ZENSHIN 2010/12/13(No2468 p06)
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週刊『前進』(2468号1面1)(2010/12/13 )
動労千葉のストライキ決起に続こう
外注化絶対阻止の大決戦へ
米日帝の朝鮮侵略戦争阻止を
青年労働者を先頭に職場から国鉄全国運動の発展かちとろう
世界史の大転換が始まった。世界大恐慌の激化、深化・発展が何よりも米帝国主義を追い詰め、戦後世界体制の基軸国である米帝の没落を促進し、帝国主義間・大国間のすさまじい争闘戦を激化させ、全世界に大失業と戦争を生み出している。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制は崩壊した。「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」。今こそ、11・7労働者集会を頂点に日米韓を先頭とする労働者階級が切り開いた2010年の前進の地平をひっさげ、この12月の階級攻防から2011年の決戦に躍り込もう。未来を決めるのは何よりも青年労働者と学生だ。革共同の綱領草案と、動労千葉を最先頭とした階級的労働運動路線をもって、侵略戦争と階級戦争が逆巻く疾風怒濤(しっぷうどとう)の時代を、勝利へ前進しよう。
動労千葉のストと反戦デモ
11・23延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦とその後の展開が突き出していることは何か。それは、世界大恐慌のもとで、米帝がついに朝鮮侵略戦争の強行に踏み切り、特殊歴史的背景を持つ朝鮮半島での帝国主義と残存スターリン主義の間の新たな戦争=侵略戦争が切迫しているということである。それは同時に、〈帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制が最後的に崩壊した>ことを告げる歴史的事態でもある。
米日帝による朝鮮侵略戦争の核心的狙いは、北朝鮮スターリン主義体制を転覆する侵略戦争を通して、韓国労働者階級、さらに世界の労働者階級の闘いを圧殺するところにある。そのような階級的狙いをもった一大侵略戦争が、米帝を軸に、日帝と韓国を全面動員して始まっているのだ。
これに対して、労働者階級と人民の大反撃が12・3〜4動労千葉ストと渋谷デモとして断固として闘い抜かれた。
12月3日正午、動労千葉は、〈12月ダイ改粉砕・検修外注化阻止>のストライキに突入した。早朝からの大雨をついて駅とJR職場へのビラまきを行った支援の労働者と、スト直前まで組織拡大に全力をあげた動労千葉の組合員が、幕張車両センター前に結集した。その中を、正午を期してストライキに突入した幕張支部の組合員が職場から誇らしげに出てきて大合流した。長田敏之書記長の音頭によるシュプレヒコールの嵐の中で、「ついに組織拡大をかちとったぞ!」「幕張でも京葉でも勝利したぞ!」という報告が、雷鳴のような拍手に迎えられた。
居並ぶ職制は頭を垂れ、管理職はぼう然自失の状態で、勝利感あふれる労働者・学生は午後から千葉市内での総決起集会に臨んだ。幕張・京葉の検修職場と同時に、木更津、銚子、鴨川の検査派出もストライキに突入し、JR資本に大打撃を与えた。
動労千葉のストライキの息吹と高揚は、そのまま夕方の「朝鮮侵略戦争阻止・菅政権打倒」の渋谷デモに持ち込まれた。動労千葉のスト決起と3人の組合加入の報告は、すべての参加者を奮い立たせた。440人の渋谷反戦デモは、開始された日米共同統合演習を徹底的に弾劾し、「大失業と戦争に突き進む菅民主党政権打倒!」の新たな戦闘宣言となった。
動労千葉ストと渋谷デモは、沖縄の労働者、韓国の現代自動車非正規職労働者の闘いと固く連帯し、「戦争を阻止する力は労働者階級の国際的団結と闘いの中にある」ことを、身をもって示したのだ。
今こそ外注化阻止の闘いを軸に、全産別・職場から総決起し、青年労働者を先頭に戦争と大失業の攻撃を打ち破ろう。
国鉄と日本航空めぐる闘い
4・9の国鉄1047名解雇撤回闘争の政治和解という大反革命は、動労千葉と動労千葉派、さらに革共同の壊滅を通して、労働運動と階級闘争を根幹からたたきつぶすことを狙う攻撃である。それは解雇撤回闘争の一掃と同時に、「和解思想」というブルジョア的な奴隷思想をもって戦後日本労働運動、階級闘争を屈服・変質・転向させ、労働者階級を丸ごと支配階級のもとにからめとる攻撃に他ならない。だからこれをめぐる闘いでは、一切のあいまいさを許さない階級性・原則性の貫徹と、非和解的激突に勝ちぬく力が問われているのだ。
動労千葉を先頭とする11月労働者集会派はこの4・9反革命と真っ向から対決し、今日の大恐慌下で唯一、労働運動の階級性、革命性を懸命に守り抜いて闘っているのである。
2010年の到達地平の核心は、「4・9反革命を引き出した」とすら言える動労千葉の反合・運転保安闘争路線の実践的確立と発展にある。検修部門の4・1全面外注化阻止闘争と、4・9反革命粉砕闘争が一体で前進し、その中から新たな国鉄闘争全国運動が生みだされた。このことは、偶然でもなんでもなく、動労千葉の反合・運転保安闘争路線の貫徹がつくり出した勝利の地平である。この闘いに圧倒的な確信を持ち、実践の中でますます磨き上げ、全産別・全職場・全戦線で、闘いの飛躍の武器としていこう。
動労千葉は、12月ダイ改阻止、11年の4月検修全面外注化阻止へ、そして2月の第4次ライフサイクル粉砕に向けて、ストライキと組織拡大で立ち向かおうとしている。12月ストライキ決起の地平をさらに拡大し、国鉄闘争全国運動の発展で一大反撃に立とう。
経営破綻した日本航空は、企業再生支援機構から公的資金3500億円の出資を受けたが、その再建計画は、むちゃくちゃな首切り攻撃である。
この間、日航は「白紙のフライト計画」で退職を強要したり、「東京への業務の一極集中」で勤務地の変更の難しい職員に「肩たたき」を行い、退職を強制してきた。本当に卑劣極まりない。50歳を超える職員には400万円の賃下げというすさまじい攻撃がかけられている。
そして9日、日航は今月31日付で202人(うち休職者38人)を整理解雇すると発表した。対象はパイロット94人、客室乗務員108人だ。絶対に許せない。
「早期退職制度」を使った肩たたきに、客室乗務員は目標(660人)を上回る732人が募集に応じ退職した。にもかかわらず、さらに整理解雇を強行してきた。これは露骨な組合つぶしだ。これをマスコミなどもまったく取り上げない。
「こんなことは断じて許さない」と、客室乗務員でつくる「日航キャビンクルーユニオン(CCU)」が、24、25日のストライキを決断した。首切り・労組破壊と闘う日航労働者と連帯して闘おう。1047名解雇撤回へ、国鉄闘争全国運動をさらにさらに大前進させよう。
青年労働者の怒り解き放ち
2011年こそはプロレタリア革命の勝利をたぐり寄せ、準備する、あいまいさのない階級決戦の年である。それは資本主義・帝国主義が、闘う労働者階級と労働組合を解体するために総力を投入してくる攻撃との一大激突である。だが、そのことは逆に、階級的労働運動の前進と団結の力があれば、労働者階級の壮大な怒りの決起をつくり出し、敵の攻撃をプロレタリア革命の勝利に転化できるということである。まさに胸躍る階級決戦への突入である。
だからこそ11年の階級決戦は、階級的労働運動が真に6千万労働者階級、とりわけ2千万青年労働者をとらえ切る戦略的な大前進が、決定的に求められる。その最大の攻防こそ、青年労働者の獲得をめぐる闘いであり、権力、資本、一切の体制内勢力、田母神(たもがみ)的な右翼ファシストとの大激突である。
11・7労働者集会は、青年労働者を先頭に国鉄闘争全国運動と職場闘争を闘う中から組織しかちとられた。
「11・7集会は、青年労働者に絶望やあきらめではなく、労働者の団結した力のすごさと、やればできるという確信を巨大な規模で生み出した」「今日の青年労働者は新自由主義の徹底的な競争と分断攻撃によって生きられない状況にたたき込まれ、明日の展望さえも持てません。しかし私たち青年労働者は、この競争や分断をうち破り、国際的な労働者の団結した力に圧倒的な展望を自らの手でつかみ取れる存在です」(本紙2466号「全国の青年労働者の11・7報告」)
11月への闘いの先端を担ったのは青年労働者―マルクス主義青年労働者同盟だ。青年労働者の組織化の闘いは、JRの青年労働者の獲得をめぐる激闘を中心軸に今も日々、全国の職場で激しく闘われている。JRの青年労働者の獲得と組織化こそ、国鉄決戦に勝利の決着をつける闘いだ。またその力は一挙に4大産別(国鉄、全逓、自治体、教労)の闘いの前進へと拡大し、2千万青年労働者の総決起に発展していくのである。
2011年決戦の前進と勝利へ、動労千葉スト決起に続き、外注化阻止決戦に総決起しよう。国鉄闘争全国運動を全国・全産別・全戦線で総力で取り組み、本格的な大前進を切り開こう。4大産別を始めあらゆる職場に「動労千葉を支援する会」を組織しよう。職場闘争、物販闘争を推し進めよう。『綱領草案』とマルクス主義で、地区党と産別・職場の細胞的団結を打ち固め、党勢を拡大し、前進しよう。
最後にこの12月、冬期一時金カンパ闘争と機関紙拡大闘争に全力で取り組むことを訴えます。ここでの闘いの勝利こそが2011年の大展望を押し開く。国鉄、三里塚、沖縄、学生を先頭に、11年決戦へ突き進もう。
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週刊『前進』(2468号1面2)(2010/12/13 )
労働者階級の勝利へ闘う革共同に圧倒的カンパを
すべての労働者のみなさん! 最大の決戦情勢が到来しました。革共同とともに闘いましょう。この大決戦を闘いぬき勝利するための基金をともにつくりましょう! 冬期一大カンパ決戦を訴えます。
今ほど根底的な社会変革が求められている時はありません。「社会主義は貧しくなるが、資本主義のもとで努力すれば富を手にできる」「競争原理で社会全体を発展させる」……こうしたデマで労働者を駆り立て、馬車馬のように働かせ、食い物にし続けてきた資本主義自身が行き詰まり、立ちゆかなくなっています。年収200万円以下の労働者が1千万人を超え、大学生の就職内定率が5割、青年の2人に1人が非正規雇用、そして一度非正規雇用となった青年のほとんどが二度とそこから抜け出せない。今や資本家どもは、若者たちがいつ怒りを爆発させて巨大な反乱に立ち上がるか、労働者の暴動がいつ始まるかと戦々恐々としています。
一握りのブルジョア階級が他の階級を徹底的に抑圧し、搾取・収奪の限りを尽くし、ついには侵略戦争に乗り出して労働者同士を殺し合わせる――こんなことを、私たちは絶対に許しません。今こそ表面的な改良ではなく、資本主義的生産様式そのものを歴史的に廃絶する、根底的なプロレタリア革命が必要です。
本年は歴史の転換点でした。いかなる財政投入によっても帝国主義はこの恐慌から逃れられず、破綻する以外にないことが突き付けられました。アメリカ帝国主義は世界中を資源と領土、通貨と貿易をめぐる争奪戦に引きずりこんでいます。そしてそれはついに中国と朝鮮半島をめぐる侵略戦争の段階に入ったのです。アメリカ帝国主義は、北朝鮮の延坪島砲撃を格好の口実にして、兵員数万人を動員した大演習を朝鮮・中国の目と鼻の先で繰り返しています。また釣魚台をめぐっても、「尖閣諸島は日米同盟の範囲内」などとあえて米日で確認し、いつでも侵略戦争に突入すると宣言しています。
アメリカ帝国主義がどんな手段を使っても壊滅しようとしているものは、日米韓、日朝中労働者の団結であり、〈革命の現実性>です。だからこそ日本帝国主義も、この戦争に参戦することで一切の危機を打開しようとしています。
したがって革共同は、この侵略戦争情勢で勝負をかけます。この戦争を労働者の怒りのエネルギーに転化し、爆発的決起の扉を開きます。革命の決定的展望を切り開くのが2011年です。「安倍、福田、麻生、鳩山、菅……こんなぶざまな連中にどうして支配されなければならないのか!」「取って代わる闘いをやろうではないか!」。この労働者の思いがついに行動に転化するのが2011年なのです。
勝負を分けるかぎは労働組合にあります。労働者の団結形態である労働組合が資本の手先によって抑え込まれている現実をぶち破るのです。資本・権力と闘いぬき、反戦闘争に立ち上がっていく大衆組織として労働組合の拠点が林立すれば、情勢は一気に動きます。それをやりぬけるのは革共同以外にありません。
なぜなら革共同だけが、国鉄1047名解雇撤回闘争を解体する「4・9政治和解」に対して、拒否して闘う労働者を断固支持し、ともに闘いぬいているからです。政治家に頭を下げ、「二度と争わない」という誓約書を書いて金をもらうことを肯定した党派に革命はできません。激しい激突を伴う、戦時下の労働運動を担うことなどできるわけがないのです。
すべてのみなさん! 2011年決戦に勝利するために絶大なカンパをお願いします。
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週刊『前進』(2468号1面3)(2010/12/13 )
裁判員制度廃止!300人が銀座デモ
現代の徴兵制に「拒否」表明
12月10日夕、「裁判員制度はいらない!大運動」が主催して「みんなで裁判員制度を廃止させるぞ12・10緊急デモ」が闘われた。闘う弁護士、労働者・学生・市民300人が日比谷公園から東京地裁−銀座−東京駅前へデモした。「裁判員制度は現代の徴兵制だ」「100万人への赤紙発送を弾劾するぞ」「みんな裁判員を辞退しているぞ」。シュプレヒコールが銀座の街にこだまし、圧倒的な注目を集めた。「なんで俺らが裁判員なんだ。義務じゃないよな」「私も反対!」。金曜の夜でにぎわう沿道から共感の声が上がった。
11月16日には裁判員裁判で初の死刑判決が横浜地裁で出されたが、裁判長が被告に控訴を勧める事態となった。こんなものは裁判ではない!
朝鮮侵略戦争が切迫する中、裁判員制度拒否は戦争動員拒否の意思表示そのものだ。みんなの拒否で裁判員制度廃止へ!
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週刊『前進』(2468号1面4)(2010/12/13 )
前進速報版から
▼北小路敏同志の演説/1999年3月三里塚▼12・9広大で反戦集会▼日米演習開始に広島で緊急反戦行動▼仙台市役所前で街頭宣伝
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週刊『前進』(2468号1面5)(2010/12/13 )
日程 三里塚緊急現地闘争、国労5・27臨大闘争弾圧
第3誘導路工事阻止
12・19三里塚緊急現地闘争
12月19日(日)午後1時30分
会場/成田市天神峰 市東孝雄さん宅南側開拓道路
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟、三里塚闘争支援連絡会議
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国労5・27臨大闘争弾圧
12・21控訴審第2回公判
12月21日(火)午後1時傍聴券交付
東京高裁102号法廷
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週刊『前進』(2468号2面1)(2010/12/13 )
動労千葉 12・3〜4スト貫徹
青年労働者らの新加入に沸く
検修外注化阻止へ突破口開く
動労千葉は12月3〜4日、「12・4ダイ改阻止! 検修外注化阻止」を掲げて検修職場を対象とするストを貫徹した。このストを契機に幕張支部で2人、京葉支部で青年労働者1人が新たに動労千葉に加入した。
3日午前、スト拠点の幕張車両センターに他支部の組合員や多くの支援が駆けつけ「検修外注化阻止! 動労千葉とともに闘おう」とシュプレヒコールを繰り返した。
正午になると、ストに突入した組合員が車両センター庁舎からそろって出て来た。みな晴れ晴れとした顔だ。3人の組織拡大が報告されると、はじけるような歓声が沸き上がった。弾圧のために20人以上の当局者が組合員を囲んでいるが、当局はガックリとうなだれている。今回の闘いの勝者が誰なのかは明らかだ。
木更津、津田沼、銚子、鴨川、京葉の各支部でも検修職場の組合員がストに入った。京葉車両センター門前では、京葉支部組合員とともに姿を現した新加入の青年を多くの組合員が出迎え、固い握手を交わした。
(写真 ストに突入し、庁舎から出てきた組合員と支援部隊が合流。線路をはさんでシュプレヒコールを交換した【12月3日 幕張車両センター】) 地方線切り捨てのダイ改に反撃
午後2時から千葉市文化センターで「スト貫徹! 動労千葉総決起集会」が意気高く開催され230人が集まった。
冒頭、幕張支部の山田護支部長から、新たに動労千葉に加入した3組合員が紹介されると、会場全体からひときわ大きな拍手が上がった。新組合員からはそれぞれ「これからは動労千葉で頑張る」「外注化阻止に向けて全力で闘う」「われわれ平成採が、もっともっと組織を増やしていきたい」と力強い決意が表明された。
あいさつに立った田中康宏委員長は「当該支部の頑張りで、さまざまな思いはあったと思うが3人の仲間が動労千葉に加入してくれた。当局は大打撃を受けている。3人の『なんとしても外注化を止めたい』という熱い気持ちに応えたい」と新組合員を歓迎した。
さらに田中委員長は、「今回のストは『検修全面外注化を絶対に止める!』という強い決意を込めたストであり、ローカル線を切り捨てる12・4ダイヤ改悪に対する反撃だ。さらに『JALの次はJR貨物だ』と公言し、首切りを宣言している国交省・JR資本に対する新たな闘いの出発点だ。京葉車両センターでの2月構内運転業務外注化を阻止し、もう一度、検修全面外注化を止めよう。闘いはこれからだ」と檄(げき)を発した。
川崎昌浩執行委員の団交報告に続いて、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、ス労自主の山川博康執行委員、動労西日本の山田和広副委員長が連帯のあいさつを行った。北原さんは「動労千葉がストに立つと聞き、三里塚から駆けつけた」と熱いエールを送った。婦人民主クラブ全国協の川添望さんからは檄布が手渡された。
基調報告を行った長田敏之書記長は、「今回のストは組織拡大の一点にかけて設定した。そして本当に大きな勝利を切り開いた」「動労千葉が検修全面外注化をもう一度止め、現場から新たな闘いをつくり上げたならば、日本の労働運動復権も単なる『画に描いた餅』ではなくなる。来春に向けて決戦の連続になるが、一丸となって闘い抜こう」と訴えた。
乗務員分科会、車両技術分科会代表の決意表明に続き、動労千葉争議団の中村仁さんは「1047名闘争の勝利に向けて争議団の先頭に立ち、必ずJRに戻ります」と決意表明した。繁沢敬一副委員長の閉会あいさつ、青年組合員の音頭で組合歌を合唱し、集会を締めくくった。泊まり勤務者は、4日の勤務明けまでストを貫徹した。
(写真 午後からの「スト貫徹! 総決起集会」には230人が結集。検修全面外注化阻止へ一丸となって闘う決意を固めた【千葉市文化センター】) 組織破壊攻撃を打ち破って勝利
動労千葉は12・3〜4ストで、検修全面外注化阻止へ決定的な突破口を開いた。とりわけ青年労働者の加入は、あらん限りの組織破壊攻撃をはね返して切り開いた決定的勝利だ。
JR千葉支社は幕張支部に3人の青年が加入して以降、安全も技術継承もまったく無視して幕張支部のベテラン組合員をすべて交番検査から排除し、青年労働者との接点を断ってきた。昨秋以降は、副支部長2人、書記長を含む5人もの支部役員を強制配転した。これらの攻撃と正面から対決し、打ち破って勝利を切り開いたのだ。
同時に、今回の青年労働者の動労千葉加入は、全JR職場で怒りを燃やしている多くの青年の先頭に立つ決起だ。今や平成採の青年たちは、資本とJR総連・東労組の結託体制のもとでたまりにたまった怒りのマグマを、ついに公然と爆発させつつある。運転士はライフサイクルで将棋の駒のように駅に強制配転され、契約社員は5年で使い捨て、検修職場では業務の丸投げ外注化で強制出向―転籍が迫られているのだ。職場生産点での働きかけをさらに強め、あらゆる職場からJR青年労働者の決起をかちとろう。これこそが、資本と東労組を追い詰め、検修全面外注化を阻止する最大の力だ。
動労千葉の12・3〜4ストを突破口に、今春を上回る検修外注化阻止決戦の爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2468号2面2)(2010/12/13 )
鉄道運輸機構訴訟 停職処分撤回を訴えに追加
国鉄分割・民営化を撃つ闘いに
国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟控訴審の口頭弁論が12月2日、東京高裁第14民事部(西岡清一郎裁判長)で開かれた。この日の裁判は、翌日の動労千葉のストライキと連帯し、国鉄分割・民営化と真っ向から対決するものとして意気高く闘いぬかれた。
法廷では、代理人弁護士による準備書面の陳述が行われた。弁論に立った代理人はまず、国鉄当局が86、87年に小玉さんに発令した2回の停職処分の無効確認を訴えに追加すると表明した。
小玉さんは、2回の停職処分を理由に国鉄が作成した「JR採用候補者名簿」から排除され、JR不採用とされた。しかも、小玉さんら本州JRの不採用者は、当初の段階では採用候補者名簿に載せられていたにもかかわらず、国労や動労千葉組合員の首切りを要求する鉄道労連(現JR総連)の反革命的突き上げで、「6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者は不採用」という基準が設けられ、名簿から外された。その事実は、動労千葉の裁判で明らかになっている。
前回の裁判で被告の鉄道運輸機構は、「(小玉さんに対する)2回の停職処分の効力が否定される余地はない」「JR設立委員の提示した採用基準に合致しないとしてJR東日本に採用されなかったことはやむを得ない」と強弁した。これに対して、停職処分自体が不当労働行為であり無効であることを、今回の裁判で真っ向からたたきつけたのだ。
小玉さんへの停職処分は、業務で自分の机を離れたことが「職場離脱」とされるなど、でたらめきわまるものであり、処分自体が不当労働行為にほかならない。代理人は、このことを具体的事実を指摘してつぶさに説き明かした。
さらに代理人は、一審東京地裁の判決が、時効で原告の請求をことごとく切り捨てたことを怒りを込めて弾劾し、国労や動労千葉を解体するという目的で分割・民営化を強行した被告(旧国鉄)に時効を主張する権利はないと声を強めた。とりわけ、国鉄改革法によって国鉄とJRは「別法人」とされ、首切りの責任主体が不分明にされた以上、時効で被告が責任を免れることなど許されない。代理人はこのことを徹底的に突きつけた。
これに対して鉄運機構は、「停職処分の無効が確認されても、原告と被告との法的関係に変更はない」と言い放った。停職処分が無効であろうがなかろうが解雇はあくまで有効だというのだ。法廷には怒りが渦巻いた。
次回の期日は4月26日、代理人がさらに弁論を続行する予定だ。
(写真 1047名解雇撤回、検修外注化阻止、契約社員制度撤廃へJR東日本本社に向けてシュプレヒコール【12月2日 新宿駅南口】)
外注化阻止へJR東を弾劾
この日の裁判に先立ち、「共に闘う国労の会」は、解雇撤回の判決を求める署名を東京高裁第14民事部に提出し、申入書を読み上げて、反動判決を許さない決意をたたきつけた。
同日、鉄建公団訴訟上告審を闘う3原告(羽廣憲さん、成田昭雄さん、石崎義徳さん)は、それぞれの陳述書を最高裁に提出した。代理人とともに最高裁に赴いた羽廣さんと石崎さんは、これまで対応を拒否していた書記官を受付まで呼び出して、国鉄分割・民営化弾劾の不屈の闘志を突きつけた。
裁判闘争を闘いぬいた原告や傍聴者は、直ちに新宿駅南口のJR東日本本社前に移動して、JRへの抗議と街頭宣伝行動を貫徹し、JRに1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の戦闘宣言をたたきつけた。
1047名闘争への労働者の関心はかつてなく高い。動労千葉のスト決起を報じるビラや、渋谷反戦デモへの決起を訴えるビラが、道行く人に吸い込まれるように手渡された。
同日夕、文京区民センターで鉄道運輸機構訴訟控訴審報告集会が開かれ125人が結集した。
動労千葉ストに連帯し集会
「共に闘う国労の会」呼びかけ人として主催者あいさつをした国労郡山工場支部の橋本光一さんは、「和解を拒否した4人の闘争団員の闘いをもっと大きく広げよう」と訴え、動労千葉のストライキと連帯する闘いとしてこの集会をかちとろうと呼びかけた。
原告の小玉さんは「戦争と大失業が現実となる時代にわれわれは解雇撤回闘争を闘っている。11・7労働者集会の5900人がもっと大きくなれば社会をひっくり返せる。裁判闘争は面白くなってきた。これは国鉄分割・民営化を絶対に認めない闘いだ」と訴えた。
石崎さんは「分割・民営化で国鉄当局がやったことは絶対に許せない。だから和解にも応じられない。1047名の闘いは全労働者の闘いだ」と決意を表明。
羽廣さんは「団結して闘い、腐った労働組合を自らの力で変える。原則を貫く以外にわれわれの未来はない」と述べるとともに、新たに始まった国労原告団物販を自らの闘いとして闘うことを呼びかけた。
訴訟代理人の弁護士がこの日の裁判について解説した。主任代理人の藤田正人弁護士は、小玉さんへの停職処分の無効確認を訴えに追加したことの意味を述べ、これに対する鉄道運輸機構の激甚な反応に勝利の手応えを感じたと報告した。山崎吉男、葉山岳夫、鈴木達夫の各弁護士がそれぞれ国鉄分割・民営化と真っ向から対決するこの裁判にかけた自らの思いを語った。
動労千葉の後藤俊哉特別執行委員、動労水戸の杉井文彦執行委員、動労西日本の山田和広副委員長が連帯のあいさつに立ち、翌日からの動労千葉ストライキを突破口に、検修外注化阻止・非正規職撤廃の決戦に立つことを確認した。さらに全学連の織田陽介委員長が翌日の渋谷デモへの総決起を呼びかけた。
集会のまとめを国労新潟駅連合分会の星野文男さんが提起し、翌日の動労千葉スト−12月21日の国労5・27臨大闘争弾圧公判−23日の羽越線事故弾劾闘争を闘いぬき、2011年の大決戦に躍り込もうと訴えた。
(写真 鉄道運輸機構訴訟と鉄建公団訴訟を闘う原告が解雇撤回を貫き通す不屈の決意を表明【12月2日 文京区民センター】)
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週刊『前進』(2468号2面3)(2010/12/13 )
国労旭川闘争団 鉄建公団訴訟原告 成田昭雄さんのアピール
全国各地を回って青年の闘いに感動
国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利へ、4・9政治和解を拒否して鉄建公団訴訟上告審闘争を闘う国労旭川闘争団の成田昭雄さんが発したアピールを、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会」の会報第5号から転載して紹介します。(編集局)
私は、国労本部の4・9和解に反対し、鉄建公団訴訟の闘いを続けてきました。
「国鉄闘争の火を消すな」の全国運動に参加し、この間、神奈川を始め北は秋田から新潟、大阪、茨城、埼玉、南は九州福岡まで全国10カ所の国鉄集会に参加しました。また旧知の自治労役員の方たちとも交流をさせていただきました。お呼びいただいた方、関係者の皆さんに深く感謝いたします。
全国を回って一番感じるのは、全国の仲間が熱く燃えているということです。特に青年です。目つきや構えが1年前とは全然違う。集会の準備、運営、司会、さらには基調報告まで青年がやっていました。学生の皆さんも法政大学、京都大学、東北大学で闘っていて、国鉄分割・民営化、1047名問題が自分たちの問題だとストレートにわかるからその怒りがビンビン伝わってきます。
4・9直後の集会では、青年労働者が国鉄分割・民営化攻撃とは何か、4・9とは何かを説明しました。紙芝居風にやったのですが、「国鉄分割・民営化の張本人は中曽根だ! 動労千葉を排除し、謝罪も雇用も年金もない”前原談話”ナンセンス!」と棒で中曽根や前原を(イラストをですが)たたきつけていました。1047名の怒りがいま自分自身が置かれている非正規職の怒りとひとつになっていました。もう私のほうからは何も説明することがないくらいの立派なものでした。それだけ自分自身の問題だと受け止めて必死になって闘っているということです。それを本当に感じました。
4・9政治和解と言っても、私も含めて1047名の当事者には何も知らせず、口も出させない、こんな状況にしておいて一方的に和解が進められたわけです。一番の元凶は国労本部や4者4団体の指導部なんです。だから署名をしてしまった904名はこれで終わりというのではなく、今度はおれたちの応援団になってくれという気持ちです。
前原や国労本部の幹部連中は、4・9で国鉄問題は終わった、解決したと言っています。国労本部は全国で「解決集会」といって、私たちの組合費を使って飲み食いしたそうです。本当にふざけています。
6・13全国運動スタート集会後、神奈川で6・18集会が行われました。そこで私、小玉さん、羽廣さんの3人が一緒に訴えました。その後、各地で同じように集会が行われていきました。6・13集会と同じ内容と質で、もう11月集会の地方版をやっていたわけです。全国を飛び回った私が実感するところですが、「国鉄闘争の火を消すな」という声と運動は確実に全国に広がっているということです。そしてその中軸に青年や学生が座っている。これは本当に大きいと思います。
11月労働者集会には5900人が集まりました。私がうかがいお話しさせてもらった全国の皆さんと元気な顔で再会できました。本当にうれしかったし、勇気をもらっています。
私の訴えは「解雇撤回!」に尽きます。これが一切の原点です。分割・民営化攻撃は当該だけの問題ではありません。老若男女含めてすべての問題です。私は「闘う国労原告団」の一員として、新たに始まった「国労原告団物販」を国鉄闘争全国運動の拡大・発展として闘っていきます。今後とも皆さんの熱いご支援をお願いします。「分割・民営化絶対反対」「1047名解雇撤回」の勝利をめざして、動労千葉とともに、そしてすべての皆さんと心をひとつにして闘います。団結ガンバロウ!
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週刊『前進』(2468号3面1)(2010/12/13 )
〈人勧廃止・公務員庁〉粉砕を
“スト権付与”振りかざし民間並みに生首切る狙い
公務員制度改革の2012年度実施に向けて、菅民主党政権がいよいよ具体的に動き始めた。
公務員制度改革は、国鉄1047名闘争解体攻撃と軌を一にした公務員労働者の大量首切りと非正規化、大幅賃下げ攻撃であり、公務員の終身雇用制と年功序列型賃金を解体して、すでに全労働者の3割を超えた非正規労働者を9割までもっていく攻撃だ。公務員労働運動を解体し、道州制、改憲・戦争国家化に突き進む攻撃だ。
これこそ「国鉄改革の完遂」攻撃そのものである。4・9政治解決による労働者への総攻撃が、公務員制度改革として動き出したのだ。全労働者の未来をかけて、公務員制度改革攻撃を絶対に粉砕しよう!
「争議懇」設置
政府の国家公務員制度改革推進本部は11月に、「国家公務員の労働基本権(争議権)に関する懇談会」(争議懇)を立ち上げた。11月26日の初会合以降、11月30日、12月8日、10日と立て続けに会合を開き、早ければ年内にも提言をとりまとめようとしている。
重大なのは、争議懇が公務員の争議権付与を検討することを押し出して設置されたことだ。労働組合が闘ってスト権付与を議論の対象とさせたわけではない。まったく逆だ。政府の側が公務員労働者への攻撃として”民間並みに生首を切り、無制限の賃下げを推し進めるために、スト権付与を検討する”と言い出したのである。
公務員制度改革をめぐっては、労使関係制度検討委員会が昨年12月15日、報告「自律的労使関係制度の措置に向けて」を提出した。同報告は争議権付与は検討の対象とせず、協約締結権だけの付与を前提に、@労使合意を重視するモデルA国会の関与を重視するモデルB中間的モデルの三つの選択肢を示した。
それが一転、争議権の付与まで検討すると言い出したのは、争議権付与をちらつかせることで、連合のさらなる屈服を取り付けるためだ。
また国家公務員制度改革推進本部事務局は「自律的労使関係制度に関する改革素案」をまとめ、12月7日の民主党公務員制度改革・総人件費改革プロジェクトチーム(PT)と12月8日の争議懇に提出した。国家公務員の非現業職員に協約締結権を付与し、人事院勧告制度を廃止、労働組合との交渉窓口として「公務員庁(仮称)」を新設して、労使交渉によって国家公務員賃金を決定する、というものだ。
民主党公務員制度改革・総人件費改革PTも12月7日の会合で国家公務員への争議権付与を認める方針を固めたと報道された。争議権付与を認める理由は「人事院勧告を大きく上回る総人件費2割削減を実現するためには、スト権の付与が不可欠」だからという。
身分保障解体
すでに国会では、公務員制度改革の狙いが露骨に語られている。8月3日の衆院予算委員会では以下の議論が行われた。
玄葉公務員制度改革担当相「(人事が滞留する)そういった人たちをどうするのか。生首をバサッと切るのか、あるいは……希望退職のようなものを募るのか」
江田憲司(みんなの党)「労働基本権を公務員に早く付与してください。それで民間並みのリストラ、人員整理ができるようにしましょう」「今の制度があるから生首が切れないんですよ」「早く生首が切れるような、リストラできるような法改正をしてください」
狙いは公務員の身分保障を解体し、首切り自由で民営化・外注化を推進していくことであり、人勧制度を廃止して「民間準拠」を超える大幅賃下げを実行することであり、日教組・自治労に労使合意で賃下げ・首切りを推進させることだ。
連合の加担で
このような重大攻撃がまかり通っているのは、日教組本部・自治労本部を始めとする連合の全面的な協力ゆえである。争議懇の10人の委員にも元連合副会長で元国公連合委員長の丸山建藏が入り込んでいる。
ここ数年、「スト権は与えないでくれ!」と懇願してきたのは連合幹部の側だ。今では日教組本部は、機関会議でも「スト権は求めない」と公言している。
公務員労働者が争議権を手にしたら幹部の思惑を超えてストが激発することを最も恐れているのは実は連合幹部なのだ。
11年が決戦だ
2011年が最大の決戦だ。菅政権は公務員制度改革12年度実施に向けて、通常国会に法案を提出しようとしている。
それだけではない。11年度の公務員賃金を人勧以上に削減するための1年間限りの特別法も制定しようとしている。
人事院は今年8月、年間平均給与1・5%減、平均9万4千円削減する大幅賃下げの勧告を行った。平均賃金はこれで1999年から約80万円も下がった。
これほどの賃下げに加えて、菅は9月の民主党代表選の政権構想で「人事院勧告を超えた(給与)削減を目指す」と明記した。しかし審議時間が足りないと判断し、今年度は人勧どおりの賃下げしかできなかった。そこで11年度は特別法で人勧以上の賃下げを実施しようとしているのだ。
公務員制度改革をめぐる攻防はすでに、「子ども・子育て新システム」をめぐる攻防、全国の公立病院や市営交通での分限免職をめぐる攻防などで激しく始まっている。
先の臨時国会で継続審議になった「雇用・能力開発機構廃止法案」は、国鉄改革法23条と同じ文言で雇用承継を排除し、500人を選別解雇しようとしている。国労本部が「解雇・不当労働行為を二度と争わない」と誓い、自治労本部が社保庁525人分限免職を承認した途端、菅政権は国鉄分割・民営化方式の首切りを実行し始めた。
スト権奪還は、戦後の公務員労働運動の最大の攻防点だ。60年代後半から70年代には日教組を先頭に数十万人の組合員が刑事弾圧と行政処分を受けながらストライキで闘った。どんな弾圧や処分を受けてもストライキに立ち上がることで、実力でスト権を奪還しようと闘ってきたのである。
公務員制度改革との闘いは、朝鮮侵略戦争の急迫の中での労働組合運動絶滅攻撃との決戦だ。すべてを決するのは階級的力関係であり、職場・生産点こそが最大の戦場である。職場から団結をつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせよう。公務員制度改革粉砕の大決戦をつくり出そう。
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週刊『前進』(2468号3面2)(2010/12/13 )
日航整理解雇 CCUスト決行へ
支援・連帯行動に立とう
日航の客室乗務員でつくる日本航空キャビンクルーユニオン(CCU、約870人)は11月28日、整理解雇に反対して12月24〜25日にストライキを実施する方針を決めた。日航の希望退職追加募集は12月9日が期限であり、募集打ち切り後に整理解雇に踏み切る可能性が高まっている。国家的な労組解体攻撃と対決するCCUのストを断固支持し、激励・支援・連帯行動に立とう。
CCUは、日航管財人である企業再生支援機構の「スト権確立なら3500億円の出資は行わない」といった卑劣な支配介入を打ち破り、89・3%の高率でスト権を確立した。組合員は圧倒的に闘いを求めている。
CCUでは52歳以上と休職中の130人が整理解雇対象とされている。御用組合の連合・JAL労組は50歳以上の多くが管理職となっており、整理解雇対象者はほとんどいない。CCUのベテラン労働者の多くが昇格差別で一般職にとどまっているため、整理解雇対象はほどんどがCCUだ。
執拗(しつよう)な個別面談や、白紙の勤務表を渡すなどの会社の激しい退職強要で、客室乗務員の希望退職者は現在756人に上り、目標の660人を上回っている。にもかかわらず日航は、「稼働ベース」という概念を持ち出し、削減目標数を上乗せして整理解雇実施を宣言した。稼働ベースとは、休職中の人は「0人」、育児・介護などで部分就労の人は「0・5人」と計算し、退職応募者数を実際より低く見積もるやり方だ。日航経営陣は、あえて整理解雇に踏み切ることで、闘う労働組合と職場の団結を徹底的に解体しようとしている。この汚いやり口に組合員は怒りを爆発させているのだ。
破綻原因の調査で、日航が19年前に152億円で購入した土地が、建物を含めて約25億円の価値しかないことが暴露された。これは自民党・二階俊博元運輸相の後援会幹部の土地だった。政治家の利権のために地方空港を乱立させたり、ホテル買収で何度も多額の損失を出すなど、日航経営陣の乱脈ぶりは例をあげればきりがないほどだ。日航を食い物にして破綻させた張本人である政府・国交省や日航経営陣が、一切の責任を労働者に押しつけ解雇することなど、どうして許せるか!
半分の賃金で退職者を採用
グループ全体で1万6千人を削減する日航の会社更正計画が11月30日、東京地裁で認可された。また同日付で、希望退職に応募した1400人が日航を退職した。40代のある操縦士は、退職を決めた途端に会社から借りていた住宅ローンの一括返済を迫られ、退職金や年金の一時金で返済して「無一文」でほうり出された。残った労働者も、来年1月からの新賃金体系で約3割の賃下げだ。
一方、格安航空会社スカイマークは12月1日、日航退職者を計470人採用すると発表した。客室乗務員は2013年末までに300人を採用、雇用条件は1年更新の契約社員で、入社後半年は時給1100円、その後は基本月給16万5000円。また操縦士120人、整備士50人も順次採用するとしている。操縦士も契約社員の副操縦士として採用し、最初の基本月給は35万円。手当は付くものの従来の年収からは格段に下がる。
こうした〈解雇―選別採用〉の過程を通して非正規雇用に置き換え、賃金は半分にし、経営破綻・首切り攻撃につけ込んで労働者をモノのように買いたたく。これこそ菅政権の新成長戦略、「雇用創出」の正体だ。
日航の整理解雇は、国鉄1047闘争の4・9政治和解と一体であり、大恐慌と戦争の時代の階級戦争だ。支配階級は「整理解雇の4要件」すら意識的に踏み破り、JR大合理化や公務員大量解雇、正規労働者「解雇解禁」の突破口をここで開こうとしている。
敵の狙いは団結破壊にこそある。動労千葉は80年代の国鉄分割・民営化攻撃に対して「3人に1人の首切りに対して闘わなかったら組合の団結は絶対に破壊される。疑心暗鬼になり、職場の仲間の連帯感は破壊されてしまう。闘うことによってしか団結は守れない」(中野洋・前動労千葉委員長)と組合員に訴え、一丸となってストに立つことで組織の骨格を守った。これと同じ闘いが、あらゆる職場で求められる時代が来たのだ。
ストを構えて闘うCCUと連帯し、日航整理解雇を粉砕しよう。
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週刊『前進』(2468号3面3)(2010/12/13 )
12・3渋谷 朝鮮戦争阻止へデモ
動労千葉ストに続いて決起
12月3日夕方、東京渋谷の神宮通公園で反戦共同行動委員会の主催する「朝鮮侵略戦争阻止!」「大失業と戦争の菅政権打倒!」を掲げた集会とデモが行われた。緊急行動にもかかわらず東京・首都圏から労働者・学生440人が集まり、渋谷の街に「侵略戦争阻止」の声をとどろかせた。
司会を法政大生の倉岡雅美さんが務めた。倉岡さんは開口一番「本日動労千葉がストライキを貫徹し、3人の労働者が新たに動労千葉に加入しました。昼の動労千葉スト、そしてこの反戦デモがわれわれの勝利性を示している」と確信も固く発言した。
一斉に歓声がわき、会場が興奮と勝利感に包まれる中、最初に、憲法と人権の日弁連をめざす会代表で、裁判員制度はいらない!大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士が発言した。高山さんは「裁判員制度をつぶす力はわれわれの手の中にある。その力で絶対に戦争を阻止しよう」と声を張り上げてアピールした。
反戦共同行動委員会事務局長で杉並区議の北島邦彦さんが基調報告を行った。北島さんは「大恐慌が戦争として爆発する段階に入った」と情勢の核心を喝破。「今日から日米統合演習が行われている。沖縄の米軍は臨戦態勢に入っている」と弾劾し、「自分も街頭に立って『戦争阻止』を訴えているが、労働者は排外主義に流されてはいない。今日の闘いで、労働者の怒りの堰(せき)を切ろう」と訴えた。
ひときわ大きな拍手の中、動労千葉争議団の中村仁さんが発言に立った。中村さんは真っ先に「動労千葉は本日12時ストライキに入った。その中で3人が動労千葉に加入した」と勝利感あふれて報告した。さらに「本当に今、労働者としてどうあるべきかが問われている。もっともっと組織拡大をかちとっていく。動労千葉と動労千葉争議団は先頭で闘う」と誇り高く宣言した。
続いて5人の仲間が決意表明を行った。反軍闘争を闘う元自衛官の労働者は「戦争とは兵士と労働者を先頭に立てた殺し合いの強制だ。団結して侵略戦争阻止の闘いに立とう」と呼びかけた。婦人民主クラブ全国協議会の仲間は「戦争に反対する闘いと一体のものとして幼保一体化の攻撃と闘う。来年4月の相模原選挙闘争に勝利する」と決意を表明。
東京労組交流センターを代表し北部ユニオンの女性労働者がマイクを握り、「砲撃戦があって不安になったが、仲間と討論して、大恐慌を革命に転化するチャンスだとわかった。今日は朝から動労千葉のスト支援のビラまきをやりきった」と興奮を語った。三里塚現闘の仲間は「三里塚は朝鮮侵略戦争をぶっ止める闘いだ」と鮮明に提起し、成田駅頭で侵略戦争反対のビラまき行動をして大きな反響があったことを報告した。
最後に法政大学の斎藤郁真・文連委員長が発言に立ち、「法大当局は新たな処分を狙った『授業準備妨害』という看板を出せなくなった。処分反対署名が増えたからだ。今日も1年生が参加している。職場、キャンパスで組織拡大を進めよう」と訴えた。
反戦共同行動委員会代表の三角忠さんが「元気なデモに打って出よう」と行動方針を提起し、ただちに渋谷デモに出発した。どこでも、仕事帰りの労働者や学生が迫力あるデモに注目した。5〜6人の男女の若者グループは「戦争に賛成している人なんかいない。みんな反対ですよ。頑張って下さい!」とこぶしを突き上げた。
日本共産党やカクマルの排外主義の絶叫を徹底的に粉砕し、田母神などファシスト勢力の台頭を絶対に許さず、職場と街頭で闘いぬこう。帝国主義の朝鮮侵略戦争阻止、大失業と戦争の菅政権打倒の巨大な闘いを巻き起こそう。
(写真上 労働者・学生でにぎわう金曜夜の渋谷駅前で「朝鮮侵略戦争阻止! 大失業と戦争の菅政権打倒!」と訴えてデモ。大きな注目と共感を集めた【12月3日】)
(写真下 集会後、デモ出発に先立って「朝鮮戦争を止めるぞ」とシュプレヒコール【神宮通公園】)
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週刊『前進』(2468号3面4)(2010/12/13 )
東京不起立処分撤回裁判 “合格取り消しは不当”
都教委幹部職員を追及
11月29日午前、東京地裁で東京の教育労働者・米山良江さんの「君が代」不起立処分と解雇(非常勤教員合格取り消し)の撤回を求める裁判の公判が行われた。
米山さんは08年3月の卒業式で「君が代」斉唱時に不起立したことを理由に戒告処分を受け、さらに定年退職後の職として職場まで決まっていた非常勤教員の合格が取り消された。この年、すでに停職6カ月処分まで受けていた根津公子さんの解雇を絶対に許さないというこの米山さんの闘いを先頭とする多くの労働者・学生の闘いが都教委を圧倒して、根津さんの解雇は阻まれた。
今回は、07〜08年度に東京都教育委員会人事部選考課長だった園田喜雄の証人尋問が行われた。園田は、米山良江さんを非常勤教員に合格させ、また3月25日の卒業式の「君が代」不起立で戒告処分が下された直後、ただちに非常勤教員の合格を取り消した本人だ。
先に都教委側弁護士の尋問が行われた。園田はまず、非常勤教員の合格の判定基準にもとづき米山さんは何の問題なく非常勤教員に合格したと証言した。それを3月末に不合格にしたことについて「前年度までも、不起立で処分された人はすべて合格が取り消された。米山さんは校長の職務命令に従わなかったため、非常勤教員の勤務についてもらうわけにはいかなかった」と述べた。
続いて米山さんの代理人の弁護士が尋問した。07年度に非常勤教員に応募したのは763人、そのうち不合格は4%の30人。合格が取り消されたのは米山さん一人だけだ。過去に処分歴がある人は全員が不合格になったのかと問うと、園田は「すべて不合格にしたわけではない。処分が相当年数前の場合や監督責任を問われた処分の場合は合格することもある」。
そこで「合格者の中に処分歴のある人は何人いたか?」と問うと、「わからない」とはぐらかす。弁護士はこの年、戒告処分が9人、停職が1人の計10人が非常勤教員に合格している事実を突きつけた。「君が代」不起立者は全員が不合格か合格取り消しになり、それ以外の理由の処分の場合は合格しているのだ。
さらに09年度から始まった主任教諭制度では、不起立で処分を受けた人も合格している。このことを追及すると「何年前の処分なのかによって判断した」と弁明。
都教委が不起立処分について、ほかの処分と比べて格段に重く扱い、また職まで奪うという二重処分を強行している不当性が暴かれた。こんな不当処分と解雇は撤回以外にありえない!
これほどの重い処分が下されているのは、不起立こそ石原・都教委が最も恐れる闘いだからだ。どんな処分の脅しにも屈しない教育労働者の誇り高き闘いは、戦争教育の復活を敢然と阻む巨大な力を持っている。
朝鮮侵略戦争の切迫、右翼ファシストの愛国主義扇動と「日の丸」デモの登場の中で、「君が代」不起立闘争の意義はますます高まっている。次回公判は2月17日午後4時半から東京地裁705号法廷。来春卒・入学式の不起立闘争と一体の闘いとして集まろう。
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週刊『前進』(2468号4面1)(2010/12/13 )
朝鮮侵略戦争切迫に階級的反撃を
米日韓が次々と軍事演習強行
北朝鮮の体制転覆と韓国労働者の圧殺も狙う
11月23日の北朝鮮と韓国の砲撃戦で始まったことは、朝鮮侵略戦争の超切迫だ。世界大恐慌の深まりと基軸帝国主義からの没落の絶望的な危機の打開を目指し、米帝は対中国の対峙・対決政策に踏み切り、朝鮮侵略戦争突入を決断しつつある。争闘戦敗北の断崖(だんがい)絶壁に追い詰められつつある日帝はこの動きに必死に食らいつき参戦しようとしている。11月から12月にかけ米日韓の軍事演習が史上最大規模で行われている。日帝の「防衛計画の大綱」と併せて弾劾する。
史上最大規模の実戦演習だ
●米韓合同軍事演習
米韓合同軍事演習は11月28日から12月1日までの4日間にわたって黄海で行われた。参加したのは米軍が、原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)、イージス巡洋艦カウペンスなど艦艇5隻、ステルス戦闘機F22ラプターなどの航空機、人員約6400人。韓国軍は、イージス艦の世宗大王など艦艇6隻、P3C哨戒機などの航空機、人員約900人。24時間態勢の演習だ。
韓国軍合同参謀本部は今回の訓練を「黄海で実施された合同演習としては史上最大規模」としている。黄海でのGW(動く核基地だ)参加の演習は、中国への戦争挑発、軍事的威嚇だ。
演習初日の28日は、米韓艦隊が合流し、訓練海域の警備作戦などを展開。29日からは、対空防御や航空機による爆撃訓練、海上射撃訓練や対潜水艦探知・防御訓練などの演習を行った。韓国軍幹部は、「演習はすべての可能性に備える」としており、「敵艦艇が北方限界線(NLL)を侵犯し攻撃に出るのを早期に察知し、艦載機を緊急出撃させ撃滅する」戦闘訓練も行った。
湾岸戦争にも使われた偵察機E8ジョイント・スターズも参加しており、同機は、戦場の周辺を飛行するだけで、戦闘地域全体に配備されている車両やミサイル発射装置、地上部隊の動きを探査可能で、上空から味方地上部隊を指揮できる。演習期間中、北朝鮮軍が新たな動きに出れば、同機で即座に察知して対応することになっていた。
米韓合同演習は年内にも空母を派遣しての再実施が検討されている。
●日米共同統合演習
12月3日から10日までは日米共同統合実動演習が行われた。米軍は艦艇約20隻、航空機約150機、隊員約1万400人が参加。自衛隊は艦艇約40隻、航空機約250機、隊員約3万4100人が参加した。これも過去最大規模だ。主な訓練は、能登半島沖などの日本周辺海空域や自衛隊の各航空基地などで「弾道ミサイル対処」訓練、四国南方海域・九州西方海域で海上作戦。沖縄東方などで実施する島しょ防衛を含む海上・航空作戦には空母GWも参加した。さらに日本周辺空域などで航空作戦が行われた。(図参照)
今回の日米共同統合演習には韓国軍の幹部も米艦艇に乗船し、視察した。7月には海上自衛隊幹部が初めて米艦合同軍事演習を視察しており、米日韓の軍事的一体化が一層進んでいる。
さらに今月6日から15日まで、宮崎・鹿児島両県の県境をまたぐ霧島演習場で陸上自衛隊と米海兵隊が参加して日米共同演習が行われている。来年2月中旬から3月上旬にも、滋賀県の饗庭野(あいばの)演習場で同様の演習が行われる。敵地への「殴り込み部隊」である米海兵隊との共同演習は、自衛隊の朝鮮への上陸演習そのものだ。
(写真 11月30日、ジョージ・ワシントンの艦上で艦載機に離着陸の合図をする兵士)
切迫する北朝鮮への大空爆
●韓国軍が砲撃訓練
また韓国軍は6日から12日まで周辺の海域29カ所(黄海16カ所、日本海7カ所、南方6カ所)で対艦砲などを投入し、砲撃訓練を実施した。北朝鮮による砲撃を受けた延坪島(ヨンピョンド)の周辺海域は対象外だが、韓国が黄海上の軍事境界線と位置づけるNLLに近い(延坪島のさらに北)大青島(デチョンド)沖で訓練を行う。
朝鮮半島西側の黄海海域の境界線をめぐっては南北の主張が対立しており、この海域での訓練は韓国軍による戦争挑発そのものだ。
●米韓が北朝鮮爆撃方針で一致
韓国政府は、黄海のNLLに近い韓国領5島に配備する戦力の増強に着手する。来年度予算案では黄海の島から北朝鮮を攻撃できる自走砲やF15戦闘機購入などの費用として1兆4000億ウォン(約1012億円)が計上される。李明博(イミョンバク)大統領は米韓演習中の11月29日、「今後、北の挑発には必ず応分の対価を払わせる」と発言した。12月3日、金寛鎮(キムグァンジン)新国防相(4日就任)も「追加挑発が起きれば航空機で爆撃する」と明言した。
韓国軍は北朝鮮との交戦規則を見直し、新基準を設ける検討を始めた。敵の攻撃に対し「戦闘機の爆撃も可能という内容も含めた積極的見直し」を行う。さらに民間への攻撃と軍への攻撃を区分し、民間への攻撃の場合には、より強い対応が取れるような見直しが進む。また、金国防相は「交戦規則ではなく、自衛権のレベルで対応する」と発言。交戦規則は1953年の朝鮮戦争の休戦協定に基づき、偶発的に起きた衝突の拡大を防止する指針だが、自衛権の行使は交戦規則を超えた措置となる。
さらに8日、米軍のマレン統合参謀本部議長と韓国軍の韓民求(ハンミング)合同参謀本部議長が会談し、北朝鮮が新たな「軍事挑発」を行った場合、韓国軍が戦闘機などで北朝鮮の軍基地を爆撃する方針で一致した。
重要なことは、朝鮮半島で戦争が勃発した場合、米韓連合軍を指揮する権限である戦時作戦統制権は米韓連合軍司令官を兼務する在韓米軍司令官が握っている点だ。米帝は自衛隊や韓国軍をも徹底動員し北朝鮮を攻撃しようとしている。
日帝も侵略戦争参戦を狙う
今月、民主党政権下で初めての「防衛計画の大綱」が策定される。今回の大綱は対中国の対峙・対決政策へとかじを切るものだ。これまでの自民党政権時代に作成され、数度の改定がなされてきた大綱との決定的な違いは「基盤的防衛力構想」を放棄し「動的防衛力」の概念を打ち出したことだ。対中国の侵略戦争を見すえ、沖縄や南西諸島に部隊を機動的に展開するということだ。
主要装備では海上自衛隊の潜水艦を16隻から22隻に増強、航空自衛隊の戦闘機も、沖縄に配備するF15戦闘機を増強する。さらに韓国やオーストラリアとの防衛協力も強化する。東南アジア諸国やインドとの防衛交流拡充にも言及しており、対中国シフトの展開だ。
「武器輸出3原則」の全面的見直しは今回は見送ったが、それは社民党の取り込みのための一時的凍結にすぎない。
米帝が日帝や韓国と連携し動員してやろうとしていることは、北朝鮮スターリン主義の体制転覆と、決起する韓国労働者の闘いの圧殺だ。日米韓、日朝中労働者の国際連帯で朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう!
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週刊『前進』(2468号4面2)(2010/12/13 )
対北朝鮮排外主義の先兵
日共とカクマル、戦争を翼賛
11・23延坪島での軍事衝突をもって決定的に新たな段階に入った米帝の朝鮮侵略戦争に対して、労働者階級の国際連帯で反戦闘争を巻き起こそう。この時に、日本共産党やカクマルを始めあらゆる勢力がマスコミに唱和し、ただただ「北朝鮮の暴走」を弾劾すると言って米日帝国主義を免罪し、排外主義の先兵になっている。まったく許せない。
「韓国は冷静な対応」と前原と意気投合の日共
11月26日、衆参両院はそれぞれ「北朝鮮による韓国・大延坪島砲撃に関する決議案」(北朝鮮非難決議)を全会一致で可決した。これ自体、米韓合同軍事演習を始め、米帝の側が北朝鮮スターリン主義の反労働者的策動を餌食にして加えてきた軍事重圧、北朝鮮の体制転覆のさまざまなたくらみについて何一つ言及することなく、今まさに軍事衝突が拡大しようとしている時、帝国主義の側に立って戦争を推進する決議以外の何ものでもない。これに日共を含むすべての国会議員が賛成したのである。
日共は、委員長の志位が24日に国会内で会見、「断じて許されるものではない無法な行為であり、北朝鮮の軍事挑発行動を厳しく非難する」「談話」を発表した。
「民間人が居住する島への無差別の砲撃は、朝鮮戦争の休戦協定はもとより、国連憲章にも、北朝鮮自身が当事者である南北間の諸合意にも反する、無法な行為である」と志位は言う。そこには、朝鮮南北分断体制に対する完全な容認と加担があり、「国際法」的な取り決めを振りかざして北朝鮮を転覆しようとしている帝国主義の論理への度し難い屈服がある。
25日の参院予算委の集中審議で日共の井上哲士は、「北朝鮮の武力挑発に対して、韓国政府は冷静な対応をしている」と評価し、菅や前原外相と意気投合している。だが韓国軍は直ちに応戦し、多くの死傷者を出しているではないか。もともと北朝鮮の鼻先で、北朝鮮の認めない区域で砲撃演習をしていたのが戦争情勢の引き金になっているのだ。何が「冷静な対応」だ。
井上は、この日の質疑について「他党が政府の対応を揚げ足取り的に非難している」なかで建設的に論議できてよかったと自賛している始末だ。「平和的外交的解決を」と言いながら「国際社会による北朝鮮の包囲」を容認し、侵略戦争翼賛政党に完全に転落した。
この間、日共は釣魚台(尖閣諸島)での漁船船長逮捕問題や、ロシア大統領メドベージェフの国後島訪問などで、「わが国固有の領土への侵害」として排外主義宣伝の先頭に立ってきたが、ついに朝鮮侵略戦争が現実化する事態の中で、その翼賛的本質をさらけだした。戦争翼賛の日共スターリン主義打倒!だ。
中国脅威論のカクマル 「血迷った北朝鮮弾劾」
カクマルは「血迷った北朝鮮の11・23対韓砲撃強攻弾劾!」という見出しを掲げた(『解放』11・29付)が、次の号では動揺して「朝鮮戦争勃発阻止に決起せよ」「米・日・韓−中・露の相互対抗的軍事演習反対」と若干手直しした。
カクマルの世界認識の中心は、ソ連崩壊以降は中国起動力論である。中国が戦争の元凶でアメリカの軍事行動はそれへの対抗と描かれる。
「国際政治の覇権を握っている胡錦濤の中国」が世界の中心で、この中国を封じ込めるための軍事的陣形をつくっているのが米帝だというのだ。その立場で「尖閣問題」の時は、『解放』(10・4付)は「尖閣『領有』たくらむ中国の対日制裁弾劾」を1面トップに掲げた。中国の「傲岸(ごうがん)な攻撃」に米日が対抗している、と描かれている。
菅政権に対して、「中国政府の恫喝に屈服し、政治的大失態」と右翼雑誌ばりの反中国宣伝をしてきた。要するに、日帝の国益の立場に完全に立っているのだ。
だが、現代を規定しているのは、米帝を基軸とする帝国主義の大恐慌と争闘戦激化の情勢だ。その中で、米帝は対中国の対峙・対決政策へと転換し、中国スターリン主義も生き残りのために対抗的な政策を展開しているのだ。
米帝の朝鮮侵略戦争の展開に屈服し、戦争翼賛勢力に転落した日共とカクマルを打倒しよう。
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週刊『前進』(2468号4面3)(2010/12/13 )
沖縄はすでに“戦場”
日米韓演習に激しい怒り
米軍守るためにミサイルを配備
日米共同統合演習は3日から日本全域で行われたが沖縄はその中心、最前線だった。陸海空のすべてで侵略戦争突入を想定した激しい訓練が行われた。米帝の朝鮮侵略戦争の切迫で、沖縄は最前線出撃基地、「戦場の島」となっているのだ。生活と生存を脅かされる沖縄の労働者人民の怒りは頂点に達している。
演習中、沖縄では何が起きたか。
(1)2日深夜から3日未明にかけて米軍の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を積んだ車両約60台が、嘉手納基地から国道58号など公道を通り、普天間飛行場(宜野湾市)とキャンプ・コートニー(うるま市)に移動し、両基地に配備された。移動自体が訓練の一環と見られる。その後、キャンプ・シュワブ(名護市)やホワイトビーチ(うるま市)にもPAC3が配備された。
PAC3は発射された弾道ミサイルを地上から迎撃するミサイルで、射程は20`程度。PAC3部隊長が隊の任務を「米軍部隊の防衛」と明言している通り、一般住民を守るためではなく、攻撃基地を守るためのミサイルだ。“分散することで、攻撃された際に全滅を回避できる”という想定そのものが、周辺の住民はどうなってもいいということだ。
(写真 ホワイトビーチに集結した日米艦船。左の大きな艦が米海軍の強襲揚陸艦エセックス【12月3日】)
ホワイトビーチに米日軍艦20隻
(2)ホワイトビーチに3日、米海軍と海上自衛隊の艦船20隻以上が演習参加のために集結した。海兵隊をヘリに乗せて敵地に送り込む強襲揚陸艦エセックスなどだ。
演習に参加する米日60隻の艦船のうち、実に3分の1以上がここに集まった。平常時は3隻程度しか寄港しない。地元は緊張に包まれた。住民は「異様な光景だ」「軍事強化は許せない」と怒りの声を上げた。5日にはほとんどの艦船が訓練海域へ出航していった。
(3)4日、沖縄周辺空域で米空軍と航空自衛隊による航空作戦訓練が実施された。嘉手納基地と那覇空港では早朝から午後までF15戦闘機などが離着陸を繰り返し、周辺は爆音に包まれた。多くの人が疲れを癒やす土曜日にもかかわらず、基地周辺では戦闘機、軍用機の爆音が平日同様にまき散らされた。
軍民共用の那覇空港では同日午前9時過ぎ、空自のF15戦闘機がトラブルを起こし、滑走路が約25分間閉鎖された。民間機に出発の遅れが出たり、着陸する飛行機が滑走路が閉鎖されている間、上空での旋回待機を余儀なくされた。
(4)住宅地に隣接した金武町の米軍キャンプ・ハンセン第1ゲート付近で3日午前、通常の演習とは異なる激しい射撃音が確認された。「ダーン、ダダダッ」という大きい音が午前8時ごろから11時ごろまで断続的に鳴り響いた。住宅地から100bほどの基地内の建物から、米兵が防弾チョッキやヘルメットを持って出てくるところや、男性が火器を持っている様子が確認された。敵味方が至近距離で戦闘する白兵戦の訓練が行われた。
朝鮮侵略戦争のために沖縄の労働者人民はますます「基地の島」「戦争の島」の現実を強制される。基地は全面撤去する以外にない。日米安保粉砕、沖縄基地全面撤去へ闘おう。
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週刊『前進』(2468号4面4)(2010/12/13 )
2010年 12月1日〜7日
日米共同統合演習が始まる/韓国「北朝鮮再挑発なら空爆」
●武器輸出3原則見直し「米が要求」
日米両国が2014年をめどに共同開発を進める海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」について、米政府が欧州への輸出を可能とするために、日本政府に武器輸出3原則の見直しを求めた内容の外交公電が明らかになった。民間告発サイト「ウィキリークス」が公表した。(1日)
●沖縄知事、県外移設を要請 菅首相は、再選した沖縄県の仲井真知事と首相官邸で会談した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題で、仲井真は「県外移設」を主張。菅は、名護市辺野古に移設するとした日米合意に理解を求めた。(2日)
●日米演習始まる 日米共同の統合実動演習が日本周辺で始まった。過去最大規模の自衛隊約3万4千人、米軍約1万人が10日までの日程で参加、韓国軍も初めてオブザーバー参加した。沖縄周辺海域や日本海などで行われ、日米合わせて艦艇約60隻、航空機約400機のほか、米原子力空母ジョージ・ワシントンも加わる。(3日)
●「北朝鮮再挑発なら空爆」 韓国の金寛鎮(キムグァンジン)新国防相が国会の人事聴聞会に出席し、「万一、(北朝鮮の)追加挑発が起きれば、航空機で爆撃する」「主敵は明白だ。北韓(北朝鮮)軍、北韓指導部だ」と明言した。(3日)
●F15離陸トラブルで滑走路25分間閉鎖 航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機が戦闘訓練のため那覇空港を離陸する際、機体に振動を感じたため離陸を中止した。機体は後方のフックを降ろし、滑走路上のワイヤに引っかけて減速させる「ヒットバリヤ(着陸拘束装置)」と呼ばれる方法で停止した。このトラブルで、滑走路は約25分間閉鎖した。(4日)
●韓国軍、砲撃訓練を開始 韓国軍は周辺の海域で海上砲撃訓練を始めた。29カ所で12日まで実施。北朝鮮が自国の領海と主張する海域も一部含まれている。11・23砲撃後、現場近くでの初めての訓練となる。(6日)
●日米韓が北朝鮮非難声明 前原外相、クリントン米国務長官、金星煥(キムソンファン)韓国外交通商相による日米韓外相会談がワシントンの米国務省で行われた。北朝鮮の砲撃やウラン濃縮を非難する内容の共同声明を発表した。(6日)
●英軍アフガン撤退、来年にも 英国のキャメロン首相がアフガニスタンを訪問し、早ければ来年にも同国に駐留している英軍部隊の撤退を開始できるとの見通しを明らかにした。英BBC放送などが報じた。キャメロンは就任直後から、英国で次期総選挙が予定される15年までに部隊を撤退させたいとの意向を表明してきた。(6日)
●普天間「経済振興と併せて」 臨時国会閉会を受け、菅が記者会見し、普天間飛行場移設問題について「知事から要請のあるいろいろな沖縄の経済振興、そういうものと併せながら、誠心誠意沖縄の皆さんの理解が得られるよう努力していきたい」と述べ、移設推進と沖縄の経済振興を関連(リンク)付ける姿勢を鮮明にした。(6日)
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週刊『前進』(2468号5面1)(2010/12/13 )
全学連運動の戦闘的復権を
キャンパスを帝国主義打倒の砦に
全国学生はプロレタリア革命へ
革共同中央学生組織委員会
全国の学友は12月反戦闘争に総決起しよう。大恐慌がもたらす「戦争と大失業」の現実、新自由主義の現実への怒りと結合し、全学連運動をキャンパスからよみがえらせよう。法大闘争を先頭に2010年の全国学生運動が実現してきた勝利の地平をさらに発展させる時だ。その激闘のただ中で、長きにわたる帝国主義・資本主義の支配に終止符を打つ反帝国主義・反スターリン主義世界革命の実現に向かって革命的労働者党を建設しよう。
反帝・反スターリン主義を立脚点に
2011年に60年−70年をはるかに超える全学連運動の大爆発をかちとり、プロレタリア世界革命をたぐり寄せることは絶対にできる。
なぜならば第一に、帝国主義世界支配体制の全面的崩壊の中で「帝国主義戦争か世界革命か」の歴史選択が真っ向から問われているからだ。
11月23日の北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦を契機にして、アメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争が発動されようとしている。それは本質的にスターリン主義政府転覆の中国侵略戦争そのものだ。米韓合同軍事演習(11月28日〜12月1日)、日米共同統合演習(12月3日〜10日)に続き、年内に再度の米韓合同演習が画策されている。米帝は圧倒的軍事力を背景に、自らの延命のための世界大戦級の戦争にのめり込もうとしている。
世界大恐慌がついに帝国主義侵略戦争として爆発しようとしている。「過剰資本・過剰生産力」「不均等発展に基づく市場争闘戦の激化」という帝国主義の基本矛盾にその根源がある。1917年ロシア革命以降、1929年大恐慌以降の革命情勢をのりきり、74−75年世界同時恐慌による戦後発展の終焉(しゅうえん)以降も新自由主義政策の全面展開によって生き延びてきた帝国主義体制がいよいよ歴史的・全面的に破産しようとしている。
もはや「この次」はない。全世界で反撃・反乱が始まっている。帝国主義を打ち倒すこと、生産力を独占する資本家の支配を終わらせる中にのみ人類史の展望はある。その革命は、世界革命を裏切り、帝国主義の戦争重圧に反人民的にしか対応することのできないスターリン主義をも打倒する「反帝国主義・反スターリン主義世界革命」でなくてはならず、その先頭に立つのは未来を体現する学生・青年だ。
最弱の環=菅政権打倒を
第二に、「最弱の環=日帝」は一方で菅民主党政権の戦争的凶暴化という形で攻撃を強めているが、他方でその階級支配はまったく貫徹されておらず、日帝ブルジョアジーを打倒していく現実性・可能性をわれわれは手にしているからだ。
菅政権の本質は、自民党以上にブルジョアジーの意向を代弁し、帝国主義労働運動である連合をもフルに動員して労働者階級への団結破壊と戦争動員の攻撃を貫徹することにある。それは「新成長戦略」であり、改憲・道州制攻撃であり、360万公務員の首切りであり、国鉄闘争と動労千葉労働運動の解体だ。
しかし、菅政権は発足半年にして早くもグラグラであり、「戦争と大失業」の現実を前にして青年労働者・学生への求心力をまったく失ってしまっている。菅が日帝支配階級そのものであり、日帝がそれに代わる選択肢を持ちえていない以上、菅政権打倒は日本革命の決定的な突破口だ。
第三に、われわれはついに2010年において、「4・9政治和解」および「11・23に始まる朝鮮侵略戦争情勢」と真正面から対決する11・7日比谷5900人の闘う部隊を登場させ、その地平をさらに組織拡大として発展させながら12月の激闘を勝利的に闘い抜いているからだ。
国鉄1047名解雇撤回闘争における「4・9反革命」と11・23以降の朝鮮侵略戦争切迫情勢の中で、階級闘争に大分岐と大流動が起こっている。「偽者」はふるい落とされ、裏切り、階級闘争の圧殺に走っている。逆にブルジョアジーに対する怒りと批判を貫き、階級的団結の力のみに依拠して闘いの旗を高々と掲げた11月集会潮流が世界の労働者人民と固く連帯して主流派に躍り出ていく。この先頭で全学連は労働者・学生の未来を体現する最も戦闘的な部隊として登場しよう。
法大決戦・反戦闘争で2010年闘う
われわれは2010年、路線的・運動的・組織的に重要な前進を切り開いてきた。
それは一つに、新自由主義大学のもたらす「教育の民営化」という現実、大恐慌の深化がもたらす戦争と大失業という現実を、キャンパスにおける反戦政治闘争の爆発によって迎え撃ってきたことだ。
06年3月以来の法大キャンパスにおける激闘の中から、われわれは、新自由主義大学の核心が「教育の民営化(私物化)」にあり、それが学生から未来を奪っていることをつかみとってきた。この「教育の民営化」「学生の商品化」粉砕の展望はどこにあるのか? それは、帝国主義を打倒する反戦政治闘争の爆発の中にある。侵略戦争を阻止する反戦闘争の中にある。資本家による階級支配の打破とプロレタリア革命を目指す政治闘争の中でこそ、学生の団結、そして真理の学問はよみがえっていく。5月沖縄闘争、6月国鉄闘争、8月ヒロシマ闘争、10月三里塚闘争、そして11月大結集運動はその実践としてあった。
二つに、あらゆる弾圧・処分を粉砕してきた法大闘争が、これまでと次元を異にする勝利を実現してきたことだ。
われわれは今年4月23日の法大全国闘争の高揚を受けて、「法大闘争の新段階への突入」と反転攻勢を宣言した。その核心は、度重なる国家権力の全体重をかけた弾圧(大量逮捕−大量起訴)をすべて打ち破った地平の上に、全面的な組織建設闘争に打って出るということにあった。国家権力・資本・大学当局との非和解性を貫く路線、そしてその主体を打ち鍛えてきたからこそ、開講以降に組織は飛躍的に拡大した。反戦政治闘争と一体的に闘われた学内権力攻防を通して、全学連−文化連盟は全法大生の主流派として成長してきた。このうねりは誰にも止められない。
三つに、マルクス主義学生同盟中核派法大支部を先頭にして、戦闘的学友の革命的共産主義運動への大量的結集を実現してきたことだ。
06年以降の法大闘争の焦点は、資本主義の末期的危機の中で300万学生の反乱におびえる国家権力が、日本学生運動の中心としてある法大学生運動を壊滅させ法大支部を一掃することを許すのか否かにあった。われわれはこれを打ち破った。逆に、ブルジョア支配に断を下す革命的主体を続々と生み出してきた。2011年、この地平をさらに拡大する。
ブルジョアジーや日共との党派闘争
闘わなければ生きられない
新自由主義の破産と大恐慌が「教育の民営化」として襲いかかってきている。学生は今、闘わなければ生きていけない現状にある。求められているのは、一切の矛盾を「戦争と大失業」として労働者・学生に転嫁するブルジョアジーに対する怒りと行動だ。
▼大学4年生の就職内定率は56・7%(10月1日)、96年以降で最低。高校生の就職内定率(9月末)も40・6%であり、沖縄県に至ってはなんと9・0%だ。
▼私立大の09年度初年度納付金(平均)は131万2146円、国立大(同)は81万7800円、どちらも過去最高だ。高校入学から大学卒業までにかかる費用は、子ども1人あたり約1060万円になっている。
▼これに伴い、小学生以上の子どもを持つ家庭の教育費(在学費用)が2010年度で平均198万円、年収の37・6%(近年で最高)になっている。年収が「200万円以上400万円未満」の家庭では、この数値は56・5%にはね上がる。収入の半分以上を教育資本に吸い取られている。
▼授業料高騰と若年失業率の上昇の中で、奨学金滞納が激増している。滞納者の88%が年収300万円未満であり、41%が100万円未満だ。そしてまた、菅政権は無利子奨学金の貸与条件に「社会貢献活動」を加え、金をダシに学生をさらなる国家への「奉仕活動」に駆り立てようとしている。
▼「弁護士になれる」を売り物に法科大学院(ロースクール)が乱立し、「法律」が教育ビジネスとなった。しかしこれも破産し、新司法試験合格率は今年度にはついに25・4%にまで低下、06年の初回(48・3%)から毎回低下し続けている。
▼教育予算の削減の中で米軍マネーが大学に流れ込み、軍事研究が率先して行われている。自衛隊は防衛大学校以外からも幹部候補生を募り、大学内にも現役自衛官が独自の講座を持ち始めている。キャンパスでの反戦闘争が決定的に重要だ。
資本の論理を粉砕し闘おう
この現実への怒りをあらゆる勢力がねじ曲げ、抑え込んでいこうとしている。2011年の学生運動の爆発にとって、資本主義の存続と発展を願うブルジョア・イデオロギーと徹底対決することが死活的になっている。
大学当局は菅民主党政権の先兵だ。東大など11大学の学長による緊急共同提言(11月25日)は「『新成長戦略』実現のために」と叫び、国立大学協会総会決議(11月1日)はブルジョアジーの「日本を元気にする強い人材を」(日本経団連タイムズ11月25日号)の掛け声に呼応して、「強い人材、強い大学、元気な日本」などと、帝国主義の国際争闘戦に勝ち抜くために大学が最先頭に立つことを宣言している。
さらに、日本共産党・民青同盟は、12月17日の国会議員と経済界への「要請行動」への全国結集を呼びかけ、18日にはリクルートスーツ・パレードを行おうとしている。資本家への一片の怒りもない「何とか雇用してください」という惨めな請願へと学生の存在と怒りをおとしめている。日本共産党スターリン主義にとっては、学生はどこまでも「雇用してもらう」客体でしかない。
全国学生はこの奴隷の道を断固拒否しよう。大学の主人公は学生であり、学生は労働者階級とともに社会変革の革命的主体だ。今こそ大学を新自由主義粉砕、帝国主義打倒の闘いの砦(とりで)に!
青年・学生の党=革共同をつくろう
最後に、帝国主義打倒−プロレタリア世界革命に向かう2011年の日本階級闘争の爆発を最先頭で実現する決意を込めて闘いの方向性を提起したい。
第一に、帝国主義侵略戦争と対決する反戦闘争の爆発をかちとることだ。新「防衛計画の大綱」(12月14日閣議決定予定)をも直撃する12月反戦闘争の高揚の上に、2011年の階級的攻防点である〈国鉄×沖縄×三里塚×法大〉で激しく闘おう。
とりわけ4〜5月沖縄闘争が重要だ。日本帝国主義の脆弱(ぜいじゃく)性は日米安保と沖縄にある。来春の菅訪米と真っ向から対決する沖縄闘争(辺野古新基地建設反対闘争)を爆発させよう。3月の三里塚全国集会から新歓闘争を闘い、全学連の大隊列を沖縄現地に登場させよう。反戦闘争を軸にして大衆動員力を高め、70年安保・沖縄決戦を超える革命の現実性を引き寄せよう。
第二に、いよいよ法大解放に向かって3万法大生が総決起する時が来た。とりわけ倉岡雅美さん(人間環境学部)に対する追加処分阻止闘争は新歓決戦の前哨戦だ。法大闘争は、不当処分を大衆的決起によって阻止する中で革命的人格と路線を生み出してきた。追い詰められた法大当局による「授業準備妨害」なる看板の反動を踏みしだき、大恐慌と戦争の中で徹底的に学生の存在と生き方を問うて闘おう。
第三に、「戦争と大失業」および「教育の民営化」に対する怒りの中から、全国大学キャンパスで学生自治会の建設を実現しよう。とりわけこの間、拠点大学における自治寮死守の攻防が前進し、権力奪取に成功している。全国に「第二第三の法大闘争」をつくり出すことだ。
第四に、2010年につかみとった国際連帯闘争の地平の上に、全学連は世界に向かって羽ばたこう。アメリカ−ブラジル−ドイツ−韓国と歴史的な国際連帯を実現する中で、全学連が体現してきた帝国主義打倒・スターリン主義打倒の革命的な伝統こそが全世界と結合する内容であることを確信した。この間のイギリス保守党本部占拠闘争を始めとする学生の実力的決起の激化は、日本学生運動への最大の援軍だ。
総じて、反スターリン主義革命的共産主義の労働者党建設こそが一切の総括軸だ。全国学生戦線は組織建設闘争を最先端で実践し、革共同を青年・学生の党へとつくり変えよう。
それは一つに、2010年の全成果を集約する12月組織建設闘争に勝利することだ。2011年決戦を闘う体制を打ち固めよう。
二つに、法大支部建設を軸にした全国拠点大学支部の拡大をかちとり、その力を中央指導能力の飛躍的強化へと発展させることだ。それと一体のものとして、300万学生の怒りの最先頭に立つ全学連の若き執行部を建設することだ。
三つに、機関紙活動に全力を傾注し、すべての学生の中に『前進』を持ち込もう。さらに、指導部を先頭に会議−機関紙−財政の「党活動の三原則」を貫徹することが全闘争の根底にある。
四つに、『革共同綱領草案』を最大の武器として、プロレタリア世界革命の展望を照らし出すマルクス主義復権の闘いの先頭に学生戦線が立つことだ。
これらすべての闘いの勝利の上に、われわれはあらためて、2011年階級闘争とりわけ学生運動の爆発の力によって星野文昭同志を国家権力から奪還することを誓う。すべての同志のみなさん、学生のみなさん、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2468号5面2)(2010/12/13 )
12・9全世界統一反戦行動
法大包囲デモぶち抜く
12月9日、「朝鮮侵略戦争反対! 倉岡さんへの追加処分阻止! 菅政権打倒!」を掲げて今年第7波目の法大包囲デモをぶち抜きました! このデモは全世界統一反戦行動として闘われ、法大当局・公安警察の重包囲の中、学生のエネルギーを爆発させ、“日本の学生ここにあり!”を全世界に発信する闘いとなりました。
デモに先立ち、文化連盟委員長・斎藤郁真君が「今日はイギリスでも学生が国会を包囲するデモをやります。俺たちの後ろには世界の学生が同じ怒りをもって闘っている。学生の勇気ある行動が社会を変える!」とキャンパスの法大生に熱烈にアピール。「世界の学生と一体となって行動できたことがうれしい」と語る法大1年生を先頭に、首都圏学生も結集して元気よくデモを貫徹しました。
(法政大学・洞口朋子)
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週刊『前進』(2468号5面3)(2010/12/13 )
全世界で失業率が上昇へ
大恐慌とは戦争と大失業
世界大恐慌の激化のもとで全世界的に失業者が増えている。大恐慌とはまさに大失業と戦争だ。
アメリカの11月の失業率は9・8%に悪化した。欧州(EU)も平均で10・1%に上昇した。ILO(国際労働機関)の発表によると、全世界で15〜24歳の青年層の8千万人、率にして13%が失業している。
日本はどうか。総務省が発表した10月の完全失業率は5・1%で、前月より0・1ポイント悪化した。完全失業者は334万人。1年以上の長期失業者は1年前と比べて30万人以上も増え、130万人になった。米軍基地が集中する沖縄の失業率は8・1%にも達している。3カ月連続の悪化だ。青年層の15〜24歳の失業率は全国で9・3%(1・3ポイント悪化)、25〜34歳の失業率は6・0%(0・1ポイント悪化)の高い率だ。
労働者階級の現実はこの数字以上に深刻だ。非正規労働者は低賃金で劣悪な労働条件のもとで働かされ、しかもフルタイムで働くこともできず、まともに生活できる賃金も得られない。非正規労働者の大部分がこのような「半失業」状態だ。その数は、昨年と比べて32万人も増えて1775万人に達している。資本家は正規労働者の首を切り、「3分の1の人件費ですむ」と言われる非正規雇用に置き換えているのだ。こうして今や年収200万円以下の労働者が全労働者階級の4分の1、約1500万人にもなった。短期間で転々と職を変えざるを得ない青年労働者の中には、「将来に夢も希望も持てない」という青年が激増している。
これは「自然現象」ではない。資本家階級は最大の恐慌対策として大失業、非正規化、賃下げを強行しているのである。資本家は労働者に一切の矛盾を集中し、血と脂の一滴まで搾取し、用済みになればモノのように路頭にほうり出す――そうした攻撃を強めているのだ。資本家どもは、自分たちが生き延びるためにはいくらでも労働者を犠牲にする。首を切られた労働者が家族とともにどれほど苦しもうが、死のうが知ったことではない、というわけだ。
「一に雇用、二に雇用、三に雇用」などと言いながら菅民主党政権が実際に進めていることは、日本航空の整理解雇にみられるような資本家救済、労働者圧殺の攻撃だ。まったく許せないことに、それを体制内労働運動の連合が全面的に支えているのである。
だが、このような我慢のならない現実は、労働者が団結し闘うことで絶対に変えられる。実際、「青年は競争するのではなく、団結しよう」「資本家の手先=連合本部を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせよう」「資本家を倒し、革命をやろう」と、多くの青年労働者が立ち上がりつつある。そうした青年たちが11・7労働者集会に生き生きと結集し、全体を牽引(けんいん)した。
そうだ! この中にこそ青年の未来が、希望がある! 「労働組合が歴史の最前線に登場すべき時だ」「人間の持っている素晴らしさを、どんどん発揮させるのが労働組合だ 」(中野洋・前動労千葉委員長『甦る労働組合』)
国鉄闘争全国運動を最大の水路に、断固この道を進もう。
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週刊『前進』(2468号5面4)(2010/12/13 )
2番底に向かう日帝経済
工業生産5ヵ月連続低下
日本の鉱工業生産指数は今年6月に前月比マイナスとなり、10月まで5カ月連続で低下しつづけている。5カ月連続マイナスは、リーマン・ショック直後の08年10月から09年2月の5カ月連続マイナス以来のことだ。当時ほど急角度の落ち込みではないが、5カ月連続低下という点は同じである。GDP成長率も10〜12月期にマイナスに転じる可能性が強い。今や日本経済は2番底に向かって明らかに転落しつつあると言える。
鉱工業生産がプラスだったのは、09年4月から10年5月までわずか1年強にすぎなかった。大恐慌下で1年強の小康状態だったわけだが、それは輸出の増加と国内恐慌対策という二つに支えられたものでしかなかった。しかし今では、この2要素とも崩れている。
輸出面では、輸出数量が7〜9月期にマイナスに転じている。マイナスはリーマン・ショック直後の09年1〜3月期以来だ。中国が金融引き締めで景気鈍化しているうえ、米景気も停滞しているためだ。円高による輸出競争力の低下も響いている。
また、恐慌対策として自動車・家電・住宅に「エコ対策」と称した補助金がつけられてきたが、エコカー補助金は9月に期限切れとなった。家電・住宅のエコポイントも12月末に期限が切れる。この間の自動車・家電の販売増は需要の先取りにほかならず、必ず反動減に見舞われる。すでに10月の自動車の国内生産台数は75万台強と、10月としては1976年以来34年ぶりの低水準に落ち込んだ。
他の帝国主義と同様に日帝も恐慌対策の“カンフル効果”が切れ、過剰資本・過剰生産力状態という地肌を再びさらけ出しつつある。07年夏から大恐慌に突入しつつも、全帝国主義国の一斉かつ大規模な恐慌対策によって一定の小康状態を無理やりつくり出してきた。しかしその結果、3年を経て大恐慌が再激化し、2番底に転落しつつある。これは29年大恐慌−30年代大不況の時にもなかった未曽有の事態だ。労働者階級はあらためて「資本主義は終わりだ!」と宣言しなければならない。
2番底が現実化する中、日銀は10月初め、4年ぶりにゼロ金利政策を再開した。リーマン・ショック後ですらゼロ金利を避けていたにもかかわらず、3度のゼロ金利政策に踏み込むしかなくなったのだ。しかも、日銀は長期国債の保有残高をお札の発行残高以内に抑える「日銀券ルール」なるものを設定してきたが、今回はそれも外して実質的に国債の日銀引き受けに踏み込んだ。しかし、そこまでしてもほとんど効果はない。
また財政政策でも、参議院選で消費税増税が粉砕されたため、菅政権はもはや「財政再建」という言葉すら使えなくなってしまった。米帝と同様、日帝も財政・金融政策の破産、効力喪失に七転八倒しているのだ。
日帝はこうした絶望的な状況下で、「新成長戦略」にそって国内的には民営化・労組破壊攻撃を強めつつ、対外的にはアジア侵略・侵略戦争策動をエスカレートさせ、なんとか危機を打開しようとあがいている。2011年を「最弱の環」としての姿をさらけだす日帝の打倒と世界革命への一段の飛躍の年にしよう。
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法大裁判に集まろう!
★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
第6回公判 12月22日(水)午後1時30分
★暴処法裁判
第21回公判 1月14日(金)午後1時30分
※いずれも東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合
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週刊『前進』(2468号6面1)(2010/12/13 )
団結ひろば 投稿コーナー
仙台市役所を「スト突入、反戦」で包む 宮城 KW
12月3日、みやぎの労働者は仙台市役所前にて、動労千葉ストライキ突入と日米軍事演習弾劾を訴える緊急街宣行動を行いました。朝夕の大雨・暴風の中、600枚のチラシを配布しました。
仙台市役所・動労千葉を支援する会の青年労働者が「本日、動労千葉が民営化・外注化・非正規化阻止のストライキに突入しました」と訴えると、チラシがどんどん労働者の手に渡り、「頑張ってくれ」と多くの激励が寄せられ、仙台市役所一帯は「スト突入、戦争反対」で包まれました。
米日韓の相次ぐ軍事演習を許さず、みやぎの労働者も12月、全力で米帝の朝鮮侵略戦争阻止へ闘います。
11・7で右翼デモに勝利してうれしい! 法大 1年生
われわれは右翼デモには勝利したといってもよいだろう。そして自分はこの結果をうれしく思える。
なぜなら、数的な問題(4500VS5900)もそうであるのだが、大衆的な印象もよかった感じがするからだ。
日比谷野音の労働者の印象もよかった。
また、国際面も重要だ。我々の方は20カ国近くの人が参加している。向こうは日の丸旗以外の持ちこみは禁止だ。閉鎖的な集会になるのは明らかだ。
人間に必要なのは社会であって国家ではない。今回の集会がそれを示した。
さあ社会に広めるぞ。
学生の可能性感じたAPEC闘争のデモ 首都圏大学 2年生
「APECとやらの会議が横浜で今度開かれるらしい」。自分がはじめ知っていたことはこれだけでした。そのままだったらいつの間にか終わっていて、ニュースや新聞で見聞きするだけでした。しかし、今回のデモに誘われた自分はAPECのおかしさを知り、デモへの参加を決意しました。
横浜ではいたるところに警官が立っていてとても異様な光景でした。デモに繰り出すとどこから集まってきたのかと思うほどの警官がびっしりと列になっていました。なぜここまで警戒していたのか不思議です。それでも街へ繰り出して声を上げると、沿道の人たちが手を振ってくれました。
APECに不満を持っている人はたくさんいたと思います。その中で学生が今の情勢に対して声を上げたことは大きな意味があったのではないでしょうか。今の学生が社会や政治に関心を持つきっかけとしても、このようなデモを行うことに可能性を感じました。
すべての青年・学生に復刻版『最前線』を 全学連委員長代行 坂野陽平
光沢のある緑色の表紙。熱気と躍動感があふれるデモと集会の闘いの写真の数々。本書を手にとった瞬間から、街頭で機動隊を撃破し、必死の思いで職場で闘う70年決戦という時代を駆け抜けた青年の思いを胸に、200ページを一気に読破しました。
「自己を単に労働組合の一活動家にとどめなかった」(「国労田町電車区・田中健一君の闘い」)。この一言が本書を体現していると感じます。70年決戦の主人公は紛れもなく一人ひとりの名もなき青年労働者です。この青年たちが闘いを通じて革命家へと成長する。そして「ついに俺たちの時代が来た!」という時代認識で世代丸ごと獲得する。この闘いが今私たちが何をなすべきかを明瞭(めいりょう)に示しています。
4・9政治和解と対決し、本物の階級的労働運動をつくりだす――この闘いに挑戦している今だからこそ、民同を単に批判するだけでなく、真の責任勢力として、帝国主義を打倒する労働運動と党をつくりあげるために、本書を読む意義は計り知れません。
在日・滞日の姿を映す「大阪&ラブソウル」 東京 相馬修
11月6日夜にNHKで放映された「大阪&ラブソウル」というドラマの録画を見ました。在日韓国人3世の青年が主人公で、ヒロインは難民申請をしているビルマの民主化闘争の活動家です。
11月26日、フジテレビにその女性が出ていました。関西学院大学に通う難民認定者です。関学は2人の難民の特別枠を認めており、その内の1人です。「変革が可能なら危険を冒しても帰って闘う。しかし今帰ると命にかかわるから、日本で弁護士資格をとるために勉強している」とのこと。実在の難民の女性が同じ境遇の役を演じ、リアリティーがありました。彼女はドラマの中でも同様の発言をしています。
ストーリーはビルマ難民女性との結婚に反対する在日2世の父(岸部一徳)と息子が祖母の勧めで済州島に旅行し、帰る過程で父が結婚に賛成するという話です。クライマックスは一人芝居「身世打鈴」の新屋英子が演ずるオモニが「今初めて誰にも話していないことを話す」と家族を集め、連れあいと済州島の4・3蜂起の弾圧後に逃げてきた話をする場面です。ビルマの難民女性の職場に家族で会いに行き「お母さんと離れてさぞ悲しいだろう」と抱擁するシーンが涙を誘います。
4・3事件とビルマの民主化闘争を重ね合わせ、在日と滞日外国人の姿を表現したところがなかなかの作品だと思いました。李恢成原作の「伽耶子のために」で映画デビューを果たした南果歩が在日韓国人の役でビルマ難民支援センターの活動家という設定も、役者をそろえたなという感じでした。
共産党が「北朝鮮抗議決議案」を率先提出! 泉佐野市議会議員 国賀祥司
12月議会に出てきた決議案を読んで「やっぱり共産党!」と納得しました。
出てきたのは「北朝鮮による韓国への砲撃に抗議する決議(案)」です。12月議会には自民党あたりから出てくるだろうと予想していたのですが、自民党からは出ず、日本共産党から出てきたのです。戦争情勢に直面したときに、日本共産党の反革命の正体が現れてきたのだと直感しました。1930年代のスターリン主義の裏切りと同じです。今後もっとその正体が明らかになり、武装反革命として革命派の前に現れるに違いないのです。70年闘争を経験した私としては、はっきり直感した次第です。
決議案の内容はひどいもので、北朝鮮を弾劾するのみです。「民間人が居住する島への無差別砲撃は、朝鮮戦争の休戦協定はもとより、国連憲章にも、北朝鮮自身が当事者である南北間の諸合意にも反する無法な行為である」と、北朝鮮の砲撃への一方的弾劾が続きます。「アメリカ帝国主義の軍事演習」にはまったく触れていません。米帝を弾劾する言葉は一言もありません。マスコミ以下です。米帝が始めた朝鮮侵略戦争を擁護、後押しし、日帝の侵略を促しているのは明らかです。
米帝は、世界恐慌情勢が深化し、米帝自身が崩壊の危機に陥る中で、中国―朝鮮への侵略戦争を決断したことは明らかです。それは同時に労働者への労働組合破壊―団結破壊攻撃であり、分断し殺し合わせる攻撃です。
今こそ労働者人民は、団結を世界的に拡大し、戦争をしないと生きていけない帝国主義を打倒する時です。戦争と革命の情勢が来たのです。こういう情勢だからこそ、日本共産党はスターリン主義反革命の本性を現し、帝国主義者にできないこと、革命派への襲撃を始めるのです。
この情勢は、全国的なものと思います。いよいよ「戦争と革命の時代」が来たと感じさせる出来事ではありませんか。
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週刊『前進』(2468号6面2)(2010/12/13 )
現代自動車非正規職支会
工場占拠ストライキ25日間
“正規職化まで闘う”
(写真 ▲現代自動車第1工場内で集会。前列中央がイサンス蔚山非正規職支会長【12月6日 蔚山】)
11月15日に始まった金属労組現代自動車非正規職支会の蔚山(ウルサン)第1工場占拠ストライキは12月9日まで25日にわたって闘われた。正規職化(解雇撤回・原職復職)まで闘うと宣言し、分断を超えて正規職労働者に連帯闘争を呼びかける非正規職労組の闘いは、世界大恐慌情勢を切り裂き、切迫する米帝の朝鮮侵略戦争に敢然と立ち向かっている。世界を変えるのは労働者階級の団結した力だ。
工場占拠20日目
現代自動車蔚山工場占拠ストライキ突入から20日目の12月4日朝、現代資本はショベルカー、放水銃を装着したクレーン車などの大型重機で労組が立てこもる第1工場3階の壁とガラス窓を壊して工場解体に出た!
工場3階では組合員たちが壊された窓にしがみつき「おれたちを殺してみろ! 正規職化を獲得するまで降りない!」と叫ぶ。1階入り口から侵入しようとする用役ガードマンの前に現代自動車支部代議員たちが立ちはだかり、怒号が飛ぶ。門前に駆けつけた支会組合員300人を始め労働者、家族が「第1工場の仲間を死守する!」と怒りを爆発させていた。(右上写真)
現代車非正規職支会は、緊急声明を発し、「本格的な鎮圧作戦が始まった。金属労組は即刻ゼネストを宣言しろ」と促し、現代資本に対し「無差別暴力と侵奪を直ちに中断し、特別交渉に出てきて正規職化を実施しろ」と要求した。
ソウル上京闘争
同日午後、ソウル駅広場で民主労総を始め労働者、市民ら千人が集まり「現代車非正規職闘争勝利のための全国民衆大会」が開かれた。
現代車非正規職支会は11月30日から蔚山第2工場解雇者を中心とする組合員16人がソウル上京闘争に立ったが、初日、本社前で行った1人デモ(闘争スローガンを掲げて1人で行うデモンストレーション)が多数の管理者・用役に襲撃され、同日夕には8人が警察に連行されるという弾圧から始まった。
民衆大会の壇上に立ったウサンス現代車非正規職支会代議員は、「今は美しい連帯より実質的で積極的な連帯闘争が必要だ」と共同闘争を呼びかけた。
同じ日、良才洞にある現代起亜自動車本社前で座り込みが始まった。厳寒のソウルでの野宿座り込みは厳しい闘いだが、組合員たちは「第1工場の仲間たちの力になれてとてもうれしい」と意気盛んだ。
“工場占拠継続”
12月6日、現代車支部は拡大運営委員会を開き、「非正規職支会のストライキに対し12月8日に正規職組合員争議行為賛否投票(組合員総会)を実施する。ただし、8日以前に交渉の窓口が開かれた場合、現代車支部は総会招集を延期し、非正規職支会は座り込みを解除する」と決定し、非正規職支会に通告した。
翌7日、非正規職支会は「座り込み解除には合意していない」としてイギョンフン支部長に公開謝罪と釈明を要求、「元請け・下請けの共同ゼネストで闘おう」と正規職労働者に呼びかけた。
そもそも11月22日の金属労組代議員大会で決定したゼネストに「ストはいいが現状を把握すべきだ」「組織を温存できない」と反対したのがイギョンフン支部長だ。指導部が責任を取るのではなく現代車支部4万5千組合員に投げ出すものだ。現場の組合員からは「スト破壊行為だ」との批判の声が上がっている。
7日夜、非正規職支会争議対策委員会は▼会社との交渉の前提として先に第1工場座り込みを解除しない▼会社との交渉の結果により組合員の意見を聞き、座り込みの解除を決める▼金属労組、現代車支部、非正規職支会が合意書履行のための対策を用意して共同闘争本部などの特別機構を構成する――と決めた。
◇
工場占拠スト25日目の12月9日午後2時半、全組合員の委任を受けたイサンス蔚山非正規職支会長の決断で交渉に先立ち工場占拠を解いた。
イサンス支会長は「今回の闘いでわれわれは現代資本の心臓にナイフを突き刺した。堂々と胸を張って闘争戦士として現場に立とう」と組合員らに呼びかけ、組合員たちも「きょうは力が足りず降りていくが、次はもっと大きな闘いにする」「これから新しい闘いだ」と笑顔を見せた。
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週刊『前進』(2468号6面3)(2010/12/13 )
12・19部落解放東日本共闘会議総会の成功へ
12月19日(日)に都内で開催される部落解放東日本共闘会議の第19回総会を成功させよう。以下は同共闘会議の総会案内です。(編集局)
部落解放東日本共闘会議に結集するみなさん。日頃のご奮闘に敬意を表します。
部落解放東日本共闘会議は来る12月19日(日)、第19回総会を開催します。今総会では、大恐慌下、新自由主義攻撃と闘う部落解放闘争、労働者階級の中に分断と差別を持ち込み、生き延びを図る帝国主義による部落差別と闘う部落解放闘争の前進、狭山再審闘争貫徹・勝利、米帝の朝鮮侵略戦争絶対阻止、日帝・菅政権打倒の闘う方針を鮮明にさせていきたいと思います。
世界大恐慌はとどまることのない大失業の蔓延(まんえん)と戦争の危機として激しく進行しています。そしてついに大恐慌・侵略戦争突入−朝鮮半島で激烈に始まりました。菅政権は、日米軍事演習の強化、普天間基地の辺野古移設強行など、日帝の存立をかけて、米帝の朝鮮侵略戦争の過程に参戦しようとしています。日朝中労働者階級の団結で戦争の危機と闘おう。
11・7全国労働者集会5900人−労働者の闘う団結の力が大結集しました。国鉄1047名解雇撤回の新たな闘争が宣言され、大失業・戦争と闘う全世界の労組の代表の結集・国際連帯の一大労働者大会となりました。
東日本解放共闘はこの1年、一切の勝利は労働者の階級的団結にあることを鮮明にし、全国連中央の杉並支部・品川支部・西郡支部への処分攻撃に完全に勝利し、新自由主義攻撃と闘う部落解放闘争を作り出す闘いを一つひとつ取り組み、前進させてきました。
いよいよ2011年、闘いの課題は鮮明です。「国鉄全国運動を軸にして職場で、地域で部落解放運動を拡げていこう」「狭山再審貫徹・勝利」「マルクス主義にもとづく部落解放闘争(論)の確立」をさらに前進させていくことです。今総会では、「帝国主義と部落差別」をテーマに学習講演を行います。また、解同本部の「3者協議」(12月開催)よる狭山闘争つぶし攻撃のただ中での総会です。3者協議路線と闘い、国家権力と非妥協に闘う石川一雄さんと共に事実調べ・第3次狭山再審闘争に決起しましょう。
解放共闘の皆さん。第19回総会への参加を心から訴え、ご案内とします。
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解放共闘第19回総会
12月19日(日) 午後1時15分受付開始、1時半開会
東品川文化センター(東京都品川区東品川3−32−10、電話03−3472−2941/京浜急行・青物横丁駅13分、りんかい線・品川シーサイド駅5分)
主催 部落解放東日本共闘会議
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週刊『前進』(2468号6面4)(2010/12/13 )
“もんじゅを廃炉へ”
11月派が敦賀現地闘争に合流
12月4日「,10もんじゅを廃炉へ!全国集会」が福井県敦賀市白木現地で行われた。全国から850人の労働者・学生が結集し、今年5月6日の高速増殖炉「もんじゅ」運転再開強行と8月26日の燃料交換中継装置落下事故への怒りと、「もんじゅ」廃炉まで闘い続ける決意で「もんじゅ」ゲート前までのデモと抗議行動を闘い抜いた。
北陸労組交流センターと富山大学学生自治会は、関西、東海の労組交流センターの仲間と全学連の学生とともに「12・3−4動労千葉スト連帯! 国鉄1047名解雇撤回! 朝鮮侵略戦争阻止! 日帝の核武装阻止! 菅政権打倒!」を鮮明に訴え、用意した千枚のビラを参加者にまききった。
集会を取り仕切っている平和運動センターの体制内幹部は、「事故で運転停止しているのだから、このまま廃炉にしてくれ」と政府や日本原子力研究開発機構に「お願い」するばかりで、労働者の団結の力で「もんじゅ」を廃炉にする展望と方針を示そうとしない。
またカクマルや塩川一派などの反革命集団も、結集した現場労働者の闘いに火がつくのを恐れ、資本や体制内ダラ幹と一体となって闘争破壊を狙っていたが、まるで意気があがらない。カクマルは「中国スタ官僚による尖閣諸島略奪弾劾」と排外主義的に日帝の侵略戦争をあおった。
われわれ「動労千葉派」「11月労働者集会派」のみが、労働者の階級的団結、国際連帯闘争こそが帝国主義の侵略戦争と核戦争を止める力だということを鮮明にさせ、参加した労働者・学生と圧倒的に合流した。
午後からは、敦賀市内で屋内集会と敦賀駅に向けた市内デモが行われた。われわれは会場前で参加者にビラを配布し、「国鉄全国運動」賛同署名を訴えた。ビラは瞬く間になくなり、署名は30筆集まった。
署名隊の前に行列ができるほど、自治労や日教組傘下の労働者が次々と署名した。動労千葉のストと新たな組織拡大の報告を聞くと目を輝かせ、「一緒にがんばりましょう」と共感を示してくれた。
「もんじゅ」はその維持管理のために1日5500万円もの税金が投入されている。その一切が労働者階級から収奪したものである。米帝とともに朝鮮侵略戦争へと突き進み、核武装―原発・武器輸出のために、労働者への大失業と搾取の攻撃を強める菅民主党・連合政権を打倒しよう。
(写真 国鉄全国運動ののぼりを立て「もんじゅ」に向けアジテーション【12月4日 福井県敦賀市】)
原子力安全・保安院に抗議
3日、東京では首都圏の8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委の呼びかけで、経済産業省原子力安全・保安院に対する2回目の「もんじゅ」抗議・申し入れ行動が闘われた。実行委の三角忠事務局長を先頭に、@核燃料中継装置炉内落下事故の真相公表A運転即時中止B「もんじゅ」廃炉の3項目を保安院に突きつけ、回答を確約させた。
外務省は「高速増殖炉等の面で、すぐ核武装できるポジションを持ちながら平和利用を進めていく」という60年代末の外交文書を公開した。朝鮮半島の戦争情勢につけ込み日帝の核武装へ正面突破を狙った攻撃だ。「もんじゅ」・六ケ所再処理工場・核燃を労働者の団結で永久に葬り去ろう。
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週刊『前進』(2468号6面5)(2010/12/13 )
星野文昭同志に年賀状を
[あて先]
〒779−3133徳島市入田町大久200−1 星野文昭様
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