ZENSHIN 2010/11/22(No2465 p06)

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第2465号の目次

学生5万人が実力デモ ロンドン 学費3倍値上げに怒り爆発 記事を読む

1面の画像
(1面)
ストライキ態勢で闘う動労千葉と連帯し JR外注化阻止決戦に立とう
国鉄全国運動を職場・地域に
青年労働者・全学連各1千人の組織化から大恐慌を世界革命へ
記事を読む  
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕  11・24控訴審初公判に結集を(11月24日) 記事を読む  
学生5万人が実力デモ ロンドン  学費3倍値上げに怒り爆発(11月10日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
「11月」勝利の地平を出発点に 検修外注化阻止の一大決戦へ
11・14APEC粉砕全国闘争での発言(11月14日)
記事を読む  
日航の整理解雇 絶対許すな 国家あげた労組破壊と対決を 記事を読む  
都労連賃金闘争 大幅賃下げで妥結 ストライキで闘う団結を 記事を読む  
11・7集会への海外からのメッセージ 記事を読む  
訂正 記事を読む  
(3面)
郵政「正社員登用」試験の合格者数 「10万人」が一転8438人に
充満する非常勤21万人の怒り  第2JPEX=集配外注化阻止へ
記事を読む  
UTLA(ロサンゼルス統一教組) イングリッドさんと交流
民営化攻撃と対決
広島 被爆地で固い連帯誓う(広島K・T)(11月10日)
記事を読む  
三浦 職場の団結が核心  “私たちの組合を変える”(投稿・K)(11月12日) 記事を読む  
革共同に冬期大カンパを
資本家と労働貴族への怒りを大恐慌の帝国主義を倒す力へ
記事を読む  
(4面)
子ども・子育て新システム粉砕 菅政権の新自由主義と対決を
関西自治体労働者委員会
記事を読む  
保育大集会で大宣伝  新システム反対署名300筆(11月14日) 記事を読む  
八尾北医療センター明け渡し裁判  裁かれるべきは八尾市
誇り高き陳述で市を圧倒(投稿/八尾北労組・青木麻季)(11月10日)
記事を読む  
日誌 2010年 11月10日〜16日
G20、APEC開催/海上保安官の逮捕見送り
記事を読む  
(5面)
G20とAPEC首脳会議
米中対峙を軸に帝国主義間・大国間争闘戦が画期的に激化
記事を読む  
農業つぶしのTPP  三里塚反対同盟が声明 記事を読む  
三里塚 団結街道廃止処分取り消し訴訟  「道を元に戻せ!」(11月16日) 記事を読む  
〈焦点〉 尖閣ビデオ流出「逮捕せず」  政治危機激化と歴史の教訓 記事を読む  
鈴木さん一坪裁判 謙太郎さん夫妻継承は当然  仲戸川の妨害を許すな(11月18日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
11・27星野全国集会へ
階級的団結が奪還の力  第2次再審闘争の勝利を
記事を読む  
法大5・28暴行デッチあげ裁判
当局の暴力と腐敗  恩田君、新井君が克明に証言(11月15日)
記事を読む  
古田白同志を追悼する
部落解放戦線で人生かけ 労働者党建設のため奮闘  革共同茨城県委員会
記事を読む  

週刊『前進』(2465号1面1)(2010/11/22 )

 ストライキ態勢で闘う動労千葉と連帯し JR外注化阻止決戦に立とう

 国鉄全国運動を職場・地域に

 青年労働者・全学連各1千人の組織化から大恐慌を世界革命へ

 11・7労働者集会とそれに続く訪韓闘争、11・13〜14APEC粉砕闘争は、決定的な勝利を切り開いた。国鉄1047名解雇撤回闘争における4・9政治和解という大反動をはね返して日比谷野音に結集した5900人の大隊列が、ものすごい感動と展望を与えている。「大恐慌をプロレタリア革命へ!」の道は、国鉄決戦と国際連帯の中にあることを誰もが確信した。11月集会派はここにまったく新しい勢力・潮流として登場し、大恐慌・大失業と真正面から対決する階級的労働運動の復権に向かって、力強い一歩を踏み出した。11〜12月決戦のさらなる高揚から2011年決戦に突き進もう。青年労働者・学生の怒りを体現する革命的労働者党を建設しよう。

 4・9反革命をうち破った

 11・7労働者集会の勝利は第一に、4・9政治和解によって国鉄闘争を終息させるという大反動をうち破り、動労千葉を主軸とする国鉄闘争全国運動と11月集会派こそが日本階級闘争の責任勢力(権力党派)になると宣言したことだ。6・13集会からスタートした国鉄闘争全国運動は、いよいようなりをあげて爆発しようとしている。
 11月集会を闘い抜いたすべての労働者・学生が、この4・9反革命を突き破って自分たち自身の勢力を登場させる中にこそ勝利の道があることを確信した。
 4・9反革命とは、国鉄分割・民営化という新自由主義攻撃と対決する日本階級闘争の背骨としてあった1047名解雇撤回闘争を最後的に解体し、国鉄闘争の壊滅によって日本プロレタリアートの階級性を根絶し、労働組合的団結も一掃し、何よりも動労千葉労働運動と11月集会勢力を絶滅する攻撃だった。さらにそれによって、既成労組の裏切りを徹底的に引き出しながら労働者階級を帝国主義侵略戦争へ動員していく攻撃としてもあった。
 まさに11月集会勢力以外のすべての政治党派・潮流がこの4・9政治和解に賛成し屈服することによって、日本階級闘争は第1次世界大戦時における第2インターナショナルの崩壊にも比すべき状況に突入した。ここに中間の道はない。起きている事態は、全潮流の「裏切りであり、彼らの政治的死であり、自己の役割の放棄であり、ブルジョアジーの側への移行である」(レーニン)。
 逆にそれは、11月集会派こそが真の意味での唯一勢力となり、全労働者人民の獲得に満を持してうって出ていく決定的チャンスを手にしているということだ。職場・生産点における資本や御用労組との激突の中から実現された日比谷5900人結集の力こそが、その基礎にある。
 第二に、11・7をもって、JR東日本における検修・構内業務全面外注化攻撃を粉砕する大闘争に突入した。ここに、日本労働運動における現下の最大の攻防点がある。4・9反革命を根底的にうち破っていく道も、動労千葉を先頭にした11月勢力がJRの平成採青年労働者を層として獲得し、主流派にのし上がっていくこと、それを国鉄闘争全国運動と動労千葉を支援する会の拡大によって全産別に押し広げていく中にある。
 第三に、「非正規職撤廃・派遣法撤廃」を掲げ、2千万青年労働者と300万学生を獲得する闘いを開始したことだ。
 新自由主義攻撃が最大の標的としているものこそ、青年労働者・学生だ。すべての矛盾がここに集中しているからこそ、青年・学生の怒りのマグマは爆発寸前だ。11月集会は、国鉄闘争勝利に向かって断固として闘い抜くことによって、絶望とあきらめを強制するすべてのブルジョア・イデオロギーをぶっ飛ばして、未来を担う若い世代を丸ごと組織する決定的突破口になっているのだ。
 さらに、動労千葉の今年4月の外注化阻止の地平と並んで全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部のゼネストが5カ月間にわたって貫徹されていることが3労組集会としての求心力をますます強め、展望そのものになっている。
 第四に、帝国主義侵略戦争をめぐっての極右ファシスト勢力との大激突に勝ち抜き、粉砕して、戦争を阻止する力はただ労働者階級の団結にのみあることをはっきりさせたことだ。
 11・7集会に対抗しようとした田母神らの「日の丸」デモは大破産している。青年・学生の怒りを抑え込むのみで、ラディカルな時代認識も展望も提示できない田母神ファシスト集団に未来はない。帝国主義侵略戦争と非和解で対決する反戦闘争の中からこそ、労働者・学生の自己解放的なエネルギーは引き出される。11月集会派の横浜APEC粉砕闘争は大高揚を実現した。そしてその中に、沖縄闘争と三里塚闘争ががっちり位置づいた。
 第五に、11月集会が示した国際連帯の力は圧倒的だ。アメリカ、韓国、ドイツ、ブラジルを始めとした海外の同志たちとのかけがえのない交流と団結、ここに世界革命の展望がある。そして国境を越えた固い団結の中から、プロレタリア世界革命に向かっての労働者党建設の欲求が生み出されてきている。
 階級的労働運動の復権の展望は見えた。断固、この道を突き進もう!

 日帝・菅政権は「最弱の環」

 世界大恐慌はますます深まり、それは一方でのアメリカ帝国主義の没落と凶暴化、他方での帝国主義間争闘戦の次元を画した激化(通貨・通商戦争、ブロック化)として進んでいる。11月G20、APEC首脳会議はそれを示した。
 G20金融サミットに米帝オバマは「5年間で輸出2倍化」計画の貫徹をかけて臨んだが、人民元の切り上げを最大の焦点とした米中会談は物別れとなり破産した。それどころか、ドイツ帝国主義からは「ドル安を誘導する金融緩和政策」を批判され、「身内」のゼーリック世界銀行総裁からさえ、ドル暴落が迫る中で「新たな金本位制の導入による新国際通貨制度」を提唱されるありさまだった。
 APECでは「横浜ビジョン」が採択されたが、その内実はFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)のヘゲモニーをめぐっての、米・中・日を軸とするすさまじいやり合いだ。
 この中で帝国主義の最弱の環=日帝の菅政権は翻弄(ほんろう)され、没落を深めている。だからこそ、この危機を突破するための戦争衝動が、日帝の深部から噴き出している。
 海上保安官による「尖閣ビデオ」流出問題を契機とする右翼反革命のクーデター的暴挙を許すな。愛国主義・排外主義をうち破り、労働者民衆の怒りと危機感を11月集会派が階級的に組織しよう。

 不屈の団結を組織し闘おう

 2011年の壮大な決戦に向かっての方針を提起したい。
 一つは、JR東日本の検修・構内業務全面外注化阻止決戦に絶対勝利することだ。この攻撃は、青年労働者を丸ごと非正規職化する究極の団結破壊・組合破壊攻撃だ。当面する12月ダイ改阻止も含めてストライキ態勢で決戦を構える動労千葉と連帯し、国鉄決戦の大前進をかちとろう。11月29日(月)、動労千葉総決起集会(午後6時、DC会館大ホール)に結集しよう。
 二つは、沖縄闘争だ。沖縄をめぐる情勢は、28日の県知事選をも挟んでますます激化している。菅政権は中国艦船を監視するために、与那国島に陸上自衛隊約100人規模の「沿岸監視隊」を配備しようとしている。北朝鮮・中国侵略戦争を打ち砕く沖縄闘争を爆発させよう。
 三つに、今こそ組織建設に全力で取り組もう。今はその最大のチャンスだ。11・7集会の感動の中で、青年労働者・学生が続々と革共同、マル青労同、マル学同に結集している。
 「私たちの力はたったひとつ、労働者の力です。労働者を組織し団結を組織する。不屈の団結を組織する。それができれば、どんな攻撃にも絶対に打ち砕かれることはありません。組織することです」(動労千葉・田中康宏委員長)
 その最大の武器は11月集会の息吹を報道する『前進』と『綱領草案』だ。4・9反革命をはね返し、国鉄・沖縄・三里塚・法大の闘いを守り抜いた力で、この11〜12月、圧倒的な党勢拡大と冬期一時金カンパ決戦にうって出よう。そして、激動の2011年の大攻防に勇躍躍り込もう。

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週刊『前進』(2465号1面2)(2010/11/22 )

 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕

 11・24控訴審初公判に結集を

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審第1回公判が11月24日、東京高裁第10刑事部(山崎学裁判長)で開かれる。この弾圧を打ち砕く闘いは、国鉄1047名解雇撤回と一体をなすものだ。
 11・7全国労働者総決起集会は、国鉄1047名解雇撤回をメインスローガンに5900人の労働者・農民・学生を結集して圧倒的に打ち抜かれた。大恐慌情勢のただ中で、これと対決する階級的労働運動の進むべき道は鮮明に指し示された。この力を基礎に、国鉄闘争全国運動のさらなる発展へ突き進もう。
 その一環として、24日の控訴審第1回公判と同日夕の報告集会に総結集しよう。(要項別掲)

 世界にとどろく1047名闘争

 4・9政治和解を拒否し、解雇撤回を貫く動労千葉争議団と国労闘争団員の闘いは、戦争と大失業の攻撃が吹き荒れるこの時代に、労働者がいかに生き闘うべきかを身をもって指し示している。体制内労組幹部はおしなべて4・9反革命に屈服し、労働運動解体の攻撃を自ら推進するところに転落した。その対極で、解雇撤回をあくまで貫き、国家権力とJR資本に真っ向から対決する新たな1047名闘争は、労働者を限りなく激励し、闘う意欲を引き出している。その力が11・7日比谷野音5900人の結集を導き出したのだ。
 4・9政治和解を拒否し、動労千葉と連帯して闘う4人の国労闘争団員の決起は、5・27被告団の闘いが土台となって生み出された。
 鉄建公団訴訟原告を除名も含む統制処分にかけるために開かれた02年5月27日の国労臨時大会に際し、被告団はこれに反対するビラまき・説得活動に立った。その全面的に正義の闘いを、国労本部は「暴力行為」に仕立て上げ、国労組合員と国鉄闘争支援者を警察・検察に売り渡した。この弾圧と一貫して闘いぬいてきた被告団は、国労本部ら体制内労組幹部とは絶対に相いれない存在だ。
 それだけでなく被告団は、鉄建公団訴訟原告団幹部らが国労本部と野合し4者4団体路線に転じる中で、1047名解雇撤回の原則を貫き通し、4者4団体派と厳しく対決しぬいてきた。それは、08年の旧弁護団の解任や松崎被告との弁論分離を不可避とする激烈な攻防でもあった。
 こうした試練を経て、被告団は4・9反革命を突き破る新たな闘いを、動労千葉と手を携えて生み出したのだ。
 この闘いは、国境を越えて全世界の労働者の心をつかんでいる。
 11・7労働者集会の熱気もさめやらぬ中、被告の一人であり鉄建公団訴訟原告でもある羽廣憲さん(国労小倉地区闘争団)と被告の原田隆司さん(国労福知山分会)、鉄道運輸機構訴訟原告の小玉忠憲さん(国労秋田闘争団)は、動労千葉訪韓団とともに訪韓し、韓国の労働者階級と一体となってG20粉砕闘争を闘いぬいた。24年の長期にわたり団結を守って解雇撤回闘争を貫く彼らの闘いは、韓国・民主労総の労働者にも強い感銘を与えている。
 11・7労働者集会を経て、国鉄決戦は新たな一大攻防に突入した。JR東日本は動労千葉(動労総連合)の壊滅をもくろみ、あくまで検修外注化の強行を狙っている。さらに、動労千葉の青年組合員をも対象にライフサイクル強制配転を策している。動労千葉は12月4日のダイヤ改定を山場に、ストライキ態勢を構えてこの攻撃と真っ向から対決する方針だ。
 5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審は、この決戦と完全に重なった。11月24日の第1回公判と夕方の報告集会は、この大決戦を闘いぬく強固な闘争陣形を築き上げる重要な場になったのだ。

 有罪判決粉砕し完全無罪戦取へ

 24日の第1回公判では弁護団が控訴趣意書を陳述し、さらに富田益行被告団長(国労兵庫保線分会)の陳述書を代読する予定だ。不当にも東京高裁は、被告本人による意見陳述を一貫して認めていない。だが、弁護団による代読という形であれ被告の意見を法廷でたたきつけること自体、完全無罪戦取への大号砲となることは間違いない。
 被告団は昨年11月27日の一審判決で、暴力行為等処罰法を適用させず、「共謀」の認定も粉砕する大きな勝利をかちとった。その結果、検察が「中核派による暴力事件」の「首謀者」にデッチあげた国鉄闘争支援者の向山和光さんには、無罪判決が言い渡された。
 しかし一審判決は、国労組合員の6被告に対して刑法の「暴行罪」を適用し、罰金刑の判決を下した。東京地裁はあくまで6被告を有罪とするため、こうした政治的判決を出したのだ。
 他方、検察はこの判決に控訴することもできず、弁護団が提出した重厚な控訴趣意書に反論する答弁書も出せないありさまだ。検察によるデッチあげは完全に破産した。そうである以上、本来、全員の無罪以外にあり得ない。
 6被告はあくまで完全無罪を戦取するために控訴審を闘いぬく決意を固めている。
 国鉄全国運動の大発展をかけて11・24公判と報告集会に結集しよう。

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 日程 11・24「5・27臨大弾圧」裁判、12・2鉄道運輸機構訴訟
 11・24「国労5・27臨大闘争弾圧」裁判
 控訴審第1回公判
 11月24日(水) 午後1時傍聴券交付 東京高裁102号法廷
 国労5・27弾圧粉砕! 控訴審報告集会 午後6時開場 文京区民センター2階大ホール

 12・2鉄道運輸機構訴訟
 控訴審再開第2回裁判
 12月2日(木) 午前11時傍聴券交付 東京高裁101号法廷
 JR東日本本社抗議行動 午後1時半〜 新宿駅南口 JR東日本本社前
 鉄道運輸機構訴訟控訴審報告集会 午後6時開場 文京区民センター2階大ホール
主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

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週刊『前進』(2465号1面3)(2010/11/22 )

 学生5万人が実力デモ ロンドン

 学費3倍値上げに怒り爆発

 11月10日、イギリスの首都ロンドンで5万人の学生が学費3倍値上げに反対してデモに決起した。英キャメロン保守・自民連立政権が大恐慌のりきりのための財政赤字削減策として2012年から公立大学の年間学費を現在の3千ポンド(40万円)から最高9千ポンド(120万円)まで引き上げると発表したことへの怒りの抗議行動だ。
 全国学生組合(NUS)と大学教職員組合(UCU)が呼びかけた闘いだ。予想をも超えて全国から5万人もの学生が集まった。デモの学生は保守党本部にガラスを破って突入し、1階ホールを一時占拠した。また50人が保守党本部の屋上に上り、消火器や卵を機動隊に投げつけた。地上では千人が棒や石を機動隊に投げつけ、プラカードや旗を燃やして怒りと抗議の意思を表した(写真)。この衝突で16人が負傷し、うち8人が病院に運ばれ、51人が逮捕された。
 屋上から学生が声明を発した。「われわれは公共サービス削減に反対する。公共部門の労働者や貧民、障害者、高齢者、労働者に連帯して立ち上がる。連立政府による教育の商業化、金持ちを優遇し貧困層を痛めつける制度に反対する。闘いは始まったばかりだ」
 英政府は公務員49万人削減・賃下げ、年金給付抑制、社会保障費削減で歳出を810億ポンド(10兆円)削減し、GDP比11%の財政赤字を15年に1%に削減する計画だ。政府の緊縮政策に反対する労働者階級の闘いは欧州全体に広がっている。連帯して闘おう。

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週刊『前進』(2465号1面4)(2010/11/22 )

前進速報版から 前進速報版から

▼動画/11・13横浜APEC粉砕闘争第1日目▼韓国で現代自動車非正規支会が工場占拠スト突入▼中国の高校で教員と学生がスト

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週刊『前進』(2465号2面1)(2010/11/22 )

 「11月」勝利の地平を出発点に 検修外注化阻止の一大決戦へ

 11・14APEC粉砕全国闘争での発言

 11・13〜14APEC粉砕闘争は、警察官2万1千人の厳戒態勢を打ち破って解放感あふれる集会・デモを実現した。「11月」勝利の大きな地平から、さらなる闘いへの決起を訴えた北島邦彦杉並区議の基調報告、田中康宏動労千葉委員長の特別報告を紹介します。(編集局)
(写真 APEC粉砕のデモが到着した桜木町駅前は「解放区」となった。横浜の労働者と結合して怒りのシュプレヒコールが繰り返された【11月14日】)

 資本主義に引導渡す力は私たちにある

 基調報告 反戦共同行動委事務局長 北島邦彦杉並区議

 APEC首脳会議とは何か? この空前の厳戒態勢は何のためか? 世界とアジアに失業と戦争を強制する強盗会議を粉砕せよ! これが私たちの態度です。それは同時に菅政権打倒の闘いです。今こそ国際連帯の地平の上に、世界革命へ突進しよう!
 労働者の首を切り、市場や資源を巡って戦争をやる。資本主義というシステムはもう成り立たない。全勢力が「尖閣諸島は日本の固有の領土だ」と戦争をあおっている。田母神などの右翼がうごめく。カクマルも「中国による尖閣侵略を許すな」とデモをやる。こんなやつらをぶっ飛ばそう。断固たる反戦闘争こそが求められています。
 釣魚台が中国領か日本領土かは労働者には何の意味もない。国境とはその時々の支配階級が時には戦争で、時には談合で勝手に引いたものです。釣魚台も日清戦争で日本帝国主義が武力で奪い取ったものです。
 私たちは「労働者には国境はない」の旗のもとに革命的反戦闘争をやり抜く決意です。
 釣魚台問題で排外主義をあおる狙いは、沖縄の基地撤去闘争と階級闘争の解体でもあります。自衛隊と米軍は「尖閣奪還作戦」の演習まで強行し、日米安保は必要だという。こうして沖縄の労働者を分断する。
 しかし戦争の過程は革命的情勢の成熟です。同じ労働者が殺し合うのが戦争です。だから職場から戦争を拒否すれば戦争は阻止できます。民族や文化の違いを越えて戦争に反対し、他国の人を殺す武器を自国政府に向けよ! これが戦争のない世界をつくる道です。
 菅政権が協議に加わったTPPは、300万農民を壊滅させ、労働者と農民を分断する攻撃です。また民営化と非正規化をエスカレートさせる労働者への攻撃です。
 資本主義に引導を渡す力は、11月集会派にあります。国鉄全国運動と階級的労働運動こそが国際連帯を発展させ、あらゆる差別と抑圧と闘う力です。国鉄外注化阻止決戦を闘い、菅政権打倒へ進撃しよう。

 労働運動の根絶狙う大攻撃を打ち破った

 特別報告 動労千葉 田中康宏委員長

 国鉄1047名闘争の4・9政治和解に対し、6・13大集会から11・7労働者集会、訪韓闘争まで、実に多くの仲間の皆さんに力を尽くしていただきました。心からお礼の気持ちを伝えたいと思います。
 今年の11月集会は画期的な成果をあげました。1047名解雇撤回闘争の政治和解という攻撃は、労働運動全体の火を消すほどの大反動でした。これに対してこの半年間、文字通りの総決起をかちとり、“24年間も闘ってやはりダメだったか”と言われるような地点から、あらゆる困難をのりこえ、職場・地域から全力で立ち上がった。その結果としての5900人の結集です。われわれは負けなかったということです。敵の攻撃を本当に打ち破る闘いの土台、基礎、画期的な出発点をつくり出しました。
 もう一つは、どこに向かって闘うかという闘いの方向性を鮮明にしたことです。
 私たちはなぜ国鉄分割・民営化にこだわるのか。ここを打ち破れば前進できると確信するからです。この道を進もう。ここに勝利の道がある。11月集会の地平を特別なものとせず、すべての職場、学園、地域で日常化すること。これが私たちの仕事です。組織することです。
 私たちの力は労働者階級の力です。国家主義や排外主義が吹き荒れ、労働者の力をそぐさまざまな困難から私たちは逃げなかった。だから労働者の力を結集できたのです。この道を信じて進もうではありませんか。
 本日、APEC首脳会議が行われています。何十億もの人が世界で苦しめられている中、日本の東証1部上場企業約800社の中間決算で、利益がリーマンショック以前の水準を超えました。誰が金をもうけ、だれが貧困に突き落とされ、非正規職に追い込まれているのか。戦争でもうけるのは誰なのか。このAPECとは何なのかは明らかです。支配階級は世界の労働者を犠牲にして生き残ろうとしています。もう一度世界を戦争に引き戻すことを許すのかどうかという問題です。
 民主党政権が進める公務員制度改革は、数百万人の労働者を新たに非正規職に突き落とす攻撃です。
 闘いの可能性は国鉄全国運動にあります。これを全国津々浦々につくり出し、菅政権を打倒するために労働運動を一からつくり直す決意で臨むことです。これまで既成の労働運動は、新自由主義のもとで外注化攻撃に立ち向かえなかった。これに対して「闘えば勝利できる」と示すことです。
 動労千葉は検修外注化攻撃に対して、ストを構えて闘うことを指令しています。この1年間でつくり上げてきた路線と闘いの方向性のもと、心を一つにして闘い抜こうではありませんか。
(写真 14日のAPEC粉砕集会で今後の闘いの方向性を提起した動労千葉の田中康宏委員長)

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週刊『前進』(2465号2面2)(2010/11/22 )

 日航の整理解雇 絶対許すな

 国家あげた労組破壊と対決を

 日本航空は15日、最大250人を対象に整理解雇を実施すると発表した。整理解雇対象者はパイロットが約110人、客室乗務員が約90人。さらに両職種の休職者50人も対象に加えた。日航問題は正念場中の正念場に入った。
 日航本体での希望退職募集者は、すでに削減目標の1500人を超える1520人になっている。また日航は4〜9月で1096億円の営業利益を出しており、年度末までに250億円としてきた計画値を大幅に上回っている。にもかかわらず大量の整理解雇に踏み切ったのは、これを機に労働者の抵抗を徹底的にたたきつぶし、労組を解体しつくすためだ。

 「スト権確立なら出資しない」 

 しかも、日航の管財人である企業再生支援機構は16日、整理解雇に反対してスト権投票を行っている日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)と日本航空乗員組合に対して「スト権を確立したら3500億円の出資は行わない」と通告した。日航再建は政府・国土交通省の主導で進められており、日航経営陣の枢要なポストには支援機構が人を出している。国鉄分割・民営化に匹敵する、露骨な労働基本権の否定であり、国家的な不当労働行為そのものだ。
 日航は、グループ全体の3分の1にあたる1万6000人を削減するために露骨な退職勧奨を繰り返してきた。10月からは一方的な「整理解雇の人選基準」を示し、「あなたの活躍する場所はない」と脅し、会社のデスクも奪い、白紙の勤務票を渡すなどしてきた。
 それでも「解雇だけは納得できない。なぜ放漫経営の責任を私がとらないといけないのか」(国際線副操縦士)と、多くの労働者が怒りをもって自主退職を拒否し、踏みとどまってきた。支援機構が整理解雇に踏み切ったのは、不屈の決起を開始した労働者をなんとしてもたたきつぶし、残った日航労働者に対しても地獄のような労働条件を強制する攻撃だ。そのもとで安全は根本から破壊される。

 団結守り抜き活路を開こう

 日航整理解雇は、1047名闘争を巡る4・9政治和解の大反動と一体の攻撃だ。国土交通省は「労使関係を解決しないと健全な経営は望めない」(馬淵澄夫国交相)「2次破綻するリスクに比べれば(整理解雇を巡る)訴訟リスクなんて小さい」(国交省幹部)と公言し、いわゆる「整理解雇の4条件」すら無視した問答無用の首切りに踏み込んできた。菅政権は、JR大合理化や公務員制度大改悪の貫徹をもここにかけてきている。
 整理解雇の狙いは、何よりも団結破壊、労組解体にこそある。政府と支援機構は居丈高な攻撃を繰り出しているが、他方では出資先送りで再建計画そのものが破綻してしまうことを恐れている。敵も矛盾に満ちている。
 動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃に対して唯一ストライキに決起した。この闘いを通して団結を守り抜き、40人の解雇、100人以上の強制配転という大攻撃を受けながらも組織の基本骨格を維持し、国鉄労働運動根絶という敵の野望を核心において打ち砕いた。これと同じ闘いが今、本当に求められている。
 「会社がつぶれてもいいのか」という恫喝に屈せず、原則を守り闘う中から必ず活路は開ける。幾たびもの組合分裂攻撃に勝利してきた航空労働者は、必ずやこの大反動を打ち破るだろう。闘いを裁判に切り縮めて抑え込む日本共産党をぶっ飛ばし、日航整理解雇攻撃を絶対に粉砕しよう。

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週刊『前進』(2465号2面3)(2010/11/22 )

 都労連賃金闘争 大幅賃下げで妥結

 ストライキで闘う団結を

 都労連の2010年賃金確定闘争は、都人事委員会勧告や都当局の不当な提案の数々に対する現業・非現業問わず組合員の怒りが激しく噴出する中、11月12日の早朝1時間ストライキを配置して闘われた。11日の2500人の都庁包囲デモ、庁舎ビラ入れなどでストライキへの機運が高まった。99年以来の都労連ストライキが打ち抜かれれば、動労千葉・動労水戸、関西地区生コン支部に続くストライキとして労働運動情勢を一変させることは確実だった。
 都労連は12日未明に都当局との妥結に達し、ストライキ指令を解除した。都労連は、月給の0・29%引き下げ、一時金の0・2カ月引き下げ、年間平均10万5千円削減などの人勧実施をのんだ。都独自の提案は若干押し戻したが、勤勉手当の成績率適用の拡大、現業人事・給与制度の一定の見直し(認定技能職員〈マイスター>制度の創設)などを受け入れた。
 都の提案はいずれも許しがたい賃下げ、差別・分断、団結破壊攻撃だ。都の攻撃に対するランク&ファイル(現場労働者)、青年労働者の怒りは充満している。現場には闘う力と意欲がある。問題は指導部だ。指導部が組合員を信頼して闘う方針を提起すれば一般組合員はそれに応えて必ず決起する。
 石原都政のもと11年連続の賃下げ、1万数千人の人員削減が強行され、職員は低賃金・長時間・過密労働を強いられている。現業労働者は今年度から賃金が差別的に8%引き下げられている。青年労働者は、昇給カーブのフラット化、わたり廃止で、いくら長く勤めても賃金が上がらない。人事評価・査定給制度も強化された。民営化・外注化=労組破壊攻撃も激化し、労働組合活動への不当な規制も強まっている。
 大恐慌下、財政危機を理由に公務員攻撃は強まるばかりだ。人事院勧告以上の賃下げのための法案が練られ、12年公務員制度改革・人事院勧告制度廃止攻撃、公務員360万人首切り・総非正規化攻撃が強まっている。
 今こそ青年労働者とランク&ファイルが決起し、ストで反撃できる闘う都労連をつくり出そう。都労連労働者には本来その力がある。職場に動労千葉を支援する会をつくり、国鉄全国運動を発展させ、都労連の闘う団結をつくり出そう。
(写真 大幅賃下げ阻止へストで闘う意欲を示した都労連の労働者【11月11日 都庁モール】)

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週刊『前進』(2465号2面4)(2010/11/22 )

 11・7集会への海外からのメッセージ

 11・7労働者集会は、大失業・戦争と闘う世界の労組代表が結集した国際連帯集会となった。集会に寄せられたブラジルとフィリピンの労組代表からのメッセージを紹介します。(編集局)

 ブラジル 階級的労働運動の世界的結合で社会主義的変革へ

 CSPコンルータス(全国闘争同盟) ディルセウ・トラベッソさん

 動労千葉の兄弟姉妹の皆さん。国際階級闘争が決定的な時を迎えている今、東京のこの重要な集会でアピールできることを光栄に思います。
 2007年12月に世界大恐慌が始まって以来、世界中の大企業とその資本家の政府は、資本主義の救済にその全精力を注ぎ、この危機を労働者階級と貧困層に対するより一層の搾取をもって切り抜けようとしています。
 大量解雇、労働者の権利剥奪(はくだつ)、社会保障の削減、年金制度改悪そして戦争だけが資本家どもの検討課題となっています。
 しかし、労働者階級はこの反動に激しく抵抗しています。ここ数カ月、ヨーロッパでは、労働者はギリシャ、スペイン、フランスでゼネストを組織し、イギリス、イタリア、ポルトガル、アイルランドそしてドイツで重大な闘いが展開されています。労働者階級が自らの国家を停止させる時、その持つ力が公然と明らかにされます。
 中東そして南アジアにおいて、人類史上で最も強力な軍事力であるアメリカ軍が、イラク、アフガニスタンそしてパキスタンで敗勢にさいなまれています。最先端の兵器も、人民の闘う意思をくじくことはできません。
 パレスチナの兄弟姉妹は、イスラエルが強行する日常的な大虐殺に抗して敢然と立ち上がっています。パレスチナ人民との連帯運動は広範なイスラエル・ボイコット運動やガザ封鎖の突破など世界中に拡大しています。
 中国のホンダ労働者のストライキやインドのゼネストは、労働者の権利の防衛に立つ巨大な労働者集団の姿を顕示させています。
 ボリビアの産業労働者、ブラジルの銀行労働者、アルゼンチンの学生、南アフリカの公務員労働者そしてモザンビークの貧困者たち……労働者の闘いはいたる所で爆発しています。
 しかし問題は、労働組合指導部のほとんどが、この資本の反動攻勢に抵抗するのではなく、和解の道を選択していることです。彼らは反撃の意図を持ち合わせていないがゆえに、ひたすら譲歩の道を歩み続けています。
 それゆえに今進行する闘いの最中で、全世界の労働者階級の新たな指導部をつくり出していくことが求められています。
 私たちの動労千葉との協力関係は、この展望を基礎として築かれています。労働者の権利を守り、全世界の社会主義的変革の視野を開くため、戦闘的国際主義に根差した階級的労働運動の世界的結合が要求されています。
 動労千葉、CSPコンルータス、そしてすべての戦闘的労働組合の団結万歳! すべての労働者の闘いに勝利を! 全世界の労働者、団結せよ!
※コンルータスは6月大会で、土地・住宅占拠闘争などを闘う民衆も含めた闘うナショナルセンターへと組織を再編し「CSPコンルータス」と改称した。CSPは「労働組合・民衆・センター」の意味。(編集局)

 フィリピン 非正規職化攻撃との闘いは労働者の普遍的な課題

 フィリピン労働党副議長 フィリピン航空従業員組合委員長 ゲリー・リベラさん

 フィリピンから連帯のあいさつをお送りします!
 フィリピン労働者階級の名において、フィリピン労働党は11月労働者集会に参加された日本の労働者、また世界中から参加された労働者の皆さんに心からの連帯を表明します。
 労働運動の再生と新自由主義攻撃への闘いを進めるため、日本の全国で戦闘的労働組合のネットワークをつくろうという11月労働者集会への呼びかけはまったく正しいものであり、今まさに必要とされているものです。
 世界中の労働者は今、労働基準と労働者の権利に対する資本家とその政府からのあくどい攻撃に直面しています。国際資本主義が深刻で歴史的な危機に突入する中、賃金と労働条件の切り下げ競争は激化しています。労働者階級にはまったく責任がないのに経済危機のツケを支払わされています。
 私たちは、不当解雇された1047名の国鉄労働者の皆さんの苦闘がよくわかります。また、労働者が民営化と規制緩和でいかにダメージを受けたかも本当に理解できます。そして、まったく同じ問題がフィリピンの労働者の闘いを活発化させています。
 ナショナル・フラッグの会社であるフィリピン航空では、従業員の半数以上、約3千人の労働者が人員削減攻撃に直面しています。組合に組織されている正規労働者が、より低賃金、より劣悪な社会保障のもとで雇用保障もなく組合結成も認められない人材派遣会社所属の労働者に置き換えられようとしています。フィリピン航空が国有化された時、労働者の状態は苦しく、とても天国とは言えませんでしたが、このナショナル・フラッグの会社が民間に売り飛ばされ、フィリピンで2番目の富豪によって買収されて以降の状況はまさに地獄です。
 雇用確保と労働者の権利のためのフィリピン航空の闘いは、フィリピンで最も大きな労資紛争となっています。この問題は、フィリピン新政権の労働政策がどういうものなのかを判断するリトマス試験紙であるだけでなく、労働運動の先駆的闘いとなっています。労資関係と労働運動の未来は、フィリピン航空の労資の闘いの結果にかかっています。
 フィリピン航空およびその他の施設、工場、商店、会社における労働基準と労働者の権利の防衛が、闘争の核心になっています。実際、この問題は労働者にとって普遍的な問題です。日本では、人材派遣会社所属の労働者を派遣労働者と呼び、フィリピンでは契約労働者と呼びます。言葉は違っても資本家たちの強欲のために搾取されるすべての労働者にとって、置かれた状態はまったく同じです。
 日本の多国籍企業によって雇用されるフィリピンの労働者も同じ問題に直面しています。 輸出ゾーンで働く60万人のフィリピン労働者の多くが日本企業で働いています。日本企業は現時点でおそらく最大の投資家です。輸出ゾーンの労働者の最も一般的な問題は、労働基準法違反と、団結権の制限、ストライキを含む平和的集団行動の制限です。
 フィリピンの労働者は多くの国の労働者とともに闘っていますが、とりわけ日本の労働者との関係は密接です。フィリピン航空の労働争議のため、残念ながら日本の労働者国際会議と労働者総決起集会に参加することができません。しかし、フィリピンの労働者は、労働者の権利を守り、新自由主義のグローバリズムと闘うために開かれる11月労働者集会の呼びかけと要求項目について、まったく心が一つであることをここに明らかにします。

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週刊『前進』(2465号2面5)(2010/11/22 )

 訂正

 前号2面の「決意表明」で「仙台市職労・動労千葉を支援する会」とあるのは「仙台市役所・動労千葉を支援する会」の誤りでした。おわびし訂正します。

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週刊『前進』(2465号3面1)(2010/11/22 )

 郵政「正社員登用」試験の合格者数 「10万人」が一転8438人に

 充満する非常勤21万人の怒り

 第2JPEX=集配外注化阻止へ

 民主党・連合政権が成立した直後の郵政金融担当大臣だった亀井静香が「10万人を正社員化する」という大ペテンを打ち出し、これに基づいて今年8月に実施された非常勤労働者の「正社員登用試験」の合格者数について、日本郵政当局はさる11月10日になって最終合格者数を8438人と発表した。大臣発言の10分の1にも満たない数字だ。非常勤労働者が6割を超える(郵便事業会社)過酷な労働環境が今も広がり、「ワーキングプアの温床」とまで言われている郵政労働の現場で、この新たなむき出しの分断攻撃に激しい怒りの声がわき上がっている。
(写真 正社員登用の激減を報じる新聞【11月11日】)

 集配業務を支える非常勤

 今回の正社員登用試験は、「採用予定人数」すら明らかにしない異常なやり方だった。また、非常勤労働者の総数は日本郵政グループ全体で約21万人だが、試験の応募者数は、当局が様々な条件を勝手につけて受験資格を絞り込んだ結果、わずか3万4千人に絞られた。合格者数はさらにそこから7割以上も大幅に削られたのである。「正社員化」をえさに現場を黙らせ、違法な自爆営業の強要やパワハラによる人員削減など様々な合理化攻撃を続けてきたあげくの許し難い数字だ。
 この採用人数の少なさについて当局は、「ふさわしくない人は落とした結果の数字だ」との趣旨のコメントを出した(朝日新聞11・10付)。これも現場労働者の怒りを逆なでしている。
 非常勤労働者は正社員と同じ仕事をして時給換算で正社員の3分の1の低賃金を強要され、年金も健康保険もない。そして何よりも、彼らは3カ月や半年ごとに生活条件を無視して解雇される脅威に日常的にさらされている。労働基準法もへったくれもないのだ。
 その非常勤労働者が、いまや郵政現場の半分以上を文字通り支えているのだ。集配労働では、非常勤が8割を占める現場も多い。彼らを抜きに郵便事業は一秒たりとも成り立たない。その彼らの身を粉にした労働が生み出した利益を全額懐に入れている郵政当局が、その労働者に対して「ふさわしくない人」だと言い放ったのだ。現場労働者の怒りは充満している。彼らの怒りが爆発することは時間の問題だ。
 そもそも当局は、今回の登用試験の結果の選考作業を「外部の業者」に委託していたことが発覚している。「いったい誰が、どういう基準で受験者の7割以上も不合格としたのかさっぱり不明だ」ということが、ほとんどの職場で問題となっている。「採点」に3カ月もかかったことも異常である。
 結局、「10万人正社員化」なる大臣発言は、自民党政権を打倒した(昨年8月総選挙)ほどの労働者人民の怒りの大きさをペテン的に籠絡(ろうらく)し、最終的に民営化による様々な大合理化を貫くための方便だったのだ。そして今回当局は、正社員登用をかぎりなくゼロ化することに全力をあげたのだ。
 JP労組中央の反動的役割も浮き彫りになった。彼らはそもそも郵政民営化賛成に回り、6割もの職員が非常勤に追いやられた過程を1時間のストも打たず容認してきた。非常勤の本務化闘争を組織するどころか、資本当局の合理化を支えてきたのである。

 労組中央が正社員化反対

 そして小包部門を丸ごと子会社化して外部に切り離し、現場の8割を非常勤に置き換え、集配職場の全面的な外部委託化の突破口とする計画だった昨年のJPEX子会社化攻撃で、JP労組本部の裏切りはむき出しになった。彼らはこの大合理化と非正規職化の攻撃に反対するどころか、「郵政民営化の戦略事業」と称して賛成・推進の側に回ったのだ。
 そして今回の「正社員拡大」での対応だ。中央本部は6月の定期大会で「経営実態とかけ離れた登用拡大はありえない」(JP労組新聞6・21付)などと言い放ち、恥も外聞もなく経営者と同じ立場であることを表明した。JP労組中央こそ、労働貴族の利権と引き替えに現場の闘いを抑えつけ、集配職場の6割もの非常勤化を許してきた確信犯だった。
 民主党・連合政権による「郵政民営化見直し」は、小泉政権が進めた「4分社化体制」の見直しや株式上場の凍結で、300兆円もの郵貯・簡保資金を国家財政赤字の穴埋めに回す反労働者的な内容だった。郵政を巨大金融資本が食い物にするか、政府と旧郵政利権が簒奪(さんだつ)するかでブルジョアジー内部の激しい抗争が続いているが、「見直し」法案は、小泉民営化路線とコインの裏表の関係だ。

 外注化粉砕の年繁闘争へ

 現在、この法案は「ゆうちょ資金を開放せよ」という米帝を含む大金融資本の”猛反対”にさらされ、法案の成立自体が絶望的となり、結局のところ民営化路線の推進による底なしの合理化攻撃の貫徹として収れんされつつある。
 菅政権が「新成長戦略」と称してブルジョアジーに全面的な恭順の意を表したことで、ジグザグしつつも小泉改革以来の民営化攻撃に拍車がかかっているのだ。日本郵政・西川体制のJPEX子会社化の破綻にもかかわらず、民主党政権下でスタートした斎藤新体制が、結局JR資本と同様の集配業務の外部委託攻撃を、様々な形態で激しく進行させていることがその証拠だ。
 7・1ゆうパック再統合の破綻を受けて、小包集配の存亡がかかったと言われる今年の年末繁忙体制に向けて当局は何を進めているか? 今回明らかになった「正社員登用」の徹底的削減と、第2のJPEX攻撃とも言うべき集配業務そのものの外注化攻撃の再始動である。今期年繁では、東京多摩局管内のゆうパック引き受け業務の一部が、外部委託の入札に付された。JP労組本部はこれを全面的に受け入れている。
 浮き彫りになったのは、大恐慌下で世界経済のブロック化が進行し、戦争的激突情勢が深まり、大失業攻撃、民営化と労組破壊の攻撃を問答無用に貫徹する以外に延命できなくなったブルジョアジー総体の階級意志である。国鉄1047名闘争を解体する「4・9政治和解」の反革命攻撃が、郵政民営化攻撃においても同じ質で貫かれているのだ。
 問われているのは郵政民営化絶対反対で闘う動労千葉派の階級的労働運動が、国鉄決戦と一体となり、郵政労働運動の主流派へ飛躍するための闘いに進出することだ。
 いまや民営化の現実に対する現場労働者の怒りはあらゆる職場に満ちている。「集配業務の外部委託反対」「希望者全員を正社員に登用せよ」のランク&ファイルの団結の網の目を下から創造的に組織し、今こそ腐り果てた労働貴族の支配から、労働組合を現場労働者の手に奪い返そう!

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週刊『前進』(2465号3面2)(2010/11/22 )

 UTLA(ロサンゼルス統一教組) イングリッドさんと交流

 民営化攻撃と対決

 広島 被爆地で固い連帯誓う

 UTLA(ロサンゼルス統一教組)を代表して11・7全国労働者総決起集会に参加したイングリッド・ガネルさんが11月10日、広島を訪れた。08年の8・6ヒロシマにアーリーン・イノウエさんが、09年11月集会の後にはセシリー・マイアトクルスさんが広島を訪れており、UTLA組合員と広島の教育労働者を始めとする労働者、学生の交流は3度目となる。
 イングリッドさんは8・6処分撤回を闘う広教組組合員の倉澤憲司さんらの案内で、爆心地近くの袋町小学校平和資料館(被爆した校舎の一部を使用)を訪れた。同校では多くの教員と子どもが校庭で被爆し、一瞬にして命を奪われた。小学校教員であるイングリッドさんは、涙を浮かべながら資料を見学した。
 続いて平和公園で原爆資料館を見学。中でも被爆した幼児の三輪車や、アメリカでもよく知られている佐々木禎子さんの展示が強く印象に残ったようだ。教師と子どもの碑、峠三吉詩碑、慰霊碑、原爆の子の像、原爆ドーム、爆心地なども見て回った。
 夕方から広島市内で開かれた「戦争・民営化に立ち向かう国際的団結を/日米教育労働者交流集会」には40人が集まった。冒頭、11・ 7集会のハイライトビデオが上映された。
 広教組組合員が司会を務め、反戦被爆者の会の下田礼子さんが歓迎のあいさつに立ち、「団結して核と戦争に反対し、いい世の中をつくっていきましょう」と呼びかけた。
 続いてイングリッドさんが通訳を交えて約40分間、アメリカにおける教育の民営化攻撃との闘いを報告した。「教育予算カットと大量解雇攻撃」「学力標準テストの成績結果に応じた予算配分」「教員の格付けと分断」「組合つぶしが目的の公教育の破壊とチャータースクール」「金持ちの言いなりの教育」。日本の教育民営化攻撃の先を行く激しい攻撃の中で、だからこそ分断を打ち破るために組合的団結を強化して闘うUTLAの若いランク&ファイル指導部の報告に、参加者は大いに学び、希望を持った。
 イングリッドさんの報告を受けて倉澤さんが、「自分たちも闘う労働組合を目指して闘う」と決意を述べた。最後に広島労組交流センターの代表の音頭でインターナショナルを斉唱し、固い国際的団結を誓って集会を終えた。集会後の交流会も盛り上がった。
 短い滞在だったが充実した時間を過ごしたイングリッドさんは「また広島を訪れたい」と述べて東京へ戻った。
 (広島K・T)
(写真上 「イングリッドさんとともに、自分たちも闘う労働組合を目指して闘う」と誓った【11月10日 広島】)
(写真下 原爆ドームなど爆心地を見学した。中央がイングリッドさん。左は倉澤さん【11月10日】)

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週刊『前進』(2465号3面3)(2010/11/22 )

 三浦 職場の団結が核心

 “私たちの組合を変える”

 日米教育労働者の課題は一つだ

 「希望は団結!/国際連帯の力で、たたかう労働組合をつくり出そう!」。11・7労働者集会に参加するために訪日したUTLA(ロサンゼルス統一教組)のイングリッド・ガネルさんを招いて、11月12日夜に「日米教育労働者国際連帯集会 三浦半島」が開かれました。主催したのは神奈川労組交流センター三浦半島教育労働者部会です。
 主催者の「闘う労働組合をつくり出すための日米の教育労働者の闘いはまったく共通です」というあいさつに続き、イングリッドさんが国際連帯アピールを行いました。
 イングリッドさんはアメリカの公教育の民営化を推し進めるチャータースクールについて「イーライ・ブロードやウォルマート、ビル・ゲイツなどの大金持ちが参入して、企業のための教育をやっている。チャータースクールで働く教員は組合に入っていないから、採用したら4、5年で首が切られている。教員の人件費を抑え込むためです。そうして学校のトップが高額の給与を得ている。オバマもチャータースクール推進者です」と弾劾しました。

 徹底討論で団結つくり出す格闘

 とりわけ興味深かったのが、全米最強の教組であるUTLAが、組合員との真剣な討議を積み重ねて闘う方針をつくり上げていることがよくわかったことです。
 全員加盟制で4万5千人もの組合員を擁する大組合ですから、さまざまな意見を持つ組合員がいるのは当然です。例えば、UTLAはイラク戦争やアフガニスタン戦争に反対する決議を上げて反戦闘争に取り組んでいます。
 そのことをめぐっても「UTLAにも多くの退役軍人がいて『軍隊は米国を守っている大事なもの』という愛国主義的な考えがある。『教員組合は教育のことだけに取り組むべき』と言う人もいる。それに対して私たちは『戦争の問題は教育の問題そのもの』と訴えています。教育内容が戦争教育に変えられようとしているし、軍事費を増やして教育予算を削っている。生徒たちが学校を出て軍に行かされようとしている。だから私たちは全米反戦労組連合に参加して闘っています」。まさに日本と同じ格闘をしていることを実感しました。
 またUTLAが地域の労働組合との共闘を重視していることもわかりました。イングリッドさんは「私たちの目的は地区労を強化し、地域の労働者を組織して、労働者階級を団結させることです」と訴えました。
 動労千葉を代表して参加した長田敏之書記長は「労働者に排外主義をあおり立てる風潮の中、今が戦争を阻むかどうかの分岐点。私たちの一番の戦場は職場です。動労千葉は国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止、青年労働者獲得へ全力で闘います」と訴えました。
 最後に三浦半島教労部会の代表が「主人公は職場の組合員。団結して闘えば三教組も変えられる。イングリッドさんとともに立ち上がります」「私たちは11・7集会で新自由主義と対決する階級的労働運動の新たな潮流の出発点を築きました。自分の職場で闘いをつくり出し、職場の団結を取り戻し、階級的労働組合をつくり出しましょう」と力強く訴えて、団結ガンバローで集会を閉じました。
 国境を越えて労働者は一つ、労働者の敵も一つです。UTLAの仲間とともに職場から元気に闘いましょう。
 (投稿・K)
(写真 日米の教育労働者が「国際連帯の力で闘う労働組合をつくり出そう」と国際連帯集会【11月12日 横須賀】)

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週刊『前進』(2465号3面4)(2010/11/22 )

 革共同に冬期大カンパを

 資本家と労働貴族への怒りを大恐慌の帝国主義を倒す力へ

 『前進』読者の皆さん! すべての労働者・人民の皆さん! 反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利に向け、革共同に圧倒的な冬期闘争資金カンパを寄せて下さい!

 全世界を獲得しよう

 革共同は、資本主義を打倒し、「労働者が主人公」の新しい社会を建設するために全人生をかけて闘う共産主義者の政治的結集体です。革共同は、労働者の団結した闘いで建設される労働者の党であり、闘争資金は労働者人民の団結した力によってつくられています。
 革共同への闘争資金カンパは、資本主義を打倒し、労働者が政治権力を取るための武器です。それは、労働者の団結を組織するビラとなり、全世界の労働者との団結を生み出す国際連帯闘争資金となり、警察権力による政治弾圧をうち破る裁判闘争費用となり、非合法・非公然の党を防衛するための資金となります。この革命資金の圧倒的拡大こそが、資本主義をなぎ倒して、労働者が権力を取る闘いを爆発的に発展させる道です。資本主義への怒りや労働貴族ダラ幹への怒りを革共同への資金カンパとして爆発させて下さい!
 労働者は団結して闘えば、絶対に勝てます。労働者が全世界を獲得し、勝利する時が来ました。5900人が結集した11・7全国労働者集会こそ、世界大恐慌をプロレタリア世界革命に転化していく偉大な闘いとしてかちとられました。直ちに100人を超える動労千葉訪韓団が韓国労働者階級とともにソウルG20首脳会議粉砕を闘い、11・13〜14横浜APEC首脳会議粉砕闘争では、警察の超厳戒態勢をつき破り、街頭の労働者と圧倒的に結合してAPEC会場至近の桜木町駅前を労働者人民の解放区と化したのです。
 まさに11月決戦こそ、労働者の自己解放的エネルギーが爆発的に解き放たれた闘いでした。この偉大な勝利の地平に立って、国鉄闘争全国運動を全国の職場・地域で組織し、労働貴族ダラ幹を打倒して、動労千葉とともに闘う労働組合を全国に無数につくりだすことが、プロレタリア革命勝利への道です。革共同は、国鉄闘争全国運動の最先頭に立って、世界革命の勝利に向かって全力でばく進します。革共同に圧倒的な闘争資金カンパを寄せて下さい!

 真に闘う労働者党を

 世界大恐慌で、資本主義・帝国主義は、死の苦悶(くもん)にのたうち回っています。ついに資本主義・帝国主義を全世界的に打倒する歴史的なチャンスが到来しました。
 この中で、日本共産党スターリン主義を始めとした革共同以外の全勢力が、労働者人民の怒りを資本主義の枠の中に押しとどめ、労働者の自己解放闘争に敵対しています。
 日本共産党スターリン主義は、国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる4・9政治和解を全面的に受け入れて労働運動圧殺攻撃の最先兵に立っています。「尖閣諸島は日本固有の領土」「北方4島だけでなく千島列島全体を返還せよ」と絶叫し、日本帝国主義の侵略戦争の突撃隊となっています。スターリン主義はマルクス主義を歪曲し、党を労働者階級を支配する特別の集団として位置づけてきました。この反革命集団は、資本主義を打倒する歴史的チャンスが到来した今だからこそ、資本主義の最後の救済者として、プロレタリア革命を圧殺する反革命として労働者への襲撃を開始しています。
 革共同は、資本主義の打倒こそ労働者階級を始めとした全人間解放の道であることをはっきりさせ、その勝利をかちとるために、労働者階級とともに闘います。革共同を、プロレタリア革命に勝利する労働者党として、労働者階級の命運をかけてともに建設しようではありませんか。
 労働者階級は、自分たちの労働者党を自分たちの力で建設しなければ、革命に勝利することはできません。革共同50年の歴史は、労働者階級が日本共産党スターリン主義との党派闘争を闘いぬきながら、自分たちの労働者党を建設する闘いの歴史でもありました。その最大の到達地平が『革共同・綱領草案』です。ここに、全世界の労働者階級が帝国主義とスターリン主義を打倒して、プロレタリア世界革命に勝利する道が鮮明に打ち出されています。
 しかも、スターリン主義によってズタズタに破壊されてきた国際労働者階級の団結と闘いは、日韓米の労働者の団結を基軸にしつつ、プロレタリア世界革命に向けてばく進しています。革共同も韓国・アメリカ・ブラジルなど、全世界に羽ばたいています。革共同を世界単一の労働者党として建設するために、圧倒的な 資金カンパを寄せて下さい。
 世界大恐慌は、全世界に財政破綻(はたん)国家を次々と生み出し、今や帝国主義間(大国間)のつぶし合いへと発展しています。恐慌対策のために巨額の資金を投入してきた結果、株や不動産バブルが爆発し、インフレとドル大暴落がカウントダウンに入っています。まさに、円やドルといった貨幣が紙くずと化す局面に突入しつつあるのです。

 貨幣を革命の武器に

 資本主義社会では、生産手段を資本家階級が私的に独占しているがゆえに、ただの紙切れにすぎない貨幣が、社会を支配する万能の神であるかのように、労働者に襲いかかります。すべてを労働者が生産しているにもかかわらず、貨幣を持たなければ生活すらできないのが資本主義です。こんな転倒した社会はありません。世界大恐慌の爆発とは、貨幣が人間を支配するような転倒した資本主義が根本から瓦解する時代です。そして労働者階級こそ、団結した力で資本主義にトドメをさし、人間が人間を支配し、貨幣が人間を支配する転倒した社会を根本的に打倒する革命的階級です。団結の中にこそ労働者の生きる道があります。
 やがて紙くずとなる貨幣を、労働者階級の団結を強化・拡大し、資本主義を打倒する武器として使ってやろうではありませんか。資本主義打倒の怒り、革命にかけた魂と情熱を革共同への闘争資金カンパとして圧倒的に寄せて下さい!

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週刊『前進』(2465号4面1)(2010/11/22 )

 子ども・子育て新システム粉砕 菅政権の新自由主義と対決を

 関西自治体労働者委員会

 菅「新システム」は「新成長戦略」の柱

 今秋から2012年にかけて日本と世界の労働運動は一大階級決戦に突入する。日帝ブルジョアジーと菅民主党・連合政権は、12年の人事院勧告制度廃止・公務員制度改革で公務員の賃下げ・首切りを自由化し、公務員360万人首切り・総非正規化をなしとげようとしている。これは「国鉄分割・民営化25年=国鉄改革完遂」攻撃と一体の攻撃であり、戦後労働法制の全面解体の攻撃である。また国鉄闘争と4大産別―公務員労働運動を解体し、「国の形を変える」道州制=地域主権改革、改憲・戦争国家化を進める攻撃だ。これらの具体的突破口が「子ども・子育て新システム」(以下、新システム)導入だ。
 菅政権は「新成長戦略」を打ち出し、社会保障・福祉(医療・介護・保育)、教育を資本の利潤追求の場に開放し営利事業化すれば経済成長が実現できるかのように言う。だがそれは労働者を非正規化、低賃金化し、極限的に搾取し、利潤をむさぼることにほかならない。
 新システムは「待機児童を解消する」「多様化した保護者のニーズに応える」と称して幼稚園と保育所を統合した「こども園」に再編すること(幼保一体化)を打ち出している。これを児童福祉施設の最低基準の緩和や設置主体への資本参入の自由化など規制緩和・民営化で推進する。公立保育所・幼稚園を全廃し、そこで働く公務員30万人の首を切り、非正規職にたたき込む。
 新システム導入の最大の狙いは、自治体労働運動の団結の中心となってきた保育など現業労働運動の解体である。
 また新システムは小・中学校の民営化、教職員全員解雇攻撃の先駆けだ。社会保険庁解体・日本年金機構発足に続く国鉄分割・民営化型の解雇攻撃、労組破壊攻撃、公務員360万人首切りの一大突破口だ。

 攻撃はもう始まっている

 10月21日、政府は「待機児童ゼロ特命チーム」の初会合を開き、13年度実施予定だった新システムを前倒し実施することを確認した。
 この特命チームのトップは岡崎トミ子だ。東北放送の労働組合の元副委員長で、社会党国会議員を経て民主党国会議員となり、菅内閣の少子化対策担当相、国家公安委員長を務める。事務局長は内閣府政策統括官の村木厚子だ。厚生労働省の障害者郵便割引の文書偽造事件の「冤罪」を晴らし英雄視されているが、悪名高き障害者自立支援法を作った張本人だ。
 特命チームの初会合に出席した菅は「一気に待機児童問題の解決を」と強調した。新システムの「前倒し実施」のためとして入所枠の制限撤廃、企業・NPOへの補助金、パート保育士の活用、時間決め・自由設定の保育料などの提案が連日報道され、新システムの本性がむきだしになっている。
 政府動向に対応してJPホールディングス、ピジョン、夢真など「村木銘柄」と呼ばれる株が上昇している。新システムは企業が本格的にもうけるためのものなのだ。
 報道では全体がこども園になるのは「10年がかり」などと言っているが、それは主として民間幼稚園への猶予期間であり、公立保育所を一気に全廃することは間違いない。

 保育所民営化攻撃が破産した結果だ

 保育所民営化攻撃は、80年代の国鉄分割・民営化攻撃を皮切りに始まった新自由主義攻撃の中で進められてきた。
 93年に自民党政権が保育サービス法構想を打ち出したが、保育労働者と保育関係者の猛反対で頓挫した。
 97年の児童福祉法改悪で「保育所への入所の措置」が「保育の実施」に変えられたが、闘いによって「保育に欠ける」児童への市町村の保育実施義務を残させた。
 98年に短時間保育士の導入、給食の外注化、定員超過入所が容認され、それ以後拡大していった。00年に保育所設置主体の制限が撤廃された。
 01年に登場した小泉政権は税財源の三位一体改革で自治体財政を破綻に追い込み、指定管理者制度など自治体事業民営化諸法を成立させ、「官から民へ」を合言葉に民営化を強力に推進した。
 福祉に関して自民党政権は「措置から契約へ」を掲げた介護保険制度を00年に実施し、障害者自立支援法を06年に施行した。これを新システムで保育にも適用し、戦後的社会福祉制度を全面解体しようとしているのだ。
 また小泉政権は03年に「待機児童ゼロ作戦」と称して「少子化対策・待機児童解消」方針を打ち出し、「仕事と家庭の両立支援」の名で保育所民営化攻撃を全面化した。保育士定数の規制を緩和し、子どもの定員超過入所枠を大幅に拡大した。
 こうして保育所の民営化は一定程度進んだが、全面的には貫徹できていない。なぜなら政府が民営化方針を出すや否や、全国の保育現場で激しい闘いが起こったからだ。現場保育労働者が立ち上がり、保護者が強力に反対し、裁判まで起こした。闘うことで団結が生まれた。小泉構造改革の柱、保育所民営化は思惑通りに進まなかった。
 小泉政権は06年に幼稚園と保育所を統合した「認定こども園」に関する法律を成立させた。しかし認定こども園の設置は10年4月で525園にとどまり、11年度2千園の目標達成は絶望的だ。
 認定こども園の目的が保育所の労働運動つぶしであったため、幼稚園の中に保育所を造る以外になかった。幼稚園に乳児施設、給食施設を新たに造るには膨大な費用がかかる。このため認定こども園は広がらなかった。
 そして10年、鳩山―菅民主党政権が「子ども・子育て新システム基本制度案要綱」を打ち出した。今までの教訓から「新しい子ども政策をつくる」をうたい文句に、保育所民営化反対の団結を解体する目的で出されたが、あまりにも性急で骨格しかできていない。ここに団結破壊の目的と本性が透けて見える。
 「こんな無理なシステムはできないだろう」という現場の意見があるかもしれない。しかし国鉄や郵政の民営化を見れば分かるように、資本と国家はどんなに破綻的であっても労働運動破壊のために民営化攻撃を強行してくる。世界大恐慌下で日帝の延命策は戦争と民営化=労組破壊の新自由主義政策しかないのだ。

 首切りと労働運動・団結破壊が狙い

 新システムは民営化による幼保公務員労働者30万人の首切りと非正規化、団結破壊、公務員労働運動解体の攻撃である。次の3点が核心だ。
 @児童福祉法24条の廃止により「保育に欠ける」児童に対する市町村の保育実施義務を撤廃する。児童が保育を受ける権利もなくしてしまう。
 A直接契約制度によって保育を「貧富の差に応じて売買するサービス商品」にしてしまう。
 B「イコールフッティング(=競争条件を対等にしろ)」を掲げて規制を撤廃、企業=資本が経営に参入しやすくする。
 ABのために「子ども家庭省」新設など財政・制度・管轄を一体化し、保育と就学前教育の全体を解体・再編する。
 保育所・幼稚園を資本の利潤追求の場にし、資本を延命させ、労働運動を解体・絶滅することが新システムの狙いだ。

 「幼保一体化」はインチキ

 新システム批判のいくつかのポイントを提起したい。
 第一に「幼保一体化」は「幼保一元化」とは似て非なるものだ。
 民主党はこれまでの経緯から「現場と激突しては貫徹できない」ことを嫌というほど実感している。そこで出してきたのが「幼保一体化」というインチキな看板だ。
 「幼保一元化」はもともと部落解放運動と一体で進められてきた自治労の保育運動の中軸的な方針だった。同和保育は保護者の就労状態と関係なく「24時間保育」「皆(みな)保育」「集団主義的保育」をめざした。自治労本部はこの思いを逆手にとって取り込みを図り、自治労の代表を少子化対策の政府会議に送り、「幼保一体化」推進の先兵になっている。
 第二に「保育の質を守れ」の行き着く先は安全の崩壊だ。
 「保育の質を守れ」とは資本の合理化推進のスローガンだ。体制内労組執行部は「労働条件を守るために増員を」と要求すべきところを「保育の質を守るために増員を」と主張してきた。国、資本はそれにつけこみ、人員削減、労働強化、民営化を進めつつ「保育の質を守る」ことを強要してくる。行き着く先は安全崩壊と過労死である。
 求められているのは「保育の質を守る」ために死ぬほど働くことではない。動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線で闘うことだ。
 第三に「待機児童解消」は新自由主義イデオロギーだ。
 「待機児童解消」とは小泉政権が「公立保育所は絶対につくらない」ことを前提に民営化を進めるためにつくり出したイデオロギーだ。「保育所に預けられず困っている人のため」なら、「クラス定数の超過(枠拡大)、職員の非正規化・パート化は仕方がない。保育労働者は我慢しろ」と、労働者が労働条件や権利、生活を守るための要求をしてはならないという攻撃なのだ。
 第四に「切れ目のないサービス」は資本の収奪システムだ。
 新システムはただの民営化ではない。民主党のいう「切れ目のないサービス」とは、妊娠してから小学校まで一貫して同じ企業の商品を買わされ続けるチャイルドビジネス、資本による収奪のパッケージ化だ。例えば、胎教には音楽CD。出産はベンツで送り迎えつきの産婦人科病院。生まれたら、おしめ、ミルク、服、ベッド。少し大きくなったら本、CD、おもちゃ。幼児期にはおけいこグッズ、三輪車、育児雑誌。小学校に入れば、かばん、学習塾――。一貫して資本の餌食にされるのだ。

 自治労本部、日共-全労連を打倒せよ

 自治労本部は今年8月末の和歌山での自治労全国保育集会で「ナショナルミニマム」―「要支援の家庭・子どもの保育」を打ち出した。民主党政権の新システム検討会議の中で自治労本部はこう主張することが自分たちの役割だと言っている。つまり新システムのもとでは「要支援(貧困層)の家庭・子どもの保育」など切り捨てられることを自治労本部は自覚し推進しているのだ。
 また、自治労本部は新システムの全体像を示さず、「幼保一体化」の幻想だけを組合員に振りまき、新システムが首切り・団結破壊攻撃であることを一切言わない。財源問題や労働者はどうなるのかなどの質問には「まだはっきりは決まっていない」とごまかす。自治労本部は労働者の首切りを推進しながら自分たち幹部だけが生き残ろうとしているのだ。
 日本共産党スターリン主義は口先では民営化反対を言うが、労働者が自らの社会的力に目覚め、団結して革命に立ち上がるとはまったく信じていない。だから労働者階級が日共の思惑をのりこえる形で民営化絶対反対の闘いに立ち上がろうとすると、それをたたきつぶすために躍起となる。
 国鉄分割・民営化の際、彼らは「国民の足を守れ」をスローガンに掲げた。「国鉄を守るためならどんな合理化でものむ」ということだ。
 公立保育所・幼稚園の民営化でもまったく同じだ。「公立を守れ」をスローガンに、それを守るためならどんな労働強化、人員削減、非正規化も丸のみする。
 彼らの「大同団結」とは民主党政権と資本には絶対に盾突かず、彼らとだって仲良くやるという「大同団結」だ。資本主義のルールを守り、処分されないように、市民の反感を買わないように、請願署名を粛々とやる。あらかじめ資本に屈したこんな方針では大恐慌下では何も取れず、行き詰まる。これでは何も展望がない。

 絶対反対貫く闘いに立とう

 新システム導入で労働者はどうなるのか。それを示しているのは、介護保険制度の中で介護労働者がたたきこまれた現実である。
 80年代末はホームヘルパーの委託率は30%台で6割が自治体の常勤ヘルパーだった。公務員ヘルパーは公社、事業団への出向、転籍を強制され、資格の有無・種類によって排除された。そして徹底的に無権利、強労働、低賃金を強いられた。
 新システムでは、従来の認可制度が指定制度に変わり、最低基準がなくされ、時間単位の利用制になる。保育所の収入(事業費)は不安定になるため全員パート労働者になることを強いられる。新システムのもとでは労働者は生きていけない。
 11・7全国労働者集会は5900人の結集で、国鉄闘争の4・9政治和解という反革命を跳ね返した。国鉄全国運動を全労働者の結集軸として確立し、新自由主義と対決する階級的労働運動の発展の展望を切り開いた。
 幼保一体化の新システムと公務員制度改革、道州制=地域主権改革は、国鉄分割・民営化を数倍・数十倍する公務員360万人首切りと非正規化、無権利化の新自由主義攻撃だ。これに国鉄全国運動を担う階級的労働運動潮流が立ちはだかっているのだ。それだけではない。日本共産党や自治労本部の支配の中で良心的に闘ってきた労働者、青年労働者が組合執行部の裏切りを目の当たりにして反旗を翻し、階級的労働運動潮流への合流を開始している。
 国鉄全国運動の推進・発展で新システム=幼保一体化絶対反対の団結をつくり出して闘おう。

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週刊『前進』(2465号4面2)(2010/11/22 )

 保育大集会で大宣伝

 新システム反対署名300筆

 全国労組交流センターは11月14日、日比谷野外音楽堂で開かれた「つくろう保育所 こわすな保育制度 すべての子どもによりよい保育を! 11・14大集会」(よりよい保育を!実行委員会主催)への参加者に「子ども・子育て新システム絶対反対、幼保一体化阻止」を訴える宣伝活動を行った。
 集会参加者は4800人で例年の2倍。初参加者が半数を占め、労働組合のない職場からも多数参加している。
 労組交流センターが訴える新システム・保育民営化反対署名に全国の保育・教育労働者、保護者、保育運動関係者が次々と応じた。午後1時開会までの2時間足らずで300筆集まった。用意した1千枚のビラはたちどころになくなった。
 幼保一体化の新システムは公立保育所・幼稚園を全廃・民営化し、そこで働く公務員30万人の首を切り、非正規化・低賃金化し、安全を崩壊させ、労働運動と団結を破壊する大攻撃だ。新システムへの怒りと危機感が現場労働者に渦巻いている。しかもすでに新システム攻撃、民営化・労組破壊攻撃は進んでいる。現場労働者は新システムがどんなに破壊的な攻撃であるかということをひしひしと感じている。
 集会での現場労働者の発言やパフォーマンスでは、すでに進められている攻撃への怒りと反対の意思が表された。全国の保育労働者の中に仲間との団結を強化し反撃したいという機運、熱意がみなぎっている。
 ここに動労千葉の闘いを先頭とする国鉄闘争全国運動、階級的労働運動路線を持ち込めば、闘う労働組合をよみがえらせ、新システム粉砕へ巨大なうねりをつくり出すことができる。その確信と展望を見いだした宣伝行動だった。
(写真 保育士たちが次々と幼保一体化の新システム絶対反対の署名【11月14日 日比谷野音前】)

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週刊『前進』(2465号4面3)(2010/11/22 )

 八尾北医療センター明け渡し裁判

 裁かれるべきは八尾市

 誇り高き陳述で市を圧倒

 11月10日、八尾北医療センターの明け渡しを求めて八尾市が提訴した裁判が、大阪地裁民事12部(高橋文清裁判長)で開かれた。八尾北医療センター職員の根こそぎ決起を先頭に、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会、地域の労働者100人以上が傍聴席にあふれた。
 「私は医療法人健進会の代表者であるだけはなく、八尾北医療センター労働組合の一員として日々、医療と介護の現場で働いている者です。その立場から今回の意見陳述を述べます」。医者であり、理事長でもある重松信子さんの確信に満ちた意見陳述が始まった。
 八尾北医療センターは1951年に西郡の人びとが部落差別に抗して苦しい生活の中から身銭を切って西郡平和診療所を立ち上げてから半世紀以上、営々と営まれてきた地域に根付いた診療所であること、10年前に八尾市当局の反対を打ち破って介護部門の開設をかちとったこと、年間延べ5万人が受診していることが明らかにされた。「医療部門で特筆すべきは送迎体制です。大事なことは、この八尾北医療センターでは医療・介護を受けられるだけでなく、人とのつながりが得られるのです。生きる上で人とのつながりがどんなに大切か」。重松さんは、ある高齢のひとり暮らしの女性に触れて、「私は医者ですから高血圧とか認知症への薬を処方していますが、ヘルパーとのつながりやデイケアでの1日の方が、認知障害をよほどくい止めています」と語った。
 さらに「かつて市からの出向職員として八尾北に在籍したこともある木下氏は“医療と契約は別”だと言い放った。ふざけるな!です」と八尾市を弾劾した。原告席に座っている八尾市の地域健康係木下係長は顔を上げることもできない。裁判長も傍聴席の「そうだ!」の声を制止することができない。
 「大企業に命と健康を売り渡す菅政権の新成長戦略のもと、大阪府の橋下知事に追随する八尾市の田中市長、保健推進課は、私たちの怒りの強さを思い知るがいい。裁かれるべきは八尾市です。正義は私たち働く者にある」。間髪を入れず「八尾北の明け渡しを許さないぞ」「医療を金もうけにさせないぞ」「私たちは勝利するぞ」のシュプレヒコールをたたきつけた。八尾北の職員が何回も討議を重ね、自分たちの思いを託してつくり上げた、労働者の誇りと怒りが貫かれた陳述だった。
 11・7労働者集会の5900人の団結と、八尾北労組を軸とした階級的団結が、八尾市と裁判所を圧倒してもぎり取った勝利だ。どの顔も勝利感に満ちて晴れ晴れとしていた。次回は2月18日だ。私たちは、団結を拡大して八尾北明け渡し裁判に必ず勝利する。
 (投稿/八尾北労組・青木麻季)
(写真 11・7労働者集会に大挙結集してデモに立った八尾北医療センター労働組合)

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週刊『前進』(2465号4面4)(2010/11/22 )

日誌'10 2010年 11月10日〜16日

 G20、APEC開催/海上保安官の逮捕見送り

●海保職員が映像流出 釣魚台(尖閣諸島)沖の中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像が流出した問題で、海上保安庁の鈴木久泰長官は衆院予算委員会で「第5管区海上保安本部の神戸海上保安部の巡視艇乗組員が『自分が流出させた』と上司に申し出たとの報告を受けた」と説明した。(10日)
●沖縄県知事選 任期満了に伴う沖縄県知事選が告示され、現職の仲井真弘多候補(自・公推薦)、新人で前宜野湾市長の伊波洋一候補(社・共・社大推薦)ら3人が立候補を届け出た。11月28日に投開票される。(11日)
●ソウルでG20サミット 韓国・ソウルで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は、世界経済の不均衡問題について、来年中に過度な不均衡かどうかを判定する指針を定めて評価を始めることを盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕した。(12日)
●日米首脳会談 菅首相は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席で来日したオバマ米大統領と横浜市内で会談した。オバマは「中国が国際的なルールの中で適切な役割を担うことが重要」と語った。オバマは来年春ごろの菅の訪米を招請し、新日米共同声明をとりまとめることで合意した。菅は、中国の胡錦濤国家主席、ロシアのメドベージェフ大統領と相次いで会談した。(13日)
●与那国防災訓練に陸自120人参加
 日本最西端の市町村の沖縄県八重山郡与那国町の防災訓練に陸上自衛隊第15旅団(那覇市)の隊員約120人が参加した。訓練は町の依頼で陸自が協力し、03年からほぼ毎年実施されている。政府が年内に改定する防衛計画の大綱(防衛大綱)に向けて、先島への自衛隊配備を具体的に検討する中で初めての実施となった。(14日)
●APECが閉幕 横浜市で開かれたAPEC首脳会議は、首脳宣言「横浜ビジョン」を採択して閉幕した。宣言は「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を「包括的な自由貿易協定として追求すべき」とし、域内の関税撤廃に向け、法的な拘束力を持つ協定ができるよう求めた。(14日)
●海上保安官の逮捕見送り 釣魚台沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、警視庁と東京地検は、「自分が流出させた」と名乗り出た神戸海上保安部の海上保安官について、国家公務員法の守秘義務違反容疑での逮捕を見送る方針を決めた。(15日)
●裁判員制度で初の死刑判決 東京・歌舞伎町のマージャン店経営者ら2人を殺害したなどとして、殺人や強盗殺人などの罪に問われた事件の裁判員裁判で、横浜地裁は求刑どおり死刑判決を言い渡した。昨年5月開始の裁判員制度での死刑判決は初めて。(16日)
●「オスプレイ利用可能」 北沢防衛相は衆院安保委員会で、沖縄県東村で新設中のヘリパッド(着陸帯)について、米海兵隊輸送機のMV22オスプレイの利用はこれまでの日米協議で想定していないとした上で「現在あるものでもオスプレイは(離着陸)可能。しかし安全性を考慮して設計変更することになる」と述べた。(16日)

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週刊『前進』(2465号5面1)(2010/11/22 )

 G20とAPEC首脳会議

 米中対峙を軸に帝国主義間・大国間争闘戦が画期的に激化

 11月11、12日にG20サミット(20カ国・地域首脳会議、金融・世界経済に関するサミット)が韓国ソウルで、13、14日にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が横浜で開かれた。これは大恐慌のもとで帝国主義間・大国間の争闘戦が激化し、会議として何一つまとまらないことを示した。世界は明白にブロック化と戦争に向かって一歩踏み出したのだ。
(写真 11月14日、APEC首脳会議の会場直近のJR桜木町駅前広場を制圧する反戦共同行動委員会のデモ隊)

 ブロック化、資源・領土・海洋利権をめぐる激突

 G20は、米帝と中国との激しい激突、対峙・対決の場となった。米帝オバマは、訪韓に先立ち、インド、インドネシアを訪問し、対中国攻勢を強めた。また、中国もインドネシアや欧州の取り込みに全力を挙げてきた。米中会談は記者会見も文書もなく、実質的な物別れとなった。
 さらに米帝は、11月3日の追加金融緩和発表に新興国やドイツから批判が噴出し、人民元切り下げを迫るために、経常収支の「不均衡是正」へ「参考指針」を提案したが先送りとなり、完全に破産する憂き目にあっている。
 また、昨今輸出を伸ばし大幅な経常黒字を抱えるドイツとの全面対決ともなっている。米韓FTA(自由貿易協定)も先送りとなった。まったく「何も決まらなかった」ということである。
 実際に大恐慌下で今起こっていることは、すさまじい為替戦争、貿易戦争であり、FTAやEPA(経済連携協定)を振りかざしたブロック化であり、資源、領土、海洋権益をめぐる争闘戦の激化なのだ。
 ドル信認が崩壊し、ドル暴落危機が迫り、世界経済の分裂化、ブロック化、帝国主義間・大国間争闘戦が激化している。
 さらに中国のインフレがいよいよ激化し、バブル崩壊が迫っている。中国の10月の消費者物価指数が前年同期比で4・4%に急上昇している。中国人民銀行は、預金準備率の引き上げによって、これに対応している。米帝の相次ぐ金融緩和がBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などへの資金流入となり、資源価格上昇を促し、激しいインフレが中国を襲っているのだ。消費者物価の内訳は食品価格が10・1%にはね上がり、工業品の卸売物価が5・0%、不動産価格も前年同月比8・6%上昇している。
 そして再び、欧州での財政危機・ユーロ危機が爆発し、アイルランドやポルトガルで国家信用が破綻に直面している。

 TPPと自由貿易地域めぐっても対立と争闘

 APEC期間中に行われたロシアや中国と菅との首脳会談は、「領土」をめぐる溝の大きさを確認する結果となった。排外主義、国家主義の扇動とともに、日中、日ロの関係は戦争的緊張をはらんだものとなっている。
 一方、オバマとの日米首脳会談はどうだったか。そもそも昨秋の鳩山・オバマ首脳会談で安保50年の今年11月に「日米同盟深化」の共同声明を発表するはずだったのが、普天間移設先をめぐる鳩山政権の「迷走」の末、「辺野古移設」の5・28日米合意に至り、沖縄全県的な拒否表明の中で行き詰まっている。
 今回の首脳会談では、菅が5・28合意の実行への決意表明を行い、オバマが「首相の決意と取り組みを評価する」と表明。その上に、来春の菅訪米と日米共同宣言発表を約束するものとなった。菅は、何がなんでも辺野古新基地建設を強行する姿勢を示すとともに、自衛隊の南西諸島配備強化など、独自の軍事大国化を狙っている。
 同時に米帝は、日帝が主導するような「東アジア共同体」を絶対に許さず、米帝主導の「環太平洋」経済ブロックを画策しているのである。
 こうした中で、APEC首脳会議は14日、貿易や投資、物流の障壁のない「共同体」として経済統合を目指すという首脳宣言「横浜ビジョン」を採択した。域内の「不均衡是正」や環境対策など5本柱の「成長戦略」なるものを策定した。
 菅は記者会見で、日本のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)協議開始をテコに、APECを経済統合へ前進させると表明し、「平成の開国」の必要性を訴えた。
 「横浜ビジョン」は、APECの将来像として三つの「共同体」の方向性を提示し、「緊密な共同体」として経済統合構想「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」を明記した。さらに「強い共同体」「安全な共同体」を目指すと、抽象的レベルで宣言した。
 FTAAP実現への道筋については、@米国やオーストラリアなど9カ国のTPP、A東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日本、中国、韓国)、BASEANプラス6(日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランド)――の三つの経済的枠組みを拡大・発展させると明記した。ASEANプラス3を重視する中国とTPPを推進して東アジアを制圧しようとする米帝との激しい争闘戦となっている。
 大恐慌下で経済的・政治的・軍事的ブロックの形成へと、米・中・日を軸に絶望的に突進するしかないということだ。
 また、そこには「最弱の環」日帝の菅政権が争闘戦の爆発に翻弄(ほんろう)されている危機的な姿が浮き彫りになっている。
 特にTPP参加で、農水省は7・9兆円ものGDP(国内総生産)が減り、食料自給率は40%から14%に下がると試算している。TPPは大企業・製造業の輸出最優先で、農業を基本的に解体し、中小規模農民を抹殺、消滅させるものだ。
 その一方でアジアから農産物を低価格で買いたたいて輸入(略奪)し、いよいよアジア侵略や勢力圏化を不可避としていく。それは同時に激しい争闘戦でもある。
 これは同時に「新成長戦略」の中身そのものであり、道州制攻撃とも一体で、労働者階級への大失業、非正規化、低賃金攻撃というすさまじい階級戦争だ。つまりTPPは、労働者階級と農民にすさまじい階級決戦を挑む攻撃なのだ。だが菅民主党政権は、TPPに手を付けたことで、逆に自らの危機をさらに促進させていかざるを得ない。
 菅政権は、三里塚闘争を破壊し、農民と日本農業を切り捨て、自動車、工作機械、家電など、基幹産業の製品を輸出することが優先だと、国家を挙げた攻撃を開始した。これに対し、11・7集会で萩原進さんは次のように訴えた。「農民と労働者にすべての犠牲を押しつける菅民主党政権とブルジョアジーを打倒しよう」。労農連帯の力でTPPを粉砕しよう。

 日韓労働者の国際連帯で反撃の闘いに立つ!

 ソウルG20と横浜APECに対して、日本と韓国の労働者階級の連帯した闘いが打ち抜かれた。動労千葉訪韓団が民主労総と連帯してソウルで闘い抜いた。
 さらに、現代自動車の非正規の労働者の闘いは、G20、APECに対する労働者階級の怒りの回答である。
 また、動労千葉を先頭とする国鉄全国運動と外注化阻止の闘いは、民営化・労組破壊・階級的労働運動圧殺の攻撃、新自由主義攻撃に対する最前線の闘いであり、大失業と戦争に対する労働者階級の進むべき道を示している。11・7労働者集会の成功と、G20、APEC粉砕闘争の高揚から、検修外注化阻止決戦に突き進もう。

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週刊『前進』(2465号5面2)(2010/11/22 )

 農業つぶしのTPP

 三里塚反対同盟が声明

 三里塚芝山連合空港反対同盟は、日本農業を壊滅させ労働者に犠牲を迫るTPPに反対する声明を発した。(編集局)
        *

〔声明〕TPP絶対反対!
労働者と農民は「国益」と闘い、戦争への道を阻止しよう


 全国で農民の怒りが爆発している。農業と関連産業への打撃7兆9千億円! 失業者340万人! 日本農業を壊滅させるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に、民主党・菅内閣は参加の意向を表明した。農民と労働者の逆鱗(げきりん)に触れて判断を先送りしたが、その方向は明白だ。
 弊害は農業ばかりではない。すべての物品関税を撤廃するTPPは、競争を加速し、労働者にさらなる犠牲を迫るのだ。
 前原外相は「GDP1・5%の第1次産業が、98・5%を犠牲にしている」と絶叫し、農林漁業者と他産業労働者との分断を煽(あお)っている。菅内閣は、公約した食料自給率との矛盾すらまともに検証せず、危機と混迷を深めながら、かつて歩んだブロック化と戦争に向かって暴走している。
 新自由主義による規制緩和と民営化は、首切りと賃下げ、非正規雇用による格差社会をうみ出した。それは農業において激しく進行し、前川レポートと食管制廃止、農基法改悪を節目に耕作放棄地を激増させた。国の農政が、農業をつぶし、農地から農民を追い出してきた。
 その結果が農地法の改悪であり、農地と農民の権利を守るはずの農地法で農地を取り上げる市東孝雄さんへの攻撃だ。
 三里塚は国策=空港建設と身体を張って闘ってきた。いま、闘う人々に「国策」「国益」との対決が問われている。「国益」を掲げて農民から農地を奪い、「国益」を掲げて労働者の首を切り、「国益」を掲げて釣魚台を略奪し、「国益」を掲げて辺野古に基地を強制する。だが「国益」は財界と資本のためであって人々のためのものではない。「絶対反対」「実力阻止」こそが、われわれのスローガンである。改憲と戦争への道を断固拒否する。
 いまこそ労働者・農民は連帯しよう。G20と闘う韓国や世界の人民と連帯し、APEC粉砕! 全人民の先頭で闘おう!
 (写真は、声明を読み上げる婦人行動隊の宮本麻子さん)

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週刊『前進』(2465号5面3)(2010/11/22 )

 三里塚 団結街道廃止処分取り消し訴訟

 「道を元に戻せ!」

 11月16日、千葉地裁民事3部で団結街道廃止処分取り消し訴訟の第1回弁論が開かれた。
 市東孝雄さんをはじめ三里塚芝山連合空港反対同盟17人が原告となり、道路廃止処分の取り消しと、道をふさぐ障害物を撤去し通行させることを成田市と空港会社(NAA)に求める訴訟だ。
 開廷後直ちに市東さんが意見表明を行った。
 「道を元に戻せ。1日に150台も車が通る道をなぜ廃止にできるのか。しかも夜中の3時にこそこそと工事をした。住民を守るべき市がNAAと一体で暴挙に手を染めた。うちから500b行けば畑にたどり着いたが、今は不自由なう回を強いられている。そこに座っている代理人たちは自分が何をやっているか自覚しろ」。市東さんの怒りは法廷を圧倒した。
 続いて葉山岳夫弁護士を先頭に反対同盟顧問弁護団が次々と請求の趣旨を述べ、封鎖・廃止の違法性を全面的に明らかにした。
 成田市が訴えの棄却を求めていることについて、顧問弁護団がその内容を被告席の代理人に問うと「原告適格を争う」と答えた。「それは全員についてか」との問いには「全員だ」と答えた。市東孝雄さんをはじめ反対同盟に「原告適格がない」とは! この暴言に傍聴者の怒りが爆発し、法廷は騒然となった。
 次回期日を来年3月1日、次々回期日を4月19日と決めて閉廷。
 その後、記者会見が開かれた。最初に北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「有事の際に成田は米軍によって軍事使用される。三里塚の闘いは日本の将来を決する」と反戦の決意を表した。
 続いて市東孝雄さんが「”やってやろうじゃないか”という気持ちがまたわいてきました。原告適格がないとは、住民無視でふざけている。闘いましょう!」と呼びかけ、拍手を浴びた。
 葉山弁護士が「空港から上がる何十億円という固定資産税を受け取る関係の中で、成田市はついに住民に襲いかかった」と述べ、続いて弁護団全員が発言、徹底追及の姿勢を示した。
 質疑応答の後、萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「団結街道は天神峰の人たち自身がつくり、日常的に管理してきた。それを廃止とは市東さんと東峰部落の者を市民と認めず、たたき出すということだ! 第3誘導路という空港の無節操な拡大を許さない」と一同の決起を促した。
 司会の鈴木謙太郎さんが「原告適格がないという向こうの言い分をじっくり聴いて粉砕してやりましょう」と呼びかけ、参加者の闘志を高めた。
(写真 「やってやろうという気持ちがまたわいてきた」と市東さんが熱い怒りと闘志を表した【11月16日 千葉】)
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 三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟
 11月26日(金)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん農地法裁判
 11月26日(金)午前11時10分 千葉地裁(同日に同じ法廷で連続して開かれます)
 ※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

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週刊『前進』(2465号5面4)(2010/11/22 )

焦点 尖閣ビデオ流出「逮捕せず」

 政治危機激化と歴史の教訓

 釣魚台(「尖閣諸島」)沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件の現場映像、いわゆる「尖閣ビデオ」がインターネット上に流出した事件で、警視庁と東京地検は15日、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで「任意で」事情聴取していた神戸海上保安部の海上保安官を「逮捕せず」の方針を決めた。最終処分は現在は未定だが、逮捕見送りの決定は、「厳しく刑事責任を追及する」としてきた菅政権にとって、あらためて大きな打撃となっている。

権力内からミニ・クーデター
 当の海上保安官は自分の行為を完全に開き直っている。情報流出に際して「sengoku38」などと官房長官・仙谷由人をからかう名前を使った上に、出頭前にテレビ局を呼んで、「自分がやった」「罪の意識はない」「現場で起きていることが闇から闇へ葬られるのを看過できなかった」「誰もやってくれないなら自分でやるしかないと思った」と、その正当性を確信犯的に主張し居直っている。
 しかも事件後、この人物を「憂国の士」「愛国者」などと祭り上げて「義挙」とたたえる都知事・石原慎太郎や元航空幕僚長・田母神俊雄などの右翼的・排外主義的な動きが強まり、さらには神戸海上保安部には電話やメールで保安官への「激励」や「逮捕するな」という声が相次いだという。
 他方でまた、この映像流出事件の陰に隠れたようになり、警視庁自身も「調査中」と言ってごまかしているが、警視庁公安部から「対テロ」秘密捜査資料が大量に流出した事件も超重大である。この秘密資料流出は、組織の中枢にいる幹部でなければできない行為であり、権力内部からの政権への「反乱」あるいは「ミニ・クーデター」の性格をはらんでいる。
 特に映像流出事件は、海上保安官の行為が国家公務員法に触れるか触れないか、「知る権利」がどうのこうのというレベルの問題では断じてない。核心問題は、海上保安庁という、大量の武器を持った自衛隊に準ずる国家の暴力装置・武装組織の中から、時の政権を無視し、「文民統制」を公然と拒否して、逆に政府を転覆するようなミニ・クーデター的事件が起きたということ自身にある。
 自衛隊でもすでに同じようなことが起きている。2月の現職自衛官幹部の「同盟とは『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」という鳩山政権批判に続き、11月3日には、航空自衛隊入間基地で行われた航空祭の式典で、多くの現職自衛隊員を前に地元の自衛隊協力団体代表が、「民主党政権は早くつぶれてほしい。皆さんも心の中ではそう思っているのではないでしょうか」とあいさつし、公然と菅政権を批判する事件も起きた。
 権力内でのこうした動きと連動してこの間、田母神や前杉並区長・山田宏らが先頭に立って、釣魚台問題で反中国の排外主義的、右翼ファシスト的な運動を扇動し組織してきているのである。

菅政権の反動的突出が元凶
 今回の「尖閣ビデオ」流出事件は、大恐慌と資本主義・帝国主義の体制的破綻、ブルジョア権力の分裂・抗争の激化のもとで、戦前の軍部による大規模な右翼クーデター事件であった「5・15事件」から「2・26事件」に至るような構造と性格を本質的にはらんでいる。戦前の場合には、「手段はともかく動機は正しい」という賛美と刑の減免運動の中で、軽微な処分で事件は済まされ、いわゆる「皇道派」と「統制派」の権力内抗争は、総力戦体制確立へと収斂(しゅうれん)された。
 今回の権力内部からのミニ・クーデター的事件も、政権の政策や方針をより右翼的ファシスト的ベクトルから批判し、現政権に打撃を与え、支配階級と権力構造全体をより一層反動的に国家主義・排外主義と改憲・戦争の方向へと扇動し加速するという役割を果たすものと言える。これと闘って帝国主義とファシストの攻撃を完膚なきまでに粉砕し、勝利することができる唯一の力こそ、階級的労働運動であり、労働者階級と労働組合の団結と決起である。
 だがそもそも今回の事態は、菅民主党政権が釣魚台軍事侵略へと自民党以上に反動的に突出したことが発端であり、しかも中国の「予想外」の強硬姿勢の前に漁船長を不起訴処分とし、その歴史的侵略的な踏み切りが中途半端に終わり「挫折」したことを契機に引き起こされたのだ。だから事件の発端と元凶は菅民主党政権そのものなのである。

労働者の力が情勢を決定する
 今回のビデオ流出事件と当該の海上保安官の不逮捕の決定は、菅民主党政権のブルジョア的な意味でも実に稚拙で、脆弱(ぜいじゃく)極まりない正体をさらけ出した。しかし、だからこそ菅政権は追い詰められながらも政権の座にしがみつき、資本家階級の最先兵として、「内への階級戦争と外への侵略戦争」の攻撃をいよいよ激化させて生き延びようとする。
 今回の事件に対して、日本共産党は「知る権利」を振りかざし、「ビデオはもともと公開すべきもの。問題の焦点は流出ではない」と、当該の海上保安官を擁護し、菅政権を「右」から批判している。カクマルはデモで「中国による尖閣諸島領有策動弾劾!」を叫び、排外主義を扇動している。
 今こそ階級的労働運動の発展、労働者階級と労働組合の団結と決起が決定的だ。国鉄全国運動を発展させ、労働者階級の鋼鉄の力でもって右翼・ファシスト勢力の跳梁(ちょうりょう)を許さず、日帝・菅政権打倒へ闘おう。

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週刊『前進』(2465号5面5)(2010/11/22 )

 鈴木さん一坪裁判 謙太郎さん夫妻継承は当然

 仲戸川の妨害を許すな

 11月18日、千葉地裁民事5部で鈴木さん一坪共有地裁判が開かれた。鈴木幸司さん、いとさん夫妻が共有する駒井野の一坪共有地について、千葉県がこれを「成田国際物流事業の複合基地にする」から明け渡せ、と要求している訴訟だ。
 前回の弁論で、鈴木幸司さんが亡くなったことで息子の謙太郎さんとその妻加代子さんが持ち分を継承し、訴訟の受継を申し立てたことについて、仲戸川隆人裁判長は原告の千葉県をけしかけてクレームを付けさせることに腐心した。どこまでも許しがたい反対運動への妨害だ。
 謙太郎さん、加代子さん夫妻が引き継ぐことに何の問題もない。「三里塚地区周辺に土地をもつ会」(一坪共有運動の組合)の会則で「会員の死亡時は共有地の持ち分は空港反対の意思を持つ者を指定して取得させる」と明記されている(79年10月21日改訂)。
 法廷では顧問弁護団が、大恐慌情勢のもとで「物流基地」計画は頓挫し、成田は没落の一途をたどり、一坪共有地の強奪には一片の「公共性」もないことをあらためて突き出した。仲戸川裁判長はこれに圧倒されながら、「双方の受継についての意見を出してもらって裁判所が判断する」とまたしても反動的たくらみをあらわにした。次回期日は来年3月10日。
 閉廷後の会合では弁護団の解説に続き、謙太郎さんと母いとさんが裁判勝利の決意を表した。
 危機に立つ成田を今こそ廃港へ追い込もう! 
(写真 笑顔で決意を述べる鈴木いとさんと謙太郎さん親子【11月18日 千葉】)

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週刊『前進』(2465号6面1)(2010/11/22 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 これが革命情勢か!舞い降りた天使たち S・T

 11月7日直前の最後の一日のことです。「さあ、今日は夜までやるぞ、最後まであきらめないぞ!」と決意を固めた私たち3人は、とある駅頭で街宣を開始しました。
 すると間もなくして20歳くらいの女性が2人、さーっと寄ってきて署名をしてくれたのです。メッセージに「がんばってください、ぜひ」と書いてあります。
 「失業中で仕事を探しているけど、なかなかないのです」「失業者を生み出すような社会は変えましょう。それは誰かがやってくれるのではなく、あなたたち若い青年労働者がやることではないでしょうか?」「確かにそうですね」「あすの11・7集会にはそういう人たちが大勢集まるのです。一緒に行きませんか?」
 するとその一人が「行きます」と確約し、ドック点も決まりました。
 夕方になり、先ほどのAさんがもう一人のBさんを連れてやって来ました。「この人も行きます」「自分たちにもビラまきをやらせてほしい」と言うのです。そのうちハンドマイクを持ち、「皆さん、失業者を生み出す、こんな腐った社会をぶっ壊しましょう!」と大声で演説を始めたのです。これこそ革命情勢か! 私はキリスト者ではないのですが、まるで2人の天使が舞い降りてきたかのような感動を覚えました。
 7日のデモでは「解雇撤回・団結勝利」のかけ声を元気よくやり抜き、「とても楽しかった」というのが彼女たちの感想です。そうです。革命運動は楽しくなくてはなりません。労働者の自己解放の闘いなのですから。
 帰りのバスの中で、「今日の圧倒的な勝利を踏まえて、14日のAPEC粉砕の闘いに決起しよう」と訴えがあったのですが、真っ先に手を上げたのは彼女たちでした。「一緒に行きましょう」と誘われて、困った人もいたのではないでしょうか?
 14日当日も「戦争と大失業の横浜APEC粉砕!」と腹の底から叫びながら、国家権力の超厳戒態勢を打ち破り、最後までデモをやり抜きました。感想はやはり、「とても楽しく、充実した日でした。また、声をかけてください」ということでした。

 公的労働を金もうけの道具にするな! 仙台市 自治体労働者

 国鉄分割・民営化から始まった資本主義国家の労働者への攻撃は、これまで専売公社・電電公社・社保庁などさまざまな公的労働を金もうけのための労働におきかえ、責任を労働者に転嫁して低賃金で労働者を酷使してきました。
 本来、人間の労働とは金もうけのためにあるのではありません。生きるため、そのことのみのためにあるのだと思います。福祉・教育・社会保障・環境保護など、いまわれわれが直面している問題は、まさに生きるために必要な「価値ある労働」そのものです。その労働がどんどん資本家のもうけの道具にされることは許せません。
 約1千兆円の国の借金は、公務員労働者を一斉解雇してなくなるわけではありません。問題はもっと別のところにあります。仙台市では、〆木保育所に民営化の「白羽の矢」が立ちました。これも低賃金労働、福祉を金もうけの道具にすることを助長するものにほかなりません。だからこそ、資本・資本家の利益を優先する仙台市当局に”NO!”を突きつけなくてはなりません。
 人間は支え合って生きています。資本主義は「一山当てられる」刺激的な仕組みと感じるかもしれません。しかし「自分さえよければそれでいい」という考えを人びとに植え付けるものです。労働者中心の社会になれば、”One For All,All For One”です。皆さん、どちらを選びますか?
 私は多くの仲間とともに人びとの意見に耳を傾け、労働者としての生き方、指針をつかんでいきたいと思います。

 パナソニック茨木工場でスト打ち抜く パナソニック連帯労組 S

 私は10月28日にパナソニック茨木工場を解雇されました。非常に腹立たしくて、切ないです。
 前日に、私が所属するパナソニック連帯労働組合は請負会社であるパスコと団体交渉をしました。そのとき、私の仲間の何人かが「お前らパナソニックおよびパスコは、解雇された労働者全員に土下座して謝れ!」と言い、私は「これ以上、自殺者や犯罪者を出すな! そんな人を出して何が面白いんだ! そんな人を出すお前らこそ、最低最悪の愉快犯だ!」と言いました。
 そしたら、パスコの統轄本部長の中瀬は「『お前ら』という呼び方は、パスコに対して失礼ではないのか?」と言い返してきました。それから、中瀬およびパスコの管理者の面々に対して「クビを切った思いを述べろ」と問うたところ、何ひとつ言うことができず、最後はすごすごと退散しました。これがずる賢くて卑怯な資本家の実態なのです。
 私は、この25年の人生のなかで、そんなやからに何度となく出会ってきました。警察や裁判所はわれわれ労働者の味方をせず、ずる賢い資本家ばかりに肩入れします。
 パナソニック連帯労働組合は組合をないがしろにする請負会社パスコとパナソニックに対して、10月28日午後1時より半日ストライキをやりました。パナソニックと請負会社パスコはあわてふためき、ストライキと門前集会に労働者を合流させまいと必死になりました。私が働いていた職場の生産を1時間早く止めて、労働者を裏門から退勤させたのです。
 ストライキはパナソニック資本をゆさぶりました。労働組合が固く団結して闘えば、すごい闘いができると実感しました。

 国鉄全国運動水路に「幼保一体化」粉砕を 東京西部 T・M

 菅民主党政権が公務員360万人首切りの突破口と位置付ける「子ども・子育て新システム」に労働者の怒りが爆発しています。
 保育園民営化絶対反対の駅頭宣伝に、夕方の慌ただしい中を次々と保育労働者、保護者が足を止めて署名していきます。
 「幼稚園を定年後、保育園でパートで働いています。幼稚園と保育園を一緒にすることは反対です」「保育予算が一般財源化され、若い人は賃金が低いまま」「保育労働者の非正規化が拡大するのは反対です」と、当該の労働者の怒りに触れることができました。
 保護者は「練馬区では保育園が民営化される際、保護者が少しでも良い引き受け先を探しましたが、保育士は若くなり育児相談はできなくなりました」と、人件費削減のためベテランを一掃し若年労働者に置き換える実態を伝えてくれました。
 11月14日の日比谷野外音楽堂での保育集会でも短時間で千枚のビラが受け取られ、300筆近い署名が寄せられました(写真)。「保育労働者の非正規化反対」の呼びかけに、多くの参加者が「反対するために今日きているのよ」と、元気よく応えて署名していきます。民間保育園の労働者が多く、「悪名高い東京の認証保育園で働いています。新システムは公立保育園をなくすということです」と怒りを爆発させた労働者。保育園まるごと参加していると応えた園長さんもいました。
 茨城の民間保育園で働いている20代の労働者のグループは正規職にもかかわらず手取り月13万円の低賃金。「新システムになると非正規にされ一生低賃金、死亡事故も多発し保育士の責任にされる」と話すと、驚きと怒りをあらわにしました。
 川崎市の公立保育園の労働者に非正規職拡大の現状を尋ねると「保育園丸ごとの委託が進んでいて明日はわが身です」と危機感を打ち明けていきました。
 保育現場には民営化・非正規化への怒りが渦巻いています。保育の商品化、労働者の非正規化を阻止することは労働組合の絶対反対の闘いにかかっています。

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週刊『前進』(2465号6面2)(2010/11/22 )

 11・27星野全国集会へ

 階級的団結が奪還の力

 第2次再審闘争の勝利を

(写真 11・7労働者集会後、銀座をデモする全国の星野救援会)

 71年沖縄闘争で獄中36年

 1971年11月14日、青年労働者・学生は、米軍基地の強化・固定化のための沖縄返還協定批准を阻止するために総決起して闘いました。集会・デモ禁止の首都厳戒態勢をぶち破った渋谷でのデモのリーダーとして最先頭で闘い抜いた星野文昭同志は、それゆえにまったく無実でありながら「殺人罪」で無期懲役判決を受け、現在獄中闘争36年目を迎えています。獄中にあって沖縄米軍基地の撤去とプロレタリア革命を訴え続け、非転向を貫く星野同志を一日も早く取り戻そう。
 11月27日(土)、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議は「星野さんと共に再審勝利へ11・27全国集会」を開催します。「国鉄闘争の火を消すな」と闘った11・7全国労働者総決起集会の画期的な勝利、G20粉砕−APEC粉砕闘争を引き継ぎ、11・27星野同志奪還全国集会の圧倒的な成功をかちとろう。総力結集を訴えます。
 星野同志を取り戻す闘いは、現在、国家権力との本格的な攻防に入っています。この情勢を規定している第一は、星野同志の36年間に及ぶ不屈の闘いです。星野同志は自らの解放を労働者階級の解放の中に位置づけ、大恐慌のもとで吹き荒れる大失業と戦争の攻撃をプロレタリア革命に転化する闘いそのものとして、獄中非転向の闘いを貫いています。
 全国で資本と絶対非和解に職場闘争を闘う青年労働者は、星野同志の闘いに触れるや直ちに「星野さんを取り戻そう! 星野さんのように闘おう!」と声を上げています。資本主義の崩壊的危機と世界革命情勢の進展の中で、星野同志の存在と闘いは、日帝・国家権力にすさまじい恐怖を与えています。

 階級的労働運動発展させ

 第二は、星野奪還闘争の大前進です。「労働者階級の団結で星野さんを取り戻す」という大方針を確立し、星野奪還闘争の中に階級的労働運動路線を貫くことで、星野奪還闘争は労働者階級のものになりました。労働者階級は星野同志の奪還を自己の闘いとしてとらえ、階級的労働運動の闘争課題にしっかりと据えました。
 星野奪還闘争の発展が階級的労働運動の豊かな基礎を築き、相互の全面的な発展を切り開く過程が開始されたのです。
 もう一方で、再審闘争の画然たる前進をかちとってきたことです。昨年11月の第2次再審請求書提出以降、東京高裁・高検を間断なく攻め続けています。
 8月には検察の隠し持つ証拠を一部開示させ、9月には、星野同志に無期懲役判決を下した唯一の証拠である「供述調書」がデッチあげられたものであることを明らかにする「心理学鑑定書(その1)」と「補充書(1)」を提出しました。さらに今、開示させた証拠を基に新証拠を準備しているところです。
 今日司法権力は、日帝支配階級内部の分裂と抗争の中で、自らの腐敗と破綻をあらわにし、ガタガタの状態です。星野同志への警察・検察によるデッチあげを暴く再審闘争の不屈の前進は、間違いなく国家権力を痛撃しています。
 さらにこの間の星野同志との94人の友人面会の実現が実質的に無期懲役の獄壁をぶち破り、逆に徳島刑務所を革命の拠点に転化するものとして、国家権力に巨大な打撃を与えてきました。

 星野同志への獄中弾圧弾劾

 第三は、世界大恐慌を引き起こし、歴史的生命力を完全に喪失した資本主義が、自らの延命のために一切の矛盾を労働者階級人民に転嫁し、戦争・改憲への道に突進していることです。そしてそのために、労働者階級の反撃を封殺する必要性から、日帝・国家権力が労働者階級の労働組合的団結と階級的なものの一切を根絶する攻撃に踏み切ってきたことです。
 本年3月以降、徳島刑務所は星野同志に連続「懲罰」を加え、友人面会を不許可にし続け、ついには連れ合いの暁子さんの面会まで拒みました。さらには、弁護人の接見を一般面会とみなし、時間を制限し、刑務官の立ち会いを付けようと策動しています。これは弁護人との秘密交通権を奪い、再審闘争の破壊を狙う攻撃です。
 一切の自由を奪って36年、その上さらに「処遇」を劣悪化させ、「受刑者」の生き闘う権利まで奪い、非人間的状態を強制する帝国主義権力を断じて許すことができません。むき出しの暴力をもってしか自己を維持できないまでに帝国主義は危機を深めています。
 革命情勢は日々深化しています。今こそ労働者階級の団結を打ち固め、帝国主義打倒の闘いに決起しよう。その前進の中でこそ星野同志の奪還は可能になるのです。
 階級的労働運動の前進と、星野同志奪還闘争の全国運動としての広大な拡大の中に星野同志奪還の道があります。星野同志への獄中弾圧を打ち砕く道もこの中にあります。
 11・27星野全国集会に総力で結集しよう。職場で、地域で、学園で、星野同志の無実と非転向の闘いを訴え、全国集会に組織しよう。

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星野さんと共に再審勝利へ

 11・27全国集会

 −−運動を広げ獄中弾圧を打ち破ろう

 11月27日(土)午後6時開場/6時30分開会
 新宿区牛込箪笥(たんす)区民ホール(都営大江戸線・牛込神楽坂駅上)
 主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2465号6面3)(2010/11/22 )

 法大5・28暴行デッチあげ裁判

 当局の暴力と腐敗

 恩田君、新井君が克明に証言

 11月15日、法大5・28暴行デッチあげ裁判控訴審(小倉正三裁判長)の第4回公判が東京高裁第9刑事部で行われた。弁護側立証が開始され、恩田亮君への証人尋問と新井拓君への被告人質問が行われた。
 05年の法政大学入学以来、法大当局による言論弾圧と学生自治破壊を目の当たりにし、怒りの声を上げてきた恩田君は、一審無罪判決に敵対する検察と東京高裁の予断を打ち砕く証言を行った。
 まず06年の3・14弾圧について「『言論弾圧』というものに本当に遭遇するとは思っていなかった。29名の逮捕者にはサークルの先輩も含まれびっくりした」と述べ、その後、闘う学生を排除するために導入された東京警備保障の警備員について「一言で言って粗暴そのものだった」。本件で被害者として登場している警備員の星に「自分は手をかまれたし、車道に突き飛ばされた学生もいる」。同じく警備員の正木は「学生の腹に蹴りを入れたり、眼鏡を奪うのを得意としていた」と、腐敗した法大当局の姿を克明に暴いた。
 さらに「07年には新井さんと友部さんが逮捕された。形になる抗議をしようと、法大当局を批判するサークル機関誌を発行したが、すぐに呼び出され、十数人の当局者に取り囲まれて謝罪文を要求された」
 「そして、学友会廃止が打ち出され、これに反対する文化連盟の学生にはさまざまな嫌がらせが行われた。08年4月に導入された暴力警備員のジャージ部隊は、文連の会議に現れ、ビデオカメラを片手に『殺すぞ』と参加者を威圧した」
 「5月28日に新井さんと中島さんは逮捕されたが、2人は無実だ。暴行しているのは法大当局と警察だ。一審無罪判決に対する検察の控訴自体が腹立たしい。裁判所ともども恥を知れ!」と怒りをもって断罪した。
 続いて新井君が被告人質問に立ち、法大当局による警備体制の全容を暴いた。「07年の11月ころ警備員の数が倍増された。学友会廃止に反対する学生の声を圧殺し、11月全国労働者総決起集会の呼びかけを阻止するためだった」「文化連盟と第2文化連盟は08年3月に存続を決定し、学友会廃止攻撃と闘う方針を確立した。これに対し、4月にはジャージ部隊が導入され、教職員と一体となって学内を巡回した。各門に張り付いた警備員が学生の入構を実力阻止し、中に入った学生はジャージ部隊に首を絞められたり蹴られたりして暴力的に排除された」
 法大当局と国家権力が学生自治の壊滅を狙って政治的暴力に及んだことは明白だ。「しかし、これはことの半面でしかない。法大生が立ち上がり、暴力支配を覆してきたのが法大闘争の歴史だ。どんな暴力も百パーセント跳ね返し、キャンパスを取り戻す力が学生にはある。暴力支配は崩壊している。それを示したのが一審無罪判決だ。この力を駆使して完全無罪をかちとる」と宣言。
 次回は、増井真琴君の証人尋問と中島宏明君の被告人質問。法大闘争の正義性をとことん明らかにし、控訴審の勝利をもぎとろう!
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 法大裁判に集まろう!
 ★暴処法裁判
  第20回公判 11月25日(木)午後1時30分
 ★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
  第5回公判 12月1日(水)午後1時30分
 いずれも東京地裁429号法廷
 12時30分に傍聴券配布所に集合

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週刊『前進』(2465号6面4)(2010/11/22 )

 古田白同志を追悼する

 部落解放戦線で人生かけ 労働者党建設のため奮闘

 革共同茨城県委員会

 革共同茨城県委員会に所属して闘い抜いてきた古田白(あきら)同志が10月17日午後10時38分、1年間にわたるすさまじい闘病の末、息を引き取った。61年の生涯だった。昨年9月に食道がんのため入院、放射線と化学療法での治療・闘病生活に入った。
 彼は、最後まで強靱(きょうじん)な精神力を発揮し、階級闘争の戦場への復帰を目指して、全力で闘い抜いた。彼を知る誰もが言うように、裏も表もなく、一途に、真っすぐに、労働者階級・人民とともに闘い抜いてきた同志であった。古田同志を失った悲しみは限りなく深い。残念至極である。
 10月20日、古田同志の逝去を悼み、水戸市内の斎場でお別れ会が催された。ご家族、同志、友人が参列した。
 革共同からは、木崎冴子同志が参列、追悼の言葉を「古田同志は70年闘争の巨大な地平が直面した大反動の時代に革共同に結集したかけがえのない同志です。いかに厳しい試練の中でも彼の信念は揺らぐことがなかった。革共同の魂である『個に死して類に生きる』思想は、『万国の労働者団結せよ』に通じるものとして、古田同志の生きざまを宝として受け継いでいきたい。大恐慌と戦争の時代、一刻も早く世界革命を実現することを古田同志に誓います」と述べた。
 さらに、大学時代の友人、長谷川英憲元都議会議員、革共同東京西部地区委員会の同志、地元で部落解放闘争をともに闘ってきた人びと、そして、動労水戸の辻川慎一副委員長がお別れの言葉を述べた。最後に、遺族から弟さんとお連れ合いがあいさつし、お別れ会を終了した。
 古田同志は1949年に佐賀県有田町に生まれた。地元の有田工業高校を卒業後、単身上京し、働きながら工学院大学二部に入学した。大学で学費闘争に参加、 71年沖縄闘争に中核派の隊列で参加した。74年に卒業、愛知県内の企業に就職したが、階級闘争の最前線に身を置く決意を打ち固め、75年に再び上京した。革共同東京西部地区委員会に結集、選挙闘争、共同購入運動の事務局などで活動した。以後、終生を革共同として革命家人生を貫いた。
 92年9月、解同本部派から決別して全国連を結成した茨城県連合会の闘いを支援するために現地闘争本部員として赴任した。以来18年間を、部落大衆と向き合い、部落解放戦線に派遣された共産主義者として最先頭で闘い抜いた。2006年の党の革命にあたっては、部落解放戦線を私物化していた与田一派の分断攻撃と激しく闘った。07年7月テーゼの発出に「これを待っていた」と感動、全力で学習会を組織し、労働者党建設のために奮闘したかけがえのない同志であった。
 古田同志は、7月テーゼ第6章の「差別・抑圧と闘う戦線における共産主義者の任務は、党と革命運動の内部において各戦線の利益代表者のようにふるまうことでは断じてない。各戦線の現場で闘っている人びとの中にプロレタリアートの陣営から入っていって、プロレタリア革命の中にこそ真の解放の道があることを真剣に訴え、労働者階級とともに闘おうと呼びかけることだ。そしてプロレタリア革命との結合・一体化をかちとり革命を勝利させていくという立場から、被差別・被抑圧人民の自己解放闘争それ自身の真に豊かな革命的戦闘的な発展を、ともに全力をあげて闘いとっていくことにある」の部分を何度も強調して確認していた。そこには、「このために闘ってきたんだ」という魂の叫びがあった。そして血のにじむような実践に邁進(まいしん)していった。
 92年現闘赴任以来の古田同志の闘いはまさに困難を極めた。困難の主要な原因は革共同の血債主義・糾弾主義との闘いの不十分性にあった。
 血債主義・糾弾主義の最大の誤りは、労働者階級の本質的な革命性を否定して、逆に労働者階級への不信と絶望を組織し、階級的団結の破壊しかもたらさないことにある。それは結局、プロレタリア革命運動に敵対してそれを解体するところに行き着く以外にないのである。
 革共同は、中野洋動労千葉前委員長を始めとする労働者同志が先頭に立って、06年の「党の革命」に至る激しい党内闘争を貫いてきた。今日の階級的労働運動路線はそうした不屈の闘いを通して闘いとられた。それは、諸戦線で闘う同志の大変な苦闘と一体のものであった。単一の党を建設する闘いは、与田一派の妨害で大変な試練を課せられ、それをのりこえる闘いとなった。
 古田同志が貫いた生涯の軌跡は、彼が共産主義者であるとともに、労働者階級そのものであることを示している。だから「党の革命」に際して直ちに階級的立場に立つことができた。
 古田同志の闘いは、まさにこれからであった。古田同志が実現しきれなかったことを、革共同は必ず実現する。それは、西郡、杉並を先端として本格的に開始されている。真に部落解放を実現していくためにも、「綱領草案」を生きた武器にして労働者党建設へと邁進する。
 11・7全国労働者集会の勝利を打ち固め、2011年決戦を国鉄闘争全国運動を先頭に闘い抜き、世界大恐慌をプロレタリア革命に転化することを古田同志に誓う。

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