ZENSHIN 2010/06/07(No2442 p08)

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第2442号の目次

開示公判後に市東さん、萩原さんの奪還、現地攻防勝利、6・27大結集へ向け団結ガンバロー(6月3日 千葉市)

1面の画像
(1面)
鳩山と小沢ついに打倒
6・13大結集―全国大運動の力で国鉄・沖縄・三里塚・法大の勝利を
全世界労働者の団結で大恐慌を革命へ
記事を読む  
市東さんを絶対に奪還せよ
萩原富夫さん4日に奪還 6・27三里塚総決起へ(6月4日)
記事を読む  
『前進』速報版リニューアル(6月7日) 記事を読む  
(2面)
6・13大結集で労働運動の主流派に
解雇撤回貫く闘争団守りぬき国労の主導勢力へと飛躍する
革共同国鉄委員会
記事を読む  
全国大運動 呼びかけ人陣形が拡大  米韓の闘う労組も熱い訴え 記事を読む  
自治労中央委 鳩山擁護路線は大破産  6・13集会参加を訴え反響(5月27、28日) 記事を読む  
(3面)
日逓中野門前闘争 “解雇撤回まで闘う”  非正規解雇と外注化に怒り(5月31日) 記事を読む  
民営化絶対反対貫き御用組合の支配倒せ  JP労組大会に向け訴える
革共同全逓委員会
記事を読む  
革共同に絶大な夏期カンパを
国鉄−安保・沖縄決戦を闘い世界革命を切り開くために
記事を読む  
(4面)
米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ!  沖縄は「革命の火薬庫」だ
沖縄を最前線の出撃基地に 米日韓の北朝鮮戦争が切迫  日米安保同盟の歴史と本質  高田隆志
記事を読む  
(5面)
米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ!
国鉄1047名闘争と一体で新たな安保・沖縄決戦を開け
革共同沖縄県委員会
記事を読む  
5・28沖縄 “基地押しつけ許さぬ”  名護と那覇で怒りの集会(5月28日) 記事を読む  
沖縄を戦争の拠点にするな!  6・23全国一斉行動に立とう 記事を読む  
(6面)
泉佐野市議選 革命的な挑戦に勝利
階級的労働運動路線を貫き地区党建設の前進かちとる
革共同泉州地区委員会
記事を読む  
廃道阻止へ闘う三里塚 現地報告  “市東さんの決起に続け”
全学連行動隊が最先頭で(本紙・田宮龍一)
記事を読む  
日誌 2010年 5月26日〜6月1日
辺野古移設方針を閣議決定/社民党が政権離脱
記事を読む  
(7面)
6・13大結集へ闘いが進む 記事を読む  
中国ホンダでスト  “資本主義を押しつけるな” 記事を読む  
〈焦点〉 臨検法の成立を弾劾する  海上保安庁が戦闘行動へ 記事を読む  
〈焦点〉 実現性ゼロの核廃絶合意  NPT会議文書のペテン 記事を読む  
国際労働運動 7月号  大恐慌下のインド 記事を読む  
(8面)
爆取裁判差し戻し審 証明なし、無実承知で逆転
法廷圧す正義の怒号  被告団 革命家の生涯かけ闘う(6月2日)
記事を読む  
被告団の抗議声明
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団  須賀武敏/十亀弘史/板垣宏(6月2日)
記事を読む  
現代の特高警察弾劾 転び公妨弾圧の真相  〈投稿〉 田中 潔 記事を読む  
前進社本社不当捜索  国家賠償請求を提訴
記録媒体の大量押収に反撃(5月20日)
記事を読む  
再三の面会妨害許すな  徳島刑務所 布川事件の桜井さんを拒否(5月20、28日) 記事を読む  
“絶対反対”で再審闘争勝利を  星野再審連絡会議 6・25〜26全国総会へ 記事を読む  
法大裁判に集まろう! 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  

週刊『前進』(2442号1面1)(2010/06/07 )

 鳩山と小沢ついに打倒

 6・13大結集―全国大運動の力で国鉄・沖縄・三里塚・法大の勝利を

 全世界労働者の団結で大恐慌を革命へ

 6・13へ、革命的激動情勢は文字どおり風雲急を告げる大動乱の過程に突入した。大恐慌の激しい進行と、沖縄を始めとする労働者階級人民の根底からの怒りの爆発は、ついに鳩山と小沢を打倒した! 1〜5月の国鉄闘争を中軸とする階級的労働運動路線の圧倒的前進と、全国の労働者階級の怒りと闘いが結びついて鳩山民主党・連合政権を追い詰め、粉砕・打倒したのだ。6・13大結集がいよいよ決定的だ。今こそ階級的労働運動の圧倒的登場を! 全国から総力で6・13へ!

 8・30情勢こえる大激動

 労働者階級の怒りと国鉄決戦、安保・沖縄決戦がついに鳩山・小沢を打倒した。この「6・2」情勢こそ、自民党を打倒した「8・30」情勢をはるかに超える本格的大激動期に日本階級闘争が突入したことをはっきりと告げている。
 世界大恐慌の爆発的進行の中で、国際帝国主義の最弱の環=日帝はいよいよ全面的体制的崩壊と絶望的凶暴化の過程にたたき込まれた。
 いまやすべては議会内の取引や画策によってではなく、ブルジョアジーとプロレタリアートのむきだしの激突、実力による階級闘争の大地で決せられる。鳩山・小沢辞任の報を、労働者が歓呼の声で迎える一方で、連合・古賀を先頭にすべての体制内勢力は4者4団体から日共スターリン主義、ファシスト・カクマルに至るまで顔面蒼白(そうはく)、ぼうぜん自失の状態だ。このすべてをなぎ払い、動労千葉を先頭にした11月派こそ、日本労働運動、階級闘争のすべてに責任をとる用意がある唯一の主流派として登場しよう。
 1〜5月の闘いの前進にすべての核心がある。国鉄闘争を基軸に、沖縄、三里塚、法政を一大拠点に、階級的労働運動の全面的発展を闘い取ろう。動労千葉が切り開いた反合・運転保安闘争路線こそ、すべての産別、戦線で闘う労働者階級の最大最良の武器だ。6・13、新たな大運動のスタートこそ、この時代を革命的に切り開き、日本労働運動を新たな時代に突入させることを鮮烈に宣言するものだ。
 3000人結集は絶対に必要だ。「おれたちは本気だ」という市東さんの精神こそ、6・13大運動を貫く精神だ。今や一切のためらいを捨て、大胆に大胆に挑戦するときだ。義理人情と路線を数の力に変え、力ある主流派へ。闘って闘って闘いぬき、組織し、組織し、組織しぬいて、絶対反対派=階級的団結派の新たな時代の幕開けを断固として押し開こう。
 全世界ではギリシャのゼネストを先頭に、5・26にはフランスで100万人の大決起、さらに韓国、そして中国で労働者階級の新たな決起が陸続とまき起こっている。その先頭に、どこでも青年労働者が立っている。6・13集会を跳躍台とする新たな国鉄大運動は国際階級闘争の決定的な一翼をなし、世界大恐慌下の全世界的な大失業と戦争の攻撃と対決する一個の巨大な階級決戦へとせり上がった。
 国鉄決戦を沖縄、三里塚、法大決戦と固く結びつけ、全階級を糾合して前進させよう。鳩山後継の民主党・連合政権を追撃、打倒し、プロレタリア革命への大道を押し開こう。

 検修外注化を阻止した地平

 動労千葉の1〜4月の4波のストライキは、大恐慌下の資本・権力による全産別労働者への攻撃をうち破る勝利の道を実力で示した。そのことをとおして、資本の解雇攻撃に絶対反対を貫くことこそが労働組合の原則であり、階級的団結をうち固める唯一の道であることを明確にした。
 重要なことは、同時にくり出された検修業務の全面外注化攻撃が、動労千葉の抹殺・解体を目的とした攻撃であることを明確にし、これとの対決を階級決戦として闘ったことである。この攻撃を動労千葉は全組合員の団結で、1〜4月ストを先頭に昨秋以来の5波におよぶスト決起で迎え撃ち、青年労働者の怒りと結びついた組織拡大でJR体制を決定的に揺さぶり、ついに検修業務の外注化4・1強行実施を破綻に追い込んだ。この闘いこそ、動労千葉の反合・運転保安闘争路線の真骨頂を示すものだ。
 日本労働運動がかつて一度ものりこえることができなかった合理化・リストラ攻撃との闘いにおける決定的な勝利の道をついに切り開いたことの意義は巨大である。

 絶対反対派の決起の意義

 この動労千葉の必死の闘いと昨秋以来の全国の11月派の職場からの総決起がついに4者4団体、国労本部の卑劣な1047名闘争破壊策動をぶち破り、国労闘争団の中から動労千葉(動労千葉争議団9人)とともに闘いぬく絶対反対派の闘争団員の人生をかけた決起をつくりだした。国労闘争団4氏の「解雇撤回なき『政治解決』を拒否して勝利まで闘う私たちへの支援を心から訴えます」という烈々たる声明が発せられたのだ。これこそ、ついに発せられた勝利の号砲だ。
 1047名「最終解決案」とは、「受け入れ3条件」の承諾書を闘争団員一人ひとりに提出させることに示されるように、1047名解雇撤回闘争を根本的に否定することが隅々までしみわたっているものである。政府が示した「受け入れ3条件」とは、「@すべての訴訟を取り下げる、A不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない、B政府はJRへの雇用について努力する。ただし、JRによる採用を強制することはできないことから、人数等が希望どおり採用されることは保証できない」という、とんでもない条件である。絶対に認められない。
 この大攻撃は「国鉄分割・民営化は正しかった」と宣言し、道州制による360万公務員への団結破壊と解雇、全労働者への解雇、合理化、リストラ、民営化、外注化、分社化攻撃に決定的にうって出るということだ。国労本部など4者4団体がこれに合意したことは、第1次大戦時に帝国主義戦争に賛成した第2インターナショナルの裏切りに匹敵することだ。
 その上で日帝ブルジョアジーは今や、動労千葉と11月派の闘いの全面的発展に恐怖し、これをなんとしても阻止しようとしている。そこにあるのは、階級的労働運動と革命的共産主義運動の一体的前進が階級闘争の主導権を握り、日本階級闘争の大地に一定の根拠地をもってきていることへの恐怖に他ならない。国鉄と一体でかけられている沖縄・三里塚での新たな大攻撃、法政攻防、さらに迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の逆転有罪判決という凶暴な敵の攻撃こそ、その端的な現れだ。
 これを階級的団結と絶対反対の階級的労働運動路線でうち破ろう。その強力な闘いこそ、新たな全国大運動だ。

 国際連帯も飛躍的に拡大

 全国大運動は今や、日本だけでなく国際的な闘う労働者の結集軸になりつつある。“国鉄闘争の火を消すな”と、16氏(国際港湾倉庫労組ローカル10のジャック・ヘイマン氏を含む)と1団体(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部)が呼びかけたこの運動に、さらに民主労総ソウル本部が32名の連名で呼びかけ人に加わった。文字どおり国際連帯の発展をかけ、世界の闘う労働者の未来をかけた運動として発展しつつあるのだ。6・13集会こそ、新自由主義と対決する日本と世界の労働者階級人民の新たな壮大な闘いのスタートだ。
 そしてこの6月こそ、帝国主義の未曽有の危機の中、日米韓3国による北朝鮮侵略戦争の超切迫と対決し、日米韓労働者の一大反撃をたたきつけるときだ。階級的労働運動路線の重要な一翼をなす反戦闘争、安保・沖縄闘争の階級的、歴史的大爆発を闘いとろう。
 とりわけ日帝は、3月の韓国哨戒艦沈没事件を「北朝鮮魚雷によるもの」と発表したイミョンバク政権に直ちに呼応し、「毅然とした対応を」「日本は先頭に立って走るべき」(鳩山)と、率先して戦争をあおっている。普天間基地問題での民主党政権の全面的居直りも、三里塚反対同盟への凶暴な攻撃も、まさにこの北朝鮮侵略戦争への突進情勢下で起きているのだ。
 帝国主義は、国内で労働者を分断し、相互に競争させて強搾取を実現するだけではなく、国際レベルでも他国の労働者と対立、競争させてそれを労働者支配のテコとする。その攻撃の極致が戦争だ。ここでは、労働者同士を国際的にお互いに殺し合わせる。資本家どもは、自らの延命の道が絶たれようとするなら平然と侵略戦争に突入する。これと対決し、労働者の国際連帯で帝国主義を今こそ打倒しよう。
 6・13大運動の勝利が切り開く革命的な展望に心躍らせ、労働者の中へ入り、大胆に思いっ切り組織しよう。6・13の息吹が職場・学園・地域を埋めつくしたとき、新たな青年労働者・学生の決起は確実に始まる。全勢力が6・13集会に注目している。3000人結集を実現したとき、11月労働者集会1万人結集の道は圧倒的に切り開かれる。今こそ6・13大集会へ全力で進撃しよう。

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週刊『前進』(2442号1面2)(2010/06/07 )

 市東さんを絶対に奪還せよ

 萩原富夫さん4日に奪還 6・27三里塚総決起へ

 6月4日午前、三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原富夫さんが釈放、奪還された。
 萩原さんは5月24日の「第3誘導路計画」公聴会弾劾デモで公務執行妨害をデッチあげられ不当逮捕されていたが、国家権力は勾留延長を断念したのだ。勾留理由開示公判において弾圧の不当性を反対同盟と顧問弁護団の総力で追及したことが決定的だった。さらに市東孝雄さん、現闘Aさん奪還へ全力で闘おう!(関連記事6面
 萩原富夫さんの開示公判は釈放前日の6月3日、千葉地裁で開かれた。反対同盟と労農学が怒りを胸に傍聴と激励に駆けつけた。
(写真 開示公判後に市東さん、萩原さんの奪還、現地攻防勝利、6・27大結集へ向け団結ガンバロー【6月3日 千葉市】)

 不当逮捕・勾留に怒りが爆発

 傍聴席はわずか18席。傍聴者は金属探知器で身体チェックされ、廷内は屈強な職員が身構える厳戒態勢が敷かれた。
 萩原さんが入廷してきた。いつもの人なつこい笑顔だが両手錠、腰縄で拘束されている。拍手と声援、怒りと激励の声が交差し、たちまち廷内は騒然となった。「今すぐ釈放しろ!」「不当勾留を許さない!」と怒りをたたきつけた全学連の坂野陽平委員長代行と倉岡雅美副委員長に真っ先に退廷命令が出て、暴力的に連れ出された。
 開廷し栃木力裁判官が人定尋問を行うが、萩原さんは一切黙秘を貫いた。栃木は逮捕・勾留の理由を棒読みする。「関係人と口裏を合わせて罪証を隠滅する」「逃亡のおそれがある」などと怒りなしには聞けない内容だ。弁護団は当日のデモに対する警察の過剰な規制や不当逮捕の態様を問いただしたが、栃木は「釈明の要なし」と一切の応答を拒否した。「ふざけるな!」「どこが勾留理由開示だ!」との猛抗議が爆発した。うろたえる栃木は、萩原進事務局次長、鈴木加代子さん、伊藤信晴さん、太郎良陽一さんら6人を次々と暴力的に退廷させた。
 デモで萩原さんは片手にプラカードを持っていた。ところが逮捕理由では機動隊を「両手拳で2回突いた」ことになっている。あり得ないことだ。東峰で進さんら家族とともに農業を営み闘う富夫さんに「逃亡のおそれ」は存在しない。
 弁護団は、「被疑事実は存在しない。デモを妨害し過剰な規制を行った警察に詰め寄り抗議しただけだ。第3誘導路計画こそ市東さんを追い出すための国家的地上げ屋攻撃だ。反対の意思表明は当然の権利だ」と、黙秘を貫く萩原さんに代わり頑として主張した。
 裁判官が閉廷を宣しても、最後まで声援が送られた。裁判官に厳しい表情で対峙していた萩原さんも、笑顔で応じた。その表情に、市東さんの決起に連帯して闘う確信と決意があふれていた。

 白熱する現地攻防に立とう

 地裁裏手の公園で総括集会が持たれた。
 北原鉱治事務局長は「現地では今、団結街道廃道化の攻撃に対し昼夜の監視態勢をとっている。6月27日に現地集会開催を決定した。市東さん宅近くの畑が会場だ。天神峰が残るか残らないかに全国の農業の存亡もかかっている。全力で結集を!」と訴えた。
 萩原進事務局次長は、「敵は、市東さんがいない間に閉鎖することまで考えている。今日明日に奇襲攻撃があってもおかしくない状況だ。これで“閉鎖されてしまった、市東さん申し訳ない”ではすまない。現地での実力阻止闘争で市東さんの決起にこたえよう」と一同の奮起を促した。
 最後に鈴木謙太郎さんの音頭で団結ガンバローを三唱した。
 市東さんの渾身(こんしん)の決起と完黙非転向の闘いが、労働者・全人民の心を揺さぶっている。萩原さん奪還に続き、8日の市東さん勾留満期に向け支援・激励を強めよう。白熱する現地攻防に駆けつけ、援農、監視活動に参加しよう。市東さん、現闘Aさんを一日も早く取り戻し、6・27現地闘争へ!

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週刊『前進』(2442号1面3)(2010/06/07 )

 『前進』速報版リニューアル

 『前進』速報版がリニューアルしました。6月7日から新サイトに移行し、アドレスが変わります。
▼新しいアドレス
http://www.zenshin-s.org
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 ぜひ、ご活用下さい。

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週刊『前進』(2442号2面1)(2010/06/07 )

 6・13大結集で労働運動の主流派に

 解雇撤回貫く闘争団守りぬき国労の主導勢力へと飛躍する

 革共同国鉄委員会

 ついに鳩山と小沢は辞任に追い込まれた。資本家階級は、もはや支配する能力を失ったのだ。大恐慌に直撃された資本は、その危機をただ労働運動絶滅攻撃の激化によってのみ、打開しようとうごめいている。この攻撃を突き破り、階級的労働運動が歴史の前面に躍り出た時、プロレタリア革命の勝利は引き寄せられる。その関門をこじ開けるのは、国鉄闘争解体策動を根底から打ち破り、解雇撤回を貫く新たな1047名闘争をうち立てる闘いだ。われわれは、国鉄分割・民営化という支配階級の最も苛烈(かれつ)な攻撃と二十数年にわたり闘いぬいてきた。そのすべてをかけて立ち向かうならば、一気に勝利の展望を手にすることができるのだ。JR体制もデッドロックにぶつかっている。一切は6・13大集会3000人結集にかかっている。国鉄闘争と沖縄闘争を一体のものとして闘い、その力で日本帝国主義を打倒しよう!
(写真 国労共闘と労組交流センターは国労臨大での本部の大裏切りを徹底弾劾した)

 「解決案」拒否の決起にこそ労働者を獲得する力がある

 4・9「解決案」に示された支配階級の意志は、一点、国鉄改革の完遂にある。この「解決案」提示を受けての4者4団体の側の動きには、もはやなんの躊躇(ちゅうちょ)もない。
 4月26日には国労臨時大会が開催され、たった4人の代議員発言で「解決案」を拍手承認。会場は大量の機動隊で囲まれ、文字どおり官許の大会決定が強行された。以降、国労本部は大会決定を盾に闘争団の生活援助金・支援カンパ徴収の打ち切りを進め、連帯する会や物販の解散・廃止の手続きに入っている。そして解雇撤回闘争にかかわるすべての財政措置を6月末(一部のみ11月)をもって廃止すると指令した。
 この背後で、鉄建公団訴訟主任代理人の加藤晋介弁護士を先頭に、原告団に対して和解承諾書への署名強要が進められ、5月17日には904人分の承諾書が国交省に提出された。これについて国交相・前原は、「条件を満たしたと受けとめる」とほくそ笑んだ。
 恐るべきことである。解雇撤回どころか雇用も年金もない、「不当労働行為や雇用を二度と争わない」とまで誓約させる「解決案」を受け入れるために、前原ごときの言いなりになってここまでする必要がどこにあるのか! これはもはや屈服というレベルではなく、まぎれもなく闘う労働者への襲撃である。
 国労臨大で来賓としてあいさつした国民新党幹事長の自見庄三郎は、「中曽根元首相もよく解決できたと喜んでいた」と吹聴した。中曽根が絶賛する「解決」とは何なのか! 中曽根が繰り返し公言しているように、改憲の足を引っ張る一切の労働組合、階級的な運動をたたきつぶすことこそ「国鉄改革」の核心的な狙いだ。1047名闘争を解体して改憲へ突進するという支配階級の野望に、4者4団体幹部は自ら道を開けたのだ。
 すでに賃下げや民営化・外注化と闘うことをやめている都労連執行部は、4月28日付「コメント」を発し、この和解を「日本労働運動の未来を指し示す」ものと絶賛した。これは、より一層、国家権力に忠誠を誓っていくという宣言にほかならない。ここに「4・9解決案」のドス黒い本質が示されている。
 4者4団体が4・9「解決案」を受け入れた後、直ちに始まったのは「教職員の服務規律等の実態に関する調査」と称する北教組に対する集中攻撃だ。民主党・連合政権は、鳩山辞任でぐらぐらになっているからこそ、公務員労働者への反動攻勢を一層激化させることによって支配階級を自らのもとに結集させようとあがいている。そして、一切の反動勢力が、ここに群がっているのである。

 和解絶対反対の闘い広がる

 だが、これを突き破る根底的な決起が開始された。4月27、28日には、動労千葉派の国労闘争団員3人が鉄建公団訴訟・鉄道運輸機構訴訟の代理人弁護士70余人全員を解任し、闘争継続を宣言して記者会見。全国に衝撃が走った。さらに、闘争団の中から新たに1人がこの戦列に合流した。
 この決起は、4者4団体幹部の裏切りを突き出すとともに、その傘下にいる労働者の「解決案」への疑問と怒りをすさまじい勢いで引き出した。
 5月29日、国鉄闘争共闘会議(二瓶議長)は「店じまい」のために総会を開いたが、そこでは、「5月末で会費徴収停止」「6月でニュースの発行停止」という方針への反発が噴出、二瓶議長は「この提案は削除する」「200人の雇用確保に全力を挙げる」と答弁した。だが、国鉄闘争共闘会議ら4者4団体は、「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと」「JRによる採用は保証できないこと」とする「解決案」をすでに受け入れている。それでいて「200人の雇用確保に全力を挙げる」ことなど成り立つはずがない。二瓶議長は「解決するまで4者4団体は残し、雇用に責任をとる」と言うが、その狙いはただ、100万国鉄闘争支援陣形と6000万労働者階級が動労千葉派に合流することを阻止することにある。
 これは、体制内派の延命をかけた大反動だ。だが、それは徹底的に不正義であるからこそ、現場労働者に何の説得力も持たない。この反動を打ち破った時、われわれは主流派に躍り出ることができるのだ。

 革命が歴史の正面課題に

 国鉄闘争を巡るこうした情勢を規定しているのは、大恐慌下における帝国主義の危機である。
 ギリシャにおける数波のゼネストの爆発は、世界大恐慌を革命に転じることが歴史の正面課題にせり上がったことを示している。大恐慌下で、帝国主義は天文学的な財政投入と労働者への搾取の強化(賃下げ・首切り・民営化・外注化)に突っ込んだ。だがそれは帝国主義の危機と大恐慌をさらに促進し、国家財政をとことん食い物にして延命する金融大独占への労働者階級の総反乱を引き寄せている。
 こうした情勢のただ中で、韓国・イミョンバク政権は、哨戒艦沈没事件を北朝鮮の仕業と断定し、日米帝とともに北朝鮮への戦争を構えている。まさに一触即発の危機である。帝国主義が最後に行き着くのは侵略戦争だ。帝国主義は労働者同士を殺し合わせ、その国際的団結を分断して、自らの支配を延命させようとする。

 新たな全国運動の大発展で鳩山打倒を革命に転じよう

 だが、これに対する巨大な反撃は始まっている。朝鮮情勢の切迫を盾に取り、普天間基地の辺野古移設を強行しようとした鳩山は、沖縄を始めとする労働者人民の怒りに迎え撃たれて辞任した。この情勢を、沖縄−本土を貫く労働者階級の総反乱に発展させることができるのか否かは、ひとえに新たな全国運動の発展にかかっている。

 外注化阻止の闘いに展望が

 今日の情勢を規定するもう一つの重大な要因は、動労千葉と動労千葉派の闘いである。わが革共同の闘いである。
 革共同は06年、「党の革命」をやりぬき、階級的労働運動路線を全活動の中心軸に据えきるとともに、その最大の戦場を国鉄決戦に置いてきた。絶対反対論、階級的団結論を研ぎすまし、反合・運転保安闘争が動労千葉労働運動の核心にあることをつかみ、普遍化して闘ってきた。資本とは労働者からの剰余労働の搾取をもって増殖する運動体であり、合理化による搾取の強化を常とする。したがって、合理化と闘うことは資本の生命線を断つことを意味し、ありとあらゆる資本の攻撃は不可避となる。これを階級的団結の力で打ち破れるかどうかに、革命の成否がかかっている。
 勝利の展望はすでに切り開かれている。動労千葉の今春4波のストライキと、全党を挙げたその支援闘争は、JR東日本の経営戦略の柱をなす検修外注化の4月1日実施を見事粉砕した。
 国鉄分割・民営化以来、全産別で外注化の攻撃が吹き荒れ、1500万人もの労働者が非正規雇用に突き落とされた。外注化は「偽装請負」を不可避とする。しかし、体制内労組指導部は、これを労使合意のもとに積極的に推進してきた。つまり、国鉄分割・民営化以来、社会を飲み尽くして激しく展開された外注化攻撃に対し、まともに対決する労働運動は存在しなかったのだ。国労本部や4者4団体幹部は、これまでJRとまともに闘ったこともない。それどころか、設備部門の外注化を認め、包括和解で現場労働者の闘いをとことん抑圧してきたのだ。
 だが、検修外注化を阻んだ動労千葉の闘いは、ここに風穴を開けた。
 こうした闘いと1047名闘争、国鉄闘争支援陣形が強固に結びつくことを、支配階級や体制内労組幹部は心底恐れている。そこから来る大反動とのすさまじい攻防が、国鉄を始め沖縄や三里塚、法政大学で日々、展開されているのである。

 職場生産点での攻防を軸に全階級と結びつく組織戦へ

 1047名解雇撤回を貫く新たな全国運動は、連合支配を打ち破り、資本と非和解に対決する階級的労働運動を主流派に押し上げる闘いだ。
 これまで1047名闘争は、連合支配に対してぎりぎりのところで抵抗する労働者の闘いの拠点をなしてきた。
 だが、今や1047名解雇撤回闘争を貫くのは、われわれだけだ。われわれは情勢決定要因に押し上げられたのだ。それは、われわれが労働者階級の主流派としての立場、構え、能力などにおいて党派としての全面的な実力をかちとることなしには、何ごとも前に進みえないということを意味している。
 われわれがこれまでとらわれていた少数派根性を一掃して、6000万労働者階級全体に責任をとっていくことが問われている。課題はきわめて具体的である。実際に職場生産点で資本と闘い、そうした闘いをとおして労働者を獲得すること、とりわけ青年を獲得することである。
 獲得するとは、自らが問われる行為である。そこでは、労働者が、青年が、人生をかけるに値すると確信できる闘いをわれわれ自身が貫きえているのか否かが、容赦なく突きつけられる。そのシビアな現実の中に身を置き、一つひとつの職場の攻防に全責任をとりきっていく中で、必ずこれまでの壁をぶち破ることはできるのだ。
 国鉄委員会にとってその最大の焦点は、和解を拒否し闘争継続を宣言した闘争団4人の決起を守りぬくことにある。4人の闘いは1047名の真の思いを体現している。だから、4人の決起は国労全体をグラグラに揺さぶっているのだ。
 闘いはこれからだ。裁判闘争はもちろん、闘争と生活のすべてにわたり4人を支えぬくことは、けっして容易ではない。国労内で1047名解雇撤回闘争を闘いぬく陣形を圧倒的に拡大させなければならない。つまり主流派への飛躍が、「4人を支えぬく団結の拡大」という死活的かつ具体的な課題として突きつけられているのである。
 これは簡単なことではない。だが、絶好の構図だ。正義・不正義がこれほど明瞭(めいりょう)な闘いはない。一方は労働者の誇りと人生をかけて闘っており、他方は労働者をとことん辱め奴隷になれと強要している。われわれはすべての国鉄労働者、とりわけ平成採の青年に闘いの路線を大胆に訴え、決起を呼びかけ、疑問には誠実に答え、躊躇には叱咤(しった)激励し、身をもって勝利の道を示す。とりわけ青年の獲得が鍵だ。そのために英知を結集して闘いぬこう。
 6月1日には、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会」(略称「共に闘う国労の会」)の結成が呼びかけられた。ここへの爆発的結集をなんとしても実現し、6・13に国鉄労働者の大結集をかちとろう。そのためのあらゆる実践をやりぬこう。

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週刊『前進』(2442号2面2)(2010/06/07 )

 全国大運動 呼びかけ人陣形が拡大

 米韓の闘う労組も熱い訴え

 Jヘイマン氏らが呼びかけ人に

 「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」の呼びかけ人がどんどん拡大している。4月30日に全国運動の呼びかけを発した14氏・1団体に続き、長年にわたって国鉄闘争を支援し続けてきた花輪不二男さん(世田谷地区労働組合協議会顧問、元議長)、アメリカのジャック・ヘイマンさん(国際港湾倉庫労組ローカル10執行委員)が呼びかけ人に加わった。
 ジャック・ヘイマンさんは、以下のように新たな全国運動への熱い思いを伝えてきた。
 「私は、1047名国鉄労働者の解雇撤回と、組合破壊の合理化に反対し運転保安を確保する闘いを継続する新たな全国運動に、心底から賛同いたします。亡くなられた中野さんがその開始の時点から心を砕いてきたこの重大な階級闘争を生き返らせること以外に、彼を悼み敬意を払う道はありません。国鉄労働者を守っていく動労千葉の闘いは同時に、日本帝国主義の軍事国家化の衝動と対決し、憲法の反民主的な改悪を阻止していく闘いです。皆さんの決然とした努力の成功をお祈りします。連帯を込めて」

 民主労総ソウル本部も総意で

 5月下旬には、韓国からすごいメッセージが届いた。「5月19日、民主労総ソウル地域本部運営委員会に案件として出したところ、全員が国鉄解雇撤回のための新しい全国運動に発起人として参加することが決議されました。鉄道労組ソウル本部をはじめとして、民主労総傘下主要産別連盟ソウル(首都圏)代表が全員参加しています。同志たちの闘いに少しでも力になればと思います」という言葉とともに、イジェウン本部長以下、ソウル地域本部の主要産別代表30氏の連名で民主労総ソウル本部として大運動の呼びかけに加わる意思が伝えられた。じっくり討論を重ね、発起人として大運動に加わることが組織決定されたのだ。
 なぜ世界の闘う労働者・労働組合が、ここまで日本の国鉄闘争に注目し、支援を寄せてくれるのか。米韓の労働者もまた、世界大恐慌というとてつもない情勢の中で、階級的労働運動の新たな展望を必死で模索しているまっただ中にある。そして「国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回」を掲げた新たな全国運動の発展の中に、その答えがあると感じとっているからだ。
 この闘いが日本の労働者を獲得できないわけがない。6・13集会の圧倒的成功で、彼らの熱いエールにこたえよう。

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週刊『前進』(2442号2面3)(2010/06/07 )

 自治労中央委 鳩山擁護路線は大破産

 6・13集会参加を訴え反響

 全国労組交流センター自治体労働者部会と静岡労組交流センターは、5月27〜28日に開かれた自治労第140回中央委員会(浜松市)に集まった自治労組合員に対し、20人で国鉄・沖縄決戦、鳩山民主党・連合政権打倒、6・13大集会への結集を訴えた。
 多くの自治労組合員はこの日初めて国鉄1047名解雇撤回闘争「政治解決」の真実を知った。「政治解決」が国鉄闘争を終わらせるための大攻撃であり、4者4団体指導部の裏切りや、雇用がゼロ回答であることを知って衝撃が走った。
(写真 自治労中央委会場前で鳩山政権と自治労本部の打倒、6・13国鉄大集会への結集を呼びかける労組交流センター【5月27日 浜松市】

 その場で集会への参加表明

 中央委開始前の1時間半の間に多くの労働者が6・13集会賛同署名に応じた。6・13集会参加をその場で表明する労働者も現れた。議場では本部議案そっちのけで労組交流センタービラや討議資料が読まれていた。
 自治労本部は鳩山政権擁護に躍起となった。徳永秀昭委員長は冒頭あいさつで、「普天間基地移設問題に関する日米合意は、辺野古崎埋め立てによる新基地建設案を示そうとしている。これは自公政権による現行案に限りなく近い。日米地位協定の抜本的見直し、米軍基地の整理・縮小を求め、沖縄県民の負担軽減につながる普天間問題の解決を求めてきた自治労としても、問題を残す内容であると言わざるをえない」と述べた。
 徳永は、鳩山政権への人民の怒りをしきりにマスコミの扇動のせいにし、民主党・連合政権を「安定政権」化させるために、7月参院選で比例代表組織内候補・江崎孝ら連合推薦候補を当選させようと述べた。財政再建のためには公務員人件費2割削減は避けられないとも語った。拍手はまばらだ。
 討論では「米軍基地はどこにも要らない」(青年部)、「安保をなくせ」(高知県本部)などの意見も出たが、多くは「新政権の安定化のために7月参院選で江崎孝を当選させよう」というものだ。
 沖縄県本部の発言は最悪だ。「鳩山内閣を支えなければ」と何度も強調、「対等な日米関係で基地をなくすことができる」と結んだ。民主・社民の連立を維持し、自らも権力の側に居続けようという魂胆だ。日米安保同盟の強化で基地撤去!?という驚くべき見解でもある。しかし、発言むなしく数時間後に福島瑞穂は大臣を罷免され、社民党は連立離脱、6月2日には鳩山首相が辞任を表明した。自治労本部も反対派も総破産、参院選は絶望的だ。
 本部は国鉄闘争に関する見解をまったく示さなかった。唯一、北海道本部が「国鉄闘争は20年で大きく前進した。自公政権では望めなかったことだ」と述べた。国鉄闘争での大裏切りを民主党・連合政権の成果とした。“国鉄闘争は終わりだ。もう民営化に反対するな”という意味だ。

 雇用上限3年に怒りが噴出

 だが現場組合員の怒りを封殺することはできない。3月に人事院が公務員連絡会との交渉で日々雇用職員(国家公務員)の雇用期間の上限を3年とする回答を出したことを本部が評価したことに対し、臨時・非常勤職員協議会議長らが本部を厳しく批判した。本部の軍司輝雄副委員長は「3年と書かせないようにする」とごまかした。
 本部は、民主党・連合政権下で激化する一方の自治体における非正規職化、外注化・民営化攻撃と対決せず、「財政再建」のためにそれらをむしろ促進する立場に立っている。中央委の「当面の闘争方針」は公共サービス基本条例・公契約条例制定運動を打ち出すとともに指定管理者制度の「抜本的改革」すなわち延長と改悪を提案した。民営化・外注化=公務員首切りの前提化、正当化だ。これが昨年の熊本大会で指定管理者制度廃止を強く求めた組合員への本部の回答なのだ。
 そもそも「当面の闘争方針」は、鳩山民主党・連合政権が最優先課題とする地域主権改革推進、「新しい公共」の実現を自治労の基本路線として提起している。だが地域主権改革こそ道州制=公務員360万人首切りにほかならない。
 鳩山政権は崩壊し、自治労本部の鳩山政権擁護路線は破産した。本部を打倒し、6・13集会の成功で自治体労働運動をよみがえらせよう。

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週刊『前進』(2442号3面1)(2010/06/07 )

 日逓中野門前闘争 “解雇撤回まで闘う”

 非正規解雇と外注化に怒り

 5月31日朝、日本郵便輸送(旧日逓)中野営業所に対する門前闘争が多数の労働者の参加で闘われた。
 1年前の5月31日、日本郵便輸送中野営業所はJP労組組合員のK君を始め14人の集荷パート契約社員を雇い止め=解雇した。この日の闘いは、日本郵便輸送を絶対に許さず解雇撤回まで何年でも闘いぬく宣言だ。
 7時30分、K君を先頭に東京の青年全逓労働者などが門前に登場した。早速、出勤してくる労働者、車両で業務に出発する労働者に用意したビラを配布した。「大量解雇は許さない!」と弾劾するビラと、6・13集会のタブロイド判をセットにしたものだ。
 何人もが笑顔でビラを受け取る。「頑張っているね」とK君に声をかけてくる労働者もいる。顔見知りの沖縄出身の労働者に「5・15県民大会から3日間、沖縄に行って闘った」と語りかけたところ、「ありがとう」との返事が返ってきた。許せないのはJP労組中野分会の書記長だ。ビラをはねつけるや「まだやっているのか」と暴言を吐いたのだ。この一言でJP労組中央本部派が労働者階級に敵対する存在であることは明らかだ。
 メガフォンを使って呼びかけも始めた。まずK君が訴えた。
 「1年前の5月末日をもって解雇されたKです。会社は今度は”沖縄班”の労働者を『自己都合退職』という形で解雇しようとしている。労働者を人間と見なさない日本郵便輸送のあり方は絶対に許せない。87年の国鉄分割・民営化と時を同じくして、労働者の非正規化が一挙に進んだ。非正規職は撤廃しろ。6・13集会の大結集で反撃しよう。会社の手先、組合幹部は辞めろ。解雇を撤回させるまで何年でも闘いぬく。日本郵便輸送中野営業所の責任を追及し続ける」
 K君は会社とJP労組中央本部派の組合幹部への怒りを爆発させた。
 続いて全逓の青年労働者が「解雇は会社の都合で、労働者には解雇されるいわれはない。JPEXの破産の責任を会社がとらないで非正規の仲間に矛盾を押しつけようとしている。認めていたら不当なことが通用してしまう。おかしいことには『おかしい』と言おう」とアピールを発した。
 さらに西部地区の青年労働者、全逓労働者、東京西部ユニオンの労働者が「中野営業所の労働者と連帯して闘う」と熱烈に訴えた。最後に全員でシュプレヒコールをあげ、門前闘争を終えた。
 日本郵便輸送は、沖縄出身の労働者を東京に住民票も移させずに寮住まいさせ、不安定・低賃金の労働条件を強制してきた。「沖縄班」と呼ばれている。そのうえ今度は、退職を強要しようとしているのだ。非正規労働者を解雇して同じ仕事を外注化し、さらに正規職も「全国社員」と「地域社員」とに分断し、賃金と労働条件を劣悪化させる攻撃を激化させている。
 K君の解雇撤回闘争が日本郵便輸送の労働者の怒りと結びつき、ランク&ファイルの闘いを展開する情勢が訪れている。
(写真 「解雇撤回まで闘うぞ!」。営業所の仲間に届けとシュプレヒコール【5月31日 中野区】)

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週刊『前進』(2442号3面2)(2010/06/07 )

 民営化絶対反対貫き御用組合の支配倒せ

 JP労組大会に向け訴える

 革共同全逓委員会

 破綻した郵政民営化路線にしがみつくJP労組中央が第3回全国大会を6月9日から千葉市内で行う。本部ダラ幹どもは、JPEXを突破口とする大合理化計画に協力した前書記長・なんば奨二の参院選出馬に、労働貴族としての延命を託す恥ずべき方針を打ち出している。沖縄を先頭とする労働者人民の怒りの前に鳩山・小沢体制の政権中枢が崩壊する中、郵政民営化絶対反対の闘いは正念場を迎えた。現場労働者の怒りで腐った中央本部を総退陣させよう! 産別を超えた階級的労働運動の復権をかけて、6・13国鉄大集会へ! JP労組大会闘争に結集しよう!
(写真 昨年6月のJP労組大会【仙台】で「民営郵政ぶっつぶせ」のビラを受けとる代議員ら)

 国鉄と一体で全逓決戦へ

 世界大恐慌の中、戦争か革命かをかけた階級攻防が国鉄労働運動を焦点に火を噴いている。新たな沖縄闘争が日米安保体制を揺るがし、日米韓による北朝鮮侵略戦争攻撃と対決している。日帝支配階級・総資本は革命情勢の成熟に恐怖し、国鉄闘争と動労千葉の解体を狙って検修部門の全面外注化攻撃と国鉄1047名解雇撤回闘争の解体に乗り出している。
 問題の核心は、敵が国鉄分割・民営化攻撃をいまだに完遂できず、動労千葉を軸とする階級的労働運動の前進が新自由主義攻撃を決定的に破綻させていることだ。国鉄分割・民営化以来の労働運動に対する歴史的反動をのりこえ、「動労千葉のように闘おう」を合言葉に闘う青年労働者を先頭に膨大な労働者階級の怒りが動労千葉派と合流し始めている。
 大恐慌下で資本救済のために無数の労働者が犠牲にされる中で「国鉄分割・民営化反対と1047名解雇撤回を闘う新たな全国運動」は、「怒りは社会の隅々まで満ちている。この怒りを団結した力に結集させよう。新自由主義と対決する労働運動を」と訴えている。
 全国運動スタートの6・13大集会へ職場・地域の青年労働者の総結集を組織しよう。階級的団結で安保・沖縄決戦の先頭に立ち、民主党・連合政権を打倒しよう。

 民営化の戦略事業を粉砕

 5月25日、新潟西郵便局前で労組交流センター全逓部会のビラをまいていたAさんに対し、支店長と次長が「暴行を受けた」とデッチあげの通報を行い、公安警察がAさんを逮捕する暴挙が発生した。西局は非正規職の扱いのひどさで有名な職場で、「みんな病気になっている」と告発の声が出ている。この民営化の現実に全国の郵政労働者の怒りは爆発寸前だ。これに恐れをなしたなりふり構わぬ弾圧をわが革共同は絶対に許さない。
 日帝の新自由主義攻撃の一方の柱となってきた郵政民営化との攻防は、大恐慌情勢と民主党・連合政権のもとで形を変えて激化している。
 「郵政改革法案」が衆議院を通過したが、マスコミが論評する「民から官への後戻り」は的はずれである。民主党・連合政権の「郵政改革」とは、現場労働者の怒りの大きさに動揺しつつも、日帝支配階級が巨大郵政資産の民営化(私物化)と労組破壊攻撃を続行しようとする攻撃なのだ。
 大資本救済のために巨額の税金をつぎ込み、解決不能の財政赤字(国と地方で約1千兆円)に陥った日帝支配階級は、郵貯・簡保の資金300兆円の8割を国債購入にあて、赤字財政を支えてきた。今回の郵貯・簡保の限度額を引き上げる「郵政改革」とは、赤字国債の無制限な発行を郵政資金でまかなう政策だ。労働者の資産を紙くずにして資本主義を救済しようとする破滅的な政策だ。これが「郵政改革」の中身だ。
 JP労組中央が、米帝やEUに郵政資金を横取りされるなと主張し、亀井「郵政改革」に賛意を表明し、「国益」を前面に押し出して、破綻した国家財政を支えると表明したことは犯罪的だ。
 彼らは「労組」の名のもとに民営化を後押しし、生産性向上運動を綱領にまで高め、「8割を非正規職に置き換える」空前の大合理化攻撃であったJPEX計画(小包部門の子会社化)に全面協力する大裏切りを強行した。完全に郵政資本を支える下僕に成り下がったのだ。
 しかしこの郵政民営化の中心事業=JPEX攻撃は、現場労働者の全国的な抵抗、出向・配転拒否の闘いで計画そのものが挫折に追い込まれた。これは現場労働者が動かなければ郵便事業は1ミリも前に進まないことを示した画期的な勝利である。日帝の新自由主義攻撃の本命の一つを破綻させた意義も大きい。
 JP労組中央は、当局に「出向拒否者を出さない」と約束し、「出向に応じなければ雇い止めになる」と現場労働者を脅す”肩たたき”に自ら手を染め、JPEX攻撃を後押ししてきた。この策動を実力で粉砕した現場労働者の怒りの大きさに、彼らは愕然(がくぜん)としている。闘う全逓労働者は今大会で彼らの責任を徹底的に追及する決意だ。

 分断攻撃と闘い全員正社員化を

 このJPEX攻撃の破綻に追いつめられ、現場労働者の怒りを籠絡(ろうらく)し、分断するために打ち出してきたのが、民主党・連合政権の郵政担当大臣・亀井が打ち出した「10万人正社員化」である。その正体は直ちに露呈した。
 日本郵政・斎藤社長は「10万人」の舌の根も乾かぬうちに「やっぱり6万5千人」だの「試験をやって作文を書かせる」だのと、会社に忠誠を誓う者だけを選別雇用する姿勢をむき出しにした。彼らは「正社員化」をもテコに、JPEX計画を破綻させた現場労働者、とりわけ非正規職の反乱を抑え込むことに全力をあげているのだ。
 「正社員にしてやるから当局のいうことを聞け? ふざけるな!」という非正規職労働者のすさまじい怒りが噴き出している。今や郵政現場の6割以上(社会平均の2倍!)が非正規職だ。形態もアルバイトから月給契約社員までさまざまに分断され、正社員化の資格もそれぞれ違う。いつでも首を切られる状態に置かれ、同じ仕事で賃金は本務者の3分の1、昇給もないに等しい。
 彼らは「自爆営業」を強要されても「首」を人質に沈黙を強制される。その彼らが郵便事業の大半を支えているのだ。多くの仲間が精神疾患や自殺に追い込まれ、社会問題にまで発展している。
 この膨大な非正規職の怒りに火が付き始めたのだ。闘う全逓労働者は断固としてその先頭で闘う決意である。非正規雇用を撤廃せよ! 無条件で全員の正社員化をかちとろう! あらゆる分断攻撃と現場で闘って団結を拡大することが勝利のカギだ。

 郵政版反合・安全闘争を

 昨年12月の東京・銀座局での死亡事故を筆頭に全国の郵政職場で事故が多発している。当局は軽微な事故も始末書を強制し、「誤配道場行き」を命じ、「今度事故を起こしたら辞職する」と誓約させ、自己退職と称する首切りを強制している。これが人減らしの手段として横行しているのだ。
 ふざけるな!
 事故やミスをしたくてやっている労働者はいない。事故やミスの原因をつくり出しているのは、合理化を推進している資本・当局だ。利益だけが優先され、果てしない人員削減が進み、労働密度は民営化以前の3倍となった。4時間超勤という異常事態が日常となった職場も多い。
 この中で銀座局での死亡事故も起きた。事故から半年たって原因の調査結果さえ発表しない郵政資本の悪辣(あくらつ)さを許してはならない。
 今回のJP労組大会議案は、この問題に言及もせずに抹殺している。生産性向上運動に屈服し、現場の命と引き換えに企業利益に奉仕するJP労組中央の腐敗はきわまっている。
 また今大会で中央本部は、労働者を競わせ分断する資本の武器である新賃金体系=成果主義賃金の導入を、前大会での否決にもかかわらず提出する予定だ。大会で彼らの責任を徹底追及し、執行部総退陣を強制しよう!
 国鉄闘争をめぐる攻防では、”解雇撤回要求を捨てて屈服すれば少し金をくれてやる”という政府の「国鉄改革1047名問題の解決案」を、国労本部は4・26臨大で受け入れた。1047名の当事者である動労千葉は排除すると明記された。闘う組織は排除するという階級意思がむき出しだ。民営化攻撃を全社会的に推進する「国鉄改革の完遂」(前原国土交通大臣)のための大攻撃である。

 原理原則捨てた度し難い裏切り

 労働組合として絶対に譲れない原理原則を、国労という日本労働運動の”心臓部”が捨てた意味は大きい。国家的不当労働行為で解雇された1047名に「首切りは正しかった」と言わせ、24年間の闘いは間違いだったと認めさせ、「二度と争わない」と権力・資本に誓約させる攻撃だ。歴史的な屈辱と裏切りの強制である。
 国労本部など4者4団体は、闘う闘争団員や国労組合員が「政治和解」反対を表明するや「組織破壊者」とののしり、1047名闘争解決の妨害者であるかのような暴言を吐いた。本末転倒だ。守るべきは解雇撤回闘争を貫く労働者だ。それを支えて闘うのが労働組合ではないか。
 「政治和解」断固反対を貫く国労闘争団の登場は、労働運動全体を革命的に転換させ、階級的労働運動を復権させるチャンスだ。新たな国鉄闘争の大運動をあらゆる職場、地域に持ち込もう! 6・13国鉄大集会の3千人結集へ、全逓の闘う労働者は、動労千葉派として職場・地域の責任勢力となろう。 

 “闘いなくして安全はない!”

 かつて全逓時代、戦闘的労働者は「反合・反マル生・反処分」のスローガンで闘った。しかし全逓中央・民同指導部は数々の郵政合理化に屈服した。国鉄分割・民営化という戦後最大の労働運動解体攻撃との激突で、労働者階級全体の利益を体現して反合闘争を実践しえたのは動労千葉だけだった。
 全逓中央は震え上がって「国労のようにはなるな」と労使一体化の道に転落し、非妥協的な物ダメストを闘い抜いた現場労働者を切り捨て、敵に売り渡してきた。そして彼らはわずかな賃上げや”時短”と引き換えに、労働者の最低限の権利や生命まで売り渡す運動に組合を変質させた。もはや御用幹部を信用する組合員は皆無だ。
 国鉄全国運動の呼びかけ人の1人である伊藤晃氏(日本近代史研究者)は、動労千葉の反合・運転保安闘争が戦後労働運動の限界を超える路線だとして「安全というのは社会的にこういうものだと決まっているわけではない。安全について当局と共通の立場があるわけがない。何が正しいか何が安全かは、労資の闘いの中で決まる」と動労千葉の「闘いなくして安全なし」のスローガンの意義を強調している。事故が多発する郵政職場でこそこれを実践し、現場労働者の団結を組織し、闘う労働組合運動を復権させよう。
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「この闘いは23年前の闘いをなんとかしてくれという話ではない。今の青年・学生が置かれている現実、時給何百円、就職したくても仕事がない、みんな非正規。これをひっくり返すのが1047名闘争だ」と訴えている。
 闘う全逓労働者は非正規職の怒りの先頭で資本と闘い、正規・非正規の分断をのりこえる団結を闘い取る決意である。産別の枠を越えた全労働者の勝利をかけて国鉄闘争と結合し、6・13大集会に総決起しよう。

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週刊『前進』(2442号3面3)(2010/06/07 )

 革共同に絶大な夏期カンパを

 国鉄−安保・沖縄決戦を闘い 世界革命を切り開くために

 すべての労働者のみなさん、『前進』読者、支持者のみなさん、同志のみなさん!
 われわれ労働者階級の怒りがついに鳩山・小沢を打倒した! 60年−70年闘争を超える、壮大な2010年国鉄−安保・沖縄決戦が始まっている。革共同はこの情勢に心の底からわき起こる喜びと決意をもって、プロレタリア世界革命を切り開く絶大な額の夏期一時金カンパを革共同へ寄せて下さるよう訴えます。

 資本主義が終わり革命の時代始まる

 今や資本家階級は、日本で、世界で、歴史上最大の存亡の危機に陥っている。
 日本帝国主義は、高度成長が終わった74〜75年恐慌の時点で過剰資本・過剰生産力という資本主義的生産様式の基本矛盾を露呈した。日帝ブルジョアジーはその後、新自由主義による労働強化と人員削減、賃下げと増税、そして米帝が市場争奪戦として世界中に戦火を広げる一翼を担うことで延命してきた。
 しかし、それらも結局は、労働組合を解体し、団結を破壊し、労働者を犠牲にし、国家財政を湯水のように投入することによるバブルのくり返しにすぎない。資本主義はより巨大な矛盾を抱え込んできたのだ。
 世界金融大恐慌は、08年9月のリーマンショックを機にさらに本格的な大恐慌として発展し、世界の資本主義体制をどん底にまでたたき込んだ。最近のマスコミや評論家連中が宣伝している「回復」なるものは、生産水準がいったん3分の1レベルにまで下落したことを基準にして「回復」とごまかしているだけだ。この「回復」も、中国バブルに乗っかった綱渡りの代物なのだ。
 このような中でユーロ圏の失業率が10%を超え、世界中で青年労働者と学生を先頭とした労働者階級の根底的な総決起が始まった。
 全学連が訪米し、ともに闘った3月のカリフォルニア州100万人教育ストや、今春以来のギリシャなど世界中でゼネストが連続している。フランスでも100万人のデモが闘われた。スペインやポルトガルにも闘いは拡大している。
 タイの激動情勢や中国ホンダの全工場がストライキの影響で停止したように、アジアの階級闘争も激動期に入った。韓国・民主労総の位置と存在がますます決定的になっている。これは北朝鮮情勢も規定する。
 日本では、労働者の怒りが昨年8月に自民党支配をぶっ飛ばし、沖縄の9万人決起が鳩山と小沢を打倒した。何より国鉄闘争の白熱的な攻防が階級的力関係を規定している。国鉄闘争は日本労働者階級の団結を底の底から組織し、民主党・連合政権を打倒して、プロレタリア革命に向かう基軸だ。動労千葉派が一切を決する。資本主義が終わりに入り、革命の時代が始まったのだ。

 創成以来の全蓄積をかけ決戦に挑む

 第一に、日帝革命−世界革命を切り開く革共同を建設するためのカンパを訴えます。
 『前進』2440号の清水丈夫・革共同議長アピールは、革共同創成−60年安保闘争以来の全蓄積の力をかけて今日の決戦に躍り出る戦闘宣言です。革命情勢を実際に革命に転化するために非合法・非公然体制をもつ強大な党の建設が必要だ。青年労働者・学生はマル青労同・マル学同に結集しよう。『前進』を拡大しよう。
 第二に、国鉄−安保・沖縄決戦に勝利するためのカンパをお願いします。この闘いは最強の改憲阻止の闘争だ。鳩山が倒れたのは、辺野古と三里塚が基地と空港建設を阻止しているからだ。動労千葉が4月からの検修業務の外注化を阻止したからだ。情勢を決するのは議会や選挙ではなく職場と現場の闘いだ。
 60年安保闘争は、56〜57年の沖縄プライス勧告粉砕闘争や国鉄新潟闘争で準備された。70年安保・沖縄闘争も、国鉄マル生粉砕闘争と一体で爆発した。
 国鉄の分割・民営化を突破口とする新自由主義攻撃の24年間の展開で労働者階級全体に解雇と賃下げの嵐が襲い、4割近い労働者が非正規雇用に突き落とされた。
 このような中で国労が「国鉄改革法承認」「JRに責任なし」「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない」「企業内組合になります」と決定することが、どれだけ国鉄労働者と1047名を裏切り、全国の6千万労働者を苦しめるのか!
 しかし、動労千葉と動労千葉争議団の闘いに続き、ついに国労闘争団と国労本体の中から偉大な決起が始まった。革共同は「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」の最先頭に立ちます。
 第三に、三里塚決戦勝利のカンパをお願いします。労農同盟の先頭で闘う2人の反対同盟農民、市東孝雄さんと萩原富夫さん、そして現闘の同志1人が留置場に奪われている。三里塚闘争は国家権力との新たな激突情勢に入っている。3人を奪還し三里塚闘争勝利をもぎとるカンパを心から訴えます。
 全学連は三里塚現地に常駐して闘っている。激励や檄文、援農を全国から集中しよう。
 第四に、東京地裁による迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審有罪判決を徹底弾劾し、無罪判決をかちとるために闘おう。無期懲役と闘う星野同志を奪還し、あらゆる弾圧を粉砕するカンパを訴えます。
 第五に、国際連帯闘争のためのカンパを訴えます。11月労働者集会で始まった日韓米労働者の国際連帯を中心に、ドイツやブラジルなど他の諸国の労働者との連帯、在日・滞日労働者との連帯が広がっている。

 侵略戦争阻止する国際連帯のカンパ

 200万人の労働者を組織するブラジルの労働組合ナショナルセンター・コンルータスの正式招請で、動労千葉と全学連がブラジルを訪問中だ。世界の革命情勢を反帝・反スターリン主義世界革命に転化する「世界単一の党建設へ」(『前進』春季特別号)の闘いを断固推進するためにも革共同へのカンパをお願いします。
 第六に、全国の駅頭や街頭、職場で、色鮮やかなのぼりがはためき、カラービラがまかれ、自己解放的なアジテーションが響いている。さらに圧倒的な物量の宣伝・扇動のためのカンパをお願いします。
 すべてのみなさん。夏季一時金闘争に勝利して、10万円を単位とするカンパをお願いします。その条件のない場合も、さらなるファイトでカンパを集めよう。
 鳩山が沖縄・辺野古への新基地建設方針を出したのは、オバマの「北朝鮮との戦争を始める」という恫喝に震え上がったからだ。労働者階級の闘いをつぶすためには戦争さえ捏造(ねつぞう)し強行する帝国主義とそれに協力する体制内指導部を打倒し、労働者の社会をつくろう。
 革共同はいかなる階級闘争の激動的発展も断固歓迎する精神で決起します。絶大なカンパを訴えます。

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週刊『前進』(2442号4面1)(2010/06/07 )

 米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ!

 沖縄は「革命の火薬庫」だ

 沖縄を最前線の出撃基地に 米日韓の北朝鮮戦争が切迫

 日米安保同盟の歴史と本質

 高田隆志

 普天間基地の移設先を辺野古とした5・28日米共同声明は、米日帝国主義と労働者階級の非和解的対立を鮮明にさせた。民主党に対する幻想は最終的に一掃された。「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」以外にいかなる中間的な道もない。さらに今日、韓国海軍の哨戒艦沈没事件を契機に、米日帝と韓国イミョンバク政権による北朝鮮侵略戦争が切迫している。その中で、沖縄を最前線出撃基地として、まさに安保が発動されようとしている。北朝鮮侵略戦争反対の反戦闘争と、沖縄基地撤去の闘いは一つだ。
(写真 土砂降りの雨の中で国際通りをデモする沖縄労組交流センターと全国の青年労働者・学生に、沿道から大きな声援が寄せられた【5月15日 那覇市】)

 帝国主義の強盗同盟で日帝は延命して再軍備

 5月28日に日米外務・防衛担当相(2+2)の合意で発表された日米共同声明は、「日米同盟が日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の平和、安全及び繁栄にとっても引き続き不可欠であることを再確認した」とうたっている。「沖縄を含む在日米軍の堅固な前方駐留が日本を防衛し、地域の安定維持に必要な抑止力と能力を提供する」と宣言し、普天間飛行場の移設先を「辺野古崎及び隣接する水域に設置する」ことを明記した。これは事実上、06年5月の2+2文書「再編実施のための日米ロードマップ」をほとんどそのまま踏襲するものだ。アメリカはブッシュ政権からオバマ政権に代わり、日本は自民党政権から民主党政権に代わったが、帝国主義である限り、日米安保の堅持・強化の観点から、同じ結論しか出てこないのだ。

 沖縄切り捨てと一体

 そもそも安保条約、あるいは日米安保同盟とはどういうものなのか。
 安保同盟とは、戦後の米帝の対日、対アジアの政策にとって要をなす政策としてあった。また、日帝にとっても、敗戦帝国主義としての制約から抜け出して帝国主義として延命していくための基軸的政策であった。
 日帝の戦後は、15年戦争、アジア太平洋侵略戦争で米帝に軍事的に敗北し、占領支配されたところから出発している。このことは、日米帝間の関係においても、帝国主義と労働者人民の関係においても、きわめて重要な意味を持っている。帝国主義間の関係ではその後65年の歴史を根底で規定している。これに対し、労働者階級は「二度とこんな戦争を許さない」という誓いを戦後の出発点にした。戦後の労働者階級の闘いにおいて、この一線は連綿と引き継がれている。
 日帝の戦後の安保・防衛政策の始まりは、1952年のサンフランシスコ講和条約と旧安保条約である。講和条約は戦後の米軍による占領の終了を確認し、日本の独立を規定すると同時に沖縄の米帝による軍事的分離支配を取り決めた。これは体制的延命と日米同盟政策のために沖縄を犠牲にする日帝の政策の結果であった。
 この講和条約の規定に基づいて同時に締結されたのが旧安保条約である。旧安保条約は、圧倒的な軍事力を持つ米帝と敗戦帝国主義として軍事力を持たない日帝との間の特殊歴史的な帝国主義的軍事同盟であった。それは、朝鮮戦争のさなかに締結された、朝鮮戦争遂行条約としての性格を持っていた。そしてこの旧安保条約のもとで日帝は、自衛隊をつくり、独自の軍事力強化の道を進んだ。
 60年安保改定では、「条約をより対等なものに改定する(片務性から双務性へ)」と強調された。それは依然として強大な米帝と、相当に復活・強化されてきた日帝との帝国主義的強盗同盟としての性格がより明確になったものだった。米帝主導のもとではあるが、日帝はその帝国主義的な侵略と抑圧の遂行の立場から日米安保を活用しようとしたのだ。
 70年においては、日帝は安保の自動延長と沖縄のペテン的「返還」の政策を打ち出した。それは、米帝のベトナム侵略戦争に反対し、日米安保の粉砕を求める労働者人民の大運動と、沖縄人民の本土復帰闘争の革命的爆発の合流を恐れたからだ。沖縄「返還」政策は、米帝のベトナム侵略戦争の基地としてフル稼働する沖縄基地の現状を維持し、その施政権を日本に移し、本土−沖縄の基地を安保条約のもとに包摂しようとするものであり、日米安保体制の一大エスカレーションだった。日帝は米帝のベトナム侵略戦争に全面的に協力することをとおして、日帝自身のアジア侵略への道を決定的に切り開こうとした。
 ここで重要なことは、沖縄「返還」によって、沖縄は法制的にも日米安保の最大の実体的支柱となり、日帝にとって安保問題は同時に沖縄問題であるという矛盾をストレートに抱え込むことになったということである。
 その後、78年に日米安保ガイドライン協定が締結される。ここではソ連を仮想敵国として設定し、「ソ連軍の日本侵攻」に対して米軍と自衛隊が具体的にどのように対応するかというプランが策定され、「安保の実戦化」と言われた。革共同は、これを日帝独自の軍事大国化の道に踏み出したものとして「日帝の安保・防衛政策の原理的転換」と規定した。
 91年のソ連崩壊によって、帝国主義対スターリン主義の対峙・対決を総括軸として展開してきた世界史は、帝国主義対帝国主義の対峙・対決を主導軸とする体制へと大きく転換した。帝国主義は体制的延命をかけた帝国主義間の争闘戦を激烈化させた。91年のイラク・中東戦争(湾岸戦争)は、資源や商品・資本市場をめぐって帝国主義間の勢力圏が争われた戦争だった。
 日帝は90年代、PKO法(国連平和維持活動協力法)の成立と自衛隊のカンボジア派兵などをもって、帝国主義として必死に参入しようとした。
 96年には、日米安保共同宣言(安保再定義)と一体のものとしてSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)による沖縄基地の再編・強化の方針を打ち出した。
 これに基づいて、97年に日米安保新ガイドライン協定が締結された。それは直接には北朝鮮侵略戦争のための軍事協定である。米帝は、自らのアジア軍事支配体制と、北朝鮮・中国侵略戦争に日帝をぎりぎりまで動員しようとした。他方で日帝は「後方支援」という形式をとって参戦し、憲法9条を蹴破って戦争国家の道を歩もうとしたのである。これに基づいて99年には周辺事態法を成立させた。
 2001年9・11の反米ゲリラ戦の爆発は、米帝の戦後の新植民地主義体制諸国に対する数々の侵略と虐殺の戦争に対する反撃として、米帝に根底的な打撃を与えた。米帝ブッシュは、これに対してアフガニスタン、イラクに対する侵略戦争に突入した。
 日帝は対テロ特措法、イラク特措法を成立させてこれに参戦した。同時に、03年には武力攻撃事態法など、04年には米軍行動円滑化法や国民保護法などの有事立法を次々と制定した。
 一方で、労働者人民は辺野古新基地建設の攻撃を、海上阻止行動を始めとする実力の反撃で粉砕してきた。

 「韓国の安全は緊要」

 戦後の日米安保を概観して、第一に明白なことは、それが一貫して朝鮮侵略戦争体制としてあったことである。50年朝鮮戦争の渦中で安保条約が成立したことから始まって、「韓国の安全は日本自身の安全にとって緊要」(69年11月日米共同声明)、「朝鮮半島の安定が日米両国にとりきわめて重要」(96年4月日米安保共同宣言)と、絶えず朝鮮侵略戦争をにらんで安保は強化されてきた。
 第二に明白なことは、安保は沖縄基地を最大実体として成り立ってきたということである。沖縄に一方的に基地の負担を押しつけることをとおして、安保は侵略戦争のための同盟として機能してきた。だが同時に、それは沖縄100万労働者階級の絶えざる怒りの決起によって揺るがされ、安保の破綻点をさらけ出してきた。
 沖縄と安保、ここに日帝の最大の矛盾があり、弱点があり、日帝打倒の具体的な切り口があるのだ。まさに沖縄は日本革命の火薬庫だ。
 72年5・15返還のペテン性は、38年後の今日、一層明白になっている。日本全土の0・6%の沖縄に在日米軍の75%の基地が集中している。沖縄本島の20%が基地で占められている。事件、事故は後を絶たず、沖縄県民は危険と同居させられている。
 これらすべては、米帝の意思であると同時に、それをよしとしてきた日帝の意思でもあった。太平洋戦争の最末期に、日帝の「国体護持」のための時間稼ぎに捨て石にされた沖縄戦と同じ論理が今日も働いているのだ。

 「対等な同盟」を掲げた民主党政権の大ペテン

 昨年8・30総選挙で、長きにわたった自民党支配が打倒されたことは、日帝打倒のプロレタリア革命に向かって決定的な事態だった。民主党は、帝国主義的労働運動を推進する連合幹部を取り込んで、日帝ブルジョアジーの支配体制を延命させ、改憲をやろうとしている政権である。民主党鳩山・小沢は、政権の出発にあたって、「対等で緊密な日米同盟関係」を掲げ、「東アジア共同体」を掲げた。
 そもそも民主党の安保論には、「常時駐留なき安保」論や、「米国の極東におけるプレゼンス(存在)は第7艦隊で十分」(小沢、昨年2月24日)という、独自性、対米対抗性があった。
 民主党代表だった小沢は、この発言について、「ただ米国に唯々諾々と従っていくということでなく、私たちもきちんとした世界戦略を持ち、役割を果たしていく。少なくとも日本に関係する事柄は、もっと日本自身が役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る」と語った。米帝に対等性を要求し、独自の戦争国家化を進めるという路線であり、それは改憲と戦争に直結している。民主党政権が安保・防衛政策に関して自民党と違う言動をするのは労働者階級のためではなく、徹頭徹尾、日帝ブルジョアジーの改憲と戦争に向かっての反革命的、侵略的な政策なのだ。
 鳩山は、普天間基地に関して、ペテン的に沖縄県民の立場に立つかのように振る舞い、「国外、最低でも県外」と選挙戦の中で宣言した。沖縄の労働者人民は、それをテコに、怒りの決起を開始した。「普天間基地即時閉鎖・撤去」「新基地建設反対」の声が噴き上がった。鳩山の「公約」は怒りの火に油を注いだのだ。
 だが、米帝は対日帝、対北朝鮮・中国、対アジア・太平洋、そして世界戦略にかけて、沖縄を絶対に手放さないという非妥協的な態度をとった。
 これに対して、鳩山政権は本気で約束を守る意志も力もなかった。閣内でさえ、岡田、北沢、平野が、それぞれ別の思惑をもって動き、沖縄の決起に敵対した。結局、鳩山の約束は完全に破産し、8カ月前よりも何倍も露骨に、日帝国家として沖縄に犠牲を押しつけることになったのだ。(この政策の破綻の結果、ついに6月2日、鳩山政権は崩壊した。)
 これは、日米安保の根本的問題性、日帝には絶対解決することのできない沖縄基地問題の矛盾が白日のもとにさらされたということでもある。
 鳩山政権は、結局のところ、日米安保同盟政策を手放そうとせず、日米安保堅持のもとでの侵略戦争政策と改憲を遂行しようとする政権であるという階級的本質が明白になった。
 何よりも、鳩山は朝鮮情勢との関係で沖縄基地の重要性や「抑止力」を押し出し、北朝鮮侵略戦争に向かって自ら積極的に対応した。韓国イミョンバク政権に対して、哨戒艦沈没の調査結果を真っ先に支持し、「北朝鮮に対する日本独自の新たな制裁措置の早期検討」を指示した。
 鳩山政権がやったことは結局、ペテン的やり方で基地沖縄の現実を押しつけ、帝国主義戦争を労働者人民に認めさせるということだ。沖縄基地撤去の闘いは、戦争絶対反対の闘いとして貫く以外にあり得ないのだ。

 安保前提とした社民と日共の反労働者的役割

 鳩山の犯罪性を補完

 社民党党首・福島は日米共同声明の閣議決定に反対し、罷免されたことで「筋を通した」のか。冗談ではない。社民党は、政権党として「国外・県外移設」という、他に犠牲を転嫁する先兵となって、労働者階級を分断しようとしてきた最悪の政党だ。「基地を受け入れてくれ」と奔走するのは、侵略戦争攻撃の手先以外の何者でもない。
 連立政権下で社民党がやってきたことは何か。国交副大臣の辻元清美は「国交省は利権の巣窟(そうくつ)ではなかった」と美化した。自らの犯罪的役割の自白だ。辻元こそ「国鉄1047名問題最終解決案」づくりや、三里塚の現闘本部撤去攻撃、市東さん追い出し攻撃の最先兵だった。
 8カ月もの間、民主党・鳩山のペテン的攻撃の随伴者として幻想をあおり手助けしてきたのが社民党・福島だった。鳩山の共犯者そのものだ。
 そもそも社民党(社会党)は、ソ連スターリン主義崩壊後、安保・自衛隊を完全に認め、帝国主義社民として93年に政権入り(細川、村山、橋本内閣)した時点で完全に労働者階級を裏切っていた。今日の動向は議会主義政党として消滅の危機にある中での最後のあがきにほかならない。
 また、この社民党のしっぽに付いて体制内化を深めている塩川一派は今日、「沖縄独立」論に限りない「心情的理解」と同情を示している(『展望』6号)。これこそ、本土・沖縄の労働者人民を分断する日帝の攻撃の先兵だ。粉砕・一掃あるのみだ。

 オバマ礼賛する日共

 日本共産党は、「アメリカにモノを言う党」をキャッチフレーズにしている。民主党に対しても、「基地の移設ではなく撤去を(アメリカ政府と)交渉せよ」と注文を付ける。つまり、日共は「国益を守る」観点から、主権国家としてアメリカに対等の立場で交渉すべきだという姿勢なのだ。これは「日本の国益」のためには自衛権を発動することは賛成ということであり、民主党を「対米自立」の立場で応援するものでしかない。しかし、超階級的な「自衛権」というものはない。それは必ずブルジョアジーの帝国主義的な権益を守るものであり、侵略戦争の論理そのものである。
 米帝オバマのプラハ演説に感激して書簡のやり取りをし、この5月には訪米して米政府と会談してきたことを誇っている志位には、米帝ブルジョアジーと闘うアメリカと世界の労働者階級は完全に視界の外だ。
 要するに、日共にとって日米帝国主義は打倒対象ではなく、話し合いでよりよい政策を採ってもらう交渉相手なのだ。帝国主義ブルジョアジーと労働者階級の利害は根本から非和解的に対立している、ブルジョアジーの打倒以外に労働者階級にとっての平和はない――このことを日共は徹底的に否定し、闘う労働者階級に敵対しているのだ。
 そもそも日共の現代世界認識自体が完全に誤っている。彼らは、「世界は平和に向かっている」「軍事同盟は時代遅れ。対等・平等の日米友好条約を」と言う。それは世界大恐慌のもと、帝国主義が未曽有の危機に陥っており、労働者階級に対する首切り・賃下げ、労働強化の攻撃とともに、侵略戦争、帝国主義間・大国間の戦争に向かって進んでいること、現にイラク・アフガニスタンで侵略戦争を続け、北朝鮮に対する戦争に乗り出そうとしていること、こうした動きを必死で消し去るものだ。そしてオバマも鳩山も、帝国主義者でないかのように扱うのだ。
 民主党はもとより、社民党や日共のような体制内勢力を打ち破り、のりこえて、安保・沖縄闘争の爆発をかちとらなければならない。
 社民党も日共も、労働者階級の階級的団結、「絶対反対」の闘いに敵対していることではまったく同じだ。国鉄1047名闘争を裏切り解体し、労働者に奴隷的屈服を強いる党派に、沖縄米軍基地撤去を語る資格はない。階級的労働運動の立場に立って初めて、安保・沖縄闘争は闘える。
 民主党・連合政権は、普天間基地問題に手をつけることによって、決定的な体制的危機に自ら突入した。辺野古新基地は絶対にできない。沖縄100万労働者階級の決起は、もはや後戻りはない。「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」――この根底的なスローガンだけが勝利の路線であり、現実に勝利する道だ。この旗のもとに闘い抜こう。
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 戦後安保・沖縄年表

1945年 3月下旬 沖縄戦始まる
4月 2日 沖縄で米国軍政府布告第1号公布
8月15日 日本降伏、第2次大戦終わる。GHQによる日本占領支配始まる
1947年 5月 3日 日本国憲法施行
1950年 6月25日 朝鮮戦争勃発。53年休戦
1952年 4月28日 サンフランシスコ講和条約発効、沖縄は米軍政下に。日米安保条約も発効
1954年 7月 1日 自衛隊発足
1960年 6月23日 日米安保条約(新安保)発効@
1969年 2月 4日 2・4ゼネスト中止
6月 5日 全軍労が24時間スト
1970年 12月20日 コザ暴動
1971年 5月19日 沖縄返還協定粉砕全県ゼネスト
11月10日 沖縄返還協定批准反対ゼネスト
1972年 3月21日 全軍労、無期限スト突入
5月15日 沖縄ペテン的「返還」
1978年 11月27日 日米安保協が「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)に合意
1991年 1月17日 米軍、イラク・中東侵略戦争開始
1992年 6月19日 PKO協力法成立
1995年10月21日 米兵による少女暴行事件抗議の沖縄県民大会に8万5000人が参加A
1996年 4月12日 日米政府、普天間飛行場の5〜年以内の全面返還を発表
4月17日 「日米安全保障共同宣言」発表
12月 2日 SACO最終報告で普天間基地の代替施設建設地として「沖縄本島東海岸沖」が盛り込まれる
1997年 9月23日 日米安保協が「日米防衛協力のための指針」(日米新ガイドライン)に合意
1999年 5月24日 周辺事態法などガイドライン関連3法が成立
2001年 9月11日 9・11反米ゲリラ戦争
10月 5日 テロ特措法成立
2003年 3月20日 米帝、イラク侵略戦争開始
6月 6日 武力攻撃事態法など有事関連3法成立
7月26日 イラク特措法成立
2004年 8月13日 沖縄国際大学構内に米軍ヘリ墜落
9月 9日 辺野古海上ボーリング着工に反撃。連日の海上阻止行動で中止にB
2006年 5月 1日 日米安保協で在日米軍再編の最終報告合意
2009年 2月17日 日米政府、在沖米軍基地のグアム移転協定に署名
8月30日 衆院総選挙で自民党大敗
9月16日 民主党・連合政権発足
2010年 4月25日 米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還を求める県民大会に約9万人が参加
5月28日 日米政府が辺野古崎地区とこれに隣接する水域を移設先とする共同声明発表

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週刊『前進』(2442号5面1)(2010/06/07 )

 米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ!

 国鉄1047名闘争と一体で新たな安保・沖縄決戦を開け

 革共同沖縄県委員会

 5月28日、普天間基地の辺野古移設の日米共同声明が発表され、同日閣議決定が強行された。この日、名護と那覇では抗議集会が開かれ、民主党・連合政権と徹底的に闘い、辺野古新基地建設を絶対阻止する新たな闘いが始まった。この闘いは大恐慌情勢下の新たな安保・沖縄決戦であり、プロレタリア革命の勝利までやむことはない。この闘いは新たな国鉄1047名解雇撤回闘争と一体で発展していく。「5・15闘争で、ついに〈国鉄〉と〈沖縄〉が結びついた! ここに70年安保・沖縄決戦を超える闘いの壮大な展望をつかんだ」(5・15集会基調報告)。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ、6・13集会に大結集しよう!
(写真 1200人が参加し名護市役所中庭で怒りの集会【5月28日】)

 辺野古案強行の日米共同声明と閣議決定許すな

 5月28日の日米安全保障協議委員会(SCC、2+2)が発表した日米共同声明は、「06年5月1日のSCC文書『再編実施のための日米ロードマップ』に記された再編案を着実に実施する決意を確認した」として、普天間基地の移設先として「オーバーランを含み、護岸を除いて1800bの長さの滑走路(複数形!)を持つ代替施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置する意図を確認した」と明記し、再び三たび辺野古新基地建設の強行突破を宣言した。
 民主党・連合政権がどう言おうが、これは現行案(V字沿岸案)への回帰である。そして大恐慌情勢下で日米安保同盟の「深化、変革、再編」をあくまでも進めるという意味では、今回の日米共同声明は06年5月1日のSCC文書を超えて、帝国主義の侵略戦争と帝国主義間戦争・大国間の世界大戦への突入を意味する歴史的文書である。
 これを民主党・連合政権は3月26日に起きた韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件を奇貨として、北朝鮮侵略戦争に向けたいわば「宣戦布告」として今回の日米共同声明を発表し、閣議決定したのだ。そしてその足で直ちに鳩山は韓国を訪問し、イミョンバクとの首脳会談に臨んだのである。
 実際、嘉手納基地には外来機が押し寄せ、実戦さながらの演習を繰り返している。5月26日からはF22ステルス戦闘機が一時配備されている。これは4回目のことで、ニューメキシコ州ホロマン空軍基地所属の同機が嘉手納基地に一時配備されるのは初めてだ。さらに岩国基地に一時配備されているFA18ホーネット戦闘攻撃機やAV8Bハリアー垂直離着陸攻撃機も駐留し、FA18がクラスター弾や改良ナパーム弾の投下演習を繰り返していることも確認されている。キャンプ・ハンセンの新射撃場でのグリーンベレーによる実弾訓練が始まり、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンでの救助訓練(米兵をヘリから宙づりにして行う)なども激化している。その中で米兵による事件が頻発している。
 これらはすべて北朝鮮への侵略戦争策動そのものだ。その中で沖縄は、「戦場の島」というべき状況となっている。この現実を積極的に確認し、さらに実際の侵略戦争・世界戦争へカジを切るものとして、今回の日米共同声明と閣議決定が行われたのである。これに対して労働者階級はいかなる態度をとるのかが問われている。5・28で開始された闘いは、大恐慌情勢下で帝国主義の侵略戦争・世界戦争と対決し辺野古新基地建設の絶対阻止を宣言したものである。沖縄の労働者階級は最先頭で闘う決意を全世界に示したのだ。
 「ここではっきりさせるべきことは、帝国主義は、国内で労働者を分断し、相互に競争させ、強搾取を実現するが、それは国際レベルでも、他国の労働者と対立させ、競争させる。それが労働者支配のテコとされる。そしてこの攻撃の極致は戦争である。ここでは、労働者同士を国際的にお互いに殺し合わせるのである」(本紙2440号清水議長論文)
 この分断・対立をもたらしているものこそ日米安保同盟だ。しかし、この日米安保同盟がいま歴史的な危機にたたき込まれている。大恐慌情勢下で進行している事態は、「帝国主義間争闘戦の激化、貿易戦争、為替戦争、資源戦争、勢力圏の形成の激闘である。そして、争闘戦の究極の言葉は戦争であり、帝国主義の侵略戦争、帝間・大国間の世界大戦への突入である」(同)
 しかしこの究極の言葉を本当に「吐けるのかどうか」が日米安保同盟の危機として日米両帝国主義をギリギリと締め上げている。もはや沖縄の米軍基地は「敵地」に置かれ、沖縄の労働者階級人民の敵意に包囲された基地と化している。
 米帝が「地元合意」にかたくなにこだわる理由はここにある。普天間基地のみならず嘉手納基地撤去を要求する運動に発展しかねないという沖縄の支配階級の悲鳴は的を射ていると言わなければならない。日米安保同盟は風前のともしびだ。「日米安全保障条約の署名50周年に当たる本年」(SCC文書)に、ここまで日米安保同盟が危機に陥っていることは日米両帝国主義にとって最悪である。大恐慌情勢下の日米安保粉砕闘争は日米帝国主義打倒のプロレタリア世界革命に直結する闘いとなったのだ。

 唯一の安保粉砕派として鮮烈に登場した5・15

 「復帰」38年目の5・15沖縄闘争はこのような情勢の中で闘われ、青年労働者と学生を先頭に歴史的な勝利を切り開いた。その第一の意義は、沖縄の労働者階級の歴史的根底的な決起の情勢のもとで全勢力が日米安保同盟との闘いを放棄した中で、唯一われわれのみが〈安保粉砕派〉として鮮烈に登場したことである。沖縄の労働者階級の怒りを真に解き放つ道筋を「日米安保粉砕・基地撤去」として鮮明に示した。
 第二に、一切の勢力が民主党・連合政権にとり込まれる一方で、沖縄の階級闘争がいわば69年「2・4ゼネスト」前夜というべき情勢を迎える中で、革命的左翼が青年労働者と学生を先頭に登場し、歴史的転換点として5・15闘争を打ち抜いたことである。
 そして第三の最も重要な点は、国鉄1047名闘争を沖縄の階級闘争・労働運動の路線としてしっかりと打ち立てたことである。第一、第二の問題が時代認識と路線をめぐる攻防だからこそ、戦後日本階級闘争の基軸をなしてきた国鉄闘争こそが沖縄の労働運動の戦闘性・階級性を継承し発展させていく闘いであることを鮮明に訴えて闘い抜いたのだ。
 〈国鉄〉と〈沖縄〉がひとつにつながることで、70年安保・沖縄決戦をこえる闘いを大恐慌情勢下に切り開いていく主体的武装と飛躍をなし遂げ、確信としてつかんだ。また、そのようにとらえた時、戦後沖縄の階級闘争・労働運動を戦後日本のそれと一体の闘いとして総括していくことが可能になったのである。
 第四に、5・15闘争を全国の同志、闘う労働者とともに担い抜き、沖縄県委員会建設の新たな段階を切り開いたことである。これは、革共同を〈単一の労働者階級の党〉として建設する闘いが職場での実践的な苦闘を経てついに到達した地平である。
 沖縄と本土の労働者階級の分断を打ち破っていくことは、つまるところ単一の労働者党建設に勝利できるかどうかにかかっている。それは「国鉄闘争を闘う党」として沖縄県委員会が断固登場するということだ。同時にこの闘いの中でこそ階級の指導部が建設されていくことを、沖縄の青年労働者が実践的に示した。そして沖縄県委員会こそが沖縄100万プロレタリアートの責任ある階級的指導部として登場することを5・15闘争で宣言したのである。
 総じて、大恐慌情勢下の新たな安保・沖縄決戦を切り開く闘いとして5・15闘争を打ち抜いたことが今日の情勢において決定的な意義をもっていることを確認したい。

 6・13集会から沖縄労働運動の新時代が始まる

 日本と沖縄の階級闘争の歴史的決戦期を迎えた。われわれに問われていることは勝利の路線と展望を労働者階級に指し示し、先頭で闘うことである。
 民主党・連合政権が「最低でも県外」と口にしたことが沖縄の労働者階級人民の「期待」を膨らませ、それを「裏切った」ことが怒りを倍加させている。そのことは確かに事実である。しかし核心問題は、「基地の島」の現実に対して「もう我慢できない!」という怒りが根底から爆発し始めたことである。したがって求められているのは日米安保同盟の粉砕であり、沖縄米軍基地の全面的な撤去である。実際、地元紙の世論調査でも辺野古移設反対84%、その中で県外移設16・4%、国外移設36・4%に対して、基地の無条件撤去が38%となっている。普天間基地のある宜野湾市でも辺野古移設反対が96・5%であり、無条件撤去が75・6%にのぼっている。そして日米共同声明のみならず日米安保条約そのものが受け入れられないとなっている(5月31日付琉球新報)。
 「県外・国外移設」論議は、このような沖縄の労働者階級人民の闘いに対する「毒」を含んだ攻撃である。「自分の(沖縄の)苦しみを他の人たちに味わわせたくない」という「素朴」な思いは、しかし階級的な原則を貫こうという苦闘でもある。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」は闘いの原則だ。だが「県外・国外移設」は、つまるところ「自分さえよければ」という考え方を生み出すことになる。それは労働者階級の中に分断を持ち込み、沖縄の労働者階級に本土の労働者階級への不信をあおる思想である。また、何よりも沖縄の労働者階級人民の誇り高い闘いの歴史をおとしめ、結局、敵の県内移設攻撃に対して絶対反対で闘うのではなく、それを容認する思想となるのだ。
 民主党・連合政権は、一方ではあくまでも沖縄に基地を押しつけながら、他方では「県外・国外移設」という「毒」を振りまいて労働者階級の中に分断を持ち込み、闘いを圧殺することを狙っている。それゆえ、かつての「反復帰論」や「独立論」の流れをくみながら、「沖縄差別論」と表裏一体のものとして、仲井真知事や体制内指導部、さらには労働者階級不信に固まったやからの中から「県外・国外移設論」が出ていることをあいまいにしてはならない。それは今までとも次元を異にする激しいものだ。
 求められていることは「労働者階級はひとつ」の思想を復権することだ。帝国主義と体制内指導部の振りまく階級分断攻撃に対して、階級的な団結を対置して闘うことである。
 その場合に重要なことは、やはり日米安保同盟こそが、沖縄と本土の労働者階級の間に、そして日本と全世界の労働者階級の間に打ち込まれた分断のくさびだということである。これと徹底的に闘いぬき、階級的団結を沖縄・日本・全世界の労働者階級人民の中によみがえらせよう。国際プロレタリアートの階級的団結こそ日米安保同盟を粉砕し、沖縄の米軍基地撤去を実現していく力である。
 われわれは国際プロレタリアートの階級的団結を実現する闘いをすでに激しく展開している。動労千葉を先頭とする国鉄1047名解雇撤回闘争がそれだ。国鉄闘争と安保・沖縄闘争はともに国際プロレタリアートの階級的団結を復権し、強化し発展させる闘いだ。この闘いはふたつにしてひとつである。「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」は、国鉄1047名闘争を闘う団結でこそ勝利できる。70年安保・沖縄決戦以来の闘いが、ついに大恐慌情勢下に、革共同の沖縄奪還綱領の主体=担い手としての国際プロレタリアートの歴史的登場を手繰り寄せたのだ。
 だからこそ6・13国鉄大集会は沖縄闘争そのものでもある。4・25〜5・15から激しく闘われている沖縄の階級闘争・労働運動の未来と展望を唯一指し示す集会だ。ここから労働運動の新しい時代が始まる。それは沖縄の階級闘争・労働運動の新たな時代をこじ開けるものだ。
 〈国鉄〉と〈沖縄〉をどこまでも一体で闘い、労働者階級の勝利する時代をわれとわが手で手繰り寄せよう! 基地労働者を先頭に、動労千葉とともに闘う階級的労働運動を復権し、全世界の労働者階級と固く団結して米軍基地撤去・安保粉砕の沖縄全島ゼネストの実現へ! 「国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回! 米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」の旗のもと、闘う沖縄の労働者は革共同沖縄県委員会に結集し、ともに勝利の時代をつかみ取ろう。

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週刊『前進』(2442号5面2)(2010/06/07 )

 5・28沖縄 “基地押しつけ許さぬ”

 名護と那覇で怒りの集会

 5月28日、「日米共同声明」への怒りの声が沖縄全島に響き渡った。名護市役所に1200人、那覇市の県庁前県民広場に1500人(いずれも主催者発表)が結集し、新たな闘いを誓い合った。開会時には強い雨が降り、傘やカッパで雨をしのぎながらの参加となった。仕事が終わって駆けつけた労働者、おじいおばあから子どもたちまでが市役所の中庭を埋めた。高教組は分会旗を掲げて結集した。学校からそのまま制服姿で参加した女子高校生もいた。
 開会宣言、稲嶺名護市長のあいさつの後、決意表明が続いた。何よりも14年間にわたって基地建設を阻止してきた勝利性と新たな闘いを決意する集会としてかちとられた。名護の地でこれだけの怒りと戦闘性満ちあふれる集会は久方ぶりだ。
 沖縄労組交流センターとうるまユニオンの労働者が集会参加者にビラを配った。みな手を伸ばして受け取り、食い入るように読んでいる。「これだけの注目度でビラが受け取られたのは初めてだ」と名護の労働者が語っているように、闘いの方針を求めて名護の労働者階級人民が結集したのだ。
 同時刻、県庁広場に結集した労働者に沖縄労組交流センターの仲間が6・13大集会のタブロイド判を配布した。ほとんどの参加者が受け取り、集会そっちのけで読んでいる参加者もいた。
 発言に立った沖縄4区選出の民主党国会議員には冒頭から激しいヤジと怒号が飛んだ。「離党してからモノを言え!」「お前も共犯だ!」。この国会議員は卑屈な弁解に終始した。社民党も「福島党首は頑張っている」としか言えないありさまだ。街頭でも「ワジワジーしている」「次の選挙で結論が出る」「運動を継続して現政権と対決していく」という声が相次いだ。
 日米帝は8月末までに工法を決定し、9月の日米安全保障協議委、11月の日米首脳会談というプランで進めようとしている。しかし、7月参院選、9月沖縄統一地方選、11月県知事選と、沖縄は「政治決戦」の年でもある。日米帝の思惑どおりに進むわけがない。裏切り者=民主党への怒りは極点に達している。
 社民党は実はもっと悪質だ。「県外・国外移設」を率先して進めようとしている。「移設論議」は労働者階級への分断攻撃そのものだ。「県外移設」「国外移設」とも、労働者階級の立場ではない。あくまでも基地撤去であり、日米安保同盟粉砕こそ沖縄と本土、全世界の労働者階級の団結して進む道である。

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週刊『前進』(2442号5面3)(2010/06/07 )

 沖縄を戦争の拠点にするな!

 6・23全国一斉行動に立とう

 辺野古新基地絶対阻止へ!

 「沖縄を北朝鮮侵略戦争の拠点にするな! 辺野古新基地建設阻止」を掲げ、6・23全国一斉行動に立ち上がろう!
 (1面に東京の要項)
 誇り高き沖縄県民の闘いが、ついに鳩山を打倒した。「人殺しにつながる基地は絶対に認められない」――5月28日、降りしきる雨の中、名護市民集会の参加者は「怒」のプラカードを高々と掲げ、鳩山が強行した日米共同声明は絶対反対だと闘った。戦争絶対反対の怒りが鳩山を打ち倒したのだ。
 6・23闘争は日米帝国主義の北朝鮮侵略戦争を阻止し、沖縄からすべての基地を撤去する闘いだ。1945年6月23日は「沖縄戦が終わった日」とされたが、アメリカ軍の住民虐殺は8月15日以降も続いた。逃げまどう日本兵による住民虐殺も相次ぎ、24万人の戦死者のうち、約18万人が婦人や幼児など非戦闘員であったと言われる。「軍隊は民衆を守らない」――これが沖縄戦の教訓となり、6・23は「反戦・反基地の日」として沖縄の闘いの原点となってきた。
 安保は戦争だ。イラク・アフガン侵略戦争を見よ! その戦争は、帝国主義同士の市場、資源、勢力圏をめぐる強盗戦争であり、資本家の金もうけのための腐りきった戦争だ。そして本来、仲間である労働者同士を競争させ、分断し、殺し合わせる。日米安保同盟こそ資本家のための強盗同盟であり、労働者支配の同盟である。
 「県外移設・国外移設」「負担軽減」――戦争を前提とした、くだらない分断なんかぶっ飛ばそう。沖縄の怒りが爆発するとき、本土の労働者と全学連の学生は命がけで闘いに立ち上がってきたのだ。70年安保・沖縄闘争を闘った星野文昭さんは、デッチあげの不当弾圧で無期懲役とされ、35年たった今も獄中で沖縄と断固連帯して闘いぬいている。沖縄−本土の分断をはねのけ、4・25県民大会、5・16普天間基地包囲行動にも本土から青年が参加し、また本土でも4・28沖縄闘争を闘った。
 労働者をなめるな!
闘いはこれからだ。沖縄−本土の団結で戦争と改憲の民主党政権を打倒しよう!

 日米安保粉砕こそ勝利の道

 「日米安保粉砕!」――これこそ北朝鮮侵略戦争阻止、日本帝国主義打倒の最大の近道である。日米安保こそ、沖縄に基地を押しつけ、世界中で侵略戦争を引き起こしてきた元凶だ。
 5月28日の日米共同声明は絶対に許せない。声明は「日米同盟が日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の平和、安全及び繁栄にとっても引き続き不可欠であることを再確認した」「日本は地域の平和及び安定に寄与する上で積極的な役割を果たすとの決意を再確認した」と日米安保を正当化し押しつけている。
 「沖縄の思い」など一顧だにせず、「基地建設が著しい遅延がなく完了できることを確保する」ことや、北朝鮮・中国侵略戦争のための米軍再編を着実に実施する決意を確認している。民主党政権は沖縄を戦場にして、朝鮮や中国で戦争をやると宣言しているのだ。
 日米安保同盟はアメリカ帝国主義の世界支配の存続にとって不可欠であり、日本帝国主義の存亡のかかった問題だ。そのためには世界を戦争に引きずり込んでも構わない――この日本帝国主義の打倒と沖縄米軍基地撤去は一体だ。
 今回の共同声明で日米安保が強固になり、危機が回避されたわけではまったくない。ますますその矛盾は深まっている。根底にあるのは大恐慌下における日米帝国主義の崩壊的危機と争闘戦の激化だ。それぞれが生き延びるためにアジアにおける労働力、資源、市場をめぐって日米の支配階級は根本的に対立している。日米安保を使って独自の戦争国家化へと突き進む日本帝国主義は、アメリカ帝国主義との帝国主義間対立をますます深める中で、日米安保同盟政策の一層の危機と破綻を深めるしかない。
 その安保の最大の実体が沖縄米軍基地である。沖縄と本土の労働者がこれと非和解で闘っていることが安保の最大の弱点だ。この弱点をつかんで放さず、日本帝国主義の戦争国家化、北朝鮮侵略戦争を許さず闘い、帝国主義の世界支配を終わらせよう。
 朝鮮半島では、民主労総ソウル本部の労働者たちが日本の労働者の闘いに感動し、連帯し、戦争準備を進めるイミョンバク政権と闘っている。ギリシャのような労働者のストライキが、朝鮮で、中国で始まっている。日本でも始めよう! 沖縄の闘いに連帯し、成田では三里塚農民が軍事空港絶対反対で44年間闘い抜いている。沖縄闘争で世界を変えよう。誰もが人間らしく生きられるプロレタリア世界革命を実現していくものとして、「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」のスローガンを高々と掲げ、6・23闘争を闘おう。

 青年労働者が闘いの先頭に

 闘いの行く方を決するのは青年労働者だ。7月参院選情勢をぶっ飛ばし、街頭を労働者のデモで埋め尽くし、「労働者に権力をよこせ」と登場しよう。それが6・23闘争だ。
 鳩山は辞任表明で「5年10年たてば、自分のやってきたことは正しかったと分かる」などと居直っている。絶対に許せない。鳩山辞任で首をすげ替え、あくまで辺野古に基地を建設しようとする民主党政権をぶっ飛ばそう。
 未来をつくり出すのは議会ではない。自らの闘いで未来を切り開くことができるのが、われわれ労働者だ。階級的労働運動だ。沖縄の闘いに連帯し、6・23闘争に大結集しよう。

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週刊『前進』(2442号6面1)(2010/06/07 )

 泉佐野市議選 革命的な挑戦に勝利

 階級的労働運動路線を貫き地区党建設の前進かちとる

 革共同泉州地区委員会

 5月16日投開票された泉佐野市議選で、国賀祥司(こくが・よしじ)議員は1192票を獲得し連続7期目の当選を果たした。国賀候補への投票は「大恐慌をプロレタリア革命へ」の呼びかけに応えた偉大な階級の決起だった。市議選闘争を前に、われわれは「今回の選挙は階級的労働運動路線を貫き4大産別に党を建設する闘いだ。地区党建設が目的であり、選挙のための特別な方策はない」と確認し、この革命的挑戦的な闘いをやり抜き勝利した。1930年代型の内乱的選挙戦で、反スターリン主義・革命的共産主義の党が労働組合と労働運動をめぐる革命と反革命の激突に勝利した画期的闘いである。
(写真 選挙戦終盤の5月14日、国賀議員を先頭に「財政健全化」反対を訴え泉佐野市内をねり歩く)

 公務員労働者の首切りと民営化に絶対反対で 

 泉佐野市政は、中曽根政権から始まった新自由主義政策である関西空港建設と空港関連事業で銀行や大企業にボロもうけさせ、1200億円もの借金をつくり「財政早期健全化団体」に転落した。自民党・新田谷(にったや)市長は本年2月臨時議会で、19年間で市職員と住民労働者に536億円も負担させる「財政健全化計画」を賛成12反対8で通過させた。実際は最初の2年間で100人の市職員の退職を見込むなど激しいリストラ攻撃だ。反対のうち3人は大阪府知事・橋下に連なる新自由主義派で、もっと短期間の急激なリストラと「財政再建」を要求した。
 泉佐野の「財政健全化」は、政策的失敗ではなく新自由主義の破産をさらなる新自由主義=道州制にたたき込む、全国自治体での最先端の攻撃である。
 資本主義の世界的な破綻の現実が財政破綻にこそ示されている。世界大恐慌にのたうつ帝国主義は、ギリシャに典型的なように、財政破綻を公務員労働者の大量首切り・賃下げと大増税によって労働者階級に犠牲を転嫁して生き延びようとしている。日本では民主党・連合政権のもとで「自治体財政破綻」を強制し、極限的な新自由主義攻撃である道州制=「自治体まるごと民営化」を推し進める攻撃が「財政健全化」なのだ。闘わなければ労働者の団結はとことん破壊され、階級的なものが一掃され、戦争への道が敷かれていくのだ。
 大恐慌下で「財政破綻」をテコにした道州制攻撃に、ギリシャの労働者のようにゼネスト=事実上のプロレタリア革命を対置し、国鉄決戦の勝利で世界革命への道を切り開く階級決戦としての選挙闘争が問われた。党の路線を1ミリもあいまいにせず、「泉佐野は日本のギリシャだ! 財政健全化絶対反対でギリシャの労働者のように闘おう」と、住民労働者に真っ向から訴えた。「空港の借金など返す必要はない! 資本家と国に責任をとらせろ」と国賀候補は街頭で演説した。
 すべての党派が健全化をめぐる議論に引き込まれ、態度表明を迫られた。資本主義の打倒か救済かが争点となり、革命と反革命(ファシスト的新自由主義派、日本共産党スターリン主義、保守極反動)が激突した。われわれは「財政健全化」絶対反対・鳩山政権打倒を掲げ、実生活のレベルから階級的団結をつくり出す闘いを最後まで貫いて、1192人の偉大な革命的決起を実現し勝利したのだ。

 職場の怒りと結合して4大産別での展望開く

 「財政健全化」絶対反対は、「市職員188人のリストラを許すな! 民間も公務員も労働者は団結して闘おう」という全戸ビラ、宣伝、オルグを全市で繰り広げることが核心だった。公務員バッシングは現実に浸透しており、分断攻撃を打ち破ることは最後まで容易ではなかった。しかし、われわれは逃げなかった。プロジェクトチームが熟慮してつくりあげたビラは圧倒的に読まれ論議を巻き起こした。住民労働者との徹底討論をやり抜き、分岐を積極的につくり出していった。市役所に、市民病院に、保育所に積極的に進出して、自治体労働者の獲得・組織戦を終盤までやりきった。当選至上主義では成しえない、まったく画期的な闘いだった。
 4大産別(国鉄、自治体、教労、全逓)とりわけ自治体に組織を建設する闘いは、選挙戦で始まったわけではない。昨年春から地区党は、市民病院の統合と独立行政法人化に反対して、「問われているのは労働組合だ! 動労千葉のように闘えば勝てる!」と関西合同労組泉州支部のビラを集中して入れてきた。サービス残業に協力し、独法化と闘わない全労連=市職労幹部を徹底批判し、ランク・アンド・ファイルの決起を呼びかけてきた闘いを、健全化絶対反対の闘いの中で全面的に解き放ったのだ。
 選挙戦に突入し、健全化絶対反対の主張が全市を席巻する中で現場労働者の反応が急速に変化したことを、われわれは見逃さなかった。
 民営化を率先する自治労、財政再建に協力する全労連=市職労に怒りと危機感を深める現場労働者は、皆ビラを受けとり、健全化絶対反対の署名に協力した。オルグの中で、保育所ではこの春、1園の民営化と1園の廃止で36人のパート労働者が雇い止め解雇されたことが判明した。市職労は何ひとつ闘わなかった。健全化計画は外部監査報告を受けて7園すべての保育所を民営化し、パートも正規も全員解雇する攻撃だ。民営化=首切りと闘う本物の労働組合を現場労働者が切実に求めていることがはっきりした。動労千葉が4月検修全面外注化を阻止したように、絶対反対で団結を貫けば勝てるのだ!
 告示日の直前ではあったが、産別労働者も加わって現場労働者の交流会を組織することに全力を投じた。ついに自治体労働者を組織する展望を切り開いたのだ。

 リストラ推進・団結破壊の日共現職市議を倒す

 市職員は、10年前の1000人が、これまでの「財政再建」ですでに300人減らされ、さらに188人がリストラされれば半減する。賃金カットされた上で文字どおり「半分の人数で2倍働け」という道州制攻撃が襲いかかっている。パート労働者を加えれば、すさまじいリストラが進んでいる。この攻撃と闘わない労働組合とはなんなのか! 泉佐野では自治労より自治労連の市職労が勢力を持っており、日本共産党こそ労働者階級の怒りを抑え込む最悪の「革命の防波堤」だ。
 健全化で大リストラ攻撃を受けている時、「地域住民の繁栄(「地方ブルジョアジーの繁栄」と読め!)なくして自治体労働者の幸福はない」(市職労機関紙)と組合員を屈服させ、財政再建=リストラをのめと抑圧する日本共産党の正体は、われわれの批判と暴露によって日に日に明らかとなった。国鉄1047名解雇撤回闘争での裏切りと同じことを泉佐野でやっているのだ!
 危機感を深め街頭でわれわれにくってかかったのが、前市職労委員長の現職議員・高道一郎だった。「首切りと闘わない市職労幹部は許せない」というわれわれの訴えが直撃し、高道は労働者の支持を失って落選した。われわれの闘いが追いつめ打倒したのだ。日共の候補は、いずれも公務員バッシング・公務員大リストラとの闘いから完全逃亡し、保守派や公明党と「どぶ板」の成果を争う腐り果てた姿をさらして議席を減らした。
 反スターリン主義の革共同が労働運動の大地で日本共産党を打倒し、階級の革命的決起を実現することは絶対にできる! われわれは選挙戦という厳格な決戦場で日本共産党との党派闘争に勝利した。労働者階級はその先頭で闘うわれわれを断固支持したのだ。

 革命・プロ独を担える地区党への飛躍めざし

 全過程で地区党が責任をとって蜂起戦に勝利した。選挙戦の獲得目標は、大恐慌下での典型的な道州制攻撃に対し、革命を対置して闘う地区党をつくり出すことであった。それは革命的議会主義を文字どおりに実践して、労働組合をめぐる革命と反革命の攻防に全面的に突入し、4大産別、とくに自治体に細胞をつくり出す展望を切り開くことであった。その闘いの貫徹として選挙にも勝とうとした。地区党の変革(関西地方委員会の変革)を核心軸として、革命情勢に応えるプロレタリア革命党への断固たる飛躍に挑戦し勝利した闘いであった。 
 選挙闘争は関西地方委員会の路線的指導のもとで、泉佐野現地選対本部の全責任を泉州地区党指導部が担いきった闘いだった。
 地区党は、年頭のあいさつ回りですべての支持者に国賀立候補を伝えるところから始めた。財政健全化絶対反対で選挙戦を闘う方針を打ち立てた後、続々と全国から駆けつけてくれた同志たちとともに議論を重ね、一致をかちとって、闘いをつくっていった。党の路線を貫き党を建設する選挙戦だったから、すべての同志が解放的にまっすぐに階級の中に飛び込んでいった。中軸に地区党がぶっ立ってこそ、それが可能となったのだ。
 これまでの当選至上主義のオルグ団選挙ではなく、労働者の組織戦も住民オルグも宣伝戦も、すべてに党建設の目的意識性を貫いて闘った初めての選挙戦だった。この闘いに責任をとるのは泉州地区党以外にない。地区党建設が目的なのだ。地区党指導部がぶっ立って団結をつくりあげ、同志たちは縦横無尽の闘いをやり抜いた。集票オルグに代わり、宣伝・扇動を重視し、重層的にあらゆる闘いを担いきった。
 ここで確認したいことは、当選のために支持の確定・分解に走る戦術主義や、さまざまな危機に対し、関西地方委員会とともに地区党が立ち上がってのりこえ、路線を強化していったことだ。われわれは断固として自治体現場労働者の交流会を設定し、一丸となって組織建設に決起した。
 選挙は、最後は党派が全力量を投入する総力戦だ。告示後においては、路線的大前進を土台にした上で、最後の瞬間まで攻めきって蜂起戦を貫徹してこそ勝利できるのだ。われわれは毎晩議論を尽くし、地域でのねり歩き、ウグイスのスポット演説の展開、退勤する労働者への合同労組の訴え、全戸ビラの貫徹という重層的な闘いをやり抜いた。この蜂起的闘いがなければ勝利を手にすることはできなかっただろう。
 事実、投票総数の2割が期日前投票という結果であり、他候補は連日必死になってバスやワゴン車を連ねて投票を組織し票を積み上げていた。地区党指導部が蜂起の指導部となり蜂起戦を貫徹することで、最後の当選勝利をもぎとることができたのだ。
 選挙の勝利は始まりにすぎない。党建設の突破口をこじあけたにすぎない。闘いはこれからであり、本当の勝利もこれからなのだ。このことをわれわれは厳に確認する。
 国賀議員は選挙後の総括会議で述べている。
 「今回は路線で闘う選挙だった。公務員バッシングとの闘いで路線を貫いた。橋下に連なる新自由主義派は公務員バッシングをあおって選挙をやった。これとの対決だった。この時代、路線で勝負しないと議員が存在する意味がない。革命を語って獲得する選挙を開始した。今後、自治体で、闘う労働組合を建設することで勝利と言える」
 われわれは、同じく以下の確認をもって総括会議を締めくくった。
 「国鉄分割・民営化の時、動労千葉がストで闘ったような闘いを選挙の中でやることができた。路線を貫くことができた。共産党・高道を追いつめ落としたことは大きい。われわれが自治体労働者の承認を得たということだ。泉佐野でできたことは全国でできる。これからの組織建設に地区党は責任をとる。それで勝利と言える」
 今後の方針は鮮明だ。国鉄を基軸とする4大産別での組織建設に地区党が責任をとり、ここに階級的労働運動と党細胞を建設することだ。自治体労働者が自ら立ち上がってこそ「財政健全化」をぶっ飛ばし、プロレタリア革命への大前進をかちとることができる。
 われわれは革命の成否をかけ、泉佐野の地に強大な革共同を建設することを誓う。選挙闘争に勝利した力で、6・13大集会に総決起する。

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週刊『前進』(2442号6面2)(2010/06/07 )

 廃道阻止へ闘う三里塚 現地報告

 “市東さんの決起に続け”

 全学連行動隊が最先頭で

 やぐらの上で

 「市東孝雄さんの決起に続け! 団結街道の閉鎖・廃道化など絶対に許さない!」
 三里塚現地は今、国家権力と空港会社(NAA)に対する怒りと勝利への気概がみなぎっている。
 天神峰の市東さん宅の敷地に建てられた団結やぐらには、早朝5時から日が暮れるまで支援連のメンバーが交代で監視に立つ。機動隊、私服警察、警備会社などの車両や人員の動きを細大漏らさず監視し続けている。成田市はNAAにこの団結街道(市道)を「財産」として売却する手続きを異様な早さで進めた。暴力的封鎖がいつ始まってもおかしくない緊迫した情勢だ。
 6月1日午前、全学連のF君が双眼鏡を片手に監視活動を行っており、やぐらの上で話を聞いた。「昨日の援農で中腰の姿勢が多くて、ちょっと筋肉痛が……」と照れ笑いした。「三里塚に来るまでは農業を体験する機会はほとんどなかったが、土と作物に直に触れたことで、農地や農民の誇りを土足で踏みにじり軍事空港建設を進めようとする国家権力に心底怒りがわきました」
 やぐらの上からは団結街道が現闘本部建物の先まで一望できる。今は道の両脇は殺伐とした高い鉄板のフェンスで遮へいされているが、かつてはこの道の左右両側に反対同盟員の家屋があり畑が広がっていた。そういう豊かな農村風景だったことをF君は「ちょっと想像できない」と言う。
 国家権力と空港公団(現NAA)の暴力と金による卑劣な切り崩し攻撃によって、少なからぬ農民が反対同盟から離れていった。村を破壊し、農業を破壊して強行された空港建設を許すことはできない。しかし敵は反対同盟の固い団結を、そして世代を継いで闘う革命的農民をつぶすことはついにできなかった。この44年という「持久戦」に彼らは悲鳴を上げている。やぐらから見えるへの字に曲がった誘導路は、労農学人民の勝利性を敵に刻印している象徴だ。そしてこのやぐらは市東さんの発案で建てられたものなのだ。
 ふと下を見ると、事務局長の北原鉱治さんが車から降りるところだ。
 声をかける間もなく北原さんは、やぐら監視台へのはしごを上り始めた。しっかりした足取りでたちまち上まで到着した。年齢を感じさせない身軽さに驚かされる。
 「成田市街で情宣を行ってきた」と北原さんは語った。自らマイクを握り労働者市民に向けて、市東さん逮捕・勾留と団結街道廃道化攻撃を弾劾するアピールを行ってきたところだ。
 北原さんはやぐらから見渡せる四方の風景を確認し、F君を激励した。「ここで立っていると寒くはないか」「大丈夫です」と会話がはずむ。
 太平洋戦争を経験した北原さんが日頃口にする「若者は自分の未来のために立ち上がれ」という言葉には、万感の思いが込められている。この日も北原さんは青年・学生こそが希望であることを強くにじませた。
(写真【上】 市東宅にそびえ立つやぐらから警察の動向を監視【6月1日 天神峰】)
(写真【下】 双眼鏡を片手にやぐらの上で監視活動を行う全学連行動隊を北原さんが激励に訪れた)

 作物も懸命に

 5月24日の「第3誘導路」公聴会粉砕デモで萩原富夫さんが不当逮捕された。市東さんは獄中でその報に接し、富夫さんへ向け「がんばれ。ともに闘おう」と呼びかけた。
 NAAの看板設置に対する市東さんの弾劾は、「団結街道閉鎖など絶対に許さない!」という不屈性と農業への限りない愛情が込められた、根底的な怒りの爆発だった。これぞ三里塚実力闘争の真骨頂だ。敵は完全に圧倒され、全国の闘う人びとは強く心を打たれた。
 晴天のもとで、天神峰の市東さんの畑にはいつもどおり青々とした野菜が育っていた。農作業中の現闘の同志に「作物の生育状況はどうですか」と聞くと、「あるじの獄中闘争にこたえて作物も一生懸命育っているよ」と明るい答えが返ってきた。実際には支援連・現闘の同志たちが、これまで続けてきた無農薬有機栽培の水準を少しも下げることなく、農地を守り農作業に励んでいるのだ。市東さんはそこに全幅の信頼を寄せ、完黙で闘っている。
(写真 市東さんが戻る日までこの畑を立派に守り抜く)

 6・27集会へ

 三里塚反対同盟は、現地行動への積極的参加と緊急時の総力決起を訴えている。すでに全学連は「団結街道現地決戦行動隊」を組織し全国の大学から学生を派遣している。監視行動、援農、街頭宣伝、逮捕者への支援・激励など三里塚で今必要とされている力、特に青年・学生の若い力はいくらあっても足りないくらいだ。
 反対同盟は6・27全国結集闘争の呼びかけを発した。市東さんの闘魂に続き、三里塚現地へこぞって駆けつけよう。
 (本紙・田宮龍一)

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週刊『前進』(2442号6面3)(2010/06/07 )

日誌'10 2010年 5月26日〜6月1日

 辺野古移設方針を閣議決定/社民党が政権離脱

●日米共同声明で辺野古明記 日米の外務・防衛担当4閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を同県名護市のキャンプ・シュワブ辺野古崎地区および隣接水域とする共同声明を発表した。代替施設の詳細な位置や工法の決定は先送り、検討を8月までに完了させるとした。(28日)
●辺野古移設を閣議決定 鳩山首相が臨時閣議を開き、米軍普天間飛行場を名護市辺野古周辺に移設するとした政府方針を閣議決定した。これに先立ち、社民党党首の福島・消費者担当相が閣議決定への署名を拒んだため罷免した。(28日)
●NPT会議が最終文書採択 国連本部で開かれていた核不拡散条約(NPT)の再検討会議が64項目の行動計画を盛り込んだ最終文書を全会一致で採択、閉幕した。再検討会議での文書採択は10年ぶり。(28日)
●名護市長「受け入れられない」 日米両政府の共同声明に対し、名護市の稲嶺市長は「到底受け入れられない。実現可能性はゼロだ」「交渉には応じない」と断言した。 (28日)
●アフガンでの米軍死者千人に AP通信はアフガニスタンでの米軍の死者が01年の米軍による攻撃開始以来、千人に達したと報じた。(28日)
●「辺野古」反対84% 琉球新報社と毎日新聞社は合同で緊急の県民世論調査を行った。辺野古移設反対が84%に上り、賛成は6%にとどまった。日米安保条約については「維持すべきだ」との回答が7%に減少。(28〜30日)
●「県民の失望と怒り招く」 沖縄県の仲井真知事は、日米両政府の共同声明について「県や地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことは誠に遺憾であり、受け入れることは、極めて厳しいと言わざるを得ない」との談話を読み上げた。(29日)
●日韓首脳会談 鳩山首相は、韓国・済州島でイミョンバク大統領と会談し、韓国哨戒艦沈没事件への対応で協力を強める方針を確認した。(29日)
●米、辺野古拡大を要求 米軍普天間飛行場移設問題に関する日米共同声明に、検討項目として盛り込まれた米軍基地の日米共同使用をめぐり、辺野古につくる代替施設を共同使用する場合は、米側が施設の拡大を求めていることが明らかになった。(29日)
●社民が連立離脱 社民党は、米軍普天間飛行場の移設問題で福島党首が閣僚を罷免されたことを受け、連立政権から離脱することを正式に決めた。民主党は国民新党との連立によって、参院で過半数となる122議席を辛うじて維持する。(30日)
●日中韓首脳会議 韓国・済州島で開かれた日中韓首脳会議で沈没事件について「3カ国首脳は域内の平和と安定を維持するために協議を続け、適切に対処していく」などとした共同報道文を発表した。(30日)
●ガザ支援船10人以上死亡 イスラエル軍は、地中海上でパレスチナ支持の人権活動家らが乗った船団を拿捕(だほ)する作戦を実施、同軍によると船団の10人以上が死亡した。(31日)

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週刊『前進』(2442号7面1)(2010/06/07 )

 6・13大結集へ闘いが進む

 国鉄1047名闘争を解体する政治和解攻撃に対し、「国鉄闘争の火を消すな!」「大恐慌情勢に立ち向かう階級的労働運動をつくり出そう!」と呼びかけられた新たな全国大運動が、6・13大集会の3000人結集に向かって進撃している。動労千葉を支援する会が、4月29日の千葉に続き、5月20日には東京西部で結成された。5月18日に始まった2010年動労千葉物販闘争は6・13集会への組織化の「最高の武器」だ。物販で全国を飛び回る動労千葉組合員を迎えて各地で集会が開かれ、首都圏キャラバンを始めとする街頭宣伝では感動的な出会いが続出している。6・13大集会へ奮闘しよう!
 (写真 5日間の広島県内物販オルグをやりぬいた動労千葉争議団代表の高石さんを迎えて5・29国鉄闘争集会【広島】。)

 国鉄集会

 5月29日、広島で6・13大集会に向けた国鉄闘争集会が開かれ、青年労働者、新入生など新しい仲間を加えて会場を満杯にする70人が参加した。
 5日間の広島県内物販オルグをやり抜いた動労千葉争議団代表の高石正博さんが6・13大結集を訴えた。高石さんは、「船橋事故以来、動労千葉は”一人の組合員のために組合全体で闘う”階級的労働組合になった。今回の『和解案』は国労指導部が組合員を切り捨てるもので、断じて認められない。国鉄分割・民営化の張本人=中曽根が喜ぶ『和解』とは何なのか! 国労指導部、4者4団体を批判するだけでなく、今こそ動労千葉と11月集会派が断固うって出る時だ!」と力強くアピールした。
 JR西日本の契約社員解雇攻撃と闘う動労西日本の山田和広副委員長は、1047名闘争の当該そのものとなって平成採の青年労働者を組織する決意と展望を語った。
 動労西日本の大江照己委員長が、「6・13に向かって全力で物販に取り組もう! 職場の仲間を6・13へ組織しよう」とまとめた。

 支援する会

 5月20日、「動労千葉を支援する会・東京西部」の結成総会が63人の結集でかちとられた。東京で最初の支援する会結成だ。動労千葉から支援する会担当の執行委員である幕張支部の関道利さんが、同じ幕張支部の平成採の渡辺剛史さんを連れ立って駆けつけた。関さんは、検修外注化攻防の最火点である幕張の闘いを臨場感をもって報告、会員拡大も訴えた。
 渡辺さんは、動労千葉に入ったのは資本がスト破りを強要することへの怒りからであったこと、また「自分が関さんを信頼していると同時に、関さんから信頼されていることがわかったことが大きい」と語った。
 集会の基調報告では、昨年1年、東京西部ユニオンと青年部の闘いが牽引(けんいん)軸になって自治体、教労をはじめ西部地区の労働者全体が自ら動労千葉労働運動を職場で実践するようになったことが、支援する会結成の決定的なバネになったと強調された。
(写真 東京で初の動労千葉を支援する会・東京西部が結成【5月20日 杉並】)

 キャラバン

  

(写真  【左】5・31JR田端駅前) (写真  【中】6・2JR大井町駅前)

 5月22日、東京・新宿西口で6・13大集会の全国キャラバンがスタートした。新宿区労連、都高教の労働者も署名し、公表OKと胸を張った。「民主党もダメだ。時給800円でやってられるか! 食っていけない。怒り爆発だ」という迫力ある声が寄せられ、チケット10枚以上、カンパも7000円。初日から「やれる!」の手応え。以来、どこでもチケットが売れ、集会参加が決定する。求められているのは闘う方針だと確信。
 5月27日、三多摩労組交流センターの仲間とともにJR青梅駅、八王子駅、豊田駅で街頭宣伝。3月20日に青梅線宮ノ平駅で起きた27歳の青年労働者死亡事故を弾劾し、「外注化で多くの青年労働者の命が奪われている。6・13で反撃しよう」と訴えた。
 会社をリストラされた30代の青年労働者は、解雇撤回を貫いて闘う国鉄労働者の存在に勇気づけられたとチケットを2枚購入した。
 5月31日はJR田端駅前に登場した。朝の田端駅前ビラまきから駅前街宣、鉄道拠点へのスポット演説、労組回り、夕方の街頭宣伝までPRカーをフル回転させて街中に「国鉄1047名解雇撤回」を訴えた。
 6月2日、鳩山辞任!
キャラバン隊は東京・南部のJR目黒、五反田、大井町の各駅頭に登場した。宣伝カーで「沖縄の怒りは鳩山を打倒した! 次は闘う労働組合を職場につくろう! 一人の首切りも許さない6・13大集会に集まろう!」と訴える。沿道の若者がガッツポーズで振り返った。
  夕方、蒲田で開かれた4者4団体の和解集会にもキャラバン隊は登場し、参加者に6・13大集会のチラシを手渡した。4者4団体の一部指導部は鳩山辞任に沈痛な顔をして文句を言う元気もない。
 2日夕方、広島でも広島県労働組合交流センターと百万人署名運動広島連絡会、婦人民主クラブ全国協広島支部の仲間が広島市中心部の紙屋町バスセンター前で「労働者の怒りが鳩山政権を打倒した! 6・13大集会にすべての労働者の怒りを結集しよう! ここに労働者の未来と希望がある」と訴えた。(写真)
 1週間、全力疾走し6・13で会おう!

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週刊『前進』(2442号7面2)(2010/06/07 )

 中国ホンダでスト

 “資本主義を押しつけるな”

 中国広東省仏山の中国ホンダ部品工場のストライキは5月31日、公認の労働組合である地元の総工会のスト破壊行為を蹴って続いている。
 5月17日から2週間を超えるストライキを闘っているのは、月平均賃金が1000元(約1万3500円)と言われる20代の青年労働者、さらに各地の高専学校から「実習生」として集められた10代の青年労働者たちだ。要求の中心は800元の大幅賃上げだが、工会の再編と工会幹部の再選挙をも求めている。
 日帝資本と中国スターリン主義は、ストの火が他に波及することに恐怖し、総工会を手先に使って暴力的鎮圧を狙った。これに怒った労働者たちは、いったん仕事に復帰しようとしていた一部の労働者も含めて再び怒りに燃えて立ち上がった。
 ネット上で紹介されている80年代生まれのホンダ労働者の声を紹介する(抜粋)。連帯して6・13大集会を闘おう!
(写真 地元総工会【帽子】の襲撃と闘う中国ホンダの青年労働者【5月31日 広東省仏山】)

 青年労働者の声

 ホンダ! 世界500強の企業のひとつ! 去年四十数億元ももうけた! その前年よりも10億元以上ももうけた!
 今回355元を増額するという! 基本給は200元増額! 生活手当は35元増額! 飲食手当は120元増額!
 みんな知ってますよ! 自動車業界は高利潤の業界だって!
 だけどみんなぼくら現場ラインで奮闘する工員がつくりだしたものだ!
 なのにこれほどの利潤をつくりだしたぼくらが得たものは何なのか?
 それが不満で辞めたとしよう! そしたらホンダはすぐに人を募集する! ぼくらの兄弟姉妹はこれからも苦労する!
もし辞めるとしてもこれからの兄弟姉妹たちのためにもっと多くを獲得しなければならない!
 確かにぼくらは高専しか出ていない! だけどぼくらが40億元もの利益をつくりだしたんだ!
    ◇
 5月17日のストライキの日! 日本人の管理者がまず仕事に戻れと言ってきた! 書き出した要求は5月24日に回答すると言ってきた! もし仕事に戻らないと解雇するぞと言ってきた!
 ぼくらは仕事に戻った! 要求も書き出した! なのにこっそりと先導者を割り出して解雇してしまった!
 だから21日にもう一回ストライキを実行した! 日本の管理者は写真を撮って工員章を取り上げて早く仕事に戻れと脅かしてくる!
 この重要な段階に至ってわれらが偉大な労働組合の登場だ!
 ………と思ったら全然ぼくらの権利をかちとるために会社と交渉してくれない! 生産ラインに戻って仕事をするように言い続けている! 一体全体どうしたことだ! 労働組合がなすべきことがあるはずだろう! 毎月5元の組合費を徴収して何をしている?
 5月22日! 日本の管理者はストライキを先導した2人の工員を解雇して恫喝してきた!
 24日、生活手当を65元から120元に引き上げた! 工員らの写真やビデオを撮って工員章を取り上げた! 誓約書にサインを迫り工員を恫喝する! これがあんたらの誠意なのか!
    ◇
 中国! ずっと低コスト競争を提唱してきた安い労働力市場! 毎年のGDPはそう悪くない速度で成長している!
 だけどこの成長は安い労働力を提供する労働者から搾り取られたものだ!
 僕ら80〜90年代生まれの世代! 親の世代と同じ道を歩み続けなければならないのか?
 時代はもう変わっているんだ! 低コストの安い労働力というやり方だって変わらなければならない!
 ホンダは日本企業だ!
 日本は資本主義の国家だ! 中国は社会主義の国家だ! 中国に投資してるんだろ! 郷に入っては郷に従え! 社会主義を実行せよ! 資本主義を押しつけるな!

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週刊『前進』(2442号7面3)(2010/06/07 )

焦点 臨検法の成立を弾劾する

 海上保安庁が戦闘行動へ

 5月28日、北朝鮮関係船舶を対象とする貨物検査特別措置法(臨検法)が、参議院本会議で与党と公明党の賛成多数で可決、成立した。7月初旬にも施行する見通しと報道されている。
 同法は、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の追加制裁決議を踏まえた措置で、周辺事態の認定がなくても、海上保安庁の艦艇による公海などでの検査が可能になる。北朝鮮に出入りする船舶が、核やミサイル関連物質などを積載していると『認めるに足りる相当な理由がある』場合に検査する。対象となる船舶が検査に応じなければ、強制的に停船させ武装した部隊が強行乗船することになる。戦闘行動そのものだ。
 韓国哨戒艦の沈没事件を口実とした臨検法の発動は民主党・連合政権による北朝鮮侵略戦争策動そのものだ。自民党政権も出来なかったことを民主党・連合政権は強行した。徹底弾劾しよう。
 今回成立した臨検法は自民党時代の臨検法案と違って、「検査を実施するのは自衛隊ではなく海上保安庁」であり、軍事的ではないかのように装っている。しかし、海上保安庁の正体は軍隊そのものだ。2008年12月時点で、巡視船・巡視艇合わせて345隻を始め、大型航空機やヘリコプターなどを数十機保有。3500d、3000d級の大型巡視船を多数配備し、「しきしま」や「みずほ」は世界最大を誇っている。
 さらに新造艦を皮切りに急速に高速化し、「射撃統制装置付き40_機関砲」などの重武装化を進めている。大型艦はヘリコプターを1〜2機搭載しており、海上自衛隊の小型護衛艦そのものである。また「海賊対策」と称して、ヘリコプター搭載型大型巡視船「はやと」をマラッカ海峡に派遣するなど海外派兵まで行っている。
 忘れてならないのはすでに海上保安庁が戦闘行動に踏み切っていることだ。2001年12月、奄美大島沖で4隻の巡視船が「不審船」を追跡し、「遠隔操作式20_多銃身機銃」の集中射撃を浴びせて撃沈し、多数の乗員を虐殺した。海上保安庁はこれを「激しい銃撃戦」「機関銃が大きな威力を発揮」と大々的に「戦果報道」している。今回の臨検法成立は海上保安庁、そして自衛隊の軍事行動化を加速させる。重武装した軍艦が「貨物検査」と称して「不審船」に襲いかかり、有事法体制に全面突入するということだ。
 この攻撃は、帝国主義が危機突破のために排外主義と戦争発動に訴えるという伝統的やり方そのものだ。民主党政権は、韓国哨戒艦沈没事件についての韓国軍の調査報告発表と同日に衆議院で法案を可決させた。排外主義を扇動して戦闘行動に突入し、全面的な侵略戦争に突入することまで射程に入れた攻撃に踏み切ったのだ。
 敗戦帝国主義としての脆弱(ぜいじゃく)性を突破し、ジグザグと動揺を繰り返しつつも帝国主義として独自の軍事・外交の道を民主党政権がこじ開けようとしている。打倒された鳩山は最後の発言で「米国に依存し続ける安全保障を続けていいとは思わない」と民主党の対米対抗性と改憲衝動を吐露した。危機と反動の民主党を追撃し、民主党・連合政権を打倒しよう。

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週刊『前進』(2442号7面4)(2010/06/07 )

焦点 実現性ゼロの核廃絶合意

 NPT会議文書のペテン

 5月3日から国連本部で開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議が5月28日、「核廃絶」への具体的措置を含む行動計画を盛り込んだ最終合意文書を採択して閉幕した。最終文書は「核なき世界」の実現を目的に掲げたが、その期限を示さないペテン的文書だ。また「核兵器禁止条約」構想にも言及したが、なんら具体案に踏み込まなかった。非核保有国側が核廃絶に向けた行程表作りのための国際会議を2014年に開くよう求めたが、米ロ英仏中の核保有国は「行程表作り」の語を最終文書から跡形もなく削除した。
 会議の焦点は、中東地域での非核地帯創設をうたい、イスラエルのNPT加盟を促す05年の「中東決議」だった。中東決議は米帝のイスラエル擁護の中で履行されてこなかった。最終文書は12年の国際会議で中東決議の実現策を話し合うよう提言した。しかし、イスラエルやイランが参加する保証は何もない。米帝はイスラエルに参加を促さないことを明言した。
 このようにNPT会議ではあらゆる意味で「核廃絶への前進」などなかった。米帝オバマにとってNPTとその再検討会議もプラハ演説(09年4月)も「核廃絶」ではなく米帝の核独占と核戦争体制を強化するためにある。現に世界大恐慌のもとで米帝を始め帝国主義・大国は相互の争闘戦を激化させつつ核戦争を含む侵略戦争・世界戦争へと突き進んでいる。
 もともとNPTとは、核兵器を持つ米ロ英仏中の5カ国を「核保有国」として認める一方、その他の国を「非核国」として核兵器保有を禁じることで、米帝を始めとする五つの核保有国=国連安保理常任理事国による世界支配体制を国際的に承認する条約なのである。5カ国に遅れて核を保有したインド、パキスタン、イスラエルはNPT未加盟であるが、南アジアや中東の勢力均衡の中でそうした存在が容認されてきたにすぎない。北朝鮮は03年に「脱退」を一方的に宣言し、核開発を進めているため、米帝を始めとする諸国から制裁を科され、軍事重圧を加えられ、体制崩壊の瀬戸際にある。
 NPTに先立つ4月6日、米帝は核戦略の見直し(NPR)を発表した。そこで米国はNPT加盟国でNPTを順守する非核保有国に対しては核攻撃をしないと宣言した。NPTに反する形で核開発を続ける北朝鮮とイランを核攻撃する可能性を温存したのだ。米帝にとってNPTは核戦争を発動するかどうかの基準であって核廃絶への核不拡散ではないのだ。
 NPT会議は北朝鮮の05年、09年の2回にわたる核実験を「可能な限りの強い言葉で非難」し、核開発は核兵器を持つ国を増やさない体制への重大な挑戦だと確認した。また「北朝鮮は核保有国の地位を持ち得ない」と確認し、北朝鮮にNPTへの復帰を求めた。さらに6者協議で約束した非核化の義務を完全に果たすよう求めた。
 米NPRとNPT会議最終文書で、北朝鮮が今後さらに核開発を進めるならば、米帝が制裁措置を強め戦争を発動することはますます不可避となった。韓国海軍の哨戒艦沈没事件を契機に北朝鮮侵略戦争の危機が切迫している。6・23全国一斉闘争に決起し、米日韓の北朝鮮侵略戦争を阻止しよう。

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週刊『前進』(2442号7面5)(2010/06/07 )

 国際労働運動 7月号

 大恐慌下のインド

 世界大恐慌の中で、インドや中国などBRICs諸国が世界経済の救世主であるかのように言われている。しかし中国経済の拡大はバブル的浮揚によるものであって年内にも崩壊が不可避だ。その時米帝をはじめ最末期帝国主義が奈落に転落し、インドなどのBRICs諸国の危機が爆発していく。そしてインドの労働者階級人民も世界革命の最先頭に躍り出ていく情勢になる。そうした情勢認識を持って新興大国インドの現状に迫っている。
 第1章は、本誌においてインドを取り上げることが初めてであるので、インドに関する基礎認識について述べている。一言でいえば「多様性」に象徴される民族と文化、言語・宗教、さらにカースト制、政治体制、人口と産業などを概観している。
 第2章は、急拡大するインド自動車市場に食い込み、激しい争闘戦を展開する日米欧の自動車産業の実態を暴いている。そして自動車産業労働者の闘いとして05年のホンダでの労働者のストライキ闘争の教訓を紹介している。
 第3章は、インドの原発市場をめぐる米ロ仏の参入と攻防を描いている。さらにインドの核を認めるオバマの核戦争政策を弾劾している。
 翻訳資料は「4年ごとの防衛見直し(QDR)2010」(上)。

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週刊『前進』(2442号8面1)(2010/06/07 )

 爆取裁判差し戻し審 証明なし、無実承知で逆転

 法廷圧す正義の怒号

 被告団 革命家の生涯かけ闘う

 6月2日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し第一審の判決公判が開かれた。東京地裁刑事第20部の林正彦裁判長は、断じて許せないことに無実の3同志(須賀武敏・十亀弘史・板垣宏)に対して逆転有罪判決を下した。須賀同志に対して「リーダー」だからと懲役11年(求刑は15年)、十亀・板垣両同志に対して同8年(求刑は13年)という重刑だ。判決公判には、傍聴席を満杯にした上でさらにそれを倍する人びとが詰めかけた。主文が読み上げられた瞬間、怒号が法廷を圧した。23年間にもわたる政治弾圧への怒りの爆発が、退廷命令を連発する裁判長を圧倒した。
 「これのどこが判決なのか」「証明のない作文はやめろ」。怒号が法廷に響いた。一人の労働者が不当にも拘束された。
 判決は階級的憎悪の固まりであり階級闘争への恐怖だ。それは判決要旨の「量刑の理由」にはっきりと表現されている。「本件は、武装闘争による政治体制の変革を目指し、東京サミット等の『爆砕』を繰り返し宣言していた中核派が非公然活動の一環として敢行した犯行であり、まさにテロ行為にほかならず、民主主義に対する卑劣な挑戦である。……標的とされた施設は在日米軍基地や先進国首脳が列席する東京サミットの式典会場であった。我が国の国際関係に深刻な悪影響を与える可能性もなかったとはいえない。また本件各犯行が社会に与えた衝撃と不安も軽視できない」
 敵階級が語るこの東京サミット砲撃戦闘の大きさと正義性こそが、1987年に始まったデッチあげの動機であり根拠なのだ。支配階級の憎悪と恐怖が裁判所に今回の判決を書かせたのである。証拠による証明は一切なくなった。「立証があろうがなかろうが、革命党とその闘いはつぶす」という、「判決」という形の反革命襲撃なのだ。
 証明の不在は、被告を「有罪」とした「判決理由」の冒頭に、別件・鍋爆弾事件への関与しか挙げられなかったことにも示されている。判決は、「3名が(両事件の3、4カ月後に)岩手アジトで短期間に十分な性能を有する鍋爆弾を完成するほど爆発物について高度な専門的知識、経験、技術等を有していたのだから、従前から同様の爆弾関係の任務についていたとうかがわせ、従って両事件にも関与したと考えられる」というのだ。
 これが「有罪理由」なのだ。「本件は証明できないが、別件に関与したから本件にも関与したはずだ」という強弁だ。裁判所は被告の無実を熟知した上で、新たなデッチあげに踏み込んだのだ。
 しかしそんな脆弱(ぜいじゃく)な判決は通用しない。現に「11年、8年」を宣告しながら、権力は3同志に指一本触れられない。再収監は粉砕され、3同志は直ちに控訴し、新たな闘いへの戦闘宣言を発した。
 判決公判と同日に鳩山・小沢政権が打倒された。階級的労働運動の前進が政権を吹き飛ばし、他方で最も卑劣な反革命が生まれたのだ。爆取裁判での「有罪」判決は、三里塚反対同盟への打ち続く弾圧、星野文昭同志への「懲罰」や面会妨害と同じく、政治支配の総崩壊に直面する日帝権力の絶望的なあがきだ。
 判決粉砕の道は全情勢の革命的転換の中にある。6・13集会への大結集をかちとろう。デッチあげ粉砕に「革命家としての生涯を懸ける」(被告団声明)3同志とともに闘おう。
(写真 我々は無実だ! 怒りを込めて弾劾 23年間積み上げた真実を葬った政治弾圧むき出しの反動判決を3人の被告は激しい怒りで弾劾した【6月2日 東京地裁】)

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週刊『前進』(2442号8面2)(2010/06/07 )

 被告団の抗議声明

 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団

 須賀武敏/十亀弘史/板垣宏

 我々被告団は激しい怒りを抑えることができない。本日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)は我々3人に対して「有罪」を宣告した。これは、判決ではない。むき出しの治安弾圧そのものだ。過去のデッチあげの追認ではない。裁判所による新たなデッチあげそのものだ。この判決を我々は絶対に許さない。
 我々は、無実である。1986年の迎賓館・横田の両事件に一切関与していない。権力は、迎賓館事件(東京サミット砲撃事件)という重大事件に虚構の決着をつけるために我々を逮捕・起訴し、未決のまま15年2カ月も東京拘置所に勾留した。被告団は、屈することなく闘い抜き、我々の無実を完全に明らかにして、2004年3月に無罪判決を勝ち取った(東京地裁・木口信之裁判長)。これに対して検察官が控訴し、東京高裁(中川武隆裁判長)は、あろうことか、全く証拠調べを行わないまま、たった2回の公判によって、16年をかけた綿密な審理の結論としての一審無罪判決を破棄し、地裁に差し戻した。証拠などなくても頭から「警察・検察は正しい」とする、「判決」という形式を採った直接の政治弾圧だ。
 こうして開始された差戻し審において、検察官は、証拠の不在をいっそう明らかにしただけであった。それに対して弁護側は、新たな証拠も提出して、我々の無罪を一切余すところなく立証した。判決は無罪以外にあり得なかった。
 今回の「有罪」判決は、法と論理に基づくものではなく、もはや裁判所による政治的暴力の直接の行使というしかない。資本主義体制の命脈が尽きているからだ。階級的労働運動が大きく前進しているからだ。その勝利への最も卑劣な反革命、それが今回の判決である。階級闘争は常に、革命の前進が生み出す新たな反革命を粉砕することによって躍動的に前進する。
 我々は新たな闘いを開始する。国鉄労働者の闘い、沖縄の闘い、三里塚の闘いと共に、そして星野文昭同志、法大闘争を闘う同志と共に、治安弾圧を打ち砕く我々の闘争を深め、強化し、拡大する。福嶋昌男同志と共に、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧を必ず粉砕する。その闘いに革命家としての生涯を懸ける。
 我々は直ちに新たな闘いに突入する。ともに闘おう!
 2010年6月2日

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週刊『前進』(2442号8面3)(2010/06/07 )

 現代の特高警察弾劾 転び公妨弾圧の真相

 〈投稿〉 田中 潔

 警視庁公安部は4月14日午後3時ごろ、「転び公妨」を捏造(ねつぞう)し、自宅にいた私を逮捕=拉致し、15日間監禁した。その上、私のまったく知らない2000年8月26日に世田谷署管内で起きた「爆弾ゲリラ事件」の容疑で家宅捜索まで強行した。さらに4月22日には前進社への家宅捜索を強行した。断じて許せない!
 「転び公妨」の真相はこうだ。午後3時前にチャイムが鳴り、庭で「ゴミ、ゴミ」という男の声(公安刑事・奥宏樹)が聞こえた。ゴミ回収かとドアを開けると、十数人の公安刑事が玄関を取り囲み、警察手帳を見せ「捜索だ」と言った。令状も見せない。そして奥宏樹が玄関内で勝手に後方に転んだ。それを合図に周りの刑事たちが「何だ何だ」「公務執行妨害の現行犯で逮捕!」と叫んだ。自分で転んで、罪を捏造したのだ。
 弾圧の直接の狙いは、不幸に付け込んだ転向強要だ。母に続く父の死で私がダメージを受けていると思い、「(獄中の)時間はお父さんがくれた人生を見つめ直す時間」「組織と手を切るチャンスだ」「人生まだやり直せる」「両親はおまえが殺した」「両親を殺すような人間は釈放されてもトコトン追い込んでやる」などと、転向強要に終始したのだ。現代の特高警察を徹底弾劾すると同時に、これからの闘いで必ず報復する!

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週刊『前進』(2442号8面4)(2010/06/07 )

 前進社本社不当捜索

 国家賠償請求を提訴

 記録媒体の大量押収に反撃

 怒りの記者会見

 5月20日、革共同は昨年10月23日に警視庁公安一課によって強行された前進社へのまったく違法・不当な家宅捜索に対する国家賠償請求を提訴した。また同日、霞が関の司法記者クラブで、マスコミ・報道関係12社の参加のもとに、怒りの記者会見を行った。
 昨年10・23の前進社への捜索は、同年10月16日に行われた法政大学での集会に対する、公安条例違反のデッチあげによる不当逮捕を口実に行われた。ここでの押収物は、フロッピーディスク、MO、CD、DVD、USBメモリーなどの記録媒体1223点を含む、総計1418点にもおよぶ膨大なものだ。

 破防法型の捜索

 これは、大容量の記録媒体多数が含まれていることが明白に示すように、公安条例違反とはまったく関係のないものを押収するという違法・ 不当の極致であり、組織破防法型の政治弾圧、治安弾圧そのものだった。
 第一に、この捜索は、日帝・国家権力が鳩山・ 民主党・連合政権のもとで、政治的階級的性格をむき出しにして、自民党時代にすらやれなかった記録媒体の大量押収に踏み切ったものとして、歴史的な弾圧だった。それは、明らかに『前進』など機関紙誌の発刊停止や報道・宣伝活動の妨害を狙ったものである。
 押収された記録媒体は、報道・出版・宣伝活動に必要な多数の写真、資料、資材である。それはインターネットなどですでに公開されており、法大での公安条例違反事件とは時期も内容も関係のない資料や写真、マルクス主義などの研究・理論学習用のデータ、携帯電話、さらには横断幕、旗、のぼり、拡声機などだ。断じて許し難い政治弾圧そのものである。

 11月へ事前弾圧

 第二に、この捜索は11月労働者集会に対する予防反革命弾圧として強行された。
 昨年の11月労働者集会は、国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸に、大恐慌と戦争・大失業攻撃に立ち向かう全労働者階級の国際的総決起の闘いとして大高揚した。鳩山政権と日帝権力は、その階級的意味を本能的につかみ取ったがゆえに、プロレタリア革命の前進への恐怖にかられて、従来の一線を越えた事前弾圧に踏み切ったのだ。
 しかし革共同は、11月労働者集会の圧殺を狙った、このような組織破防法型の弾圧に怒りを燃やし、『前進』を始めとした機関紙誌を1号たりとも欠かさず断固発行し、職場、キャンパス、街頭へと果敢に登場して闘いぬいた。
 そして11月労働者集会は、過去の集会をも超えて大成功した。日本の地から全世界に向けて世界革命の戦闘宣言を発する場となり「国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命へ」という路線を確立する基礎を築いたのだ。
 しかしわれわれは、権力のこの弾圧を一ミリたりともあいまいにすることはしない。デッチあげ逮捕を口実に違法な令状を発付した裁判官と、政治的強盗行為を強行した警視庁公安部の責任を、国賠で徹底追及する。

 7・8東京地裁

 前進社不当捜索に対する国賠の第1回期日は、7月8日(木)午前11時、東京地裁だ。多くの人びとの結集を訴える。
 1047名解雇撤回闘争の新たな全国大運動のスタートである6・13集会を大成功させ、攻めの改憲阻止闘争の一環としても国賠闘争を闘おう。

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週刊『前進』(2442号8面5)(2010/06/07 )

 再三の面会妨害許すな

 徳島刑務所 布川事件の桜井さんを拒否

 徳島刑務所は、5月20日、姫路から訪れた大野恭子さんの星野文昭同志との面会を拒否した(本紙前号)。5月28日には「布川事件」再審請求人の桜井昌司さんの面会を拒否した。7月9日には「布川事件」の再審第1回公判が開かれる。多忙の中、桜井さんは「冤罪と闘う仲間として星野さんを激励したい」と徳島に向かった。星野同志も桜井さんとの面会を楽しみにしていた。その面会を徳島刑務所は不許可にしたのだ。
 これらは、3月24日に徳島弁護士会が「面会拒否は人権侵害。再審を闘う受刑者と支援者の面会は速やかに認めるべき」という「勧告書」を徳島刑務所に送った後、最初の友人面会だった。徳島刑務所はこの「勧告書」を無視抹殺し、面会拒否の暴挙に出た。
 徳島刑務所側は、当初ごまかしていたが、桜井さん、星野同志の家族、徳島の救援会が一緒に追及すると、星野同志が提出した5人の「友人リスト」に掲載されている人間しか面会を認めないと表明した。
 一切の自由を奪われて35年も獄中に閉じ込められている星野同志が、家族や友人と自由に面会できて当然ではないか。ましてや再審を闘う上で、外の支援者との交流は必要不可欠だ。
 これまで、全国の支援者94人が面会して激励しあい、熱い交流をかちとってきた。ところが徳島刑務所は、面会を1カ月に2回と制限した上、5人の特定の友人にしか面会を認めないというのだ。合理的理由は何もない。不屈の獄中闘争と再審闘争への弾圧・迫害以外の何ものでもない。
 3月にかけられた二度の「懲罰」に続く面会拒否は、第2次再審闘争の前進に対する日帝・国家権力、徳島刑務所による恐怖の表れだ。全力で反撃しよう。星野文昭同志を防衛し、再審勝利・即時奪還を闘い取ろう。
     *
 布川事件 1967年8月30日、茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件。桜井昌司さんと杉山卓男さんがデッチあげ逮捕され、70年10月、水戸地裁土浦支部は無期懲役を言い渡した。78年に判決が確定。桜井さんは千葉刑務所に。第1次再審請求は棄却。第2次再審請求が認められた。09年12月15日、検察官の特別抗告が棄却され再審開始が確定した。
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 徳島刑務所長に抗議を!
 星野同志を激励しよう!
★徳島刑務所に抗議の葉書を集中しよう!
 徳島市入田町大久200−1 徳島刑務所長 宛
★星野文昭同志に激励の手紙・葉書を!
 徳島市入田町大久200−1 星野文昭 様

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週刊『前進』(2442号8面6)(2010/06/07 )

 “絶対反対”で再審闘争勝利を

 星野再審連絡会議 6・25〜26全国総会へ

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は6月25〜26日に東京都内で2010年全国総会を開く。労働者の怒りが鳩山を倒し、国鉄、沖縄、三里塚、法大で階級攻防が火を噴き、星野奪還闘争も大攻防に突入した。第2次再審請求以来の闘いで、ついに東京高裁は6月10日の「3者協議」を決めた。星野同志への連続懲罰、面会妨害を粉砕しよう。6・13国鉄大集会をうちぬき、その力で星野文昭同志の再審無罪・即時釈放へ今総会の成功をかちとろう。
(写真 「復帰」38年5・15沖縄集会で壇上に登り発言する全国再審連絡会議の仲間と星野暁子さん)

 6・25 東京高裁包囲デモへ

 昨年の全国総会は、階級的労働運動路線のもとで、星野奪還闘争の勝利を切り開く路線を確立した歴史的な総会だった。2日間の熱烈な討議が行われた。国家権力に屈服し、星野同志の闘いに敵対する塩川一派は、総会参加者の怒りでたたき出され、「総会の名において決別する」と宣言された。
われわれは08年7月14日、最高裁決定に直面した。最高裁は、確定判決の核心証拠であるKr証言の服装の色の違いを認めながら、特別抗告を棄却した。その悔しさと怒りの中で「星野闘争に真に勝利する道は何か」を必死で追求し、「松川裁判闘争」の教訓を学んだ。そして、労働者階級の闘いと一体で勝利していく方針を確立した。階級的労働運動路線の前進で階級的力関係を変えることが星野同志奪還の道だと確信し、1年間闘った。
全国労組交流センターは、本年2月7日の全国総会で「星野さんをとり戻す闘いは、階級的労働運動をよみがえらせる闘いそのものだ」との特別決議をあげた。全国で労働組合、交流センターの決議があげられ、星野同志を階級の力で取り戻すための闘いが前進している。全国に22の救援会が結成され、それぞれの救援会において熱烈で主体的な運動展開が始まっている。
本年の全国総会では、闘いの圧倒的前進を総括した上で、大恐慌情勢下で星野同志を取り戻すさらなる本格的闘いの発展が求められている。
第一の課題は、「絶対反対」闘争の原則を堅持し、6千万労働者階級と結合することである。
大恐慌情勢への突入の中で、根底からの危機を深める民主党・連合政権は、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体攻撃、三里塚闘争破壊攻撃など、階級的・原則的闘いを破壊するための攻撃を強めている。しかし動労千葉を先頭に、青年労働者や学生、三里塚反対同盟において、体制内勢力の総翼賛化と対決する新たな「絶対反対」闘争が力強く始まっている。
日帝・民主党政権は、国家権力と徹底非妥協で闘う星野同志と星野奪還運動の前進に心底恐怖し、この間、一挙に弾圧を激化させ、闘争破壊に乗り出してきている。今こそ「絶対反対」闘争を強化し、激化する攻撃を打ち破ろう。
「絶対反対」闘争こそが6千万労働者階級と結合する道であり、労働者階級との結合こそが星野同志奪還の道だ。
第二に、獄中弾圧を許さない闘いと第2次再審闘争を一体的に前進させることだ。
3月以降、星野同志に、連続「懲罰」、「処遇基準」の降下、友人面会不許可の攻撃が加えられている。怒りを抑えることができない。獄中弾圧を許さず、獄中での権利を獲得する闘いを圧倒的に強化しよう。これは獄中の星野同志と団結する闘いであり、一切の土台をなすものである。
第2次再審闘争を大前進させ、絶対に再審開始をかちとろう。星野同志は無実だ。国家権力は政治的意図で星野同志を殺人犯にデッチあげ、無期の獄中に閉じ込めている。こんな国家の犯罪を断じて許すことができない。不退転の決意で国家権力を攻めぬこう。
第三に、圧倒的な組織拡大だ。星野同志の闘いが青年労働者や学生の心を固くつかむ時代が来た。街頭に、労働組合に打って出よう。「星野再審ニュース」をあらゆる労働者人民に拡大し、各地の会の「賛同会員」を拡大しよう。宣伝・扇動の圧倒的飛躍がカギだ。組織拡大を目的意識的に闘おう。
星野同志を今も無期の獄中に閉じ込めているのは、1983年に東京高裁が下した確定判決である。70年安保・沖縄闘争の大爆発に恐怖した日帝は、70年代階級闘争のプロレタリア革命への進撃を阻止するために、星野同志をデッチあげの「殺人罪」で起訴し、無期懲役の判決を下したのだ。
昨年11月27日、星野同志と弁護団は、27点の新証拠を添えて、第2次再審請求書を東京高裁に提出した。最高裁の特別抗告棄却から1年半、われわれは、これまでの全裁判を洗い直し、星野同志の無実を明らかにするための闘いをやり抜いた。そしてついに、第2次再審請求書を東京高裁に突きつけたのだ。
本年2月と4月には、首都圏の救援会が集まって裁判所前街宣を行い、速やかに再審を開始するように申し入れた。東京高裁に提出した署名は、1万2千筆を超える。
3月24日、再審弁護団は、34点の証拠を開示するよう求める「証拠開示請求書」を提出した。6月10日には、検察官を交えた「3者協議」が行われることになった。
6月25日、再審開始を迫る大衆的・戦闘的デモを東京高裁にたたきつけよう。

全国総会日程

▼6月25日(金)
11時半・日比谷公園霞門集合/東京高裁包囲デモ
1時・港区生涯学習センター「ばるーん」(新橋駅1分)/活動報告と総括・運動方針案の提起
▼6月26日(土)
10時・渋谷区勤労福祉会館(渋谷駅7分)/再審弁護団の報告
1時・討議と決定/共同代表の選出

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週刊『前進』(2442号8面7)(2010/06/07 )

 法大裁判に集まろう!

★暴処法裁判
 第14回公判 6月21日(月)午後1時30分
★4・24集会弾圧裁判
 判決公判  6月24日(木)午後1時30分
 ※いずれも、東京地裁429号法廷 12時半に傍聴券配布所へ

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週刊『前進』(2442号8面8)(2010/06/07 )

 三里塚裁判傍聴を!

◎鈴木さん一坪裁判
7月1日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん耕作権裁判
7月26日(月)午前10時30分 千葉地裁
 *傍聴券抽選のため午前9時半に集合

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