ZENSHIN 2010/06/21(No2444 p06) |
週刊『前進』(2444号1面1)(2010/06/21 )
国鉄大運動を全職場で推進しよう
6・23安保・沖縄闘争に決起し菅民主党・連合新政権打倒へ
6・27三里塚全国闘争に立とう
(写真 解雇撤回を貫き闘うぞ! 「国鉄闘争の火を消すな」「新自由主義と闘う労働運動を」と新たな大運動を宣言した全国の労働者・学生たち【6月13日 東京】)
「国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回! 新たな全国運動スタート! 6・13大集会」は、圧倒的高揚感の中で歴史的大成功をかちとった。ただちに全国大運動の3千人会員を組織しよう。反合理化・運転保安闘争路線を貫く職場闘争をつくり出し、労働組合権力を動労千葉派が握ろう。6・23安保・沖縄闘争(全国一斉行動)を本土−沖縄を貫いて闘おう。6・27三里塚に全国から大結集を実現しよう。辺野古新基地建設、公務員労働者の大量首切り、消費税の大増税に突き進む菅民主党・連合政権を打ち倒せ!
この感動を直ちに全職場へ
6・13大集会の圧倒的成功で、国鉄決戦に勝利してプロレタリア世界革命をかちとる闘いが本格的全面的に開始された。動労千葉と国労闘争団4人の不退転の決起は、民主党・連合政権と4者4団体による国鉄闘争解体攻撃を根本から粉砕した。全参加者が国鉄分割・民営化への怒りを爆発させ、第2次国鉄決戦の勝利によって労働者の未来を切り開く決意をうち固めた。全国大運動の発展にこそ労働者の未来がある。
6・13大集会の感動を直ちにすべての労働者に伝え、全国全職場で国鉄大運動を推進しよう。
動労千葉は、車両の検査修繕業務の全面外注化の4月1日実施を阻止する大勝利をかちとった。この勝利の上に6・13をもって開始された新たな国鉄1047名解雇撤回闘争は、資本主義擁護の体制内勢力をなぎ倒して、必ずや2千万青年労働者、6千万労働者と圧倒的に結合する。世界大恐慌という世界史的事態の中で、ついにたぐり寄せた革命情勢をプロレタリア世界革命に転化する現実的水路が第2次国鉄決戦であり、全国大運動だ。この偉大な闘いが6・13をもって本格的に始まった。この道を真一文字に突き進もう!
全国大運動の核心は、反合理化・運転保安闘争路線を貫いた職場闘争を実践し、動労千葉とともに闘う労働組合を全国の職場につくりだすことだ。新自由主義の大破綻は、民営化と労組破壊、大失業と生活破壊、戦争と改憲の攻撃を激化させている。労働者に対する労働強化、合理化に次ぐ合理化が労働者に襲いかかり、安全破壊として矛盾が爆発している。
動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線こそ、合理化攻撃に真っ向から立ち向かい、現場労働者の激しい怒りと結びつき、職場に資本と闘う団結をつくり出す路線だ。体制内労組ダラ幹を打倒して、動労千葉派が労働組合権力を握る路線だ。新自由主義と闘って勝利する路線だ。反合理化・運転保安闘争路線を貫いた職場闘争と、全国大運動の3千人会員づくりを一体で闘おう。
全国大運動で、2千万青年労働者、6千万労働者と結合しよう。その最大の武器が動労千葉物販だ。動労千葉夏季物販は、すでに全国数千カ所に持ち込まれ、全国大運動の賛同人や6・13結集がつくり出されている。
日本共産党スターリン主義などの全体制内勢力が、「革命だけはやるな」と言って労働者と動労千葉との間に分断を持ち込もうとする中で、動労千葉物販こそ動労千葉の正義性と勝利性を示し、労働者の怒りと結合する最大の武器だ。
大運動こそ革命勝利の道だ
初めて動労千葉物販回りを行った青年労働者はこう訴えた。
「自分たち青年労働者が非正規職におかれている現実は、国鉄分割・民営化が出発点です。政治和解という形で、国鉄分割・民営化が正当化されたら、一層の非正規職化攻撃が襲いかかります。政治和解は、青年から未来を奪う攻撃です。解雇撤回を貫く動労千葉とともに全国大運動を一緒に闘いましょう」
この訴えに多くの労働者が感動し、動労千葉物販に取り組み、6・13集会のチケットを買い、労組として全国大運動に賛同を決定した。動労千葉物販をすべての職場に持ち込もう。
全国大運動は、全世界の労働者の団結を強化・拡大する国際連帯闘争だ。動労千葉の闘いは、韓国・民主労総ソウル本部やアメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)やUTLA(ロサンゼルス統一教組)、ブラジルのコンルータス(全国闘争連盟)など、全世界に団結を広げている。全国大運動に全世界の闘う労働組合が注目し、ともに闘うメッセージを寄せている。世界大恐慌に立ち向かう階級的労働運動を実践している動労千葉の闘いを中心に、全世界の労働者が団結する構造が生まれつつある。
帝国主義には未来がない。世界大恐慌の爆発で、帝国主義世界体制は根本から崩壊している。恐慌対策のための巨額の国家財政支出は、国家が破綻する事態を生み出した。自動車産業では09年、全世界の自動車生産能力は8633万台であるにもかかわらず、生産したのは5715万台で、66・2%しか生産設備が稼働していない。
この過剰資本・過剰生産力の問題は、世界大恐慌の爆発の中で、帝国主義国、大国諸国間の激しいつぶし合いを引き起こし、世界大戦をも不可避としていく。もはや資本主義・帝国主義は人間社会発展の阻害物となり、むしろ労働者に戦争と大失業として襲いかかっているのだ。
全世界の労働者の団結にこそ未来がある。中国のホンダ工場では、青年労働者が大幅賃上げ獲得をめざしてストライキに突入し、中国全体に闘いが拡大している。ファーストリテイリング(ユニクロ)社長の柳井正の総資産は、なんと8372億円だ。ユニクロは9割を中国で生産している。このように帝国主義は、旧スターリン主義圏や中国の労働者に超低賃金を強制することで、莫大な剰余労働を搾取し延命してきたのだ。
だが、この構造が中国の青年労働者の闘いで崩壊を始めた。彼らは、中国スターリン主義の労働者支配と激突し、闘う労働組合をつくり出しながら闘っている。この闘いと全世界の労働者の闘いは一つだ。
新たな全国大運動の大発展をかちとり、プロレタリア世界革命に突き進もう!
反労働者的な菅政権打倒を
全国大運動の爆発で、菅民主党・連合政権を打倒しよう! 菅政権は、辺野古新基地建設を強行し、公務員労働者への大量首切りを実行し、消費税の大幅税率アップ=大増税を行う政権だ。参院選挙で、「財政再建」を口実に「公務員労働者の大量首切りと大増税」を全政党が競い合っている。ここに労働者の選択や未来はない。財政破綻をつくりだしたのは資本家階級であり、労働者には一切の責任はない。財政破綻の国家などぶっ倒そう!
世界大恐慌が爆発し、戦後の労働者支配の要だった議会制民主主義が崩壊、日米安保同盟は沖縄県民の怒りで根本から動揺している。労働者の進むべき道は何か。「労働者階級の総決起を実現し、今こそ資本家階級の打倒、プロレタリア独裁の樹立、資本家的生産手段の社会的所有への転化、生産と社会の主人公への労働者階級の革命的飛躍をかちとろう」(本紙2440号、清水丈夫議長論文)。これを断固、実践する時が来た。
菅政権は、鳩山以上に日帝の延命のために資本家階級の利益を貫く反労働者的政権だ。連合という体制内労働組合を先兵にして労働者に攻撃をしかける民主党政権の本質は何も変わっていない。一切は労働運動をめぐる攻防で決まる。体制内労組ダラ幹をなぎ倒して、労働運動の主導権を動労千葉派が握ろう。これが労働者が勝利する道だ。
菅政権が沖縄の怒りによって打倒されることは不可避だ。6月23日、本土と沖縄を貫く怒りで、菅の訪沖を粉砕しよう。日米韓の労働者の国際連帯の力で、切迫する北朝鮮侵略戦争を阻止しよう。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒こそ勝利の路線だ。沖縄における体制内労組ダラ幹を打倒して、動労千葉派が沖縄労働運動の主流派になろう。
労働組合権力を獲得する闘いは目的意識的な闘いであり、職場細胞建設と一体だ。革共同の機関紙『前進』を読み拡大しよう。革命に勝利する労働者党をつくりだすために、革共同への圧倒的な夏期一時金カンパを!
闘うすべての青年労働者はマル青労同に、闘うすべての学生はマル学同に結集して、ともにプロレタリア世界革命の勝利へ闘おう!
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週刊『前進』(2444号1面2)(2010/06/21 )
6・13大集会 時代に通用する労働運動を
動労千葉・田中委員長が熱烈に訴え
6・13国鉄大集会は、動労千葉争議団や国労闘争団の闘う労働者を先頭に、感動と熱気に満ちてかちとられた(前号既報)。新自由主義と対決する階級的労働運動の再生へ、「新たな全国運動」の巨大な陣形を構築する闘いは本格的に始まった。6・13大集会で動労千葉の田中康宏委員長は、「国鉄1047名解雇撤回闘争とひとつになって、大恐慌時代に通用する新しい労働運動をつくろう」と力強く訴えた。以下、田中委員長の発言を紹介します。(2、3面に発言特集)
国鉄闘争は30年近い闘いになります。動労千葉は、国鉄分割・民営化に反対して2波のストに立ち、40人の仲間が解雇されながら、この攻撃に立ち向かってきました。
それ以来、24年にわたる闘いの結末がこれでいいのか。24年間闘ってきたのは、国鉄改革法を承認するためだったのか。「JRに法的責任なし」を承認するためだったのか。国労は今、107人を殺した尼崎事故について、口をつぐんで何も言わない。あれだけのことが分割・民営化によって引き起こされて、それに口をつぐむために24年間闘ってきたのか。今回の和解は、絶対に間違っていると思います。
今回の和解は、労働組合への歴史を画する攻撃です。労働組合を変質させ、闘わない労働組合に変える。すべての攻防の焦点がここにある。
労働組合って、この程度のものなのか。労働組合は、本当はもっと素晴らしい力を持ったものではないか。1047名解雇撤回闘争が24年間、戦後最大の労働運動解体攻撃の決着を許さず、全国100万人の労働者の支援を受けてここまで継続してきたことの持っている意味は決定的なものです。しかも今、公務員労働者に対する全面攻撃が始まろうとしている。国鉄分割・民営化以来、1千万人を超す労働者が非正規職に突き落とされた。すべてが国鉄分割・民営化から始まったのです。
JRの職場では、まさに今「第2の分割・民営化攻撃」が始まっています。ここで国鉄分割・民営化反対闘争を終わりにするわけにはいかない。
私たちが始めようとしている全国運動は、新自由主義攻撃に対決し、この時代に通用する新しい労働運動をもう一回つくり上げる挑戦です。私たち自身の解雇撤回闘争は、そういう闘いと一つのものです。
ゼロから始まる闘いです。だけど、動労千葉が国鉄・分割民営化を前にして団結を守り抜いたように、闘う中で、前に進む中で、これからも団結を守っていく道を探ろうと決意しています。
資本主義体制はガタガタです。全世界で怒りの声が巻き起こっています。日本でも怒りの声が社会に積もり積もっている。この声を国鉄闘争を軸に結集したい。私たちはその先頭に立ちます。
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週刊『前進』(2444号1面3)(2010/06/21 )
大恐慌を世界革命へ 革共同に大カンパを
革共同は6・13大集会をもって、動労千葉とともに、全国・全世界の労働者階級人民とともに、大恐慌情勢に立ち向かう階級的労働運動をつくり出す壮大な挑戦を開始しました。「労働組合はもっと素晴らしい力をもっているはずだ。この大運動の中から大恐慌時代に通用する新しい労働運動をつくろう!」(動労千葉・田中委員長の提起)。6・13大集会から開始された全国大運動とは、大恐慌と世界戦争の時代のまっただ中で、戦後日本階級闘争の核心部分をなしてきた動労千葉と国鉄1047名解雇撤回闘争をもって労働者階級と労働組合のもつ根源的力を結集し、プロレタリア世界革命を切り開く闘いです。
こうした大運動の呼びかけに対して、日本の労働者階級人民のみならず、アメリカ、韓国、ブラジルを始め全世界の労働者が応え、国際的運動として発展しようとしています。
革共同は清水丈夫議長の中野洋同志への追悼文で、「動労千葉(動労総連合)労働者とともに、また全国の闘う仲間とともに、動労千葉のもとに結集し、動労千葉を守り抜き、強大化し、JR打倒、日帝打倒、世界革命まで闘い抜く」ことを宣言しました。これは、創成以来幾多の試練をくぐり抜け蓄積してきたすべての力を注ぎ、国鉄闘争を基軸とし、日本と世界の階級闘争のすべてに責任をとる革命的労働者党への飛躍をかけた宣言です。
そのための具体的な行動が求められています。この壮大な事業のために、かつてない規模の資金が必要です。これまでの取り組みをはるかに上回る爆発的なカンパを、ぜひともお願いします。
労働者党建設を
開始された大運動はまた、70年安保・沖縄決戦を超える巨大な政治闘争をつくり出す闘いでもあります。6月2日、労働者階級人民の力で鳩山・小沢を打倒しました。国鉄分割・民営化に屈服した労組幹部を権力機構内部に取り込み、労働者階級人民の根底的怒りを抑え込む最後の防波堤として登場した民主党・連合政権を完全に破産に追い込んだのです。鳩山・小沢に代わって登場した菅内閣は、この危機をむき出しの反動によってのりきろうとしています。しかし、世界大恐慌を背景とする支配階級の根底的危機の爆発は、もはやどんな方策によってものりきれるものではありません。
いよいよ70年安保・沖縄決戦を超える巨大な情勢の到来です。世界革命に勝利する非合法・非公然の労働者党建設が、今ほど求められているときはありません。
圧倒的なカンパをぜひともよろしくお願いします!
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週刊『前進』(2444号1面4)(2010/06/21 )
前進速報版から
▼中国ホンダ、トヨタストの背景▼全米で教育労働者の大反撃▼爆取デッチあげ判決に弾劾行動▼ブラジル続報:11月集会結集を確認
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週刊『前進』(2444号2面1)(2010/06/21 )
6・13大集会 国鉄1047名解雇撤回 新自由主義と闘う新たな大運動へ
“大恐慌に立ち向かう壮大な挑戦”
(写真 会場を埋めた参加者は圧倒的集中で発言に聴き入った【6月13日 文京シビックホール】)
6・13大集会では、当該の動労千葉争議団・国労闘争団、呼びかけ人を先頭に、参加者の心をつかんで離さぬ全身全霊を込めた訴えが続いた。集会全体をとおして、新たな全国運動の持っている歴史的な位置があらためて浮き彫りになった。集会での発言要旨を紹介します。(編集局)
開会あいさつ
新たな運動が本日スタート 司会 全国金属機械労組港合同 中村吉政副委員長
ただ今から「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回/新たな全国運動スタート/6・13大集会」を開催いたします。
すでに多くのみなさんがご承知のとおり、4者4団体グループは政府との解決案に合意したと伝えられています。
しかしみなさん。本当にこの解決案は自らが闘いとったものなのでしょうか。けっしてそうではないと思います。闘争団の23年間を超える、本当に苦闘の闘いを否定する解決案だと思います。そのような状況の中から国労の仲間、そして動労千葉争議団の仲間がさらにこの闘いを続けるということで、本日、全国のみなさんに集会を呼びかけました。
これほど多くのみなさんのご参加をいただいて新たな運動をスタートできることを心から喜びたいと思います。
露骨な支配・介入許せない 動労千葉弁護団長 葉山岳夫弁護士
4月9日の1047名問題についての決着は、原則的に闘う労働運動をつぶそうとする一大反動攻撃です。「不当労働行為や雇用を二度と争うな」とか「すべての訴訟を取り下げろ」というのは絵に描いたような支配介入の不当労働行為です。一人の解雇も許さないことは、労働運動の原則中の原則ではありませんか。
こんな決着を、1047名は誰も喜んでなんかいません。他方、中曽根元首相が今回の解決を聞いて喜んだという。ここに、この決着の本質は明らかです。
今回、国労の4人のすばらしい階級的労働者の代理人として、鉄建公団訴訟弁護団に参加することができて光栄に思っています。
国鉄闘争の火を消すなという新たな全国運動は、階級的労働運動の歴史上、画期的な運動になると確信しています。国鉄分割・民営化は、今や矛盾だらけです。みなさんとともに徹底的に闘う決意です。
呼びかけ人の訴え
日本労働運動再生する闘い 日本近代史研究者 伊藤晃さん
私が呼びかけ人をお受けしたのは、戦後労働運動史を研究してきて、今この時点が決定的な時だと考えたからです。
労働運動は民主主義社会を構成する本質的な要素の一つです。中曽根康弘氏が今回の解決を大変喜んでいるようですが、中曽根氏こそ、労働運動を滅ぼすことで民主主義を瀕死(ひんし)にさせるというはっきりした戦略的意志を持って80年代に政治を行った人です。
解雇された1047名は単なる救済対象ではない。自らの権利は自分の行動で守るんだと二十数年の闘いを繰り広げてきた人たちです。新たな全国運動は、この人たちと志を同じくし、社会の各所に生まれ続けている無数の運動が大きな力となってまとまっていくきっかけにならなければいけない。
動労千葉は闘い続けてきました。関西地区生コン支部と港合同も闘い続けてきました。この3組合が発議して始まったこの全国運動は、今の日本労働運動を再生させる歴史的な意義を持つものだと考えます。1047名を支えるということは、私たち自身がこの社会の中でどう闘うのかという問題です。みなさん一緒にがんばりましょう。
国鉄闘争こそ労働者の砦だ 愛媛県職員労働組合 宇都宮理委員長
私たちの組合は、闘う労働者・労働組合から支援要請を受ければ、これに応じて共闘するというシンプルな方針を持ってます。ですから、呼びかけに応え、この新たな全国運動と共闘することを執行委員会において異議なく決定しました。
1985年の動労千葉のストライキは、愛媛の地にも大きな衝撃を与えました。県職労や愛媛の仲間は、動労千葉の闘いからさまざまなことを学んできました。この国鉄闘争の火を消すわけにはいきません。動労千葉のみなさん、国労有志のみなさんが力強く闘争継続を宣言されたことに心から敬意を表します。
自治体労働者には今、現業廃止攻撃を始め、道州制、大民営化、首切り攻撃が突きつけられています。しかし、この間の尼崎事故闘争や動労千葉の運転保安闘争が切り開いた地平から、私たちは「民営化こそ悪である」と確信しています。
国鉄闘争を終わらせないことは、すべての労働者にとって最後の砦(とりで)といってもよいくらい大切なことです。私たちは自治体労働者の中に、また愛媛の地で闘いを広げていきます。
韓国の仲間に闘い伝えたい 韓国労働運動史研究家 金元重(キムウォンジュン)さん
24年にわたる国鉄闘争の意味を、日本と韓国における労働運動の発展、苦闘、そして現状とかかわらせてみる時、私は、韓国の労働運動が、動労千葉を中心とした1047名解雇撤回運動の本質をしっかり見極める必要があると考えています。
世界的にも高く評価され、戦闘的労働運動を誇った韓国の労働運動は近年、強い弾圧を受けています。教員組合である全教組や公務員労組への団結権侵害が頻発するなど、団結権侵害が欲しいままになされている。そういう中で韓国の労働者は闘っています。
こうした中、民主労総ソウル本部の指導者32人が連名でこの運動への連帯を意思表示して下さったことは大変心強く思いました。国鉄1047名闘争に対して、韓国の労働運動においても認識が高まり、その行方が注目されていることの表れです。私は実際の労働運動の経験はありませんから一から学び直し、この闘争の意味をかみしめ、これを韓国の闘う労働組合に伝えていくことを私自身の役目としたい。
中曽根の改憲の野望砕こう 法政大学弾圧裁判弁護団長 鈴木達夫弁護士
北朝鮮侵略戦争が切迫し、ただならぬ時代に突入しています。大恐慌とは戦争と失業の時代です。だからこそ、国鉄1047名闘争のこの「解決」なるものを絶対に許してはならない。
今回の解決案の狙いは明白です。24年間、家族ぐるみで闘い抜いた国鉄労働者、国鉄・分割民営化に敢然とストで決起した動労千葉の闘いを辱め、絶望を植え付けるために政府と資本家どもは全精力を注いできた。
中曽根元首相が今回の解決を喜んでいると伝えられています。中曽根は「国鉄・分割民営化で国労・総評をつぶし、社会党をつぶし、新しい憲法を床の間に飾る」と言いました。しかし中曽根よ、喜ぶのはまだ早い!
この二十数年間、改憲はできてないじゃないか。沖縄、動労千葉、1047名闘争、そして裁判員制度反対運動が中曽根の野望を阻んでいます。中曽根の野望を、今日の集会を出発点にして完全に打ち砕こう。
和解を拒否し、人生をかけて闘争続行を宣言した4人の国労闘争団員の弁護団に、数多くの弁護士が加わっています。大弁護団で東京高裁・最高裁に対する闘いを続行し必ず勝ってみせます。
闘う労働者と心をひとつに 憲法と人権の日弁連をめざす会代表 高山俊吉弁護士
4月9日の前原国交相談話を読んで、私は深い衝撃と闘う労働者に対する連帯を感じました。
「国鉄改革は国民に大きな成果をもたらした。国鉄改革の完遂に全力を挙げる」と彼は言った。「改革」という言葉に、闘う弁護士は全面的に反対する。改革という言葉にひそむ反人民性、この国の骨格を変えようとする狙いを私たちはかぎ取っているからです。
私たち闘う弁護士は、分割・民営化の3年後の1990年から司法改革と闘い続けてきました。当時、日弁連会長になった中坊公平という悪者は「対決から協議へ」「弁護士が変わることによって司法改革を完遂しよう」と言った。「個の確立」ということがさかんに言われた。一人ひとりをバラバラにして団結を打ち砕くためです。
闘う弁護士と、闘う労働者・労働組合が本当に一つにならなければならない時が来た。そして、こうして現に一つになってきている! みなさんと手を組み、肩を組んでともに闘っていきます。
メッセージ
弾圧で闘いは絶対つぶせぬ 三里塚芝山連合空港反対同盟 北原鉱治事務局長
本日、解雇撤回の新たな全国運動が発足することを心から支持し、ともに闘うことを全国の労働者・農民、青年・学生に呼びかけたい。
新自由主義は、労働者人民の生活を破壊し、農民と農業を根底から崩壊させ、青年・学生からは未来を奪っています。世界に戦争をもたらしている元凶です。絶対に許せません。
三里塚においては、農地を守り、軍事空港建設反対を貫く反対同盟の2人の同志を、国家権力は不当逮捕しました。市東孝雄君は、権力の弾圧攻撃を完全に打ち破って奪還されました。萩原富夫君は「市東さんの逮捕を絶対に許せなかった。だから決起したのです」と述べています。弾圧で三里塚闘争は絶対につぶれません。これが44年間の歴史なのです。“権力よ、思い知れ!”と言いたい。
青年労働者・学生のみなさん。未来はみなさんのものです。だがそれは、闘わずして手にすることはできません。ともに立ち上がりましょう。
〔北原さんは呼びかけ人として発言を予定していたが、12日に逝去された反対同盟・鈴木幸司さんの通夜のため欠席され、司会がメッセージを代読した(編集局)〕
新たな呼びかけ人のメッセージ
●手嶋浩一さん(元国労九州エリア本部書記長)
苦渋の選択を強いられた904人の闘争団員を責めないで下さい。国鉄分割・民営化にあくまで反対して決起された皆さんの勇気を称賛し、ともに闘いましょう。
●花輪不二男さん(世田谷地区労顧問)
労働争議の解決には定式がありません。しかし、今次の国鉄1047名の解雇撤回闘争については、国家的不当労働行為が立証され、24年に及ぶ苦闘の歴史が物語るように解決責任は国側にあることは明白です。
なぜ、偽装倒産に等しい国鉄「民営化攻撃」で「国の責任が問われず、新会社への就職要請事項となり、年金受給資格が継承されないのか」私には理解できません。今後は更に厳しい闘いが予測されますが、この「政治解決」に対して闘う国鉄労働者が残る以上、私は引き続き、支援と連帯の立場で活動を続けるつもりです。勝利の鍵は常に労働者の手中にあることを信じて闘いましょう!
●ジャック・ヘイマンさん(国際港湾倉庫労組ローカル10執行委員)
私は、国鉄労働者1047名の解雇撤回と、組合破壊の合理化に反対し運転保安を確保する闘いを継続する新たな全国運動に心から賛同いたします。国鉄労働者を守っていく動労千葉の闘いは、日本帝国主義の軍事国家化への衝動と対決し、憲法の反民主的な改悪を阻止していく闘いです。
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週刊『前進』(2444号2面2)(2010/06/21 )
6・13大集会 国鉄1047名解雇撤回 新自由主義と闘う新たな大運動へ
解雇撤回は労働者の魂 動労千葉争議団・国労闘争団の決意
(写真 「闘いはこれからだ!」。動労千葉争議団・国労闘争団員がそろって登壇し強固な決意を表明、集会は最高潮に達した。発言者は羽廣さん)
解雇撤回は労働者の魂 これから全国に打って出る 動労千葉争議団長 高石正博さん
あの和解内容で終了してしまうような1047名闘争であってはならない。資本が、組合の役員を、こいつらは気にくわないといって解雇した。裁判になった。5年、10年になったけど、金を払えばそれで終わり。そういうことでしょ。そんなことをされたら労働組合なんてあっても無くても同じになってしまう。こんな和解に動労千葉は乗るわけにいかない。
当然、動労千葉は和解の対象から除かれています。除かれたならそれでいいじゃないか。おれたちはフリーハンドになったんです。今までは、ちょっと遠慮しながらやってきました。これからはそうはいきません。これから全国に出て、おれたちが先頭に立って闘う。そういう気持ちで闘っていきたい。
今までの皆さんの激励、バックアップを心に銘じながら、最後まで、彼らの言う「納得のいく」解決まで闘っていきたい。これからもよろしくお願いします。
全国の労働者の中に物販を 動労千葉争議団 中村仁さん
労働者の解雇を許して労働者・労働組合は成り立つんですか。われわれは国鉄分割・民営化に反対し、“一人の労働者の首切りも許さない”という闘いを貫いて解雇されたんです。これが労働者として取ってきた道、労働者の魂です。その魂が資本と政治家によって崩されようとしています。
条件闘争なんかいらない。われわれは資本と完全に非和解なんです。原則を曲げずに闘う労働運動をつくりましょう。一人の首切りも許さない労働者になりましょう。
その武器として全国の労働者の中に物販を持ち込んで下さい。非正規労働者や、バッシングにあって労働運動なんかできないんだと言っている公務員労働者もいます。そういう人たちに、われわれの声を届けたい。
沖縄のことも同じなんです。基地は、沖縄や徳之島、日本だけじゃなく世界のどこにもいらないんです。沖縄の人たちの気持ちを百パーセント分かる民衆でないといけない。それは、一人の首切りも許さない闘いと一つのことです。そのことを突き詰めていけば、労働者の社会が絶対に来ると思います。
私は、全国のみなさんと一緒になるために、どこへでも出ていきます。私を呼んでください。絶対に行きます。
これからが本当の正念場 動労千葉争議団 中村俊六郎さん
集会への参加、大変ご苦労さまです。24年間、みなさんには大変お世話になっています。
しかし、これで終わりではありません。今、大変、力強い決意表明がありましたように、この闘いはこれから本当の正念場を迎えるんだと思っています。
これからもがんばっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
全国の仲間の支援にこたえ 国労旭川闘争団 鉄建公団訴訟原告 成田昭雄さん
何を言ったらみなさんの気持ちに応えられるかと考えてきました。
これまで、多くの方から力を頂きました。ここに立っている自分の気持ちは、私一人の気持ちではありません。沖縄や三里塚、そして青年・学生が日夜、闘っている姿を見た時、「おれ一人じゃないんだ」と感じます。みなさんから物心両面で支援を受けてきたことに対し、おれは後ろ足で砂をかけるようなことはできなかった。多くの激励・支援を、ここで返さなければいけないという気持ちです。
分割・民営化とは何だったのか。分割・民営化以降、すべての労働者、老若男女、青年、学生、年金生活者までが大変なつらい思いをしています。
今回の解決案は、私に「二度と文句を言うな、争うな、黙って国の言うことを聞け」というものです。これが国交相・前原のやり方です。額に汗して働いたこともない人間が何を言うか!
これから国労闘争団のこの4人、そして動労千葉のみなさんとともに前面に立って闘うことを誓います。
24年前の決意は変わらない 国労小倉地区闘争団 鉄建公団訴訟原告 羽廣憲さん
24年前の「国鉄分割・民営化反対」の決意は、今もって何も変わらないし、解雇撤回なしに元に戻ることはない。そうであるならば、解雇撤回が入ってなければ解決案にはんこを押す必要もないし、話に乗ることすら無駄なことです。
残ったのは6人だけです。なぜ私たちが解雇撤回を正面に掲げて闘い抜けたのか。信頼できる闘う仲間がいるからです。闘いに展望が持てなかった時、自ら身を引かざるをえない。それが解決案を受け入れた904人だと思っていただきたい。
われわれはどこまでも解雇撤回を闘い抜きます。不当労働行為、違法行為を行った政府、JR資本を絶対に許さない。4人の団結を維持・拡大しながら、全力で闘います。これからが本当の勝負です。ともにがんばりましょう。
JRの体制をぶっ倒す闘い 国労秋田闘争団 鉄道運輸機構訴訟原告 小玉忠憲さん
私は旧秋田鉄道管理局で一人だけ選別され、見せしめで首になりました。なんで自分が解雇されなければならなかったのかという理由を探し求めた24年間でした。
それが昨年12月の動労千葉鉄建公団訴訟で非常にはっきりした。採用候補者名簿を作った人間が証言したんですが、採用名簿に載っていたんです。けれども、旧動労カクマル松崎一派が「分割・民営化反対の国労組合員を採用するのは許せない。首にしろ」と当時の国鉄総裁にねじ込んだ結果、定員割れにもかかわらず名簿から排除された。これを国家的不当労働行為と言わずに何を不当労働行為というのか!
これをはした金でなかったことにしろと私たちに迫ってきたんです。絶対に許せません。
尼崎事故を起こしたやつは誰なんだ。JR西日本の井手正敬だろう! JR東海会長の葛西敬之だろう!
JR東日本の役員25人は年間9億5千万円もの役員報酬をふんだくってる。ボーナスは1千万。こいつらが徹底的に人を減らし、乗客を殺し、ただ株主の配当を確保するためだけにJR東日本を経営している。こんなJR体制をぶっ飛ばすのが1047名解雇撤回闘争なんです。
私たちの闘いは、けっして過去のことをなんとかしろということだけじゃない。青年労働者の今の現実をひっくり返す闘いなんです。これを裏切ったのが4者4団体だ。闘いの正義はわれわれにあります。必ずわれわれが勝ちます。
和解3条件は絶対許せない 国労鳥栖闘争団 鉄建公団訴訟原告 石崎義徳さん
国鉄分割・民営化に反対したということでJR不採用になり、この24年間闘ってきました。
今回の政治解決の条件は、裁判を取り下ろし、今後一切、旧国鉄やJRの責任を問わない、200人の採用を政府としてJR各社にお願いするが保証できない、というものです。24年間、闘ってきて、そんなことは到底許しがたいことです。「旧国鉄の責任を問わない」など絶対に許すことはできません。
それは、私たち国鉄労働者だけの問題でなく、全労働者の問題だと私は強く思っています。この解決案をのむことは絶対に許すことはできない。
これからも、旧国鉄と政府の行った数々の不当労働行為の責任を追及し続けることが、今、全労働者が置かれている現実を変えていく闘いでもあります。
そのためには、苦しくとも闘っていくことが正道だと思います。これからも闘っていく決意です。よろしくお願いします。
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週刊『前進』(2444号3面1)(2010/06/21 )
6・13大集会 国鉄1047名解雇撤回 新自由主義と闘う新たな大運動へ
(写真 動労千葉派の全国組織として「合同・一般労組全国協議会【準】」が登場した【6月13日】)
運動の目的と課題
1億円の基金3千の会員を 動労千葉を支援する会 山本弘行事務局長
「国鉄闘争の火を消していいのか!」――私たちは、この訴えに心から賛同して全国運動をスタートさせました。わが全国運動が台風の目になり、情勢に切り込み、新自由主義と対決する壮大な階級的労働運動を全国津々浦々に創出していこうではありませんか。
第一に、動労千葉を支援する会を始め、この全国運動の土台となる共闘組織をあらゆる職場・地域につくり上げていきましょう。
第二に、当面の目標を1億円、3000口の組織化とする基金運動です。そして第三に、物資販売運動です。全国運動の最強の手段として物販を使い切りましょう。四点目は、鉄道運輸機構とJR各社への申し入れ行動、裁判闘争に全力で立っていくことです。
すべてのみなさんが帰る前に全国運動の会員になっていただくことをお願いします。
決意表明
■国際連帯闘争の報告 動労千葉新小岩支部 佐藤正和支部長
今日の集会に向けた闘いと相呼応し、ブラジル派遣闘争を貫徹してきました。すごかったです。ジョン・リードがロシア革命のことを書いた『世界を揺るがした10日間』みたいな感じでした。
コンルータスから本集会に「1047名解雇撤回の闘いは、資本に対する労働者の抵抗闘争のシンボルです。この闘いは失業と賃下げ、組合破壊、沖縄など日本全国のアメリカ軍基地に反対する闘いの火花となるに違いありません。全世界の労働者は団結しよう!」というメッセージが寄せられています。大恐慌のこの時代に新自由主義と対決する主流派は圧倒的におれたちです。
■動労水戸 石井真一委員長
1047名の首を切り、200人を自殺に追い込み、いまだに国労や動労千葉、動労水戸を差別し、尼崎事故で107人も殺しておいて、「分割・民営化が正しかった」なんてことは絶対に認めることはできない。
4者4団体が闘争から去り、われわれが労働運動の主流派に躍り出る時が来た。これから公務員の首切りが始まる。菅直人政権との全面的な対決が今から始まります。
検修外注化を断固として阻止し、闘えば絶対に勝てるということをもって全国に乗り込み、日本の労働運動をひっくり返していきましょう。
■神奈川の教育労働者
今、北海道では、国鉄1047名解雇撤回闘争つぶしと軌を一にして、「教職員の服務規律等の実態に関する調査」なるものが強行されました。まさに組合と権力との非和解的激突があらわになっています。聴き取り調査を断固として拒否して闘った北海道の教育労働者から、本集会にメッセージが寄せられています。「こういう理不尽に抗議して、けっして従わなかった経験は、えもいわれぬ解放感をもたらし、自分が生きているという証しを手に入れたような充実感もあります。今後も団結を求めてがんばっていきたい」。権力の弾圧で労働者の団結はつぶせません。
国鉄闘争勝利の道は、民主党政権を中枢で支える連合支配を職場から食い破り、自分の組合に階級的労働運動を取り戻していく中にこそあります。がんばりましょう。
■東京西部ユニオン 吉本伸幸委員長
おれの血わき肉躍る、この胸の高まりが聞こえますか。熱き血潮、夢と希望をもって今日、合同・一般労組全国協議会準備会が発足しました。
国鉄分割・民営化攻撃こそ、今日の非正規職拡大と低賃金、差別賃金の根本にあります。われわれは、国鉄1047名闘争を自らの闘いとして闘い抜き、非正規職撤廃を掲げて闘うだけでなく、非正規雇用を生み出すその根本と闘い抜きます。
動労千葉は、けっして特別な組合ではないのです。職場で仲間と団結し、組合を立ち上げ、資本と非和解の闘いを始めたら、それが動労千葉労働運動の始まりです。命をかけて、ともに闘いましょう。
■動労千葉を支援する会・新潟 坂場信雄代表
私は現役時代は国労新潟車掌区分会の分会長をしていました。
新潟では昨年9月、動労千葉を支援する会を結成し代表を引き受けました。動労千葉の人たちと物販闘争などで一緒に行動しましたが、身をもって闘っている労働組合については、労働者はよく分かるというのが実感です。今後とも、生涯かけて革命運動に精力を出していきたいと思います。
■法政大学文化連盟 斎藤郁真委員長
大学は今、市場原理に投げ込まれ、奨学金ローンを貸すために学費を上げている。法政大は100万円の学費を取っていますが、そのうち約40%が理事会のマネーゲームに使われている。しかも法政大は、みずほ銀行と提携し、奨学金ローンで金利をもうけたいがために学費を上げている。
この問題の根幹は国鉄分割・民営化にあった。われわれ学生が今の現実を覆すためには、誰と一緒に闘うべきなのか。労働者です。労学連帯で、もう一度闘いをつくっていきましょう。
■沖縄の民間パート労働者
パート労働者の組合を結成して闘ってきました。組合結成以来の闘いは、絶えざる合理化攻撃との闘いであり、資本と一体となった体制内労組指導部との闘いでした。
闘う労働組合へどう飛躍していくのか議論を重ねる中で重要だったのは、国鉄分割・民営化こそが私たちが非正規で働かなければならない現実を生み出した出発点だということを、実感としてつかんだことでした。
今、沖縄では民主党・連合政権への怒りが渦巻いています。国鉄1047名解雇撤回闘争と、日米安保を粉砕し米軍基地を撤去する闘いは、一つの闘いです。この闘いに勝利するために、職場生産点から闘う労働組合を、私たちの手でよみがえらせていきましょう。
連帯あいさつ
産業報国会化を繰り返すな とめよう戦争への道!百万人署名運動 西川重則事務局長
新政権が誕生しましたが、菅首相は所信表明演説で日米一体化路線、辺野古への基地建設を表明しました。しかも「沖縄の民意に応える」と言う。これ自体、あってはならない発言です。沖縄戦の惨禍を知っていれば絶対に言えないことです。北朝鮮に対しても強硬姿勢を表明している。5月18日に国民投票法が施行されましたが、「一日も早く改憲を」という思いは今の内閣も十分に持っています。
1940年の大日本産業報国会の結成の中で、あらゆる住民がアジア侵略のために動員されました。国に報いるために人権侵害がなされ、徹底的に天皇制国家神道体制の教育をされ、戦場に行き、命をささげることを余儀なくされました。こんなことは再びあってはならない。百万人署名運動は新しい署名を提案しました。日米安保も憲法改悪のための国民投票法もいらない。新しい署名運動で、再び戦争することのない社会をつくり出したいと思います。
カンパアピール
いつもの1割増しカンパを スタンダード・ヴァキューム石油自主労組 入江史郎委員長
今日は、ご祝儀相場で1割増しのカンパをお願いしたい。動労千葉争議団は9人、一緒に闘う国労闘争団の仲間は4人です。私も解雇になって26年になりますが、先立つものがないと資本主義の中では生きてメシも食えません。
みなさん、預金残高がたいして多い人はいないと思いますが、そういう金も大恐慌で2〜3年後には紙くずになっています。使うなら今のうちなんです。
争議団・闘争団の仲間が交通費の心配なく、北海道から九州・沖縄まで全国の職場・地域を存分に動けるよう、カンパをぜひお願いしたい。1047名闘争をうわべだけではない本物の闘いにしていきましょう。
閉会あいさつ
当該支える力は現場の闘い 全日建運輸連帯労組 関西地区生コン支部 高英男(コヨンナム)副委員長
今回の全国運動については、関西地区生コン支部という組織と副委員長の高の名前で呼びかけています。
われわれは、具体的にどういう形で動労千葉と国労有志の闘いを支え、ともに闘えるのか。
金銭的支援も当然必要です。しかし、動労千葉や国労有志の闘いを孤立させないためには、現場で闘いを組織する以外に方法はない。
前原は「国鉄分割・民営化を完遂する」と言いました。確かに分割・民営化は進んでいます。多くの労働者が派遣や非正規におとしめられている。資本・権力は、労働者をそういう状態に置くことで労働者が闘えなくなると考えていますが、それは逆です。労働者の権利を奪い取ることで、多くの労働者が怒りを鬱積(うっせき)させている。全国的にそういう非正規職労働者を組織する、特にJR関連の下請け・非正規労働者を組織しようではありませんか。そのことが、動労千葉がこの闘いの再構築を決心し、国労有志の仲間が和解を蹴り人生をかけて闘うことに、われわれが横に並んで闘える唯一の手段です。
われわれの武器は現場での闘いしかない。今日の集会は国鉄分割・民営化との新たな闘いの始まりです。この闘いを継続することは、労働運動に絶望感を持っている労働者に希望の光を与えるものになるはずです。ここに結集した仲間が全国にそのことを発信することを確認して、集会のまとめとします。
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週刊『前進』(2444号3面2)(2010/06/21 )
戦争と公務員攻撃と大増税
菅「所信表明演説」を弾劾する
菅民主党・連合政権の階級的本質は、打倒された鳩山政権以上に〈危機の時代のブルジョア政権>そのものである。連合(日本労働組合総連合会)という体制内労働組合を全面的に取り込んだ、きわめていかがわしいインチキ政権だ。
菅新政権は国と地方の長期債務820兆円の重圧にあえぎ、ギリシャのように労働者階級の怒りと闘いが革命的に爆発する情勢の到来に恐怖している。だからこそ一層凶暴化し、労働者階級に敵対する以外にない。
菅は6月11日に国会で所信表明演説を行った。その内容は、菅政権が脆弱(ぜいじゃく)で最初から破綻しており、なおかつ凶暴で反労働者的な政権であることを示している。結論的に言えば、辺野古新基地建設の強行と戦争、公務員労働者の大量解雇、そして大増税(消費税大増税)に絞り上げられる。
菅は、初めの部分で自分がサラリーマンの家庭に生まれ、「市民運動」から政治の世界に飛び込んだ経歴を語っている。だが、そこでは1960年代の後半、東京工業大学在学中に学生運動に敵対し、全学連の学生によって打倒され、そのことを根にもって警察に告訴した経歴を隠蔽(いんぺい)している。菅の政治活動の原点は、東工大学生運動への敵対であり、スト破りと刑事告訴なのだ。「市民派」が聞いてあきれる。
ここに、全共闘運動の裏切り者=仙谷由人や枝野幸男も含めて菅政権が実にインチキでいかがわしいやからの集合体であることが露呈している。だからこそ彼らは危機の突破をかけて、ファシスト的色彩をまとった超反動的政策を繰り出すのである。
菅は内閣の政策課題として以下の三つを打ち出した。@「戦後行政の大掃除の本格実施」A「経済・財政・社会保障の一体的立て直し」B「責任感に立脚した外交・安全保障政策」――である。そのどれもが実に反動的な内容だ。
何よりも@は、自民党政権が中途半端にしかやれなかった戦後体制の右側からの破壊を、民主党政権が強行するということだ。その核心は「事業仕分け」や「国家公務員制度の見直し」による公務員への大攻撃である。
1980年代の国鉄分割・民営化が「赤字」を口実に国鉄労働運動を解体する攻撃だったのと同じように、菅民主党政権は、財政破綻を口実にして4大産別(国鉄・自治体・教労・全逓)の労働組合を解体し、道州制による公務員360万人首切りに道を開こうとしているのだ。
Aについては、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」の一体的実現とも言っている。特に「強い財政」として、国と地方の長期債務820兆円という絶望的な財政破綻の中で、「無駄遣いの根絶を強力に進める」と、激しい表現で公務員への攻撃を宣言している。その中で鳩山の「新しい公共」を引き継ごうとしている。
さらに許し難いことに「税制の抜本的改革」を叫んで消費大増税を狙い、他方でブルジョアジーのために「法人税の減税」を狙っている。労働者階級を犠牲にして資本家を救済しようとしているのだ。
Bでは、「時には自国のために代償を払う覚悟ができるか。国民一人ひとりがこうした責任を自覚(すべきだ)」と国家主義むき出しで叫んでいる。また「日米同盟は、日本の防衛のみならず、アジア・太平洋の安定と繁栄を支える国際的な共有財産。今後も同盟関係を着実に深化させる」と言い放っている。これは普天間基地問題で沖縄にあくまで基地を押しつけるものだ。「国家防衛のために国民は基地と軍隊、戦争を受け入れよ」と言っているに等しい。
北朝鮮については、鳩山以上に強硬論者である。敵意をむき出しにして米日韓の北朝鮮侵略戦争の体制を強化しようとしている。
以上、菅の正体は資本家階級の手先であり、労働運動つぶしの先兵だ。だが「小沢問題」も含め激しい内部矛盾を抱えており、きわめて危機的で脆弱だ。労働者階級の団結した闘いで必ず打倒できる。
連合は、この極反動の菅政権を「新しい骨太の国家像がようやく国民の前に明らかにされることを歓迎する」(6・4事務局長談話)と持ち上げ、組合員を7月参院選で民主党支持に動員しようとしている。絶対に許せない。
6・13国鉄集会で開始された新たな大運動を全国で展開し、階級的労働運動の力で菅民主党・連合政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2444号3面3)(2010/06/21 )
道教委の「調査」許すな
北教組と1047名闘争の解体を狙う民主党政権
革共同北海道地方委員会
日帝・国家権力が、2月の政治資金規正法違反を口実とした不当弾圧に続き、北海道教職員組合(北教組)攻撃を強めている。3〜4月卒・入学式では、北海道教育委員会が「日の丸・君が代」の起立状況の調査に乗り出すとともに、14町教委が職務命令を出した。さらに道教委は文科相・川端の指示のもと、4〜5月に道内すべての学校で「教職員の服務規律等の実態に関する調査」を強行した。5月31日には「学校教育における法令等違反に係る情報提供制度」を決定し、道民(保護者、地域住民、教職員ら)を動員して教育労働者への監視網・密告網を築こうとしている。本稿では、とりわけ重大な攻撃である「服務規律実態調査」の中身を徹底弾劾する。
国鉄闘争を支援して団結を強化
北教組弾圧の狙いは北教組の職場闘争、職場の団結の破壊だ。それをテコに全国の教育労働運動の階級的潮流を圧殺し、道州制攻撃、教育の民営化に一挙に突き進もうとしている。国鉄1047名闘争解体攻撃と一体で、国鉄闘争支援の最先頭にいる北教組を解体しようとしているのだ。
北教組の現場の団結は国鉄闘争支援で強化されてきた。北教組カクマルは、国鉄分割・民営化で首切りの先兵となったことでその正体をさらけ出し、一気に凋落(ちょうらく)した。カクマルが影響力を失ったことで北教組は、連合支配下にありながらも「日の丸・君が代」反対闘争や教基法改悪阻止闘争、査定給導入反対ストライキなどを闘う組合になってきた。
世界大恐慌のもとで日帝の延命の道は〈戦争と改憲、民営化と労組破壊>にしかない。だが国鉄・郵政・自治体、そして教労の労働運動が立ちはだかっている。
国鉄分割・民営化は新自由主義攻撃の先駆けだったが、動労千葉がストライキで反撃し、さらに1047名闘争が生まれたことで日帝の攻撃は出鼻をくじかれた。しかし民主党政権の誕生で国鉄闘争解体策動が一気に進み、同時に北教組への大攻撃も始まったのだ。
「服務規律等の実態に関する調査」には、教育労働者全員への調査、学校長への調査、教育委員会への調査がある。
組合活動すべてが「調査」対象に
教育労働者には、「勤務時間中の組合活動」として「学校備品の使用状況」「諸会議等への参加状況」、「教職員の政治的行為等」として「カンパ活動」「選挙運動」。「諸会議への参加状況」では「勤務時間中に職員団体主催の集会・会議等に出席したことがあるか」「教研集会に参加したことがあるか」「年休等の必要な手続きを行っていたか」などを文書回答させ聴き取りする。
校長への調査は@「学校運営等の実態」として「校務分掌についての職員会議の場での議論」「交渉」「話し合い」や「主任等」の「持ち回り」「命課の返上行為」など。A「職員会議の運営」では「意思決定機関か」「主宰者は誰か」「司会者の決定は」「記録を残しているか」。B「教育課程実施状況等」では「学習指導要領に基づかない指導」の有無、例えば「国旗・国歌の指導が教育課程に位置づいているか」「竹島を韓国の領土として指導しているか」など。C「職員団体との関係に係る調査」では「『本務外労働』の拒否」「『校務分掌』の拒否」や「『日の丸・君が代強制』に反対する立て看板の作成・掲示」「勤務時間中、式当日のワッペン、リボンの着用」の有無。「日の丸・君が代」関連では「式の準備」での「拒否」「退席」などを報告させる。
「選挙運動」では、教職員組合としての一切の活動を禁圧しようとしている。一般的な政治活動でも「教職員の地位を利用して」は拡大解釈できるし、それ以外も国家公務員法第102条および人事院規則14―7を全面発動すれば、不当な政治介入と闘うことも弾圧の対象とされる。
道教委は調査実施の理由は選挙カンパ事件だと言っているが、「違法献金」の大々的宣伝は、北教組本部に屈服を迫り、世論を動員して今回の調査を強行し、職場闘争をたたきつぶすためのものだった。国鉄攻撃の時の「ヤミ手当・カラ出張キャンペーン」と同じだ。
道教委は各校長に配布した文書「調査に当たっての留意事項について」で、「次のような発言をすると不当労働行為的発言となる可能性がありますので、十分留意してください」として、「『最近の○○職員団体に関する報道を知っているか?』この他、組合に関して報道されている事実について客観的に話をするだけでも『組合嫌悪の姿勢が顕著』として取り上げられる可能性があります」と記している。不当労働行為であることを十分自覚した上で、“なんとかうまくやれ”と指示しているのだ。
さらに「職員が聴き取りを拒否した場合は、職務命令を発することも可能」とし、職務命令の恫喝で調査を強行した。
密告まで促して団結破壊を策す
重大なのは、自分のことだけでなく「見聞きしたことがあるか」との設問(写真)で、他人の行為について密告を促したことだ。
例えば「FAXの使用状況」の設問は、「職員団体用務のための使用の有無」「勤務時間中の使用の有無」「使用に係る校長の承認の有無」に続き、「職員団体用務で使用しているのを見聞きしたことがあるか」を問い、「『ある』と回答した場合は、その内容(いつ、誰が、頻度など)を記述すること」となっている。コピー機、電話、印刷機、パソコン、インターネット回線、会議室、教室も同様だ。
「カンパ活動」「その他の選挙活動」にも「あなたは……したことがありますか」に加えて「これらの行為を見聞きしたことがありますか」という設問がある。
聴き取りは非正規職員→正規職員、非組合員→応じる組合員の順で行われ、応じない組合員は「職務命令を出すぞ」と脅された。国鉄分割・民営化の時に当局が首切り3本柱(勧奨退職、一時帰休、出向)で労働者を分断した手口と同じだ。調査対象者は期限付職員、再任用職員(フルタイム)も含む。非正規職員や非組合員には青年が多い。青年を組合から遠ざける意図が明白だ。
反撃を開始した現場労働者たち
不当極まりない組合活動弾圧に対して現場労働者は反撃をたたきつけた。非組合員を含めて「密告が横行する教育現場になる」「密告したと思われるのは嫌だ」という声が巻き起こった。聴き取り自体を拒否できなくても、校長に「みんなの見ている前で聴き取りをやれ」と要求してやらせた例もある。調査を拒否をしても職務命令が出せない事態も生まれた。
日本共産党系の幹部は「弾圧を招かないために応じる」と屈服した。カクマルは「組合活動への規制強化に反対」と言うだけで、団結破壊をめぐる攻防という視点がまるでなく、職場攻防よりも「民主団体」の申し入れにすがっている。国鉄攻撃の先兵となったカクマルには、団結を語ることさえできないのだ。
国鉄分割・民営化という究極の労働運動つぶし攻撃に対して、動労千葉が絶対反対のストライキに立ち上がった一方で、国労本部は反撃の闘いに立てなかった。動労千葉の闘いをとおして生み出された1047名闘争をめぐっても、国労本部はこれを団結強化のテコにせず、JR本体と闘争団を分断し、ついに闘争団切り捨ての政治和解受け入れにたどり着いた。
北教組攻撃を打ち破る道は、動労千葉の呼びかける「国鉄闘争の火を消すな」全国運動に総決起することと一体だ。この中に教育労働者を始め全労働者の団結拡大の可能性がある。階級的団結の拡大を一切の総括軸にして突き進もう。
6・13集会の大成功を受けて「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回」の大運動を巻き起こそう。
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週刊『前進』(2444号4面1)(2010/06/21 )
労働者の国際的団結が戦争を止め核なくす力
全国学生は8月広島・長崎反戦闘争へ
マルクス主義学生同盟・中核派
全国の学生戦線は本年前半、法大2・5弾圧を粉砕した力で4月新歓を全力で闘いぬき、4・23法大―5月沖縄―6・13国鉄大集会を爆発させ、団結をうち固め、画期的な組織的前進―組織拡大を実現してきた。この地平の上に、被爆65周年8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争に総決起しよう! 労働者学生の団結で侵略戦争―核戦争を阻止し、米日帝国主義の頭目、オバマと菅を打倒し、大恐慌を革命へ転化する歴史的決戦に勝利しよう。
(写真 5月沖縄連続闘争の最終日17日、新基地建設を実力阻止して来た辺野古の浜で、新たな安保・沖縄決戦を誓った)
6・13国鉄集会の歴史的挑戦
今夏8・6―8・9闘争を迎えるにあたって、第一に訴えたいことは、6・13国鉄集会の歴史的成功をもって、国鉄闘争を基軸に日本革命へ攻め上っていく壮大な挑戦が始まったということだ。
今や日本階級闘争は新たな段階に突入した。1047名闘争の解体策動は根底のところで打ち破られ、解雇撤回をあくまで貫く動労千葉と国労闘争団員を中軸とした全国運動が開始された。アメリカ、韓国、ブラジルを始めとする全世界の闘う労働者が、この大運動の帰趨(きすう)に注目し、連帯を呼びかけている。この運動は、新自由主義と対決する労働者・学生・全人民を総結集し、動労千葉労働運動を中心に帝国主義支配への総反乱を組織していく闘いであり、沖縄闘争と一体化して、60年闘争、70年闘争を超える大闘争へと爆発していくものだ。
これに対し、日帝国家権力=菅政権とあらゆる体制内勢力が、全体重をかけて動労千葉派に襲いかかってくる。密集する反動を跳ね返す力は、「正義は我にあり!」という確信と未来への展望に裏打ちされた壮大な獲得戦の中にある。戦争を止める力もここにある。全国の学生は、動労千葉を先頭とするこの闘いの戦列に加わり、ともに社会を変革する主体として躍り出よう!
北朝鮮侵略戦争阻止しよう
第二に訴えたいことは、米日帝国主義による北朝鮮侵略戦争の超切迫という情勢である。
米帝オバマ政権は、韓国哨戒艦沈没事件を「北朝鮮軍の仕業」と断定し、北朝鮮への戦争挑発を繰り返している。新たな朝鮮戦争は間違いなく核戦争となり、中国を巻き込んだ第3次世界戦争へと拡大するものだ。断じて許すわけにはいかない。
この背景にあるものは、世界大恐慌の果てしない激化である。解決不能な大失業、国家財政の破綻、基軸通貨=ドルの暴落と中国バブル崩壊の危機が同時一体的に切迫する中で、アメリカ帝国主義に残された道は、むき出しの軍事力による世界支配と戦争しかない。
すでにアフガニスタン侵略戦争を米帝史上最長の戦争として継続・激化させているオバマは、「5年間で輸出2倍化」を掲げてアジア市場の強奪を宣言し、北朝鮮と中国を名指ししたアジア侵略政策を開始している。昨年11月には米韓両軍が「北朝鮮の体制崩壊時の強襲計画」を完成させ、今年3月には米韓合同軍事演習も開始した。米太平洋海兵隊司令官は「沖縄海兵隊の(攻撃)対象は北朝鮮だ」と公言し、ゲーツ国防長官も「北朝鮮とイランは核攻撃の対象」と言い放った。
また、5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、圧倒的な核保有国であるアメリカなどが、イランと北朝鮮を「可能な限りの強い言葉で非難」するという転倒した態度を示す一方で、イスラエルによるガザ支援船襲撃事件(乗員9人虐殺)については、オバマは「自国の安全保障のために当然の行為」などと公然とイスラエルを擁護したのである。これがオバマの言う「正義の戦争」なるものの正体だ。
これと一体で、日帝・菅政権の登場がある。菅は11日の所信表明演説で日米安保同盟を「アジア・太平洋の安定と繁栄を支える国際的な共有財産」と位置づけ、「時には自国のために代償を払う覚悟ができるか。国民一人ひとりがこうした責任を自覚」せよと国家主義をむき出しにして傲然(ごうぜん)と恫喝した。
これに先立ち、日帝は5月に高速増殖炉「もんじゅ」の再稼働を強行した。核兵器へ転用可能な高純度プルトニウムを抽出することを目的とした、完全な核武装策動であり、これ自体がきわめて危険な軍事行動に他ならない。こうした北朝鮮侵略戦争の切迫の中で、元航空幕僚長・ファシスト田母神が、今年も8・6ヒロシマに登場して日本の核武装化を絶叫しようとしているのだ。
だが決定的なことは、こうした帝国主義の戦争策動が、アジアにおける革命的大動乱を引き起こさずにはおかないということだ。日本では、6・13集会と国鉄闘争の地平が沖縄闘争と結合し、日米安保の存在そのものを揺るがしている。韓国では、朝鮮戦争に反対する労働者人民が統一地方選で与党・ハンナラ党を惨敗させた。今や労働者階級の団結した行動が一切を決する。この決定的瞬間に、今夏8・6―8・9闘争があるということだ。
大恐慌と戦争を世界革命へ
第三に訴えたいことは、今こそ全世界の労働者階級の団結した力で帝国主義の侵略戦争―核戦争を阻止し、すべての核を廃絶するために闘い抜こうということだ。
ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下は、帝国主義によって引き起こされた人類史上もっとも残虐な大量虐殺の一つである。このような核兵器と戦後65年間も共存させられてきたこと自体が異常なのである。こんなものは一日も早く廃絶しなくてはならない。
核兵器は帝国主義戦争の産物である。帝国主義戦争は国家総動員と無差別大量虐殺の戦争であり、非戦闘員である一般住民や都市そのものをまるごと攻撃対象とする。それは、敵の補給・兵站(へいたん)基地を破壊し、戦争を支えている住民の戦意をくじく「戦略爆撃」を行い、その果てに核兵器の開発・使用まで行き着くのである。
このように第2次大戦中、アメリカだけでなく、イギリス、ソ連、ナチス・ドイツ、日本などが競い合って原爆研究を行った。その意味で、ヒロシマ・ナガサキは帝国主義世界戦争の帰結であり、これに参戦したすべての帝国主義国家とスターリン主義国家による合作、共犯なのである。
米大統領ルーズベルト(当時)は、「死の商人」と呼ばれた火薬製造業者=デュポン社をはじめ軍需産業資本、科学者、財閥関係者を集めて極秘に原爆開発・製造の「マンハッタン計画」を開始した。第2次大戦時に製造された爆弾の総価格は約50億j(当時の日本の国家予算に相当!)で、そのうち4割に相当する20億jが同計画に投入された。この大事業に、軍需産業の資本家どもが群がって巨額の利益を上げながら、ニューディール政策でも解決できなかった失業人口を戦争経済に吸収していったのである。
このように核兵器の開発・製造とは、資本主義の危機を背景とし、帝国主義国家と巨大独占資本が自らの延命のために総力を挙げて行った、きわめて帝国主義的な事業に他ならないのである。
こうして製造された原爆の日本への投下は、核の力で世界を支配する戦後政治の出発点であった。ヒロシマ・ナガサキで核兵器の威力を誇示した米帝は、その力でソ連を牽制(けんせい)し、労働者人民を恫喝しながら、米帝を基軸とする戦後世界体制(ドルと軍事力による世界支配)を維持してきた。
20世紀は、「終わりなき戦争」と果てしない軍拡競争の時代となり、核兵器の大量生産が続けられた。スターリン主義と社会民主主義は、帝国主義の核軍事力の前に綱領的に屈服し、労働者階級の力で帝国主義を打倒するのではなく、「ソ連の核武装でアメリカに対抗しよう」とか「各国の首脳にお願いするしかない」として、反戦反核闘争を無力化してきた。
日本共産党は今日、「オバマは平和の使徒」「オバマが核兵器をなくしてくれる」などと吹き回っている。かつて「ソ連は平和の使徒」「ソ連の核はきれいな核だ」などと主張して原水禁運動を分裂させた時と本質的に何も変わっていない。その思想的核心は、労働者階級の力と闘いをまったく信頼せず、機械や科学技術を礼賛する度し難い生産力主義である。これは、戦後日本の労働運動の指導部が、資本主義の生産力の前に屈服して反合理化闘争を闘えなかったことと完全に一体の問題である。
核廃絶とは帝国主義打倒の問題である。それは、核によって維持されてきた戦後世界体制を国際プロレタリアートの団結した力で根底的に変革する、反帝国主義・反スターリン主義世界革命によってこそ、初めて可能となるのだ。そして、帝国主義戦争が国家総動員の戦争である以上、労働者階級が団結して戦争協力を拒否し、この戦争を革命的内乱へと転化することが、核戦争を阻止する唯一の路線なのだ。
帝国主義を打倒し、権力を掌握した労働者階級は、一切の生産手段を資本家の手から奪取するとともに、その鉄腕によってすみやかに帝国主義を武装解除し、自らの政治支配を打ち立てる。もはや「少数者による圧倒的多数者への支配」ではなく、団結した圧倒的多数者として自らを支配階級へと組織するプロレタリアートは、それゆえ核兵器をまったく必要としない。すみやかにこれらを解体、廃絶するだろう。
マル学同に結集して闘おう
第四に訴えたいことは、全国の学生は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争に結集し、ともに反戦政治闘争の先頭に立とうということだ。
学生の存在をもの言わぬ商品へと貶(おとし)めようとする大学とは何なのか。学生はこんな大学の規則やカリキュラムに縛られ、処分されて終わるような存在なのか。断じて否だ。今こそ学生は、腐りきった大学と社会のあり方を根底的に否定して立ち上がろう!
この大激動情勢の中で、誇り高き社会変革の担い手として、歴史を選択していく主体として名乗りをあげよう!
5月沖縄闘争の大成功を通じて、学生は反戦政治闘争を闘う中でこそ団結を取り戻し、生き生きと立ち上がることが示された。さらに、動労千葉と全学連のブラジル訪問闘争によって切り開かれた国際連帯闘争のさらなる地平である。8・6ヒロシマにはドイツの学生も駆けつける。8・6―8・9闘争で、この団結を倍加させよう!
何よりも6・13集会をもって、勝利の展望は圧倒的に開かれた。米日帝の狙う北朝鮮侵略戦争が、日本労働運動総体を産業報国会のように変質させることを条件としている以上、すべては国鉄闘争を基軸に階級的労働運動を爆発させることにかかっている。確信をもってこの道を進もう!
労働者階級と核兵器とは絶対に相入れない。資本主義の支配に対する労働者階級の自己解放闘争は、核と戦争によって延命を図ろうとする資本家階級からすべての武器と生産手段を奪取するまでやむことのない闘いだ。この非和解性を体現して闘う労働者階級の指導部が党である。全国学生はマルクス主義学生同盟に結集し、ともに世界革命をめざして闘おう!
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週刊『前進』(2444号4面2)(2010/06/21 )
関空の米軍基地化絶対阻止!
7・4関西空港反対集会へ
全国集会を開催
全国の闘う仲間のみなさん、泉州のみなさん。7月4日に闘われる関西空港反対全国集会への参加を呼びかけます。
私たちは6月2日ついに鳩山・小沢政権を打倒した。革共同と動労千葉派、そして沖縄を始めとする全国の闘う労働者人民の階級的な怒りで打倒したのだ。昨年8月30日、自民党を打倒した労働者階級の怒りが、1年もせずに鳩山・小沢政権を打倒した。情勢は、支配階級のみならず全党派を震え上がらせている。新たに登場した菅民主党政権は、鳩山以上の反動政権だ。絶対に労働者の怒りで打倒しよう。
6・13国鉄大集会が1635人の結集で大成功した。国鉄闘争の新たな大運動が始まった。新自由主義と菅民主党政権と対決し、大恐慌時代に立ち向かう階級的労働運動の壮大な挑戦が始まったのだ。この地平の上に、7・4関空闘争を成功させよう。
(写真 4月29日、国賀市議を先頭に泉佐野市街デモ。沖縄と連帯して基地撤去を闘った)
市議選に勝利!
5月16日投開票の泉佐野市議選で国賀祥司議員が見事に7選を果たした。この勝利は泉州地区党が、住民・労働者と団結しともに闘い取った勝利である。選挙戦では、階級的労働運動路線を貫いて闘いきった。関空の米軍基地化絶対阻止を闘い、泉佐野市を夕張化する「財政健全化計画」に反対して闘い、公務員労働者への首切り攻撃と真っ向から闘い、勝利した。まさに「大恐慌をプロレタリア革命へ」を実践したのだ。
労働者・住民の団結した決起が泉佐野市議選の勝利を生みだした。闘いは、闘う労働組合と空港反対運動の拡大、党建設に向かってますます激しくなっている。泉州地区党は、関空闘争と泉州の労働運動に責任を取りきることを決意し、実践している。
私たちは塩川派との闘争に完全に勝利した。昨年7月19日の関空反対全国集会は、泉州住民の会が単独で主催し大成功した。特に動労千葉が「泉州住民の会の声明を支持する。関空闘争の主体は地元泉州の住民・労働者」と力強く宣言したことが決定的だった。
その結果、昨年の7・19集会は泉州住民の会と労組交流センターが関空闘争の勝利に責任を持つことを宣言した大きな意義のある集会になった。元々やる気も力もない塩川派は、現地に一度も現れることができず、口先だけの「新たな関空闘争」は完全に破産した。
橋下発言許すな
泉州地区委員会は、労働者・住民の団結をますます強め、関空闘争に勝利する陣形を強固にしていく。そして国鉄1047名解雇撤回の新たな全国運動に勝利する陣形を作っていく決意である。
まず関空の米軍基地化を絶対に阻止する。大阪府知事・橋下は、5月27日の全国知事会でただ一人、鳩山が提案した「普天間基地を名護市辺野古に移設する」案に賛成した。そして返す刀で「米軍訓練の受け入れは、関西の優先順位が一番高い」と、関空に米軍海兵隊訓練の移設を推進する意向を発言した。
橋下発言は、沖縄の労働者、民衆に真っ向から敵対する許しがたいものである。さらに関空を始め全国に米軍基地を拡大し、北朝鮮侵略戦争を策動するファシスト的な発言である。泉州住民の会と関西労組交流センターは翌28日、直ちに橋下への抗議闘争に立ちあがった。十数人で大阪府庁に抗議に行き、担当役人を徹底的に追及した。全関西の労働者、住民とともに決起し、関空の米軍基地化を絶対阻止する。沖縄の労働者と連帯して安保粉砕―米軍基地撤去を闘う。7・4全国闘争が重要な闘いになった。
公務員への攻撃
つぎに、泉州地区委員会は「泉佐野市財政健全化計画」を阻止する。「健全化計画」は、資本主義最末期の新自由主義による破綻的な攻撃である。ギリシャなど世界中で共通の資本主義の攻撃であり、財政破綻を全公務員労働者の首切りと賃下げでのりきり、その上に民間労働者を徹底的に賃下げし首切りをする攻撃である。恐慌情勢下での「財政再建」攻撃との闘いは、世界共通の革命闘争である。選挙戦をとおしてこの攻撃と闘い、勝利したのである。
関空政策こそ新自由主義攻撃であった。1700億円も空港関連事業に投入し、1200億円も借金を残した。これらは全部企業のもうけのためにやった事業で、市職員と住民に責任を押しつけてくることなど断じて認められない。しかし新田谷(にったや)泉佐野市長は、公務員の首切り・削減、病院の独立行政法人化、保育所民営化、ごみ有料化など民営化と労働組合破壊にすべてをかけてきている。
これは本質的に国と資本が、やりたい放題やって、そのツケをすべて労働者・住民に押しつけるやり方だ。怒りではらわたが煮えくりかえる思いである。泉州地区委員会は選挙戦をとおして、自治体労働者の大リストラと闘った。闘う労働組合を建設することで日共・自治労連の制動を突破し勝利する。
大運動と一体で
6・13国鉄大集会の成功を引き継ぎ、動労千葉と国鉄労働者の闘いを中心に新自由主義攻撃を粉砕する大運動を成功させよう。
7・4関空闘争を国鉄・三里塚・沖縄・法大闘争と一体の闘いとして闘おう。泉州地区委員会は、三里塚闘争の勝利のために闘う。完黙非転向で勝利した市東孝雄さんと固く連帯し、団結街道閉鎖を阻止し、第3誘導路認可・着工を阻止する。沖縄闘争に連帯する関空闘争を爆発させよう!
7月4日、泉佐野現地に全国から結集し、泉州の労働者・住民とともに闘おう!
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週刊『前進』(2444号4面3)(2010/06/21 )
2010年 6月9日〜15日
菅内閣「沖縄海兵隊は抑止力」/名護市久志区が移設反対決議
●「重要な抑止力」 菅内閣は、沖縄に駐留する米海兵隊について「抑止力の重要な要素の一つとして機能している」との答弁書を閣議決定した。社民党の質問主意書に答えた。(10日)
●哨戒艦沈没問題で日米韓連携を確認
菅首相は、韓国のイミョンバク大統領と首相就任後初めて電話で会談し、韓国哨戒艦沈没事件について、日米韓で引き続き緊密に連携していくことを確認した。(10日)
●亀井が辞任 国民新党代表の亀井静香・郵政改革担当大臣は、菅首相が郵政改革法案の今国会成立を見送る方針を決めたことを受け、閣僚を辞任した。菅首相は、後任として、同党の自見庄三郎幹事長を任命した。(11日)
●菅が初の所信表明 菅首相が衆院本会議で就任後初の所信表明演説を行った。財政再建のため「税制の抜本改革着手は不可避」として、消費税率引き上げ協議を視野に与野党による「財政健全化検討会議」設置を提唱。「現実主義を基にした外交」として日米同盟を着実に深化させる考えを表明。米軍普天間飛行場移設は、名護市辺野古に代替施設を造るとの日米合意を強調した。(11日)
●核艦船ホワイトビーチ寄港確認へ
沖縄県基地対策課は、外務省沖縄事務所に対し、うるま市の米軍ホワイトビーチへの核搭載艦船の寄港の有無など4項目を照会した。日米密約調査に関連したもの。(11日)
●名護市久志区が反対決議 5月の日米共同声明と政府方針で米軍普天間飛行場の移設先とされたキャンプ・シュワブ沿岸部に隣接している沖縄県名護市久志区の行政委員会は、移設に反対する稲嶺進名護市長を支持する決議を全会一致で可決した。行政委の森山憲一委員長は「これ以上の基地負担はできないというのが久志の立場。容認決議をした辺野古とは考えが違う」と強調した。(13日)
●北教組委員長代理に有罪 民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区)陣営への不正資金提供事件で、札幌地裁は、政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反罪に問われた北海道教職員組合(北教組)の委員長代理に禁固4月、執行猶予3年の判決を言い渡した。団体としての北教組は求刑通り罰金50万円。(14日)
●沖縄知事、日米共同声明に「遺憾」
仲井真知事は、首相官邸に菅首相を訪ね、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を決めた日米共同声明について「遺憾だ。実現は極めて厳しい」との意向を伝えた。会談は菅首相就任後初。知事によると、菅首相は共同声明の踏襲をあらためて繰り返した。(15日)
●北朝鮮、報復軍事行動を警告 北朝鮮の申善虎国連大使は、ニューヨークの国連本部で記者会見し、韓国哨戒艦沈没事件を受け、国連安全保障理事会が北朝鮮を非難する文書を採択した場合、報復の軍事行動を取る可能性があると強く警告した。韓国側の合同調査団による「北朝鮮による犯行」との調査結果は「完全なねつ造」との従来の主張を繰り返した。(15日)
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週刊『前進』(2444号4面4)(2010/06/21 )
日程 関西空港反対全国集会、法大闘争裁判
関西空港反対全国集会
と き 7月4日(日)午後1時半開会
ところ 泉佐野市末広公園コミュニティひろば(泉佐野市羽倉崎駅下車5分)
主 催 関西新空港絶対反対泉州住民の会
関西労働組合交流センター
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法大裁判に集まろう!
★暴処法裁判
第14回公判 6月21日(月)午後1時30分
★4・24集会弾圧裁判
判決公判 6月24日(木)午後1時30分
いずれも東京地裁429号法廷 12時半に傍聴券配布所へ
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週刊『前進』(2444号5面1)(2010/06/21 )
「リーマン」超えるギリシャ危機
財政破綻の連鎖と大恐慌の新段階
史上最大の支援策も効果なく ユーロ崩壊も不可避な情勢へ
島崎光晴
ギリシャ危機が「第2のリーマン」であることは今や明白である。すでに世界経済への打撃はリーマン・ショックを上回るものとなりつつある。ユーロ圏諸国は5月初め、ギリシャ危機・ユーロ危機に対し史上最大の金融対策を決めた。しかしその後も、ギリシャ・南欧危機、ユーロ危機、世界的信用収縮は一段と深まっている。帝国主義は07年夏以来の世界大恐慌に対し、未曽有の恐慌対策・財政政策を発動して延命してきた。しかしその結果、財政破綻が世界的に連鎖する危機に突入したのだ。米国債・日本国債の暴落も不可避であり、大恐慌とドル暴落はいよいよ本格化していく。その中で、財政危機の労働者階級への負担転嫁を巡って、ギリシャやスペインでのゼネストの爆発が示すように、プロレタリア革命が世界的に現実の問題になりつつある。
南欧・ユーロ危機へ拡大 全世界で進む信用収縮
3月に噴出したギリシャ危機は当初、借金返済のための資金繰り問題として始まった。ギリシャは4〜5月に約170億ユーロの国債=借金の返済をしなければならないが、その見通しが立たず、債務不履行(デフォルト)となる可能性が強まった。それを防ぐためユーロ圏諸国は3月末、ギリシャへの200億ユーロ(約2・3兆円)の融資を決めた。しかしその後の1カ月半、あらゆる予測を超えて危機は次々と深まっていった。
まず、財政危機への懸念、国債への不信が南欧全体に広がった。昨秋以来、深刻な財政破綻国としてPIIGS(ポルトガル・イタリア・アイルランド・ギリシャ・スペイン)と総称されており、そこに不安が集中するのは当然だった。事態はあっと言う間にギリシャ・南欧危機と化した。
さらに、ギリシャ国債・南欧国債を最も多く保有している欧州の金融機関への不信にまで進んでいった。ギリシャ国債は7割が海外で売られ、仏・独・英などの銀行が主な保有者だ。欧州金融機関が持つギリシャ・スペイン・ポルトガル向け債権合計は約2兆ユーロ(約220兆円)。ギリシャ・南欧がデフォルトとなると、これらの欧州金融機関も総崩壊しかねない。この危機感から4月末、欧州の金融市場はパニックに陥った。危機は欧州信用不安にまで進んだのだ。
(写真 5月20日、ギリシャで政府の緊縮政策に反対して今年4回目のゼネストが行われた。アテネでは「【国は】泥棒だ」と叫び2万人がデモ行進した)
米・世界の株価が記録的な暴落
そして5月初めにはユーロという通貨への不信・不安、ユーロ危機にまで進展した。通貨を統一しつつも財政権限が各国にあるため赤字は野放し、というユーロ圏の構造的弱さが浮き彫りになった。しかもユーロ圏はギリシャ危機に単独で対処できず、米帝の影響力の強いIMF(国際通貨基金)の支援を受けざるをえなかった。IMFは融資の3分の1を負担することとなった。ユーロへの信認は急低下し、市場で売り浴びせられた。
これはほぼ同時に世界的な信用不安・信用収縮にまで進んだ。銀行が資金を国際的に融通しあうロンドン銀行間取引で金利が急騰し、資金が調達しにくくなった。事態は「リーマン・ブラザーズ破綻以来の深刻さだった」(ニューズウィーク誌6・16号)。5月初めには世界的な株価暴落が発生、米株価は短時間で1000j近くの過去最大の暴落を記録した。世界の株式時価総額は、リーマン・ショック後のピークである4月中旬から1カ月で、約630兆円、14%も減った。
このようにギリシャ財政危機は、南欧危機、欧州信用不安、世界的な信用収縮と株価暴落へと進展し、世界大恐慌を再激化させるに至ったのだ。
これに対し5月10日、ユーロ圏諸国は大々的な対策に踏み込んだ。@ギリシャだけでなく南欧諸国の救済も考慮して最大7500億ユーロ(約89兆円)を融資することとした。この規模は、08年秋の米帝の金融安定化法の約65兆円をも上回り、金融対策としては史上最高額だ。Aギリシャ・南欧諸国の国債への信用が崩壊したため、ECB(欧州中央銀行)と各国中央銀行が国債を直接買い取ることにした。B日米欧の中銀は市場にドル資金を大量供給することを決めた。この措置はリーマン破綻後の08年9月に発動され、今年2月まで続けられてきた。その終了からわずか数カ月しての再開だ。
赤字は世界大戦下に匹敵 ドル暴落・国債暴落も
しかし、これだけの対策を発動したにもかかわらず、危機はさらに一段と深まっている。
5月下旬にはスペイン中銀が経営危機の貯蓄銀行カハスールを管理下に置いた。貯蓄銀行は00年以降の不動産・建設バブル下で融資を急増させ、全金融機関の国内貸し出しの半分を占めるまでになっている。
6月にはハンガリーの財政危機への不安が表面化し、すでに08年に噴き出ていた中・東欧危機が再燃した。ハンガリーはユーロ圏ではないが、オーストリア・ドイツ・イタリアなどユーロ圏の銀行が多額の投融資をしている。銀行の損失懸念から、欧州信用不安とユーロ危機が一段と深まっている。
さらに、欧州の銀行危機がますます表面化しつつある。ユーロ圏の銀行の保有国債額は2・1兆jで、うち3分の1が財政不安を抱える南欧諸国の国債だ。国債価格が急落しているので、この評価損だけでも各銀行の命取りになりかねない。
しかも、スペインなどに見られるように、この間のバブル崩壊による不良債権があらためて表面化してきた。欧州金融機関は、もともとの不動産バブル崩壊、07年夏に爆発した世界大恐慌、そしてこの間の国家財政破綻と国債信認の崩壊、と危機が三乗になっているのだ。
6月半ばからユーロ圏の銀行は疑心暗鬼に陥り、ついに融資を控えて資金をECBに預ける挙に出始めた。こうなると信用収縮はどうやっても解消できず、金融機関の破綻と金融システムの瓦解に行き着くしかない。今やユーロ圏崩壊の危機とも相まって、07年夏のパリバ・ショック、08年リーマン・ショックに次ぐ世界大恐慌の第3波が爆発しつつある。
(写真 6月8日、スペインのバルセロナで公務員賃金5%引き下げに反対して7万人がデモ。横断幕は「ゼネスト賛成!」)
緊縮財政の強行は悪循環を招く
ブルジョアマスコミは今回のギリシャ危機を単なるユーロ問題に狭めようとしている。しかし、現在起きていることは、世界大恐慌が深化し激化する過程にほかならない。本紙2440号・清水丈夫議長論文で述べているように、「29年型、いやそれよりも巨大なスケールの世界金融大恐慌が発生したことに財政投入をもって対応したことは、実は大恐慌の矛盾の決定的圧力が国家財政に転嫁され、国家財政を全世界で一斉に大破綻の危機にたたき込むものとなった」ということだ。
恐慌対策は世界で800件、主要国で300兆円を超えた。その政府支出のために、日米欧主要国は09年と10年の2年間で総額10兆j(約900兆円)もの国債を発行した。日本の年間GDP(国内総生産)の2倍弱に相当する額だ。
米帝の09年度の財政赤字はGDP比で11・2%、日帝の09年末の政府債務残高はGDP比で218%(IMF)と、いずれも第2次大戦の真っただ中並みとなった。では、第2次大戦後の帝国主義はいったいどうなったのか。全帝国主義国で体制が成り立たないほどの危機に見舞われ、何よりも国家財政が総崩壊した。今の帝国主義は、それと同じような破滅に陥りつつある。
しかも、世界戦争下並みの財政赤字を抱えながら、なおかつ争闘戦を強めつつ世界戦争に向かっている。こんな帝国主義に”未来”があるはずもない。世界革命によって打倒されるしかないのだ。
帝国主義は財政投入によって、金融面でも実体経済面でも大恐慌の本格化をかろうじて防いできた。しかし今や、その財政が逆に危機の大元に転化し、むしろ財政破綻が大恐慌の最大の火点となってしまった。再び金融面でも実体経済面でも大恐慌が深化・激化していくのは必至だ。
財政危機は金融危機とはレベルがまったく違う。07年夏からの世界大恐慌では、金融市場に資金を大量供給し、金融機関に公的資金を無制限に投入すれば、金融危機はひとまず沈静化できた。しかし、財政危機に対処するため緊縮財政を強行すると、景気は一段と冷え込み、銀行危機は深まり、財政は一層悪化し、結局はすべてが悪循環とならざるをえない。最後のよりどころだった財政が駄目になると、”万事休す”なのだ。
しかも、全世界の金融機関はさまざまな国の国債を大量に保有している。国債の信用低下、さらには国債のデフォルトとなれば、世界の金融システムは総崩壊する。
各国の国債について、どの国のどの金融機関がどれだけ保有しているか公表されていない。07年以降のサブプライムローン問題では、焦げついたローン債権を組み込んだ証券化商品をどの金融機関がいくら持っているか分からず、世界の金融市場がパニックとなった。しかし、そうした民間レベルの証券化商品にとどまらず、今や国家の債務である国債を巡って、世界金融市場が大パニックに陥っていこうとしているのだ。
問われる帝国主義の打倒 ゼネストと革命的情勢
20世紀〜21世紀の長い歴史の中でとらえ返すと、現代帝国主義はついに〈国家財政の歴史的な行きづまりと破産〉に陥った、と断定しなければならない。
資本主義の歴史の中で赤字財政が恒常化したのは、1970年代以来のことでしかない。特に74〜75年世界恐慌以来、帝国主義は過剰資本状態をのりきるため、財政投入を繰り返し、財政赤字を累増させつづけてきた。
それが四半世紀も続いたため、資本家階級は一方では”財政赤字はどんなに膨れてもなんとかなる”と錯覚してきた。他方では、財政赤字の無限大的膨張に恐れをなし、新自由主義的な強硬策で赤字を減らそうとあがいてきた。しかし、それらがすべて破産した。帝国主義国が軒並み財政破綻する現実性が、大恐慌下で出てきたのだ。
財政破綻という点で最も深刻なのは、米帝と日帝である。米国債も日本国債も暴落するのは避けられない。米・日とも、財政再建計画はとっくの前に破産している。それでも「財政再建」と称するのは、そう言わないと国債が暴落するからだ。
革共同は一貫して、大恐慌とドル暴落は一体で進まざるをえないと規定してきた。今やそのドル暴落が、財政破綻の世界的連鎖という経路を経て現実化しようとしている。中国バブル崩壊の切迫とともに、大恐慌はいよいよ本格化していく。
さらに重大なのは、大恐慌が大銀行・大企業の破綻にとどまらず、財政破綻・国家破綻という新しいレベルに入ったことだ。帝国主義としてつぶれるか生き残れるか、それが具体的な現実問題と化した。EU・ユーロ圏諸国も、財政をめぐって対立と分解に入っている。従来とは質的に異なる国家間の生き残り競争、争闘戦が始まっているのだ。国家財政が破綻した帝国主義が、一か八かの勝負をかけて国外への侵略戦争に乗り出す、などということが起きうる。世界戦争への動きは一段と加速する、と見なければならない。
しかし同時に、大恐慌が財政破綻の世界的連鎖という局面に入ったことで、労働者階級にとってもはやプロレタリア革命以外になくなった。帝国主義の緊縮財政は、ひたすら労働者階級に犠牲を強いるものでしかない。どの国でも破産した新自由主義が再び前面化し、民営化・労組破壊攻撃と大失業が一斉に襲いかかっている。
しかし、ギリシャ情勢が示しているように、労働者階級がその体制的延命策を阻めば、革命的情勢を一気に引き寄せることができる。ギリシャでの何波にもわたるゼネストに続き、スペインでも9月29日のゼネストが呼びかけられた。大恐慌と国家財政破綻に対し、世界の労働者のゼネストの時代が始まったのだ。
あらためて〈新自由主義との闘い〉〈民営化・労組破壊攻撃との闘い〉が全世界労働者の共通課題になるとともに〈大恐慌をプロレタリア世界革命へ〉の具体的展望が切り開かれつつある。6・13で始まった「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動」は、その最先端に位置する闘いだ。菅民主党・連合政権を打倒する道も、この運動の発展の中にある。勝利の確信も固く、この闘いに死力を尽くそう。
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週刊『前進』(2444号5面2)(2010/06/21 )
経団連に急接近の菅政権
消費税の大増税が前面に
6月2日、労働者階級の怒りの爆発と国鉄決戦、安保・沖縄決戦の前進が、ついに鳩山・小沢−民主党・連合政権を打倒した。
鳩山・小沢の打倒というこの情勢に衝撃を受けつつ、その後を襲って登場した菅政権−民主党・連合新政権は、最初から鳩山・小沢の行き詰まりと破綻に規定された、反動的であると同時にきわめて脆弱(ぜいじゃく)で危機的な政権である。だからこそ菅政権は「強い経済・強い財政・強い社会保障」を掲げ、鳩山以上にブルジョアジーに接近し寄り添って階級的利害を体現し、辺野古新基地建設、公務員労働者への大攻撃、消費大増税を始め、反労働者的諸政策を遂行しようとしている。
その菅政権の階級的本質をよく象徴しているのが、菅政権と日本経団連との、鳩山・小沢とは比較にならない急接近ぶりだ。
民主党の枝野幸男幹事長が就任翌日の8日にまず訪れたのは経団連だった。これは鳩山前首相が就任翌日に初仕事として連合の高木剛会長(当時)と会う一方で、自民党一本やりだった経団連との関係がいったんは切れたのと対比すると激変的な事態と言える。
さらに直嶋正行経済産業相が16日に経団連会館で、5月27日の総会で新たに会長に就任した住友化学会長の米倉弘昌経団連会長と意見交換し、法人税の実効税率引き下げで共闘する方針を確認した。この会談をセットしたのは経産省の官僚である。消費税大幅アップなどの大増税路線をとりながら、財界に対しては直嶋が法人税減税を早々と約束したのである。
このような事態の背景には、日帝の財政危機が「ギリシャ危機の二の舞いになるのではないか」という菅政権とブルジョアジーの共通のすさまじい危機意識がある。
実際、IMFは5月14日、日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比率は2010年に227%に、15年には250%に達すると予測した。10年のギリシャの債務残高見通しがGDP比で133%であることと対比しても、日帝の財政破綻はすさまじいレベルだ。
菅自身、所信表明演説で「ギリシャに端を発したユーロ圏の混乱に見られるように、公的債務の増加を放置し、国債市場における信認が失われれば、財政破綻に陥るおそれ」「わが国の債務残高は巨額であり、その解消を一朝一夕に行うことは困難」と危機感を吐露している。仙谷由人官房長官も、「ゆめゆめギリシャのようになってはいけない」などと、反革命的な危機感をあおっている。
この危機感は財界もまったく同様だ。経団連は4月13日に民主党の「新成長戦略」への提言を発表し、その中で「消費税については、11年度から段階的に10%程度まで引き上げ、2020年半ばまでに10%台後半ないしそれ以上」にすることを要求した。米倉会長は「改革の方向性は合っている。新政権との協議を通じて政府を支援したい」と述べている。ブルジョアジーの利害をより露骨に体現する菅民主党・連合政権打倒へ、直ちに総決起しよう。
まさに、6・13大集会をもってスタートした動労千葉派の「国鉄闘争の火を消すな」の全国大運動が、労働運動と階級闘争の核心点に座る時代が来たのである。
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週刊『前進』(2444号5面3)(2010/06/21 )
連合が民主党と政策協定
反労働者的政策の先兵に
連合中央は菅民主党新政権を支えるために躍起となっている。菅新政権が発足するや、直ちにこれを「歓迎する」と表明した連合中央は、さらに16日、南雲弘行事務局長名で「通常国会閉幕にあたっての談話」を出し、「菅総理が所信表明演説で示した『戦後行政の大掃除の本格実施』、『経済・財政・社会保障の一体的立て直し』、『責任感に立脚した外交・安全保障』などの具体化を早急かつ円滑に進めることを期待する」と公言した。これは、菅政権が強行しようとしている反労働者的政策の一切を、連合中央が自ら率先して推進するということだ。
連合と民主党は17日、参院選に向けて政策協定を結んだが、そこでは「税制の抜本改革と中期的な財政再建への道筋の明示」「新成長戦略の推進」「新しい公共をふまえた行政改革の推進」などの項目が盛り込まれた。とりわけ、「税制の抜本改革」「財政再建への道筋の明記」を連合が公然と打ち出したことは重大だ。これは明らかに、消費税の大増税と公務員労働者の大リストラを意味する。事実、民主党は「公務員人件費2割削減」を掲げる政党だ。連合中央は、公務員労働者の大量首切りと大幅賃下げにゴーサインを出したのだ。
また、菅がもくろむ消費税増税は、法人税減税を軸とする「新成長戦略」とセットになっている。労働者を犠牲にして資本の延命を図る典型的な新自由主義政策を、連合中央は全面的に容認した。
さらに、戦争協力という点でも連合は決定的な踏み込みを行った。菅が政権発足後、直ちに行ったのは、日米共同声明に基づき辺野古新基地建設を強行すると表明したことだ。これを「責任感に立脚した外交・安全保障」と居直る菅と、連合は完全に一体化した。
連合幹部を政権中枢に取り込んだ菅政権は、鳩山政権以上に労働組合を解体し、階級的労働運動を絶滅する攻撃にさらに激しくのめり込んでくる。今や日帝の財政危機は、いつ国家的「デフォルト」(借金返済不能)にたたき込まれてもおかしくない状態だ。鳩山政権下で国債発行額は税収を上回った。これに加え、ギリシャ危機の現実が、ギリシャをはるかに超える累積赤字を抱える日帝を震え上がらせている。だから菅は、体制崩壊を免れようとして、公務員大量首切りと大増税、戦争・改憲の攻撃に全力で突っ込む以外にない。
だが、これと総力で対決する労働者の闘いは、6・13国鉄大集会をもって歴史的に始まった。国鉄全国大運動の発展の中に労働者階級の勝利の道がある。
参院選を前に、連合の体制内労組幹部は組合員を民主党の選挙運動に駆り立てようと躍起になっている。だがそれは、現場組合員の反発と怒りをかき立てるだけだ。きわめて反労働者的な菅政権のための選挙活動など、労働者にとって自らの首を絞めるものにしかならないからだ。連合支配の空洞化は参院選過程でさらに進む。
国鉄決戦を軸に階級的労働運動をよみがえらせ、職場生産点からの闘いで連合支配を覆し、資本主義の最後の救済者として立ち現れた菅民主党・連合政権打倒へ総力で立つ時が来たのである。
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週刊『前進』(2444号5面4)(2010/06/21 )
爆取裁判 有罪デッチあげ判決を弾劾
東京地裁に申し入れ行動
6月14日、「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」が、東京地裁・林正彦裁判長(刑事第20部)と東京地裁所長に対し、6月2日の有罪判決への弾劾行動に立った。共同代表の桜井善作さんを先頭に、須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志の3同志と、かちとる会メンバー総勢9人が結集し、地裁におもむいた。
担当書記官に林裁判長との面会を要求したところ、いったん引っ込んだ上で「裁判はもう終わったので会わないとのことです」と誠実さのかけらもない返事だ。「裁判はまだ終わっちゃいない!」との追及の声に書記官はすくみ上がった。
その場で「弾劾申入書」を全文読み上げた。「6月2日の有罪判決は国家権力による労働者民衆へのあからさまなテロルだ。断じて許すことはできない」と怒りを表明した上で、「判決は無罪以外にあり得なかった。にもかかわらず、林裁判長は『推認できる』を連発して、無理やり有罪を宣告した。白を黒という判決など脆弱そのものであり、3人は控訴して、必ずやデッチあげをうち砕く決意を固めている。われわれも被告団とともに闘いぬく」と決意を表明。その上で、林裁判長の判決当日の訴訟指揮を徹底弾劾した。さらに、そもそも治安裁判用として存在している429号法廷そのものが違法・不当な存在であることを突きつけた。
読み上げ後、参加者が次々と有罪判決を弾劾し、当日の訴訟指揮への怒りを表明した。途中から訟廷管理官が現れたが、書記官とともに黙って立っているのみだ。
申入書を林裁判長にちゃんと手渡せと迫ると、「取り次ぐが、受け取るかどうかは分かりません」などと官僚的な答弁をするので、さらに全員から弾劾の声が上がった。「請願権の否定だ。裁判長はどんな申入書だろうと受け取るべきだし、読まなければならない。書記官はちゃんと手渡せ」と迫った。「あんたも労働者だろう」との声も上がった。
最後は「裁判長には私が責任もって手渡します」との言質を取り、30分を超えて書記官室を制圧して弾劾行動はかちとられた。26日には都内での街宣に打って出る。こんなデタラメな「有罪判決」など断じて認めるわけにはいかない! 福嶋上告審と一体で控訴審闘争に打って出よう。
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週刊『前進』(2444号6面1)(2010/06/21 )
6・27三里塚現地に総結集を
第3誘導路計画粉砕! 団結街道を実力で守ろう
市東孝雄さんの釈放・奪還の勝利を見届けるかのように、鈴木幸司さんが逝去された。われわれはあらためて鈴木さんの霊前に三里塚闘争勝利を厳粛に誓う。団結街道をめぐる攻防戦はいよいよこれからが本番だ。三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける6・27闘争に全国から大結集しよう。廃道化攻撃を第3誘導路計画もろとも粉砕し、団結街道を守り抜こう!
成田市がNAAに団結街道譲渡
反対同盟は5・16現地闘争で臨戦態勢への突入を宣言し、団結街道閉鎖・破壊の攻撃を実力で粉砕する姿勢を鮮明に打ち出した。翌17日、NAA(成田空港会社)による通行禁止の不当な立て看板設置に対する市東孝雄さんの渾身(こんしん)の反撃により、戦端が開かれた。市東さんは反対同盟44年の実力闘争の伝統にふさわしい決起でこの暴挙を徹底的に弾劾し、不当逮捕された。
そして胸を張って「おれたちが本気であることをNAAに知らしめた」と獄中からアピールし、全人民の総決起を呼びかけた。権力の取り調べに対し完全黙秘・非転向の闘いを23日間貫いて、市東さんは勝利者として奪還された。その間、団結街道は反対同盟と労働者・学生の総決起で守り抜かれた。
この勝利が敵に与えた打撃の大きさは計り知れない。NAAと国家権力はさらにやみくもな強硬手段をもって団結街道の破壊へとのめり込む以外になくなった。
6月14日、成田市とNAAとの間で団結街道(市道)の譲渡契約が結ばれた。市はわずか750万円という金額で団結街道を空港に売り飛ばしたのだ。絶対に許すことはできない!
団結街道は、市東さんが自宅と南台の畑(現闘本部建物隣)との間を農作業で行き来するために必要不可欠な道だ。営農妨害、生活破壊を百も承知で、行政が民間会社に公道を差し出すとは!
成田空港の存在に完全に屈従し一蓮托生(いちれんたくしょう)の道を選んだ成田市当局は、ここまで腐敗、転落したのだ。
団結街道を破壊して造られようとしている「第3誘導路」計画は、市東さんを天神峰から追い出すことだけが目的の代物だ。
市東さんの目の前で、重機やダンプを集中して巨大工事を繰り広げ、天神峰を人が住めない環境にたたき込み、その圧力で反対同盟の解体を狙う。暴力団の地上げとなんら変わらないこの卑劣な策動を、1ミリたりとも許してはならない。
農地死守・実力闘争の原則貫く
市東さんを先頭に反対同盟が切り開いた前進が現地攻防を新たな段階に押し上げた。6・27闘争で問われているのは、この白熱した激突情勢で反対同盟と労農学人民が勝利へのむき出しの意志をたたきつけることである。市東さんの怒りをわがものにして、団結街道破壊の策動を迎え撃ち、粉みじんに粉砕することだ。その「本気さ」を結集の数の力で敵に突きつけなくてはならない。
国鉄で、沖縄で、全国の闘う現場で激しい攻防が火を噴いている。不当解雇と闘い続けてきた国鉄労働者にとって屈辱でしかない「政治和解」を、国労本部はまるで「かちとった勝利」であるかのように言い、1047名闘争を終息させる裏切りを進めている。また、沖縄全県で沸騰した「米軍基地撤去!」の怒りを、既成政党、体制内勢力は自らのもとに収束させようと絶えずうごめいている。
それらは、三里塚が長い闘争史の中で受けてきた数々の切り崩し攻撃、反対同盟解体策動とまったく同質のものだ。
新たな国鉄大運動を呼びかけた動労千葉との揺るぎない労農連帯のきずなのもとに、三里塚反対同盟は闘い続けてきた。「農地死守・実力闘争」の原則を貫き、権力との一切の妥協を排してあらゆる攻撃を打ち返し、自らを鍛え上げてきた。まさにその姿は、闘いの普遍的な核心を体現している。ここに民営化・労組破壊、戦争・改憲という今日の新自由主義攻撃を打ち破る力の源がある。
革共同はその不屈の精神を共有し、血盟を誓い、ともに闘ってきた。敵権力はそうした三里塚闘争の強靱(きょうじん)な求心力に恐れをなし、あらゆる闘いの発展に対し「三里塚のようにするな」と絶えず繰り返している。
軍事空港廃港へ市東さんに続け
真理は単純だ。軍事空港建設のためになぜ農民が犠牲にされ、農業が破壊されなくてはならないのか。しかも資本主義の屋台骨を揺るがす大恐慌のもとで、空港経営も航空政策もガタガタだ。安全も崩壊している。こんな空港は労働者・農民・学生の力で廃港にたたき込め!
その闘いを市東さんは身をもって示した。そして今の反対同盟員一人ひとりが例外なく実力闘争をやり抜いてきた歴戦の闘士なのだ。
6・27の集会・デモで、市東さんに続くわれわれの本気さを敵に知らしめよう。市の団結街道譲渡に対する怒りを爆発させるのだ。この力で菅民主党政権打倒へ攻め上ろう。
とりわけ青年労働者と学生への反対同盟の期待は高まるばかりだ。援農、監視行動、街頭宣伝などに若い力が必要とされている。全国の学生は現地行動隊に決起し、法大闘争で鍛えた力で現地を革命的に制圧しよう。
6・27闘争への大結集をかちとろう!
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週刊『前進』(2444号6面2)(2010/06/21 )
鈴木幸司さんの逝去を悼む
“闘えば必ず勝つ”の信念貫き 三里塚勝利へ闘い抜いた生涯
(写真 【上】1984年1月8日、反対同盟の新年旗開きであいさつ。【下】2006年9月15日、反対同盟の看板を一新し市東さんの畑に立つ)
「闘えば必ず勝つ」――確信に満ち満ちたこの言葉をもはや永遠に聞くことはできない。いつも「皆さん、闘いましょうよ」と集会で檄(げき)を飛ばし続けたあの姿が今も脳裏によみがえってくる。
6月12日午前1時50分、三里塚芝山連合空港反対同盟本部役員の鈴木幸司さんが85年の生涯を閉じられた。終生信念を貫き、三里塚闘争の先頭に立ってきた人だった。
鈴木幸司さんは1925年3月15日生まれ。中郷部落の現在の家で生まれ育った生粋の農民である。44年12月に繰り上げ徴兵され、敗戦後、モンゴルに3年間抑留され、強制労働を強いられた。この体験が鈴木さんの反戦・反天皇・反権力の原点になっていく。「二度と戦争はやってはならないと、反対運動の当初から闘ってきた」「天皇制教育は恐ろしい。日本は戦争をやれば絶対勝つ、もし負けそうになったら神風が吹く、と教育された。だから、天皇制に対しても猛反対」という話を何度も伺った。
48年11月に帰国し、農業を継いで、50年にいとさんと結婚する。だがけっして順風満帆だったわけではない。モンゴル抑留で胃腸は衰弱し、体が元の状態に戻るのに10年かかったという。だから66年の「寝耳に水の閣議決定」は、鈴木さんにとってもまさにこれからという時だったのだ。
三里塚闘争が始まった時から鈴木さんは中郷部落の実行役員を務め、闘いの先頭に立った。第1次代執行と闘った71年3月6日には、機動隊に前歯を4本も折られるなど重傷を負った。7月14日の強制測量阻止闘争で初逮捕も経験している。
多くの人から「まじめで頑固」「信念の人」と評された。同盟内では長い間会計の要職を務めてきた。その人柄から83年3・8分裂の翌年、反対同盟から推され、芝山町議選に立候補し、見事上位当選を果たした(2期にわたり町議を務める)。この時同じく議員に名を連ねていたのが悪名高き現芝山町長の相川勝重であり、後にシンポジウム・円卓会議という「話し合い攻撃」に飛びついた石毛博道だ。空港反対同盟を名乗っていても、闘う者と闘わない者の差はこの時すでに歴然としていた。
けっして冗舌ではなく、華のある存在でもなかった。怒りをあらわにするときの語気は鋭かったが、普段はとつとつとした話し方で口数も多くない。選挙では「信念の人・鈴木幸司」をアピールしようとするが、初対面の人にはなかなか伝わらず苦労した思い出がある。しかし「買収が横行し、札束が乱れ飛ぶ」と言われた田舎選挙に打ち勝ち、議員になってからも正義・大義を貫いて闘い続けた。
鈴木幸司さんと言えば、なんと言っても80年代初めの成田用水攻撃との闘いを抜きに語ることはできない。
生前鈴木さんは、故戸村一作委員長が三里塚闘争の当初に語った「一人になっても闘う」との言葉を遺訓として大切にしていた。「どんなに厳しい状況に立たされても、自分が闘いの本質をしっかり身につけていれば、たとえ一人になっても闘うことができるんだ」と言っていた。
身を切るような困難の中で「一人になっても」を貫き通したのが成田用水との闘いだった。
成田用水とは、通常より補助金を18・5%も上乗せして田んぼの基盤整備をするもので、補助金額は1戸当たりにすると1千万円にもなる。「農業振興策」と称する買収攻撃そのものだった。事実、当時反対運動の先頭に立っていた菱田地区のボス、小川総一郎が成田用水菱田工区の工区長になり、25軒中24軒がまとまって反対同盟として闘っていた中郷部落の人びとが、次々と用水推進派になっていった。
農村の一地域に機動隊を1万人も動員して工事を強行したことに成田用水の本質は明らかだ。反対同盟はもとより全学連菱田決戦行動隊など、闘う勢力が繰り返し実力闘争に決起した。鈴木幸司さんや今は亡き市東東市さんの流血・逮捕をご存じの方も多いだろう。
しかし、鈴木さんの日常は大変だった。用水推進派は日夜、何度となく鈴木さん宅に押しかけ、申入書まで作り、用水賛成を迫った。「賛成しなければ村八分にする」と迫った。推進派からすれば、地域の田んぼを丸ごと大改造する基盤整備だから、反対する者の田んぼがそのまま点在することなど容認できないのだ。鈴木さんは孤立に耐えて推進派の執拗(しつよう)な圧力と闘いぬいた。当時のことを振り返りながら、後に鈴木さんはこう語った。
「『これからの農業は大型の機械を使わなくちゃならない。農業の後継者を育てるためにも成田用水が必要だ』と言っていたのに、みんな空港公団に田んぼを売っちゃった。田んぼに水は必要だ。でも同じ農業をやっているのに、『おれは敷地外だ』と言って、買収や切り崩しにさらされる敷地内と同じ苦しみに立ち向かわずに『もらうものはもらう』なんてできなかった。同じ立場に立ってどこまでもみんなと一緒にやっていこうと決意してきた。だから1軒でも頑張り続けたし、これからも頑張り続ける」
こうした信念を多くの学生や労働者に語り、闘いの中で逆に多くの「闘う仲間」をつくりだしてきたことがうれしそうだった。「闘いは人をつくる。人は闘いに生きる喜びをもて」。これが鈴木さんの闘争哲学である。
晩年、鈴木さんは「市東さんの裁判は絶対に負けられない」とよく口にしていた。
「市東さんの闘いがわれわれ自身の闘いにならなくちゃならないと思うんだよ。敵は市東さんだけを攻めていると思ったら大間違いだ。三里塚を始め、農民をみんなつぶそうと思っているわけだから」「三里塚闘争はみんなの財産だし、そうしないとこの闘いの勝利は来ないと思う。全人民の闘いとして、どんなことをしてもこの闘いに勝つんだということだよ」
鈴木幸司さん。もし元気であったならば、市東孝雄さんが不当逮捕された時、きっと真っ先に駆けつたことでしょう。革共同と三里塚現闘は、そんな鈴木さんの思いを胸に、そして「闘えば必ず勝つ」という信念をわがものとして、反対同盟とともに団結街道閉鎖を実力阻止する決戦に立ち上がります。「二度と戦争はやらせない」ために、沖縄の闘いと連帯して三里塚闘争に勝利し、日帝打倒に突き進みます。
どうか空の上から見守っていて下さい。
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週刊『前進』(2444号6面3)(2010/06/21 )
北原事務局長が弔辞
14日 告別式がしめやかに
6月14日、千葉県香取郡多古町の葬儀場で鈴木幸司さんの告別式がしめやかに行われた。喪主を長男の謙太郎さんが務め、前日の通夜に続き、雨の中を家族・親族、反対同盟、革共同の天田三紀夫書記長や動労千葉の田中康宏委員長、全学連の織田陽介委員長を始め全国の労働組合、闘争団体の人びとが多数参列した。
反対同盟の一員として「空港絶対反対」を貫いた生涯を振り返る多くの写真が会場に掲示され、それを見ながら思い出を語り合う故人ゆかりの人びとの輪があちこちにできた。
式が始まり、読経に続いて北原鉱治事務局長が、静かにほほ笑んでいる遺影写真に向かって弔辞を述べた。「闘いを喜びとし、生きがいとしたあなたの強い意思の根底には、あの第2次世界大戦で『天皇のために死ぬ』ことを強制された戦争体験がありました」と鈴木さんの闘いの原点をあらためて確認し、過酷な抑留体験、天皇制への怒り、逮捕・流血を恐れぬ実力決起、成田用水と菱田廃村化攻撃に対する一貫した非妥協的対決姿勢を紹介し、たたえた。
そして「あなたの鮮烈な闘う姿は反対同盟の誇りであり、全国の多くの人民の心に焼きついています。あなたの遺志は全国の労農学人民にがっちりと受け継がれ、勝利を導くことは間違いありません。私たちはこれからも全力で闘います」と結んだ。
動労千葉、反対同盟顧問弁護団、千葉県議の吉川洋さんからの弔電が読み上げられ、さらに紹介しきれないほど多くの弔電が届いていることが明らかにされた。
焼香に移ると、萩原進事務局次長、天神峰の市東孝雄さんの名が紹介され、それに続いて全員が焼香を行った。
式の終了後、参列者は芝山町の菱田・中郷部落の鈴木さん宅のすぐ下にある共同墓地に移動し、古くからの儀礼に従って「野辺送り」を行った。
ここはかつての成田用水着工をめぐる反対同盟と国家権力・機動隊との激戦地であり、今は暫定滑走路の飛行直下だ。すぐ近くには「菱田廃村化を許さず空港絶対反対で闘います」と大書された反対同盟の大看板が立っている。
雨にけむる水田風景の頭上をジェット機が4分に1回ほどの割合で非常に大きな騒音をまき散らしながら飛んでいく。鈴木さんの遺骨はこの墓地に納められた。亡くなってなおこの菱田において廃港をかちとるその日まで、反人民的欠陥空港、軍事空港をにらみすえているのだ。
鈴木幸司さんの闘魂は反対同盟に確実に受け継がれている。天神峰・東峰の敷地内と心底から連帯し、芝山・菱田の地で屈服の道を敢然と拒否した鈴木さんの闘いは、今日の反対同盟の強固な団結を築き上げた最重要の闘いの一つだった。その団結力と闘争心が今回の市東さんの決起、団結街道廃道化阻止決戦となって爆発したのだ。
鈴木さんの遺志を引き継いで、勝利まで闘おう!
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週刊『前進』(2444号6面4)(2010/06/21 )
団結ひろば 投稿コーナー
市東さんと一緒に逮捕 完黙で弾圧粉砕した 三里塚現闘 A
5月17日に市東孝雄さんとともに逮捕され、6月8日に出獄しました。多くの同志の激励・支援に感謝します。この23日間は、かつてないぐらいの反対同盟と三里塚勢力の総決起がかちとられました。市東さんも萩原富夫さんも完全黙秘で権力の弾圧を完膚なきまでに粉砕しました。特に市東さんが「黙秘をするのは農民ではない」との分断策を粉砕したことはすばらしい。詳しくは『週刊三里塚』をぜひ読んでください。
特に訴えたいのは、処分保留になったとはいえ今回の市東さんの逮捕・勾留を絶対に許してはならない、ということです。空港会社が立てた看板は、市東さんの決起直後に自分たちで撤去せざるをえなかったぐらいデタラメきわまるものです。そもそも昭和初期の天神峰部落形成当時から部落の管理地であった集落道(団結街道)を住民の許可もなく廃道になどできないのです。市東さんの決起は当然です。勾留は転向と土地買収のための説得が目的の政治弾圧で、あからさまな反対同盟つぶしです。こんな弾圧には、より一層の三里塚闘争の発展で応えようではありませんか。
私たちの「出獄を見届けたかった」とでも言うように、出獄4日後に鈴木幸司さんが逝去されました。私は亡くなる前日に見舞うことができました。あらためて亡き鈴木さんに、市東さん不当弾圧に対し三里塚闘争の勝利、日本革命の勝利によって決着を付けることを誓います。
6・27闘争に全力で結集しましょう。
農地に触れて三里塚闘争の勝利性を実感 全学連(東北大) F
全学連三里塚現地行動隊として、5月28日から6月13日まで現地で闘ってきました。
5・17の市東孝雄さんの決起は全国の学生・労働者を本気にさせました。団結街道閉鎖で営農を破壊し農地を奪う。看板一枚で生活も誇りも踏みにじるNAA資本、国家権力。これに対する怒りと決起は、全国・全世界で闘いに立つ労働者、学生とまったく同じものです。市東さんの決起に肉薄し、団結しよう!
現地では、監視やぐらに登り、市東さんが不当勾留されている間の援農をやりました。農地に触れると、三里塚闘争が歴史的にも現在的にも勝利していると実感します。ここで生き闘っていることが空港の完成を阻み、日帝・国家権力をギリギリと追いつめている。まさに労働者にとっての職場生産点、学生にとってのキャンパスという闘いの場が三里塚では農地なのです。学生が農民、労働者との連帯を発展させていく中に、資本主義を打倒し、次の社会を建設していく展望があると思います。
6月8日には市東さんを奪還しました。「闘えば必ず勝てる」(故鈴木幸司さん)。絶対反対の原則を譲らないことが唯一の勝利の道だと確信しました。団結街道閉鎖をめぐっての攻防は日に日に激化しています。しかし、われわれは絶対に勝てる! 反対同盟とどこまでも団結して闘おう! 全国学生は現地攻防を全力で闘い抜き、6・27の全国大集会へ総決起しよう!
闘う気概なき自治労本部を菅共ども倒せ 自治体労働者 黒井孝夫
自治労の5月中央委員会の議案を読みました。「闘おう」という気概がまったく感じられない文章でした。「民主党にすがって何とかうまくやっていこう」という思惑のみが目立ちました。自民党政権に戻ったら報復されると恐れているのでしょうか。しかし、「公務員人件費の2割削減」と「戦後行政の総決算」を掲げる民主党政権こそ、自治体職場と労働者人民にとって最大の敵ではありませんか。
また、「職場に依拠して」何かをしようという方針提起はまったくと言っていいほどありませんでした。組合員に対する、そして中央本部役員自身に対する信頼が失われているのだと思います。委員会に参加した人の話では、議論はきわめて低調に終わったようです。闘いを求める数少ない発言にも本部は「無理だ」と居直ったとのこと。鳩山政権は打倒されましたが、菅新政権とともに自治労本部を打倒しなければいけないとあらためて思いました。
なお、自治労が検討を進めている「持続可能な日本社会のグランドデザイン」構想は要注意です。自治労本部の転向を宣言した「21世紀宣言」の具体化版であり、消費税増税や労働者の賃金引き下げを労働組合の側から提案しようとするものだと思います。今後、徹底分析し批判し尽くしましょう。
国労共闘を中心に国鉄集会をかちとる 東京南部 西尾武久
6月6日、品川区大井町で「1047名解雇撤回! 許すなJR! 首切り・不当労働行為とたたかうぞ!」を掲げて南部労働者総決起集会がかちとられました。国鉄大井工場がある「国鉄の町」での集会の画期的な点は、司会・基調・運営を国鉄労働者が中心になって行ったことです。
前座のバンド演奏で盛り上がった後、国労共闘の同志が基調を提起し、続いて南部労組交流センター、国労闘争団、動労千葉が発言しました。
発言に共通していたのは、分割・民営化時の現場の状況に始まり「和解案」に対する「こんなもののために闘ってきたんじゃない」という怒りです。「現場には怒りが充満している。国鉄闘争の責任勢力として闘う」という決意です。どの発言も、現場の経験をもとに自分の言葉で語る労働者の誇りと自信に満ちたすばらしいものでした。
青年を始め地域で闘う労働者の発言では、「6・13に参加します」と迷いが吹っ切れたような発言がひときわ大きな拍手で確認されました。
一方4者4団体派は、2日に南部の大田区蒲田で集会を開催しました。
加藤晋介弁護士が動労千葉への憎悪もあらわに「和解案は勝利だ」と1時間もしゃべる異様な集会。労働者が元気になるはずがなく、参加者は一昨年の4分の1という衰退ぶりでした。会場前では6・13の賛同署名が次々と集まりました。
4者4団体派の最大拠点である南部で国鉄決戦の爆発をかちとるぞ! 敵よりも一日長く闘おう!
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週刊『前進』(2444号6面5)(2010/06/21 )
日程 星野再審、三里塚
星野さんを取り戻そう! 獄中弾圧許すな!
◎東京高裁包囲デモ
6月25日(金)正午出発(午前11時半 日比谷公園霞門集合)
◎2010年全国総会
6月25日(金)午後1時〜5時 ばるーん(JR新橋駅・烏森口)
6月26日(土)午前10時〜午後6時 渋谷勤労福祉会館(JR渋谷駅)
主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪裁判
7月1日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん耕作権裁判
7月26日(月)午前10時30分 千葉地裁
*傍聴券抽選のため午前9時半に集合
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