ZENSHIN 2010/03/01(No2429 p08)
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週刊『前進』(2429号1面1)(2010/03/01 )
3・20イラク反戦7周年闘争全世界一斉デモへ
“国鉄解雇撤回・沖縄米軍基地撤去”
大失業・戦争の鳩山打倒へ総決起を
動労千葉、第2波48時間ストに突入
法大入試情宣弾圧 6学生全員を不起訴で奪還
日本階級闘争は国鉄闘争を先頭に大激動・大動乱の時代に突入した。2・1〜2動労千葉ストを最先頭に、2・13JR東日本本社デモ、2・25三里塚現闘本部裁判判決での「仮執行」粉砕の勝利として闘い取られた1〜2月闘争の巨大な前進は、2010年階級闘争の勝利の展望を赤々と照らし出している。今こそ国鉄・沖縄・三里塚・法大を4大拠点に、階級的労働運動路線の大飛躍をかちとろう。国鉄決戦を攻防の基軸に民主党・連合政権打倒へ攻め上ろう。3・1〜2動労千葉の第2波ストから3・20ワーカーズアクション、3・28三里塚現地大闘争へ、11月集会派のヘゲモニーを確立し前進しよう。
今こそ国鉄闘争の原点に
大恐慌情勢の進行は、国際帝国主義の「最弱の環」=日本帝国主義を絶望的に追いつめている。小沢・鳩山の金権問題の爆発とあいまって、長崎知事選の大敗が示すように、民主党・連合政権を激しく揺さぶっている。この危機と激動の真っただ中で、今再び国鉄闘争・1047名解雇撤回闘争が歴史の最前線に躍り出てきた。ただならぬ危機感にかられ、総力を挙げて1047名闘争の解体に出てきた敵の姿の中に、実は最大の弱点がある。ここを見据え、現在の大攻撃を全力で粉砕するならば、勝利の展望は必ず開かれる。国鉄闘争は今やその最大の決戦の時を迎えたのだ。
2月24日、与党3党と公明党による「解決案」の素案なるものが毎日新聞、東京新聞などで報道された。「JR不採用問題、政治決着へ」の大宣伝が繰り広げられ、1047名解雇撤回闘争を最後的に解体する策動が一挙に煮詰まってきているのである。
すでに解雇撤回の原点を投げ捨て、「人道的解決」を唱えて、誇り高い国鉄1047名を「救済の対象」に落とし込めてきた4者4団体は、屈辱的「解決案」を丸のみし、与党3党への「白紙委任」で4党合意以上の歴史的裏切りに手を染めようとしている。
「白紙委任」とは奴隷的屈服にほかならない。4者4団体の一部指導部の投降と裏切りは驚くべき勢いで進行している。与党3党による「解決」とは、「JRに法的責任なし」を最後的に認めさせ、二度と解雇撤回など闘いませんと全面屈服を強制し、労働者の誇りも闘いの魂も全部投げ出せというものだ。まさにそれは国鉄分割・民営化攻撃と闘ってきた原点を全否定し、分割・民営化は正しかったと最後的に認め、全面降伏せよということ以外の何ものでもない。敵階級は1047名闘争をとことん辱め、最後的に解体・一掃しようとしているのだ。
しかもこの攻撃には、与党3党に公明党、さらに自民党と日本共産党も加わった全反動勢力が密集している。そこにあるのは、大恐慌下で国鉄1047名闘争がプロレタリア革命に向けて発展していくことへの恐怖だ。したがってこの攻撃の核心には、動労千葉―動労総連合を解体するという凶悪な狙いが込められている。検修外注化絶対阻止を基軸に、第2の分割・民営化攻撃に対する怒りを猛然と爆発させて闘ってこそ、この攻撃を打ち破ることができる。
しかし同時にこの攻撃は、1047名闘争にとことん追いつめられた敵の危機とあがきを示している。1047名闘争の存在を認めたままでは、民主党・連合政権のいかなる政策ももはや立ちゆかなくなったのだ。
国鉄分割・民営化の過程で起きたすべての出来事は、今日、社保庁や日航を始めとするすべての労働者が日々直面し、苦闘している現実そのものだ。国鉄赤字の責任の一切を労働者に押しつけた分割・民営化こそ、今日の大量解雇や非正規化攻撃の元凶である。
だからこそ、1047名はあくまで解雇撤回を求めて闘ってきたのだ。1047名当該と家族の23年に及ぶ懸命な闘いの歴史にかけて、屈服することなど断じてできない。今こそ国鉄分割・民営化反対の原点に立ち戻ろう。あの時の怒りを思い起こせ。あの悔しさと無念を絶対に晴らすのだ。1047名闘争の勝利とは、JRを追い詰め、謝罪させ、解雇撤回・JR復帰を闘い取ることである。
大恐慌下での闘いの火点
世界大恐慌の深まりと大失業・戦争の時代への突入は、今までの一切の価値観をふるいにかけている。帝国主義間の争闘戦はますます激化し、相互につぶしあう段階に突入した。トヨタ車リコール問題、沖縄普天間基地問題は、その激突の頂点にある。
三里塚をめぐっては、千葉地裁を揺るがす2・25現闘本部裁判判決闘争の爆発から“団結街道”廃道化攻撃粉砕へと、農地死守を貫く新たな闘いが始まっている。法大弾圧6学生奪還の闘いは、カリフォルニアやドイツの学生・労働者との団結を生み出している。
さらに決定的なことは、日本革命の火薬庫=沖縄での労働者人民の闘いが、民主党・連合政権を徹底的に追いつめている。「普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設絶対阻止」の闘いは、民主党・連合政権のペテンを暴き、日本帝国主義の安保防衛政策=日米安保体制の根幹を揺さぶり、打ち砕き、米帝オバマのイラク・アフガン侵略戦争と対峙している。
追いつめられた日帝・小沢と鳩山は、これらの闘いの火点に反革命的な決戦を挑んできた。だが国鉄・沖縄・三里塚・法大への反動攻撃に対し、動労千葉派・11月集会派は断固たる大反撃を貫いている。とりわけ反合・運転保安闘争路線で勝利の道を切り開いてきた動労千葉の闘いは、平成採獲得・JR体制打倒へと力強く前進している。
大恐慌の深化・発展は「最悪期脱却」論や「回復過程進行」論などの虚構を暴き、帝国主義を国債暴落やドル暴落の奈落へとたたき込みつつある。とりわけギリシャの財政破綻として爆発しているEU・ユーロの体制的危機は、世界大恐慌激化の新段階そのものである。すさまじい全世界的な財政危機がその根底にある。その中でも日本の財政赤字は、とりわけ群を抜いて深刻だ。
政府の09年度の一般予算においては、ついに国債発行が税収を上回った。これは敗戦直後以来のことだ。そして09年度末には国と地方を合わせた長期債務残高は825兆円(GDP比174%)に達し、さらに10年度末には862兆円(同181%)となる。また国債、借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」は、09年度末には900兆円を超え、10年度末には1000兆円に迫る。しかもこれらは、結局は労働者人民に転嫁される。消費税大増税や大量首切りである。
こうした大恐慌下の大攻撃に対し、労働者人民の生きるための闘いが激発している。これに直撃されて、民主党・連合政権は、連合の体制内幹部を先兵に、戦争・改憲と民営化(外注化)・労組破壊の攻撃に全力を挙げている。
国鉄決戦を基軸とする3〜4月闘争のさらなる爆発・高揚で、小沢・鳩山=民主党・連合政権打倒へ突き進もう。
動労千葉の闘いに展望が
勝利の展望、勝利の路線は、1〜2月闘争の爆発・前進の中にはっきりと示されている。大恐慌時代の反合・運転保安闘争路線の真の確立こそ、その最大の核心だ。
動労千葉は40人に及ぶ解雇攻撃をはね返し、国鉄分割・民営化反対のストを唯一闘い抜き、1047名闘争をつくりだした。そして平成採の青年組合員を先頭に、ライフサイクル粉砕、検修全面外注化阻止、組織破壊の強制配転反対の2・1〜2の48時間ストを打ち抜き、組織を拡大した。
さらに検修外注化の4月1日実施阻止と配転攻撃粉砕へ、2・13全国労働者総決起集会を1850人の大結集で成功させ、JR東日本本社デモを闘い、3・1〜2の第2波ストへ突き進んでいる。この動労千葉の地平を築き上げてきたものこそ、反合・運転保安闘争路線である。
動労千葉は、1047名闘争の当該とJR本体が一体となり、JR資本と不断に闘い、物資販売闘争も組合員が総力で担い、被解雇者の生活と闘争を支えてきた。闘って団結を強化し、組織を拡大してきたのだ。この動労千葉の闘いの中にこそ、国鉄分割・民営化に最後的な決着をつける勝利の展望がある。
世界大恐慌はJR資本をも直撃している。国鉄分割・民営化はあらゆる面で破綻し、JRの要員問題、安全問題、JR総連カクマルとの結託体制の危機と矛盾が爆発している。検修外注化阻止・1047名解雇撤回の闘いのさらなる爆発・前進で、民主党・連合政権もろともJR体制を打倒し、勝利を切り開こう。
国鉄1047名解雇撤回・沖縄米軍基地撤去を真っ向から掲げ、青年労働者と学生を先頭に、3・20イラク反戦7周年全世界一斉デモへ!
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週刊『前進』(2429号1面2)(2010/03/01 )
三里塚現闘本部判決 「仮執行」粉砕の勝利
萩原事務局次長 “闘って追いつめた”
三里塚現闘本部判決 「仮執行」粉砕の勝利
反動判決を打ち砕き、反対同盟とともに現闘本部と市東さんの農地を守る決意をこめて385人が団結ガンバロー(2月25日 千葉市)
団結街道廃道化を絶対に許さない! 三里塚反対同盟を先頭に千葉地裁へ向けて怒りのデモが進撃した
2月25日、千葉地裁・仲戸川隆人裁判長は、三里塚反対同盟所有の天神峰現闘本部建物を撤去し成田空港会社(NAA)に土地を明け渡せと命ずる反動判決を出した。
反対同盟の地上権を一切否定し闘争つぶしを狙った不当判決に、心の底からの怒りを抑えることができない。だが仲戸川は反撃に恐れをなし、判決確定前に強制撤去を行える「仮執行宣言」を付すことができなかった。力ずくでもぎ取った決定的勝利だ。反対同盟はただちに控訴し、闘いの継続を宣言した。
午前10時半、仲戸川裁判長が法廷に現れると被告席の反対同盟と傍聴席の労働者・農民・学生・市民が一斉に弾劾の声をあげた。「反動判決を許さないぞ!」
この日反対同盟顧問弁護団が再々度の裁判官忌避を申し立てたことに対して、仲戸川はまたしても自分自身が引き取って簡易却下するというデタラメを行って法廷に現れた。開廷を宣すると、すかさず葉山岳夫弁護士が口火を切り、判決言い渡しの中止、口頭弁論再開を求めた。続いて弁護団全員が仲戸川の違法不当な訴訟指揮を列挙して、判決の強行を阻んだ。
そして、北原鉱治事務局長が「被告席」で立ち上がり、仲戸川と対峙した。「成田治安法で封鎖された時、私はあの建物に立てこもった。内部のつくりはすべてわかっている。建物の検証を再三にわたり求めてきたが、なぜ行わないのか!」と叫び、机をがんとたたいた。「これは裁判と言えない。一からのやり直しを求める」と迫った。
その気迫に圧倒されて仲戸川は「合議のため暫時休廷」として左右の陪席裁判官とともに奥に隠れたが、ものの1分もせず現れて「弁論再開はしない」と言い放った。
とたんに廷内は怒号に満たされた。反対同盟が全員立ちあがって裁判官席に迫った。傍聴者も廷吏の抑止を振り払って前へと殺到した。
仲戸川があせりながら判決を必死に大声で読み上げる。「明け渡せ」という一語だけが聞き取れて怒りが一層高まった。主文だけ読み上げて逃げ去る仲戸川に、市東孝雄さんが「許さないぞ!」と追撃を浴びせた。
千葉地裁向け戦闘的大デモ
この日千葉市中心部は早朝から駅頭ビラまき、宣伝カーの巡回で「反動判決粉砕」一色に染められた。千葉市中央公園に全国から385人が結集、反戦共同行動委員会の独自集会に続き、9時から反対同盟の総決起集会がかちとられた。
北原事務局長に続いて発言に立った動労千葉の田中康宏委員長は、「敵のあせりに満ちた攻撃がかけられ、再び国鉄と三里塚が同時に決戦を迎えた。不当配転阻止に立ち上がる」と3・1スト決起を力強く表明した。
集会後、反対同盟を先頭に市街を戦闘的にデモし、その勢いのまま裁判所になだれ込み、傍聴に入りきれない人びとは法廷前と1階ロビーにあふれた。
「反動判決!」の怒りの報が伝わると、廷内と呼応して弾劾の声が上がった。再び全体が中央公園に集まり、記者会見と総括集会が開かれた。
葉山弁護士を始め弁護団は、「成田空港廃港をかちとる日まで現闘本部を使用することを反対同盟の総意で決定したことについて、判決は『メモや覚書がない』から認めないという。まるで理由になっていない! 地代が支払われていたことをも認めないのは許せない」と厳しく批判した。
支援団体の発言のトップで全学連の織田陽介委員長がマイクを握り、「仮執行宣言を付けさせなかったのは、重大な勝利だ。動労千葉、沖縄、法大にかけられた攻撃をひとつひとつ打ち返し、3・20反戦闘争から3・28三里塚に総決起を」と呼びかけた。
萩原進事務局次長が行動提起として、「闘って仲戸川をここまで追いつめた。この力で控訴審を闘おう。市東さんにかけられた第3誘導路・団結街道廃道化の攻撃の粉砕へ向け、成田市議会に対する闘い、現地での闘いが問われる。3・28全国集会に仲間を連れて大結集をかちとろう」と訴えた。最後に、司会の鈴木謙太郎さんのリードで団結ガンバローを三唱し、決戦の三里塚への全力決起を誓い合った。
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週刊『前進』(2429号1面4)(2010/03/01 )
前進速報版から
ギリシャで250万人ゼネスト決行▼フランスで製油所の労働者が無期限ストに▼ルフトハンザでドイツ史上最大の航空ストに突入!
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週刊『前進』(2429号1面5)(2010/03/01 )
日程 イラク反戦7周年全世界一斉デモ
〈改憲・戦争、民営化・外注化、労組破壊>攻撃粉砕!
国鉄1047名解雇撤回―沖縄の怒りで鳩山政権ぶっ飛ばせ!
3・20ワーカーズアクションin渋谷
3月20日(土)午後1時
東京代々木公園B地区 野外ステージ
主催/ワーカーズアクション実行委員会
※集会後、渋谷デモを行います
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週刊『前進』(2429号2面1)(2010/03/01 )
1047名闘争解体攻撃粉砕しあくまで解雇撤回を貫き闘おう
与党3党への「白紙委任」許すな
国鉄1047名闘争解体の攻撃は一挙に強まった。2月24日、与党3党と公明党が1047名問題の「解決案」の素案を策定したことが毎日新聞などで報道された。こうした形で民主党・連合政権は1047名に揺さぶりをかけ、一層の屈服を迫ってきた。国鉄闘争は1047名解雇撤回の貫徹か、闘争の最後的解体かをかけた重大な決戦局面に入っている。
屈辱的な「解決案」丸のみに走る4者4団体の一部幹部
与党3党と公明党が「解決案」の素案をまとめたとする報道は、一見すれば3与党が国労に「満額回答」を示したかのように見える。だがそれは、政府の回答でもないし、3与党が合意に達した内容でもない。これは、鉄建公団訴訟原告団と国鉄闘争共闘会議の提出した要求を、各党に提示したものでしかないとすら言える。
いずれにせよ民主党・連合政権は、ブルジョアマスコミをつかって「政治解決」への期待を最大限にあおるという形をとって、1047名へのすさまじい屈服強要に打って出てきたのである。
こうした事態の中で、4者4団体一部指導部は、与党3党にすべてを「白紙委任」する屈服姿勢をますますあらわにしつつある。それは、今後どんな「解決案」が示されようと、無条件で受け入れるということにほかならない。
民主党・連合政権の基本姿勢は、1047名の解雇撤回を絶対に認めないということにある。今回の1047名闘争解体攻撃の起点になったのは、昨年12月25日、与党3党が鉄道運輸機構に対して行った申し入れだ。そこには、「4者4団体は、最高裁判決で示されたとおりJRに法的責任がないことを確認する」と明記されている。
00年の4党合意と同じように、与党は「4者4団体はJRに法的責任がないことを認めろ」と居丈高に叫んでいる。これを大前提にした「解決」とは、国鉄分割・民営化に際して強行された不当労働行為の一切を容認しろということだ。
したがって、なにがしかの解決金が示されたとしても、それは鉄建公団訴訟控訴審判決で出された「期待権侵害への慰謝料550万円」の範囲を出るものにはならない。
しかも、「国労側の訴訟取り下げが条件」と報道されているように、仮に解決金が出されたとしても、それは鉄建公団訴訟や採用差別訴訟を取り下げ、鉄道運輸機構に「不採用について今後一切争わない」と誓った者に対してだけ払われることになるのは明白だ。こうした形で、敵は1047名を徹底的に分断しようとしているのだ。
与党は、1047名闘争をたたきつぶし、それによって国労を壊滅に追い込んで、連合による支配のもとに全労働者を完全に組み敷こうと策している。
この与党に一切を白紙委任し、そうした「解決」への屈服を闘争団員に強制する4者4団体一部指導部は、これまでとも一線を画した形で、解雇撤回闘争への敵対者に転落したのだ。とりわけ国労本部は、全労協からも脱退し、国労を自ら解散して、連合にひざを屈する道を自覚的に歩んでいる。それは、大恐慌下で吹き荒れる大量首切りと極限的な賃下げ、外注化・非正規職化という資本の攻撃を、自らその先兵となって推進するということだ。
1047名闘争は大恐慌下の労働者の闘いの結集軸だ
だが、こうした攻撃に対する労働者の怒りが、青年を先頭に激しく噴き出しつつある。だからこそ、その結集軸に1047名闘争が座ることに支配階級は恐怖し、1047名闘争解体の攻撃に乗り出してきたのである。
現に、民主党・連合政権は社会保険庁労働者525人の分限免職を強行し、数千人の非正規労働者を雇い止めという名で解雇した。日航1万6千人の首切りと、年金大幅削減を強行しようとしているのも民主党・連合政権だ。政権に加わった連合幹部はそのことごとくを容認し、攻撃の積極的な担い手になっている。
経団連の10年版経営労働政策委員会報告は、定昇解体をも呼号しつつ、さらなる非正規職化を強行しない限り資本は生き延びられないと絶叫した。支配階級は1047名闘争のみならず、あらゆる産別・職場で、解雇撤回を求める労働者の闘いを根絶しようとたくらんでいる。
大恐慌情勢にあって、国鉄1047名闘争は本来、資本の支配を根本からぶち破る決定的な意味を持っている。87年の国鉄分割・民営化に際し、1047名は解雇されることを覚悟して、国鉄当局やその手先となった動労本部カクマルへの屈服を拒否しぬいた。そこには、自らの不屈の闘いをとおして、労働者階級全体に国鉄分割・民営化のような理不尽きわまる攻撃が波及することを防ぐという、誇り高い決断があったはずだ。与党3党が打ち砕こうとしているのは、この1047名の労働者としての誇りであり、階級的使命感だ。
国鉄分割・民営化以来、現に進行した事態は、労働者を生きていくこともできない状態にたたき込んだすさまじい攻撃だ。まともな理由さえ告げられず首切り・降格・賃下げ・非正規職化を強いられる横暴極まる資本の攻撃が至るところで労働者を襲っている。
これは、何よりも現在のJR職場でまかり通っている現実だ。JR東日本の検修外注化は、青年労働者から職場を奪い、外注会社に強制的に出向させる攻撃だ。駅では、大半の労働者が低賃金の契約社員にされ、平然と雇い止めにされて職場を追われる。だが、これに対する怒りの反撃が、平成採の中から始まった。
資本の攻撃に対し、労働者は連合支配のもとで苦闘しつつも、地をはうような抵抗を至る所で続けてきた。これを根底で支えてきたのは1047名闘争だ。そこに1047名の誇りがある。
1047名が一切の反動に動じず、解雇撤回を貫いて闘いきった時、国鉄分割・民営化以来の新自由主義の攻撃は根本的に覆り、労働者の総反撃が始まるのだ。
検修業務の外注化を阻止しJR体制打倒へ闘いぬこう
解雇撤回こそ、1047名一人ひとりの根底に渦巻く強烈な思いだ。
1047名首切りの真相は、動労千葉の鉄建公団訴訟で赤裸々に暴かれた。当初の採用候補者名簿には、不採用とされた動労千葉組合員12人を始め、本州で不採用基準によって排除された労働者全員の名前が含まれていた。だが、鉄道労連(現JR総連)が結成大会で「国鉄改革を妨害する不良職員の排除」を要求し、そのごり押しを受け入れた国鉄当局は、現JR東海会長・葛西敬之を先頭に、117人を名簿から排除したのだ。
1047名の解雇は、JR総連カクマルと国鉄当局の結託によって強行された。この理不尽きわまる仕打ちによって強いられた屈辱は、解雇を撤回させる以外に晴れることはない。
解雇撤回を貫くことは、断じて「玉砕」の道ではない。動労千葉は検修・構内業務外注化とライフサイクル配転、組合破壊の強制配転に抗して2月1〜2日の48時間ストライキを貫き、2月13日には、全国から結集した1850人の労働者とともにJR東日本本社に対する大デモに立った。さらに、幕張支部の破壊を意図した支部役員への強制配転攻撃に抗して、3月1〜2日には第2波ストライキに立つ。
反合・運転保安闘争路線を貫くこの闘いは、JR体制を揺るがしている。JR東日本は検修外注化の具体案を策定できず、東労組や国労本部との団交も停止状態に追い込まれている。
決定的なのは、動労千葉に結集した平成採の青年労働者の怒りが、この闘いを牽引(けんいん)したということだ。今や、JR体制に対する平成採の怒りは、至る所から火を噴いている。
進展している事態は、JR資本の側が東労組カクマルとの結託体制の清算に動きつつあるだけではない。検修外注化の手先となって資本との結託体制を護持しようとうごめく東労組カクマルの支配は、青年労働者の怒りによって下から打ち砕かれようとしているのだ。
JR体制打倒の展望がこれほど押し開かれている時はかつてない。こうした闘いと結びつけば、1047名解雇撤回・JR復帰を実力でもぎりとることはできる。
解雇撤回なき「解決」を断じて許さず拒否しよう。3・20ワーカーズアクションに結集し、青年労働者とともにJR体制打倒へ闘おう。
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週刊『前進』(2429号2面2)(2010/03/01 )
新刊紹介 『動労千葉No.30』を発行
動労千葉が機関誌『動労千葉30』を発行した。同誌は「大恐慌情勢と国鉄闘争−反合・運転保安闘争路線の発展のために」と題して、JR東日本の検修・構内業務の全面外注化阻止、1047名解雇撤回の決戦を闘う路線を打ち出し、1月24〜25日の全支部活動者研修会での三つの講演を収録している。新たな発展をめざす動労千葉労働運動を学ぶ格好の書だ。全労働者に薦めたい。
◆A5判148n◆頒価600円◆注文先・動労千葉/千葉市中央区要町2−8DC会館/TEL/FAX043-224-7179/E‐mail:doro‐chiba@doro‐chiba.org
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週刊『前進』(2429号2面3)(2010/03/01 )
契約社員解雇通告に反撃
動労西日本 JR西・岡山支社にデモ
JR西日本は2月19日、岡山駅で契約社員として勤務する動労西日本の山田和広副委員長に対し、「3月31日をもって契約更新しない」という雇い止めの通告を強行してきた。1枚の紙切れで労働者を平然と解雇することなど絶対に許せない。動労西日本は、1047名解雇撤回闘争と固く団結し、雇い止め解雇を撤回させるまで闘いぬくことを宣言した。
(写真 JR西日本による雇い止め解雇通告への怒りを燃え立たせ、当該の動労西日本・山田副委員長を先頭に岡山駅前で街頭宣伝【2月21日】)
JRを徹底弾劾
2月21日、動労西日本と岡山労組交流センターの労働者など30人は、山田副委員長への雇い止め解雇を弾劾し、JR西日本・岡山支社を包囲するデモに決起した。デモの先頭に山田副委員長と大江照己委員長が立った。
デモに先だち、岡山駅前でリレートークとビラ配布が行われた。青年労働者を使い捨てにするJRへの怒りが渦巻いた。
デモ後に開かれた岡山春闘集会では、岡山労組交流センターの労働者が基調報告に立ち、「山田副委員長への雇い止め解雇通告を満身の怒りで弾劾する」と訴え、「国鉄決戦を基軸に10春闘を闘おう」「青年労働者とともに新時代を切り開こう」と呼びかけた。
山田副委員長は煮えたぎる怒りでJR西日本を弾劾し、「悪質極まりない契約社員制度を即刻廃止させよう」「絶対に解雇を撤回させる」と訴えた。急を聞いて駆けつけた国労5・27臨大闘争弾圧被告団の富田益行団長も、ともに闘う決意を表明。大江委員長は、この攻撃と立ち向かい、動労千葉のように組織拡大で反撃すると宣言した。
岡山マスカットユニオンの組合員と自治体労働者が決意を述べ、団結を固めて10春闘を闘うことを誓い合った。
翌22日には、米子から国労共闘の労働者も駆けつけて、岡山支社への緊急申し入れ行動が取り組まれた。JRは門前にピケを張り、申入書の受け取りを拒否したが、JR資本は動労千葉派の闘いを恐れているのだ。
広島で春闘集会
岡山での闘いと連帯し、21日、広島市東区で10春闘総決起集会が行われ、約50人が結集した。
集会に先立ち、広島駅南口で街頭宣伝が行われた。街頭には、非正規雇用労働者の解雇に対する怒りがあふれている。
集会で開会あいさつに立った広島労組交流センター代表は、「山田副委員長への攻撃はJRの恐怖の現れだ。この闘いは1047名解雇撤回闘争と同じだ。この闘いを闘いぬいて民主党政権を倒そう。その先頭に労組交流センターが立とう」と訴えた。
広島大学の学生が、法政大学やアメリカの学生の闘いを報告し、広島星野文昭さんを救う会が連帯の発言をした。広島労組交流センター事務局長が基調報告を行い、なんとしても青年の決起をかちとろうと呼びかけた。
解雇撤回闘争を闘う社保労組広島県支部福山分会の平口雅明さんのメッセージが紹介された。教労、郵政、NTTの労働者、広島連帯ユニオン草津病院支部の発言の後、雇い止めと闘う民間労働者が「組合員通告を行い、国鉄労働者のように資本と闘う」と感動的な決意を表明。外注化と闘う広大生協労組、高陽第一診療所労組、広島労組交流センター女性部の訴えが続いた。
集会後、JR広島駅に向かうデモが行われ、JR西日本を弾劾した。
(写真 解雇撤回へ不動の決意を固めた広島市内での春闘総決起集会【2月21日】)
雇い止め粉砕へ
「国鉄1047名解雇撤回、検修業務全面外注化阻止」「反合理化・運転保安確立」「契約社員制度撤廃」を掲げて闘う山田副委員長の訴えは、岡山駅の契約社員を始め青年労働者の怒りと結合し始めている。それを座視できなくなったから、JRは雇い止めの攻撃をかけてきたのだ。JRで働く青年の怒りは、必ず動労千葉派と結びつく。職場からの公然たる反乱へ、決戦の火ぶたは切られたのだ。
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週刊『前進』(2429号2面4)(2010/03/01 )
民営化推進のJP労組中央委
現場から絶対反対で闘おう
限界を超えた郵政職場の現実
2月18、19日、JP労組の第5回中央委員会が開催された。この中央委員会でJP労組中央本部は、前書記長として郵政民営化を先頭に立って推進してきた「なんば奨二」の参院選挙を最優先課題として決定した。さらに春闘でのベア要求を放棄し賃上げ闘争からも逃亡したうえ、成果主義賃金の推進まで決めた。郵政労働者の利益を百パーセント投げ捨てたのだ。
何よりも許せないのは、中央委員会が今の郵政職場の我慢の限界を超えた状況と、この現実を招いたJP労組中央の責任について一言も触れていないことだ。
郵政民営化から2年半、今、郵政職場はどのような状況に置かれているか。要員が次々と削減された結果「勤務指定表」にいくつも穴が開き、埋まらないことが常態化している。それを補うために定時前出勤や昼食もろくに取らずに働くことが有形無形に強要され、サービス残業が当たり前になっている。郵便物の区分けをする郵便課では、50代の労働者に10時間の深夜勤が3日ないし2日連続(3週間で8日の深夜労働)ということまで強制されている。
その結果、労災・交通事故・過労死や心身の病気、退職に追いやられる労働者が続出している。08年だけでも集配の労働者が、6月には島根県で車にはねられ、7月には北海道で列車と衝突し、11月には千葉県で車にはねられ死亡した。10月には、山形県でトラックにはねられ意識不明。東京においては昨年12月だけで3人の労働者が交通事故で死亡した。
東京銀座局では昨年12月、電動牽引車を運転していた労働者がエレベーターの扉が勝手に開いたことで1階のゴンドラ上に牽引車ごと落下し、下敷きになって死亡した。恐れていたことがついに起こってしまった。利益重視と要員削減・安全無視の郵政民営化によって殺されたのだ。
さらに非正規職の激増だ。定年退職や、中途退職に追い込まれた正規職員が次々と非正規職員に置き換えられ、その結果今や6割の労働者が非正規職だ。賃金は正規職の3分の1。しかも「月給制契約社員」「時給制契約社員」「短時間」「パート」「アルバイト」など労働条件や賃金でいくつもに分断されている。
解雇との闘いを放棄する体制内
この現実をつくり出してきた一方の当事者こそJP労組中央だ。郵政民営化と同時に結成したJP労組はその綱領で何をうたっているか。「民営郵政の成長発展」のために「生産性運動を推進する」と掲げたのだ。「生産性運動」など会社=資本の立場であり、労働者や労働組合の立場とは根本的に異なる。それは今日の労働者の現実が赤裸々に示しているではないか。「生産性運動」とは会社の利益を一切に優先させることだ。過酷な長時間労働や深夜労働で、人間としての生活や健康をずたずたに破壊するまで働かせることだ。青年労働者が将来の生活設計を描くこともできないほどの不安定・低賃金で働かせるということではないか。
この郵政民営化と「生産性運動」をさらに推進しようというのが今回の中央委員会だ。「中央委員会議案書」は「郵政見直しに関するJP労組の主張」として、怒りに堪えない言辞を吐いている。「民営化が前提」「企業性」「株式上場をめざす」「分社化」と、あくまでも「民営化推進」を主張しているのだ。
郵政民営化とは大恐慌のもとで、破産した新自由主義にしがみつくしかない資本が300兆円の郵貯・簡保を始めとした郵政資産を食い物にする攻撃だ。そして、その「資産価値」を高めるために郵政労働者に奴隷のような労働を強制するのが郵政民営化だ。
さらに今回の中央委で許せないのはJPEXの破産と、日通側から引き取るとされている1200人の労働者の「削減」=解雇問題についてJP労組中央が完全に沈黙を決め込んでいることだ。JPEXはその労働条件のあまりの劣悪さに怒りを炸裂(さくれつ)させた現場労働者の出向拒否の抵抗闘争により破産に追い込まれた。JPEXを郵政民営化の「戦略的事業」として推進してきたJP労組中央は直ちに退陣せよということだ。
1200人の解雇に対して沈黙していることなど絶対に許されない。JP労組中央が何も語らないのはそれを承認しているからだ。解雇と闘わない中央本部など、もはや労働組合を名乗る資格はない。中央本部など今すぐ打倒だ。
さらに中央本部は、今中央委員会で基本給3割カット・成果主義賃金の「新人事・給与制度」を容認し、また会社の「厳しい経営状況」を真っ先に語って、春闘ではベアを放棄し、賃上げ闘争からも逃亡した。徹底的な弾劾あるのみだ。
郵政職場で反合・安全闘争を
今回の議案書でJP労組中央は「『なんば奨二』必勝の取り組みは、組織の命運をかけた最優先課題」と組合員の「なんば選挙」への動員に躍起となっている。
だがこの「なんば」なる人物は何者なのか。全逓―JPU最後の書記長として民社党系の全郵政との統合を推進した中心人物であり、JP労組発足後は書記長の座に納まって郵政民営化を「労働組合」の側から積極的に進めてきた人物だ。郵政労働者を今日の地獄のような労働に追いやっている張本人だ。
民主党・連合政権の本性が明らかになりつつある。民主党・連合政権とは、昨年の総選挙で労働者に打ち倒された自民党に代わり資本家の利益を守ろうとする政権だ。労働者の味方づらをしながら、労働者を賃金奴隷の状態に縛り付け、とことん搾りつくし、最後は戦争にまで狩り出そうとするやつらだ。
だが今やそのメッキもはがれた。長崎県知事選挙や東京・町田市長選挙で、民主党候補に労働者の怒りがたたきつけられ、惨敗した。民営化を先頭で推進してきた「なんば」の選挙応援など論外だ。
民営化こそ今日の資本家階級の基本路線だ。1987年の国鉄分割・民営化がその突破口であり、これを転換点にして労働者の非正規職化が一挙に進み、低賃金・長時間労働と労災・過労死の労働現場を生み出した。
JR東日本が4月実施を策動している検修業務全面外注化攻撃は労働者の団結を破壊し、鉄道輸送の安全を崩壊させる第2の分割・民営化攻撃だ。分割・民営化と唯一闘ってきた動労千葉は、「外注化阻止」「反合・運転保安確立」を掲げて闘っている。
国鉄決戦こそ全労働者の未来がかかった決戦だ。小包部門の子会社化・分社化であったJPEXの破綻は、全社会的な民営化攻撃をがたがたに揺さぶっていく先駆けとなる勝利だ。動労千葉は3月1〜2日の第2波ストライキを決定した。1047名闘争の解体策動を許さず、動労千葉とともに検修業務全面外注化阻止決戦を闘おう。郵政職場での反合・安全闘争を始めよう。
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週刊『前進』(2429号3面1)(2010/03/01 )
普天間即時閉鎖・辺野古新基地阻止
沖縄労働運動の戦闘性継承し安保・沖縄闘争の新たな爆発を
沖縄県委員会
本年冒頭の名護市長選挙の結果―辺野古移設反対派の勝利は、1996年SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告以来の辺野古新基地建設阻止の闘いが決定的段階を迎えたことを示した。95年以来の沖縄闘争の前進が、ついに日米安保体制そのものを揺るがす地平をたぐり寄せたのだ。3・20イラク反戦7周年闘争の大高揚をかちとり、4・28―5・15闘争を歴史的な安保・沖縄決戦の新たな爆発・創造として闘おう!
沖縄の労働者階級の闘いは世界革命の突破口きり開く
95年10月21日の10万人決起は、戦後半世紀に及ぶ「基地の島」の現実に対する根底的な怒りの決起だった。この闘いは、一方では軍用地闘争として、もう一方では辺野古新基地建設阻止闘争として発展してきた。
辺野古新基地建設阻止の闘いは、沖縄を拠点とする米帝のアフガニスタン・イラク侵略戦争と対決しながら、座り込み闘争、海上ボーリング調査実力阻止闘争として発展した。この闘いは、地元住民、青年労働者、学生の絶対反対の闘いが職場での資本との非和解的闘いと結合し、沖縄の新たな青年労働者の闘いに受け継がれてきた。他方、04〜07年の海上ボーリング実力阻止の闘いは、この激突が労働運動をめぐる攻防であることをはっきりさせた。民主党・連合政権に屈する一部指導部との対決を貫いて闘い抜かれているのだ。
自民党政権は、「振興策」などをばらまき、沖縄の労働者階級の闘いに分断を持ち込み、体制内勢力を取り込みながら95年以来の闘いの圧殺を狙ってきた。その狙いは、戦後連綿と闘い抜かれてきた沖縄の労働運動・労働組合運動の解体にあった。しかし、この執拗(しつよう)な攻撃と闘い抜いてきた沖縄の労働者階級は、2007年9月29日の12万人決起と同年の全駐労の2波にわたる実力ストライキとして、沖縄労働運動の戦闘性と労働組合運動の主導性を逆に日帝にたたきつけた。戦後沖縄の労働運動の主軸を担ってきた自治労・教労・全駐労などの労働者が階級的底力を示したのである。
昨年8・30総選挙をもって戦後の自民党支配は歴史的に崩壊した。日帝の戦後沖縄政策―沖縄闘争圧殺攻撃は土台から崩壊したのだ。
8・30情勢―1・24名護市長選の結果は、沖縄の労働者階級人民の闘いが切り開いた情勢だ。ついに日米安保体制そのものを揺るがす決定的な情勢が到来した。世界大恐慌情勢のもと、日米争闘戦が日々激烈に深まる中で、その最大の火点である沖縄から歴史的闘いが始まった。「革命の火薬庫=沖縄」の労働者階級の闘いがプロレタリア世界革命の突破口を切り開いているのだ。
民主党・連合政権下で激化する日米争闘戦と戦争攻撃
世界大恐慌の一層の深まりの中で、イラクやアフガニスタンでの米軍の泥沼的敗退情勢がアメリカ帝国主義の危機を促進している。その中で米帝は、中国に対する取り込みと対抗の政策を強烈に打ち出している。
これは同時に、「緊密で対等な日米同盟関係」「東アジア共同体構想」を掲げて対米対抗的に登場した小沢・鳩山―民主党・連合政権への争闘戦と一体である。米帝は、どんなに没落しても経済・軍事におけるアジア支配のヘゲモニーを手放さないということだ。
米帝は2月1日に発表したQDR(4年ごとの国防戦略見直し)で、米軍再編問題について「在日米軍の長期的駐留」と「地域の安全保障活動の拠点としてのグアム(の存在)」の双方を確かなものとすると明記した。
米帝は、泥沼化するアフガニスタン・イラク侵略戦争の危機突破をもかけて帝間争闘戦の勝利をもって米軍再編をあくまで進めようとしている。
同時に、「在日米軍の長期的駐留」「地域の安全保障活動の拠点としてのグアム(の存在)」とは、小沢・鳩山らの「駐留なき日米安保」「在日米軍は第7艦隊だけいればいい」という対米対抗的政策を米帝として絶対に認めないという宣言でもある。グアムを軸とし、在日米軍を「前方駐留」として、日米安保同盟を徹底的に使ってアジア支配を強め貫徹しようとしているのだ。米帝は、「血を流して奪い取った戦利品」である沖縄を自ら手放すことなどけっしてない。したがって米帝は、あくまでも米軍再編の履行=辺野古新基地建設を日帝に要求するのである。
これに対して民主党・連合政権は、大恐慌情勢の中での日帝の体制的危機を対米対抗的な独自の安保・防衛政策、アジア政策、改憲と戦争国家化で突破しようとしている。だがこの道は日帝の絶望的な崩壊の道にほかならない。
そもそも戦後の日帝の延命と帝国主義的再建とは、米帝が超大国として政治・経済・軍事の全面で世界支配を貫徹していることを条件に成り立っていたものでしかない。日米安保同盟は、こうした日帝の脆弱(ぜいじゃく)性、矛盾と危機を前提とした戦後的な特殊な軍事同盟なのだ。
民主党・連合政権は、自民党がやろうとしてもやれなかった9条改憲と戦争への道を開くために、対米対抗性・対米自立性を鮮明に打ち出している。しかしこれ自身が日米争闘戦を非和解的に激化させ、日帝の体制的危機を一層促進する。
民主党・連合政権の化けの皮は日々はがれ落ちつつある。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いの爆発は、絶望的な危機に立つ民主党・連合政権を直撃する闘いだ。
今こそ米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ
日帝の体制的危機が日米安保体制の最大の実体である沖縄米軍基地問題の爆発として表面化している。
世界大恐慌情勢がますます深まり、帝国主義の戦後世界体制が全面的に崩壊する中で、米帝の歴史的没落と危機が激しく進行し、米帝はイラク・アフガニスタンを始め侵略戦争―世界戦争の道にますますのめり込んでいる。普天間基地移設問題とは、こうした情勢下での日帝の国際帝国主義の「最弱の環」化、日米安保同盟の危機の最も鋭い表現にほかならない。
日米安保同盟の危機は日帝支配階級をも分裂状態にたたき込んでいる。そして沖縄と全国の労働者階級の新たな決起が8・30情勢を超えて始まっている。これが日々報道される「普天間移設問題」の核心だ。
基地を揺るがす沖縄労働者階級
追い詰められた民主党・連合政権は「辺野古陸上案」強行を策動している。しかしそれはさらに激しい怒りの決起に迎え撃たれている。
そもそも普天間基地の「県外移設」「国外移設」という考え方の根底には「日米安保同盟堅持」という考え方が横たわっている。しかし労働者階級(本土も沖縄も)にとって日米安保同盟とは「守らなければならない」ものなのか? 断じて否だ! 日米安保同盟こそ、戦後日帝の延命と再建を支え、朝鮮侵略戦争やベトナム侵略戦争、湾岸戦争の遂行を支え、今もアフガニスタン・イラク侵略戦争を支えている。全世界の労働者階級の闘いによって、日米安保同盟は粉砕され、沖縄米軍基地は直ちに全面的に撤去されるべき存在なのだ。
沖縄労働者階級にとって日米安保同盟とは、米軍基地を戦後半世紀以上にわたって押しつけてきた存在だ。戦後革命期をのりきった日本帝国主義は、1952年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約をもって「独立」した。この第3条をもって沖縄は日本から切り離され、沖縄戦の継続として軍事占領していた米軍の直轄支配下に引き続き置かれた。同日発効した日米安保同盟は、日帝が米帝の戦後アジア軍事支配の要として沖縄を提供することで成り立っているのだ。
戦後沖縄の第一の大衆運動として爆発した「島ぐるみ土地闘争」は、日米安保同盟との闘いそのものだった。この「沖縄の暗黒の時代(53年から55年)」の中から、戦後沖縄の労働運動が産声をあげた(52年土建争議など)。米軍政下における沖縄の労働運動は、全軍労・教労・自治労などを先頭に「基地の島」の現実の根底的変革をめざして闘われ、数度のゼネストにまでのぼりつめた(69年11・13佐藤訪米阻止全県スト。71年5・19、11・10沖縄返還協定粉砕ゼネスト)。
沖縄労働運動の戦闘的な爆発、とりわけ基地労働者の闘いが沖縄米軍基地の存続そのものをも揺るがす中で、72年5月15日に「施政権」返還が行われる。その核心は、「基地の島」=沖縄米軍基地の絶対的護持であり、沖縄労働運動への新たな攻撃の開始だった。
「復帰」以降、いわゆる「復帰合理化」に対する闘いが、全軍労を先頭に官公労・自治労・教労・沖縄全逓(「復帰」に伴い全逓と全電通に分離)、さらには民間でも激しく闘い抜かれた。沖縄の労働運動は72年5・15以降も、「5・15体制」としての沖縄―本土の労働者の分断体制、在日米軍基地の75%が集中する「基地の島」の現実との闘いを不屈に闘い抜いてきた。
帝国主義の戦後世界体制が歴史的崩壊を始め、米帝は戦時体制に突入している。世界大恐慌の爆発は、帝国主義戦争かプロレタリア世界革命かという歴史的な選択を全世界の労働者階級に突きつけている。日帝は国際帝国主義の「最弱の環」としての姿をあらわにし、危機にのたうち回っている。この中で日米安保同盟をめぐる矛盾と危機が噴き出しているのだ。
3・20闘争から4・28―5・15へ
安保問題はすなわち沖縄問題であるということが再び三度、労働者階級の課題として浮かび上がってきた。つまり沖縄闘争勝利の決定的な情勢が到来したのである。
大恐慌と大失業・戦争の時代が到来し、「基地の島」=沖縄の労働者は非正規職化、低賃金と無権利状態、そして本土の約2倍の失業率という現実にたたき込まれている。基地労働者には、米軍再編攻撃と道州制攻撃が一体となって襲いかかり、民主党・連合政権による大量解雇=外注化・非正規職化の攻撃が始まろうとしている。基地労働者の中から「民主党に裏切られた」「民主党は自民党よりも悪い。労働者の味方なのか」という声が噴き出している。その怒りは、「民主党支持」を組合員に押しつけてきた体制内指導部にも向かっている。
もはやいかなる意味でも「基地の島」では労働者は生きていけない! いや、沖縄が帝国主義の侵略戦争の最前線の基地とされ、再び戦場とされようとしている!
2010年決戦は沖縄労働運動の未来をかけた歴史的な決戦である。求められていることは、戦後沖縄労働運動の戦闘的な闘いの歴史を継承し、大恐慌と大失業・戦争の時代と対決し、戦争・改憲と民営化・労組破壊と闘う労働者の団結を職場生産点からよみがえらせていく闘いだ。
それは、動労千葉労働運動と結合し、動労千葉が切り開いてきた反合・運転保安闘争路線を沖縄の労働運動の勝利の路線として確立・実践し、民主党・連合政権に今も幻想をあおる体制内指導部を打倒して、沖縄の労働運動の階級的発展を実現していくことである。
日米帝国主義と不屈非妥協に闘い抜き、勝利してきた沖縄の労働者階級は、必ずや21世紀においても日本と全世界の労働者階級の自己解放闘争の先陣を切り開いていく。
その先頭で、自らの未来を奪っている「基地の島」の根底的変革を目指す青年労働者の闘いが始まっている。体制内指導部と激突し、第2、第3の動労千葉を沖縄の地につくり出す闘いの先頭に青年労働者は立とう。
われわれは、日米安保同盟の危機を歓迎し、労働者階級の闘いで沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒を闘いとる。それはプロレタリア世界革命とその一環としての日本革命をたぐり寄せる闘いだ。
沖縄米軍基地撤去の闘いは国際プロレタリアートの共通の課題だ。全世界の労働者階級の団結の中心に沖縄労働者階級が屹立(きつりつ)し、労働者階級の国際連帯の先頭で闘い抜こう。
沖縄と本土、全世界の労働者階級の団結した闘いで米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ! 普天間基地即時閉鎖・撤去、全基地を直ちに撤去せよ! 米軍再編=辺野古新基地建設阻止! 全島ゼネストを実現し「革命の火薬庫」に火をつけ日本革命―世界革命勝利へ! 国鉄・三里塚・法大・沖縄を先頭に2010年決戦の勝利へ、3・20イラク反戦闘争の大高揚から、4・28―5・15闘争を安保・沖縄決戦として闘おう!
革共同沖縄県委員会は、その最先頭に立つ。
(写真 宜野湾海浜公園で開かれた昨年11・8沖縄県民大会。2万1000人が結集し「普天間基地即時閉鎖・返還、県内移設絶対反対」の決議を採択した)
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週刊『前進』(2429号3面2)(2010/03/01 )
金属労働者のアピール
職場で反合闘争を推進し金属産別に党細胞建設を
資本主義の擁護か労働者権力樹立か
世界大恐慌は労働者階級に革命の問題を突きつけ、資本主義体制擁護か、労働者権力樹立かをあらゆる党派に迫っている。社民党や日本共産党を始めあらゆる党派が資本主義を支え、労働者を救済対象とし、プロレタリア革命を投げ捨てた。
昨年8・30総選挙で、自民党政権はついに倒された。戦後の自民党支配は破綻し、ブルジョアジーは支配の危機に陥った。プロレタリア革命を阻止するために民主党・連合政権が誕生したが、労働者の反乱は止まらない。体制内労働組合がいくら職場を抑圧し民主党政権を支えようとも、労働者は闘いに立ち上がることを11月労働者集会は示した。新自由主義と対決する全世界の革命的労働者も、11月労働者集会に労働者階級の未来と展望を感じて合流を始めた。ここに「労働者階級は国境を持たない」というマルクス主義の真理を実感した。全世界の労働者階級は反帝国主義・反スターリン主義を求めていたのだ。
80年代の国鉄分割・民営化とは新自由主義の最先端の攻撃であり、国鉄1047名闘争が新自由主義と全面対決する階級闘争であることをわれわれはつかみ、動労千葉型労働運動が世界の階級闘争のど真ん中にあることを確信した。われわれは、09年階級闘争において、国鉄・4大産別を先頭に、常に労働者階級の最先頭で闘い抜いて勝利をつかんだ。この勝利の地平から、2010年をわが金属労働者も闘い抜き、革命情勢をたぐり寄せる主体となるのだ。
革命情勢は自らの職場にある
2010年は、世界大恐慌がさらに進行し、プロレタリア世界革命が現実の課題になる。資本救済のあらゆる方策は、新たな、より大きな崩壊を招くのみだ。支配階級は、労働者をさらなる失業にたたき込み、賃下げ・リストラを強制してくる。今こそ資本主義社会に終止符を打ち、労働者権力を打ち立てる時だ。階級的労働運動の前進こそが時代を決するのだ。
連合は10春闘について、資本の危機の前に早々と定期昇給確保・ベアゼロを打ち出している。これに呼応して日本経団連は、1月19日に出した経営労働政策委員会報告で、民主党政権の「子ども手当」の支給開始に伴い「家族手当の廃止」を打ち出し、定期昇給凍結=賃下げ方針を出した。そして、非正規雇用化と賃下げ攻撃はますます激しく進行している。
労働者のリストラ・首切りを推進しているのが民主党政権であり、連合なのだ。連合を職場で打倒する闘いは民主党政権打倒に直結する。JR検修外注化阻止の決戦で労働者の総反乱を切り開こう。職場における11月集会派―階級的労働運動の前進、そして10春闘の階級的爆発がブルジョア権力打倒の闘いに転化するのだ。革命情勢は自分たちの職場にある。
体制内労働運動の限界を打ち破れ
世界恐慌で破綻した資本は、新自由主義を一層進めることでしか延命できない。そして、さらなる破綻を繰り返し、労働者を死に追いやる戦争にまで行き着くのだ。
11月労働者集会を勝利に導いた国鉄1047名闘争は、階級闘争の最火点となった。われわれは09年決戦を、1047名闘争を柱に大失業と民営化、戦争と改憲攻撃を撃つ闘いとして闘った。そして1047名闘争こそが、大恐慌下で大失業攻撃と対決する階級的水路であることを実証したのだ。JR東日本における検修全面外注化をめぐる攻防は、この1047名闘争と表裏一体であり、これから各産別・職場で起きる攻撃の最先端だ。動労千葉がこれに対して反合理化・運転保安闘争で対決している意味は限りなく大きい。
民間・金属産別では、合理化攻撃に対して階級的に反撃することがほとんどできてこなかった。「合理化問題には手を出すな」「合理化は阻止できない」ということが、総評を含めた旧来の労働運動で言い伝えられてきた。合理化とは、利潤を追求する資本の本質的攻撃であり、これに反対することは資本主義を否定することになる。戦後労働運動、すなわち体制内労働運動の限界性を示すのが合理化問題に対する態度であった。
合理化絶対反対で階級的団結をかちとるためには、職場支配権を労働者が握り、資本と全面対決すること抜きにはありえない。かつて炭労・三池労組は「安全が確保されなければ就労しない」と安全闘争を闘い、職場支配権を打ち立てた。「総労働対総資本」と言われた1960年三池闘争で、資本は「経営権奪還」を掲げて総攻撃を仕掛けた。この階級決戦で、総評・協会派は敗北し、職場からの反合闘争を放棄して「政策転換闘争」に転じ、合理化容認に転落した。こうして職場支配権が奪われた結果、63年三池三川鉱での炭塵(たんじん)爆発で458人の死者を出す大事故が引き起こされた。国鉄における62年三河島事故や63年鶴見事故、そして2005年JR尼崎事故と同じである。
労使協調路線の同盟はおろか、総評系の労組も合理化には無抵抗だった。せいぜい労使協議会で事前説明をやらせるか、合理化の緩和や交換条件をかちとるものでしかなかった。
大手労組や体制内労組が合理化闘争に屈服・敗北する中、全金港合同・田中機械での倒産攻撃との闘い、全金本山の解雇・ロックアウト・別棟就労攻撃との闘い、ミツミ電機労組の組織破壊攻撃との闘いは、反合理化闘争として歴史的な闘争となった。全金本山は34年間の闘争の末に職場復帰をかちとった。金属労働者は、職場で体制内労働運動と対決しながら反合闘争を闘ってきたのだ。
現在、連合は「生産性の向上で雇用を守る」「合理化を推進して企業を守る」と言っている。合理化問題は、資本主義のイデオロギーを含めて対決すべきものなのだ。
72年船橋闘争を機に動労千葉は、「合理化は安全問題として現れる」「安全こそ合理化と闘う武器である」と反合・運転保安闘争を闘い、階級的団結をつくりあげてきた。資本主義の中においてさえ、誰も安全を否定できない。「安全を犠牲にしてもいい」とは資本も公然とは言えない。どこの工場でも「安全第一」の看板を外すことはできない。
だが資本には「安全」は守れない。資本は、労働者をただの「モノ」と規定し、人間として考えていないからだ。「生産のために安全は邪魔だ」とは言えないから、資本は安全問題を「労働者の個人の問題」にする。資本の言う「安全」は企業の安全だ。
連合は、安全問題を「労使でつくる職場の秩序」の問題としている。「事故を起こすと生産性が下がる」「労働災害が出る企業では補償負担が増えるため、賃上げ原資が減ってしまう」、だから「労災のない職場を」ということが平然と語られる。労働者の「命と健康」は二の次である。企業の安全衛生委員会での活動も、労働者の自覚や意識の問題にすり替えられている。「闘いなくして安全なし」のスローガンを労働組合自らが投げ捨てているのだ。
動労千葉は、単なるスローガンとしてではなく、船橋闘争で絶対反対の具体的な反合闘争を闘い抜いた。その闘いは、国鉄分割・民営化という大合理化攻撃に対する反対闘争へと進んだ。「第2の分割・民営化」攻撃であるJR検修全面外注化との闘いは、大恐慌下で闘う労働者の広範な共感を生み出す。この攻防を突破口に、民主党・連合政権打倒の総決起が必ず生まれる。金属労働者はその闘いを全力で闘うのだ。安全問題を資本との反合闘争として闘おう。
連合支配を打破し10春闘の最先頭に
金属労働者の職場の闘いは、世界大恐慌の現実との闘いである。合理化や首切り、賃下げの現実はどの職場にもある。そして、民主党・連合政権との対決も職場にある。11月労働者集会で提起されたあらゆる課題が自らの職場にあるのだ。今こそ職場で機関紙・誌を拡大し、職場細胞を建設し、階級的労働運動をつくりあげることが必要なのだ。
ある金属の職場では09春闘を、体制内労働運動を超えるための闘争として、細胞と地区党の団結で蜂起的に闘った。これまでの組合の歴史をのりこえる闘争として春闘ストライキが打ち抜かれた。だが、「ストライキの中に革命のヒドラ」を見た資本は、大反動攻撃に出てきた。職場を揺るがす合理化攻撃と革命派排除の攻撃が起きた。会社と体制内派の野合により一時的な敗北を喫したが、職場細胞の拡大と職場闘争の推進、労働者の組織化が不十分であることを総括し、過去のあり方から決別して、青年労働者が先頭に立って、職場細胞と地区党が共同で職場と地域の闘いを推進している。
また、ある職場では解雇撤回闘争後の職場での闘いが課題となり、ストライキ闘争を契機に階級的労働運動の実践に入っている。まさに全職場で革共同政治局1・1アピールを実践することが必要なのだ。
09年の職場での闘いの苦闘と前進が切り開いた地平に確信を持ち、職場にマル青労同、革共同を建設しよう。「革命への情熱は、何よりも組織建設への欲求として発現されなくてはならない」という意味を、観念ではなく実践の問題としてとらえ、「機関紙拡大×職場細胞建設×動労千葉型労働運動と労働組合建設」の通年的実践をやりぬこう。勝利の環は国鉄決戦である。
金属労働者、とりわけ青年労働者はJR検修全面外注化を阻止する闘いの最先頭に出よう。それは職場の闘いでも同じだ。10春闘は資本の大合理化との対決になる。労働者を資本主義擁護の「連合春闘」に屈服させてはならない。10春闘で労働者が社会の主人公であること示そう。
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週刊『前進』(2429号4面1)(2010/03/01 )
5000人の大デモで鳩山とオバマを倒せ 3・20イラク反戦7周年
3・20ワーカーズアクションの呼びかけ
ワーカーズアクション実行委員会が主催するイラク反戦7周年3・20闘争の呼びかけ文を紹介します。全力で結集しよう。(編集局)
イラク反戦7周年全世界一斉デモ
〈改憲・戦争、民営化・外注化、労組破壊〉攻撃粉砕! 国鉄1047名解雇撤回―沖縄の怒りで鳩山政権ぶっ飛ばせ!
2003年イラク侵略戦争の開始から7年目となる2010年3月20日、東京・代々木公園で「イラク反戦7周年全世界一斉デモ3・20ワーカーズアクション」を開催します。世界金融大恐慌のただ中、全世界の労働者階級が一つに団結し、大失業と戦争の元凶である帝国主義・資本主義を打ち倒すときが来ています。アメリカも、日本も、ヨーロッパも、どこでも資本家階級は完全にグラグラです。2月24日ギリシャの200万人ゼネストをはじめ、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギーでも次々と労働者がストライキに立ち上がり、3月4日には米カリフォルニア州で教育ゼネストが闘われようとしています。
日本の階級闘争は、国鉄1047名解雇撤回・JR検修全面外注化阻止と沖縄・辺野古への新基地建設阻止を焦点に、歴史的決戦の時を迎えています。今こそ、「闘っても勝てない」といって労働者の怒りを抑えこんできたJR総連、連合や全労連の労働組合幹部をぶっ飛ばして、闘う労働組合を甦(よみがえ)らせよう。国鉄と沖縄を結集軸に、あらゆる労働者・農民・学生の怒りと闘いを3・20闘争に結集させよう。民営化・外注化・合理化攻撃と絶対反対で闘う労働組合を先頭にした5000人の大デモで、民主党―連合政権を打倒しよう!
国鉄1047名解雇撤回闘争は現在、鳩山・民主党―連合政権下での「解雇撤回なき政治決着」との最大最高の激突局面に入っています。民主・社民・国民新党の与党3党は、2月末から3月にも「和解案」を出そうとしています。「JRに責任なし」という「和解案」の中身は、社会保険庁の労働者2万人首切りや、日本航空の労働者1万6千人解雇・年金削減などを見れば、火を見るよりも明らかです。
ところが国労本部など4者4団体の幹部は、この動きに呼応して、自ら解雇撤回を投げ捨て、わずかばかりのカネと引き換えに1047名闘争を終わらせようとしています。こんな裏切りを絶対に許してはなりません。さらに自民党、公明党、共産党、JR総連など全勢力が1047名闘争の解体に動き出しています。彼らは、大恐慌情勢下において、国鉄1047名闘争が膨大な失業者や青年労働者・学生の怒りの結集軸となり、民主党―連合政権の打倒へと爆発することに恐怖しているのです。
沖縄・普天間基地問題でも、沖縄の労働者階級の怒りの爆発を前に、民主党―連合政権は決定的に追いつめられています。民主党・鳩山は、5月の回答期限が迫る中で、辺野古への陸上移設案をオバマ政権に打診したと言われています。それは沖縄の怒りの炎に油を注ぐものであり、日米安保を根幹から揺るがす歴史的闘いの爆発は不可避です。三里塚闘争も、成田の軍事空港化をねらう鳩山政権との大激突に入っています。
いま最も問われているのは労働組合です。改憲を結党以来掲げ、国鉄分割・民営化で20万人の労働者の首を切り、200人を自殺に追い込み、その後の30年間で膨大な青年労働者を非正規職と貧困のどん底にたたき込んできた自民党政権は、昨年の「8・30総選挙」による労働者の怒りの一撃で吹き飛びました。しかし、それに代わる鳩山・民主党―連合政権は、平野官房長官をはじめ、そのほとんどが国鉄分割・民営化に積極加担し、労働者の非正規職化や派遣切りを推進してきた連合の労働組合幹部によって占められています。こうして今、あらゆる勢力が、国鉄分割・民営化の原点に引き戻され、これからの労働運動の進路をめぐって激しく火花を散らす関係に入っています。
動労千葉は、2月1〜2日、JR検修業務全面外注化阻止の第1波ストライキに立ち上がりました。平成採の青年労働者が、このストライキの先頭に立ち、組合破壊を狙うJR東日本に根底的な打撃を与え、大きな勝利の地平を切り開いています。動労千葉など5団体が呼びかけた2・13全国労働者総決起集会には、全国から1850人が結集し、JR東日本本社へ怒りのデモに立ち上がりました。動労千葉は、3月1日に第2波のストライキを構え、検修業務外注化の4月1日実施阻止へ、全国の労働者にともに立ち上がることを呼びかけています。
3・20ワーカーズアクションは、国鉄1047名解雇撤回と沖縄闘争を結集軸に、国鉄・郵便・自治体・教育の4大産別の労働者の闘い、三里塚や法政大の学生の闘いを豊かに発展させ、全国に満ちあふれる労働者・学生・農民の怒りを大結集して、民主党−連合政権を打倒する一大政治闘争です。多くの労働組合・労働者が呼びかけに加わり、それぞれの職場から地域から、階級的労働運動の復権に向けて、ともに闘いに立ち上がられることを訴えます。
(写真 2・13全国労働者総決起集会のデモ)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2429号4面2)(2010/03/01 )
“国鉄、沖縄、青年を焦点に職場の団結つくりだそう”
ワーカーズアクション実行委員会
イラク反戦7周年3・20ワーカーズアクション第1回実行委員会が2月19日、東京都内で開催された。今年の3・20闘争は、「重大局面を迎えた国鉄1047名解雇撤回闘争と沖縄闘争を焦点に、あらゆる労働者の怒りを大結集させ民主党・連合政権を打倒する闘い」である。
基調提起を行った医療労働者は「2003年イラク反戦の動労千葉のストを見て『戦争を止める力は労働者の団結にある』と確信した。以来7年間の闘いを経て、国鉄、沖縄、青年を焦点に巨大な労働者の団結が生み出される情勢が到来している」と述べ、その団結は「『普段から不断に当たり前に闘う』職場闘争の中でこそつくられる」と強調、職場からの決起を訴えた。
基調提起を受けて活発な討論が行われた。青年労働者からは、合理化によって安全が崩壊している職場の実態と、それへの現場の怒りが次々と報告された。
全逓労働者は「労働運動が連合化していくのかどうか、国鉄決戦は全勢力が注目している。外注化に対するJR労働者の怒りは全職場に通ずる階級的怒り。われわれが掲げている民営化絶対反対の旗が結集軸になる。さらに闘いの陣地を拡大しよう」と訴えた。
学生は「法大闘争は世界に注目されている。6学生奪還の国際連帯闘争として闘う」と決意を表した。織田陽介全学連委員長は「われわれがつかんできた路線・原則を全大衆のものにしよう。国鉄・沖縄で5000人結集を」と呼びかけた。
3・20闘争の賛同署名を集め、大結集へ!
(写真 「3月が決戦だ」。5000人結集へ向け真剣な討論が行われた【2月19日 東京】)
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週刊『前進』(2429号4面3)(2010/03/01 )
労組壊滅狙う北教組弾圧許すな
第2次国鉄決戦勝利で反撃を
政治資金規正法違反は口実だ!
2月15日、札幌地検特別刑事部は北教組(長田秀樹委員長代理、1万9千人)本部などへの家宅捜索を強行した。捜索は午後6時から深夜2時に及んだ。昨年夏の衆院選で北海道5区から当選した民主党・小林千代美議員の陣営が、北教組側から約1600万円の寄付を受けながら選挙運動費用収支報告書に記載していないとする、政治資金規正法違反が口実だ。
北教組への政治資金規正法違反を口実とした日帝・国家権力の弾圧は、北教組―日教組壊滅をもくろむ道州制攻撃そのものだ。同時に、卒・入学式を目前にした「日の丸・君が代」不起立闘争への予防弾圧でもある。何よりも今、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を強行するために、その最大の支援部隊=北教組の団結を破壊しようとする攻撃にほかならない。絶対に許すな。
北教組本部は自民党への怒りと民主党への幻想から、民主党・連合政権の誕生を支援してきた。しかし、民主党・連合政権は、教員免許制度改悪を始め自民党以上に改憲・戦争への教育行政を進めている。社保庁労働者の大量解雇を強行した。教育労働者は、もはや民主党・連合政権を一刻たりとも支持するわけにはいかない。このままでは組合員は真に階級的に団結できないからだ。
今回の弾圧は、自民党・町村信孝らの反動勢力が巻き返しをかけて、民主党政権の有力な支持団体・北教組に襲いかかっているように見える。だがそれは事態の核心ではない。あくまで、危機に陥った日帝支配階級が、その支配を転覆する結集軸となりうる労働組合を、今のうちにつぶそうとしているのである。
国鉄闘争支援陣形解体も狙い
北海道では、北教組の組合員を中心にして、いまだ「日の丸・君が代」不起立闘争が大衆的に闘われている。北教組は2年前、査定給導入に対して1万4千人が参加するストライキを打った。
これに対して当時の自民党政権は「北教組に関するプロジェクトチーム」を立ち上げて北教組壊滅をもくろんだが、失敗した。今回の北教組への弾圧は、自民党政権がやりきれなかったことを、民主党・連合政権のもとで日帝支配階級がやろうとしているのだ。
昨年の8・30は自民党支配の終わりであったと同時に、日帝ブルジョアジーの階級支配の”終わりの始まり”でもあった。民主党・連合政権は連合を先兵として、階級支配を終わらせる闘いに労働者階級人民が立ち上がることを抑えようとしている。労働者階級人民は、これを打ち破ることによってプロレタリア革命への道を切り開くことができる。第2次国鉄決戦こそ最大の突撃路だ。
北教組は一貫して国鉄1047名解雇撤回闘争の最大の支援部隊であり続けてきたし、360万公務員全員解雇の道州制攻撃にとっての巨大な障害物となっている。だが北教組の組合員には、4者4団体が「解雇撤回」を投げ捨て、「JRに法的責任なし」を表明して闘いの幕引きを図っていることが知らされていない。北教組本部には、これを黙認して1047名闘争の解体を座視するのか否かが問われている。
国鉄分割・民営化攻撃によって、また夕張市の財政破綻などによって、北海道の労働者人民はとことん苦しめられてきた。そして大恐慌が直撃している。今日の高校生の半数に及ぶ就職難、高校授業料未納や中途退学の続出、貧富による学力格差、病院にかかれず保健室にあふれる子どもたち、教育労働者の心の病の急増――このような事態を誰よりも教育労働者は知っている。
だが今や、それをもたらした元凶である国鉄分割・民営化攻撃を根本からひっくり返す好機が訪れている。動労千葉を先頭とする闘いがその地平を切り開いてきた。JRで働く青年労働者は、安全の崩壊と外注化・非正規化攻撃に直面する中で、JR資本とJR総連カクマルとの結託体制の危機を突いて立ち上がろうとしている。だからこそ、1047名闘争を解体するために日帝・支配階級も民主党・連合政権も必死なのだ。
闘う団結を固め弾圧粉砕しよう
1047名闘争の解体は、道州制攻撃の全面化の突破口となる。民主党・連合政権は、自民党以上に道州制を意識し、連合を先兵にして1047名闘争の解体を策動している。道州制攻撃は日教組・自治労などの壊滅にとどまらず、戦争と改憲、全社会的な民営化と労組破壊である。「教え子を再び戦場に送るな」の原点を堅持し、職場支配権を取り戻す職場闘争を復権させることが、強く求められている。
今回の弾圧を跳ね返す道は、1047名闘争の解体を阻止して道州制攻撃の出鼻をくじくと同時に、民主党・連合政権打倒に総決起することにある。何よりも今春の「日の丸・君が代」不起立闘争をかつてない規模で貫徹し、闘う団結を打ち固めることである。
北教組組合員のみなさん! 今こそ立ち上がろう。全国の闘う労働者のみなさん! 北教組への弾圧を階級的団結の拡大で跳ね返そう。検修外注化阻止の第2次国鉄決戦、全国での不起立闘争の爆発を始め、動労千葉が確立してきた反合理化・運転保安闘争路線を全産別で実践しよう。革共同北海道地方委員会はその最先頭で闘う。
〔革共同北海道地方委員会〕
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週刊『前進』(2429号4面4)(2010/03/01 )
欧州鉄道労働者がスト
“運転士に事故責任を押しつけるな”
欧州で鉄道労働者が反合理化・運転保安確立の闘いに決起している。
ベルギー
ベルギーでは、2月15日にブリュッセル郊外で起きた列車衝突事故の責任を運転士に転嫁しようとする当局に抗議して鉄道労働者が直ちにストライキに立ち上がった。
ストライキ参加者は運転士のみならず信号通信から整備・技術者にまで広がっている。死者18人(運転士1人を含む)、重軽傷者200人を出した15日の大惨事の責任をめぐって激烈な闘争となっている。
ベルギー国鉄(SNCB)当局は事故直後から事故の原因を「運転士の赤信号の見落とし」とするキャンペーンを張った。労働者たちは「このような事故は以前から続いていた」「そのたびにわれわれは自動列車停止装置を付けるべきだと要求してきた」「安全が保証されるまで運転できない」と怒りを表明した。
ベルギー国鉄は2005年、欧州連合(EU)の方針に従って持ち株会社と旅客・貨物を輸送するSNCBと線路管理などを行うインフラベルに3分割され、4千人を合理化するなどで年間1290万ユーロ(約16億円)の利益を上げていた。
今回の事故でも、線路には自動列車停止装置が付いていたのに、事故を起こした列車にはその装置は付いていなかった。ベルギー国鉄が分割され、安全無視の合理化が強行されてきたことが事故を招いたのだ。
労働者の怒りはベルギー南部を中心に広がり、EUの動脈である高速鉄道・ユーロスターやタリスのベルギー−ドイツ・フランス・オランダ間という重要区間を運休にたたき込み、国境を越えて影響を及ぼしている。
このストライキは、組合指令に基づかない現場労働者の自発的なストだ。しかも事故の翌朝から直ちに始まった。現場の労働者には、組合の指令を待っていられないほど安全無視への怒りが蓄積されていたのだ。
ベルギー鉄道の主要労組であるCGSPとSLFPの体制内労組幹部らは「労働者の怒りは分かるが状況が悪い。どうして今ストライキで当局に戦争を仕掛けるのか理解できない」などとストの意義を否定している。現場の労働者は体制内指導部をのりこえ安全のために立ち上がった。これこそ大恐慌と対決し闘う労働組合をつくりだす闘いだ。
(写真 「このストは安全のため」。ピケを張るRMT【2月20日 英】)
英RMT
イギリスでも2月20日、RMT(鉄道・海運・運輸労組)がファースト・スコットレール社で24時間ストライキに突入した。予定されている3波のストの第1波目だ。
ファースト・スコットレール会社は550人のRMT組合員に対し、グラスゴーとエジンバラの間に開設する新路線では、車掌を乗務させず、運転士と検札係のみで運行するという計画を出してきた。
RMTボブ・クロウ委員長は「訓練を積んだ車掌は乗客の命を守る役割を果たしている。車掌の廃止は乗客の安全を破壊する」という声明を出し、全組合員にストで闘う方針を提起した。組合員は2月20日、3月1日、13日の3波のストを決めた。
会社側は、車掌ぬきの運行でも安全に支障はないとして、ストをやっても通常の90%の運行を確保すると対決姿勢を示している。クロウ委員長は闘いが乗務員の安全を守るだけでなく、乗客の命を守るものであることを強調し、労働者人民に支持を呼びかけている。闘いは動労千葉と同質の反合理化・運転保安の闘いだ。反合・運転保安闘争は全世界の鉄道労働者に共通の重要な路線だ。
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週刊『前進』(2429号5面1)(2010/03/01 )
5000人の大デモで鳩山とオバマを倒せ 3・20イラク反戦7周年
織田陽介・全学連委員長が訴え
「国鉄1047名解雇撤回」は青年・学生の沸き上がる欲求だ
労働者・農民・学生のみなさん! 大恐慌はさらに深まり、米オバマ政権と日帝民主党・連合政権による戦争と大失業の攻撃が労働者・学生を襲っている。JR、法大、三里塚・沖縄をめぐって激突が始まっている。「国鉄1047名解雇撤回!」のスローガンで青年・学生の怒りと社会変革への沸き上がる欲求を結集し、3・20代々木公園5千人のデモを実現しよう。そしてその中から闘う労働者党を建設しよう。
法大弾圧弾劾! 学生の生き血を吸う「営業権」粉砕を!
2010年の闘いは激しく火を噴いている。
第一に、法大の2・5ビラまき弾圧を絶対に許せない。法大当局にとって入試は学生確保のための「営業」であり、年に1度のかきいれ時だから邪魔なやつは逮捕しろということだ。警察・検察は「ビラまきだけでも、お前らがやれば犯罪だ」と、政治弾圧であることを隠そうともしない。
「営業権」とは憲法を停止して学生を逮捕してまで守るべきものか?
「学費・給食費が払えない」「定期が買えずに学校に行けない」「林間学校で3食食事が出たのを『これが毎日続けばいいのに』と言った子どもがいる」「万引きしてご飯を食べている子どもがいる」――大恐慌の中で教育現場は崩壊している。
学生に借金を背負わせて学費を集め、ボロもうけをする「営業権」。マネーゲームや暴力ガードマンに使われる学費を払えないため、なぜ学生が大学からたたき出されるのか! 学生の生き血を吸う「権利」など断じて認められない! 今回の弾圧は、教育の民営化を、大学のあり方を根本から問う問題だ。
5月に改憲投票法が施行される。2・5弾圧は改憲の先取りだ。資本の搾取の自由が憲法を踏み越えて進むという新自由主義の極致だ。攻撃の本質をつかんで離さず「営業権」を粉砕しよう。
第二に、国鉄1047名解雇撤回闘争だ。新自由主義と労働運動の右傾化に抗した23年間の闘いは、今こそ輝く時だ。与党3党と公明党、自民党、共産党まで闘争終結に必死だ。「解雇は正当だ」と言う労組幹部を、政権政党とともに葬り去る時がきた。最先頭で支援してきた北教組への弾圧も始まった。不当配転で動労千葉つぶしに躍起になっているのは、「国鉄1047名解雇撤回」を掲げた2・13集会が大きな意義を持ったからだ。動労千葉は再びストライキに立つ。
第三に、三里塚闘争だ。沖縄基地をめぐる激動の始まりをうけて、支配階級は第2・第3の三里塚闘争の胎動に恐怖している。それゆえ、現闘本部裁判判決と団結街道廃道攻撃という形で、成田軍事空港をめぐる情勢も激突に突入している。
歴史を動かす主人公としてプロレタリア革命に立とう
「世界大恐慌」という時代を真っ向から見据えなければならない。オバマを先頭に「景気は底を打った」「嵐は過ぎ去った」などと言っているが、大恐慌はさらに大規模に進行している。
第一に、天文学的な財政出動は天文学的な赤字を生み出した。公的資金の注入をやめた途端に米シティバンクを先頭に赤字に転落、何よりドル暴落の危機が迫っている。
第二に、労働者を大量解雇して恐慌を押しとどめている。資本家は労働者を解雇しながら「雇用調整助成金」の適用条件を緩和し、税金をむさぼっている。一体どこまで労働者に犠牲を転嫁するのか! 大学生の今年の就職内定率は73・1%、つまり失業率は27%だ。
第三に、バイ・アメリカン条項など保護主義的な助成金だ。保護主義は世界経済の分裂と収縮、世界戦争の道だ。すでにアフガニスタンでは米軍による過去最大の掃討作戦が展開され、多数の死傷者が出ている。
第四に、ブラジルや中国、アジアへのバブル的な投資だ。とりわけ中国のバブルが崩壊するのは時間の問題だ。ギリシャの債務不履行はEU全体の危機に転化し、ギリシャではゼネストが闘われている。大恐慌の嵐が過ぎ去るどころか、労働者・学生の闘いの嵐が近づいているのだ。
こうした中でトヨタのリコールが、1年間の生産台数を上回って進んでいる。これは、新自由主義の帰結として弾劾されるべきものだ。トヨタは労働者を半年ごとに使い捨てるようなあり方を繰り返し、車を作る技術も継承されなくなってしまった。新自由主義は、帝国主義間争闘戦を闘えないまでに破綻したのだ。
オバマは、この危機を利用してトヨタをつぶしにかかっている。一般教書演説で「輸出の2倍化」を掲げ、他帝国主義を粉砕して保護主義に突っ込むことを宣言し、アメリカでは「GMのかたきをトヨタで討て」を合言葉に、トヨタへの集団訴訟の扇動が始まった。ウォール・ストリート・ジャーナルの社説の見出しは「なんて気持ちがいいんだろう」だ。アメリカ労働者を保護主義・愛国主義に絡め取る攻撃だ。大失業と戦争の攻撃が一体で労働者・学生を襲っている。問われているのは国際連帯だ。
進行している事態は「社会はブルジョアジーのもとでは、これ以上生きていくことはできない」(『共産党宣言』)ということだ。「近代の労働者階級は、労働(仕事)があるかぎりで生きることができ、その労働が資本を増殖するかぎりで労働にありつける。自分を切り売りしなければならない労働者とは、他の販売品目と同じ一商品である」(同)。社会のすべてを生み出す労働が資本家の搾取の手段となり、資本がもうける限りにおいてのみ労働者が生きられるという転倒、これが資本主義だ。
JRの鉄道部門丸ごと外注化、JALの1万6千人解雇は、安全を守る労働者が働けない現実を示している。もはや階級的搾取関係そのものを廃止しない限りなんの解決もない。階級社会の矛盾は、車も作れない、電車も飛行機も動かないというところまできたのだ。
日本経団連は経労委報告で“大失業の責任は資本家にはない”と居直った。“「雇用確保」のために派遣切りを徹底してやり、正社員を派遣に置き換え、やれることはやった。あとは労働者・学生の自己責任だ。お前らの商品価値が低いから売れ残っているのだ”と。社会を崩壊させておいてよく言ったものだ!
受験や就活、大失業時代における大競争に、青年・学生は腹の底から怒らなければならない。青年・学生が行動に立ち上がり、世界を革命する時が来た。青年・学生が「俺たちは商品ではない! 歴史を動かす主人公だ!」と叫んで立ち上がることこそプロレタリア革命だ。3・20を未来を奪う資本主義そのものを真っ向から否定する5千人大集会としよう!
辺野古新基地建設絶対阻止真の労働者党を建設しよう
5千人結集の課題は第一に、「国鉄1047名解雇撤回!」のスローガンを青年・学生の沸き上がる欲求とすることだ。
学生は今や奨学金という借金を背負わされて職もないまま社会に放り出されている。奨学金は大学を出たら就職できるという前提のもとにあった教育投資だった。国鉄分割・民営化以降、労働組合破壊と外注化によって1千万人が非正規職に突き落とされてこうしたあり方が崩壊し、奨学金は学生の未来を奪う大学の金もうけの手段に転化した。「国鉄1047名解雇撤回」のスローガンは青年・学生の「未来を返せ!」という叫びだ。
経労委報告は「定期昇給の解体」を打ち出した。定期昇給制度は終身雇用や年金とセットで労働者の企業防衛意識を生み出し、低賃金構造をつくり出す55年体制の根幹だった。55年体制の崩壊はこれからが本番だ。労働運動・学生運動のあり方が根本から変わろうとしている。
すでに民主党政権の支持率は37%に下落、第2の「8・30」は始まっている。だからこそ民主党から社民党、共産党、公明党、自民党までが手を組んで1047名闘争を解体しようとしている。同時に、動労千葉派が立ち上がり、1047名闘争と労働運動の主導権を握ろうとしている。労働運動の復権が1047名闘争にかかっている。
第二に、沖縄闘争だ。新基地建設「辺野古案」は鳩山の口から出かかっている。沖縄労働者の怒りが民主・社民・共産党を燃やし尽くして爆発しようとしている。民主党にすがってきた沖縄の労組幹部のあり方が吹っ飛ぶ情勢だ。沖縄に火がついた時、労働組合のあり方、大学のあり方が問われる。否、昨年11・8県民大会、今年の名護市長選の結果は、すでに沖縄をどうするのかという問いが始まったことを示している。沖縄労働者人民と連帯して反戦・反基地闘争に立とう。
第三に、あらゆる体制内幹部と対決し、労働者階級の指導部として真の労働者党を建設しよう。プロレタリア世界革命とは、資本と賃労働の階級支配関係そのものを廃絶する根底的な変革である。社民党や共産党、カクマルなど体制内党派は、労働者階級が根底的な変革に向かう階級形成の途上における分裂的で中途半端な意識の反映だ。労働者の党はこうした党と非和解的に対決して自己を絶えずラジカルに純化させるとともに、党派闘争をとおして労働者階級に闘争方針を提起し、階級形成を推し進め、もって分裂的で中途半端な意識の止揚をもって他党派を解体・包摂しながら、自らを労働者階級そのものを代表する党へと強化・拡大していかなければならない。
階級の指導部と自覚する革命的青年・学生は、獲得してきた原則を大衆闘争指導をもって大衆の実感へと転化し、労働者党を建設しよう。それが動労千葉の反合・運転保安闘争にこめられた党と労働組合の関係だ。
いざ、青年・学生の未来をかけて3・20の5千人の爆発を! プロレタリア世界革命万歳!
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週刊『前進』(2429号5面2)(2010/03/01 )
“6学生の即時釈放求める”
米学生 日本領事館に抗議
2月18日、昨年の11・1全国労働者総決起集会に参加したカリフォルニア大学バークレー校のSWAT(学生・労働者行動チーム)のクレア・キーティングさんらが、2月5日に法大正門前で逮捕された学生6人の即時釈放を求めてサンフランシスコの日本領事館に抗議・申し入れ行動を行った。抗議団は赤い「団結鉢巻き」をしめ、「東京地裁のビラまき禁止仮処分弾劾」というメッセージボードを掲げた。
3月4日の全カリフォルニア州教育ゼネストの組織化のまっただ中で、カリフォルニアの学生と労働者は法大闘争との団結を固めている。3・4ストライキ実行委員会では、参加者が口々に「教育の民営化反対は新自由主義との闘いだから、全世界の労働者・学生の団結によってこそ勝利する」と発言している。
(写真 アメリカの学生が6学生釈放を求めサンフランシスコの日本領事館へ【2月18日】)
コンルータスも弾劾声明
2月16日には、米ロサンゼルスで「学校軍事化に対する代案を目指す連合」(CAMS)世話人として学校の軍事化に反対して闘うアーリーン・イノウエさんが、6学生の即時釈放を求めるアピールを発信。2月19日には、ブラジルの階級的労働運動のナショナルセンター、コンルータス(全国闘争連盟)全国書記局が6学生逮捕への弾劾声明を出した。
国際連帯闘争をさらに強化し、6学生を必ず奪還しよう。
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週刊『前進』(2429号5面3)(2010/03/01 )
カリフォルニア 3・4教育ゼネストへ
民営化粉砕”の組織化進む
全労組と学生史上初の共闘
カリフォルニアでは州財政破綻を理由に、激しい教育予算削減、賃下げ、解雇、授業料値上げが襲いかかっている。
他方、天文学的軍事費が使われ、大銀行幹部には恐慌救済資金=税金から巨額のボーナスが払われた。大銀行幹部が大学理事になり、大企業の研究資金を獲得し、理事の年俸を毎年上げている。
この教育民営化の現実に労働者のはらわたは煮え繰り返りついに堤防決壊的な決起が始まった。
昨年9月と11月、カリフォルニア大学で、スト中の技術職労組とともに数千の学生がピケットに立った。建物を占拠した学生・労働者を守るために2千人の学生、労働者が腕を組んで機動隊と対峙した。学生運動と労働運動がこれほど大規模に結合したのは、アメリカ史上初めてだ。
そして大学と高校から幼稚園までの教組を含めた全州統一教育闘争を3月4日に行うことを決定した。全米で最も戦闘的な教組、UTLA(ロサンゼルス統一教組)は、最初からその共闘連絡会議に参加している。
これまで闘いを抑え込んできたCFT(州教員連盟、AFT〔アメリカ教員連盟〕系)やCTA(州教員協会、NEA〔全米教育協会〕系)まで3・4に賛同し、大動員方針を打ち出した。そうしなければ現場の怒りに吹き飛ばされてしまうからだ。また他の17州の大学の労組と学生が、3・4に同時決起する。
(写真 ロサンゼルス統一教組は3・4教育ゼネストの前段行動として、2月9日に全市一斉行動。左はデモの先頭に立つセシリー・マイアトクルスさん)
UTLAが全市一斉行動
3・4の前段行動として、UTLAは2月9日に「教育予算削減・チャーター化反対全市一斉行動」に決起し、雨の中で3000人がデモ、ピケット、集会を行った。
西部地域集会では昨年11・1集会に参加した西部地域議長のセシリー・マイアトクルスさんが3・4決起を訴え、動労千葉と全国労組交流センター教育労働者部会のメッセージを読み上げた。
職員労組も集中行動週間
大学の用務員、大学病院労働者などを組織するAFSCME3299(アメリカ州・郡・市職員連盟第3299支部)は、2月8〜11日を集中行動週間とし、食堂、寮等で集会、ピケットなどを行った。
強制的な労働時間短縮(その分の賃金カット)のため清掃ができず、食堂などでは衛生問題が発生し、労災も起きている。これに怒った学生や他労組も集中行動週間に大挙結集した。
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週刊『前進』(2429号5面4)(2010/03/01 )
新刊紹介 国際労働運動 4月号
普天間基地の撤去を
世界大恐慌のもと、民主党・連合政権の対米対抗的な「東アジア共同体」「対等な日米同盟」路線は、沖縄・普天間基地問題で重大な危機に立っている。戦後65年間、米軍基地に苦しめられ続けてきた沖縄人民の怒りはもはや限界に達しており、民主党の普天間移設問題でのペテンと裏切りに対して、普天間基地撤去、さらに沖縄の全米軍基地撤去の闘いが爆発することは必至という情勢が生まれている。一切は体制内労組幹部の制動をはねとばすことにある。
第1章は、米帝のQDRとオバマ一般教書演説を取り上げ、基軸帝国主義・米帝の軍事・政治・経済など全分野での「2等国」への転落の危機を暴いている。
第2章は、1〜2月に起きた海自のインド洋給油活動の終結、日米安保改定50周年の日米共同宣言、名護市長選での稲嶺氏の勝利、自衛隊のハイチ派兵、鳩山の施政方針演説、キャンベル米国務次官補来日と小沢訪米の要請、小沢不起訴決定などのできごとをとおして民主党・連合政権の脆弱性・凶暴性を徹底的に批判した。
第3章は、普天間基地をめぐる民主党・連合政権の大ペテンと沖縄基地強化の攻撃を弾劾し、4・28〜5・15沖縄闘争の大爆発をかちとろうと訴えている。
討議資料として「沖縄米軍基地の形成と辺野古攻防」を掲載。
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週刊『前進』(2429号6面1)(2010/03/01 )
JR総連カクマル松崎の完全打倒を
3・14反革命から35年の決意
体制内勢力との激突に勝ちぬき国鉄決戦勝利・日本革命実現へ
真野真志
革命的情勢の成熟と革共同の新たな大挑戦
1975年3月14日、70年安保・沖縄決戦に敵対し内乱期の反革命・現代のファシストとして変質したカクマルは、革命的内戦の激化・発展に追い詰められて革共同の創成者である本多延嘉前書記長の虐殺という階級的大罪に走った。革共同は、「死地に赴く決意」をもって「3・14をみすえ、そそぎ、のりこえる」長期強靱(きょうじん)な内戦を貫徹し、勝利した。
そして革共同は今日、革命の時代の到来と階級的労働運動への本格的踏み込みの中で、06年「党の革命」をなし遂げ、ついに、党創成以来50年の結実として、09年25全総報告・綱領草案を闘いとった。世界大恐慌と世界戦争の時代の真っただ中で、全世界の労働者階級とともに世界革命に勝利できる確固たる基礎を手にしたのである。
革共同政治局の2010年1・1アピールは、昨年11月労働者集会に凝縮された09年の画歴史的勝利を全面的に総括し、労働者階級が勝利する時代の幕開けを宣言した。「2010年国鉄決戦に勝利し、プロレタリア世界革命へ」の大路線の提起こそ、革共同が国鉄決戦勝利に責任を取り切る階級の党への命がけの飛躍と、それをもって日本革命を実現することをかけた戦闘宣言である。
国鉄決戦を基軸とした4大産別決戦の勝利者が、日帝打倒の勝利者となる。1・1アピールはさらに、マル青労同の黄金期の建設を軸とした日帝打倒への現実的戦略的環を不動の確信をもって提起しているのだ。ドル大暴落を不可避とする、1929年をはるかに超える世界大恐慌の現実を明らかにし、戦争と大失業攻撃の全面的激化に対し、労働者階級は一つの軍勢となって今こそ歴史的命脈の尽きた帝国主義を打倒しなければならないし、必ず打倒できる時が来たと呼びかけている。
それは、革共同綱領草案の実践的貫徹であり、党建設の新たな飛躍をかちとる不抜の決意を込めたものだ。革共同の2010年国鉄決戦方針の実践こそ、大失業の下での戦争・改憲と民営化・労組破壊、労働者階級への一切の犠牲転嫁をもって絶望的に延命しようとする最末期帝国主義と残存スターリン主義、さらにその最後の救済者として腐敗を極める一切の体制内指導部のあがきに断を下し、全世界の労働者階級とともに世界革命勝利をたぐり寄せる唯一必勝の道である。解雇撤回・外注化阻止決戦で分割・民営化23年に歴史的決着をつける国鉄決戦を爆発させよう!
一方、綱領草案に大打撃を受けたカクマルは、わが革共同の革命党への飛躍にグラグラとなり、昨年末の反革命通信で、4号連続でケチ付けに躍起となった。それは反革命ゆえに自らの革命綱領を絶対に対置できないカクマルの、組織内部固めのための必死の悲鳴でしかない。
カクマルは、本多書記長虐殺に象徴される革命党や闘う労働者・学生・人民への白色テロルの行使、国鉄分割・民営化での権力・資本と結託した首切り攻撃の最先兵という、けっして許されない階級的歴史的大罪を犯した。このカクマルを革命的労働者は、2010年国鉄決戦をもってJR体制もろとも必ず完全に打倒・一掃する。またわが革共同から逃亡し、小ブル反革命に転落した塩川一派を絶対に解体する。
われわれは反革命カクマル、塩川一派を最後的に打倒し、国鉄決戦の勝利を軸とした4大産別決戦の勝利で、2010年代の日本革命・世界革命を実現することを故・本多書記長に厳粛に誓うものである。
労農同盟に敵対深める塩川一派を一掃しよう
塩川一派は、06年3月の「党の革命」を労働者階級の闘いとは認めず、自己の官僚的地位を守るための財産として私物化して囲い込んできた。そして決起した労働者階級の自己解放の力を恐れて、その1年半後には革共同から脱落・逃亡してしまった。にもかかわらず革共同の歴史的権威を利用し、「革共同再建協議会」などと名乗っている。彼らは反革共同という一点で、権力や反革命勢力に自らの存在意義を売り込んでいる集団にすぎない。
彼らは第一に、「批判」と称してデマに基づいた「党内情報」を権力に向けて公開したり、自らに都合良くデッチあげた「非公然活動」なるものの内幕を告白するなど、完全にスパイ・転向集団化している。そこには権力と闘う緊張はカケラもない。完黙闘争についてもケース・バイ・ケースなどと言って恥じない。
第二に、プロレタリア革命に敵対しレーニン主義を解体したプチブル反革命集団である。彼らも以前は「内戦」「蜂起」「プロレタリア革命」などと口にはしたが、その具体的準備など一切放棄してきた。今やその言葉すらなく、逆に、動労千葉を始めとした帝国主義打倒を求める現実の生きた労働者の闘いに、あらん限りの悪罵(あくば)を投げつけている。動労千葉指導部への彼らの悪口雑言は、労働者階級の決起に敵対し、プロレタリア革命−プロレタリア独裁に恐怖する小ブルの本質を、自ら告白した言葉である。 第三に、実際の日本革命への敵対者だということだ。彼らは民主党に政策実現を求めるシンパとして鳩山政権の意義を語っている。民主党・連合政権の階級的性格がプロレタリア革命の予防・阻止にあることをあいまいにし、その打倒に敵対している。
第四に、脱落派である第4インターへの「自己批判」で明らかなように実に無節操な存在であり、闘争原則を変質させる、運動の破壊者だ。
彼らは自ら運動を構築するのではなく、「統一戦線」を口にしながら社会民主主義者やスターリン主義者、脱落派などが組織する「大衆運動」のしっぽにつくことに躍起となっている。そのために闘う立場や原則をも平然とねじ曲げ、それが運動の発展を生み出すかのように主張して闘争主体の変質を狙う。自分自身の過去の闘いをも平気で清算するのだ。こんな輩(やから)を誰が信じられるか。第4インターへの自己批判は、反対同盟の原則的闘いへの冒涜(ぼうとく)そのものだ。
今、三里塚は、市東さんの農地強奪攻撃、現闘本部解体・団結街道廃道攻撃との決戦を迎えている。この三里塚闘争の爆発に敵対し、労農同盟の破壊と闘争原則の解体を狙ってうごめく塩川一派を絶対に許さない。決戦の三里塚闘争へ、労働者階級の渾身(こんしん)の決起をかちとろう!
塩川派が革共同の名を僭称(せんしょう)することなどもはや断じて許さない。反革共同のためだけにうごめいて、革命に敵対する塩川一派を最後的に解体しよう!
松崎こそ青年労働者の敵、外注化の最先兵だ
国鉄決戦はすでに、1047名解雇撤回闘争と検修全面外注化攻撃をめぐる激突として火を噴いている。この中で、JR総連・カクマル松崎をJR体制もろとも打倒すること、政府・資本への屈服を深めるあらゆる体制内勢力との非妥協的な党派闘争に勝ち抜くことが、ますます決定的になっている。
検修業務の全面外注化は、JR社員の大量首切りと賃金の大幅切り下げ、非正規職化、労働条件悪化、労働強化をもたらす攻撃である。それはJRという鉄道運輸企業のあり方の根本的転換にまで行き着くものだ。安全・運転保安を根幹から解体するものである。
すでに、これまでの保線部門などの外注化・合理化によって、JR東日本の輸送障害発生は私鉄各社の11倍にも達している。毎日どこかの線で車両整備不良・信号故障などで列車が止まっているだけでなく、整備不良の列車が乗客を乗せて走っているのだ。
05年、4・25尼崎事故で乗員・乗客107人を虐殺したJR西日本に続いて、JR東日本は同年12月の羽越線事故で死者5人・負傷者33人を生み出した。東会社が01〜05年度の中期経営ビジョン「ニューフロンティア21」で駅中ビジネスなどによる営利最優先の戦略を打ち出し、鉄道事業を第3番目に位置づけて、鉄道会社としての基本的あり方を根幹から破壊してきた結果である。分割・民営化で外注化を進め、利益優先で突っ走ってきた構造的問題として、尼崎事故も羽越線事故も生み出されたのだ。
JR総連、とりわけJR東労組カクマルは、国鉄分割・民営化時に当局と結託して国労・動労千葉の排除・採用差別を要求し、大量首切りの先兵として行動した反労働者の輩である。彼らは外注化に対しても「国労対策を考えた外注化、国労排除のために外注化がある」と公然と言い放ち、攻撃の先頭に立ってきた。JR本体とグループ企業の全労働者を会社利益優先・合理化徹底、分断と競争に強制動員する攻撃に対し、「世界に冠たる鉄道会社の基盤を作るスタートを切った」と絶賛してきたのだ。まさに彼らこそ事故の共犯者だ。
さらに東会社は、08〜17年度の新経営構想「グループ経営ビジョン2020−挑む」で、なんと「運輸業以外」の営業収益を4割程度まで引き上げようとしている。「NONレール事業」に経営主体を移行し、「3年以内に人事・賃金制度の戦略的見直し」を行うとし、賃金制度の全面改悪に突き進む計画を明言している。その突破口が「ライフサイクル」攻撃である。
東労組カクマルはここでも、JR東会社が「ライフサイクルの深度化」を06年10月に提示する5年前に、「労組」の側から「これまでの駅→車掌→運転士のライフスタイルのあり方を検討し、多様なニーズに応えられる体制を実現する」と提言していたのだ。資本の経営戦略に関与することで、資本が必要とする配置転換を率先提起してきたのが東労組カクマルなのである。
そして実際、東労組カクマルは「労組として主体的に挑む」と、ライフサイクル攻撃に対して平成採66人を第1陣として送り出した。それだけでなく「私たちが作りあげたライフサイクルを全体で確認し、第2陣、第3陣に向けて、さらに組織強化していく」と宣言している有り様だ。絶対に許すことはできない。資本の合理化攻撃を率先推進する東労組カクマルを今こそ全労働者階級の怒りで打倒する時だ。
87年の国鉄分割・民営化は、日本における新自由主義攻撃として非正規雇用の全産業的拡大の出発点であった。今日、自治体、郵政、学校を始め、全労働人口の4割、青年労働者の5割が非正規となっている。今、JRにおける全面外注化・分社化攻撃、非正規雇用の全面的導入は、すべての産別・職場・地域の労働者に一層すさまじいリストラ、非正規職化・賃下げ・労働強化をもたらすことになる。それはすでに始まっている360万公務員労働者への道州制攻撃を激しく進める攻撃そのものであり、これとの闘いは全産別労働者の課題なのである。
だが、すでにこの攻撃の破綻は完全に明らかになっており、青年労働者の怒りの決起が始まっている。ここで断固として闘いぬくならば必ず労働者階級による怒りが爆発し、労働者の誇りと未来をかけた総反乱が開始される。それは4大産別を始め全産別での総反乱の合図となる。
国鉄1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の決戦は、国鉄労働運動−日本労働運動全体の帰趨(きすう)を決する決戦であり、必ず勝利できる決戦である。平成採の青年労働者全体を動労千葉−階級的労働運動のもとに獲得し、4大産別の総反乱から日本革命へ突き進もう!
奴隷の道拒否し絶対反対貫いた動労千葉
国鉄の分割・民営化は、日帝・中曽根が「戦後政治の総決算」の中心環として加えた階級的攻撃だった。国鉄労働運動が戦後の労働組合運動でもっていた大きな力を解体することは、日帝支配階級にとって不可欠のテーマであった。この攻撃と階級的に全面激突して闘ったのが動労千葉である。
動労千葉は、72年船橋事故に対して「責任の一切は当局にある」「組合員を絶対に守れ」と闘って、運転士への解雇攻撃を粉砕した。これに対し、動労カクマルは、「事故問題は労働運動にならない」と激しく敵対した。
資本主義の下では、合理化―新たな機械やシステムの導入は、資本による労働者への搾取と支配を決定的に強めるものであり、これとの闘いは賃労働と資本の絶対的非和解の闘いである。職場における現実の労働条件悪化や強労働に対する闘いをとおして、労働者は階級的に目覚め、団結を固め、たとえ敗北したとしても資本への怒りを高めて労働者階級として自らをうち鍛え、資本主義体制打倒に決起していくのである。
剰余労働に対する資本の無際限の渇望に基づく合理化攻撃に終わりはない。資本の労働者に対する分断支配と階級的団結破壊の攻撃に対し、賃労働と資本は絶対非和解という絶対反対の立場なしに、この合理化攻撃と闘い続けることはできない。動労千葉はこれを反合・運転保安闘争として、マルクス主義を現実の闘いにあいまいさなく貫く路線として確立したのだ。
そもそもカクマルとの3全総路線の対立の根底には、62年三河島事故、63年鶴見事故に対して党として反合闘争を貫くか否かという問題があった。松崎カクマルの脱落・敵対は、ここでの反合闘争徹底推進への背反、民同への屈服に始まっている。今、松崎は、組合費横領の隠蔽(いんぺい)や「国際交流」ビジネスで自己保身を図る一方で、分割・民営化時の階級的大罪の正当化を必死に策動している。そして破産したJR体制を救うために、またもや第2の分割・民営化の先頭に立っている。絶対に許してはならない。
大恐慌と大失業をもたらした最末期帝国主義の新自由主義攻撃とその大破綻は、JRだけでなくJPEX中止にみる郵政民営化の破産、イギリスやドイツでの国鉄民営化の破綻、トヨタやJALの破綻として、日本でも世界でもますます明らかとなっている。動労千葉だけが分割・民営化攻撃に2度のストライキで立ち向かい、その後も23年間資本と不屈に闘い続けている。
その対極で、国鉄分割・民営化の極限的合理化攻撃を資本と一体となって推進してきたJR総連カクマルのファシスト労働運動の、労働者階級の敵としての烙印(らくいん)は永久に消えはしない。また政府・資本にはいつくばる国労本部を始め、民営化攻撃と闘えずに総屈服した一切の体制内指導部は、どこまでも奴隷の道を進むことになるのだ。今こそ国鉄労働運動の責任ある主導勢力として、動労千葉派、11月集会派が躍り出るときである。
動労千葉はすでに、2月1〜2日にストライキを闘い団結の強化と組織拡大を実現した。そしてこの反撃は、平成採を先頭にした全国鉄労働者を動労千葉のもとに獲得する一大反転攻勢の好機を生み出している。青年労働者を先頭に、労働組合のあらゆる職場から決起をかちとろう!
綱領草案の全面的実践貫き党建設の大飛躍を
革共同創成以来50年の歴史と今日的到達地平は、25全総第2報告で全面的に提起されている。
カルト集団に転落したカクマルが、黒田観念論と「謀略史観」に依拠してきたその対極において、革共同は、一貫してプロレタリア革命の実現という目的意識性を貫き通してきた。常に、時代と階級の要請に真正面から向き合い先頭に立って闘い抜き、自ら切り開いた新地平に責任を取ってきた。同時に、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の思想的立脚点を確立し、その実現に向かってマルクス主義の実践的思想・理論を不断に深化させてきた。
「革命的理論なくして革命的実践なし」の不抜の確信をもって、「苦しみ抜いて闘い取った理論」の今日的到達点=出発点として、25全総報告と綱領草案はある。それは現代革命の基本課題のすべてを本質論的に再把握して、理論的・実践的に再構成したものであり、その全面的提起である。
何よりも決定的なことは、マル青労同の青年労働者同志が階級的労働運動の白熱的推進の先頭に立つ中で、自らの実践的教訓と確信に燃えて徹底論議を繰り返し、「生きたマルクス主義」をつかみとってきた中でこそ闘い取られたということである。マルクスは「ヘーゲル法哲学批判序説」において「思想が現実化に向かって進むだけでは足りない。現実みずからが思想にまで突き進まなければならない」と述べたが、革共同の思想がまさにその回答となる時が来た。
そして「革命の政治的な過程は、革命の原理が内乱の論理として具体的に進展し、再び革命の原理として止揚されていく構造をもつのであるが、帝国主義の危機の時代においては、内乱の問題が、革命の問題の提起と同時に永続的に現実化していくのである」(本多著作選第2巻「戦争と革命の基本問題」)
革共同創成以来50年の闘いは、21世紀早期の革命の戦取という地平から戦略論的にとらえ返すとき、その今日的到達地平の画歴史性が一層明らかである。労働者階級の自己解放をめざす革共同の不動の確信の主体的根拠は鮮明だ。25全総・第1報告で提起している七つのスローガンは、2010年決戦必勝の路線であるだけでなく、70年代革命の戦略的総路線の今日的発展的再確立としての、2010年代革命の戦取に挑戦する今日的総路線である。この道を進もう!
三つの義務の貫徹を
世界大恐慌=プロレタリア革命の前夜情勢の煮詰まりの中で、革共同が綱領草案をもって革命に勝利する党への飛躍を宣言した今、日帝政治警察との関係は激変をもたらしている。階級的指導部を守る本質的に非合法・非公然の党建設の強化が求められている。
その闘いは、労働組合の中に労働者細胞を確立し、職場支配権を確立していく闘いに決定的基礎があり、それなしに進めることはできない。「労働者自身の事業」としてのプロレタリア革命の内実を決する土台はここにこそある。職場細胞と地区党の建設を軸に革命党建設の圧倒的前進をかちとろう。何よりも、機関紙の拡大に全力をあげることである。職場に機関紙『前進』をもちこみ組織しよう!
その先頭に、青年労働者・学生の同志が立とう。マル青労同1000人・マル学同1000人の圧倒的組織拡大と階級の指導部の建設こそ2010年代革命の現実的土台である。
自民党の政治支配を打倒した労働者階級の怒りの深さ、大きさは、小沢・鳩山政権下でますます拡大している。民主党・連合政権の本質を暴き、その打倒を真っ向から訴えているのは革共同と動労千葉派・11月集会派だけである。今やこの革命派と一切の体制内派との大激突として、階級的対決構図は鮮明化した。日帝資本のあらゆる攻撃に対し絶対反対・階級的団結・組織拡大の階級的原則を貫徹して闘おう!
破産した日帝の階級支配、分裂する支配階級に対して、労働者階級の怒りの行動がせきを切ろうとしている。闘えば必ず勝てるのだ。レーニンの言う革命的情勢に対応した革命党の三つの義務〈革命的情勢の広さと深さを明らかにし、大衆を助けて革命的行動に移らせ、この情勢に対応した党組織をつくりだす>を果たし、革命を実現するために闘う時が来た。
1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の国鉄決戦を爆発させよう! 社保庁労働者と団結し道州制攻撃を粉砕しよう! 決戦を迎えた三里塚現闘本部破壊・団結街道廃道化攻撃に血盟をかけて決起しよう! 普天間基地即時閉鎖・米軍基地全面撤去の沖縄決戦の爆発を! 法政大弾圧を粉砕し、全国学生運動の爆発をかちとろう! 獄中35年の星野文昭同志を労働者階級の力で奪還しよう! 民主党・連合政権打倒へ攻め上ろう!
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週刊『前進』(2429号6面2)(2010/03/01 )
2010年 2月17日〜23日
鳩山政権が「シュワブ陸上案」検討/もんじゅ、15年ぶり運転再開決定
●米軍、抗議文を拒否 嘉手納町議会が臨時会を開き、2月6日に嘉手納基地に飛来したB52H戦略爆撃機など連日の外来機の飛来、訓練に反対する抗議決議・意見書を全会一致で可決したが、米空軍嘉手納基地は、抗議決議・意見書の受け取りを「通常の外来機の飛来」との理由で拒否した。(17日)
●シュワブ陸上案を検討 鳩山政権が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として、キャンプ・シュワブ(同県名護市)陸上部を検討していることが分かった。新設する滑走路の長さは500bで鹿児島県の徳之島などへの訓練移転もセット。米政府に非公式に打診している。北沢防衛相と平野官房長官が協議した。(18日)
●高江ヘリパッド、フェンス設置に着手 沖縄本島北部の東村と国頭村にまたがる海兵隊施設の米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江区へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設をめぐり、沖縄防衛局は、ヘリパッド建設予定地の進入口に仮設フェンスを設置する作業を開始した。移設に反対する住民や市民団体のメンバーが作業中止を求め、防衛局職員や作業員とにらみ合いとなった。(18日)
●シュワブ陸上案、防衛相「既存基地内、大きな反対起こらず」 北沢防衛相は閣議後会見で、米軍普天間飛行場の移設先としてキャンプ・シュワブ陸上部案が検討されていることに関し、「(既存の)基地の中に移転するわけだから、かつて楚辺通信所がキャンプ・ハンセンに移った時に、沖縄の皆さん方からはそんな大きな反対運動は起こらなかったと聞く。そのような歴史的なものに学ぶべきところはあるのかもしれない」と述べた。(19日)
●官房長官、県内移設を示唆 平野官房長官は、那覇市の沖縄県庁で仲井真知事と会談した。米軍普天間飛行場の移設問題で、平野は「常にベストを求めていくが、やはりベターになるかもしれない」と述べ、県内移設の可能性を示唆した。(20日)
●内閣支持率37% 朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、鳩山政権の支持率は37%で、前回緊急調査(2月5、6日)の41%から下がり、内閣発足後初めて4割を下回った。不支持率は46%。内閣支持率は昨年12月に急落し、その後も下落が続いている。(20、21日)
●もんじゅ、3月にも再開 1995年のナトリウム漏れ事故以来、運転を停止している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、内閣府の原子力安全委員会は、運転再開を認めた経済産業省原子力安全・保安院の評価を了承した。これで国の安全確認の手続きは終了し、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構は3月末に15年ぶりの運転再開を目指すという。(22日)
●日米合同訓練始まる 米陸海空軍と海兵隊、航空自衛隊の日米合同訓練が沖縄周辺で始まった。訓練は2月26日まで。嘉手納基地では同基地所属のF15戦闘機や米アラスカ州アイルソン空軍基地所属のF16戦闘機などが相次いで離陸した。(22日)
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週刊『前進』(2429号7面1)(2010/03/01 )
深化・発展する大恐慌
ギリシャ・EUの財政破綻は危機の新段階
雇用・輸出とアジア勢力圏化めぐる保護主義と日米争闘戦
島崎光晴
世界大恐慌は現在、ギリシャ・EUの財政危機・対外債務問題の噴出という形で深化し、発展している。08年以来、巨額の財政資金を投じた未曽有の恐慌対策がとられてきたが、その矛盾が全世界で次々に爆発しはじめた。日本国債の暴落、ドル暴落も必至だ。大恐慌の進展は、大失業と戦争を一段と加速させている。帝国主義間・大国間の争闘戦の激化、何よりも保護主義の強まりが戦争への動きをますます促進しつつある。今回はオバマ一般教書、自動車戦争、アジア争奪戦の三つで日米争闘戦をみていく。「国鉄決戦に勝利し世界革命へ」という大旗のもとに、3・20闘争を〈戦争・改憲、民営化・労組破壊>攻撃との闘いとして高揚させよう。
オバマの輸出倍増計画 通商戦争に火を付ける
まず重大なのは、オバマが1月の一般教書演説で「5年間で輸出倍増」計画を打ち出したことである。それで「200万人の雇用創出」と称し、具体的な国家輸出戦略をつくろうとしている。
5年間で輸出を倍加するためには、毎年15%ずつ輸出が増えつづける必要がある。仮にオバマが言うように韓国や南米諸国との自由貿易協定(FTA)が承認されたとしても、これほどの伸びは実現できない。ありうるとすればただ一つ、すでに他国資本が押さえている市場を奪い取るしかない。つまり通商戦争であり、市場の再分割だ。
通商戦争の対象は、日帝は当然として、オバマが名指しした中国、ドイツ、インドなどである。しかし、相手がやすやすと再分割に応じるはずもない。激しい対立となる。この激突で優勢に立つためには、相手を米自身の市場から締め出すしかない。つまり保護主義を強めるということだ。
米大統領が、これほど露骨に輸出増大計画を出したのは例がない。アメリカ帝国主義が世界市場の再分割と保護主義を宣言したものとして、歴史的な出来事だ。
そこには基軸帝国主義としての激しい没落がある。90年代以来の借金増加を伴った過剰消費の時代は、住宅バブル崩壊で終わってしまった。国外から資金を取り入れて米国で増殖させ、それを対外投資して利益をあげる、という「金融帝国」的なあり方も、リーマン・ブラザーズ破綻などで破産した。しかも、GMやクライスラーは破産法の適用を受けたが、会社が清算されたわけではなく、生産能力はますます過剰になりつつある。そうした過剰資本状態を打開しようと、輸出に突進しているのだ。
30年代には保護主義から戦争へ
1930年代の世界経済のブロック化でも、保護主義政策を最も早く採用したのは米帝だった。30年にホーレー・スムート関税法を制定し、輸入関税を4割強も引き上げた。これはフランス・イタリア・カナダなどの報復的な関税引き上げを呼び起こし、世界は激烈な関税戦争に突入した。
最も植民地を持っていたイギリスは、32年のオタワ協定で保護主義を植民地・勢力圏にまで拡大した。これで世界経済は一気にブロック化していった。これにより32年に世界貿易は恐慌前の3分の1に縮小。それが世界大恐慌を本格化させる原因となった。そして、これらすべてが第2次大戦へと行き着いた。保護主義の結末は世界戦争だ。
米帝は再び、保護主義と世界市場の再分割で世界戦争に火を付けようとしている。しかもそれを「雇用創出のため」と称し、排外主義を伴う保護主義に踏み切っている。
トヨタ車リコール問題 再び日米自動車戦争に
日米争闘戦で現在の最大焦点となっているのが、トヨタ車のリコール問題である。基幹産業である自動車をめぐって、再び米帝の対日争闘戦が爆発しはじめたのだ。
歴史的に振り返ると、80年に自動車生産で日本が米を抜いて世界一となり、80年代には日米自動車戦争が激化した。その後、日本の自動車メーカーは米現地生産を拡大して対応した。05年度には、日本車の海外生産台数が国内生産台数を上回った。
また、日本企業に不利になる米法案を阻もうと、日本企業は米国で大量のロビイストを雇い、その数の多さから「ワシントンで共和党、民主党に次ぐ第3の政党」とまで言われた。特にトヨタは04年に、米自動車工業会の専務理事をしていた大物ロビイストをワシントン事務所長に招き、米政界への働きかけを一段と強めてきた。トヨタはそうやって米政界内を買収してきたのだ。
しかし日本資本のこうしたあくどいやり方はもはや通用しなくなった。大恐慌の進展、GM・クライスラーの経営破綻と政府管理、米自動車市場の縮小(07年の約1600万台から09年の約1000万台に)、日本メーカーの米国シェアの上昇(09年は主要3社合計で35・4%)などから、米帝は日帝への自動車戦争を仕掛けはじめたのだ。
日本の自動車資本には大打撃となっていく。すでに1月の米新車販売台数で、GMやフォードが前年同月比で2ケタの増加を示したのに対し、トヨタは15・8%もの大幅減となり、11年ぶりに10万台を割り込んだ。GM・フォードは、トヨタ車から乗り換えた顧客に約9万円を値引きするキャンペーンを始めた。トヨタの輸出も海外生産・販売も瓦解するのは必至だ。トヨタの崩壊は日帝の破滅にほかならない。
大合理化を重ね「欠陥車」を量産
だが、これはトヨタ車リコール問題の半面にすぎない。トヨタなど日本の自動車資本の安全無視が劇的にさらけ出された。利益のためなら事故が起きようとかまわない。JR検修外注化とまったく同じだ。トヨタが「安全」と言うのは、そう言わないと売れないからにすぎない。トヨタは日本資本の中心であり代表であり、日帝そのものだ。こういう資本家階級と日帝は、一刻も早く打倒しなければならない。
今回のリコールはアクセルとブレーキという、自動車の安全にかかわる最も重要な部分で起きている。車が突然加速して制御不能になるというのは、致命的な欠陥だ。99年以降でアクセルペダルの不具合による米国での事故は824件、負傷者341人、死者34人にも上る。しかし、トヨタは一貫して欠陥を認めず、隠そうとした。
しかも、今回のリコール(自主改修を含む)は世界全体で1000万台を超す。プリウスというトヨタの戦略車も含まれる。トヨタは自動車で世界一になったというが、要は欠陥車を増産してきたのだ。
そういう欠陥車を、1960年代からえんえんと合理化を繰り返して造ってきたのだ。トヨタこそ、日本資本の合理化の先頭ランナー、元凶だ。カンバン方式(在庫ゼロ方式)、カイゼンという名の合理化(米国でもカイゼンと呼ばれる)、QC(品質管理)サークルという企業内小集団の組織化、膨大な下請け会社への矛盾と犠牲の押し付け(下請け型の外部委託・外注化)など、すべてトヨタから発している。労働者階級にとってこれほど許し難い資本はない。この怒りを全職場での反合理化・安全闘争に転化しよう。
日帝のアジア輸出・投資 利益の半分が海外法人
アジア市場をめぐっても、日帝・米帝・中国の争闘戦が激化している。
日本の名目国内総生産(GDP)は昨年に約475兆円と、1991年の水準まで落ち込んだ。膨大な過剰生産能力を抱え、昨年7〜9月期には58兆円もの供給過剰である。ここから資本として生き延びるために、ますます商品と資本の輸出にのめりこんでいる。しかも、アジアが“生命線”となっている。
輸出では、09年に中国向け輸出が米国向け輸出を初めて上回った。昨年11月には、輸出額のうちアジア向けが54%を占め、米・欧向け合計の29%の2倍近くにもなった。米欧向け輸出が激減したままなのに対し、アジア向け輸出は08年のリーマン・ショック以前の水準を回復している。
さらに日本資本は、利益の半分を資本輸出=海外投資で稼ぐ構造と化している。08年度の日本企業(890社)の海外現地法人の売上高(日本からの輸出含まず)は全体の36・2%だったが、営業利益は52・5%と半分を突破した(グラフ参照)。特にアジア・大洋州(オセアニア)地域の営業利益が全体の39・4%になった。海外部門の売上高や利益はGDPに含まれないため、GDPだけを見ると輸出が目立つ。しかし日本資本は、輸出を担う国内部門より海外部門の方が多く稼いでいる。しかも利益の4割がアジアだ。
国際収支でも、輸出より海外投資で稼ぐ構図になっている。09年は貿易収支黒字4・1兆円に対し、所得収支黒字12・3兆円と後者がはるかに多い。所得収支黒字とは、海外の子会社からの利益や、海外投資して保有する株式・社債の配当金・利子による収入。05年以来、所得黒字が貿易黒字を上回っている。レーニンが『帝国主義論』で指摘したように、資本輸出による利益で成り立つ〈寄生的な帝国主義>そのものだ。
別表のように日本資本の対アジア投資は一段と拡大している。自動車・電機などの輸出型産業だけでなく、鉄鋼・化学・製紙のような素材産業、食品・化粧品・卸小売などの内需型産業もアジアへの投資に延命を求めようとしている。
日帝の海外権益はこれほどまでに大きい。ちなみに、日本企業が海外で雇用している労働者は、中国だけで1000万人を超える(『ニューズウィーク』2・10号)。
海外権益の護持かけ戦争と改憲
日本経団連は05年に改憲提言をした際に、「グローバルな活動を進めるわが国企業」の権益が「脅威」にさらされている、と言った。海外権益を失うと日本資本も日帝も崩壊してしまう。だから日帝は、海外権益を守るため猛然と戦争・改憲に突っ込んでいるのだ。
しかし、これほどアジアを“生命線”としていながら、日帝はアジアを勢力圏として囲い込めていない。逆に、FTA締結合戦で米帝や中国に負けている。さらに今、米帝オバマ政権はアジア政策を再強化し、アジアで日帝・中国との争闘戦を強めつつある。
オバマは昨年11月の訪日時に、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」への参加を表明した。TPPはシンガポール・ブルネイ・ニュージーランド・チリが中心の機構だ。
現在のアジアの枠組みとしては、日米とも加わる「アジア太平洋経済協力会議(APEC)」、中国の主導権が強い「ASEANプラス3(日中韓)」、これにインド・オーストラリアなどを加えた「東アジアサミット」がある。米帝はこれらとは別に、日帝と中国を排除した米・アジア・中南米の経済圏づくりに動きだしたのである。
日帝・鳩山政権の「東アジア共同体」構想を吹っ飛ばすのが最大の狙いだ。ASEANでもこの米帝の動きに同調する国が現れはじめている。この間、アジアでFTA締結合戦が展開されてきたが、今や勢力圏構想の激突という新しい次元に入った。日帝がますます「最弱の環」に転落していくのは必至だ。
日帝はいよいよ戦争・改憲以外に生きられなくなる。海外への侵略戦争も国内での階級戦争も、大恐慌下での資本の延命のためにある。どの職場でも労働者を強搾取している日本の資本家連中が、同じ資本の利益のために侵略戦争を拡大しようとしているのだ。労働者階級の国際的団結で打ち破ろう。
『俺たちは鉄路に生きる3』で動労千葉の田中康宏委員長が書いているように、反合闘争と反戦闘争は「メダルの表と裏」(83n)だ。動労千葉からさらに学んで、検修外注化阻止・1047名解雇撤回の国鉄決戦を基軸に、反合闘争と反戦闘争を一体で闘う階級的労働運動を前進させよう。3・20闘争の爆発をかちとろう。
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日本企業の主な対アジア投資(09年11月〜10年1月の発表分)
自動車 09年の中国生産が米国生産上回る
日産の中国販売が国内販売上回る
半導体 エルピーダメモリ、台湾4社と提携し世界シェア21・4%に
電機 東芝、中国で量販店を1500店に拡大、家電量販店数シェアで50%に
鉄鋼 新日鉄・JFEスチール、インドで自動車用鋼板を生産
化学 塩化ビニール最大手の東ソー、中国の生産能力が国内上回る
製紙 王子製紙、中国で最大規模の紙パルプ工場を建設中
鉄道 ベトナム政府が東南ア最大の高速鉄道に日本の新幹線方式を採用
通信 NTTデータなど、ソフトのシステム開発を中国・インドに委託
食品 ビール・菓子の現地生産の拡大
化粧品 資生堂、ベトナムに敷地面積10万平方メートルの工場新設
卸小売 伊藤忠商事、中国の日用雑貨卸企業を買収し卸売りで中国最大手に
セブン&アイ、中国でコンビニを500店以上に拡大
広告 電通、中国最大手の広告体に出資
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週刊『前進』(2429号7面2)(2010/03/01 )
福岡 青年先頭に街宣行動
3・20集会の賛同集まる
2月21日福岡では、青年労働者を先頭に、福岡県労組交流センター、合同労組レイバーユニオン福岡、百万人署名運動福岡県連絡会などが「3・20ワーカーズアクションin渋谷」に向けて天神で街頭宣伝に決起した。
「イラク・アフガニスタン侵略戦争反対!」「オバマも鳩山もぶっ飛ばせ!」「戦争と大失業の民主党・連合政権打倒!」「国鉄1047名闘争勝利! 沖縄基地撤去!」「青年労働者は立って闘おう」と労働者が次々とマイクを握り訴えた。3・20集会を訴えるチラシ500枚をまき、賛同署名35筆を集めた。
「いまだ就職口も決まらない」という大学4年生は「新自由主義が世界をダメにした」と怒りのメッセージを書いた。「戦争反対!」と叫んで小学生の集団が署名した。動労千葉物販をやっている職場の労働者や、元全共闘も署名に応じた。「自民党や民主党にだまされ続けだ」と怒りをぶちまける中年男性など、反応はすごい。
街宣に先立って、労組交流センター事務所で「3・20闘争をいかにかちとるか」という討論会を行った。
国労闘争団の羽廣憲さんが、2・1〜2動労千葉ストと2・13国鉄全国闘争で1047名解雇撤回・JR検修全面外注化阻止闘争が2010年決戦の突破口を切り開いたことを明らかにし、3・20集会の意義を訴えた。
これ受けて3・20闘争や5月沖縄行動の訴え、「今日は民主党・連合政権打倒を訴えよう」という意見が出された。さらに「社保庁分限免職処分を許さず国鉄決戦と一体で闘おう」「今、労働組合が問われている」「団結して闘えば勝てると訴えよう」「青年の獲得に重心をおいて闘おう」と、それぞれが今後の決意を語り、街宣に決起した。
(福岡・A)
(写真 3・20集会へ結集を呼びかけ街頭宣伝。マイクで訴えるのは国労闘争団の羽廣憲さん【2月21日 福岡市天神】)
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週刊『前進』(2429号7面3)(2010/03/01 )
アフガンでの掃討戦弾劾
米帝―侵略軍は撤退せよ
米帝―国際帝国主義のアフガニスタン侵略戦争も、イラク侵略戦争の泥沼的危機に続き長期化・泥沼化・敗勢の様相を強めている。昨年12月のオバマの包括的戦略(新戦略)は早くも破産の危機にたたき込まれている。
2月13日、米軍・NATO軍主導のアフガン国際治安支援部隊(ISAF)にアフガン軍を加えた1万5千人の大部隊がアフガン南部諸州でタリバン掃討作戦を開始した。01年10月アフガン開戦以来最大の軍事作戦だ。これは米帝オバマの新戦略の一環である。新戦略は駐留米軍を3万人増派して今年7月までに10万人にし、11年7月から米軍のアフガン撤退とアフガン軍への権力「移譲」を開始することになっている。
ところが掃討作戦開始の翌日から米軍などの誤射・誤爆で民間人が犠牲になる事件が次々と発生、10日間で少なくとも51人の民間人が死亡した。これに怒ったアフガン人民は「米軍の活動停止」を求めて反米・反政府デモに次々と立ち上がっている。
ISAFのマクリスタル司令官は民間人を反政府勢力と誤認したことを認め、ひとまず「謝罪」したが、その一方でNATO軍は「武装勢力への応戦」として居直っている。
だが緒戦の失敗でタリバン掃討作戦の期間延長と新戦略の破産は必至となっている。マレン米統合参謀本部議長は「いくつかの場所では敵との戦闘が予想以上に激しい」と語った。ペトレアス米中央軍司令官は21日、タリバンは「手ごわい」と認め、今回の作戦は「1年から1年半続く軍事行動の最初の作戦」と取り繕った。
そもそも駐留外国軍の死者は今年に入り91人(うち米兵は54人)に上る。過去最高だった09年1〜2月の49人の倍以上だ。今年の死者の52人が手製の即席爆弾装置(IED)によるものだ。
01年10月アフガン開戦以来の駐留外国軍全体の死者は2月22日、1657人(米兵は1千人)に達した。開戦後最悪だった昨年は520人(米兵は316人)だ。
1月28日のアフガン問題国際会議(ロンドン)では、駐留外国軍からアフガン軍・警察への治安権限の移譲プロセスを今年から始めることや、来年10月までにアフガン軍を約17万人、警察を約13万4千人の態勢にするとの目標を掲げた。反政府勢力タリバンの元兵士の「社会復帰」でも合意した。
日帝はインド洋での給油活動を終える代わりに今後5年間で50億j(4500億円)の財政支援を行うと表明した。日帝は02年以来アフガンに2千億円を投入した。昨年は400億円を「民生支援」として投入、アフガン警察8万人の半分の人件費を賄った。カルザイ政権を支え、米帝のアフガン侵略戦争の重要な一翼を担っているのだ。鳩山はISAFへの自衛隊派兵の機会をもうかがっている。
19世紀に英軍が、20世紀にソ連軍がアフガン侵略戦争に手を染め、惨めに敗退した。アフガンは今や「オバマのベトナム」になりつつある。アフガンとイラクから米帝―国際帝国主義の侵略軍隊をたたき出し、世界革命を切り開くために、万国の労働者は団結し、3・20イラク反戦7周年全世界一斉デモの大爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2429号7面4)(2010/03/01 )
連合ダラ幹の屈服打破を
10春闘が本番情勢に突入
自動車や電機などの金属大手の労働組合が春闘の要求書を一斉に提出した。3月17日の金属大手の集中回答を焦点に、中小を含む全労働者階級を巻き込んだ10春闘本番情勢に突入した。
世界大恐慌が本格的に進行する中で闘われる今春闘は、日本の労働者階級と資本家階級が賃金と雇用をめぐり互いにその存亡をかけて激突する一大階級決戦である。
大恐慌に追いつめられた資本家どもは、昨春闘での連合中央の屈服により一部で強行された「定期昇給凍結・延期」の動きをより加速させ、今や「定昇凍結・廃止」にまで踏み込んできている。企業にとって定昇を実施しても「総額人件費」は変わらない。だが労働者階級にとって定昇凍結とは、生涯年収の減少と生活設計破壊を意味する大攻撃だ。ましてや定昇制度廃止などというのは、戦後の労資関係の転覆を意味する大反動であり、ゼネストを対置して闘わなければならない課題である。
だが連合各単産の指導部どもは日本経団連の「定昇凍結・廃止」恫喝に震え上がり、統一賃上げ要求を放棄するだけでなく「定昇実施」をお願いする屈服ぶりだ。大手の統一ベア要求放棄は、定昇制度のない中小での賃闘を困難に追い込むものであり許し難い。
世界大恐慌の中で日本航空が破綻し、トヨタも企業存亡の危機に立たされている。追いつめられた資本家どもは既存の関係をぶち壊してでも延命しようとあがいている。そんな連中に、「定昇は労使が制度として構築したもの。これを実施しないということは大きな問題だ」(連合・古賀会長)などと、闘わずに「約束違反」をなじっているのが連合ダラ幹だ。
定昇制度は連合中央が言うように平和的に労資が約束したものなどでは断じてない。「経労委報告」自身、「戦後の経済混乱、急速なインフレなどを背景に成立した賃金体系(電産型賃金)は年齢給を基礎とし、定期昇給の普及のきっかけとなった」と認めるように戦後革命期の1946年に「10月闘争」と呼ばれる電産争議を頂点とした激しい闘いで資本家階級に譲歩を強制したのが出発点だ。
定昇廃止は労働者階級が戦後革命のただ中で血と汗で獲得したこの「生活できる賃金」というあり方を解体する大攻撃だ。それは95年の日経連「新時代の『日本的経営』」にある9割の労働者の非正規雇用化をとおして戦後の終身雇用制と年功賃金を解体する民営化=労組破壊の攻撃そのものだ。
新自由主義攻撃が吹き荒れたこの10年間で賃金は7・6%も低下し、非正規雇用は3分の1を超えた。さらに「派遣切り」に象徴される大量解雇攻撃が吹き荒れている。まさに労働者階級は闘わなければ生きられないし、怒りは地に満ちている。動労千葉派・11月集会派が体制内労組幹部を打倒して労働運動の主導権を握ることが待ったなしに求められている。
その闘いは動労千葉の2・1−2ストと2・13JR東日本本社デモとして開始された。3・1動労千葉第2波ストからさらに国鉄1047名解雇撤回・検修外注化阻止、第2次国鉄決戦に総決起しよう。連合・全労連中央の裏切りを弾劾し、一律大幅賃上げ、春季ゼネストを掲げ、10春闘を闘おう。
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週刊『前進』(2429号8面1)(2010/03/01 )
“力合わせ裁判員廃止へ”
大運動が声明 名簿記載者が「拒否」宣言
2月19日夕、「裁判員制度はいらない!大運動」の記者会見が東京・霞が関の弁護士会館で行われた。
昨年5月に裁判員制度が強行されて約9カ月が経過したが、裁判員制度の反人民性は完全に明らかになった。全国で反対運動が燃え上がっている。ところが最高裁は2010年も約35万人に裁判員候補者の通知を送り、裁判員裁判を強行しようとしている。
(写真 裁判員候補者名簿に載った労働者らが会見。「拒否します」ときっぱり【2月19日 東京】)
現状を明らかにし、名簿記載者の怒りの声を全国に届けようと記者会見が開かれた。
冒頭、「大運動」事務局の川村理弁護士が、各界の呼びかけ人16氏の連名で出された「制度廃止を求める声明」を読み上げた。「破綻に瀕(ひん)している裁判員制度を依然強行しようとする最高裁・法務省の姿勢はけっして許されるものではない」「厳しく抗議するとともに、あらためて広く国民の皆さんに裁判員制度の廃止を強く訴える」
続いて候補者名簿に記載された労働者らが発言し、拒否の意思をきっぱりと表明した。
宮城の労働者Tさんは「私の名前が勝手に名簿に載せられたことに抗議し、裁判員となることを拒否します。非常に迷惑です」と述べた。
神奈川の主婦Aさんは「個人的にいろいろな人の意見を聞く機会がないのに、私には重すぎる。拒否するつもりです」と述べた。
東京北部ユニオン「街」分会のMさんは、「組合員2人に通知が届いた。勉強会を開き、この制度はいらないと確信した。国の決めたことだから従えと言われることに怒りを覚える」と述べた。
動労千葉執行委員の川崎昌浩さんは、「組合員4名、家族1名に通知が来た。話し合って”拒否すべきだ”と通知を送り返した。国家権力に労働者がくみすることは戦前の産業報国会の道です」「私たちの組合は電車の運転士の組合です。人を死刑にするかも分からない精神的重圧の中で列車を運転することは危険極まりない」「労働者の間に秘密があってはならない。裁判員制度の守秘義務は労働組合の団結を破壊する」と述べた。
続いて、昨年の裁判員候補者2人が拒否を貫いて闘った経験を語った。千葉の男性は「拒否しても裁判所から出頭・過料の通告は来ていない。自分の生き方を守れて良かった」と確信をもって語った。東京の女性は「殺人事件被害者の傷の写真まで、なんで私たちが見なければいけないのか。つらい思いをしたくない。皆さん、逃げる勇気を持ってください」と呼びかけた。
”5・18集会に集まろう”
さらに大運動の呼びかけ人が発言した。交通ジャーナリストの今井亮一さんに続き、高山俊吉弁護士は、「二つのことを言いたい」と発言した。
一つは、裁判員の出頭率が急速に落ちてきたこと。3割を割る裁判所も出ている。秋田では裁判員が「裁判員制度反対」のたすきを掛けて出頭し、岐阜では裁判員が「徴兵制のようだ」と記者会見で発言した。多くの市民がもう制度に背を向けている。
二つ目は、裁判の現場がまひ状態になっていること。昨年の起訴1200件中、判決できたのは138件にとどまっている。5月までにさらに800件が起訴されて、7月までに1800件も判決できるか? 到底できない。裁判所の職員は悲鳴を上げ、被告人は延々と待たされている。
高山弁護士は以上のように状況を明らかにした上で、「裁判員制度はこの国を戦争の方向にもっていく攻撃だ。力を合わせて廃止に追い込もう。5・18大集会でその力を示そう」と結んだ。
記者会見後、「大運動」の実行委員会が開かれた。全国の労働者・民衆と団結して反対運動を強めること、そして5・18大集会(日比谷公会堂)の成功へ、全力で闘うことを誓いあった。
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週刊『前進』(2429号8面2)(2010/03/01 )
国鉄闘争は世界をつなぐ
2・13集会/海外の連帯メッセージ
動労千葉、動労水戸など5団体の呼びかけで開かれた2・13全国労働者総決起集会には、世界の闘う労働組合、労働者から連帯のメッセージが寄せられた。その中から韓国の民主労総ソウル地域本部、大韓民国全国鉄道労組ソウル地方本部、アメリカの運輸労働者連帯委員会(TWSC)のメッセージを紹介します。ほかにアメリカのATU(合同都市交通労組)第1555支部運転士のハロルド・K・ブラウンさん、AMFA(航空整備士労組)ローカル33のテッド・ルードウィックさん、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル52のマイケル・フォードさん、韓国・釜山の地下鉄労働者、フィリピン労働党からも連帯のメッセージが寄せられた。(編集局)
全国民主労働組合総連盟ソウル地域本部
国鉄1047名解雇撤回と検修・構内業務外注化阻止、反合理化・運転保安確保に向けた2・13全国労働者総決起集会に参加された動労千葉を始めとする闘う労働者の皆さんに、熱い連帯のあいさつを送ります。トゥジェン!
動労千葉の「闘争宣言」から始まった同志たちの今回の大闘争は、23年前の闘いの歴史と精神を継承する闘いであり、労働者の未来を切り開く、新たな闘いとなるでしょう。誰よりも韓国の同志たちが皆さんの闘いを見守り、連帯の意志を打ち固めているという事実を忘れないでください。
資本は、資本主義の危機の責任を「解雇」という名で労働者に転嫁しています。労働者にとって死亡宣告ともいえる、あらゆる形態の解雇を禁止するためにも、これまでに強行された不当な解雇は当然にも撤回されなければなりません。国鉄1047名解雇撤回闘争がその中心にあります。
また、資本は「費用節減」の名のもと、無分別かつ一方的な外注化を推進しています。外注化は間接雇用を拡大し、労働者の雇用不安と労働条件の低下、人員削減はもとより、労働組合を破壊します。さらに、公共サービスの質を低下させ、民衆の安全を脅かします。今すぐ外注化策動を中止させなければなりません。同志たちの検修・構内業務外注化阻止闘争こそ、まさにその中心にあります。
民主党−連合の連合勢力が労働者民衆の代案たりえないのであれば、まさに代案は労働者民衆、われわれ自身です。解雇・私有化(民営化)・外注化・合理化に要約される労働組合破壊、労働者の生存権抹殺攻撃に対し、2010年、熱い春を準備しましょう。再び敗北することのない労働者の闘いの新たな歴史を切り開きましょう。労働者はひとつだ! この言葉を忘れないようにしましょう。正規職・非正規職・派遣労働者の別なく団結し、闘っていかなければなりません。日韓労働者の連帯闘争、世界の労働者の連帯闘争は、言うまでもなく重要です。
今、韓国でも鉄道労組や全教組、公務員労組に対する労組弾圧が激しく強行されています。労組法の改悪で労働組合運動を徹底的に無力化しようとしています。ですが、これに対する労働者の怒りに満ちた反撃も、一寸先がどうなるかも分からないほど躍動的な状況です。今春のゼネスト・総力闘争はすでに不可避です。同志たちとともに熱い春をつくって行きます。次回のメッセージでは、感動と勝利のあいさつを交わしましょう。
労働解放!
大韓民国全国鉄道労働組合ソウル地方本部
同志の皆さん、こんにちは!
日本の動労千葉の同志たちの闘いに連帯を表明します。
資本の危機を克服しようと絶えず労働者の犠牲を強要しているのが世界的な資本主義国家の趨勢(すうせい)です。この先も資本主義の危機はさらに進むため、労働者の闘いはますます頻発するでしょうし激烈化するでしょう。ですが、労働者の団結と闘争は資本の攻撃に比べて立ち遅れています。
われわれは、日本の鉄道私有化が、資本の危機を克服するための新自由主義の生けにえであったことを知っています。そしてその過程で多くの英雄的な闘いと犠牲があったことも知っています。
にもかかわらず資本の攻撃は絶えることなく、それに対してまた再び闘わんとする動労千葉の同志たちの決断に、敬意とともに同志的連帯の情を送ります。
同志たちの闘いは、すべての闘いがそうであるように、つらく困難でしょうが、最後には勝利するでしょう。闘争を決意したこと自体が半分の勝利だと確信します。
動労千葉の同志の皆さん! がんばってください。われわれは、「万国の労働者、団結せよ!」は真理だと確信します。
同志たちの健康と勝利を祈ります。
アメリカ・運輸労働者連帯委員会(TWSC)
兄弟姉妹の皆さん、運輸労働者連帯委員会は、1047名国鉄労働者の解雇撤回を要求して開催される2・13集会に心より賛同します。私たちは、鉄道労働者のみならずすべての公務員労働者にかけられている民営化攻撃に反対します。
アメリカの運輸労働者も厳しい労働条件の改悪と解雇攻撃にさらされており、日本における皆さんの行動は、日本の鉄道労働者のみならず世界の労働者にとって、闘いの一歩前進となっています。
民営化と規制緩和の直接的な結果である健康と安全の解体攻撃は、すべての運輸労働者にとって普遍的な重大問題です。アメリカでは死亡を含む労働災害が増加しており、旅客機墜落の増加も運輸産業における規制緩和と、適正な訓練や安全の崩壊の不可避的な帰結です。
日本における攻撃と同じように、アメリカ政府は、とりわけ移民労働者と港湾労働者に照準を合わせ、労働運動全体への攻撃を「対テロ戦争」の名で激化させています。運輸労働者連帯委員会は運輸労働者身分証明カード(TWIC)など、組合の独立を奪い去り労組破壊を狙う資本の立場を強化する手段に反対して闘ってきました。
皆さんの闘いの成功を祈るとともに、ともに闘うことをお誓いします。
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週刊『前進』(2429号8面3)(2010/03/01 )
韓国鉄道労組 4月ゼネストへ
労組弾圧に怒りの反撃
昨年11月、韓国鉄道公社による一方的な団体協約破棄の通告に対し、9日間のストで闘った全国鉄道労組は、2月23日の拡大争議対策委員会で4月末ストライキを含む総力闘争を決議し、団体協約が失効する5月24日を前に総力闘争に入る。
キムギテ委員長ら労組幹部への逮捕令状の発付・拘束、捜索・押収、96億ウォン(約7億6千万円)の損害賠償請求、さらに労組幹部170人余りの解雇、スト参加組合員1万3千人のうち8千人余りを懲戒委員会に回付し譴責(けんせき)・減給などの懲戒処分をかけてきた。スト直後からソウル龍山(ヨンサン)や大■(テグ)などの一部地域では団体協約に違反して組合員が非縁故地に転出させられた。
その上、06年3月の鉄道ストライキに対する損賠100億ウォンの執行に乗り出し、不動産差し押さえと競売、組合費通帳まで差し押さえる暴挙に及んでいる。
この大規模懲戒と100億ウォン損賠攻撃に対して、労組は猛反撃に立った。1月冒頭から全国主要駅と現場で1人デモやテント座り込み、街頭宣伝を闘っている。
ソウルではハンスト籠城(ろうじょう)、零下26度の堤川でのテント座り込みなど、厳寒下に熱い闘いが続いている。1000万ウォン募金運動も高揚している。退職金を清算し、借金をし、中には1億ウォンを拠出した組合員もいる。公共運輸連盟も募金決議で応じるなど2月中にも100億ウォンを達成する勢いだ。
全国運輸産業労組貨物連帯、建設労組なども対政府総力闘争を決めており、4〜5月ゼネストへ向かっている。
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週刊『前進』(2429号8面4)(2010/03/01 )
第2次再審勝利へ
沖縄労働運動の力で
新パンフは決定的な武器 労組に広め星野奪還する
沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会 真喜志康彦
展望見えてきた
昨年11月27日に提出された第2次再審請求書とそのパンフ『星野文昭さんを自由に』の発行は、決定的な武器になると確信します。このパンフを読んだ人、これから読まれる人も、一人の例外もなく星野さんの無実・無罪を確信させずにはおかない渾身(こんしん)のパンフです。
私が「沖縄万人(うまんちゅ)の力で星野さんを取り戻す会」の代表になって、まだ半年。まったく暗中模索の状態でした。そこに、星野第2次再審パンフが発行され、がぜん、勝利の展望が光り輝くようになりました。
星野さんの陳述書の冒頭は、「私は無実だ。私はやっていない。中村巡査への殴打をしていない。火炎びん投てき命令をしていない。これは一点の曇りのない真実だ」と始まっています。そして、再審請求書の展開は、万人をも納得させる科学的な論証で無実・無罪を実証しています。
2008年7月14日の最高裁による特別抗告棄却決定は、やはり「脆弱(ぜいじゃく)であった」こと、そこが弱点であり、そこに切り込んでいくことで逆に星野さんの無実が証明されているということです。
棄却決定は、「申立人の服装が薄青色の上着であった可能性が高く、この点に関するKr供述(きつね色ないし同系統の色の背広上下を着ていた)には誤りがあったと認められる」としながら、「機動隊員を殴打した者について……申立人を指しているものと解され、……申立人以外の者の犯行を示しているとはいえない」と、何がなんでも星野=有罪を決定したのです。
ところが、今回提出の27の新証拠(写真)に、Kr供述の「きつね色の服」を着たデモ隊員がはっきりと写っているのです。さらに、薄青色の背広を着た星野さんの写真も証拠として提出されています。その右手には、新聞紙で包んだ鉄パイプが握られています。しかし、新聞紙は破れたり、破損したりはしていません。これが何より星野さんが機動隊員を殴打していないという、決定的な事実を証明しています。
第2次再審請求パンフは、再審弁護団と再審事務局が渾身の力で作成した最大の武器として、威力を発揮するでしょう。このパンフを学習し、星野さんの無実・無罪を心の底から確信して、星野第2次再審闘争を沖縄で闘う決意です。
(写真 昨年11月1日、東京で開かれた全国労働者集会の後、デモする「沖縄の会」代表の真喜志さん)
基地闘争と一体
星野さんたちが40年前に闘った沖縄闘争が今、普天間基地移設をめぐって、沖縄―全国を揺るがす闘いになろうとしています。自民党政権が打倒され民主党・連合政権になっても、沖縄問題―基地問題―日米安保問題を解決することはできません。この問題を真に解決する道は、「普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設絶対反対」を貫き、階級的労働運動をよみがえらせることです。
1970年代の沖縄返還闘争では、10万人を超える2度の全島ゼネストが闘いとられました。その先頭で闘っていたのは、自治労・教組・全軍労の組織された労働組合でした。星野第2次再審闘争も、労働運動と結合したときに勝利がかちとられます。星野パンフを学習し、それをあらゆる労働者人民に販売し、第2次再審闘争を爆発させるために全国のみなさんとともに闘います。
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週刊『前進』(2429号8面5)(2010/03/01 )
法大弾圧裁判
暴処法弾圧 仲間を売る者に怒り 玉聞の裏切り絶対許さぬ
2月22日、法大暴処法弾圧裁判の第9回公判が東京地裁刑事第1部で行われた。
この日は、法大OBで本件当日に被告人と行動をともにしていたという玉聞(ぎょくぶん)祐樹が、検察側の証人として登場した。玉聞は、法大闘争に分断を持ち込む最悪の裏切り者として、5人の被告人と全法大生に敵対する証言を行った。
まず、藤田正人主任弁護人が「玉聞証人は、検察官との事前の打ち合わせを十数回も行った上、本件当日一緒にいた学生たちに自ら何度も聞き込みを行った事実が判明している。証人がデッチあげ証言をすることは明白だ」と釈明を求めた。検察官は回答を拒否し、事実を認めた。
外濠校舎出入り口の看板を引き下ろしたという行為について、玉聞は「死角になっていたので詳しく見ていない」し、正門前とボアソナードタワー門前の行為に関しては、「トイレやコンビニに行って離れていた」ので何も目撃していない。それなのに、「被告人が犯人であること」を立証しようとする検察側の策略は、根本で破綻しているのだ。
一方で、玉聞は「その日、一緒に集まった仲間が約20名いた」とし、その名前をスラスラと並べ立てた。初対面だったり、居たのかどうかすら覚えていない人物の名前まで含んでいる。
そして、検察側は監視カメラの粗い静止画像を見せ、玉聞に解説を求めた。すかさず弁護団と被告団が「異議! 証人が体験していない事実を述べさせることは許されない。画像の解釈や意見を求める尋問をやめよ」と追及した。追い詰められた検察官古井は「面割りのためだ」と思わず口走った。事前に教え込んだ「犯人」の名前を、不鮮明な画像に当てはめさせたいだけだ。こんなもののどこが立証か、どこが裁判か。
しかし、河合健司裁判長は次々と異議を退け、デッチあげ尋問を促した。断じて許されない。
玉聞は、サークルの学習会などに参加し、法大当局を批判する学生たちと一定の交流をしてきた人物だ。しかし、反対尋問に対し「法大で学外者が逮捕されてもどうでもいい。私は全学連や文化連盟とは相いれない。他人事としか思えない」と言い放った。検察官に進んで協力する異様な姿は、本当に許し難い。
次回、玉聞への本格的な反対尋問に入る。法大闘争に敵対し、闘う仲間を売り渡す裏切り者を許さず、断固闘おう。
4・24弾圧 “歴史が我々を無罪に” 斎藤君が堂々の証言
2月23日、法大4・24解放闘争裁判の第10回公判が東京地裁刑事第17部で行われた。
冒頭、内海佑一君が2・5弾圧の6学生釈放を訴えるとともに、22日の暴処法裁判での玉聞証人によるデッチあげを徹底的に弾劾した。
すると、検察官が異議を出し、登石郁朗裁判長がすかさず意見表明を中断させ、抗議した内海君を退廷させる暴挙に及んだ。断じて許されない。
恩田亮君に対し、検察側が反対尋問を始めたところで裁判は続行となっていた。完全黙秘の恩田君への尋問など無意味だ。弁護人の異議に、検察官岡本は「黙秘をすることのリスクを認識させる尋問をしたい」と公言した。黙秘権の侵害と転向強要そのものだ。弁護団と被告団、傍聴席からの激しい怒りで不当な尋問を粉砕した。
続けて、斎藤郁真君の被告人質問が開始された。入学以来の体験をとおして、法大生が文化連盟のもとに団結し、闘いの先頭に立っていった経緯が明らかになった。
07年に「学友会解体反対」の声を上げ始めた斎藤君と友人には、入構チェックや、一方的な演説禁止や、親の呼び出しが襲いかかった。一方、08年5・29デモを先頭でやり抜いた時には、33人の学生が逮捕される中、斎藤君だけは選別的に排除された。法大生の決起をもみ消すためだ。斎藤君は「170時間のハンストを闘い、5・28、29弾圧への抗議と、3・14弾圧以来の学生支配をやめることを要求した」。命がけの決起と正義性に圧倒された法大当局は、「批判の声を上げる学生を特別扱いしない」と苦し紛れの弁明を行った。しかし「翌日には、入構チェックなどの弾圧が再開された。大学の正式回答として、ウソをついた。闘いを継続し、10・17集会を構えた」。
その後、法大当局は斎藤君や恩田君を無期停学処分とした。一片の道理もない処分と「営業権」を掲げた学生弾圧への怒りが頂点に達した。4・24集会は「キャンパス封鎖を打ち破り、ついに学生との合流を実現した」。
最後に斎藤君は「この現状をひっくり返すために闘う。教育は商業ではない。歴史はわれわれを無罪にする」と締めくくった。
倉岡雅美さんの被告人質問が続けて開始され、次回へ続行となった。
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