ZENSHIN 2011/01/01(No2470 p12)

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第2470号の目次

「1047名解雇撤回!」6・13大集会で幕を開けた国鉄闘争全国運動(文京区)

1面の画像
(1面)
命脈尽きた資本主義を倒せ
全国の青年労働者に訴えます
闘う労組青年部をよみがえらせ大失業・戦争を革命に転化しよう
マルクス主義青年労働者同盟
記事を読む  
新年特別号目次 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
日程 1・16革共同中四国政治集会 記事を読む  
(2面)
動労水戸定期大会 “団結固め外注化と対決”
組織拡大へ決戦態勢を築く(12月18日)
記事を読む  
国労5・27臨大闘争弾圧裁判 “われわれの団結は崩れない”
被告団堂々の闘争宣言
元国労九州エリア書記長 手嶋浩一氏が証言(12月21日)
記事を読む  
第3誘導路粉砕へ
12・19三里塚緊急闘争 “市東さんの農地守れ”
「切り回し道路」に怒りのデモ(12月19日)
記事を読む  
「市東さんと語ろう」 トークイベント
生活と闘いクローズアップ
“いま耕している畑を守る”(田宮龍一)
記事を読む  
職場・地域で解放運動推進を
東日本解放共闘が総会を開く
新自由主義と闘う解放闘争論確立(12月19日)
記事を読む  
(3面)
三里塚から菅政権打倒の火柱を
戦争のための巨大滑走路阻む
世界の労働者・農民と連帯し
記事を読む  
日誌 2010年 12月15日〜21日
菅内閣が新防衛大綱を決定/韓国軍がまた射撃訓練
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(4面)
階級的労働運動貫き労働者を獲得する4月選挙戦 議員座談会
戦争・大失業と闘い抜く
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(5面)
北中城村議会議員、元全軍労労働者 宮城盛光さんのメッセージ
朝鮮侵略戦争阻止へ 沖縄も今年は決戦だ
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(6面)
憲法と人権の日弁連をめざす会 森川文人弁護士新年の抱負
「司法改革」にトドメさし闘う弁護士会を再建する
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無実の星野文昭同志 獄中メッセージ
星野再審闘争に絶対勝利し労働者の団結で権力打倒を
記事を読む  
紹介 戦後労働運動と反合・運転保安闘争
労働者学習センター・ブックレット特別号
動労千葉はいかにつくられたか
伊藤晃さんら4氏の講義・講演録
記事を読む  
新刊紹介 国際労働運動 2月号
朝鮮侵略戦争阻止を緊急特集
記事を読む  
(7面)
300万学生は朝鮮侵略戦争阻止へ 安保・沖縄、三里塚で菅政権を倒す
 全学連委員長 織田陽介
記事を読む  
300万学生は朝鮮侵略戦争阻止へ 安保・沖縄、三里塚で菅政権を倒す
 法政大学文化連盟委員長 斎藤郁真
記事を読む  
法大裁判に集まろう 記事を読む  
(8面)
国際連帯で戦争を止め革命へ
外注化・非正規化との闘いは世界共通
記事を読む  
(9-12面)
革共同政治局の2011年1・1アピール
国鉄解雇撤回・外注化絶対阻止
大恐慌―大失業・戦争を世界革命へ
国際的団結の力で朝鮮侵略戦争阻止を
2011年決戦の爆発で沖縄米軍基地撤去、公務員360万人大量首切り粉砕、菅政権打倒へ
記事を読む  

週刊『前進』(2470号1面1)(2011/01/01 )

 命脈尽きた資本主義を倒せ

 全国の青年労働者に訴えます

 闘う労組青年部をよみがえらせ大失業・戦争を革命に転化しよう

 マルクス主義青年労働者同盟

 2011年の冒頭にあたって、マルクス主義青年労働者同盟から全国の2千万青年労働者のみなさんに訴えます。私たち青年労働者の大半を非正規職と失業にたたきこみ、団結を奪い、戦争をあおる日本帝国主義ブルジョアジーを倒そう!と。「JR外注化阻止へ平成採の総反乱をまき起こし、マル青労同1000人建設に突き進もう!」「闘う労組青年部をよみがえらせ、大失業と戦争をプロレタリア革命に転化しよう!」――これが、すべての青年労働者にとって、今の時代を生きぬき、勝利できる最大の方針であるということを訴えたい。大恐慌―戦争と大失業という時代は、けっして暗黒の時代ではない。万策尽きて暗くなっているのは資本の側だ。労働者は、やつらにつきあう義理はない。プロレタリア世界革命の時代を明るく朗らかにともに切り開こうではありませんか!
(写真 「1047名解雇撤回!」6・13大集会で幕を開けた国鉄闘争全国運動【文京区】)

 JR外注化阻止・非正規職化粉砕を

 全国の青年労働者の仲間のみなさん。2010年、国鉄1047名解雇撤回闘争を解体し、階級的労働運動をつくりだそうとする者を根絶しようとする4・9政治和解の大攻撃に対して、私たちは全力で立ち向かいました。自らの職場生産点での闘いを軸に、動労千葉やJR職場で働く青年労働者の仲間とともに検修業務の全面外注化を阻止し、国鉄闘争全国運動を全力で推し進め、11・7労働者集会を5900人の結集で勝利的にかちとりました。そして、闘う労組青年部をよみがえらせ、この腐りきった資本主義社会を根底からぶっ飛ばそうと、多くの青年労働者が新たにマル青労同に結集しています。
 4・9反革命をうち破ってきたこの闘いは、さらに広範な労働者を獲得し前進しています。それは、動労千葉の闘いに体現され貫かれている、「資本家階級と労働者階級は非和解だ」という原則性と、誰もがそうありたいという大衆性によるものです。何よりJR職場で青年労働者の渾身(こんしん)の決起が始まり、それはあらゆる産別に波及する情勢です。
 菅民主党・連合政権は、国鉄分割・民営化以来の民営化・外注化の攻撃をいっそう強め、道州制―公務員労働者360万人首切りと労働者9割の非正規職化を狙い、日米安保を強化し沖縄闘争を解体してアメリカ帝国主義が始めた朝鮮侵略戦争への参戦に向かっています。そうした中で、私たちは2011年、徹底的に労働組合で勝負するということです。
 国鉄・JRの青年労働者の渾身の決起とともに、あらゆる産別で闘う青年部をよみがえらせ、労資一体の組合執行部にとってかわろう。国鉄分割・民営化以来の民営化・外注化と労組破壊攻撃の拡大は、青年労働者の非正規職化と貧困・失業をもたらし、青年労働者の団結を奪ってきました。JR総連や連合などの体制内労働組合指導部がこうした資本の合理化攻撃と闘うどころか、資本の手先となって組合員を売り渡してきたことの結果です。
 JRをはじめ、郵政・自治体・教育・医療現場など、あらゆる産別で激化する外注化攻撃こそ、青年労働者を非正規に突き落としていく、資本の最後にして最悪の合理化攻撃であり、最大の団結破壊・労組破壊攻撃です。しかも外注化は本当に矛盾だらけであり、事故の激発、安全の崩壊をいたるところにもたらしています。労働組合の屈服・協力なしに外注化は進まない。労働者が団結すれば外注化は阻止できる! 動労千葉は反合理化・運転保安闘争路線をもって10年間JRの外注化攻撃と闘い続け、これを阻止し、団結の拡大をかちとってきました。
 全国の青年労働者のみなさん。今こそ、この反合・運転保安闘争路線を武器に外注化攻撃と闘い、職場に闘う労働組合をよみがえらせ、労働運動全体を大きく塗りかえていく闘いに踏み出そう。その一歩は、さしあたり一人から始まります。しかし、その一人の屹立(きつりつ)が、職場全体の勝利を左右する決定的な土台となります。マル青労同に結集する全国の同志は、そういう闘いをやってきました。そして、私たちの闘いは、一人の決起から、職場の労働者全体を獲得し団結を拡大していく闘いへと飛躍してきています。絶対反対の闘いは、職場の労働者の誰もが感じている怒りや意識、感情と結びつき、労働者全体の行動になった時に資本・当局との力関係を変える根底的な力になります。労組青年部には本来、そういう力があるのです。
 そういう闘いがやれる条件は世の中に満ち満ちています。私たちの構え方次第です。これまで連合や全労連など体制内労組指導部は「どうせ闘っても勝てない」「ついてくるのは一部の活動家だけ」と言って、現場の怒りと闘いを抑えこんできました。そうした体制内指導部の支配は急速に崩壊し空洞化してきています。資本の攻撃の激化の中で「今の組合の状況でいいのか」という思いは、産別を超えた青年労働者の共通したものになっています。労働組合を自分たちの手に取り戻していく最大のチャンス到来です。時代を変える大きな構想を持って、職場で仲間を組織することに徹底的にこだわろう。その一歩を大胆に踏み出そう。

 朝鮮侵略戦争反対を職場から闘おう

 全国の青年労働者のみなさん。この2011年、国鉄・郵政・自治体・教労の4大産別を先頭に、闘う労組青年部をよみがえらせ、時代を動かす大闘争に立ち上がろう!
 私たちは今、「戦争か革命か」がリアルに問われる歴史の転換点のただ中にいます。世界大恐慌の重圧下で、基軸帝国主義としてあったアメリカ帝国主義は、その基軸性を失う没落の危機にあり、「最弱の環」の日本帝国主義もまたその生き残りをかけて、恐るべき侵略戦争・世界戦争の道へと踏み出しています。昨年11月23日の韓国軍と北朝鮮軍の砲撃戦以来、米・日帝国主義は、朝鮮侵略戦争の作戦計画「5030」に基づく軍事演習を連日連夜くり返しています。「目の前で戦争が始まった」――まさにその通りです。
 帝国主義が戦争に突入する時代は、けっして暗黒や絶望の時代ではありません。世界の労働者と団結してプロレタリア革命に立ち上がる時代がついに来たということです。私たちは、11月労働者集会で、イラク戦争に反対してストライキで闘うアメリカの労働者、資本と現場で闘いぬくことで朝鮮侵略戦争を阻止する韓国・民主労総の労働者との合流をかちとり、さらにブラジル、ドイツの労働者との国際的団結をつくり出してきました。さらに中国スターリン主義体制下でストライキを闘い、デモに立ち上がっている中国の青年労働者とも連帯しよう。青年労働者こそ、朝鮮侵略戦争阻止の反戦闘争に立ち上がろう!
 そもそも帝国主義・資本主義は、新自由主義という民営化・規制緩和と労働組合破壊の攻撃で、30年間、労働者に対する戦争を延々としかけ続けてきました。全世界の労働者は貧困と失業のどん底にたたき込まれ、日本においても、一部の大資本がもうけている一方で、圧倒的に多くの青年労働者が貧困と失業にたたき込まれてきました。そして今、世界大恐慌のもとで、権力・資本は、自分たちが生き延びるために、今度は戦争でもって労働者を殺し合わせ、一切の犠牲を労働者に押しつけようとしています。まさに大失業と戦争は一体です。
 歴史をふり返れば、第1次世界大戦、第2次世界大戦に行き着く過程は、労働者の階級的団結が徹底的に破壊され、労働組合が資本家階級の行う戦争に率先協力する機関へと変質させられていく過程としてありました。そして行き着いた先が、他国の労働者同士が殺し合いをさせられるという戦争であったのです。この教訓をとらえ返すならば、やはり、労働組合のあり方が問題になっているのです。
 連合をはじめ労働組合の多くは、政府・財界と一体となって労働者が闘いに立ち上がることを抑えこむことに必死になっています。JRにおいては、JR総連、JR連合のみならず、国労本部までが民営化・外注化の推進者に変質しようとしています。自治労本部は道州制に賛成し、360万人解雇をのんでいるありさまです。日教組本部を見ても、現場で多くの青年労働者が自死にまで追いやられるような現実をつくりだしています。JP労組においては、連合の急先鋒(きゅうせんぽう)として生産性向上運動にのめり込み、5・15沖縄闘争や8月ヒロシマ・ナガサキ闘争の取り組みすら放棄しています。労働組合のダラ幹連中が、「労働者の代表」面をしながら、資本・当局に労働組合を売り渡し、現場の組合員・労働者を犠牲にする中に、帝国主義の戦争は準備されているのです。

 資本・政府を倒し労働者が権力握る

 1950年の朝鮮戦争を前後して、アメリカ占領軍GHQの肝いりでつくられた総評は、「教え子を再び戦場に送るな」というスローガンを掲げた日教組や、国労新潟大会を通して、「平和四原則」(全面講和、再軍備反対、軍事基地提供反対、中立堅持)を確定しました。いわゆる「ニワトリからアヒルへ」の転換です。当時の総評は、労基法改悪をはじめ労働法制の改悪に対してストライキで闘っていた。日本炭鉱労働組合(炭労)など、民間の組合を軸にした大闘争もあった。しかし、この闘いと朝鮮侵略戦争反対が正しく結合されなかったという弱点がありました。それは「平和四原則」の「中立堅持」という無責任な方針に最も象徴されています。日本列島は米軍の兵站(へいたん)基地になり、労働者も動員されたのです。
 つまり、帝国主義の侵略戦争には「中立」の立場では通用しない。「賛成」か「反対」か、どちらかしかありません。朝鮮半島と中国をめぐる緊迫した現情勢下で、「戦争反対を貫く」ということは、闘う労働組合をよみがえらせ、戦争を遂行しようとする資本とその政府を労働者の団結した力で打ち倒し、労働者がすべての権力を握る以外にないのです。朝鮮侵略戦争に絶対反対と言える労働組合をつくりだそう。そういう労働組合が、職場でも資本の外注化攻撃・合理化攻撃とも徹底的に闘えるのです。それこそが労働組合・労働運動の本来の姿です。
 全国の青年労働者のみなさん、職場闘争を徹底的に闘おう。そして反戦闘争をそれと一体で闘おう。現場労働者が職場支配権を握りしめ、資本の合理化や民営化攻撃と誇りをもって闘い続けている限り、権力・資本が戦争を遂行することは絶対に不可能です。JR外注化を阻止し、国鉄闘争全国運動を推進し、国鉄決戦に勝利しよう。沖縄・三里塚そして法政大を先頭とした学生たちとともに、朝鮮侵略戦争阻止で闘う労働組合を全国に無数につくりだそう。

 闘う青年の団結体マル青労同建設へ

 全国の青年労働者のみなさん! マル青労同は、03年の結成以来、「労働者が社会の主人公であり、労働者こそが社会を変える力を持っている」というマルクス主義と動労千葉の闘いに学び、闘う労働運動、闘う労働組合をつくろうと奮闘してきました。マル青労同に結集する全国の同志は、職場、地域に帰れば一介の労働者です。私たちマル青労同の闘いは、2千万青年労働者の闘いそのものです。
 私たち青年労働者が大失業と戦争の時代を生きぬき、未来を切り開くためには、どうしたら良いのか。政府・財界が推し進める民営化・外注化、非正規職化、そして戦争政策は、労働者が団結して立ち向かわないことを前提に成り立っています。そうであるならば、私たちは、やはり闘う労働組合をよみがえらせることです。そのためにはどうすれば良いのか。職場で「おかしいことはおかしい」と言って登場しただけで、資本・当局、体制内労組指導部は、そうした青年労働者をつぶそうと襲いかかってくるのが現実です。そうした攻撃をはね返し、職場の労働者全員を団結させるためにはどうすれば良いのか。ちょとやそっとじゃ倒れない軸をつくることが必要です。その軸となるものこそマル青労同です。
 労働者が自らの力で立ち上がり、権力・資本を打倒し労働者の権力をうち立て、この腐った社会を変革するためには、やはり自前の組織をつくらなければなりません。全国の青年労働者がスクラムを組み、ともに前進する団結をつくること、それがマル青労同です。2011年、労働者階級の勝利、プロレタリア革命に向かって、すべての青年労働者はマル青労同に結集し、ともに闘おう。2千万青年労働者の壮大な事業として、マル青労同1000人建設をかちとろう!
(写真 8・6ヒロシマ大行動のデモに立つ青年労働者【広島市】)

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週刊『前進』(2470号1面2)(2011/01/01 )

 新年特別号目次

 国鉄解雇撤回・外注化絶対阻止 大恐慌―大失業・戦争を世界革命へ 革共同政治局の 11年1・1アピール 9〜12面
 動労水戸が定期大会ほか 2面
 三里塚から菅政権打倒の火柱を 3面
 階級的労働運動貫き労働者を獲得する4月選挙戦/議員座談会 4、5面
 森川文人弁護士、星野文昭同志 6面
 300万学生は朝鮮侵略戦争阻止へ 織田陽介全学連委員長、斎藤郁真法大文化連盟委員長 7面
 国際連帯で戦争を止め革命へ 8面

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週刊『前進』(2470号1面3)(2011/01/01 )

前進速報版から 前進速報版から

▼JAL整理解雇撤回を求め、日航本社前行動に450人▼ギリシャで7度目のゼネストが大爆発!▼東北大で17日反戦集会打ちぬく!
 ◎休刊中の最新ニュースは『前進』速報版に随時掲載します。

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週刊『前進』(2470号1面4)(2011/01/01 )

 日程 1・16革共同中四国政治集会

 「戦争か革命か」の歴史選択かけ2011年決戦へ
 1・16革共同中四国政治集会
 2011年1月16日(日)午前11時開場
 広島市西区文化センター2Fスタジオ(広島市西区横川新町6-1)
 基調報告 秋月丈志
 決意表明 マル青労同/マル学同中核派/産別委員会から
 主催/革命的共産主義者中国・四国委員会

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週刊『前進』(2470号2面1)(2011/01/01 )

 動労水戸定期大会 “団結固め外注化と対決”

 組織拡大へ決戦態勢を築く

 動労水戸は12月18日、水戸市内で第29回定期大会を開催し、2011年の決戦方針を確立した。
 この1年、動労水戸は検修外注化攻撃と全面的に闘いぬくとともに、運転士登用差別事件の最高裁決定を逆手に取ったJR東日本の組織破壊攻撃と全力で対決してきた。
 JRは、運転士登用差別の不当労働行為を一切謝罪しないばかりか、運転士になっていたら得られたはずの差額賃金分を勝手に計算し、組合との合意もないままそれを組合員個人の銀行口座に一方的に振り込むという分断攻撃にさえ乗り出してきた。今大会で動労水戸は、こうした攻撃を打ち破り、団結を一層強固に打ち固めるとともに、検修外注化との徹底対決を通して青年労働者の組織化に打って出る決戦態勢を築き上げた。
 あいさつに立った石井真一委員長は、検修外注化や4・9政治和解の大反動、組織破壊攻撃と対決してきたこの1年を総括した上で、検修外注化との闘いは年明けから最大の攻防を迎えると提起、この決戦に勝ちぬくためにも青年の組織化に執行部を先頭に全力で突入すると宣言した。
 動労千葉の清水匠執行委員を始め、常南交通労組や茨城県労組交流センターなど共闘団体が連帯のあいさつを行った。
 続いて、国分勝之副委員長が経過と総括を、高野安雄副委員長がとりまく情勢を提起。木村郁夫書記長が、@検修外注化阻止・反合運転保安確立の闘い、A「国鉄改革25年」を掲げたJRの攻撃と対決し分割・民営化絶対反対を貫く闘い、B不当労働行為を許さず、運転士登用裁判勝利の地平を強化・拡大する闘い、C4・9政治和解と対決し、1047名解雇撤回闘争―国鉄全国運動を広げる闘い、D朝鮮侵略戦争情勢と対決する戦争絶対阻止の反戦政治闘争、Eすべての基軸をなす組織拡大の闘い――を骨子とする運動方針案を提案した。
 質疑では、青年を職場でどうオルグするかや、JR東日本がたくらむ新賃金制度をどうとらえて反撃するかなどの具体的課題をめぐり、率直で真剣な討論が交わされた。
 大会は運動方針を満場一致で採択、さらに「闘う労働運動の力で無実の星野文昭さんを取り戻す決議」が上げられた。
 閉会のあいさつに立った辻川慎一副委員長は、「資本は労働者をすりつぶし、最後は命まで奪う。労働組合だけが労働者を人として生かすことができる。仲間をとことん大事にし、団結するのが労働組合だ。この1年の激闘の中で、われわれは本物の労働組合であることを示してきた。今、労働者はわれわれ動労水戸とともに生きていくしかなくなっている。青年労働者に対して、徹底的に一緒に生きる姿を示すことが組織拡大の闘いだ」と強調した。
 2011年は、戦争と大失業の攻撃との本格的対決が迫られる歴史的決戦だ。動労水戸は、この決戦を闘いぬく勝利の方針を打ち立てた。
(写真 1年間の闘いを勝利的に総括し、11年決戦への決起を呼びかける石井委員長【12月18日 水戸市】)

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週刊『前進』(2470号2面2)(2011/01/01 )

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判 “われわれの団結は崩れない”

 被告団堂々の闘争宣言

 元国労九州エリア書記長 手嶋浩一氏が証言

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判控訴審の第2回公判が12月21日、東京高裁第10刑事部(山崎学裁判長)で開かれた。今回の公判は、国鉄1047名解雇撤回闘争の先頭に立つ被告団の闘いの意義をあらためて鮮明にし、4・9政治和解を受け入れた松崎被告の屈辱的な裁判方針との決定的な相違を浮き彫りにした。
 公判ではまず、国鉄闘争全国運動呼びかけ人で元国労九州エリア本部書記長の手嶋浩一さんが証言に立った。手嶋さんは87年10月から国労九州エリア本部書記長を務めたが、90年に書記長を降ろされた。「スト権を放棄する総合労働協約をJR九州と結び、国鉄時代からの国労の各事務所をJRに返還しろ」という国労本部の方針に従わなかったことがその理由だったという。こうした国労本部の裏切りが、闘争団員を統制処分に付すための02年5・27臨時大会に行き着いたのだ。
 手嶋さんはこの弾圧について、「現場の状況を映したビデオを見たが、暴行などまったくない。組合内で意見が対立したら、もみ合いになることは少なからずあるが、あれが暴行とされたら労働組合運動は死滅する」と権力を弾劾し、また「警察に同じ組合員を逮捕してくれと言うこと自体考えられない」と国労本部を厳しく批判した。
 また、国鉄全国運動の呼びかけ人となった動機を問われ、「今回の和解に疑義をもっていたが、6人の闘争団員が和解を拒否した。国鉄分割・民営化を機に非正規労働者が1千万人を超え、若者は夢や希望を奪われた。これに対して分割・民営化反対の運動を展開するために呼びかけ人になった」と証言した。
 続いて羽廣憲さんへの被告人質問が行われた。羽廣さんはまず、一審判決を弾劾し、「首謀者とされた向山和光さんが無罪で私たちが有罪となったのは理解できない。裁判所は国労共闘をつぶすための政治的弾圧に加担した」と語気を強めた。
 また、4・9政治和解について「解雇撤回のない和解は拒否する」と言い切った。さらに、5・27当日の闘いの正当性を説いて、「鉄建公団訴訟を起こした組合員を処分する大会は絶対に認められなかった」と述べた。前回の公判で弁護団が明らかにしたように、被告たちの闘いはまさに正当防衛の行為だったのだ。
 最後に羽廣さんは、「一審判決でもわれわれの団結は崩れなかった。いかなる判決でもわれわれの勝利は揺るがない。前回、裁判長は『ここは政治運動の場ではない』と言ったが、この弾圧と一審判決自体が政治的だ。われわれは労働者の誇りにかけて、政治主張も含めて無罪まで闘う」と裁判長に戦闘宣言をたたきつけた。
 続く小泉伸さんへの被告人質問では、JRの安全崩壊の実態が具体的に暴かれた。小泉さんが勤務するJR貨物・吹田機関区では、部品が反対に取り付けられた車両や、溶接すべき個所が溶接されていない車両、規定値通りに正しく削られていない車輪などがたびたび発見されるという。
 小泉さんは、JRの大合理化による慢性的な欠員状態がその原因だと指摘し、JR貨物はいつ大事故を起こしてもおかしくないと弾劾した。
 この日最後の被告人質問に立った橘日出夫さんは、自身が申し立て、大阪府労委で全面勝利した国労バッジ事件で、中労委が「国鉄改革の経緯からしてバッジ着用者を処分するのは当然」という逆転棄却の反動命令を出したことを弾劾、4・9政治和解がこうした状況を引き起こしていると述べた。また、5・27決起の正当性について、「国鉄分割・民営化への十数年の闘いをないがしろにする国労本部が許せなかった」と断言した。
 次回の公判は1月25日。原田隆司、東元、富田益行の各被告の被告人質問が行われる予定だ。
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 国労5・27臨大闘争弾圧裁判控訴審第3回公判

 1月25日(火)午後1時傍聴券交付
 東京高裁102号法廷

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週刊『前進』(2470号2面3)(2011/01/01 )

 第3誘導路粉砕へ

 12・19三里塚緊急闘争 “市東さんの農地守れ”

 「切り回し道路」に怒りのデモ

 12月19日、三里塚現地において「第3誘導路工事粉砕、切り回し道路への切り替え阻止」を掲げた緊急闘争が行われ、三里塚闘争支援連絡会議と反対同盟の呼びかけに応えて労農学104人が結集し、農民追い出し攻撃に対する怒りをみなぎらせて闘いぬいた。
 成田空港会社(NAA)の寺本敏司用地部長は反対同盟・市東孝雄さんに対し、市東さん宅前の道路(旧小見川県道)について「切り回し道路への切り替えを1月に行う」旨を一方的に通告してきた。「第3誘導路」建設の手始めとして、道路をトンネル化するため市東さん宅の目と鼻の先で通行止めし、付け替え道路を造ってそこを通らせるというのだ。(地図参照)
 団結街道を封鎖し畑までの行き来に理不尽な迂回(うかい)を強いている上、さらにあからさまな市東さんに対する営農妨害と追い出しのための工事を進めることなど、絶対に許せない!
 真冬の寒気をはねとばす勢いで、市東さん宅南の開拓組合道路に旗、のぼり、プラカードなどを手に労働者人民が続々と結集し、午後1時半、司会の大熊寿年さん(野戦病院)の「第3誘導路を絶対に粉砕しよう」という第一声で集会が始まった。
 北原鉱治事務局長が最初の発言に立ち、「3代続いた農家の農地と住居を第3誘導路で空港の中に無理やり囲い込もうとしている。これが人間のすることか! 軍事空港粉砕・戦争阻止へ、一人ひとりが立ち上がる時だ」と参加者に強く訴えかけた。
 続いて動労千葉の川崎昌浩執行委員がマイクを握り、12・3ストで3人の労働者が動労千葉に加入したことを高らかに報告し、「外注化攻撃粉砕へ年末年始返上で闘う」と決意を明らかにした。
 支援団体の発言の最初に、中核派を代表して現闘の同志が立った。「切り回し道路への切り替えを断固実力阻止する。三里塚は成田の軍事空港化の前に現実に立ちはだかり勝利している。第3誘導路を必ず粉砕しよう」と闘志をみなぎらせてアピールした。
 シュプレヒコールを行って、デモに出発。大量動員された機動隊と私服刑事の弾圧策動を一蹴し、「切り回し道路」の工事現場前にさしかかった。すでに道路の形ができつつある。怒りの声が一層高まった。危険なヘアピンカーブを鋭角に右折、市東さんが強いられている「迂回ルート」の全コースをたどり畑までのデモを貫徹した。
 鉄のフェンスで包囲された畑には、豊かな作物が実っていた。市東さんがマイクを取り、「今年はさまざまな攻撃がかけられてきました。来年はもっと激しくなるでしょう。ご支援をよろしくお願いします」とあいさつし、参加者は大きな拍手で心からの連帯を表した。
(写真 NAAは旧小見川県道【矢印】トンネル化のため市東宅の目の前で遮断し【A、B】切り回し道路を通らせると一方的通告!)

 2・4現闘本部裁判控訴審へ

 反対同盟は白熱必至の2011年の激闘に勇躍突入した。
 市東さんという一農民に対し、あらん限りの圧力を加えて追い出しをもくろんだが、しかし市東さんの闘魂に打ち負かされているNAAの姿に、成田空港の破産が象徴されている。そして労農学人民の怒りの反撃が、廃港への具体的展望を切り開く。
 1月9日の反対同盟の新年デモと旗開きを盛大にかちとり、ただちに2・4現闘本部裁判控訴審闘争の爆発に向けて闘おう。一審千葉地裁・仲戸川裁判長の反動判決を全面的に覆し、証人調べと建物の検証を実現するために、東京高裁を労農学人民の大結集で包囲しよう!
(写真 寒風を突いて反対同盟を先頭にデモに飛び出し「第3誘導路粉砕!」のコールを響かせた【12月19日】)  -------------------
 日程 三里塚現闘本部裁判 控訴審第3回弁論
 2月4日(金)午前11時 東京高裁

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週刊『前進』(2470号2面4)(2011/01/01 )

 「市東さんと語ろう」 トークイベント

 生活と闘いクローズアップ

 “いま耕している畑を守る”

 12月12日、「”百姓としてこの地に生きる”市東孝雄さんと語ろう」と題した映像とトークのイベントが千葉市文化センターにおいて開催されました。主催は三里塚の裁判や全国集会でもすでにすっかりおなじみになった「市東さんの農地取り上げに反対する会」です。
 毎年同会が秋に開いている恒例の催しですが、今年は外から講演者を呼ぶよりも市東さん自身の話をじっくり聞きたいということで、市東さんの生活と闘いをクローズアップする内容になったそうです。
 成田市議の足立満智子さんが司会を務め、会の共同代表の井村弘子さんがあいさつを行ったあと、ビデオの上映に入りました。
 この夏の異常なまでの暑さによって全国の農民が受けた影響は甚大ですが、市東さんの場合それだけでなく、NAAと成田市による団結街道の閉鎖・廃道化という措置によって、大変な負担を強いられました。乾ききった畑にタンクで水を運ぶために、とてつもない回り道を何度も何度も往復しなければならなかったのです。
 カメラは黙々と農作業にいそしむ市東さんを追いながら、農民がどれほど土と作物に愛着をもち、丹念に仕事を進めているかを映像で映し出します。日ごろ三里塚の産直野菜にお世話になっている消費者も、集会やデモで勇ましい発言を聞き慣れている活動家の人も、このように畑仕事に汗を流す農民のあるがままを映し出した30分を超す映像は非常に新鮮に感じられたのではないでしょうか。
 上映中にも同会事務局の三角忠さん、千葉県議の吉川洋さんの質問に答える形で、市東さんが作物の出来具合や農業を営む上での苦労を語り、さらに天神峰の家に帰って農業を継ぐにいたる経緯などが実直な言葉で明らかにされました。
 また「よそへ移って農業を続ければよい」というような声に対しても、「土を動かせても農業はその土地のものだ。自分は今耕している畑を守っていく」と、自分の生き方にしっかりと確信をもつ市東さんの言葉が聞けました。
 後半では、反対同盟・鈴木謙太郎さんを始め県内の米農家など4人の専業農家の方々によるディスカッションが行われました。今、TPPという形で農業にかけられている巨大な圧力に対し、農民自身が農業の再生をかけて発言していく方向が切り開かれたと思います。
 集会の締めで、「群馬・市東さんの農地を守る会」からの活動報告と、「反対する会」の会計報告も行われました。
 今、農業は全世界的にも大きな岐路に立たされています。
 労働者と農民の連帯をより強め拡大する上で、大いに刺激を与えられる集会でした。
 (田宮龍一)
(写真 映像、トークなど多彩な内容の催しで市東さんの営農と闘いがより身近になった【12月12日 千葉市】)

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週刊『前進』(2470号2面5)(2011/01/01 )

 職場・地域で解放運動推進を

 東日本解放共闘が総会を開く

 新自由主義と闘う解放闘争論確立

 部落解放東日本共闘会議の第19回総会が12月19日、東京の東品川文化センターで開催された。解放共闘は、同日の三里塚現地緊急闘争に決起するとともに、60人の結集で総会の成功をかちとった。
 総会は、動労水戸組合員の司会で始まった。全員で「差別裁判うち砕こう」を斉唱した後、東京西部ユニオンの大西文夫書記長が基調報告を行った。
(写真 東京西部ユニオン・大西書記長による基調報告に真剣に聞き入る参加者【12月19日 東品川文化センター】)

 朝鮮侵略戦争の突入絶対阻止を

 大西さんは報告の冒頭で、「11月23日の延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦で米帝が朝鮮侵略戦争に踏み切った」と怒りを込めて弾劾し、「戦争こそ労働者階級への最大の団結破壊」と本質を説いた。そして、2011年方針として、@米帝の朝鮮侵略戦争突入絶対阻止、労働者の国際的団結で帝国主義を打倒しよう、A4・9政治和解と対決する国鉄全国運動を全面的に推進し、狭山第3次再審闘争を始め職場・地域で部落解放運動を前進させよう、Bマルクス主義にもとづく部落解放闘争論を確立しよう――以上の3点を軸に闘いの方針を提起した。熱い呼びかけに、会場の参加者は「異議なし!」というかけ声で応えた。
 部落解放同盟全国連西郡支部と広島解放共闘のメッセージが紹介され、さっそく「帝国主義と部落差別」と題する学習・講演に入った。
 講師の近代史研究家・柏木俊秋さんは、「部落差別は歴史的基盤を持っているが、近代日本資本主義による産物。階級支配=国家統治の核心は労働者階級の分断・団結破壊にあり、部落差別はその武器だ」、したがって「部落解放闘争はプロレタリア革命の一環である」とあらためて明らかにした。また1910年代〜20年代(大正デモクラシー時代)の階級闘争を振り返り、「その教訓は今日の労働者階級の闘いを豊かにする」と学習の意義を語った。参加者は、新自由主義と対決し、戦争と大失業攻撃を打ち破る部落解放闘争論を確立しようと真剣に聞き入った。
 決意表明では、東京労組交流センターから国鉄全国運動の先頭に立つ中村和憲ス労自主副委員長、12月ストライキで組織を拡大した動労千葉の後藤俊哉特別執行委員、前日に定期大会をかちとった動労水戸の木村郁夫書記長が高揚感あふれる報告と決意を述べた。千曲ユニオン委員長は除名された前委員長が労組を僭称(せんしょう)していると厳しく弾劾。婦人民主クラブ全国協関東ブロックと都政を革新する会の北島邦彦区議は、4月統一地方選必勝への決意を語った。

 品川支部・杉並支部が決意表明

 最後に、全国連2支部が決意表明に立った。
 品川支部の代表は、不当解雇された当該支部員から託された解雇撤回闘争の経過報告(都労委闘争に突入)と復職まで闘う決意を紹介した。杉並支部の田中れい子支部長は、支部で取り組んだ12・10東京高裁要請行動を報告し、石川一雄さんと連帯して狭山第3次再審勝利へ闘う決意を述べた。「全国連本部の処分−除名に対し解放共闘の団結の中で次の時代を切り開く闘いを推し進めてきた」という自信に満ちた2支部を、会場いっぱいの暖かい拍手が包んだ。
 最後に、2011年度の新たな役員体制と幹事団体・幹事を選出した。
 新自由主義と闘う解放闘争論の確立をなしとげ、11年決戦に突入する総会として戦闘的にかちとられた。

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週刊『前進』(2470号3面1)(2011/01/01 )

 三里塚から菅政権打倒の火柱を

 戦争のための巨大滑走路阻む

 世界の労働者・農民と連帯し

(写真 トラクターを先頭に農民の心意気を示すデモに出発【10・10全国総決起集会】)

 三里塚芝山連合空港反対同盟から2011年を闘うアピールが寄せられた。「農地死守」の不屈の原則を貫き45年、空港廃港へ攻め上る時機がついに訪れた。成田空港会社(NAA)の第3誘導路建設攻撃を粉砕し、2・4現闘本部裁判控訴審(東京高裁)に総決起しよう!(編集局)

 反戦闘争こそ希望 事務局長 北原鉱治さん

 三里塚は45年、終始一貫農地を守り、反戦反核のとりでとして闘いぬいてきた。2010年は非常に多くの裁判闘争を闘い、毎回傍聴席を埋めた人びとの前で反対同盟の闘いの正義を明らかにし、法廷を圧倒してきた。だが権力の手先に成り下がった裁判所は、ことごとく真実をねじ曲げ、理不尽で偏った不当判決を出してくる。そうであればなお、権力の不当不法を社会に暴き、真実と正義を主張することが求められる。
 昨今「尖閣」や「北方」など、領土をめぐる衝突や摩擦の情勢は、65年前の戦争の時代を思い出させずにはおかない。私は海軍の艦船に乗り、砲撃を浴びるただ中にいた。目の前で多くの兵員が、血を流し命を奪われた。本来明るい希望を抱く青春時代を、私は連日死と向き合いつつ過ごしていた。現在の若者が置かれている状況は、それと重なって見える。
 2011年、新たな決意をもって反戦闘争に立ち上がらなければならない。闘いの中にこそ希望があることを若者に示すために、われわれは生ある限り闘い続ける。
 NAAは市東孝雄さんの農地を奪うために、営農と生活に不可欠の団結街道を封鎖し破壊した。そして今度は第3誘導路建設によって、彼の家と農地を空港内に囲い込もうとしている。人を虫けら同然に扱う国家権力の暴力的本質は、あの強制代執行時からなんら変わっていないのだ。この暴挙がまかり通れば、日本全土において、国の思惑で農民が土地を奪われ、戦争協力に動員される悪しき前例になるだろう。
 労働者が機械を動かして生産し、農民が命の糧である食糧を生産するという土台の上に、社会は成り立っている。今こそ労働者と農民が固く手を結び、暴政に立ち向かうときである。闘いこそわが天命。三里塚は世界の労働者・農民と連帯し、今一歩前進することを年頭に誓う。

 成田の没落を強制 事務局次長 萩原進さん

  2010年は年明け早々から現闘本部裁判をめぐる決戦となり、2月25日、反動判決が出されたが、ただちに建物を撤去できる仮執行宣言を粉砕した。敵の思惑は完全に破産した。このことが市東さんの農地や団結街道をめぐる攻防と一体で、敵のプランをすべてがたがたにして大ダメージを強制した。これは、現地における実力攻防と裁判闘争がかみ合い、反対同盟と現地常駐の支援とが一体となり、さらに全国の人びととともに闘いとった勝利だった。
 今成田空港は羽田との競合の中であがいているが、これも三里塚45年の闘いが欠陥空港の現実を強制した結果だ。「日本の表玄関」成田を完全にハブ空港の位置からたたき落とした。
 日本の政治的経済的危機と相まって、成田は没落の道をたどっている。民主党政権は景気を立て直すこともできなければ、党内もがたがた、戦争・領土問題も沖縄の基地問題も「解決」できない。その危機のもとで、ますます中国や北朝鮮への排外主義を高め戦争への衝動を募らせる。そして「自由貿易交渉」という名で農業切り捨てへと走っている。
 今や三里塚から「菅民主党政権打倒」の火柱を上げる時だ。
 反対同盟は「軍事空港反対」を一貫して掲げて闘ってきた。現に戦争のための巨大滑走路の建設をこの地で農業を続けることによって阻んでいることは決定的だ。沖縄の基地撤去の闘いと連帯し、農地死守の原則を貫き、労農連帯のきずなを一層固め、三里塚は闘いの先頭に立つ。
 われわれはおそらく「日本で一番忙しい農民」だ。日々畑や作物と向き合い天候と格闘する農民が、どれだけ汗をかいて集会を開き裁判に出かけるか、敵はまったく理解できないだろう。この怒りがどれほど深く激しいエネルギーとなって爆発するかを知らしめてやる。2011年はそういう年だ。

(写真 23日間の完黙を貫き奪還された市東孝雄さん。救援・激励と団結街道防衛で不眠不休の闘いを続けていた反対同盟と支援連は、市東さんの会心の笑顔に勝利を確信した【6月8日】)

 第3誘導路“来るなら来い” 生き方は変わらず 天神峰 市東孝雄さん

 昨年は「NAAの看板を壊した」として、初めての逮捕・留置場・取り調べという貴重な経験をしました。
 2月1日にNAAと成田市が一緒にやってきて「団結街道を廃止にする」と一方的に通知し、3月の議会でそれを通しました。行政が空港とここまで一体化して、住民であり当事者である私の生活を踏みにじるとは!
 そして5月17日に逮捕されたが、反対同盟と支援のみなさんの団結の固さを実感し、多くの方々からの激励・支援を受けて、本当に心強かった。
 先日、NAAが「切り回し道路への切り替えを1月に行う」とまた一方的に電話で通告してきた。「そんなことをしたらただではすまないぞ」と言ってやったが、こうして嫌がらせを重ねていったら私の考えや生き方が変えられるわけでは全然ないのにね。
 変わったことと言えば、昨年は裁判が増えたこと。時間的にはやりくりが大変厳しいが、私はこれまでどおりこの地で農業を続けるだけです。
 「お金をもらって移転して土も一緒に持っていってそこで農業を続けたらどうか」という人もいたが、上土を移してもよそでうまくいくものではない。やはり土はその土地のものなんですよ。もっとも最近はこれだけ闘っているからか、そんな「助言」をする人もいなくなったけど。
 昨年の夏は日照りと高温で、作物がかなりやられました。全国どこでも農家は今非常に厳しい状況を強いられていますが、食の大切さをこれからも一層訴えていきたい。
 羽田の国際化で成田は本当にあせっている。今の空港は本当にいろんなものを継ぎ足しで造ってきたわけだが、今度は「第3誘導路」だと。だが欠陥だらけの現実は全然変わらない。だから、さらにあせって一層攻撃も強まるでしょう。
 「来るなら来い」だ。全国のみなさんとともに2011年も闘います。

 父の遺志を継いで 中郷 鈴木謙太郎さん

 反対同盟は激闘の1年を闘いぬいた。
 2月25日の現闘本部裁判の一審判決は反動判決ではあるが、仮執行宣言を出させなかった。
 3・28全国集会で勢いをつけて4〜5月の団結街道をめぐる現地攻防に立ち上がった。そして市東さん逮捕、さらに第3誘導路公聴会粉砕デモでの萩原富夫さん逮捕の弾圧に対しても、同盟と支援が一体で闘い、奪還をかちとった。その後の現地闘争、裁判闘争においても、一歩も退かずに農地死守の気概を示して闘い、10・10全国集会を成功させた。
 昨年の攻撃の激しさはやはり、羽田空港の国際化によってNAAと地元の反動勢力の尻に火がついたものだと言える。元反対同盟員の芝山町長、相川勝重は空港と一蓮托生(いちれんたくしょう)の道を選んで、年間離発着30万回化の旗振りを買って出たが、地元の説明会では町民から当然にも総スカンを食った。
 多いときには2〜3分に1機の割合で、菱田の頭上をとてつもない轟音(ごうおん)をまき散らして、大型ジェット機が飛んでいく。30万回化を受け入れたら完全廃村化の道をたどるだろう。納得できるわけがない。
 今攻撃の矛先は市東さんに集中している。暫定滑走路東側の第2誘導路が東峰地域の分断であったように、団結街道廃道化と第3誘導路は市東さん追い出しのためだけの嫌がらせだ。だがこの攻撃と全力で闘いぬくことで同盟も支援も結束が固まった。このことは昨年の最大の収穫だった。
 朝鮮半島情勢はいつ次の砲弾が飛んでもおかしくない局面だ。戦争となれば、成田も沖縄も軍事空港として使われることは、明らかである。誰よりも国家による侵略戦争に怒りを燃やして闘ってきた父・鈴木幸司が、昨年85歳で亡くなった。生涯の半分以上の年月を三里塚闘争に費やした父の遺志を継いで、空港廃港の勝利の日まで闘いぬく決意だ。

 TPPを許さない 婦人行動隊 宮本麻子さん

 三里塚は昨年、現地闘争と裁判闘争を近年にない激しさで闘いました。
 5月に逮捕された市東さん、萩原富夫さんの救援を反対同盟は支援連、市東さんの会、ちば合同労組などとともに早朝・深夜を問わずやりぬきました。自分が市東さんの闘いを引き受け、市東さんの農地と団結街道を必ず守るという思いで一日一日、朝昼晩、今ここで何ができるかを自分に問いながら行動しました。
 特に5月20日早朝に団結街道を防衛するために市東さんの畑に結集した時は、反対同盟と支援の労働者・学生が心から一体となって闘えたことに感動しました。
 11月14日に開かれた横浜APEC粉砕闘争で私は「TPP絶対反対!
労働者と農民は『国益』と闘い、戦争への道を阻止しよう」と題した反対同盟声明を読み上げました。国際連帯の力強い前進が感じられる集会とデモでした。
 青年労働者・学生のみなさんに訴えたい。戦争が始まろうとしている中で「黙っていることは戦争に加担することであり、反対の声は行動にしなければならない」と。
 恐慌が深まる中、資本主義は労働者・農民に矛盾をしわ寄せしながら生き延びようとしています。TPPによる農業切り捨てを許せません。私の福祉職場でも、人員が削減されているのにますます労働強化されています。生活相談は低所得世帯から急増しています。「この社会を変えたい」と願う人は、三里塚に結集しともに闘おう。

 “市東精神”広げる 白枡 伊藤信晴さん

 大恐慌情勢のもとで社会全体が激動の中に置かれています。
 私たち反対同盟は2010年、動労千葉を先頭とする闘う労働者、TPPによる農業破壊に立ち向かう全国の農民、米軍基地に反対する沖縄人民、韓国民主労総の同志たち――こうした人びととの豊かな交流を深めてきました。
 市東孝雄さんに対する農地収奪の攻撃は、団結街道封鎖、市東さん逮捕にまでいたりましたが、市東さんは反対同盟の先頭でまったく動じることなくいつもどおり畑を耕し闘いぬいています。
 「1億8千万円というお金よりも、1本100円の大根の方が大事」との名言は忘れられません。自然体を貫いている市東さんならではの言葉です。この市東さんの精神を全国・全世界に押し広げることが決定的だと思います。
 日本がTPPに参加した場合の農業への影響は、千葉県が発表した数字によれば、県産米の9割が外国産に置き換わり、残りの1割は価格が39%低下、農家の戸数は94%減少するという試算が出ています。もはや黙っていたらこのままでは農民も労働者も生きていけないところに来ています。
 動労千葉とのきずなを一層固くし、労農連帯を発展拡大させることが必要です。
 1047名解雇撤回・国鉄闘争全国運動の大発展とともに、全国に市東さんの闘いをあまねく知らせ、第3誘導路粉砕、農地死守・実力闘争を貫き勝利しよう。

 全学連に期待する 東峰 萩原富夫さん

 昨年は反対同盟が本当に激闘をやりぬいた実感がある。
 市東さんが逮捕された1週間後の5月24日、第3誘導路認可のための公聴会に対する弾劾闘争に立ち上がった。
 市東さんへの不当逮捕への怒りが自分の中にふつふつと沸いていた。このまま何もない平和的なデモで終わらせるわけにはいかないという気持ちもあった。警察による暴力的で不当な規制に対して怒りが爆発し、やまむにやまれず機動隊の阻止線に立ち向かい、逮捕された。
 この闘いで市東さんと連帯し、反対同盟の一員としての自分の覚悟をたたきつけた。
 市東さんを追い出すための第3誘導路、切り回し道路工事を許さない。 そして現地攻防と一体で、裁判闘争の取り組みはますます重要になっている。11月26日の農地法裁判で、NAAの代理人は、裁判長から「南台41−9」の畑について「現在も市東さんが占有しているという主張ですか」と見解をただされ、ついに「現在は占有していない」と答えてしまった。占有していないなら明け渡しを請求する意味がないじゃないか! 次にどんな言い訳を考えてくるのか楽しみだが、こんな裁判は即刻棄却されなければならない。
 5月から全学連が現地行動隊を派遣している。援農については初心者ばかりだが、まじめに取り組んでおり、精いっぱい激励してやりたい。
 2011年、労農学の力を結集し、ともに闘い勝利しよう。

 権力の暴挙に怒り 森田恒一さん

 政府とNAAの農民圧殺攻撃への怒りでいっぱいだ。
 団結街道閉鎖の暴挙! 市東さんが現闘本部わきの畑へ行くための営農道路であり、それを力ずくで閉鎖するとは、政府に刃向う者には生きる権利さえ認めないということだ。
 私は1917年の生まれで戦前の弾圧の実態をよく知っている。政府を批判する者は片っ端から逮捕され、拷問され、場合によっては殺された。小林多喜二などはその典型だ。
 1945年の敗戦を境に民主化された面はあるが、権力の人民に対するやり方、態度という点では体質はまったく変わっていないと感じる。
 戦前、朝鮮半島北端の会寧(フェリョン)で牧師活動を始めた私としては、朝鮮との深いつながりを現在も感じている。だからそこでの戦争勃発(ぼっぱつ)の危機はひとごととは思えない。
 特に成田空港や関西空港は、米軍作戦の空輸基地に組み込まれている。朝鮮半島での戦争は空港の軍事使用に直結する。許してはならない。
 こういう激動する情勢の問題も含め、2011年は旧年以上に激しい闘いの年となるだろう。反対同盟の一員として全力で闘いたい。

(写真 韓国民主労総を現地に迎えての交流会。国際連帯のきずなが一層強固に【11月4日】)

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週刊『前進』(2470号3面2)(2011/01/01 )

日誌'10 2010年 12月15日〜21日

 菅内閣が新防衛大綱を決定/韓国軍がまた射撃訓練

●防衛大綱を決定 菅内閣は、2011年度以降の10年間の防衛力のあり方を示す防衛計画の大綱(防衛大綱)を決定した。部隊を全国に均等配備する根拠としていた「基盤的防衛力構想」に代え、機動力や即応性を重視する「動的防衛力」を基本方針とした。民主党政権初の防衛大綱で、大綱改定は2004年以来6年ぶり。11年度から5年間の防衛装備の数量を示す中期防衛力整備計画(中期防)もあわせて閣議決定し、5年間の予算総額を23兆4900億円程度とした。(17日)
●武器輸出3原則は「堅持」 武器輸出3原則の見直しは、新防衛大綱や中期防での明記は見送られた。仙谷官房長官は「平和国家としての基本理念は引き続き堅持する」との談話を出した。(17日)
●菅「辺野古がベター」 菅首相が沖縄を訪問し、仲井真知事と会談した。菅は「普天間の危険性除去を考えた時、辺野古はベストの選択ではないかもしれないが、実現可能性を含めてベターの選択ではないか」と、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古へ移設する日米合意を履行する方針をあらためて表明した。(17日)
●もんじゅ装置落下「大きな事故ではない」 笹木竜三・文部科学副大臣は、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で職員らに訓示し、8月に起きた燃料交換用装置の落下事故について「安全上、大きなトラブルではない」と述べた。落下事故をめぐっては、日本原子力研究開発機構が16日、運転計画の1年近い遅れを公表し、「県民に多大な迷惑をかけた」と敦賀市などに謝罪したばかり。(17日)
●「尖閣開拓の日」可決 石垣市議会は、12月定例会最終本会議で、与党議員が提案した「尖閣諸島開拓の日を定める条例」を一部議員が欠席する中、出席議員の全会一致で可決した。同条例は1895年の閣議決定で釣魚台(尖閣諸島)を日本領に編入した1月14日を「尖閣諸島開拓の日」として制定。(17日)
●朝鮮情勢で安保理会合 国連安全保障理事会は、緊張する朝鮮半島情勢への対応を協議する緊急会合を開いた。11月23日の砲撃事件後、安保理がこの問題を正式な議題として全体で協議するのは初めて。(19日)
●韓国が射撃訓練 韓国軍は、黄海の大延坪島(テヨンピョンド)周辺海域で射撃訓練を実施した。韓国軍は11月23日、同海域で射撃訓練を実施したが、北朝鮮軍による砲撃で中断していた。(20日)
●前原外相、沖縄県知事と会談 前原外相が沖縄を訪問し、仲井真知事と会談した。前原は、民主党が県内移設に方針転換したことについて陳謝した上、辺野古移設を明記した5月の日米合意への理解を求めた。(21日)
●米、6カ国協議再開を否定 ギブズ米大統領報道官は記者会見で、北朝鮮は「責任ある態度で対話に臨むには程遠い」と述べ、核放棄に向けて具体的な行動を取らない限り、現時点での核問題をめぐる6カ国協議の再開は意味がないと強調した。(21日)

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週刊『前進』(2470号4面1)(2011/01/01 )

 階級的労働運動貫き労働者を獲得する4月選挙戦 議員座談会

 戦争・大失業と闘い抜く

  《出席者》

(写真左から 国賀祥司さん 大阪府泉佐野市議会議員【7期目】 泉州住民の会事務局長 関西合同労組特別執行委員)
西村綾子さん 神奈川県相模原市議会議員【4期目】 婦人民主クラブ全国協議会特別顧問)
北島邦彦さん 東京都杉並区議会議員【1期目】) 東京西部ユニオン執行委員 反戦共同行動委員会事務局長)
末光道正さん 大阪府八尾市議会議員【1期目】 八尾北医療センター労働組合特別執行委員/部落解放同盟全国連合会西郡支部顧問)

 2011年は重大な階級決戦の年だ。大恐慌の中で強まる戦争・大失業の攻撃と対決し、プロレタリア革命の勝利をめざして階級的労働運動の前進をかちとろう。4月に統一地方選挙が闘われる。杉並・相模原・八尾の選挙戦に絶対勝利しよう。階級的労働運動の前進のために闘う議員4氏に集まっていただき、大いに語ってもらった。(司会・編集局)

 4・9和解うち破った2010年

 大恐慌下に強まる労組つぶしと闘う

 司会 2010年の闘いを振り返って、どうでしょうか。
 北島 1年を振り返ってやはり一番印象的なのは、4月9日の国鉄1047名闘争の政治和解以降の状況ですよね。
 末光 大恐慌情勢下で、労働運動を新たにつくりかえられるかどうかがかかった1年でした。動労千葉と国鉄1047名闘争をつぶそうという大攻撃を、6・13大集会からの新しい国鉄全国運動で跳ね返す闘いに入った。私たちもその過程を八尾北医療センターの売り渡し攻撃への反撃と一体のものとしてとらえて闘ってきました。
 北島 4・9以降、国鉄闘争支援陣形の中心の組合で話も一切聞いてくれないところも出てきた。だけど聞いてみると、4・9の具体的な中身はまったく知らない。現場に何も伝えていないんです。
 末光 日本共産党が先頭に立って国鉄闘争を解体しようという4・9が、八尾市議会の中でも現れた。共産党が田中市長の手先となって八尾北医療センターの売り渡し攻撃をかけてきたんです。
 なぜ一片の議会の決定で年間5万人が利用している医療センターをつぶすのか。しかも私が医療センターの院長であることをもって、八尾北医療センターの利害に直接関係するといいなして、私を市議会の議場から排除して採決を強行した。前代未聞です。
 八尾北労組や西郡の住宅闘争が八尾市の800事業の民営化を阻む力になっている。だからたたきつぶしに来た。これが4・9情勢です。この意味を組合員もすごくよくつかんでいます。
 北島 杉並では山田宏が任期途中で区長を辞任して、日本創新党というファシスト政党の党首として7月の参院選に立候補した。4・9の一つの表れとして、杉並をファシストの拠点にしようとしたんです。もちろん選挙の結果、彼らははじき飛ばされた。他方、都議会民主党トップの田中良が区長になり、民主党・連合政権そのものとの激突が始まっています。

 11・7労働者集会 力と確信がわいた

 司会 11・7労働者集会は、いかがでしたか。
 西村 回を重ねている11月集会ですが、今回の11・7集会ほど展望を感じた集会はありません。若い人たちの力を肌で感じました。動労千葉を先頭に4・9の反動に立ち向かって、それを打ち返した。「闘う権利を互角に持っているぞ」と宣言したことに、ものすごく感動しました。
 国際連帯闘争も、毎年の訪米や訪韓など具体的な交流を基礎に大きく発展しています。各国の労働者が集まって、コミンテルンの芽ができている。とてもうれしくて、エネルギーをもらいました。
 末光 11・7に向けては、活動家が「4・9をうち破ろう」というところで転換がありました。共産党を始めあらゆる勢力が支配の側に行ってしまった今、「自分たちがここで頑張るんだ」というところからさらに前に出て、私たちが労組丸ごと、支部丸ごと獲得して、6千万労働者と300万部落民の先頭に立つ。日々医療や介護を担っている労働者や、住宅追い出しに怒りを持つ地域の労働者の怒りと誇りを、私たちがきっちりと団結に結びつけていく。そういう転換が必要だとはっきりさせて、強固な団結をつくることができたんです。
 国賀 新しく労働組合を立ち上げた労働者が初めて11・7に参加しました。感想を聞くと「世界中から集まってきたのはすごい」。ずっと行っている人は、とりわけ国際連帯闘争の前進にすごく確信を持っていましたね。
 北島 11・7集会は、かつてない激しい党派闘争の中で迎えました。結果、初参加者がすごく増えた。4・9情勢と切り結んで勝ちぬくことができたと思います。
 西村 私自身は11・7へ向かって、議会での闘いと労働者の組織化を一体的にやりぬくことができました。思わぬ支持者の方の参加をいただいたり、今回初めて手紙をくれた自治体労働者も参加しました。そういう組織化ができて、一歩踏み出せたと思っています。
 末光 11・7集会直後の11月10日、実質1回目の八尾北医療センター明け渡し裁判があって、労組丸ごと決起しました。95の傍聴席に、支援を含め107人が集まって、法廷に入りきれなかった。ここまで労組が決起したのは決定的です。
 国賀 11月にいたる過程では、連帯労組関生支部のストライキのインパクトが強烈でした。大阪駅前の一等地の工事が止まったんですから。関生支部の高英男副委員長は「小さい労働組合でも、覚悟を決めて団結して立ち上がればここまでできることを示した」と言って、すごい確信を持っている。動労千葉と一緒ですよね。
 関生は国鉄全国運動を自ら担おうと、10月15日の関西集会にも大挙参加した。関生のすごい決意と覚悟に関西の労働者はみな感動しています。
 司会 国賀さんは5月に7選を果たしましたね。
(写真 「八尾北医療センター売却を許すな」と怒りのデモ【10月】)

 党の変革をかけて闘った泉佐野選挙

 国賀 はい。選挙戦をとおして、活動のあり方も随分変えて、自治体の労働者と市民全体にかけられた攻撃である泉佐野市の財政健全化計画と闘う選挙戦と位置づけて闘いぬきました。
 すごい分岐が起きました。トップ当選した新人候補は大阪府知事・橋下に連なる人物で、公務員を徹底バッシングして4千票を得票した。僕は「財政健全化計画は市民生活の破壊につながる。公務員の給料を減らすな。人数を減らすな」と訴えて、新しい支持者を獲得して当選した。階級的労働運動路線で勝負して、選挙後に新しい労働組合を結成することもできました。
 北島 闘い方の転換をめぐり、かなり議論したそうですね。
 国賀 党全体が路線を貫いて労働者を獲得する選挙戦にしようと闘った。重視したのは、保育所と市立病院で働く労働者への働きかけです。「民営化、非正規化に反対して闘おう」と訴えました。
 大恐慌情勢下でいかに路線を実現していくのかをめぐって、さまざまな意見が出て、激しく議論しました。それはすごく大切なことです。路線的一致のために徹底的に討論し、とことん闘う。これは選挙戦に限らず、どの地区でも共通の課題だと思います。
(写真 関西空港の米軍基地化阻止!7月4日の泉佐野現地デモ)

 公務員360万人首切り粉砕へ

 保育所・幼稚園の民営化めぐる攻防

 司会 全国どこの自治体でも、民営化との闘いが焦点ですね。
 北島 今の最大の攻防は、菅民主党政権の「子ども・子育て新システム」による公立保育所・公立幼稚園の民営化攻撃です。
 末光 保育所と幼稚園の公務員労働者60万人を解雇しようとしている。攻撃はものすごく激しい。
 北島 このかん、保育園の民間委託や指定管理者制度が進んできたけれど、杉並には今、区立保育園が44園あり、この数年で4園しか民間委託できていない。この現実を突破しようとしている。
 末光 私もこのかんの懇談会でいろいろ分かってきたんですが、今まで保育労働者の運動を解体するためにいろいろやっても、その都度、保育労働者の闘いが止めてきたんですよね。
 国賀 幼保一元化で失敗したんです。だから今度は、民主党政権が今の保育士と幼稚園教員をみな解雇して、「子ども士」を入れて回そうとしている。
 末光 国鉄分割・民営化と同じやり方です。
 国賀 そう、全員解雇です。 
 「新システム」の核心は労働組合をつぶし、国の補助金を大幅に減らすこと。介護保険と同じく当事者負担だから、保護者の負担はがんと増える。正規60万人を首にして非正規を80万、90万に増やす。公立保育所をたたきつぶすことをとおして、公務員労働者360万人首切りに進んで行こうとしている。大きな攻防点です。
 西村 相模原でも「待機児解消」を掲げていろいろやったけれど、市は民営化をやりきれなかった面がある。それを国の施策で強行しようとしている。全国で連帯して闘う必要があります。
 末光 ところが共産党は、公務員労働者の大量解雇の問題だということは絶対に言わない。
 国賀 先日、保育所の保護者会の会長、副会長らが僕のところに来て、「新システムを止めるために、議会でぜひ頑張って欲しい」と言われました。全国保育団体連絡会(全保連)というのは共産党系の団体だけど、全保連の署名運動は「すべての子どもによりよい保育の保障を」という内容。「新システム反対」ではない。保育士の解雇や非正規化のこと、保育も金もうけに変えてしまうことは言わない。国鉄分割・民営化の時に「公的交通機関を守れ」としか言わなかったのと同じです。だから、攻撃の本質が分からない。
 西村 議会内でも、4・9反革命の具体的現れを実感します。指定管理者制度への移行も、共産党は一部にしか反対しない。
 北島 そう、自分たちがかかわっている事業体が指定管理者に指定されたら、共産党は賛成するんですよ。
 西村 そうなんです。だから議会の中では民営化反対は私一人。
 「子ども・子育て新システム」との闘いも、議会はもちろんですが、やはり現場の闘いが勝負です。保育園を回っても、民間委託されてしまった職場の労働者は大変な状況でみんな怒っています。そこにアプローチしていきたい。

 青年労働者との新たな出会いの場

 北島 僕も国賀さんに学んで、保育園の前でビラを配っています。保育労働者は若い人が多い。子どもを迎えに来る保護者も青年労働者。そういう労働者とも、保育園の前で出会える。おじいちゃん、おばあちゃん、高齢の支持者にも出会える。
 国賀 保育士は労働組合で頑張っている。だけど現業全体を見ると、直営率ががんと減らされて、どこも組合活動が厳しくなっている。病院も受付、調理場などの民間委託が進んで活動家がパージされ、看護師は超過密な勤務をやらされ、組合活動の時間をつくるのも大変な中で格闘している。そうした中で、保育労働者への攻撃が強まっている。この現業労働者の怒りをどう組織していくかが課題です。
 北島 杉並では田中良区長が山田区政から一定程度、転換していることに対して、日本共産党も市民派もみな「英断を高く評価する」となっている。ところが、田中区長は「新しい公共」論で、山田以上に民営化を推進していこうとしています。区で働く労働者の半分以上がすでに非正規です。区で働く労働者とともに闘う労働運動をつくり出したい。
 西村 現業部門の清掃労働者の問題もすごく重要です。きちんと取り組んでいきたい。
 北島 僕も執行委員をやっている東京西部ユニオンに自治体関連分会を立ち上げて、非正規の労働者の組織化を始めています。今までは動労千葉の物資販売も、民営化された職場は二の次にしてきた。今はどこでも回って、非正規の人しかいないところ、民間労働者しかいないところにも労働組合をつくろうと進めています。
 国賀 議員である僕らの闘い方も、はっきりさせていくことが重要だと思う。僕もかつてはすぐ「議員として何をしたか」という発想で考えていた。だけど労働組合を組織することにのめり込んでいって、「労働組合と一緒に何をしたか、どこまで進んだか」という発想に変わってきた。
 北島 僕も議員活動について「労働者の組織化が第一だ」とは思ってきたけれども、ようやくその具体的な形、方法が見え始めて、今年の選挙戦に向けた構えができた感じです。
 国賀 発想も「この問題を労働者ならどう考えるのか」と考えるようになった。例えば、子どもが保育所に定員オーバーで入れないという場合も、保育労働者の立場から「職員の人員を増やせ」「園を増やせ」と要求する。それは保護者も労働者として組織するということでもあるんですよね。
(写真 呼びかけ3労組が先頭に立った11・7労働者総決起集会のデモ)

 戦争絶対反対貫く労働運動

(写真 北島さんを先頭に「朝鮮侵略戦争阻止!」訴え渋谷デモ【12月】)

 動労千葉の闘いを全職場に広げたい

 北島 12月3、4日、動労千葉がストライキを闘いぬいた。そして3日に渋谷で、反戦共同行動委員会の主催で「朝鮮侵略戦争絶対阻止、菅民主党政権打倒」を掲げてデモをやりました。動労千葉のストと一体となって、唯一私たちが渋谷デモを打ちぬいたのは決定的でした。
 動労千葉のストライキの最大の争点はローカル線切り捨てと検修業務全面外注化との闘いですが、朝鮮侵略戦争反対のストライキでもあった。戦争に協力を強いられる労働者がストライキでこれに反対していく。これこそ階級的労働運動の真価です。また「労働者の国際的団結で戦争を止めよう」という、11月集会の地平を実践に移した闘いだったと思います。こうした動労千葉の闘いを全国の現場にがんがん伝えていきたい。
 末光 87年の国鉄分割・民営化と軌を一にして部落解放闘争解体攻撃が襲いかかってきました。応能応益家賃制度の改良住宅への適用も、八尾北医療センターの民営化攻撃もここから始まりました。これらの攻撃を新自由主義攻撃ととらえられた時、西郡や八尾北の闘いは国鉄闘争と一つとなり、絶対反対の階級的団結にこそ勝利があるんだとつかんだのです。
 国鉄闘争全国運動を担うということは、何よりも自分の職場・地域で動労千葉のような闘いをつくり出すことです。
 北島 1年間の闘いをとおして、闘う労働組合運動を現場からつくり出していくカギはやはり、国鉄闘争全国運動だと実感しています。国鉄闘争は、労働者が団結して首切りに断固として闘えば勝利できることを示しています。「もうカネをもらって解決したじゃないか。いつまでも『解雇撤回』なんて言っているのはあんたたちだけだ」という4・9反革命攻撃に勝ちぬく必要がある。
 動労千葉は、12月ストでも青年労働者を含む3人の組合加入をかちとった。闘ってこそ組織拡大も実現できる時代です。動労千葉物販や国鉄闘争全国運動を労働現場に持ち込み、共感と一致をかちとっていく、闘いの機運と行動を生み出していくことにすべてがかかっています。
 末光 今、闘う労働組合が誰にもはっきりした形で力強く登場することが必要です。民主党や共産党のもとにある組合執行部は完全に屈服し、闘いに敵対している。八尾でも動労千葉のように旗をちゃんと見せて、青年労働者に「ともに闘おう」と訴えていく――そういう役割が求められていると思っています。
(写真 動労千葉は12・3〜4ストライキで3人の組織拡大を実現)

 日本共産党の排外主義宣伝と対決し

 北島 杉並区議会も釣魚台問題で中国弾劾決議を上げました。自民党や民主党、社民党、日本共産党の議員も意見書提案者になり、45人が賛成、反対したのは3人だけです。今までの社共のような戦争反対論は崩壊しています。
 西村 相模原は基地の街で、戦争と基地、安保の問題は大きな柱です。12月議会で、社民党も共産党も、米帝の朝鮮侵略戦争については一切言わない。中国釣魚台の漁船衝突事件があった9月に、議会で私が「労働者に国境はない」と発言したら、めちゃくちゃなやじが浴びせられました。さまざまなところで排外主義があおられ、屈服と絶望が組織されようとしている。これを軽視せず、議会の内外で侵略戦争と基地に反対して、全力で闘っていきたい。
 末光 共産党は釣魚台問題で「日本固有の領土だ」と言って中国を非難した。労働者には領土問題など存在しないにもかかわらずです。さらに朝鮮の戦争危機では北朝鮮を真っ先に非難した。そのことと八尾北労組への攻撃は完全に一つの問題です。敵は同じ攻撃をかけてきている。11月集会に集まった労働組合の新しい潮流によってしか、この戦争への流れをうち破れない。これが本当に発展すれば絶対にうち破ることができる。その闘いがついに始まったんです。
 北島 11月の南北朝鮮の軍事衝突以降、何回も街宣に出ていますが、街頭では反動的な対応は全然ない。やはり労働者の中には戦争に対する危機感と、「戦争は嫌だ。絶対にしてはいけない」という反戦意識が確実にあります。だから、「労働者のストライキと国際的団結で戦争は止められる」ということをがんと訴える者がいる時、圧倒的多数の労働者の戦争反対の声が束ねられる。とても重要な正念場です。
 国賀 日本共産党は本当に戦争が近づいてきた時に反革命として登場する。泉佐野の12月議会では自民党ではなく共産党が「北朝鮮抗議決議案」を出してきた。戦争の時代はこういうスターリン主義反革命の正体が現れてくる。それと闘って、闘う労働組合運動をつくっていかなければならない。
 既成の部落解放同盟本部派もひどい。保育所民営化、指定管理者の受け皿になって、利権にしている。民営化攻撃、公務員首切りを進める権力の手先になっている。これも4・9情勢だし、戦争情勢です。新自由主義と闘う部落解放運動をつくり出すことは、戦争反対の大事なテーマです。

 相模原と関空の戦争拠点化を阻む

 司会 相模原や泉佐野では、戦争拠点とされることへの闘いも重要になりますね。
 西村 相模原では陸上自衛隊の即応集団司令部の配置が2012年です。戦争体験者としても、なんとしても戦争への流れを阻まなければと思っています。
 国賀 私は毎年11月に、関西空港をめぐる抗議申し入れを大阪府と大阪航空局にやっています。関空や成田空港がいよいよ軍事空港になる状況が切迫している。府知事・橋下が「普天間代替基地を関空へ」と言うなど、国は関空を侵略拠点にしようとしている。三里塚闘争と固く団結して闘っていきたい。
 戦争に向かう過程では必ず労働組合の破壊が始まる。日航の労働者への解雇と労働組合つぶしはその先駆けです。絶対に許せません。ストライキで闘おうとしている客室乗務員組合と連帯して闘います。
 西村 相模原市は10年4月に政令指定都市になりました。最大の問題は、大恐慌下に労働運動をつぶして、全体を翼賛化して、議会制民主主義も一切つくり変えることです。資本の救済のために新しい福祉事業で稼がせる。それを基礎自治体という形で丸ごと企業に開放する。保育を民営化しても、委託料という形で、税金は企業に流出していきます。町ごと村ごと餌食になるわけです。私たちの税金がますます資本の餌食にされていく。
 政令指定都市化により、1134項目の事務事業が県から市に移管しました。にもかかわらず、職員はこれまでより減らす。それ以前に行われてきた地方合併で職員を減らし、政令指定都市化でさらに減らす。しかも3分の1は非正規にする。こういう構図です。
 政令指定都市化は、まさに道州制攻撃です。公務員360万人首切りがこうやって進められていることを実感します。

(写真 米軍相模総合補給廠へ抗議のデモ。右端が西村さん【3月】)

 国鉄全国運動を武器に闘う

 司会 4月の統一地方選と2011年の闘いに向かって、抱負と決意を聞かせてください。
 末光 大恐慌と戦争が始まり、労働者や住民の闘いに追いつめられているのは、資本家階級と菅政権、八尾の田中市政です。だからこそ彼らは、800事業民営化を強行するために、新自由主義の切っ先として「心づけ」を口実に大阪市の斎場労働者の大量懲戒解雇など部落に攻撃を集中し、差別で労働者を分断し、労働運動全体を壊滅させようとしています。それが住民追い出しであり、八尾北明け渡し攻撃です。これこそチャンスです。八尾北労組が地域の団結の砦(とりで)へと大きく飛躍するのがこの選挙戦です。2011年はここにかけきって闘いたい。みんな、生き生きと「やれる」という確信を持っています。
 私も10年の八尾北労組大会で特別執行委員に選ばれました。その立場で八尾市議会でも発言しています。そして市内のいろんな職場に実態を調べに行きました。そこで働いている青年労働者に質問して、それをもとに議会での質問もしました。こうした労働現場と一体の闘いを、さらに強めていきたい。
 「北小路敏さんの闘いの軌跡」のDVDを見て、60年安保から70年闘争の過程を思い出しました。学生・青年労働者は戦争に反対して必ず決起する。今、その時が来ました。僕自身、若い時の気持ちを燃え立たせて、1年間の決戦をやり抜きたい。

 労働者の力を集め4月選挙勝ちぬく

 西村 国鉄闘争全国運動を武器にして闘う決意です。2月に国鉄全国運動・相模原の結成集会を地元の労働者とともにかちとりたいと思っています。労働運動の力で戦争を阻止する、戦争反対の声をもう一度つくり上げていく闘いの中に選挙闘争の勝利もあると思います。
 政令指定都市になったために選挙区が3分割されました。議員定数も減らされ、党派闘争もあり、大激戦です。選挙闘争は、地域全体を対象に、労働者階級としての闘いをつくり上げていく闘いです。あいまいさなく闘って勝利を切り開きたいと思います。
 大恐慌のもとでのものすごい歴史の転換点に、4月の私たちの選挙があります。やりがいがある闘いです。「よくここまで来たな、いざ!」という思いです。全国が同じ歩調、同じ路線で闘えるのもすごく大切なこと。頑張ろうと思います。

 田母神・山田らのファシスト許さぬ

 北島 元空幕長の田母神や前区長・山田らが、「日の丸」デモに青年や学生を組織しようとしている。こういう右翼ファシスト連中との対決も、11年の重要な闘いだと思います。
 地域で階級的労働運動路線を物質化することが本当に求められている。最大のカギは地区党が路線で団結して闘うことだと思う。それが労組交流センターの闘い、ユニオン、合同労組の闘いという形で具体化した時に、われわれ自身が真の労働者党に飛躍できる。膨大な労働者階級を一気に獲得する力を持つことができる。地区党の路線的一致、団結を強固にし、国鉄闘争全国運動を闘うことをとおして労働者を組織し、戦争反対で闘っていきたい。階級的労働運動を発展させるための選挙闘争として闘います。
 国賀 大恐慌と戦争、大失業の時代、われわれが未体験の時代に入りました。いよいよわれわれが蓄積してきた力を発揮できる時代の到来です。具体的には、青年を大勢獲得して戦争を止め、革命を実現できるような闘いをやっていく。特に自治体労働者の組織化の闘いです。2011年はきっとみんなで闘える年になると思います。
 全国の闘う労働者・学生の皆さん、2011年をともに大進撃しましょう。
 司会 ありがとうございました。

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週刊『前進』(2470号5面1)(2011/01/01 )

 北中城村議会議員、元全軍労労働者 宮城盛光さんのメッセージ

 朝鮮侵略戦争阻止へ 沖縄も今年は決戦だ

 全国の闘う仲間のみなさん。新年あけましておめでとうございます。
 昨年は沖縄統一地方選挙の年で、私も北中城(きたなかぐすく)村議会議員選挙で7期目の選挙戦を闘いました。選挙戦は保育所民営化問題が最大の争点になり、私は唯一の絶対反対候補として闘いましたが、そのことをめぐって選挙戦自身がかつてない激しい闘いになりました。社民勢力を先頭にすべての既成勢力・体制内派がまさに総がかりで私を落とすために猛然と襲いかかってきたのです。しかし闘う仲間や保育所で働く現場労働者の熱い支援によってこれをうち破り、見事に当選をかちとることができました。
 この勝利は本当に大きなものがありました。今の大恐慌情勢の中で、4・9反革命というとてつもない大反動に対して、絶対反対派として、動労千葉派として、民営化に絶対反対し、資本主義・帝国主義の打倒を掲げて闘いぬき、勝ったということです。勝利の核心は、こうした路線と労働者の団結の力で闘いぬいたところにあったと思います。
 私が2011年の初めに考えることは、何よりもこの大恐慌情勢の中で、労働者が社会の主人公として、元気で働いていける世の中をつくること、それを闘いとっていくことだと思っています。
 昨年は、日帝・菅政権や日本経団連の会長などが、労働者の首切りと大失業化、民営化と非正規化、パート化などを推し進め、労働者が働いても働いても搾取される、ますます貧困化していく、そういう世の中を強制してきました。とくに沖縄は失業率が最悪で全国平均の2倍、青年労働者にいたっては失業率20%を超え、高校や大学の就職内定率も全国最低という状況です。
 しかし今年は、労働運動の力で、こうした世の中を根本から変革していく決定的な年にしていかなければなりません。その展望は大いにあります。まさに昨年11・7全国労働者集会に結集した5900人が団結を固め、闘う労働組合をよみがえらせる道を押し広げていくことです。具体的には、動労千葉を支援し、動労千葉とともに闘い、階級的労働運動をあらゆる産別・職場でゴリゴリと推し進めていくことです。そして国鉄闘争1047名解雇撤回の全国運動を前進させていくことです。さらに国際連帯を大きくして、闘う動労千葉や関西生コンの闘い、そして組合の団結でストライキをかちとった世界のすべての労働者と結びつき、闘っていくことです。ここに勝利の核心があると思います。
 そして沖縄の闘いも、いよいよ決戦に入ります。日帝・菅政権は、普天間基地の辺野古への移設=新基地建設に向かって激しく動いています。12月に来沖した菅は、「(移設先は)辺野古しかない」と強調しました。今こそ絶対阻止の闘いを全力で闘いぬき、辺野古新基地建設阻止、安保粉砕・基地撤去の闘いをつくっていくことだと思います。
 今年は、いよいよ日米帝国主義の朝鮮やアジア侵略戦争を阻止するために沖縄の闘う労働者・民衆が決起する年です。
 さらに今年は、全国で選挙闘争が闘われます。私は、三里塚空港反対同盟の空港を廃港にする闘いや星野文昭さんを獄中から取り戻す闘い、百万人署名運動、裁判員制度廃止を闘う勢力とともに、何よりも国鉄1047名解雇撤回全国運動、11月全国労働者集会に結集する闘う議員と固く連帯して2011年の決戦を闘いぬく決意です。ともにがんばりましょう。(写真は11・7労働者集会にて)

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週刊『前進』(2470号6面1)(2011/01/01 )

 憲法と人権の日弁連をめざす会 森川文人弁護士新年の抱負

 「司法改革」にトドメさし闘う弁護士会を再建する

 裁判員制度の反人民性と破綻が誰の目にも明らかとなりつつある。制度をつぶすことが可能な情勢だ。裁判員制度はいらない!大運動や司法改革絶対反対・改憲阻止の先頭で闘う、憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士から新年のメッセージを頂いた。(編集局)

 新自由主義は破綻した

 昨年2010年は、新自由主義の破綻と、財政投入などでもがく国家の行きづまりがあからさまになった。すなわち、資本主義の「このまま」の世界にはもはや展望はない、打つ手なし、ということだ。だからこそ戦争による突破を図ろうとしているのであり、時代の転換点に差し掛かっていることは明らかだ。
 若者にとって奨学金という借金を背負って大学を卒業しても、内定率56・7%という大失業の世界が待っているだけである。
 もはや「この世界」、すなわち資本主義社会を救済することも、修正することもできないということがはっきりしたのが2010年だった。
 司法の分野でも、「司法改革」路線、すなわち裁判員制度、弁護士激増政策、ロースクール制度のいずれもが、あまりにも歴然と、そして無様に破綻の姿をさらしている。

 貧困化する若手弁護士

 ついに100万通に達した裁判員候補者通知=「現代の赤紙」は、国民から圧倒的に拒否されている。また、「国家による殺人」に動員されることの重さは、この制度自体のいびつさを浮き彫りにした。
 弁護士激増路線、司法試験合格者2010年3千人構想は、すでに頓挫し(昨年2074人)、弁護士、とりわけ若手弁護士の貧困化は社会問題になっている。ロースクール学費による借金を抱えたまま受験資格を失う者も1千人に達し、資格を取得した者も昨年末には300人近くが就職先事務所が見つからない。「弁護士失業時代」の到来だ。
 ロースクール制度は、現在の大学と同じく、「法曹養成教育の民営化」であり、その高額な学費、低い新司法試験合格率(25・4%)などから「国家的詐欺だ」との怨嗟(えんさ)の声が上がるとともに、大学における法学教育じたいの解体のうえに、「法的サービス業」しか生み出していない。
 「司法改革」は新自由主義攻撃の中軸のひとつであり、労働者・民衆とともに闘う弁護士の壊滅を狙った攻撃だ。それでも、日弁連執行部はこの路線にしがみつき支えようとしている。

 力を合わせ共に未来を

 弁護士にとっての今年2011年の課題は、資本の最後のあがきである新自由主義「攻撃」、とりわけ「司法改革」にとどめをさすべく、執行部を打倒し自分たちの弁護士会を再建することである。
 昨年、登場した日弁連宇都宮執行部は、弁護士激増路線について既定の3千人ではなく1500人を掲げて選挙公約化しながら、当選後は一切方針化しないというごまかしに終始している。司法修習生の給費制の維持や新人弁護士のサポート構想と称して、救済のポーズを装いつつ「司法改革」路線をつっ走っている。
 弁護士も労働者も徹底的に分断されようとしている。だからこそ、資本主義的競争、功利の概念から抜け出し、仲間として団結し、力をあわせて突破しなければ、われわれにも未来はない。急速に具体化する戦争情勢と押し迫る貧困化こそ現実であり、この現実があるから、怒り、闘うことに展望を見出せるのだ。そして、われわれが力を合わせれば、戦争も裁判員裁判も阻止し、われわれの新しい時代を迎えることができるのだ。
  昨年も国鉄闘争全国運動、沖縄反戦、裁判員制度粉砕を、弁護士戦線は労働者・学生に合流して闘い抜いた。また、法大弾圧裁判、国労5・27臨大闘争弾圧裁判等を、司法権力と勝利的に対決して進めている。
 2011年は、さらに弁護士が団結し、労働者民衆と連帯し、ともに未来をつかみましょう!

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週刊『前進』(2470号6面2)(2011/01/01 )

 無実の星野文昭同志 獄中メッセージ

 星野再審闘争に絶対勝利し労働者の団結で権力打倒を

 全人民獲得する11月の地平

 2010年、私たちは、労働者・人民が資本・権力と闘い未来を開く道を放棄し、搾取と戦争に奴隷的に屈服する「4・9政治和解」を根底から打ち砕きました。
 闘う労組、労働運動を甦(よみがえ)らせ、国境始めあらゆる分断をこえた労働者・人民の団結した力で、人間そのものを解放する闘い(プロレタリア世界革命)がすべての労働者・人民を獲得する地平を私たちは手にしています。それが11月闘争であり、そして国鉄闘争全国運動、動労千葉(関西生コン)、沖縄、三里塚、法大、諸闘争が獲得しているものです。
 資本主義は、1974−75年恐慌ののりきりをかけた新自由主義の果てに大恐慌を引き起こし、そのさらなる深化・大破局、戦争による殺し合いの道に全世界をたたき込もうとしています。

 階級的団結に唯一の未来が

 これに対する労働者人民の怒りは蓄積し、全世界で闘いに決起しています。大恐慌への財政投入は、天文学的な財政赤字を生み、新たな経済的国家的破綻、大破局を生もうとしています。
 このもとで、未整理の過剰資本、あふれる過剰資金は、資本・国家間の生きるか死ぬかの争闘戦を激化させています。それは為替・貿易戦争、市場・資源・勢力圏をめぐる争闘戦、侵略戦争・戦争として爆発します。イラク・アフガン、釣魚台(尖閣列島)、朝鮮をめぐる緊張・戦争は、そこで引き起こされています。
 問われていることは、再び、洪水のような排外主義によって分断され、それに屈服することで資本・国家間の争いに動員され、殺し合いを担わされるのか、そうではなく、それを強制する資本・権力をこそ、国境をもたないひとつの階級として、生産を担い、社会を動かしている労働者階級がひとつに団結して倒し、その手にすべてを獲得し、全世界の労働者・人民が補い合い助け合って人間らしく生きられる社会を開くのか、ということであり、この後者の道に、私たち全世界の労働者・人民の唯一の未来があります。

 国鉄全国運動が実践的課題

 「4・9合意」は、1047名・国鉄闘争を屈服させ、資本・権力が労組を破壊し、労働者を分断し、対立させ、解雇・賃下げ、非正規化の自由を認めさせ、新自由主義との闘いを根絶やしにしようとするものでした。それを受け入れることは階級性の放棄であり、ブルジョアジーの側への移行であり、戦争協力・翼賛・先兵化へ一足飛びに向かう以外の何ものでもありません。
 私たちにとって妥協の余地はありません。これを徹底的に批判し、粉砕し、労働者としての誇りと力を解き放ち、闘う労組、労働運動を甦らせ、その力で資本権力を圧倒し倒し、解放をかちとる新たな国鉄闘争全国運動と11月運動に全労働者・人民を獲得し組織することが、私たちの実践的課題です。
 大恐慌下の資本・権力が争闘を激化させ、解雇・賃下げ・非正規化、大増税、そして戦争によってまともに働くことも生きることもできなくさせている資本主義は歴史的生命を終えています。これを終わらせ、本物の人間社会を実現する力を労働者は持ち、その歴史的条件が整っています。
 すべての労働者・人民に等しく攻撃を加えている資本・権力に対して、あらゆる分断をのりこえひとつに団結して、職場・地域、全世界で闘い、彼らを打倒して、社会的生産力を社会有とすることを土台に、自らを社会の主人公として解き放ち、社会生活のすべてを補い合い助け合い、誰もが人間らしく生きられるものとして運営していく道が、唯一現実的な未来を約束する道です。
 今日、新自由主義への怒りが自民党支配を終わらせ、それに代わった民主党政権が、一層、解雇・賃下げ・非正規化・大増税と戦争にのめり込もうとしていることへの怒りが、私たちの闘いと結合する時、闘いは、全世界の労働者・人民が一つに団結した力で、民主党=連合政権もろとも資本主義・帝国主義を打倒し、本物の人間の共同社会をつくります。
(写真 11月27日に東京で開かれた星野再審全国集会。450人が参加し、獄中36年の星野同志を1日も早く奪還しようと誓った)

 星野無期への怒りで再審、無罪、釈放を

  こうした、今日手にしている闘いの地平は、私たちが獄壁を打ち破り、真に獄内外一体に生き闘い、無期及び全現実に向き合い勝利することで獲得しているものでもあります。
 そして、今日動揺と崩壊の危機にある権力が、この闘いを圧殺するために、すべての弾圧と一体に星野無期を、今も無実を百も承知で強い、36年間投獄していることへの怒りを根底から解き放ち、一日も早い奪還、再審・釈放をかちとる取り組みを一層強めましょう。
 体制の保持と延命、労働者・人民の怒りと闘いの圧殺のためなら、真実がどうであろうと、無実が明らかであろうと、検察の意図的ストーリーによる供述を強制して虚構を作ることが今日満天下に明らかになっているなかで、星野において、当初の青年労働者を狙った弾圧が完黙の闘いで破綻した検察が、当時少年だった学生を脅し、うその供述を強制したこと、そして私の服の色が供述の色と違い、現場直後の写真で私が手にした紙を巻いた棒にまったく傷の痕跡がないことでうその供述が崩壊しています。
 これ以上、無期を強い投獄を続けることをやめよ、一日も早く再審を開始し、無罪とせよ、即時釈放せよの声と闘いを労働者−学生・市民を始め全社会的に広げ、かちとろう。自らと仲間、すべての労働者・人民の力を信じ、その団結した力で資本主義・帝国主義を終わらせ、本物の人間社会を実現しよう。
 2011年をともに闘おう。
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■星野文昭同志

 71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で無期懲役。08年7月最高裁が特別抗告棄却。09年11月27日第2次再審請求。徳島刑務所在監、獄中36年。64歳。

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週刊『前進』(2470号6面3)(2011/01/01 )

新刊紹介 戦後労働運動と反合・運転保安闘争

 労働者学習センター・ブックレット特別号

 動労千葉はいかにつくられたか

 伊藤晃さんら4氏の講義・講演録

 船橋事故闘争で新たな路線確立

 本書は、動労千葉の基軸的な路線である反合・運転保安闘争路線について、4氏がさまざまな角度から解明し闘うことを訴えているものである。労働学校と労働運動史研究会での講義・講演をもとに編集されている。
 最初に、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが、日本近代史研究者の立場から、「戦後労働運動史の中の船橋事故闘争」と題して、動労千葉の船橋事故闘争が戦後労働運動――総評に代表される「反合理化」運動の限界を克服する新しい路線をつくり上げたことを解明している。伊藤さんは、まず、動労千葉が運転士への事故責任の転嫁に反対したことに着目し、「事故は闘争にならない」という伝統を打破し、これを合理化反対、運転保安闘争の飛躍につなげたことの意義を明らかにしている。それは伝統的な反合理化闘争に転換を迫るものである。そして動労千葉の運動のつくり方、40年にわたりひとつの集団的意思のもとに闘い抜いた点などの重要性を指摘している。「安全は思想であり哲学である」と言い、労資の対立の中で労働者のヘゲモニーのもとに闘われたのが反合・運転保安闘争であると、その意義を明らかにしている。

 布施顧問が創成期を豊かに語る

 動労千葉顧問の布施宇一さんは、故中野洋前委員長とともに、青年時代から動労千葉という労働組合をいかにつくり上げたかを、「マル生・船橋事故・基地統廃合……私が職場でやったこと」と題して語っている。布施さんは、30歳で千葉気動車区支部の書記長になり、マル生闘争から船橋事故闘争、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争、そして分離・独立に至るまで一貫して動労千葉の先頭で闘い抜いた。職場・生産点にこだわり、先輩たちへのオルグを含めて、組合員を三里塚闘争などに動員していった経験などは、現在の青年労働者にも示唆に富む。

 反合理化闘争の歴史的な総括

 労働学校講師の増田明生さんは、合理化攻撃が「帝国主義の危機の時代、世界革命の時代の産物」だと提起し、アメリカのテーラー・システムに始まり、ドイツ革命圧殺後の「合理化運動」を解明し、日本の生産性本部を先頭にした合理化攻撃の実態を暴露している。そうした生産性向上運動と対決できなかった総評労働運動について、三池闘争とその敗北の教訓などを明らかにしている。
 そして、国鉄反合闘争の歴史に触れ、動労千葉の階級的な青年労働者集団が、動労千葉を階級的労働運動派で固めて船橋事故闘争に勝利していく過程を追っている。
 田中康宏委員長は、「反合理化闘争を自分の職場、自分の産別でつくって欲しい」と提起した上で、国鉄闘争全国運動こそが、戦後労働運動の歴史をのりこえる闘いをつくり出すものであることを明らかにしている。国鉄闘争の持っている位置の大きさと動労千葉が築き上げてきた地平が、この全国運動に生命力を与えている。それは大恐慌情勢と新自由主義攻撃に対決するものであり、階級的労働運動をつくり出すものだと提起している。
 後半では、田中委員長が国鉄に就職した1976年以降、分割・民営化反対闘争に至る闘いの歴史と、JR体制下の闘いを語っている。特に「ニューフロンティア21」が出されて、翌01年に委員長になって以降、反合・運転保安闘争を復権させ、検修・構内業務の外注化を阻止している闘いの地平は極めて大きいものがある。
 本書を、検修外注化阻止闘争と国鉄闘争全国運動の発展のために最大限に活用されることを訴えたい。
 (大沢康)
   *  *
●A5判168頁、頒価700円(10冊以上、500円)
●申込先 千葉市中央区要町2−8 DC会館/TEL 043−222−7207/FAX 043−224−7197/Eメール doro‐chiba@doro‐chiba.org

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週刊『前進』(2470号6面4)(2011/01/01 )

 新刊紹介 国際労働運動 2月号

 朝鮮侵略戦争阻止を緊急特集

 11月23日、延坪島における砲撃戦は、帝国主義の朝鮮侵略戦争の歴史的な開始を告げる事件である。朝鮮半島をめぐる軍事的緊張が爆発的に進行している。北朝鮮スターリン主義は帝国主義によってとことん追い詰められ、その矛盾が極点に達し、体制が崩壊するプロセスが始まっているのである。
 11・23が示すことは、世界大恐慌が大失業とともについに戦争をもたらしたということだ。基軸国の米帝が生き残りをかけて朝鮮半島で戦争を仕掛け、中国との戦争対決政策に転換し、東アジアをめぐる帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させている。戦後体制が崩れ去っていく時代に突入した。労働者階級にとって、プロレタリア世界革命以外にいかなる解決もない時代が始まった。
 本号は、本来の中国特集に加え、11・23情勢の重大性を見据え、最初に朝鮮侵略戦争情勢を特集Tとして置いた。
 まず特集T「国際連帯で朝鮮侵略戦争阻止を」について。
 第1章は、米帝の朝鮮侵略戦争開始の事態を、「4年ごとの米防衛力見直し(QDR)2010」と同時に打ち出された「統合エアシーバトル(空海戦闘)構想」を軸点にして暴き出している。米帝が北朝鮮と中国を軍事的に追い詰めるために、日帝の空海戦力をフル動員するという構想だ。菅政権は、日米安保強化に踏み切り、米QDRの要求に全面的に応えるものとして「防衛大綱見直し」で「動的防衛力」を打ち出した。いずれも凶暴だが絶望的な攻撃だ。
 第2章は、11・23情勢に対して「帝国主義戦争を内乱へ」という立場で闘うこと、動労千葉が切り開いてきた階級的労働運動を徹底的に闘い抜くこと、そして日韓米の国際連帯で朝鮮侵略戦争を阻止できると訴えている。
 特集Uは「揺らぐ中国、前進する労働者の闘い」。11・23情勢に対応する中国スターリン主義の動向を全面的に提起している。
 第1章は、4兆元の景気刺激対策がつくり出したインフレ・バブルの実態から、中国経済「発展」の虚構を突き出している。
 第2章は、中国スターリン主義の外交・軍事政策の現状から、一国社会主義的な中国「防衛」戦略の破綻性を暴く。さらに2011年〜15年の第12次5カ年計画(「十二五」計画)を批判している。
 第3章は、この間のホンダなど日系企業における中国労働者階級の闘いの階級的前進を明らかにしつつ、中国第2革命を展望する。

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週刊『前進』(2470号7面1)(2011/01/01 )

 300万学生は朝鮮侵略戦争阻止へ

 安保・沖縄、三里塚で菅政権を倒す

 2010年、全学連は暴処法弾圧をうち破り法大キャンパスで相次ぐ1年生の決起をかちとり、国際連帯を発展させ反戦闘争に決起している。闘いの先頭に立つ織田陽介全学連委員長と、斎藤郁真法大文化連盟委員長の11年アピールを紹介します。(編集局)

 全学連が時代開く最先頭に 全学連委員長 織田陽介

 全国の学生のみなさん! 2011年は米日帝国主義による朝鮮侵略戦争の開始に対し、日本の学生、労働者階級人民が一人残らず立ち上がる年だ。日本の学生はいつの時代も反戦闘争の先頭に立ってきた。全学連は国鉄全国運動と固く団結し、安保・沖縄−三里塚決戦に立ち上がる。それは戦争以外に延命できない資本主義・帝国主義打倒の革命闘争だ。反戦闘争の中で学生自治会―全学連運動の壮大な復権と反スターリン主義・革命的共産主義の党建設を推し進め、帝国主義戦争を内乱へ転化すべく本格的準備を開始しよう。

 プロレタリア革命の圧殺が敵の狙い

 朝鮮戦争は第一に、世界戦争に行き着く、米帝(米日帝)による侵略戦争だ。腹の底からの怒りをもって米帝を弾劾し、菅政権からマスコミ、日共・カクマルに至る「北朝鮮・中国弾劾」の大合唱を粉砕しなければならない!
 米韓軍事演習は、北朝鮮の反撃意思を百も承知で、住民避難や国連軍の駐留までして強行されている。「先に砲撃したのは」といくら議論しようと、現実には米帝による北朝鮮の軍事的転覆を目的とした、朝鮮半島を火の海にする侵略戦争だ。
 世界大恐慌はますます深化し、米財政は破綻必至、失業問題は政治危機へと転化し、オバマの支持率は下がっている。戦後世界体制の盟主・米帝の崩壊は、世界支配の崩壊であり、始まった戦争は後戻りのきかない世界戦争だ。
 第二に、世界支配の崩壊は、世界、とりわけアジアプロレタリアートの闘いの爆発として結果し、また促進されている。韓国現代自動車の非正規労働者の闘いは、新たな時代の到来を告げ知らせた。この夏に組合に入ったばかりの青年たちが初めてのストライキに立ち、さらにそれが多くの青年を組合に結集させている。正規労働者もこの闘いに合流を開始した。「派遣になりたくなければ競争しろ」と学生・青年が支配されてきた時代は終わった。
 北朝鮮の体制崩壊は南北朝鮮プロレタリアートの決起を生み出す。だから、朝鮮−中国−アジアプロレタリアートの決起を血の海に沈めるためにこそ戦争が開始された。オバマは「正義の戦争」としてこうした戦争を続けてきた。絶対に許してはならない! そしてまた、米帝の戦争目的は、開始された沖縄と日本本土のプロレタリアートの決起の粉砕でもある。

 帝国主義の息の根を止める安保闘争

 第三に、だからこそ日帝の参戦問題が最大の焦点となった。日本学生の反戦闘争は、アジア革命の命運のかかった位置を獲得した。
 戦後世界体制は世界のプロレタリアートの革命に対する血の弾圧をもって成立し、戦争に次ぐ戦争によってのみ維持されてきた。世界の反戦闘争が最大の力になり、ベトナム敗戦を転機に、米帝は単独では戦争に勝てないまでに没落した。日本列島と沖縄が朝鮮半島への出撃基地となるのか否か。それが安保問題だ。他方、アジア・日本のプロレタリアートの怒りと闘いによって軍隊を解体された日帝も、「戦争のできる国」への唯一の道として安保にすがりついてきた。安保=基地の矛盾の集中点・沖縄が、怒りの爆発を開始した。基地問題の解決は、「移転」ではなく、米軍基地の全面撤去であり、安保粉砕であり、それは帝国主義の息の根を止めるほどの闘いとなったのである。
 安保粉砕の闘いはすなわち、日帝国家権力との激突であり、菅政権を打倒しプロレタリアートが権力を掌握する革命の問題だ。ブルジョア国家は階級支配のための暴力装置であり粉砕対象だ。「国家防衛」では戦争を止めることはできない。革命的祖国敗北主義を掲げ、侵略戦争を内乱=自国帝国主義打倒に転化していくことがわれわれの立場だ。
 情勢の核心点は何か。第一に、今年、日帝の政治支配の崩壊は不可避だ。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)と朝鮮侵略戦争は、米帝が日帝をアジア市場からたたき出す争闘戦としてもある。TPPへの参加、農業の崩壊は農民・地方の反乱を意味する。さらに日帝の参戦問題は日本プロレタリアートの改憲・戦争動員への怒りを燃え上がらせ始めている。
 沖縄プロレタリアートと菅政権の対立は、沖縄県知事選をもってますます非和解化した。仲井真の「県外移設」に対する「左」の対抗は、「グアム移転」=戦争の継続として提起され、万の集会を何度も実現してきた沖縄プロレタリアートは投票所に足を運ばなかった。連合を足場に戦争と大増税の政策を進める菅政権との非和解化は連合との非和解化だ。菅政権は連合や社民党を巻き込みながら、ますます日帝ブルジョアジーへと近寄っていく。こうした矛盾は階級的労働運動を組織する国鉄全国運動の前進を必ずや切り開く。
 第二に、菅政権の危機は元航空幕僚長・田母神らのファシズム運動を生み出している。彼らは閉塞(へいそく)的な現状の突破を、「極左民主党政権による弱腰外交」の粉砕へと求める。米帝国主義との関係、もしくは日本プロレタリアートとの関係において日帝が戦争すらできない現状を、マルクス主義を粉砕して突破する反革命運動だ。ファシズムは民主主義の崩壊を受け、擬似「革命」を掲げて革命を圧殺するブルジョア支配の暴力的継続である。菅政権の崩壊は、革命的共産主義運動とファシズムを生み出している。戦争反対か賛成か、国際連帯か愛国主義か、世界革命か世界戦争か。いまや激突する二つの路線の選択が、激突する二つの具体的運動の選択として、歴史のかかった人生決断として、全人民の最後の一人にまで迫られる時代が到来した。
 第三に、11月勢力を先頭とする日本プロレタリアートはファシズム運動を粉砕する力を十分に持っており、日本革命の展望は明らかだ。田母神は「中国が攻めてきたらどうするのか」と主張する。この論法そのものが「戦争はなぜ起こり、いかに止めるのか」という理論的立場を排し、帝国主義の攻撃の追認を前提とした無理論的立場だ。ラジカルに怒れる青年・学生を反革命的に動員する運動に求心力が生まれるはずもない。他方で11・7労働者集会は、労働者・学生・農民の国際的団結で戦争を止められると訴えた。この理論的立場は、2010年、動労千葉や関西生コンのストライキ、沖縄闘争や三里塚反対同盟の実力決起、さらに学生を先頭とした反戦闘争の実践の中から打ち立てられた。
 マルクス主義とは自らを強くする密集した反動を生みだして進む労働者階級の不敗の理論であり、攻撃に真正面から立ち向かい、粉砕しては理論化する中で、ますます不敗となっていく実践的科学だ。だから、敵の攻撃に立ち向かえない日共やカクマルは、ファシズムを粉砕するどころか、排外主義の扇動とファシズムへの道を切り開くのであり、11月勢力にこそプロレタリアート独裁の力が宿っているのである。
(写真 11月14日、横浜APEC首脳会議粉砕闘争で沿道の労働者人民との合流をかちとりながら桜木町駅までのデモに立つ全学連)

 闘って組織拡大と指導部の建設を

 2011年の方針は何か。
 一つに、国鉄全国運動と固く結合した、安保・沖縄、三里塚を軸とした反戦闘争だ。沖縄の怒りを圧殺するために、菅訪米−「日米新共同宣言」が狙われている。菅訪米を実力で粉砕する闘いから70年を超える学生運動の大爆発を切り開こう。三里塚闘争も第3誘導路建設阻止の決戦に入った。成田軍事空港粉砕の三里塚は、沖縄と並び、本当に朝鮮侵略戦争を阻止できる反戦・反権力の拠点だ。実力闘争で闘う反対同盟に応え全学連はどこまでもともに闘う。
 二つに、法大決戦だ。侵略戦争は同時に内への階級戦争だ。弾圧をうち破るキャンパス支配権、自治会権力をめぐる権力闘争を強力に進めよう。「内定率57・6%/我慢も限界」という学生の怒りの最先端で、ついに法大闘争が大爆発しようとしている。勝つことが最後、学生の怒りを解き放つ。倉岡処分を本当に阻止しよう。
 三つに、国際連帯闘争のさらなる発展だ。世界の学生の闘いは新たな段階を切り開き、国際学連の復権が見えてきている。
 こうした闘いの一切を、組織拡大と指導部の建設を総括軸に闘おう。沖縄・三里塚の階級決戦を断固引き受け、その激突の中から組織拡大を壮大にかちとる。そしてこの中から全学連の強固な指導部体制を生みだそう。
 すべての学生のみなさん! 自らの行動にアジア革命と安保粉砕・日帝打倒の力が宿っていることを自覚したとき、昨日と同じ今日を生きていいのか。私たち学生は売れ残った労働力商品でもなければ、大学資本の儲(もう)けのために働く奴隷でもない。闘いのときは来た。2011年に一切をかけ、300万学生の嵐のような怒りと闘いを!

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週刊『前進』(2470号7面2)(2011/01/01 )

 300万学生は朝鮮侵略戦争阻止へ

 安保・沖縄、三里塚で菅政権を倒す

 法大闘争の地平を全大学へ 法政大学文化連盟委員長 斎藤郁真

 全世界の労働者・学生のみなさん、新年おめでとうございます。私たち闘う法大生は、2011年の日本階級闘争の大爆発をかちとるために最先頭で闘うことを決意しています。そして、「キャンパスを反戦闘争と帝国主義打倒の砦(とりで)に!」と訴えます。

 新自由主義攻撃の核心は労組つぶし

 私たち学生は、いかなる時代に生きているのでしょうか?
 1974〜75年の世界同時恐慌は、帝国主義の過剰資本・過剰生産力状態を突き出し、「戦後成長」の終焉(しゅうえん)を告げ知らせました。ここから、支配階級は資本主義の延命のために四つの道をとりました。
 @過剰資本状態つまり「カネ余り」を利用してのバブル経済・投機経済
 A労働者への賃下げ・労働強化と労働組合破壊(団結破壊)
 B教育・医療・保育などを市場原理にたたき込んでの「市場の拡大」――本質的には労働者家族からの搾取の強化
 C軍需生産と侵略戦争の拡大
 これらが新自由主義と言われるものの総体です。そして、戦後発展下での国家独占資本主義政策のもとにあった労働運動には、新自由主義攻撃が集中し、全世界の労働組合が「本物かどうか」が問われる時代が始まりました。
 どこの国でも「最強」とされていた労働運動がたたきつぶされていきました。アメリカでは航空管制官組合が、イギリスでは炭鉱労組が、そして日本では国鉄労働運動がその標的でした。当時の首相・中曽根自身が語っているように、「国労と総評をつぶし、社会党をつぶす」ことを明確に意識して87年の国鉄分割・民営化を強行したのです。そして連合が誕生し、動労千葉を中心とした11月集会潮流を除くほとんどの労働組合が闘いを放棄していきました。
 労働組合が闘わなかったからこそ、新自由主義は貫徹されたのです。サブプライムローンや金融商品の蔓延(まんえん)、そして賃金押し下げのための非正規職が爆発的に拡大し、多くの若者がそこに突き落とされていきました。正規職と非正規職の分断が持ち込まれ、資本家は莫大(ばくだい)な利益を手にしました。医療は商業化され、保育は変質し、「教育」の名のもとに学生から学費を巻き上げ、青年・学生の反乱が将来起こらないように、抗議の声をあげる可能性そのものを奪っていきました。

 国家破綻のりきりのための侵略戦争

 しかしながら、この資本主義の延命策としての新自由主義は、それが単なる延命策にすぎないことによって破綻しました。今やその矛盾は、国家そのものの破綻にまで行き着いている! そして、学生運動が世界中で大爆発している! ドイツ、イタリア、ギリシャ、フランス、イギリス、彼らのスローガンはいずれも同じです。「教育は金儲けじゃない!」「学費値上げ阻止」「私たちは未来だ!」――これらのスローガンに共通するのは、法大闘争が5年にわたる闘争の中でつかみとった核心、「教育の民営化粉砕!」です。
 世界中で労学連帯は拡大し、私たちの味方はますます増え、資本家はますます孤立していっています。資本家とその政府はこの矛盾をのりきるために、絶望的に戦争にのめり込もうとしています。労働者・学生・農民の怒りを外に向けさせ、自らの破綻を侵略戦争によって他国にすべて押し付けようとしています。昨年11月23日以来の朝鮮戦争情勢はそのあらわれです。
 そして、この危機が最も激しいのが日本です。日米安保に寄りかかることによってしか自国の権益を維持できず、帝国主義国家としての独自の外交・軍事政策を展開できない状況を労働者民衆の闘いによって強制され続け、いよいよ沖縄の怒りによって吹き飛ばされようとしている! だからこそ、彼らはいっそう凶暴になっていきます。民間反革命の田母神のようなファシスト運動が吹き荒れようとしています。法政大学における激突の激しさがそれを示しています。

 11月派が輝く時代法大闘争の爆発を

 2011年、ますます資本主義・帝国主義の危機は深まり、全世界で弾圧とそれに対する反撃は鋭さを増していくでしょう。昨年3月の全学連が連帯した米カリフォルニア州での偉大な100万人教育ゼネスト、その指導的学生に対する処分はその始まりです。法大闘争がこの5年間で体験してきたように、キャンパス内でのデモやビラまき、集会が事実上の「内乱」として国家権力に受け止められる時代が始まろうとしています。
 しかしながら、これは「暗黒の時代」の始まりなどではありません。わが法大闘争や動労千葉の闘いが示しているように、このような時代だからこそ、「いかなる時代に生きているのか」「どうすれば勝利できるのか」――つまり時代認識と路線で一致し、労働者・学生の可能性を信じて団結をうち固めれば、組織を拡大しながら勝ち抜くことができるのです。
 「資本主義の存続」を前提にしたすべての潮流が「4・9政治和解」や「11・23情勢」に対抗できなくなっているからこそ、暗闇が深まれば深まるほど小さな光がいっそう強く輝くように、われわれ11月集会派=革命派が強く輝く時代が始まったのです。最も目立つ部分が最も重要な部分とは限りません。法大闘争は、その規模から言えばまだまだ欧州の学生運動の足元には及びませんが、その内容においては世界最先端にあります。法大闘争に勝利すれば、日本のすべての大学で、また全世界の大学で勝利できる地平を私たちは手にすることでしょう!
 2011年、法大闘争は勝利に向かって突き進みます。倉岡雅美さん(人間環境学部)への処分理由をつくるための「授業準備妨害」看板は完全に粉砕され、4月以降の追加処分を阻止していく展望を切り開いています! ある法大生は「みんなあなたたちを支持している。だけど勝てるかどうか分からないからみんな見ている」と語っています。だからこそ、倉岡処分を阻止すれば法大闘争は爆発する!
 新自由主義が労働者・学生・農民の個別の課題をひとつにし、共通の敵としてのブルジョアジーを浮かび上がらせた以上、今年は絶対にJR全面外注化阻止・国鉄1047名解雇撤回闘争、安保・沖縄闘争、三里塚闘争が高揚します。ついに私たちは法大闘争の激闘の中から300万学生の巨大な反戦政治闘争の爆発をたぐり寄せるところまで前進してきました!
 わが法政大学文化連盟は今年、全国学生運動に責任をとります!
 必ずや日本学生運動の大爆発をかちとってみせる!

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週刊『前進』(2470号7面3)(2011/01/01 )

 法大裁判に集まろう

 ★暴処法裁判
 第21回公判 1月14日(金) 午後1時30分
 ★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
 第7回公判 1月26日(水) 午後1時30分
 いずれも東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合

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週刊『前進』(2470号8面1)(2011/01/01 )

 国際連帯で戦争を止め革命へ

 外注化・非正規化との闘いは世界共通

(写真 日比谷野音に登場した民主労総ソウル本部【11月7日 東京】)

 11月23日、韓国・延坪島(ヨンピョンド)で北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦が起きた。これは、世界大恐慌と激化する米中対立のもとで、北朝鮮の体制転覆と韓国労働運動の圧殺を狙った米帝(米日帝)の新たな朝鮮侵略戦争がついに始まったことを意味する。帝国主義の戦争重圧下、北朝鮮スターリン主義の体制崩壊の危機も一触即発状態だ。日朝中、日米韓の労働者が国境を越え団結して闘えば、戦争を止め、侵略戦争を内乱に転化することは可能だ。戦争と民営化・外注化・非正規化に対決し、階級的労働運動を発展させ、11月労働者集会とソウルG20―横浜APEC粉砕闘争で実現した国際連帯闘争を全力で推し進めよう!

 韓国 非正規労働者の怒り 現代自動車で青年労働者先頭に工場占拠スト闘う

 11月15日から25日間の工場占拠ストライキを貫徹した現代自動車非正規職支会の労働者たちのほとんどが20代後半から30代だ。97年からのIMF(国際通貨基金)管理下で吹き荒れた新自由主義攻撃の中、失業者はピーク時には300万人となり、青年労働者は職を得ても平均賃金88万ウォン(約6万4千円)の非正規職として「88万ウォン世代」と呼ばれた。
 現代車の非正規労働者が占拠中の蔚山(ウルサン)工場で寒さと飢えに震えながら携帯のワンセグでドラマ「シークレット・ガーデン」を見ていたという。主人公のキルライム(29歳、スタントウーマン歴7年)は高校卒業後、食堂で6カ月、ネットカフェで3カ月、ハンバーガーショップ調理場で5カ月……という典型的な非正規労働者だ。このドラマは11月末には視聴率25%を超える人気番組になっている。
 韓国の非正規労働者は、政府統計でも今年3月現在で549万8千人(前年同月比で12万4千人の増加)だった。さらに6月4日の政府発表の「雇用形態別経済活動人口追加調査」によると、この1年で非正規労働者が2・3%増加するとともに、正規労働者と非正規労働者間の賃金格差が拡大している。今年1〜3月の正規労働者の平均賃金が228万9千ウォン(約16万6千円)であるのに対し、非正規労働者の平均賃金は125万3千ウォン(約9万1千円)となっている。正規労働者の賃金を100とすると非正規労働者の賃金比率は54・7に過ぎない。
(写真 現代自動車非正規支会は不法派遣の正規職化を要求し25日間の工場占拠スト【11月16日 韓国・蔚山】)

 97年IMF管理下へ

 2010年に至る闘いを振り返ってみよう。「韓国労働者階級の闘争史における分水嶺」(ハーゲン・クー『韓国の労働者』)となった1987年労働者大闘争。労働争議は蔚山の現代グループから全国に拡大した。鉱業、運輸業、造船業からサービス部門へ、ストライキの波が小規模軽工業が集中しているソウル・京仁(キョンイン)地域にたどり着いたのは8月半ばだった。この7月から9月までに3311件もの労働争議が起き、120万人もの労働者が決起した。労働者たちは新たに労働組合を結成し、または御用組合を労働者の真の自主組合=民主労組に転換した。労働者大闘争から1年間で4千の労組が生まれ、約70万人が労組に加入した。この闘いが1995年の民主労総(全国民主労働組合総連盟)創立に連なる。
 誕生したばかりの民主労総と韓国労働運動は97年、整理解雇制とゼネストで闘い、97年末のアジア通貨・経済危機に直面する。経済破綻した韓国はIMFに200億jの緊急支援を要請した。

 労働者の分断打破へ

 民主労総労働者ニュース制作団が制作したDVD「労働者のみなさん、アンニョンハシムニカ?――韓国非正規職労働者の10年」(翻訳・動労千葉国際連帯委員会)に、97年以降の非正規職化攻撃と労働者の闘いが描かれている。次にそれを紹介しよう。
 IMFが融資の条件とした構造調整=「低成長、予算削減、金融機関の大幅整理」を断行したキムデジュン政権は、先送りされていた整理解雇を外資導入のために導入した。構造調整、正規職の整理解雇に対し、労働者は「生存権死守!」を掲げて命がけで闘った。98年には現代自動車で36日間の工場占拠を含む4カ月の攻防が闘われ、万都機械でも全面ストから工場占拠へ進み、2500人が連行されるなど激しい闘いが繰り広げられた。
 これに対し、政権と資本はさらに次の攻撃を繰り出した。
 「2008年、ソウル地下鉄は、遺失物センター2カ所の正規職を配転。その仕事を外注化し、非正規職を入れた。定年間近の労働者には、定年延長をエサに非正規職として外注会社に行かせた。正規職が270人削減されても、労働者は闘いを組めなかった」
 「雇用不安に苦しむ正規職は非正規職を雇用の安全弁と考えるようになり、非正規職の使用に合意してきた。正規職労組が労働協約の項目として非正規職の優先解雇を明記する例もあった」
 「では非正規職は正規職の雇用安全弁になったのか?」。否である。キムヘジン全国不安定雇用撤廃連帯代表が「非正規職を解雇すれば、正規職の整理解雇が正当化されます。社会的にも法的にも次はいつでも正規職を切れる。雇用の安全弁にはなりません。確かに非正規職を切り捨てた結果、正規職の雇用が安定する場合もあります。しかし、次は内部競争、労働強化、賃下げです。人間らしく生きられないんです」とインタビューに答えている。
 これは日本でもJRが使った手法だ。動労千葉はシニア制度と闘い、動労千葉の職場での外注化を10年にわたって阻止してきた上に昨年4・1検修・構内業務外注化を5波のストライキで阻止した。
 「民営化・外注化−非正規職化攻撃は新自由主義政策の最も典型的な攻撃であり、労働組合がこの攻撃の前に屈服してきた結果が現在の格差・貧困の蔓延(まんえん)を生み出した。われわれがこの攻撃に立ち向かうことができれば、労働運動全体を獲得できる」(第39回動労千葉定期大会)
 この闘いこそ非正規職をつくり出さない闘いであり、資本による正規職と非正規職の分断を打ち破る道だ。この動労千葉の闘いが韓国を始め世界の労働者、労働組合との国際連帯を生み出してきた。

 FTA推進との対決

 不法派遣の正規職化を目標に「なんとしても正規職となって工場を出る」と闘った現代自動車非正規職支会の25日間の工場占拠ストライキは、激化する大恐慌下、労働者(と農民)をFTA政策推進の犠牲にしようとするイミョンバク政権に労働者の団結の力を示し、さらなる戦闘宣言を発した。現場労働者が怒りを解き放ち、新自由主義粉砕の根底的な決起を開始した。
 世界大恐慌の戦争への転化に対する韓国労働者階級の新たな闘いが始まった。それは「戦争は南北間で延坪島で行われているのではなく、この蔚山で現代自動車と非正規職労働者の間で行われている」と語る韓国労働者の言葉が示している。正規職・非正規職の分断を埋めて一つに団結し、大資本に迫る労働者階級の闘いが戦争を止める原動力だ。世界の労働者は団結して闘おう!

 大恐慌下 アメリカの闘い 民営化・外注化反対貫き既成指導部を次々と打倒

 教育ゼネスト転機に

 戦争・大恐慌の震源地アメリカで階級支配のあらゆる破綻点を突いて闘いが爆発している。
 2010年3月4日、教育予算削減、授業料値上げ、教育の民営化に反対してカリフォルニア州で100万人がストとデモに決起した。この闘いの先端を切り開いたバークレーの活動家たちと全学連訪米団は終始行動をともにし、強固な団結を示した。
 この3・4の100万人決起を転機に巨大な決起が始まった。
 4月にはカピストラノ学区(カリフォルニア州オレンジ郡、ロサンゼルス市の近く)の教員組合が5日間のストライキ、5月にはオークランド教組がスト、12月にはラハブラ(オレンジ郡)の教組がストに立った。
 6月にはミネソタ州で14の病院で米国史上最大の1万2千人の看護師ストが貫徹された。
 この中で既成指導部の裏切りへの怒りが爆発、次々に打倒されている。2月にはサンフランシスコ市職員などを組織するSEIU(サービス従業員国際組合)ローカル1021の執行部選挙で、SEIU本部系の現職執行部が大差で敗北した。4月にはサンフランシスコ湾岸地域北部のリッチモンド市の教組で学校民営化を容認する現職委員長がリコールされ、打倒された。アメリカ第3の都市、シカゴでも民営化容認の執行部が打倒されている。
 戦時下、大恐慌下でアメリカの階級闘争が一変しつつある。
(写真 シカゴ教組の大量解雇・学級人数拡大・教育民営化反対1万人集会【2010年5月25日 アメリカ・シカゴ】)

 80年代の攻防が再び

 新自由主義は80年代、アメリカのPATCO(航空管制官労組)の全員解雇、イギリスの炭労破壊、日本の国鉄分割・民営化という「3大攻撃」を突破口として世界的に登場した。現在の大恐慌は新自由主義の破綻を暴き出したが、資本には新自由主義以外に選択肢はなく、80年代と同じ攻撃をエスカレートするしかない。
 アメリカの基幹産業、自動車産業における70年代末から08〜09年のGM、クライスラーの倒産に至る労組破壊をみてみよう。
 UAW(全米自動車労組)指導部は資本の手先として腐りきっているが、現場の労働者は戦闘的な闘いの伝統に誇りを持ち、強固な力を持っている。
 自動車資本は個別的な攻撃によってはUAWの現場の力をつぶすことができないため、「国際競争力」のイデオロギーで全社会的な重圧を労働者に加えた。最も決定的な攻撃は戦闘的な労働者のいる職場そのものの廃止だった。

 79年自動車工場閉鎖

 UAW破壊の決定的な攻撃は政権=支配階級の全力をあげて行われた。民主党カーター政権は79年8月、FRB(連邦準備制度理事会)議長にボルカーを任命、11・2%の超高金利政策で失業率を急上昇させた。労働者階級の戦闘性を破壊しようとしたのだ。
 政権は破産したクライスラー(アメリカ第3位の自動車メーカー)に史上空前の15億jの政府保証ローンを与え救済する過程でUAWに歴史的な譲歩を強いた。「労働組合が高い賃金や年金をとっているから国際競争力が低下した」と労組を攻撃し、何度も譲歩させた。クライスラーの最大工場で、30年代の工場占拠スト以来の労働運動の拠点、ドッジメイン工場の閉鎖を決めた上に、メキシコにエンジン工場を新設した。
 この譲歩の内容がGMやフォードとの労働協約にも適用された。
 だがUAWの現場組合員の闘いは続いた。だからこそ共和党レーガン政権は81年のPATCOのスト参加者を全員解雇、生活保護まで奪い、労働運動を恫喝したのだ。
 UAW本部とナショナルセンター、AFL―CIO(米労働総同盟・産別会議)はPATCOのストへの支援・連帯を拒否しただけでなく、関連諸労組の組合員を統制処分で恫喝してスト破りを強制した。レーガン政権はUAWやAFL―CIO指導部の協力を得ることで初めてスト中も空港機能を維持し、PATCOを破壊することができたのだ。
 特に84年のGMとUAWの労働協約は重大だ。

 84年外注化容認協約

 UAW本部は「GMは外注化、新技術導入、GMの他工場への事業移転を理由とする解雇を行わない」という労働協約の条項を「米国史上例のない成果」として宣伝した。またレイオフされても賃金が支給され、職業訓練も受けられ、再雇用の道もあるという「ジョブバンク」制度が設けられた。これも労働者の生活を保障するものとしてもてはやされた。
 だが、この協約でUAWは外注化を積極的に容認した。外注化が実現すれば、資本はそこの労働者が不要になる。労働者の力の源泉は職場・生産点を握っていることだ。職場から排除された後でジョブバンクが与えられても、労働者の本当の力にはならない。
 こうしたUAW本部の協力によって外注化と工場閉鎖=移転が推進された。アメリカの基幹産業で最大最強の組合と言われたUAWは、78年に150万人いた組合員が08年リーマンショック前までに43万人と激減。08〜09年のGMとクライスラーの倒産で39万人となった。政府の救済資金は米国内の工場をブラジルなどに移転する費用になった。UAWはジョブバンク制度の終了に合意、被解雇者は給与支給を絶たれた。UAWは退職者の年金、医療も売り渡した。
 自動車産業で始まった外注化は新自由主義の主要な武器だ。今やブルーカラーはもとよりホワイトカラーの職種もほとんどが外注化の対象だ。公共部門でも業務の外注化や自治体丸ごとの破産・再建=労組破壊が行われている。
 94年のカリフォルニア州オレンジ郡の破産は最大の自治体破産といわれる。そして現在、全米最大のカリフォルニア州の破産・再建=労組破壊を可能にする連邦破産法の改悪がもくろまれている。
 同州のサンフランシスコ市は昨年3月、市職員1万5千人の大量解雇計画を発表した。いったん解雇した上で労働時間を短くして6%以上安い賃金で再雇用するという。その計画の柱として当局は次々と外注化案を出してきた。それは市庁の行政事務から市立病院を警備する警官まであらゆる分野に及んでいる。
 しかし、こうした外注化、工場閉鎖、破産法適用は、資本家階級が自分自身の破綻を逆手にとったものでしかない。米軍のアフガニスタン・イラク侵略戦争での敗勢、大恐慌と連邦・州財政の破産は絶望的に深まっている。
 職場で闘い、国際連帯を強化し、体制内指導部を打倒して労働組合をよみがえらせれば、労働者は革命勝利へ前進できるのだ。

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週刊『前進』(2470号9面1)(2011/01/01 )

 革共同政治局の2011年1・1アピール

 国鉄解雇撤回・外注化絶対阻止

 大恐慌―大失業・戦争を世界革命へ

 国際的団結の力で朝鮮侵略戦争阻止を

 2011年決戦の爆発で沖縄米軍基地撤去、公務員360万人大量首切り粉砕、菅政権打倒へ

(写真 「国鉄1047名解雇撤回へ新たな全国運動を広げよう」と闘争宣言を発した11・7労働者集会【東京・日比谷野音】)

 はじめに

 人類史を前史から後史へと分かつ、革命的転換期、大動乱期が到来した。ついに労働者階級が新たな歴史の創造者として登場し、資本主義の終わりを宣言し、自らが主人公となる新しい社会を打ち立てる、血沸き肉躍る時代が来た。2011年こそは、全ブルジョア世界の破滅への行進と全面対決し、人間社会の共同性を奪還するプロレタリア世界革命の実現という、歴史上最も偉大な事業への第一年である。
 世界金融大恐慌として爆発した今次大恐慌は、ますます激化し、深化・発展し、全世界で猛威をふるっている。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制はついに根底から崩壊し、他国を追い落としてつぶすことのみが自国の延命になる帝国主義間・大国間の非和解的な争闘戦が激化している。帝国主義者たちは、今や反動的で絶望的な現状破壊の衝動を極限化させている。
 昨年11月23日、大規模な米韓合同軍事演習のただ中で発生した、延坪島(ヨンピョンド)での北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦は、アメリカ帝国主義(米日帝)による朝鮮侵略戦争への本格的突入の始まりであった。帝国主義の侵略戦争衝動がついに、分水嶺(ぶんすいれい)を越え、実際の戦争となって火を噴き始めるに至った。この戦争への動きの根底には、帝国主義の戦争重圧に追い詰められた北朝鮮スターリン主義の体制崩壊の危機がある。米帝は今や北朝鮮の体制転覆と南北朝鮮の帝国主義的統一を、侵略戦争をもって凶暴に遂行しようとしているのだ。
 まさに〈11・23〉は歴史的な日となった。この日をもって、米帝による朝鮮侵略戦争が、北朝鮮スターリン主義の反プロレタリア的な軍事的対抗につけ込み、それを餌食としながら、ついに始まったのだ。われわれはこのことを、革命的にあいまいさなく確認して闘わなければならない。
 この情勢のただ中で、日本帝国主義・菅政権は、大恐慌と日米間の相互絶滅戦的な争闘戦の激化、そして日帝の戦後体制の崩壊、自らの絶望的な政治危機の爆発にのたうち回りながら、日米安保同盟に依拠し、自己の帝国主義的利害をかけて、米帝の朝鮮侵略戦争に全力で参戦しようとしている。
 大恐慌は、一方で全世界的に大失業を生み出し、非正規職を拡大し、他方では帝国主義間・大国間の争闘戦の非和解的激化から帝国主義の侵略戦争・世界戦争の危機を現実化させている。帝国主義の外への侵略戦争は、労働者階級への大失業攻撃=階級戦争と一体であり、それを加速させている。
 帝国主義侵略戦争の究極の階級的本質は、戦争と大失業攻撃に対決しプロレタリア革命へと立ち上がる労働者階級の闘いの圧殺にある。実際にも、労働者階級の団結と決起、労働組合と労働運動の解体なしには、帝国主義は侵略戦争を強行することはできない。
 〈11・23〉で歴史的に始まった帝国主義の朝鮮侵略戦争に階級的怒りを爆発させると同時に、これをついに到来した決定的な革命的情勢として、革命勝利の歴史的チャンスとして、徹底的にとらえきり闘いぬくことが重要だ。今こそ鮮明な階級的時代認識と革命的路線をもって武装し、大恐慌と大失業・戦争をプロレタリア世界革命へと転化する闘いに、革命を目的意識的に準備する行動に、2011年決戦をもって直ちに全力で突入しよう。
 革命を目的意識的に準備する闘いとは、何よりも労働者の階級的団結を打ち固め、工場・職場に不抜の拠点、不抜の闘う労働組合を形成し、帝国主義との階級戦争、革命闘争へと一心不乱に決起することだ。階級の大地において、階級的労働運動路線を徹底的に、不撓(ふとう)不屈に、地をはうように実践することである。
 そのためにこそ、動労千葉とともに国鉄決戦、外注化絶対阻止決戦へと、2011年冒頭から総決起し、国鉄闘争全国運動を全職場、全産別、全国に拡大しよう。そして『綱領草案』のもと、党と労働組合を限りなく一体化させ、階級に深く根ざした革命的労働者党の建設へ邁進(まいしん)しよう。

 〔T〕 労働運動再生の道切り開いた国鉄闘争全国運動と11月集会

 1929年を超える大恐慌の絶望的進展の真っただ中で、全世界のプロレタリアートは、新たな共産主義インターナショナルを希求しつつ、労働組合を階級的に甦(よみがえ)らせ、時代の最前線に登場している。5千万人を優に超える失業者、首切りと向かい合う数億の非正規労働者、首切り・リストラ・賃下げ・労働強化に苦吟する数十億の労働者が、全世界でストライキやデモ、工場占拠に決起している。そして資本の生き残りのために教育すら奪い尽くそうとする社会の崩壊的危機に対して、全世界で大学生・高校生・中学生が校舎を闘いの砦(とりで)にして一大反乱に決起している。
 最末期の資本主義の絶望的なあがきとしてある新自由主義は、労働者階級が19世紀以来、資本の横暴と専制に歯止めをかけるために生死をいとわず歴史的に闘いとってきた、あらゆる規制の撤廃へと突進してきた。そして世界大恐慌への突入は、既成の労働組合指導部を丸々引き込み、先兵にして、労働運動・労働組合運動の息の根を止めることに体制の存亡をかけるものとなった。労働運動と労働組合をめぐる史上未曽有の大激突への突入である。
 しかし今や全世界で、労働組合をつくり、労働組合を階級的に復権する労働者階級の死闘が音をたてて進んでいる。11・23の米帝(米日帝)による朝鮮侵略戦争突入は、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する労働者階級の国際的闘いを圧殺する階級的意図に貫かれたものだ。だがそれは、階級対立の内乱的発展を一層激化させ、資本主義・帝国主義打倒への情勢を一挙に成熟させるものとなっている。
 こうした革命情勢を引き寄せている全世界的情勢の中軸に、新自由主義の完遂を阻み続けている〈JR全面外注化阻止、国鉄1047名解雇撤回〉を掲げた日本における動労千葉労働運動、国鉄闘争全国運動、11月集会派の闘いがそびえ立っている。

 (1) 4・9反革命を根底から打ち破る壮大な展望を開く

 第一に、11・7労働者集会を頂点とする2010年の闘いがかちとった巨大な成果と地平について確認したい。
 2010年11月労働者集会の決定的意義として最も強調したいことは、国鉄決戦の全面的圧殺を企図した1047名闘争の4・9「政治和解」攻撃と徹底的に対決し、これを打倒しひっくり返すために「国鉄闘争全国運動」という偉大な闘いが開始され、この運動を全力を挙げて推進することが11・7集会全体の実践的確認となったことである。
 「国鉄闘争全国運動」とは、国鉄決戦の勝利とそれをテコとする日本労働運動再生への、ついに始まった闘う全労働者の歴史的決起である。それは、動労千葉と動労総連合、国労共闘を解体し、動労千葉型労働運動を抹殺し、ひいては労働組合と労働運動そのものの息の根を止めようとする4・9反革命と対決し、国鉄決戦勝利、階級的労働運動の創成をめざす歴史的大運動である。

 4・9との全面対決

 4・9和解策動の本質は、新自由主義の中心的攻撃だった国鉄分割・民営化への全面屈服を迫るものであった。1047名の解雇を撤回せず、国鉄改革法を承認させ、国家的不当労働行為そのものである「いったん全員解雇・選別再採用方式」を正当化し、今後JR会社の発展に協力することを誓わせ、分割・民営化反対の一切の訴訟を下ろすことを条件としている、和解とは似ても似つかないものであった。しかも「和解金」なるものも、およそ労働争議の和解金などとは言えない低レベルの、涙金以上のものではまったくなかった。そして、1047名の一人ひとりにJRへの全面屈服の誓約書まで要求した。何よりも、1047名問題の「解決」などと称しながら、初めから動労千葉争議団を排除するという、天人ともに許されないものであった。
 この4・9反革命に対して、まず渾身(こんしん)の怒りを込めて断固立ち上がったのは動労千葉であった。動労千葉(動労総連合)は労働組合として階級的憤怒の声明を発し、4・9和解を拒否する反撃に打って出た。また、国労闘争団の4人の闘う労働者は、動労千葉争議団と一体となって、4・9和解策動を断固拒否する闘いに決然と立ち上がった。
 さらに、この4・9反革命を労働運動の絶滅の危機としてとらえた動労千葉は、「国鉄闘争の火を消してはならない」という声明を発し、国鉄闘争全国運動結成を決断した。そして、この動労千葉の提起を全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同の二つの階級的労働組合が支持して、この3労組が一体となって呼びかけ人をつのり、6・13の革命的大集会が実現された。4・9反革命をのりこえて進もうという6・13大集会の熱気と興奮、そして満場の総意で「国鉄闘争全国運動」が発足した。
 この6・13集会を起点にして、11月労働者集会に至る大運動が、全国運動会員の組織化、動労千葉物販を始めとして全国各地、あらゆる産別で猛然と展開され、そうした闘いの総集約として11・7集会がかちとられた。11・7集会は、例年の3労組共闘に「国鉄闘争全国運動」を加えた4者共闘としてすそ野を拡大し、より広い基盤に働きかけるものとして戦取された。そこには、職場生産点で資本と絶対非和解の闘いを実践しぬいて、組織づくり、組合づくりに全力を挙げてきた戦闘的労働者が、全国から5900人も結集した。そしてその牽引(けんいん)力として、青年労働者と学生がプロレタリア革命への闘志をみなぎらせて決起した。

 動労千葉が闘い牽引

 このような11月労働者集会の階級的地平を切り開き、全体を土台的に支えたのは、動労千葉労働運動の2010年における総力を挙げた闘いの勝利的貫徹であった。2010年の日本階級闘争の突破口を切り開いたのは、動労千葉が検修・構内業務全面外注化阻止の闘いに組織拡大とストライキで総決起し、ついに「外注化4・1実施の中止」をかちとったことである。これは、2012年問題を焦点とする民営化路線の破綻にあえぐJRが、狭義の運転部門を除く鉄道事業の大半を全面外注化・子会社化・アウトソーシングの方式へと再編しようとする攻撃であり、第1次の国鉄分割・民営化に勝るとも劣らない大再編・大リストラ攻撃であった。同時に、ライフサイクル攻撃と一体で、今日JR労働者の中軸を形成している平成採の青年労働者を自由にリストラし、首を切り、非正規職化しようとする大攻撃であった。
 動労千葉は、このJR(東日本)の全面外注化という巨大な反革命攻撃に対し、反合・運転保安闘争路線を決定的なバネとして闘いに決起し、組合的団結の強化の力をもって、いったん粉砕したのである。これは、新自由主義と真っ向から闘う巨歩として労働運動史上に残るとてつもない大勝利であった。この「4・1実施の中止」を闘いとった動労千葉・動労総連合の革命的な前進は、階級情勢を揺るがし、平成採の青年労働者の怒りと結びつき、2千万青年労働者の戦闘的息吹を呼び起こすものへと発展する趨勢(すうせい)を示して、敵階級を4・9反革命へと最終的に踏み切らせたのである。
 こうした階級的激動構造における動労千葉のヘゲモニーがあったからこそ、4・9反革命粉砕への動労千葉の「国鉄闘争の火を消すな」の呼びかけは、全国鉄戦線、そして全階級の心を揺さぶったのである。ここから誕生した6・13大運動は、以降、日本の階級闘争の革命的・戦闘的高揚の大きな力となっていったのである。
 この6・13を跳躍点として、4・9和解を拒否して闘う4人の国労闘争団員による鉄運機構訴訟と鉄建公団訴訟の継続が、新たな弁護団体制のもとに開始された。これらが動労千葉の鉄建公団訴訟や国労5・27臨大闘争弾圧裁判とともに、多くの闘う国鉄労働者の現実的結集軸となり、国鉄闘争全国運動の一翼としての「共に闘う国労の会」を生み出す原動力となった。
 このような動労千葉(動労総連合、国労共闘、共に闘う国労の会)の革命的階級的決起に、階級的連帯精神をみなぎらせて、職場生産点からの決起をもって呼応したのが、関西生コンの労働者たちであった。関西生コンは、7月末以来一大ゼネスト闘争を貫徹し、ついにゼネコン各社に「生コンクリートの値上げ」をのませることに成功し、闘争に勝利した。大恐慌下でも、資本の矛盾を鋭くつき、階級的実力闘争で組合的団結をかちとるならば、資本の壁を破ることができることを実証した偉大な闘いであった。
 2010年の11月労働者集会は、これらすべての決起が一堂に会して大合流し、ともに新たな出発点を打ち固める集会となった。これまでの労働者集会が獲得してきた地平をもはるかに突きぬけた、大恐慌下の階級的決戦をともに闘いぬく闘う労働者の固い団結と、そのもとでの階級的共同行動として圧倒的にかちとられたのである。

 (2)拠点建設と組合権力奪取へ本格的な挑戦が始まった

 第二に、労働組合の拠点建設と権力奪取に向けての職場生産点での本格的挑戦が、青年労働者を先頭にして4・9反革命の岩盤を打ち破りつつ始まったことである。
 2010年、マルクス主義青年労働者同盟は第7回大会において、「JR外注化阻止へ、平成採の総反乱を巻き起こし、マル青労同1千人建設に突き進もう!」「闘う労組青年部を甦らせ、大失業と戦争をプロレタリア革命に転化しよう!」と宣言した。第7回大会は、マル青労同結成以来の職場生産点における七転八倒の地をはうような労働運動の実践を通して、JR外注化阻止と労組青年部運動の復権をひとつに統一して、1千人の組織建設への新たな大挑戦に入ることを熱烈に確認した。
 闘う青年労働者は、昨年10・3首都圏に始まる青年労働者集会において、正規雇用と非正規雇用の分断を打ち破り、2千万青年労働者をひとつの階級として団結させる労働運動を開始した。その核心にJR全面外注化阻止と平成採労働者との合流を据えきった。そして、闘う労働組合青年部を甦らせる挑戦を本格的に開始した。第7回大会の地平は、3全総に始まる反スターリン主義・革命的共産主義運動のもとでの青年労働者運動の画期をなすと言って過言ではない。それは、動労千葉労働学校を始めとして、動労千葉労働運動を全身で吸収し、教訓にし、体現することで生み出されている。

 「中野精神」に学ぶ

 あらためて、故中野洋動労千葉前委員長とそのもとで団結してきた動労千葉労働運動が切り開いている地平に肉薄し、学び尽くし、労働組合の拠点建設と権力奪取の現段階を突破することが問われている。この格闘と前進が1万人結集の壁を打ち破る。
 ひとつは、「労働者階級の解放は、労働者自身の事業である」という労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその勝利のために、労働組合を革命的武器として復権させることである。中野前委員長は、1973年に動労千葉の組合権力を奪取し、その組合権力を展開軸にして、79年に動労本部から分離・独立し、80年代の国鉄分割・民営化攻撃に2波の大ストライキで反撃に立った。労働組合権力を奪取することは、主流派としてのあり方、すなわち多数派形成を目的意識性をもって果敢に貫くということである。それは労働組合のもつ可能性、革命性を心底から確信することとひとつである。
 彼は「俺たちが動労全体を獲得し、国鉄労働運動をすべて獲得してやる」という主流派意識をもって、壮大な夢を持って闘いぬいた。動労千葉の分離・独立直後の80年動労熊本大会で動労を二分する決戦に挑戦し、その地平の上に動労総連合が誕生した。85年〜90年の大ストライキで1047名闘争団を歴史的に登場させた。こうした労働組合の挑戦を、日帝の大動脈を破綻させるという革命のロマンをかけて貫き通したのである。
 それは、「階級的労働運動と革命的共産主義運動の歴史において、ひとつの革命を成し遂げた」(清水丈夫革共同議長)ことと同義である。すなわち階級的労働運動と革命的共産主義運動は、労働者階級自己解放闘争の労働者自身による具体的展開として限りなく有機的一体的に闘いとられなければならないことを、営々たる実践をもって示したことである。スターリン主義、社民、協会派、ファシスト・カクマルなどと激しく闘いつつ、労働組合と党の限りない一体性を組織論、革命論のみならず、実践的に勝利的にたぐり寄せてきた。21世紀の現代革命にとって最大のテーマを、今日的現在的に確立したのである。
 今ひとつは、労働者階級自己解放の思想と時代認識、路線の確立と、その正しさに裏打ちされた原則性と柔軟性、「義理と人情」をもって職場の労働者の怒りと結びつき、団結を固め、労働者全体を組織するあり方を不撓不屈に実践したことである。
 労働組合運動における「義理・人情」は、時代認識・路線とともに必須不可欠なものである。労働者の団結した力が資本を根底から覆す。団結が職場から職場へ、産業全体、地域全体へと拡大し発展することがプロレタリア革命へとつながるのである。こうした労働者の団結、「義理・人情」「人間くささ」は、動労千葉が一丸となって死中に活を求めて打ちぬいた分割・民営化絶対反対の2波のストライキにも脈打っている。それは「義理・人情」という団結の中に人間本来の共同性が甦り、未来社会の人間関係の萌芽(ほうが)が宿っているからである。

 職場闘争の路線確立

 この団結のもとで形成された動労千葉の反合・運転保安闘争路線は、2000年「ニューフロンティア21」に始まる第2次分割・民営化攻撃を阻止し続けてきた。新自由主義攻撃は、民営化・外注化・非正規雇用化として進められる。特に外注化攻撃は、労働者の団結を破壊し、業務を奪い、それを外注会社に丸投げして、正規雇用をすべて非正規雇用に突き落としていく。新自由主義のもとで全世界で外注化−非正規化が吹き荒れ、とりわけ世界大恐慌のもとで加速度的に進行することに対して、動労千葉の反合・運転保安闘争路線が唯一、外注化を阻止している。10年検修・構内全面外注化攻撃をいったん完全に阻止したことは、日本と世界の労働運動・労働組合運動にとって歴史的快挙なのである。
 2010年は国鉄のみならず、全逓、自治労、教労の4大産別、医療・福祉、合同一般労組など全産別において、反合・運転保安闘争路線を職場闘争の路線形成のテコに転じた。極限的合理化攻撃の嵐の中で、この路線こそ、大恐慌下の資本攻勢と闘う全労働者階級の反合・反リストラ闘争の普遍的武器であることをつかんだ。ここにプロレタリア革命へと向かう階級的労働運動が力強く屹立(きつりつ)しつつあると確信できる。

 (3) 国際連帯の飛躍的な前進

 第三に、2010年の闘いは国際連帯闘争においても、それまでとは次元を画する飛躍的前進を切り開いた。3月の全学連訪米に始まり、動労千葉と全学連のブラジル訪問、闘う日本の教育労働者とUTLA(ロサンゼルス統一教組)との交流、ドイツの闘う学生の来日、そして11月労働者集会への韓国民主労総ソウル地域本部の大代表団を先頭とする、各国からの総結集である。中国の闘う労働者との、厚い壁を突き破っての連帯もついに始まった。また入管体制のもとで激化する日帝の分断攻撃を打ち破って、在日・滞日の労働者が大結集し、ともに闘った。
 本質的に同じ階級的闘いを必死に実践してきた労働者同志たちが、国境を越えて実際に共同闘争を積み重ね、その中から国際階級闘争の最先端を切り開く濃密な集会を、11月集会として全一体となってかちとったのである。今日の世界大恐慌と大失業・戦争の攻撃に対し、5900人の参加者がかつてないインターナショナルな規模で国際的に対峙し、その本質をつかみ、資本主義は終わりだと言い切り、プロレタリア世界革命に向けて進撃する戦闘宣言を発したことは決定的である。

 (4) 法大闘争と日本学生運動の新段階への突入かちとる

 第四は、階級的労働運動と革命的共産主義運動のもとで不滅の歴史を刻んできた日本学生運動が、5年間の法大決戦の勝利的地平に立って、日本と全世界の学生の牽引車として本格的革命的発展を開始したことである。
 06年3・14以来の法大決戦は、新自由主義が大学を監獄と化し、学生の団結−自治会、サークル、自治寮を解体し、大学と教育を最末期帝国主義の絶望的延命のための機関へと変質させる大攻撃との壮絶な決戦となった。そして、118人の逮捕、33人の起訴、活動家全員の退学・停学処分という、一大学をめぐるキャンパスの攻防としては空前の激突にかちぬいた。動労千葉労働運動が新自由主義の破綻を階級の深部で強制しているように、法大決戦で新自由主義大学という現実を打ち破ったことは階級闘争上の比類ない地平である。
 2010年は、1・29法大入試情宣禁止の仮処分攻撃と闘いぬき、その地平でアメリカ・カリフォルニア100万人教育ゼネストに大合流し、法大生のアジテーションは万雷の拍手で迎えられた。新自由主義大学−教育の民営化粉砕の路線は階級的世界的な普遍性を獲得していることを確信も固くつかみとった。だからこそ4・24法大闘争1周年闘争の高揚をも受けて「法大闘争と日本学生運動の新段階への突入」を宣言し、反転攻勢に打って出た。

 反戦政治闘争復権へ

 ひとつは、絶対非和解の法大決戦の死闘を通して確立した「教育の民営化粉砕」「処分撤回」を反戦政治闘争の巨大な爆発で発展させることに踏み切った。大学が軍事研究と自衛隊・自衛隊幹部候補生の育成の機関へと突進することなど、日本学生運動の真価をかけて粉砕しなければならない。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争、そして帝国主義者をして新自由主義に踏み切らせた戦後階級闘争の威力は、全一体をなす巨大な反戦闘争だった。日本の300万学生を覆い尽くす「学費・奨学金・就活」の三重苦の資本の鉄鎖を打ち破り、キャンパス支配権を実力で奪い取り、大学を帝国主義・資本主義打倒の砦として打ち立てる反戦政治闘争への挑戦である。
 同時に、沖縄、広島・長崎、三里塚を学生の巨大な決起の水路として打ち立て、実際に隊列を拡大し発展させている。三里塚現地行動隊への5月末からの決起は、年末には数十名の現地調査・援農の組織化として闘いぬかれている。日本革命の拠点である三里塚闘争の革命的前進と学生運動の爆発は、歴史的にも現在的にも一体である。

 組織建設の大前進

 二つには、反戦政治闘争と結合した全面的本格的な組織建設闘争に突入し、一挙的とも言える組織の増大をかちとり、その中軸としてマルクス主義学生同盟中核派法大支部の学内細胞建設に成功した。ここには、くめども尽きない教訓がある。
 (1)法大闘争118人の完黙・非転向の闘いが、革共同中央学生組織委員会を革共同を継承し発展させる盤石の指導部として形成した。それはマルクス主義を21世紀の生きた思想・理論として復権しつつ、半世紀を超える革共同の歴史的蓄積と到達地平を自らのものとする格闘だった。レーニンは、「ボルシェヴィズムは、1903年にマルクス主義理論のきわめて強固な土台のうえに生まれた。……ロシアは、ただひとつの正しい革命理論であるマルクス主義を、真に苦しんでたたかいとったのである」(レーニン全集第31巻10n)と言っているが、まさにそうした格闘として闘われた。
 そして、マルクス主義とレーニン党組織論を、現在的には動労千葉と階級的労働運動の発展、そして3全総以来の革共同の党組織論と一体のものとしてつかみとり、豊かに創造的に発展させてきた。マルクス主義の広大な大地の上に立ち、原則性=路線性と柔軟性そして自己解放性にあふれた組織建設闘争に踏み出したのである。獄中を「革命の学校」に転じたことと、マル学同理論合宿を『資本論』で切り開いた地平がそこにある。
 (2)党生活の3原則を、組織建設闘争を全員が担い、細胞の団結と力で切り開く強固な確認と実践のもとで、生き生きと甦らせていることである。基本会議を自己の全活動の源泉とし、機関紙を自らつくり、生きた武器として活用し、労働者階級人民の財政的拠出の絶大な力と意義を確認してきた。『前進』紙上での学生論文は飛躍的に増大した。法大闘争の保釈金カンパ・日常的支援カンパは1億円という規模のものになっている。
 三つには、学生運動の大衆的爆発を組織建設闘争との結合・統一のもとでいかに闘いとるかの試練をくぐりぬけたことである。法大門前闘争が国家権力・当局=資本・ガードマンの鉄鎖を打ち破って、3万法大生の根源的怒りを引き出し、監獄大学=新自由主義大学を解放するために、1日も休むことなく展開された。門前でのアジテーション、ビラ、法大包囲デモで3万学生と呼吸し、団結する闘いは、ついに堤防決壊を生み出しつつある。門前の二重三重の分断を打ち破って革命的交歓が感動的につくり出され、若き革命家が次々と登場している。
 大衆性とは、決定的な1人の学生活動家を獲得することを心棒に据えて、その獲得の普遍性を貫くことにある。法大学生運動を21世紀革命の時代に甦らせ、過去のどんな時代をも超える学生の革命的決起・反乱へと発展させる道筋と、それを担うリーダーが確立された。そして法大闘争の前進が、全国の自治寮闘争−寮権力の奪取、学生自治会の革命的樹立へと発展している。

 (5) 沖縄・三里塚など全戦線で革命へ闘いの奔流うみ出す

 第五に、4・9反革命を踏みしだいて、国鉄決戦を基軸に労働者階級が総決起していくことのもつ巨大な引力のもとで、沖縄決戦、三里塚決戦などすべての闘いが、プロレタリア革命への巨大な奔流となる情勢を切り開いていることである。
 三里塚闘争は、4・9反革命のもとでプロレタリア革命への労農同盟の基礎を破壊しようとする大攻撃との決戦になった。それは4・9反革命との最先端とも言える階級的激突であった。反対同盟農民の逮捕攻撃、裁判闘争での言語道断の訴訟指揮、そして現闘本部強奪、団結街道封鎖、第3誘導路計画、さらにその極めつけは菅民主党政権によるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)攻撃であった。
 TPPは、100%の全面貿易自由化であり、農業・農村・農民と地方を破壊し崩壊させる大攻撃である。また争闘戦が全産業的に爆発する。労働者階級への新自由主義的極限的攻撃でもある。労農連帯で反撃する最大の階級決戦が到来し、その先頭で反対同盟がTPP絶対粉砕を宣言した。軍事空港の完成を45年間阻止し続けてきた三里塚闘争は、米帝(米日帝)の朝鮮侵略戦争の開始という歴史的情勢の中でますます、日本革命−世界革命の一大根拠地となっている。
 沖縄闘争は、米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒への歴史的飛躍の情勢を切り開いている。既成の全党派は日米安保体制に完全屈服し、沖縄百万プロレタリアートの根源的怒りとはまったくかけ離れた存在に転落した。ついに動労千葉派が意気軒高と登場する情勢となった。5・15体制粉砕・日米安保粉砕の闘いが、労働組合をめぐる党派闘争に真っ向から踏み込んで前進した。それは、保育園の民営化絶対反対を掲げて選挙闘争へ決起した北中城村議・宮城盛光さんの勝利として結実した。
 朝鮮侵略戦争突入情勢下の沖縄は、文字通り最前線の出撃拠点になっている。辺野古新基地建設絶対反対は、沖縄青年労働者の死活的欲求となった。NTT、自治労、合同労組から断固たる闘いが開始された。

 権力追い詰める闘い

 獄中36年の星野文昭同志奪還の闘いは2010年、大きな前進をかちとった。階級闘争の先頭で闘う星野同志の闘いに追い詰められた国家権力は、星野同志への懲罰の乱発、友人面会不許可、弁護士面会妨害、手紙の一部削除の攻撃を繰り返した。これらを打ち破り、逆に新証拠を武器に、全証拠を開示させる闘いの前進が切り開かれた。
 この星野闘争を先頭に、法大弾圧裁判を始め多くの裁判闘争が、闘う弁護士の強力な支援と共同の決起のもとで、日帝司法権力と激突し粉砕して勝利的に前進している。その闘いが、検察による証拠改ざんや警視庁公安情報の流出問題など、権力の内部分解と腐敗を日々暴き出している。
 さらに、司法改革絶対反対で闘う弁護士が呼びかけた「裁判員制度はいらない!大運動」が、改憲・戦争国家化阻止の闘いとして、百万人署名運動とも結合し、その陣形の大きな前進をかちとった。
 5月沖縄闘争に続く8月広島・長崎反戦反核闘争、全国での反原発闘争は、労働運動が中心に座り、青年労働者・学生が帝国主義侵略戦争への怒りを爆発させて闘いぬいた。田母神ファシスト反革命と真っ向から対決して闘うことで、階級的陣形を確立した。
 新自由主義のもとでの資本による搾取と抑圧、団結破壊攻撃の激化は、差別分断支配を決定的に激化させる。部落解放闘争、入管法・入管体制と闘う全国実運動、婦人民主クラブ全国協議会の闘い、障害者解放闘争、被爆者解放闘争は、これらの攻撃に反撃する拠点を路線的・実践的に形成した。2010年決戦は、全戦線の発展の基礎を確実に切り開いた。
 これらの戦線の闘いは、時代認識と路線的一致をかちとる討議を徹底的に重視し、階級的団結を強化する方向で、直面する壁を突破してきた。襲いかかる攻撃は大恐慌の激化の中で生起しており、帝国主義の体制的崩壊の断末魔のあがきであることを明確にし、階級的力関係を変えるためにこそ、階級的労働運動の前進を先頭で担うことをきっぱりと確認し、確立してきた。
 それは同時に、労働者階級の単一の党をつくる普遍的意義を論議できる党組織へと飛躍する闘いであった。労働者階級は、組織的団結・階級的団結を求めて結集してくる。そうであればこそ、諸戦線を担う党組織は最も強固な団結が求められる。その団結形成を最高に実践しているのは地区党である。地区党へ結集し、ともに闘う中に全戦線の飛躍の鍵がある。そしてこの地区党建設の中心は、階級的労働運動の拠点建設と一体であることがはっきりした。地区党での目的意識的な拠点建設、労働者細胞建設の力が全戦線の発展の方向を切り開いた。
 2010年反軍闘争は、着実な路線的前進を実現した。朝鮮侵略戦争突入情勢下で、帝国主義軍隊の包囲・解体・獲得へと突き進む段階に入った。

 (6) 『綱領草案』発刊の意義

 2010年総括の結語として、革共同の『綱領草案』(解説本)の発刊の絶大な意義について確認したい。
 革共同の綱領草案は、21世紀革命の実現に向けた「現代の共産党宣言」として、全世界のプロレタリアートの前に提示された。世界革命情勢の急速な成熟を前にして、スターリン主義によるマルクス主義の歪曲が生んだ労働者階級への不信と蔑視(べっし)、「労働者は闘っても勝てない」という奴隷の思想を打ち破る、本物の労働者階級の単一の党とその綱領が熱烈に求められている。動労千葉労働運動・階級的労働運動と国際連帯の発展の中から生み出された綱領草案は、これに真っ向から応えるものである。
 綱領草案はその全14項を通して、プロレタリア革命とは何か、労働者階級の解放はどのようにして達成されるか、そのためには何が必要かを、きわめて簡潔に、しかし明確に提起している。具体的に草案は、@マルクス主義の核心中の核心である労働者階級自己解放の思想を全面的に甦らせ、A「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の思想と立場を、現代革命の唯一の綱領として再提起した。Bプロレタリア革命は暴力革命でありプロレタリア独裁の樹立こそ革命の核心問題であることを明確にした。C労働者階級の解放にとって「党」のもつ意義と本質、その絶対不可欠性、党と階級との関係を、スターリン主義による歪曲を打ち破って完全に明確にすると同時に、Dそれらの土台として、労働組合の決定的意義と革命的役割をマルクス主義の原点に立ち返って明らかにし、その本来の姿をつかみ出し、党と労働組合の関係、党・労働組合・ソビエトの関係をはっきりさせた。
 綱領草案こそ、革共同の半世紀の営々たる闘いがついに到達した地平であると同時に、「組織、組織、また組織」の新たな巨大な飛躍への出発点である。大恐慌・大失業・戦争の一挙的到来という千載一遇の革命のチャンスを本物の革命に転化しよう。
 綱領草案は実践的結論として、日本階級闘争の世界史的位置を明快にしている。最末期帝国主義の最弱の環は日帝=菅民主党政権である。民主党・連合政権を打倒する日本革命の勝利こそ、朝鮮革命−中国革命−アジア革命そして世界革命の突破口となる。綱領草案を全党と全階級の思想と行動原理に転じて、革命の大道を進撃しよう。

 〔U〕大恐慌は大失業を生み出し朝鮮侵略戦争を現実化させた

 (1) ブルジョアジーの大恐慌対策=大失業・非正規化攻撃

 歴史は大きく転換した。2007年8月9日のパリバ・ショックから3年5カ月、08年9月15日のリーマン・ショックから2年3カ月余。1929年の世界大恐慌をはるかに超える後のない歴史的な大恐慌は、今も日々継続、激化し、深化・発展している。それは今や全世界的に大失業と非正規職の拡大を生み出し、同時に帝国主義間・大国間の争闘戦の激化がついに帝国主義の侵略戦争=世界戦争へと転化する情勢を現実化させた。
 11月23日の延坪島での南北の砲撃戦と、その後の情勢展開が示していることは、米帝(米日帝)を軸とする帝国主義の朝鮮侵略戦争がついに始まったということだ。11・23の砲撃戦は、世界大恐慌の深まりと帝国主義間・大国間の争闘戦の激化の重圧下で起こった。米帝は11・23のはるか以前から、北朝鮮スターリン主義の体制転覆と南北朝鮮の帝国主義的「統一」を狙って、北朝鮮への政治的・経済的制裁と戦争重圧を加え続け、この間も米原子力空母ジョージ・ワシントンをも投入し米韓、米日のすさまじい軍事演習を繰り返してきた。11・23はまさに、北朝鮮スターリン主義がこの米帝との関係で、徹底的に追い詰められたことによって引き起こされた現実でもあるのだ。
 しかも11・23以降、米帝は北朝鮮に対する排外主義的扇動と国際的包囲をいよいよ強める一方、日帝・菅政権と韓国イミョンバク政権を徹底的に動員し、対北朝鮮と同時に対中国をにらんだ米韓、米日、さらには「米日韓」の軍事演習を連続的に強行している。これは北朝鮮に対するすさまじい実戦演習、戦争挑発そのものであり、ついには必ず実際に帝国主義の朝鮮侵略戦争へと発展していく。そしてこの戦争は北朝鮮の残存スターリン主義体制の転覆を狙う侵略戦争であると同時に、アメリカと日本の労働運動の解体と、とりわけ現在、資本との闘いに猛然と決起している韓国の労働者階級を圧殺し虐殺するという階級的本質をもつ侵略戦争でもある。
 すでに北朝鮮の体制崩壊の危機は、明日どうなるか分からないところに来ている。この間、「生きていけない。この生活を変えてくれ」という叫びが噴出し、「脱北者」があらゆる層から激増し、金正日(キムジョンイル)の後継体制にも反発と不信が爆発している。米帝はここに手を突っ込み、追い詰められた北朝鮮の反プロレタリア的行動を餌食にして、中国に対しても「北朝鮮を抑制しろ」と恫喝し、自分のヘゲモニーで朝鮮情勢をコントロールしつつ、今や朝鮮半島への一大侵略戦争の発動を準備し始めた。
 大恐慌下でついに帝国主義の新たな朝鮮侵略戦争が始まった。われわれは「侵略戦争を内乱へ」の革命を準備する闘いで、この情勢を全力で迎え撃たなければならない。
 この間、大恐慌の爆発・激化に対し、米帝を始め世界の帝国主義は、残存スターリン主義の新興大国・中国をも巻き込んで、各国政府とFRB(米連邦準備制度理事会)などの中央銀行による野放図な天文学的規模の景気対策と公的資金の注入、低金利・ゼロ金利政策下での超金融緩和政策を強行してきた。だがこの未曾有の恐慌対策は、今や巨大な財政赤字の累積と国家財政の破綻(ソブリンリスク)を生み出し、同時に世界的な過剰流動性=カネ余り状態を促進して、バブルとインフレの危機を爆発させている。
 その上で、帝国主義が大恐慌下で強行してきた最大の恐慌対策こそ、労働者階級への大失業と非正規職化の攻撃だった。新自由主義は70年代〜80年代以来、全産業でアウトソーシング(外部委託、外注化)を大々的に推進し、中国、アジア、東欧、中南米などの労働者を帝国主義国の労働者の10分の1から100分の1の超低賃金で搾取・収奪すると同時に、帝国主義国の労働者に「工場法以前的」とか「途上国並み」ということを本質とする、大幅賃下げ、大失業・非正規職化、労組破壊の攻撃を全面的に激化させてきた。
 ILO(国際労働機関)の11月8日の発表では、世界20カ国・地域(G20)の2010年上半期の完全失業者は実に7千万人に上り、そのうち帝国主義国が3750万人で、平均失業率は7・8%、とりわけ若年労働者は19%という高率だ。10年10月、11月の完全失業率は、欧州(EU)の10・1%、米の9・8%、日本の5・1%を始めとして全世界で軒並み悪化している。大恐慌とは何よりも大失業と戦争なのだ。
 今次大恐慌は、直接的には新自由主義の総破綻、住宅バブル・金融バブルの大崩壊として爆発した。だがそのことによって1974〜75年恐慌で歴史的に露呈した帝国主義の過剰資本・過剰生産力の問題が、あらためて決定的に突き出された。しかしそもそも帝国主義が歴史的に蓄積してきたこの過剰資本・過剰生産力は、あれこれの政策や財政投入や金融緩和政策で解消し解決できるような問題では断じてない。

 全世界でストとデモ

 この大恐慌下の財政破綻と超緊縮財政によって激化する公務員労働者の大量解雇(=大失業)と賃下げ、年金・社会保障制度改悪、学費大幅値上げなどの大攻撃に対し、今やヨーロッパを先頭に、アメリカで、アジアで、全世界で、青年労働者や学生を先頭とするスト(ゼネスト)、デモ、暴動が爆発している。大恐慌はブルジョアジーとプロレタリアートの激突、階級決戦を煮詰まらせている。大恐慌と戦争・大失業をプロレタリア世界革命へ転化するために、国鉄決戦・国鉄闘争全国運動の発展をかちとり、職場・生産点で階級的労働運動を徹底的に推進し、「帝国主義戦争を内乱へ」の革命準備の闘いに突入しよう。

 (2) 朝鮮侵略戦争切迫情勢を規定する米中の対峙・対決

 今日の朝鮮侵略戦争切迫情勢を規定している最大の問題こそ、大恐慌下の帝国主義間・大国間争闘戦の激化であり、とりわけ米帝と中国スターリン主義の激しい対峙・対決である。これは米帝の対日帝・対ドイツ帝国主義の争闘戦、対峙・対決政策とも一体のものだが、やはり今日的な最大の問題は米中矛盾の爆発、米中対決にある。ソウルG20や横浜APEC(アジア太平洋経済協力会議)でも、米帝と中国は、公然舞台でも水面下でも絶えず対立し、激突した。
 大恐慌に直撃され、基軸帝国主義として歴史的没落にあえぐ米帝は、今やすさまじい激しさと勢いで中国と対峙・対決し、対中争闘戦、「対中包囲網」をあらゆる形で強化してきている。実際にある米政府当局者は、オバマ政権内でこの間、対中政策を論争してきたが、「対話より圧力に軸足を置く」という結論になったと明言してい
 確かに米中は経済関係では、一面では強く依存し合っている。だがその中で米帝の最大の貿易赤字が対中赤字であり、中国がそれでため込んだ巨大な経常黒字で世界最大の米国債保持者となり、米帝の国家財政を左右している現状は、今や米帝の体制存亡の危機でもある。それゆえ米帝は激しい中国への通商戦争・為替戦争を展開し、人民元の切り上げを要求し続けている。それは米中の体制的死活をかけた争闘戦そのものとなっている。
 さらに米帝は、74〜75年恐慌以来の新自由主義と世界的なバブル経済の中で、中国スターリン主義の資本主義化と経済大国化が、今や日帝を規模においては超えるまでになっており、またこの経済大国化した中国が軍事力を急速に強化し、アジア・太平洋地域で米帝の軍事支配を拒否するパワーを形成しようとしているばかりか、東中国海はもとより南中国海でも海洋権益、領土・資源、制海権の確保に動いていることなどを強く非難して、中国の台頭を押さえつけ粉砕する帝国主義的争闘戦に決定的に突入しつつある。これは没落する米帝の絶望的で反動的な世界再分割戦そのものとして行われている。

 対中国戦争にも直結

 こうした中で今ひとつ、決定的な激しい米中の非和解的な対立、軍事的対立をはらんで進展しているものこそ、北朝鮮をめぐる情勢だ。11・23をもって現実的に始まった米帝(米日帝)の北朝鮮に対する侵略戦争、帝国主義的な朝鮮侵略戦争は、同時に本質的にも現実的にも、北朝鮮と長大な国境を接する残存スターリン主義・中国に対する、体制転覆的な侵略戦争へと直結する歴史的なすさまじい攻撃なのである。
 米帝は、今やその基軸帝国主義としての凶暴で絶望的な延命をかけて、自らの世界戦略、アジア戦略、対中戦略、対日戦略、とりわけ何よりも対中戦略として、北朝鮮スターリン主義の体制崩壊の切迫とその反革命的・反プロレタリア的な諸行動につけ込み、新たな朝鮮侵略戦争を発動し、朝鮮情勢の帝国主義的主導権を握ろうとしているのだ。
 そもそも今日の世界大恐慌と争闘戦激化の時代に、朝鮮半島情勢のへゲモニーを帝国主義がとるか中国スターリン主義がとるかは、きわめて重大な事柄である。米帝は今や明白に、米韓関係を土台にして、帝国主義的ヘゲモニーのもとでの「朝鮮統一」とその「統一朝鮮」の支配をも戦略化してきている。なぜならそれは、激動するアジア・太平洋地域における米帝勢力圏の形成にとって、まさに死活的なテーマであるからだ。
 米帝は激化し深化・発展する大恐慌下で、これまでの米中関係を根底から変え、そのために中国との対峙・対決をもやりぬくことを決断し、すでに全力で動き出している。その最大の現れが米帝(米日帝)による朝鮮侵略戦争への歴史的な踏み切りだ。これこそまさに現在の大恐慌が生み出した、帝国主義的争闘戦とその激化の重大な帰結である。
 またこれは逆の側面から見れば、1950年朝鮮戦争以来の特殊歴史的背景を持ち南北対立が非和解化する朝鮮半島での帝国主義と残存スターリン主義の間での新たな侵略戦争の爆発が、現下の大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦それ自体を、さらに激化させることを意味する。米帝を軸とした帝国主義の朝鮮侵略戦争絶対阻止へ、米日韓・日朝中労働者階級の国際的団結と歴史的決起を、今こそ全力でかちとらなければならない。

 (3) 争闘戦の激化と米帝危機を対外的に転嫁する大攻撃

 11月米中間選挙でオバマ民主党は、1938年のルーズベルトの敗北以来という歴史的大敗を喫した。上院はなんとか過半数を維持したが、下院では少数派に転落し、議会がオバマの自由にならない情勢に突入した。最大の敗因は大恐慌下の経済悪化と大失業への怒りだ。
 オバマは2年前の大統領選で「変革」を叫び、巨額の財政投入をテコに仕事と雇用を創出することを訴えて、共和党に勝利した。しかし09年度の財政赤字が1兆4171億j強となり、10年度も1・5兆jの財政赤字が予想される一方、完全失業者数は1500万人、失業率も9・8%と高率のままで(実質的な失業率は17〜18%)、オバマ幻想は完全にはげ落ち、労働者階級人民は中間選挙で、明白なノーを突きつけた。
 大恐慌の激化のもと、米帝経済は財政危機と大失業がいよいよ深刻化し、住宅不況と差し押さえ問題が継続的に爆発している。公的資金で救済されてきた巨大金融機関も、金融大恐慌爆発の原因ともなった投資銀行業務でもっぱら息をついているのが現状であり、ファニーメイ、フレディマックの住宅金融2公社が象徴するように不良債権の重圧にあえぎ、その内実はボロボロである。しかも商業用不動産ローンの焦げ付き問題が依然深刻で、09年に続き10年も地方の拠点銀行約140行が破綻すると予測されている。
 こうした中で、中間選挙で惨敗し議会で共和党の妥協を引き出すことも困難化したオバマ民主党にとって、最大の危機脱出策は、超金融緩和政策と一体で国内矛盾を対外的に転嫁することだ。すなわち中国への対峙・対決政策を軸にして、経済と軍事をリンクさせながら、帝国主義的争闘戦を自滅的・破滅的に激化させていくということである。

 通商戦争と為替戦争

 すでにオバマが強行している政策で決定的なことは、第一に、大恐慌時に特有な歴史的な通商戦争(貿易戦争)と為替戦争(通貨切り下げ競争)である。
 09年2月、オバマの初仕事となった7872億jの景気対策法に「バイ・アメリカン」条項が盛り込まれ、米帝は大恐慌下の保護主義政策の先端を切った。さらに10年1月の一般教書演説でオバマは、今後5年間でアメリカの輸出を倍増し200万人の雇用を創出すると宣言した。大恐慌爆発以前は「強いドル政策」と住宅バブル・金融バブルのもと、借金しながら全世界からの大量輸入と大量消費をもって世界経済を曲がりなりにも支えてきた基軸国・米帝が、一転して輸出と雇用創出の先頭に立つと宣言したのだ。
 まさにこれは米帝オバマの「輸出立国」宣言であり、同時に「ドル安」追求宣言であった。鉄鋼、繊維、電機などの基礎的な製造業が歴史的に衰退してきた米帝にとって、かなりのドル安政策なしには輸出の倍増などあり得ない。実際にこのオバマ宣言以降、円やアジアなどの新興国通貨が上昇する一方で、傾向的なドル安が現出していったのだ。
 1930年代の3大通貨国である英、米、仏の激烈な為替戦争が示すように、大恐慌下の保護主義政策は最後の局面で、通商戦争と一体のものとして為替戦争が激化していく。米帝オバマは、今日いよいよ激しくなっている為替戦争=通貨安競争の口火を10年1月の演説で切ったのである。その最大のターゲットは中国である。だから米帝はG20やAPECその他の場で、人民元の切り上げを執拗(しつよう)に要求してきているのである。

 破滅的な超金融緩和

 米帝オバマによる決定的な危機的政策は、第二に、ゼロ金利導入下での超金融緩和政策だ。これは米帝を先頭に帝国主義間・大国間の争闘戦の激化、世界経済の分裂化=ブロック化が決定的な歴史的分水嶺を越えたことを突き出す事態と言える。
 11月3日、FRBは11年6月末までに6千億jもの米長期国債を購入し、市場にジャブジャブに資金を供給する追加金融緩和策(QE2)を発表した。供給金額は実際には、住宅ローン担保証券の償還資金3千億jも加えられ、9千億jの巨額になる。これは「景気回復」「デフレ回避」をうたい、絶望的な財政危機の中で議会の承認を必要としない金融緩和により、米金利の低下とドル安誘導と「輸出倍増」を狙う政策だ。
 しかしこれは一方では、あふれるドル洪水が世界を覆い、大恐慌下の「カネ余り」に拍車がかかり、過剰な投機マネーが新興諸国や商品市場に流れ込み、新たなバブルを生み出す。またドルが流入する新興国の通貨が上昇する中で、為替介入など通貨切り下げ競争を加速する。今や世界的なドル流通量の目安となる「ワールドダラー」は、10年10月末には約4・5兆jに達し、実にリーマン・ショック前の2倍となっているのだ。
 さらにこの超金融緩和は、マネタイゼーション(中央銀行による財政赤字の穴埋め)という破滅的政策であり、すでに天文学的規模の財政赤字に加え、低金利のドルをジャブジャブに供給しドル安へと誘導することは、米帝経済に一転してインフレとドル暴落の危機を発生させる。しかもオバマは「ブッシュ減税」の延長を軸に、新たに今後10年間で8578億j(約72兆円)の「第2次経済対策」を議会で成立させた。これも破滅的政策であり、すでに1971年のニクソン・ショック以来、金の裏付けを持たない「基軸通貨」となっているドルへの不信は、インフレの爆発とドル暴落へ必ず発展していく。
 しかも後述するように、米帝の円高攻勢と1997〜98年の金融恐慌以来のデフレ経済にあえぐ日帝・菅政権と日銀が、9月の単独為替介入を含め超金融緩和にのめり込んでいる。米帝と日帝が金融緩和競争・通貨安競争を展開し争闘戦を激化させているのだ。

 (4) G20とAPECが示したブロック化政策めぐる激突

 大恐慌の現段階は、全世界で大失業・非正規化を生み出し、通商戦争・為替戦争を画歴史的に激化させ、米日帝国主義が超金融緩和政策にのめり込む一方で、アジア・太平洋地域の支配と勢力圏化をめぐって、米帝の争闘戦とブロック化政策が、今や分水嶺を越えて激化し、それが戦争へと転化する情勢にあることを示している。11月のソウルG20サミットと横浜APECは、そのことを衝撃的に突き出した。

 人民元切り上げ要求

 米帝オバマはG20で通貨問題を一大テーマに押し上げ、「経常収支の不均衡是正」を振りかざして、経常収支の黒字と赤字を対GDP比で4%とする数値目標を確認しようとした。そのターゲットは米帝の最大の経常赤字の対象国・中国であり、また中国に次ぐ経常黒字国であるドイツと日本だった。とりわけ中国に対しては、人民元の切り上げを強硬に要求し続け、欧州とアジアをまたにかけた「中国包囲網」に全力を挙げた。
 だが米帝の追加金融緩和策の発表で情勢は一変し、中国やブラジルの新興国に日独も加わって米批判が巻き起こり、不均衡是正の具体策づくりは11年に先送りされた。しかしオバマは、不均衡是正の取り組みへの「監視」と「圧力」が合意されたことの意義を強調し、人民元切り上げ要求を始めとする通貨戦争を弱めようとはしていない。
 横浜APECはブロック化政策での米・日・中の対立をより決定的に示した。「横浜ビジョン」なる首脳宣言で「共通の成長戦略」の実行と経済統合構想=FTAAP(アジア太平洋自由貿易地域)の実現を目指すことで「一致」はしたものの、その内実は完全に分裂している。FTAAP実現への「三つの道筋」とされるTPPは米帝が主導権を握り、ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3は中国が軸であり、日帝はこの米中にはじき出される形で、ASEANプラス6を中心に考えてきた。要するに米中の対峙・対決を軸に、ブロック化政策が激突し合っているのだ。

 TPPと日米争闘戦

 とりわけTPPは、米帝オバマが09年11月の来日時の講演で「関与」を宣言した瞬間、米帝主導の一大経済ブロックとしての性格を帯びるに至った。オバマは横浜でのTPP首脳会合で、「TPP交渉は来年11月のハワイAPECまでに妥結したい」と提案し、参加に向け支配階級の意思一致もできていない日帝や、まだ「関心」を示す程度の段階の中国に露骨にぶつける形で、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ペルーにASEANの一部を加えた環太平洋の一大ブロック=勢力圏の形成へとつっ走っている。要するに、「自由貿易」をうたいつつブロック化戦争、日米中間の争闘戦が爆発しているのだ。

 (5) 大恐慌下で欧州と中国の経済危機もいよいよ激化へ

 大恐慌のもうひとつの震源である欧州では、財政危機と信用不安が再爆発し始めている。特に10年物国債の利回りが9%超となり政府と銀行の資金調達が困難になっていたアイルランドが、ついに11月21日、ギリシャに続いてEU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)から10兆円規模の金融支援を受ける事態になった。さらにポルトガルやスペインも7%超、5%超と長期金利が上昇し、市場は「次はポルトガルだ」などと新たな標的を探し始めており、ユーロへの信認も決定的に揺らいでいる。
 金融大恐慌の爆発までは、世界的な住宅バブル・金融バブルの中で「優等生」だったアイルランドは、今や一転、最弱の危機点に転化した。政府は大手3銀行を国有化する方針や、GDPの32%という単年度の財政赤字を14年までに3%に減らすという、とてつもない4カ年計画を発表し、12・5%と超低率の法人税は据え置いたまま、社会保障給付や公務員賃金切り下げなどの徹底的な財政削減と付加価値税増税で危機を打開しようとしている。だがユーロ圏の軸をなしユーロに責任をもっているはずの独仏が、自分たちの国家負担を軽減するために、「債務繰り延べ」などで国債の投資家にも負担を転嫁する「合意」を行う中で、財政破綻・信用不安の一層の連鎖と、通貨統合=ユーロ問題が抱える矛盾の再爆発は不可避である。
 そもそも欧州は、パリバ・ショック以来の金融大恐慌の爆発によって、@イギリス、スペイン、アイルランド、イタリアなどの住宅バブルの崩壊、A英独仏やスイスの大金融機関のサブプライムローン関連の膨大な不良債権の累積、B西ヨーロッパから巨額の銀行融資を受けてきた東欧危機の爆発という、まさにトリプルパンチに見舞われてきた。
 その上で欧州はユーロ圏やイギリスも含めて、大恐慌に特有の信用収縮と国家財政の破綻が最も深刻で、今や極限的な緊縮財政政策に突き進み、公務員労働者への大量解雇と賃下げ、社会保障や年金制度の大改悪、付加価値税の大増税などを強行している。大恐慌と財政破綻を、すべて労働者人民への大失業と犠牲転嫁でのりきろうという狙いだ。
 これに対して、若年労働者の失業率が20%前後というフランス、公務員労働者49万人の大量解雇や学費3倍化のイギリスを始め、昨年来、欧州全域で青年・学生を先頭にギリシャに続くゼネストやデモが激しく爆発している。ポルトガルでも11月24日、賃下げや増税に抗議し、1980年代以来のゼネストが闘われた。完全に階級決戦となっている。
 1929年大恐慌と比べても今次大恐慌の特殊な危機性は、米帝を始めとして帝国主義国が過剰資本・過剰生産力問題にあえぎ、大恐慌からの「脱出」を中国などの新興国経済(いわゆるエマージング市場)の拡大にもっぱら「依存」しておきながら、今や米帝自身がその中国との対峙・対決政策へと転換し、中国の体制の解体すら狙わざるを得ないという、この絶望的パラドックスにある。しかもまた、今やその中国やブラジルなど新興国自体が、米日帝の超金融緩和策下でバブルとインフレの危機にあえいでいるのである。
 とりわけ残存スターリン主義の新興大国・中国は、恐慌対策で投入した4兆元(約50兆円)に加え、帝国主義からの資金流入で不動産バブルとインフレ化が進み、今や公共投資も企業の設備投資も完全に過剰化し、地方政府などの財政危機も深刻化している。
 改革開放路線とスターリン主義的抑圧体制のもと、人民元を国家的に管理しながら、合弁企業をも含む中国と帝国主義の資本が膨大な超低賃金労働力を搾取することで、中国はこの間、「世界の工場」=生産基地となってきた。そしてこのもとで積み上げた2・6兆jの世界最大の外貨準備により米国債を大量に購入する一方で、日米欧やアジア諸国がこぞって中国の巨大な「購買力」に幻想を抱いて、中国に殺到しているのである。
 しかし中国はスターリン主義国家であり、帝国主義の思いのままにならない存在だ。そして今日、米中矛盾が爆発している。しかも超低賃金で搾取されてきた労働者の怒りが昨年来、スターリン主義的抑圧と帝国主義資本への反乱となって爆発を開始した。そしてこの中で中国経済のバブルは必ず崩壊し、「経済大国」の幻想も吹き飛ぶ。この時こそ、ドル大暴落の到来とともに、大恐慌が真の奈落の底に転落する時である。

 (6) 日帝・菅政権の「出口」のない危機と絶望的な凶暴化

 大恐慌下で帝国主義の朝鮮侵略戦争がついに現実化するという、この1930年代を超える危機と大激動情勢の到来の中で、日帝の「最弱の環」としての危機的現実がさらけ出され、日帝・菅政権の絶望的破産とそれゆえの凶暴化が際立ってきている。

 安保強化と参戦狙う

 米帝は当然にも、この朝鮮侵略戦争の過程に、日米安保同盟をとことん利用し日帝を最大限動員しようとしている。日帝が現状では安保同盟に依拠し、米帝に協力することで自己の帝国主義的・侵略的政策を貫くしかないことを完全に見透かして動いている。
 しかし現在の米帝の世界支配=再分割をかけた帝国主義的争闘戦は、一方で対中国争闘戦の激烈な展開であると同時に、他方では口では「同盟国」などと言いつつ、その日帝に対して徹底して体制解体的、相互絶滅戦的な攻勢を仕掛けるものとしてあるのだ。それは米帝の帝国主義的利害を脅かす日帝の動きや、独自の対米対抗的な帝国主義大国としてアジア・太平洋地域で展開することなど、絶対に許さないという露骨な政策である。
 これをさらに具体的に見ると、第一には、米帝の追加金融緩和策が示すように、激しい通貨戦争・円高攻勢をもって、日帝が輸出拡大でデフレ地獄から脱出しようとするあがきを粉砕すること、米国内市場・世界市場から日帝のシェアと権益を奪い取ることだ。第二は、「東アジア共同体」など日帝のアジア・太平洋における帝国主義的ブロック化、勢力圏形成の政策をすべて封殺することである。米帝が主導するTPPという枠組みの提起こそ、露骨な対日争闘戦そのものなのだ。
 米帝は、TPPへの日帝の参加は日帝の戦後体制の解体・再編の問題をはらみ、日帝が簡単には参加決定できないことを知りつつ、日帝の参加に「賛意」を表明している。だがTPPへの日帝の参加は、日本農業を事実上壊滅させ、戦後の農民と農村のあり方を全面的に解体するものだ。同時にそれは「国際競争力の強化」を振りかざして、労働者にすさまじい大失業、非正規化、賃下げ、労働強化を強いる政策だ。それは日帝を階級的・政治的な大激動にたたき込む。米帝はそのことをもにらみ対日争闘戦を展開している。
 日帝・民主党政権、菅政権はこうした大恐慌下の激烈な争闘戦とその敗北的現実にのたうち回っている。外交も内政もあまりに破産的であり、混乱、迷走し、ほとんど政権の体をなさず、民主党自体の分裂状態への突入もはらんで、まさに崩壊寸前の状況に陥っている。海上保安庁の「尖閣ビデオ」流出事件が示すように、日帝支配階級と権力の分裂・抗争の中で、右からのミニ・クーデター的事件すら起きるに至っている。自民党など野党勢力もまた統治能力を喪失している。

 新成長戦略と新防衛大綱の画歴史的性格

 しかし菅政権はボロボロだが、逆にそうだからこそブルジョアジーのむき出しの先兵として、凶暴化していく。もともと自民党が打倒されて登場した民主党・連合政権はボナパルティズム的政権で、菅自身は権力欲がとりわけ強烈な御都合主義的なボナパルティストである。その菅は小沢を打倒することで政権につき、日本経団連など日帝ブルジョアジーの主流勢力が、当面する日帝の政策遂行者として菅を押し立ててきたことに依拠し、その帝国主義的政策を凶暴に推進し延命していくことを、まさに自己の使命としている。
 菅は政権につくと同時に、ブルジョアジーの意を体して、消費税大増税をあえてぶち上げた(7月参院選で惨敗)。今またTPPへの参加という大問題を、その引き起こす結果がどうなろうと構わぬとばかりに、平然と持ち出してきている。ここにこそ逆に菅という政治家の「怖さ」と凶暴性があるのだ。そしてこの菅政権は今、未曽有の体制的危機であるがゆえの、とてつもない反労働者的・反革命的な攻撃をかけてきている。
 第一に、対外的には、日米安保の「深化」に全力を挙げ、米帝の朝鮮侵略戦争に全力で参戦することである。11・23を前後する日米共同統合演習の展開と、米日韓合同演習への踏み切りの衝動、「朝鮮有事」での韓国と北朝鮮に対する自衛隊派兵の策動などは、自民党もできなかった決定的エスカレートだ。さらには米中の対峙・対決下での、日帝自身の帝国主義的利害をかけた、釣魚台(尖閣諸島)問題での侵略的突出、新防衛計画大綱での「動的防衛力」や「沖縄・南西諸島防衛」戦略の打ち出しが示す徹底した対中シフトは、改憲・戦争国家化の歴史を画する攻撃である。また5月「日米合意」に基づく辺野古新基地建設策動は、朝鮮侵略戦争に向けた日帝(米帝)の死活をかけた攻撃そのものだ。
 さらには民主党政権が6月に打ち出した「新成長戦略」の柱である、官民一体での「パッケージ型のインフラ輸出」、すなわち原発、新幹線、人工衛星、水道などの輸出政策は、新たな帝国主義的侵略政策として超重大問題だと言える。
 第二に、米帝の日帝解体的な争闘戦とドル安=円高攻勢に対抗して、日帝金融資本と独占的大企業を救済するためのすさまじい財政・金融政策の展開である。政府と日銀は昨年の10月と11月に追加金融緩和策を発表し、@ゼロ金利政策の復活とその長期継続、A35兆円規模の基金新設による「新型オペ」など量的緩和の拡大、B長期国債、CP(コマーシャルペーパー)、社債、投資信託などの購入のエスカレートに踏み出した。これはまさに事実上の日銀による国債買い入れの無制限化を軸に、インフレが爆発し、国家財政も破滅に向かう凶暴極まる政策であり、「戦争財政突入」とも言える破滅的な攻撃だ。
 第三に、菅政権の侵略戦争的突出と「新成長戦略」のもとで、大失業(非正規職化)と労組破壊の攻撃を極限的に激化することである。それは何よりも、4・9政治和解の反革命と「国鉄改革の完遂」を軸に、民営化・外注化・非正規職化を徹底的に推進し、公務員労働者360万人を全員解雇・選別再雇用することで、労働者の階級的団結と労働組合を解体・一掃し、ついには産業報国会化していく攻撃だ。この内への階級戦争は外への侵略戦争と完全にひとつのものだ。それと同時に、消費税大増税(法人税は減税)と社会保障制度の「改革」=解体をセットにした、実に反労働者的攻撃が策動されている。
 第四に、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)の締結への動きの加速と、日帝・菅政権がTPP参加に踏み出した攻撃の画歴史性である。これはすべての農業・農民、漁民、農漁村と地方に対する「せん滅戦」的な攻撃であると同時に、労働者階級への「国際競争力」を振りかざした極限的な新自由主義攻撃としてもある。TPPはまさに大恐慌と争闘戦にあえぐ日帝ブルジョアジーの自爆的、破滅的な政策そのものだ。

 歴史の転換点の到来

 11・23をもって歴史は転換した。大恐慌情勢の激化と朝鮮侵略戦争の切迫のもとで、日帝の政治危機、体制的危機は爆発的に進行し、政党は分裂、崩壊、再編を繰り返し、階級対階級の実力的、内乱的な激突の時代が到来する。そしてすでに日帝・菅政権の釣魚台問題での反動的突出と未曽有の政治危機の中から、元航空幕僚長・田母神俊雄ら右翼・ファシスト勢力の蠢動(しゅんどう)も始まっている。このファシストの策動を粉砕できる唯一の力もまた、労働者の不抜の団結と決起、階級的労働運動の前進だ。大恐慌と戦争・大失業をプロレタリア革命へ、革命を準備する闘いに断固決起しよう。

 〔V〕闘う労働組合と党を建設し帝国主義の侵略戦争を内乱へ

 今や、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の実現に向かって真っしぐらに突き進むべき時が来た。この世界革命の突破口こそ、日本帝国主義の打倒である。日本の地において、今やブルジョア国家権力の打倒、プロレタリア権力樹立への本格的準備を直ちに、猛然と開始することが求められている。
 そのために何が必要か。革命的情勢が存在するだけでは革命にはならない。レーニンも強調しているように革命的情勢の急速な成熟に、この情勢を本物の革命に転化することのできるプロレタリアートの主体的能力が結びついた時に、革命はできる。
 〈帝国主義戦争を内乱へ〉――第1次大戦の始まりに対してレーニンとボルシェビキ党が掲げ、1917年ロシア革命の勝利を導いたこのテーゼを、その真の意味において今こそ復権しなければならない。「内乱」という言葉をもっぱら、労働運動とは切り離された街頭での反戦政治闘争の激発としてのみ理解するのは正しくない。そうではなくて、階級的労働運動を内乱的精神でやりぬくことこそがますます一切の鍵を握る、最も死活的な闘いとなったということなのである。
 大恐慌に続いて帝国主義戦争が全面爆発する時代に突入した中でこそ、権力奪取を本当に、一気にやりとげることのできるプロレタリアートの階級的な力を全力を挙げて養い、蓄積することに一切がかかっている。決定的な蜂起の瞬間に向かって今から、党と階級の総力を挙げて準備することだ。これが〈戦争を内乱へ〉の意味である。
 その核心は、闘う労働組合を甦らせることと、労働者階級の党を建設することにある。それを基礎とした階級的労働運動の飛躍的な大前進にある。2010年で圧倒的に開始されたこの闘いを、革命に向かって徹頭徹尾目的意識的に、死活的にやりぬいていくことである。

 自国政府の打倒貫き

 帝国主義戦争に対して絶対反対を貫くとはどういうことか。大恐慌下で始まったこの戦争は、新自由主義のもとで労働者階級を極限的に搾取し、資本家階級が生き延びるためなら労働者は死んでもよいとしてきたブルジョアジーの政治が、最後に行き着いた姿である。必要なのはもはや、帝国主義のもとでの「平和」に戻ることではない。労働者階級への搾取と抑圧と虐殺の政治そのものを終わらせること、資本主義を転覆することだ。
 レーニンは、そのために戦争に対して「平和」を要求するのではなく、侵略戦争を内乱(労働者階級の側からの階級戦争)に転化することを真正面から訴えた。そして排外主義・愛国主義の大洪水と真っ向から対決して、革命的祖国敗北主義の立場に立ちきることを全労働者に求めた。すなわち、「戦争での自国帝国主義の敗北を望み、促進する」こと、それによってブルジョアジーを一層の危機と弱体化に追い込むことが革命勝利の最短コースだと言い切ったのである。
 実際に、戦時下で資本との闘いに全力で立ち上がることは、内乱の開始以外の何ものでもない。労働者のストライキは即、「生産を阻害し、敵国を利する行為」となる。どんな小さな闘いであろうと、あらゆる労働争議が「非国民」とされる。工場の前で一人でビラをまくことも「内乱」の組織化だ。しかもそれは、排外主義・愛国主義を打ち破り、帝国主義の行う戦争と大失業攻撃への労働者大衆の怒りを全面的に解き放つ中でしか組織されない。これ自身が自国の支配階級に最大の打撃を与える決定的な反戦闘争だ。
 すでに今日、韓国の闘う労働者は、11・23に対して「戦争はヨンピョンドではなく蔚山(ウルサン)の工場で、現代資本と労働者の間で起きているのだ」と言い切って闘っている。この闘いに心の底から連帯し、今こそ労働者階級として国境を越えてひとつになって闘おう。

 労働組合めぐる決戦

 戦争を内乱に転化していく最大の柱は、労働組合の闘いである。闘う労働組合を甦らせることは、この情勢下でいよいよ待ったなしの、労働者階級のみならず全人民の死活のかかった決戦的課題となっている。
 労働組合は、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的・基本的な団結形態である。資本にとっては、労働者階級の団結それ自体が資本の支配を掘り崩すものだ。だから資本は、労働組合の存在そのものを根本的に認めず、労組破壊と団結破壊の攻撃に一貫して全力を挙げてきた。組合のない職場では組合を絶対につくらせないことに必死になり、すでに組合のある職場では労組幹部を脅しと懐柔によって取り込み、資本の意のままになる御用組合に変質させることに全体重をかけてきたのだ。
 戦争への突入は、労働組合をめぐるこの攻防を一挙に、決定的に激化させる。帝国主義の行う戦争は、労働組合を完全にたたきつぶし、労働運動を根絶・一掃することなしには遂行できない。逆に労働組合が職場の全労働者を真に階級として団結させ、労働者階級の利害をとことん守り貫くために立ち上がるなら、それは戦争をもぶっ止める力をもつ。労働組合の闘いが中心軸となることで、労働者家族を含めた全階級、さらに農民を始め諸階級・諸階層の人民すべてが労働者階級のもとに結集してともに闘うことが可能になる。帝国主義を打倒していく巨大な統一戦線が形成され、それはそのままプロレタリア権力樹立の基礎になっていく。
 問題は今日、腐敗した労働貴族や、今や階級的立場を完全に捨てて公然たる戦争協力に移行し始めた体制内指導部が、既成の労働組合の圧倒的部分を依然として支配していることだ。この連中と徹底的に闘い、打倒して、労働組合を闘う労働組合として甦らせることなしに、闘いの前進はない。今こそ死活をかけて職場に本物の階級的団結をつくりだし、その力をもって、彼らの手から労働組合の権力と労働運動の主導権を現実に奪い取ることだ。この闘いをやりぬく力こそが、資本の支配を倒す力なのだ。
 2010年の闘いが、4・9反革命を打ち破って国鉄闘争全国運動という階級的労働運動の新たな発展を生み出したことは、こうした意味で決定的である。4・9反革命とは、11・23の地平からとらえ返せば、まさに戦争突入前夜に労働組合と労働運動の壊滅を狙って仕掛けられた攻撃にほかならない。今全国・全産別の職場において、「国鉄闘争の火を消すな!」を合言葉に日々展開され始めた資本・当局との非和解的激突と、そこでの階級的団結の形成こそ、まさに労働戦線の巨大な革命的再編への出発点である。
 革命の準備に直結する闘いとして、国鉄闘争全国運動を大発展させよう。その前進をテコに、革命をやりぬける力を6千万労働者階級、とりわけ2千万青年労働者の中に広く深く、圧倒的に築き上げていこう。労働者階級の中には、社会を根底から変革する決定的な力が宿っている。全労働者の怒りとエネルギーを解き放ち、プロレタリア革命への無数の拠点を、全国の職場生産点と地域に断固として打ち立てていこうではないか。

 非・非の党の建設を

 労働組合をめぐるこの決戦と一体で労働者党建設の大飛躍が求められている。革共同は、綱領草案を確立した地平に立って、2011年を起点に、プロレタリア革命権力樹立をめざす闘いに敢然と突入する。
 その最も重要な戦略的環は、党の非合法・非公然体制を圧倒的に強化することだ。戦争体制下においては、労働者階級の党に対する帝国主義国家権力の組織絶滅攻撃は、これまでとは比較にならない規模と内容をもって襲いかかってくる。これとの24時間・365日の死闘に勝ちぬいて、党が党として存在し続けることは、革命党の第一の義務である。それはまた、党のみならず、戦争下で内乱的決起を開始したすべての労働者階級人民を権力の凶暴な弾圧から守りぬき、闘いを発展させるためにも不可欠だ。
 革共同はすでに、敵権力の破防法弾圧やファシスト・カクマルの襲撃を実力で打ち破ってきた半世紀にわたる闘いの蓄積をもっている。その上に立って、権力のあらゆる弾圧網をかいくぐって党の活動を日々展開し、強化拡大していくことのできる盤石の体制をつくりだして闘おう。戦時下の弾圧を完黙・非転向の闘いで粉砕することは、その絶対的基礎である。
 党建設上の今ひとつの最重要課題は、この党が同時に、6千万労働者との生きた結合を圧倒的に闘いとることである。非合法・非公然の党建設とは実は、党が真に労働者階級の党として、6千万労働者の内部に深く根ざし、その全生活との切っても切れない結びつきをかちとり、その熱烈な信頼をかちとることと不可分一体だ。
 この結合は、党が現実の階級闘争に党として全責任をとりきること、何よりも労働組合の闘いの前進とその勝利を、職場の全労働者大衆とともに切り開くことを通して可能になる。闘う労働組合の再生と革命に勝利する党の建設を一体的に推進し、プロレタリア権力樹立に必要な一切の準備を整えるために、火の玉となって突き進もう。その決定的な武器として、革共同機関紙『前進』の飛躍的な拡大と、それを支える編集・発行体制の強化を全力で闘いとっていこう。

 〔W〕 大失業・戦争への怒り爆発させプロレタリア権力樹立へ進撃を

 (1) 外注化阻止決戦に決起し地殻変動的な勝利を開こう

 2011年の決戦は何よりも、国鉄決戦の画歴史的勝利を切り開くか否かの一点にかかっている。その最大の柱は、国鉄闘争全国運動の本格的発展を闘いとることと、JR全面外注化阻止の決戦に勝利することだ。
 何よりも国鉄闘争全国運動を、1047名解雇撤回闘争を再び大失業との闘いの最先端に押し上げ、全労働者にとっての展望を開く闘いとして大発展させよう。6・5の全国運動1周年集会に向かって、全国に3千会員と無数の「動労千葉を支援する会」をつくりだし、「共に闘う国労の会」を4・9反革命を突き破って闘う国労組合員の新たな結集軸として打ち立てよう。ここに日本労働運動再生の一切がかかっている。

 JR体制打倒の決戦

 国鉄決戦が大爆発する条件は今や、あらゆる面で成熟している。国鉄分割・民営化以来蓄積されてきた全矛盾がついに、JR体制の全面破綻として火を噴き始めている。この間JRの全職場で繰り広げられてきた徹底した要員削減と合理化攻撃が、安全を次々と崩壊させ、事故の激発と労働者の虐殺を引き起こしている。第二、第三の尼崎事故は必至だ。現場の怒りは爆発寸前であり、日に日に高まっている。
 この中でもたらされたカクマル松崎明の死は、分割・民営化以来の積もりに積もった国鉄労働者の怒りをせきを切って解き放つものだ。JR総連の大崩壊は今や目前だ。JR体制の根幹が揺らぎ、その労働者支配を転覆する決定的な情勢が訪れている。11・23の朝鮮侵略戦争突入情勢はそれをさらに促進するものとなっている。
 他方で国労をめぐる情勢はいよいよ重大化している。JR資本は三島会社(北海道・四国・九州)と貨物会社の完全民営化が破綻する中で、深まる危機を一層の合理化攻撃によって突破しようとあがいている。そのために動労千葉つぶしに全体重をかけると同時に、国労本部の取り込みに全力で動き出している。
 すでに国労本部の転向は4・9を契機に一気に進み、1047名闘争の解体にとどまらず、JR資本との総合労働協約締結、本年夏の大会での連合への公然たる合流へと突き進もうとしている。動労千葉・動労総連合と国労共闘の闘いがいよいよ、国鉄労働運動、ひいては日本労働運動全体の命運を決する情勢を迎えたのである。
 今日、JR東を最先端に仕掛けられている検修・構内業務の全面外注化攻撃との闘いは、この重大局面においてまさに天王山的な位置をもっている。外注化こそ民営化の完成であり、新自由主義攻撃の核心である。JRは、7分割された国鉄を外注化によってさらに数百の会社に分割し、その過程で一層極限的な人員削減、大幅賃下げ、非正規職化と労働強化を強行しようとしている。それは、労働者から職場を奪い、労働者の誇りも団結もすべて破壊し、労組を解体し、労働者をまったくの無権利状態に突き落としていく攻撃だ。まさに第二の分割・民営化攻撃そのものである。
 動労千葉はすでに、昨年4月の検修外注化を実力阻止した地平に立って、決意も新たに全面外注化阻止の一大決戦に突入した。この攻撃を動労千葉の絶滅を狙う攻撃として見据え、全組合員が死活をかけた総反撃に打って出、これを逆にJR体制打倒への転換点として闘いとろうとしている。外注化攻撃と一体で仕掛けられているローカル線の廃止やライフサイクル攻撃、さらにJR貨物廃止や新賃金制度導入の策動などと全面対決し、組織拡大決戦への突入とストライキをもって、その一切を打ち破る闘いに入っている。
 この闘いは、今日の日帝との最大の激突点であり、全労働者の存亡のかかった決戦だ。すべての闘う労働者が動労千葉とともに決起し、絶対にその勝利をもぎとろう。

 青年労働者との結合

 この決戦は同時に、2千万青年労働者の怒りとストレートに結合していく闘いである。外注化とは9割の労働者の非正規職化であり、青年労働者に最も激しく襲いかかり、彼らの人生を破壊し、未来を奪う攻撃となる。
 日帝ブルジョアジーと菅政権が現在推し進めている「新成長戦略」の核心は、この非正規職化にある。それはまた「4・9政治和解」の攻撃と表裏一体である。労働組合が解雇撤回闘争を放棄し、資本・権力と一切争わないことが「新成長戦略」推進の大前提だ。それをテコに、労働者の首を大量に切って使い捨て自由の非正規職に置き換える。賃金を一気に2分の1、3分の1にし、無権利状態で奴隷的な強労働を強制し、病気になったり事故で死ねば何の保障もなく路頭に放り出すという、極限的な搾取を可能にするのだ。最後は戦争に動員し、命さえ奪う。
 いま職場には、民営化・外注化・非正規職化に対する激しい怒りが渦巻いている。JR職場だけでなく、全国・全産別のすべての職場で青年労働者のもがきと苦しみ、出口を求める必死の叫びがわき起こっている。韓国ではついに、韓国企業のトップである現代自動車資本の工場で、青年を先頭にした非正規職労働者の命がけの闘いが爆発した。今や、JR職場の中で青年労働者の渾身の決起が始まるならば、それは一挙に全産別に波及する。動労千葉の外注化阻止決戦はその突破口を開くものである。

 日本労働運動の再生へ

 外注化阻止決戦の爆発とその勝利は、日本の労働運動を塗り替える闘いとなることは間違いない。4・9反革命は、戦後労働運動の最後の砦であった国鉄闘争とその支援陣形の解体を通して、労働組合と労働運動の絶滅を狙った攻撃だった。実際にこの直後から、日本航空の整理解雇を始め、これまでとは次元を画する大量首切りの嵐が一斉に吹き荒れている。その内容も「整理解雇の4要件」など一切無視した無法きわまりないものだ。その扉を開いたのが4・9だ。
 連合も全労連も、この大資本攻勢に何ひとつ対決しない。逆に、「国益」を前面に掲げて資本の攻撃に率先協力し、労働運動を自ら解体する方向へ一斉に走り出している。「階級的労働運動」を口にしてきた勢力までが、4・9反革命を契機に総転向してそのお先棒を担いでいる。その行き着く先はまさに労働組合の完全な「死」であり、戦争へのもろ手を挙げた翼賛だ。
 だがこれに対して、「日本の労働組合、労働運動がこのまま終わってなるものか」という痛烈な思いと、労働組合再生への激しい欲求が、全労働戦線の内部に充満しているのだ。この思いと欲求をあらゆる壁を打ち破ってほとばしらせ、ひとつの明確な流れに結集させることが求められている。その突破口が国鉄闘争全国運動であり、外注化阻止の決戦だ。ここで絶対に地殻変動的勝利を切り開こう。
 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審闘争に勝利しよう。鉄建公団訴訟・鉄運機構訴訟を断固闘い、1047名闘争の不屈の発展をかちとろう。昨年、4カ月間の産業ゼネストをぶちぬいた関西生コンの偉大な闘いと3労組共闘の発展も、この国鉄全国運動と階級的労働運動推進の強力な柱だ。国鉄決戦の爆発をもって今こそ、すべての闘う労働者とともに労働組合と労働運動の革命的再生へ突き進もう。

 4大産別を最先頭に

 2011年はまた、「新成長戦略」と一体の道州制導入=民営化攻撃、公務員労働者360万人首切り攻撃との大決戦の年である。朝鮮侵略戦争への突入はこの攻撃に拍車をかけている。
 菅政権は今年の通常国会で、人事院勧告制度廃止を始めとした公務員制度改革に本格的に手をつけ、道州制攻撃に具体的に踏み込もうとしている。国と地方の財政危機を口実に、国鉄分割・民営化型の全員解雇・選別再雇用を強行し、その過程でほとんどの労働者を非正規化し、さらには最低賃金の保障すらない「ボランティア」に換えていく攻撃だ。それは同時に、教育や医療や社会保障制度をも全面的に解体し、切り捨てていく大攻撃である。
 自治体労働者に対しては、社会保険庁の解体・民営化に続き、公立保育園と公立病院の民営化攻撃が始まっている。特に「子ども・子育て新システム」導入による公立保育園全廃攻撃は、保育労働者30万人の首を切り、公的保育を解体して資本の金もうけの手段に変えるものだ。これを許すなら、次には小中学校を含めた公教育の全面解体・民営化が始まる。社保庁労働者の分限免職に対する怒りの決起とその拡大は、これらの全攻撃をはね返す突破口だ。自治労本部の推進派への転落と自治労連の屈服を許さず断固闘おう。
 教労では、学校現場の3分の1がすでに非正規職だ。職場の超多忙化と締め付けのもとで、すべての教育労働者が過労死寸前の強労働を強いられ、実際に青年を始め多くが自殺に追い込まれている。日教組本部の果てしない屈服と変質をのりこえ、動労千葉派の手で職場の団結を取り戻すことが急務だ。今春「日の丸・君が代」不起立闘争をこの精神で闘い、人事評価制度を粉砕し、組合権力に挑戦する力を職場につくりだそう。
 今ひとつ、決定的に重要なのが全逓決戦だ。2011年全逓決戦の爆発は、国鉄に続いて日帝の根幹を揺るがす位置にある。昨年のJPEX破綻に追い詰められた郵政当局はその危機のりきりをかけて、集配部門の外注化という新たな大合理化攻撃を開始した。これはJRでの外注化と並ぶ重大攻撃だ。だが現場労働者の怒りの高まりによって、当局とJP労組中央の結託による労働者支配はすでに根底から崩壊し始めている。郵政民営化そのものを粉砕する決定的なチャンスの到来として、集配外注化阻止の決戦を大爆発させよう。
 この4大産別決戦と一体で、全産別での闘いの前進をかちとろう。特に医療・福祉産別は「新成長戦略」との最大の激突点を形成している。現場の怒りを徹底的に組織し、極限的な合理化・非正規職化攻撃を自治体労働者と団結して粉砕しよう。さらにNTT、鉄鋼・金属・電機を始め民間基幹産業、中小などすべての職場で新たな闘いを組織しよう。合同・一般労組の闘いは青年労働者の組織化にとって重要だ。非正規職撤廃・派遣法撤廃を真正面に掲げ、労働組合の力でこの社会を根幹から変革しようと訴えて闘おう。
 これらの闘いの一切を、6・5国鉄全国運動1周年集会への昨年を上回る大結集に結実させよう。その推進軸として、3労組共闘の強化と労組交流センター運動の発展を闘いとろう。11春闘に勝利し、労組青年部運動の再建に踏み出そう。全国に労働学校を建設・拡大し、マルクス主義の大学習運動を職場闘争と一体で進めよう。

 (2) 沖縄・三里塚・法大先頭に全戦線で戦争・改憲阻止へ

 階級的労働運動の前進のために、反戦政治闘争が果たす役割は今やきわめて大きくなっている。米日帝国主義による朝鮮侵略戦争の開始に対し、真っ向から絶対反対・絶対阻止の闘いに決起することは、プロレタリア世界革命に向けた労働者階級の国際的団結をつくりだしていく闘いそのものである。
 排外主義・愛国主義による戦争動員をテコに労働者の団結を破壊しようとする攻撃を打ち破り、階級的労働運動の力強い発展をかちとっていく不可欠の闘いとして、反戦政治闘争を闘いぬこう。朝鮮侵略戦争絶対阻止、3・20大闘争へ突き進もう。日帝の参戦と改憲攻撃に断固対決し、それがつくりだす巨大な政治危機をブルジョア権力打倒への突撃路に転化して闘おう。

 学生運動の大爆発を

 反戦政治闘争の爆発にとって、学生運動の歴史的位置と役割は決定的である。60年闘争、70年闘争をみるまでもなく、日本の学生運動はこの点で階級闘争全体を牽引する巨大な役割を果たしてきた。学生が率先して街頭に出、自らの未来と生き方をかけて国家権力との非和解的激突を闘いぬくことが、全労働者、全人民の帝国主義への怒りを解き放ち、数十万、数百万の大衆的決起をつくりだしてきた。
 今日の法政大学に象徴される「監獄大学」の現実は、このことに心底から恐怖した日帝が、学生の政治的決起を根絶一掃するためにつくり上げてきた暴力的体制である。この圧殺体制を打ち破って、今こそ、全学連運動の大衆的戦闘的復権と、60年・70年をも上回るその大爆発を闘いとろう。
 新自由主義の破産と大恐慌・大失業が青年労働者とともに学生を直撃し、巨額の借金なしには授業料を払えず、かつ卒業しても就職できないという絶望的な状況にたたき込んでいる。学生の未来が一切奪われる中で、アメリカのように、軍隊に入り戦場に行くことが唯一の選択肢として与えられるという恐るべき時代が来ようとしている。闘わなければ生きられない! 学生を人間ではなく商品として扱い、その命さえ奪う資本主義・帝国主義に対する300万学生の怒りを根底から解き放つ時が来た。反戦政治闘争への決起こそ、その決定的な水路である。
 すでにその土台は、06年3月以来の法大キャンパスをめぐる激闘の中で築かれている。新自由主義のもとでの教育の民営化に対し、大学の主人公は学生であると宣言し、権力・当局の大弾圧をすべて打ち破って強固な団結をつくりだしてきた闘いが、新たな決起を続々と生み出す情勢が訪れている。法大解放闘争を柱に、全国の拠点大学で全学連運動の飛躍的前進を実現しよう。学生自治会の建設、自治寮死守の闘いに勝ちぬこう。世界の闘う学生との国際連帯の大発展をつくりだそう。

 沖縄と三里塚が焦点

 沖縄闘争は、朝鮮・中国侵略戦争情勢下で、完全に新たな段階を迎えた。米帝が朝鮮半島や台湾海峡を軍事制圧していく時、米軍の最前線出撃基地となり、戦争遂行の最大拠点となるのが沖縄である。日帝もこの戦争に参戦することで戦後的制約を最終的にかなぐり捨てようと狙い、沖縄を自衛隊自身の軍事拠点としても強化していく攻撃に踏み込んだ。本年4月に打ち出されようとしている日米帝の新安保共同宣言は、侵略戦争への突入宣言となり、沖縄を永久に「基地の島」としてこれまで以上に軍事監獄状態にたたき込んでいく宣言となるのは間違いない。
 これは沖縄の労働者階級と、日米帝国主義との正面激突の時代の到来である。昨年11月の県知事選は、沖縄の現実の変革にとって、旧来の議会的・体制内的な反対運動がもはや何の意味も持たないことを示した。70年闘争時のように、基地労働者を先頭とした労働者階級の大決起によって日米安保体制を真っ向から粉砕し、米軍基地を実力で解体・撤去していくことこそが唯一、沖縄の未来を開くのだ。本土と沖縄の階級的労働運動の結合と国際連帯の発展がそれを可能にする。
 日米安保の矛盾の集中点である沖縄こそ、日本革命の火薬庫であると同時に今や世界革命の火薬庫だ。このことを確信し、2011年、新たな闘いに踏み出そう。普天間基地問題で絶望的危機にあえぐ菅政権を打倒し、辺野古新基地建設絶対阻止を闘いとろう。4〜5月沖縄闘争の爆発をかちとろう。
 三里塚では、市東孝雄さんの農地を死守する闘いが決定的な段階に突入している。反対同盟の不屈の闘いに追い詰められた日帝は、NAAと成田市を手先に、あらゆる不法・無法な手段を総動員して農地強奪を強行しようとあがいている。動労千葉との労農同盟を軸とする全国の労農学人民の総決起でこの策動を怒りを込めて粉砕し、市東さんの農地を絶対に守りぬき、空港を廃港に追い込もう。
 三里塚闘争は、日帝による軍事空港建設を44年を超えて阻み続けてきた反戦・反権力の巨大な砦だ。その圧殺は日帝にとって、国鉄闘争や沖縄闘争の圧殺と並ぶ最重要課題である。しかも今日、日帝・菅政権は、帝国主義ブルジョアジーの生き残りのために、TPPへの参加に踏み出した。これは日本農業を壊滅させ、労働者にも一層の犠牲を強いるものだ。これに対する農村と地方の総反乱は不可避である。全国の農民と労働者のTPPへの激しい怒りが三里塚闘争と結びつくことを、日帝は死ぬほど恐れている。
 「国益」のための土地取り上げと絶対非和解の闘いを貫く三里塚反対同盟農民の闘いが、その真価を発揮するのはこれからだ。労農同盟の不抜の確立と強化発展をかちとり、第3誘導路建設粉砕・農地強奪阻止の2011年三里塚決戦に勝利しよう。3・27三里塚現地全国集会に総結集して闘おう。

 全戦線で飛躍しよう

 大恐慌・大失業と戦争の攻撃に、全戦線での対決と飛躍的な闘いを組織しよう。階級的労働運動と結合し、戦争・改憲阻止への全人民的な決起を新たな決意でつくりだそう。
 弁護士戦線を先頭とする裁判員制度廃止の大運動は、その最先端を切り開く闘いとなっている。この闘いと結合して、朝鮮侵略戦争に断固反対し、9条改憲阻止のために闘う百万人署名運動の新たな前進をかちとろう。8月広島・長崎反戦反核闘争を始め、核と戦争に絶対反対を貫く巨大な大衆的決起をつくりだそう。
 入管体制の戦時的強化を許さず、国境を越えた労働者階級の国際的団結を断固として守り発展させよう。その一環として在日・滞日外国人労働者との連帯を重視し、日帝のあらゆる分断攻撃をともにはね返す闘いに立ち上がろう。
 部落解放闘争、障害者解放闘争、被爆者解放闘争、女性解放闘争を始め、社会的差別・抑圧と闘うすべての戦線で綱領的路線的な大前進が確実に闘いとられている。この力を基礎に、全戦線での階級的・大衆的闘いの物質化に向かって猛然と進撃を開始しよう。ここでの闘いの前進は、プロレタリア独裁の樹立にとって大きな位置をもつ。血債主義・糾弾主義との決別をなしとげた地平に立って、実践的な一大飛躍を闘いとろう。
 反軍闘争はきわめて重要な段階に突入した。自衛隊の朝鮮出兵の策動は、自衛隊内部にイラク派兵時をも超える歴史的分岐と大流動を生み出さずにはおかない。兵士とは軍服を着た労働者だ。彼らに「誰に銃を向けるのか!」を真っ向から提起し、田母神反革命を打倒して、帝国主義軍隊を包囲・解体・獲得する闘いへ突き進もう。

 星野同志必ず奪還を

 星野文昭同志の獄中36年の不屈の闘いは革命的共産主義者の魂を示すものとして全人民の心を揺さぶっている。労働者階級の団結した力によって星野同志を権力の手から奪い返すことは、〈戦争を内乱へ>の闘いの決定的な一環だ。2011年をその歴史的転換点としよう。星野再審を必ず実現し、実力での奪還を絶対にかちとろう。奥深山幸男さんの免訴をもぎとろう。
 迎賓館・横田爆取裁判、法大裁判、富山再審を始め、あらゆる弾圧との闘いに勝利しよう。革命の多くは監獄への人民の進撃から始まるという歴史の真実を、今こそ現実の闘いに転化していこう。

 4月統一地方選挙の歴史的勝利へ闘おう

 階級対立の非和解化、左右の分岐と大激突が進む中で、本年4月の統一地方選挙は重要な位置をもつ。杉並、相模原、八尾を拠点に、危機を深める民主党・連合政権を打倒し、日帝の政治支配を崩壊のふちにたたき込む闘いとして、4月選挙闘争を闘おう。
 その核心は、選挙闘争という一個の政治決戦を、大失業・戦争の深まりに対する労働者階級の怒りと生活・生存をかけた決起と完全に一体の闘いとして、この決起を爆発的に促進する闘いとしてやりぬくことである。選挙闘争を通して、労働組合を甦らせていく闘いをどんどん前進させ、階級的労働運動の拠点を地域に圧倒的に打ち立て、拡大することだ。そして地区党建設の飛躍的前進を闘いとることである。
 この選挙闘争はさらに、街頭での田母神ら右翼・ファシスト勢力との激突を不可避とする。この激突に徹底的に勝ちぬき、ファシストを始め自民党・民主党から日本共産党に至る一切の戦争翼賛勢力を打倒して、全大衆を革命の側に獲得するのだ。プロレタリア革命を引き寄せる闘いとして、大恐慌下の選挙闘争をやりぬこう。

 (3) 機関紙活動の飛躍へ闘い「階級の党」の本格的建設を

 革共同は、2001年の第6回大会で「21世紀の早期にプロレタリア世界革命を達成する」という戦闘宣言を発した。まさに今、その目標に向かって本格的な進撃を開始する時を迎えている。そしてわれわれは、世界革命への進路を指し示す武器として、マルクス主義をついに現代に復権させた革共同の綱領草案をすでに手にしている。
 この綱領草案と日本における階級的労働運動の実践をもって、全世界のプロレタリアートの前に今こそ党として登場しよう。2010年の動労千葉を軸とする国際連帯の飛躍的発展を支えたのは国際部活動である。国際部活動をさらに圧倒的に強化して闘おう。
 綱領草案とその解説本の徹底的な学習と討議を全組織でやりぬき、綱領での一致と団結をもって党を真に労働者階級の党、マルクス主義の党、革命的共産主義者の党として打ち固めていこう。綱領草案で党をつくり、6千万労働者を獲得する闘いに突入しよう。
 党勢2倍化の鍵は機関紙の拡大である。機関紙こそ党建設の柱であり、最高の組織者である。毎週の『前進』で党の政治的路線的武装と一致をかちとること。『前進』を、労働者階級の生きた闘いを伝える唯一の新聞であると同時に共産主義者の全国政治新聞として、全党の力でつくりだすこと。そして巨万の労働者人民の中に大胆に持ち込み、広めることである。『前進』の読者フラクの組織化こそ、職場細胞建設の出発点だ。
 機関紙は党と階級の団結を日々再生産し、拡大・強化していく最大の武器である。全国の職場と地域に網の目のように張りめぐらされた機関紙配布網は、蜂起の前夜にはプロレタリアートに決起の方針と戦闘配置をもれなく伝達する手段となる。だからこそ日帝権力は革共同をつぶすために破防法弾圧や『前進』の発行停止を一貫して狙い、反革命カクマルは印刷所襲撃を仕掛けてきた。革共同はこれらを打ち破って、『前進』の定期発行を一号も欠かさずやりぬくために、自前の印刷工場を建設して闘ってきたのである。
 朝鮮侵略戦争突入情勢下で機関紙活動はいよいよ死活的な闘いとなる。全党の総決起で機関紙活動の画歴史的飛躍をかちとろう。編集局・印刷局・経営局の同志はその最先頭で闘おう。
 21世紀革命の最大の担い手は青年労働者と学生だ。マルクス主義青年労働者同盟1千人建設とマルクス主義学生同盟1千人建設を推し進め、革共同を青年・学生の党として生まれ変わらせる闘いをやろう。すべての闘う青年労働者と学生は一人残らず革共同に結集し、ともに革命の勝利を切り開こう。
 本アピールの最後に、革共同政治局は、獄中の星野文昭同志と、超長期の指名手配攻撃と闘う同志に、心からの連帯のあいさつを送る。われわれの心はひとつだ。勝利者として必ず相まみえよう!

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