ZENSHIN 2009/07/27(No2401 p06)
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週刊『前進』(2401号1面1)(2009/07/27 )
8・2革共同集会に大結集し日本革命勝利の展望開こう
広島・長崎闘争でオバマ賛美に断を!
(写真 勝利する時代 デモでマーブルビーチに到着。沖合に浮ぶ空港島に向かって「労働者の団結で関空粉砕を」とアピール。デモに先立つ集会の基調報告で、事務局長の国賀さんは「勝利する時代が来た」と力強く宣言した【7月19日 大阪府泉佐野市】)
日本階級闘争は、戦後史最大の革命的激動期に突入した。7月21日、日帝・麻生政権は、労働者・農民・学生の激しい怒りが渦巻く中、衆議院を解散し、8月30日総選挙を決定した。都議選での自民党の大敗は、国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃に対する6千万労働者階級の怒りの爆発だ。動労千葉を先頭にした国鉄・全逓・自治体・教労の4大産別決戦と法大決戦の前進が、日帝・麻生政権を追いつめ、ついに自民党を歴史的な崩壊にたたきこんだのだ。この情勢に大いに奮い立ち、プロレタリア革命の勝利をめざして、8月の激闘から11月労働者集会1万人結集へ全力で闘おう。
ついに自民党体制が全面的な崩壊へ
都議選の結果と、その後の自民党のぶざまな分裂と抗争は、自民党による戦後の議会制支配が崩壊し、革命と反革命がむき出しに激突する時代、大動乱の時代の到来を示すものだ。圧倒的多数の労働者階級は、「自民党政権か、民主党政権か」などという選択にはなんの期待も幻想ももっていない。解散・総選挙情勢の中で、道州制・民営化推進=公務員360万人首切りの政策協定を結んだ民主党・連合中央や、「建設的野党」を標恫(ひょうぼう)し民主党政権への協力を表明する日本共産党の反革命的本性はますます露わになっている。
こうした中で、いよいよ動労千葉派が労働運動の主流派として圧倒的に躍り出る時が来た。労働者階級の勝利の展望は、国鉄分割・民営化に絶対反対を貫き、団結を守りとおしてきた動労千葉の存在と闘いにこそある。11月労働者集会1万人大結集へともに闘おう。
6・14−15連続闘争の高揚を引き継いで、7月サンフランシスコ国際労働者会議と7・17国鉄闘争勝利集会が圧倒的にかちとられた。7カ国の左派労組活動家が集まったサンフランシスコ国際会議では、動労千葉が提案した3点を主要な内容とする決議〈@国鉄1047名解雇撤回闘争支援、A法大学生運動への不当弾圧粉砕、B11月労働者集会への結集を呼びかける〉が満場一致で採択された。
続く7・17国鉄闘争勝利集会には470人が結集し、自民党にすがりつく4者4団体路線が最後的に破産する中で、5・27国労臨大闘争弾圧の被告団を先頭に、動労千葉派が第2次国鉄決戦・国鉄1047名解雇撤回闘争の責任勢力、真の勝利者として登場し闘いぬくことを熱烈に宣言した。
この国鉄1047名解雇撤回闘争の新たな陣形と日韓米労働者国際連帯の力で、11月労働者集会の1万人大結集へ突き進もう。
韓国では、双龍(サンヨン)自動車ストへの国家権力の強制執行が始まった。ピョンテクの塗装工場に立てこもる1000人の労働者は「工場は絶対に明け渡さない」と徹底抗戦を闘いぬいている。どこにも引くところのない労働者が整理解雇撤回と総雇用死守で団結し、「ともに生きよう!」と闘いぬいているのである。
11月労働者集会に1万人の大結集を
この韓国労働者の決起と連帯し、職場生産点における資本・体制内派との非和解の闘いを貫き、国鉄を軸とする4大産別の労働組合をめぐる攻防に労働者階級のすべての力を集中し、かちぬこう。現場労働者の団結の力で、連合・全労連の体制内組合幹部を打倒し、資本主義・帝国主義の打倒へ、闘う労働組合をよみがえらせよう。
8月広島・長崎反戦反核闘争は、いよいよ階級的労働運動の前進をかけた大決戦となった。米日帝国主義が北朝鮮侵略戦争に突き進んでいるただ中で、帝国主義に屈服し呼応する動きが強まっている。日本共産党のオバマ賛美運動、連合本部の「核廃絶1千万人署名」、秋葉・広島市長の「オバマジョリティ・キャンペーン」などだ。田母神反革命や、転向スパイ集団=塩川一派の闘争破壊策動を断じて許すな。帝国主義の核独占を容認し、北朝鮮侵略戦争を推進する一切のオバマ賛美運動に、闘う労働者の総結集で断を下そう。職場生産点の闘いを土台に、青年労働者・学生を先頭に大結集しよう。
また、裁判員制度粉砕の闘いは、戦争・改憲攻撃との対決そのものであり、日帝支配階級の危機と破綻点を徹底的につく闘いだ。8月3日、全国初の裁判員裁判が東京地裁で行われようとしている。同日、「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかける霞が関デモに決起しよう。(6面にアピールと要項)
世界金融大恐慌がいよいよ本格化する中で、資本主義・帝国主義は大量首切りと保護主義、世界戦争に突き進んでいる。新自由主義の破産、民営化の破綻が露わになる中で、道州制・民営化攻撃との激突が、4大産別を始めとする全国の職場生産点で激しく火花を散らしている。
道州制・民営化絶対反対で団結しよう
資本主義の救済か、資本主義の打倒か。労働組合がどちらの道を進むのかで一切は決まる。自民党の崩壊と解散・総選挙情勢の核心は、4大産別の労働組合を支配階級の側が握るのか、革命派が握るかだ。この7〜8月、職場生産点で現場の怒りの先頭に立ち、動労千葉労働運動の絶対反対論と階級的団結論を武器に、現場労働者の組織化を全力で推進しよう。
日本経団連・御手洗は「道州制の導入に向けた国民運動の推進」を打ち出し、「総選挙における各党の政権公約に期待する」として、以下の項目を挙げている。すなわち、@「道州制推進基本法」の制定、A民営化・規制緩和のさらなる推進、B「雇用・就労の多様化」という名の非正規雇用の拡大、C消費税増税など税制の抜本改革、D憲法改悪に向けた合意形成――などだ。
これは、6千万労働者階級に対する〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉の大攻撃だ。自民党も民主党も道州制を選挙公約に掲げ、さらに「核武装」「日教組解体」を叫ぶ田母神や「地方分権総選挙」を掲げる大阪府知事・橋下、横浜市長・中田、杉並区長・山田らの「首長連合」がこの攻撃の先兵となっている。
しかも連合中央は、民主党との政策協定で「地方分権の推進」「行政改革の推進」「公務員制度改革の断行」を掲げた。これは完全に日本経団連・御手洗の手先として、公務員労働者360万人の首を切る先兵となる宣言だ。また日本共産党は、「民主党中心の政権が成立した場合、一致点での政党間協力を追求」などと、日本経団連にすり寄っている。
7〜8月決戦の柱は、これら支配階級とその手先、体制内派指導部の策動を根底から打ち砕く、国鉄1047名解雇撤回闘争だ。2千万人を超える非正規職の現実、労働者の怒りを圧殺する連合本部や全労連本部の裏切りも、すべてが国鉄分割・民営化から始まった。国鉄1047名解雇撤回闘争を、大恐慌―大失業攻撃と闘う2千万青年労働者―6千万労働者階級全体の結集軸に押し上げよう。国労5・27基金、動労千葉物販、NIPPO物販を広げよう。
自治労・教労を先頭に職場生産点で〈道州制・民営化絶対反対〉を掲げ、正規・非正規、公務員・民間という、資本がつくり出した分断の壁をうち破り、現場労働者の階級的団結と怒りの決起をかちとろう。
「郵政民営化絶対反対・JP労組中央打倒」の全逓決戦も正念場だ。JPEXの破綻は、現場労働者の怒りと出向拒否の闘いが強制した。民営化絶対反対の階級的団結を拡大しJP労組本部打倒へ攻め上ろう。法大「暴処法」弾圧粉砕の全国共同声明運動に全職場で取り組もう。獄中の8学生を即時奪還しよう。
8・2革共同政治集会に大結集し、闘う労働組合と一体となり、労働者階級の怒りと闘争の先頭に立つ革命的労働者党への飛躍をかちとろう。マル青労同1000人・マル学同1000人建設を軸に、職場細胞建設、地区党建設を一体的に推進しよう。機関紙拡大闘争、夏期一時金カンパ闘争に勝利しよう。
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週刊『前進』(2401号1面2)(2009/07/27 )
関空闘争 “道州制粉砕・橋下打倒へ”
泉州住民の会が単独で主催 解放感と勝利の確信
7月19日、大阪府泉佐野市で関西新空港反対全国集会とデモが闘われた。地元住民・労働者60人を先頭に大阪、東京、千葉、広島、愛知、九州など全国から参加、昨年の1・5倍の275人の結集で大高揚した。
今年の関空闘争は、泉州住民の会が単独で主催した。関空集会をめぐって関西実行委と三里塚反対同盟から「声明」が出されたことが逆に討論を巻き起こし、闘う路線を鮮明にし、参加者が増えた。
泉州住民の会役員・中山綾子さんの司会で開会した。冒頭、「住民の会は14人の役員が真剣に何回も議論し、今日の集会を開催しています」と住民の会の決意を述べた。
連帯のあいさつは、入江史郎全国労組交流センター代表、動労千葉、8・6ヒロシマ大行動実行委員会などが行った。昨年は発言してもらえなかった婦人民主クラブ全国協議会、部落解放同盟全国連西郡支部は、泉州住民の会の大事な共闘団体として紹介され、連帯のあいさつを述べた。
国賀祥司事務局長(泉佐野市議)が基調報告を行った。冒頭「今年の関空闘争は気持ちよく闘っています」と述べた。そして時代認識を述べた。「世界恐慌の中、関空闘争に勝利できる絶好の情勢を迎えている。今こそ闘う時だ。世界最大の製造業GMが倒産し、日本では自民党があっという間に崩壊状況、恐慌情勢が革命情勢にダイナミックに動いている。労働者が決起している。勝てる情勢だ」。
そして、「闘って勝利する路線は、道州制粉砕! 橋下打倒にある。闘う部隊は住民と労働者だ。団結した力が無限の力を発揮する」と述べた。参加者から大きな拍手が起こり、基調報告は圧倒的に支持された。
関空は便数、旅客が毎月減って倒産の危機にある。いや実質的に倒産している。われわれが闘えば勝利できる情勢になったことを確信させた。
動労千葉の滝口誠さんがサンフランシスコでの国際労働者会議の成功を報告した上で、重要な発言をした。(要旨別掲)
カンパアピールを住民の会の新しい青年役員が行った。
決意表明は、関西労組交流センター、国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さん、自治体労働者、八尾北医療センター労組、関西合同労組泉州支部、全学連が行った。関西労組交流センター代表の富田益行さんは、「関空を内部から食い破る労働者の決起をつくり出す。市民病院の独法化に反対する労働者の闘いをつくり出す」と述べた。自治体労働者は7・29道州制反対青年労働者集会への参加を訴えた。関合労泉州支部は「4月から泉州住民の会に団体加盟した。労働者階級として関空闘争の勝利に責任を取る」と述べた。
最後に泉州住民の会の役員が閉会あいさつを行った。「今日は住民の会の単独主催で画期的な集会になった。西郡支部や婦民には今年は思う存分に発言してもらった。関空は軍事空港として造られた。軍用機を飛ばしてはいけない」と述べた。
この日の集会の一切を泉州住民の会が責任をもってやりきった。
さあ、デモだ。関空対岸のりんくうタウンに向けてデモ隊は出発した。沿道には住民が出てデモ隊を応援した。
照りつける太陽の中、解散地点のマーブルビーチに着いた。巨大な空港島には1万5千人の労働者が働いている。連絡橋を通ってJRや南海の労働者が電車を運んでいる。労働者が立ち上がれば、空港も鉄道も止まる。労働者こそが空港の命運を握っている。労働組合を武器に団結を拡大すれば必ず勝利できる。11月1万人決起で決着をつけよう。勝利に向けて前進しよう。
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動労千葉・滝口さん発言 闘いの原則で一致することこそ団結回復の道
泉州住民の会の声明を支持します。それは、関西新空港反対闘争の主体は地元泉州の住民・労働者の皆さんだからです。そして皆さんの声明が、様々な問題をのりこえて湾岸共闘、関実の団結の回復を真剣に求めているからです。私たちは、泉州住民の会が長年、地道に、そして大衆的に不屈に闘いを組織し続けてきたことを知っています。動労千葉は、皆さんとともに闘っていきます。
私たちは、関西実行委員会・湾岸4団体とも長年共闘関係にあります。「泉州住民の会が主体となり、湾岸4団体の協賛・協力を得て本日の集会を成功させたい」という皆さんの訴えは、まったく正当なものだと考えます。関空闘争を準備してきた泉州の皆さんに対し、なぜ泉州住民の会を排除する声明が出されたのか、まったく理解できません。
私たちは、三里塚反対同盟と「車の両輪」として闘ってきました。三里塚空港へのジェット燃料貨車輸送阻止闘争を始め、三里塚の闘いは私たちにとってまさに自らの闘いです。その意味で関西実行委員会の問題について、闘いの亀裂を深めるような同盟の声明は残念でなりません。
何よりも関実の問題は関実自身が解決するべきです。三里塚闘争に心を寄せている全国の様々な方々が40年間団結できてきたのは「空港絶対反対、農地死守、労農連帯」という同盟の原則のもとに一致してきたからです。
三里塚闘争、関西新空港闘争は、今の情勢の中でますます重要になっています。動労千葉は、この状況を克服するために全力をつくす決意です。
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週刊『前進』(2401号1面3)(2009/07/27 )
壮大な激動期に革命へ向かう渾身のカンパを
大恐慌が進展し、全世界の労働者・学生・農民が命がけで反乱する中で、戦争と民営化に向けて絶望的にあがく資本家どもとの歴史的大決戦が到来しています。革共同は、すべての同志の皆さんと『前進』読者の皆さんに訴えます。この大決戦に勝利し、プロレタリア革命へ進撃するために、もう一踏ん張りの渾身のカンパを寄せて下さい。
自民党支配は崩壊しました。新自由主義の破綻であり、日本帝国主義の崩壊が始まったのです。
日帝に残された道は「外に向けての侵略戦争、内に向けての階級戦争」以外にないことがますます鮮明になりました。経団連・御手洗は道州制を柱にした要求を自民党、民主党につきつけています。
自民党支配の最後的破綻へ、労働者階級の怒りの大噴火が始まったのです。労働者の反乱は資本主義そのものに向かい始めています。労働者の生きるための血叫びは、革命的反乱です。
革共同はこの真理をがっちりと受け止め、始まった反乱を革命に転化できる労働者階級の党として、いかなる困難も引き受けて闘います。
すでに国鉄1047名闘争を土台にした4大産別の闘いに挑戦し、職場闘争にこだわり、闘いに責任をとる勢力として重大な飛躍を開始しました。獄中で非転向で闘う学生を先頭にした法大闘争の決起に学び、階級としてひとつになった労学共闘の新たな進撃をかちとっています。
さらに動労千葉、民主労総、ILWU(国際港湾倉庫労組)との国際連帯の中で、壮大なスケールでみずからの階級性をつかみ、戦略をつかみ、労働組合と一体となった世界的な単一の党建設への道も始まりました。
私たちの試練は、大恐慌の現実と格闘しながらマルクス主義をよみがえらせ、労働者の本当の力を呼び覚ます闘いです。労働者の無限のエネルギーを革共同の根元的な力に結集することで、党は激動期に挑んでいく決意です。
スターリン主義、帝国主義社民、ファシスト、塩川一派など密集する反革命や4者4団体派など、あらゆる体制内派が総屈服・総転向する中、革命党として歴史的責任をまっとうするために「日和見主義との完全な決別」(レーニン)を肝に銘じて闘います。8・2革共同集会で戦闘体制を固め、オバマ演説礼賛を粉砕する8・6広島〜8・9長崎反戦反核闘争、8・15闘争から11月労働者集会1万人結集へ邁進(まいしん)します。一切の土台は革命的資金です。圧倒的なカンパをお願いします。
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週刊『前進』(2401号1面4)(2009/07/27 )
前進速報版から
▼決死抗戦するサンヨン労働者と連帯を▼市東農地裁判、公団の違法摘発▼11月へ7カ国の労働者が国際会議▼全社連労組がスト行動
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週刊『前進』(2401号2面1)(2009/07/27 )
“1047名闘争の主流派に”
5・27被告団 国鉄闘争勝利へ総決起集会
「11月1万人」の出発点築く
国労5・27臨大闘争弾圧裁判が結審を迎えた7月17日、5・27被告団を先頭とする国労共闘、動労千葉と動労総連合、全国労組交流センターは、早朝からの一日行動を設定して全力で闘いぬいた。JR東日本本社・鉄道運輸機構への抗議行動、7被告による最終意見陳述公判、そして夕方の国鉄闘争勝利総決起集会をもって、「新たな国鉄1047名闘争」の姿が鮮明に立ち現れた。国鉄戦線を先頭に、11月労働者集会にむけた怒濤(どとう)の進撃が始まった。
午後の公判終了後、文京区民センターで「1047名解雇撤回! 5・27弾圧粉砕! 国鉄闘争勝利総決起集会」が開かれた。470人が集まり熱気あふれる感動的集会となった。
国労共闘全国協議会代表の吉野元久さんが基調報告に立った。
(写真 夕方からの「国鉄闘争勝利集会」は、最終意見陳述公判の高揚感もそのままに熱気あふれる大結集となった【7月17日 文京区民センター】)
試練のりこえ闘いの基軸に
吉野さんは、国鉄分割・民営化以来の経過を振り返りながら「国労共闘を先頭とする国労内の動労千葉派は、幾多の困難・試練を乗り越えていま、被告団を先頭に真の勝利者として登場している。この動労千葉派と、100万人の支援陣形を持つ1047名闘争が完全に結合すれば、JR体制を打倒し、連合支配を転覆し、日本の労働運動全体を階級的によみがえらせることは絶対に可能だ」と確信に満ちて提起した。さらに「団結破壊のための5・27暴処法弾圧を打ち破り、被告団は一層団結を固め、ついに動労千葉とともに国鉄闘争勝利の基軸的柱となった。5・27弾圧との闘いはJR体制との正面戦に突入する。職場で青年労働者を獲得し、11月集会に1万人を集めて資本との力関係を抜本的に転換しよう。弾圧を粉砕し、有罪解雇攻撃をぶち破ろう」と訴えた。
協賛団体あいさつに立った動労千葉の田中康宏委員長は、「4者4団体は最後的に破産した。いま求められているのは根源的な怒りだ。20万人もの国鉄労働者の首を誰が切ったのか! 自民党であり今のJR経営陣だ。今日、ここから新しい1047名闘争をつくろう。このかけがえのない闘いがこのまま腐っていっていいのか。多くの闘争団員もそう思っているはずだ。今日が本当の出発点だ」と述べた。
弁護団全員が発言に立った。「正義はわれにあり! 今日の被告の陳述は圧倒的だった」「検察側論告はまったくスカスカなもの。私は無罪を確信している」「新弁護団結成以来の闘いをとおして、5・27裁判闘争が1047名闘争勝利を切り開く闘いそのものになった。闘いはこれから。弁護団もその一翼を担って闘う」「自民党支配が完全にぶっ飛び、2・1ゼネスト前夜のような激動が始まった。この日本史の大転換期に5・27という闘いを持っていることは決定的だ」と、最終弁論公判を闘いぬいての感想を語った。
弾圧うち破り革命の時代を
盛大な拍手がわき起こる中、被告団と家族がそろって登壇した。02年10月の逮捕から6年半余り、100回を超える公判闘争を闘いぬいた波瀾(はらん)万丈の月日を振り返りながら、新たな闘いへの決意あふれる発言が続いた。富田益行被告団長は「暴処法弾圧が吹き荒れる時代は戦争の時代だ。この弾圧を打ち破った時、革命の時代が来る」と発言した。橘日出夫被告は「今日は心の底から『勝った』と言える闘いをやりきった。5・27被告団が絶対反対派として屹立(きつりつ)したことが4者4団体の全面破産をつくりだした。全闘争団員を獲得する土台を完全につくった」と述べた。
続いて国労闘争団員、動労千葉争議団、JR本体で働く国労組合員がそろって壇上に上がり「新たな国鉄1047名闘争宣言」を発した。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「今日ここから、われわれが主導権を握る闘いが始まった。11月労働者集会に必ず“革命的闘争団”を組織する」と宣言。他の闘争団員は「国鉄分割・民営化は国鉄闘争をつぶすために強行された。政府にお願いして解決するはずがない。はっきりと解雇撤回を掲げて闘うことで全労働者の闘いとひとつになる」と鮮明な発言。動労千葉争議団の中村仁さんは「今こそ労働者がひとつに団結して資本家を倒し、労働者の社会をつくろう。労働者はその力を持っている」と訴えた。
JR本体で働く労働者は「私の同期で本当にまじめなやつが寮で自殺した。毎日上司に怒られていたようだ。でもその上司は、いまも何食わぬ顔で会社のお偉いさんをやっている。そんなの許せますか! でも“そんな管理者ぶっ飛ばせ”と言う組合がない。われわれこそが“JRぶっ飛ばせ。管理者ぶっ飛ばせ。4者4団体ぶっ飛ばせ”と言わなければいけない」と怒りを込めて闘争宣言を発した。
動労水戸の木村郁夫書記長、動労西日本・広島支部の大江照己支部長、ス労自主の山川博康さん、法政大・文化連盟の洞口朋子さんなどがともに闘う決意を表明。参加者全員で団結がんばろーを行い、圧倒的な高揚感のうちに集会を終えた。
(写真 被告団と家族が登壇し逮捕以来の万感の思い、新たな闘いへの決意を表明した。発言は富田被告団長)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2401号2面2)(2009/07/27 )
JR東と鉄運機構に抗議
7月17日午前中、JR東日本本社(新宿)と鉄道運輸機構(横浜)に対する抗議行動が取り組まれた。
JR東日本本社前では、信濃川発電所の違法取水や不当労働行為を居直る清野智社長らに対し「監獄に行け」という怒りの声がとどろいた(写真左)。
鉄道運輸機構前では、「われわれはあくまで1047名の解雇撤回の原則を貫く」と戦闘宣言(写真右)。
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週刊『前進』(2401号2面3)(2009/07/27 )
7被告が最終意見陳述
勝利の路線示し法廷を圧す
7月17日、東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれた国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第114回公判では、各被告の最終意見陳述が行われた。被告の陳述は、検察官論告を鋭く弾劾し、国鉄闘争の勝利の路線を格調高く論じるものとなった。被告団は検察官と裁判官を圧倒し、法廷は被告が国家権力と国労本部を裁く場に転化した。
判決公判は11月27日に指定された。11月労働者集会1万人結集で、有罪判決策動を打ち砕こう。
最初に、橘日出夫被告が陳述に立ち、「私たちはこの弾圧との闘いに完全に勝利している」「11月労働者集会1万人結集でこの弾圧との決着をつける」と宣言した。
また、旧弁護団の解任と松崎被告との弁論分離によって被告団は4者4団体路線と決別し、革命に進撃する路線を打ち立てることができたと総括した。この弾圧は、国労共闘と動労千葉が1047名闘争を革命に向けて牽引(けんいん)しようとしていたからかけられた。橘被告は、この弾圧との闘いをとおして、「1047名闘争を軸とする4大産別決戦で資本主義を打倒する展望を握りしめた」と強調した。
東元(あずまはじめ)被告は、「全面的な破綻を露呈した検事論告など1ミリも認めない」と断言。戦後革命期から国鉄分割・民営化に至る戦後労働運動史を総括して、日本階級闘争における国鉄闘争の基軸性を全面的に論じた。そして、動労千葉の闘いが労働者階級の勝利を切り開いていると述べ、「革命と反革命が激突するこの時代に生き、闘えることは本当に幸せだ。勝利はわれわれにある」と結んだ。
羽廣憲被告は、「5・27臨大は国労組合員として絶対に認められない大会だった」と述べて、国労本部を徹底的に弾劾した。また、解雇撤回を投げ捨てた4者4団体路線を全面的に批判するとともに、4者4団体路線に転じた松崎博己被告との弁論分離は不可避であったことを明らかにした。そして、「私たちが国鉄1047名闘争に責任をとる勢力としてぶっ立った時、歴史は動く。労働者階級の無限の力を信頼し、終わりを迎えた資本主義社会を打ち倒す」と不動の決意を表明した。
原田隆司被告は、公安警察と一体となってこの弾圧を首謀した日本共産党・革同を弾劾し、国鉄分割・民営化以来の彼らの裏切りを暴ききった。さらに、国労組合員である被告に懲役1年を求刑した検察官論告について、「検察の敗北であり、無罪と同じだ」と断言、「裁判闘争を勝利的に闘いぬいた私たちは、覚悟を決めた人生の先に、新しい社会の展望を見ている」と宣言した。
小泉伸被告は、有事のためにつくられたJR貨物が国鉄分割・民営化の矛盾の集中点であり、要員問題や安全問題などあらゆる点で破産していることを暴き出した。また、検察官論告を弾劾し、「国家権力に憎まれることほど名誉なことはない」と言い切った。
富田益行被告は、JR西日本の山崎正夫社長が尼崎事故で起訴されたことに触れ、「事故責任を現場労働者に負わせてきた資本主義体制こそが徹底弾劾されるべきだ。あらゆる事故の責任はすべて資本にある」と喝破した。また、国鉄発足以来の大事故の原因を具体的に暴き、動労千葉の反合・運転保安闘争のみが戦後労働運動の限界を突破してきたことを説き明かして、JR体制下で反合理化・運転保安闘争はどう闘われるべきかを全面的に論じきった。
向山和光被告は、向山被告を「事件の首謀者」と描き出す検察官論告を徹底的に弾劾し、「論告は労働者は革命の主体ではないと決めつけた。検察官は、労働組合が革命の主体としてよみがえることに恐怖している」と断言した。また、この弾圧に適用された暴力行為等処罰法の団結破壊法としての本質を全面的に暴露し、法大闘争との連帯を表明して、「労働者被告とともに世界大恐慌をプロレタリア革命に転化する歴史的事業に勝利する」と鮮明な決意を明らかにした。
被告たちの陳述に傍聴席から盛んな拍手が送られた。裁判長はそれを制止することもできず、被告たちこそ勝利者であることが明白になった。
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週刊『前進』(2401号2面4)(2009/07/27 )
勝田車両センター 動労水戸が第1波緊急スト
新たな強制配転攻撃に怒り
動労水戸は、国鉄分割・民営化以来22年間の革命的決着をかけた闘争に突入している。
JR常磐線の心臓である勝田車両センターにおける動労水戸組合員1人と青年労働者に対する強制配転攻撃に対して、動労水戸組合員の怒りが炸裂(さくれつ)した。強制配転を前提とした運転適性検査の業務命令発動に対し7月23日、1人の組合員への攻撃を全組合員で反撃するために即座に意思統一が行われ、全員一致でストライキ方針が決定された。当日勤務の全組合員10人が、半日から全一日のストライキに立ち上がった。緊急ストであったにもかかわらず、新組合員、家族を先頭に20人が結集し、勝田車両センターに対して激烈な抗議行動をたたきつけた。
JR東日本は、動労水戸がかちとった運転士登用差別裁判の最高裁勝利判決を盾にとり、新たな組合破壊攻撃を加えてきている。判決に従うふりをしながら、通勤できないほどの遠隔地で運転士に発令し、運転士登用をあきらめさせようとしているのだ。
今回の強制配転は、動労水戸の組合員を運転士に登用することによる穴を埋めるために、別の組合員を強制配転するという攻撃だ。徹頭徹尾、組合破壊―団結破壊の意志が貫かれている。これが大恐慌の時代における死闘の実相だ。そこにあるのは“動労千葉と動労水戸の闘いの地平を何が何でも解体しなければならない”という資本と国家権力の階級意志だ。逆に言えばこの闘争の中にこそ、全JR労働者のみならず全労働者階級を獲得する展望があるのだ。
23日のストライキに対して、会社はスト当日に遠隔地への運転士発令を強行した。壮絶な絶滅戦に突入しているのだ。
しかし、組合員は本気だ。その意気はかつてなく高い。22年間にわたって鍛えに鍛えぬかれた誇り高き労働者魂がここにある。最強の親父軍団が青年労働者を揺さぶり、獲得する過程が始まった。第2波ストでは、さらに新たな組合員を加えて闘争を発展させる。
世界大恐慌―大失業と戦争の時代は、労働組合の思想と路線をめぐる死闘の時代だ。動労千葉とともに闘いぬいてきた地平が、全労働者をとらえる時代が来たということだ。労働者としての最後の誇りまで奪い、資本の意のままに配置転換や首切りを行うことなど絶対に許さない。それに対する労働者の根底的回答は団結を拡大し闘いを発展させることにある。
11月労働者集会への1万人結集にのぼりつめていく過程は、こうした絶対非和解の闘争の壮絶な発展過程としてあると確信する。
(茨城・T)
(写真 組織破壊を狙った強制配転攻撃に腹の底からの怒りをたたきつける動労水戸組合員ら【7月23日 茨城県ひたちなか市・勝田車両センター前】)
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週刊『前進』(2401号2面5)(2009/07/27 )
“全国に支援する会を”
動労千葉を支援する会 飛躍的発展かけ総会
動労千葉を支援する会の09年度定期総会が7月20日、DC会館で開催された。各地区の会員と動労千葉の組合員など120人が集まり活動方針と役員体制を決定した。
方針提起に立った山本弘行事務局長は冒頭、「今日は支援する会の飛躍的発展にむけた方針を提起したい」と切り出した。1年間の闘いの経過と総括、内外情勢を明らかにした上で山本さんは09年度活動方針の基調を提案した。方針の柱は@11月労働者集会1万人結集の先頭に立とう、A1047名解雇撤回闘争の責任をとる会に飛躍しよう、Bすべての地域で支援する会を立ち上げ職場・地域の労働者を組織しよう――この3点だ。
山本さんは「支援する会はもともと『動労千葉ストライキ基金』を引き継いで発足した。被解雇者の生活と闘いを支える活動を堅持しつつ、もう一つの柱である『戦闘的労働運動の全国的陣形を展望する』という方針を真正面に据えて闘う時が来た」と方針案の核心点を強調し、「これは国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利に本当に責任をとれる物質力をもった運動体への飛躍をかけた方針だ」と述べた。
続いて動労千葉からの提起を田中康宏委員長が行った。
1047名闘争と国際連帯柱に
田中委員長は、都議選以降の政治的大激動情勢について「労働者階級・労働組合がいま、力あるものとして登場できるかどうかに未来がかかっている」とし、「今年の11月労働者集会の柱は、国鉄1047名解雇撤回闘争と国際連帯闘争だと考えている。4者4団体路線と非和解的に闘いぬいてきた1年間の実践が実を結ぶ時が来ている。全面的な獲得戦に入る時だ。本当に1万人を集め、“ここにこそ怒りの結集軸がある”と全国の労働者に示そう」と訴えた。そして「いま動労千葉は、組織拡大をめぐり会社との激烈な戦争に入っている。なんとしてもこの壁を突き破って1万人結集の先頭に立つ」と決意を表明した。さらに田中委員長は、市東孝雄さんの農地強奪攻撃をめぐって大変な局面を迎えた三里塚闘争について「動労千葉は4人の解雇者を出しながら反対同盟と“車の両輪”として三里塚闘争を闘ってきた。三里塚闘争の原則を守りぬき全力で決起する」と語った。
討論では、国労上野支部の吉野元久さんが「われわれが本当に1047名闘争の責任勢力になり勝利を切り開く道は、11月集会に1万人を集めることだ」と発言。新潟の会員は「9月をめどに新潟に支援する会を結成する。躊躇(ちゅうちょ)せず各地に支援する会をつくろう」と呼びかけた。また、昨年9月に結成された「動労千葉を支援する会広島」からのメッセージが紹介された。
運動方針案が全体の拍手で承認され、大幅に拡充された18人の運営委員体制が満場一致で確認された。
第2部の懇親会では、参加した各地の会員が職場での闘いの報告と決意を次々と語った。動労千葉組合員と会員、あるいは会員どうしが杯を酌み交わしながら大いに親交を深めた。
懇親会の最後に、動労千葉各支部代表が前列に勢ぞろいして支援へのお礼と決意を述べた。激烈な攻防戦を闘っている幕張支部の山田護支部長は「毎日毎日、朝の点呼から闘争している。当局は組織拡大を最も恐れている。組織拡大で回答する」と発言。君塚正治副委員長は「この間の訪米闘争をとおして、動労千葉のやってきた闘いは間違っていなかった、世界を動かす力を持っていると確信した。支援する会は“ともに闘う会”だ。11月集会への1万人結集をともにかちとろう」と呼びかけた。
組合歌とインターナショナルの合唱、団結がんばろーで意気高く総会を締めくくった。
(写真 「物質力をもった運動体に飛躍しよう」と方針案を提起する山本事務局長【7月20日 千葉市】)
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週刊『前進』(2401号3面1)(2009/07/27 )
11月労働者集会結集へ 7カ国労働者が国際決議
「1047名・法大闘争支援」動労千葉提案を満場一致で
7月20日に開催された動労千葉を支援する会の総会(2面に記事)で、動労千葉から、7月上旬アメリカのサンフランシスコで開かれた労働者の国際会議の報告があった。報告によれば、会議で動労千葉が提案した3点を主要な内容とする決議が満場一致で採択された。@国鉄1047名闘争支援、A法大での学生弾圧粉砕、B11月労働者集会への結集を呼びかける決議だ。会議には7カ国(アメリカ、日本、韓国、トルコ、フィリピン、ブラジル、イタリア)の左派労組活動家が集まった。この会議はILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10、同34、TWSC(運輸労働者連帯委員会)の呼びかけにより、1934年のサンフランシスコゼネスト75周年記念事業の一環として開催されたものだ。7月5日には、サンフランシスコでゼネスト記念のデモが闘われた。6日の国際会議で動労千葉が提案し、採択された決議を紹介します。(編集局)
(写真 サンフランシスコゼネスト75周年記念のデモ行進【7月5日 サンフランシスコ】)
◆決議
1987年の国鉄分割・民営化は、日本における戦後最大の労働運動解体攻撃であった。民営化に向けた政府の委員会が設置されてから民営化強行までの6年間に20万人以上の国鉄労働者が職場を追われ、組合つぶしの攻撃が嵐のように吹き荒れ、200人の国鉄労働者が自殺に追い込まれた。
またこの攻撃によって労働運動は後退をよぎなくされ、総評・社会党は解散に追い込まれた。その結果、市場原理主義の弱肉強食政策が日本のすべての労働者を襲い、今日までに1000万人をこす労働者が非正規職に突き落とされた。
さらに国鉄の民営化は、鉄道の安全性と公共性を破壊し、2005年の尼崎事故では107名の乗員・乗客の生命が奪われた。また鉄道で働く労働者への安全を無視した作業の強要によって、保線作業中にひき殺される等、民営化以降300人をこす業務中の死亡事故をひき起こしている。
一、日本の鉄道労働者の闘いを支持するとともに、本会議の名において、日本政府および日本国有鉄道の法的・実質的な承継法人である鉄道運輸機構、JR各社に対し、直ちに1047名の解雇を撤回し原職に復帰させるよう強く求めるものである。
一、日本の法政大学において、「営業の自由」の名のもとに、学内での政治的表現や学生の自治のいっさいが禁止され、それに抗議する学生たちがこの3年間に110名も逮捕されるという異常な事態が起きている。しかもその弾圧は、かつて日本帝国主義がアジアへの侵略戦争を遂行するために制定され、今日まで生き残ってきた治安弾圧法を発動することをもって行われている。
キャンパスは、いたるところに設置された監視カメラによって監視され、学生に対する強制退学や停学等の処分が乱発され、争議弾圧専門のガードマンや大学職員による暴力や殴打、公安警察による誘拐(ゆうかい)まがいの行為が横行している。
この弾圧を許したときに起きるのは、歴史が教えるように労働運動をはじめ、現在の日本政府の危険な動きに声をあげるあらゆる組織と運動への圧殺攻撃であり、民主主義の絞殺であり、戦争への道である。
従ってわれわれは、法政大学当局と警視庁に対し、学生への不当弾圧の即時中止と、今も長期拘束を強いられている8名の学生の即時釈放を強く求める国際的な抗議署名を展開することを決議する。
一、動労千葉をはじめとした日本の戦闘的労組は、闘う労働運動の全国ネットワークの形成と、改憲・戦争と民営化、労組破壊にたち向かう労働者の国際的団結の発展をめざし、韓国・民主労総ソウル地域本部やILWU、UTLA(ロサンゼルス統一教組)等のランク&ファイルの組合員とともに11月労働者集会を開催する。
われわれは、この集会を重要な労働者階級の国際的な共同行動の日として支持し、闘いへの結集を各国で呼びかけることを決議する。
2009年7月6日
国際労働者会議参加者一同
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週刊『前進』(2401号3面2)(2009/07/27 )
全社労が門前行動
東京でスト 解雇と団交拒否に怒り
大阪の福島・長堀の健康管理センターで組合員を全員解雇した全社連(全国社会保険協会連合会)に対し全社連労組は、5月の団交に続いて6月団交を申し入れた。しかし、全社連は7月に入って「解雇を撤回するつもりはないので、団体交渉には応じない」なる文書を送りつけてきた。全社連労組はただちに怒りの決起を開始した。7月10日には大和郡山市の奈良社会保険病院、16日には横浜市の社会保険横浜中央病院に、三役を先頭にビラ入れ・オルグに立った。
17日には東京の港区高輪にある全社連本部にのりこみ、昨年来団交に来ていた職員部幹部が出勤してくるや、これを徹底弾劾し、ストライキを通告した。この日から、全社連本部で始まった臨床研修指導講習会を直撃しながら、門前行動をつらぬき、「解雇粉砕! 闘争勝利!」の構内デモをうちぬいた。怒りの迫力の前に、管理職もガードマンもまったく手出しができない。首切り全社連を地の果てまで追い込む夏季攻勢の開始だ。
社会保険庁が社会保険病院・厚生年金病院63院を出資したRFO(独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構)は、来年9月に解散する。1年で63院を売却し2万人を解雇するというのだ。1年間決戦でRFOを全社連ともどもズタズタ、ボロボロに追いこみ、壮大な解雇粉砕闘争をつくりだそう。
民主党は「新たな独立行政法人を立ち上げて、公的病院として存続する」なる公約を掲げた。医労連・健保労組も「存続運動」をくり広げている。しかし、長堀・福島の健康管理センターというハコも「存続」はされたのだ。ハコは存続しても、労働者は希望退職か整理解雇ですべて首を切られている。「存続」とは譲渡・売却・解雇推進以外の何ものでもない。
社会保険浜松病院では全員希望退職、銚子市民病院では全員分限免職、松原市民病院では約半数が整理退職、半数が職種転換による配置転換である。まさに道州制攻撃そのものだ。首切りは、「解雇」という形だけではない。国鉄でも約20万人が「退職」した。公的病院では完全にそれが始まっている。
私たちは63院の反乱をつくりだし、道州制粉砕の先頭に立ち、全社労闘争の勝利を切り開いて闘う。
(全社連労組特別執行委員・U)
(写真 本部で門前行動【7月17日 東京・港区】)
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週刊『前進』(2401号3面3)(2009/07/27 )
東京「日の丸・君が代」闘争 不当研修に抗議
処分者が意気高く闘う
東京都教育委員会は7月21日、今春の卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立で闘った教育労働者6人に対する「服務事故再発防止研修」を強行した。研修の対象とされたのは、不起立処分を受けた14人の労働者のうち、停職3カ月処分を受けた都立特別支援学校の労働者1人、減給(10分の1)6カ月処分を受けた都立高、特別支援学校、中学校の3人、そして今年初めて不起立で戒告処分を受けた都立高の労働者2人である。
03年「10・23都教委通達」から6年めの今春、東京の教育労働者は、労働者としての誇りにかけて「君が代」不起立を闘いぬいた。6年たってもなお「再発防止研修」を繰り返している現実、しかもそれでも不起立する教育労働者が陸続と登場している現実こそ、労働者の勝利と、石原・都教委の敗北のあかしだ。
今春の闘いは、昨年7月に都教委が「分限対応指針」を発して分限退職の脅しをかけた中で、すでに2回の停職6カ月処分を受けていた根津公子さんへの解雇攻撃も打ち破った。この6年の闘いをとおして、教育労働者が都教委の一切の脅しを突き破って勝ちぬいたことを示した勝利だ。
研修当日は、「君が代」不起立被処分者と支援者が、研修会場の都教職員研修センターの前に駆けつけた。停職6カ月処分のただ中の根津公子さん、河原井純子さんもともに闘った。
研修は9時に始まり、全被処分者が1時間あまりの研修の後、報告書を書かされた。さらに2回め以上の被処分者は、一人ひとりに分断され都教委の幹部職員4人に取り囲まれて「個別研修」が行われた。「分限対応指針」などを示し、分限処分の脅しで屈服させようというものだ。
しかし研修を終えた教育労働者の表情は、みな明るい。そして口々に、都教委の不当な研修への怒りと闘いの意欲を語った。「先日、自民党幹事長が総選挙で『日の丸・君が代』問題を争点にしたいと言った。望むところだ。全候補者に『日の丸・君が代』強制の是非を問おう」「研修で都教委は『効率いい教育ができない教員は分限免職の対象』と言った。はらわたが煮えくりかえる」「分限指針を何度も持ち出して圧力をかけてきたのは許せない」「この先も私は変わらない。みんなの力でこの現実を覆そう」。もはや都教委の処分や研修の脅しはすべて無力になっているのだ。
教育労働者の大量首切りと非正規化を狙う道州制・教育の民営化攻撃は、すでに現場でどんどん進められている。東京では、主任教諭制度や免許更新制度、そして都教委による管理強化への怒りとともに、この現実とまったく闘わない組合幹部への怒りがあふれている。
この現実に最も怒りを募らせている青年労働者とつながって、職場闘争を復権し、不起立で職場に団結をつくり出して闘おう。教育労働者は「戦争・改憲と民営化・労組破壊」と対決する4大産別決戦の先頭に立とう。
(写真 「都教委は不当処分をやめろ!」不起立処分者への研修を弾劾【7月21日 東京・水道橋】)
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週刊『前進』(2401号3面4)(2009/07/27 )
市東さん裁判 公団は“不在地主”
農地法違反の暴挙露呈
7月21日、千葉地裁で市東孝雄さんの二つの農地裁判が開かれた(@市東さんが千葉県を訴えた行政訴訟とA空港会社=NAAが市東さんの農地の明け渡しを求めた民事訴訟=農地法裁判)。
農地強奪攻撃の張本人NAAとそれにお墨付きを与えた千葉県への怒りに燃え、連続裁判に労働者・学生・市民85人が駆けつけ傍聴席を埋めた。
法廷で決定的な事実が反対同盟側によって突き出された。空港公団(現NAA)は「不在地主」であったのだ。
農地法第6条は「誰であろうとも自分の住所地(市町村)以外のところに小作地を持つことができない」と定めている。これは戦後の農地改革で耕作者の権利を守り、不在地主を規制するものだ。
市東さんの農地を公団が旧地主から取得したのは1988年。この時、公団の本社は東京都内にあった。成田市内に移転したのは1996年だ。
空港公団は空港建設のためになりふり構わず金に飽かして現に農業が営まれている土地を旧地主らから買いあさってきたが、そもそも公団が「地主」として小作地を所有することは農地法6条違反なのだ。この一点で、NAAには市東さんの土地を取り上げる権利などない! しかも耕作者(市東家)の同意なしで秘密裏に買収し、旧地主が地代を何食わぬ顔で15年間も取り続けた。賃貸借契約解除のために成田市農業委員会に出した申請書には「2003年に登記して土地を取得した」と虚偽を記載するなど、NAAの行状はことごとく違法のオンパレードだ。
これらの事実が二つの裁判で千葉県とNAAを決定的に追いつめた。弁護団に追及されNAA代理人は、「空港公団は農地賃借権があると認識して天神峰の農地を買収した」と認めた。違法を承知で土地を取得し、後で力ずくで農民を追い出せばいいという居直りだ。
裁判終了後に弁護士会館で記者会見が開かれ、冒頭に市東孝雄さんが決意を表した。「調べれば調べるほど新しい事実が明らかになっています。法廷ではこちらが有利に進んでいますが、けっして油断はできません。3本目の誘導路計画は絶対に許せない攻撃です。今まで以上に力を入れてがんばりますのでよろしくお願いします」。大きな拍手と歓声に包まれた。
法廷でのやりとりについて記者と弁護団との熱心な質疑応答が交わされた。特に今、農地法の改悪によって、「耕す者に権利あり」の大原則が破壊され、農地が企業に奪われようとしている中で、この農地裁判の闘いは決定的だ。
この日開廷前には、天神峰現闘本部裁判での仲戸川裁判長の反動的訴訟指揮に抗議する申し入れが、千葉地裁民事第5部に対して行われた。しかし、仲戸川本人は反対同盟と弁護団の面会を拒否し奥に隠れたまま。別室で北原鉱治事務局長が担当書記官に申入書を読み上げ、@石橋、法理証人の再喚問、証人尋問、A現闘本部建物の実地検証を強く要求した。
NAAと千葉県を徹底追及する場として、この二つの裁判は一層白熱化する。次回は10月20日。全力で結集し闘おう。
(写真 裁判終了後の記者会見で質問に答える市東さんと葉山岳夫弁護士【7月21日 千葉市】)
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週刊『前進』(2401号3面5)(2009/07/27 )
「サンデー毎日」対談 不破・中曽根 親密な関係
首切り民営化の元凶と歓談
日共は「資本主義の防波堤」に
「世紀の顔合わせ」なる触れ込みで、元首相・中曽根康弘と日本共産党前議長・不破哲三が「サンデー毎日」(7・19号)誌上で対談している。
現役を退いたとは言え、中曽根は日本帝国主義の頭目の一人で、1982年から87年の5年間の首相として、「戦後政治の総決算」を掲げて日本の軍事大国化を推進しただけでなく、米帝レーガン、英帝サッチャーとともに、新自由主義政策を進めた元凶である。何よりも国鉄分割・民営化を強行した張本人である。労働者階級としては絶対に許すことのできない、不倶戴天(ふぐたいてん)の敵だ。
(写真 「サンデー毎日」7月19日号)
中曽根に褒められ有頂天の不破
ところが、不破ときたら終始和気あいあいと旧交を温めているのだ。そこには非和解の階級対立を背景にした対決姿勢はまるでない。打倒対象どころか、懐旧談に花を咲かせる「元国会議員」仲間なのだ。
1969年に不破が衆院議員に初当選し、翌年総括質問した際に、中曽根が質問を高く評価して激励してくれたということなどを不破が得々と語っている。
中曽根も、「不破さんのような市民的で教養主義を備えた幹部が出てきて、その言動や行動で共産党のイメージを修正した」などと褒めそやす。それに不破は礼を述べて悦に入っている。実におぞましい対談である。
ここで重要なことは、不破が「暴力革命ではない」ことを強調し、それを中曽根が高く評価していることだ。中曽根は、日共が革命政党ではなく、むしろ徹底的な反革命政党であることを確認した上でその利用価値を認めているのだ。
また、志位委員長がオバマ大統領と書簡を交換したことを評価した中曽根が、「共産党の外交戦略が柔軟性をもってきた。これは第一歩であって、次に進んでもらいたい」と激励し、不破は「大変な評価をいただいて」と有頂天になっている。
自民党の終わり共に嘆き悲しむ
対談は最後に、「政権交代」問題に及び、不破は「現政権への対抗軸が明確でない点で、状況は93年(の政権交代)によく似ている」とし、「結局、当時の非自民連立政権がやったのは政党助成金と小選挙区制だけで、これが政治を小さくした根源だと中曽根さんも考えておられますよね」と同意を求めている。なんと、不破は自民党支配の終わりが誰にも明白になっている時に、それには言及せずに、「野党政権になっても政治が小さくなるだけ」と中曽根の共感を求めているのだ。
破綻した新自由主義政策の元凶である中曽根に、大恐慌が起こり、自民党支配が根底的に崩壊しようとしているまっただ中で、なんという会話を交わしているのか。
階級的立場を投げ捨てると、こういうことになる。自民党支配の終わりをプロレタリア革命の勝利に結びつける労働者階級の闘いと真っ向から敵対するということだ。
分割・民営化の大攻撃には沈黙
対談を通じて、不破は中曽根政治の最も重大な核心点に一切触れない。意識的に避けている。今日の民営化攻撃の出発点となった国鉄分割・民営化についてだ。中曽根がやった階級的犯罪の中でも最も激しく悪辣(あくらつ)な攻撃だった国鉄分割・民営化。20万人の国鉄労働者が放り出され、200人もの自殺者を出した、戦後最大の国家的不当労働行為を指揮したのが中曽根だ。
中曽根は後に、「国労をつぶせば総評・社会党が崩壊する。明確に意識して(国鉄分割・民営化を)やった」と述懐している。国家の総力を挙げて民営化・労組破壊の攻撃に踏み込んだのだ。
「戦後政治の総決算」や「行政改革でお座敷を大掃除して床の間に立派な憲法を安置する」と言ってきた中曽根の突破口が国鉄攻撃だった。
この国鉄分割・民営化こそ、今日に至る大量の労働者の非正規職化とワーキングプア化をつくり出した出発点だ。
闘う労働者から見れば、そんな大悪党・中曽根と同席すること自体が許せない。ところが不破は、中曽根に一言の批判も発しないばかりか、沈黙を守ることで完全に免罪しているのだ。
中曽根の攻撃にもかかわらず、国鉄分割・民営化は完成せず、破産している。動労千葉が2波のストで反撃し、1047名解雇撤回闘争が20年以上にわたって続き、今日の道州制・民営化・労組破壊の攻撃の前に立ちはだかっているのだ。
日本共産党は、この闘いの発展に恐怖し、「解雇撤回」の旗を引き下ろし、政府・自民党に頭を下げ「政治解決」を図る4者4団体の中心として、闘いの破壊に奔走している。4者4団体の裏切りと、不破・中曽根対談のこの「超」の付く親和的雰囲気とは一体のものだ。資本家階級には卑屈にはいつくばり、闘う労働者に対しては屈服を強要して襲いかかる。
この対談で不破の視野には労働者階級人民は入っていない。完全にブルジョアジーに向かって語っているのだ。日本共産党は、この資本主義の危機の中で、けっして危険な政党ではありません、道州制・民営化にも協力して、資本主義の救済に力を注ぎます、と売り込んでいるのだ。
スターリン主義の反動と闘おう
日共はどこまでもスターリン主義である。一国社会主義論と世界革命の裏切りを本質とするスターリン主義は、自己の延命のために、崩壊にあえぐ帝国主義の最後の防波堤となるのだ。
30年代の大恐慌下で、ルーズベルトを支持し、米帝の行う戦争に率先協力したアメリカ共産党。ナチス・ヒトラーと手を結び、それが破産すると米英帝国主義と組み、「民主主義とファシズムの戦い」として第2次大戦に参戦したスターリン。不破はその後継者だ。
資本主義社会を転覆する労働者階級の自己解放闘争の思想であるマルクス主義を裏切り、「労働者階級」も「労働組合」も綱領から追放した日共の路線と思想が、不破の言葉から見えてくる。
まさに日本共産党こそ、日帝・中曽根とともに階級的に打倒すべき反革命だ。そのことを分かりやすく示してくれたことで、大きな役割を果たした対談だと言えよう。
(高田隆志)
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週刊『前進』(2401号3面6)(2009/07/27 )
日程 「改憲は阻止できるぞ!2009」8・15労働者市民のつどい
―国益と排外に憲法は屈するのか―
8月15日(土) 正午開場 午後1時開始
なかのZERO小ホール(JR・地下鉄「中野」下車、南口から600メートル)
▼基調講演 「はじまった改憲阻止決戦」 鈴木達夫弁護士▼コント=松元ヒロさん「何が起こるか? ワクワクの8月」▼特別報告=韓国・民主労総ソウル地域本部「大恐慌下、ストで闘う韓国労働運動」/動労千葉・田中康宏さん委員長「改憲と国鉄1047名闘争」▼西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)「改憲は国会ではじまっている」▼米団報告=サンフランシスコ国際労働者会議参加者/ほか
〈主催〉 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2401号4面1)(2009/07/27 )
全国の学生は獄中8同志と団結しよう
全学連大会への招請状
坂野委員長代行体制の下、法大弾圧粉砕、11月労働者集会1万人結集へ!
大恐慌下の新自由主義攻撃である法大暴処法弾圧と全力で闘い、偉大な勝利的地平を切り開きつつある全学連(坂野陽平委員長代行)から全学連定期全国大会への招請状が発表された。(編集局)
招請状
法政大暴処法弾圧粉砕! 11月労働者集会1万人結集へ!
全国の学友は、第70回全学連定期全国大会に集まろう!
2009年7月13日
全学連中央執行委員会(坂野陽平委員長代行)
全国の学友のみなさん! 全学連中央執行委員会は、大恐慌と戦争の時代に立ち向かう全国学生の団結を固めるため、9月10〜12日に全国大会を開催します。織田陽介委員長をはじめ全学連三役、そして法大闘争をともに闘い抜いてきた法大文化連盟の三役含め8人のリーダーたちを獄中に奪われる中、臨時執行体制のもとでの大会への大結集を呼びかけます。激しい弾圧をはね返す、私たち学生の力を示そう! 多くの仲間とともに本大会に結集し、時代を切り開くリーダーへと飛躍しよう!
第一に、法大暴処法弾圧をはね返し、8学生をただちに取り戻す大運動を全国大学で巻き起こそう! 「法政大学での学生弾圧(暴処法弾圧)に抗議し、8学生の即時釈放を求める全国声明」が、動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)や闘う弁護士を先頭に、8学生の家族も呼びかけ人に加えて、全国で取り組まれています。法大1千人、首都圏大学5千人、全国大学1万人の賛同を実現しよう!
法大闘争はこの3年半で、のべ110人の逮捕、33人の起訴、8人の退・停学処分という大弾圧をはね返し闘ってきました。全員が完全黙秘・非転向の闘いを貫き、キャンパスでは文化連盟の仲間とともに運動を前進させてきました。
今年4月24日には法大当局による不当な弾圧体制をうち破り、1500人で「不当処分撤回! 監獄大学粉砕!」の大集会を闘いとりました。これに恐怖した法大当局と国家権力は、ついに戦時型弾圧である暴処法(暴力行為等処罰ニ関スル法律)を適用し、全学連と文化連盟のリーダーを丸ごと獄中に奪う攻撃に出てきました。
今回の暴処法弾圧は、戦前の京都学連事件(1926年の治安維持法国内適用1号、社会科学研究会の学生らの大量逮捕)に並ぶ歴史的事態です。団結して闘うこと自体を違法とする暴処法弾圧を許せば、学生・労働者人民の未来はありません。しかし今回の弾圧に対し、学生・労働者人民の怒りは激しく燃え上がっています。暴処法弾圧で逮捕された4人の法大生の不起訴・釈放をかちとった勝利の上に、6月15日には、1200人の労働者人民が法大門前に駆けつけ、法大包囲デモをたたきつけました。新たな全国声明で広範な闘争・支援陣形をつくり出し、8学生をただちに取り戻そう!
第二に、教育を資本家から学生の手に奪い返そう! 3年をこえる法大闘争は、教育の民営化(私物化)との闘いでした。法大当局は「営業権」や「施設管理権」を主張し、学生を金もうけの手段にし、学生支配を強めてきました。逮捕や処分が「教育」の名をかたって横行し、サークル活動や大学祭は破壊され、学生から自由や団結そして未来が奪われてきました。
本来、教育とは未来をつくるものです。しかし教育の目的が利潤追求になれば、人間的共同性は破壊され、学生の可能性は閉ざされるでしょう。新自由主義政策のもと、富山大では自治寮である新樹寮の廃寮と民営化が狙われるなど、全国大学でも法政大と同じ攻撃が始まっています。私たちは教育の民営化に対して団結して立ち向かうことで、学生の手に教育と大学を取り戻さなければなりません。全国大学で反転攻勢にうって出よう!
第三に、動労千葉の呼びかける11月労働者集会に1万人の学生・労働者を登場させよう! 労働者階級との団結の中にこそ、私たち学生の未来があります。動労千葉が参加した7月サンフランシスコ国際会議では、@国鉄1047名解雇撤回、A法大弾圧粉砕・8学生即時釈放、B11月集会への国際的参加、の3点が共通の意志として確認されています。マルクスが『共産党宣言』で宣言した「万国の労働者団結せよ!」という号令が現実のものとなり、国際連帯の闘いが大きく躍動を開始しています。
一方で資本家階級は、世界大恐慌の苦悶(くもん)にのたうち、凶暴性をむき出しにしています。米帝国主義・オバマは、イラク・アフガニスタンで戦争を継続・拡大しておきながら、「核廃絶」を口実とした北朝鮮やイランへの侵略戦争を狙っています。日本帝国主義・麻生政権も海賊対処法などの戦争法案を次々と可決し、道州制を軸とした改憲攻撃をさらに強めています。その中で、日本共産党など体制内勢力は屈服を深めています。しかし、敵は脆弱(ぜいじゃく)です。東京都議選においては、戦争と民営化攻撃に対する労働者人民の怒りがたたきつけられました。全国大学キャンパスで闘う団結をつくり出し、われわれ学生こそが麻生政権にとどめをさそう!
最後に、昨年の大会では法大文化連盟の仲間とともに、「一人の仲間も見捨てない! 全国大学の法大化阻止!」をスローガンとして確立しました。昨秋以降の世界大恐慌の深まりの中で、法大においては08年10月17日、09年4月24日、6月15日の大闘争を連続的に爆発させています。全学連は大恐慌と対決する全国学生の団結をつくり出してきました。今こそ、私たち300万学生が歴史の主人公に躍り出よう! 労学連帯をさらに深め、11月集会1万人結集に攻め上ろう! 法大闘争に勝利しよう!
(写真 坂野陽平全学連委員長代行【右】、石田真弓書記次長【左】を先頭に大勝利した6・15法大闘争)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2401号4面2)(2009/07/27 )
織田全学連織田委員長の獄中通信
闘いの主導権握った我々 獄中闘争を革命の学校に
法大暴処法弾圧で起訴され、4・24法大闘争を闘った同志とともに獄中闘争を闘う織田陽介全学連委員長から通信が毎週届けられている。その通信からの抜粋を紹介します。(編集局)
獄中闘争を楽しくやらせてもらっています。運動全体がそうした力量をもっていることの証明ですし、日々前進していることを確認しづらい場所ではありますが、こうして闘いは強化されていくのだと思います。
獄中で闘う自分を変革するのはやはり外の闘いです。だから、最も変革し合い、刺激しあう、団結する同志として、獄内外の関係を強固につくりあげたい。そして、ラジカルに生きようとする自らが革命そのものであり、自分の飛躍に応じて革命が進むと信じ切る以上、革命の学校として獄中闘争を徹底的にやり抜こう。
4・24の勝利を再確認しよう
6・15法大弾圧粉砕全国労学総決起闘争の勝利性を認識するために、4・24法大解放闘争とは何だったのかをはっきりさせよう。
ポイントは一つに、4・24の1500人決起によって、法大闘争の主導権が3万法大生および法大文化連盟と全学連の手に移りつつあるということ、二つに、4・24の1500人決起という歴史的事実は、指導部の強烈な党派闘争的な意志によってのみ歴史に刻印されるということ、この2点です。
敵の対応が、われわれの行動に規定され、後手にまわり始めた。このことは非常に重要です。敵および体制内派との党派闘争は、4・24は1500人集会だったのか否かという点をめぐって闘われている。
法大当局は集会を「違法」として被害届を出し、「参加した学生は利用されたのだ」と言い張る。しかし学生の思いはどうだったのか。仲間が逮捕されて怒ったり、心配したりしない学生などいない。気がついたら外まで出てきていた学生だっているはずだ。誰もがあの場で「こんな大学ふざけんな」と思った。これが当日起こった事実だ。
学生が主体的に意思を示して行動した、このことをわれわれは1ミリの揺るぎもなく確信する。「1500人集会など無かった」という敵の攻撃に、指導部が確信をもって立ち向かおう。敵は確定した史実の数々すら歪曲しようとする連中なのだから!
法大当局は集会を呼びかけた仲間を国家権力に売り渡した。指導部を屈服させ、4・24を歴史から抹殺しようとした。しかし指導部は4・24の地平を守り抜き、本物の指導部が登場した。6・15では全社会の怒りが示され、3万法大生の怒りは当然の怒りであることがはっきりした。
法大当局は1500人の声に回答していないのではない。権力と法大当局の逮捕・処分・キャンパス封鎖こそが、「学生は黙って従え」という明確な回答ではないか! 6・15における法大当局の対応は、それを鮮明にした。
だから学生は獄に奪われた指導部を返せと立ち上がること、その中で新たな指導部を生み出すことこそがなすべきことだと自信を持ってつかみとろう。動労千葉派の労働者が生で法大の現実を見、また学生がその労働者に大学の問題を訴えることから、トータリティのある内容がさらに生まれてくると思います。
全学連大会へ、悩み、のたうちまわってほしい。壁にぶつかることは、組織に責任をとろうとしていること、その組織が革命をかけた組織であること、11月労働者集会1万人結集のでかさを真に理解していることの表れです。そして悩んだ分だけ大衆が応えてくれます。
自民党倒した労働者の怒り
都議選の結果は、やはり労働者階級の怒りは半端じゃないことを示しています。労働者階級が決起すればものすごい力があるというのが総括でしょう。民主党が政権をとっても何も変わりませんが、そこに本質はない。みんな怒っているんだと労働者階級が確信したことに巨大な意味がある。
エンゲルスは、選挙は労働者階級の成熟度を測る温度計だと言いましたが、都議選で支配階級がこれまでどおりの形が続けられず、大衆は誰もが現状の変革を求めていることが示された。
この支配の危機的状態の突破をかけ、ファッショ的な動きも進む。橋下は「国と地方は奴隷の関係」と疑似革命を叫び、田母神も「つくる会」も「国民運動」をあおる。
国鉄分割・民営化はとんでもなく不当な攻撃であり、国鉄1047名がこの怒りを忘れるはずはなく、動労千葉派の絶対反対の柱は立ち続ける。だから自民党は自らの存立基盤を破壊していく過程で革命的労働運動を産み出すことになる。
解散・総選挙は時代が回転する号砲になる。そして、いかに流動化した大衆を組織するのか、これが私たちの課題です。
サミット総括と8・6闘争
8・6ヒロシマは、日米帝の北朝鮮に対する侵略戦争策動と排外主義に対する対決になります。帝国主義の側が侵略しようとしているのです。その上で戦争の動力はあくまで帝国主義間争闘戦である、ということが重要だと思います。
歴史を見ても、世界戦争を決断した帝国主義は、他国の兵器規制を始めるのであって、米ロ会談やオバマのプラハ演説もそうです。侵略宣言であると同時に他帝への争闘戦、武装解除要求として激しくある。北朝鮮・イランへの戦争の本質もそこにある。
今、中東とアジアという帝国主義とスターリン主義の世界体制が一貫して支配しきれてこなかった地域から戦争・革命が噴出している。
〈段階・過渡・変容・再編・危機>という構造で把握した場合、第2次大戦で帝の支配が崩壊したが、スタの裏切りでなんとか再編された。だが、それはきわめて危機的なものだった。
とりわけ中東とアジアでは安定支配を構築しえず、力による支配以外になくなった。朝鮮革命と朝鮮戦争、中国革命、朝鮮半島の南北分断体制。パレスチナ問題と01年9・11反米ゲリラ戦争。とりわけ74―75年恐慌と一体の米軍の中東における軍事拠点の崩壊としてあった1979年のイラン革命。だから、中東・アジアをめぐる現在の情勢は、帝国主義とスターリン主義の戦後支配体制の根底的崩壊そのものです。
ラクイラ・サミットに向かって帝国主義各国は危機を深めながら、保護主義の拡大、通貨戦争、戦争への準備の加速と、他帝の軍事力の規制などを進めた。そしてまさに机の下で蹴りあう歴史的サミットとなった。
これに対決するものとして国際労働者会議が重要です。国際プロレタリアートにとって歴史的な意味を持ちます。今年の11月集会が「国際的な労働者の党」をめぐってさらに輝きを放つことは明白で、全学連大会でも、こうしたダイナミックなインターナショナル的な党建設が位置づく可能性が出てきています。
マルクスの『哲学の貧困』を読みました。最後に団結について書いている部分はいい!
大工業はまったく知らない人びとを一つの場所に集め、競争を激化し、個々の労働者の利害を分断する。しかし、資本に対するという一点で共通の利害を生み出す。資本が団結することに対して、労働者は経済的な問題より組合の団結を維持することを優先させるようになる。そしてその団結は政治的性質をおびてくる。労働者は、一つの共通の利益を持っているという点で一つの階級をなすが、彼らが相結合することで、自身のための階級を形成する。まさに「階級的団結論」です。
現場から出てくる一つひとつの困難に向き合い、資本に対決することをとおして労働者はようやく団結できるとマルクスは述べています。
「ラジカルな思想を持つ」とは
われわれが「ラジカルな思想を持つ」ことの可能性とは何か?
圧倒的な労働者がいまだに中間的であったり、戦後民主主義的であったりする中で、ここにラジカルな内容をぶつけて、ある意味「違い」を鮮明にするだけで満足していていいのか。
われわれの主張は中間層をも獲得しなければならない。自己満足的な純化と大衆迎合、そのどちらも排して止揚するには、もっとラジカルになるということではないのか。
法大闘争では、大学とは、教育とは何か、社会とは、人間とは何か、そうした根本的な主張が始まり、ものすごく突破感がある。「ラジカルな思想」には無限の可能性があります。マルクス主義・レーニン主義こそ今もその土台として光彩を放っている。法大闘争と階級闘争の勝利の地平として、学習する時間を与えられ、革命のリーダーとしてその無限の可能性を獲得していきたい。
「ラジカルな思想」をどう語れば獲得力が生まれるのか。これは裁判の意見陳述を含めた全体の課題です。11月集会1万人結集のかぎもここにあると思っています。
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週刊『前進』(2401号4面3)(2009/07/27 )
京都大 暴処法粉砕で集会
「全国声明」に熱い共感
7月16日、京都大学で「暴処法による学生弾圧をぶっとばせ!全京都学生集会」が行われました。30人が結集し、ついに関西でも法大闘争の火柱が上がりました(写真)。集会に向けて関西の闘う学生は全関西の大学に打って出ました。「暴処法に抗議し、8学生の釈放を求める全国声明」はものすごい衝撃と怒りで受け止められています。署名も500筆近く集まり、新たな決起も続々生まれています。
集会では、法大文化連盟の洞口朋子さんと国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんが特別報告を行いました。
法大当局によって停学3カ月の不当処分を受けたばかりの洞口さんは、「当局は闘う学生が真実を訴えることを『騒音』だと言い、『教育に望ましい環境を侵害した』と処分する。でも当局の言う『望ましい環境』とは6・15集会のキャンパス封鎖だ。こんな環境は侵害されて当然だ!」と弾劾し、さらに「数人の学生から始まった法大闘争は、今や全世界の労働者が取り組む闘いにまで発展している。一人の決起が決定的だ! 一緒に闘おう!」と訴えました。
続いて富田さんが特別報告に立ち、「法大は『監獄大学』と言われているが、これは今のJRと同じだ。労働者を徹底的に分断して、搾取し、追い詰める。その行き着く先が尼崎の脱線事故だ」と国鉄分割・民営化を弾劾し、労学共闘で法大解放まで闘うと宣言しました。
基調報告では、昨年の5・29法大デモ弾圧で懲役8カ月の判決を受けたばかりの原田幸一郎君(京大)が、時代認識と行動方針を提起。「時代はまさに大恐慌と戦争に突き進んでいるが、法大闘争はこれを打ち破っている。都議選で自民党支配が打倒され、階級と階級のむきだしの力勝負が歴史を決める時代に突入した。その最大の焦点が道州制決戦であり、その中で法大闘争を先頭とする学生運動が爆発する時が来た」と喝破しました。そして、「体制内勢力のオバマ賛美をぶっとばして8・6ヒロシマに結集し、9月全学連大会、11月集会の1万人結集へ攻め上ろう」と訴えました。
さらに京大生、熊野寮生、大阪市大生が法大弾圧粉砕、道州制粉砕へ闘う決意を宣言し、集会は圧倒的に成功しました。労学連帯の力を発展させ、暴処法粉砕、獄中8学生奪還、11月労働者集会1万人結集へ驀進(ばくしん)しましょう!
(投稿/京大・O)
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週刊『前進』(2401号4面4)(2009/07/27 )
2009年7月14日〜21日
民主党が「給油継続」に転換/09年度版防衛白書を発表
●訓練名目でイラクに1万4千人 米国防総省は、11年末にイラクからの駐留米軍全面撤退を円滑に進めるため、イラク人による治安部隊の訓練などに当たるとして陸軍4個旅団(計約1万4千人)を今秋、初めて同国に派遣すると発表した。戦闘部隊の撤退と並行して実施するため、約12万8千人の駐留米軍数は同じとなる。(14日)
●日本、クラスター条約加盟 日本政府は、クラスター(集束)弾即時全面禁止条約の批准書を国連事務総長あてに提出したと発表した。(14日)
●鳩山、核密約扱い「米と協議」 民主党の鳩山代表は、核搭載艦船の寄港などを認める米国との密約について「政権を取ればこういった文書の存在は明らかにし、オープンな議論で結論を出したい」と述べた。(15日)
●鳥島射爆撃場返還に否定的 アジア・太平洋安全保障問題担当のグレグソン米国防次官補が沖縄県庁で仲井真知事と面談した。鳥島射爆撃場の返還を求めた知事に対し、「近い将来の解決策は何もない。米軍は日米安全保障条約に基づき、日本を防衛するための訓練は必要だ」と述べ、実弾射撃訓練を継続する考えを示した。(15日)
●民主「給油継続」 民主党は、海上自衛隊によるインド洋での米艦船などへの給油活動について、政権獲得後は反対姿勢を転換し、当面は継続する方針を固めた。同党はこれまでテロ対策特別措置法や、給油を継続するための法改定に反対してきた。(16日)
●09年度版防衛白書 浜田防衛相が閣議で09年度版の防衛白書を報告した。中国軍が海洋での活動を活発化させていることに強い警戒感を表明。北朝鮮情勢については、弾道ミサイル発射や核実験を「我が国の安全に対する重大な脅威」と指摘した。(17日)
●「核の傘」定期協議へ 日米の外務・防衛当局の局長による「日米安全保障高級事務レベル会合」が外務省で開かれ、米国による日本への「核の傘」について定期協議を立ち上げる方向で一致した。来年の日米安保条約50周年に向けて日米同盟を強化することも確認した。(18日)
●自民支持率20% 朝日新聞社の全国世論調査(電話)によると、自民党の支持率は20%で、前回(7月4、5日)の24%から下がり、現在の調査方法になった01年4月以降で最低となった。民主党の支持率は31%(前回25%)。内閣支持率は17%で前回の20%から下落した。(18、19日)
●衆院解散、総選挙へ 麻生首相が衆院を解散した。臨時閣議で総選挙の日程を「8月18日公示、同30日投開票」と決めた。総選挙は05年9月、小泉首相(当時)のもと、郵政民営化を争点として自民、公明両党が圧勝した郵政選挙以来、約4年ぶり。(21日)
●米駆逐艦が横浜大さん橋に異例の寄港 米海軍横須賀基地を母港とするイージス駆逐艦ジョン・S・マケインが大型客船が利用する横浜市の横浜港大さん橋に入港した。大さん橋に米海軍艦船が寄港するのは極めて異例で、民間港使用の実績づくりの一環とみられる。(21日)
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週刊『前進』(2401号5面1)(2009/07/27 )
オバマ賛美をぶっ飛ばせ
全国被爆者青年同盟の8・6-8・9アピール
被爆者・2世・3世の怒りで麻生の来広を阻止しよう!
被爆者のみなさん、被爆2世・3世の兄弟姉妹のみなさん。われわれ全国被爆者青年同盟は、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争を「再び過ちを繰り返さない、日本帝国主義の朝鮮侵略戦争を阻止する」非常の決意で闘うことを宣言する。
(写真 昨年8月6日朝、首相・福田の平和祈念式典参加に対して、全国被爆者青年同盟を先頭に糾弾デモ) 大恐慌と戦争を迎え撃ち核兵器廃絶の展望示そう
今夏8・6―8・9闘争の第一の課題は、大恐慌と戦争という時代の中で、これを迎え撃ち、核兵器廃絶の展望を鮮明にしるすということだ。
被爆者とその家族にとって核は絶対に許せないものである。身体を射抜いた放射線は、被爆者とその家族を死と絶えざる不安でさいなみ続けている。被爆者はそうした戦後を生き抜いてきた。だからこそ、延命のために再度、朝鮮で中東で核戦争を引き起こそうとする帝国主義者の策動に血が逆流する思いだ。
しかし、今、われわれの恨みすべてを晴らす、全世界の労働者階級の結合した闘いが力強く始まっている。大恐慌と戦争は資本主義の体制的危機の現れであり、資本主義を転覆する現実的な可能性が指呼の間にあるということだ。
だからこそ、帝国主義は国内的には労組破壊の攻撃を仕掛け、対外的には侵略戦争に打って出る。労働者民衆の怒りを他民族への排外主義に絡めとろうとしている。このことが労働者の生活と命を破壊する。これに対し、全世界の労働者は階級として団結し、延命のために核兵器をも先制的に使おうという帝国主義を打倒する決意を固めつつある。
帝国主義を打倒しなければ生きられない。帝国主義打倒の絶好のチャンスが到来した。被爆者が、自らも労働者階級の一員として、プロレタリア革命勝利・労働者権力樹立による核廃絶に向けて総決起する時がきた。
労働者は社会の生産を担い、社会を運営する実体であるからこそ、プロレタリア革命を闘い取って、すべての民衆の解放を実現する能力を持っている。核戦争を阻止し、核兵器を廃絶することはまったく可能なのだ。
また、核兵器開発のために蓄積されてきた被爆者・2世の膨大なデータは、プロレタリア革命によって労働者民衆の手に奪還される医療とともに、初めて被爆者の肉体的な困難にも解決の道を提起するだろう。被爆者の解放をかけ、労働者階級の先頭で、労働者階級そのものとして闘おう!
労働者の北朝鮮侵略戦争阻止闘争の先頭に立とう
第二の課題は、切迫する北朝鮮侵略戦争を阻止する労働者人民の先頭に被爆者が立つことだ。
日米帝国主義の戦争重圧に追い詰められた北朝鮮スターリン主義が5月25日に「核実験を実施した」と発表するや、日米帝国主義は国連安保理新制裁決議に持ち込み、イラク侵略戦争と同じく、「大量破壊兵器開発を阻止する」という名目で戦争を仕掛けようとしている。
とりわけ日本帝国主義は、北朝鮮が最大の軍事的脅威であるかのように描き出し、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返さないために日本も核武装すべき」「北朝鮮の出撃基地を先制攻撃せよ」と、むき出しの軍事の言葉で労働者民衆を扇動している。そして、日帝の独自の核武装化攻撃を満展開させている。戦後の反戦平和の拠点であるヒロシマ・ナガサキを反革命の道具に辱めるこの攻撃を断じて許しはしない。
ところが、既成の体制内労組幹部も、ブッシュからオバマへの米帝の政権移行を得手勝手に解釈して「平和と核廃絶に向う世界潮流を妨害する北朝鮮」という虚偽を吹聴し、切迫する朝鮮侵略戦争策動に棹(さお)さしている。このデマゴギーを粉砕せよ!
大恐慌と失業の危機こそが、帝国主義をして侵略戦争に血道を上げさせているのである。
日米帝国主義は、北朝鮮スターリン主義が労働者階級の国際的団結で戦争重圧を打ち破っていくプロレタリア的な反戦闘争とはまったく無縁な存在であることを十二分に知りつつ、「核実験」の袋小路に追いやり、それを餌食にしている。アメリカ帝国主義の居丈高な荷物検査活動(北朝鮮船舶の追跡)はそのことを示してあまりある。
1950年に始まった朝鮮戦争に対して、被爆詩人・峠三吉らは、米軍占領下において命がけで非合法のビラまきやストライキ、デモを闘って反戦を貫いた。われわれは、峠らの闘いをはるかに超える日朝(韓)労働者民衆の国際連帯の闘いで、新たな朝鮮戦争を阻止するのだ。
オバマ演説賛美を許さず被爆者の怒り解き放とう
第三の課題は、オバマ米大統領を賛美する大ペテンをはぎ取り、今こそ被爆者の怒りを解き放つことだ。
被爆者は日本帝国主義のアジア侵略と帝国主義間戦争の最も残忍な帰結として被爆し殺され、生き残った者もいまだに放射能禍に苦しめられている。被爆者は戦争の残忍さを最もよく知るものとして戦後の反戦反核運動の背骨をなしてきた。
原爆症認定のでたらめさに示されるように、被爆者への放射線の影響はいまだ解明されてはいない。放射線影響研究所(ABCC=原爆傷害調査委員会の後続組織・日米共同運営)の実態調査結果発表が象徴するように、被爆2世・3世については補償の必要すらないもの、単なる核開発のためのモルモットとされている。戦後のプレスコード制圧下、被爆被害が隠蔽(いんぺい)され、治療の対象にすらされなかった歴史は今も続いている。これがアメリカ帝国主義と日本帝国主義が結託して行ってきた被爆者抹殺政策だ。
ところが日本被団協や県被団協は、広島・長崎への原爆投下と戦後一貫した被爆者抹殺政策を謝罪する言葉の一つもないオバマのプラハ演説を、「道義的責任」を認めた画期的な前進などともてはやしている。それどころか、謝罪がないことを批判する被爆者には「いつまでもアメリカを恨むのはよくない。和解の時だ。それが被団協の方針だ」などと言って、怒りを封じ込めることに躍起になっている。
明らかに「道義的責任」は謝罪を意味していない。核兵器を最初に開発し使用した国として「拡散させない」、つまりは「テロリスト」などに手渡さない=NPT(核拡散防止条約)体制を維持するという宣言でしかない。
オバマは何と言っているのか。また、実際には何をしているのか。
プラハ演説の核心は「核兵器が存在する限り、いかなる敵であろうとこれに対する抑止を行い、チェコ共和国を含む同盟諸国に対する防衛を保障するために、安全、確実で効果的な核兵器備蓄を維持する」「いかなる国であろうとも規則を破れば、必ずその報いを受けるような制度を整備する必要がある。北朝鮮は、脅迫と違法な兵器によって安全保障と尊敬をかちとる道を切り開くことはできない」と言い、さらにイランにも言及したことに示されている。
圧倒的な核抑止力の維持であり、核拡散防止を口実に、北朝鮮とイランに戦争を仕掛ける宣言なのである。そして実際にもオバマは6月29日、大陸弾道弾発射実験を行った。何が「核廃絶宣言」か。帝国主義は必然的に核兵器を必要とし、使う存在である。いささかの幻想も許されない。
オバマ賛美の狙いは明らかだ。反戦反核意識の原点であるヒロシマ・ナガサキの怒りを、帝国主義による「核廃絶」幻想にねじ曲げ、反戦反核運動の実体を担った4大産別の労働者の階級意識を解体しようというのだ。帝国主義者のための侵略戦争に加担しないとは、階級意識のきわめて優れたあり方だからだ。オバマ演説を賛美する日本共産党、連合、広島市長・秋葉忠利、被団協をぶっ飛ばし、日米労働者の階級的団結で麻生とオバマを打倒しよう。被青同はその先頭に立つ。
4大産別決戦の先頭で闘いプロレタリア革命へ
第四の課題は、被爆2世・3世こそが「戦争・改憲と民営化・労組破壊」の攻撃と対決し、4大産別決戦・階級的労働運動の組織化の先頭に立つことだ。
日本共産党のオバマ演説賛美、連合の北朝鮮非難の1000万署名、ファシスト田母神俊雄が広島に登場することへの全勢力の沈黙。被爆者運動は日本の核武装への承認を迫られる危機にある。
田母神は「侵略戦争というのはぬれぎぬ」「日本も核を使うべきだった」との暴言で更迭された。一昨年の「原爆投下は仕方なかった」(久間元防衛大臣)をはるかに超える踏み込みだ。
そして、8月6日には平和公園のすぐ横で集会を開いて、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返さないためには核兵器を持て」と扇動しようとしている。ヒロシマが核武装の根拠にされるという恐るべき事態だ。
これに対して、広島市長・秋葉も被団協も「日にちを変えてくれ」とか細く哀願するだけだ。これは一体なんだ! 秋葉はもちろん、被団協の幹部も、業火の中で焼き殺され、放射能でもだえ苦しんだ被爆者の悔しさ、怒りを忘れたのか! 何のために被爆証言をしてきたのだ。何のために原爆体験の継承をうたってきたのか。
日本が核武装するなら、わが身と差し違えてでも阻む。これが被爆者の心だ。オバマの道義的責任発言を勝手に謝罪と読み込み、和解するほど原爆への怒りを忘れてしまったのか。「怒るべき時に怒りえぬ者は去れ!」(峠三吉)。われわれ被青同が今こそ反戦反核闘争の階級的指導部として、日本帝国主義の核武装化、朝鮮侵略戦争と闘う新たな被団協に再生させなければならない。その主戦場は労働運動・労働組合である。
被青同は、国鉄、教労、全逓、自治体、この4大産別の労働者を8・6ヒロシマに組織するために闘う。オバマ賛美は、オバマの大資本救済の隠蔽であり、オバマの新しい「ニューディール」と対決するアメリカ労働運動の「ランク&ファイル」への敵対であり、世界プロレタリア革命達成にとって許しがたい妨害である。このことを、今秋11月労働者集会1万人結集の展望をもって語ろうではないか。
また、連合の1000万人署名が労働組合解体の攻撃でもあることを暴露し、激しく討論を巻き起こす。この署名運動が北朝鮮侵略戦争に向けた排外主義扇動であり、これと闘う韓国民主労総ソウル本部との合流を破壊するものであることを熱く語ろう。日米韓の階級的な労働者の団結が具体的に動労千葉派=11月集会派によって形成されており、その発展こそ核廃絶の最も現実的な道であることを訴えよう。
被青同と革共同から脱落逃亡した塩川一派や与田残党が開催しようとしている「8・6集会」には、オバマ反革命や田母神らへの怒りも対決もまったくない。被爆者・2世・3世の怒りとはまったく無縁のこの反階級的敵対物を怒りを込めて糾弾する。
被爆者・2世・3世の決起は反戦運動を内包した階級的労働運動を反戦反核の拠点=ヒロシマ・ナガサキに再生させる。このことに確信を持って、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争を圧倒的に成功させよう。
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日程 8・6ヒロシマ-8・9ナガサキ反戦反核闘争スケジュール
広島
全世界の労働者・民衆の力で、核をなくせ! 戦争・改憲をとめよう!
被爆64周年8・6ヒロシマ大行動
8月6日(木)午後0時30分 3時デモ出発
広島県立総合体育館小アリーナ
〔発言〕下田礼子(反戦被爆者の会)/高山俊吉(憲法と人権の日弁連をめざす会)/ホアン・デルポソ(国際港湾倉庫労組)/「日の丸・君が代」不起立を闘う教育労働者/田中康宏(国鉄千葉動力車労働組合)/道州制・民営化と闘う自治体労働者/沖縄からのアピール/法政大「暴処法」弾圧と闘う学生
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
■関連企画
◎産別交流会
5日(水)午後/東区民文化センター
◎学生集会/青年労働者集会
5日(水)午後6時/東区民文化センター
◎祈念式典弾劾―麻生来広弾劾デモ
6日(木)午前7時/東千田公園
長崎
労働者の国際連帯で核を廃絶しよう!
長崎反戦反核集会
8月8日(土)午後6時 長崎県勤労福祉会館
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会
8月9日(日)午前7時30分
爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑
主催 長崎朝鮮人の人権を守る会
平和式典会場、爆心地に向けたデモ
8月9日(日)午前10時 城栄公園(路面電車・大橋下車)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2401号5面2)(2009/07/27 )
反戦反核東京集会 8・6-9決起誓う
“核こそ米帝支配の骨格”
7月18日、東京・杉並区の産業商工会館で反戦反核東京集会が120人の参加で開かれた。
主催は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会。危機にのたうつ麻生や田母神を必ず打倒してやるという決意にあふれた集会だった。
吉田義久さん(核問題研究情報センター代表)の基調講演は、オバマ・麻生・田母神の思惑を串刺しにとらえて批判するものだった。「オバマのプラハ演説は、米帝国主義による『核の総括』を率直に語っている。ドルと核は米帝の世界支配の骨格。ドルが破綻した今、核に頼るしかない」「資本主義は終わっている。アメリカ帝国主義は崩壊寸前だ。だからオバマ演説なのだ」と、吉田さんは豊富な資料をもとに展開した。
オバマのプラハ演説とは、一から十まで帝国主義の国家観・支配観に貫かれている。「核」を掲げて「平和」を語り、「核」をもって世界の労働者を分断し、最後のよりどころの核を振りかざしてアメリカ帝国主義を延命させようとするものだ。「核による支配」「核による労働者分断」にこそ帝国主義支配の要があり、スターリン主義の反革命と破綻があることを基調講演は喝破した。世界の労働者人民にとって千載一遇のチャンスが到来しているということだ。
第五福竜丸元乗組員である大石又七さんの核に対する告発は心に響いた。今、北朝鮮の核実験を問題にしている日本政府がビキニ被爆の時にアメリカの核実験に賛成したこと、アメリカ帝国主義の核支配と日本帝国主義の核武装への思惑の中でビキニ事件が握りつぶされ隠されてきたことを断罪した。そして「オバマは『核削減』とか言っているが、核兵器を絶対手放さない」ときっぱりと言い切り、核をなくすために自らの体験を子どもたちに語り続けていると語った。
7月サンフランシスコ国際労働者会議の特別報告は圧巻だった。田中康宏動労千葉委員長、三角忠反戦反核全国統一実行委事務局長の訪米特別報告で、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキの反戦反核闘争が労働者の国際的団結の力で帝国主義の世界支配を覆す、世界革命の中軸をなす闘いであることが明らかになった。
法政大の学生は、「人生選択が問われる、生き方が問われる8月の闘い」と熱烈に訴えた。そのとおりだ!
ヒロシマ―ナガサキこそ、「再び繰り返させない」と誓った日本労働者階級の闘いの戦闘的再生と怒りの爆発の場だ。世界革命の情勢を、この8月を団結し闘い抜いてたぐり寄せよう。
各職場、学園、地域で組織し組織し、「絶対反対派」の鮮烈な登場で、オバマ反革命をぶっ飛ばそう。田母神・麻生を打倒しよう。いざ8・6広島―8・9長崎へ!
(東京 A)
(写真 120人の参加者が吉田義久さんの講演に聞き入る【7月18日 杉並・産業商工会館】)
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週刊『前進』(2401号5面3)(2009/07/27 )
自民党支配の歴史的崩壊
階級的激突の時代の始まり
●議会を通じた支配の崩壊
7月12日投開票の都議会議員選挙は、自民党の歴史的な惨敗、民主党の大勝に終わった。これは単に都政レベルの問題ではなく、自民党支配そのものの終わりを告げる決定的な事態である。その後の自民党の醜悪な分裂・崩壊のプロセスは、自民党政治支配という戦後の議会制的支配が瓦解(がかい)し、むき出しの革命と反革命の階級的激突、死闘を本質とする未曽有の大動乱の始まりである。
問題は民主党の大勝や政権交代というレベルの話ではない。自民党の崩壊という現実は、戦後ブルジョア議会制度の崩壊であり、議会を使った戦後階級支配の崩壊である。しかも、敵権力の分裂と政治支配の崩壊が国家官僚機構と暴力装置の危機と動揺にも転化している。
今日の世界大恐慌の深まりは、日帝を追いつめ、大失業・大量解雇、低賃金・労働強化として矛盾を爆発させている。その中で青年労働者を中心に「生きさせろ!」の闘いが巻き起こり、階級間の非和解的対立が激化しつつある。
昨年11月労働者集会以来の「生きさせろ!」ゼネストの闘い、そして6・14―15大闘争の爆発が、労働者階級とりわけ青年労働者の怒りと結びつき、ついに自民党支配を打倒するところまで到達したのだ。
医療・福祉切り捨て、新銀行東京救済、東京五輪誘致キャンペーン、築地市場移転問題など、ファシスト石原都政に対する怒りも大きい。また、03年「10・23都教委通達」(「日の丸・君が代」強制の極限的エスカレート)に対する不屈の闘い、「つくる会」教科書採択に対する怒りなどが小泉以来の新自由主義攻撃に対する怒りと合わさって噴出した。その上で、事は単なる東京問題ではない。
●日帝・麻生に対する怒りの爆発
都議選結果は、民主党に力があったからではない。英フィナンシャル・タイムズ紙が報じたように、「日本の有権者には光り輝く選択肢はない」。民主党がブームになって風が吹いたのではないということだ。民主党が自民党とそれほど変わらないことはみんな知っているのだ。とにかく自民党を倒せば何でもよかったのである。
また、日本共産党は、革命的情勢の到来をとらえることができず、旧態依然の選挙を展開して、13議席から8議席に激減、惨敗した。議会主義政党として致命的敗北だ。しかし、彼らはあくまでもスターリン主義反革命として、労働者階級の総反乱を抑圧し、資本主義の救済に走る以外にない。労働者の味方面をした反革命として日共は打倒の対象だ。
レーニンは、革命的情勢の三つの徴候の第一で、「支配諸階級にとって、不変のかたちでは、その支配を維持することが不可能になること。『上層』のあれこれの危機、支配階級の政治の危機が、亀裂をつくり出し、それにそって、被抑圧階級の不満と憤激が爆発すること」を挙げている(『第二インタナショナルの崩壊』)。
まさに大恐慌下で、大衆の不満と怒りが自民党に向かって噴出し、自民党がボロボロになって瓦解しているのである。これまでどおりのやり方ではやっていけなくなっているのは明白なのに、それに代わるものを出しえない。
●対置すべきは革命だ
都議選結果を受けて、直ちに翌日解散に踏み切ろうとした麻生の思惑は破れ、7月21日解散、8月30日総選挙という日程が決まった。自民党の迷走と悪あがきは続き、総選挙で敗北することがあらかじめ確実な中で、自分自身の当選もおぼつかず、沈みゆく泥舟の上で七転八倒して断末魔のあがきを繰り広げている。
しかも、もはやどの政党が政権の座に着くかが問題ではない。議会をつうじた労働者支配そのものが終わった。階級対立の非和解化、むき出しの階級的激突、内乱の時代の始まりだ。この情勢に対してわれわれが対置すべきはプロレタリア革命だ。11月1万人結集こそ、その突破口を開くものだ。
また、こうした自民党支配の崩壊の中で、田母神的な極右的ファシスト的勢力も絶望的凶暴性を発揮して、台頭してくる。核武装と改憲を扇動し、対北朝鮮の排外主義を叫んで、侵略戦争態勢を右から促進する。さらには、軍部のクーデターさえも謀っている。
29年大恐慌を超える世界大恐慌のもとで、ついに「国家と革命」の問題が歴史の舞台に登場したのだ。まさにプロレタリア世界革命の時代である。資本と賃労働の非和解的対立、ブルジョア国家権力と労働者階級の非和解性が、資本主義とその国家権力の打倒をめぐって激突する、真の革命情勢の到来である。
この情勢においては、労働組合をめぐる攻防、労働者の階級的団結と決起の力が一切を決する。同時に、労働組合と一体となって、労働者階級の怒りと闘争意志の先頭に立つ労働者党の屹立(きつりつ)こそが、ついに到来した革命情勢を決定的に前進させる。
われわれの方針は鮮明である。11月労働者集会になんとしても1万人の大結集をかちとることだ。大恐慌プラス自民党支配の総崩壊というまたとない好機、プロレタリア革命によってしか解決のない情勢の中で、今こそ全力を挙げて、職場から資本との非妥協的な闘いを巻き起こし、国鉄決戦を軸に4大産別決戦で「11月労働者集会1万人結集」に奮闘しよう。
8月広島・長崎反戦反核闘争、8・15改憲阻止・靖国・法大闘争へ闘おう。
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週刊『前進』(2401号6面1)(2009/07/27 )
スト鎮圧に決死抗戦
韓国・双龍自動車労組 2カ月こえる工場占拠
大恐慌下の階級戦争
国際連帯で11月1万結集へ
韓国で2カ月を超える平沢(ピョンテク)工場占拠ストライキが闘われている。7月20日以来、李明博(イミョンバク)政権と資本によるスト鎮圧攻撃に決死抗戦の階級戦争が続いている。このストライキ闘争の原動力は現場労働者の力だ。「解雇は殺人だ!」「一緒に生きよう!」と立ち上がった民主労総金属労組双龍(サンヨン)自動車支部組合員千人の闘いは、資本・権力によるあらゆる分断をのりこえ、世界大恐慌下の新自由主義攻撃といかに闘うべきかを指し示している。
(写真 攻防の焦点は労組が立てこもる塗装工場。労組は警察部隊の襲撃を白兵戦で撃退している【7月22日 韓国・双龍自動車平沢工場】) 強制執行始まる
「整理解雇撤回、非正規職・正規職の総雇用保障、公的資金の緊急投入」を要求し、サンヨン自動車支部が無期限全面ストに突入したのは5月22日。激しい攻防を闘いぬき、スト60日、70bの煙突上での籠城(ろうじょう)69日となった7月20日、ついに強制執行が始まった。
今年1月、サンヨン自動車は銀行融資を断たれ、法定管理(日本の会社更生法手続き)を申請した。法定管理人らは2646人もの整理解雇方針を打ち出すとともに希望退職が強要された。「闘って勝つには団結しかない」――整理解雇対象者も生き残った者も、正規職も非正規職も、家族も一緒にストライキに唯一の活路を見い出した。「一緒に生きよう!」
労組は砦(とりで)として構える塗装工場前をバリケードで固めて強制執行を迎え撃った。敵の接近を阻むためシンナーが入ったドラム缶を各所に転がす。さらに正門から100bほど入った地点に山積みした古タイヤに火を放った。
会社側は16日から食料搬入を阻止、さらに19日には医療支援団の出入りまで禁じるという卑劣な兵糧攻めに踏み切っていた。20日も裁判所の執行官が現れる10時に始まる鎮圧作戦に備え、塗装工場の電気を切った。昼前には水、ガスも切るという天人ともに許されざる暴挙に出た。
7月20日午前10時過ぎ、警察部隊、会社役職員などで組織された救社隊など2千人がフォークリフトなどの重機を先頭に工場内に侵入した。労組が放送で「私たちは人間らしく生きるために死ぬことを覚悟して決死抗戦する」と宣言し、ストライキに参加しなかった組合員には「絶対に工場内に入ってくるな。労使葛藤(かっとう)に介入してはならない」と呼びかけた。
攻防渦中の昼過ぎ、サンヨン自動車支部政策部長の妻が自殺したという衝撃的な知らせが飛び込んだ。ハンサンギュン支部長が「私たちの仲間の大切な妻を失った。私たちのどこが悪いのか!」と絶叫。労組は「解雇は殺人だ! これ以上殺すな! 会社側の整理解雇強行と政府の無責任な対応が労働者と家族の命を相次いで奪っている。会社側は家族への脅迫などスト破壊策動をただちに中断し、整理解雇を撤回せよ! 政府は直接対話を行い、死の行進を防ぐために積極的に対応せよ!」と声明を発した。
この機に乗じた会社側は、神経を逆なでする大音響で大衆歌謡曲と「啓蒙(けいもう)放送」を流し続け、上空を旋回するヘリが騒音をまき散らした。
翌21日、警察部隊が増強され、「対テロ特殊部隊」と言われる警察特攻隊も待機態勢に入った。塗装工場へと接近を図る警察部隊に対し、労組が塗装工場の屋上から射程距離200b以上の大型パチンコでボルトを発射。火炎瓶も飛び、着火した古タイヤの黒鉛が平沢工場を包む。昼ごろから低空を旋回するヘリが工場屋上をめざして催涙液をぶちまけた。地上では侵入してくる警察部隊に数百人の組合員らが応戦、鉄パイプでの白兵戦となった。
夜を徹した鎮圧作戦の中、明けた22日、警察ヘリは催涙液に加えて新たな化学薬品を投下。包囲網を狭めて塗装工場に迫ろうとする警察部隊との白兵戦が続く中、警察がテーザー銃を使用、発射された矢が顔面や足に命中し組合員が重傷を負う事態となった!
22日、民主労総・金属労組はゼネストに突入! 国会では与党ハンナラ党が言論悪法の上程を強行! 平沢駅前に怒りに燃える労働者5000人が集まった。「最後まで闘って、必ず勝利しよう!」のシュプレヒコール。起亜自動車支部ファソン支会から1千万ウォンを超える闘争カンパが届けられた。サンヨン支部の家族も「世の中で最も立派な人は労働者だ。労働者の力で平等な世の中をかちとろう」と呼びかけた。決意大会後、デモは平沢工場を目指したが、行く手を阻む警察部隊と対峙。警察の暴力的連行が行われた。
23日、大規模兵力を投入するとの発表に現場の緊張は極点に達した。これを阻止しようと午前8時、金属労組サンヨン自動車支部組合員がソウルの独立門駅前の高架道路の橋げたで高空籠城に決起した! 金属労組はこの日も4時間のストライキで闘いぬいた。
(写真 〈左〉家族たちもサンヨン闘争の主体として闘っている=7月16日。〈右〉公権力投入を弾劾しゼネストに決起した金属労組組合員ら5千人が平沢駅前で決意大会を開いた=7月22日)
“共に生きよう”
連日30度を超える猛暑が続く中、水も食料も電気もガスも断たれた塗装工場に催涙ガスが立ち込めている。しかし、この闘いこそ、イミョンバク政権と資本の新自由主義攻撃を突き破る歴史的決起であることは明らかだ。
サンヨン自動車支部は塗装工場から世界の労働者に誇り高く呼びかけている。「困難な状況にも同志たちは英雄的に戦っている。蓄積した疲労、食事を取ることもできず、1日に数十回と続く攻撃にも組合員らは塗装工場を強固に守っている」「今は外での強力な連帯闘争が本格的に広がらなければならない。サンヨン労働者の闘争がすべての労働者の雇用と生存をかけた闘争であることを知らせて、政府の責任を促す強力な連帯闘争を準備しよう! 残された時間は多くない。サンヨン組合員らの英雄的闘争に応える連帯闘争を組織しよう!」
塗装工場への警察特攻隊突入は、最終的にはイミョンバク大統領の政治判断に委ねられている。「サンヨン自動車の整理解雇を貫徹できないで、今後、現代、大宇、起亜の構造調整ができるのか」との法定管理人の言葉どおり、スト鎮圧こそがやつらの唯一の道だ。
この攻防の最中、訪韓した大阪府知事・橋下と会談したイミョンバクは「公務員の賃金カットは韓国ではなかなかできない」と言い、橋下も「困難な中で政治的信念をもって事業を成し遂げていく姿勢を見習いたい」と称賛し合った。
サンヨン労働者の闘いは、イミョンバク政権のみならず、日米帝国主義をも突き刺す闘いだ。現場労働者の誇り高き闘いが新たな時代を押し開いている。サンヨンの労働者の決死の闘いに応え、国際連帯を貫いて11月1万人結集を実現しよう。
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週刊『前進』(2401号6面2)(2009/07/27 )
殺人的な暴挙!(韓国・双龍自動車労組へ)
★催涙液 連日、ヘリコプターが大量の催涙液を散布している。このため塗装工場の中にも催涙ガスが充満している。工場は水も電気も食料も断たれており、顔を洗う水もない。
さらに22日にヘリが投下したビニールに入った液体を浴びた発泡スチロールが溶けていた。これは塩酸溶液ではないかと推定されている。
写真左下に見える煙突には5月13日以来、「勝利するまで降りない」と宣言して組合員が高空籠城を続けている。
★テーザー銃 7月22日午後、接近した白兵戦の最中、警察のテーザー銃から発射された矢が組合員の顔面を貫通、ほかの2人も足に重傷を負った。労組が要請した救急車が工場内に入ったのは、警察の妨害でなんと3時間後だった。
テーザー銃とは、米国の武器製造業社TASER社が作った非殺傷武器で一種の電気衝撃銃。矢のように見える針を発射し、電気衝撃を与えて高い電圧電流を流す。相手に相当な苦痛を与えるとともに脳が筋肉に送る電気的信号をかく乱させるため身体が麻痺する。
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週刊『前進』(2401号6面3)(2009/07/27 )
裁判員裁判を粉砕しよう
8・3東京地裁デモへ
8月3日の正午、裁判員裁判を弾劾するデモが行われる。主催は「裁判員制度はいらない!大運動」だ。
日帝・最高裁は、全国初の裁判員裁判の実施場所を東京地裁とした。その初日が8月3日だ。裁判員候補者約70人は当日午前中に東京地裁に集められ、面接を受け、裁判員6人と補充要員3人が選ばれる。公判開始は午後1時半の予定だ。
裁判員制度の実施に対して猛然たる怒りをたたきつけよう。正午、日比谷公園の霞門に総結集して、東京地裁・霞が関を席巻する歴史的なデモに決起しよう!
裁判員裁判の実際の実施日が近づくにつれて、その反人民性が一層あらわとなり、労働者人民の怒りや拒絶がさらに激化している。毎日新聞が6月に行ったアンケートでは、「義務でも辞退を希望する」が64%、制度の導入で「裁判が悪くなると思う」が70%という数値を示した。イヤなものはイヤだ、おかしいことはおかしいと言っているのだ。
こうした中で、日本カトリック司教協議会が発表した、「聖職者、修道者、使徒的生活の会の会員が裁判員候補を辞退したにもかかわらず選任された場合は、過料を支払い不参加とすることを勧める」という公式見解の意義は大きい。約7000人を対象に、たとえ罰を受けても拒否しようと言っているのだ。
このような中で、裁判員裁判の日程の決定が各地で進んでいる。大半が3日間の日程だ。たとえば横浜地裁では、知人の女性を刺殺したという事件が9月29日から3日間の日程で行われるが、1日目の午前中に裁判員の選任手続きが行われ、午後が「初公判」、2日目が検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論で「結審」となり、3日目の午前中が「評議」、午後が「判決」となっている。起訴事実を争わないことを前提として、弁護側の最終弁論や判決文は、あらかじめ書かれているとしか思えない日程だ。ふざけた話だ。こんなものは裁判ショーでしかない。
圧倒的な確信を持って言おう。裁判員制度は粉砕あるのみ、粉砕できると。労働者人民の根底的怒りが自民党支配体制を崩壊させてきたように、改憲・戦争国家化攻撃の柱の一つである裁判員制度を破産のふちに追い込んでやろうではないか。
労働者人民は裁判員制度絶対反対派の圧倒的な登場を求めている。闘いが継続され、全国に広がっていることを見える形で現実に示す必要がある。8・3東京地裁デモを先頭にして、文字どおり全国で裁判員裁判を弾劾する行動に立とう。
政治的大激動が始まっている。そのヘゲモニーを握るべきは闘う労働者階級自身だ。裁判員制度粉砕闘争は、まさに人民的総反乱の歴史的水路だ。8・2革共同政治集会の大成功をかちとり、東京地裁を揺るがす8・3デモに大結集しよう!
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週刊『前進』(2401号6面4)(2009/07/27 )
共謀罪3度目の廃案
6年半の闘いの勝利だ
「永久廃案まで闘うぞ!」――現代の治安維持法=共謀罪法案の廃案は確実と各紙に報道された7月15日、「破防法・組対法に反対する共同行動」は国会前で勝利宣言を発し、さらなる前進へと元気にシュプレヒコールを響かせた。そして21日、崩壊寸前の自公政権はついに共謀罪の廃案に追い込まれた。
共謀罪新設をめぐる6年半もの粘り強い闘いは、ついにこれを3度もの廃案にたたき込むという史上かつてない地平をもぎり取った(歴史的には1958年の警職法改悪案、1961年の政暴法案、1985年のスパイ防止法案の廃案に続く勝利である)。
共謀罪攻撃を先取りした暴処法弾圧を粉砕する国鉄闘争・法大闘争の勝利的前進と合わせて、日本帝国主義の労働者支配・治安管理国家化を食い破る決定的な勝利だ。今こそ階級的労働運動の前進で共謀罪を永久廃案に追い込み、プロレタリア革命に突き進もう!
労働者階級の団結破壊を目的とし狙いとする共謀罪は、実行行為など一切なくても「共謀」をデッチあげて組織壊滅型弾圧を可能にする、改憲と一体の希代の悪法だ。戦争と民営化・労組破壊、道州制攻撃に不可欠な治安法体制の要をなすものとして、03年の国会初提出以来、共謀罪制定は政府・法務省の「悲願」となってきた。
これに対して闘う仲間は、先制的かつ根気強い共謀罪阻止闘争を繰り広げ、国会審議をガタガタにして2度の廃案をかちとってきた。
さらに、あくまで制定を狙う自公政権による3度目の法案の強行突破策動に対しては一挙に闘争を拡大した。共謀罪新設反対の圧倒的世論のなかで政権が吹き飛びかねない危機に恐怖した小泉首相がいったん強行採決を断念し、直後の「民主党案丸のみ」策動も弾劾の嵐の中で頓挫(とんざ)した。その後も鳩山法相による08年「サミット前成立」策動など、ことあるごとに繰り返される制定策動をことごとく粉砕してきた。
永久に葬り去るまで闘いぬこう
まさに今回の廃案は、幾度もの強行採決策動を労働者人民の大衆的実力闘争で阻止し続けるなかで、ついにたぐり寄せた自民党支配の歴史的崩壊情勢と一体の勝利だ。
しかし、危機に陥る支配階級は、あくまで治安攻撃のエスカレートでのりきろうと必死になっている。
入管法改悪を強行した民主党はもちろん、すべての既成政党は「反テロ」「安全・安心」の名のもとに資本主義擁護のための治安攻撃を推進している。法務省もいまだ共謀罪新設をあきらめておらず、労働者人民を欺きつつ手を変え品を変えて共謀罪新設を狙ってくるに違いない。治安攻撃との本格的闘いはこれからだ。
共謀罪を永久廃案にし、治安攻撃を根底的に粉砕する道とは、階級的労働運動の爆発でプロレタリア革命に突き進むこと以外にない。
機動隊を導入して恥じない体制内労働運動や、「ケースバイケース」と称して完黙・非転向の闘いを否定する塩川一派を許さず、国鉄1047名闘争を軸とする4大産別決戦と法大決戦を職場・現場での階級的闘いを基礎に推進してこそ、治安攻撃総体と原則的に闘い勝利することができるのである。
共謀罪廃案の地平のもと8月闘争を大爆発させ、11月労働者集会1万人結集へと突き進もう。
(吉澤夏樹)
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