ZENSHIN 2010/09/27(No2457 p06)

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第2457号の目次

三里塚闘争44年の勝利に確信 9月20日、千葉市のDC会館で千葉県三里塚集会が開かれた=記事4面

1面の画像
(1面)
国鉄全国運動で菅打倒を
非正規職撤廃・民営化粉砕へ職場・街頭で怒り爆発させよう
東アジア共同体―釣魚台侵略許すな
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法大闘争 開講日に熱気の宣伝戦
11月集会へ大結集呼びかけ(法政大学 倉岡雅美)(9月21日)
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前進速報版から 記事を読む  
(2面)
戦争・改憲と公務員大攻撃の菅ブルジョア救済内閣打倒を
連合に依拠した破綻的な体制
記事を読む  
検察庁解体・裁判員制度廃止へ  国家権力の組織犯罪弾劾 記事を読む  
公務員首切りと闘い11月へ  豊中市職8月攻防の総括〈上〉
処分撤回闘争と役員選挙に階級的労働運動路線を貫く
記事を読む  
大阪市職 青年先頭に区役所決戦へ  1万人首切りの平松「素案」(川上憲一) 記事を読む  
(3面)
9・28鉄道運輸機構訴訟へ  「解雇撤回」貫く新たな闘い 記事を読む  
経団連・菅政権と連合が一体化 侵略と解雇=非正規職化を狙う
新成長戦略の先兵=連合打倒を(北沢隆広)
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職場に国鉄全国運動広げよう  10・15関西労働者集会へ 記事を読む  
“11・7集会の組織者に”  支援する会・広島が国鉄集会(広島・OS)(9月20日) 記事を読む  
(4面)
三里塚は侵略戦争阻む反戦の砦  沖縄と連帯し軍事空港化を粉砕しよう
青年・学生先頭に10・10大集会へ  松井 剛
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鈴木一坪裁判 “父の遺志継ぎ闘う”  土地強奪狙う千葉県を追及(9月16日) 記事を読む  
千葉県集会 反対同盟の訴えにわく  農地強奪阻止へ決意次々(9月20日) 記事を読む  
日誌 2010年 9月15日〜21日
前原国交相が石垣海保視察/自衛隊を先島配備の意向
記事を読む  
(5面)
10・10三里塚を闘い11月へ
壮大な学生運動の復権かけ反戦政治闘争の先頭に立つ
革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
〈焦点〉 日中関係が戦争的緊張へ  釣魚台侵略居直る菅政権 記事を読む  
〈焦点〉 日帝が単独で円売り介入  大恐慌の激化と為替戦争 記事を読む  
八尾北医療センター明け渡し阻止を  団結し八尾市の攻撃粉砕する
青年労働者と共に10・6行動へ(投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
記事を読む  
(6面)
再審闘争への許し難い大反動
星野同志と暁子さんの面会を妨害  徳島刑務所に怒りの抗議を(9月17日)
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全学連大会への星野同志のメッセージ
職場、大学、あらゆる場で私の再審無罪、即時釈放を
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前進社不当捜索国賠 思想弾圧を暴き弾劾
“治安維持法の論理許すな”(9月17日)
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法大弾圧裁判 暴処法弾圧  “全国300万学生の反乱へ”
弁護側立証いよいよ始まる  織田君らが闘争開始宣言(9月16日)
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新刊紹介『綱領草案』(解説つき)
労働者の革命綱領ここに 世界を丸ごとつかむ武器
記事を読む  

週刊『前進』(2457号1面1)(2010/09/27 )

 国鉄全国運動で菅打倒を

 非正規職撤廃・民営化粉砕へ職場・街頭で怒り爆発させよう

 東アジア共同体―釣魚台侵略許すな

(写真 三里塚闘争44年の勝利に確信 9月20日、千葉市のDC会館で千葉県三里塚集会が開かれた=記事4面)

 全国の青年労働者、学生の皆さん! すべての労働者人民の皆さん! 「国鉄闘争の火を消すな!」を合言葉に、1047名解雇撤回、非正規職撤廃・民営化粉砕へと壮大な闘いを創造する国鉄闘争全国運動を、職場と地域で猛然と広げよう。今年の11・7全国労働者集会1万人結集の最大の軸は、国鉄闘争全国運動だ。ここで勝負しよう。公務員大攻撃と戦争・改憲の菅ブルジョア救済内閣に、職場・大学・街頭で怒りを爆発させ、11月へと攻め上ろう。動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の闘う3労組の労働者とともに、11・7集会の歴史的成功へ突き進もう。

 「新成長戦略」と全面対決を

 菅民主党・連合政権は、日帝・資本家階級の利害と要求を体現し、その先兵と化したむき出しのブルジョアジー救済政権だ。「市民運動出身」とか「クリーンだ」とかいうのはまったくの欺瞞(ぎまん)に過ぎない。
 世界大恐慌情勢は米帝経済を始めとして「二番底」に転落する危機をはらみながら、今や米欧日と中国を軸にして、大恐慌に特有の歴史的な為替戦争(通貨切り下げ競争、通貨安競争)に突入している。これは大恐慌下の保護主義がブロック化に向かう歴史的局面と言える。
 この中で円高攻勢とデフレにあえぎ、1千兆円に迫る国家財政の破綻を突きつけられている日帝・菅政権は、「新成長戦略」を推進して、外に向かっては「東アジア共同体」を掲げたアジア侵略・侵略戦争の攻撃を激化させ、内に向かっては民営化と公務員制度大改悪=公務員労働者360万人の首切り・非正規化を強行し、労働者の9割を非正規職にたたき込む大攻撃を強めている。
 そのために菅政権は、連合などの帝国主義労働運動とその指導部を深々と取り込み、そのさらなる翼賛化と産業報国会化を加速させている。菅政権と経団連=日帝ブルジョアジーは、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を狙う4・9政治和解の歴史的大反動で、労働者の団結する権利や労働組合の解雇撤回闘争を根絶やしにし、国労や自治労といった4大産別の労働組合のダラ幹指導部を公務員大攻撃の先兵にしようとしているのだ。
 だがこの日本階級闘争の歴史的大転換をめぐる攻防の最先端で、JR検修業務全面外注化の4月1日実施を阻止した動労千葉の闘いと、関西生コン支部の大ストライキ闘争が、JR資本と大手ゼネコンという日本帝国主義の体制そのものを揺るがしている。そして、国鉄・JRを始め、自治体、教労、全逓などあらゆる職場で、首切りと大失業への怒り、民営化・外注化・非正規職化の大攻撃への怒りが爆発し、青年労働者や労組青年部が闘いに立ち上がっている。そして資本・当局や、敵の軍門に下った協会派、日本共産党などとの激しい激突、党派闘争が激化している。
 この歴史的階級攻防に勝利する展望と力の源泉こそ、国鉄全国運動だ。このことに圧倒的確信を持ち、11月1万人決起へ闘おう。

 外注化阻止の新たな大決戦

 動労千葉の12月ダイ改をめぐる新たな検修外注化阻止の闘いは青年労働者の未来をかけた大決戦だ。「国鉄分割・民営化25年」が2012年に迫る中でJR北海道・四国・九州の3島会社と貨物会社は経営破綻に陥り、国鉄分割・民営化の大破産が突き出されている。連日のように相次ぐ安全・事故問題の爆発こそ国鉄分割・民営化の破綻を鋭く突き出す敵JR資本の最大の危機点だ。
 JR資本は、「国鉄改革の完遂」を掲げて、検修・構内業務の全面外注化の強行へと再び動き出している。外注化によるJRの数百の子会社化・孫会社化は、JRで働く労働者を全面的に非正規職にたたき込む攻撃だ。
 さらに国土交通省は、JR3島会社と貨物会社に、日航型の大リストラをやれと迫っている。これに対しJR総連・カクマルは、民主党政権に取り入り、「連合組織内候補」を送り込む一方で、賃下げ・外注化の先兵となることで必死の延命を策している。また国労本部は7月の大会で、国労闘争団の組合員を「特別組合員」などとして切り捨て、スト基金も取り崩し、職種別協議会という全国的機関も解散して、企業別組合化と連合への合流という大転向に突き進んでいる。
 だがこうした中で、動労千葉に結集した平成採の青年労働者を先頭に、各地でJR東労組などの制動をうち破り、青年労働者の怒りが爆発し、感動的な闘いが始まっている。ここにこそ、国鉄分割・民営化体制と4半世紀におよぶ新自由主義攻撃を根底から打ち破る闘いの展望がある。全国の青年労働者は、動労千葉を始めとする国鉄の青年労働者の決起を守り、拡大し、団結してともに闘おう。国鉄・JRでの攻防を水路に、国鉄全国運動を最大の武器とし、2千万青年労働者の総決起をつくりだそう。

 公務員大攻撃を粉砕しよう

 この国鉄闘争を先頭に、公務員大攻撃との決戦こそが、今日の攻防の最大の焦点だ。公務員制度大改悪の核心は、「労働基本権を付与して、民間並みのリストラ、人員整理をできるようにせよ」「生首が切れるように法改正をやれ」(江田憲司・みんなの党)ということにある。要するに公務員労働者360万人の全員解雇−選別再雇用によって、戦後的な労使関係を全面的に転覆し、労働組合と労働者の団結、ストライキ闘争を根絶やしにして、6千万労働者の9割を非正規職にたたき込もうとしているのだ。
 人事院勧告制度の2012年廃止−「公務員庁」の新設とともに、日本年金機構も2012年に解散し、歳入庁への統合が狙われている。公立保育園・幼稚園を廃止して、「子ども園」にするために2011年に法案が出されようとしている。これによる30万人の保育労働者の首切りと非正規化は、自治体労働運動の主力を形成してきた現業労働運動の全面解体を狙う大攻撃だ。また菅政権は、教員免許更新制の「継続」を打ち出し、さらに北海道教組など約20道府県の教職員組合に対し「勤務時間中の組合活動の調査」をやるという、とんでもない方針を出してきている。
 郵政でも、7・1のゆうパック統合の破産と民営化の大崩壊、JP労組の崩壊的情勢という中で、年末繁忙期から来春に向け、65歳以上の非常勤職員2万人の首切り・大合理化攻撃との闘いが一大決戦となっている。
 公務員制度大改悪こそ、道州制・民営化=「地域主権」という名の国家大改造攻撃と一体であり、戦後労働運動・労働組合運動を絶滅し、階級的団結を解体して、戦争と改憲に向かう歴史的攻撃だ。だがそれは大恐慌で破綻した新自由主義政策にあくまですがりつく、日帝の絶望的な延命攻撃でもある。これとの対決は、階級的労働運動の前進でプロレタリア革命を決定的に引き寄せる闘いなのだ。
 「労働基本権のはく奪とその代償としての人事院設置」は表裏一体で、戦後革命の圧殺の上に公務員労働運動を抑圧・支配する体制としてあった。ここで特に人事院・人事委員会制度とは、スト権など労働基本権のはく奪を前提とした「身分保障」「雇用保障」の「枠組み」のもとで、雇用と賃金を軸に公務員労働者を全面的に支配し、プロレタリア革命の現実化を阻止しようとするものだった。
 しかしここで決定的なのは、国鉄分割・民営化絶対反対の闘いの中から、1047名解雇撤回闘争が生まれ、またこの闘いをつくり出したのが、公労法解雇を受けて立った動労千葉の2波のストライキだったということだ。それは戦後革命圧殺の代償としての公務員労働運動の圧殺体制を、根底的に実力で打ち破ったのである。この動労千葉の闘いの地平こそ、今日の公務員大攻撃との歴史的決戦における勝利の展望を指し示している。

 三里塚闘争は「反戦の砦」だ

 菅民主党・連合政権の「新成長戦略」は一方で「パッケージ型インフラ輸出」を柱に「東アジア共同体」=アジア侵略へと決定的に踏み込む攻撃だ。菅政権は改憲派で対中国強硬派の前原を外務大臣にすえ、中国領である釣魚台(ちょうぎょだい、「尖閣列島」)への侵略戦争挑発、中国漁船の連行と船長の逮捕・勾留という軍事行動に踏み切った。日中関係は米帝の日米安保的な介入をも生み出し、今や戦争的緊張に突入している。
 さらに菅政権は、日米安保強化と5月の日米合意に基づく沖縄・辺野古新基地建設の強行を狙っている。今年前半を超える階級的激突、安保・沖縄闘争の歴史的爆発は不可避な情勢だ。
 11・7集会1万人大結集へ、国鉄全国運動の拡大と発展こそ最大の力だ。職場と街頭から総決起をつくり出そう。職場と地域で動労千葉物販を訴え、「動労千葉を支援する会」3千人会員の組織化に全力を挙げよう。闘う労組青年部と青年部運動、闘う労働組合を全国につくり出そう。
 三里塚こそ侵略と戦争を阻む反戦の砦(とりで)だ。軍事空港絶対反対・農地強奪粉砕の決意も新たに、10・10現地闘争に総決起し、11・7労働者集会へ突き進もう。

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週刊『前進』(2457号1面2)(2010/09/27 )

 法大闘争 開講日に熱気の宣伝戦

 11月集会へ大結集呼びかけ

 11月労働者集会1万人結集に向けた闘いがいよいよ開始されました!
 後期が開講し、9月21日、文化連盟と全学連が全学連大会を経て満を持して、キャンパス登場したのです! 11月集会に向け「1万人の大デモで学生のエネルギーを解き放とう」と書かれた開講第1弾ビラが次々と受け取られ、その枚数は新歓期を上回るほどでした。
 とりわけ「どこが政権を取ってももう倒すしかない」「尖閣諸島は領土をめぐる争いですね」と、戦争に突き進む菅政権に対し学生の根底的な思いや怒りが率直に語られたことが特徴的でした。ここに11月集会1万人結集に向けた法大生の大きな意識の変化を感じました。「この現状を変革したい」「戦争を止めたい!」というすべての学生の欲求として11月集会が存在し、行動方針となっているのです。
 このことに確信を持ち昼休みは熱烈に11月集会を訴えました。全学連旗と文連旗を高々と掲げて、斎藤郁真文連委員長、織田陽介全学連委員長、坂野陽平全学連委員長代行が渾身(こんしん)のアピールを行い、2カ月ぶりにキャンパスが熱気に包まれました。聞いている学生の眼差しは「後期一発目に何をアピールするんだろう?」「民主党政権にどんな見解をもっているのだろう?」と真剣そのもの。
 斎藤文連委員長の「なぜ友人同士が就活の競争相手になったり、中国と日本の学生が国際競争を背景に対立させられているのか? 人と人が対立するのではなく、反戦運動を闘う中で学生の可能性を取り戻していこう」という訴えや、織田全学連委員長の「この時代に学生が行動を巻き起こすことは当然であり、未来をかけてともに闘おう」の呼びかけがキャンパス全体に響き渡りました!
 続いて私も「大恐慌の時代はあきらめや絶望の時代ではなく変革の時代だ。学生の行動によって、“しょうがない”をぶち破ろう」と訴えました。それぞれのアピールが学生の生き方を問うものであり、燃えたぎる熱情でキャンパス全体が一気に解放区となっていきました。
 この日、11月集会のチケットは2枚売れました。全学連大会を受け、11月集会への結集が続々決まっています。戦争と大失業、首切り、非正規職化……。誰もが現状の変革を望んでいる時代に、競争ではなく、労働者階級の最先頭で反戦政治闘争を闘うことこそが法大生の爆発的エネルギーと可能性を引き出しています。11月集会1万人結集が逮捕・処分を乱発してきた国家権力と法大当局、そして学生を商品へとおとしめてきた教育の民営化=新自由主義への最大の反撃です。処分撤回! 学祭規制粉砕で全学的闘いを巻き起こし、11月集会に大隊列を登場させましょう。
 11月集会をめぐって、魂と魂がぶつかり合う熱い議論をもっと学生と開始し、学生のあらゆる怒りと結合し、11月集会を市ケ谷キャンパスから大爆発させていきます!
 (法政大学 倉岡雅美)
(写真 昼休み、法大正門前で、キャンパスの学生たちに「法大解放、11月総決起へともに闘おう」と呼びかける倉岡さんと斎藤君ら【9月21日】)

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週刊『前進』(2457号1面3)(2010/09/27 )

前進速報版から 前進速報版から

▼法政大学後期決戦の幕が開けた▼国鉄全国運動の拡大と11・7へ、広島で国鉄集会開く▼星野同志と妻・暁子さんの面会が不許可に

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週刊『前進』(2457号2面1)(2010/09/27 )

 戦争・改憲と公務員大攻撃の菅ブルジョア救済内閣打倒を

 連合に依拠した破綻的な体制

 9月17日、菅は、民主党代表選の勝利を受けて改造内閣を発足させた。この菅改造政権こそ、危機を深める日帝ブルジョアジーの救済のために労働者階級への大攻撃と戦争・改憲へなりふり構わず突進しようとする政権だ。しかもその攻撃を連合を最先兵として、すなわち「労働組合」を最大の手先に使って貫こうとしている。そのことによって、自民党政権下でもできなかった公務員労働者の大量首切り・非正規化や改憲・戦争への攻撃に全面的に踏み出そうとしているのだ。
 ここに、きわめて危機的であると同時に実に反革命的な菅政権の階級的役割がある。だがこれは労働者階級が連合支配を決定的に打ち破り、日本労働運動の階級的再生を闘いとっていく絶好のチャンスの到来でもある。菅政権と真っ向から対決し、打倒する闘いとして今秋11月を闘おう。
 菅政権の正体を最もよく示すのは、前国交相の前原誠司を外相にすえ、総務相に元鳥取県知事の片山善博を登用したことにある。

 前原と片山

 前原は、国鉄1047名闘争つぶしの「4・9政治和解」という一大反革命を仕組んだ張本人だ。中国脅威論を唱え、9条改憲と日米安保強化を公然と主張してきた極反動政治家だ。
 片山は、大阪府知事の橋下らとともに道州制攻撃の先頭に立ってきた人物であり、県知事時代には公務員労働者の賃金削減を人事委員会勧告をも上回る形で強行した。その「実績」を買われて公務員大攻撃の推進役として抜擢(ばってき)されたのだ。
 菅は改造内閣発足に伴う記者会見で、この前原、片山と経済財政相の海江田万里の3人を「司令塔」にして、「経済・外交・地域主権」の三つの課題に挑戦する「有言実行内閣」をめざすと宣言した。
 「経済」とは、大恐慌下で没落の危機にあえぐ日帝ブルジョアジーを救うために必要なことは何でもするということだ。「外交」とは、帝国主義間争闘戦に国家をあげて突入し、東アジアの勢力圏化に全力で突き進むことだ。そのためには対北朝鮮、対中国の侵略戦争突入をも辞さないということだ。そして「地域主権」とは、労働運動の絶滅と全労働者の非正規化・無権利化の推進のために、その突破口として自治体丸ごとの民営化と公務員労働者の生首を切る攻撃に全面的に打って出るということだ。
 すでにその攻撃は激しく開始されている。民主党代表選から一夜明けた9月15日、政府・日銀は進行する円高に対して、2兆円もの巨額に上る日帝単独の為替介入に踏み込んだ。米欧帝国主義に対する日帝の側からの為替戦争への突入である。さらに海上保安庁による中国漁船の拿捕(だほ)をめぐり、前原は直ちに「日本の主権を脅かす活動や行為には毅然(きぜん)と対応していく」と言い放った。日帝が日清戦争によって台湾の植民地化とともに中国領・釣魚台(ちょうぎょだい、尖閣列島)を略奪した事実を押し隠し、新たな侵略に公然とのりだすものだ。東中国海でのガス田開発についても極度に強硬な対応をとり、今や中国との国交断絶寸前まで戦争挑発をエスカレートさせている。そしてこの排外主義攻撃をもバネに日米安保強化・沖縄辺野古新基地建設への道を打開しようとしている。
 他方で総務相の片山は就任後直ちに人事院勧告をも上回る国家公務員賃金の大幅引き下げへの攻撃を開始した。続いて国の出先機関の廃止にも踏み込もうとしている。国家公務員32万人のうち21万人が現在働いている出先機関の廃止と30万人の公務員労働者が働く公立保育所・幼稚園の全廃で、全公務員労働者360万人の首切り・非正規化にいよいよ本格的に突き進もうとしている。
 日本経団連会長の米倉は、菅の続投をもろ手を挙げて歓迎し、新成長戦略の前倒し実施を強力に求めた。9月15日には、法人税減税の即時実施と消費税大増税への着手を「菅首相はその重要性を十分に理解している」と露骨に要求した。菅政権は「国鉄改革」と「公務員制度改革」を柱にすえて労働者階級への全面的な階級戦争と侵略戦争の一体的推進にのりだした。これは、この間、日帝ブルジョアジーが熱望してきたことだ。日帝は世界大恐慌下、政治支配の崩壊的危機と争闘戦激化にのたうち回る中、対米対抗性が強すぎる小沢ではなく、ひとまず菅に自らの利害を託すことを選択したのである。

 絶望的危機

 だが日帝のこの選択はあらゆる意味で極度に危機的であり、絶望的だ。菅は「市民派」「クリーン」イメージの演出によって人民を欺き、菅政権のもとへの総翼賛体制をつくり出すことに一切をかけている。だがそんなペテンは早晩はがれ落ちる。とりわけ沖縄での新たな怒りの爆発は必至である。また小沢との対立が示す日帝支配階級内の分裂抗争はこの過程を通してますます激化・泥沼化し、政治危機の一層の大爆発を生み出していくのは間違いない。
 こうした中で、菅の新成長戦略推進の最大の担い手は連合だ。菅政権には法相の柳田稔、文科相の高木義明、経産相の大畠章弘ら、連合から7人が入閣している。さらに部落解放同盟の松本龍が環境相に、旧社会党左派の岡崎トミ子が国家公安委員長になった。労働組合指導部やかつての体制内左翼が日帝ブルジョアジーの先兵となって労働者階級に襲いかかってきている。これが菅政権の最大の支柱であると同時に最大の弱点だ。
 国鉄闘争全国運動の発展は、6千万労働者の怒りを根底から解き放ち、連合支配を打倒し、菅民主党・連合政権を土台から突き崩す決定的情勢を引き寄せるものだ。11月労働者集会への1万人結集を絶対にかちとり、その力で菅政権打倒、日帝打倒へ巨大な情勢を切り開こう。

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週刊『前進』(2457号2面2)(2010/09/27 )

 検察庁解体・裁判員制度廃止へ

 国家権力の組織犯罪弾劾

 郵便割引制度を悪用したとする厚労省・村木元局長の事件に関連し、9月22日、最高検は大阪地検特捜部主任検事・前田恒彦を突如逮捕した。これは、前田が捜査段階で押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時を改ざんした「証拠隠滅」事件である。前田はデッチあげを押し通すために、デッチあげのストーリーと矛盾する証拠に手を加えたのである。
 まったく言語道断の卑劣な行為である。このような証拠偽造がまかり通るなら、支配に都合の悪い人物をいくらでも犯人に仕立てることができる。許し難いことだ。
 前田は”大阪地検特捜部のエース”といわれ、その「能力」を買われて東京地検にも在籍し、重要事件を担当してきた。検察に有利な供述を引き出す前田のやり方は「前田マジック」とたたえられていたという。
 証拠を偽造してでも「犯人」をデッチあげる――こんな卑劣な人物が「有能」ともてはやされ、出世コースを歩んできた。このようなあり方そのものが日帝・法務省、検察庁の反人民性、腐敗を示している。
 法務省、最高検は前田個人や大阪地検特捜部の責任にして、検察への人民の怒りをかわそうとしている。だがこれは検察の組織ぐるみの犯罪だ。前田は「FDに時限爆弾を仕掛けた」などと内部で公言していた。検察庁はそれを知っていながら今まで押し隠し、前田をかばってきた。今回、隠しきれなくなり、急きょ前田を逮捕し「保護」したのである。
 検察が完敗し無罪が確定した村木元局長の事件では、検察の捜査段階のメモが内部規則に反して廃棄されてしまうなど、検察の組織ぐるみの証拠隠滅がほかにも多数行われている。
 そもそも日帝・検察庁は、警察と一体となって自白の強要や調書のねつ造などを根拠に容疑をデッチあげ、無実の労働者人民を起訴、投獄・弾圧し、階級支配を維持してきた。革命運動と革命党を弾圧するために星野文昭同志や富山保信同志に対するデッチあげ、迎賓館・横田爆取弾圧を始めデッチあげを繰り返してきた。マスコミもこれに加担・協力してきた。
 そのような日帝・検察庁の反人民的本質が今や世界大恐慌下の日帝のすさまじい危機の激化のもとで全面的にあらわとなったのである。これは日帝の体制的危機そのものであり、労働者階級人民が真に怒りを爆発させて日帝打倒の闘いに総決起すべき情勢の到来を示している。
 司法改革・裁判員制度は、このような検察による証拠ねつ造、デッチあげを一層容易にするものだ。検察庁を解体せよ!
 裁判員制度を廃止に追い込もう! 労働者階級の怒りで日帝・菅民主党政権を打倒しよう。

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週刊『前進』(2457号2面3)(2010/09/27 )

 公務員首切りと闘い11月へ

 豊中市職8月攻防の総括〈上〉

 処分撤回闘争と役員選挙に階級的労働運動路線を貫く

 大阪・豊中の闘う自治体労働者は、8月30日の保育事故処分撤回・公平委員会公開審理闘争と9月10日開票の豊中市職執行部選挙闘争を自治労徳島大会―国鉄全国運動の階級決戦として路線的に闘った。この闘いを総括し、国鉄全国運動―11月労働者集会への決意を明らかにしたい。
(写真 闘う自治体労働者は、8月自治労徳島大会で民営化・首切り・非正規化との対決を訴えた)

 執行部選で本部派を痛撃

 豊中市職執行部選挙の開票結果は、執行委員長選で動労千葉派の深町加代子さん(前女性部長)に274票、自治労本部派の江口新氏が920票、無効が300票、書記長選で動労千葉派の田中友章さんが260票、自治労本部派の田中伸生氏が834票、無効が300票となった。動労千葉派は自治労本部派を路線的内容で圧倒し、票数でも一大勢力であることを示した。自治労本部が直接乗り出し、当局と結託して動労千葉派―民営化絶対反対派をつぶそうとしたが、動労千葉派は保育所を中心に多くの票を集めた。これは当局と自治労本部―大阪府本部―市職執行部に決定的な打撃を与えている。

 責任者の五嶋課長を断罪

 深町さんに対する保育事故処分の撤回を求める公平委員会公開審理闘争は、当局の処分責任者である五嶋保弘保育課長を引きずり出し断罪した。 昨年4月24日の職場での子どもとの接触事故を理由とした深町さんへの処分が、豊中市の民営化を推進するために現場の団結を破壊して反対の声を上げさせないために仕掛けた弾圧であることがはっきりした。

 12年決戦への先制的突入

 処分撤回闘争と執行部選挙闘争は保育全国集会闘争、自治労徳島大会決戦の中で闘われた。これらは民主党・連合政権―自治労本部との対決であり、国鉄分割・民営化と道州制―公務員制度改革=公務員大首切りをめぐる2012年階級決戦への先制的突入である。

 保育新システムの重大性

 こうした実践の中で菅民主党政権の「新成長戦略」が打ち出した「子ども・子育て新システム」が自治体労働運動解体攻撃の決定的な環であることをつかんだ。
 この攻撃は、公立保育所・幼稚園を全廃、幼保を一体化させた「子ども園」に変え、民営化する攻撃である。何よりも全国30万人の保育公務員労働者全員の首を切り、非正規化する攻撃であり、公務員制度改革をめぐる2012年問題、公務員360万人全員首切り攻撃の中核をなす。

 全国保育集会で本部を追及

 関西労組交流センター・自治体労働者部会の仲間は7月30日〜8月1日、和歌山市で行われた自治労保育全国集会に乗り込み、新システム全面賛美・推進をぶち上げようとしていた自治労本部を先制的に迎え撃った。
 「新システム絶対反対」「新ステムはすべての保育労働者の団結を破壊し首を切る攻撃だ」と全面的に暴露・批判するビラをまいた。討議でも「ナショナルミニマムが維持される新システムを推進しよう」という本部に対して「労働者はどうなるのか」と本部を追及し、全国から集まった保育労働者の民営化反対の声と結びついて、本部の思惑を打ち砕いた。
 新システム絶対反対の闘いを保育公務員30万人首切り反対、道州制・公務員制度改革粉砕、民主党・連合政権打倒、自治労本部打倒の全国闘争としなければならない。すでに関西諸都市で新システム絶対反対の闘いが始まっている。

 グランドデザインと対決

 「賃金シェア」弾劾に立つ

 8月26〜27日の自治労徳島大会では、自治労本部が打ち出した「持続可能な日本社会のグランドデザイン構想」と徹底対決した。
 自治労本部は「グランドデザイン」をもって民主党政権絶対支持の立場、ブルジョアジーの利害を労働者に押しつける立場に完全に移行した。
 これは自治労内13県本部反対派(協会派)の完全転向があって初めて実現した。協会派は4・9政治和解で国鉄闘争終結・解体攻撃の軍門に下ったのと前後して社会保険庁解体・年金機構発足においても社保労組執行部として全面協力し、職員2万人解雇・選別採用攻撃の手先に転落していた。グランドデザイン路線を実践していたのだ。
 グランドデザインは菅ブルジョア政権の新成長戦略を支持・推進する総路線であり、「総額人件費削減には職員の納得感が必要」と当局側から賃下げを要求している。もはや労組としての死だ。 
 大会初日の徳永委員長発言「賃金シェア」論は、非正規労働者を持ち上げ固定化する一方、財政再建の中では正規職の組合員は賃下げに「納得しろ」という恫喝である。闘う自治体労働者は昼休み、直ちに徳永発言弾劾の闘いに立った。
 4・9政治和解と公務員制度改革―2012年人事院勧告制度廃止・協約締結権付与の承認は、労組の側が首切り自由の攻撃を認め、ストライキを永遠に放棄することを意味する。6千万労働者階級への裏切りだ。

 9割非正規化へ公務員攻撃

 支配階級は「9割の非正規化」のために最大の障害となっている公務員制度(人事院勧告制度と公務員の身分保障)を解体することに全力をあげている。公務員制度のみならず労働組合や社会保障・福祉を含め戦後的な制度・権利のすべてを一掃しようとしている。
 平松・大阪市長も「市職員1万人削減」計画に向けた首切りの具体的水路として「不祥事根絶プログラム」による首切りのリストアップと職場の団結破壊の攻撃を始めている。1万人削減に反対を貫けない大阪市職執行部は真っ二つに割れ、分裂選挙に陥った。
 闘う自治体労働者は大会2日目の朝、徳永発言の本質を暴き批判するビラとアジテーションで迎え撃った。大会は、2012年をめぐる民主党政権―自治労本部との階級的激突の構図を示した。 
 (革共同豊能地区委員会)

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週刊『前進』(2457号2面4)(2010/09/27 )

 大阪市職 青年先頭に区役所決戦へ

 1万人首切りの平松「素案」

 大阪市の平松市長は8月23日の記者会見で「市政改革の新しい構想の四つのポイント」を打ち出した。9月2日の大阪市市政改革検討委員会には「(仮称)『新しい大阪市をつくる市政改革基本方針(素案)』の策定に向けて」が出された。10月には成案が策定・公表される。平松市長が橋下大阪府知事に「対抗」する形で両者が首切り・賃下げ・民営化・組合つぶしを競い合いながら、2012年に向けて大阪市をめぐる激突が本格化しようとしているのだ。
 大阪市職本部はこれにいかに屈服するかをめぐって役員選挙で分裂に陥った。ユース部はいまだに役選の公示ができない。大阪市職出身の徳永自治労委員長は支配階級の一員となって「正規・非正規の賃金シェア」を打ち出した。その足元で青年を先頭に自治体労働者の怒りの総決起をつくり出そう。

 「新しい公共」の手配師に

 平松「素案」の最大の特徴は、大阪市政改革の基軸中の基軸に「区役所強化」を押し出し、「新しい公共」路線のもとで区役所丸ごと民営化方針を打ち出したことだ。
 まず「新しい公共」とは何か。自治体の事務事業のことごとくを役所と市民、企業、NPO(非営利組織)などとの「協働」に変え、自治体職員をそのコーディネーター=手配師に特化するというものだ。NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)用語であり、新自由主義政策だ。(NPMとは企業経営と同じやり方で政府・自治体を運営すること。コストや顧客サービスの概念、市場原理を導入し、民営化・外注化を推進する)
 「新しい公共」は、90年代後半から日本でも本間正明らが普及をたくらみ、経済産業省・総務省や財界が唱えてきた(本間は現近畿大学教授。大阪大学教授の傍ら小泉政権下で経済財政諮問会議民間議員、政府税制調査会委員・会長。05年大阪市都市経営諮問会議座長として市労連攻撃の陣頭指揮を執った。08年大阪府特別顧問)。
 05年の総務省・新地方行革指針は「これからの地方公共団体は、地域のさまざまな力を結集し、『新しい公共空間』を形成するための戦略本部となり、行政自らが担う役割を重点化していくことが求められている」と述べた。「新しい公共」は09年の公共サービス基本法を経て、21世紀の地方行革・自治体リストラ・民営化の基本方針となっている。
 次に平松「素案」は全編、「新しい形の公共」「協働」「社会的ビジネス」などの言葉で覆われている。そして7月に大阪市が発表した「『地域主権確立宣言』……関西州の実現へ」が再確認されている。
 「社会的ビジネス」は「企業等と協力してビジネスの形で地域社会の課題解決に取り組む」「役所が担っている事務事業をビジネスとして展開する」と位置づけられ、この「新たな形の公共」や「協働」を「コーディネート」するのが区役所の職員の仕事とされている。区役所の丸ごと民営化と職員労働者の手配師集団化ということだ。

 区役所強化は民営化・合理化

 区役所の「強化」とは「拡充、充実」ではなく、民営化・合理化の推進である。例えば支配階級のいう「保育の充実」は、公立保育所増設・職員増員ではなく、保育基準引き下げ・民間参入促進・低賃金・非正規化・組合破壊・民営化・合理化の徹底推進・強行だ。
 また「素案」は、大阪市の約1千の事務事業を徹底的に「集中と選択」にさらすとしている。集中と選択とは、その多くを切り捨てるということだ。その基準の柱に「他市基準との比較」が据えられている。要は「大阪市は横浜市より人口が少ないのに職員が多すぎる」と「大阪市解体」をわめく橋下と同じだ。
 さらに「素案」は「地域支援に必要な要員」を@窓口業務の委託化A事務事業の集約化B現業職員・OB職員などの活用――でひねり出すという。機械化・民間委託化・IT化・合理化・民営化攻撃を全窓口にしかけるのだ。
 Bは環境局・建設局・港湾局・教育委員会などの現業労働者を首切りの脅しで事務職などへの任用替えを強要するということだ。OB職員とは高齢低賃金労働力ということだ。
 「区役所強化」とともに港湾・水道・交通・廃棄物処理での「官民の役割分担」「外部委託化」「民間活力活用」「より望ましい経営形態」が打ち出されている。交通局などでの削減と区役所での退職者不補充を合わせて5年間で4千人を削減しようとしている。

 強労働と人事評価のルツボ

 「新しい公共」が軌道に乗れば、区役所の人員削減が進められ、職員は「地域担当職員」に特化する。地域担当職員は、早朝・深夜・土日休日を中心に勤務するとされ、当面は強制配転ではなく公募するとしている。「新しい公共」の手配師として昼夜を問わず働くことに応募する者のみを「あるべき区役所職員」として評価するというのだ。強労働と人事評価のルツボに区役所労働者や任用替えを強要された現業職員、再任用職員をたたきこもうとしている。
 任期付職員が今年4月に導入された。任期は12年度末まで、つまり2012年問題の大爆発に向けて、いったんは非正規労働者を大量投入し、区役所丸ごと民営化を強行しようということだ。
 また市当局は、不祥事根絶と称して斎場労働者を大量に生けにえ処分することで分断と団結破壊の恐怖政治を敷き、正規労働者を次々と低賃金・有期雇用の非正規労働者に置き換えようとしている。任期付職員導入、不祥事根絶プログラム、市職員1万人首切りは、2012年に向けた攻撃であり、その最大の戦場が区役所だ。
 青年労働者を先頭に国鉄全国運動を進め、公務員制度改革・大阪市1万人首切り・「新しい公共」粉砕へ区役所決戦に決起し、11月集会1万人結集を実現しよう。
 (川上憲一)

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週刊『前進』(2457号3面1)(2010/09/27 )

 9・28鉄道運輸機構訴訟へ

 「解雇撤回」貫く新たな闘い

 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟の控訴審が、9月28日午前11時から東京高裁第14民事部(西岡清一郎裁判長)で開かれる。国鉄1047名闘争の解体を狙った4・9政治和解を拒否し、解雇撤回を貫く闘争団員による新たな裁判闘争がついに始まるのだ。大法廷を埋め尽くす大結集をかちとろう。9・28一日行動に総決起しよう。(要項1面)
 4・9反革命に公然と反旗を翻し、解雇撤回へ闘いぬく闘争団員が闘いの表舞台に登場したことの歴史的意味はきわめて大きい。動労千葉と並んで国労闘争団の中から上げられた闘いの火の手は、敵階級を震え上がらせている。そして、闘いを求める労働者を限りなく激励している。国鉄闘争は継続され、その闘いは労働者階級の反転攻勢の砦(とりで)になろうとしているのだ。
 9月28日の控訴審再開第1回裁判は、裁判官の交代に伴う小玉原告と新弁護団の更新意見の陳述が行われる。それは、4者4団体路線のもとで行われてきたこれまでの裁判闘争を根本的に転換し、国鉄分割・民営化を真っ向から撃つ闘いのスタートになる。
 国労本部は7月の定期大会で、闘争団員を選挙権も被選挙権もない「特別組合員」とすることを決めた。小玉さんは秋田地本執行部から「JRに採用されない闘争団員は、次の大会で組合員ではなくなる」と通告されている。この攻撃の対象は闘争団員だけではない。国労本部は、和解を拒否した4人の闘争団員と行動をともにするすべての現場国労組合員に対しても反動的憎悪を燃やし、国労から放逐しようと企てている。
 こうした策動との激烈な決戦も、9・28を期して開始されるのだ。
 国労執行部はもはや完全にJR資本の手先に転化した。東日本エリア大会における総合労働協約締結方針の強行は、その象徴だ。
 「国鉄分割・民営化25年」を前に、JR資本は外注化を軸とする大合理化で延命しようと策している。そのために1047名闘争を解体し、JR現場における一切の闘いをたたきつぶすために4・9反革命は強行された。4者4団体幹部はその手先になったのだ。
 4・9反革命以降、既成の労働組合執行部は雪崩を打つような転向を遂げている。連合中央はもとより、国労本部など4者4団体派も、菅民主党政権の掲げる「新成長戦略」を労組の方針として掲げるに至っている。これは、一層の非正規職化と、公務員制度改革をテコとする360万人公務員労働者への首切り攻撃を労組として率先推進するということだ。菅政権の支柱と化した体制内派は、日帝の侵略戦争を翼賛するところにまで必ず行き着く。

 一日行動闘おう

 9・28に始まる闘いは、体制内労組幹部の裏切りを根底から粉砕し、労働組合を現場組合員の手に取り戻す闘いだ。
 新たに始まる裁判闘争を徹底的に活用し、国鉄全国運動の一層の発展をかちとろう。国労の現場組合員を「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会」に圧倒的に組織しよう。9・28一日行動を打ち抜き、その力で11・7労働者集会1万人結集へ闘いぬこう。
(写真 2日の国労東日本エリア大会で宣伝活動に立つ小玉忠憲さん)

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週刊『前進』(2457号3面2)(2010/09/27 )

 経団連・菅政権と連合が一体化 侵略と解雇=非正規職化を狙う

 新成長戦略の先兵=連合打倒を

 新成長戦略が日帝の延命をかけた全面的な基本戦略であることが日々明らかになっている。民主党代表選では政財界が「新成長戦略の早期実現を」の大合唱だった。連合中央はそれと一体となり、新成長戦略の積極推進で労働者の団結と階級意識の根絶を図ろうとしている。だが連合中央こそ危機を深めている。新成長戦略もろとも連合中央を打倒しよう。

 産業報国会への変質と転落

 国鉄1047名闘争の4・9政治和解情勢で連合は根底的変質をとげ、今やさらにその道を突進している。菅改造内閣は7人の連合組織内議員を入閣させ、連合とその指導部を、ブルジョアジーの別動隊として深々と巻き込み、翼賛化と反動を加速させている。全面的な労動組合解体攻撃だ。
 連合中央は日帝とともに新成長戦略を積極的に推進しようとしている。新成長戦略実現会議に会長の古賀が直々に乗り込んだ。連合は「パラダイムシフト(社会全体の価値観の転換)をはかれ」と呼号し、労働者階級の価値観の百八十度の転換を画策している。連合傘下各労組がなだれをうって新成長戦略推進を表明し、日帝のアジア侵略―「東アジア共同体」構想への参加を始めた。大恐慌が帝国主義・大国間の争闘戦・勢力圏争いに発展している今日、連合は「産業報国会」の道を突き進んでいる。国鉄全国運動の大発展を実現し、連合を打倒しよう。
 連合中央が新成長戦略の積極推進を公然と宣言しているのが「2010連合白書」(以下「白書」)と「2011年度・連合の重点政策」(以下「政策」)だ。
 第一に、連合はこれらの中で、自らが民主党と完全に一体であり、民主党・連合政権であることを露骨に語っている。「民主党政権発足後には政府との各レベルでの政策協議の仕組みを確立した」「政府に対して政策・制度実現を提案・要求する連合の責任も今まで以上に厳しく問われる」(「政策」)
 鳩山―菅と続く民主党政権は、昨年8・30総選挙で打倒された自民党に代わり、世界大恐慌と階級支配の危機の中で資本主義を守るために登場した政権だ。民主党政権と一体となって資本主義を守るというのが連合だ。連合の独自性は「労働組合」を語り「ここに労働者の利益がある」ように押し出して、労働者に新成長戦略を強制する役割を担うことにある。民主党にはできないことを連合がやるということだ。
 連合は以下のように主張する。まず「安心・安全という社会の岩盤が揺らぎ、格差は拡大し貧困が増加」と、この現実が労働者階級の怒りとなって爆発することに危機感をあらわにする。それへの対応策として「今こそ、パラダイムシフト(社会全体の価値観の転換)をはか」らなければならないと語り、具体策を次のように提起している。「企業の競争力強化・成長」「その成長果実の適正な分配」「そのために『ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)』を実現することが必要」と。
 労働者を惑わし階級意識を解体しようとしているが、真の意味は”外国との競争に勝つために、資本と一体となって必死に働け。そうすれば多少のおこぼれを与えてやる。だから、それを生き甲斐にして働け。労働者は全員そういう価値観に転換しろ”ということだ。こんなのはでたらめの極みだ。徹底的に粉砕しよう。

 「生産性」「国際競争力」叫ぶ

 第二に、連合は新成長戦略とまったく同様の提言を展開している。「白書」ではまず「内需を大きくしていく」として次のように展開する。「新産業創出を含めた産業力を強化する」、そのために「環境分野など新産業を育成」「医療・介護といった分野、健康関連産業の成長、農業や観光」という提案だ。
 これは新成長戦略が提唱する「7つの戦略分野」と完全に同じだ。連合が言う「環境分野」は、「新成長戦略」の中の「1 環境・エネルギー大国戦略」、「医療、介護分野、健康」は「2 
 健康大国戦略」、「農業や観光」は「4 観光立国・地域活性化戦略」で書かれている中身そのものだ。新成長戦略はこれを9割の労働者を非正規職化することでやりぬこうとしている。
 連合はさらに「従来の産業も生産性を高め、国際競争力をつけていかなければならない」と主張する。「生産性を高める」「国際競争力」とは簡単に言えばできるだけ低コストで生産し、”他国の企業をけ飛ばして売りまくろう”ということだ。それは労働者にとって何を意味するのか。生首を切り、非正規職に突き落とし、低賃金で長時間の過酷な労働を強制することだ。
 それはさらに”隣の労働者と競争しろ。他国の労働者と競争しろ”ということだ。資本が勝つために労働者同士を争わせようというのだ。それこそ「け落とし合い」が果てしなく続く地獄の道だ。労働者にとって世界の労働者は団結する相手だ。ひとつの軍勢となって帝国主義を打倒する同志だ。「生産性向上」「国際競争力」なるブルジョアイデオロギーを徹底的に粉砕しよう。

 東アジア共同体は戦争の道

 第三に、連合は「海外需要」として次のように言っている。「中国・インド・アジアにおける戦略的な市場の開拓が重要」「日本を開発拠点として生産性を向上させ、それを海外で展開し、そのもうけを国内に還流する」(以上「白書」)。「成長著しいアジア諸国をはじめとした外需を取り込み成長の糧としていく」(「政策」)。これらは新成長戦略の「アジア諸国は急速な成長を遂げてきた。日本にとって大きなビジネス機会」という資本家の立場・発想とまったく同じだ。
 「日本を開発拠点とし、それを海外で展開」とは電機や自動車など、日本で研究・開発した製品をアジアの工場で、日本国内よりもはるかに安い賃金で労働者を働かせて生産し、それを全世界で売って大もうけするということだ。そのためのインフラ輸出なのだ。8月下旬には、自動車総連出身の直嶋政行経済産業相(当時)が東電、東芝、日立のトップとともにベトナムに原発のセールスを行うなど、日帝はすでに政労資一体での展開を始めている。これは「東アジア共同体」構築攻撃だ。
 連合は菅改造内閣に、電機連合顧問・日立労組顧問の大畠章宏を経済産業相として送り込んだ。大畠は日立製作所で原子力プラントの設計業務に携わってきた人物だ。民主党と連合が完全に一体となって原発などのパッケージ型インフラ輸出を展開するシフトだ。
 パッケージ型インフラ輸出とは、大恐慌の深化・発展の中での他帝国主義や中国スターリン主義との勢力圏争いであり、東アジアの勢力圏化を目指した日帝の延命のための攻撃だ。原発輸出は核汚染の輸出そのものであり、大規模な原発事故を引き起こしかねない。今年8月には、福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」で、原子炉容器内に中継装置が落下するという大事故が発生しているのだ。
 「インフラ」とは「インフラストラクチャー」を略した経済用語で、「経済活動の基盤となる道路、港湾、電力などの施設」を言う。新幹線も水事業も、日帝資本がアジアに進出し、工場を建てて操業し、超低賃金でアジアの労働者を酷使して、利潤を得るためのものだ。先述したように連合はそれを「海外で展開し、そのもうけを国内に還流する」とあけすけに語っている。中国ホンダは、月給1万5千円の低賃金で労働者をこき使い、暴利をむさぼってきた。日帝は大恐慌からの生き残りをかけて、それをアジア全域に展開しようとしているのだ。
 資本と労働者はどこまで行っても非和解だ。ところが連合は、資本と一体となることが労働者の生きる道だというのだ。そんなのは百パーセントのデマだ。連合路線こそ、戦前の労働運動が行き着いた、国家のために尽くすという「産業報国会」の道であり、その先にあるのは戦争だ。それは既に「新安保懇」報告、2010年版防衛白書の「南西諸島重視」、釣魚台・東中国海をめぐる中国スターリン主義との軍事的緊張の激化として激しく進行している。
 だが、新成長戦略は日帝にとって絶望的な道だ。それは、帝国主義間・大国間の争闘をさらにエスカレートさせ、同時に日本とアジアの労働者の怒りの爆発を不可避とする。すでに中国において御用組合の制動をうち破って青年労働者の闘いが開始されている。
 日帝との完全な一体化は、連合の危機をさらに深める。連合中央打倒の決定的チャンスが到来した。国鉄闘争全国運動を全力で推進し連合を打倒しよう! 動労千葉派が労働運動の主流派として登場する時が来た! 
 11月労働者集会は国際連帯としても重大だ。青年労働者を先頭に1万人の労働者・学生で日比谷野音を埋め尽くそう。
〔北沢隆広〕
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 【日本経団連や政府と同じ主張を展開しアジア侵略と戦争に突き進む連合中央】

 「連合の考え方の多くが新成長戦略に盛り込まれた」
 「今後は、この成長戦略をいかに実現させるかが重要である」(南雲弘行・連合事務局長)
 「新産業だけでなく従来の産業も当然、生産性を高め、国際競争力をつけていかなければならない」「日本を開発拠点として生産性を向上させ、それを海外で展開し、そのもうけを国内に還流する」(2010連合白書)
 「成長著しいアジア諸国をはじめとした外需を取り込み成長の糧としていく」(11年度・連合の重点政策)

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週刊『前進』(2457号3面3)(2010/09/27 )

 職場に国鉄全国運動広げよう

 10・15関西労働者集会へ

 動労千葉が10月15日に大阪市中央公会堂で開く関西労働者総決起集会へ向けて発した「参加と賛同のお願い」を紹介します。全力で駆けつけよう。(編集局)

 10・15関西労働者総決起集会への参加と賛同のお願い
 国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中康宏


 すべての労働者の権利をかけて闘い続けられてきた国鉄1047名解雇撤回闘争が重大な岐路に立っています。国労など4者4団体が政府の「解決案」を受け入れたのです。その内容は、国土交通大臣が「(和解をもって)国鉄改革の完遂に全力をあげる」との談話を発表しているとおり、解雇撤回も、国家的不当労働行為への謝罪もなく、いくばくかの金銭と引き替えに国鉄分割・民営化を正当化するものです。しかも、合意文書には「動労千葉を除く」と明記されています。
 私たちはこの現実を前に新たな闘いに立ち上がることを決意しました。国労闘争団の中からも「人生をかけた闘いは何のためだったのか」と、6名の有志が「和解」を拒否して闘いを継続しています。
 そして、6月13日には、多くの呼びかけ人が結集し、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)」がスタートしました。
    ◇
 国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃でした。ここから今日に至る民営化・規制緩和の大きな流れが始まり、1千万人をこす労働者が非正規職、ワーキングプアに突き落とされました。「国鉄民営化で国労をつぶし、総評・社会党を解体し、立派な憲法を安置する」。これが彼らの「コース」でした。そして、戦後最大の労働争議と言われた1047名闘争は新自由主義に対する決定的な対抗力でした。
 新自由主義政策は、「9割の労働者を非正規化する」との方針のもとに、労働者の団結を徹底的に破壊して過酷な競争に叩き込みました。労働者が生きていけない、働いて子供を育てるという社会の根本が成り立たない、資本家が生き延びるためには労働者は死んでもかまわないという恐るべき社会が生まれたのです。
 そして今、「公務員制度改革」の名のもとに、究極の民営化・労組破壊攻撃が始まっています。民間における外注化・非正規化がますます進み、青年の5割が非正規に追いやられています。1047名闘争の政治解決は、こうした現実の中で考えたとき、労働者の未来や権利にとって深刻な意味をもつものです。だからこそ私たちは、「国鉄闘争の火を消してはならない」と心から訴えます。
    ◇
 しかし労働者は勝利することができます。社会には「このままではやっていけない」「生きさせろ」の怒りが充満しています。労働者が職場・生産点で闘い、この怒りの声と結びつくとき、新自由主義を打ち破る新たな労働運動をつくりだすことができます。
 その闘いはすでに始まっています。
 7月2日から始まった2カ月以上にわたる全日建連帯労組関西生コン支部のストライキは、関西の建設現場のほとんどをストップさせました。この歴史的なストライキは、大恐慌情勢に立ち向かい、ゼネコンの支配構造を打ち破ろうとしています。全国金属機械労働組合港合同の闘いは、無権利状態におかれている中小零細で働く仲間の団結を地域で組織し、労働相談に応えて精力的に労働組合結成をおこない、派遣法・非正規職撤廃の闘いへと大きく発展しようとしています。動労千葉は、昨年10月提案の検修業務全面外注化攻撃を5波のストライキで阻止しました。千葉の小さな労働組合の闘いが、青年の怒りと結合し、JR東日本全体の外注化を阻止したのです。こうした闘いは、「敵は万全ではない」「闘えば勝利は切り開かれる」ことを示しています。さらに闘いは、韓国、アメリカ、ブラジル等、全世界の労働者との連帯闘争に広がっています。
    ◇
 また私たちは、国鉄闘争の勝利をめざし、職場・生産点から新自由主義を打ち破る新しい労働運動をつくろうと訴えて、11月7日、改憲・戦争、民営化・労組破壊と闘う全国労働者総決起集会を開催します。
 労働運動の正念場です。私たちは、関西における国鉄闘争の新たな出発点となることを願って、10月15日、表記集会を開催したいと思います。多くのみなさんの賛同と参加をお願いします。
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【集会要項】
国鉄1047名解雇撤回!
職場・地域に「国鉄闘争全国運動」を広げよう!
改憲-戦争と民営化-労組破壊にたち向かう闘う労働運動を!
10・15関西労働者総決起集会
 10月15日(金)午後6時より
 大阪市中央公会堂・中集会室(大阪市北区中之島1-1-27)
 呼びかけ 国鉄千葉動力車労働組合

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週刊『前進』(2457号3面4)(2010/09/27 )

 “11・7集会の組織者に”

 支援する会・広島が国鉄集会

 広島市で9月20日、「青年労働者を先頭に11・7労働者集会に1万人結集を」と掲げて、動労千葉を支援する会・広島が主催する「動労千葉を支援し、国鉄全国運動を広げる9・20広島集会」が開催された。動労西日本を始め闘う労働組合と労働者、学生、市民60人が結集した。
 主催者の開会あいさつの後、動労千葉の清水匠執行委員が特別報告を行い、次のように訴えた。
 「4・9和解は、曲がりなりにも”解雇撤回”を掲げてきた国労が連合化していくことであり、連合が帝国主義的労働運動として”完成する”ということ。まさに労働運動と労働組合をめぐる攻防だ。国鉄分割・民営化は終わっていない。何よりも解雇撤回はきわめて今日的な問題だ。非正規雇用と青年労働者の現状はそれを物語っている。民営化・外注化は労働者が抵抗しないことを前提にした攻撃だからこそ、労働組合を資本の手先にしないと貫徹できない。私たちが職場に闘う労働組合をよみがえらせることで反撃できる。さまざまな闘いに取り組む人たちに呼びかけて、労働運動をもう一度、一からつくり直す運動が全国運動であり、11・7労働者集会だ。物販は全国運動を推し進める最良の活動だ。やればやるだけ成果はある。この力が第2の分割・民営化攻撃を跳ね返している。全力で11・7集会に結集して欲しい」。
 動労西日本は現場の組合員が全員登壇して、大江照己委員長が「昨年9月19日の再建大会からちょうど1年、私たちこそが主流派であることが鮮明になった。青年部をつくり、組織拡大を実現する。11・7集会にはなんとしても職場の仲間を参加させたい」と決意を表明した。JR西日本の契約社員の解雇撤回を闘う山田和広副委員長が、自らの闘いを報告し、契約社員と平成採を組織化することを宣言した。
 国鉄闘争全国運動の呼びかけ人である元衆議院議員の矢山有作さん、元安芸労働基準監督署長の大野義文さん、愛媛県職の宇都宮理委員長からの熱いメッセージを司会が代読した。
 広島大学生協労組の壹貫田康博委員長が、11・7集会の意義、組織方針を鮮明にした基調提起を行った。
 続いて参加した労働者の決意表明だ。社保庁分限免職−解雇撤回を闘う平口雅明さん、8・6処分撤回を闘う広教組の倉澤憲司さん、広島連帯ユニオン草津病院支部、高陽第一診療所労組、広大生協労組が、民営化攻撃と対決して正規・非正規をこえた団結を生み出し、11・7集会に結集すると発言した。最後に自治体の青年労働者が「労組の仲間に呼びかけて物販に取り組む」と決意を述べた。
 集会参加者は「国鉄全国運動を職場・地域で広げて、11・7労働者総決起集会の1万人結集を実現するための組織者になる」との決意を新たにした。残り1カ月半、昨年を大きく超える11月集会への結集に向けて全力で闘う決意である。
 (広島・OS)
(写真 「11・7集会に職場の仲間と参加したい」と述べる動労西日本の大江照己委員長【9月20日 広島市】)

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週刊『前進』(2457号4面1)(2010/09/27 )

 三里塚は侵略戦争阻む反戦の砦

 沖縄と連帯し軍事空港化を粉砕しよう

 青年・学生先頭に10・10大集会へ

 松井 剛

 世界大恐慌の深まりのなかで日帝支配階級は「外への侵略戦争、内への階級戦争」の攻撃へ一層のめりこんでいる。「国鉄分割・民営化25年問題」と公務員制度改革の「2012年問題」とは完全に一体の民営化・首切り・非正規化の大攻撃である。日帝は4・9反革命で労働運動の総翼賛化、産業報国会化を推進しようとしている。三里塚は「国鉄闘争全国運動」とひとつとなってこの攻撃と闘う砦(とりで)だ。沖縄・辺野古への米軍基地移設反対の闘いと連帯し、10・10三里塚全国総決起集会への大結集を闘いとろう。前号(2456号)白川賢治論文の前半期総括と労農決起論を引き継ぎ、反戦政治闘争の側面から決起を訴える。
(写真 NAAの農地鉄板囲い込み攻撃に対し直ちに反撃に立った反対同盟【7月31日 成田市東峰】)

 侵略と農業破壊の新成長戦略粉砕を

 三里塚闘争は、日帝のアジア侵略と真っ向から対決する反戦政治闘争の不抜の拠点である。
 菅民主党・連合政権が打ちだした「新成長戦略」の核心は、新自由主義を激化させ、民営化・労組破壊、首切り・非正規化を進めることにある。
 「強い財政」とは公務員人件費2割削減と消費大増税であり、「強い社会保障」とは医療・福祉の民営化と非正規職化のことである。そして「強い経済」とは、規制緩和・民営化と非正規化のもとでの強搾取と大衆収奪、大資本の利益のみを追求する新自由主義の極限化のことなのだ。
 この資本による搾取・収奪の外延的拡大の矛先がアジアだ。新成長戦略はその中で「アジア経済戦略」を打ちだし、「日本企業のアジアでの経済活動」を保障するために「2010年に日本がホスト国となるAPECの枠組みを活用し、2020年を目標にアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を構築する」と述べている。日帝はFTA/EPA(自由貿易協定/経済連携協定)で韓国から著しく立ち遅れており、財界はその巻き返しをかけて、10月東アジアサミットから11月APEC首脳会議に向けて身構え、首都圏を厳戒態勢で制圧しようとしている。
 「アジア経済戦略」における最大のネックは農業問題であり航空インフラの問題だ。農林水産分野について新成長戦略は、「農家戸別所得補償」に加えて「食料自給率50%」「農水関係輸出額を2・2倍の1兆円」を10年後の数値目標に掲げている。だがそのかけ声と裏腹に、日本経団連やマスコミは、「FTAで反転攻勢を!」などと、農産物市場の開放をあおっているのだ。これは断崖(だんがい)絶壁に立つ日本農業を最後的に突き落とす農業壊滅攻撃だ。そして国内農業の壊滅は、直接に中国・アジアの農村から食料を略奪することを意味する。
 日帝ブルジョアジーは結局は自国の農業保護を放棄し、争闘戦に勝ち抜くためにFTA締結に進むほかない。
 他方、新成長戦略は航空インフラをめぐって、「ハブ機能を強化するインフラ整備と規制改革」を掲げて、羽田の24時間国際拠点空港化、オープンスカイ(航空自由化)を進めようとしている。これは、三里塚闘争が成田空港をアジアハブから陥落させて政策転換(昨年10月前原発言)に追い込んだ現実の上で、羽田空港を基軸とする羽田・成田の一体的運用によるアジア侵略のためのインフラ再構築を意味する。
 農地と農民の権利を守るための農地法によって市東孝雄さんの農地を取り上げようとする攻撃は、農業切り捨てにさらされる日本農家の縮図である。「国策」を掲げた日帝の農地強奪に対して、44年間不屈に闘う三里塚農民の闘いは、新たな段階に突入したのだ。

 「新安保懇報告」は戦争国家化を狙う

 この情勢は改憲と戦争の攻撃と不可分一体だ。
 7月の核空母「ジョージ・ワシントン」を動員した軍事演習、8月の米韓両軍に韓国政府・自治体など40万人が参加しての指揮所演習に続き、9月には黄海での米韓合同軍事演習が計画されている。中国領・釣魚台で海上保安庁の巡視船が中国漁船と衝突、船長を逮捕・勾留した事態は、日帝の戦争意思を激しく示した。
 米帝は「沖縄の海兵隊は北朝鮮の体制崩壊時、核兵器を速やかに除去するのが最重要任務」(米太平洋海兵隊のスタルダー司令官)とあけすけに語っている。北朝鮮・金正日の後継問題をも機に、体制崩壊を促進する軍事作戦が強行されているのだ。
 この侵略戦争の切迫情勢の中で出された8・27新安保懇談会報告書は、戦後憲法体制の根本的に覆す攻撃であり、新成長戦略と表裏一体の関係にある。
 第一に、新安保懇報告は自民党政権が唱えてきたこれまでの「基盤的防衛力構想」を覆した。「静的抑止から動的抑止への転換」を掲げ、「専守防衛」の概念を取り払い、北朝鮮―中国侵略戦争体制構築へと一気に踏み込もうとしている。
 戦後の日帝は、労働者人民の反戦意識・反戦闘争と、侵略戦争へのアジア人民の怒りの声に規定されて、日米安保体制のもとで「専守防衛」を隠れみのにして軍事大国化を進めてきた。イラク・中東戦争への参戦やPKO派兵をとおして、自衛隊は外洋型軍隊・侵略軍隊へと変化した。そしてついに文字通りの侵略国家に変貌(へんぼう)しようとしているのだ。
 第二に、「非核3原則」や「武器輸出3原則」を一挙に取り払い、「集団的自衛権行使」へと踏み込もうとしている。特に「集団的自衛権行使」は、戦争のできる国へ転換するための核心的攻撃であり、あからさまな憲法の否定だ。
 新安保懇報告は日帝の敗戦帝国主義としての限界を反動的に突破し、労働者階級を排外主義と戦争の担い手へと動員するものなのだ。

 戦時動員拒否する労働者と固く団結

 三里塚闘争は、ベトナム戦争のさなかに米軍のチャーター機がひしめく羽田空港の現実を直視し、「軍事空港建設粉砕」を当初から掲げ続けてきた。そして社共の制動を打ち破って全学連、反戦青年委員会と手を結び、実力闘争を貫いてきた。反戦の砦・三里塚の存在が今こそ決定的だ。
 成田空港は朝鮮侵略戦争発動時に50万米兵の受け入れと兵站(へいたん)拠点として位置づけられている。米帝の戦争態勢は、前線(戦場)が3割で兵站部門が7割で構成されるが、兵站は膨大な民間部門を動員しなければ成り立たない。ここが止まれば前線が動かない。
 兵員の宿泊・糧食・移動、医療施設、貨物輸送、航空機の整備などの総動員計画が練られ、「警備体制」から「対空ミサイルの設置場所」まで調査は完了しマニュアル化されている。
 空港労働者や自治体労働者にいや応なく戦時強制動員がかけられる。
 動労千葉はイラク戦争下に戦時軍需輸送拒否を宣言した。現場労働者の戦争協力拒否が決定的闘いになる。それが三里塚闘争および全国の労働者人民の反戦闘争と合流したとき、戦争の遂行はもとより国家の存立さえ立ちゆかない革命的事態に必ず発展する。
 三里塚闘争は沖縄とともに反戦闘争の不抜の拠点である。だからこそアジア侵略と戦争国家に突き進む日帝との階級攻防の最大の戦場になっているのである。

 労農連帯を強化し世界革命へ進もう

 ギリシャをはじめ全世界でゼネストが闘われ、世界革命情勢に突入している。新自由主義は破綻し、資本主義に未来はない。日帝もまた国家財政の大破綻に直面している。菅政権と日帝ブルジョアジーは4・9反革命に続き、公務員労働者に対する360万人いったん全員解雇・選別再雇用、9割非正規化の大攻撃をとおして労働運動を解体し、産業報国会化し、侵略戦争体制を構築しようとしている。
 日本の労働者階級は自らの階級的利益を守るために、「労働者人民を犠牲にして生き延びようとする国家など滅びてしまえ」という祖国敗北主義=プロレタリア国際主義の立場、自国帝国主義打倒の闘いを対置しなければならない。
 三里塚と沖縄は、日本革命―世界革命の根拠地だ。動労千葉と三里塚農民の労農連帯の闘いは、日本革命に不可欠な労農同盟の萌芽(ほうが)である。「空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」を闘い抜く三里塚農民こそ、「帝国主義を打倒することなくして人民は生きることはできない」という労働者人民の生き方を指し示している。44年の闘いが支配階級をとことん追いつめている。
 2010年前半、三里塚闘争は現闘本部撤去の仮執行を粉砕し、市東孝雄さんと萩原富夫さんの実力決起で、第3誘導路建設と農地強奪を粉砕する決戦の突破口を切り開いた。三里塚の勝利は、農民決起に呼応する巨万の労働者人民の決起、とりわけ青年労働者と学生の総決起にかかっている。そのためにも国鉄全国運動の大爆発が絶対に必要だ。
 「労農同盟の重要性はしかし、ブルジョア権力の打倒にとって決定的なだけではありません。プロレタリア独裁のもとで共産主義社会に向かって過度期の経済・社会建設を推し進めていく上で一層重要な、それなしには一歩も前進できないものです」「資本主義社会のもとで小商品生産者として存在してきた農民が、旧社会の転覆と新社会の樹立という大変革の主体的担い手となっていくことは、決定的に重要であると同時に大変な飛躍を必要とします。この飛躍を闘いとることは、労農同盟のもとで労働者と農民の間に同志的な信頼と連帯が強固に築き上げられていることなしにはありえません」(綱領草案解説)
 10・10三里塚全国集会の空前の大結集をかちとろう。韓国、アメリカ、ブラジルの闘う労働者との国際連帯を打ち固め11・7労働者集会へ攻め上ろう。

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週刊『前進』(2457号4面2)(2010/09/27 )

 鈴木一坪裁判 “父の遺志継ぎ闘う”

 土地強奪狙う千葉県を追及

 9月16日、千葉地裁(仲戸川隆人裁判長)において三里塚芝山連合空港反対同盟・鈴木幸司さん、いとさん夫妻の一坪共有地裁判が開かれた。この裁判は、鈴木さんが共有する駒井野の一坪共有地について、千葉県が「新産業三角構想にもとづいて成田国際物流事業の複合基地にする」から明け渡せ、と訴訟を起こしたものだ。反対同盟と支援の労働者が傍聴席を埋めてともに闘った。
 県側の言い分は、鈴木さんがこの土地を共有者として守り抜くことに対し、「社会的効用がない。収益を上げない」、だから共有権の分割を金に換算した金銭補償で土地を取り上げる(全面的価格賠償方式)というものだ。司法を使っての居丈高な土地取り上げの主張に対し、反対同盟顧問弁護団は怒りを込めて徹底的に批判した。
 そもそも成田空港の公共性は虚偽であり、空港建設の歴史は農業・農村破壊そのものだった。航空需要は激減し、国際空港としての地位は低落の一途をたどっている。千葉県による新産業三角構想は355億円の赤字を出して根本的に破綻し清算へと向かっている。計画が頓挫した今、県がこの土地を取得したら、土地造成をして空港会社(NAA)に譲渡するだけだ。この土地は空港反対運動の一坪共有地として、立派に社会的存在意義を持っている。「もうけを上げないから土地を持ち続ける意味がない」とは言語道断だ!
 これらの批判の一語一語が、金と欲の新自由主義にまみれた県の代理人弁護士を突き刺した。
 さらに弁護団から、鈴木幸司さんの逝去に伴う息子の謙太郎さんと妻加代子さん夫妻への訴訟受継が申し立てられた。これは「三里塚地区周辺に土地を持つ会」(一坪共有地運動の組合)の決定にもとづくものだ。
 県側の代理人は仲戸川裁判長から「受継について意見はないか」としきりに促され、「検討したい」と応じた。どこかケチをつける余地はないか考えてきます、ということだ。さらに裁判長は証人調べの計画をせき立てた上、「双方の主張は煮つまってきた」などと露骨に早期結審をにおわせた。次回期日を11月18日(木)として閉廷。
 法廷となりの控え室で総括集会が開かれた。弁護団からの解説が行われたあと、訴訟当事者となった鈴木謙太郎さんが「おやじの遺志を引き継いで闘います」と鮮明な決意を表した。鈴木いとさんも笑顔で「これからも体に気をつけてがんばります」とあいさつし、温かい拍手に包まれた。
 北原鉱治事務局長は、「県は、土地を取り上げてNAAに売り飛ばすという体のいい地上げ屋になった。どんどん追及していこう」と訴えた。
 萩原進事務局次長はまとめの発言で「10・10の結集いかんで今年後半の左右が決せられる。あらゆる戦線で攻撃が激化する中、三里塚が最も勝利的に闘っている姿を見せる時だ。10・10大成功へさらにムチを入れてがんばろう」と訴え、一同の奮起を促した。
(写真 訴訟を引き継いで闘う決意を表す鈴木謙太郎さん。左は母・いとさん【9月16日 千葉地裁】)
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 三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
10月18日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎現闘本部裁判控訴審
11月5日(金)午後2時 東京高裁
※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

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週刊『前進』(2457号4面3)(2010/09/27 )

 千葉県集会 反対同盟の訴えにわく

 農地強奪阻止へ決意次々

 「三里塚闘争は反戦の砦として44年間続いている。君たちのために反対同盟は闘う」。三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長の北原鉱治さんの言葉が、青年労働者・学生を始め全員の心を熱く奮い立たせた。
 9月20日、千葉市のDC会館で「市東さんの農地強奪を許すな! 9・20千葉県三里塚集会」が実行委の主催で開かれ、120人が参加し、10・10全国総決起集会への総決起を誓い合った。
 初めに「動労千葉ジェット闘争の記録」「2010年前半期の三里塚闘争」の二つのビデオが上映された。労農連帯を貫いた動労千葉の闘いと、市東さんを先頭に切り開いた今年前半の白熱の現地攻防の映像記録が映し出された。
 司会は、ちば合同労組の青年労働者だ。最初に三里塚とともに闘う地元の農民が連帯のあいさつに立ち、団結街道封鎖への怒りを表した。
 続いて反対同盟の北原さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さんが登壇し10・10への大結集を訴えた。
 北原さんは「39年前に駒井野で地下壕戦を闘った。青年労働者・学生が運命をともにした。強制執行を中止に追い込んだのは偉大な勝利だった」と実力闘争の神髄を語り、「第3誘導路で市東さんの家と畑を空港の中に囲い込もうとする。これが人間のすることか」と怒りをたたきつけた。
 伊藤さんは「今年前半、市東さんを先頭に必死で闘った。微動だにしない市東さんがわれわれを引きつけた」と勝利の核心を語った。宮本さんは自らの闘いの遍歴を率直に語りながら「菅も小沢も戦争に向かっている」と民主党・連合政権を弾劾した。
 動労千葉の田中康宏委員長があいさつに立った。「44年間国家権力に屈しなかった闘いがほかにあるか。三里塚闘争はすべての人びとを守り、展望を与えている」と三里塚の大きさを明らかにし、「10・10は新しい時代の新しい三里塚闘争の出発だ。圧倒的結集を」と力を込めた。さらに動労千葉争議団の中村仁さんと幕張支部の関道利さんが、三里塚闘争と一体で国鉄全国運動を推進し、12月ダイ改時を焦点に外注化攻撃と全力で闘うことを明らかにした。
 三里塚現闘は「三里塚が菅政権を揺さぶっている」と現地攻防を先頭で担う決意を示した。全学連の坂野陽平委員長代行は「おれたちの力で三里塚を勝利させる」とアピールした。さらに動労千葉を支援する会・習志野、婦人民主クラブ全国協千葉支部、千葉・星野文昭さんを取り戻す会が決意表明した。
 集会の熱気が高まる中で、千葉の青年労働者が次々と登壇し、日々の職場での闘いと一体で10・10に立ち上がる決意を表した。「すばらしい三里塚を職場で訴えて結集する」「市東さんへの重圧は私たちの職場の状況と同じ。三里塚の勝利が私たちを勝利に導く」「『農地強奪を許すな』のスローガンは労働者にとっての『一人の首切りも許さない』だ」。
 最後に司会のちば合同労組の青年が「千葉の労働者こそ10・10三里塚、11・7労働者集会への総決起の先頭に立とう」とアピールし、全員で意気高く団結ガンバローを三唱し熱気あふれる集会を締めくくった。
(写真 反対同盟の訴えが闘志に火をつけた。左から北原さん、伊藤さん、宮本さん【9月20日 千葉】)

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週刊『前進』(2457号4面4)(2010/09/27 )

日誌'10 2010年 9月15日〜21日

 前原国交相が石垣海保視察/自衛隊を先島配備の意向

●アーミテージ「沖縄知事選次第で県内不可能に」 ブッシュ政権で国務副長官を務めたリチャード・アーミテージが日本記者クラブで会見し、11月の沖縄県知事選挙について、県内移設反対を掲げる候補が当選すれば「辺野古移設は不可能になる」との見方を示した。また、普天間飛行場移設問題の解決策として、当初の全面移設にはこだわらず部分移設など、次善の策を考えるべきだと提言した。(15日)
●前原国交相が石垣海保視察 釣魚台(尖閣諸島)周辺で海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突した事件で、前原国土交通相が、沖縄県石垣市の石垣海上保安部で、巡視船艇の係留所を視察した。(16日)
●菅改造内閣が発足 菅首相が改造内閣を発足させた。外務大臣に前原・前国交相、総務・地域主権推進大臣に片山・元鳥取県知事を起用した。小沢・元幹事長の議員グループからの起用はしなかった。菅は記者会見で「政権交代からの1年間は試行錯誤の内閣だった。これからは具体的な事柄を実行していく『有言実行内閣』を目指す」と語った。(17日)
●知事選「県内移設が前提」 民主党幹事長に就任した岡田は、11月の沖縄県知事選挙への取り組み姿勢について「政権与党だから、内閣の基本的な方針に沿って候補者の選定は行われなければならない」と述べ、米軍普天間飛行場移設をめぐって名護市辺野古への移設推進の政府と県連でねじれが生じているが、候補者選定には県内移設を前提とする考えを示した。(17日)
●中国「閣僚級交流を停止」 釣魚台沖で中国船長が逮捕された事件で、中国政府は、日中間の閣僚級以上の交流の停止などの措置をとったことを明らかにした。(19日)
●グアム移転、遅れ明記 米国防総省は、在沖縄海兵隊のグアム移転に伴う基地拡張工事の着工を可能にする最終決定書を公表した。工事による急激な人口増加を抑えるため、海兵隊の移転のペースが「遅くなる」と明記。日米両政府が合意している2014年までの移転が困難であることを事実上認める内容となっている。(20日)
●自衛隊先島配備の意向 北沢防衛相が閣議後、防衛省で2020年までに南西方面に自衛隊を2万人規模に増員させる構想があることに関連して、「先島諸島に何らかの形で部隊配備したい。その調査を(次年度から)スタートさせたい」と述べた。釣魚台への対応を視野に沖縄県の宮古島以西への部隊配備を検討。沖縄本島の陸自部隊は現在約2千人だが、これを20年までに南西諸島を含めて10倍の2万人規模とする構想が浮上。(21日)
●平良港に米掃海艦が寄港 米海軍の掃海艦ディフェンダーが宮古島市の平良港に寄港した。米軍は寄港目的を「友好・親善」としている。県や宮古島市が自粛を求める中での寄港強行に対し、地元の市民団体が港で抗議行動を展開した。米軍艦の民間港への寄港は07年6月の与那国町祖納港、09年4月の石垣港に続き復帰後3度目で、平良港へは初めて。(21日)

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週刊『前進』(2457号5面1)(2010/09/27 )

 10・10三里塚を闘い11月へ

 壮大な学生運動の復権かけ反戦政治闘争の先頭に立つ

 革共同中央学生組織委員会

 全学連第71回定期全国大会は、4年半の法大闘争の地平をもって、学生自治会の復権を軸とした壮大な学生運動の組織化に挑戦することを宣言した。11月韓国で行われるG20、さらに横浜APECと日米首脳会談に、11・7労働者集会1万人の怒りをたたきつけよう。その中でこそ学生の団結を復権しよう。学生運動復権の力は、法大不当処分撤回の1万筆署名運動とともに反戦政治闘争にある。300万学生は10・10三里塚闘争から11・7労働者集会へ立て!
(写真 全学連運動の復権を誓った第71回大会【9月10日】)

 戦争にいかなる態度を取るべきか

 なぜ11・7労働者集会1万人結集が必要なのか。それは第一に、世界戦争の危機の時代だからだ。
 今こそ60年や70年を超える壮大な学生運動が必要だ。全学連大会ではこのことが真正面から打ち出された。「学生運動なんて時代遅れ」――本当にそうだろうか。われわれ学生はこの時代をどう見るべきだろうか。
 釣魚台(ちょうぎょだい、日本名「尖閣列島」)における中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突から中国船船長の逮捕、そして領土問題が戦争の危機へと発展している。中国側は「日本が釈放しなければさらなる対抗措置を取る」と声明、これに対して米帝は「日米安保で対応」「有事の際には米軍が対処する」とし、「艦船派遣」の検討が始まっている。
 問題の核心は、大恐慌と世界戦争の危機の時代において、中国をめぐる軍事緊張が高まっていることにある。大恐慌は帝国主義国家間の利害の非和解的衝突を、スターリン主義国家を巻き込みながら醸成させている。
 住宅バブルを背景に世界の生産物を消費する輸入大国としてあった米帝は、リーマンショックを受けて一気に「輸出2倍化」を打ち出し、日独中を粉砕対象として市場争奪戦に突入した。こうした国家間の対立が「為替戦争」という形をとって激烈化している。15日には日帝が2兆円規模と言われる単独介入に踏み切った。日帝企業は円高回避を狙って工場拠点のアジア移転を加速、米帝との利害対立はさらに非和解化している。
 この中で菅政権が発表した「新安保懇」報告は「従来の『静的抑止』に対し、『動的抑止』の重要性が高まっている」として、陸上自衛隊普通科連隊の一部をアメリカ海兵隊型の部隊へ改編する「日本版海兵隊」創設を打ち出した。海兵隊は最初に敵国に突入する「殴り込み部隊」である。
 われわれは、戦争の問題を机上の理屈やゲームのように考えることはできない。今なお続くアフガニスタンやイラクでの戦争で数十万、数百万人の虐殺が行われ、血や涙が流され、誇り高い抵抗闘争が闘われている。もしくは、日本帝国主義が行ったアジア侵略と世界大戦は、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワの地獄として結果したのではなかったか。
 学生は未来の体現者だ。学生がこの現実にいかなる態度と行動をとるのかで未来が決まる。60歳を過ぎた菅が「新成長戦略」などとわめこうが、未来を決めるのはわれわれだ。
 だからこそ、いつの時代も日本の学生は闘いに立ち上がってきた。70年闘争は延べ1873万8千人がデモに参加、2万6373人の逮捕を出しながら、学生が人生をかけて立ち上がっていった。今、こうした歴史を引き継ぎ、凌駕(りょうが)する学生の行動が必要ではないだろうか。「11・7労働者集会1万人結集を」と呼びかけられているが、こうした時代に1万人の大集会が行われなければ、それこそうそではないだろうか!

 教育の民営化攻撃は戦争と表裏一体

 第二に、こうした戦争は、教育の民営化の現実と一体の大学問題だ。
 「戦争をどうするのか」――学生の生き方が問われている。現実とかけ離れた授業やテスト、就活などの果てしない競争。こんなものの中に学生の幸せな未来があるのか。これが本当にわれわれが望む生き方なのか。
 戦争と大失業が一体のものとして進行している。日帝資本のアジア侵略は、戦争の危機を引き寄せるとともに、国内生産の空洞化を進め、大失業を加速させる。法大を先頭とした大学当局やマスコミは、「日本の学生の敵は中国の学生だ」とあおっている。
 日本版「海兵隊」の創設。ではいったいどこから兵隊をつくるのか。アメリカを見てほしい。学費を払うために借金漬けになった学生が戦地に赴くあの姿を。「就職率60・8%」でキャンパスに滞留する失業した学友を、菅は兵隊として見ているのではないか? 教育の民営化は、未来そのものである学生から未来を奪う以外に生きられない資本主義の姿を示した。その上、学生を戦地に送って殺す以外に維持できないのが資本主義体制だとするなら、学生は未来をかけて立ち上がらなければならない。
 中国の学生たちは、釣魚台問題で語られる日本帝国主義の侵略意思に対し、怒りを燃やし立ち上がろうとしている。中国スターリン主義体制を揺るがす怒りを感じ取り、中国政府は弾圧に必死になっている。中国学生の闘いはわれわれ日本の学生への連帯の呼びかけだ。われわれはどちらの手を握るべきか。兵隊の職を、戦争の未来を用意する菅か。そうではないだろう。求められているのは中国の学生・労働者と連帯し、反戦闘争に立つことだ。
 「万国の労働者、団結せよ」――最も困難であるがゆえに根底的な変革の意味が込められた160年前のマルクスのこの訴えを、現実のものとする時が来たのだ。

 三里塚闘争こそが学生の未来を開く

 第三に、10・10三里塚闘争を爆発させ、11・7労働者集会1万人の突破口としよう。
 戦後直後から朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、90年代のイラク戦争から朝鮮危機、ユーゴ空爆。そして21世紀にはアフガン戦争とイラク戦争の開始と泥沼的継続。戦後世界は、戦後憲法の平和的装いとは裏腹に、戦争に次ぐ戦争の時代としてあった。日本の学生は、教室の中ではなく、戦後憲法をも踏みにじって基地建設が強行され爆撃機が飛び続けた沖縄、そして機動隊の国家暴力によって軍事空港建設が行われてきた三里塚の現実にこそ学び、時代を真正面からとらえてきた。
 資本主義体制そのものを問い、この世界を根底的に変革する立場に立つのなら、われわれは帝国主義の軍事展開に関心を持たなければならない。帝国主義段階の資本主義は、世界市場を分割しきった段階の資本主義であり、その再分割は戦争以外にあり得ない。
 第1次大戦にはロシア革命、第2次大戦には世界的な戦後革命や中国革命、さらにベトナム戦争にはベトナム革命、イラクやイランの革命。現代は戦争の時代であると同時に革命の時代であり、戦後史は世界の盟主・アメリカ帝国主義軍隊の敗退と軍事拠点失陥の歴史であった。こうした革命をことごとくスターリン主義が簒奪(さんだつ)して初めて、労働者階級の怒りにもかかわらず帝国主義体制がなんとか延命してきたのだ。
 新自由主義の破産は大恐慌を爆発させ、世界戦争の危機へと転化している。それは帝国主義国、スターリン主義国を巻き込む世界革命の時代の本格的到来にほかならない。
 米軍の帰還兵の多くは精神的な病を患い、戦地に行けない状態となっている。兵隊は枯渇し、帰還兵を先頭に怒りが噴き出し、米帝の戦争政策そのものが革命の現実性を引き寄せている。オバマの支持率は急低下し、打倒寸前になっている。
 そしてこの日本では、日米安保の根幹を揺るがす沖縄の怒りの爆発が歴史的に開始された。12日の沖縄の選挙では圧倒的な基地反対の怒りが表明され、菅はこれに対して真正面から基地建設を掲げて対決しようとしている。沖縄闘争の爆発はまさにこれからだ。7・11参院選で日本の労働者階級人民は、国家救済を掲げた菅を惨敗させた。そして、労働運動の新たな創造をかけて、国鉄全国運動が前進している。
 「闘えば必ず勝てる」――三里塚闘争は訴えている。全国から労働者・学生が集まり、農民の闘魂が国家権力を圧倒し続けてきた。反戦闘争は、学生の本来持つ力と可能性を取り戻し、団結を回復する闘いだ。無限の可能性を持つ学生に、ビラすらまかせず、処分と逮捕を繰り返す法大を始めとした大学のあり方への回答こそ三里塚闘争だ。10・10三里塚闘争は、学生運動の壮大な復権をかけた最初の挑戦として位置づけられるべき重大な反戦闘争だ。

 反スタ革命的共産主義の党建設へ!

 最後に、11・7労働者集会1万人結集は、学生の団結を復権する中から強大な革命的労働者党の建設をかちとる闘いであることを訴えたい。
 戦後日本の階級闘争は、日本共産党スターリン主義や社会民主主義者を圧倒する、反スターリン主義・革命的共産主義運動を生み出してきた。三里塚農民は、日本共産党や社会党の制動を突破し、44年にわたり国家権力との真正面からの闘いを継続してきた。そして、そこに結集する全学連や動労千葉を先頭とする労働運動もまた、スターリン主義の限界を突破して三里塚農民と連帯してきた。こうした闘いは世界を探しても二つとない地平を築いている。
 それは日本帝国主義が帝国主義の中でも「最弱の環」であることの裏返しでもある。日本資本主義の国家体制は「自由・平等・博愛」といった解放的ブルジョア思想を伴う革命を経験しないまま成立した。よって日本帝国主義国家は最初から「天皇制」というおよそ非科学的なイデオロギーに依拠せざるをえなかった。そして最後は「お国のために」「死んで靖国神社で会おう」などというどうしようもないイデオロギーをもって世界大戦を戦い、アジア人民の反日抵抗闘争に完膚なきまでに粉砕され、敗戦を迎えるのである。
 日本の労働者・農民・学生は、こうした中から反スターリン主義・革命的共産主義のラジカルな思想をつかみ取り、国家権力や社会民主主義者、スターリン主義者やファシストをも圧倒し、新自由主義を打ち破って闘いぬいてきた。
 三里塚闘争こそ、こうした日本階級闘争の地平そのものだ。この地平を学生こそが引き継ぎ、世界の学生・労働者の先頭で闘おう。10・10三里塚闘争から11・7労働者集会1万人の大結集を!
 その中で学生の団結した組織=学生自治会の建設を進め、自らを指導部として打ち鍛え、マルクス主義学生同盟を強固な指導部集団として打ち立てよう!

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週刊『前進』(2457号5面2)(2010/09/27 )

焦点 日中関係が戦争的緊張へ

 釣魚台侵略居直る菅政権

 9月7日に中国領・釣魚台(ちょうぎょだい、「尖閣列島」)付近で発生した中国漁船と海上保安庁の巡視船との「衝突事件」で、日本政府・海保側が船長の逮捕に踏み切り、漁船と乗組員を石垣島に連行した事件は、日帝・菅政権の新たなアジア侵略政策とそれを支える軍事外交政策上の重大なエスカレートだ。この問題は今や日中の重大な外交問題に転化、「閣僚級以上の交流停止」に始まる「外交戦」となり、ついに中国政府は温家宝首相が「船長の即時無条件釈放」を公開の場で要求する事態となった。
 これに対し日帝・外務相の前原は「尖閣諸島に領土問題は存在しない」と強弁し、「日米同盟の深化」をめざす姿勢を強調、海保と自衛隊による現場海域の軍事的制圧度を高め、逮捕した船長の起訴すら射程に入れている。この菅政権の“対中強硬姿勢”が、極右勢力の民族排外主義を増長させていることも重大だ。東京都知事の石原は「中国はやくざと同じ」「領海を侵されて日本はなぜ(軍事行動を)やらないのか」と言い放った。こうした動きを階級的怒りで弾劾しなければならない。
 そもそも釣魚台は、日本帝国主義が1894〜95年に強行した中国侵略戦争=日清戦争で武力によって強奪したものだ。明治政府の「閣議決定」と勅令(天皇命令)で、釣魚台が「日本領土」に「指定」されたのは1895年1月だが、それは黄海海戦(94年9月)で日本海軍が清の北洋艦隊に壊滅的な打撃を与え、黄海と東中国海の制海権を握ったことではじめて可能となった。日本政府は、この日清戦争以前に釣魚台を占有したことは一度もない。まさに侵略戦争で強奪した領土なのだ。
 さらに、第2次大戦での日帝の敗戦とサンフランシスコ講和条約(1951年)で、釣魚台は「沖縄の一部」としてアメリカの施政下に一方的に指定され、72年のペテン的沖縄「返還」で釣魚台の施政権も日本に移ったというのが、日米帝国主義者の立場だ。ちなみに釣魚台列島の一角に存在する無人島、赤尾嶼(しょ)と黄尾嶼は、島全体が米軍の射爆場(現在は未使用状態)になっている。
 日本政府やマスコミが「日本は尖閣列島を実効支配している」と宣伝するのは、この侵略戦争の歴史を抹殺し開き直るものだ。そこには「領土問題」で排外主義をあおり、新たなアジア侵略政策である「新成長戦略」のために、日米同盟の軍事的飛躍に踏み込む菅政権の反動的意志がある。しかも菅政権は「尖閣」をもテコに、沖縄県民の怒りで立ち往生する辺野古新基地建設強行を狙っている。
 この問題で米帝が「尖閣諸島は日本の施政下にある。日米同盟は尖閣諸島に適用される」(クローリー国務次官補)と表明したことも重大だ。北朝鮮情勢の緊迫下で、韓国哨戒艦「沈没事件」に対抗する大規模な米韓軍事演習が黄海で準備され、中国スターリン主義が同じ黄海の青島沖軍事演習で対抗する事態は、かつての日清戦争前夜と酷似している。
 菅政権の排外主義扇動は、日中の労働者人民の階級的利益と根本的に対立する、新たな帝国主義的な侵略政策そのものだ。日帝の釣魚台侵略を阻止せよ!

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週刊『前進』(2457号5面3)(2010/09/27 )

焦点 日帝が単独で円売り介入

 大恐慌の激化と為替戦争

 政府・日銀は15日、急速に進む円高に対応し、外国為替市場で「円売り・ドル買い」の為替介入に踏み切った。東京市場に続き、欧米市場でも引き続き介入した。政府・日銀の市場介入は04年3月以来、6年半ぶりのことである。
 14日の民主党代表選で菅が再選されたことで、円高がさらに一気に進行した。それまで菅政権は対米関係への配慮などから介入を決断できなかったが、15年4カ月ぶりに1j=82円台に突入したことでもはや放置できずに、単独介入に追い込まれたのである。
 だが、米欧の協調が得られないままの単独介入は、1日4兆jに膨らんでいる世界の為替取引量の中で、2兆円規模の介入では、円高を本格的にひっくり返すほどの力はない。実際、円の相場は15日以降1j=84〜85円台で推移し、それ以上の「円安」には向かっていない。これから政府・日銀が円高基調にあえぐ中で、巨額の資金を要する長期の消耗戦に引き込まれることは必至だと言える。
 そもそも今回の円高と為替介入は、これまでの円高問題とも異なる歴史的事態である。それは世界経済が大恐慌に突入し、米欧日と中国などが争闘戦を激化させている中で、日帝がすでに始まっている為替戦争(通貨切り下げ競争)に「参戦」したという意味を持つのだ。歴史的にも為替戦争は、大恐慌と保護主義が生み出す、典型的な歴史的局面としてある。
 実際、米下院歳入委員会のレビン委員長は今回の日本の単独介入について、「非常に困惑」「利己的な政策は中国だけではない」と批判しており、ヨーロッパも同様の態度である。すでに大恐慌下の為替戦争が始まっているのだ。
 そもそもこの間の円高は、米帝を先頭とした為替戦争で引き起こされている要素が非常に強い。米オバマ政権は今年1月、5年間で輸出を倍増する「国家輸出戦略」を発表した。これは本質的に米帝のドル安容認=為替戦争の「開戦宣言」だった。米帝の輸出2倍化など相当のドル安でなければ実現できない。ここから米欧はすでに、輸出に有利な自国通貨切り下げを容認し、事実上の為替戦争を開始している。これは究極の保護主義だ。米帝が年頭以降、中国に人民元の切り上げを強く求めているのは、為替戦争の一環である。
 EUでも、ギリシャなどの財政破綻を契機として生まれたユーロ安が、欧州の輸出企業の「追い風」となっている。特にドイツは6月の輸出が前年比26%増を記録したが、その輸出増を支えているのが、中国、インド向けの輸出だ。独・仏を始めとしてヨーロッパも、ユーロ安をむしろよしとして、輸出を促進しているのだ。こうした中で日帝も、政府・経団連・連合が一体で「新成長戦略」を全力で推進しようとしている。
 29年大恐慌と1930年代にも、英、米、仏の3大通貨国が、金本位制の廃棄やブロック化政策をめぐる攻防のただ中で激烈な通貨切り下げ競争、為替戦争を展開し、大恐慌・大不況を激化させ、結局はブロック化から第2次世界大戦へのめり込んでいった。今日の円高、円売り・ドル買い介入が示す歴史的な為替戦争の現実こそは、「大恐慌を世界革命へ」の闘いの死活性を突き出している。

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週刊『前進』(2457号5面4)(2010/09/27 )

 八尾北医療センター明け渡し阻止を

 団結し八尾市の攻撃粉砕する

 青年労働者と共に10・6行動へ

 大阪・八尾北医療センターの明け渡し阻止へ10・6行動が呼びかけられた。八尾北労組員からのアピールを掲載します。(編集局)
 八尾市による八尾北医療センター明け渡し攻撃を絶対許さない! 10・6行動に断固決起する。
 私たちは、今年3月末の八尾北医療センター売却攻撃を団結の力で完全に粉砕し、日々勝利を積み重ね、医療と介護をやりぬいている。追いつめられた八尾市は、明け渡し裁判にかけるしかなくなった。この中に新自由主義のどんづまりの危機が現れている。
 世界大恐慌は深化し「2番底」への転落は不可避だ。9月14日、民主党代表選で再び登場した菅は、日帝の危機救済にすべてをかけている。
 菅政権の掲げる新成長戦略こそ世界大恐慌のもとで日帝ブルジョアジーの生き残りをかけた絶望的な新自由主義攻撃だ。「123兆円の市場創出と500万人の雇用創出」とは、医療・福祉、保育・教育など、すべてを民営化し、資本の金もうけの餌食にするということであり、公務員360万人をいったん全員解雇・選別再雇用し、労働者の9割を非正規職に突き落とす大攻撃だ。行きつく先は「東アジア共同体」を掲げた侵略と戦争だ。それは労働者の総反乱を必ず引き起こす。
 菅政権は、新成長戦略を推進するものとして、6月に「医療産業研究会報告」を出した。2012年は医療と介護の制度改定が重なっており、そこへ向けて〈とことん医療でもうける>ことを露骨に打ち出している。
 「メディカルツーリズム(医療観光)」が柱の一つだ。だが、海外から続々と患者を受け入れているインドでは、大病院が保険外で高収益を得る一方、抗生物質の効かない耐性菌が繁殖し、世界中に感染を拡大させている。
 また、新成長戦略のもと、家事サービスは家族でやれとし、通院介助などは保険適用外にすることも狙われている。公的介助を取り上げ、生活できない高齢者を食いものにするということだ。新成長戦略とは、人間と社会を破壊しつくさなければ資本が延命できなくなったことの証明だ。

 9割非正規化進める八尾市

 八尾市はこうした新成長戦略の最先兵となり、800事業を民営化しようとしている。
 八尾市民病院では全国に先がけて、医師・看護師・経営の一部を除きすべてPFI(民間資金活用)導入で民営化された。外注化のために医療労働を数十の業務に細分化し、労働者はバラバラにされた。外来から病棟への看護師のたらい回しが日常化している。医療過誤の責任は全部現場労働者に負わされてきた。
 さらに「保育でもうけて何が悪い」と大阪府下で初めて株式会社の保育所設立を承認し、すでに12園のうち5園が民営化された。
 また今年度から「新しい提案型公共サービス」と称して国民健康保険課の窓口を民営化・非正規職化した。首切り自由・9割非正規職化攻撃が全面的に始まったのだ。
 私たちは9月27日の第10回八尾北医療センター労組大会の大成功をテコに、八尾市の自治体労働者、6千万労働者獲得に打って出る。現場に怒りは満ちている。自治体労働者、とりわけ青年労働者と大合流し、“労働者は闘っても勝てない”と菅政権と八尾市に屈服し、その先兵になって現場の怒りと決起を押しつぶす自治労連・自治労執行部を打倒しよう。
 八尾北労組を軸に、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会、地域の労働者・住民の団結の力で、全労働者の未来と八尾北攻防の勝利の展望をかけて国鉄全国運動を広げ、11月労働者集会で世界の労働者とつながろう。11月集会1万人結集への総決起として10・6行動を闘いとる。10・6行動から10・15関西労働者集会、11・7労働者集会へ! 私たちは断固闘う。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
(写真 3月末売却を阻止し4月3日に交流会)
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【集会要項】
クビ切り自由・9割非正規職化=新自由主義とたたかう団結の拠点、八尾北医療センター明け渡し攻撃をぜったい許さない!
10・6行動
●夕方・八尾市役所包囲弾劾行動
午後4時半 八尾市役所前 抗議宣伝活動
 午後5時20分 八尾市役所包囲抗議デモ
●夜・総決起集会
 八尾市文化会館プリズムホール
 4階会議室(1)(近鉄八尾駅東すぐ)
 午後6時開場/6時半開会
《主催》八尾北医療センター労働組合
    部落解放同盟全国連合会西郡支部
    八尾北命と健康を守る会
    道州制・民営化と闘う共闘会議
    関西労働組合交流センター

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週刊『前進』(2457号6面1)(2010/09/27 )

 再審闘争への許し難い大反動

 星野同志と暁子さんの面会を妨害

 徳島刑務所に怒りの抗議を

 弁護人の接見を一般面会と強弁

 9月17日、徳島刑務所は、星野文昭同志と連れ合いの星野暁子さんの面会を不許可にした。星野同志は現在、1カ月に2回しか面会できない。暁子さんは16日の面会に続いて、2回目の面会をするために17日も徳島刑務所に行った。ところが刑務所は、9月10日に再審弁護人である岩井信弁護士が接見しているから9月の2回の面会は終わったと言いなし、暁子さんの面会を許可しなかったのである。
 こんな暴挙は断じて許さない。再審弁護人の面会は無条件に全面的に保障されるべきであり、不当な制限がされている家族・友人面会とは別だ。これまでは、そのように扱われてきた。ところが徳島刑務所は、突然、一方的に弁護人の面会を口実にして、暁子さんの面会を妨害したのだ。
 暁子さんは、1987年、星野同志が徳島刑務所に移監されて以降、毎月、徳島刑務所へ行って面会し続けてきた。獄壁をはねのけて、星野同志と心を通わせ、ともに生き、星野同志の無期の獄壁を打ち破る闘いの原動力であった。
 日帝がどれほど崩壊的危機に陥り、星野同志の闘いに恐怖しているとはいえ、暁子さんの面会に手をかけ、妨害することは断じて許さない。
 徳島救う会の仲間は急を聞いて駆けつけ、暁子さんとともに徳島刑務所を徹底的に弾劾した。暁子さん面会不許可の暴挙は瞬く間に全国の同志・仲間に伝えられ、徳島刑務所へ怒りの抗議文が直ちに続々と発せられた。
 暁子さんは次のように訴えている。
 「思いがけない面会不許可で怒り心頭でした。特にこの日は24回目の結婚記念日で、前の日の面会が話し足りなかったので、どんな話をするか、いろいろ考えていたのです。
 私の手紙に対する一部削除も4回目になり、刑務所は今後とも、文昭と私の交流を断ち切るために、いろいろやってくると考えられます。運動、弁護団、文昭と私、すべてにわたって攻撃が強まることが考えられます。
 まず、文昭との対話を深めることを大事にしますが、反撃をやっていかねばと思います。抗議をはじめ、よろしくお願いします」
 徳島刑務所へ、大反撃をたたきつけよう。
 徳島刑務所のデタラメな攻撃のもうひとつは、再審弁護人の接見を「一般面会」としたことだ。
 岩井弁護士の接見は、9月末に東京高裁に提出する「意見書」の内容について、星野同志と討議するためものであった。再審闘争を闘う上で、弁護人との緊密な打ち合わせは必要不可欠である。弁護人との面会は、立ち会い人なしで、時間も回数も制限せずに保障されて当然である。
 1カ月2回の面会制限の中に弁護人面会も組み込むことになれば、一般面会が2回行われた後の弁護人面会はできなくなる。弁護人面会不許可は、再審闘争の妨害以外の何ものでもない。
 星野同志は、無実であるにもかかわらず、無期の獄中に36年間も閉じ込められているのだ。こんな権力の悪逆無道が許されていいわけがない。
 大恐慌に追い詰められている民主党政権は、戦後憲法体制の全面的な転覆、労働者階級への首切り、賃下げ、非正規職化攻撃を激化させている。星野同志への獄中弾圧の激化、一層の非人間的な処遇、再審闘争破壊攻撃も一体のものである。
 労働者階級の怒りは爆発寸前だ。国鉄闘争全国運動を大前進させ、11・7労働者集会1万人の大結集をかちとろう。11月27日の星野同志奪還全国集会に決起し、星野同志を奪還しよう。

 一報を聞き驚きと怒り 三多摩・星野文昭さんを救う会 加納敏弘

 「エーッ!」と、一報を聞いたとき、思った。信じられない。星野暁子さんの、星野文昭さんとの面会を徳島刑務所当局が不許可にしたというのだ。しかもその理由というのが、直前に行われた岩井信弁護士と星野文昭さんとの面会が弁護士面会ではなく、「一般面会」としてカウントされ、暁子さんの面会は回数オーバーになるので不許可になったという。
 とんでもないことだ。だが、こうも思う。いまの世界恐慌と日帝の危機、そして労働者の職場での闘いと星野闘争の前進が、日帝・法務省をして不屈の革命家・星野文昭さんへの攻撃に走らせているのだ。
 弁護士面会を「一般面会」に数えるとは、弁護士面会に看守を立ち会わせることに道を開きかねない。再審運動への妨害を刑務所がやっているのだ。さらに面会制限は、文昭さんと家族への攻撃だ。
 先日、ある私鉄の駅前で街宣をやった。星野奪還を訴えると、最近は青年が結構署名してくれる。この日も、ある青年労働者は、「自分は正規雇用だが、本当に賃金が安すぎる」と言っていた。また別の青年は、11月集会に関心を示し、チケットを2枚受け取っていった。星野文昭さんの闘いは必ず青年労働者の魂をつかむ。権力は星野さんと青年労働者の合流を死ぬほど恐れているのだ。だったら権力が恐れることをやってやろうじゃないか。
 例会では、市役所前での星野街宣を行うことを決定した。自治体労働者に星野闘争と11月労働者集会への結集をガンガン訴えるつもりだ。
(写真 反戦反核の誓いも新たに8・6ヒロシマ大行動のデモに出発する星野暁子さん)
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★徳島刑務所に抗議のはがきを集中しよう!
 徳島市入田町大久200ー1
 徳島刑務所 松本忠良所長

★星野文昭同志に激励の手紙・はがきを出そう!
 徳島市入田町大久200ー1
 星野文昭 様

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週刊『前進』(2457号6面2)(2010/09/27 )

 全学連大会への星野同志のメッセージ

 職場、大学、あらゆる場で私の再審無罪、即時釈放を

 獄中36年、無実の星野同志から全学連大会に寄せられたメッセージ(抜粋)を紹介します。(編集局)
 これまでの目ざましい飛躍の上に、全学連運動の大飛躍をかちとろうとしている皆さん。今の時代に、いかに生き、闘うかを身をもって示し、自らとすべての労働者人民の解放の未来を切り開いている皆さんの闘いと、闘いのなか送ってくれている便りによって、一つに闘っていることを実感し、日々の闘いの力になっています。
 資本主義に代表される一階級による多数の搾取、抑圧、虐殺の階級社会を終わらせ、労働者の自己解放を通して全人民の解放、人間の人間的解放をかちとる時代が私たちの手の内にあります。
 その世界史的使命を負う労働者階級、私たち自身への誇りと信頼による団結を、資本主義・帝国主義のあらゆる理不尽との一歩も引かぬ闘いによってかちとり、そこに全労働者人民を組織する実践を困難を糧にやりとげましょう。
 全学連運動は、法大闘争を通して、教育の民営化に反対し大学を取り戻す闘いの地平を開き、国際的絆(きずな)をかちとっている。教育の民営化をはじめ新自由主義の全体が学生・青年労働者に集中し、これとの学生・青年労働者の闘いが、全労働者階級人民の解放の未来を決めるものとして、その闘いが全階級を励ましています。
 今や大恐慌対策の財政投入は、天文学的財政赤字を、そして大破局を引き起こそうとしています。過剰資本は未整理のまま大恐慌を深化・爆発化し、それが資本・国家間の争闘戦を激化し、それがまた労働者人民への解雇・賃下げ・増税と世界再分割をかけた戦争と暗黒を強います。資本主義は人類の進歩にとって敵対的なものとなり、その世界史的生命力は尽きています。そして最も大切なことは生産をにない社会を動かしている労働者階級が真の社会の主人公として、すぐに資本家階級に代わって、人間社会に値する新たな共同社会を運営する力をもつ存在だということです。
 私たちは、自らのその力を信頼し、その誇りをもって、あくどく利潤をむさぼり延命しようとする資本・権力の首切り・非正規化・賃下げ・労働強化・戦争といった一切の理不尽な攻撃に対して一歩も退かず絶対反対を貫いて闘い、そうして団結を強め、職場と社会的な支配権・統治力を獲得し、それによって資本・権力を打倒し、すべてを奪い返し、社会の主人公となって誰もが人間らしく生きられる社会を実現する。その力を絶対にかちとっていこう。
 この闘いを体現し、分割・民営化という新自由主義と闘い勝利している動労千葉の闘いを国鉄大運動としてあらゆる職場に広げ、沖縄、三里塚、法大そして諸闘争を一体に闘い勝利しよう。
 この闘いを圧殺するために無実を百も承知で無期36年投獄を強いていることへの怒りを解き放ち、無期をはね返し共に闘う私の再審無罪、即時釈放を職場、大学、あらゆる場であらゆる人に訴え、かちとろう。それによって一層闘いを飛躍させよう。

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週刊『前進』(2457号6面3)(2010/09/27 )

 前進社不当捜索国賠 思想弾圧を暴き弾劾

 “治安維持法の論理許すな”

 9月17日、前進社不当捜索国賠訴訟の第2回口頭弁論が、東京地裁民事第1部(甲斐哲彦裁判長)で行われた。
 この国賠は、昨年の10・16法大闘争と11月労働者集会に対する政治弾圧として、10月23日に強行された前進社本社への不当極まる家宅捜索に対し、令状を発付した裁判所(国)と捜索差し押さえを行った警視庁(都)を徹底弾劾し追及する闘いである。
 そもそも第1回期日までに答弁書を提出できなかった警視庁(都)は、今回怒りなしには読めない準備書面(1)を提出してきた。その内容は、前進社に対し捜索を行ったことは「認める」が、それは思想弾圧ではない、押収もすべて関連性があると判断してなされたものであり適法であると、恥も外聞もなく開き直るものであった。
 これに対し、原告を代表して発言した同志は、警視庁(都)を激しく弾劾した。まず、公安警察が数十bの距離から前進社への出入りを24時間365日監視し、1年に何回も不当な家宅捜索を行い、また中核派系と見なした集会・デモには100人以上の公安警察が会場直近にたむろして、参加者を威圧・脅迫し、写真を撮るなどの違法な集会破壊・情報収集をしている事実を、怒りを込めて暴いた。そしてこれは戦前の特高警察そのままの治安弾圧ではないかと弾劾した。
 さらに、10・16法大闘争において公安条例違反で2学生をデッチあげ逮捕した上、その逮捕を口実に前進社に捜索を行い、前進社の業務である『前進』などの機関紙誌発行に必要なFD、MO、CDなど、膨大な記録媒体を手当たり次第に押収したことは、思想弾圧以外の何ものでもないと徹底的に弾劾した。
 その上で、準備書面が中核派は「共産主義社会の実現を究極の目的とする極左暴力集団」であり、その拠点である前進社や法政大学にはどんな捜索も許されるなどと、まさに治安維持法の論理で弾圧を正当化していることを指摘し、これこそ思想弾圧そのものではないかと弾劾、追及した。
 国と都の代理人はただただうなだれ、裁判長は、原告のアピールに熱心に聞き入る満席の傍聴席に向かって、「発言するな!」「笑うな!」と連発し、ひんしゅくを買った。次回弁論期日は、10月15日午後1時半だ。引き続き傍聴席を埋め尽くして闘おう!

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週刊『前進』(2457号6面4)(2010/09/27 )

法大弾圧裁判 法大弾圧裁判 暴処法弾圧

 “全国300万学生の反乱へ”

 弁護側立証いよいよ始まる

 織田君らが闘争開始宣言

 9月16日、法大暴処法弾圧裁判の第17回公判が東京地裁刑事第1部(河合健司裁判長)で行われた。弁護側立証が開始され、被告人の意見陳述と弁護人の冒頭陳述が行われた。
 織田陽介君が闘いの開始を宣言した。「今こそ、学生運動と全国300万学生の総反乱が必要だ。全学連大会は、学生の団結と自治会の復権を掲げ歴史的な大成功をかちとった。法大闘争は大学の中に渦巻く怒りの中に闘いの軸を立てられるか否かをかけた決戦だ。暴処法はここに向けられた政治弾圧であり、完膚なきまでに粉砕する」
 続いて新井拓君が「菅民主党の新成長戦略を打ち破っていく闘いと一体で、私たちの裁判闘争がある。この法廷での勝利をもバネとして、労働組合と学生自治会の団結を武器に11月労働者集会1万人の大結集をかちとる」と述べた。
 内海佑一君は「法大決戦は、新入生への学生証チェックと洞口朋子さんへの不当処分、社会科学研究会の学祭排除を狙う攻撃との闘いで、最頂点に達している。文化連盟の団結を拡大し、法廷とキャンパスで暴処法弾圧を粉砕する」と秋の決戦方針を大展開した。
 恩田亮君は「この裁判闘争は人間の尊厳を守る闘いでもあり、けっして屈しない。暴処法の非科学性を暴露し、必ず無罪を戦取する」と宣言。
 増井真琴君は「本件弾圧の背景に新自由主義という時代の逆ブレがあることを、裁判所は認識すべきだ。同時代に生き、何らかのアクションを起こすしかない学生や青年の正当性をかけて闘いぬく」と熱く訴えた。傍聴席を埋め尽くした学生や青年が被告団の訴えに聞き入った。
 弁護団が冒頭陳述を読み上げた。違憲かつデタラメな治安法としての暴処法の正体、具体的な行為の特定すらできない検察立証の暴露、学生の実名をさらした入構禁止看板の違法性などについて縦横に論じきった力作だ。検察立証の破産が鮮明となった。
 次回より弁護側証人が、学生運動にかけられた暴処法弾圧を完全に粉砕する。全力で傍聴を。
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【法大裁判に集まろう!】
 ★暴処法裁判
  第18回公判 10月1日(金)午後1時30分
 ★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
  第3回公判 10月21日(木)午後1時30分
  いずれも東京地裁429号法廷
  12時30分に傍聴券配布所に集合

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週刊『前進』(2457号6面5)(2010/09/27 )

 新刊紹介『綱領草案』(解説つき)

 労働者の革命綱領ここに 世界を丸ごとつかむ武器

 同志獲得を実現

 この仲間をなんとか同志にしたい、そんなときバシッと決まる一冊がこのほど出版された。それが新刊の『革命的共産主義者同盟 綱領草案』だ。手ごろな144ページ、綱領草案だけなら14ページ。
 出てからわずか1日後、学生戦線のある同志は、この綱領草案の部分を読み合わせして全学連の仲間をマルクス主義学生同盟に獲得した。また、ある組織が即座に通常の部数の2倍を注文したのをはじめ、追加注文が相次いでいる。
 党勢2倍化という、時代に対決する基軸的闘いが、この綱領草案本という具体的武器を手にしたことで今や爆発的に前進し始めている。

 現代の『党宣言』

 綱領草案は、「わが党の目的」「革命情勢の成熟」「革命の核心問題」「21世紀革命の課題」という4章・計14項目から構成されている。その一つひとつがプロレタリア革命について最も重要な、不可欠の思想的・理論的・実践的諸問題をきわめて簡潔に、しかし明確に提起している。末尾の第14項は『共産党宣言』最終章からの引用で力強く締めくくられているが、綱領草案全体がずばり「現代の共産党宣言」だ。
 マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』を発表したのは1848年。資本主義が急速に勃興(ぼっこう)し、いたるところで旧体制を崩壊させ、世界を支配しつつあった時代だ。それから160年あまり。資本主義はついに最末期を迎えた。資本主義は世界金融大恐慌を爆発させ、世界経済は崩壊的危機に直面し、全世界に大失業と戦争をもたらしている。資本主義という社会体制の寿命が完全に尽きているのだ。
 こうした今日の世界を前にして、マルクスとエンゲルスが発した労働者階級の根底的解放への闘争宣言をあらためて全世界に向かって発したもの――それが革共同の綱領草案だ。

 大胆に広めよう

 資本主義が最末期を迎える中、資本はますます破滅的に、ますますあくどく金もうけに突き進んでいる。膨大な労働者が日々食いつなぐのも困難なワーキングプアの生活にたたき込まれ、貧困・飢え・過労死が拡大している。「この社会ではもう生きられない。現在の社会を根本的に変えて、人間が人間らしく生きられる世の中をなんとしてもつくりたい!」。こういう叫びが日本と世界にあふれている。この叫びに応えて、「労働者階級の真の解放とは何か」「どうすれば搾取も抑圧もない社会をつくることができるか」という問いに真正面から回答を与えているのが綱領草案だ。
 2千万青年労働者―6千万労働者階級のすべてに綱領草案を大胆に持ち込み、丸ごと獲得し、革命勝利の隊列を急速に整えよう。これこそ労働者の革命綱領だ! この武器を手に世界をつかもう!

 党勢2倍化の秋

 この新刊本では、綱領草案の次に100ページあまりの「綱領草案解説」が続く。この解説がまたすばらしい。草案全体についてじつにていねいで的を射た、コンパクトな解説が行われている。これをものにし、オルグの際に自分の言葉でしっかりと言えれば、相手の獲得は間違いなしだ。
 また同志として獲得する場合、「革共同ってどんな党?」ということが必ず問題になる。そのために「革命的共産主義者同盟の歩み」という簡潔な自己紹介も付いている。
 秋はオルグの秋(とき)だ。11月労働者集会1万人結集の組織化の真っただ中で、『綱領草案』を隣の仲間に広め、党勢の2倍化をかちとろう。

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