ZENSHIN 2010/11/15(No2464 p06)

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第2464号の目次

(写真 超戒厳態勢を突き破って横浜の繁華街に登場した反戦共同の大デモ行進に、沿道の労働者・市民が熱い視線と声援【11月14日】)

1面の画像
(1面)
戦争・大失業と農業破壊に怒り  “APEC粉砕”横浜都心にとどろく
「11月」の大勝利から2011年決戦へ  ソウルG20粉砕闘争と連帯
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今週号の特別企画 記事を読む  
日程 11・24「5・27臨大弾圧」裁判、12・2鉄道運輸機構訴訟 記事を読む  
おことわり 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
万国の労働者は団結し 戦争と大失業・非正規化攻撃と闘おう 11・7全国労働者集会
国鉄全国運動を職場・地域に
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(3面)
万国の労働者は団結し 戦争と大失業・非正規化攻撃と闘おう 11・7全国労働者集会
“労働者の国際連帯万歳”
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国際連帯集会 国境越え熱い団結  “新自由主義と闘い前進を”(11月6日) 記事を読む  
(4面)
沖縄県知事選と労働者階級の立場
国鉄決戦−全国運動を発展させ基地撤去、安保粉砕・日帝打倒へ  革共同沖縄県委員会 
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三里塚現闘本部裁判控訴審
審理打ち切りを粉砕  デモ行進で東京高裁を包囲(11月5日)
記事を読む  
民主労総 反対同盟と熱い交流  三里塚の実力闘争に感動(11月4日) 記事を読む  
日誌 2010年 11月2日〜9日
米中間選挙でオバマ民主党大敗/「尖閣」ビデオが流出
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(5面)
JR全面外注化阻止決戦へ
動労千葉スト体制と連帯し大失業=非正規化に反撃を
「11・7」の地平から菅政権打倒へ
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デッチあげ逮捕と一斉不当捜索弾劾(11月4、6日) 記事を読む  
〈焦点〉 米中間選挙でオバマ大敗北  危機の対外転嫁が不可避に 記事を読む  
「尖閣ビデオ」と「対テロ情報」の流出  権力の分裂とミニクーデター 記事を読む  
(6面)
G20粉砕へ日韓共同闘争 11・11ソウル
非正規撤廃へ闘い爆発
国鉄決戦に熱い注目 勝利の道示す動労千葉(本紙・室田順子)
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チョンテイル精神継承を
11・7民主労総大会に4万人  “労働者は一つになろう”
記事を読む  

週刊『前進』(2464号1面1)(2010/11/15 )

 戦争・大失業と農業破壊に怒り

 “APEC粉砕”横浜都心にとどろく

 「11月」の大勝利から2011年決戦へ

 ソウルG20粉砕闘争と連帯

(写真 超戒厳態勢を突き破って横浜の繁華街に登場した反戦共同の大デモ行進に、沿道の労働者・市民が熱い視線と声援【11月14日】)

 11・7全国労働者集会の圧倒的高揚を引き継ぎ、13〜14日の横浜APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に対して、警察官2万1千人を動員した超厳戒態勢を打ち破り、横浜現地で怒りの抗議集会とデモが打ち抜かれた。オバマと菅など米・日・中・ロシアの首脳が一堂に会したが、会議の結果は何ひとつ実効性ある国際協調策など決められず、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などをめぐり、帝国主義間・大国間の利害の対立、争闘戦の激化を浮き彫りにするものでしかなかった。世界大恐慌は一層深まり、米日中ロなど帝国主義国・大国は大失業攻撃と戦争に突き進もうとしている。これに対し世界の労働者階級の闘いは、ますます爆発する。国鉄闘争全国運動と労働者国際連帯闘争を階級的武器として、プロレタリア世界革命に突き進もう。「11月」の歴史的勝利の地平から、動労千葉のストライキ体制と連帯し、JR東日本の検修・構内業務全面外注化阻止決戦に絶対勝利しよう。2011年決戦に突き進もう。

 840人が集会とデモ

 11・13〜14横浜APEC粉砕全国闘争(主催・反戦共同行動委員会)に、11月労働者集会の大勝利とG20粉砕の訪韓闘争をかちとった11月集会派の労働者、学生、農民が連続闘争に決起した。米大統領オバマや菅首相を始めとする首脳たちが集まったみなとみらい地区に肉薄する横浜市中心部で、2日間にわたる断固たる集会とデモをたたきつけた。
 14日の全国闘争には840人が参加し、蒔田(まいた)公園で決起集会が行われた。基調報告を行った北島邦彦杉並区議は、APEC首脳会議がアジアと世界の労働者に大失業と戦争を強制する強盗会議であることを暴き、「もう資本主義は成り立たない。革命的情勢が急速に成熟している。釣魚台(尖閣諸島)事件での労働者の分断を許さず、階級的労働運動と反戦闘争で戦争の武器を自国政府に向けよう。これが戦争のない世界をつくる道だ」と訴えた。
 動労千葉の田中康宏委員長が特別報告を行い、「24年間闘い続けた国鉄闘争に対する4・9政治和解は、労働運動全体の火を消す大反動だったが、われわれは困難と闘い、敵の反動に負けなかった」と5900人を集めた11・7労働者集会の成功を強調。そして「国鉄全国運動を全国津々浦々で組織することが勝利の道だ」と今後の闘いの方向を明確にした。さらに「新自由主義のもとであらゆる勢力が屈服した外注化攻撃に勝てることを示したい。動労千葉はストで闘う準備を指令した」との不退転の決意を語った。
 さらに三里塚芝山連合空港反対同盟の宮本麻子さんが、「農業を壊滅させるTPPに絶対反対です。市東さんの農地を守り、労働者と農民は”国益”と闘って戦争の道を阻止しよう」との反対同盟声明を読み上げた。
 全国の闘う仲間が次々に発言した。関西の2人の自治体労働者が発言しG20粉砕の訪韓闘争について「ソウル駅前で1万人が座り込んだ」と報告。また大阪市の1万人削減攻撃に対し「闘う青年部をつくり、関生支部に続く労働組合を関西でつくり出す」とアピールした。同じく訪韓闘争に参加した国労闘争団の羽廣憲さんは「APEC粉砕とは資本主義を本気で打ち倒す闘いだ。労働者の怒りをひとつにする国鉄全国運動を」と訴えた。
 次いで広島反戦共同行動委員会、星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議、沖縄と本土を結ぶ労組連絡会、婦人民主クラブ全国協議会の丹治孝子代表らが発言。丹治さんは「横浜大空襲で私の40人の同級生が行方不明のままだ。日帝打倒以外に反戦の気持ちは終わらない」と訴えた。
 11・7労働者集会で来日したドイツ「左翼新聞」の仲間は「資本家にとって良いことは労働者に悪いこと」とAPECを弾劾し、「日本の労働運動からダンケツを学んだ」とアピールした。
 集会の最後に、法政大学の斎藤郁真君と、地元神奈川労組交流センターから三浦半島教労部会、自治労横浜の仲間が決意表明。「暴処法攻撃を打ち破り、法大から1年生が今日の闘いに2人参加している」(法大)、「APEC反対の闘い、釣魚台問題での右翼の跋扈(ばっこ)などに対し、労働組合こそ声を上げる時だ」(三浦)。自治労横浜の労働者は「動労千葉を支援する会の拡大こそ労働組合をよみがえらせる闘いの鍵だ」と締めくくった。
 反戦共同行動委の三角忠代表の行動提起を受け、参加者全員がAPEC会場に向けて都心デモに出発した。機動隊の大群による弾圧態勢の中、赤旗林立のデモは沿道の熱い注目を集めた。握手を求める労働者、ビルの窓から手を振る人びと、権力の妨害を打ち破って飛び入りでデモに加わる青年たちも現れた。強盗首脳会議のための権力の戒厳体制に横浜の労働者・市民の怒りは大きく高まっていたのだ。
(写真 横浜の労働者・市民の怒りと合流したデモが桜木町に到着、駅前広場を解放区に変えた【11月14日】)

 APEC会場へと肉薄

 前日の13日には、首都圏の労働者・学生を中心に420人がAPEC会場に迫る集会(関内・大通り公園)とデモを闘い取った。三里塚反対同盟の伊藤信晴さんが駆けつけ「反対同盟は菅政権のTPP参加粉砕へ闘う」との決意を述べた。
 訪韓闘争から帰った全学連の織田陽介委員長は基調提起で、「大失業時代に領土問題で戦争の危機が迫っている。戦争の道か国際連帯と体制変革の道か。すべての労働者学生に歴史選択が問われている。11月集会派が責任勢力として登場する時だ。APECと日米首脳会談粉砕のデモで横浜を解放しよう」と訴えた。
 さらに動労千葉特別執行委員の滝口誠さんは「5900人結集の11月集会の勝利を受けて、炎となって菅政権を打倒しよう。研修外注化に動労千葉はストを構えて闘う」との決意を述べた。婦人民主クラブ全国協、法大の1年生、全学連委員長代行の坂野陽平君らが決意表明し、全員が戦闘的なデモを貫徹した。
 また2日間にわたってJR桜木町駅と関内駅で街宣行動も貫徹され、警察の包囲をはねのけて闘いに賛同する200人近くの署名が集まった。
(写真 ランドマークタワーの向こうのAPEC会議場に届けと怒りのシュプレヒコール【13日】)

(写真 集会の半ばで「APEC粉砕!」のコールを全員で唱和【11月14日 蒔田公園】)

 国際連帯と労農同盟で

 2日間の闘いは、11・7労働者集会から11・11ソウルG20粉砕の訪韓闘争を受けて、11月集会派の労働者・学生・農民による国際連帯の一大闘争として打ち抜かれた。
 既成のあらゆる政治勢力が排外主義と国家主義に屈服する中で、11月集会派と国鉄全国運動の勝利性が怒りを蓄積させた多くの青年労働者に衝撃を与え、国際連帯を通して世界の労働者に伝わっている。産別を超えた全労働者の階級的決起を実現する国鉄決戦が真価を発揮する情勢が、完全に到来しているのだ。
 4・9反革命を根底から覆す外注化阻止決戦と国鉄全国運動の一大飛躍へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2464号1面2)(2010/11/15 )

 今週号の特別企画

 11・7全国労働者集会の発言 2〜3面
 ソウルG20粉砕―訪韓闘争報道 6面

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週刊『前進』(2464号1面3)(2010/11/15 )

 日程 11・24「5・27臨大弾圧」裁判、12・2鉄道運輸機構訴訟

 11・24「国労5・27臨大闘争弾圧」裁判 控訴審第1回公判
 11月24日(水) 午後1時傍聴券交付 東京高裁102号法廷
 国労5・27弾圧粉砕! 控訴審報告集会 午後6時開場 文京区民センター2階大ホール

 12・2鉄道運輸機構訴訟
 控訴審再開第2回裁判
 12月2日(木) 午前11時傍聴券交付 東京高裁101号法廷
 JR東日本本社抗議行動 午後1時半〜 新宿駅南口 JR東日本本社前
 鉄道運輸機構訴訟控訴審報告集会 午後6時開場 文京区民センター2階大ホール
主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

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週刊『前進』(2464号1面4)(2010/11/15 )

 おことわり

 ソウルのG20粉砕闘争、横浜APEC粉砕闘争の報道のため、特別号として発行を遅らせました。

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週刊『前進』(2464号1面5)(2010/11/15 )

前進速報版から 前進速報版から

▼11・7全国労働者総決起集会の動画▼ドンヒオート社内下請け労働者も復職へ▼超厳戒態勢を打ち破って横浜でAPEC反対の街宣

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週刊『前進』(2464号2面1)(2010/11/15 )

 万国の労働者は団結し 戦争と大失業・非正規化攻撃と闘おう 11・7全国労働者集会

 国鉄全国運動を職場・地域に

 11・7全国労働者総決起集会は、日比谷野外音楽堂を埋めつくす5900人が全国・全世界から結集し、熱気あふれる一大労働者大会となった(前号既報)。大恐慌が深まり、大失業と戦争の攻撃が加速度を増す中でかちとられたこの勝利には、画期的な意義がある。4・9政治和解の大反動との対決、呼びかけ3労組を先頭とした職場生産点での白熱的な闘いの前進が、この勝利を切り開いた。青年労働者・学生も圧倒的に増加した。前号での動労千葉の田中康宏委員長、全日建運輸連帯労組関西生コン支部の高英男副委員長の発言紹介に続き、11・7集会での発言(要旨)を紹介します。(編集局)
(写真 日比谷野外音楽堂をぎっしり埋めた5900人の参加者は、みなぎる決意を込めてこぶしをあげた【11月7日】)

 開会あいさつ

 JR資本追い詰める闘いを 全国金属機械労働組合 港合同副委員長中村吉政さん

 11月集会を呼びかけて今年で13回目になります。毎年、国鉄1047名解雇撤回や職場や地域で闘う争議団の勝利を目指して闘ってきましたが、本年は4者4団体が4月9日に政治和解で闘争を終結しました。
 しかし、動労千葉争議団は和解対象にならず、国労闘争団の有志は自らの意志を貫き闘いを継続することになりました。6月13日に大集会を開催して新たな国鉄闘争を開始し、職場や地域で支援体制が生まれて闘う戦線は拡大しています。
 また、生コン支部の仲間は7月からストライキを貫徹して闘ってきました。大きな山場は組合側の勝利により越えましたが、今もスト体制を維持し闘っている生コン支部の奮闘に大きな拍手を送りたいと思います。
 国鉄分割・民営化の過程で、国鉄は83年に先行して臨時雇用員6千人を解雇し、87年に国鉄職員全員を解雇しました。
 今JRには非正規労働、名を変えた臨時雇用がはびこっています。「非正規雇用を許すな!」の声をあげ、権利拡大につながる組織化を目指してJR資本を追い詰めなければなりません。本集会参加者の強い意志として、国労闘争団、動労千葉争議団、国鉄臨職・和田弘子さんの解雇撤回まで闘い抜くことを確認しましょう。

 動労千葉争議団・国労闘争団

 外注化阻止へストに立つ 動労千葉争議団 中村仁さん

 今日は争議団の高石正博さん、中村俊六郎さんも来ています。われわれは国鉄分割・民営化に反対してストライキに立ち上がって解雇されました。国鉄1047名闘争をずっと闘ってきました。4・9和解はなんという和解なんですか。絶対に許さない!
 全国の労働者と一緒に闘っていきます。いま非正規職の労働者が団結して頑張っています。こういう闘いにわれわれも学んで、血にして、肉にして闘いましょう。
 われわれはこういう全国闘争をとおして、あるいは物販闘争をとおして、全国の人たちとつながり、大同団結してこの社会を変えていきます。検修全面外注化阻止へ、ストライキで闘います。動労千葉争議団はその先頭に立って頑張ります。

 新自由主義と体張って闘う 鉄建公団訴訟原告 国労旭川闘争団 成田昭雄さん

 私は北海道生まれ、北海道育ちの生粋の道産子です。人生の大半を国労旭川地本の保線労働者として闘ってきたことが私の誇りです。
 国鉄分割・民営化は、鉄道労働者の首を切っただけではありません。大失業が青年や学生から未来を奪い、農業も酪農も林業も破壊され、衰退の一途をたどっています。これこそが新自由主義と分割・民営化がもたらした現実です。
 いまJR北海道は、毎年200億円の赤字を出し、「経営安定基金」で赤字を埋めて2億円の黒字です。JR7社の中でも、列車運行キロ当たりの事故発生件数・設備の老朽化・赤字の大きさは最悪です。地方を絞め殺し、再びJR北海道や貨物の労働者に襲いかかるJRの暴走を止めなければなりません。
 私は、国労本部の4・9和解に反対し、鉄建公団訴訟の闘いを続けてきました。国鉄全国運動に参加し、この間、全国各地の国鉄集会に参加しました。どこに行っても格差・貧困への青年の怒りが満ちあふれています。
 私は原告団の一員として「分割・民営化絶対反対」を貫くとともに、再び鉄道労働者をリストラし、地方と住民生活を破壊する新自由主義と身体を張って闘います。それが鉄道労働者としての私の人生であり誇りです。動労千葉とともに、原告団物販を武器として、1047名解雇撤回をめざして闘います。トゥジェン(闘争)! ソリダリティ(連帯)! 団結がんばろー!

 破産を深めるJR体制打倒 鉄建公団訴訟原告 国労小倉地区闘争団

 羽廣憲さん
 4・9政治和解は、国鉄分割・民営化を正当化し、不当労働行為による解雇はなかったことが前提でした。解雇撤回もなく、一言の謝罪もない。これは断じて「和解」ではありません。分割・民営化は絶対に認めてはならないのです。
 政治和解を承諾した4者4団体指導部はハッキリ言ってどうしようもありません。散々私たちを「妨害物」「妨害勢力」とののしってきた彼らが、今度は妨害物になっているのです。遠慮なくぶっ飛ばしましょう。
 今JRは、分割・民営化25年問題であがきにあがいています。「第二のJAL」と言われているJR貨物と3島会社(北海道・四国・九州)の現実は、民営化の破産そのものです。そしてJR東日本を始めJR各社は大合理化を次々と仕掛け、職場を下請け・孫請けに丸投げしようしています。また、尼崎事故に示されるように安全も守れない会社として浮き彫りになり、完全に行き詰まっています。今こそ原則を貫き、解雇撤回闘争を前進させる時です。
(写真 壇上に並んだ1047名闘争当該の動労千葉争議団と国労闘争団。発言者は羽廣憲さん)

 決意表明

●東京の全逓青年労働者
 郵政現場も、今年の年末繁忙から集配業務の本格的な外注化攻撃との決戦に入ります。
 7・1ゆうパック再統合の破綻は、郵政民営化そのものの破綻です。JP労組中央本部の支配も音を立てて崩壊を始めています。菅民主党政権と郵政会社、JP労組中央本部は、民営化破綻のツケをすべて現場労働者に押しつけようというハラです。「集荷体制の見直し」「集配事務等の部外委託」という新たな合理化攻撃が打ち出されています。年末繁忙期から2011年を、国鉄と一体の外注化阻止決戦として闘います。
(写真 色とりどりの組合旗・ノボリを壇上に林立させ全国の労働者・学生が決意表明に立った)
●三浦半島の教育労働者
 教育や福祉に、金もうけを追求する民営化がはびこれば、社会全体が疲弊していきます。私たちが闘う相手は世界共通です。労働者の国際的団結で戦争を止め、資本家の手から労働者の手に社会を取り戻しましょう。
 一昨年この集会に来たUTLA(ロサンゼルス統一教組)のアーリーンさんや、今日いらしているイングリッドさんも、来年2月の執行部役員選挙に立候補しています。私たちも「闘う労働組合」の重要性を必死に訴え、組合権力を必ず取ろうと思っています。

●仙台市役所・動労千葉を支援する会
 10月に職場に「動労千葉を支援する会」を結成しました。全国の職場・労働組合に支援する会を作り、国鉄全国運動を職場に広げましょう。
 現場には怒りがあふれています。仙台市でも非常勤労働者の労組に対する不当労働行為に対して闘いがおこり、外郭団体の労働者は指定管理者制度による首切り絶対反対・制度廃止の闘いに立ち上がっています。公務員と民間、正規と非正規の分断を打ち破って労働者が決起を始めています。今日の集会は自治体労働者の総決起を宣言する歴史的集会です。

●東京・精研労組青年部
 青年部を先頭に病院資本と徹底して闘ってきました。9月の非正規職の仲間への雇い止め解雇に対しては、精研労組とりわけ青年部が解雇撤回闘争を開始すると、たちどころに病院中の労働者が怒りを爆発させ、署名行動に決起し、解雇撤回をかちとりました。青年部をよみがえらせ、労働者が団結して立ち上がれば勝てるのです。
 「新成長戦略」では医療・福祉分野を市場開放し、資本が暴利をむさぼるための医療に変えることを宣言しています。全面的に病院業務の外注化、徹底した労働者の非正規化が始まります。11月集会と国鉄全国運動が決定的な展望です。

●さいたまユニオン行田分会
 埼玉県行田市のホンダ系自動車部品メーカー・ショーワで派遣労働者として働いていました。一昨年末、派遣切りにあい、今日まで闘い抜いてきました。裁判で解雇の違法性を認めさせて派遣元に未払い賃金を払わせました。ショーワに対しては労働委員会闘争を闘っています。
 私たちの目標の第一は派遣先に派遣労働者の組合との団体交渉を認めさせることです。もうひとつの目標は、正規・非正規が一体になって闘うことです。派遣が全員クビになった後には正社員の整理解雇が来ます。労働者をクビにしなければ延命できない企業には「レッドカード(退場)」を突き付けましょう!

●法政大学文化連盟
   斎藤郁真委員長
 大学がもう一度、戦争に協力するのか否かが問われる時代に入りました。これは大学の商業化と一体で進んでいます。
 教育はそんなことのためにあるんじゃない! 最も激しく大学の新自由主義化と闘い、百人を超える逮捕者、10人を超える処分者を出してきた法政大学でも、1年生がまた決起を始めています!
 この社会を食い物にしている奴らが11月13日、横浜APECに集まります。おれたちの戦争反対の意志、「学問とは、教育とはどうあるべきか」という意志を、あいつらに見せてやろう!

●動労千葉を支援する会・新潟 坂場信雄代表
 現役時代は国労新潟で車掌区の分会長をしていました。4・9政治和解は、和解という名の全面屈服であり、「闘っても勝てない」という敗北主義をまき散らす最悪のものです。公務員大量首切りの攻撃に拍車をかけるものです。
 支援する会の任務は、国鉄全国運動を牽引(けんいん)し、1047名の解雇を撤回し、階級的労働運動を再生させることです。すでに20地域、10職場・産別に支援する会が結成され、準備会は多数立ち上げられています。この流れを拡大し、第2、第3の動労千葉を作り、労働運動の力で革命を実現しましょう。

 全国運動呼びかけ人から

 無数の運動を作り出す場に 日本近代史研究者 伊藤晃さん

 4月9日の和解は、企業・国の不当労働行為、不当解雇について、企業・国に法的社会的責任はないという考えを示しました。新自由主義攻撃は、間違いなくこの和解の思想を今後とも基軸とするでしょう。菅直人政権はその先頭に立っています。
 新自由主義攻撃に対して世界各地で労働者のめざましい闘争が展開され、私たちに勇気を与えています。かつて自信満々だった資本主義体制は今や労働者を食わせられなくなりつつあり、体制への労働者の信頼は深刻に動揺しています。
 この状況に対し、日本の主流の労働運動は著しく無力です。だが、これらへの批判は、私たちが現実の事態に対抗しうる新しい無数の運動を作り出すことでしか有効になりません。知恵を結集し、交流しあわなければならない。全国運動をそのための場にしたい。労働者の力がこれから切り開く道そのものから、新たな可能性が生まれるはずです。そのようにして私たちは、世界の闘う労働者たちと同じ戦線に立つことができるだろうと思います。

 キリュン電子闘争に学んで 韓国労働運動史研究家  金元重さん

 今年はチョンテイル烈士が1970年11月、「勤労基準法を守れ」と叫んで焼身自殺を遂げてから40周年です。
 韓国・キリュン電子の解雇撤回闘争で先日、キムソヨン分会長を始めとする10人の組合員が復職をかちとりました。05年から6年、1895日にわたる闘争の成果です。
 この闘いは、韓国で不法派遣問題を社会に知らしめる代表的な非正規職闘争となりましたが、闘争は長期化し解決のめどは立ちませんでした。
 一番苦しい時期に会社が出した案が、他の会社に就職を斡旋(あっせん)する「就業斡旋案」でした。組合員たちは、自分たちは正規職への転換を求めて闘ってきたのに、この案ではまた派遣として働くことに甘んじなければならない、この案だけは受け入れられない、最後まで闘おうと決めたということです。
 苦しくても闘い続ける中で、会社を交渉に引きずり出し、会社に譲歩を迫る世論を作り出し、とうとう10人の復職をかちとりました。国鉄闘争全国運動としても、彼女たちの不屈の運動に学んでいきたいと思います。

 自治体民営化に勝利する道 愛媛県職労委員長 宇都宮理さん

 動労千葉労働運動の正しさ、仲間を守りきる団結力に勇気づけられ、私たちも現業廃止攻撃と闘っています。
 日本の公務員労働者はすでに民営化・解雇攻撃のまっただ中にいます。社会保険庁が1月に解体され、自治体では現業廃止攻撃や医療・福祉職場の民営化、保育職場の全面民営化がもくろまれています。この先には道州制・地域主権改革が待ち受けています。
 「いったん解雇・選別採用」が私たちにも突きつけられています。これらの攻撃の始まりが24年前の国鉄分割・民営化である以上、当該と強く団結して解雇撤回・原職復帰をともに闘うことこそが最大の反撃であり、勝利への道筋であると確信しています。
 私たちが望むものは、戦争を許さない、国境をこえてますます広がる労働者の団結です。戦争は互いの国家によって、互いの労働者どうしが命を奪いあうことを強制されるものです。中でも公務労働者は、労働者を戦争に動員する役目を負わされます。私たちが団結して戦争を拒否すれば、必ず戦争を止められます。

 1600億も残業代未払い 元安芸労働基準監督署長 大野義文さん

 30年間、労働基準監督官を務めてきました。百万円の札束でほおを殴られ「月夜の晩だけではない」と粋(いき)なセリフを吐かれ、「街宣車を回すぞ」と脅されたこともありました。
 今日、国家・資本は、労働者を生きさせることさえ放棄しています。09年で非正規労働者は1721万人、年収200万円以下は1千万人に及んでいます。全国で監督署が摘発した百万円以上の割増賃金の是正状況は、01年4月から10年3月までで企業数で1万1342、被害対象労働者数132万1640人、是正した金額は1663億3392万円です。国家・資本の横暴を許すわけにはいきません。
 飛行機が苦手で土佐から列車を乗り継いで7時間弱かけて東京にやってきました。脱藩した坂本龍馬が江戸へ来た当時を考えれば楽な旅ですが。列車は安全に運行することは当たり前のことです。現在、JRで行われている外注化攻撃は安全を無視し、現場の技術と経験をズタズタにして第二の尼崎事故を引き起こすでしょう。絶対許されないことです。職場に団結を! 地域に連帯を!

 国労本部の屈服に抗して 元国労九州本部書記長 手嶋浩一さん

 和解調印を拒否されました6人の方の勇気ある英断に、あらためて敬意を表します。
 私は86年国労修善寺大会の時、国労主流派にいた幹部でした。しかし私は、国鉄分割・民営化を認めるあの全国大会にはどうしても賛同できず、主流派をけって現在の国労に参画しました。しかし国労は闘わなかった。
 この国鉄闘争は国労が本当に闘っていたら24年もかからなかった。真正面から闘おうとする意志がなく、一貫して他力本願的に「お願い」してきた国労本部にその責任があると思っています。
 私は和解調印した904人の国労闘争団員の方たちを非難する気持ちは毛頭ありません。なぜなら、国鉄分割・民営化が正しかったと思っている方は一人もいないと信じているからです。苦渋の選択を迫られ、不本意ながら和解調印された方々が大半だったと思います。国鉄全国運動に必要なことは、この人たちの中から、なお「分割・民営化は許せない」と立ち上がってくる人をどれだけつくれるかが焦点だろうと思っています。

 利潤追求至上主義に怒りを 闘う国鉄労働者を支援する弁護士運動 鉄建公団訴訟・鉄道運輸機構訴訟代理人 山崎吉男さん

 福岡の弁護士の山崎です。福岡には、この裁判の当事者の石崎義徳さん、羽廣憲さんがいらっしゃいます。今も闘い続けている方々、ご家族のみなさんに本当に敬服いたします。
 私は大学で物理学を学んだ理系の人間です。基本的には、科学技術の進歩・発達は、戦争などに悪用されない限り、人びとに豊かさをもたらし、人類の幸福に資するという考えを持っています。しかし60歳近くにもなると「果たしてそうかな」と思うようになりました。
 企業は便利さ、豊かさの裏に潜むリスクを隠して、ひたすら利潤追求に走り、われわれ庶民は、労働だけでなく消費者としても搾取され、ひたすら消費させられるために人間性をなくしてまで働くことを余儀なくされています。自殺してしまう人もいます。
 このような社会、政治、利潤追求至上主義の企業に対して、怒りをぶつけ、団結して闘いましょう。

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週刊『前進』(2464号3面1)(2010/11/15 )

 万国の労働者は団結し 戦争と大失業・非正規化攻撃と闘おう 11・7全国労働者集会

 “労働者の国際連帯万歳”

 

(写真左 JRの検修・構内業務外注化阻止を訴えてデモする動労千葉の労働者【11月7日 日比谷】)(写真右 「派遣法撤廃」を掲げ銀座をデモする民主労総の隊列)

 韓国・民主労総

 危機の資本主義にトドメを 民主労総ソウル本部首席副本部長 ノミョンウさん

 今日、資本は多くの労働者に大々的な解雇と賃下げを強いて、最低限の社会公共性まで解体しようとしています。韓国では派遣業種を拡大し間接雇用を一般的な雇用形態にしようとしています。工団地域でも派遣労働が一般化しています。
 しかし社内下請け、間接雇用労働者は、違法派遣に対して力強い闘争を展開しています。日韓の派遣労働者は力を合わせて派遣法を撤廃し、生存権と労働基本権を確保するために闘いましょう。
 イミョンバク政府は専従者賃金支給を禁止するタイムオフ制度を通過させ、労働組合間の連帯活動を妨げ、労働3権を無力化し、民主労組運動を抹殺しようとしています。これは労働者の生存権を奪うものです。
 政府は11〜12日のG20首脳会議を契機に、労働権とともに民主主義まで後退させています。街から露天商と野宿者を追い出し、移住労働者を強制追放しています。無差別検問と集会・デモに軍兵力を投入する警護特別法を発動しています。
 民主労総はG20を糾弾して大規模集会を行います。G20と対決して、労働者階級の国際的団結で労働者民衆の生存権をかちとりましょう。
 労働者の団結と連帯で危機に陥った資本主義にとどめを刺しましょう。世界の労働者の闘争と出会い一つになることができるよう、労働者国際主義を実現しましょう。

 労働解放の日まで共に闘う 全国拘束手配解雇労働者原状回復闘争委員会委員長/キムウニョンさん

 新自由主義の投機資本は、低賃金労働力を収奪する一方、国家の基本産業まで金もうけの手段にして、大規模民営化を画策しました。
 韓国では数多くの労働者が生存権死守をかけて闘っています。KECの女性労働者数百人が、ヘリコプターを動員した警察の威嚇にもかかわらず工場を全面占拠して命をかけてろう城しています。サンヨン自動車、GMテウ、ドンヒオート、キリュン電子、学習誌『才能教育』などで非正規職撤廃をかけた激しい闘争を繰り広げています。
 政府は公務員、全教組、鉄道、発電などの労組に対して「解雇労働者を追い出せ」と弾圧しています。民営化の障害物である公共部門の労働組合と解雇労働者を弾圧しようというのです。
 しかし公務員解雇労働者、都市鉄道解雇労働者、教職員解雇労働者が解雇労働者闘争を始めています。新自由主義粉砕、解雇撤廃、民主労組死守をかけた闘争が徐々によみがえっています。
 全解闘も12月に全国解雇労働者大会を準備しています。
 資本の弾圧に対して、太平洋の巨大な波のように大規模な労働者の大攻勢をかけ、資本の生命を絶ち、労働解放の日までともに闘います。(メッセージ)
(写真 代読する全解闘傘下の全国公務員労組犠牲者現状回復闘争委員会のキムウンファンさん)

 アメリカの2労組

 職場生産点で力を組織する ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34 ホアン・デルポソさん

 アメリカでは今、数百万人の労働者が自宅から追い出され、仕事と医療保険を奪われています。公共運輸労働者に年金・社会保障と労働条件の解体攻撃がかけられています。政治家は高齢者、青年、障害者の怒りを公共運輸労働者やその賃金レベルに向かわせようとしています。この攻撃は主にブラックやラティーノに向けられています。
 さる10月23日、北カリフォルニアのILWUの港湾労働者とSEIU(サービス従業員国際労働組合)10210の労働者は、若きブラックの労働者オスカー・グラントの殺害に抗議してストライキに立ちました。
 数百万人の青年が労働と教育の機会を奪われ、抑圧され投獄され、金持ちの戦争のため入隊させられています。イラク、アフガニスタン侵略戦争はこの地の人民を虐殺し続けています。アメリカはアジアの紛争と軍事化を促進しています。
 6月、ILWUはイスラエル船の荷扱いをボイコットしました。TWSCはパレスチナ労働者との連帯に立ちました。
 多くの労組幹部は「オバマと民主党はこの大恐慌を乗り切る」と言ってきました。しかし恐慌が政治家の手で解決されるわけがありません。恐慌への唯一の回答は、労働者が独立した組織をつくり、帝国主義戦争に反対し、正義のために職場生産点で自らの力を組織していくことです。

 公教育と労組の破壊許さぬ UTLA(ロサンゼルス統一教組)中央委員/イングリッド・ガネルさん

 アメリカではこの10年間、公教育と教員、教員組合への攻撃が巧妙に加えられています。やつらは教育を乗っ取り、教育に値段を付けました。その価格とは企業や億万長者にとっての利益の額です。同時に就学前教育から大学までの公教育はずっと資金難に陥っています。クラスの人数が増やされ、芸術、科学、図書、体育などのカリキュラムは縮小や廃止。消耗品などは教員がポケットマネーで賄っています。それなのに生徒は学力テストで今まで以上の点数を期待されています。
 オバマが大統領になってから、公教育への攻撃は激しくなっています。 ロサンゼルス・タイムズ紙は、「最も有能」から「最も無能」という教員のランク評価をインターネット上に公表しています。UTLAの仲間リゴベルト・ルエラスは、名前入りで不当な評価が公表された後に自殺してしまいました。日本でもプレッシャーに耐えられず自殺する教員がいると聞いています。ロサンゼルスの仲間がみなさんを支援していることをどうぞ心にとめてください。
 オバマは、マスコミや金持ちの企業の言いなりになって教育改革を進めようとしています。
 日米の公教育や教員に対する攻撃はまったく同じです。日本と全世界の労働者と一緒に公教育と労働者の権利を守る闘いに参加できて光栄です。

 ドイツの労働者

 ついに世界革命の時代が KRD(レーテデモクラシーのための委員会)アウグスト・カイテンさん

 ドイツの労働者階級は第1次大戦後も第2次大戦後も、社会民主主義者とスターリン主義者によって裏切られ続けてきました。しかしドイツの労働者階級はそのことでせん滅されたわけでも消滅してしまったわけでもありません。私たちは戻って来ました。私たちはみなさんに合流し、一緒に闘います。
 世界大恐慌は日々激化し深化し、新たな帝国主義戦争に道を開いています。しかしそれは同時に、全世界で労働者階級の新たな闘いを呼び起こしています。ヨーロッパでもほとんど毎日のようにゼネストや大デモが闘われています。プロレタリア世界革命の時代がついにやってきたのです。
 私たちKRDは、日本の同志・世界の同志たちとともに闘います。私たちKRDは世界の資本家たちに対する共同の闘いを呼びかけます。私たちKRDは、既存の秩序の転覆を呼びかけます。
 万国のプロレタリア、団結せよ! 全世界の労働者の国際連帯万歳!

 

連帯のあいさつ

 裁判員制度の崩壊へ闘おう 憲法と人権の日弁連をめざす会代表 高山俊吉さん

  きょうはたくさんの仲間と一緒に参加しています。
 国鉄闘争全国運動には多くの弁護士が加わり、独自の通信も発行しています。
 労働者の団結を根底から侵害し、その力を決定的に弱めて改憲と戦争を展望するもくろみがこの30年間展開されてきました。これと並んでこの20年展開されてきたのが、司法を根本から変える攻撃でした。裁判所や司法のあり方を経済の要求や国家統制の要求に応える構造に変える。その一端に民衆を巻き込む。それが弁護士激増政策であり、裁判員制度です。
 でもそう簡単には問屋が卸さない。彼らのもくろみが破綻の相を色濃く見せている。私たちに言わせれば「ざまぁ見ろ」です。制度実施1年3カ月を経ても国民の大半が背を向けている。一人の拒否がみんなの拒否に発展しています。1年間に2000件程度の判決言い渡しを予定していたのに、公判前整理の手続きが順調に進まず、判決が言い渡せたのは半分以下の900件程度です。
 改ざん検察の根底的腐敗は裁判所、最高裁にその責任があります。裁判所が検察と一体になって冤罪を生み出してきた。
 最高裁・法務省が今最も恐れているのは、今回の検察問題が裁判員制度の崩壊に結びつくことです。みんなの力を合わせ、改憲と戦争の策謀に現場から抗する気運を一気に高めましょう。

(写真 萩原進さんはTPP参加阻止を訴えた)

 三里塚は勝つ展望つかんだ 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長 萩原進さん

 三里塚闘争は徹底・非妥協の闘いを粘り強く展開し、今、ついに大局的に見て勝利の展望を手にするところにまで前進しました。
 何よりもこの10月末から始まった羽田空港の本格的な国際線化です。成田空港の位置は地に落ちました。数々の違法と暴虐に対する44年間の抵抗闘争が、ついに成田空港をハブ空港の位置から引きずり下ろしたのです。
 今、釣魚島の略奪問題を利用した排外主義の嵐が巻き起こり、大恐慌をのりこえるための戦争の道へ、危険な流れがつくられています。反戦・反権力の砦=三里塚は、真っ向から対決する闘いの先頭に立ちたい。
 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の問題について訴えたい。農産物を含めて関税をゼロにしたら日本の農業は壊滅です。日本経団連は「安い食料をアジアから輸入すればいい」というが、これは戦前と同じアジアからの食料略奪です。農業・農民切り捨てを断じて許してはならない。
 TPPの問題はそれだけではない。労働力移動の全面自由化が叫ばれている。これは労働者に対して首切り、低賃金、リストラなどとして襲いかかることは明らかです。
 農民と労働者にすべての犠牲を押し付ける菅民主党政権とブルジョアジーを打倒しよう。動労千葉の同志をはじめとする労働者と農民の連帯、国際連帯の力で成田軍事空港を廃港にしよう。

 国際連帯こそ戦争阻止の力 とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 今、私はあらためて、再びくり返してはならない戦争を阻止するために何よりも大切なこと、なすべきことは、それぞれの国において、戦争への道を許さない具体的な努力を日常的に払うことだと強く思っています。
 私たちの百万人署名運動は、1997年9月22日に開始しました。以降、私たちは日本の戦争政策に反対して闘っています。
 私たちは国際連帯による戦争絶対反対の運動を展開し、すべての労働者・市民が小異を残し大同につく確信をもって、世界の平和をつくり出すために最善の努力を払うべきことを、ここで確認したい。こうした国際連帯こそ戦争を阻止する力であると言うべきでしょう。
 「沖縄米軍基地撤去!」「改憲と戦争をとめよう!」という事柄を考える時、沖縄米軍基地撤去どころか県内移設を当然視し、戦争をとめるどころか「尖閣諸島は日本固有の領土」と言い放つ政府の現状を認めることはできません。
 改憲をめぐる動向についても、改憲手続きに不可欠の国民投票を行うための「憲法審査会」を現在の臨時国会で始動させるべきとの発言が民主党・自民党から公然となされ、けっして無視できない現状であります。
 それぞれの国の労働者・市民の国際連帯の緊急課題を心に刻み、共なる闘いを闘うべきことを表明して、連帯のあいさつといたします。

 沖縄労働運動に闘う原則を 北中城村議会議員 沖縄行動団代表 宮城盛光さん

 9月の村議選では全国の闘う仲間の皆さんのご支援の力で7期目の当選をかちとりました。心からお礼申し上げます。今回の選挙においては、保育所の民営化に絶対反対を貫いて闘いました。
 沖縄は今、大きな歴史的闘いの渦中にあります。「基地の島」「戦争の島」の根底的な変革を求める労働者階級人民の闘いのうねりです。
 かつて私は米軍基地で働く労働者でした。全軍労牧港支部青年部で仲間の不当解雇と闘い、基地撤去を闘い、「復帰」闘争を闘った世代です。ゼネスト・基地内デモ、ピケットで武装米兵と対峙して闘い、MPに手錠でフェンスに縛り付けられたこともあります。そういう闘いをみんなで闘いました。「死すべきは基地であり、労働者は死んではならない」という当時の闘いのスローガンは過去のものではなくて、今日の青年労働者の闘いのスローガンです。
 沖縄の米軍基地は臨戦態勢に入っています。沖縄の闘いは全世界の労働者階級の闘いと一体です。今こそ「基地撤去」「解雇撤回」、そして日米安保同盟粉砕の闘う原則を沖縄の労働運動によみがえらせましょう。それは国鉄1047名解雇撤回の闘いを沖縄の労働者階級自身の闘いとして闘っていく中にあると思います。団結してともに頑張っていきましょう。

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週刊『前進』(2464号3面2)(2010/11/15 )

 国際連帯集会 国境越え熱い団結

 “新自由主義と闘い前進を”

 日韓米独、世の労働者集う

 全国労働者集会前日の6日、労働者国際連帯集会が千葉市民会館に400人を超える労働者・学生が結集して熱気と感動の中でかちとられた。
(前号既報)
 集会はこの間の国際連帯闘争のビデオ上映から始まり、会場は早くも熱い感動に包まれた。2人の司会が、それぞれ日本語・ハングル・英語で開会を宣言した。
 まず各国の労組・団体からの報告と問題提起が行われた。最初に動労千葉の長田敏之書記長が発言した。長田書記長は「4・9政治和解に対してわれわれは闘う道を選択した。6・13国鉄全国運動大集会は新たな挑戦の始まりだ。労働者の団結した力はけっして打ち砕かれることはないという確信をさらに強くした」と力強く宣言した。
 民主労総ソウル本部のチョンジェフン副本部長ら4人が登壇した。チョン副本部長は、イミョンバク政権の民営化、非正規職化、労働運動弾圧、移住労働者弾圧を徹底的に弾劾し、「11〜12日にソウルで開かれるG20を国際労働運動の連帯の場にしよう」と訴えた。
 全国公務員労組ソウル本部のキムスンテ首席副本部長は「独裁政権でもあるような」イミョンバク政権を弾劾し闘うことを宣言。南部地区協議会のチェジョンウ議長は「キリュン電子で直接雇用をかちとった」闘いなどを語った。建設労組ソウル京畿タワークレーン支部のイヨンソク支部長は「民主労総のなかで組合をつくって力強く闘っている」と報告した。
 アメリカからTWSC(運輸労働者連帯委員会)のスティーブ・ゼルツァーさんら4人が発言。ゼルツァーさんは人種差別、社会保障解体、首切り攻撃との闘い、さらにイラク・アフガニスタン侵略戦争に反対する闘いを報告。「全世界の労働者階級に勝利を」と結んだ。UTLA(ロサンゼルス統一教組)のイングリッド・ガネルさんは「落ちこぼれゼロ法」や「チャータースクールの急増」を弾劾した。ATU(合同運輸労組)ローカル1555のハロルド・ケネス・ブラウン前委員長は「今日、海を越えて私たちは動労千葉とともに手を組みました」と呼びかけた。同組合員のアラン・ホリー・サブードさんは「民営化、新自由主義、グローバル資本主義に反対して前進しましょう」と訴えた。
 ドイツからはKRD(レーテデモクラシーのための委員会)のアウグスト・カイテンさんが発言。「ドイツと日本の団結をさらに発展させ、共闘をさらに深めていくことを誓います。プロレタリア世界革命の時代がついにやってきたのです」と高らかに語った。
(写真 熱気と感動でかちとられた国際連帯集会。国境を越えた団結は、労働者にものすごいパワーを生み出すことを誰もが実感した【11月6日 千葉】)

 全国運動呼びかけ人が発言

 休憩の後、3人の青年がギターとピアノを演奏し参加各国の闘争歌を熱唱。民主労総代表団は拳を突き上げて唱和し、参加者も歓声を上げた。会場が熱気に包まれるなか国鉄全国運動呼びかけ人の入江史郎さん、大野義文さん、手嶋浩一さん、宇都宮理さんがそれぞれの熱い決意を語った。
 さらに在日・滞日の外国人労働者が報告と決意を表明し、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、星野文昭同志のつれあいの星野暁子さんが発言した。続いて、ブラジルのコンルータスとフィリピン航空従業員労組からのメッセージが司会によって読み上げられた。
 会場から学生と2人の青年労働者が登壇し、決意を表明した。動労千葉の田中康宏委員長が「今日は全国から、そして国境を越えて集まった。これは労働者の持っている力だ。明日の集会を成功させよう」と訴えた。最後に全員でインターナショナルを歌った。
 11・6労働者国際連帯集会は11・7集会と一体の集会として行われ、国際連帯を画期的に前進させるものとなった。

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週刊『前進』(2464号4面1)(2010/11/15 )

 沖縄県知事選と労働者階級の立場

 国鉄決戦−全国運動を発展させ基地撤去、安保粉砕・日帝打倒へ

 革共同沖縄県委員会 

 大恐慌情勢が世界中を覆い尽くしている。帝国主義は自らの生き残りをかけて、一方では激しい帝国主義間の争闘戦を繰り広げ、他方では体制内指導部を変質させ、労働者階級の団結をたたきつぶす攻撃をかけてきている。しかし、労働者階級は社会の真の主人公として今こそ帝国主義を打倒するために「世界大恐慌をプロレタリア革命へ」敢然と立ち上がり始めている。こうした大情勢の中で帝国主義の最大の矛盾の集中点である沖縄で新たな闘いが激しく火を噴いている。その沖縄は今、県知事選挙の真っ最中である(11月11日告示、28日投開票)。選挙戦は事実上、現職の仲井真弘多知事と伊波洋一・前宜野湾市長の2人の争いとなっている。これに対して、労働者階級はどのような立場で闘わなくてはならないのか。

 日米合意を貫く菅民主党政権倒せ

 まずはっきりさせるべきことは、今日の世界大恐慌のもとで帝国主義は体制的崩壊に向かって転落を開始していること、生き残りをかけて帝国主義間・大国間の争闘戦にのめり込んでいること、ブロック化と戦争が現実のものとなりつつあることの確認である。
 米帝オバマは、大恐慌の深化・激化にのたうち回りながら、対中国スターリン主義の対峙・対決を決定的に強めている。それは同時に日帝に対する争闘戦の激化でもある。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)、釣魚台(ちょうぎょだい、尖閣諸島)をめぐる日帝・菅民主党政権の凶悪な攻撃は、米帝のブロック化、争闘戦、帝国主義侵略戦争に向かっての攻撃に追いつめられてのあがきである。崩壊にあえぐ帝国主義の絶望的で凶暴な本質をむき出しにした攻撃である。
 こうした中で、菅政権は、「辺野古移設」を明記した5・28日米共同声明を実現することを宣言し、沖縄労働者人民に真っ向から襲いかかっている。そのために釣魚台侵略と排外主義・愛国主義宣伝も位置づけている。
 何よりも労働者階級と労働組合が、今こそ怒りを込めて「普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「戦争と大失業の菅民主党政権打倒」を掲げて闘わなくてはならない。

 知事選の中に基地問題の解決はない

 今回の選挙の最大の争点は、普天間基地問題であると言われている。しかし問題は、今回の県知事選挙にあたって労働者階級はどういう立場をとるのかということだ。
 結論的に言って、今回の県知事選で仲井真が勝つのか、伊波が勝つのか、というところに沖縄基地問題の解決はないし、選挙に何の幻想も持つことはできないということだ。
 仲井真知事の「県外移設」がまったくのペテンであることは言うまでもない。これまでさんざん県内(辺野古のことだ!)移設を容認し、推進してきた人物が、沖縄の労働者階級人民の圧倒的な反対の声と闘いの前に自らが打倒されることを恐れて、急きょペテン的に「県外移設」を言っているにすぎない。
 では伊波はどうなのか。今回の選挙戦で伊波は「県内移設反対」を掲げている。彼の持論である「グアム移転論」は、今回立候補にあたって3党(社民、社大、共産)での調整の結果、政策には明記されていないが「主張は続ける」として集会や街頭演説などではこれをメインにアピールしている。
 伊波の主張は、普天間基地の「グアム移転論」に尽きる。「私が当選すれば、普天間基地問題は解決する」と自ら主張している。また「沖縄の海兵隊のグアム移転に行く流れはすでにできている」と言い、さらに「グアム移転を実行させることが重要であり、県外へ移すという流れを新たにつくる必要はない」とまで言っている。
 では、このように主張する伊波の「グアム移転論」とはどういうものなのか。

 米帝の文書に依拠したグアム移転論

 伊波の「グアム移転論」の中身は、米太平洋軍司令部作成の「グアム統合軍事開発計画」(06年7月)によっている。そこで「普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊はグアムに移転する」と記されていることに依拠しているのだ。それを一生懸命後押しすれば普天間基地はグアムに移転する、としているにすぎない。
 しかしそこには、階級の力で、国際連帯の力で基地撤去を闘いとるという思想は皆無だ。元宜野湾市職労委員長だった伊波が、まさに労働者階級の力に依拠するのではなく、帝国主義の政策(=軍事戦略)をよりどころにし、それを後押ししてグアム移転を進めようしているのだ。その根底にあるのは労働者階級への絶望であり、帝国主義への屈服の思想だ。
 伊波はこの選挙戦を前に、『普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい。』と題する著書を出版した。ここに伊波の主張のほとんどが書かれている。その第3章に「巨大な海兵隊基地がグアムに」と記されている。伊波の「グアム移転論」の主張の主要な部分がここにある。
 そして許せないことに「(普天間基地は)世界で一番危険な基地」と言いつつ、しかしそれがグアムに移るのは何の問題もない、むしろいいことだと言っているのだ。
 しかも、グアム移転は「沖縄以上に海兵隊の機能を強化する」としているのだ。そこには帝国主義の行う殺戮(さつりく)と戦争と軍事基地に対する何の怒りもない。沖縄(日本)以外だったらどんな基地でもOKだと言わんばかりである。
 さらには「米新戦略に合致したグアム」として、(紛争の際に)「グアムからでも迅速に対処できる」とまで言っているのだ。米帝の世界戦略・アジア戦略にとってグアムは絶好の場所だ、だからグアム移転すべきだ、と言っているのである。
 だが、米国領グアムは、植民地同然の島であり、沖縄と同じ状況にあるところなのだ(第2次大戦・太平洋戦争での大激戦地の一つだった)。グアムは米帝にとって、アジア・太平洋支配の、沖縄と並ぶもう一つの拠点なのである。
 しかし問題は、伊波の著書には、そこに生きる労働者や住民の存在など、どこにも出てこないことだ。そこには18万人もの労働者人民が生活しているのだ。何よりも米軍基地建設に反対して闘っている労働者や民衆がいるのだ。
 そもそも米軍再編によるグアム移転とは、グアムに司令部機能を移して、沖縄に前線的機能を持たせる、それによって沖縄をますます軍事要塞(ようさい)化するということなのだ。したがって伊波の言うようにけっして沖縄からの海兵隊の撤退を意味するものではない。さらに言えば、米帝は北朝鮮侵略戦争を遂行するために辺野古新基地建設を絶対的に必要としているのだ。
 このように、伊波の「グアム移転論」はなんら米軍基地撤去の闘いに寄与するものではなく、むしろ労働者階級への武装解除をもたらすものでしかない。
 また、今回の選挙戦のもうひとつの争点である経済・雇用政策でも、仲井真が「沖縄版グリーンニューディール」を掲げているのに対して、伊波も同様に「沖縄版ニューディール政策」と同じ政策を主張している。中身に多少の違いはあるものの、破綻した沖縄経済と資本主義の崩壊を救済する立場から、沖縄振興策に依拠した公共事業の展開を打ち出しているだけである。

 階級的労働運動をよみがえらせよう

 さらに伊波は、県立病院の民営化などに「反対」としているが、支持母体である社民党、社会大衆党、共産党の3党は明らかに民営化推進勢力であり、実際、「革新首長」と言われている沖縄市や北中城村でも保育所の民営化攻撃が開始されている。その中で最大の実体である社民党と自治労県本部は最悪のお先棒を担いでいる。結局のところ財政再建を理由とする民営化の強行と労働者の首切りに行きつかざるをえないのだ。
 このように労働者階級は今回の選挙戦で伊波を支持するとは断じてならないことを明確にさせなければならない。
 あらためて断言する。沖縄基地問題の根本的解決と沖縄闘争の勝利の道は、仲井真が勝つのか、伊波が勝つのか、というところにあるのではない。大恐慌情勢のただ中で、全世界の労働者階級と連帯し、労働者階級の力で基地撤去・安保粉砕の闘いに勝利すること、帝国主義を打倒し、プロレタリア革命に向かって闘いぬくこと以外に勝利の道はないということだ。
 もっと言えば、国鉄1047名闘争の勝利とそれを柱とする階級的労働運動の圧倒的前進こそが労働者階級の進むべき道であるということだ。それは4・9政治和解の反革命を打ち破って、国鉄全国運動を全力で闘いぬき、階級的労働運動を動労千葉とともによみがえらせることである。
 今こそ労働者階級の力で、国際連帯の力で、帝国主義の戦争を阻止し軍事基地撤去を闘いとっていこう。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ、菅民主党・連合政権打倒に向かって闘い抜こう。

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週刊『前進』(2464号4面2)(2010/11/15 )

 三里塚現闘本部裁判控訴審

 審理打ち切りを粉砕

 デモ行進で東京高裁を包囲

 11月5日、東京高等裁判所第15民事部で、天神峰現闘本部裁判の控訴審第2回弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者、学生、市民125人は満を持してこの日の闘いに臨み、証拠調べ打ち切り・結審の策動を粉砕する勝利をかちとった。
 日比谷公園霞門前に集合、デモを前に戦闘的な雰囲気がみなぎる中で、北原鉱治事務局長があいさつに立った。「証人調べも建物の実地検証も行わなかった仲戸川裁判長が一審ででたらめな判決を出した。東京高裁の井上繁規裁判長が仲戸川判決をそのまま認めることを絶対に許さない」
 さらに顧問弁護団からの決意を受け、鈴木謙太郎さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、正午にデモに出発した。「高裁井上裁判長は証人調べと検証を行え」と大書された反対同盟の横断幕を先頭に、手に手にプラカードを持って昼休み時間の霞が関・官庁街を一周。大音量の宣伝カーと首都の中枢に登場した闘う農民のデモ行進に、沿道の背広とワイシャツ姿の労働者が注目、次々とビラが手渡された。制服警官と公安刑事を大量動員した厳戒態勢を突き破り、郷土の森公園までデモをやりぬいた。
 裁判は午後2時に開廷。法廷は緊張感で満ちあふれた。反対同盟側は、石橋恵美子、法理哲二などの証人調べを強く要求する準備書面と、空港公団と石橋政次元副委員長との間の用地買収交渉記録の文書提出命令申立を提出した。そして陳述で一審の仲戸川裁判長の訴訟指揮と判決をあらためて全面的に批判した。特に忌避を申し立てられた仲戸川が反対同盟側不在の法廷でビデオリンク方式を使って石橋恵美子証人尋問を強行したことを、裁判官にあるまじき暴挙として徹底的に断罪した。
 井上裁判長は、証人調べを行うのかどうかという弁護団の鋭い追及に対して、「適切な時期に適切な判断をする」「合議の結果、しかるべき時に判断する」などと空疎な言葉でごまかそうとした。弁護団がただちに批判の矢を放った。傍聴席からも「そんな言い逃れが通用するか!」との怒声が飛んだ。
 ここで井上裁判長は、NAA(成田空港会社)側が付帯控訴状で現闘本部建物撤去の仮執行を求めたことを反対同盟側が「違法だ」と主張したことについて、「控訴理由のひとつなのか、それとも仮執行宣言をつけろという付帯控訴が違法ということか」「双方の意見を聴きたい」と言い出し、書面について年内の提出期限を決め、最後に次回期日を来年の2月4日として閉廷した。
 NAA側の代理人弁護士は、「この日で審理打ち切り」という思惑が破裂したことで、意気消沈していた。
 裁判所の隣の弁護士会館1階ロビーで総括の集まりがもたれた。最初に北原事務局長が「打ち切りを粉砕した今日のささやかな勝利は、反対同盟と弁護団、傍聴者が一体となってかちとったもの」とあいさつした。
 葉山岳夫弁護士が「付帯控訴についての裁判長の最後の言葉は、一審判決の内容を維持した上で二審判決で仮執行を付けられるかどうか考えるという意味で、まったく油断ならない」と警鐘を鳴らし、証人調べ実現へ向け、さらに強力な法廷闘争を繰り広げる決意を語った。続いて弁護団がそれぞれ法廷の解説を述べ、決意を語った。
 最後に萩原進事務局次長がまとめを行い、「一回一回の裁判が真剣勝負だ。一回法廷を開かせることがNAAの計画を阻み、やつらにものすごい打撃を与えている。次回も大結集し、デモをやろう!」とこの日の勝利を力強く確認し、共感した一同が拍手で応えた。
 この日に向けて現闘の同志たちが奮起し、連日、高裁前で情宣・ビラまきを行ったことは決定的だった。まかれたビラの数は1万枚を超える!
 連続する11月の三里塚裁判に駆けつけ、反対同盟とともに闘おう。
(写真 反対同盟を先頭に霞が関をデモし「東京高裁は写真 証人調べを行え」の声を響かせた【11月5日】)

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 三里塚裁判傍聴を!
◎団結街道裁判初弁論
 11月16日(火)午前11時 千葉地裁
◎鈴木さん一坪裁判
 11月18日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん行政訴訟
 11月26日(金)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん農地法裁判
 11月26日(金)午前11時10分 千葉地裁(同日に同じ法廷で連続して開かれます)
 ※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

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週刊『前進』(2464号4面3)(2010/11/15 )

 民主労総 反対同盟と熱い交流

 三里塚の実力闘争に感動

 

(写真 民主労総を三里塚に迎え反対同盟や現闘とともに「トゥジェン!」。)
(写真 北原事務局長は一人ひとりに酒をつぎ交流を深めた【11月4日】)

 11月4日、韓国民主労総ソウル地域本部の労働者42人が来日し、まず最初に日本の労農連帯闘争の不抜の拠点である三里塚現地を訪れた。
 一行は成田空港での法務省によるまったく不当な「入国審査」で4時間も足止めを食らったが、動労千葉弁護団の奮闘と持ち前の闘志と結束力で全員の入国をかちとり、真っ先に三里塚闘争の攻防の焦点である天神峰に駆けつけた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟と現闘の同志が韓国の労働者を迎え、市東孝雄さん宅前の団結街道封鎖地点で現地攻防の説明と案内が行われた。
 すでに夕闇が迫る中、民主労総の労働者たちは市東さん宅にそびえるやぐらに次々と登り、暫定滑走路のへの字誘導路などのぶざまな欠陥空港ぶりと、市東さんの営農を妨害し追い出すためだけの団結街道封鎖、農地の鉄板包囲などの現状を確認した。
 反対同盟から事務局次長の萩原進さん、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さんがあいさつ、韓国労働者への歓迎と連帯を表明し、さらに翌日の現闘本部裁判控訴審の意義を訴えた。市東さんは韓国語で自己紹介し、声援を受けた。
 すっかり日が暮れ、歓迎会の場所へ移動した。ここではまず、現闘の同志たちが腕によりをかけて用意した料理が42人を出迎えた。
 三里塚闘争の歴史を記録したビデオ「大地の乱」韓国語版が上映されると、闘争創成期からの激しい実力闘争の展開に全員が感動し、かたずをのんで見入った。
 動労千葉執行委員の川崎昌浩さんの司会で歓迎会が始まった。まず事務局長の北原鉱治さんが立ち上がり、心からの歓迎と日帝の侵略戦争についての謝罪の言葉を述べた。そして「若者の未来のために日韓の労働者・農民は連帯し、平和な社会を築こう」と呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
 続いて動労千葉委員長の田中康宏さんが乾杯の音頭をとったあと、70年代後半からのジェット燃料貨車輸送阻止闘争を振り返りながら、三里塚労農連帯の形成の意義を誇り高く語った。
 今回の訪日団団長であるソウル地域本部首席副本部長・ノミョンウさんがこれに応えて立ち、「今日は空港で4時間も止められた。動労千葉とソウル本部の関係の強さを見ての弾圧だ。長い闘争を続ける三里塚に心から敬意を表します」と強い連帯を表明した。
 反対同盟の伊藤信晴さん、宮本麻子さん、訪日団のメンバーが発言に立ち、特に解雇を撤回させ全員の復職をかちとったばかりのドンヒオートの労働者は大きな拍手を浴びた。また反対同盟とともに三里塚現地で闘う現闘のメンバーが紹介され、会場は温かい拍手と感動で満たされた。
 最後にインターナショナルとストライキ闘争歌を大合唱し、日韓連帯のきずなを固めて交流会を締めくくった。

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週刊『前進』(2464号4面4)(2010/11/15 )

日誌'10 2010年 11月2日〜9日

 米中間選挙でオバマ民主党大敗/「尖閣」ビデオが流出

●米中間選挙、オバマ民主党大敗 米中間選挙で野党共和党が大勝した。下院(定数435、全議席改選)で民主党は60議席以上を失い、過半数を奪われた。1938年中間選挙に次ぐ歴史的大敗。上院(同100、改選37)は民主党系が53議席、共和党系が47議席で与党が過半数を維持。(2日)
●河野駐ロ大使が一時帰国 ロシアのメドベージェフ大統領の「北方領土」訪問を受け一時帰国を指示された河野駐ロシア大使が帰国、菅首相、前原外相、仙谷官房長官とそれぞれ会い、情勢を報告した。同大使は7日モスクワに帰任した。(3日)
●「尖閣」沖の衝突ビデオが動画サイトに流出 釣魚台(尖閣諸島)沖の中国漁船衝突事件のビデオと見られる映像計44分余りが、インターネットの動画サイト「ユーチューブ」に投稿され、誰でも閲覧できる状態になっていることが分かった。(5日)
●自衛隊、米豪韓と戦略協議 自衛隊と米軍が陸海空の「軍種」ごとにオーストラリア、韓国を交えた3カ国間の戦略協議をひそかに始めていたことが分かった。「日米豪」「日米韓」の実動部隊による協議機関設置は初めて。中国、北朝鮮対処を図る。(7日)
●経団連会長、TPP参加で労働力として移民奨励 日本経団連の米倉会長が記者会見で、「日本に忠誠を誓う外国からの移住者をどんどん奨励すべきだ」と述べ、人材の移動が自由化される環太平洋経済連携協定(TPP)への日本の参加を促した。(8日)
●仙谷長官、秘密保護法に意欲 仙谷官房長官が衆院予算委員会で、「尖閣諸島」沖中国漁船衝突事件の映像流出問題に関連して「国家公務員法の守秘義務違反の罰則は軽く、抑止力が十分ではない」と述べ、秘密保護法の制定に前向きな姿勢を示した。(8日)
●与那国島に陸自200人配備へ 防衛省は、鹿児島県から沖縄県にまたがる南西諸島周辺で中国海軍の活動に対応するため、陸上自衛隊に「沿岸監視隊」(仮称)を新設し、警戒・監視態勢を強化する方針を固めた。日本最西端の沖縄県与那国島に200人規模の中隊を置く。(8日)
●TPP参加に向け経済連携方針を閣議決定 政府は、TPPをめぐり、米国など関係国と協議を開始することを柱とした「経済連携の基本方針」を閣議決定した。貿易自由化で大きな影響を受ける農業の強化に取り組む方針も確認。仙谷官房長官は会見で、農業対策がまとまる来年6月にも参加の是非を判断する考えを示した。(9日)
●日韓軍事情報保護協定めぐり協議 
北沢防衛相は記者会見で、韓国との間で軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結に向けた協議を開始したことを明らかにした。(9日)
●普天間代替関連施設を米に提供 普天間飛行場代替施設建設に伴い、沖縄防衛局が08年から名護市の米軍キャンプ・シュワブで建設を進めている下士官宿舎など建物11棟(延べ面積約2万4千平方b)の整備が完了し、日米合同委員会は米側へ提供することを合意した。(9日)

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週刊『前進』(2464号5面1)(2010/11/15 )

 JR全面外注化阻止決戦へ

 動労千葉スト体制と連帯し大失業=非正規化に反撃を

 「11・7」の地平から菅政権打倒へ

 11・7労働者集会は、まったく新たな青年労働者・学生の多数の参加により5900人の結集で打ち抜かれた。国鉄1047名解雇撤回闘争があらためて力強く労働者の結集軸として生き生きと発展していく画期的な集会となった。その熱気と感動はそのまま訪韓闘争へと引き継がれ、さらに11・13〜14APEC粉砕闘争が戒厳体制を打ち破って闘い抜かれた。この全体が日本帝国主義の危機を決定的に促進させるものであり、その階級的意義はきわめて大きい。この力を階級的労働運動の大発展へと一気に解き放っていく次の勝負が、JR東日本における検修業務外注化阻止の決戦である。ストライキを構えて闘う動労千葉と連帯し、全力で闘おう。

 国鉄決戦勝利こそ労働者の未来開く

 アメリカ帝国主義が主導する争闘戦の激化と軍事化、アジアを戦場とした市場と資源をめぐる激突として世界大恐慌情勢が展開している。とりわけ北朝鮮スターリン主義の崩壊的危機を契機とした朝鮮侵略戦争の情勢は激しく火を噴いており、釣魚台をめぐって激突が始まっている。
 この中で菅民主党政権は内への階級戦争、外への侵略戦争へ絶望的に進んでいる。公務員人件費2割削減と360万人首切り・非正規化を推し進め、また新安保懇など日米安保の強化―辺野古新基地建設へと突き進んでいるのだ。
 菅政権はブルジョア救済政権としての本性をあらわにして、国家主義と排外主義を満展開させながら、闘う労働組合(それは国鉄闘争を闘う労働組合のことだ)の解体の一点に攻撃を集中してきている。「4・9政治和解」に込められた労働運動に対するむきだしの敵意、せん滅意思を断じて甘く見てはいけない。4者4団体を始めとした体制内労働運動幹部らは震え上がって投降し、また徳永自治労委員長を始め連合幹部が菅政権の労働者支配の最悪の先兵となっている。
 これに対して動労千葉400人の組合員は、港合同、関西地区生コン支部の闘う組合とともに国鉄闘争全国運動を柱に打ち立て、闘う労働組合の復権を通して全労働者を階級的に組織する挑戦に打って出ている。6・13集会以降、全国で「動労千葉を支援する会」や「共に闘う国労の会」が発足し、JRを始めとした青年労働者の組織化が前進し、11・7労働者集会への大結集がかちとられた。国鉄闘争をめぐる激突が日本階級闘争のすべてを揺さぶり、歴史の決定要因となっている。
 とりわけ青年労働者を誰が組織するのか、これをめぐって激しくぶつかっている。国鉄を始めとして青年労働者の怒りはもはや堤防決壊寸前ともいえる情勢にある。この階級情勢の激変、大流動化に党がかみあい、結合し、圧倒的な獲得をなしうるかどうか、ここに一切がかかっている。
 それは具体的には検修業務外注化をめぐって問われている。青年労働者の怒りを解き放ち、職場を支配すべきは資本でも既成組合幹部でもなく青年労働者自身であることを確信させ、国鉄決戦にこそ全労働者の未来があることを訴えていかなければならない。全党のあらゆる力を結集し、階級的力関係を一変させ、動労千葉・動労水戸を先頭に外注化阻止決戦に立とう。

 分割民営化完遂へ動労千葉解体狙う

 現下の国鉄決戦の最大のテーマはJR東日本の検修・構内業務の全面外注化である。昨年10月、JR東日本によって提案された外注化の中身は、車両の検査・修繕の業務のことごとくを外注化するというものであった。この攻撃の激しさは、約2千人を対象に、強制出向という形をとって検修・構内業務のほとんどを労働者ごと下請け会社に丸投げするというところにある。それは必ず転籍による賃金体系や労働条件の根本的転換をもたらす。究極的な団結破壊の攻撃なのだ。
 決定的な点は、ライフサイクルがそうであったように、強制出向のほとんどが青年労働者になることは間違いないということだ。つまり、検修業務外注化とは、動労千葉の拠点・幕張車両センターと動労水戸の拠点・勝田車両センターを直接の焦点として階級的労働運動の解体を狙うものであると同時に、会社と東労組の支配に対して満を持して決起しようとしている青年労働者の誇りをズタズタにし、分断・排除しようとするものなのだ。
 周知の通り、4月1日実施については、動労千葉・動労水戸と動労総連合のストライキが炸裂(さくれつ)し、ありとあらゆる職場闘争の展開が会社を追い詰め、粉砕した。革共同もこの攻撃を打ち破るために総決起した。国鉄闘争が動労千葉を軸に広範な決起と高揚をつくりだし、JRの思惑を打ち破った。この力強さに敵は震撼(しんかん)し、今回は全面的に構え直して強行しようとしているのだ。
 それは同時に、12月ダイヤ改定で京葉線からの外房線直通によって千葉駅発ローカル列車を大幅削減し、内房・外房を中心とした特急列車を削減する動労千葉解体攻撃として襲いかかっている。
 JR資本も菅政権もこれをやりぬくことなしに、貨物の矛盾を核心とした分割・民営化25年問題を突破することなど到底できないのである。
(写真 11・7労働者総決起集会の銀座デモに立つ東京の労働者の隊列【上】と学生の隊列【下】【東京】)

 青年労働者の怒りを解き放ち闘おう

 この決戦はわれわれの一大飛躍点になろうとしている。勝利の条件は完全にあるのだ。分割・民営化以来25年、JR体制の矛盾の中で出口をふさがれ、蓄積されてきた青年労働者の怒りが今やマグマとなって噴火する寸前にある。この時に、会社と東労組カクマルは青年労働者に全矛盾を押しつけようとしており、われわれは青年労働者の自己解放のエネルギーを徹底的に引き出して闘おうとしている。
 JRの労務支配はもはや限界である。東労組カクマルは、青年に対して他労組のレクリエーションに行くことはもちろん会話さえ許さず、監視態勢を敷き、ことあるごとに呼び出しては恫喝することでしか、組織を維持できなくなっている。運転士の青年はライフサイクルで駅へ配転され、車両係の青年は委託会社へ強制出向され、契約社員は5年で使い捨てにされている。この資本のやり方のすべてに対して、東労組は協力し青年を売り渡すことで会社にすがりついているのだ。こんな連中がどうして青年を獲得できるものか。
 今や労働強化とも外注化とも闘わず、管理職のいいなりになり、ただ浦和事件と「たしろ選挙」の動員をチェックすることだけが組合活動という東労組幹部を、東労組の青年たちは公然と批判し始めたのだ。
 われわれはいかに闘うべきか。11・7労働者集会と国鉄全国運動の闘いが青年の中に衝撃的に知れ渡っている。動労千葉・動労水戸を先頭とする動労総連合、国労共闘の仲間がいかに困難であろうと労働者としての誇りと団結を守り、1047名解雇撤回を貫き、JR体制と闘い抜いてきたことの真価がついに発揮されるときが来たのだ。
 最大の焦点は職場で目に見える闘いを繰り広げることである。今何よりも求められているのは、変質と屈服、「産業報国会」化を深める既成の労組幹部、連合による闘いの抑圧を打ち破り、労働現場から闘いをつくりあげることである。労働者の団結した闘いこそが大恐慌情勢と対決し、歴史をつくり、社会を変革する力である。
 これは全産別の決戦である。菅政権は「新成長戦略」「公務員制度改革」「地域主権改革」と称し、教育・医療・福祉など公共部門のすべてを民営化し、数百万人の労働者を解雇して超低賃金の非正規職に突き落とそうとしている。それは国鉄分割・民営化を10倍するような究極の民営化・労組破壊攻撃である。
 このとき国鉄解雇撤回と外注化阻止の闘いは、公務員と全労働者階級にかけられた攻撃を打ち破る決定的な中心軸なのである。その最先頭に立つのが青年労働者である。首切りと非正規職化の元凶であるJRに対していよいよ青年労働者を軸とする闘いが始まろうとしている。階級的労働運動路線の成否をかけ、検修業務外注化阻止決戦に総決起しよう。

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週刊『前進』(2464号5面2)(2010/11/15 )

 デッチあげ逮捕と一斉不当捜索弾劾

 11月4日、警視庁公安部は「詐欺」容疑をデッチあげて2人の同志を不当逮捕した。同日、同志らの住居を含む4カ所、6日には前進社本社と神奈川支社、東京・杉並の都政を革新する会事務所への不当な家宅捜索を強行した。断じて許せない。
 大恐慌が深まる中で労働者階級人民の怒りに直撃されぐらぐらの日帝・国家権力=菅民主党政権による11・7労働者集会への事前弾圧だ。怒りをバネに、前日の田母神らの反動を蹴散らして5900人が日比谷に結集、集会は大高揚した。
 さらに追いつめられた権力は9日に仙台、京都、広島、九州、沖縄へと不当捜索を拡大した。このままではAPECが粉砕されかねない、そうなれば帝国主義として命取りだという危機感にかられての暴挙だ。
 そもそも2同志には国家権力に「詐欺」呼ばわりされる理由などまったくない。自ら賃貸借契約を結んだアパートに住み生活することのどこが「詐欺」なのか。ふざけるのもいいかげんにしろ! 直ちに2同志を釈放しろ!
 検察の証拠改ざん、権力中枢からの情報流出、警察の腐敗の数々。今や警察・検察権力は、むき出しの暴力による人民弾圧機関としての本質があらわとなり、労働者階級人民の怒りと不信が集中している。末期的危機と破綻的状況にある。
 11・7集会後のデモで警視庁は、デモ隊列に寄り添い歩いていた同志に「公安条例違反」の言いがかりをつけ、計画的に狙い撃ちして不当逮捕したものの、勾留もできず2日後に釈放せざるをえなかった。こんなでたらめが許されるか! 労働者の怒りを買い墓穴を掘ったのは権力の側だ。
 国鉄1047名闘争と労働運動の解体を狙った4・9政治和解を跳ね返し、動労千葉を先頭に新たな国鉄全国運動が前進している。戦争と大失業に怒りと危機感を募らせる労働者階級人民が、かつてない規模で革共同と結合する情勢が訪れている。革共同の存在と闘いこそ希望である。これに心底恐怖しているのが国家権力なのだ。不当弾圧に怒りを爆発させ、完全黙秘を貫いて闘う2同志を直ちに奪還しよう!

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週刊『前進』(2464号5面3)(2010/11/15 )

焦点 米中間選挙でオバマ大敗北

 危機の対外転嫁が不可避に

 11月2日に行われた米中間選挙でオバマ大統領の率いる民主党が1930年代以来の歴史的な大敗を喫した。民主党は下院で過半数を割り、野党の共和党に主導権を奪われ、上院ではかろうじて過半数を守ったが、大幅に議席を減らした。

 ●大恐慌下で労働者の怒り爆発

 与党の歴史的大敗と「ねじれ議会」は、大恐慌下の米帝で起きている社会的な崩壊と分裂、支配階級の分裂と対立、階級対立と階級激突の表れである。
 米帝が大恐慌を財政出動でのりきろうとしたことが決定的に破綻し、大恐慌は二番底、三番底も不可避という泥沼的破局に突入している。これは米帝という基軸的な帝国主義・資本主義の根底的な没落と崩壊を決定的に突きつけている。こうした大恐慌と大失業に対する労働者階級の怒りが爆発し、オバマ民主党は大敗北したのだ。
 オバマがこうした政治危機、経済危機をのりきるために階級戦争と侵略戦争を激化させることは必至である。オバマは一方で労働者階級への大失業攻撃や労組破壊、治安弾圧を強め、他方で排外主義・愛国主義を鼓吹して危機を対外的に転嫁する通商戦争・為替戦争や争闘戦、侵略戦争・世界戦争の攻撃を激化させようとしている。だがそれら労働者への攻撃は階級決戦を決定的に引き寄せる。世界大恐慌を世界プロレタリア革命に転化すべき革命情勢がいよいよ成熟するのだ。
 今回の中間選挙では下院(任期2年、定数435)の全議席と上院(任期6年、定数100)の37議席が改選され、同時に全50州のうち37州で知事選が行われた。
 その結果、下院の勢力分野は改選前の民主党255、共和党178(欠員2)から民主党188、共和党239(未確定8)となり、与党が少数派に転落した。 
 上院は改選前、民主党59、共和党41だったが、今回、共和党が24議席を獲得、民主党は11議席を獲得したにすぎず、非改選を合わせ民主党系53(無所属2を含む)、共和党系47(未確定のアラスカの両候補とも共和党系)と、ほぼ拮抗(きっこう)状態になった。
 37州で行われた知事選でも共和党が圧勝した。民主、共和両党が知事ポストを押さえた州は非改選を含めた全50州のうちそれぞれ19、29(無所属1、未確定1=ミネソタ)となった。共和党は改選前の24州から大幅に増やした。民主党が知事を務めていた12州で知事ポストを奪還した。
 前回08年の選挙で民主党は「オバマ」旋風に乗って上下両院で多数を占めたが、今回はオバマ政権自体が民主党の敗北の原因になった。オバマの「チェンジ(改革)」に期待して民主党候補に投票した労働者人民の多くがオバマに裏切られたと感じ、幻滅して、共和党支持に流れた。
 とりわけ選挙戦の最大の焦点となった経済・失業問題でオバマ民主党は支持を失った。金融大恐慌への対策としてオバマは巨額の財政出動で資本救済を図ったが、景気は回復軌道に乗らず、労働者階級は大リストラ・大失業にたたきこまれ苦しんでいる。公式の失業率は9%台半ばを推移しているが、実際には20%に近い。住宅ローンが払えず、住宅を差し押さえられ、ホームレスになる人がまだまだ増えている。
 オバマが政権の命運をかけて実現した医療保険制度改革も「国民皆保険」「公的医療保険」などといえるものではない。医療保険会社が潤うシステムでしかない。大恐慌で保険料が高すぎて払えない企業からリストラで追い出された労働者が無保険者になり、医療を受けられなくなっている。
 さらにイラク・アフガン戦争からの米軍撤退がオバマの計画どおり進む展望は薄れている。帰還兵の多くが戦争後遺症に陥り、社会復帰ができず困窮している。
 オバマは資本を一時救済したかもしれないが、その犠牲になっているのは労働者階級だ。

 ●共和党の抱き込み図るオバマ

 民主党を敗北に導き共和党を押し上げたもう一つの要因として、ティーパーティー(茶会)という小ブルジョア的右翼ファシスト勢力の台頭がある。茶会派はオバマの医療保険制度改革や巨額の財政投入による巨大金融機関・独占的大企業の救済、史上最大規模の景気刺激策を「社会主義的」「米国の伝統に反する」などと非難する。「社会保障の廃止」「進化論の排撃」などのとんでもない反労働者的スローガンを叫び、「アメリカは特別な国」「史上類を見ない偉大な国家」など愛国主義・国家主義を扇動して共和党への支持を広げた。だが茶会派は国家的救済を受けた巨大金融資本の側に立つ共和党にとって「もろ刃のやいば」である。労働者・労働組合が階級的な闘いに立ち上がれば、その反動的正体を暴き、打倒することは可能である。
 ただし当面、共和党は「小さな政府」を要求する茶会派の勢いを利用してオバマの医療保険制度を覆そうとしている。超党派の委員会で13兆7千億j(約1100兆円)に膨れ上がった連邦債務総額を減らす緊縮政策を準備し、社会保障費を大幅に削ろうとしている。オバマが危機突破をかけて共和党を抱き込んで労働者階級への攻撃を強めてくることは不可避だ。
 中間選挙での民主党大敗北は、オバマによる危機の対外的転嫁、侵略戦争・世界戦争と国内での階級戦争を激化させる。階級決戦情勢は決定的に引き寄せられた。米労働者階級と連帯して米帝オバマを打倒しよう。

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週刊『前進』(2464号5面4)(2010/11/15 )

 「尖閣ビデオ」と「対テロ情報」の流出

 権力の分裂とミニクーデター

 戦争と排外主義をめぐり暗闘が

 9月7日に起きた釣魚台(「尖閣諸島」)沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件で、政府が非公開を決めた石垣海保撮影の事件現場ビデオ映像が、インターネットに流出した。その是非や「犯人さがし」で国会やマスコミが大騒ぎしているところに、神戸海保の隊員が「自分がやった」「犯罪とは思っていない」と名乗りを上げた。しかもこれをマスコミや右翼勢力が一体となって“英雄扱い”する事態さえも生まれている。
 海上保安庁という軍事組織での“反乱”に菅民主党政権は大衝撃を受けている。「倒閣運動だ」「クーデターだ」と叫ぶ一方、「公務員の綱紀粛正」や「秘密保全に関する法制を検討」など、事態を情報危機管理の強化や治安弾圧立法問題にすり替え、政権危機の突破に全力をあげている。
 同時に、この「尖閣ビデオ」問題でかき消されているが、警視庁公安部外事3課の「対テロ」秘密捜査資料が、当の警視庁公安部の内部から、しかもその中枢部から大量にインターネット上に流出する空前の大事件も起きた。こちらは外部から遮断され、特定の幹部しかアクセスできない警視庁の専用サーバー(大型コンピューター)内から資料が抜き出され、故意に流出させた事件だ。これも、APECで議長国の日本が国際的「信用」を失墜させるような重大事態だ。
 だがこの問題では、菅政権も、マスコミも右翼も、事態の重大さを極力かき消しつつ、「情報危機管理システムの整備」を言い立て、これまで何度も人民の怒りで葬り去られたスパイ防止法(国家機密法)の制定策動を蒸し返している。
 この二つの大事件で突き出された問題は、何よりも、大恐慌の底なしの激化の中でブルジョアジー救済の絶対的使命を帯びて登場した菅民主党政権の、絶望的なまでの危機性だ。だがそれは同時に、昨年8・30政権交代で決定的となった、日帝ブルジョアジーとその権力の内部分裂の深刻さと、政治支配のかつてない危機を意味している。今まさに国家権力の中枢が自らを統制できずに、その内部から政権に決定的打撃を与えるような右からの反乱、ミニ・クーデターが起きたのだ。
 民主党政権は政権交代から1年とたたずに、ブルジョアジーに全面的な恭順の意を表明した。そして連合中央を取り込み、「新成長戦略」や「新安保懇報告」などのきわめて反労働者的な大失業と労組破壊、戦争と改憲への攻撃を次々と打ち出してきた。これは自民党政権にもやれなかった超反動的な踏み切りである。釣魚台への侵略軍事行動の強行こそ、戦後的制約を打ち破る歴史的エスカレートだった。
 だがこうした民主党政権の反動的突出は、支配階級と右翼・ファシスト的勢力の新たな蠢動(しゅんどう)にも火を付けた。それは、菅政権が中国の強硬姿勢の前に中国漁船長の起訴を見送るにおよんで、より右からの「弱腰外交」「売国政権」といった排外主義的・愛国主義的な非難を噴出させるにいたったのである。
 神戸海保の保安官がビデオ流出は自分がやったと告白し、もしやらなければビデオ映像が「闇から闇に葬られる。国民には見る権利がある」と居直っているのは、こうした排外主義・愛国主義の延長線上にある。
 ここで問題となっているのは「知る権利」とか「情報公開」が是か非かといった次元のことではない。問題の核心は、大恐慌が大失業を生み、帝国主義間・大国間の争闘戦が戦争へと転化しつつある情勢のもとで、戦争と排外主義・愛国主義をめぐって支配階級と権力が分裂し、おぞましい暗闘を激化させている現実そのものにある。この権力、支配階級の分裂は、革命的情勢の重要な兆候のひとつである。

 労働者階級の力で菅政権打倒へ

 労働者階級に問われているのは、対中国などの排外主義・愛国主義をあおる右翼的ファシスト的な勢力の策動もろとも、戦争と大失業、民営化=労組破壊、非正規化の攻撃を強める日帝・菅政権を打倒することだ。
 労働者と労働組合の闘う団結こそが、戦争を止め、資本主義・帝国主義を打倒する力だ。11・7労働者集会の地平から国鉄決戦を基軸に階級的労働運動の創造に向け全力で闘い抜こう。

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週刊『前進』(2464号6面1)(2010/11/15 )

 G20粉砕へ日韓共同闘争 11・11ソウル

 非正規撤廃へ闘い爆発

 国鉄決戦に熱い注目 勝利の道示す動労千葉

(写真 「G20糾弾! 国際民衆行動の日」本大会に先だって開かれた金属労組決意大会【11月11日 韓国・ソウル駅前】)

 G20厳戒態勢を打ち破って11月9日にソウルに入国した100人を超える動労千葉訪韓団は、11・7労働者集会をともにかちとった民主労総ソウル本部の同志たちと再合流しG20粉砕を闘った。10日夜、「G20糾弾! チョンテイル烈士精神継承! 労働弾圧やめよ! ロウソク文化祭」に参加し、11日にはゼネストに立ち上がった金属労組とソウル駅前広場で合流。さらに「韓米FTA強行と労働弾圧のイミョンバク政権糾弾大会」と、続く「人が優先だ! 経済危機の責任を転嫁するG20糾弾! 国際民衆行動の日」本大会に参加し、集まった1万人を超える労働者・農民・都市貧民・学生とともに実力デモを貫徹した。(本紙・室田順子)

 深まる日韓連帯

 訪韓闘争は日本からの出国、韓国への入国から始まった。動労千葉の動輪旗とポール、のぼりとゼッケンの持ち込みが不当にも禁止された。韓国では8日に7人のフィリピン人が入国不許可で強制送還になったほか、ネパール、インドネシア、パキスタン、さらにアフリカ各国の市民団体代表者のビザ発行が拒否された。徹底弾劾する。労働者が国境を越えて合流し、共同闘争を展開することは支配階級を震え上がらせている。
(写真 「人が優先だ! 経済危機の責任を転嫁するG20糾弾! 国際民衆行動の日」本大会で壇上に並んだ海外代表団【11日】)

 ロウソク文化祭

 10日夜、動労千葉を先頭とする訪韓団は、ソウル中心街にある普信閣(ポシンガク)前で開かれたロウソク集会に参加した。会場中央にはソウル上京闘争中の約120人の金属労組亀尾(クミ)支部KEC支会組合員が陣取っていた。そろいの赤ゼッケンに「キムジュニルを生きさせろ! 警察署長は退陣しろ!」「KEC闘争勝利! 民主労組死守!」の文字が鮮やかだ。
 チャガンホ亀尾支部首席副支部長は「714人の組合員のうち60%が女性組合員だ。亀尾地域では万都(マンド)などで厳しい非正規闘争を闘っている。ここで負けるわけにはいかない」と語り、日本での連帯闘争を呼びかけた。
 このロウソク集会で動労千葉は「日本から1047名闘争を闘っている動労千葉、田中康宏委員長が参加しています」と紹介され、大きな拍手で迎えられた。4・9政治和解に抗し「国鉄闘争の火を消すな」と動労千葉が提起した国鉄全国運動は、民主労総傘下の連盟・労組指導部32人の賛同を得て、韓国でも熱い注目が広がっている。
 集会中、2005年以来、交流を深めてきた韓国の労働者が引きも切らず動労千葉に顔を見せ、熱い抱擁が続いた。

 金属労組がスト

 翌11日、訪韓団はそれぞれチョンテイル烈士の銅像が建つ清渓川(チョンゲチョン)沿いにある平和市場を訪ねるなどした後、ソウル駅前広場に集まった。
 午後2時前、「KEC資本糾弾! 逮捕を強行した警察責任者を処罰せよ!」と要求し4時間のストライキに立ち上がった金属労組の決意大会が始まった。ソウル駅前には忠清圏と首都圏の金属労組員2500人余りが集まったが、同時に釜山、昌原、大邸、蔚山などでもストライキ集会が開かれた。壇上に並んだKEC、双龍(サンヨン)自動車、韓進(ハンジン)重工業など争議労組の代表が次々にイミョンバク政権の労働弾圧を弾劾した。
 午後2時すぎ、「韓米FTA(自由貿易協定)強行・労働弾圧イミョンバク政権糾弾大会」が開かれた。今回の再協議で米帝は30カ月以上の牛肉輸入の開放を要求している。参加者は「韓米FTA全面廃棄」を声高く叫んだ。
 さらに午後3時から「人が優先だ! 経済危機の責任を転嫁するG20糾弾国際民衆共同行動の日」本大会イベントが進行した。
 アメリカ、メキシコ、ブラジルなどの海外代表団とともに動労千葉の田中委員長も壇上に並んだ。
 大会後、1万人にふくれあがった参加者が南営(ナミョン)駅に向けて出発しようとすると警察部隊がこれを阻む。しかし、デモ隊は多数の力で実力突破。降り出した雨が途中から激しくなり、雷がとどろく中を4車線を占拠したデモ行進が続いた。

 進む方向鮮明に

 G20粉砕デモの後、動労千葉訪韓団はソウル本部とともに総括集会を持った。団長の田中委員長はソウル本部の手厚いもてなしに感謝した後、「4・9政治和解という大反動を跳ね返してかちとったという意味で今年の11月労働者集会は大きな成果があったと確信しています。それと11月組織化の過程でこれからの進む方向が限りなく鮮明にできたことはすばらしい。新しい闘いが始まりました。この3日間ソウルに来て学んだことも、僕ら自身が日本で本当に闘う労働運動をつくらなければいけないということです」と東京、ソウルと続いた一連の闘いを総括した後、「これから1年間、来年の11月集会には今年の5900名を絶対に倍にする。その決意はいいですか!」と呼びかけた。訪韓団全員が拍手と歓声で応えた。
 ソウル本部のイジェウン本部長は「きょうはチョンテイル同志が亡くなってから40周年の記念日です。チョンテイル精神を受け継いで労働運動をともに闘っていきましょう」と応じた。
(写真 【上】G20糾弾デモを終え南営駅前で整理集会。右から2人目が田中委員長、左隣がソウル本部のノミョンウ首席副本部長。【下】動労水戸と動労西日本ののぼりが鮮やか)

 現代車スト決議

  現代車蔚山非正規職支会、現代車牙山(アサン)社内下請け支会、現代車全州社内下請け支会の現代車非正規職3支会は11日と12日にスト投票を行い、3支会総人員2349人中2041人が投票し、うち1841人の賛成でストライキを決議した。3支会は違法派遣を認定した7・22大法院判決を踏まえ、元請けの現代車を相手に2010年賃金交渉および団体交渉を要請したが、現代車は応じようとしなかった。3支会は中央労働委員会に争議調整を申し立てた。11月15日以降、ストライキを含む総力戦で本格的な正規職化獲得闘争に打って出る。
  現代車蔚山非正規支会のウサンス組合員は「韓国の労働運動の歴史を変える闘争に連帯してほしい。われわれはその火種になる!」(11・6労働者大会前夜祭)とアピールしている。闘う韓国労働者とともに階級的労働運動の力で革命まで突き進もう!

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週刊『前進』(2464号6面2)(2010/11/15 )

 チョンテイル精神継承を

 11・7民主労総大会に4万人

 “労働者は一つになろう”

 11月7日、全国民主労働組合総連合(民主労総)の全国労働者大会がソウル市庁前で開かれ、4万人が集まった(写真)。今年はチョンテイル烈士が「勤労基準法を守れ!」と焼身決起してから40年、95年民主労総創立から15年であり、世界大恐慌のもとで激化する大失業と戦争に労働組合、労働運動の闘いが鋭く問われる大会となった。

 大恐慌下で

 「労働基本権死守、労働法再改正、非正規職問題解決、G20糾弾」を掲げた大会でキムヨンフン民主労総委員長は「チョンテイル精神を今日に継承する道は80万組合員のすべてが非正規職・中小零細・低賃金労働者や移住労働者との階級的団結を最優先に考え、市民・民衆陣営との連帯で反労働・反民主・反統一勢力であるイミョンバク政権を審判する闘争に立つことを宣言する」と述べ、そのために「非正規職のない世の中をつくる労働関連法全面再改正のための汎国民運動本部」の建設を提案した。
 しかし、今まさに世界大恐慌と資本主義の終わりの時が到来している中で、求められているのは現体制の修正や改良ではなく革命だ。

 非正規闘争

 大会前夜の6日、ソウル駅前で「非正規職撤廃! G20反対! 闘争事業場勝利戦取! 全国労働者大会前夜祭」が、民主労総ソウル本部、社労委、社会進歩連帯など70団体による組織委員会の主催で開かれた。約千人が集まる中、非正規職闘争の現場報告が続いた。
 GM大宇非正規職支会のシンヒョンチャン支会長は「G20の最大の被害者は非正規職労働者だ。多国籍資本が非正規職労働者の団結を破壊している」と弾劾した。
 不当解雇・団体協約破棄と1050日間闘っている学習誌労組才能(チェヌン)支部のオスヨン事務局長は「団体協約を取り戻し、解雇者の現場復帰をかちとるまで、死ぬこと以外は何でもする」と決意表明。1895日間の闘争で直接雇用をかちとったキリュン電子のキムソヨン分会長は「どんな困難があっても団結し連帯して闘えば勝てる」「現場に戻っても派遣職撤廃、非正規職撤廃のために力強く闘う」と宣言した。
 7日の本大会でも、6年間闘い、今夏から150日間、現代起亜自動車本社前で座り込んだ末、組合員9人全員の原職復職で合意したドンヒオート非正規職支会のチェジニル事務長が「非正規職の4文字は人間としての尊厳を傷つけるものだ。われわれは再び非正規職として絶望の工場に入ろうとしているが、そこでもう一人のチョンテイルに会いたい」と訴えた。
 他方、10月30日には金属労組のキムジュイル亀尾支部長が傘下のKEC支会の労資交渉過程で抗議焼身するという事件が起きた。
 タイムオフ制(労組専従賃金禁止)などをめぐる対立でストに入ったKEC支会に対し、会社は工場閉鎖で報復。労組はスト127日目の10月21日、男女組合員200人が半導体工場占拠に突入した。10月31日にようやく実現した労資交渉の席が、実は労組幹部を警察に売り渡すワナだったのだ!

 ゼネストへ

 金属労組は7日、本大会に先だって金属労働者ゼネスト宣言決意大会を開き、集まった1万人の組合員を前にパクユギ委員長が「G20首脳会議が開かれる11月11日、KEC闘争勝利のために金属労働者15万人はゼネストに立つ」と宣言した。
 11日には、日本が韓国に敗れたアラブ首長国連邦への原発受注が、実は韓国軍特戦司令部のアラブ派兵が条件となっていたことが発覚した。イミョンバク大統領自ら、なんと「韓国製原子力発電所輸出に役立つよう積極的に協力せよ」と指示していたというのだ。まさに経済権益の確保と戦争政策が一体で進んでいるのだ。この支配者どもについて行ったら労働者人民は殺されるだけだ。
 動労千葉の田中康宏委員長は「小なりと言えど動労千葉は国鉄分割・民営化と闘い、1047名解雇撤回を闘い、この10年は外注化を阻止してきた。この闘いは一言で言えば非正規職をつくらない闘いだ」と語っている。敵階級が仕掛けるあらゆる分断をのりこえて労働者階級が一丸となって闘い勝利する路線がここにある。
 11・7労働者大会でチョンテイル烈士の母、イソソンさんは「全国の労働者がひとつになれないでいるからいまだ焼身が起きている」「労働者がひとつになればできないことはない! 私たちはひとつになって勝利する闘いをしよう!」と叫んだ。大恐慌情勢を打ち破る新たな労働運動を創造し、労働者国際連帯で未来をつかもう!
 (M)

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