ZENSHIN 2009/08/17(No2403 p08)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

第2403号の目次
 

(写真 “全世界の労働者・民衆の団結で核廃絶を!” 闘う労働者・被爆者を先頭に大デモ隊が被爆64周年の広島の街に繰り出し、オバマ幻想を吹き飛ばした)

1面の画像
(1面)
労働者の総決起で自民党打倒を
国鉄決戦と道州制粉砕を軸に11月へ
記事を読む  
8・3東京 “裁判員制度廃止せよ”
第1号裁判開始と対決 450人が地裁包囲行動(8月3日)
記事を読む  
冤罪を増やす違憲の制度だ さいたまでも抗議(埼玉・B)(8月10日) 記事を読む  
(2面)
革共同集会 世界革命の確信と情熱あふれ
全職場で“11月総力戦”誓う
青年労働者学生先頭に 生きたマルクス主義を実感(8月2日)
記事を読む  
国鉄と三里塚を柱にすえ11月1万人結集へ進撃を
鎌田雅志同志の基調報告(要旨)(8月2日)
記事を読む  
(革共同集会)三里塚反対同盟の発言(8月2日)< 記事を読む  
(3面)
“オバマ賛美”を撃つ反戦反核の叫び
8・6広島 麻生来広糾弾に550人  田母神集会を直撃する怒り(8月6日)
記事を読む  
8・8長崎 “国際連帯で核廃絶を”  米港湾労働者迎え前夜集会(8月8日) 記事を読む  
11月1万決起誓う  広島/産別交流会に現場の活気
全戦線で道州制と対決(8月5日)
記事を読む  
青年労働者交流集会 1047名闘争勝利へ
国鉄労働者の決意に沸く(8月5日)
記事を読む  
学生集会 暴処法弾圧に反撃  法大生が感動的アピール(8月5日) 記事を読む  
(4面)
“次は11月に日本で会おう”と固く誓う サンフランシスコ国際会議が大成功
社会主義をめざす労働運動の胎動
動労千葉の訪米報告から 大恐慌と闘う国際連帯が前進
記事を読む  
教労、サンディエゴで交流  解雇と闘う米教組(米山良江) 記事を読む  
(5面)
“次は11月に日本で会おう”と固く誓う サンフランシスコ国際会議が大成功(7月2〜7日) 記事を読む  
(6面)
本部打倒こそ現場組合員の声 自治労熊本大会決戦へ
自治労本部は道州制推進と北朝鮮制裁支持へと大転向
革共同自治体労働者委員会
記事を読む  
関西 『絶対反対』で分岐し闘う
道州制反対!青年労働者集会(関西NM)(7月29日)
記事を読む  
日誌 2009年 7月28日〜8月11日
東京地裁で初の裁判員裁判/横浜で「つくる会」教科書採択
記事を読む  
(7面)
国労本部打倒、JR体制と激突へ
“1047名解雇撤回”を貫き 大失業と対決する国鉄闘争を
記事を読む  
「つくる会」歴史教科書採択弾劾する(8月12日) 記事を読む  
〈焦点〉 第1章 米帝が核攻撃の「新軍団」  これがオバマ演説の正体 記事を読む  
〈焦点〉 マニフェスト選挙の欺瞞  資本主義の救済か革命か 記事を読む  
(8面)
77日間の階級戦争に勝利  双龍工場占拠ストが終結
新自由主義を突き破る 労働者の団結示す(8月6日)
記事を読む  
星野文昭同志の革共同集会へのアピール〈抜粋〉
労働者解放をかちとる団結=共同性で全世界を獲得しよう(8月2日)
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2403号1面1)(2009/08/17 )

 労働者の総決起で自民党打倒を

 国鉄決戦と道州制粉砕を軸に11月へ

(写真 “全世界の労働者・民衆の団結で核廃絶を!” 闘う労働者・被爆者を先頭に大デモ隊が被爆64周年の広島の街に繰り出し、オバマ幻想を吹き飛ばした)

 8月広島・長崎反戦反核闘争は、「オバマ賛美」論一色の状況を打ち破り、階級的労働運動の前進の力で圧倒的に闘い取られた(関連記事3面)。「世界大恐慌と自民党支配の崩壊を革命へ」の闘いこそ、労働者階級の進むべき道だ。マニフェスト選挙=道州制・民営化攻撃と全面対決し、連合本部や日共の制動を打ち破り、労働者の怒りの爆発で、自民党を決定的にたたきつぶそう。国鉄1047名闘争と三里塚農地死守と国際連帯を柱にすえ、11月1万人大結集へ全力疾走しよう。

 8・6広島 オバマ幻想破る大デモ “田母神反革命は許さない”

 8月6日午後、「被爆64周年8・6ヒロシマ大行動」の集会が広島県立総合体育館小アリーナで開かれ、全国から1800人が大結集した。
 大行動事務局長の谷口恭子さんの開会宣言に続いて、呼びかけ人を代表して動労西日本広島支部長の大江照己さんが開会あいさつ、「今年の大行動は、労働者と資本家との激突の中で本気で闘う陣形に大きく変わった」と力強く訴えた。
 被爆者の訴えを、反戦被爆者の会の下田礼子さんと、被爆者青年同盟の中島健委員長が行った。下田さんは「今や世界中に350万人もの被爆者がいる。人間と核は絶対に共生できない。オバマが『道義的責任がある』と言うのなら1945年8月6日より前の世界に戻せ。私は生きている限り反戦反核を訴えていきます」と述べた。中島さんは、「新たな戦争を始めようとしている帝国主義者に血が逆巻く思い。朝鮮侵略戦争を阻む闘いの先頭に被爆者・2世が立つ。日本共産党や連合、秋葉市長をぶっ飛ばし、麻生とオバマを打倒しよう」と呼びかけた。
 裁判員制度廃止・改憲阻止アピールを行った憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士は「8月3日に怒りの声が東京地裁を包囲した。制度開始後の世論調査でも85%が反対している。この中に権力の横暴を許さない力がある」と訴えた。
 基調提起は広島県労組交流センター事務局長の有賀崇雅さん。「秋葉市長、日本共産党、既成原水禁のオバマ賛美と北朝鮮への排外主義の扇動、田母神講演会などの『ヒロシマつぶし』と対決し、労働者の国際的団結で核と戦争を廃絶し、労働者が主人公となる時代を切り開こう」と訴え、朝鮮侵略戦争を阻み、原水禁・原水協に代わる反戦反核運動の本流になろうと提起。「道州制は公務員労働者を〈反戦運動の担い手>から〈戦争の担い手>につくり変える攻撃。闘う労働組合を再生し、反戦反核闘争の中軸になろう」と訴えた。
 次にアメリカから、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34のホアン・デルポソさんが発言した。7月に開催されたサンフランシスコゼネスト75周年・国際労働者会議について報告し、オバマのプラハ演説を「核の独占を公然と宣言したもの」と断罪。「職場の団結を基礎とした国際連帯の力こそ、戦争を止め核廃絶の展望を切り開く。オバマ政権に対し、中東でのごう慢な行状を撤回するよう追及していく」と力強く語った。
 沖縄からは、沖縄北部合同労組うるまユニオン副委員長の富田晋さんが「沖縄の自治体でも道州制と民営化攻撃との闘いが始まっている。米軍再編と道州制と改憲は一体だ。4大産別で闘うことこそ、新基地建設を止め、道州制をぶっつぶす闘いだ」と訴えた。
 獄中35年、不屈非転向で闘う星野文昭さんのアピールを、広島星野文昭さんを救う会の増上昭典さんが読み上げた。
 次は労働者・学生の決意表明だ。国労小倉地区闘争団で国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さんは「国労本部を打倒し国鉄闘争の先頭に5・27被告団と国労共闘が立つ。11月集会1万人の実現で1047名解雇撤回をかちとる」と宣言。
 動労千葉の田中康宏委員長は「11月1日、3労組の呼びかけで日比谷野外音楽堂で、全国労働者総決起集会を開催します。1万人の労働者の怒りを結集しよう。動労千葉は国鉄1047名闘争にこだわって闘いの先頭に立ちます」と訴えた。
 次に不起立を闘う教育労働者3人が発言。広教組の青年労働者に続いて、東京の河原井純子さんは「昨日の青年労働者集会で大きなエネルギーをもらい『君が代』解雇は阻める、『10・23都教委通達』は白紙撤回できると確信した」と述べた。同じく東京の米山良江さんは、7月に訪米してロサンゼルス統一教組の活動家と熱い交流を交わしたことを報告した。
 青年自治体労働者は「道州制粉砕へ、権力の支配機構のただ中から火の玉となって闘う。すでに多くの職場で反乱が始まっている。自治労本部打倒へ闘う」と宣言。暴処法弾圧と闘う法政大学文化連盟の洞口朋子さんと広島大学学生の安藤聡男さんが、元気いっぱいに闘う決意を表明した。
 田母神弾劾特別決議と集会アピールを採択した後、閉会のあいさつを高陽第一診療所医師の吉田良順さんが行った。
 参加者全体で団結ガンバローをして、ただちに市内デモに飛び出した。商店街を力強くデモする隊列に対する沿道の青年たちの明るい笑顔が印象的だ。「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」「労働者の団結で核をなくそう」「闘う労働組合をよみがえらせよう」というストレートな訴えが、大きな共感を得ていることがびんびん伝わる。
 オバマ賛美の秋葉市長や原水禁・原水協、田母神を先頭にしたファシスト勢力がヒロシマの反戦反核闘争をたたきつぶしにかかった今年の8・6において、ヒロシマ大行動が成功したことは大きな意義を持った。この勝利をバネに、職場から団結をつくり出し、11月1日の全国労働者総決起集会の1万人結集へ労働者を組織しぬこう!
(写真 8・6ヒロシマ大行動に1800人が結集、帝国主義の戦争と核政策、民営化と道州制攻撃に怒りをたたきつけた)

 8・9長崎 麻生の式典参加を痛撃 “国際連帯で勝利するぞ”

 8月9日長崎で、統一実行委のもとに結集する労働者・学生は、麻生を呼び寄せた祈念式典を弾劾するデモに立ち上がった。午前10時、猛暑をさらに熱くするほどの怒りに燃え、爆心地から程近い城栄公園に全国からの参加者70人が結集した。司会の青年労働者は「大恐慌情勢の中で戦争と改憲、民営化と労組破壊の攻撃が激化しているが、社会を変えるチャンスだ。麻生の式典参加を粉砕するデモへ打って出よう」と力強く訴えた。
 全国被爆者青年同盟の被爆2世は、広島デモでの市長からの「音量を下げろ」という抑圧を強く批判し、「帝国主義の核政策を打ち砕くために、11月全国労働者集会への1万人結集を」と呼びかけた。東京から参加した労働者は、広島で田母神講演会を会場直近の原爆ドーム前で弾劾して闘ったことを報告した。
 広島から全過程の行動をともにしたILWUのホアン・デルポソさんは「短い旅ではあったが教えられることが多かった。みなさんの組織化にかけた努力にお礼を言いたい。11月に東京で再びお会いしましょう」とあいさつし、温かい拍手を受けた。
 全学連の安藤聡男副委員長は、獄中に捕らわれている法大文化連盟の学友に対する新たな暴処法弾圧を弾劾し、「容疑とされている日は4人の法大生への処分に対する抗議闘争が爆発した時だ。当局を弾劾して立ち上がったのはあまりにも当然だ」と怒りをたたきつけ、さらに米帝・オバマを賛美する長崎市長が麻生首相を式典に引き入れたことを断罪した。
 最後に統一実行委の三角忠さんが行動提起を行い、「日帝の核武装宣言を粉砕し、核と戦争のない社会を築く原動力はわれわれ労働者の中にあることを示そう」と高らかに宣言した。
 強烈な日差しと照り返しの中をデモに出発。「労働者の国際連帯で核を廃絶しよう」と大書きされた横断幕を先頭にデモは進んだ。
 午前11時2分、原爆投下の時刻に、祈念式典会場下の坂の上り口にデモ隊は陣取り、「麻生は長崎から出ていけ!」「オバマ賛美を許さない!」と怒りのシュプレヒコールを会場に向けてくり返した。デモは労働者階級と被爆者の怒りを体現して、灼熱の太陽の下でとことん汗を流して山王公園までの全コースを貫徹した。最後に全学連の松室しをりさんが団結ガンバロー三唱の音頭をとり、熱気あふれる09年広島・長崎の反戦・反核闘争を締めくくった。
 麻生首相は9日、長崎市内での記者会見で「米国に核の先制不使用を求める考えはあるか」との質問に対し、「先制攻撃をしないと宣言させるのは現実的ではない」と答え、核先制攻撃の立場を肯定した。日帝支配階級自身が原発や核燃料サイクルの推進を通して独自の核武装へ反動的執念を持ち続けているのである。8・9長崎デモは、この日帝の野望を含む核政策推進への決定的な反撃の闘いとなった。
(写真 九州の労働者・学生を先頭に、デモ隊は麻生が出席した祈念式典会場に肉迫し徹底糾弾、さらに炎天下の長崎の街を進撃した【8月9日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号1面2)(2009/08/17 )

 8・3東京 “裁判員制度廃止せよ”

 第1号裁判開始と対決 450人が地裁包囲行動

 “現代の徴兵制”裁判員制度を粉砕する闘いが重大な決戦を迎えた。全国初の裁判員裁判が開始された8月3日、東京地裁は怒りの声とデモに包まれた。「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかけたデモに、450人の労働者・学生・市民が集まり、霞が関官庁街をデモした。労組交流センターや動労千葉、ス労自主の労働者、全学連がともに闘った。
 デモに先立ち、午前9時から東京地裁前でビラまきとマイク宣伝が行われた。大運動の弁護士、労働者・市民が裁判所前に登場すると、取材記者が殺到した。裁判所前は騒然となった。
 「大運動」呼びかけ人の高山俊吉弁護士や武内更一弁護士(事務局)がマイクを握った。高山さんは「裁判員制度は、裁判を被告人のためのものから、国家による人民統制の道具に変えるもの」「嫌だと言っている人に無理矢理やらせることで、国家の司法運営の立場に人民を立たせようとしている」と弾劾した。「しかし、裁判員制度は息も絶え絶えのスタートだ。私たちの運動で絶対に廃止できる」と、勝利の確信をもって闘うことを呼びかけた。
 午前11時から弁護士会館で「大運動」が記者会見を行った。呼びかけ人の斎藤貴男さん(ジャーナリスト)、今井亮一さん(交通ジャーナリスト)、高山弁護士、さらに裁判員候補の通知を受けて断固拒否を表明している千葉の井上さんが、それぞれの立場から「この制度は断固、廃止すべきだ」と表明した。
 第1号裁判は、わずか4日間の裁判(審理日数は実質2日)で、ほぼ検察主張どおりの重刑判決(懲役15年)を出した。「公判前整理手続き」で決められた時間割に従い、法廷は一種のショーと化し、裁判員制度のでたらめさ、反人民性が完全にさらけ出された。
 「大運動」は判決翌日の7日、記者会見を行い、第1号裁判を具体的に批判した。そして、「この制度は廃止するしかないことが、ますます明らかになった。一層広範な国民的運動で、廃止に追い込もう」と訴える声明を発表した。
(写真 抗議の声を上げ東京地裁前をデモ行進【8月3日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号1面3)(2009/08/17 )

 冤罪を増やす違憲の制度だ さいたまでも抗議

 8月10日、さいたま地裁で裁判員裁判の第2号が開かれたことに対し抗議行動が闘われた(写真)。呼びかけは「裁判員制度に反対する埼玉市民の会」の弁護士や市民ら。「裁判員制度はいらない大運動」事務局から川村理弁護士も参加。近県からも参加して総勢30人が地裁前で裁判員制度廃止を訴えた。
 代表の田中重仁弁護士は「東京の第1回裁判ではっきりした。この制度は冤罪を増やす。裁判が簡略化され真実が発見できない。早期に制度廃止を」と訴えた。川村弁護士は「裁判員が国民の義務だと言われるが、憲法の義務は勤労・納税・教育を受けさせる、の三つだけ。裁判員制度は憲法違反」と弾劾した。
 現場で取材を受けた裁判員候補は「プレッシャー。やりたくない」「法律の素人が人を裁いていいのか疑問」「生涯の守秘義務も負担が大きすぎる」などと語っていた。
 裁判員制度は破綻している。制度廃止に向けて闘いはこれからだ。
 (埼玉・B)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号2面1)(2009/08/17 )

 革共同集会 世界革命の確信と情熱あふれ

 全職場で“11月総力戦”誓う

 青年労働者学生先頭に 生きたマルクス主義を実感

 8月2日、東京・豊島公会堂で行われた革共同政治集会は、1060人の結集で大成功をかちとった。マルクス主義で武装した若々しい青年労働者・学生を先頭に「大恐慌を革命に転化しよう!」「プロレタリア世界革命を本当にやり抜く時がきた!」という決意のほとばしる発言が続き、会場はわき返った。06年「党の革命」から3年。ついに発表された「革共同綱領草案」を武器に、11月労働者集会の1万人決起への展望は、圧倒的な参加者の確信に変わったのである。
(写真 革共同政治集会に1060人が参加し、全員が「11月労働者集会に1万人の結集を実現しよう」「同志は職場にいる。11月まで3カ月、職場で勝負しよう」と誓い合った【8月2日 東京・豊島公会堂】)

 三里塚反対同盟7氏が登壇

 「戦争か内乱かの激突が始まった。世界革命の突破口を11月労働者集会の1万人決起でこじ開けよう!」――司会の同志の力強い開会宣言で集会は始まった。
 大挙かけつけた三里塚芝山連合空港反対同盟から北原鉱治さん、萩原進さん、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さん、萩原富夫さんが登壇、割れるような拍手の中で「市東さんの農地強奪阻止へ再び決戦の時だ。農地死守・実力闘争で闘う」との烈々たる決意が語られた。(発言要旨別掲)
 部落解放戦線の同志は「既成の部落解放運動の屈服・転向と対決し、戦争と革命の時代の部落解放闘争を開始した」と宣言、2月に闘われた大阪西郡・森本さん宅強制執行への実力反撃を総括し「労働者の階級的団結で闘うことが回答だ。革共同を集団脱党した全国連本部の中田書記長らのグループは転向集団だ。絶対に打倒する。西郡で闘うわれわれが主流派だ」と宣言した。
 法大弾圧弁護団から5人の弁護士が登壇、森川文人さんと藤田正人さんが発言した。森川さんは「獄中の学生たちはすごい勢いで成長している。裁判所は暴力装置の本性むきだしだが、被告たちは被害者ではなく資本主義への加害者、革命家なんです。ブルジョア法は革命家を裁けない」と喝破。藤田さんは「弁護団長は暴処法弾圧と15年間闘った鈴木弁護士。司法改悪と闘ってきた強烈な弁護団です」と新たな裁判闘争の展望を語った。
 1985年11・29浅草橋戦闘戦士で23年間にわたる指名手配を粉砕して合流した古川康三同志、木下治人同志が満場の拍手で迎えられた。古川同志は「新自由主義の先駆けとの激突だった。党と労働組合の共同の勝利だ」と言い切った。木下同志は「弾圧は闘いの前進の証し。社会と切断された23年間は思想闘争だったが党の力を実感した。今日ここに立てたことが本当にうれしい」と万感の思いを語った。
 割れるような拍手と歓声の中を、基調報告者の全学連元委員長・鎌田雅志同志が登壇した。鎌田同志は1985年10・20三里塚十字路戦闘から11・29浅草橋戦闘を先頭で闘い、16年間の長期獄中闘争に勝利し、ついに訪れた革命の時代の新たな指導者として登場した。(報告要旨別掲)

 転向集団・塩川一派の打倒へ

 後半はマル学同中核派の同志の法大決戦アピールで始まった。「巨大な党派選択の時代。獄中の文連の仲間が〈全学連、革共同とのみ団結できる〉と語った。総選挙情勢の核心は革共同への結集を真っ向から訴えること。法大闘争は権力・資本に絶対反対を貫くことで初めて団結を守った。ここに革命の道がある。暴処法の本質は革命運動つぶし。組織をつくることが最大の反撃だ。強大なマル学同建設を!」
 マル青労同の同志は「産別を越えて闘わなければ生きられない現実が広がり、われわれマル青労同が現場労働者を獲得し始めている。路線的な団結が青年を獲得する。職制や御用組合の幹部を怖がっていた人が、職場闘争を始めた瞬間に変わった。ここに生きたマルクス主義があった。時代認識と路線を職場に通用するものに進化させたい。ともに闘う同志は職場にいることに気づくかどうかが問われている。職場で勝負しよう」と訴えた。
 革共同救対部から「星野文昭さんと全獄中同志奪還へ」のアピール。「文連と全学連の学生たち全員が完黙非転向を貫いている。裁判は法律の枠を超えた階級と階級の激突となった。8学生を取り戻す全国声明運動の圧倒的拡大を!」「星野さんの全国再審連絡会議から塩川一派をたたき出した。獄中35年の星野さんは非転向のチャンピオン。権力に屈服した塩川一派とは根本的に対立する」との提起に、満場の拍手と歓声が応えた。(8面に星野さんのメッセージ)
 4大産別の労働者が決意表明した。動労千葉の仲間は「塩川一派は79年の動労千葉分離独立は間違いだと罵倒(ばとう)した。三里塚闘争に敵対し動労千葉にも敵対するという意味だ。塩川一派の打倒を」と訴え、「革命派が労働組合を握ることが全情勢を決する。11月1万人結集を絶対実現しよう」と訴えた。動労水戸の仲間は「新たな組合員が加入し、強制配転攻撃をストライキで阻止した。4大産別こそ革命の砦だ」とアピール。国鉄1047名闘争を闘う国労の仲間は「自民党の崩壊で4者4団体の和解路線は完全に破綻した。今こそ分割・民営化以来のJR体制を打倒する責任勢力として登場する。4大産別の現場こそ地区党建設の先頭に立とう」と表明した。
 全逓労働者は「郵政民営化絶対反対の闘いを決意して3年。ついに職場で反乱を起こし、JP労組中央打倒の闘いを全面的に始めた。ビラを読んだ現場労働者から問い合わせが次々と来ている」と報告。自治体労働者の仲間は「自治労本部は、ついに道州制論議に参加すると表明した。360万公務員の全員解雇攻撃との闘いの正念場だ。3・6大阪府庁前行動から全国の職場で闘いを始めた。どんな困難にも打ち勝つ力が党の力だ。一周り大きな党を建設しよう」と呼びかけた。
 教育労働者は「訪米団がNEA(全米教育協会)全国大会でロサンゼルス統一教組の代議員席に座った。不起立闘争、学校の軍事化と闘うランク&ファイルの結合の勝利だ」と報告、「教育現場も非正規職が2割を超え怒りは渦巻いている。この怒りと国鉄闘争の結合が11月1万人決起の鍵だ」と決意を述べた。
 最後に青年労働者と全学連が決意表明。青年労働者は「マル青労同建設をめぐる党派闘争と組織戦が激しく始まった。2千万青年労働者は、マル青労同を必要としている」と訴えた。全学連委員長代行の坂野陽平君が「革共同こそ世界革命の党であることに奮い立っている。大恐慌と戦争への回答は国鉄と三里塚での大反乱だ。10・11三里塚と11月総決起を」と締めくくった。
 「革共同に結集して本当によかった。この集会を新しいプロレタリア革命の幕開けとしよう!」との司会の閉会宣言に拍手が鳴りやまない。
 「闘う労働者・学生は革共同に結集しよう!」「11月1万人決起で世界革命の扉を開こう!」と大音量のシュプレヒコールが会場に響いた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号2面2)(2009/08/17 )

 国鉄と三里塚を柱にすえ11月1万人結集へ進撃を

 鎌田雅志同志の基調報告(要旨)

 85年蜂起戦から24年の闘い

 私が人生をかけた1985年10・20三里塚と11・29浅草橋の闘いは、日本で新自由主義をスタートさせた張本人・中曽根政権を、国鉄と三里塚の闘いで打倒する蜂起戦でした。ここで重大な路線上の闘いもあった。
 まず79年、動労千葉が「三里塚との連帯をかけて」、カクマル牛耳る動労本部から分離独立。そして成田空港へのジェット燃料貨車輸送阻止の大ストライキに立ち上がった。この闘いで動労千葉は、反対同盟とともに三里塚闘争の”車の両輪”となった。こうして労働者階級本隊が三里塚闘争の中軸を担っていった。
 これに恐怖した第4インターなど脱落諸党派は絶対反対の路線を曲げ、反対同盟を条件派に転落させようとした。その果ての83年3・8の反対同盟分裂でした。これを好機と見た反革命カクマルも、一斉にわが全学連の拠点大学を襲撃した。この3・8分裂反革命を実力で粉砕し、わが革共同は反対同盟とともに幾度もの大量逮捕をはねのけ、85年の蜂起戦に突き進んだのです。
 あれから24年、きょう木下、古川同志とともにこの壇上に立った喜びと確信。いま、この道をあらためてとことん突き進もうと決意しています。
 いま韓国サンヨン自動車の労働者が「整理解雇撤回、非正規職撤廃」を掲げ、70日を超える籠城(ろうじょう)と武装ストライキで、イミョンバク政権の武装警察隊と闘っている。日本労働者階級の魂をかけた連帯が求められている。11月1万人結集の本当の実現が、待ったなしに突き付けられているのです。

 われわれの闘う力は巨大だ

 「百年に一度」の世界大恐慌は底なしです。ブルジョアジーは「底を打った」などと自分と社会をだまして延命することに必死だ。だが資本主義の延命とは何か? トヨタが巨額の利益をあげた時、労働者の生活は少しでも良くなったか? 労働者の賃金は下がり、あげくに大恐慌を引き起こし、現在の大失業と貧困の途方もない拡大ではないか。労働者を殺して資本家だけが延命する。これが資本主義社会の本質だ。資本家と労働者は水と油なのだ。
 いま資本家たちはおぼれかかっている。必要なことは彼らを救うのではなく、水の底に沈めてやることだ。資本家が私的に独占する巨大な社会的生産力は、全部労働者がつくり出したものだ。これを全部社会に返す。それを労働者階級自身の力でやり遂げる。これがプロレタリア革命だ。だから労働者階級は社会の主人公なのです。
 サンフランシスコ国際会議が大成功した。7カ国の労組代表と社会主義者が深い国際連帯を確認した。アメリカの反戦の母、シンディ・シーハンさんが「労働組合は民主党と手を切れ。ランク&ファイルの闘いこそ世界を変える。問題は階級闘争だ。搾取する階級をやっつけよう。インチキな連中をたたきのめせ」とアピールを発した。
 国鉄分割・民営化と闘い抜き、階級的労働運動を貫いてきた動労千葉、1047名解雇撤回闘争23年の地平、そして11月労働者集会の持つ力の巨大さをあらためて実感できます。わが革共同と動労千葉派の闘いが、世界の労働者階級の闘いに、ものすごい力と勇気を与えているのです。
 09年前半戦は、4者4団体派の屈服路線との闘いを始め、激しい党派闘争だった。その中でわれわれは国鉄闘争を軸とする4大産別決戦論をプロレタリア革命の戦略的総路線として打ち立てた。そして法大暴処法弾圧との死闘に勝ち抜き、6・14―15連続闘争の画期的地平を開いた。

 労働組合攻防に勝利しよう

 われわれが獲得した結論は〈時代認識と路線で闘う〉こと。そして〈労働組合をめぐる攻防〉に一切がかかっているということです。
 内外の情勢は待ったなしだ。大恐慌は不可避的に世界戦争の危機を拡大している。米帝の最後の武器は軍事力だ。オバマが「核のない平和な世界」と言ったからどうだというのだ。米帝が核を独占する。米帝だけが核を使う権利がある。これがオバマの4・5プラハ演説の核心だ。イラクやアフガニスタンで米帝は何をやっているか? 帝国主義者が美しい言葉を発する時は、残忍な侵略戦争を開始する時です。
 オバマ発言を賛美して北朝鮮排外主義をあおる連合中央や日本共産党。彼らは新たな侵略戦争に労働者を動員する現代版の産業報国会運動だ。歴史はくり返している。これを真っ向から打ち砕き、今度こそプロレタリア世界革命の大道を突き進もう。
 自民党の支配は崩壊した。民主党や連合中央などの一切の体制内勢力をぶっ飛ばし、今こそ職場で勝負して、労働運動の力で革命に勝利しよう。
 後半決戦の核心は鮮明だ。国鉄・三里塚決戦で11月1万人結集をつくり出す。ここで思い切って闘いぬく。絶対反対論と階級的団結論の核心が国鉄1047名闘争と三里塚闘争にある。この闘いは日本労働者階級が世界に誇れる宝物だ。だから権力と反革命の攻撃も集中している。ここでの熾烈(しれつ)な攻防に勝ちぬくことが決定的なのだ。ここから「1万人結集」を実現しよう。

 世界革命に勝利する党を!

 われわれはまだ5000人台の動員力の少数派かもしれない。しかし、革命運動とは少数派が多数派を動かす、革命的に決起させていく運動だ。われわれが階級全体を獲得する勢力であることに確信を持とう。11月労働者集会への1万人結集を実現し、この確信の正しさを証明しよう。
 革共同綱領草案での全同志の活発な討議を要請する。わが革共同こそがマルクス主義を世界に復権させ、現代の『共産党宣言』をつくり上げるのだという気概で闘おうではないか。マル青労同1000人、マル学同1000人建設を軸に本格的な地区党建設に勝利し、全国単一の労働者党建設をなしとげよう。
 マルクス主義を解体し、社会排外主義に転落した塩川一派を打倒しよう! 闘う労働者人民・学生は革共同に結集しよう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号2面3)(2009/08/17 )

 三里塚反対同盟の発言

 三里塚は再び決戦人生かけた闘いを 事務局長 北原鉱治さん

 三里塚闘争は43年目に突入しました。駒井野砦や岩山大鉄塔の大攻防、そして代執行阻止決戦。皆さんの先輩から何百人も逮捕者を出し、歴史に残る闘いがあった。そしていま、現地は再び市東孝雄さんの農地収奪との決戦が近づいている。再び決戦の時が来ました。
 いまの政治をどう思いますか? 総選挙で民主党政治になって政治は変わるか? 実は政治を変えるのは私たちだ。そのための今日の集会です。
 おじいさんの代から90年続いた市東孝雄さんの農地を、国が農地法で奪う。法律を作った者が法を破る。こういう社会を変えるのです。ここに集まった人たちを先頭に1億3千万の人民が立ち上がる。そこで世の中は初めて変わる。労働者は武器を運ばない。農民は生命の糧、食糧を生産する。そこに本来、政治は要らない。この立場で私たちは闘ってきました。
 サンフランシスコ国際連帯会議の成功をうれしく思います。私も提案文をつくり託しました。労働者と農民が世界人類の反戦・平和のために連帯すれば戦争は防げます。
 あなた方が人生をかけた闘いは、必ず革命の勝利につながる。どうか三里塚の勝利のために、人生をもう一度かけて下さい。法政大学キャンパスを奪還し、若い学生の将来を取り戻そう。未来をつくりだそう。
 闘えば必ず勝てる。三里塚は地球の未来をかけて闘います。

 農地死守・実力闘争と労農同盟の決意 事務局次長 萩原進さん

 三里塚闘争の歴史は、政府・権力との真正面からの対決と同時に、われわれの戦線から脱落していった部分との攻防、デマ情報の操作による運動破壊、そのような闘いが42年間、続いてきた。
 われわれは空港絶対反対です。単なる反対ではない。「一切の話し合い拒否」だ。権力とわれわれは水と油だ。しかも時には武装し、実力で闘う。だからこそ今日がある。多くの大衆運動の中で、既成政党をある意味では排除し、実力闘争で政府と四つに組んで闘いぬいた運動は、おいそれとはありません。私が言いたいのは、そういう闘いを今後も継続するという強い決意です。
 この7月、権力は「への字」誘導路にある一坪共有地を裁判で奪い取った。そして暫定滑走路を6カ月も早く前倒しで供用する。そして”第3の誘導路”建設。敵の切羽つまった大攻撃ですが、大きな構図としては戦時下における攻撃です。市東さんの農地強奪も戦時下における徴発だ。
 ならば、これとの闘いは、1971年の強制代執行との闘いのような決戦となる。その決意をいま全国の皆さんに発しなければならない。
 どう闘うか。やはり労農同盟の闘いだ。動労千葉の闘いが全国の労働者を動かし、組織化して、今日の労働運動を支えている。この動労千葉との両輪をもう一度、大きな層として、うねりとしてつくり上げていく。それができる闘いが三里塚闘争ではないですか。これをつくり上げなければ勝利はありえない。
 反対同盟は決起します。全国の人民の決起を訴えます。

 「闘魂ますます盛んなり」の遺志を胸に 敷地内 市東孝雄さん

 また新たに、私の家を誘導路が取り囲む攻撃が始まりました。このかんの私の裁判への傍聴闘争や現地闘争に、忙しい中を多くの皆さんが駆けつけて下さり、ありがとうございました。
 私が三里塚現地に登場したのは、1999年の3月28日、親父(故・市東東市さん)の追悼集会です。あれから早いもので10年がたちました。親父の大好きだった言葉があります。「闘魂ますます盛んなり」。この言葉は今でも私の胸の中にあります。
 反対同盟43年、農地死守、軍事空港反対。この考え方はこれからもずっと続く闘いです。ですから反対同盟は、残っている者はわずかですが、心をひとつにして一本になっています。敵の攻撃に対して「来るなら来い」という気持ちでいます。
 ここにお集まりの革共同の皆さま。どうかもう一度力を貸していただいて、空港廃港の勝利までともに闘いましょう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号3面1)(2009/08/17 )

 “オバマ賛美”を撃つ反戦反核の叫び

 8・6広島 麻生来広糾弾に550人

 田母神集会を直撃する怒り

 被爆者・被青同が先頭で闘う

 

(写真 「麻生の式典出席を許すな!」と会場をめざす大デモが広島市街を進んだ【8月6日朝】)
(写真 核武装論者・田母神を徹底糾弾。広島市民も圧倒的共感を寄せた【原爆ドーム前】)

 ヒロシマ大行動に先立ち6日朝、労働者学生が麻生の来広―祈念式典出席を弾劾してデモを行った。主催は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会。
 階級的労働運動の前進と歩調を合わせて、祈念式典弾劾デモは毎年増強されている。今年は550人が決起した。
 デモ隊は、東千田公園を出発し、途中で原発推進の中国電力本社を糾弾して北に進んだ。元安川沿いの道路に入り、原爆投下時刻の8時15分に対岸の平和公園の式典会場に向かって、「麻生の式典出席を許さないぞ」「麻生は広島から出ていけ」「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」の怒りの声をたたきつけた。
 8月1日に秋葉広島市長が、「式典の時間帯でのアピールは音量を絞れ」と、前例のない圧力をかけてきたことが労働者学生の怒りを倍加した。北朝鮮への侵略戦争と核武装、核先制攻撃の権利を主張する麻生を式典に招き入れておいて、何が「平和祈念」「静かに祈れ」か! さらに「オバマジョリティー」などとオバマを全面賛美する秋葉市長本人の言動こそが田母神反革命を引き出しているのだ。
 ”秋葉市長は被爆者、被爆2世の怒りを思い知れ!”と、全国被爆者青年同盟および反戦被爆者の会が先頭で闘った。
 デモに先立ち、午前7時過ぎから東千田公園で決起集会が行われた。反戦被爆者の会会長の大槻泰生さんが全身の力を振り絞って、「被爆への恨みを晴らさなければならない。動労千葉のみなさん、労働者のみなさん、怒りをもってともに闘おう」と呼びかけた。
 さらに被青同の中島健委員長、反戦被爆者の会の下田礼子さん、坂野陽平全学連委員長代行、8・6―8・9実行委代表の三角忠さんがアピールした。各氏の発言に全参加者は奮い立ち、オバマ賛美の大合唱と対決して全力で闘う決意を新たにし、デモに出発した。

 “田母神は広島から出て行け”

 6日午後5時すぎ、ヒロシマ大行動のデモの後、参加者のうち約200人が原爆ドーム前に集合、この日午後6時から行われる田母神講演会に対する怒りの抗議行動に決起した。道路を隔てた会場のメルパルクに向けて、「ファシスト田母神は広島から出て行け!」のシュプレヒコールをくり返した。
 前航空幕僚長の田母神俊雄は、右翼団体「日本会議」主催の「ヒロシマの平和を疑う」と題する講演会を、こともあろうに8月6日の広島にぶつけてきたのだ。そして「再び被爆者を生み出さないために核武装すべき」「憲法9条を破棄して北朝鮮に先制攻撃すべき」というおぞましい話をしようとしている。どうしてこれが許せるか!
 抗議行動では、反戦被爆者の会の下田礼子さん、被青同の中島健さん、被爆3世の広大生・中島敦史さんらが次々とマイクを握り田母神を弾劾した。途中、怒りのシュプレヒコールに耐えきれなくなった右翼が黒塗りの大型街宣車で大騒音とともに突っ込んでこようとしたが、迫力ある弾劾で一蹴された。広島のすべての労働者人民、被爆者の「田母神許さん!」の怒りを体現した抗議闘争によって、敵のもくろみは粉々に粉砕された。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号3面2)(2009/08/17 )

 8・8長崎 “国際連帯で核廃絶を”

 米港湾労働者迎え前夜集会

 8日、原爆投下の日を翌日に控えた長崎の地で反戦反核労働者集会が開かれた。会場の長崎県勤労福祉会館には九州を先頭に全国から105人の参加者が詰めかけ、帝国主義の核政策を労働者の国際連帯で打ち砕く総決起の場となった。司会の青年教育労働者が「今日の集会は帝国主義のトップであるオバマの『核廃絶』のペテンを暴き、麻生もろとも打倒するもの」と第一声を発し、集会が開始された。
 主催者である8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委を代表して、事務局長の三角忠さんがあいさつに立ち、「今年は反核国際連帯の飛躍の年。核兵器への怒りをバネに、総選挙を待たずに麻生を打倒しよう」と呼びかけた。
 続いて元相模女子大教授の吉田義久さんが、「『核の脅威』を作り出しているのは誰か?−オバマ演説・田母神発言・北朝鮮核実験」と題した講演を行った。吉田さんは、米帝の利害をむき出しにしたオバマの核先制攻撃態勢構築を具体的に暴露し、大恐慌情勢のもとでの米労働運動の戦闘的爆発に核廃絶の展望があることを示した。
 ILWUローカル34のホアン・デルポソさんが発言に立ち、戦争動員と排外主義に対して厳しく対決してきたILWUの反戦反核闘争の歴史を語った。そして米軍のイラク・アフガニスタンからの即時撤退要求を貫いて、日本の労働者・被爆者と連帯することを表明した。
 被爆者、被爆2世から怒りにあふれるアピールが行われた。被団協を始め既成の原水禁運動がこぞってオバマ賛美に走っている現実を強く糾弾し、自ら先頭に立って戦争と改憲、民営化と労組破壊の攻撃を粉砕する決意を表した。
 民間労働者は、「核廃絶はオバマではなく労働者の国際連帯でこそ実現できる。動労千葉を先頭に4大産別での闘いで既成の労組指導部を打倒して11月労働者集会1万人結集へ突き進もう。明日の爆心地へ向けたデモへ総決起を」と訴え、闘いの方向を鮮明に示した。さらに、「君が代」不起立を貫き停職6カ月の処分を受けながら全国行脚中の河原井純子さん、物販活動で全国を飛び回る動労千葉の中村仁さん、法大暴処法弾圧と闘う全学連の内田晶理君が次々と発言した。
 最後に、現場からの闘いの報告として、国鉄1047名解雇撤回闘争を最先頭で闘っている国労5・27弾圧裁判被告の羽廣憲さんを始め、九州の自治体労働者、教育労働者、民間の青年労働者が、職場からの決起を11月1万人決起に結実させる決意を次々と表明し、集会の熱気が最高潮に達した。団結ガンバローを三唱し、翌日のデモで麻生を長崎からたたき出すことを確認しあった。
(写真 「オバマ幻想を打ち砕き、労働者国際連帯の力で核廃絶を」。九州が11月1万人結集の先頭に立つことを誓った【8月8日 長崎県勤労福祉会館】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号3面3)(2009/08/17 )

 11月1万決起誓う

 広島/産別交流会に現場の活気

 全戦線で道州制と対決

 5日午後、広島市東区民文化センターで各産別の労働者交流集会が開かれ、全国の闘いの報告と路線・方針をめぐる活発な論議が交わされた。
 国鉄労働者交流集会は、国労兵庫米子支部執行委員・鷲見貢さんの司会のもと、動労西日本・広島支部長、大江照己さんの開会のあいさつを受け会場満杯の熱気の中、青年労働者を先頭にかつてない交流集会として大成功した。09年前半戦の闘いの前進が確信をもって総括され、今こそ動労千葉派の総団結で11月1万決起を実現し、1047名闘争の真の責任勢力として登場することが熱烈に宣言された。
 教育労働者全国交流集会は約100人が参加(写真)。2度目の停職6カ月処分に屈せず不起立を貫く東京の河原井純子さん、広教組青年部組合員、7月に訪米した2人の教育労働者の報告に続き、神奈川の労働者が基調を提起。不起立を軸にした全国的団結の力を確認し、「道州制・教育の民営化粉砕! 青年労働者とともに11月集会1万人結集を実現しよう」と訴えた。最後に青年労働者が次々発言。「青年とつながって11月へ突き進もう」と誓い合った。
 自治体労働者交流集会では、道州制・民営化絶対反対の闘いを貫き、8月下旬の自治労熊本大会決戦を闘い、11月労働者集会1万人結集へ向かう共同の決意が固められた。自治労本部が民主党への政権交代をにらみ、「組合員の利益の追求」を否定、道州制推進、北朝鮮制裁支持、賃下げ、人事評価制度確立、査定給導入などの方針を決めようとしていることが暴露された。戦争協力に踏み切る自治労本部打倒へ機運を高めた。
 郵政労働者交流集会は、広島はじめ中四国の郵政労働者の呼びかけと司会、基調報告で開かれた。11月1万人結集へ向かう全逓戦線の総決起集会となった。とりわけ銀座局(東京中郵)と日逓(郵便輸送)中野の闘いに注目が集まった。さらにJPEX子会社化にともなう一方的な労働条件切り下げ・切り捨ての攻撃に対して小包委託労働者が一斉に決起し、組合結成・団体交渉要求に立ち上がった闘いの報告に大きな拍手が送られた。
 さらに医療・福祉、合同労組、民間交通運輸、金属、電通労働者をあわせて九つの産別交流集会で、熱い討論が繰り広げられた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号3面4)(2009/08/17 )

 青年労働者交流集会 1047名闘争勝利へ

 国鉄労働者の決意に沸く

 「オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会  HIROSHIMA」が5日夕、東区民文化センターで開催され、570人の労働者・学生が大結集した。
 青年自治体労働者の「熱いヒロシマへようこそ!」の第一声で始まった。広島の青年労働者を先頭に、動労千葉の青年組合員、各産別の青年労働者が続々と登壇した。
 特別アピールで被青同の中島健委員長が怒りを込めて「被爆者の存在と闘いを圧殺するオバマ、田母神、麻生、そしてオバマを賛美する体制内勢力を絶対に許せない!」と弾劾した。この怒りが集会全体を貫いた。
 「戦争に突き進む帝国主義は打倒しかない。労働者が権力を奪い、核をなくし社会を運営しよう」(医療労働者の発言)。資本主義の改良ではなく打倒が問われていることを鮮明にさせた。
 広島連帯ユニオンの青年労働者が基調報告を行い、「戦争と大失業の時代に闘う労働組合をつくりだし、資本と非和解に闘うことが、労働者の生きる道だ」と訴えた。
 8・6ヒロシマの党派闘争は労働運動をめぐる大決戦だ。資本・権力、右翼ファシスト、連合から日共までの全勢力が北朝鮮への排外主義で戦争をあおっている。国鉄、自治体、教労、全逓の4大産別の労働組合の転向攻撃だ。これとの攻防に勝ち抜くために「解雇撤回と民営化絶対反対で闘う国鉄1047名が中心となって闘いを呼びかければ、すべての労働者の怒りを集められる。この力で11・1労働者集会への1万人結集をかちとろう。一切の責任を取る労働運動のリーダーとなろう」と方針を示した。
 国鉄の青年労働者3人の決意表明は、会場全体を奮い立たせた。
 動労千葉の青年労働者は、「動労千葉を青年と接触させないために、JR資本は組合員のベテラン労働者を交番検査から外し安全よりも動労千葉つぶしを優先している」と怒り、「勝利の展望は組織拡大の一点にかかっている。外注化攻撃と闘わない東労組とどっちが正しいのかを職場の仲間に示し、動労千葉に結集させたい」と発言。
 動労西日本の青年労働者は、民営化攻撃で破綻しているJR職場を弾劾した。1年ごとの契約更新で5年たてば解雇、仲間同士で勤務態度調査を強制させるなど、まったく尼崎事故を反省しないのがJR資本だ。しかも体制内指導部はその手先となっている。「冗談じゃない!」。今年3月、ついにストライキに決起した。職場の反応も上々だ。「動労千葉のように闘い続け、動労西日本を拡大し、JR体制を打倒する」と述べた。
 国労の青年労働者は、「国鉄1047名解雇撤回闘争こそ全労働者の展望だ。青年の怒りと動労千葉派・国労5・27弾圧粉砕闘争が結びつけばJR資本をぶっとばせる。革同・日共打倒の闘いに打って出る」と一語ずつかみしめるように決意を語った。
 全逓労働者は、民営化絶対反対の闘いがJPEX出向攻撃の中で職場の決起へと結びついたことを報告。
 国鉄・全逓を先頭とする”絶対反対”の闘い、国鉄・4大産別決戦を結集軸として全国の職場生産点からの闘いが大結集する集会となった。広教組、自治体、日本機械労組、医療、合同労組の青年労働者、学生の発言が続いた。沖縄からも青年労働者がアピールに立った。
 全発言に貫かれていたのは、大恐慌時代に、道州制・民営化に絶対反対で団結して闘うという確信だ。職場生産点の闘いの実践を土台にした階級的労働運動路線こそが8・6ヒロシマの党派闘争をぶち抜く原動力となった。これが大恐慌を核戦争で突破しようとするオバマ賛美の大反動を完全に吹き飛ばした。
 青年を先頭に11・1労働者集会へ大組織戦がスタートした。職場で組織しぬいて1万人結集を! 
(写真 明日の朝デモとヒロシマ大行動へ。そして11月1万人へ! 青年労働者を先頭に職場から組織をひたすら実践する決意を固めあった【8月5日 東区民文化センター】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号3面5)(2009/08/17 )

 学生集会 暴処法弾圧に反撃

 法大生が感動的アピール

 5日夕方、広島市東区民文化センターで全国学生集会が大成功した。日帝国家権力はこの間、「08年12月10日の暴処法違反事件」なるものを理由に車両捜索を行っており、新たな暴処法弾圧が狙われる緊迫した情勢下において、全国の闘う学生たちは怒りを倍加させてヒロシマの地に結集した。
 集会冒頭、ILWUローカル34のホアン・デルポソさんが、一連の法大弾圧を激しく弾劾した上、「11月に会おう!」と11月集会を熱烈にアピールした。
 基調報告は全学連の深田力君が行った。「新たな暴処法弾圧を絶対に許さない。『事件』とされた昨年12月、われわれは文連の仲間たちに対する処分粉砕闘争を激しく闘いぬき、圧倒的に団結した。団結と組織を破壊することが暴処法の本質。だからこそ9月の全学連大会、そして11月集会に、何人の学生を結集できるかが勝負だ。勝利を数の力で示そう」
 続いて、広教組青年部の労働者が連帯アピール。「今年は研修を拒否して8・6闘争に決起します。全学連の織田君は以前、『教育の民営化を語りきれば勝てる』と言っていたが、そのとおりだ。『グローバル競争に勝てる子どもを育てる』研修なんてぶっ飛ばして当然だ! 労学一心同体で8・6を闘い、11月1万人結集へ!」
 さらに暴処法弾圧反対共同声明を呼びかける動労千葉の川崎昌浩特別執行委員が連帯アピール。「11月1万人結集を実現すれば必ず情勢は動かせる。自民党支配の崩壊で4者4団体路線も破産しました。この時代、実力をもって闘わないところには労働者も学生も集まりません。法大闘争は労学を引きつけています」
 集会のハイライトは文化連盟の発言だ。新たな弾圧が狙われる緊張の中、4人の法大生が堂々登壇しアピールする姿は実に圧巻。洞口朋子さんの「新たな暴処法弾圧を絶対に打ち破ろう! 昨年12月の闘いは、処分粉砕闘争を通じて本当に団結を形成した闘いでした。増田総長が『自由と進歩』などと語っている。絶対に許せない! 300万学生の中に闘う旗を打ち立て、結集を呼びかけます。8人の仲間を奪還しましょう!」というアピールに、万雷の拍手が送られた。
 東北大、京都大、大阪市立大、富山大の決意表明に続き、初参加者が発言。最後に広島大の安藤聡男全学連副委員長がまとめの提起を行い、暴処法弾圧を粉砕し9月全学連大会から11月1万人結集へ、全国学生の固い決意と団結が確認された。
(写真 全学連大会から11月へ! 暴処法弾圧が全参加者の闘志に火を付けた【5日 東区民文化センター】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号4面1)(2009/08/17 )

 “次は11月に日本で会おう”と固く誓う サンフランシスコ国際会議が大成功

 社会主義をめざす労働運動の胎動

 動労千葉の訪米報告から 大恐慌と闘う国際連帯が前進

  (写真 ゼネスト75周年を記念し波止場をデモする各国訪米団【7月5日】)
  09年7月初め、サンフランシスコで「ゼネスト75周年・国際労働者会議」が開催された。この会議のきっかけは、08年11月労働者集会と09年3月の動労千葉30周年記念レセプションでの議論だった。動労千葉と米ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10、そして韓国・民主労総ソウル本部との間で、「大恐慌が世界をおおう今、労働者と労働組合はいかに闘うべきか」をめぐって真剣な議論が行われた。誰もが労働者の国際的団結と戦闘的労働組合の世界的な新潮流を切望した。そのようななかで、アメリカの仲間から、歴史的な34年ゼネストから75周年を迎えるサンフランシスコでの会議開催が呼びかけられた。動労千葉はそこに十数人の大代表団を送り、画期的な成功をおさめたのである。そして、『世界に翔びたとう10 サンフランシスコ国際労働者会議 動労千葉の訪米報告』(写真)を発行した。訪米闘争の様子が実に生き生きと伝わってくるパンフだ。今回の本紙報道は、このパンフや訪米団内での討論に基づいている。また、同時期に訪米した教育労働者の報告も、同パンフ掲載の米山良江さん(東京教組「君が代」処分被解雇者)によるサンディエゴルポを要約したものである。   

(写真 【左】1934年7月、「血の木曜日」に抗議して港湾労働者がサンフランシスコでデモ。先頭はハリー・ブリッジス。【右】ゼネスト激戦地・エンバルカデロをデモするILWU組合員【5日】)

 7カ国の労組が参加

 7月2〜7日、動労千葉の田中康宏委員長、君塚正治副委員長、動労千葉国際連帯委員会の山本弘行事務局長をはじめとする動労千葉訪米団は、アメリカ・サンフランシスコを訪問し、同地で開かれた国際労働者会議に参加した。同会議は、ILWUローカル10、同ローカル34、TWSC(運輸労働者連帯委員会)が主催したもので、サンフランシスコゼネスト75周年を記念するレイバーフェスタ(労働者祭)の一環として行われた。その呼びかけ文は次のように言っている。
 「サンフランシスコゼネストの教訓とは、労働者がきちんと学び組織されそして闘いの構えが出来ているならば、資本、警察や政府を打ち負かすことができる団結した力を有しているということだ。恐慌が全世界を巻き込んで進む今日、私たちはこの闘いの教訓を新たにし、世界中の労働者が自らを守り闘い抜く戦略と戦術を獲得していかねばならない。これは権力奪取にかかわる闘争であり、労働者と労働組合は、この経済的・政治的襲撃と対峙するために、私たちの基本的権利を防衛していくべく、その方針と戦略を必要としているのだ。今日の世界恐慌は、世界の労働者階級にその死活を問うものとなっている」
 これは事実上、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化すべく各国プロレタリアートは階級的に武装せよと訴えている。実に高い階級的水準だ。
 この呼びかけに応えて、今回の国際会議には全世界から7カ国の戦闘的な左派の労働組合代表・活動家が参加した。アメリカのILWUローカル10、34、日本の動労千葉、韓国の民主労総ソウル本部、トルコの進歩的医療労組、ブラジルの全国闘争連盟(コンルータス)、フィリピンのフィリピン航空地上職労組、イタリアの港湾労組だ。
 今回の訪米では、ビッグストライキ75周年を記念した1200人余りの集会、ゼネストの激戦地になった波止場を通るデモ(5日)を頂点に、争議中のハイアットホテルへのピケ行動(同)、サンフランシスコ・エイト(SF8、40年近くも前の殺人事件容疑でデッチあげ起訴された元ブラックパンサーのメンバー8人)支援闘争としての裁判所前ピケ行動(6日朝)などさまざまな闘争が取り組まれた。それらをはさみながら、毎日毎日かつてなく突っ込んだ討議がなされた。その全過程をとおして、動労千葉の国際連帯活動はこれまでにない画期的な前進をかちとったのである。

 動労千葉に各国共感

 第一は、動労千葉の国鉄分割・民営化反対の闘いと道州制決戦、法大弾圧との闘い、そして国際連帯の取り組みが世界の階級闘争において中心的な位置を占めていると各国が受け止めたことだ。
 それはやはり、戦争と民営化、労組破壊との闘いが世界の労働者階級にとって共通の焦眉(しょうび)の課題としてあり、それと体を張って真っ向から切り結んでいる動労千葉・日本階級闘争に各国が強く共感したからにほかならない。このことは、後述するように動労千葉提起の決議が今回の国際会議の唯一の合意事項になるという実に貴重な成果を導き出した。

 同じ思いをもつ仲間との出会い

 第二は、トルコやブラジルなどのように、きわめて困難な状況のなかで必死に社会主義をめざし、闘う労働組合の結集に全力を尽くしている新しい仲間に出会うことができたということだ。
 トルコからは、DISK(ディスク・進歩的組合連盟)という左派のナショナルセンターに加入している進歩的医療労組の書記長が参加した。1970年代に、政府の弾圧に抗して、20万人のストライキで社会主義と革命をめざす運動として飛躍したこと、1980年の軍事クーデターで12年間活動停止となり、1992年に再び活動を再開したこと、政府によるクルド人弾圧問題、民営化・非正規職・失業問題などを真剣に訴えた。
 ブラジル代表は、コンルータスという組織に所属する銀行労組の活動家だ。体制内派のナショナルセンターの支配に抗して、2003年に数百の労組を結集して全国組織をつくりあげたことを報告し、「万国の労働者、団結せよ」と訴えた。
 また、フィリピン代表(フィリピン航空地上職労組委員長)からは、「JR総連が体制内派的な分裂組織に資金援助してフィリピンに民営化を輸出しようとしている」ことが明かされた。「その分裂組織はフィリピン政府から金をもらっている。JR総連はドロボーだ」と。
 アメリカからは「反戦の母」シンディー・シーハンさんが切れ味鋭い発言。「労働組合が民主党支持という政策と手を切り、ランク&ファイルの労働者が立ち上がらないかぎり何も変わらない。問題は階級闘争です。搾取する階級をやっつけよう。いんちきな連中をたたきのめせ!」
 日韓米を基軸に、本格的な労働者国際連帯の新たなスタートラインに立ったのだ。他方、現場とまったく乖離(かいり)した発言が地元アメリカのトロツキスト系の小党派の活動家に目立った。結局、会議日程全体をとおして、「動労千葉が資本と非和解で闘い現場の団結を一切の土台にすえてきたことは、間違っていなかった」「国際的にも普遍的に通用するんだ」と田中委員長ら一行は確信を深めたという。これが第三のポイントである。

 動労千葉決議が満場一致で採択

 最終日6日には、動労千葉が提起した決議が会議全体の唯一の合意事項になり、満場一致で採択された。決議の内容は、@国鉄1047名闘争支援(「解雇撤回・原職復帰」)、A法大での学生弾圧粉砕(「8名の学生の即時釈放」)、B国際的な共同行動の日として日本の11月労働者集会への結集を各国で呼びかける、の3点だ(全文は本紙2401号3面、動労千葉訪米報告パンフに掲載)。
 この決議によって、09年11月労働者集会への大々的な国際的結集の扉が広く開け放たれた。

 世界動かす11月集会

 ILWU組合員の巨大な潜在力

 5日に行われたビッグストライキ75周年の集会とデモでは、ILWUという労働組合のもつものすごい潜在力、可能性の大きさを感じさせられた。集まってきた組合員はみんな本当に誇り高い組合員たちだ。
 「75年前、2人の組合員が警察に射殺された『血の木曜日』を忘れるな」と、二つの棺(ひつぎ)を先頭に、ゼネストでかちとったハイヤリングホール(組合管理の雇用事務所)のあるILWUローカル10本部までデモをした。75年前の闘いが今も労働者の誇りとして脈々と生きている。
 そこの大ホールでは、千数百人分の食事が用意してあり、家族や子どもたちも集まって大パーティーが催された。特設舞台では歌とバンド演奏、ダンスが披露された。会場全体の熱気と活気には底知れないパワーが秘められている。
 11月集会に参加経験のある組合員たちが、動労千葉訪米団を見つけて次々と声をかけてくる。大恐慌のために貿易が縮小して港で扱う荷が激減している。賃金が3割もカットされている。ILWUも苦闘の中におかれている。組合執行部は明確な闘う方向を出しきれていない状況だ。逆に、ランク&ファイルは明確な路線や方針があれば、34年の時のように、アメリカ革命の力強い主体として爆発的な力を必ず発揮していく。実際、去年のメーデーでは、イラク・アフガニスタン戦争に反対して米西海岸全港湾を反戦封鎖するという歴史的な決起を実現したではないか。
(写真 動労千葉訪米団がハイヤリングホールでILWU組合員たちと感動的な再会【5日】)

 体制内勢力倒し労働者党建設を

 今回結集した各国の階級闘争を見ても、体制内労働運動との対決という問題で共通している。現在の大恐慌情勢の中で既成の労組幹部の総屈服が進行する一方で、現場の怒りが沸騰している。会議に参加したのは、みな明確に社会主義者だった。階級的・戦闘的労働運動の国際連帯を強力に求め、労働者の党が必要だと強調していた。マルクス主義、社会主義、労働者の党をみな求め、動労千葉の階級的労働運動に大いに期待している。
 ここで動労千葉を軸とする11月集会への1万人結集を実現したら、国際的な労働者の団結をつくり、世界単一の革命的な労働者党を建設していく巨大な流れが形成される。もちろん、それは日本の労働者階級に対しても、自民党支配が歴史的に崩壊し、民主党も労働者を裏切っていく状況の中で、「ここに団結する結集軸がある!」という鮮明な旗印をはっきりと示すことを意味している。今年の11月がそれだけ大きな意味をもってきているということだ。

 11月1万人決起で闘う方向示す

 5日の大ホールで動労千葉訪米団は、ILWUの仲間たちから「今年の11月は行くよ」「家族も連れて参加するよ」と次々に声をかけられた。日本の11月集会が世界の闘う労働組合の結集軸であることを示した瞬間だ。今回知り合った各国の仲間たちのなかには、すでに11月への参加を約束している仲間もいれば、その後、参加を打診してきている仲間もいる。「11月集会は国際的にもすべてを動かしていく火花……ここに火がついて燃え広がったときに世界を変えることができる」(君塚副委員長)
 韓国の仲間たちが世界の労働者の先頭を切るような闘いを展開しているなか、動労千葉と民主労総が中心になって世界を動かす。09年11月1万人結集の壮大な展望がわれわれの前にある。11月労働者集会への1万人決起を、プロレタリア世界革命への出撃拠点を築く闘いとして絶対に実現しよう。「組織、組織、また組織」の大決戦にいよいよ全面的に突入しよう。
---------------------------------
サンフランシスコゼネラルストライキ(ザ・ビッグ・ストライキ)
大恐慌下の1934年2月、ILA(国際港湾労組)の西海岸の支部は、サンフランシスコに集まってランク&ファイル(一般組合員)大会を開き、賃上げ・労働時間の短縮・ハイヤリングホール(雇用事務所)の組合運営を要求。特にシェイプアップ制(整列選別雇用)という不安定な日雇い制度の廃止を求め、ハイヤリングホールの獲得を闘争の目標にした。だが、要求は受け入れられず、5月9日に西海岸の全港でストライキに突入。警察、自警団は労組側を襲撃、何度も激突した。特に7月5日にピケットを襲撃した警官隊は2人の労働者を射殺(「血の木曜日」)。これが労働者の怒りを呼び起こし、海運・港湾以外の労働組合もが次々ストライキを決議し、十数万人のゼネラルストライキへと発展した。
当時、ILA本部が任命する専従役員の支配に対決して、ランク&ファイルの闘いを組織したのがハリー・ブリッジス(1901〜90年)だ。37年にはILAから西海岸各支部を分離、ILWU(国際港湾倉庫労組)を結成、長くその委員長を務めた(37〜77年)。
ハイヤリングホール
組合員全員によって民主的に選出された「ディスパッチャー」(派遣員)が、すべての組合員に就労を割り当て、それぞれの波止場に派遣する制度。34年ゼネストを契機に37年にかちとった。今でもILWUの誇りになっている。

---------------------------------
(写真=報告パンフ 発行・注文先/動労千葉 TEL.043-222-7207 FAX.043‐224‐7197 頒価/400円)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号4面2)(2009/08/17 )

 教労、サンディエゴで交流

 解雇と闘う米教組

 

(写真 【左】UTLAの現場活動家たちと活発な交流会【7月3日】 【右】NEA大会。オバマの教育政策にボードで抗議【2日】)

 サンディエゴでの3日間は、実に感動的な毎日だった。7月1日の晩、アーリーンさんが私たちが泊まっているホテルに来てくれて、ロビーで再会を喜び合った。すぐにNEA(全米教育協会)大会の代議員が宿泊するホテルに行き、そこで9人くらいの代議員を紹介された。
私が特に印象的だったのは、ベティ(UTLA=ロサンゼルス統一教組本部書記長)とスティーブ(UTLA人権委員会委員長)。2人には英語版『俺たちは鉄路に生きる2』、法大DVDをプレゼントした。学生が作ってくれた檄布(げきふ)を手渡すと大喜びしてくれた。
2日朝。アーリーン、ベティ、スティーブの尽力で入場証を入手して、NEA大会会場へすんなり入ることができた。おそろいのTシャツを着て、カリフォルニアの代議員席にいっしょに座って、午前中の議事を傍聴。
来賓で招かれた教育長官のダンカンに対する発言のほとんどがオバマ政権のチャータースクール推進、成績給導入に反対するものだった。とくに、闘っているカリフォルニア州代議員の立場は鮮明だ。
3日夜、アーリーンと再合流。フィッシュマーケットの食堂で6時半から10時頃まで交流会が続いた。26人もの活動家が 次々に集まる。みんな私たちの闘いをよく知っていて、名刺を渡すと「ヤアヤア」と抱きついてあいさつされた。アーリーンたちが日本の不起立闘争について仲間にしっかり伝えてくれていることがよくわかった。
参加者はみんな一様に明るい。大量解雇攻撃と組合ぐるみ闘っているからだろう、その先頭で闘っている誇りがあるからだろうと考えながら、生き生きしたみんなの顔を眺めていた。なかでも、学力テストを粉砕した若い活動家セシリーがとにかくエネルギッシュ。彼女は11月集会に来たいと言っている人だ。
今回の訪米をとおして、アーリーン、ソティアとの絆(きずな)が強くなったことが最大の成果だ。同時に大きかったのは、2人が組織しているUTLAの執行部や地区幹部、分会長などを担う、ランク&ファイルの活動家たちと知り合えたことだ。また組織づくりのために、若い活動家を育てるために、2人が国際連帯を位置づけていることもよく理解できた。
日本に帰ったら、アーリーンから勝利の報告が届いていた。NEA大会で「日の丸・君が代」の強制と処分に反対することを盛り込んだ「世界中の教師と教師の自由を支持する特別決議」を採択させたのだ。彼女の奮闘に応える闘いを実現したいと思う。
(米山良江)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号5面1)(2009/08/17 )

 “次は11月に日本で会おう”と固く誓う サンフランシスコ国際会議が大成功

 各国の発言 サンフランシスコ国際労働者会議(7月6日)

 アメリカ 組合官僚を打倒し、団結し闘えば必ず勝利できる ILWUローカル10 ジャック・ヘイマンさん

 今日のテーマは、「過去の闘いから現在の闘いへの教訓を学ぶ」です。
 3日の1934年サンフランシスコゼネスト記念学習集会で、あのゼネストは、腐敗した組合指導部に対するランク&ファイル労働者の反乱であり、その結果として団結がかちとられたということが明らかにされました。それは組合幹部と政府に立ち向かう団結でした。われわれが34年のストライキから学んだことは、組合官僚というものは組合員を攪乱(かくらん)し、資本と闘うことを妨害するということです。
 われわれは現在、当時と同じ状況にあります。問題は、1929年に資本主義が死にかけたということではなく、インターナショナルが死んでいた、ということです。
 去年のメーデーで起こったことは重大な意義を持っています。アメリカ史上初めて労働者が西海岸の全港湾を封鎖した。実際にはストライキです。帝国主義の戦争を止めるための職場・生産点での初めての闘いでした。
 われわれローカル10は、07年10月20日、戦争阻止のための労働者会議を開きました。会議には動労千葉やその他多くの国からの労組代表が参加しました。そこでわれわれが決定したことは、組合の現場にもどって、労働者が職場=生産点で持っている力を発揮させ、行動を組織しようということでした。ILWUはそれを実行したのです。
 このレベルにとどまらずわれわれがやるべきことは、港湾労働者の枠を越えて移民労働者を大量に組織化することです。アメリカの港湾トラック運転手の大部分は移民労働者です。しかし港湾のトラック運転手は、規制緩和の結果、ほとんど組合に入っていません。
 ILWUにも、他の組合と同様、組合官僚は存在します。ビジネス・ユニオン官僚です。彼らは会社と結託して労資協調路線をとり、政府と結託してTWIC(港湾労働者身分証明カード)のような新たな規制に協力しています。
 また彼らは、ランク&ファイルが組合会議で決めた決議に枠をはめようとしました。この決議は、イラクとアフガニスタンからの即時撤兵を要求していましたが、組合官僚はアフガニスタンからの即時撤兵の項目を削除しようとしたのです。しかし結局のところ、そうはさせませんでした。
 1934年ゼネストの教訓は何か。労働者が階級闘争的基礎において団結し、組合官僚をのりこえ、打倒して闘うならば、資本と権力との闘いに必ずや勝利することができるということです。

 日本 国際連帯の基礎は自らの職場で組織化することだ 動労千葉委員長 田中康宏さん

 ILWUが信念としているランク&ファイルの組合員への絶対的な信頼というのは、私たちの組合員が同じく信念としてきたことです。
 私たちは22年間、国鉄の分割・民営化を認めずに、ずっと闘いを続けています。私もこの民営化で解雇された労働者ですが、22年間闘いを続けてこられたのは、組合員が本当に家族のように団結をしてくれたからです。私がこの間、闘いで学んだことは、労働者は団結をした時には、解雇も恐れずどんな弾圧も恐れず闘い続けることができるということです。
 私たちは、この闘いの後、闘いをもっと広げました。鉄道という枠を越えて日本の全国の現場の労働者の活動家たちを結集して、労働運動をもう一度再生する組織をつくりました。
 労働組合が最も闘わなければいけない時に、ほとんどの多くの労働組合が労資協調派に転落し、闘えなくなっていく。この現状こそ、僕らが打破しなければいけない問題だと思っています。
 今、日本では大恐慌のもとで労働者に対する重大な攻撃が激しく襲いかかるとともに、北朝鮮をめぐって戦争の危機が高まっています。日本政府とアメリカ政府によるこの危機を止めることができるのも労働者の団結した力、これを許してしまうのも労働者です。だったら私たちは、これを止める団結した労働者の力を日本で登場させたいと願っています。
 法政大学をめぐる状況がこの間激変したのも、労働者に対する大変な攻撃や社会的な反動が急速な速度で進行していることを示すものです。
 労働者にはこうした国際連帯が絶対に必要です。それ抜きには今の情勢に立ち向かうことは絶対にできません。その基礎は、一番困難な自らの職場で同志を組織する、自らの職場で本当に組合員の団結を組織する、この課題に挑戦することだと思います。問われていることは、社会主義をめざす労働運動への変革です。
 私たちは、韓国の民主労総の同志たちを心から尊敬しています。というのは、今日80万人の組織である民主労総は、新自由主義攻撃まっただ中の1995年にナショナルセンターとして立ち上げ、世界全体の労働運動が後退を続ける過程で、世界中の労働運動の先頭に立っているからです。
 私たちは、ILWUの同志たち、民主労総の同志たちとともに闘えたことを心から誇りに思います。これからも私たちは永遠に闘い続けることを誓います。

 韓国 民主労総は労働者の闘争と変革の軸として再び立つ 民主労総ソウル地域本部指導委員 イジェヨンさん

 今、朝鮮半島は戦争の暗雲が立ちこめています。帝国主義による侵略戦争の可能性が急速に高まっています。
 オバマ政権は、世界の資本主義が恐慌に陥れば陥るほど、侵略的にならざるをえません。イラン大統領選挙を契機に内戦を誘導しており、ホンジュラスの軍部クーデターも米国と無関係ではありません。北朝鮮に対しては、戦争をとおした体制転覆を狙っています。そこでの日本の支配階級の役割も重大です。
 韓国経済は世界資本主義経済に深々と組み込まれ、大恐慌の余波をもろに受けています。08年第4四半期にはマイナス20%成長へと経済が縮小しました。このようななかイミョンバク政権は、〈内に向かってはファシズム、外に向かっては帝国主義覇権勢力の下位パートナー>という亜帝国主義化によって切り抜けようとしています。すでに「海賊退治」を名目にソマリア派兵を行い、アフガニスタン派兵も検討しています。
 こうした厳しい情勢のもと、民主労総は変革性・戦闘性を喪失し危機に直面しています。この10年以上、賃金・団体協約闘争中心の組合主義的実利主義にとどまっており、全労協時代の変革指向は「社会改革」へと後退しました。1600万労働者階級の代表ではなく正規職組織労働者中心の運動になっています。
 一方、貨物連帯が果敢に闘っています。運輸労組貨物連帯は6月11日、ストライキに突入しました。大韓通運と交渉を行い、「解雇組合員の原職復帰」など生存権要求については合意に至り、組合は認めなかったものの、合意書の署名主体に「貨物連帯」という4文字を明記させ、貨物連帯のストライキ闘争は終結しました。
 私は、マルクスが150年前に訴えた「万国のプロレタリア、団結せよ!」こそ、今の情勢において主要な実践になるべきだと考えます。今こそ労働者階級の国際連帯の強化が切実に求められています。恐慌と帝国主義戦争に立ち向かう反戦・反帝国主義・国際連帯の強化に向けてともに闘っていくため、今回の国際労働者会議は出発点になるものと考えます。
 最後に、労働運動が急進化・政治化してこそ恐慌と戦争の突破は可能であり、反イミョンバク・反ファシズム闘争へと打って出ることこそ、労働者階級の現下の任務だと考えます。そのためにも、民主労総が韓国労働者階級の闘争の軸、変革の軸として再び立ち上がっていきます。

 フィリピン デモとストを打ち抜いて動労千葉のように闘う フィリピン航空地上職労組委員長 ゲリー・リベラさん

 私はマンガガワ党という名のフィリピン労働党に属しています。フィリピンは小さい国ですが、政治意識は高く、さまざまな政治的・経済的危機をめぐって普通の大衆がその政治過程に積極的に参加しています。
 フィリピンでは政治腐敗がものすごく、特にエストラダ前大統領のもとで腐敗が深まりました。そのため経済状況も悪化し、通貨の価値も下がっています。
 労働者の状態についてですが、フィリピンの人口は9000万人で、うち3分の1が労働者です。組織率は10%です。失業は400万人で、うち50万人が労働組合に組織されています。このフィリピンの労働人口のほとんどが契約労働者です。
 フィリピン労働者を苦しめている真の原因は資本主義体制そのものです。資本主義諸国は、利害を対立させつつも結束しています。問題は、労働者が国際的な団結組織をもっていないことです。「労働者の組織」と称するものは、どれも帝国主義と企業の利益を代表しており、労働者を代表するものではありません。政党も同じです。
 生産と通商の歴史的な衰退が起きています。農・林・漁業部門は収縮し、輸出総額も急落しています。フィリピン政府は輸出特区を制定し、自由貿易区域に外資を大規模に導入しています。この区域では組合の結成が許されていません。
 フィリピンでは失業が死を意味します。失業しても補償がなく、医療を受けることも困難です。労働力を輸出せざるをえない状況です。しかしわれわれは、動労千葉のように断固闘争を続けています。首都マニラに次ぐ都市・セブでわれわれ労働党の仲間が中心となってストライキを打ち抜きました。今デモをやっています。このストライキは自由貿易区域での初のストライキです。

 イタリア 大恐慌の中で生きる港湾民営化反対闘争の教訓 ジェノバ港湾労組 ピエトラサンタ・マルコさん

 私たちイタリアにも労働者の闘いの伝統があります。サンフランシスコゼネストと同じ年に、イタリア労働者もファシスト・ムッソリーニの支配に対して闘ったのです。
 80年代に世界的に行われた、全産業にわたる生産組織の大規模再編の結果、規制緩和が開始され、港湾も激変しました。機械とコンテナの大規模な導入や労働条件の変化です。
 これに対してCULMV(荷役労働者統一組合)の港湾労働者が決起し、ストライキを含む激しい闘争が行われましたが、イタリアの労働組合全国組織も既成政党も、この闘いを支援しようとせず、CULMVは孤立しました。
 92年、港湾の規制緩和・民営化を促進する法的措置がとられ、イタリアの全港湾をすべて同じ条件のもとに置き、民間企業に明け渡す流れが強まりました。94年以降、ジェノバでも、民間会社が直接、港湾労働者を雇うことができるようになってしまいました。こうして港湾は細分化され、分断され、六つもの異なった契約形態が存在することになりました。その結果、港湾労働者の賃金は低下し、新規採用の青年労働者は異なった雇用条件のもとに置かれるようになりました。
 今回の世界恐慌で港湾の作業はほぼ半減しました。現在、世界大恐慌のただなかで共産主義、革命、インターナショナルについての議論が始まっています。『資本論』を読めという声が高まっている一方、「マルクス主義は幻想だった」などと言う人がいます。
 しかし私は、共産主義は夜明けを迎えていると思います。労働運動は拡大しており、不満をもった青年たちの数は増えているからです。ともに闘いましょう!

 トルコ 労働者階級を中心とした団結のみが未来切り開く 進歩的医療労働組合書記長 トゥファン・セルトレクさん

 私たちは、1967年に設立された闘う独立ナショナルセンター、DISK(ディスク=進歩的労働組合連盟)に所属する進歩的医療労働組合です。DISKは1970年代、政府の労組弾圧法に20万人のストライキで闘うなかで、社会主義と革命をめざす運動へと飛躍をとげました。そのようななか、私たち進歩的医療労組は1973年に結成されましたが、1980年の軍事クーデターによって12年の間、組合活動禁止となりました。DISKの全指導者は、逮捕され拷問され懲役を言い渡されました。
 活動を再開できたのは92年になってからです。そのころ、すでに民営化攻撃が全面化していました。当時、同じ病院で働いている看護師の中には、政府の公務員と、民間下請け会社からの派遣労働者がいました。非正規職労働者は、すぐに首を切られてしまったり、下請け会社が武装マフィアの経営だったりして、組織化が非常に困難です。
 しかし私たちは、病院で働くすべての労働者を組織しようと決意しました。法的には、私たちが組織できるのは医療労働者(看護師、医療専門職、医師など)だけです。しかし、調理、清掃、病院事務、リネン、コンピューター関係など、病院で働くすべての労働者が私たちの仲間です。
 「組合とは賃金闘争のために存在している」という考え方がありますが、私たちは全面的に反対です。労働組合は、労働者階級が経済闘争と政治闘争を展開する一つの重要な場です。
 トルコ共和国の設立以来、クルド問題は無視抹殺され、トルコへの同化政策がとられてきました。たび重なる決起はじつに残虐な形で弾圧されてきました。また私たちは、トルコが帝国主義によるイラク、イラン、シリア侵略の手先になることを拒否します。
 労働者階級を中心とした人民の団結した運動のみが、未来を切り開く決定的な武器です。ともに闘いましょう。

 団結し労働者の力で港湾を止め戦争をやめさせよう 米「反戦の母」シンディ・シーハンさん

 私は言いたい。労働組合が民主党支持という政策と縁を切らないかぎり、そしてランク&ファイルの労働者が立ち上がらないかぎり、何も変わらない。これをわれわれが自覚しないかぎり何も変わりません。
 問題は階級闘争です。搾取する階級と搾取される階級の問題なのです。労働組合に属していようがいまいが、社会正義をめざしていようが、平和運動をやっていようが、搾取されている階級として団結すべきなのです。
 一部の労働組合の卑屈な指導者たちは、民主党の政権を維持するために躍起になっています。彼らは私たちの害になるだけです。労働組合は「自由貿易協定クソ食らえ」と言わなかった。自由貿易協定は、アメリカの労働者から職を奪うだけでなく、世界中の労働者を苦しめているのです。
 ILWU本部の元委員長、ジミー・ハーマンの言葉を引用します。「港を数時間止めることはできるが、それでは何も変わらない。変わるまですべてを止めよう」。本当に労働者の力で港湾を止め、戦争をやめさせよう! アフガニスタンとイラクから軍隊を撤退させるまですべてを止めよう! 搾取する階級をやっつけよう! いんちきな連中をたたきのめせ!

 ブラジル 国際連帯前進へ、もっと組織し第2回国際会議を コンルータス(全国闘争連盟) ファビオ・ボスコさん

 私は、労働組合の全国的連合体であるコンルータス(CONLUTAS=全国闘争連盟)の代表として来ています。
 ブラジルの代表的な労組組織CUT(労働者中央同盟)とFC(組合の力)は、ルラ政権のもとで労資協調主義に陥っています。ルラ大統領は30年来、この国の最も重要な労働運動指導者でしたが、彼は政権に就くや、金持ちと銀行のための政治をやりだしたのです。
 コンルータスは、年金削減に反対する公共部門労働者の40日のスト(03年)を支援するために、翌04年3月に結成されました。同年5月の第1回労働者階級全国大会には2729人の代議員、235人のオブザーバー、529の労組・団体から268人のゲストが参加し、文字どおり労働者の全国組織になりました。
 コンルータスは、譲歩によって職は守れないと考えています。われわれは公的資金を銀行や企業に注入することにも反対しています。公的資金は、公教育、医療、社会保障などの改善に使われるべきであり、資本家どものために使われるべきではありません。
 われわれはランク&ファイルの民主主義を追求しています。労働組合は、労働者が社会を運営する方法を学ぶ学校であるべきだと考えているからです。組合を運営できれば、社会と世界を運営することができるようになるからです。
 ブラジルでいま最も注目すべき闘争はGMの闘いです。ブラジルで起こっていることは、アメリカの自動車産業でも見られないレベルです。
 われわれはまた国際連帯の活動に力を入れています。昨年、ラテンアメリカ諸国の労働団体とともに、ブラジルでラテンアメリカ・カリブ海諸国労働者連帯会議を行いました。
 さらに、ハイチからブラジルの軍隊を撤退させるべく闘っています。われわれブラジルの労働者人民にとって、ハイチ人民に対する抑圧と搾取は最も恥ずべきことです。 動労千葉が教えてくれたように、国際連帯の重要な一歩が始まりました。動労千葉から決議案が出されました。私はこれを支持します。
 一定の時間をおいて、もっと多くの人と組織を集めて第2回の会議を開きましょう。それは国際連帯をつくりだすうえで重要な前進となるでしょう。マルクスが『共産党宣言』で述べた言葉、「万国の労働者、団結せよ!」を実現するためにともに闘いましょう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号6面1)(2009/08/17 )

 本部打倒こそ現場組合員の声 自治労熊本大会決戦へ

 自治労本部は道州制推進と北朝鮮制裁支持へと大転向

 革共同自治体労働者委員会

 自治労第81回定期大会は、大恐慌と大失業・戦争の情勢下、自治労を丸ごと産業報国会化に引きずり込む歴史的な大会となろうとしている。現場労働者の怒りで焼き尽くし、自治労本部を打倒しよう。4大産別決戦の帰趨(きすう)をかけ、自治労熊本大会決戦(8月25〜28日)から11月労働者集会1万人結集に攻め上ろう。

 勝負は11月1万人結集だ

 自治労本部は、ついに道州制・民営化翼賛と戦争協力の立場に公然と立った。大会議案で「組合員利益の維持・向上のみを求めるこれまでの労働運動からの質的転換」を掲げて民営化全面推進の方針を打ち出し、「道州制の議論への参加」を明記、さらに北朝鮮に対する排外主義扇動を議案に書き連ねた。
 自治労本部は、これを大会の名で自治労全体の方針として確定し、87万組合員、6千万労働者に押しつけようとしているのだ。こんなものは労働組合の方針ではない! 
 労働組合が「財政再建」や「公共サービスのため」に首切りや賃下げに協力することがありうるのか。どうして公務員労働者360万人首切りの道州制議論に参加しなければならないのか。いつから自治労は、「北東アジア地域の安定を揺るがす北朝鮮によるミサイル発射や地下核実験実施への抗議」と「働きかけの必要」を叫びたて、自公政権や民主党が進める北朝鮮への排外主義扇動と制裁=戦争の旗振り役になったのか。
 資本主義救済の立場から、道州制クーデターに参画し、現場の闘いを押しつぶして戦争動員していくことなど断じて許されない。「国滅びて地方なし、国なくして個人なし」(辞任表明した横浜の中田市長)の国家主義、産業報国会化路線を全面化するまでに変質した自治労本部を現場の闘いで打倒し尽くそう。
(写真 「道州制・民営化絶対反対」を掲げ自治体労働者も最先頭で闘った8・6ヒロシマ大行動)

 資本主義の救済で総屈服

 産業報国会だ

 世界金融大恐慌が爆発し、国際帝国主義の最弱の環である日本帝国主義の危機は戦後自民党支配の歴史的崩壊にまで行き着いた。自治労本部はまさにこの時に、「構造改革路線からの転換」のペテンを弄(ろう)しながら、「持続可能な日本社会のグランドデザイン構想と三つの重点課題」なる基本方針を打ち出し、資本主義体制の存続を願う立場から新自由主義の全面化、道州制翼賛と戦争協力の路線を大会議案としたのだ。
 どうして労働者が生きていけない社会を持続させる必要があるのか! 資本家どもが搾取と投機の限りを尽くして巨万の富を我がものとした揚げ句に爆発した大恐慌のもとで湯水のような資本救済の資金投入が行われ、天文学的な財政赤字が作り出されている。この借金をどうして労働者が負わなければならないのか。「財政再建」と「公共の再生」の名でさらに死ぬまで働かせ、戦争に駆り出すのか。文字どおりの「滅私奉公」だ。ふざけるな!
 大会議案は「財政赤字が増大する中で、行財政制度と社会保障制度を構築し地域社会の崩壊を食い止めることが喫緊の課題」として、@「自治・分権の推進と公共サービスの再生」A「新しい公務員制度の構築」B「公共サービス労働者の総結集」――をあげた。その一つひとつが自治労のこれまでの現場の運動を根本から解体し転換させる決定的な踏み出しだ。
 @「自治・分権の推進と公共サービスの再生」では、「単組は、自らの自治体の財政を客観的に分析し、その結果に基づいて政策の改善を提案する」とし、徹頭徹尾「財政再建」の立場に立つことを強調。「公共の再生」を掲げて「住民ニーズに応える効率性と効果性を兼ね備えたサービスの不断の改革」を現場組合員に求めた。大恐慌下の滅私奉公、産業報国化だ。そのために、日本経団連や民主党、大阪の橋下知事らと一体となって、資本主義救済のために道州制・民営化翼賛に走ることを大会で宣言しようとしているのだ。
 A「新しい公務員制度の実現」の項では、「地域民間賃金準拠の下方圧力をはねのけることは極めて困難」として、5月に自治労労働局が提案し紛糾した「自治体職員の標準的給与」(公務員全国統一賃金の否定と賃金2割削減の逆提案)を公然と打ち出した。
 「たとえ労使合意により慣行になっている事項であっても、市民の視線や社会状況を常に意識しながら見直しの作業を進め、市民の理解と共感を得られる運動を推進していく」とまで言及。これまで闘いの中でかちとってきたすべての労働慣行の破棄まで、自治労の名において各単組・現場組合員に強制しようとしている。
 さらに8月11日に出された賃金15万4千円カットの09年度人事院勧告の丸のみ、民間準拠による現業賃金3〜5割カットすら自治労本部は意図している。「新しい公務員制度の実現」とは、道州制下のすさまじい賃下げや労働条件改悪に道を開くものだ。
 B「すべての公共サービスを担う労働者の総結集」では、「(個別労使関係における組合員利益の維持・向上のみを追求するこれまでの労働運動ではなく)社会的な公正・公平の実現をめざす運動への質的転換」を掲げた。「アウトソーシングに対抗し、公共サービスの再生を果たすためには、公民労働者が連帯し、サービスの改革と従事者の処遇改善を社会にアピールする」とした。
 これこそ非正規職労働者を組織する連合全国一般の統合に続き、民営化の焦点となっている都市交・全水道を組み入れる地公3単産組織統合の最大の狙いだった。現場の激しい抵抗によって東京一般が脱退した上に3単産統合が無様に破綻するに至ったにもかかわらず、自治労本部は「公共サービスの再生」の名で現場の闘いをたたきつぶし「働こう」運動に総動員するために「公共サービス労働者の総結集」を臆面もなく掲げたのだ。

 道州制を議論

 自治労本部は「道州制の議論に参加」を公然と打ち出した。変質はここに極まった。道州制翼賛への踏み切りのために熊本大会が開かれようとしているのだ。
 大会議案は「地方財政を確立するため、地方財政制度改革に取り組む」として、「税の公正化のために納税者番号制の導入」(国民総背番号制!)、「地方消費税の充実」(税率アップ=増税!)まで主張したばかりか、これまで形だけは「拙速な議論には反対」としていた道州制議論への参加を明記するに至った。
 道州制攻撃の核心は、公務員労働者360万人の首切り・選別再雇用攻撃、公務員労働運動の絶滅・解体攻撃である。
 大失業が全労働者に襲いかかっている。統計上の数字でも、6月完全失業率5・4%、完全失業者348万人(総務省労働調査速報)、1〜3月期企業内失業者は607万人(09年経済財政白書)に達し、さらに増え続けている。こうした現状の上に道州制は、公務員360万人首切りを強行して非正規職化し、労働組合を破壊して6千万労働者全体に大失業、「半分の人数、賃金で倍の仕事」を強制し、戦争への道を進める攻撃だ。
 日本経団連、大阪の橋下知事や杉並の山田区長らとともに道州制を声高に主張してきた横浜の中田市長は「このままいけば、日本は本当に滅びてしまう。莫大(ばくだい)な借金を背負った国滅びて地方なし、国なくして個人なし」とまで言い切った。これこそ道州制の本質であり、究極の新自由主義攻撃だ。
 「国が滅びる危機」だからこそ、自治労本部は道州制攻撃の本質を百も承知で大会決定として道州制推進に踏み切ったのだ。労働者階級の側ではなく、帝国主義の側に立つということだ。断じて許されない。そんな国は滅びてしまえ。資本主義の最後の救済者=体制内労組指導部もろとも命脈の尽きた資本主義を打倒し、階級社会を廃絶するのだ。その立場に立って絶対反対で闘った時、全労働者階級の反乱と勝利が切り開かれる。

 民営化に協力

 自治労本部は、職場の闘いをとことん押しつぶし当局に全面協力する方針を打ち出した。
 大会議案では「非正規労働者の劣悪な処遇と不安定雇用が大きな社会問題になっていることに対して、労働運動が、個別労使関係における組合員利益の維持・向上のみを追求するのでは、社会的共感は得られず、運動が孤立しかねない」と言って、闘うことそのものの圧殺を宣言した。
 しかし、動労千葉を見よ。反合・運転保安闘争を徹底して闘うことで、ストライキに対する支持と共感が圧倒的に寄せられているではないか。これが恐慌・大失業下の労働運動だ。自治労が国鉄1047名解雇撤回を闘い、民営化絶対反対・非正規職撤廃、派遣法撤廃で闘うことこそが求められているのだ。
 「医療や福祉など地域におけるセーフティネットが綻びを見せるなかで、公共サービスの重要性が再認識されつつあり、自治労と各単組は、重要な任務を負っていると自覚する必要がある」などと言って資本主義救済運動を推進することなど絶対に許されない。労働者は「ブルジョアジーの墓掘り人」(『共産党宣言』)として、資本主義を打倒し、労働者が主人公の社会を闘いとるのだ。
 自治労本部は「総人件費抑制」反対を投げ捨て、賃下げを逆提案する「自治体職員の標準的給与の確立」、労働者分断と競争、労働強化の「新たな人事評価制度の確立」、査定給推進の「勤務実績の賃金への反映」、さらに現業民営化協力の「現業労働者の任用替えへの対応」から「公務員の雇用保険制度適用の検討」まで言及し、公務員の整理解雇すら前提化した。
 これらすべてが現場で必死に闘われている現業切り捨て、民営化・民間委託、非正規職導入・任用替え、分限免職と雇い止め、人事評価・査定給導入、賃下げと人員削減・労働強化の攻撃、事故や公務災害との闘いのすべてを否定し敵対するものだ。
 もう我慢ならない。
 自治労本部の「現業活性化」「職の確立」方針に沿って「直営堅持のため」と自らに言い聞かせ、人員削減と労働強化に耐えてきた現場の労働者がいつまでも黙っていると思ったら大間違いだ。職場事故多発・病休続出は誰の責任だ。すべては、人減らしと労働強化のせいだ。もう許せない。職場の怒りをとことん爆発させる時が来た。

 北朝鮮排外主義を扇動!

 自治労本部は「6カ国協議を一方的に離脱した北朝鮮によるミサイル発射や地下核実験が行われるなど北東アジアの緊張は一気に高まった。こうした行動は許されるものではない。同国を協議の場に戻す働きかけが必要」とまで言い切った。戦争重圧を加え続ける米日帝国主義を一言も弾劾せず、北朝鮮を非難し、排外主義扇動と「制裁」を率先して進める立場を表明するに至ったのだ。
 4月の北朝鮮による「ロケット」発射に際しては、PAC3ミサイルが日本全土に配備展開され、秋田県を始め全国の自治体が「Mネット」による自衛隊の指揮命令下に入り、マスコミや自治体・教育労働者が戦争動員に駆り出された。民主党マニフェストは「北朝鮮船舶に対する臨検」を主張している。労働組合が自国政府による排外主義扇動や「制裁」を主張する時、戦争は現実のものとなる。自治労本部は、戦争協力を大会方針として決定しようとしているのだ。
 こんな大会方針は一言一句たりとも認められない。労働者である限り、誰ひとりとして戦争も滅私奉公の産業報国会化もよしとする者などいない。ただちに全職場で本部打倒の怒りを爆発させ、熊本大会決戦に攻め上ろう。
 道州制・民営化阻止決戦はこれからが本番だ。最大の戦場は職場だ。すでに豊中市職女性部の3・6大阪府庁前行動を突破口に、青年労働者が先頭に立って全国で道州制・民営化絶対反対の闘いが激しく闘われている。怒りは職場に充満している。
 今こそ、時代認識と闘いの路線を割り引くことなくはっきりと打ち出そう。資本主義は終わりだ。大失業と戦争は、資本主義を打ち倒す労働者の闘いによってのみ阻止することができる。資本主義の擁護・救済の立場に立つ体制内指導部を打倒すること抜きに労働者の勝利はない。産業報国会化と戦争か、資本主義の打倒か。絶対反対の路線と階級的団結だけが闘いの勝利を保証する。
 国鉄1047名解雇撤回を先頭とする4大産別の闘い、職場の闘いを爆発させて、改憲・戦争と民営化・労組破壊に立ち向かう階級的団結を!11・1全国労働者総決起集会への1万人結集を実現することこそ革命勝利の道だ。道州制攻撃の先兵、自治労本部を打倒し、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を打ち破ろう。闘う労働者党をつくり上げよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号6面2)(2009/08/17 )

 関西 『絶対反対』で分岐し闘う

 道州制反対!青年労働者集会

 「道州制絶対反対! 青年労働者集会」が7月29日、大阪市中之島中央公会堂で開催された。関西各地から125人が結集して大成功した。
 この集会は自治体や民間の青年労働者5人が呼びかけ人となり、道州制・民営化絶対反対で職場・組合に階級的団結を組織しようと全関西の労働者に訴えたものだ。
 基調報告に立った民間の青年労働者は「労働者階級の団結が一切を決める革命情勢が到来している。資本家どもの最後の延命策は道州制しかない。すべてを決めるのは労働組合をめぐる攻防だ」と訴えた。
 「道州制攻撃に対し、労働組合の中で絶対反対を貫いて職場に分岐をつくり、闘う路線と時代認識でガンガン勝負しよう。職場のあらゆる攻撃には資本や国家権力の全体重がかけられている。だからどんな職場の要求も、絶対反対の闘いなしに闘えないし、体制内執行部とも闘えない。絶対反対の闘いは2千万青年労働者、6千万労働者階級としっかりつながっている。動労千葉労働運動が闘ってきたこの路線で勝負しよう」
 続いて四つの報告が行われた。
 大阪市職の労働者は「体制内労組執行部と激突してきたから敵と味方がはっきりした。絶対反対で闘う自分の背中に87万自治労、6千万労働者の未来がかかっている。あらゆる職場での闘いを道州制決戦として闘う」と決意を語った。
 奈良市従の労働者は「3・6府庁前行動での豊中市職女性部の闘いが自分を変えるきっかけとなった。今回、組合執行部が呼びかけ人の肩書き問題で恫喝してきたが、自分は一歩も譲らなかった」と自信に満ちた報告を行った。
 2・26住宅差し押さえ強制執行阻止を闘った部落解放同盟全国連西郡支部の青年は「体を張って闘ったから、敵は労働者の団結の壁を打ち破れなかった。差別との闘いをモノをとる手段にしてきたこれまでの間違った解放運動のあり方を、私たちが労働組合と一つになりともに団結して完全にたたき割ったことが勝利だ」と決意を表した。
 民間の労働者は「体制内労組は会社の言うことを労働者に押しつける存在になり果てている。こういう組合こそ打倒しよう」と訴えた。
 自由討論では、医療労働者や全逓労働者、教育労働者、学生らがこの間の自らの闘いの中でつかんだ路線的確信や、組合の中での苦闘などについて次々と発言した。
 こうした発言を受け、司会の労働者は「資本主義が30年、50年続くと思っている人たちと一緒の闘いができるはずがない。体制内執行部打倒を鮮明にさせ、時代認識をめぐって組合や職場に分岐をつくり出そう」と締めくくった。
 最後に、11月労働者集会1万人決起と法大暴処法弾圧粉砕の二つの決議が全体の拍手で採択された。
 今回の集会は、4大産別を先頭にあらゆる職場で道州制・民営化絶対反対の闘いを貫き、青年労働者の怒りと結びついて階級的団結を打ち固めることこそ、11月労働者集会1万人決起への道であることをはっきりさせたことが決定的だ。「ついにぶち抜いた!」――参加者の誰もがそう確信した。
 「路線で闘う」ことこそ階級的労働運動路線の核心であることをつかみ、青年労働者を先頭に全面的な実践に踏み出した。7・29集会は、関西のすべての地区党が「時代認識と路線」でマル青労同1000人建設に打って出る歴史的出発点となった。
 (関西・NM)
(写真 「道州制絶対反対で職場・組合に階級的団結を組織しよう」の呼びかけに応え関西各地から青年労働者ら125人が結集【7月29日 大阪市】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号6面3)(2009/08/17 )

日誌'09 2009年 7月28日〜8月11日

 東京地裁で初の裁判員裁判/横浜で「つくる会」教科書採択

●海自、初の外国船護衛 ソマリア沖アデン湾の「海賊」対策で、海上自衛隊の艦艇が7月24日に施行された海賊対処法に基づく護衛活動を始めた。自衛隊法の海上警備行動では認められていなかった外国籍船の護衛も初めて実施した。(28日)
●イラク多国籍軍、各国撤退で米のみに イラクの多国籍軍に参加していた米軍以外の部隊が撤退を終えた。多国籍軍の広報は「イラク多国籍軍」の名称を「イラク米軍」に変更する方針を確認した。多国籍軍は、ブッシュ米大統領の呼びかけに応じた有志連合を母体とし、戦争が始まった03年以降に日本を含む38カ国が参加。(31日)
●裁判員制度スタート 全国で初めての裁判員裁判が東京地裁で開廷した。(3日)
●地下60b攻撃の超大型特殊貫通弾導入を計画 米国防総省が地下約60bにある軍事施設を攻撃できる超大型の特殊貫通弾を来年夏にも導入する計画を進めているとロイター通信が報じた。北朝鮮やイランの地下核関連施設を念頭に置いているとみられる。(3日)
●クリントン訪朝、金正日と会談 米国のクリントン元大統領が北朝鮮を訪問し、金正日総書記と会談した。会談後、拘束されていた米国人女性記者2人が釈放され、出国した。(4日)
●集団的自衛権の見直しを要請 政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」は、年末に予定されている防衛計画大綱の見直しに向けた報告書を麻生首相に提出した。北朝鮮情勢に対処するため、集団的自衛権の解釈見直しを求めるとともに、武器輸出3原則の緩和を提言した。(4日)
●横浜8区で「つくる会」教科書 横浜市教育委員会は、来春から市内全18区のうち8区の市立中学校で使う歴史教科書について「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された自由社版を採択することを決めた。145の市立中のうち71校(在校生徒数約3万9千人)が対象。現在、「つくる会」教科書を採択しているのは、杉並区などの5教委で、今回の横浜市8区はこれまでで最大の採択規模。(4日)
●広島被爆64年 広島への原爆投下から64年を迎えた。広島市の秋葉市長は平和宣言で「オバマジョリティー」の造語を提唱、オバマ米大統領への支持を前面に出した。平和祈念式には麻生首相も参加した。(6日)
●麻生、原爆症認定訴訟終結の確認書
 原爆症認定集団訴訟をめぐり、麻生首相は「集団訴訟の終結に関する基本方針」を記した確認書に署名した。306人の原告のうち、まだ原爆症と認定されていない110人全員を救済する枠組みと訴訟を終結させることを盛り込んだ。同訴訟は03年の提訴から6年余で終結する。(6日)
●長崎被爆から64年 長崎の被爆から64年を迎えた。田上市長は平和宣言でオバマのプラハ演説を評価。長崎を訪問した麻生首相は、日本が「敵基地攻撃能力」を持っていないことに関して、日米の役割分担を協議する場の設置を検討すべきだとの考えを表明した。(9日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号7面1)(2009/08/17 )

 国労本部打倒、JR体制と激突へ

 “1047名解雇撤回”を貫き 大失業と対決する国鉄闘争を

 世界大恐慌がさらに深まり、自民党支配が崩壊する中で、国鉄1047名闘争は最大の決戦を迎えている。自民党ら政権政党に依存して「1047名問題の解決」を図るとしてきた4者4団体路線は今や完全に破産した。現場組合員の団結と闘いだけが一切を切り開く。8月21−22日の国労第77回定期全国大会(静岡県伊東市)をめぐる攻防を貫き、4者4団体路線と完全に決別して、1047名解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対の闘う路線を打ち立てよう。

 道州制に突き進む民主党支えるのか

 7月30日に起きた京葉線の停電・不通事故は、JR体制下で、車両や給電設備の保守点検体制が根本から崩れ去っていることを突き出した。JR東日本が強行してきた「設備メンテナンス再構築」「車両メンテナンス近代化」の大合理化こそが、この事故を引き起こしたのだ。JR東日本は今、「グループ経営ビジョン2020−挑む−」による一層の大合理化に突き進もうとしている。
 JRの安全の破壊は止めどがない。そのJRと包括和解を結び、合理化への抵抗を放棄し、現場組合員に関連会社への出向を強いてきた国労本部・東エリア本部の裏切りは明白だ。労働者の命を守るためには、裏切り執行部を打倒し、現場組合員の手に闘う労働組合を取り戻す以外にない。
 国鉄決戦は、世界大恐慌下の激烈な闘いに突入した。資本家どもがいくら「景気後退は終わりつつある」などと叫ぼうが、そんなものは虚言にすぎない。膨大な国家財政支出によってかろうじて延命しているのが資本主義の実態だ。米金融大手のシティグループや、GM、クライスラーは国有化された。「市場原理にゆだねればすべてうまくいく」としてきた新自由主義の民営化攻撃は、まさに崩れ去ったのだ。
 資本主義は、こうした危機を労働者階級への大失業攻撃と、侵略戦争へののめり込みによって突破しようとしている。
 だが、労働者階級の資本主義に対する怒りは根底から噴出し始めている。先の都議選における自民党の大敗と総選挙情勢は、自民党支配がついに崩壊したことを歴史に刻印した。小泉政権以来の「構造改革」のもとでの大失業、低賃金、非正規職化の攻撃に対する労働者階級のすさまじい怒りがたたきつけられ、自民党は支配能力を失った。資本と労働者はもはや、倒すか倒されるかの関係に入ったのだ。
 こうした事態の根底にあるものは、間違いなく国鉄1047名闘争だ。日本における新自由主義攻撃の突破口は、国鉄分割・民営化だった。その攻撃と二十数年にわたり対決しぬいてきた1047名闘争こそが、自民党支配を破産に追い込んだのだ。解雇撤回の原則を堅持すれば、1047名闘争に勝利できる歴史的局面がついに来た。
 ところが、国労本部や鉄建公団訴訟原告団一部幹部らは、総選挙を前に民主党政権への幻想を膨らませ、そのもとでの「政治解決」を夢想して、あろうことか民主党候補の選挙運動に闘争団員を駆り立てている。
 これは、1047名闘争の巨大な歴史的意義を抹殺するとんでもない裏切りだ。今や民主党は、自民党と競い合って道州制導入に突き進んでいる。道州制とは、自治体を丸ごと民営化し、360万公務員労働者をいったん全員解雇・選別再雇用して労働組合を解体する攻撃だ。同時にそれは、戦争遂行国家を築き上げるための改憲攻撃そのものだ。これを、大阪府知事・橋下と一体となって強行しようとしているのが民主党だ。
 国鉄分割・民営化とまったく同様の攻撃を自治体労働者に対して強行しようとしているやからの選挙運動に闘争団を動員することなど、断じて認められない。1047名の苦闘は、まさにこうした一大民営化と立ち向かうためのものだったはずだ。そこに1047名の誇りもあったのだ。
 4者4団体路線の根本的な誤りは、闘争団と現場組合員の団結と闘志に信をおかず、国家権力に依存して和解解決を追い求めたことにある。今日それは、完全に破産をさらけ出したのである。

 勝利の展望を示す5・27被告団の闘い

 大恐慌のただ中で資本家は激しい首切り攻撃を労働者に仕掛けている。これに真っ向から立ちはだかっているのが1047名闘争だ。
 二十数年にわたり千人を超える労働者が解雇撤回を求め闘っていること自体、世界史的にも例のないことだ。その1047名が、大失業攻撃に直面する労働者階級の先頭に立って闘えば、資本の支配は覆せる。そこに国鉄闘争の勝利はある。
 敵階級は、1047名闘争がそうした意義を持っているからこそ、その圧殺に躍起となった。国労本部をして1047名闘争を絞め殺させようとした2000年の4党合意も、そのために仕掛けられた攻撃だ。国家権力は1047名闘争を壊滅に追い込むために、4党合意反対の最先頭に立ってきた国労共闘に対し、02年5・27臨大闘争弾圧を加えてきた。
 国労本部は公安警察と結託してこの弾圧を強行した。労働運動史上最悪の団結破壊のこの暴挙は、政治解決路線が必然的に生み出したものだ。
 しかし、被告団は7年に及ぶ闘いで、この弾圧の狙いを根本から破った。被告団は、弾圧に対して徹底的に団結を固め、1047名解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対の勝利の路線を鮮明にしきった。旧弁護団解任という壮絶な決断をもとおして4者4団体路線と徹底的に対決してきた被告団は、動労千葉とともに国鉄闘争勝利の展望を指し示している。
 被告団が全力を込めて訴えているように、国鉄闘争の勝利は、和解路線と決別し、解雇撤回の原則を貫き、動労千葉と連帯してJR体制との非和解的な激突を貫くことにある。

 動労千葉とともに11月労働者集会へ

  JR東日本の資本=カクマル結託体制は今や崩壊の時を迎えている。青年労働者を始め、労働者を過酷に抑圧してきた元凶は、資本=カクマル結託体制だ。その崩壊は、JR内部から労働者が反乱に立つ時が来たことを意味している。
動労千葉は、「ライフサイクル深度化」攻撃と対決しぬく中で、青年労働者の結集をかちとっている。反合理化・運転保安闘争を果敢に貫き、「新保全体系」の導入を阻んでいる。動労水戸は、組合員への強制配転攻撃を第1波拠点ストで粉砕した。JR体制を打ち破るこうした闘いが、1047名闘争の勝利を切り開くのだ。
動労千葉は、国鉄分割・民営化に対しストライキで立ち向かい、団結の強化を総括軸にJR資本と非和解的に対決しぬいてきた。その闘いは、世界の闘う労働者の結集軸になっている。7月、米サンフランシスコで開かれた国際労働者会議で、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国・民主労総を始め、世界の闘う労働者は、動労千葉が提案した「1047名解雇撤回」の決議を確認し、新自由主義攻撃を打ち破ろうと誓い合った。
その動労千葉は、「1047名解雇撤回」を中心軸に掲げて11月労働者集会を呼びかけている。それは、国鉄闘争勝利の路線を示すことのできる唯一の闘いだ。国労大会で4者4団体路線と断固として決別し、すべての闘争団員、国労組合員は今こそ11月労働者集会への総結集を決断しよう。

------------------------------

 国労5・27臨大闘争弾圧弁護団・被告団 『弁論要旨 被告人最終意見』発行

国労5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団と同被告団は、同裁判における弁護人最終弁論と被告の最終意見陳述を収録した『国労5・27臨大闘争弾圧裁判 弁論要旨/被告人最終意見』を発行した。
 その内容は、国家権力と国労本部が結託して仕組んだ弾圧の真相を暴ききるとともに、国鉄闘争勝利の路線と展望を全面的に示すものとなっている。被告たちは国鉄分割・民営化に対して人生をかけて闘いぬき、国労本部の裏切りに全力で立ち向かってきた。その軌跡は、階級的労働運動の実践における生きた教訓に満ちている。
 弁護団の最終弁論は、暴力行為等処罰法の反動性と違憲性を暴くものとしても出色であり、大きな歴史的意味を持つ内容だ。
 国鉄闘争勝利へ、本書を学び、広げよう。
★注文先 国労5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団・被告団
E-mail kokurou527hikokudan@yahoo.co.jp
★頒価 1000円

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号7面2)(2009/08/17 )

 「つくる会」歴史教科書採択弾劾する

 8・12杉並 右翼粉砕し阻止闘争 “職場の団結と国際連帯で”

 杉並区教育委員会は8月12日、中学歴史教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書(扶桑社版)を4年前に続いて採択した。この暴挙は、多数の右翼ファシストや公安警察に守られ、区教委が採択反対の意見を押しつぶすために庁舎内にバリケードを築く中でやっと可能になったものだ。山田宏・杉並区長がもくろんでいた「つくる会」公民教科書の採択は阻止した。
 杉並区役所前はこの日10時過ぎから騒然たる状況となった。横浜市での採択に勢いを得た右翼ファシストども約20人がのぼりや「日の丸」を掲げて徘徊(はいかい)し、採択阻止を掲げるわれわれと激突した。一歩も引かないわれわれの迫力に圧倒された右翼ファシストどもは、すぐさま区職員や警察権力に助けを求めた。宣伝カーを乗り付けた右翼団体も加わり、採択終了までマイクでがなり続けた。
 北島邦彦区議を先頭に参加者が次々とマイクを取り「山田区長や横浜市長・中田宏のように、資本との癒着と腐敗にまみれ、労働者の怒りの的になっている連中が『つくる会』教科書と道州制を導入しようとしている。労働者の団結でぶっ飛ばそう!」と徹底弾劾をたたきつけた。通行する人が右翼の目の前で採択阻止署名に次々と応じ、右翼に食ってかかる人が何人も現れた。追いつめられた右翼は「静かな採択を」「売国奴」「中核派」と絶叫を続けた。
 正午からは採択阻止集会を開催。杉並の教育労働者が戦闘的な司会でリードし、約百人の参加者が区役所前の歩道を埋めて聞き入った。東京西部ユニオン、沖縄民権の会、都政を革新する会、部落解放同盟全国連合会杉並支部、婦人民主クラブ全国協議会、青年、杉並・親の会などがアピール。集会後、この間集めた採択阻止署名1052筆(累計2284筆)を教育委員会に提出した。
 午後2時から審議が始まった。井出隆安教育長が「今回採択する教科書の使用は学習指導要領改訂までの2年間。前回と変わると新たな資料をつくるのが大変」と発言。まさに「つくる会」教科書を採択するための審議だ。「教員から反対意見が出ている」と「つくる会」教科書の採択に反対した安本ゆみ委員を大蔵雄之助委員長がねじ伏せて採択を強行した。井出教育長は「教科書には長短がある。記述で学習内容が決まるものではなく補助資料も使うから」と強弁した。“どれほどでたらめでも「つくる会」教科書を採択する”というのが井出の本音だ。
 教育委員会での審議終了後、ただちに教育委員会への弾劾声明をたたきつけ、抗議と傍聴に訪れていた多くの教職員や区職員に「ともに闘おう」と呼びかけた。
 どんな教科書を採択しようとも、教育労働者の団結と職場支配権がある限り戦争教育を貫徹することなどできない。ここが勝負だ。同時に「つくる会」教科書攻撃は国際プロレタリアートの分断と団結破壊そのものだ。労働者階級の階級的国際的団結こそが山田区長と杉並区教委への回答だ。4大産別決戦と11月集会1万人結集へ闘おう!
(写真 “採択を許さないぞ!”昼休み集会を開催し怒りのシュプレヒコール【8月12日 杉並区役所前】) (東京西部・飯野依子)

 8・4横浜 「自由社」版、全国で初採択 “道州制の中田許さぬ”

 横浜市教育委員会は8月4日、中学歴史教科書に「つくる会」教科書(「自由社」)の採択を強行した。自由社版の採択は全国で初めてだ。採択は横浜市18区のうち8区、全145の市立中学校のうち計71校(生徒数約3万9千人)になる。
 神奈川労組交流センターは7月30日に続いて4日早朝、横浜市庁舎・教育委員会へのビラまきを行い、自治体労働者・教育労働者に対して「戦争賛美の教科書採択阻止へともに闘おう」と訴え、傍聴に駆けつけた250人以上の労働者市民の先頭で闘い抜いた。
 前横浜市長の中田宏が教育委員長に登用した今田忠彦は、前回の05年採択時に教育委員会で「つくる会」教科書採択を主張した唯一の人物だ。今田は採択後の会見で「自由社の教科書は歴史がわかりやすく書かれている。戦前に逆戻りするとか戦争賛美とか、植民地支配を正当化するような教科書だとは読めなかった」「日露戦争の記述では、小国日本が大国ロシアに勝った経緯が詳しく書かれ、良い意味での日本人の誇りが感じられる」などと語った。ふざけるな! 「大東亜戦争はアジア解放の戦争」と侵略戦争を賛美し、天皇を中心に歴史を描き、労働者民衆の闘いを歴史から抹殺する教科書など労働者にとって粉砕あるのみだ。
 今や、改憲・戦争、民営化・労組破壊との闘いは力と力の激突、とりわけ労働運動・労働組合をめぐる攻防で一切が決まる情勢となった。「つくる会」教科書採択強行への怒りを爆発させ、杉並・山田区長打倒の闘いと一体で闘おう。

 労働者の怒りが中田を打倒した

 横浜市長・中田宏は7月28日に辞任を表明した。小泉「構造改革」以来の新自由主義攻撃と、それを推進してきた中田への労働者の怒りが、中田を追いつめ打倒したのだ。中田こそ、小泉、安倍らとともに労働者がまともに生きていけない社会をつくり出した張本人だ。
 中田横浜市政になってから、市営バス・地下鉄の障害者や生活保護受給者への無料パスの廃止、医療費削減と厳しい取立てが強行された。国民健康保険証を交付されない子どもたちの数は横浜市が突出している。中田は、定額給付金への問い合わせを行う市民を「物ごい」とまで言ってのけた! なによりも徹底した民営化・労組破壊だ。02年から09年で実に7千人近い労働者が削減された。
 他方で中田は、「インベスト神奈川」と称して県知事・松沢とともに日産などの大資本に巨額の資金を与え、癒着と腐敗の限りをつくしてきた。そして「つくる会」教科書採択に見られる戦争教育の推進だ。
 中田のような軽薄漢が道州制に向けた政界再編に性懲りもなく突き進むことなど労働者は絶対に許さない! 大恐慌、自民党の崩壊、そして中田辞任は労働者にとって最大のチャンス到来だ。職場生産点こそ最大の激突点だ。資本・当局と対決し、体制内指導部をぶっとばし、絶対反対を貫いて隣の労働者を組織し、11月労働者集会に1万人の力ある結集をかちとろう。これこそ「つくる会」教科書攻撃を粉砕する力だ。
 (神奈川・O)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号7面3)(2009/08/17 )

焦点  米帝が核攻撃の「新軍団」

 これがオバマ演説の正体

 米帝オバマの「核のない世界」演説なるものの完全なペテン性を明らかにする重大な核武装強化の動きが明らかになった。
 8月7日、ミサイルや爆撃機による世界全域への核攻撃を統合する新軍団「グローバル(地球規模)戦略攻撃軍団」が発足し、米ルイジアナ州バークスデール空軍基地で発足式典が行われた。これまで別々の指揮系統下にあった地上発射型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)と、B52、B2などの戦略爆撃機による核攻撃を一括して指揮する拠点として設けられた、28年ぶりの新軍団である。地下の核施設を攻撃する貫通爆弾を保有し、戦略爆撃能力を強化する狙いもある。兵力は2万3000人。ドンリー空軍長官は、「再び核の任務に焦点を合わせ、それを見失わないようにしなければならない」と語った。
 これは、オバマの4・5プラハ演説が、宣伝されているような「核廃絶への前進」ではまったくなく、米帝による核独占と核拡散阻止の新たな世界支配の宣言そのものであることを証明している。7日の式典で空軍幹部は「大統領は『核兵器が存在する限り、安全で効果的な核抑止力を維持する』と明言した」のだと強調した。
 また、7月29日に米ネブラスカ州オマハで行われた米「戦略軍」主催の核抑止力を論議するシンポジウムでは、「予見可能な将来にわたってわれわれは核とともにあるのが現実だ。核抑止の議論を停滞させてはならない」と問題提起された。ここでの「核廃絶派」の議論も、「現状をはるかに下回る約1千発の核弾頭だけでも核攻撃は十分抑止できる」という核抑止力論であり、これに対して国家核安全保障局長が「核軍縮をするならば、残る核兵器をより安全かつ効果的にすることがますます重要になる」と述べ、老朽化し維持費も高額な旧時代の装備の刷新、核兵器の「技術革新」の必要性を強調した。すべてオバマ演説の核武装強化論と符合する動きだ。
 6月29日には核兵器用のICBM「ミニットマン3」の発射実験をオバマ政権発足後初めて実施した。カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地からマーシャル諸島のクエゼリン環礁に打ち込まれた。オバマのプラハ演説から3カ月、核兵器を搭載するミサイルの実験が続けられていることで、そのペテン性が暴かれている。
 オバマ演説は、「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として……行動する道義的責任」と言っているが、これは日本共産党・志位らが美化するような、広島、長崎への原爆投下の謝罪でも反省でもない。圧倒的な核兵器の独占を維持し、その拡散を阻止し、北朝鮮やイランの核武装を軍事的に粉砕する核大国としての「責任」を述べているのだ。それは当然、日本や韓国の核武装も許さないということだ。そのために「脅威に対処する厳格な手段を行使する」と、恫喝しているのだ。
 「新軍団」の発足こそは、オバマが核戦力の飛躍的強化と、侵略戦争遂行へ全力を挙げていることを事実をもって示している。
 日本共産党や連合などが大宣伝するオバマ幻想を怒りをもって粉砕しよう。田母神を先兵とする日帝の核武装攻撃を打ち破ろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号7面4)(2009/08/17 )

焦点 マニフェスト選挙の欺瞞

 資本主義の救済か革命か

 衆院選に向けて自民党、民主党がそれぞれマニフェスト(政権公約)を発表した。日本経団連や経済同友会などの資本家団体、PHP総研や構想日本などの民間シンクタンク、全国知事会や指定都市市長会などの自治体首長ら、そして連合までもが一斉に各マニフェストを採点し評価を下している。どの政党のマニフェストが優れているのか、何点を与えるべきなのかなど、マニフェストの評価・論議を進め、政権交代か否かを占うことがあたかも政治の中心機軸であるかのような大キャンペーンが張られている。
 マニフェスト選挙とは、ブルジョアジーとブルジョア政党、ブルジョア・マスコミが総がかりで労働者階級人民を欺瞞(ぎまん)する巨大な政治ショーだ。
 自民、民主の両マニフェストとも〈戦争・改憲、民営化・労組破壊>の攻撃に集約される日帝の絶望的延命策にすぎない。世界大恐慌情勢下の今、問われているのは破綻した資本主義体制そのものの転覆=革命だ。自民党、民主党ともに、ここをごまかしている。ここに最大の欺瞞があるのだ。
 自民党のマニフェストは「日本を守る」「責任力」をキャッチコピーに、社会保障番号・カード導入や幼児教育無償化、高校・大学生への給付型奨学金制度創設、道州制基本法の早期制定、低炭素型経済成長の実現、消費増税を含む税制の抜本改革や財政健全化、日米同盟強化を盛り込んでいる。ばらまき政策による財政破綻の深刻化は不可避だ。集団的自衛権行使、ミサイル防衛など改憲と戦争の攻撃だ。道州制導入を明記したことが最大のポイントだ。
 「政権交代」を掲げる民主党のマニフェストも、子ども手当増額、高校無償化、高速道路無料化など、自民党以上のばらまき政策である。「無駄遣いの根絶」とは、公務員労働者を標的とする行政改革=民営化であり、政党主導の独裁強化だ。その目玉が首相直属の「国家戦略局」設置だ。日米同盟重視の現実主義で、自民党と同じような安保外交政策となった。最大の問題は「地域主権国家」「分権改革」の強調で、事実上の道州制導入論に踏み込んだことだ。実際、民主党は8月7日、道州制の最大の先兵である橋下徹大阪府知事の要望を受け入れ、「地方分権改革をめぐる国と地方の協議機関」の設置を自公と同様、マニフェストに書き込んだ。
 両党のマニフェストの要をなしているのは道州制・民営化攻撃だ。自民党支配の崩壊をもたらしたものは、小泉政権以来、本格化した新自由主義攻撃への労働者の巨大な怒りだ。両党は、その怒りをなだめようと必死になる一方で、結局は道州制・民営化にやみくもに突き進んでいく。
 したがって、国鉄1047名解雇撤回闘争、法大解放闘争、道州制・民営化絶対反対闘争、4大産別決戦を貫き反撃することが労働者階級の回答だ。この闘いを職場で推進・物質化し、労働者を組織化し、11月労働者集会への1万人結集をかちとることが日帝打倒・プロレタリア革命、国際連帯と世界革命をたぐり寄せる。
 その勝利にむけて、総選挙過程で自民党支配を完全に打倒しつくし、ぶっつぶすことが決定的だ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号8面1)(2009/08/17 )

 77日間の階級戦争に勝利

 双龍(サンヨン)工場占拠ストが終結

 新自由主義を突き破る 労働者の団結示す

 韓国・民主労総全国金属労組双龍(サンヨン)自動車支部は8月6日、資本と李明博(イミョンバク)政権との壮絶な死闘戦に勝利し、労資合意に至った。それは5月22日に整理解雇撤回・総雇用確保を要求し、平沢(ピョンテク)工場占拠の無期限ストに突入して以来、77日目のことだった。最後までハンサンギュン支部長のもと組合員の団結を守り抜き、大恐慌下の大失業攻撃と闘う労働者階級の真骨頂を示した闘いだった。この一点で偉大な勝利を歴史に刻んだサンヨン工場占拠ストは、世界の労働者を鼓舞激励し、サンヨンに続く決起を生み出している。何よりもこの日本でサンヨン闘争を引き継ぎ、11・1労働者集会1万人結集を実現しよう!
(写真 【上】8月5日、警察特攻隊がコンテナから屋上に投入され白兵戦に。【下】労組は塗装2工場に退却し「最後まで闘おう」と決死抗戦を決意)

 「死ぬ覚悟で戦う」と宣言

 7月20日に始まった強制執行は日に日に激化し、警察部隊と呼応した会社役職員らからなる救社隊、暴力ガードマンらの殺人攻撃に対し、サンヨン支部労働者の決死の抗戦が続いた。その攻防渦中、5月から中断されたままだった労資交渉が30日、平沢工場内に「平和区域」を設けて始まった。徹夜で続けられた交渉は8月2日、資本側の決裂宣言で幕を閉じた。
 実は交渉中の31日からイミョンバク政権と資本の意を受けて警察の塗装工場鎮圧作戦が準備されていたのだ。水道・ガス、消火栓に加えて電気も止められた。大型ハシゴ車など特殊重機も投入され、警察特攻隊を含む400人が塗装工場に隣接する工場屋上へと突撃した! 国家権力の総攻勢に対して労組は、「理性を失った弾圧と暴力的侵攻を強力に弾劾する。この時間にも『一緒に生きよう』と叫ぶ560人余りの組合員らは死ぬことを覚悟して公権力に対抗し、激しい戦闘を行っている。塗装工場は火薬庫に違(たが)わない。20万g余りの引火性物質がぎっしり埋まっている。私たちは死ぬことを覚悟して最後まで戦う。大惨事が発生したならば、すべての責任はイミョンバク政権にある」と宣言した(8月4日)。
 5日朝、警察特攻隊が乗ったコンテナを大型クレーンでつり下げ、200人余りの兵力を組み立て3・4工場の屋上に投入した。組合員らは火炎瓶を投げ、パチンコで徹底抗戦をしたが、負傷者、連行者続出、組合員3人が屋上から墜落し、重傷を負った。
 この攻防で労組は最後の砦(とりで)である塗装2工場に退却した。ここでハンサンギュン支部長は「今すぐにでも自決したい心情だ。しかし、生きて勝利しなければならない。私を信じて最後まで工場を守ろう」と決死抗戦を訴えた。組合員全員が「トゥジェン(闘争)!」で応じた。
 背水の陣で迎えた6日正午すぎ、サンヨン資本のパクヨンテ共同法定管理人とハンサンギュン支部長の1対1交渉が始まり、午後2時50分、合意が成立した。資本が6月8日付で整理解雇した976人中、籠城(ろうじょう)中の組合員を対象に無給休職、営業職転職、分社、希望退職などの方法で非常人材運用を実施し、なお構造調整が避けられない場合、無給休職と営業職転職48%、希望退職と分社52%の比率を基準とするという合意内容だった。
 労組は決意大会を開いて合意内容を報告し、組合員の同意を確認した。午後7時半、ハンサンギュン支部長を始めとする労組指導部が長蛇の列をなす組合員一人ひとりと万感の思いで抱き合い、奮闘をたたえ合った。
 5月13日から高さ70bの煙突上で高空籠城していた組合員も86日目に地上に降りた。

 11・1集会1万人結集へ

 確かに整理解雇撤回がかちとれなかったことは悔しい。しかし、大恐慌下の凶暴な新自由主義攻撃と一歩も引かずに戦いぬいた組合員らの顔は自信に満ちている。塗装工場から正門へ、ともに77日間を戦った家族たちとの再会も感動的だった。新たな時代がサンヨンから世界に広がったのだ。
 決意大会でハンサンギュン支部長は「労組22年の歴史上初めての事態だった。私はサンヨン自動車労組設立委員会準備委員長として労組とともに生きてきた。労働者の存立基盤である労組が崩れてはいけない絶体絶命の瞬間が持続している」と、新たなステージでの闘いの継続と労組の団結を訴えた。
 サンヨン支部の闘いは続いている。6日連行された42人のうちハンサンギュン支部長を始め38人が拘束された。これでサンヨンストでの拘束者は、単一争議では最多の64人となった。検察当局は平沢工場の労組事務室から理念書70冊を発見したと発表、国家保安法弾圧が狙われている。粉砕あるのみだ。
 今や「サンヨンに続こう!」が大失業攻撃と闘う世界の労働者階級の合言葉となった。11・1労働者集会1万人結集こそ、サンヨン支部の決死の戦いに応える道だ。階級情勢を塗り替える11月へ突撃しよう!
----------------------------

 整理解雇を阻止できず無念 支部はまっすぐ闘い続ける 金属労組双龍自動車支部 ハンサンギュン支部長

 

〈談話文〉(抜粋)
  双龍自動車支部は”大惨事”を防ぐ決断をしました! しかし人を切る”死の行列”は防げませんでした!

 

1、今日(8月6日)金属労組双龍自動車支部は「占拠ストライキ座り込み77日目、煙突高空籠城86日目、公権力全面投入18日目」を迎えた今、火薬庫と呼ばれる塗装工場の”大惨事”を防ぐために、悲壮な覚悟で最後の労資交渉を提案し、最終合意しました。しかし人を切る整理解雇、”死の行列”を結局防ぐことができませんでした。
2、双龍自動車支部はこれまで双龍自動車事態を平和に解決するために、最善の努力を尽くしてきました。しかし李明博政権と双竜自動車資本は、対話と妥協の精神を失い、弾圧と暴力で一貫してきました。特に座り込んでいた組合員は、人間として享受すべき最低限の基本権も享受できませんでした。
3、特に昨日(5日)は、警察特殊部隊を含む公権力などの侵攻で約150人の組合員が負傷しました。3人の組合員が墜落し、そのうち1人は脊椎(せきつい)が折れる重傷です。会社の用役と救社隊は平沢工場の外にいる市民にも無差別の暴力を加えました。まさに「無法地帯」です。
4、今回の整理解雇闘争は”一緒に生きよう”という労働者の切なる苦闘でした。双龍自動車支部は、みんなが一緒に生きられる方案を何回も提出しました。李明博政権が投入すべきなのは公権力ではなく”公的資金”でした。
5、双龍自動車支部は占拠ストライキ闘争で77日間の命がけの闘争をしましたが、力が足りず、整理解雇を阻止できませんでした。強固な闘争を続けてきたので、無念さが残ります。
占拠ストライキ闘争の最初から最後まで、少しも動揺することなく、指導部を信じて一緒に闘ってくれた組合員の同志たちに本当に「ご苦労さまでした」という慰労の言葉を伝えます。 
6、今、胸が張り裂けるほど残念なことは、今回の整理解雇の闘争過程で6人の大切な生命を失ったことです。”解雇は殺人”という言葉は事実でした。すべての結果に対して支部長としての責任を痛感します。
7、双龍自動車支部は労働者の人間らしい生と平等な世の中に向かって、まっすぐな闘争をやめません。これまで双龍自動車闘争を援護し、死守してくれたすべての連帯の同志たちに、同志的愛情を送ります。
民主労総と金属労組は、私たちには生命とも同じ存在です。誰が何と言おうと、われわれは民主労総の組合員です。あれほど切実に待っていた雨が今降ってきました。
(写真 労資合意を組合員に報告・確認を得た後、全組合員と抱き合うハンサンギュン支部長ら【8月6日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号8面2)(2009/08/17 )

 星野文昭同志の革共同集会へのアピール〈抜粋〉

 労働者解放をかちとる団結=共同性で全世界を獲得しよう

 大恐慌によって資本主義の大崩壊が始まっている。オバマや麻生・鳩山によるその救済の道は、より過酷な犠牲を労働者人民に強いるだけだ。生きるために資本主義を終わらせる革命が求められる時代だ。ロシア革命によって開かれた道を抑えてきたスターリン主義と対決して、私たちは今、この時代に応えて、階級闘争の大地に根ざした労働者自己解放=人間解放の思想と闘いを甦(よみがえ)らせ、全世界の労働者人民の力を一つにプロレタリア世界革命を実現することに、自己解放的全エネルギーを解き放って挑戦している。
    ☆
 私たちは、労働者人民の怒りと解放への思いを共有し、それに依拠し、ともに自己解放を、弾圧はじめあらゆる困難をのりこえ徹底的に闘うことによって、スターリン主義をのりこえマルクス主義を甦らせ、解放が、労働者自己解放をとおした人間解放をかちとるプロレタリア革命以外にないことを実践的につかみとり鮮明化させた。
 それによって実践的にかちとったものが〈共同で生産を担い、社会を動かしている労働者こそ、団結した力で職場・地域・街頭、全世界で徹底的に闘い、資本・権力から支配権を奪い、すべてを奪い返し社会の真の主人公となることによって、本物の共同社会を運営・実現する力をもっている。そしてすべての人民も、それをともに担うことによって、その共同性と解放の力を自らのものとしてともに獲得し解き放って共同社会を運営・実現する力を持っている〉ということであり、それが最高の獲得物だ。
 そしてそれが階級闘争・プロ独・共産主義社会の全問題を解決するものであることをつかみとった。この労働者と人民の力への不信と資本・権力への屈服とは一体だ。それがすべての体制内派の本質だ。彼らは、すべての労働者人民の解放ということの困難さに屈服し、それを彼岸に押しやり、個々の運動・利害を優先し、そこにおける保身に走り、資本・権力に屈服し、全体の階級的利害=全労働者人民解放に敵対する。
    ☆
 資本・権力−体制内派と、その強いる現実に対して徹底的に闘い、職場・社会を変えることのできる自らの団結した力で労働者人民は、職場・社会、全世界を自らの手に奪い返し、その共同性によって誰もが人間らしく生きられるものとして運営していく、それが私たちの革命だ。そのための土台として党を不断に労働者(人民)自己解放の党として形成することで、それが可能となる地平に立っている。その闘いを牽引(けんいん)しているのが、今日の〈戦争・改憲、民営化−道州制・労組破壊〉と闘う動労千葉・1047名を軸とする4大産別の闘い、11月集会−日韓米・国際連帯の闘いであり、法大・西郡の闘い、沖縄・三里塚、そして星野だ。
 資本・権力は、その闘いを無理やり押しとどめようとし、法大を軸に弾圧を強めている。しかし110名全員の完黙・非転向の闘いが体現しているように、誰もが闘いと一体に獄中で力をつけ、闘いもそれによって力をつけ全員を奪還し前進する、そのような本物の闘いの時代を開いている。
    ☆
 私への無期懲役刑は、基地をなくし戦争をなくす、世の中を変え、労働者自己解放=人間解放をかちとる闘い、今日の闘いそのものを圧殺するために無実を承知で、権力の力を唯一の力に押し通している権力による犯罪だ。私たちの力で粉砕する以外にない。資本・権力と闘い、解放をかちとる闘い、その自己解放的エネルギーを圧殺するために、無実を百も承知で無期を強いる、34年も投獄する、そんなことをこれ以上一日も許すな、の声と闘いを圧倒的な力としよう。
 無期の唯一の「証拠」とされている供述は、当人が嘘(うそ)を強制されたと言明し、加えて、当然にも私の関与を見ても聞いてもいないのにどのように強制されたかを供述している。新証拠・鑑定書とあわせて無期の証拠は皆無だ。一日も早く執行停止・再審無罪判決を出せ、の声を圧倒的力とし勝利しよう。「星野のように闘おう。ともに闘い必ず取り戻し合流しよう」の闘いを。
 労組・労働運動の取り組みを強め、それを牽引力に全人民・全社会に広げ、大きな力にしよう。自らとすべての労働者人民の解放をかけて立ち上がり、徹底的に闘いぬく自己解放的な実践の中でこそ、すべての闘いを共有し、あらゆる分断をうち破って、自らとすべての労働者人民の解放をかちとる団結=共同性と力を獲得できる。その闘いで全世界・全未来を獲得しよう。
------------------------
★星野文昭同志/1971年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で無期懲役。08年7月に最高裁が特別抗告棄却。第2次再審請求準備中。徳島刑務所在監、8月6日に獄中35年目に突入。
★星野同志に全国から残暑見舞いを送ろう!
〈あて先〉徳島県徳島市入田町大久200−1
 星野文昭 様

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2403号8面3)(2009/08/17 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 我々の正義を立証、その時こそ革命だ! 東京西部 汐入アキオ

 7月25日、日本郵便輸送の非正規労働者大量解雇と闘う青年労働者をはじめ、郵政民営化絶対反対で闘う全逓の青年労働者の呼びかけによって、闘う労働者が杉並区阿佐谷に結集して非常にハイテンションな、熱い集会が開かれ、大成功しました。
 最初の提起では同じ郵便の労働者が、政権交代したところで民営化がストップするなどあり得ないと熱く語り、会場が熱気に包まれました。
 産別の発言の中でも印象的だったのが、実際に尼崎の事故現場とレールのカーブを見てきた地下鉄運転労働者が、安全無視と責任転嫁ともうけ主義にひた走るJR西日本の体制に、心底許せないと発言してたことや、新規に分会結成したセメント工場労働者が満面の笑みで結集してきたことです。今までこうした組合活動の存在すら知らなかった人たちが意気投合して合流し、新たな決起が生まれてる。とにかく感動の連続で、あらゆる労働現場も農民も学生も、部落解放闘争も反戦運動も労働者階級の闘いは常に一つです。体制の悪と我々の正義は必ず立証できる日が来る、その時こそ革命です。それを会場の皆さんとともに確認できた、素晴らしい集会になりました。とぅじぇん! ソリダリティ! 団結頑張ろう!

 「オバマと田母神を許すな」と岡山集会 岡山市 福田英実子

 7月12日、岡山市内で「被爆64周年8・6ヒロシマ大行動へ!7・12岡山集会」が開かれました。8・6ヒロシマ大行動の呼びかけ人であり反戦被爆者の会の下田禮子さんと、広島県労働組合交流センター事務局長の有賀崇雅さんから、大行動へのアピールが行われました。
 下田さんは「歯まで真っ黒に焦げ、服の柄が肌に焼き付いていたので、はさみで切ってはがした」と、原爆で母を亡くした経験を語り、「二度とこのようなことがないように、反戦反核を主張し続けなければならない」と訴えました。
 また、叔母の小西ノブ子さんとともに広電労組の活動に奔走しレッドパージを受けた若き日のことや、オバマ大統領のプラハ演説にも触れて「自分たちだけで核兵器を独占しているアメリカの大統領が核廃絶などと演説するはずがない。だまされるわけにはいかない」ときっぱり語りました。
 米国サンフランシスコで開かれた国際労働者会議で、8・6ヒロシマ大行動へのアピールを行って帰国したばかりの有賀さんは「核独占と新たな戦争を宣言したオバマとの対決が今年の8・6の歴史的課題だ。核を廃絶するのは労働者の国際的な団結の力だと確信した。岡山からも大結集を」と熱く語りました。また、8・6ヒロシマに乗り込んでくる田母神・前空幕長の講演会を許さない大街宣を行うと宣言しました。

 7・22東北大学集会“暴処法弾圧と闘う” 東北大学 H

 7月22日に東北大で「暴処法弾圧は戦争への道!法大8人の仲間を取り戻そう! 7・22東北大集会」を、20人の学生・労働者の結集で打ち抜きました。
 集会の最初は、法大闘争3年間を記録したDVDの上映と全学連の仲間からの訴えです。「大恐慌の深まりの中で、労働者にかけられている攻撃も、学生にかけられている攻撃も一つです。東北大生は、法大文化連盟と団結し、労学共闘の力で今こそ勝利しよう! 文連のように仲間との団結にかけきって闘い、自治会・サ協・寮を『第二、第三の文連』にしよう」
 特別報告として、坂野陽平・全学連委員長代行が全学連大会への総結集を呼びかけました。坂野君は、学生運動に決起し全学連と出会い、闘いの中からマルクス主義をつかんだことを語り、法大闘争の歴史的地平から全学連大会への総決起こそ11月集会1万人決起をかちとる展望だと確信を持って訴えました!
 特別報告の2人目に、教育現場で闘う青年労働者から「日の丸・君が代」問題と法大・暴処法弾圧は一体であり、ともに闘っていく決意を報告してもらいました。
 そして呼びかけ人の東北大生F君が「この場所(東北大学川内キャンパス)は戦前は軍事基地だった。学生の力で軍事基地から真理を愛する大学へと変えた。学生にはそういう力を持っている!」という熱烈なアジテーション。文化部サークル協議会運営委員が「東北大版『暴処法』である『内規』を絶対に許さない。サークルの団結をつくり出して粉砕していこう」と呼びかけました。東北大3年生の発言を受けて、最後に「団結がんばろう」。
 11月集会への1万人結集をなんとしてもやり抜くぞ! 「暴処法」弾圧粉砕8・30みやぎ集会から全学連大会への総決起でオバマ・麻生をぶっ飛ばすぞ!

 国家と激突している市東孝雄さんの営農 東北大学 本山隆介

 8月9日、市東孝雄さん宅に援農に行きました。初の援農でしたが、三里塚闘争勝利への思いと確信を新たにすることができ、ものすごく充実した一日となりました。
 当日は朝8時に到着。初めに市東さん宅横の監視台に登って空港と「への字誘導路」を見ました。目の前を走行していく飛行機、そして空港に食い込んだ畑。怒りがこみ上げてくると同時に、破綻した空港の姿に勝利性を実感!
 その畑で早速作業開始。市東さんと現闘の仲間とともに、収穫の終わったトウモロコシ畑の草刈り、セロリの苗植え、きゅうり畑の片付けなど、汗と土にまみれながら夕方まで作業をやりきりました。草刈りや苗植えの終わった畑を見ると爽快(そうかい)感でいっぱいです。
 一日中、私服公安刑事や警備会社が車を徘徊(はいかい)させ監視していました。とことん許しがたいですが、この営農活動が国家権力−資本主義体制との大激突となっているということです。この日常が成田空港を日々追いつめています。この力強さは現地でこそ実感できます。
 市東さんは一緒に休憩していた時に「緩和誘導路ができれば、地下水がダメになる」と話していました。騒音も本当にひどい。農地を破壊する空港を絶対に許すわけにはいかない!
 「一切の話し合い拒否、農地死守・実力闘争」の原則で闘いぬいてきた三里塚闘争は、日本階級闘争の最高の宝です。大恐慌の時代と対決し、労農同盟の地平を発展させることが勝利を切り開きます。青年・学生は援農にどんどん行こう! 10・11三里塚闘争に大結集しよう! 11月1万人結集へ!

------------------------TOPへ---------------------------