ZENSHIN 2010/03/22(No2432 p06)
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週刊『前進』(2432号1面1)(2010/03/22 )
国鉄闘争勝利の全国大運動を 動労千葉呼びかけ
沖縄基地撤去・安保粉砕 新たな闘いへ
“労働者の団結が戦争とめる”
3・20イラク反戦7周年のデモに1880人
次は3・28三里塚で鳩山政権を撃て
3・20ワーカーズアクション・イン渋谷。4波のストライキで闘う動労千葉を先頭に、長蛇のデモ隊が渋谷の街を進んだ。「解雇撤回!」「基地撤去!」「鳩山打倒!」のかけ声がとどろいた。沿道からも青年労働者、学生がデモに加わった
特別アピールと感動の連帯発言
3月20日、「イラク反戦7周年全世界一斉デモ、ワーカーズ・アクションin渋谷」が代々木公園に1880人の労働者・学生を結集し闘いぬかれた。(次号続報)
全学連の倉岡雅美副委員長と広島の教育労働者の司会で集会は始まった。冒頭、JR東の検修外注化阻止などで4波のストを打ち抜いた動労千葉の田中康宏委員長が特別報告。与党と4者4団体など体制内派指導部が国鉄1047名解雇撤回闘争を奴隷的な「解決案」で終わらせようとしている現状を弾劾し、「87年の分割・民営化に次ぐ重大事態だ。23年の闘いの結論が国労解散とはあり得ない。動労千葉はこの局面で絶対に国鉄闘争の火を消してはならないとの全国運動を呼びかけたい」と提起した。
さらに動労水戸の石井真一委員長が、「われわれは春闘ストに突入した。200人が自殺に追い込まれた分割・民営化の総括が問われている。カネで闘いを終わりにするなど許さない」と訴えた。
国労秋田闘争団で鉄道運輸機構訴訟原告の小玉忠憲さんが、「われわれ闘争団有志は『解決案』をキッパリ拒否すると通告した。不当解雇の責任はJRにはないと、裁判も取り下げろと、これらを全部認めたらカネをくれてやるということだ。ふざけるな! おれたちは徹底的に闘う!」と激しい怒りを表明した。
さらに沖縄北部合同労組の労働者が4・28〜5・15沖縄闘争への総決起を訴え、「民主党・連合政権は、普天間移設先を辺野古陸上か勝連沖(ホワイト・ビーチ)に決定すると報道された。鳩山政権と体制内派は沖縄の労働者人民の敵だ。日米安保粉砕、基地撤去、労働運動の力で辺野古移設をぶっ止めよう。動労千葉労働運動で労働者が主人公の沖縄を取り戻そう」とアピール。
次いで全学連訪米団が、「法大闘争を世界に伝え、カリフォルニア全州ストのような大衆闘争を組織するリーダーになる目標で訪米した。アメリカの学生たちが『団結した学生は負けない』と私たちと同じスローガンで闘っていた。団結は海を越え一つになった!」と熱烈に報告した。
三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は、「三里塚も決戦だ。生活道路を廃道にして、市東孝雄さんの住居を空港の中に取り込んでしまう攻撃が切迫している。だが労働者・農民・学生の正義の抵抗闘争は必ず勝利する」と、3・28三里塚全国集会への参加を訴えた。
さらに百万人署名運動事務局長の西川重則さんが「戦争に反対する私たちの思いは一つだ。5・15沖縄闘争に私たちも参加する」と述べた。闘う弁護士戦線からは、憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士が、「日弁連会長選挙で選出された新体制は司法改悪を延命させ、裁判員制度にも反対しない”ケレンスキー内閣”だ。5月18日に裁判員制度廃止の全国集会へ」と訴えた。獄中35年、無実の星野文昭同志からのメッセージが読み上げられた。
(写真 全国の闘う青年労働者・学生を先頭に熱気の集会をかちとり”団結がんばろう!”で2010年決戦の必勝を誓った【3月20日 代々木公園】)
基調報告と熱烈な決意に大高揚
基調報告は千葉の医療労働者だ。「資本家たちは生き残りをかけて国鉄1047名闘争を終わらせようと必死だが、戦争も民営化も、非正規職化の攻撃も首切りも、止めるのは国会ではなく現場の闘いだ。資本主義の危機は労働者の危機ではない。労働組合をよみがえらせ団結すれば勝てる。世界のすべてを資本主義から取り戻そう」の提起に満場の拍手が応えた。
動労千葉で強制配転と闘う青年労働者、動労西日本の山田和広副委員長、全逓の青年労働者、自治体労働者、神奈川の教育労働者、関西の青年労働者代表の金属労働者、医療福祉労働者を代表して東京北部の精研労組、法政大学文化連盟の斎藤郁真委員長から熱烈な決意表明が行われた。
最後に織田陽介全学連委員長が「革命こそ歴史上最大の大衆闘争だ。労働者、学生、農民の組織を作ろう。国鉄と沖縄を軸にして労働運動の多数派を取る」と締めくくり渋谷デモに打って出た。
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週刊『前進』(2432号1面2)(2010/03/22 )
動労千葉・動労水戸がスト突入
「貨物定昇廃止を許さないぞ!」。動労千葉と支援がJR貨物本社に向け何度も怒りのシュプレヒコール(3月19日 千代田区)
動労千葉 貨物定昇廃止に第4波
動労千葉は19日、「貨物定昇廃止・ベアゼロ攻撃打破!」を掲げて春闘第4波の貨物ストに決起し200人の組合員・支援の結集でJR貨物本社(千代田区飯田橋)への抗議行動を貫徹した。
10年連続ベアゼロの上に今年は定期昇給ストップ、ボーナス3カ月!
こんな回答がどうして許せるか!
JR貨物の地上勤務者は午前8時半から怒りのストに入った。午後1時から全水道会館で「スト貫徹!総決起集会」が開催された。田中康宏委員長は「定昇廃止攻撃は、乗務手当廃止を含めた賃金制度全面改悪の始まりだ」と厳しく弾劾した。現場組合員からも「定昇廃止は青年の未来を奪う大攻撃。性根を据えて闘おう」と怒りと決意に満ちた発言が続いた。
さらに貨物本社前に移動し、繰り返し怒りのコールをたたきつけた。法政大の倉岡雅美さんが連帯アピール、動労千葉争議団の中村仁さんが1047名闘争解体策動をきっぱりと弾劾した。最後に大竹哲治副委員長が3・20、3・28決起を呼びかけ締めくくった。
動労水戸 外注化白紙撤回 昇級差別打破へ
動労水戸は、春闘ストライキに突入し3・20闘争に結集した。石井真一委員長が19日夕から、勝田車両センターの組合員12人が20日朝からストに入った。「10春闘勝利―将来に希望が持てる賃上げを」「検修外注化白紙撤回」「1047名解雇撤回」「昇級差別打破」を掲げた闘いだ。
石井委員長は3・20集会の壇上から、「動労水戸は運転士登用差別の攻撃に基本的に打ち勝った。しかし、国鉄分割・民営化から23年間、動労水戸の組合員というだけで1回も昇級はない。このような昇級差別の攻撃を絶対に粉砕する。1047名闘争の解体を許さない」と闘争宣言を発した。運転士登用差別の攻撃に昨年4波のストで全面勝利してきた地平の上に立ち、分割・民営化で奪われたものすべてを取り戻していく新たな闘いに入ったのだ。
動労水戸は19日、「10春闘ストライキ総決起集会」を水戸市民会館で開き、平成採獲得―組織拡大に一丸となって打って出ることを確認した。辻川慎一副委員長は、「全組合員が心を一つに団結して立ち向かうこと、新たな仲間が結集することが最大の反撃だ。昨年の闘いでわれわれはその力をつけた。この組合に誇りをもって若い人を獲得しよう」と訴えた。
(写真 ストを闘い渋谷の街をデモする動労水戸)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2432号1面3)(2010/03/22 )
前進速報版から
▼広島で「日の君」強制反対のビラまきに弾圧▼法大当局による倉岡さんへの停学1年処分弾劾▼第2次国鉄決戦勝利へ、郡山集会
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週刊『前進』(2432号2面1)(2010/03/22 )
戦後労働運動の偉大な指導者 中野洋同志を追悼する
あなたの足跡と信念受け継ぎ労働者階級解放まで闘い抜く
天田三紀夫
(一)
中野洋同志!
あなたが先頭に立って担い、闘いぬいてきた動労千葉労働運動は、帝国主義が大恐慌に突入する中で、6000万労働者階級を獲得するまさにその前夜を迎えています。階級的労働運動がこれからますます力を発揮し、階級的団結を基礎に全世界を獲得しようとしている時、あなたの逝去はあまりにも早すぎました。
数年間の闘病をものともせず、獅子吼(ししく)してわれわれを励まし、階級的原則で導き、最後まで生きて生きぬき、勝利をめざして闘いぬいてきた階級の最高指導部の不屈の闘魂が、この地上から奪われたことはあまりにも無念です。
革命的共産主義者同盟はしかし、この試練を必ずのりこえ、あなたが求めてやまなかった労働者階級解放の闘いを、あなたとともに必ず実現することを霊前に固く誓います。
戦後労働運動を指導したあなたの偉大な足跡は、労働者階級解放闘争がある限り絶対に消え去ることはありません。常に闘う労働者階級の中に生き続けます。あなたがわれわれに残してくれた数々の労働運動の教訓を心から肝に銘じ、階級的労働運動の不屈の前進をかちとっていきます。
(写真 2001年4・2春闘スト総決起集会で)
(二)
中野洋同志!
階級の指導部としてのあなたの闘いは、国鉄分割・民営化反対闘争を当時1100人の動労千葉組合員とともに闘った時に、指導者として最も偉大な力を発揮しました。
第2次大戦後の戦後革命期を労働運動の体制内化によって突破し延命した日本帝国主義は、70年代中期の恐慌を突破するために新自由主義をふりかざし、1980年代、第1次国鉄分割・民営化攻撃をもって襲いかかってきました。その先兵に松崎を先頭とした動労カクマルがいました。この資本・日帝権力と動労カクマルの二重の反革命と対決し、動労千葉は激しい闘いに決起しました。大量首切りと組合つぶしの国家的不当労働行為に対し、全組合員は数波のストライキ闘争で反撃し、処分を恐れず、団結破壊を許さず、職場支配の主導権をとり続け、労働組合の団結を強化して闘い続けました。
この動労千葉の国鉄分割・民営化絶対反対の決起によって、闘いの拠点が防衛され、1047名闘争が生みだされ、国鉄決戦は永続化し、今日の本格的な階級的激突を準備する闘いとして発展してきました。
これは、動労千葉労働運動が日帝・JR資本と闘って闘いぬいて、団結を維持し強化してきた階級的労働運動の革命的実践でした。この闘いは、資本との絶対非和解の闘いを貫くことによって逆に労働組合の団結を守り、発展させた闘いとして、戦後労働運動の限界を突き破った壮絶な闘いでした。だからこそ今日、多くの青年労働者や、世界の闘う労働者の心を国境をも越えてとらえているのです。
(三)
闘いの日々の中であなたが身をもって実践したことは、党と労働組合の闘いの結合、一体性を実現することでした。労働組合は経済闘争、党は政治闘争というような、戦後労働運動の内部に色濃くあったスターリン主義的、社会民主主義的組織論の突破でした。すなわち、党とは労働者階級の党であること、この党は労働運動・労働組合運動の大地にしっかり根を張った党であること、この党は労働組合の闘いを基礎にして建設され、検証されて発展することをはっきりさせたのです。
そしてこの闘いは労働組合の革命論的意義をはっきりさせる闘いでした。『甦る労働組合』であなたは、「労働組合は労働者階級の団結と社会全体の転覆の準備の手段」というマルクスの規定を復権させました。動労千葉労働運動によるその実践は、党と労働組合を対立させてきた戦後労働運動の壁を根本的に突破した闘いでした。
党と労働組合の一体的前進をかちとるためのあなたの不動の決意は、生きたマルクス主義の確立に向けられました。それは、動労千葉労働学校の開校へのエネルギーとなってほとばしりました。
あなたは毎回の開講あいさつで、いかに多くのことをわれわれに語り、教えてくれたことか。労働学校講師を務めるための毎回の準備をとおして路線的研鑽(けんさん)に励む姿をいかに身をもって示してくれたことか。この労働学校はすでに第10期を迎えようとしています。この過程でいかに多くの闘う青年労働者群像が層として生みだされてきたことでしょうか。労働学校で学んだ青年労働者は今や、階級闘争の最前線で資本との非和解的闘いを24時間・365日実践しています。
青年労働者の動労千葉への信頼と決起は、6000万労働者階級の指導部建設と一体で進行しました。あなたはいつでも青年労働者の決起に想いを走らせました。青年労働者が労働運動・革命運動の中軸を担うこと、この限りない青年労働者への階級的期待に多くの青年労働者が応え、次代の階級闘争・労働運動で責任をとる力を育んでいます。これほどの階級闘争への貢献はありません。階級的労働運動の本格的な前進が、あなたの心血を注いだ力で実現されています。
(四)
また、あなたの生涯をかけた闘いは革命的共産主義運動の歴史そのものでした。同時代をあなたとともに闘い、駆け抜けてきたことをあらためて誇りに思います。
1960年代の、戦闘的労働運動の防衛と地区党建設を軸とする3全総―3回大会路線に胸を躍らせ、寝食を忘れて活動した日々。職場闘争を基礎に反戦青年委員会運動が大学闘争と一体になり、70年安保・沖縄決戦の大爆発へと驀進(ばくしん)したダイナミックな日々。70年決戦に敵対しファシストとして純化したカクマル反革命との命がけの死闘。80年代の国鉄分割・民営化決戦を始め、日帝権力による労働運動・革命運動圧殺攻撃と全力で闘って打ち破った地平。スターリン主義の崩壊とマルクス主義再生の闘い、90年代の5月テーゼの物質化へ向けた必死の闘い。
とりわけ、91年5月テーゼとその物質化は中野同志の力をぬきに考えられません。5月テーゼこそ、革命的共産主義運動のレーニン主義的オーソドキシーへの転換点・飛躍点でした。それは革共同の中に色濃くあった政治決戦主義を突破し、労働者階級自己解放というプロレタリア革命の核心問題を一切の土台に据えて、すべての課題を整理し再構成していくことでした。
しかしこの闘いは長期の強靭(きょうじん)な闘いを必要としました。労働者階級の党、マルクス主義の党の建設は、職場生産点でのひたむきな階級的実践、階級的労働運動指導部の建設、階級の大地での検証を必要としたからです。単一のボルシェビキ党建設は、指導部自身が労働運動の現場に頭から突っ込むことを求めました。
それは、一切の敗北主義を突破し、労働者階級への限りない信頼の上に、労働者階級を解放の主体として再確立していく闘いでした。帝国主義やスターリン主義に屈服して労働運動と労働者階級への絶望を組織する傾向との非妥協的闘いであり、「血債主義」との決別の闘いでした。06年の「党の革命」が労働者同志の革命的決起として実現できたのも、この5月テーゼの物質化への長期・不屈の闘いの実践があったからでした。
中野同志の、階級の指導部としての断固たる態度が党と階級を鼓舞し、労働者階級と労働運動に対する敵対を粉砕することを可能にし、階級的労働運動の前進に限りない力を与えてくれたのです。革共同の綱領草案を生み出した最深の力もここにありました。
中野同志はまた、本山闘争に階級的歴史的位置づけを与え、11月集会と3労組共闘の発展を常に位置づけてきました。とりわけ動労千葉労働運動が身をもって切り開いた三里塚闘争との労農連帯の確立や、09年に全面的に開花した国際連帯闘争の画歴史的な発展は、戦後労働運動の限界を突き破るいまひとつの大きな突破口でした。
(五)
中野洋同志!
あなたの膨大な著書は、そのすべてが労働運動活動家の必読書です。それは労働者が社会の主人公であることを論じ、労働者階級の階級的団結こそが資本との闘争に勝利できることを明らかにし、階級的労働運動をよみがえらせることが社会変革の核心であり、さし迫った課題であることを明らかにしました。われわれの決意は鮮明です。労働組合をめぐる全ブルジョア勢力、体制内派との激突に勝利し、全世界を獲得するために総決起します。
中野洋同志!
大恐慌、大失業と戦争の時代に深々と突入した中で、階級闘争は激しく発展し、支配階級は分裂し抗争しています。ブルジョアジーは、動労千葉労働運動が6000万労働者階級と結合し発展することに何よりも恐怖しています。さらに動労千葉の民営化絶対反対の闘いは国際階級闘争を牽引(けんいん)し、国際階級闘争もまた民営化絶対反対の国際的団結を求めています。これから全世界で大失業と戦争、民営化と労組破壊に対する嵐のような決起が本格的に発展しようとしています。
帝国主義は、生き延びるために新自由主義の極限的攻撃にますます訴えてきています。それは国鉄労働運動解体攻撃です。これに対し、「国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命へ」の闘いがうなりをあげて開始されました。
検修外注化攻撃と1047名闘争解体攻撃との闘いは、この激突の最先端です。この攻撃は本質的に動労千葉への組織破壊攻撃です。あなたは、息を引き取るその間際まで、この攻撃を甘く見るな、しかしこれとの対決の中にこそ日本労働運動再生の最大の好機があるのだと叫んでいました。われわれは、外注化阻止決戦の絶対勝利を闘いとるとともに、新たな1047名闘争の巨大な陣形と運動の創造と発展をかちとる段階に突入したことを厳粛に確認します。
第2次分割・民営化阻止決戦の爆発をもって、階級的労働運動の闘いの拠点を防衛し、国鉄労働運動全体、4大産別を先頭とする全産別に闘いを拡大し、現下の階級決戦に勝利します。動労千葉労働運動の核心的路線である「反合・運転保安闘争」を貫いて、勝利へ向かって闘っていきます。
大恐慌、大失業と戦争の時代の闘いは始まったばかりです。〈党・労働組合・ソビエト>の一体的で本格的な発展へ、プロレタリア革命勝利の日に向かってともに闘うことを霊前にお誓いし、野辺の送りの言葉とします。
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週刊『前進』(2432号2面2)(2010/03/22 )
1047名闘争解体許さず国鉄決戦の勝利へ大攻勢を
外注化4月実施を阻止した力で
労働者の魂を売り渡すな!
国鉄1047名闘争の最後的解体攻撃を粉砕し、国鉄闘争の勝利にむかって大攻勢に打って出るべき時が来た。
3月18日、与党3党と公明党は、「国鉄改革1047名問題の政治解決に向けて」と題する「解決案」を国交相・前原に提示した。これに対して前原が、「事前に出ていた額よりも現実的な額が提示された」と述べ、政府として受け入れ可能と表明したことが報道されている。
同日、4者4団体は「和解する方向で協議したい」「ご尽力いただいた与党3党・公明党を始め国会議員各位に心から感謝申し上げたい」とする声明を出し、一切を受け入れる姿勢をあらわにした。国労本部や鉄建公団訴訟原告団の一部幹部は、解雇撤回を認めず、JRを免罪した「解決案」で、1047名闘争を終わらせようとしているのだ。
4党の「解決案」の核心は、国鉄分割・民営化への最後的な屈服を1047名にのませることにある。だから、敵階級は解雇撤回は絶対に認めようとしないのだ。
いくら金を積まれようと、解雇撤回なき「解決」など断じて受け入れる余地はない。1047名は、23年にわたり国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、労働者の誇りと魂をかけて闘ってきた存在だ。その労働者魂を捨て去れと、敵階級は居丈高に迫っている。
“国鉄改革法を受け入れ、JRに法的責任なしを認めて闘いの矛を収めろ”という今回の攻撃は、分割・民営化時のあの筆舌に尽くしがたい攻撃の一切を容認しろということだ。国鉄当局の奴隷とならなければJRには残さないという恫喝のもとに強行されたすべての非人間的な屈服強要を、正しかったと認めろというのだ。
1047名は、首をかけてこの攻撃への屈服を拒否した誇り高い存在だ。その労働者魂は絶対に売り渡せない。
1047名の首を切った張本人はJRだ。解雇撤回・JR復帰なき「解決」とは、そのJRにすがり「雇用」をこいねがう屈辱的立場に1047名を追い込むものだ。
ところが、国労本部を牛耳る日本共産党・革同や社会主義協会派、鉄建公団訴訟原告団の一部幹部らは、「解決案」の受け入れを傘下の闘争団員に強要し始めた。
敵階級は、こうした4者4団体幹部の屈服を突いて、1047名闘争解体に総力を挙げている。だが、そこにこそ、敵階級の1047名闘争への恐怖が現れている。
分割・民営化から23年、いまだに継続されている1047名闘争が、分割・民営化体制を根本的な破綻にたたき込んでいるのである。1047名解雇撤回闘争の不屈の前進は、必ず労働者階級の総反乱をつくり出す。だからこそ、敵階級はあらゆる手段を用いて1047名闘争を解体しようと必死なのだ。
1047名があくまで解雇撤回の原則を貫き通せば、窮地に追い込まれるのは敵の側だ。勝利の条件は確実にある。
職場から青年の怒りが爆発
今やJR体制=国鉄分割・民営化体制は根本のところで破綻した。動労千葉・動労水戸−動労総連合のストライキ決起を先頭に開始された闘いは、ついにJR東日本の検修業務の全面外注化の4月1日強行実施を阻止した。JR総連とJR資本が結託して強行しようとしている検修外注化への青年労働者の怒りは、JR体制への総反乱に転化しようとしている。
JRの合理化計画が労働者の闘いによって頓挫した事態などかつてない。JR体制を打ち倒す決定的情勢が訪れたのだ。
これと一体で闘い抜かれた国労5・27臨大闘争弾圧7被告の闘いは、1047名闘争の大義と正義を自ら体現し、警視庁公安部と国労本部が狙った「暴処法」「共謀」攻撃を大破産させた。
こうした闘いの前進は1047名闘争勝利の展望を照らし出している。職場生産点からJR体制と対決する闘いと結合してこそ、1047名闘争の勝利は切り開かれる。
3月3日、JR西日本の山陽新幹線・博多発東京行き「のぞみ56号」で重大事故が発生した。高速走行を支える心臓部と言うべき歯車箱内部のベアリングのコロが脱落、箱が内部から突き破られ、車内には煙が立ちこめた。脱線転覆事故にもなりかねない重大事態だ。最新鋭車両N700系で発生したこの事故は、分割・民営化の破産を突きつけている。分割・民営化以降の大合理化、とりわけ検修体制の破壊は、ここまで安全を崩壊させている。
反合・運転保安闘争路線のもと、こうしたJR体制の破産を徹底的に突いて闘えば、分割・民営化を根底から覆すことはできるのだ。
国労の解散=連合化粉砕へ
にもかかわらず4者4団体幹部は屈辱的な「解決案」を受け入れようとしている。それは、彼らが国労を自ら解散し、反対する勢力を排除して、新たな名称の組合を立ち上げ、連合へなだれ込もうとしているからだ。
彼らは、分割・民営化以降、敵階級が繰り出してきた労働者階級へのあらゆる攻撃を認め、その担い手になることを反動的に決断したのだ。
今日の大恐慌情勢のただ中で、6000万労働者階級、とりわけ2000万青年労働者にすさまじい失業攻撃が襲いかかっている。この中で、民主党・連合政権は、一切の解雇撤回闘争を根絶やしにし、すべての労働運動の炎を消し去るために、1047名闘争解体の攻撃をかけてきた。
日航労働者の首切りと賃金・年金の大幅削減に着手し、さらに道州制導入に突き進んでいる民主党・連合政権にとって、1047名闘争の解体は絶対的な課題になっている。4者4団体幹部は、こうした民主党・連合政権の意志を体現し、解雇撤回なきまま1047名闘争を終わらせることによって、大失業攻撃の先兵になろうとしているのである。それは、連合支配の完成を阻んできた全国100万人を超えると言われる1047名闘争支援陣形をも敵に売り渡すということだ。
だが、危機にあるのは敵の側だ。人為的・政策的「景気回復」の化けの皮ははがれ、今や全世界で労働者の怒りは爆発している。資本主義はもはや終わりだ。財政破綻に発したギリシャの危機は、労働者階級のゼネストを生み出した。そのギリシャ以上に危機にあるのが日本帝国主義だ。積もりに積もった労働者の怒りは自民党支配を終わらせた。それに代わった民主党・連合政権下で、日帝の危機は限界を超えて一挙に進行し始めた。
この時代だからこそ、国鉄1047名解雇撤回闘争はすべての労働者の結集軸、団結軸となりえるのだ。労働者は解雇撤回で団結できる。合理化との闘いで資本主義を打倒し、社会の真の主人公となる力を身につけることができる。
今こそ一切の体制内派に代わり、われわれ自身の力で日本労働運動の戦闘的伝統を守り、発展させよう。国鉄闘争勝利の大反撃に打って出よう。そのために、すべての知恵と力を結集し、1047名闘争に真に責任をとりきる主流派への飛躍を断固闘いとろう。
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週刊『前進』(2432号2面3)(2010/03/22 )
民営化で殺されてたまるか
銀座局での死亡事故弾劾
50人の仲間が集会
全逓東京中郵「だんけつ」編集委員会主催の「銀座局での死亡事故弾劾/民営化で殺されてたまるか3・12集会」が3月12日に都内で行われ、郵政労働者を中心に約50人の仲間が参加した。
「民営化から2年で郵政職場の労働環境はめちゃくちゃになった。ついに労働者の命が職場の中で奪われた。労働組合としての落とし前が問われている」と司会の仲間が訴え、事故の詳細な報告から集会は始まった。
事故は昨年12月の繁忙期に起きた。電動けん引車が2階エレベーターのドアから転落した。何があったのか? @中郵廃局と銀座局への統廃合で「到着と発送は同一フロア」の原則が破られて別棟となり荷物の移動がエレベーターを介して2階渡り廊下を行き来する複雑な構造になった、A老朽エレベーターの欠陥(築40年・ゴンドラがない状態でドアが開く!)が放置された、Bけん引車の運転訓練義務を当局が怠った、C死亡したAさんは午後9時30分の終業時間のわずか10分前なのに「山のような」荷物に追われていた。その過重労働の実態……。
基調報告を行った銀座局の青年労働者は「民営化時点で1万5千人の欠員。その後も削減され、事故やミスは全部現場の責任で『処分』が乱発される。Aさんは民営化で殺された。『生産性向上で企業に尽くす』と合理化を丸のみした組合本部の責任も重大だ。闘う組合を取り戻そう! 殺された仲間のかたきを討とう」と訴えた。
続いて同じ職場の青年労働者が、民営化後の職場の状態を詳しく紹介、「昼休みなし、2時間超勤当たり前……民営化以後、終業時間に終わったことは一度もない。要は人が減らされたのだ。おれたちが反動課長と闘って職場の雰囲気はがらっと変わった。おかしいことは声を出すことが大事だ」と語った。
報告を受け、同局の仲間は「2年前、反動課長追放、裏切り支部長の打倒、JPEX子会社化粉砕の三つの課題で闘いを始めた。空想主義者、できる訳ないとか言われたが、終わってみれば三つとも実現した。団結の力を実感した」と訴えた。
第2の国鉄分割・民営化攻撃と闘う動労千葉から清水匠執行委員がかけつけ、「本日から第3波ストです。JR当局は、館山の検査派出を『人がいないから(!)』廃止だという。検修外注化を阻んできた動労千葉の弱体化が敵の狙いだが、逆に、JR総連・東労組内部からも平成採の青年が声を上げ始めた。皆さんの話を聞いて郵政も国鉄も同じだと思った。ともに闘いましょう」と連帯のアピールを発した。
ユニオン東京合同育成会分会、日逓中野解雇撤回闘争を闘う仲間、東京北部の医療労働者、全学連の学生から連帯の発言。主催者から「3・20イラク反戦世界一斉デモに参加しよう」との行動提起を受け、最後に銀座局の現場労働者が「職場で言いたいことは言う。それが団結につながる。団結してガンバロー!」と締めくくった。
(写真 「労働者の命が奪われた! 落とし前をつけよう!」と闘争宣言【3月12日 東京】)
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週刊『前進』(2432号3面1)(2010/03/22 )
動労千葉、怒りの第3波スト
館山派出廃止・組織破壊に反撃 “外注化4・1実施は阻止した”
館山検査派出廃止を許さないぞ! 外注化阻止! 全支部の総決起で抗議集会を開催し怒りのシュプレヒコール(3月13日 館山検査派出前)
動労千葉は3月12〜14日、「館山検査派出廃止反対! 外注化阻止!」を掲げ春闘第3波ストライキに決起した。木更津・館山・鴨川の検査派出で働く組合員がストを貫徹し、全支部総決起で木更津・館山での抗議闘争に立ち上がった。
JRは3・13ダイヤ改定で館山検査派出廃止を強行し、そこで働く動労千葉組合員を強制配転した。館山駅での折り返しや始発列車が相当数あるので、07年の館山運転区廃止以降も検査派出は運転保安上、不可欠な職場として残された。今回のダイ改でこの館山検査派出まで廃止したのだ。
これは検修全面外注化攻撃そのものだ。職場を奪い、安全を投げ捨て、金もうけ一辺倒で地方を切り捨てるJRに対して組合員は怒りを爆発させた。抗議行動での発言には「外注化を絶対に止めてやるぞ」「組織拡大で決着をつけてやる」という敵愾心(てきがいしん)がみなぎった。
木更津運輸区に70人が抗議行動
3月12日午後5時から木更津運輸区前で、70人が抗議行動を行った。ストに入った組合員を先頭に、弾圧態勢をとる当局を完全に圧倒する怒りの抗議闘争となった。
木更津支部の山中茂男支部長は「会社は館山派出からの配転に関して、事前の希望調査すらせず一方的に配転を強行した。あまりにふざけている! 会社は動労千葉の組織を破壊することしか考えてない。14日までのストを貫徹し組織拡大闘争に全力で決起する」と怒りを込めて訴えた。
JR千葉支社は第3波スト直前の3月11日に、「社員のみなさんへ」と題する業務掲示を張り出した。内容は「スト破りはするな」「休日勤務はするな」「勤務変更に応じるな」などの発言をしたら「就業規則に基づき毅然(きぜん)とした対応をする」という処分恫喝だ。だが、安全を根底から崩壊させ、職場を奪う検修全面外注化に対して労働組合がストで闘い、「スト破りをやるな。ともに闘おう」と呼びかけることはあまりにも当然だ。これを「パワーハラスメントを受けた」と当局に泣きついて処分・弾圧を要請しているJR東労組こそ、労働者の風上にも置けない恥知らずだ。
抗議行動では、館山・木更津・鴨川の検修職場で働く組合員らがマイクを握って、館山派出の廃止と組織破壊攻撃に怒りの声を上げた。
翌13日は午後1時に全支部の組合員と支援130人が館山駅前に結集し大抗議行動を展開した。
館山検査派出前130人が集会
強風をはね飛ばし、乗客や市民にJR資本の犯罪性をアピールした。「採算がとれない」と特急を次々と削減するJRに、地元の人たちも怒っている。大部隊の登場は市民の注目を集めた。
続いて検査派出(旧館山運転区)前に移動して抗議集会を開催した。
本部の長田敏之書記長は「館山派出廃止は検修外注化と一体だ。鉄道業務も安全運行も投げ捨て”もうかればいい”という会社のやり方を絶対に許してはならない」と提起。幕張支部の山田護支部長は「当局はスト破りの業務命令も出せなくなっている。スト破りを拒否して動労千葉に加入することを恐れているからだ。組織拡大をかちとり、外注化阻止の先頭に立つ」と宣言した。
貨物支部の代表は「貨物は10年連続ベアゼロ。その上、定昇ストップ、ボーナス年間3カ月なんてふざけんじゃない! 一切は国鉄分割・民営化から始まった矛盾だ。外注化阻止、1047名闘争と一体でJR体制を打倒しよう」と発言。動労千葉争議団の高石正博さんは「4者4団体は『金さえもらえば1047名闘争を終わらせていい』という姿勢だ。それでJRの現実が変わるのか。われわれの首を切ったのはJRであり東労組。会社を追い詰め、解雇撤回をかちとる」と語った。
“組織拡大実現へ闘いぬこう”
動労千葉を支援する会、坂野陽平全学連委員長代行が熱烈な連帯のあいさつを行った。
総括を提起した田中康宏委員長は「この間の闘いで、われわれは当局と東労組を完全に圧倒し、検修業務全面外注化の4月1日実施を完全に止めた! 千葉においてわれわれは2001年から足かけ10年にわたって外注化を阻止してきた。この地平に圧倒的確信を持とう。検修外注化攻撃に対して東労組や国労の中でも怒りの声が沸騰している。みんな動労千葉の言っていることが正しいと思っている。だから当局はひたすら動労千葉への組織破壊攻撃をやるしかなくなっている」と外注化阻止闘争の到達点を明らかにした。そして「この攻防に勝ちぬき、社会に渦巻く怒りをここに総結集した時、時代は動く。組織拡大こそが勝負を決める。全力で闘いぬこう」と訴えた。
検修外注化提案から5カ月、動労千葉は労働組合の闘いで会社の外注化計画そのものを吹き飛ばすという過去に前例のない闘いに挑戦し、JR東日本の職場全体を揺るがしている。猛然と闘う動労千葉に続こう。
(写真 【上】ストに入った組合員を先頭に木更津運輸区門前で抗議闘争に決起【3月12日】。【下】大量に動員された職制を圧倒する大抗議行動に地元住民の圧倒的注目が集まった【3月13日 JR館山駅前】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2432号3面2)(2010/03/22 )
動労西日本 “解雇を撤回せよ”
岡山と五日市で春闘スト
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春闘第1波ストでJR岡山駅中央改札へデモ(3月13日) |
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広島・五日市駅で春闘第2波ストに突入し、集会であいさつする大江委員長(3月17日)
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動労総連合・動労千葉は「国鉄1047名解雇撤回、検修業務全面外注化阻止、反合理化・運転保安確立」を掲げて10春闘統一ストに決起している。動労総連合の「西の砦(とりで)」として昨年9月に再建をかちとった動労西日本は、2波のストライキを貫徹した。
3月13日はJR岡山駅で10春闘第1波ストライキに立った。午後2時から岡山駅前で行われたスト突入集会で、山田和広副委員長は「動労千葉のストに連帯し、契約社員制度廃止・解雇撤回まで闘う」と宣言した。集会には国労5・27臨大闘争弾圧被告団の富田益行団長ら40人が駆けつけた。
岡山駅中央改札口に向けてのデモに続き、JR岡山支社包囲デモ。続けて岡山市民会館で行われた「山田くんを支える会」結成集会では、大江照己委員長が「新たな1047名闘争が岡山から開始された」と宣言し、動労西日本の現場組合員3人全員が第2波ストへの決意を明らかにした。
3月17日には広島・五日市駅を拠点に10春闘第2波ストに立ち上がった。岡山駅の山田副委員長も指名ストに入って五日市駅に駆けつけ、現場組合員3人がストに突入した。
午後6時半からスト突入集会を行った。大江委員長のあいさつに続き、岡崎組合員が「ストライキ宣言」を読み上げた。「2010年は国鉄決戦の年である。国鉄1047名解雇撤回闘争を解体せんとする策動が強まっている。国鉄1047名解雇撤回闘争こそ、民主党・連合政権打倒の労働者の結集軸だ。動労西日本が再建されたのは、昨年の9月19日である。決死の思いで動労千葉とともに闘うことを誓い再建した動労西日本は、10春闘に渾身(こんしん)の決起をした」
最後に山田副委員長が「あらゆる職場で働く青年労働者の怒りに火を付けよう。動労西日本は契約社員制度廃止・解雇撤回まで闘う。3月20日は東京・代々木公園へ結集して、腐った資本主義を打倒しよう」と力強く訴えた。
ストライキには、地域の闘う労働者や、法政大の学生弾圧と闘い、3・4カリフォルニア教育ゼネストに参加した全学連の仲間ら50人が駆けつけた。
動労西日本は、山田副委員長の雇い止め最後の出勤日である3月31日まで波状的・連続的にストライキで闘う方針を打ち立てている。岡山県労働委員会に解雇撤回を求めて不当労働行為の申し立ても行い、「新たな国鉄1047名闘争」として闘う決意を固めている。山田副委員長を先頭に青年労働者の獲得へ驀進(ばくしん)している。
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週刊『前進』(2432号3面3)(2010/03/22 )
日教組臨大
北教組切り捨てる本部倒せ
3月15日、日教組第98回臨時大会が東京・教育会館で開かれた。全国労組交流センター教育労働者部会は会場前の宣伝行動に登場し、「民主党政権による北教組弾圧を許すな!/北教組切り捨てる本部打倒し、日教組を現場の手に取り戻そう!」と訴えた
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週刊『前進』(2432号3面4)(2010/03/22 )
障害者団体取り込みと対決し「障害者総合福祉法」を阻もう
革共同障害者解放闘争組織委員会
資本主義の矛盾があとのない大恐慌を引き起こし、ドル大暴落から戦争突入へと新たな危機を激成している。他方、世界中で労働者階級が生きるための闘いに立ち上がっている。日帝は帝国主義間争闘戦に追い詰められながら、革命防止の一点で、国鉄闘争の解体と沖縄新基地建設強行をとおして労働運動を一掃しようとしている。障害者解放闘争にも新たな圧殺攻撃が加わっている。
鳩山政権は障害者解放闘争に対して、増税・社会保障全面解体を伴って全面的な圧殺攻撃を仕掛けている。障害者運動をも政治的に利用し尽くして労働者階級を分断し、「新しい公共」の名のもとで一挙に社会保障解体・総ボランティア化に突き進もうとしている。
大恐慌下で障害者が生きる道は何か。それは労働者と団結して労働者階級の階級的解放を成し遂げることである。抑圧と搾取そのものを終わらせ、本来の共同性を人間の手に奪い返すのだ。プロレタリア革命―共産主義実現の中にこそ障害者解放の道があることをはっきりさせて闘おう。
自立支援法廃止投げ捨てた民主
民主党は、障害者自立支援法への怒りを利用して票をかき集めようと、マニフェスト2009に「自立支援法の廃止」を掲げた。しかし政権を握ると早速「廃止」を投げ捨て、体制内障害者運動を取り込み、3年間も存続しようとしている。
06年に施行された障害者自立支援法は、「少子高齢化社会」を口実に、労働者階級から社会保障を奪った上で、福祉を資本のための巨大な市場に変え、搾取をさらに強めようとする新自由主義攻撃である。「措置から契約へ」を打ち出しながら「利用者応益負担」を始めとする「福祉=自己責任」論を大宣伝し、行政を公的社会保障から撤退させる、障害者・高齢者の抹殺攻撃である。自治体の福祉職場の民営化で登録派遣ヘルパーや契約社員などの非正規職労働者を大量に生み出し、施設の非正規労働者を常態化させてきた。日経連が叫んできた「9割の労働者の非正規化」を真っ先に推し進めてきたのだ。
この攻撃は、日本共産党のように「公的福祉」をポーズだけ要求することで対抗できるようなものではない。連合を使った労資一体化した労働者支配への転換や外注化=民営化攻撃に対して体を張って闘うことなくして勝ちぬけない凶暴な攻撃だ。事実、介護現場ではNPOを含めた安価な労働力の活用、非正規職の正社員並み運営、人員不足強制、団結解体により事故が多発している。
日帝はこうした民営化攻撃を、障害者など利用者に「契約の権利を保障させる」運動で屈服させ、美化してきた。
第二次臨時行政調査会は1981年、「活力ある福祉社会の建設」「国際社会への積極貢献」を掲げ、その後、「途上国の障害者のリハビリ支援」「国連障害者の10年」をキャッチフレーズに、国内外での障害者の労働力活用とそのための権利付与に積極的に乗り出した。そして福祉財団の助成金でDPI(障害者インターナショナル)などの障害者リーダーを育成し、民間活力導入・民営化推進の基盤にした。さらに1998年に「サービス選択の自由」を掲げた社会福祉基礎構造改革が提案された。2000年には介護保険制度がスタートし、社会福祉法で福祉事業の民営自由化が始まった。障害者については03年に支援費制度が導入され、事業所の民営化が始まった。
しかし新自由主義攻撃は世界大恐慌を引き起こし、労働者の大反撃を受けて破産を宣告されている。動労千葉のストライキを先頭にした国鉄分割・民営化反対闘争の継続と1047名解雇撤回闘争が、また4大産別を始めとする民営化粉砕・連合ダラ幹打倒の闘いが、6千万労働者の怒りの炎に油を注いでいる。
障害者自立支援法は、この新自由主義攻撃の破綻の中で施行された。民営化職場の矛盾が噴き出し、また利用者からは1割応益負担や介護量上限への怒りがわき起こり、1万人以上の障害者・労働者が結集した集会が打ちぬかれるなど闘いが大きく広がった。こうした闘いが昨年8・30の自民党支配打倒に結びつくとともに、同法撤廃への突破口をこじ開けたのだ。
鳩山政権による存続をけっして許さず、即時撤廃へ闘いぬこう。
昨年12月に鳩山が本部長となり設置した「障がい者制度改革推進本部」のもと、1月以降、「障がい者制度改革推進会議」が開催されている。
障害者の労働力商品化をねらう
連合幹部と日本経団連役員に加えて障害者団体役員を構成員とし、大半が民主党系・日本共産党系委員。戦後的な障害者運動を一掃しようとするものだ。取り込まれた体制内障害者団体幹部が今後、障害者を搾取と収奪の対象として資本家に差し出していくことは間違いない。また国鉄や沖縄と同じく、社会保障の分野でも障害者施策担当大臣の福島瑞穂が極悪の手先になっている。
この会議では、差別禁止法制定を軸とした障害者総合福祉法案の内容が議論されている。
第一に、自立支援法違憲訴訟団をも「訴訟終結」の事前和解でテーブルに着かせた会議だが、財源など重要な話はすべてほかで進めている。
すでに菅財務相が消費増税の議論を呼びかけ、「支払いに応じた福祉」へ転換を迫る「税と社会保障の共通番号制度」の法制化も狙われている。後期高齢者医療制度廃止後に検討している「地域医療保険」では、保険料の企業負担や国庫負担を縮小し、個人責任と道州制に移行させ、医療・介護・福祉を制度的に一体化することを狙っている。枝野行政刷新相は国家公務員削減を発表し、地域主権=道州制導入の突破口を開こうとしている。こうした増税・道州制導入を民主党に一任した同会議は噴飯ものだ。
第二に、障害者総合福祉法が目指すものは障害者を労働力として徹底的に動員することである。
障害者も労働者の仲間として多くが就労し活動している。現場の労働組合や労働者の団結の中で資本家と階級的に闘って差別・抑圧との闘いを培ってきているのだ。
しかし障害者総合福祉法が言う「雇用・就労促進」は違う。資本家に障害者の能力を売り込むため、あるいはこれに反対する労働者に罰則・罰金を設け、金や法的権力の力で「差別がないこと。対等なこと」を実現しようと言うのだ。日本経団連の10年版経労委報告にある「同一価値労働=同一賃金」論も、障害者をあまねく労働力商品として搾取の対象に投げ込む論理でもある。
差別禁止法も障害者虐待防止法も、憲法や労働法を踏み越えた差別の判定機関の新設が核心だ。この判定も障害者の就労能力の活用の観点からなされ、訴えることができない障害者はまた路頭にほうり出される。「禁止や防止」は「差別・虐待撤廃」とは異なる。怒りを持って粉砕しよう。
「新しい公共」は首切り・非正規化
第三に、鳩山の「新しい公共」路線の核心は、労働者階級の分断と団結破壊である。障害者総合福祉法は、雇用・教育・交通機関・公共施設・情報などのバリアフリー化を叫んでいる。財政破綻を公言しながら財源、人材は一体どうするのか? 結局は新法をもテコに連合支配を使って公務員首切り・総非正規化、有償・無償ボランティアに行き着かざるをえない。
闘いのカギは、労働者階級と団結して、労働組合をめぐる革命と反革命の大激突に勝ちぬくことだ。国鉄決戦を基軸にした4大産別決戦、沖縄決戦に勝利し、民主党・連合政権を打倒しよう。
プロレタリア革命で、闘う労働組合を核に地域ソビエトを建設し、労農同盟を軸にした諸階層人民との階級的団結をかちとる中にこそ、人間解放をかちとる実践が生まれる。労働者の解放が一切の差別・抑圧、搾取を粉砕する。血債主義・糾弾主義で労働運動・障害者解放運動から脱落した塩川一派を一掃しよう。
障害者同志は地区党建設―細胞建設を最先頭で牽引(けんいん)し、国鉄決戦の最先頭に立ち、労働者と団結した力で障害者解放戦線の革命的飛躍をかちとろう。
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週刊『前進』(2432号4面1)(2010/03/22 )
3・28三里塚大闘争で空港を廃港へ
仮執行阻止はNAAに大打撃
裁判所の収用委化許すな
葉山顧問弁護団事務局長に2・25判決を聞く
天神峰現闘本部裁判の2・25判決で、三里塚反対同盟は建物の即時撤去を意味する「仮執行宣言」を粉砕し、成田空港会社(NAA)に大打撃を強制した。その意義と反動判決の内容を反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士にうかがった。3・28三里塚に大結集しよう。(編集局)
大衆運動の力で仲戸川追いつめた
2月25日に仲戸川裁判長によって出された判決は、一言で言えばきわめて反動的な判決です。
1966年12月に建築され登記された木造建物が、鉄骨建物内部に現存しているかどうかについての現場検証をせよという要求に対して、裁判所は一貫して拒否してきた。また、1988年以降の地代支払いの領収書について石橋恵美子証人の公開の法廷での反対尋問を求めてきたが、これを拒否して判決を下した。反対同盟側の主張についてことごとく事実を曲げて退けたということです。
しかしながら、仮執行宣言は付けることができなかった。仮執行は判決の確定を待たずに強制執行をもって撤去できる非常に強い効力をもつものです。NAA側はそれを期待し想定していたが、裁判所は付けられなかった。
これを阻止したことは、反対同盟および支援のみなさんの闘いの成果だと言えます。建物を取り壊してしまえば控訴審での現地検証が永久に不可能になる。これは裁判官自身が証拠隠滅という犯罪行為を行うことだとわれわれは暴き、そういうビラが連日裁判所前でまかれることで、裁判所を追いつめた。
反動判決にもかかわらず大衆運動の力で裁判闘争に勝利しました。NAAは大打撃を受けています。もともとNAAは現闘本部の存在を前提に、暫定滑走路の誘導路が「へ」の字型に曲がっていても信号をつければ運行上安全だと言い張って国土交通省から工事実施計画の認可を受けた。供用すべきでない欠陥空港を強引に供用しておいて、それが今度はじゃまだからどけというのは転倒した論理です。はじめに既成事実を暴力的につくっておいてその圧力で用地を取得する地上げ屋的なやり方の典型です。以前の空港公団総裁が言った「農家の軒先まで工事をやってそれを見ていただく」と同じ手口が続いています。
93年の6月に公団は2期工事区域の収用裁決を取り下げた。結果として2期工事は事業認定が失効し、収用裁決の権限が失われてしまった。用地は任意売買によってしか取得できなくなった。
そうしたら今度は、NAAが裁判所をつかって現闘本部と市東さんの農地に対し強制収用的な意味をこめて民事訴訟的手段に次々と訴えている。裁判所に国策裁判を強要し裁判所もそれに従うという形での「裁判所の収用委員会化」です。司法権が行政権や航空資本と一体化してしまっている。
国策のために裁判の公正性を犠牲にするというおそるべき事態だと言えます。それを先頭切って体現したのが仲戸川裁判長です。
われわれが、千葉地裁に対して裁判官忌避申し立てを行ったことに対して、仲戸川裁判長は自らの裁判部でそれを引き取って却下する暴挙に及んだ。もはやそれは裁判制度の否定であり、裁判の自殺行為と言える。それは千葉地裁そのものが権力機関に一体化している現実を如実に表しています。
反対同盟の地上権・賃借権すべて否定
判決では、反対同盟の地上権、賃借権を一切否定した。これはまったく事実を事実として認めない不当きわまりないものです。
66年の千代田農協での反対同盟実行役員会で、当時の石橋副委員長が現闘本部について「反対同盟に土地を出す。廃港をかちとるまで自由に使ってくれ」と明言して、全員が満場一致でそれを受け入れた。これは地上権設定として評価する以外にない。ところが判決はそれを証明する証文がないから認めないという。
(写真 判決直後の記者会見で葉山弁護士が反動判決を批判【2月25日 千葉市】)
反対同盟には土地は売らないという大原則がある。反対同盟に土地を出す、廃港まですべての権利を反対同盟に預けると所有権を譲り渡すのと同じ決意が述べられ、みんながそれを受け入れた。これは単なる使用貸借と違う。契約書を書くとか念書を出すというような話ではない。
そして85年の段階で石橋が反対同盟から脱落し土地を売って出て行くときも、現闘本部の敷地を分筆までしてそこだけ残した。それは実質的に反対同盟のものであるから、自分が勝手に売ることは考えられない。それが石橋の意識だったと言えます。そして地代として反対同盟がきちんとお金を払い相手が受け取ったからこそ、領収書がある。
ところが判決は、支援の者に脅されたりしてその圧力のもとに書かされたから領収書としての意味を持たないんだと強引に認定して、地代の支払いの事実を否定した。
そのNAA側の主張に沿って石橋恵美子氏の陳述書が提出された。そこでビデオリンク方式による証人尋問が強行された。しかもその尋問強行というのは、仲戸川裁判長以下3名への忌避申し立て却下に対し即時抗告を出しているとき、反対同盟側が不在の法廷で行われた。それを「証人尋問権の放棄」と言いなしてわれわれの反対尋問の機会そのものを奪ってしまった。そういう二重三重の異常な手続きで証拠採用した。
反対尋問を経ない証拠は証拠になりません。これは民事、刑事を問わず一貫した法理ですが、これを踏み破る不法を犯して、仲戸川は地上権を否定しさった。
判決は「被告反対同盟は本件木造建物であれ、本件建築物(鉄骨建築物)であれ、本件土地の占有権限を有しない」というのです。NAAは「木造建物は鉄骨建物に解体吸収され存在しない」ことを主張しようとしたが、仲戸川は悪質さでそれを上回り、「反対同盟は地上権も賃借権もない。地代の領収証はあっても領収証とは認めない。だから木造建物であろうと、鉄骨建物であろうと権限はないからその収去を認めるのは当然だ」というのです。だから現地検証をする必要はない、というわけです。
そして最終弁論の2週間前になって「訴状の訂正」をやってきた。封鎖した鉄板の中だけしか明け渡しを求めていなかったのが、対象地を8・9坪も広げ、便所とか蛇口、水道管を加えてきた。これらも石橋副委員長が北原事務局長に、「井戸もそのまま残すから使ってくれ」と約束したもので、反対同盟が権限をもっているわけです。本来なら「請求の趣旨の変更」として反論の機会を与えられるべきものを、「訂正」としてNAAが出してきたのを裁判長はすんなり認め、審理は終わりだと。こんなデタラメはありません。
東京高裁では、原判決の事実誤認ととんでもない違法な審理について徹底的に主張して、現地検証と石橋恵美子氏の証人採用をぜひ実現しなければなりません。これは市東さんの農地を守る闘いと固く一体のものです。
学生こそ勝利の 力3・28に全力結集を
前原国交大臣の発言は、現実をそのとおりに認めたものですが、成田空港関係者はハブ空港からの転落に激しい危機感に駆られていますね。その中で年間30万回という離着陸回数を実現しようとあがいている。そして市東さんの農地の強奪を、裁判所を収用委員会化してやろうとしている。第3誘導路建設、成田市をつかっての団結街道廃道化もそうです。大きくは成田空港が廃港に向かい徐々に傾きだした状況の中で、あせりに駆られた反動的な攻撃がかけられていると言えます。
これ対し、世界大恐慌、戦争と大失業の時代にあって、反対同盟と労働者階級の共闘を中心とした廃港を目指した運動の発展が、いよいよ大きな意味を持ってきたと言える。
このたびの全学連の訪米、バークレー校との連帯行動は、新自由主義の崩壊過程の中で労働者階級と連帯して教育・大学の民営化反対を掲げた闘いとして、画期的であり、全面的に支持したい。私が学生運動をしていた60年安保闘争は、安保改定をもって日帝国家権力が独自に軍事的強化を目指すという動きに抗し、岸政権打倒を掲げ、変革、革命を目指したものでした。今の学生運動が学生大衆と結合する中で再び大爆発していく展望は十分にあると思います。それが三里塚闘争勝利の一つの巨大な力となることを確信します。
農地死守の原則を貫き、市東さんの農地をあくまでも死守し、空港反対闘争を実力闘争として展開し、裁判闘争はその一環として位置付け一体的なものとして展開し勝利する、このことが重要です。闘えば勝てます。
3・28の大結集は、一層の飛躍をかちとるという非常に大きな意味を持っています。私からも、3・28三里塚への全力での結集を訴えます。
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週刊『前進』(2432号4面2)(2010/03/22 )
団結街道廃道化阻止!市東さんの農地守れ!
反対同盟が3・28大結集訴え(下)
三里塚は歴史を先取り 事務局次長 萩原進さん
NAAの社長が「今年は用地問題を解決する」と年頭所感で述べた。社内向け発言とはいえ、われわれを相手にして「解決」できるならやってみろ、ということだ。だがそうでも言わなければもたないところに成田空港が追い込まれているということだ。
日本国内で水増し需要予測をもとに100近い空港をつくったはいいが、採算が取れるものがほとんどない。日航の経営破綻もこれから深刻さを増すだろう。その責任を社員に押し付けるのはもってのほかだ。
前原国交相の羽田ハブ空港発言で大騒動になったが、結局「羽田と成田一体で」などというものの、成田の凋落(ちょうらく)はもう隠しようがない。かといってこれまで国際空港の看板をかけてきた成田を放り捨てたら反対闘争に屈服したことになるから、それも絶対にできない。そして地元の自治体や利権屋がそれに危機感を燃やしている。
連中は自分の利害だけで空港をさんざん食い物にして、そのために国民の税金を投入させて私腹を肥やしてきたんだ。動労千葉が安全・運転保安闘争の中でJRの体質を暴いたのと同じで、乗客や地元民の安全だとか、ましてや彼らの口にする地域や国の発展など彼らの念頭にない。あるのは目先の利益だけ。だから暫定滑走路1本に3本の誘導路を造ったり、できあがったとたんに2500b滑走路だけじゃ足りないからすぐその脇に3000bをつくれと突拍子もないことを言う。
今、国鉄でも、法政でも、常識もかなぐり捨て法律もねじ曲げて攻撃がかけられている。「学生は大学に近づくな」と、しかもその理由が学校の経営が成り立たなくなるからとあけすけに言う。とんでもないことだ。
成田でも、空港に反対する人は3`以内に住むなと成田治安法をもって団結小屋をつぶしたり封鎖した歴史がある。しかも今度は封鎖した現闘本部を撤去して空港用地にするというところまで踏み込んできた。そういう意味で、三里塚はいつも歴史を先取りしている。
現闘本部裁判では、われわれの闘いによって、仮執行を付けさせなかった。事実をねじ曲げて反動判決を出したが、千葉地裁はそれを即執行する責任をかぶる覚悟ができなかった。NAAはそこまで期待していたが。
そして今度は成田市という自治体が矢面に引きずり出され本質がむき出しになった。国民を守るといって戦争をやる国家と同じで、市が住民の営農を押しつぶそうとするとんでもない現実だ。これを全国に伝え知らせなくてはならない。
労働者の闘いと手を結び、また沖縄の闘いとも固く連帯して闘っていくことが今死活的にわれわれに求められている。そうして前進すれば勝てる手ごたえが確かにある時代だ。3・28に全国から大結集を呼びかけます。
大結集で市東さん守ろう 中郷 鈴木謙太郎さん
仮執行宣言を付けさせなかったことは重要だが、あの現闘本部裁判の判決は到底納得できない内容だ。
仲戸川裁判長は、NAAまで現場検証をやっていいと言ったのにあくまでもやらず、事実をねじまげ、NAAと権力につごうのいいことだけ見て、こちら側の出すものは肝心なところをすべて認めない態度だった。司法と行政が癒着し、最初から反動判決ありきだったと言える。
最後の方になって「訴状の訂正」と称して便所も、水道も、蛇口もと対象を広げてきたが、あんなデタラメがあるか!
あれは仲戸川裁判長の方から「建物の外の付属物も加えておかないとまずいぞ」とNAAに入れ知恵したのではないかとさえ言われている。十分ありうる話だ。現闘本部裁判は高裁に移り、時間も限られているが、じっくり構えてやっていくしかない。
成田市議会がとうとう団結街道の廃道化を採決した。絶対に許せないし、認めるわけにはいかない。成田市長らの言い分は「42年前に決めたことだ」というものだが、空港はとっくに事業認定が切れてしまっているのだから、そんな古い実施計画そのものが無効だ。
道を一つつぶすかどうかという重大事は、当然地元農民の意見を聞いてやるべきことだろう。ところが市東さんが反対しているのを重々知りつつNAAの言いなりで廃道だと!
市が示したう回ルートは、団結街道に比べたら、距離で3倍、信号もあれば道路横断もある。あのピンカーブを右折するのも厳しい。今まで5分足らずで行けたところが小1時間かかることになる。営農妨害そのものだ。
成田市長、市議会議員らはみな空港の利権にからめ取られている。それは芝山町でも同じだ。完全に空港におんぶに抱っこの状態だ。相川町長は第3の滑走路を造れとまで言っている。この期に及んでまだハブ空港にこだわっているのか。
日本国内で98番目の空港として茨城空港が開港したが、1日1便で成り立つはずがない。成田だって、離着陸年間30万回は絵空事、机の上の計算だ。
百姓は自分の農地がなかったら、生きていけない。労働者が職場を奪われることと同じだ。積まれた金で移転して違う土地でやればいいと言う人もいるが、何十年も丹精込めてつくってきた農地はほかの何ものとも代えられない。俺もここで無農薬で25年やってきて、その農地はかけがえのないものだと思っている。きれい事に聞こえるかもしれないが、金じゃないんだよ。
今闘いは本当に正念場だ。反対同盟は市東孝雄さんの農地と現闘本部を絶対に守りぬく。3・28闘争にどれだけ多く集まるかが事態を決める。全国から大結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2432号4面3)(2010/03/22 )
“廃道化を実力で阻止する!”
成田市議会にデモ
「団結街道廃道化を絶対に阻止する!」
三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、3月16日に成田市役所・市議会を包囲する集会とデモが行われ、首都圏を中心に怒りに燃えた100人を超える労働者・農民・学生が市役所に程近い栗山公園に結集した。
午前10時、司会の鈴木謙太郎さんが「本日成田市議会が採決しようとしている団結街道廃道化は、不当不法な暴挙である」と第一声を上げ集会が始まった。
北原鉱治事務局長がマイクを握り、「団結街道はそこに住む市東さんの生活道路だ。小泉市長よ、廃道化の暴挙をやめよ!」と渾身(こんしん)の怒りで弾劾した。
続いて市東孝雄さんは、「自分の畑までの距離が3倍になることを小泉市長は『何の支障もない』と言い放った。こんなふざけた発言を絶対に許せない! 今日のデモで目に物を見せる闘いをやろう」と強い口調で訴えた。
動労千葉の川崎昌浩さんは「第3誘導路」の攻撃を断罪した上で、検修業務外注化攻撃をストップさせていることを報告し、貨物を中心とした第4波ストに総決起する決意を表した。
全学連の織田陽介委員長は、「今日成田市長と成田市議会が農民殺しの歴史をなぞろうとしていることを許さない。廃道化を絶対に粉砕する! 三里塚が6千万労働者の心をとらえる時代だ。3・28へ大結集を!」と熱烈にアピールした。
宣伝カーと横断幕を先頭にデモに出発した。機動隊と私服刑事が大人数で繰り出し、弾圧の機会をうかがっている。市役所の正面でデモ隊は、満身の怒りを込めて繰り返しシュプレヒコールをたたきつけた。一刻も早くデモ隊を立ち退かせようとする警察とにらみ合いが続いた。包囲デモを貫徹し、再び栗山公園で怒りのシュプレヒコールを上げた。
この日午後、成田市議会定例会は傍聴席からの激しい弾劾の声を浴びながら、他の40もの案件とともに団結街道廃道化を「起立多数」で採決した(足立満智子議員が反対)。今や小泉市長を始め成田市行政幹部と成田市議会は、完全に空港の下僕へと成り下がった。住民、市民の生活を売り渡してまで空港の手先となりへつらう姿は人間としての究極の堕落だ。恥を知れ! 三里塚闘争44年の歴史と反対同盟との血盟にかけて、絶対に廃道化を実力阻止する。3・28に全国から総力で結集しよう!
(写真 市東さんと反対同盟を先頭に成田市議会包囲のデモを闘った【3月16日】)
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週刊『前進』(2432号4面4)(2010/03/22 )
2010年 3月9日〜16日
オバマ「輸出倍増」へ国家戦略/平野官房長官が「勝連沖も選択肢」
●社民6都道県連合が国内移設案に抗議 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設先をめぐり、国内の候補地を含めた提案をした社民党本部に対し、候補地と目される自衛隊施設などを抱える、同党の北海道、東京、福岡、佐賀、長崎、鹿児島の6都道県連合の幹部が、国外移設を求めて抗議を申し入れた。(9日)
●教員の政治活動、自民が罰則法案
自民党とみんなの党は、教員が違法な政治活動をした場合、3年以下の懲役か100万円以下の罰金を科せられるようにする教育公務員特例法の改正案を衆院に提出した。(10日)
●米輸出倍増へ国家戦略 オバマ米大統領は、5年で輸出を倍増するための「国家輸出戦略」を策定し、発表した。国務長官や財務長官らをメンバーとする輸出促進閣僚会議を設置するほか、貿易金融を拡充。2010年は貿易を促進させる使節団を40以上出す。(11日)
●病院に米軍車侵入、縁石壊す 沖縄県立中部病院(うるま市)の救急搬送路に、米軍車両の大型けん引車とジープの計2台が無断で侵入し、正面玄関前のロータリーを1周して県道に戻って行った。敷地内のガードレールや縁石などの破損も確認された。(11日)
●社民・福島「自衛隊は合憲」 社民党党首の福島少子化担当相は参院予算委員会で「内閣の一員としては内閣の方針に従う。自衛隊は違憲ではない」と答弁した。(12日)
●内閣支持下落32% 朝日新聞社の全国世論調査によると、鳩山内閣の支持率は32%で前回調査(2月20、21日)の37%から下落した。不支持率は47%(前回46%)だった。(13、14日)
●勝連沖も選択肢 平野官房長官が米軍普天間基地の移設先として、米軍ホワイトビーチ(うるま市)のある勝連半島の沖合を検討していると民主党沖縄県連側に伝えていた。喜納昌吉代表が明らかにした。平野は地元漁協が反対していないなどを理由に「持っていきやすい」と述べたという。(14日)
●「66年、岩国に核保管」 ライシャワー元駐日米大使の特別補佐官だったジョージ・パッカード米日財団理事長が講演、1966年に米海兵隊が岩国基地(山口県)に核兵器を一時保管していたことを明らかにした。(15日)
●PKO武器使用「広げる余地」 岡田外相は参院外交防衛委員会で、国連平和維持活動(PKO)協力法で、限定されている武器使用について「国連決議がある場合に、もう少し広げる余地はあるのではないか」と、緩和に前向きな考えを示した。PKO協力法は2001年の法改正で、現場に居合わせた他国のPKO要員や政府要人、国連機関の職員らも守れるようにした。(16日)
●防衛相「あらゆる案俎上(そじょう)に」 北沢防衛相は閣議後会見で、米軍普天間飛行場の移設先として勝連半島沖を埋め立てる案が浮上していることについて「ゼロベースで検討するので、あらゆる案が俎上に上がることは当然だ」と述べ、検討対象となっていることを示唆した。(16日)
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週刊『前進』(2432号5面1)(2010/03/22 )
学生寮の民営化絶対阻止!全国の学寮で闘いの爆発を
日就寮東北大の食堂廃止許すな
3・4カリフォルニア教育ゼネストと全学連が合流し、「教育の民営化粉砕!」の国際的学生運動の復権が始まった。この時、われわれは法大決戦と並んで民営化攻撃と対決する新たな陣地を打ち立てた。全国学寮決戦だ。学寮の民営化粉砕(自治寮死守)は、大恐慌下での教育破壊に対する労働者・学生の利害をかけた闘いだ。学寮闘争の爆発をかちとり全国大学ゼネストへ!
寮を貧困ビジネスにするな
07年2月、東北大学当局は寮生との話し合いも一切なく、八木山三寮(日就寮、以文寮、霽風〔せいふう〕寮)食堂を廃止し、外注化して民間業者による運営に変更することを一方的に通達してきた。こんなふざけたことがあるか! これまで寮のことは寮生が決めて動かしてきた。それを一方的な通達で、寮生活の根幹である「食」を奪うなど言語道断だ。寮自治の破壊である。
出食を請け負う民間資本はその本質からして、利益が上がらなければ食費を上げるか、撤退する以外にない。資本の利潤の上がる限りでのみ学生は「食」にありつける! まさに、資本主義という社会の最末期の姿だ。
そもそも学生寮は、「すべての人が教育を等しく受ける権利を保障」するために、戦後革命期以来の学生運動・労働運動によって政府・当局からかちとってきたものだ。寮を守るために当局・資本・権力と闘い、寮生の団結でもって、寮自治を打ち立ててきた。
その自治寮を解体してやろうとしていることは何か。東北大学当局が全国に先駆けてつくったのが、PFI(民間資本主導)型寄宿舎=ユニバーシティハウスだ。これは、機動隊を使った強制執行によって06年に有朋寮を廃寮にして建てられたものだ。ユニバーシティハウスは、「ボストンバッグ一つで生活できる」をうたい文句に、ノートパソコン以外の電化製品の持ち込みを禁止し、シーツや布団にいたるまですべてレンタル制だ。入居期間は1年間のみで、2年生になったらアパートに引っ越さなければならない。そのアパートあっせんを当のPFI業者が請け負っているのだ。どこまで学生から搾り取るつもりか!
大恐慌による親の失業や賃下げによって、「学生寮に入らなければ大学に通えない」という学生が急増している。親からの仕送りがない学生は1割、奨学金を含む借金をして大学に通っている学生が4割に上る。大学生の年間生活費は、8年前から3割減少し、安価な寮は圧倒的に必要だ。そのときに大学当局は寮を使って、学生の生活を食い物にする「貧困ビジネス」をしているのだ。
(写真 ”寮食堂廃止反対!”日就寮生を先頭に全国学生、地域の労働者、寮生OBが結集。右奥の建物が寮食堂【3月14日 東北大学日就寮】)
労学共闘の力で解雇撤回を
さらに食堂の民営化=外注化は、食堂で働く労働者への解雇攻撃だ。そして、外注先の民間業者は利益を上げるために労働者を徹底的に低賃金と労働強化にたたき込んでいく。
食堂廃止阻止は、解雇を許さない闘いであり、労学共闘の発展こそ勝利の展望を切り開く。
学寮闘争を怒りの結集軸に
学生寮の民営化粉砕の闘いは、海を越えて国際連帯を生み出している。3・4全学連訪米闘争が切り開いた国際的団結は、法大闘争を先頭にして日本の闘いへと還流され、勝利の展望となって輝いている。
バークレー・ストライキ委員会は3・14日就寮集会に次のような連帯メッセージを寄せている。
「労働者・学生には反撃の力がある。労働者は一人でこの攻撃に対峙しているのではなく、すべての仲間は一つになって立ち上がる。これこそ真の団結だ。団結破壊の攻撃に反撃していくためには、学生と労働者の団結が不可欠だ。
全学連は、アメリカの学生運動を数十年にわたって鼓舞してきた。そして、今日もそうあり続けている。私たちは、いま築きつつある国際連帯を強化していかなければならない。公教育は権利だ! 万国の労働者・学生は団結せよ! 一つの闘い! 一つの闘争!」
学生寮死守の闘いは学生の「生きさせろ!」の闘いそのものであり、労働者階級全体を巻き込んで、教育ゼネストへと発展する導火線だ。全世界の学生・労働者の敵は一つ! 教育を民営化して、青年・学生の未来を奪う資本主義だ。
学生寮の民営化絶対阻止を掲げ、東北大・日就寮、富大・新樹寮、京大・熊野寮・吉田寮の決戦に勝ち抜き、2010年、法大決戦と並ぶ歴史的大決戦として全国学寮闘争を爆発させよう!
(マル学同中核派東北大学支部)
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週刊『前進』(2432号5面2)(2010/03/22 )
日就寮で労学集会
“絶対反対を貫き闘うぞ”
3月14日、東北大学日就寮の敷地で「東北大学の学生寮食堂廃止に反対する3・14日就寮大行動」が行われた。70人を超える学生・労働者が地域・全国から結集した。3月31日をもって寮食堂を廃止し、食堂で働いている炊フさんを解雇する攻撃に怒りの反撃をたたきつけた。
冒頭、日就寮委員長の石田真弓君が基調を提起した。「大学当局は3年前、寮生とはなんの話し合いもなしに食堂廃止を一方的に通達してきた。これは寮自治破壊であり、廃寮攻撃と一体だ。さらに、炊フさんの雇用をも奪うということだ。日就寮は絶対反対で最後まで闘う」
東北大学学生自治会、文化部サークル協議会に続き、全国学寮の仲間、労学共闘を築いてきた全金本山労組や地域の労働者も連帯アピールを行った。法大文化連盟や動労千葉などからのメッセージも紹介され、3・4全学連訪米闘争で結合したバークレー・ストライキ委員会からの連帯メッセージなどが読み上げられた。
遠方から駆けつけた寮生OBは、「愛すべき食堂の廃止にみんな怒っている。今日は参加できない人からも署名を託されてきた。これが日就寮の団結だ。OBもともに闘う」と訴えた。
クライマックスは日就寮生の発言だ。「今回の集会はスタートだ。7年住んできたが最近になって、闘っていけば立ち上がってくる人は必ず出てくることが分かった。一番の力は敵への怒りだ。現場に立って闘おう!」
さらに食堂廃止により職場を奪われようとしている炊フさんからも感動的な訴えがなされ、解雇を絶対に許さないと参加者全員が決意した。
最後に集会決議を全体で確認し、寮歌を唱和して八木山デモに打って出た。1時間のデモは地域住民の注目と応援を受け戦闘的に闘われた。
大行動に向けて、13日には仙台市内で街頭宣伝を行った。大恐慌と大失業の中で、圧倒的注目が集まった。青年・学生の反応が特徴的で、署名に応じた高校生は「受験は来年で志望校は違うけれども、寮がなかったら進学できない。賛同します」と切実に訴えてきた。教育の民営化粉砕で闘いを拡大し、食堂廃止を阻止しよう!
(東北大・S)
(写真 日就寮の周りを元気よくデモ【八木山緑町】)
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週刊『前進』(2432号5面3)(2010/03/22 )
大恐慌と中国経済の危機
資産バブルやインフレ化
世界大恐慌の深化・発展の中で、中国経済が新たに危機を深めている。ギリシャ・EUの財政破綻と信用不安に続き、中国経済の危機は、大恐慌の次なる火点だ。
確かに表面的には、中国は「金融危機をいち早く克服した」と言われ、世界経済回復の牽引(けんいん)車になることを世界のブルジョアジーから「期待」されている。これだけの大恐慌のもとでも、主要国の中では唯一8・7%増という高成長を維持した。
だがこれは、そもそも「8%成長」は中国の至上命題で、それなしに中国経済は立ち行かない。この特異な経済構造のために、大恐慌で輸出が大きく落ち込んだ分、大規模な景気刺激策とインフラへの公共投資で穴埋めして、高成長を維持したにすぎない。しかも頼みの輸出が本格回復しない中で、10年度も「8%程度」の成長を維持するために、前年を約11%も上回る、過去最大の8兆4500億元(約110兆円)の積極予算を組もうとしているのである。
だがすでに中国経済は、不動産バブル・住宅バブルの状態であり、インフレの台頭も懸念されている。一方で過剰生産の問題が深刻であり、中央と地方を合わせた財政赤字も、1兆500億元と過去最大に膨らもうとしている。
今回の全人代で、温家宝首相は「投資主導・投資頼み」の高成長政策に限界と破綻がみえる中で、内需拡大、消費底上げ、新産業育成など「経済発展方式の転換」を打ち出した。だが「8%成長」の生命線を維持するために積極財政はやめることができず、また利上げや人民元相場の切り上げといったバブル対策にも、本格的な踏み込みはできないのが現実である。
しかも、人民元がドルに対し事実上固定されていて、旧来型輸出産業が延命し、新産業への転換なども進まない。市場にあふれ出たマネーも輸出企業にとどまり、また不動産に流入してすでに異常な資産バブルが発生している。労働者の超低賃金により、個人の購買力や消費の伸びも脆弱である。
こうした中で、所得格差は拡大の一途だ。都市の可処分所得は農村の3・3倍であり、収入上位10%と下位10%の所得格差は88年の7・3倍から07年には、実に23倍に拡大した。09年はさらに拡大している。温家宝は全人代で「所得分配制度の改革」を打ち出したが、高額所得層からの税の徴収は困難を極める。腐敗が深刻な中央・地方官僚や、資本家階級など既得権益層の抵抗が強いからだ。
中国の残存スターリン主義体制のもとで、こうした中央・地方官僚や資本家層と労働者の階級矛盾、少数民族の貧困や民族抑圧の矛盾が、いよいよ激化している。ここ数年、年間10万件ものストライキや暴動が起こっている。賃上げ要求など労働争議は、09年1〜9月で51万9千件に上った。
今や中国経済は、保護主義や人民元切り上げ問題をめぐる米帝との争闘戦の深刻化のもとで、バブルの破裂、インフレの爆発、財政赤字拡大などの危機、さらには階級矛盾と民族矛盾の激化をはらんでいて、大恐慌の最大火点の一つである。中国やアジアに殺到して大恐慌脱出の「展望」を夢見る世界のブルジョアジーの幻想は、粉々に打ち砕かれるだろう。
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週刊『前進』(2432号5面4)(2010/03/22 )
“有事核持ち込み容認も”
日米密約報告が狙うもの
3月9日、外務省の有識者委員会が、日米政府間の「密約」に関する調査報告書を岡田外相に提出した。@1960年安保改定の際、核の配備を事前協議の対象とするとしたが、核搭載艦船の寄港はその対象外とする「討論記録」、A同じく60年安保で、朝鮮有事の際の米軍出動は事前協議の対象外とする「議事録」、B69年佐藤・ニクソン会談での沖縄への核再持ち込みに関する「合意議事録」、C71年6月、沖縄返還協定調印の前に、沖縄返還に伴う原状回復補償費の「肩代わり」をめぐる非公表の「議論の要約」。この4点について調査・報告したものだ。
いずれもすでに米側では情報公開で明るみに出て、密約があったことは周知の事実だった。一部は当事者も認めたにもかかわらず、外務省と歴代の政府は国会答弁などで頑強にそれらの文書の存在そのものを否定してきた。民主党・連合政権は、これまでの戦後自民党政治を否定し、「対等で緊密な日米同盟関係」をつくるために、この密約問題を使ったのである。
もとより、外務省の関係者でつくられた有識者委員会は、密約を徹底的に暴き、断罪しているわけではない。「広義の密約」とか「密約とは言えない」などの表現で、基本的にはごまかしている。
レーニンがロシア革命において、「秘密条約の破棄」を宣言し実践したように、秘密外交の中に帝国主義強盗どもの戦争と侵略と金銭取引の実態が隠されている。特に、ここで問題になっている密約は、主として日本政府が核兵器持ち込みの実態を労働者人民から覆い隠すことが目的だった。それは60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を始めとする労働者人民・学生の闘いの爆発に日帝がどれほど追いつめられ、恐怖していたかを示している。
では鳩山政権は、より民主的に、核兵器と安保同盟から脱却するために密約を「暴いた」のか。否、まったく逆だ。日米争闘戦の激化のもとで、敗戦帝国主義的現実からの脱却、「対等な日米同盟」の再編・形成に向けたあがきを行っているのだ。「核」の問題をもっとオープンにどんどん議論して、核武装の道を開こうとしているのだ。戦争のできる国、憲法改悪に向かって、自民党にはできなかったことをやろうということだ。すでに17日の衆院外務委員会で、岡田外相が「将来的に有事には持ち込みを容認する事態もあり得る」との考えを表明し、「非核三原則」見直しに動き出した。
だが、労働者階級人民の反戦・反核の意識と闘いは、簡単に一掃されてしまうようなものではない。そこには階級矛盾が絶対的に存在する。まさに日米安保は戦後の最大の階級矛盾と階級対立の最焦点である。同時に、日米の最激突点が沖縄と沖縄基地の存在、その現実であるということがあらためて突きだされているのだ。
密約問題は、民主党・連合政権の思惑を超え、逆に労働者階級の怒りの炎に油を注ぐものとなる。それは普天間基地「県内移設」に対する怒りを増幅する。今こそ、沖縄米軍基地撤去・日米安保粉砕の新たな革命的爆発をかちとるべき時だ。それは、大恐慌下の安保・沖縄闘争、さらには改憲阻止闘争の発展を切り開く闘いだ。
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週刊『前進』(2432号5面5)(2010/03/22 )
飛躍かけ各地で春闘集会
国鉄・全金本山軸に勝利開く 東北春闘集会
東北各地から100人が結集し、「国鉄1047名解雇撤回!JR検修業務の全面外注化を阻止し、闘う労働組合をよみがえらせよう!3・7東北春闘集会」が熱気いっぱいにかちとられた。15年目の東北春闘集会。自治体労働者は「国鉄、全金本山闘争を軸に勝利を切り開いてきた。労働組合の闘いで社会を変えよう」と基調を提起した。
集会のメインは国鉄労働者3人の特別報告だ。「われわれの主導権で闘いは進んでいる。組織拡大へ腹を固めて闘う」(動労千葉の繁沢敬一副委員長)、「金で魂を売る解決案は認められない。JRに責任がないことを認めろというのが敵の最大の弱点だ」(国鉄1047名当該の小玉忠憲さん)、「検修業務を外注化しても技術者を出向させるから大丈夫という当局を許さない。国労を闘う組合に変えたい」(郡山工場の橋本光一さん)。
集会後半では全金本山労組の長谷武志副委員長、不起立闘争に決起した教育労働者、東北石けん労組の青年、学生などが決意表明した。
集会前には仙台の繁華街を青年労働者・学生を先頭にデモ行進し、青年がデモに飛び入り参加した。(TN)
一日大行動を青年が牽引 東京西部春闘行動
3月14日、「国鉄1047名解雇撤回 沖縄の怒りで鳩山政権倒せ!」を掲げた東京西部地区の春闘行動に60人が結集し、自己解放性あふれる集会・デモ・街宣の一日行動をかちとった。
司会は動労千葉を支援する会の労働者が務め、基調は解雇撤回を闘ってきた青年労働者が提起。「自分は闘いをとおしてこの場で基調報告できるほどに変わった。労働者は闘うことで変わる」「中野顧問の遺志を継ぎ『負けない』闘いをやろう」と明るく訴えた。
西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会からは分会長ら組合員3人が参加し、組合切り崩し攻撃を打ち破り解雇撤回を貫き団結を強めていることなどを報告、頼もしい姿を見せた。討論では、18人の労働者、各運動(全国連杉並支部、百万人署名、星野さんを救う会、区議会議員)の仲間が発言し、初参加の職場の仲間も紹介された。
集会後、杉並区役所まで意気揚々とデモ。阿佐ケ谷駅前では首都圏の星野再審連絡会の街宣隊とエールを交換した。
デモ後は、街宣隊に合流し40人余で大宣伝を行った。(東京西部・K)
拠点の労組で合理化に反撃 東京北部春闘行動
3月6日、東京北部地域の拠点組合である精研労組がある東京武蔵野病院に、地域の労働者が集まり春闘集会を行いました。武蔵野病院資本は、「昨年の売り上げは史上最高」と言いながら、今年の経営方針では「1・5億円のもうけを出す」ために「人件費の1億円削減」「人員削減」「正規職の非正規職化」と言っています。こんな合理化に対し、労働者は怒りをもって立ち上がることを確信する集会でした。
朝から3名の指名ストに突入し、昼休みに精研労組青年部を先頭に病院前での集会をかちとり、「合理化・賃下げ・解雇を許さないぞ」とシュプレヒコール。午前の仕事をあがった制服姿の労働者が次々と駆けつけ、非組の労働者も参加。地区の労組・労働者113人が結集した行動はすごい迫力と密集力でした。
午後、屋内会場の集会では、精研労組、一陽会労組、東京北部ユニオンの各分会、さらに他地区の労働者などが発言。「武蔵野病院の合理化攻撃は経団連の経労委報告そのもの。JRの検修外注化と一体の総額人件費削減だ」「保護主義が行き着く先は戦争。合理化への怒りと戦争への怒りは同じ」「3・20集会を資本への根源的怒りと労働者の誇りをかけ決起しよう」と全体で確認されました。(東京北部・YU)
国鉄決戦勝利へ総力で決起 神奈川国鉄集会
3月5日、かながわ労働プラザで、「国鉄闘争勝利! 神奈川集会」が85人の結集で行われました。神奈川の仲間は年初からのべ200近い国鉄オルグ行動に入り、この集会をかちとりました。
動労千葉争議団の中村仁さんは、「分割・民営化に反対して動労千葉は28人の解雇者を出している。それをバネに頑張ってきたから今の動労千葉がある。労働者は闘わなかったらダメだ」「全労働者が団結して闘おう」と熱く訴えました。国労闘争団の仲間は、1047名闘争解体策動について「今、頭を下げたら日航も社保庁も同じようにされる」「4者4団体はクビにされた怒りを忘れたのか」と憤りました。
自治労横浜の仲間が基調を提起。「1047名闘争解体は全労働者にかけられた攻撃。全員がこの闘いの主体だ。国鉄闘争勝利の中に全労働者の未来がある。職場で闘うことが重要だ」
さらに、各産別の労働者、婦民の仲間が発言しました。最後に「国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を許さず第2次国鉄分割・民営化決戦を闘う決議」をあげました。(神奈川・M)
11月派として打って出るぞ 京滋地区春闘集会
3月14日に春闘集会を40人の結集で開催しました。動労千葉の第3波スト突入と一体となり、何よりも”1047名解雇撤回闘争の解体を狙う民主党・連合政権打倒!”を明確にして、地区の労働者が先頭に立ち、集会をかちとりました。
闘いの報告では国労の原田隆司さん(国労5・27臨大闘争弾圧被告)が自身の国労バッジ着用による処分攻撃に対する闘いでJRの労務支配をぶち破っていることを紹介し、職場の闘いを貫くことで平成採獲得の展望が開けていると確信をもって提起しました。全逓労働者は、労働者への階級的信頼でこそ、事故責任や営業ノルマで分断を図る当局の攻撃を打ち破れると訴えました。
労組破壊攻撃に「絶対反対」を貫いて闘う医療労働者の青年の発言や、沖縄闘争と切り結び労働組合に星野奪還闘争を持ち込もうという特別報告もありました。学生の訪米報告もあり、京滋において11月派として打って出る決意を固めました。(春宮早希)
青年労働者を先頭に大成功 大阪春闘集会
3月10日、南大阪労組交流センター主催の「闘う団結とりもどそう! 春闘集会」が大阪市内で開催され、青年労働者を先頭に35人が結集した。
大阪府職労の青年労働者の司会で、民間・金属の労働者が「今こそ1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止決戦で民主党・連合政権を打倒しよう」と基調を提起。国労5・27臨大闘争弾圧被告の東元さんが特別アピールとして「分割・民営化阻止の生き証人として職場での解雇攻撃と闘う」と力強く決意を語った。
それを受け、「任期付公務員制度」による道州制解雇攻撃と闘う大阪市職の労働者、橋下による「特別休暇・特別手当廃止」攻撃と闘う自治労大阪府職の労働者、関合労大和分会、教育、民間の労働者などが発言。解雇攻撃と闘う関合労南大阪支部は、「1カ月以上も実力就労闘争を続けている。敵は『金銭和解』を言ってきたが『カネのために闘っているんじゃない』と突っぱねた。大事なのは団結」と訴えた。
大阪・星野文昭さんを取り戻す会は星野再審決議案を提起した。
(南大阪労組交流センター・I)
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週刊『前進』(2432号6面1)(2010/03/22 )
団結ひろば 投稿コーナー
学習会で星野さんの陳述書を読んで感動 東京・南部 吉田みちこ
「私は無実だ。私はやっていない。火炎瓶投てき命令をしていない。これは一点の曇りのない真実だ。にもかかわらず、35年の投獄と、23年の無期を強いている。一体、こんな理不尽な事が、許されるのか。心の底からの怒りで一杯だ」
これは、2009年11月27日、東京高裁に提出された第2次再審請求書の星野文昭さんの陳述書の最初に出てくる文章です。星野再審ニュースの星野さんとの面会報告を読むと、いつも彼は温厚で笑顔だったとありますが、この文章を読み、彼は常に心の中に火の玉のような熱い怒りを持っているのだと思いました。
学習会で提起された第2次再審請求の論点は、@背広の色、Aデモ隊の時刻、B公判の証人の「背広の色は、きつね色だった」と執着しているのは、星野さんに対する気を使った遠慮証言だったとしていること、C星野さんの持っていた鉄パイプは傷もなく、まっすぐであり、機動隊を傷つけている跡はまったくないこと、D耳の識別は無効、E本人の自白はなし、Fすべてが検察調書であることです。この一つひとつを学び、「星野さんは無実だ。やってない」と確信しました。
学習会のなかで、松川事件を引用し、共産党が見放したとありましたが、私自身も、5、6年前までは、星野さんの存在自体を獄中にいる人としか認識していなかった。この学習会に参加して、労働運動と星野再審闘争が一体のものとしてあることを実感して頑張ろうと思いました。
星野再審ニュース152号の暁子さんとの面会の会話のなかで、星野さんは、「労働運動のなかに持ち込むために、どのような働きかけをしていくかが問題。同情というより、『無期』にうち勝ってきた闘いとして星野の闘いは、ある。全体の闘いをつぶすために、僕がやっていないことは百も承知で、星野に無期をかけてきている。だから一体になって闘うことなんだ」と言っています。
この星野さんのことばを肝に銘じて、東京・南部で星野闘争を取り組みたいと思います。
ビキニデー56周年に東京で反戦反核集会 東京西部ユニオン M・N
1954年3月1日、大石又七さんらが乗った第五福竜丸がビキニ環礁での米帝の水爆実験で被爆してから56周年。2月27日、東京・杉並の産業商工会館でビキニデー反戦反核東京集会が開催された。メイン企画は、大石又七さんと核問題研究情報センター・吉田義久さんの「反核対談」だ。
大石さんは、当時の状況にふれながら、内部被曝(ひばく)の恐怖、差別に苦しんできた自らを語った。また米帝とともに「ビキニ事件」を隠し、「平和利用」と称して核技術開発、原発・核武装化を進める日帝を鋭く告発した。とりわけ、日本が核を持っていたら「米国に(核)報復する」と暴言した田母神を許さず、すべての核兵器と戦争・軍隊をなくすために力を尽くすと表明した。会場から連帯の拍手が一斉に送られた。
吉田さんはオバマ演説の虚構を弾劾し、鳩山政権が「もんじゅ」再稼働、原発輸出などに突き進む、自民党以上に凶暴な政権であることを明らかにし、階級闘争の勝利が核政策・核戦争に決着をつけると喝破した。
その後の3本の特別報告は「反核対談」の基調をさらに鮮明にした。元共同通信記者・土井淑平さんは、米帝の核開発による米先住民のウラン被曝や人形峠のウラン鉱毒事件における地元住民の闘いなどを紹介し、全世界が核に汚染されている現実と闘うと語った。核燃と闘う青森六ケ所現地からは、原発下請けの沖縄労働者が被曝し死亡した現実に向き合い、被曝労働を強制する資本と闘いぬくこと、「4・9反核燃の日」連続行動への結集が呼びかけられた。
後藤俊哉動労千葉執行委員は、検修外注化・民営化と徹底的に闘い、第2波実力ストでJR資本の組織破壊攻撃と対決するとの決意を表明した。
「核と戦争のない社会」とは労働者が主体の社会の建設であり、大石さんの怒りは労働者階級の怒りだ。集会は「核は労働者階級の階級的団結の力によってしか廃絶できない」ことを一層明らかにした。戦争・核武装の鳩山をぶっ倒そう!
民主党「個別所得補償方式」に農民の怒り 新潟県・農民 A
米農家に対して、この2〜3月、民主党の「個別所得補償方式」の説明会が行われている。「こんなはずではなかった」――農民の怒りと失望感と嘆きが説明会を覆っている。民主党への幻想が急速に怒りに変わりつつある。
民主党の個別所得補償方式(10eあたり一律に現金1万5千円支給)は、農民を救うものではない。内容を聞けば聞くほど、ペテンが明らかになっている。なぜか。
農業全体への補助金の大枠は変わらず、個別所得補償の財源は減反=米の生産調整の補助金といってよい。個別所得補償の前提として各農家に減反の100%実施が強制される。毎年の減反割り当ては各県で違うが、新潟県では3割である。しかも、「耕作放棄地をなくせ」と、減反させ加工米を作らせる。米の増産で米の値段が確実に下がる。
さらに、転作作物の各種補助金が軒並みカットである。10eあたり1万5千円もらっても、農家の収入の大幅ダウンが確実だ。こんなやり方なら、全耕作地で米を作った方がマシだが、そうすると米の生産過剰で米価はもっと安く資本家に買いたたかれる悪循環だ。
戦後、自民党農政で日本の農民は疲弊に疲弊を重ねてきた。後継者がいない、荒れ放題の田畑が全国で広がっている。65歳を超える農民が70%以上。農業に展望を見いだせず、やめていった。農業は輸出企業であるトヨタやキヤノンの犠牲にされてきた。
この現状に民主党が個別所得補償方式を唱え、農民の自民党離れを加速させた。しかし、民主党の内容は自民党以上にでたらめであり、今後農民が農業を続けていくことができないことを突きつけている。これから大混乱が続くだろう。それは農民に何ひとつ展望を与えられない資本主義の最末期の姿そのものだからである。
労働者が今、「生きさせろ!」と闘いを始めているように、農民もまったく同じだ。農民も労働者階級と一緒に、資本主義を打倒しなければ未来はない。大恐慌にのた打ち回る資本主義に断を下す時だ。
ともに頑張ろう。
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週刊『前進』(2432号6面2)(2010/03/22 )
大恐慌を世界革命の勝利へ数万・数十万の機関紙読者を
前進経営局から熱烈に訴える
胸躍る時代が到来
胸躍る時代が到来した。新自由主義が破綻し、大恐慌が爆発し、世界革命への新たなうねりがわき起こっている。ギリシャの1カ月で3回のゼネスト決起はユーロとEUを揺るがしている。全学連の訪米闘争はカリフォルニア州の100万人教育ゼネストと合流した。11月派の闘いが世界を変える鍵を握っている。
「2010年国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命へ」を掲げ、国鉄・沖縄・三里塚・法大の闘いに勝利し、プロレタリア革命に突き進もう。この闘いの成否は、2千万青年労働者、6千万労働者の中に数万、数十万部の機関紙を広め、労働者階級の中に無数の労働者細胞を建設し、革命勝利の世界単一の党を建設する闘いの前進にかかっている。
<機関紙拡大×職場細胞建設×動労千葉型労働運動と労働組合建設〉の通年的実践で革共同建設の新段階を切り開こう。
それは、革共同政治局1・1アピール第5章で提起しているように、綱領草案を闘いとった地平から3全総路線を継承・発展させ新たに実践することである。その核心は機関紙活動を党的日常活動の中心に据えることだ。
(写真 3・20大結集へ新宿駅頭街宣【3月13日】)
3全総-3回大会の機関紙活動が70年安保・沖縄決戦準備
「わが同盟のここ1年間のたたかいの教訓は、わが同盟が確固とした党組織を、経営細胞を基礎に構築することなしには、革命的共産主義運動の飛躍的前進がありえないことを教えている。強固な経営細胞を確立し、その周囲に戦闘的労働者大衆を結集させて、反帝・反スターリン主義の思想的影響力を広範につくりだすことなしには、われわれは、革命の確固たる拠点をつくりだし、民同や日共の官僚主義的支配をつき崩すことが不可能なのである」(第3回拡大全国委員総会宣言、62年9月)
3全総は、動労千葉労働運動−階級的労働運動の揺るぎない基礎をつくった。一切の戦闘的要素をわれわれが結集しつつ、既成指導部から自由な大衆的闘いを独自に組織し、われわれ自身の内部にある民同的あるいは日共的要素を具体的に革命的共産主義の立場で克服してきた。
ささやかなものであっても、われわれ自身が具体的行動を組織し、組合運動といえば民同か日共しかないと思い込んでいる人びとに、独自の階級的労働運動の闘いを示してきた。われわれ自身の手で大衆を組織して闘うことを多くの職場で追求してきた。
党建設−日常不断の党の強化の闘いも、平時において革命的少数派として自己の階級的立場を断固として守り抜き純化しながら日常的・現実的活動として貫徹されることを必要とする。
さまざまな契機に応じた大衆闘争の組織とその中での階級的宣伝・扇動が、革命党の任務であり生命である。そうした闘争が階級的自覚として労働者の中に積み上げられていくことを意識的に追求していくものこそ、革命党の闘いである。職場におけるほんのちょっとした反抗にさえ、強力な思想的・組織的保証を必要とし、スターリン主義との闘争を必要とする。こうしたあらゆる契機を党建設に結びつけることである。
●3全総は機関紙活動の変革を提起した
3全総は機関紙活動について重要な提起をしている。
第一に、機関紙活動に対する過小評価を徹底的に粉砕すること。
第二に、『前進』を根本的に体質改善し、闘う労働者と生きいきと交通する紙面をつくりだすこと。
第三に、1部でも多く戦闘的労働者の手に渡すために、最大限努力すること。『前進』読者を労働者の間に拡大する仕事は、一時的な片手間なものではないのである。1部の機関紙の継続的配布は、戦闘的労働者の思想的変革をかちとり、その一人ひとりをわが同盟に組織する宣教師であり組織者の役割を果たすのである。わが同盟の一部には、『前進』を同盟内の通達か内部情報のように組織内の人間だけに配布しているようなところもあるが、われわれはこのような日和見主義を断固として克服していかなければならない。
第四に、編集局に通信と紙代を送り、読者や細胞の批判を伝えること。
3全総の直後、62年10月から、『前進』はそれまでの旬刊から週刊化に踏み出した。
●機関紙活動を日常的組織活動の中心に
3全総後、前進編集局から独立した前進経営局を設立し、編集局と一体となって機関紙活動の強化を推進した。
@配布活動は党と読者を結びつける根本的な組織活動である。全員が分担して行い、会議で定期的に点検する。機関紙活動を会議の第1議題とすることを決議する大学支部もあった。
A紙代をできるかぎりまとめて前払いする固定読者にする。集金は全員が分担して行う。紙代納入を会議に報告して点検を受ける。
B闘いをまず読者の拡大に結びつける。場当たり主義ではなく、組織的・計画的に行う。オルグリストをつくり、全員で分担し、オルグし、会議で点検する。
C機関紙を読み、会議で討議し、意見や批判を編集局に報告する。
D各組織で機関紙担当者を決める。しかし、担当者任せにしないで組織責任者が責任をもつ。
当時、カクマルの脱落・逃亡で35%の減部となったが、労働運動の現実に切り込み、投稿欄も充実した。職場・大学に細胞を組織し、分局を再建し、読者を拡大した。不足する財政は同志と読者にカンパを訴えた。カクマル脱落後2年弱の64年6月には減部分を回復することができた。カクマル派の脱落による党の純化は、党の飛躍のテコとなった。
こうして65年3月には毎号2nから月1回は4nにすることができた。
●66年革共同3回大会
66年夏に革共同3回大会が開催された。3回大会は67年10・8羽田闘争から70年安保決戦への跳躍台になった。
3回大会は3全総以来の同盟の飛躍的前進を勝利的に確認するとともに、第一に、帝国主義の戦後体制の根底的動揺の開始と日本帝国主義の体制的危機の深まり、第二に、スターリン主義陣営の一国社会主義的対応の歴史的破産を確認し、第三に、危機の時代にむかっての同盟の再武装と安保・小選挙区−諸闘争の激発という戦術的展望を打ち出した。
67年10・8羽田闘争以来の激動を根底的に支えた綱領的=戦術的視点こそ、3回大会が確立した方向性であった。
機関紙の購読部数は羽田闘争直前の67年9月から1年間の激闘で3倍強拡大した。週刊と日刊の相違があるとはいえ、その部数は6全協(55年)当時の『赤旗』にほぼ等しいところまで到達した。党が綱領的時代認識を持ち、路線を確立して闘ったとき、党建設は一気に飛躍する。
原子力空母エンタープライズ佐世保寄港阻止闘争を闘った68年1月には週刊4nに、69年8月には週刊6nになった。本多延嘉前書記長が破防法弾圧で逮捕された69年4月から11月までの半年強で2倍になり、6全協から60年安保に至る過程での『赤旗』の発行部数を上回った。『前進』の街頭販売だけで首都7千部、全国1万数千部を販売した。
綱領草案と革命戦略を持った今、われわれは70年決戦の比ではない全世界を獲得する展望をもっている。
党生活上の3原則
50年の党活動を支えてきたものは党生活上の3原則の実践である。
「党生活上の3原則について通例、(1)党の会議(細胞会議、支部会議など)の定期的な開催とそれへの参加、(2)機関紙誌の購読とその拡大、(3)党費の納入の3点があげられているが、それは、党建設、党生活の独自性を平易な表現において確認したものであり、決定的に重視されなくてはならないのである」(「レーニン主義の継承か、レーニン主義の解体か」本多延嘉著作選第1巻、135n)
「(党生活上の3原則は)一見まったく初歩的で当然のことのようにみえる。しかしながら、逆にそうであるからこそ、党組織および党員個人の党活動のもっとも基本的なバロメーターとなるのである。いずれもきわめて基礎的一次的行為であるために、他のことにかまけて、転嫁することを許さないものである。別の表現でいえば、この3原則の実践によってはじめて党(員)は党(員)であることを実証するのである。したがって、この3原則の実践をくりかえすということは、不断に党性をつちかうものとなり、党(的人間)を形成してゆく力をもっているのである」(「カクマル反革命粉砕、『侵略を内乱へ』の闘いをいっそう発展させよ」72年6月1日発行『共産主義者』23号、52n)
「ふやさなくても新聞をちゃんと読むということはまず前提だ。……自分がすることが先なんだ。会議をやって、会議に出ること、党費をはらうこと、自分自身が新聞を読むこと、ひどい奴(やつ)は自分で読まないで人に売って歩いている人がいるけれど、こういうのはけっして模範的とはいえない」(「前衛党組織論序説」本多延嘉著作選第7巻、52n)
党が自分自身を成り立たせていくためには、党の団結がなにより必要である。レーニンが機関紙で党を組織してきたように、党生活の3原則には機関紙という軸が通っている。機関紙で会議を組織し、機関紙を読み広め、機関紙で財政を集め納入する。このレーニン主義的な最も原則的で基礎的な闘いをうまずたゆまずやりぬくということに尽きる。
階級的団結の武器として活用しよう
<機関紙拡大×職場細胞建設×動労千葉型労働運動と労働組合建設〉とはいかなる活動であろうか。
労働者階級の解放は労働者自身の事業である。動労千葉に学び、職場生産点で資本と体制内労働組合と闘い、団結を総括軸に動労千葉型の労働組合運動を全労働者の先頭に立って実践する。この闘いの武器として機関紙を活用し、青年労働者に機関紙を拡大し、職場細胞を建設する。
「時代認識と労働運動」の2本柱で闘ってきた青年労働者が、機関紙を職場の団結の武器として駆使し活用したら、革共同建設の新段階を開くことができる。この闘いが始まっている。この活動を3全総−3回大会過程で、当時の青年労働者・学生が実践した。
「労働者階級の解放は、他人まかせではできないのであり、こうした自己満足的活動では自己の解放もできないのだ。綱領的立場の深化、不断の理論活動、党の中心的・全国的政治闘争とイデオロギー闘争に対する軽視や接ぎ木的対応は、その細胞を行きづまらせ、同時に中央指導部と全国党全体を退廃させるであろう。こうした危険は、あらかじめ何かやっておけば避けられるというものではない。日常不断にそれと闘わねばならないのであり、その決定的武器は全国政治新聞と常任組織者なのである」(岸本健一「職場におけるわが同盟の組織的活動について」63年6月15日発行『共産主義者』8号)
職場で活動を開始するや否や資本と体制内労働組合が一体となって攻撃してくる今日、職場に1部の機関紙を広めることは1960年代とは違う厳しさがある。この厳しさの前に、塩川派をはじめすべての党派が屈服・転向し、マルクス主義を投げ捨て、体制内勢力に転落しているのだ。
しかし職場には「俺(おれ)たちは人間なんだ。モノじゃないんだ」というマルクス主義的根源的な怒りが渦巻いている。この怒りと結びつくことだ。
青年の怒りといかに結びつくか。それは、分断され出口をふさがれた青年の怒りを包み込む細胞の団結、地区党の解放性あふれる団結である。その武器は機関紙だ。1人の青年の獲得は党を一気に変革する。ソビエトの萌芽(ほうが)を思わせるような職場の団結した闘いに、10代の青年から戦後革命期を闘った80代までが結集している。
職場細胞と地区党が機関紙を武器にして団結し、まず1人の青年の獲得のために熱中することだ。
党と労働組合の関係は、工場細胞・経営細胞の建設をとおして、党の路線を職場での闘いに内在的・日常的に貫き、階級的団結を形成する度合いに応じて前進する。
「『労働組合と党は、限りなく一体であるべきだ』と考えている」「労働者は自らの力で、労働者に依拠した労働者党をつくりださなければならないのだ」(中野洋著『甦る労働組合』)。この闘いに機関紙を活用しよう。
機関紙担当者決め〜3月期集約を
機関紙活動の要は「読む」「配布」にある。地道な日常活動が党が団結し、世界を変革する力である。
全組織が機関紙担当者を決め、目標を定め、月1回必ず組織討議しよう。
機関紙活動の毎月集約、3カ月集約(1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月)を行い、国鉄をはじめ4大産別に、すべての職場・大学で、街頭で青年労働者に『前進』を広め、11月1万人結集を実現しよう。
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週刊『前進』(2432号6面3)(2010/03/22 )
星野同志に「懲罰」攻撃
徳島刑務所に抗議の集中を
3月初め、徳島刑務所は星野文昭同志に許しがたい「懲罰」攻撃をかけた。
消灯時間の後、手紙を1行手直ししたことを口実に「戒告」に処したのだ。ふざけるな! こんなことがどうして「懲罰」になるのだ。
徳島刑務所は、厳寒の監獄にたたきこみ、人を人とも思わないがんじがらめの規則で縛りつけた上、懲罰の口実を虎視眈々(こしたんたん)と狙っているのである。そして、「懲罰」を口実に、面会や手紙の発信の回数を減らし、獄中での権利を奪い、処遇を悪化させていくのだ。こんなあくどく卑劣な刑務所の攻撃に心底から怒りがこみあげてくる。
星野同志の35年に及ぶ獄中闘争と第2次再審請求が国家権力を追い詰めている。のべ92人の友人面会の力、全国22の救援運動の結成と前進、全国労組交流センターをはじめ労働組合で次々と上がる「星野奪還決議」――。世界大恐慌情勢の中で星野奪還闘争が大きなうねりを開始している。
国家権力・徳島刑務所は、星野同志奪還運動の大前進に恐怖し、やみくもな攻撃を激化させているのだ。
この攻撃を逆に労働者階級の怒りに転化させ、徳島刑務所を包囲する抗議をたたきつけよう。星野同志を断固として守り、星野同志とともに闘い、絶対に奪還しよう。
◇ ◇
★抗議を集中しよう!
徳島市入田町大久200−1 徳島刑務所長
★星野文昭同志に激励の手紙・葉書を出そう!
徳島市入田町大久200−1 星野文昭様
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週刊『前進』(2432号6面4)(2010/03/22 )
法大裁判に集まろう!
★暴処法裁判
第11回公判 3月25日(木)午後1時30分
東京地裁429法廷
★5・29デモ弾圧裁判@グループ控訴審
判決公判 3月30日(火)午後1時30分
東京高裁
★4・24集会弾圧裁判(論告)
第13回公判 4月20日(火)午後1時30分
東京地裁429法廷
※いずれも12時半に傍聴券配布所へ
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週刊『前進』(2432号6面5)(2010/03/22 )
日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
3・24最終弁論に結集を!
3月23日(火)午前10時 東京地裁429号法廷
3月24日(水)午前10時 東京地裁429号法廷
両日とも午後までの全一日公判
午前9時30分までに傍聴券配布所に集合してください
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