ZENSHIN 2009/09/14(No2407 p06)
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週刊『前進』(2407号1面1)(2009/09/14 )
国鉄1047名解雇撤回・農地死守・国際連帯
11月1万結集へ全国大運動を
大失業と戦争の攻撃を強める民主党・連合政権を打倒しよう
10・11三里塚現地全国集会へ
(写真 法大決戦勝利へ 全学連大会開く 9月10日から3日間、全学連第70回定期全国大会が東京・文京区民センターで開かれた。獄中の8人の学友の奪還を固く誓い、10・11三里塚闘争から11・1労働者集会1万人決起の展望を明らかにし、今秋の法大決戦総決起への臨時執行体制を確立した=詳報次号)
11・1労働者集会を、国鉄1047名解雇撤回闘争を圧倒的な基軸として、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃と対決する全国・全世界の闘う労働者人民の、国際的な怒りの総決起大会としてかちとろう。自民党支配を打倒した労働者の怒りを、さらに「民主党・連合政権」打倒の闘いとして爆発させ、職場生産点から巨大な反乱を組織しよう。職場・地域・学園から丸ごと総結集する大運動を起こそう。10・11三里塚全国闘争に全力決起し、11・1労働者集会の1万人大結集で、プロレタリア世界革命勝利に突き進もう! これが〈8・30総選挙情勢〉に対する最大の回答だ。
連合の極悪指導部が先兵に
11・1労働者集会は、民主党・社民党・国民新党の3党連立による、実質的には「民主党・連合政権」としての鳩山新政権に対する怒りの総決起大会である。「民主党・連合政権」は、連合の極悪の体制内指導部を取り込んで日本帝国主義ブルジョアジーの利益を貫き、大恐慌で破綻に瀕する資本主義を救済する政権であり、労働者階級にとってまさに打倒する以外にない反労働者的な政権なのだ。
日帝国家の借金は今や860兆円を超え、GDPの1・7倍に達し、帝国主義国の中でも最悪だ。これは絶対に解決不能である。この国家財政の破綻の中で、資本主義体制を維持しようとすれば、労働者階級への激しい首切り・賃下げと消費大増税しかない。
しかも民主党がマニフェストで主張した「緊密で対等な日米関係の構築」は、鳩山とオバマの電話会談で早くも「日米同盟が基軸」となったが、これは新政権が日帝の強盗的利益をかけて、侵略戦争に突き進むということだ。
民主党・連合政権は、自民党以上に戦争と大失業の攻撃を激化させる政権だ。これへの大反撃こそが11・1労働者集会である。
官房長官に就任する平野は、電機連合の出身であり、入閣確実と言われる直嶋は自動車総連である。次期連合会長となる古賀も電機連合の出身だ。電機連合委員長の中村が「製造業派遣を禁止すると、国際競争力がなくなり、電機産業はやっていけない」と言い、派遣切りを公然と擁護してきたように、電機連合や自動車総連は、連合の中でも最悪の体制内指導部、帝国主義的労働運動の指導部だ。ここに民主党・連合政権の反労働者的正体は鮮明だ。自民党政権にもできなかった道州制・民営化を始めとする反労働者的政策を、連合を先兵にして行うのが鳩山政権なのだ。
だが、この連合支配こそ最大の弱点だ。連合指導部に対する労働者の怒りは煮えたぎっている。国鉄・自治体・全逓・教労の4大産別の労働者は派遣切り、首切り・賃下げ、強制出向、「日の丸・君が代」強制、分限免職、人事評価制度導入、「日勤教育」などあらゆる攻撃を受けている。4大産別こそ最大の決戦場だ。4大産別の体制内幹部を現場労働者の団結で打倒し、闘う労働組合をよみがえらせ、民主党・連合政権打倒へ闘おう。
11・1労働者集会は、闘う労働組合の決定的な結集軸だ。労働組合の攻防ですべてが決まる。闘う労働組合の新潮流が1万人で登場すれば、階級情勢は根底から塗り替わり、民主党・連合政権打倒の情勢が切り開かれる。民主党・連合政権による戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を粉砕し、4大産別を先頭に職場から丸ごと11・1集会に大結集しよう。
資本主義は打倒以外にない
昨年9月のリーマン破綻から1年。世界大恐慌はさらに新たな段階へ突入しつつある。アメリカでは、大恐慌の契機となった住宅バブルの崩壊が激しく進行している。4〜6月期の住宅ローンの延滞率は9・24%で、1年前より2・83ポイント上昇し、過去最悪を更新した。粉飾決算で隠蔽(いんぺい)しているが、銀行の不良資産は急増し、融資の焦げ付きが拡大している。その結果、銀行の倒産は今年だけですでに81行に達している(08年の倒産は25行、07年は3行だ)。「第2・第3のリーマン」もこれから不可避なのである。
日帝経済もさらなる破綻に突き進んでいる。4〜6月期の金融・保険業を除く全産業の経常利益は前年同月比53%減で、8四半期連続の減益である。製造業の設備投資は32%減で、過去最悪だ。企業倒産と工場閉鎖・生産停止による労働者に対する大失業攻撃は、これからますます激化していく。大恐慌とは何よりも大失業ということなのだ。
今やアメリカの失業率は公式発表でも9・7%、EUは9・5%、日本は5・7%で、それぞれ過去最悪を更新し続けている。就職をあきらめた人やパートで我慢している人などを含めれば、失業率はすでに10%をはるかに超えているのだ。労働者が仕事がない、食っていけない、生きていけない社会とは何なのだ! 打倒する以外ないではないか。
資本は「過剰雇用」などと言って労働者を次々と解雇しているが、実際は労働現場では人手が足りず、強労働・強搾取と安全無視で、労働災害・過労死やうつ病が増えている。全住宅の13・1%が空き家にもかかわらず、仕事を失った労働者が社宅や寮を追い出され、ホームレスになったりネットカフェ難民となる労働者が、膨大に生みだされている。
スーパーやコンビニに行けば食料品や生活物資があふれ、毎日、賞味期限切れの食品が大量に廃棄されている。その一方で世界の10億人が飢餓状態におかれ、日本でも食費など生活費を削ってギリギリで生きている。
大恐慌下での株価の異様な上昇は、労働者の首切り・賃下げを行った企業の業績が回復することへの「期待」であり、同時に新自由主義が生み出した金融バブルや政府による大量の公的資金投入による過剰マネーが、またぞろ株式投機に流れている結果である。
この資本主義はなんと転倒した社会なのか!
政権交代でどうにかなる問題では断じてない。労働力が商品化され、資本による利潤拡大のみを追求する資本主義。これこそが問題なのだ。資本家だけが富を蓄積し、労働者は食っていけない。こんな資本主義など打倒して、労働者が権力を取り、奪われてきたものを奪い返すのは当然ではないか。どんな立派な商品も労働者が生産している。交通機関、自治体、学校、郵便など、社会を動かしているのは労働者だ。資本家などいらない!
労働者の怒りは、自民党打倒ではおさまらない。自民党を打倒しても、生きていけない現実は変わらないからだ。労働者の団結した力で、民主党・連合政権と闘おう。資本主義を打倒しよう。プロレタリア世界革命こそが労働者が生きていく唯一の道だ。その突破口が、11・1労働者集会だ。すべての労働者人民の怒りを11・1労働者集会に総結集し、プロレタリア世界革命に突き進もう!
1047名解雇撤回が軸だ
労働者人民は総選挙の”一票革命”への決起で、日本共産党や連合などの「闘っても勝てない」という奴隷思想を粉砕した。自民党を打倒した怒りは、労働者が持っている力と可能性を圧倒的に示した。労働者の力は無限だ。労働者の団結した闘いのみが歴史をつくり、社会を変革する最大の力である。
国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利にこそ、6000万労働者の勝利の展望がある。分割・民営化によって解雇された1047名の国鉄労働者が、23年間も解雇撤回を貫いて闘っている。この闘いを100万人を超える労働者が支援し続けている。労働運動の宝ではないか。大量解雇攻撃が吹き荒れる今こそ、国鉄1047名解雇撤回闘争は、大失業攻撃と闘うすべての労働者の結集軸だ。労働者の生活と未来がかかった闘いだ。国鉄1047名解雇撤回を軸に勝利を切り開くために、11・1労働者集会に結集しよう。
三里塚闘争には、日帝打倒の勝利の展望がある。成田軍事空港建設という国策に対決し、43年間も闘い、勝利してきた三里塚闘争。「空港絶対反対、農地死守・実力闘争、一切の話し合い拒否」という三里塚の闘争原則を、すべての労働者の闘いの原則、生き方としよう。労働者は、我慢に我慢を重ねてきた。もう我慢する必要はない。妥協や譲歩も必要ない。絶対反対を断固貫き、団結にのみ依拠して闘うことこそが勝利の道だ。三里塚闘争のように闘おう。10・11三里塚に大結集しよう。11・1労働者集会1万人結集の力で、市東さんの農地強奪を粉砕しよう。
7月のサンフランシスコ国際会議では、日本、アメリカ、韓国、ブラジル、フィリピン、トルコ、イタリアなどの闘う労働組合が結集し、「次は11月に日本で会おう」と約束した。11・1労働者集会こそ、世界の闘う労働組合が結集する国際連帯の大集会であり、プロレタリア世界革命を切り開く闘いだ。世界を変える確かな展望がここにある!
1047名解雇撤回、三里塚農地死守、国際連帯の旗を高く掲げ、動労千葉のように、動労千葉とともに闘おう。動労千葉など3労組が呼びかける11・1労働者集会に向け、真一文字に驀進(ばくしん)しよう。
11・1大結集へ、法大弾圧粉砕の全国声明運動を推進し、獄中8学生を奪還しよう。
闘う青年労働者はマル青労同に、闘う学生はマル学同にこぞって結集し闘おう。
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週刊『前進』(2407号1面2)(2009/09/14 )
“全国から11・1日比谷野音へ”
職場・街頭で闘いが進む
(写真 上左、6日蒲田駅前 上右、10日新小岩駅前 下、10日池袋駅前)
11月労働者集会1万人結集をめざして、全国の職場・大学・地域・街頭で全力の組織戦が闘われている。世界大恐慌が本格化し、労働者階級人民の怒りが自民党政権打倒として爆発した。その怒りのマグマに飛び込み、街頭宣伝戦でも職場闘争と一体で大きな成果があがりつつある。以下その一端を紹介する。
6日夕方、JR蒲田駅前で、なんぶユニオンを中心にした街頭宣伝が行われた。
国鉄1047名解雇撤回闘争への関心は高く、50代の社保庁労働者は「まだ頑張っているんですね」と感動して署名。夫が国鉄職員だったという70代の女性は20万人首切りに驚き、チケットを購入。家族も自分も国鉄関連業種という40代の労働者は「いまJRの労働組合は千葉にしかない。中核派も知っている」と『前進』を購入。「関西生コンはすごい組合だ。その呼びかけなら」と署名する建設労働者など、11月集会賛同署名に応じ、チケットを買い求める人が相次いだ。
10日夕方には、JR新小岩駅前で、東部ユニオンを中心に街頭宣伝が行われた。
ここでも国鉄闘争への関心は高く、家族に元国労の労働者がいて国鉄分割・民営化時の苦労を聞いているという30代の女性の教育労働者が11月集会賛同署名に応じてチケットも購入、集会参加を確約した。キオスクに勤めていた30代の女性労働者はJR資本に怒っており、「尼崎事故は許せない」とチケットを購入。さらに「インド洋の給油反対」や「法大弾圧不当」と記入した女性もいた。派遣労働をやって学資をためた大学1年生は、裁判員制度は違憲だと思うと表明、マルクスを読んでみたいという話になり、いっしょに学習会をやることになった。
10日夕方、東京北部労組交流センターも池袋駅東口での街宣に立ち上がった。マイクでのアピールに応えて11月集会賛同署名が次々と集まり、チケットも売れた。
このように街頭は熱く燃えている。11・1集会まであと1カ月半、1万人結集に向かって全力で闘おう。
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週刊『前進』(2407号1面3)(2009/09/14 )
前進速報版から
▼裁判員制度廃止へ山口地裁で抗議行動▼7日神戸地裁、8日大阪地裁で抗議▼八尾北医療センター労組が定期大会▼青森地裁へ抗議
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週刊『前進』(2407号2面1)(2009/09/14 )
米失業率最悪の9.7%
大恐慌で強まる解雇攻撃
1047名闘争軸に11月へ
9月4日に発表されたアメリカの失業率が9・7%と、前月比で0・3ポイント悪化し、1983年6月(10・1%)以来、26年2カ月ぶりの高い水準に達した。
「二番底」もあり
これは、最近の株価の上昇や粉飾決算に支えられた大手金融機関の「黒字化」などを理由にした「最悪期は脱した」などという宣伝とはまったく逆に、大恐慌がますます激化し、「二番底」も不可避なことを示している。現にオバマ大統領自身、インタビューで繰り返し失業率が年内にも10%に達することを認めているほどだ。
米労働省発表の統計を細かく見れば、アメリカの大恐慌の深刻さが浮かび上がってくる。
まず確認されることは若年失業の問題の深刻さだ。16歳から24歳の青年労働者の7月の失業率は18・2%であり、男性に限れば20・7%と、20%以上になっている。5人に1人以上が失業するというまさに非常事態だ。
若年失業の問題は全世界的な問題になっている。EU(欧州連合)の統計機関ユーロスタットが1日に発表した数字によれば、ユーロ圏(16カ国)の7月の失業率は前月比0・1%上昇し9・5%と、アメリカ同様1999年5月以来、最悪を記録した。国別の最悪はスペインの18・5%だ。その中でも特に25歳未満の青年層の失業率がユーロ圏で19・7%、EU全体で19・8%と非常に高くなっており、社会不安を招く恐れもあるなどと言われている。
日本でも、15歳から24歳の青年労働者の7月の失業率は9・9%であり、男性に限れば12・0%と全体が5・7%であるのと比較して飛び抜けて高い。日米欧とも青年労働者の失業率は全体の失業率の約2倍である。新自由主義攻撃の中で非正規雇用が増大し、不安定雇用の青年労働者が真っ先に首を切られている。世界大恐慌の矛盾が全世界的に青年労働者に集中しているのだ。
次に、アメリカにおける人種差別の深刻さだ。アフリカン・アメリカンの7月の失業率は18・1%と全体の2倍近い。特に20歳から24歳の青年労働者は24・5%であり、男性に限るとなんと25・8%にもなる。4人に1人が失業しているというすさまじさだ。ヒスパニックも13・4%と、白人が8・9%であるのと比較して5割も高い。
さらに地域間の格差が大きいことだ。破綻したGMやフォードなど自動車産業の中心地であるミシガン州デトロイト大都市圏が前月に引き続いて最悪の17・7%(季節調整前)となった。
「広義の失業率」
だが、このような数字はけっして事態を正確に反映しているとは言えない。アメリカでは日本と同様、求職活動をあきらめたり、求職活動を行っていない就業希望者などは失業者に計上されない。そこでアメリカでは政府の「狭義の失業率」とは別に、フルタイムの仕事を探しているパートタイム労働者や、過去1年間に一度でも求職活動をした人までも含めた「広義の失業率」をマスコミが発表している。
それによれば、8月の失業率はなんと16・8%にもなるという。7月15日付の米紙ニューヨーク・タイムズには4、5月の各州別の「広義の失業率」が掲載されている。これによれば、ミシガン州、カリフォルニア州、サウス・カロライナ州、オレゴン州で20%を超えており、自動車工場が集中するミシガン州周辺諸州も15%を超えている。工業地帯で失業率が突出しているのだ。住宅バブルが激しかったカリフォルニア州でも失業率が高い。不動産価格の高騰が結果的にその地域の経済をすり減らした。
特にミシガン州やカリフォルニア州のロサンゼルス周辺では狭い意味での失業率が26%にも上る郡が存在する。まさにアメリカの失業率は、最大25%に達した1930年代の世界大恐慌と並ぶ水準にまで達しつつある。
戦争と大失業の攻撃に対して、解雇撤回を掲げた国鉄1047名闘争の意義は鮮明だ。国鉄闘争を基軸に闘う労働運動をよみがえらせ、30年代に果たし得なかった世界革命への闘いを今度こそ勝利に導こう。11月集会1万人結集こそその道だ。
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週刊『前進』(2407号2面2)(2009/09/14 )
土地建物の取り上げ攻撃が激化 “医療センター民営化許さぬ”
八尾北労組、大会で戦闘宣言
9月7日午後6時から、8・30情勢のもとで民営化攻撃に真っ向から立ち向かう八尾北医療センター労働組合第9回定期大会が、労組破壊・団結破壊策動を打ち破ってかちとられた。大会には、現場の労組員を中心に、八尾北命と健康を守る会や部落解放同盟全国連西郡支部をはじめ、労働者、学生、国賀祥司泉佐野市議など、多くの仲間たちが結集した。
「絶対反対で」
冒頭、岡邨洋全国連西郡支部長があいさつに立った。岡邨さんは、「八尾北民営化攻撃との闘いは、歴史を分かつ決戦だ。西郡支部は、2・26住宅追い出し強制執行阻止の実力闘争で、部落民もひとつの労働者として階級の団結で闘い、『生きる』団結をつかみとった。民営化を強行する八尾市と折り合いをつける余地などない。八尾北売り渡しのための土地建物の鑑定には絶対反対だ。八尾北労組とひとつになって、『やれるならやってみろ』と攻めていくことを執行委員会で決定した」と報告した。
続いて森本政二さんが、「2月26日の強制執行のとき、夜が明けない暗い内から僕の家にみんなが向かってきた。自信があふれた。八尾北に国や市が押し寄せてきても、この団結があれば絶対勝てる」と発言。守る会は、郵政民営化で団結を破壊された労働者が生存競争にたたき込まれ家族も巻き込まれている現実を紹介し、「八尾北の民営化には絶対反対で闘う」と決意表明した。
さらに、関西合同労組大阪東部支部、高槻医療福祉労組「団結速報」グループ、自治体で闘う労働者、関西労組交流センター、全学連が連帯のあいさつを行い、八尾北労組を限りなく勇気づけた。また田中康宏動労千葉委員長やス労自主、全国連品川支部・杉並支部をはじめ、全国から寄せられた熱いメッセージが紹介された。
(写真 80人が働き年間5万人の患者・利用者が使う八尾北医療センター【大阪・八尾市】)
団結にかける
いよいよ議案の提起だ。藤木好枝委員長が、まず情勢について提起した。核心は「8・30情勢と労働組合の役割―11月労働者集会の決定的位置」だ。
総選挙で自民党が打ち倒された。労働者みんなが食っていけないこの資本主義に、労働者は激しく怒っている。それはこれまでの議会制による労働者支配が崩壊したことを示している。「支配の安定の回復など絶対にない。平場で資本家(階級)と労働者(階級)が対決することだ。大失業と戦争か、それとも革命か。大激動・大動乱の時代に入った」「11月労働者集会1万人決起で、資本と非和解で闘う労働組合を一個の力ある勢力として登場させよう」と訴えた。
そして、2・26闘争が切り開いた勝利の地平を総括した。「強制執行の脅しに屈して、裁判で決まったことだから仕方がないとなれば、団結と闘う意志は崩れてしまう。2・26の闘いは、私たちの闘う意志を新たな闘う意志としてつくり出し、全国の労働者・学生に団結を拡大させた」「部落差別による分断を打ち破って、労働者としてのひとつの団結をつくり出した。ここに道州制に対して八尾北労組がストライキに決起し闘った意義がある」「この団結こそ生きるための団結だ。この団結にかけきれば誇り高く生きていける」のだ。
この確信から導き出された運動方針の提起に移った。
地域の砦守る
八尾市は、来年3月31日で医療センターの土地建物の使用契約が切れることを口実に、「賃貸」をほのめかし「鑑定拒否は不法占拠だ」と通告してきた。労組を破壊するために、80人が働き、年間5万人の患者・利用者が使っている診療所を、土地建物を取り上げ、追い出し、つぶす決断をしたのだ。脅しで組合員を分断し、労組の団結を破壊しようとしてきた八尾市に対して、藤木委員長は激しい怒りをたたきつけた。そして、「国家権力や八尾市とは非和解の関係だ。それをあいまいにして労働者に幻想をあおり、闘いをすり抜けようとする一切の言動を絶対に許さない」ときっぱりと宣言した。
民営化攻撃に対しては、動労千葉のように絶対反対で団結して闘えば必ず勝利できるのだ。
労組は、八尾市に土地建物の鑑定を拒否する闘争宣言を8月31日付でたたきつけた。これは緒戦の大勝利だ。
「八尾北をたたき出すことが社会を一変させる、そういう位置に八尾北があることを敵はよく知っている。『たたき出せるものならたたき出してみろ!』という闘いを突きつけることだけが奇跡のような勝利を可能にする。この闘いの勝利の中にこそ、地域住民の命の砦(とりで)である八尾北を守る道も住宅闘争の勝利もある」のだ。
(写真 ”労組の団結で民営化と闘い地域の砦を守ろう”と提起する藤木委員長【9月7日 八尾市】)
いざ11月へ!
そして、「11月1万人結集で国際連帯、国鉄1047名闘争、三里塚、法大弾圧や星野闘争などとともに一個の軍勢となり、民主党・連合政権打倒、地域と4大産別決戦に打って出よう」と闘いの方針を提起した。
参加した組合員は、真剣で激しい議論をとおしてつくり出された議案を満場の拍手で承認した。そして、藤木執行委員長をはじめ新執行部を選出し、最後に特別決議(別掲)を参加者全員で確認し採択した。
いざ11月、日比谷野音へ! ともに闘おう。
(投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
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八尾北医療センター 民営化絶対反対決議
決戦の時は来た。八尾北医療センター労組は民営化絶対反対でたたかいぬく。
8月30日、労働者階級の積もり積もった怒りが自民党政権をたたきのめした。
この怒りは首切りと戦争で生きのびようとする資本主義を打ち倒すまで行き着く。労働者が闘って勝利する時代が来た。
恐慌はこれから本格化する。民主党は資本家を守るために道州制と戦争に突き進む。首切り、生活破壊、医療・教育・水までも民営化して金次第にしていく。こんなものは絶対にゆるさない。道州制の手先=連合・全労連の執行部と対決する労働者の怒りは必ずまきおこる。八尾北労組の民営化絶対反対の闘いはこの労働者の闘いを一つの団結としてつくりだす。
私たちには、2月26日、道州制を迎え撃ち、ストライキを打ち抜いた団結がある。「労働者は団結したらすごい」「ちっとやそっとでは八尾北の民営化はできひんことを示した」と誇り高く闘いぬいた。この団結をつぶすことなしに八尾北の民営化などできっこない。追いつめられているのは八尾市の方だ。だから絶対反対・非妥協のたたかいを貫くことが勝利の道だ。
私たち労組は8月31日、民営化、鑑定絶対反対の抗議文を八尾市にたたきつけ、団結破壊の攻撃を打ち破った。
八尾北労組は現場の民営化攻防を絶対反対・階級的団結で徹底的に闘い、11月派の軍勢の一翼としてたたかおう。世界の労働者とともに11月1万人大結集を必ず実現しよう。資本と非和解で闘う労働組合が一個の力ある勢力として登場し、歴史を変えていこう。
八尾北労組が「民営化絶対反対、たたき出せるものならたたき出してみろ」と闘いぬくとき、道州制に怒る労働者、地域住民を必ず奮い立たせる。八尾北労組は民営化決戦に勝利する。
以上決議する。
2009年9月7日
八尾北医療センター労働組合
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週刊『前進』(2407号2面3)(2009/09/14 )
自治体丸ごと民営化の実態
八尾市の全事業が対象
分断破り職場決起始まる
「行政サービスを金で買え」
八尾市の田中市長のマニフェストは次の三つだ。
●「行政はサービス産業である」
●「最小の経費で最大の効果をあげる」
●「市民の税金を1円たりとも無駄にしない」
要は、生存権は地方自治と関係ない、サービスなんだから金で買えということだ。
そして3年間で53億2400万円を減らす「行政改革プログラム」を開始した。学校や教育、医療、ゴミや飲み水、斎場まで「本当に市が実施しなければいけないサービスかどうか」を調べ、800の事業全部を民営化の対象にしたのだ。
@歳入を17億5800万円増やす。市税や国保料・家賃・保育料など、払えない人からも取り立てる。受益者負担を撤底して有料化や値上げをする。土地の売却。市の郵便物などに広告を出す。
A歳出を35億6600万円減らす。民営化や窓口の派遣労働者への置き換え、定数削減、賃下げ、福利厚生の見直しなどで人件費総額を減らす。
保育所民営化と幼保一元化
保育所民営化は5園で終わりではない。さらに、幼保一元化で幼稚園まで含め全部が民営化・廃止の対象だ。学校も「規模の適正化」の名のもとに統廃合を検討している。また、飲み水までが金次第に変えられようとしている。火葬料の値上げ、放課後児童室の有料化、さまざまな減免制度の廃止が強行された。
公営住宅は土地建物を民営化し更地にして売り飛ばす計画だ。労働者を一生ローン漬けにする持ち家政策も恐慌で破綻した。競売にかけ借金だけ背負わせ、たたき出す。今や空き家だらけだ。逆さまじゃないか!
屈服する体制内労組指導部
だが、多くの労働組合の指導部は屈服し、自分が生き残るために市長に率先協力している。
特別勤務手当のカットや保険料の負担増などと闘わずにズルズル後退し、夏季一時金の0・2カ月カット(平均7万円)に行き着いた。また、この3年で112人(4年前からの合計で212人。10人に1人!)も解雇される。
最大の問題は、これが職員の「意識改革」攻撃と一体で行われていることだ。去年1年で600回の職員会議、1700の改善提案がなされた。業績評価のための加点制・両方向評価・自己目標の設定なども、一人ひとりをバラバラにして労組の団結をズタズタにする意図的な攻撃だ。市は、今はまだ管理職に限定されている業績給を全職員に拡大しようとしており、昇任昇格試験を増やしている。
「生きさせろ」と怒りが噴出
意識改革などくそくらえだ。労働組合指導部が屈服している中で、市がやっている全職員アンケートですら、労働者は「人員不足」(29・1%)と「業務過多」(23・8%)をあげて労働強化、行革を弾劾している(40%超)。
市は定数を削減し、派遣やアルバイトなど「多様な任用形態」を導入した。保育所の民営化、運転・電話交換・学校事務員などの外部委託、窓口の派遣への置き換えなどで、非正規職が全職員の3分の1にまでされた。
非正規化された労働者は怒っている。「月給制が日給制に、日給制が実労働時間給に変えられた」「同じ責任で同じ仕事をしているのに、これでは食べていけない」「任用が違うというが、それをつくったのは誰だ」
この中で嘱託の給食調理員や訪問看護師たちは立ち上がっている。八尾市は正規職との分断、住民との分断を持ち込み労働者の要求を踏みにじっているが、それを打ち破る決起が始まったのだ。
市立病院職員は過労死寸前
全国に先駆けて04年、八尾市立病院にPFIを導入し、事務・管理部門を民営化し、今年地方公営企業法の全部適用にした。「経営の効率化」の名のもと、去年、病院は史上最大の「売り上げ」を記録した。病床利用率90%を目標に、「収益確保」「コスト削減」で作り出したのだ。
はっきりさせよう!
「全適」は道州制=民営化・労組破壊そのものだ。公務員身分といいながら別個の賃金表を設定し、新規採用からドンドン賃下げだ。医療事故が起これば、責任は全部、現場労働者に押しつけられる。大手保険会社が医師、看護師に高額な医療事故保険をかけさせ食い物にする。
八尾市・田中市長の丸ごと民営化攻撃は、道州制攻撃だ。絶対反対の職場闘争を巻き起こし、11月1万人の労働者の団結を登場させよう。
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週刊『前進』(2407号2面4)(2009/09/14 )
“1000人分限免職粉砕を”
全国社保労組大会 不採用者が怒りの決起
全国労組交流センター自治体労働者部会は9月6日、東京・千代田区平河町の都市センターホテルで開かれた自治労・全国社会保険職員労働組合第4回定期大会の代議員、傍聴者に「社保庁解体絶対反対。1000人分限免職攻撃を11月労働者集会1万人結集の力でぶっ飛ばそう」と訴えるビラを配布した。日本年金機構設立委員会(奥田碩委員長)から不採用通知を受けた社保労組組合員のAさんは「病むまい! 辞めまい! 甦(よみがえ)らせよう闘う労働組合を!」と呼びかける個人名のビラで仲間に訴えた。
大会に向かう組合員は「絶対反対」「階級的団結」「動労千葉のように闘おう」「国鉄1047名解雇撤回 11・1労働者集会」を訴えるビラに新鮮な感動をもって注目し、Aさんをはじめ労組交流センターの仲間との話し合いになり、何人もが11月集会への賛同署名を寄せた。
当局と体制内労組(社保労組=連合・自治労、全厚生=全労連)幹部は1000人の不採用者の動向に戦々恐々としている。この1000人が国鉄1047名解雇撤回闘争―動労千葉と結びつくことを死ぬほど恐れている。だがその不採用者の中から分限免職粉砕を掲げ、国鉄1047名闘争や動労千葉のように闘おうという決起が現実に始まり、社保労組員との結合を拡大しつつある。社保庁解体・1000人分限免職との闘いが国鉄1047名解雇撤回闘争に続く4大産別決戦の最大の激突点に発展すれば情勢は一変する。
自公政権は、年金記録問題をもてこに労組たたきを激化させ、社保庁解体=分割・民営化(非公務員型法人として08年10月全国健康保険協会発足、10年1月日本年金機構発足。民主党は日本年金機構を2年間凍結するとも言っている)によるいったん全員解雇・選別再雇用の攻撃で自治労解体を狙ってきた。
日本年金機構設立委員会は5月、処分歴のある労働者全員と闘う労働者ら約1000人の社保職員に理由も明記せずに「日本年金機構に採用しない」という通知書を送り付けた。実際には労働組合運動への参加が理由なのだ。これ自体、不当労働行為であり、違法な解雇だ。また一度処分した上に不採用というのは二重の処分だ。
組合員は闘う方針を求めている。現場の怒りを組織し、90万自治労と労働者階級全体とともに闘えば必ず攻撃を跳ね返せる。ところが連合・自治労本部―社保労組本部は攻撃に屈服し、闘う方針を出さず、組合員の決起を抑圧し裏切っている。
社保労組本部は大会で「労働組合の質的転換」「政労使は社会を支えるパートナー」という自治労熊本大会路線のもと、社保庁解体を容認・前提化し、不採用者は「人材活用センター」に登録して再雇用先を探してもらおうという方針を打ち出した。政府へのお願い路線だ。そのために「質の高い公共サービス」を提供して存在意義を示そうと言っている。現場の怒りと闘いを押しつぶし、帝国主義国家・資本を救う「働こう運動」「滅私奉公」を組合員に強制する。産業報国会、戦争動員機関への道だ。
社保職場では、年金記録問題をてこにした自公政権の社保庁解体・労組破壊攻撃の中で、労使慣行・労使協定が踏みにじられ、労働条件が極度に悪化している。超勤・休日出勤が強制され、多数の病休者が発生し、少なくなった職員がますます過重労働を強いられている。「絶対反対」のストライキで反撃する以外に組合の団結を守り労働者が生きる道はない。
大恐慌下で労働組合運動が爆発することを恐れているのは支配階級だ。社保1000人分限免職阻止闘争を国鉄1047名闘争と並ぶ4大産別決戦の課題に押し上げよう。動労千葉のように絶対反対を貫き、階級的団結の力で闘おう。11・1労働者集会で全国・全世界の闘う労働者・労働組合、1万人と団結し勝利を引き寄せよう。
(写真 社保労組大会参加者に「分限免職粉砕へ闘おう」と訴えビラまき【9月6日 東京・千代田区】)
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週刊『前進』(2407号3面1)(2009/09/14 )
郵政1JPEX統合が完全破綻へ
総務省が「10・1認可」を断念
民営化絶対反対闘争を強化し現場労働者の勝利の総反撃を
民営郵政による大規模な合理化と労働強化、非正規職化推進の「戦略事業」と位置付けられた小包部門の子会社化計画「JPEX」(JPエキスプレス。日通との共同出資)が、現場労働者の怒りと闘いでついに「10・1事業統合の延期」に追い込まれた。総務大臣が9月8日の会見で、事業認可を最終的に「見送る」と表明せざるを得なくなったのである。日本郵政・西川善文社長は、JP労組中央本部の屈服と「承認」を取り付けたことにすがって、直前まで「10・1スタートの強行」を強く主張していた。しかし、現場労働者の怒りと闘いがこの反動的結託体制を最後的に打ち砕いたのである。8割の労働者を非正規職に置き換える“首切りの自由化”でもあるJPEX計画は、その全面的粉砕すら射程に入った。郵政民営化絶対反対の闘いの圧倒的な地平である。いまこそ、11月1万人決起へ怒濤(どとう)の進撃をかちとろう!
(写真 JPEX計画の破綻を報道する新聞【9月9日】)
計画挫折させた現場の怒り
商業新聞の報道では、JPEX計画を挫折させた直接の原因は「移籍要員がそろわず、現場の混乱は避けられない」ことだ。つまり現場労働者の怒りと抵抗でSD(サービスドライバー)要員、とりわけ非正規職の移籍要員が確保できなかったのだ。「新事業に必要な業務研修がわずか1時間(!)しか行われていない」ことも暴露された。
SDとは「自己責任」や「独立採算制」で配達員が営業の責任まで取らされる労働形態。その現実は「セブン・イレブン労働」などと言われ、一日15時間労働も当たり前の労働地獄で知られている。連合中央など御用労働組合指導部の屈服は、かくも残酷な現実を生んでいる。
しかしJP労組中央の度し難い裏切りにもかかわらず、この春以来、民営郵政当局が解雇や雇い止めを振りかざして強圧的に行ってきた「JPEXへの出向・移籍の意向調査」に対し、ほとんどの現場労働者が〈出向・移籍には応じない〉意志を表明したのだ。
東京では「JPEXに行け」と当局の肩たたきにあった労働者が、苦悩を突き破って「俺は使い捨て要員か!」と職場闘争を開始、自ら職制に立ち向かい、現場労働者の共感と反撃を巻き起こして出向内命通知を阻止する勝利をかちとった。
この過程で多くの現場労働者が沈黙を破り、数十人規模で職場集会を開き、職制たちを追及し、一方で闘いを放棄した労組執行部を取り囲んで弾劾の声を上げるという闘いが始まった。06年以来の郵政民営化絶対反対の闘いが、ついに現場労働者の怒りと結びつき、団結した力となり、具体的な行動として動き始めたのである。
この中で、郵政当局は8月3日からJPEX体制のための業務研修を各局で見切り発車する挙に及んだ。現場の怒りは爆発した。「認可も下りていないのに業研を強行するとは何事か!」「当局がコンプライアンス違反をやるのか!」――全員参加を強要された業研は、現場労働者の怒りが噴出する場と化した。業研が全国的に「1時間しかできなかった」と総務大臣が嘆く事態は、こうして生まれたのだ。
そして決定的なことは、この過程で、非人間的な低賃金と雇い止めの攻撃に日常的にさらされているゆうメイト(非正規職)の若い青年労働者たちの大衆的反撃が始まったことである。
JPEX攻撃は同時に、郵便事業会社本体の非正規労働者に対する賃下げと雇い止め攻撃として襲いかかった。「6、7時間勤務契約から4時間勤務への契約変更」などの賃下げを一方的に通告され、「この契約がいやなら辞めてもらって結構だ」(いずれも東京)という理不尽な首切り攻撃が始まった。しかしこれに対して、現場の若い労働者たちは団結し、御用執行部の制動をはね飛ばし、職制に対する抗議闘争を自力で始める動きが広がったのである。JPEX攻撃に「絶対反対」で臨んだ一連の職場闘争の積み重ねをとおして、現場の広範な労働者たちが「団結は力だ」ということを身をもって知り、その瞬間、行動を始めたのである。
ここでも、一切闘おうともしない本部派執行部の正体を、多くの現場労働者が目の当たりにすることになった。現場の抗議行動を支え、ともにその先頭に立ち、職場の団結の拡大に結びつけ、職場集会をくり返し開き、闘いを継続させる道を確保したのは、労働代官となって「組合室」でたばこを吸うだけの御用執行部ではなく、このかんJPEX攻撃をめぐって資本当局との厳しい攻防をやり抜いてきた多くのランク&ファイル(現場労働者)たちだったのだ。
「俺たちの労働組合を本気で取り戻そうではないか!」が、ついに現場労働者たち自身の切実な声となった。3年間にわたる激しい「民営化絶対反対」の闘いは、本部派による分断の壁をついにうち破る地点にのぼりつめようとしている。
JP労組中央打倒へ闘おう
JPEX計画の破綻は、郵政民営化絶対反対の闘いが現場労働者の怒りと結びついたことで、民営化そのものの破綻が突き出された結果だ。総選挙の結果は郵政民営化への労働者人民の怒りの爆発だったのだ。この中で権力政党となった民主党が、日本郵政などの株式上場を凍結する法案を「速やかに成立させる」方針を決めた。また、日本郵政・西川善文社長の辞任を求める方針を早々と打ち出した。これらの動きの階級的な意味とその背景は何か。
第一に、これは郵政民営化攻撃そのものの撤回ではなく、支配階級の分裂をも背景にした民営化攻撃の大破綻と迷走への突入である。郵政民営化は、道州制攻撃と一体の日帝ブルジョアジーの死活的な延命策で、民主党・連合政権は、その新たな貫徹を政策化している。しかしその緒戦で全逓労働者の決定的な反撃が始まり、民営化の根幹が破綻をさらけ出した。
第二に、「ゆうちょ銀行」「かんぽ保険」の株式上場の「凍結」は、300兆円を超える巨大な人民の資産を簒奪(さんだつ)しようとする、支配階級同士の熾烈な奪い合いだった。しかもこの争奪戦は、大恐慌下で危機を深める日帝ブルジョアジーにとって、引き続き最大級の焦点である。
第三に、総選挙で「民主党・連合政権」誕生を支えたのは、「労働運動内のブルジョアジーの手先」である、JP労組中央を始めとした連合の体制内指導部だ。彼らこそが小泉政権以来の郵政民営化に賛成し、その決定的な推進者だった事実を忘れてはならない。
JP労組中央は今でも公然とJPEX計画推進を掲げている。これを覆したのは、まさに現場労働者の闘いなのだ。今後JP労組中央が、権力政党そのものとなった民主党の支柱として、ますます現場労働者の利益に反する非和解的な敵対物として登場し、民営化攻撃のより悪らつな手先として振る舞ってくることは明らかなのである。
いよいよ郵政民営化絶対反対で闘い、勝利を開く時が来た。JP労組中央を下から打倒するランク&ファイルの行動と組織化は各地で始まっている。「民主党・連合政権」となったこれからが本当の正念場だ。闘う労働組合を現場労働者の手に取り戻そう! 第2、第3の動労千葉の旗を打ち立てよう! 11月1万人決起へ進撃しよう。
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週刊『前進』(2407号3面2)(2009/09/14 )
電機連合・自動車総連幹部が政権の中枢に
「民主党・連合政権」の正体
小沢と高木が結託して動く
8・30総選挙で、ついに戦後半世紀以上続いた自民党支配は崩壊した。労働者階級の憤激が自民党を打倒したのだ。もうこの党が元のまま復活することなどありえない。自民党を支えた日本帝国主義そのものが崩壊過程に入っているからだ。
労働者階級の次の課題は、大恐慌下で資本主義の救済者として政権の座についた民主党と連合を打倒すること、そしてプロレタリア革命をやり遂げることである。今や世界大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する時代が始まったのだ。
民主党政権は実質的に連合に大きく支えられた「民主党・連合政権」である。具体的に、官房長官になる平野博文は、松下電器(現パナソニック)労働組合の中執だ。電機連合の全面的支援を受けて国会議員になった。入閣確実と言われる直嶋正行(党政調会長、参院議員)はトヨタ自動車の労働組合出身で、自動車総連の顧問だ。周りから「労働貴族の典型」と言われている人物。今回、民主党のマニフェスト(政権公約)を中心的にとりまとめた。また、参院議員会長の輿石東(こしいし・あずま)は元山梨県教組委員長であり、日教組を母体にして議員になっている。
民主党の最大の支持団体は連合だ。民主党の支持基盤、地方組織は脆弱(ぜいじゃく)であり、この間、連合組織に依拠して選挙戦を進めてきた。その中心になったのは、連合会長・高木と民主党・小沢である。今年4月29日の連合中央メーデーでは、小沢が民主党を代表してあいさつした。今回の総選挙でも小沢は高木や連合幹部とともに全国を回り、地方の連合組織、労働組合をオルグして回った。
選挙後の9月2日、連合の中央執行委員会に鳩山代表と岡田幹事長が出席しあいさつした。7日の地方連合の代表者会議には小沢が出席し、「予期せぬほどの支援をいただいた」「来年の参院選もなんとしても勝利させてほしい」と全面的協力を求めた。
(写真 連合会長・高木と民主党・小沢【08年12月の政策協定で】)
道州制攻撃と首切り・賃下げ
民主党・連合が政権の座についてやることは、徹底した大リストラと2割〜3割の大幅賃下げ、道州制の推進である。
民主党の選挙公約の柱は「税金のムダづかいの根絶」「国家公務員の総人件費の2割削減」だ。これらは連合本部と結託して打ち出されている。民主党の選挙公約に呼応して自治労本部は2割賃下げの「標準的給与」を提案している。「労働組合」の名をもって支配階級の攻撃を労働者に押しつけているのだ。
道州制も、民主党・連合政権のもとで進められようとしている。民主党はマニフェストで「中央集権体制を抜本的に改め、“地域主権国家”へと転換する」とうたった。これは御手洗・経団連会長や橋下・大阪府知事らの道州制推進論と同じ表現だ。一方、自治労中央は8月熊本大会で「道州制の議論に参加する」ことを決めた。このように日本経団連・政府・連合が一体となって、公務員360万人全員いったん解雇―選別再雇用、労働運動圧殺を狙う道州制攻撃を進めようとしている。
新官房長官・平野の出身労組である電機連合や、直嶋の出身労組である自動車総連は、帝国主義的労働運動の先兵だ。最悪の体制内勢力である。電機連合の中村正武委員長は、「製造業派遣は必要だ。禁止すると電機産業はやっていけない」と完全に資本の立場に立って製造業派遣の禁止に反対している。
このように、民主党政権は、大恐慌下で連合の極悪の体制内指導部を組み込んだブルジョア政権である。実に反労働者的な政権である。
だが、民主党・連合政権は脆弱だ。何よりも、今回の総選挙に表れた労働者階級の憤激と闘いが、これから選挙や議会主義の枠組みを超えて爆発していくことを心底から恐れている。だから、労働者階級が職場生産点を土台にして闘うならば、民主党・連合政権は、日帝の階級支配の決定的な破綻点になるのだ。プロレタリア革命に向かって階級的労働運動を一層発展させる決定的なチャンスなのである。
このために国鉄1047名解雇撤回闘争を先端にして4大産別決戦を爆発させよう。職場生産点に渦巻く賃金や労働条件をめぐる怒り・要求と結びつき、「団結の拡大」を総括軸にして闘いぬこう。一切は11・1労働者集会に1万人結集を実現することだ。
民主党支持に走る塩川一派
自民党支配の崩壊という大動乱情勢と革命情勢の煮詰まりは、小ブル反革命集団=塩川一派の延命の余地を奪い尽くすものである。だから彼らは革命情勢が深まれば深まるほど労働者の決起に敵対し、その破壊に躍起になる。塩川派は彼らの通信「未来」8月4日付で次のように言っている。
「総選挙情勢に見られる日帝の政治危機をどのようにとらえ、いかに闘うか」「その答えは……政治危機の基底に存在する〈流れ〉を構成している個々の要素を分析し、その相互の結びつきを解明することによって得られる」
そう言って彼らは、農民・農村の切り捨て、非正規雇用問題、「弱者」への犠牲の集中などを「個々の要素」として列挙するのみである。要するにこれは、6千万労働者階級総体が激しい賃下げ・首切り攻撃に直面し生存をかけた闘いに立ち上がりつつあること、つまり巨大な階級的激動=革命情勢が到来していることを否定するために言っているのである。プロレタリア革命から脱落・逃亡した彼らは、革命をめぐって階級闘争が激化していることをどこまでも抹殺したいのだ。
だから、この問いに対する彼らの実践方針は、階級性のひとかけらもない「広範な政治的統一戦線」だ。それは総選挙で社民党と民主党を支持し、社民党の連立・ブルジョア内閣入閣を支持し、“民主党勝利の〈流れ〉にのっかろう”ということだ。それは、体制内労働運動の手先となって、動労千葉労働運動に一層敵対することである。
革共同から脱落し、衰滅と反革命化の道を転落する転向スパイ集団=塩川一派を打倒しよう。11月労働者集会1万人結集へ全力で闘おう。
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週刊『前進』(2407号3面3)(2009/09/14 )
国鉄1047名解雇撤回! 道州制絶対反対!
9・26関西労働者集会へ
労働者階級の団結が一切を決める革命情勢が到来した
ついに労働者の怒りが自民党支配を打ち倒しました。これは国鉄1047名解雇撤回闘争をはじめとする新自由主義攻撃に対する労働者の根源的怒りの爆発です。この怒りをさらに解き放ち、資本主義の最後の救済者として登場する「民主党・連合政権」の打倒へ、ただちにうってでなければなりません。11・1労働者集会の1万人結集こそこの激動情勢に対する私たち労働者階級の回答です。
1929年世界大恐慌をこえる世界大恐慌の爆発が、これまでのような政治支配・階級支配のあり方を劇的に崩壊させています。私たちが直面しているのは、むきだしの革命と反革命の階級的激突、死闘による未曽有の大動乱の始まりです。資本と賃労働の非和解的激突が完全にむき出しとなったこの時代こそ、「資本主義は終わっている」ことを鮮明にさせ、「国家とは資本家階級の支配の道具だ」と言いきって絶対反対で闘うことが決定的です。この中で生まれる労働者階級の団結こそが一切を決します。そういう革命情勢が到来したのです。
支配階級は「破局に向かう日本をこのまま見過ごしてよいのか!」と叫び、その唯一の延命の道を、労働組合=労働者の団結を暴力的に絶滅・一掃し、強権的・暴力的な戦争国家体制を打ち立てることにかけてきています。それが道州制攻撃です。
資本家階級の最後の延命策=道州制攻撃を粉砕しよう
道州制攻撃とは、公務員360万人を一旦全員解雇して選別再雇用する大量首切りと労働組合破壊の攻撃です。国家機構内部にある4大産別の労働組合(自治労・教組・郵政・国鉄)を解体することを核心にして、全面的な「戦争と民営化」攻撃にうって出ています。この攻撃に労働者階級が団結して立ち向かえなければ、労働者の生存も団結もすべて奪われてしまいます。
労働組合をめぐる攻防がすべてを決します。労働者階級が4大産別を拠点に、道州制・民営化攻撃を粉砕する団結をつくり上げ、資本家連中から生産手段と社会のすべてを奪い返すのか、それとも再び戦前のように労働組合がたたきつぶされ、資本の手先となり侵略戦争に手を染めるのか――この道州制決戦に全労働者の未来がかかっています。
労働者は団結すれば勝てる動労千葉のように闘おう!
国鉄分割・民営化が日本における新自由主義の始まりでした。国を挙げた大弾圧とあらゆる体制内労働組合の屈服と無方針によって40万人の国鉄労働者を20万人に削減し、約2百人の労働者を自殺に追い込みました。
これに対して動労千葉は、分割・民営化が戦後労働運動解体であり、改憲と戦争に向けた全労働者への攻撃であることを見抜き、6000万労働者階級の未来をかけて全組合員がクビを覚悟してストライキで闘いました。この動労千葉の闘いに勇気付けられた1047名の国鉄労働者が、屈服と自主退職の道を拒否して解雇撤回闘争を闘い、100万人といわれる支援陣形がそれを支えてきました。この国鉄労働者の怒りと闘いが2000万青年労働者の怒りと結びついた時、私たちは必ず勝てる!
国鉄分割・民営化と同様に、今や職場のあらゆる攻撃に資本や国家権力の全体重がかけられ、どんな職場の要求も絶対反対の闘いなしには闘えない時代です。職場で資本や当局の攻撃に怒り具体的な闘いを始めた途端に、体制内労働運動指導部が一斉につぶしに来る時代です。だからこそ「攻撃の本質は、資本主義の悲鳴だ」と見据え、資本や当局の激しい攻撃の中に逆に展望・チャンスを見出して闘うことが決定的です。その時、必ず現場労働者の怒りと結びつくことができます。絶対反対の闘いは2000万青年労働者、6000万労働者階級としっかりとつながっています。
階級闘争に責任を取る立場に立ち11月1万人の決起へ
3・6道州制反対集会をめぐる豊中市職女性部の闘いが示しているように、労働組合の中で民営化・道州制絶対反対の闘いへ職場の労働者を組織しましょう。体制内労組幹部との激突を恐れずに絶対反対を貫き、その中で路線と時代認識を職場で労働者のものにしていく。そして労働組合を「資本主義は労働者の力で必ず終わらせることができる」という確信をもった労働者の団結形態としてよみがえらせること――ここに労働者の勝利の道があります。
体制内労組幹部や、国鉄1047名闘争の幕引きをはかる4者4団体の裏切りと根底的な破産、そしてこうした連中が「民主党・連合政権」与党として登場している中で、もはや私たち以外に労働者と労働組合の闘う方向性を提起できる存在はありません。
労農連帯をかかげ動労千葉とともに「絶対反対」を貫いてきた三里塚反対同盟の闘いも、最大の激突局面です。10・11三里塚全国集会を新たな労農連帯の出発点として大成功させましょう。
労働者は団結した力で自らの未来を切り開くことができる。労働者の団結だけが、歴史を動かし、新たな社会をつくる力です。7・29青年労働者集会でつかんだこの確信を引き継ぎ、9・26労働者集会を大成功させましょう。この力のすべてを11月労働者集会の1万人決起につなげよう。
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週刊『前進』(2407号3面4)(2009/09/14 )
日程 9・26労働者総決起集会
労組解体・360万人首切りの道州制絶対反対!
9・26労働者総決起集会
9月26日(土)午後6時開場
エルおおさか南館南ホール(地下鉄・京阪「天満橋」駅から西へ300b)
《主催》9・26集会実行委員会
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週刊『前進』(2407号4面1)(2009/09/14 )
10・11三里塚全国集会に大結集を
空港絶対反対・農地死守を貫き 市東さんへの農地強奪阻もう
“三里塚は敢然と決戦を挑む”
白川 賢治
世界大恐慌の中で資本主義体制が音を立てて崩れ始めている。労働者、農民、全人民が自ら立ち上がってブルジョアジーを打倒する時代が訪れた。この情勢に敢然と立ち向かうことが問われる今こそ、三里塚闘争の「農地死守・空港絶対反対」がその真価を発揮するときだ。10・11三里塚全国集会の爆発で日帝打倒の最先端を切り開き、11・1労働者集会への1万人結集で革命の扉を押し開こう。市東さん追い出しのための新たな攻撃に怒りを爆発させ、職場で学園で組織し、三里塚現地に総結集しよう。
(写真 7月30日に供用開始された東側誘導路【手前】。東峰の森の3分2を破壊し、東峰部落の西半分を空港内に囲い込む形でいびつに折れ曲がっている)
民主党・連合政権への怒りが爆発する
全世界に貧困、飢餓、格差を蔓延(まんえん)させ、社会保障制度や教育を解体し、生きていけない労働者、農民を膨大につくり出した最末期帝国主義の新自由主義は、大恐慌を生み出した。
そしてこの中で日帝は、労働法制の規制緩和と公務員360万人いったん全員解雇・選別再雇用の道州制・民営化で大失業と賃金カット、労働強化、非正規雇用化、改憲・戦争への道に突進し、危機をのりきろうとしている。労働者人民は毎日毎日生活が破壊され、殺されているのだ。
こんな社会のあり方に「もう我慢ができない」という労働者人民の怒りが8・30総選挙で自民党を大敗させ、打倒したのだ。ブルジョアジーを救済し、一切の矛盾を労働者人民に押しつけてきた自民党政治は崩壊した。しかしそれに代わる民主党とは、より悪辣(あくらつ)にブルジョアジーの利益を代弁する政党だ。
新自由主義が破綻した中で、連合と一体となって自民党ではできなかったことを「やる」ために登場したのが民主党政権だ。しかし大恐慌情勢がさらなるブルジョア支配の危機へと進行することは不可避である。日帝は階級闘争を鎮圧して絶望的に保護主義とアジア侵略にのめり込むしかない。だが、労働者階級の怒りは民主党・連合政権に激烈にたたきつけられ、日帝を最後的に粉砕する革命情勢の新たな段階への突入となるのだ。
市東さんの追い出し狙う新誘導路計画
この情勢は三里塚攻防を極限的に激化させる。
そのことを最も鋭く示すものこそ、市東さん農地収奪攻撃であり、屈服を迫る「第3の誘導路」計画と、天神峰現闘本部裁判(千葉地裁民事5部・仲戸川隆人裁判長)の年内判決―現闘本部建物破壊策動である。
7月4日にマスコミ報道をとおして明らかにされた「第3の誘導路」計画は、市東さんの家屋、作業場、畑を空港内に囲い込む卑劣な追い出し攻撃だ。
市東さんは現在、東に隣接する誘導路からの爆音とジェットブラストによる生活破壊、営農破壊と日夜闘っている。「第3の誘導路」計画は、西側から轟音(ごうおん)と排気ガスを浴びせ、畑に行く道(団結街道)を寸断する。空港の中に閉じ込めて、市東さんをたたき出そうというのだ。東峰地区における40b上空飛行、空港内囲い込みと同じだ。国家犯罪そのものだ! 許せるか!
「農地法で農地を取り上げる」というデタラメの上の理不尽なやり方に黙っていられるか!
さらに天神峰現闘本部裁判で日帝・司法権力は仮執行宣言付きの年内(来春)判決を強行しようとしている。これは、戦闘的法廷闘争で追い詰められた揚げ句の証拠隠滅、闘争拠点破壊、破産した成田治安法に代わる民事執行による「除去処分」強行である。常軌を逸した攻撃だ。実地検証すればたちどころに反対同盟の地上権が明らかになる旧建物を、二審三審の判決を待たずに破壊する。裁判所が行政、資本の手先になろうというのだ。実力攻防戦不可避の決戦だ。千葉地裁・仲戸川裁判長の悪辣な策動を全人民の怒りで粉砕しよう。
「第3の誘導路」計画を承認した4者協議会(国交省、成田空港会社、千葉県、地元自治体)では「へ」の字誘導路の「緩和」も打ち出したが、どうあがいても危険は変わらず、これも市東さんの追い出しが狙いである。地元自治体が平然と手を貸すことを断じて見過ごすわけにはいかない。
7月30日には東峰の森を破壊して造られた暫定滑走路東側の新誘導路の供用が開始された。部落のど真ん中をジェット機が行き交い、許しがたい生活破壊が東峰地区住民を襲っている。そして暫定滑走路北延伸の10・22前倒し供用開始で、実際にジャンボジェットを飛ばし、爆音と恐怖によるたたき出しを狙っているのだ。
文字どおり三里塚は労働者、農民、人民と国家権力との死活のかかった決戦に入ったのである。
大恐慌下で三里塚は勝利開く最前線
決戦は不可避である。それはなぜか。
第一に大恐慌下における階級闘争解体攻撃との攻防がますます激化しているからである。日帝は国内の階級闘争の根絶なしに大恐慌の一切の矛盾を労働者、農民に転嫁することは絶対にできない。さらには改憲・戦争へと突き進むことはできない。大恐慌下における階級解体攻撃、階級闘争破壊との闘いの最大の焦点は、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を許すか否かの国鉄決戦であり、日帝と絶対反対・徹底非妥協で闘う三里塚闘争である。ゆえに三里塚の勝利は、資本主義救済路線の体制内派と徹底的に対決する、動労千葉を先頭とした労働者人民の闘いの中でかちとられるのである。
第二に、大恐慌が帝国主義間争闘戦をますます激化させ、帝国主義を保護主義とブロック化に向かわせるからである。WTO(世界貿易機関)の決裂と日帝のFTA・EPA(自由貿易協定・経済連携協定)推進はこのことを示している。日帝は農地法の改悪を強行した。これこそは最末期帝国主義が争闘戦に勝ち抜くための、農業・農民からの徹底収奪攻撃なのだ。
他方、日帝航空資本は大恐慌下で破綻的事態にたたき込まれている。成田空港のアジアにおけるハブ空港の地位からの陥落は、争闘戦に生き残りをかける日帝にとって致命的だ。日帝は、たとえ絶望的であっても成田空港の再構築に向かわざるを得ない。暫定滑走路北延伸の10月22日前倒し供用、飛行回数の1・5倍化、24時間空港化は、追い詰められた日帝の死活をかけた攻撃なのだ。
これと三里塚は最前線で激烈に闘い続けている。「空港絶対反対・農地死守」の原則を貫く43年の闘いは、日帝の農民切り捨てに真っ向から立ち向かう農民の闘いであり、アジアへの侵略を阻止する闘いである。市東さんの農地収奪阻止の闘いこそ、その最大の拠点である。
第三に、大恐慌下で改憲・戦争の攻撃は、成田の軍事空港化攻撃との攻防が激化するからである。
成田空港建設は歴史的にも現実的にも軍事空港建設である。世界恐慌は世界戦争を不可避とする。北朝鮮への軍事挑発が強まり、改憲・戦争への動きが強まる中で、今日的にも成田空港の軍事化、自衛隊の軍事使用が強まっている。
10・22供用開始の真の狙いは地元住民のたたき出しであり、東峰・天神峰を更地にして滑走路を南にも延ばし、軍用滑走路としての3500b化を強行し、4000b級滑走路2本を持つ軍事空港を建設することにあるのだ。絶対に許すことはできない。
国鉄・三里塚・国際連帯を柱に11月へ
反対同盟はこうした国家の総力をあげた攻撃に対して「敢然と決戦を挑む決意」(10・11招請状)を固めている。敵の攻撃は三里塚の闘いの大きさの証左だ。自民党支配を打倒し、民主党・連合政権をがたがたに揺さぶる労働者、農民、人民の決起が開始されたこのとき、反対同盟は不屈非妥協に闘争原則を貫き、43年間国策を阻み、日帝打倒の展望を示している。「三里塚のように闘おう」「三里塚闘争に勝利しよう」を合言葉に労働者階級を三里塚に結集しよう。労働者階級が自らの闘いとして三里塚を闘うとき、三里塚は文字どおり「革命の砦(とりで)」となる。
反対同盟が動労千葉とともに築き上げた労農連帯は、多くの日本の農民をプロレタリア革命における同盟軍として獲得する労農同盟の萌芽(ほうが)である。労農同盟を体現し、プロレタリア革命に突き進む中に、空港廃港に至る三里塚闘争の勝利はある。プロレタリア革命を実現するためには、三里塚闘争の勝利を欠くことはできない。だからわれわれは敵の攻撃がどれほど激しくとも、反対同盟とともに「三里塚闘争に勝利する」と言い切れる。
(写真 前日明らかになった「第3の誘導路計画」への怒りのデモ【7月5日 成田市東峰】)
条件闘争化を策す塩川一派
塩川一派は、三里塚闘争から階級性を抜き去ることで、条件闘争化しようとしている。「敵の攻撃の核心が、市東さんの農地強奪にある」(未来39号)と言いながら、なぜこれほどの攻撃がかけられているのか、まったく言及していない。それどころか、国家権力の農地強奪に対して真っ向から闘うための「空港絶対反対・農地死守」の反対同盟の闘争原則を「農地強奪を許さないという大義の上に成り立つ」と言いなして否定し、無きものにしようとしているのだ。冗談ではない。反対同盟の闘争原則が軸にあってこそ、国家権力との死闘に勝ち抜き、市東さんの農地を守る闘いは勝利することができるのだ。情勢の激しさにひるみ、革命の思想を喪失したことに、塩川一派の小ブルジョア反革命への転落・変質の根源がある。この塩川一派を打倒し、国鉄・三里塚決戦の勝利をかちとることが、すべてを切り開く力となる。
10・11三里塚全国集会の大結集に向けて、地元千葉県の労働者人民が9・26千葉県三里塚集会を呼びかけている。9・26集会の成功を全力でかちとろう。
10月供用開始と市東さんの農地の取り上げ、天神峰現闘本部破壊は日帝の死活をかけた階級闘争解体攻撃だ。10・11は階級決戦そのものだ。だから10・11の爆発と一体で11・1の1万人決起実現は可能となるのだ。
8・30で解き放たれた労働者人民の怒りを職場で街頭で組織し、10・11に結集しよう。そして「国鉄・三里塚・国際連帯」を軸に11月1万人決起に突き進もう。国鉄労働者を先頭に4大産別とすべての労働者、学生、農民、人民は三里塚現地に総結集して、反対同盟とともに闘おう。
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週刊『前進』(2407号4面2)(2009/09/14 )
戸村委員長と市東東市さん
闘いの中で遺した言葉
三里塚闘争の歴史は、戸村一作委員長(1909〜79)、敷地内天神峰の市東孝雄さんの父、市東東市(しとう・とういち)さん(1914〜99)の存在と闘いなしに語れない。つねに闘いの先頭にあって革命的な闘いの言葉を遺(のこ)した2人の先達の語録を紹介する。(編集局)
三里塚と動労千葉の革命的労農連帯こそ勝利の道 戸村委員長
●三里塚はパリ・コミューンだ。なぜか。私たちはそれが最近はじめてわかった。
われわれはこれから何をやるか。動労千葉地本がいよいよ決起した。労働者の決起は、ある意味では、農民よりも深刻な闘いだ。配置転換や首切りがある。家族をもったままそうなったらどうなるか。大弾圧は必ずくる。それに私たちはどう連帯して闘うかというのが、いわゆるコミューンだ。労農同盟というのは、そこにある。
かつて、小作争議はいろいろあった。秩父困民党や加波山事件のように、武装した闘いもあった。だが、国鉄労働者が三里塚の闘う農民と結合して決起したということが、これまでの日本史のどこにあったか。その意味で私は、動労千葉地本の闘いに敬意を表する。
(77年7月2日 「三里塚闘争勝利・ジェット燃料貨車輸送阻止大東京実行委員会」結成大会)
●けさのニュースによれば、航空管制の重要回線が切断され、日本の空が全面的に機能停止している。闘いはここまで来た。それは高度化したゲリラ、高度化した文化だ。ここに洋々たる勝利の展望を見る。人民の怒りはほとばしっている。死んだ空港を徹底した破壊作業で葬ろう。
(78年5・20再開港阻止全国総決起集会)
●いま三里塚の農民にとって必要なことは革命的な闘いの魂ではないでしょうか。14年間闘い続けてきた闘いの精神に立ち戻らなければならない。三里塚と動労千葉の革命的連帯こそ勝利の道だと私は思う。この道こそ80年代の日本を革命にまで導く不可欠のものです。……
三里塚は日々勝利しているのです。そして必ず勝利するのだ。この無様な空港をご覧なさい。われわれの闘いは目前で敵権力を圧倒しているではありませんか。同志よ! 手を固く握り合って心を一つにして最後の勝利まで戦い抜きましょう。
(79年10・21集会に病床からのメッセージ)
●戦いにとって、不可欠なものは敵愾心(てきがいしん)だ。敵愾心とは私憤や怨恨(えんこん)ではない。あくまでも階級的視点から見定めた敵に対する心からの怒りだ。
(「敵権力に何をもって応えるか」79年雑誌「インパクト」)
●三里塚の闘いを本当に権力打倒にまで、革命にまでもちこむにはどうしたらいいだろうか。
それは、労働者と農民の一大結合を成し遂げてゆくということ、労農同盟をつくり、そこに前衛党たる革命党をつくってゆくということだ。私のもっとも欲しいものは、前衛党としての、党的存在である。
(『前進』第817号 77年1月10日)
戸村さんの革命思想ぬきに三里塚闘争は語れない 市東さん
●私は強制代執行を恐れない。私は今まで無かったような闘いをやる。国家権力が強権をふりかざしてくるなら、私は自分の家の屋根にのぼって彼らをむかえうつ覚悟です。代執行、来るなら来い。
(88年9月 天神峰現闘本部増改築で)
●話し合い一切拒否。何度来ても時間のムダだ。もう来るな。今度会う時は代執行との闘争現場だ。
(88年10月14日 押しかけてきた公団用地部員に対して)
●富里から三里塚に計画を変更したのは「貧乏な開拓農民が多いから札束を見せれば買収できる」というのが理由だった。
経済的にはたしかに貧乏かもしれないが、人間的、思想的には役人より豊かだ。
(91年5月19日 全国総決起集会)
●私の腕は日々の労働で赤銅色に輝いているが、これは日帝に屈服して、侵略の銃を取るための腕ではない。2期工事を阻止し、空港を廃港に追い込み、権力を打倒するための武器である。
(79年6月28日 集会発言)
●動労千葉のみなさんと共闘して14年間闘ってきた。勝つのはむずかしいが負けるのはやさしい。皆さんの闘いは非常に厳しいが、いかにつらいことがあってもあきらめないことが重要だ。厳しさを乗り越えなければ勝利はない。私は国を守る気はないが津田沼支部だけは守りたい。
(80年7月5日 動労千葉支援の津田沼集会)
●私は昨夜夢を見ました。空港が炎上する夢です。管制塔が紅蓮(ぐれん)の炎で燃えていました。国益のために農民は死ねと言うのが空港建設。われわれには守るべき国益などない。
(86年10月26日 二期工事の本格着工と闘う全国総決起集会)
●戸村思想、これぬきに三里塚闘争は語れないよ。農地死守も俺(おれ)は言うよ。言うけど、最終的に敵を倒すのは革命思想だよな。階級的憎悪の強弱によって決するんだと戸村さんは言ってたな。農民が何らかの形で敵と談合したら、すでに条件闘争に入っているんだって。階級闘争ってことだよ。
(84年9月15日 反対同盟発行『大地をうてば響きあり』から)
●今日私は77歳を迎えた。2期工事阻止・空港廃港をこの目で見るまでは老いぼれるわけにはいかない。”弱冠”77歳にして闘魂ますます盛んなり、だ。
(91年10月16日 喜寿の祝いで)
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週刊『前進』(2407号4面3)(2009/09/14 )
2009年9月2日〜8日
米高官「米軍再編は国家間合意」/「日米同盟が基軸」と鳩山
●普天間合意見直さず、米高官 米国防総省のグレックソン次官補(アジア・太平洋安全保障問題担当)は、民主党が総選挙で沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画の見直しを公約したことに関連して、「われわれは飛行場移設計画の現行の合意に非常に満足している」と述べ、計画を見直す考えはないことを明らかにした。(2日)
●米国務省部長「米軍再編は国家間合意」 米国務省のメア日本部長は、民主党が政権公約で見直すとした在日米軍再編について「国家間の合意であり、自民党と合意したわけではない」と述べて見直す余地はないことを強調、政権交代後も従来の合意に沿って推進するよう牽制(けんせい)した。(2日)
●海兵隊が漁港上陸 銃のようなものを携行した米海兵隊の兵士12人ほどが名護市辺野古の海岸から辺野古漁港の民間地を通り抜けキャンプ・シュワブへ徒歩で向かった。前日にも確認された。名護市は民間地域での訓練は中止させるよう沖縄防衛局に申し入れた。在沖米海兵隊は「移動」であり問題はないとの認識を示している。(2日)
●鳩山「日米同盟が基軸だ」 民主党の鳩山代表がオバマ米大統領と電話会談した。鳩山は「日米同盟が基軸だ。建設的な未来志向の日米関係を発展させよう」と表明した。(3日)
●原発40年超運転を初認可 来年3月に運転開始から40年を迎える日本初の商業用軽水炉の敦賀原子力発電所1号機(福井県敦賀市)について、経済産業省原子力安全・保安院は内閣府原子力安全委員会で、今後10年間の継続運転を認めることを報告した。国内で運転から40年を迎える原発は今後5年間で7基にのぼり、そのほとんどが運転を継続するとみられる。(3日)
●米国防長官、アフガン追加増派を容認 ゲーツ米国防長官は、国防総省で記者会見し、これまで慎重姿勢を見せていたアフガニスタンへの追加的な米軍増派を容認する考えを示した。オバマ大統領が最終判断する。(3日)
●嘉手納周辺10カ所で騒音増 沖縄県文化環境部が08年度の航空機騒音測定結果を発表した。嘉手納飛行場周辺15測定局のうち9局、普天間飛行場周辺9測定局中3局で、WECPNL(W値=うるささ指数)が環境基準値を超えた。嘉手納周辺は騒音発生回数が10局で07年度を上回った。飛行が制限されている午後10時から翌午前7時の騒音発生回数(月平均)は嘉手納で07年度の222回からほぼ倍増の400回となり、同措置を日米合意した96年以降で最多を記録した。(7日)
●グリーン米総領事「普天間代替施設は必ず実現」 レイモンド・グリーン在沖米総領事が着任あいさつで沖縄県庁に仲井真弘多知事を訪ねた。米軍再編見直しの民主党公約について、総領事は「オバマ政権は、普天間代替施設は安保政策に必要なプロジェクトで、必ず実現しようとしている。ブッシュ政権とまったく同じレベルだ」と述べ、日米合意した名護市辺野古への代替施設建設計画をあくまで推進する立場を強調した。(4日)
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週刊『前進』(2407号5面1)(2009/09/14 )
日共の「建設的野党」論を斬る
大恐慌下で資本主義の防波堤となる屈服路線に未来はない
総選挙の結果が示したもの
世界大恐慌と8・30総選挙情勢のもとで、日帝・自民党支配が大崩壊し、労働者の総反乱の中で革命的情勢が一層成熟するというかつてない事態が生み出されている。既成のすべての政治勢力がこの中でふるいにかけられ、生き残るために右往左往している。労働者階級の闘いを裏切り、抑圧するスターリン主義反革命・日本共産党も例外ではない。彼らは「こんな社会は我慢ならない。こんな体制は打ち倒してしまえ」という労働者人民の怒りの前に立ち往生している。総選挙で前議席を確保したことで「善戦・健闘」と強がっているが、得票率を落としており、大後退だ。
裁判員制度に賛成し4大産別決戦に敵対
8・30総選挙は、世界大恐慌の情勢、そして自民党支配の歴史的崩壊という事態の中で、日本の政治支配構造の根底的崩壊をはっきりさせた。何よりも、労働者階級が、小泉の構造改革の結果生み出されたものに心の底からの憤激を表し、投票行動という形ではあれ、大反乱を起こした。まさに革命の始まりというべき情勢が生み出された。
このことに、日本共産党も震撼(しんかん)している。彼らの一貫した路線である議会主義的・階級平和的なあり方が根底から吹き飛ばされる危機にうろたえているのである。
結論的に言えば、今度の総選挙をとおして日共は、反革命的な延命のために、@「ルールある経済社会」を押し出して、「資本主義の枠内での民主的改革」路線にしがみつく、Aオバマの「核のない世界」演説を礼賛し、世界が平和に向かって進んでいるかのように宣伝する、B民主党・連合政権に対して、「建設的野党」を名のって「是々非々」の協力姿勢を押し出す、などの方向で延命を図った。この一つひとつを徹底批判しなければならない。
その前にまず、09年前半に日共は何をやったのかを確認したい。裁判員制度推進であり、4大産別決戦への敵対である。
今年5月にスタートし、8月に実際の裁判が始まった裁判員制度は、国家の統治行為に人民を動員する「現代の赤紙」であり、憲法改悪攻撃の最先端をなす攻撃である。しかも8割の国民が反対の意思を表示しているまったく不正義の制度だ。これに日共は賛成し推進してきた。「冤罪を防ぐ」などというペテン的理由で、最高裁が推進する制度にもろ手を挙げて賛成し協力したのだ。
「赤旗」は、「凄惨(せいさん)な遺体の証拠写真を見ることもある裁判員の多様な心理的負担に配慮し、最高裁が『心のケア』実施へ」などというコラムを載せ、ちょうちん持ちをした。裁判員制度は即時廃止しかないのに、ほころびを繕って盛り立てたいというのだ。こんな改憲攻撃そのものの悪質な制度を持ち上げておいて、一方では「憲法改悪に反対」などと言う。こういうヌエ性に人民は怒っているのだ。総選挙で後退するのは当然だ。
1047名解雇撤回を放棄
次に、道州制・民営化・労組破壊の攻撃に対する闘い=4大産別決戦への日共の敵対をしっかりと確認したい。
最も大きな問題は、国鉄1047名解雇撤回闘争を裏切り、「解雇撤回」を引き下ろし、動労千葉を排除して「政治解決」をお願いする4者4団体の中心になって策動していることである。そもそも日共は国労5・27臨大闘争弾圧で、正当な抗議行動をした国労組合員を権力に売り渡した国労本部の共犯者、弾圧の張本人でもある。
日共が牛耳る建交労の大会で、8月30日、全動労争議団の一員でもある北海道の代議員は、「総選挙後の国会の構成がどう変化しようとも、すべての政党の一致で政府の決断を迫っていく」と、破産した政治解決路線にしがみついている。
郵政民営化に「反対」の理由
彼らは、今日の日帝の道州制・民営化・労組破壊の攻撃と闘うことに敵対している。
郵政民営化について、日共のマニフェスト(基本政策)では、「郵政民営化を中止します」と言っているが、そこで掲げていることは「国民サービスの拡充、どんな利権も許さない郵政事業に」として、「国が保有している郵政株の売却を中止し、郵政民営化路線を根本から転換する」などというものだ。
日共の郵政労働者後援会は、「日本共産党は、国民サービスを守るためにも非正規労働者の労働条件改善や正社員化を求めています」と宣伝している。全逓労働者の問題は付け足しなのだ。
日共は、公務員削減の攻撃について、「公共サービス切り捨ての公務員削減」と言う。
道州制攻撃との闘いも敵対
つまり「公共サービス」を軸にし、国民に犠牲を強いるから公務員削減に反対という論理になっている。「公務員が少ないほどよいといって減らせば国民の安全や安心を守れない」「貧困と格差が広がるなか、国民の暮らしを支える行政サービス拡充とそのための人員確保こそ必要だ」というのだ。
公務員労働者が労働者として首切り・賃下げ攻撃と闘うということが否定され、「国民全体の奉仕者」として「国民の生活と権利を守る重要な役割を担っています」と言い、公務員の人員確保は「国民全体の奉仕者」の「役割を担う」ために求められるとする。本末が転倒してしまっているのだ。
日共も「道州制反対」を掲げてはいる。しかし、それは民営化・労組破壊・公務員労働者大量首切りに反対の観点からではまったくない。そもそも「道州制反対」と言いながら、360万人公務員いったん全員解雇・選別再雇用という最も核心的な攻撃にまったく言及しないのである。
日共は、4大産別決戦によって階級的労働運動の一大突破口がこじ開けられることを日帝と同様に恐怖しているのだ。
資本主義を擁護し、階級的労働運動に襲いかかる日共スターリン主義を打倒しよう。
オバマ礼賛と大企業擁護を貫いた選挙戦
総選挙をとおして明白になった日共の反革命性の第一は、「ルールある経済社会」を目指すということにしがみついていることである。
新自由主義的な一切の延命策動にもかかわらず、資本主義がアメリカを始め世界で大崩壊の過程に入り、「資本主義の終わりの始まり」が明白になったことは、「資本主義の枠内での民主的改革」なる日本共産党の綱領的路線が破産したことを意味している。
にもかかわらず日共は、今日の大恐慌を大恐慌と認めず、「ルールある経済社会」を築けば、資本主義の繁栄は可能であるかのような宣伝を繰り広げ、「資本主義の墓掘り人」である労働者階級の闘いを抑えつけ、資本主義を守る防波堤の役を買って出たのだ。
総選挙の中でも、「異常な財界・大企業中心の政治を根本からあらため、経済のあらゆる分野で、国民のくらしと権利をまもるルールをつくる道にすすむべきです」などと言って、資本主義の枠内で解決可能かのように宣伝しているのだ。
また、「財界・大企業いいなり政治の根を断ち切る」と言いながら、同時に「大企業は敵ではない」「大企業の健全な発展を」と言っている。
資本主義の崩壊的危機の中で、労働者階級にあくまでそのルール(秩序ということだ)のもとに従えと強要しているのだ。何という「共産党」か!
オバマ演説の礼賛が「売り」
第二は、この5月以来のオバマ礼賛である。日共は「核のない世界」をうたうオバマ米大統領の4・5プラハ演説を称賛し、オバマに書簡を送ったこと、それに米政府から返書が届いたことを最大の「売り」にして、今回の選挙戦に臨んだ。
オバマ演説が「核兵器のない世界」に向かっての「世界の歴史の劇的な変化への大きな一歩」と言えるのか。
今日の大恐慌情勢を見よ、オバマによるアフガニスタン侵略戦争の拡大を見よ、オバマ演説自体が「核兵器拡散への断固たる対応」と言って米帝による核独占を維持することを宣言していることを直視せよ、ということである。
日共はオバマ演説を美化し、勝手にさまざまな意義付与をして持ち上げたが、これは、アメリカが帝国主義国であり、オバマが帝国主義の頭目であって、それを根本から打倒することなしに核戦争の危機も、核兵器の脅威も取り除くことはできないという階級的真理を覆い隠すものだ。
何よりも、オバマ演説には、全世界の労働者階級人民の反戦・反核闘争を解体・圧殺する目的が込められている。日共は、この策動にさおさし、闘いの破壊に手を貸しているのだ。
大恐慌は、大失業と戦争を不可避とする。その動きは次々に現れている。ところが日共は、この現実を覆い隠し、「世界の前向きの変化」と称して、あたかも平和な世界が訪れつつあるかのような宣伝をしている。
資本主義の総破産を認めず、帝国主義戦争の不可避性を認めず、平和の幻想をあおった上で、麻生・自公政権がオバマに続かないと言って「批判」する。日共は帝国主義の代弁者に成り下がった。
議会主義路線の行き詰まりと一層の転落
第三は、「建設的野党」を掲げて、民主党・連合政権に対する協力を表明したことである。
日本共産党は、この世界大恐慌下、昨年来の『蟹工船』ブームや、「派遣切り」の攻撃に対する青年の怒りが広がる中で、党勢を拡大していると盛んに宣伝していた。あたかも、青年学生の怒りを一手に吸収して「日本共産党が脚光を浴びる」時代が来たかのように言ってきた。
だが、現実は、自民党に対する広範な怒りにもかかわらず、日共への票は伸びず、長期低迷の惨状をさらした。
最近5回の総選挙で日共の議席数は減り続けている。衆議院は、96年総選挙で26人、00年20人、03年9人、05年9人、09年9人。参議院は、3年ごとに半数改選だが、その改選議席を見ると、98年15人から01年5人に激減、04年4人、07年3人となっている。ついでに都議会議員は、97年26人、01年15人、05年13人、そして今年の都議選で8人に転落した。12年前から3分の1以下の没落だ。
志位和夫が日共委員長になったのは2001年の第22回大会からだが、それ以後、衆院選でも、参院選でも、さらに都議会議員選挙でも、ずっと後退し続けている。
96年総選挙で26議席、98年の参院選で15議席を獲得し、得票率も13〜15%を記録し、当時の委員長不破哲三は政権入りが可能なのではないかと幻想し、「よりまし政権に加わる用意がある」と態度表明した。当時の民主党を中心とした政権に入ることを宣言した。
それは、@安保・自衛隊の承認、A天皇制の容認=承認、B「日の丸・君が代」の法制化の提起=承認、C「資本主義の枠内の改革」を事実上綱領の中心に据えることの宣言、D総じて、安保堅持派の野党諸党の連立政権に参加することの宣言など、決定的な転向の宣言だった。
この路線のもとに21世紀に突入した日本共産党は、志位新体制のもとで、その議会主義路線の行き詰まりに突き当たっている。しかし、問題は日共指導部が、次々と帝国主義に屈服する以外に延命の道を見出し得ないことである。
彼らは2004年1月の第23回大会で党綱領の全面改定を行い、綱領から階級的な要素を一掃した。これまでの「労働者階級の前衛政党」という規定を「日本国民の党」に変えた。階級的立場を完全放棄し、階級融和を積極的に進めることを綱領的に明記したのだ。逆に言えば、階級的原則を守って闘い抜くものは排除するということだ。
総選挙方針を転換して臨む
7月都議選では、日共は「民主党は自民党と同じ」「都議会オール与党体制」と叫び、共産党の「唯一野党」性を押し出した。その結果、日共は13議席から8議席へと大惨敗を喫した。都議選は単に都政レベルの選択ではなく、自民党政治に対する労働者人民の怒りがたたきつけられる国政級の選挙だったが、日共はそれをまったく読めなかった。
この手痛い敗北から、日共は総選挙政策の手直しを行った。それがこれまでの「たしかな野党」というスローガンから「建設的野党」への転換である。
日共が都議選でのように「民主党は自民党と同じだ」と言っているだけでは、もっと惨めな敗北を繰り返すことになる、として「自公政権を終わらせる“審判”をくだすために日本共産党は全力をあげます」ということを前面に押し出す方向にかじを大きく切ったのである。
「こんどの総選挙で、民主党中心の政権ができる可能性が大きいことは事実です」として、「民主党中心の政権がつくられた際には、日本共産党は、建設的野党としての立場を堅持し、国民の利益にてらして、『よいものには賛成、悪いものにはきっぱりと反対』という態度でのぞみます」(マニフェスト)と表明したのだ。
そしてこの「建設的野党」を掲げることで、民主党に票が流出することを防ごうとしたわけだ。日共は、これまで300選挙区ほぼすべてに候補を立てて選挙をやってきた。しかし、00年以来小選挙区では1人の当選者も出していない。そこで今回は約半数の選挙区で立候補を見送った。日共はいわば小選挙区を投げることで「比例選挙に全力」という布陣で臨んだのである。
日共は今回の選挙結果を「善戦・健闘」と総括し、これから「建設的野党」として、「現実政治を前に動かし、国民要求を実現する仕事」をやっていくと言っている。しかし、日帝のおかれている体制的危機は、平和的・整合的に解決されていくものではまったくない。むしろ日々危機を深め、それに対して民主党・連合政権は労働者階級に犠牲を押しつける方向で凶暴化することは明白である。「国益」を振りかざして、ブルジョアジーの利益を貫徹する政権である。
日共の言う「建設的野党」とは、民主党・連合政権に「是々非々で臨む」としつつ、ブルジョアジーの危機を救済する役割を果たすものだ。
日共の本性は、裁判員制度、国鉄決戦、三里塚闘争、法政大学闘争の四つを見れば鮮明だ。どこでも、日共はバリケードの向こう側だ。日共の支配を職場、学園から打ち破る度合いに応じて、闘いは前進する。
日共反革命を打倒し、10・11三里塚から11・1全国労働者集会に向かって突進しよう。
(高田隆志)
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週刊『前進』(2407号5面2)(2009/09/14 )
「日米同盟が基軸」と誓う
鳩山がオバマと電話会談
「民主党・連合政権」の帝国主義的な本質、反労働者的な正体が直ちにあらわになってきた。
鳩山民主党代表は3日未明、米帝オバマと電話会談を行った。ここで両者は、「日米同盟を堅持していくことが重要」との認識で一致した。鳩山は「日米同盟が基軸。建設的で未来志向の日米関係を築きたい」とオバマに誓った。
これは、日本の政権が自民党から民主党政権になったことで、米政権の中から「日本が米国を支えてきた立場から離れていくのではないか」との不信が生まれたことに対し、鳩山が日帝支配階級の利害を代表して「日米同盟の堅持」を保証したという意味を持つ。横須賀や沖縄などの膨大な在日米軍基地を維持し、日米共同の侵略戦争体制としての日米安保体制を維持・存続させることをあらためてはっきりさせたのである。
民主党は政権が近づくにつれて、それまでの小沢的な対米対抗性を薄めてきた。たとえば日米地位協定については、08年の党方針で「改定を早急に実現」としていたものを、マニフェストでは「改定を提起」と大きく後退させた。また「緊密で対等な日米同盟関係をつくる」と言ってきたのを、今回「日米同盟が基軸」と表現されるに至った。岡田幹事長は7月中旬にキャンベル米国務次官補に、「懸案を一度には机に並べない」「地位協定問題には、すぐには手をつけない」と伝えた。
これが民主党の本音だ。だから9日に合意された「3党連立政権合意」では、「日米地位協定の改定を提起」「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」としているが、口先だけのまったくペテン的な代物だ。沖縄県民を始めとする労働者階級人民の反戦・反基地の願いと闘いを完全に踏みにじるものだ。
日帝は国際帝国主義の最弱の環だ。世界大恐慌が激化し、帝国主義間争闘戦が激しくなればなるほど、米帝は日米同盟関係を駆使して米帝の利害のために日帝を動員し、また抑え込もうとしてくる。
早速、米国防総省のモレル報道官は9日の記者会見で、民主党が「来年1月以降はやめる」としている海自のインド洋派兵について、「活動継続を強く促したい」と語った。さらに普天間基地の県内移設や、海兵隊のグアム移転費用の日本側負担などの米軍再編についても、合意どおりに進めることを迫った。
日米軍事同盟は万力のごとく3党連立政権を締め上げ、日帝の体制的危機を一層激化させる。その中で3党連立政権は危機と矛盾を深めながら、いよいよ日米安保同盟に沿いつつ、侵略戦争―世界戦争に突き進む以外にないのだ。
今年7月に出された09年版「防衛白書」は、きわめて侵略的で反動的な方向を打ち出した。すなわち偵察衛星と敵基地先制攻撃論、自衛隊の陸海空3軍統合運用化、海外派兵の恒久化、武器輸出の解禁、集団的自衛権の全面行使などである。日帝は、その道がどんなに絶望的でもこの戦争の道を突き進むのである。
破綻した帝国主義の救済者として登場した「民主党・連合政権」を打倒し、プロレタリア革命に勝利しよう。その突破口こそ11・1労働者集会だ。
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週刊『前進』(2407号5面3)(2009/09/14 )
アフガンで危機のオバマ
ドイツでも撤退論が台頭
イラクに続き、アフガニスタン侵略戦争が決定的な危機と破綻に突入している。
何よりも米帝オバマのアフガン戦略の破綻が深刻だ。今年初め4万人だった米駐留軍は6万人まで増強された。7月から大規模なタリバン掃討作戦に踏み切ったが、敗北続きで、今年の戦死者は170人を超え、3カ月以上を残して年間の死者は最高を記録した。ゲーツ米国防長官は3日、追加増派を検討すると述べた。
一方、800もの架空投票所の存在が明らかになるなど、アフガン大統領選の成立自体が大ピンチだ。アフガニスタンの帝国主義による安定支配などあり得ない。
他方、アフガニスタン北部で市民を含む多くの犠牲者を出した国際治安支援部隊(ISAF)による9月4日の燃料輸送車空爆がドイツ軍の要請によるものだったことが判明し、独メルケル政権への批判とアフガン駐留独連邦軍撤退要求が強まっている。
4日の空爆は、独軍司令官の要請でNATO(北大西洋条約機構)軍の米軍機が実施した。反政府武装勢力タリバンが奪った燃料輸送車で独軍駐屯地への攻撃を計画しているとの情報があったためというが、独軍の責任は明らかだ。独、米軍をはじめ帝国主義駐留軍はタリバンの支配地域拡大に追い詰められ、報復的に無差別虐殺に走っているのだ。
独政府は卑劣にも空爆の犠牲者を50人程度としているが、人権団体などは135人に上ると指摘している。アフガニスタン現地住民の怒りはもとより、ドイツ内外で批判が続出している。イギリスのミリバンド、フランスのクシュネル両外相は、原因究明を求めた。
8日、野党の左派党は、政権を追及する一方、ベルリンで独軍のアフガン早期撤退を訴えてデモを行った。月末の総選挙の争点にする構えだ。
メルケル首相(キリスト教民主/社会同盟=CDU/CSU)は8日、連邦議会で市民の犠牲に遺憾を表明し、調査を約束したが、アフガンからの早期撤退を否定、「駐留はドイツや世界の平和に貢献している」と強調した。
大連立を組む社会民主党(SPD)では、シュタインマイヤー外相が「慌てて撤退するという無責任なことはできない」と駐留の必要性を説いたが、シュレーダー前首相は撤退時期明記を求めた。総選挙を前に動揺しているのだ。
野党では左派党のラフォンテーヌ党首が「駐留はテロを誘発するだけだ」として早期撤退を求めている。「テロ」(反米民族解放戦争の特殊的極限的形態)との戦い自体には賛成しているのだ。野党の緑の党、自由党(FDP)も独軍の駐留を支持している。緑の党は国防相が説明責任を果たしていないことを指摘するのみだ。
ドイツはアフガンにISAF傘下で最大の4200人を「民間復興と治安維持」と称して派兵している。これに対して、国民の69%が早期撤退を求めている。
独軍の空爆要請に基づく人民大虐殺を契機に、ドイツ労働者人民が大規模な独軍撤退要求と反戦闘争に立ち上がることは必至だ。
11月労働者集会をイラク・アフガン・中東侵略戦争反対の国際反戦闘争としても闘おう。
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週刊『前進』(2407号6面1)(2009/09/14 )
団結ひろば 投稿コーナー
法大闘争がテレビに全国から熱い反響! 法政大学 久木野和也
法大闘争に熱い注目が集まっています! 8月17日にテレビ朝日系列『ドキュメンタリー宣言』で法大闘争が放映されました。1カ月たちましたが、私たちには、反響に次ぐ反響が寄せられています。
「テレビで見て知ってます」と署名に応じる街頭の反応! 放映直後の法大オープンキャンパスで「テレビを見ました!」「やっぱり、やってますね!」と声をかけてくる高校生たち。「獄中の仲間と久しぶりに会えた」と喜ぶ法大生。「まだ学生運動をやっているのか?」「法政がんばっているな!」という70年世代。「暴動のひとつくらいやって当たり前ですよね」という青年――。全国の人びとが法大闘争に注目した画期的事態だと思います。
法大闘争が数百万、1千万の労働者・学生の前に登場したのです。3年間の法大闘争が、マスコミでも無視できない地平を築いてきた実感をもっています。
とりわけ一番反応が良かったのは、洞口朋子さんや、今は獄中にいる文化連盟委員長の斎藤郁真君の2人の闘う法大生が、生き生きとカッコよく登場しているところです。彼らの一言一言に説得力があり、自分の信念を貫き通す姿にたくさんの共感が寄せられています。獄中の学生もあちこちに登場しています。
「斎藤君はその後、元気でやっているの?」という反応も多くあります。21世紀の学生運動のリーダーとして、全国に鮮烈なインパクトを与えたと思います。
10月5日、7日から暴処法などで起訴された8学生の初公判が東京地裁で始まります。全国から傍聴闘争への熱い結集をお願いします。
学生・青年の怒りが沸騰点に達している今だからこそ、学生運動がダイナミックに時代の最前線に躍り出るべきです。
8・30情勢-京都でも学生が連日街頭宣伝 京都大学 碧海
8・30情勢を引き継いで、京都でも学生が連日の街頭宣伝に打って出ています!
とにかく、街頭は熱いです! 「これが革命運動だ……」という手ごたえがあります。暴処法弾圧粉砕署名を中心に、全学連大会や11月集会を訴えていますが、労働者・学生は本当に団結と行動方針を求めています。日和ったら最後、情勢にぶっとばされるという緊張感すら漂います。
獄中の8学生は、文字どおり「階級の星」です。誰よりも団結と未来を語ってきた仲間が国家権力によって監禁されていることへの怒りが、すべてをハッキリさせます。「教育」が学生の未来をつくることであるならば、教育を奪還するとは、大恐慌・戦争を団結によってはね返すことにほかなりません。ここにこそ真の自己解放があります! 街頭で団結をアジる喜びをすべての労働者・学生に感じてほしい!
「一人の仲間も見捨てない!」という法大闘争の真髄が、今ほど響くときはありません。8人の写真を目にした労働者・学生が次々と立ち止まり、署名・カンパに応じてくれます。動労千葉や文化連盟の話をすると「そんなものがあったのか!? 待っていた!」と言わんばかりに食いついてきます。レーニンが「組織! 組織! また組織!」と言っていますが、求められているのはこのような地をはうような実践です。
わたしはこの革命の時代に生まれてきたことへの喜びでいっぱいです。7月国際労働者会議で、万国の労働者が団結を開始しています。今日までの労働者の流血の上に自分が立っているという誇りを胸に、11月1万に向けて突き進みます!!
「政労使パートナー」路線許さず11月へ! 福岡・自治体労働者 M・S
10年ほど前に亡くなった父は国労組合員だった。旧満州(中国東北部)で敗戦を迎えた父は、帰国後、国鉄の労働者となったが、職場でマル生運動というものが起こった。生産性向上運動というやつだ。
いつどこにでもいるものだ、当局と一体となって点数稼ぎをする組合が。当時は民社党系の同盟が第二組合を組織し、この運動を推進した。これで父の職場の三十数人の国労組合員は、とうとう2人きりになってしまったという。
父はなぜその時、国労に残ったのか。後年その理由を質(ただ)したことがある。答えは簡単、「俺たちの仕事は乗客や荷物を安全に時間どおりに運ぶことであって、当局の言いなりに職場の仲間と競争したり、裏切ったりして小遣い稼ぎをすることじゃない。戦争に駆り出され、生きて帰った時に誓ったのさ。まわりが流されても言うべきことは言わなきゃ」と。
8月25日から熊本で開かれた自治労全国大会に参加して、父子2世代にわたるデ・ジャ・ブじゃないかとさえ思った。父の時代の国労と同じことが、分割・民営化の過程をさらに凶悪化して、今まさに自治労本部の手で行われようとしているのだ。「政・労・使パートナー路線」
これに対し、労働者から明確にNO!が突きつけられた。「現場の労働者は日々当局相手に苦闘しているのに、その敵とパートナーとは何だ! これが労働組合の言うことか。自治労本部は絶対に許せない!」。自ら2割賃下げを提案し、道州制で自治体まるごと民営化し、日帝に膝(ひざ)を屈してお目こぼしを乞(こ)う自治労本部。こんなものは打倒するしかない。絶対反対の路線で闘おう。
ところで、父の職場のマル生運動は間もなく破産し、職場の労働者は全員が国労に戻ったそうだ。原則的に闘えば必ず勝てるし、現場の労働者はそれを知っている。ただ行くべき道、団結して闘う仲間の姿が見えにくくされているから決起できないだけなんだ。
だからこそ11月労働者集会の存在は決定的だ。道州制絶対反対・自治労本部打倒・11月労働者集会大結集をかちとろう!
爆取デッチあげ弾圧大学で「講義」して 十亀弘史
私たち「迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判」の被告は、時々、いくつかの大学に招かれ、自分たちの体験を話します。7月には私と板垣宏さんの2人が、都内にある大学のゼミと通常の授業で、同大学では3度目となる「講義」を行った。
二つの「事件」の当時(86年)には生まれていなかった学生たちが、熱心に聴き、感想を書いてくれる。私たちは、デッチあげの経緯と構造から説き起こして、現在の社会の根底的な理不尽を明らかにする。当然に、法大弾圧の不当さとそれへの怒りも訴える。
学生たちのこれまでの「感想」の一部を紹介したい。「アツかった。とても興味深い話でした。本当に冤罪は許されないと思った」「誰の目にも明らかなぐらいお粗末な冤罪だ」「日本の現状の怖さがまじまじ伝わった」「ビラを配って捕まるのは一体どういうことなんだろう? 言論の自由はどこに行ったんだろう?」「やっぱ国が腐っているなと思った」「こんな人権を無視するような国で人間らしく生きようとしたら、左翼になるしかないのでは……」「日本はファシズムに向かって突き進んでいる。やっぱりチェ・ゲバラが必要だ」
学園には怒りが渦巻いている。法大に続く闘う学生はいつでも、どこにでも登場し得る。教室の青年たちは近い未来の同志だ。
法廷の検察官と裁判官は真正面の敵だ。22年に及ぶ私たち(須賀・十亀・板垣)の裁判は、9月17日に差し戻し審における弁護側立証を開始する。各被告が憤怒をもって意見を述べ、弁護人が冒頭陳述を行う。
ぜひ傍聴を!
中国・ウイグル族は核にも怒っている! 東京 春川高夫
中国スターリン主義の民族抑圧に苦しむ諸民族が連続的に決起しています。チベットの決起に続いてこの7月、新疆ウイグル自治区でも暴動決起が起こりました。これらの闘いは中国全土にわたって始まっている労働者や農民の大反乱と結合しつつ、さらに一層発展していくことは不可避です。こうした中国人民の決起と連帯していくことは、日本の労働者階級人民に課せられた重大な課題です。
ところで、そのウイグル自治区では長年にわたって核実験が行われてきたことは、日本ではあまり知られていないようです。中国は1964年から1996年までに、ウイグル自治区ロプノルに建設した実験場で延べ64回、総爆発出力およそ20メガトンの核爆発を行いました。死亡人口は19万人と推定され、また、白血病やガンの発生および胎児に影響が出る人などは129万人と言われています。
ロプノル実験場の南にはシルクロードで栄えた楼蘭(ろうらん)や敦煌(とんこう)があり、この地にも「死の灰」は降り続けていたのです。(ロプノルから北西1400`メートルには旧ソ連のセミパラチンスク核実験場があります)
ウイグル族の決起は、こうした核実験に対する積年の怒りの爆発でもあることを、しっかりと受け止めなければならないと思います。
私たちはこの8月、ヒロシマ・ナガサキでオバマ幻想や田母神反革命と断固対決し「全世界の労働者・民衆の団結で核廃絶を!」と闘いました。この立場をさらに強固にし、中国人民・在日中国人民と連帯して、「11月」の成功をかちとろうではありませんか。
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週刊『前進』(2407号6面2)(2009/09/14 )
“裁判員裁判やめろ” 制度廃止へ各地で闘い
8月3日東京地裁、10日さいたま地裁を皮切りに、マスコミを総動員して始まった裁判員裁判だが、逆に「ワイドショー化された刑事裁判」(高山俊吉弁護士)に対する怒りが噴出している。「裁判員制度はいらない!大行動」の呼びかけで9月冒頭から青森、神戸、大阪、山口、福岡で「裁判員裁判をやめろ!」と絶対反対の闘いが続いている。(編集局)
青森地裁で大行動 高山俊吉弁護士と共に登場
青森では9月1日と2日の両日、青森地裁で行われた全国3番目の裁判員裁判に「改憲阻止! 戦争絶対反対!」の怒りの闘いをたたきつけ、11月集会1万人決起へスタートダッシュしたことを報告します。
今回の闘いは、大恐慌への突入と8・30自民党崩壊情勢を受けて、青森の闘う仲間が腹を固めて「よしやろう!」と総決起してかちとられた。
両日は、とめよう戦争への道!百万人署名運動・青森県連絡会の仲間や賛同人が決起した。
2日は朝から大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士と織田信夫弁護士も参加、裁判員制度はいらなインコが青森にも登場し、圧倒的な存在力を発揮した。
1日午前11時、裁判所前は100人近くの報道陣が地裁前に陣取り、2日から始まる裁判の「裁判員選任手続き」に来る裁判員候補者を待ち構えている。裁判所の正面の壁には「わもなも裁判員!」(あなたもわたしも裁判員!)という横断幕が掲げられている。
東京、さいたまに続く3回目の裁判員裁判となった青森裁判は日帝・国家権力の側にとっても「性犯罪事件」を利用しての制度定着化を目指すポイントの裁判だ。
東京からかけつけた仲間と裁判所前で合流し、アジテーション・ビラまきの闘いに入った。
「裁判員制度は国民の権利を踏みにじる制度。廃止するしかない」「戦争動員の裁判員制度は絶対に許せない。犯罪が多発する原因である資本主義社会の破綻的現実を問題にするのではなく、そこから目を背けさせ、労働者同士を権力側の立場から裁き合いさせる。三権分立の建前さえもかなぐり捨てて、裁判所が国民動員の権力機構そのものとして登場しようとしている。絶対に許せない。裁判所の労働者のみなさん。誇りをかけてともに闘おう」と訴えた。ビラはどんどん受け取られた。
途中から地元の弁護士、仙台の弁護士も参加して1日目の行動を打ち抜いた。各テレビ局の昼・夕方ニュース、新聞各紙で報道された。
2日目の行動は労働者・学生から圧倒的注目を受けた。「署名あるのか」と自ら署名をしにきた女性がいた。行動に参加していた東北大や弘前大の学生に傍聴券抽選アルバイトの学生が「なぜ裁判員制度反対なのか」と討論を求めてきた。共産党支持だという女性が「思想は違うが一致点がある。また話がしたい」と議論になり、ずっと高山弁護士のアジテーションを座って聞いているおじいさんがいたり。ビラは瞬く間になくなり、何度もコピーに走った。裁判所前はさながら解放区でした。
裁判員制度反対の闘いは、「絶対廃止」を貫く闘いです。裁判員制度が許せない核心点は、権力が労働者同士を分断し斬(き)り合わせ、「被害者感情」までも利用し尽くしてやろうという薄汚い精神です。
この攻撃に対し、裁判員制度は許せないという怒りを組織し、労働者人民の団結を拡大していこう。
(青森 K)
(写真 全国3番目となった青森地裁での裁判員裁判に抗議しマイクで訴える高山俊吉弁護士【9月2日 青森地裁前】)
大阪地裁を包囲し 百万人署名運動大阪府連絡会 40人が抗議行動
9月7日の神戸地裁、8日の大阪地裁で裁判員裁判が開かれたことに対し、とめよう戦争への道!百万人署名運動大阪府連絡会の呼びかけで、連日の抗議行動が闘われました。
7日の神戸地裁前では、早朝からのビラまきを行いました。翌8日大阪地裁前抗議行動には、百万人署名運動奈良県連絡会、全国連西郡支部、大阪星野さんを取り戻す会、関西労組交流センターなどから延べ約40人が結集し、早朝から闘いぬきました。
東京からは、裁判員制度はいらない!大運動の武内更一弁護士と裁判員いらなインコが駆けつけ、大阪弁護士会の富崎正人弁護士と一緒に抗議行動の先頭に立ちました。
朝8時、大阪地裁正面に登場し、のぼり、旗を林立させ、大阪地裁の4カ所の入り口に分かれ、のぼりを立て、呼び出された裁判員候補者、裁判所職員、報道陣や通行人にビラをまきました。大運動の弁護士とインコは、地裁正面前に陣取り、マイクを握って道行く人びとに抗議のアピールを続けました。
午前9時半過ぎには全員が正面に集まり、ミニ集会が開かれました。弁護士、百万人署名運動大阪府連絡会、全国連西郡支部、ス労自主、大阪星野さんを取り戻す会が次々にアピールし、裁判員の選任が行われる裁判所に向かって全員で抗議のシュプレヒコールを上げました。
午前11時、傍聴手続きが行われる地裁第二別館近くの路上に移動し、第2弾の抗議行動が行われました。昼12時半すぎ、簡単な総括集会が開かれ、2000枚のビラがまかれたことが報告され、裁判員制度を廃止に追い込むまで粘り強く闘い続けること、10・2全国集会を成功させ、11月集会1万人決起をかちとることが勝利の鍵であることを全体の拍手で確認し、行動を終えました。
(写真 7日の神戸地裁に続いて大阪地裁前で裁判員裁判に怒りのシュプレヒコールを上げた【9月8日 大阪】)
11月1万人へ
百万人署名運動大阪府連絡会が呼びかけたことによって、神戸、大阪と連日の抗議行動は成功しました。裁判員制度を国家権力と一体となって推進している日弁連主流派の牙城(がじょう)である大阪の地で、裁判員制度絶対反対の運動が始まりました。
「罰金10万円」の恫喝にもかかわらず、8月3日の東京地裁での開始以来、辞退者、欠席=拒否者が相次いでおり、神戸では6人、大阪でも3人の欠席=拒否者が出ています。大阪地裁は「高い出席率だった」と宣伝していますが、実は呼び出し状送付の数を、それまでの半分に減らしていたのです。労働者民衆の怒りの前に、裁判員制度の破綻は必至です。労働者民衆の「絶対反対」の怒りの息吹で、日弁連の中から新たな決起をつくり出していこう。
10月27日には京都地裁と大阪地裁堺支部、11月24日には奈良地裁で裁判員裁判の強行が予定されています。「裁判員制度絶対反対」の宣伝と闘いを繰り広げていくとともに、一切の勝利の鍵である11月全国労働者集会の1万人決起実現のために、闘い続けていく決意です。(大阪 S)
“嫌なものは嫌と” 山口地裁前で廃止訴える
9月8日、山口地裁で中国地方初の裁判員裁判が行われ、広島と山口の仲間9名で抗議、宣伝活動を行った。
「事件」は、結婚2年目で倒れた寝たきりの妻(現在60歳)を13年も一人で介護してきて、疲れ果てた夫(63歳)が、妻の首を包丁で刺し全治10日の傷を負わせ、自らも自殺を図ったとする殺人未遂、とされている。
そもそも全治10日が殺人未遂?! しかも自らも死のうとした。こういった事件は一般には「心中未遂」とか言われるものじゃないのか?!
それをたった2日間(両日とも午後のみ)で判決を出す(出させる)という。どう考えたって「裁判」と呼べる代物でないことは明らかだ。
山口地裁前は人通りはあまりなく、マスコミが大挙して押し寄せ異様な雰囲気だ。午前中に、呼び出しを受けている裁判員候補者がパラパラとやってくる。徒歩で来た人は大勢の記者やカメラに取り囲まれる。皆一様に顔を強張らせ緊張した面持ちだ。おどおどしながら「有給休暇をとって来た」とか「できれば選ばれたくない」「本当は来たくなかった」と不安そうに答えている。
私たちはビラまきや署名とりを行いながら、裁判所に向かって「裁判員に選ばれた皆さん! 今からでも遅くありません。嫌なものは嫌だと席を立って拒否の声を上げましょう!」と訴えた。
昼近くなるとマスコミの傍聴券確保のためのアルバイトの学生や若者などが集まり始めた(1人3000円といううわさだった)。「樋渡検事総長は『裁判員制度導入の目的は、被害者や被害者遺族のためではないし、被疑者のためでもない。国民の意識を変えるためだ』と言っている。国家の支配機構・統治機構に人民を取り込む制度だ。改憲・戦争へ向かうための国民動員の制度だ。一緒に制度廃止に立ち上がろう!」と訴えた。
今回の裁判員裁判は、2362人を裁判員候補者として名簿に登載し、その中から抽選で90人を選び、辞退(拒否)が認められた人など21人を除き、最終的に69人に呼び出し状が送られた。その中からさらに辞退した人(明確に拒否した人!)などを除く39人が呼び出され、その内35人が裁判所に出向いてきたという。この事実一つとってみても、裁判員制度はあらかじめ破産している!
公判前整理手続きによってすべてストーリーが作られ、今回の山口地裁での裁判はなんと審理時間3時間半だ。そして、一般の裁判であればこれほど大げさに取り上げられるはずもない「事件」――今回では夫婦の関係など――もつまびらかにされてしまう。疑問の声も次々に上がっている。
また、ひたすら裁判員制度の宣伝役を買って出ているブルジョアマスコミも許せない。この日の傍聴券を確保するために集まったのはほとんどがマスコミに雇われたアルバイトだ。結局金のある大手から順にマスコミが傍聴券を手にするというわけだ。裁判所とマスコミが結託して裁判員制度を宣伝しているのだ。
われわれ絶対反対派が登場する時だ! 裁判員制度廃止まで闘おう!
(広島 S・K)
(写真 山口地裁前に登場し、中国地方初の裁判員裁判に抗議する宣伝活動を行った【9月8日 山口】)
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