ZENSHIN 2010/08/02(No2450 p10)
|
週刊『前進』(2450号1面1)(2010/08/02 )
8・6広島-8・9長崎闘争に立とう
国鉄全国運動の推進へ前進
米韓合同軍事演習弾劾する 記事6面
7月28日の動労千葉鉄建公団訴訟と東京地裁包囲デモ、同日夕方に開かれた国鉄闘争勝利総決起集会は、国鉄全国運動の爆発的推進に向けた力強い突破口を切り開いた。この日の1日行動は、「国労の流れ解散=連合化」への決定的踏み切りを行った国労79回定期大会(静岡県伊東市)を直撃し、国鉄闘争―1047名解雇撤回闘争に責任をとるものが誰なのかを明確に示した。次は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、8・15闘争だ! 全国から総決起をかちとろう!
動労千葉鉄建公団訴訟 解雇撤回訴え地裁デモ 高石証言で解雇の不当明らか
地裁に怒りのコール浴びせ
動労千葉鉄建公団訴訟に先だち、東京地裁包囲デモが照りつける太陽をはね返してきわめて意気高く闘いぬかれた。
動労千葉組合員を先頭に国労共闘や動労水戸、動労千葉を支援する会など100人以上が参加した。出発を前に動労千葉の田中康宏委員長は「われわれは6・13集会から新たな全国運動を開始した。今日の闘いは、その本格的な第1弾の行動だ」と参加者に呼びかけた。日比谷公園を出発したデモ隊は、昼休みの霞が関一帯を練り歩き、地裁横では「1047名の解雇を撤回しろ!」と怒りのシュプレヒコールを繰り返し浴びせた。
午後1時半から、東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で鉄建公団訴訟の第25回口頭弁論が開かれた。
まず、前回証言に立った田中委員長への鉄道運輸機構側の反対尋問の続きが行われた。
次に、動労千葉争議団長の高石正博さんが証言に立った。高石さんは国鉄就職以来の職歴を振り返りながら、労働運動に人生をかけてきた経過をたどった。
高石さんが組合活動に本腰を入れて取り組み始めたきっかけは72年船橋事故だった。「自分が起こした事故への組合の取り組みを通して、動労千葉の役員をやっていこうと思った。現場が一番ぶつかるのが安全問題。安全への取り組みを一番継承してやっていけるのが労働組合だ。組合がどんどん会社に言っていかないと安全は崩壊する。それは事故や故障が続発する今、ますます重要になってきている」と述べた。
77年に休職を終えて職場復帰して以降、高石さんは広大な津田沼電車区の設備保守・管理、消防署・役所・業者などとの対外交渉を一人で引き受け、津田沼電車区になくてはならない存在になった。「仕事の手を抜いたことはない」。高石さんの実直な人柄が浮かびあがる。
86年に人材活用センターが設置されたが、高石さんは隔離職場ではなく津田沼電車区庁舎内に設けられた部屋に一人で入れられた。身近にいないと何かあっても対処できないからだ。高石さんは「人活センターは『余剰人員対策』と言われたが私は余剰でもなんでもなかった」と証言した。
(写真 「1047名解雇撤回/東京地裁は全証人を採用しろ」の横断幕を掲げたデモ隊は東京地裁横で繰り返し怒りのシュプレヒコールをたたきつけた【7月28日 霞が関】)
処分も解雇もただただ怒り
高石さんは、85〜86年の2波のストに関する指導責任を理由に停職3カ月の処分を2回受けた。「支部役員がストを指導することはない。労働組合を知っている人なら誰でも分かる話だ。しかも2波のストで解雇された28人は、和解で解雇撤回をかちとっている。停職処分も撤回されて当然だ。この処分でJR不採用になったのであれば、ただただ怒りだけだ」
また、昨年12月の口頭弁論での伊藤証言については「当初は採用候補者名簿に載っていたことを初めて聞いた。今も驚きを隠せない。鉄道労連(現JR総連)と当局が結託して動労千葉組合員を排除したのだから当然にも不当労働行為だ。それを直接指示した葛西敬之(当時国鉄職員局次長、現JR東海会長)は自分のやったことが間違ってないと言うなら法廷に出てきてはっきり証言すべきだ」と語った。
鉄道運輸機構代理人は反対尋問で「停職6カ月以上または停職2回という不採用基準は動労千葉は87年当初から知っていたはずだ」と過去のさまざまな訴訟の書類を示しながら執拗(しつよう)に質問を繰り返した。傍聴席から「首を切った側がふざけたことを言うな!」と鋭い野次が飛ぶ。高石さんは「『こういう基準に照らしてあなたは不採用だ』といった説明を正式に受けたことは今日に至るも一度もない」と答えた。このやりとりを通して逆に、1047名解雇の不当性、非人間性があらためて浮き彫りになった。
原告団と傍聴者は長時間の口頭弁論を終え、地裁前で総括集会を開いた。田中委員長は「ここから新しい1047名闘争をつくっていこう」とこの日の行動を締めくくった。参加者は再度、東京地裁にシュプレヒコールをたたきつけ、夕方の国鉄闘争総決起集会に向かった。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号1面2)(2010/08/02 )
”今こそ国労の主流派に”
「共に闘う会」が総決起集会
7月28日夕、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会」が主催する国鉄闘争勝利総決起集会が東京・文京区民センターで開かれた。325人が結集し、熱気に満ちてかちとられた集会は、国鉄闘争全国運動が本格的発展の端緒についたことを鮮やかに示した。
同日からの国労大会を直撃したこの集会で、闘う国労組合員は国労の主流派に躍り出る戦闘宣言を発したのだ。
国労新宿駅分会の白石滋さんが司会を務め、冒頭、「労働者の誇りを取り戻し労働者の権力を打ち立てる」と宣言した。
「共に闘う国労の会」の結成を呼びかけた国労郡山工場支部の橋本光一さんは国労大会代議員選挙に立候補して闘ったことを報告し、「私は和解絶対反対、動労千葉のように闘おうと主張した。これは国労が4月の臨時大会で決めた方針と真っ向から対立する。それでも私を支持してくれた組合員の票は、時代認識と路線で獲得された強力な票だ。心の底から勝利感を持っている」と述べ、職場でなんとしても「共に闘う国労の会」を組織すると固い決意を表明した。
同じく「共に闘う国労の会」呼びかけ人である国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんは、「国労本部は、和解を拒否した闘争団の運動とは一切関係するなという指示を出した。これは5・27臨大闘争弾圧の時と同じだ。弾圧との8年間の闘いは、今日の闘いをやるための試練だった」と述べた。そして「7月22日の山陽新幹線事故は外注化が真の原因だ。JRの安全は底が抜けたように崩壊している」と弾劾し、反合・運転保安闘争のさらなる実践を訴えた。
連帯のあいさつに立った動労千葉の田中康宏委員長は、「4・9政治和解は日本労働運動の深刻な危機だ。これを正面から見つめることがすべての出発点。しかし、この危機の中でわれわれがやるべきことをやれば新しい労働運動をつくり出すことができる」と訴え、「国鉄闘争の火は残せた。全国で無数の職場の仲間と結びつくことができれば、この火は大きくなる。そうすれば日本の労働運動は一から塗り変わる」と提起した。
基調報告を国労我孫子金町保線技術センター分会の吉野元久さんが行った。吉野さんは国労本部の大会議案を徹底的に弾劾した上で、「われわれはもはや単なる批判者にとどまることはできない。職場の仲間に責任をとり、階級の指導部に飛躍して、腐った国労本部に取って代わる勝負の時が来た」と訴えた。
また、国労代議員選挙の闘いを総括して「体制内派はわれわれの闘いを心底恐れている。組合員は分割・民営化への怒りを忘れていない。青年労働者のJRへの怒りもある。この怒りと結びつくことは必ずできる」と提起、「共に闘う国労の会300人組織化は、われわれが国労の主流派になるための絶対的な数だ。石にかじりついても実現する」と断言した。
1047名闘争の当該として、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんが発言に立った。
(写真 闘う国労闘争団員と動労千葉争議団が登壇し、ぎっしり会場を埋めた参加者に「解雇撤回まで闘う」と鮮明な決意を表明した【7月28日 東京・文京区民センター】)
4者4団体派を気迫で圧倒
羽廣さんは国労大会を巡る伊東現地での闘いを報告し、「4者4団体派は誰ひとり胸を張ってわれわれの前を通れない。われわれの気迫が彼らを圧倒した」と述べ、「われわれが残った以上、国鉄闘争は終わらない。私は分割・民営化絶対反対を先頭で貫く」と力強く宣言した。
動労千葉争議団の高石正博さんは、この日に行われた動労千葉の鉄建公団訴訟に触れて、「鉄道運輸機構の代理人は『高石さんは60歳を超えているから職場に戻れない』と平然と言った。だが、何年たとうがおれは解雇撤回で闘う」と敵への怒りをたたきつけた。
国労秋田闘争団家族の小玉由利子さんがカンパアピールを行い、「1億円、2億円積まれても解雇撤回のない金などいらない」と言い切り、和解を拒否した闘争団員によって継続される鉄建公団訴訟・鉄道運輸機構訴訟への支援を訴えた。
1047名当該の熱い訴えに応え、自治体、教労、全逓、医療・福祉の各産別の労働者が、国鉄闘争を自らの闘いとして闘うと表明した。JRで働く4人の国労組合員が300人組織化への決意を語り、ス労自主執行委員の山川博康さんが闘う国労組合員を激励した。
集会のまとめを国労新潟駅連合分会の星野文男さんが行い、「国労本部は国労の流れ解散を策しているが、現場組合員には『JR連合などに行けるか』という怒りがある。しかしその怒りは共に闘う国労の会に入らなければ貫けない。『われわれこそ本物の国労』という強い確信を持つことが重要だ」と強調した。
弾圧を粉砕し伊東市で情宣
この集会と並び、7月27―28日の2日間、国労大会が開かれた伊東現地で、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、小倉闘争団の羽廣さんを先頭に、国労共闘や静岡、神奈川両県の労組交流センターは、国労本部ら4者4団体派の裏切りを弾劾し、解雇撤回の貫徹を訴える宣伝戦を闘いぬいた。
大会前日の27日には、伊東駅前を制圧し、大会会場のホテルに向かう大会代議員らにビラを手渡した。自らの不正義を自覚する4者4団体派は、力なくうなだれた。
28日には、大会会場のホテル聚楽の玄関前に登場し、ビラまきを貫徹。国労本部と通謀した静岡県警が例年を倍する警官を動員して弾圧体制を敷く中で、断固とした宣伝戦をやりぬき、4者4団体派を圧倒しきった。
(写真 闘う国労組合員は国労大会会場のホテル前で代議員らへのビラまき行動を貫徹【7月28日 伊東】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号1面3)(2010/08/02 )
前進速報版から
▼7・28国鉄闘争1日行動▼NAAが市東さんの畑にフェンス! 7・31三里塚現地緊急闘争へ▼渋谷駅前での安保・沖縄街宣に反響
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号1面4)(2010/08/02 )
日程 8・6広島―8・9長崎 反戦反核闘争
広島
全世界の労働者・民衆の団結で、核をなくせ!
戦争・改憲をとめよう!
被爆65周年8・6ヒロシマ大行動
8月6日(金)12時半
広島県立総合体育館小アリーナ
集会後、午後3時デモ出発(原爆資料館下まで)
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
《関連行事》
◎労働者産別交流集会
5日(木)午後1時開場 広島市東区民文化センター
◎全国学生集会
5日(木)午後4時 広島市東区民文化センター
◎全国青年労働者交流集会
5日(木)午後6時 広島市東区民文化センター
菅首相来広・祈念式典弾劾デモ
6日(金)午前7時 東千田公園(日赤原爆病院前)
長崎
労働者の国際団結で日米安保粉砕し、核廃絶へ!
オバマ政権・民主党菅政権打倒へ!
長崎反戦反核集会
8月8日(日)午後6時
長崎県勤労福祉会館
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争
全国統一実行委員会
長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会
8月9日(月)午前7時半
爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑
主催 長崎朝鮮人の人権を守る会
平和式典菅参加弾劾デモ
8月9日(月)午前10時
城栄公園(路面電車・大橋駅下車)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争
全国統一実行委員会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号1面5)(2010/08/02 )
日程 8・15靖国参拝阻止デモ
8月15日(日)午前8時集合、8時半デモ出発
法政大学正門前・外濠公園(JR飯田橋駅または市ヶ谷駅から線路沿いに60メートル)
主催/反戦共同行動委員会(4面にアピールを掲載)
-------------------
「8・15労働者・市民のつどい」の要項4面
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号2面1)(2010/08/02 )
関西 東北 革共同集会が大成功
国鉄全国運動に総決起誓う
7月25日、革共同関西、東北政治集会が開催された。国鉄決戦を軸にした今年前半の闘いの前進を豊かに総括し、大恐慌下の労働者階級の勝利の展望と路線を全面的に明らかにした。「国鉄闘争全国運動で革命の勝利を」の熱気が会場にみなぎった。今や革共同の本物の労働者党への飛躍の時だ。4大産別を先頭に本年後半決戦へ断固突き進もう。(編集局)
関西 “階級に責任とる党へ” 地区党建設の前進に確信
7月25日、大阪市・中央区民センターにおいて革共同関西政治集会が開催され、285人が結集した。会場は2010年前半の激闘を時代認識と路線を鮮明にして闘い抜いてきた参加者の熱気にあふれた。
集会の冒頭に二つの地区委員会から特別報告が行われた。泉州地区委員会の同志は「泉佐野市議選決戦を地区党が責任をとりきり、財政健全化との闘いをトコトン路線的に闘い地区党建設の展望をつかんだ」と訴えた。また東大阪地区委員会の同志は「道州制・民営化絶対反対で労働運動をぬりかえ、地区党の総力で八尾北決戦に勝ち抜く」と力強い決意を表明した。
基調報告に立った本山喬同志は「参院選における民主党の大敗北とブルジョアジーの茫然(ぼうぜん)自失は、6・13での国鉄全国運動の出発が生み出したものだ。革共同は、労働者階級と一体となって日本階級闘争の革命的発展を根底においてつくりだしている。『4・9政治和解』をもって戦後労働運動は死滅し、階級的労働運動の道か、帝国主義労働運動の道かを分かつ歴史的激動過程に突入している。労働組合の反撃と階級的激突の力関係が国鉄全国運動を発展させ、自己の職場の力関係を変えるものとなる」と前半戦の総括と階級的攻防の核心を鮮明に提起した。
(写真 地区党を軸とした2010年前半の勝利を土台に後半戦の大躍進を誓った【7月25日 大阪】)
“党と労働組合一体となって。
さらに「2010年代の初頭において、今こそ極限的にのぼりつめた労働組合をめぐる攻防に歴史的決着をつける時が来ている。新自由主義は労働組合を中軸としたソビエト建設をもってプロレタリア世界革命を切り開く圧倒的条件を形成している。国鉄全国運動で実践的に突破し、党と労働組合が一体となって労働者階級全体を組織しよう」と力強く訴えた。
続いて革共同関西地方委員会の同志が地方委員会報告を行った。「新自由主義はつねに労働者階級の反乱に恐怖する攻撃だ。だからこそ徹底的に団結を解体し、労働者階級をばらばらにすることなしに貫徹できない。1〜4月の闘いで動労千葉が全面外注化を阻止した力、絶対反対と階級的団結の拡大こそが今春の勝利を切り開いた最大の根拠だ」と提起。さらに「この時代に新自由主義と対決する労働運動を登場させたことの意義ははかりしれない。6・13がなかったら革共同は革共同たりえなかった。国鉄全国運動で日本革命・世界革命に勝利しよう」と鮮明に方針を提起した。
「国際連帯闘争の地平と全学連運動の展望」と題して、織田陽介全学連委員長が特別報告を行った。6月に自らブラジルを訪問し世界革命がまったく新たな段階に入ったことを実感したという織田君は「教育の民営化粉砕は労働者と学生がひとつに連帯する路線であり、これこそ新自由主義が生み出したものだ。同時に革共同の反帝・反スタ綱領が全世界で通用する時代になっている。全世界の労働者階級の怒りが自然発生的に革命に向かうわけではない。帝国主義との最大の激突点こそ党建設だ。敵はすべてをもっている。われわれには団結しかない。もっともラジカルな存在として団結を組織し、11月に向かって党建設に突き進もう」と熱烈に訴えた。
4大産別先頭に闘志あふれ
カンパアピールを行った自治体の青年労働者は、大阪市職ユース部選挙決戦を関西地方委員会の総力を挙げた決戦として闘う決意を表明した。
続いて産別委員会の同志が発言に立った。国鉄委員会の同志は「国鉄全国運動はプロレタリア革命に向かって6千万労働者を組織する大運動だ。菅政権の『戦後行政の大掃除』をこの全国運動でぶっとばそう」と発言。また全逓委員会の同志は「単なる反対派ではなく6千万労働者に責任をとりきる党へと飛躍しよう」と訴えた。
自治体労働者委員会の同志は「あらゆる組合選挙を同じ路線で闘い、国鉄全国運動で反撃しよう」と提起した。また教育労働者委員会の同志は「『日の丸・君が代』攻撃によって現場労働者の団結は解体できなかった。日教組本部の裏切りと対決し、本物の階級的労働運動を職場から組織しよう」と訴えた。さらに医療福祉労働者委員会、一般・合同労組委員会の各同志が菅政権と対決し、国鉄全国運動の先頭で闘う決意を述べた。
マル青労同とマル学同の同志が決意表明に立ち、マル青労同の同志は「国鉄闘争は青年の闘いそのものだ。これまでの関係をぶち壊して団結をつくりかえる力を労働者は持っている。職場でのフラク建設に突き進もう」と訴えた。
最後にインターナショナルを斉唱し、参加者は大恐慌を世界革命に転化する決意をうち固めた。
東北 “革命勝利へ飛躍の時” 階級全体の獲得を決意
7月25日、革共同東北政治集会が155人の結集で仙台市でかちとられた。2010年後半戦において階級闘争の責任勢力、主流派として登場し、プロレタリア革命へ突き進んでいこうという熱意、情熱にあふれるすばらしい集会だった。
(写真 マル青労同、マル学同を先頭に、11月労働者集会1万人結集の決意をかためた【7月25日 仙台】)
青年・学生が集会を牽引
司会はマル青労同、マル学同の同志だ。集会は激動の2010年前半戦激闘の映像上映から始まった。階級情勢の大激動の10年、党が切り開いてきた地平は限りなく大きいものがある。国鉄闘争を先頭に、沖縄、三里塚、法大などで闘い、組織と運動を拡大してきた。自分たちがやってきた闘いを映像で見て、あらためて勝利者として今年前半を闘えてきたことに確信を持った。
全学連国際部の松室しをりさんから「国際連帯闘争の地平と全学連運動の展望」と題してブラジル訪問闘争の特別報告がなされた。
「日本の階級闘争は、今や全世界の階級闘争の勝敗を決する位置にある。巨大な前進をかちとったがゆえに、世界的な規模でも階級の責任勢力へとなっていく大きな飛躍が求められている。反帝・反スタの旗のもとに、全世界の闘う仲間を糾合し、強大な革共同を建設しよう」。新たなインターナショナルの建設を展望することができ、そして革共同こそその軸となり得ることを確信させる感動的な報告であった。
続いての特別報告は、「国鉄全国運動に総決起しよう」として革共同東北労働者組織委員会から、国鉄の現場で闘う同志が3点提起した。
第一に、いよいよ革共同が主流派として登場すべきときが来ているという時代認識だ。
第二に、4・9政治和解攻撃について。日本の労働運動を絶滅させようという一大反革命にあらゆる潮流が総屈服する情勢下で、通年的活動により団結してきた動労千葉が6・13集会を打ち抜いたからこそ、革共同も労働者階級の中で思いっ切り闘うことが可能になった。
第三に、一人ひとりが組織する能力を身につけよう。われわれが職場で何を言っているかではなく、何を実践しているかが重要だ。ボルシェビキがそうしたように、職場で必死に闘い、労働組合の中に全力で党を建設しよう。
動労千葉労働運動の実践へ
革共同東北地方委員会の岡崎康史同志の「国鉄全国運動と安保・沖縄闘争の爆発・高揚で大恐慌と大失業・戦争をプロレタリア革命へ」と題する基調報告は圧倒的だった。
「革命情勢になれば1日が平時の20年となるような、歴史を動かす激動情勢が必ずくる。そこに向けて革命党は準備しなければならない」「動労千葉が30年以上闘ってきて、今や世界の階級闘争の中軸だ。今が激動情勢だ。本物の労働者党へ歴史的飛躍のときだ。世界で注目されている動労千葉労働運動で、日本の労働者階級全体を獲得できる!」と檄を飛ばした。国鉄決戦を先頭に勝利してきた前半戦を総括し、新自由主義・帝国主義を打倒する闘いが始まっていること、そして国鉄全国運動の前進がプロレタリア革命勝利の道であることをはっきりさせた。2010年の激動を闘い抜き、今年亡くなった東正策同志、中野洋同志に恥じることのない闘いをやろう!
基調提起に続き、星野文昭同志奪還のアピール、安保粉砕・米軍基地撤去に向けたアピール、4大産別と合同・一般労組で闘う仲間からアピールがあった。
弾圧を受けながらも、それを跳ね返しながら組織を拡大している。労働組合を資本家・労働貴族が取るのか、それとも革共同が取って革命の拠点にするのかが本当に問われる情勢だ。革命の拠点化は日々の活動によってこそ実現できる。動労千葉物販を拡大したり同僚に提起することに挑戦したりと、壮大な獲得戦に打って出ていることが生き生きと報告された。
未来は労働者のものであり、青年のものだ! マル青労同とマル学同の同志から決意表明が行われた。
マル学同の同志の音頭でガンバロー三唱とインターナショナルを斉唱し、集会を終えた。本年後半戦、徹底した組織戦で大党派闘争にかち抜き、11月労働者集会1万人結集をなんとしても実現しよう。2010年代初頭階級決戦の勝利をもぎりとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号2面2)(2010/08/02 )
動労千葉を支援する会 “全国運動の中軸担う”
定期総会で飛躍かけ討議
動労千葉を支援する会の2010年度定期総会が7月25日、千葉のDC会館で開催された。各地の支援する会会員、動労千葉組合員など180人が集まり、ものすごい熱気の中で新たな闘いの方針を決定した。
今年の総会は、まったく新しい情勢の中での開催となった。国家をあげた1047名闘争解体攻撃と対決し、6・13集会をもって新たな国鉄全国運動がスタートした。総会には、全国の先陣を切って支援する会を結成した広島や新潟、静岡、さらに6・13集会を前後して支援する会を立ち上げた千葉、東京西部、岡山、三多摩、東京北部の代表、全国運動・東京東部の会の代表などが集まり、具体的な実践をふまえた報告を行った。支援する会運動の画期をなす総会になった。
(写真 山本弘行事務局長の2010年度運動方針案の提起に聞き入る参加者【7月25日 DC会館】)
職場で会員拡大
第1部の冒頭、連帯あいさつとしてス労自主の中村和憲副委員長、部落解放同盟全国連合会品川支部の代表、全学連の坂野陽平委員長代行、三里塚芝山連合空港反対同盟の宮本麻子さんが、国鉄全国運動をともに担う決意を込めて発言した。
「動労千葉からの提起」を行った田中康宏委員長は、長年の支援に感謝の言葉を述べるとともに、新たな全国運動を呼びかけるに至った思いを全面的に語った。「今の状況は戦後労働運動が始まって以来の深刻な危機だ。同時に、一見労働運動の火が消えてしまいかねないこの危機こそ決定的チャンスでもある」。そして「かつて切実な労働者の欲求として労働組合が一から結成されていったように職場で3人、5人と仲間を組織するという労働組合の原点から闘いを始めよう。その中心に全国運動を据えてほしい」と呼びかけた。
運動方針案の提起に立った山本弘行事務局長はまず、「動労千葉を支援する会は新たな段階に入った。全国運動を、支援する会が中心になって担おう。来年は、全国に続々と結成されつつある支援する会の仲間の結集をもって全国総会をかちとろう」と自らの決意を込めて呼びかけた。そして経過報告、労働運動をめぐる情勢、6・13集会が切り開いた地平について全面的に提起した上で、方針として@動労千葉の反合・運転保安闘争路線に学び、11月労働者集会1万人結集の先頭に立とう、A「国鉄闘争全国運動」を担う支援する会に飛躍しよう、B全国各地に支援する会を立ち上げ、職場・地域の労働者を会員に組織しよう――の3点を訴え、「この闘いを貫けば新自由主義の時代に通用する労働運動をつくり出すことができる」と強調した。
”物販を武器に”
会計報告、山陰の会のメッセージ紹介に続いて討論が始まった。
会を結成した地区は、どこでも会員拡大が大きく前進している。東京西部や東京北部は会員倍増をかちとり、さらなる拡大に向け奮闘中だ。
また今夏の実践をふまえて「物販闘争こそ最大の武器だ」という発言も続いた。そして「自らの職場で闘うことが最大の支援だ。動労千葉労働運動30年の地平で必ず労働者を獲得できる」「私は民間委託された公務職場で働いているが、各職場での闘いの結集軸が国鉄闘争だ」など、職場での闘いこそ本当の勝負だという発言も相次いだ。
大幅に拡充された新たな運営委員が拍手で承認され第1部を終了した。
第2部の懇親会では、支援する会会員と動労千葉組合員が杯を交わし合いながら大いに語りあった。最後に「動労千葉よりのお礼と決意」として参加した動労千葉組合員全員が前列に並んであいさつした。動労千葉の長田敏之書記長は「この運動を単なる動労千葉支援運動に終わらせてはならない。全国の労働者人民の未来をかけ、自らの職場で闘いをつくっていこう。そうすれば支援する会もさらに発展するし、11月労働者集会1万人結集も可能になる」と力強く発言した。全員でインターナショナルを斉唱し、団結ガンバローで意気高く総会を終えた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号2面3)(2010/08/02 )
山陽新幹線事故弾劾する
事故原因は保線の外注化 労働者へ責任転嫁許すな
実際に作業していたのは孫請け
7月22日午前4時過ぎ、山陽新幹線の線路上で保線作業をしていた列車同士が衝突・脱線する重大事故が起きた。
事故は新神戸―西明石間にある須磨トンネル(長さ約2・4`)内で起きた。レール上を往復してレールを研磨するレール削正車(停車中)に、トンネル内のすき間にコンクリートを流し込むトンネル保守用車(8両)が衝突し、保守用車の3、4両目が脱線、保守用車の運転士が負傷した。現場は午後2時半まで不通になった。
事故の第1の問題は、何よりも保線業務の外注化にこそある。
レール削正車とトンネル保守用車を所有していたのは、それぞれJR西日本のグループ会社であるレールテックと大鉄工業だ。さらに、トンネル保守車両で実際に作業していたのは、大鉄工業がさらに外部委託した孫請け会社だった。しかも、保守用車の運転作業と、コンクリートを流し込む土木作業はそれぞれ別の会社に委託されていた。
JR西日本の保線で働く国鉄労働者は「まさにオール丸投げ。現場はバラバラで、事故が起きる典型的パターンだ。鉄道業務を外注化したら必ずこういう事故がおきる。このままではまた事故はおきる。背筋が寒くなる思いだ」と警鐘を鳴らしている。JR西日本は「大鉄工業が孫請けに作業を丸投げしていたことを把握していなかった」としているが、そんなことはありえない。責任逃れのための大うそだ。
事故の一切の責任はJR西日本にある。JR西日本は「保守用車のスピード超過」「衝突防止装置が作動しなかった」などと事故責任を下請け―孫請け、現場労働者に転嫁し、刑事責任さえ負わせようと躍起になっている。26日に会見した佐々木隆之社長は「オペレーター(運転士)の作業に問題があった」と言い放った。絶対に許せない。
新幹線での保守用車の作業には運行ダイヤが組まれる。ダイヤ設定と運行管理の責任は当然にもJRにある。この点を避けて今回の事故原因を語ることなどできるわけがない。JR西日本は対応策として「作業の責任者、運転者への再教育」「衝突防止装置の一斉点検」をあげているが責任逃れもはなはだしい。同じ線路上での保線作業が複数の子会社(さらに孫請け会社)に丸投げされていることが根本的に間違っているのだ。他方でJRが直接、下請け―孫請けの作業を指揮・命令したら典型的な偽装請負だ。7・22事故は、鉄道業務の外注化そのものが完全に破綻していることをさらけ出した。
「新幹線安全」はまったくの虚構
民主党政権は、新成長戦略の柱に新幹線輸出を据えている。「1964年の開業以来、死者ゼロ」と新幹線の安全性を最大の売りにしているがこんなものは虚構だ。現場の鉄道労働者は何人も殺されてきた。
東海道新幹線開業直後の64年11月には、線路内で作業をしていた保線労働者10人が「こだま」にはねられ5人が死亡。98年、99年には今回と同じ山陽新幹線の保線工事で、保守用車同士の追突事故が2回も起こり計6人が重軽傷を負った。営業車両の脱線・転覆一歩手前の重大事故も数多くある。95年には東海道新幹線三島駅で旅客の死亡事故が起きた。
また、新幹線のインフラは突貫工事・手抜き工事で脆弱(ぜいじゃく)であることが指摘され続けている。トンネルや橋脚からのコンクリート崩落が相次ぎ、99年には重さ200`を超すコンクリート塊が走行中の「ひかり」を直撃し屋根が大破した。JRの民営化体制は、あらゆる面から破綻をさらけ出している。
闘いなくして安全なし! 労働者への事故責任転嫁を絶対に許すな!再び動き始めたJR東日本における検修業務全面外注化を阻止する闘いを国鉄全国運動の中心に据えて闘おう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号3面1)(2010/08/02 )
菅政権の「公務員制度改革」に総反撃を
道州制-360万人首切り許すな
ギリシャの労働者のように団結しゼネストで闘おう!
自治労・日教組解体との闘いは全労働者の課題
国鉄1047名闘争の「政治解決」情勢のもとで、自治労・日教組など公務員労働運動解体の攻撃が強まっている。
菅は所信表明演説で「戦後行政の大掃除」「無駄遣いの根絶」「公務員制度改革」「消費増税」、そして「地域主権の確立」の名による道州制導入を掲げた。「このままではギリシャのようになる」と絶叫し、公務員労働運動の根絶を1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に続く階級決戦として位置づけている。
公務員360万人首切り攻撃は、労働者が流血の闘いでかちとってきた権利をすべて奪い、6千万労働者の首切りを自由にし、際限ない賃下げにたたき込むものだ。まさに6千万労働者の未来がかかった決戦だ。
国鉄分割・民営化当時の首相・中曽根康弘は「国鉄労働運動をつぶして総評を解散させ、社会党をつぶす」「行政改革でお座敷をきれいにし、立派な憲法を安置する」と叫んだ。しかし動労千葉の分割・民営化反対闘争が国鉄1047名闘争を生み出し、全国100万国鉄支援陣形を築いてきたことが、この攻撃の貫徹を阻んできた。
世界大恐慌が本格化し、プロレタリア世界革命が現実のものとなる時代が到来した。1047名闘争絶滅攻撃は、階級的労働運動の結集軸となっている動労千葉をたたきつぶし、公務員労働運動を解体し、改憲と戦争動員へ突き進む攻撃だ。1047名闘争解体の「政治解決」は、支配階級と4者4団体派による労働運動解体の歴史的な攻撃だ。
しかし動労千葉はこの大攻撃に反撃して「国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回」全国運動を呼びかけた。これこそ、日本労働運動のかつてない危機を突き破り、新自由主義と対決する労働者の総反撃をつくり出す結集軸だ。6・13集会は全国の闘う労働者の結集で感動的な成功をかちとった。全国運動のもとに労働者の大結集を実現することができた時、その闘いは必ず日本帝国主義の息の根を止めるものとなる。
職場の仲間を国鉄全国運動に組織し、2千万青年労働者、6千万労働者の未来をかけて、公務員労働運動絶滅攻撃に大反撃しよう。国鉄、教労、自治体、全逓の4大産別を先頭に、闘う労働組合運動を復権しよう!
ストの爆発恐れて協約締結権のみ求める連合
公務員職場では、定員削減・退職不補充に加え、指定管理者制度や市場化テストなどによる外注化・民間委託が進められ、非正規労働者が激増している。そして「地域主権」改革による義務付け・枠付けの廃止、出先機関の廃止などでさらに民営化・リストラを進め、「新しい公共」と称して自治体業務を有償・無償のボランティアやNPO(非営利団体)に担わせようとしている。
さらに12年度に実施が狙われている公務員制度改革で、際限なく賃下げと首切りができる仕組みをつくろうとしている。公務員労働者360万人の「いったん全員解雇・選別再雇用」の道州制攻撃との攻防は、すでに始まっているのである。
(写真 公務員制度改革を絶賛する日教組のパンフ)
公務員労働者のスト権奪還闘争
前提として、公務員労働者の労働3権について確認しておきたい。
公務員労働者は現在、憲法第28条がすべての労働者に保障した労働3権(団結権、団体交渉権、争議権)のうち争議権を奪われ、団体交渉権も制限され協約締結権が奪われている(現業公務員は協約締結権を持つ)。公務員労働運動が戦後革命期の闘いの中軸を担ったことに震え上がったGHQと政府が1948年に発した「政令201号」にもとづくものだ。
「団交権、争議権なき団結権」など、労働組合であることを否定するに等しい。戦後の公務員労働運動は一貫して「スト権奪還」を大きな争点としてきた。日教組も自治労も60〜70年代、公労協(国労、動労、全逓、全電通など3公社5現業の9組合)とともに、激しい刑事弾圧と行政処分を受けながらストライキを闘ってきた。
しかし今回の公務員制度改革では協約締結権だけが回復され、争議権はすべて否定されている。
重大なのは、連合幹部がこの内容をつくったということだ。06年7月に発足した行政改革推進本部専門調査会、08年10月に発足した国家公務員制度改革推進本部・労使関係制度検討委員会には、連合と自治労・国公連合の委員長や事務局長らが参加し、政府と一緒に「協約締結権のみ」の報告をつくってきたのだ。
みんなの党代表の渡辺喜美は「私が行革大臣のころ(08年)、一般公務員に労働基本権をフルセットで解禁しようと画策していたところ、組合の幹部が大臣室にやって来て『フルセットは困る』と訴えてきました」と述べている(渡辺著『公務員制度改革が日本を変える』)。公務員労働者が争議権を手にしたら幹部の思惑を超えて怒りのストライキが激発することを恐れて、「スト権は与えないでくれ!」と懇願する連合幹部! 最悪の労働代官だ!!
12年度実施が狙われている公務員制度改革攻撃の狙いを見よう。
人勧制度廃止で際限ない賃下げ
まず第一に、協約締結権付与と引き換えに人事院勧告制度を廃止し、労使交渉で公務員労働者の賃金を際限なく切り下げることだ。
人勧制度のもとでもここ数年、かつてない賃下げが強行されてきた。06年には民間給与実態調査の対象企業規模を「100人以上」から「50人以上」に引き下げたことにより、勧告は「改定なし」とされた。09年には前年度に確定していた一時金について「民間企業の夏季一時金が大幅削減の見込み」として、過去最悪の平均15万4千円カットが強行された。人勧制度のもとでの賃下げでは、限界が来つつある。
つまり今、人勧制度を廃止しようとしているのは、人勧のもとではできない大幅賃下げを強行するためなのだ。
人勧制度というのは、「生計費、民間賃金」の調査をもとにして公務員賃金を勧告する仕組みだ。逆に言えば、民間準拠以上の賃下げは勧告できない。例えば、民間が平均2割の賃下げにならなければ2割賃下げは勧告できない。
そのため、人勧制度そのものを廃止し、「労使交渉によって」労組幹部にのませることで、際限ない賃下げを貫徹しようとしているのだ。
官房長官・仙谷はそのことを公然と語っている。「労働基本権を付与する制度のもとでは、人事院勧告にかわって労使交渉で公務員給与が決定されることになる。これにより、人勧制度のもとではなし得なかった給与体系の抜本的見直しが可能となる」(4・21衆院内閣委)、「国家公務員の総人件費を2割削減するという目標については、……公務員制度改革後の労使交渉を通じた給与改定等により、13年度までに達成する」(5・22参院本会議)。
人勧制度は公務員から争議権・協約締結権を奪った「代償措置」と称してつくられたものだが、その本質は公務員の賃金闘争の解体である。それにより、新規採用時の賃金は十万円台、そこから少しずつ上がっても、生涯賃金としては低賃金という構造を押しつけてきたのだ。それは公務員のみならず、日本の労働者全体に低賃金構造を押しつける仕組みだった。しかもそれが終身雇用制度・年功序列型賃金と一体になって日本型労務支配をつくり上げ、支配階級にとってきわめて有効な労働者支配の仕組みとなってきた。
人勧制度のもとでも、公務員に安定した賃金が保障されたわけではなく、賃金闘争は戦後の公務員労働運動の大きな焦点だった。公務員労働者は60〜80年代、財政危機を口実に人勧を実施しない自治体に対して「人勧完全実施」を求めてストライキを始め幾多の実力闘争を展開してきた。現場組合員は「『人勧完全実施』ではなく、人勧体制打破を」と訴え、幹部を激しく突き上げて闘いぬいた。ストには起訴を含む激しい刑事弾圧が集中し、免職を含む大量処分が下されてきた。
そして今、世界大恐慌に直撃され財政破綻にあえぐ日帝支配階級は、もはや安定的な労働者支配をもぶち壊さざるを得なくなった。支配階級は、ついに公務員労働者までも「食わせていく」ことができなくなったのだ。「ブルジョアジーには支配する力がない。なぜなら、かれらは自分たちの奴隷にたいして、奴隷制の内部で奴隷としての生存を保障することができないから」(マルクス『共産党宣言』)という事態だ。
公務員労働者にとっては、公務員人件費削減の猛攻撃の中、生きていくために必要な賃金を力と力の激突をとおしてかちとる時代が到来したということだ。
ギリシャでは、国家財政の破綻を口実とした公務員の首切りと賃下げ、年金削減、大増税に対して、公務員労働者が先頭に立ってゼネストを闘いぬいている。ギリシャの労働者のように公務員労働者が先頭に立って、すべての民間労働者と団結して闘う時がきたのだ。
「交渉」で公務員の身分保障奪う
公務員制度改革の狙いは第二に、公務員360万人首切り攻撃に向けた仕組みをつくることだ。協約締結権付与と「労使交渉」で、公務員の身分保障が奪われようとしている。
行政組織の改廃に伴う分限免職は、国公法・地公法には定められながらもこれまで長らく封印されてきた。昨年末、社会保険庁から日本年金機構への移行に伴い、全員解雇・選別採用で1千人以上の労働者を不採用にし、525人もの労働者の分限免職を強行したことは、歴史を画する重大攻撃だった。
身分保障が奪われ、「労使交渉」による解雇と勤務条件の変更が可能になれば、民営化・外注化による組織改廃に伴う解雇も「労使交渉でOK」、野放図の解雇が襲いかかることになる。
(写真 99年11月、石原知事の大幅賃下げ提案白紙撤回を求め時限ストに立った都労連【都議会前】)
各単組の団交の骨抜きを狙う
第三に、労使の交渉事項を中央交渉、府省交渉、地方交渉の3段階に分配し、各自治体レベルの団交を完全に骨抜きしようとしている。「中央交渉→府省交渉→地方交渉の順に交渉を実施して、先に行われた交渉事項については、下位の交渉では交渉できない」という仕組みである。
中央交渉・府省交渉で合意した事項は”決着済みだから”として、各都道府県レベルの交渉は封じられる。職場闘争を押しつぶし、各単組が闘ってきた賃金闘争を始めとする闘いを解体するものである。
国鉄全国運動を組織し都労連を先頭に決戦へ
360万人首切りとの闘いは、それに先駆けて現場でどんどん推し進められる民営化、非正規化、賃下げとの闘いだ。
国鉄全国運動の組織化こそ、「政治解決」と対決し、公務員360万人首切りを打ち破る力をつくり出す闘いだ。全国の職場に全国運動の担い手を組織しよう。
攻防の焦点は労働組合だ。民主党政権は連合の労働貴族を取り込み、労働組合を動員して攻撃を貫徹しようとしている。4・9「政治解決」を「日本の労働運動の未来を指し示すもの」と絶賛した4・28都労連コメントは、都労連本部自身の都労連解体・首切り協力宣言である。
しかし実はこの点こそ敵の弱点でもある。現場組合員の本部からの離反は広がり、怒りが渦巻いている。怒りにいったん火がつけば、燎原(りょうげん)の火のように一気に燃え広がることは間違いない。
動労千葉は72年の船橋事故闘争をとおして反合・運転保安闘争路線を確立し、その団結で国鉄分割・民営化反対闘争に立ち上がった。反合・運転保安闘争路線を貫く職場闘争をただちに始めよう。職場の多数派となって、闘いを押しつぶす労組幹部を打ち倒し、首切りと真っ向対決する労働組合をつくり出そう。
今夏・今秋の賃金闘争が決定的だ。人事院は8月の勧告で、公務員給与を2年連続マイナスにした上で、55歳以上は引き下げ幅をさらに大きくする「傾斜配分方式」を導入しようとしている。ここでも重大なのは、事前の交渉で連合・公務員連絡会の方から「傾斜配分方式」を人事院に逆提案したことである。これが労働組合のすることか!
「スト権実力奪還」の思想を復権し、財政危機を口実とした大幅賃下げ攻撃に真っ向から立ち向かおう。都労連先頭に決戦を闘いぬこう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号3面2)(2010/08/02 )
国鉄上回る社保庁解体攻撃
全員解雇・選別再雇用
史上初の525人分限免職
日帝は今、国鉄分割・民営化型攻撃を全社会に及ぼそうとしている。
81年11月に中曽根首相が「戦後政治の総決算」「行政改革の最大のターゲットは国鉄」と宣言、国鉄攻撃が始まった。政府は国鉄赤字20兆円の原因を「国鉄労働者がさぼっているから」と宣伝、ヤミ手当・カラ出張キャンペーンに始まり、労働者の職場支配権を奪う攻撃を強め、82年7月、緊急措置11項目(職場規律の確立、新規採用の停止、外注化、手当削減など)を打ち出した。現場協議協約改悪案に反対した国労、全動労、動労千葉は11月末から無協約状態になった。
83年3月に第2次臨時行政調査会が国鉄分割・民営化、新会社21万5千人体制の最終答申。
84年に国鉄当局は「余剰人員調整策」として退職制度改悪、一時帰休、出向(首切り3本柱)を提案。のまなければ雇用安定協約を破棄すると通告。85年11月末に国労、全動労、動労千葉の雇用安定協約は期限切れに。
動労本部は分割・民営化の先兵となった。動労など3労組は86年1月に労使共同宣言に調印、同8月に第2次労使共同宣言に調印。同7月から1428カ所の人材活用センターに国労や動労千葉が強制配転された。
攻撃に屈した国労本部は86年10月の臨時大会(修善寺)で「大胆な妥協」を提案したが否決され、執行部は総辞職。新執行部のもと分割・民営化反対の旗を守った。
動労千葉は85年11月と86年2月の2波のストで反撃した。11項目や3本柱、協約破棄に屈せず、売店や人活センターへの百数十人の配転、運転士下ろし、成田運転区・佐倉機関区の廃止、業務移管などと対決した。ストを理由にした公労法解雇が28人、87年4月のJR発足で清算事業団送りが12人となった。
動労千葉は6年間、指導部を先頭に組合の団結を守りぬき、そのままJR体制との闘いに突入した。国労は本部の無方針のもとで組織人員が4分の1に切り崩され、自殺者も出た。だが現場組合員は団結を固め分会を守った。だから清算事業団に送られた約7400人のうち1047人が自主退職を拒否、89〜90年の動労千葉のストを号砲に90年4月、1047名解雇撤回闘争を開始した。
社保庁でも国鉄と同じく年金記録問題などの責任を労組に転嫁し、09年末、社保庁解体・年金機構移行を強行したが、解雇攻撃は国鉄を上回る。
04年の年金国会で年金保険料の流用問題、業務目的外閲覧、長時間待ちの実態などが問題になり、社保庁改革が始まった。労組は労働条件に関する当局との覚書・確認事項を破棄、改革への協力で生き残りを図った。
07年、「宙に浮いた年金記録」(基礎年金番号への過去記録の未統合)が5千万件と判明、批判が起こった。自民党は職員の怠慢と労使のなれあいのせいだと宣伝した。
07年6月、社会保険庁の解体・民営化、日本年金機構の新設、職員の非公務員化を柱に社保庁改革関連法が成立した。
09年5月、1千人以上の社保職員が年金機構不採用の通知を受けた。処分歴、誓約書提出拒否などが選別の理由だ。
社保労組は不採用通知を容認、分限免職回避と称して希望退職を勧め、「雇用確保」に走った。
国鉄分割・民営化の場合、国鉄改革法のもと、新会社の正規職員を国鉄職員から採用し、組合差別で約7400人を不採用とした。6年間に職場を追われた約19万人は「希望退職」だった。
社保庁解体・民営化では、年金機構採用希望者は改革推進の誓約書を書かされた。社保庁長官は”社保庁が国民の信頼を失い、廃止された以上、全職員が分限免職処分の対象となりえたが、分限免職処分者は525人ですんだ”とうそぶいた。全員解雇も当然という居直りだ。社保労組は当局に全面協力し、一人ひとりに分断したが、525人が立った。約1万人が年金機構正規職員となったが、約2千人が年金機構准職員、厚労省非常勤職員にされた。年金機構の賃金・労働条件は社保庁以下だ。これらは国鉄ではなかったことだ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号3面3)(2010/08/02 )
「地域主権」と「新しい公共」
住民の自己責任と動員
税財源は「地方消費税」
菅政権は鳩山前政権を引き継いで「地域主権」改革と「新しい公共」を打ち出した。これは世界大恐慌と国家財政破綻、国際争闘戦敗勢の危機、階級支配の危機を突破するあがきとしての新自由主義的行政改革である。公務員労働運動解体、公務員360万人首切り、非正規職化、道州制導入、改憲・戦争国家化の大攻撃だ。
「地域主権」とは自公政権時の「地方分権」の民主党流の言い換えだ。地域主権=地方分権の完成形態が「道州制」だ。その過程にある今、公務員バッシング、360万人首切り、非正規職化、労組破壊の攻撃が激化している。先導しているのは連合・自治労本部だ。
菅は6月11日の所信表明演説で「改革の続行―戦後行政の大掃除の本格実施」を掲げ、本格的に公務員制度改革、地域主権改革を断行する決意を示した。また「新成長戦略」の一環である「強い社会保障」の中で「新しい公共」に触れた。
7月までの国会で地域主権改革関連3法案(@国と地方の協議の場の設置A地域主権改革の推進を図る関連法律の整備B地方自治法の一部改正の3法案)が審議され、参院で可決されたが、衆院に送られ、継続審議になった。また参院選前の6月22日に菅内閣は地域主権戦略会議(議長=菅首相、副議長=原口総務相、議員に仙谷官房長官、玄葉公務員制度改革担当大臣、橋下大阪府知事ら)がまとめた「地域主権戦略大綱」を閣議決定した。
大綱は地域主権の意義として「明治以来の中央集権体制から脱却し、国の在り方を大きく転換する改革」「国民が地域の住民として自らの暮らす地域の在り方について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負う」とうたっている。「定義」でも住民の自己責任を説いている。
今日の危機を明治以来の中央集権体制=官僚体制のせいにし、地方分権=地域主権を断行する。国の役割を軍事・外交に特化し、他の全行政を自治体と住民に自己責任論で押し付ける。搾り取った税金を大資本に集中投入する。アジアに勢力圏を構築する――。これが地域主権改革=道州制導入の構想の大枠だ。
大綱は主な課題として@自治体業務を縛る義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大A都道府県から市町村への権限移譲B国の出先機関の原則廃止C政府が配るひも付き補助金の一括交付金化――を挙げる。
@義務付け・枠付けの見直しは社会保障・福祉のナショナルミニマム(国民的最低基準)の廃止だ。保育所や福祉施設、公営住宅などの設置基準・運営基準が条例に委ねられ、切り下げられる。
A市町村への権限移譲とB国の出先機関の原則廃止は行革リストラ=首切りだ。C一括交付金化でどんぶり勘定にすれば、保育所、図書館、教員の定数などをいくらでも削ることができる。
これらを実現するための「地方税財源の充実確保」として「地方消費税」という増税方針を打ち出している。地方消費税新設を労働者人民が受け入れるわけがない。
菅が鳩山から引き継いだ「新しい公共」円卓会議も6月4日、「新しい公共」宣言をまとめた。
この宣言は、国や自治体に依存しないでNPOやボランティアが支え合い、「協働」して「公共」を担えば、社会が活気づき、「新しい市場」が生まれ、「新しい成長」も可能になるとバラ色のイメージを描いている。体のよい自治体のスリム化だが、実際には公務員360万人首切り、民営化・外注化による資本の市場拡大、NPO・ボランティア(有償・無償)への自治体事務・事業の押し付け、置き換えだ。非正規職、「官製ワーキングプア」がますます増える。
「新しい公共」とは官民協同(民=資本)の自治体経営に住民との協働を加えたものだ。公務員労働者を「新しい公共」のコーディネーターにする。これは公務員による住民の戦争動員につながる。「新しい公共」は公務員労働者の階級意識を解体する攻撃だ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号4面1)(2010/08/02 )
全国の学生は全学連大会へ
学生には無限の可能性がある 新自由主義と闘う学生運動を
織田陽介全学連委員長がアピール
全国の学生のみなさん! 私たち全学連は9月9日〜10日、第71回定期全国大会を開催します。新自由主義は大恐慌へと行きつき、一方において大失業を、他方において戦争という破滅を生みだしています。大学は学生を借金漬けにして放り出すビジネスとなり、学生の主体性を奪うものとなり下がっています。私たち全学連は法大闘争を先頭に、こうした現実に対して団結して立ち向かってきました。そして学生こそ未来の体現者であり、無限の可能性をもっていることをつかみ取ってきました。学生の未来、大学の未来、社会の未来をめぐって学生自身が討論し、行動に立ち上がる――学生運動の復権こそが求められています。全学連大会に仲間を連れて大結集してほしい。
法政大の不当処分撤回へ
学生の無限の可能性を示す闘いは第一に、法大不当処分撤回の闘いです。
7月12日をもって、新たな処分が下された。学祭規制反対の闘いの先頭に立ってきた洞口朋子さん(経済学部2年)への「無期停学処分」です。「無期」! つまり「反省するまで」の処分です。学祭規制に従うまでの処分! 「学生は声をあげるな、黙って従え」ということだ。
しかも処分理由にされている「授業妨害」について、当該のクラスからの「妨害などなかった」というクラス決議は一切無視だ。あげく呼び出しの際には、聞かれてもいない「4・23法大包囲デモ」が処分理由として付け加わった。もはや「処分ありき」「理由がなければ探せ、つくれ」という処分だ。これが教育か! これほどまでに学生の意思がないがしろにされていいのか。
私たちは立て看板やビラまきの規制と処分、学費や奨学金、就活の問題、学祭規制の問題など、学生の権利を奪う一切の攻撃に対して「絶対反対」の闘いをしてきました。もちろんそれはその裏で教育を語って学生をエジキにし金もうけをする大学当局や資本がどうしても許せないからです。そして何より、これは大学の主人公は誰なのかをめぐる根本的な問題であったからです。歴史とは若者が古い価値観や世代を乗り越えて進む創造的なものであるなら、学生にとって大学は自由でなければならない。大学の主人公は学生でなければならない! 大学が、教育が未来のためのものならば!
闘いを組織しない学生団体執行部は口をそろえて言う。「学生はそんなことに関心はない」「学生の自治意識が低下しているから勝てない」と。しかし当局の攻撃が「学生は黙って従え」という主体性を奪うものである以上、これと対決せずに学生の主体的なエネルギーが回復するはずがない。法大では闘わない執行部との対決の中で、1年生が生き生きと行動を開始した。絶対反対の闘いの中でのみ、学生は大学の主人公になっていく力を回復する。不当処分撤回闘争は、当局の御用団体になった執行部を打倒して学生自身の指導部を生みだし、大学の主人公である学生の力を回復し、大学を私物化する資本・当局から大学を奪い返す闘いなのです。
「学生運動に自由を!」(首都圏A大学)、「大学は学生のもの。学生が中心的存在となり、新たなものを創造する場! 学生の団結を守れ!」(首都圏B大学)。法大署名は他大学でも拡大している。大学の違いをこえて仲間のために声をあげ、自分の大学のあり方を問う運動となっている。ここに学生の団結を回復し、学生運動を復権する力がある。署名運動の拡大を水路にして、全学連大会の大結集へ!
世界の学生と連帯しよう
学生の無限の可能性を示す闘いは第二に、国際連帯の闘いです。
全学連は3月にアメリカ、6月にブラジルを訪れ、大きな国際連帯の成果を生み出しました。海を渡って見えてきたものは、日本の私たちと同じ、「教育の民営化」の現実でした。学費の高騰、学食や寮の民営化、奨学金という名の借金と就職難、政治活動の禁止と処分……。世界の学生がまったく同じ「教育の民営化」の現実に立ち向かっている。同じスローガンでつながっている。
資本主義が終わりを告げ、根本から社会を変える時代が来たこと、そして学生が行動に立ち上がることには圧倒的な正義があることの意味を込めて、私たちは「教育の民営化反対」のスローガンを確立しました。
教育は商品となり、学生は学費を払えず、奨学金という形で未来の賃金を奪われ、職もなく放り出される。学生は商品として扱われ、仲間をつくるどころか競争させられる。人間が豊かになるための教育を受ければ受けるほど貧しくなる現実。未来をつくる主体であるはずの学生が未来を奪われている。未来を食いつぶしてしか維持されない社会にはいかなる未来もありえない。学生がここまでないがしろにされている現実に対して怒り、立ち上がることには、未来のかかった圧倒的な正義性がある。もはや資本主義社会は未来を語ることができない。学生は商品として扱われることを打ち破って未来の体現者として行動するときが来た。「教育の民営化反対」はこういう意味を込めたスローガンです。
3月にアメリカで見たものは「教育の民営化反対」を掲げた100万人の大行動でした。カリフォルニア州立大学バークレー校のストライキ、大デモを中心に、アメリカ中の学生・労働者が立ち上がった。世界の資本主義の中心であるアメリカが崩壊を開始し、未来の体現者たちの行動が歴史の前面に登場した。ヨーロッパ、アメリカ、南米……世界中の学生が、今この「教育の民営化反対」を叫んでいる。このことの意味は、世界の学生が“ひとつの軍勢”となって世界を変革する時が来たことを示しています。学生は世界を変革する力を持っている。
ブラジル訪問では、12月にアメリカ、日本、ブラジル、コスタリカ、アルゼンチンの学生の統一行動を行うことが決まりました。
反戦と沖縄闘争の先頭に
学生の無限の可能性を示す闘いは第三に、反戦政治闘争です。
韓国の哨戒艦沈没事件をめぐって朝鮮半島が戦争の危機を迎えている。まず、はっきりさせなければならないことは、始まろうとしているのは米日帝国主義が圧倒的な軍事力をもって朝鮮半島を侵略する帝国主義戦争だという点です。すでに日米韓軍の作戦計画「5027」や「5030」という形で、米軍の先制攻撃、もしくは軍事演習から挑発をして一気に戦争に突入していく計画がつくられている。シミュレーションによれば朝鮮半島全体が戦場となり、100万人が虐殺されるという。
現在行われている戦争は、北朝鮮やイラン、中国の軍事動向にその本質があるのではなく、帝国主義の強盗戦争だ。1929年の世界大恐慌は、各国帝国主義同士が市場や資源を奪い合う世界戦争へと行きついた。オバマの「輸出2倍化」宣言を見ても分かるように、資本のどん欲な欲望が、再び市場や資源をめぐる争奪戦を激化させている。早い話が、学生の未来に群がるハイエナのような資本家連中のための戦争でしかないのだ。
朝鮮侵略戦争では、日本列島が50万人の米軍の出撃基地となる。空港・港湾、病院から大学に至るまで、すべてが軍隊優先で動き、戦争動員される。逆に言えば、学生や労働者がいかなる態度や行動を取るのかで戦争を止めることはできる。成田軍事空港の建設を44年間も阻んでいる三里塚闘争がそのことを示している。
基地撤去を掲げた沖縄の怒りはますます高まっている。鳩山政権を打倒し、参院選では民主党は沖縄で一人の候補も立てられなかった。11月の横浜APEC(アジア太平洋経済協力会議)でのオバマ訪日を焦点に、9月名護市議選、11月沖縄県知事選などでますます沖縄の怒りが爆発していく。日米帝国主義の世界政策が、日本のたった1%の人口しかない沖縄の労働者・学生の怒りでグラグラに揺さぶられている。残り99%の本土の労働者・学生がいかなる行動をするのかで歴史は決せられる。
闘う労働運動と共に進もう
学生の無限の可能性を示す闘いは第四に、闘う労働運動を復権させる闘いとの連帯です。
昨年8・30総選挙で打倒された自民党政権にとって代わったのは、連合という労働組合を抱え込まなければ成り立たない民主党政権だった。体制内の労働運動が資本家階級の政権に入ってこれを支え、増税や基地建設を叫ぶまでに成り下がった。なぜ労働運動はここまで落ちたのか――いま労働者階級が根底的に戦後労働運動を総括する過程に入った。
連合からの労働者の離反はますます進み、民主党は参院選で惨敗した。新しい労働運動が生まれようとしている。新自由主義の突破口となった国鉄分割・民営化攻撃に対してストライキで立ち向かい、今も意気軒高と闘い抜いている動労千葉の呼びかけで始まった新たな国鉄全国運動が、6千万労働者を組織する壮大な挑戦を開始した。
学生はこの闘いと共闘してこそ世界を変革することができる。とりわけ、労働運動の新潮流を11月労働者集会に1万人の規模で登場させられるかどうかが、歴史の焦点だ。
学生自治会を建設しよう
全学連はこうした闘いを通して、学生の無限の可能性をつかみとってきました。これでもわれわれ学生は、資本家の言うような、売れ残っても「商品価値の低い学生の自己責任」とされる商品でしかないだろうか。大学の理事会や古びた「教授」たちがのたまう「施設管理権」なる文句の前に「黙って従う」しかない存在だろうか。
ある大学は、法大署名が三けたを超えて集まっていることに焦り、学生が署名をやることへ「熟慮せよ」と呼びかけ始めた。これこそ「学生は何も考えていないやつらだ」という当局の学生観であり、「熟慮」という言葉とは裏腹に、「考えるな、行動するな」というのが本音なのだ。学生が自ら集まり、未来のために討論し、いかなる行動をすべきかを決定していくことこそがこれに対する根本的な批判だ。それが全学連大会だ。
支配階級の支配の言葉が「昨日と同じことをやれ」ならば、われわれ若者はこれと自由に闘い、怒り、未来を創るために自由に行動する権利がある。学生こそ今勇気をもって立ち上がらなければならない!
今次全学連大会の重要なテーマは、学生自身の団結した組織、学生自治会を建設する挑戦を開始することにある。
それは第一に、これからますます大恐慌が深化するという時代認識だ。
大学こそ大失業の矛盾のるつぼになっている。政府は大学院生を大幅に増加させる政策をとって、この10年足らずの間に大学院生は3倍になった。政府の「ポスドク政策」で就職もできず、大学でただ働きをさせられ、バイトを掛け持ちしなければならない学生を膨大に生み出した。このうち10人に1人が「行方不明」となっている。
「公務員になれる」「弁護士になれる」と幻想をあおって学費をむしり取ってきた大学は、その幻想が壊れれば今度は「教員養成大学院の定員6倍化」だ。本当にふざけきっている。
そして「就職難民11万人」の現実だ。7人に1人が就職できずに留年している。大学資本は「就職に有利な学生の身分を半分の学費で買える」とばかりに留年をエジキにしてさらにボロもうけしている。学生の失業すらビジネスチャンスと見る腐った大学のあり方は、学生の怒りで燃やし尽くさなければならない!
大恐慌の現実に立ち向かう学生の団結をつくり出そう。学生自身の自主的自治組織が必要だ。
第二に、大学のあり方をめぐる闘いは、必然的に大学の支配権を理事会・国家権力が握るのか、それとも学生が握るのかの権力闘争にならざるをえない。そのためには組織が必要だ。
法大を最先頭に学生が行動にドンドン立ち上がる時代が来ている。こうした大衆行動を学生の団結した組織に転じよう。その武器は処分撤回署名運動だ。この運動の中には無限の可能性がある。
第三に、何よりも学生の武器は団結以外にない。資本主義を打倒する共産主義革命は、今までの革命のような新たな階級支配を打ち立てる性格のものではなく、人間による人間の支配そのものを廃止していくものだ。その原動力は他人を蹴落とすことではなく、団結して共同性を取り戻していくことであり、だからこそ根底的変革たりえるのだ。
学生・労働者の団結を組織できる者こそ、もっともラジカルな指導者であり、人格的に資本・国家権力を圧倒する指導者だ。全学連執行部は、300万学生の団結を組織する壮大な挑戦の先頭に立つ。
すべての学生のみなさん! 歴史的な今、歴史的な大会をやろう。それは学生自身の大結集の力でこそつくり出せる。自分自身が多くの仲間を組織し集まろう。
(写真 4月23日、法大文化連盟と全学連を先頭に250人が法大デモ。外濠公園から校舎に「不当処分粉砕!」とシュプレヒコール)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号4面2)(2010/08/02 )
8・15靖国弾劾デモへ
侵略戦争の賛美許さない
「8・15労働者・市民のつどい」(要項別掲)に先立ち、当日朝「閣僚の参拝許すな!8・15靖国神社参拝阻止デモ」が闘われる(要項1面)。切迫する米日帝国主義の朝鮮侵略戦争に断固ノーをたたきつけ、戦争と民営化・大増税の菅政権を打倒しよう! 韓国からかけつける民主労総ソウル本部の仲間と固くスクラムを組み、国家主義・排外主義を打ち破る大デモをかちとろう!
首相・菅は現時点では8月15日に靖国神社を参拝しない意向を示しているが、「時には自国のために代償を払う覚悟ができるか。国民一人ひとりがこうした責任を自覚」しろという所信表明演説(6月11日)は、「靖国の思想」そのものだ。日帝の最後の延命策として「東アジア共同体」という新たなアジア侵略・勢力圏化を画策し、そのために沖縄米軍基地建設と朝鮮侵略戦争を狙う菅政権は、今や国家主義のイデオロギー攻撃を公然と仕掛けてきている。
だが参院選で示されたように、菅政権に対する怒りの声は激しく噴出しており、連合幹部の組合支配は急激に空洞化しつつある。だからこそ、ますます菅は国家の危機を呼号し、階級意識を解体しようと必死になっている。
そもそも、戦後における首相の靖国公式参拝は、85年の中曽根から始まった。中曽根は「国鉄分割・民営化で国労と総評をつぶして立派な憲法を安置する」「行政改革とは精神革命であり、国家改造計画だ。滅私奉公の精神、『私』を捨てて『公』のために尽くす人間への意識変革だ」と主張した。ここに明らかな通り、新自由主義と改憲・戦争国家化の攻撃は「靖国の思想」を振りかざすイデオロギー攻撃と完全に一体なのだ。
しかし、こうした中曽根の攻撃に対し、動労千葉は85〜86年にかけて2波の分割・民営化反対ストをたたきつけた。以後、動労千葉と1047名の闘いは、「戦争と民営化を許さない!」という日本労働者階級の階級的立場を守り抜き、中曽根がもくろんだ階級意識の解体攻撃を打ち破ってきたのだ。
国鉄闘争全国運動こそは、こうした労働者階級の根底的な階級性・革命性を巨万の規模でよみがえらせ、新自由主義と闘う全世界の労働者の団結をつくりだす闘いだ。
8・15闘争は、8・6広島―8・9長崎とともに、こうした階級的労働運動の爆発のために不可欠の政治闘争だ。8・6菅来広・祈念式典弾劾デモと8・15デモで菅を直撃し、民主党・連合政権打倒の大隊列を力強く登場させよう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号4面3)(2010/08/02 )
2010年 7月21日〜27日
米が北朝鮮に追加制裁を発表/政府、「普天間結論は知事選後」
●米が北朝鮮に追加制裁を発表 韓国を訪問したクリントン米国務長官は、米韓両国による初の外務・国防担当4閣僚(2プラス2)会合後の共同記者会見で、北朝鮮指導部を対象にした資産凍結などの追加制裁を実施すると発表した。(21日)
●グアム移転「17年以降」 米下院歳出委員会が報告書を公表し、日米両政府が2014年を完了期限としている在沖縄海兵隊のグアム移転計画について、「2017年か、それ以降」にずれ込む可能性がある、との見方を示した。同委員会は20日にグアム移転費として米政府が求めた原案の額から約64%削減して可決している。(23日)
●北沢防衛相、8月結論を強調 北沢防衛相は、米軍普天間飛行場移設をめぐる日米専門家の協議について、「2プラス2で合意しているので8月末に(工法や位置の)結論はもちろん出す」と述べた。一方で「沖縄の知事選は政治的なインパクトが強いと十分に考えた上で交渉していく」として、知事選の結果を踏まえて最終判断する姿勢をあらためて示した。(23日)
●北朝鮮「核抑止力での報復聖戦開始」の声明 米韓が日本海で大規模な合同軍事演習を実施することに対し、北朝鮮国防委員会報道官が声明を発し、「任意の時期に核抑止力に基づいた報復聖戦を開始する」と警告した。朝鮮中央通信が伝えた。(25日)
●普天間結論は知事選後 政府は米軍普天間飛行場の名護市辺野古崎と隣接水域への県内移設案を決定する時期について、11月28日投開票の県知事選以降に先送りする方針を固めた。8月末までに日米専門家で検討を完了させると合意している移設案の一本化も見送り、複数とする考え。複数の政府関係者が明らかにした。(25日)
●米英仏が広島市の式典に出席 広島市が8月6日に行う平和記念式に、核保有国の米、英、仏が初めて出席することが分かった。広島市は1998年から核保有国あてに、05年にはその他の国へも式典への招待状を出しており、これまで核保有国ではインド、パキスタン、ロシア、中国が出席している。事実上の核保有国であるイスラエルも09年に初出席している。(27日)
●臨時国会の召集を閣議決定 政府は閣議で、臨時国会を7月30日に召集することを決めた。会期は8月6日までの8日間。与野党は臨時国会で、全国の社会保険病院の運営主体である独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」の解散時期を2年間先延ばしする法案を成立させる方針で合意している。(27日)
●哨戒艦沈没「機雷接触」か 韓国紙ハンギョレは、韓国海軍哨戒艦沈没を調査するロシア専門家チームが、哨戒艦が機雷に接触し爆発した可能性があるとする報告書をまとめたと報じた。同紙は、機雷は韓国軍や米軍が設置したとみられると指摘。ロシア側は報告書で、哨戒艦がスクリュー部分に漁業用の網がからまり、減速して航行、水深を下げる途中で船底が機雷のアンテナに接触し、起爆装置が作動したとみられるとしている。(27日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号4面4)(2010/08/02 )
日程 全学連第71回定期全国大会
9月9日(木)〜10日(金) 東京
参加費/1000円(資料代など。宿泊費は除く)
連絡先/電話 050−3036−6464
mail_cn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren.jp/
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号4面5)(2010/08/02 )
日程 8・15労働者・市民のつどい
朝鮮戦争反対!菅政権打倒!民権2010
8・15労働者・市民のつどい
−国益と排外に憲法は屈するのか−
8月15日(日)正午開場 午後1時開会
牛込箪笥(たんす)区民ホール
■森川文人さん(弁護士) 「居直り菅政権を打倒して民権を実現しよう」
■西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表) 「戦争と改憲に絶対反対」
■コント 松元ヒロさん「NO WE 菅!」
■特別報告 韓国・民主労組 「日韓労働者のストで戦争を止める」
■特別報告 田中康宏・動労千葉委員長
■ブラジル・コンルータス第2回大会参加報告
■沖縄からの訴え
■発言 「裁判員制度はいらない!大運動」/青年労働者/学生/国鉄闘争全国運動
主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号5面1)(2010/08/02 )
三里塚 農地強奪絶対に許さぬ
耕作権裁判 “NAAは全記録を出せ”
市東さんと弁護団が徹底追及
7月23日の三里塚現闘本部裁判控訴審の第1回弁論に続き、26日には市東さんの耕作権裁判が開かれ、法廷を三里塚の正義が圧倒した。ところがこの日、成田空港会社(NAA)は、反対同盟が裁判に結集していることを見計らって、市東さんの耕作地を鉄板で包囲する工事を行った。こそ泥と同類の卑劣な攻撃を許さない。市東さんの農地を守り抜き、第3誘導路を粉砕しよう!
7月26日、千葉地裁で三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判が千葉地裁で開かれ、団結街道封鎖攻撃への怒りに燃えて反対同盟と支援の労働者・学生が結集し、傍聴席を埋めた。
この裁判は、市東さんが耕す南台(現闘本部となり)の畑の一部をNAAが「不法耕作」と決めつけて明け渡しを求めて提訴したもの。だが、祖父の代から受け継ぐ耕作地を耕してきた農民を「不法」呼ばわりする資格が1ミリでもNAAにあるのか。
買収の事実の長期間隠匿、旧地主が市東さんから地代を詐取し続けてきたこと、土地の位置特定のでたらめ、農地法違反の「不在地主」問題など、数々の不法・脱法を働いてきたのはNAAとその前身、空港公団だ!
開廷直後に反対同盟顧問弁護団が立って、NAAがこの裁判の途中でありながら団結街道の封鎖を強行し、市東さんの営農を直接妨害していることを断罪した。
裁判が進むにつれて次々と破綻をさらけ出してきたNAA側は、求釈明にはまともに答えず、法廷ではだんまりを決め込むという卑劣さだ。旧地主との買収交渉の記録を提出するよう求めたことに対し、NAAは「担当者だった上原亮治が亡くなったので釈明は不用」と言い出した。
冗談じゃない! 担当者の一個人が死んだことが、どうして記録を出さない理由になるのか。傍聴席からの怒りの声で法廷が満たされた。
白石史子裁判長は反対同盟側に「農地法違反についてなどの主張を先にやったらどうか」などと水を向けてきたが、弁護団は「NAAにまともな釈明を出させるのが先だ」と一蹴した。
さらに裁判長が、原告NAA側の準備書面の文意を確かめる意味で「上原亮治が交渉の担当者だったということですね」と尋ねたところ、NAAの代理人弁護士たちはあわててひそひそ話をやり始めた末に「釈明については従来より口頭では差し控えている」、つまりここでは答えないと言う。
どこまで情けない見下げ果てたやつらだ。傍聴者からの弾劾の声は、かつて千葉地裁の裁判長で今やNAA代理人の頭目に納まる上野至に集中した。恥を知れ!
次回期日を10月18日(月)とし裁判長が閉廷を宣すると、市東さんがつかつかとNAA代理人席に歩み寄り、静かな口調で、だがはっきりと「午前3時にこそこそやるようなまねをするんじゃない。空港会社によく言っておけ」と告げた。NAAの弁護士はおびえた表情で視線も合わせられない。
弁護士会館で記者会見と報告会が行われた。最初に市東さんが立ち、逮捕から奪還までの過程で受けた支援・激励についてていねいにお礼を述べ、「向こうは法廷でへたにしゃべるとボロが出るから黙ったままだが、こんな汚いやり方を許さず、断固闘っていきます」と決意を表した。参加者は万雷の拍手で応えた。
葉山岳夫弁護士を始め弁護団が裁判の解説をして、今後も徹底的に求釈明を行っていくことを明らかにした。
北原鉱治事務局長は「今日の裁判は本当にあきれた。徹底的にたたきのめさないとだめだ」と怒りをあらわにした。
市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉、関実が連帯のあいさつを行った。動労千葉の滝口誠さんは「米韓合同軍事演習が行われている。JRは指定公共機関であり、軍需物資輸送を拒否すれば労働者の逮捕、解雇などの攻撃が予想される。反対同盟との共闘を教訓として、動労千葉は戦争協力を絶対に拒否する」と鮮明な決意を述べた。
最後に司会の鈴木謙太郎さんが「猛暑の中、裁判闘争、現地攻防が続く。体に気をつけてがんばりましょう」と一同の奮闘をねぎらった。
(写真 「追及を緩めない」と決意を述べる市東孝雄さん。右は葉山岳夫弁護士【7月26日 千葉市】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号5面2)(2010/08/02 )
市東さんの畑を鉄板で囲む
耕作権裁判で留守中に 営農妨害に反撃を
(写真【左】 北原鉱治さんを先頭に警備員に猛然と詰め寄る反対同盟と支援連【7月26日 天神峰】)
(写真【右】 市東さんの畑の周囲に建てられた鉄製のフェンス【7月28日撮影】)
NAAは7月26日、反対同盟が市東さんの耕作権裁判に出かけたのを見すまして、大量の警備員と作業員・重機、私服刑事と機動隊を動員して、現闘本部となりの市東さんの畑の周囲に鉄板フェンスを建てて包囲する工事を行った。夜陰に乗じての団結街道封鎖に続く、空き巣狙いと同様の卑劣な攻撃だ。裁判から戻った反対同盟と支援連が次々と現場に結集し、工事を徹底弾劾した。
市東さんが先頭で「連絡のひとつもなくこんなものをつくるとはどういうことだ!」と激しく抗議した。婦人行動隊の鈴木加代子さんは「この先にはうちの一坪共有地がある。通行権があるんだ。黙ってフェンスで閉ざしていいと思っているのか!」と強い怒りをたたきつけた。北原事務局長は「ただちに工事をやめよ」と迫った。
猛然たる抗議行動に直面し、警備員たちはスクラムを組んで工事現場を「守って」いる。作業員たちは無表情を装い作業を続けている。「それでもお前ら労働者か!」と怒声が飛んだ。法政大で学生弾圧をしている東京警備保障の警備員も動員されていることを、全学連の同志が発見した。
「作業を妨害すると排除します。ここはNAAの所有地です」というマイクでの告知が、反対同盟の怒りを倍加させた。
3時間もの弾劾闘争ののちに市東さん宅の離れに一同が集まった。萩原進事務局次長が「留守を狙っての攻撃を許さない。これから長い闘いになるが、市東さんの農地を必ず守り、第3誘導路を粉砕しよう」とあらためて決起を促した。
畑の北側、耕作地の境界線ぎりぎりに、人間の身長の2倍ほどの高さで一部網目状の鉄板フェンスが並べられ固定された。西側にはポールに番線を巻いたフェンスが張られた。現闘本部と接する南側、空港敷地と接する東側はすでに鉄板で仕切られており、市東さんの畑は周囲を完全に包囲され、わずかに車が入れる程度の進入路が団結街道と反対側に開いている。市東さんは農作業でここにたどり着くために大変な回り道を日々強いられている。
一農民に対して国家、自治体行政、NAAがぐるになって、あからさまに営農を妨害し追い出し圧力をかけているのだ。この光景を見て怒りを感じない人はいない。
フェンスの向こう側では団結街道の一部が破壊され始めた。そこに誘導路をせり出させることで「への字」カーブが若干緩和されると、NAAは触れ回っている。だがそれは何ひとつ「解決」にはならない。
翌27日の千葉日報で、第3誘導路の工事に着工したことが小さな記事で発表された。NAAはやみくもに攻撃を激化させ、見通しも成算も、取り繕う言葉もないありさまだ。
反対同盟は7月31日に緊急現地闘争を市東さん宅南の開拓組合道路で行い、大反撃を宣言した。(詳報次号)
正義は三里塚農民にあり。現地攻防、援農、裁判に駆けつけよう。第3誘導路建設を粉砕し、成田を廃港へ追い込もう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号5面3)(2010/08/02 )
現闘本部裁判控訴審
北原さん、萩原さんの陳述
7月23日に東京高裁で開かれた現闘本部裁判控訴審の初弁論で、北原事務局長と萩原事務局次長が40年を超える闘いを踏まえての堂々たる意見陳述を行い、一審の千葉地裁・仲戸川裁判長の反動判決の核心点を批判した。それぞれの陳述書の要旨を掲載します(編集局)
実地検証を行え 事務局長 北原鉱治さん
私は、一審判決が十分な審理を行わないまま誤った判決を下したことについて明らかにしておきたいと思います。重要な証人の調べや建物の実地検証などを行わないまま審理は打ち切られました。これは公正な裁判とはとても言えません。成田空港会社(NAA)側を一方的に利する偏ったものになっているのです。私たち反対同盟は、控訴審においては審理を十分に行い、一審のように国交省・NAAにくみすることのないよう初めに強く要望します。
一審判決は、現闘本部を建設して地上権を設定した経緯について無視しています。1966年に現闘本部を建設するにあたって、当時の石橋政次副委員長は、反対同盟の実行役員会で「自分の土地20坪を役員会や集会など反対同盟として自由に使ってくれ」と提案し了承されました。1966年12月に建設された後には建物登記をしました。1985年3月ごろ石橋氏は、私に対して「自分は土地を売って出ていくが、現闘本部の敷地20坪と井戸は反対同盟のためにそのまま残すから使ってくれ、これが俺(おれ)の気持ちだ」と話しました。事実、石橋氏は20坪を分筆して反対同盟に残したのです。
この事実経過からして、地上権が設定されたことは明白です。副委員長だった石橋氏は、空港反対闘争勝利を求めて無償で土地を提供したのです。だから自分が闘争をやめて出ていく時も20坪を分筆して反対同盟に残したのです。「そもそも反対同盟に残してきたものであり、今後も反対同盟がどのように使用しようと構いません」と1988年には武司氏と念書を交わしました。その後は地代年5万円の有償の地上権を設定して支払い続けてきました。また、石橋武司氏は空港公団の職員に対して「確約書で反対運動が終了するまで使用させると親父名で約束している」と述べた事実も明らかになっています。
一審判決では、これらの事実を無視しました。
天神峰現闘本部は、1966年12月に建設されて以降、成田治安法によって封鎖されるまで、反対同盟と労農学人民のセンターであり、打ち合わせ、交流会、イベント、宿泊、休憩所等々として使用されてきました。 天神峰現闘本部は全国労農学人民のものです。理不尽な明け渡し・撤去策動など絶対に許しません。反対同盟は当初から軍事空港反対を掲げて、全国の反戦・反核、基地撤去の先頭に立って闘ってきました。反対同盟は、全国の人々が注目しているこの裁判を徹底的に闘いぬきます。
憶測による断定 事務局次長 萩原進さん
判決は、1966年12月の地上権設定を憶測によって否定することで、実地検証を放棄しました。石橋さんと私や反対同盟の関係をゆがめて描く空港会社の虚構の上に、念書や領収証といった証拠を一片の紙切れ同然としています。およそ適正な手続きのもとでの判決といえるものではありません。
判決は次のように書いています。
「本件のような反対運動の活動家ないし組織との間で、無償で不動産の使用を許す関係は、……たかだか使用貸借関係を締結する意思によるものにすぎず、無償の地上権のような強力な権利を設定する趣旨ではないのが通常」(77n)
これはまったく根拠のない決めつけです。
三里塚では30戸をこえる団結小屋が造られました。その多くは同盟員所有の空き地や畑の一角に、了解を得て支援団体が建築したものを、反対同盟の管理下においたものです。
しかし天神峰現闘本部は、これらとはまったく違います。石橋副委員長(当時)の宅地に、母屋と軒を接して造られました。同盟員が自分の山から木を切り出して総出でつくった本格建物でした。しかも石橋さんの承認のもとで、当時の国会議員を代表名義にして建物登記しました。根拠のない決めつけがいかに不当なものかは明らかです。
しかも問題は、この根拠のない決めつけをもって、証拠物を細かく検証するという裁判所としての基本的な職務を放棄したことです。そして、木造建物が現存したとしてもこれを破壊して構わないと結論づけました。
反対同盟の所有物を収去するにあたって、それがあるか無いかを確認せず、鉄骨建物もろとも破壊するなどということが、どうして許されるのでしょうか。
空港会社ですら、「吸収・滅失」論を展開し実地検証を要求しているのです。「吸収されようがされまいが構わない」(87n)などと暴論を振り回すとは、とうてい判決とはいえません。
さらに私は、直接の関係者として、石橋恵美子さんの陳述書の嘘(うそ)について指摘したいと思います。特に、武司さんが「反対同盟にいわれたとおりにしないとあとが怖いとの思いから……ただ署名・押印した」とのくだりは、とうてい恵美子さんのものとは思えません。
この法廷が「はじめに結論ありき」の仲戸川一審判決を全面的に検証するよう要望するとともに、必ずや勝訴するべく闘うことを決意して、陳述とします。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号5面4)(2010/08/02 )
メキシコ湾 今も原油流出続く巨大事故
BP資本と一体のオバマに怒り
強引な開発推進
今回の原油流出は史上例のない超巨大事故だ。
栃木県の面積に匹敵する水面が油で覆われている。特に重大なことは、BPが海面に散布した分散剤の作用で油が微粒子状になり、海面に見える量の数倍、数十倍が水面下を漂っていることだ。
3カ月も大量流出を続けたあげく、7月15日になってBPは、油井のパイプにキャップをかぶせて流出を止めることに成功したと発表した。
だが出口をふさいだ結果、パイプ内の圧力が高まるはずなのに、予想よりはるかに低いままだ。地下のパイプが割れ、新たな流出が始まっているといわれている。流出が本当に止まるかどうか、予断を許さない。
この事故は起こるべくして起きた。
高圧、高速で原油が流れるパイプの振動を抑える固定具は21本必要なのに6本しか取り付けなかった。経費節減・工期短縮のためだ。ガス噴出防止具も作動しない状態だった。非常ベルは、鳴るたびに作業が中断するからとスイッチが切られた。爆発の日、センサーはガスを感知していたが、ブザーは鳴らなかった。
(写真 猛毒の危険のただ中で除去作業に携わる労働者にはガスマスクの着用すら認められていない)
外注化に元凶が
また、掘削台の所有と運用がトランスオーシャン社に外注されたのを始め、作業の多くが外注化されていた。
オバマは最初からBPと一体だった。事故後の処理もBPに指揮を執らせ、事故を小さく見せるための悪質な薬剤散布などを野放しにしている。
オバマは、大統領選挙の時、BPの最大の献金対象だった。就任後は、石油支配のためのイラク・アフガニスタン戦争を拡大している。
09年4月、裁判所が海底油田開発に差し止め仮処分命令を出したが、これに対してオバマ政権は、特にBPの海底油田開発については仮処分を撤回するようにとの申請書を出した。
そして今年3月31日、オバマは政策転換を大々的に発表した。90年にブッシュ(父)大統領によって禁止された新規海底油田掘削の解禁だ。
除去作業の危険
原油流出のため、海岸から相当離れた場所でさえ、ガス成分の影響によるめまい、頭痛、皮膚の刺激感などの症状が出ている。浜辺や海上で働く労働者は、さらに濃度の高いガスにさらされる。
特に危険なのが、分散剤の一種、コレグジットだ。これは、石油を微細な粒にして、海水に溶け込ませるものだ。
BPがこれを使う目的は、水面上に現れた原油を少なくし、事故の規模を小さく見せるためだ。
コレグジットには発がん性があり、また赤血球の溶解、内出血、肝臓・腎臓障害、めまい、頭痛などを起こす。
だがBPは、除去作業のための雇用契約書に「記者に話をしない」という条項をつけ、作業の危険性を隠そうとしている。さらには、ガスマスクを支給せず、自前のマスクの着用さえ、解雇で脅してやめさせている。
海岸線では、刑務所受刑者を1日12時間、週6日間、猛暑と有毒な環境の中で働かせている。受刑者の雇用には政府から補助金と税の控除が付けられている。
海上での除去作業には、汚染のために漁場を失った漁民を漁船ごと雇用しているが、契約書には「BPに対する補償要求裁判を起こさない」という条項がある。
4月20日の掘削台爆発事故で死亡した11人の労働者の遺族に、BPは「海上事故は陸上とは別の法律が適用される」「慰謝料は必要ない」と主張している。
BPは分散剤コレグジットの成分の発表を拒否している。「知的所有権」が拒否の理由だ。
そして補償金の支払いさえ、他の請負会社に外注化し、申請者に圧力をかけさせ、支払いの徹底的な遅延、金額の縮小をやらせている。
この居丈高なBPと一体のオバマ政権への怒りも沸騰し、重大な政治危機が始まっている。
労組幹部の屈服
今回の事故が発生した掘削台の職場には労働組合がなかった。BPは、高度な技術が必要な油田開発・掘削部門までも外注化し、それによって組合を職場から排除していったのだ。
BPの精油所部門はUSW(全米鉄鋼労組)が組織している。
BPを始めとする巨大石油資本の石油施設で、今年4〜5月だけで13件の火災が起き、19人が死亡、25人が負傷したことに対して、USWは安全問題で団体交渉を申し入れた。だが、経営者団体は、「安全問題は対立的問題ではなく、労使協力して取り組む問題だ。団体交渉の問題ではない」として交渉を拒否した。
大事故を連続して起こし交渉さえ拒否する資本に、全米の労働者の怒りは高まっている。
そのうえでUSW指導部の問題が大きい。彼らの路線は、米資本の国際競争力向上によって雇用を確保するというものだ。これでは合理化、外注化と闘えず、安全は守れない。
ナショナルセンターAFL−CIOのトラムカ会長もUMW(炭鉱労組)委員長だった時から裏切っている。1985−86年、マッシー社のUMW支部は激しい暴力的襲撃を含む労組破壊にストで闘ったが、トラムカはUMWの伝統を破り、全米炭鉱ストの動きを抑圧した。その結果、マッシー社の労組は破壊され、数千の安全規則違反がまかり通るようになった。そして今年4月5日、マッシー炭鉱で1970年以来最大の爆発事故が起き、29人が殺された。
労働組合奪還へ
今こそ、既成指導部から労働組合を奪還する時だ。国際連帯こそ、その勝利を切り開くテコだ。
アメリカ労働者階級と連帯し、動労千葉の反合・運転保安闘争路線をあらゆる職場で創意的に貫き、11月労働者集会への大結集をかちとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号6面1)(2010/08/02 )
8・6ヒロシマ大行動へ
被爆者青年同盟がアピール
“北朝鮮侵略戦争策動許すな”
米韓合同軍事演習が強行され、日本を出撃拠点とする米日韓の北朝鮮侵略戦争策動が切迫している。この中で8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争が闘われる。全国被爆者青年同盟から緊急のアピールが発せられた。呼びかけに応えて総決起しよう。(編集局)
全国の被爆者の皆さん、被爆2世・3世の仲間の皆さん。そして、国際主義の旗のもと、階級的労働運動を闘う労働者の皆さん。
被爆65年目を迎える8月6日、ヒロシマ大行動へ総結集を訴えます。
今夏8・6は民主党・連合政権下で迎える初の8・6ヒロシマです。8・6とは言うまでもなく、核兵器廃絶と反戦平和の誓いを新たにする場であるはずです。しかし民主党・菅政権は、8・6を前に矢継ぎ早に改憲攻撃を加えています。
一つは、ソマリアでの給油活動。もう一つは、武器輸出3原則を空洞化し、MD(ミサイル防衛)関連の技術をアメリカ経由で輸出する道を開こうとしています。
また、兵器級プルトニウム製造工場である「もんじゅ」再稼働を狙い、国家あげての原発売り込みを行って、NPT(核不拡散条約)未加盟のインドとは原子力協定を結ぼうとしています。
何よりも、沖縄辺野古への新基地建設をアメリカ帝国主義との約束と言いなして、沖縄の労働者民衆の反対運動に激しく解体攻撃をかけています。日米同盟がアジアの平和と安定に貢献したと賛美し、同盟の深化=対等の関係を強調しています。そのターゲットに北朝鮮が名指しであげられ、米韓合同軍事演習に自衛官を観戦させるなど米帝と競って攻撃を仕掛けようと挑発しています。連合に支配された原水禁大会で、こうしたデタラメが「当然の事として」労働者階級に押しつけられようとしています。
まさに、日本帝国主義による朝鮮侵略戦争、核戦争が切迫しています。階級闘争の歴史が教えるように、労働組合の破壊は労働者の分断であり、その結果、労働者階級はブルジョアジーのための戦争に動員され、その最も悲惨な結末として原爆が投下されました。
したがって、労働組合をよみがえらせる中に戦争を止め核を廃絶する力があるのです。原水禁大会に参加する労働者民衆に、日本帝国主義と体制内指導部の戦争動員・分断支配を打ち破り、再びヒロシマ・ナガサキを繰り返させない渾身(こんしん)の決起を訴えよう! 労働者の国際連帯で核兵器廃絶が可能なことを訴えよう!
(写真 昨年の8・6広島祈念式典弾劾デモ)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号6面2)(2010/08/02 )
米韓合同軍事演習 〈解説〉
「不屈の意志」と名付けた大規模な米韓合同軍事演習が7月25日から4日間、韓国東側の日本海で行われた。米韓合わせて兵員8千人、艦船20隻、航空機200機が参加。米軍は最新鋭原子力空母ジョージ・ワシントン(約9万7千d、艦載機75機、乗員5500人)や、嘉手納基地に一時配備中の最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターを投入した。合同演習は指揮所演習など年末まで毎月実施される。
北朝鮮スターリン主義に対する新たな金融制裁と合わせて、この演習自体が金正日政権の転覆―北朝鮮侵略戦争を狙う作戦そのものだ。またこの中で米中の軍事的対決も重大化している。
横須賀や嘉手納など在日米軍基地が演習の出撃拠点となっている。今回の演習には海上自衛官4人がジョージ・ワシントンに乗艦して参加した。
8・6広島−8・9長崎で怒りの決起を!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号6面3)(2010/08/02 )
“星野さんを再審無罪に”
西郡支部大会で特別決議
7月18日、部落解放同盟全国連西郡支部第5回定期大会が180人の結集で大成功しました。西郡支部は支部結成以来4年間の激戦激闘の中で、八尾北労組、命と健康を守る会、地域住民一体の団結した闘いとして住宅闘争、八尾北医療センター民営化阻止闘争を闘ってきました。
08年4月7日、獄中の星野文昭さんが「賞与金」をためた中から5千円をカンパとして西郡支部に送ってきました。「住宅が守られ、解放の未来のために」との言葉が添えられていました。
この間、恒常的に全国闘争や現地調査に参加し、徳島刑務所に手紙を送り続けて、面会を楽しみにしているAさんが「星野さんの再審を勝ちとる決議」を読み上げ、全体で確認されました。
私は、西郡支部のように闘おう、そうすれば必ず勝てると思いました。
(大阪・梅田大介)
★獄中35年--星野文昭さんの再審無罪を勝ちとる決議
獄中から星野さんが西郡住宅闘争を知り、供託者に貴重なお金をカンパしていただきました。私はお礼の手紙を出しました。それから何度か手紙を出すようになり、今も出し続けています。
星野さんは、1971年11月14日、沖縄永久核基地化反対の闘いに参加し、デモ隊と合流し、その途中で機動隊と衝突、警官が1名死亡した事件で、物的証拠が一切ないのに、でっち上げ証言者により「殺人罪」で逮捕されました。しかしその後目撃者が証言を撤回したにもかかわらず、裁判では一審判決20年の懲役刑、控訴審では無期懲役刑、1987年に上告棄却され、無期懲役刑が確定しました。国の権力は、星野さんがやっていないことは百も承知の上で、星野さんを「見せしめ」として重い罪にしたのです。
国の権力は、星野さんを無期刑で牢屋(ろうや)に閉じこめ、心身ともに破壊しようとしているのです。それでも星野さんは敗(ま)けず、35年にわたる獄中で、支援する仲間の励ましの声や激励の手紙によって力強く闘っています。
星野さんと弁護団は、新たな証拠をそろえて再審請求を最高裁に提出し、星野さんの闘いは、ますます力強くなっています。それによって、ささいなことで星野さんをいじめ、連続懲罰をかけられています。それでも星野さんは負けることなく、家族や労働者のことを考え、未来を取りもどす、その日が来るまで闘うとメッセージを出されています。
私たちも星野さんのように闘えば必ず勝利できると確信しています。
これからも星野さんと一緒に労働組合に持ち込み、運動を拡大し、星野文昭さんの再審無罪即時釈放、この手に取り戻すまでみなさんと団結して共にがんばりましょう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号6面4)(2010/08/02 )
星野同志の革共同集会へのメッセージ
労働者人民の団結した力ですべてを奪い返す時が来た
革共同集会に結集されたすべての皆さん。
資本・権力の延命のために、いわばフリーハンドで労働者人民に犠牲を強いることへの怒りが自民党政権を倒し、その怒りで政権を握った民主党・連合政権も、辺野古移設、国鉄・公務員首切りと消費税で一層犠牲を強いることへの怒りが、参議院選挙で敗北させました。
労働者人民の団結した力で、資本・権力−民主党・連合政権を打倒し、労働者人民が主人公となって、本物の人間社会を築くことによってのみ未来があることが鮮明になっています。
資本・権力の延命のために、労働者人民に犠牲になれ、という新自由主義に対して一歩も引かず、労働者人民の誇りと解放をかけて団結して闘う国鉄全国運動の挑戦は、沖縄闘争、三里塚、法大と星野・諸闘争の新たな挑戦と一つに、職場・地域、沖縄・本土、全世界で、労働者人民自身の誇りと解放をかけた闘いとして、すべての労働者人民を獲得し、総決起をかちとるものです。
私たちは、この闘いによって、労働者階級の自己解放を通して、階級社会、一切の抑圧と差別からの階級、人間の普遍的解放をかちとるプロレタリア革命を、今、一歩一歩たぐり寄せています。
今や、大恐慌対策の財政投入は、天文学的財政赤字を引き起し、大破局へ進んでいます。過剰資本は未整理のまま爆発化し、それが資本・国家間の争闘戦を抜き差しならないものにし、労働者人民への搾取・貧困化と世界再分割をかけた戦争での殺し合いを強い、人類を絶滅させる核戦争を引き起こします。資本主義の世界史的生命力は尽きています。
核心は、生産をにない、社会を動かしている労働者階級が、真の社会の主人公として、すぐに資本家階級に代わって、新たな共同社会を運営する力を持っている世界史的存在だということです。
私たちは、自らのその力を信頼し、その誇りをもって、資本・権力のリストラ・首切り・非正規化、賃下げ・長時間労働、戦争といった一切の理不尽な攻撃に対して、一歩も引かず絶対反対を貫いて闘うことを通して、階級的団結によって職場・世の中を変え、統治する力を獲得し、そのことによって資本・権力を打倒し、すべてを奪い返し、労働者人民が社会の主人公となって、誰もが人間らしく生きられる社会を実現していく、その力を絶対に獲得しましょう。
この闘いを圧殺するために、無実を百も承知で無期、35年投獄を強いていることに怒りを解き放ち、再審無罪・釈放を、職場、あらゆる場でストレートに訴え、絶対にかちとっていきましょう。
国鉄を基軸に、全産別、全闘争を一つのものとして労働者人民の解放をかけたみんなの闘いとしてにない、闘い、勝利し、資本主義・帝国主義を終わらせ、すべてを奪い返し、誰もが喜び、働き、生きる人間本来の社会を実現しよう。
--------------------
★星野文昭同志に暑中見舞いを!
徳島市入田町大久200-1
星野文昭 様
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号6面5)(2010/08/02 )
“底がぬけた”郵便事業 現場労働者からの報告
民営化絶対反対を貫く
東京・全逓労働者 森内一郎
34万個の遅配を発生させた「ゆうパック7・1統合」の大混乱は、「公益事業」を私的ビジネスに変えた郵政民営化の破産を証明した(既報)。「労働者の働き度を極限まで高め、労働組合の抵抗を根絶やしにする」新自由主義政策が、郵便事業の底が抜ける事態に行き着いた。現場からの報告を掲載する。(編集局)
(写真 身動きできなくなった拠点局の構内)
■郵便局の中は大混乱
私は東京F郵便局の郵便課に勤めています。7月2日の金曜日に出勤(夜勤で昼12時45分から夜9時半まで)した時、局舎に入った時点で完全に様子がおかしいと分かった。まず日通と郵便局の大きさの違うパレットが混在していたことに驚いた。不規則に無駄なスペースが取られ、非常に動きにくい。これだけでも、ものすごく効率が悪い。一瞬で私も混乱に巻き込まれてしまった。
一番驚いたのは、まったくシステムの違う二つの組織を事前訓練もなしで統合したことだ。信じられないことである。
郵便局には郵便番号があるが、日通にも独自の地域番号があった。その情報は事前に知らされず、当日になって説明された。ゆうパックの上に日通の番号シールを一個一個作っては張るのだ。(注1)
地域別の小包区分の仕方も郵便局と日通では違う。これにも本当に困惑した。統合後は局のスペースの面積はそのままで、事前の打ち合わせもなく荷物が激増した。大混乱は当たり前だ。
いくら処理しても荷物は減らない。荷物が倍になって人は増えていないのだから当たり前だ。深夜勤の人は休憩時間も休めなかった。私が退社する時も、日通の集荷車が次々と入ってきた。
それでも、うちの局の混乱はまだ小さい方で、伝送便トラックのドライバーの話では、集配拠点局の新東京局はもっと混乱していたそうだ。局内に入れないトラックが50台以上も道路を占拠し、大渋滞を引き起こした。日通から来た労働者も勝手も分からず、右往左往を強いられた。
配達現場も大変だ。全国で配達員は一日中お客に平謝りだったという。本当は誰が謝るべきか。郵政を資本家の金もうけの道具にしたやつらこそ謝るべきだろう。
4日は泊まり勤務(16時30分から翌日の9時まで)。この日も異様なパンク状況だった。休憩・休息が取れない人も多く、休みの課長クラスが全員かり出されていた。
私は課長に「こんな状況でミスしたら課長が責任取って下さい」と言った。普段なら何を言われるか分からないが、課長は言葉を返せない。そもそも統合に伴う実地研修は1回もなく、業研(注2)が1回あっただけだった。課長自身が「統合後の現場がどうなるか分からない」とこぼしていたくらいなのだ。
■経営者は責任をとれ
NHKニュースは「ゆうパックの遅配は数日続く」と報道したが、うちの管理者は「数年はかかる」と告白した。
実は通常郵便にも大きな支障が出た。土曜日到着の定形外郵便がパレットのまま6台も放置されていた。物ダメ(注3)をやっているのではない。手が回らないだけ。月曜の朝、放置パレットは8台に。まさに郵便事業は民営化で“底が抜けて”しまったのだ。
混乱の原因は民営化そのものだ。郵政事業は小泉政権によって強制的に民営化された。以来、人が減らされ、システムが複雑になり、仕事量は激増した。そして初代社長の西川が、小包部門を子会社化して合理化するJPEX事業を進めた。
この時、わが労組交流センター全逓部会は労働条件の大幅切り下げや8割の非正規職化などの問題点を暴露して闘った。総務省すら、むちゃな計画に認可を渋っていた。しかし西川は新事業を強行し、あげくに巨額の赤字を出して破綻させた。結果、JPEXは毎日2億円近い赤字を垂れ流す破綻会社となり、あわてて再統合したのが今回の事態である。
混乱の責任は百パーセント経営トップにある。どう責任を取るのか明らかにせよ! 現場の私たちは、ちょっとのミスでも始末書で処分だ。給料をカットされ、ひどい時は「損害金」と称して何百万円もの大金を個人から取ることもある。
今回の統合失敗の損害金は誰が払うのか? JPEXを推進した西川は当然だ。民営化に賛成した議員や郵政を金もうけの対象にしたやつら全員もだ。そして、この最悪の時期に再統合を強行した鍋倉社長以下、現執行部全員だ。現場がどれだけ大変な思いをし、数え切れないくらい頭を下げ、怒鳴られてきたか分かっているのか。
やはり郵便を資本家の金もうけの道具にした民営化自体が間違っていたのだ。労働者による労働者のための郵便事業でなければならない。もともと鉄道や通信、郵便など国家の基幹を支える産業は、金もうけの道具にはできないし、してはならない事業だった。それゆえ、国が責任を持って運営する国営事業だったのだ。民営化絶対反対! このことを最後に訴えたいのである。
------------------------
注1 都内別局の報告では、5千個の大量集荷があり、新番号シールを発行して張り付ける作業は1個30秒としても1時間に120個。休みなしで42時間かかる。
注2 ミーティング形式で業務変更などを現場に伝える説明会。
注3 全逓時代からの郵政労働者のストライキ戦術のひとつ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号6面6)(2010/08/02 )
新刊 国際労働運動 9月号
労働者を組織しよう
9月号の特集は、「国鉄全国運動の壮大な発展を!」である。6月13日、「国鉄分割・民営化反対/1047名解雇撤回/新たな全国運動スタート/6・13大集会」が、東京・文京シビックホールに1650人を集めて開催された。「国鉄闘争の火を消すな」を合言葉にした、まったく新たな国鉄全国運動が始まった。この運動は、国鉄分割・民営化攻撃に対して唯一ストライキで闘った動労千葉を中心にして、日本労働運動の限界をのりこえる階級的労働運動を発展させるものである。革共同は、その成否にプロレタリア革命の前進がかかっていると断言できる。
第1章では、4・9和解情勢が動労千葉を排除し、日本労働運動総体を解体する攻撃であることを暴露し、開始された全国運動の意義と、その可能性について明らかにしている。
第2章では、この運動を提起した動労千葉の階級的労働運動、特に船橋事故闘争で確立された反合・運転保安闘争路線について考察している。
第3章では、この運動の発展は、革共同が真の革命的労働者党へと飛躍することと一体でかちとられることを明らかにし、全党・全人民の総決起を訴えている。
翻訳資料は、米帝の「核態勢の見直し(NPR)2010」の(上)だ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2450号7面1)(2010/08/02 )
夏季特別号 第U部
大恐慌-大失業・戦争を革命へ
労働運動の階級的再生と創造かけ あらゆる職場で国鉄全国運動を!
国鉄決戦と沖縄決戦で菅政権打倒せよ
(写真 「国鉄闘争の火を絶対に消すな」と1635人が全国運動開始を宣言した6・13集会【東京】)
はじめに
世界大恐慌が今日さらに激化・深化・発展している。このただ中で、階級情勢はいよいよ革命と反革命との巨大な非和解的激突の渦中に突入した。
2010年前半の闘いはその冒頭から、国鉄決戦をめぐって最大の火を噴いた。JRの検修業務全面外注化攻撃との大決戦と、これと表裏一体で進行した国鉄1047名解雇撤回闘争に対する4・9「政治和解」という名の恐るべき反革命攻撃との、労働組合と労働運動そのものの生き死にをかけた決戦である。これとの激しい歯を食いしばるようなぎりぎりの格闘を通して、動労千葉400組合員の決起と「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動」がついに、この大攻撃に対する労働者階級の渾身(こんしん)の反撃として開始された。これをもって日本の階級闘争は、まったく新たな歴史的段階に入った。
ここに始まった階級的激突は、国鉄分割・民営化との23年にわたる攻防の歴史のみならず、戦後労働運動60余年の歴史を根本から塗り替える闘いへの突入である。ブルジョア支配の完全な打倒=労働者階級による権力奪取に行き着くことなしには終わらない闘いの始まりだ。それは同時に、革共同に、真の労働者党、革命党への巨大な飛躍を突きつけている。プロレタリア世界革命の達成へ向けた壮大な挑戦が始まったのである。
革命的共産主義運動は、1950年代後半に登場して以来、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」「社・共に代わる闘う労働者党建設」の綱領的立場を確立し、プロレタリア世界革命勝利へ、半世紀を超えて闘ってきた。スターリン主義によるマルクス主義の歪曲を打ち破って闘い、ファシスト・カクマルと果敢に闘って勝利し、帝国主義労働運動勢力と激突して、ついに今日、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の大旗を掲げ、闘う労働者階級と真に結合して自己を本物の労働者階級の党として打ち立てるところに到達した。
2010年代初頭の階級的激闘は、待ちに待った世界革命の条件を急速に成熟させている。国際プロレタリアートの相次ぐ大デモやゼネスト決起は、世界革命の一環としての日本革命の勝利を熱烈に求めている。わが革共同に問われているのは、大恐慌下の革命情勢の急接近を現実の革命として闘いとるために、革命党は現在、どこをどのように変革し、プロレタリア革命へ接近していくのかということである。
それは、今や労働運動をめぐる激突とそこでの勝利が一切を決する情勢に突入したことをはっきりと自覚し、労働組合を労働組合として甦(よみがえ)らせる闘いに全力を挙げて突入することにある。階級的労働運動の不屈の前進をかちとり、労働組合をめぐる帝国主義労働運動勢力との権力闘争に絶対に勝利し抜くことである。その推進軸こそ、新たな国鉄全国運動だ。
革命的共産主義運動と階級的労働運動が一体化し、党と労働組合が結合し、プロレタリア革命を決定的に引き寄せ、たぐり寄せていく活動を飛躍的に、白熱的に前進させよう。労働者階級の最高の団結形態である党が、労働組合の中に深く広く根を張ることが求められてきているのだ。労働者階級の中に党細胞を建設しつつ、労働組合をどれだけ組織していくのかに一切がかかっている。
その核心は、党が闘う労働者、戦闘的組合活動家と一体となり、職場の全労働者大衆をプロレタリア革命の主体として真っ向から措定し、資本・権力との闘いへの階級・大衆全体の決起を引き出すことだ。全組合員・労働者大衆の中に徹底的に分け入ってその全生活を熟知し、その意識とじかに切り結び、彼らを支配してきたブルジョア・イデオロギーや体制内思想とのきずなを断ち切って、労働者階級が本来もつ自己解放の力と創造性のすべてをとことん引き出すために闘うことだ。そのようにして6千万労働者階級の圧倒的多数を現実に獲得し組織して、その主体的決起を実現していくことである。
世界大恐慌下でのこの闘いは、革共同にとって、これまで経験したことのないまったく新たな闘いへの大挑戦である。この道を徹底的に突き進む中に革命の勝利は確実にある。6千万労働者階級、何よりも2千万青年労働者と今こそ深く結合し、そのまっただ中に、労働者階級の党としての強大な革共同を打ち立てよう。
【第T章・総括】 労働運動壊滅攻撃を打ち破る階級の歴史的決起が始まった
(1)「4・9政治和解」の反革命突き破った6・13の大決起
国鉄1047名解雇撤回闘争の完全解体を狙って仕掛けられた4・9政治和解の攻撃は、大恐慌の危機にのたうつ日帝ブルジョアジーの起死回生をかけた、歴史を画する一大反革命攻撃であった。動労千葉を先頭とする闘う全労働者の必死の反撃がこの反革命をその根幹において打ち破ったことは、日本の労働運動と階級闘争全体をまったく新たな段階に突入させた。
「4・9情勢」の重大性
4・9反革命の重大性は、@すべての訴訟(労働委員会闘争も含む)を取り下げること、A不当労働行為や雇用について二度と争わないこと、B雇用確保の努力はするが採用されなくても異議は唱えない、という3条件と、分割・民営化を真っ向から居直り「国鉄改革の完遂」を叫んだ前原国交相の談話にあからさまに示されている。これは1047名闘争の圧殺・解体攻撃であるだけでなく、国鉄労働運動と戦後労働運動の全面解体攻撃であった。とりわけ動労千葉を意識的に排除して行われたことが示すように、何よりも、階級的労働運動と革命的共産主義運動が大恐慌・大失業下で高まる青年労働者の怒りと本格的な結合を開始することを未然に阻止し、一握りの極小勢力へと転落させることを狙う攻撃であった。
それは、国家的不当労働行為によって20万人もの首を切った87年の分割・民営化を「正義」として公然と美化し、「これ以上闘っても勝てない」という敗北主義のもとに全労働者を引きずり込んで全面屈服を迫るものだ。「応じれば涙金くらいは出してやる」という卑劣な手口を使い、労働運動の戦闘的前進にふたをして資本の支配のもとに抑え込む許しがたい攻撃であった。そして1047名闘争をつぶし、国労を最終的に解体した上に、国鉄型の「いったん全員解雇・選別再雇用」で公務員労働者360万人の首を切り、それを突破口に全労働者を一層の地獄にたたき込むこと、9割の非正規職化と2千万人の大失業を生み出すことを狙っていたのである。
これこそ、プロレタリア革命情勢の急速な成熟に恐怖した帝国主義ブルジョアジーの全体重をかけた予防反革命攻撃であった。闘う国鉄労働者がもしこれに一人残らず屈服し、1047名闘争の幕が完全に下ろされていたならば、間違いなく日本労働運動の闘いの火が消されようとしていた。現に、社会主義協会派や日本共産党スターリン主義など、体制内労働運動派は雪崩を打ってひざを屈し、闘いの旗をその最後の1本までも自ら引き降ろす無残な姿を次々とさらけ出していった。資本主義防衛派として自己を純化し、結局は帝国主義労働運動へ転落し、闘う労働者を資本と国家権力に売り渡して侵略戦争に全面協力する道にのめり込んだのだ。
闘う動労千葉先頭に総反撃の火ぶた切る
この国鉄労働運動解体攻撃に対し、「このままでは労働運動は終わりだ」「闘いの火を絶対に消してはならない」という思いと非常な危機感が、闘う労働組合と戦闘的労働者、組合活動家の中に期せずして広がっていった。動労千葉の「国鉄闘争の火を消すな!」「大恐慌に立ち向かう新たな労働運動をつくろう」という呼びかけは、これらの人びとの心をまっすぐにとらえた。11月集会を動労千葉とともに闘ってきた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の2労組が直ちにともに反撃に立つことを表明した。新たな国鉄闘争全国運動の出発点となった6・13集会への1635人の大結集と呼びかけ人の烈々たるアピールは、新自由主義と全面的に対決して闘う日本労働運動が、ここから始まることを全員が確認する場となった。
この闘いを中心で担い、牽引(けんいん)したのは動労千葉400組合員の決起である。動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃と唯一、真っ向から対決し続けてきた23年間の闘いの地平に立って、今年前半の検修構内業務外注化攻撃と徹底的に闘った。外注化攻撃を「新自由主義の核心的攻撃」としてとらえ返し、これとの闘いを「全労働者の未来がかかった攻防」と位置づけ、活動家が次々と配転させられる攻撃に満身創痍(そうい)になりながらもストライキ闘争へ連続的に決起し、その不抜の団結の力をもって4月1日実施を完全に阻止した。この勝利はJR東日本の大合理化計画を大破綻にたたき込み、とりわけ平成採の青年労働者の資本への怒りを解き放ち、JRの職場全体を揺るがした。
この動労千葉と一体で闘われた動労水戸を始めとする動労総連合の闘いも、JR資本に決定的な打撃を与えた。さらに国労共闘の闘いが、動労千葉労働運動の質で団結して闘う路線の勝利をもって飛躍的な前進を開始した。
ここに確信をもった動労千葉は、動労千葉を意識的に排除して進んだ4・9政治和解攻撃の本質を動労千葉破壊攻撃、国鉄労働運動の全面圧殺の攻撃としてとらえた。そして全身の怒りと危機感をもって、この反革命と真正面から対決し突破する道を「分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回」をどこまでも不屈に貫く新たな国鉄闘争全国運動として提起し、全国に呼びかけた。
6・13で開始された国鉄全国運動は、新しい階級闘争の時代をつくり出した。それは4・9政治和解が生んだ労働運動の歴史的危機を全面的に見据えるところから開始された。そして国鉄闘争が日本の労働運動と階級闘争においてもつ位置の大きさを再確認し、動労千葉が労働組合として70年代以来築き上げてきた闘いの中に、今日の時代と対決していく展望を大きく見いだすものとなっていった。1972年の船橋事故闘争を契機とした反合理化・運転保安闘争路線の確立、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争への決起、国鉄分割・民営化に唯一、2波のストライキで決起しその後もJR体制との死闘を貫き通してきた闘い、国際連帯の闘いの発展など、動労千葉労働運動のすべてが戦後労働運動の体制内的限界を突破する職場からの実践であることが再発見され、その中にこそ大恐慌と対決する階級的労働運動の復権と創造の道があるという確信が圧倒的に生み出されていったのである。
6・13集会の会場を覆った感動と熱気は、戦後労働運動をのりこえる新たな階級的労働運動の創造というこの壮大な挑戦を、すべての闘う労働者・闘う労働組合が一丸となってやり抜こうという気概に満ちあふれたものであった。日本の労働者階級の最先端で、日帝の全体重をかけた労働運動絶滅攻撃をはね返して、労働者階級の自己解放に向けた階級自身の決定的な挑戦が始まったのである。それはさらに海を越えて韓国とアメリカの闘う労働者の熱烈な連帯の決起を呼び起こしている。
問われる党の大変革
6・13は革共同に、革共同は労働者階級の党だとあらためて強烈に自覚させるものであった。動労千葉労働運動が築き上げてきた闘いのすべては、革命的共産主義の党、マルクス主義の党である革共同が、動労千葉組合員の決起と固く連帯し、彼らの闘いを支え、反革命の襲撃から守り抜き、彼らと一体となって切り開いてきたものだ。だからこそ今、動労千葉を先頭にした労働者階級の新たな挑戦の開始に対し、革共同の党としての指導性が決定的に問われている。6・13で開始された闘いの発展に真に責任を取り切れる党への、巨大な自己変革が問われているのだ。
国鉄全国運動の組織化に全力を尽くし、その中で戦闘的労働者との接点・交通を大胆に拡大し、党が階級全体と結びつく能力を必死になって獲得し強化し、6千万労働者階級の党として飛躍していこう。その第一歩は、6・13集会の組織化をめぐる実践的格闘の中ですでに大きく切り開かれている。
(2)青年先頭に全国全産別で大恐慌下の職場闘争に突入
国鉄全国運動は、新自由主義攻撃と全面的に闘うことを宣言した。この闘いの実践の中に国鉄全国運動の革命性がある。それは、新自由主義攻撃として襲いかかる規制緩和・民営化・労組破壊との全面的激突であり、団結破壊・階級的分断・改憲・侵略戦争との闘いとなる。この闘いの基礎を、動労千葉労働運動が切り開いたのだ。
動労千葉は、戦後労働運動の限界を突破する組合的闘いの力として、反合理化・運転保安闘争路線を確立して闘ってきた。72年船橋事故闘争以来の闘いを総括し、路線的に位置づけた。資本の合理化攻撃には「闘っても勝てない」とされてきた歴史を覆し、本気で闘えば勝てることをはっきりさせた。そして、労働者と労働組合にとって安全問題の死活的意義を確認し、安全問題を通した資本との非和解的対決を職場の団結として決定的に打ち固め、その職場的力で職場闘争を闘い、団結と路線を基礎に勝利を切り開く経験を積み重ねてきたのである。この動労千葉の反合・運転保安闘争路線を全産別の闘いの指針として確立する闘いが、国鉄全国運動のもとで本格的前進を開始した。
全国運動に決起している青年労働者は、資本との非和解的な闘いに連日総決起している。特にJRの平成採を先頭に、4大産別の中から当局や体制内ダラ幹指導部のあらゆる暴圧をはね返して決起が開始されている。前半戦で特筆すべきは、青年労働者が職場闘争を思い切って、渾身の決起で闘っていることである。国労・全逓を先頭に、自治体、教労、医療・福祉、合同・一般労組、NTT、金属、民間中小のあらゆる職場で、動労千葉労働運動を体現した実践が組織され始めている。
また労働組合がないところでも、労働組合を組織し、職場生産点から仲間をつくり出す闘いに心血が注がれている。
大恐慌下の職場闘争は、破綻にまみれた資本の新自由主義攻撃との激突に次ぐ激突である。だからこそ一人からでも職場の怒りを引き出し、職場権力をめざし、組合的団結を不断につくり出す目的意識性と柔軟性をもった闘いに果敢に決起するならば、資本の支配は必ず破綻していく。こうして闘う労働者のあらゆる現場から、動労千葉派の独自な組織系列の建設と、あくまでも団結を総括軸にした職場生産点の闘いの実践から、階級的労働運動の大きな展望が切り開かれる。
社保・全逓・教労・医療福祉などで前進
社会保険庁労働者の決起は、大恐慌の進行のもとで、公務員労働運動破壊攻撃と道州制導入による公務員360万人首切り攻撃に対する死活的反撃である。それは国鉄型の分割・民営化攻撃と一体であるとともに、2万人の「いったん全員解雇」の分限免職の上で、選別採用で1千人以上を不採用にし、525人を最終的に分限免職にし、さらにその中で職場全体を非正規職化していったのである。525人は、この歴史的攻撃への大反撃に決起したのである。それは社保庁労組の裏切りと分断に対して、一人また一人の決起を団結に必死に結びつけようという闘いから開始されているのである。
全逓において、民営化の大破産がJPEXの破綻と「ゆうパック」遅配問題の大爆発、さらに職場の安全崩壊として進行する中で、まさに職場権力・支配権の奪取の意識性を強烈に貫き、団結をかちとる闘いが展開されている。教育労働者は、教育現場での非正規職化の現実と闘い、「日の丸・君が代」不起立闘争の地平の上に団結し、ともに反撃を開始している。また医療・福祉現場では、医療の崩壊という現実の中で、特に安全の崩壊・大合理化の進行・人事評価、さらに非正規化という分断攻撃の激化と対決し、職場の怒りをたばね、路線と団結を職場の実践を通して打ち立てていく闘いが前進している。国鉄全国運動の発展をとおして、これらの闘いの真に力ある前進と発展をかちとっていこう。
こうした全産別で進められている職場生産点の闘いは、現場の怒りと必死に結びつき、この職場の決起を支え、貫く労働学校や物販交流会などの独自の指導・組織系列をつくり出し、団結を拡大し、団結を職場全体に染みわたらせる努力をねばり強くやりとげる悪戦苦闘として展開されている。
重要なのは、こうした職場の闘いに勝利する路線が動労千葉の反合・運転保安闘争路線であることを、闘えば闘うほど全員が実感し始めていることである。反合・運転保安闘争路線とは、安全問題というブルジョアジーのアキレス腱(けん)を逆手にとって、資本との非和解的対決とそこでの主導権を握りしめ、職場の団結をかちとり、組合権力を取り、「第2・第3の動労千葉」をつくり出していく闘いの路線である。国鉄全国運動はこれらの闘いを徹底的に発展させていく、まさに新たな創造的な大運動なのである。
(写真 イラク反戦7周年「3・20ワーカーズアクション・イン渋谷」のデモ)
(3)沖縄や三里塚など全戦線の闘いで日帝を追い詰めた
国鉄全国運動は、労働組合の反戦政治闘争への決起を復権させていく闘いでもある。労働組合が解雇撤回闘争を投げ捨て、労働者の首切り攻撃と一切闘わない組合に転落していくことは同時に、反戦闘争や安保・沖縄闘争、反核闘争、改憲阻止闘争などおよそ一切の政治闘争からの撤退、召還を意味している。事実、民主党政権の登場と4・9「政治和解」への策動が始まって以降、体制内指導部による大規模な反戦集会やデモはほとんど組織されなくなった。沖縄では、基地撤去を求める沖縄の労働者階級人民の激しい怒りが民主党はもとより全政党への不信となって大爆発し、民主党・連合政権を打倒する闘いへと発展してきている。
2010年の5・15沖縄闘争は、6・13集会の組織化と一体で、この現実を根底から突破していく展望を切り開くものとしてかちとられた。青年・学生が中心的担い手となり、日米安保同盟粉砕・米軍基地撤去闘争を本土と沖縄の労働者階級の団結によって、具体的には国鉄決戦と沖縄決戦の結合によって闘いとっていく道を指し示し、沖縄県民大会に結集した膨大な労働者人民との結合を開始したのだ。大恐慌・大失業と北朝鮮への侵略戦争突入情勢の中で、新たな安保・沖縄闘争を、120万沖縄労働者階級の決起と青年労働者・学生の決起が先頭で切り開いた意義は計り知れない。
戦後の沖縄の歴史は、基地撤去をめぐる日米帝と沖縄労働者人民との激突の歴史であった。革共同は沖縄の闘う労働者階級とともに、「県外・国外移設」という現代の沖縄独立論と徹底的に闘ってきた。沖縄の怒りは今や、民主党が参院選で独自候補も立てられず惨敗する情勢に追い込んでいる。この情勢は9月名護市議選、11月沖縄県知事選へ向かってさらに激しく動き出す。労働運動が先頭で闘う時がきた。
市東さん決起に応え労農学が不抜の団結
2010年前半の階級的激突は、三里塚闘争を最先端にして闘われた。三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東孝雄さんを先頭に農地死守・実力闘争へ激しく決起した。反対同盟は、現闘本部強奪、団結街道封鎖、第3誘導路計画に、階級的敵愾心(てきがいしん)を燃え立たせて権力によるむき出しの弾圧にも屈せず決然と立ち上がった。
われわれは学生と青年労働者を先頭に、反対同盟の不屈の決起と固く連帯し、裁判闘争と援農を通し、日常的団結を目的意識的に闘いとった。そして動労千葉との労農連帯・国際連帯をさらに発展させた。この力は、弾圧と闘争破壊攻撃に真っ向から立ち向かう根源的力をつくり上げた。大恐慌下、三里塚闘争は、新自由主義攻撃と闘う青年労働者や学生の闘いと一体化し、沖縄の闘いとも結合し、国家権力と不屈に闘う砦(とりで)として再びそびえ立つ時を迎えている。
さらに、泉佐野市議選の勝利(国賀祥司市議7選)は、大恐慌下の選挙闘争として民営化・労組破壊攻撃と真正面から対決して闘い、泉佐野で労働組合の新たな団結をつくり出した。この闘いの前進が、関西空港反対闘争を闘う基礎的力になっている。
2010年前半の闘いは同時に、改憲阻止闘争の前進そのものであった。裁判員制度反対大運動は、5・18日比谷公会堂に1800人の大結集をかちとり、百万人署名運動とともに改憲阻止闘争の最先端を切り開いている。 4・9反革命との闘いはさらに、階級的労働運動の前進と地区党建設の本格的発展をかちとる闘いを基礎として、全戦線がプロレタリア革命の断固たる戦取に向かって諸階級・諸階層人民に分け入り、革命へ組織する闘いの大胆な変革と飛躍を求めた。その闘いの必死のこじ開けが開始された。
星野再審への闘いが全国的スタート台に
星野再審闘争は今年、新たな全国的スタート台に立った。08年、09年は、星野文昭同志奪還の路線的一致をかちとる激しい闘いであった。この地平をさらに徹底的に発展させ、労働運動の力で星野同志を奪還すること、そのために星野闘争自身が非正規労働者を労働組合に組織し、その組織した力を先頭にさらに星野闘争の発展をかちとる過程へと突入することとなった。労働運動の前進と沖縄闘争との結合こそ、星野同志奪還の最深の力である。
大恐慌の本格的発展と労働者階級人民の戦闘化は、国家権力との本質的激突を深めた。国家権力は革命の予兆を感じ、党と労働組合への弾圧、潜入、監視を強めている。しかし、10年、20年の獄中闘争を闘った勝利感で階級的原則を貫いて闘われている迎賓館・横田爆取裁判を始め、激化する弾圧との闘いは全人民を鼓舞激励するだけである。日帝国家権力の4・9反革命に対し、非合法・非公然体制確立の闘いが本格的に開始された。国家権力・資本と非和解的に闘う勢力こそ、世界革命へ責任をもつ勢力であることが示されたのだ。
(4)法大での激突に勝ち抜き全学連運動が飛躍的に前進
学生運動は、06年以来の権力・当局と一体となった言語道断の弾圧(「暴処法」「営業権」「施設管理権」「建造物侵入」「授業妨害」など)をはねのけ、学生運動=法大闘争圧殺攻撃を団結の一点で反撃し、勝ち抜いてきた。この死闘の中から、新自由主義攻撃と激突する「教育の民営化粉砕」路線を確立し、全世界の学生運動を指導するリーダーを育て上げ、日本学生運動を前進させてきた。
法大決戦4年間の死闘は、大恐慌下の学生運動を指導する全国指導部と大学細胞を建設し、指導部の指導性と力量、それを軸とする大学細胞の団結の力をもって全学連運動の大衆的発展をかちとる過程であった。今や、学生運動は階級闘争の決定的一翼を担う力をもった運動として力強い前進を開始した。闘う学生がマルクス主義で武装し、プロレタリア解放運動を論じ、他方で労働者の闘いを鼓舞激励し、青年労働者の怒りの決起と一体となって、日本階級闘争を牽引してきた。
さらに「教育の民営化粉砕」が、全世界の先進的学生との団結を急速に生み出し、全世界の学生統一行動への展開を押し開いた。
2010年前半は組織建設を目的意識的に闘いとり、革命的共産主義運動と階級的労働運動の砦として学生運動が再建された。このことは全労働者階級に深い感動を呼び起こしている。
(5)国際連帯の発展と新たなインターナショナルの展望
新自由主義と闘う階級闘争のうねりが全世界で始まっている。新たなインターナショナルは、まさに大恐慌、大失業と戦争に対する反撃を全世界で実践的に展開する中でこそ生み出される。3月の全学連訪米とカリフォルニア教育ゼネストへの合流、6月の動労千葉と全学連のブラジル訪問・ブラジル労働者階級との大合流は、そこへ向けての決定的な跳躍点となった闘いであった。とくに中南米における革命情勢突入の真っただ中で、ブラジル労働運動の革命的再編へ向けて新たな挑戦を開始したコンルータス(全国闘争連盟)との合流は、日本の階級的労働運動をいま一段と飛躍させていく上で実に貴重な経験となった。
さらに、中国ホンダ工場でのストライキの爆発を始めとする中国青年労働者の歴史的決起と、これに連帯して闘われた日本のホンダ本社に対する抗議闘争は、日中労働者の国際的団結への歴史的扉をついに開いた。
重要なことは、ブラジルでも韓国でもアメリカでも、また中国でも、労働者階級の団結形態である労働組合を軸にプロレタリア世界革命への接近が開始されていることである。これは、革共同が今まで経験したことのない新たな挑戦である。党と労働組合が中軸になり、帝国主義の抑圧・迫害・分断・排外主義と闘い、民族・国境・国籍を越えた階級的団結をつくり上げることである。新たなインターナショナル建設の闘いは、ここにおいて党が労働組合を軸にした実践集団になることが発展の第一歩である。
そして国際連帯闘争が切り開いている地平は、直ちに既成の思想との闘争になる。スターリン主義、社会民主主義、トロツキー教条主義と闘い、全世界を獲得する壮大な獲得戦、労働組合に依拠して闘う党派的実践に突入することだ。それは歴史を塗り替える壮大な闘いである。この核心は、革共同の綱領草案での武装である。マルクス主義での武装が、革命的共産主義運動と階級的労働運動とが融合してブルジョア国家権力を打倒する力を養うのである。
1848年、マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』で資本主義社会を転覆するプロレタリアートの世界史的任務を宣言して以来、1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命を闘いとってきた国際労働者階級の闘いは、ついにこの世界大恐慌下で、スターリン主義によるマルクス主義の歪曲を根底的に突破して世界革命の完遂へ突き進む時を迎えた。2010年前半の決戦が切り開いた巨大な地平と新たな飛躍への挑戦をはっきりさせ、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ!」の路線をもって今秋11月へ、党の変革をかちとって前進しよう!
【第U章・情勢】 大恐慌―新自由主義の破産と戦後帝国主義世界体制の崩壊
(1)21世紀が解決すべき課題
今日の世界と日本の情勢を揺り動かし、根底から規定しているものは、世界大恐慌の爆発、その激化・深化・発展と、そのもとでの全世界的な革命的情勢の成熟である。
07年8月のパリバ・ショックを契機に現実化し勃発(ぼっぱつ)した世界金融大恐慌は、08年9・15リーマン・ショックの爆発をもって実体経済の急落・大収縮をも引き起こすに至り、本格的な大恐慌へと発展した。それは09年1〜3月期にかけ世界経済の生産と貿易のレベルをリーマン・ショック以前の3分の2から半分の規模に急落させ、資本主義・帝国主義の体制を、いったんは1929年大恐慌後のどん底のレベルにまでたたき込んだ。これに対し、米欧日や中国の各政権は、こぞって「一に政策、二に政策、三に政策」(ドイツ連銀総裁)などと公言しつつ、29年大恐慌時をはるかに超える天文学的規模の景気刺激策・金融支援策を発動し、大恐慌のそれ以上の激化・発展を食い止めるために、なりふり構わず全力を挙げたのであった。
だがそれが、一時的な「景気回復」のカンフル効果と引き替えに生み出したものは、一方でのギリシャ・スペイン・ポルトガルを始めとしたユーロ圏や米英日などの諸国をすべて覆う未曽有の財政危機・財政破綻であり、他方での帝国主義間・大国間の争闘戦の激化と、歴史的な大失業・戦争の時代の到来だった。現下の世界大恐慌は「百年に一度」の、1929年大恐慌をはるかに超える後のない歴史的な事態だ。
まさにいま足元で起きているのは、最末期帝国主義とその最後の延命策であった新自由主義とグローバリズムの総破綻であり、米帝を基軸とした帝国主義の戦後世界体制と戦後的発展の全面的な破産・崩壊ということである。
21世紀の課題は、1917年ロシア革命が勝利しながらも20世紀が解決すべくして解決しえなかった世界史的課題、すなわち帝国主義とその世界支配体制の革命的な打倒・転覆を、反帝・反スターリン主義のプロレタリア世界革命の達成として早期に成し遂げ、社会主義・共産主義社会への人類史的移行を必ず実現することである。1929年を超える今日の新たな世界大恐慌の爆発と全世界的な革命情勢の成熟こそは、反帝・反スターリン主義と「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の旗のもとに、万国の労働者階級が団結し、階級的労働運動の全面的発展を絶対的な基礎として、この21世紀の世界史的・人類史的課題をついに達成すべき情勢の到来である。
帝国主義の史上3度目の基本矛盾の大爆発の開始としてある今次大恐慌とその激化のもとで、すでにギリシャを先頭に全世界でゼネストやデモが爆発している。この到来した胸躍る革命的情勢をプロレタリア世界革命へ転化するために、今こそ闘い抜こう。
(2)労働者に「工場法以前」の状態を強制する新自由主義
レーニンは、帝国主義を「死滅しつつある資本主義」「プロレタリア社会主義革命の前夜」と革命的に規定して闘い抜き、ロシア労働者階級とともに1917年の10月革命を実現し、世界革命への過渡期の突破口を切り開いた。しかし帝国主義はその後、スターリン主義の歴史的裏切りに助けられ、また社会民主主義を始めとする体制内勢力の屈服・協力に支えられて、1930年代に燃え上がった世界革命のうねりと第2次大戦後の戦後革命の高揚を圧殺し、今日まで延命した。
戦後革命の圧殺の上に生き延びた帝国主義は、米帝の圧倒的で絶対的な力量を軸に、戦後帝国主義世界体制を形成し、一方で対ソ対決の形態をとった反共軍事同盟を構築し、他方では「ドル体制」による擬制的統一のもと、ケインズ主義的・国家独占資本主義的な政策を満展開し、歴史的に特異な戦後発展をとげた。
1974〜75年恐慌と戦後的発展の終焉
だが戦後初の世界恐慌として爆発した1974〜75年恐慌で過剰資本・過剰生産力の根本的問題が突き出され、戦後発展は終わりを告げた。しかもこの過程は、帝国主義の不均等発展のもとで米帝の歴史的没落と一体のものとして進行した。またそれは同時に、75年の米帝のベトナム侵略戦争での歴史的敗北と重なり、戦後の帝国主義世界体制は根底的動揺と崩壊過程へ突入することとなった。
こうした中で最末期帝国主義の最後の延命策として登場したものこそ、新保守主義(ネオコン)であり、それと完全に一体のものとしての新自由主義である。ここで新保守主義とは、危機に陥った資本主義・帝国主義の階級利害を貫くために「戦争の自由」さえも主張し実践する、極右的ファシスト的なイデオロギーと勢力のことである。
過剰資本・過剰生産力を基底とした74〜75年恐慌以降、帝国主義国の利潤率は特に製造業では恐慌前の55%の水準に落ち込み、以後30年以上、企業は何をしても実物投資の利潤率が上がらない状態に突入した。新自由主義はこの中で、労働者からより徹底的に搾取し、労働分配率を下げ、福祉や社会保障も解体して、資本のリターン(利潤)を増やすことを最大の動機として登場したのである。レーガン、サッチャー、中曽根こそ、最末期帝国主義の新自由主義の最初の実践者だった。
レーガン・サッチャー・中曽根の犯罪性
レーガンがやったことは、ファシズムにも通ずる「自立自助」の社会ダーウィニズム的イデオロギーのもと、第一に「小さな政府」と称した歳出の大幅削減、福祉・社会保障の解体である。第二に減税、とりわけ個人所得減税とともに徹底的な企業減税。第三に政府規制の緩和と撤廃、民営化の推進。第四に「インフレ抑制」のためのマネタリズムとサプライサイド・エコノミックスによる金融政策。そして第五がソ連スターリン主義の崩壊にもつながった大軍拡である。
この中で特に、規制緩和と民営化は労組破壊と一体であり、レーガンは、@航空管制官組合のスト圧殺と全員解雇、Aオーティス・エレベーターの労働争議介入と組合解体、Bコンチネンタル航空のスト弾圧などを、徹底的に遂行した。これこそ新自由主義の核心部分であり、今日に至る規制緩和と民営化・労組破壊の出発点となった大攻撃だった。このレーガンと軌を一にしてサッチャーは、市場原理を導入し、「精神革命」「保守革命」を叫びつつ、「福祉国家」解体、左翼勢力の排除、国有企業と労組への大攻撃、「偏向教育」批判などを徹底的に行った。
そして日本の中曽根は、「戦後政治の総決算」「国労と総評をつぶして改憲をやる」などと称し、何よりも国鉄分割・民営化攻撃による労働者の大量解雇と労組破壊を強行した。まさにこれがその後の日帝の一大資本攻勢の反動的原点となり、民営化、首切り・賃下げ、非正規雇用化、アウトソーシング−外注化・分社化、そして戦後的な年功賃金・終身雇用の徹底解体への道を開いたのだ。日本における新自由主義攻撃は、この国鉄分割・民営化を突破口に、さらに小泉構造改革で反革命的な頂点を迎えていく。
中国・アジア・東欧で超低賃金による搾取
こうして帝国主義国の労働者への民営化・労組破壊と「工場法以前」的な搾取・収奪を強めた新自由主義の、さらに最底辺での不可欠の支柱こそ、中国やアジア諸国の膨大な超低賃金労働者の存在と搾取・抑圧だった。
特にスターリン主義の中国は、文化大革命で国家存亡の危機に突入し、そこからの脱出をかけて1978年にとう小平が主導し改革開放路線に踏み切った。これを契機に繊維、電機、自動車などの帝国主義資本が合弁企業などの形で中国になだれ込み、帝国主義国の20分の1、30分の1といった超低賃金で生産を行い、中国の労働者を過酷に搾取・抑圧した。89年天安門事件は、この中国スターリン主義への労働者を軸とした反乱と解放闘争だったが、とう小平らはこれに血の弾圧を加えて、スターリン主義的抑圧体制を強化した。
しかも91年にソ連スターリン主義が崩壊。それ以降は、ロシア・東欧をも帝国主義国が取り込みつつ、残存スターリン主義・中国に加えこの地域の膨大な労働者が、EU資本に低賃金で搾取されることとなった。しかもソ連崩壊により「社会主義の止め金」がはずれた帝国主義は、国内でもより野放図に新自由主義攻撃を激化させていったのだ。
金融自由化とバブル経済の「膨張と崩壊」
新自由主義のいま一つの特質は、金融自由化とその全世界化(グローバリズム)である。新自由主義は「バブル・リレー経済」と称されるように、実体経済から遊離したマネー経済が次々にバブルとその崩壊を繰り返し、株式や債券の値上がり益(キャピタルゲイン)を追求する危機的な搾取・収奪のあり方を強めた。その頂点が、クリントン政権のルービン財務長官による95年の「強いドル政策」だった。
それ以降急速にITバブル・住宅バブルなどの膨張と崩壊が繰り返される情勢に突入し、この過程で99年には銀行と証券の垣根も取り払われるに至った。こうして米帝の金融帝国化と「金融の証券化」が極限まで進み、ついには住宅バブル崩壊、サブプライムローン危機が爆発し世界金融大恐慌が現実化したのだ。
ここでのバブルのすさまじさは、世界の金融資産が95年の63・9兆jからピークの2007年10月には187・2兆jへと膨張したことが示している。その後、株価の世界的な急落とリーマン・ショックで資産価値が20兆j余り減少し、08年11月時点では165・8兆jとなったが、95年以降に増えた100兆j規模の金融資産は残ったのだ。この実体経済の3倍近い膨大な金融資産が投機マネーとなり、利益を求めて株や、通貨や、国債や、資源(原油など)を狙い撃ちし、最末期帝国主義と世界経済を揺さぶってきた。その担い手こそ、今や商業銀行業務より投資銀行業務に全力を挙げる巨大金融機関であり、その手先のような各種のヘッジファンドだ。
『共産党宣言』流に言えば、新自由主義は「地底」から呼び出した過剰資本・投機マネーという「魔物」を「制御」できなくなり、逆にそれに攻撃されて危機を深める「魔法使い」に似ている。最末期帝国主義と新自由主義の腐敗と危機と破産は今や極まった。階級的労働運動はこれとの全面対決の闘いだ。
(3)世界大恐慌は今日も激化し深化・発展し続けている
過剰資本・過剰生産力の実体と大失業時代
今次大恐慌は、29年大恐慌以来の帝国主義の基本矛盾の全面的爆発である。それは新自由主義と世界的な金融自由化のもとで、バブル経済の連続的発生によって一定程度塗り隠されてきた、74〜75年恐慌以来の過剰資本・過剰生産力の問題が、サブプライムローン危機の爆発とリーマン・ショックで一気に公然と暴露されたものである。だからこれは、通常の景気循環サイクルの一つなどでは断じてなく、もはや資本主義・帝国主義によっては解決不能の歴史的事態なのだ。
大恐慌下における過剰資本・過剰生産力の実体はどのようなものか。一つの指標としてIMF(国際通貨基金)のデータがある。それによれば日米欧の2010年の需給ギャップ(実際の需要と供給能力の差)は約マイナス1兆j(約90兆円)で、韓国のGDPに匹敵する。また過去最大の09年は約125兆円だった。しかもこのマイナス90兆円というのは日米欧から新興国などへの輸出をすでに織り込んだ数字であり、帝国主義国内の設備や生産能力の過剰感は巨大なものだ。
だから設備稼働率も簡単に元に戻らない。例えばユーロ圏の4〜6月期の製造業設備の稼働率は依然76%という水準だ。リーマン・ショック前より10ポイント程度も低い。さらに需給ギャップは、現実の経済では設備過剰と同時に、何よりも「雇用の過剰」、すなわち大失業問題として現れるのである。
特に大恐慌の激化・深化・発展の中で、日米欧で失業とその長期化がいよいよ深刻化している。日米とユーロ圏の6カ月以上の長期失業者は、09年10〜12月期平均で1624万人(08年の1・7倍)、さらに10年1〜3月期は1700万人程度にまで増大した。この長期失業者が失業者全体の約50%を占める。つまり日米とユーロ圏の完全失業者の総数は、すでに3400万人にも達するのである。
長期失業者の急増が顕著なのがアメリカだ。今年1〜3月期はそれが647万人で、08年7〜9月期の実に3・5倍である。リーマン・ショック以降、超低賃金のアジアなどに生産のアウトソーシングが進んだことが、米国内の長期失業者増を加速している。欧州はもともと長期失業者と青年労働者の失業が多かったが、さらに拍車がかかっている。財政危機の深刻なスペインでは完全失業率が20%に上り、フランスなどでも10%台で高止まりの状態だ。さらに日本の現在の長期失業者は181万人、全体の完全失業者数はその約2倍の360万人規模である。
大恐慌下に、一方では過剰資本・過剰生産力のもとで設備や生産物や投機マネーがあふれかえり、他方では生きていけない膨大な失業者群が存在する。これこそまさに資本主義・帝国主義に特有な事態であり、プロレタリア革命の根底的な必然性でもある。
それでは、この大失業時代の到来に象徴される大恐慌の現状はどのようなものか。
大恐慌の震源=米帝経済危機が再激化へ
第一に、住宅バブルの崩壊がサブプライムローン危機として爆発し、金融大恐慌のそもそもの最大の震源となった米帝経済が、膨大な財政投入と住宅減税などによるカンフル効果が切れて、10年後半期から完全に減速局面に突入しようとしている。今や再び「二番底もあり得る」とか「デフレ・リスク」とブルジョアジー自身が言い始めた。この米経済への先行き不安から、6〜7月以降、ニューヨーク市場で株価が続落している。
5月の米住宅着工件数は前月比10%減で、ピークだった05年の3分の1という状態だ。6月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月より12・5万人減り、半年ぶりにマイナスに転化した。完全失業率は10%内外で高止まりしたままだ。大々的な恐慌対策下でこの間の「景気回復」を引っ張ってきた製造業でも、6月の製造業景況指数が急落する事態となり、春先ごろの「楽観論」の幻想は完全に吹き飛んだ。今年1〜6月の米地域金融機関の破綻も86件に上り、昨年同期の1・9倍という激しさである。
大恐慌の再激化に恐怖する米帝オバマは、年1・5兆j規模の財政赤字の累積の中で、「さらなる景気刺激策」の検討を叫び、6月のG8・G20サミットでは財政出動の継続を主張して、ギリシャ危機の爆発に震え上がり緊縮財政と増税に走るEU諸国と対立、相いれない状況に突入している。
しかも米帝経済の没落と米財政赤字の天文学的拡大は、すでに1971年8・15のニクソン・ショックで金ドル交換停止を宣言し、「基軸通貨」としては疑似的存在に転落しているドルの大暴落を確実に引き寄せる。この6〜7月以降、米経済の減速懸念の台頭の中でドル売り・ドル下落が際立ち始めている。ドル暴落という大恐慌の真の奈落に向かって、世界経済は突き進んでいるのだ。
メキシコ湾原油流出事故の破滅的深刻さ
第二に、この米帝の足元のメキシコ湾で英BP原油爆発・流出事故が起こった。3カ月以上たっても解決のめどが立たないこの大事故は、新自由主義の危機と腐敗と歴史的破産の極致であり、「今ひとつの大恐慌」とも言うべき決定的な事態である。
事故の原因は余りに明白で、世界第4位の売上高をもつ国際石油資本(メジャー)である英BPが、利益最優先でコスト削減、工期短縮、設備の簡略化に走り、事前にBP技術者が「悪魔の油井だ」と警告していた中で、起こるべくして起こったのだ。資本の利益中心で安全を無視し、21本必要な特殊資材を6本に減らし、「構うものか」と掘削を強行したことも発覚している。しかもこうしたでたらめなあり方を、米政府当局は接待漬けで見逃し、容認していたのだ。
深海油田の掘削は、「月や火星の探査にも比肩しうる危険な」作業である。利益を優先すればいつでも大惨事が起き、制御不可能だ。しかも海底油田はメキシコ湾以外にも、ブラジル沖、アフリカ西海岸沖、東南アジア海域、北海など各地域に分布して、そこから採掘する原油がすでに世界の生産量の4割を占めている。まさに最末期帝国主義と新自由主義は、安全無視で労働者階級と全人類にこうした環境破壊・生活破壊の大災厄をもたらす危うい基礎の上に乗っかっているのだ。
それは新自由主義の大破綻として、大恐慌と本質的に同根であり、今後の経済的破局の引き金ともなるものだ。そしてこの「戦争並み」の重大事態に、オバマ政権はその屋台骨を揺るがされている。労働者階級があらゆる部署で反合・運転保安闘争路線を貫き、新自由主義と最末期帝国主義を打倒するために闘うことこそ、唯一の実践的な回答だ。
ギリシャ・ユーロ危機で欧州が緊縮財政へ
第三に、債務不履行の危機に陥ったギリシャやスペイン、ポルトガルなど南欧の財政破綻に端を発したユーロ危機、EUの信用不安・信用収縮の爆発である。これはリーマン・ショック以降の2年間に米欧日の主要国だけでも大恐慌対策に約10兆jの国債を増発した帰結であり、EU経済、世界経済にリーマン・ショック以上の激震となっている。
ギリシャ危機は、直接には「次に死刑台に向かうのは国家だ」(カナダのヘッジファンド大手の運用統括者)と公言しつつ、ギリシャ国債とユーロに集中砲火を浴びせたヘッジファンドなどの過剰マネー・投機マネーの行動が引き起こしたもので、EUやIMFも介入して最大で7500億ユーロ(約83兆円)の緊急融資枠を設定し、ひとまず押さえ込んだかに見える。だが欧州全体の信用不安・信用収縮は収まらず、むしろ激化している。
さらにここで突き出されたことは、一方では単一通貨圏でありながら財政政策や税制は加盟各国でバラバラというユーロ圏の構造的問題であり、他方では協調融資枠づくりに一番消極的なのが最大の支援国であるはずのドイツであったということだ。ギリシャ・ユーロ危機に対しドイツは自国利害を優先し、ギリシャ問題は一転して「ドイツ問題」となった。独仏協力も機能せず、すでに「一つの欧州」という理念は急速にしぼんでいる。
今や国内で労働者階級がゼネストで反乱するギリシャやスペインが、ユーロ圏から離脱する可能性も公然とささやかれ始めた。基軸であるドイツ自身が財政破綻国への支援に耐えかね、統合政策とユーロを投げ出す事態さえ、大恐慌の進展によってはあり得る。ギリシャ問題は、ユーロの暴落やユーロ圏の崩壊をはらんだ大問題だということだ。
欧州各国は今、ギリシャの二の舞いとなることに恐怖し、緊縮財政と増税に走り、公務員労働者への攻撃をも強めている。だがこれは大恐慌と大失業をいよいよ激化させる。大恐慌下の1936〜37年の「ルーズベルト不況」の再来となる。緊縮財政もこれ以上の財政出動も、ともに破滅的で、資本主義・帝国主義に「出口戦略」はないということだ。
中国のバブル崩壊が引き起こす重大事態
第四に、中国の不動産バブル崩壊の危機である。中国ではリーマン・ショック後の09年1月に不動産価格が底を打ち急上昇に転じた。人民元を発行する人民銀行が年間四十数兆円も流入する外国通貨を買い上げ、人民元を印刷し、商業銀行にふんだんに資金を提供する。銀行貸し出しは一気に3倍化した。それが公共投資と不動産に向かう。そしてこの中国バブルの展開に日米欧の全経済が乗っかり、景気回復の頼りとする危機的構造である。
確かに今や中国の経済規模は、今年中にGDPが日本を上回るほど巨大になっている。世界経済もG20サミットも、BRICsなどの新興国が実質的に主役に座るなど「新興国頼み」は露骨になっている。しかし中国は、帝国主義資本との合弁企業などが圧倒的だが残存スターリン主義国家であり、経済も本来の資本主義ではなく、帝国主義にとって結局は自由にならない存在だ。この中国を大恐慌からの脱出の機関車としなければならないほど、帝国主義は危機的で末期的である。
すでに一部の都市で商業用ビルの空室率が急上昇し始めた。ホンダやトヨタの足元では、中国労働者階級の賃上げストが爆発している。中国バブルと「経済大国」の幻想がいつ崩壊するか。大恐慌の今後の展開の大きな部分は、この一点にかかっている。
分裂・ブロック化と世界戦争の危機切迫
大恐慌はすでに国家財政の破綻の連鎖を生み出し、大失業時代を到来させている。大恐慌がさらに中国バブルの崩壊や、米国債とドルの大暴落へと進む時、不可避となるのは、世界経済の分裂とブロック化であり、帝国主義間・大国間の争闘戦と相互のつぶし合いだ。それは1971年ニクソン・ショック以降の、ドルを擬似的基軸通貨とした世界経済の擬制的統一の最後的崩壊だ。そこに向かって、すでに基軸国・米帝を先頭に保護主義が激化し、通商戦争、為替戦争、資源争奪戦争、勢力圏形成の策動が強まっている。
世界大恐慌と分裂化・ブロック化の最後の帰結は戦争だ。イラク・アフガニスタンの「対テロ戦争」という名の帝国主義侵略戦争は、泥沼的危機と敗北の中でイラン、北朝鮮へと拡大し、帝国主義間戦争、第3次世界大戦へと発展していく。だがそれは同時に全世界に革命情勢を成熟させ、世界戦争かプロレタリア世界革命かという、人類史の未来をかけた歴史的決戦の到来をも意味するのだ。
(4)全世界でのゼネスト爆発と革命情勢の本格的な成熟
大恐慌の爆発・激化は、財政破綻の連鎖と大失業・戦争を生み出すと同時に、全世界で革命的情勢を急速に成熟させている。
政治的危機の深刻化
革命情勢の基本的兆候は、まず一方での資本主義・帝国主義の体制そのものの破綻と崩壊である。レーニンにならって言えば、経済的・政治的危機は現にあり、一つとして明日に確信を持っている政府はない。実際にあらゆる政府が「噴火山上」に生きている。
深刻な財政危機は、国家の破綻そのものだ。年金も医療も社会保障もすでに立ち行かなくなっている。議会制的支配が全世界で危機と機能不全と崩壊を引き起こし、「政治的屋台骨」がぐらついている。今や「国家と革命」が完全に問題となり、政治、経済、社会のあらゆる問題がプロレタリア革命と社会主義・共産主義の実現によってしか解決できないことが鮮明となっている。
重大なギリシャ情勢
革命情勢のいま一つの基本的兆候は、労働者階級人民が全世界的に、ゼネストに象徴される怒りの決起を開始していることだ。
財政破綻の最先端にあるギリシャでは、今年2月以来、すでに6回も官民統一ゼネストが闘われ、社会的・経済的機能がストップし、労働者階級こそ生産と社会の真の主人公であることを天下に知らしめている。これは本質的に祖国敗北主義的な決起であり、それが革命に転化できるかどうかは、すべて革命的指導部の建設と登場にかかっている。
さらにヨーロッパでは、スペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、イギリス、ドイツなどあらゆる国で、歳出削減、民営化、賃下げ、首切りなどの攻撃に反対して大規模なスト、デモ、ゼネストが日常茶飯事のように闘われ、町の教会広場では政治集会が頻繁に開かれている。ここでも問われているのは、革命的な党と階級的指導部の存在だ。
中国での賃上げスト激発の歴史的な意義
そして決定的なのは、残存スターリン主義の中国で、今春以来、ついに労働者の賃上げストが爆発し始めたことだ。ホンダ、トヨタなど帝国主義企業の工場で、台湾や韓国系資本の工場で、生活できない超低賃金の引き上げを要求し、資本と総工会の抑圧を打ち破って、断固たる決起が爆発している。これは二重の意味で決定的なことだ。
第一は、中国の労働者階級が89年天安門事件の大反革命を打ち破り、労働運動の階級的再生をかけて立ち上がり、ついに中国スターリン主義権力との激突を開始したことである。その先頭には青年労働者と膨大な農民工が不屈の決意と確信に燃えて立っている。
第二は、日本などの20分の1という超低賃金で帝国主義の新自由主義攻撃を最底辺において支え、過酷に搾取・収奪されてきた中国の労働者が、それを突き破って帝国主義資本への反乱を開始したことである。いよいよ日中の労働者階級の国際連帯と団結が、歴史的課題として日程に上ったということだ。
「反米大陸」などと言われてきた南米(中南米)では、ブラジルのコンルータスの闘いが示すように、革命情勢のもとで、すでに社会主義への情熱と現実の革命的実践が激しく燃え上がっている。BRICsの構成国・インドでも、7月5日に全国的な大規模デモが爆発している。そして何よりも3カ国連帯で11月労働者集会を成功させてきた日米韓において、動労千葉を最先頭に階級的労働運動が力強く前進している。
こうした大恐慌下の全世界的な革命的情勢の成熟を、現実の革命=プロレタリア世界革命へと転化するために、この日本の地で国鉄決戦と沖縄決戦の大爆発を組織しよう。
(5)日帝は政治的にも経済的にも帝国主義の「最弱の環」
大恐慌下で日本帝国主義は政治的危機と経済的危機の両面で「最弱の環」である。今やそのことがあらためて浮き彫りになっている。
世界最悪の財政危機
まず大恐慌下で日帝経済は、G8参加国で唯一長期のデフレに陥っており、設備投資も20年以上前と同水準の低迷状態だ。とりわけ財政危機が最悪である。
6月のG20で「2013年までに財政赤字を半減させる」との数値目標の対象から、日本だけが「例外扱い」で蚊帳の外に置かれたことこそ、現在の日帝危機の象徴だ。財務省発表では09年度末の国債などの累積赤字は883兆円、10年度末には973兆円に膨張する。またIMFによれば、09年度末の日本の公的債務残高の対GDP比は218・6%と、米欧の3倍近い。この間のギリシャやユーロに続いて「市場の攻勢」にさらされかねない最悪レベルなのである。
これに対し一部のブルジョア・エコノミストたちは、「日本は経常黒字国だ」「純債務はそれほど大きくない」「1400兆円の金融資産がある」「国債の90%以上は国内で保有されている」などと、危機の深刻さを否定する。だがそれは日本の機関投資家たちが日本国債を「売らない」ことや、35・7兆円を保有する海外投資家が日本国債を持ち続けることを当てにした論議で、ナンセンス極まりない。すでに日本国債は買われ過ぎてバブル状態にあり、大恐慌下に何かのショックで市場のターゲットとされ、国債が売られ始めるなら、けっして持ちこたえられない。
しかもその日本国債と円が6月以降、「相対的な安全資産」として買われ、投機マネーが流入、長期金利は歴史的低水準で、円の「独歩高」も進む。まさにこんなこと自体が、大恐慌と世界経済危機の破滅性を示しているのだ。
議会制的支配の崩壊と断崖絶壁の菅政権
日帝の政治危機も、主要国の中で最も深刻だ。昨年の8・30衆院選で、戦後半世紀も続いた議会制的なブルジョア独裁支配としての自民党支配が崩壊した。先の7月参院選でも自民党が勝利し復活したわけではまったくない。この自民党に代わって登場した鳩山・小沢の民主党・連合政権は、連合の体制内指導部を取り込んで支柱としつつ、労働者階級の怒りとそのプロレタリア革命への発展を粉砕することを階級的任務とした、危機的でボナパルティズム的なブルジョア政権だった。
だがその鳩山・小沢の体制は、沖縄・普天間基地問題や自分自身の金権問題に直撃され、沖縄を先頭とした労働者階級の怒りと闘いで、参院選を待たずに破産し、打倒された。
その後を襲って「6月政変」で成立した菅民主党政権は、反小沢的なミニクーデター的行動での「V字回復」なるものをいいことに、日米合意による普天間移設や突然の消費大増税をぶち上げ、今度は「逆V字」的に急落し、参院選で当然にも大敗した。参院では与野党勢力が逆転し、党内求心力も失い、衆院でも3分の2以上での法案再可決が不可能という、このままでは政権として立ち行かない断崖(だんがい)絶壁の危機にある。
菅政権はこの絶望的危機を、議会での「部分連合」や「大連立」などを画策しながら、一方では日米同盟を修復・強化し、他方では徹底的に日帝ブルジョアジーと財務省官僚に密着しその意を体して、360万公務員労働者を始め全労働者階級への攻撃や消費大増税(法人税は大減税)の策動で突破しようとしている。だが労働者人民は参院選で消費大増税をすでに拒否した。御都合主義的なボナパルティストたる菅には何の成算もない。
トロツキーも言うように、ブルジョアジーは自分自身の名で統治するには余りに少数で、労働者人民から憎まれている。だから議会主義的統治形態などを必要とする。だが議会制的支配はすでに破産し崩壊している。資本主義救済の道に未来はない。菅民主党政権を打倒し、プロレタリア革命勝利へ闘おう。
【第V章・方針】 党と労働者階級の結合のもと11月1万人大結集をかちとれ
(1)国鉄全国運動は労働運動めぐる壮大な挑戦の開始だ
今や1930年代的な階級的大激突の時代が完全に始まった。全世界のブルジョアジーが大恐慌からの脱出を求めてあがけばあがくほど、大恐慌はますます深まっていく。その一切は労働者階級への無制限の搾取と大失業、すべての勤労人民大衆の果てしない貧困化となって襲いかかってくる。行き着く先は社会全体の崩壊と戦争しかない。大恐慌をプロレタリア世界革命に転化することだけが、この破局から全人民を救い出す唯一の出口だ。もはや社会を社会として成り立たせていくこともできなくなったブルジョアジーの支配に、労働者階級自身の手によってとどめを刺し、プロレタリアートが全権力を握るために全力を挙げて闘い抜く時が来ているのだ。
プロレタリア革命の歴史的条件はすでに全世界的に、圧倒的に成熟し始めている。とりわけ国際帝国主義の最弱の環=日本帝国主義の経済危機、政治危機、階級支配の危機は完全に一線を越え、もはやとどまるところを知らない過程に突入した。
問題はただ一つ、次の点にかかっている。すなわち、この客体的な革命情勢の急速な成熟に対して、労働者階級の側の主体的な準備が間に合うのか否かということだ。労働者階級とその党が、権力奪取をめぐる一大激突に勝ち抜くために必要な全階級的な力と体制を、ここ数年のうちに本格的につくり上げていくことに成功するのか否か。残された時間は多くはない。党と階級のものすごい飛躍が、もはや待ったなしで求められている。
その最大の焦点は、労働組合と労働運動をめぐる革命と反革命との激突に徹底的に勝ち抜くことにある。労働組合は本来、労働者が団結して資本と闘う武器であり、資本主義社会を転覆するための労働者階級の組織された力となるべき存在である。だが今日ではこの労働組合が、連合中央の腐り切った労働貴族らの手によって、また体制内指導部の果てしない屈服と没落が進む中で、逆に資本の労働者支配の一手段に変質させられてしまっている。この現状への非常な危機感が、今や多くの戦闘的労働者の中に広がっている。この危機感と怒りを総結集し、現場労働者の総決起によって労働組合をなんとしても労働者自身の手に奪い返して闘うことが、まず絶対に必要だ。
今までの延長でない新たな闘いへの突入
この2010年代初頭の階級決戦に真に勝利するために、どの点で突破すべきか。
第一は、国鉄全国運動で実践的に突破することである。国鉄全国運動を職場で実践することである。それは階級的労働運動の路線的立脚点である団結を総括軸にして闘うことである。しかし、この突破は今までの闘いの延長ではできない。帝国主義労働運動やカクマル、スターリン主義、社民勢力などとの党派闘争をたとえ少数でも必死でこじ開けてきた歴史的地平に立ち、他方で4・9「政治和解」の反革命攻撃を見据えて、労働者階級全体の階級的力をつくり出して反撃していくこと、6千万労働者、2千万青年労働者の全体を組織化する闘いとして実践することである。そして国鉄決戦こそ、ブルジョアジーとのやり合いの最も激しい戦場である。ここにすべての力関係をひっくり返す鍵がある。
これを戦闘的に突破するためには、労働者階級がこの大恐慌―大失業と戦争の攻撃に対する全世界人民の反撃の中心で決起するという、労働者階級の世界史的任務に燃えるということである。この階級的気概が一切を規定する。
第二は、資本の支配の転覆に向けた階級的団結を断固復権させることである。
国鉄全国運動の発展をかちとる道は、職場支配権の奪還に向かって、資本との非和解的闘いを現場から組織することである。その核心は、職場における階級的団結の回復にある。新自由主義は、労働者を徹底的に分断し、卑しめ、階級的団結を破壊し尽くすことによって成り立っている。帝国主義・資本によるこの団結破壊の究極の攻撃が、労働者階級を侵略戦争へ動員する攻撃である。これとの闘いは、階級的団結の目的意識的な復権にある。この団結は、職場生産点で実際に、資本・権力との闘いを職場の全労働者を巻き込んで実践することで獲得される。この闘いはすでに、青年労働者を先頭に猛然と開始されている。この闘いをさらに発展させ、団結を意識的に闘いとる運動として国鉄全国運動の発展をかちとろう。
第三に、大恐慌下の労働運動の発展は必ず、労働組合が「共産主義の学校」であることをはっきりさせる過程となる。
労働運動は少数派の運動をつくる闘いではない。全労働者が労働者階級自己解放闘争の主体として参加する運動である。プロレタリア革命は、党と労働組合の相互作用をもって発展することで、その勝利を現実に切り開くものとなる。党は労働組合の闘いと結合することを通して労働者階級の全体と密接に結合し、労働組合の力を中軸にしてプロレタリア独裁は実現されていくのである。闘う労働組合のもとに団結した労働者が、職場の支配権を資本の手から実力で奪い取り、社会的生産を支配する力を現実に獲得していくこと。こうした闘いが一定の段階まで前進することを抜きに、プロレタリア革命の勝利をもぎとることはできない。
わが革共同が現在、自己の飛躍をかけて挑戦しなければならない最大の組織的課題はまさにこうした点にある。国鉄全国運動の発展を軸にして、大恐慌下で激化する搾取の強化や分断攻撃と徹底的に闘い、職場に資本と絶対非和解の階級的団結をつくり出すことだ。その闘いの中でこそ、資本の手先に転落した労組幹部を一掃して、闘う労働組合を全国の職場に次々と甦らせていくことだ。この闘いは、党自身が膨大な労働者大衆全体と広く深く結合する能力、労働者階級を階級として組織する能力を真に獲得していく闘いと一体であり、実際にそれなしには貫けない。これは、われわれ自身が党として今ひとつ根底から生まれ変わるような大転換を必要とする。絶対にこの飛躍と挑戦をやり抜こう。
求められているのは全戦線での大飛躍だ
さらに4・9反革命は、労働者階級の階級的団結を破壊する攻撃であると同時に、一切の反政府的なもの、反体制的なものを一掃する攻撃であった。6・13集会は、あらゆる戦線で闘う人びとが国鉄全国運動の前進の中に自らの戦線の発展があることを見いだし、総結集する中でかちとられた。しかし、ここで問題をもっと鋭角的にはっきりさせなければならない。それは、諸戦線の先頭で闘う同志が階級的労働運動の前進に一面的によりかかるのではなく、階級的労働運動の質、すなわちプロレタリア世界革命を闘いとる質を自らの戦線の路線として再確立すること、そして労働者階級と一体となって諸階級・諸階層人民の中に断固として分け入り、彼らを革命の側に獲得し組織することを求めている。実践と路線を一体化させ、必死に全情勢をこじ開けていくことである。
情勢はまさに、大恐慌のプロレタリア革命への転化に向かってとことん目的意識的に突き進む時が来たことを、すべての闘う労働者に、何よりもわが革共同に鋭く突きつけている。ブルジョア国家権力の打倒=労働者階級による政治権力の奪取に向かってまっしぐらに攻め上っていくためにこそ、その不可欠の土台となる階級的労働運動の巨大な前進を、今こそ何がなんでも、総力を挙げて闘いとっていく必要があるのだ。
敵階級の側も、そのことをひしひしと感じ、恐怖している。だからこそ、労働組合と労働運動の丸ごとの転向と変質・解体を徹底的に推し進めることに彼ら自身の死活をかけ、全体重をかけてのめり込んでいる。
2010年後半の決戦は、まさしく労働運動の進むべき道をかけた大激突となる。ここに一切をかけて、全員が火の玉となって職場生産点での闘いに猛然と躍り込んでいこう。6千万労働者、とりわけ2千万青年労働者の全生活と結合し、その怒りの唯一最大の結集軸となって闘おう。6・13で開始された国鉄全国運動はすでにその本格的な口火を切った。この闘いを軸に、今秋11月労働者集会1万人結集を、日本と世界を揺るがすプロレタリア革命派の一大デモンストレーションとしてかちとろう。
(2)菅政権の打倒を突破口に日本革命勝利を切り開こう
大恐慌を革命に転化していく上での当面する最重要の課題は、国鉄全国運動を軸にして、危機を深める菅・民主党政権による大失業と戦争の攻撃と全面対決し、その完全打倒をかちとる闘いである。
日帝の政治危機の深さが生み出している今日の日本階級情勢は、きわめて重大である。昨年8・30以来の約1年間の経過が示すものは、ブルジョア政治支配の安定性が今や決定的に失われ、支配階級自身が政治的統一性をも失って分裂と混迷を急速に深めていることだ。戦後の議会制民主主義の統治形態が破産し、日帝ブルジョアジーにとってまったく役に立たなくなり、逆に日帝の危機をますます拡大していく要因に転化している。戦後憲法体制の反革命的な全面転覆=改憲による強権的な統治形態への一刻も早い転換なしには、ブルジョアジーの労働者支配・階級支配全体がもはや維持し切れない段階に突入したのである。
ところが現在の日帝にとって最も深刻な問題は、そうした強権的支配体制の確立に向かって真一文字に、暴力的に突き進むこともままならないということだ。そこへのどんな踏み出しも、階級対立の非和解化を一挙に進め、労働者階級との内乱的激突情勢に火をつけていくものとなる。普天間基地問題での絶望的な行き詰まりや、消費税増税をめぐる破産はその象徴である。今や日帝は、完全に身動きのとれない袋小路に追い詰められて、のたうち回っている。
この現状を日帝に強制しているのは、国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃のもとで積もりに積もった労働者階級人民の巨大な怒りの爆発である。それは確かにまだ、ブルジョア支配の全面的転覆を求める明確な革命的形態をとってはいない。われわれの闘いが膨大な労働者大衆とじかに結合し、彼らに革命という真の選択肢を指し示すところまで進んでいないからである。しかし、革共同と動労千葉派、11月集会派の存在と闘いがこの巨大な大衆的怒りと本格的な結合を開始するならば、階級情勢全体の巨大な化学変化を引き起こしていく可能性が十分にあるのだ。このことに日帝は心底から恐怖し切っている。
菅政権は今日、参院選で大打撃を受けながらも財界の支持をよりどころにあくまでも政権に居座って、労働者階級に対するその攻撃を必死に貫こうとしている。菅が「部分連合」などでこのまま居座りを続けようと、菅政権が倒壊して新たな政界再編劇が演じられようと、はっきりしていることはただ一つ、プロレタリアートとブルジョアジーとの階級決戦はこの過程を通していよいよ決定的に白熱化していくということだ。この先どんな政権が登場しても、結局は菅政権が掲げる公務員労働者の大量首切りや消費税大増税、安保・沖縄基地強化をもっと悪質な、もっと大規模な、もっと絶望的なやり方で推し進めようとする以外ない。この過程全体を通して労働者階級人民に対する巨大な反革命クーデターを準備していく以外に、日帝ブルジョアジーの生き残る道はない。
だがここで、労働者階級の側が断固として反撃に打って出て、菅と民主党・連合政権を完全打倒する闘いをやり抜くならば、連合支配を覆し、そのもとに抑え込まれてきた全労働者の怒りと闘いを解き放っていく圧倒的な水路が開かれる。今秋こそがあらゆる意味で決戦なのだ。絶対にここで勝負しよう。11月1万人結集を、一切の反動・反革命を実力で吹き飛ばすものすごい迫力に満ちた闘いとしてかちとろう。
(3)国鉄軸に4大産別決戦の大爆発で職場支配権奪還へ
菅民主党政権との激突の最大の戦場は、国鉄・郵政・自治体・教労の4大産別をめぐる決戦である。
民主党政権が第一の課題に掲げる「国鉄改革の完遂」「戦後行政の大掃除」は、4大産別の労働運動を丸ごとたたきつぶす攻撃であり、80年代の国鉄分割・民営化以上の大攻撃である。これを突破口として、6千万労働者・2千万青年労働者に対するこれまでをもはるかに上回る一大資本攻勢に打って出ることが日帝の狙いだ。国鉄分割・民営化を出発点に進んできた外注化・分社化・非正規職化の攻撃をもっと徹底的・大々的に展開し、労働者をとことん分断して対立・競争させる攻撃だ。労働組合を解体し、労働者階級の抵抗力を根こそぎ奪って資本の専制支配を全社会に貫こうとするものだ。
だが動労千葉が検修外注化攻撃を打ち破ったように、これを真っ向から団結の力で打ち破る闘いに決起するなら、この攻撃は逆に敵の致命的な弱点に転化する。4大産別の職場に労働者の不抜の階級的団結を築き上げること、労働者階級が4大産別の全職場を実質的に支配することは、資本の息の根を止める力をプロレタリアートがもつことを意味するのだ。それはそのまま、プロレタリア権力樹立にとっての一大拠点の形成を意味する。日本革命勝利へ向けた最重要の戦略的闘いとして、4大産別をめぐる一大階級決戦に打って出よう。
6・13で動労千葉を先頭に開始した国鉄全国運動は、まさにそうした職場からの決起と団結を、4大産別の全職場を始めとして、全国・全産別に新たにつくり出していく運動である。新自由主義攻撃の根本的な破産性をついて、労働組合と労働運動を底の底から階級的・戦闘的に塗り替えていく闘いなのである。新自由主義攻撃の出発点であった国鉄分割・民営化と23年を超えて不屈に闘い続ける国鉄1047名解雇撤回闘争と、動労千葉の存在こそ、大失業攻撃と闘う全労働者の唯一最大の結集軸だ。この国鉄全国運動の力強い発展を軸に、菅・民主党政権の打倒をかけて、今こそ4大産別決戦の大爆発へ攻め上ろう。
青年の怒り解き放ちJR体制を打ち倒せ
まず何よりも国鉄で、第2次分割・民営化攻撃との一大決戦をやり抜き、JR体制打倒へ全国鉄労働者の総決起をつくり出そう。前原が叫ぶ「国鉄改革の完遂」とは、外注化・分社化によってJRをさらに数百もの子会社に細分し、また北海道・九州・四国の3島会社と貨物会社の経営破綻を日航並みの一大リストラによってのりきろうとするものだ。JR資本と日帝は、動労千葉の闘いによっていったん挫折した検修外注化をあくまで強行しようと必死になっている。その一切の矛盾を集中的に背負わされるのは青年労働者だ。動労千葉・動労総連合を先頭に、青年労働者の怒りをJRの全職場から爆発的に解き放つ闘いに決起し、外注化攻撃の完全粉砕へ突き進もう。
動労千葉が実践してきた反合理化・運転保安闘争を、JR職場で働く全労働者の闘いに転化しよう。資本による安全破壊と労働者の虐殺をこれ以上許すな! 職場におけるこの闘いの前進と1047名解雇撤回闘争の不屈の発展とを結合し、危機を深めるJR総連カクマルやJR連合の支配を打ち破って、分割・民営化体制の全面粉砕へ進撃しよう。国労の解体を断じて許さず、「政治和解」を拒否して闘う闘争団員を先頭に、国鉄労働者の魂を甦らせる一大決起をつくり出そう。
公務員労働者攻撃との一大決戦に立とう
国鉄をめぐるこの決戦は、道州制・民営化による公務員労働者360万人首切り攻撃との闘いと完全に一体である。公務員労働者攻撃との激突は、今秋からいよいよ最大の決戦局面を迎える。この攻撃は、公務員労働者をいったん全員解雇して選別再雇用するという国鉄分割・民営化型の攻撃であり、しかも国鉄の時以上に激しい、悪らつきわまりない攻撃だ。当時は組合差別による選別だったが、今度は「人事評価」という形で一人ひとりを徹底的に差別し分断していくのだ。そして「新しい公共」の名のもとに、戦前の「天皇の官吏」にも等しい国家への滅私奉公を迫り、「半分の賃金で2倍の仕事を」という恐るべき労働強化を強制しようとしてきている。
今やブルジョアジーの全党派が、この公務員攻撃の貫徹に日帝の命運がかかっているという一点で一致し、参院選の結果を受け、「ここでの突破を抜きに消費税増税など問題にならない」と叫んでいる。民主党政権は、これを組合丸ごとの変質と動員によって、現場労働者に対する一種の襲撃として強行しようとしてきている。
すでに、自治体職場や教育職場は外注化・民営化と人員削減、賃金の大幅切り下げ、非正規職化攻撃の真っただ中にある。人事評価・査定給の導入が始まり、すさまじい労働強化が職場全体を襲っている。巨額の財政赤字をふりかざし、その原因はすべて公務員労働者にあるとするとんでもないデマキャンペーンがその推進力だ。
だが国と自治体の財政を徹底的に食い物にして、破綻させてきたのはブルジョアジー自身だ! 労働者人民から搾り取った血税の中から、どれほど巨額の金が何十年にもわたって資本家階級のもとに流れ込んだか。しかも彼らは、その金で自分の私腹をも肥やしてきたではないか。こんな連中に労働者が頭を下げる理由などどこにもない! 必要なのはただ一つ、帝国主義ブルジョアジー及びその手先となった政治家、高級官僚、労働貴族などの全員を支配の座からたたき落とすことだ。労働者を搾取し足蹴にしてふんぞり返ってきたやつら全員を追放して、社会の本当の主人公である労働者が団結して、自分たち自身の手でこの社会を運営することなのだ。
日帝の攻撃は凶暴だがあまりにも絶望的であり、最初から破綻している。民営化攻撃へのなりふり構わぬ突進がもたらした矛盾はすでに大きく噴き出している。JRでの相次ぐ事故はその典型だ。
さらに郵政職場では、小泉政権以来の郵政民営化の全面破綻が、JPEXの破綻に続いて、ゆうパック・ペリカン便統合をめぐる大混乱となって爆発し、現場労働者の激しい怒りを呼び起こしている。荷物が2倍に増えたのに人員も設備も一切増やさず、現場に極限的な労働強化を押し付けてきたやり方が大破産し、逆に資本とJP労組幹部による職場支配が総崩壊の危機にたたき込まれている。
同じことは、4大産別の全国の職場でこれからどんどん起きてくる。敵の一番の手口は、攻撃の全社会的巨大さと労組幹部の全面買収によって、労働者に「闘っても勝てない」という敗北主義をあらかじめ植え付けることにある。公務員バッシングもそのためだ。しかしそれは、資本の奴隷となることを敢然と拒否して決起する労働者が現に存在し、この労働者が職場に新たな団結を組織し始めるならば、その瞬間に根底から瓦解(がかい)していくものでしかない。現に動労千葉は、労働者が本気で団結して闘えば勝てることをその実践をもって示している。
正規・非正規の分断破り全階級の団結を
この闘いは同時に、正規・非正規の分断を打ち破り、組織・未組織の壁や既存の組合の枠をものりこえて、失業者をも含めたすべての労働者を階級として一つに団結させていく闘いだ。そしてまた、体制内改良主義の枠を突き破れないできた戦後の労働運動を根本からのりこえ、労働組合と労働運動の本来の姿を全面的に甦らせていく闘いである。動労千葉労働運動が反合・運転保安闘争路線をもって先駆的に切り開いてきたこの闘いを、今こそ全労働者の中に広げよう。
その決定的テコは、国鉄全国運動を全国の職場・地域で組織化することだ。第2、第3の動労千葉を生み出すための闘争組織として「動労千葉を支援する会」を全国につくり出して闘おう。物販闘争の大発展をかちとろう。
4大産別の労働者、すべての青年労働者はその最先頭に立とう。医療・福祉労働者を始め、民間労働者も4大産別の労働者と固く連帯して自らの職場で総決起しよう。合同・一般労組の闘いを全国に拡大し、未組織の仲間をどしどし戦列に加えよう。
全国労組交流センター運動を、国鉄全国運動推進の中心的担い手としてさらに発展させていこう。その一切を、11月1万人結集の大勝利として実現していこう。
(4)反戦政治闘争を復権させ沖縄・三里塚決戦の勝利を
菅民主党政権を打倒していく闘いの今ひとつの決定的な戦場は、沖縄である。沖縄と安保をめぐる闘いは、戦争を阻止する闘いそのものである。
大恐慌下で存亡のふちに立つ帝国主義は、労働者階級への階級戦争を仕掛けて搾取と収奪を極限的に強めるだけではない。同時に資源・市場・勢力圏の独占的確保のための激しい争闘戦と侵略戦争・世界戦争に突き進んでいく。戦争とは、帝国主義ブルジョアジーが自らの延命と資本の利益の増大のために、自国の労働者を他国の労働者との地獄のような殺し合いに動員するものだ。帝国主義の行うあらゆる戦争と徹底的に闘い、プロレタリアートの国際的団結の力をもって戦争を実力で阻止することは、プロレタリア世界革命の勝利にとって絶対不可欠の闘いである。
日米安保体制とは、第2次大戦後の帝国主義のアジア支配・世界支配を一貫して支え続けてきた決定的な柱だ。その最大の実体、要が沖縄だ。日帝と米帝は、沖縄を全島丸ごと「基地の島」として米軍による軍事監獄的な支配のもとに置き、アジアや中東への米軍の最前線出撃基地、核基地として一切の矛盾を集中してきた。その本質は、1972年の施政権返還後も変わらないどころか一層強化されている。普天間基地問題の爆発は、これに対する沖縄労働者人民の積もりに積もった怒りの噴出である。
この怒りは、基地と安保を全面的に解体し尽くすことなしにはもはや絶対に押しとどめることはできない。本質的には日米帝国主義の打倒、プロレタリア世界革命の勝利までやむことのない闘いの始まりだ。日米帝にとって普天間問題の決着は辺野古新基地建設の強行以外にはなく、しかしそれは沖縄人民との絶対非和解の関係をますます強める以外ない。民主党政権がこの壁を突破しようとあがけばあがくほど、それ自身が日帝の政治支配を一層の危機と大混乱にたたき込んでいく。ひいては米軍の戦争体制をも根幹から揺るがす大問題に発展していくのだ。
沖縄は革命の火薬庫
今日の世界における侵略と戦争の枢軸としての日米軍事同盟の位置の大きさを考える時、沖縄基地の実力による解体は帝国主義の世界支配を根底から覆していく巨大さをもつ。それを可能にするのは、労働者階級が本土と沖縄の分断を打ち破って階級として固く団結し、基地を内外から包囲してその機能をずたずたに粉砕していく闘いだ。基地労働者がその中心に立つことだ。国鉄決戦・4大産別決戦と沖縄決戦との結合、一体化こそがその最も現実的で具体的な水路を切り開く。「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ」――70年闘争時に全軍労労働者が掲げたこの言葉を、今こそ全労働者階級の心からの叫びとして、魂として立ち上がろう。
さらに安保・沖縄闘争の発展は、動労千葉が推進する日米韓3国を軸とした国際連帯闘争の発展と結合して、東アジアにおける米日韓を軸とした北朝鮮侵略戦争策動を実力で粉砕し、それを世界革命に転化していく巨大な展望を切り開くものとなる。
日帝・民主党政権は現在、新基地の工法など具体案の最終決定を11月APEC・日米首脳会談まで先送りし、APEC警備の戒厳令的な治安弾圧体制のもとで強行突破を図ろうと画策している。この浅はかな思惑に11月1万人決起の大爆発をたたきつけ、国鉄決戦・4大産別決戦と一体で安保・沖縄闘争の一層の大発展をかちとろう。獄中35年の星野文昭同志奪還の闘いを、この闘いの一環として全力で推進していこう。
農地強奪絶対許すな
この今秋決戦過程において今ひとつ、きわめて重要な位置を占めているのは三里塚闘争である。軍事空港の完成を44年にわたって阻止し続けてきた三里塚反対同盟農民の不屈の闘いは、その存在自体が今日の日帝を決定的に脅かすものとなっている。沖縄を「第2の成田にするな」が日帝の合言葉だ。日帝の階級支配の危機が日々深まっていく中で、空港絶対反対・農地死守を掲げ、国家権力のどんな弾圧にも屈せず非妥協の実力闘争を貫く三里塚農民の闘争精神が、今こそ膨大な人民大衆の中に浸透していくことを日帝は心底から恐れている。市東孝雄さんへの農地強奪攻撃のすさまじい激化は、その恐怖の表れにほかならない。
三里塚こそ反戦・反権力の全人民的な闘いの砦であり、プロレタリア革命に向けた労農同盟建設の最重要の柱だ。不屈の反対同盟と連帯し、あらゆる圧殺攻撃を粉砕して市東さんの農地を絶対に守り抜こう。労農学の団結の力で三里塚闘争の永続的発展をかちとり、空港を必ず廃港に追い込もう。
改憲攻撃との対決を
日帝の戦争・改憲攻撃との全面対決を全戦線にわたって推進しよう。体制内指導部が資本への屈服・転向と同時に投げ捨ててきた戦争阻止・改憲阻止の闘いの旗を、闘う労働組合が今こそ先頭に立って掲げよう。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、8・15闘争をその突破口として闘おう。核軍拡と戦争の張本人である米帝オバマに「核廃絶」をお願いする日共スターリン主義の腐り切った運動を粉砕し、労働者階級の革命的反戦闘争を復権しよう。百万人署名運動をその牽引車として発展させていこう。
裁判員制度廃止の闘いは改憲阻止闘争の最先端だ。弁護士戦線を先頭に、全力でその勝利を切り開こう。入管闘争、部落解放闘争、障害者解放闘争、女性解放闘争など、全戦線で闘いの飛躍的発展と強化をかちとろう。とりわけ反軍闘争を労働運動の前進で発展させよう。
戦闘的学生運動こそ日帝打倒の最前線に
国鉄決戦・4大産別決戦と沖縄決戦の爆発を軸に菅・民主党政権を打倒していくこの闘いは、一個の政治決戦であり、日帝打倒への革命の扉を押し開いていく闘いである。その先頭で、最も戦闘的で大衆的な最前線の突撃部隊となって行動することを求められているのは学生戦線である。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を全労働者階級人民の最先頭に立って牽引し、世界に「ゼンガクレン」の名をとどろかせた日本の戦闘的学生運動を今こそ、当時をはるかに上回る規模と質をもって復権させていく時がついに来た。
その戦略的突破口を切り開くものこそ、法大解放闘争の不屈の発展である。法大闘争は、新自由主義による教育の解体がもたらした人間社会の崩壊とも言うべき恐るべき現実を真っ向から告発し、全国・全世界の学生と労働者階級人民の魂を揺さぶっている。学生は今日、資本の攻撃に最も激しくさらされ、分断と果てしない競争を強いられているが、学生こそ労働者階級の未来を体現する存在だ。全国300万学生の怒りの総決起は必至だ。9月全学連大会に総結集し、学生自治会を革命的に復権・創造し、法大闘争が切り開いた地平を全国に広げ、21世紀革命の先頭に立つ全学連運動の大発展をつくり出そう。
国際的団結の発展を
国際連帯の闘いの前進はますます重要になっている。反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利は、マルクス主義の労働者階級自己解放の思想の全世界的な復権と、プロレタリアートの国際的=階級的団結の回復の中でこそかちとられる。11月集会が切り開いてきた国際連帯の発展こそ、新たな革命的インターナショナル建設への道だ。この道をさらに熱烈に突き進もう。
在日・滞日の労働者との連帯と結合はこの国際的団結の決定的な要である。日帝の入管体制による分断と日常的な弾圧・抑圧を打ち破って、労働者階級としての本格的な団結を圧倒的に闘いとっていこう。
これら一切の闘いを、11月集会1万人結集の大成功に結実させよう。今度こそ絶対に1万人を集め切る闘いをやり抜こう。
(5)労働者階級と結合した党への変革に一切をかけよう
一切は、党と6千万労働者階級、2千万青年労働者との結合にある。その核心は、党が労働組合の闘いと真に結合すること、その結合を実際につくり出すことのできる党への、党自身の一大変革をやり抜くことにある。6千万労働者、2千万青年労働者の怒りを最も鋭く体現し、この怒りを一つの「組織された力」に変えていくことのできる党に、われわれ自身が根底から脱皮し、生まれ変わっていくことだ。
レーニンは、口先では誰よりも戦闘的で革命的であるかのように振る舞うが、階級と大衆を革命に向けて実際に組織していく闘いを全力でやり抜こうとせず、そこから逃げて自分たちの小さな集団に閉じこもって自己満足している左翼空論主義者を、怒りを込めて徹底的に批判した。そして、革命とは数千万の労働者階級自身の巨大な自己解放的決起として初めて勝利することを提起し、そのためには労働者階級の党が、まず自分の階級である労働者階級の全生活との間に、さらに進んで被搾取者の勤労大衆全体との間にも、切っても切れない結びつきをつくり出して闘うことが絶対不可欠であると提起した。
また革共同の創立者であった故・本多延嘉書記長は、3全総路線の本格的実践への跳躍台となった1964年の5全総第3報告において、革共同の本物の革命党への飛躍へ向けて、ぜひとものりこえなければならない最も切実な課題を次のように提起している。
「われわれは、現在おかれている苦しい孤立した状況から、ともすれば、するどいが狭い、限られた視野にみずから立てこもり、自己を防衛する必要から、自己のカラのなかに安住する傾向に陥ることが少なくなかった。いまやわれわれは……日本の全労働者大衆のなかに自己を位置づけねばならない」「労働組合運動における大衆的力量をもった部隊として、学生運動の責任ある大衆的指導部隊として、われわれは行動する力をもたねばならない。こうした活動とともに、独立せる党派として、直接大衆に思想を呼びかける能力をそのなかでもたねばならない」(本多著作選第6巻)
これらの提起は、世紀を越えて、まさに現在のわれわれにとって一層切実な、一層切迫した課題であると言うことができる。日本の労働者階級の圧倒的多数を実際に獲得し組織する闘いに、直ちに、全力をふりしぼって、白熱的に躍り込んでいくことが求められているのだ。「組織、組織、組織!」の闘いを、文字通り一途に実践することだ。左翼少数派に甘んじていくセクト主義的あり方を自らの内側から徹底的にたたき出し、職場の全労働者に、階級全体に責任を取り切る党としてぶっ立つことである。
非合法・非公然の党建設が全活動の土台
さらに、革命情勢の成熟と階級的大激突の進展の中で不可避に激化する日帝国家権力との死闘に対し、あらゆる組織絶滅攻撃をはね返すことのできる非合法・非公然の革命党建設を全力で推し進めていこう。この非・非党建設は、党と階級の闘いをその最も根底で支える土台である。デッチあげ指名手配攻撃を粉砕する体制を圧倒的に強化しよう。
そして党活動の3原則を自己解放性をもって生き生きと甦らせよう。
大失業と戦争への怒りを燃やして続々と立ち上がってくるすべての労働者人民大衆の中心に仁王立ちし、そのあらゆる力の総結集と政治的統一を達成して、プロレタリア日本革命―世界革命の勝利に向かって進撃しよう。マルクス主義青年労働者同盟1千人建設、マルクス主義学生同盟1千人建設の早期達成をかちとり、青年を先頭に全労働者の未来をわれとわが手で切り開こう。すべての闘う労働者は革共同に結集し、団結してともに闘おう。
---------------------------------------------------