ZENSHIN 2009/12/21(No2421 p06)

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第2421号の目次

<写真上> 「今すぐ釈放を!」との連日の情宣・署名活動が東京地裁を追いつめている(17日 霞が関)
<写真下> 森川弁護士の発言に聞き入る。8学生奪還へ勝利の確信が高まった(17日夜 弁護士会館)

1面の画像
(1面)
8学生を絶対奪還し2010年決戦へ
11月労働者集会の地平発展させJR検修全面外注化阻止しよう
5000万円保釈金大カンパを
記事を読む  
法大弾圧 “明日から10日間決戦を”
不当勾留粉砕へ総決起集会(12月17日)
記事を読む  
6千万労働者の中に闘う強大な革命党を 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
お知らせ 次号は新年特別号です 記事を読む  
(2面)
動労千葉鉄建公団訴訟 “解雇の根拠は一切ない”
“最初は名簿に登載”元国鉄官僚が重大証言
「不採用基準」を作って排除を指示
葛西(JR東海会長)が首切りの張本人(12月16日)
記事を読む  
動労総連合大会 “10春闘-組織拡大を”
闘えば勝てるの確信も固く(12月13、14日)
記事を読む  
検修全面外注化阻止決戦へ
“攻めの反合闘争”が勝利の道  魚沼敬一
記事を読む  
訂正 記事を読む  
(3面)
国労5・27裁判 向山和光さんの無罪が確定
さらに6被告の完全勝利へ
記事を読む  
教育の民営化と道州制粉砕へ
教育労働者の大量首切りと非正規化に職場から反撃を
民主党の教育政策を批判する
記事を読む  
西郡住宅裁判 市当局を証人に決定
市長の不採用に怒り爆発(投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)(12月4日)
記事を読む  
ギリシャで青年が警察隊と激突(12月6日) 記事を読む  
(4面)
8学生奪還-2010年全国大学ストへ
法大「暴処法」弾圧を粉砕し民主党・連合政権打倒しよう
革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
法大弾圧粉砕 地裁前で連日の訴え  ビラと署名で広がる共感 記事を読む  
映評 マイケル・ムーア監督 「キャピタリズム」
本気で資本主義を断罪 労働者に反乱のメッセージ
記事を読む  
日誌 2009年 12月9日〜15日
オバマ ノーベル賞受賞演説で戦争正当化/鳩山「普天間先送り」を米に伝達
記事を読む  
日程 法大裁判に集まろう! 記事を読む  
(5面)
本多延嘉著作選デジタル版刊行によせて
現代に脈打つ革命思想
マルクス主義の復権と革共同の礎  柏木俊秋
記事を読む  
〈焦点〉 普天間先送りと日米危機  破綻深める鳩山外交政策 記事を読む  
〈焦点〉 イラク政府中枢で爆弾戦  米軍撤退戦略が危機突入 記事を読む  
(6面)
権力のデッチあげ暴く再審請求書
星野第2次再審闘争勝利へ
労働組合に持ち込もう  大形敏也
記事を読む  
新証拠で無実は鮮明に 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審 記事を読む  

週刊『前進』(2421号1面1)(2009/12/21 )

 8学生を絶対奪還し2010年決戦へ

 11月労働者集会の地平発展させJR検修全面外注化阻止しよう

 5000万円保釈金大カンパを

<写真上> 「今すぐ釈放を!」との連日の情宣・署名活動が東京地裁を追いつめている(17日 霞が関)
<写真下> 森川弁護士の発言に聞き入る。8学生奪還へ勝利の確信が高まった(17日夜 弁護士会館)

 重大な勝利が開かれた。11月27日に「暴処法」無罪判決をかちとった5・27国労臨大闘争弾圧裁判で、ついに東京地検は控訴を断念した(向山被告は無罪確定。6被告は控訴)。国鉄決戦を闘う階級の力、11月集会派の団結力が権力の一角を打倒したのだ。動労千葉・動労水戸は運転士登用差別裁判で連続して勝利し、動労水戸は5波のストで一切の組織破壊を粉砕し、23年ぶりに実力で列車のハンドルを奪い返した。これらは9月法大裁判での無罪判決や、何よりも11月労働者集会の歴史的地平と完全に一体の勝利だ。この力で8カ月間の獄中闘争を闘う法大闘争8学生を年内に絶対奪還し、2010年の大決戦に突き進もう。新しい年を、「大恐慌を世界革命へ」の旗を高く掲げて闘う革共同の大躍進の年にしよう。

 危機を深める鳩山政権打倒へ闘う時

 普天間基地移設=辺野古新基地建設攻撃と闘う沖縄を先頭とした労働者階級の闘いは、日帝=民主党・連合政権と米帝をとことん追いつめている。権力・資本との非和解の闘いこそが戦争と民営化・合理化攻撃を粉砕し、敵の矛盾を暴き痛撃する。普天間・辺野古闘争の主導権は、日米の支配階級や危機的段階に突入した日米安保同盟の中にはない。基地・戦争と非和解で半世紀を超えて不屈に闘い、とりわけ1995年の沖縄全島10万人決起以来の闘いを貫く沖縄を先頭とした全国の労働者階級の闘いの中にこそある。
 民主党・連合政権は、早くも危機と破綻を深め展望を失っている。大恐慌下の対米対抗的政策は日米関係を破裂寸前に追い込み、他方で対中政策や改憲・戦争国家化路線の強行と、来年7月参院選をもにらんだ小沢の独裁的采配(さいはい)への労働者の怒りが高まっている。連立政権内やブルジョアジー内部の分裂も拡大している。
 敵の危機の根底には、世界大恐慌、資本主義の末期的危機の深化がある。日帝は税収36兆円をはるかに超える国債発行、歯止めなき財政赤字の拡大と、帝国主義間・大国間の保護主義と争闘戦の激化に震え上がっている。そして一切を、国鉄闘争の解体と道州制・民営化による公務員労働者360万人の解雇、独裁型国家への転換を狙う「地域主権改革」なるものに賭けている。しかも事業仕分けが示すように、連合労働貴族を取り込んでファシスト的国民運動を組織している。
 しかし彼らにはなんの展望もない。大恐慌・大失業の出口は革命勝利にしかない。鳩山や小沢を打倒して、労働者階級が革命に突き進む歴史的情勢がやって来ているのだ。

 大恐慌・大失業を世界革命へ

 世界大恐慌は一層深まっている。宣伝されている経済の「回復」とは、次の危機爆発の幕間でしかない。米商業用不動産ローンという新たな金融危機も生起している。カンフル注射の財政投入はさらに超大恐慌を準備する。行き着く先はドル大暴落だ。それは世界経済の分裂とブロック化、世界戦争を不可避とし、各国経済も政治も大崩壊させる。
 「ドバイ・ショック」の中、ギリシャが国家として債務不履行の危機に陥っている。この中で青年労働者・学生を先頭に、全世界の膨大な労働者人民が大失業・民営化と闘うゼネスト、実力闘争に立ち上がっている。戦争と大失業、賃下げと生活破壊、労組破壊の攻撃は万国に共通している。労働者が生み出した巨大な生産力は労働者自身が奪い返さなければならない。大恐慌は戦争に転化する。「戦争を貫徹し平和を守る」(ノーベル賞授与式演説)と公言するオバマを許すな! 労働者が決起しこんなやつらを打ち倒す時だ。
 問題は、敗北主義や裏切りとの闘いだ。労働者には勝利できる力がある。日共スターリン主義や体制内指導部に打ち勝って前進する力は、闘う労働者の党と労働組合の中にこそある。世界大恐慌が本格化する今こそ、世界単一の革命党を強固に打ち立て、闘う労働者の国際的団結を大前進させよう。

 階級的原則的闘いで巨大な勝利開く

 09年の11月を頂点とした階級闘争、とりわけ国鉄決戦の勝利の前進こそが歴史を動かす。国鉄決戦には小沢や鳩山を倒す力がある。階級的原則的な闘いが勝利し、情勢を決する時代が始まった。日本の労働者はすでに「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」で始まる革共同の綱領草案を持っている。労働者が団結して闘う時、その力は無限だ。「生きさせろ!」の叫びは革命を求める。
 09年から10年にかけての闘いは、日本と世界の階級闘争史の決定的な転回点となる。まさに全世界的に『共産党宣言』『資本論』をよみがえらせる情勢が現実のものとなったのだ。
 第一に、09年をとおして国鉄1047名解雇撤回を軸に〈戦争・改憲、民営化・労組破壊〉と対決する4大産別決戦が全国的・国際的な発展をかちとってきた。
 何よりも、23年間にわたる国鉄分割・民営化絶対反対の闘いの不屈の前進が全世界の労働者の団結と闘いの軸にすわり、巨大な発展を実現している。ここに階級的労働運動の推進軸がある。
 また労働組合の転向と屈服を打ち破って、職場から日常的に闘う労働組合運動がうなりをあげて始まった。この闘いの先頭に国鉄・4大産別を始めとする青年労働者と法大などの闘う学生が立っている。さらに爆発的な組織化へと挑戦している。
 第二に、マルクス主義とその実践をめぐる巨大な党派闘争があらゆる職場、地域、運動の中で躍動的に始まっている。「時代認識と路線」で勝負する者こそが主導権を握れるのだ。また三里塚闘争、裁判員制度粉砕闘争を始め、全戦線の闘いが階級的労働運動の発展と一体で前進している。資本・権力・体制内勢力をぶっ飛ばし、「闘えば勝てる!」が完全に現実となり確信となった。
 第三に、労働者の職場からの闘い、怒り、熱い希求、階級の要請として、階級自身の歴史的な意思の集約として、50年の苦闘の上に、ついに革共同の綱領草案を全国・全世界の労働者に向けて提起したことだ。綱領草案の実践の最先頭に青年労働者と学生が立っている。このことの中に09年の最大の勝利の総括と10年決戦の展望がある。

 国鉄決戦こそ労働運動を塗り替える

 12月から来年に向け、JR東日本による「検修・構内業務全面外注化」の来春実施を阻止する大決戦に反合理化・運転保安闘争路線を武器として総決起しよう。
 「一括・丸投げ外注化」とは、国鉄分割・民営化が狙った労働者の分断と団結破壊を究極的に貫く全面的な安全破壊であり、「第2、第3の尼崎事故」を不可避とする攻撃だ。労働者の誇りの最後の一片までたたきつぶし、労働者人民を大量に殺してでも、資本の利潤を追求するというのがJR東日本だ。
 しかもこれをJR総連カクマルが自ら導き入れ、JR総連組合員をも差し出して、また延命しようと狙っている。国労本部はまったく闘えない。しかし「闘っても勝てない」のか? 絶対に違う。「平成採」を始めJRの青年労働者の怒りは頂点に達している。闘うすべての労働者は、動労千葉、動労水戸、国労共闘を先頭に、全国・全職場で反合理化・運転保安闘争路線を貫いて闘おう。しかも敵にはなんら成算がない。資本として崩壊している。だがわれわれには、圧倒的な階級的人民的正義があり、勝利の確信がある。
 しかもこの闘いは、大恐慌下の労働運動全体を塗り替える。これは、資本を侵害し、打ち倒して革命をたぐり寄せ、職場・産別、地域・国境を越える階級的な団結と運動、路線を現実の労働者自身の職場闘争の中から生み出す闘いだ。日本階級闘争・労働運動は、この実践の中から新たな歴史的発展と飛躍を必ず切り開くことができる。カクマル松崎明とその提灯(ちょうちん)持ちへと転落した戸塚秀夫・樋口篤三・山崎耕一郎らを現実の闘いの爆発で打倒しよう。
 時代認識と路線と09年総括で固く一致し、団結して、国鉄決戦を基軸に2010年決戦へ攻勢的に突入しよう。法大闘争の獄中8学生を絶対に年内に奪還しよう。冬期大カンパ・保釈金カンパの圧倒的な集中を! マル青労同・マル学同と革共同に結集し、いざ勝利の2010年へ!

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週刊『前進』(2421号1面2)(2009/12/21 )

 法大弾圧 “明日から10日間決戦を”

 不当勾留粉砕へ総決起集会

 法大弾圧と闘う獄中8学生の年内奪還に向かっての総決起集会が17日、霞が関の弁護士会館において150人の大結集で打ち抜かれた。
 「全世界の闘うリーダーである8人を今すぐ取り戻すことが、2010年を闘うために絶対に必要だ」。全学連書記長代行の松室しをりさんの司会あいさつで集会は始まった。主催者あいさつに立った「全国声明運動」呼びかけ人の入江史郎さんは、「国労暴処法弾圧でも1年以上身柄を拘束された。そういう国のありようをぶち壊そう」と宣言。4・24弾圧裁判主任弁護人の森川文人弁護士は「9月法大弾圧裁判での無罪判決は、正しく闘えば勝てることを証明している」と、居並ぶ弁護団とともに奪還への決意を表明した。
 基調報告に立った学生の同志は、動労水戸、法大、動労千葉、国労5・27暴処法弾圧での四つの歴史的勝利判決が、資本・権力との最も激しい攻防点でかちとられたことを総括し、「学生運動の爆発こそが8学生奪還の力だ」と職場、キャンパスでの力関係で裁判闘争に勝利する路線を提起した。そして、法大攻防で洞口朋子さんへの処分策動を粉砕していること、11月集会での国際連帯が教育の民営化と闘うギリシャやドイツの学生運動との団結拡大に発展していることを報告し、8人奪還が「民主党・連合政権打倒!」の2010年決戦の突破口を開くという展望で会場は一致した。
 8学生の家族も発言に立った。A君のお父さんは「息子のおかげでたくさん考えさせられている。しかし、直接話す機会を裁判所によって奪われている。一刻も早く取り戻したい」と訴えた。B君のお父さんは「傍聴して、いかに法大や検察や裁判所がデタラメなのかよく分かった」と怒りを表明。8人の不屈の闘いは、家族も獲得し始めているのだ。
 動労千葉特別執行委員の滝口誠さんは、法大闘争が青年労働者の決起と結びつくことを強調し、検修業務全面外注化阻止決戦の決意を表明した。この日の4・24弾圧裁判を傍聴した教育労働者は、「学生たちの発言が素晴らしかった。岡本検事をこてんぱんにやっつけた」と報告した。
 法大文化連盟の洞口さんは、「斎藤君と恩田君が無期停学にされてから1年がたった。ここまで闘ってこれたのは、彼らの存在があったから。私自身の人生の中で、団結を取り戻した1年だった。8名を取り戻し、来年の11月集会1万人に向かって私はキャンパスに立ち続ける」。全国から東京に駆けつけて闘っている学生からも力強く決意が語られた。
 最後に、坂野陽平全学連委員長代行が「年内奪還へ明日から『世界を揺るがす10日間決戦』を!」として、@公判傍聴A東京地裁前座り込み行動B全国声明運動と保釈金カンパ運動――の三つの方針を提起し、参加者全員の熱烈な拍手と歓声で迎えられた。

 公判で鈴木のデタラメ暴く

 集会に先立つ4・24弾圧第6回公判は、前回に続き登石郁朗裁判長の長期勾留を弾劾し、法大総務部長・鈴木文男証人のデタラメを暴いた。
 公判冒頭に、被告席から斎藤郁真君が保釈を許可しようとしない登石を鋭く問い詰めた。「われわれは不当弾圧と闘うことを宣言しているのであり、逃亡などするわけがない。今すぐ釈放せよ!」。自らの不当性を百も承知の登石は一言も答えられない。
 鈴木証人は、4月24日の恩田亮君や倉岡雅美さんの逮捕容疑は何かと聞かれて答えられず、「演説で教育環境を妨げられた」と主張したものの、弁護士の追及に「学生からの苦情はなかった」と認めざるをえなかった。最後には、3月のオープンキャンパスで受験料稼ぎの「営業権」のためにビラまき・宣伝活動を禁止したことは正しかったと開き直った。次回公判で鈴木を追い詰め打倒しよう。8学生奪還の09年最後の闘いに総決起を!

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週刊『前進』(2421号1面3)(2009/12/21 )

 6千万労働者の中に闘う強大な革命党を

 すべての皆さん。11月労働者集会の大成功と5・27国労臨大闘争弾圧裁判での「暴処法」「共謀」を粉砕した力を出発点に、今こそ民主党・連合政権打倒の10春季ゼネストに総決起する時です。法大弾圧8学生奪還の5000万円カンパと合わせて、絶大なカンパを訴えます。
 5・27裁判の歴史的勝利は、7被告が全員完黙・非転向を貫き、階級的原則を貫いて闘い抜いたからこそかちとった勝利です。4者4団体派が「闘っても勝てない」とする敗北主義をふりまいているのに対して、「団結して原則を貫いて闘えば勝てる」ことを立証した画期的勝利です。
 この勝利を力にして、直ちに検修全面外注化阻止決戦へ突入しましょう。動労千葉・動労水戸・国労共闘の闘う拠点破壊を策す検修全面外注化を粉砕する闘いは、国鉄労働運動のみならず全労働者階級の未来のかかった決戦です。技術の継承など構わず安全を投げ捨て、労働者の団結を破壊する暴挙を許すわけにはいきません。第2、第3の尼崎事故を絶対に阻止しよう。
 今こそ、動労千葉労働運動が確立してきた反合・運転保安闘争を階級的労働運動路線の柱に据えて闘う時です。この闘いは、平成採を始めとする2千万青年労働者の怒りと結びつき、巨大な10春季ゼネストへと発展します。
 同時に、この暴処法粉砕の勝利は、法大暴処法弾圧粉砕・8学生奪還の巨大な展望を切り開きました。これ以上の勾留は、断じて許せません。すでに東京地検と法大当局による「暴処法」デッチあげの策動は全面破産しています。「一人の仲間も見捨てない」と比類ない団結力で教育の民営化と闘う学生リーダーの奪還は、2010年全国学生ストライキの大爆発を必ず切り開きます。
 「景気回復過程に入った」などというのは大ウソです。ドル暴落が間近に迫り、日帝の財政赤字の激化は、もはや資本主義として成り立たない深刻さです。労働者を犠牲にする民主党・連合政権を打倒し、プロレタリア革命の道を今こそ切り開こう。6千万労働者階級、2千万青年労働者の中に革命に勝利する真の労働者党をつくろう。そのことが待ったなしに求められています。革命的共産主義運動50年の実践によって綱領草案を打ち出し、世界単一の労働者党建設へ向けて新段階を切り開いた革共同こそが、その勝利を必ず闘いとります。
 闘う8学生を年内に奪還するために5000万円カンパを集中してください。10春季ゼネストへ、ともに世界革命へ突き進もう!

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週刊『前進』(2421号1面4)(2009/12/21 )

前進速報版から 前進速報版から

▼ドイツの学生が獄中8学生連帯の緊急行動を呼びかけ▼沖縄で裁判員制度粉砕に起つ!▼動労千葉鉄建公団訴訟で元官僚が重大証言

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週刊『前進』(2421号1面5)(2009/12/21 )

 お知らせ 次号は新年特別号です

 12月28日発売/12n500円
 革共同政治局の2010年1・1アピール/国鉄労働者座談会ほか
 全国の闘う労働者・学生に勧めよう

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週刊『前進』(2421号2面1)(2009/12/21 )

 動労千葉鉄建公団訴訟 “解雇の根拠は一切ない”

 “最初は名簿に登載”元国鉄官僚が重大証言

 「不採用基準」を作って排除を指示

 葛西(JR東海会長)が首切りの張本人

 動労千葉鉄建公団訴訟の第23回口頭弁論が12月16日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で行われた。04年12月の提訴から5年。裁判はいよいよ証人調べという重大段階に入った。
 原告側はこの間、「停職6カ月、または停職2回以上」という不採用基準を、いつ、どこで、誰が作ったのかについて、被告の鉄道運輸機構に求釈明を繰り返してきた。機構側は「答える必要はない」と事実認否を拒否し続けてきた。この攻防は実に2年半に及んだ。
 機構側は今年に入ってようやく不採用基準について言及し始めたが、「不採用基準は87年1月頃に成立した。しかし詳細は不明」というふざけた回答をしただけだ。
 今回、裁判所が採用した伊藤嘉道証人は当時、国鉄職員局長・澄田、職員局次長・葛西らのもとで職員局補佐として新会社への採用候補者名簿作成の実務を取り仕切り、87年2月7日のJR設立委員会に名簿を搬入した当事者。現在はJR東日本高崎支社長だ。
 原告代理人による追及で決定的な事実が暴露された。伊藤は名簿作成当時の様子を生々しく証言した。@職員からの希望調査を集約して各新会社(現JR7社)に振り分けた最初の名簿ができたのは87年1月中頃であるAその中には不採用となった動労千葉組合員12人を含めて本州でJR不採用となった職員(計117人)も含まれていたB「停職6カ月、または停職2回以上」の不採用基準に該当する者を名簿から排除するよう指示したのは葛西であるC基準を適用して名簿を作り直したのは2月7日の設立委員会直前である――という4点である。
 最後に田中芳樹裁判官から「不採用基準を作ったのはいつか?」と質問された伊藤は、「正確に覚えていない。1月末か2月初め」とはぐらかした。「どっちですか?」と再質問され、「2月冒頭だと思う」と答えた。
 つまり、JR不採用とされた動労千葉組合員12人は、当初は採用候補者名簿に登載されていたのだ。にもかかわらず、鉄道労連カクマルの”不良職員は採るな”という突き上げと「不採用基準」の作成・適用によって採用候補者名簿から排除されたということだ。伊藤証言によって、その不当労働行為性が生々しく暴かれた。
 この重大な証言によって、早期結審を狙っていた白石裁判長は追い詰められ、審理計画を再検討する進行協議を受け入れざるをえなくなった。
 総括集会で川崎昌浩執行委員は、「今日の裁判で明らかになったのは当初は名簿に載っていたということ。そこから、わざわざ基準を作って動労千葉組合員12人を排除した張本人が葛西だった。葛西の証人尋問をかちとり、解雇撤回へ闘いを強めよう」と呼びかけた。
 田中康宏委員長は、「さらに大もとの重大な問題がある。動労千葉は国鉄分割・民営化に反対して2波のストに立ち、このストで私も解雇になった。しかし、この解雇は1997年に旧鉄建公団が全面的に撤回している。動労千葉争議団の仲間は、ストに対する停職処分を理由にJR不採用になったが、これ自身がそもそも成立しない。このことを裁判で徹底的に明らかにしよう。検修外注化阻止・1047名解雇撤回の10春闘へ総決起しよう」と提起した。
 当該の中村仁さんは「分割・民営化に賛成した組合がわれわれを排除した。それを当局も認めた。勝てる裁判だ。JRに復帰して私は運転士になる」と決意表明した。
 参加者は東京地裁に怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、闘いを締めくくった。
(写真 裁判終了後、動労千葉と支援は東京地裁前で怒りをこめて総括集会を行った【12月16日】)

 当局・カクマル合作の解雇

 原告の動労千葉組合員9人は87年4月1日発足のJRに不採用とされ、90年4月1日には国鉄清算事業団から解雇された1047名の一員だ。
 国鉄当局とカクマルによる卑劣な退職強要攻撃の結果、分割・民営化を目前に控えた87年1月には退職者が予想数を上回り、本州3社と四国ではJR発足時に定員割れとなることが確実だった。
 87年2月2日午前の記者会見で杉浦喬也国鉄総裁は「(本州では)全員採用の方針」と表明。これに焦りを深めた鉄道労連(現JR総連)カクマルは、同じ2日の結成大会で「国鉄改革に反対する不良職員が採用されかねない。改革に努力した職員と、努力せずに妨害する職員を区別するのは当然」という特別決議を上げ、杉浦ら国鉄当局を突き上げた。杉浦は記者会見での発言をわずか半日でひるがえし、2日夜の鉄道労連レセプションで「皆さんの努力に応える」と約束した。
 「不採用基準」の設定と被処分者の名簿からの排除が国鉄当局と鉄道労連カクマルの合作による不当労働行為であることは明々白々なのだ。
 動労千葉は、中曽根康弘・元首相や住田正二・JR東日本元会長、松田昌士・JR東日本元会長、葛西敬之・JR東海会長、JR総連・松崎明、動労千葉原告団など34人の証人を申請した。しかし東京地裁・白石裁判長は、中曽根、住田、松田、葛西、松崎ら政府や国鉄関係の証人17人の採用を拒否、国鉄関係では伊藤嘉道証人だけを採用するという極めて政治的・反動的な訴訟指揮を強行していた。
 今回の伊藤証言は、決定的に重大だ。検修・構内業務全面外注化阻止決戦と一体で、1047名解雇撤回へさらに闘いを強めよう。

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週刊『前進』(2421号2面2)(2009/12/21 )

 動労総連合大会 “10春闘-組織拡大を”

 闘えば勝てるの確信も固く

 反合運転保安闘争を闘う!

 動労総連合は第24回定期大会を12月13〜14日、DC会館で開催した。
 動労総連合はこの1年間、激闘に次ぐ激闘の中を全力で駆け抜け、これまで以上に力強く闘いを牽引(けんいん)してきた。大会では、この巨大な前進を勝利的に総括するとともに、組織の存亡をかけた決戦として「検修・構内業務全面外注化阻止、組織拡大」を柱とする10春闘に総力で立ち上がる方針を確立した。
 冒頭あいさつに立った君塚正治委員長(千葉)は「資本主義はもう労働者を食わせていくことすらできない。自民党政権は労働者の怒りで倒されたが、資本主義そのものが倒れたわけじゃない。一切の犠牲を労働者に転嫁して生き延びようとしている。7月の労働者国際会議、11月の訪韓闘争に参加して強く感じたことは”われわれの闘いは間違ってない。世界に十分通用する”ということだ。動労総連合が国鉄分割・民営化以来、貫いてきた道をさらに発展させることだ」と述べた。そして「年明け早々にもライフサイクル強制配転阻止を始めとする10春闘の攻防が始まる。この中でなんとしても組織拡大を実現しよう」と訴えた。
 経過報告と総括を石井真一副委員長(水戸)が、情勢・方針を川崎昌浩書記長(千葉)が提起した。
 川崎書記長は「反合闘争を闘い抜けるかどうかが労働組合の試金石だ。職場に徹底的にこだわり、運転保安に徹底的にこだわってきた動労総連合の基本に立ち返って検修・構内業務の全面外注化攻撃に立ち向かおう」と強調した。そして、職場抵抗闘争を徹底的に強化するとともに、組織拡大と一体の闘いとしてストライキを配置して闘うこと、さらに重大局面を迎えている国鉄1047名闘争の勝利に責任を取りきる立場から来春「2・16集会」〔2月13日(土)東京・代々木公園〕を全国結集の大闘争として呼びかける方針を提起した。
(写真 10春闘と組織拡大闘争への総決起を訴える君塚正治委員長【12月13日 千葉・DC会館】)

 動労水戸ストで配転を阻止

 討論の冒頭で、大江照己・動労西日本委員長がこの間の動労西日本再建の経過を報告し、「動労西日本の果たすべき責任は大きい。東での検修外注化阻止の闘いと一体で、尼崎事故弾劾を柱とする反合・運転保安闘争を闘う」と鮮明な決意を表明した。動労西日本からは09年に加入した2人の新組合員も代議員と傍聴で参加した。
 動労水戸からは勝利感あふれる報告が次々と行われた。「何波ものストライキで情勢を変え、強制配転を止めた。”会社も大して強くない。団結して闘えば勝てる”ということを実証してきた1年だった。職場の若い仲間の動労水戸を見る目も変わってきた」。運転士不登用事件の当該で運転士を希望した3人が12月1日から本線乗務に就いたことが報告され、拍手がわき上がった。

 職場には怒りが満ちている

 動労千葉幕張支部の山田護支部長は「この間の強制配転攻撃は、幕張支部の組織を破壊して外注化を強行しようと狙うものだったことがはっきりした。すごい攻撃ではあるが決定的なチャンスでもある。本気で組織拡大を実現し勝負する」と決意を表明した。
 動労連帯高崎の代議員は「列車の故障がやたら多い。しかも、本当に直せる技術を持った人がいなくなっている。いつ尼崎のような事故が起きてもおかしくないと現場でひしひしと感じる」と検修職場の現状を危機感をもって報告した。
 他の単組からも「当局は場当たり的な対応ばかり。技術継承もへったくれもないのが現状」「最高検査である交検で故障を発見しても、会社が部品の在庫を置かないから放置されたまま。現場は矛盾だらけ」「職場でどんどん調査し、会社を追及していく」と深刻な安全崩壊の現実が突き出された。
 石井副委員長は「すべては徹底した要員削減の中で、当局が要員養成を放棄してきた結果だ。破綻し、追い詰められているのは当局だ。他労組も含め現場は外注化に全員が反対。職場に怒りは満ちている」と強調した。君塚委員長は総括答弁で「外注化問題は反合・運転保安闘争の根本の部分。当局の提案はよく見てみれば脆弱(ぜいじゃく)だ。きっちり闘いきれば、かなり展望がある。この闘いに組織拡大の成否もかかっている」と檄を飛ばした。
 スト権が全会一致で批准され、大江照己さんが新たに本部執行委員に選出された。団結ガンバローを行い、年末から来春の決戦に打って出る決意を固めた。

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週刊『前進』(2421号2面3)(2009/12/21 )

 検修全面外注化阻止決戦へ

 “攻めの反合闘争”が勝利の道

 魚沼敬一

 JR東日本が動労千葉、動労水戸、国労共闘の解体を狙い、検修・構内業務の全面外注化攻撃をかけてきている。国鉄分割・民営化反対―1047名解雇撤回闘争の成否をかけ、反合理化・運転保安闘争を武器に検修・構内業務全面外注化阻止の歴史的決戦に総決起しよう。

 最大拠点職場の廃止狙う

 JR東日本が10月29日に提案した検修・構内業務の全面的な外注化計画は、業務量にして2000人余りもの業務を外注化しようという提案だ。
 JR東日本における外注化攻撃は、2001年のJR総連JR東労組の裏切りで始まった。しかし千葉支社管内では、動労千葉の闘いで8年間、外注化を阻止してきた。
 今回の提案の最大の問題は、従来の「逐次実施」から、来年4月1日以降は「一括して委託する」と、すべての業務を関連会社に丸投げし、そこで働いている労働者のほとんどは出向を強制されることだ。それも片道キップの出向だ。しかも、別会社に業務を請け負わせた場合、JR本体の者が別会社の社員を直接指示・指導することはできない。「偽装請負」となるからだ。管理部門も含めそっくり「別会社化」するところまで行き着かざるをえない。
 そうなれば、賃金も労働条件もJR本体とはまったく別なものとなる。転籍で、賃金・労働条件の抜本的解体が、検修職場に働くすべての労働者を襲うことになる。
 なによりも今回の攻撃は、動労千葉や動労水戸の最大拠点職場である幕張車両センター、勝田車両センターの廃止を意味する。動労千葉―動労総連合の解体攻撃だ。
(写真 船橋事故闘争で高石運転士への処分反対のデモをする動労千葉【1976年1月26日 千葉】)

 第2の尼崎事故が不可避

 今回の検修・構内業務丸ごと外注化提案は、昨年6月に打ち出した中期経営計画「グループ経営ビジョン2020―挑む―」に沿ったものだ。「競争に勝てる優位性の確保」「不断の創造的破壊」「人口減少社会でも縮小均衡に安住しない持続的成長」「新たな事業の創出」「株主価値の増大」などなど、書かれていることは2000年に発表した「ニューフロンティア21」以上に、競争原理一本やりで突っ走るということである。
 「(今後10年間で)運輸業以外の収益を全営業収益の4割程度まで引き上げる」と、エキナカ事業、スイカなどの電子マネー事業の展開をさらに進める。本来業務としての「鉄道会社」ではなくなるということだ。収益率・利益率のアップ、株主にどのくらい配当できるのかという発想から、地方ローカル線・不採算線区を廃止し、そして業務の全面外注化で非正規労働者にどんどん置き換えるというのだ。
 01年の外注化攻撃が始まってから5〜6年のうちに、JR東日本における人件費は850億円も減少し、経常利益は1000億円以上はね上がった。その中で取締役連中は計10億円もの報酬を手にしている。
 労災も多発している。JR発足以降、350人とも言われる労働者が殺されている。JR東日本は断トツだ。そのほとんどが下請け労働者だ。
 外注先の関連会社に数値目標を設定してコスト縮減を要求し、連結決算を理由に「関連会社にも業績評価を適用する」と二重三重に委託費をたたいている。そのため、関連会社は仕事を下請け会社に丸投げし、さらに孫請けへと業務が丸投げされている。そこには「安全確保」が入るすきもない。劣悪な環境で下請け労働者は働かされ、殺されているのだ。
 いまJRの輸送障害が社会的大問題になっている。車両故障や信号トラブルが主な原因だ。とりわけJR東日本はひどい。大手私鉄と運行障害比率で比較すると01年〜06年度が約6〜8倍だった。それが07年度には11倍に膨れ上がり、388件だ。毎日どこかで列車が止まっている計算だ。会社が作成した資料でも「鉄道車両固有の技術を継承する社員が少ない」「専門的な技術・技能のレベルアップが低下する」と検修職場の危機的現実を自認している。
 それなのに、鉄道の根幹をなす検修・構内業務を丸ごと外注化するというのだ。百数十年の歴史の中で蓄積され、そこで働く労働者によって綿々と継承されてきた鉄道固有の技術力が失われるのだ。
 車両センターには、運転席に「故障中」という紙が張られた車両が長期間放置され、さらに故障していることが分かっていながら列車を走らせる事態まで起きている。要員が不足し、修理する体制がないためだ。さらには、列車の脱線を防止するための車輪のフランジが規程値を超えて摩耗し、本来は走らせることができない車両に乗客を乗せて走っている。
 全面外注化を許したら、間違いなく第2、第3の尼崎事故が、それも首都圏で起きる。これは労働者人民すべての命がかかった問題だ。

 外注化を8年間阻んだ動労千葉

 外注化問題は、国鉄分割・民営化以来の最大の攻防点をなしてきた。動労千葉は、01年から始まった保守3部門の外注化を「第2の分割・民営化」攻撃ととらえて真っ向から対決してきた。千葉支社だけはこの8年間、構内・検修外注化に手をつけることができなかった。この闘いの勝利の意義と教訓は限りなく大きい。
 初めから外注化を阻止できる展望があったわけではない。定年後の「再雇用」と引き替えに組合に外注化をのませる「シニア制度」に対し、動労千葉は「外注化を認めるような労働組合は労働組合ではない」と協定締結を断固拒否した。「再雇用は動労千葉からの脱退が条件」という当局の卑劣な攻撃に対し、激しい討論を繰り返し、執行部は再雇用先の確保に奔走した。
 そして何よりも、毎年ストライキを構え、徹底した職場闘争を闘い、シニア制度を5年間で廃止に追い込み、外注化も止めたのだ。
 今回の攻撃も同じだ。 今回の外注化提案は矛盾だらけだ。安全の確保や検修要員の養成、技術継承・指導の問題から見ても外注化は絶対に破綻する。しかも、関連会社にJRのような労務対策をできる体制はまったくない。徹底抗戦すれば必ず勝利の展望は切り開かれる。
 そもそも外注化は、労働組合が「絶対反対だ」と闘い続ければ実行できない。だが、JR東労組が会社の手先となって現場にそれを強制し、国労も含めて「仕方がない現実だ」とズルズルと認めてしまってきたのだ。
 こうした労働組合の現状を、今回の外注化阻止の闘いの中で変えようではないか。それは可能だ。東労組組合員だろうが国労組合員だろうが、検修職場のほとんどの労働者にとって出向・転籍が問題になるからだ。
 国鉄分割・民営化から23年、国鉄分割・民営化の真の決着をかけた闘いとして総決起しよう。その最大の核心は平成採=青年労働者の獲得だ。

 反合・運転保安貫き闘う

 今回の外注化を巡る攻防は、道州制導入、大失業と戦争を巡る決戦の行く末を決める位置を持っている。道州制=「地域主権国家」攻撃は、公務員労働者360万人をいったん全員解雇し、民営化した事業所などに選別再雇用するという究極の合理化―民営化・労組破壊攻撃だ。
 これといかに闘うのか。闘って勝利できる路線はあるのか。それは、動労千葉の反合・運転保安闘争の中にある。@労働組合が民営化・労組破壊攻撃に真っ向から立ち向かう闘いの路線と方針を持つことができるのかA多くの労働組合がその現実に屈服している現状を現場から打破する実践的な運動をいかに提起できるのかBそのための職場での階級的団結をいかにつくりあげるのか――という、いま労働組合に問われている核心問題がここに凝縮されているのだ。
 戦後の日本労働運動は、労働組合にとって最も基本的な課題である合理化問題に対して常に受け身でしかなかった。まともに闘い抜いた歴史をほとんどもたない。資本との非和解的激突になるからだ。合理化・民営化に屈服し、むしろ協力することで資本に存在を認めてもらうことを方針にさえしている。その究極が動労カクマル(現JR総連カクマル)だ。貨物輸送安定宣言、「働こう運動」、そして戦後最大の合理化攻撃であり外注化=非正規雇用の出発点である国鉄分割・民営化攻撃に対する全面的裏切り、外注化の丸のみだ。
 資本とはあくなき利潤追求と合理化を本質としている。それは安全を切り捨てる。資本の運動原理そのものが絶対に「安全」と相いれない。
 特に鉄道においては、合理化や労務政策の矛盾は、真っ先に安全の危機として顕在化する。「安全確保」という問題は、資本も否定することはできない。
 動労千葉の反合・運転保安闘争は「安全」という階級の正義に立脚し、「資本の最大のアキレス腱(けん)は安全問題にある」ことを切り口にして、反合理化闘争の主導権を労働組合が握り返す闘いである。たとえ合理化が強行されても職場生産点から「攻めの反合闘争」を闘い、合理化によって奪われた労働条件を奪い返す闘いを貫いてきた。
 これが1972年の船橋事故闘争をとおしてかちとった反合理化闘争の新たな地平、戦後労働運動の限界を突き破る反合理化闘争路線だ。そして、その後の三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、動労「本部」カクマルとの分離・独立闘争、国鉄分割・民営化反対闘争に勝利してきた路線だ。そして8年間にわたって検修・構内業務外注化を阻止してきた闘いの路線なのだ。
  労働者の3人に1人は非正規職という社会の現実。これは具体的には、あらゆる企業が合理化・外注化を行った結果として生み出された現実だ。こうした事態を許した最大の原因は、本来、労働者を守って闘うべき労働組合がなんの抵抗もせずに屈服・容認してきたことにある。
 今回の検修・構内業務外注化阻止の闘いは、この現実と真っ向から対決する決戦であり、国鉄分割・民営化に革命的決着をつける壮大な闘いだ。そして、この闘いで解雇撤回の原則を投げ捨てた4者4団体路線との決着をつけ、国鉄1047名解雇撤回闘争の画期的前進を切り開こう。民主党・連合政権の最弱の環=連合本部を打倒する闘いに立ち上がろう。国労5・27臨大闘争弾圧裁判での画期的勝利の地平を打ち固め、国鉄闘争を軸とした4大産別決戦の前進をかちとろう。革共同は、真の労働者革命党としての飛躍をかけ闘い抜く決意だ。

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週刊『前進』(2421号2面4)(2009/12/21 )

 訂正

 前号2面森田幸三論文第2章4行目に「『情況』08年12月号」とあるのは「1・2月合併号」の誤りでした。

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週刊『前進』(2421号3面1)(2009/12/21 )

 国労5・27裁判 向山和光さんの無罪が確定

 さらに6被告の完全勝利へ

 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、一審判決で暴力行為等処罰法と共謀認定を粉砕した勝利に続き、さらに大きな勝利を実現した。ついに検察は、控訴を断念するところに追い込まれたのだ。これにより国鉄闘争支援者の向山和光さんの無罪は確定した。
 検察は、向山さんを「事件の首謀者」に仕立て上げ、02年5月27日の国労臨時大会における国労共闘の闘いを「中核派による組織的犯行」と描き出した。だが、検察の言う「首謀者」の無罪が確定したことにより、弾圧は根幹から崩れ去った。暴処法と共謀認定を完全に打ち破った一審判決の勝利も、検察側の控訴断念で不動のものとなった。凶悪きわまる弾圧に手を染めた国家権力は、被告団の不屈の反撃に痛打され、なすすべもなく立ちすくんでいる。
 5・27臨大闘争弾圧被告団と弁護団、すべての支援者が一体となってもぎり取ったこの勝利の意義は限りなく大きい。
 国鉄分割・民営化と人生をかけて立ち向かい、1047名解雇撤回闘争の先頭に立ち、JR体制打倒へ真っ向から闘いぬく被告団の労働者魂が、弾圧を打ち砕いたのだ。
 この勝利は、JR資本や国労本部を始めとする4者4団体派に根底的な打撃を与えている。国労本部は、検察の言い分そのままに「中核派活動家が国労組合員に暴力をふるった5・27事件」と繰り返し叫んできた。国家権力やJR資本と通じ合い、被告を公安警察に売り渡した末に、こうした恥知らずな言動で裏切りを居直ってきた国労本部の暴挙もまた、徹底的に断罪されたのだ。
 被告団の闘いは、「労働者は闘っても勝てない」「非妥協的な闘いは敵の攻撃を誘発するだけだ」という4者4団体派ら体制内労組幹部の屈服思想を打ち破った。階級的団結を固めて闘えば勝てることを、被告団はものの見事に実証した。6被告の完全勝利へさらに闘おう。
 国鉄闘争は、JR東日本の検修部門の全面外注化を阻止するかつてない決戦に突入した。JR東日本がたくらむ検修部門の外注化は、労働者を分断し、その団結を破壊することをとおして安全をとことん解体し、労働者に低賃金・強労働を強制する断じて許しがたい攻撃だ。だが、鉄道の安全の要をなす検修部門の外注化に着手したこと自体が、JR体制の破産を突き出している。
 5・27弾圧を打ち破った勝利を跳躍台に、外注化絶対阻止−JR体制打倒、1047名解雇撤回へ突き進もう。暴処法粉砕の地平を打ち固め、法大闘争8学生の年内奪還へ、全力で闘おう。

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週刊『前進』(2421号3面2)(2009/12/21 )

 教育の民営化と道州制粉砕へ

 教育労働者の大量首切りと非正規化に職場から反撃を

 民主党の教育政策を批判する

 鳩山政権は「ムダづかい排除」と称して公務員労働者の賃下げと大量首切りを推進し、「地域主権国家」の名において道州制へ突き進む内閣である。本紙ではこれまで同政権による教員免許制度改悪や「全国学力テスト廃止」の大ペテンを批判してきたが、今回は、教育財政制度の見直しと教育委員会制度の廃止=首長直轄の教育行政を取り上げる。民主党の「教育改革」が道州制攻撃を貫徹し、教育の全面的な民営化を推進するものであることが浮かび上がってくる。

 戦争・改憲に突き進む鳩山政権は労働者の敵

 小沢・鳩山政権は、自民党以上の戦争と改憲突撃政権である。彼らが掲げる「緊密で対等な日米同盟」「東アジア共同体構想」は、アジアのブロック化=円経済圏形成まで展望した現代版「大東亜共栄圏」構想だ。アメリカ帝国主義との激突をはらむものであることを承知の上で、世界大恐慌下で日帝が生き残る道として決断しているのだ。
 小沢は今年2月、「第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分」「(在日)米軍が引くことによって、日本の防衛は日本が責任を果たしていけばいい」と語った。鳩山も96年に「常時駐留なき安保」を主張、以来一貫して「主権国家の領土内に他国の軍隊が未来永劫(えいごう)常駐し続けることは常識的ではない」(00年)などと訴えてきた。日米安保体制を軸とした日米関係をぶち壊し、自国の軍隊で戦争を行う「普通の国」になるというのは、小沢と鳩山の共通した主張だ。
 連合幹部が振りまく幻想をぶち破ってその本性を暴き、JR検修全面外注化攻撃と対決する反合・運転保安闘争路線を全労働者のものとして、鳩山政権打倒へ職場から大反乱を巻き起こそう。

 国庫負担金制と教職員定数の法定の廃止狙う

 鳩山政権は来年の通常国会に「学校教育環境整備法案」「教員数拡充法案」を提出しようとしている。日教組本部は、これで「教職員賃金・定数改善」が実現するという幻想を振りまいているが、とんでもない。「学校教育環境整備法案」は、義務教育費国庫負担金制度と義務標準法・高校標準法の廃止の布石であり、教育労働者の大量首切り、非正規化に直結する大攻撃なのだ。
 3月に民主党が参院に提出した「学校教育環境整備法案」のポイントは二つある。一つは、義務標準法・高校標準法に定められている教員定数を教育振興基本計画の一部である「指針」に格下げすること。もう一つは、政府が教育振興基本計画に示す目標達成を各自治体に競わせ、その達成度に応じて予算を配分するシステムづくりである。
 民主党はマニフェストで「国庫補助負担金の『一括交付金』化」を掲げ、原口総務相は「11年度から実施する」と述べている。11月に行われた「事業仕分け」では、義務教育費国庫負担金も対象とされ、10年度概算要求の見直しは見送られたが、結論は「国と地方の関係の整理などが必要」となった。義務標準法については、民主党の教育政策を仕切る文部副大臣の鈴木寛が、一括交付金の導入を前提に廃止する意向を表明している。
 すでに義務教育費国庫負担金は、小泉政権の「三位一体改革」で06年度から国の負担が2分の1から3分の1に減らされた(都道府県の負担分が3分の2に増)。04年度に総額裁量制(国庫負担金総額の枠内で、賃金と教職員数を都道府県が決定できる仕組み)が導入されたことと合わせ、このかん、正規教員の非正規教員への置き換えが一気に進められてきた。
 義務教育費国庫負担金制度が廃止され、都道府県の裁量で使い道を決定できる一括交付金とされ、標準法も廃止されたら、非正規教員は野放しで激増することになる。
 すでに暴露してきたように、民主党の教員免許法改悪案は、検定試験による免状切り替えをテコとする道州制に対応した首切り攻撃であり、修士学位の取得を免許授与の条件とし、国による免状取り上げ制度を導入する「国定聖職者教師」づくりである。返還免除の特別奨学金制度の導入も、戦前の師範学校が、給費制度をテコに教員志望者に国家への絶対服従をたたき込んだのと同様の発想が貫かれている。
 同法案には、普通免許状の授与権者を文科相とする一方、都道府県知事が授与する「特別免許状」「臨時免許状」の規定が置かれている。つまり、一部の「エリート教員」以外は非正規化=「代用教員」化していく攻撃でもあるのだ。

 教育委員会制度も廃止 教育行政を首長直轄に

 民主党は、政策集「INDEX2009」で「地方の教育委員会を発展的に改組した『教育監査委員会』を創設し、教育行政の責任を首長に移管」としている。教育委員会制度を廃止し、教育行政を首長の直轄支配下に置こうというのだ。
 現行の教育委員会制度は、1947年の教育基本法施行の翌48年、教育行政は公選制による教育委員会が責任を負うとしたところからスタートした。しかし、公選制は56年に首長による任命制に切り替えられ、教育委員会制度は、文部省による都道府県教委、市町村教委への官僚的統制の隠れみのとなってきた。
 教育委員会制度を廃止することは、「教育行政の独立性」の建て前も投げ捨て、首長がむき出しで政治介入するものとなる。「指導・助言」原則なども跡形もなく一掃される。教育労働者は首長をトップとする指揮命令系統のもとに置かれ、一般行政職同様の評価・管理システムのもとに組み敷かれることになる。
 すでに東京・杉並区では、教育委員会の頭越しに山田区長の方針で区独自の学力テストなどが決められ、校長の間では「区長命令」という言葉が飛び交った。大阪府知事・橋下は、学力テストの結果の公表を「教育委員会に指示する」と暴言を吐いて公開を迫った。「教育行政の権限は首長に移管すべき」というのは橋下の持論だ。
 07年に民主党が提出した「地方教育行政の適正な運営の確保に関する法案」では、「指導が不適切な教員」は首長が教諭以外の職への異動などの措置を講じると明記。また首長が学校の「組織編成、教育課程、教材の取扱い……について、必要な規則を定める」「教科書以外の教材の使用について、あらかじめ、地方公共団体の長に届け出させ……承認を受けさせる」とし、副教材まで首長の承認制としている。
 これまでは、「つくる会」教科書を採択するためには、教育委員の入れ替えが必要だった。東京都知事・石原や杉並区長・山田、前横浜市長・中田は、そうやって「つくる会」教科書採択を強行した。しかし、教材を決めるのが首長になれば、「つくる会」教科書採択もやりたい放題だ。

 教育監査委員会を新設 民営化を徹底的に推進

 民主党が教育委員会に代えて新設しようとしている「教育監査委員会」は、首長直轄の教育行政をチェックするための組織ではおよそない。首長の命令を現場に徹底し、学校と教育労働者を評価、監視する組織だ。
 そのモデルは、イギリスの教育水準局である。文科委員会筆頭理事に就いた笠浩史は、『サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道』に「日本版『教育水準局』の創設を」という一文を載せている。教育水準局はサッチャー教育改革の柱として92年に創設された。監査チームが6年に1回、イギリス全国の保育園から小・中・高校を対象に約1週間の監査を行い、改善勧告を行う。「教育困難校」と認定され、2年後の監査でも「改善されていない」と判断されれば、校長も教育労働者も全員クビ、閉校。教育労働者が「偏った歴史教育をしている」「不適切」と評価されれば、校長に解雇される。
 民主党はこのサッチャー教育改革に学んで、公教育にさらなる市場原理を持ち込み、格差化と民営化を推進するシステムをめざしているのだ。
 文科副大臣の鈴木寛は、著書『中学改造』で「学校の授業自体を民間教育機関にアウトソーシングして、学校外で塾にいかなくてもすむようにしてあげた方がいい」と述べている。杉並区・和田中学の民間人校長として、進学塾サピックスによる有料夜間授業「夜スペ」方式を実施した藤原和博は、鈴木の通産官僚時代からの盟友である。
 「高校教育の実質無償化」も、給付金を教育バウチャーとして機能させることで学校間・公私立間の競争を激化させ、民営化を推進していくことに狙いがある。民主党による教育行財政制度改革は、徹頭徹尾、道州制・教育の民営化攻撃を推進していくものである。

 日教組本部打倒 職場から闘いを

 日教組出身の輿石東は民主党幹事長代理、参院議員会長として政権党の中枢に座っている。今や、日教組本部が国家権力そのものとして、教育労働者への大攻撃を推進している。
 11月17日の日教組第153回中央委員会は、鳩山政権発足を「民主主義による本格的な政権交代が戦後初めて実現」と大絶賛し、「新政権とは、有効かつ誠実で互いの信頼関係を重視した対応をはかっていく」と表明。教育労働者に大量首切りと非正規化をもたらす民主党「教育改革」を自ら進んで担うというのだ。
 これは同時に、現場で闘う組合員を徹底的に弾圧していく宣言だ。一昨年度、昨年度に続いて、今年度の日教組全国教研(来年1月開催)から、東京の「日の丸・君が代」レポートが排除された。日教組本部打倒は全教育労働者のテーマだ。
 日教組本部の本性を暴き、職場から闘いをまき起こし、各教組執行部をうち倒す仲間をつくろう。その団結の力で来春「日の丸・君が代」不起立闘争を拡大しよう。

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週刊『前進』(2421号3面3)(2009/12/21 )

 西郡住宅裁判 市当局を証人に決定

 市長の不採用に怒り爆発

 12月3日の八尾北医療センター売却を許さない八尾市議会闘争と連続して、大阪地裁で4日、家賃供託者の貯金差し押さえを弾劾する西郡住宅裁判闘争が闘いぬかれた。
 郵便貯金の差し押さえから約2年。八尾市は解放同盟本部派・地区協と結託し、供託者の闘いをつぶして応能応益家賃による住宅追い出しを正当化しようとした。しかし供託者は団結してこれを打ち破り、逆に八尾市の不当性を暴いた。そしてついに差し押さえの張本人・田中八尾市長、橋本元建築長、石田住宅管理課次長の証人調べを要求するところまで来た。
 2・26住宅追い出し強制執行と闘った森本政二さんを先頭に部落解放同盟全国連西郡支部は、11月労働者集会に総決起し国鉄1047名闘争をともに担った。そして供託者自身が住宅闘争の「1047名」として屹立(きつりつ)し闘いを開始した。この階級的団結と絶対反対の闘いが敵を追いつめてきたのだ。
 八尾市が出してきた陳述書は、「(応能応益家賃)導入時、住民にはできるだけ説明し理解してもらった」「応能応益で家賃は安くなっている」「供託者が減ったことが八尾市の正しさの証明だ」などと書いている。ふざけるな! 人殺し同然の供託つぶしを居直り、誰も納得しないウソを平然と並べ立てる田中市長を絶対許さない。裁くのはわれわれだ。
 この日、大阪地裁807号法廷は、かけつけた西郡住民と全国連杉並・品川支部のきょうだい、ス労自主など共闘の労働者で埋め尽くされた。
 原告代理人の弁護士が「田中市長の証人採用は絶対に必要だ。権力者によって市民の権利が踏みにじられてはならない」と稻葉重子裁判長に迫った。八尾市は反論もできない。ところが稻葉裁判長は、八尾市側の証人から田中市長をはずし橋本と石田だけ採用。供託者側からは末光道正議員と原告のA君の採用を告げると、「閉廷」を宣言して法廷から逃げだした。
 原告と傍聴者は一斉に怒りを爆発させた。「なぜ田中をはずした。理由を言え」「裁判長は法廷に出てこい」「こんな裁判があるか」「住宅追い出しの張本人を逃がすのか」と裁判長に徹底弾劾をたたきつけた。
 総括集会で岡邨(おかむら)洋西郡支部長が「市長の証人不採用は断じて許せない。しかし八尾市をここまで追いつめた。闘いはこれからだ。橋本・石田を証人として引きずり出したのは決定的だ。われわれの手で裁いていこう」、原告のBさんが「八尾北医療センター民営化阻止の闘いと一体になり、住宅闘争も次の段階に進んでいこう。団結して頑張ろう」と決意表明した。
 次回公判は来春3月19日午後1時半。1月8日の明け渡し弾劾裁判も田中市長らの証人採用をめぐる攻防になる。傍聴闘争に決起しよう。
 私たちは、労働者の団結した力だけが一切を切り開くことを鮮明にし、来春決戦に突入する。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
(写真 裁判闘争に西郡住民と全国連杉並・品川支部、ス労自主などの仲間が結集した【12月4日 大阪地裁】)

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週刊『前進』(2421号3面4)(2009/12/21 )

 ギリシャで青年が警察隊と激突

  ギリシャで、警官による少年虐殺から1年の12月6日、首都アテネの3千人を始め、各地で青年・学生らが抗議デモに立ち上がった。アテネでは1万人の治安警察隊が催涙ガスで弾圧、デモ隊は投石で対抗した(写真)。債務不履行寸前の危機にあるギリシャ政府は、社会保障費削減、公務員削減・賃下げなどの財政再建策を発表した。高失業率の青年や学生による暴動、労組の大規模なストも不可避だ。

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週刊『前進』(2421号4面1)(2009/12/21 )

 8学生奪還-2010年全国大学ストへ

 法大「暴処法」弾圧を粉砕し民主党・連合政権打倒しよう

 革共同中央学生組織委員会

 東京地裁刑事第1部・秋吉淳一郎裁判長は12月10日、法大暴処法裁判被告(5人)への2度目の保釈請求却下決定を強行した。この暴挙を徹底弾劾する! 「裁判」の名を借りた政治弾圧を絶対に許すな! 8学生へのこれ以上の勾留を絶対に許さないという怒りをさらに燃えたぎらせよう。
(写真 11月7日、翌日の沖縄県民大会への参加を訴え那覇国際通りデモの先頭に立つ全学連)

 5・27裁判で敗北の岡本検事

 獄中8学生奪還は、力と力の勝負だ。国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決で、闘う国鉄労働者が「暴処法」の適用と「共謀」を粉砕する大勝利をかちとったことに大打撃を受けた検察は、12月11日に控訴を断念した。11月労働者集会5850人結集を頂点とした階級的団結の力でもぎとった、弾圧者の背骨を完全にへし折る歴史的大勝利だ!
 階級闘争への憎悪・恐怖から、闘う労働者へのデッチあげ弾圧を行ってきた検事・岡本洋之は、国鉄労働者の正義の闘いの前に完全敗北し、惨めにたたきつぶされた。もはや岡本らが獄中8学生に対してデタラメきわまりない罪をデッチあげ、延々と勾留を長引かせていることには何の正当性もない。今すぐ釈放せよ!
 岡本は法大裁判の中で、06年以来の法大当局の学生弾圧を「学内浄化運動」と呼んでいる。「学内浄化=弾圧と団結破壊」を目的に、闘う学生を次から次へデッチあげてきたことを自ら白状しているのだ。全労働者・学生の怒りで警察・検察権力を徹底的に焼き尽くす以外にない。デッチあげ弾圧に手を貸し、8学生を勾留する許可を出し続けている登石、秋吉の両裁判長を弾劾し、粉砕し打倒しよう! 全国学生は8学生と団結して公判傍聴闘争と東京地裁前行動に総決起し、敵を追いつめ、年内奪還をかちとろう。
 8学生を取り戻すことは、09年の勝利の地平を拡大し、階級闘争全体の力関係を転換し、壮大な2010年決戦の爆発を切り開く。国家権力による卑劣なデッチあげを明るみに引きずり出し、弾圧を正当化する論理を全社会的な怒りの爆発によって完膚なきまでに打ち砕こう。「即時奪還!」の声をキャンパス・職場から嵐のように巻き起こすことで、釈放せざるをえない力関係を敵に強制するのだ。

 大恐慌と戦争を世界革命へ

 8学生奪還によって切り開かれる2010年決戦とは第一に、新自由主義の破産が生み出す「世界大恐慌と世界戦争」と根本的に対決し、全世界の労働者階級の団結と総決起でプロレタリア世界革命の道を切り開く、歴史選択をかけた大決戦だ。
 世界大恐慌は底無しに深まり、帝国主義間・大国間の争闘戦がかつてなく激化している。米帝を先頭とする世界戦争への動きが激しく噴出している。米帝オバマは12月1日に「新戦略」を発表し、アフガニスタンへの3万人増派方針を打ち出した。そして10日、ノーベル平和賞の授賞式で真っ向から「イラク・アフガン戦争は正しい戦争」と言いきったのだ。一言一句が絶対に許せない侵略戦争の正当化であり、新たな戦争宣言そのものだ。オバマは、「われわれが生きている間に紛争を根絶することはないだろう」「場合によっては国家が武力の行使を必要とするだけではなく、道徳的にもそれが正当化される」と開き直った。ふざけるな! 世界戦争へと絶望的に突き進むオバマを帝国主義もろとも打倒し尽くそう!
 アメリカ・プロレタリアートの根底的決起は不可避だ。彼らは、戦争と大失業という惨禍をもたらす根本原因は資本主義にあり、戦争は徹頭徹尾帝国主義的利害のもとに行われていることを見きっている。世論調査で「オバマは平和賞受賞に値しない」との回答が66%に上っているという。そして、支持率は史上4番目の速さで5割を切った。労働者階級の団結と実力的行動にこそ戦争を止める力がある。そして、学生も労働者階級の最先端で社会を変革する闘いに立ち上がる存在だ。
 カリフォルニア大学の仲間は、警察権力による不当逮捕をはねのけ、第2波ストライキに立ち上がった。その中心に11月集会をともに闘った仲間がいる。キャンパスで学生の団結を復権し、労働運動と結合して社会全体の変革を目指して闘う中に、戦争を止め、人類史を革命に向かって前進させる力がある。カリフォルニアの労学ストライキは来年3月4日の大ストライキへと引き継がれようとしている。この闘いと連帯する最大の闘いこそ、法大暴処法弾圧粉砕であり、法大と全国大学でキャンパス支配権を奪い取る闘いだ。

 改憲と戦争に進む小沢・鳩山

 2010年決戦は第二に、11月集会潮流が6000万労働者―300万学生の責任勢力へ躍り出て、あらゆる怒りを小沢・鳩山=民主党・連合政権打倒へ向かって絞り上げる決戦だ。
 米軍普天間基地の移設問題をめぐって、日米争闘戦が完全に一線を越えて激化している。鳩山政権は今月15日、移設先決定を先送りする方針をルース駐日大使に伝えた。この日帝の態度に対し、米帝も首脳会談を拒否するという事実上の「国交断絶」状態となり、日米帝国主義が軍事政策をめぐって全面衝突する事態となっている。鳩山や小沢は、改憲もできず帝国主義としての独自的利害をかけた海外派兵も制約されているという「最弱の環」としての戦後的あり方からの突破をかけて、対米対抗的・意識的に突出しているのだ。
 そうした中で、小沢が600人を超える議員や支持者を連れて訪中したことは、日米争闘戦を一層激化させている。鳩山や小沢の「東アジア共同体構想」は、改憲・戦争の道だ。はっきりさせなければならないことは、普天間問題は日本帝国主義によっては絶対に解決できないということだ。情勢の決定権を握っているのは、沖縄と全国の労働者階級人民の怒りと闘いである。
 民主党・連合政権は、道州制・民営化攻撃によって階級的団結をとことん破壊しようとしている。道州制とは、資本家階級が生み出した大恐慌と財政破綻の責任を労働者階級に転嫁し、首切りと戦争によって資本家だけが生き残る攻撃であり、そのために労働者の団結を徹底破壊する攻撃だ。こんなことをやる以外に延命できない体制などつぶしてしまえ。
 JR検修全面外注化阻止の闘いを先頭に、4大産別決戦と学生運動の爆発で民主党・連合政権を打倒する巨大な勢力を登場させることが、日本革命への道を切り開く。11月集会で切り開いた路線と団結、革共同綱領草案、それを武器としたマル学同・マル青労同各1000人組織建設こそがその最深の力だ。8学生奪還から民主党・連合政権打倒へ総決起しよう!

 教育の民営化粉砕で団結を

 2010年決戦は第三に、キャンパスに渦巻く「教育の民営化」への怒りをひとつの路線と組織へと束ね、全学連が学生自治の総結集体へと飛躍し、学生の自己解放的決起を全国学生ストライキとして爆発させる決戦だ。この闘いを実現するために、全国学生運動のかけがえのない指導部である獄中8学生をただちに奪還しよう!
 大恐慌は、青年・学生にとって大失業・就職難という現実として襲いかかっている。来春大学卒業予定者の10月時点での就職内定率は、62・7%と、前年比で過去最悪の減少幅だ。リクルートの調査では、来春卒業の大卒求人倍率は1・62倍で、09年の2・14倍から大幅悪化。高校生にいたっては、就職内定率が10月末時点で55・2%と、前年同期比で11・6ポイントマイナスで過去最悪の下落幅となっている。
 資本家階級は大恐慌を引き起こした自らの責任を棚上げして、ただひたすらその矛盾を青年・学生に転嫁し、生きていけない状態にまでたたき落としている。もはやこんな社会は根本から終わっているのだ。こんな体制は学生が分断されていることにおいてのみ成り立っているにすぎない。学生がキャンパスで団結を復権し、歴史変革をかけて決起したときに足元から崩壊する体制なのだ。
 資本家どもは「教育の民営化(私物化)」によって教育・大学を金もうけの道具として蹂躙(じゅうりん)し、青年・学生の未来を奪っている。「教育の民営化」を推進する連中やそれに屈服する勢力がどのように学生を見ているのか。
 「大学とは原材料を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけて企業へと送り出す場所である」(2005年、首都大学東京理事長・高橋宏の「21世紀大学経営協議会」総会での発言)
 「世界恐慌なんて言われても分からないよね。関係ないよね」(法政大学経営学部教授・木原章が文化連盟のクラス討論妨害時に行った発言)
 「『恩田君への処分反対』『洞爺湖サミット粉砕』などは学生が大学で訴える限度を越えた主張」(08年5・29弾圧裁判第2グループ裁判長・後藤真理子の判決文)
 つまり、“学生は自分と仲間の問題に声を上げることも許されず、社会的出来事にかかわる必要はないし、そもそも一個の人格として認められない原材料である”――これがやつらの学生観なのだ。完全に終わっているではないか。今こそやつらにはっきりと宣言してやろう! 「お前たちの支配はもう終わりだ!」
 全国300万学生は資本家や当局の奴隷として競争・分断させられる生き方ではなく、全学連の旗のもとに団結し、大学と教育を実力で奪い返し社会を根本から変革しよう! その道筋は、法大闘争と獄中8学生が示しているように、キャンパスを舞台に学生の団結・自治を拡大し、決定権を奪い返していくことだ。
 「学生には力がない」「闘っても勝てない」と学生の決起を抑えつけるブルジョア・イデオロギーを打ち砕き、全学連運動が自らの路線・方針を鮮明に貫いてキャンパスの主流派として登場しよう。
 「教育の民営化」に怒るすべての学生は、マル学同・中核派に結集してともに闘おう! 8学生奪還から全国学生ストライキに攻め上ろう!
 われわれ学生は、鉄鎖以外に革命で失うものは何もない。獲得するのは全世界だ!

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週刊『前進』(2421号4面2)(2009/12/21 )

 法大弾圧粉砕 地裁前で連日の訴え

 ビラと署名で広がる共感

 法大弾圧獄中8学生即時奪還に向けて、全学連と法大弾圧救援会は連日東京地裁前での街頭宣伝に決起している。17日の公判闘争と総決起集会に向けてボルテージは日に日に高まっていった。
 14日は600枚のビラがまかれ、8学生の即時釈放を要求する全国声明の賛同署名数は28筆。15日は800枚のビラがまかれ、署名数は63筆。16日はビラ1000枚、署名は100筆に倍増し、用意した署名用紙が足りなくなるほど怒りと関心が拡大し続けている。
 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争で「暴処法」弾圧を打ち砕かれた検事・岡本洋之は追いつめられて、法大当局の弾圧を「学内の浄化運動だ」とわめきちらし始めている。事実も何もない、当局に抗議する学生をただひたすら「不浄」と言い放つ弾圧でしかないことを露骨に表明した。
 この検察の言動に労働者の怒りは天を突くほど燃え上がり、それがまた街宣の高揚へとつながっている。やればやるほど法大弾圧の不正義性が伝わり、それを追認する裁判所への怒りが沸き上がってくる。弾圧と真っ向から闘い抜いている8学生の存在と闘いへの圧倒的共感が広がっている。
 「いつもビラをもらってましたよ」と言って弁護士が署名・カンパに応じたり、裁判所見学に来た中学生グループがみんなで署名に応じるなどの決起が起きている。
 裁判所前はさまざまな党派、勢力が行き交う。党派闘争は街宣隊の意気を高揚させ広範な決起を呼び起こしている。
 大恐慌のまっただ中で団結して闘うことを一言も提起せず、「生存権を保障しろ」と政府や裁判所の救済に依存し、全学連の学生がそれを弾劾したら開き直って「権力と闘わない全労連です」などと言い放つ日本共産党スターリン主義。
 しかし全労連傘下の組合員は法大弾圧に怒り圧倒的な共感を示した。これに比して、戦々恐々としてビラを受け取りながら「この事件は知っているけど署名はしない」などと言って逃げ去る体制内派。5・27裁判7被告の暴処法粉砕の大勝利に意気消沈する松崎被告とそれに群がる塩川一派らに至っては、ただただ逃げ回るだけだった。
 裁判所前行動は、資本、権力、体制内派の腐った野合をぶっ飛ばして、階級の正義を確立する党派闘争の戦場だ。
 体制内派の制動を打ち破るほどに、デタラメな長期勾留、政治弾圧を行う公安警察、検察、そして秋吉、登石両裁判長への怒りはガンガン高まり爆発している。この力を結集し8学生即時奪還へ!! 09年最後の決戦に勝利し、8学生とともに壮大な2010年決戦へ飛び込んでいこう!
(写真 連日の熱い訴えに暴処法弾圧への怒りが日に日に高まる【12月16日 東京地裁前】)

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週刊『前進』(2421号4面3)(2009/12/21 )

 映評 マイケル・ムーア監督 「キャピタリズム」

 本気で資本主義を断罪

 労働者に反乱のメッセージ

 圧倒的自信と確信をもって薦めたい映画だ。マイケル・ムーア監督は真剣だ。そしてアメリカの普通の労働者の意識、感覚とぴったり波長が合っている。なによりも本気で怒っていることがビンビン伝わってくる。彼は本気で資本主義を断罪している。ブルジョアどもを縛り首にしたいと心から願っている。ストレートに労働者に反乱を呼びかけている。若い人が見れば「アメリカってこんなに労働者的な国なの?」と言うだろう。
 マイケル・ムーアは今回初めて日本に来たそうだ。「これは日本の問題でもあるから」と言っている。日本の興行主は、この映画の毒がどの程度か測りかねている。なんとか薄めて、人畜無害のウォール街のドタバタ劇であるかのように打ち出したいわけだ。マイケル・ムーアの方は、とにかく映画館に観客を引き込めばおれの勝ちなんだから、どうにでも利用してくれという腹だ。
 日本語タイトルは『キャピタリズム―マネーは踊る』というが、原題を直訳すると「資本主義―ある愛の物語」だ。この方がずっとすごみがある。鳩山の「友愛思想」(そしてそれを美化するさまざまの連中)などとはスケールも深みも違う。マイケル・ムーアは資本主義の〈お金に対する倒錯した愛>を皮肉っているのだと朝日新聞に書いてあったけど、ちょっと違うだろう。
 「愛の物語」というのは、要するに革命のことだ。映画は、昨年秋、オバマ大統領の誕生とウォール街の崩壊が同時発生した情勢そのもの(09年年頭ころまで)を映像化している。ついにアメリカの労働者は立ち上がり始めたが、始まったこの革命の物語をトコトン最後まで生きぬき、やりきる力が労働者階級にはあるのか、絶対にあると言いたい、というのが労働者階級の子マイケル・ムーアの心のメッセージだ。
 オバマはルーズベルトを引き継いで労働者のために登場したかのように装った。だからこそ地すべり的に勝利した。マイケル・ムーア自身そうなって欲しいと願っていたから、そのように描いた(30年代アメリカ階級闘争の歴史的総括は大事だ)。しかし、たちまち幻想ははげ落ちた。ムーアは、オバマがアフガニスタンへの3万人増派決定の演説(日本時間12月2日午前)をした直後、オバマを弾劾するメッセージを発している。これはアメリカで大きく取り上げられている。
 ムーアはこの映画で、キリストを埋葬して労働者自身が立ち上がらなければと執拗(しつよう)に訴えている。キリストとはオバマでもあるし、実はムーア自身でもあるのだ。
 08年に闘われたシカゴ(オバマの地元)のリパブリック・ウィンドウズの工場占拠の現場が生き生きと描かれている。
 最後に流れるラップ調(?)のインターナショナルが実にいい。ここだけは、日本語字幕の翻訳者の努力を多としたい。終わって、拍手しようと周りを見ると館内がシーンとしていた。若い人たちもそれなりにいるのだが、ただ黙って座っている。あまりにストレートな扇動にとまどっているのだ。しかしこの突き刺さった困惑は何かの始まりになりえる。(N)
(写真 ウォール街でマイケル・ムーアが「おれたちの金を返せ!」)

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週刊『前進』(2421号4面4)(2009/12/21 )

日誌'09 2009年 12月9日〜15日

 オバマ ノーベル賞受賞演説で戦争正当化/鳩山「普天間先送り」を米に伝達

●米、首脳会談せず 鳩山首相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐりコペンハーゲンで開かれるCOP15首脳会談の際の日米首脳会談について、米ホワイトハウスのギブズ報道官は「数週間前に首脳会談している。今は駐日大使らが対処するのが適切だ。日米の作業部会こそが協議を続ける最善の場だ」と述べた。米側として当面、日米首脳会談に応じる考えはないことを示したもの。(9日)
●オバマがノーベル賞受賞演説 ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーの首都オスロの市庁舎で行われ、核軍縮や地球温暖化問題で国際的指導力を発揮したとしてオバマ米大統領にメダルと賞金約1億2千万円が贈られた。オバマは受賞演説でアフガニスタンとイラクの戦争について「武力行使は不可欠なだけでなく、道徳上も正当化されることもある」と主張した。(10日)
●民主の小沢幹事長ら600人が訪中 民主党の小沢幹事長を名誉団長とする訪中団が北京を訪問した。同党の国会議員約140人に一般参加者を合わせて約600人が同行。(10日)
●米朝協議「共通の理解」 米国のボズワース北朝鮮政策特別代表がソウルで記者会見し、平壌での米朝協議で双方が「6者協議の必要性と役割」と、北朝鮮が核放棄を約束した05年9月の共同声明を履行する「重要性」で「共通の理解」に達したと語った。北朝鮮の外務省報道官も「6者協議再開の必要性と共同声明の重要性に関連し共通の認識に達した」と表明。(10日)
●オスプレイ普天間配備可能性認める 米軍普天間飛行場への米海兵隊の次期主力輸送機MV22オスプレイ配備の可能性について、沖縄等米軍基地問題議員懇談会で防衛省の高見沢防衛政策局長は「(米国の計画書では)普天間のヘリは、すべてオスプレイになるとの記述だ」と述べ、普天間飛行場に配備しているCH46ヘリがオスプレイに交替する可能性を認めた。(11日)
●ひき逃げ事件抗議で読谷村民総決起大会 「米軍人によるひき逃げ死亡事件に抗議する読谷村民総決起大会」が開かれ、米軍人の身柄の早期引き渡しや日米地位協定の抜本的見直しなど4項目を求める抗議決議を採択。村が米軍に関し村民大会を開くのは13年ぶり。11月7日に在沖米陸軍トリイ通信施設の2等軍曹が村在住の男性をはね、死亡させた疑い。(13日)
●普天間にKC135 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)所属のKC135空中給油機が宜野湾市の米軍普天間飛行場に飛来した。宜野湾市基地渉外課によると、同機の普天間への飛来は異例という。KC135は普天間基地の南側から進入し、タッチアンドゴー(離着陸訓練)を約10分間隔で午後5時ごろまで繰り返した。(14日)
●普天間先送りを米に伝達 鳩山首相は、米軍普天間飛行場の移設先の決定を当面先送りする政府の方針をルース駐日米国大使に伝えた。また与党3党党首級による基本政策閣僚委員会を開き、3党で作業部会を作り、名護市辺野古沖に移設する現行計画も含め移設先を検討することを決めた。(15日)

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週刊『前進』(2421号4面5)(2009/12/21 )

 日程 法大裁判に集まろう!

★暴処法弾圧裁判 
 恩田君、増井君、織田君、内海君、新井君
 第6回公判 12月25日(金)午後1時30分
 第7回公判 1月14日(木)午後1時30分

★4・24集会弾圧裁判 
 斎藤君、恩田君、増井君、倉岡さん、冨山君、内海君
 第6回公判 12月22日(火)午後1時30分
 第7回公判 1月12日(火)午後1時30分
※東京地裁429法廷 12時半に傍聴券配布所へ

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週刊『前進』(2421号5面1)(2009/12/21 )

 本多延嘉著作選デジタル版刊行によせて

 現代に脈打つ革命思想

 マルクス主義の復権と革共同の礎

 柏木俊秋

 革共同25全総における綱領草案の歴史的採択とタイアップして、『本多延嘉著作選』全7巻のデジタル版が刊行された。大きな勝利である。これによって、久しく品切れ状態だった第1巻と第2巻を再び手にすることが可能になっただけではない。本多著作選の存在は、ついに「綱領をもつ党」に達した今日のわれわれにとって、さらなる前進の力を与えてくれる党的達成物である。

 プロレタリア独裁論とレーニン主義の党建設

 25全総第2報告のV章にこうある。「革共同の現在の到達点は、こうした〔創成以来の半世紀にわたる営々たる苦闘のなかで育まれた〕歴史のうえに闘いとられたものである。われわれが今日、綱領をもって党建設の新たな段階に入るに当たり、50年間の党史を総括し、その生きた教訓を新たに結集してくる同志たちにしっかりと伝えることは大きな意味をもっていると考える」
 さらにまた、「プロレタリア世界革命の勝利の道は、革命的共産主義運動の双肩にすべてがかかっている。革共同の半世紀にわたる闘いの総括も、戦後の戦闘的翼の闘いを正しく包摂し、日本階級闘争の戦闘性と、その広さと深さを示すものが求められる」と。
 苦闘のなかで革命的共産主義運動と革共同を創成し、終生その先頭で指導しつづけた本多書記長の数々の著作や講演録は、この歴史的継承・発展にとって、貴重な示唆と勇気を与えるものだ。
 本多書記長の闘いを一言で言えば、レーニン主義による党建設であった。レーニン主義革命論、とりわけレーニン党組織論とプロレタリア独裁論で反帝・反スターリン主義世界革命の新たな労働者党を建設することに全力が注がれた。今日の綱領草案は、その土台の上に獲得された。 
 本多書記長の代表作とも言うべき「レーニン主義の継承か、レーニン主義の解体か」(第1巻)と「戦争と革命の基本問題」(第2巻)は、ともに獄中闘争の中で準備され、出獄後に完成して『前進』や『共産主義者』に掲載されたものだ。3回大会報告の理論的勝利の地平の上に、ついに黒田・カクマルを「哲学」「思想」の面でも圧倒的に凌駕(りょうが)するものであった。これらは、破防法弾圧をはねのけて「二つの11月決戦」を全力で闘いとった革共同と労働者階級の圧倒的な進撃が生みだした理論的成果である。
 「継承か解体か」は、黒田を正面に引きすえて、レーニン『帝国主義論』と『国家と革命』の革命的精髄をよみがえらせた。「基本問題」は、クラウゼヴィッツ『戦争論』を援用しつつ帝国主義戦争と現代革命の軍事問題の考察に新たな領域を切り開いた。ともに暴力革命論とプロレタリア独裁論、非合法・非公然の党建設の意義を鮮明化した。カクマルが「最後の聖域」としてきた「黒田哲学」がいかにインチキなものか、その破産の姿をマルクス主義・レーニン主義のオーソドックスな復権の力によって鋭く暴き出したのである。

 暴力革命論を豊かに展開

 「継承か解体か」では、暴力革命論の意義について次のように書かれている。「プロレタリア革命の雄大な歴史的任務、その人間史を画期する根底的性格に規定されて、暴力革命はプロレタリアートの革命的共同性、偉大な世界史的事業を達成する革命的主体性を回復するための不可欠の表現形態だからである。プロレタリアートの自己解放のたたかいは、プロレタリア階級闘争をとおしてブルジョア国家を打倒し、プロレタリア独裁国家を樹立し、資本家的私有財産を専制的に没収し、それを労働者階級の共有財産に転化し、プロレタリアートの歴史的任務を達成していく暴力的過程を、まさにプロレタリアートの革命的共同性をうみだし、自己解放の物質的前提条件とその革命的主体条件(指導的階級勢力としての自覚と能力)を統一的に生みだす過程として積極的に位置づけることから出発する」
 プロレタリア革命の核心的な中身をなす暴力革命とプロレタリア独裁の問題を〈プロレタリアートの革命的共同性と主体性の回復・創出>という側面からも明らかにしていることは、黒田・カクマル批判にとどまらず、現在のわれわれの理論的・実践的問題意識とも直に結びつくものだ。
 「もともとプロレタリアートは、自己解放のたたかいをとおして人類の全人間的な解放を達成する世界史的使命をもった階級であり、またそれゆえにこそ、プロレタリアートの革命的独裁は、他のいっさいの階級独裁とことなり、独裁の実現、維持が同時に独裁の廃絶の条件を準備するという構造をとるのである。このような意味において、プロレタリアートは、その特殊利害の貫徹のうちに普遍的利害の実現を準備するともいえるのである」(同)
 「労働者階級の特殊的解放が(即)普遍的解放になるわけがない」と言って諸戦線の「独自性」を強調し労働者自己解放の思想に敵対する塩川一派への回答も、この論文の中に含まれている。

 “革命家はまず考え方においてラジカルであれ”

 「革命家にとって大切なのは、行動における過激さよりも、まず考え方においてラジカル(急進的)であることだ。ラジカルな行動以上に、考え方の過激さの方がずっと難しいからだ」――後輩のわれわれに向かって、本多書記長はそんなことを言ったことがある。これは、激しい行動や実践を軽んじた言葉ではない。「考え方における急進性」とは、マルクス主義に徹した思想と行動ということである。プロレタリア独裁の実現を軸に判断し行動するということだ。われわれをとりまくブルジョアイデオロギーに惑わされるな、屈するな、階級的正義と勝利を疑うな、ということだ。
 マルクス主義(共産主義)とは労働者自己解放の思想であり、プロレタリア革命を実現するための実践的唯物論である。レーニンのいう「革命の理論なくして革命の実践なし」である。そのことは、本多著作選の至る所で強調されている。
 ブルジョアジーを打倒しプロレタリア独裁を実現して共産主義社会を建設するためには、それに耐えうる本当の意味で急進的=根底的な思想の強靱(きょうじん)さが必要であり、それに支えられた勇猛果敢でねばり強い行動が不可欠だ。レーニン党組織論の立場だ。その対極にいるのが、黒田・カクマルであり、今日の塩川一派であり、4者4団体派である。
 本多書記長は、本当の意味でラジカルな人だった。しかもその思想的急進性を個人的資質の問題にせず、階級的・組織的な全体性の問題としてみすえ、労働者的な団結、党的な細胞的団結に変えていくという意味で真にラジカルな指導者だった。われわれが今、動労千葉労働運動に学び、階級的労働運動路線の日常的実践を軸にして職場細胞建設―地区党建設に突進しているのも、本多精神と3全総路線の原点に立ち返って今日的な前進を開始している証なのだ。
 だが翻ってみれば、そういう本多書記長の理論的偉業も、革共同に結集しともに闘った多くの同志たち、日本の最も先進的な労働者たちとの必死の共同作業によって培われたものにほかならない。本多同志の闘いの継承と革共同50年の歴史の総括とは、その意味で、今日のわれわれ自身の闘いと結びつけてとらえ返し、さらに発展させていくものとしてある。
(写真 69年4・28沖縄奪還闘争を前に4・17集会で演説する本多同志。この演説に破壊活動防止法第40条【扇動罪】の弾圧がかけられ、27日に逮捕された)

 革命的情勢の今こそ「激動期の行動原理」を

 支配階級の思想=ブルジョアイデオロギー、あるいはそれに屈服し迎合する体制内派の思想との対決は、今日ますます重要になっている。それだけ帝国主義の危機が深まり、革命情勢が成熟し、革命と反革命の分岐が鋭くなってきたことの表れだ。労働者の階級性と団結を解体する攻撃がありとあらゆる形で強まってくる。「現実的な解決」とか「政治的決着」とか「労働組合の常識」といった言葉で労働者をだまそうとする。それだけでなく、実際の「現実の重さ」が一定のリアリティーをもって労働者人民の日常の思考や意識に襲いかかる。だからこそ、こういう時代には、しっかりとした、ものごとの根底に達する階級的な時代認識と路線が重要となってくるのだ。激動期、歴史の転形期には、「異常を日常に」変える〈激動期の行動原理>が不可欠であることを本多書記長は説き続けた。それを支えるものこそ、マルクス主義である。レーニン主義党組織論である。
 革命運動は、大小さまざまな失敗や挫折・敗北の繰り返しである。数の上では圧倒的に多数だが物質力では圧倒的に劣勢な労働者階級が、圧倒的に優勢な資本家階級・国家権力と倒すか倒されるかのしのぎを削る階級闘争では、それは避けられない。だから、めげないこと、あきらめないこと、ぎりぎりのところでしたたかに生き延び、大きな展望のもとに日々勝利を積み重ねていく努力の過程が重要となる。党と階級にとって革命の戦略と綱領が決定的に必要とされるゆえんである。
 革共同は、本多書記長とともに、労働者階級が日帝支配階級(と階級敵)に勝利するにはどうすればいいかを問い続けた。そして、労働者階級の戦闘性と革命性、その究極的勝利をレーニンとともに信じて今日まで闘ってきた。帝国主義の凶暴な攻撃の中に敵の危機と脆弱(ぜいじゃく)性を見抜き、階級闘争の現実過程を〈勝利に向かっての試練>として闘った。二重対峙・対カクマル戦も、〈戦略的防御・戦略的対峙・戦略的総反攻>の段階的戦略でしぶとく闘い抜いた。
 「共産主義者は、嵐を海つばめのごとく察知し、これに備えねばならない」「現代世界にたいする総体的把握の深化、日本労働者人民の現実の階級的力量にたいする全面的な評価、その上に立ったわれわれの活動の大胆な改革を提起し、これをかちとるべき時にいたっていることを自覚……」「いまは日本における革命的前衛党創成の現実的第一歩をふみ出すときである」(64年秋の5全総第3報告)
 われわれは今、ついに〈労働者が闘えば勝てる>情勢を迎えている。本多論文として結実した革共同と労働者階級の営々たる闘いが、全面的に花開く時代がついにやってきたのだ。

 革共同の骨格つくった理論

  3全総(1962年夏)―第3次分裂(63年春)以後の世代にとっては、本多同志と革共同の創成期の苦闘の過程については知らないことの方が多い。だから著作選第5巻第U部の「革命的共産主義運動の歴史について」は貴重な追体験の場となる。全学連講演集会(72年11月)での講演なので、論文とはまたひと味違う生の雰囲気と熱い息吹が伝わってくる。
  3全総報告とともに66年の3回大会報告もまた、その後の革共同の骨格をつくった最重要の理論的成果である。特に帝国主義戦後世界体制の根底的動揺とスターリン主義の歴史的破産の問題を全面的・実証的に掘り下げた清水丈夫同志(現革共同議長)執筆の第2報告と、黒田・カクマル批判を軸に日共スターリン主義や社民、第4インターなどの党派批判をつうじて革共同の綱領的深化を図った本多書記長の第3報告は、全同盟員に「これで理論的にも黒田・カクマルに打ち勝った」という実感と深い確信を与えるものだった。
  その本多同志を黒田・カクマルは虐殺した。われわれは今こそ、3・14反革命に対する怒りと復讐心をプロレタリア世界革命―日本革命実現へのバネに変えて、国鉄決戦を軸に4大産別決戦の爆発、職場細胞建設・地区党建設に突進しよう。その中で、あらゆる体制内勢力、4者4団体派やカクマル・JR総連松崎の敵対を粉砕しよう。
  著作選各巻の目次を見てもわかるとおり、扱っている理論領域はきわめて広い。その時々の政治的・路線的論文はもとより、マルクス・レーニンの革命論・国家論・党組織論、戦争論・軍事論、日米安保同盟論、天皇制論、狭山・部落解放闘争論、日共批判などの党派批判、大学闘争論……、すべてが現実の階級闘争の中で育まれたものだ。だからこそ、今日のわれわれの闘いと交差し、さらに継承・発展させるべき内容に満ちている。本多書記長の闘いとその精神は、すべて綱領草案に受け継がれている。
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  本多延嘉革共同前書記長
  ほんだのぶよし。1934年2月6日、東京生まれ。革命的共産主義者同盟全国委員会の創設者。70年安保・沖縄闘争の先頭に立ち69年4月、破壊活動防止法弾圧を受ける。国家権力と連合した反革命カクマルに75年3月、暗殺される(写真 72年7月の全学連大会にて記念講演) 

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週刊『前進』(2421号5面2)(2009/12/21 )

焦点 普天間先送りと日米危機

 破綻深める鳩山外交政策

 鳩山政権は12月15日、米軍普天間飛行場の移設問題で、移設先の決定を当面先送りするという政府決定を米帝に伝えた。鳩山は「辺野古ではない地域を模索する」とも言っている。それに先立つ11日の与党3党首会談では、普天間移設問題の結論先送りと米軍再編の見直し要求を決定していた。
 この間、普天間問題を軸に日米関係で情勢激変的に進展していることは、戦後史上かつてない事態だ。起きていることは、@普天間問題の日米作業部会の停止、A「日米同盟の深化」に関する日米協議の延期、BCOP15での日米首脳会談の要請に対する米側からの門前払い、などなどである。
 民主党・連合政権は、戦後の自民党的な日米同盟基軸の関係を壊し、対米対抗性を貫いて、自民党が半世紀かけてもできなかった改憲と戦争国家化を強行するというスタンスで、普天間問題に臨んでいる。「鳩山の迷走」とマスコミは言っているが、むしろ鳩山は「確信犯」的に行動し危機と破綻を深めているのだ。そもそも鳩山が掲げる「緊密で対等な日米同盟」「東アジア共同体」自体が、本質的に帝国主義間争闘戦激化の政策なのである。
 小沢・鳩山は、来年7月の参議院選挙で自民党に圧勝し、戦後的な自民党体制をたたきつぶし、民主党独裁体制を築くことに全力を挙げている。そのためにも、従来の自民党的な安保・外交政策を改変し、対米自立的な姿勢を打ち出している。オバマとの首脳会談が拒否される事態の対極で、露骨に小沢の大訪中団が組織されたように、小沢・鳩山の政策は危機的である。
 もちろん、今日的に日帝・鳩山と米帝オバマを痛撃し、日米安保体制を揺るがしているのは、11・8県民大会2万1000人結集で示された沖縄を先頭とした労働者階級の怒りと闘いだ。しかし鳩山政権は、沖縄県民の怒りに応えようというのでは断じてない。「沖縄県民の気持ち」を自己の対米対抗的政策の道具として使っている。小沢・鳩山と民主党・連合政権の安保・外交政策の基軸には、鳩山が主張してきた「常時駐留なき安保」と「集団的自衛権の一部容認」「自主憲法制定」「自衛軍保持」がある。つまり自民党を超えた改憲・戦争の路線だ。
 しかもこうした超反動的な政策を、連合を基盤に、連合を使ってやろうとしていることに、この政権の特殊な反労働者性がある。
 この間、伊波洋一宜野湾市長が指摘するように、そもそも「海兵隊のグアム移転は司令部中心というのは間違い。沖縄海兵隊の主要な部隊が一体的にグアムに移転する。普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊も含まれる」のである。06年5月の「米軍再編のための日米ロードマップ」や、米太平洋軍司令部の「グアム統合軍事開発計画」には、このことが明記されている。だから「移設先が決まらなければ危険な普天間はそのままになる。それでもいいのか」という「恫喝」は、前提が違っているのだ。
 労働者と労働組合の団結で、戦争・改憲と大失業、生活破壊、労組破壊の民主党・連合政権を打倒し、普天間基地即時閉鎖・実力撤去、辺野古新基地建設絶対阻止を真っ向から掲げて闘おう。

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週刊『前進』(2421号5面3)(2009/12/21 )

焦点 イラク政府中枢で爆弾戦

 米軍撤退戦略が危機突入

 イラクの首都バグダッドで12月8日朝、車爆弾などによる同時多発ゲリラ戦闘が起き、127人が死亡、448人が負傷した。戦闘は、首都中心部の法務庁舎、財務省、労働社会問題省付近など5カ所でほぼ同時に行われた。政府庁舎を標的にした計画的な攻撃だ。
 これは、米軍撤退を2011年末としている米帝オバマ政権と来春に国民議会選挙を控えるイラク・マリキ政権への大きな打撃となっている。米帝オバマ政権は、イラク・アフガニスタンの2正面侵略戦争での長期・泥沼化と中東支配の危機の激化、世界大恐慌の深化とドル暴落の危機の中で、ますます苦境に陥っている。
 米軍が6月にバグダッドから撤退して以降、8月に外務省などを狙った自爆攻撃で100人以上の死者が出て、10月に法務省庁舎を狙った連続自爆攻撃で155人の死者が出た。政府庁舎を直撃する攻撃で100人以上の死者が出たのは今度で3度目だ。米帝の植民地的軍事的保護下、首都中枢防護区域=グリーンゾーンに閉じこもり、党派間・宗派間・民族間の権力闘争に明け暮れているイラクの支配勢力、米帝のかいらい・マリキ政権の治安維持能力の欠如があらためてあらわになった。マリキは9日、首都を管轄する治安部隊トップの解任を発表したが、何の解決にもならない。
 10日にアルカイダ傘下の「イラク・イスラム国」を名乗る組織が実行声明を出し、「シーア派の拠点を選んで攻撃した」と述べた。ゲリラ戦闘は、選挙で「宗派対立解消」と「治安改善」をアピールする戦略を描いているシーア派マリキ首相派を直撃したものだ。
 6日にイラク国民議会は選挙法案を賛成多数で再可決したが、当初、来年1月16日に設定されていた国民議会選挙は3月6日実施にずれ込んだ。ゲリラ戦闘が激化するならば選挙をさらに延期しなくてはならなくなる。
 6月末の米軍の首都撤収時に生じた「平和」は一時的な現象だった。マリキらイラクの支配勢力は、帝国主義の援助と軍事力に依存して石油利権を確保することだけを目的としている。イラク人民の生活や生命は考慮の外なのだ。
 12月11、12日にイラク戦争後2度目となる巨大油田・ガス田開発に関する計15件の国際入札が行われた。これは帝国主義国・大国とイラク支配階級の利権獲得のためのものだ。しかし、欧米の国際石油資本(メジャー)の投資意欲は限定的で、今回落札されたのは、日本の石油資源開発がマレーシアのペトロナスと共同でガラフ油田を落札したのを含め7件にとどまった。治安問題が解決しないかぎり操業できないからだ。
 イラク戦争でインフラに大打撃を受けたイラク政府は、石油増産によって経済再建の資金を確保しようとしている。だがそれは帝国主義の資金と技術に依拠したモノカルチュア的「石油立国」構想でしかない。
 オバマ米大統領は10日のノーベル賞受賞演説で二つの戦争の「最高司令官」として「戦争の正義性」を主張し、正当化を試み、イラク人民を始め全世界の労働者人民の怒りを買った。労働者の国際的団結で世界戦争に向かう米帝オバマを打倒するために闘おう。

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週刊『前進』(2421号6面1)(2009/12/21 )

 権力のデッチあげ暴く再審請求書

 星野第2次再審闘争勝利へ

 労働組合に持ち込もう

 大形敏也

 11月27日、無実の星野文昭同志と再審弁護団は、東京高等裁判所第11刑事部に、27点の新証拠を添えて第2次再審請求書を提出した。6月の全国総会で確立した、労働者階級の力にトコトン依拠する路線にもとづく勝利だ。翌28日の全国集会では、「これで星野さんを取り戻すことは可能だ」と全員が確信を深めた。星野闘争は新たな段階に突入した。「再審請求書」を手に、労働組合の中に分け入り、再審を求める闘いを全国に広げ、今次再審闘争で絶対に星野同志を奪還しよう。

 沖縄奪還闘争に恐怖

 1971年当時、佐藤栄作首相は「核抜き・本土並み」で沖縄返還を実現すると公約しながら、その実、沖縄を米軍基地の島として固定化しようとしていた。
 沖縄人民は、沖縄戦の後27年間続いた米軍政からの解放を求め、島ぐるみの不屈の闘いを展開していた。日米両政府はペテン的な「沖縄返還」で沖縄人民の怒りを沈静化しようとしたのである。
 71年11月、佐藤内閣は破防法弾圧を発動するとともに、事実上東京都内での集会・デモを一切禁止し、人民に反対の声一つ上げさせない中で、沖縄返還協定の批准を強行しようとしていた。
 11月14日の渋谷闘争は、これと真っ向から対決し、返還協定批准阻止を貫く闘いだった。星野同志が率いるデモ隊は、代々木八幡駅から渋谷に進撃した。途中、神山交番前で阻止線を張っていた機動隊はガス銃を乱射し、闘いの鎮圧に出た。だが、デモ隊は一瞬にしてこれを粉砕し、最後までガス銃で敵対した機動隊員がせん滅された。
 デモ隊は渋谷駅前に結集した労働者階級人民・学生と大合流し、機動隊を粉砕し、深夜まで渋谷暴動闘争を闘った。池袋駅では教育労働者・永田典子同志が虐殺された。
 この日の闘いを頂点とする70年安保・沖縄闘争の爆発は、日米安保体制を揺るがし、日本革命の現実性を日帝につき付けた。これに恐怖した日帝は、星野同志に憎しみを集中し、無実を百も承知で、見せしめ的に無期懲役刑を加えたのである。それは破防法の発動と、反革命カクマルの白色テロルと一体の、大逆流であった。

 ねつ造の証拠で逮捕

 星野同志は無実である。にもかかわらず、国家権力の憎しみを一身に受けて無期懲役刑の攻撃を受けている。星野同志を有罪とする物的証拠はまったくない。あるのは未成年の3人を含む、学生6人のねつ造された「共犯者供述」だけである。
 このうち5人は、公判廷で捜査段階での供述を覆し、それが取調官によって強制され、誘導されたものであることを、体験した本人でなければ語れない口調で証言している。残りの1人は、異様な証言拒否を繰り返した。
 星野同志らのデモ隊の主体は労働者だった。捜査当局は当初、「労働者主犯説」をとった。次々に労働者を逮捕し、その中から「犯人」をつくり出そうとしていた。しかし、完全黙秘の闘いにより、デッチあげは粉砕された。
 捜査方針は、72年、「学生主犯説」に転換された。見込み捜査で、群馬の学生が次々と逮捕された。「殺人罪をつける」「友人を逮捕する」、また、病気の学生に「治療を受けたければ言うことを聞け」との脅しが、連日、朝から深夜まで、長時間の取り調べの中で繰り返されたのである。
 取り調べでは、検事が名前を教え、それが調書にされていった。デッチあげを強いられた5人は「あらかじめ筋書きが作られていた」「記憶の事実を離れて、調書が特定されていった」などと証言している。現場検証に連れて行かれたら、「すでに、位置関係が石墨で書いてあった」とも証言している。
 このようにデッチあげられた調書で、星野同志は、35年間も獄中にとらわれているのだ。

 確定判決の超脆弱性

 確定判決(1983年、東京高裁判決)は星野同志が@「中村巡査を殴打した」A「火炎びん投てきの指示をした」との2点を認定し、星野同志を無期懲役刑にした。殴打に関しては、捜査段階において星野同志の殴打を「明確に供述」しているとして、Kr供述を核心証拠と位置づけている。しかしKr証人は「後ろ姿を見た。実際に殴って当たる部分を見てるわけじゃないけど、星野さんの特徴だったきつね色の上着の腕が振りあがっているのを見た」と公判で証言していた。
 最高裁は、昨年7月の特別抗告棄却決定で、星野同志の服の色は「薄青色」であり、きつね色ではない、Kr証人の服の色に関する供述は間違いである、と明確に認めざるを得なかった。
 にもかかわらず最高裁は、「Krは声で星野と分かったのだ、後ろ姿で分かったのだ」と、Kr証人自身がどこでも一言も言っていないことを勝手に推測して、あくまでも「星野が殴打していた」と、再審請求を棄却し、「星野=無期」を維持したのである。これほどの理不尽はない。
 火炎びん投てきの指示に関して、確定判決が証拠とするのはAo証人とAr証人の2人の供述調書だけである。「殴打」に関して最大の証拠とされたKr供述は、星野同志の声だと特定していない。逆に、星野同志のいた位置とは別の方向から「指示」が聞こえたと述べている。しかも、Ao証人もAr証人も取り調べ段階の供述を公判廷では撤回したのである。
 星野同志を無期懲役刑にしている確定判決はかくも弱くもろい。星野同志は殴打も、火炎びん投てきの指示もしていない。これが真実である。

 学習会開こう

 星野同志と弁護団は東京高裁に攻勢に次ぐ攻勢を掛け、第2次再審闘争で再審・無罪・釈放を絶対かちとる決意である。
 星野同志の陳述書と第2次再審請求書を徹底的に学習しよう。学習会を組織し、星野同志無実の確信を深めよう。その確信と、日帝国家権力への煮えたぎる怒りをもって、職場で街頭で、「再審無罪・即時釈放」を求める「新10万人署名」運動に猛然と打って出よう。全国の労働組合に「星野奪還」への取り組みを全力で訴えるのだ。
 歴史的生命力を喪失した資本主義の大失業攻撃のもとにあって、星野同志の闘いは、松川裁判闘争の地平を超える労働組合の決起を必ず実現できる。労働組合の闘いが中軸に座った時に、広範な市民運動の結集も初めて可能となる。星野同志奪還の展望はここにある。労働者階級の階級的獲得をかけて、星野同志奪還の闘いに総力で決起することを訴える。
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1971年以来の主な流れ
1971.11.14 沖縄返還協定批准阻止闘争(渋谷闘争)に参加。警官1名がデモ隊との衝突で火傷死
1972.2.21 渋谷事件で殺人罪指名手配を受ける
1975.8.6 不当逮捕
1979.2.13 死刑求刑、死刑阻止署名12万筆
   8.21 一審判決、懲役20年
1981.7   東京拘置所移監、4次の懲罰
1983.7.13 二審判決、無期懲役刑
1986.9.17 暁子さんと獄中結婚
1987.7.17 上告棄却・無期懲役刑確定
   10.30 徳島刑務所移監
1991.5.15 再審弁護団結成
1996.4.17 再審請求
2000.2.22 再審請求棄却決定
   2.24 異議申立
2004.1.19 異議申立棄却
   1.23 最高裁に特別抗告   
2005.11.14 徳島刑務所、四国地方更生保護委員会要請行動
2006.1.17 徳島弁護士会人権擁護委員会に人権救済申立
2008.7.14 最高裁、特別抗告棄却決定
   7.31 最高裁に抗議行動
2009.11.27 第2次再審請求書を提出

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☆あて先 〒779-3133
 徳島市入田町大久200-1
 星野文昭様
*星野さんからの発信は制限されています

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週刊『前進』(2421号6面2)(2009/12/21 )

 新証拠で無実は鮮明に

 破損ない鉄パイプ@東急本店前の星野同志

 写真1(弁16号証)は機動隊員殴打現場を過ぎて、デモ隊が東急本店前に到着して間もなく撮影された写真から、星野同志を拡大したものである。星野同志が所持する鉄パイプに何の変化もないことが良く分かる。
 星野同志が所持した鉄パイプには紙が巻かれていた。もしこの鉄パイプが殴打に使用されたものならば、巻かれた紙は破れる。星野同志が所持する鉄パイプの紙に破損がないということは、それは殴打に使用されていないということである。星野同志が機動隊員を殴打したというのは完全なデッチあげである。この鉄パイプの写真はそれを証明している。
(写真 中央の薄青色の背広が星野同志)

 車の反射光の証言A神山東十字路で確認

  星野同志は35年間一貫して、機動隊員への殴打現場とは離れた神山東十字路にいたことを主張している。星野同志は、「十字路でNHK方向を見た時、NHK方向を走る車が光っているのを見た」と訴えてきた。
当日は曇り空で、日没1時間前の時間帯であった。誰も車のフロントが光ることなど想像していなかった。星野同志の訴えに、早速弁護団は現地調査を行い、実際に車の反射光を確認した。
この事実は、当日、その時間帯に、その十字路に立った者しか知りえない事実であり、いわゆる「秘密の暴露」に当たるものである。
写真2(弁7号証)は、今年の11月14日、午後3時23分の少し前に写したものである。この日は、午前中の小雨がやっと上がったばかりの曇り空で、事件当日よりも、雲が多かったと思われるにもかかわらず、「反射光」はしっかりと確認でき、写真に撮ることができたのである。

 

左地図 星野同志は神山東交差点▲から矢印方向を見た。右写真は▲から★を撮影

 十字路にいる必要があった

 星野同志は、代々木八幡駅を降りた200人近くのデモ隊のリーダーだった。星野同志は、神山交番前の戦闘で乱れたデモの隊列を整えるために、デモ隊の最先頭に出る必要があった。星野同志は走り、前にデモ隊の誰もいなくなったところで立ち止まった。そこが十字路だった。
 四方に目を配り、どこから襲撃してくるか分からない機動隊の動きを監視しつつ、後続部隊の結集を待つこと、十字路に立った星野同志の一切の関心事はそこにあった。すぐに、NHK方向から機動隊がゾロゾロ出てくるのが見えた。緊迫した状況の中、道路はみるみるデモ隊で埋まった。星野同志は「行くぞ」と声をかけ、そこを出発した。
 機動隊員の捕捉から出発まで、40〜50秒間の出来事である。その間、星野同志は十字路から離れることはできなかったし、離れなかった。そこでNHK方向に機動隊の出現を目撃し、車の反射光を見た。もし殴打現場にいたら、これらは見ることはできなかった。

 「服の色はきつね色」BKr証人は見ていない

 Kr証人の「殴打者の服の色はきつね色」だとの供述は、取り調べ段階でも公判証言でも一貫している。さらに、殴打現場を目撃した第三者であるAb氏とFk氏の供述調書が明らかにされているが、2人とも、殴打者の中で最も印象に残った人物として「黄土色の作業着」、あるいは「ベージュの薄いコート」を着た人物をあげている。いずれも「きつね色」系統の色である。
 Kr証人は、最高裁が言うように、「薄青色」の服を着た星野同志を見て、その色を「きつね色」と見間違えたのでは断じてない。
 写真3(弁12号証)は、当時朝日新聞社写真部に所属していたカメラマンUt氏が撮影したものであり、これと連続する別のシーンが、『週刊朝日』(1971年12月3日号)に掲載されている。
 写真は、神山交番前で阻止線を張る機動隊と対峙するデモ隊を正面から写したものである。(写真 最前列中央に、きつね色の服を着たデモ隊員が写っている)
 この写真は、デモ隊員の中に「きつね色」の服を着た人物がいたことを示すものである。
 星野同志はこの日「空色(薄青色)」の服を着ていた。これは最高裁も認めざるを得なかった事実である。全体が黒っぽい服装の中で目立つ明るい色であったにもかかわらず、第三者の目撃者であるAb氏もFk氏も、また6人の「共犯者」も誰ひとり、殴打者の中に「空色」の服を着た人物がいたとは供述していない。

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週刊『前進』(2421号6面3)(2009/12/21 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 「星野さんを自由に」 12・13広島集会開く 広島 T

 12月13日、広島市内で、広島星野文昭さんを救う会主催の「獄中35年 星野文昭さんを自由に!第二次再審勝利!12・13広島集会」が、40名近い広島の闘う仲間を結集してかちとられた。
 11月27日の東京高裁への第二次再審請求書の提出と翌28日の星野全国集会を受けて開催された。まさに星野第二次再審実現の闘いの第一弾となった。星野文昭さんの「原点」といわれる広島でこの集会を開催した意義は大きい。
 集会は、共同代表の大槻泰生さんの連帯メッセージの紹介から始まった。そして11・28集会への星野同志のメッセージを増上昭典さんが読み上げた。「星野の闘いを日々の行動の中に血肉化しよう。メッセージには私たちの闘いそのものが書かれている。メッセージに学んで星野と共に闘う」という増上さんの決意を参加者一同が共有した。
 第二次再審闘争の意義と松川裁判闘争の教訓について全国再審連絡会事務局・米山実則さんが講演を行った。「再審請求書は、そのまま労働組合に持ち込んでも労働者を学習会に組織できるような武器。この陳述書のパンフを持って労働組合の中に入り攻勢に転じよう」と熱烈に訴えた。
 決意表明に移り、教育労働者、自治体労働者、広島連帯ユニオン、高陽第一診療所労組、全学連、広島県労組交流センターから、職場・学園で闘うことと星野再審を闘うことは一体、全力で第二次再審闘争に取り組むという発言があった。11月22日には広島連帯ユニオンが定期大会で星野再審闘争に取り組む方針を決定した。「職場で星野再審闘争を訴えよう。地域で署名を集めよう」と圧倒的に確認した。

 国鉄決戦の正念場へ北九州で決意固める 北九州 H

 12月13日、「国労5・27弾圧を許さない基金の会・北九州」の主催で「国鉄1047名解雇撤回、国鉄闘争勝利、5・27弾圧粉砕、派遣法撤廃、道州制を許すな、12・13北九州労働者集会」が北九州市で開催され、11・27東京地裁判決の意義を全員でしっかりと確認し、5・27弾圧を完全粉砕し、国鉄決戦の正念場に突入する決意を固めました。
 羽廣憲被告と家族があいさつに立ち、「この判決が終わりではなく、これからが闘いの本番だ」「国鉄1047名解雇撤回を最後まで闘いぬく」「団結を固め5・27弾圧を完全粉砕する」という決意を述べました。弁護団から松田生朗弁護人が11・27判決をもぎとった地平について、判決内容の分析も含めて分かりやすく報告し、控訴審への支援を呼びかけました。
 基調報告を基金の会事務局が提起し、闘わなければ生きていけない大恐慌時代、大失業時代に権力に屈服して土下座する「4者・4団体」の政治解決路線を徹底的に批判しました。これを受けて北九州の闘う労働者や、自治労、教労、民間、福岡の青年が発言しました。この集会には、県内をはじめ長崎や大分から駆けつけてくれた仲間もいて、最後まで熱気あふれる集会としてかちとられました。

 獄中8学生奪還を!東岡崎駅前で初街宣 東海合同労組副委員長 坂野

 12月8日、東海合同労組は、愛知労組交流センター・とめよう戦争への道!百万人署名運動愛知連絡会の仲間と共に獄中8学生奪還などを訴える街宣を行いました。トヨタ城下町である三河地方の中心地=岡崎市の名鉄東岡崎駅前で初めて、昼休み時間帯に、獄中8学生釈放署名は10筆、裁判員制度廃止署名も10筆、9条改憲反対署名は20筆集まり、反応は上々でした。
 11・1集会報道号の東海合同労組機関紙「スクラム」15号と愛知労組交流センター機関紙「交流と団結」を配布しながら獄中8学生の釈放を求める署名と9条改憲反対署名と裁判員制度廃止署名を訴えました。
 「法政大学のキャンパスでビラをくばりマイクでアピールしたら処分される。それに抗議した学生8名が暴力行為等処罰法などで獄中にとらわれています。獄中8学生釈放の署名を」と訴えると初めて聞く人もその弾圧に怒って署名に応じてくれました。
 この日は、朝から裁判員制度はいらない!大運動/東海連絡会が呼びかける名古屋地裁岡崎支部で初の裁判員裁判への抗議行動があり共に決起しました。
 9時20分から1時間あまりにわたるマイクアピールと裁判員制度廃止署名や東海連絡会のビラ配布にはマスコミも注目、裁判員制度廃止署名も集まりました。

 レイシスト在特会の朝鮮人差別に嫌悪感 40代 男性

 「ゴミはゴミ箱へ 朝鮮人は朝鮮へ」
 これ、松山でビラ配りをしていた在特会のアジテーションの台詞です。
 実際に私は韓国・朝鮮人と同じ学校(大阪市平野区生まれです)に行っていたし、また必ずしも「差別排外主義を許すな」というアジテーションに同調するわけでもない人間ですが、しかし、日本語として「ゴミ」と朝鮮人を同列視するような連中には激しい嫌悪感を覚えました。
 色々あっても、在日の人は地域社会の「仲間」なんですよ。その場で強烈な抗議に行こうとしたら、小生の性格を知っている妻に思いっきり制止されました。
 ドイツなどではこういうレイシストには暴力を含めた制止権が民衆には賦与されていると聞き及びますが、日本では国家権力はレイシストの味方のようですから、まあ妻の判断は正しかったんでしょうね。

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週刊『前進』(2421号6面4)(2009/12/21 )

 日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審

 12月24日(木)午後1時15分 東京地裁
 12時半までに傍聴券配布所に集合を

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