ZENSHIN 2010/02/01(No2425 p08)
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週刊『前進』(2425号1面1)(2010/02/01 )
検修全面外注化阻止! 1047名解雇撤回!
2・13JR東本社に大デモを
普天間基地は即時全面閉鎖だ
国鉄―三里塚・沖縄―法大決戦の爆発で小沢・鳩山政権を倒そう
強制配転・外注化やめろ 動労千葉は1・22総決起集会後、JR千葉支社に徹底抗議。48時間ストへ闘争態勢を固めた
2月1日〜2日、動労千葉は「検修・構内外注化・館山派出廃止絶対反対! ライフサイクル撤廃! 滝君・小沢君への不当配転許すな!」を掲げ、怒りの48時間ストライキに立ち上がる。滝組合員に対するライフサイクルでの津田沼駅への強制配転、幕張支部の小沢副支部長に対する千葉派出への強制配転は絶対に許せない! JR検修全面外注化を粉砕し、平成採の青年労働者を獲得し、JR体制打倒に攻め上る決戦の火ぶたが切られた。動労千葉のスト決起に続き、2・13全国労働者総決起集会5000人の大結集をかちとり、10春闘の爆発で国鉄決戦の勝利と民主党・連合政権打倒をかちとろう。
分裂と対立深める支配階級
世界大恐慌はいよいよ激化し、ドル大暴落と帝国主義戦後世界体制の崩壊へと突き進んでいる。すでに大恐慌は大失業の増大と戦争の激化をもたらし、革命的情勢を成熟させつつある。この中で米帝オバマは一般教書演説で「輸出倍増」「雇用創出」を前面に立て、国益追求と保護主義に突っ走ろうとしている。
崩壊した自民党に代わって登場した民主党・連合政権もガタガタだ。小沢金権問題で危機に立つ民主党・連合政権が、日米争闘戦の激化と日帝支配階級の分裂・対立・死闘の中で、自民党以上に戦争と改憲、民営化と労組破壊を凶暴に進める政権であることが完全にあらわになっている。
社会保険庁の正規・非正規労働者2万人の首切り強行、経営破綻したJALの労働者1万5700人の首切りと企業年金の半額化の強制をみよ。1月24日の名護市長選挙での辺野古新基地建設反対派の当選に対しては、官房長官・平野は「地元の合意がなくとも法律的にやれる」と、あくまで辺野古への新基地建設を強行する意志をむき出しにしている。
1月19日に出された経労委報告は、政府はもっと企業にカネを回せという盗っ人たけだけしい要求とともに、ベアゼロどころか定昇制度解体、扶養手当・家族手当の廃止をもってむき出しの賃下げを呼号している。
こうした日帝国家権力・資本の攻撃に真っ先にさらされ、職場を奪われ未来を奪われた2000万青年労働者に、激しい怒りが渦巻いている。
ライフサイクル粉砕、検修全面外注化阻止、1047名解雇撤回の国鉄決戦は、仲間を求め、団結を求め、闘いを求める平成採を先頭とする青年労働者が、階級的労働組合と労働者党に結集し、この大動乱の主導権を握り、一個のプロレタリア権力として公然と躍り出る壮大な闘いである。連合という労働組合の既成指導部を政権中枢に深々と取り込み、その力に依拠して労働者階級の怒りの決起を抑え込む以外に支配を継続する手段を持たないのが現在の日帝だ。これこそ日帝の弱点だ。ここを攻めて攻めまくり、青年労働者を先頭に労働組合をめぐる死闘に徹底的に勝ち抜き、民主党・連合政権打倒へ一気呵成(いっきかせい)に突き進もう。
動労千葉の48時間スト突入はその先陣を切るものだ。1月23日の教研集会では、民主党政権の支柱となることを宣言した日教組本部に対し、打倒を呼びかける現場組合員の怒りの決起がたたきつけられた。
動労千葉など国鉄闘争を闘う5団体が呼びかける2・13全国労働者集会への5000人決起を何としてもかちとり、11月集会派が全階級情勢を揺るがす闘いに突入しよう。2月13日、東京・代々木公園に総結集し、JR東日本本社包囲の大デモに立とう。
9割非正規化攻撃うち破れ
検修業務全面外注化阻止の闘いは、第一に、動労千葉、動労水戸の拠点である幕張車両センター、勝田車両センターなどの職場丸ごとの廃止、団結解体攻撃への死活的総反撃を突破口に、JR体制打倒、民主党・連合政権打倒へと攻め上る闘いだ。
この外注化攻撃は、大恐慌と動労千葉を先頭とする11月集会派の圧倒的前進に追いつめられた敵のあがきであり、日本労働者階級の「最強の拠点」というべき動労千葉の幕張と、動労水戸の勝田が主戦場だ。ここで団結の拡大としての組織拡大、平成採の青年労働者の獲得することであり、それこそが敵にとって最大の打撃になる。ここに一切をかけて、4大産別を始めあらゆる産別・職場にかけられてきた民営化・外注化、首切り・合理化の攻撃に対する一大反撃を切り開こう。
第二に、検修全面外注化阻止は「9割非正規職化」との闘いであり、95年日経連プロジェクト報告以来の攻撃との天王山をなす闘いだ。外注化は民営化とともに新自由主義の中心的攻撃であり、今日の貧困と格差をつくりだしてきた元凶は外注化−非正規職化の攻撃だ。
国鉄分割・民営化以来、日帝資本と労働者階級の関係を決めてきたのは一貫して国鉄・JRでの攻防であり、JRのやってきたことが資本攻勢のスタンダードになってきた。それに先行するNTTは本社3社と347社の子会社に細分化され、労働者は50歳で全員退職を強要され、賃金3割カットで子会社に転籍させられた。NTT本体にはすでに十数%しか労働者が残っていないところまで徹底してやられた。
しかもこうした違法行為に合法性を与えてきたのが体制内労組指導部だ。4者4団体の転落も、2001年から始まった業務外注化攻撃への屈服と表裏一体だ。
動労千葉は、業務の外注化と定年後の再雇用を抱き合わせにしたシニア制度の締結を断固拒否し、千葉支社管内での検修・構内外注化を8年間にわたって阻止しつづけてきた。そして国鉄1047名解雇撤回闘争は、4者4団体派による闘争終結策動をうち破り、大恐慌−大失業攻撃に立ち向かう労働者階級の結集軸として、再び断固としてうち立てられた。外注化阻止決戦の爆発の中でこそ、1047名解雇撤回闘争の歴史的勝利を切り開こう。
青年労働者・学生を先頭に
第三に、検修全面外注化阻止決戦は、反合理化・運転保安闘争路線の真価をかけた決戦だ。それは、動労千葉の反合・運転保安闘争路線を国鉄決戦と階級的労働運動の基軸的路線として確立し、4大産別に動労千葉派の拠点職場・拠点組合を拡大し、労働運動全体を獲得する闘いだ。
反合・運転保安闘争路線のもとでこそ、労働者は階級的に団結して闘うことができる。安全問題と合理化問題は完全に一つだ。資本の目的はより大なる利潤の追求であり、労働者からとことん剰余価値を搾り取ることにある。しかも資本は安全よりも利潤を優先し、労働者をヘトヘトになるまで働かせ、事故が起きたら労働者に全責任を負わせようとする。
この合理化に反対することは、資本主義を否定し、資本の運動を止めることとまったく同じだ。既成の体制内労働運動はすべて、合理化攻撃の前に妥協を重ねて屈服していった。動労千葉はそうした体制内勢力の限界を「安全」「運転保安確立」のための闘いと結びつけることで突破した。反合・運転保安闘争の路線を貫き、実際に事故を起こした仲間を労働組合として守りきる闘いをやり抜いた動労千葉――ここで培われた組合員の不動の確信と団結力こそが、動労本部からの分離独立をかちとり、国鉄分割・民営化攻撃を粉砕する原動力となったのだ。
2010年の決戦は、2000万青年労働者の獲得をめぐる攻防をますます激化させている。労働組合をめぐる死闘の最激突点は、青年労働者の組織化・獲得だ。
1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止決戦の爆発と勝利は、国鉄労働者を始め青年労働者を先頭とする壮大な階級的決起を巻きおこす。その中で8同志を奪還した法大闘争を先頭とする学生の決起は必ず爆発的に拡大していく。この青年労働者・学生を先頭とする力こそが、三里塚農地死守の闘い、沖縄労働者階級人民の決起とも結びついて、小沢・鳩山民主党政権打倒の大決戦を引き寄せる。
2・13集会5000人結集はその突破口だ。全力で決起し今春決戦の歴史的勝利を押し開こう。
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週刊『前進』(2425号1面2)(2010/02/01 )
辺野古新基地絶対阻止へ
名護市長選で決戦化する沖縄
沖縄・名護市長選は、「普天間基地の辺野古への移設に反対」を掲げる稲嶺進氏が、基地容認の現職・島袋を破って当選し、明確な形で基地建設反対の名護市民の意志を示した。この勝利で日本の階級闘争は、新たな激動的・非和解的過程に突入した。昨年11・8県民大会に続いて、普天間基地即時閉鎖・新基地建設阻止へ、全面的大決戦期の到来である。
世界大恐慌下で、日米帝国主義間の矛盾と争闘戦はますます激化し、日米同盟の強化・深化をめぐるきしみが大きな焦点になっている。1月19日に外相・防衛相連名(2+2)で出された安保改定50年の日米共同声明は、日米帝の侵略と戦争への意思表示である。
5月までに決着の対米約束をしている民主党・連合政権は、この選挙結果に消耗し打撃を受けている。平野官房長官は、選挙結果について「斟酌(しんしゃく)しなければいけないという理由はない」と述べ、辺野古移設案を排除しない考えを示した。鳩山も、「ゼロベース」を強調し、辺野古案も含めて検討すると言明した。
平野はさらに、地元合意なしの移設について「十分検証したい。法律的にやれる場合もある」と語り、法的措置の可能性にも言及、辺野古新基地建設の強権発動をも示唆した。岡田外相も北沢防衛相も平野発言を擁護した。沖縄の怒りと闘いに対する真っ向からの敵対は断じて許せない。
平野の暴言は、沖縄に対する凶暴な攻撃だが、同時に、小沢・鳩山政権の抜き差しならない危機と破綻をさらけ出すものだ。民主党は、対米対抗性を押し出すカードとして普天間問題を使ったが、それは日帝のかつてない危機の扉を開いた。
辺野古以外の移設案を絶対に認めない米帝と、辺野古新基地建設を絶対に認めない名護市民、沖縄労働者人民とは、折り合う点がまったくない、非和解的関係だ。
辺野古新基地建設攻撃は14年間、沖縄の労働者人民の拒否によって阻まれてきた。それだけでなく、今日的にも完全に不可能になった。鳩山は辺野古新基地建設の選択肢を残し、場合によっては強行しようとしているが、強行するならしてみろということだ。それは文字どおり、沖縄の怒りのマグマを爆発させ、民主党・連合政権を吹っ飛ばすだろう。
また、他の県内案(伊江島・下地島など)はもちろん、一部報道されている本土への移設案(長崎県大村や鹿児島県徳之島など)も、絶対許せない。そもそも労働者人民の要求は、普天間基地即時閉鎖・米軍基地全面撤去であり、「移設要求」などではない。絶対反対なのだ。
昨年の8・30総選挙で民主党が「普天間基地の県外・国外移設」を掲げたのは、ただただ自民党の「対米追随」との差を際だたせ、選挙で勝利するためだった。それはあくまで日米安保同盟の強化を前提としたものだ。
体制内指導部は、「民主党政権になれば辺野古問題は解決する」と幻想をあおってきたが、今やそれは大破産している。それどころか、民主党・連合政権は、日本帝国主義の体制的延命のために、労働者階級に犠牲を強いてくる政権であり、自民党以上に改憲と戦争に突き進む反革命政権である。危機を深め、あがき回る民主党・連合政権を打倒し、プロレタリア革命の道を切り開こう。
沖縄の闘う労働者は、既成の体制内指導部を打倒し、国鉄決戦を基軸に階級的労働運動を職場からつくり出す闘いに取り組んできた。民主党・連合政権下の沖縄闘争は、まさに連合指導部や日共など体制内勢力との激突をとおして発展する。
辺野古新基地建設を海上攻防戦を始めとする実力闘争で阻止してきたのは、地元の住民と闘う労働者・学生だった。この闘いが今日の情勢を規定しているのだ。日帝は「成田の二の舞いにしたくない」と恐怖感をあらわにしている。労働者階級の力で米軍基地撤去、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ前進しよう。
1047名解雇撤回、2・13全国労働者総決起集会に大結集し、国鉄と三里塚・沖縄を先頭に戦争・改憲と民営化・労組破壊の民主党・連合政権を打倒しよう。3〜5月沖縄闘争の爆発を!
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国鉄1047名解雇撤回、検修業務全面外注化阻止、反合理化・運転保安確立!
2・13全国労働者総決起集会
2月13日(土)午後1時開始(集会終了後、JR東日本本社抗議デモ)
東京・代々木公園B地区野外ステージ
〈よびかけ〉国鉄千葉動力車労働組合/国鉄水戸動力車労働組合/国鉄高崎動力車連帯労働組合/国鉄西日本動力車労働組合/動労千葉を支援する会
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週刊『前進』(2425号1面3)(2010/02/01 )
教研集会で日教組本部弾劾
全国労組交流センターの闘う教育労働者は、東北の労働者・学生とともに、山形市で開かれた日教組教研集会の参加者に「首切りと戦争の民主党を支える日教組本部打倒!」を訴える大情宣に立ち上がった(1月23日)=記事5面
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週刊『前進』(2425号1面4)(2010/02/01 )
前進速報版から
▼平口さんが厚労省記者クラブで会見▼自治労中央委前で情宣▼千葉地裁・仲戸川に反対同盟が戦闘宣言▼田端駅前で外注化阻止訴え
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週刊『前進』(2425号2面1)(2010/02/01 )
1047名闘争勝利・検修外注化阻止へ 今こそJR体制打倒!2・13総決起を
尼崎事故を絶対にくり返すな
2・13全国労働者総決起集会は、国鉄1047名解雇撤回を貫き、JR東日本の検修・構内業務全面外注化を阻止する決定的闘いだ。JR東日本の検修外注化攻撃は、鉄道の安全をとことん破壊する。こんなものが強行されたら、首都圏で第2、第3の尼崎事故が起きるのは不可避だ。労働者の未来をかけてJR資本と真っ向から対決し、外注化を絶対に粉砕しよう。
安全崩壊はすでに臨界点
2005年4月25日の尼崎事故は、乗員・乗客107人の命を一瞬にして奪った。これは、国鉄分割・民営化体制=JR体制のもとで、鉄道の安全が根本的に破壊されたことを衝撃的に突き出す事態だった。
だが、JRは安全を一層破壊する外注化・合理化に突き進もうとしている。JR東日本は、08年3月31日に打ち出した「グループ経営ビジョン2020−挑む−」で、駅中ビジネスやスイカ事業など「運輸業以外の営業収益を全収益の4割程度にまで引き上げる」と叫んでいる。鉄道事業をとことん切り捨てるということだ。その戦略的柱に据えられているのが、検修・構内業務の全面外注化攻撃だ。
運行最優先で350人も虐殺!
JR東日本はすでに01年から、保線や電力、信号通信など設備部門の外注化に着手している。これによる安全の破壊は、すでに限界を超えている。その上さらに、車両の検査・修繕部門まで外注化されたら、とてつもない事態が起きる。
保線の外注化で、レールの検査周期は大幅に延伸された。列車のスピードアップが強行される中で、レールにかかる負荷は格段に増えている。にもかかわらず、レールの検査・修理業務はないがしろにされた。
その結果、起きているのがレールの破断や異常摩耗の続発だ。これは、脱線事故につながりかねない重大事態だ。
合理化による矛盾のすべては、労働者にしわ寄せされている。
コスト削減のために業務を外注化し、さらに外注費をたたくという構造の中で、JRの下請け労働者は、まともな安全対策も教育もされないままに無権利・超低賃金で強労働を強いられ、命を奪われている。国鉄分割・民営化以来、350人以上の労働者が事故で殺されたのだ。
昨年12月20日、東北新幹線上野−大宮間の荒川橋梁付近で、JRの孫請け会社の労働者が事故で命を奪われた。線路の補修工事の終了を前に、高架から資材を降ろす作業中、作業用リフトから重さ約20`の鉄製資材が落下し、労働者の頭を直撃した。資材が転落したのは、ゴンドラのロックをかけ忘れたためだ。新幹線の始発が迫る中で、安全よりも作業が優先されていた。
重層的な下請け・孫請けの中で労働者はバラバラに分断され、時間に追われての重労働を強いられている。JRの保線労働者は「一つの業務を複数の会社で請け負っているから、下請け労働者は、別会社の労働者の安全まで考えられない状態だ」と憤る。
08年9月には、東北本線・黒磯駅構内での感電死亡事故と、八戸線・侍浜−陸中夏井間での触車死亡事故が立て続けに起きた。以来、JR東日本は「安全・安定輸送の非常事態」を表明したまま、今に至るもそれを撤回できていない。昨年9月10日にも、東北新幹線仙台駅構内で、架線張り替え作業中の下請け労働者が、架線に胸を強打されて死亡した。
車両の故障は私鉄の11倍に
送電トラブルや信号トラブルなどによる運休や運行の乱れは日常化している。
JR東日本はすでに、検修部門の外注化にも部分的に着手している。その結果、総合車両センター(かつての「工場」)では、修繕されるべき個所が修繕されないまま、故障した車両が営業運転に回されるという事態も起きている。
そうした欠陥が車両センター(かつての「電車区」)での仕業検査で発見され、大事故はかろうじて防がれている。ところがJR東日本は、その仕業検査業務をも外注化しようとしているのだ。
総合車両センターで働く労働者は、「外注化の結果、ディーゼルエンジンに冷却水のホースとエンジンオイルのホースを逆につなげてエンジンの中を水だらけにしてしまう初歩的なミスさえ起きている」と危機感をあらわにする。「外注会社にはJRからの出向者もいるが、今まで13人でやっていた仕事を10人でやらされ、外注先の労働者に仕事を教える余裕はない」と彼はいう。
JR東日本の車両故障の発生率は、私鉄の約11倍だ。「運転台には故障のシールが半年以上も張りっぱなし」と動労千葉の組合員は指摘する。
JR東日本は、動労千葉の破壊を目的に、その拠点である幕張車両センターから仕事を取り上げ、総武快速線電車の検修業務を鎌倉車両センターに移管した。ところが、鎌倉では車両修繕の体制が不十分で、故障したままの車両をそのまま走らせている。
検査切れ車両が営業運転に
JRの車両管理能力の低下も著しい。昨年12月には久留里線で、走行距離50万`ごとに検査しなければならないという規程を破り、検査切れになったディーゼルカーを走らせていたことが発覚した。外注化が強行されたら、JRは車両をまったく管理できなくなる。
とりわけ深刻なのは、車輪の「フランジ」と呼ばれる部分が規程値を超えて摩耗したまま、車両が営業運転される事態が頻発していることだ。これは、まさに列車の脱線につながりかねない危険な状態だ。
1月14日には、常磐線の取手―藤代間で、試運転中の電気機関車が突然動かなくなった。電気機関車が直流区間から交流区間に入った途端に、エンジンが火を噴いたのだ。配線ミスで、1500ボルトの直流が流れるべきところに、2万ボルトの交流が流れたことが原因だった。これは、直接には川崎重工や三菱電機など車両製造会社のミスによるものだが、これらの企業でも派遣・請負という非正規職化が進み、技術継承が断たれている。
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週刊『前進』(2425号2面2)(2010/02/01 )
次々折れるレール
JR北海道千歳線で1月15日、レールに24_の破断が起こり、信号が赤のまま変わらなくなるトラブルが発生した。
この破断部は、08年10月の点検で亀裂が見つかり、レール交換が必要と判定されていたが、交換が実施されないまま放置されていた。
JR京葉線では昨年3月、葛西臨海公園−新木場間で開口30_のレール破断が発見された。しかも恐るべきことに、破断個所の手前にある信号機が「停止」を示す赤になっていなかった。たまたまその日は、保線技術センター員による3週間に一度の定期巡視があったから破断が発見された。その偶然がなければ、破断したレールの上を列車が走り続け、開口部はさらに拡大していたかもしれない。
巡視周期の延伸、スピードアップなどの結果、全国で同様のレール破断が頻発している。
(写真 千歳線で破断した線路【1月15日 恵庭市】)
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週刊『前進』(2425号2面3)(2010/02/01 )
列車車輪が異常摩耗
規定値割れ、脱線に直結
車輪が異常に摩耗した列車が幕張車両センターに入ってくる事態が頻発している。
安全運行にとって車輪のフランジ部分は、生命線ともいえる部分だ。フランジ厚が規程値を割り込んだり、フランジが直立に摩耗する(直摩)とレールに車輪が乗り上げ脱線しやすくなる。08年には、三重県北部の三岐鉄道で「直摩」による脱線事故が起きている。
動労千葉との団交で千葉支社は、この07年〜09年の3年間で7回もの規程値割れが発生していると回答した。他の車両センターでも、軽量化車両導入とスピードアップの結果、フランジの異常摩耗は頻発してきた。
以前は走行距離15万`を基準にして車輪転削(正常な形に車輪を削り直す作業)を行っていたが、今は走行20万`を基準に行っている。フランジの規程値割れはすべて、20万`以上走行した車両で発生している。
現場の転削作業担当者が管理者に対策を求めてきたが、会社側はなにも対策を実施していない。団交での追及に対して千葉支社は、「規程を割り込んでいても、転削して正常に戻せば問題ない」などという、信じられない回答を行っている。
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週刊『前進』(2425号2面4)(2010/02/01 )
外注化は矛盾だらけ
団結して闘えば粉砕できる
鉄道事業は、車両・線路・信号・電気などの設備と乗務員、駅業務などが統合され、一体となって運用されることで初めて成り立つ。その業務をバラバラにし、外注化すれば、鉄道運行のシステムは崩壊し、安全は徹底的に損なわれる。
外注化を強行すれば、至る所で偽装請負が発生することは避けられない。外注会社に業務を請け負わせた場合、本来であれば外注先の労働者にJRは指示は出せない。
だが、事故や輸送混乱時はもとより、鉄道が運行されている限り、これは不可能だ。
ところがJRは、動労千葉との団交で、「(外注先の)作業責任者を介して指示等を行う体制を整備する」ことで偽装請負は回避できると回答した。しかも、その作業責任者は、「必ずしも業務知識が必要だとは限らない。作業管理ができればいい」と言い放った。
こんなでたらめな話はない。08年9月の黒磯駅構内での感電死亡事故は、下請け会社の労働者が、送電がストップされていると思いこんで電気の流れている架線で作業を行おうとした途端に起きた。業務知識のない者の指示で作業をさせたら、こうした労災事故は激発する。JRは、労働者の命などなんとも思っていないのだ。
事故が起きれば外注先の責任にされ、JRは一切責任をとらないのだ。
丸投げ外注化の帰結は転籍強要
検修業務の丸投げ外注化は、JRの現役労働者を外注会社に出向させなければ成り立たない。その先に待ち受けているのは、転籍の強要だ。
JR千葉支社管内では、動労千葉の闘いにより9年間、検修業務の外注化は阻止されてきた。外注会社が請け負っているのは、基本的に車両の清掃だけだ。検修業務を請け負える体制など、外注会社にはない。
すでに外注化が強行されている保線でも、実態は同じだ。
JRは、外注会社が直雇いする「プロパー社員」を育てるとしているが、保線業務の下請け会社「鉄道建設」には、「プロパー社員」は数人しかいないという。実際に作業をしているのは、JRからの出向者と、孫請けの労働者だ。
レールの下の道床を突き固めるマルチプル・タイタンパー(マルタイ)という機械を操作しての作業は、保線にとって欠かせないものだ。だが、数人しかいない「プロパー社員」だけではマルタイの操作もできない。
平成採の反乱でJR体制打倒へ
01年に強行された設備部門の外注化に際し、東労組カクマルは「国労対策の目玉」「(国労を出向先に)出しっぱなしにできないか」と叫んで、これを積極的に推進した。国労本部もまた、一切の抵抗をせず、自らの拠点である保線職場を明け渡して、組合員を資本のえじきに差し出した。
こうした体制内労組幹部の裏切りこそが、すさまじい外注化と安全崩壊を進行させたのだ。
今回の検修全面外注化は、組合を問わずすべての労働者に襲いかかる。とりわけその標的となっているのは、平成採の青年労働者だ。
安全の解体を必ずもたらす資本の合理化と労働者は絶対に非和解だ。
青年労働者の反乱を巻き起こし、団結して闘えば外注化は阻止できる。反合・運転保安闘争を貫く動労千葉とともに闘おう。2・13全国総決起集会に結集しよう。
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週刊『前進』(2425号2面5)(2010/02/01 )
JR西・米子支社を徹底弾劾
伯備線事故4年 集会と街宣
1月23日、JR米子駅前に50人近い労働者の怒りのシュプレヒコールが響き渡った。3人の保線労働者が列車にはねられ死亡した2006年1月24日の伯備線事故から4年、米子・山陰、岡山、広島、関西の闘う労働者・学生はJR西日本・米子支社を徹底弾劾する行動に立った。
事故当日を思わせるみぞれが降る中で、闘いの熱気は冷たい雨雪を吹き飛ばした。正午から米子駅前で街頭リレートークが行われ、2・13集会の賛同署名が1時間で30筆以上集まった。さらに、横断幕を押し立てて米子支社の入口前まで肉薄し、シュプレヒコールをたたきつけた。
(写真 国鉄労働者を先頭に米子支社入口前まで肉薄してシュプレヒコール【1月23日 米子市】)
“国鉄闘争こそ社会変革の闘い”
参加者はその後、米子コンベンションセンターで集会を開催した。動労西日本の組合員が司会を務め、国労共闘米子の労働者が基調を提起した。国労5・27臨大闘争弾圧被告の東元さん、小泉伸さんがユーモアあふれる特別報告。動労西日本の山田和広副委員長は、不当処分撤回の労働委員会闘争を開始したとアピールした。
社保庁解雇撤回闘争を闘う平口雅明さんや、大阪から駆けつけた八尾北医療センター労組の労働者、広島大学の学生が、新自由主義と民営化・労組破壊に対して断固闘おうと訴えた。
さらに、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を闘った山陰の闘士が、日本共産党=スターリン主義の腐敗と堕落、反労働者性を徹底的に暴露・弾劾した上で、「労働者は救済の対象では断じてない。解放の主体だ。ここに闘いの軸を置かないでどうして勝てるのか」と熱い思いを語った。
国労共闘米子の決意表明に続き、動労西日本の大江照己委員長が集会をまとめ、「格差と貧困の現状は、国鉄分割・民営化から始まり今や社会を覆い尽くしている。労働者は闘わないと生きられない。闘いの基軸に座るのは国鉄労働運動だ。それは社会を変える革命運動だ。私たちが呼びかける2・13集会に大結集を」と熱く訴えた。
事故からちょうど4年目の翌24日、山陰の闘う労働者は、JR西労組のペテン的な「安全の集い」に集まる労働者に対し、2・13集会への結集を訴えるタブロイド判チラシを配布した。
すべての責任はJR西にある
伯備線事故の責任の一切は、「稼ぐ」という経営方針のもと、保線業務の合理化による極限的な人員削減の中で、悪天候にもかかわらず工事を強行したJR西日本にある。この事故では、JR本体の労働者3人が殺された。JR西日本は事故当日、線路閉鎖の措置もとらず、列車を走らせたまま、その間を縫って保線作業を行わせた。「定時運行」が一切に優先され、安全は片隅に追いやられていた。すさまじい合理化の結果、線路の両方向に見張りを立てることもできない作業体制が強制され、労働者は、見張りのいない方向から時速100`のスピードで進行してきた特急列車にひかれたのだ。
だがJR西日本は、すべての責任を当時24歳だった現場の労働者に押しつけて、卑劣な生き残りを図っている。絶対に許せない。
1・23米子闘争は、このJR体制打倒を掲げて闘い抜かれた。闘う労働組合を復権させることこそが勝利の鍵だ。
2・1〜2の48時間ストへ突き進む動労千葉と連帯し、動労千葉のような団結をつくり出そうと、山陰労組交流センターや百万人署名運動山陰連絡会はこの間、職場ビラまきを始めとした闘いに決起してきた。その軸に国労共闘米子ががっちりと座り、闘う労働者のかつてない団結がつくり出されたのだ。
(投稿/O・T)
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週刊『前進』(2425号2面6)(2010/02/01 )
海外のケース 民営・外注で重大事故続発
イギリス 国鉄を百社に細分 “レールが砕け散った”
民営化、外注化、子会社によって世界中で鉄道の安全が崩壊している。
イギリス国鉄は1994年に分割・民営化された。信号や線路など施設管理はレールトラック社を親会社とし、傘下の多数の子会社が作業を行った。列車運行は大小25の旅客会社と貨物会社5社に、さらに車両リース会社は3分割され約百社の私企業に細分化された。
その後、細分化された鉄道で次々と重大事故が起こる。97年9月ロンドン西部で脱線事故(死者7人)、99年10月にはロンドンのパディントン駅で列車衝突事故(死者31人)、00年10月にはロンドン郊外ハットフィールドで脱線事故(死者4人)が発生した。
とりわけ00年のハットフィールド事故は、およそ信じられない事故だ。イギリスの新聞は事故の様子を「線路は列車の下で砕け、300の破片と化した」「事故の原因となった線路の破断は、事故の1年9カ月前に発見されていたが補修は行われず放置されていた」と報じた。
レールトラック社はコスト削減のために、傘下の子会社社員を人材派遣会社に転籍させ、時間給で雇用する体制にしていた。線路の保守も最小限にしたので、施設の老朽化が急速に進行した。同社は、レールの保守・点検についての工学的知識もなく、全国でどれだけレール破断が起きているかも掌握していなかった。
同社はその後、事故対策費の重圧から経営破綻し、国家管理に戻された。だが事故で奪われた命はけっして戻らない。
(写真 【上】2000年のハットフィールド事故を報じるイギリスの新聞【下】300個もの破片となって砕け散ったレール)
ドイツ 使える車両は25% 整備費削り都市鉄道崩壊
ベルリンの都市鉄道Sバーン(写真)が安全管理の崩壊から大規模な輸送混乱に陥っている。Sバーンは、東京で言えば山手線・中央線・総武線を併せたような都市近郊鉄道だ。これが、まともに走っていないという驚くべき状況だ。
ベルリンのSバーンは、ドイツ国鉄の子会社がベルリン市と委託契約を結んで運営している。
Sバーンは、6年も前から車輪の安全性に問題があると指摘されながら、点検を怠ってきた。その結果、昨年5月1日にベルリン市東部で脱線事故が発生。連邦政府が全車両1264台の点検を指示したところ、安全が確認されたのは340台だけ。さらにブレーキの故障も見つかり、一時は全車両の25%しか運行できない状態に陥った。同社は、以前から点検施設の閉鎖や人減らしなどを重ね、綱渡り的な経営を続けていた。
背景にあるのは、ドイツ国鉄の民営化問題だ。ドイツ国鉄は、08年10月に株式上場を予定していたが、世界大恐慌に直撃されて延期。株式上場をめざして赤字解消、利益拡大を図る中で、子会社に圧力を加えていた。
「輸送混乱の解消は2013年までかかる」とも言われ、ベルリン市は運行委託契約の見直しも検討している。
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週刊『前進』(2425号3面1)(2010/02/01 )
1047名闘争勝利・検修外注化阻止へ 今こそJR体制打倒!2・13総決起を
動労千葉 スト貫徹へ万全の闘争態勢
「支援する会」は各駅でビラまき
動労千葉はいよいよ2月1日早朝から「検修外注化阻止、ライフサイクル制度撤廃」を掲げて48時間の第1波ストライキに突入する。全本線運転士、運転関係の地上勤務者(検修・構内業務、検査派出など)、営業職の組合員がストに入る全面ストだ。
第1波スト貫徹に向けて、動労千葉は万全の意志統一を重ね、闘争態勢を確立してきた。
1月22日の千葉支社抗議・申し入れ行動では、当該の津田沼支部・滝厚弘君が、ライフサイクル強制配転の事前通知に対して50分間にわたって当局を追及した。千葉駅街宣では、滝君と同じ平成採運転士である平野嗣朗君(木更津支部)、北島琢磨君(千葉運転区支部)がビラまきの先頭に立った。
夕方からの動労千葉総決起集会には360人が結集し、決戦前夜の緊張感と熱気にあふれる集会となった。
津田沼支部の相馬正利支部長は「今回の強制配転通告には本当に怒っている。滝君と心中するつもりで絶対にライフサイクル制度をつぶす」と宣言。決意表明では「亡くなった中村栄一前書記長は『俺は仲間が大事だから動労千葉に命をかけている』と言った。この中村栄一精神で闘おう」と熱烈な発言が続いた。
さらに動労千葉は、1月24〜25日には全支部活動者研修会を開催した。「大恐慌情勢と国鉄闘争」「検修外注化阻止闘争の歴史的意義について」「当面する取り組みについて」の3本の提起をもとに2日間にわたって徹底討論した。「外注化を強行したら偽装請負のオンパレードになる。組合員自身が現場で外注化の矛盾をどんどん追及していけるようになる必要がある」「今回はいつものストじゃない。当局に打撃を加えるとともに、職場にこだわって現場の仲間を獲得する闘いだ」とストと10春闘の獲得目標について議論が交わされ、意欲的な行動方針が提案された。大竹哲治副委員長は「2日間の討論で闘争方針ははっきりした。全力で決起しよう」と呼びかけた。
一人のために全組合員が立ち上がる。当局の組織破壊攻撃に対しては2倍、3倍の団結の強化・拡大で回答する。これこそ動労千葉労働運動の真骨頂だ。
(写真 1月22日の動労千葉総決起集会では、平成採の青年労働者を始め各支部代表者の熱意に満ちた発言が続いた【千葉市民会館】)
2・13総決起へ地熱が高まる
動労千葉が48時間ストの方針を打ち出して以降、動労千葉を支援する会は、総武線全駅を対象としたビラまき行動を精力的に展開。「尼崎事故を繰り返すな!」と訴えるカラー刷りのタブロイド判チラシの反響は大きい。JRの官舎、寮、検修職場などにもどんどんチラシが持ち込まれ、討論が拡大している。
動労千葉ストを号砲として、2・13全国労働者総決起集会に向けた地熱は圧倒的に高まっている。2・13代々木公園への5千人結集の実現へ、残り2週間の闘いに全力で立とう。
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週刊『前進』(2425号3面2)(2010/02/01 )
動労千葉争議団 中村仁さんに聞く
解雇撤回・JR復帰かちとり必ず運転士に戻ってみせる
民主党政権が「年度内解決」=完全解体を策動するただ中で、ますます決戦化している国鉄1047名闘争について、動労千葉争議団の中村仁さんに話を伺った。(聞き手・本紙編集局)
――昨年12月の鉄建公団訴訟公判で、当時の国鉄職員局課長補佐の伊藤証人から驚くべき事実が明らかになりましたね。
中村 87年1月につくられた採用候補者名簿には僕らの名前も載っていた。そのままなら僕らはJRに採用されていた。
ではなぜ僕らは不採用になったのか。動労カクマルが「動労千葉や国労が全員JRに採用されるなんて認められない」と騒ぎ、それを受けて当時の職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)が不採用の基準づくりを指示したから。23年たってようやく不採用のプロセスが明らかになってきた。この不当労働行為を明らかにするために、葛西の証言を必ず実現したい。
85〜86年の分割・民営化反対ストで公労法解雇された動労千葉組合員28人については、国鉄清算事業団が97年に全面撤回した。同じ時に僕らは停職。解雇が撤回されたのに、停職者の不採用が正しいわけがない。そのことも一緒に追及したい。
分割・民営反対のストで処分
――不採用の理由とされた停職処分は、分割・民営化反対ストですね。
中村 はい、千葉運転区支部青年部長でした。普通に青年部運動をしていただけですよ。でも分割・民営化は許せなかった。職場を追われる不安はある。しかも当局が最初に運転士から駅に飛ばしたのは青年部員。僕も明けの日に、青年部員に会いに駅に行ったりして「こんなのおかしい」という怒りがあった。
そういう中で本部が「ストで分割・民営化に反対しよう」と方針を打ち出す。千葉転支部では永田支部長や白井副支部長、内山書記長の三役を中心に徹底議論し、「支部として団結して闘おう」と決断して一丸となってストに入りました。
千葉転支部は85年11月の1波ストで、三役と、執行委員でストに入った3人、計6人が解雇された。その時に僕は初の処分で停職6カ月。86年2月の2波ストで、また停職6カ月。86年1月末から1年間、つまり分割・民営化の直前まで停職です。でも一緒に働いてきた人が解雇になったことの方が思いが強かった。
87年4月から国鉄清算事業団に送られました。月曜から金曜まで毎日出勤するけど、仕事は何もない。それですぐに地労委闘争や裁判を始めた。
さらに、運転士や検修職場の組合員が次々と売店や駅に飛ばされた。JRに残った人も不採用になった人も、みんな一緒に支え合って頑張ってきたって感じです。
4者4団体は原則を曲げた
――4者4団体の和解路線をどう見ていますか。
中村 僕らと4者4団体のスタンスの最大の違いは「解雇撤回」。彼らの和解路線は「歳もとったし、もう助けてくれ」って感じ。それで「解雇撤回」要求は下ろしている。23年間も頑張ってきた人たちが、そんなことで納得できるのか。僕らは国策で解雇された。そうである以上、原則を絶対に曲げちゃいけない。
――中村さんは、国鉄入社は何年ですか。
中村 78年4月です。79年3月に動労千葉地本が動労本部から分離・独立する直前でした。僕は千葉鉄道管理局に採用され、仙台の学園に行って半年後に機関助士になり、2年半、郡山機関区で勤務。その間は動労仙台地本所属だったけど、81年3月に千葉に戻ってすぐ組合を動労千葉に変えました。
――90年4月に清算事業団から解雇された後は。
中村 民間で仕事をしていて、本部の専従になったのは08年春。18年たって組合専従になったけど、動労千葉は団結を強めながらJR資本と対峙して闘っている組合のまま変わってなくて、それがうれしかった。
反合理化闘争は組合の使命
――JR東が検修外注化攻撃をかけてきました。
中村 動労千葉は、合理化と安全という問題を一番に取り組んできた組合です。僕は勝浦市に住んでいて、千葉運転区まで外房線で通っていた。84年3月、外房線の「細代踏切」で電車がミキサー車と衝突して、運転台がグチャグチャにつぶれる大事故が起きて、勝浦支部の組合員、平野さんが亡くなった。僕は通勤でちょうどあの電車に乗っていたんです。
細代踏切には遮断機がなく「魔の踏切」と呼ばれていた。動労千葉がずっと要求してきたのに、遮断機をつけなかった国鉄当局が平野さんを殺したんです。それで事故を糾弾して徹底的に闘い、遮断機をつけさせた。
どんな仕事でも、安全問題にしっかり取り組まなければいけないのは同じ。コスト削減は人件費を削るのが一番簡単だから、合理化が進められ、安全が切り捨てられる。それに反撃することこそ組合の使命ですよ。
検修外注化攻撃は青年労働者を直撃します。JRに就職したのに、突然丸投げされて、外注会社に行かされることになる。そのことを平成採に訴えることが大事です。
これまで8人でやってきた仕事を、当局が「5人でやれ」と言ってきても、東労組は丸飲み。だけど動労千葉は「5人でできるわけがない」と抵抗する。そういう具体的な闘いを青年たちは見ている。幕張で平成採3人が入ったのは、動労千葉の職場闘争を見て、正しいと判断したから。外注化攻撃に反撃して、組織拡大を実現したい。
――今後の決意を一言。
中村 分割・民営化が強行されたのは、国家の政策だけでなく、「自分たちだけ生き残る」と裏切った組合があったから。その結果、総評がなくなり連合がつくられ、資本と一体化した組合ばかりになり、多くの青年労働者が非正規職に突き落とされた。でも、物販で各地を訪問するとよくわかるけど、僕らの世代以上に大変な環境で働いている青年たちが今、「動労千葉みたいに闘いたい」と職場で闘い始めている。そういう人たちと団結することがすごく重要だし、彼らの闘いを裏切ったのが4者4団体だ。一緒に声をあげて、非正規職をなくしたい。
そのためにも1047名闘争は大きな意味を持っている。国鉄分割・民営化が非正規職の激増をつくり出した原因である以上、解雇撤回をかちとってJRに行く。僕は運転士に戻ってみせます。
2月13日には全国集会を呼びかけています。全国の労働者のみなさん、ぜひ集まってください。
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なかむらひとしさん。
1959年生、78年国鉄入社。85年11月の分割・民営化反対スト時、千葉運転区支部青年部長で停職6カ月処分を受ける。86年2月の第2波ストでも停職6カ月。JRに採用されず、87年4月に国鉄清算事業団に送られ、90年4月に整理解雇。現在、動労千葉本部執行委員。
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週刊『前進』(2425号3面3)(2010/02/01 )
検修外注化とは安全解体だ
反合・運転保安闘争で反撃を
動労千葉は「検修外注化阻止、ライフサイクル制度撤廃、反合理化・運転保安確立」を掲げて2月1日早朝から第1波48時間全面ストライキに立つ。動労千葉の渾身(こんしん)の決起に続こう! この攻防は、民主党・連合政権との一大激突に突入した国鉄1047名解雇撤回闘争と一体の闘いだ。2・13全国労働者総決起集会に結集し、検修・構内外注化の「4月1日実施」を絶対に阻止しよう。とりわけ平成採の労働者のみなさん、今こそJR東労組と決別し、動労千葉―動労総連合に総結集しともに闘おう!
(写真 「副支部長・書記長の強制配転弾劾!」と動労千葉幕張支部が闘った昨年10・1スト)
NTT・日航の合理化上回る大攻撃うち砕け
ただただ利潤追求のために安全も何もかも放り投げ、労働者を将棋の駒のように強制配転し、あげくの果てに出向・転籍にまで追いやるJRのやり方が許せるか! 動労千葉の組合員は、津田沼支部の滝厚弘運転士の津田沼駅へのライフサイクル配転、そして幕張支部の小沢勇副支部長の強制配転に対し、心底からの怒りを爆発させて総決起している。職場からの徹底抗戦に闘いの軸を据え、丸投げ外注化の問題点をえぐり出し、矛盾点・破綻点を次々と突きつけて当局を追い詰めている。
この検修外注化阻止の闘いは、国鉄1047名解雇撤回闘争と表裏一体の階級決戦そのものだ。金もうけのために鉄道事業の根幹を放り出し、丸投げ的に外注化・分社化を強行するJR東日本の攻撃は、1987年の国鉄7分割の比ではない。鉄道事業をバラバラに解体し、数百社もの下請け・孫請け会社に丸投げする究極の大合理化だ。鉄道は、車両・線路・信号・電気などの設備が混然一体となって構成されるひとつの巨大システムだ。こんな攻撃を許せば職場の団結はバラバラにされ、安全は根底から破壊される。
検修外注化阻止の闘いは、2000年に始まった「第2の分割・民営化」攻撃との闘いの本番中の本番だ。そして、重大な決戦局面を迎えた1047名闘争とともに、二十数年にわたる国鉄分割・民営化反対闘争の決着をかけた決戦だ。
87年国鉄分割・民営化以降、官民を問わず、あらゆる職場で洪水のような外注化、非正規職化、分社化・子会社化の攻撃が吹き荒れた。新自由主義の典型的な攻撃だ。
腐った労働組合の幹部どもは、この攻撃の手先に成り果て、膨大な労働者を非正規職に突き落としてきた。人件費削減のために熟練労働者が職場から追われ、技術継承や安全原則が投げ捨てられてきた。
NTTでは、85年の民営化時に31万4千人いた職員のうち、NTT本体に残ったのは03年の時点で3万6千人(11%)に過ぎない。全体で11万人もの人員削減が強行され、17万人の労働者が347社もの子会社・孫会社に転籍させられた。この攻撃の過程をとおしてNTT資本は、膨大な非正規職を生み出し、労働条件切り下げと労働強化を進め、NTT労組を徹底的に当局翼賛の組合に変質させてきた。
日本航空も、持ち株会社「日本航空」のもとに徹底した分社化・子会社化、機体整備の外部委託を進めてきた。06年度の機体整備海外委託率は約68%にまでなった。民主党・連合政権は、帝間争闘戦に勝ち抜くために日本航空に対してさらに徹底したリストラを求めたが、それが逆に日航への信用を最後的に失墜させ今回の経営破綻にまで行き着いた。こうした合理化の上に、さらに1万5700人もの解雇を強行したら、安全の根底的崩壊をもたらし、第2の”御巣鷹山事故(85年、死者520人)”に直結することは明らかだ。日航の各労組は、この攻撃になすすべもなく屈服し、労働者を資本に差し出している。
JR東日本は、鉄道業務の全面外注化で日航と同じことをやろうとしているのだ。動労千葉は85〜86年の2波のストライキで「国鉄分割・民営化阻止!」とともに「運転保安確立―国鉄を第2の日航にするな!」のスローガンを掲げて立ち上がった。これとまったく同じ闘いが今、より死活的に問われているのだ。
JR東日本の外注化攻撃は、労働組合の抵抗が一切ないことを前提にしてしか成り立たない。資本の先兵となった東労組カクマルを打倒し、断固として反撃に立てば、絶対に勝てる。第2、第3の尼崎事故を絶対に許してはならない! 青年労働者を先頭に、今こそ立ち上がろう!
事故の責任押しつける資本への怒り解き放ち
安全崩壊や事故問題は、資本の合理化攻撃が生み出す決定的な破綻点だ。しかし、この問題に対して労働組合が真正面から闘うことは容易なことではない。
05年4月の尼崎事故を引き起こしたJR西日本経営陣は、自らは事故調査委員会の報告書の改ざんを企て、事故原因の隠ぺいに奔走する一方で、尼崎事故すら労働者支配の道具として使ってきた。全社員を事故現場に立たせ、「乗客への懺悔(ざんげ)」を繰り返させることで、「会社あっての労働者」というイデオロギーのもとに縛り付けているのだ。それは、日勤教育による恫喝的な労務支配の継続だ。そして、あらゆる体制内労働組合が、この攻撃に屈服してきた。
こうした攻撃を打ち破ったのが、動労千葉の1972年船橋事故闘争だった。
動労千葉がこだわったのは安全一般ではない。労働者にとっての安全だ。さらに言えば、労働者が起こす事故の問題、労働者への事故責任転嫁の問題だ。
船橋事故は、死者こそ出なかったものの重軽傷者758人という大事故だった。事故の直接の原因は、無理に無理を重ねた過密ダイヤの中、停電のために信号機の表示が消えたことにあった。当時、国鉄当局は、過密ダイヤを維持するため、「信号が赤でもATS(自動列車停止装置)のスイッチを切ってゆっくり進め」と運転士に指示してさえいた。こうした当局のやり方が事故を引き起こしたにもかかわらず、高石運転士はその場で逮捕され、マスコミをあげた「たるみ運転士」というすさまじいキャンペーンが吹き荒れた。こうした現実は、今のJRにおいても何ひとつ変わってない。
現場労働者はいつも事故の危険にさらされ、当時、船橋事故を知った誰もが「明日はわが身」という切実な思いでいた。いくら職場や危険個所の改善要求を組合が出しても放置しておいて、いざ事故が起きたら”運転士が悪い”と言われて納得できるか!――こうした怒りが渦巻いていた。
「高石運転士への事故責任転嫁を許すな!」というスローガンは、組合員の気持ちをがっちりととらえた。動労千葉は、組合員の怒りと団結に徹底的に依拠し、現場労働者の自己解放的決起をとことんまで引き出し、戦後労働運動の限界を突き破る地平をこじ開けた。
労働者に屈服を強いる体制内労組幹部倒そう
この動労千葉の反合・運転保安闘争路線は、産別の違いを越えて通用する普遍的教訓に満ちている。そして、戦後世界体制が崩壊し、階級対立がむき出しになった今こそ威力を発揮する路線だ。
資本は、もうけのためなら平気で安全を無視し、労働者の生命を犠牲することもいとわない。労働者にとって合理化は常に、生命を脅かす事故に直結する。
民同・協会派・カクマル・日共も、かつて口先では「合理化反対」を唱えてきた。しかし、資本と労働者の非和解性の問題として反合闘争を位置づけることは絶対になかった。彼らはたえず「合理化と非和解的に闘い続けることなど不可能」「なんらかの歯止めをかける条件闘争を」という敗北主義をまき散らし、路線的屈服と変質を深めてきた。
合理化は当局がかけてくる攻撃だから、実行されてしまえば闘争が終結するという難しさをはらんでいることは事実だ。民同が展開した反合闘争では、絶えず合理化に伴う「安全投資」「教育訓練」などに議論が収れんされ、「闘争」は数字をめぐる「交渉」にすり替えられた。現場労働者の闘いは幹部のボス交を後押しする圧力手段におとしめられ、合理化攻撃のたびに団結が崩されてきた。
しかも、こうした民同の対応は、いざ事故が起こった時には、「あれだけ投資したじゃないか」「教育もちゃんとしたのに」と、労働者にますます事故責任を転嫁していく当局の攻撃を引き出すものだったのだ。
今や、こうした反革命党派、中間主義的勢力のすべてが、大恐慌と世界戦争の時代に突入する中で雪崩を打って総転向を遂げ、日帝ブルジョアジーの純然たる手先に転落して労働者階級に襲いかかっている。こんな屈辱的な現実を、なんとしても覆さなければならない。
動労千葉は、資本・当局が生み出す破綻点である事故・安全問題をつかんで離さず、合理化絶対反対の持続的・永続的な闘いを切り開き、闘うたびに団結が強化される新たな反合闘争をつくり上げてきた。この闘いの路線のもとに、いよいよ全労働者を獲得すべき時代が来ているのだ。
戦後労働運動の限界を突き破ってきたこの反合・運転保安闘争路線を武器に、検修外注化阻止―JR体制打倒の総反乱をまき起こそう!
4大産別を始めとするあらゆる職場から、労働者の怒りを根底から解き放つ反合闘争を切り開こう。労働運動の階級的再生をかちとり、職場に細胞を建設し、現場労働者の手に労働組合を取り戻そう。決然と闘いに立てば、勝利できるのだ。
国鉄1047名闘争と検修外注化阻止の闘いこそ、こうした怒りと闘いのすべてをひとつにまとめる結集軸だ。2・13全国労働者総決起集会を突破口に、国鉄分割・民営化以来の我慢ならない社会の現実を打ち破り、連合指導部を打倒し労働者の壮大な反乱の時代を切り開こう。
(日高 隆)
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週刊『前進』(2425号4面1)(2010/02/01 )
民営化絶対反対! 反合・安全闘争で郵政職場に動労千葉派の砦を築こう
革共同全逓委員会
全産別から2・13決戦に総決起し民主党政権倒せ
完全失業者と潜在的失業者の合計が1400万人を突破し、働いても生活保護水準に達しない貧困層が1000万人を超えた。この現実が、戦後高成長以来、巨大な富を集積してきた日本帝国主義の到達点である。
検修業務外注化阻止の国鉄決戦を主軸に、労働者人民の総決起で民主党・連合政権を打倒する階級決戦が開始された。戦争と改憲、民営化と労組破壊との全面的な対決をかけて総決起しよう。動労千葉は2・1〜2の48時間ストライキ方針を確立し、不退転の闘いに立ち上がっている。全国の全逓労働者は動労千葉とともに総決起しよう。
小沢・鳩山=民主党・連合政権は、自民党時代に日帝支配階級がやりきれなかった独自の軍事外交政策の確立や改憲などの反動的大飛躍を、連合中央を抱き込んで遂行しようとし、7月参議院選での単独過半数確保と独裁的政治体制への移行を狙っている。だが大恐慌の中で、支配階級は「小沢問題」で大分裂を始め、日米帝国主義が安保・沖縄問題とアジア支配をめぐって激突する空前の政治危機に陥っている。そして「米軍基地無条件撤去」を求める沖縄の労働者人民の怒りは、日米安保体制の根幹を揺るがす段階に突入した。この巨大な階級的激突の核心部において、国鉄決戦を始めとする非和解的な階級戦争が火を噴いているのである。
民主党政権は、労働者人民の憤激で自民党支配が打倒されることで成立した。だがその権力構造は、ブルジョアジーの一方の潮流が連合=帝国主義労働運動を取り込むことで成立している紛れもない資本家の政府だ。労働者人民に問われているのは、民主党政権の最大の弱点である連合支配を突き崩し、全資本家階級とそれを支える政府との全面的な闘争に突入することなのだ。その帰趨(きすう)を決する闘いとして国鉄決戦を基軸に4大産別決戦を闘い、革命派の確固たる拠点を打ち立てる戦略的前進をかちとるのである。
09年、闘う全逓労働者は小泉政権以来の民営郵政・西川体制を倒し、民営化の核心をなしたJPEX攻撃を破産に追い込んだ。そしていま、銀座局死亡事故に対する怒りが全国の職場でわき起こる中で、郵政民営化絶対反対・連合JP労組中央打倒の闘いの真価が問われている。
動労千葉と一体で反合・運転保安闘争の路線を郵政においてこそ貫き、すべての職場で階級的なランク&ファイル運動を組織しよう。2・13労働者総決起集会の大結集から3・20反戦大闘争へ総決起しよう。
死亡事故の責任放棄する当局と組合幹部に怒り
昨年12月14日、日本郵便銀座支店で、電動牽引(けんいん)車を扱っていた特殊郵便課の労働者
(59)が、業務用エレベーターの2階ドアが開いて1階のゴンドラ上に転落、死亡するという悲惨な事故が起こった。民営化で交通事故、労災、連続深夜勤による過労死や病死が頻発するなかで起こった死亡事故だ。
郵政当局は、調査もなしに「本人による操作ミス」と発表。「死人に口なし」の卑劣な態度を決め込んだ。現場の怒りは沸騰している。「事故は本人の責任ではない」「現場のミスで片づけるな」「破産したJPEXに大金をつぎ込んで、老朽エレベーターの一台も更新しなかったことが原因だ」「安全に金を使わないのが民営化だ」「当局に責任を取らせろ!」
「利益が一切」の民営郵政が生んだ劣悪な労働環境と安全無視が現場労働者を殺したのだ。郵政労働者25万人全員の死活にかかわる問題だ。
この事故で、東京中郵の廃局・銀座移転統合の問題性も浮き彫りになった。中郵廃局は、旧庁舎再開発による不動産業への進出が目的だった。JPEXと並ぶ民営郵政の目玉事業で、高額のテナント料収入や不動産証券化による金融投機が目当ての計画だった。
そして本業の郵便・集配業務は老朽化した銀座局に統合され、本来は同一平面にあるべき差立て便発着場(本館1階)と到着便発着場(新館1階)が別の建物に分かれ、2階の連絡通路で行き来するという、前代未聞の労働環境が強制されたのだ。
今回の死亡事故は、この銀座局への統合がなければ起こらなかった。急ごしらえの連絡通路が傾斜構造となり、中郵時代は不要だった電動牽引車が必須となったのだ。荷さばき場の大混雑も常態化した。エレベーターは40年も使い古したあのシンドラー社製である。ドアは「手で押したら開いてしまったこともある」欠陥装置だった。ゴンドラが1階に降りていたのに、エレベーターのドアを牽引車が斜めから押しただけでドアが開いたのだ。このエレベーターの安全対策は何も取られなかった。
牽引車(トヨタ製)の運転訓練義務も、当局は現場の要求を無視して実施しなかった。死亡した労働者は自動車運転免許もなかった。彼は民営郵政によって殺されたのだ。まさに「闘いなくして安全なし」である。
そしてJP労組中央は資本の「生産性向上」スローガンを自らの綱領に高め、一切の労働環境悪化を容認し、現場の闘いを抑圧してきた。民営化賛成に転じた彼らの裏切りこそが、今回の死亡事故のもう一方の原因なのだ。彼らは郵政資本と完全に同罪である。
死亡事故を事実上放置する本部への怒りは広がっている。「もう我慢ならない」「資本と組合幹部の癒着で事故は起きた。JR尼崎事故と同じだ」「当局と組合に責任を取らせろ」との声が職場に充満している。この怒りを組織する反合・安全闘争で職場支配権を獲得していく闘いこそが問われている。
JPEX分社化を粉砕した現場労働者の闘い
全逓労働者は09年、小包部門を郵政本体から切り離す民営郵政の大合理化計画の柱だったJPEX子会社化攻撃を完全に粉砕した。これは階級的労働運動が現場労働者の怒りと本格的に結合し始めた決定的な勝利の地平である。
強制出向の肩たたきにあった労働者の決起を現場の仲間が結束して守りぬく闘いが団結の質を格段に高めた。当局の業務研修は最後は怒号で成り立たなくなり、正規職・非正規職あわせて全国25万人の郵政労働者の大半が、強制出向の強要に「行かない!」の意思表示をたたきつけ、計画を破綻に追い込んだ。
現場労働者の団結の前に、資本の攻撃の無力さがさらけ出された。全逓労働者が民営化攻撃を土台から打ち破る展望をついに手にしたのだ。
郵政民営化は、300兆円もの労働者人民の資産(郵貯・簡保)を、歴史的生命力を喪失したブルジョアジーが奪い合う攻撃だった。「利潤・利益」が一切の基準となり、労働組合の絶滅が至上命令となった。JPEX計画はそうした民営郵政の労務戦略の大突破口だった。西川体制が準備していたNTT型の徹底的な分社化・子会社化戦略を入り口段階で粉砕した意義は絶大である。
また、JP労組中央の裏切りの実態が広く暴かれたことも決定的だ。彼らは民営化以後、現場の6割を超えた非正規職化を裏で承認し、止めどない低賃金化と人減らし、労働時間延長に率先協力し、連続深夜勤による過労死問題も放置してきた。そしてJPEX計画推進の立場を公然化、「病気休暇なし。年末年始休暇なし」「成果給導入。定昇なし」を受け入れ、「ヤマト運輸方式」で現場労働者同士を徹底的に競わせる地獄のSD(サービスドライバー)制度まで受け入れた。
JPEX攻撃との闘いは、この裏切りの実態を現場にさらけ出した。各職場で本部派執行部の権威と指導性が崩壊する事態が一気に広がったのだ。ランク&ファイルの闘いが職場支配権を取り戻す大きな突破口が開かれたのである。
JP労組中央委員会が2月18〜19日、千葉で開催される。議案の中身は第一に難波(前書記長、全逓出身)の参議院選出馬、すなわち〈戦争・改憲、民営化と労組破壊>の小沢・鳩山民主党との一体化である。第二に、10春闘でのベア要求放棄と「生産性向上への寄与」という、連合中央の裏切り方針の旗振り役になること。第三に民主党政権の「郵政見直し」=全面合理化と小沢民営化路線への支持、株式上場の承認。そして第四に昨年の大会で否決された「新人事・給与制度」(基本給3割カットと成果主義賃金への転換)の強行である。いずれも郵政労働者を現代版「産業報国会」運動に組み敷こうとするものである。
労働貴族=JP労組中央打倒し組合権力獲得へ
「ふざけるな!」というのが圧倒的な現場労働者の声だ。資本と同一スローガンを掲げる本部の腐敗への怒りは、もはや絶対に抑えられない。
まず「難波選挙」への組合動員に怒りが広がっている。彼ら本部役員こそが、JPEX攻撃による大合理化を受け入れ、「スト絶滅宣言」で会社に忠誠を誓ってきた張本人だ。彼らは、現場労働者が身を削って支払う組合費から平均で2500万円(!)もの年俸を取っている。労働貴族そのものだ。こういうやつらが“小沢民営化路線”を支えている。彼らは完全に現場労働者の敵だ。
ベア要求放棄も論外だ。民営化で現場労働者が何人も殺されているのだ。銀座局の事故以外にも、昨年12月の東京だけで3人の郵便労働者が事故で死亡した。非正規職化の拡大で郵政資本が年間何千億円もの賃金を略奪する仕組みも、ダラ幹どもが現場の闘いをつぶしてきたから可能となった。名実ともに資本の別働隊となった彼らに対する現場の怒りが爆発するのは時間の問題だ。
「郵政民営化見直し」も大ペテンだ。本部は、「見直しとは経営の自由を要求することだ」と、小沢の民営化推進路線を支持した。組合執行部が「株式上場」を要求する犯罪性も万死に値する。民主党政権成立後も現場の要員減らしは止まらず、「4時間超勤」が当たり前となったが、その元凶が「株式上場」なのだ。「株が売れるかどうかが民営化の唯一の関心事」(本社取締役)で、「コスト削減に終わりはない」からだ。
基本給3割カット・成果主義賃金の「新人事・給与制度」も粉砕あるのみだ。組合の名のもとに現場の団結破壊を強要する方針など、労働者は絶対に許さない。
JPEX計画で1000億円もの損失を出した問題でも、会社方針を支持したJP労組中央の責任を追及する闘いが始まっている。「赤字」を理由に自爆営業が強要される現場の忍耐は限度を超えた。かんぽの宿問題の郵政疑獄を闇に葬ることと引き替えに、前委員長・山口が経営陣に抜擢(ばってき)された前代未聞の癒着も暴かれた。腐敗した権力は絶対的に倒れる。現場の怒りは臨界点に向かっている。
民営化絶対反対の動労千葉派が全逓労働運動の革命的権力を握る展望が確実に広がっている。動労千葉の「闘いなくして安全なし」のスローガン、反合・運転保安闘争の思想は、全産別の闘いにつうじる武器だ。連合JP労組中央打倒への決定的な飛躍を成し遂げよう。1〜4月国鉄決戦を基軸に全産別で春季ゼネスト情勢を切り開こう。2・13全国労働者総決起集会の5千人結集で、労働者の敵=民主党・連合政権を打倒しよう!
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週刊『前進』(2425号4面2)(2010/02/01 )
反合理化・運転保安闘争路線を貫き道州制=民営化粉砕しよう
革共同自治体労働者委員会
2・13集会5千人決起で鳩山政権をぶっ飛ばせ!
動労千葉はライフサイクル配転阻止・検修業務外注化阻止を掲げて2・1〜2の48時間ストに突入する。全国の職場・街頭で検修外注化阻止、反合理化・運転保安確立、解雇絶対反対の闘いが猛然と始まっている。社保(年金機構)・自治体職場では社保庁525人分限解雇、労働監獄化への怒りが渦巻き、郵政職場では東京・銀座局での仲間の死は「民営化のせいだ」との怒りが噴出している。小沢・鳩山=民主党・連合政権の民営化・労組破壊、改憲・戦争、金権・腐敗への労働者の怒りは増すばかりだ。
日帝・鳩山、米帝オバマは年頭からがたがただ。世界大恐慌下、日帝ブルジョアジーは分裂と対立に陥り、危機を激化させている。自治労本部は中央委員会(1月28〜29日、東京)で賃下げ、民営化・道州制推進の方針を打ち出した。鳩山政権とそれを支える連合と自治労本部を職場からランク&ファイルの闘いで打倒するチャンスだ。
動労千葉・動労水戸つぶしと国鉄1047名解雇撤回闘争解体を狙うJR検修外注化攻撃に反合理化・運転保安闘争路線で勝負しよう。この路線で職場闘争をやり、10春闘の爆発をかちとり、公務員360万人首切り=道州制・民営化攻撃を粉砕しよう。
2・1〜2動労千葉ストに続き、2・13労働者集会(東京・代々木公園)に全国から5千人の結集をかちとり、革命の時代を切り開こう。
(写真 日本年金機構本部前で不当解雇を弾劾【1月4日】)
団結して闘えば必ず勝利できる
年頭から反転攻勢・総反撃に進撃している。この闘いの根底に「労働者が団結して闘えば勝利できる」という確信がある。09年11月集会の勝利が労働者階級勝利の時代を切り開いた。
第一に、国鉄1047名解雇撤回の旗のもとに全労働者は団結し必ず勝利することをつかんだ。第二に、「民主党・連合政権打倒」を真っ向から掲げ、政権中枢に座る「資本の手先」=連合幹部を打倒し、現場から闘う労働組合をよみがえらせる主導権をつかんだ。第三に、世界大恐慌に立ち向かう労働者の国際的団結・国際連帯を着実に拡大し前進させた。労農同盟を打ち固め三里塚闘争圧殺攻撃をはね返した。「教育の民営化粉砕」のスローガンのもと、全学連運動の大躍進への突破口を開いた。
われわれは09年、「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」「労働者は社会の真の主人公である」という労働者階級自己解放の思想、マルクス主義をもって職場・労働組合で体制内指導部とぶつかり、絶対反対で団結する闘いを開始した。その先頭に青年労働者・学生が立った。どんな困難にも逃げず屈せず、職場の仲間を信頼し、頭から突っ込んで団結をつくり出し、拡大してきた。この悪戦苦闘をとおして勝利の路線と確信をつかんだ。
闘う自治体労働者は09年、3・6橋下大阪府知事打倒・府庁前行動に総決起し、道州制・民営化絶対反対の路線を確立、職場で闘いを開始した。鳩山政権の最大の支柱となり道州制・民営化を推進している自治労本部の打倒へ、8月熊本大会で先制的に闘った。
それは「国鉄1047名解雇撤回」を掲げて11月労働者集会の勝利に突き進む過程だった。国鉄闘争を基軸に4大産別決戦で革命を切り開く戦略を打ち立て、実践し、すべての自治体職場に革命の旗を立てる闘いを青年労働者を先頭に開始した。豊中市職では「保育所での事故」を理由にした処分攻撃と対決、自治体職場での〈反合理化・安全闘争>を開始し、職場に団結をつくり出しつつある。
検修外注化阻止決戦が最大焦点
09年の闘いが切り開いた勝利の地平を破壊するために、日帝・JR東日本はJR検修業務全面外注化攻撃をしかけてきた。検修外注化阻止は産別をこえた階級決戦だ。
この検修外注化阻止決戦は、第一に、動労千葉・動労水戸の拠点職場丸ごと廃止、団結破壊の攻撃に対して徹底反撃し、JR体制打倒、民主党・連合政権打倒をかちとる闘いだ。第二に、「尼崎事故を繰り返すな」のスローガンのもと、安全丸投げを許さず、反合理化・運転保安闘争路線を貫く闘いだ。第三に、1047名解雇撤回闘争と一体の民営化絶対反対・JR体制打倒の闘いだ。検修外注化攻撃こそ分割・民営化の矛盾に追い詰められたJRの最後のあがきだ。松崎・JR東労組カクマルとJR東日本との結託体制を打倒し、青年労働者を動労千葉派の隊列に獲得しよう。
反合理化・運転保安闘争こそ階級的労働運動の柱
検修外注化阻止決戦に勝利する路線、それは反合理化・運転保安確立闘争の路線だ。労働組合は事故を起こした労働者を守る。労働者自身の団結で無条件に守る。「事故は百パーセント資本の責任」として事故責任の労働者への転嫁に絶対反対して闘う路線だ。
動労千葉の反合・運転保安闘争の出発点は1972年の船橋事故闘争だ。停車している電車への追突で何百人の負傷者が出て、高石運転士がその場で逮捕された。
この事故に対して動労千葉の闘う組合員は「合理化攻撃が労働強化・安全破壊を招いた。責任は合理化を進めた国鉄当局にある」という立場に立ち、組合員を階級的団結で守り、徹底的な職場討議で現場から闘いを組織し、当局、地本執行部、動労本部カクマルと対決し勝った。「事故は個人の責任だから労働組合の課題ではない」というそれまでの労働組合運動の「常識」を打ち砕いた。
この闘いをとおして、「明日はわが身」と痛感している組合員は「事故を起こしてもおれたちを守る動労千葉」に信頼を寄せ団結し、「運転保安」を武器に資本・当局に猛然と攻勢をかけた。反合理化・運転保安確立の闘いは、その後の動労千葉の動労本部からの分離・独立、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、国鉄分割・民営化阻止のストライキ、JR体制との闘いの土台となった。この間の国際連帯の前進も反合・運転保安闘争がつくり出したものである。
反合・運転保安闘争路線は、それまでの体制内労働運動の「合理化反対闘争」の限界を打ち破った。資本は、利潤を追求し、競争に勝ち抜き、生き残るために合理化を進める。資本は利潤を生まない「安全」のための費用を極力削る。「安全」を無視して絶えず人員削減、賃下げを進める。資本は自らの利益のためには労働者の生存どころか人間社会そのものまで破壊する。戦争、環境破壊、事故などお構いなしだ。だから労働者は団結をつくり出し、合理化に絶対反対し、安全確立を求めて闘う以外に生きることができない。資本は団結して立ち向かう労働者を分断し競争に追い立て、団結を破壊する。反合理化闘争は資本と非和解的に対立する闘いだ。
反合理化闘争をいかに闘うかをめぐり党派闘争となる。体制内指導部は「資本主義のもとでは合理化は阻止できない。だから長期抵抗・条件闘争だ。社会を変えるのは議会だ」(協会派)と言う。日本共産党スターリン主義は「生産力アップは進歩だ」と合理化推進を自らの基本路線とし、反合理化闘争に真っ向から敵対する。それゆえ、妥協の余地のない資本の合理化攻撃にはまったく無力だ。だから彼らは国鉄分割・民営化攻撃に全面屈服したのだ。
動労(鉄道労連―JR総連)カクマル・松崎は「合理化反対」を言いながら、「闘っても勝てないから」と分割・民営化攻撃の先兵となった。62年三河島事故や63年鶴見事故に対する動労の運転保安闘争総括こそ松崎カクマルの逃亡と反革命への転落の原点だ。
動労千葉は72年、船橋事故に直面し、「労働者にまったく責任はない」という立場に立ちきり、組合員を絶対に守る、事故の責任転嫁と闘う労働運動、労働組合をつくろうと決断し闘って、反合・運転保安闘争路線を生み出した。合理化絶対反対と運転保安確立の闘いを結びつけ、「安全」という敵の弱点をつかみ、体制内労働運動の限界を突破したのだ。
反合・運転保安闘争路線は階級的労働運動の基軸だ。資本への根底的な怒りを解き放ち(絶対反対論)、職場の仲間を心から信頼し団結のみに依拠し(階級的団結論)、職場支配権を打ち立て資本とのさらなる闘いに突き進む(組織拡大論)。
賃下げ、民営化・道州制の先兵=自治労本部打倒を
世界大恐慌下、新自由主義の合理化攻撃との対決は、資本との非和解の闘いであり、資本主義打倒に行き着く。安全問題は合理化攻撃、民営化=道州制攻撃のもと日々職場で爆発する。
あらゆる職場で民営化、外注化、非正規化が進められた結果、事故が激発し、労働者の命が奪われている。資本は事故の責任を労働者に押しつけ、解雇・処分攻撃をかけ、労働者を分断し、競争に追い立てている。
体制内労働運動は「安心・安全」の企業防衛、労資協調のイデオロギーで資本を支えている。銀座局の事故を見よ。「組合と当局がなれあっているからあんな事故が起きるんだ!」――元旦ビラを読んだ郵政労働者の言葉こそ真実だ!
「事故」「ミス」に「今度起こしたら辞職します」と始末書を書かせ、事故を起こさないように仕事すると「職務怠慢」で処分だ! 揚げ句に過労死、自殺にまで追いやる。道州制=丸ごと民営化攻撃のもと、自治体現場でも同じだ。保育、児童館、清掃、給食、医療・介護・福祉、そして事務職場でも「事故」「ミス」の責任は労働者に押しつけられる。
反合・運転保安闘争路線を今こそすべての職場で実践しよう。この闘いは動労千葉に続く闘う労働組合をつくり出す。現場の仲間は「事故」「ミス」の責任が資本・当局にあることを知っている。合理化絶対反対の闘いで「おれたちが職場の主人公だ」という誇りを貫き仲間を信頼し絶対守る団結をつくり出そう。
社保525人分限解雇絶対反対
10年冒頭から全国で社会保険庁首切り絶対反対の闘いが火を噴いている。09年11月集会で平口雅明さんが首切り絶対反対を訴え、首切り容認の自治労本部を打倒する闘争宣言を発した。それ以来、たった一人の反乱が燃え広がり、全国で525人が辞表提出を拒否し分限免職を受けて立つに至った。
1月19日、広島で「支援する会」が設立された。全国の分限免職者から平口さんに続々と共闘の決意が寄せられている。国鉄1047名解雇撤回闘争に続く歴史的な解雇撤回闘争として継続・発展させよう。
社会保険庁労働者への問答無用の首切り攻撃は公務員労働者360万人首切り=道州制攻撃の始まりだ。全国の社保(年金機構)職場に革命の旗を打ち立て、道州制=民営化粉砕決戦の勝利の展望を切り開こう。
青年労働者は10春闘の先頭に
日本経団連は経労委報告で10春闘に関してベースアップ・ゼロだけではなく定期昇給の凍結をも主張している。連合は定昇凍結攻撃にも率先協力しようとしている。さらに自治労本部は中央委員会で「標準的給与の検討」と称して賃下げ提案を春闘方針として打ち出している。こんなものが春闘方針といえるのか! 闘う自治体労働者は10春闘で賃下げ阻止・大幅賃上げ獲得を掲げ、あらかじめ闘いを裏切る連合・自治労本部を打倒する闘いに決起しよう。
今春決戦の先頭に立つのは「未来を徹底的に奪われている」青年労働者だ。青年労働者は現代社会において最も疎外された存在だ。だからこそ現存社会を根底から覆し変革しなければ生きていくことができない。青年労働者は資本主義に対する〈根底的批判者>だ。青年労働者の怒りを解き放ち、闘う労働組合をよみがえらせよう。
闘う自治体労働者は、2・13労働者集会5千人結集、国鉄決戦勝利・鳩山政権打倒、プロレタリア革命へ先頭で闘おう。
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週刊『前進』(2425号5面1)(2010/02/01 )
斎藤君と洞口さんへの新たな処分許すな
法大から全国大学ストへ 教育の民営化粉砕しよう
法大支部の2010年戦闘宣言
法大生の皆さん。そして全国の学生の皆さん。激動の2010年が始まった。私たちの生きるこの時代は人類史の帰趨(きすう)を決する歴史の分岐点だ。未曽有の世界大恐慌の真っ只中で学生はいかに生きるべきか。われわれマル学同・法政大学支部は、全国300万の学生に訴えたい。資本主義はもう終わりだ! 自らが社会変革の主体として立ちあがる中に、学生の未来がある。「資本主義の存続」を前提とするいっさいの幻想と決別し、世界革命の勝利へともに立ち上がろう。2010年は、〈教育の民営化粉砕!〉のスローガンのもと、日本と世界の学生が総反乱をまき起こす年である。それは同時に、学生の団結体としての全学連運動―学生自治会運動を力強く復権させていく闘いだ。
「闘えば勝てる」を実証した法大闘争
闘いの火ぶたは切られた。法大当局は1月25日、文化連盟の斎藤郁真委員長(法学部)と洞口朋子さん(経済学部)に対し、処分を狙った「呼び出し」をかけてきた。新たな処分など、絶対に許さない! われわれは2010年決戦の帰趨をかけて処分阻止闘争に立ち上がることを宣言する。
今回、法学部・経済学部の各教授会からの文書によると、呼び出しの理由は二人の「大学及びその周辺における行動について」とされている。冗談ではない! こんなデタラメな理由で学生を処分するのか!
洞口さんは昨年10月、当局による処分延長を阻止してキャンパスに帰還し、「獄中の8人の仲間をとり戻そう!」と訴えて法大生との団結を広げてきた。仲間のために声を上げる「行動」の何が悪いのか! しかも学内だけでなく、「周辺における行動」まで処分理由にしようとは何ごとか。
法大当局よ、増田総長よ。この期に及んで処分とは笑止千万だ! 法大闘争は、これまでの闘いを通じて、「学生は団結して闘えば勝てる」ということを実践的に証明してきた。処分に絶対反対することをとおして、「一人の仲間も見捨てない」「仲間のために声を上げる」という行動原理でますます団結を固めてきた。
学生は、大学の決めたことに従うだけの存在なのか。大失業の中、絶望感に打ちひしがれながら「就活」にあけくれるしかない存在なのか。断じてそうではない! 目の前の矛盾に怒り、「こんな大学はおかしい!」と立ち上がり、労働者階級とともにとことん解放的に闘うことができる、誇り高い社会変革の主体だ。法大生は、そのことを昨年4・24集会の1500人決起で証明した。
それをさらなる弾圧で圧殺しようとしたのが09年の暴処法弾圧であった。だが、われわれは一歩も引かずこれと対決し、労働者との共闘を強化して団結を拡大し、勾留されていた8学生全員の奪還をついに年末に実現したのだ。「権力と闘っても勝てない」という悪しき「常識」を事実をもって完全にうち破った。
民営化との闘いは全世界共通の課題
法大闘争は「教育の民営化」との闘いであり、「大学・教育とはどうあるべきか」を問う闘いだ。「教育の民営化粉砕!」は、日本だけでなく全世界の学生・教職員の共通のスローガンでもある。なかでも米カリフォルニア州では、全州の学生・教職員・労働組合の結集で、来たる3月4日を「公教育を守る国際行動の日」とし、「全州の教育機関で公教育制度の民営化に反対する」一斉ストライキに立つことを決定した。スローガン(案)は「公教育の外注化を阻止せよ!」「学生・労働者による大学の自主管理」「侵略戦争を止めろ!」「労働者の党をつくろう!」などだ。法大生と全学連も、断固この闘いに合流する。
では、この教育の民営化(=公教育の破壊)はなぜ、そしていつから始められたのか。それは、1980年代以来の全世界的な新自由主義政策の展開と一体だ。この頃から、米英日をはじめ各国で公教育の民営化が進められ、教育と学校を一部の資本家が私物化して金もうけの道具へと貶(おとし)め、その一方で圧倒的多数の未来ある青年がまともに教育も受けられず、豊かな人間形成の場を奪われ、ただただ資本の奴隷になるための「訓練」を強制されていった。それは同時に、学生の自治と団結を暴力的に破壊していく過程でもあった。
法大では95年日経連プロジェクト報告の「労働人口の9割を非正規職に置き換える」という路線に対応し、清成総長(当時)が「主体的にキャリア形成を進める自立型人材の育成」路線を掲げた。「自立型人材」とは、不安定雇用でも文句を言わず自ら進んで資本の奴隷となる「人材」のことであり、そのために学生のうちから団結や仲間意識を解体し、資本の価値増殖のために尽くすことをたたき込んでいったのだ。
こうして自治会非公認化(90年代)、学生会館解体(04年)、立て看板・ビラまき規制と学生に対する逮捕・処分の乱発(06年〜)、学友会解体(07〜08年)、大学祭規制(09年)と、徹底した団結破壊攻撃がかけられた。他方で学費は天井知らずで値上げされ、就職難に苦しむ学生と保護者の不安につけこんで何百万円もの金を収奪していった。
今や法大当局は、学生から巻き上げた巨額の学費(年間250人もの学生が中途退学を強いられるほどの!)をマネーゲームにつぎ込み、37億円もの損失を出して平然としているまでに腐敗を極めている。
こうしたあり方に対し、「大学はこれでいいのか!」と声を上げた学生たちに、法大当局が返した言葉こそ「営業権」であった。当局の腐敗を弾劾する情宣活動に対しては、「営業妨害」になるから禁止してくれと裁判所に泣きついた。この醜悪な姿こそ「教育の民営化」の正体だ。
新自由主義は完全破産した
だが、世界大恐慌―大失業の時代の中で、新自由主義は完全に破産している。増田総長は、今年の年頭あいさつであらためて「社会の要請に応えるため……自立型人材の育成をさらに推進します」と主張した。あくまで「資本の奴隷」になるための訓練を法大生に強制しようというのだ。だが、もはやこの大失業の現実(実質失業率13%、就職内定率73・1%)を前に、大学で得た資格や卒業証書などになんの価値があるというのか。学生に未来を保証できないばかりか、競争で未来と生命を奪う大学など、一個の教育機関として破産している。
法大は2年前、これからは航空産業がもうかると踏んで「パイロット養成コース」なるものを新設した。しかし、航空最大手JALは経営破たんし、1万6千人もの労働者がクビを切られようとしている。この大量解雇に抗議の声ひとつあげない法大当局が、学生の人生に一体どう責任をとるというのか!
あるいは、この間、法政高校の教諭が生徒に対し、暴行など「常軌を逸した行為」をしていたことが発覚した。法大当局は声明を発表し「教育がどうあるべきかという原点に立ち返って……二度とこのような不祥事が起こらないように……取り組む所存です」などと必死に取り繕っている。だが、市ケ谷キャンパスで学生への暴行やストーキングなど「常軌を逸した行為」を白昼公然と行っている法大当局が、一体どの口で「教育の原点」などとのたまうのか!
資本の下僕となった大学・教育の破産と腐敗は明らかだ。大学・教育とは、若い世代が古い価値観を打破して未来を切り開いていくためにあり、「大学の主人公は学生でなくてはならない」という路線的正義性を確立し、われわれは闘い抜いてきた。
当局の手先=御用団体CSK解体を
今こそ、当局の手先となって学生を支配する御用団体=法大CSK(サークル支援機構)を解体し、文化連盟の闘う旗のもとに全法大生は団結しよう。もともとCSKは、当局による学友会解体を経てつくられた御用機関であり、奴隷の道を拒否して立ち上がった文連とは正反対の存在だ。「学生の代表」と称して当局に追従し、学生の名で当局の規制に次々とお墨付きを与える最悪の役割を果たしているのだ。
逆に言えば、当局の支配はCSKの屈服によってのみ維持されているにすぎない。この間、当局は「キャンパスでの全面禁酒」をCSK幹部あてに通告し、CSK加盟の「公認サークル」だけは例外を認めるとしている。学生の主体性を一切認めず、当局に恭順を誓う者だけを優遇し、文化連盟と全学連への法大生の結集をどんな手を使っても阻止しようというのが攻撃の狙いだ。
この支配の構図は、まさにJRとJR資本の先兵=東労組カクマルの結託体制と同じ構図だ。御用労組幹部あての紙っぺら一枚で職場を支配し、雇用破壊・団結破壊を進めるやり方は、あらゆる職場・学園に共通する普遍的構造だ。だが、こんなやり方で法大生の怒りを抑えつけておくことはできない。この「支配構造」を突き崩し、御用組織を解体し、動労千葉や文連・全学連の闘う旗のもとへの組織拡大をかちとることが勝利の道だ。
2010年、われわれは「一人の仲間も見捨てない!」という思想を最もラジカルな行動の上に実現し、それを全国の労働者・学生に力強く拡大していく決意だ。全国の学友の皆さん! これほどにも大学と学問とを腐敗・堕落させた資本主義体制そのものを根底的に否定し、打倒する立場でともに闘おう!
革命の勝利は、労働者自己解放の思想であるマルクス主義で武装した若き組織者が次々と登場し、自らの力で革命党をつくることによってたぐり寄せられる。法大生はマル学同・法大支部に結集し、ともに闘おう!
動労千葉の2・1〜2ストを突破口に、2・13代々木公園5千人結集と2月法大入試決戦の爆発をかちとり、国鉄決戦勝利、民主党・連合政権打倒へまっしぐらに突き進もう!
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週刊『前進』(2425号5面2)(2010/02/01 )
日教組教研集会 本部打倒訴え大情宣
会場内で“教免更新制撤廃”
本部の妨害粉砕し会場前に登場
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バスで分科会会場に向かう労働者に「日の丸・君が代」不起立を訴えた(1月23日 山形市) |
抗議ボードを掲げた闘いを報じる商業新聞 |
日教組第59回教育研究全国集会が、1月23日から25日まで山形市を中心に開かれた。日教組本部は、民主党政権下の初の教研集会を文科省との「パートナーシップ」をおう歌し、組合員を民主党支持へと総動員する場にしようと画策していた。これに対して、全国労組交流センター教育労働者部会は、東北地方の労働者・学生とともに断固たる弾劾の情宣行動に立ち上がった。
日教組本部は、「右翼対策」に名をかりて、実は、闘う組合員の抗議や階級的潮流の宣伝活動から教研集会を遮断することに腐心してきた。昨年の広島教研では、全体会、分科会会場に機動隊を導入して、闘う組合員の排除を強行した。今年は、警察権力に要請して会場周辺を全面的に通行止めにし、駐車場ごと会場を柵で囲い込んで要塞化し、宿舎・全体会場・分科会会場間の移動もすべて貸し切りバスで組合員を「護送」するという徹底ぶりだ。
さらに、一昨年来の「日の丸・君が代」レポート排除、被処分者の傍聴排除に加え、今年はチラシ配布・署名・カンパ禁止、日教組方針に反する発言禁止など、参加者に対する官僚統制もさらに徹底し、一切の本部批判を封殺しようとした。だが、こんな策動が通用するはずもない。
「金権腐敗、首切りと戦争の民主党を支える日教組本部をたおそう!」「民主党・輿石、日教組委員長・中村は小沢の手先だ!」。早朝、山形駅周辺から全体会場に向かう送迎バスに乗り込む参加者に、次々と民主党・連合政権打倒を訴えるビラや民主党の教育政策を全面的に暴露するリーフ、JR検修外注化阻止決戦を訴えるタブロイド判のカラーチラシがどんどん手渡された。バスの待ち時間に「8・6処分」撤回署名や「君が代」解雇反対署名に応じ、闘わない日教組本部への怒りを表明する参加者も数多くいた。
全体会が終了し、分科会に向かうバスが出発する11時には、全体会場の山形ビッグウイング正門前に堂々と登場、「公務員大量首切りの民主党・連合政権打倒」の横断幕が会場正面に掲げられた。青年労働者を先頭に、日教組本部打倒を呼びかける現場教育労働者のアジテーションが会場に響き渡った。
会場内でも、11月労働者集会派の断固たる決起がかちとられた。
中村委員長は、全体会の主催者あいさつで、「日教組が、社会的パートナーとして認知された今、私たちの責任は重く大きい」と述べた。”政権与党となった以上、文科省のやることに反対するな”という組合員への恫喝(どうかつ)だ。だが、その民主党政権は、何をやろうとしているのか? 文科省からの来賓として教研集会に59年ぶりに出席した高井美穂政務官は、前原・野田グループに所属する極反動であり、「日本国教育基本法案が新政権の教育に対する考え方のベース」と言ってはばからない人物だ。あいさつでは、「新学習指導要領の円滑実施をはかりたい」「教員免許制度の抜本改革までは現行制度は有効」などと述べたて、改悪教基法の具体化推進と免許更新制以上の首切り制度の導入に「日教組の努力と協力をお願いしたい」と言い放ったのだ。
闘う組合員こそ日教組指導部だ
この許しがたい発言に対して、参加者から「教員免許更新制いますぐ撤廃! 制度改革許すな!」「日の丸・君が代強制は再び戦争への道だ!」の抗議ボードが、高井政務官と中村委員長の眼前に掲げられた。中村委員長は顔面ひきつらせるも、日教組組合員の意思を体現した抗議を押しとどめることはできなかった。
「パートナーシップ」の演出で日教組を民主党政策の手先にしようとする本部の策動は、決定的痛打を浴びたのだ。さらに、人権教育や平和教育の分科会でも、「日の丸・君が代」レポート排除に対して抗議する発言が相次いだ。
昨年の広島教研で、日教組−東京教組本部は、「君が代」解雇攻撃と闘う根津公子さんのレポートを排除したばかりか、傍聴参加も認めなかった。広教組本部は、不起立で闘う青年労働者、倉沢憲司さんらに「不規則発言はしない」などの「誓約書」の提出を要求し、これを拒否したとして排除した。
倉沢さんは、「被爆の日」に設定された10年研修を蹴って8・6ヒロシマ大行動に年休行使で参加して処分された。だが被爆者や現場労働者からごうごうとまき起こった怒りの前に「配慮が足りなかった。もう8・6には官制研修をやらない」と広島県教委を屈服させる勝利をかちとった。そして、全国のランク&ファイルの不起立の団結の力が、「君が代」解雇を阻止し続けている。
いまや、誰が職場の怒りと闘いを抑えつけているのか、誰が”闘う日教組”の真の指導部、主人公なのかは、すべての組合員の前に明らかとなりつつある。
政府・民主党と検察権力が正面衝突するという支配体制のかつてない危機が爆発している。連合、とりわけ日教組出身の輿石らは、小沢擁護の最先兵として立ち現れている。労働者大量首切り政権、沖縄の怒りの圧殺者としての鳩山政権の正体は、日ごとに明らかとなっている。デマとペテンで民主党政権に幻想をつなぎ止めることなど、もうできない。
闘う教育労働者は、動労千葉、動労水戸、国労共闘とともにJR検修外注化阻止決戦に決起し、道州制・教育の民営化攻撃を打ち砕こう。動労千葉ストに続き、「40秒間のストライキ」=「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発をかちとろう。2・13全国総決起から民主党・連合政権打倒へ。
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週刊『前進』(2425号5面3)(2010/02/01 )
新刊紹介 国際労働運動 3月号
UTLAの闘い特集
ロサンゼルス統一教組=UTLA(4万8千人)は、オバマ政権の労組破壊攻撃の焦点になり、1500人の大量解雇、250校の民営化攻撃を受けている。その攻防の渦中から、マイアトクルスUTLA西部地域議長が日本の11月労働者集会に駆けつけた。
本号は、このUTLAと日本の動労千葉、闘う教育労働者との国際連帯を特集する。
第1章は、05年に体制内執行部を打倒して登場したUTLAの闘いが全米の労働組合再生の焦点であることを明らかにし、オバマ政権の集中攻撃、教職員大量解雇の実態とそれへの実力反撃の闘いを描く。
第2章は、新自由主義の創成期から教育民営化が主要ターゲットだったこと、またそれが軍や刑務所の民営化と同じく、資本主義の自殺行為に等しいことを暴く。また、大学闘争とUTLAの闘いの結合と民営化との闘いの展望を示す。
第3章では、世界の新自由主義攻撃の三大原点の一つである国鉄分割・民営化と闘い続ける動労千葉とともに闘う教育労働者との団結のために、UTLAが並々ならぬ力を注ぎ、ともに民営化と闘おうとしている姿を描く。
翻訳資料は、ペテン的に進歩派を装うチャータースクールの極右的本性を暴いた資料である。
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週刊『前進』(2425号6面1)(2010/02/01 )
2010年革命軍アピール
検修全面外注化阻止決戦で小沢・鳩山政権を打倒しよう
泉川 翔太
全党の同志、労働者階級人民のみなさん! いよいよ資本主義を打倒し、共産主義社会を切り開く決定的時代が到来した。世界大恐慌は、全ブルジョアジーを奈落の底に突き落としている。プロレタリア世界革命の展望は明々と示されている。一見強大に見える帝国主義権力が、実は労働者階級の総決起と団結の前には“ひとたまりもない”ことを今年の闘いで示そうではありませんか! 2010年革命軍アピールを発信する。
6千万労働者を組織し世界革命へ向け前進を
世界大恐慌はますます深化し、ドル大暴落が切迫している。資本家どもは、これまでの延長線上には“やっていけない”どん詰まりの危機を迎えている。09年はこういう情勢の中で、アメリカにおいてはオバマ政権が、日本においては小沢・鳩山−民主党・連合政権が誕生した。どちらもそれまでの支配のあり方が破綻し行き詰まった中で登場し、決起する労働者階級を取り込み篭絡(ろうらく)させる政権として現れた。
昨年の8・30総選挙の結果は、戦後の自民党の長期にわたる支配を粉砕する労働者階級人民の怒りの爆発であった。それは「議会制民主主義」によるブルジョア独裁の終わりであり、日本階級闘争がプロレタリア革命の実現へ向かって激動と内乱の時代へ突入したことを意味する。
時代の趨勢(すうせい)は、ロシアでの1917年2月革命期と類似している。プロレタリアートの怒りと決起がそれまでの支配体制を粉砕はしたが、労働者階級の権力掌握にまでは至らず、むしろ労働者階級にとって、ペテン的でより抑圧的で凶暴な政権が登場したということだ。
レーニン率いるボルシェビキは、1917年2月革命時に2万4千人だった組織を10月には40万人にまで拡大している。現代では当時よりも体制内勢力が強固に意識的に労働者の決起を抑えつけ、また「闘っても労働者は勝てない」と帝国主義救済のために民主党・連合政権と一体となって革命に敵対している。だが、こうした勢力を使わなければ帝国主義の体制が維持できないのは完全に敵の最末期性を示しており、脆弱(ぜいじゃく)性と表裏一体のものだ。だから、この支配をぶっ飛ばした時にはものすごいパワーが炸裂して、一気に労働者階級が権力掌握に突き進むことが可能だ。
1929年の大恐慌時、まだ米帝は「若くて余裕のある」帝国主義であった。さらにスターリン主義による一国社会主義と国際共産主義運動の反革命的支配が厳然と存在していた。しかし今や米帝は、世界の牽引(けんいん)役どころか没落帝国主義であり、ソ連スターリン主義は自ら崩壊した。そして日帝は国際帝国主義の最弱の環となっている。
この30年間、ブルジョアジーの延命政策として猛威を振るってきた新自由主義も破産した! アメリカでは失業率が過去最高を記録し、日本の青年労働者の2人に1人は非正規労働者という現実だ。資本主義は労働者を食わせられなくなり、ひとつの体制として歴史的終焉(しゅうえん)を迎えたのだ。
各国帝国主義は国内ではなおも労働者から絞り取ることを求め、他方で延命のためにむきだしの勢力圏争い=侵略戦争で人民を殺戮(さつりく)している。こんな破産しきった帝国主義の非人間的なやり口にトドメを刺せるのは労働者階級だけだ。それが労働者階級の歴史的任務となっている!
今こそ6000万労働者を大胆に組織しぬき、日本革命―世界革命へ前進しよう!
青年・学生の決起への感動共有しともに闘う
09年の激闘は、『前進』新年号1・1アピールT章で提起されているように、本当に実り多いものであった。とりわけ11月労働者集会は、1047名解雇撤回の国鉄闘争を階級闘争の中心軸として屹立(きつりつ)させた。「国鉄分割・民営化」は、日本帝国主義による新自由主義攻撃の最初の激突点であった。しかし動労千葉の闘いと存在、動労水戸の闘い、1047名闘争が今日まで闘われ、それが国鉄闘争を階級闘争の柱にさせたのだ。
11月集会は、11月27日の国労5・27臨大闘争弾圧裁判での暴処法粉砕の大勝利を生み出した。「奴隷の道」を拒否し、「絶対反対と階級的団結を貫いて闘えば勝てる」ことを示した。「日和見主義と社会排外主義の度しがたい指導者全部にすっかり恥をかかせ、彼らを労働組合から放逐する」(レーニン「共産主義における『左翼』空論主義」)闘いが開始された。慌てふためく4者4団体派を追撃しよう。
また11月集会は、小沢・鳩山政権打倒の一大政治決戦として爆発した。そして何よりも国際連帯の前進において画歴史的なものであった。新たなインターナショナル建設の課題が各国代表から真剣に提起された。民族・国籍・国境を超えた労働者階級の団結と組織建設は今や具体的・実践的課題となった。「7月テーゼ」以来の血債主義・糾弾主義との闘いは、ここに見事に実践的領域で真価を発揮しはじめた。その後に行われた韓国労働者との交流においても、労働者同士の闘う団結が、「労働者としてひとつ」になって強化された。
11月集会に参加した各国の労働者から共通して「あなた方が組織している運動は世界的に見ても特別な位置をもっている」と言われたと、動労千葉の田中康宏委員長は語っている。動労千葉労働運動が、階級的労働運動として国際労働運動の中でしっかりと確認された。青年労働者がこの闘いを先頭で牽引したことに、われわれは圧倒的感動を共有している。
さらにこの闘いの中で労農同盟が圧倒的に強化された。「労働者の同盟軍としての農民の決起をつくっていきたい」という三里塚反対同盟事務局次長・萩原進さんの言葉にそれは示されている。塩川一派の三里塚闘争解体策動は粉砕された。
今年、三里塚闘争は決戦を迎えている。日帝が全体重をかけて三里塚闘争破壊に踏み込んで来たとき、革命軍は断固としてこれに反撃する準備を整えている。
年末の8同志奪還に象徴される法政大学生運動の勝利は、学生運動に恐怖する日帝が繰り返し加えてきた治安弾圧を打ち破った感動的な勝利だ。革命軍は彼らと心をひとつにして、日々の治安警察との闘いで勝利し続けている。
建軍以来の戦いが結実綱領草案を実践する
09年における現代革命へ向かう戦略的総路線の確立と革共同の綱領草案の採択・発表を、革命軍は喜びと感動をもって自らのものとして確認している。「戦争・改憲と民営化・労組破壊」を粉砕し、国鉄決戦を基軸とした4大産別決戦で日本革命を実現しよう!
綱領草案は、革共同の半世紀にわたる闘いの歴史、そして資本の搾取からの解放を求める今日の労働者階級の必死の闘いが結晶したものだ。革命軍の建軍以来の幾多の戦いもまた、この綱領草案をつくり出す力となった。
綱領草案の意義は絶大である。スターリン主義によって80年以上も歪曲され続けてきた本物のマルクス主義(労働者自己解放の理論と思想)をついに労働者階級の手に奪還したのだ。反帝・反スターリン主義の立場に立つ党と労働組合の関係、革命にとっての労働組合の決定的位置など、理論的・思想的深化がはっきりと凝縮している。
「プロレタリア革命をやりぬくためには、労働者階級はまず、ブルジョアジーの手から政治権力を奪取して、自らを支配階級に高める必要がある。プロレタリア革命は本質的に暴力革命である」(綱領草案〔六〕)
支配階級は軍隊・監獄・警察などの暴力装置を駆使し、労働者階級の抵抗と反乱を圧殺することに全力を挙げる。労働者階級は、社会主義を建設するために自らを支配階級に高めて革命的暴力をその手に奪還して闘い、プロレタリアート独裁能力をもぎりとるのだ。
革命軍は、この綱領草案を命懸けで実践する。そして「革命に勝利できる!」というかつてない確信に満ちている。
その対極にいるのが転向スパイ集団=塩川一派だ。彼らは、革共同綱領草案に大打撃を受け、ますます「民主党応援団」に成り下がり、革共同破壊の小ブル反革命として存在している。塩川一派は、非合法・非公然の闘いを完全放棄し、権力への投降集団となり、革共同破壊の一点に自らの存在意義を見いだしている。反革命カクマルともどもけっして許さず、日本階級闘争場裡(じょうり)から一掃する。
われわれ革命軍は、綱領草案の実践を貫く一環として、非合法・非公然体制を不敗の精神で担い、勝利し続ける。09年、公安警察との死闘戦に勝ち抜き革命勝利への橋頭堡(きょうとうほ)を築いたが、これを断固継続する。
革共同の綱領草案は、世界を獲得できるものだ。動労千葉労働運動が切り開いた地平と一体となって世界に発信されている。こんな素晴らしいことはない。全世界でゼネストや暴動で帝国主義支配と果敢に闘う労働者階級人民の熱い魂と綱領草案が必ず一体となって、世界革命の勝利へと進むことは明らかだ。綱領草案を武器に全世界の労働者の獲得へ!
非合法・非公然体制の圧倒的強化かちとろう
(1)2010年の最大の闘いは国鉄決戦である。JR資本は、動労千葉・動労水戸の組織拡大の前進と1047名闘争に大打撃を受け、分割・民営化攻撃の決着を求めて検修業務全面外注化の大攻撃をかけてきた。この攻撃は11月集会派の拠点を破壊し団結を解体して、360万公務員労働者の首切り・道州制大攻撃へ突き進もうとするものだ。だがそれは闘いによって大破綻する。そして逆に11月集会派の労働者が国鉄労働者を始め4大産別の労働者を獲得する突撃路となるのだ。
検修全面外注化阻止決戦に日本革命の命運がかかっている。この闘いはライフサイクル攻撃粉砕とひとつであり、この闘いの中で団結を固め、JRの青年労働者の11月集会派への圧倒的獲得を実現するのだ。当局と癒着してこの反労働者的攻撃を率先して推進するJR総連カクマルを粉砕し、平成採労働者の一挙的獲得を目指して総決起しよう! 動労千葉の掲げる反合・運転保安確立こそ勝利のための路線だ。尼崎事故を繰り返すな! 革命軍は、JR総連カクマル・松崎の労働者への敵対を絶対に許さない。2・13集会を成功させよう!
(2)プロレタリア革命の接近は党に飛躍を求めている。階級的労働運動の職場からの実践を貫く指導部建設、地区党建設は最重要課題だ。またプロ独樹立へ向けて、ともに闘う全階級と合流する目的意識性と柔軟性が必要だ。
さらに新年号アピールV章で強調されているように、あらためて今、帝国主義打倒の革命党の本質である非合法・非公然体制の強化が課題である。勝利したロシア革命も、網の目のように張りめぐらされた非合法・非公然の組織と体制によってあらゆる弾圧から労働者階級の前衛を守り抜き勝利をもぎりとった。
今、青年労働者や学生の中から、来るべき革命の本番を担う「階級の指導部」が次々に誕生している。だからこそ、非合法・非公然体制を堅持、強化する闘いは絶対的課題となっている。
いわば非公然活動はレーニン的オーソドキシーの一環と言えるので、活動を拡大すると考えればいいのだ。敵を知り、必要なものを準備し、入念な計画を立てて執念を持って実直に実践することだ。
革共同は、すでに組織壊滅を狙った破防法(破壊活動防止法)を二度適用されてきた。まさに革命党として非合法組織として日帝から認知された存在なのだ。労働者階級による帝国主義打倒の本格的な決起の現実化は、非合法・非公然体制の強化という課題を前面化させている。
今こそ、日帝を打倒し、世界革命を手繰り寄せる非合法・非公然体制を圧倒的に強化し、発展させよう。革命軍は勝利の先頭に立ってその闘いを担う。
(3)革命の先頭に立つのは未来を担う青年労働者と学生である。マル青労同とマル学同各1000人建設と一体となって、革命軍は自らの精鋭的確立のために闘う。
(4)階級的労働運動の発展の中で、革命軍の存在と闘いは、日帝権力に対し圧倒的攻撃性を持っている。日帝権力にとって、コントロールできない存在は激しい恐怖なのだ。革命軍の日々の防衛戦争での実践的勝利は、日帝を揺るがし勝利する力である。
(5)革命軍は、敵権力に向けて常に戦闘体制を堅持する。また反革命カクマル、塩川一派を許さずに闘う。そして革命勝利のためにどんな困難な任務や戦闘も貫く「鉄の軍団」として闘う。
わが綱領草案によって党派としての存亡の危機に立たされた反革命カクマルは、35年来使い古された「(革共同に)最後のトドメを刺す」などという自らも信じない白々しい言葉を繰り返している。その姿は漫画をとおり越して哀れさすら漂わせる。革命軍はいつでも応じる体制があるぞ。
2010年決戦を労働者階級とともに戦う決意で戦闘能力を発揮し、青年労働者の帝国主義打倒を求める心の叫びとひとつになって「権力万能神話」を打ち破って戦う。
(6)獄中36年になろうとする星野文昭同志の不撓(ふとう)不屈の闘いにわが身を重ね、どんな長期投獄をも仁王立ちになって引き受ける革命戦士としての立場を明確にさせる。1日も早い再審・星野同志奪還の闘いをともに全力を挙げて担う。全人生をかけて超長期のデッチあげ指名手配攻撃と闘う同志と断固連帯し、革命勝利へと突き進む。全同志が星野精神をもって闘えば必ず勝利できる。
(7)公然−非公然の分断から来るあらゆる困難をすべて引き受けて闘い抜く。
2010年、革命の実現へ向かってともに闘おう!
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週刊『前進』(2425号6面2)(2010/02/01 )
“ベアも定昇も認めない”
「経労委報告」に怒りの大反撃を
1カ月以上遅れ
日本経団連は1月19日、経営側の春闘指針である経営労働政策委員会報告(経労委報告)を発表した。02年に経団連と日経連が統合して以降、毎年12月中旬に発表してきたものが、今回は1カ月以上遅れた。きわめて異常な事態である。
これは民主党・連合政権の誕生に直面し、自民党支持一辺倒だった経団連が報告を全面的に書き直さざるを得なかったためで、小沢問題や普天間基地問題などに示される支配階級の激しい分裂と抗争、日帝支配の危機を象徴している。
世界大恐慌下で、「経済は2番底が懸念される状況」(大橋洋治・経営労働政策委員長)とブルジョアジーは最初から予防線を張り、今年の経労委報告はベアも「困難」、定昇維持も再検討と、全面的な賃下げ攻撃を振りかざしている。
連合や全労連の春闘での総屈服の中で、厚労省の調査によると、昨年は基本給などを削減した企業は全体の30・9%、定昇制度のある企業のうち定昇凍結・延期を行った企業が20・6%にも達している。まさに大恐慌下で首切り・賃下げ攻撃が吹き荒れているのだ。
だからこそ、今春闘は労働者の怒りを組織し、一律大幅賃上げを掲げてゼネストで決起しなければならない情勢だ。だが連合は最初から統一ベア要求を放棄し、定昇確保をブルジョアジーにお願いするだけの、奴隷的な立場に終始している。
この連合のとんでもない屈服につけ込み、今回の報告で経団連は「雇用優先」を振りかざし、“首になりたくなかったら賃下げをのめ”とばかりに、「ベースアップは困難と判断する企業が多い」とベアを真っ向から否定した。さらに「賃金カーブを維持するかどうかについて実態に即した話し合いを行う必要がある」と、定昇の凍結や廃止をも露骨に宣言した。
だが今や日本の失業率は実質的には10%をはるかに超えている。雇用維持などは真っ赤なうそであり、ペテンである。
しかも経団連は、「(定期昇給制度は)高成長が続くことを前提とした賃金制度」などと述べ、定昇廃止を完全に視野に入れ、労働者への一層の賃下げと大失業、団結破壊と非正規職化の攻撃を狙ってきている。
連合の全面屈服
さらに「報告」は、大恐慌下で資本主義そのものが崩壊の瀬戸際にある中で、一方では「企業は……付加価値を継続的に生み出し……その付加価値を社会に還元する……経済社会にとって不可欠の存在」と、企業の存在意義と資本主義の維持を振りかざし、他方では「企業内労使協調による生産性向上運動」(御手洗「序文」)なるものを労働者に強要している。
このきわめて反労働者的な経労委報告と、連合や全労連の体制内指導部の奴隷的な総屈服に怒りを爆発させよう。
動労千葉を最先頭とする国鉄決戦と10春季ゼネストで階級的に大反撃しよう。
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週刊『前進』(2425号6面3)(2010/02/01 )
三里塚に新看板が立つ
反対同盟は市東孝雄さんの畑の看板を一新し、農地死守の決意を表した(1月27日)
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週刊『前進』(2425号6面4)(2010/02/01 )
2010年 1月20日〜26日
ハイチPKOに自衛隊300人派兵へ/平野官房長官「辺野古案排除せず」
●移設5月末決定は「日本側起案」 平野官房長官は、米軍普天間飛行場移設をめぐる5月までの決着内容について「日米間で5月の末までということは、締結まで行くかは別にして、日本政府としてはこう考えると起案できる状態だ」と述べ、5月は日本側提起の期限で日米間での最終決着はそれ以降になるとの考えを示した。現行日米合意の名護市辺野古への移設案には、地元県知事の合意が得られていないとの見解を重ねて示した。(21日)
●名護市長に反対派 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題が争点となった沖縄県名護市の市長選の投開票が行われ、日米が合意した同市辺野古への移設に反対する新顔の稲嶺進氏が、移設を容認する現職の島袋吉和氏を破り、初当選した。(24日)
●ハイチPKO300人派遣 鳩山内閣は、大地震で甚大な被害を受けたハイチに、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき自衛隊を派遣する方針を決めた。陸上自衛隊の施設部隊を中心に約300人を派遣する。平野官房長官が記者会見で明らかにした。PKOでの自衛隊施設部隊の海外派遣は04年に撤収した国連東ティモール支援団以来。(25日)
●米、台湾へ新規武器 AP通信によると、オバマ米政権は台湾に新たに武器を売却する方針を決め、米議会に通告した。同政権下での新規の売却決定は初めて。売却対象には、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)と多目的ヘリ・UH60ブラックホーク、防衛通信ネットワーク用機材が含まれる見通し。(25日)
●「辺野古案排除せず」 平野官房長官は、名護市長選挙で米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対している稲嶺氏の当選が移設先検討に与える影響について「一つの民意の答えとしてはあるだろうが、検討していく上では、斟酌(しんしゃく)しなければいけないという理由はない。(政府与党の)検討委員会で(辺野古移設案を)外す考えにまだ立っていない。選挙結果がすべて移設問題に大きな影響を及ぼすとは私は取っていない」と述べ、辺野古移設案を排除せず検討を進めていく考えを示した。(25日)
●5月末結論を強調 鳩山首相は、名護市長選の結果について「ゼロベースで国が責任を持って5月末までに結論を出すとしている。そのことは必ず履行する」と表明。選挙結果を「一つの民意」と受け止め、移設先については従来の方針どおり5月末までに決める考えを重ねて強調した。(25日)
●平野官房長官「地元合意は別」 平野官房長官は、普天間飛行場の移設先を決定する上で「(地元自治体と国が)合意しているかは別の問題。(地元に)理解を求めるべきテーマだと思うが、それがなければ物事を進められないのか」と述べ、必ずしも地元合意なしでも最終結論を出す可能性を示した。地元合意なしに移設は困難ではないかとの問いに「そうだろうか。十分検証したい。そうでなくても法律的にやれる場合もある」と語り、法的措置の可能性にも言及した。(26日)
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週刊『前進』(2425号7面1)(2010/02/01 )
革命的共産主義運動の飛躍かけ国鉄決戦の歴史的勝利切り開け
青年労働者を先頭に外注化阻止決戦へ
大倉総一郎
革命派が労働運動の主流に躍り出る時代がついに来た
革命的共産主義運動は、帝国主義ブルジョアジーと全面的に闘い、プロレタリア世界革命の勝利に向かって突き進む激動の時代へ突入した。大恐慌が進行し、深化し、大失業と戦争の時代に突入し、リーマン・ブラザーズやゼネラル・モーターズ(GM)、日本航空など基幹産業の連続的破綻が全世界的に進行している。階級支配はもはやガタガタであり、プロレタリアートが待ちに待っていた情勢である。
資本主義体制は、文字どおり歴史的命脈が尽きた。しかし、帝国主義は延命するために争闘戦を激化させ、プロレタリアートを街頭へ放り出し、市場・資源の略奪戦に突進し、侵略と戦争へ向かっていよいよ地獄への道に突き進んでいる。この情勢そのものが、革命党にとって階級的労働運動を爆発させ、帝国主義体制を打倒する歴史的情勢である。革命的情勢は完全に成熟しているのだ。
革命的共産主義運動は、長期にわたる闘いによってついに、最末期帝国主義の新自由主義攻撃の完全な破綻を主体的に引き寄せた。世界大恐慌の爆発によって、階級闘争は、この大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するか、逆に資本主義の救済に走るかの非妥協的な党派闘争として激しく進展し始めた。帝国主義に屈服した勢力はこの情勢の中で淘汰(とうた)され、純化されて、11月労働者集会派だけが階級的に闘う勢力となった。
既成政党は完全に体制内化した。資本の救済者として襲いかかったファシスト勢力は反動・反革命の烙印(らくいん)を押され、青年労働者を獲得する路線も思想も持てず、力を失った。あらゆる反革共同分子は今や民主党・連合政権のちょうちん持ちとなり、階級的労働運動と動労千葉労働運動を破壊するためにうごめいている。反マルクス主義勢力は、プロレタリア革命に絶望して敵対勢力と化した。
われわれはこの時代に、動労千葉派、11月労働者集会派として、民営化絶対反対・道州制絶対反対派として登場した。そして今、階級的労働運動の力で、党と労働組合の力で、綱領草案を武器に労働者階級の新しい時代、すなわちブルジョア国家権力の打倒・プロレタリア独裁の樹立から共産主義社会建設へと突き進む時代の重大な関頭にいる。
プロレタリア独裁への道を一挙に闘いとるために、連合はもとより日本共産党スターリン主義やカクマル反革命、国鉄1047名解雇撤回闘争における4者4団体派などに示される一切の反動・反革命・体制内派と激突し、労働運動・労働組合運動の戦場で徹底的に闘うことが階級闘争を発展させる道である。
国鉄決戦はその最大の突破口であり、歴史的転換点となる闘いだ。検修全面外注化攻撃こそ、日帝ブルジョアジーとJR資本が追いつめられて仕掛けてきた団結破壊、組織破壊の大攻撃である。JR資本とJR総連カクマル・松崎との結託体制の崩壊、要員問題、安全問題が一挙に爆発している。この中で動労千葉派が労働運動の主導権を握る勢力に成長したことに敵は恐怖して、この攻撃をかけてきたのだ。
この決戦に勝利し抜くために、革命的共産主義運動と戦後労働運動、日本階級闘争の歴史において、国鉄決戦のもつ位置の大きさをあらためて明確にしていきたい。
戦後日本労働運動の戦闘的発展を牽引した国鉄の闘い
革命的共産主義運動の創成は、1955年の日本共産党の6全協(第6回全国協議会)を契機とした、戦後革命敗北の総括などをめぐる日本共産党内部での徹底的な党内闘争を出発点とした。そして砂川闘争(56年)、国鉄新潟闘争(57年)、勤評闘争(57年)の爆発に示される日本労働者階級の戦闘性の確認と、この戦闘的闘いに敵対する社会民主主義とスターリン主義の裏切りをのりこえる闘いとして出発した。さらに、56年のソ連共産党第20回大会でのフルシチョフ秘密報告(スターリン批判)とハンガリー労働者の蜂起を主体的に受けとめ、スターリン主義と決別した「社共に代わる労働者党の創成」を掲げて遂行された。
戦後革命期に党派として最大の影響力をもっていたのは、日本共産党である。したがって、1950〜60年代の階級闘争は、日共スターリン主義と闘って勝利する度合いに応じて前進した。それは、日共スターリン主義の裏切りをのりこえ、反スターリン主義・革命的共産主義運動が国鉄(と全逓)を中心に組織的中核をつくり戦闘的闘いを開始し、日本階級闘争の主導勢力として前進してきた過程でもあった。
50年代前半、階級闘争の主役の位置にあったのは電産と炭労である。朝鮮戦争突入直後の1950年7月、米軍・GHQ(占領軍総司令部)の肝いりで結成された総評は、半年もたたずに急速に左転回した。ブルジョアジーは、総評の最前列に躍り出た電産の弱体化を狙い、「電力9分割」攻撃を仕掛けた。単一産業別組合の電産は当時、発電・送電事業を一手に引き受ける全国企業で総評の強力な闘争力の源泉になっていた。
52年の電産争議は、96日間のストライキ、28波の電源ストライキ、6波の停電ストライキで闘われた。しかし、資本は企業別組合(第二組合)を結成し労働者を分断した。日共スターリン主義はこれと闘わず、闘いは大敗北に追い込まれた。日本帝国主義は、戦後革命を最終的にたたきつぶし、労働運動の体制内化を図ることに全力を挙げたのだ。
国鉄新潟闘争の衝撃
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激しい実力闘争が闘われた国鉄新潟闘争 |
「事故責任転嫁粉砕」を掲げて闘われた船橋事故闘争 |
55年体制形成のもと、57年2月の岸内閣成立は新たな階級的激突の開始となった。岸は日米安保体制を全力で推進し、日帝の侵略帝国主義としての再確立を図るとともに、労働運動への全面的攻撃を開始した。労働者階級はこれとの正面対決に立ち上がった。
57年春闘は最低賃金制の確立を求める闘争と重なり合って前進した。春闘が初めて労働者階級のものとなったとも言えた。国鉄では3月に抜き打ちストが至る所で闘われ、電車は立ち往生した。国鉄闘争が階級闘争全体を牽引(けんいん)し始めた時に、総評指導部は春闘を質的に高めるのではなく意識的に退却を開始した。これをみた日帝は、国労など公労協に対する大量処分を嵩(かさ)にかかって追い打ち的にかけた。
この処分攻撃に対する粉砕闘争として最も激しく闘われたのが国鉄新潟闘争である。北陸地本では7人の逮捕、広島では解雇1人を含む250人の処分、門司では2248人、高崎では1522人の処分が次々と出された。これに対して7月から新潟、北陸を先頭に勤務時間に食い込む職場集会、抜き打ち職場大会が63カ所で開かれ、旅客・貨物列車の大幅な遅延を出した。新潟地本は7月13日、23カ所で職場大会。14日、新鉄局の権力導入要請に対し、約60カ所で職場離脱で闘う。
この時に国労中闘の細井宗一は現地で当局とボス交に入り、職場大会は一時中止。この交渉の過程で長岡署が地本幹部5人を逮捕。地本は交渉を打ち切り、闘争は再び爆発過程に入った。新潟地本は15日、無期限の職場大会を指令した。
驚いた国労中闘は、事態を収拾すると称して、闘争を中止し交渉を中央に移す決定をする。総評は国鉄闘争の中止を支持する。日共も「中闘が決定した。社会党も動かない。だから中止を支持する」と裏切りを合理化した。
新潟地本の執行部は15人(日共8人、非日共の革同7人)で、新潟闘争を指導したのは無党派革同であった。新潟地本は約1万3000人の組合で、その中に2000人ぐらいの戦闘的活動家がいたと言われている。
国鉄新潟闘争は、戦後革命期を除くと最も激しい全国的実力闘争であった。それが、砂川闘争、57年春闘の高揚を背景に闘われた。これらの闘いは当時の学生運動に、58〜59年転換といわれる激甚な影響を与えた。それは、革命的左翼が60年安保闘争を主体的に準備する過程でもあった。
この新潟闘争の感動で、国労や機労(後の動労)の青年労働者が革命的共産主義運動のもとに結集することになる。いずれにせよ、新潟闘争の最大の教訓は党の問題だったのである。
港地区委員会の獲得
さらに学生運動の戦闘的転換とともに日共細胞の中で激しく党内闘争が行われ、革命的左翼の闘いが前進した。
それは、日本共産党の東京・港地区委員会をどう革命的左翼が獲得したかということである。安保闘争の助走期、「港区青年学生共闘会議」の活動があった。いくつかの日共細胞の中に革命的左翼の力が形成された。共闘会議は、日共党員をオルグする絶好の条件を形成した。ともに革命運動をやる同志になる労働者に食らいつき、人間関係を深め、スターリン主義批判の理論闘争に勝利し、最終的に獲得した。
そこでも、砂川闘争、国鉄新潟闘争の生き生きとした報告がオルグの力になった。今でいえばランク&ファイルの闘いを実践したのである。日共港地区委員会の獲得は、日共の地区組織を下から切り崩した点で特筆に値することであった。
ここで普遍的にはっきりさせたいことは、1人の労働者や学生をこうした討論をとおして行動に立ち上がらせることは、その行動の意義を自己の内部に確認し、自己の思想としていく努力と一体だということである。そこでは、相手の感情と意識に密着して行動することと、それを真の階級的立場に高める意識的闘争とを現実に結合することが求められ、その両面において鋭い党派闘争が展開されるのである。これらの実践は今日すでに青年労働者や学生の闘いの中で開始されているが、歴史的経験としても確認したい。
船橋事故闘争の地平
1960年の三池闘争では、炭労の場合、一筋縄ではいかず、結局、三井三池の攻防に煮詰まった。しかしそれは、それを指導した社会主義協会派(向坂理論)の限界を露呈し、総労働と総資本の闘いと言われた三池闘争を最後まで闘うことを放棄して敗北する。まさに国家権力と闘うことを否定する協会派理論のなせる技である。
革共同の歴史は、国鉄労働運動と全逓労働運動がその中心に存在した。3全総路線によるカクマルとの分裂は、三河島事故(62年・死者160人)、鶴見事故(63年・死者161人)に対し、前衛党とはどうあるべきかが問われたことが根底にあった。すなわち、反合理化闘争をどう闘うかで激論になり、松崎らは階級的労働運動路線を独自につくっていくことに反対し、民同の懐に飛び込んだ。そして反合理化闘争を闘うことから逃亡し、組織的にも革命的共産主義運動から脱落した。
カクマルの逃亡と敵対をのりこえ、600万人の労働者が64年4・17ストライキ闘争へ決起した。
このストに対して、日本共産党は4・8声明で歴史的裏切りに走る。ストは「アメリカ帝国主義と日本の売国反動勢力」による「挑発」だと開き直ったのだ。共産党は決定的段階で必ず闘争破壊者として登場するという認識が労働者の中に広がり、日共は労働者階級に対する影響力を完全に喪失していった。
国鉄では67年の5万人合理化、機関助士廃止反対闘争を青年労働者が先頭に立って闘った。この力は反戦青年委員会運動として発展し、70年安保・沖縄決戦として爆発する。日帝が労働運動つぶしのために仕掛けたマル生(生産性向上運動)攻撃は、安保・沖縄闘争の高揚を背景として粉砕される。そして71年11月の全国マル生大会を中止に追い込む大勝利をかちとった。
この闘いの過程で船橋事故(72年)が起こる。動労千葉は、事故は合理化の結果だとはっきりさせて断固闘いに立ち上がった。一切の屈服や妥協を排し、「奪われた労働条件を奪い返せ」を合言葉に反合理化・運転保安闘争路線を確立し、労働者の自己解放的決起を徹底して解き放ち、階級的団結を打ち立てる闘いを闘いぬいて勝利した。
75年の8日間のスト権ストは、一言でいえば総評の最後のあだ花である。この中でカクマル松崎は「闘っても無駄だ」と公然と敵対を開始する。70年代は、動労青年部をめぐる動労本部と千葉地本との激しい党派的激突となる。
この過程で特筆すべきは、78年全逓反マル生闘争の爆発である。全逓労働運動史上初めて年末年賀郵便物の取り扱いを拒否し、4億3000万通の滞貨を出すすさまじい闘争が闘われた。
80年代の国鉄分割・民営化攻撃は、日帝ブルジョアジーがファシスト・カクマルを使って国鉄労働運動の解体―総評解体に全力を挙げた攻撃だった。しかし、79年に動労本部から分離・独立した動労千葉は、処分を恐れず徹底的に闘い、その闘いをとおして全国鉄労働者に国鉄分割・民営化粉砕への総決起を呼びかけ、今日の1047名闘争団をつくりあげた。昨年12月の動労千葉鉄建公団訴訟では、動労千葉つぶし、国労つぶしのために当局とカクマルが結託して強行した首切りの実態が完全に暴かれた。
二組に逃亡した日共
日本労働運動は、党派闘争の歴史である。日共スターリン主義と反革命カクマルの裏切りを徹底的に粉砕する闘いとして闘われてきた。
60年代、70年代は、民間基幹産業の大合併の嵐が吹き荒れた。ブルジョアジーはその中で、労働組合に対する分裂と破壊・解体の攻撃を次から次へとかけてきた。この過程で日共スターリン主義が果たした役割は犯罪的である。
日本最大の造船所(1万3000人)であり、当時の全造船の最精鋭の組合であった三菱長崎造船分会では、60年安保の過程で日共細胞が分裂し、革命的左翼が長船社研として独立した。ブルジョアジーはここに、三菱3重工の合併を契機に公然たる組合分裂攻撃を仕掛けてきた。長船社研は、日共や総評民同・社会党が無防備・無方針に終始する中、敵の第二組合づくりと必死に格闘して第一組合の旗を守った。
問題は、石川島と播磨の合併の時である。この時に、日共は破廉恥にも第二組合に逃げ込んだ。当時の石川島は組合員1万人である。全造船脱退をめぐる投票が70年11月に行われた。賛成7000票に対して3000票の反対があった。しかし、3けたの勢力であった日本共産党は、全造船脱退反対運動から脱落して第二組合へ走った。第一組合の旗を守ったのは、石川島分会の委員長だった佐藤芳夫氏(後に全国労組交流センター代表)と、革共同が組織した造船社研である。
日共スターリン主義の裏切りの立場を決定的にしたのは「自主独立路線」への転換であった。要するに一切の闘いを議会主義へとスターリン主義的に流し込み、労働現場での争議はもっぱら裁判所に対する幻想をあおる裁判闘争に純化することとなるのである。
このように、日共スターリン主義やファシスト・カクマルとの闘いを貫いて勝利してきた日本労働運動は、動労千葉労働運動の前進を先頭に今日、階級的労働運動として驀進(ばくしん)を開始し、最大の決戦に突入している。それが帝国主義が大恐慌へ突入した中での検修全面外注化阻止決戦である。この決戦は、必ず勝利できる闘いである。
反合・運転保安闘争路線を貫いて青年労働者の獲得へ
反合・運転保安闘争路線は、09年決戦が切り開いた地平の大きさの上にそれをさらに大発展させる闘いである。
09年11・1労働者集会は、1047名解雇撤回・農地死守・国際連帯の闘いとして大高揚した。この前進は、職場生産点での資本との非和解的闘いの実践をとおして切り開かれた。それは三里塚反対同盟の農地死守と一体化する闘いであり、民営化絶対反対の闘いであった。階級的団結論を基軸に絶対反対論、組織建設論として闘い、さらに国鉄を基軸とする4大産別決戦論として闘ってきた過程であった。具体的には大失業と戦争、道州制粉砕、〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉との闘いであった。
検修外注化阻止・1047名解雇撤回闘争は、今日の新自由主義攻撃のもとでのブルジョアジーの合理化攻撃と、それによる安全問題・事故問題の爆発をめぐって闘われる。
反合・運転保安闘争は第一に、資本の合理化攻撃という、労働者への分断と団結破壊の攻撃に対して真正面から立ち向かい、逆に階級的団結を奪い返し、拡大し、闘う労働運動を甦(よみがえ)らせる闘いである。合理化・外注化を切り口とする分社化・子会社化によって一気に進行する大々的な非正規雇用化攻撃を打ち破り、正規と非正規の労働者の階級的団結を構築していく闘いである。
第二に、合理化・外注化によって不可避となる安全・事故問題の重大化を労働者への重圧に転化することで、労働者をますます資本の鉄鎖に縛りつけようとする攻撃に対し、全労働者の根底的な怒りと自己解放的決起を解き放っていく闘いである。資本の攻撃を逆に敵の破綻点としてとらえ、突きまくり、階級的力関係をひっくり返し、6000万労働者を圧倒的に獲得する闘いだ。
第三に、安全・事故問題は資本主義にとって解決不能の問題であり、資本主義の根本的な矛盾と破綻をさらけだす。反合・運転保安闘争は合理化絶対反対を貫くことをとおして労働者階級と資本との絶対非和解性をはっきりさせ、資本主義社会そのものの転覆、プロレタリア革命に向かって攻め上っていく闘いである。資本主義の労働力商品化と価値法則の廃絶をかちとる闘いの根幹にかかわる決戦だ。そうした意味で、スターリン主義を始めあらゆる体制内勢力との熾烈(しれつ)な党派闘争に勝ち抜いて、労働運動の現場にマルクス主義を甦らせていく決戦であり、階級的労働運動の生命線的な闘いである。
したがってこの闘いは、闘う労働者が職場の支配権を資本の手から実力で奪い取る闘いであるとともに、資本に屈服する一切の勢力を打倒して職場に本物の階級的団結を築き上げる闘いである。何よりも国鉄労働運動で、動労千葉、動労総連合、国労共闘を中心とした11月労働者集会派が真の主流派になる闘いに勝利することだ。それをとおして闘う労働組合・闘う労働運動を4大産別を先頭に全国全職場に甦らせ、日本労働運動の爆発的発展をつくりだす闘いである。
すでに動労千葉はその先陣を切って、ライフサイクル第3次配転撤回、検修・構内業務外注化阻止のストライキに断固突入した。この闘いに続き、検修全面外注化阻止・1047名解雇撤回の国鉄決戦を全労働者階級の総力を挙げた決戦として闘いぬこう。
ここにおいて、カクマル・JR総連のファシスト労働運動の完全打倒・解体とともに、日共スターリン主義と協会派を打倒する闘いが決定的だ。
協会派(チャレンジグループ)は、国労5・27臨大闘争弾圧に示されるように組合員を警視庁公安部に売り渡すまでに転落した。しかし、これは突然起こったことではない。彼らはロシア革命を忌み嫌い、「平和革命論」を唱える。協会派の「平和革命論」は、議会で多数をとる運動である。その自己目的的追求が国家権力との癒着であり、労働者の階級的誇りと尊厳を足蹴にした、闘う労働者への襲撃である。それが5・27臨大闘争弾圧であり、現在的には民主党・連合政権への奴隷以上の屈服した姿なのである。
勝利の道は、青年労働者を闘いの戦列に獲得すること、この一点にかかっている。未来を丸ごと奪われている青年労働者に、プロレタリア革命の中にこそ生きる道があることを真っ向から呼びかけ、階級的労働運動の隊列を塗り替えるような青年労働者の一大決起をつくりだそう。
革共同政治局の本年1・1アピールが提起したように、職場生産点での日常活動をとおして職場細胞(経営細胞・工場細胞)を建設し、この職場細胞の実践を基礎に党の飛躍と労働組合の変革を闘いとろう。職場生産点での革命党の実践は、ストライキの中に革命のヒドラが宿っているように、変革に次ぐ変革であり、党と労働組合の限りない一体性をかちとっていく闘いである。
階級的労働運動の司令塔として、全国労組交流センターを圧倒的に強化しよう。国際連帯闘争を発展させ、世界へ飛び立とう。革共同機関紙『前進』を熟読し、拡大する活動を、職場細胞建設の基軸に据えて闘おう。何よりも労働者出身の階級の指導部をぶ厚い「層」として建設しよう。検修全面外注化阻止・1047名解雇撤回の2〜3月国鉄決戦に総決起し、2010年の歴史的勝利を切り開こう。
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週刊『前進』(2425号8面1)(2010/02/01 )
旧与田派の3・7反「革共同」集会 革命の名において断じて許さぬ
「差別事件」デッチあげ 国鉄・三里塚陣形の破壊狙う
06〜07年の「党の革命」に反発し革共同から脱落・逃亡した旧与田一派。彼らが制圧する解同全国連中央本部が、3月7日に東京・社会文化会館で「広島差別事件糾弾集会」を開くと打ち出している。革共同は今、世界大恐慌が深まり戦争と大失業攻撃が労働者階級を激しく襲う中で、これと全面的に対決し帝国主義の危機をプロレタリア革命へ転化するために全力で闘っている。300万部落大衆の解放闘争の勝利も、この闘いにこそある。この時に旧与田派は、自民党や民主党、革共同脱落分子など有象無象の反動勢力に呼びかけて「革共同打倒」の集会を開こうとしているのだ。絶対に許せない! 国鉄・三里塚決戦を中軸とする今春闘争の勝利をかけて、3・7反革命集会の粉砕へ全力で闘おう。
自民党を始めすべての反動勢力の結集を狙う
3・7集会が断じて許せない最大の理由は、革共同に敵対するさまざまな反動勢力に呼びかけて「革共同打倒の決起集会」を開こうとしていることである。デッチあげた「広島差別事件」を口実にして「自民党、解放同盟など、すべての勢力を結集していく」(小森糾弾闘争本部長、08年1月)と主張し、その反革命を強行しようとしているのである。旧与田一派と同様に「党の革命」に反対し革共同から脱落した結柴誠一や新城節子、転向スパイ集団=塩川一派、さらには自民党や社民党、民主党・連合政権にも呼びかけて、革共同や動労千葉に対する悪質なデマ宣伝を振りまき、革命をめざす闘いを破壊しようとしているのだ。
ここに2010年の階級的対決構造が示されている。大恐慌下で日帝の危機が進行し、資本主義の歴史的終えんが見えてきた中で、結局、階級闘争の核心は〈帝国主義の延命=反革命か、プロレタリア革命か〉に絞られてきた。世界大恐慌下1930年代のアメリカ階級闘争がそうであったように、危機に立つ支配階級はプロレタリア革命を最も恐れ、これを阻止するためにはどのようなことでもする。直接的な治安弾圧を強めると同時に、体制内労働運動や「反体制・左翼」勢力を、さまざまな空文句や幻想を振りまいて抱え込み、真の革命勢力の破壊のために動員するのである。旧与田一派は、この日帝支配階級の手のひらの上で踊っているのだ。
彼らは、革共同が「党の革命」をやり抜いた地平の上に07年「7月テーゼ」、09年「綱領草案」を闘いとり、階級的労働運動路線のもとにプロレタリア革命の勝利に向かってぐいぐいと前進していることに恐怖し、「革共同を粉砕せよ」と呼びかけているのである。
旧与田一派が社民党をつなぎ目として結合しようとしている民主党・連合政権とは一体、何なのか。鳩山の個人資産14億円や小沢ゼネコン問題に示される金権腐敗の政権であり、社会保険庁525人の分限免職、日航1万6千人の首を切るブルジョア政権だ。沖縄県民の基地撤去の願いを踏みにじり、新たな米軍基地を沖縄に押しつける政権だ。三里塚では農地強奪、新誘導路建設、反対同盟破壊の策動を進めている。社民党の辻元清美国交副大臣らは国鉄1047名解雇撤回闘争の「政治和解」=闘争破壊を策動している。こんなとんでもない政権・政党ではないか!
何よりも旧与田一派は、3・7反革命集会の強行をもって、国鉄1047名闘争や11月労働者集会や三里塚闘争の共闘陣形に分断を持ち込み、破壊しようとしているのである。絶対に許せない。
部落解放の路線論議を「差別だ」と許さぬ立場
そもそも「革共同による広島差別事件」など、完全なデッチあげである。旧与田一派は、プロレタリア革命運動と部落解放闘争をめぐる全学連の真剣な路線論議を、あろうことか「差別事件」にデッチあげたのである。さらに言えば、彼らは党や大衆団体が部落解放の路線をめぐって論議すること自体を「部落差別である」として全面否定したのである。
旧与田一派とは、関西の労働者同志が06年に与田を打倒した「党の革命」に反発し、革共同から逃亡したグループである。彼らは、自らに問われた自己切開の闘い――それは革共同のすべての指導部に突きつけられた「真の革命党」への自己変革の試練だった――を拒否し、党から脱落したのである。
彼らはその事実を居直り、合理化する狙いをもって「広島差別事件」をデッチあげた。全国連の名をかたって「部落民への差別襲撃だ」と攻撃し、革共同と全国連を分断しようとした。これ自体が部落解放闘争、差別糾弾闘争に対する、断じて許されない利用主義、破壊行為である。
またこのデッチあげは、権力に対する〈完全黙秘・非転向〉の階級的立場を放棄し、全国連を権力と闘わない組織に転向・変質させるために行われた。
旧与田一派が「差別者」にデッチあげて非難した全学連と広島大学、法政大学の学生たちは、06年3月以来の112人逮捕、33人起訴という空前の大弾圧をはねのけて、労働者階級と全人民の解放のために闘っている。革命をめざす学生たちの情熱と行動力が労働者階級全体を揺るがし、闘いをリードする時代が再び始まった。
そこに至る闘いの過程には、すべての被差別・被抑圧人民の解放をプロレタリア革命の完遂をもって闘いとるという「7月テーゼ」をめぐる真剣な討論、マルクス主義を奪還する闘い、動労千葉の階級的闘いに学ぶことが繰り返し行われてきた。全員が完黙・非転向で闘った不屈性、団結の強固さも、そうした闘いの中で育まれてきたのだ。
このような全学連の闘いを「部落差別事件」と決めつけ、「全学連と革共同を打倒せよ」と扇動することが、どうして許せるか! はらわたの煮えくり返る思いだ。
だが、デマで労働者人民を動かせると思ったら大間違いだ。当然にもこの反革命運動は大破産した。それを民主党政権下で再び持ち出して、新たな策動を始めたのだ。
革命を「陳腐な考え方」と拒否する大転向ぶり
今や彼らは、日帝打倒の革命をとおして部落解放をかちとる立場を完全に否定するに至った。融和主義への転落であり、部落解放の道そのものを閉ざすことである。
旧与田一派は昨年秋、西郡・杉並・品川の3支部10人を除名し、3支部の承認を取り消すことを通告した。その処分理由は、「3支部が広島差別事件をデッチあげだと主張し、差別者の手先となっているからだ」というのである。当たり前のことを主張したら除名するとは何ごとか! 彼らは、部落大衆が自己解放闘争として革命を闘うことそれ自体を否定しているのである。
3支部は怒りの声明を発し(本紙前号6面参照)、処分粉砕へ断固闘う決意を表明したが、旧与田一派はこれに対する反論で決定的な転向を宣言した。彼らは、「全国連は『革命』を否定するものではないが、『革命』がまずありきとは考えないし、それに従属するようなものとして創立した覚えもない」「闘いの全過程において、このような陳腐な考え方が存在した事実もない」と言明した。
旧与田一派は、とうとう革命を「陳腐な考え方」とまで言って拒否するに至ったのだ。これは、〈部落大衆は革命をめざして闘ってはならない〉と言っているのだ。
もともと旧与田派においては、92年の解同全国連の結成それ自体に、革共同の91年「5月テーゼ」(プロレタリア革命の完遂と、そのために単一のプロレタリア党を建設する路線)に反対する契機をはらんでいたのである。今、大恐慌の深まりと労働者階級の嵐のような決起、すなわちプロレタリア革命情勢の切迫の中で、彼らはその反動性を一層純化させ、プロレタリア革命に真正面から反対し、革共同の打倒を呼びかけるまでに転落したのである。
プロレタリア革命とは、労働者階級の特殊的解放をとおして全人間の普遍的解放を実現する革命である。〈差別への糾弾と自己批判〉を労働者階級の階級的団結形成と切り離して自己目的化していく運動は、労働者階級の本質的な革命性を否定し、労働者階級への絶望を組織していく運動となるしかない(7月テーゼ)。労働者階級の階級的解放は同時に、階級社会のもとでのあらゆる抑圧・差別からの人間の解放、すなわち普遍的な人間解放である(綱領草案)。この綱領的立場にしっかりと立って、全力で闘おう。
解同全国連中央本部は旧与田一派に私物化されることによって、権力と何一つ闘わず、階級的労働運動、革命運動の前進に敵対する道を突き進んでいる。それは部落解放の道そのものを閉ざすものである。
3・7反革命集会を粉砕せよ。解同全国連の部落大衆は、今こそ中央本部=旧与田一派を打倒し、階級的労働運動とともに前進する部落解放闘争を闘いとろう。
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週刊『前進』(2425号8面2)(2010/02/01 )
福嶋裁判 上告趣意書を提出
爆取デッチあげ暴く
1月12日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と闘う福嶋昌男同志と弁護団は、福嶋同志の無実を完全に明らかにする上告趣意書を提出した。福嶋同志が最高裁に行って、「原判決を破棄し、無罪を確定せよ」と上告趣意書をたたきつけた。
上告趣意書は、第1分冊187n 、第2分冊162n、刑法学者の意見書と二つの筆跡鑑定書、関之沢林道の現地調査報告書などの資料を添付したものである。福嶋同志は、12年間の不屈の獄中闘争、デッチあげ指名手配以来の23年間の闘いの全成果の上に渾身(こんしん)の力で、自らの上告趣意書を書き上げたものである。弁護団も福嶋同志と一体となって、心血を注いで完成させた。
何よりも09年の国労5・27臨大闘争弾圧裁判での暴処法無罪判決、法大無罪判決、法大弾圧の8学生全員の年内奪還という11月集会が切り開いてきた勝利の地平で「闘えば勝てる」という勝利の確信に満ちた上告趣意書である。
一審及び高裁判決は、岩手借家と奈良県の橿原借家から押収したメモなどのデタラメな解釈で事実認定を行い、無実の福嶋同志に対して懲役12年もの重刑判決を強行した。断じて許すことはできない。これらのメモは、誰が、いつ、どこで、何のために書いたものか、まったく明らかではない。岩手借家とは、本件両事件の3カ月以上も後の1986年8月に賃貸を開始したものであり、本件両事件とはまったく関係がないし、福嶋同志は出入りしたこともない。
岩手借家は「鍋爆弾」のために開設されたものであり、すべての押収物は「鍋爆弾」のための資料であり、押収されたメモはそれらのために書き写すなどした非オリジナルメモである。奈良県の橿原借家から押収したメモは、1989年に押収されたものであり、本件両事件とも岩手借家とも地理的にも時間的にも関係がない。
また、判決は、本件両事件の準備のために「MS実験」なるものを静岡県の井川にある関之沢林道で行ったとデッチあげた。そこで、福嶋同志が先頭に立ち、弁護団も関之沢林道に何度も足を運び、地形や当時の植林状況や気温などを徹底的に調査した。そして、判決の言うところの「MS実験」場所と関之沢林道とは、地形、植林状況、気温などことごとく違うことを明らかにした現地調査報告書を作成して、上告趣意書に添付した。福嶋同志が無実であるからこそ、成し得たことだ。
さらに、メモの筆跡は福嶋同志と別人であるという新たな鑑定書を、2通提出した。これで、一審と控訴審でそれぞれ提出した鑑定書とあわせて4通の鑑定書を提出して、同一筆跡とする誤った筆跡鑑定を質的にはもちろんのこと、量的にも凌駕(りょうが)した。最高裁は、原判決を破棄し、福嶋同志に無罪を言い渡す以外にない。
職場で資本と闘って団結を拡大しよう。2・13集会こそ、民主党・連合政権打倒の突破口だ。団結の拡大で最高裁無罪判決を闘い取ろう。
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週刊『前進』(2425号8面3)(2010/02/01 )
“弾圧は一切無効”
法大4・24弾圧裁判 弁護側立証が始まる
1月27日、法大4・24解放闘争弾圧裁判の第8回公判が東京地裁刑事17部(登石郁朗裁判長)で開かれた。前回で検察側立証が終了し、この日、弁護側立証が始まった。
冒頭に冨山小太郎君が不当勾留への怒りを裁判所に突きつけた。「これまでの8回の公判のうち6回は拘置所からの出廷だった。その間、まともな医療も受けられなかった。法の権威に隠れたこの暴力こそ4・24決起への報復だ。こんな裁判など即刻中止すべきだ!」
続いて、弁護人が冒頭陳述書を読み上げた。
昨年4月24日、1000人規模の法大生が法大当局の制止を振り切って外濠校舎からあふれ出し、正門前の集会に大合流した。これを妨害するために「東京都公安条例違反」による不当逮捕が行われた。しかし、あまりのデッチあげゆえに公安条例違反では起訴できず、破産したのだ。本件の建造物侵入と威力業務妨害とは「何がなんでも被告人らを獄に入れるための政治弾圧である。法大生の怒りの噴出を恐れ、これを牽引(けんいん)した被告人らを憎悪する『4・24罪』とも言うべき、支離滅裂かつ不当な政治的デッチあげ弾圧であり、断じて許されない」と根底的に批判した。
弁護側立証の最初は、内海佑一君に対する被告人質問だ。内海君は「法大生に対する不当処分を許さない。06年3・14弾圧を口実として私は退学処分とされた。こうした処分を前提として刑事弾圧が行われてきたが、こんな弾圧は一切無効だ。現在も新たな処分を狙って2人の法大生が呼び出されているが、必ず阻止する」と断言した。
そして、本件に至る経緯として法大当局による学生支配のエスカレーションと、これに対する法大生の不屈の闘いを明らかにした。特に08年4月に登場したジャージ部隊の暴力を具体的に暴いた。ジャージ部隊に首を絞められ、Tシャツをボロボロにされた経験をもつ内海君は、破かれたTシャツを法廷で着て裁判長に見せつけた。
最後に内海君は「民主法政と言われてきたのは、学生こそがラジカルだったからだ。侵略戦争の最先頭に立った経験を持つ法大の中で反戦運動を闘い、真のマルクス主義を復権し、文化創造を担ってきたのが全学連であり、文化連盟の学生だ。闘う学生を学外者などとして排除することは許されない。教育の民営化粉砕路線を掲げ、2010年はゼネストを闘いとる」と宣言した。
続いて、恩田亮君への被告人質問が開始された。「立て看板とビラだらけの法大を面白いと感じて入学した。活発にクラス討論や演説などが行われているのを見て、当然のこととして受け入れた」と入学当初の気持ちを述べた。それが、3・14弾圧を境にして圧殺されていく過程に立ち会い、葛藤しながら闘いに立ち上がっていった様子が語られた。恩田君への被告人質問は次回続行となった。
開始された弁護側立証を圧倒的にかちとろう。新たな処分策動を許さず、今春の法大闘争の大爆発へ突き進もう。
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週刊『前進』(2425号8面4)(2010/02/01 )
法大裁判に集まろう!
☆暴処法裁判
恩田君、増井君、織田君、内海君、新井君
第8回公判 2月10日(水)午後1時30分
☆4・24集会弾圧裁判
斉藤君、恩田君、倉岡さん、冨山君、内海君
第9回公判 2月9日(火)午後1時30分
*東京地裁429法廷 12時半に傍聴券配布所へ
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週刊『前進』(2425号8面5)(2010/02/01 )
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
3月23日(火)午前10時 東京地裁
3月24日(水)午前10時 東京地裁
*両日最終弁論(全一日公判)
9時30分までに傍聴券配布所に集合を
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週刊『前進』(2425号8面6)(2010/02/01 )
団結ひろば 投稿コーナー
仲間が職場で事故―団結し「社長謝れ!」 福島合同労組 SN
昨秋、合同労組の仲間が職場で事故を起こしたことを理由に、配転・賃下げ、それが嫌なら辞めろという攻撃をかけられた。当人の悩み、迷い、苦しみを自分のものとして真剣に向きあい、激しい討論を重ねた中で、”この攻撃は自分だけでなく、これからも同僚にかけられる。闘えば止められるかも知れない”と当人が決意を固め、仲間とともに団体交渉の場に望んだ。皆初めての経験という中で「怒りあるのみ! 労働者は失うべきものは何もない。勝ちとるものばかりだ」と意志一致し、勤務後で疲れた我が身に気合いを入れ、社長、所長、部長と長のついた会社側の人間を相手に交渉が始まった。
「事故の責任は会社には一切ない。こんな事故を起こすのはバカ(まま)ですよ」とニヤニヤして言った社長の言葉に仲間の怒りが爆発。「ふざけているのはオマエだ! 社長あやまれ」と次々と弾劾の嵐をぶつけた。結果、恐れをなした会社側は年末に配転・賃下げはしないと回答してきた。敵よりも一人でも多くと、遠くから駆けつけてくれた仲間の怒りと団結で完全に勝利した。今年はさらに多くの労働者と団結を固め、資本家をぶっ飛ばす闘いに邁進(まいしん)したい。
「同僚を裏切って生き延びやがって!」 東京西部 糸魚川輪太郎
新春1月2日の早朝、JPのA局前にて郵政民営化絶対反対の全逓元旦ビラまきに東京西部ユニオン青年部で決起しました!
通常ならそのまま素通りするバイク通勤の局員も、ビラを受け取るためにわざわざ停止していくという、以前よりも確実に好反応で注目されていると実感しました。
さらには、A局で実際に勤務していたという元OBの方とも話ができました。たまたま年賀状を投函するだけのはずが、青年によるビラまきに「自分も人事交流で他局へ飛ばされた」と握手を求められました。その場で敷地内へ立ち入るなとぬかす当局の職制に対しても「昔から対応の仕方が変わんねぇなぁ、総務課長か?」と言って、強制配転への怒りを静かににじませていました。私が職制に対して「人事交流で現場の労働者を強制配転させてきたから今のお前みたいな課長という地位があるんだろうが、同僚を裏切って、てめぇだけ生き延びやがって、でけぇつらすんな!」と弾劾し、追及したところ「兄ちゃん、後でこれで何か飲みな」とその方から2000円もカンパをいただきました。
民営郵政資本は本当に許しがたい、打倒して奪還するしかない!――新年早々にあらためて考えさせられました。
1047名闘争こそ階級的団結の結集軸 元教育労働者 駿河俊彦
私は動労千葉の物資販売活動は通年的に、日常的にやっていく必要があり、また、協力者の一人ひとりを大切にしなければならないと思いました。そこで、さっそく1月初めから、これまで物資販売に協力していただいた個人や労組へのあいさつ回りを開始しました。
その中で、深い感銘を受けたことがあります。ある高教組の分会は、8年間にわたり物販に取り組んでくれていたのですが、昨年はこれまでの2倍以上に相当する3万3000円も買ってくれていたのです。確か、この分会はただ1人の組合員しかいなくて、分会長のA先生が一人でずいぶん買ってくれたものだと感心し、お礼を言いました。
すると彼女は、「いえ、あれはいろいろな人に呼びかけて買っていただいたのです」とさり気なくおっしゃいました。
ということは、買ってくれたほとんどの教育労働者は非組合員だということです。私はいたく感動し、何度も頭を下げてお礼を言いました。これは、すごいことではないですか。その感性とフットワークの軽やかさ。私たちは彼女の闘いに学ばなくてはなりません。
同時に、私は国鉄分割・民営化絶対反対を貫いて、23年間、闘い抜いてきた国鉄1047名解雇撤回闘争の恐るべき威力を思い知ったのです。
この学校の職場でも職員室は右翼体育会系の教師が制圧し、教育労働者はバラバラに分断され、団結が破壊され、強労働で息もつけないほど抑圧されています。しかし、新自由主義攻撃の一環としてある、自己評価シート提出の強制に対する、教育労働者の怒りが渦巻いています。A先生は、そのような同僚たちに国鉄1047名解雇撤回闘争と動労千葉の闘いを紹介し、物販を薦めてくださっていたのです。動労千葉の物資販売への協力を組織する闘いは、労働者としての階級意思を結集していく闘いだと、私は確信を持ちました。
2010年国鉄決戦に勝利し、プロレタリア世界革命へ突き進もうではありませんか。
星野署名に厳寒の中取り組んでいます! 北海道労組交流センター H・O
1月24日日曜日、北海道労組交流センターは、雪祭りの雪像作りが行われている最中の札幌市内大通公園で、無実の星野さんを一日も早く取り戻すために街頭宣伝、署名活動を行いました。
若者から高齢者まで足を止めて快く署名に協力してくれました。星野さんが札幌市の出身だと訴えると、多くの人が注目します。
最近、冤罪については足利事件が、また沖縄についても普天間基地の問題などが連日報道されているので、話をすると、人びとの関心がとても高いことがわかります。星野さんが闘った沖縄返還協定批准阻止闘争の意義が、40年の歳月を超えてストレートに伝わり、共感が広がる情勢です。
署名しながら、「民主党政権に代わったけど、さっぱりだ」ということを話す人が何人もいました。そこで、「労働者の団結の力で世の中を変えましょう。労働者の団結の力で星野さんを取り戻しましょう」と確信を持って訴えました。会話になった労働者には、2・13国鉄集会のカラーのビラを渡してともに動労千葉のように闘おうと訴えました。
北海道労組交流センターは、第2次再審請求にあわせて星野さんを奪還する闘いの取り組みを強化することを決めました。その一環として、11月以降毎月、街頭署名活動を続けています。1月24日は3回目でした。労働者人民の協力で、日中でも氷点下という厳寒期にもかかわらず、これまで100筆以上の署名が寄せられています。星野さんを取り戻すまでともに頑張りましょう。
失業対策も資本蓄積の餌食にされていく 東京「生きさせろ!」連絡会 W
新年号アピール第5章の「『資本論』を学者の書斎から労働者階級の手に奪い返して、駆使して闘う」という提起に大賛成です。
『資本論』第3巻第6章3節「一般的例証 1861−1865年の綿花恐慌」には、1863年の綿花飢きんに端を発する大不況時、5割に達する労働者の失業と破壊的な賃下げの中で、救貧委員会による公共事業という形で「犬賃金(飢餓賃金)」での失業対策事業が行われたこと、それ自体がブルジョアジーにとっては道路舗装工事や排水工事など社会的インフラが格安で整備され、かつはるかに低い賃金が標準賃金となって労働者を雇えるようになったことにより、二重に「もうけた」ことが、書かれています。
そもそも資本主義の本質において、恐慌時の失業対策自体を資本蓄積のための餌食(えじき)としていくということが歴史的にあったということが『資本論』で取り上げられているのです。
労働者から絞り取った剰余価値の一部を企業からの寄付として集めて「派遣村」を運営し「施し」を行い、さらに民主党政権の中に入って政府のスポークスマンと化して「もう派遣村はつくらせない」などとした湯浅誠氏や、大量解雇を無慈悲に進める日本経団連と一緒になって「セーフティネットの整備」を掲げる連合や自治労本部の動きが、いかにまやかしであるか。
結局は、この労働者搾取と支配の資本主義体制を続けるのか、それともそれを打ち倒し労働者の社会をつくり出すのか、そういう問題だということです。
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