ZENSHIN 2009/11/16(No2416 p06)
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週刊『前進』(2416号1面1)(2009/11/16 )
小沢・鳩山=民主党・連合政権を倒せ
JR東の検修業務全面外注化許すな 動労千葉を先頭に大決戦突入を
国労5・27弾圧粉砕!11・27判決公判・報告集会へ
11・1全国労働者総決起集会5850人の熱気が、新たな闘いの高揚を切り開いた。韓国・民主労総は、11・8全国労働者大会に5万人の結集をかちとった。動労千葉や全学連とともに三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長が参加して闘い、11・1集会の地平をさらに前進させた。韓国の労働者階級は、イミョンバク政権と全面対決してゼネスト実現へ総力闘争に突入している。これと同じ8日、宜野湾海浜公園野外劇場で開催された沖縄県民大会に2万1千人が結集した。「普天間基地即時閉鎖・返還、辺野古新基地建設・県内移設反対」の決議を採択し、沖縄労働者人民の怒りを民主党・連合政権と米帝にたたきつけた。11月集会派は体制内勢力を圧倒し、国際通りデモ、労学総決起集会を打ち抜いて県民大会に参加し、ともに闘いぬいた。さらに息継ぐ間もなく11月12日、オバマ訪日粉砕の集会とデモを、東京と広島で打ち抜いた。この11月前半の猛然たる決起を継続し、小沢・鳩山=民主党・連合政権打倒へ11〜12月の闘いをさらに推し進めよう。
(写真 沖縄の怒りがオバマ・鳩山を痛撃 11・8県民大会)
国際連帯闘争の画期的発展
底なしに深まる大恐慌のただ中で、11月の労働者国際連帯闘争は、日米韓にブラジルやドイツを含めた全世界的規模の国際連帯の闘いとして本格的に発展する偉大な地平を開いた。規模においても質においても、極めて画期的なものとしてかちとられた。
全世界のプロレタリアートは労働組合と労働運動を巡る一大分岐と攻防に直面している。ここを革命派が握るのか反革命が制圧するのかの死闘での勝敗に、プロレタリア革命の成否がかかっている。新自由主義とその破綻は、民族・国籍・国境による分断を打ち破り、プロレタリアートの国際的=階級的団結を回復するために闘うことを21世紀革命の死活の課題として提起している。
何よりも、韓国・公務員労組と解雇者復職闘争特別委員会を中心にした民主労総ソウル本部と大訪日団の存在だ。世界を揺るがしたサンヨン自動車の工場占拠闘争を引き継ぎ、11月ゼネストでイミョンバク政権を打倒する迫力で闘い全体を牽引(けんいん)した。
一連の交流活動の中では、戸塚秀夫の『試論
動力車労働組合運動の軌跡について』の転向路線とJR総連・松崎のファシスト的な国際活動への徹底した批判が行われた。これはプロレタリアートの国際的団結にとって決定的に重要である。大恐慌下の労働運動・労働組合運動の階級的激突のただ中に、JR総連カクマルが再び深々と引きずり込まれてきたのだ。全世界の労働者の先頭で、日本の労働者階級が国鉄分割・民営化に革命的決着をつける時が来た。このような国際連帯闘争の発展と一体で在日・滞日人民の決起もかちとられた。
われわれ11月集会派は、日本革命を戦取するための今日的総路線として〈戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃との対決〉〈第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦〉の路線を打ち立て、国鉄1047名解雇撤回闘争の旗を掲げて11月1万人結集運動を闘った。動労水戸の4波のスト、動労千葉の10・1幕張ストを背景にした10・16JR東日本本社弾劾行動を打ち抜き、11・1労働者集会に攻めのぼった。11・1を、1047名闘争を柱に大失業と戦争・民営化攻撃を撃つ闘いとしてかちとったのだ。
民主労総・解雇者復職闘争特別委員会副委員長のキムベッキュさんは、「日本の1047名闘争を知り、この熾烈(しれつ)な闘いにこめられた同志たちの血と汗と涙と叫びが伝わってきました。かくも強固に闘う同志たちを確認すると、私たちの難関を突破する闘争意志がこみ上げます」と発言した。ドイツからやって来た労働者は、「動労千葉、全学連、三里塚、革共同を知りたいと思って日本に来た」と語った。今や国鉄闘争が、全世界の労働者階級の結集軸になったのだ。
新たに大挙結集した合同労組も、4大産別の労働者も、1047名闘争を軸に闘うと宣言した。1047名闘争こそ民主党・連合政権への最大の対抗基軸であり、大恐慌下で大失業攻撃を打ち返す階級的水路である。
大失業の攻撃と闘う最先端
国鉄分割・民営化を突破口に、労働者派遣法で1千万人を超す労働者が非正規職にされた。そして今また、道州制攻撃で公務員労働者360万人の全員解雇・選別再雇用という究極の民営化=労組破壊攻撃が襲いかかってきている。社保庁1千人解雇、JAL1万3千人解雇の攻撃が進行している。労働者階級の怒りを組織し、組合・職場丸ごと獲得し組織する闘いが切実に問われている。その結集軸は1047名闘争以外にない。
国労闘争団と動労千葉争議団が4者4団体派の奴隷路線を激しく弾劾した。国労5・27臨大闘争弾圧裁判の11・27判決を前に、5・27闘争と1047名闘争が一体となって闘う地平をかちとった意義は大きい。5850人が「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の路線的闘いとして1047名闘争を位置づけ、その責任勢力として立ったことは決定的だ。
さらに、全学連が織田陽介委員長を始め10人の指導部を獄中に奪われながら(6日に2学生を奪還した!)、この数年間の最大動員を実現したことは特筆に値する。マル青労同・マル学同の各1000人組織建設は、プロレタリア革命の死活をかけた課題である。
職場・生産点から10春闘へ
職場生産点を土台に、体制内勢力との分岐・激突を激しく進め、国鉄1047名解雇撤回闘争をさらに前進させよう。11月27日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決公判と報告集会に大結集しよう。有罪判決策動を粉砕しよう。どんな判決にも微動だにしない被告団がいる。あらかじめ勝利しているのだ。
JR東日本が10月29日に提案した検修業務の全面外注化攻撃を絶対に許すな! これは従来から進めてきた部分的委託ではなく、全支社・全車両センターで一気に全面的に外注化を実施する攻撃だ。職場丸ごとの出向攻撃であり、安全崩壊と団結破壊をもたらす。実施は来年の4月1日。動労千葉と動労水戸の組織破壊を狙い、1047名闘争を解体し、国労の息の根を最後的に止めようとするとんでもない攻撃だ。大決戦に立とう。攻撃の先兵=JR総連・カクマル松崎を許さず、4者4団体派の屈服を打ち破り、絶対反対派の断固たる登場をかちとろう。
動労千葉物販、NIPPO物販に取り組もう。
さらに1047名闘争勝利、道州制・民営化阻止の重大な攻防として社保庁解体=1千人首切り粉砕の闘いがある。11・2社保庁行動を引き継ぎ、10年1月1日の日本年金機構設立―1千人解雇粉砕へ全力で闘おう。日本年金機構の設立委員に連合会長の古賀がなっている。しかも連合大会当日の10月8日に設立委員会が開かれ、そこで古賀(代理人が出席)が1千人解雇を承認した。連合大会は社保庁1千人解雇承認大会だったのだ。
連合は早々と10春闘での「ベア要求見送り」を決めた。10春闘での職場からの総決起へ、体制内勢力を粉砕し闘おう。
さらに「星野文昭さんを自由に 第2次再審勝利 11・28全国集会」の成功をかちとろう。11月集会が国際的な共感を呼ぶのは獄中35年の星野同志の闘いがあるからだ。星野同志の闘いは世界の労働者の魂を揺さぶる。5850人の大結集をかちとった力で11・28集会の大成功をかちとろう。
(写真 警察官1万6千人を動員した超厳戒体制を突き破って戦闘的なデモを貫徹した反戦共同行動委員会【11月12日 東京・水道橋】)
マルクス主義で武装・再武装を
11・1集会の組織化では、チケット販売、賛同署名、職場ビラ・街頭ビラの枚数など、昨年までをはるかに超えるかつてない手ごたえがあった。1万人結集実現へ全力をあげた。しかし5850人の結集にとどまった。
この壁を突破する道は何か。何よりもマルクス主義だ。マルクス主義で武装・再武装して闘うことが求められている。機関紙拡大を軸にこの壁を突破しよう。労働運動の実践とマルクス主義の力、工場・経営に網の目のように張りめぐらされた『前進』配布網の建設、この組織的な力をつくり上げる闘いで壁を突破しよう。地区党の全員が細胞をつくり、経営し、指導し、責任を取っていく党の本来的なあり方を闘いとることだ。これを1年365日、通年的に実践しぬこう。
革共同は25全総で革命党建設の新段階を宣言した。革共同の「綱領草案」の内容で打って出よう。14項目のテーゼを内容豊かに展開することが重要だ。この党建設の新段階の飛躍を闘い取る1年間の総突撃、大運動で来年11月には1万人決起を必ず実現しよう。
革命党建設にとり11〜12月の死活的な闘いとして冬期一時金カンパ決戦に取り組もう。大恐慌を革命への闘いを訴え、法大「暴処法」弾圧粉砕・8学生年内奪還を真っ向から訴え、冬期カンパ決戦をやり抜こう。
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週刊『前進』(2416号1面2)(2009/11/16 )
11・12東京
“日米首脳の戦争会談粉砕”
「11月」の熱気と力で怒りのデモ
東京・文京区民センターで11月12日、反戦共同行動委員会の主催で翌13日のオバマ米大統領の来日を迎え撃つ労働者・学生総決起集会が開催された(写真)。「オバマ・鳩山戦争会談粉砕! 辺野古新基地建設阻止・沖縄米軍基地撤去! 民主党・連合政権打倒!」を掲げて350人が結集し、集会後、都心をデモした。
冒頭、司会をつとめる法政大学文化連盟の洞口朋子さんから、広島でも原爆ドーム前からオバマ弾劾のデモが闘われていることが報告された。
全逓労働者が基調報告に立ち、この日の闘いの意義と方針を提起した。
「東アジア共同体」「普天間基地移設問題」「アフガニスタン支援」の三つの課題をめぐる日米の激しい対立を指摘。オバマの戦争政策が米軍基地内での銃乱射事件として火を噴いていること、この矛盾と対立の中でオバマと鳩山のやっていることは、結局は資本家階級の救済と侵略戦争準備だと弾劾。11・1労働者集会は、大恐慌と戦争と対決する全世界的な階級的労働運動の復権の闘いであり、11・1の労働者国際連帯こそオバマ・鳩山戦争会議を粉砕するものだ、と揺るぎない確信を示した。
さらに民主党・連合政権との対決、職場での資本との非和解的攻防、マルクス主義こそ職場の団結をつくると提起。来春闘は、戦争と大失業を迎え撃つ大攻防になると訴え基調を締めくくった。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。まず田中委員長は、労働運動の激しい屈服と変質に抗して決然と11・1集会を実現したことの意義を強調。国鉄1047名解雇撤回闘争を結集軸に据えることで全情勢と対決し、労働者階級の勝利の路線と展望を示すことができた、と力強く語った。各国の労働者がこぞって「11・1集会ほど明確な意思と路線、展望をもった集会はない」と評価したことを紹介し、大恐慌下で形成した国際連帯の画期的な地平を確認した。
さらに訪韓闘争について「民主労総も厳しい困難に直面しているが、労働者の壮大な闘いの前夜だと感じた」と印象を語った。「ソウル本部の仲間と連日連夜、必死に討論した。現場の困難から逃げず、労働者と労働組合が持つ可能性に賭けよう、と」。最後に田中委員長は、今後の指針として”11月結集運動”ではなく年間をとおして職場で何をするかが課題だと提起し、労働運動の可能性に賭けオーソドックスな労働運動をやり抜こう、と訴えた。
坂野陽平全学連委員長代行が沖縄県民大会の報告をした。「沖縄で巨大な地殻変動が始まった。革命の火薬庫だ」と高揚感をもった語り口。「民主党・連合政権打倒を掲げて登場し、アジテーションやビラまき、デモに圧倒的注目が集まった。沖縄からこの社会をひっくり返す闘いが始まった」と熱弁を振るった。
国労共闘の吉野元久さんがトップバッターで決意表明した。JR東日本が動労千葉、動労水戸の拠点を始めとする検修職場の全面外注化を提案してきたことを指弾、「JR総連と会社の挑戦状だ。組合の違いを超えてJR東日本打倒の闘いを」と訴え、国労5・27弾圧11・27判決公判闘争へ結集を呼びかけた。
星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議の狩野満男さんが「星野さんの闘いが光り輝く時代が来た。星野奪還は労働者の闘いと一体」と訴え11・28星野全国集会への結集をアピールした。
日逓中野の解雇撤回を闘う青年労働者が「労働運動を通じて青年労働者を組織しよう。労働者から搾取しまくる資本主義の最後のあがきを打ち倒す」とオバマ・鳩山打倒の決意を語った。
松室しをり全学連書記長代行は、獄中の8学生奪還、法大文連の洞口さんへの処分策動の粉砕を訴えた。
最後に反戦共同行動委の入江史郎代表が行動方針を提起し、直ちにデモに出発した。「オバマ来日弾劾!」「鳩山政権を打倒するぞ!」「戦争会談を許さないぞ!」――東京ドームの横を通り、水道橋から神田・お茶の水エリアを意気高く行進し、帰宅途中の労働者や学生の注目を集めた。
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週刊『前進』(2416号1面3)(2009/11/16 )
前進速報版から
▼三里塚現闘本部裁判、仲戸川裁判長を徹底弾劾▼ゼネストでイミョンバク政権打倒へ、11・8ソウル▼沖縄県民大会に2万1千人
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週刊『前進』(2416号2面1)(2009/11/16 )
チョンテイル精神で労組破壊と対決“労働者は一つになって闘え”
日韓労働者が11月国際連帯闘争
大恐慌下の勝利の路線と展望示す
11月訪韓闘争は国際連帯闘争を大きく前進させた。5850人が結集した11・1日比谷野音集会で、民主労総ソウル本部のチェジョンジン本部長は「労働者階級の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせることができる。労働者が闘って歴史をつくろう!」と呼びかけた。国鉄1047名闘争に接した全解闘のキムベッキュ副委員長は「かくも強固に闘う同志たちを確認すると、私たちの難関を突破する闘争意志がこみ上げる」と感動的に語った。
1週間後の11月7日夜、ソウル・ヨイド公園の前夜祭には100人あまりの動労千葉訪韓団が駆けつけ、民主労総ソウル本部や全解闘の同志たちと合流した。翌8日、永登浦(ヨンドンポ)駅前で開かれた「龍山(ヨンサン)惨事解決要求!非正規撤廃!闘争決意大会」に参加した後、「チョンテイル烈士精神継承!2009全国労働者大会」(ヨイド公園)に結集した。
(写真 11・7前夜祭に参加した動労千葉訪韓団。手前中央は民主労総ソウル本部チェジョンジン本部長)
大会後、田中康宏委員長は、「今、現場の怒りははち切れそうだ。東京の11月集会は1万人にいかなかったが、この時代に負けない路線と展望を示すことはできた。後は組織する力だ。労働者の団結を組織する地道な闘いを権力には絶対負けない原則を貫いてやる。これを1年間やったら壁は破れる。壁が破れたら世界は動き出す」と訪韓団に檄(げき)を飛ばした。
公共部門“民営化阻止”
イチョウ並木が街を黄色に染め上げた晩秋のソウルは、労働者の怒りで本当に熱かった。ソウルの官庁街、国会を間近に望むヨイド公園で開かれた7日夜の前夜祭は活気に満ちていた。
民主労総ソウル本部とともに前夜祭に参加した動労千葉訪韓団のもとには、今年のみならず数年来の11月交流の中で知り合った労働者たちが次々と姿を見せ、握手し抱き合う感動の再会の場となった。「農民殺しのFTA阻止/日韓農民は連帯しよう」と記された真新しいゼッケン姿で登場した三里塚反対同盟・萩原進事務局次長は歓迎の拍手に迎えられた。
前夜祭の舞台では、大量整理解雇と77日間の工場占拠ストライキで闘った金属労組サンヨン(双龍)自動車支部組合員たちがパフォーマンスを披露し、「サンヨン車闘争は終わっていない。勝利のための闘いで団結しよう!」と訴えた。
労組事務室閉鎖や組合ベスト着用禁止などの弾圧と闘う統合公務員労組からチョンホンジュ共同委員長、ソンヨンテ共同委員長が登壇し、「弾圧の中、民主労総加盟を成功させた」「総団結で民主労組を死守する」と述べて胸を張った。
公共サービス労組のイサンム委員長は、6日に連盟公共部門労働者1万5000人余りが果川(クァチョン)政府総合庁舎前に集まってストライキを決議したことを報告し、「公共部門労働者はイミョンバク政権と同じ空の下では生きられない」と弾劾した。さらに「国民健康保険の拡大、ガス民営化阻止などで公共労働者闘争を組み、下半期闘争の先頭に立つ。イミョンバク政権を打倒しよう」と呼びかけた。すでに大会に向かって公共運輸連盟は公共部門民営化阻止の循環ストを闘っており、5、6日には鉄道労組が48時間ストを闘いぬいている。
(写真 公共部門の民営化に反対し循環ストライキを闘う公共運輸連盟。民主労総大会後、独自集会で闘争方針を確認【11月8日 ヨイド公園】)
さらにイミョンバク政権は長年実施を見送ってきた「複数労組許容」と「労組専従賃金禁止」を来年1月1日から実施することを決めて発表した。民主労総だけでなく、政策協定を結んでイミョンバク政権を支持してきた韓国労総も「労組専従賃金支給禁止で労組活動を封じ込め、複数労組交渉窓口一本化で労組分裂を策動している」と弾劾し、民主労総との連帯闘争を決めた。
7日午後には同じヨイド公園で韓国労総が、史上最大規模の15万人を集めて全国労働者大会を開き、対政府闘争を宣言した。12日から全組合員のスト投票を行い、年末ゼネストに向かう。各労組も闘争ベストを新調するなど、やる気満々だ。現場の労働者の怒りは韓国労総をも突き動かしている。韓国階級闘争は文字どおり激突局面だ。
龍山惨事許すな
8日午後1時、動労千葉訪韓団は民主労総ソウル本部とともに永登浦(ヨンドンポ)駅前で開かれた「ヨンサン(龍山)惨事解決要求!非正規職撤廃!闘争決意大会」に合流・参加した。
今年1月20日、都市再開発のための立ち退きを拒否しビルに立てこもった住民にイミョンバク政権が差し向けた特攻警察によって住民5人が炎の中、虐殺された。真相究明も責任者処罰も行われず、葬儀もできない。
発言に立った動労千葉の田中委員長は、「きょう、ヨンサンの現場にも行ってきました。資本家の金もうけのために人が殺されていいのか! こんな社会を労働者の団結で変えよう」と呼びかけた。(別掲)
虐殺されたイサンニム氏の夫人チョンジェスクさんは、「あの日を絶対に忘れない。この国の政府は一粒の涙も流さない。検察も警察も政府には責任がないと言う。まだ病院にいる人もいる。最後まで一緒に闘ってください」と訴えた。ヨンサン対策委員会も「われわれが一致団結して闘えば必ず勝利できる」と述べた。
さらに、サンヨン自動車支部非正規職支会のポクキソン首席副支会長が「正規職と非正規職が共同闘争しなければならない。大変しんどい状況だが、サンヨンだけでなく全国の労働者、特に大宇や現代の非正規職労働者との連帯をつくり出して闘うことが必要だ。最後まで闘う」ときっぱり。
司会進行を務めたイーランド一般労組のイナムシンさんが「きょうは労働運動と民衆運動が一つになった。ヨンサン惨事を解決し、非正規職のない世の中をつくろう」とまとめた。
(写真 11・8龍山惨事・非正規職決意大会)
両労総がゼネスト宣言
8日午後3時からヨイド公園で開かれた民主労総主催の「チョンテイル烈士精神継承!09全国労働者大会」には5万人の労働者が大結集した。
大会あいさつに立ったイムソンギュ民主労総委員長は、「イミョンバク政権の狙いは民主労組運動の抹殺だ。決定的な労組抹殺政策が、複数労組窓口一本化と専従賃金支給禁止だ」と弾劾し、「政府が押し切るならば12月80万ゼネストに突入する」と宣言した。
(写真左 11・8全国労働者大会)
今年が最後になるかもしれないと自ら要求して発言に立ったチョンテイル烈士の母、イソソンさんは「私たちが団結して必死になって闘えば勝てる。力を尽くせ! 一つになれ! イミョンバクをやっつけろ!」と叫んだ。全参加者の魂をつかむアジテーションだった。
1970年にチョンテイル烈士が、縫製工場で働く少女たちの長時間労働に抗議し、「勤労基準法を守れ!」と叫んで焼身決起してから39年。大恐慌を革命に転化するために闘う時が来た。まさに「一つになれ! 労働者が一つになれば勝てる!」ということだ。
大会の最後に全参加者が声を合わせて集会決議文を朗読した。「チョンテイル烈士精神を受け継ぎ、資本と政権の弾圧に対抗して民主労組を死守する」「団結と連帯の精神で民主労組を建設した初心に返って、一つになって闘い、希望と代案を開かなければならない」と確認した上で、▽イミョンバク政権の労組抹殺政策に対抗し、複数労組と労組専従賃金問題の自立交渉をゼネストを含む総力闘争でかちとること、▽公務員労組と全教組、民主労総に対する全面弾圧阻止、特殊雇用労働者の労働3権をかちとるために力強く闘うことなどを決議した。
(写真 「イミョンバクをやっつけろ!」とイソソンさん。右はイムソンギュ民主労総委員長【8日】)
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週刊『前進』(2416号2面2)(2009/11/16 )
総反撃の先頭にわれわれ解雇者が立つ
11・7全国解雇労働者大会決議文(抜粋)
イミョンバク式「雇用柔軟化」は、労働者をもののように扱い、雇用と解雇を自由にしようとするものだ。恐慌局面で資本の危機を労働者に転嫁し、労働者の組織的抵抗さえも抹殺するものだ。「解雇が怖ければ奴隷になれ」――これが全労働者への脅迫だ。
選別的解雇に対する労働者の抵抗が弱まるや、無差別大量解雇が拡大した。正規職の闘争が弱まると、いつでも解雇できるよう制度化し、非正規職と置き換えた。今、公共部門労組のストライキを呼び起こした「先進化」政策はこの一連の過程の一つだ。
われわれは解雇労働者だ。労働弾圧の最先端で闘い、解雇されたわれわれの存在自体が、労働者を解雇しなければ生き残れない資本主義の矛盾を現している。資本主義は労働者に対する無限の搾取のために解雇労働者を量産したが、われわれこそがこの矛盾した体制を撃破していく種でもあるのだ。解雇労働者は今も全国各地で頑強に展開している労働者の闘いの主力ではないか。解雇者が街に放置され現場に帰ることができなければ、誰も自信をもって闘争に立つことができず、解雇者が堂々と現場に帰る時、現場の闘争力は再びよみがえる。
今日、全国解雇労働者大会に結集したわれわれは、解雇粉砕と解雇者原職復帰の課題が労働陣営の最も重要な要求であること、われわれが一つの路線のもとで実質的な闘争の主翼になり、全体の流れを率いていくことを堂々と明らかにする。危機を口実に労働者への無限攻撃をしかけてきた反労働者的なイミョンバク政権と資本に対して全面的な反撃を組織していくことを力強く決意する。
一つ、われわれ解雇労働者は、懲戒、契約破棄、整理解雇、希望退職の強制など、あらゆる形態の解雇に断固として立ち向かい、全面的な闘争を組織することを決議する!
一つ、われわれ解雇労働者は、即刻あらゆる解雇が中断され解雇者復職問題が解決されない限り、労働者の闘争が体制を危うくすることを明確にし、警告する!
一つ、われわれ解雇労働者は民主労組運動の先鋒(せんぽう)でイミョンバクと資本の弾圧に立ち向かう労働者階級の全面的な総反撃戦線構築の先頭に立つことを決議する!(集会記事前号1面)
(写真 11・7全国解雇労働者大会【ソウル・龍山駅前】)
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週刊『前進』(2416号2面3)(2009/11/16 )
11・8龍山惨事・非正規職決意大会での発言
分断を打ち破って
動労千葉 田中康宏委員長
日本から100人を超える同志たちが参加しています。特に、労働者だけでなく、43年間国家権力と非妥協に闘いぬいている三里塚反対同盟の農民の同志、学生の同志とともに参加しています。
熱い連帯の思いを込めて一つだけ訴えます。
いま私たちに必要なのは敵の分断攻撃を打破してすべての労働者、農民、学生が団結することです。正規職とか非正規職とか、農民とか学生とか国境とかすべての分断を打破しましょう。
なぜならば団結した労働者は社会を変革し、歴史をつくる力を持っているからです。
敵の一番の攻撃はこの団結を破壊することです。だからわれわれは団結を取り戻す。そのことを心の底から訴えたいと思います。
今日、ヨンサンの現場にも行って来ました。本当に悔しい思いがしました。なんでこんなことが起きなければいけないのか。資本家の金もうけのために労働者は殺されてもいいというのか。人間が人間として生きていけないとはいったいなんなのか。新自由主義、こんなもののために本当に労働者が生きていけなくなっています。
日本でもこのわずか1年間のうちに、100万人の非正規職が首を切られました。こんな社会は絶対に間違っています。だったら、団結したおれたちの力でこの社会を変えましょう。
(写真 発言に立った田中委員長と三里塚反対同盟の萩原進事務局次長【8日 永登浦駅前】)
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週刊『前進』(2416号2面4)(2009/11/16 )
双龍車労組と連帯を!
「政府と社側は勝利に陶酔しているかもしれませんが、私たちが闘いを終わらせない以上、終わることはありません。本当の闘争は今から始まります」――金属労組サンヨン自動車支部は「サンヨン車闘争は終わっていません!」というビラを大量に配布した。
前夜祭では、舞台でパフォーマンスを披露し、団結居酒屋を出店。8日の労働者大会会場では、サンヨン自動車整理解雇特別委員会が「拘束労働者を釈放し、損害賠償差し押さえを撤回せよ!」と要求する支持署名を集めた。
さらに『77日――サンヨン自動車労働者ストライキ写真記録』(208n/1万8000ウォン)をカンパ込みの2万ウォンで販売した。写真は非正規職支会のポクキソン首席副支会長(11月8日 ソウル・ヨイド)
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週刊『前進』(2416号3面1)(2009/11/16 )
“普天間即時閉鎖・辺野古新基地拒否”
2万1千人 日米安保を揺るがす
11・8沖縄県民大会 民主党政権に怒り爆発 県内移設容認発言に「帰れ」
【右】鳩山政権への怒りにあふれ宜野湾海浜公園野外劇場内外を埋めた2万1千人。【左】沖縄労組交流センターが横断幕で登場(11月8日)
宜野湾海浜公園野外劇場内外で開かれた「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する11・8県民大会」は2万1千人を結集し、「普天間基地即時閉鎖・返還」と「辺野古新基地建設反対」を明記した大会決議を採択、県内移設を容認する民主党・連合政権への沖縄労働者人民の怒りがあふれ出す場となった(前号速報)。11・13オバマ米大統領来日を目前に日米安保体制の根幹が揺らいでいる。階級的労働運動の力で「米軍基地撤去、安保粉砕・日帝打倒」へ突き進もう!
11・8沖縄県民大会 民主党政権に怒り爆発
県内移設容認発言に「帰れ」
県民大会は「新政権への期待」を組織しようとした主催者の民主党や社民党、日本共産党などの思惑を労働者人民の怒りで吹き飛ばした。
沖縄労組交流センターと全学連は、労働組合を始め参加者に1万枚を超えるビラを配り、「民主党・連合政権にお願いしても基地はなくならない。労働者・学生の闘いで基地撤去を! 辺野古の基地建設を13年間止めたのは現場の実力闘争だ。沖縄の労働者こそ基地をなくす闘いの主体だ」と訴え、大会を牽引(けんいん)した。
開会あいさつで登壇した玉城・沖縄県議会副議長は、米軍基地のある都道県でつくる渉外知事会会長の松沢・神奈川県知事が11月6日、訪米中の講演で「辺野古移設推進」を要求したことに対し、「県民を蹂躙(じゅうりん)するものだ。撤回を」と発言し、松沢に同行して県内移設容認を表明した仲井真・沖縄県知事に対しても「同罪である」と弾劾の姿勢を示さざるを得なかった。大会は「松沢知事発言に抗議する」緊急決議を満場の拍手で採択した。
この会場の雰囲気を象徴的に示したのは、政権与党となった国民新党政調会長・下地が登壇した瞬間だった。登壇とともに会場は「帰れ!」の怒号で騒然となった。下地は岡田外相が公言した「嘉手納統合案」の推進者だ。下地が「この場は鳩山政権を批判する場ではない」「日米安保は必要」と発言すると、「ふざけるな!」「裏切り者!」などの激しいヤジがたたきつけられた。
民主党の喜納参院議員は「県外移設の選択はあり得ない」と公言した岡田外相や北澤防衛相の責任に言及もできず、「オバマ大統領は沖縄に来て県民の声を聞くべき」などの発言に終始。同じく政権与党となった社民党党首の福島は、与党としての責任を追及されることを恐れ、大会参加をキャンセルした。
労働者人民の怒りが一線を越えていることは、参加者がまいたビラにも表れた。地元宜野湾市の参加者は「移設ではなく“無条件撤去”を議論すべき。移設反対なら、どこへ移すかという議論になる。基地や軍隊はなくすべき」と訴えた。
こうした巨大な怒りの中で、大会決議は「普天間基地の即時閉鎖・返還」と「辺野古移設反対」を鮮明にするものとなった。そして政府は、平野官房長官が「大会の内容は聞いていない」と述べ、「まるで他人事のよう」(琉球新報11・9)と地元紙にも批判される事態に陥った。
鳩山が労働者の怒りの的に
8・30総選挙で民主党は「最低でも県外移設」を公約に掲げ、沖縄の4選挙区全区で自民党候補を全滅させた。沖縄労働者人民の基地への怒りが爆発したのだ。この怒りに支えられて初めて鳩山政権は成立した。
これは連合中央を取り込んだ民主党・連合政権の絶対矛盾だ。日米安保体制の実体たる沖縄米軍基地の存立、すなわち日帝の存立の根幹が沖縄の労働者の怒りで根底から揺らいでいる。選挙公約を投げ出して県内移設を容認した鳩山政権は、労働者人民全体の激しい怒りの的となり、早くも進退窮まっている。
浮き彫りになったことは、96年の「普天間返還合意」を名護新基地建設にすり替えた日米帝国主義の暴挙を、13年にわたる現地・海上での実力阻止行動で阻止してきた地元沖縄を始めとする労働者人民の力だ。この闘いを、基地問題の根源=日米安保体制そのものと全面的に対決し、これを根底から粉砕する闘いとして発展させることが、唯一の勝利の道であることが示されたのだ。
米兵がまたも県民ひき殺す
72年5・15のペテン的「沖縄返還」から38年。沖縄米軍基地の返還は、面積でわずか15%。「国土の0・6%に在日米軍基地の75%が集中している」現実はそのままだ。イラク戦争を始め米帝の戦争政策の展開と、日米同盟による日帝・自衛隊の参戦体制のエスカレーションの中で、米軍基地はむしろ強化された。「返還」以来の基地被害も航空機事故だけで20件を超えた。その上に今大会前日、米兵による県民轢殺(れきさつ)事件が発覚した。95年の少女暴行事件をきっかけに噴き出した労働者人民の怒りは、もはや鳩山「友愛」政権への幻想で抑え込むことなど不可能だ。
辺野古移設阻止! 米軍基地撤去、安保粉砕・日帝打倒へ沖縄の労働者を先頭に闘いぬこう!
参加者の怒りの声
●沖縄市職労の組合員(36)
民主党は沖縄県民の意識とまったくミスマッチだ。
●地元中学校の教育労働者(55)
公約を翻した民主党は県民を愚弄(ぐろう)している。県内移設を要求した神奈川県知事・松沢の発言は論外。基地は即刻撤去。民主党政権が公約を守らないなら許さない。
●地元の大学生(20)
初参加です。県民の声は一つだし、とても大きいと実感した。
●高教組の組合員(32)
基地問題はこれからが本番だ。民主党の公約破りはほうっておけない。
●那覇市の高校生(15)
ここまで頑張ってるのに、何十年も基地がなくならない。アメリカや日本政府に声が届かないことが悔しい。
●与那原町の公務員(41)
行動を起こすことで政治も動くと信じる。沖縄はいつまで我慢すれば良いのか。
●豊見城市・無職(80)
沖縄に復員した時の、松の木一本ない焼け野原に衝撃を受けた。戦争につながる一切に反対だ。
●大宜見村・無職(75)
大会をきっかけに、県外の人も含めて国全体で議論して欲しい。
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週刊『前進』(2416号3面2)(2009/11/16 )
革共同に冬期大カンパを
「暴処法」弾圧の8学生奪還へ全労働者人民の支援訴えます
資本の搾取と抑圧に労働者階級人民の怒りが爆発しています。
大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するため、冬期カンパに決起することを心から訴えます。
鳩山政権と激突し11・1集会が大成功
11・1労働者集会は日比谷野音を埋める5850人の結集で大勝利しました。韓国・民主労総からの40人を超える訪日団、アメリカの労組代表と学生、ドイツの労働者、日本国内の多くの在日・滞日労働者が合流しました。ブラジル・コンルータス(全国闘争連盟)の代表は「韓国、カナダ、メキシコ、ブラジル……ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアなど世界中で労働者の抵抗が広がっています。すべての搾取と抑圧を終わらせる社会主義社会の達成へ」と、鮮烈に世界革命を訴えました。
さらに動労千葉を先頭に百人以上が訪韓した11・8民主労総5万人労働者大会、同日の沖縄県民大会2万1千人の決起へと、世界革命への国際的団結の裾野は拡大しています。
11・1労働者集会は、民主党・社民党と連合の結託体制との大激突の中で闘われました。社民党の辻元副国交相による三里塚の市東さんの農地取り上げ攻撃と日航大リストラ、旧社会党副委員長の千葉法相と連合組織内議員・中井国家公安委員長による動労千葉や全国の労組事務所への家宅捜索や前進社破壊、法大生の不当逮捕、裁判員制度反対を闘う弁護士への階級意思をむき出しにした不法不当な懲戒攻撃などの大弾圧こそ、小沢・鳩山政権の正体です。そんな危機ゆえのあがきなど通用するものか! ロシア革命時のケレンスキー内閣のように、資本主義体制を救うために階級協調派が出てきた時こそ、革命の大チャンスです。
8学生の長期勾留を絶対に許さない
10・11三里塚集会の大結集で階級闘争の大地に農地死守が座りました。この力こそ、三里塚闘争を始めあらゆる戦線で勝利する力です。
法政大の闘いは全世界にこだまし、日帝の新自由主義攻撃の破綻を暴いて、学生と労働者の未来を開いてきました。3年半で112人の逮捕、33人が起訴、今なお8人が勾留されています。4・24法大解放集会当日に逮捕された全学連副委員長・倉岡さん、法大文化連盟副委員長・恩田君の勾留は6カ月半を超え、全学連委員長・織田君ら6学生も6カ月の超長期の勾留を受けています。
「新自由主義大学・法大をたたきつぶせ」「法大を学生の手に取り戻そう」「監獄大学粉砕」「教育の民営化反対」とキャンパスで法大生に真っ向から訴えたことが「罪」とされ、半年以上も勾留される――こんな暴挙は、これ以上1日たりとも許せません。8学生は獄中で意気軒高と闘いぬき、公判では裁判長や検事を追い詰めています。1日も早く、1時間も早く8学生を奪還することは、私たちの任務です。
8学生奪還の闘いは、戦争国家化と道州制導入、労働者の大量解雇と非正規雇用化へ突き進む鳩山政権との最先端の闘いです。裁判員制度廃止運動とも一体の闘いであり、文字どおり全労働者人民のテーマです。
親のリストラで保険証を奪われ医者に行けない児童・生徒が4万人に上り、学費が払えず退学を強いられる高校生・大学生も続出。奨学金として卒業時に数百万円の借金を背負いながら、仕事に就けない学生も十数万人に及びます。
全国・全世界の学生の怒り、労働者の怒りの先頭に立って闘いぬく8学生をただちに取り戻そう。
革共同は今秋、第25回全国委員会総会を開催し、綱領草案を発表しました。その中で、国際帝国主義の最弱の環が日本帝国主義であること、世界革命における日本革命の戦略的位置の大きさを明確にしました。日本革命を突破口に朝鮮・中国を始め東アジア全域を反帝・反スターリン主義世界革命の根拠地として闘うこと、これとアメリカ革命が結合することこそ、プロレタリア世界革命の勝利を決すると提起しました。
4大産別決戦軸に革命勝利へ進もう
さらに、日本革命への今日的総路線として、〈戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃との対決>〈第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦>論を打ち立てました。
追い詰められたJR資本は検修業務の全面外注化を提示し、国鉄労働運動は再び最大の決戦に突入しました。私たちは2千万人近い労働者に非正規雇用を強いた元凶である国鉄分割・民営化への反対闘争として1047名解雇撤回闘争を貫いてきました。10月16日には、動労千葉の幕張ストライキ―動労水戸の4波のストライキを背景にJR東日本本社弾劾闘争を打ち抜きました。この闘いこそ、道州制による公務員360万人いったん解雇―選別再雇用攻撃、社保庁1千人解雇攻撃、日航1万3千人解雇攻撃に反撃する闘いです。
大恐慌時代は大失業時代です。アメリカの失業率は10%を超え、1600万人の失業者があふれ出し、日本の「貧困率」も15%(6〜7人に1人)を超えました。1000万人の大失業時代に突入します。
労働者の力の源泉は職場での闘いを軸にした団結です。国労5・27臨大闘争弾圧裁判の11・27判決に総力決起して、勝利しましょう。
青年労働者を先頭に決起が始まった
革共同はみなさんとともに今日まで資本や国家権力の激しい攻撃と闘ってきました。革共同の50年以上の歴史と闘いのすべてが21世紀プロレタリア世界革命実現の力です。
09年、青年労働者を先頭に1047名解雇撤回、農地死守、国際連帯、法大学生運動、星野同志奪還の闘いが始まっています。
階級的労働運動の発展のための財政闘争は死活的です。6000万労働者の団結、職場・地域の団結を固める基礎は、冬期一時金闘争、財政闘争です。この団結の力こそ来春闘のゼネストを準備する力です。
絶大なる冬期カンパを寄せてくださるよう、心から訴えます。
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週刊『前進』(2416号3面3)(2009/11/16 )
交流センターと全学連 国際通りデモと集会
労働者の力で基地撤去を”
「国鉄1047名闘争を先頭とする階級的労働運動の前進にこそ沖縄基地撤去の勝利がある」「民主党政権の裏切りへの怒りで県民大会を成功させよう!」
県民大会前日の11月7日、沖縄労組交流センターを中心に約50人が沖縄県庁前と国際通りで街宣行動を行った。
「70年のコザ暴動に参加した」という年輩の女性、「明日の大会は必ず行く。また話そう」と応じた青年労働者、「星野文昭さんの投獄は許せない。協力したい」と話し込んだ人……。署名はふくれあがった。
その後、国際通りをデモ行進。「県内移設を既定路線とした民主党・連合政権を打倒しよう!」のシュプレヒコールが注目を浴びた。
(写真 青年労働者と全学連・坂野陽平委員長代行、相模原市議・西村綾子さんを先頭に那覇の国際通りをデモ。沿道から大きな共感【11月7日】)
沖縄労働運動の新たな前進誓う
デモの後、沖縄青年会館で労学総決起集会が開かれた。司会の労働者が「訪韓闘争と連帯して闘おう」「動労千葉派として沖縄労働運動の新たな前進を」と呼びかけた。
沖縄民権の会の座覇光子さんが「沖縄問題は日本全体の問題、世界の問題だ。日本の労働者が沖縄の労働者と連帯することが大事」とあいさつ。
北部合同労組副委員長の富田晋さんは基調報告で「沖縄は大きな分岐と流動の渦中にある。国鉄1047名解雇撤回闘争こそ、万国の労働者の団結と基地撤去を実現する闘いだ。県外移設を公約した民主党政権は辺野古案を一夜にして容認した。この裏切りは絶対許せない。体制内派から沖縄反戦闘争の旗を取り戻そう。沖縄は革命の火薬庫だ。われわれが火をつける」と訴えた。
地元の労働者が次々と決意表明した。NTT労組の真喜志康彦さんは「沖縄の世論は70%以上が県外移設だ。民主党政権はこれに真っ向から水をかけた。職場の同僚もみな怒っている」と報告。南部合同一般労組の柿本博人さんは「県民大会の主催者は“鳩山政権尻押し大会”を目指しているが、沖縄の労働者は許さない。沖縄問題はプロレタリア革命の問題だ。1047名闘争を闘うわれわれこそが先頭に立てる」と訴えた。
基地労働者は「基地の再編で解雇攻撃が来ている。体制内派の制動を破り、断固たるストで闘うことがカギだ」と強調した。北中城村議の宮城盛光さんは「明日は地域からバス2台で参加する。11・1労働者集会に結集した労働者・学生の力でこの社会を変えられる」と訴えた。
続いて、相模原市議の西村綾子さん、ス労自主、大阪の自治体労働者、広島労組交流センターの仲間、坂野陽平全学連委員長代行など、本土の仲間が決意を語った。西村さんは「相模原も基地の街。沖縄のみなさんとともに闘う。神奈川県・松沢知事の発言を許さない」と語った。自治体労働者は「国鉄1047名闘争と沖縄闘争は同じ問題だ。これまでの平和行進は何だったのかという怒りが必ず4大産別決戦で爆発する」とアピール。坂野君は「2学友を奪還した。11・1集会の力だ。安保・沖縄問題は日帝の最大の矛盾だ。ここに日帝打倒の路線がある。労働者学生の力で米軍基地撤去、辺野古移設絶対反対で闘おう」と訴えた。
「県民大会をわれわれの力で牽引しよう!」と力強いシュプレヒコールで集会を締めくくった。
(写真 「明日の県民大会をわれわれが牽引しよう!」と労学総決起集会【11月7日 沖縄青年会館】)
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週刊『前進』(2416号4面1)(2009/11/16 )
獄中8学生ただちに奪還を
11・1集会の地平を引き継ぎ法大から全国学生の総反乱へ
革共同中央学生組織委員会
11・1労働者集会の地平から、法大弾圧と闘う獄中8学生を直ちに奪還する闘いを爆発させよう。絶対に年内保釈を実現しよう。11月6日、10・16法大集会で不当逮捕されていた2人の仲間を不起訴で奪還した。これが11月集会の力だ。そして、あらゆる弾圧をはね返してきた法大闘争の団結の力だ。さらに年内奪還を実現する力は、法大キャンパスで闘いを爆発させる中にある。法大闘争は、11月13日の洞口朋子さん(経済学部)呼び出しで、新たな処分粉砕の決戦に突入している。法大生の団結の拡大をもって全国学生運動の指導部である8学生を取り戻し、激動の2010年決戦に躍り込もう。
画期的な情勢を切り開く
11月労働者集会の勝利は「ひとつの情勢」となり、帝国主義国家権力および資本との力関係を転換させている。そこには、労働者階級の国境を超えた階級的団結とエネルギーが満ちみちている。われわれは、5850人の結集によって「戦争と民営化」の攻撃を推し進める民主党・連合政権への対抗基軸を全社会的にうち立て、世界革命へ突き進む大衆的拠点をつくり上げたのだ。
その意義は一つに、世界大恐慌−大失業に対する怒りの爆発だ。昨年をも超える国際連帯の質量の拡大は、新自由主義攻撃に対する全世界の労働者民衆の憤激がもはや我慢のならないまでに高まっており、心の底から資本主義−帝国主義の打倒とプロレタリア革命を欲していることを示している。
二つに、その国際的団結は例外なく、スターリン主義の裏切りをのりこえる革命的な労働者党建設という大目標に向かって前進している。
三つに、「改憲・戦争、民営化・労組破壊」攻撃と国鉄1047名闘争をめぐる大党派闘争に勝ち抜いて大結集をかちとったことだ。何よりも、国鉄分割・民営化の最先兵であり、今なお国際階級闘争における最悪の反革命的妨害者であるJR総連=カクマルを「裏切り者」として刻印し、4者4団体派による国鉄闘争幕引き策動を粉砕し、11月集会派こそが日本階級闘争の責任勢力として登場した。
そして四つに、法大闘争と全国学生の闘いが獄中8学生の革命的な存在を先頭にして圧倒的な国際的吸引力を持ち、「教育の民営化粉砕!」を掲げて路線的に完全に内在化・一体化したことだ。全学連運動が11月集会の主役として登場した。
(写真 11・1集会をかちとり日比谷公園からデモに出発する全学連)
教育の民営化を粉砕しよう
11・1労働者集会で洞口さんは次のように発言した。
「法政大学では、この3年半で112人の学生が逮捕され、33人が起訴されました。そして今も、法大生を中心に10人の学生が身柄を拘束され続けています。
法政大学・増田総長と理事会は、学生がキャンパスでビラをまく、立て看板を出す、そして集会やデモをやること自身を『犯罪』とし、警察権力と一体化して学生を売り渡してきました。しかも、それを『21世紀の自由と進歩』などと言っているのです。どうして許せるでしょうか!
法大生と全国学生の自由と自治を求める闘いは、『新自由主義大学=法政』という腐りきった姿を暴いてきました。新自由主義と『教育の民営化』は、『教育』の名をもって学生を競争に駆り立て、金もうけの道具とし、未来を奪っていこうとしています。そこには、団結破壊とむき出しの暴力支配しかありません。法政大学は今年ついに、『営業権』をかたってビラまきを禁止し、『施設管理権』をかたって大学祭を破壊するところにまで行き着きました。こんなものと、私たち学生の誇り高い存在は、絶対に相いれません。学生の未来は、そして学生の生きる道は、労働者と連帯し闘う中にこそある! 私たち学生は、民営化・首切り攻撃と闘う全世界の労働者と団結し、闘って自分たちの未来を切り開きます!
『教育の民営化粉砕!』『大学・教育・未来を取り戻そう!』――これが私たちの闘いのスローガンです」
「教育の民営化粉砕!」――このスローガンに全国300万学生と3万法大生を獲得できる力があり、学生運動が全世界で澎湃(ほうはい)と決起する労働者階級の闘いと一体となって革命にまで突き進んでいく路線がある。
新自由主義政策のもとでの民営化攻撃とは何か? それは、教育を始めとして医療、福祉などあらゆる分野を資本の利潤追求の道具としていくものであり、労働者・学生の団結を徹底的に破壊するものだ。同時にその攻撃は、もはや労働者・学生に資本主義のもとでも生きていけるという「幻想」を与える余裕すら喪失し、生活を破壊し命を奪うしかなくなった資本主義の末期的政策だ。だからこそ、法大を先頭に全国大学で全面的な民営化攻撃が開始されていることは、学生が新自由主義に対してキャンパスを舞台に反乱を開始していく絶好のチャンスだ。
民営化と真っ向から対決する中で学生は初めて団結できる。全学連と文化連盟がつくり上げた「大学・教育・未来を取り戻せ!」のスローガンとは、学生の団結で資本の支配を吹き飛ばし、すべてを奪い返そうということだ。
9月24日にカリフォルニアで全州大学ストライキを闘った学生が11月集会に合流し、全世界的な「(資本と政府による)公教育の破壊=民営化」という共通の課題と闘おうという檄(げき)を発した。労働者・学生はただ一つの直面する敵=資本主義(民営化と団結破壊)と徹底的に闘おう。11月18日のカリフォルニア州立大学第2波ストと連帯しよう。
大恐慌・大失業と民営化攻撃が学生を襲っている現実は、断じて許すことができない。主要企業の大卒採用内定者数(来春入社予定)は、今春と比べて28・6%減少。来春高校卒業の就職希望者の就職内定率は9月末時点で37・6%、前年同期比13・4ポイント減で、3人に2人が就職先が決まっていない。さらには、日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金で、住所不明の滞納者の未返済分が約133億円にのぼっているという。これらはすべて、ブルジョアジーが大恐慌の矛盾を青年・学生に押しつけている結果だ。しかしそれをも逆手にとって、「就職できる」「資格が取れる」とキャンパスで金もうけをやろうとしているのが今の腐りきった大学当局の姿ではないか。就職すらできない学生に向かって、「奨学金を返すと誓約しないと金融機関のブラックリストに載るぞ」と脅しているのが、現実に屈服し追従する教授どもの姿ではないか。
この破綻しきった教育破壊と学生支配を、学生が労働者階級と団結して覆すことは絶対にできる。その展望を11月集会が示した。国鉄1047名解雇撤回闘争と動労千葉の闘い、4大産別(国鉄、自治体、教育、郵政)の闘いの勝利と学生運動の前進は一体だ。
9月全学連大会から1カ月半、全国の学友はキャンパスの全学生を対象に激しくクラス討論を闘い、自治寮・サークル・大学祭攻防を闘った。そして、大会で打ち立てた路線とスローガンを物質化して11月への結集をつくり出し、何よりも「キャンパスの主人公は学生だ!」という真理を貫いてきた。その中で新たな活動家が生まれ、人生をかけた根底的な決起がつくり出されてきた。「教育の民営化粉砕!」の路線に依拠し、この道を断固進もう。そして自らの路線をさらなる大衆的怒りへ、大衆的確信へ、そして大衆的行動へと転化しよう。
団結しキャンパス奪還を
全国学生運動の爆発の突破口は法大決戦にある。法大決戦は、09年前半期に暴処法弾圧をはね返した地平の上に決定的な攻防に突入している。それは一方で、法大・増田総長体制が自主法政祭の全面的な破壊にのり出してきたことであり、他方で新たな処分を狙っていることだ。
「施設管理権」を掲げて大学祭を法大当局が思うがままに支配し踏みにじり、法大生の団結と誇りを奪い去ることなどどうして許せるか。体制内思想の権化=学祭実はサークル員の価値創造性と主体性を裏切り、自由を売り渡し、自主法政祭をどこまでも転落・堕落させようとしている。それは、闘う学生をキャンパスから放逐しようという処分恫喝と一体だ。だからこそ、大学祭規制策動を粉砕する唯一の方針と路線は、「文化連盟の旗のもとに団結しよう!」だ。
キャンパスとクラス・サークルの中での団結にこそ可能性がある。全学連運動の発展の展望は、キャンパスにおいて大恐慌のもとでの民営化・団結破壊攻撃と対決し、団結を復権させる中にある。国家権力は70年闘争においてキャンパスが労働者階級との連帯のもとに「革命の出撃拠点」となったことに恐怖し、もっとも攻撃を集中してきた。自治・自由・権利を暴力的に奪い、既成勢力はそれに絶望してますます体勢内化するかキャンパスを去っていった。
しかし法大闘争は、敵との最大の戦場であるキャンパスにこそ300万学生の未来はあり、団結が最大の力となることを闘いの中で実証してきた。全国の大学で、法大型の激突の中から荒々しく学生運動をよみがえらせていくことはまったく可能だ。
今秋法大決戦を闘い抜き、2010年、全国大学における総反乱−ゼネストへ向かって突き進もう。
全面的な組織化の闘いへ
11・1労働者集会の成功を受け、闘いの方針は鮮明だ。
一つに、11月集会と法大闘争の獲得物で、全面的な組織化を闘うことだ。全国的な結集軸を鮮明にさせつつ、全学連運動の大衆的拠点をさらに拡大し、膨大な活動家集団をつくり出そう。坂野委員長代行を先頭に、不抜の中央執行体制を確立しよう。
二つに、法大における処分攻防を軸にして、全国大学で寮自治・サークル自治をめぐる攻防に勝利することだ。11月集会組織化の過程でかちとってきた勝利をさらに押し広げよう。
三つに、反スターリン主義の革命党建設こそが勝負だ。マルクス主義学生同盟・中核派の1000人建設に向かって、拠点支部を強化し、強大な中央指導部を建設しよう。11月集会過程での革共同「綱領草案」の公表が決定的な力を発揮している。マルクス主義の思想と路線こそが、決定的な獲得力を持ってくる時代だ。
以上のすべての闘いを土台にして、あらためて年内に獄中8学生を奪還することを全国学生の共通の固い決意としよう。そしてただちに行動を開始しよう。
8学生の存在が全国学生の怒りを体現し、牽引(けんいん)し、そして11月集会に向かうすべての決戦を支えぬいた。全学連運動と法大決戦にとって、8人の存在が絶対に必要だ。
いま求められているのは「勝利の展望」だ。昨年末、獄中20同志奪還を実現した。そして今年、暴処法弾圧を粉砕し、デッチあげ弾圧に無罪判決をかちとり、処分策動を粉砕してきた。闘えば勝てる!
全国学生は8学生奪還の11〜12月決戦に決起し、2010年決戦への破竹の進撃をかちとろう。
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週刊『前進』(2416号4面2)(2009/11/16 )
8学生奪還へ『法大弾圧裁判意見陳述集』発行
法大「暴処法」弾圧被告団と4・24法大集会弾圧被告団の法廷での『意見陳述集』が、法大救援会から発行された。
被告団は、半年を超える長期獄中闘争を意気軒高と闘い、10月初旬から始まった裁判では、登石裁判長の退廷攻撃を打ち破って意見陳述をかちとった。
各被告の陳述は、06年3・14以来の112人逮捕・33人起訴という法大弾圧こそ、新自由主義のもとでの教育の民営化によるものであることを、大学や学問の本質にまで迫り、怒りをこめて暴いている。そしてキャンパスの中で闘い、悩み、格闘し、仲間との団結によってつかみ取った勝利の路線と確信を生き生きと語っている。
このかけがえのない被告たちをこれ以上獄に奪われているわけにはいかない。絶対に年内奪還をかちとろう!
◆注文先 法大弾圧救援会/頒価500円
E-mail/houdaikyuenkai@yahoo.co.jp
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週刊『前進』(2416号4面3)(2009/11/16 )
法大弾圧 公判日程
★暴処法弾圧裁判
恩田君、増井君、織田君、内海君、新井君
第4回公判 11月26日(木)午後1時30分
第5回公判 12月7日(月)午後1時30分
★4・24集会弾圧裁判
斎藤君、恩田君、増井君、倉岡さん、冨山君、内海君
第4回公判 11月25日(水)午後1時30分
第5回公判 12月17日(木)午後1時30分
※東京地裁429法廷 12時半に傍聴券配布所へ
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週刊『前進』(2416号4面4)(2009/11/16 )
社保庁解体=1千人解雇粉砕へ
不採用者排除し新組合結成狙う自治労社保労組許すな
民主党・連合政権のもとで社保庁解体・1千人解雇攻撃が強まっている。これと真っ向から激突して現場からの決起も始まった。日本年金機構への不採用者を排除して新組合結成を狙う自治労全国社保労組は首切りの手先だ。国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸に、社保庁労働者は、自治体労働者、4大産別の先頭に立って闘おう。
早期退職勧奨で闘争破壊を策す
自治労全国社保労組は社会保険庁の今年末廃止、日本年金機構の来年1月1日発足に備えて11月29日、日本年金機構への採用が予定されている正規職員だけで日本年金機構労組の設立大会を開こうとしている。来年2月下旬、社保労組は解散大会を開き、社保労組を引き継ぐ日本年金機構労組と協会けんぽ労組、厚労省行政関係職員労組は連合体として新社保労の結成大会を行う予定である。
日本年金機構への不採用者1千人と12月28日限りで雇い止めになる非正規職員1万人は、日本年金機構労組からあらかじめ排除されている。現社保労組も新労組も1千人不当解雇=分限免職反対闘争を一切やらない。
当局はこの11月、1千人の不採用者に一斉に早期退職勧奨を行い始めた。退職金割り増しの札束をちらつかせて自主退職に追い込み、1千人解雇撤回闘争を予防的に圧殺しようとしているのだ。奥田碩・日本年金機構設立委員長への「誓約書」を拒否したら、「改革に非協力だ」という「理由」で不採用にし、屈服しないと見るや、今度はカネを積んで屈服を迫ってくる。「あめとむち」だ。労働者をなめるな!
社保労組は、鳩山民主党政権に7人の閣僚を出す連合=帝国主義労働運動の最大単組である自治労本部の直轄の単組であり、今や体制そのものとなっている。厚労省・社保庁と一体化して、日本年金機構への「円滑な移行」のために組合員を「働こう運動」に動員している。こうした功績を買われ、社保労組幹部の多くが厚労省に採用されるという。すでに懲戒処分歴のある約790人のうち300人弱が厚労省に採用されることが決まっている。
(写真 11・1集会で社保庁労働者と自治体労働者が登壇。社保庁解体と闘う決意を表明)
戸塚をつうじてカクマルと結ぶ
”他人の首を差し出して自分たちだけ生き残る””「働こう運動」で当局に協力する””闘いを芽のうちにつぶす”――自治労本部と社保労組幹部のやっていることは、JR総連カクマルがやっていることと同じだ。
自治労本部の”カクマル化”は必然だ。8月の定期大会(熊本)で労働組合であることをやめると宣言、帝国主義・資本主義救済へ転換、政労使パートナー路線で鳩山民主党政権を支える立場に立った。今や自治労協力民主党国会議員団長の仙谷行政刷新相は自民党ができなかった予算カット、公務員大量首切り・大幅賃下げ、事業仕分けを指令している。
また自治労本部は、JR総連カクマル松崎明のとりまきとなった戸塚秀夫が80年代に紹介した「対案戦略運動」を「現業活性化運動」「攻めの民営化対応」として具体化してきた。そして大恐慌下では帝国主義労働運動として体制擁護、ブルジョア政権支持、闘う労働運動の圧殺に回っているのだ。
これに比して、国鉄分割・民営化絶対反対を貫く動労千葉と国鉄1047名解雇撤回闘争は、三里塚闘争と並ぶ労働運動・階級闘争の輝かしい金字塔だ。この闘いの防衛と発展のなかに国鉄労働運動全体の再生と4大産別決戦の勝利がある。
現に11・1労働者集会は、1047名闘争を基軸に国内外から5850人の闘う労働組合・活動家を結集し、階級的労働運動と労働者国際連帯の発展で世界革命への展望を切り開いた。
自治労本部・社保労組幹部の闘争圧殺をはねのけ、退職勧奨を拒否し、職場から闘いを巻き起こすならば、社保庁解体=1千人解雇絶対反対闘争は必ずや国鉄1047名解雇撤回闘争に続く偉大な闘いへと発展する。
ファシスト労働運動=JR総連カクマル松崎の道を歩む腐りきった帝国主義労働運動、自治労本部・社保労組幹部、新労組(新社保労)幹部を打倒し、闘う労働組合運動をよみがえらせよう。
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週刊『前進』(2416号4面5)(2009/11/16 )
2009年11月4日〜10日
政府「憲法解釈も政治主導で」/米陸軍基地で軍医が銃乱射
●憲法解釈も「政治主導」 平野官房長官は記者会見で、鳩山政権が、政府の憲法解釈を国会で示してきた内閣法制局長官の過去の答弁にしばられないとの見解を示した。憲法9条などの解釈は今後、内閣が政治判断で行う考えも表明。鳩山首相も「法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしい」と述べた。歴代政権は、内閣法制局の了解がなければ、事実上、憲法解釈の変更には踏み込まなかった。(4日)
●通年国会を提唱 「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」の小委員会が「国会審議活性化等に関する緊急提言」を発表した。民主党の小沢幹事長から国会改革に関する提言を依頼され、まとめたもの。提言は、国会運営が予算や法案の審議日程をめぐる与野党の駆け引きに終始している点を審議活性化の「最大の障害」と指摘。法案の「会期不継続の原則」を撤廃し、会期を気にせずに審議できる「通年国会の実現」を求めている。(4日)
●米基地で乱射、12人死亡 米テキサス州にあるフォートフッド米陸軍基地内で陸軍少佐が銃を乱射し、兵士ら12人が撃たれて死亡、31人が負傷した。同基地はイラクやアフガニスタン派兵の拠点で、銃乱射があったのは派兵前の兵士への説明会や健康診断などが行われる施設。少佐はヨルダン系米国人で、精神科の軍医として、複数の陸軍医療センターで兵士のストレス対策などの仕事をしてきた。(5日)
●松沢知事「普天間移設推進を」 基地を抱える都道府県でつくる渉外知事会会長の松沢・神奈川県知事が米ワシントン市内で講演し、米軍普天間飛行場移設について、鳩山政権は日米合意どおりに辺野古への移設を実施すべきだとの考えを明らかにした。(5日)
●嘉手納町民大会に2500人 嘉手納町は、米軍普天間飛行場の移設先として岡田外相が嘉手納基地への統合案に意欲を示した発言の撤回を求める抗議集会「米軍普天間飛行場の嘉手納統合案反対町民大会」を開いた。町民ら2500人が結集した。(7日)
●沖縄県民大会 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する沖縄県民の意思を示す「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」が宜野湾海浜公園で開催され、2万1000人が結集した。大会決議は「民主党中心の新政権に代わった今、あらためて新基地建設ノーの県民の意思を明確に伝える」と訴えた。(8日)
●アフガンへ50億j支援を決定 政府はアフガニスタン復興支援に関する閣僚委員会で、09年からの5年間で総額50億j(約4500億円)の民生支援を決定した。支援策には警察官の給与補助や養成、タリバンの元兵士への職業訓練などが盛り込まれた。(10日)
●米兵がひき逃げ事故車運転 11月7日に沖縄県読谷村で、ひき逃げされた男性の遺体が発見された事件で、米陸軍トリイ通信施設司令官が読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人の20代男性が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。実際にひき逃げをしたかについては捜査中とし、氏名も公表しなかった。(10日)
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週刊『前進』(2416号5面1)(2009/11/16 )
検修部門の全面外注化絶対阻止へJR体制打倒・解雇撤回に立とう
国労5・27臨大闘争弾圧の有罪策動粉砕を
革共同国鉄委員会
11・1労働者集会は、国鉄1047名解雇撤回を基軸的スローガンに5850人を大結集し、大恐慌下の戦争と大失業の攻撃をプロレタリア世界革命に転化する労働者の国際的隊列を生み出した。11・1を経て、国鉄決戦は直ちに10春闘に向けた新たな攻防に突入した。10月29日、JR東日本は検修業務の全面外注化を提案し、2010年4月1日にこれを実施に移すと言っている。まさにそれは、動労千葉−動労総連合の解体を狙うものであり、国労を最後的に壊滅させようとする攻撃だ。国労5・27臨大闘争弾圧での7被告への有罪策動を打ち破って、検修業務全面外注化阻止の決戦に立とう。
階級的労働運動の解体狙う2千人規模の大合理化攻撃
10月29日、JR東日本は検修部門の全面外注化を動労千葉や国労に対し提案した。「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進について」と題されたこの提案は、仕業検査業務、機動班業務、駅派出業務、構内の信号業務、ホームでの列車の分割・併合業務、資材・倉庫関係業務など、検修の主要業務をことごとく外注化するというものだ。
この提案の狙いを、JR東日本は「コストダウンを徹底した効率的な事業運営のもとでグループ全体を発展させ」るためだとしている。JR東日本は、「創造的破壊」を叫ぶ「グループ経営ビジョン2020−挑む−」のもとに、かつてない大合理化に乗り出してきたのである。
今回の提案をJR東日本は、「エルダー社員の技術力・ノウハウを活かせる仕事の場(出向先)を拡大」するものと位置づけている。そして、この施策は約2000人分の業務を対象とする。つまり、JR本体で約2000人の人員削減を強行するということだ。
しかも、業務はグループ会社に一括委託される。その場合、出向先で必要なエルダー社員が確保できなければ、現役社員をグループ会社に出向させることになる。事実、JR東日本は「若年出向も含めてやっていく」と公言している。
そもそも、エルダー社員制度そのものが、とんでもない制度だ。「年金満額支給まで雇用の場を確保する」という口実で、技術力を持つベテランの労働者を定年後、再雇用し、グループ会社に出向させて、現役時代と比べて2分の1程度(月額約17万円)の低賃金でこき使うというものだ。
JRは、社会保障が解体され年金が削られる一方、本格的な大失業時代が到来する中で、定年を迎える労働者はどんな低賃金・強労働を強いられようとエルダー社員に応募するほかないと見て、大規模な外注化を強行しようとしているのだ。
しかも、今回の外注化提案は、検修業務の根幹に及ぶ。安全の要をなす検修業務の全面外注化は、これまで以上に激烈な安全の崩壊をつくり出すことは明らかだ。
外注化を阻んだ動労千葉の闘い
05年4月25日のJR西日本・尼崎事故が示すように、JR体制下で、鉄道の安全はすでに根本的に崩れている。JR東日本もまったく同じだ。
JR東日本は00年以来、検修業務の部分的な外注化に着手するとともに、01年には「設備メンテナンス再構築」と称して保線・土木・建設・機械・電力・信号通信部門の全面外注化を強行した。これにより、設備部門の労働者は、国労組合員を中心に強制的に出向に出された。さらにJR東日本は、「車両メンテナンス近代化構想」と併せて、検修部門の大合理化を目的とした「新保全体系」の導入を企てた。
以降、レールの破断や異常摩耗が続発し、送電システムの崩壊や信号トラブルの続発など、鉄道事業総体の安全は徹底的に解体されてきた。JRの車両故障の発生率は、今や私鉄の14倍に及ぶ。
だが、動労千葉は職場から反合・運転保安闘争を貫き、この攻撃と全力で闘ってきた。その結果、千葉支社管内での検修部門の外注化は、8年にわたり阻まれている。
この間、JR東日本は、動労千葉の拠点をなす幕張車両センターで、支部役員を強制配転するなどの動労千葉への組織破壊攻撃を執拗(しつよう)に続けてきた。今回の提案は、動労千葉の闘いによって阻止されている検修部門の外注化を、動労千葉を解体することをとおして一気に強行しようとするものだ。
それにとどまらず、JR東日本管内のすべての検修職場が外注化の対象となる。
だが、こうした攻撃に踏み出してきたこと自体に、JR体制の危機がある。極限的な合理化の結果、JRではあらゆる職場で人員が不足し、業務がまともに回らなくなっている。それに加えて、これから大量の労働者が退職期を迎える。国鉄分割・民営化以来、特に検修部門や駅などで必要な人員の養成を怠ってきたJRは、ここに来て決定的な危機にぶち当たったのだ。
その危機を検修業務の全面外注化で乗りきろうとするJRの施策は、あらゆる所に矛盾点と破綻点をつくり出す。一つでもJRの思惑どおりにことが運ばなければ、攻撃の全体が破産する。JR体制は、一層の危機を自ら促進しているのだ。
絶対反対を貫いて闘えば、全面外注化は阻止できる。JRが狙う合理化はかつてなくすさまじいものだが、それはJR体制打倒の好機でもある。青年労働者を先頭に、JR体制を内側から突き崩す総反乱に立つ時が来たのである。
この闘いは、1047名解雇撤回闘争にとっても決定的な意味を持つ。1047名闘争は、JRによる解雇を撤回させ、1047名をJRに復帰させる闘いだ。それは、JR体制をぐらぐらに揺さぶり、音を上げさせ、打倒することによって勝利する。JR東日本が管内全域に及ぶ検修部門の外注化に着手したということは、1047名の被解雇者とJR本体労働者が強固な団結を取り戻し、一致してJR体制に闘いを挑む時が巡ってきたということでもある。
率先妥結したJR総連と鳩山・小沢を賛美する大転向
JR東日本が10月29日に検修部門全面外注化の提案を行ってきたのは、すでにJR総連・東労組がこれに率先妥結したからだ。JR総連カクマルは、崩壊寸前にある資本との癒着・結託体制を維持するために、これまで以上に露骨な形で資本の手先となったのだ。
11・1に向けて動労千葉は、JR東日本の組織破壊攻撃と全力で立ち向かってきた。動労水戸も、7月以来4波のストで運転士登用差別を居直るJR東日本と非和解的に闘いぬいてきた。
東労組カクマルは、今回のJR資本の提案が、動労千葉−動労総連合解体を核心的に貫く攻撃であることを自覚した上で、その最先兵の役割を買って出た。彼らもまた、国鉄分割・民営化時のファシスト反革命の原点に立ち戻ったのだ。
このJR総連カクマルを賛美し、松崎明のもとに1047名闘争と国労をひれ伏せさせようとしているのが、戸塚秀夫・東大名誉教授や樋口篤三・元「労働情報」編集長、山崎耕一郎・社会主義協会代表代行らの策動だ。国鉄分割・民営化における動労カクマルの裏切りを「労働者の対案戦略運動」などと言い、労働運動の新たな発展の道であるかのように描く彼らのデマゴギーを、われわれは絶対に許さない。
国鉄分割・民営化においてカクマルがやったことは何か。86年1月、動労本部は鉄労などとともに国鉄当局と労使共同宣言を結び、スト絶滅を誓った。さらに動労カクマルは、九州や北海道から大量の労働者を本州に異動させる「広域異動」に積極的に応じた。これは、動労組合員を国労の組織率の高い職場に集中的に配属することにより、国労組合員を職場から排除することを目的に行われたものだ。国鉄当局やカクマルは、これを「血の入れ替え」と呼んだ。この攻撃をテコに、国鉄当局は国労や動労千葉の組合員を「余剰人員」として人材活用センターに放り込んだ。
動労カクマルと鉄労が野合してつくられたJR総連は、87年2月の結成大会で、「国鉄改革を妨害する不良職員は採用するな」という特別決議まで上げた。このファシスト的ごり押しを支えに、国鉄当局は労働処分歴のある国労や動労千葉の組合員をJR不採用としたのだ。JR総連カクマルは、まさに1047名首切りの張本人だ。
労働者の首を切れと労働組合の名で資本・当局に要求することが、戸塚らの言う「対案戦略運動」の本質だ。
JR総連カクマルを賛美するこうしたやからはまた、民主党・連合政権に労働者を屈従させようと全力を挙げている。
樋口篤三は、JR総連の実質的な機関誌『われらのインター』に「鳩山友愛革命に注目を」と題する論文を載せ、民主党幹事長・小沢の基本路線である「地域主権国家」=道州制導入と「東アジア共同体」構想を手放しで絶賛した。
労働者の怒りは民主党に向かう
だが、道州制導入はまさに公務員労働者360万人首切りと、戦争遂行に向けての国家改造攻撃そのものだ。東アジア共同体構想とは、日本帝国主義の対米対抗的なアジア侵略にほかならない。鳩山の言う「友愛政治」とは、戦前の労働総同盟、戦後の同盟の母体となった反共主義的御用労組「友愛会」をモデルに帝国主義的労働運動を育成し、その反革命的力で階級的労働運動を圧殺するということだ。これは、最後は産業報国会に行き着く。
JR総連カクマルを賛美する者は、必ず侵略戦争翼賛へと転落する。それは、「11月末の集会に鳩山と国交相・前原を呼んで1047名問題の政治解決を図る」とうそぶく4者4団体を始め、民主党・連合政権を賛美する者が、必ずたどり着く末路を示している。
だが、階級的労働運動を圧殺して資本主義を救済するために登場した民主党・連合政権の本質は暴かれ、これへの巨大な怒りが噴出しつつある。
11月8日の沖縄県民大会では、沖縄に米軍基地を押しつけ続ける民主党に対し、沖縄の労働者の絶対非和解の怒りがたたきつけられた。
11・27判決公判闘争に結集し10春闘へ総決起態勢築こう
社会保険庁労働者1千人首切りに対する怒りもまた、火を噴こうとしている。不採用を通知された労働者を切り捨てて「日本年金機構労組」の結成をたくらむ自治労社保労組幹部は、社保庁解体が道州制の突破口となることを十分認識した上で、動労カクマルに匹敵する階級的大罪に自覚的に手を染めたのだ。こんなことが労働者階級により厳しく断罪されることなしに通用するはずがない。
民主党・連合政権は今や、「事業仕分け」の名で恫喝的な社会保障解体の攻撃にのめり込み、消費税やたばこ税の大増税へとあからさまにかじを切った。今後ますます激化する大失業情勢の中で、労働者の巨大な怒りが民主党・連合政権に向かうことは間違いない。
その闘いの最先端に1047名解雇撤回闘争と検修部門全面外注化阻止の闘いは位置している。
4者4団体を始めとする体制内勢力の民主党・連合政権への屈服と総転向を突き破り、1047名解雇撤回・JR体制打倒への突撃路を切り開くものこそ国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。
5・27裁判の判決公判は11月27日に迫った。11・1で打ち固められた労働者階級の力を再び総結集し、有罪攻撃をなんとしても打ち破ろう。
5・27被告団は国家権力やJR資本はもとより、一切の体制内派と非和解的に対決している。
被告団は、鉄建公団訴訟原告団への統制処分に行き着いた国労本部の裏切りを徹底弾劾するとともに、その後、解雇撤回を投げ捨て、4者4団体路線に走った鉄建公団訴訟原告団一部指導部の変節とも厳しく対決しぬいてきた。さらに被告団は、08年2月の旧弁護団解任という壮絶な決断をとおして、あらゆる体制内派との根底的な決別を宣言した。
尼崎事故を弾劾し、JR西日本と最先頭で対決してきたのも被告団だ。
こうした被告団の闘いは、国労本部を打倒して1047名闘争を階級的によみがえらせ、JR体制を覆す攻防の最先端に立っている。だから敵階級は被告団に憎悪を集中し、有罪攻撃を振り下ろそうとしているのだ。
だが、被告団はいかなる攻撃にも屈しない強固な団結と勝利の確信をつくり出してきた。被告団とともに闘おう。11・27判決公判と報告集会に総結集し、1047名解雇撤回・検修部門の全面外注化阻止へ、10春闘の決戦態勢を打ち固めよう。
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週刊『前進』(2416号5面2)(2009/11/16 )
“学校の軍事化阻止を”
広島 日米教育労働者が交流
11月4日、UTLA(ロサンゼルス統一教組)西部地域議長のセシリー・マイアトクルスさんが広島を訪れ、平和公園・原爆資料館を見学した後、夕方からの「日米労働者交流集会in HIROSI
MA」に参加した。11・1全国労働者総決起集会に結集した広島の仲間が総出で迎え、ヒロシマとアメリカの労働者の国際的団結を深めた。
(写真左 教育の民営化と闘う日米教育労働者の交流はインター斉唱で最高潮に【11月4日 広島】)
11・1集会のビデオ速報の上映後、広島県労組交流センター、広教組の組合員、被爆者青年同盟が歓迎のあいさつを行い、セシリーさんが40分にわたり迫力に満ちた熱弁を振るった(写真右)。
セシリーさんは冒頭、「『原爆』『8月6日』は知っていたが、広島に来た今日、一発の爆弾で広島全域に何が起こったか、心の中でわかった。こうした戦争を起こさないためにも、学校の軍事化と民営化を、ランク&ファイルの力で阻む闘いをやっている」と述べ、現場の様子を語った。「アフリカン・アメリカンの貧しい子どもが多い学校には週に2度も募兵官が来るが、裕福な学校には年に1回のみ」「体育も軍隊のトレーニングキャンプのように行進や敬礼などが組み込まれ、体育の先生も困惑している」「『落ちこぼれゼロ法』は子どもたちと教師を落ちこぼれさせている」等々。本当に日本の学校現場の数段先を行くすさまじい現実だ。しかしセシリーさんはまったく絶望などしていない。力強く、生き生きと教育の民営化・軍事化に対する闘いを報告した。
「現場の労働者が実際に闘う戦略を立てること」「われわれ(指導部)は黙っていない。黙っていることは撤退するということ」――セシリーさんの発言には「いかにしてランク&ファイルを奮い立たせ、団結を組織するのか」という問題意識にあふれていた。また、8月6日に「ヒロシマ大行動」に参加したことで戒告処分を受けた青年教育労働者の倉澤憲司さんに熱い連帯を表明し、「あなたがたはケンジを持っている!」と私たちを激励した。
その後、倉澤さんが、「8・6処分」撤回の闘いや11・1集会への組織化をとおして、体制内本部と対決しながら職場・地域に団結を広げていることを勝利感に満ちて報告した。続いて、8・6ヒロシマ大行動実行委員会、動労西日本の大江照己委員長からアピールがあり、セシリーさんへの質問を含めて参加者から発言が相次いだ。最後は団結ガンバロー、インターナショナル斉唱、そしてセシリーさん伝授のUTLA流(?)の拍手で、なかなか集会が終われない。集会後の交流会も盛り上がり、セシリーさんは「ヒロシマでの出会いと交流をけっして忘れない。この体験をアメリカに帰って必ず伝える」と語った。11・1で切り開かれた国際連帯の地平をさらに打ち固める集会・交流となった。
(広島/S・K)
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週刊『前進』(2416号5面3)(2009/11/16 )
米陸軍基地で“自爆決起”
オバマの戦争政策に痛撃
11月5日、米テキサス州フォートフッド陸軍基地で、陸軍精神科医ハサン少佐(39)の決死の決起が行われた。戦地派遣前の予防接種のために整列していた第36工兵旅団の兵士約300人に拳銃を乱射した(13人死亡、43人負傷)。生還を期さない「自爆テロ」事件だった。同基地は「戦場に最も近い基地」で、「いつか(こういう事件が)起きる気がした」と基地全体が受けとめている。
同基地は、世界最大級の陸軍基地だ。第3軍団司令部が置かれ、兵士約5万7000人が駐留。イラクやアフガニスタンへの派兵拠点で、これまで500人以上の派兵兵士が戦死している。
ハサン少佐は、両親がパレスチナ自治区からの移民で、バージニア工科大学卒業後、陸軍に入隊。PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ兵士の治療のためワシントンの陸軍病院勤務、7月に同基地に赴任した。イスラム教徒で、「われわれは戦場にいるべきではない」とイラク、アフガニスタン侵略戦争に反対していた。
米陸軍の自殺者は、08年143人、09年すでに134人。08年時点でイラク駐留米兵の約6割が2回以上戦地赴任している。また3度目の派遣になった兵士の約4分の1がPTSDの症状を抱えている。今年5月にはイラク派兵中の米軍曹が同僚5人を射殺する事件が起きている。
米帝は、01年9・11以来、アフガニスタン侵略戦争に突入し、03年にはイラク侵略戦争へ全面的に突入した。この戦闘の泥沼化の中で米帝がやっていることは、徹底的な兵士に対する締めつけだ。
米国防総省は、人員不足を補うために従軍期間を従来の1年から15カ月に延長。休息期間は2年から1年に短縮した。米帝は貧困層の青年を軍隊以外に働くところがない状態に追い込み、不正義の侵略戦争に駆り出し、過酷な戦場で肉体的精神的な打撃を与えてきた。ハサン少佐は、軍医として日常的に兵士の戦場体験を聞き、治療に当たりながら、しかも自分自身が近くアフガニスタンに派兵されることになっていた。
ハサン少佐の覚悟の決起は、アフガニスタンへの米兵増派の策動を直撃した決起だった。アフガニスタンはタリバーン支配地域が拡大し、米兵死者数が激増している。8年間に及ぶイラク・アフガニスタン・中東侵略戦争とその泥沼化は、米帝軍隊の解体的危機を日々推し進めている。今回の事件は、米帝の存立を揺るがす危機だと言える。
オバマは「海外の戦場で勇敢な米国人を失うことも悲劇なのに、米本土の陸軍基地内で兵士が銃火を浴びねばならなかったことにぞっとしている」と語り、追悼行事のために訪日を1日延期せざるを得なかった。まさに米帝にとっては内戦の恐怖なのである。
米失業率は、ついに10月、10・2%になった。大恐慌のもとで米帝危機は底なしである。結局、米帝は帝国主義間争闘戦を激化させ、世界戦争へ進むほかない。
大失業と戦争のオバマ政権を、今こそ労働者階級の決起で打倒する時だ。軍隊内からの決起は、米帝の階級支配の破綻の鋭い現れであり、プロレタリア革命の現実性を開示しているのだ。
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週刊『前進』(2416号5面4)(2009/11/16 )
通年国会や官僚答弁禁止
21世紀臨調が小沢に提言
民主党・連合政権は、自民党政治への労働者人民の怒りを逆手にとってさまざまなペテン的幻想を振りまきながら、自民党もできなかった戦争国家への反動的大転換を強行しようとしている。
10月26日の所信表明演説で鳩山は、「戦後行政の大掃除」「無血の平成維新」をやると述べた。それは1980年代の中曽根の「戦後政治の総決算」をも超える国家大改造=戦争国家化を行うという決意表明である。中曽根は国鉄労働者20万人の首切りを強行したが、鳩山政権は社会保険庁1千人、日航1万3千人の首切りから、さらに道州制・民営化で公務員360万人の全員解雇―選別再雇用を強行しようとしている。
この鳩山政権の国家大改造の一環として、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)は4日、小沢の依頼を受け「国会審議活性化等に関する緊急提言」を発表した。提言の核心は、@法案審議における「官僚答弁の禁止」であり、A国会法が定める150日という会期制限や「会期不継続の原則」を撤廃し「通年国会」を実現することである。
これは衆参両院での過半数確保を前提に、国会の会期に縛られることなく反動法案を成立させる体制を狙うものである。日帝支配階級はもはや議会制民主主義的なやり方では支配できなくなり、大恐慌と世界戦争の時代に、争闘戦の激化に対応できる強権的独裁体制をつくろうとしている。
同じ4日、平野博文官房長官は、鳩山政権は憲法解釈について「内閣法制局長官の過去の答弁に縛られない」「憲法9条などの解釈は、今後内閣が政治判断で行う」と表明した。鳩山も「法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしい」と述べた。
これは21世紀臨調の提言と一体の重大攻撃だ。直接には小沢・鳩山らは「集団的自衛権」を合憲とし、自衛隊を国連軍に参加させることを狙っているのだ。
民主党幹事長・小沢の持論は、「自衛隊が国連待機軍として国連の要請に応じて出動し、国連の指揮下に入ることは、なんら憲法に違反しない」(『日本改造計画』1993年)というもの。ところが、内閣法制局は「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」「自衛隊の国連軍参加は、武力行使を伴うものであれば許されない」としてきた。かつて小沢が自民党幹事長だった1990年当時、湾岸戦争に自衛隊を派兵するため「国連平和協力法」を制定しようとしたが、内閣法制局長官が「不可能」との立場をとり、廃案になった経緯がある。
ここに明らかなように、小沢と鳩山は、内閣法制局長官(官僚)の国会答弁を禁止し、首相の独断で自衛隊の国連軍参加を合憲とし、アフガン派兵もテコに自衛隊の本格的な海外派兵―侵略戦争参戦に突き進もうとしているのだ。
「緊密で対等な日米同盟関係」「東アジア共同体」構想は、日米争闘戦の激化を前提としながら対米対抗的に仕掛けている、歴史を画する戦争政治である。連合中央はこの小沢・鳩山の戦争政治、さらには大失業の攻撃に労働者を屈服させようとしている。一切の民主党幻想と美化論を粉砕し、民主党・連合政権打倒へ闘おう。
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週刊『前進』(2416号6面1)(2009/11/16 )
団結ひろば 投稿コーナー
鳥取・松江の裁判員裁判に廃止訴え抗議 山陰 N
10月27日、鳥取、松江の両地裁で山陰初の裁判員裁判が強行されたことに対して、百万人署名運動山陰連絡会や労組交流センターの仲間を中心に、裁判員制度廃止を訴え抗議行動を闘った。
鳥取では、いつもは閑散としている地裁前にマスコミ各社がカメラの放列を構える中、午前8時前から5人の仲間が決起し、「つぶせ!裁判員制度」「裁判員制度はいらない!」のノボリや横断幕を掲げ、ビラを手渡し、マイクで「裁判員を拒否しよう! 現代の赤紙=裁判員制度を廃止しよう」と熱烈に訴え、労働者・市民の注目を集めた。
裁判員制度に対する労働者人民の疑問と批判、拒否の声は圧倒的だ。鳥取地裁では、呼び出しをかけた裁判員候補34人のうち31人が出頭したとして「出席率91%」と言っているが、実際には、80人を呼び出す方針だったものが拒否・辞退の続出によって34人に減らさざるを得なくなり、しかも当日出頭した31人のうちからも14人が辞退を希望したにもかかわらず、裁判所がそれを認めなかったのだ。
松江では、裁判初日の27日をはさんで3日間の連続決起で、のべ20人の仲間が裁判員制度の反動性を広くアピールし、800枚を超えるビラをまき、70筆を超える署名を集めるなど、大きな成果を得た。
改憲と戦争への一里塚である裁判員制度は即刻廃止あるのみだ。裁判員制度廃止の日を迎えるまで闘いぬこう。
「ピスカートル」読みしばしため息と怒り 野沢道夫
最近、小田原紀雄氏発行の「ピスカートル」という通信に掲載された木村信彦氏の文章を見て、以前の木村氏の文章を読んだことがある者としてしばしため息をつきました。ここには、階級的立場も革命への意欲もまったく感じられません。
いろいろありますが一点だけ。「自民党も民主党も所詮(しょせん)ブルジョア政党だなどと言わずもがなのことを言って一生懸命水をかける愚」というくだりがあります。確かに、あたり前のことを言ってるだけでは始まらないかもしれません。しかしこの文章では、だから対決するな、民衆は幻想をもっているんだから、そこからあまり離れない方がいいんだという屈服的感覚がにじみ出ています。「民主党がブルジョア政党だ」ということを確認することが今の労働運動の現場でどんなに重要なことなのか、そこで苦闘している労働者の実践感覚が視界の中に入ってさえいません。
民主党政権は民主党・連合政権です。労働貴族たちは「左からの脅威に対して、われわれの政府を守らなければならない」という、1920年代のドイツ社民と同じ心境に陥っています。今までの「闘っても勝てない」という裏切りとはまったく違う次元でわれわれと衝突しています。また4者4団体派などは、まるで地獄にクモの糸でも降りてきたかのようにありがたがっています。
だからこそ労働者の間で「民主党はブルジョア政党だ」「打倒しなければならない」というあたり前のことを必死になって訴えること、そこで体制内派と激突することが必要だし、それが実は大変なことでもあるのではないでしょうか。
さらに、民主党が選挙のために弄(ろう)した甘言を、本当に怒りをもって弾劾することも私たちの責任のひとつだと思います。例えば自立支援法などは「廃止」するかもしれません。その場合でもすぐにもっとひどい攻撃が置き換わることになるほかありません。
改憲については、安倍的な軽薄な改憲論が後景化したことがかえって小沢的な実態的な改憲の道を開いているのだ、「国家改造」に踏み込むことが小沢の最大の狙いだということにあらためて警鐘を鳴らさなければなりません。この道州制を始めとする「国家改造」攻撃との現場における対決が新たな段階に入っている。そこでの実践こそが問われているのです。
木村氏には、もういいかげんに目を覚ましてほしいものだと思います。
みやぎ星野さん救う会団結!芋掘りの集い 仙台 青柳葉子
10月4日、みやぎ星野文昭さんを救う会は、「団結!芋掘り芋煮の集い」を行いました。この芋は、名付けて『星野鳴門金時いも』です。会員の一人が3月の三里塚全国集会に参加した際、感動して高校球児よろしく持ち帰った「三里塚の土」をなんとか生かせないかと発案したのが、星野さんが闘っている徳島の名産「鳴門金時芋」を宮城で育てようという芋作りです。
しかも、宮城の地で34年間「一人の首切りも許さない」を掲げ続けて解雇撤回闘争に勝利して職場に戻った全金本山労働組合の組合員の実家の畑をお借りしました。
つまり、「星野文昭さんの闘い」+「三里塚闘争」+「全金本山闘争」の勝利に思いを込めて芋を育て、秋には(奥深山さんの農園にならって)収穫祭をやろう、という欲張りな企画です。
6月末の「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の総会で、徳島の救う会の方にお願いして、鳴門金時芋の苗を100本送ってもらい、7月初めに苗の植え付けをし、発案者の会員の方が毎週のように水やり・草取りに通いました。
10月4日は雲一つない晴天、蔵王連峰を背景に東北本線の列車が時々通る田畑の中の芋掘りはとても気持ちよく、青々と育った芋のつるの下から金時芋がたくさん連なって掘り上げられました。掘った芋を焼き芋にし、里芋の芋煮汁と一緒にいただきました。
10・11三里塚全国集会にはこの芋で作った大学芋を全国の星野再審連絡会議の仲間に食べてもらいました。そして11・1の日比谷野音で暁子さんにスイートポテトにした星野芋を味見してもらいました。
「来年は、星野さんと一緒に芋掘りできたらいいねえ。会員を増やして頑張ろう!」と仲間と決意を新たにしています!
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週刊『前進』(2416号6面2)(2009/11/16 )
三里塚現闘本部裁判
仲戸川裁判長の結審強行を弾劾
「訴状訂正」の暴挙を激しく追及
11月12日、千葉地裁において現闘本部裁判の口頭弁論が開かれ、ついに仲戸川隆人裁判長の強権的な訴訟指揮による結審が強行された。だが、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団を先頭に、支援に駆けつけた労働者・農民・学生・市民が一致団結してこれを徹底弾劾して闘いぬき、「農地死守・実力闘争」を貫く三里塚闘争の真骨頂を見せつけた。
千葉市街デモ
開廷に先立つ午前9時、千葉市中央公園で反対同盟が呼びかける集会が始まった。司会の鈴木謙太郎さんが第一声で、裁判官忌避申し立てが仲戸川自身によって却下されたことを報告すると、たちまち参加者の怒りに火が付いた。
北原鉱治事務局長が発言に立ち、「どんな判決が出されようと、屈せずに闘う。正義はわれわれの側にある」と、揺るぎない立場を示してこの日の闘いの方向を決定づけた。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が、「三里塚の絶対不屈の頑強な闘いを全国に広げよう。新しい階級闘争のうねりが確実に始まっている。その先頭に反対同盟の旗を押し立てよう」と訪韓闘争の熱気を携えてアピールした。
関実の山本善偉さん、三里塚現闘、各支援党派の発言が続き、ただちにデモに出発。強い寒風が吹きすさぶ千葉の市街に「仲戸川弾劾」の声が響いた。
(写真 反対同盟を先頭に140人の労農学が「仲戸川裁判長弾劾、現闘本部を守りぬくぞ」と早朝の千葉市内にシュプレヒコールを響かせた【11月12日】)
怒りの傍聴席
10時半に開廷。ただちに顧問弁護団は仲戸川裁判長に弾劾の集中砲火を浴びせた。原告の空港会社(NAA)は10月末になって「訴状の訂正」として、現闘本部建物の本体に加えて便所、蛇口および水道管(埋設部分を含む)4個、小便器、流し台の「付属物」を収去対象物件とし、これに応じて明け渡し対象地を8・9坪も広げるという申し立てを突如行ってきた。これを最終準備書面とともに提出したのだ。こんなコソ泥的ごまかしは絶対に認められない。まともな裁判なら最初から全部やり直しだ!
ところが仲戸川は平然とこれを受け付け、反対同盟側に認否・反論の機会を一切与えぬまま結審するというのだ。裁判を受ける権利が完全に踏みにじられている!
法廷に怒りが充満した。市東孝雄さんは被告席から「なぜ最初から付属物のことを言わなかった!」と弾劾の声を浴びせた。仲戸川は「争点としては影響はない」などと突っぱね、弁護団が脱法的訴訟指揮に対して申し立てた異議を「棄却」の一言で切り捨てた。
北原さんが最終弁論に立った。裁判官席に立ち向かい、「われわれは法律家ではないが人としての道理はわかっている。これは裁判とは言えない!」と心の底からの糾弾を突きつけた上で、用意した陳述書を読みあげた。収去対象地の拡大、石橋恵美子証人のビデオリンク方式での採用、実地検証の一貫した拒絶、裁判官忌避申し立て却下などの暴挙を一つひとつ弾劾し、11月4日には裁判官訴追委員会に仲戸川罷免の訴追請求を行ったことを明らかにした。
続いて葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団が次々と陳述を行い、仲戸川の常軌を逸した訴訟指揮を徹底的に断罪し、これが40年を超えて不屈の闘いを続ける反対運動への破壊攻撃であることを明らかにした。傍聴席の怒りも高まる一方だ。婦人行動隊の鈴木加代子さんは「農民殺しに加担するのか!」と叫んだ。
仲戸川は鉄面皮を装いながら、自らの違法・脱法を自覚し、内心の動揺を隠しきれない。最後に結審を宣し判決日を2月25日と告げ、怒りが沸騰点に達した法廷から逃げるように立ち去った。
勝利感で集会
近くの千葉市文化センターで記者会見と総括集会が持たれた。2時間をゆうに超える法廷闘争で仲戸川を徹底的に追いつめた勝利感で、士気は高い。北原さんが「弁護団に拍手を」とその奮闘を心からねぎらった。
動労千葉新小岩支部長の佐藤正和さんと関実の永井満さんが連帯のあいさつを行った。佐藤さんは、「来年春闘の生きさせろの闘いと一体で、三里塚の勝利へ!」と力強く訴えた。
最後に事務局次長の萩原進さんがまとめの発言に立った。「今日はわれわれの正義の主張を全面的に展開し、仲戸川の悪行をとことん引きずり出した。どんな判決が出てもわれわれは驚かない。理はわれわれにある。怒りを反撃に転化していこう。現地へ、全国へ、市東さんの農地裁判へと闘いを引き継いでいこう。2月は目の前だ」と、一段の奮起を訴えた。
(写真 「仲戸川を徹底的に追いつめた」との勝利感で総括集会は熱気に包まれた【千葉市文化センター】)
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週刊『前進』(2416号6面3)(2009/11/16 )
市東さん耕作権裁判
藤崎メモはデタラメ
尋問拒むNAAに怒り
現闘本部裁判に先立つ11月9日、千葉地裁で反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判の第13回口頭弁論が開かれ、反対同盟、顧問弁護団、傍聴に駆けつけた労働者・学生・市民が一体で闘った。
NAAは市東さんの耕作地の一部を「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めている。農民が祖父の代から耕し続け、現に毎年豊かな作物を実らせている土地を強奪しようとするデタラメで恥知らずな提訴だ。だが不正・違法が暴き出されたのは、NAAの側だ。
今回弁護団は、市東家の耕作地を地主から秘密裏に買収した空港公団(後のNAA)が、農地法違反となる不在地主であったこと、青柳鑑定書に基づいてNAAの土地特定がデタラメであることをとことん追及する準備書面を提出した。
NAAによる土地の位置特定(契約地がどこからどこまでか)の根拠は、信用性が限りなくゼロに近い旧地主・藤崎政吉のメモ、それだけである。実際には市東家が一度も耕したことのない土地を「賃借していた」などと言い張っている始末だ。
その上、NAAの代理人弁護士は、唯一の証人・藤崎の「証人尋問も陳述書の提出も考えていない」と言い出した。農民を違法呼ばわりして被告席に座らせておいて、その訴えの根拠が審理されることを拒否するとは、盗人猛々しいにもほどがある! 弁護団の追及に呼応して傍聴者も一斉に弾劾した。
追いつめられたNAAに助け船を出すために菅原崇裁判長は「今後の進行について別に協議をやろう」と言ってその場を切り抜けようとしたが、弁護団はこの密室協議提案をきっぱりはねつけ、あくまで弁論の中で決めるべきだと突きつけた。
裁判終了後、弁護士会館で記者会見が開かれた。市東孝雄さんの「裁判が進むにつれてNAA側のひどいやり方が一層明らかになった。今後どんどん追及する」との闘志あふれるあいさつに、大きな拍手が送られた。さらに弁護団が次々と立って、法廷での応酬の内容をたどりながら、反対同盟とともに全力で裁判に勝利する決意を表明した。記者、傍聴者との間での熱心な質疑応答が続いた。次回耕作権裁判は来年の2月1日。
10・11三里塚―11・1労働者集会―11・8訪韓闘争が労農連帯・国際連帯の力で大爆発した。反対同盟の「農地死守」を貫く不屈の闘いが日帝・NAAを決定的に追いつめている。市東さんの農地と現闘本部の存在が、への字に曲がった誘導路の現実を強制し続けている。絶対に守りぬこう! 裁判、現地攻防を全力で闘いぬき、成田を廃港に追い込もう。
(写真 市東さんが鮮明な決意表明)
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週刊『前進』(2416号6面4)(2009/11/16 )
11・28星野全国集会へ
第2次再審請求を貫徹し再審実現―星野同志奪還を
獄中35年・無実の政治犯、星野文昭同志を1日も早く取り戻そう。第2次再審闘争勝利へ総決起しよう。「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」が「11・28星野全国集会」を呼びかけている。
この集会は、星野同志と再審弁護団の力によって第2次再審請求を貫徹し、なんとしても再審をかちとり、星野同志を奪還するための総決起集会である。11月労働者集会の勝利の地平を踏まえ、11・28星野全国集会を圧倒的に成功させよう。
(写真 11・1労働者集会、星野暁子さん【前列左】を先頭にデモをする全国の星野支援の労働者人民)
●無実の星野同志に「殺人罪」無期懲役判決
1971年11月、日帝は、沖縄を半永久的な基地の島として固定化しようとする沖縄返還協定の批准を国会で強行しようとしていた。そのために人民の反対の声を封殺しようと、東京での集会・デモを一切禁止した。
だが11月14日、それを打ち破る沖縄返還協定批准阻止闘争が渋谷暴動闘争として爆発した。この闘争で教育労働者・永田典子同志が機動隊に虐殺され、他方で機動隊員が1人死亡した。その日、星野同志はデモ隊のリーダーとして最先頭で闘った。渋谷暴動闘争の爆発に大打撃を受けた国家権力は星野同志に憎しみを集中し、機動隊員殺害の「実行犯」に仕立て上げ無期懲役刑を下した。
星野同志は無実である。「殺人罪」は国家権力がデッチあげたものだ。国家権力は当初、膨大に決起した青年労働者の中から「犯人」をデッチあげようとした。しかしそれが完全黙秘の闘いで粉砕されると、今度は群馬の学生と高崎経済大学の星野同志に的をしぼった。少年を含む学生の見込み逮捕を強行し、「殺人罪」の恫喝で虚偽の「供述」を迫った。
星野同志への殺人罪デッチあげに物証は何ひとつない。ただ6人(うち少年が3人)のねつ造された「供述」がすべてである。
しかし彼らは、後の裁判で「星野さんが機動隊員を殴打していた」などの供述はウソであること、それは取り調べ刑事や検察官によって強制されたものであることを証言した。一例を挙げれば次のとおりである。
「検事に教えられて、確か、星野さんなど、殴ったという人の名前を挙げた」「検察の人がつじつまを合わせるような格好で、こうだっただろう、ああだっただろうということで、現場の流れを向こうが(つくりあげた)」「何で覚えていないんだ。お前先輩をかばっているのかとか、お前、言わないのは、自分がやっていたからだろうとか言われて」
しかし、東京高裁・草場良八裁判長(後に最高裁長官)は、これらを一切無視して、星野同志に無期懲役の判決を下したのだ。
この判決は、Krの「後ろ姿しか見ていないが、きつね色の男が殴っているのを見た。星野さんの服の色はきつね色だった。ほかにきつね色の人はいなかった。だから、殴っていたのは星野さんだ」という供述を重要な証拠としていた。
●屁理屈並べた最高裁の特別抗告棄却決定
昨年7月14日に下された最高裁の特別抗告棄却決定では、第1次再審請求の闘いによって、星野同志の服の色を「薄い青色」と認めざるを得なかった。「きつね色だった」というKrの供述の誤りを認めたのである。
ところが最高裁は「Krは星野さんの服の色は間違ったが、後ろ姿で分かったのだ、声で分かったのだ」と、屁(へ)理屈を述べている。Kr自身はそのようなことは、どこでも一言も言っていないのだ。最高裁はあくまで「再審は認めない」とし、「星野=無期」を強行し続けているのだ。満腔(まんこう)の怒りを込めて弾劾する。
この最高裁の棄却決定から1年4カ月、星野同志と家族、再審弁護団、全国の救援会の固い団結のもと、星野同志奪還の階級的路線を確立し、確たる「新証拠」に基づいて、いよいよ第2次再審請求に打って出る。
星野同志と固く団結し、階級の大地に根ざした、広大で強力な再審運動を構築しよう。それを実現する情勢がわれわれの眼前にある。
●全国津々浦々から「星野奪還」の声を
資本主義は歴史的生命力を完全に喪失し、世界大恐慌に突入している。民主党・連合政権はその危機にのたうつ日帝ブルジョアジーを救済するための政権である。
連合はブルジョアジー救済のために、道州制攻撃を容認し、自ら労働者の大量解雇と大幅賃下げを組合の方針として打ち出すに至った。現場労働者が、このような方針をいつまでも許しているわけがない。連合指導部の打倒へと突き進むことは不可避である。
資本・当局と絶対非和解の職場闘争は階級的団結を形成し、強化・拡大する。それは35年間非転向の星野同志の闘いと瞬く間に結合する。
デッチあげによる無期攻撃を絶対に打ち破ろう。国家権力は、ブルジョア支配体制を維持するために、無実の星野同志を35年間も獄中に閉じ込めている。この暴虐非道をどうして許せるか。労働者階級人民の激しい怒りをたたきつけ、「星野奪還」の声を全国津々浦々から巻き起こそう。なんとしても星野同志を取り戻そう。
第2次再審請求を貫徹し、「11・28星野全国集会」へ総結集しよう。
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週刊『前進』(2416号6面5)(2009/11/16 )
訂正
前号6面の法大暴処法弾圧裁判の記事に「島章弁護人」とあるのは「高島章弁護人」の誤りでした。おわびして訂正します。
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