞める意思はない!」「一方的な雇い止めは違法だ」と断固として反撃すれば、勝利の道は必ず開ける。正規・非正規の分断をのりこえ、反撃のネットワークをつくり出そう。闘わない労働組合を、現場労働者の怒りで下からつくり直そう!
鍋倉社長に通告する。違法な雇い止め攻撃をただちに撤回せよ!
(判決全文と判決要旨・解説はネット検索で「労組交流センター」へ)
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【判決のポイント】
@期間雇用社員の契約更新時の雇い止めについて、経営者の「自由裁量」とするのは「解雇権の濫用」である。
A解雇権濫用の法理は、雇用契約が反復更新されている実績の有無にかかわらず類推して適用される。
B会社が雇い止めの理由とした仕事中の交通事故は、物損事故程度であれば、繰り返し起こしても処分は不当である。
C事故の要因は、作業の遅れや配達の遅れによる焦りが確認できる。会社はこれらの要因排除の対策を行っていない。
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週刊『前進』(2477号3面3)(2011/02/28 )
2・19広島労働者集会 国鉄全国運動の拡大へ
青年部建設へ奮い立つ
広島県労組交流センター主催の「エジプト革命に続け! 国鉄1047名解雇撤回! 闘う春闘を取り戻そう! 2・19広島労働者集会」が2・16国鉄集会(東京)の熱気と感動を引き継いで行われた。
冒頭、動労千葉を支援する会・広島の自治体労働者が2・16の国鉄闘争全国運動活動者会議と集会の報告に立った。労働運動再生へ、国鉄闘争全国運動の発展にかけきった動労千葉と呼びかけ人、全国の活動家の熱い提起の数々が紹介され、2・16の息吹を全体で共有した。
基調報告は、広島連帯ユニオンの女性組合員が行った。「チュニジア蜂起・エジプト革命に続き、日本の労働者の決起が動労千葉のストライキで始まった。エジプトと日本の労働者の闘いは一つだ。動労千葉を先頭に、11春闘では、資本とそれと一体となっている御用組合による『資本の独裁』と闘う労働組合を職場につくろう! 国鉄闘争全国運動は職場に労働組合をよみがえらせていく運動そのものであり、その結集軸だ。怒りを持って立ち上がる青年労働者とともに、資本家を打ち倒すために、すべての労働者は国鉄闘争全国運動の拡大に決起しよう!」と熱烈に訴えた。
労組交流センターに結集する労働者が続々と決意表明に立った。動労西日本の山田和広副委員長は、動労千葉の外注化阻止決戦と一体で自らの解雇撤回と契約社員制度廃止へ闘い、JR青年労働者を獲得すると力強く発言した。
社保庁分限免職者の平口雅明さんは、公務員360万人首切り攻撃粉砕へ国鉄闘争全国運動の先頭に立つ決意を述べた。大量首切り攻撃と闘う郵政労働者、不起立闘争を闘う広教組組合員、高陽第一診療所労組、広大生協労組、電通労働者の発言が続いた。
合同・一般労組全国協議会の青年労働者は「闘う春闘を取り戻そう! 3・5中四国青年労働者集会」への結集を呼びかけた。「革命を起こしたチュニジア、エジプトの青年労働者に続き、闘う労組青年部の組織化へ大胆な挑戦を」という提起に全員が奮い立った。
労組つぶしを狙った刑事事件デッチあげによる240日間の長期勾留攻撃を完黙・非転向で打ち破り、2月4日ついに保釈奪還された広島連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長が新たな組合の仲間とともに登壇し大きな拍手を浴びた。全学連の広大生が3・20渋谷反戦大デモへの決起を訴え、最後に動労西日本の大江照己委員長の音頭で「団結ガンバロー!」の拳を突き上げた。
集会前に広島駅前で街頭宣伝を行った。「エジプト革命に続こう」の見出しのビラはすごい受け取りだ。エジプトの労働者と同じ怒りが職場、街頭に渦巻いている。この怒りを闘う労働組合、闘う労組青年部のもとに組織しよう。
(投稿/広島県労組交流センター)
(写真 エジプト革命と2・16国鉄集会の熱気を引き継ぎ、闘う春闘の復権に意欲を燃やした【2月19日 広島市】)
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週刊『前進』(2477号3面4)(2011/02/28 )
教労集会 教育職場の現状に怒り
“8・6処分撤回軸に闘う”
2月11日、広島市東区民文化センターで広島教育労働者集会が開催された(主催「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」)。広島では毎年「紀元節」の2・11に不起立闘争に向けた集会が開かれてきた。今年は、「原爆の日」の8・6に年休を認めず、職務命令で官製研修を強制しようとした県教委・校長と対決して09年8・6ヒロシマ大行動に参加し、「戒告」を受けた倉澤憲司さん(広教組組合員)の処分撤回闘争をメインに開催された。8・6処分撤回の闘いを軸に、不起立闘争や査定給導入との闘いなど職場闘争と団結をつくっていこうという集会となった。
司会を広教組の青年労働者が務め、冒頭に反戦被爆者の会の下田礼子さんのメッセージが読み上げられた。続いて8・6処分撤回の人事委員会闘争について、倉澤さんの代理人の一人である広教組組合員が、人事委員会公開審理の寸劇をはさみながら報告した。
倉澤さんがアピールに立ち、8・6処分撤回の闘いが教育労働者の反戦闘争参加への弾圧を許さない闘いであると同時に、年休権を奪い返す闘いであり、新自由主義教育推進の官製研修や権力支配の職務命令との闘いであり、評価や処分による職場の分断、教育民営化攻撃との闘いであることを明らかにした。
そのうえで「一番いいたいこと」として、8・6処分撤回の闘いを通して組合を闘う組合に変えたいと訴えた。「なんでこんな教育現場になったのか。組合幹部が現場の怒り、団結にかけて闘っていないからだ。ストライキに立った動労千葉の青年は『動労千葉は一人のために組合員全員が団結できる組合です』と言っている。こう言える組合をつくりたい」
今年3月で退職する広教組の仲間は、「有終の美を」などと言う管理職の制動をはねのけ、朝鮮侵略戦争を絶対に阻止する決意を込めて不起立すると宣言した。広高教組の仲間は、12年度から実施される評価制度・成果給について「やる気が出るなどというが、私たちのやる気とか意欲とかはふだん全然大事にされていない。私たちはまじめに仕事をしようとしているのに、逆に邪魔ばかりされている」と批判した。休日出勤の合間にかけつけた青年教育労働者も登壇し、多忙化の中で起きる仕事のミスの責任を現場に押しつける管理職への怒りを表明した。現場に共通するこうした思いを運動に組織するのが労働組合の役割だ。
かつてなく職場の闘いと結合した2・11集会となった。文科省・県教委・管理職の管理強化で広島の教育労働者の精神疾患による休職者割合は全国ワースト3〜5位の高位が続いている。しかも採用抑制や非正規職化などの結果、病欠の穴を埋められず、授業ができない学校まで出ている。評価制度・成果給が導入されれば教育崩壊はさらに進行する。エジプトのような革命情勢は教労職場にこそある。動労千葉の反合・運転保安闘争路線を教労に確立しよう。
(投稿/広島県労組交流センター教労部会)
(写真 8・6処分撤回闘争で広教組を闘う組合に変えたいと訴える被処分者の倉澤さん【2月11日 広島市】)
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週刊『前進』(2477号3面5)(2011/02/28 )
八尾北明け渡し裁判 “明け渡し認めぬ”
労組・職員が総決起
2月18日、八尾北医療センター明け渡し裁判が大阪地裁1010号法廷で開かれた。午後を休診にして総力決起した八尾北労組・職員、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会、関西労組交流センターなど100人が結集した。傍聴席はわずか三十数席。傍聴団と廊下に座り込んだ仲間は怒りをひとつにして闘った。
圧巻は前回に続いてもぎとった重松信子理事長の意見陳述だ。重松医師は「医療センターを5年で明け渡すなど絶対に認められない。地域医療を考れば5年で終わるなどありえない」「こんな理不尽は八尾市丸ごと800事業民営化攻撃から出てきたことだ」と八尾市を追及した。さらに、センターで働く辻西幸子さんたち3家族に同じように問答無用で家から出ていけという1・28住宅明け渡し反動判決を怒りを込めて弾劾し、「人生をかけて闘い抜く3人は私たちの誇りだ」と胸を張った。そして、出廷していた八尾市保健福祉課をにらみすえ、「あなたは八尾北の医療と患者さん、地域のことを知りつくした人間だ。『医療と契約は別』と私たちに暴言を放った張本人だ。絶対許さない!」と、怒りでたたき伏せた。法廷内外から一斉に激しい弾劾と拍手がわき上がった。
2・18闘争は高橋文清裁判長に次回から大法廷を使用させる大勝利を切り開いた。「魂を揺さぶる意見陳述に勇気をもらった」(労組)、「今日ははつらつとした気持ちだ」(守る会)、「医療も住宅も必死で闘おう」(支部)と、ますます団結は強まっている。
八尾市はこの日、2・10差し押さえ弾劾裁判控訴審反動判決に後押しされ、供託者に「3月4日までに全額払うか納付相談に来庁しなければ法的措置をとる」と脅迫文書を送りつけてきた。敵の攻撃を団結の肥やしにして攻めに転じよう。
八尾北労組は1・28住宅明け渡し判決闘争に、職場支配権を敢然と行使して休診にし、3人と団結して根こそぎ決起した。部落差別で団結を破壊し、仕事・住宅・医療・教育を奪い、西郡を更地にする新自由主義攻撃を打ち破る渾身(こんしん)の決起だ。労組と支部の団結は、次元を画した。患者にも住宅闘争が分かるものになった。
支部は2・10反動判決への怒りをバネに、青年部を先頭に「エジプトに続こう! 動労千葉に続こう!」と、新自由主義と闘う部落解放運動を登場させた。エジプト革命が証明したように、労働組合の団結には新しい社会をつくる根源的力がある。これが国鉄闘争全国運動だ。決起を抑えつける体制内幹部に代わる時がきた。
次回八尾北裁判は5月25日。4月市議選ですえみつ道正市議の再選をかちとり、6・5国鉄集会へ、菅政権打倒へ全力で闘おう。(投稿/八尾北医療センター労組 青木麻季)
(写真 大阪地裁に向けてシュプレヒコール【2月18日】)
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週刊『前進』(2477号3面6)(2011/02/28 )
反動決定策動を粉砕
東北石けん労組が地労委闘争
怒りの追及 敵を圧倒
2月14日、早朝から名取市愛島台新工場門前に結集した20人の仲間は、資本と地労委の反動決定策動を断固打ち砕く決意をたたきつけた。新しく労働運動に参加した青年もかけつけた。(写真)
この間、明らかになってきたのは、資本と労働委員会が結託して反動決定を強行しようとする動きだった。
シナリオはこうである。08年11月29日には、まだ畑文雄は東北石けんの代表取締役であり、この時点で「解雇通告」があっては、畑は解雇の責任から免れない。畑の代表取締役退任の後に解雇通告がなされたことにすれば、畑を救済できる。おまけに東北石けん・佐藤吉範も、すでに会社が解散し、精算結了となっているから、解雇を撤回して原職に戻せる立場にはない。したがって、畑も佐藤も解雇撤回できる立場にないことにする――。
とんでもない謀議だ。
ふざけるのもいい加減にしろ! 11月29日に佐藤吉範の口から「2月末で廃業する。全員を解雇する。退職金を払う」という発言がなされたのは、労働委員会での審問や書証の中で明白なのだ。
正午、地労委直近の仙台市役所前の街頭宣伝には、仙台市職労の仲間も合流して多くのビラが労働者市民の手に渡った。
午後2時半、地労委の第8回調査が始まった。資本に不当労働行為責任からのすり抜けを誘導した地労委・菅原代表を、当該、補佐人が激しく追及し、怒りをたたきつけた。「資本を救済するのが仕事なのか! 撤回して謝罪しろ!」。菅原は完全に消耗して、「今日、その事実関係を調査したいと思っていた」などと逃げ腰だ。
圧巻は、審問廷を埋め尽くした支援の労働者の総決起である。平日の午後に年休を取って結集した労働者が26人。地労委闘争開始以来最高の動員数である。東北石けん闘争の圧倒的な正義性、資本と労働委員会への怒りが爆発したのだ。
地労委は、結審などできず、次回4月12日に第9回の調査を入れざるを得なかった。
東北石けん労組と支援の仲間は、反動決定には相応の反撃をたたきつける。おまえたちの明日は、エジプト革命で打倒されたムバラクの姿だ! 労働者人民は、合法であろうが非合法であろうが敵の攻撃に対して一歩も引かずにこれを打ち砕く力を持っている。この一点が今回の地労委一日行動の総括だ。
東北石けん労組は、国鉄闘争全国運動の拡大と一つになって、青年の怒りを組織して闘い抜く!
(東北石けん労組・H)
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週刊『前進』(2477号4面1)(2011/02/28 )
第3誘導路建設阻止・市東さんの農地守れ
エジプト革命と熱く連帯し三里塚闘争の新地平開こう
3・27全国集会に大結集を
はじめに
チュニジアから始まった蜂起と革命の嵐はエジプトを席巻し、北アフリカ・中東の独裁国家すべてをのみつくす勢いで広がっている。最末期帝国主義の矛盾が、新植民地主義体制諸国の割れ目から爆発し始めた。エジプト革命を先頭に「大恐慌を世界革命へ」の闘いが現実になっている。
しかも、帝国主義の矛盾はアジアも同様だ。アメリカ、中国、日本を巻き込んだあからさまな帝国主義間・大国間の争闘戦が火を噴き、この中で、最弱の環・日本帝国主義は激しい危機にのたうち回っている。この危機からの延命をかけて菅政権は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加と軍事大国化、朝鮮侵略戦争参戦国化の道へ踏み込み、さしあたり日米同盟の強化という形をとって争闘戦での延命の道を探っている。
この日帝の延命策動に真っ向から対決している全人民の闘いの砦(とりで)が、戦略的な国策を45年間も阻止し続けている三里塚の闘いであり、動労千葉を先頭として国鉄決戦を爆発させている労働者隊列だ。
来る3・27三里塚全国集会はこのような世界史的な激動と真っ向から切り結び、エジプト革命に熱く連帯する闘いとして大成功させなければならない。それは三里塚闘争の新たなページを開く画期的な闘いだ。
3・27集会成功のために、本稿では主に第3誘導路建設阻止攻防を軸とした現地攻防の新たな勝利的地平について明らかにし、次々号で予定の白川賢治論文ではTPPと対決し、朝鮮侵略戦争攻撃を阻む反戦闘争の砦としての三里塚闘争の位置と意義を明らかにし、3・27集会の重大性を提起していきたい。
(写真 切り回し道路切り換え阻止の緊急闘争にかけつけ反対同盟とともに闘う全学連【2月4日】)
現地攻防と現闘本部裁判闘争の勝利
2月14日早朝、日帝・国土交通省、成田空港会社は、機動隊一個中隊、50人のガードマンと40人の作業員を動員して、市東孝雄さん宅前の旧県道の封鎖と切り回し道路への切り換えを強行した。この攻撃は、市東さんの屈服と反対同盟の解体を狙ったものだ。だが、その策動はものの見事に粉砕された。
反対同盟と現地支援は昨年8月以来、第3誘導路建設攻撃と真っ向から対峙してきた。市東さんの営農を直接に破壊する道路封鎖と切り回し道路への切り換えに対しては、断固たる実力闘争を宣言した。
三里塚闘争支援連絡会議は、日常的な工事監視に入った。さらに昨年5月に結成された全学連行動隊が監視行動の先頭に立った。道路切り換え情勢が切迫した1月末から2月初旬には、体制を強化し工事に打撃を与えた。そして連続的な成田駅頭の情宣活動で「第3誘導路工事の不当性」を訴え続け、市民・住民と合流した。
こうした粘り強い現地闘争態勢の力が、成田空港会社に対して圧力となり、ずさんな工事を強制し、ついにはアスファルト舗装のやり直しに追いこんだ。その結果「1月切り換え」の計画を破たんさせたのだ。2・4天神峰現闘本部控訴審闘争では、急きょ現地緊急闘争を設定し、霞が関と現地同時デモに決起して、工事を阻止した。
同盟・支援一体となった臨戦態勢が、国交省・成田空港会社の計画をガタガタにしている。反対同盟は「三里塚45年の闘いはこのような攻防のくり返しであり、今日が始まりだ」(北原鉱治事務局長)、「互角以上の闘いで権力・空港会社を圧倒した」(萩原進事務局次長)と勝利感を語り、市東さんは「こんなぶざまな工事はない」と胸を張った。
2・4天神峰現闘本部裁判をめぐる東京高裁包囲闘争と法廷闘争は、1〜2月現地攻防のもう一つの焦点だった。昨年2・25一審判決闘争で「仮執行宣言つき判決」を粉砕したが、控訴審で日帝・東京高裁が早期結審・仮執行宣言付き判決をたくらんでいることは火を見るより明らかだ。事実、就任した井上繁規裁判長は最高裁から送り込まれた迅速裁判路線の先頭に立つ人物だ。
デモと法廷で高裁を圧倒
これに対して反対同盟と支援は、1月から7波の高裁前ビラまき、宣伝カーによる情宣を展開、結審策動と闘った。2月4日当日も現地緊急闘争と一体となった東京高裁包囲デモには120人が結集した。そして弁論闘争で、葉山岳夫弁護団事務局長を先頭とした8人の弁護団が次々に立って石橋恵美子(元反対同盟副委員長・石橋政次氏の長男の妻)証人の喚問を要求した。
判例論、法律論の点から、反論の余地のない説得的な弁論の展開は井上裁判長を追いつめた。予定時間を大幅に過ぎた正午過ぎ、井上裁判長はついに日帝・権力の利害を貫く階級裁判官の態度をあからさまにした。「人証却下、審理打ち切り」を言い捨てて次回期日も閉廷も言わず廷外に逃げ去った。これに対して弁護団は裁判官忌避を通告した。
「これほど内容で圧倒している裁判もない」との感想が出されるすばらしい法廷闘争をやり切ったのだ。
そしてこれは市東さんの三つの裁判闘争の前進につながった。2月22日の農地法裁判で、南台「41−9」の畑について、追いつめられた空港会社は明け渡し請求を取り下げた。裁判の前提中の前提をなす畑の位置特定問題で、ついに空港会社は重大な後退を強いられた。これは他の二つの裁判にかかわる重大事であり農地裁判全体の勝利に向かう足掛かりである。判決法廷での反動判決粉砕へ、反対同盟は決意を固めている。
45年の不屈の闘いが威力発揮する時
以上挙げた現地攻防の勝利の地平は格段に大きい。
第一に、日本帝国主義の国策に対して45年もの長きにわたって「絶対反対・徹底非妥協」の闘いを貫くことの意義が、輝いている。第3誘導路工事をめぐる「道路切り換え」攻撃での空港会社の迷走も、最深の理由はここにある。市東さん宅すぐ西側の工事現場を訪れれば誰でも実感するが、東西350b、南北500bという狭い場所に幅30b、長さ700bもの誘導路を造ろうという計画自身が最初から破綻している。
これほどの破綻的な工事をしなければ成田空港の存続すら危うくなっているのだ。そこまで成田空港会社を追いつめている三里塚45年の闘いは、全人民に勇気を与えている。
第二に、動労千葉をはじめ労働者階級との労農連帯を求めつつ、ここまで不屈の闘いをやりぬいている三里塚反対同盟の存在の大きさだ。反対同盟は幾多の試練と困難をのりこえ、空港反対闘争の勝利までやむことのない闘いを貫く主体として登場している。
第三に、三里塚現闘を先頭とする現地での支援闘争の大きさである。特に、この一連の過程を反対同盟とともに担いぬいた全学連の決起がある。昨年5月に行動隊を結成して以降、全学連の取り組みは日を追って強化されてきた。反対同盟45年の闘いは全学連の若い息吹と触れ合い、共鳴し合うことによって、新たな団結を切り開いた。
第四に、これらの闘いは、現地攻防という形式を取りつつも、階級的労働運動と一体となり、日帝・菅政権に決定的な打撃を与えることで、チュニジア―エジプト革命を発端とする革命的歴史的激動に完全に対応し連帯する闘いとなっている。
菅政権打倒、朝鮮侵略戦争粉砕へ!
3・27全国集会は第一に、本格的に開始された第3誘導路工事をめぐる決戦に向けた闘争態勢を築く闘いである。そして、結審が強行された天神峰現闘本部裁判において、不当判決粉砕の巨大な陣形をつくる闘いだ。
第二に、日帝・菅政権の延命をかけたTPP参加攻撃に対して、労働者・農民・学生・市民の力を総結集し、断固たる阻止の陣形をつくる闘いである。TPPは農民・農業切り捨てだけでなく全労働者・人民にかけられた攻撃だ。帝国主義間・大国間の争闘戦で追いつめられた日帝・菅政権が、ブロック化・勢力圏化のために全社会を資本のえじきにし、〈外への侵略戦争〉と〈内への階級戦争〉を強行する攻撃だ。一貫して労農連帯を追求し、農業切り捨てと闘ってきた三里塚闘争が真価を発揮する時だ。
第三に、新防衛大綱による日米軍事同盟の強化を図る菅政権の戦争政策に対して、真っ向から反戦闘争を宣言する集会だ。日帝は朝鮮侵略戦争参戦国化を決断する以外に生きる道はない。しかし、それは数十万、数百万の労働者・農民を戦争の犠牲にすることにつながる。絶対に許してはならない。米軍の朝鮮侵略戦争体制を足元において粉砕している闘いが三里塚の闘いだ。反戦の砦・三里塚の位置はかつてなく大きい。3・20イラク反戦8周年闘争の高揚から3・27集会へかけ上ろう。反戦闘争の新たな宣言を発しよう。
第四に、三里塚闘争の階級的意義を確認し、階級的労働運動、農民運動、学生運動に新たな力を与える闘いとして成功させよう。「理不尽な国策を許さない」「空港絶対反対・農地死守」「徹底非妥協」の闘争原則が今、光り輝いている。
全人民が結集する中で三里塚闘争の新たな扉を開く集会だ。3・27集会に大結集しよう。
〔斉田猛〕
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週刊『前進』(2477号4面2)(2011/02/28 )
三里塚現地行動を闘って
「反戦の砦」で安保・沖縄決戦を闘う根底的力培う
大失業の中で戦争が開始されている。三里塚闘争の地平がついに全人民を獲得する時が来た! 全学連の現地行動は、そのことを全国の学生が確信するものになりました。
(写真 市東さんの畑で農作業に精を出す)
戦争絶対反対が同盟の原点
何より三里塚は「反戦の砦」です。現地調査では、45年にわたる激戦が軍事空港の完成を阻止し続けている現実をあらためて確認しました。
現調の最後に北原鉱治事務局長のお宅で話を聞くことができました。北原さんがまず言われたことは、自らが動員された第2次世界大戦への怒りです。そして、戦争を起こす帝国主義の体制が、今も日米安保とその実体である沖縄米軍基地として存在し、また成田軍事空港建設として続いていること、あるいは法大弾圧に見られるように学生・労働者を弾圧することで戦争への道を突き進んでいること、これらの一切を許さないから反対同盟は闘い続けてきたということです。
そういえば、鈴木幸司さんや市東東市さんも復員兵でした。帝国主義侵略戦争絶対反対が三里塚闘争を貫いてきた原点だ、ということをあらためて実感しました。そして、何よりも、そのことが全学連を本当の社会変革の主体へと鍛え上げていく決定的な力になったと感じました。
三里塚は帝国主義の安保政策、軍事国家化との対決を徹底的に貫いてきたがゆえに、そこに参加する者に対して帝国主義戦争に絶対反対を貫けるか否かを厳しく問う闘いでもありました。
変革の主体へ鍛える決戦場
日本共産党も社会党もカクマルも、反対同盟の戦争絶対反対の立場を自らのものにできない中で、攻撃の激しさに恐れをなし、戦争に立ち向かえない本質を暴かれて逃亡していきました。
それと対照的に、反対同盟と連帯し闘いぬくことを通して全学連は、本当の意味で戦争に絶対反対を貫くことのできる立場を獲得していきました。だからこそ、安保・沖縄闘争を帝国主義打倒の決戦として闘いぬくことができた。そして、それに対する大反動としてのデッチあげによる無期懲役攻撃を受けて立ち今も闘いぬく星野文昭さんに代表されるような、帝国主義と対決する人間主体の根底的屹立(きつりつ)をかちとることができたのです。
法大弾圧を頂点とする全国の大学における新自由主義攻撃という今の現実も、70年安保・沖縄決戦の闘いとった地平への大反動ですが、それと対決する力を全学連は三里塚闘争の中で培ってきたということです。
2011年、再び安保・沖縄決戦が歴史選択をかけて開始される情勢の中で、三里塚はやはり全国学生を変革の主体へと鍛え上げる最高の決戦場です。
新社会の展望開く労農同盟
そして今ひとつは、反対同盟と動労千葉の築き上げてきた労農同盟が、資本主義の破産をのりこえて新しい社会を生み出す展望を切り開いてきた、という確信です。
援農をやって、筋肉痛になって、いまさらですが農作業は大変だと思いました。しかし、この大変さの中に資本主義の破産をのりこえていく展望がある。援農の大変さは無農薬・有機農法を貫く大変さです。延々と続く雑草取り、天気に一喜一憂し、格闘すること。この人間と自然の本質的関係を、「利潤」を生み出すことを第一義とすることで破壊するしかない資本主義。農薬や種苗の独占で農民を収奪の対象としてきた資本の運動は、大恐慌の中でついに一切の農業保護政策を破産させ、TPPに見られるような国境を隔てた労働者人民の分断を利用しての農業破壊にまで行き着きました。
反対同盟が貫くTPP絶対反対は、農業を破壊し、労働者に失業を強制して、戦争へと行き着くしかない資本主義の全面的破産のもとで、農業保護政策の継続という破産した要求を真にのりこえていくものです。ここに全世界の農民の生きる規範があり、資本主義をのりこえて建設される新たな社会の芽生えがあります。
帝国主義戦争絶対反対を貫くための反対同盟の日々の格闘にこそ、新しい社会を生み出す展望が示されています。そうした闘いの歴史を蓄積した三里塚は、闘うことの本当の素晴らしさをつかみ取ることのできる場所です。
仲間を組織し現地に行こう
三里塚闘争の中で、世界を変革する主体としての学生を膨大に生み出していくことができる――これが今回の現地行動でつかんだ確信です。だからこそ、私たちがこれからやることは鮮明な上にも鮮明です。
三里塚に多くの仲間を組織しよう。三里塚闘争を闘う学生を膨大に生み出し、勝利すること――これが安保・沖縄決戦の勝利を切り開く根底的な力になります。全国の学友は仲間を組織して、3・20渋谷反戦デモの爆発から決戦の地、三里塚へ!!
(大阪市立大学/山本進)
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週刊『前進』(2477号4面3)(2011/02/28 )
反戦共同全国活動者会議
大反戦闘争の実現へ
3・20―沖縄―広島で討論
反戦共同行動委員会の全国活動者会議が2月20日、東京都内で開催された。エジプト革命が中東全域に拡大し、朝鮮侵略戦争の危機が11・23砲撃戦で実戦段階に突入する情勢で、反戦共同としての活動強化が確認され、3・20イラク反戦デモから4・29〜5・15沖縄闘争、5・20裁判員制度廃止全国集会、そして8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争の全過程を一大反戦闘争とするための討論が行われた。
三角忠共同代表が「これまでの延長上にはない闘いになる」とあいさつし、杉並区議選で奮闘中の北島邦彦議員が基調報告。「菅政権打倒とは社会の根底的変革だ。その核心は連合指導部を倒すこと。今年前半は5月の沖縄闘争が決定的だ」と訴えた。全学連の織田陽介委員長は「エジプト革命に連帯するとは日米安保を粉砕することだ」と提起、「そういうレベルのデモが必要だ。労働組合と学生が先頭でやり抜こう。具体的な組織戦術が大事だ」と訴え、多くの討論が始まった。
裁判員制度粉砕を闘う弁護士戦線、とめよう戦争への道!百万人署名運動、広島および長崎の反戦反核闘争実行委、六ケ所再処理工場と大間原発反対闘争を闘う仲間、婦人民主クラブ全国協議会、三里塚現地闘争本部、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、入管闘争を闘う仲間、反軍闘争を闘う仲間、障害者解放闘争を闘う仲間などが発言した。
このなかで広島の仲間は「原水協や原水禁など既成の運動が戦争と闘えない体制内運動になる中で、これを超える運動が問われている」と提起、8月へ向け全国的な宣伝活動にも力を入れたいと語った。また三里塚現闘は第3誘導路建設をめぐる攻防で権力と激突している現地情勢を紹介、「三里塚は日本の反戦闘争の先頭を担ってきた。全学連の取り組み強化が心強い」と語った。さらに星野再審連絡会議は「6・24高裁包囲デモを一大政治闘争としてやる」と決意を述べた。
共同代表の入江史郎さん(ス労自主委員長)が「戦争突入情勢で、われわれが何ものであるか、何をやりたいかはっきりさせ、今年前半ひたすらあらん限りの力を投入しよう。突破して、勝って多数派になろう」と檄(げき)をとばした。
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週刊『前進』(2477号4面4)(2011/02/28 )
2月16日〜21日
米軍トップが中東歴訪開始/米が普天間決着に期限設定
●日韓外相会談、対北朝鮮で一致 前原外相が来日中の金星煥韓国外交通商相と会談。北朝鮮に対し日米韓が緊密に連携して対応することを確認した。韓国大統領の訪日は秋以降に先送りした。(16日)
●米が普天間決着に期限設定 ゲーツ米国防長官が米下院軍事委員会の公聴会で、「普天間の代替施設の問題が解決するまでは前に進めない。米軍は沖縄を離れず、土地を沖縄に返還することもない」と述べ、「今春の遅い時期までに」問題を決着させたいとの意向を示した。(16日)
●嘉手納で降下訓練強行 米軍が嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を沖縄県や周辺自治体の中止要請を押し切り4年ぶりに強行した。(16日)
●日本の新幹線輸出に赤信号 米フロリダ州が財政悪化を理由に高速鉄道の建設中止を決定、日本が官民挙げて受注を狙っていた計画が挫折した。インフラ輸出を柱とする菅政権の「新成長戦略」に赤信号がともった。(16日)
●中国が資源管理を強化 中国政府がレアアースの生産・輸出管理(輸出制限を含む)強化を決定した。(16日)
●連合が消費増税を提言 連合が消費税増税を提言した「新21世紀社会保障ビジョン」と「第3次税制改革基本大綱」を発表した。「2020年度までに消費税率を段階的に引き上げる」と明記。6月に正式決定する。(17日)
●中国軍が対空母ミサイル配備 中国の政府系メディアが、中国軍が「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルの配備を開始したと伝えた。米太平洋軍司令官は「日本やフィリピン、ベトナム、韓国などにとって大きな脅威になりうる」と指摘。(18日)
●G20、食料・資源高騰に懸念 主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、食料・資源価格の高騰や新興国への過度の資本流入に懸念を表明したが、抜本的対策には踏み込めずに終わった。(18〜19日)
●労使4団体が消費税上げで一致 社会保障・税一体改革の集中検討会議で財界3団体と連合が消費税率の引き上げ案を提示。経団連が当面10%、連合が8%を提案した。(19日)
●リビアが内乱状態に突入 リビアで反政府デモの鎮圧に出動した軍とデモ隊が武力衝突、東部のベンガジなど一部の都市を反政府勢力が制圧した。体制内部からも離反が起き、カダフィ政権が崩壊の危機に直面した。(20日)
●米軍トップが中東歴訪開始 拡大する中東での反政府デモへの対策を協議するため、米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長が湾岸諸国歴訪を開始、まずサウジアラビアを訪れた。デモがさらに拡大すれば親米湾岸諸国の安定が揺らぎ、米の中東戦略は大きな打撃を受けるとし、先手を打つよう求める。(20日)
●経団連会長が衆院解散論批判 日本経団連が自民党に、与野党の協力によって新年度予算案とその関連法案を早期に成立させるよう要請し、拒否された。米倉会長は記者会見で、政局優先の与野党議員は「給料泥棒」だと激しく非難した。(21日)
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週刊『前進』(2477号5面1)(2011/02/28 )
3・20は菅政権打倒の大決戦
安保粉砕・朝鮮侵略戦争阻止エジプトに続き反戦大デモを
革共同中央学生組織委員会(下)
チュニジア−エジプトから始まった革命のうねりは激しさと鋭さを増し、リビア、バーレーン、そして中国スターリン主義をも揺るがす大波として発展している。ブルジョアジーどもは、大恐慌下での労働者人民の怒りのすさまじさに震えあがっている。今こそ、帝国主義打倒、スターリン主義打倒の21世紀世界革命をかちとる時だ。エジプトにおいては18日間で、1917年ロシア2月革命は闘いの開始からわずか1週間で政権打倒に上りつめた。「戦争と大失業」に対する怒りが強固な組織的中核と結びついた時、ブルジョアジーの支配など一瞬にして吹き飛ばせる。それが革命のダイナミズムだ。エジプト革命に続き、「菅政権打倒!」を掲げて青年労働者・学生を先頭に3・20渋谷大デモを爆発させよう。
(写真 「キャンパスをタハリール広場に!」との倉岡さんの訴えに多くの学生が耳を傾けた【2月23日】)
政治危機にあえぐ菅政権は沖縄新基地建設と参戦狙う
全世界的な労働者民衆の蜂起の情勢に最も恐怖しているのが、帝国主義の「最弱の環」である日帝・菅政権だ。菅は、一方での大恐慌の直撃による国家財政の破綻と帝国主義間争闘戦の重圧に締め上げられ、他方での労働者民衆に対する支配の破産の中で重大な政治危機に陥っている。
就任から1年もたたずに支持率は2割以下に急降下し予算案が国会を通過しないという、国家としての崩壊的状態だ。その根底には、大増税(法人減税)や社会保障の切り捨て、そして再びの戦争国家化に対する労働者の階級的怒りがある。
この5年で6人の首相が交代した。われわれの怒りは繰り返し時の権力者を打倒した。最後には民主党・連合政権という労働貴族どもを国家権力の中軸に据えた支配形態まで登場したが、そのようなペテンはもはや通用しない。菅が倒れた先に「その次」はもうない。エジプトのように、自らの行動で権力を打倒し社会を変革することを誰もが望んでいる。
菅政権打倒の3・20決戦へ第一に、菅は昨年の「11・23砲撃戦」情勢のもとで朝鮮侵略戦争政策に全力で参戦しようとしており、沖縄新基地建設阻止闘争を先頭に大反戦デモたたきつけなければならない。
一つに、菅は6月訪米(日米首脳会談)で日米「共通戦略目標」を策定し、日米安保を「世界安保」へ飛躍させようとしている。つまり、日米帝国主義の侵略軍隊を朝鮮半島・中国をはじめ全世界に積極的に派遣していくという、安保政策の原理的転換だ。二つに、米国防長官ゲーツは「(普天間飛行場の代替施設の)滑走路に関する結論を今春後半には得られる」(2月16日)と発言し、5月連休中の「2プラス2」(日米安全保障協議委員会)において辺野古新基地建設で押し切ろうとしていることだ。三つに、米日韓による軍事演習は昨年11月以来、急ピッチかつ規模を拡大して行われ続けている。
以上の動きの中で、菅政権は安保強化とそのもとでの独自の軍事国家化を推し進めようとしている。
菅政権打倒はこうしたもくろみをすべて吹き飛ばし、日帝の戦争政策に重大な破産を強制する。のみならず、米日帝の朝鮮侵略戦争政策そのものを破産させていく決定的な意義を持っている。
大恐慌と帝間争闘戦の激化で深まる安保の矛盾と危機
第二に、菅政権打倒の核心的問題は安保粉砕にある。日米安保こそ、日帝の矛盾の集中点であり最大の弱点だ。沖縄新基地建設を阻止し、日米安保同盟を打ち砕くことが日米帝の朝鮮侵略戦争を阻止し、日帝を打倒する最短コースだ。
日米安全保障条約(1951年締結)は、中国革命と朝鮮半島情勢に規定され、第2次大戦後の戦後革命のうねりを米帝が圧殺するための特異な帝国主義軍事同盟としてあった。
それは日帝にとっては、米帝が他帝国主義を圧倒している戦後体制の中で、敗戦帝国主義としての日帝がいかに帝国主義的に延命していくのかという切実な問題への唯一の回答としてあった。つまり、米帝の戦争政策を積極的に担いつつ、そのもとで日帝自身も戦争国家へと飛躍していくということだ。
日米安保は日帝にとっての「生命線」である。日米帝の間には不可避に激化する矛盾があり、とりわけそれは大恐慌下で抜き差しならない段階に発展しているが、しかし日米の「決裂」は日帝にとっての「死」である。矛盾が深まれば深まるほど、日帝支配階級は安保にしがみつかざるをえない。そして、安保にしがみつくほどに、帝国主義間争闘戦が本質的に相互のつぶし合い(絶滅戦)としてある以上、日米矛盾は究極的な大爆発に向かって激化(深化)せざるをえないという危機的同盟なのだ。つまり、日米帝国主義の侵略戦争政策の最大の矛盾点として日米安保がある。
そして決定的に重要なことは、安保問題とは沖縄問題であり、日米安保の最大実体は沖縄米軍基地であるということだ。基地の監獄である沖縄、戦後連綿として反戦・反基地の労働者民衆の闘いが全島的に爆発してきた沖縄が日米安保の中心的実体をなしているところに安保体制の最大の矛盾点と弱点がある。それはまた、安保の矛盾を沖縄に押しつけることによって初めて戦後世界体制と「戦後日本」が成り立ってきたという帝国主義支配の脆弱(ぜいじゃく)性だ。安保粉砕は日帝打倒なのだ。
「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の闘いを、朝鮮侵略戦争阻止、沖縄新基地建設粉砕として貫徹し、日帝の意図をくじくことが菅政権打倒の決定的突破口だ。日米安保と沖縄米軍基地の反動性を根底的に断罪し、その怒りを3・20に総結集させよう。
第三に、帝国主義戦後世界体制が最後的に崩壊していく中で、いよいよ日米安保は侵略的・反人民的にむき出しの正体をあらわにし、ブルジョアジーとプロレタリアートの対立の集中点になっている。だからこそ安保粉砕の闘いがプロレタリア世界革命への決定的なテコとなるということだ。
新自由主義政策の大破産と世界大恐慌のもとで、帝国主義間のブロック化政策は激化し、新植民地主義的支配の崩壊も始まった。だからこそ、米帝はプロレタリア革命をたたきつぶすという帝国主義戦争の本質を隠すことなく、中東そして中国・朝鮮への侵略戦争を発動しようとしている。その決定的な一角を日帝が担い、沖縄米軍基地は最前線出撃基地になろうとしている。「11・23」情勢で米帝の朝鮮・中国侵略戦争衝動が高まる中、安保粉砕闘争は世界史的焦点となる。
全学連と法大生を最先頭に3・20から4月新歓決戦へ
第四に、日帝は独自のブロック化政策がことごとく破産し、米帝の世界戦争政策に安保でもって必死に食らいつくしかない。
その象徴が、「小沢路線」を切り捨てて菅政権が安保同盟強化にのめり込んでいることだ。「東アジア共同体構想」に象徴される小沢路線の核心は対米対抗であり、安保を相対化させてでも独自の権益を追求する帝国主義国家に飛躍すべきというものだ。
しかし、危機に立つ日帝にとってはやはり日米安保の道しかない。菅政権は小沢路線を否定し、TPP参加とともに、日米安保強化と朝鮮侵略戦争参戦によって延命しようとしている。
歴史的には、日帝の対米対抗的ブロック化と安保政策(戦争問題)は常に一体の問題としてあった。1994年の朝鮮侵略戦争発動情勢とクリントン政権による「経済安保戦略」に対し、日帝はEAEC(東アジア経済協議体)構想で対抗しようとしたが、95年に断念に追い込まれた。97年以降のアジア経済危機においては、日帝はアジア通貨基金(AMF)構想によってアジア勢力圏化と円圏形成を狙ったが、これも米帝に粉砕された。他方で、日米新安保ガイドラインと朝鮮侵略戦争体制の強化が行われた。
今また日米帝の激しい経済的衝突と一体で、安保強化=新基地建設に突き進んでいる菅政権にはまさに場当たり的な延命策しかないのであり、なんの成算も展望もない。
第五に、国鉄闘争と並んで沖縄闘争と三里塚闘争を発展させよう、その中核的な主力部隊として全学連と青年労働者が登場しよう。
日本階級闘争における菅政権との最も激しい攻防点として、「国鉄×沖縄×三里塚×法大」の闘いが存在している。沖縄新基地建設反対闘争と三里塚軍事空港粉砕闘争の真価が発揮されるのはいよいよこれからだ。朝鮮侵略戦争に向けた敵の「城内平和」策動をはね返し、エジプト革命に応える3・20闘争の大爆発から日帝の侵略を内乱へ転化しよう。
最後に、3・20大結集運動の最先頭に法大生こそが立とう。06年3・14以来の不屈の法大闘争は、大恐慌情勢のもとで300万学生決起の突破口になろうとしている。
国家権力・当局によるあらゆる弾圧をはね返してきた法大闘争の中核として、一方で全学連と文化連盟が、他方でキャンパス内の闘う1年生集団が存在し、1〜2月攻防で新たな処分策動をすべてはね返していることは、法大闘争が「エジプトのように闘いたい」という青年・学生の結集軸になりうることを示している。3・20から4月新歓決戦へ突き進もう。
3・20闘争の主人公はわれわれ学生・青年だ。未来の社会を担う決定的存在であるにもかかわらず、生まれてからずっと新自由主義攻撃によって競争を強いられ可能性を奪われてきたわれわれの世代が、今こそ社会の中心に躍り出よう。チュニジア・エジプトの学生・青年がそれを実現した。日本のわれわれにもできる。若年層(15〜24歳)の失業率は1割、就業者の半数が非正規雇用、大学生の就職内定率は7割以下と言われるが実態は半数程度。この現実を打ち破り、われわれ自身の手で新しい社会を建設していくためにも、根底的な革命が必要なのだ。
資本主義の歴史的生命力は尽きている。かつてレーニンが喝破したように、帝国主義は死滅しつつある資本主義である。そして、帝国主義はプロレタリア革命の前夜であり、社会主義への「過渡」である。われわれ学生・青年がマルクス主義を奪還し、マルクス主義学生同盟中核派の強固な組織をつくり出すことで、必ず勝利できる。
3・20闘争へ残る3週間決戦の中で組織の団結を再度うち固め、全国学友の巨大な政治的決起・反戦決起を実現しよう! エジプト革命に続いて革命の火の手を上げるのはわれわれだ。
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週刊『前進』(2477号5面2)(2011/02/28 )
法大闘争 “処分許さない”
法大文化連盟と全学連は2月23日、人環教授会への弾劾行動を闘いました。この日も倉岡雅美さん(人環3年)への新たな処分策動を粉砕しました! 「停学1年」があけキャンパスに復帰する4月1日まで残り36日!
昼集会後、倉岡さんと1年生(国際文化学部)が各学部に申入書を提出。倉岡さんは「処分を許さず、キャンパスをタハリール広場にしよう!」と訴えました。
法大当局と公安警察が1年生A君に対して、親を使って大学をやめさせようとする攻撃をかけています。A君は、「この攻撃をはね返し、闘えば勝てることを示したい」と堂々アピール! 多くの法大生がビラを受け取り討論になりました。法大生は3・20渋谷反戦デモから4月新歓の大爆発へと進撃します!
(投稿/洞口朋子)
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週刊『前進』(2477号5面3)(2011/02/28 )
三里塚農地裁判 「一部取り下げ」に怒り
NAA、土地特定の誤り自認
2月22日、千葉地裁で三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの二つの農地裁判の口頭弁論が連続して開かれ、農地強奪を狙う成田空港会社(NAA)とその片棒を担ぐ千葉県当局に対する怒りに燃えて、労農学人民が駆けつけ傍聴席を埋めた。
土地特定での誤りを反対同盟側から徹底的に追及され窮地に陥ったNAAは2月15日、焦点の土地「南台41―9」について、「訴えの一部取り下げ」なる書面を提出した。NAAは「地主」の顔をして市東さんに「賃貸借契約は終わりだ。明け渡せ」と訴訟を起こしておきながら、市東家が41―9を耕作したことがない動かぬ事実を突きつけられ、ついに己の破産を渋々認め、この土地についてだけ訴訟を取り下げるという奇策に出たのだ。開廷を前にこの事実を知らされると、人びとの怒りは倍加した。
10時半に行政訴訟が開廷(賃貸借契約解除に許可決定を出した千葉県に対し、市東さんが許可は無効と訴えた裁判)。
県は、土地特定の誤りを「自分らには関係ない」という態度で逃げ回っているが、以前は「同意書、境界確認書からこの土地が市東家の賃借地だ」とNAAによりかかって主張していた。「許可しただけ」などという卑劣な責任逃れを絶対に許さない! 反対同盟、顧問弁護団、傍聴人一体で怒りをたたきつけた。
11時10分、農地法裁判が開廷(NAAが市東さんに対し、農地明け渡しを求めた裁判)。
元千葉地裁判事・上野至ら3人の極悪のNAA代理人弁護士に、傍聴人の怒りが爆発した。「恥知らずの土地泥棒め!」「一部取り下げとは何だ。全部取り下げろ!」
顧問弁護団を代表して葉山岳夫弁護士はこのインチキな「一部取り下げ」について「不同意である」ときっぱりと拒絶した。
同書面には「客観的にも被告〔市東さん〕による現実の占有がうかがえないところから、原告〔NAA〕もこれを踏まえて、乙土地〔41―9〕に係る訴えを取り下げた」とある。この一文にNAAのごまかし、無責任、居直り、厚顔無恥が凝縮されている! 弁護団は「占有=耕作をしていないと認めるなら、41―9は賃貸借契約地でないと認めるということか」と鋭く問いただした。「ない」と認めればその瞬間この訴訟は崩壊だ。顔面そう白で答えられないNAA。
さらに土地特定の根拠としてきた「旧地主の藤崎政吉が作成した」とするあやしげな土地図面について、弁護団の訪問調査で藤崎当人が関与を一切否定したことを突きつけると、NAA側はまさに死の沈黙状態だ。
多見谷寿郎裁判長はしきりと裁判進行を促す言葉を吐くが、弁護団は「NAAが求釈明に誠実に答えるのが先である」と頑として譲らす、今後も容赦なく追及することを申し渡した。藤崎本人を証人として出すつもりがあるかどうかを聞かれるとNAAは、その場で否定もできず「検討します……」とか細く答える始末だ。農地強奪のたくらみの罪深さをこれからいやというほど思い知らせてやる。次回期日は4月12日。
弁護士会館に場所を移し、記者会見が開かれた。冒頭に市東さんがあいさつに立ち、「一部取り下げというすり抜けを許さない。どんどん攻撃し追いつめ、矛盾を引き出しましょう」と述べ、大きな拍手を受けた。
さらに弁護団が次々立って法廷での応酬を解説し、「41―9」を自ら争点からはずし、あとの土地は分捕ろうというNAAの思惑を「必ず粉砕する」と決意表明した。
萩原進事務局次長がまとめのあいさつを行った。「裁判闘争と現地攻防はまさに一体の闘いだ。裁判のスケジュールも非常に多いが、一つひとつで今日のように勝ち、第3誘導路粉砕、現闘本部強奪阻止の闘いを進めよう。3月1日の団結街道裁判にも全力で駆けつけてほしい」と呼びかけた。
最後に司会の鈴木謙太郎さんが「3・27全国総決起集会の大結集を!」と熱く訴え、この日の闘いを締めくくった。
(写真 市東孝雄さんの「NAAをどんどん追いつめよう」との訴えに熱い連帯の拍手が送られた【2月22日】)
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週刊『前進』(2477号5面4)(2011/02/28 )
米韓(日)が二つの軍事演習
そのまま戦争突入も想定
北朝鮮の体制転覆を狙う
中東革命への反革命的対応
昨年11・23の砲撃戦は朝鮮侵略戦争の現実化を衝撃的に告げた。今年に入り、米帝は昨年をはるかに超える激しさで北朝鮮への攻撃・侵略の動きを加速させている。
米韓連合軍司令部は2月15日、「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」の二つの合同軍事演習を2月28日から3月10日まで行うと発表した。フォール・イーグルの一部は4月30日まで行う。これまでは3月に行っていたが今回は前倒しで行うものだ。参加人員は米軍は2万人以上、韓国軍(予備軍含む)は20万人以上。
今回の演習の重大性は第一に、エジプト革命を先頭とした現在の北アフリカ・中東での革命的激動への米帝の必死の対応ということだ。崩壊に突入した帝国主義の世界支配を、米帝(米日韓)の朝鮮侵略戦争で突破しようとする意図が根底を貫いている。
(写真 改修強化工事を終えて航行する米核空母カール・ビンソン)
中国スタも一線を越える
第二の重大性は、米韓(日)が北朝鮮を実際に攻撃し戦争することを想定した演習ということだ。昨年までの両演習では「北朝鮮の南進」を想定した「作戦計画5027」に基づく訓練を実施してきた。だが今回は内容が一変した。
今年の演習は「北朝鮮の急変事態」を想定した「作戦計画5029」に基づいて行われる。これは表だっては「概念計画」だが、実際は「作戦計画」として発展させられていると言われる。内容は極秘扱いだが、北朝鮮での「クーデターや内戦の発生」「政権が核・ミサイルの統制権を失った事態」「大量脱北者の発生」等を「戦時」と見なして軍事介入することを想定している。なかでも核物質、核兵器の確保が中心をなす。
その意味で、今回の演習に米メリーランド州の第20支援司令部要員が多数参加することは重大である。この部隊は「核・大量破壊兵器(WMD)迅速対応、探知、除去」などの任務をもつ、イラクにも派兵された侵略部隊そのものだ。この演習への同部隊からの参加は一昨年は専門要員150人、昨年は350人だったが、今年はさらに規模が拡大する。
他方、中国スターリン主義の踏み込みも一線を越えつつある。韓国政府当局者は「中国が羅先(ラソン)に投資した港湾施設などを警備するため、少数の中国軍を駐屯させることについて北朝鮮と協議したようだ」と説明。「羅先駐留を契機に、中国は有事の際、自国民保護の名目で兵力を大幅に投入する可能性がある」と述べた。今回の演習は中国軍との衝突―対中国戦争への突入をも想定した、きわめて実戦的な演習として計画されているということだ。
また今回は、昨年の同演習には参加しなかった米核空母も参加する。3年間におよぶ改修強化工事を終え最新鋭化したカール・ビンソンが復帰しており、同艦の参加が濃厚だ。カール・ビンソンは1月11日、長崎県五島列島沖で海自と共同訓練をした後、14日に釜山に入った。また、核空母ジョージ・ワシントンは3カ月の定期点検ドック入りしているが、同艦が戻った場合は西太平洋で「核空母2隻体制」も考えられる。
国際連帯闘争で反撃しよう
今回の演習の重大性は第三に、昨年の「韓国哨戒艦沈没」事件や、11・23砲撃戦のような実際の戦闘を十分に計算し、それをも意図して行おうとしていることだ。
昨年、哨戒艦沈没事件が発生したとき、米韓両軍は現場に近い海域で合同対潜訓練を行っていた。この訓練はキー・リゾルブ演習の一環で3月25日夜10時に始まり、26日夜9時まで続いた。26日に発生した「沈没事件」は、米韓演習という舞台の上で起きたのだ。「11・23砲撃事件」も、昨年1年間だけで米韓の共同訓練(さらに日米共同演習)が10回以上、毎月のように実施され北朝鮮に軍事的重圧をかけ続ける中で発生した。
今回の演習がそのまま北朝鮮への攻撃―北朝鮮侵略戦争に突入する展開も大いにあり得るということだ。
ウィラード米太平洋軍司令官は1月17日に講演し、北朝鮮が「数年以内ではなく、数カ月以内に新たな挑発を行う恐れがある」と語った。北朝鮮との戦闘を射程に入れた演習であることを明らかにしたものだ。また1月7日、金成賛(キム・ソンチャン)韓国海軍参謀総長は、今年は韓米合同訓練を昨年より多く実施する計画だと語り「特に対潜水艦訓練は従来の2倍に増やす」と宣言した。さらに、北朝鮮の高速艇や魚雷艇による突然の攻撃など実戦的な状況を仮定し、実戦同様に実施すると強調した。
今回の演習には海上自衛隊のオブザーバー参加も画策されている。米軍は、今後行う米韓合同軍事演習に、毎回、自衛隊が参加するようにも求めている。米日韓一体の朝鮮侵略戦争が進行しているのだ。
闘う中東の労働者・人民、韓国・北朝鮮、中国、そしてアメリカの労働者と連帯し、3・20反戦デモを断固闘おう。
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週刊『前進』(2477号5面5)(2011/02/28 )
【三里塚裁判傍聴を!】
◎団結街道裁判
3月1日(火)午前11時 千葉地裁
◎鈴木さん一坪裁判
3月10日(木)午前10時30分 千葉地裁
※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2477号6面1)(2011/02/28 )
エジプト 軍事政権打倒し労働者権力を
「スト中止」に抗しストが激発
官製労組打倒・独立労組拡大へ
(地図 中東から世界へ 革命のうねり。北アフリカ、労働者階級の闘いいが激化する国、すでに旧政権が崩壊した国)
エジプト革命は最末期資本主義の大恐慌の中で労働者の労働組合をめぐる激闘をとおして切り開かれた。この「2月革命」を守り発展させるには、労働者のヘゲモニーで資本家階級の国家権力を打倒し、労働者権力を樹立するしかない。産油地帯を席巻しているこの革命は「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の現実化だ。国鉄決戦の発展を軸に、ともに勝利をかちとろう。
(写真 マハラ市の国有繊維工場の労働者がストライキに突入。軍隊の介入を打ち破って、賃上げと社長解任などを求めている【2月17日】)
繊維や石油…次々スト突入
エジプト軍最高評議会は2月22日、シャフィク内閣の改造を行い、労働・移民相にETUF(エジプト労働組合総連合会)のイスマイル・ファハミ書記長を任命した。ETUFは名前は「労働組合」だが、役員は上から下までムバラク政権に任命され、労働者を監視し恫喝し、弾圧することを任務としてきた組織だ。1952年のナセルのクーデター以来、エジプトでは官製労組以外の労働組合は許されず、ストライキも官製労組以外は禁じられてきた。
この官製労組の最高幹部を労働・移民相に据えたことに、現在のいわゆる「暫定政権」の本質が示されている。軍最高評議会は、労働組合を徹底的に弾圧する意図を露骨に示しているのだ。
「ファハミ反対」独立労組が団結
エジプトの独立労組はこのファハミの任命に絶対反対し、徹底的に闘うことを宣言した。労働・移民省では職員が「ファハミの命令には従わない」として職場抵抗闘争に入る呼びかけが行われた。
2月11日のムバラク大統領辞任後に権力を引き継いだ軍最高評議会は、「ストライキの中止」を指令したが、労働者はストライキをさらに拡大している。
エジプト労働運動の拠点であるマハラ市の国有繊維工場(2万4千人)は2月16日からストライキに入った。労働者は賃上げと国有繊維会社の社長や法務、労務担当などの解任、官製労組解体、独立労組結成を求めている。軍は交代勤務の労働者が工場に入るのを阻止するなどの介入をしている。東北部の港町ダミエタの6千人の繊維工場でもストライキに突入した。
石油会社、ペトロトレード社の労働者は石油相の解任、イスラエルへのガス輸出の停止、解雇された労働者の復職、労働者の雇用・昇進に際する腐敗の根絶などを求めて2月12日から無期限座り込みストライキに突入していたが、要求の多くをかちとり、ストライキを終結させた。
鉄鋼、セメント、運輸などあらゆる部門で社長、幹部を吹き飛ばす実力闘争が行われ、職場の力関係が次々に逆転している。
産油国にエジプト人労働者
エジプト革命はたちまち産油国のリビア、バーレーンに拡大している。その原因は革命の情報が伝わって労働者人民を激励したというレベルのことだけではない。エジプトの労働者階級と産油国労働者人民は同じ職場、同じ地域で働き、生活する仲間なのだ。
無権利で極貧の奴隷生活の現実
中東・北アフリカの産油国は巨大な石油収入と急速な経済規模拡大に比べて人口が少なく、エジプトなどからの大量の出稼ぎ労働者の導入で初めて国家が運営できる構造になっている。GCC(湾岸協力会議)諸国(サウジアラビア、バーレーン、クウェートなど)では労働力の8割が外国人と言われるほどだ。サウジアラビア国籍保有者約2千万人に対して、外国人労働者は法的に承認された者だけで830万人にのぼる。人口約640万人のリビアにも150万人のエジプト人労働者がいる。そうした外国人労働者を強制送還の恐怖でしばり、人を人とも思わぬ労働条件を強制してきたのだ。
その氷山の一角がエジプト人医師事件だ。サウジアラビアの法廷は08年11月、エジプト人医師が痛み止めにモルヒネを処方した当たり前の医療行為を「麻薬を使い患者を中毒にした」として「15年の投獄と1500回のむち打ち」刑を言い渡した。その患者が王族の妻だったことで、この判決を居直ったのだ。
賃金不払い、雇用主による殴打などが横行しているが、わずかの苦情申し立てでも強制送還の対象になる。
そして無権利の外国人労働者の存在を基礎にして、自国の労働者にも強搾取と差別・抑圧を行ってきた。一方には王族らの金に糸目をつけない豪華な暮らしがあり、他方には極貧の奴隷生活がある。こうした産油国の全構造をひっくり返す革命が始まったのだ。
カダフィ打倒へ石油産業でスト
リビアのカダフィは1969年の反王政クーデターで登場した。巨額の石油収入があるために、しばらくは「戦闘的な民族主義」を装っていたが、結局は帝国主義と癒着し、新自由主義を導入し、破産していった。
カダフィ体制は、すでに60年代中ごろに凋落(ちょうらく)が明白になっていたエジプトのナセル体制を手本にしたものに過ぎなかった。スト禁止などナセルと同一の政策を取り、ブルジョアジーの利益を守った。
米欧の帝国主義間の争闘戦を利用し、また米ソの世界分割支配を利用して、双方から援助や好条件の取引関係を得ようとしたのも同じだ。そして権力を握って利権を独占し、帝国主義、巨大独占資本との癒着を深めてきた。その支配構造はエジプトのナセル、サダト、ムバラクの体制と本質的に同じだ。
だが石油産業を始めとする資本主義の発展で労働者階級が増大し、労働運動が拡大した。
チュニジア革命、エジプト革命の爆発とともに、リビア経済の根幹、石油産業の労働者がゼネスト状態に入っている。ムルザク油田、ナファーラ油田などの労働者がストライキに入った。アル・ワフラ油田の労働者も半数がデモに参加している(2月22日現在)。油田には多くのエジプト人技術者、労働者が働いている。
エジプト人が多くを占める教育労働者も、圧倒的多数がカダフィ独裁体制に対して闘っている。
カダフィ独裁体制による徹底した情報統制にもかかわらず、全国的な蜂起を実現し、軍の反乱まで引き出した組織力の基盤は、こうした労働者の闘いなのだ。
産油国リビアの革命は帝国主義を根底から震え上がらせている。投機マネーは原油市場に殺到し、石油価格は急上昇している。
(写真 「カダフィを倒せ!」リビア第2の都市・ベンガジで解放を喜ぶ若者たち【2月23日】) サウジアラビアが次の大焦点だ
最も統制が厳しい国と言われたサウジアラビアでも労働者の闘いが始まった。メッカでは、大モスクの施設の拡張工事の建設労働者600人が現在連続3日間のストライキをしている。不払い賃金の支払いと賃上げが主要要求だ。警察は巡礼者に見えないようにストライキ中の労働者を隔離しようとしたが、労働者の力で打ち破られた。東部の油田地帯でも労働者が闘いに決起している。
中東・北アフリカは世界の石油生産量の3分の1、埋蔵量の3分の2を占める。ここを支配していることがアメリカ帝国主義の世界支配の要だ。その戦略的な柱であるエジプトが革命の最中にある。最大産油国のサウジアラビアまで革命に突入すれば、ドル建ての石油取引の存続によって首の皮一枚で維持されているドルの基軸通貨としての地位は終わる。アメリカ帝国主義の世界支配は終わる。
アメリカも州議会占拠闘争
エジプト革命は、資本家階級と労働者階級との対立こそが現代世界の対決軸であるという根本問題をあらためて全世界に示した。
革命の発端は失業、物価値上げ、警察の弾圧へのチュニジアの労働者の怒りの焼身自殺であった。北アフリカ・中東の全革命の担い手は圧倒的に労働者であり、革命の要求内容は労働者の要求だ。
エジプト蜂起に火を付けた「4月6日青年運動」には多くの中産階級出身の若者が参加しているが、「4月6日」という名称はマハラの繊維労働者を先頭とする労働者のゼネストの日から取ったものであり、労働者階級の要求を自分たちの要求とすることを示している。
労働者階級こそ最も普遍的な階級であり、労働者階級の解放が他のあらゆる抑圧・差別をも根絶する。労働者階級は他の層を吸引し、ともに革命に勝利していく力を持っている。だからこそ国境を越えて世界に普遍的に通用するのだ。
アメリカ中西部、五大湖地域のウィスコンシン州では、「マディソン(州都)がカイロになった」(米紙)と言われる闘いが爆発している。新知事が公務員の団体交渉権(争議権)を取り上げる法案を提出したことに反対し、「ムバラク=ウォーカー(知事)」のプラカードを掲げた巨大デモ、州議会占拠が9日間も連続している(23日現在)。知事が「州兵を動員する」と恫喝したが、デモは拡大し、州都一帯の学校も連日休校だ。
オハイオ州、インディアナ州でも州議会包囲デモ、議会占拠が行われている。
日本の労働者階級は国鉄闘争全国運動でエジプト革命と直接に結合できる。なぜなら動労千葉を先頭にした国鉄闘争は、世界の本格的な新自由主義攻撃の突破口になった80年代の3大攻撃――アメリカの航空管制官労組破壊、イギリスの炭鉱労組破壊、日本の国鉄分割・民営化――と今も闘い続け、それを破綻に追い込みつつあるからだ。エジプト革命は新自由主義、大恐慌の中での革命であり、また帝国主義世界支配の要を吹き飛ばす革命であり、世界革命の開始そのものだからだ。
階級的労働運動こそ日米安保を粉砕し、アメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争、中東侵略戦争を粉砕する力だ。労働者の団結で、3・20渋谷をタハリール広場にしよう!
〔村上和幸〕
(写真 教員組合、公務員労組などが「ウォーカー知事は辞めろ」と叫んで米ウィスコンシン州議事堂を占拠【2月15日】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2477号6面2)(2011/02/28 )
前進社国賠訴訟 “捜査報告書開示を”
公安情報流出問題も追及
2月18日、前進社不当捜索国家賠償請求訴訟の第5回口頭弁論が東京地裁民事第1部(甲斐哲彦裁判長)で行われた。
これまで被告の東京都(警視庁)と国(裁判所)は原告の求釈明や捜査報告書などの開示要求に一切応じてこなかった。原告弁護団は「各電磁的記録媒体を差し押さえるにあたって、公安1課員らがどのように関連性を判断したのかについて、具体的に明らかにすべきである」と再々度の求釈明を行うとともに捜査報告書などの開示を求めてきた。
それに対して被告(警視庁)は「本件捜索差押が違法であったことについて主張立証責任は、まずは原告にある」と完全に開き直る回答を行ってきた。断じて許すことはできない。
そもそも開示を求めている捜査報告書などは、原告が捜索差し押さえの違法性を主張するためにも必要なのだ。捜索差し押さえ当日に交付された押収品目録交付書は、読み取れないほどの乱雑な字で殴り書きし、数量も品名もデタラメなものである。だから、何をどれだけ押収したかなどを記載してある捜査報告書などが必要なのだ。それが大前提である。
ところが今回の弁論期日で被告(警視庁)は、捜査報告書などの書類はすべて地検に送致したから手元にないと今ごろになって弁明した。それで今度は被告(国=地検)が調査して回答すると答えざるを得なかった。原告弁護団は今回の弁論を踏まえて捜査報告書などの開示を強く要求した。
さらに原告の代表が警視庁の「公安テロ情報」流出事件で明らかになった警視庁の違法捜査を徹底的に弾劾した。
流出した「情報」によれば、警視庁がムスリム人民を「テロリスト」として一方的に断定して、監視・尾行・身辺調査・家宅捜索などの弾圧を日常的に行っていることは完全に明らかだ。
まさに公安条例違反被疑事件を捜査すると称して個人情報を含むあらゆる情報を収集し、運動と組織の全容を掌握し、さらなる弾圧を加えることを狙っている本件の例とまったく同じである。しかも警視庁は流出事件では許し難いことに、当初「被害者」としての態度を取るというまったく転倒した対応に及んだ。
最後に原告の代表は、日本でもチュニジア・エジプト革命に続いて警察支配を打ち破って菅政権を打倒するという決意を述べた。
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週刊『前進』(2477号6面3)(2011/02/28 )
日程 2011年国際婦人デー闘争
【東京集会】
3月5日(土)午後1時開会(0時30分開場)
アットビジネスセンター池袋駅前別館
集会終了後デモ
主催/3・8国際婦人デー行動実行委員会
【関西集会】
3月5日(土)午後6時30分開会
八尾市文化会館プリズムホール4F
(午後5時〜5時45分 近鉄八尾駅前で大街宣)
主催/婦民全国協・関西ブロック、
労組交流センター関西女性部
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週刊『前進』(2477号6面4)(2011/02/28 )
法大裁判に集まろう!
★5・28暴行デッチあげ控訴審(判決)
第8回公判 2月28日(月)午前10時
★暴処法裁判
第21回公判 3月4日(金)午後1時30分
いずれも東京地裁429号法廷 1時間前に傍聴券配布所に集合
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