ZENSHIN 2010/04/05(No2434 p08)
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週刊『前進』(2434号1面1)(2010/04/05 )
1047名闘争の圧殺を許すな
4者4団体の一部幹部による闘争団つぶしの攻撃粉砕せよ
4・28沖縄基地撤去・安保粉砕へ
全国から1530人が結集し必勝誓う=3月28日 成田市天神峰
国鉄1047名解雇撤回闘争の存亡をかけた歴史的な決戦が到来している。4者4団体の一部幹部は、解雇撤回の23年間の闘いを踏みにじり、売り渡す、これ以上ない大裏切りと圧殺の暴挙にのめり込んでいる。闘争団一人ひとりに解雇撤回をおろし、不当労働行為を容認させ、裁判継続を断念させる許し難いつぶし攻撃を行っているのだ。1047名闘争破壊を断じて許すな。闘う闘争団員つぶしの策動を粉砕せよ。国鉄闘争勝利への最大の正念場に、渾身の総決起をかちとろう。
労働者の誇りと尊厳をかけ
4者4団体の一部幹部は今、許し難いことに、不屈に闘う闘争団員に対し政治的「和解案」をのませるために、なりふり構わぬ脅し・恫喝と罵声(ばせい)を浴びせ、屈服を迫り、1047名闘争解体という奴隷の道にひきずり込もうとしている。こんなことがまかり通っていいのか。断じて否である。
彼ら4・4派幹部は、政府=民主党・連合政権の意を体し、その先兵となって動いている。そもそも「全員一人残らず屈服させてこい。それが『和解案』調印の条件だ」ということが、かの4党合意の時と同様に、今回の政治和解の絶対的な条件であり、前提なのだ。なぜなら、政府・権力は、一人でも闘う闘争団員が残って、1047名闘争が不屈・非妥協の「三里塚のようになる」ことを死ぬほど恐怖しているからである。
だがしかし、ここに4・4派幹部の恥ずべき転向と大裏切りの末路がある。「人道上の解決」という、労働者の闘う誇りと尊厳を放棄した「政治和解」など、金銭欲にまみれた地獄への転落そのものだ。あくまでも解雇撤回を掲げて闘う中にこそ、2000万青年労働者、6000万労働者の大義と誇りと未来がある。これこそが動労千葉とともに闘い抜いて国鉄闘争に勝利する唯一の道なのである。
検修全面外注化4・1実施を阻止して、JR体制打倒・国鉄決戦勝利の巨大な展望を切り開いているまさにこの時に、4・4派幹部たちが、23年間にわたり闘い抜かれてきた1047名闘争を、解雇撤回も国家的不当労働行為への謝罪の一言もない「和解」を受け入れ、1047名闘争=国鉄分割・民営化反対闘争を戦後労働運動史上から消滅させることなど、労働者の階級的誇りと尊厳にかけて、断じて認めるわけにはいかない。
今まさに日本労働運動、いや国際労働運動の命運をかけた最大最高の激突情勢が訪れている。世界大恐慌が激化し深化・発展している歴史的な大情勢のもとで、全労働者階級の団結と未来をかけた新たな1047名闘争の大爆発へ、不撓不屈に前進しよう。4・4派一部幹部による闘う闘争団員つぶしの卑劣な攻撃を粉砕し、今こそ国鉄闘争勝利の新たな全国大運動に突撃しよう。
動労千葉は、「この局面で絶対に国鉄闘争の火を消してはならないとの趣旨で全国大運動を呼びかける。これは戦後労働運動の限界をのりこえる闘いだ」(田中委員長の3・20アピール)という新たな闘争宣言を発した。団結して闘えば絶対に勝利できる。政府・権力と4・4派幹部が一体となって進める「政治和解」を敢然と拒否して闘う国労闘争団員の血叫びと、動労千葉争議団の不屈の団結に応え、職場生産点での闘いと一体で、国鉄決戦勝利への全国大運動を、大恐慌下の階級的労働運動の発展をかけて推進しよう。
外注化4月実施阻止の地平
1〜3月闘争の決定的な地平は、動労千葉ストライキの威力と動労千葉派の総決起、そして何よりも平成採の青年労働者の怒りの爆発が検修・構内業務全面外注化の4月1日実施を破綻に追い込んだことだ。
動労千葉は、2000年に出された「ニューフロンティア21」を「第2の分割・民営化攻撃」としてみすえ、95年日経連プロジェクト報告の「9割の労働者の非正規化」攻撃のJR版だと訴えて闘い抜き、シニア制度や外注化攻撃を粉砕し、勝利してきた。検修・構内業務全面外注化は、追い詰められたJR当局が動労千葉の組織破壊を狙い、大恐慌下の資本の延命を狙った大攻撃だ。
これに対し動労千葉は、反合・運転保安闘争を復権させ、青年労働者の未来を奪う大攻撃である外注化攻撃の本質を暴き、ストに決起し闘い抜いてきた。まさにこれが動労千葉の平成採のみならず、JRの全青年労働者の心をとらえ、怒りと結合し、01年以来、千葉では阻んできた外注化を、今回JR東日本全体で阻止するという決定的勝利を握りしめるにいたったのだ。これは国鉄闘争勝利・JR体制打倒の決定的情勢である。
動労千葉は「『外注化』は究極の合理化攻撃だ。JRを数百の子会社・孫会社に分割し、無数の労働者を非正規職に突き落とす攻撃だ。それがもたらすのは第2の尼崎事故である」(第1波ストライキ『闘争宣言』)と弾劾し、「この闘いをやりぬけば、今はまだ団結する手立てを見いだせていない無数の労働者の怒りの声が堰を切ったように流れ出す。今日はまだおとなしい労働者の大反乱が始まる」という確信に燃えて闘った。
検修全面外注化に反合・運転保安闘争で反撃する動労千葉の闘いは、JRを始め4大産別や全産別の、とりわけ青年労働者の心をとらえ、動労千葉を牽引(けんいん)者に全国の職場からの大反乱を切り開きつつある。1047名解雇撤回と検修外注化阻止は、大恐慌下の戦争と大失業、民営化、労組破壊と闘う全労働者に団結と勝利の展望を指し示している。
国鉄決戦を先頭とした1〜3月闘争の豊かで巨大な勝利の地平を打ち固め、国鉄、沖縄、三里塚、法大を激突拠点とした4〜5月闘争へとさらに猛然と進撃しよう。
4〜5月闘争に進撃しよう
3月30日、官房長官・平野は「海兵隊は沖縄に必要」と公言した。他方で米帝も「普天間問題は日本による米軍基地供与を規定した日米安保条約6条の核心に行き着く。(普天間移転が)実現できないなら条約自体の信頼性にかかわる」と言い続けている。今や沖縄労働者の怒りと闘いの爆発によって、日米安保体制が根底から激震している。
普天間基地の移設問題とは、本質的により巨大な新たな侵略出撃基地の建設だ。大恐慌と世界戦争情勢下で、基地移設は「県内」か「県外・国外」かという論議自体、日米安保とは戦争であり、沖縄米軍基地はイラク・アフガニスタンや北朝鮮への侵略出撃拠点であるという核心問題をはぐらかすものだ。問題は70年決戦がそうであったように、戦争絶対反対と日米安保粉砕である。
「安保条約改訂」と60年闘争から50年。70年安保・沖縄闘争の最大テーマとしてあった「米軍基地撤去、沖縄奪還=安保粉砕・日帝打倒」の戦略的スローガンを新たに復権、発展させ、体制内指導部の制動と裏切りをのりこえて、階級的労働運動の力で、沖縄米軍基地撤去・日米安保粉砕、民主党・連合政権打倒の闘いの大爆発を切り開こう。体制内勢力の総屈服を粉砕し、4・25沖縄県民大会に決起し、本土での4・28沖縄闘争の大爆発をかちとろう。5・15沖縄決戦に突き進もう。
JRでの事故の続発と安全崩壊に対し、反合・運転保安闘争の全国的復権をかけて、4・25尼崎現地闘争に怒りの決起をかちとろう。
3・28三里塚闘争の大高揚の地平を引き継ぎ、市東孝雄さんの農地死守!団結街道の廃道化阻止!へ、臨戦態勢で闘おう。
戦争と「教育の民営化」の攻撃に全面的に対決し、学生戦線の4月新歓闘争と4・23法大解放闘争に決起しよう。
マル青労同・マル学同1000人組織建設を一切の総括軸にして、機関紙活動を圧倒的に強化し、強大な革共同をつくろう!
(写真 動労千葉、動労水戸を先頭に「市東さんの農地を守ろう!」とデモ行進)
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週刊『前進』(2434号1面2)(2010/04/05 )
3・28三里塚 団結街道廃道阻止を宣言
市東さん “いざ決戦に集まろう”
3月28日、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の全国総決起集会が成田市天神峰の市東孝雄さんの畑を会場に開催された。真冬並みの寒風が吹きすさぶ中、全国から1530人の労働者・農民・学生・市民が団結街道廃道化攻撃への怒りを燃えたぎらせて駆けつけた。
(3面に関連記事)
萩原富夫さん、宮本麻子さんの司会で集会が始まった。森田恒一さんが開会宣言を行い、「もうすぐ93歳だが、権力が撤去に手を染めたら実力闘争の先頭に立つ」と気迫に満ちた決意を述べた。
主催者あいさつに立った北原鉱治事務局長は、法大で続く学生弾圧を強く批判した上で、廃道化攻撃について「そこに人が住んでいる。その生活道路を破壊するとは人間のすることか!」と厳しく弾劾した。
萩原進事務局次長が以下の4点を軸に基調報告を行った。「@鳩山連合政権のもとで、空港会社(NAA)は1本の滑走路に3本の誘導路を造るなど常軌を逸した攻撃に出てきた。こんな破綻した空港をぶっつぶして社会を変えるしかない。A大恐慌下で資本が労働者・農民を食わせられない時代、労農連帯で闘う。検修業務外注化と闘う動労千葉と共同闘争でJR東日本会社を打倒する。B軍事空港粉砕の闘いとして、米軍基地撤去へ立ち上がった沖縄にとことん連帯する。4・25県民大会に参加し反対同盟の旗を打ち立てる。C団結街道廃道阻止へ4〜5月現地闘争を闘う。全国闘争招集の可能性もある。反対同盟は廃道化を実力で粉砕し、10・10全国集会へ火の玉となって闘う」と宣言した。
労農連帯の力で勝利しよう
特別報告に立った動労千葉の田中康宏委員長は中野洋前委員長の遺志を引き継いで労農連帯を発展させ三里塚を闘うことを誓った上で、1047名問題の「和解」が、国鉄分割・民営化を居直り労働者の誇りを奪い屈服させる攻撃であることに警鐘を鳴らし、国鉄闘争の継続発展を呼びかける全国運動を提起した。
さらに特別報告で関西実行委の永井満さん、山本善偉さん、沖縄の知花盛康さんが登壇し関西、沖縄の闘いを訴えた。
北総農民からの「労農連帯・農民アピール」に続き、ひときわ大きな拍手に迎えられて天神峰の市東孝雄さんが「市東さんの農地取り上げに反対する会」とともに登壇した。「廃道化は絶対に受け入れない」と強い怒りを表明し、「いざ決戦の時には必ず駆けつけてください!」と熱烈に訴えかけた。
「団結街道廃止阻止!特別決議」を菱田の鈴木謙太郎さんが力強く読み上げ、参加者全員の拍手で確認された。
反対同盟顧問弁護団はこの日参加した全員が登壇・発言した。事務局長の葉山岳夫弁護士は「廃道化は地上げ屋、暴力団の手口」と激しく断罪し、市東さん農地裁判を全力で闘うとともに「勝利のかぎは実力闘争だ」と鋭く提起した。
婦人行動隊の鈴木加代子さんによるカンパアピールに続き、住民団体・共闘団体の決意表明が次々と行われた。
婦人民主クラブ全国協議会は国際婦人デー闘争の成功を報告した上で、三里塚と国鉄闘争の先頭に立つ決意を明らかにした。全学連の織田陽介委員長は、「第3誘導路で市東さんの家と畑を空港内に囲い込むことなど絶対に許さない!」と怒りを表し、法大闘争と4〜5月三里塚・沖縄闘争への決起を訴えた。
東峰・天神峰へ怒りのデモ
野平聰一さんによる集会宣言採択、太郎良陽一さんのスローガン採択と団結ガンバロー三唱の後、旗やのぼりをなびかせてデモに出発した。
東峰部落に差しかかると手の届きそうな頭上をジェット機が耳をつんざく爆音で飛来する。そして天神峰の市東さん宅前を通り団結街道を北上。市東さんは毎日ここを通って畑に行く。この道をNAA、成田市長と市議会、警察らが結託して破壊しようとしている!
デモは現闘本部前の市東さんの南台の耕作地に到着した。現闘本部建物は周囲の竹が伐採され、多数の機動隊、私服刑事がデモ隊を近づけさせまいと張り出している。まさにこの場所が白熱の攻防点なのだ。反対同盟とともに、市東さんの畑を、現闘本部を、団結街道を絶対に守りぬこう!
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週刊『前進』(2434号1面3)(2010/04/05 )
日程 4・23法大解放総決起集会
不当処分撤回! 監獄大学解放!
国境をこえた学生の団結で教育の民営化を阻止しよう!
4・23法大解放総決起集会
◆4月23日(金)正午
◆法大・市ヶ谷キャンパス
◆主催 法大文化連盟/全学連/3・14法大弾圧を許さない法大生の会
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週刊『前進』(2434号1面4)(2010/04/05 )
前進速報版から
▼BA客室乗務員、第2波スト▼札幌で星野同志に連帯し吹雪の中で署名活動▼仏で100万人が「反サルコジ」の全国スト・デモ
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週刊『前進』(2434号1面5)(2010/04/05 )
日程 4・23法大解放総決起集会、4・28沖縄デー集会
不当処分撤回! 監獄大学解放! 国境をこえた学生の団結で教育の民営化を阻止しよう!
4・23法大解放総決起集会
4月23日(金)正午
法大・市ケ谷キャンパス
呼びかけ/法大文化連盟/全学連/3・14法大弾圧を許さない法大生の会
日程 4・28沖縄デー集会
普天間基地即時閉鎖 辺野古新基地阻止
沖縄−本土の怒りで民主党政権打ち倒そう!
4・28沖縄デー集会
4月28日(水)午後6時半(集会後デモ)
東京・日比谷野外音楽堂(日比谷公園内)
主催/4・28集会実行委
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週刊『前進』(2434号2面1)(2010/04/05 )
国鉄闘争解体の最先兵に転落 4者4団体の幹部を断罪する
JR総連カクマルに匹敵する大裏切り
国鉄1047名解雇撤回闘争は、その不屈の貫徹か、最後的解体かをめぐる決戦中の決戦に突入した。1047名闘争の解体に向けて与党3党と公明党が打ち出した「解決案」にすがりつく鉄建公団訴訟原告団の一部幹部を始めとする4者4団体派は、その受け入れを全闘争団員に対して恫喝的に迫っている。彼らは、あくまで解雇撤回を貫く意志を固めた闘争団員に対し「解決を妨害するのか」と絶叫し、力ずくでねじ伏せようとしているのだ。もはや4者4団体幹部は、権力・資本の恥ずべき走狗(そうく)に転落した。これに対し、和解絶対反対派の闘争団員は、根底的・非和解的な対決を貫き通している。この革命的な労働者魂にこそ、民主党・連合政権が仕掛けた1047名闘争解体攻撃を打ち砕く力が宿っている。
1047名闘争の絶滅狙い総屈服強要する反動的暴挙
3月30日、国交省副大臣の辻元清美(社民党)は、与党3党と公明党が提出した「解決案」について、記者会見で「1、2週間で結論が出る話ではない」と述べ、年度内解決は難しいと表明した。その意図は今や完全に明らかだ。
辻元は、闘争団を一人残らず屈服させ、解雇撤回なき「解決」のもとに平伏させない限り、政府として「解決案」は提示できないと言い放つことによって、4者4団体幹部に1047名闘争を跡形もなくたたきつぶしてこいと突きつけたのだ。
この意を受け、鉄建公団訴訟主任代理人の加藤晋介弁護士らを先頭とする4者4団体幹部は、あくまで屈辱的解決を拒否する闘争団員に対して全面屈服を迫ってきた。
これは、国鉄分割・民営化に際してのJR総連カクマルの裏切りに匹敵する歴史的な大転向だ。
そもそも1047名は、首を覚悟し、国鉄分割・民営化への屈服を拒否した存在だ。敵権力の先兵となり、分割・民営化を率先推進した松崎明らJR総連カクマルのファシスト反革命も、1047名闘争をつぶすことはできなかった。むしろ、JR総連カクマルへの階級的憎悪こそ、1047名闘争を持続させてきた根底にあるものだ。
ところが4者4団体幹部は、このカクマル反革命に成り代わり、解雇撤回を貫く闘争団員に総力で襲いかかってきた。
だが、そこに今回の1047名闘争解体攻撃の破綻点もある。一人残らず屈服させなければ、権力の意図は貫徹しない。絶対反対を貫く闘争団員の闘いは、1047名闘争を根底からよみがえらせる根源的な力を有しているのである。
労働運動総体の壊滅を策す解雇撤回なき4党「解決案」
与党3党と公明党による「解決案」は、解雇撤回もなし、JRの責任は問わず、JRに謝罪もさせないというものだ。
「解決案」の反動性の核心は、1047名の解雇を正当化している点にある。そもそも「人道問題として解決する」とは何だ! 国鉄労働運動解体のために国鉄労働者を解雇したのは政府・JRだ。20万人の首を切り、200人を自殺に追い込んだ国鉄分割・民営化を、政府・JRはとことん居直っている。
国交相の前原誠司は、1月29日の予算委員会で「1047名は、万全の雇用対策を講じたにもかかわらず、結果として解雇された」「政府としての責任はすべて果たしている」と言い放った。
労働者の首を切った張本人が、「人道的解決」で救ってやると言っているのが「解決案」だ。これほど労働者を愚弄するものはない。
こうした「解決案」で1047名闘争を敗北のうちに終わらせようとする民主党・連合政権の狙いは明白だ。
民主党・連合政権は、日航労働者1万6千人の解雇に本格的に着手し始めた。絶望的な財政危機の中で、彼らは道州制導入=360万人公務員労働者首切りに突き進もうとしている。大恐慌の時代に生き延びるために、労働者に大失業と極限的低賃金、徹底した非正規職化を強制することが、日本帝国主義の意思なのだ。そのためには、解雇撤回闘争をたたきつぶし、「国鉄改革は正しかった」とどこまでもうそぶき続けるほかにないということだ。
国鉄分割・民営化以来、膨大な労働者が非正規職に突き落とされた。その攻撃は、今日の大恐慌下でますます激化しつつある。この現実に対し渦巻く労働者の怒りと1047名闘争が結合し、巨大な革命的反乱となって発展していくことに、民主党・連合政権は恐れをなしているのである。
国鉄分割・民営化に反動的決着をつけることなしに、道州制360万人首切り攻撃は貫徹できない。「解決案」の凶暴な意図は、戦後労働運動史上、最大の闘いである国鉄分割・民営化反対闘争をたたきつぶし、国鉄労働運動を解体して、労働運動そのものを絶滅することにある。まさにそれは、大恐慌下の歴史的大反動攻撃だ。
すでに国労内部では、国労を解散し、全労協から脱退して連合に行く話が進んでいる。この間の北教組弾圧にしても、国家権力が組合そのものを起訴するという前代未聞の攻撃が行われている。全北海道開発局労働組合に対しても、「ヤミ専従」などという言いがかりで約4000人もの労働者に大量処分攻撃がかけられている。日教組、自治労解体の攻撃が始まっているのだ。その切っ先に、1047名闘争解体攻撃がある。
4者4団体幹部は、民主党・連合政権の手先となって、この攻撃を率先推進しているのだ。それは、労働組合を解体し、労働運動総体を壊滅に追い込んで、労働運動の火を消し去る反動的暴挙そのものだ。彼らは、6千万労働者階級全体に敵対する反動的正体を、今やむき出しにしたのである。
解雇撤回をあくまでも貫き新たな全国運動創り出そう
4者4団体幹部を先兵とする1047名闘争解体の攻撃は、国鉄分割・民営化体制=JR体制がかつてない危機に陥っているからこそ、激しく仕掛けられている。
この1〜3月、動労千葉は4波のストライキを貫徹して、JR東日本の検修外注化4月実施を破産に追い込んだ。この闘いは、JR体制下で集中的に矛盾を背負わされてきた平成採の青年労働者の根底的な怒りを引き出し、JR体制をぐらぐらに揺さぶっている。
JRの大合理化計画が労働者の闘いによって破産したことなど、分割・民営化以来、例がない。しかもこの闘いは、JR体制への青年労働者の総反乱を引き寄せている。
だからこそ民主党・連合政権は、検修外注化4月実施を阻止した動労千葉−動労総連合の闘いと1047名闘争が緊密に結合してJR体制打倒へと突き進んでいくことに心底恐怖しているのだ。動労千葉に対する執拗(しつよう)な組織破壊攻撃と同時に、1047名闘争解体の攻撃が激しく仕掛けられているのはそのためだ。
大恐慌下の階級決戦は、必ずこうした組織破壊攻撃との激烈な攻防戦になる。攻防が相互のつぶしあいとなっているのは、敵階級が断末魔の危機に突き落とされているからにほかならない。
それは、この攻防に勝ち抜き、不屈に生き抜いた者こそが、最後の勝利を手にすることができるということだ。誇り高くこの攻防を貫くことにまさに勝機が存在する。
動労千葉は、国鉄分割・民営化絶対反対を掲げ、1047名解雇撤回の新たな全国運動を呼びかけている。この闘いには、すべての労働者の怒りを結集する力がある。これは大恐慌に立ち向かう階級的労働運動を新たに創造していく闘いだ。
とりわけ青年労働者は、国鉄分割・民営化によって生み出された現実に怒りを燃やし、真っ向から闘い、闘う仲間と労働組合を心の底から求めている。解雇撤回なき和解を強行する4者4団体幹部は、この青年労働者の決起を泥靴で踏みにじっているのである。
1047名闘争解体の大反動を打ち破り、解雇撤回なき「解決」を粉砕しよう。1047名闘争の存亡をかけた一大決戦を総力で闘い、その中から大恐慌時代に勝利できる階級的労働運動の創造・発展をかちとろう!
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週刊『前進』(2434号2面2)(2010/04/05 )
4・25尼崎現地闘争に総結集を
事故続発と安全の崩壊 青年組織しJR体制打倒へ
6年目の尼崎事故弾劾闘争は、国鉄分割・民営化との決着をかけた大攻防が最高に煮詰まる中で闘われる。今年の尼崎闘争は、1047名解雇撤回とJRの検修外注化阻止を軸とする第2次国鉄決戦の命運を決する闘いだ。05年4月25日の尼崎事故は、国鉄分割・民営化の破産を衝撃的に突き出した。JRはこの事故を居直り、一層の合理化・外注化を強行しようとしている。これは第2、第3の尼崎事故を不可避とする。反合理化・運転保安闘争路線を貫き、JR体制を打倒しよう。
(写真 650人が結集し事故現場【後方マンション】までデモをした昨年の尼崎事故弾劾闘争)
尼崎事故を繰り返すのか
1〜3月、4波のストライキを貫いた動労千葉を先頭とする闘いは、JR東日本の検修外注化4月実施を完全にぶっ飛ばした。国鉄分割・民営化以来24年目にして初めて、JRの合理化計画を実力阻止したのだ。決定的なことは、この闘いによって、青年労働者と大合流する展望が圧倒的に切り開かれていることだ。動労千葉派は、JR労働運動の主流派に躍り出ようとしているのだ。
反合理化・運転保安闘争路線こそ大恐慌時代に勝利する路線だ。反合・運転保安闘争をさらに実践し、平成採の青年労働者を獲得する闘いとして4・25尼崎闘争を打ち抜こう。
安全をとことん崩壊させたJRは、尼崎事故をまたも繰り返そうとしている。
3月3日朝7時10分、JR西日本・尼崎駅で起きた「信号トラブル」は、第2の尼崎事故につながる深刻な事態だ。レールが折れ、1aも破断して通電しなくなり、信号は赤のままになった。ところがJR西日本は、レールに応急の通電装置を取り付けて信号を作動させ、ラッシュ時に列車を運行させたのだ。
乗客を私鉄に奪われないことのみを目的に、レールが破断した状態のまま運行を強行したということだ。しかもJRは、この事故を「信号トラブル」と発表し、事態の深刻さを押し隠している。
05年の尼崎事故当時、JR西日本・大阪支社は「稼ぐ」というスローガンを掲げていた。稼ぐためなら事故が起きても構わないというのが、今も変わらないJR西日本の姿勢だ。徹頭徹尾、尼崎事故を完全に居直っているのだ。
同日の午後8時過ぎには、JR西日本の山陽新幹線で車軸のベアリングが破損し、煙が噴出する重大な事故が起きた。3月3日の二つの事故は、JRが尼崎事故をさらに繰り返そうとしていることを明白に突き出した。
青年を犠牲に延命図るJR
JR体制は、青年労働者を犠牲にして生き残ろうとあがいている。
尼崎事故では、高見運転士(当時23歳)に事故責任を押しつけた。06年1月の伯備線事故では、青年労働者が触車死亡させられた。伯備線事故の責任も青年労働者に押しつけられ、労働者は禁固刑を受けて解雇された。JR西日本は何ひとつ責任を取っていないのだ。
JR西日本は、4月からの鉄道事業の再編成を打ち出している。大恐慌の直撃を受けて収益が上がらない中、「採算のとれない職場は廃止する」「会社の役に立たない、利益を生まない社員はいらない」と強弁しているのだ。大合理化・首切りの宣言であり、安全をさらに崩壊させる宣言だ。
3月26日、神戸検察審査会はJR西日本歴代社長の井手・南谷・垣内を「起訴相当」とする決定を下した。許せないことにJR西日本は、この「起訴相当」決定で尼崎事故に反動的「決着」をつけようとたくらんでいる。尼崎事故のくびきから逃れ、JR東日本のような全面外注化に打って出ようとしているのだ。
JR西日本は、5年でクビにする「労働者使い捨て制度」である契約社員制度をさらに拡大し、運転士以外はすべて非正規職に置き換えようとしている。青年労働者をさらなる分断と競争にたたき込もうというのだ。絶対に許してはならない。
JR東日本の検修外注化に青年労働者は怒りをもって決起している。この怒りはJR全体の青年労働者の怒りでもある。
岡山駅の契約社員である動労西日本の山田和広副委員長は、「契約社員制度廃止」を掲げて立ち上がった。この闘いの波及を恐れたJR西日本は、3月31日付で山田副委員長の解雇を強行した。この攻撃に対し、山田副委員長は「解雇撤回・契約社員制度廃止」を掲げてストライキを貫徹した。JRの青年労働者は、この闘いに圧倒的な共感を示している。
今こそ青年労働者獲得の闘いに打って出よう。平成採獲得はJR体制打倒に直結する闘いだ。動労千葉に続き、平成採を獲得してJR労働運動の主流派に躍り出よう。
解雇撤回貫く全国大運動を
1047名闘争についての「4党和解案」は、大量首切りを進める大攻撃だ。その核心は、「国鉄分割・民営化による20万人首切りを承認しろ」ということにある。民主党・連合政権はこの「4党和解案」を、日航1万6千人首切り、道州制導入による公務員労働者360万人解雇を強行するために出してきたのだ。4者4団体幹部は、その受け入れを恫喝的に闘争団に迫っている。
ふざけるな! 何が「解決案」だ! これは1047名闘争解体攻撃だ。民主党・連合政権は1047名闘争が労働者の結集軸となり発展していることに恐怖して、この攻撃に打って出てきたのだ。
1047名闘争解体は国労解散・JR連合化の始まりだ。国労本部は8月定期大会で「国労解散・JR連合合流」を決定しようとしている。「4党和解案」は、戦後労働運動をたたきつぶし労働運動の大再編を狙う労働運動根絶攻撃だ。
動労千葉は「絶対に国鉄闘争の火を消してはならない。23年間の闘いの結論が『国労解散』などあり得ない。ここに数千万の労働者の怒りの声を結集させよう」と、1047名解雇撤回の新たな全国運動を呼びかけている。この大運動こそ第2次国鉄決戦の勝利を切り開く決定的闘いだ。
4・25尼崎闘争を、この大運動を発展させる一大跳躍点にしよう。
外注化阻止と1047名解雇撤回の二つの柱を掲げ、戦争と大失業、労組破壊に突き進む民主党・連合政権を今こそ打ち倒そう。
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尼崎事故弾劾! 4・25全国総決起集会
4月25日(日)午後1時 JR尼崎駅 北口駅前広場
主催 集会実行委員会/呼びかけ 動労千葉
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週刊『前進』(2434号2面3)(2010/04/05 )
またも労働者を殺したJR資本
宮ノ平駅・両国駅の事故弾劾
JRの下請け労働者がまたも事故で殺された。
3月20日午後1時半ころ、JR東日本の青梅線・宮ノ平駅構内で、下請け会社の27歳の労働者が、電柱に登り電線を撤去する作業中に、電柱が倒壊して線路上にたたきつけられ、死亡した。電柱は木製で、腐食していた。腐った電柱に登らせ、作業をさせるなど、安全無視の極みである。
26日には、総武線・両国駅構内で、保守用車の収容作業中に、下請け会社の58歳の労働者が保守用車とホームにはさまれ死亡した。01年以来、JR東日本は、保線・電力・信号通信など設備部門の全面的な外注化を強行してきた。この外注化こそ、事故の元凶だ。
国鉄分割・民営化以来、370人にも上る労働者が事故で命を奪われている。JRは、労働者の命をとことん踏みにじってきたのだ。しかも許しがたいことに、下請け労働者の死亡事故は、その事実そのものが社会的に抹殺されてきた。こんな現実は、絶対に覆さなければならない。闘ってこそ、労働者の命は守られる。
今やJRの安全は根本的に崩壊している。
分割・民営化の破産示す事態
3月23日には、JR東日本・目白駅で、高速無線用通信ケーブルが落下し、通過した埼京線列車がケーブルを切断、これが山手線の電車に電力を供給する架線と絡まり、ショートして、埼京線、山手線、新宿湘南ラインが約3時間にわたりストップした。乗客は長時間、車内に閉じこめられた。通信ケーブルが落下したのは、屋内用の樹脂製留め具を誤って屋外で使い、劣化して破損したことが原因とされている。しかも、ケーブル設置工事は外注会社に丸投げされ、工事後のチェックもされていなかった。
この通信用ケーブルは、駅ホームや電車内で乗客が高速インターネットを使えることを売り物に、JR東日本が設置していたものだ。駅ナカビジネスが最優先され、列車の安全運行はないがしろにされたのだ。
3月3日にJR西日本の山陽新幹線で起きたギアボックス破損事故は、きわめて深刻な事態だ。これは、脱線にもつながりかねないものだった。しかも、事故が起きたのは最新鋭車両N700系だ。その後も、N700系で異音が発生するなどの事態が続いている。
JR資本は、大恐慌下で収益が落ち込む中、高速鉄道の海外輸出に命運をかけている。海外での高速鉄道建設は、激しい帝国主義間争闘戦の場になっている。その時に、新幹線の最新鋭車両で起きた重大事故は、国鉄分割・民営化の大破産をあらためて示したのだ。
動労千葉を先頭とする闘いは、JR東日本の検修外注化4月実施を阻止しぬいた。安全を破壊する外注化・大合理化と対決し、これを阻んだ闘いの中にこそ、労働者階級の未来がある。
団結し資本と闘ってこそ、労働者は生存を全うすることができるのだ。4・25尼崎闘争に結集し、安全を全面的に崩壊させたJR体制打倒へ闘いを強めよう。
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週刊『前進』(2434号2面4)(2010/04/05 )
中野洋 動労千葉前委員長 偲ぶ会へ
動労千葉が全国に案内状
3月4日に亡くなった動労千葉の中野洋常任顧問・前委員長の追悼集会と偲(しの)ぶ会の案内が田中康宏動労千葉委員長から発せられた。中野前委員長の遺志を引き継ぎ、新たな闘いへの決意を打ち固めるため全国から参加しよう。(編集局)
故中野洋常任顧問追悼集会・偲ぶ会のご案内
貴労組ならびに各位におかれましては、ますますご清栄のこととお慶(よろこ)び申し上げます。
このたび当組合中野洋常任顧問・前委員長が、3月4日午前10時、胆管がんのため、逝去いたしました。享年70歳でした。故人は、動労千葉の生みの親であると同時に、その生涯を労働運動の発展のために捧げました。
また故人の活躍は、動労千葉のみならず、全国労組交流センターや労働者学習センター、労働者の国際連帯闘争等を組織して階級的労働運動の復権や若き労働組合活動家の育成に力を注ぐなど、多岐にわたるものでした。
国鉄分割・民営化反対闘争をはじめとした私たちの闘いも、こうした故人の指導の下、皆様方のご支援に支えられて前進することができたものでもありました。時代は、いよいよ大変動の時を迎えています。私たちは、中野顧問の遺志をひきつぎ、労働者が胸を張って生きられる社会をつくっていくために全力で闘いぬく決意です。
つきましては、左記の通り「故中野洋常任顧問追悼集会・偲ぶ会」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。
2010年3月18日
国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中康宏
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故中野洋常任顧問 追悼集会・偲ぶ会
4月10日(土)午後1時から
1部 追悼集会/2部 偲ぶ会
千葉労働者福祉センター 大ホール(千葉駅からモノレール「千葉市役所前」駅下車4分/「千葉みなと駅」下車10分
*当日は平服でご参加ください
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週刊『前進』(2434号3面1)(2010/04/05 )
「団結街道」廃道化実力阻止を
3・28三里塚 “軍事空港反対へ沖縄と連帯”
3・28三里塚現地闘争(記事1面)は、労農連帯の絆をいっそう固め、団結街道廃止絶対阻止と沖縄との連帯を宣言した。反対同盟を始め集会での主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)
(写真 真冬並みの寒風と闘いながら市東さんの決意を受けとめた【3月28日】)
われわれには正義の抵抗権がある 主催者あいさつ 事務局長 北原鉱治さん
冷たい風が吹いておりますが心は燃えています。皆さんよく集まってくれました。
この三里塚の大地に立って無様な成田空港の姿をご覧ください。本当なら30年も前に3本の滑走路ができて完成していなければならないはずの空港が、半分しかできていない。われわれの闘いに大義があるからだ。
今法政大学では、ビラをまいただけでいわれなき罪名を着せられて逮捕される事態が起きている。これで若者が未来を描けるだろうか。学生諸君の交流と語らいの場所であるキャンパスは自由でなければならない。一人ひとりが立ち上がり、社会を変えるときだ。
現闘本部裁判判決で仮執行を粉砕したが、成田市は団結街道を廃道にする計画を出してきた。そこには同盟員の市東孝雄さんが住んでいる。あの道は市東さんの生活道路であり、多くの人びとも利用してきた。市道だから市が勝手に廃道にできるのか。NAAは第3誘導路をつくって、市東さんの住居と畑を空港の中に囲い込んでしまおうとしている。成田市はこれと一体となって廃道を進めようとしている。自分たちの利益のためには人の生活と生命を奪ってもかまわないという攻撃だ。これが人間のすることか! われわれの正義の抵抗権がここに生まれる。
「アジア防衛」という名のもとに、有事の際にはこの空港に50万人の米軍がやってくるという。このような矛盾空港、軍事空港は廃港に追い込む以外にない。それはわれわれの闘いによってかちとるべきものです。反対同盟はその先頭を切って闘います。今日を闘いの出撃の一歩としよう。
反対同盟は火の玉となって闘う決意 基調報告 事務局次長 萩原進さん
第一に、三里塚は文字どおりの決戦を迎えた。鳩山政権のもとで民衆に背を向けた政治が行われ、空港問題でもわれわれが闘わなければ生きられない状況が作り出されている。1本の滑走路に3本目の誘導路をつくるため、団結街道を封鎖し廃道化するだと。そこには人がいる。畑や部落がある。こんなことが許せるか! また2500bの滑走路を供用したとたんに、そのわきに3500b滑走路をもう一本つくるなどと言い出す。こんなとんでもない空港だから44年たっても完成しない。われわれが闘わなければこの社会はますますおかしくなる。こんな空港をぶっつぶしてこそ世の中は変わるのだ。
第二に、今日の恐慌のもとでもはや支配階級は労働者を食わせることもできなくなった。だから常識では考えられない攻撃がやってくる。法大では学生に200bより近づくなという決定が出た。三里塚では、成田治安法で半径3`内に住んではならないとされた。三里塚は日本の悪政の縮図だ。農家への戸別所得補償制度なるものも20年前の米価より低い価格を基準にしている。こんなものにだまされない。今の政権を倒す闘いの先頭に三里塚が立つ。動労千葉と共同の闘いとして、安全を投げ捨てたJR東日本を倒す闘いに立つ。
第三に、軍事空港反対の闘いとして、沖縄との連帯をとことん求めていく。われわれ自身が沖縄の地に出向き、4月25日の県民大会に参加し、反対同盟の旗を打ち立て沖縄人民とともに闘い、本土の決起をも促す。
第四に、成田市議会で決議された団結街道廃道化、第3誘導路の認可申請などの攻撃が早められてくるだろう。われわれは現闘本部裁判で2月25日の判決当日を徹底的に闘い、敵の一番の狙いであった仮執行による即時撤去の策動を打ち砕いた。われわれは裁判闘争を闘うと同時に、廃道阻止決戦の時は全国に呼びかけて断固実力闘争を展開する。この4〜5月に緊急動員、緊急闘争とともに、全国集会を呼びかける可能性もあることも肝に銘じていただきたい。秋の10・10全国集会の大爆発に向けて、勝利の大道を歩むために、反対同盟はまなじりを決し、火の玉となって闘うことを決意します。
移転強要に負けず ともに農地を守る 敷地内天神峰 市東孝雄さん
団結街道を廃道にするなど絶対に受け入れることはできません。市議会が決議を出したが、私は天神峰に住んでいるし、今後もずっと住み続けます。まったく怒りに堪えません。
第3誘導路の建設を口実にしているが、これも場当たり的ででたらめな空港づくりの結果だと思います。
成田市長の小泉は、私のことを「交差点の真中に住むようなものだ」と言うが、そういう状況をつくり移転を迫っているのは誰だ、小泉市長、お前だ!
うちから畑までは団結街道を直線で500bだが、市が示した迂回ルートは1・8`、3倍の距離です。まったく嫌がらせとしか思えない。成田市は人権をなんだと思っているのか。私はこの不当と徹底的に闘う。
昨年初めて沖縄に行ってきました。私は辺野古の海を忘れることができません。あそこに基地をつくるとはもってのほかです。基地と戦争に反対する沖縄の人たちととことん連帯して闘おう。
首切り、賃下げに動労千葉がストライキで闘っています。反対同盟も車の両輪として、ますます動労千葉とのつながりを深くして闘いたいと思います。
反対同盟は現闘本部裁判で仮執行宣言付きの判決を粉砕し、空港の工事計画をガタガタにしました。NAAはあせりにあせっています。
どんな嫌がらせや移転強要にも絶対に負けない。皆さんとともに農地を守り、最後の最後まで実力阻止で闘います。みなさん、いざというときには必ず駆けつけてください!
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団結街道廃止阻止! 特別決議
本集会は、成田市による団結街道(市道)の廃道決定を徹底弾劾し、実力で守りぬくことを決議・宣言する。
廃道決定は徹頭徹尾、悪らつな意図にもとづく暴挙である。いったいなぜ、近隣住民にとっても不可欠の市道をつぶすのか!? ねらいは市東さんに対する、営農妨害と生活破壊による移転の強要だ。
市道は自宅から畑まで500bの直線道である。日に何度も往復する農家の道を廃止して、畑とは逆方向に1・8`も危険な道を迂回させる成田市の決定はあまりにも悪質だ。
廃道の口実にする3本目の誘導路計画は、場当たり的な空港づくりの象徴である。常軌を逸したこの計画で、欠陥は解消するどころか増幅する。市東さん宅を空港内に取り込み騒音を浴びせて移転を迫る攻撃であり、断じて許せない。即刻中止せよ!
さらに廃道は、反対同盟の本部建物(現闘本部)への通行権をはく奪する暴挙である。
そもそも、「第3誘導路」の認可申請も出されていない今、なぜ、廃道を強行するのか? それは現闘本部の撤去仮執行判決を見込んだ上のことなのだ。だが、この策謀はものの見事に粉砕された。廃道は悪らつなねらいによる人権侵害と法律破りの極(きわみ)であり、空港会社と共謀した成田市行政による権力犯罪である。
以上、本集会は成田市による団結街道廃道決定を徹底的に弾劾し、全面撤回を要求する。団結街道廃止阻止を集会の名において決議・宣言する。
2010年3月28日
3・28全国総決起集会 参加者一同
(写真 反対同盟を先頭に、空港敷地を縦断し団結街道から現闘本部へ向かう長蛇の大デモが出発)
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週刊『前進』(2434号3面2)(2010/04/05 )
“三里塚と国鉄闘争はひとつ”
1047名の解雇撤回全国大運動を 特別報告 動労千葉委員長 田中康宏さん
動労千葉と反対同盟との労農連帯は、関川委員長、中野委員長、私と、すでに3代にわたる長い闘いになりました。この団結と連帯を絶対に守り、中野顧問の遺志を引き継いで闘い抜くことをこの場でお誓いします。
国鉄分割・民営化のときは、2期開港阻止決戦です。あの85年10月20日の国家権力との激しい衝突の渦中で、われわれはストライキに決起しました。そして今また、われわれは、第2次国鉄分割・民営化反対闘争に入っていますが、まさに今も三里塚闘争が決戦局面です。戦後の労働運動と農民闘争の中で、三里塚と国鉄の闘い、動労千葉と反対同盟の闘いは、二つにして一つのものでした。この闘いの中から動労千葉は今日まで原則を守り団結して闘い抜く路線を学び、自らのものとしてきました。
動労千葉は昨年10月のストライキも含めれば、この春までにすでに5波のストライキを打ち抜いて、4月1日の業務全面外注化を阻止しました。それが東日本全体の外注化を止めました。敵の側はあわてにあわてています。七つに分割した国鉄を、今度は数百の子会社・孫会社に分割し、そこに労働者も含めすべてを丸投げし、雇用も賃金も退職金も安全も、全部を破壊していく。こうしたことが全社会を貫いて労働者をここまで突き落としている。この一角を絶対に突き破ってやりたいと考えています。
1047名解雇撤回問題の「和解調印」なるものがなされようとしています。本当にこれでいいのか! 労働運動の火をいったん消してしまうことを絶対に認めることはできない。動労千葉はこの局面に当たって、全国的な大きな運動を呼びかけたい。全国の膨大な非正規職に突き落とされた労働者の怒りの声、すべてを結合しなきゃいけない。職場からの外注化阻止決戦と1047名解雇撤回闘争は、この社会のあり方そのものを撃つ闘いです。ここに、これからまちがいなく爆発する沖縄の燃え上がるような怒りの声が結合し、三里塚闘争が結合し、こうした闘いの中から、この社会の腐ったあり方を変革しましょう。
勝利の鍵は労農学市民の実力闘争に 反対同盟顧問弁護団 葉山岳夫さん
鳩山民主・連合政権は、憲法違反の裁判員裁判を強行しているばかりか、憲法改悪の動きを強めています。労働者・農民・学生の団結した力で、鳩山内閣を打倒しなければならないときです。3点訴えます。
第一に、2月25日に仲戸川裁判長は、支配階級の意思を代弁し、きわめて反動的な判決を出しました。しかし仮執行宣言は阻止され、NAAは大打撃を受けています。闘えば勝てるということです。仲戸川裁判長の反動的な判決は絶対に許しません。これからは高等裁判所で控訴審が開始されます。
第二に、市東さんの農地裁判は重大な局面を迎えています。千葉県に対する「市東さんの農地取り上げに対する許可を取り消せ」という行政訴訟で堀内裁判長は、早期結審の意図を表しています。現地闘争の一環として、さらなる裁判闘争への参加を訴えます。
第三に、第3誘導路の攻撃が迫っています。市東さんの住まいや農地を空港の中に取り込むことで、騒音と排気ガスで追い出しをかける地上げ屋・暴力団の使う卑劣きわまる手口です。成田市議会の団結街道の廃道決議は、この強盗行為の片棒を担ぐものです。小泉市長の廃道処分に対し、取り消しの行政裁判で闘います。
勝利の鍵は、空港絶対反対、労農学市民の実力闘争にあります。弁護団は、反対同盟と連帯し断固闘う決意です。
三里塚・沖縄闘争で社会を変革する 全学連委員長 織田陽介さん
三里塚の44年間の闘いは、農民殺しの空港建設との非和解の激突でした。国家権力・機動隊が襲いかかり、軒先まで工事を行い、頭上に飛行機を飛ばし農民を暴力的にたたき出してきた、このやり方! もう一度、市東さんの家をすべて空港の中に取り込んでやろうとしている。許されていいはずがありません。三里塚闘争が国家権力と非和解で闘い抜いてきた勝利の地平の上に、すべての労働者、農民、学生の怒りが結集する、怒りに火がつく。第3誘導路建設は絶対阻止できます。
市東さんの農地を守る闘いは、沖縄の怒りに真っ正面から連帯する闘いです。沖縄は日本の米軍基地の75%が集中する。戦争でつくられてきたアメリカ帝国主義の体制的矛盾、民主党政権の「東アジア共同体」、改憲という独自の軍事大国化。
すべての矛盾が集中している沖縄で怒りが爆発し、根底的な闘いが始まろうとしています。それにこたえられるのは「農地死守・実力闘争」の原則を44年間貫いてきた三里塚以外にない。市東さんの農地を守る闘いは、沖縄の怒りと必ず結びつきます。
4月28日、日比谷野音での集会を最大の闘いとして、5月沖縄に攻め上ります。三里塚で徹底的に闘い、沖縄の闘いと真っ正面から連帯し、その力を労働者・学生の怒りと結合して社会を根本から変革しよう。
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週刊『前進』(2434号3面3)(2010/04/05 )
“処分は私の誇り”
東京「日の丸・君が代」闘争 7年目の不起立貫く
東京都教育委員会は3月30日、3月卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対して闘いぬいた教育労働者4人に対して不当処分を発令した。
都立高校で働く教育労働者1人に対して減給(10分の1)1カ月(2回めの不起立処分)、都立特別支援学校の1人に減給(10分の1)6カ月(4回めの処分)、中学の1人に停職1カ月(4回めの処分)、小学校の音楽教員に停職1カ月(ピアノ不伴奏3回、再発防止研修未受講1回)である。
03年「10・23都教委通達」から7年目の卒業式を前にして、抵抗闘争の粘り強い継続に追い詰められた都知事・石原と都教委は、不起立闘争の根絶へ全力を挙げた。
一貫して不起立を続けて1年前には2回目の停職6カ月処分を受けた河原井純子さん(都立特別支援学校勤務)に対しては、1年前に担任を高等部から小学部に変更し、卒業式当日は「新型インフルエンザ対策」を理由に通常授業を行わせて式に参加させなかった。あらかじめ「不起立する」と表明していた労働者に対しては、職務命令を出さず、当日も不起立を見て見ぬふりで現認しなかった校長や、式2日前に式場外に追い出す職務命令を出した校長もいる。
しかし、あらゆる手だてをつくしても、闘いを封じることはできなかった。東京の教育労働者は誇りも高く、堂々と不起立・不伴奏を貫いたのである。
不当処分を受けた教育労働者は発令の翌31日、全水道会館で処分発令弾劾集会と記者会見を行った。(発言別掲)
7年間の闘いをとおして、不起立闘争は、日教組本部打倒へ闘う現場組合員の全国的なつながりをつくり出し、力強く前進してきた。東京の闘いと団結して、全国の教育労働者の不起立闘争も大きく広がっている。
この団結をさらに広げ、教育の民営化、戦争・改憲と対決し、民主党・連合政権を倒そう。
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被処分者の声
都立高校教員
校長は前日まで「国歌斉唱時までビデオ撮影をして、その後、担任の席で生徒の呼名を」と言っていたが、式当日朝になって「都教委が『担任には担任の業務をさせろ』と電話してきた。開会時から担任の席に着くようお願いする」と言ってきた。私は「起立できない」と告げ、不起立した。都教委による上意下達の命令体制の象徴が「日の丸・君が代」強制。だから従えない。札束でひっぱたかれようが、誇りを持って働きたい。
市立夜間中学校の教員
不起立・不斉唱は、思想・良心の自由を公務中に侵害されることに対する抵抗。たった40秒だが、とても大きな意味を持っている。今回もまた処分されたが、懲戒免職や分限処分の適用を阻んだ。現場の教員は、都教委の処分や強制をけっして受認はしていない。
区立小学校の音楽教員
再発防止研修を受講しなかったことで受けた処分は、私の誇り。自己申告書や週案をずっと提出しなかったことも、私の誇り。子どもたちは私がピアノ伴奏をしないことも知っている。「君が代」の授業でもいろんな話ができてよかった。
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週刊『前進』(2434号3面4)(2010/04/05 )
交流センター自治体部会が総会
青年労働者の怒り結集し国鉄・道州制決戦勝利へ
3月27日、東京で労組交流センター自治体労働者部会の第14回定期全国総会が開かれた。社保庁解雇と闘う平口雅明さんを含め全国の闘う労働者が結集、2010年度の運動方針を確立した。
まず基調報告の前半、「2009年の闘いの総括」が確信に満ちて提起された。
第一に、国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸に据え、道州制・民営化絶対反対の決戦を路線を貫いて闘ったことを振り返った。「自治労本部を筆頭に全既成勢力が道州制攻撃に屈服する中で動労千葉派=労組交流センターのみが道州制絶対反対を掲げ、貫き、闘いに打って出た。労働現場で既成執行部・体制内派と激突した。道州制は国鉄分割・民営化の全社会化であり、破産した新自由主義の極限的展開であり、闘えば勝てるのだ」
「自治労本部は『攻めの民営化対応』と称して当局と協調して民営化を進め、反対運動を封殺する方針を打ち出した。自治体部会は〈絶対反対>の闘う路線を打ち立て、全国結集闘争として〈道州制粉砕!橋下打倒!3・6府庁前行動>を闘い、自治労大阪府本部と激烈な現場攻防、党派闘争を展開した。この経験を教訓に全国で道州制粉砕の集会・行動を国鉄闘争と結んで展開した」
第二に、職場闘争に本格的に着手・突入し、路線を確立したことを確認した。〈絶対反対派>として登場、党派性を鮮明にして闘いを呼びかけ、体制内派と激突した。
「世界大恐慌情勢を見据えることができない体制内派とりわけ自治労本部は、民主党・連合政権を持ち上げ、『政権与党を支える立場に立つ』『労働組合が自らの権利を主張し要求する役割は終わった』と完全に〈転向>した。これに対し労組交流センターは動労千葉労働運動、階級的労働運動に学び、『資本と労働者は非和解であり、労働者は必ず立ち上がる』『労働運動の前進のメルクマールは団結の強化・拡大だ』『時代認識と路線で勝負する』という確信と路線を実践した」
職場ビラ・ニュースの発行の重要性が確認された。自治労大会で「自治労本部打倒」を掲げ〈主流派>の名乗りを上げたことの意義は決定的だ。
第三に、社保庁解体攻撃との決戦に突入したことが確認された。「社保庁解体攻撃こそ公務員360万人首切り、丸ごと民営化、際限なき非正規化を柱とする道州制攻撃の突破口をなす。自治労本部は社保労組執行部ともどもこれに全面屈服し、闘いの圧殺・解体を狙った。しかし現場には怒りが存在した。労組交流センターは9・6社保労組大会へのビラ入れを皮切りに1千人解雇阻止を訴えた。自治体労働者部会の平口さんの決起が情勢を切り開き、525人が分限免職を受けて立った。この決起は必ず「第2の国鉄1047名闘争」に発展する。
第四に、青年労働者の獲得が前進していることが報告された。
基調報告の後半「2010年度の運動方針」が意気高く提起された。
@世界大恐慌下の保護主義と争闘戦、侵略戦争に対決する労働者階級の反乱、日帝打倒の現実性という革命情勢の到来A検修全面外注化阻止・1047名解雇撤回闘争に決起し民主党・連合政権打倒をB道州制・民営化攻撃粉砕、自治労本部打倒、社保闘争を第2の1047名闘争へC基地全面撤去・日米安保粉砕掲げ沖縄闘争勝利へD反合・運転保安闘争路線を貫く職場闘争の構築をE青年労働者とともに組織建設、部会拡大をかちとろう――の6点だ。
人事評価制度・査定給導入や民営化・外注化をめぐる現場攻防などの報告・討論で路線的確信を深め、特に国鉄闘争勝利の全国大運動を自治体労働者が先頭で担うことを確認した。自治体労働者部会は2010年の前進と飛躍に踏み出した。
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週刊『前進』(2434号3面5)(2010/04/05 )
三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪裁判
4月15日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん耕作権裁判
4月26日(月)午前11時 千葉地裁
※傍聴券抽選のため1時間前に集合を
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週刊『前進』(2434号4面1)(2010/04/05 )
泉佐野市議選 こくが祥司議員7選必勝へ
「財政健全化」=道州制攻撃と関空軍事空港化粉砕する決戦
民主党・連合政権を第2次国鉄決戦で打倒するときが来た!
民主党・連合政権による国鉄1047名闘争解体策動が激化し、攻防が続いている。動労千葉はJR当局の組合破壊攻撃をはねのけ、全労働者の未来をかけて4波のストライキに決起し、4月検修外注化を見事に阻止した。動労千葉が呼びかける国鉄1047名解雇撤回・外注化阻止の大運動に総決起しよう。国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命を切り開こう。
今こそ日米安保粉砕を高々と掲げ、沖縄闘争に総決起しよう。「5月決着」論は沖縄県民を屈服させ、米軍基地を押しつける凶暴な攻撃だ。4・25県民大会から5・15闘争へ総決起し、鳩山民主党政権を打倒しよう。4〜5月泉佐野市議選決戦は、国鉄・沖縄決戦を全面的に勝利させる戦略的大闘争だ。絶対に勝利しよう。
空港関連事業で900億円借金
昨年、民主党政権は、関西空港の地元・泉佐野市に対して「早期財政健全化団体」を指定し、全面的なリストラを行うよう指示してきた。「財政赤字」とは1700億円もの空港関連事業だ。資本家・国・大阪府・泉佐野市および周辺市町村が軍事空港建設を推進し、空港利権に群がって大破産した結果だ。労働者住民には何の責任もない。事業のために泉佐野市は900億円も借金をした。資本は空港連絡道路関連の道路・農道・水路工事、りんくうタウン浸水対策事業、南海電鉄連続立体交差事業、コスモポリス計画など、数百の空港関連事業を食い物にしてきたのだ。
日帝ブルジョアジーと民主党政権は、道州制攻撃が国鉄闘争を先頭とする労働者階級の闘いの前に完全に行き詰まる中で、「財政赤字」を口実にした「財政健全化」攻撃に全面的に打って出てきた。泉佐野市をめぐる攻防は、その最前線・最先端の闘いだ。
2月臨時市議会で与党の賛成多数で通った「財政健全化計画」は、怒りなしには読めない。▼市職員をさらに188人も削減▼人件費を200億円も減らす▼市民の共有財産を売り払う▼小学校2校を廃校にし用地売却▼病院や保育所、保健センター、図書館などはすべて民営化▼公共料金はさらに8億円上げる。資本に大もうけさせてできた借金をすべて市職員と市民に転嫁し、民営化で医療も保育も自治体業務もさらに資本の金もうけに差し出す攻撃だ。
●2年で110人も削減
こくが祥司議員の議会での追及で明らかになったことは、19年間で188人の職員削減計画は、実は最初の2年間で110人も削減する大リストラだったことだ。市は早期退職の圧力をかけ、各課に削減数を通告している。来年度は課を統合し人員を削減して同じ業務をこなす労働強化を狙っている。「低賃金、半分の人数で2倍働け」の道州制攻撃そのものだ。
こくが議員はただちに問題を暴露し、闘いへの決起を呼びかけている。職員は「本当に大変なことになる」と危機感を募らせている。「健全化」計画批判のリーフレットを読んだ市民や職員からは、電話やメールが相次いでいる。道州制攻撃に対する市職員と10万市民の怒りの総決起をつくり出す絶好のチャンスだ。
●市立病院独法化粉砕へ
当局は大阪府下の市立病院で初めて独立行政法人化する計画を出し、昨年12月議会で定款を作った。市はこれまで「独法化すれば病院は経営改善する」と説明してきたが、3月議会で病院次長が「独法化しても経営改善できない」と認めた。こくが議員はただちに「独法化の根拠はなくなった。直営に戻せ」と追及。「経営改善」を真に受けていた保守議員からさえ異論が出る中、日本共産党議員は沈黙した。
独法化の目的は、労働組合の団結をつぶし、病院管理者の好き勝手に賃下げと労働強化、首切りをやり、委託化、民営化を進めることだ。
許しがたいのは自治労・自治労連など体制内労組執行部の敗北主義と裏切りだ。自治労連と病院支部は、当局に「独法化のタイムスケジュールを明確に」「移行後の賃金・労働条件は、何年程度保証できるか」と要望書を出し、「作業を早く進めろ」と独法化促進へ動いている。しかし現場は残業代不払いを組合が認めた現状と独法化への怒りが渦巻いている。5月選挙闘争は、自治体や市立病院の中に絶対反対で闘う現場労働者の団結をつくり出す闘いだ。
沖縄基地撤去・安保粉砕の闘い
関空軍事空港化反対の闘いは沖縄米軍基地撤去の闘いと一体だ。労働者階級は、資本家の延命のための戦争にも安保にも軍事基地にも絶対反対である。
沖縄の労働者階級は教育労働者、自治体労働者の労働組合と住民が一体となって14年間名護新基地建設を阻止し続けてきた。労働組合を軸に住民も一体となって絶対反対で団結して闘えば、阻止できるのだ。進退きわまった民主党は「ホワイトビーチ」「キャンプ・シュワブ」=県内移設を押しつけようとしているが、沖縄と本土の労働者の民主党政権への怒りの決起は不可避だ。
普天間移設候補地として名の上がった首長として唯一「関空への移設」を容認した橋下府知事を許すな。関西新空港絶対反対泉州住民の会は、昨年12月、橋下の「関空への移設容認」発言の直後に府庁に抗議を申し入れた。泉佐野住民のほとんどが「米軍基地だけは絶対認められない」と反対を表明している。
4月29日に泉佐野・末広公園で行う関西労組交流センター主催の沖縄基地撤去・関空軍事使用絶対反対闘争の大爆発を!
(写真 泉佐野駅前で街頭演説を行うこくが祥司議員)
労働運動と党建設の飛躍かけて
世界大恐慌のもと、世界中で労働者学生が戦争と大失業、労組破壊と民営化に反対して立ち上がっている。ギリシャでは「国家財政破綻」による首切り・賃下げ、社会保障解体攻撃に、「資本家を救うために労働者が犠牲になるのはごめんだ」と250万人ものゼネストが何度も闘われ、闘いは全ヨーロッパに拡大している。泉佐野10万労働者階級もギリシャやアメリカの労働者と同じ条件下にある。自分たちを食い物にして延命しようとするゼネコンや銀行への怒りの総決起をかちとることは可能だ。
課題は鮮明だ。「財政健全化」が何をもたらすかを徹底的に暴露し、10万労働者住民の総決起を実現することだ。大リストラ、民営化や廃止の対象となっている自治体の労働者の中に、自治労や自治労連執行部をぶっ飛ばして絶対反対で闘う現場労働者の団結をつくり出し、リストラ、民営化の一つひとつを粉砕することだ。泉州地区党は階級的労働運動路線を貫き、4大産別と民間に闘う労働運動をよみがえらせ、党を建設する闘いに挑戦している。
●橋下と体制内派打倒を
大恐慌の時代に労働者自己解放の鮮明な主張と闘いをもった動労千葉派、こくが陣営だけが労働者住民に勝利の確信と展望を提起できる。
こくが陣営以外のすべての政党・候補は、資本主義の枠内でしかものを考えず「財政再建」を叫んでいる。共産党は最も悪質だ。財政破綻の原因として「同和予算」と空港関連事業を並列し、市長と一緒に「財政再建」に取り組むというのだ。
5月市議選で「財政健全化」=道州制攻撃をめぐる大党派闘争に勝利しよう。「財政健全化」=道州制攻撃と闘う労働組合をつくり出そう。10万労働者市民に分け入り、青年労働者を獲得し、強大な地区党を建設しよう。関西地方委員会は3〜5月国鉄決戦、三里塚決戦、沖縄決戦と固く結合し、道州制粉砕のかかった5月泉佐野市議選―こくが議員7選に必ず勝利する。投票日は5月16日だ。全国の労働者は現地にかけつけ、ともに闘おう。
〔革共同関西地方委員会〕
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週刊『前進』(2434号4面2)(2010/04/05 )
ギリシャ以上に深刻な日帝
恐慌対策で財政破綻へ
ギリシャ政府の財政緊縮政策に対して、労働者階級は巨大なゼネストで反撃に立ち上がった。国家財政の危機に伴う攻撃が革命情勢を引き寄せているのだ。ヨーロッパ全体への危機の拡大と並行し、ストライキの火も全ヨーロッパに拡大している。
資本主義の歴史上かつてない規模の大恐慌に対して、世界各国の政府は2年間で10兆j(約1000兆円)を超える大量の国債を発行し、世界各国の中央銀行は大量の資金を市中に流すことで、崩壊を1日でも先送りしようあがいている。だが問題は、その「恐慌対策」こそがより深刻な事態、想像を絶する崩壊へと導いていることだ。
利払いが税収超える事態に
何をもってしても現在の恐慌の進行を止めることなどできない。国家財政による「買い支え」=財政投入が息切れした途端に、恐慌は一気にその本来の姿を露呈せざるを得ない。資本家の政府としては国債の発行を続ける以外にないが、それは全世界で国家財政を破綻させる。恐慌対策が恐慌を激化させ、国家の破綻をとおして社会の崩壊が現実のものとなる。
労働者階級の怒りはストレートに政府・国家に向かう。プロレタリア革命以外に生きる道のないことがますますはっきりしてくる。
ヨーロッパで起きていることはまだほんの始まりにすぎない。実際のところ、地球を破壊するような崩壊のエネルギーをため込んでいるのは、日本とアメリカ、そして中国の3カ国だ。
しかも国家財政破綻に絞って見た場合、日本の危機が飛びぬけて切迫している。3月7日付朝日新聞は「日本破綻まであと10年もつかどうか」と報じた。1月1日付日経新聞は、「19年度には国債利払いだけで44兆円に達する可能性がある」というJPモルガン証券の試算を紹介している。利払いだけで税収を上回る事態が迫っているというのだ。
「税収を増やすには景気回復しかないが、景気回復で金利が上がれば国債の利払いに行き詰まる」「ご指摘のとおりだ。答えはないが、考える」。これは参院予算委における民主党議員の質問と菅財務相の答弁だ。
日帝ブルジョアジーは大量解雇と大増税に踏み切る機会をうかがっている。それこそ自民党にはできなかった民主党の役割であり、帝国主義的労働運動の指導部=連合を政権内に取り込んでいる意味もそこにある。
だが根底には空前の世界大恐慌がある。たとえブルジョアジーがそれらの攻撃を貫徹できたとしても、すでに間に合わない。大恐慌は、それ以上に抑えがたい力で労働者階級の革命への決起をつくりだす。
円暴落や大インフレも
その上でここでは、問題を日本の国家財政危機の現実に絞って検討を進めていきたい。
第一に、2010年度予算は、総額約92・3兆円、税収見込み約37・4兆円、国債発行約44・3兆円となっている。その他収入の約10・6兆円は、大半が特別会計の積立金の取り崩しであり、今年限りの収入である。
ところがこれはあくまで当初予算であり、きわめて楽観的な「見通し」にすぎない。すぐさま補正予算による国債増発が不可避となる。ちなみに09年度の総額は、当初予算88・5兆円に対して補正102・5兆円。税収は当初見込み46・1兆円に対して36・9兆円。国債発行は当初予算33・3兆円に対して53・5兆円にのぼり、税収の1・4倍を超えたのだ。
今年度のギャップはもっと大きくなる。資本を救済するためには財政規律にかまってなどいられない。「どの国から先につぶれるのか」という国際的な保護主義競争に、いよいよこれから本格的に突入するからである。
2010年度予算こそ、日本帝国主義が崩壊への不可逆の道に踏み込んだ道標となるのである。
第二に、日本の国家財政は以前から借金を膨らませ続ける構造を身につけてしまっていた。すでに臨界点に達しようという危機的状況の中で大恐慌を迎えたのだ。
政府の借金で大資本を救済
バブルの後遺症と97年アジア通貨危機などが絡み合う中で日本の銀行が次々と破綻する事態に対して、政府は2年間で10兆円を超える公的資金の銀行注入をはじめ、大幅な企業減税、租税特措法の乱発、金融収益への減税など、大規模な資本救済を行い、そのために98年、前年度の2倍近い34兆円の国債を発行した(前年に消費税率を5%に増税)。この時は「特例」だと強弁したが、以降、それが構造化した。
背後には膨大な過剰資本の蓄積があり、政府が借金で支えることでかろうじて破綻を先送りしてきたからだ。その結果、債務残高は加速度的に積みあがって1000兆円に迫り、対GDP比は197%に達する。アメリカの92%、ギリシャでさえ111%だ。その異様さは際立っている。
数年来の異常な低金利においても現在の利払いは年10兆円であり、債務残高に伴って上昇していく。さらに金利が1%上がるだけで10兆円増加する。ギリシャの例でも明らかだが、国債の信用に揺らぎが生じるだけで金利は上昇する。それによって実際に返済不能に陥ることになる。なにしろ負債の元本が大きすぎるのだ。その状況を恐慌が直撃したのである。
アメリカでは、サブプライムローンに象徴される略奪的消費者金融によって過剰資本の露呈を先延ばししてきた。日本ではその役割を政府の借金が担ってきた。それがついに限界に達し、同時に破裂する事態に入ったのだ。
第三に、国債保有者の側面から検討したい。国債の破綻によって何が起こるのか。
アメリカ国債はその50%が外国人の保有であるのに対し、日本国債の外国人保有は7%だ。93%は国内に保有者がいる。内訳は日銀8・3%、銀行(ゆうちょ銀を含む)42・2%、生損保(かんぽ生命含む)19・1%、年金15・5%など(08年末時点)。
実体経済が縮小していく中で投資先がなく、量的緩和であふれた資金が国債を買い支えるという皮肉な構造が生まれているのだが、それが飽和状態に達しつつある。公的年金などは運用損を埋めるために国債を売り始めているし、ゆうちょ銀はその資産の8割近くを国債で持っている。銀行の「国債リスク」も限界を越えてきた。
予算で国債発行といえば新規債を指すが、実際に市場で募集されるのは借換債の方が大きく、10年度の当初発行計画は合計162・5兆円で、200兆円を超える可能性さえある。これを毎年買い続ける余力は日本経済に残っていない。「売れ残り」が出た瞬間がジ・エンドなのだ。
国債暴落の瞬間、先に述べた全機関の資産が崩壊する。銀行や郵貯は払い戻し不能となり、年金は支給できなくなる。預貯金や年金保険料は資本家のもうけのために使い尽くされ、犠牲になるのは労働者人民なのだ。
さらに深刻な問題は、58兆円の国債を保有する日銀にある。日本銀行券の信用が崩壊するのだ。「円」の大暴落である。敗戦直後を上回るハイパーインフレが人民を襲い、食糧、エネルギーをはじめ輸入が途絶する。
大恐慌を革命に転化しよう
これ以外のコースはない。ではブルジョアジーはこの破綻を自覚していないのか。そうではない。彼らは十分自覚し、労働者人民への犠牲の強制をもっと早くもっと大きくと主張している。
彼らにとって資本主義社会を維持するということは、社会がどうなろうと資本家の利益を守ることなのだ。彼らは、労働者一人ひとりを鎖でつないで土嚢(どのう)がわりに並べ、「津波」を防ごうとしている。それでも破局が来るというなら、そのときは非常時だと。国家権力の本来の姿、暴力が前面に現れる。戦争とむきだしの弾圧が。
戦争と改憲、労組破壊と闘い、大恐慌を革命に転化しよう。労働者が生きる道はここにある。
(野沢道夫)
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週刊『前進』(2434号4面3)(2010/04/05 )
新刊紹介 国際労働運動 5月号
ギリシャの革命情勢
ギリシャ労働者階級は2月10日以降、3回の全国決起を行った。うち2度はゼネストだ。ギリシャの闘いは1国の枠を越えてヨーロッパ全体に衝撃を与えている。世界大恐慌の中で、財政危機に直撃されたギリシャ政府が財政緊縮策を強行し、労働者人民を犠牲にして危機からの突破を図ろうとしていることに対して、労働者の怒りが爆発している。
闘いは、EU帝国主義の矛盾が集中し、ヨーロッパの「弱い環」とされるポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインに直ちに波及し、「ギリシャに続け」とスト、デモが続発している。ヨーロッパ全体が革命情勢なのだ。
第1章は、ギリシャのパパンドレウ政権の緊縮政策に対する労働者階級のゼネストの様相を全面的に明らかにしている。
第2章は、”ギリシャの国家破産”的危機が、国際金融資本がギリシャ国債を食い物にしてきた結果であることを明確にしている。
第3章は、世界大恐慌のもとでEUに対する日米の帝国主義間争闘戦が激化し、アフガン、イランなどをめぐり軍事的対立が露骨になっている点に切り込んでいる。
翻訳資料は、3・4全学連訪米闘争に関する現地マスコミ報道を取り上げた。「PHOTO NEWS」も全学連訪米闘争の写真の特集である。
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週刊『前進』(2434号5面1)(2010/04/05 )
日弁連会長選挙と司法改革の破綻
憲法と人権の日弁連をめざす会 鈴木達夫弁護士が語る
高山弁護士始め絶対反対派と 広がる怒りの結合にこそ展望
憲法と人権の日弁連をめざす会で活躍中の鈴木達夫弁護士に、3月の再投票で宇都宮健児氏が選出された日弁連会長選挙などについて、縦横に語っていただいた。鈴木弁護士は、動労千葉顧問弁護団の一員であり、国労5・27臨大闘争弾圧裁判主任弁護人、法大闘争裁判弁護団長、星野再審弁護団長などを務めている。(編集局)
弁護士会に不満と怒り
新自由主義攻撃の一環、特に小泉構造改革の目玉の一つであった「司法改革」が完全に破綻を呈し、若手は言うに及ばず弁護士会全体に不満、怒り、危機感が満ちています。それと、高山俊吉弁護士を先頭とする司法改革絶対反対の闘いが結合することをなんとしても阻止する。この意図の露骨な現れが今回の日弁連会長選挙でした。
日弁連の会員数が今2万8千人、ここ10年足らずで2倍になっている。これをさらに5万人にする。その養成機関として法科大学院(ロースクール)が全国で74校生まれました。
大恐慌情勢の中、弁護士全体の経済的没落は激しく、閉鎖される事務所も少なくありません。若手の弁護士は就職できず、既存の法律事務所で給料をもらいながら仕事を覚え、独立するというシステムは立ちゆかなくなっています。
法科大学院の危機
法科大学院こそ司法改革破綻の集積点です。学費が通常の約2倍と言われ、ほとんどが多額の借金を背負って卒業する。最近の日弁連アンケート調査でさえ、最多額は1262万円、平均407万円と公表しています。実態はもっと多額と言われ、給料の高い事務所に雇われ、健康を害するほど仕事をして借金を返す。それでも就職先があったらまだまし、という現状です。
今、日米の学生運動がともに「教育の民営化反対」というスローガンを掲げています。法科大学院の設立にあたっても「戦後の大学法学部教育は間違っていた。もっと直接に企業経営に役立つ、また直接に裁判に役立つものに変えろ」という論が横行しました。
学部を出てからさらに2〜3年大学院に通う経済的余裕のある者は少ない。司法試験ならぬ「資本試験」だと陰口をたたかれ、法曹界が金持ちの独占物になりかけています。
小泉内閣の司法制度改革審議会の最終答申には「7〜8割の合格率」と書かれていました。実際には、初年度06年が48・3%、昨年は27・6%になった。これは国家的詐欺だとの声が広がっています。
中教審法科大学院特別委員会が今年2月に出した調査結果は、全74校のうち3分の1の26校を、教育内容や学生の質の確保の点で問題があると名指しで通告した。文科省と法務省が今さら警告だなど破廉恥の極みだが、整理統合・「助成打ち切り」、あるいは定員減の強力な「指導」が始まっています。
私たちが10年来掲げてきた「弁護士激増阻止、法科大学院廃止」という訴えが現実性を持ってきたと強く思います。
裁判員裁判への総反発
裁判員裁判は、刑事裁判の破壊以外の何物でもないことを、実際に担った弁護士が異口同音に訴えています。
密室の「公判前整理手続き」ですべてが決められ、公開の法廷は完全に儀式・ショーと化している。刑事訴訟とは徹底的に流動的なものであるにもかかわらず、証拠・証人の追加や反対尋問の継続が封じられ、出来合いの筋書きで、かつ超短期審理を強いられる。その制約の中でも、弁護人として当然に被告人の利益を主張する法廷闘争を展開しようとすればするほど、被害者と裁判員の多くは「この期に及んで見苦しい弁解を」という印象を抱き、重刑に傾いてしまう。弁護人としてやりきれない思いだと吐露しています。
裁判所から呼び出しがきても従わない人たちが、ますます増えています。昨年の11月、最高裁が今年の裁判員候補として33万4900人を名簿に登録したと通知し、調査票を併せて送った。ところが、そのうちなんと34%にあたる11万7000人がその調査票を返送してきた。つまり何らかの理由による辞退希望です。
マスコミは出頭率が90%台などと言っているが、これは明らかに数字のゴマカシ。最初に最高裁が候補者登録通知とともに送付する「調査票」によって、次に地裁が事件ごとに呼び出し状とともに送る「質問票」によって、それぞれ審査され除外された者はその出頭率には計算されていないのです。実際は30%前後に過ぎません。
つい先日の鹿児島地裁では、起訴事実の一部を被告人が否認している事件なので、通常100人のところを200人の候補者に通知を送ったところ、150人が選任手続きを欠席し、当日さらに15人が辞退。なんと200人のうち165人が裁判員制度に背を向けました。
また、最高裁は、昨年末までの「正当な理由」なしの不出頭者622人に対して、過料10万円の取り立てはしない方針と報じられています。
(写真 3・20イラク反戦7周年デモ【渋谷】)
延命に天皇まで登場
この間の5年にわたる粘り強い全国的反対運動は、裁判員制度をここまで追い詰めています。そこで登場したのが、昨年12月の天皇誕生日前日の天皇「感想文」。自然災害や新型インフルに触れた後、突如、裁判員制度について「今後の様子を期待を込めて見守りたい」と言及しました。
そもそも天皇と司法との関係は深い。1928年、山東出兵と共産党3・15弾圧の年、その10月1日(「司法記念日」、戦後の「法の日」)陪審法の施行日に天皇は陸軍軍服を着用して大審院に巡行し、司法に関する勅語を読み上げました。それに応えた当時の東京弁護士会会長の談話「社会の実状を通観するに、政界といわず実業界といわず、腐敗堕落その極に達し…司法権が、独り毅然(きぜん)として光を放ち、迷わず偏せず、民衆をしてその寄るべき方向を示す…」。
今回も、右の「天皇感想文」の4日後には、東京弁護士会の現会長が「よりよい刑事裁判の実現に向けて」との声明を出しています。
今や裁判員制度の現状はどれほど危機的であるか、実によく見透せる事態に至りました。
裁く者と裁かれる者とに人民を分断し動員するたくらみは頓挫しました。
裁判所で働く労働者から「裁判員制度はいらない!大運動」に多くの川柳・狂歌がこの間寄せられています。
「人気女優ポスターぐらいで国民が飛びつくなどと思う浅はか」
「国民が望んでいればここまでも広報活動する必要なし」
(全国情報第5号より)
来たる5月18日の集会には、文字どおり「裁判員制度にとどめを!」を実現する空前の結集を訴えます。会場は「国論二分」に最もふさわしい、戦前からの歴史を刻む日比谷公会堂です。
日弁連も大動乱に突入
高山弁護士を先頭とする「憲法と人権の日弁連をめざす会」が、こうした情勢の動因の一つであることは間違いありません。権力は、その破壊を狙って日弁連会長選挙に高山さんを立候補させないというとんでもない攻撃に出てきました。
高山さんは、依頼された交通事故関連の調査の報告が遅れたとされ、東京弁護士会の懲戒委員会から戒告されました。戒告を受けると3年間会長立候補はできないとの日弁連選挙規定があります。
しかし、高山さんの依頼者で懲戒請求をした人は、すでに和解が成立しているので処分はしないでほしい旨の上申書を懲戒委員会に提出していた。このような案件で懲戒の例はありません。にもかかわらず、東弁の懲戒委は戒告とし、日弁連懲戒委員会(今やその構成は弁護士8人と裁判官・検察官ら7人)もそれを追認しました。
その手続きもまったく異例でした。東弁懲戒委の超迅速議決についでの日弁連の早期決定の動き。それを察知した全国弁護士約800人が不服申し立ての代理人に就任しあるいは「懲戒するな」の声を挙げました。
すると、日弁連懲戒委は、会長選挙公示日の1月6日を過ぎても何らの決定もせず東弁議決の効力を維持し続け、立候補届け出締め切りの12日午後5時のわずか3時間前に不服申し立てを棄却する決定を通知し、もって前回選挙で司法改革絶対反対の旗を掲げて7049票、43%を獲得した高山さんの立候補資格を奪ったのです。
宇都宮執行部の正体
宇都宮氏は、高山勝利の阻止を眼目に登場した候補と言われた。ところが、高山立候補資格の剥奪(はくだつ)の中で、その「体制内」が分裂し、「再投票」となりました。
宇都宮氏は、選挙戦で終始「裁判員制度の推進」を言明した。「決して改革の後退ではなく、『第二次司法改革運動』」とも言っています(週刊金曜日3月19日号)。
新自由主義は大量首切りと改憲・戦争で生き延びをたくらむ。大恐慌下の資本主義にとって、それ以外の選択肢はない。司法改革も同様に、戦時司法の構築を狙う権力にとっては、ボロボロになっても強行するほかない。いよいよ日弁連も大動乱期に突入します。
われわれは司法改革絶対反対で団結して進みます。この間、高山さんは、会長選挙の期間、候補者ではないにもかかわらず、全国を行脚し、特に若手弁護士との連帯を深めました。また、3月9日、東京高裁に懲戒処分取り消し訴訟を提起した。かくも卑劣な攻撃には絶対に屈しないということです。
5・18日比谷公会堂へ
5月18日、改憲国民投票法が施行されようとしています。改憲の発議をいつでも可能な状態にしておくのです。「日米対立」の激化も加わり、改憲が切迫しています。民主党政権で改憲は遠のいたなどということはまったくありません。彼らが行き詰まってくればくるほど、改憲に求心力と突破口を求めます。
一昨年、富山での人権大会でついに日弁連は護憲の旗を降ろし、その役割を「憲法改正の是非に関する情報提供」としました。また、「これまで日弁連は在野的精神が強く野党的な立場に立っていた。日本のガバナンスの一翼を担うというのであればもっと政府の中に入っていく必要がある」という弁護士出身民主党閣僚の談話が日弁連新聞のトップに掲載され、今回の会長選挙でも宇都宮候補は「在野精神と政府に入ることは矛盾しない」と公聴会で答えています。
裁判員制度との対決はストレートに改憲阻止の闘い。改憲とは9条改憲とともに支配形態の転換、つまり戦争ができる国家大改造です。裁判所に呼び出して人を裁く義務を課し、国家刑罰権の発動に動員していくことは、国家と人民のあり方の原理的転換にほかなりません。改憲反対と言いつつ裁判員制度に賛成する共産党や社民党はまったくおかしい。
翼賛化を繰り返すな
5月18日の日比谷公会堂集会を、裁判員制度廃止とともに、改憲阻止の歴史に節目を刻む大闘争にしよう。
戦前の昭和恐慌、世界大恐慌の過程で、弁護士の困窮が、今日と同じく社会問題化しました。弁護士から、国家がその生活を保障すべきという論が挙がり、デッチあげ「満州国」の法務官は弁護士に独占させろという要求まで出されるに至って、たちまちのうちに、弁護士会として戦闘機献納・「皇軍慰問」など侵略戦争の先兵に雪崩を打ちました。また、ドイツの弁護士の4割がナチス党員だったと言われる。この歴史を直視する必要があります。
現在「めざす会」の運動は、司法改革反対ばかりでなく国鉄・沖縄闘争などを労働者人民とともに闘っています。弁護士が、戦前の敗北をのりこえて進むという時に、労働者階級とともに闘って自分たちの生活も未来も闘いとることが核心問題と私は考えます。
民主党政権は沖縄を始めとする日本の労働者人民の怒りに包囲されています。7月参院選までもつかどうかという危機にある。日弁連の新執行部は、この民主党政権といよいよ一体化して行く。こんな一蓮托生(いちれんたくしょう)はご免こうむる。
戦後一貫して、憲法と人権の砦として闘ってきた日本の弁護士の伝統と誇りは、今や若手弁護士にも継承され始めました。弁護士も「法の奴隷」ではなくひとりの人間として団結を闘いとる。大恐慌、改憲と戦争のこの時代を闘う世界の労働者人民と手を結び肩を組む。わが日弁連の動乱時代を歓迎し、大胆鮮明に闘いの歩を進めよう。
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週刊『前進』(2434号5面2)(2010/04/05 )
斎藤 法大文連委員長の「退学処分」弾劾
全世界の学生の団結で打ち破ろう
法政大学法学部教授会は3月26日、同学部生の斎藤郁真君(文化連盟委員長)に「退学処分」を下した。腹の底からの怒りをもって弾劾する!
08年の新生文化連盟の決起以来、弾圧による8カ月の獄中闘争をもはね返し、常にリーダーとして法大闘争の最先頭に立ってきた斎藤君への退学処分は、3万法大生全体への襲撃にも等しい。過去4年間の処分ともまったく質が違う。斎藤君への退学処分をもって、文化連盟と法大当局は、倒すか倒されるかの絶対的な対決構造に入った。
同17日付の倉岡雅美さん(人間環境学部)の停学1年処分への怒りと一体で、処分撤回、法大・増田独裁体制打倒までやむことのない闘いに総決起することを宣言する。
処分理由は「09年2月入試での大音量での情宣活動」「09年4月24日の外濠校舎での集会」とされている。さらに斎藤君が「反省文」を提出しなかったから退学だという。こんな処分はデタラメだ! 法学部教授会の2月2日の「事情聴取」では、入試や4月24日の事実関係など一切触れていない。4・24集会には1000人の法大生が授業を抜け出して大合流した。法大生が団結し闘うことが処分理由とされるなど、絶対に許せない!
斎藤君はただちに「法学部教授のみなさん、あなたがたは一体何のために教鞭(きょうべん)をとっているのか? 自らの知識が営業の一手段へと、ますます卑俗なものへと貶(おとし)められていいのか? 少なくとも自分の知識に、形成された思想にウソをつくな。反省をするのはあなたたちであって、私ではない!」と戦闘宣言を発している。
不当処分への怒りは日増しに高まっている。法大闘争は、カリフォルニアの100万人教育ゼネストと合流し、大恐慌を世界革命へ転化する最先端の闘いに押し上げられた。斎藤君と倉岡さんへの処分で墓穴を掘ったのは法大資本だ。キャンパスから処分と教育の民営化への巨大な反乱を巻き起こす。新歓で新入生と大合流し、4・23法大集会の爆発と全国・全世界の学生の団結の力で、不当処分を必ず撤回させる!
(法政大・G)
(写真 昨年4・24法大集会。恩田副委員長、倉岡さん不当逮捕に怒りの大演説を行う斎藤委員長)
富山大・仲井君に退学処分
3月24日、富山大・西頭学長は仲井祐二君(理学部)に対し「退学命令書」を通知してきた。斎藤・倉岡処分と一体のこの暴挙を徹底弾劾する。
「再三の面談を行い助言・指導(してきた)」とありもしない事実をねつ造しているが、要は西頭学長のトップダウンの処分を理学部教授たちが追認したということだ。
富山大学ではこの3年間で3人の学生が不当逮捕され、3人が訓告処分とされた。その上に今回の退学処分だ。しかし、富大生は団結を崩すことなく闘い続けている。
富大当局は学生自治会と新樹寮廃寮阻止の闘いが富大生1万人と結合することを恐れている。退学処分は、当局の追い詰められた姿だ。こんな処分は初めから破産している。学生の怒りはさらに燃え上がる。退学処分撤回! 西頭学長こそクビだ!
(富山大・K)
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週刊『前進』(2434号5面3)(2010/04/05 )
新刊紹介 全学連が訪米報告集を発行
全学連の『訪米報告集』が完成した。3・4教育ゼネストのドキュメント、訪米団座談会、全学連の闘いの歴史をつづった訪米レポートなど盛りだくさん。「世界革命はできる!」と確信にあふれて帰国した訪米団6人が、カリフォルニアでの生き生きとした闘い、国際連帯の地平の巨大さを語る訪米団座談会が必見。まとめて購入して、組織化の武器に!
◆頒価500円 ◆注文先 全学連/TEL&FAX 050-3036−6464
E-mail mail_cn001@zengakuren.jp
※前進社でも取り扱います。
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週刊『前進』(2434号6面1)(2010/04/05 )
1047名解雇撤回・検修外注化阻止、第2次国鉄決戦勝利の全国大運動へ
大倉総一郎
大恐慌と闘い勝利する労働運動
階級的労働運動が青年と結合する情勢が到来した
労働者階級の現実は、大失業・貧困・生活苦・飢餓、強労働・賃下げ・非正規雇用労働・リストラ、社会保障制度解体・年金破壊の真っただ中にある。生きていくこと自身が闘いだ。
この出発点こそ、1980年代の「戦後政治の総決算」攻撃、国鉄分割・民営化だ。国鉄分割・民営化をめぐる攻防は熾烈(しれつ)を極めた。それは、動労カクマルのファシスト組合としての純化、国労の屈服と無方針化と一体で進んだ。「職場規律の確立」の名のもと、出向・退職の強要、職場のあらゆる既得権の剥奪(はくだつ)、一人ひとりの国鉄労働者の誇りを奪い、奴隷につくりかえる攻撃がくり返された。現場の労働者は激しい怒りをもっていたが、バラバラに孤立させられ、非人間的な攻撃にさらされ続けた。
動労千葉は、国鉄労働者のこのような現実に対して、国鉄分割・民営化絶対反対を掲げて決起した。動労千葉は、自分たちの決起の背後に30万国鉄労働者の怒りがあることを知っていた。85年の1100人の組合員のストライキ闘争への総決起は、帝国主義の「戦後政治の総決算」に対する反撃であった。「闘っても負けるだけ」「犠牲を大きくするだけ」という労働運動の敗北主義の暗雲を払いのけ、「犠牲を恐れず闘えば勝てる」「闘えば次の闘いの展望も出てくる」ことを身をもって示した。
日本帝国主義は、国鉄闘争を破壊することが戦後労働運動を解体することだとして一貫した攻撃をかけてきた。89年の総評解散・連合結成、95年日経連の「新時代の『日本的経営』」によって攻撃を決定的に激化させた。労働運動を変質させ、9割の非正規雇用労働者の創出で危機を突破しようとした。
しかし動労千葉は、分割・民営化攻撃に絶対反対を貫いて決起することで、このもくろみを根本的なところで粉砕した。90年の清算事業団解雇に対する動労千葉の前倒しのストライキ闘争は、1047名闘争団を生みだし、国鉄闘争は23年間、帝国主義と国鉄当局・JR資本に対して闘う運動の陣形をつくってきた。この闘いの地平は新自由主義攻撃との全面的な対決としてあった。
新自由主義は、74〜75年恐慌として爆発した戦後帝国主義の危機に対する資本主義・帝国主義の最末期の延命策である。それは労働者階級に対する階級戦争によって、労働者階級が歴史的に闘いとってきた諸権利を奪い取り、労働組合を破壊し、労働者階級の団結形態を解体し、人間性を破壊する攻撃である。市場原理こそすべてとして国家の規制を撤廃し、資本が好き放題の利潤をむさぼる民営化・労組破壊の攻撃である。
だからこそ、それは一方で新しい侵略国家体制づくりの攻撃でもあった。日米安保体制の強化を軸とする78年ガイドライン、97年新ガイドライン(日米防衛協力のための指針)は、この攻撃の突破口であった。
新自由主義攻撃との闘いの核心は、労働組合をめぐる攻防に勝利することだ。労働者階級は、労働組合を資本との闘いの武器として、連帯し、団結し、ストライキ闘争へ決起し、社会の主人公として自己を登場させて、現状を変革する存在である。
「どのストライキも、本当の主人は資本家ではなくて、ますます声高く自分の権利を主張している労働者であるということを、そのつど資本におもいださせる。どのストライキも労働者の状態は絶望的ではなく、彼らはひとりぼっちではないということを、そのつど労働者におもいださせる」(レーニン「ストライキについて」)――この闘いを正面から階級的労働運動として実践してきたのが動労千葉労働運動だ。
大恐慌への本格的突入は労働組合・労働運動解体攻撃をますます激化させた。ブルジョアジーは1047名闘争解体、検修・構内全面外注化をもって、動労千葉労働運動破壊攻撃をかけてきた。しかし他方で、大恐慌は労働者階級が闘わなくては生きていけないことをはっきりさせた。階級的労働運動が2000万青年労働者、6000万労働者階級と結合する最高の情勢になった。国鉄決戦が日本プロレタリアートの階級決戦として決定的にせりあがってきたのだ。
動労千葉を先頭に反合・運転保安闘争で勝利開け
大恐慌に突入する中で08年、日本労働運動をめぐって激しい分岐が起こった。
政治和解路線は腐っている
4党合意に対して激しく闘った闘争団が「政治解決」のために国労本部と一緒になって動きだし、自分たちの変質の証を動労千葉争議団の排除に求め、それをもって和解路線にのめり込んでいった。国労本部が進めている「政治解決路線」は動労千葉争議団排除を前提としている。したがって根本から腐っているのである。
民主党・連合政権の「政治解決の素案」は、「JRに法的責任がない」と認めること、すなわち国鉄分割・民営化攻撃を認め、一切の訴訟を取り下げることが前提となっている。これは1047名闘争団の23年間の艱難(かんなん)辛苦をのりこえてきた闘いの清算であり、1047名闘争解体攻撃である。さらに、それにとどまらず国労解散=連合化の道に転落することだ。1047名闘争をめぐる4者4団体の変質はついにここまできた。それは日本共産党スターリン主義と社会主義協会派の完全な屈服と変質であり、彼らの「全面一括解決路線」の破産の結果である。
しかし、この国鉄決戦は同時に、2010年1〜3月をもって新たな段階に突入した。動労千葉は、検修・構内業務の全面外注化阻止へ全組合員の総決起をかちとり、徹底的に闘って4月1日実施を完全に粉砕し、数年間にわたる職場攻防の大決戦へ突入した。
JRの鉄道業務の全面外注化攻撃は、保守部門を先頭に2001年から開始されている。これによって何千人もの労働者が強制出向に駆り立てられた。検修・構内外注化は、これを一層徹底的に促進するものである。七つのJR会社に分割・民営化した国鉄を、今度は数百の会社に分割・民営化する攻撃である。文字どおり第2の分割・民営化攻撃である。しかしこの攻撃は、検修職場の団結の解体なしに実行できない。動労千葉労働運動の拠点をめぐる全面的な激突、攻防となる。
勝利する道は、職場の団結であり、平成採・青年労働者の獲得、組織拡大である。動労千葉の全活動家はこのことをしっかり自覚し、団結を拡大し、拠点職場のストライキ闘争へ連続的に決起し、第2次国鉄決戦に勝利的に突入した。
09年11月労働者集会が掲げた1047名解雇撤回の闘いは、昨年、国労5・27臨大闘争弾圧裁判闘争で画歴史的な勝利を実現した。さらに士職登用差別裁判の勝利、動労水戸での最高裁勝利判決の確定、JRの団結破壊の攻撃に対するJR本社抗議闘争など、闘いの大きな前進が切り開かれてきた。その上に1〜3月外注化阻止決戦の大勝利がかちとられたのだ。
この勝利を導いた路線こそ、動労千葉が切り開いた反合・運転保安闘争路線である。これこそ検修・構内外注化阻止決戦に勝利する路線だ。それは資本と労働者の絶対非和解性をあいまいさなく徹底的に貫く路線であり、同時に職場の怒りを団結として強固にうち固め、団結を全労働者の中に拡大していく路線である。
資本の最大の弱点は安全問題であることを見抜き、これと徹底的に闘うことである。資本は、合理化攻撃が不可避にもたらす安全問題の矛盾と危機を解決できない。安全問題こそ国鉄闘争の原点である。この闘いは戦後労働運動の体制内的限界を根底から突き破る闘いだ。このことを動労千葉労働運動は実践してきた。今こそ反合・運転保安闘争を軸に渾身(こんしん)の決起をかちとり、第2次国鉄決戦へ勇躍前進しよう。
大恐慌への本格的突入は、この情勢に根本から立ち向かうことを求める。現在の情勢こそ資本主義の終わりである。それは、JR体制を打倒し、1047名解雇撤回をかちとる絶好の機会が到来したことを意味する。
(写真 青年労働者のライフサイクル強制配転に怒りの抗議行動に立つ動労千葉【2月1日 習志野運輸区門前】)
原則的闘いに確信を持とう
国鉄1047名解雇撤回闘争こそ、日本の労働者階級が23年間支え、総評解体後の労働運動の結集軸としてきた運動である。「政治解決」の名のもとに国鉄分割・民営化を認め、解雇撤回を下ろして金銭和解に走ることは、労働運動に対する最大の裏切りである。
これを認めることは、労働組合は今後、解雇撤回闘争をやらないと宣言するに等しい。すなわち資本と賃労働の非和解性を否定し、労働者階級を永遠の賃金奴隷に追いやることを意味する。労働者階級が生産手段を奪取し社会の主人公として登場することを否定する路線である。この攻撃に屈服することは、青年労働者が資本による工場閉鎖、派遣切り、リストラ攻撃と必死に闘っている現実に対する、階級的団結の破壊である。青年労働者を一層の非正規化へと追いやる攻撃に手を貸すことである。
労働者階級は全社会を奪い返す存在である。大恐慌が激しく進行し、帝国主義世界がガタガタと音を立てて崩壊している中で、この崩壊を促進し、プロレタリアートが社会的生産手段をブルジョアジーの手から奪い取ることこそが全世界を変革する唯一の道だ。屈服を根底から拒否し、第2次国鉄決戦勝利! 1047名解雇撤回! 検修全面外注化阻止!――この新たな全国大運動を爆発させよう。
労働者階級は原則的な闘いを求めていることに圧倒的確信をもとう。この闘いは、6000万労働者階級の未来がかかった運動である。階級的労働運動の力は、大恐慌に立ち向かい勝利する力をもっている。全世界の労働者と団結し、戦争・民営化・労組破壊との闘いを発展させよう。
沖縄米軍基地撤去・安保粉砕へ
争闘戦を激化させ新たな世界戦争へ進む帝国主義
大恐慌へ突入する中で、日帝は帝国主義世界の最弱の環である姿をさらけだした。アメリカ経済の危機はサブプライムローン問題の爆発から金融恐慌に発展し、同様の危機的現実に深々とはまり込んでいたヨーロッパ帝国主義を巻き込みながら、大恐慌は深化した。そして今や全世界で実体経済の縮小と市場をめぐる帝国主義間争闘戦を激化させている。この帝国主義世界体制の最弱の環が日本帝国主義である。
対米輸出に依存してきた日帝ブルジョアジーは、アメリカ経済の破綻の中でその危機を一挙に露呈した。自動車を先頭に、対米輸出に依拠した日帝の政策は完全に破綻した。日帝はその活路の一切を中国・アジア市場に求めている。アジアをめぐる帝国主義間・大国間の争闘戦は日に日に激化している。それは経済だけでなく、政治・軍事をめぐる争闘戦に発展している。
09年8月の自民党支配崩壊と小沢・鳩山政権の誕生は、このことを激しく進めた。小沢・鳩山は対米対抗性をもって「東アジア共同体」構想をぶちあげた。これに対して米帝は激甚に反応し、日帝の「東アジア共同体」構想をつぶし、中国・アジア市場をめぐる争奪戦に勝利して、米帝を基軸としたアジア支配体制を再確立するために総力をあげている。
そして大恐慌下の争闘戦の激烈化は、新たな帝国主義侵略戦争・世界戦争・核戦争、そのための原発・原子炉開発競争、ミサイル・核弾頭開発競争へと帝国主義を駆り立てている。
06年に始まった米軍の全世界的再編は、直接的には米帝の石油資源確保・市場確保を軍事的観点から再編成することで基地機能を強化しつつ、米帝の軍事的負担の軽減をめざしている。その米軍再編の中軸の中軸こそ、普天間基地問題を焦点とした沖縄米軍基地の全面的な再編強化、辺野古への新基地建設である。沖縄の巨大な基地群を中東・アジア侵略の最大の軍事拠点にしてきた米帝にとって、この機能の強化こそあれ、後退などまったく考えていない。
第2次世界大戦終結以来の戦後の歴史も絶え間ない侵略戦争の歴史であった。朝鮮侵略戦争、ベトナム侵略戦争、イスラエルによるパレスチナ侵略戦争を始めとした中東での戦争、旧ユーゴスラビア解体をめぐる侵略戦争、そして現在のイラク・アフガニスタン侵略戦争に至る歴史をみても、現代は史上類例のない戦争の歴史なのである。
これは、帝国主義が2度の世界戦争を経ても、帝国主義世界戦争として爆発したその基本矛盾を絶対に解決できない体制であることを示している。世界市場の分割と再分割をめぐる激突は、帝国主義にとって世界戦争に耐えうる軍事体制を必要とした。とりわけ、1917年のロシア革命と1930年代階級闘争の激突を経験したブルジョアジーにとって、軍事体制の強化はプロレタリア革命に対する予防反革命としてあった。それは本質的にドル体制(ドル・ポンド体制)防衛の軍事体制であった。
第2次大戦後に形成された帝国主義防衛の体制の柱は、@国連による集団防衛体制、ANATO、B日米安保体制である。この体制は、戦後革命期のプロレタリアートの決起を粉砕し、スターリン主義を追いつめる体制でもあった。帝国主義に屈服したスターリン主義がなんと言おうと、帝国主義は、自己を維持していくためにスターリン主義とのイデオロギー的軍事的争闘を繰り返し、スターリン主義を軍拡競争に引きずり込み、スターリン主義はその根本矛盾から逃れることができず崩壊した。そしてソ連スターリン主義の崩壊は、帝国主義が過剰資本・過剰生産力の矛盾を爆発させ本格的に崩壊する始まりだったのである。
「日米安保体制粉砕」こそ沖縄闘争を発展させる環
沖縄労働者階級の米軍基地撤去闘争は、米帝・日帝のあらゆる懐柔策、振興策での分断などによっては抑えられない、帝国主義支配に対する根底的な怒りの爆発である。それは日米安保体制に対する怒りである。日米安保体制粉砕こそ、新たな沖縄闘争を発展させる環である。
民主党政権は3月、歴代政権の「核密約」の暴露を行った。@60年安保改定時の核持ち込み(核を積んだ艦船などの寄港・通過について、事前協議の対象から除外する)と米軍の自由出撃に関する密約(60年1月)、A朝鮮半島有事における米軍の戦闘作戦行動を事前協議なしに認めることと、沖縄返還後に重大な緊急事態が生じ、米政府が核兵器を沖縄へ再び持ち込む場合、日本側は事前協議で承認するという沖縄への核再持ち込みに関する密約(69年11月)、B返還協定で米政府の負担が決まっていた現状回復補償費を日本が肩代わりするという密約(71年6月)などである。
民主党・連合政権は、この暴露(それ自身も実に中途半端でインチキなものだ)をもって問題は解決するかのように装っているが、そんな問題では断じてない。現代帝国主義の軍事体制の最大の柱は核兵器の独占である。米帝は、核戦争体制においてスターリン主義に対して圧倒的優位を確保し、それを日米安保体制によって強制してきたのだ。それは同時に、プロレタリア革命に対する恐怖として、労働者階級人民の闘いの革命的内乱的発展に対する予防反革命的圧殺体制でもあった。
したがって「核密約」とはまさに日米安保体制の根幹にかかわる問題である。日米安保粉砕を実現することが一切なのである。
日米安保体制は97年「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)で決定的にエスカレートした。続く99年の周辺事態法と船舶検査法、03年の武力攻撃事態法、04年国民保護法と改定ACSA(日米物品役務相互提供協定)、ミサイル防衛(MD)戦略によって、朝鮮・中国・アジア侵略戦争のための日米軍事同盟が圧倒的に強化された。この具体化として、96年SACO(沖縄に対する特別行動委員会)で、2014年までの普天間飛行場代替施設の完成、海兵隊司令部要員のグアム移転のロードマップ(行程表)が打ち出された。
しかし、辺野古への巨大な軍事要塞建設攻撃に対する現地での14年間の実力阻止闘争、他方でアメリカ国内でのメーデーの復活と移民労働者の決起、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10によるイラク開戦直後のオークランド港での軍事物資輸送阻止闘争として、労働者階級による新たな反戦闘争のうねりが開始された。米軍基地と日米安保体制をめぐる沖縄の攻防は、労働運動をめぐる攻防と完全に重なり、決定的段階に入っている。
沖縄の怒りは暴動寸前だ!
民主党・連合政権の攻撃の核心は労働運動解体攻撃である。大恐慌が本格化する中で、ブルジョアジーが今までのやり方では労働運動を制圧できず、完全に行き詰まっている。否、大恐慌・大失業の進展がますます労働者階級の怒りに火をつけている。民主党・連合政権の登場は労働者階級の怒りが戦後自民党支配を崩壊させた結果だ。しかし小沢・鳩山は、この階級の怒りを労働運動を徹底して解体することで圧殺し、帝国主義の危機をのりきる政権として登場した。だがそれは階級対立をますます非和解的に激化させるだけだ。
日本階級闘争はすでに国鉄・沖縄・三里塚・法大を最焦点に激しく闘われている。沖縄の現実は、大恐慌の現実と重なってもはや暴動寸前の情勢だ。青年労働者を先頭とする沖縄労働運動の力で日米安保粉砕・米軍基地撤去・改憲攻撃粉砕の闘いを大爆発させる決定的情勢が到来した。労働運動の力で米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒に向けた総決起をかちとる情勢へ突入したのである。
新たな全国大運動に突撃しよう
ギリシャの危機とギリシャの労働者階級のゼネスト決起は、国際労働者階級の決起の方向をさらに鮮明にしている。
それは、世界大恐慌がますます激化し発展している中で、世界経済の弱い環から、大失業と財政危機の爆発として経済的政治的破綻が生じているからである。ギリシャの財政破綻はEUにおいて連鎖的破綻を引き起こす。ドイツもフランスも、ギリシャへの財政出動で自国経済が壊滅的危機に陥る危険がある。独仏には財政出動する力がなくなっているのだ。IMF(国際通貨基金)の登場も、米帝経済にリンクすることになり、国家的破綻がなお一層世界的に拡大する。
ギリシャ問題は、資本主義の危機がストレートに労働者階級のゼネストへと発展し、プロレタリア革命の問題を突きつけている。大恐慌論的には、帝国主義の財政危機がプロレタリアートの革命的決起に直結する情勢へ突入したことを意味している。
いま日本のプロレタリアートが直面している事態は、実にこのような情勢である。日本帝国主義の国家的・経済的・政治的破綻に対し、動労千葉労働運動の前進で第2次国鉄決戦の勝利を先制的に切り開く闘いに突入することは、決定的意義をもっている。この帝国主義の大破局を前にして、資本と非和解的に闘う勢力として階級的団結を基軸に闘いを開始していることは、情勢に間に合っているのである。
新たな全国大運動の階級決戦的意義をしっかり確認しよう。全党は4〜6月決戦、11月労働者集会へ、新たな全国大運動をもって、階級闘争の熱い大地を進撃しよう。
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週刊『前進』(2434号6面2)(2010/04/05 )
2010年 3月24日〜30日
「勝連沖」で650人が移設反対集会/徳之島で4200人が集会
●訓練の県外移設に難色 米太平洋軍のウィラード司令官は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、訓練の一部を沖縄県外に移す案は、航空部隊と地上部隊を一体で運用できなくなることから難しい、との見方を示した。(25日)
●「たたかれようが決断」 連合沖縄の仲村会長らが首相官邸に平野官房長官を訪ね、米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設断念の要請書を手渡した。平野は「どこでも地元が反対だ。連合の言い分は分かる。たたかれようが決断する」と述べた。(25日)
●「勝連沖」反対集会 与勝海上基地建設計画反対うるま市民協議会(うるま市民協)は、米軍普天間飛行場移設の勝連半島沖埋め立て案に反対する市民総決起大会を開いた。住民ら約650人が参加した。(25日)
●米ロ、核軍縮条約合意 オバマ米大統領とロシアのメドベージェフ大統領は、第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継となり、両国の戦略核弾頭を1550発に削減する新たな核軍縮条約に最終合意した。(26日)
●軍事境界線近くで韓国艦が沈没 韓国北西部沖の黄海で艦尾に穴が開いた韓国海軍の哨戒艦が沈没、乗組員104人のうち46人が行方不明になった。現場は海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)付近。(26日)
●移設先に徳之島検討 鳩山政権が米軍普天間飛行場の移設問題で、暫定的な移設先として徳之島(鹿児島県)を検討していることがわかった。岡田外相と北沢防衛相がそれぞれ米側と沖縄側に検討状況を伝えた際、この内容も盛り込まれていた。(26日)
●オバマがアフガンを電撃訪問 オバマ米大統領は、就任以来初めてアフガニスタンを訪れ、カルザイ・アフガン大統領と会談した。予定が事前に公表されない電撃訪問だった。(28日)
●徳之島で4200人集会 米軍普天間飛行場の移転先候補とされる鹿児島県・徳之島で島民らによる移設反対大会があった。島民約4200人が集まり「徳之島への移設を断固として反対する」決議文を採択した。(28日)
●政党紙配布に逆転無罪 休日に政党の機関紙を配布したとして、国家公務員法違反(政治的行為の制限)の罪に問われた旧社会保険庁職員(現日本年金機構准職員)の控訴審で、東京高裁は、罰金10万円、執行猶予2年とした一審・東京地裁判決を破棄し、無罪とする判決を言い渡した。(29日)
●普天間、5月決着堅持 岡田外相がゲーツ米国防長官と国防総省で会談した。岡田は米軍普天間飛行場の移設について「5月末までに決着したいとの鳩山首相の考えに変わりはない」と伝えた。(29日)
●島根原発、点検漏れ123件 中国電力は、島根原発1号機と2号機(松江市)で、機器の交換や点検が定期検査で実施されたことになっていたのに、実際には実施されていなかったものが計123件あったと発表した。1974年の1号機の運転開始以来、点検・交換記録がまったく残っていないものもあった。(30日)
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週刊『前進』(2434号7面1)(2010/04/05 )
難民を収容するな! 「在留カード」導入阻止!
階級的団結で勝利開け
戦争・民営化と排外主義の民主党・連合政権打倒を!
朝鮮学校排除 増税と戦争の道 高校無償化法を弾劾する
革共同入管闘争組織委員会
世界は革命情勢だ! 2〜3月動労千葉は第2次国鉄決戦への突入を宣言し、1047名解雇撤回、検修・構内業務全面外注化阻止を掲げた4波のストライキを闘いぬいた。全国結集で闘った2・13JR東日本本社デモ、3・20イラク反戦決起から3・28三里塚総決起集会へ、民主党・連合政権との激しい攻防を全一体のものとして闘い進んだ日本階級闘争は、4・1検修外注化を完全に阻止するに至った。世界大恐慌の深まりの中、この闘いこそ、4者4団体の屈服和解路線の対極で闘う労働組合をよみがえらせ、全世界を労働者階級の手につかむ道だ。「民族・国籍・国境を越えたプロレタリアートの階級的団結こそ、帝国主義の侵略戦争・世界戦争を実力で阻止し、プロレタリア世界革命を現実にたぐり寄せるものである」(革共同の綱領草案)。国際連帯と共同闘争の場である4〜5月入管闘争への総決起を訴える。
(写真 在日・滞日外国人労働者と固く団結しインターナショナルを大合唱した昨年5・10全国入管集会【横浜市教育会館】)
綱領草案のもとに世界革命の実現を
世界大恐慌はますます深まり、世界各国が国家存亡の危機に瀕(ひん)するまでに至った。200億ユーロ(約2兆5229億円)の国債償還期限を4〜5月に控えたギリシャでは、過酷な財政緊縮政策が労働者階級に襲いかかっている。これに対し2月24日、全人口1116万人中300万人の労働者がゼネストに立ち上がり、続く3月5日には財務省を労働組合が占拠する中、官民2大労組を先頭とするゼネストが爆発した。
このギリシャのデフォルト(債務不履行)危機を前にEU諸国は、IMFの介入を回避したいが、自らが財政援助に乗り出そうとはしない。帝国主義諸国には何の解決策もない。
これはヨーロッパだけのことではない。日帝の債務残高は対GDP比197%で、1000兆円に迫っている。ギリシャ(同比111%)より日帝の方が一層深刻だ。
「今や大恐慌をプロレタリア革命に転化することだけが、大失業と戦争(核戦争を含む)の破局を阻み、労働者階級はもとより全人類を破滅への行進から救い出す唯一の道である。全世界に巻き起こる労働者や農民の『生きさせろ!』の叫びを、今こそ現実の革命に転化する時だ。
一切のかぎは、資本のもとで徹底した分断と競争にさらされている労働者が、この分断を打ち破って階級としてひとつに団結して立ち上がることにある。この団結の発展の中に、奪われてきた人間本来の共同性が生き生きとよみがえってくる。これこそが労働者階級のもつ本当の力である。社会を変革する真の力はここにある」(革共同綱領草案)
排外主義で分断
民主党・連合政権のもとであらゆる階級攻防が激突局面となっている。
普天間基地の県外移設とともに民主党が政権公約で打ち出し、民主党への集票を加速したとも言える「子ども手当」法案が3月26日、「高校無償化」法案が31日に国会で成立し、4月1日をもって動き出した。
この高校無償化法案をめぐっては、中井拉致担当大臣(国家公安委員長)が「(朝鮮学校の生徒は)日本が制裁している国の国民だ」と朝鮮学校を対象から外すように要求したことに端を発し、鳩山首相も「朝鮮学校で教えていることが見えない」と呼応し、さらに大阪府知事・ファシスト橋下が「北朝鮮という国と暴力団は基本的に一緒。暴力団とお付き合いのある学校に助成するのがいいのか」と暴論を騒ぎ立てた。これは「外国人参政権」法案をめぐって繰り広げられた反北朝鮮キャンペーン同様、在特会(在日特権を許さない会)などの極右反動をテコにした「官製」の民族差別・排外主義の扇動だ。
公立高校生徒の授業料を無料にし、私立高校生徒にも同等額(11万8800円)を助成するという高校無償化法。支給対象は、国籍を問わず日本国内に住む高校生で、一般高校だけでなく、省令によって専修学校の高等課程や大半の外国人学校も含まれる。
朝鮮学校については4月実施を見送り、夏までに文科省が設置する第三者委員会で審議して決めるとしたが、「7月参院選への悪影響を避ける」ためだ。
高校無償化に必要な年間約4千億円の財源を確保するため、16〜18歳の子どもがいる世帯を対象とした税金の優遇措置(特定扶養控除)が段階的に削減される。高校に通わない16〜18歳の子どもを扶養する世帯は税負担だけが増える。年間6万6千人(08年度)が家計などの理由で高校を中退しているのが現状だ。しかし、不登校の生徒らが通うフリースクールは無償化の対象外だ。授業料が安い定時制や特別支援学校などに通う子どもがいる場合、年収600万円の3人世帯では定時制で3640円、特定支援学校では3万5800円もの増税となる。
民族差別・排外主義の扇動の中で強行されているのは、労働者の大量首切りと福祉解体と増税↓戦争への道だ。われわれのスローガンは法大闘争で、3・4カリフォルニア全州100万人ゼネストで高々と掲げられた「教育の民営化粉砕!」「公教育を守れ!」でなければならない。
私たちが犯罪者? 私たちは人間だ!
昨年1年間に難民認定申請を行った人は1388人、難民認定をしない処分に対して異議申し立てを行った人は1156人(前年比2・7倍)に上ったが、難民認定はわずか30人なのだ。
「民主党政権になって入管はひどくなった」というのが、難民申請者を始め、収容者への面会行動を続ける人びとの実感だ。収容の長期化に加え、再収容・再々収容の激増、女性や子どもたちを含む家族全員の収容攻撃が強まっている。
再収容攻撃は、法務省が「(09年)人道的な理由に配慮し特に在留を認めた者は過去最高の501人」だったと自慢する特別在留者にも及んでいるのだ。「人道的配慮」などと言えるものではない。
昨年7月、自民党政権下で民主党も賛成して成立した改悪入管法は、外登法を廃止し、新たに「在留カード」を導入することで外国人管理を入管法に一元化しようと狙ったものであり、3年以内とされる「在留カード」導入までに難民申請者を始め在留資格を持たない外国人を排除・一掃しようという攻撃だ。
茨城県牛久市にある東日本入管センター(牛久入管収容所)では2月8日、退去強制令書が出ていた25歳の日系ブラジル人が自殺し、それ以降も何件かの自殺未遂が起きている。
3月22日には強制送還中のガーナ人(45歳)が東京入管職員の「制圧」を受けて飛行機内で死亡するという事件まで起きてしまった。まさに入管当局によって虐殺されたのだ。
大阪・茨木市の西日本入管センターでは1年以上の長期収容からの解放と劣悪な医療体制の改善を要求し、男性収容者のほぼ全員、約80人が集団ハンストに立ち上がっている。
母国での反政府闘争、民主化闘争に立ち上がり、難民として逃れてきた日本で闘いを継続している難民・難民申請者こそ、誇り高き労働者階級そのものだ。
民主党政権への怒りは天に届くほどだ。「難民を収容するな!」「私たちは犯罪者ですか? 私たちは人間です!」「千葉法務大臣、私のお父さんを返せ!」――この怒りと結合し、入管体制を粉砕しよう。
在日・滞日外国人に敵対する塩川一派
この極悪の民主党・連合政権にすり寄り、この期に及んで「さしあっては露骨な新自由主義政策や反動政策をうち出せないでいる。自公政権の中で強行された反動法や反動政策を……変更させる要求を突きつけ、実現させよう」などと擁護しているのが塩川一派だ。
『展望』第6号に掲載された「『7・7思想』と入管闘争」なる中沢慎一郎論文こそ、91年5月テーゼ以来の階級的労働運動路線=動労千葉労働運動を憎悪し、血債主義に逃げ込んだ上、ついには国家権力に投降し、事実を歪曲した組織暴露で革共同と労働者階級を日帝に売り渡そうとする転向文書であり、入管闘争破壊文書である。だが悲しいかな、その組織暴露は、ごく限られた地域のみを対象にしたものでしかなく、中沢自身がいかに党的トータリティに欠けた人間であったのかを自己暴露している。
さらに、国際階級闘争の新たな発展への敵対文書であり、故中野洋同志への許し難い襲撃文書である。
昨年7月のサンフランシスコ国際会議を大きな転換点として国際連帯は新たな地平に突入した。この地平を実現したものこそ、国鉄分割・民営化と営々と闘ってきた動労千葉であり、「誰も手を付けようとしなかった国家を越えて労働者は一つだということを実践しようとしたのはまさにあなたでした」と民主労総ソウル本部のコジョンファンさんが弔辞でたたえた動労千葉の中野洋顧問その人だったのだ。
中沢は、「在日人民をプロレタリア革命の主体的存在として措定した」と言いながら、その対極で「日本の労働者階級は、差別・抑圧との闘いを極めて自覚的・目的意識的に自己の課題としてすえて闘うこと抜きに、自己の階級性を形成することはできない」と言う。労働者階級への絶望を組織し、革命情勢を前にして民族・国籍・国境を越えた国際的団結を否定し、階級的合流と共同闘争、単一の党建設、世界革命の実現を永遠の彼方に追いやろうというのだ。
あらためて宣言する。わが革共同はついに確立した綱領草案のもと、労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利を成し遂げる。労働者階級の階級的解放は同時に、階級社会のもとでのあらゆる抑圧・差別からの人間の解放なのだ。この道を進もう!
東西入管集会へ
今年も「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」のスローガンのもと、2010年外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会が実行委員会から呼びかけられている。「敵の常套手段は『分断』です。分断を許さず、団結して闘えば勝利できるのです」「研究交流し集会を“春の労働者集会”としてかちとり、民族・国籍・国境を越えて一つに団結しましょう! 『希望は団結』です。皆さんのご賛同、ご参加を心より呼びかけます」(全国実の呼びかけ文より)
4・18関西集会(大阪・東成区民ホール)、5・9全国集会(横浜・鶴見公会堂)に結集し、在日・滞日外国人労働者との国際的合流を実現し、勇躍、世界革命へと前進しよう!
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難民を収容するな! 「在留カード」阻止!
外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会へ
第19回 関西研究交流集会
4月18日(日)午後1時開会
大阪市・東成区民ホール(大阪市営地下鉄今里筋船「今里」下車
第21回 全国研究交流集会
5月9日(日)午後1時開会
横浜市・鶴見公会堂(JR京浜東北線「鶴見」、京急線「京急鶴見」下車)
主催:外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会実行委員会
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週刊『前進』(2434号7面2)(2010/04/05 )
印刷局・経営局で闘う決意
21世紀革命に勝利する党建設の最重要課題として、マルクス主義と革共同の綱領草案に基づく労働運動の実践を日常不断にやり抜き、党活動の核心中の核心に機関紙・誌活動を据え、工場・経営と地域に網の目のように張り巡らされた機関紙配布網を建設しよう。この活動を最先頭で担うため、前進印刷局と経営局に新たに着任した3同志の決意を紹介します。(編集局)
党は機関紙で一致し機関紙で団結する! 印刷局 上野 登
日帝ブルジョアジーは、過剰資本・過剰生産力という自らはけっして解決できない矛盾にあえぎ、改憲・戦争、民営化・労組破壊(労働者の団結破壊)に象徴される新自由主義政策によって延命してきました。しかし、革共同を中心とした勢力がこれを粉砕して勝ち抜き、労働者階級の団結を守り抜いてきました。
昨年の8・30に労働者階級の力で自民党政権が打倒されたことで、革命情勢は一気に成熟しました。代わって登場した民主党・連合政権は徹頭徹尾、資本主義救済の立場に立ち、自民党以上に革共同や動労千葉派、沖縄の労働者人民の闘いに敵対しています。しかし、それによって帝国主義の最弱の環・日帝は、さらなる体制的危機に陥っています。
新自由主義が世界的に破産し、大恐慌・大失業に対する労働者階級の国際的なランク&ファイルの闘いが始まっています。労働者階級は闘いの中から世界単一の革命的労働者党を希求する地平に到達し、敵階級を迎え撃っています。社会の主人公である労働者階級が支配階級となるべき時代が到来しました。
求められているのは、世界単一の革命的労働者党です。党は機関紙活動を軸につくられなければなりません。機関紙の内容で一致し、機関紙で団結することです。機関紙は、労働者階級が革命の主体としての能力を身につけていくための最も重要な武器です。11月労働者集会で開始された労働者階級の国際連帯・団結を日本中、世界中に拡大させるためには、非公然の機関紙配布網をつくり上げることが絶対に必要です。それにあたり、昨年、革共同が綱領草案を出す地平に達したことは決定的です。そして、法大闘争が党中央に人を輩出するまでになったことは、党建設が新たな段階に進んだという点で決定的な地平を切り開いたと考えています。
革共同を強化・発展させるために、私はいかなる反動があっても機関紙を発行し続け、機関紙拡大闘争によって党をつくるために、仲間とともに全力で闘う決意です。反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利のために、機関紙活動を軸にして、世界単一の革命的労働者党をつくり上げよう!
党勢・機関紙拡大へ『前進』発行担う喜び 印刷局 秀島史勝
いよいよ「大恐慌を革命へ」の闘いが本格的に求められる情勢にあって、新たな決意で印刷局の闘いを担っていく決意です。
世界大恐慌がますます深まる中で、労働者階級人民はあらゆる場所で決起を開始しています。われわれは、09年11・1労働者集会を「大恐慌を革命へ」の展望を切り開く国際連帯集会としてかちとり、あらゆる職場に党を建設していく闘いに突入しています。
職場で体制内指導部と激突しながら動労千葉労働運動を進める中で、あるいはキャンパスで暴処法弾圧と真正面から闘う中で、党が圧倒的に求められています。
〈機関紙拡大×職場細胞建設×動労千葉型労働運動と労働組合建設>の実践を貪欲(どんよく)にやり抜き、巨大な党建設に踏み出すことが決定的です。
こうした中で、機関紙発行体制の持つ意義はいよいよ絶大です。機関紙をもって階級の中に分け入り、機関紙で党を拡大し、機関紙で呼吸していく、いわば党活動の血液としての位置をもっています。
党が破防法弾圧を粉砕する自前の機関紙印刷体制を手にし、国家権力との斬(き)り合いの中で、毎号欠かすことのない発行を堅持し、全党の闘いと結合して機関紙を維持・発展させてきていることは、党と労働者階級の最大の財産です。
この前進社本社の機能の一切が『前進』を確実に発行することに向けて動いています。
昨年10月の前進社への不当捜索攻撃は、国家権力の側がこの激動情勢の中でなんとしても『前進』の発行に傷を付けようとして反革命的に踏み込んできたものとしてありました。非合法・非公然体制を堅持・強化し、『前進』の発行を守り抜くための攻防は決定的です。
09年の闘いが端緒的に示しているように、激動期は、これまでの「常識」などエピソードにしてしまうような党勢拡大、機関紙拡大が展望される情勢でもあります。
この革命情勢において、『前進』発行を担えることに勝る喜びはありません。党と階級の要請に正面からこたえ、自らの飛躍をかけて全力で闘いぬく決意です。
『前進』は職場闘争・反戦闘争の武器だ! 経営局 上川 高
「階級意識とは、『自分は結局、会社側・経営側とまったく相容れない存在だ』『あいつらを打倒しない限り自分たちは絶対に浮かばれない』と、闘いの中で否応なしに感じざるを得ないものだ」(中野洋著『甦る労働組合』)
革共同の歴史は『前進』の歴史であり、その組織は『前進』の作成・印刷・配布のために形成されたものだ。そして『前進』の歴史は、労働者階級が帝国主義ブルジョアジーやスターリン主義など一切の体制内勢力と対決して階級意識――冒頭の文章のような怒りと憎しみ!――を鮮明化させ、階級的−党的団結を形成・再形成してきた歴史でもあった。それは、マルクス主義・レーニン主義の愚直な、オーソドックスな貫徹だった。
レーニンは「マルクス(資本論)の継承か解体か」をかけて闘い、ロシア革命という人類史の偉大な前進を切り開いた。一方、われわれは本多延嘉書記長を先頭に「レーニン主義の継承か解体か」と問題を提起して闘い、70年安保・沖縄闘争という形でプロレタリア革命の現実性を明々と開示した。
この二つは同じぐらいの、世界と日本の労働者階級の勝利、前進だった。だからこそ反動も激しかった。しかし革共同と日本労働者階級は、この困難(国家権力の破防法発動と星野文昭同志への無期攻撃、カクマルによる3・14反革命)を真正面から見すえ、四半世紀にわたる内戦を闘い、動労千葉労働運動と革共同綱領草案、そして非転向で闘いぬく星野同志の存在としてこの大恐慌の時代に屹立(きつりつ)している。今やわれわれは全世界を獲得しようとしている。
もはや資本主義・帝国主義は労働者階級に大失業と戦争を強制する以外に生きていくことができない。資本主義の最後の延命策である新自由主義は、今も社会を隅々まで破壊し続けている。怒りは社会に満ち満ちている。
「世界大恐慌の爆発によって、階級闘争は、この大恐慌をプロレタリア革命に転化するか、逆に資本主義の救済に走るかの非妥協的な党派闘争として激しく進展しはじめた」(『前進』2425号大倉論文)
労働者階級が激しい階級闘争をとおして自らの理論と組織をもつならば、本当に勝利できる時代が来た。
この闘いのための武器であり続けたもの、またこれからさらに決定的な武器となるものこそ『前進』だ。『前進』こそ職場闘争、反戦闘争の唯一の武器だ。
資本や体制内勢力との激しい激突の中で『前進』を労働者の全国(全世界)的政治新聞として、また職場・生産点との「生きた交通」そのものとして作り、全国の職場・キャンパス・街頭の隅から隅まで行き渡らせること、そのための組織をつくること、この闘いのみが階級的労働運動を前進させ、連合を打倒し、大恐慌をプロレタリア革命に転化すると私は確信している。
すべての同志、『前進』読者のみなさんとともに、この闘いの先頭に立つことを決意する。自らがつくり出してきた仲間との団結への誇りを胸に、ともに闘わん!
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週刊『前進』(2434号8面1)(2010/04/05 )
団結ひろば 投稿コーナー
「無償化」と朝鮮学校排除に抗議して街宣 杉並区議会議員 北島邦彦
3月26日にJR阿佐ケ谷駅で「高校無償化」からの朝鮮学校排除に抗議する宣伝・署名活動に参加しました。地元の朝鮮第9初級学校のアボジの会・オモニの会中心に呼びかけられた行動です。
民主党政権が進める「高校無償化」政策は、労働者人民の間に分断を持ち込み、増税と戦争にもつながるものであり、この施策には絶対に反対です。大恐慌情勢下、保護者の首切り・賃下げで高校に通えない、あるいは途中で退学を余儀なくされている青少年たちがいったい年間に何万人いることでしょうか! またいったん社会に出て家庭を持ち、そのうえで定時制高校で学ぼうとしている労働者は置き去りです。民主党政権はこうした生活現場における実態は一顧だにせず、あたかも労働者人民の生活を支援するかのような装いをもって「高校無償化」政策を打ち出しています。
このなかで明確に、同年代の青少年たちを始め、労働者人民の中に分断が生み出されます。民主党政権による許しがたい攻撃です。
その上で、「高校無償化」によって日本人と在日朝鮮人・韓国人の間に排外主義的な差別・分断を強いることをけっして容認することはできません。この日の街宣では、予想以上の人たちが署名に協力してくれました。労働者人民は帝国主義による排外主義攻撃を、その階級性にかけて必ず打ち破ることができます。国鉄決戦と安保・沖縄決選の爆発で民主党政権を打倒しようじゃありませんか!(写真は3月27日に行われた「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する緊急行動」の渋谷デモ)
RMTが反合運転保安で一大スト構える 東京 川田 誠
イギリスのマスコミが「週明けの鉄道ストで混乱必至」「数百万人に及ぶ大型ストは16年ぶり」とけたたましく報じています。イギリスの鉄道インフラを管理するネットワーク・レール(NR)社に対して、RMT(鉄道海運運輸労組)とTSSA(英運輸事務職組合)が4月6日から4日間の一大ストを構えているからです(RMT信号手5千人の朝夕各4時間×4日間反復スト、RMTメンテナンス労働者1万2千人とTSSA800人の90時間スト)。
21%もの経費削減を計画しているNR社は、メンテナンス部門1500人分の職場をなくすと宣言しています。そして、信号(ランプ)メンテナンスを、ただでさえオーバーワーク気味の信号手たちに肩代わりさせることさえ計画しているといいます。直ちに大事故につながりかねない、とんでもない話です。
圧倒的にスト権を確立したRMTは、「違法ストだ」と騒ぎ立てる当局と対峙しながら闘争態勢を堅持しています。
RMTのボブ・クロウ書記長は「NR社によって作成された計画はレールトラック社の暗黒時代に引き戻し、全鉄道の安全を崩壊させるものだ。第2のハットフィールド事故(00年、死者4人)やポッターズバー事故(02年、死者7人)、グレイリッグ事故(07年、死者1人)の惨事を不可避的に引き起こすものとなる」と警鐘を鳴らしています。「尼崎事故・羽越線事故・伯備線事故を繰り返すな」「検修外注化阻止」の闘いが時を同じくして闘われているのです。一方、NR社はJRとまさにウリふたつ! 「イギリスの鉄道はかつてないほど安全」と!
動労千葉の反合・運転保安闘争が新自由主義をうち破るきわめて普遍的闘いであること、また検修全面外注化計画「4・1実施」を阻止した勝利の大きさをあらためて感じさせられました。世界の労働者と連帯しさらに闘いをおし広げよう。
星野同志に連帯し吹雪の中で署名活動 北海道 Y・J
北海道労組交流センターは3月28日、この日の三里塚現地闘争に代表を送り出すとともに、星野文昭同志の35年間の獄中闘争に連帯し、第2次再審請求の署名活動を行いました。
春の陽気には程遠い吹雪で人通りも少ない札幌・大通公園でしたが、2時間の署名活動を行い、青年労働者はマイクで「革命に立ち上がろう」と訴えました。
署名に応じてくれるのは、いつもであれば中高年の労働者・市民が多いのですが、この日は青年が多かったことが特徴的でした。やはり、失業・派遣労働など非正規労働者の不満の高まりや、国家権力や鳩山・連合政権を許さないという機運の表れと受け止めました。
この日は北海道労連(全労連系)主催の全道春闘総決起集会後のデモ行進があり、参加者は「獄中35年 星野さんは無実だ」という横断幕に注目しながら目の前を通過していきました。デモの参加者がビラを求め始め、次から次へと受け取られたのでビラはあっという間になくなってしまいました。足が不自由だとのことで隊列に入らない労働者や、デモから飛び出した2人連れの労働者などが次々と署名に応じてくれました。
署名活動後の反省会で参加メンバーからは、ビラが足りなかった、もっとたくさんの労働者・市民に配りたかったという意見が出されました。
悪天候でも署名が集まるのは、昨年10月から月1回ではあるが継続してきたことが少しずつ浸透してきた成果だと確認し、今後も星野同志を奪還するまで継続することを確認し合いました。
(写真 撮影と画像の加工は筆者【3月28日 札幌】)
資本の延命をかけた外注映画「アバター」 東京・北部ユニオン あららぎ遊子
今から10年程前の「タイタニック」以降ハリウッド映画が精彩を欠く中、デジタル版「スターウォーズ」が銀幕に躍り出ました。この映画の登場の裏で何かが起こっていました。フィルム映像堅持のユニオンとデジタル導入で合理化へ進むハリウッド資本との激しい攻防戦があり、その結果、美しいフィルム映像を創り出していたカメラ、照明、美術などの現場労働者の大量首切り合理化が行われました。
その後、デジタルが主流となり、文芸作品よりも肥大化したCG加工の表現追求が激しくなり、加えて世界大恐慌の到来でハリウッド資本は企業買収、外注化へ突き進み、ついにニュージーランドのウェリントンで「アバター」が作られたのです。アカデミー賞こそ逃しましたが歴代最高の収益をあげています。
ウェリントンの現場では「ウェリッド」(ハリウッドのもじり)などと言われ、世界中のIT産業であぶれた労働者が3Dプログラマーとして大量に送り込まれ、外注化されたハリウッド資本を支えています。そしてその上で、過去のあまたある大作映画を3Dでリメイクすることで、巨額の制作費を要することなく、濡れ手で粟の利潤を生む仕組みも作りだしたのです。そして、ハリウッド資本の生き残りをかけての外注化映画「アバター」が誕生したということです。
そしてオスカーには、次のイラン攻撃の準備のための映画である「ハート・ロッカー」が選ばれたわけで、まさに米帝の本質が表れています。
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週刊『前進』(2434号8面2)(2010/04/05 )
迎賓館・横田爆取差し戻し審 歴史的最終弁論かちとる
検察のデッチあげ完全粉砕
3月23〜24日の両日、東京地裁(刑事第20部・林正彦裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し審の最終弁論が行われた。
23年にわたる超長期の裁判闘争に革命的決着をつけるべく、須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志は弁護団とともに全精力を注ぎ込んで最終弁論を準備して法廷に臨んだ。弁論書は三百数十ページにも及ぶ大部で、超長期裁判を集大成し、3同志の無実・無罪をとことん明らかにするものだ。2日間にわたって弁護団が堂々と陳述した。
不屈・非転向で闘ってきた3同志を支え、ともに闘いぬいてきた家族、同志、友人、支援者が法廷に駆けつけ、2日間でその数はのべ100人に及んだ。
(写真 街頭宣伝でマイクをとり熱烈に訴える須賀武敏同志【3月27日 東京・有楽町】)
3同志が法廷圧し意見陳述
3同志の最終意見陳述は圧巻だった。23年に及ぶデッチあげ弾圧との闘いを貫き、勝利の確信に満ちあふれた声が法廷に響き渡る。法廷全体を感動の渦に包み込み、傍聴席から割れんばかりの拍手。「そのとおりだ!」「異議なし!」の声が次々にあがる。裁判官らも食い入るように聞いている。検察官は天を仰いだり、力なくうなだれたりしている。16年間の未決勾留にうち勝ち、国家権力のデッチあげ攻撃と真っ向から闘いぬいて23年。鋼鉄の革命家の思想・生き様がグイグイと迫り、その姿は崇高ですらあった。敵権力を圧倒し、全労働者階級人民を圧倒的に獲得した。
板垣同志は、攻めの闘いが一切を決したと確固たる勝利宣言を行った。かちとった証拠開示で明らかになった事実を踏まえ、いかに検察官がでたらめなストーリーを展開していたのかを怒りをもって暴露し、もはや無罪判決を出す以外ないことを裁判官に突きつけた。「デッチあげ裁判に勝利する闘いは、人間が人間として生きられる社会に向かう闘いそのものだ。どんな弾圧にも屈せず不屈に闘いぬいた時、勝利の展望が切り開かれる」と締めくくった。
ロケット弾とは一切無関係
須賀同志の陳述はとりわけ迫力があり、法廷を圧倒した。岩手借家が鍋爆弾の開発・製造のための借家だったことが開示された膨大な岩手メモによって一層明白になったことを強調し、「自分たち3人は鍋から生まれ、鍋で育った」んだと表現した。この意表をつく言葉に傍聴席はたまらず爆笑の渦に。須賀さんは、鍋のことは熟知しているがロケット弾のことは一切無関係だときっぱりと断じ切った。その上で、裁判官に向かって、「無罪判決を書くか否かの決断が、人間として誇りを持って生きていくか否かの分かれ道だ。裁判官諸氏はエリートとしての道などきっぱりと拒否し、勇気を持って決断せよ」と迫った。
十亀同志は、いつにも増して一語一語に力を込め、明快な論理で裁判官と検察官を突き刺した。「6月2日に単なる無罪判決を求めているのではない。その判決は第一に、そこで無罪を確定させる力強いものでなければなりません。第二に、本件デッチあげに加担した者すべてを断罪するものでなければなりません。それを断じて要求します」と高らかに宣言した。
無罪決着を!4・24集会へ
いよいよ、残されたのは6月2日の判決公判のみとなった。3同志と弁護団が決断し実践した攻めの差し戻し裁判に、われわれも断固として応えよう。
4月24日、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会主催の「不屈・非転向23年!無罪決着を!4・24集会」(要項別掲)を大成功させ、攻めぬいて6・2公判決戦を迎え撃とう!
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週刊『前進』(2434号8面3)(2010/04/05 )
法大弾圧裁判
4・24弾圧 元教員が熱く語る “自治は社会運動を含む”
法大4・24解放闘争裁判の第12回公判が3月17日、東京地裁刑事第17部で行われた。
この日、倉岡雅美さんに停学1年の不当処分を出すための教授会が行われていることに、倉岡さんから意見表明が行われた。「教授会は理事会の言いなりで4・24集会を理由とした不当処分を行おうとしている。一体で弾圧する裁判所と教授会を絶対に許さず闘う」
前回に続き、増井真琴君への被告人質問が行われた。被処分者がサークル員にいるだけで施設貸し出しや予算が奪われるなどの弾圧を体験する中、増井君は文化連盟の常任委員を務め、学生自治活動を先頭で担っていった。「自分たちのことは自分たちで決めるという新しいあり方に衝撃を受けたからだ」
学生自治を憎悪し暴力支配に手を染めた法大当局に対し、法大生の怒りが4・24集会として噴き出したのは必然だ。増井君は不当な長期勾留を行った裁判所と法大当局への怒りをたたきつけた。
続いて、冨山小太郎君の被告人質問が行われた。冨山君は「学生自治を貫くことは学生運動そのものだ。弾圧に抵抗し、学問・大学を闘いとることで、新たな大学はつくられる」と、金もうけの手段へと落ちた大学を根本的に変革していく決意を述べた。
さらにこの日、弁護側証人として遠藤比呂通弁護士が法廷に立った。遠藤氏は東北大学の教員として憲法学を教え、その後弁護士となったユニークな経歴を持っている。教員時代にサークル部室等への捜索に立ち会い、機動隊を写真撮影していた学生が不当逮捕される事態に直面し、「大学の自治とは何かを真剣に考えさせられた」と述べた。「黙って見ているだけでは大学の自治は守られない。批判的理性をもって社会に働きかけることが学問の自由には含まれなければならない」
さらに遠藤氏は、学生自治や学生運動に敵対してきた東大ポポロ事件最高裁判決への批判を展開した。「松川事件を題材とした学生演劇が『実社会の政治的社会的活動に当たるから、大学の学問の自由と自治に含まれない』とし、公安警察の介入を擁護した最高裁の判断基準は、その後の差し戻し審で事実上否定されている」「本件において大学の自治を侵害したのは被告人らではなく、大学当局および警察であったという見地からの判断を裁判所が行うべきだ」と力強く宣言した。
熱意あふれる遠藤氏の証言は、被告団とすべての法大生を激励し、法廷を圧倒するものとなった。検察官は、反対尋問を一言も発することができなかった。
次回、4月20日の公判では法大生の洞口朋子さんが証人に立つ。圧倒的な傍聴を訴える。
暴処法弾圧 「最重要証人」を粉砕 玉聞証人のウソを暴く
法大暴処法弾圧裁判の第11回公判が3月25日、東京地裁刑事第1部で行われた。裏切り者、玉聞(ぎょくぶん)祐樹に対する3回目の反対尋問が続行された。
冒頭、恩田亮君が意見表明に立ち「本件は06年3・14以来の一連の政治弾圧だ。法治国家が聞いてあきれる。前回までの玉聞尋問を見ても、犯罪のねつ造そのものだ。公訴棄却せよ!」と力強く訴えた。
玉聞に対して木下徹郎弁護士を先頭に反対尋問が開始された。弁護団は、事前に法大で現地調査を行い、デッチあげを絶対に許さない構えだ。
まず、玉聞自身が「当日は2g以上のビールを飲み、かなり酔っぱらっていた」ことを認めた。まともな記憶がなかったのに「10b後ろから何かを蹴飛ばしているように見えた」などと、事件のことだけは覚えているかのように言う。こんなデタラメは通用しない。
実際に、その時の居場所を見取図に記入させると「よくわからない」と大きな円を書くことしかできない。公判前に裁判所で作成した裁面調書では「20〜30b後ろ」などと言っていたのに、より近くで見たことにするためごまかしたからだ。
また、裁面調書には「正門前でもなぐったり蹴ったりしているのを見た」とあるのに、主尋問で一切触れなかった事実を指摘されると、「正門の前は見ていない」と矛盾をさらけ出した。体験していないことを話している証拠だ。
その他にも、以前の供述と矛盾したり、時間が立つほどに説明が詳しくなる不自然な点がいくつも指摘された。ついには「事前の打ち合わせで言われなかったことは証言していない」と、矛盾は検察官のせいだと開き直った。こんなでたらめが許されるわけがない。
さらに、監視カメラの画像で「顔の構成や顔立ちがわかる」などとするデッチあげ面割りのペテンが暴かれた。画像を示して顔の特徴が出ているか聞いても「これではなんとも言えない」と繰り返すだけだ。不鮮明な画像に教え込まれた名前を当てはめていたことは明白だ。
玉聞は答えにつまるととぼけたり、「わかりませーん」とふざけた態度をとるなど腐敗した人格をさらけだした。
検察官のシナリオをしゃべる「最重要証人」は完全に粉砕された。暴処法弾圧に屈した裏切り者を打倒し、弁護団と被告団の団結はさらに打ち固められた。
デッチあげ立証の破産は明白であり、これ以上は無意味だ。直ちに公訴棄却せよ。
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週刊『前進』(2434号8面4)(2010/04/05 )
第2次再審勝利へ
千葉「取り戻す会」が面会
「三里塚の役割大きい」と星野さん 真実は必ず通じると決意を新たに
千葉「取り戻す会」 三里塚現闘 岸本豊和
星野暁子さん、千葉・取り戻す会の方と私の3人で3月9日、徳島に向かいました。午前11時半ころ徳島空港に到着すると地元徳島の会の仲間が迎えに来ていました。雨と風が強く気温は4度。大変寒い日でした。
(写真 徳島刑務所全景)
星野さん笑顔で
受付を済ませ面会番号18番が呼ばれるまでの間に差し入れをしました。私は2種類の便箋(びんせん)、千葉の方は記念切手(多数)を入れました。星野暁子さんは絵の宅下げを受けました。
面会室で座っていると星野同志が満面のニコニコ顔で入って来ました。すぐに暁子さんが2人を紹介してくれました。星野同志は暁子さんから送られた写真で「お顔はよく知っています」と千葉の方に話しかけました。
私が「三里塚現闘の岸本です」とあいさつすると暁子さんが「沖縄出身なの」と紹介してくれました。反対同盟の北原鉱治事務局長や現闘同志のコメントを伝えると、星野同志は、北原さんや現闘の岸上さんとの面会の印象を楽しそうに話しました。それから「三里塚、国鉄、沖縄、法大、いずれも重要な闘いになった。世界の階級情勢がどの闘いも決戦化させているし、どの闘いも負けられない。三里塚現闘も頑張ってください」と語りました。
昨年、千葉の地でも「取り戻す会」を立ち上げたことを報告しました。6人の事務局体制を伝えると、星野同志は一人ひとり確認し「動労千葉の滝口さんは以前、1970年だったかな、千葉駅で一緒に逮捕されたのでよく知っています」とのことでした。
人民の司令塔に
立ち会いの刑務官が「再審の話をするように」と言うので私から『第2次再審請求書パンフ』の感想を述べました。「星野同志の無実・無罪が完璧(かんぺき)に証明されています。私自身、確信を持ちました。このパンフをどのように生かすかは獄外の私たちの任務だと思っています」と伝えました。
これに対して星野同志は「階級的労働運動の重要性は、革命運動の基軸が労働者階級である以上、間違いない。それと同時に各階層人民の獲得も重要だ。三里塚闘争の果たす役割は今まで以上に大切にすべきで、各階層人民に与える影響力は非常に大きいと思う。三里塚反対同盟が農民や各階層人民の司令塔になるよう期待している」と答えました。私は「了解しました。肝に銘じます」と答えました。
さらに『再審パンフ』の内容の話が続きました。星野同志は「デモ隊の3分の2が労働者、3分の1が学生だった。権力の捜査は労働者に向けられたが完黙で破産した。それで検察官主導で学生たちを逮捕し検察官のストーリーに沿って自白を強要していった。これは冤罪であり断罪されるべき犯罪だ」と訴えました。
アクリル越しに
話しながら星野同志が頻繁に暁子さんの顔を見るので、千葉の方が「良い夫婦だなぁ。もっと近くに寄れればいいのに」と感想をもらしました。
暁子さんは、闘争当日に星野同志が持っていた鉄パイプに関して、検察官が持っている写真とネガの開示を求めていくと伝えました。
最後に千葉の方が「真実は必ず通じるし、明らかになる。そのために頑張りましょう」と激励の声をかけました。3人はアクリル板越しに星野同志と手を合わせ、決意を固め直して別れました。
その後、降り続く雨の中、徳島駅前で街宣をやり抜きました。徳島の会の方たちには本当にお世話になりました。
星野同志と面会して、彼は無実・無罪への確信を持っていると実感しました。星野同志を取り戻すためにもっともっと頑張らなくてはと思いながら徳島を後にしました。
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週刊『前進』(2434号8面5)(2010/04/05 )
日程 無罪決着を! 4・24集会
不屈・非転向23年!
無罪決着を! 4・24集会
4月24日(土)午後1時半開場 2時開会
東大島文化センター3F第1研修室(江東区大島8-33-9 都営新宿線「東大島」下車5分)
主催 迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会
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週刊『前進』(2434号8面6)(2010/04/05 )
法大裁判に集まろう!
★4・24集会弾圧裁判(論告)
第13回公判 4月20日(火)午後1時30分
東京地裁429法廷
★10・17、7・24建造物侵入デッチあげ控訴審
判決公判 4月23日(金)午後1時30分
東京高裁
★暴処法裁判
第12回公判 4月26日(月)午後1時30分
東京地裁429法廷
*いずれも12時半に傍聴券配布所へ
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