ZENSHIN 2010/11/01(No2462 p08)
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週刊『前進』(2462号1面1)(2010/11/01 )
労働者1万の大デモを
青年・学生は日比谷に総結集し大失業・戦争の道を断ち切ろう
ソウルG20-横浜APEC粉砕へ
11・7労働者集会まであと1週間、東京・日比谷野音を1万人の労働者階級人民で埋め尽くそう。とりわけ青年労働者は、「労組青年部をつくろう」というこの間の職場闘争の実践に誇りと確信を持ち、今一つ激しく情勢を突き抜け、最先頭に立とう。資本家とその政府への根底的怒りを爆発させ、団結した労働者の勝利の展望を示す場、それが11・7だ。ここから「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の怒濤(どとう)の進撃が始まる。赤い火の玉となり11・7の歴史的大爆発へ突き進もう。そこからさらに、ソウルG20首脳会議粉砕の訪韓闘争に断固決起し、11・13−14横浜APEC粉砕へ攻め上ろう。
右翼の敵対ぶっ飛ばせ
11・7労働者集会の1万人大結集に向けて、今や最大最高の決戦情勢が訪れている。
元航空幕僚長・田母神俊雄や前杉並区長・山田宏らの右翼ファシストグループが、あろうことか11月6日に日比谷野音で、「アジアに自由と平和を!」などのペテン的スローガンを掲げた「自由と人権アジア連帯集会」なる反中国の排外主義集会を開催しようとしている。「1万人を集め大衆運動で左翼を撲滅する」などとわめいている。これは11・7の破壊を狙うファシストどもの大反動だ。
しかしこれは逆に、行動を求め大流動を開始している青年労働者・学生を一挙に獲得する歴史的チャンスの到来でもある。青年労働者・学生に「どう生きるのか」の歴史選択を迫り、11・7への組織化に死力をふりしぼって決起するならば、1万人結集は絶対にできる情勢だということだ。
新自由主義攻撃と大恐慌の爆発のもとで、青年労働者は極限的に搾取され、団結を奪われ、誇りを奪われ、未来を奪われている。だからこの社会に対する怒り、政府・権力に対する憤りは、誰よりも深く大きい。
ナチス・ヒトラーは膨大な失業者の不満と怒りを「国家社会主義ドイツ労働者党」というペテン的な旗のもとに反革命と戦争へ組織した。田母神・山田らの右翼ファシストは今、「中国の尖閣諸島侵略糾弾」「弱腰と亡国の菅政権打倒」などというスローガンを掲げ、排外主義・国家主義を扇動し、青年労働者・学生の怒りや閉塞(へいそく)感に訴え、それを労働者や左翼勢力への対抗と戦争に向け組織しようとしているのだ。
国際連帯で戦争を阻む
すべての青年労働者・学生に心から訴えたい。「日の丸」を打ち振り、排外主義・国家主義を叫ぶ先にあるのは戦争だ。「アジアに自由と平和」どころか、再び日帝の対北朝鮮・中国、対アジアの強盗的な侵略戦争への道であり、無残な破滅の道だ。しかし、労働者を人間扱いせず、日々過酷に抑圧・搾取する資本家どもが行う侵略戦争など、労働者が団結して闘えば絶対阻止できる。
世界大恐慌の爆発で、資本家とその政府=菅民主党・連合政権は、アジアに侵略し勢力圏を拡大しなければ、これ以上延命できない。そこで「新成長戦略」 と「東アジア共同体構想」を打ち出し、労働者に大失業・非正規雇用化と労組破壊の攻撃を強めながら、アジアへの侵略と戦争に再び突入しようとしているのだ。釣魚台(尖閣諸島)への海上保安庁の軍事行動はそのためにこそ強行され、排外主義の扇動と戦争体制構築に徹底的に利用されているのだ。
だが、戦争で利益を得るのは資本家だけだ。戦争は世界単一の革命的な階級である労働者同士をいがみ合わせ、殺し合わせる。資本家はそれで利益をあげ、過剰資本・過剰生産力を暴力的に処理すると同時に、資本に対する労働者の団結と抵抗を鎮圧し、「領土」を奪い、勢力圏を拡大しようとするのだ。
だがそれは労働者・学生にとってはまさに地獄であり、断固拒否だ。今こそ青年労働者・学生は先頭に立って闘い、資本家とその権力をぶっ倒し、日帝・菅政権を打倒し、自ら社会の主人公に躍り出よう。社会のすべては労働者が動かしている。労働者が政治権力を資本家から奪い取り、自ら社会を運営し、社会主義・共産主義へ前進する時代が来たのだ。
中国で爆発する「反日デモ」は、日帝の侵略への怒りの決起であると同時に、中国スターリン主義の抑圧・搾取と腐敗と弾圧に対する青年労働者・学生の反乱だ。日中の労働者・学生の共通の敵こそ、日帝・菅政権であり、中国スターリン主義権力なのだ。
11・7は日米韓3国連帯を軸とした、新自由主義攻撃と戦争に大反撃する国際連帯闘争である。青年・学生を先頭にすべての労働者は「戦争か革命か」の歴史選択をかけて、11・7日比谷野音へ総結集しよう!
関生のゼネストに続け
団結の素晴らしさ、労働組合の可能性と革命性を徹底的に訴えよう。それが11・7への労働者の根底的決起をかちとるカギだ。青年労働者・学生はこの社会を根本から変えたいと欲し、行動を求めている。労働組合のナショナルセンターが政治闘争を断固として呼びかけるならば、数百万人のゼネストもまったく可能な情勢なのだ。
だからこそ菅政権は、青年労働者が階級的労働運動と結合し革命にまで上りつめることを死ぬほど恐れ、「4・9政治和解」で1047名解雇撤回闘争を解体し、国鉄闘争を圧殺して、動労千葉のせん滅と労働運動そのものの絶滅・一掃へと打って出たのだ。
「4・9反革命」をはね返し、新自由主義と闘う国鉄闘争全国運動こそ労働者の未来を切り開く闘いである。この運動に青年労働者を始めすべての労働者を獲得しよう。
11・7労働者集会と国鉄闘争全国運動の呼びかけ労組である全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の7月以来4カ月にわたる産業ゼネスト闘争こそ、11・7集会1万人決起へのこれ以上ない檄(げき)であり、動労千葉への圧倒的な最大の援軍である。
動労千葉の検修外注化を阻止した闘いと関生支部のゼネスト闘争の結合は、日本労働運動に地殻変動的な影響を及ぼしている。ここに圧倒的な確信と勝利感をもち、労働組合オルグに最後の最後まで踏み込み闘おう。
関生支部のゼネスト闘争の素晴らしさは「4・9反革命」で覆い尽くされようとしている労働組合への絶望、敗北主義をはね返し、労働組合の可能性と勝利性、革命性を全面的に解き放っている点にある。
10・15関西労働者集会で関生支部の高英男副委員長は「11月集会を呼びかけている3労組に共通するのは、少数でも闘いぬいていることだ。闘いの中にしかわれわれの生きる道はない。少数であることを恐れることはない」と語った。この言葉の中に、「労働組合をよみがえらせよう」という国鉄闘争全国運動の意義が鮮明に凝縮されている。
さらに、労働組合が中軸になって大手ゼネコンとの決戦に中小業者からなる協同組合を引き連れて闘い、勝利できるというプロレタリア独裁能力を開示している点でも決定的である。労働者の基礎的団結形態である労働組合は、まさに「社会主義の学校」なのだ。
11・7集会は、すべての労働者階級人民を引きつけ、団結させ、あらゆる可能性をもった唯一最大の結集軸だ。この可能性にかけきって最後まで大胆に組織化しよう。
外注化阻止決戦へ突入
11・7は何よりも国鉄闘争勝利をかけた闘いだ。菅政権が進めるJR大合理化との闘いこそ、「4・9反革命」を打ち破る核心的攻防だ。11・7の1万人決起で検修外注化阻止決戦への突入を断固として宣言しよう。
JR東日本は検修外注化の「2010年度内実施」を公言し、12・4ダイヤ改正で千葉管内のローカル線大幅削減、新型車両の大量投入と検修業務の大合理化、基地統廃合によって動労千葉の拠点破壊を狙っている。
すべてが動労千葉の組織破壊のための攻撃なのだ。これに対して動労千葉は、12・4ダイ改阻止のストライキを構え、組織拡大で勝利していく方針を決定し、11・7への根こそぎの総決起体制をつくって不屈に闘いぬいている。この決起に1万人結集で応えよう。
国鉄決戦を基軸に、菅政権の国家公務員の給与法改正案、郵政改革法案、労働者派遣法改正案など、労働者階級に対する首切り・外注化・非正規化の攻撃を粉砕しよう。
G20財務省・中央銀行総裁会議(10・22〜23韓国)では、通商戦争と為替戦争をめぐって米中などが激しく対立した。G20首脳会議(11・11ソウル)とAPEC首脳会議(11・13〜14横浜)に向けて、帝国主義間・大国間の争闘戦がますます激化し、協調関係は崩壊し、この中で米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の策動が激化している。
11・7の大爆発から、民主労総と連帯したソウルG20粉砕の訪韓闘争へ、さらに横浜APEC粉砕へと総決起しよう。全学連こそこの国際反戦闘争の先頭に立つ前衛部隊だ。
残り1週間。最後の最後まで職場、地域、大学、街頭で「11・7日比谷野音へ」と訴え、やれるすべてのことをやりきろう。
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週刊『前進』(2462号1面2)(2010/11/01 )
三里塚 11・5現闘本部控訴審へ
東京高裁 事実調べ打ち切り許すな
11・7集会大結集へ向けて最後の全力疾走のまっただ中で、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける11・5現闘本部裁判控訴審第2回弁論への総決起を訴える。
三里塚闘争は今、「空港廃港」の勝利を具体的に手にする展望を切り開いている。10・10全国総決起集会で明らかにされたように、成田はアジアのハブ空港をめぐる争いからたたき落とされ、羽田の国際化で「日本の表玄関」の体裁すらとれなくなった。
各国航空会社が成田を敬遠する中で、空港会社(NAA)は年間発着枠30万回化で「地元と合意」と発表したが、事故の危険と騒音地獄にさらされる地元住民の大多数は当然にもこれを拒絶し、空港の存在は足元から揺らいでいる。NAAは、格安航空会社の誘致が唯一の延命策とあけすけに認めている。
反対同盟の「農地死守・実力闘争」の44年の闘いが空港を破産に追いつめたのだ。この日本の労農連帯闘争の拠点に全世界が注目している。
だからこそ三里塚への敵の攻撃は見境なく激化し、現闘本部建物を強奪・撤去する策動が強まっている。東京高裁第15民事部・井上繁規裁判長は、反対同盟側との証人調べをめぐる進行協議を拒否した。事実調べ打ち切り、早期結審を絶対に許すな!
11月5日、高裁包囲の大デモを戦闘的にかちとり、裁判傍聴に詰めかけよう。以下に反対同盟の呼びかけを掲載します。
◇ ◇ ◇
全国の闘う仲間の皆さん、天神峰現闘本部控訴審の第2回弁論が11月5日に行われます。7月23日の第1回では、千葉地裁仲戸川裁判長による反動判決の誤りを全面的に粉砕する控訴趣意書を陳述し、法廷内外一体となった闘いによって裁判を圧倒しました。
しかし一審判決で「仮執行宣言」を粉砕されたNAAは、10月21日からの羽田空港の国際化や4本目の滑走路の供用開始によってますます追いつめられ、一刻も早い現闘本部撤去のための早期結審を狙っており、予断を許さぬ情勢です。
反対同盟の地上権を認めず、NAAによる建物撤去と土地明け渡し請求を一方的に認めたずさんきわまりない一審判決の内容を粉砕するためには、重要証人調べなど十分な審理を尽くすことが不可欠です。裁判は緊迫した攻防局面に直面しています。全国の仲間の皆さん、11・5天神峰現闘本部控訴審の高裁包囲デモに総決起し、圧倒的傍聴闘争を闘いぬくことを訴えます。敵のあがき・焦りを許さず、高裁・NAA一体となった審理打ち切り策動を粉砕して闘いぬきましょう。
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2462号1面3)(2010/11/01 )
ILWUローカル10 虐殺に抗議し港湾を封鎖
11・7労働者集会に参加するILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10は10月23日、09年1月1日に起きた警官による黒人青年オスカー・グラントさんの射殺事件に抗議して、サンフランシスコ湾岸の全港湾を封鎖する闘いに決起した。
同時にオークランドのフランク・オガワ広場で集会を行った。集会には、アラメダ郡とサンフランシスコの労組評議会、ILWUローカル10のほかにローカル34と6、AFSCME(アメリカ州・郡・市従業員労組連盟)、オークランド教職員連盟、SEIU(サービス従業員国際労組)の戦闘的ローカルの代表や、地域住民や高校生など1500人が参加した。
この闘いは、大恐慌情勢下で激化する人種差別攻撃に対して労働組合こそが現場の闘いを軸に地域の労働者、住民を組織して反撃の闘いを展開し、資本の差別・分断支配を粉砕することができることを示した。
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週刊『前進』(2462号1面4)(2010/11/01 )
前進速報版から
▼倉澤さん処分撤回第2回公開審理▼みやぎ青年労働者集会で労働者の生き方を熱く論議▼中国リコー争議第3報、監獄工場に反撃
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週刊『前進』(2462号1面5)(2010/11/01 )
三里塚裁判傍聴を!
◎現闘本部裁判控訴審
11月5日(金)午後2時 東京高裁
★デモ 午前11時半 日比谷公園霞門集合
◎団結街道裁判初弁論
11月16日(火)午前11時 千葉地裁
◎鈴木さん一坪裁判
11月18日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん行政訴訟
11月26日(金)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん農地法裁判
11月26日(金)午前11時10分 千葉地裁
(同日に同じ法廷で連続して開かれます)
※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2462号2面1)(2010/11/01 )
11月7日の日比谷野音がすべての労働者階級人民の結集軸だ
11・13〜14 大失業と戦争の強盗会議
横浜APEC粉砕へ
組合旗押し立て大デモを
超厳戒うち破り
11月13〜14日、横浜で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議は、直前の東アジアサミット(10月30日ハノイ)、G20首脳会議(11月11〜12日ソウル)とあわせ、米・日帝国主義や中国スターリン主義が大恐慌下で東アジアの支配・勢力圏化をめぐる争闘戦を激化させ、大失業と戦争の攻撃を加速させる強盗会議だ。
労働者・農民への途方もない抑圧と搾取・収奪の上に延命してきた帝国主義とスターリン主義が、この上さらに過酷な超低賃金、無権利、大失業・非正規化を強制し、資源・領土戦争や侵略戦争の危機を拡大して延命する会議など、絶対に許せない。アジア各国と世界の労働者人民の激しい怒りが爆発している。
地元・横浜を始め首都圏全体を制圧して、早くも始まっている2万1千人の警備・治安弾圧体制のエスカレートは、APEC横浜会議の反人民性を示して余りある。
11・7労働者集会に結集する日本と世界の労働者階級の闘いは、このAPEC横浜会議と真っ向から対決する闘いだ。韓国・民主労総の仲間も、ソウルでのG20強行への断固たる抗議闘争を呼びかけている。日本の労働者・農民・学生は、国際連帯闘争の真価をかけて、11・7の大爆発から11・13〜14横浜APEC粉砕へ、労働組合の旗を林立させ全国闘争として闘いぬこう!(6面に関連アピール)
争闘戦が激化へ
ソウルG20や横浜APECを焦点とする現在の東アジア情勢の際だった特徴は、市場と領土・資源などの勢力圏化をめぐる米・日・中を軸とした矛盾・対立と争闘戦が、戦争的衝突をも含む段階に入りつつあることだ。
特に大恐慌下で「アジア回帰」を鮮明にし、APECとG20の場でも通商戦争・為替戦争を全面激化させる米帝オバマと、今やGDPで日本を上回る経済規模に成長した新興大国・中国スターリン主義、そして大恐慌下で帝国主義の「最弱の環」に転落した日帝の、三つどもえの争闘戦がいよいよ激化している。
この中で、日本の海保巡視船が中国漁船を拿捕(だほ)し、激しい日中外交戦に発展した釣魚台(尖閣諸島)への菅政権の侵略行動が引き起こされた。日帝はこの釣魚台問題を契機にして、「尖閣は日本固有の領土」「中国に屈するな」という排外主義・愛国主義を扇動し、侵略戦争と改憲へ決定的に踏み出した。
こうした情勢を受け、日帝・自衛隊は「南西諸島への配備増強」を打ち出すと同時に、11月中旬には米軍と自衛隊が「尖閣奪回作戦」を想定した日米合同演習を強行しようとしている。
労働者国際連帯
世界単一の革命的階級である労働者には、祖国も国境も「固有の領土」も存在しない。日清戦争で略奪した釣魚台を「固有の領土」などと強弁するのは、帝国主義の強盗の論理そのものだ。
「領土」を口実とした日帝の歴史的な軍事的突出。沖縄闘争圧殺と辺野古新基地建設の策動。米日帝が共同した北朝鮮・中国侵略戦争への攻撃の激化。そしてこれに対抗する中国スターリン主義の反労働者的・大国主義的な領土的野望と軍事的行動の強まり。
まさに日米韓を先頭とした万国の労働者階級人民の国際主義的な連帯と団結こそが、大恐慌下で激化する大失業・非正規化と労組破壊の攻撃、戦争動員の攻撃を阻止し、粉砕する力である。
韓国・民主労総のソウルG20粉砕闘争に連帯し、11・7労働者集会に総決起し、その力と勢いで11・13〜14横浜APEC粉砕の現地闘争を全国結集で闘いぬこう。労働組合旗を押し立て、横浜現地に結集しよう!
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日程 11・13−14 横浜APEC粉砕全国闘争
■11月13日(土)午後1時 大通り公園(横浜市中区弥生町1 市営地下鉄「伊勢佐木長者町」)
※集会後、デモ、街頭宣伝
■11月14日(日)午後1時 蒔田(まいた)公園(横浜市南区宿町1 京急線「南太田」/市営地下鉄「吉野町」)
※集会後デモ
主催/反戦共同行動委員会
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週刊『前進』(2462号2面2)(2010/11/01 )
あくまで解雇撤回貫き闘おう
外注化阻止―国鉄全国運動の発展へ
目前に迫った11・7全国労働者総決起集会は、国鉄1047名解雇撤回を主要なスローガンにして開かれる。1047名の解雇を撤回させ、国鉄分割・民営化体制=JR体制を打倒する闘いには、日本の労働者階級の命運がかかっている。6月13日にスタートした国鉄闘争全国運動は、まさに階級的労働運動をあらゆる職場・地域から根本的に復権させる闘いだ。11・7集会1万人結集で、1047名解雇撤回の巨大な展望を切り開こう。
全労働者獲得の力がここに
4・9政治和解を突き破り継続された国鉄1047名闘争は、全労働者階級を獲得し糾合する力を持っている。
解雇撤回を貫く国鉄全国運動の発足は、労働運動全体を解体し鎮圧しようとした敵階級の攻撃を打ち破った。11・7労働者集会は、この国鉄全国運動が力ある勢力として歴史に登場できるか否かをかけた決戦だ。日比谷野音1万人結集が実現できれば、階級的労働運動を圧倒的によみがえらせることはできる。
4・9政治和解は、「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない」「JRへの雇用の保証はない」などとする条件を被解雇者当該にのませ、これに応じた者に対してのみ、幾ばくかの金銭を支払うというものだ。不当労働行為を働いた張本人であるJRや鉄道運輸機構(旧国鉄)は一切謝罪せず、不当労働行為によって首を切られた当事者に「不当労働行為はなかった」と認めさせる――こんなものは、まさに労働運動の根本的な否定にほかならない。
そもそも、この和解案は動労千葉には提案すらされていない。国労闘争団や全動労争議団を屈服させる一方、動労千葉を孤立に追い込んで、動労千葉と11月集会派の闘いを根絶する反革命的狙いが、4・9和解の核心なのである。そして、そのことをもって敵階級は、労働運動全体を解体しようとたくらんだ。
事実、この4・9反革命は、体制内労働運動派の屈服をさらに促進する転機になった。体制内の全勢力は4・9政治和解を賛美するとともに、民主党政権を擁護することが労働者の利益であるかのように強弁し、菅政権の手先に転じている。公務員制度改革を率先して推進し、360万人公務員労働者の首切りに道を開く自治労本部の裏切りなどは、その典型だ。
だが、こうした形で労働者が資本と対抗することそのものを押しつぶそうとした敵の攻撃は、国鉄全国運動の発足によって打ち破られた。動労千葉と、これに連帯して和解を拒否した国労闘争団の闘いは、労働者階級の感動を呼び起こし、闘う意欲を引き出している。
たとえ少数になろうと、国鉄分割・民営化にあくまで対決し、解雇撤回を貫く闘いに、全階級情勢を動かす根底的な力が宿っている。国鉄全国運動は、政府・JRへの哀願に終始してきた従来の運動を覆し、力ある多数派に必ず転じる闘いなのである。
4・9和解をのんだ4者4団体幹部は、「JRに雇用の確保を求める」と言いながら、その具体的な方針はひたすら“政府がJRに雇用確保の要請をすることを待つ”というものだ。彼らは、JRを刺激するようなことは一切やらないとして、現場におけるあらゆる闘いを抑圧している。そもそも「雇用の保証はない」とする政治和解をのんだ時点で、4者4団体幹部は雇用をかちとる道を自ら封じてしまった。このことへの疑問と怒りが、闘争団を始め現場の国労組合員の中から噴出しつつある。
ブルジョアジーと完全に一体化し、むき出しの新自由主義と戦争の攻撃に突き進んでいる菅政権の正体も暴かれた。体制内派が唱える一切のペテンは、はがれ落ちた。
動労千葉と、和解を拒否した国労闘争団の正義は、もはや誰にも否定できない。世界大恐慌下、すさまじい首切り・大失業の攻撃にさらされている労働者にとって、解雇撤回を貫く新たな1047名闘争の発展は、闘いの指針を示している。このことを確信し、11・7労働者集会1万人結集を何としても実現しよう。
非正規職撤廃の基軸的闘い
87年の国鉄分割・民営化以来24年にわたり、1047名闘争は国鉄分割・民営化を根底から撃つ闘いとして展開されてきた。それは本質的に、労働運動の根絶をめざす支配階級との倒すか倒されるかの非和解的攻防だった。総評解体−連合結成後、闘う労働運動の結集軸であり続けた1047名闘争は、中曽根以来の支配階級の改憲の野望をも阻み続けてきた。
国鉄分割・民営化は、日本における新自由主義攻撃の突破口になった。国鉄分割・民営化に向けての攻撃が吹き荒れた85年、労働者派遣法が制定され、中間搾取を禁止した戦後労働法制の根幹が解体された。その後、国鉄の分割・民営化を範として、資本は分社化や業務の外注化の攻撃を激化させ、それは非正規雇用拡大のテコとなった。労働者の約3割が非正規職に突き落とされた今日の状態は、国鉄分割・民営化を起点につくり出されてきたのである。
1047名闘争は、こうした攻撃の総体を打ち破る位置にある。11・7労働者集会は、1047名闘争が持つ本来の革命性を取り戻し、力強く発展させる闘いだ。
外注化阻止の決戦態勢築け
JRの12月ダイヤ改定を期に、頓挫していた検修外注化の攻撃も再び動き出そうとしている。動労千葉の解体に照準を合わせたこの攻撃は、検修部門、設備部門を中心に、JRの全労働者に外注先への出向ひいては転籍を迫るものでもある。
これへの怒りはすでに噴出している。分割・民営化25年を前に、JR資本はこの攻撃に生き残りをかけている。敵の構えも半端ではない。だが、だからこそ外注化阻止決戦は、JR体制打倒に直結する。勝利の鍵は青年労働者の決起をつくり出すことだ。
11・7労働者集会は、外注化阻止の一大決戦への総決起態勢を築く場だ。外注化阻止の闘いとJR体制の原点である1047名解雇を撤回させる闘いが結合すれば、勝利の展望は大きく切り開かれる。11・7へ最後の1週間、総力を振り絞って闘いぬこう。
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週刊『前進』(2462号2面3)(2010/11/01 )
“職場・地域の拠点に”
支援する会・福島を結成
動労千葉を支援する会・福島の結成集会が10月24日、30人の結集でかちとられた。
「ドキュメント国鉄分割・民営化」のDVD上映の後、呼びかけ人の清野和彦さん(元福島県教組委員長)が「動労千葉はよく頑張ってきたなと思います。しかし闘いはこれから。若い人たちにも頑張ってもらいたい」と開会あいさつ。
同じく呼びかけ人のJP労組の労働者が基調を提起した。自らの職場をはじめ各職場で支援する会の組織化が進んでいると報告、同僚の青年が集会に参加していることを紹介し「支援する会を地域における労働運動と労働組合をよみがえらせていく拠点にしよう」と力強く宣言した。
動労千葉の秋葉忠夫特別執行委員は「4・9和解では労働組合が頭を下げた。動労千葉は毎年ストをやり、当局に頭を下げさせて公労法解雇を撤回させた。1047名闘争も闘いぬけば絶対に勝てる。それが労働組合運動であり、私たちの自負です」と4・9情勢で問われている核心を一言で明らかにした。
動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は「チケットを持ってオルグに回っている動労千葉組合員一人ひとりにもっと接近する必要がある。11・7集会へ全力をあげよう」と檄(げき)を発した。
連帯あいさつは3人。
「共に闘う国労の会」共同代表の橋本光一さんは「分割・民営化は現場労働者にとっては合理化と安全破壊として今も続いている問題だ。動労千葉は私の光。国労を動労千葉のような組合にする」と決意を語った。福島合同労組の委員長は「資本との力と力の対決、労組を武器に対決するしかない時代だ。定期大会で、全国運動を担い、支援する会を職場と地域に拡大していくことを決めた」と決意を述べた。福島・星野文昭さんを取り戻す会は国鉄全国運動の力で星野さんを奪い返そうと訴えた。
職場からの決意では、自治労の青年が「『今は公務員改革に備えて力を蓄えておくべき』などと言って闘わない本部を許さず、支援する会を職場に拡大する」と決意を表明。NTTの仲間は「NTT労組をひっくり返そうと、動労千葉物販を職場の全員に提起し、支援する会の会員も増やしている」と報告した。
広域行政事務組合の解散に伴う老人ホームの民間移譲、分限免職・選別再雇用攻撃と闘っている医療・福祉の仲間は「移譲先の資本から小論文、数回の個人面談が提起された。労組は全員の雇用確保を譲らず、一切の分断攻撃を拒否することを決定した。上部の自治労の妨害を許さず、動労千葉のように団結して闘う」と述べた。この戦闘宣言は全参加者の心をとらえ、今後の闘いの方向性を指し示した。
職場と地域の団結の要になり、11・7集会の組織化に全力で決起する決意を打ち固めた集会となった。
(福島・Y)
(写真 最後に「支援する会を労働運動再生の拠点に」と誓い合いこぶしをあげた【10月24日 福島】)
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週刊『前進』(2462号2面4)(2010/11/01 )
社保525人解雇撤回を
公務員の「解雇解禁」粉砕し連合・自治労本部倒す闘い
自治体労働者は11・7の先頭に
社会保険庁解体・民営化による3万人の正規・非正規職員の全員解雇・選別採用、525人の分限免職処分を機に、全国の公立病院や市営交通をはじめ「公務員の生首を飛ばす」解雇攻撃がせきを切ったように始まっている。「子ども・子育て新システム」導入による公務員保育労働者30万人首切り・労組壊滅の大攻撃が迫っている。
日帝ブルジョアジーは、領土・資源・市場・勢力圏をめぐる侵略戦争と、動労千葉と階級的労働運動潮流の圧殺、道州制・公務員360万人首切りの階級戦争に踏み出したのだ。
自治体労働者は11・7労働者集会1万人結集の先頭に立ち、これを打ち砕かなければならない。11・7集会の成功は、公務員分限免職攻撃の先兵である連合・自治労本部を打倒し、動労千葉型労働運動を全国に拡大する突破口だ。世界大恐慌をプロレタリア革命に転化する決定的な鍵がここにある。
公開審理闘争で解雇の不当暴く
社保労働者525人の解雇撤回を求める人事院公開審理闘争は、社保庁解体の不当・不法を満天下に暴き出して、民主党政権と連合・自治労本部を追いつめている。
公開審理での社保庁長官の「答弁書」は、公務員解雇を公然と宣言した。すなわち、国家公務員法や人事院規則には「分限免職が許容される具体的範囲及び合理性・相当性の判断基準が明示されており、民間企業の整理解雇の4要件を援用する必要はない」としている。つまり、「判断基準」に従えばいつでも分限免職を行い公務員を解雇できるというのだ。ここに社保庁解体・民営化攻撃の核心がある。
「公務員の身分保障」といわれるが、国家公務員の解雇=分限免職を1965年を最後に45年にわたって許さなかったのは、労働者の団結の力、現場の闘いだ。しかし、連合・自治労本部と全国社会保険職員労働組合は決定的に変質・転向し、社保庁廃止=職員全員解雇に全面的に協力した。民主党・連合政権の意をくみ、組合員の決起を抑圧して社保庁闘争と国鉄闘争が結合することを阻むため全力をあげた。
彼らは年金機構に不採用となった組合員に「自分から退職しろ。早く次の就職先を見つけろ」と迫った。「一人の首切りも許さない」という労働組合としての大原則とは正反対の対応だ。
この大裏切りの事実を追及された自治労本部は8月の自治労徳島大会で、「勧奨退職扱いに応じるか分限免職扱いとするかについては退職者本人の選択」であり、「きめ細かな再就職支援」で「少しでも雇用確保につながる方向へ最大限の対応をはかってきた」と居直りの総括をした。徳永秀昭自治労委員長は「訴訟を起こす職員はいるだろうが、労組が全体で裁判をするという立場ではない」と公言した。
人事院闘争で分限免職に反撃
しかし、体制内労働組合指導部のいかなる制動をものりこえ、福山社会保険事務所の平口雅明さんをはじめ誇り高き525人の社保庁職員が分限免職処分を受けて立ち、75人が国鉄1047名解雇撤回闘争に続いて解雇撤回を求める人事院闘争に決起している。
平口さんと同じく広島で人事院闘争に立ち上がった被処分者は、9月の公開審理の場で「組合は仲間を見捨てた。都合のいいときは『職場の仲間』と言い、いざとなったら逃げた」と社保労組本部の裏切りを弾劾し、「民間への就職で不利になるが、辞めたくて辞めるわけではない。だから分限免職を選んだ」と不当解雇に対する戦闘宣言を発した。さらに「社保庁廃止の必要性はない。年金機構の設立は政治主導で行われた。機構になったところで年金問題には関係ない」「安倍(元首相)、舛添(元厚労相)は『不まじめな職員は免職にする』と言った。年金機構発足以前に免職にするつもりだったのだ」と断罪し、処分者側代理人として登場した厚生労働省幹部を徹底的に追及した。
沖縄で人事院闘争に決起した7人、3グループの分限免職者の公開審理が11月に連続して開催される。また、社保庁分限免職者や北秋田・米内沢総合病院労組をはじめ分限免職処分の取り消し、差し止めを求める訴訟が始まっている。11・7集会の成功を闘い取った労働者が先頭に立って全国各地の公開審理や公判闘争に駆けつけ、国鉄全国運動と一体で解雇絶対反対・解雇撤回の闘いを爆発させよう。
年金非正規職の大量解雇許すな
来年3月末には全国の年金事務所の期限付き非正規職員の大量雇い止め攻撃が始まる。社保庁解体・年金機構設立の基本方針を議論した行政改革推進本部・第2回年金業務・組織再生会議(2007年8月30日)は、過去の判例などの得手勝手な検討と解釈を行い、使用者の「採用の自由」を口実に社保庁職員の年金機構への選別に基づく不採用=解雇にゴーサインを出した。非公務員として労働関係法が全面的に適用される年金機構の非常勤職員の雇い止めについては「(公務員の時に通用した)『任期満了だから当然退職』という考え方が頭にしみついていて、そこから離れられない。このことからトラブルに発展して訴訟になった例もあります」と言い、雇い止めにあう年金機構の非常勤職員の反乱におびえている。
現場でも、2013年歳入庁設立という第二の全員解雇・選別不採用攻撃を前に、自治労本部と社保労連幹部に対する不信と怒りが充満している。今こそ、ねんきん機構労組、協会けんぽ労組、厚労省行政関係職員労組の組合員は社保庁分限免職者とともに解雇撤回闘争に立ち上がろう。公務員労働者は11・7集会に全国から総結集し、公務員制度改革攻撃に全力で反撃しよう。
(沖淳也)
(写真 広島国鉄集会で発言する福山社会保険事務所被解雇者の平口雅明さん【9月20日 広島】)
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週刊『前進』(2462号3面1)(2010/11/01 )
11月7日の日比谷野音がすべての労働者階級人民の結集軸だ
合理化・外注化-労組破壊と最先端で闘い菅政権打倒へ
新成長戦略に11・7で対決する
革共同医療福祉労働者委員会
日帝が体制的に破綻し、国家的崩壊の危機に陥るなかで、菅民主党政権は、いよいよその超反動政権としての本質をむき出しにしている。11・7労働者集会は、戦争と大失業、労組破壊の菅政権を打倒するのか、それとも菅政権と反動勢力の跳梁(ちょうりょう)を許すのか、歴史選択がかかった闘いだ。今必要なのは大恐慌・大激動情勢を突き抜ける迫力だ。医療福祉労働者は、菅「新成長戦略」――医療・福祉における非正規化、合理化・外注化と労組破壊攻撃――と最先端で闘う階級的責務の大きさに奮い立ち、最後の最後まで11・7への1万人大結集にかけきろう。
合理化・解雇攻撃に反撃が始まった
第一に、職場でとことん闘い、労働組合的団結をつくり出し、11・7に結集することだ。
新成長戦略のもとでの解雇、合理化攻撃に対する怒りの反撃が開始されている。A病院では、大恐慌情勢下で生き残りをかけた経営の立て直しが行われ、新自由主義経営に完全に転換した。新経営陣は、低賃金構造の医療労働現場に、一時金削減を中心としたさらなる人件費削減を持ち込んできた。こうした大合理化攻撃の集約的攻撃としての青年非正規労働者の雇い止め攻撃に現場労働者の怒りが爆発し、解雇撤回がかちとられた。
非正規職労働者の雇い止め=解雇は、医療現場の合理化、非正規職化・外注化を画然と推し進める攻撃である。これは、現場にさらなる労働強化を強制し、安全確保を「自己責任」論のもとに労働者の責任に転嫁し医療を崩壊させる。労働者と患者がその犠牲にされる。これと対決する路線こそ、動労千葉労働運動が実践してきた階級的労働運動路線であり、反合運転保安闘争である。
重要なのは、国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回を貫く「新たな国鉄全国運動」を労働現場で組織することによって、青年労働者の雇い止め攻撃を非正規職の個別問題ではなく、現場労働者全体にかけられた新自由主義攻撃であるととらえ、労働組合つぶし攻撃、すなわち自分の職場での4・9反革命であることを鮮明にして闘ったことである。また連日の職場集会で、この攻撃が医療の民営化・非正規職化であり、これこそ菅民主党・連合政権の新成長戦略であることを繰り返し確認し一致したことで、組合員の決起を生み出し、ついに解雇撤回の勝利が実現した。あいまいさのない時代認識と路線に貫かれた職場闘争を日常的に追求する闘い、さらに青年部建設を組合活動の中心軸におく闘いこそが勝利の道だ。
B病院では、むき出しの新自由主義攻撃と、その手先と化した医労連など体制内労組幹部に対する現場の怒りの決起が起こっている。IT化などの合理化は、一見「働きやすくする」という体裁をとるが、実は労働者を低賃金でこき使い、資本が搾取を強め、もうけるためのものだ。
いまや労働現場において大合理化、外注化攻撃との徹底した闘いをつくり出すこと、同時に医療・福祉の産別的団結と闘いを組織していくことが決定的になっている。全国の医療・福祉の現場で怒りが満ちあふれている。われわれこそが最も激しく怒り、暴露し、行動を組織することだ。あらゆる怒りを束ねて11・7に組織し、労働組合をよみがえらせよう。
非正規拡大と安全破壊の病院民営化
第二に、公立病院民営化をはじめとした医療・福祉の民営化・非正規化―菅「新成長戦略」との対決として11・7集会をかちとることだ。
菅政権は、医療・介護・健康関連産業を「日本の成長牽引(けんいん)産業として位置づける」として、2020年までの目標として「新規市場約45兆円、新規雇用約280万人」と言っている。その本質は医療・福祉の民営化・外注化、非正規雇用化の大攻撃である。「医療でもうけることがタブーであるという考え方を払拭(ふっしょく)」(家次垣シスメックス社長)させる大転換を通して、医療・福祉分野をむき出しの市場原理にたたき込むものなのだ。
さらに、規制緩和で社会保障・福祉領域を市場開放し、民間資本の餌食に差し出し、そこに過剰資本を投入し新市場の拡大を図り、公的資金投入の社会保障・福祉を極限的に縮小するものである。
米国医療においては、医療関連産業(病院経営・医薬品産業・民間医療保険会社など)が巨大市場を形成し医療現場を支配している。菅政権の新成長戦略は、この現実を日本に持ち込むものだ。
また新たな「高度医療の輸出」「観光医療」「病院経営のインフラ輸出」など海外市場への展開を打ち出しているが、これは他国資本との激しい争闘戦として展開される。
これらを保証するものとして、医療関連法の改悪を推進している。医療の非営利原則の部分解体、病院機能別再編、社会医療法人の新設(株式会社参入の部分容認・債権発行認可)、療養病床6割削減、診療報酬の利益誘導(2010年診療報酬改定による高度医療に対する評価の拡大)、混合医療の規制緩和などの攻撃が矢継ぎ早にかけられてきている。
大合理化のテコとして電子カルテなどを通したIT化を推進している。レセプトのオンライン請求化、データベース化などを通して医療内容・診療内容を管理支配し、労働者支配を強化し、労働強化を強制している。
さらに、包括的定額支払い制度の拡大促進は、「混合医療」の拡大=医療の営利化―産業化をさらに推し進めるものとなる。そして医療産業への他産業資本の参入は、合理化・外注化をより促進する。医療・福祉職場は非正規の拡大によって新たな低賃金層を生みだすことになる。正規職の非正規職への置き換えで、全体としての低賃金構造がつくり出されるのだ。
菅民主党・連合政権は、新成長戦略によって医療・福祉への規制を大幅に緩和し、「新規医療産業市場と雇用の創出」を図るとする。ここには医療・福祉の安全など存在しない。労働者にその一切の責任を押しつける。労働現場における医療・福祉の崩壊、安全の崩壊によって、労働者の生活と生命を破壊しようとしているのだ。
新自由主義の極致としてある新成長戦略は、それ自身が破綻的であり、労働者の極限的搾取をもってしか推進することができない。したがって、医労連など体制内労組の屈服と翼賛を突き破り、現場労働者の決起と労働組合が一体化し、全国的組織的な闘いがつくり出されるならば、これを打ち破ることは圧倒的に可能である。一切は11月労働者集会への怒れる医療福祉労働者の層をなした結集にかかっている。
民営化・道州制攻撃との最大の対決点として、公立病院の民営化―分限免職・労組破壊との闘いに突入した。これは、公立保育所・幼稚園の全廃と並んで、公務員360万人首切り攻撃そのものであり、自治体労働運動の主力を形成してきた現業労働運動の全面解体を狙う大攻撃だ。これとの闘いに日本労働者階級の未来がかかっている。医療福祉労働者は、自治体労働者とともに、公立病院民営化攻撃粉砕、民営化・道州制粉砕決戦への突入宣言として、11・7労働者集会に総結集しよう。
全反動を打ち破り組織化に死力を!
第三に、11・7に向かって求められていることは、国鉄1047名闘争の政治解決=4・9反革命と対決し、大恐慌・大激動情勢を突き抜ける力だ。「善戦」ではだめだ。あらゆる反動を打ち破り、1万人大結集をもって、目に見える形で動労千葉派を全社会的に登場させるのだ。11・7労働者集会1万人大結集に、2012年に至る階級闘争の一切がかかっている。プロレタリア革命の成否をかけて、残る1週間の組織化に死力を振り絞ることだ。
大恐慌情勢であるがゆえの敵権力・資本のすさまじい階級圧殺攻撃としての4・9反革命の大きさをあらためて見すえよう。労働者階級の決起に対する菅政権の根底からの恐怖がそこにはある。動労千葉を先頭とした階級的労働運動が断固として存在し、労働者階級の誇りと尊厳と団結を守り抜いてきたという事実を目の当たりにしてきた菅・仙谷ら民主党・連合政権は、革命的共産主義運動と労働者階級が結びつくことへの恐怖ゆえに、権力の総力を挙げた攻撃として4・9反革命を打ち出したのだ。
これに対する燃えるような危機感を持つと同時に、危機にかられた敵の大反動を打ち破る勝利の展望を見いだしたとき、われわれの回答はただ一つである。国鉄全国運動を決定的基軸にすえ、全労働者階級の歴史選択のかかった闘いとして11・7集会1万人結集を組織することである。
11・7集会は、すでに破産した旧来の労働運動を根底からのりこえ、新自由主義と対決するまったく新しい階級的労働運動をつくりだす挑戦としてある。ここに医療福祉戦線が責任を取ろうということである。全国の労働現場で起きている事態は、すべてが菅民主党・連合政権の新成長戦略のもとでの資本との非和解的激突であり、解雇、外注化、非正規化、民営化攻撃との大激突である。
この攻撃に労働者階級は激しい怒りと憤りを持っている。現場で路線を貫き闘いを組織していこうとしている労働者であれば、労働者の息づかいが聞こえるはずだ。ここに結びつく生きた労働運動が階級的労働運動の神髄である。ここで労働者を組織していこう。11月労働者集会とは、現場を基準にしてそこで組織と運動をつくる闘いであり、労働者階級に責任を取り勝負するプロレタリア自己解放闘争そのものである。
残る1週間、人生をかけて仲間を組織しよう。11・7労働者集会を、菅・新成長戦略粉砕、公立病院民営化・道州制粉砕の決戦突入集会としてかちとり、労働者の未来を切り開こう!
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週刊『前進』(2462号3面2)(2010/11/01 )
泉佐野市議会 “保育所民営化許さぬ”
国賀議員、市を徹底的に追及
9月28日、国賀祥司議員が「子ども・子育て新システム」について、泉佐野市議会本会議で質問し、市長らを追及した。泉佐野市議会では初めて取り上げた問題で、新システムのひどさに傍聴者や議員らも驚いていた。
国賀議員は「新システムができたら、保育所と幼稚園はなくすのか?
株式会社に『こども園』を経営させるのか? 公立保育園の保育士を解雇し、短時間パートの非正規職に置き換えるのか? これが民主党の言う『雇用創出』か?」と質問。菅民主党政権が進める公立保育所、公立幼稚園を全廃し、保育士と教員を解雇し、非正規職に替える「新システム」について市がどう考えているのかを追及した。
(写真 街頭で訴える国賀祥司議員)
「新システム」に知らぬふり
答弁に立った健康福祉部理事は「保育所と幼稚園を一つにして『こども園(仮称)』にする。そういう意味では保育所、幼稚園はなくなる。保育サービス供給のための制度を利用者と事業者の直接契約制度に切り替える。民間企業の参入を認め、競争できるように価格を一本化し、自由選択権を与えるようにするとのことだが、詳しい内容はまだ決まっていない。働く側からの問題はあると思う」と、逃げの姿勢です。
再度質問に立った国賀議員は「『子ども・子育て新システム』は公立保育所と公立幼稚園を全廃し、『こども園』に一本化する。『こども園』は株式会社が参入できるように規制緩和し、金もうけできるようにする。保育料は所得制を廃止し、一律のサービス・利用料に変えるものである。市長は賛成か、反対か」と迫った。
市長は最後に答弁に応じた。「詳しく知らないが、国賀議員の言われた内容から推測して、所得に応じて今やっておる保育料を根底から変えるのであれば反対です。それであれば保育に対する国の責任をまるで放棄した形になりますので反対です」と、初めて知ったようなふりをしている。ふざけるな。
菅内閣は、9月から「ワーキンググループ」で法案と制度の作成に向けた議論を開始しているが、介護保険制度をモデルにして検討作業を進めている。新システムでは、介護保険のように、利用料金が設定され、利用者は施設と直接契約し、利用料を支払うように変える。保育士は、正規職を解雇し、時給のパートを基本にした非正規職に替えていくようにする。これでは介護保険と同じか、もっと悪くなる。民主党政府はこれを「雇用の拡大」という。ふざけるな! 小泉のやった「派遣」よりももっと悪い低賃金の非正規職を拡大しようとしているのではないか。
そして公立保育所、公立幼稚園だけではなく民間保育所もつぶし、全部株式会社に運営させようとしている。公立に勤務する保育士、幼稚園教員、約26万人、用務、調理、栄養士を合わせれば約30万人を解雇し、数十万人の非正規職に置き換えるのだ。
こんな労働者の貧困化、使い捨て化を許すことはできない。労働者がまともに生きていけないような資本主義は終わらせなければならない。大恐慌下の解雇、賃下げ、社会保障の解体に抗して世界中で労働者のストライキが闘われている。日本でも、動労千葉と関西生コン支部がストライキで闘い、勝利している。闘いは必ず起こり、勝利する。
現場の怒りを組織し11・7へ
泉佐野市でも、自治体労働運動を破壊する攻撃が強まっている。戦闘的で強い保育所、病院、清掃など現業職場への民営化攻撃だ。泉佐野市は、まず病院建て替えに合わせて受付、調理、配膳部門を民営化し、組合員を放逐した。そして看護職が強労働に追いまくられ、病院支部は弱体化された。現業支部は、民営化率を上げられ、清掃はついに収集区域が8%にまで減らされ、人員が激減させられた。その結果、支部を維持することが困難な状況に陥っている。
そんな中、保育所支部は最も戦闘的に頑張っている。青年部の7割の役員を出し、婦人部の3分2の役員を出している。いわば最後のとりでをたたきつぶす攻撃に出てきたということだ。保育所支部をつぶせば、後は何でもやれると考えているのだ。
全国的にも自治体労働運動の中で保育部門の役割は大きい。公務員360万人首切り攻撃、2012年公務員制度改革攻撃は、こうした形で労働組合を破壊し、正規職を解雇し、保育部門などを民間資本の金もうけのえじきにする攻撃として、すでに始まっています。
現場の危機感と怒りは非常に強い。若い保育士が多い職場であり、闘いは必ず起こる。国鉄全国運動と結合した時、勝利の展望が明らかになる。
その意味で11・7労働者集会1万人結集は決定的です。国賀議員は泉佐野市の保育士をはじめ公務員労働者の11月決起のために日々奮闘しています。
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週刊『前進』(2462号3面3)(2010/11/01 )
スト貫き賃下げ阻止を
都労連の団結かけ闘うとき
10月20日、都労連の賃金闘争第3波総決起集会が都庁前で行われ、構成6単組(都庁職、東交、東水労、都教組、都高教、首都大学)を中心に約1500人が参加した。都労連は11月5日に第4波総決起集会、11月12日に1時間ストライキを予定している。職場、単組の団結を打ち固め、ストを貫徹し、不当な賃下げを粉砕しよう。
都は都労連との交渉で、人事院勧告を上回る平均年収10・5万円もの大幅削減を盛り込んだ都人事委勧告の内容に加え、成績主義賃金制度の強化、教員への諸手当削減を提案してきた。都人勧は11年連続で賃金引き上げがなく、6年連続でマイナスだ。賃金カーブのフラット化も強められ、生涯賃金は数千万円から1億円規模で減らされる。職場には怒りがあふれている。
政府・民主党は、この間のとんでもないマイナス人勧でも飽きたらず、スト権もよこさないまま労使の合意で人勧を上回る賃金削減ができるように特別立法を準備することを検討している(毎日新聞10・19付)。10月13日の衆院予算委では菅首相や片山総務相が「公務員制度改革と国の出先機関の廃止など、人員削減と賃下げで13年には人件費2割削減、地域主権改革を進める」と述べた。
もはや「交渉テーブルが確保された」として闘争を収拾することなどありえない状況だ。マイナス人勧粉砕・大幅賃上げ獲得をスローガンにストライキで闘おう。それが青年労働者、現場労働者の要求だ。
石原都政は大恐慌下、都財政収入の減少を理由に一層の賃金削減、人員削減、労働強化、民営化・外注化・非正規化の攻撃を強めている。菅民主党・連合政権は大恐慌下で新自由主義攻撃を激化させ、釣魚台問題をてこに排外主義をあおり、戦争と改憲に突き進んでいる。都労連を先頭に全国の労働者のストライキで菅・石原を打倒すべき時が来ているのだ。
今こそ都労連の闘う団結が問われている。都労連のストライキと11・7労働者集会1万人大結集の成功が結合すれば、戦争・改憲、大失業の新自由主義攻撃を強める菅・石原を打倒する突破口が切り開かれる。都労連ストライキは決定的な意義をもつ。国鉄・公務員決戦を闘う全国の労働者の先頭で決起しよう。都労連の戦闘的な歴史と伝統の復権をかけて賃金闘争の勝利へストライキで闘おう。
(写真 都の賃下げ勧告実施阻止へストライキを配置して闘う都労連【10月20日 都庁前】)
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週刊『前進』(2462号3面4)(2010/11/01 )
“不当処分・解雇の撤回を”
東京「君が代」不起立処分
米山良江さん法廷で堂々陳述
08年3月の卒業式の「日の丸・君が代」不起立による戒告処分と解雇(非常勤教員合格取り消し)と闘う東京教組の米山良江さんは、処分と解雇の取り消しを求めて意気高く闘いぬいている。
10月18日には東京地裁631法廷で、米山さん本人と処分当時の東京教組委員長・谷口滋さんの証人尋問が行われた。
米山さんはまず、学生時代から戦争の歴史を学んできたことや、教員になった後、学習指導要領に初めて「国歌」の言葉が盛り込まれた時、校長から「私は戦時中、中国人を日本刀で刺してあやめた」と話された経験などを述べ、「『日の丸・君が代』の強制は戦時中の教育を復活させるためものです」と断じた。
そして「85年以降ずっと不起立してきた。03年『10・23都教委通達』を受けて、ここで譲ってはいけないと新たな思いで続けてきた。処分に屈せず不起立する多くの教員がいて『思いは同じだ』と共感した」と語った。
さらに定年退職を迎える08年3月の卒業式を前にして「根津公子さんの解雇を許してはいけない。不起立の拡大で解雇を阻もうと訴えた」と陳述した。
この時、米山さんは非常勤教員に合格して、4月以降の勤務先も決まっていた。しかし3月25日の卒業式で不起立すると、28日に戒告処分が発令され、同時に非常勤教員の合格も取り消され、突然4月1日からの職を失った。
米山さんは「こんな二重処分は理不尽です。しかし私は、憲法違反の10・23通達には従えないことを不起立という行動で示し、教員としての責任を果たした。貫くべきことを貫いて、若い人たちに引き継いだという思いでした」ときっぱり述べた。
谷口さんは当時の東京教組委員長として、07年度に定年退職後の職が再雇用制度から非常勤教員制度に変わった経緯を証言。働き続けることを希望する人は基本的に全員合格する制度だったことを明らかにした。
また1991年の賃金確定闘争で早朝1時間ストを闘った時に、谷口さんは組合役員として停職2日の処分を受けた。その谷口さんも定年後、非常勤教員として働き続けている。1回の戒告処分で米山さんが解雇されたことの不当性を訴えた。
2人の力強い証言に対し、都教委の代理人が反対尋問でなんとか傷を付けようと狙ったが、まったく無力だった。
次回は11月29日10時半から東京地裁631法廷で処分決定にかかわった都教委職員の証人尋問が行われる。団結して不当処分撤回へ闘いぬこう。
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■米山良江さんの闘い
08年3月、不起立による累積加重処分で東京の教育労働者・根津公子さんの解雇が狙われる中、米山さんは「私もずっと不起立しているが処分されていない。根津さんの解雇は許せない」と都教委に鋭く迫った。全国の教育労働者の闘い、広範な労働者・学生の支援連帯行動、国境を越えた労働者の団結の力が、根津さんの解雇を阻んだ。
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週刊『前進』(2462号4面1)(2010/11/01 )
大失業・非正規化への怒りを11・7へ
派遣法・非正規職撤廃を
ペテン的「改正案」を粉砕し資本主義打倒へ進撃しよう
11・7労働者集会1万人結集の大成功に向けて最後の1週間、徹底的に闘いぬき、大きなうねりをつくりだそう。世界大恐慌の2番底が切迫する中で、日帝支配階級の戦争と大失業の攻撃はますます激化している。職場・街頭には労働者階級の怒りは渦巻いている。この怒りを誰が組織するのか。その一点をめぐって日帝・支配階級が振り下ろしてきたものこそ4・9反革命だった。この大攻撃を突き破る基軸こそ国鉄全国運動だ。それと表裏一体の闘いであり、青年労働者の獲得にとって決定的な課題である派遣法・非正規職撤廃闘争を断固闘おう。その決定的な位置づけについて述べたい。
(写真 非正規職化攻撃と最前線で闘う各地域の合同労組が10・10三里塚闘争で旗・のぼりを林立させデモ) 「抜け穴」だらけ実質改悪案
小沢を打倒して成立した日帝ブルジョアジー救済政権である菅内閣は、「新成長戦略」による雇用創出を最大の課題としている。だがそれは実際には、公務員360万人の首切りを切っ先にして全産業の正規職労働者を低賃金の非正規職にたたき落として「雇用創出」を行ったと言い張る大ペテンである。そしてそれと同時に釣魚台(尖閣諸島)の軍事的制圧を通して戦争攻撃を一気に加速している。
その菅内閣が3大法案などと言って臨時国会で成立を狙っているのが、「(国家公務員の)給与法改正案」「労働者派遣法改正案」と「郵政改革法案」だ。そのいずれもが4・9反革命に屈服した連合や全労連の労組幹部を取り込んで、労働組合の団結破壊を狙う一大攻撃である。
とりわけ「労働者派遣法改正案」は、非正規雇用を前提とし、固定化を狙うとんでもない反動法案である。
「改正案」は、自民党政権時代の規制緩和一辺倒から不十分とはいえ、規制強化へ転換が図られたなどと言われている。そして派遣業界や自民党などが「改正案」に反対しているのも事実だ。
だが「改正案」の中身を見ると、「登録型派遣の原則禁止」「製造業派遣の原則禁止」「日雇い派遣の原則禁止」などいずれも抜け穴だらけであり、派遣切りにあった労働者の立場から見て、とても「改正」などといえる代物ではない。
資本救済のために一連の派遣法改悪に率先して協力してきた連合が今回積極賛成している点に最も鋭く示されているように、「改正案」なるものは、派遣労働を前提とし、固定化・永久化させるために労働者階級の怒りをそらせるためだけの、見せかけの修正ならざる修正であり、実際には改悪なのだ。
そもそも労働者派遣法は、新自由主義の突破口=国鉄分割・民営化攻撃と一体で成立したもので、総評=戦後労働運動解体という目的と完全に同じものとしてあった。
それはいわば労働法によって労働法(戦後労働法制)を解体するものだ。労働者派遣法そのものは、労働法の根本を解体・転覆する目的が決定的に貫かれているのである。だから派遣法は撤廃しかないのであり、「派遣法改正案」に対しては絶対反対、廃案しかあり得ないのだ。
非正規職は現代の失業問題
派遣法・非正規職撤廃の闘いは、国鉄闘争とならんで現代資本主義の根幹を撃つ闘いである。
74〜75年恐慌以降、現代資本主義は過剰資本・過剰生産力の矛盾を大失業問題という形で爆発させてきた。非正規雇用の労働者は、衣食住すらまともに確保できず、結婚することも子どもを生むこともできない状態にある。これは階級として再生産が不可能になっているということであり、こんな社会は終わっている。そのような状態を強制されている非正規労働者は、いわば半失業状態にあるということだ。まさに、非正規とは失業問題なのだ。
1929年に世界大恐慌が爆発し30年代には全世界で大失業が吹き荒れ、いたるところで階級闘争が爆発し、帝国主義は世界革命の直前のところまで追い詰められた。スターリン主義の世界革命への裏切りによってかろうじて延命したとはいえ、その矛盾は第2次世界大戦として爆発した。
74〜75年恐慌に直面した現代資本主義は、この30年代の悪夢にさいなまれ、延命の方向を新自由主義攻撃に見いだしたのだ。そこでは労組破壊とその屈服を前提に、労働市場を規制緩和し、労働者階級総体を非正規化=半失業状態にたたき込み、失業問題を擬似的に解決しようとしたのだ。そうしなければ失業者は今の倍以上になって、資本主義は革命の危機に直面していたであろう。
非正規職労働者は失業労働者とともに、労働者階級として本来的な存在である。マルクスは『資本論』で資本主義の本質にかかわる規定として次のように書いている。
「過剰人口は、資本主義的蓄積のてこに、資本主義的生産様式の一つの存在条件に、なるのである。それは自由に利用されうる産業予備軍を形成する」「近代産業の全運動形態は、労働者人口の一部分が絶えず失業者または半失業者に転化することから生ずる」「相対的過剰人口……は、現役労働者軍の一部をなしているが、その就業はまったく不規則である。したがって、それは、自由に利用できる労働力の尽きることのない貯水池を資本に提供している。その生活状態は労働者階級の平均水準よりも低く、そして、まさにこのことがそれを資本の固有な搾取部門の広大な基礎にするのである」(第1巻第23章第3節、第4節)
しかも現代資本主義においては、非正規雇用の労働者が生産の主軸を担うまでになっている。合同・一般労組全国協議会の闘いは、このことを示している。まさに非正規雇用こそ現代資本主義の根本矛盾であり、非正規職撤廃の闘いはその根幹を撃つ闘いなのだ。
国鉄全国運動と一体の闘い
派遣法・非正規職撤廃の闘いの展望はどこにあるのか。
すでに見たように、74〜75年恐慌を契機にして全世界に吹き荒れた新自由主義攻撃こそが非正規雇用を蔓延(まんえん)させる根本原因である。
だがその攻撃は、それまでの労働者階級の抵抗を粉砕することなしには貫徹されなかった。周知のように80年代からのレーガンによるアメリカ航空管制官組合への破壊攻撃、サッチャーによるイギリス炭鉱労組への破壊攻撃、そして日本における中曽根の国鉄分割・民営化攻撃である。この攻撃を見て震え上がり、闘わずして屈服した連合などの体制内労働組合は「譲歩交渉」と称して、先人が血を流してかちとってきた工場法などの労働法制の解体を次々と受け入れ、半失業状態を固定化する非正規雇用化攻撃を容認してきたのだ。
そしてこれに対して労働組合としての死活をかけて反撃に立ち上がり、いまだ団結を守りぬいているのが動労千葉の存在と闘いであり、その動労千葉を切っ先にした国鉄1047名闘争である。
国鉄1047名闘争は国鉄分割・民営化の完遂を阻止し、日本労働運動の連合化完成を阻止してきた。一方で非正規化攻撃が圧倒的に進行しつつも、労働者階級の対決基軸、反撃の炎は守りぬかれてきたのだ。
4・9反革命こそ、これを徹底的にたたきつぶし、戦後労働運動と階級的獲得物を一掃する大恐慌下の新自由主義攻撃なのだ。だが、動労千葉と闘う国労闘争団の労働者が4・9和解をきっぱりと拒否して「国鉄闘争の火を消すな」と4・9反革命への一大反撃に立ち上がったものこそ国鉄全国運動なのだ。
非正規化攻撃は正規職労働者への攻撃であり、全労働者の分断、団結破壊の攻撃である。だからこそ国鉄分割・民営化との闘いは、日帝ブルジョアジーの労組破壊攻撃、正規・非正規の分断攻撃を打ち破り、全産別・全社会への非正規職拡大を阻止する闘いでもある。非正規職撤廃闘争は国鉄全国運動の内実をもなしており、非正規職そのものを生み出す資本主義社会との非和解的対決となるのだ。
正規・非正規の分断を打ち破り、国鉄闘争と派遣法・非正規職撤廃を基軸に、闘う労働組合をよみがえらせよう。11・7集会1万人結集にこそ希望がある。
〔湯村宏則〕
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週刊『前進』(2462号4面2)(2010/11/01 )
4・9反革命の共犯者
日共「赤旗まつり」弾劾し戦争と大失業に総反撃を
4・9政治和解の張本人である日本共産党は、11月6、7の両日、東京で4年ぶりの「赤旗まつり」を開こうとしている。これは、11・7労働者集会への反革命的敵対だ。かつて日共は、革命的左翼が佐藤首相の南ベトナム訪問に対して羽田で血を流して闘った1967年10月8日に、多摩湖畔で「赤旗まつり」に興じていた。反帝国主義の階級的闘いに対する敵対。これが「赤旗まつり」の原点だ。闘う労働者は日共反革命を粉砕し11・7労働者集会に総結集しよう。
(写真 愛国主義を扇動する赤旗日曜版【10・3】)
10・8羽田でも反労働者祭典にうつつを抜かす
最大の断罪点は、日共が4・9政治和解攻撃の最大の協力者、共犯者であるということである。
4・9和解とは、国鉄分割・民営化という国家的不当労働行為、労働組合破壊攻撃を承認せよ、以後一切解雇撤回を争うなという日帝の攻撃に屈服し、協力するものである。何よりも、動労千葉を排除し、動労千葉労働運動を地上から抹殺するという激しい意識性をもった攻撃に加担し、協力する反革命である。
日共はもともと4者4団体がつくられた当初から、動労千葉を排除し、動労千葉を破壊する攻撃の中心的役割を果たしてきた。そしてその立場から、1047名闘争を終息させるために奔走し、4・9政治和解に全面協力したのである。
日共のこの反革命的役割は、彼らの反革命綱領に規定されている。4・9反革命は2004年1月に決定された日共の新綱領の路線、「労働者階級」「労働運動」「労働組合」という語そのものを一掃したことと軌を一にしている。彼らは労働者階級がこの社会を動かしていること、社会を変革する決定的な力を持っていることを絶対に認めない。彼らは「国民が主人公」と言うが、「労働者階級が主人公」とはけっして言わない。
志位委員長の2中総(第2回中央委員会総会)での報告の中にも、労働運動のテーマはまったくない。「労働者」という言葉を使う場合も、「派遣」や「非正規」の惨めな、救済すべき対象として触れられるだけで、労働者が立ち上がって、現実を変えていく主体としてはけっして語られることはない。
4・9反革命の共犯者であるということは、動労千葉を先頭に「国鉄闘争の火を消すな」を掲げて開始された国鉄闘争全国運動に真っ向から敵対する勢力であるということである。日共の敵対を断固はねとばそう。
「尖閣領有権」を正当化して排外主義の最先兵に
第二の断罪点は、日帝・菅政権の釣魚台侵略と国家主義・排外主義の攻撃にさおさし、先頭に立って排外主義宣伝を展開していることである。10月4日には、釣魚台(ちょうぎょだい、尖閣諸島)の「日本の領有は歴史的にも国際法上も正当――日本政府は堂々とその大義を主張すべき」と題する「見解」を発表し、仙谷官房長官に志位が手渡し、各国大使館にも送付した。彼らの街頭宣伝でも最大テーマに取り上げ、志位の衆院本会議代表質問でもこの問題を真っ先に取り上げた。
日共は言う。
「日本による尖閣諸島の領有は、日清戦争による台湾・澎湖(ほうこ)列島の割譲という侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる、正当な行為であった」
「『無主の地』を領有の意思をもって占有する『先占』にあたり、国際法で正当と認められている領土取得の権原のひとつである」
これを帝国主義の論理と言うのだ。中国(清)は、19世紀、欧米列強の侵略にさらされていた。日帝は中国との緊張関係、欧米との関係で、釣魚台の領有を当初はためらっていた。日清戦争に突入する中で、その機に乗じて釣魚台をかすめ取るように「領有」を宣言した。それは領土の略奪以外の何ものでもない。
今日の大恐慌下で、帝国主義間・大国間の矛盾・対立が深まり、領土・資源・市場などをめぐって争闘戦が激化し、軍事的に発展していっている時、日共は明白に自国帝国主義の立場に立って、愛国主義・排外主義を鼓吹する側に回っているのだ。
日共は海上保安庁によって行われた日帝の軍事行動=侵略を支持したが、これは帝国主義侵略戦争を支持していくことに行き着く。
領土問題は戦争の問題だ。労働者階級は本来国境を越えた国際的に単一の階級であり、異なる利害を持たない。労働者に祖国も国境もない。「固有の領土」などもない。自国の帝国主義と共同の立場などないのだ。
ところが、日共は、領土や国家主権、国益などを超階級的に押し出し、政府と声を合わせて愛国主義を鼓吹することが、共産党のつとめであると考えているのだ。志位の演説が与野党双方から絶賛の拍手に迎えられたことを誇っている始末だ。帝国主義支配階級と国家・国益・領土をめぐって共同行動ができるというのが日共の立場だ。それは労働者階級を戦争協力に駆り立てるものであり、究極の労働者分断攻撃だ。
多くの日共党員も、日共の愛国主義宣伝にうさんくささを感じており、あまりにも労働者の階級的立場とかけ離れていると考え始めている。日共の綱領から「労働者階級」を追放して「国民の党」を宣言したことが最大問題であり、一切の反労働者的言動の根拠である。
大恐慌の現実を認めず資本主義の延命に手貸す
第三の断罪点は、そもそも今日の大恐慌情勢を大恐慌と認めず、「経済危機打開」の道があるかのように宣伝していることである。
彼らは04年改定の日共綱領において、「現在、日本社会が必要としている変革は、社会主義革命ではなく、……民主主義革命である」と規定し、「資本主義の枠内で可能な民主的改革」であるとうたっている。それは、資本主義がこれから先長期にわたって存続することを前提にし、その条件のもとでの運動とするものだ。だから、資本主義がどんなに危機に陥ろうと、資本主義が崩壊してはならない(崩壊したら日共の存立が成り立たない)ということなのであり、徹頭徹尾プロレタリア革命に敵対する綱領であるということを意味する。資本主義の存続という大前提が崩壊する事態が現に眼前で進行しても、それは見ないようにして論立てするほかないのである。「資本主義の枠内の改革」とは要するに資本主義を徹底的に防衛する運動ということになる。
日共は、”大企業が抱え込んでいる内部留保を吐き出し、賃上げをし、購買力が増え、需要がふくらめば、経済は回復し、財政危機も克服できる”と主張する。だが、今日資本主義が陥っている危機は、何か政策的に打開できるような性格のものなのか。帝国主義の過剰資本・過剰生産力の問題は、政策的な失敗の問題ではなく、帝国主義として避けることのできない基本矛盾の爆発としてあるのだ。この危機は、帝国主義間・大国間の保護主義、通商戦争、通貨戦争として非和解的に進展しており、帝国主義戦争・大国間の戦争を不可避としている。帝国主義の財政危機も解決できない問題として深刻化している。ギリシャのような国家財政の破綻=国家の破綻が日帝の前にも早晩突きつけられるのである。
今や、「大恐慌を革命へ」のスローガンこそが最も現実的、最も労働者的なスローガンとなっている。この時に日共は、「資本主義の枠内の改革」を対置し、資本主義を守る運動に労働者を引き込もうとしているのだ。まさに資本主義の墓掘り人ならぬ資本主義の忠実なサポーターだ。
参院選での日共の敗退と没落、党勢の衰退の中で、日共はますます体制内化し、延命を図っている。日共にはもはや未来はない。日共反革命をぶっ飛ばし、国鉄全国運動の旗のもと、11・7労働者集会に大結集しよう!
〔高田隆志〕
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週刊『前進』(2462号5面1)(2010/11/01 )
国際連帯の力で大恐慌に立ち向かう
11・7からソウルG20粉砕へ
歴史的な日韓共同闘争を! 国境越え“非正規撤廃”
2010年秋、11・7東京・日比谷野音に国境を越えて世界の労働者が集まる。「国鉄1047名解雇撤回! 派遣法・非正規雇用撤廃!」は、世界に通用するスローガンだ。ここに韓国から民主労総ソウル本部の40人を超える労働者がやってくる。11・7を皮切りに11月11、12日のソウルG20(20カ国・地域首脳会合・金融サミット)粉砕闘争から11・13〜14横浜APEC(アジア太平洋経済協力会議)粉砕闘争と続く闘いを労働者の国際連帯の力で大爆発させよう! 世界中でゼネストが打ち抜かれている。日韓労働者の歴史的な共同闘争を実現しよう。
(写真 「最終的ハンスト」と書いた横断幕を広げてショベルカーの上で闘うキリュン労働者【10月22日 ソウル】)
全泰壱烈士精神を引き継ぎ
1970年11月13日、ソウル平和市場で働く23歳の青年労働者、全泰壱(チョンテイル)は自ら体を炎に包み「われわれは機械ではない!」「勤労基準法を守れ!」と叫んだ。彼は中小零細の縫製工場がひしめく平和市場で10代の女性労働者たちが1日15時間にも及ぶ労働を強いられていることに心を痛め、勤労基準法を学び、仲間を組織して労働条件改善を要求していた。労働時間を10〜12時間に短縮すること、毎週日曜日を休日にすること、70〜100ウォンの手当を50%以上引き上げること、これが彼らの要求だった。
2010年10月7日深夜、韓国・忠南の唐津(タンジン)にあるファンヨン鉄鋼工場で働いていた29歳の青年労働者がセ氏1600度の溶鉱炉に落ちて死んだ。安全柵はおろか、手を伸ばしてつかまるものさえなかったという。鉄が冷めるまで4日、かろうじて大腿骨と頭蓋骨だけが姿をとどめて発見された。韓国では09年に労働災害で2181人が死亡し、うち132人が30歳未満の青年労働者だった。
チョンテイル烈士が命をかけて「勤労基準法を守れ!」と叫んでから40年の歳月は過ぎたが、労働者の現実は40年前に逆戻り。どん詰まりの危機にあえぐ資本主義の最後の延命策である新自由主義攻撃の結果、韓国では非正規職労働者が全労働者の50%を超えている。
労働者はなぜ殺されなければならないのか!
労働者を殺すな! 生きさせろ! 世界大恐慌は資本主義の命脈が尽きたことを告げ知らせている。団結した労働者の力でこの資本主義社会を根底からひっくり返し、労働者が主人公となる時が来ている。
10・30に非正規労働者大会
10月30日午後5時、ソウル広場で「非正規労働者労働基本権獲得! 非正規労働烈士精神継承、非正規職撤廃!」を掲げた全国労働者大会(非正規職撤廃!全国労働者大会)が開かれる。(本紙速報版参照)
大会の3大目標は、@非正規労働者の労働基本権獲得、A全労働者階級の団結と連帯実現、B非正規烈士精神継承だ。
また6大要求として、@間接雇用撤廃、派遣法廃棄! 不法派遣の正規職化、A職業安定法改悪阻止! 間接雇用労働者の元請け使用者責任を認定せよ、B非正規職法廃棄および使用理由制限導入、C特殊雇用労働者の労働基本権を保障せよ、産災(労災)を全面適用せよ、D移住労働者に労働許可制(労働ビザ)を導入せよ、強制取り締まり反対、E最低賃金法改悪阻止および最低賃金現実化――が掲げられている。大会では拘束労働者釈放要求キャンペーンも行われる予定だ。
さらに金属労組は同日午後2時、現代・起亜自動車本社前で前段集会を開く。これは、間接雇用撤廃と派遣法廃止、不法派遣正規職化を要求して座り込み闘争を続けている金属労組トンヒオート社内下請け支会との連帯闘争だ。
この現代・起亜自動車本社前で闘う非正規労働者たちは、「98年から始まった社内下請け労働者らのすさまじい闘争の末、大法院は今年3月15日に現代重工業の社内下請けに対する元請けの使用責任を認め、7月22日には現代自動車社内下請けが不法派遣であり、元請けが直接雇用する責任があるとの判決を下した。大法院判決は、全国のすべての社内下請けに『あなたの賃金と労働条件は誰が決めるのか』と聞くと、『元請け使用者』と答える労働現場の『常識』を確認した」と指摘した。
韓国では97年末からのIMF(国際通貨基金)統制下で整理解雇制、勤労者派遣制、変形勤労時間制が実施されたが、現在も製造業での派遣は原則禁止となっている。派遣業種を無制限に拡大しようと画策するイミョンバク政権に対し、「間接雇用撤廃! 派遣法廃棄!」「非正規職撤廃!」を要求する非正規闘争の拡大は、政権と資本を脅かしている。
G20警備を突破し合流を!
G20弾圧は春から始まり、法外滞在の外国人労働者摘発に対しては、ソウル仁川移住労働者労働組合がミッシェル委員長を先頭にハンスト座り込み闘争を展開するなど激しい闘いが続いてきた。
今年、入国目的不明などの理由で入国を拒否された外国人は10月17日までに1万1692人、前年同期比72%の増加だ。
また、9月から導入された「外国人指紋確認システム」により、偽造パスポートなどを保持していた103人を摘発したほか、5月から施行した国内の不法滞在者のための「出国支援プログラム」を通じ、1万2888人を自主出国させている。
11月6日からは全国に最高水準の警戒態勢を敷き、過去最多の警察官3万人、戦闘警察・義務警察2万人余りを配置。8日から12日まで警護安全区域内での集会・デモが禁止され、有事には軍や警察を投入し非常事態に対処する。特に爆弾テロを防ぐため、サミット会場の三成洞・COEX(韓国総合展示場)周辺と、付近の永東大路、テヘラン路、奉恩寺路などの一部車線に専用フェンスを設置し、外部との隔離を徹底する。
この厳戒警備こそ、国境を越えて団結する労働者階級をいかに恐れているのかの証しだ。東京からソウルへ、日韓労働者の合流をかちとろう!
KEC工場占拠ストに突入
この厳戒態勢を突き破る現場労働者の決死の闘いが火を噴いている。
金属労組キリュン電子分会のキムソヨン分会長は10月13日、3回目の決死ハンストに突入した。警備室屋上では2人の組合員が61日間の半断食を続けている。さらに15日からは座り込み場を撤去しようと配置されたショベルカーの上で籠城(ろうじょう)を始めた。
05年8月24日、キリュン分会は大量解雇、不法派遣、労働弾圧に抗して工場占拠座り込みに入った。10月に警察部隊が投入され工場占拠闘争の幕は下りたが、以来、生計闘争に取り組みながら闘ってきた。
今は更地になったキリュン電子旧工場の前に座り込んで再開発を阻止する攻防が続いているが、命がけの断食闘争で勝負に出たのだ。
慶北道亀尾では10月21日、ストライキ127日目を迎えた金属労組KEC支会の男女組合員200人が半導体工場占拠座り込みに入った。労組破壊のために会社が行った職場閉鎖から114日目だった。会社は最小限の薬品搬入は認めたが、食糧供給は阻止する暴挙に出ている。
労資交渉を拒否する会社の意を受け、警察は鎮圧方針を隠そうとしていない。昨年、世界を揺るがしたサンヨン自動車労組の77日間の工場占拠ストが思い起こされる。
電話を通じてキムジュンイル支会長は、「工場を占拠した以上、このまま出て行くつもりはない。必ず勝って出て行く。多くの同志たちに連帯をお願いする」と呼びかけている。
11月の国際連帯闘争は、日韓労働者の新たな団結を必ずや生み出すだろう。確信も固く、11・7の1万人決起を実現しよう! 1万人集まれば世界は変わる!
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週刊『前進』(2462号5面2)(2010/11/01 )
各国労働者と一堂に
11・6千葉市民会館で連帯集会
11・7全国労働者総決起集会の関連企画として、同実行委員会が主催する11・6労働者国際連帯集会が千葉市民会館ホールで開催されます。
テーマは「大恐慌下の労働運動と国際連帯/今、労働組合に問われるもの」です。なぜこのテーマなのか。実行委員会のビラでは、「全世界の労働者階級の闘いの共通項、つまり闘いの中で団結を固め、新たな運動をいかに創造していくのかという焦眉(しょうび)の課題に、私たちは『国境を廃して』取り組まねばならないと考えたからです」と提起されています。
2010年、世界大恐慌がますます激化する中、世界中で力強い労働者の闘い、ゼネストが広がっています。集会は、この国際労働運動をダイジェストにまとめたビデオ上映から始まります。
臨場感あふれる映像の力で闘いを共有した後、各国・各労組からの報告と問題提起が行われます。韓国からは民主労総ソウル本部と傘下の公務員労組や金属労組、建設労組など、アメリカからはILWU(国際港湾倉庫労働組合)、UTLA(ロサンゼルス統一教員組合)、ユナイテッド航空労組、ATU(合同運輸労組)、TWSC(運輸労働者連帯委員会)など、さらにドイツから。日本からは動労千葉を始め闘う労働組合、在日・滞日外国人団体などが登場します。11・6国際連帯集会こそ、国境を越えた労働者の共同闘争の第一歩であり、世界革命への新たなページを開く集会です。
動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃と闘い、さらにこの10年、検修業務の外注化を阻止してきました。関西地区生コン支部は4カ月に及ぶ産業ゼネストを闘い、ついにスーパーゼネコンを屈服させました。新自由主義攻撃を打ち破る力は、まだ小なりといえど階級的労働運動を実践する労働組合の中にあるのです。そして、国鉄闘争の火を消すなと呼びかけられた国鉄闘争全国運動こそ新たなネットワークを生み出す闘いです。この闘いが世界の労働者を獲得しています。
11・6国際連帯集会への参加を訴えます。
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週刊『前進』(2462号5面3)(2010/11/01 )
仏 年金改悪に6波の全国スト
英 公務員49万人首切りに反撃
ヨーロッパで吹き荒れる緊縮財政攻撃に対して労働者の大反撃が全欧州で巻き起こっている。
高校生が牽引
フランスで9月7日、23日、10月2日、13日、16日、19日と6波にわたる年金制度改悪反対の全国的な大規模デモ・ストが闘われた。10月の4回は300万人規模の大行動となり、サルコジ政権を追い詰めている。
10月12日からは高校生が本格的に闘いに参加、全国1千校で封鎖や授業ボイコット、数十万人が街頭デモに繰り出した。警官隊とも各地で対峙・衝突し、2千人が拘束された。
国鉄の各労組も11日から無期限ストに入った。過半数の国鉄労働者がストに加わった。26日も列車の1〜4割が運休している。地方諸都市で清掃作業員が11日から無期限ストに入った。マルセイユでは18日にごみ処理場も封鎖、数千dの家庭ごみが街頭に積み上がった(10月26日から一部労組がストを解除)。12日から燃料備蓄基地や石油港(マルセイユ近くのフォスラブラ)、石油精製所もストで閉鎖・操業停止。トラック運転手もストに入った。パリや地方の空港への燃料供給が止まった。19日には全12カ所の石油精製所と2600カ所(全国の2割)以上のガソリンスタンドが営業を停止した。21日以後、サルコジ大統領の命令で治安部隊が燃料備蓄基地や精油所の封鎖を暴力的に解除したが、一部にとどまっている。
政府は、年金の支給開始年齢を18年までに現行の60歳から62歳に引き上げ、満額拠出期間を41年に延長する制度改悪を目指している。
法案が成立しても労組は闘争継続を決めており、28日に7回目、11月6日に8回目の全国一斉ストを予定している。
(写真 年金制度改悪反対のデモをする高校生【10月16日 パリ】)
消防士がスト
イギリスでも史上最大の階級決戦を迎えている。オズボーン財務相が10月20日、議会に財政赤字の解消をうたった歳出削減策を発表するやいなや、これに反対する公務員労組を先頭とする大規模デモ・ストが即座にたたきつけられた。
歳出削減は4年間で11兆円(830億ポンド)、戦後最大規模だ。その最大の柱が、公務員600万人中、49万人の大首切りだ。また公務員給与引き上げの2年間凍結、公共部門の民営化・外注化も狙われている。
さらに福祉、教育などの大幅切り捨てと増税もたくらまれている。子ども手当や公営住宅運営補助費用の削減、年金受給年齢の66歳への引き上げ、大学予算のカット、付加価値税(消費税)の17・5%から20%への引き上げなどである。
10月19、20日にロンドンで3千人の抗議デモが起きると、23日には、ロンドンの消防労働者のストライキを皮切りに全国5万人の労組組合員、年金生活者、学生、失業者などがデモに立った。
消防労働者は非正規職化攻撃と一体となった勤務時間の変更攻撃に対して、第1波の8時間ストライキに突入した。政府のスト破り策動が狙われた27の職場では、スト突入の1時間前の9時からピケットが張られ、終日ピケットラインを実力で守りぬいた。
この闘いに連帯してRMT(鉄道海運労組)の地下鉄労働者も安全確保を掲げて23日にストに突入した。800人の人員削減に反対して4日に闘われた1万人の24時間ストに続く決起だ。
スコットランドでは2万5千人、北アイルランドでは1万5千人、バーミンガムやケンブリッジ、マンチェスターなどの都市でも数千人のデモが打ち抜かれた。
(【下】ストライキに突入した消防労働者が歳出削減策反対のデモに合流した【10月23日 ロンドン】)
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週刊『前進』(2462号5面4)(2010/11/01 )
新刊紹介 国際労働運動 12月号
社保庁解体の悪辣さ
世界大恐慌は大失業と戦争を生み出す。日帝・菅政権の新成長戦略は、内への階級戦争、外への侵略戦争を激化させる。根底に「4・9政治和解」という動労千葉と革共同絶滅の大反革命がある。階級戦争の核心に道州制と公務員360万人首切りがある。最大の戦場は労働組合をめぐる攻防だ。今号は新成長戦略下の道州制・公務員攻撃を特集している。
第1章は、新成長戦略の背景と全体像を明らかにしている。それは「雇用創出」をキーワードとする労働者への民営化・非正規化攻撃を核心とする新自由主義の徹底した続行とアジア侵略宣言だ。
第2章は、社保庁解体がいかに行われたのかを具体的に明らかにしている。敵の狙いは分限免職を制約している高いハードルを取り払うことだった。国鉄改革を上回る悪辣(あくらつ)な手口を使った。このデタラメが通用したのは当該労組・自治労が裏切ったからだ。分限免職を乱発する不当解雇が公立病院で始まっている。
第3章は、幼保一体化による保育労働者30万人首切り攻撃との決戦を中心に、公務員労働組合をめぐる闘いの路線と展望を、連合批判を併せて明らかにしている。
資料として、「職員採用における国鉄改革法と年金機構法の比較」、社保庁作成「社保庁の廃止と分限免職」などがある。
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週刊『前進』(2462号5面5)(2010/11/01 )
日程 11・6労働者国際連帯集会
11・7全国労働者総決起集会 関連企画
11・6労働者国際連帯集会
テーマ 大恐慌下の労働運動と国際連帯 いま労働組合に問われるもの
11月6日(土)午後1時〜6時
千葉市民会館ホール(千葉市中央区要町1−1)
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週刊『前進』(2462号6面1)(2010/11/01 )
TPP参加を狙う菅政権
大失業が激化/国内農業は壊滅
北朝鮮侵略戦争策動も加速 APEC・G20粉砕に立とう
11・7総決起と国際連帯で
11月APEC・G20で、日帝・菅政権は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を決めようとしている。それは日本の農業・農民をますます犠牲にするとともに、国際競争力向上をかざした労働者階級への一段の搾取と労働運動の破壊攻撃を強めるものだ。
しかも、直接の「議題」にかかわらず、一連の首脳会議をとおして米帝と日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の策動がエスカレートするのは確実である。このような首脳会議を絶対に許してはならない。11・7労働者集会1万人決起と労働者階級の国際連帯で粉砕しよう。帝国主義間・大国間の争闘戦の激化、その争闘戦の戦争への転化と労働者への階級戦争の激化という視点から、APEC・G20を徹底的に批判していこう。
農業含め関税を100%撤廃
まず何よりも、日帝のTPP参加策動に対し労働者・農民・全人民の怒りを爆発させ、絶対に粉砕しよう。
TPPはもともと、シンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイの4カ国が06年に結んだ自由貿易協定(FTA)が発端をなす。米帝は08〜09年に、日帝の「東アジア共同体」構想をたたきつぶすためにTPPを軸とすることを決めた。今年になってオーストラリアなど計9カ国(下図)で交渉が行われており、11年中の妥結が目指されている。
このような対日争闘戦の性格を持つTPPに、なぜ日帝は参加しようとしているのか。それは何よりも、アジアでのFTA締結競争で日帝が危機に追い詰められているからだ。10月にはEUと韓国がFTAに署名したのに比して、日韓FTAは交渉が途絶したままで、もはや風前の灯である。これで韓国企業がEUに関税なしで輸出できるようになるのに比して、日本企業は圧倒的に不利になった。10月末に日帝はインドとの経済連携協定(EPA)に合意したが、肝心の東アジア・東南アジアでの勢力圏争奪戦ではもはや取り返しのつかない劣勢にある。
このうえTPPが日帝抜きで進んでしまうと、アジア市場争奪戦で日帝が排除され、さらには米市場からも締め出されかねなくなってしまった。そこで日帝はTPPに参加する以外の選択肢がなくなったのだ。日本経団連会長の米倉は「日本はTPPを通じて米国とアジアの橋渡しを担うべきだ」と言っているが、”米国とアジアの両方を失う”という危機感の表明にほかならない。
「黒船」「開国」叫ぶ菅と仙谷
しかしTPPは、2国間のFTAより厳しく、物品の貿易は原則すべて関税を100%撤廃するというものだ。チリの乳製品など戦略的な農産品も関税撤廃の対象とされている。これに日帝が加われば、日本の農業は壊滅状態となる。農林水産省の試算ですら、”関税を撤廃すれば国内1次産業の生産額は半減する”という。これまで日本は11のEPAを結んできたが、米・麦などは関税撤廃の対象から外されてきた。それをTPPでは関税撤廃するというのだ。これほどまでに資本家階級の利害をむきだしにする菅政権に対し、労働者・農民の怒りを爆発させなければならない。
しかも、米帝との間で関税を全廃するとなれば、「国際競争力の向上」と称して労働者へのあらゆる攻撃が強まるのも必至だ。日本の資本家連中は、”非正規雇用のどこが悪い”と居直っているが、その理由としてまず挙げているのは「製造業を中心とした国際競争の激化」などの「経営環境の激変」である(10年版経労委報告)。これまで労働者に襲いかかった合理化攻撃は、ほとんどが”国際競争のため”と称されてきたではないか。TPPは労働者階級にとっても絶対に粉砕すべきものなのだ。
菅は21日の新成長戦略実現会議で「よくも悪くも黒船が来た」と言い、仙谷はTPP参加を明治維新、第2次大戦後に続く「第3の開国」と言う。「黒船」とか「開国」とか、これらも労働者階級にとってはとんでもない画歴史的な賃下げ攻撃、合理化攻撃を意味する。民営化・外注化・非正規化と大失業をますます促進するものだ。
今や菅政権は、日本の資本家階級が90年代以来、言い続けてきたにもかかわらず、自民党政権がその実行をためらっていたことを、露骨に強行しようとしているのだ。労働者階級の怒りを猛然とたたきつけよう。
米日中の争闘戦は非和解
さらに、APEC・G20をとおした米・日帝の北朝鮮・中国侵略戦争策動の強まりを許してはならない
現在、世界大恐慌は米経済・日本経済を始めとして再激化し、「2番底」に転落しつつある。全帝国主義が国内市場の飽和化の中で、もはや対外膨張以外に生きられなくなっている。ここから存亡をかけた帝国主義間・大国間の争闘戦が展開されている。争闘戦はこれまでも長年にわたって繰り広げられてきたが、従来の延長線上にはない。保護主義と貿易戦争(トレードウォー)、通貨戦争(マネーウォー)、資源争奪戦、勢力圏争奪戦と、対立があらゆる領域に広がっているだけではない。真に相互絶滅戦的な性格の、質的転換を伴った争闘戦になっているのだ。そうした争闘戦が、世界の再編・再分割をかけた軍事的対立と戦争へと転化しつつある。
重大な為替戦争の本格化
特に重大なのは、通貨安競争=為替戦争という、ブルジョア的にも何のルールもない争闘戦が激烈化し始めたことだ。通商問題ではまだしも国際貿易機関(WTO)という国際的な交渉・調停機関があるが、通貨問題にはそういう国際機関はない。だから為替戦争が本格化すれば国際協調など吹き飛び、収拾がつかなくなる。
第2次大戦後にそうした通貨戦争が抑制されてきたのは、ドルが基軸通貨として君臨してきたからである。しかし今やドルの信認は崩れている。かつて30年代の為替戦争が再建金本位制の解体と一体で進んだように、ドル体制の弱体化のもとで通貨戦争が再現されているのだ。米帝はドル安を容認しつつ為替戦争に訴えているが、それはドル暴落の危機を促進し、結局は通貨面での分裂・対立を加速させるものでしかない。
通貨戦争で最も危機に陥っているのは日帝である。これまで相場が円高・ドル安になる局面は何度もあったが、米欧いずれもが円高攻勢を仕掛けるのは初めてだ。しかも米帝は中国に対して人民元切り上げの圧力を強め続けており、米・日・中の三つどもえの通貨戦争と化している。
米帝は10月23日に閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議で、「経常収支の黒字幅や赤字幅をGDP比4%以内に抑える」という数値目標を提案した。最終的に「検討課題」とされるにとどまったが、米帝の争闘戦がいま一つエスカレートしたものとして重大である。
この経常収支の数値目標は、何よりも中国に対して人民元切り上げを迫るものであるが、同時に日帝やドイツ帝国主義など経常黒字国に対しても内需拡大、米からの輸入拡大を求めるものでもある。こういう形で米帝は、輸出2倍化戦略を実行しようとしているのだ。米帝が為替戦争と貿易戦争の両面で、さらなる火の粉を振りまいているのである。
労組破壊と戦争に対決を
こうした争闘戦の激化の中で、米帝はドル暴落の切迫、基軸帝国主義からの転落という危機を明白に意識し、世界の暴力的・軍事的な再編で延命しようと動きつつある。そのために米帝は、大国化しつつある残存スターリン主義・中国に対し、経済的には侵略を強めつつ、軍事的・外交的には牽制(けんせい)し、突き崩そうとしている。しかも米帝はこの中国突き崩しを、北朝鮮侵略戦争と一体のものとして構えようとしている。
7月の米韓合同軍事演習で米帝は初めて最新鋭戦闘機F22を投入したが、米第7空軍のレミントン司令官は「朝鮮半島と北東アジアの安定への米国の高い関心を裏付ける」と公言した。朝鮮半島だけでなく、中国も含めた北東アジアに対する「安定」、つまり戦争による支配ということを言い放っているのだ。しかも、北朝鮮スターリン主義の後継体制への移行という体制的な危機が進んでいるが、北朝鮮の体制崩壊こそ米帝が戦争の現実的なシナリオの第1としてきたものだ。こうした米日帝の北朝鮮侵略戦争の切迫情勢に断固として立ち向かおう。
全世界労働者の団結の力を
日帝は、アジア勢力圏化での敗勢、通貨戦争での円高と国際的孤立、資源問題での脆(もろ)さなどで、世界の「最弱の環」と化している。窮地に立つ日帝は、なんとか生き残りを図ろうと絶望的なあがきを強めている。
一方では、「新成長戦略」のもと、国内での民営化・外注化・労組破壊攻撃を極限化させつつ、アジア勢力圏化と資源確保での劣勢をTPP参加と海外へのインフラ(社会的資本基盤)輸出で巻き返そうとしている。他方では、釣魚台への侵略軍事行動に乗り出し、新安保懇の内容の具体化による戦争国家化と改憲、そして北朝鮮・中国侵略戦争策動と沖縄闘争圧殺と辺野古基地建設攻撃を強めている。そのためにこそ、動労千葉を先頭とする階級的労働運動の破壊を狙って、あらゆる策動を仕掛けつつあるのだ。
国鉄全国運動を飛躍させ、動労千葉解体−階級的労働運動解体の攻撃をはね返そう。ここでの勝利を土台として、帝国主義の北朝鮮・中国侵略戦争への動きに対し日韓米―全世界の労働者の団結で立ち向かわなければならない。こうした勝利の路線を鮮明に、11月労働者集会とAPEC・G20粉砕闘争を闘おう。
〔島崎光晴〕
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週刊『前進』(2462号6面2)(2010/11/01 )
広島大 ”反戦を行動で示そう”
100人が学内集会・デモ
10・21国際反戦デーの日、「学生の行動が世界を変える!」と銘打って広大反戦集会を打ち抜きました。「学生、ちゅうもーく!」「なんだー?」。昼休み、チャイムと同時に学生がスペイン広場へどんどん集まり、100人の学生で埋めつくされました。戦争反対、広島大学の戦争協力を許さないという意思を持った100人がスペイン広場に集まったということです! 集会では、処分撤回で闘い、先日、右翼の街宣車をキャンパスからたたき出すという闘いをした法大生・倉岡雅美さんの発言に広大生が大注目!
集会のあとは浅原学長への申し入れ行動で、学生プラザまでデモ行進しました。
広大は先日、核実験を行った米・ロスアラモス研究所と提携し、さらには、兵器産業・三菱重工会長である佃和夫を広大の経営協議会に入れています。「広大の戦争協力を許すな!」「学生は反戦闘争に立とう!」。手を振ってくれる人やデモの様子を見るために、後ろを歩く学生もいたり……とデモは大、大、大注目でした。
夕方4時半から本集会を行いました。全学連副委員長の倉岡さんが講演し、「戦争をとめる闘いとは、排外主義・愛国主義からキャンパスを守り、学友を実力で守り抜く闘いである」と、熱烈な訴え。広大生が基調を提起し、質疑・応答を行いました。
集会後、主催した1年生は次のような熱いアピールを発しています。「学生には戦争を止める力がある。確かに小さいデモだったけど、反戦の力強さを感じてくれたのではないか。平和を願っているだけでなく、考えているだけでなく、こうして行動で示していこう。もっと気軽に、大きな声でデモを一緒に、反戦をやりませんか!」
学生は戦争をとめることのできる存在だ! 全国の学生は11・7労働者集会へ! 戦争阻止の1万人の大勢力を東京に登場させよう!
(広島大・西条美和)
(写真 「学生の力で戦争を止めよう!」の力強いアピールが広大キャンパスに響き渡った【10月21日】)
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週刊『前進』(2462号6面3)(2010/11/01 )
パンフ紹介 『障害者解放』第2号
〈障害者は労働者階級だ〉を軸に画期的な路線提起
『障害者解放』パンフ第2号が障害者解放編集委員会から発行されました。
このパンフは障害者解放の闘いについて、マルクス主義を武器に、階級的団結を基礎にした労働組合運動を甦(よみがえ)らせる闘いを断固基礎にすえながら、新しい路線的境地を切り開こうとした革共同の歴史的なパンフです。しかし正確に言えば、”新しい”と言っても、マルクス主義的には障害者解放闘争の理論的出発点に立ち戻ったパンフと言えます。
「大恐慌時代における障害者解放闘争とは何か?」を塩川一派脱落以降のこの数年の格闘の中でつかんだ集大成です。
〈障害者は労働者階級である〉と言い切ったこの簡素な言葉の中にすべてが集約されています。
また11月労働者集会1万人大結集の闘いを障害者解放戦線が階級的労働運動をよみがえらせる闘いの最先頭でやり抜く気概があふれています。党の綱領を断固推し進める文書であると同時に、障害者の仲間と労働者を獲得していく内容になっています。まさに綱領的路線的内容と実践的課題が一体となって提起されています。
冒頭の夏山俊一論文は新成長戦略を振りかざす民主党・連合政権の打倒論として充実した内容を持っています。「4・9政治和解」反革命をきちんと押さえた上で、日帝の新成長戦略と体制内障害者運動を批判しています。この4・9反革命に裏打ちされた連合路線が労働運動を始めあらゆる社会的な運動分野での「体制内派」化を促進していることを明示に批判しています。逆に階級的労働運動路線の爆発がそれらの体制内運動を一挙に吹き飛ばす勝利のてことなることをさし示しています。
さらに甲本直己論文では、国鉄全国運動が持っている力、すなわち動労千葉を始めとする新自由主義攻撃と対決する労働運動の発展こそが単一の闘う労働者階級を形成し、障害者も労働運動の最先頭で闘えることを明らかにしています。血債主義・糾弾主義の同義語である救済の対象としての障害者ではなく、労働者階級としての障害者はプロレタリア革命を目ざして党−労働組合−地域ソビエトの先頭で闘う存在であることを鮮明にさせました。障害者解放のみならず、戦線的領域での時代認識と路線の確立です。
党綱領草案で書かれている「労働者階級の階級的解放は同時に、階級社会のもとでのあらゆる抑圧・差別からの人間の解放、すなわち普遍的な人間解放である」を根幹にすえて、障害者の解放がプロレタリア革命によって成し遂げられることを明らかにしました。
また、これと対極的に労働者に絶望を組織し血債主義・糾弾主義を振りまきながら、ブルジョア革命の枠内に押しとどめようとする体制内勢力を壊滅的に批判しています。それはその先頭にいる塩川一派と旧与田派に対する党派闘争上の断固たる勝利宣言を発するものです。
林直行論文は新自由主義攻撃批判の観点を推し進めながらも、解雇撤回と同様の徹底非妥協の精神を体現する三里塚闘争が障害者解放闘争の原点でもあることを今日的に確認しています。
また大林郁恵論文では「4・9政治和解」攻撃と一体のものである「障がい者制度改革推進会議」を徹底的に批判しながら、地域闘争の団結の中に障害者解放の展望を見出そうとしています。
松島佳郎論文では、「障害者運動も体制内労働運動と無縁ではなかった」と依存していた点を指弾し、障害者解放運動が自らの階級性を奪い返していく闘いであると位置づけています。その心棒が地区党建設です。
圧巻は竹原りつ子論文です。70年闘争の激闘の中から切り開かれた革共同の重厚な闘いの一端が語られています。〈障害者解放闘争は、とりわけて人間的共同性・労働者的団結を直接に求める闘いである〉という創刊号で触れた考え方を、ここでは圧縮された40年の歴史をとおして切実に再確認していきます。
24時間365日という、きわめて意識的な介助を必要とする「重度の知的身体的障害者」にとっては、日々生きることそれ自身がプロレタリア革命を直接的に要求しています。であるがゆえに、新自由主義による「自由なサービス利用者・消費者」への道が実は公的責任の破壊と民営化、非正規・使い捨て労働力のおびただしい創出であることを徹底的に弾劾しています。契約制度=対等関係というブルジョア思想に多くの障害者団体をとびつかせ、資本主義体制崩壊の死の苦悶(くもん)をよそに、障害者のみの独自の利害だけを追わせる障害者運動の全面的取り込み攻撃に怒りをたたきつけています。そして真の人間的共同性を求める闘いこそプロレタリア革命であることに希望の光を注いでいます。
11月労働者集会1万人結集の武器として、何よりも新しい障害者解放闘争の導きの書として多くの仲間がこのパンフを使って学習し、組織化に活用されることを強く訴えます。
(YU)
(写真 発行/障害者解放編集委員会 東京都杉並区上高井戸1―32―40 定価200円)
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週刊『前進』(2462号6面4)(2010/11/01 )
2010年 10月19日〜26日
民主調査会「武器輸出3原則、緩和」/裁判員裁判で初の死刑求刑
●参院憲法審査会、規程制定に民自が合意 民主、自民両党は、改憲原案などを審議する参院憲法審査会の委員数や議事手続きを定める審査会規程を制定することで合意した。参院憲法審査会は07年8月の設置後、休眠状態が続いていた。(19日)
●10・21県民大会から15年 少女乱暴事件をきっかけにした1995年の10・21沖縄県民総決起大会から満15年を迎えた。県警のまとめによると、米軍構成員(軍人、軍属、その家族)による犯罪摘発人員は一時減少したものの、03年には摘発人員が133人と95年の2倍以上に悪化した。その後も毎年95年当時とほぼ同等の人員が摘発されている。(21日)
●イラク市民犠牲6万6千人 民間ウェブサイト「ウィキリークス」が、イラク戦争をめぐる米軍などの機密文書約40万件を公表した。米英メディアは、市民の死者数は民間団体の集計より1万5千人多く、米軍がイラク当局による拷問を黙認していたと報じた。米英両国はこれまで、死者数の公式な統計はないと主張してきた。(22日)
●民主調査会「武器輸出3原則、緩和」 政府が年末に策定する「防衛計画の大綱」について検討している民主党の外交・安全保障調査会が役員会を開き、原則としてすべての武器や関連技術の輸出を禁じる「武器輸出3原則」を緩和する方針で一致した。3原則については、大綱策定を議論する菅首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会(安保懇)」が今年8月に見直しを提言する報告書を菅に提出した。(22日)
●連合沖縄、伊波氏を支持 連合沖縄の政治活動を一元化する連合沖縄政治センターが常任幹事会を開き、11月の知事選の対応方針を協議した。前宜野湾市長の伊波洋一氏について、連合本部に推薦を上申することは見送るものの、連合沖縄独自の「支持・支援」として統一対応を取ることを全会一致で確認した。(24日)
●裁判員裁判、初の死刑求刑 東京都港区で昨年8月、耳かき店員の女性とその祖母を刺殺した事件の裁判員裁判が東京地裁で結審し、検察側は論告で死刑を求刑した。昨年8月から実施されてきた裁判員裁判で初めての死刑求刑。判決は11月1日の予定。(25日)
●靖国合祀取り消し請求を棄却 沖縄戦で亡くした肉親を無断で靖国神社に合祀(ごうし)され、追悼の自由を侵害されたなどとして、沖縄県内の遺族5人が靖国神社と国を相手に合祀の取り消しなどを求めた訴訟の判決が那覇地裁であり、平田裁判長は靖国神社の合祀で遺族側が主張する権利が「侵害されたと認められない」と請求を棄却した。合祀に対する国の影響力も否定し、不法行為はなかったとして、遺族側の訴えを全面的に退けた。(26日)
●民主党、沖縄知事選で自主投票 民主党沖縄県連の喜納昌吉代表らが岡田幹事長と会談し、11月の県知事選挙への対応について、独自候補擁立を断念し自主投票とする方針を確認した。特定の候補者の支援を禁止する拘束はかけない。(26日)
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週刊『前進』(2462号7面1)(2010/11/01 )
全駐労本部の屈服突き破り闘おう
沖縄・基地労働者の課題と展望
米軍再編と「公務員改革」による解雇、賃下げ、非正規化うち破れ
高山英信
基地労働者に対する米軍再編と大量解雇、外注化・非正規職化の攻撃が激化している。基地撤去・辺野古新基地建設阻止の闘いとともに、菅民主党政権と連合が推進する「新成長戦略」「公務員制度改革」攻撃との闘いが公務員労働者・基地労働者の重要な課題である。「公務員制度改革」こそ公務員労働者360万人首切り=外注化・民営化、9割の非正規をつくり出す大攻撃だ。基地労働者を非正規化するのも「公務員制度改革」だ。全駐労本部はこの事実を押し隠し、基地労働者の闘いを必死で抑え込もうとしている。これに対する労働者の回答こそ、国鉄決戦を基軸に据えて、国鉄1047名解雇撤回を貫く新たな国鉄全国運動を押し広げることだ。菅民主党政権を打倒し、プロレタリア革命を労働者階級の力で実現する時だ。11・7集会1万人結集を実現しよう!
(写真 解雇攻撃に反撃して基地内で500人の大デモに立った全軍労牧港支部青年部【72年12月】)
国鉄闘争全国運動で基地労働者の怒りを解き放とう
今、労働者の新たな階級激突の情勢を迎えようとしている。世界的な大恐慌と財政破綻によって戦後的(体制内)労働運動が通用する余地など完全になくなっている。それは敵の側から1987年国鉄分割・民営化攻撃として突き出され、それに屈服した体制内指導部は国鉄1047名解雇撤回闘争を投げ捨て、4・9政治解決という歴史的転向まで行き着いた。この4・9政治解決と「公務員制度改革」は一体の攻撃だ。4・9反革命と徹底対決し、国鉄1047名解雇撤回闘争を貫く国鉄全国運動こそが日本労働運動の階級的再生の鍵を握っている。ここに労働者階級全体の命運がかかっているのだ。全労働者の力を結集して闘い抜こう。
国鉄分割・民営化攻撃は労働組合・労働運動への戦後最大の攻撃である。24年間に及ぶ1047名解雇撤回闘争はそれに対する労働者の対抗軸をなしてきた。この1047名解雇撤回闘争に終止符を打つということは労働組合としての一線を越えた変質を意味するだけではない。それはすべての体制内派を取り込み、動労千葉の解体を核心とした階級的労働運動の一掃を狙ったものだ。そしてこのもとで公務員労働者360万人のいったん全員解雇・選別再雇用、道州制攻撃などの「公務員制度改革」を全面的に遂行しようというのだ。
基地労働者に対しても4・9反革命のもとで新たな攻撃が始まった。
そもそも基地労働者の賃金は”国家公務員の給与体系に準拠”するものとされ、処遇についても「公務員並み」とされてきた。労働3権があるとは言え、基地労働者を人勧制度の支配と管理のもとに置くことが狙いであった。そこに全駐労指導部を取り込んで全駐労運動を体制内化させていくテコとされてきた。
しかし基地労働者の状況は”労働法的世界”の外側に置かれ、絶えず解雇攻撃にさらされてきた。36協定もないまま時間外労働や休日労働が強制されている。就業規則もなければ、基地内での組合活動は休憩時間であっても全面的に禁止。何よりも重要なことは解雇権は雇用主の日本政府ではなく、使用者の米軍にあることだ。米軍が”不適格”と判断すれば一方的に解雇権を発動できる。IHA(諸機関労務契約)は”異議申し立て”すらできない。「整理解雇の4要件」は適用除外であり、また「保安解雇」の名のもとに組合活動家が狙い打ちされてきた。これが基地労働者の”公務員並み”待遇の実態だ。
小泉政権下の「骨太方針2006」における「在日米軍駐留経費の見直し」では「格差給」「語学手当」「退職手当」などの当然の権利が剥奪(はくだつ)された。公務員労働者にはない「既得権益だ」として奪ったのだ。これは97年の「労務管理事務移管」攻撃からさらに踏み込んだ攻撃だ。これに対し全駐労―基地労働者は07年、2波のストライキをもって反撃の闘いに立ち上がった。今も職場の中には、特に青年労働者の怒りが激しく渦巻いている。そしてまたこの既得権剥奪に対する「激変緩和措置」それ自身が、新規採用の青年労働者に集中的に犠牲を強いるものとなっているのだ。
しかしこのストライキは全駐労本部指導部を4・9反革命へとかじを切らせることにもなった。全駐労本部指導部の菅民主党政権との一体化が基地労働者への解雇、外注化、非正規化攻撃の激しさを引き出しているのだ。
だが沖縄の基地労働者は全駐労指導部に対して激しい怒りを持っている。今年の統一地方選挙では、全駐労が推薦する民主党候補の3分の2が落選(前回は全員当選)した。基地労働者は民主党と全駐労指導部に対し「不信任」をたたきつけたのだ。
基地労働者のこの怒りと闘いの勝利は、1047名解雇撤回闘争の国鉄全国運動の発展の中にある。4・9反革命と徹底対決し、新たな国鉄全国運動を切り開く闘い、動労千葉労働運動=階級的労働運動こそが、菅民主党政権による「新成長戦略」「公務員制度改革」を根幹でうち砕く闘いだからだ。
民主党政権下で進む賃下げと外注化、組合破壊の攻撃
菅民主党政権のもとで基地労働者の給与体系の抜本的見直しが始まっている。一つは、基地労働者の賃金は日米の「特別協定」によって日本政府が「肩代わり」している
が、この改定期が来年3月に迫っていることだ。もう一つは、行政刷新会議のもとで「事業仕分け」が始まり、沖縄の基地労働者の賃金を”沖縄の民間賃金並みに引き下げる”とされていることである。
これらは、基地労働者の賃金が減らされるという問題にとどまらない根本的な問題をはらんでいる。基地労働者の「雇用のあり方」そのものに踏み込み、「雇用形態」を全面的に変更しようという攻撃だ。その核心は、基地労働を外注化し、そこで働く基地労働者すべてを非正規に置き換えるところにある。そして全駐労の解体だ。日本政府と米軍にとって都合の悪い労働者を「契約更新拒否」という形で基地からたたき出すことができるようになれば、労働組合の存立基盤そのものを奪うことができるからだ。
基地労働の外注化(下請け化)と非正規化の攻撃は今に始まったわけではない。1997年の「駐労の労務管理事務の国への移管」問題が出発点だ。80年代からの新自由主義攻撃が「行政改革」「規制緩和」を掲げ、公務員労働者の大量解雇攻撃に踏み込むとともに、その一環として機関委任事務をいったんは国に移行し、それを独立行政法人・民間委託・民営化するというものだった。これを切り口にして基地労働を民間に委託し、基地の外にある民間会社からの「派遣労働」に切り替えていくことが最大の狙いだった。
駐留軍等労働者労務管理機構として独立行政法人に移行し、このもとで基地内のIHA職場(在日米軍の施設内の食堂、販売店、クラブなどで働く労働者を対象とした労務契約)では派遣会社からの労働者が急増している。またこのIHA職場では請負契約の労働者を政府雇用の労働者と同じ指揮命令のもとで働かせるという偽装請負が公然と行われている。これはIHA職場だけの問題ではない。菅民主党政権と連合が推進する「新成長戦略」「公務員制度改革」は、IHA職場で起こっていることを基地内の全職場に拡大するものだ。増加しつつある非正規雇用は、すべての基地労働者にかけられた分断と団結破壊の大攻撃である。この非正規化と分断こそ「人材派遣は一般的、珍しいことではない」と容認してきた全駐労指導部がつくり出している現実だ。
死すべきは沖縄の基地だ! 4千人大量解雇絶対阻止を
全駐労―基地労働者は、新自由主義攻撃=民営化(外注化)・非正規化による労働者分断と解雇攻撃とともに、在日米軍再編による基地労働者の大量解雇攻撃に直面している。米軍再編は4千人以上の基地労働者の解雇をもたらすと言われている。70〜72年「返還」過程での大量解雇に匹敵する大攻撃だ。
かつて全軍労はうち続く大量解雇攻撃に対して、銃剣とこん棒で武装した米兵と対峙してストライキで闘い抜いた(69年「銃剣スト」)。それ以降5年間におよぶ解雇撤回闘争は全軍労組織の存亡をかけた闘いとなった。71年の全軍労定期大会で「一切の軍事基地撤去」の方針を掲げ11・10ゼネストへと合流し、また第4種(請負業者)雇用員の第1種への切り替えを要求したストも闘っている。72年2月から無期限ストに突入する中で、全軍労本部指導部の動揺と裏切りでスト収拾指令が出されたが、牧港支部は支部単独で2日間ストを続行して闘った(「37日間スト」)。
この牧港支部の闘いに対して大量解雇攻撃と米軍権力の弾圧が集中的に襲いかかる中、牧港支部の青年労働者は「基地内決起」という職場を拠点にしたストライキ・基地内デモを打ち抜く画期的な闘いを実現した。労働者のこのストライキは、労働者が立ち上がればどのような力を発揮するのか、基地労働者の根底的な力を示すものだった。
この闘いの中から「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ」というスローガンも生まれた。基地労働者の団結を守り抜き、日本政府・米軍と絶対非和解で闘ったことが、今日の基地労働者の団結と闘いの土台をなしている。全駐労―基地労働者の中に全軍労―牧港支部青年部(牧青)の闘いは今も脈々と生き続けているのだ。
基地労働者こそ世界革命の主体
基地労働者の存在と闘いは、大恐慌と朝鮮侵略戦争情勢(北朝鮮情勢)の中でいよいよ決定的な位置を持ち始めている。基地労働者こそプロレタリア世界革命の主体であり、全世界の労働者階級の闘いと一体である。国際的団結をかちとる闘いは、職場を基礎とした基地労働者の団結をつくり出す闘いにとってもきわめて重要な課題となっている。この二つのことは相互に強め合い、国際労働運動の巨大な前進をつくり出す。
さらに「綱領草案」解説本で提起されている、「帝国主義戦争を内乱に転化する闘いにおいて、軍隊内の兵士の決起と基地労働者の決起はとりわけ重要な位置を占めている」ことをプロレタリア革命勝利の立場からはっきりさせることが重要だ。基地労働者の闘いはプロレタリア革命に勝利するためには絶対不可欠であり、全世界の労働者階級の解放にとって決定的な意義を持っている。
基地労働者は偉大な歴史的闘いを蓄積している。新自由主義攻撃と真っ向から対決する新たな労働運動の創造、階級的労働運動路線の中で「解雇撤回・基地撤去」の闘いをよみがえらせることだ。今こそ全世界で決起している労働者階級とともに闘おう。
基地職場から11・7大結集へ
この基地労働者の団結と闘いを根こそぎ破壊するものが、菅民主党政権の「公務員制度改革」だ。「労働基本権を付与して、民間並みのリストラ、人員整理ができるように」「生首が切れるような法改正を」ということが「公務員制度改革」の中で公然と論議されている。許し難いことだ!
しかも自治労や日教組の幹部連中は「スト権はいらない」と言っている。そのことを受けて、争議権(スト権)を除いた労働協約締結権だけを与えようということが検討されているのだ。
全駐労本部は「駐留軍等労働者雇用基本法」の制定を目指すという。だがこの「基本法」は、基地労働者の職場の団結を基礎にした基地労働者の自己解放的決起をつくり出そうとするものではない。それどころか、いかにしてこの団結を破壊し、職場からの闘いを抑え込むのかという立場から出されているものだ。
その本質は階級的労働運動の壊滅を狙う4・9反革命と同一である。「基本法」の柱をなしているのは、「労働協約締結権」「自立的労使関係の構築」の二つだ。菅民主党政権の「公務員制度改革」の具体的方針こそ、争議権(スト権)なしの「労働協約締結権」「自立的労使関係制度」ではないか。今回の「基本法」は、解雇の自由、賃下げの自由、非正規化、何よりも基地労働者から争議権(スト権)を奪うことが目的となっている。
全駐労本部指導部をそこへ駆り立てる唯一の動機こそ、07年の2波に及ぶストライキへの反動的恐怖だ。全駐労本部は、国鉄分割・民営化―「国鉄改革」を評価し、それをモデルにしようとさえしているのだ。このような腐りきった体制内労組幹部を打倒しよう。
全駐労・基地労働者をめぐる決戦が始まっている。職場から階級的団結をつくり、階級的労働運動をよみがえらせる時だ。その鍵は国鉄1047名解雇撤回を掲げた国鉄全国運動の中にある。11・7全国労働者集会の1万人結集を実現しよう。その先頭に基地労働者は立とう!
11・7労働者集会は同時に、「沖縄米軍基地撤去! 改憲と戦争をとめよう!」を掲げた反戦闘争、安保・沖縄闘争の全国的結集軸だ。釣魚台(尖閣諸島)をめぐる軍事侵略と排外主義の嵐と対決し、菅民主党政権による辺野古新基地押しつけの攻撃をうち砕くために、全国から総結集しよう!
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週刊『前進』(2462号7面2)(2010/11/01 )
法大弾圧裁判 5・28「暴行」デッチあげ
「偽ビデオ」を証拠採用
一審無罪判決の転覆を狙う
10月21日、東京高裁第9刑事部(小倉正三裁判長)で法大4・27−5・28暴行デッチあげ裁判控訴審の第3回公判が行われた。新井拓君、中島宏明君がデッチあげを粉砕し、一審で無罪判決をかちとった裁判である。
冒頭、検察官が「弁護人に開示したビデオ映像には、証拠請求したものと異なる内容が含まれていた」と弁明し始めた。裁判に先立ち、証拠のコピーとして弁護人に渡されていたDVDには、07年の本件当日と思われる映像のほか、06年の法大前と思われるものや、どこかの建物と路上を隠し撮りした映像が記録されていた。
こんな得体の知れないビデオテープが証拠となるわけがない。この事実を突きつけられた検察官は、あわてて法廷で弁明。「オリジナルのテープは、06年の法大前の映像の上に07年のものが重ね撮りされている。警視庁にコピーを依頼した際、さらに古い映像が複数記録されたテープの上にダビングされた。それをDVDに焼き付け弁護人に渡した」
ふざけるな! このデタラメさはなんだ。大阪地検の証拠ねつ造と本質的に同じ、司法権力の根本的崩壊だ。弁護人は「証拠を事前に検討する機会が奪われ、反対尋問は成立しない。本日の証拠採用手続きは認められない」と当然の意見を述べた。
しかし、驚くべきことに小倉裁判長は「オリジナルが裁判所には出されているし、採用に反対する弁護人の意見は変わらないから問題ない」と証人尋問とビデオの証拠採用=上映を強行した。登場した公安刑事・江上は「重ね撮りは日常的」と開き直り、「暴行場面を含む部分は私が撮影した」と何の根拠もなく証言した。一審(無罪判決)では検察が証拠請求すらしなかった、遠距離から撮影されたビデオが上映された。崩壊した検察と一体になって、ただただ無罪判決を覆そうとする小倉裁判長を断じて許すことはできない。
続いて科学捜査研究所の宮崎靖之が証人として登場した。一審無罪判決では、中島君が警備員正木から「眼鏡を取り戻そうとした」のであり、「殴打したことについては証明がない」とした。その根拠の一つとして、監視カメラの画像の中で正木の手に「眼鏡とも考えられる薄い二条の線が写っている」事実を挙げた。宮崎はこの判決を覆すため「実験」「解析」を行い、「眼鏡を持っているかどうかは不明」と主張して、判決を批判した。
しかし弁護人から当の画像を見せられると、白っぽい色の変化があることを認めざるをえなかった。一審判決はこれを「眼鏡とも考えられる」としたのだ。宮崎はこの事実をごまかし、まるで何も映っていないかのような結論を導く「鑑定」を行っていた。「科学捜査」を語っての証拠ねつ造だ。絶対に許せない。
検察立証は終了した。無罪判決を覆すためのデッチあげ証人たちを完全に粉砕した。
次回からは弁護側立証だ。11・7集会1万人結集と一体で、腐敗した検察と裁判所を法大闘争の正義と団結の力で打倒し、完全無罪判決をかちとろう。
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法大裁判に集まろう!
★暴処法裁判
第19回公判 11月1日(月)午後1時30分
★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
第4回公判 11月15日(月)午後1時30分
いずれも東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合
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週刊『前進』(2462号8面1)(2010/11/01 )
11・27星野再審全国集会へ
4・9反革命と真っ向対決し全国に奪還大運動をつくろう
「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」は、「星野文昭さんと共に再審勝利へ 11・27全国集会」(要項別掲)を呼びかけている。すべての労働者・学生は総結集しよう。徳島刑務所で36年間の獄中闘争を闘う星野同志を1日も早く取り戻すために、全力で大運動をつくろう。
権力との大攻防に勝ち抜こう
大恐慌が激しく深化し帝国主義の危機が進行する中で、菅民主党・連合政権は、大失業と戦争の攻撃を激化させている。これに対して動労千葉、関西生コン支部を始め、闘う労働者階級が、11・7労働者集会をかちとり労働運動・労働組合の復権へ全力で闘っている。
星野同志奪還の闘いも労働者階級との結合をもって大きな前進をかちとってきた。そして今日、国鉄闘争をめぐる4・9反革命との大攻防戦に突入した。プロレタリア革命を闘う星野同志36年間の非転向の闘い、党と労働者階級人民の「絶対奪還!」の強固な意志と路線的前進に、日帝は打倒される恐怖を感じているのだ。4・9反革命と真っ向から対決し、星野同志を奪還する巨大な全国運動を創出しよう。
星野同志奪還闘争は、昨年の全国再審連絡会議の総会で「労働者階級の力で星野さんを取り戻そう」という大方針を確立して以降、大きな前進を闘いとってきた。全国に22の救援会が結成され、学習会、現地調査、絵画展、街宣、労働組合への働きかけ等を主体的に熱烈に展開してきた。5・15−17沖縄闘争に決起し、6・25東京高裁包囲デモを闘い、今年の全国総会では、新たな共同代表の体制を確立した。10月11日には東京・新橋に新事務所を開設し、世界大恐慌下での新たな救援・奪還運動の前進のために総決起している。
これまで94人が星野同志と面会した。8月26日には、自治体戦線の労働者35人が徳島刑務所を訪れ、星野同志への差し入れを行った。これらは事実上、無期懲役の獄壁を突き崩すものだ。
昨年11月27日、星野同志と再審弁護団は第2次再審請求書を提出した。本年9月30日には、「補充書(1)」と「鑑定書その1」を提出した。
この春以来、再審弁護団は、東京高裁、検察庁との「3者協議」を4回にわたって行った。弁護団は検察官を追い詰め、新たな現場写真を開示させた。また、民間人の供述調書の開示を求めて闘っている。
この闘いに追い詰められた日帝・法務省、徳島刑務所は、4月以降、星野同志に対して許すことのできない攻撃をかけてきた。連続懲罰、4類への降下(10月に3類に復帰)、連続5回7人の面会不許可、星野暁子さんが送った手紙の一部抹消=塗りつぶし等である。そして、9月17日、暁子さんの面会まで不許可にした。
10月12日には、徳島刑務所は「今後、弁護士の面会は時間を制限し、立ち会いも付ける」と通告してきた。国家権力によるデッチあげ無期懲役の攻撃に対して、再審で闘い続ける星野同志にとって、再審弁護人との面会が「秘密交通権」のもとで時間制限なしに行われることは絶対に必要である。1996年の再審請求以降、さまざまな妨害をはね返してかちとってきた弁護士接見の地平に対する突然の攻撃は、再審闘争の妨害・破壊を狙うものである。絶対に認めることはできない。
署名を武器に運動を広げよう
この理不尽極まりない獄中弾圧・再審闘争破壊は、帝国主義・資本主義の危機の中で激化している4・9反革命攻撃そのものだ。
星野同志の闘いは、世界大恐慌下の激動情勢の中で、ひとつの階級的結集軸としてそびえ立っている。生きられない現実を強制されている青年労働者の怒りや、辺野古新基地建設阻止を闘う沖縄闘争と結びつくことは確実だ。その結合した闘いが、日帝打倒のプロレタリア革命となって爆発する情勢がいよいよ到来しているのだ。
星野再審連絡会議の総会で確立された方針を全力で闘おう。
第一に国鉄全国運動を全力で推進し、11・7労働者集会に1万人結集をかちとることだ。これは、4・9反革命をのりこえ、階級的労働運動を前進させる闘いそのものだ。星野同志の勝利と労働者階級の勝利は、完全に一体である。
第二に沖縄闘争への革命的決起である。帝国主義(大国)間争闘戦が進行し、米日帝による朝鮮・中国侵略戦争の危機が切迫する中で、菅民主党政権はあくまでも沖縄・辺野古への米軍新基地建設を強行しようとしている。これに対する沖縄の労働者階級の怒りの大爆発、沖縄闘争の爆発は必至だ。星野同志奪還闘争は沖縄闘争である。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ、沖縄の労働者階級と一体で前進しよう。
第三に労働者階級人民の中へ、再審無罪・即時釈放を要求する「10万人署名」を拡大しよう。とりわけ青年労働者・学生と結合し、職場、学園、地域に救援会をつくろう。全国の救援会は賛同会員を拡大しよう。
裁判員制度や検察庁の証拠ねつ造問題で、司法権力の暴力性、腐敗、矛盾が完全に明らかになっている。無実の星野同志を36年間も監獄に幽閉し、弁護人の秘密交通権を奪い、再審闘争まで妨害を加える国家権力の凶暴性・危機性を暴き出し、広大な星野同志奪還運動をつくりだそう。
11・27全国集会が勝負だ。11・7労働者集会を全力でかちとり、その地平の上に圧倒的な組織戦を繰り広げて大結集を闘いとろう。すべての労働者・学生は全国集会に総結集し、星野同志奪還へ、ともに闘おう。
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週刊『前進』(2462号8面2)(2010/11/01 )
伊藤好男同志を追悼する
「革命のヴィボルグ地区」で労働者党建設の先頭を担う
革共同神奈川県委員会・川崎地区委員会に所属する伊藤好男同志が10月15日午後9時36分、帰らぬ人となった。61歳の誕生日を目前にした早すぎる逝去だった。
伊藤同志は今年5月から1カ月間、泉佐野選挙闘争を胃の痛みを感じながらも最後まで闘った。検査を受け、末期の胃ガンであることが判明、治療・闘病生活に入った。10月6日国立がんセンターに入院。9日後、弟さんや仲間が見守る中、静かに息をひきとった。
10月18日、伊藤同志の逝去を悼み、横浜市内の斎場でお別れ会が催された。同志の死を悼んで100人を超える同志、友人が参列した。革共同を代表して木崎冴子同志が万感の思いを込め追悼の言葉を述べた(別掲)。
さらに革共同川崎地区委員会、革共同入管闘争組織委員会の同志が弔辞を述べ、神奈川労組交流センター代表、川崎市職労の仲間、沖縄民権の会座覇光子さん、動労千葉を支援する会事務局長の山本弘行さん、東京北部地区委員会の仲間、泉佐野市議会議員国賀祥司さんの6人からお別れの言葉が語られた。
革共同神奈川県委員会の同志が伊藤同志の遺志を引き継いで闘うとあいさつし、最後に遺族から弟さんがあいさつ、献花の後フルートの伴奏でインターナショナルを斉唱し別れを告げた。
誰にもやさしく明るく朗らかに
伊藤同志は1949年10月26日、青森県上北郡で3人兄弟の次男として生まれた。
青森高校時代はレスリング部で活躍。人生の転機は70年安保・沖縄闘争だった。72年に革共同に結集。勤めていたオリジン電気の職場の仲間とともに時代のうねりに飛び込んでいった。
その当時、法大闘争で社青同解放派の襲撃を受け下半身大やけどの重傷を負いながら最前線で革命派の拠点を守り抜いた。75年、革共同中央入管に移籍、『前進』に「並木徹郎」名で論文を発表。入管闘争の路線形成に尽力した。
80年、神奈川県委員会に移籍、革命の「ヴィボルグ地区」である川崎地区委員会で労働者党建設の先頭で闘った。
同志の人となりを最もよく示しているのが、榎本志づ子さんとの温かい交流だ。70年代半ばに三里塚集会で出会った。その後、星野・荒川・奥深山さんを支える会など、闘病ベッドの中で最後まで闘った榎本さんは、伊藤同志に限りない信頼を寄せていた。
08年、動労千葉を支援する会運営委員に就任。5月に泉佐野から戻った時は「最もやりたい闘いは支援する会の組織化」と語っていた。まさにこれからという時、病魔が襲い帰らぬ人となった。
命の火が消えるその最期までやさしく、熱く、朗らかに革命への執念を燃やし続けた伊藤同志! われわれはその遺志を引き継いで闘う。11・7労働者集会1万人結集のために、伊藤好男同志とともに闘おう!
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追悼のことば
革命精神の継承誓う 革命的共産主義者同盟 木崎冴子
伊藤好男同志! 革命的共産主義者同盟から万感の思いを込めて追悼の辞を述べます。
10月15日朝、容体急変の報を聞き、病院にかけつけました。大きな声で話しかけると、カッと目を見開き、手を動かし、生命のもてる力を振り絞って無言で訴えていましたね。それは自分の意志を受け継いで、必ずや革命を成就してくれということであり、同時に革命にすべてをかけて走り抜け、道半ばで倒れたことへの無念さであったろうと思っています。
伊藤同志! あなたが青森から上京し、70年安保・沖縄闘争に合流し、当時東京北部地区党に結集して以来、40年にわたる革命的共産主義者としての生涯は、日本と世界の革命運動の歴史に刻印されるでしょう。
私は、あなたが1980年に神奈川県党に移籍して以来、30年間身近で活動をともにできました。地区党という革命運動の最前線で、時に激しく、時には地道に闘い続けました。労働者党建設の未熟性ゆえ激論もしました。しかしいま止めどなく思い起こされるのは、大変な突撃力で労働者の中に分け入り、満面の笑みで「成功した」という時の表情です。話し好きのあなたとは、たわいもない会話も山ほどしましたね。
あなたは85年10・20三里塚決戦で、顔面に催涙弾の直撃を受け、右目は回復できませんでした。大きな困難とハンディを負いつつ、革共同地区党の歴史的拠点・川崎地区党を担い抜きました。プロレタリア独裁権力へ向かう労働者党の豊かな大地を、在本土沖縄の人たち、在日の人たちなどとも合流しつつ築きました。榎本志づ子さんとは終生、生活と闘いをともにしました。
そしてあなたの最後の死闘戦は、06年革共同の「党の革命」を自らの不動の立脚点として、どこまでもマルクス主義と動労千葉と階級的労働運動を守り発展させることに注がれました。
伊藤同志! 革共同は獄中36年を非転向で闘い抜く星野文昭同志の党であり、伊藤同志のようにあらゆる犠牲をいとわず革命家人生を全うする同志たちの党です。40年の革命家としての生きざまは、革共同の栄光と苦難の全歴史を担う壮絶なものでした。とくに70年闘争世代は、70年という巨大な闘いへの大反動・反革命との20年にわたる革命的内戦をくぐり抜け、偉大な勝利を引き寄せました。そして本来の労働者党としての挑戦に苦心惨たんしつつも着地してきました。この世代こそ革共同の屋台骨を形成してきました。
あなたの不屈の革命的精神と魂は、革共同の若い世代に必ずや引き継がれるでしょう。神奈川県党、川崎地区党、心血を注いで結びついてきた多くの人たちに脈々と引き継がれるでしょう。そして、歴史を分かつ11・7労働者大集会の成功へ必ずや発展するでしょう。それが革命党と革命運動における義理と人情ですよね。
「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の大旗を掲げ、ついに到来した革命的情勢を、革共同は綱領草案のもとに団結し、必ずや革命に転化することを厳粛に誓い、追悼の辞とします。
(写真 伊藤同志のお別れ会。木崎同志が追悼のことばを述べた【10月18日 横浜】)
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週刊『前進』(2462号8面3)(2010/11/01 )
上告趣意補充書を提出
福嶋裁判 デッチあげの実態証明
9月30日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と闘う福嶋昌男同志と弁護団は、最高裁第二小法廷に上告趣意補充書を提出した。
新自由主義の頭目であるレーガン、サッチャー、中曽根らの東京サミット粉砕を掲げ、1986年に迎賓館と横田基地へロケット弾戦闘が敢行された。これに対する権力の報復的弾圧で、福嶋同志は87年にデッチあげ指名手配され93年に逮捕。無実にもかかわらず実刑12年の重刑攻撃を受け、今日まで23年間の不屈の闘いを貫いている。
1月12日の上告趣意書の提出に続く補充書提出は、4・9反革命と真っ向から対決し、権力のデッチあげ弾圧を粉砕する巨弾だ。
権力は、デッチあげのために鑑定書をねつ造し、ガラクタをかき集めて勝手に解釈した「間接事実」を認定し、それをさらに恣意的に解釈して「共謀共同正犯」で有罪とした。権力の意志を強引に貫いたもので、二重三重にデタラメだ。
補充書では、地裁・高裁判決の「間接事実」のデッチあげを暴いた。判決では、福嶋同志を有罪にした根拠として「被告人を犯人と考えると説明可能な事実」なるものを勝手に列挙しているだけだ。それらは「有罪仮説」にすぎない。「仮説」を「真実」とするには、それ以外の説明はできないことが証明されなければならない。
例えば「本件両事件の準備のために飛距離計算に関するメモ等を作成した」と判決は認定した。「本件両事件の準備のため」とするなら、それ以外の説明ができないことを証明しなければならないが、触れることもできない。
こんな仮説をいくら「真実」として羅列しても、「共謀」にはならない。補充書では「共謀」についても証拠を検討し、「共謀行為と考えると説明不能な事実」「共謀行為でないと考えると説明可能な事実」を明らかにし、判決のデタラメさを暴いた。
また、再審無罪となった足利事件に関し、最高裁長官が科学的証拠(DNA鑑定)の判断を誤ったと総括し、「科学的知見の重要性をあらためて認識した」との談話を発表した。福嶋同志を有罪にした「証拠」は、科学性のかけらもない検察の筆跡鑑定だ。この一点で無罪である。
メモに付着したとされる指紋の鑑定書も最新の指紋認証技術で検証し、新証拠として提出した。メモに付着したとされる指紋の特徴点と福嶋同志の指紋の特徴点の位置のズレをコンピューターで計算し、一致しないことを証明したのだ。
上告趣意書と今回の補充書で福嶋同志の無実は完全に明らかだ。最高裁は福嶋同志を無罪とせよ! 11・7労働者集会の1万人結集を実現し、その力で福嶋同志の無罪を戦取しよう。
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週刊『前進』(2462号8面4)(2010/11/01 )
団結ひろば 投稿コーナー
「右翼に負けんなよ」と学友たちが大合流 法政大学 倉岡雅美
「11・7は絶対負けんなよ」「ビラを受け取ることが右翼を跋扈(ばっこ)させないことにつながる」――ビラまき時に学友が声をかけてくれます。日の丸を掲げ戦争を賛美する田母神たちの右翼デモが都内で行われたことを決して認められないのです。「11・6(対中国の排外主義をあおる田母神のデモ)に負けるな」「11・7こそ勝たなければ」との思いが行動で示されてきています。
「あなたの勇気と行動が求められている」という正門前のマイクアピールに対し、一人の学友がビラを受け取りに正門前に出てきてくれたのです。この光景を見た学友がさらにビラを受け取りに来て処分撤回の署名もしてくれました。
そして続々と正門前に飛び出して来てくれたのです。この瞬間、法大生が気にしているガードマンの監視の目はまったく無力になりました。たった一人の目に見える勇気ある行動が、学生全体に伝わりキャンパスを突き動かしたのです。
権力や当局の縛りから解き放たれた学生の行動が生み出すキャンパスの解放感! それが自分だけではなく、隣にいる仲間が日常の殻をぶち破った姿を見せたときの高揚感! 行動で現状を突き破ったとき、自らの力を実感できます。これを肌で実感できるのが11・7労働者集会です。
求められているのは、目に見える存在となった学生・青年の前に力強く登場することです。田母神デモとの勝負は言い訳がきかない「数」の勝負です。戦争は誰も望んでない。日の丸が誇りだなんて思ってない。この勝負は300万学生と2千万青年労働者の存在と誇りをかけた闘いです。命がけで大学キャンパスから中国政府に反対するデモを組織している中国の学生に、田母神デモではなく11・7を届けよう。勝ちに行こう! 以下は11・7集会に参加する法大1年生の決意です。
◇
「がんばれ日本!全国行動委員会」なるものが最近現れ(今年2月結成)、日の丸デモを頻繁に起こして、「次は1万人だ」と反戦派への対抗心をむき出しだ。
反戦派か、それとも現体制の枠の中で右翼の方に行くのか? これらの選択肢の間に中間は無い! 戦争になれば反戦論派か主戦論派のどちらかに分かれる。さあ、あなたはどちらを選ぶか?
私は右翼には負けたくない。特に「がんばれ日本!」なんかにホイホイされたくはねえぞ!
もう一つ言おう。右翼のデモは、ぶっちゃけつまらん。リズムもへったくれもない。動労千葉のやるデモの方がはるかに面白く、にぎやかだ。
学徒よ来たれ! 11月7日の集会へ!
あなたの勇気が、この日本だけではなく、世界の未来を変える!
『前進』を糧に闘病し日比谷の集会と連帯 関西 奥村次郎
『前進』編集局の皆様日々ご苦労様です。大情勢の煮詰まりにいよいよ自分の出番だと確信を深めております。当方は入院したことで、入社以来見たこともない就業規則で退職勧奨を受け離職しました。職場は大手財閥の子会社で、事務所は地下にあり、新自由主義の典型で労基法違反の塊のような劣悪・低賃金の職場でした。
私は時給パートですが、フルタイムで出勤しないと賃金なしの状況。「正社員」と呼ばれる契約社員も労働条件・労働契約更新・賃金体系は同じです。月に10時間残業して手取り15万円そこそこ。タイムカードは30数枚ありますが、互いの名前も知らない。同僚は酒も飲みに行かない、というか行く金がない。疲れ果てて帰宅するのが精一杯という状況です。
営業で駐車違反になっても罰金は個人で払えというので「何でや。会社の指示通りにしたことだから会社が支払うべき」と抗議した。すると、就業規則に準じる通達で、今後は個人負担で戒告処分だと張り紙してきた。また、残業代の計算がおかしいので労働局に報告しますよと社長あてにFAXしたら、呼び出されて恫喝されました。
それで今回の退職強要です。職場の同僚は誰一人文句も言わず駐車違反の罰金を払い、必要な道具は営業車のナビすら個人負担。元国労の活動家も配置転換と退職強要でやめました。無収入で「要介護3」の母を抱え、文字どおり「このままでは生きて行けない」現実を身をもって実感しています。
「点から面へ」「革命の勝利に向かうとき奇跡が起こる。それは地道な努力の積み重ねの上にのみ成立する」という星野暁子さんの言葉を胸に、次なる生産点への闘病過程を『前進』を糧(かて)に克服します。
関節が痛み日比谷には行けませんが、『前進』で息吹を吸収します。生きる指針として。
国労「団結まつり」で11・7への合流を訴え 東京 K
10月24日、JR亀戸駅前で、11・7労働者集会への参加を訴える街頭宣伝を行いました。この日は午前9時から国労共闘の労働者らが先頭に立って第1ラウンドを、午後1時からは地域の労働者や学生が集まって第2ラウンドを実施。
あまり広くはない亀戸駅頭ですが、労働者の結集を訴えるアピールが心地よく響き渡り、バスを待つ人からも注目されていました。「自分は国鉄出身だ」「息子がJRの社員で苦労している」「国鉄の解雇撤回闘争は大事だよね」など国鉄闘争への関心や共感が高く、95の賛同署名が集まり、集会のチケットが12枚売れました。
またこの日は、解雇撤回を投げ捨てて政府に雇用をお願いするに至った国労の「団結まつり」が亀戸の公園で行われました。「まつり」参加者に対して、労組交流センターの労働者が国鉄全国運動への合流と11・7集会への参加を訴えて終日ビラをまきました。そうするとあちこちで会話がはずみ、91の賛同署名が寄せられ、31枚ものチケットが売れました。
11・7集会の第3次ビラが駅頭と公園で合計4千枚も配られました。もっともっと宣伝を強化し、チケットをばんばん売りましょう。
労働者や学生は闘いと行動を求めています。情熱と執念で勝利を切り開きましょう!
「甦らすな!共謀罪」 団結破壊法との闘い 東京 西岡健一
10月23日、東京・中野勤労福祉会館で「甦らせるな共謀罪法案!APEC戒厳態勢を撃つ」と題した集会が、共謀罪新設反対国際共同署名運動、破防法・組対法に反対する共同行動の呼びかけで開かれた。60人が集まり、APEC横浜会議の戒厳態勢の実態を暴き、法務省がもくろむ新たな共謀罪制定策動に先制的な闘いをたたきつけた。
署名運動呼びかけ人の足立昌勝さん(関東学院大学教授)が「検察だけでなく警察も証拠をねつ造している」と指弾し、「最大の自由は政府にNOという自由、闘う自由だ」と闘いの方向を示した。「連帯のあいさつ」は裁判員制度反対運動を推進する武内更一弁護士、デッチあげと闘う迎賓館・横田爆取裁判被告の板垣宏さんをはじめ、保安処分・医療観察法戦線などから行われた。
続いてサイバー条約や法務省が狙う共謀罪の甦り策動について、山下弁護士からの現状報告。強制執行妨害罪改悪の危険性について全国金属機械港合同の労働者からの提起があった。討論を経て、最後に共同行動事務局が「共謀罪法案を甦らせる動きは確実にある。APEC徹底反対と同時に先制的に闘いに入る」と闘争宣言を発し、参加者の強固な意志一致をかちとった。10月26日には国会行動に決起し、菅民主党政権に一切の治安弾圧粉砕、共謀罪絶対阻止の拳を突きつけた。
APEC戒厳態勢粉砕、新たな共謀罪制定策動粉砕の最大の回答こそ、11・7労働者1万人集会の実現だ。すべての力を11・7へ!
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