ZENSHIN 2009/10/12(No2411 p06)
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週刊『前進』(2411号1面1)(2009/10/12 )
職場の団結の力を地域の団結拡大へ
全国で11・1結集のうねりを
労組破壊の一斉弾圧粉砕せよ
国鉄1047名解雇撤回・JR体制打倒 10・16JR本社緊急抗議行動へ
(写真 青年を先頭に1万人結集へ熱気 10・3東京集会には260人の労働者・学生が結集。集会全体を青年労働者がリードし、残り1カ月の猛然たる組織戦に突入する決意をうち固めた【10月3日 杉並区】=記事3面)
10・11三里塚全国闘争の爆発から、いよいよ全国の全職場・全戦線で11・1労働者集会1万人大結集に向けて、3週間の嵐のような一心不乱の闘いに全面突入しよう。動労水戸の3波のストに続く、動労千葉幕張支部の10・1全1日ストは、11・1への感動的な号砲だ。民主党・連合政権と、それに総屈服したすべての体制内指導部を先兵とする、戦争・改憲と民営化・労組破壊、首切り・賃下げと大失業の攻撃に、国鉄1047名解雇撤回を真っ向から掲げて1万人総決起の力をたたきつけるのが11・1だ。10・16のJR東日本本社弾劾闘争と法大解放集会を圧倒的に爆発させ、11・1へ攻め上ろう。
体制内との党派闘争貫こう
全国の職場・街頭・地域で今、11・1労働者集会への大結集運動がひとつの「うねり」となりつつある。国鉄1047名闘争こそ民主党・連合政権への最大の対抗基軸であり、世界大恐慌下の大失業攻撃を打ち返す階級的水路だ。攻めて、攻めて、攻めて、いま勝利を開いているのはわれわれだ。動労千葉派であり、11月集会派だ。
戦後の2・1ゼネストに示された革命的高揚を、1947年5月の社会党・片山内閣成立で圧殺しようとした「二番せんじ」など絶対に許さない。民主党政権の帝国主義的労働運動のダラ幹や旧社会党の帝国主義社民に、自民党を倒した労働者の決起を抑圧することなどできない。
11・1大結集の「うねり」に恐怖する日帝権力とブルジョアジーは、9月29日以降、不当な逮捕攻撃、全国一斉の家宅捜索、さらに動労千葉や合同労組へのかつてない不当極まる捜索と弾圧に出てきている。これは大恐慌と自民党崩壊下で、闘う労働組合を圧殺し、プロレタリア革命への前進を阻止しようとする許し難い暴挙だ。この組合つぶしの不当弾圧を、逆に11・1総決起の階級的なバネに転化して闘おう。
革共同は、綱領草案採択(本紙前号掲載)の歴史的地平に圧倒的な確信を持ち、すべての闘う労働者、労働組合とともに11・1への全国総結集の「うねり」を3週間決戦として拡大し闘いぬく。
日共と社民は資本の共犯者だ
民主党政権の連合ダラ幹や帝国主義社民、そして「閣外協力」の日共スターリン主義の反階級的犯罪と対決し、徹底弾劾する党派闘争が、職場を活性化させている。
JR西日本と国交省による尼崎事故調査報告書の改ざん策動の共犯者は、遺族が「労使ともに腐敗の極み」と弾劾したように、国労西日本エリア本部の革同=日共スターリン主義だ。JR東日本による信濃川盗水問題(280億円分!)についても、国労本部派の日共と社民はJR資本の共犯者である。
さらに、市東孝雄さんの農地の強奪、国鉄1047名闘争解体、日航大リストラに突き進む国交省の副大臣・辻元清美は社民党であり、107人を殺したJR西日本前社長・山崎を在宅起訴で済ます一方、星野文昭同志や法大闘争の8人の学生を獄に閉じこめ、さらに裁判員制度を強行している法務大臣・千葉景子は旧社会党ではないか。不当逮捕や全国一斉捜索を自由にやらせておいて、どこが「人権派」の弁護士閣僚だ!
体制内勢力との党派闘争は国際的になり、国鉄分割・民営化の最大の裏切り者=JR総連・松崎も引きずり出された。これはファシストどもを打倒する絶好機だ。現場の闘い、労働組合をめぐる攻防がすべてを決する。
職場の闘いを軸に、動労千葉、動労水戸、法大裁判の勝利判決・無罪判決をも武器に、11・1へ大進撃しよう。
第2の尼崎事故阻止する力
国鉄分割・民営化の帰結こそが尼崎事故だ。今やJR東日本では、それ以上の大事故がいつ起きてもおかしくない状態にある。
全国で唯一、8年間にわたり業務外注化を阻止している幕張車両センターは首都圏の列車検査・修繕(検修)の拠点であり、安全を守る砦だ。「JRは列車を走らせてメシを食っている」(『日刊動労千葉』)にもかかわらず、JR東日本は2001年以降、その核心である保線・検修などの全面的な外注化を、安全をまったく無視して強行してきた。動労千葉のみがこれを阻止してきた。
この外注化の結果、JR東日本では08年9月末と12月に連続して新幹線総合システムがダウン。今年7月には、京葉線変電所火災で運転が7時間ストップした。9月10日には、新幹線仙台駅構内で下請けの労働者が作業中の事故で殺された。今やJRの輸送障害事故は大手私鉄の11倍という異常事態だ。
千葉では他の支社から回ってきた車両も検修するが、「高崎では7人を5人体制に減らされて」(『俺たちは鉄路に生きる3』)、まともな検査もできなくなり、今や幕張車両センターには使用限度を割り込んだ車両が次々に入ってきている。特にスピードを出す特急車両では、車輪転削に入った時点ですでにフランジ(車輪の縁にある出っ張り)が規定値を超えて減っており、脱線の危険のある車両が増えている。理由は検修周期を14〜15万`から22〜23万`に延伸したからだ。
それでも、動労千葉の熟練した労働者が当局とケンカしながら誇りをもって作業をしてきたから、なんとか事故は起きなかった。この職場でベテランの動労千葉の組合員全員が、最も中心的な検査である交番検査業務から外され、平成採の青年だけで車両の検修が行われている。そして今度は副支部長と書記長の強制配転だ。「第2の尼崎事故」を阻止する力と日本労働者階級の未来は、幕張車両センターでの攻防にかかっている。
1万人決起へ3週間の決戦
民主党・連合政権を構成している閣僚はみな、国鉄分割・民営化や労働者派遣法を推進した連中だ。1989年の「連合の進路」は、資本主義を救済し、階級的労働運動や共産主義と闘う帝国主義的労働運動の宣言だ。
鳩山政権の「補正予算の見直し」とは、「行政の無駄遣いの排除」と称し、財源確保に公務員労働者へ徹底的な民営化と賃下げ・大量解雇の攻撃を強制して、ブルジョアジーを救済するためのものだ。労働者の08年の年間平均賃金は前年より7万6千円も下げられた。今年冬の一時金支給も東証上場企業平均でさえ約10万円減額で労使妥結となっている。公務員職場では、道州制攻撃の先取りとして8月11日の人事院勧告で「国家公務員は平均15万4千円賃下げと住宅手当廃止」とされ、地方自治体ではさらに拍車がかかっている。
こうした賃下げ・解雇と、世界大恐慌下で過去最悪を更新する大失業の攻撃が、労働者階級の生活を根底から破壊している。
賛同署名を訴えチケット売ろう
この情勢と対決し、今年1月以来、動労千葉派・11月集会派は、2〜3月の「生きさせろ!」ゼネストに果敢に挑み、職場実践を積み重ねてきた。労学共闘の醍醐味(だいごみ)も味わい、職場の仲間と討議を重ね、地域ぐるみ、家族ぐるみで闘いを切り開いてきた。青年と古参の労働者が一体で、路線で団結した時に発揮する地区党の底深い力もつかんできた。何よりも動労千葉と三里塚反対同盟、そして革共同による国鉄・三里塚決戦の勝利が、国際連帯をも発展させてきた。
この地平から、国鉄1047名闘争を最大の基軸にすえて11・1労働者集会1万人大結集へ、最後の3週間を、闘って、闘って、闘いぬこう。
第一に、11・1大結集の大きな「うねり」を全国の職場と地域でつくり出し、職場の団結を地域全体に拡大しよう。
第二に、職場の全員にビラを渡し、賛同署名をとり、チケットを売ろう。『前進』や国際連帯パンフで組織しよう。工場から工場へ全職場を総ローラーしよう。物販や全国署名運動、百万人署名はその絶好の武器だ。
第三に、全戦線の闘いの中で蓄積されている全名簿に会おう。手紙を書き、夜は電話しよう。街頭宣伝などで出会った人に、その場で闘いの方針を提起しよう。次の街宣を一緒に取り組もう。さらにその人が職場や地域の仲間を誘おう。
自分と仲間と階級を圧倒的に信じ、思い切って大胆に、11・1大結集を組織しよう。
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週刊『前進』(2411号1面2)(2009/10/12 )
10・16JR本社前に結集を
動労千葉など3労組呼びかけ
動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の3労組が10・16JR東日本本社緊急抗議行動の呼びかけを発した。11・1労働者集会の爆発を切り開く決定的闘いだ。全力で集まろう。(編集局)
すべての闘う仲間の皆さん!
私たち三組合は10月16日、国鉄1047名解雇撤回を求め、卑劣な組合潰し、業務外注化、安全崩壊の現実と闘うために、JRに対する緊急の抗議行動に立ちあがります。
JRの職場では、今も露骨な不当労働行為、団結破壊攻撃が続いています。私たちは、運転士の国家資格をもちながら、動労水戸や動労千葉の組合員であるというだけの理由で20年以上も運転士に発令しないという露骨な差別事件で、最高裁の勝利判決をかちとりました。ところがJR東日本は、判決を守るどころか、それを逆手にとって、動労水戸の組合員を通勤に4時間もかかる職場で運転士に発令しようとしています。千葉では、動労千葉の車両検査係を業務から外し、組合役員を狙い撃ちで配転する攻撃がかけられています。こんな卑劣なやり方は絶対に許せない。私たちは、この攻撃に対し水戸、千葉で何度ものストライキに立ち上がりました。しかし、闘いはこれからが正念場です。
尼崎事故をめぐり、事故調査委員会の委員に飲食接待等を繰り返し、報告書を改ざんさせようとしていたことが明らかになりました。107名の乗員・乗客の生命を奪っておきながら事実を隠ぺいすることしか考えていなかったのです。信濃川での不正取水問題など、違法行為が平然と繰り返されています。事故や車両故障が多発し、安全は崩壊しようとしています。これが民営化の結果もたらされたものです。
われわれは闘い続けます。なぜなら、国鉄分割・民営化が戦後最大の労働運動解体攻撃だったからです。その結果もたらされたのは1000万人をこす労働者が非正規職に突き落とされる現実でした。そして今また、道州制導入をめぐり、「国鉄方式」で公務員労働者360万人を一旦解雇し、選別再雇用するという究極の民営化=労組破壊攻撃がかけられようとしています。
私たちはすべての労働者の怒りの声の先頭に1047名闘争の旗をおし立てる決意です。10・16抗議行動から11・1労働者集会に攻めのぼろう。ぜひとも多くの仲間の結集をお願いします。
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週刊『前進』(2411号1面3)(2009/10/12 )
錦糸町街宣で賛同180筆
11・1集会の1万人結集に向け、職場での闘い、連日の街頭宣伝で大きなうねりが始まっている。
10月4日のJR錦糸町駅前街宣には45人が参加(写真)。青年労働者がマイクをとると圧倒的注目が集まり、多くの人が聞き入った。結果は賛同署名が180筆、チケット販売が20枚、その場で集会参加を確約する人も相次いだ。
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週刊『前進』(2411号1面4)(2009/10/12 )
日程 法大集会、JR東日本本社緊急抗議行動
★飲酒規制、企画つぶしを許すな!
自主法政祭を学生の手に取り戻そう!
★獄中8学生を今すぐ釈放しろ! 不当処分を撤回しろ!
10・16法大集会
10月16日(金)昼休み 法政大学市ヶ谷キャンパス
呼びかけ/文化連盟、3・14法大弾圧を許さない法大生の会
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10・16JR東日本本社緊急抗議行動
10月16日(金)
〔抗議行動〕 午後5時〜 JR東日本本社前(JR新宿駅南口)
〔集会・デモ〕午後6時半 新宿中央公園・水の広場
午後7時 抗議デモ出発
■国鉄1047名解雇撤回!
■JRは運転士登用差別事件最高裁判決を守れ!
不当配転、組合つぶしを許すな!
■車輌検修業務外注化阻止! ライフサイクル制度白紙撤回!
■JR−事故調による尼崎事故隠ぺい工作弾劾! 運転保安確立!
■派遣撤廃! 道州制−公務員労働者360万人首切り攻撃粉砕!
呼びかけ/国鉄千葉動力車労働組合、国鉄水戸動力車労働組合、国鉄高崎動力車連帯労働組合
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週刊『前進』(2411号2面1)(2009/10/12 )
動労千葉物販を1047名闘争の柱に
物販は職場に入る最強の武器4大産別を軸に陣形広げよう
11月オルグと一体で取り組みを
今こそ1047名闘争の責任勢力へ
労働者の怒りの爆発で自民党政権は打倒された。動労千葉は10月1日、不当配転粉砕のストライキに立ち上がった。
労働者階級にとって歴史的なチャンスが到来した。新自由主義への怒りは自民党政権の打倒で止まることはない。資本主義の打倒まで突き進む闘いとなって爆発する。
9月10日、仙台駅構内で工事作業中の労働者が殺された。この現実をもたらしたものこそ国鉄分割・民営化だ。安全の崩壊が端的に示すように、今やJR体制は大破綻に突入している。
貧困や職場の現実に根ざした労働者の具体的な怒りが、さまざまな要求の形をとって噴出している。この具体的な労働者の怒りと切り結び、怒りを階級的決起へ結びつけていくことが問われている。
時代は革命党に、労働者階級まるごとの組織化に踏み出すことを要求している。組合・職場全体に責任を取り、組合・職場まるごとを獲得することが要求されている。その基軸が1047名解雇撤回闘争だ。
4者4団体路線は完全に破産した。動労千葉と動労千葉派が1047名闘争の責任勢力として登場するときだ。国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを軸に1047名闘争の大飛躍を実現しよう。そのためにも、政治和解を柱とした4者4団体の1047名闘争から、物販闘争を柱にした動労千葉の1047名闘争への転換をかちとろう。
動労千葉物販こそ1047名闘争を職場生産点に持ち込み、労働者の怒りの爆発を階級的に組織する最大の武器だ。
(写真 10・1スト貫徹総決起集会で前に並んだ運転士登用差別事件の当該組合員。発言者が内田さん【DC会館】)
分割民営化阻止の教訓を全国へ
韓国双龍(サンヨン)自動車労組の77日間におよぶ工場占拠闘争は、労働者階級の歴史的反撃の開始を告げ知らせた。双龍自動車労組の闘いに対する支持声明で動労千葉は次のように言っている。「労働者を本当に殺すのは、解雇そのものではなく、解雇をとおした団結破壊なのです」と。
国鉄分割・民営化は「20万人首切り」の攻撃だった。しかし、実際に解雇になったのは、1047名とストライキで公労法解雇になった動労千葉の28名だけだ。残りの約20万人の労働者は、解雇ではなく依願退職なのだ。200人もの仲間が自殺に追い込まれ、20万人の労働者とその家族が路頭に放り出されたにもかかわらず、手続上は「依願退職」、つまり「自ら願い出て」退職したことになっている。こんな屈辱があるのか。
解雇ですらない。解雇撤回を闘う資格すらあらかじめ奪われた上でたたき出されたのだ。これが「労働者を本当に殺すのは、解雇そのものではなく、解雇をとおした団結破壊」だということだ。
JR総連カクマルは、首切り攻撃の先兵になり、自らの組合員に対して「自ら願い出て」退職するよう暴力的に強要した。また国労本部は、この攻撃と一度も闘うことなく、国労組合員を見殺しにしたのだ。
いま本当に国鉄分割・民営化攻撃と闘いぬいた動労千葉の勝利の教訓が、全世界の労働者階級に求められている。この勝利の教訓を全国の職場生産点に持ち込むものが動労千葉物販闘争だ。
動労千葉の団結はいかに守られたか
「解雇をとおした団結破壊」に対して動労千葉はどう闘って団結を守りぬいたのか。ひとつはストライキを頂点とした職場生産点における闘いであり、もうひとつが1047名解雇撤回闘争における物販闘争だ。
動労千葉の物販闘争は、全金本山労組の物販闘争から学び、その切り開いた地平を継承して開始された。
本山物販は、1975年に開始された。当時の全金や総評の物販というのは、全金中央から物販取り組みの文書が出され、その文書が他の産別や各県評に回されて、全金の地方本部なり各産別の地方本部なりが、本山支部の物販を受けるという格好になっていた。
しかし本山支部は、半数の組合員が総評全国金属を除名され、1980年に全金本山労働組合を結成することになる。全金を除名されるなかで全金本山労組の組合員は、総評の組織系列を頼らず、自らの足で全国の労組をまわり物販の取り組みを訴えるという、前人未到の闘いに立ち上がっていった。
ここで何より重要なことは、この全金本山労組の独自物販という闘いを全国の労働者はけっして見捨てなかったことだ。こうして全金本山労組は、まったく新しい物販闘争のあり方を切り開き、全国に「本山陣形」と呼ばれる独自の支援陣形をつくりあげていく。
動労千葉が物販闘争を全国的に開始したとき、動労千葉の物販を受け入れるナショナルセンターや産別本部は、どこにも存在しなかった。分割・民営化をとおした総評解体―連合結成という中で、動労千葉は連合からも全労連からも全労協からも排除されたのだ。
こうした状況の中で動労千葉は、全金本山労組のように組合員が自らの足で全国を回り、物販の取り組みを訴える闘いに立ち上がっていった。そして日本の労働者階級は、クビをかけてストライキを闘った動労千葉をけっして見捨てなかった。現場の労働者は、動労千葉の闘いを自らの闘いととらえ、上部団体の締め付けに屈することなく、動労千葉の物販の訴えに応えていったのだ。
それは全国の労働者の支援によって、動労千葉の団結が守られたというだけではない。連合が結成され総評が解散するという中で、日本の労働者階級の団結は解体の危機に瀕(ひん)していた。しかし物販をとおして1047名闘争を支援することで、労働者階級自身も自らの団結を守ることができた。この階級的団結こそが1047名闘争そのものなのだ。
物販闘争と職場闘争を両輪に
4者4団体による政治解決路線は、最後的に破産した。
国労本部は、全国100万の労働者の支援を受けながら、ここに依拠し展望を見出すことができなかった。そして、職場生産点の闘いと無関係な、霞が関の裁判所や永田町との政治取引にのめり込んでいった。その結果、4者4団体へ転落していった。物販闘争は4者4団体派との闘いであり、4者4団体派の政治解決路線を最後的に粉砕し尽くす闘いだ。
動労千葉は、物販闘争を職場闘争として位置づけ、物販闘争を1047名闘争の柱に据えきり、総評解体下の危機に瀕する労働現場に入っていった。物販闘争を被解雇者だけの闘いとせず、現場の組合員が年休を取って全国の労働現場をひとつひとつ歩いてまわった。また動労千葉の組合員は全員、夏冬の物販で年間4万円を自分の給料で買い続けた。
文字どおり組織の総力をあげた闘いだった。動労千葉は、1047名闘争における物販闘争と、JR本体における職場闘争を車の両輪にして国鉄闘争を23年間にわたって闘いぬいてきたのだ。
政治和解を柱に闘うのか? 物販を柱に闘うのか? その瞬間に路線が問われた。物販闘争を柱に闘うとは、1047名闘争を職場生産点に依拠して闘う路線的あり方を意味する。だから物販問題は路線問題なのだ。
労働者階級丸ごとの獲得へ闘う時だ
1047名闘争は、全国の労働者がともにつくり出した闘いだ。動労千葉の被解雇者や組合員が全国の職場にオルグに入るとき、車を運転し組合名簿を作り、ともにオルグを担い続けてきたのは誰だったか。多くの仲間が、動労千葉とともに年休を取って組合オルグをやってきた。なによりも、党も動労千葉も、物販闘争をとおして地域の労働者から本当に多くのものを学んできた。
だからわれわれ一人ひとりが1047名闘争の共同主体なのだ。いまこそ、物販闘争の本格的展開による労働者階級まるごとの獲得へ全力で打って出よう。
すでに動労千葉を支援する会は、7月の総会で「全国に支援する会を結成する」という大方針を打ち出している。物販が1047名闘争の運動的表現なら、「支援する会」は1047名闘争の組織的表現だ。動労千葉を支援する会の全国的結成と動労千葉物販を一体的に闘おう。
全国100万といわれる1047名闘争支援陣形の中心は4大産別の労働者であり、同時に物販勢力だ。ここに動労千葉物販をもって分け入り、中央共闘会議や国鉄闘争共闘会議に代わり、100万物販勢力に責任を取りきる全国支援組織を建設していく。ここに4大産別決戦の戦略的環がある。
1047名闘争の正義は圧倒的
われわれは、自分の職場に断固として旗を立てる闘いをやりぬいてきた。その勝利の地平の上で、さらに一歩進んで次の段階に踏み出そう。8・30総選挙情勢は、組合・職場まるごと組織することを要請している。
「一人の獲得」も、「まるごとの獲得」も両方やらなければならない。そのためには、職場に立てた旗に旗印が必要だ。その旗印が国鉄1047名解雇撤回だ。
1047名闘争ほど正義性、大衆性、党派性、組織力をもった闘いは他にない。動労千葉の物販担当者会議で、先進的に闘っている地区が次のように報告している。「春闘にストを打ったが、その後の展望が見えてこなかった。しかし動労千葉物販で、国鉄分割・民営化攻撃と自分の職場がつながった。国鉄分割・民営化攻撃があったから自分たち非正規職の現実もあることが分かった。動労千葉はその分割・民営化とストで闘って、23年間も解雇撤回を闘っている。1047名闘争の普遍性でオルグしたら予想をも超えて、1日で3万円も売れた。自分の職場と動労千葉がつながった。自分の職場だけで闘っているときは見えなかった展望が見えた」
資本の側が日本経団連のもとに団結して、国家権力と一体となって襲いかかってくるのに、労働組合の側が個々バラバラに闘っていては勝ち目はない。だから、1047名闘争を結集軸にして階級として団結して闘い、階級として勝利するのだ。ここに展望がある。
物販闘争を柱に据えた1047名闘争への転換をただちにかちとろう。動労千葉物販闘争の力で11月1万人決起を実現しよう。
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◇販売品目◇ (円)
1 天津甘栗 500
2 焼カシューナッツ 650
3 特選甘納豆 500
4 もずくスープ 550
5 種ぬきプルーン 900
6 ポケットチーズ 900
7 丹波種の黒豆 650
8 にしん昆布巻 700
9 松前漬 750
10 貯金カレンダー 1700
11 北海道レアチーズケーキ950
12 パスタとソースセット 3200
13 薩摩のいも焼酎 2900
14 山梨ワイン 2900
15 グリコハムセット 3500
16 落花生 1500
17 アソートチョコレート 1500
18 あさりの佃煮 1300
19 どんこ 1000
20 即席みそ汁 1300
21 野菜たまごスープ 1300
22 コンソメスープセット 1250
23 さつま芋甘納糖 500
24 おつまみ3点セット 750
25 われせんべい 500
26 のど飴 650
27 小魚の二名煮 1100
28 静岡茶 650
29 ブレンドコーヒー 850
30 博多ラーメン 1200
31 寒干し味噌ラーメン 1300
32 北信濃手折りそば 1700
33 讃岐うどん 1550
34 はちみつ 1700
35 梅にんにく 1300
36 日高昆布 1000
37 ひじき 650
38 根昆布しょうゆ 600
39 天然だしパック 1300
40 ナガイの焼のり 1700
41 紀州南高梅 1700
42 ビーフカレー 3100
申込先/動労千葉協販部 TEL 043(227)7833 FAX 043(227)8125
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週刊『前進』(2411号2面2)(2009/10/12 )
動労千葉に不当捜索
前例のない労組弾圧を許すな
警視庁公安部と栃木県警は10月5日、動労千葉の本部がある千葉市のDC会館に対し、まったく不当な家宅捜索を強行した。「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」容疑でのA同志とB氏への不当逮捕(9月29日)を口実としたものだ。
警視庁公安一課・星隆夫を先頭とした公安刑事約60人が5日午前、DC会館に押し入り2時間にわたって占拠し、事件となんの関係もない物を押収した。
これは、11月集会への1万人結集をなんとしても阻止しようという予防弾圧そのものだ。しかも、労働組合の事務所に白昼公然と警察権力が捜索に入るなどということは国際的にも例のない異常事態だ。戦時下の労組弾圧そのものだ。
警視庁公安部は、昨年7月4日と11月10日にも動労千葉への不当捜索を強行している。動労千葉が呼びかけた「6・29サミット粉砕闘争」「11・2労働者集会」時の不当逮捕を口実にした捜索で、これ自身が断じて許せない労働組合弾圧だ。動労千葉はこの2回の不当捜索について、今年3月19日に国家賠償請求訴訟を東京地裁に提訴して闘っている。
これが民主党・連合政権の正体
今回の捜索は、この2回の不当捜索に比しても画次元的なエスカレートだ。動労千葉とは文字どおりなんの関係もない事件ではないか。
警視庁公安部は7日には、東京の西部・東部・南部・中部のユニオン事務所にも一斉に捜索を強行している。これこそが民主党・連合政権の階級的正体をまざまざと示している。絶対に許すな。
10月2日以降、この事件を巡る不当捜索は北海道から沖縄まで全国35カ所にも及んでいる。弾圧をうち破り2人の仲間を奪還しよう。11・1労働者集会への1万人結集を何としても実現しよう。それこそがわれわれの回答だ。
(写真 DC会館を捜索する公安刑事と機動隊=動労千葉を支援する会HPより)
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週刊『前進』(2411号2面3)(2009/10/12 )
運転士登用差別高裁逆転勝訴 JR体制打倒への号砲
不当労働行為を明快に認定
東京高裁は9月30日、動労千葉組合員に対する運転士登用差別事件について、1審判決と中労委命令を取り消し、組合側完全勝利の判決を出した(前号速報)。判決は「JR東日本は所属組合を理由に当該組合員を不利益に扱い、動労千葉の弱体化を図った」と不当労働行為を明快に認定し、「1998年1月1日付けで運転士に発令したものとして取り扱わなければならない」とJR東日本に命じた。
これは、動労千葉の団結と、不当労働行為根絶の不屈の闘いがもぎりとった成果であり、同じ運転士登用差別事件を巡って昨年12月に出された動労水戸の最高裁勝利判決と一体の大勝利だ。
極悪の組合差別
この事件は1980年、81年、82年に国鉄に採用された動労千葉組合員を、国鉄時代に運転士免許を取得していたにもかかわらず、動労千葉の組合員であるというだけの理由でJRになってからも運転士に登用してこなかったというものだ。“ストをやるような組合にいたら運転士にはしない”という極悪の不当労働行為だ。
動労千葉は、1047名解雇撤回闘争、反合・運転保安闘争と一体で、百人に及ぶ組合員の強制配転と、運転士登用差別の解決を最重要課題に位置づけてきた。
今回の高裁判決文は、以下のJR東日本幹部の発言を引用している。
「会社にとって必要な社員、必要でない社員のしゅん別は絶対に必要なのだ。会社の方針派と反対派が存在する限り……おだやかな労務政策をとる考えはない。反対派はしゅん別して断固として追及する。処分、注意、処分、注意をくり返し、それでも治らない場合は解雇する」(松田昌士常務取締役=当時、87年5月)。「このような人たち(分割・民営化に反対する人たち)が残っているということは非常に残念だ。このような迷える子羊を救っていただきたい。皆さんがこういう人たちに呼びかけ、話し合い、説得し、皆さんの仲間に迎え入れて頂きたい」(住田正二代表取締役=当時、87年8月、JR東労組定期大会でのあいさつ)。
まさに怒りなしに読めない。国鉄分割・民営化攻撃の過程で20万人の労働者が職場を追われ、7628人がJR不採用となった。90年には1047名が国鉄清算事業団からも解雇された。動労本部カクマル(現JR総連カクマル)と結託した当局は「血の入れ替え」と叫んで広域配転で動労の運転士を首都圏に送り込み、東京管内ではほとんどの国労組合員を運転職場から排除した。
動労千葉に対しては、運転業務7千`を東京に移管して仕事を奪い、強制配転、組合脱退強要、相次ぐ拠点職場の廃止、運転士登用差別などを続けてきた。当局・カクマルが結託した異常な労務支配のもと、あらん限りの不当労働行為の山の上に民営化体制はかろうじて成り立ってきたのだ。
階級的団結守り
動労千葉は、こうした攻撃に一人ひとりの組合員が激しい怒りを燃やして立ち向かい、労働者としての誇りを貫き、階級的団結を守ってきた。
その対極で、JR体制はその矛盾を爆発的に噴出させ、新自由主義攻撃の破綻を満天下にあらわにしている。どちらが勝利者かは明らかだ。
動労千葉は、07年定期大会で「国鉄分割・民営化攻撃に対する勝利宣言」を発し、本格的な組織拡大に踏み出すとともに、1047名闘争の責任勢力として登場しようとしている。今回の勝利は、こうした動労千葉の前進の中でかちとった勝利であり、いかなる国家的不当労働行為も階級的団結の力で必ずぶち破れることを示した。労働者階級の側から、国鉄分割・民営化攻撃にいよいよ革命的決着をつける時が来たことを告げ知らせているのだ。
11・1労働者集会への1万人結集こそ、その巨大な扉を開く闘いだ。
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“スト闘う組合の勝利” 当該の内田晃さんが発言
本部のみなさん、支援のみなさん、ありがとうございました。本当に動労千葉で闘ってきて良かったです。
ストライキをできない組合は腐敗していくしかない。やっぱりストライキを始めとする闘いによって勝利判決もかちとれたんだと思います。
この運転士登用差別は国鉄分割・民営化の過程で国労をつぶし、動労千葉をつぶし、日本の労働運動をつぶそうという攻撃の中でかけられた攻撃でした。まだ高裁段階ですが、これに対して勝利判決が出たことは、当時の中曽根内閣、そして現在の政府に対しても一矢報いることができたのかなと思っています。
いま、すごい失業率じゃないですか。自分たちは運転士に登用されなかっただけですが――これも簡単なことじゃないんですが(笑)、世の中には派遣切りにあって飯も食えない人たちが、すごいたくさんいます。そういう人たちに少しでも希望を与えることができたんじゃないか。
これは単に一地域の、一個人に対する勝利判決ではありません。この間、政府がやってきた国鉄労働運動に対するすごい攻撃に対して、ストライキを構えて闘ってきた動労千葉があったから勝利判決が出たんだと思います。
そうは言っても、その行間には、つめの間から血が流れ出てくるような悔しさ、語り尽くせないこともあるんですが、これからもともに闘っていきたいと思います。(10・1スト貫徹!動労千葉総決起集会での発言)
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運転士登用差別事件の経過
87年4月1日 国鉄分割・民営化
90年3月30日 千葉地労委申立
93年6月1日 地労委で勝利命令
(※会社側、再審査申立)
06年7月19日 中労委、地労委命令
を取り消す反動命令
11月22日 動労千葉が中労委命
令の取り消しを求め
東京地裁に提訴
08年3月3日 東京地裁、動労千葉
の請求を棄却
3月13日 動労千葉、東京高裁
に控訴
09年9月30日 東京高裁で逆転勝利
判決
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週刊『前進』(2411号3面1)(2009/10/12 )
JPEX粉砕の地平から11・1へ
現場労働者の広範な怒りが“絶対反対派”の闘いと合流
革共同全逓委員会
1047名解雇撤回を基軸にすえて闘おう!
8月30日、日本の労働者階級は、積年の怒りを爆発させ自民党政権を打倒した。この労働者の怒りは、自民党打倒では収まらない。プロレタリア革命への労働者階級の本格的決起の始まりである。労働力が商品になり、搾取による利潤拡大のみを追求する資本主義。資本家だけが富を蓄積し、労働者は食っていけない。この現実こそが問題なのだ。
交通機関、自治体、学校、郵便をはじめ、すべての社会を動かしているのは労働者だ。資本家などいらない! 労働者の団結で資本家の支配を打ち倒し、プロレタリア世界革命を切り開くことが直接課題となる時代だ。
民主党・連合政権は、プロレタリア革命に恐怖し、これを鎮圧するために登場した政権だ。だからこそ、革命党と動労千葉派の存在自身が攻防の焦点になり、労働組合をめぐる革命と反革命の攻防が6000万労働者全体の攻防としてエスカレートしている。
全攻防の軸は国鉄1047名解雇撤回闘争だ。1047名闘争こそ、新自由主義攻撃の突破口だった国鉄分割・民営化に絶対反対で立ち向かい、89年総評解散・連合結成による労働運動の産業報国会化を阻止し、100万人規模の国鉄闘争支援陣形をつくりだし、労働運動の全面的解体と改憲を阻止してきた闘いだ。
この闘いは動労千葉を先頭に、攻撃の先兵となったJR総連カクマルや連合の攻撃を打ち破り、国労本部に巣くう協会派と日本共産党・革同による解体攻撃をはね返す闘いでもあった。分割・民営化阻止の動労千葉の2波のストライキ、そして90年3月の72時間ストは、国鉄1047名解雇撤回闘争をつくりだした。そして1047名闘争は、国労5・27臨大闘争弾圧被告団をはじめ、動労千葉派の体を張った闘いによって発展してきた。これらの闘いが、自民党支配を倒す根源的な力をはぐくんできた。
民主党・連合政権は、大恐慌にあえぐ資本家を救済するために、道州制・民営化攻撃を6000万労働者階級への首切り攻撃として準備している。そして連合、全労連、全労協、JR総連、社民党、共産党から4者4団体派、そして塩川派など一切の体制内派が、民主党・連合結託政権の手先として国鉄1047名闘争に敵対している。これが世界を革命的に転覆する闘いだからだ。
1047名闘争をめぐる激突は激しく火を噴いている。動労千葉の幕張電車区攻防、動労水戸の勝田電車区攻防はその最先端だ。動労千葉、動労水戸は組織をあげたストライキをたたきつけ、1047名解雇撤回・11月1万人結集の血路を切り開いている。
(写真 民営郵政打倒を宣言した仙台大会闘争【6月】)
JPEX統合粉砕した現場労働者の団結と力
わが全逓戦線は、1047名解雇撤回を真っ向から掲げ、その最先頭で闘い、11月1万人結集を実現する決意だ。
全国の全逓労働者は、圧倒的な労働強化と大合理化を進め、現場の8割を非正規職に置き換える「JPEX子会社化=10・1統合」計画をついに粉砕した。昨年来の、JPEX計画絶対反対の闘いがつくりだした決定的な勝利の地平である。
「移籍要員がそろわず現場の混乱は避けられない」と総務省は弁明する。要員確保が破綻したということだ。絶対反対派の闘いと現場労働者の怒りが結びつき、民営郵政当局に要員不足を強制し、総務省の認可が不可能な状況にたたき込んだのである。
小包部門のJPEX子会社化攻撃は、民営郵政の生き残りをかけた「戦略事業」だった。郵政資本はJP労組本部の全面協力を取り付け、現場労働者をヤマト運輸や佐川急便との競争の中に投げ込み、8割を非正規職に置き換え、首切りを「自由化」するJPEX計画を見切り発車した。これは国・自治体の全面的な民営化である道州制導入攻撃と一体となって、民営化後の郵政資本の生き残りを追求する攻撃だった。
わが全逓戦線は、この攻撃との全面激突を決断し、09年春から全国的な闘いを開始した。
当初は、われわれのJPEX計画絶対反対の呼びかけに対して、多くの労働者が「絶対反対なんて無理」「途方もないことを言っている」と受け止めた。しかしわが動労千葉派は、絶対反対の路線を貫いて郵政資本の反動的職場支配攻撃と先頭で対峙し、これを一つひとつ打ち破る職場闘争を現場労働者全員の闘いとして復権させ、さらに闘いへの敵対物と成り下がったJP労組執行部との激突を大衆的にやり抜き、階級的団結と組織拡大を実現してきた。この現場での粘り強い格闘が、ついに労働者の広範な怒りに火を付け、JPEXへの強制出向反対の闘いを全国の職場でつくりだしたのである。
絶対反対派、動労千葉派の労働者への現場の信頼は圧倒的に高まり、民営郵政当局とJP労組本部を激しく揺さぶっている。現場の職制や御用執行部は完全に「自信喪失状態」に追い込まれた。いままさに、われわれは民営郵政打倒・JP労組本部打倒への決定的な情勢をたぐり寄せているのだ。
この闘いで、非正規職の青年労働者の決起が大衆的に始まったことも決定的だ。郵政職場全体で非正規職の割合はついに6割を突破した。JPEX攻撃は、輸送会社を含む非正規職のさらなる拡大と首切りの「自由化」として貫かれてきた。われわれは、ここにJPEX・郵政民営化攻撃の本質があることを明確にし、大量首切りのJPEX粉砕の闘いを開始した。日逓・中野での解雇撤回闘争は全逓決戦の戦場そのものとなった。この闘いは現場労働者、特に青年労働者の共感と怒りを呼び覚ました。
われわれはいま、全逓戦線に巨大な動労千葉派の拠点を打ち立てる好機を握りしめている。資本および御用組合執行部と非和解的に闘い抜くわが動労千葉派の思想と路線が、いまや現場労働者全体の階級的利益を体現していることが圧倒的な規模で実感されているからだ。そして産別の枠を越えた労働者の団結こそが必要であることが急速に認識されている。それゆえに、1047名解雇撤回闘争は、すべての労働者の普遍的で死活的な闘いなのである。
JPEX攻撃粉砕の地平から、民営郵政打倒・JP労組本部打倒に攻め上ろう! 階級的労働運動路線をさらに研ぎ澄まし、地区党建設を団結の軸に全逓決戦の爆発を切り開こう。
民主党・連合政権「郵政民営化見直し」の正体
民主党・連合政権で国民新党の亀井静香が郵政・金融担当大臣になり、「郵政民営化の見直し」「小泉政治を根本的に立て直す」などと叫んでいる。この「見直し」なるものは、労働者支配の破綻=革命をみてとった大恐慌下の日帝ブルジョアジーの資本主義救済攻撃であり、労働者への新たな首切り・合理化で危機のりきりを図り、労働者の団結を抹殺しようとする攻撃だ。
そもそも郵政民営化の本質は、300兆円を超える巨大な郵政資産をめぐる支配階級同士の奪い合いだった。民主党政権の「郵政見直し」はその延長上にある。亀井は「国民の利益」なるものを口にし、「かんぽの宿売却事件」などで労働者人民の資産を横領した日本郵政・西川善文社長への辞任要求や、ゆうちょ銀行、かんぽ保険の「株式上場凍結」などを打ち出しながら、「見直しは国営に戻すことではない」と明言した。結局、支配階級の分裂を背景にした民営化攻撃の大破綻と迷走への突入なのだ。
そして何よりも「見直し」は階級的労働運動への解体攻撃である。それは、これまで現場労働者の階級的な闘いを徹底的に分断・抑圧してきた連合中央が政権中枢に入り込んだことで、火を見るよりも明らかなのだ。彼らは、国家財政破綻の責任を労働者に転嫁し、労働者人民の怒りの激しさに動揺しつつも、資本家階級を救済するために道州制推進・公務員360万人首切りに突き進む政権なのだ。現に彼らは、国家戦略局と行政刷新会議を先頭に、道州制導入に向けた公務員労働者への攻撃を早くも準備している。
国交相の前原誠司は、破綻した「国策事業」である日航に、自民党政権時代の産業再生機構のスタッフを「前原チーム」として送り込み、労働運動解体をつうじた徹底的な首切り・リストラ策を打ち出した。また社会保険庁解体方針をそのまま維持し、処分歴のある労働者をはじめ1000人の解雇攻撃を貫こうとしている。そして国鉄1047名闘争に対しても、その根絶に全力をあげてきている。闘う労働者、団結を1ミリも認めない反動的挑戦なのである。
かくして「郵政見直し」とは、JPEX攻撃を破産させた全逓労働者の団結と非和解的に対立する攻撃として準備されているのである。
現に「見直し」を契機に職場の合理化攻撃は進行している。全国の支店で「経費削減」で不足要員を補充しない合理化が拡大している。JPEXという「戦略事業」が破綻し、郵政民営化自体が立ち往生しているにもかかわらず、多くの職場で首切りと強労働、要員不足による事故多発と労働監獄化などがとめどなく進行しているのだ。「郵政民営化見直し」は、現場でのむき出しの階級対立を拡大するものでしかない。圧倒的に多数の現場労働者が民主党・連合政権の正体を見抜くのは時間の問題なのだ。
全国の全逓労働者と民主党・連合政権との決戦的な激突情勢が始まっている。職場生産点で現場労働者の怒りと結びつき、民営郵政打倒の大決起をつくりだそう。「8・30」を実現した労働者階級の力、JPEX攻撃を破綻させた全逓労働者の底力に確信をもち、現場労働者の総反乱をつくりだそう。
すべての全逓労働者のみなさん! 国鉄1047名解雇撤回、派遣法撤廃をかかげ、11月1日、東京・日比谷野音に全逓労働者の大隊列を!
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週刊『前進』(2411号3面2)(2009/10/12 )
北島区議の報告
山田杉並区長を答弁に引き出す
民営化・賃金未払を追及
世界大恐慌と「8・30」総選挙情勢は、戦争・改憲と民営化・労組破壊の最先兵となってきた山田区政にも、すさまじい衝撃を与えています。危機にかられた山田宏・杉並区長は、右翼ファシストとしての本性もあらわに、労働者人民への攻撃を激化させています。杉並で今年4回目となる田母神俊雄・前航空幕僚長との講演会を10月には2回も企画するなど、戦争をあおり立てる突撃隊となっています。
また、区議会本会議における私の一般質問に対して、「北島議員の話を聞いていると1848年の『共産党宣言』から時間が止まっているようだ。支配する者と団結した労働者とか、そんな時代ではない。北島議員が理想とする社会は、必ず独裁と大虐殺をもたらすと確信している……」などと答弁し、共産主義とプロレタリア革命への恐怖と敵対を公言しています。
一方で世界大恐慌は、山田区長が進めてきた「杉並丸ごと民営化」攻撃の大破綻を表面化させています。民営化の現場ではそれが衝撃的に突き出されています。
杉並区高円寺地域区民センターの受付業務を受託していた東宝クリーンサービスが、契約期間中であるにもかかわらず事業からの撤退を区に申し入れました(他の自治体でも10カ所以上そういう事態を生じさせているようです)。
しかも、50人の労働者には2カ月の賃金未払いが発生していました。現場で話を聞いたところ、すでに新たな事業者が業務を引き継ぐことになっており、労働者はそのままの労働条件で新しい事業者に継続して雇用され、未払い賃金は撤退する事業者から支払われる約束をとった、とのことでした。「物」のように扱われてきた委託労働者が、団結してその怒りを爆発させました。
しかし、今回の事態についての区当局の責任は重大で「杉並丸ごと民営化」政策の矛盾・破綻が突き出されたのです。すでに今年3月から賃金の遅配が発生しており、労働者の訴えを受けて、区は業務改善命令を出していました。
けれども、さしたる事態の改善が見られないにもかかわらず、区は事業者に委託料を支払い続けました。私たちがくり返し議会の内外で弾劾・追及してきたように、民営化にともなう民間労働者の労働条件について区は責任をもたないという問題が、ついに暴かれたのです。議会答弁で、区は「それぞれの事業者は法令を遵守してやっているので問題ない」と、何度も開き直ってきました。その結果がこれです。区はただちに民営化政策をやめよ!
事態の発生を知りながら実効性のある措置を何もとらなかったにもかかわらず”事態収拾”に向けた区の動きはきわめてすばやいものがありました。「杉並丸ごと民営化」の破綻の始まりに追いつめられ、何がなんでも労働者の怒りを鎮め、口を閉ざさせることに意を注いだ結果です。労働者が東京西部ユニオンに加盟し、受託事業者ではなく区当局の責任を追及し始めたらどうなるか? そのことに区当局は心底から恐怖したに違いないのです。
私たちはこの事態を民営化された事業で働くすべての労働者に伝え、正規職・非正規職の分断を超えた杉並区職労働者の団結をつくりだして、11・1労働者集会への大結集をかちとることこそ、「杉並丸ごと民営化」攻撃への最大の反撃になると確信して闘っていきます。(杉並区議会議員・北島邦彦)
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週刊『前進』(2411号3面3)(2009/10/12 )
10・3集会 青年労働者先頭に躍動
国鉄闘争軸に11月への熱気
10月3日、東京・杉並区の産業商工会館で「11・1労働者1万人決起で国鉄1047名解雇撤回、道州制・民営化を阻止しよう! 10・3東京集会」が開かれ、260人の労働者・学生が結集。熱気と感動のあふれる報告・討論をつうじて、11・1労働者集会1万人結集は必ずできるという確信が全参加者に満ちあふれた。1カ月の猛然たる組織化に勇躍突入する決意をともに固め、11月1万人結集へのうねりが始まった。
国鉄1047名解雇撤回闘争を闘うことによって2千万青年労働者、6千万労働者階級を革命に向かって組織することができるという路線的確信を大いに深める集会となった。
集会を牽引(けんいん)したのは青年労働者だ。青年労働者は、職場で資本・当局、体制内派と非和解的に激突する職場闘争の先頭に立って闘っている。このことが多くの労働者を引き付け、職場に地域に団結を広げ、11月1万人結集への機運を生み出している。
集会をとおして誰しもが5・9全都労働者集会の時以上に4大産別の職場での闘いが前進していることを実感した。また7・25東京青年労働者集会の時以上に青年労働者が数多く集会に参加し、基調報告を始め生き生きとした積極的な発言で集会を牽引した。東京に第2、第3の動労千葉をめざす拠点労組・職場が生まれていることが示された。この闘いを決定的に推し進めることが11月1万人結集をつくり出す。この確信が全体のものになった。
北部の青年労働者が集会の基調報告を行った。「極右ブルジョア政党・自民党政権の打倒に続き、首切りと戦争の民主党・連合結託政権を打倒し、プロレタリア革命に突き進もう。その鍵は民営化絶対反対! 労働者派遣法撤廃! 国鉄1047名解雇撤回闘争だ。労働組合を主戦場に闘い、闘う労働組合をよみがえらせよう。地区党をつくろう。結論は11月集会だ。大党派闘争にかちぬき、1万人を組織しよう」。実に路線的で熱烈なアジテーションだ。この内容で闘えば1万人結集は絶対に実現できる。
国労5・27臨大闘争弾圧と闘う羽廣憲さんは、「5・27被告団は有罪解雇の覚悟をもって旧弁護団を解任したからこそ裁判の主体として自らを取り戻し、1047名解雇撤回闘争を貫くことができている。11・1に1万人集めるために全力を尽くす」と決意表明した。
動労千葉の清水匠執行委員は、9月26日に千葉県三里塚集会をDC会館で行い、27―28日に定期大会を開いた後、10月1日に幕張車両センターでストライキを貫徹したことを報告した。動労千葉は11月へ連日最先頭で闘っている。動労千葉は検修の外注化を阻止し、青年労働者を獲得し組織を拡大してきた。東京高裁から動労千葉運転士登用差別事件で逆転勝利判決をもぎり取った。これに追いつめられて組織破壊攻撃に出てきたJR東に動労千葉は10・1ストで反撃したのだ。
「労働者階級全体の課題として1047名解雇撤回闘争に取り組み、大失業と戦争に抗し連合を打倒する労働組合の力を示すために11月集会を成功させよう」という清水さんの訴えに満場の拍手が応えた。
全逓労働者、自治体労働者、教育労働者は、「絶対反対を貫いてきたからこそ、破綻した新自由主義の道州制・民営化に突き進まざるをえない鳩山政権と、それを支える体制内労組指導部をぶっ飛ばす団結が職場に生まれ、決起が始まっている」と口々に語った。
各地区の合同労組で闘う仲間から、怒りあり、涙あり、笑いありの団結と誇りに満ちた発言が続き、大いに盛り上がった。
さらに青年労働者のリレートークが圧巻だった。「今では労働組合の片手間に仕事をやっている」「8・30情勢だからこそ、職場で闘うことが11月1万人結集をつくり出す」「8・30で革命か首切り・戦争かをめぐる大党派闘争となっている。時代認識と路線があるから職場で闘える。マル青労同に結集しよう。地区党を強化しよう」
集会をとおして、初参加の青年労働者も11月集会の組織者へと成長した。資本のでたらめさの暴露に参加者全員で怒り、資本を追いつめる闘いの前進に全員が喜んだ。ひとたび労働者が団結して立ち上がれば資本・当局、体制内労働運動指導部は実に情けない姿をさらけ出す。労働者は自らと団結の力を自覚し生き生きとし、自ら組織者となる。壇上の青年労働者の姿は、労働者は必ず決起すること、労働組合の力と可能性、11月1万人の展望を示し、全体を沸き立たせ、鼓舞激励した。
東部の青年労働者は「民主党・連合政権による市東さんの農地の強奪を許さず労農連帯を貫こう」と10・11三里塚闘争への決起を訴えた。
参加者全員が「11・1集会1万人結集を絶対にかちとる。できる」と決意し確信をもち、4週間の全力疾走に入った。
(写真 「国鉄1047名闘争の勝利へ全世代がともに11月へ闘おう」と青年労働者が発言【10月3日 杉並】)
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週刊『前進』(2411号3面4)(2009/10/12 )
広島連帯ユニオン NTT支部がスト
外部委託・雇い止めに反撃
NTT資本による派遣切り解雇攻撃に対し、9月30日、広島連帯ユニオンNTT関連支部に所属するI君がストライキに決起した。組合員をはじめ40人の仲間がかけつけ、職場前スト集会とデモをやりぬいた(写真はデモ)。
8月24日、NTT基町ビルで突然、9月末での部署廃止・外部委託化が発表され、一方的に20人の非正規労働者の雇い止めが通告された。廃止されるのはNTT関連支部の拠点職場だ。職場の団結破壊そのものが目的だ。絶対許せない。
NTT関連支部と広島県労組交流センター電通部会は、約1カ月、市内の全NTT職場にビラをまき現場を組織した。国鉄1047名解雇撤回、道州制・民営化粉砕の闘いと一体で「NTTの派遣切りを許すな」「派遣法撤廃を」などを掲げ、職場の怒りと結びついて闘い抜いた。
派遣元のテルウェルは「次の仕事はない」といいながらインターネットで急募求人をかけるという対応に出たため、職場の怒りに火がついた。正規職・非正規職の壁を越え、職場でさまざまな決起が生み出された。
9月30日の勤務最終日のストライキ。朝の門前ビラまきの後、I君がハチマキ・ゼッケンで2階の職場に突入した。朝礼を制圧して約100人の職場労働者全員に「部署廃止・外部委託絶対反対」「首切りは人殺しだ。派遣切り・首切りを許さない。仕事をよこせ」「団結しよう! 職場に闘う労働組合をつくりだそう」と訴えた。職場の全員が起立して真剣に聞いてくれた。管理者は手が出せない。職制と対峙しつつ全員に「スト決行中!」のビラを配布。8階の支店長室前で「派遣切り解雇許さんぞ!」のシュプレヒコールをたたきつけた。
NTT基町ビルを包囲するデモを貫徹、I君は「これが民主党・連合政権の正体だ。11月1万人結集こそが労働者階級の回答だ」と訴え、解雇撤回まで闘い抜くと宣言した。職場の仲間はみな「よくやったね」と激励の声をかけてくれた。大勝利だ。
(広島 M)
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週刊『前進』(2411号4面1)(2009/10/12 )
民営化反対の国際的団結を
海外から11月集会に続々
ブラジルの階級的労組も
今年の11月集会は、従来の米韓の労働組合に加えて、現時点でブラジルの左派ナショナルセンター、コンルータス(全国闘争連盟)の代表の参加も決まった。大激動の中で闘う路線を求める勢力が、民営化と闘い団結を強化している動労千葉に活路を求めている。
恐慌下、米大学でスト
9月24日、1960年代以来、40年ぶりといわれる巨大な大学闘争がついにかちとられた。大恐慌を理由にして、教育予算大幅カット、職員の強制休暇(その分の賃金カット)、解雇、学生の授業料値上げに対して、カリフォルニア大学の全州10カ所のキャンパスで、一斉に大学労働者と学生の巨大なストライキ・授業ボイコットが行われた。特にバークレー校の決起は大きい。
1930年代の大恐慌の時は、初期にはむしろ闘いは後退している。階級闘争が高揚したのは、大恐慌から一定の「回復の兆し」をみせた時だった。
今回も、全米自動車労組の腐敗した既成指導部などが、倒産攻撃に対して「大恐慌だからやむを得ない」として屈服を深めているだけでなく、これまで組合の体制内本部と闘ってきた戦闘的ランク&ファイルの潮流もまだ闘いを大きく組織しえていない。だが現在、大恐慌が急激に深まっているこの時期に、「大恐慌だからこそ闘う」という巨大な闘いの波が起こっているのだ。
州財政が全米一、二を争うほど破綻しているカリフォルニア州で、「恐慌だからやむを得ない」論を大衆的に粉砕している意義は、決定的に大きい。当局に協力し、州財政、大学財政を救うなどとんでもない。死すべきは資本、当局であり、生きるべきは労働者階級なのだ。
(写真 校舎の上まで鈴なりのストライキ集会【9月24日 カリフォルニア大学バークレー校】)
新自由主義攻撃の最前線は大学
大学集会では、「誰の大学?」「われわれの大学だ」がメインのコールになった。労働者階級こそ、大学の主人公、社会の主人公にならねばならないということだ。
国鉄分割・民営化をやった中曽根、炭鉱労組を破壊したイギリスのサッチャーと並んで、世界的な新自由主義攻撃を行ったレーガンは、60年代に学生運動への攻撃を最前面に掲げて登場し、カリフォルニア州知事になった。「バークレーのゴミどもを片付けろ」が選挙スローガンだった。構内での政治活動禁止に対して、体をはって闘ったバークレーの学生たちの「自由言論運動」が、全米の学生運動、ベトナム反戦運動を牽引(けんいん)したことに対する大反動だった。
レーガンは学生運動を直接弾圧するだけでなく、企業による公立大学への寄付(買収)を推進し、左翼的教授の排除、反動教授の送り込みに全力をあげた。この大学の新自由主義化こそ、レーガン大統領時代の社会全体の新自由主義化攻撃の突破口だったのだ。
03年11月集会以来、動労千葉と団結を深めてきたILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)こそが、カリフォルニア州の階級関係を切り開いてきたのだ。
ILWUローカル10が切り開く
港湾から始まった1934年のゼネストを始め何度もストで地域全体の階級的力関係をつくってきた。08年メーデーには、イラク戦争反対のために米西海岸29港を全部止める闘いを組織した。
08年メーデーの根底には、動労千葉と毎年討論し、特に07年10月サンフランシスコの戦争阻止労働者会議で練り上げてきた戦争、民営化=労組破壊と闘う路線がある。
こうしてILWUローカル10は、サンフランシスコ一帯が「労働組合の街」と呼ばれるほどの階級的影響力をつくり出してきたのだ。
体制内勢力を打ち破り
UTLA(ロサンゼルス統一教組)からは、中学の分会長であり、西部地域全体の議長でもあるセシリー・マイアトクルスさんが11月集会に参加する。05年の体制内執行部からの権力奪取の中心メンバーの一人である。
8月、ロサンゼルス教委は、250校のチャータースクール(公設民営校)化を可決した。この攻撃に対して、UTLA執行部は、決定されてしまった以上、中から変えるとして、「教師集団が運営するチャータースクール」の計画を出し、それで当局と協力する方針を出している。労組破壊以外の何ものでもないチャーター化に対する武装解除であり、重大な屈服だ。これに対して現場からは大きな反対の声が上がっている。
こうした民営化との激闘、路線論争の現場そのものから、彼女は来日し11月集会に参加する。それはかつてなく重要な交流、討論の場となる。
ブラジルで“労働党政権と決別を”
ブラジルの現政権は、ルラ大統領の労働党政権だ。これは、CUT(中央統一労働組合)という労働組合ナショナルセンターを基盤にしている。だが、労働者階級の利益を売り渡し、財界トップを経済閣僚、中央銀行総裁にして、規制緩和、民営化・労組破壊、年金・福祉破壊を強行している。
この労働党に第4インター(統一書記局)は加入し続け、閣僚にまでなっている。しかも、第4インターのロセト農業開発相は農地改革の公約を全面的に破り、実力占拠で闘う農民を暴力的に弾圧しているのだ。
02年、労働党政権の誕生によってCUTが体制そのものになることに危機感を感じた活動家たちがつくったのがコンルータスだ。それは、ルラ政権や体制内「左翼」への労働者の怒りを集め、06年段階で180万人にまで達した。
コンルータスの闘いは、日本で民主党・連合政権やそれを美化し協力する諸勢力と対決するわれわれの闘いと同一だ。
民営化に屈するのか否かをめぐる党派闘争は、全世界で激化している。11月集会の大結集と国際連帯で、この闘いに勝ち抜こう。労働者自身の力で、労働者階級の解放をかちとろう。
(村上和幸)
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週刊『前進』(2411号4面2)(2009/10/12 )
民主党政権への政策要求に転落
塩川一派を打倒せよ
“権力と激突しない”と誓いレーニン主義の解体を宣言
安藤猛師
今日、小ブル反革命集団・塩川一派は、世界大恐慌をプロレタリア革命に転化する闘いに恐怖し、階級的労働運動への敵対を深めている。彼らは9月に開いた反革命政治集会で、「レーニンにも問題があることが見えてきた」と確認し、レーニン主義そのものを解体するところにまで転落した。「日帝権力と闘いたくない、激突したくない」という気持ちをむき出しにしてきたのだ。いまや、ブルジョア政権である民主党内閣への政策要求運動にのめり込む転向スパイ集団=塩川一派を打倒し、プロレタリア革命の勝利へ進撃しよう。その勝利をかけて11・1労働者集会の圧倒的成功へ闘おう。
三里塚43年の勝利の地平の破壊狙う
「戦争・改憲と民営化・労組破壊」攻撃―道州制導入攻撃との非妥協的対決を軸とする4大産別決戦論は、プロレタリア革命の豊かで圧倒的な内容を有している。それはマルクス主義・レーニン主義の現代的実践である。それはまた、反帝国主義・反スターリン主義の非妥協的な思想と革命的な実践であり、世界大恐慌下の日本階級闘争とプロレタリア世界革命への確固たる実践的な革命戦略である。
塩川一派は、この闘いの前進に全面的に敵対し、ついにレーニン主義を公然と解体するところまで転落したのである。
かつて黒田寛一は「レーニン『国家と革命』への疑問」なるパンフを発行し、やがて革共同から脱落しカクマル反革命に転落したが、塩川一派はまったくそれと同じ道を数十年遅れで転落している。9月の塩川一派の政治集会は、そうした反革命的転落の歴史的画期をなすものだ。
塩川一派を貫く思想はひとつだ。「完黙はケース・バイ・ケース」という権力への投降、階級的労働運動路線と07年7月テーゼへの敵対、「雲と火の柱―地下生活者の手記」なる回顧録による転向・スパイ集団化宣言、第4インターへの自己批判、そして反革命政治集会の基調報告に現れた「レーニン主義の解体」宣言――これらは、同じ転向思想の表現である。
この思想は、非合法・非公然党の解体と日本階級闘争の体制内化によって最末期帝国主義を救済するための小ブル反革命の思想である。塩川一派は、世界大恐慌と革命情勢の到来が突きつける党と階級の飛躍の課題を前にしておじけづき、逃亡した典型的な小ブル日和見主義者である。その逃亡した自己を正当化するために一層反革命に転落しているのである。
塩川一派はすでに、反スターリン主義・革命的共産主義運動とはまったく無縁な反革命党派だ。塩川一派の言動と存在が労働者階級人民の闘いの前進を阻害し、敵対するものであればあるほど、無慈悲に、徹底的に粉砕し、完全に打倒することを峻厳(しゅんげん)に宣言する。
塩川一派の「第4インターへの自己批判」は、三里塚闘争の破壊・解体を意図する断じて許せぬ反革命的行為である。
第4インターが主導した83年3・8分裂は、三里塚闘争と日本階級闘争の歴史から消え去ることのない大罪である。「一坪共有化運動」として推進した反対同盟所有地の不特定多数への切り売りは、三里塚闘争の「農地死守・実力闘争」の原則を破壊し、敵権力に「土地共有化」の道を付与し、三里塚闘争そのものを破壊するものとして強行された。しかも、第4インターは、当時、「再共有化」路線に対し真摯(しんし)な批判を行い討論を呼びかけていた多くの闘う労働者人民に襲いかかり、警察に売り渡した。このようなやからに加えられた84年の軍事的せん滅戦は当然のプロレタリア的正義であり、三里塚闘争の大地性・人民性においても階級的正義である。
塩川一派が、実体のないところにまで転落した第4インターに「自己批判」したことは、彼らが「農地死守・実力闘争、一切の話し合い拒否」の原則の非妥協的貫徹で闘う敷地内農民を裏切るものだ。三里塚闘争の原則を解体し、日本階級闘争の大地の中に、当時の「用水賛成・空港反対」という闘争破壊分子を引き込み、三里塚反対同盟と三里塚闘争の解体・破壊を狙っているのだ。
三里塚闘争は日帝国家権力を完全に追い詰めている。三里塚闘争は43年間の死闘とその勝利をとおして日本階級闘争の大地の中に不動の存在としてそびえ立っている。日本労働者階級人民が誇るべき闘いの砦(とりで)である。世界の労働者階級の国際的団結の中に、労農同盟としての三里塚闘争を発展させること、そして動労千葉を先頭に4大産別を始めとするすべての闘う労働組合の旗が三里塚現地を埋め尽くすことで、三里塚闘争の勝利は確実に引き寄せられる。
何よりも三里塚闘争の勝利は、「農地死守・実力闘争・一切の話し合い拒否」原則の非妥協的貫徹と、「軍事空港建設絶対反対」を堅持し、動労千葉を軸とする労農同盟のさらなる強化の中で必ず勝利できる。
マルクス主義から逃亡し、レーニン主義を解体し、三里塚闘争を条件闘争化して解体する策動を強める小ブル反革命・塩川一派を徹底的に粉砕し打倒しよう! 10・11三里塚現地闘争の大高揚の地平を引き継ぎ、11・1労働者集会1万人結集を総力で闘い取ろう。
プロレタリア革命への敵対を居直り
帝国主義国家とは、特殊な権力組織であり、労働者階級を中軸とするすべての被抑圧階級人民を弾圧し抑圧する暴力装置である。この暴力装置はプロレタリアートに対抗するためのブルジョアジーの武装である。すべての資本主義・帝国主義国家で、労働者階級の工場占拠・ゼネスト決起に対して警察と軍隊が出動し、闘う労働者階級人民に問答無用で血の弾圧を強行し、監獄にぶち込んでいる。
法大解放闘争への「暴処法」攻撃による暴力的投獄もしかりである。だが、逮捕された110人の学生同志全員が「完全黙秘・非転向」を貫き、今も8人の学生が獄中で意気揚々と不屈に闘っている。これこそレーニン主義の実践的貫徹ではないか!
そして資本主義・帝国主義国家がいかなる形態をとろうとも、それは例外なく「ブルジョアジーの独裁」である。8・30総選挙によって成立した民主党・連合政権も例外ではない。
したがってブルジョア独裁の打倒は、帝国主義国家権力の暴力と弾圧に打ち勝つ非合法・非公然革命党の建設に基礎を置くプロレタリアートの暴力革命―プロレタリア独裁なしには不可能だ。
転向を深める塩川一派は、自民党に代わって登場した民主党・連合政権をとことん美化し、屈服を深めている。「『自分の』国のブルジョアジーの利益にばかりでなく、ほかならぬ『自分の』国家の利益に、卑屈な下僕的態度で順応している」(レーニン『国家と革命』)――これが現在の塩川一派である。
塩川一派のエセ「革共同集会」基調報告Tは、「現代革命の主体」は、「他人の労働を搾取しないすべての働く人民と家族・地域・共同体を通じてそれと一体であるすべての人々が現代革命の主体であり、革命的共産主義運動の組織者・被組織者となるべき存在である」と言っている。
この主張に、塩川一派の小ブル反革命の正体が明確に示されている。ブルジョアジーとプロレタリアートの二大階級の対立の基軸性を否定することは、本質的・根底的には、ブルジョア独裁(国家)を容認し、帝国主義ブルジョアジーに全面屈服する思想である。これはプロレタリア暴力革命の否定であり、非合法・非公然党建設からの逃亡であり、プロレタリア独裁の解体である。同時に最末期の帝国主義を救済し、労働者階級と全人類の人間的・普遍的解放の闘いに敵対する反革命宣言である。
レーニンは『国家と革命』の中で、次のように規定している。
「ブルジョアジーの支配の打倒は、特殊な階級――その経済的存在条件が、かかる打倒を準備させ、これをなしとげる可能性と力とをあたえる――としてのプロレタリアートによってのみ可能である。ブルジョアジーは、農民やすべての小ブルジョア層を分裂させ、ばらばらにするのにたいして、プロレタリアートを結集し、統合し、組織する。プロレタリアートだけが――大規模生産における彼らの経済的役割のゆえに――すべての勤労被搾取大衆の指導者となる能力をもっている」
この立場からレーニンは、プロレタリアートと農民が連帯・団結し、プロレタリア世界革命への「労農同盟」論の重要性をも、また強調しているのだ。したがって革命党と労働者階級は、「労農兵ソビエト」の建設を革命戦略として強力に目指すのである。
言うまでもなくプロレタリアートと農民、被抑圧民族人民・被差別人民の闘いは対立するものではない。明確にすべきことは、労働者階級の特殊的な階級的解放が、同時に全人間の普遍的な解放であること、ここにプロレタリア自己解放闘争の最も重要な核心がある、ということだ。その意味において今日、ブルジョアジーの支配と闘っているすべての人民の中で労働者階級だけが真に革命的階級である。他の諸階級・諸階層の人民は、労働者階級の解放の中にこそ自らの究極的解放があることを直視し、労働者階級の立場に自らを立たせ、労働者階級と一体となって闘うことによって、プロレタリア革命の一翼を担うのである。この承認なくしてプロレタリア革命と全人類の普遍的な解放は空語と帰す。塩川一派のプロレタリア革命と無縁な小ブル的大衆運動主義という「基本戦略」では、全人類の解放の実現を闘いとることなど、ありえないのである。
階級的団結を武器に11・1総決起へ
塩川一派は次のようにも言っている。「7・7思想こそ、反スターリン主義の積極的内実を形成し、革命的共産主義運動に心棒を入れるものであった。対権力・対カクマルの苛烈な闘いに勝ち抜くことができたのもこの思想あってのことである」(基調報告T)
塩川一派の「7・7思想」とは、血債主義と糾弾主義に歪曲された「思想」である。血債主義の本質もプロレタリア階級性の解体であり、プロレタリア革命を解体する思想である。
対権力・対カクマル戦争を徹底的に貫徹してきた力は、自己犠牲を恐れぬ革命への献身性、プロレタリア英雄主義であり、「組織されたプロレタリアート」の鉄の規律である。その根底にあるものがマルクス主義・レーニン主義による武装なのだ。塩川一派の「レーニン主義を限界までやりぬいた」などという悲鳴は、国家暴力への全面的な屈服と転向の宣言でしかない。
世界革命情勢下で「絶対反対論」「階級的団結論」で武装し進撃すれば、国家権力のいかなる暴力や弾圧にもひるむことなくこれを粉砕し、世界革命情勢という絶好のチャンスをつかむことができる。11・1労働者集会の1万人決起が世界の革命情勢を確実に動かす! 全力で闘おう。
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週刊『前進』(2411号4面3)(2009/10/12 )
2009年 9月30日〜10月6日
イラクで空自輸送は米兵が67%/「普天間」で4閣僚会合
●キャンプ・ハンセンに陸軍新射撃場
沖縄県金武町の米軍キャンプ・ハンセン内の海兵隊レンジ(射撃場)3付近で米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)のライフル専用射撃場(射程1200b)が完成しているのが確認された。キャンプ・ハンセンを管理する米海兵隊は「建設は完了した。米陸軍が米陸軍省から使用前の最終承認を待っている」と近く使用開始することを明らかにした。施設新設には、地元金武町議会などが建設中止を求めて抗議決議も可決。地元からは訓練強化を懸念する声が上がっている。(1日)
●中国革命から60年で軍事パレード
1949年の中国建国60周年の祝賀式典が北京の天安門広場一帯で開かれた。10年ぶりとなる軍事パレードが行われ、最新鋭の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や戦闘機などを披露し、過去最大規模となった。胡錦濤国家主席は「社会主義だけが中国を救い、改革開放こそが発展をもたらした」と演説した。(1日)
●普天間アセス追加調査要求
普天間代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)準備書を審査していた沖縄県環境影響評価審査会が沖縄県知事への答申を提出した。仲井真知事は答申などを踏まえ10月13日に沖縄防衛局に意見を提出する。知事意見で答申内容がそのまま反映されれば、14年の普天間代替施設完成の日米合意目標は困難となる。答申は調査結果や、予測評価の多くの項目を「不十分」と指摘し、ジュゴンの複数年調査やサンゴ礁保全のための施設建設位置の再検討、環境への影響低減が十分できない場合には事業の中止も含めた検討を盛り込んだ。(2日)
●「普天間」で4閣僚会合
米軍普天間飛行場の移設問題について関係閣僚が話し合う非公式協議が首相官邸で行われた。岡田外相、平野官房長官、北沢防衛相、前原沖縄担当相の4閣僚と一部の副大臣、政務官が出席した。11月に予定される米国のオバマ大統領の来日までに政府として何らかの方針を示すことを目指し、今後も会合を開催していくことを確認した。(2日)
●米兵輸送67%
防衛省が情報公開法に基づき、航空自衛隊がイラクで行っていた空輸活動を記録した「週間空輸実績」を請求者に開示した。開示決定は9月24日。06年7月から空輸活動が終わった08年12月までに空輸した人数は2万6384人。米軍は1万7650人で67%を占め、他国の軍も含めると71%だった。国連職員は2564人で1割。前政権では中身が分からない黒塗りでの公開だった。(5日)
●アデン湾へ海自機が出発
ソマリア沖・アデン湾の「海賊」対策に派遣される海上自衛隊P3C哨戒機2機が那覇空港を出発した。上空から警戒にあたるP3Cの第2次派遣部隊となる。ソマリアの隣国ジブチを拠点に10月中旬から任務を始める。P3Cの第1次派遣部隊は6月、自衛隊法の海上警備行動に基づいて活動を開始。7月に海賊対処法が施行された後は、同法に基づく活動。9月末までに計72回、約570時間の任務飛行を実施。(5日)
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週刊『前進』(2411号4面4)(2009/10/12 )
日程 狭山総決起集会〈東京〉〈大阪〉〈広島〉
10・31寺尾差別判決35カ年糾弾! 第3次再審闘争勝利! 11・1全国労働者総決起集会へ!狭山総決起集会
〈東京〉10月24日(土)午後6時半開会
カメリアプラザ9階(JR総武線亀戸駅北口改札徒歩2分)
主催 部落解放東日本共闘会議
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〈大阪〉10月31日(土)午後2時開会 集会後、西郡で街宣
八尾北医療センター(八尾市桂町6-18-1)
主催 全国連西郡支部/八尾北医療センター労組/関西労組交流センター
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〈広島〉10月24日(土)午後2時開会(1時半開場)
いきいきプラザ(旧西隣保会館)会議室(JR西広島駅徒歩15分・福島町電停徒歩2分)
主催 部落解放広島共闘会議
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週刊『前進』(2411号5面1)(2009/10/12 )
10・16法大解放集会へ怒りの大結集を
法大弾圧の初公判 権力・当局の打倒を宣言
法大学生運動にかけられた暴処法弾圧と4・24法大集会弾圧裁判の初公判が東京地裁で相次いで開かれ、獄中で闘う8人の学生が元気に出廷した。彼らは法廷を演壇として自らの正義と勝利を確信した意見陳述を堂々と行い、弁護団、傍聴者と一体で闘いぬいた。この決起に連帯し、全学連を先頭に10・16法大闘争と11・1全国労働者集会の大結集を闘いとろう。
(写真 不当逮捕に対し総長室前で徹底弾劾【4月24日 九段北】)
暴処法裁判 “人間の尊厳守る闘い” 当局の悪行の数々を断罪
10月5日、東京地裁刑事第1部(秋吉淳一郎裁判長)で法大暴処法弾圧初公判が闘われた。冒頭、鈴木達夫弁護団長が異様な法廷のあり方を怒りを込めて弾劾。「被告1人を2人の看守で両脇から挟み、数十人の廷吏と警視庁公安刑事が法廷を取り囲むという裁判は断じて許せない。直ちに措置を取るよう訴える」と裁判長に迫った。
弁護団長の決起に続き、法廷に並んだ織田陽介君、恩田亮君、内海佑一君、増井真琴君、新井拓君の意見陳述が弾圧態勢を打ち破り、裁判長と検察官を圧倒した。織田君は「学生の未来を食いつぶす教育に正義などない。法大闘争は、大学とは何かという根本的な問いに答え、学生が立ち上がることの普遍的な正しさを獲得した」と訴え、「今なすべきことは、団結を組織し、一個の政治勢力として自己を組織することだ」と11・1集会への結集を呼びかけた。
恩田君は、06年3・14弾圧以降の法大当局による人権侵害・団結破壊の数々を教職員・暴力ガードマンの実名を公表し怒りを込めて断罪。「法大闘争は人間の尊厳と権利を守る闘いであり、われわれの名誉回復闘争である」と誇り高く訴えた。
内海君は、「暴処法弾圧こそ法大当局と国家権力の戦争突入宣言だ」と弾劾。当局の看板の不正義性を暴露し、「学費はマネーゲームにつぎ込まれ、学費が払えず除籍の学生は実名をさらされ入構禁止。こんな看板が学生の怒りで破壊されたとしてなんの不思議があろうか!」と叫んだ。
増井君は、30分を超えるアジテーションで「問題の核心は教育の民営化にある」と鮮明に提起。国鉄分割・民営化以降の4大産別への攻撃と全国大学での学生自治破壊を一体で批判した。そして「法大は自ら社会に輩出してきた文学や音楽、学生運動以外に誇れるものがあるか!」と批判を突きつけ、「10・16は暴れるしかない」と法大闘争のさらなる爆発を傍聴席に呼びかけた。
被告の熱烈なアピールは、法大生、ともに闘ってきた全学生、労働者の思いそのものだ。「そうだ」「よし」と傍聴席に共感が高まった。これに追い詰められた検察は、傍聴者を黙らせるよう裁判長に訴えたが、新井君が「裁かれるのは国家権力と法大当局だ」と徹底的に粉砕した。新井君は「われわれは、団結の無限の可能性への確信を強く打ち立てながら4・24へと上り詰めた」と語り、それは動労千葉がストとともに法大闘争を呼びかけて闘う姿を見てつかんだ確信であると労学共闘の展望を述べた。
弁護団も検察・裁判長を徹底弾劾して闘った。藤田正人弁護人は、「本件は『ひとりの仲間も見捨てない』と文化連盟と全学連が団結して闘い、さらに労働組合と学生運動が合流することに激しい危機感を持ち、団結を破壊するための政治弾圧である」と暴処法弾圧の核心を明らかにし、ただちに公訴棄却し即時釈放せよと迫った。
初公判は、暴処法弾圧への怒りと11月1万人結集に向かう迫力が一体となって大勝利した。
4・24裁判 登石裁判長の強権と激突 傍聴の法大生に反乱の檄
10月7日、4・24法大集会弾圧裁判が東京地裁刑事第17部(登石郁朗裁判長)で行われた。
斎藤郁真君、倉岡雅美さん、冨山小太郎君、そして、5日の暴処法裁判を闘った恩田亮君、増井真琴君、内海佑一君の6被告が満身の勝利感と明るさで出廷した。
冒頭から登石裁判長が強権を行使してきた。森川文人弁護人に続き、倉岡さんが異常な法廷警備に抗議を述べようとすると、裁判長は「弁護人以外に発言させない。警備態勢は変更しない」と言い捨てた。さらに、直接本人に行うべき人定質問を検察官に聞いて確認するという暴挙に出た。
しかし、これを吹き飛ばす斎藤君の意見陳述が開始された。「全員の無罪を主張する。学問の自由がある場所こそが大学である。大学を私物化している現法政大学理事会の罪こそが裁かれねばならない」
倉岡さんは、自らが法大闘争に決起していった経緯を踏まえ、「学生はおとなしく『ルール』や『しょうがない』に支配されるのみの存在ではない。それを法大生自身の行動によって示したのが4・24集会だった。新たな時代を切り開く情熱を誰も奪うことはできない」と熱く語った。
増井君は、5日の法廷を圧倒した新自由主義大学批判と大学論を武器に、再び全面展開を行った。そして、傍聴席を占める法大生に向かって「法大で反乱を起こせ!」と檄を発した。傍聴席は大拍手で応えた。
内海君は、傍聴席と被告席を交互に見渡しながら、不当処分を連発する法大当局を燃やし尽くす怒りのアジテーションを行った。
恩田君は、法大当局者たちの実名を列挙し、学生支配の罪状を具体的に告発した。そして、法大当局の側に立ち学生弾圧の手先となってきた裁判所に「高所から被告人を見下して裁きを行っているが、本裁判ではわれわれが貴様らを裁く」と宣告した。
この戦闘宣言に打ちのめされた登石裁判長は「貴様」という表現にケチをつけ、いきなり恩田君に退廷を命じた。傍聴者、被告、弁護団の怒りと弾劾で法廷が騒然とする中で、最後に意見陳述をする予定だった冨山君に「抗議の声をあげた」と言いがかりをつけ、暴力的に退廷させ、裁判を打ち切った。法大闘争の正義と迫力におびえ、暴力にすがりつく小心者。それが登石裁判長であり、法大当局であり、国家権力の正体そのものだ。
法大闘争は、大反動をのりこえ、教育の民営化と対決し監獄大学を解放する勝利の路線を切り開いてきた。そして2日間の裁判で8人の仲間が団結を固め、法大闘争の卓越したリーダーとして感動的に登場した。とりわけ、傍聴に駆けつけた法大生は、4・24闘争を牽引し抜いた文連3役の意見陳述に心底から鼓舞激励された。獄中同志の不屈の決起と一体で、10・16―11・1へ大進撃しよう。
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メモ
●暴処法 「暴力行為等処罰に関する法律」は1926年に治安維持法(25年)に続いて制定された。大衆運動、労働運動の弾圧に猛威を振るい、柳条湖事件の翌年32年には逮捕者5千人を超えた。戦後も廃止されず「多衆の威力」「数人共同」などのあいまいな構成要件で労働組合弾圧などに使われてきた。
●法大暴処法弾圧 警視庁公安部は5月に11人の学生を暴処法違反をデッチあげ逮捕し、5人を起訴した。容疑は、法大正門前の当局の看板(処分を下した学生の実名を挙げ立入禁止を通告)を破壊したというもの。
●4・24法大集会弾圧
4月24日に法大文化連盟と全学連の呼びかけで「不当処分撤回! 監獄大学粉砕!」の大集会が労学1500人を結集して法大前で闘いとられた。警視庁は事後逮捕を含め6人の学生を「建造物侵入、威力業務妨害」でデッチあげ起訴した。
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週刊『前進』(2411号5面2)(2009/10/12 )
新たな獄中弾圧許すな!
10・5法大暴処法弾圧初公判後、東京地裁刑事第1部秋吉裁判長によって、許しがたい獄中弾圧がかけられた。初公判を終えた夜、獄中の仲間に対し、「第2回公判までの間、糧食と寝具以外の一切のものの購入と差し入れを禁止」との決定が一方的に通告された。
被告たちは本の購入もできず、翌朝には新聞も没収された。また、事前に購入願いを出していた蛍光ペンやファイルも届かない。弁当や衣類以外、果物の缶詰や菓子類、ボールペン・便せんなど日用品全般、切り花、はがきなどすべてが購入も差し入れも禁じられた。弁護人以外の接見を禁止し保釈も却下、なおかつこの前代未聞の獄中弾圧は一体何なのか!
獄中の仲間と弁護団は怒りに燃えて徹底的に抗議し、この禁止決定を粉砕し元どおりに戻させたが断じて許すことはできない。これは裁判闘争の大爆発に追い詰められた検察と裁判所が一体となった卑劣きわまりない政治弾圧だ。確信も新たに10・16法大集会から11・1へ攻め上ろう!
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週刊『前進』(2411号5面3)(2009/10/12 )
報告集会 “決着は11月1万人で”
8被告に応え法大闘争へ
10・5法大暴処法弾圧初公判後に弁護士会館において、「法政大学での学生弾圧(暴処法弾圧)に抗議し、8学生の即時釈放を求める全国声明運動」の呼びかけで報告集会が開催された。
冒頭、傍聴をともに闘ったス労自主の山川博康中央執行委員が発言。「国労5・27臨大闘争弾圧との闘いが法大闘争と結合し、動労千葉とともに国鉄闘争を牽引(けんいん)する勢力として歴史の前面に登場しようとしている。非常にいい情勢だ」と訴えた。
動労千葉の後藤俊哉特別執行委員は、暴処法弾圧とともに民主党・連合結託政権を弾劾。「労働者が社会を動かす主人公だと示すのが11・1集会だ」と1万人決起を訴えた。
続いて学生が初公判の総括を提起した。@被告の学生たちが元気に法廷に登場し闘っていることが何より大勝利、A「教育の民営化」絶対反対の闘いにこそ学生の未来がある、B当局が引きはがされたと主張する看板にこそ、学生の尊厳を踏みにじる法大当局の不正義性が凝縮している、Cすべての怒りを行動に転化し10・16法大集会から11・1労働者集会へ、と決起を訴えた。
鈴木達夫弁護団長が公判を総括した。「刑事裁判は被告が胸を張って何を主張するかが一切だ。今回の初公判では獄中の学生の活動家としての飛躍が敵権力を圧倒した」と5学生の圧倒的なアジテーションに勝利を確認した。
法大文化連盟の洞口朋子さんは、「闘っても勝てないという人は絶対に間違っている。8学生の闘いは、処分されても闘いの中に自分たちの未来はあることを示している。法大キャンパスから闘いを始めよう」と10・16への大結集を訴えた。坂野陽平全学連委員長代行は、「われわれが3年半、汗や涙を流しながら闘ってきた法大キャンパスに比べたら法廷なんて小さすぎる。決着は11・1の1万人集会でつけよう」と展望を語った。
集会には、警察・検察による激しい切り崩し攻撃をはねのけ、被告の家族、法大生、法大OBが参加・発言し、団結が感動的に深まった。この団結は、現場の闘いから逃れたところで『完黙はすべきではない』『全学連と文連のやり方は間違っている』と非難し、分断を組織する者たちとの激しい闘いの中で生み出されたものでもある。
団結破壊を目的とした暴処法弾圧に対し、獄内外の団結を固め、すべての怒りを法大学生運動の爆発へ転化しよう。
(写真 被告たちと半年ぶりに再会した感動の中で報告集会がかちとられた【10月5日 霞が関・弁護士会館】)
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週刊『前進』(2411号5面4)(2009/10/12 )
共産主義者162号
革共同50年の到達地平示す綱領草案と25全総報告掲載
本号は、革共同第25回全国委員会総会報告・決定集の収録号である。この25全総で採択された綱領草案と基調報告2本のほかに、関連する3本の論文と『前進』夏季特別号アピールを掲載。
巻頭言にあるとおり、25全総は労働者出身の「階級の指導部」の結集と徹底討論によってかちとられた。革共同がついに手にした初の綱領草案は、「革命的共産主義運動の新段階突入を宣言」し、「革共同50年の歴史にあってじつに画期的な地平」を切り開くものだ。内容的にもまさに〈現代の『共産党宣言』〉(本紙前号)と呼ぶにふさわしい。11月1万人組織化にとっても決定的バネとなるだろう。
24全総後を総括した「第1報告」
天田書記長の第1報告「プロレタリア世界革命の急速な接近と革共同の任務体系」は、綱領草案を生み出すにいたった06年党の革命―07年24全総以降の革共同の闘いの政治的・組織的総括と路線的整理を行い、綱領の背景をなす情勢認識と「綱領をもつ党」としての任務体系を全面的に提起している。
国鉄を軸にした4大産別決戦の白熱的実践―職場生産点での体制内派との断固たる対決をつうじて「現在、青年労働者のなかから、革共同結集、地区党結集の大運動が始まっている」現実、「〈団結の拡大を総括軸〉にする闘いが、この党(地区党)への結集運動を生みだしている」事実に着目。「2000万青年労働者―6000万労働者全体をプロレタリア革命に獲得する階級的立場」で闘うことの重要性を説き、その核心こそ「マルクス主義で〈細胞と地区党〉を武装(再武装)すること」だと熱烈に訴えている。
綱領草案の意義提起「第2報告」
綱領草案の目的・意義・背景などについて起草者の立場から問題提起した第2報告「綱領草案の意義と革共同建設の新段階突入」(綱領起草委員会)は、これ自体が画期的な内容をもつ歴史的文書である。
「この綱領草案採択をもって、革命的労働者党建設のまったく新しい段階に踏み出します」という冒頭の言葉に、「綱領をもつ党」の重みが込められている。「革共同50年」のみならず、「19世紀以来の国際共産主義運動が今日、ついに到達した歴史的地平」と言って過言でない重みと広がりをこの草案はもっている。
第1項目に掲げられた「マルクス主義の全面的な復権の宣言」、その核心である「労働者自己解放の思想」=プロレタリア革命の思想の復権こそ、今日の世界の労働者階級にとって最も重要な共通の実践課題なのだ。そしてその革命は、「現代においては反帝国主義・反スターリン主義世界革命としてのみかちとられる」。綱領草案第3章の「プロレタリア独裁」「党」「労働組合」という「革命の核心問題」に関して、第2報告はさらに深く掘り下げている。スターリン主義批判、塩川一派批判としても決定的である。
後半では、革共同半世紀の闘いの総括が試みられ、反スターリン主義・革命的共産主義運動の激闘の過程と世界史的意義が浮き彫りになる。今日の闘いに直結する実践的な党史だ。最後に、『共産党宣言』『資本論』の大学習運動の具体的指針が示されている。
ロシア革命の教訓示す丹沢論文
綱領草案の学習と階級的労働運動路線の実践にとって、丹沢望同志の「ロシア革命で労働組合が果たした決定的な役割」は大きな力となる。夏季特別号の掲載論文に大幅加筆したもので、労働組合論の革命論的確立やプロ独をめざす闘いという今日的課題がロシア革命史に即して具体的に明らかにされる。党と労働組合とソビエトの関係のほか、工場委員会とその「労働者統制」の闘いなど今日に通じる実践的教訓を引き出している。
夏季特別号アピールもまた、綱領草案と併せて読み返すとき、プロレタリア世界革命につながる11月1万人組織論、4大産別決戦論のもつ意義が一層明確になるだろう。
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週刊『前進』(2411号6面1)(2009/10/12 )
天野美恵さんを追悼する
米軍演習をゲリラで実力阻止 北富士闘争に全生涯ささげる
北富士現地闘争本部
北富士忍草母の会事務局長の天野美恵さんが、2年余の闘病生活の末、10月4日に逝去されました。「もう一度北富士に帰って闘いたい」という美恵さんの願いはかないませんでしたが、85年の鮮烈な生涯でした。
1923年に天野美恵さんは、忍野村忍草に生まれました。忍野村は富士山麓(さんろく)の950bの高冷地で火山灰のやせた土地の村です。ここで生きていくために忍草の農民は狭い村内の土地だけでなく、富士山麓の入会地(いりあいち)である梨ケ原から馬草や肥料として草を刈り、燃料の薪(まき)を採り、養蚕のための桑やソバを植えて、生活の8割を入会地に依存して生きてきました。
第2次大戦後、米軍に入会地・梨ケ原を接収され、生活の道を断たれた農民は、1947年忍草入会組合を結成して故天野重知(しげのり)組合長の指導下、「村中一心梨ケ原を守る」の旗を掲げて米軍から入会地を奪い返す闘いに決起しました。若き天野美恵さんもこの闘いに参加し、1960年には忍草農民のデモ隊の一員として安保闘争に参加しました。そこで樺美智子さんの闘いと死に触れ、入会組合の婦人行動隊として忍草母の会が結成されると、渡辺喜美江会長のもと事務局長に就任しました。
以来50年間、北富士闘争の専従の活動家として、闘いの拠点・忍草区会事務所を住居とし、北富士の先頭で闘いの生涯を貫かれました。
米軍に奪われた入会地を奪還するために、北富士農民は「入会地無断使用の米軍演習反対」の旗を立て、演習場内に入会小屋を建てて座り込んだり、あるいは演習場内の着弾地に農民ゲリラとなって突入し、「米軍演習実力阻止」の激しい闘いを展開してきました。
1965年、米軍が東富士から北富士に撃ち込んだ地対空ミサイル・リトルジョンを着弾地に座り込んで実力阻止した母の会は、さらにベトナム戦争の最中の1967年7月、演習場のど真ん中に入会小屋を建てて座り込みを開始し、3年3カ月にわたって北富士での米軍の実弾演習を阻止してきました。
ベトナム侵略戦争の遂行のために、米軍と日帝国家権力は70年10月27日、機動隊1000人を動員して、母の会が立てこもる入会小屋を撤去し、この弾圧を突破口に入会組合・母の会の切り崩しと第二組合の育成、北富士闘争の圧殺に打って出ました。
革共同は、この10・27入会小屋撤去を契機に、忍草農民の要請を受けて現地闘争本部を設置し、それ以来、忍草区会事務所で天野美恵さんと寝食をともにして闘ってきました。
北富士闘争は、これ以降、激化する組合切り崩しに対し、母の会の団結を守り、演習のたびに着弾地に潜入し、狼煙(のろし)を上げ、座り込んで闘いぬきました。逮捕を恐れず決起する中で、演習阻止闘争は継続・強化され、発展してきたのです。これらの決死の闘いは、母の会の豪快な武勇伝に彩られています。
同時にこの過程は、反革命カクマルとの激烈な内戦の過程でした。母の会は権力や裏切り者=第二組合との厳しい闘いを身をもって闘いぬく中で、即座にカクマルの本性を見抜き、私たちの戦いを支持し、血盟をより強固に固めて闘いぬきました。
さらに私たちは、忍草農民が入会地奪還闘争の中で権力から奪い返した精華である「桧丸尾(ひのきまるび)入会林」の強奪に権力が出てくる中、革命軍のゲリラ戦闘の爆発と戦闘的大衆闘争の強化・拡大をもって北富士闘争を守り、ともに闘ってきたのです。
また母の会は「北富士は権力に奪われた入会地を奪い返す闘い。三里塚は農地を権力に渡さない闘い。同じ闘いだ」と、闘いのたびに三里塚に駆けつけ、三里塚農民との連帯を固めてきました。
忍草農民が梨ケ原に持つ権利を奪わない限り闘いは続き、演習場の安定的な使用はできないと見た国家権力は98年、最高裁判決で「桧丸尾(県有地)に忍草農民の入会地はない」「正当な入会組合は第二組合」という判決を下しました。
しかし、それにも屈服せず、2003年に渡辺喜美江・母の会会長、天野重知入会組合長が次々と逝去された後も天野美恵さんは、その遺志を断固受け継いで国有入会地奪還の闘いを継続し、生涯をかけて絶対反対・非妥協の北富士闘争を貫いたのです。
天野美恵さんと母の会が権力と第二組合との闘いの中で示されたことは何か。それは体制内派と激しく闘う現代の青年労働者、学生の闘いに通じるものがあります。
今日、世界大恐慌が爆発する中、11月集会1万人結集の力でプロレタリア世界革命の突破口を切り開く決意です。そしてプロレタリア革命勝利の中で、北富士闘争の勝利も必ず実現します。
北富士闘争が生んだ鋼のように強固で心優しい女性闘士・天野美恵事務局長。その生きざまに心から感動するとともに、限りない尊敬と感謝を込めて誓います。美恵さんがめざした北富士演習場撤去・入会地奪還の課題は、われわれ革共同と労働者階級がしっかりと受け継ぎます。
美恵さん、長い間ありがとうございました。そしてご苦労さまでした。
(写真 85年5・17北富士桧丸尾死守戦の先頭で闘う天野美恵事務局長。左は渡辺喜美江会長、右は天野くま子さん)
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週刊『前進』(2411号6面2)(2009/10/12 )
弔辞 農地死守の三里塚闘争と入会地奪還の北富士闘争
三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長 北原鉱治
10月4日、天野美恵さんの訃報(ふほう)に接し、反対同盟は心から追悼の意を表します。
美恵さんの生涯を振り返ってみるに、ひとしお私の心に感動を禁じえません。言葉が適切ではないかもしれませんが、もったいないことをしたという一念を感じています。春夏秋冬、北富士闘争の母の会として、事務局長就任以来49年間、生涯かけたその闘いの一念が私の心中に想起されてなりません。
終始一貫、入会権闘争の闘いを貫き通してきた信念は、偉大な先駆者の一人として高く評価されるものと思います。忍野村に生まれ、育ち、ひとしお郷土愛の深いものがあったのだろう、ということも感じます。
三里塚闘争との連帯、命がけで着弾地に座り込んで軍事演習をくいとめた忍草母の会の闘い、特に「富士を荒らすな!」と闘い、さらに全国の基地反対闘争に取り組んで闘った姿は、偉大な歴史の証人として社会の人びとに伝わっています。
女性解放の闘いにおいても、一人の闘う女性の生きざまであったと理解を深めております。その闘いは三里塚の女性たちにも大きな教訓となり、現在の三里塚に引き継がれています。
1971年三里塚闘争の第1次代執行の時、美恵さんが多くの忍野村の女性たちを引き連れ、反対同盟とともに先頭に立ち闘った姿は、今なお強烈な印象として残っていると思います。
生前、美恵さんが語っていた簡潔な三里塚連帯の言葉を紹介したいと思います。
「三里塚は自分の土地だよ」「自分の土地を売らない闘いだよ」「北富士は奪われた土地を取りもどす闘いです」「ただそれだけの違いっきり、権力と闘うのは同じだから一緒にがんばろう」
三里塚全国集会には欠かさず参加され、いつも歯切れのよい声で、反対同盟を叱咤(しった)激励してきた闘争者でした。
病(やまい)に倒れ、一人娘の国立市に居を移して、リハビリを行い、もう一度戦線復帰を念願しつつ療養に励まれましたが、人の命ははかないもので、とうとう帰らぬ人となりました。
北富士闘争の完全勝利を思いとして残し、その心境を考えてみた時、無念という言葉を残しつつ去っていったのではないかと思われます。しかし反対同盟は、北富士闘争と三里塚闘争、すべての住民闘争の勝利を必ずや実現する決意であることをご霊前に誓います。それが故人の遺志を引き継ぐ者の使命であると深く肝に銘じるものです。
さあ、もういいんだよ! 何もしなくてもいいんだよ!
あなたの思いは、三里塚の大地に残されていきますよ! 安らかにお休みください。
以上をもって追悼の言葉といたします。
2009年10月7日
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週刊『前進』(2411号6面3)(2009/10/12 )
“忍草の夜明け信じ”
天野豊徳さんら3人が弔辞
美恵さんを偲び告別式
10月7日、10月4日に急逝された天野美恵忍草母の会事務局長の告別式が山梨県・富士吉田で、北富士闘争に生涯をささげた天野さんの闘いをたたえるにふさわしい内容で行われた。
忍草入会組合の天野豊徳さんが弔辞を述べた。豊徳さんは故天野美恵さんを「姉」と呼んで、「事務局長として北富士梨ケ原への入会権の確立、平和利用の最終目的に向かってありとあらゆる手段をもってその目標に挑戦してきたよなあ」と故人に語りかけた。そして「北富士忍草に母の会あり」とその名をとどろかせた奮闘を語り、「波瀾万丈の姉の一代記は一言では言い表せません」とたたえ、「忍草の夜明けを信じながら活動の途中であの世へ行った数々の仲間たちに、最後までがんばり抜いた忍草の女集団・母の会の生きざま、死にざまをよーく話してくれ」とはなむけの言葉を贈った。
次に弔辞に立った三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は「反対同盟は、北富士闘争と三里塚闘争、すべての住民闘争の勝利を必ずや実現する決意です」と誓った。(別掲)
続いて婦人民主クラブ全国協議会代表で相模原市議の西村綾子さんが弔辞を述べた。「美恵さんが生涯かけて貫いた戦争も差別もない社会の建設、基地を完全になくす悲願を今度こそ実現するために、私たちもがんばります」
3人の弔辞は参列者に亡き美恵さんの姿をまざまざと想起させ、誰もが涙を抑えることができなかった。
最後に遺族が、「皆様が語られたように強い母でしたが、私たち家族にとってはとても優しい母でした。孫もよくかわいがってくれました」と家族愛にあふれた一面を語り、お礼を述べた。
(写真 「美恵さんの思いは三里塚が引き継ぐ」と弔辞を述べる北原鉱治事務局長【10月7日 富士吉田】)
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週刊『前進』(2411号6面4)(2009/10/12 )
10・2全国集会 制度壊滅へ全国行動を
裁判員裁判の矛盾が拡大
10月2日、「裁判員制度はやっぱりいらない!10・2全国集会」が東京・四谷区民ホールで開催された。「裁判員制度はいらない!大運動」の主催で450人の労働者・市民・学生が全国から集まり、「制度廃止の日まで、国会に、政府に、最高裁に、そして権力翼賛の日弁連執行部に、私たちの怒りをたたきつけましょう!」と集会宣言を発した。
集会では、裁判員裁判の実態が暴露され、力強く発展する全国各地、各界の制度廃止の闘いが報告された。
交通ジャーナリストの今井亮一さんの開会あいさつで集会は始まった。今井さんは「裁判員裁判を傍聴したが、まるでプレゼンテーション発表会。裁判員制度はいらない」と力を込めた。
藤田正人弁護士が開始された裁判員裁判の実態についてレポート。「裁判員裁判は『市民参加』という名の刑事裁判ショー。簡易・迅速・重罰の『お白州』だ」と断罪した。裁判員裁判では、裁判員や被害者の参加によって、検察側と弁護側が対等に主張・立証を行い裁判官が第三者として判断する「当事者主義の原則」は投げ捨てられ、法廷は被告人に対する「公開リンチ」のワイドショーになった。被告人の防御権は完全に踏みにじられている。
さらに「司法への市民参加」というペテンも暴き切った。裁判員の「約9割にのぼる高い出席率」とは、呼出対象者から呼出状発送段階で拒否した人などを含めない数値であり、実際の出席率は東京47%、高松29%など拒否者続出なのだ。裁判員を経験した多くの人も「非常に重くて苦しい制度」と反対の思いは募るばかりだという。
裁判所は「皆さまが示された姿勢、意見が、日本の社会を支えていく」と裁判員に感謝状を渡しているが、藤田弁護士は「これは、制度の目的が市民・国民に治安維持を担わせ権力の思想に染めることであることを語っている」と暴露した。
続いて、ジャーナリストの斎藤貴男さん(呼びかけ人)が「自分の記者時代の経験から見ても『専門家』と『素人』との関係をけっして甘く考えることはできない」と指摘した。
(写真 “やっぱりいらない!” 460人が結集し廃止まで闘おうと宣言【10月2日 東京・四谷】)
全国での抗議行動に大反響
高山俊吉弁護士の司会で行われた弁護士、町内会、市民運動、労働運動の各界によるパネルディスカッションは、制度廃止の運動が一層強固に広がりをみせていることを実感させた。愛知県の弁護士は、東海3県の弁護士ら約200人が9月に制度廃止の声明を発表したことを報告、弁護士会でも廃止決議をあげたいと意気込みを語った。町内会でも会長が先頭で地域丸ごとで議論している。市民運動でも絶対廃止の確信は深まるばかりだ。労働運動からはス労自主の棚橋竹三郎副委員長が登壇。また、動労千葉が運動方針として改憲阻止の一環に裁判員制度廃止を掲げ、組合員・家族に裁判員候補の通知が届いた場合、本部指示のもとに対応するとしていることも紹介された。
福岡、岡山、大阪、東海、神奈川、埼玉、千葉の各運動団体がのぼり・横断幕をもって全員壇上に並び、各地の闘いを報告した。どの地域でも裁判員裁判実施に対し地裁を直撃する抗議行動に立ち上がり、大反響を巻き起こしている。決定的なことは、制度廃止の運動が制度実施後も、さらに勢いを増していることだ。
まとめとして高山弁護士は、「裁判員裁判の実施はこの国の政治権力の危機を示している。支持のないまま強引に始めざるをえない。途方もない矛盾を抱えている。われわれの勝利の証しだ」と確認し、「修正は違う。廃止以外にない。たくさんの人たちが拒絶している。われわれが廃止の旗を掲げ続けているからだ。さらにその旗を高く掲げよう」と呼びかけた。11月以降、裁判員裁判の件数はひと月200件ほどに激増し、制度の矛盾と破綻はさらに拡大していく。
高山弁護士は続けて方針を提起した。「各地の学習会を運動の拠点にしよう。『大運動』は裁判員裁判の真実を知らせるための『裁判員いらない!全国情報』を発行していく。これを武器に11月末から12月、裁判所が数十万人に候補者通知を送る時期に強力な全国一斉行動を組み、いよいよ制度を壊滅させる!」
大成功の集会だった。
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週刊『前進』(2411号6面5)(2009/10/12 )
団結ひろば 投稿コーナー
労働者は私たちとの出会いを求めている 静岡 山下孝志
私たちの地区でも今度の11月集会に向け、街頭宣伝を強化しようと職場朝ビラと夕方街宣をほぼ毎日行っています。
私たちは、いつものようにある駅頭で4人の仲間と「世界恐慌が到来した」「大失業時代の到来で、ハローワークには失業者が職を求めて列をつくっている」「その中心が青年労働者であり、職を求めても職が得られない」などを訴えて街宣を開始しました。
街宣終了近くにビラを受け取った労働者が、「実は私1カ月前に会社から首を切られたんです。このビラに書いてある労働組合と団結が重要だと思います」と近寄ってきました。その場で11月集会があること、全国から闘う労働者が集まることなど話すと、すぐに賛同署名に応じ、チケットを買い、労働者集会の参加を約束してくれました。「次の休みにまたここで街宣をやるから一緒にやりませんか」と誘うと、約束どおりやってきました。終了後『前進』に載った「鈴木コンクリート分会の闘い」の投稿を読み合わせし、本当にそのとおりだとの感想をもらいました。
その次の休みの時には地区集会とデモの先頭にその人は立っていました。出会って約2週間の出来事です。
率直に感じることは、今街頭には、私たちとの出会いを求めている多くの労働者がいるということです。これは二十数年の活動の中で初めて感じることです。その怒りと私たちが結びつくことができるかどうか。わが地区からも11月へ全力で闘いぬきます。
錦糸町街宣。はっきり言ってすごいです 東京・東部 布川静江
東京では中央街頭宣伝を繰り広げ、団結して連日闘っています。10月4日にはJR錦糸町駅前で大街宣を行いました。今までで最高の45人が参加、賛同署名が180、チケットが20枚売れ、5人が行くと約束。はっきり言ってすごいです。
みなさんは、署名の時、どんな会話をしていますか? この日の署名は特に盛り上がったので、ご紹介します。
「国鉄1047名闘争を知っていますか」と声をかけると、「ええ、まだ続いているんですか」と話しになり、「大変な時代になりましたね」と署名してくれた人。「最近、お仕事はどうですか」と聞いた人は「本当は正社員になりたいのに、ずっと派遣。なんとかしたい」と言う。「残業代は支払われていますか」と聞いた人は、「いえ、実は医療事務で働いていたのですが、賃金が未払いで急に雇い止めになってしまい、次の仕事を今探しているのです」とのこと。また、別の人に「法政大学の署名もお願いできますか」と聞いてみると、「あ、それ、テレビで見ましたよ。ひどい話ですね」と。さまざまな反応が返ってきます。
駅前での一瞬の出会いですが、動労千葉ストライキの報告や、尼崎事故調査報告改ざんのこと、本当にタイムリーに伝えることができました。
22歳にとっての国鉄1047名解雇撤回 A地区 栗山金太
連休の街頭署名、皆さんの所はどうでしたか?
11・1集会賛同署名で、@私たちが直面している民主・連合政権の派遣存続、道州制民営化・賃金2割カットは、国鉄1047名解雇が原点であること、A私も1047名闘争を22年間、裁判支援、物資購入でともに闘ってきたこと、B1047名解雇撤回の22年は、労働者、農民、市民、少しでもかかわったみんなでつくった団結の宝であること、この3点を訴えました。思い切って動労千葉の「肯定力」で話してみました。
署名の中に次のようなメッセージあり。「どん底からはい上がろうとがんばっている方々の、これまでの行動をうかがって、前に進む勇気をもらえました。おかしいことは素直におかしいと言え、しょうがないという言葉を疑うことの大切さを学ばせていただきました。陰ながら応援しています」。誠実そうな大学4年生。22歳なら闘争団と同期? 一生懸命回っても、いまだ採用が決まらない。秋晴れでにぎわう街をどんな気持ちで歩いていたことか。
しかし、その新しき労働者の仲間に、もう一度「前に進む勇気」を感じさせたのは、「競争心」にあらず。22年間の1047名の、そして支援陣形百万労働者の「団結」の生きざまです。
1047名闘争は「新しき労働者」を団結の陣形に加えていく。屈服的和解の4者4団体派内で迷う○○さん! ぜひ、誰と団結するか、集会参加を考えてくださいね。
横浜地裁での裁判員裁判に50人抗議デモ 神奈川 T
9月29日、横浜地方裁判所での裁判員裁判第1号の公判に対して、裁判員制度はいらない!大運動の弁護士、神奈川県下の百万人署名運動や労組交流センターの労働者、市民団体など50人以上が結集して抗議行動とデモ行進を行いました。
朝8時前には裁判所前に時間休をとってかけつけた全逓労働者、教育労働者、自治体労働者、市民がのぼりを林立させ、横断幕を広げて陣取り、裁判所職員、裁判員候補者、傍聴希望者にビラがどんどん手渡されました。裁判員いらなインコも登場。出勤途上の労働者や社会科見学に来ている生徒たちも大いに注目。3000枚以上のビラが配布されました。
裁判所前では憲法と人権の日弁連をめざす会の高山俊吉弁護士や武内更一弁護士をはじめ、ほとんどの参加者がマイクをとって「裁判員制度絶対反対! 改善・改良などありえず廃止しかない!」とリレートークが続きました。国民救援会(共産党系)の「裁判を傍聴し、市民の目できちんと裁判が行われているか監視しよう」などと裁判員制度を後押しする宣伝に対しては、「裁判員制度の問題点をあげながら廃止と言わない運動が支えてしまっている」と真っ向から批判しました。
正午からは横浜公園を出発して、裁判所、検察庁、弁護士会館、県庁などを通る一周デモ。飛び入りの青年も参加して、「一人の拒否からみんなの拒否! 裁判員制度は廃止できる! 労働者の団結した力で廃止に追い込もう」と元気にデモしました。ちょうど昼休みで出てきた労働者に、絶対反対の運動をしっかりアピールしました。
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