ZENSHIN 2010/01/01(No2422 p12) |
週刊『前進』(2422号1面1)(2010/01/01 )
週刊『前進』(2422号1面1)(2010/01/01 )
マル青労同の黄金時代を築け
検修外注化阻止決戦の先頭に立ち 闘う労働組合をよみがえらせよう
マルクス主義青年労働者同盟
全国から5850人が結集した11・1全国労働者総決起集会(09年11月1日 東京・日比谷野外音楽堂)
マルクス主義青年労働者同盟は、「青年労働者の怒りを解き放ち、闘う労働組合をこの手で甦(よみがえ)らせよう」「青年労働者の決起でJR検修業務外注化を阻止し、国鉄・4大産別にマル青労同を建設しよう」の2大スローガンで「大恐慌を世界革命へ」のエネルギーをほとばしらせ、2010年決戦を闘い抜く。全国の青年労働者のみなさん! マル青労同に結集し、プロレタリア世界革命に向かってともに闘おう。
労働者の怒り解き放ち資本主義にとどめ刺せ
2010年冒頭にあたってマル青労同は訴えます。全国の青年労働者のみなさん。積もりに積もった怒りを解き放とう!
私たち青年労働者は、生まれてからずっと新自由主義の中を生き抜いてきました。自分に投資し、自分の能力を高め、熾烈(しれつ)な生存競争に勝ち抜くことが人間として当然の行為であるように言われ、自分を傷つけ、他人を傷つけ、孤立させられてきました。
資本家どもは、延命のために青年労働者を非正規雇用にたたき込み、競争させ、分断し、「自己責任」だとあたかも自分に問題があるかのように矛盾を押し付けてきました。その行き着いた先が青年労働者の2人に1人が非正規雇用という現実。
年金制度も医療保険も破綻! 競争に勝ち抜いてようやく正社員の職を手にしてもノルマに追いまくられ、さらに民営化や合理化で職を失う恐怖にさらされています。これら全部が「自己責任」だというのか!?
冗談じゃない! 連合を始め既成の体制内労働組合幹部は決まってこう言う。「大変なのはお前だけじゃない」「会社あっての労働者」「闘ってもムダ」「もっと大人になれ」……ふざけるな! こんな状況をつくってきたのはお前らだ!
これまで資本主義はものすごい発展をつくり出してきた。インターネットに薄型テレビ、多機能携帯電話――。社会は最新式のさまざまな商品であふれかえっています。しかし、こうした商品をつくりだし、社会を動かし続けている労働者が企業の競争の犠牲になり、商品が売れなくなれば首を切られていく。その裏ではトヨタやソニーの会社役員は今も億単位の報酬を得ている。ソニーの会長は10億円の報酬だ。年収200万円の非正規労働者の500倍だ。
これがまともな社会と言えるか! 青年労働者になんら展望を示すことができない資本主義そのものが社会の発展の妨害物になっています。資本主義は終わりを迎えているのです。であるならば、それにとどめをさす存在が必要です。それが労働者階級であり、その先頭で闘う存在こそ2000万青年労働者なのです。
世界大恐慌情勢で世の中はどのように変わってきたのでしょうか。07年パリバ・ショック、08年リーマン・ショック以来、世界の株式時価総額は07年10月のピーク時から55%減少、わずか1年半で約3400兆円が吹き飛んだと言われています。世界の基軸帝国主義として存在してきたアメリカヘの資金の流れが途絶え、国際的流動資金があっという間に縮小し、世界の経済成長率がマイナスに転じています。
この事態に震え上がった世界のブルジョアジーどもは、なりふり構わぬ恐慌対策に全力をあげたがどうにもなりません。オバマ政権は、粉飾決算と財政投入によって危機をのりきろうとしたが、不良資産が明るみになり、膨大な財政投入は焼け石に水という状態です。
「底を打った」などはウソっぱちで、アメリカの失業率はとうとう10%台を突破し、景気後退が始まった07年12月以降、計730万人もの労働者が首を切られています。大資本の破綻は止まらず、09年に破綻した地方銀行は123行以上。ほとんどの地銀がなんの救済も受けられず、預金者が預金を引き出し始めるや、たちまち資金繰りは困難になり、倒産するケースが続出しています。
09年11月25日、アラブ首長国連邦のドバイ首長国政府が政府系持ち株会社の一部債務について返済期日を延期すると発表したことから、「ドバイ・ショック」が世界の為替相場を大きく揺るがしました。世界の帝国主義が一層危機を深めているのです。
職場生産点から闘って民主党・連合政権打倒を
他方、帝国主義の危機と大失業攻撃に対して世界中の労働者の反撃が開始されています。
日本でも、戦後一貫して改憲を綱領に掲げてきた自民党の支配が09年8月30日、労働者の怒りによってついに終わりを告げました。代わって民主党・連合政権が登場しました。自民党でも実現できなかった「戦争する国」へと連合幹部を深々ととり入れ、労働者支配を貫徹しようと必死です。
しかし、そうはいかない。09年11・1労働者集会は、民主党・連合政権打倒の闘いの幕開けとなりました。動労千葉の闘いを先頭に〈戦争と改憲、民営化・労組破壊〉と闘う国際的な団結が日韓米の国際連帯として発展してきました。そして、09年7月のサンフランシスコ国際労働者会議を契機に、その裾野(すその)を押し広げ、国鉄1047名解雇撤回の闘いが軸に座り、「民営化絶対反対」の国際的団結の強化がかちとられました。
11・1労働者集会の大成功ではっきりしたことは、大失業と戦争への対決です。大恐慌の爆発は、帝国主義戦争を不可避とします。この戦争は、労働者の階級的団結が徹底的に破壊され、労働組合が資本家階級の行う戦争に率先協力する機関に変質させられることによって引き起こされます。これが第1次大戦と第2次大戦の教訓です。
そうであるならば、世界の労働者に共通する課題は、職場生産点における資本との闘いであり、労働組合のあり方をめぐる闘いです。11・1労働者集会に結集したランク&ファイル(現場組合員)の闘いが示しているように、絶対反対の路線を貫き屈服せずに闘い抜くならば、闘う労働組合と階級的労働運動を全世界的規模でよみがえらせ、勝利できます。
勝利の展望は、絶対反対の路線のもとで、不屈に闘い抜く中でつくられる階級的団結です。マル青労同は03年の結成以来、そういう闘いを貫いてきました。そして、ついに結成から6年たった今、その闘いは2000万青年労働者の闘いそのものだと言える地平をかちとっています。
マル青労同は、2000万青年労働者と別個にある組織ではありません。全国で闘う同盟員は、職場に行けば一介の労働者です。そして今、職場には資本による理不尽なやり方に対する青年労働者の怒りが渦巻いています。そして、この現状をどうしたら打開できるのかという悩みも渦巻いています。
そういう中でマル青労同がやってきたことは、結成以来の2本柱である「闘う労働運動、労働組合をつくりだそう」「マルクス主義の学習とその実践」です。
職場生産点での実践は苦闘の連続であり、自らを打ち鍛えるものとしてありました。そういう闘いを実践できた根拠は、全国の同盟員の改憲・戦争と民営化・労組破壊と闘おうという路線的(実践に基づく)団結であり、青年労働者に展望を示すことができなくなった資本主義は、終わりであり、取って代わることができるという時代認識です。
それでも職場の実践は大変なものがありました。「おかしいことはおかしい」と言ったとたんに、資本・当局はもちろん、体制内労組指導部からの反動、過激派キャンペーン、レッテル張り。いったんは孤立したかのような状況に追い込まれて悩むという連続。それでも、考えるより、頭から突っ込み、さらに考える。そういう連続の中で、労働組合はかくあるべしという路線を形成してきました。
この中でつかみとったことは、「資本・当局の攻撃は何を狙っているのか。職場の労働者はどういう状況に置かれているのか。何に怒り、何に悩んでいるのか」――そういうことを常に考え、職場の労働者とともに日常活動をやっていこうということでした。そして、マルクス主義の学習も、労働者が闘いに勝利するためにあるということです。
マル青労同1000人建設でプロレタリア革命へ!
マル青労同は常に職場の労働者の中にありました。これまで、まじめな労組活動家ほど「俺(おれ)は立ち上がったのにまわりの労働者はひとごとのように思っている」――そんな思いを少なからずしてきました。そして、闘いの途中で挫折を強制されることも経験してきました。しかし、ひとりの決起は決定的なのです。なぜならばひとごとのように振る舞っている労働者も少なからず共感しているからです。それは、同じ労働者だからです。
そして、ひとりの決起はひとりで終わらない。職場から立ち上がった仲間が団結して、あらゆる反動と闘い、その団結を拡大するためにも、生き生きと労働者が闘える結集軸が求められています。本来それが労働組合ではないか。そういう労働組合に変えていく、または、つくりだしていくのがマル青労同だ。
そういう労働者の団結をつくり出すことでプロレタリア革命はたぐり寄せられるのです。そういう団結が職場に形成されれば、職場だけの問題ではすまなくなります。地域的なつながりも必要になってきます。労働者に国境はない、労働者はそういう存在なのです。「3人寄れば文殊の知恵」ではないが、そういう闘いに一歩踏み出したら、それがマル青労同だ。
国鉄分割・民営化から20年以上たった今、民営化・規制緩和によって正規職は削られ、膨大な非正規職が生み出されてきました。解雇などは日常茶飯事。ブルジョアジーは、もはや万策尽き果てて、資本の危機の原因のすべてを労働者に帰し、労働者を犠牲にして生き延びようとしています。それも連合を先頭に労働組合幹部を取り込みながらやってきています。
敵の側は、かつての官公労(4大産別)の解体に的を絞ってきています。しかし、国鉄1047名解雇撤回の闘いによってそう簡単にはいかない状況です。だからこそ、JR東日本の検修職場の全面外注化をとおして、民営化を推進しようと躍起になっています。しかし、その中には安全問題の危機という矛盾がはらまれています。最大の矛盾は、JRの職場の青年労働者は黙っていないということです。
青年労働者の未来を奪うことは絶対に許さないという怒りです。この怒りこそは、社保庁解体への怒り、郵政民営化のさらなる推進への怒り、教育の民営化への怒りと同じであり、2000万青年労働者の怒りそのものであるということです。
2010年の階級闘争は、民主党・連合政権はもとより、あらゆる体制内派との党派闘争、そして、資本家階級と労働者階級のしのぎを削る大決戦になります。青年労働者にメシを食わせられなくなった資本主義は終わりだ。青年労働者こそが取って代わろう! 最大の攻防点は職場生産点にある。4大産別の職場を先頭に無数のマル青労同を建設し、1000人建設に勝利しよう。全国の青年労働者はマル青労同に結集し、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2422号1面2)(2010/01/01 )
法大4・24集会弾圧 獄中の3学生ついに奪還
12月22日、4・24法大集会弾圧裁判の第6回公判後、被告のうち暴処法弾圧裁判のグループに含まれない齋藤郁真君(法大文化連盟委員長)、倉岡雅美さん(全学連副委員長)、冨山小太郎君(全学連書記長)の3人の保釈決定をかちとり、東京拘置所から奪還した(写真)。
極反動裁判長の登石をして「保釈しなければどうなるか分からない」と心胆を寒からしめ、さらに検事抗告を断念させた画期的な勝利だ。学生や労働者、全人民の圧倒的な支援、連帯、そして獄中の被告たちの不屈の闘いがかちとった勝利だ。階級的団結の拡大の勝利だ。残る5同志を必ず奪還しよう。
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週刊『前進』(2422号1面3)(2010/01/01 )
前進速報版から
▼新潟で羽越線事故弾劾・JR体制打倒の集会・デモ▼国家権力と大激突を開始したトルコ労働者▼三里塚反対同盟が相川芝山町長弾劾の声明
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週刊『前進』(2422号1面4)(2010/01/01 )
11・1集会ビデオ完成
動労千葉が11・1労働者総決起集会の報告ビデオを制作した。10春闘へ向けて職場や地域で広めよう。
◎DVD24分 頒価500円
◎申込先 動労千葉
千葉市中央区要町2―8DC会館/043-222-7207 doro‐chiba@doro‐chiba.org
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週刊『前進』(2422号1面5)(2010/01/01 )
日程 1・17革共同中四国政治集会
大恐慌−大失業攻撃を迎え撃て! 2010春季ゼネストへ!
1・17革共同中四国政治集会
2010年1月17日(日)12時30分(開場11時30分)
ワークピア広島(広島労働会館)広島市南区金屋町1-17広電稲荷町電停前
基調報告 秋月丈志
特別講演 坂本千秋「革共同綱領草案の核心的意義」
主催/革命的共産主義者同盟中国・四国地方委員会
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週刊『前進』(2422号1面6)(2010/01/01 )
おことわり
本紙は、本号を新年特別号(12ページ)として1月1日付で発行し、1月4日号、11日号は休刊とします。次号は1月18日に発行します。休刊中の最新ニュースは『前進』速報版(http://www.zenshin.org/blog/)に随時掲載します。
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週刊『前進』(2422号2面1)(2010/01/01 )
2・13に全国結集の大闘争
動労千葉などの呼びかけに応え 外注化阻止決戦の勝利開こう
動労総連合4単組(動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎、動労西日本)と動労千葉を支援する会が「国鉄1047名解雇撤回! 検修・構内業務外注化阻止、反合・運転保安闘争勝利!」を掲げて2・13全国労働者総決起集会の呼びかけを発した。全国から総力で結集しよう。
国鉄分割・民営化を目前に控えた1987年2月16日、国鉄労働者7628人がJRへの不採用を宣告された。この日は、国鉄労働者―全労働者にとって絶対に忘れることのできない怒りと闘いの日だ。動労千葉など5団体は今年の集会を2月13日(土)に設定し、国鉄職場だけでなく、郵政・教労・自治体、民間、派遣やパートで働く全国の労働者の総結集を呼びかけている。
労働者の未来を決める天王山
国鉄1047名闘争と検修外注化阻止闘争は、全労働者の未来を決める天王山の決戦だ。
JR東日本が提案した検修・構内業務の全面外注化攻撃は、検修職場で働く全労働者を強制出向に駆りたて、安全を全面的に崩壊させ、JRで働く労働者の未来を根こそぎ奪うものだ。何よりも動労千葉と動労水戸、国労共闘の組織壊滅を狙った絶対に許すことのできない攻撃だ。
「外注化」「分社化・子会社化」「非正規職化」の攻撃こそ、95年に日経連プロジェクト報告が打ち出した「9割の労働者を非正規職にする」という巨大な資本攻勢の柱をなしてきた。国鉄分割・民営化から二十数年間、労働者派遣法や相次ぐ労働法制改悪のもとで、全産別にわたって民営化、外注化、子会社化の嵐が吹き荒れた。膨大な派遣・請負・パートの労働者が生み出され、労働者の3分の1以上が非正規職に突き落とされてきたのだ。
この攻撃に対して、連合・全労連などの既成労働組合幹部たちは、「合理化と闘っても勝てない」と白旗を揚げ、協約を締結してこの攻撃に合法性を与え、資本・当局の手先になって組合員を売り渡してきた。職場の団結や安全はズタズタに破壊され、どれほど多くの仲間が職場を追われ、労災や病気で殺されてきたことか。今こそ全労働者の怒りをひとつに結集し、こんな現状を根底からひっくり返すべき時が来ているのだ。
JR東こそJR体制の本丸だ
その結集軸となるのは間違いなく国鉄闘争だ。
戦後労働運動の中で国鉄闘争、とりわけ国鉄反合闘争(反合理化闘争)は労働運動全体を揺るがす決定的位置を占めてきた。国鉄闘争が動く時、階級闘争全体が動いた。
何よりも戦後最大の労働運動根絶攻撃に立ち向かってきた1047名闘争は、23年間にわたって連合の完成を阻み、民主党・連合政権の前に立ちはだかり続けている。そして、動労千葉と動労総連合、国労共闘は、反合・運転保安闘争路線を武器にJR資本と非和解で闘い、「労働者はこう闘えば勝てる!」ということを現実の闘いで示してきた。動労千葉の8年間にわたる外注化阻止闘争の地平、運転士登用差別を実力で打ち破ってハンドルを奪い返した動労水戸の団結、国労5・27臨大闘争弾圧裁判での「暴処法(暴力行為等処罰法)」粉砕の勝利は、労働運動全体に衝撃を与えている。
JR体制は今や、「要員」「安全」「労務支配」のすべての面から危機と矛盾を爆発させてガタガタだ。今こそJR東労組や国労本部が振りまく敗北主義、奴隷根性を吹き飛ばし、検修外注化阻止決戦をとおしてJR体制を打倒する時が来たのだ。とりわけJRで働く青年労働者のみなさん! 外注化攻撃の手先=JR東労組カクマルの支配を打ち破り、闘って未来を切り開こう。
この闘いは、1047名解雇撤回闘争と完全にひとつの闘いだ。1047名闘争とJR本体の労働者の闘いがひとつになり、JR体制の”総元締め”であるJR東日本を揺るがした時こそ、1047名闘争勝利の展望も切り開かれるのだ。
4者4団体は、今年の2・16集会をもって1047名闘争の幕引きを図ろうとしている。絶対に許せない! 「政治解決」路線など、もはや完全に破綻している。屈服と変質を際限なく深める4者4団体一部指導部への怒りを爆発させ、1047名当該の仲間は2・13全国労働者総決起集会に集まろう。
民主党政権打倒の突破口開け
「8・30情勢」―戦後的な自民党による階級支配の全面的崩壊の中から登場した民主党・連合政権は、成立から4カ月にして政権末期的な危機を深めている。
1047名闘争と外注化阻止決戦を結集軸に、すべての労働者の怒りを総結集しよう。この闘いの中から、労働運動の腐りきった現状を革命的に塗り替えよう。
2・13全国労働者総決起集会の爆発で、大恐慌下における壮大な労働者決起の扉を押し開こう。この闘いを突破口に民主党・連合政権を打倒する10春闘決戦の大高揚へ突き進もう!
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国鉄1047名解雇撤回! 検修・構内業務外注化阻止、反合・運転保安闘争勝利!
2・13全国労働者総決起集会
東京・代々木公園B地区野外ステージ
2月13日(土)午後1時開始(集会終了後、JR東日本本社抗議デモ)
主催/国鉄千葉動力車労働組合、国鉄水戸動力車労働組合、国鉄高崎動力車連帯労働組合、国鉄西日本動力車労働組合、動労千葉を支援する会
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週刊『前進』(2422号2面2)(2010/01/01 )
“安全切り捨て許さぬ”
JR岡山支社を包囲・弾劾
「安全切り捨て・契約社員使い捨てを許さないぞ!」――12月20日、動労西日本の山田和広副委員長を先頭に、30人がJR西日本岡山支社包囲闘争に立ち上がった。歴史的大勝利をかちとった国労5・27臨大闘争弾圧被告団の富田益行さん、東元さんをはじめ、関西、広島、山陰からも闘う仲間が駆けつけ、寒風を吹き飛ばす熱気あふれる闘いを貫徹した。
この日正午からJR岡山駅の正面で街頭宣伝に立った。用意した500枚のビラがどんどん吸い込まれて行く。
山田さん、富田さんらが交代でマイクを握り、JR東の検修業務外注化やJR西の尼崎事故報告書改ざんに見られるような安全切り捨て、岡山駅での組合ビラ配布という当たり前の組合活動に対する山田さんへの訓告処分攻撃を弾劾する熱烈なアジテーションを行った。街頭からも激励が寄せられた。
続いてJR岡山支社へのデモ行進。「1047名闘争に勝利するぞ」「安全切り捨てを許さないぞ」「契約社員制度を廃止しろ」「ビラまき処分を粉砕するぞ」というシュプレヒコールに、職制はひとりも姿を現せない。門前で山田さんが動労西日本の申入書を読み上げ、怒りと決意をたたきつけた。
その後、会場を移して「5・27臨大弾圧『暴処法』粉砕勝利報告集会」を行った。富田被告団長が暴処法と共謀を完全粉砕した大勝利を意気高く報告。「検修外注化阻止を全国闘争化しよう。動労千葉などが呼びかける2・13全国労働者総決起集会に結集しよう」と呼びかけた。同じ被告団の東さんも「資本主義打倒」を訴えた。
許さない会・岡山の代表の矢山有作元衆院議員は「完全無罪しかない」と明言。動労西日本・山田副委員長が「ビラまき処分を撤回させる」。さらに自治体労働者、合同労組の仲間、動労千葉を支援する会・岡山の仲間が決意を表明した。
団結を打ち固め、10春季ゼネスト・検修業務外注化阻止決戦に攻め上ろう。
(岡山労組交流センター・N)
(写真 国鉄労働者を先頭にJR西日本岡山支社包囲闘争に立った【12月20日】)
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週刊『前進』(2422号2面3)(2010/01/01 )
東日本解放共闘総会 “腐った本部は打倒だ”
3支部への処分に戦闘宣言
「腐りきった中央本部を打倒する!」「私たちが部落解放運動の指導勢力として闘うことを決意する」――部落解放同盟全国連西郡支部・杉並支部・品川支部の連名による「声明」が高らかに読み上げられた。
12月20日、渋谷勤労福祉会館で開催された部落解放東日本共闘会議第18回総会は、全国連中央本部による3支部への「支部承認取り消し」「役員10人除名」という「統制処分通告」(11月19日)に対する怒りで包まれた。結集した103人の労働者・学生は、3支部声明を万雷の拍手で支持し、ともに闘う決意を打ち固めた。
処分攻撃は11月労働者集会から逃亡し路線的破産に追いつめられた本部のあがきだ。「今ではいつも、闘う労働組合の赤旗の隊列に、誇らしく3支部の荊冠旗がひるがえっている」(「声明」)ように、資本・国家権力と非和解で闘い11月集会派として登場している3支部への憎悪と敵対、支部破壊宣言だ。絶対に許すわけにはいかない。
総会は、既成解放同盟や全国連中央が民主党・連合政権の懐に飛び込み権力の手先に成り下がる中で、解放共闘こそが部落解放運動の主流派であることを圧倒的に確認した。また「3者協議」路線を粉砕し石川一雄さんとともに狭山第3次再審闘争と八尾北医療センター民営化阻止・西郡住宅闘争に決起する方針を確立した。
司会は、この間4波のストを打ち抜き遠距離配転攻撃を粉砕した動労水戸が務めた。主催者あいさつは解放共闘議長の動労千葉・田中康宏委員長だ。田中さんは、解放共闘の闘いの原点は、マルクス主義=階級闘争の立場に立った当たり前の部落解放運動を取り戻すことにあると鮮明に提起した。
続いて井上長治事務局長が議案に基づき総括と方針を提起した。「11・1労働者集会の勝利の上に総会を迎えた。これに追いつめられた全国連中央本部が西郡・杉並・品川の3支部に対して統制処分に踏み切ってきた」と怒りを込めた。
ともに処分攻撃と闘う西郡支部、八尾北労組、広島解放共闘からのメッセージが紹介された後、杉並支部の田中れい子支部長が、本部による統制処分を弾劾し戦闘宣言を発した3支部連名の「声明」を発表した。会場から「よし!」の声が上がった。
「声明」の中で次々と本部の腐敗ぶりが明らかにされた。「処分」理由にはなんと「動労千葉とともに革命をめざす部落解放運動」をやっているからとある。しかし本部はもともと「革命をめざして全国連をつくった」のではなかったか。会場からはこの変節に対する怒りと驚きの声があがり、失笑すら起こった。処分は本部の敗北宣言であり、解放共闘の1年間の前進を一層際立たせている。
処分通告を受けた支部役員が次々と発言に立ったが、いずれも勝利者としての自信にあふれていた。デッチあげ「広島差別事件」の「糾弾闘争」へのめりこむことで本部の危機と破産がさらに深まることは明白だ。
東京西部労組交流センター、動労千葉、動労水戸、婦人民全クラブ全国協関東ブロック、都政を革新する会、全学連の決意表明は、闘えば勝てることを実感させ、狭山闘争の勝利もこうした闘いの前進でかちとることができることを確信させるものだった。
決意表明の最後に杉並支部と品川支部が登壇。杉並支部は「全国連中央は住宅闘争で路線的に破産していることを示した。労働者階級の解放の中に部落解放がある。マルクス主義に基づく部落解放闘争路線で闘う」と表明した。
品川支部は、処分攻撃の中で3支部の強固な団結を破壊しようとする策動への怒りをたたきつけ、「支部の存亡をかけて八尾北民営化と闘う」と決意を語った。
JR検修外注化阻止を最大の決戦とする2010年決戦に躍り出る決意を込めて参加者全員が肩を組みインターナショナルを斉唱し、民主党・連合政権打倒を誓った。
(写真 狭山第3次再審闘争の勝利、八尾北民営化阻止・西郡住宅闘争へ闘う決意を固めた総会【12月20日 渋谷】)
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週刊『前進』(2422号2面4)(2010/01/01 )
民営化が労働者を殺した!
JP銀座局で死亡事故 怒り組織し民営郵政打倒へ
「本人の責任」と居直る当局
12月14日午後9時20分頃、日本郵便銀座支店2階の荷さばきスペースで、特殊郵便課の労働者(59歳)が運転していた電動牽引(けんいん)車が、業務用エレベーターの扉が開いたため、本人もろとも1階のゴンドラ上に転落、労働者が死亡するという大事故が発生した。本人は、牽引車の下敷きで頭を強く打ち、即死状態だった。
郵政当局は、事故後の調査もなしに「本人によるフォークリフト操作ミスで、エレベーターのドアを突き破り、転落死した」とコメントし、そのまま翌日の新聞で報道された。犯罪的な対応だ。翌朝のミーティングでも「本人の責任。安全運転を」などと事故責任を本人に転嫁、支店長からは「謝罪」の一言もなかった。安全確保の欠如を完全に開き直ったのだ。
現場の労働者は「事故は本人の責任ではない」「何でも現場のミスで片づけるな」「当局に責任を取らせろ!」と、怒りを沸騰させている。
「利益を出す」ことだけが一切となった民営郵政の劣悪な労働環境と安全無視の作業指揮で現場労働者が殺された! これが真相だ。郵政労働者25万人全員の死活にかかわる問題である。現場では当局への徹底的な責任追及が始まっている。
安全崩壊招く利益出す方針
当局のコメントは悪質なデマだ。労働者が乗っていたのは「フォークリフト」ではなく小型電動牽引車である。「エレベーターのドアを突き破った」もウソだ。ドアは破壊されていない。ほとんどキズも付いていない。目撃した人は「斜め左からバックで動き、(牽引車の)後ろの連結フックがエレベーターの扉を押し開く形で転落した」と話している。
ゴンドラが移動中(1階に降りていた)に、牽引車の後部フックが「斜め左から」エレベーターのドアを押しただけでドアが開いた(!)のだ。開くはずのないドアが「斜めから」押されて開いた。当局の説明とはまったく異なる事実が浮かび上がる。
このエレベーターのドアは「手で押したら開いてしまった」(現場の証言)こともある欠陥装置だった。エレベーター本体は、南部小包(銀座局の前身)時代の68年に造られた老朽施設で、以来40年間も使われている。故障も多い。この危険度の高い老朽エレベーターの安全対策はなかった。
「破産したJPEX(小包部門の子会社化計画)に大金をつぎ込んだやつらが、労働者の命にかかわる作業エレベーターの一台も更新しなかった」(現場の声)のである。”安全に金を使わない”のが民営郵政の経営方針なのだ。牽引車(トヨタ製)の運転訓練も、現場の要求や作業マニュアルまで無視して、当局は実施しなかった。
荷さばきスペースは、郵便物を載せたパレットで大混雑していた。ここで決定的な問題は、郵政民営化による中郵廃局―銀座支店への統合によって、「差立て業務(仕分け・発送)と到着業務は同一フロアでなければならない」という、業界では当たり前の安全原則が崩壊していた事実である。中郵時代は、同一フロアなので牽引車は不要だった。
銀座支店の差立て便発着場(本館1階)と到着便発着場(新館1階)は別の建物に分かれている。両者をつなぐ連絡通路は2階にある。つまり差立てから到着への荷物の移動は、エレベーターでいったん2階に上げ、そこで牽引車につないで連絡通路を移動し、別のエレベーターに積み込んで1階に下ろすという複雑な作業を強いられていた。中郵廃局で安全性の物理的条件が破壊されていたのである。しかも連絡通路は傾斜している。
非正規職の拡大と要員不足で、職場の安全ノウハウが継承できなくなったことも重大だ。大繁忙期のこの12月だけで、全国の郵政職場で3人の労働者が事故死している(さらに巻き添えの市民3人も死亡)。この中で今回の事故も起きた。
闘い放棄したJP労組中央
まさに「闘いなくして安全なし」である。民営化によるこれほどの労働環境の悪化を目の当たりにしながら、一切の闘いを放棄し抑圧してきたJP労組中央本部の責任も重大である。現場の労働者たちは「JR尼崎線の事故と同じだ!」「当局と組合中央に絶対に責任を取らせる」と怒りを爆発させている。
民営郵政の責任を徹底的に追及しよう! 民営化絶対反対で闘う労働組合を取り戻そう! これはすべての郵政労働者の死活問題だ。
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週刊『前進』(2422号2面5)(2010/01/01 )
敵の手先・秋葉文学部教授を追及
法大4・24弾圧裁判 地裁前座り込みと一体で
12月22日、東京地裁429号法廷で4・24弾圧第6回公判が行われた。
前日に続き地裁前には「秋吉・登石裁判長は8学生を釈放しろ!」の横断幕。寒風の中で終日、座り込みとビラまき、署名活動が繰り広げられた。これと一体となり法廷での闘争が行われた。
冒頭、増井真琴君が「年内に保釈しなさい」と登石郁朗裁判長を一喝し、法大職員・鈴木文夫への反対尋問が直ちに開始された。鈴木は自分が学生のトラメガを破壊したことなど違法行為を認めた前回の証言を翻した。すると傍聴席から退廷をものともせずに弾劾が鈴木に浴びせられた。
反対尋問に立った倉岡雅美さんは、法大闘争の「やり方」を批判していた鈴木が倉岡さんへの停学処分について再審査請求の手続きを逮捕に乗じてほごにした無法を弾劾。冨山小太郎君が学生からの法大批判を「誹謗(ひぼう)中傷」と証言した鈴木に『週刊金曜日』の法大記事への見解を問いただすと、鈴木は「コメントしない」と逃げ回った。被害者面で証言台に立った鈴木が学生弾圧の張本人であったことが完全に暴露された。
この日の最大の焦点は、法大文学部教授の秋葉雄二の証人尋問だ。秋葉証言こそ、4・24集会に「威力業務妨害」をデッチあげる最大・最弱の「証拠」であり、学生を守るべき教員が権力の手先となって証言するという転向した法大教員の象徴である。
秋葉は検察官に答えて「集会がうるさくて授業の70%ぐらいしかできなかった」と学生を有罪にするための証言をした。しかも、弁護人から文学部教授会が恩田亮君の無期停学処分を強行した問題を追及されると、証言を拒否。
しかし増井君が追及すると、なんと秋葉は「学生時代はクラス討論をやっていた」、法大の教授になってからは「ストライキで授業ができないことも何度もあったが、刑事事件にしなかった」と認めざるを得なかった。「どうして今回は権力の手先になったのか!」「自己保身で転向したお前を許さない!」。倉岡さんも加わった追及に秋葉は何も答えられず、うなだれるばかりだった。
続いて法大総務部次長の半澤昌宏が証言に立ち、4・24弾圧に100人もの教職員を動員していたことなどを白状したが、時間切れで続きは次回となった。
被告・弁護団・傍聴者が一体となり、弾圧のためのデッチあげ証人たちを完膚なきまでに粉砕・打倒して大勝利した。
この公判の直後、登石裁判長は4・24弾圧の6被告の保釈を決定。岡本洋之検事らは抗告もできないほど打ちのめされた。被告・弁護団・家族・学生と労働者が一体となった総決起で登石裁判長を追い詰め、3学生を奪還した! 残る5学生を直ちに奪還しよう!
(写真 寒風の中、東京地裁前に座り込み、8学生奪還へ熱烈な訴えを行う全学連【12月22日】)
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週刊『前進』(2422号2面6)(2010/01/01 )
日程 法大裁判に集まろう!
★暴処法弾圧裁判
恩田君、増井君、織田君、内海君、新井君
第7回公判 1月14日(木)午後1時30分
★4・24集会弾圧裁判
斎藤君、恩田君、増井君、倉岡さん、冨山君、内海君
第7回公判 1月12日(火)午後1時30分
※東京地裁429法廷 12時半に傍聴券配布所へ
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週刊『前進』(2422号3面1)(2010/01/01 )
“世界を視野に入れた労農連帯”
今年は三里塚の年 反対同盟は闘う
2・25現闘本部裁判 反動判決は絶対許さぬ
1780人が結集した10・11三里塚全国闘争
三里塚芝山連合空港反対同盟から激闘の2010年を闘う決意が寄せられた。日帝・成田空港会社(NAA)と一体となった千葉地裁・仲戸川裁判長による現闘本部建物の強奪・撤去の策動を粉砕し、市東孝雄さんの農地を守れ。3・28三里塚全国総決起集会に攻め上ろう。(編集局)
44年の闘いは正義 事務局長 北原鉱治さん
44年間、政府の暴政と闘いつづけてきたことは正しかった。本来なら30年も前に完成しているはずの空港がいまだ半分しかできておらず、いびつな姿をさらしている。人民の闘いに正義があったからにほかならない。
1966年に全国の支援者の浄財をもって建てられた反対運動の拠点である天神峰現地闘争本部――その裁判が2月25日に判決を迎える。23回の弁論が開かれたが、正義がどちらにあるか、法を犯しているのはどちらかが法廷で明白になった。裁判長はおそらく反動判決を書いているだろうが、それがいかなるものであろうとわれわれは不屈に闘いつづける。
また市東さんの農地を奪おうとする攻撃も、絶対に許せない。三里塚で行われている無法に立ち向かうことは、日本の将来を決める闘いである。
成田は「有事」にアジア侵略の拠点、軍事空港の姿をあらわすだろう。民主労総の方々が昨年も三里塚を訪れてくれた。戦前・戦中に日本が朝鮮・韓国に行った侵略と戦争を私は率直に謝罪した。気持ちは通じたと思う。私は、日本と韓国とがこのアジアの一角から平和を作り出そうと提案している。労働者が軍事物資をつくらず、運ばず、農民が生命の糧である食糧をつくれば戦争は起きない。昨年の11・1日比谷での集会で米、韓国、ブラジル、ドイツの労働者の参加を見たときにあらためて確信した。
私のこの闘いの姿勢、生き方はもう誰に何を言われても変わるものではない。2010年、全国へ、そして地元へのアピールの先頭に私は立つ。
現地制圧の攻防に 事務局次長 萩原進さん
前原国交相の「羽田ハブ空港化」発言は、三里塚闘争の位置をはっきりと示した。成田に比べれば羽田の空港としての優位性は明らかで、しかし羽田だけでハブというわけにもいかない。それで羽田・成田の両方を使って対応する。しかし実質的には国際線のドル箱を羽田に取られることになるので、利権がらみで大騒ぎになっている。結局われわれが44年間に渡って成田空港を破綻に追い込んでいることがこういう事態をもたらした。
東側に新誘導路をつくったと思ったら今度は第3の誘導路なんて言い出すんだから、無計画で場当たりなやり口の失敗を自認したに等しい。
現闘本部裁判も、市東さんの農地裁判も向こうの言っていることは矛盾だらけでなんら整合性がない。だからこそ攻撃を力ずくで押し通そうとしてくるだろう。
2・25現闘本部裁判の判決では、仮執行のついた判決を予想しておかなくてはならない。そして3・28の全国集会を大爆発させ、4〜5月の現地攻防戦が白熱化するという過程が考えられる。われわれは2期決戦の時のように、毎日団結街道を2度3度とデモをやり、かけずり回る、そういう状況を作る必要があるのではないか。現地を敵味方どちらが制圧するかの攻防に入るだろう。その中で市東さんの農地を守る厚い陣形を構築する。労働者と農民の連帯がますます必要になる。
昨年は11月に韓国を訪問して民主労総との交流を深め、世界を視野に入れた労農連帯へと一歩を踏み出した。確信をもって2010年は三里塚の年だ、と訴えたい。
“第3誘導路”認めない 自然体を貫き10年 天神峰 市東孝雄さん
現闘本部裁判、そして私の農地裁判を09年は全力で闘った。裁判のたびに仕事を一日休むのは農民にとって大変なことだと、裁判官らは知っているのかな。昔、うちのおやじについて空港公団が「猫の額ぐらいしかない土地だから、追い出すのはいつでもできる」と豪語した。それでおやじがものすごく腹を立てて闘った。結局「猫の額」を取れなくて44年も経ってしまった。
私も、あの千葉県農業会議で県の役人が「1億8千万円もらって出て行けば土地から上がる収益の150年分にあたる」と言い放ったときの怒りを、けっして忘れることはできない。どこまで農民を見下すんだ。もともとそんな金額に興味はないが、もしだまされて1億8千万円で土地を売ったら、NAAはその何十倍ももうけるわけでしょう。絶対に許せない。
日本全国の農民は、田んぼ、畑、果実、酪農と種類は違っていても岐路に立たされている。政府の施策に従順なところには手当てするようなことを言っているが、われわれのような有機農法にまじめに取り組んでいるようなところは、はずされている。労働者と農民が互いによく理解して連帯し闘うことが大事だ。
第3の誘導路計画など認めない。私が三里塚に戻り、ちょうど10年がたった。たかが10年、されど10年。みなさんの支援のおかげでもあり、また私自身も自然体を貫くことでやってこれた。今後もどんな攻撃がやってこようとこれまでどおりやり続けますよ。
体張って闘う覚悟 中郷 鈴木謙太郎さん
飛行機事故をきっかけに暫定滑走路北延伸が前倒しで供用開始されたわけだが、東側誘導路をつくったら今度は第3誘導路計画などと言い出した。北延伸はもともと南側の天神峰・東峰の住民を追い出す攻撃であり、これに反対同盟も東峰部落も負けなければ永久に成田空港は完成しない。暫定滑走路はしょせん暫定で終わるだろう。
現闘本部裁判の一審の判決が出ようとしているが、反対同盟は本部と市東さんの農地を体を張って死守すると固く意思一致している。その覚悟で今年を闘う。
空港の利権をめぐる騒動の中で、元反対同盟でもある芝山町長・相川勝重が、発着の時間制限を取り払えとか、新滑走路をつくれなどとNAAにアピールを行った。NAAも年間30万回の発着が可能だとぶち上げているが、机上の計算だ。旅客も貨物も減っているのは近くで見ていて手にとるようにわかる。静岡、茨城と採算のめどが立たない地方空港が開港するが、隣の県に行くのに飛行機を使う人はいない。
反対同盟はこの間、労農連帯を訴えながら前進してきた。そして日本全国の農民の心をつかむような闘いを心がけてきた。今全国の農民が置かれている苦境は、けっして一時的なものではない。民主党も賛成して農地法の改悪が強行された。まさに耕す者から権利が奪われようとしている! 「空港建設のための農地強奪」という市東さんにかけられた攻撃との闘いこそ、日本農民にとって最重要課題だ。
市東さんの耕作地前で(09年10月11日)
10月集会が大成功 白枡 伊藤信晴さん
10・11三里塚全国総決起集会が画期的な大結集をかちとり、大成功した。三里塚闘争勝利のために労農連帯の発展が不可欠であるといっそう浮き彫りになったと思う。現闘本部をめぐる決戦と国鉄決戦、検修・構内業務外注化攻撃との闘いが一体で爆発することが、勝利のかぎとなる。
敵はさまざまな攻撃をかけて同盟と空港反対運動をつぶそうとしてきたが、今ははその攻撃を粉砕したと言える。5・27国労臨大闘争弾圧裁判での勝利に明らかなように、敵は磐石では全然ない。2月25日の判決内容について楽観視はできないが、いかなる判決だろうと、市東さんの気概、動労千葉との連帯、そして何より不屈の44年の闘いがある限り反対同盟の破壊は絶対にできない。
昨年も民主労総の大訪日団を三里塚に迎えたが、仕事と生活を抱えぎりぎりの条件の中でがんばって来てくれた。労働者の自己解放にかける情熱を韓国の人びとから受け取った。
まさに資本主義は終わりの時を迎えている。日帝の航空政策も破綻している中でアジア侵略の拠点という成田の姿があらわになるだろう。これを労働者と農民の力で粉砕して、空港廃港の展望を切り開くことができる。
許せぬ市長の暴言 婦人行動隊 宮本麻子さん
成田市長は東峰・天神峰で空港に反対し闘っている人びとについて、「交差点の真ん中に住んでいるようなものだから早く移転してほしい」などと発言しました。自分たちでそういう状況をつくりだしておいて、怒りを抑えられません。
昨年は裁判闘争に明け暮れた1年でした。多いときには一月に3回4回と弁論が開かれ、毎回傍聴にも多くの人が駆けつけ、反対同盟は弁護団とともに全力で闘いました。不公平でまったく理にかなわない姿を引きずり出し、仲戸川裁判長やNAA、千葉県を追いつめました。
そして市東さんの農地を守る運動がさらに広がったことを感じました。国際連帯もますます深まっています。韓国でも労働者・農民に対して政府が行っていることは、力ずくの弾圧、強制排除など本当に同じですね。
資本の攻撃に対して、生きるために手を携えて闘うことが本当に求められます。私の周りでも失業、首切り、生活苦などの問題が深刻化しています。1年前に派遣村のことを報道で見たときは、「東京は大変なことになっている」と話していましたが、今やその現実は成田のものです。
社会を変える闘いに立ち上がることが求められる2010年。反対同盟はその先頭で闘います。
毎回の傍聴が力に 東峰 萩原富夫さん
振り返ると、裁判闘争で1年を駆け抜けたという感じです。法を悪用して土地の強奪を画策するNAAに対して、法廷ではつねに気迫で押す闘いをやりぬけたと思います。なにしろ相手は国家権力なんだからもっと傍若無人に攻撃をかけてきてもおかしくないくらいだが、やはり毎回傍聴にたくさんの人たちがつめかけていることが大きな力になりました。
東側の誘導路のために東峰の森が伐採されて、うちから畑への道も遮断され大きく迂回を余儀なくされた。工事に次ぐ工事で、現地の状況は道やトンネルを継ぎ足され、変形され、空港は絶えず騒音や排気ガスをまき散らしている。そうやって敵は物質力でわれわれを屈服させようと日常的に迫ってくる。これに負けないことが肝心だ。畑を耕し農民として生活していくことが空港を追いつめることになります。
脱落派のように提言とかなんとか言ってはだめだ。「空港は必要かどうか」なんて議論に乗ったら「必要」という話にしかならないもの。そういう立場に立たず、一切の話し合い拒否、農地死守の原則を貫くことだ。
先日東峰神社の掃除を行ったが、あそこの木はすくすくと育っている。NAAからは「航空法違反だから切ってくれ」と言ってきているが、絶対に切らせません!
正義の暴力で反撃 森田恒一さん
10・11集会での私の開会宣言を「インターネットで見た」と後輩の牧師が手紙をくれた。彼自身もかつて三里塚に参加したことがあり、私の訴えに共感してくれた。集会でもはっきりと述べたが、現闘本部と市東さんの畑を守るために、私自身が体を張って立ち上がる。不正義はまさに政府とNAAであることは誰の目にも明らかだ。ところが千葉地裁は今や国家権力の手先というか子分というか、三里塚をつぶすためにはどんな無理でも押し通そうとする姿勢をあらわにしている。
民事訴訟法には主尋問に対しては反対尋問を行うことが明記されているにもかかわらず、仲戸川裁判長は石橋証人らへの反対尋問の機会を奪い去ったまま結審に持ち込んだ。この手口から、2月25日の判決が法と道理にかなうものであるとは到底予想できない。そして国家権力の本質をむき出しにして、遅かれ早かれ暴力をもって現闘本部建物と市東さんの畑を奪いに機動隊を大動員して襲いかかるだろう。
私はすでに91歳となり、自由に体が動くわけではないが、このような権力の理不尽な暴力に対しては人民の側が正義の暴力をもって反撃するしかないと確信する。市東さんの不屈で果敢な決意がある限り、三里塚は絶対に負けない。
悪政をただす闘い 天神峰現闘本部裁判を支援する会代表世話人 戸村義弘さん
現闘本部裁判で反対同盟側はあらゆる意味で優位に立ち、敵方を圧倒している。弁護団が同盟と一体となって奮闘していることに、頭が下がる。NAAは木造建物が「滅失した」と言っているが、鉄骨の建物の内側に、登記された木造の建物はちゃんと残っているんだ。実地検証を行えば疑問の余地なく分かる。ところが裁判長はそれをやろうとしない。今は反動的な判決を準備していると予想される。
またこうした裁判の形をとった攻撃をマスコミが報道しないことに、私はすこぶる腹を立てている。「飛行回数を何万回増やす」などとNAAのカラ宣伝をストレートに流すのに、われわれが裁判で敵を追いつめていることは、あれだけ記者が毎回取材に来ていながら1行も記事にしないのか。民衆の側に立ち資本・権力を撃つような気骨ある報道がないのは嘆かわしい。これでは戦時中に大本営発表をそのまま垂れ流して、戦意高揚、戦争推進の立場に堕したころと同じだ。
だったらわれわれ自身が「事件」「騒動」を起こしてでも、マスコミがそれを報じざるをえないような闘いをやる。
三里塚は単に「自分の土地を手放したくない」という守りの運動ではなく、農地を武器に悪政をただし、日本全体のあり方をただす、言うならば革命の運動なのだ。
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週刊『前進』(2422号3面2)(2010/01/01 )
2009年 12月16日〜22日
オバマ・鳩山支持率50%割れ/駐米大使に「普天間」履行要求
●都市型施設で大規模訓練 沖縄県金武町の米軍キャンプ・ハンセン内のレンジ(射撃場)4にある都市型戦闘訓練施設で爆発音や白煙、光などを伴う大規模な訓練が実施された。ヘリコプターから武装した兵士5、6人がロープで施設の屋上に降下する訓練なども確認された。(16日)
●オバマ支持率、初めて50%割れ 米NBCテレビとウォールストリート・ジャーナル紙が発表した12月の世論調査によると、オバマ米大統領への支持率が47%となり、両社による調査で初めて50%を割り込んだ。不支持は46%。(16日)
●普天間移設先検討を指示 鳩山首相は、首相官邸で米軍普天間飛行場移設問題について平野官房長官、岡田外相、北沢防衛相、前原沖縄担当相らと会談し、新たな移設先の検討に入るよう指示した。平野は記者会見で「基地問題について精力的に協議を重ねていく。移設先検討に向けた協議がスタートしたということだ」と強調。会議で具体的な協議の場などは出なかったとし、「いろいろなケースがある」と明示しなかった。(17日)
●防衛力指針を閣議決定 鳩山内閣は、2010年度の防衛関連予算編成をめぐる基本指針を閣議決定した。指針は、現在の「防衛計画の大綱」を基に防衛力整備を図る内容。抑止力を維持しながら「歳出額および新規後年度負担(つけ払い)を極力抑制」する方針を明記した。日本を取り巻く安全保障環境に関し、北朝鮮の核・ミサイル問題が深刻で、中国を念頭に「周辺国の軍事力の近代化、活動の活発化がみられる」と分析。「日米間の協力の深化も考慮する必要がある」と指摘した。(17日)
●岡田外相「海兵隊の駐留必要」 岡田外相が記者会見で、米海兵隊の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関連し「海兵隊は日本にとって必要な存在。海兵隊の抑止力に期待するなら、日本の外へ出てくれということはあまり通用しない」と語り、米領グアムなど国外への完全撤退を求めることに否定的な考えを示した。(18日)
●鳩山内閣支持率が急落 朝日新聞が実施した世論調査によると、鳩山内閣の支持率は48%で、前回調査(11月14、15日)の62%から大きく下落した。不支持率は34%(前回21%)。毎日新聞の調査でも9ポイント減の55%となった。(19、20日)
●普天間、現行計画履行を米が要求
クリントン米国務長官は、藤崎駐米大使を国務省の自室に呼び、米軍普天間飛行場移設問題について日米合意に基づきキャンプ・シュワブ沿岸部に移す現行計画の早期履行を求めた。国務長官が駐米大使に急きょ会談を求めるのは異例。(21日)
●核密約文書が現存 ニクソン米大統領と日本の佐藤栄作首相が1969年に沖縄返還を合意した際、有事における沖縄への核兵器の再持ち込みについて取り決めた秘密の合意文書が佐藤の遺品の中に残されていたことが分かった。密約の存在を裏付ける決定的な証拠が発見されたことになる。(22日)
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週刊『前進』(2422号4面1)(2010/01/01 )
“革命めざす選挙戦”
泉佐野市議選勝利・橋下打倒へ
今年5月の泉佐野市議会議員選挙は、大恐慌下、戦争と道州制=民営化攻撃の先兵である大阪府知事・橋下との大激突の戦場となる。7選勝利へ奮闘する国賀祥司市議と、西村綾子相模原市議、北島邦彦杉並区議の3人の革命的議員から新年の決意を寄せていただいた。(編集局)
「関西州」攻撃粉砕に立つ 泉佐野市議会議員 国賀祥司
今年2010年は泉佐野市議選の年です。世界恐慌が深まる中での5月市議選は、道州制と民営化、戦争攻撃との闘いであり、労働者階級の革命をめざす選挙戦にしていく決意です。
11・1全国労働者集会が大成功し、敗北主義を吹き飛ばし、革命をめざす世界的な労働者階級の団結が圧倒的に広がりました。今年は壮大な階級決戦の年になるでしょう。
そういう情勢にかみ合った選挙戦を闘う決意です。何よりも橋下徹大阪府知事との闘いです。橋下は資本家の手先として道州制攻撃の先頭に立ち、労働組合破壊と民営化を進めています。とりわけ許せないことは、関西空港に米軍普天間基地を移設する攻撃です。悪質なのは、沖縄県民の日米帝への怒りを「沖縄の負担軽減」という文句で沖縄と本土の分断に使っていることです。私は沖縄県民と連帯し米軍基地撤去を闘い、橋下の日米安保強化、関空を中心にした「関西州」の侵略体制構築を絶対に許さない。
12月3日、私は労働者、住民とともに橋下に抗議に行き、闘いを開始しました。泉州の労働者、住民の怒りは強い。今年は労働者、住民とともに橋下打倒闘争を爆発させる決意です。
泉佐野市政も橋下路線を突っ走っています。新自由主義のもと、関空を資本家のための民営空港にし、ボロもうけさせてきました。
その結果、巨額の借金を抱え、国から「早期健全化団体」に指定されました。「交付税不交付団体」でありながら「赤字倒産」寸前、これこそ資本主義の末期的状況です。
泉佐野市は、これを全部労働者に転嫁してのりきろうとしています。市職員を200人削減し、市立病院を独法化し、小学校用地まで売り飛ばす「健全化計画素案」を出してきています。しかし労働者には何の責任もない。資本主義の問題ではないか。
これらはすべて道州制攻撃であり、労働組合破壊、民営化攻撃です。現場には労働者の怒りは満ちあふれています。闘う労働組合をよみがえらせ、阻止していく決意です。
全国のみなさん、国鉄決戦を基軸に階級的労働運動の力で帝国主義を打倒する、勝利の2010年を闘いましょう。
反戦の真価を発揮する時 相模原市議会議員、婦人民主クラブ全国協議会代表 西村綾子
私は「二度と侵略戦争をくりかえさない」の決意で闘いぬいてきましたが、いよいよその真価を発揮できる大きなチャンスが到来しています。
労働者階級の怒りを背景に登場した民主党・連合政権の本質が早くも露呈しています。末期にあえぐ資本主義を救うために改憲・戦争、大失業と労組破壊を推し進める政権であり、それを労組幹部を使って強制しようとするものです。
この鳩山政権を労働組合に団結したランク&ファイルの反撃で突き崩すことはまったく可能です。国際連帯の旗高く実現した昨秋11月の全国労働者集会5850人の結集は、その確信を天下に示すものでした。
沖縄・普天間基地をめぐる沖縄県民を始めとした怒りが政権を混迷させています。11・8県民大会で示された即時撤去の声、沖縄はやはり革命の火薬庫です。アメリカの経済危機の深刻化と戦争政策の激化でオバマ大統領のニセ平和演説など吹き飛ばされました。
日米争闘戦のかつてない激化の中で相模原でも米軍再編計画が基地の一部返還を目玉としつつ、基地機能の大強化として進んでいます。米陸軍第1軍団司令部とは別に前方司令部が置かれ、建設中の戦闘指揮訓練センターに加え、戦闘訓練施設建設も発表されました。横須賀の原子力空母の母港化、厚木基地の米戦闘機の一部岩国基地移転、自衛隊機の増強。
これらの基地強化も労働者への攻撃や社会保障制度の解体、地方自治の破壊などと一体の攻撃です。
道州制攻撃は医療や福祉、社会保障制度も一切を資本の利益第一とする攻撃です。そのために「国のかたちを変える」というのですから、民営化と労組破壊を許さない闘いと改憲・戦争に反対する闘いは一つです。
基地の街から反戦の街へ! 沖縄・三里塚と連帯し、4大産別を先頭に地域からJR検修外注化阻止の10春季ゼネストの実現をめざします。団結して鳩山政権を打倒しましょう!「帝国主義が帝国主義である限り、スターリン主義国をも巻き込んだ世界戦争は不可避」とすれば、帝国主義の墓掘り人は、まず足元の職場、学園、地域で墓を掘りましょう。世界の労働者階級は必ず一つになれることを信じて。
職場・地域で団結組織する 杉並区議会議員 北島邦彦
労働者が団結して闘えば、必ず勝利を切り開くことができる!――国労5・27臨大闘争弾圧裁判の圧倒的な勝利は、そのことを全世界の労働者階級に鮮烈にアピールするものでした。法政大8学生の闘いと一体のものとして、11・1労働者集会の到達地平を明らかにする勝利です。
この勝利の上に、2010年が明けました。道州制絶対反対=公務員労働者360万人首切り阻止を掲げた革命の年明けとしようではありませんか!
労働者人民の生活現場を歩いていると、世界大恐慌がいかに労働者人民の生活を破壊しているか、民主党・連合政権が労働者人民の闘いによって打倒されなければならない存在であることを痛感します。
右翼ファシストの山田宏杉並区長は、一方では「つくる会」教科書採択強行や自衛隊クーデタを画策する田母神俊雄・前航空幕僚長らの暗躍を手助けし、他方では「杉並まるごと民営化」攻撃を絶望的にゴリ押しするしかないところに追い詰められています。いよいよ山田区政打倒の闘いの火柱を噴き上げよう!
日本共産党スターリン主義の過疎支配によって混迷する杉並区職労の現場労働者の怒りと切り結んで、階級的団結を杉並区職労の現場にこそよみがえらせなければなりません。戦争と民営化、労組破壊と断固闘いぬきます。
「8・30情勢」は区政というレベルにおいても、あらゆる政治党派に大流動をもたらしています。今こそ階級的労働運動を自ら実践する革命的議会主義の出番です。
右手に動労千葉・NIPPO物販、左手に法政大8学生奪還全国声明賛同署名を持ち、自治体職場を始めとする労働現場に、地域に突っ込んでいきます。この闘いこそ、地域において最も激烈な党派闘争です。
10春季ゼネストへ向けて、革命的議員の果たすべき役割は明確です。労働者の週刊政治新聞『前進』の拡大活動の先頭に立つこと、青年労働者としっかりと切り結んで、マルクス主義青年労働者同盟建設に全力を傾注することです。その闘いを貫徹していくためにも、街頭を党派闘争の戦場にすべく登場していくことが必要です。ともに闘いましょう!
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週刊『前進』(2422号4面2)(2010/01/01 )
法大5・28裁判で無罪をかちとった
藤田正人弁護士に聞く
学生が主人公の裁判闘争 力でもぎ取った無罪判決
9月14日、法大4・27−5・28暴行デッチあげ裁判で法大生・新井拓君と中島宏明君が無罪判決をかちとった。この裁判の主任弁護人である藤田正人弁護士に法大闘争の勝利性と2010年の展望をお聞きした。藤田弁護士は法大暴処法弾圧裁判の主任弁護人を務め、国労5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団、動労千葉顧問弁護団、三里塚反対同盟弁護団、さらに「裁判員はいらない!大運動」事務局次長として大活躍している。(編集局)
◇ ◇
続く勝利判決
最近、僕は「無罪弁護士」と呼ばれています。一般刑事事件も含めて無罪は初めてですが、9月に法大で無罪判決をかちとりました。そして11月の国労5・27臨大闘争弾圧事件でも無罪判決。しかも暴処法(暴力行為等処罰法)と共謀という弾圧の大本を粉砕し、検察官が控訴すらできないところまで追い込んだ大々勝利です。法大裁判もそうですが、検察側の立証を根本的に粉砕して、力ずくでもぎ取った無罪判決というのが実感です。
また、私も顧問弁護団の一員である動労千葉の裁判でも、10月には運転士登用差別事件の控訴審で逆転勝利しました。星野文昭さんの第2次再審請求も、ついに11月27日に提訴しました。
09年後半は、「11月集会派」の私がかかわっている裁判で、毎月、大きな勝利が続いています。12月は法大弾圧8学生の保釈奪還です。22日の3人奪還に続き、暴処法の5人の奪還を実現したいと思います。
主導権握って
今、刑事裁判の有罪率が99・9%と言われるほど無罪を取るのは難しい。そういう中で無罪が続いているのはどうしてなのか。
「8・30」で自民党が大敗北し、戦後の55年体制が崩壊しました。しかし、民主党はもともと改憲勢力で、司法改革賛成、裁判員制度推進の立場です。そんな民主党政権に期待するのではなく、もう生きていけないという労働者の怒りが噴き出し、現状変革を求めている。そんな激動情勢の中で民主党=連合政権と対決してかちとった勝利です。
刑事裁判は支配の側がしつらえた土俵です。でも、そこに引っ張り出された以上は徹底的に闘うしかない。それだけにやりがいはあります。
裁判の結果は無罪がいいに決まっているけれど、とにかく無罪なんて考えないで、こちらが主導権を取った裁判をやる。逆に言うと、検察側のペースでは進ませない。裁判の枠組みにとらわれず、被告人の防御権の最も積極的な行使という発想でやっています。
“未来明るい”
無罪判決をもぎとった4・27−5・28法大裁判では最初に「公判前整理手続き」の問題がありました。検察官も裁判所も強行しようとしていたのを一切拒否した。併合問題でも「併合しない」というのを、併合しないと裁判は進められないと主張しました。検察側証人の尋問も、検察側も裁判所も反対尋問時間を極力制限しようとしてきたのを全部粉砕して、何期日も徹底的に争いました。
法廷では、被告人とされた学生を主人公とする裁判を追求しました。裁判官は被告人を無視し、被告人の意見は聞こうとせず、弁護人とのやりとりだけで裁判を進めようとします。しかし、こっちはそれに一切乗らず、被告人を押し出し、裁判官に被告人が主体だと認めさせてきました。
とにかく、被告人たち学生は元気です。今、法大暴処法事件と4・24事件を一緒にやっている若い弁護士が、「本当に面白い事件の弁護人に呼んでくれてありがとう」と言っています。彼は12月17日の法大集会でも「どんどんこっちが押し切っていると実感できる裁判です。被告人の8学生、そして傍聴席の皆さんがすごく明るい。弾圧事件だから暗くなってもおかしくないのに、それを明るくはねのけている。こっちの方が未来は明るいぞっていうのを実感させてくれる」と発言していました。弁護士も8学生に獲得されています。
機動班の狙い
裁判員制度の新設を口実に導入された公判前整理手続きは、非公開の密室で公判での審理内容を証人尋問のタイムスケジュールも含めすべて決めてしまう制度です。裁判員になる市民の皆さんに迷惑をかけることはできない、だから審理スケジュールを事前に決めるんだといって導入されたわけです。法律上は、裁判員裁判でなくても、裁判所がその手続きに付することを勝手に決めることができます。
この間の裁判員裁判で、公判前手続きがどれだけ防御権を切り縮めているかが明らかになっています。防御権・弁護権をまっとうしようとする弁護人であれば、公判前整理手続きには全面的に対決すべきだと思います。
実は、法大裁判担当の検察官たちは、東京地検公判部の「機動班」といって、裁判員裁判を研究し、若手検察官を入れて研修させようというチームです。そこが法大事件を担当したのは、明らかに公安事件で公判前整理をやってみようという狙いがあったんでしょうね。国労5・27臨大弾圧裁判も、途中から機動班の担当になっています。それが大破綻したということです。
裁判員廃止へ
2010年は何が起こるかわからない。1月6日は日弁連会長選挙の立候補届け日です。日弁連執行部は高山俊吉弁護士に対する懲戒請求を利用して、立候補資格を奪うという攻撃に出ている。私たちは、全国の弁護士約400人の代理人と約500人の抗議署名をもってこの攻撃も粉砕し、選挙戦を闘いきります。
裁判員裁判の破綻はますます深まっています。来年度の裁判員候補者に通知が送られましたが、拒否する人が目に見えて増えています。
「裁判員はいらない!大運動」は2月19日に拒否者一斉記者会見、5月18日に日比谷公会堂大集会を予定しています。裁判員制度の廃止を実現して勝利にわき立つ集まりを持ちたいと思っています。
今春はJR検修外注化阻止の大決戦です。とにかく、この時代、予定調和的なことはあり得ない。何が起こってもおかしくない。一歩一歩前進していく中で勝利が現実化します。頑張りましょう。
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週刊『前進』(2422号4面3)(2010/01/01 )
星野文昭同志 新年メッセージ
団結し全未来を獲得しよう
獄中35年、第2次再審闘争に突入した無実の星野文昭同志の新年メッセージを掲載します。星野同志は71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争での殺人罪デッチあげで無期懲役となり、現在、徳島刑務所在監。激動の10年、労働運動の力で星野奪還を!(編集局)
労働者人民の団結と闘いによって、大恐慌を革命=解放に転化する道を示した11月闘争は、全世界の労働者人民を根底から決起させる地平を開いた。
08年の大恐慌は、二番底、三番底に向かっている。それは、資本主義のもと、無制限の搾取・支配が資本の過剰を生み出した結果だ。そして大恐慌下、資本が争闘戦をとおして生き延びるために、一層極限的に、新自由主義のもと、搾取・支配、戦争を進める以外にない。
この資本主義への怒りによって打倒された自民党政権に代わった民主=連合政権は、その労働者人民の怒りを抑えて資本主義の延命のために一層の犠牲を強いる姿をあらわにしている。問われていることは唯ひとつ、私たち労働者人民の力で資本主義を終わらせ、本当の人間的未来を開くことだ。それが可能な時代に、全人生を投入し立ち上がることを訴えたい。
私たちは、60年、70年をとおしてスターリン主義のくびきから自らを解き放った労働者の自己解放をとおした人間解放のための闘いを本格的に開始し、それへの大反動を長期の闘いで打ち破って勝利してきた。この間の苦闘は、その大反動との闘いのもとでの制約、そこでのゆがみをのりこえて、動労千葉の闘いに学びつつ、労働者階級の闘いの大地に根ざし、国際的に団結した力で労働者自己解放をとおした人間解放の闘いとその党への挑戦という本来の姿を取り戻すものだった。
星野無期との闘いは、無期の重圧をはね返し未来を開く本物の力が問われた。それは、獄壁、すべての分断を打ち破って、家族、労働者人民の現実に身を置いて、その怒り、苦闘、希求を共有し、その自己解放=人間解放の力を全面的に信頼することを無限の力として、ともに闘い、闘いをとおしてその解放の力、本物の信頼、団結、絆(きずな)を獲得していくものだ。まさに今、その闘いが、今日の私たちの闘いと一つに脈打ち、未来を開くものになっている。
私たちが本来の力を取り戻した、労働者自己解放闘争をとおして人間解放をかちとる闘いの中で、労働者のみならず、法大、三里塚、沖縄、あらゆる闘いの新たな本格的発展をかちとる、その中で星野を労働者人民の中に持ち込み、星野のようにともに闘い、星野を取り戻す、全弾圧を許さない闘いをやりとげよう。
資本主義のもとで、労働者を賃金奴隷とし、搾取・支配し、生活を破壊し、それが全人民に及んでいる。生産を担い、社会を動かし、団結し社会を変える力をもつ労働者の自己解放闘争によって、また全人民がともに真に自己解放的に闘うことによって資本主義・階級社会を終わらせ、あらゆる差別・抑圧からの解放、普遍的な人間解放を実現できる。
今、それが可能な時代なのだ。大恐慌と大失業・戦争しかもたらさない資本・権力、体制内指導部への怒りを解き放って闘い、支配権を奪い、職場・地域を団結し闘う拠点とし、その力で資本主義を倒し、すべてを奪い返し、誰もが人間らしく生きられる社会を実現しよう。
この闘いを圧殺するために、私の無実を百も承知で無期懲役を、35年の投獄を強いていることへの怒りを解き放ち、無実への百パーセントの確信をもって、再審無罪・即時釈放をかちとろう。ともに闘い、全未来を獲得しよう。
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☆第2次再審パンフ発行!
「獄中35年−星野文昭さんを自由に」
■第2次再審請求書(09年11月27日)
■星野文昭陳述書
☆発行/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議 ☆頒価300円
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週刊『前進』(2422号5面1)(2010/01/01 )
2010年全国大学ストへ
教育の民営化粉砕・民主党政権打倒
09年4月24日、法大正門前に1500人が結集し法大解放集会をうちぬいた
全学連運動の大衆的復権を 全学連委員長 織田陽介
09年、全学連は3役をはじめ指導部を獄中に奪われながらも臨時執行体制を確立し、法大闘争を柱に大前進をかちとった。東京拘置所で不屈に闘う織田陽介全学連委員長と、坂野陽平委員長代行の10年決戦アピールを紹介します。(12月23日、編集局)
すべての学生のみなさん! 2010年は胸躍る革命の時代の本格的到来だ。今こそ反帝国主義・反スターリン主義を綱領的立脚点とした全学連運動の大衆的復権に真正面から挑戦しよう。それはさらなる弾圧と、団結を組織する困難の連続だ。しかし、その困難こそ革命の前進過程だ! 全学連中央執行委員会はその先頭に立つ!
大恐慌と世界戦争の時代を革命へ!
09年は、暴処法弾圧と対決し戦列をうち鍛えた年であった。それは世界戦争の危機を生み出す大恐慌の時代との対決だった。
29年大恐慌をうけて30年代、労働者の反乱が全世界で爆発した。しかし革命ロシアのスターリン主義的変質を最大の根拠に、歪曲された国際共産主義運動は米ニューディール、独ナチズムの前に敗北し、第2次大戦へと道を開いた。
戦後世界体制は、米帝の圧倒的な経済力、政治・軍事力で戦後革命を圧殺した上に成立し、異例の成長を遂げてきた。だが74―75年恐慌を契機とした過剰資本・過剰生産力状態への突入により世界は再び帝国主義同士のつぶし合いの時代に回帰した。分裂は没落を生み、没落は分裂を生む。繰り延べられた矛盾がついに再びの大恐慌となって爆発した。歴史は繰り返す。何のために? 悲劇を繰り返すためか。それとも人間が過去を越えて進むためか。回答は私たちの実践によってなされる! それは労働組合・学生自治会の復権であり、反スターリン主義の労働者党建設である!
共産主義運動こそ歴史前進させる力
労働とは人間が協働して自然に働きかけ、生存条件と社会の一切を生み出していく人類の根源的活動だ。しかし資本主義社会では、社会的生産手段の資本家による私的所有と、労働力の商品化をとおして、労働が資本の価値増殖に従属させられ、資本家がもうける限りにおいてのみ労働者が生きられるという非人間的搾取関係が再生産される。労働者は商品として扱われ、どこまでも競争させられ、分断される。徹底した団結破壊の中、個々人は資本主義の圧制に押しつぶされかねない多くの弱さを持っている。しかし労働者階級は団結して敵を打倒することをとおして自らの弱さを克服し、人間性を回復し、新しい社会を準備する。共産主義運動とは、資本家階級の打倒をとおして資本を積極的に止揚する歴史的行為だ。困難から逃げることなく仲間とともに立ち向かい、階級闘争をとおして歴史を前進させていく。共産主義運動の人間らしさ、素晴らしさがここにある。
いかなる政治家による立法も、理論家による説得も、人類史を前進させはしない。労働者が職場で怒りをこめて立ち上がることこそが、人類史の巨大な前進を実現する。共産主義運動は、自らの力をゴマカシて成果をかちとることはできない。資本主義社会の最も徹底した破壊をとおして、最も豊かな創造を実現していく過程こそプロレタリア革命に他ならない。
民主党・連合打倒し55年体制と決別を
09年8月30日、労働者人民の怒りで、自民党がついに打倒された。代わって登場した民主党・連合政権は、自民党以上に〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>に突進している。鳩山は中曽根の亡霊のように「戦後行政の大掃除」を宣言、国鉄労働運動の壊滅に向かって全面外注化攻撃を開始した。それは、国鉄分割・民営化を全社会化する道州制攻撃だ。その核心は連合の腐敗せる労組幹部を政権に取り込んだことだ。社民党・日本共産党・JR総連カクマルら体制内勢力の一切は、この攻撃に再び屈服し、先兵となっていく。
「8・30」は急速に裏切られていく。「政治は変わらないのか?」 否! 私たち労働者階級は、自らの手で民主党・連合政権を打倒することをとおして今度こそ徹底的に55年体制を総括し、自らの過去と決別するのだ!
体制内勢力はもう一度、より大胆に裏切りの歴史をなぞっていく。それも今度は自ら国家権力そのものとなって! 今こそ清算しよう、裏切りと妥協の歴史を! 決別は、民主党・連合政権との対決が激しいほどに力強く進む。その激突点は職場、キャンパスであり、一大集約点としての11月集会1万人結集だ。決別は、道州制攻撃との対決をとおして、怒れる青年・学生が国鉄労働者のように闘う腹をくくることをもって進む。「大掃除」されるのは誰か? 発言者はその回答を歴史のクズかごの中で知る!
反スターリン主義に基づく組織戦術
プロレタリア革命は、労働者階級が自らの政治指導部として労働者党を建設し、また自らも指導部へと飛躍しながら、全人間的回復を進める政治奪還過程である。それは、資本家階級からの政治権力奪取、プロレタリア独裁樹立の闘いとしてこそ貫くことができる。
反スターリン主義は、スターリン主義を打倒し、のりこえ、国際共産主義運動の無限の可能性を回復する運動だ。ロシア革命によって切り開かれた社会主義への過渡に見合う革命主体の回復をもって世界革命に突き進む運動だ。
よってその組織戦術は、〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>の攻撃に最も戦闘的に対峙し、労働者階級の全世界的統一を望むものでなければならない! それは最も党派的で、運動の戦列を鍛え拡大するものでなければならない!
組織戦術は第一に、国鉄闘争勝利・道州制粉砕、教育の民営化粉砕の闘いだ。とりわけ教育の民営化粉砕の闘いは教室から団結を組織する最も困難な闘いであり、体制内指導部にはできない。ここにおいてこそ全学連は絶対反対を掲げて闘う。一つに、ますますの法大闘争の前進だ。長期勾留をうち破り、法大当局を恐怖のどん底にたたき込め! 全国最先端の闘いとして路線を深化し、ますます団結を復権しよう! 二つに、全国の学生自治、自治寮、サークル自治運動を守り抜く闘いだ。三つに、予算削減反対の闘いだ。事業仕分けに対する9大学長の「抗議」は、「国家間競争に負ける」などという、およそ科学の名に値しない小ブル的非科学だ。科学を国家に従属させる立場は、「国家の危機」を理由に予算削減した連中と何の違いもない。学費値上げ、研究員・職員の解雇・賃下げ・外注化を許すな! これは人間を犠牲にする現在の「学問」を否定し、真理の大学を復権するプロレタリア的絶対反対の闘いだ。
第二に、反戦・反基地・反核闘争だ。一つは、沖縄こそ安保粉砕の火薬庫であり、基地撤去は戦争の廃絶と一体だ。二つに、全世界の労働者人民はオバマと対決し、核によって分断されてきた歴史と決別しよう! 三つに、決戦局面に入った三里塚闘争を絶対に勝利させる!
第三に、星野文昭さん奪還の再審闘争だ。星野無期攻撃は70年安保・沖縄闘争への日帝の恐怖と憎悪であり、星野さんの言葉と闘いの人間的豊かさは、プロレタリア革命の豊かさに他ならない。全学連は再審闘争の先頭に立つ!
すべての学生のみなさん! 2010年は困難の連続となるだろう。しかし困難に立ち向かってこそ歴史は前進する。試練こそ未来を切り開く栄光の道だ。勝利への執念を燃やして闘おう!
労学連帯の法大包囲デモ(09年6月15日)
ともに革命に立ち上がろう 全学連委員長代行 坂野陽平
全国300万学生のみなさん!6千万プロレタリアートのみなさん! そして、まだ見ぬ世界の仲間たちへ! 全学連は12月に拡大中央委員会を開催し、2010年決戦の方針をうち固めた。獄中同志を奪還し、全国大学ストライキの力で民主党・連合政権を打倒しよう! 「教育の民営化粉砕!」の国際的団結を! いざ壮大な2010年決戦へ!
暴処法をうち破る法大闘争に決起を
私が第一に訴えたいことは、全国学生は法大闘争に総決起しようということだ。
一つに、法大闘争は戦時型治安弾圧法・暴処法をうち破り進撃している。09年は血塗られた弾圧の歴史をもつ暴処法との激突となった。
「団体若しくは多衆の威力を示し……」(暴処法第1条第1項)――暴処法は何よりも団結破壊法であり、労働者・学生の闘いを破壊することでしか支配を維持できないブルジョアジーの本質を示すものだ。しかし、獄中8学生は仲間を裏切ることを拒否し、国家権力に「完黙・非転向」で敢然と立ち向かった。これこそが、労働者・学生の生き様だ! 壮大な2010年決戦には8人が絶対に必要だ!
二つに、4月24日の法大1500人集会で「革命の現実性」をガッチリとつかんだことだ。
「鎖が引きちぎられた瞬間だった」「何十人もの弾圧職員とガードマンがいる中、私たちの前で監獄大学の教室の中から反乱が起こったのだ」(全学連副委員長・倉岡雅美さんの意見陳述)。国家権力はこの感動的光景に3万法大生−300万学生の決起のリアリズムを見、暴処法弾圧へと踏み込んできたのだ。
4・24集会は、革命的学生がキャンパスの中に一人でも存在することがいかに決定的かを示している。「学生は必ず立ち上がる」という展望とともに、革命的指導部の必要性を確信させるものでもあった。
三つに、法大闘争は全世界の学生運動を獲得する位置にせりあがってきている。「大学の民営化粉砕!」(アメリカ)、「教育は売り物じゃない!」(ドイツ)、「選別化教育反対」「教育における格差の拡大反対」(フランス)――世界の学生は、労働者とともに新自由主義大学の現実に対して腹の底から怒っている。われわれ全学連の任務はただ一つ。「教育の民営化粉砕!」を掲げ、世界の学生の怒りを糾合し、反帝国主義・反スターリン主義世界革命に向かって最先頭で闘い抜くことだ。
「来春卒大学生、内定率62・5%」――この数字に覆い隠された学生の真実の声とは何か。それは「自分は社会に必要とされない人間なんだ…」(産経新聞12・15付、内定が決まっていない4年生の声)という怒りと絶望だ。
大学・教育・未来を団結して取り戻せ
最末期の資本主義はこの苦悩を全学生の4割にも強制するとともに、「生きさせろ!」という人間の根源的な思いを多くの学生に芽生えさせ、革命の部隊として日々鍛え上げている。「全国300万学生は団結して大学・教育・未来を取り戻そう!」、これが訴えたいことの第二である。
一つに、資本による教育の蹂躙(じゅうりん)を絶対に許してはならない。新自由主義こそが教育と社会を破壊したのだ。断罪されるべきは資本家だ。
新自由主義大学の象徴である「営業権」によって、キャンパスは「冷たい現金勘定」が支配する空間となった。学費は天井知らずではね上がり、奨学金はローン化・高利子化され、毎年8千人近い学生が大学からたたき出されている。学生は「一つの商品」としてすさまじい競争に投げ込まれ、団結は徹底的に破壊される。
資本に私物化された大学には、もはや何の価値創造性もない。人間発展の機関としての大学の回復は、「大学を帝国主義打倒の砦」にする道を経て達成される。
二つに、だからこそ6・14−15闘争と11月労働者集会の地平は画期的だ。階級闘争の一環としての法大闘争が、大学変革への巨大な突破口を切り開く。労学共闘、動労千葉労働運動との結合の中に、われわれ学生の展望はある。戦場は違えど敵は一つ、新自由主義だ。全国学生は、11月労働者集会を最先頭で闘おう!
三つに、大恐慌と対決する団結をつくるため、青年・学生を抑圧するブルジョア的・スターリン主義的イデオロギーを粉砕しよう。
「われわれが生きている間に紛争を根絶することはないだろう」「場合によっては国家が武力の行使を必要とするだけでなく、道徳的にもそれが正当化される」(米大統領・オバマのノーベル平和賞受賞スピーチ)。これが帝国主義者が大恐慌を「うち破る」道だ。また、日本共産党スターリン主義は次のようにいう。「『ルールある経済社会』という、大変やりがいのある仕事がこの国には残されています」(前議長・不破の東大駒場キャンパスでの講演)と。
全国の学友のみなさんに問いたい。この大恐慌の時代、われわれ学生は何をなすべきか。オバマの言うように、戦争への道を突き進むべきなのか。日共の言うように「ルールある資本主義」を夢想することなのか。獄中8学生に体現される生き方を見てほしい! 現代帝国主義が不可避に生み出す破産の現実に、絶望でもなく、現状の無批判的追認でもなく、根底的変革の闘いをたたきつけること、これこそがわれわれの任務だ。全国学生は、今こそプロレタリア革命に全人生をかけよう!
腐りきった現実を変革する自分たちの理論、自分たちの党が必要だ。自らに宿る革命性を確信し、隣の仲間の革命性を呼びさませ!一切はマルクス主義の復権だ。
第三に訴えたいことは、全国大学ストライキで民主党・連合政権を打倒しようということだ。
一つに、全国に「第2第3の法大闘争」をつくりだそう! 不当処分粉砕の闘いは「敵の権威を失墜させ味方の正義を確立」し、「大学の主人公は学生だ!」と敵にたたきつける闘いだ。この法大処分阻止闘争が切り開いた偉大な地平を引き継ぎ、全国大学で寮・サークル・クラスにおける自治と自由をめぐる攻防に勝ち抜こう!
二つに、全学連は全国学生の指導部に飛躍しよう。われわれは、織田委員長はじめ全学連三役が獄中に囚われる中、9月全学連大会にて臨時執行体制を確立して必死に闘い抜いてきた。その地平からのさらなる飛躍が求められている。それは、指導体制の強化と新たな拠点建設だ。われわれは09年、組織建設闘争の中で路線は形成されることをつかみとってきた。「教育の民営化粉砕!」の路線を豊かに発展させ、拠点を強化・拡大し、組織をつくろう!
君こそ決定的存在 勝利の大道進まん
三つに、4月新歓闘争の爆発から民主党・連合政権打倒の大政治闘争を爆発させよう! 学生のエネルギーが時代を切り開く。2010年決戦の突破口を切り開くのは、われわれ全学連だ!
そして獄中35年、不屈に闘う星野同志とともに闘おう! 決戦迎えた三里塚3・28全国集会に総決起しよう! 沖縄闘争の爆発に日帝打倒の帰すうがかかっている。辺野古新基地建設阻止! 米軍基地撤去の闘いに立ちあがろう!
階級闘争の最大の激突点は、「1047名解雇撤回! 検修業務全面外注化阻止!」の国鉄決戦と道州制・改憲阻止決戦だ。全国学生の団結と労学共闘で、敵の最弱点をうち破ることができる。
最後にまだ見ぬ全国、全世界の学友へ。君の存在が決定的だ! ともに革命に立ち上がろう! 全学連は戦後学生運動の全歴史をその双肩に担い、いざ勝利の大道を進まん!
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週刊『前進』(2422号6面1)(2010/01/01 )
国鉄労働者座談会
安全破壊と団結解体の検修外注化は絶対阻止だ
国鉄決戦で民主党・連合政権を倒すぞ
1047名解雇撤回・JR体制打倒へ
JR東日本は4月1日、検修・構内業務の全面外注化を強行しようとしている。労働者の団結を解体し、安全を破壊するこの攻撃との闘いは、1047名解雇撤回闘争とともに、国鉄分割・民営化に決着をつける歴史的な意味を持つ。大恐慌情勢下、全労働者を低賃金・非正規職化・大失業にたたき込む激しい攻撃が吹き荒れる中で、これに立ち向かう闘いの中軸に、検修外注化阻止の決戦は位置している。それはまた、民主党・連合政権打倒の最先端の攻防だ。決戦の渦中にある国鉄労働者に、この闘争の意義と展望、決意を語っていただいた。(司会・本紙編集局)
出席者
田中康宏 動労千葉委員長
渋沢彰彦 動労千葉幕張支部
石井真一 動労水戸委員長
富田益行 国労近畿地本 5・27臨大闘争弾圧被告
羽廣 憲 国労小倉地区闘争団 5・27臨大闘争弾圧被告
原田隆司 国労近畿地本 5・27臨大闘争弾圧被告
小玉忠憲 国労秋田闘争団
吉野元久 国労東京地本
高杉 靖 国労千葉地本
大村吉男 国労仙台地本
筒石 惇 国労新潟地本
荒山弘平 JR車両工場労働者
(敬称略)
(写真 動労水戸は7〜10月に4波のストを闘い、12月から運転士登用差別の当該組合員が運転を始める大勝利をかちとった。写真は8月21日の勝田車両センターでの第2波スト)
国鉄分割・民営化に決着つける闘いに
丸投げ外注化と出向・転籍の強要
――JR東日本は車両の検査・修繕(検修)業務と車両基地の構内運転業務の全面外注化を提案してきました。これは、職場に何をもたらしますか。
田中 JRがやろうとしているのは検修・構内業務の丸投げ外注化です。近い将来、検修部門は完全別会社になるでしょう。その過程で、検修部門の労働者は転籍を強いられ、NTTでやられたように雇用も賃金も徹底的に破壊されると見て間違いない。
2000年にJR東日本が「ニューフロンティア21」という大合理化計画を出した時から、動労千葉は「これは第2の分割・民営化攻撃だ」と訴えてきた。保線、信号通信、電力、土木の全面的外注化が強行され、東労組や国労本部がこれとまったく立ち向かえない中で、われわれはこの8年、必死に闘ってきました。
この攻撃が決定的にエスカレートして、検修・構内業務の全面外注化が来た。ここまで外注化したら、鉄道会社であることを放棄するに等しい。しかも、われわれの拠点が直接の対象になっている。だから、国鉄分割・民営化攻撃に決着つけるような闘いに持ち込みたい。本当にここが勝負です。
渋沢 千葉では外注化を阻んでいるけど、うちがストライキをやるから、総武快速線の検修業務は全部、鎌倉車両センターに持っていかれた。その結果、運転台には「故障・故障・故障」のシールが張りっぱなし。故障を発見しても、半年以上も直せない。鎌倉では修繕できないんです。幕張車両センターでは、うちの車じゃないからと、必要な部品を置かない。だから、幕張で直そうと思っても直せない。車輪が規定値を超えて磨耗した車両を走らせている。
今でもこれだけ問題が出ているのに、外注化されたらよけいにめちゃくちゃなことになる。
田中 外注化は労働者を最底辺に突き落とす仕組みです。エルダー社員(JRを定年退職後、再雇用された人)や現役社員を外注先に強制出向させて、JRは外注費を徹底的にたたく。必然的に労働条件は最悪になり、安全も崩壊する。千葉は検修の外注化を阻んでいるから、外注会社の業務は清掃だけ。清掃の仕事でも、夕方6時に出勤して夜中の2時半に終了という勤務まである。こんなやり方が検修部門にも適用されるのは目に見えている。
大村 私の工場では、09年4月に車体と台車の切り離し・つなぎ合わせの作業が外注化された。その結果、考えられないような事故が起きている。配線ミスでエンジンがかからなくなったり、エンジンオイルのホースと冷却水のホースを逆に付けてエンジンの中を水だらけにしちゃったり、スピードメーターが動かなかったり。
「工場から出た車はそんなのばっかりだから危なくて乗れない、注意しろよ」と他の区所の人から言われて、本当に悔しい思いをしている。その原因は外注化です。
外注会社にはJRからの出向者もいる。でも、今まで13人でやっていた仕事を10人でやらされるから、外注先の労働者に仕事を教えている余裕はない。指導しながら仕事をやるとしたら、13人いたところを15人にしなきゃ駄目。それを逆に減らしているから、人の仕事を見ている暇がない。
吉野 保線の場合、線路が壊れていても外注化されているからJRの社員は手を出せない。その結果、レール事故が続発している。
大村 外注会社は何回も同じミスをする。直営のおれらは「仕事をちゃんとやれよ」と思うけれど、外注会社の労働者は「大した教育もされてないのにまともな仕事ができるかよ、しかも賃金も安いのにさ」と思いますよね。
団結の解体が事故をもたらす
荒山 私は車両製作所で働いています。外注会社の労働者です。賃金は、御用組合の役員ですら「うちは安く使われている」とぼやくくらい、本当に安い。
同じ現場で同じ仕事をしているのに、元請け、下請けで分断される。現場で働く労働者同士のつながりがなかったら、絶対に事故が起きる。自分の安全は仲間の安全と一緒。外注化は、労働者にとって一番大事な団結を破壊する。自分の組合は会社の手先みたいな組合です。これを安全を守ることができる組合につくりかえたい。
筒石 自分がいるのは機関車の検修ですが、貨車の職場はあっという間に外注化が進んで、本体で貨車の検修をやっているところはほとんどない。駅の入れ換えの誘導や信号の扱いもグループ会社に請け負わせている。
田中 要員不足だから貨物が一番外注化が進んでいる。平成採用の青年で、JR貨物の制服を1回も着たことがない人もいるんですよ。入ったとたんに出向。
富田 JR西日本の状態もすさまじい。私は土木の仕事をしているけど、実際は外注会社から上がってきた報告書にハンコを押すだけ。全部丸投げです。
しかも、保線で言えば一つの仕事を三つの外注会社がやっている。この前、下請け会社の青年が作業中に貨物列車にはねられた。ばらばらにされてるから、別会社の人の安全まで考えられない。
大村 外注会社は、清掃しかしていなかった女性労働者にフォークリフトの運転までさせている。
吉野 外注化すればどうしても偽装請負のオンパレードになる。JRが外注先の労働者に指示を出さなければ、列車は動かない。
JRは、外注会社が直雇いする「プロパー社員」を育てると言うけれど、保線の場合、下請け会社にプロパー社員はほとんどいない。実際の作業はJRからの出向者と孫請けの人にやらせている。
田中 この攻撃は矛盾だらけ。千葉では8年間、外注化を止めてきたから、外注会社には検修業務を請け負う体制も労務支配の体制も何もない。仮に外注化が強行されても、外注先でわんわんストライキをやったら、それを制圧することなんかできない。
現場には怒りがあふれている
大村 外注化された結果はみんな目の前で見ているし、怒りは誰もが持っている。平成採の青年も、われわれが外注化反対で点呼の時に会社に抗議している姿を見て、「すごいですね、おれも考えは同じです」と言ってくる。
石井 動労水戸が検修外注化絶対反対のビラをまいたから、東労組も職場集会をやらざるをえなくなった。その中で怒りがばーっと出てきている。「おれはJRに入ったんであって別会社に行くのは納得できない」「役員の説明はまったく分からない」と怒ってる。
高杉 設備部門の外注化の時、東労組は「保線なんか国労の職場だから外注化すればいいんだ」と言った。だけど今度は、攻撃の対象の大半が東労組の組合員で、ほとんどが出向に出される。自分が例外だなんて誰も思っていない。
吉野 東労組は、カクマルの延命のために青年の未来を資本に売り渡した。国労本部も、革同は職場集会で「国労は反対です。だけど、今和解の一番大事な時期だから、反対していることは表に出さない」なんてのうのうと言う。これに対して組合員が「何しに来たんだ」って弾劾している。職場には怒りがあふれている。
大村 おれたちは国労の上部機関に「安易に妥結するな」と言っている。だいたい団体交渉なんて形骸化されていて、おれらがいろいろ言っても、会社は「組合さんの言うとおりですけど、やらせてもらいます」という対応しかしない。その上、国労東日本本部が妥結したら、現場の抵抗は困難になる。ところが役員は、「妥結しろと言う人も半分いる」なんて答弁する。絶対阻止の腹はない。そんなこと期待もしていないけど。
高杉 分会の職場集会では、本部の役員を呼びつけて「ストに入れろ」って追及しようとなった。本部はスト指令なんか出さないと思うけど、現場には怒りがある。
田中 動労千葉はストライキをやるけど国労がスト破りやるという構図をぶっ壊さなければ。組合の枠を越えて階級的に団結するためには何が必要か。結局は「体制内派との闘い」です。うちの組合員は「国労本部は許せない」と思っている。そして「国労本部と闘っている仲間とは団結できる」と。階級闘争の核心は体制内派と闘って団結を拡大することです。
石井 職場で大討論を巻き起こすことだと思う。職場の労働者一人ひとりに「反対なのか、賛成なのか、どっちなんだ」と突きつけて組織拡大をしていく。どの組合が闘う組合なのかをはっきりさせて、選択を迫っていく。
高杉 われわれは「国労本部打倒」と訴えてきた。そのためには革同とか協会派を徹底的に追い詰めることが必要。「敵を打倒するしか生きられない」という覚悟でJR資本と対決し、JRに屈服した国労本部を打ち倒す。
渋沢 平成採には「うちに来い、外注化を止められるんだから」とオルグしている。組織拡大を第一に考えて、この過程で、絶対に平成採の青年を組織したい。
反合理化・運転保安闘争路線を武器に
外注化を阻んだ動労千葉の闘い
――どのように闘えば勝てるのか。路線を明確にすることが必要ですね。
田中 00年にJR東日本はシニア協定の提案をしてきた。これは、外注化推進を誓った労組の組合員だけに定年後の再就職あっせんをするというもの。われわれはその締結を拒否しました。
当時、東労組は毎日、機関紙で「東労組だけが再雇用される」と叫び、「今日は国労から何人脱退!」とビラに書きまくった。そういう時に、労働組合の指導部は問われるわけです。
この過程で、保線や電力、信号通信の全面外注化が強行され、その途端に線路はガタガタになり、尼崎事故、羽越線事故、伯備線事故が立て続けに起きた。
われわれは反合・運転保安闘争でこれと8年間立ち向かい続けてきた。重要なことは、ここまでは勝っているということです。
渋沢 シニア協定は、資本とカクマルが仕組んだわけです。定年を迎えても、うちの組合員だけは再雇用から排除する。「動労千葉から抜ければ働かせてやるよ」という、分割・民営化の時と同じ本当に汚い攻撃でした。
その人の生活もありますし、すごく苦しい闘いでした。組合員が涙を流す時もあるし、執行部が涙を流す時もある。こっちも、代わりの仕事を探してきたり。最後はみんな、「自分たちだけじゃなくて、残る動労千葉の組合員たちを守る」と決断をしてくれた。全力でやってきて良かったですよね。
田中 こっちは必死でやってただけなんだけど、抵抗し続けたら敵の側に矛盾が起きてきた。シニアに動労千葉から採用できないから、人が足りなくなる。だから、外注化できないだけでなく、分割・民営化以来、駅や売店に強制配転されていた組合員を運転職場に戻さざるをえなくなった。
この8年間の闘いがあるから、展望がある。6人の平成採が動労千葉に入ってくれたのも、外注化絶対反対で闘ってきたからです。
“闘えば勝てる”と確信つかんだ
石井 動労水戸は組合員の多くがずっと運転職場から排除され、売店に飛ばされてきた。しかし、JRがギブアップして、私も売店から運転職場に戻りました。23年間、不当労働行為と闘いぬいて勝利した。
動労水戸は運転士登用差別事件で最高裁で勝って「運転士にしなければならない」という判決が出た。水戸支社は最初から「動労水戸の仰せのとおりにいたします」という態度だったけど、本社は全然違う。逆に判決を動労水戸解体に使ってきた。運転士になりたければ遠隔地に行け、運転士になりたくないやつも運転しろと。
われわれは猛烈な怒りをたたきつけて、業務命令で強制的に入れられた白河の研修センターでもストライキに立った。支社との団交でも夜中までガンガン追及した。最後に280人で本社に押し掛けて、本社を屈服させて勝利した。
動労水戸の組合員3人が12月から乗務し始めました。決定的ですよ。周りは「なんでこいつら勝ったんだ」と不思議に思ってる。
力関係が一切を決める。組合員が徹底的に団結して闘いぬいて、資本を圧倒しきった。「闘っても駄目」論を打ち破ることが重要なんです。
JR体制との非和解的激突へ
田中 動労千葉は反合・運転保安闘争をやりぬく中で団結を固めてきた組合です。鉄道労働者にとって事故は最も切実な問題。
国鉄時代の大きな事故に、1962年の三河島事故、翌年の鶴見事故がある。この事故が起きたのは、57年の国鉄新潟闘争を経て、60年安保闘争で労働運動が復権していく過程だった。労使で事故防止対策委員会をつくるという協定を巡って、動労の大会で「そんなことで安全が保てるのか」と大激論になり、協定の批准が否決されて執行部が総辞職した。しかし、結局、これはATS(自動列車停止装置)の設置を「成果」として確認して終わっている。
その後、機関助士廃止を軸にした5万人合理化攻撃があり、これに対して激しい闘いが展開されたけれど、民同的な反合闘争は完全に限界に突き当たった。
これを突破したのが動労千葉の反合・運転保安闘争です。72年に動労千葉の組合員が運転する電車が船橋駅構内で前方の電車に追突した。動労千葉地本は、「責任の一切は当局にある」「運転士を絶対に守れ」と闘って、運転士への解雇攻撃を粉砕した。この闘いに動労カクマルは、「そんなの労働運動にならない」と激しく敵対した。安全を敵の弱点ととらえ、そこで資本と非和解的な闘いを展開する反合・運転保安闘争路線は、明らかに民同やカクマルの限界を超えるものだったわけです。
反合闘争を巡って、動労千葉は動労本部カクマルと決裂した。これがあったから、動労本部との分離・独立闘争を闘えたし、ジェット燃料輸送阻止闘争も、国鉄分割・民営化反対闘争も闘えた。
今回の検修全面外注化との闘いは、三河島事故以来の反合・運転保安闘争の総括と発展をかけた決戦にしなければいけない。
石井 検修外注化との闘いは、まぎれもなく安全問題。労働組合が安全問題で一ミリでも妥協した時に、事故で労働者が殺される。
もう一つは、労働者の誇りという問題。検修職場の労働者は、安全を守ることに強い誇りを持ってきた。その誇りを徹底的に奪う攻撃です。今、あらゆる労働者が自分の仕事に誇りを持ちようがないくらいに、あっち行け、こっち行けとやられている。労働者の誇りと団結が決定的に問われている。
大村 職場集会で「外注会社への技術指導を拒否しよう」と訴えたら、猛反発された。おれらは技術者だから仕事を教えないなんてできないとか、そんなことしたら会社に目を付けられるとか。
動労千葉もシニア問題で組合員と激しくぶつかった。外注化を巡りそういう議論になるでしょう。現に革同は「反対だけじゃ駄目だ」なんて言っている。これとのぶつかりあいの中から、真の団結が生まれてくる。現場の一人ひとりは外注化反対。最後は5・27弾圧との闘いと同じです。敵は体制内労組幹部だ。体制内との闘いで外注化を阻止する決意です。
石井 労働者が本気になって団結し闘ったら絶対負けない。動労千葉の中野洋前委員長が『甦る労働組合』で「労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てる」と書いている。その確信を持つことが重要。
富田 運転職場であろうが保線であろうが、全職場で反合・運転保安闘争に立つべきだという立場で闘ってきた。それで、尼崎事故弾劾闘争を5・27被告団が動労千葉とともに呼びかけるところまできた。JR西日本の歴代社長の井手、南谷、垣内、山崎は分割・民営化の時、運輸大臣の三塚に分割・民営化推進の血判状を出したやつら。こいつらが尼崎事故を引き起こし、事故調査報告書の改ざんをやった。12月3日にJR西日本本社包囲闘争を闘ったけれど、職場で資本とやり合い、青年を組織してJR体制を打倒したい。
5・27弾圧うち破った大勝利に続こう
――検修外注化阻止の攻防と1047名闘争が、いずれも重大な決戦を迎えました。
吉野 われわれは11・1労働者集会を「国鉄1047名解雇撤回」を前面に掲げて闘いぬき、闘う労働運動を復権していく基軸として打ち立て直した。この地平は限りなく大きい。1047名闘争は、国鉄分割・民営化反対闘争を今日まで継続する闘いであり、動労千葉―動労総連合とともに階級的労働運動の革命的拠点そのものです。この闘いはいよいよ情勢とかみ合い、本来の力を爆発的に発揮する時を迎えている。われわれ11月集会派が1047名闘争を主導し、闘争団員を一人残らず獲得すべき時が来ています。
田中 1047名闘争に求められているのは、労働者の団結のみに依拠し、自らの闘いの持つ位置を自覚し、今こそ全労働者の怒りの先頭に立つことです。完全に機は熟し、大きなチャンスが到来しています。大恐慌に立ち向かう労働者の巨大な決起をつくる決定的環は、間違いなく1047名闘争と検修外注化阻止決戦です。
(写真 動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎が呼びかけ280人で闘われた10・16JR東日本本社抗議行動。動労水戸は全組合員がストライキで結集した)
暴処法弾圧粉砕した画期的地平
――この大決戦の冒頭で、国労5・27臨大闘争弾圧を完全に粉砕した意義は大きいですね。
吉野 大失業と戦争の攻撃が激しく吹き荒れる中で、労働運動の力で暴処法(暴力行為等処罰法)を粉砕した。戦前にもこんな勝利はなかった。ここにたどり着く前に全部つぶされてきたわけです。被告がみんな、裁判闘争をとおして自分の原点は分割・民営化反対闘争にあり、1047名闘争に責任を取る立場をはっきりさせて、「有罪判決で解雇もありうる」と腹をくくった。判決の前に国鉄労働者として勝っていた。
富田 5・27弾圧との闘いは1047名解雇撤回闘争そのもの。被告には闘争団員もいるけどJR本体の国労組合員が5人いたことも大きい。裁判でも「1年3カ月も勾留されても1047名解雇撤回を闘う、こういうJR本体の国労組合員がどこにいるんだ」「こう闘おう」と体を張って訴えてきた。闘争団にも「解雇撤回を堂々と貫け」と言いたい。
原田 判決を迎える時は正直、懲役刑プラス執行猶予と覚悟を決めていました。それが、暴処法適用も共謀の認定もすべて粉砕した。しかも検察を控訴断念に追い込み、検察が「首謀者」に仕立てた向山さんの無罪を確定させた。こんな見事な勝利はほかにない。どんな弾圧が来ても負けないという自信を得ました。やはり、弁護士主導だった裁判闘争を被告の手に取り戻した08年2月22日の旧弁護団解任が大きい。これをとおして被告が闘う主体になった。
富田 僕らの判決に対して、旧弁護団は「ビデオ分析と証人尋問で勝った」と言っている。つまり弁護士が頑張ったってこと。被告が存在しないんですよ。僕らが裁判で訴えたのは、1047名闘争に全人生をかけて闘ってきた正義性。これが裁判所をも圧倒した。
原田 正しい方向に転換できたのは、動労千葉を軸とする階級的労働運動路線が僕たちの身になってきていたから。判決を受け、1047名闘争に責任を取りきるぞとあらためて決意している。職場の問題に責任を取り、職場で多数を組織して職場支配権を握っていく。裁判闘争の勝利を、組織化の武器にしていきたい。
小玉 5・27裁判の勝利は闘争団員を揺さぶっています。他方、鉄建公団訴訟原告団の一部指導部はこれに大打撃を受けている。検察官が主張した「向山をリーダーに中核派が起こした暴力事件だ」という論は結構、影響力を持ってきたんです。4者4団体もそういうレッテルを張って労働者を遠ざけようとしてきた。これが完全に打ち砕かれた。
4者4団体路線は全面的に破産
――5・27被告団の勝利の対極で、4者4団体路線の破産は完全に明らかになりました。
羽廣 僕が訴えているのは「解雇撤回という当たり前の原則を貫こう。団結の力に依拠して闘えば必ず展望は切り開かれる」という単純なことです。闘争団員もJR本体の組合員も、分割・民営化による解雇は納得できないとずっと頑張ってきた。「政治解決」なんて納得できるわけがない。
小玉 4者4団体が悪質なのは「解雇撤回」を下ろしながら「雇用・年金・解決金」と言い換えて「中身は同じ」と言っていること。ここが最悪のペテン。
羽廣 彼ら自身、政治解決路線に展望はないことは十分わかっている。実は彼らは、和解を拒否する闘争団員がいっぱい出てきそうだと戦々恐々としているんです。
現場の闘争団員は、どんなに指導部が腐っても踏みとどまっている。そういう闘争団員にウソばかり吹き込み、闘いを終わらせようとする一部指導部は本当に許せない。長期化して苦しいのは敵の側です。23年を経てなお1047名闘争が存在し続けていることで、JR体制はガタガタになっている。なぜ、こちら側から闘いを終わらせようとするのか。「国労本部も原告団指導部も駄目だ。僕らとともに原則的に闘おう」とガンガン呼びかけていきたい。
田中 僕らは1047名闘争を押し立て、労働者の怒りをここに全部結集しようと思っている。しかし4者4団体は、ひたすら権力に頭を下げ、今度の検修全面外注化なんか最初から認めている。丸っきり進む方向が違っちゃってる。そんなんで、国労で長年やってきた組合員が「こういう人生を選んで闘ってきてよかった」と思えるのか。国労組合員はそんな存在じゃないですよ。国労は分割・民営化と闘えなかったにもかかわらず、JR発足時に4万人が残った。「国労にいたら新会社には行けない」と散々脅されても、人生をかけて決断した組合員がそれだけいた。今も1万人以上いる。「誇りある国鉄労働者が、なぜあの時に闘えなかったのか」とこの二十数年を総括して、「今こそ立ち上がろう」と一から闘いを始めるべきなんです。
小玉 労働組合にとって一番重要なことは解雇の撤回。11・1労働者集会で韓国の全解闘の人が「労働者にとって解雇は殺人だ」と発言したとおりです。労働組合としてのこの原点を、あらためて打ち立てることが重要です。
もう一つは、「JR民営化成功物語」を根底から打ち砕くこと。JR西日本が尼崎事故で、事故調報告を改ざんさせてまで死守しようとしているのは「民営化は成功した」って神話ですよ。1047名闘争をつぶさない限り、民営化は成功したと言いきれないし、連合も完成しない。
田中 12月に開かれた動労千葉鉄建公団訴訟では、元国鉄官僚の証言で、23年の時を経て分割・民営化攻撃の生々しい姿があらわになりました。鉄道労連(現JR総連)カクマルの突き上げで、動労千葉争議団を含めた本州闘争団員は解雇された。それを直接指示したのは、当時国鉄職員局次長で今はJR東海会長の葛西敬之だった。こんな連中をのさばらせておいて労働者の未来などない。
解雇撤回の原則貫く2・13闘争へ
小玉 検修外注化絶対反対の職場生産点での闘いと1047名闘争を貫くことは一体です。この決戦をとおして「第2、第3の動労千葉」を国労の中につくりたい。
吉野 動労千葉などが呼びかける2・13全国総決起闘争は決定的な位置にある。5・27弾圧粉砕の勝利を受けて、闘争団員の中から「和解なんてできるか」と言う人が公然と登場してきている。闘争団を獲得するチャンスです。
小玉 4者4団体は「今年の2・16集会は勝利集会にする」と言い、日比谷野音を借りて大動員をかけようとしている。ガチンコの勝負になりますよ。
4者4団体の宣伝もあって、本当にJRに戻ろうと思っている闘争団員は結構いる。全面屈服の結果が出たら、すごい怒りが噴き出すことは間違いない。こういう中で、検修外注化阻止決戦があることはすごく大きい。JR東日本を揺るがす闘いにしたい。JR7社の中でも東日本は、労組破壊と労務管理のためだけに存在するようなJR体制の要。ここを揺るがした時、展望も見えてくる。
大恐慌下の攻防貫き春季ゼネストを
国鉄闘争が動く時、歴史が動く
――大恐慌情勢はさらに深まっています。この中で国鉄闘争はどんな意味を持ちますか。
田中 国鉄分割・民営化とセットで労働者派遣法がつくられ、労働法制が二十数年間で全面的に解体されました。その中で、民営化、外注化、非正規職化が強行されてきた。例えばNTTは全面的に分社化され、本体には十数%の労働者しか残っていない。あとは退職―転籍させられた。
原田 その攻撃がついにJRで全面的に始まった。検修全面外注化は、95年日経連プロジェクト報告が打ち出した「9割の労働者を不安定雇用にする」という攻撃の柱です。
田中 こうした現実は、労働組合がまったく対応できない中で引き起こされた。「首にして転籍」なんて違法行為。だけど労働組合が協定を結ぶ形で合法性を与えてきた。この現実をどこかで断ち切らなければ、労働運動の階級的再生なんて空論。外注化阻止決戦でこれを断ち切り、大恐慌情勢に立ち向かう決起を切り開きたい。
吉野 国鉄分割・民営化でやりきれなかった国鉄労働運動解体を貫徹することなしに、支配階級は道州制導入なんてできない。社会保険庁を巡っても、正規職の分限免職と非正規職の雇い止め攻撃に対して「第2の1047名闘争」が始まっています。国鉄分割・民営化以来、全労働者が資本のすさまじい圧制のもとに置かれてきました。外注化阻止決戦はここに挑んで革命的決着をつけ、労働運動全体を変える闘いになる。
田中 そのためには自分の職場でどう闘うかです。実際に自分の職場で闘いをつくり出すことで、初めて労働者の信頼は本物になる。その大変さを突き破っていくことです。11月労働者集会に結集したみんなが同じように問われていると思う。1人、2人から闘いを始め、それをどう職場全体に広げ、情勢全体を動かす闘いに押し上げていくのか。条件はある。見通しはそう簡単につかめるものではないけど、それは動労千葉も同じです。
11月に1万人集まらなかったことを主体的に考えると、動労千葉は必死になってこの1年間闘ったけれど平成採の獲得はまだ6人。その壁なんです。みんなが同じ壁にぶつかっている。そしてそれは、全面外注化という組織根絶攻撃との決戦の中でしか打開できない。ここにこそ可能性がある。
高杉 われわれは「国労本部打倒」を掲げてきた。それが、職場で闘い、仲間を増やしていくこととひとつにならないといけない。外注化阻止決戦を「組織拡大のチャンスだ」と思って、本気でやりきることが勝負を決める。
田中 歴史を見ると、国鉄闘争が動いた時に歴史は動いてきた。戦後革命期の攻防の決定的軸は国鉄です。1957年の国鉄新潟闘争から60年安保闘争に向かう過程もそうだし、70年安保・沖縄闘争も、67年からの国鉄5万人合理化反対闘争や反マル生闘争と、青年労働者や学生の決起が一体になってわき起こっている。「国鉄闘争を基軸にした4大産別決戦」の意味をもっと明確にしたい。
さらに言えば、戦後労働運動の軸になってきたのは、国鉄闘争の中でも国鉄反合闘争なんです。検修・構内外注化阻止の闘いをやりきったら、絶対に新しいものが生まれてくる。この闘争で、大恐慌下における壮大な労働者の決起、70年安保・沖縄闘争ぐらいの総決起をつくる。この闘いは、ものすごい可能性を持っている。
吉野 “よくぞこの時期にこの決戦が巡ってきた”という気構えで闘いたい。紆余(うよ)曲折はあっても、23年にわたり1047名闘争が展開され、それが日本帝国主義を大変な危機にたたき込んでいる。しかも、沖縄米軍基地問題で労働者階級の怒りが噴出し、民主党・連合政権と日米安保を揺さぶっている。その情勢と国鉄決戦が重なって、鳩山政権打倒の展望が見えてきた。当面する2・13闘争を突破口に、外注化阻止決戦を全力で闘い、春季ゼネストをこじ開けるということです。
富田 今年の1〜3月は、外注化攻撃と1047名闘争がともに正念場を迎える。この決戦を全力で闘うことをとおして4月25日の尼崎事故闘争に攻め上りたい。
石井 JR東日本も、今まではカクマルとの結託体制でやりたい放題の不当労働行為をやってきた。それが崩壊した。東労組も盤石じゃない。松崎明なんか労働者からほとんど相手にされていない。「浦和事件」で引っ張り回そうとしても、青年は全然ついて行かない。「行ってもしょうがない」「署名なんてやらないよ」という声がバンバン出ている。
(写真 暴処法弾圧を完全に粉砕した5・27弾圧被告団と弁護団。11・27判決公判後の勝利集会には520人が大結集、歴史的勝利に沸いた)
JR総連解体し青年の総反乱を
荒山 それは実感します。11・1労働者集会に向けて職場でビラまきしたら、1047名闘争に共感する青年が出てきた。二十歳そこそこの青年は国鉄分割・民営化当時のことなんか知らない。でも「分割・民営化の時に首を切られて……」という話をすると「わかりました」と署名してくれる。首切り攻撃が吹き荒れているから、東労組の青年にも1047名闘争は響く。それと外注化問題がつながったらすごい決起になる。
これだけバラバラに分断されていると敵が誰なのかわからない。でも「原点は分割・民営化にある」「分割・民営化を強行したやつらと、自分の職場の現実をつくっているやつは同じじゃないか」と訴えてわかってもらえたら、下請けの労働者も団結できる。国鉄闘争の位置は大きいが、職場で自分がやることは特別でもなんでもなくてオーソドックスなこと。そこは気負わずにやりたい。労働者の立場を曲げたり薄めたりせず、どんな相手でもそれを真っ向から貫く。同じ労働者だから、信頼して普通にやることだというのが、いろいろやってみての実感です。
筒石 最初は“職場で闘いをつくるなんてできるのかな”と難しくとらえていました。自分の世代は、就職した頃はJR総連の全盛期。国労と親しくすれば自分の身が危いと本能的に思っていた人が多いんです。それに、平成生まれの人たちに1047名闘争を訴えても「自分が生まれた頃のことなんて……」と言われたら、どう言い返せばいいのかと頭を抱え込んでしまったり。
だけど今も分割・民営化の状況は続いています。「やってみよう」と決断し、職場でビラを配ったら意外に反応があった。自分が何者であるかを明らかにしたことで分岐が生じたんです。国労の青年労働者にも11・1労働者集会のビラを配り、メールでも働きかけました。ビラを配ったことを名指しで問題にされましたが、今は「それが何ですか」と居直れるようになった。そこまで自分が変化できたことが大きい。
荒山 先日、マル青労同第6回大会が開催され、外注化阻止闘争をマル青労同と2千万青年労働者の未来をかけた決戦としてやろうと確認しました。外注化との闘いはJRだけの問題じゃない。みんな「おれの職場の話と同じだ」と思い、闘う気になっている。
吉野 2千万青年労働者と結びつく決定的な環が国鉄闘争にある。青年労働者は、不当労働行為はやり放題、労働法制なんか関係ない、団体交渉なんか応じないという資本の圧制のもとに置かれている。これはJR方式そのもの。諸悪の根源がJR体制なんです。青年たちは、自分がやられていることを見て国鉄闘争の意味をつかんでいく。われわれ自身が、自分たちの闘いの大きさに自信を持つことが必要だと思う。
石井 勝田車両センターには百人規模の東労組の青年労働者がいます。彼らの獲得を巡って、あと一歩のところまできている。だからこそ、われわれが労働者をとことん信頼しぬいているのかが問われる。最後の最後は、青年労働者の中に彼らのリーダーをつくることが勝負です。青年自身の中から旗を振る人が出てきた時、ワーッと決起が始まる。青年が反乱し、JR総連をガタガタにしたら外注化なんて絶対にできない。
吉野 問われているのは党の力です。革共同の09年の決定的勝利は、綱領草案を打ち立てたこと。これは「新しい綱領を作ったからこれに従え」というようなスターリン主義的なものではない。“プロレタリアートの存在と闘いの中にのみ勝利がある。党はプロレタリアートの存在と闘いの中にのみ存在するんだ”という綱領です。この綱領草案は、あらゆる体制内諸党派によるマルクス主義の歪曲を根底からぶっ飛ばしています。労働者階級が自らの欲求として党をつくっていくプロセスをつくり出すことです。労働者階級全体の未来をかけ、これを外注化阻止決戦の中でやりぬきましょう。
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週刊『前進』(2422号8面1)(2010/01/01 )
労働者の国際連帯で大恐慌と闘う
革命的インターナショナルへ画期的前進が切り開かれた
革命的共産主義者同盟・国際部
サンフランシスコのデモ(09年7月)
11月集会がかちとった地平
11月労働者集会の大成功、そして国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利を頂点とする2009年の階級的労働運動の前進は、2010年決戦勝利への巨大な展望を切り開いた。
その火ぶたは、11月集会直後に爆発した韓国鉄道労働者の無期限スト、米独を先頭とする教育労働者と学生のストライキと法大闘争の連帯の開始、そして動労千葉・動労水戸を先頭とした検修・構内業務全面外注化阻止の戦闘宣言などによって切られた。
11月集会の成功とは何であったか。それは、世界大恐慌のもとで全社会、全世界にあふれる「生きさせろ」の叫びにこたえ、資本と権力への絶対反対、階級的団結の強化の立場に立って職場で闘う、すなわち動労千葉のように闘いぬくなら、絶対に勝利できることを示したことである。そして、労働者が主人公となる社会を自分たちの手で建設できることを全参加者が確認し、新たな闘いを宣言したことである。
7月サンフランシスコ会議
本稿の課題は、われわれの階級的労働運動の現在の到達点を、国際連帯の前進という視点を中心に明らかにし、それをかちとった闘いを総括し、全世界の労働者階級の勝利のために突破すべき壁、課題は何かを明らかにすることである。
まず、11月労働者集会は、7月サンフランシスコ国際労働者会議の成功を踏まえてかちとられたことを確認したい。この7月会議は、1934年に世界大恐慌下のサンフランシスコで港湾労働者を先頭として闘われたゼネストの75周年を記念し継承しようと開かれた。ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10、34とTWSC(運輸労働者連帯会議)が世界の労働運動・労働組合の戦闘的潮流に呼びかけて開催された。
「世界大恐慌のただ中で労働者階級の革命的決起を、今こそやろう」という呼びかけにこたえて動労千葉は決起した。体制内労働運動と諸潮流の総屈服の中で、動労千葉は「闘う労働組合は世界大恐慌にどう立ち向かうべきか」「労働者が国際的に連帯しなければ、この大恐慌情勢に立ち向かうことはできない」(『サンフランシスコ国際労働者会議報告集』座談会での田中康宏委員長の発言)という立場を鮮明にして訪米団を結成し、日本の階級的労働運動を代表して参加した。
この時代における労働者階級の立場は、世界大恐慌を「資本主義の歴史的生命の終わり」として根底的にとらえ、プロレタリア世界革命を真っ向から対置することである。そして、労働者階級の革命的自己解放性を徹底的に信頼し、プロレタリア独裁権力の樹立、労働者階級の勝利によって、社会の主人公になる以外に労働者は生きていけないことを徹底的に明らかにして闘うことだ。
国際労働者会議は、動労千葉訪米団の提起した「国鉄1047名解雇撤回闘争支援、法大闘争支援、11月労働者集会への結集」の決議を満場一致で採択し、「11月には日本で会おう!」のあいさつで終了した。
戦争と民営化、組合つぶし攻撃との闘いを路線的にすえきった動労千葉の主張は、体制内労働運動指導部の総屈服と闘う各国の戦闘的労働組合の仲間たちに大きな共感と感動を与えた。これまで連帯を深めてきた韓国の民主労総、アメリカのILWU(およびUTLA〔ロサンゼルス統一教組〕)の仲間との結合を深めただけでなく、初めて知り合ったブラジル、トルコ、フィリピンなどの戦闘的労働組合の仲間たちとのあいだでも、直ちに感動的な交流が開始された。動労千葉が労働者階級の革命的自己解放性をとことん確信し、絶対反対、階級的団結の強化を総括基軸にして、資本・権力との闘いを職場を基礎に闘いぬいてきたことが、全世界で苦闘する労働組合活動家の心を激しくとらえたのだ。
この会議での「国鉄1047名闘争支援」を中心とする決議に壊滅的な打撃を受け、激甚に反応したのがカクマル=JR総連である。彼らは絶望的な危機の中、延命のために「戸塚文書」を発行して国際的にばらまき、国鉄分割・民営化攻撃への屈服を労働運動の「華麗なる変身」などと恥知らずにも開き直った。だが、このような策動は、動労千葉による壊滅的な批判によって粉砕された。動労千葉と国鉄1047名闘争の階級的正義性が、そして対極ではJR総連カクマル=松崎の反労働者性が、新自由主義攻撃の根幹をなす民営化問題においてますます明らかになった。
会議はまた、労働者階級の国際連帯とは、紙の上、あるいは口先だけのやりとりや儀礼的なメッセージの交換にあるのではないことをはっきりさせた。あくまでも職場の実践を踏まえ、資本・権力との闘いによって鍛えられた戦闘的労働組合の活動家の魂のぶつかり合いを基礎にして、どのように闘って勝利するかをめぐっての真剣で実践的な討論でなければ、一切は空語なのだ。こうしたサンフランシスコ国際会議の成果と教訓の上に、11月集会が準備されたのである。
動労千葉労働運動の普遍性
11月集会はまさにこのようなものとして、09年の世界大恐慌下における各国の職場での苦闘とその成果を反映するものとしてかちとられた。
11月労働者集会の成功の要因は、第一に、国鉄1047名解雇撤回闘争を、大恐慌に立ち向かう労働者階級の闘いの基軸として打ち出し、路線的に貫徹したことである。帝国主義の新自由主義攻撃=国鉄分割・民営化に対し、国鉄1047名闘争は真っ向から立ち向かい、20年間にわたって闘い続けてきた。動労千葉はその先頭に立ち、首をかけ数次のストライキを貫徹してきた。これが、世界大恐慌下で大量解雇、非正規職化、派遣切りなどが労働者に襲いかかっている今、階級的団結の強さを実証した闘いの指針として、内外の参加者の心からの感動を呼んだのである。
ちょうど7月国際会議から11月労働者集会の過程で激しく闘われた韓国サンヨン自動車労働者の工場占拠闘争は「首切りは殺人だ。整理解雇反対」という血の叫びをあげていた(民主労総ソウル地域本部のチェジョンジン本部長の発言より)。大失業攻撃に対する闘いが階級闘争の中心的なテーマとなっている現在、解雇撤回を要求する闘いとその勝利の路線が、11月労働者集会の中心的テーマとしてはっきりと提起されたことが第一の意義であり、成果である。
第二に、11月集会そのものの戦闘的大衆的な衝撃力が、韓国、アメリカ、ブラジル、ドイツの組合代表、活動家たちに深い感銘を与えたことである。
各国の代表は11月集会で、国鉄1047名闘争団を始めとして次々に登壇する労働者・農民・学生の発言に非常に注目した。賃下げ、首切り、社会保障解体攻撃との職場における闘いを報告し、体制内労働運動の壁を突き破る決意を述べる現場労働者=ランク・アンド・ファイル、青年労働者の発言、三里塚の農民、法政大学の学生などの発言に真剣に聞き入っていた。
そして世界大恐慌下の労働者階級の状況が、国境をこえてどこでも基本的に同じであり、同じ攻撃、同じ敵と闘っていることを感動をもって受け止めた。まさに労働者階級に国境はないこと、労働者と農民、労働者と学生の連帯闘争が持つ巨大な可能性を実感をもって確認したのである。
さらに今回、7月〜11月の過程で、闘う労働組合のあいだで戦略的路線的な討論が国際的に開始された。そして新たにブラジル、トルコ、フィリピンの闘う労働組合、ドイツの闘う仲間との国際連帯の開始をかちとることができた。この事実は、まだわれわれと直接、国際連帯の絆(きずな)を形成しえていない世界各地の労働者人民、労働組合との巨大な規模での合流・連帯が必然であり、可能であることを示している。
第三に、共通の現実を確認した上で国際連帯の強化・拡大のために取り組むべき課題が明確になってきたことである。恐慌の激化の中でますます熾烈(しれつ)化する帝国主義の攻撃、すなわち〈内に向かっての階級戦争、外に向かっての侵略戦争>とどう闘うか、どうやったら資本・権力との非妥協の闘いを貫徹し、階級的団結を固めることができるのか、そして資本主義=帝国主義を本当に打倒して勝利できるのか。その方針、路線、それを基礎付ける思想が、真剣に熱烈に求められている。そのことが、7月サンフランシスコ会議にひき続いて、国際連帯の切実な課題として浮かび上がった。
海外からの参加者は、「数百人の組合員の動労千葉が、産別をこえ地域をこえて、どうしてこれだけ多くの労働者、労働組合活動家を11月集会に結集できるのか」と、動労千葉に真剣に質問してきた。
民主労総ソウル地域本部に結集する活動家と動労千葉は、08年から「理念交流」の活動を続けてきた。労働運動・労働組合の現状と総括、階級的労働運動の向かうべき道、労働者階級の階級的解放、自己解放の道についての熱心で真剣な討論が数回にわたって積み上げられた。09年はさらに突っ込んだ討論が、日韓活動家のあいだで展開された。
革命的な労働者党が現場の切実な要求に
第四に、情勢の激動化、革命情勢の成熟の中におけるこうした国際連帯の質的深化は、労働者階級自己解放の道を示す単一の革命党、革命的労働者党を全世界的に建設する必要性を提起している。このことが各国代表から訴えられたことである。
「私たち自身の党、労働者の利益のために闘う労働者の党を建設しなければなりません」(ILWUローカル10のレヴィージさん)。つまり、労働者の革命的国際組織や革命的労働者党の建設が、職場で闘うランク・アンド・ファイルから、切実な要求として提起されているのである。
第五に、11月集会は5850人の結集によって大成功をかちとった。この成功は現在、資本と権力の攻撃にさらされながら、体制内労働運動の支配下で階級的団結を奪われ、いまだ本格的闘いに立ち上がれていない6千万労働者階級の総決起を実現し、プロレタリア日本革命=世界革命をかちとっていくための確実な一歩である。とは言え、本格的な闘いはまだこれからだ。
危機に立つ日帝ブルジョアジーの新自由主義攻撃の手先となってきた連合指導部は現在、鳩山民主党政権の中枢ポストを占め、「無駄をなくす」というスローガンをもって階級戦争の実行者となっている。このような反労働者的な労働運動指導部を打倒し、資本と闘う階級的武器である労働組合を現場労働者の手にとり戻そう。
そして、この課題は日本だけでなく、韓国、アメリカを始め体制内労働運動指導部と激突している全世界の労働者の共通の緊急課題であることが明らかにされた。「多くの労働組合は、企業救済を支持し、譲歩交渉に明け暮れています」「私たちはこれと異なる立場に立ち切らなければなりません」(ブラジルCONLUTAS〔全国闘争連盟〕ボスコさん)。
われわれの突破すべき課題
われわれには何が問われているのか。まず何よりも第一に確認すべきことは、時代認識と思想と路線を明確にして、職場の闘いを貫徹することである。
階級的労働運動は、「帝国主義=資本主義は歴史的生命が終わっている」という確固とした認識、「労働者階級こそが資本主義を転覆し、新たな時代を切り開く力をもっている」という階級的確信に基礎づけられた運動である。そして帝国主義打倒のために、目的意識的に労働者の闘いを方向付け、組織していく革命的路線を基礎に持つ運動である。このことによって資本・権力との非妥協的な絶対反対の闘いを、階級的団結を固めつつ闘っていくのである。これを可能にするのが、「万国の労働者、団結せよ!」と呼びかける労働者階級の自己解放の理論、すなわちマルクス主義だ。労働者の国際的共通語はマルクス主義である。
その真価が試されるのは、あくまでも職場における闘い、実践である。資本、権力との非和解的対決を、職場の仲間を信頼し階級的団結を強める闘いとして徹底的にやりぬくことだ。それをつうじて“動労千葉派”“11月集会派”、つまり階級的労働運動の担い手をもっと多くの職場につくりだし、連合・全労連などの体制内労働運動の支配を覆していくことである。
第二に、これは11月集会に結集した世界の戦闘的労働組合の仲間たちと共有している課題であり、国際連帯の強化、拡大の中で果たされていくのである。われわれの職場での闘いは国際連帯と直結しているのだ。
労働者階級は世界的にひとつの階級である。一切の生産手段を奪われ、資本家に自分の労働力を商品として販売しなければ生きていけないという共通の階級的立場に立っている。そして資本家階級を打倒し、全社会の主人公となり、新たな社会を建設していく力をもっている。だから労働者階級の自己解放は、プロレタリア世界革命としてのみ実現されるのだ。
第三に、しかし現実には労働者はブルジョアジーの階級支配によってさまざまな形で分断され、階級的団結を破壊されている。体制内労働運動指導部がこの分断を促進している。したがって労働者階級は意識的に国際連帯をつくりあげ、ブルジョアジーとその手先=体制内労働運動指導部と断固として闘うことをもって、労働者階級の解放をかちとっていかなければならない。
動労千葉が軸となって03年以来粘り強く築き上げてきた日韓米の階級的国際連帯、そして今回、新たに合流したブラジルを始めとする闘う労働組合との連帯は、こうした意義をもつものである。階級的労働運動の核心である〈時代認識と思想と路線>の確立が、国際連帯の前進のための緊急の課題として提起されている。
時代認識と思想、路線をめぐる国際的討論
第四に、この〈時代認識と思想と路線>をめぐる国際的な討論の開始は、その基礎にあるマルクス主義、より正確にはスターリン主義によって歪曲されてきたマルクス主義を、労働者の手にとり戻す闘いとして行われるのである。スターリン主義は、「労働者階級の自己解放」というマルクス主義の核心を徹底的に破壊し、歪曲(わいきょく)した。その結果生じたことは労働者階級の自信喪失であり、労働者階級の革命性の否定、労働者を低く見る思想のまんえんである。「労働者を軽んじ、蔑視(べっし)する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てる」(中野洋・動労千葉前委員長『新版・甦る労働組合』4n)
スターリン主義によるマルクス主義の歪曲は、〈労働組合と党の関係>という核心的問題にも及んでいる。国際連帯の闘いは、7月国際労働者会議を経て11月集会をめぐる国際交流において、国際的労働者党の建設を課題とするに至った。世界大恐慌、労働者階級の全世界的決起の開始、体制内労働運動との激突の中で、労働組合と党を「限りなく一体」の関係として形成していかなければならない。
第五に、世界の最も戦闘的な労働組合のあいだで一致がかちとられた共通の課題、すなわち戦闘的労働組合の国際連帯組織を形成すること、さらに革命的な労働者の党を建設するという課題の核心は何か。それは、あくまでも職場での実践に絶対的基礎を置くこと、それをより広大な戦線に位置付ける条件を拡大し、資本・国家権力に対する闘いの実践によって絶えず検証し、労働者が労働者自身の力によって物質化していくべきものだということである。
労働者階級の自己解放のために必要なのはどのような党なのか。そういう党を労働者がどのようにしてつくっていくのか。党と労働組合との関係はどのようにあるべきなのか。――こうした課題をめぐって討論が開始されている。重要なことは、それは各国の階級闘争・労働運動の歴史、党派闘争・党派の形成、労働組合や党のあり方などの独自の経験を踏まえて行われなければならないのである。
革共同の綱領草案は、新たな国際連帯のひとつの起爆力となることは確実である。わが綱領草案は、1991年5月テーゼから01年の革共同6回大会、そして06年以来の「党の革命」の中で、転向スパイ集団=塩川一派を追放し、労働組合に基礎をおいた階級的労働運動路線を確立し、この労働者の自己解放性をしっかり踏まえた党を再形成する闘いの結実としてかちとられたものである。各国の闘う労働組合とその組織・党もそれぞれ独自の歴史と闘いを有している。したがって討論はこうした現実的な基礎を徹底的に踏まえて貫徹されなければならない。
国鉄決戦と春季ゼネストへ
11月労働者集会では、日韓米の戦闘的労働運動、労働組合が、それぞれの国の職場での原則的な闘いを基礎にして国際的に団結し、世界大恐慌に真っ向から立ち向かい、資本の支配を打倒して「労働者が主人公となる社会をつくろう」と高らかに宣言した。今回、新たにブラジルに代表される中南米の戦闘的労働運動、そしてドイツを突破口とするヨーロッパの労働運動の闘う潮流との合流をかちとり、全世界の労働者階級の怒りの声を階級的労働運動の一大潮流として結集していく手がかりをつかんだことは決定的である。
新しい2010年を迎えて、われわれは反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利へ歴史の扉を開きつつある。第1次世界大戦への第2インターナショナルの屈服に抗して、レーニンは帝国主義戦争に反対する原則的な勢力を結集し、新たな革命的インターナショナルの基礎を形成していった。われわれはこの闘いと同様の革命的、世界史的な闘いに挑戦している。本格的な闘いはこれからだ。
11月労働者集会でかちとった階級的労働運動の国際的団結のもとに結集し、プロレタリア世界革命の勝利に向かって、国鉄決戦と春季ゼネストをもって2010年決戦を切り開こう。
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週刊『前進』(2422号9面1)(2010/01/01 )
革共同政治局1・1アピール
2010年国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命へ
JR検修全面外注化阻止・1047名解雇撤回大失業と戦争の民主党・連合政権打倒を
国鉄・4大産別にマル青労同を建設しよう
はじめに
資本主義を打ち倒す時代がついに来た! 断末魔の危機にあえぐ資本主義・帝国主義とその救済に走る一切の敵対勢力を労働者階級の団結の力で打ち破り、21世紀のプロレタリア世界革命の実現に向かってまっしぐらに突き進む時が来た。
世界大恐慌はますます深まり、空前の大失業と賃下げの攻撃が世界の労働者に襲いかかっている。大量の労働者とその家族が生活の糧も、住居も、生きる希望さえも奪われて次々と路頭に放り出されている。その一方で資本家どもは、なおもひたすら自分たちの利益をむさぼることに熱中し、その強欲さの前に社会全体をも崩壊させて恥じない。この腐りきった姿! これが資本主義であり、その最末期の姿なのだ。もはや資本の支配を一日たりとも許してはおけない。労働者の怒りは、極限まで高まっている。
今や、全世界のブルジョアジーが、一切の矛盾を労働者階級人民に押しつけて生き延びようと七転八倒しながら、世界市場の再分割をかけた激しい争闘戦を互いに繰り広げ、侵略戦争とその拡大に突き進んでいる。大恐慌の爆発は、帝国主義戦争かプロレタリア世界革命かの二つに一つの選択を、世界の人民に待ったなしに突きつけている。これに対して、全世界で労働者や農民の死活をかけた決起がすでに開始されている。
労働者階級は、労働者への賃金奴隷制としてある資本主義体制の全システムと価値観を根底からたたき壊し、覆さなければ、自らを解放することはできない。そして労働者階級の解放は、人が人を搾取して成り立つ社会そのものを終わらせ、階級社会のもとでの一切の差別・抑圧からの全人間の解放を達成する。この革命をやりぬく力は、資本のもとでのあらゆる分断を打ち破って形成される、労働者階級の階級的団結とその拡大の中にある。マルクス主義の核心であるこの労働者階級自己解放の思想を、今こそ全世界に甦(よみがえ)らせていく時だ。
革共同は昨秋、第25回全国委員会総会を開催し、21世紀革命の戦取に向けた革共同の綱領草案を採択・発表した。2010年こそ、この綱領草案のもとで、大恐慌を現実の革命に転化していく闘いの第一年である。全党の同志は、労働者階級の一員として、その最も鍛え抜かれた前衛として、国際帝国主義の最弱の環=日本帝国主義をまず、全世界のプロレタリアートの先陣を切って打倒する闘いに今こそ猛然と打って出よう。
その最大の戦略的柱は、民主党・連合政権の打倒であり、国鉄を基軸とする4大産別決戦の爆発である。戦後自民党支配の大崩壊と小沢・鳩山民主党政権の登場は、日帝の労働者支配の全面破綻と階級対階級のむき出しの激突、内乱の時代への突入を意味している。民主党政権は、連合を政権の内側に取り込むことでかろうじて成り立っているきわめて脆弱(ぜいじゃく)な政権だ。その大破産と絶望的凶暴化、労働者階級との非和解的激突は不可避である。
今始まったこの革命と反革命との大激突に断固として勝ち抜き、闘う労働組合と労働者階級の党を、プロレタリア革命への結集軸として不動に打ち立てることこそが、6000万労働者、とりわけ2000万青年労働者の怒りとエネルギーを決定的に解き放つ。革命派が全階級闘争の主導権を握り、現体制の転覆に向かって突き進む時が来たのだ。とりわけ今春国鉄決戦の歴史的大勝利を切り開くことに、その一切をかけて総決起していくことである。
マルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟に結集する青年同志はその最先頭に立とう。今こそ全青年労働者の怒りと力を総結集してマル青労同の黄金時代を築き、プロレタリア日本革命へ真一文字に進撃しよう。
〔T〕 労働者階級が勝利する時代を切り開いた2009年の闘い
(1)革共同半世紀の歴史の上に打ち立てた綱領と戦略
昨年、2009年の闘いは、労働者階級の闘いにとって実に画期的な地平を切り開いた。われわれは、革共同創立以来の半世紀にわたる血と汗の闘いの歴史の上に、ついに今日、最末期の資本主義・帝国主義の転覆=プロレタリア世界革命の戦取に向けた本格的闘いに突入した。
06年「党の革命」以来の党の大変革と階級的労働運動路線の白熱的実践の上に立って、われわれは09年、革命的共産主義運動の全歴史の総括を行い、その継承・発展と一大飛躍への闘いに着手した。それは同時に、1929年大恐慌を超える、歴史的にもはや後のない今回の世界大恐慌の爆発による巨大な革命情勢の急速な成熟を真っ向から見据え、これに対する革共同の革命党としての全面的回答を準備するものであった。
そしてわれわれは、今日の世界大恐慌を現実の世界革命―日本革命に転化していく党の綱領と戦略を、反帝国主義・反スターリン主義、革命的マルクス主義を貫く綱領の確立と、国鉄を基軸とする4大産別決戦という日本革命戦略として明確に打ち立てた。さらに、その一切が労働組合をめぐる革命と反革命との世界史的激突にかかっていることを明らかにし、ここで勝ち抜くための闘いに全党を挙げて猛然と突入していった。
09年の本紙春季特別号で開始した4大産別決戦論の戦略的確立、25全総と綱領草案の確定は、その決定的な到達点であり、跳躍点である。それを可能にした全党の同志の職場生産点を軸とする必死の実践が、これまでとは画然と異なる新たな地平を切り開いた。そして、8・30総選挙での戦後自民党支配の大崩壊と連合を基盤とし連合の体制内指導部を取り込んだ民主党・連合政権の成立という階級的大激動情勢への突入の中で、ついに本格化した革命と反革命とのむき出しの激突を一歩もひるむことなくぶち抜いて、唯一の革命勢力として全世界の前に公然と登場したのである。
昨年11・1労働者集会5850人の大結集は、その意味で、過去の11月集会とは異なる実に巨大な質的飛躍をかちとった。それはまさに、プロレタリア権力樹立に向けての実質的な出発点を築いたのであり、日本の地から全世界に向けて発したプロレタリア世界革命への戦闘宣言である。
それを準備したのは、綱領・路線の確立と表裏一体で進んだ09年冒頭からの全職場での資本との非和解の激突の開始であった。「生きさせろ!ゼネスト」を掲げた各職場での大決起、2月西郡住宅闘争や3・6大阪を突破口とする道州制・民営化絶対阻止決戦の開始、5・15を出発点とする沖縄闘争の新たな発展、法大闘争の不屈の発展と6・14〜15労学共闘へと上りつめた闘いである。動労千葉・動労水戸のスト決起を始めとする国鉄戦線での、激しい党派闘争を貫く中でのJR体制打倒の闘いの前進が、その全体を牽引(けんいん)した。
さらに、10・11三里塚現地闘争の高揚を頂点とする三里塚闘争と労農同盟の大前進。オバマ幻想を打ち破って闘われた8月広島・長崎反戦闘争。改憲阻止闘争そのものである裁判員制度粉砕の大運動の発展。星野闘争を始め、階級的労働運動の前進と固く結合した全戦線での闘いの発展だ。
これらの一切が、8・30と民主党・連合政権登場という階級情勢の大激動に真っ向から立ち向かう土台を築いた。その上にかちとられた11月の大勝利が、革共同の綱領と路線の正しさを圧倒的に打ち固めるものとなった。その大きさは、続く国労5・27臨大闘争弾圧裁判での暴処法(暴力行為等処罰法)粉砕の大勝利、獄中学生奪還の勝利として、日帝権力を絶望的な危機に追い詰めている。この地平の上に、今こそ全労働者の怒りを根こそぎ結集し、組織しぬいて、日帝を攻めて攻めまくる闘いに猛然と突撃する時だ。
(2)11・1労働者集会は革命への突破口をこじ開けた
昨年11月集会が闘いとった地平の大きさを、さらに詳しく確認しよう。
国鉄闘争が中心軸に
第一に、国鉄1047名解雇撤回闘争が、大失業攻撃に立ち向かう全労働者階級の闘いの中心軸に完全に座ったことである。このことを土台として、4大産別決戦がうなりを上げて回転し始めた。
11・1集会で最も重要なことは、労働者階級が今日直面するすべての課題を、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利というただ一本のスローガンに集約し、そこに賭けきった大結集として闘いとられたことである。1047名闘争を大失業攻撃と闘う全労働者の最大の結集軸として打ち立て、この一点をめぐる攻防に勝ち抜くことに日帝資本との階級的力関係の大転換をかけて総決起し、5850人の結集を実現したのである。
これを可能にしたのは、全日建運輸連帯労働組合関西生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、動労千葉という、11月労働者集会呼びかけ3労組の決断だった。
国鉄分割・民営化こそ、今日の労働者階級を襲うあらゆる攻撃の出発点だ。これへの絶対反対の闘いをとことん貫きとおすことこそが、大恐慌下で生きる手段を奪われようとしている全労働者の闘いの展望を唯一、切り開く。膨大な非正規労働者、青年労働者の怒りを真に解き放ち、彼らとの階級的結合をつくりだす道もここにある。11・1の組織化の過程と5850の大結集は、そのことをあらためて実証した。
11・1の大成功は、これに先立つ動労千葉の幕張ストと動労水戸の4波のスト、10・16JR東日本本社弾劾行動の成功と一体で、4者4団体の全面屈服を水路とした1047名闘争解体策動を最終的に粉砕し尽くした。職場でのJR資本との非和解の闘いにあくまで依拠し、闘争団の22年間の不屈の闘いとJR本体での闘いとを結合し、闘う全国鉄労働者が一丸となってJR体制打倒へ攻め上る巨大な出発点が築かれた。
11月27日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決公判における大勝利は、まさにこの11月集会を頂点とする闘いが実力でもぎとった地平である。「絶対反対と階級的団結を貫いて闘えば勝てる!」の確信がここに生まれた。動労千葉派、11月集会派がついに、1047名闘争に全責任をとりきる勢力として、国鉄闘争の主流派として躍り出たのである。大失業攻撃をその中心部からぶち破っていく道が圧倒的に開かれた。
この中で、社会保険庁1000人解雇に対する社保庁労働者の断固とした革命的決起が、国鉄1047名に続く今ひとつの大闘争団を生み出す闘いとして開始された。道州制360万人首切りに対する総反撃の突破口が切り開かれたのだ。
鳩山政権と全面対決
第二に、民主党・連合政権打倒を真っ向から掲げた一大政治闘争として闘い抜かれたことである。
集会で動労千葉からのアピールを行った長田敏之書記長は、民主党政権の中枢に座った連合の右派幹部を「彼らは資本の手先だ」と喝破し、民主党・連合政権こそ究極の民営化・労組破壊・改憲攻撃に突き進むものだと弾劾した。そして「労働組合のあり方を変革しないかぎり、何も変わらない。ここに、今私たちが問われている課題の核心がある」と訴えた。
実際に、8・30以降の情勢は、巨大な階級的大流動と、その真っただ中での革命と反革命との激しい内乱的なぶつかり合いとして進んだ。民主党・連合政権の本質は、日帝の労働者支配の大崩壊に対し、労働者階級の革命的決起を「労働組合」の名を使って押さえ込むことにある。鳩山政権の成立と同時に他の全党派は一斉に政権への全面協力にかじを切った。そして新政権への幻想をあおる一方で、現場労働者の怒りの噴出を政府・資本と一体となって率先して圧殺する側に回った。動労千葉を始めとする闘う労働組合や革共同に対しては、公安警察による破防法型弾圧の一大エスカレーションが仕掛けられた。
11・1集会は、これら一切の密集した反革命を、青年労働者・学生の怒りの決起を先頭に、文字どおり実力で打ち破ってかちとられた。民主党・連合政権打倒を敢然と掲げ、労働者階級の利害を貫く唯一の革命的潮流がここに、5850人の大部隊として屹立(きつりつ)したのである。
このことによって、11月集会派は、今後の日本階級闘争の主導権を実質的に握ったとさえ言える。この直後に闘いとられた11・8沖縄県民大会は、「新政権への期待」を組織しようとした主催者の思惑を吹き飛ばし、民主党・連合政権への沖縄労働者人民の階級的怒りがあふれ出す場に転化した。沖縄闘争が新たな火を噴く過程に入る中で、11月集会派の存在と闘いがますます決定的な位置をもってくることは明らかだ。
(3)国際連帯が画期的な前進
第三に、労働者階級の国際的団結の圧倒的な拡大と深化発展である。03年以来の日韓米3カ国の国際連帯として始まった闘いは、09年においてそれまでとは次元を画する段階に突入した。
7月サンフランシスコでの労働者の国際会議とサンディエゴでの教育労働者の交流が、その跳躍台となった。世界の闘う労働者が大恐慌・大失業と戦争に立ち向かうために体制内労働運動の壁を突き破って続々と決起する中で、国際連帯への熱烈な希求が一挙に爆発的に広がった。
これを受けて、11・1日比谷には韓国、アメリカからの訪日団に加え、ブラジル、ドイツからも参加した。集会とそれを前後して闘いとられた一連の交流と真剣な討論は、新たなインターナショナル建設の課題を今や共同の課題として日程に上せた。「労働者階級の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせる」「労働者の利益のために闘う労働者の党を建設しよう」「万国の労働者、団結せよ!」の声が、東京から全世界に、圧倒的にとどろいた。
とりわけ日韓の闘う労働者の連帯のきずなは、韓国民主労総からの訪日団総勢45人の大量参加と、続く11・8民主労総全国労働者大会への動労千葉訪韓団の参加をもって、あらゆる面で深まった。「解雇は殺人だ」と叫んで77日間の決死の大闘争を闘い抜いた韓国・サンヨン自動車労働者の闘いと、国鉄1047名解雇撤回闘争を軸に闘われてきた日本における階級的労働運動の不屈の前進は、その魂において完全に一つだ。資本の搾取を打ち破るために〈ともに闘い、ともに進む〉関係が不動の確信をもって築かれた。
動労千葉を中心とするこの国際連帯の発展に恐怖したJR総連・カクマル松崎による卑劣な破壊策動は、一瞬にして粉砕された。逆に彼らの反革命的正体が世界の労働者の前に決定的に暴かれた。
さらに、在日・滞日の外国人労働者が大挙結集し、集会・デモをともに闘いとる主体として決起したことは重要である。民族・国籍・国境を越えたプロレタリアートの共同闘争が、階級的労働運動と日本階級闘争の中に大きな柱として打ち立てられ、本格的な発展へのスタートを切ったのだ。
労農同盟の深化発展
11月集会は第四に、プロレタリア革命に向けた労農同盟の確立と発展という点でも巨大な前進を実現した。それは同時に、日帝による三里塚闘争圧殺を狙った攻撃を、最も核心的なところで打ち砕いた。
何よりも、10・11三里塚全国集会と11・1労働者集会が不可分一体の闘いとして闘い抜かれたことである。われわれは、「10・11の爆発なしに11・1の1万人大結集はない」と訴え、青年労働者を先頭に10・11三里塚現地に過去10年間で最高の結集をかちとった。続く11・1日比谷への三里塚反対同盟農民の同盟あげての総決起は、結集した5850人の団結の中心に、国鉄闘争とともに三里塚闘争が座ったことを意味した。
さらに、この熱気を受けて動労千葉とともに訪韓した反対同盟の萩原進事務局次長は、「労働者は職場を武器に、農民は土地を武器に」資本・権力と闘おうと宣言。「労働者の同盟軍として農民の決起をつくっていきたい」と決意を表明し、労農連帯の新たな地平を切り開いた。
三里塚をめぐる決戦は、国鉄決戦、道州制決戦、法大決戦などと並んで、今日の戦争・改憲と民営化・労組破壊をめぐる日帝との激突の一大焦点である。日帝は05年以来、暫定滑走路の北延伸と市東孝雄さんの農地強奪を柱に、再び三里塚への全体重をかけた攻撃に出てきた。それは、反対同盟への解体攻撃であると同時に、革命情勢の接近に恐怖した日帝による労働者と農民の分断を狙う予防反革命攻撃としてあった。塩川一派による動労千葉への敵対は、まさにそのお先棒をかつぐものにほかならない。
10・11―11・1の大爆発はこれを完全に粉砕した。逆に労農同盟の不動の確立がかちとられ、三里塚闘争の一層の大爆発と勝利への水路が圧倒的に開かれた。
全学連運動の大躍進
第五に重要なことは、全学連運動の大躍進への突破口が開かれたことである。
11月集会は、法大闘争が06年3月以来112人もの逮捕・33人の起訴という大弾圧をはねのけながら貫いてきた闘いが、全国の学生や労働者の心をつかみ、国際的にも圧倒的な吸引力をもつに至ったことを示した。その鍵は、新自由主義攻撃のもとでの「監獄大学」の現実と絶対非和解で闘い抜く中で生み出されてきた「教育の民営化粉砕!」という路線とスローガンだ。それは日本の300万学生のみならず、世界の学生が今、普遍的に直面している自己の未来と生き死にをかけた大テーマだ。
そして学生の未来は、青年労働者の未来と一つである。資本の暴力支配のもとで青年が未来を奪われていることは、全労働者階級にとっての大問題にほかならない。09年の闘いは、法大闘争での労学共闘をつくり出し、11月集会はそれをさらに国際的規模の労働者と学生の共同行動へと発展させた。
このことは、戦闘的学生運動の本格的再生と大発展にとって決定的である。社会変革をめざす学生の燃えるような熱情と行動力が全情勢を揺るがし、階級闘争を牽引していく時代が再び始まった。
この地平の上にわれわれは、獄中8学生奪還の闘いへと総力を挙げて突き進み、ついに年内奪還の圧倒的勝利を切り開いた。
裁判員制粉砕の闘い
第六に、労働運動、学生運動での飛躍的な前進を土台にして、入管闘争、部落解放闘争を始めとする諸戦線や弁護士戦線、救援戦線での闘いが大きな前進をかちとった。
特筆すべきは、裁判員制度粉砕の闘いである。09年5月の裁判員制度施行は、反対運動の終結どころかまったく逆に、裁判員制度の即時廃止を求める一層の大運動の新たな出発の日となった。8月から開始された裁判員裁判は、それが「裁判」とはおよそ名ばかりの検察主導の「ショー」である実態をさらけ出した。労働者人民を丸ごと権力による治安弾圧の担い手として動員するという、現代の徴兵制とも言うべき攻撃に怒りはますます高まった。
今や、裁判員制度粉砕闘争が改憲阻止闘争の中軸に完全に座った。そして弁護士戦線を先頭に、司法権力という日帝国家権力機構の中枢部を揺るがす全人民的な大反乱へと発展し始めた。
獄中35年の星野文昭同志奪還の闘いもこの09年、塩川一派による妨害と敵対を粉砕して、労働者階級の決起と結合した画歴史的な大運動への発展をかちとるところに到達した。11月27日の第2次再審請求提出はその出発点だ。
これら一切の闘いが、11・1労働者集会の大結集と強固な団結に結実した。そしてまた、11・1の大勝利の力が、すべての闘いをさらに一段と前に推し進める巨大な展望を開いたのである。
(4)青年労働者が続々と階級の指導部として登場した
09年の闘いの総括において今ひとつ決定的なことは、マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟建設の大前進である。とりわけ11月集会の大勝利の地平を打ち固めるものとしてかちとられたマル青労同の第6回大会は、マル青労同の大飛躍へ向けての歴史的な出発点となった。
マル青労同は03年、米英日帝国主義のイラク侵略戦争突入と対決する労働者階級の国際連帯闘争の開始のもとで、「闘う労働運動・労働組合をつくり出すこと」「マルクス主義の学習とその実践」という二つの柱を掲げて結成された。以来、資本・権力・体制内労組指導部によって不断に加えられてくるあらゆる卑劣な圧殺攻撃と格闘しながら、どんな困難にも屈せず、職場生産点で仁王立ちする闘いを貫いてきた。
それは、支配階級とそれに屈服した全党派によって流されてきた「労働者は闘っても勝てない」という奴隷の思想を打ち破り、社会の真の主人公である労働者の誇りと団結を職場に取り戻すための闘いだった。そのために、動労千葉労働運動に真剣に学び、時代認識と路線で武装し、絶えざる挑戦とそこでの悪戦苦闘を繰り返しながら一歩一歩、体ごとぶつかって切り開いてきた闘いであった。
今日、多くの闘う労働者が掲げる「労働運動の力で革命をやろう」というスローガンは、まさにこのマル青労同の同志たちの闘いの中から生み出されたものである。そして09年、この闘いはついに、大恐慌・大失業下で自らの生き方を必死に問い続ける2000万青年労働者の魂をつかむところに到達した。これまでとは次元を画する組織化への大飛躍、一大挑戦が始まった。
その原動力となったのは、同志たちが職場生産点での闘いの困難からけっして逃げず、連合や全労連の体制内労組幹部との徹底対決を貫き、職場の全労働者を獲得するための必死の格闘をとおして、自らを「階級の指導部」へと鍛え上げていったことにある。何よりも、職場での闘いの前進は党の細胞の団結、地区党の団結にかかっていることをはっきりさせ、細胞建設・地区党建設に全責任をとりきる指導部へと自己を飛躍させていったことが決定的である。法大闘争を闘う学生戦線の闘いの不屈の前進から学んだことも、この飛躍を促進した。
マル青労同の第6回大会は、この6年間の到達地平を確認した上に立って、あらためて「青年労働者の怒りを解き放ち、闘う労働組合をこの手で甦らせよう」「青年労働者の決起でJR業務外注化を阻止し、国鉄・4大産別にマル青労同を建設しよう」という大号令を発した。そして、職場での365日の日常的闘いを貫く中でこそ、2000万青年労働者の怒りと完全に結びつき、その結集軸となり、圧倒的に多くの労働者を革命の主体として獲得し組織していくこと、11月1万人結集を真に達成する道はこの中にあることを明確にした。
この道を断固として進み、今こそ1000人のマル青労同を階級の若き指導部としてつくり出そう。2010年を、マル青労同の「黄金時代」を開く第一年としていこう。
〔U〕 世界大恐慌―戦争と大失業を世界革命に転化しよう!
(1)大恐慌はドル大暴落へと進み帝国主義は奈落へ
今日の内外情勢・階級情勢を根底で規定しているのは世界大恐慌だ。07年8月のパリバ・ショックを発火点として世界金融大恐慌として始まった今回の世界大恐慌は、いよいよ激化し、深化している。景気の二番底・三番底、第2、第3のリーマン・ショックも不可避であり、そこからさらにドル大暴落と帝国主義戦後世界体制の崩壊という奈落に向かって、現在進行中である。「回復基調」とか「底を打った」などという各国政府やブルジョアジーの必死の楽観論も、早くも底が割れてしまっている。
この大恐慌は、最末期帝国主義の新自由主義とグローバリズムの歴史的破綻として爆発したものであり、歴史的に1929年大恐慌をはるかに超える後のない大恐慌だ。資本主義・帝国主義の終わりを告げる事態である。世界大恐慌は大失業と戦争を生み出す。大恐慌の経済的・階級的本質は、資本家階級が生き残るために労働者階級を大失業、賃下げ、無権利、貧困、生活破壊の、生きていくことのできないどん底にたたき込むことにある。
激しく進行する大恐慌のもと、一方では戦争・大失業の攻撃に対して全世界で労働者階級人民の怒りが蓄積し、闘いの炎が上がり、他方では政府・国家の財政的・体制的破綻が起こっている。世界はまさに革命的情勢に突入しつつある。「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の闘いの前進と勝利の中にのみ、世界の労働者階級の展望と未来があるのだ。
財政投入と金融緩和
08年9・15のリーマン・ショック以降、恐慌対策として、米帝を始め各国政府による天文学的な財政投入と超低金利・実質ゼロ金利を軸とした超金融緩和政策が強行され、同時にブルジョアジーによる労働者への徹底的なリストラ、大量解雇と賃下げが無慈悲に強制されてきた。このことで大恐慌の進行はかろうじて一時的に押しとどめられてきたのだ。
ドイツ連銀の総裁が「一に政策、二に政策、三に政策だ」と公言するように、日米欧帝国主義や中国など各国政府は、米帝の景気刺激策7870億j(約72兆円)、金融安定化策7000億j、中国の景気対策費4兆元(約54兆円)を始め、29年大恐慌の時と比べてもとてつもない規模の資金を注ぎ込んできた。しかも今回は、自動車、電気製品、住宅などの消費や購入を促進する種々の補助金、減税政策や、国債、社債・CP(コマーシャルペーパー)の買い切りなどの非常手段を、各国が総動員してきた。だがこのカンフル剤注入の政策効果も今や切れ始めている。
天文学的な財政赤字
そしてこうした巨大な財政投入で、直ちに大問題となっているのが財政赤字だ。実際に米帝の09会計年度の財政赤字は前年度の3・1倍、1兆4171億j(約130兆円)にはね上がった。今後も年間1兆j以上の赤字が続き、5年後には累計9〜10兆jに達する。欧州主要国も同様である。
中でも最も深刻なのが日帝だ。国の債務残高は09年9月末時点で、過去最大を更新する864兆5226億円となり、09年度の国債発行額は過去最大の53・5兆円、今年3月末には債務残高は900兆円の大台を突破しようとしている。すでに180%を超える対GDP比は、14年には246%まで拡大すると予測され、国家破産的な事態なのである。
特に米帝の天文学的な財政赤字は、これまで中国や日本が、米国債を大量購入することで補填(ほてん)されてきた。しかしそれも財政赤字が4000億jという時代のことで、その3〜4倍の規模で増える借金を支えることなどもはや不可能だ。結局はFRB(米連邦準備制度理事会)が、金の裏付けのないドル紙幣を印刷し続けるしかない。このドル紙幣の無際限の発行の帰結は何か。歴史的なドル大暴落とインフレの爆発である。
この「ドル暴落」こそ今回の大恐慌のキーワードだ。財政赤字の天文学的拡大、際限のない米国債発行、それが象徴する米帝の没落の進行、そして帝国主義間・大国間の争闘戦の激化と「国際協調」の破綻などが絡み合う中で、ついにはドル大暴落が不可避となる。ドル暴落は今や、いつ、どんな契機から生起してもおかしくない情勢に入っている。
しかも現在のドルは、1971年8・15のニクソン・ショックですでに金との交換が停止され、国際管理通貨体制が崩壊し、基軸通貨としては本質的に疑似的存在でしかない。米帝の経済的・政治的・軍事的な超大国性とドルに代わる基軸通貨が存在しない中で、初めて「基軸通貨」たり得た。だが今や米帝は大恐慌の震源で、没落超大国である。現在の世界的な金価格の高騰やドル安の進行からついにはドル暴落が不可避となっていく。
ドル大暴落こそ大恐慌の真の奈落だ。それは帝国主義の戦後世界体制を崩壊の地獄にたたき込み、世界経済の分裂化・ブロック化と帝国主義間・大国間の争闘戦、仁義なき死闘戦を極限化させる。さらには世界戦争危機を加速する。これは「大恐慌を世界革命へ」の闘いが待ったなしの情勢の到来である。
バブルが再破裂する
さらに米帝を始めとした膨大な財政投入と超金融緩和政策には、今ひとつ重大問題がはらまれている。それは一方で大恐慌下の信用収縮や貸し渋りが続き、クレジットカードや各種ローンの金利は上昇しているのに、他方では再び世界経済は「カネ余り」=過剰マネー状態となり、バブルの状況が現出していることだ。米帝を先頭に、この政府自身が生み出した過剰マネーが現在、米欧やアジアなどで大恐慌下での異様な株価上昇を演出し、金先物価格の高騰や、原油価格の再上昇の原因となっている。だがこれは新たなバブルであり、必ずまたどこかで破裂するのだ。
さらに米金融機関には今も最大で1・5兆jの不良債権が残り(米議会報告)、住宅価格も今後60〜70%も下落する情勢だ。また金融危機の「新たな爆弾」として、商業用不動産融資(3兆j)の焦げ付き問題が深刻であり、米地銀が次々と破綻し(12月中旬の時点で133行)、破綻予備軍はさらに500社を超えるのだ。この米金融危機の新たな爆発からも大恐慌は激化していくのである。
(2)大恐慌が生み出す最大の問題は大失業攻撃だ
大恐慌の激化が生み出す大失業問題について、ブルジョアジー自身も金融大恐慌と実体経済の急落に続く「危機の第3波」(ストロスカーンIMF専務理事)だなどと言っている。恐慌対策としての膨大な財政投入の階級的基底にあるものこそ、労働者への徹底的なリストラ、賃下げと大失業の攻撃なのだ。
09年10月の米失業率は10・2%と発表された。しかしこれはあくまで失業保険受給者を基準とした数字で、失業保険が切れたり、就職をあきらめたり、パートで我慢している人などを含む実質失業率はすでに20%に達する。日本の場合は、9月の完全失業率は「季節調整値」のからくりで5・3%、「2カ月連続で改善」などと宣伝されている。だが週に1時間でも働いて失業者に加えられない人や「雇用調整助成金」の対象者(約200万人)などを含んだ実質的失業率は、12・7%とか15・6%という高水準だ。ユーロ圏も20%と断トツのスペインを始め同様である。
とりわけ青年労働者の失業率はこれよりさらに高い。29年大恐慌時の完全失業率の頂点は25%であり、すでに失業問題はそれに匹敵する歴史的なレベルに達しているのだ。
新自由主義の大破産
1974〜75年恐慌による1930年代以来の国家独占資本主義政策と帝国主義の戦後発展の終焉(しゅうえん)、そしてそのただ中から登場した新自由主義とグローバリズムが世界金融大恐慌の爆発で破綻したことは、今や資本主義・帝国主義そのものの歴史的生命が完全に尽きたことを意味している。
過剰資本・過剰生産力を基底とした74〜75年恐慌以降、実体経済・産業企業の利潤率はもう何をしても上がらなくなった。ここで登場した新自由主義は、福祉国家型の国独資的政策を解体し、労働者階級への徹底的な賃下げと搾取強化で労働分配率を下げ、資本の利潤を増やそうとした。そのために資本の自由な利潤追求を目的とする規制緩和と、民営化・労組破壊の攻撃を強めた。レーガン、サッチャーの政策、そして中曽根が国鉄分割・民営化としてやったことがまさにそれだ。
労働者への賃下げ攻撃は、ソ連スターリン主義の崩壊以降、東欧や残存スターリン主義・中国などを取り込み、その膨大な労働者を超低賃金で搾取・収奪する一方、帝国主義国では、終身雇用・年功賃金の解体や製造業にも拡大された派遣労働が象徴する徹底的な非正規雇用化により、極限的に推進された。
また他方で新自由主義は、米英を先頭に金融自由化を推し進め、実体経済から遊離したマネー経済が大膨張し、次々にバブルを生み出しては破綻を繰り返す危機的な搾取・収奪のあり方を強めた。その頂点がクリントン政権のルービン財務長官が打ち出した「強いドル」政策(95年)である。それ以降急速に進行したITバブル・住宅バブルとその破綻の過程で、銀行と証券の垣根も取り払われ(99年)、米帝の金融帝国化と「金融の証券化」が極限まで進んだ。その担い手こそゴールドマン・サックスや破綻したリーマン・ブラザーズなどの投資銀行だった。
今回の大恐慌が歴史的に突き出しているものこそ、このような最末期帝国主義の反労働者的な延命形態の最後的破綻なのだ。
(3)保護主義―争闘戦激化―分裂化・ブロック化と戦争
大恐慌は労働者階級に大失業を強制する一方で、保護主義と帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させる。そしてそれ自身がまた大恐慌とドル暴落情勢を促進する。同時に世界経済の収縮と分裂化・ブロック化を引き起こす。さらには帝国主義的侵略戦争と世界戦争の危機をいよいよ激化させるのである。
現在の重大情勢は、すでに保護主義が世界に蔓延(まんえん)しつつあることだ。WTO(世界貿易機関)によれば08年10月以降、世界52カ国・地域で計290件の保護貿易措置が導入された。最も多いのがインドの42件、米の35件で、アルゼンチン、中国、ロシアなどが続く。米帝のバイ・アメリカン条項や中国製タイヤへのセーフガード(緊急輸入制限)が象徴的だが、関税引き上げ、輸入制限・輸入禁止、反ダンピング措置から、自国製品への輸出促進策や減税や補助金まで、今やあらゆる保護主義が横行し始めている。さらには、為替切り下げ競争である通貨戦争も基本的に保護主義そのものとしてある。
この保護主義は連鎖的に拡大する。しかもすでに米中間で発生しているように報復合戦へと転化する。今やG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)に事実上取って代わりつつあるG20金融サミットなどで「保護主義反対」が形式的には確認されるものの、現実には各国が競って保護主義に走っているのだ。
オバマの「東京演説」
さらに大恐慌下で、今や帝国主義間・大国間の政治・外交・軍事を含む争闘戦、市場、資源、勢力圏をめぐる争奪戦・死闘戦が、日米帝国主義間を始めとして日々激化していることが基本的な重大問題としてある。
米大統領オバマは09年11月14日、東アジア歴訪の過程で米帝のアジア政策の全体像についての東京演説を行った。そこでオバマは米帝が「太平洋国家」であること、「アジアに積極的に関与する」ことを宣言した。そして「東アジアサミット」への正式参加を表明すると同時に、APEC(アジア太平洋経済協力会議)に加えASEAN(東南アジア諸国連合)自身との連携も、米帝として初めて積極的に位置づけた。さらには日本やアジアの安全保障に米帝が責任を持ち、「韓国と日本を含む同盟国」に「強力で効果的な核抑止力を維持する」ことも露骨に宣言した。
これは一面では、残存スターリン主義であると同時に今や日本・ドイツを経済規模において超える新興大国として登場しつつある中国への、日米同盟を背景とした対抗と争闘戦の宣言だ。中国は米帝にとって、連携と取り込みの一方で、封じ込め・抑え込みの対象である。同時に何よりも、「緊密で対等な日米同盟関係」「東アジア共同体構想」を振りかざし対米対抗的に登場した日帝・鳩山政権への、激しい争闘戦宣言であった。要するに、米帝は経済でも軍事でもアジア支配のヘゲモニーを手放さない、米帝排除的な「東アジア共同体」など許さないということだ。
日米争闘戦の新段階
こうして今や日米争闘戦は、小沢・鳩山と民主党・連合政権のもとで、かつてなく激化している。沖縄の労働者を先頭とした闘いが日米安保を揺るがしている普天間基地移設問題や、航空自由化(オープンスカイ)協定の締結をめぐる日米航空争闘戦などがその最先端をなしている。この点からも2010年は沖縄闘争と三里塚決戦が完全に焦点化する。
さらに米帝は、住宅バブルを背景に経常赤字を急増させ過剰消費を続けることで「好況」を演出してきた米帝経済が、大恐慌の爆発で大破産した中で、09年9月下旬のG20金融サミット(米ピッツバーグ)において、新興大国・中国と連携しながらG20を世界経済協議の主舞台に押し上げた。そして中国を含む日独などの経常黒字国に、「不均衡是正」と「内需拡大」を強く迫った。これもG2(米中戦略・経済対話)の推進やG4(米欧日中)の提起をも含めて、中国を取り込んだ米帝の対欧・対日争闘戦にその本質があった。
こうした大恐慌下の保護主義政策の世界的な拡大と、帝国主義間・大国間の争闘戦の激化は、侵略戦争・世界戦争への動きを歴史的に加速する重大情勢である。オバマが口先では「核なき世界」などと世界の体制内勢力を欺く一方で、韓国や日本などへの「核抑止力」の維持をあからさまに宣言し、イラン・北朝鮮を名指ししながら「核不拡散体制の強化」にも言及していることは、まさに米帝が超大国として世界支配の護持をかけて、侵略戦争・世界戦争をやるという意思表示だ。
アフガンへの大増派
12月1日、米帝オバマは「対テロ戦争」=帝国主義的侵略戦争の最重要拠点と位置づけるアフガニスタンに、海兵隊9000人を始め米軍3万人の増派を決定し、NATOも7000人の増派を決めた。今やアフガンは米軍10万人、全外国軍隊14万人が駐留し、米欧日の全帝国主義が参戦する侵略戦争・世界戦争の最先端の火点である。同時に米帝にとって完全に「第2のベトナム」だ。万国の労働者の団結と決起こそ、大恐慌と戦争を世界革命に転化することのできる力である。
(4)改憲・戦争・大失業の民主党・連合政権を打倒せよ
大恐慌の進展のもとで、すでに帝国主義の戦後世界体制の根底的崩壊が始まった。日帝は国際帝国主義の「最弱の環」として大恐慌の直撃を最も激しく受け、帝国主義的支配体制が事実上、崩壊過程に突入している。半世紀にわたる自民党支配が打ち倒された「8・30情勢」こそ、その最大の象徴だ。
ここで登場した鳩山民主党政権は、小沢・鳩山政権であると同時に民主党・連合政権であるが、この日帝の危機と矛盾をさらに絶望的に爆発させる役割を演じるしかない。鳩山政権とはどのような歴史的政権なのか。その凶暴性・反動性と同時に、危機性・脆弱性を徹底的にはっきりさせることが重要だ。そして今こそ民主党・連合政権を打倒し、プロレタリア革命を切り開こう。
戦後最大の体制危機
第一に、鳩山政権は日帝の体制崩壊的危機の上に立つ政権である。大恐慌によって日帝は何よりも経済的に大破綻している。その「輸出立国」的な資本蓄積構造は崩壊し、再びデフレ・スパイラルに突入し、財政赤字・財政破綻は絶望的な限界点を超えている。09年度の税収は36・9兆円しかなく、53・5兆円もの国債発行がなければ国家財政が成り立たない。敗戦直後の混乱期以来の事態だ。
日帝の安保・外交政策も完全に破綻と動揺の過程に入った。日米双方から今までどおりには立ちゆかなくなった。普天間問題の爆発がその典型だ。一方では、沖縄を先頭に日本の労働者階級人民の反戦・反核・反安保・反基地の怒りと闘いが、日帝・鳩山と米帝オバマを痛撃している。だが他方では、大恐慌下で日米矛盾、日米争闘戦が従来の一線を越えて爆発している。基軸国として大没落する米帝は、アジアに「積極的に関与」し、日帝独自の軍事大国化、アジア勢力圏化など許さないという政策を強めている。
自民党以上の凶暴性
第二に、これに対し民主党・連合政権は、一方では鳩山・小沢を先頭に「緊密で対等な日米同盟」「東アジア共同体構想」や「日米同盟の深化」「日米合意の見直し」を打ち出し、対米対抗性・対米自立性の鮮明化もいとわずに、独自の安保・防衛政策、アジア政策、改憲と戦争国家化の政策で日帝の体制的危機を突破しようとしている。55年体制や自民党的なものを徹底的に破壊し、国家機構も反動的な転換を推し進め、自民党がやろうとして結局やれなかった、9条改憲と戦争への攻撃を凶暴に貫こうとしているのだ。それが逆にいよいよ日米争闘戦を激化させる。
他方で内政的には、最大のキーワードとして「脱官僚」「行政の無駄の根絶」を叫び、「事業仕分け」なるファシスト的なパフォーマンスを導入して、自民党・小泉政権以上の構造改革路線=新自由主義の反労働者的な攻撃を強め、公務員労働者の首切り・賃下げに全力を挙げている。しかもこれを連合を基盤に、政権中枢の連合ダラ幹を先兵にしてやっている。さらにこれは、道州制・民営化による360万人の首切りと国鉄・4大産別の労組破壊、大失業と社会保障制度解体と消費税大増税の攻撃に連動しているのだ。
鳩山の決定的脆弱性
第三に、民主党・連合政権の自民党以上とも言うべきこうした凶暴性は、同時に絶望的な危機性・脆弱性と一体のものである。
何よりもこの政権は、自民党支配の崩壊と同じ大恐慌と帝国主義体制の破綻の上に立っている。しかも鳩山政権が破綻しても自民党はもう歴史的に立ち直れない。それほど資本主義・帝国主義とその戦後55年体制は破綻し、崩壊し、戦後革命期以来の大動乱期へと時代はすでに突入しているのである。そして自民党に取って代わった民主党政権は、連合を基盤にしている。連合に支えられなければ立ちゆかない。これほどプロレタリア革命への好条件はない。歴史的な勝利の情勢だ。連合の体制内指導部を打倒し、民主党・連合政権を打倒してプロレタリア革命勝利を切り開く好機が到来しているのだ。
さらに対米対抗的な改憲と戦争国家化の路線を歩む鳩山政権は、日米争闘戦の激化で、日米関係でも破裂寸前である。この中で鳩山や小沢はナショナリズムに訴え、反米右翼的・ファシスト的勢力の糾合も狙い、それをも強権的独裁的な支配のてこにしようとしている。しかし同時に、今や日帝支配階級自身が分裂し、自信も展望も失っている。日帝の政治支配は混乱と大動乱・大再編期に入った。階級的労働運動と革命勢力が一気に権力を取るという気概で闘う情勢なのである。
また民主党・連合政権と日本経団連の反革命的な「改革」「世直し」や「国のかたちの変革の試み」(鳩山)の最大のシンボルとして道州制がある。しかしこの攻撃は国鉄・4大産別と階級的労働運動をたたきつぶさないと成立しない。それに各地方的なブルジョア王国による専制支配を狙って「地域主権国家」などと言うが、軍事や外交は中央政府に集中する。軍事費その他はどうするのか。道州制一つとっても実に矛盾だらけである。
小沢と鳩山は現在、7月参院選で民主党の単独過半数を獲得し、独裁的権力をもって選挙後の大反革命に本格的に打って出ることを狙っている。しかし階級情勢は彼らの思惑どおりには断じていかない。すでに労働者の怒りと決起が、あらゆる幻想を破って噴出し、鳩山政権の支持率も急速に下落し始めた。そして政治情勢を決定的に突破する最先端には、普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設絶対阻止で闘う沖縄の労働者階級がいる。
1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止・JR体制打倒の国鉄決戦の爆発をもって、7月参院選を待たずに民主党・連合政権を打倒し、プロレタリア革命勝利をかけ2010年決戦に総決起しよう。
〔V〕 革共同綱領草案を実践に移しその圧倒的深化をかちとろう
(1)25全総と綱領草案発表は巨大な飛躍への出発点
革共同の25全総と綱領草案の発表は、09年11月の勝利を最も深いところで導いた原動力である。
この綱領草案は、現代の『共産党宣言』であり、21世紀のプロレタリア世界革命への戦闘宣言である。マルクスとエンゲルスは1848年、当時のヨーロッパにおける革命的激動の真っただ中で『共産党宣言』を発表し、労働者階級が人類史を塗り替える最も根底的で全面的な社会革命に立ち上がる時代が来たことを明らかにし、「万国の労働者、団結せよ!」と呼びかけた。だがロシア革命を変質させたスターリン主義によるマルクス主義の歪曲は、その核心である労働者階級自己解放の思想を完全に否定・解体した。革共同の綱領草案はこの歪曲を最終的に打ち破って、本物のマルクス主義を労働者階級の手についに奪還したのである。
綱領草案の全14項目は、その一つひとつが、プロレタリア革命とは何か、この革命はどのようにして達成されるか、勝利のために労働者階級とその党は何をなすべきかを、簡潔かつ明快に提起している。とりわけ、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を現代革命の唯一の綱領として再提起したこと、革命の核心問題はプロレタリア独裁の樹立にあることを明確にしたことは重要である。
さらに綱領草案は、プロレタリア革命における党と労働組合の本質的関係を明確にし、労働組合をめぐる闘いが革命の勝利と共産主義社会の建設にとって決定的な位置をもつことを、マルクス主義の原点に立ち返って明らかにした。このことは、19世紀以来の国際労働運動・プロレタリア革命運動の歴史の上できわめて大きな意義をもっている。
この綱領草案は、革共同半世紀の歴史の到達点であると同時に、新たな巨大な飛躍への出発点である。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争以来のすべての闘い、日帝権力の大弾圧や反革命カクマルの白色テロルとの死闘、労働運動をめぐる体制内指導部との激突に継ぐ激突と職場生産点での苦闘の歴史、その一切の血と汗の上についにつかみとった地平がここにある。
とりわけ、この数年間の全党の飛躍、すなわち全党の同志が動労千葉労働運動に真剣に学び、階級的労働運動の実践を白熱的に貫く中でこそかちとられた地平なのだ。その意味では、資本の搾取からの解放を求める今日の労働者階級の必死の闘いが、その最先端で、この綱領草案を生み出したのだと言って過言ではない。
綱領草案の発表をもって、革共同は、自らを「建設途上の党」と規定してきた過去ときっぱり決別することを宣言した。そして職場生産点を始めとしたあらゆる闘いの現場で全責任を引き受けて闘う中でこそ、そこで突きつけられる自己の党としての未熟さや弱点と徹底的に対決して克服し、飛躍に継ぐ飛躍を実現しながら進むことを決意した。
何よりも、綱領草案の発表が日帝権力の革共同絶滅攻撃との新たな、一層激烈な死闘戦の開始となることを直視し、非合法・非公然の党建設の圧倒的な飛躍をつくり出す闘いに突入した。
綱領草案をつくり上げていく過程は同時に、細胞建設・地区党建設の大前進と一体の闘いとしてかちとられた。特に、マル青労同・マル学同建設の前進の中から青年労働者と学生の同志が続々と、21世紀の革命を担う「階級の指導部」として登場を開始したことは重要である。プロレタリア世界革命をやり抜く巨大な党の建設は、09年においてその新たなスタートを切ったのだ。
11月集会への1万人結集を真に達成していく道は、綱領草案の思想と路線を現実の階級闘争の中に全面的に貫きとおして闘う中にある。ここにこそ勝利の鍵がある。
(2)新たな共産主義インターナショナルの建設へ
さらに09年国際連帯闘争の前進を圧倒的に確認したい。
世界大恐慌の深まりの中で、動労千葉を軸にかちとられてきた昨年1年間の国際連帯闘争の前進が切り開いている地平はきわめて大きい。7月サンフランシスコでの国際会議、日本の11月労働者集会と韓国民主労総大会での国際交流、さらに昨年に続く日韓労働者の「理念交流」の実現である。これらをとおして米韓の闘う労働者との深い同志的信頼がかちとられ、この日韓米の団結を基礎に、ブラジル、ドイツ、トルコ、フィリピンなどへ、国際連帯の量的・質的な広がりが決定的にかちとられている。
はっきりしたことは、国鉄分割・民営化攻撃という80年代に全世界を吹き荒れた労働組合破壊の大攻撃に真っ向からストライキで立ち向かい、20年を超えて闘い続け、今も階級的労働運動の最先頭で仁王立ちして闘っている動労千葉の存在と闘いの決定的大きさである。この動労千葉を結集軸として現在始まっている国際連帯の闘いは、スターリン主義のもとで80年もの永きにわたり全世界の労働者から奪い取られてきたプロレタリア自己解放の旗、マルクス主義の旗を、全世界の労働者がその手に取り戻していく、困難であるが歴史的かつ画期的な闘いである。
ここにおいて、プロレタリア自己解放の立場を貫く革共同の綱領草案の発表は、決定的な意義をもつ。新たな共産主義インターナショナルの建設は、階級的労働運動の前進とマルクス主義による統一を基礎として初めて可能になるからだ。動労千葉を軸とする国際連帯が、体制内労働運動を打倒するランク&ファイル(現場労働者)の決起による連帯として大きな前進をとげながら、「理念交流」を伴ってかちとられていることにその展望が示されている。
この1年間、国際連帯闘争の発展は、21世紀プロレタリア世界革命の道を確実にたぐり寄せたと確信できる。
(3)党・労働組合・ソビエトの三位一体的形成と発展
綱領草案について、二つの点で実践的に深化していきたい。
一つは、プロレタリア独裁を支える〈党・労働組合・ソビエト〉の三つの柱の階級的全人民的な深さにかかわる領域である。
労働組合は、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的な団結形態である。この労働者階級による職場生産点の支配とその全社会的拡大こそ、ブルジョア国家権力の打倒=プロレタリア革命の勝利をかちとる決定的条件である。
党と労働組合との関係は、工場細胞・経営細胞の建設をとおして、党の路線を職場での闘いに内在的・日常的に貫き、階級的団結論をもって闘う度合いに応じて前進する。資本主義のもとで労働組合は、労働者階級の最も広範な組織として形成される。プロレタリア独裁への道は、必ず労働組合に依拠し、労働組合と一体で実現される。労働組合は、資本との闘いを貫くためには階級的団結破壊分子と徹底的に闘う。彼らを労働組合から放逐するまでやりとげる。この闘いに勝利することで初めて、政治権力の獲得まで進むことができるのである。
党と労働組合の緊密な協力と共同の努力なしに、プロレタリア革命の前進と勝利は実現できない。動労千葉労働運動に代表される階級的労働運動の存在と闘いが決定的である。党はその前進と有機的に結びつき、一体となって、プロレタリアートの階級への形成、ブルジョアジーの打倒、労働者の政治権力の樹立へと突き進むのだ。
他方でプロレタリア革命は、何千万、何億もの搾取され抑圧されてきた人びとの自己解放的決起である。大恐慌の本格的爆発は、全労働者階級はもとより、農民、兵士、諸階級・諸階層の膨大な人民を急激に、革命と反革命の激突のるつぼに投げ込む。この中で、労働組合のゼネスト的決起と結合して街頭で、地域で噴出する労働者・農民・兵士・諸階層人民の総決起は、ソビエトをとおして自己をプロレタリア革命運動の一員として自覚し、急速に大衆化、戦闘化する。綱領をもつ党への飛躍とは、この全人民の渦巻く怒りを真の力に変えていくような、党と労働組合として成長することである。
しかし、昨年の階級的労働運動路線の実践は、厳しく総括するならば、その豊かさ、発展性においては始まったばかりである。階級的労働運動路線のもつ全階級的自己解放性、帝国主義支配への根底的決起、労働運動の激突性と社会変革性、プロレタリア独裁権力樹立への目的意識性をもっと強力に貫き発展させることである。そして何よりも、階級的労働運動路線が中軸にすわり、労農同盟を軸に諸階層人民を闘う統一戦線へと獲得する柔軟性を圧倒的に強化していくことである。
時代認識と路線で勝負し、階級的原則をとことん貫いて、あらゆる体制内勢力との最も激しい原則的党派闘争を闘って勝利してきたからこそ、このことを声を大にして言い切ることができる。党派闘争の貫徹とは、全労働者、全人民の圧倒的多数を革命の側に獲得することだ。それは、動労千葉労働運動が示しているように、絶対反対論と階級的団結論を軸に闘う強力な統一戦線を内包しているのだ。大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する闘いは、そのことを先制的にはっきりと自覚して闘うことを求めている。
先進的プロレタリアートが、マルクス主義を一ミリも後退させず、労働運動を職場生産点で365日性をもって闘い抜き、階級と革命の指導部として成長すること。そのためには、労働者階級の圧倒的多数と結合することが不可欠であり、さらに進んで、闘う諸階級・諸階層人民と結びつくことが必要である。このことが、労働組合のあらゆる活動を成功させるのである。
全国の党学校、労働学校の実践は、党全体、階級全体がマルクス主義で武装する上で大きな力を発揮した。そしてマルクス主義の獲得は、プロレタリア革命のもつ広さと深さを全面的につかみとることを可能にした。
労働者階級はさらに、専門的な知識や技術をもち、労働者階級のために闘う人びとを、階級的労働運動が発展する基礎として絶対に信頼し、プロレタリア革命勝利へ向かってともに進む。党と労働組合が圧倒的な求心力をもって、革命の旗のもとにはせ参じるすべての人びとを糾合し、団結させ、権力奪取のための一斉蜂起に向かって攻め上っていくのである。
(4)権力との激突に勝ち抜く非合法・非公然の党建設を
綱領草案を実践的に深める今ひとつの点は、非合法・非公然体制建設の強化である。
階級的労働運動の前進は日帝国家権力を震撼(しんかん)させ、権力とのむき出しの激突局面に突入した。そこには、大恐慌の爆発で死の苦悶(くもん)にあえぐ帝国主義が、階級的労働運動・労働組合運動を主敵として、むき出しの治安弾圧をかけてきている姿がある。体制が崩壊し、支配階級が分裂する中で、労働者階級をこれまで以上に徹底的に搾取し抑圧し、生活を破壊し、家族を崩壊させ、農民を始め諸階層人民を切り捨てている現実がある。これに対する労働者階級と農民、全人民の怒りの大反乱の開始がある。
他方では、この大情勢の真っただ中に、この日本の地で50年間にわたり不屈非妥協に、革命情勢の到来に備えてひたすら闘ってきた革共同の存在がある。このことは、レーニン主義の党組織論を徹底的に貫徹したことによって可能になった。すなわち、革共同は、労働者階級との結合に徹底的に執着し、1962年の3全総以来、「戦闘的労働運動の防衛と創造」「地区党建設」「統一戦線」を明確にして闘ってきた。69年破防法攻撃を非合法・非公然体制の確立に先制的に突入することで突破し、その力で長期にわたる二重対峙・対カクマル戦争の勝利を切り開いてきた。
どんな弾圧があっても党と階級的労働運動を守り抜くことのできる非合法・非公然体制の確立。これが現在、党と労働運動が結合し、限りなく一体化しつつ前進を開始している最深の根拠である。
非合法・非公然体制の堅持・強化は、階級的労働運動の爆発的発展を可能にする。1912年ボルシェビキ党のプラハ協議会は、「現情勢と党の任務についての決議案」で、「ありとあらゆる合法的可能性を、いままでよりも広く利用し、プロレタリアートの経済闘争を指導する能力をもち、プロレタリアートのますます頻繁になる政治的進出を一手に指導することのできる、ボルシェヴィキ党の非合法組織を再建するために強力に活動する必要がある」と特別決議を上げた。そして労働運動に猛然と進撃し、メンシェビキ、エスエルとの労働運動をめぐる党派闘争に勝利していったのである。
特に、党の機能が労働者出身の階級の指導部にどんどん移行している時に、この過程を後退させることなく、この階級の指導部建設と一体で非合法・非公然体制を堅持し強化していくことが、プロレタリア革命運動の正しい発展の道をつくり出すのである。党と階級の最高の英知を結集し、最高のエネルギーを注ぎ込んで不屈に切り開いていこう。この闘いこそプロレタリア世界革命を引き寄せる闘いである。
綱領草案の発表は、労働者階級の存在と決起を否定し、国家権力に屈服して非合法・非公然体制解体を叫ぶ塩川一派を最後的に粉砕する闘いとしてあった。さらにカクマル松崎を始め革共同に敵対してその破壊を策動してきたすべての勢力に衝撃と打撃を与えた。綱領草案を土台に、どんな弾圧や反革命をも打ち破る不敗の党、革命に勝利する巨大な党を建設していこう。
〔W〕 国鉄決戦勝利―民主党・連合政権打倒の一大政治決戦へ
(1)1047名闘争と外注化阻止決戦の戦略的位置
2010年は、世界大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する現実性が、階級的労働運動の烈火の中で力強く躍動し、開示されていく階級決戦の年である。その帰趨(きすう)は、2010年初頭から、JRの検修全面外注化阻止を突破口に春季ゼネストへと火を噴く、小沢・鳩山の民主党・連合政権打倒の総決起によって決せられる。
民主党・連合政権は、大恐慌の重圧にあえぎ、自民党支配を打ち倒した労働者階級の怒りに恐れおののいている。だが民主党・連合政権の本質は、崩壊のふちにある資本主義・帝国主義の徹底的な救済である。これまでの矛盾と破綻の一切を自民党の責任にして、労働者階級に幻想と翼賛をばらまきつつ、返す刀で平然と労働者階級に向け大反動を振り下ろしている。だがその内実はきわめて破綻的で脆弱で、連合の労働者支配が一角でも崩れるや否や、堤防決壊となる危機に心底おびえている。民主党・連合政権打倒こそ、まさにプロレタリア世界革命の突破口である。
11月派こそが主流派
この民主党・連合政権打倒の切っ先としてそびえ立ち、11月集会の革命的地平を切り開いたのが、4大産別決戦の基軸的柱である国鉄1047名解雇撤回闘争である。1047名闘争こそが、11月集会をとおして韓国、アメリカを始め全世界を獲得した。そして1047名解雇撤回闘争の大旗を11月派がついに握りしめたことにより、階級的労働運動の白熱的展開が具体的姿をとって驀進(ばくしん)を開始したのである。
今や国鉄分割・民営化絶対反対を23年にわたり不屈に闘い抜いた1047名闘争が、動労千葉と動労千葉派の巨大な勝利的屹立をとおして、プロレタリア世界革命への革命的根拠地として発展している。また今日のJR資本・権力による第2の分割・民営化攻撃への反撃の拠点となり、大失業時代において、原則的な解雇撤回闘争によって階級的団結を限りなく打ち固め、プロレタリア革命に向かって前進する階級的労働運動の最も基礎的基軸的闘争となっている。
さらに1047名闘争は、現下の民主党・連合政権と日帝ブルジョアジーによる「戦争・改憲、民営化・労組破壊」「道州制」「消費税大増税・社会保障制度解体」の全攻撃に、全階級的・全人民的な総反撃を組織していく水路でもある。
こうした1047名解雇撤回闘争が、11月集会の爆発をとおして、国内的国際的に巨大な革命的陣形を形成していることに大打撃を受けた敵階級・JR(東)資本は、ついに第2の分割・民営化攻撃の全面突破をかけて、検修業務の全面外注化の大攻撃を仕掛けてきた。この攻撃の核心は、動労千葉、動労水戸、国労共闘という11月派=動労千葉派の拠点の組織壊滅を狙っていることにある。
国鉄決戦のど真ん中における動労千葉派の戦闘的団結と闘いこそ、体制護持か体制打倒かをかけた現下の全階級攻防の環中の環である。11月集会派は、この環を握りしめ、検修全面外注化の団結破壊攻撃を粉々に打ち砕くことをとおして全階級情勢を揺るがし、全労働者の団結の力で一挙に鳩山民主党・連合政権打倒をかちとろうということである。
また、この革命的展望のもとで、動労千葉派への組織解体攻撃を分割・民営化攻撃の破綻と危機の現れとして見抜き、敵資本の攻撃を逆に餌食にしてJR平成採獲得の組織拡大をこじ開け、2000万青年労働者を革命への陣形に獲得する突破口にしていくのである。
(2)反合・運転保安闘争路線を階級的労働運動の柱に
検修全面外注化阻止の決戦は、動労千葉の反合理化・運転保安確立闘争の路線を、国鉄決戦と階級的労働運動路線の最中軸の実践的柱に押し上げて闘うことによって勝利をもぎとることができる。
団結破壊に総反撃を
この闘いは第一に、動労千葉、動労水戸の拠点である幕張車両センター、勝田車両センターなどの職場丸ごとの廃止、団結解体攻撃を粉砕し、その死活的総反撃を突破口に、JR体制打倒と民主党・連合政権打倒をかちとっていく闘いである。
今回のJR東日本の検修・構内外注化提案は、その焦点を幕張・勝田車両センターなどの拠点破壊に定めつつ、総合車両センターも含むすべての検修職場を対象に、業務を関連グループ会社に、これまでの「逐次実施」から「一括して委託」し全面的に外注化していくものだ。外注化とは強制出向であり、要員大幅削減と恐るべき労働強化となる。さらに強制出向は別会社化に向かい、転籍による賃金、労働条件の根底的破壊と非正規化になだれ込んでいく。
こうした極限的なコスト削減、競争原理の行き着く先は、JRが鉄道会社ではなくなる、ということである。鉄道業務は単なる一つの部門となる。JRはそうまでしてハイエナのように利潤を求め、そのために外注化をひたすら労働者への徹底的な分断と団結破壊として強行しているのである。こんな攻撃は断じて一ミリたりとも許されない。
尼崎事故繰り返すな
第二に、「第2、第3の尼崎事故」を許さず、合理化攻撃と安全破壊を一つのものとして徹底的に闘うことである。「一括委託」とはJR資本による安全の丸投げである。すでにこれまでの外注化で安全は至るところで崩壊し、何人もの下請け労働者が殺されている。JRの車両故障による輸送障害は私鉄の10倍である。全面外注化はJRの技術継承を完全に崩壊させ、安全運行の最後の生命線を断ち切り、第2、第3の尼崎事故の激発は不可避となる。この戦慄(せんりつ)すべき現実を一刻も放置することはできない。
安全・事故問題は、資本も否定できない正義性をもつが、資本には絶対に解決できない矛盾である。賃労働と資本の階級対立のもとで、資本による剰余労働のあくなき搾取は、「労働者の生命や健康に全く注意を払わない」(『資本論』)本質をもって激化していく。したがって資本は、その本質から安全への投資をけっして行わない。もしあったとしても、それは一層の搾取と労働強化、労働者同士の競争・分断を激化させるためであり、安全をさらに崩壊させるのだ。
反合理化・運転保安闘争は、安全・事故問題という階級的正義を掲げ、資本の絶対的矛盾を突くことを武器にして、合理化攻撃という賃労働と資本の非和解的激突に攻勢的に勝ち抜くことのできる圧倒的な勝利性をもった闘いなのである。
JR体制打倒への道
第三に、反合・運転保安闘争は、1047名解雇撤回闘争と一体の民営化絶対反対・JR体制打倒の闘いである。国鉄分割・民営化はまったく決着がついていない。日帝はその反動的決着・清算を求めて1047名闘争解体にのめり込むとともに、検修全面外注化攻撃に打って出ている。だがそこには、分割・民営化の全矛盾が凝縮されており、腐敗しきった今日のJR資本とJR体制の現実があるのだ。
民営化−外注化とは、末期の資本主義・帝国主義の腐朽性の極致である。とりわけJR体制は民営化のとてつもない腐敗にまみれている。労働者の生活と安全、生命を奪いながら、「信濃川違法取水」のように社会を食い物にして崩壊させつつ、さらに新たな利権にありつこうとしているのだ。しかもそれは、松崎カクマル・JR総連のファシスト労働運動とのとんでもない腐敗・癒着によって成り立っている。今回の検修全面外注化にいたるJR東日本のすべての合理化案は、JR東労組カクマルとの労資結託体制のもとで作成されているのだ。
反合・運転保安闘争は、青年労働者の職場と未来を奪う外注化・非正規職化攻撃への反撃をとおして、平成採を圧倒的に獲得する闘いである。それこそJR体制を打倒し、動労千葉派がまさに権力党派へと飛躍する道である。
労働運動勝利の路線
第四に、反合・運転保安闘争は動労千葉の「基本綱領」である。これを同時に、国鉄決戦勝利の路線、階級的労働運動の基軸的路線として確立することである。
動労千葉は2000年以来、1047名解雇撤回闘争と一体でシニア制度(再雇用機会提供制度)との闘いを貫き、8年間にわたり外注化を阻止し、JR体制を決定的に追い詰めてきた。そこには、1972年船橋事故闘争以来の営々とした反合・運転保安闘争の蓄積と路線が豊かに貫かれている。船橋事故における「事故は運転士の責任ではない。合理化の結果である」という立場こそ、三里塚ジェット燃料輸送阻止から国鉄分割・民営化反対闘争を闘い、今日に至る動労千葉の団結をかちとってきた原点である。動労千葉は、「事故問題は労働運動の課題にならない」と闘いを投げ捨てて敵対した動労カクマル・松崎との決定的分岐をつくりだし、動労本部からの分離独立の闘いをもかちとってきたのである。
まさに動労千葉労働運動は、反合・運転保安闘争に息づくマルクス主義の核心を日々実践し、団結をかちとっているのである。それこそ資本の支配の根底的打倒を内包したプロレタリア自己解放闘争である。
反合・運転保安闘争は、戦後労働運動の歴史的総括をとおして、階級的労働運動路線を革命的に発展させていく闘いである。1962年の三河島事故、63年の鶴見事故、三池・三川鉱大事故は、戦後労働運動に大きな転換をもたらした。多くの労働者の死がもたらした衝撃は、「闘いなくして安全なし」のスローガンのもと、青年労働者が陸続と労働運動に身を投じる歴史的契機となり、労働運動の階級的推進の契機となって、70年安保闘争に至る階級的高揚を生み出した。
それは同時に、労働組合の分岐と転向・変節を生み出す契機ともなった。実際に、この反合・運転保安闘争の動労における闘いの総括をめぐって、3全総でのカクマルの逃亡が引き起こされ、ついには戦後史最大の攻防点である国鉄分割・民営化における裏切りと敵対に行き着くのである。そして今や、今日のJR大再編情勢において、JR総連・カクマル松崎の分割・民営化以来の裏切りを暴き、歴史的決着をつける闘いとなっている。
JR総連・松崎明と戸塚秀夫、樋口篤三らのおぞましい結託は、JR体制の底なしの危機に追い詰められたものである。それは検修合理化での新たな裏切りの美化である。松崎らのあがきを粉砕し、反合・運転保安闘争の路線を、階級的労働運動の大発展を切り開く路線として確立しよう。
(3)4大産別決戦の爆発から6千万労働者の総決起へ
暴処法を粉砕した5・27弾圧粉砕の歴史的大勝利は、検修全面外注化阻止の新たな国鉄決戦の突破口である。この勝利は、11月集会を勝ち抜いた力によるものであり、国鉄1047名解雇撤回闘争と一体の勝利であり、国鉄を基軸とする4大産別決戦の戦略的勝利である。
最大の核心は、「解雇撤回と革命運動とは関係ない」「労働組合と党派は別」を振りかざして、結局は「労働者は闘っても勝てない」に導く4者4団体派の敗北主義を完全粉砕したことである。逆に「労働者は団結して闘えば勝てる」というマルクス主義的確信を、そこにどんな困難と苦闘があろうと日々の実践で階級の大地に打ち立てていく地平をもぎとったのだ。
2010年は、「戦争・改憲、民営化・労組破壊」絶対粉砕、「道州制」粉砕を基本スローガンに掲げた4大産別決戦が、国鉄決戦を突破口に、いよいよ6000万労働者全体を実際に獲得する革命戦略として発展する時である。そのために職場生産点を土台にした階級的労働運動路線の戦略的力を、どこまでも全面的に発展させなければならない。4大産別を先頭にした労働組合をめぐる命がけの死闘にますます大胆に突っ込み、その鉄火の中で労働者党を徹底的に打ち鍛え、プロレタリア革命への階段を確実に力強く上っていくのである。その組織的実践的核心は、青年労働者の膨大な獲得である。
社保庁解体との決戦
4大産別決戦において、国鉄と並んですでに激しく開始されている攻防は、社会保険庁解体攻撃との闘いである。分割・民営化による労働者全員の解雇・選別再雇用、数百人の分限免職、非正規職3000人の雇い止めという大量首切り攻撃、新会社のもとでの激しい賃下げ・労働強化との対決である。この闘いは、公務員360万人首切り攻撃=道州制攻撃との最初の激突点である。
この大攻撃は、検修全面外注化と同様に、日帝権力が余裕をもって打ち出しているわけではない。敵は労働者の反撃を死ぬほど恐れている。事実、絶対反対で闘うたった一人の決起が全国の社保労働者の怒りを引き出し、鳩山政権と連合・自治労本部をガタガタに揺さぶっている。まさに1047名闘争の再来を恐れる政府・厚労省と自治労・社保労組指導部は、不採用組合員を切り捨てた新労組結成・社保労組解散を強行し、期限付き非常勤採用でなんとか分限免職者の決起を圧殺しようとしている。しかし「採用は審査次第、月収10万、最長でも2年3カ月で雇い止め」とは何ごとだ! 怒りの総決起は不可避であり、闘いはまさにこれからである。
自治体においては、この社保庁攻防を先端に、道州制・民営化絶対反対の職場生産点からの総決起をどこまでもかちとろう。道州制攻撃は、分裂する日帝ブルジョアジーの唯一の密集策でありながら、初めからあまりにも矛盾的であり破綻的である。唯一、全支配階級が一致するのが公務員労働者の首切りである。だからこそ道州制の突破口として、「事業仕分け」が労働者への首切りのみを目的として、あたかも「世直し」のような装いをもって登場しているが、この攻防は革命派が敗北しないかぎり貫徹できないのだ。
郵政民営化粉砕の時
全逓戦線は民主党・連合政権との激突の最先端に位置している。郵便事業会社はペリカン便との宅配便事業統合を撤回し、合併会社「JPEX」は完全破産した。さらに郵政民営化の張本人である西川は日本郵政会社社長を辞任した。JP労組は産業報国会への転落を早めている。郵政民営化がその頂点から崩壊しているこの現実こそ、わが11月集会派を先頭に、全逓労働者が郵政民営化絶対反対を不屈に掲げて闘ってきた結果だ。郵政民営化粉砕の闘いは、まさにこれからである。
「郵政民営化の見直し」とは、4大産別全体がそうであるように、民営化・労組破壊への労働者の怒りの決起を恐れ、その圧殺のためにガタガタになった労働者支配を立て直そうとする策動である。昨年末の銀座局内の郵政労働者の事故死は、民営化が郵政職場を安全破壊と極限的な労働強化の場に変えている現実を衝撃的に突き出している。それはまた、体制内労組幹部の裏切りを満天下に暴いた。国鉄の反合・運転保安闘争路線を、郵政を始め4大産別の全職場において貫徹しよう。
郵政民営化は、労働条件の破壊とともにすさまじい勢いで非正規雇用を激増させている。正規・非正規の分断を粉砕して団結し、郵政民営化絶対反対で職場から決然と決起するならば、日帝の屋台骨を吹き飛ばす全逓労働運動の壮大な発展と、わが全逓戦線の主流派への飛躍はまったく可能である。その決定的チャンスが到来している。
日教組本部の打倒を
教労戦線では、教育の民営化粉砕への労働者、学生の総決起が全世界で陸続と巻き起こっている。この怒濤(どとう)のような怒りの反乱は、日本の教育労働者をも必ずつかむ。
教育の民営化は道州制攻撃と一体となって、教育労働者への大量首切り、非正規職化攻撃として襲いかかっている。特に民主党・連合政権のもとでの教員免許法改悪と道州制導入に沿った教育委員会制度廃止の攻撃は、まさに戦争・改憲、民営化・労組破壊を連合・日教組を動員して推し進めようということである。これに対決する今春の「日の丸・君が代」不起立闘争は、連合・日教組の輿石を支配権力に取り込んだ民主党政権の最弱点を突く闘いとなる。
職場からの「日の丸・君が代」不起立闘争を、教育の民営化阻止の闘いとして総決起しよう。日教組本部を打倒し、青年労働者を軸にした日教組の階級的団結を復権しよう。教育労働者こそが動労千葉労働運動に最もよく学び、国鉄決戦の勝利を自らの闘いとして位置づけ、職場権力の獲得に果敢に打って出よう。
(4)全産別・全職場から春季ゼネストへ進撃しよう
戦後革命期以来の革命的激動情勢への突入のもとで、10春闘はかつてない大決戦となっている。いち早くベアを放棄した連合を絶好の餌食にして、全国の職場で民主党・連合政権打倒、大失業・大幅賃下げと社会保障解体攻撃粉砕へ総力決起していこう。
2010年の決戦は、何よりも2000万青年労働者の獲得をめぐる攻防をますます激化させている。その最大の火点は4大産別決戦である。労働組合をめぐる死闘の最激突点は、青年労働者の組織化にこそある。1000万失業者が街頭にあふれ出る時代を迎えた今こそ、青年労働者を組織し、組織しぬく勝負の時が訪れている。
この闘いは、プロレタリア革命を否定し資本主義の救済を叫ぶあらゆる勢力との大党派闘争である。マルクス主義を完全解体して今や「ルールある資本主義の確立」を叫ぶ日本共産党スターリン主義を始め、労働者を「救済の対象」としか見ない一切の思想と闘って、労働者自己解放の闘いと団結を現場から復権させよう。4大産別を先頭に、医療・福祉、合同一般労組、金属、電機、交通運輸など民間大単産や中小での闘いを、この立場から強力に発展させていこう。全国労組交流センターの強化・発展をかちとろう。
動労千葉労働運動を全労働者の中へ持ち込む武器として、物販闘争を闘おう。さらに労働者派遣法撤廃・非正規職撤廃を掲げて闘い、膨大な非正規労働者、未組織労働者、失業者の決起をつくり出そう。
これら一切を、当面する2・13国鉄闘争、3・20国際反戦闘争への全国総決起として集約し、10春闘の巨大なゼネスト的爆発をかちとろう。
(5)労働者階級の力で三里塚農地死守、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ
2010年の決戦は、民主党・連合政権打倒の一大政治決戦である。その打倒は、日帝の階級支配の全面崩壊とプロレタリア革命への道を一直線に切り開く。国鉄決戦の歴史的勝利を基軸とする4大産別決戦の爆発はその突破口であり最大の戦場だ。これと並んで、沖縄闘争と三里塚闘争の爆発が今や、日本革命をたぐり寄せる決定的位置をもっている。
沖縄は革命の火薬庫
労働者階級の闘いで今こそ米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ進撃しよう。沖縄普天間基地移転問題こそ、民主党・連合政権の超反動的本質とともにその破綻性・脆弱性を暴くものである。まさに小沢・鳩山政権は、普天間問題を頂点とする日米安保同盟の矛盾と危機、さらには東アジア共同体構想をめぐる米帝との争闘戦の激烈化の中で、帝国主義の「最弱の環」の現実を突きつけられている。
その根底にあるのは、沖縄労働者を先頭とする労働者階級の怒りの噴出である。戦後自民党支配の崩壊は、日帝による沖縄闘争圧殺の攻撃をその土台から覆し、米軍基地撤去を求める沖縄の島ぐるみ的な怒りを全面的に解き放った。民主党・連合政権の登場は、今新たに始まった沖縄プロレタリアートの根底的な決起を圧殺することなど断じてできないばかりか、逆に怒りの火に油を注ぐものでしかない。
追い詰められた民主党政権の絶望的凶暴化は不可避である。これとの激突は必ずや、「基地の島」の固定化を狙う道州制攻撃粉砕への決起、何よりも基地労働者を先頭とする沖縄の労働者の一大決起を巻き起こす。本土と沖縄の労働者階級の分断を打ち破って、日米安保を粉砕し、日帝打倒へと上りつめていく巨大な闘いに発展する。沖縄闘争は今や、階級的労働運動の前進のもとで、まさに日本革命の火薬庫としてどこまでも発展していくのだ。
10年を沖縄闘争の年として闘い抜こう。3・20国際反戦の中央闘争、5・15沖縄闘争の大爆発をかちとろう。
三里塚決戦の勝利へ
三里塚闘争も10年、最大最高の決戦局面を迎えている。空港問題は、日帝の「東アジア共同体」構想にとって最大の弱点だ。「羽田のハブ空港化」という前原発言に始まる日帝の空港・航空政策の大再編は、44年にわたる三里塚闘争が日帝をいかに追い詰め、そののど元を締め上げているかを示している。今や日帝はその突破に死活をかけ、民主党・連合政権のもとで三里塚闘争解体の策動を必死に強めている。
だが、自民党政権が44年かけてついに圧殺できなかった三里塚反対同盟農民の不屈の存在と闘いに、民主党・連合政権が太刀打ちできるわけがない。昨年11・1労働者集会において三里塚闘争が大きくそびえ立ち、労農連帯の不動の確立と発展がかちとられたことは、日帝のあらゆる三里塚圧殺攻撃を根底から打ち破る力を獲得した。とりわけ労働者国際連帯の力とその発展が、労農同盟の発展をも切り開き、三里塚闘争の新たな前進を生み出す原動力となっている。
大恐慌・大失業をプロレタリア革命に転化していく攻防の帰趨は、労農同盟の発展にかかっている。空港絶対反対・農地死守・一切の話し合い拒否・労農連帯の原則をさらに高々と掲げ、2・25天神峰現闘本部裁判を始めとする一切の攻防を全力で闘い、勝利し抜いて、3・20反戦大闘争―3・28三里塚現地総決起集会へ進撃しよう。青年労働者・学生の三里塚現地への大結集運動をつくり出し、市東孝雄さんへの農地強奪攻撃を労農同盟の力で爆砕して、三里塚闘争の歴史的勝利を切り開こう。
(6)教育の民営化粉砕! 全国学生ストへ前進しよう
新自由主義大学、監獄大学の象徴である法政大学での4年に及ぶ不撓(ふとう)不屈の闘いの中から生み出された、「『教育の民営化』と闘い、大学、教育、未来を取り戻そう!」のスローガンは、今や、全世界の学生の決起を牽引している。世界にとどろく日本の全学連運動がついに、アメリカ、韓国、ドイツ―欧州の先進的学生たちとの生きた交流、連帯、団結をつくり出した。法大決戦は、大恐慌下の世界の学生運動に魂を吹き込み、「教育の民営化粉砕」のゼネスト情勢を成熟させている。
とりわけ日本の地でも、学生自治会の革命的復権、自治寮死守、サークル活動の自主的創造的奪還の闘いが、全国で新たな息吹をもって全面的に開始されている。いよいよ2010年、全世界の学生と団結し、その司令塔として、300万学生の「教育の民営化粉砕」ストライキへと打って出よう。
大失業攻撃のもとでの生存をかけた怒りを解き放とうとしている青年労働者と固く団結した、大衆的学生ストライキの機は熟している。それは、戦後の戦闘的学生運動の連綿とした闘いの歴史を引き継ぐと同時に、資本主義・帝国主義打倒の革命に直結している。その巨大な扉を押し開く鍵は、学生運動の革命的指導部の、歴史を塗り替える登場にある。
暴処法弾圧を打ち破り、法大闘争の不動の勝利を握りしめつつある8学生の存在こそ、「大恐慌を革命へ」「教育の民営化粉砕」の比類ない指導部である。今こそその力を全面的に発揮する時だ。織田陽介全学連委員長、坂野陽平全学連委員長代行を先頭にして、300万学生ストライキを突破口に、全世界の学生・労働者とともにプロレタリア革命の大道を切り開こう。
(7)裁判員制度廃止・改憲阻止の大運動を発展させよう
裁判員制度廃止の大運動の発展は、2010年の闘いの重要課題だ。裁判員裁判はすでに開始と同時にその反人民的正体をさらけ出し、大衆の怒りと新たな決起を呼び起こしている。裁判員制度は改憲攻撃の一環である「司法改革」攻撃の中心であり、道州制と連結し、日本を戦争国家・警察国家につくり変える攻撃だ。これを粉砕する闘いは「攻めの改憲阻止闘争」である。
日本共産党を始めとする諸党派はもはや「9条改憲阻止」の旗すら投げ捨て、裁判員制度推進と日弁連の権力翼賛機関化の道を走っている。怒りを込めて徹底粉砕し、裁判員制度廃止・改憲阻止の闘いを全社会をまっ二つに割る大闘争へと押し上げよう。百万人署名運動はその最先頭に立とう。
(8)星野奪還・再審勝利へ
獄中35年の星野文昭同志を奪還する闘いは、昨年の第2次再審請求提出を受けて新たな段階に突入した。27点の新証拠は、権力によるデッチあげを完全に暴き、星野同志の無実を明らかにしている。この再審請求の内容をあらゆる職場・地域・学園に持ち込み、とりわけ労働組合の中に大胆に分け入って、再審勝利への全国的大運動をつくり出そう。
70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った星野同志を日帝が今なお獄中に閉じ込め続けていることは、沖縄闘争と革命運動への圧殺攻撃そのものだ。これを打ち破ることは全労働者階級人民の死活のかかった課題である。労働者の階級的団結の力をもって、星野同志実力奪還への道をこじ開けよう。
(9)全戦線での総決起を
帝国主義のもとでの社会的差別・抑圧と闘う全戦線の闘いは、諸階級・諸階層人民の闘う結集軸である。プロレタリア革命への階級的団結を拡大していく水路である。階級的労働運動路線のもとでの諸戦線の闘いの前進は、プロレタリア独裁の樹立を準備し推進する闘いだ。帝国主義による民族・国籍・国境の分断を打ち破り、国際的団結を取り戻す闘いである。2010年決戦の中で、7月テーゼのもとで新たに開始された全戦線の闘いを思い切って発展させよう。
大恐慌・大失業と戦争の進展は、すべての戦線で「資本主義の打倒か救済か」「プロレタリア革命か帝国主義戦争翼賛か」という非和解の分岐を生んでいる。プロレタリア革命こそが戦争を阻止し、一切の搾取と抑圧からの解放をかちとるただ一つの道である。
部落差別や在日・滞日人民への民族抑圧を始めとした日帝による差別・抑圧攻撃の激化は、労働者階級の分断と団結破壊にその最大の狙いと核心がある。この分断は、資本・権力との絶対非和解の闘いを貫く中でこそ打ち破られる。
そこで闘いとられる階級的団結の回復は、まさに人間としての共同性を実力で奪い返し、全社会を変革していく労働者階級の巨大な力を一挙に解き放つものとなる。09年の西郡住宅闘争や11月集会で闘いとられた団結は、それを感動的に実証した。
血債主義・糾弾主義を完全打倒し、国鉄決戦を始めとする階級的労働運動の大前進と一体で、入管闘争、部落解放闘争、障害者解放闘争、女性解放闘争、被爆者解放闘争などの力強い発展をかちとろう。
(10)反軍闘争の革命的前進を
革命情勢の急速な成熟は、軍服を着た労働者である兵士の獲得を革命党の不可欠の戦略課題としている。帝国主義による不正義の侵略戦争への動員は今日、米軍内で続出する隊内反乱が示すように、帝国主義軍隊をその内部から崩壊させつつある。自衛隊兵士の新たな隊内決起の開始は不可避である。
反軍闘争の任務は、この隊内反乱を、労働者階級のゼネストと結合した帝国主義軍隊解体・武装蜂起の勝利をめざす目的意識的闘いに転化していくことにある。職場生産点での階級的労働運動の前進と地区党建設の前進を一切の土台に、反軍闘争の革命的前進を切り開こう。
〔X〕 労働者階級の中に今こそ革命に勝利する巨大な党の建設を
(1)党建設と階級的労働運動の一体的前進をめざそう
09年の闘いが切り開いた地平の上に、巨大な労働者党の建設へ目的意識性をもって踏み出す時が来ている。革命への情熱は、何よりも組織建設への欲求として発現されなくてはならない。問われている核心問題は「組織、組織、また組織」の大運動、すなわち〈機関紙拡大×職場細胞建設×動労千葉型労働運動と労働組合建設>の通年的実践を、革共同建設の新段階としてやり抜くことにある。
労働者自己解放とは、職場細胞と地区党が機関紙を拡大し、職場生産点での労働者階級の階級的闘いと動労千葉型労働組合を全労働者の先頭に立ってつくり出していく実践にこそある。
そして大恐慌が深まり、革命情勢が成熟している中で死活的に問われていることは、2000万、6000万の労働者のただ中に、階級に根を張った、階級自身による巨大な革命党を全力で建設していくことである。
この観点から、当面する党建設の死活的課題を明らかにしていこう。
3全総路線の継承を
第一に、半世紀を超える革共同史の中に、マルクス主義・レーニン主義を継承・発展させ、21世紀革命の勝利を開く党建設論が確立され内包されている。この革共同の歴史的蓄積と実践を全同志があらためて継承し、全面的に発展させて闘うことである。
1962年の3全総は「戦闘的労働運動の防衛と創造」「地区党建設」「統一戦線」を提起し、スターリン主義をのりこえ、黒田=カクマルを打倒し、革命的労働者党の創成に踏み出すものとしてあった。その骨格は、労働運動における体制内派との分岐・分裂を意識的・徹底的に推進するために、社会党や日本共産党などの体制内党派から完全に独立した強固な革命党を建設することにあった。
ここで重要なのは、地区党建設の課題をレーニン主義的党建設の核心問題として、革命的左翼の中で初めて正面から提起したことである。すなわち革命党建設を、労働運動や学生運動内の革命的フラクションの単なる集合体としての党ではなく、「プロレタリア独裁を準備する党」という観点に立ちきった党建設として明確にしたのである。
さらに3全総は、地区党建設の中心は職場細胞の建設にあることを、熱烈な討論をとおして鮮明にした。具体的には、「わが同盟が確固とした党組織を、経営細胞を基礎に構築することなしには、革命的共産主義運動の飛躍的前進がありえない」「わが同盟の創造的組織形態である産別労働者委員会の強化・拡大とともに、すでに確立されている細胞を拠点に、工場・経営細胞建設をおしすすめて、各産業、経営の細胞を包括した地区党をつくりだし、その地区にどれほど確固として根をはらせうるかという問題に直面している」(3全総宣言)と確認し、細胞建設を環とする地区党建設に一丸となって突入するものとしてあった。
そして、これが当時の革共同やマル青労同に結集している同志たち自らの魂の欲求として打ち出され、実践されていったのだ。この3全総路線は以降、70年闘争を始めとする幾多の階級闘争の試練と苦難をのりこえ、歴史の検証を経て、『本多延嘉著作選』『清水丈夫選集』での党建設論の提起に発展させられ、ついには階級的労働運動路線と綱領草案へと導いたのである。
『資本論』を武器に
第二に、綱領草案で提起した「わが党の目的」「革命情勢の成熟」「革命の核心問題」「21世紀革命の課題」の内容が、党と労働組合の建設の相互一体的な爆発的前進に転化していく環は、『共産党宣言』と『資本論』の大学習運動にある。とりわけ『資本論』を学者の書斎から労働者階級の手に奪い返し、マルクス主義の最高の武器として駆使して闘うことである。
『資本論』は単に、資本主義社会を経済学的に分析した書物ではない。それは『共産党宣言』と一体の「革命の書」である。それは、資本による搾取の仕組みを徹底的に暴き、資本主義社会が資本の無限の価値増殖運動を本質とする歴史的に形成された一社会であると同時に、その転覆と共産主義社会建設の物質的諸条件が現に生み出されていることを科学的に明らかにした。そのことによって、プロレタリアートの歴史的使命を明確にし、プロレタリア革命運動の思想的・理論的支柱を打ち立てたのである。
プロレタリア革命とは、社会の真の主人公でありながら、資本主義社会においては人間ではなく労働力商品、資本の賃金奴隷にさせられている労働者階級が、資本家の支配を打ち倒し、ブルジョア国家権力を粉砕してプロレタリア独裁を樹立し、資本家階級の私有財産となっている社会的生産手段のすべてを奪い返して、団結した労働者の手で全社会を再組織することである。綱領草案が提起した労働者階級自己解放闘争のこの内実を、『宣言』『資本論』の学習をとおして一層明確にしていこう。新訳されたモスト『資本と労働』をその手引きとして活用しよう。
目的意識性と柔軟性
第三に、綱領草案は、「党は、労働者階級の一部であり、その階級意識を最も鋭く体現する最高の団結形態であり、最も鍛え抜かれた階級の前衛である」と規定し、それは今日的には闘う労働組合を甦らせることと一体でかちとられることを明確にした。この点について、レーニンの党組織論に学ぶことが重要である。
レーニンは、党と革命運動の結節環的な飛躍点において、その勝敗を分かつ死活的な実践として党組織の建設と拡大の大運動を提唱し、それに大々的に挑戦した。1905年革命への闘いの過程と渦中、12年プラハ協議会路線とその実践、17年ロシア革命の大激動期(4月テーゼから10月革命、内戦期、NEP期の闘い)は、同時にすさまじい組織拡大運動そのものだった。
それは『なにをなすべきか?』に始まり、『共産主義における左翼空論主義』とコミンテルン3回大会『共産党の建設、その活動の方法と内容についてのテーゼ』に至る豊かな提起と実践としてあった。レーニンの党組織論は、党と労働組合の基本思想の確立を踏まえ、硬直した原則だけを教条的に振り回すあり方を排して、徹底的に党と労働組合に階級的根拠をおいて提起され、かつ実践されたのである。
その上でやはり、レーニン党組織論の到達点、骨格と核心は、『共産主義における左翼空論主義』にある。それは革共同自身が半世紀にわたる苦闘をとおして実践的に切り開いてきた今日の到達点でもある。
「ボリシェヴィズムは、1903年にマルクス主義理論のきわめて強固な土台のうえに生まれた。……ロシアは、ただ一つ正しい革命理論であるマルクス主義を、未曽有のくるしみと犠牲、比類ない革命的英雄精神、信じられないほどの根気とひたむきな探求、学習、実践上による試練、失望、点検、ヨーロッパの経験との比較の半世紀の歴史によって、真にくるしんでたたかいとったのである」(レーニン全集第31巻、10n)
マルクス主義を苦しみながら実践的に闘いとり、鍛え上げたことがレーニン党組織論に脈打っている。だからこそレーニンは、権力奪取への一斉蜂起―革命に一切を従属させる「革命党の鉄の規律」についても、それは教条ではなく、正しい理論と結合し、また真に大衆的で革命的な運動の実践と密接に結びついて初めて、最後的につくり上げられるのだと強調している。ここにレーニン党組織論の革命への目的意識性と集中性、かつ柔軟性と自己解放性がある。
重要なことは、この目的意識性と柔軟性はどこで統一されるのかということだ。それは訓練し鍛錬された階級の指導部においてである。レーニンはこの観点から、「指導者―党―階級―大衆」の関係と、労働組合の絶大な意義を明確にしている。どういう党をめざすのかという切迫するテーマと、労働組合に依拠し労働組合をとおして「階級と大衆」に結びつくことは不可分一体である。それはロシア革命の勝利に至る過程でも、プロレタリア独裁の樹立後も、過渡期社会の建設においても、レーニンの中に絶え間なく貫かれていた。
こうしたレーニンの地をはうような闘いを破壊したのがスターリン主義であり、党組織論も形式主義的、官僚主義的に変質させられ、労働者階級の敵対物、疎外物に転化した。革共同の創成と今日に至る闘いは、ここを革命的に突破したのだ。党と労働組合、党と階級的労働運動の一体的確立。ここに革命勝利の核心があり、国際連帯の求心力もある。ここで突破し、50年を超える歴史のすべてをかけて、時代の要請に真っ向から応えよう。
(2)機関紙活動を一切の軸に据えて大躍進をかちとろう
21世紀革命に勝利する党建設の当面する最重要課題について確認したい。
第一に、一切の突破口は機関紙・誌活動だ。マルクス主義と綱領草案で労働運動の実践を日常不断にやり抜き、機関紙・誌活動を党活動の核心中の核心に据え、工場・経営と地域に網の目のように張り巡らされた機関紙配布網を建設すること。この組織的な力をつくり上げることが党建設の基軸であり、1万人結集への壁を突破する道である。この機関紙・誌活動を核心に〈党活動の3原則>の闘いを確立・再確立し、党の大躍進を開こう。
そもそも3全総以来、革共同にとって機関紙・誌活動は決定的位置をもっていた。財政闘争の革命的確立も、機関紙活動の推進・発展と一体でかちとられる。しかし血債主義・糾弾主義と連合党的後退が、5月テーゼ以降も機関紙活動の停滞を生んだ。今こそマルクス主義と階級的労働運動路線でこの停滞を打ち破り、巨大な組織を建設する時だ。
第二に、帝国主義権力を打倒しプロレタリア世界革命をやり抜く革命党は、労働者階級に圧倒的に根ざした非合法・非公然の党である。レーニンも革命勝利の核心は「プロレタリアートの無条件の中央集権と最も厳格な規律」にあると繰り返し強調している。党と階級の英知と力を集中し、最高のエネルギーを注ぎ込んで、あらゆる困難を解決し、非合法・非公然の不抜の党を建設しよう。党が労働者階級の無限の力と結合する時、不可能なことは何もない。
第三に、権力に対する完黙・非転向こそ革命党の生命線である。完黙・非転向の闘いこそが国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決で、「暴処法」と「共謀」を粉砕する巨大な勝利を開いた。法大5・28暴行デッチあげ弾圧裁判で無罪判決をかちとった。この感動的な地平を発展させ、獄中35年の無実の星野文昭同志を始め、すべての獄中同志を絶対に奪還しよう。超長期の指名手配攻撃と闘う同志に連帯し、ともに闘おう。権力の不当なデッチあげ弾圧と闘うすべての同志と団結し、革命勝利をともに切り開こう。
さらに革命軍の精鋭的強化の闘いを貫き前進しよう。
第四に、党建設と革命勝利の最大の原動力は青年労働者と学生だ。すべての闘う青年労働者と学生は革共同に結集し、世界革命の先頭に立とう。マル青労同・マル学同の各1000人組織建設こそ革命と党建設の基軸であり最先端だ。とりわけこの2010年決戦でマル青労同の黄金時代を開き、21世紀革命をたぐり寄せよう。
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