ZENSHIN 2009/06/01(No2393 p08)

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第2393号の目次

(写真 ”不当勾留許さない!”東京地裁を徹底糾弾 「12人の学生を直ちに返せ!」。法大闘争への大弾圧に怒りが爆発。5月26日の勾留理由開示公判に130人が結集し、東京地裁正門前で怒りのこぶし=関連記事2面)

1面の画像
(1面)
6・14渋谷-15法大連続闘争へ
オバマと麻生の北朝鮮侵略戦争を世界の労働者の決起で粉砕しよう
獄中12学生奪還へ社会的大反撃を
記事を読む  
法政大学での学生弾圧に抗議し即時釈放を求める緊急全国声明(5月26日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
法大弾圧粉砕総決起集会 ”12人の仲間を必ず取り戻す”
”6・14-15で大反撃しよう”
「暴処法」に420人の怒り爆発(5月22日)
記事を読む  
基調報告 検察・警察の弾圧許さない
全学連の闘う同志(5月22日)
記事を読む  
革共同の決意 革命の成否かけ総反撃する
革命的共産主義者同盟 木崎冴子同志(5月22日)
記事を読む  
法大裁判 内田君らに反動判決
満場の怒り、裁判長を圧倒(5月27日)
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学生運動弾圧に怒り  6・14-15闘争へ第2回実行委
”労働者の底力見せよう”(5月25日)
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(3面)
“1047名闘争 勝利感いっぱい”
国鉄集会が画期的成功 北九州と秋田(5月24日)
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JP労組大会へ現場からの訴え〈上〉
現場組合員が闘う時だ
非正規職との団結強め 腐った幹部退陣させよう(東京・全逓労働者 本田茂治)
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裁判員制度 必ず廃止へ  各地に運動拠点つくろう
労組を軸に戦争・改憲に大反撃を  闘いはこれからが本番だ(花石佳美)
記事を読む  
全国で街宣行動  「絶対反対」口々に共感(群馬・A)(福岡・W) 記事を読む  
(4面)
新自由主義30年の全矛盾が爆発
大恐慌と戦争に6・14-15大デモで反撃を  片瀬 涼
記事を読む  
(5面)
原水禁運動-反核闘争の解体許すな
米帝の核独占と侵略戦争を狙う オバマ演説を「核兵器廃絶」宣言と絶賛する日共・志位  上川 久
記事を読む  
麻生=「対米隷従政権」論で日帝を免罪するカクマル
根っこは黒田の反米愛国主義
記事を読む  
(6面)
再審実現へ5・23狭山集会(5月23日) 記事を読む  
北朝鮮ロケット口実に有事法制の実戦発動 秋田からの報告
「国民保護計画」を先行実施  自治体労働者の戦争動員を狙う
記事を読む  
日誌 2009年 5月20日〜26日
裁判員制度を強行/北朝鮮が「核実験成功」と発表
記事を読む  
(7面)
「海賊法案」阻止へ  参院審議・国会延長許すな  6・14闘争で大反撃を 記事を読む  
韓国 盧武■前大統領の死は何を意味するか
李明博との全面対決に
記事を読む  
ブルーリボン 着用を区職員に強制
現場労働者の団結した力で戦争翼賛の山田区長打倒へ  杉並区議 北島邦彦
記事を読む  
革共同に夏期大カンパを
法政大「暴処法」弾圧粉砕と4大産別決戦勝利のために
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
大阪・星野さん取り戻す会結成  “労働者の解放で”
全国で21番目 大阪各地から60人参加(5月21日)
記事を読む  
全国再審連絡会議 5月星野沖縄行動を闘って 記事を読む  
新刊紹介 国際労働運動  大恐慌と闘う労働者 7月号 記事を読む  

週刊『前進』(2393号1面1)(2009/06/01 )

 6・14渋谷-15法大連続闘争へ

 オバマと麻生の北朝鮮侵略戦争を世界の労働者の決起で粉砕しよう

 獄中12学生奪還へ社会的大反撃を

(写真 ”不当勾留許さない!”東京地裁を徹底糾弾 「12人の学生を直ちに返せ!」。法大闘争への大弾圧に怒りが爆発。5月26日の勾留理由開示公判に130人が結集し、東京地裁正門前で怒りのこぶし=関連記事2面)

 「暴力行為等処罰法」(暴処法)による不当極まる法大学生運動弾圧は、逆に4・24法大解放1500人集会を始めとした闘いの火に油を注ぐものだ。全労働者・学生・人民は、怒りの決起で、「階級の宝」である獄中12人の学生を、絶対に不起訴で奪還しよう! 彼らの闘いは、階級的団結を武器に、いかなる暴力や弾圧にも屈しないで、解放と革命の勝利の道を指し示している。今や6・14−15の連続大闘争は、労働者階級人民の歴史的な蜂起の日となった。北朝鮮スターリン主義の反人民的な地下核実験を絶好の餌食(えじき)とした米帝オバマと日帝・麻生の、北朝鮮侵略戦争−世界戦争策動を粉砕するために、全世界の労働者階級人民は総決起する時だ。6・14−15の中央政治闘争の爆発で、法大「暴処法」弾圧を粉砕し、世界大恐慌と戦争の情勢に対決して、オバマ・麻生の打倒から革命勝利を切り開こう。4大産別を先頭に全力で決起しよう。

 文連解体狙う「暴処法」弾圧

 まず何よりも、法大解放闘争の前進に対する日帝権力・警視庁公安部の「暴処法」弾圧を、断じて許してはならない。法大弾圧粉砕の緊急闘争の爆発、全国的・全社会的な大反撃で、獄中の12学生を不起訴奪還し、6・14―15連続闘争の大爆発を実現しよう!
 日帝・麻生と警視庁公安部は、戦前以来の治安弾圧法である「暴処法」などの悪法を発動して、5月15日から18日にかけ、法大文化連盟と全学連の闘う12学生を、まったく不当にもデッチあげにより逮捕・再逮捕するにいたった。本当に許しがたい事態だ。
 法大文化連盟と全学連の徹底壊滅を狙ったこの組織破防法型の歴史的大弾圧は、日帝・麻生と国家権力が、大恐慌と世界戦争の情勢下で、いかに法大学生運動―全国学生運動の爆発と革共同の前進に恐怖し追い詰められているかを、まざまざと示している。
 日帝・麻生と権力は、4・24法大解放の1500人決起と6・14―15連続闘争の大爆発の情勢に、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の現実性を見た。これに心底から恐怖し、治安維持法型・破防法型の治安弾圧にのめり込んでいるのだ。だがそれは逆に、法大3万学生のみならず、全国300万学生、さらには2000万青年労働者と6000万労働者階級全体を敵にまわし、その決起を生み出すものに必ずや転化せずにはおかない。
 この3年余の法大学生運動は、107人の不当逮捕、24人の起訴にも負けず、不屈に闘われ前進してきた。法大生が学内でビラをまき、看板を出し、アジテーションすることも許さない、異様な新自由主義大学・監獄大学! 法大生は文化連盟を先頭にこの現実に怒りを爆発させ、団結して法大解放へ決起してきた。これがなぜ犯罪か!
 そもそも「暴処法」弾圧をデッチあげた2月19日深夜の「事件」とは、闘う学生の立ち入りを禁止する看板がこわされたというものだ。しかしこんな看板そのものが3万法大生とは非和解であり、怒りの対象だ。法大生に破壊されてまったく当然ではないか。
 今回の弾圧は、まさに新自由主義大学・監獄大学に反対し戦争への道を阻止する闘い、その学生の団結と決起そのものを壊滅することを狙った攻撃だ。それは本質的に青年労働者を始めとする闘う労働者階級と革共同に向けられた弾圧である。とりわけ4大産別決戦を先頭とした、〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉〈道州制・民営化〉の攻撃との闘いの壊滅を狙った反革命弾圧である。
 追い詰められているのは、権力と法大当局・資本だ。弾圧で法大学生運動と全学連、そして革共同を壊滅することなど断じてできない。弾圧は闘いのリーダーを次々と生み出している。勝利は労働者と学生のものだ。

 弾圧粉砕の一大署名運動へ

 5月22日の法大弾圧粉砕緊急集会には、420人の労働者と学生が結集し直ちに大反撃が始まった。26日の勾留理由開示公判には、東京地裁に130人が決起した。ものすごい怒りが爆発し、革命的な反発力が生み出されている。獄内外が固く団結し、完黙・非転向で闘う12人の学生を全力で守りぬき、起訴を粉砕して必ず奪還しよう!
 斎藤文連委員長、恩田文連副委員長、織田全学連委員長を始め、「法大闘争は新自由主義大学を破産させている」「団結の威力を確信した」「われわれは必ず戻ってくる」と、感動的な獄中アピールが発せられている。これに応えて、今こそ5・22集会の熱気を拡大し、労働者と学生がひとつに団結し巨大な闘いを巻き起こす時である。
 広範な社会的大反撃が開始された。戦前の京都学連事件(1925年)を彷彿(ほうふつ)させる今回の大弾圧と闘う大弁護団が形成されようとしている。法大「暴処法」弾圧を弾劾し、法大闘争に連帯して、「法政大学での学生弾圧に抗議し、即時釈放を求める緊急全国声明」(別掲)が発せられ、賛同署名運動が呼びかけられた。さらには全世界に弾圧弾劾と闘いへの決起のアピールが発信されようとしている。全社会的・国際的な巨大な反撃を巻き起こし、絶対に勝利しよう。
 そして当面する最大の闘いは、「国鉄1047名解雇撤回! 労働者派遣法撤廃! 法大弾圧粉砕! 改憲阻止! 麻生政権打倒!」を中心スローガンに闘われる、6・14―15連続大闘争=中央政治闘争だ。この闘いを全国5000人の大結集で爆発させるために全力で蜂起しよう。この力で法大「暴処法」弾圧を粉砕し、世界大恐慌と戦争の情勢に立ち向かい、米帝オバマと日帝・麻生を打倒して、「大恐慌を革命へ」の血路を開こう。
 6・14―15中央政治闘争は、同時に屈服と転向の坂を転落する日共スターリン主義を始め一切の体制内派との、激しい党派闘争だ。核独占・侵略戦争宣言のオバマ演説を礼賛し、裁判員制度導入に賛成し、3・25鉄建公団反動判決を賛美し、闘う者に襲いかかる日共スターリン主義を絶対に許すな。
 また連合は、日本経団連や麻生政権と「労使共同宣言」「政労使協議」を取り結び、今また排外主義と北朝鮮侵略戦争翼賛の「核廃絶1000万署名」運動を進めている。これは、オバマ演説と連動して原水禁運動―反戦反核闘争を解体する許しがたい策動だ。
 さらに4者4団体派は、今国会中の1047名解雇撤回闘争の終結を狙い、日帝権力・JR資本への完全屈服と奴隷の道にのめり込んでいる。ファシスト・カクマルや塩川一派などの反革命勢力も、大恐慌と労働者階級の団結と革命への闘いに恐怖し、敵対を深めている。これら一切の体制内勢力との党派闘争を貫き、6・14―15闘争に総決起しよう。 

 大恐慌と戦争情勢への対決

 内外情勢は、まさに大恐慌が爆発し世界戦争を不可避とする時代に突入している。
 帝国主義世界経済は、今や29年大恐慌をも超える後のない世界大恐慌へと本格的に転落し、金融大恐慌の爆発と実体経済の崩落から、米国債とドルの暴落をも不可避とする段階へと突き進んでいる。米製造業の象徴たるクライスラーの破綻に続き、GMの破綻(破産法申請)も避けられない大変な情勢だ。欧州―EU経済も、信用収縮とGDPの大幅マイナス化と失業者増などにあえいでいる。
 日帝は帝国主義の「最弱の環」であり、自動車・電機を始め「輸出立国」的な資本蓄積構造が崩壊し、09年3月期決算では、大企業・大銀行が軒並み過去最大の減収・減益と大規模な赤字に陥った。この中でブルジョアジーは、労働者へのリストラ・大失業攻撃をいよいよ本格化させている。
 世界大恐慌は資本主義の時代の終わりを突き出している。それは一方で、帝国主義が分裂化・ブロック化し、保護主義と争闘戦を激化させ、侵略戦争・世界戦争を不可避とする情勢、そのために労働者階級への階級戦争を強化してくる情勢であり、他方では革命情勢が成熟する時代の到来である。
 こうした中で、5月25日に北朝鮮スターリン主義は、体制の延命をかけて反人民的な地下核実験を強行した。米帝オバマと日帝・麻生は、これを絶好の餌食として、国連での追加制裁決議を策動し、北朝鮮に対する体制転覆の侵略戦争発動体制に突入した。イラク、アフガニスタンに続いて、北朝鮮侵略戦争が急速に切迫してきている。
 大恐慌と戦争に立ち向かう闘いは、労働組合をめぐる攻防で決定的に勝負が決まる。だからこそ日帝・麻生と権力は、学生運動の爆発を徹底的に弾圧し、連合を産業報国会化し、労働組合を破壊しようとしているのだ。とりわけ4大産別こそ最大の激突点だ。
 オバマと麻生の北朝鮮侵略戦争策動粉砕へ、今こそ全世界の労働者階級が団結し、総決起して闘う時だ。日帝の「海賊対処法案」成立への攻撃を断固阻止しよう。改憲阻止、裁判員制度廃止、道州制粉砕へ闘おう。6・14―15連続闘争はその最大の決戦場だ。
 第2次国鉄決戦を先端とする4大産別決戦の攻防を軸に、青年労働者と学生を最先頭として、6・14―15の5000人総決起へ、真一文字に突き進もう。法大弾圧粉砕署名、動労千葉物販、機関紙拡大、集会賛同署名を武器として駆使し、6・14―15大結集を大胆に訴えよう。労働者には失うものは鉄鎖以外に何もない。獲得すべきは全世界だ。法大弾圧粉砕・12学生奪還へ猛然と決起しよう!
(写真 広島 5・23狭山闘争で部落解放集会をかちとり、住宅闘争を闘う住民を先頭に福島町を意気高くデモ行進)

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週刊『前進』(2393号1面2)(2009/06/01 )

 法政大学での学生弾圧に抗議し即時釈放を求める緊急全国声明

 法大学生運動への暴処法(暴力行為等処罰に関する法律)を使った大弾圧に、多くの労働者や学生の怒りの声が一斉にわきおこっている。このほど、闘う労働組合や市民団体、弁護士の中から、この弾圧に抗議し、逮捕された学生の即時釈放を求める緊急全国声明が発せられ、賛同署名が呼びかけられた。その声明文を紹介します。(編集局)
 法政大学で、まったく許すことのできない学生運動破壊の大弾圧がおきています。5月15日から16日にかけて、警視庁公安部は法大生10人を含む11人の学生を「暴力行為等処罰法違反」をデッチ上げて逮捕しました。そのうち2人は別件で起訴された上での再逮捕です。18日にはさらに1人の学生が別件で逮捕されました。このほか、公安警察が多数の法大生を「事情聴取」と称して呼び出し、拉致・連行して徹夜をも含む長時間の取調べを行い、完全黙秘で不屈に闘っている学友の権力への売り渡しを強要するという、言語道断のことが行われています。
 今回の弾圧を含めて、法大での逮捕者は、2006年3月以来の3年間になんとのべ107人、起訴者は24人にもなります。その発端は、学内でのビラまきも立て看板も演説も禁止という大学当局の一方的な決定に抗議して集まった学生が「建造物侵入」で大量逮捕された事件でした。あらかじめ当局と示し合わせて待機していた200人の公安刑事たちが、一斉にキャンパスに突入して行われた不当逮捕です。以来、退学・停学の処分と逮捕・起訴の弾圧が次々としかけられ、これに屈服せず抗議を続ける学生には当局が雇った暴力職員、右翼ガードマンが襲いかかるという事態が繰り返されてきたのです。
 法政大学で行われているこの学生弾圧に、私たちは驚きと怒りを抑えることができません。今回の弾圧はとくに、学生のサークル団体である法大文化連盟と、戦争に反対して闘っている全学連の学生に集中しています。12人の逮捕者の中には、法大文化連盟の執行部全員と、全学連の委員長始め三役が含まれています。
 しかも逮捕の理由とされているのは、正門前に掲示してあった当局の看板が学生たちに破壊されたというものです。この看板とは、処分された学生や高額の学費が払えなくなった文化連盟の学生の実名をさらし、立ち入りを禁止した看板です。教育機関であるはずの大学が、こんな掲示物を教室の入口にまで貼り、多数の監視カメラを設置して学生の行動を逐一監視している。このこと自体があまりにも異様です。学生から思想・表現の自由も一切奪い、キャンパスを暴力ガードマンが支配する一種の「監獄」に変えている、こんな大学はもはや大学とは言えません。本年3月には、大学の「営業権」をふりかざして「情宣活動禁止の仮処分」まで発動しています。こうした現実は今すぐ打ち壊され、根本的に変革されねばなりません。
 私たちは、この学生弾圧に激しい憤りを覚えるとともに、度重なる弾圧に屈することなく胸を張って闘いぬいている学生たちに心から感動し、尊敬と連帯を表明します。法政大学の現実は、新自由主義攻撃が教育と大学にもたらした象徴的な姿です。これを打ち破ることは、学生だけでなく、大恐慌と戦争の時代に立ち向かうすべての労働者・市民の死活問題です。
 今回、学生たちの闘いを圧殺するために暴処法が発動されたことはきわめて重大です。暴処法は戦前、治安維持法と一体で制定され、集団での行動自体を犯罪として労働組合の解体・労働運動弾圧に猛威をふるった弾圧法です。その法大文化連盟と全学連への適用は、まさに戦前の、教育と学問の圧殺、戦争体制確立に道を開いた「京都学連事件」を思わせるものです。この弾圧を打ち砕くことなしに、労働組合の未来も、全人民の未来もありません。
 法大での学生弾圧に、抗議の声をあげましょう。国家権力の暴力に真っ向から不屈に立ち向かっている学生たちを激励し、支援しましょう。6月14日と15日には、この弾圧粉砕を掲げて全国から労働者・学生が首都東京に集まることが呼びかけられています。労働者・学生・全人民の怒りの力で法政大学と権力を包囲しましょう。
 国家権力は12人の学生たちを直ちに釈放せよ!
 法大当局・増田総長は、一切の処分を撤回し、全学生に謝罪せよ。そして、学生の自主的な活動を規制する一切の規定・決定を破棄せよ!
 2009年5月26日

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週刊『前進』(2393号1面3)(2009/06/01 )

前進速報版から 前進速報版から

▼英鉄道労働者が24時間スト▼大阪市立大学でキャンパス集会とデモ▼京大で弾圧粉砕集会▼ロサンゼルスの高校生が「先生守れ!」

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週刊『前進』(2393号2面1)(2009/06/01 )

 法大弾圧粉砕総決起集会 ”12人の仲間を必ず取り戻す”

 ”6・14-15で大反撃しよう”

 「暴処法」に420人の怒り爆発

 5月22日、全学連の主催で法大弾圧粉砕総決起集会が開かれた。急きょ呼びかけられた集会であったが、会場の代々木八幡区民会館を満杯にする420人の学生・労働者が駆けつけ、通路、壇上まで参加者があふれる熱気の中でかちとられた。
(写真 集会の最後に「獄中の仲間に届け」とばかりにインターナショナルを熱唱。弾圧への怒りと奪還の決意がみなぎった【5月22日 代々木八幡区民会館】)

 法大生の決意に会場沸く

 この間の法大闘争を最先頭で闘ってきた全学連の内田晶理(てるまさ)君が司会として力強く開会を宣言し、4・24法大解放闘争のビデオが上映された。今獄に囚われている仲間たちが当局追及と警察との激突の先頭に立つシーンがスクリーンに生き生きと映し出され、全員が固唾(かたず)をのんで見入った。
 全学連の同志が基調報告に立った。「暴力行為等処罰法」を法大学生運動に適用しての大量逮捕という歴史的大反動を徹底的に断罪し、獄中で一糸乱れぬ完全黙秘・非転向の闘いを貫く学友たちととことん連帯して6・14―15連続闘争の大爆発をかちとることを訴えた。(要旨別掲)
 続いて各大学からの決意表明が行われた。広島大学の全学連・安藤聡男副委員長は、「自分も4・24で逮捕されて恩田君とともに獄中闘争を闘った。彼の人間性あふれるメッセージに感激している。広島大からも新たな学生の決起が始まった」と報告し、全員奪還の決意を明らかにした。富山大生は、学生の団結を破壊する新樹寮廃寮攻撃との一大決戦を訴え、法大と連帯し5・31富山大への大結集をアピールした。東北大、京都大、首都圏の学生のはつらつとした決意表明が続いた。
 ひときわ高い拍手の中、法大生2人が登壇した。「逮捕者が100人を超えたが、今獄中で闘う一人ひとりは抽象的数字ではなく、生身の人間だ。自分自身も日々試されている。獄中獄外手を携えて勝利することは必ずできる」
 「毎日一緒に闘ってきた彼らを奪われて黙っていられるか! 3年間の法大闘争は不抜の団結をつくってきた。何があってもキャンパスに登場しアジテーションをやり続けるのが法大闘争の真骨頂。門前に行くな、旗を降ろせ、謝って済ませろなどという攻撃を打ち砕く。全員を取り戻す」
 法大生の気迫に満ちた決意に、場内の熱気が一層高まった。
 革共同の木崎冴子同志が登壇した。「革命情勢における学生運動の新たなリーダーの登場に、権力は恐怖してこの大弾圧に及んだ。革共同は半世紀を超える歴史の中で、反動に屈したことは一度たりともない。弾圧への回答は6・14に5千人の大隊列を登場させることだ」と力強くアピールした。(要旨別掲)

 青年労働者が合流を誓う

  東京の学生がカンパアピールを行った後、法大弾圧弁護団が壇上に勢ぞろいした。闘う弁護士のこの間の獅子奮迅の活躍に、会場から惜しみない拍手が送られる中、全員が決意を述べた。
  鈴木達夫弁護士は「暴処法とは何か。破防法弾圧がわれわれの闘いで発動できない中で、最も”使いやすい”団結破壊法規だ。日本革命へ向けての労働者階級の団結か、それをずたずたにされるのかが、この弾圧との闘いにかかっている。きょうの集会のものすごい熱気は、学生運動に対する全人民の熱い期待が表されている。われわれは一大弁護団を組織して闘う」と宣言した。
  6・14―15闘争を呼びかけた動労千葉を代表して、新小岩支部長の佐藤正和さんが発言に立った。「織田君逮捕の写真を見て怒りをかき立てられ、文連の獄中アピールを読んで元気になった。われわれのシンプルな結論は組織拡大をとことんやること。仲間を組織し、6・14―15連続闘争から11月1万人決起へ全力で進もう」
  続いて青年労働者3人が決意表明を行った。
  全逓労働者は、「郵政民営化絶対反対の闘いと法大闘争は軌を一にして進んできた。キャンパスから1500人の決起を生み出したように職場から闘う。われわれと学生は杯を交わした五分と五分の兄弟分。大弾圧には百万倍の仕返しを!」と訴えた。
  福祉労働者は、「福祉の現場では、人間が完全に商品として扱われている。4・24法大で自分の職場を見た思いだ。この学生の勝利に僕らの未来もある。自分の職場で法大を訴え、6・14―15で5千人を必ず集めよう」と呼びかけた。
  自治体労働者は、「沖縄で『道州制反対と言うな』と体制内派が敵対してきた。反動に打ちかち、職場で組織し、闘う青年労働者と学生運動を合流させる」と決意を述べた。青年労働者がこぞって法大弾圧との闘いに立ち上がる叫びは、会場全員のものとなった。この熱い連帯感の中で、司会の内田君が420人の参加と、カンパ総計額28万9千円を報告し、集会は最高潮に達した。
  最後に全学連前書記長の原田幸一郎君が、「権力の度肝を抜く反撃を開始しよう。それはひたすら組織し、組織し、組織することだ。6・14―15に一切を爆発させよう」と行動提起を行い、団結ガンバローを三唱した。
  会場は開始から終了までまさに燃え上がる怒りのるつぼと化し、参加者全員が「暴処法弾圧粉砕! 法大闘争勝利!
  獄中同志奪還!」で心をひとつにし、6・14―15へと攻め上る文字どおりの総決起集会となった。
  (写真 安藤全学連副委員長を先頭に全国の学生が法大闘争を闘う決意を表明し喝采を浴びた) 

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 法大闘争の経緯

06年3月14日 29人が学内で不当逮捕
  6月15日 キャンパスで1000人集会 4人が不当逮捕
    19日 4人が不当逮捕
  10月20日 キャンパスで500人集会
  11月29日 3人が不当逮捕
07年4月27日 新井君、友部君不当逮捕
  6月15日 法大当局「学友会廃止」通告
  10月17日 内田君ら3人不当逮捕
08年5月20日 文化連盟主催で処分粉砕集会
    28日 5人が不当逮捕
    29日 学内デモで33人が不当逮捕
  6月18日 5・29弾圧 1人が事後逮捕
    19日 5・29弾圧 15人が不当起訴
    24日 5・29弾圧 1人が追加逮捕
  7月24日 「法大弾圧粉砕集会」460人 内田君ら3人不当逮捕
09年4月24日 「法大解放集会」1500人
       学生6人を不当逮捕
  5月12日 織田全学連委員長不当逮捕
    15日 斎藤文連委員長ら7人逮捕 恩田君、倉岡さんを起訴  恩田君、倉岡さん、織田君を「暴処法」で再逮捕
    16日 沖縄で洞口さん不当逮捕
    18日 冨山全学連書記長不当逮捕

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週刊『前進』(2393号2面2)(2009/06/01 )

 基調報告 検察・警察の弾圧許さない

 全学連の闘う同志

 1週間前の5月15日に弾圧が始まった。全員が逮捕された瞬間から、一糸乱れぬ完全黙秘を貫いている。3年間の法大闘争の質がここに体現されている。暴力行為等処罰法の法大闘争、学生運動への適用という政治弾圧を必ずや粉砕して、全員の奪還をかちとろう!
 12人の仲間はみな「全学連と文連は熱烈に団結しよう」というメッセージを寄せている。とりわけ恩田君は「死ぬ時は一緒だ。一蓮托生だ」と繰り返し言ってきた。
 昨年の5・20―5・29からちょうど1年。法大当局が文化連盟を非公認化しようとした時に、絶対に文連の旗は渡さないとがんばっていた。この時に当局は恩田君に暴力行為をデッチあげて停学処分にしようとした。もう堪忍袋の緒が切れたと怒りが爆発して、昨年5月20日に文化連盟が初めてあの黒い旗を掲げてキャンパス中央に登場し、マイクを握り法大生に訴えた。その記念すべき出発点が5月20日だった。ジャージ部隊が襲いかかってきたが、全学連が血を流して集会を守りぬいた。この時から文連と全学連は「一蓮托生」という関係が始まった。そして1週間後の5・28―29法大解放の内乱的決起に続く。
 1年たってその時決起した文連のほとんどが獄中にいる。増井君は「世の中はおもしろい」と表現しているが、獄に奪われても闘志を燃やし続ける主体が存在している。
 確かに、今回の弾圧はこれまでとはレベルが全然違う。組織絶滅を狙い、友人関係などすべて根こそぎ一掃する。これが暴処法だ。
 警察と検察のやり口は異常きわまりない。取り調べはこの3年間、100人を超える中でも最低最悪だ。差別的・侮蔑的な言葉を毎日浴びせ続け、肉体的な拷問を加え、闘いをやめろと迫っている。冨山君、洞口さんには令状を示すことなく拉致した。10カ所を超える家宅捜索が強行され、携帯電話、パソコン、メディア類を見境なく押収した。事情聴取と称して学校の帰りにパトカーに法大生が連れ込まれ、10時間、12時間を超える取り調べが強制された。絶対に許せない。
 暴処法は戦前の治安維持法と一体で、1926年に治安警察法が改定され、階級闘争を絶滅し、労働運動をつぶすために成立した。17年にロシア革命が起き、日本では米騒動が激発し、労働争議が20年代に大爆発した。これらの鎮圧のために治安維持法と暴処法が猛威を振るった。
 暴処法の核心は第1条にある。団体もしくは多衆による組織的行為を処罰するんだと。つまり「器物損壊」そのものではなく、それを「組織的にやった」ことが罪だと。だから実行行為があろうがなかろうが、現場にいようがいまいが、その組織的意思決定にかかわっていれば逮捕できるんだと。ふざけるな!
 ではこの暴処法1条適用となった2月19日の行為とは何だったのか。
 はっきりさせよう。あんな看板はぶっ壊されて当然だ! 法大生の名前を羅列して入構を禁止し、「ビラまき、集会、署名取りは禁止」だと。あの看板こそ法大暴力支配と人権侵害の象徴だ。
 4・24で法大生は、恩田君がブルーシートにくるまれて逮捕された現場を見た。法大生の怒りは深い。全国の学生は法大市ケ谷キャンパスに結集しよう。
 一切の力を6・14代々木公園―6・15法大門前の闘いへ。5千人大結集のうねりが彼らを奪還する最大の力だ。
 確かに今が正念場だ。だが、12人の不屈の獄中同志と3年間の法大闘争の蓄積があれば、必ずわれわれは勝てる!

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週刊『前進』(2393号2面3)(2009/06/01 )

 革共同の決意 革命の成否かけ総反撃する

 革命的共産主義者同盟 木崎冴子同志

 全学連三役と文連三役が獄に囚われている。この事態へのたぎる怒りと悔しさをバネに飛躍しようとしている学生の決意にこたえ、革共同の決意を明らかにしたい。
 今回の暴処法弾圧は全学連と文連に対する組織壊滅の攻撃です。同時に革共同に向けられた攻撃であると自覚しています。この権力との死闘の行方に、現在の大恐慌情勢を革命に転ずる成否がかかっています。
 襲いかかっている試練は厳しいが、こういう時こそ革共同は必ずや無限の力を発揮することを確信している。70年安保・沖縄闘争は破防法の適用が引き金となって、階級的、全人民的、全学生的な大闘争になった。80年代の中曽根「戦後政治の総決算」=新自由主義攻撃との激突においては、国鉄・三里塚決戦が激しく火を噴き、動労千葉が国鉄分割・民営化阻止を掲げストライキを打ちぬいた。日帝国家権力は革共同の根絶を狙った「5・7宣言体制」を発動した。この熾烈(しれつ)な死闘に勝利して、今日われわれは階級的労働運動路線に立っている。すなわち革共同は密集せる反動に敗北したことなど、この半世紀を超える歴史において一度たりともない!
 何が権力を暴処法弾圧に駆り立てたのか。29年恐慌をはるかに超える大恐慌、資本主義・帝国主義の最後の大破局の中で世界は革命情勢になっている。この情勢を反帝・反スターリン主義世界革命へと転化するにあたって、革命指導部の存在が決定的に問われている。その時、全学連、文化連盟から登場した若き学生諸君が、21世紀革命の階級的リーダーとして存在していることが誰の目にも明白となった。
 4月13日付『前進』に文化連盟の座談会が掲載されました。破綻した新自由主義に最後の断を下す環が法大学生運動にある、そこに法大生は全人生をかけると彼らは言い切っている。さらに織田全学連委員長は5月18日付『前進』で4・24法大解放闘争の偉大な爆発を明らかにした上で、この闘いの総括の結論は4大産別決戦を宣言したことだと言っている。路線性、イデオロギー性を貫く革命のリーダーの登場、ここに表れた革命のリアリティーに日帝国家権力、大学当局が死の恐怖を感じ、暴処法発動に踏み出したのだ。
 4月24日に逮捕された恩田君、倉岡さんらの勾留満期当日に、2月19日深夜に3万法大生の怨嗟(えんさ)の的の看板を破壊したという口実で暴処法を適用――これはあまりに政治的、危機的、破産的なやり方だ。これも法だというなら、国家もろとも打倒する。それがわれわれの回答です。
 全学連と文化連盟の団結は不滅です。時に激しく論議し、時に涙を流して、そして最後は自己解放的に団結を固めてきた。この団結に敵対するあらゆる行為・言動について、革共同は腹の底からの怒りを持っている。
 斎藤委員長は、「マルクス以来200年の労働者階級の闘いがある限り必ず勝利できる。自分は必ず戦列に復帰できる」と呼びかけ、労働者を限りなく信頼している。こうしたかけがえのない同志たちを革共同はどんなことがあっても守りぬき、奪還します。
 一切の回答は6月14日代々木公園、6月15日法大に5千の隊列で登場することだ! 4大産別の労働者や青年労働者のみならず、あらゆる階級階層の決起、労農同盟の発展のすべてを糾合して5千の隊列を登場させよう。昨日まで沈黙していた人びとが明日はともに立ち上がる。それが激動期です。皆さんとともに革共同は弾圧を粉砕し革命の血路を切り開く。
とを誓います。

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週刊『前進』(2393号2面4)(2009/06/01 )

 法大裁判 内田君らに反動判決

 満場の怒り、裁判長を圧倒

 5月27日、07年10・17法大クラス討論弾圧と昨年の7・24「建造物侵入」デッチあげ逮捕弾圧裁判(東京地裁刑事第21部半田靖史裁判長)の判決が出された。
 内田晶理君に懲役1年2カ月、市川知寛君、鈴木研也君には懲役8カ月(全員に執行猶予3年)という、まったくふざけきった内容だ。判決文は検察の論告の丸写し。結論は、増田寿男総長が法政大学の施設管理権者であり、その意志に反しての「侵入」は有罪だという。いつから法大は増田の私物になったのか! 法廷内では満場の怒りが爆発し、内田君も被告人席から半田裁判長を徹底弾劾。これに対して被告人を含め数人が退廷になる中、怒りの弾劾行動をやり抜いた。
 今回判決で、大学当局が立入禁止を決定した理由が、「教育・研究活動を阻害」するからだと言ったことは絶対に許せない!
 法大当局は「営業権」=金もうけの邪魔になると、情宣活動禁止の仮処分を申し立て、裁判所はそれを許可した。法大生から教育・研究、未来を奪った増田総長と公安・検察・裁判所を、労働者・学生の怒りで打倒しよう!
 傍聴には、ブログを見た東京理科大OBが北海道から駆けつけるという感動的合流があった。労働者も合流。怒りは全国に広まってきている。
 判決を受け、3人は、「4・24集会での法大生の根底的決起など実戦で勝利している。学内外に違いはない。暴処法弾圧を打ち破り、6・14―15闘争を絶対に成功させよう!」と意気揚々と宣言した。

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週刊『前進』(2393号2面5)(2009/06/01 )

 学生運動弾圧に怒り

 6・14-15闘争へ第2回実行委

 ”労働者の底力見せよう”

 第2回6・14―15集会実行委員会が5月25日、東京都内で開催された(写真)。動労千葉の田中康宏委員長をはじめ青年労働者や法大弾圧と闘う学生らが多数参加、田中委員長のあいさつ、事務局の基調提起、学生、労働者の法大弾圧粉砕の決意が表明された。
 実行委員会では、法大「暴処法」弾圧粉砕・学生12人即時奪還の2週間決戦に総決起し、6・14―15連続闘争5千人大結集で大反撃していくことが決定された。そして「法政大学での学生弾圧(法大暴処法弾圧)に抗議し、即時釈放を求める緊急全国声明」の賛同を4大産別を始めとしたあらゆる労働組合、職場、キャンパスで組織し、爆発的な結集をかちとることが呼びかけられた。
 6・14―15集会は、法大弾圧の問題をすべての労働者と学生の課題に押し上げ、全人民の力で弾圧を跳ね返し新自由主義を粉砕していく闘いとなった。法大の現実こそ新自由主義攻撃との最先端攻防であり、その破綻した姿である。ここで火がついた時、怒りの声が絶対に燃え広がるのだ。
 田中委員長は「法大弾圧は戦前の日本共産党への弾圧に比すべき歴史的事態だ。だが、もっと歴史的なのは、それにまったく負けていない運動をつくっていることだ。文連委員長の斎藤君を始め多くの闘う人格を生み出している」と述べた。
 基調提起では「法大闘争は、動労千葉労働運動の実践そのものだ。新自由主義攻撃を打ち破る4・24法大1500人決起は、2千万青年労働者、6千万労働者の決起へと発展すること、4大産別決戦の勝利の展望を感動的に示している闘いだ」と法大闘争への決起が訴えられた。
 また実行委員会では6・14集会に「労働者派遣法撤廃」を真っ向から掲げること、自民党と折衝を重ね国鉄1047名闘争の幕引きを図る4者4団体路線をぶっとばすこと、6月10日に大闘争を構える韓国民主労総と一体の国際連帯行動として闘うことが確認された。
 田中委員長は、6・14―15闘争におけるわれわれの飛躍点を「叫びを上げている圧倒的多数の労働者の目に見える政治的勢力としてわれわれが登場することだ」と指摘し、「労働者の底力を見せよう!」と力強く訴えた。それはあくまで「職場から徹底的に組織する」ことである。「周りには本当に我慢できない現実がある。怒りの深さ、それが仲間を獲得する。体制内勢力を甘くみてはいけない。連合から日本共産党までオバマ賛美の運動をやっている。しかし労働者はそれはおかしいと絶対に気が付く。そういうものを全部組織する。組織する力を爆発的に発揮しよう」と課題を明らかにした。
 学生は「法大ではビラを受け取れば弾圧されるが、それでも多くの学生が受け取り始めている。獄中の仲間と連帯し法大に闘いの火柱をあげる」とほとばしる決意を語った。労働者も学生の決起に感動し次々と発言。「すでに15日は年休をとっている!」「自分の職場こそ法大のような新自由主義職場。だから労働者は法大闘争を闘う。法大闘争で労働者は世の中の本質をつかむ。とにかく仲間を連れてこよう」
 法大弾圧粉砕を職場・街頭で訴え、6・14―15闘争へ組織しよう!

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週刊『前進』(2393号3面1)(2009/06/01 )

 “1047名闘争 勝利感いっぱい”

 国鉄集会が画期的成功 北九州と秋田

 第2次国鉄決戦が全国でスタート、その先陣を切って北九州と秋田で国労闘争団を中心に集会が開かれた。闘争団の家族から「勝利感でいっぱいです」との報告もなされた。(編集局)

 国労本部を徹底断罪 北九州 「5・27基金運動」全国で

 5月24日、北九州・小倉で国労小倉地区闘争団NIPPO事業部主催の北九州労働者集会が開かれ大成功した。集会は8労組25個人が賛同し、同日秋田で行われた国鉄集会と一体の国鉄1047名闘争勝利、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の九州集会として行われた。労働者の街・北九州市の首切り・賃下げ、民営化・道州制攻撃をぶっ飛ばす闘う労働運動の本格的形成をめざす画期的集会となった。
 4・25尼崎闘争の模様を伝えるビデオ上映の後、ス労自主小倉分会の開会あいさつをうけ、動労千葉争議団の中村仁さんが発言。「1047名闘争に勝利し道州制攻撃を粉砕しよう。資本家を打ち倒し世の中を変えよう」と熱烈に訴えた。
 さらに九州の国労闘争団員Aさんが「最高裁判決が出ても闘えますが、政治解決で和解してしまえば闘えなくなる。そうなれば、彼らと別れても最後まで解雇撤回で闘う決意です」ときっぱりとした姿勢を表明した。
 富田益行国労5・27臨大闘争弾圧被告団長は、5・27闘争から脱落した松崎被告や旧弁護団が、凍結されていた「許さない会」を勝手に名乗ったことに触れ、「『8被告のため』とか勝手なことを言っているが、彼らの運動は『不当労働行為はあったが解雇は有効』とする鉄建公団訴訟の9・15反動判決や3・25反動判決を評価し、国労本部を批判しない運動だ。私たちを警察に売り渡した国労本部を批判せず、対決もしないで5・27弾圧と闘えるのか」と厳しく批判した。
 そして基調報告を小倉地区闘争団の羽廣憲さんが行った。羽廣さんは、大恐慌下での第2次国鉄決戦=国鉄1047名闘争の重大な意義を提起。「3・25判決を1ミリでも認めたら労働者の権利も労働組合の存在意義もなくなる」「国鉄1047名闘争勝利のカギは4者4団体路線との対決だ」と訴えた。また「国労本部が腐敗しているのは、単に指導部たり得ないからだけではない。警察権力と完全に一体となっているからだ」と批判し、5・27臨大闘争弾圧の重大さを訴え、6・14―15中央政治闘争から11月労働者全国集会に総決起する決意を述べた。
 道州制攻撃と対決する福岡市の自治体労働者、福教組の労働者、合同労組レイバーユニオン福岡から5月沖縄行動を闘った青年労働者が発言、県と資本一体となった偽装廃園による労組破壊・解雇と闘う虹ケ丘労働組合、百万人署名運動福岡県連絡会から5・23玄海原発へのMOX燃料搬入阻止現地闘争の報告と裁判員制度廃止に向けた5・21福岡行動の報告、動労西日本から広島支部の山田和広副支部長、さらに北九州市の派遣労働者が発言した。
 最後に、北九州許さない会の呼びかけ人であり、前九州国際大学学長の竹内良夫さんが「すばらしい発言ばかりで興奮しています。国労5・27弾圧との闘いは、無罪を獲得するだけの運動であってはならない。1047名闘争の勝敗を賭けた闘いです。皆さん、羽廣さんの闘いを支える『5・27基金』の会員になってください」と呼びかけた。
(投稿・北九州A)
(写真 「3・25判決を認めたら労働者の権利も労働組合もなくなる」と訴える羽廣さん【5月24日 北九州】)

 権力・資本を倒すまで 秋田 「闘争団と共に闘う会」結成

 5月24日、北九州市の国鉄集会と連帯し、秋田市で国労秋田闘争団と共に闘う集いが県内外からの結集で大成功した。集いの第1部は「国労秋田闘争団と共に闘う会」の結成会。冒頭、呼びかけ人を代表して秋田市議のAさんがあいさつし「目指すのは完全なる勝利です」と解雇撤回闘争を最後まで物心両面で支えぬこうと呼びかけ、共同代表や事務局を選出、拍手で承認された。秋田の労働者は全国の仲間と連帯し、国鉄闘争勝利に向けた新たな挑戦のスタートを切った。
 第2部では、4・25尼崎現地闘争のビデオ上映後、共同代表のBさんが「国鉄闘争に関わって、今の社会全体が資本の食い物にされている現実がよく見えた。改憲攻撃も始まった。4者4団体のような希望のない妥協路線ではなく、解雇撤回の所期の目的を貫き、今日を新たなスタートにしてがんばろう」と訴えた。
 遠路かけつけた国労北海道闘争団が登壇し、解雇撤回を取り下げて解決金を要求する4者4団体派を糾弾。反対派を排除する腐敗した幹部を怒りを込めて弾劾し「会員の一人ひとりが闘争団になって闘おう」と訴え、大きな拍手に包まれた。
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「1047名の闘いは@国家的不当労働行為を断じて許さない責任の徹底追及と断罪、A分割・民営化を絶対認めず解雇撤回・JR原職復帰を貫き労働者の団結を取り戻す、B国鉄労働運動と日本労働運動を戦闘的に再生し、ついには権力・資本を倒そうという壮大な闘いです」と国鉄闘争の核心を提起。そして3・25反動判決に屈服する4者4団体路線を粉砕して闘うと宣言、6・14―15闘争への総結集を呼びかけた。
 宮城から駆けつけた全金本山労組の仲間は「闘う者がいる限り和解はない。和解派は単なる屈服ではなく、必ず闘う者に襲いかかる。われわれは門前闘争の団結でこれを打ち破った」と本山闘争勝利の教訓を訴えた。さらに不当解雇撤回闘争を闘う青森合同労組の仲間、秋田労組交流センター(準)の仲間が闘いの決意を表明した。
 闘争団家族の小玉由利子さんは「闘う県内外のみなさんの協力で新たな出発ができた。展望が見えない時代もあったが今は勝利感いっぱいです。1047名闘争はすべての労働者の闘いになった。法大弾圧は必ずうち破れる。根底で支えているのは星野文昭さんの闘い。ともに闘いましょう」と感動的に訴えた。
 最後に全逓労働者の音頭で「勝利するまで団結ガンバロー!」を叫び、新たな国鉄闘争の出発を誓った。
 国鉄闘争は重大局面に突入している。「国労秋田闘争団と共に闘う会」は、これと闘う大衆組織であり結成の意義ははかり知れない。共に闘おう!
 (投稿・秋田K)
(写真 「権力・資本を倒す壮大な闘い」を訴える小玉さん【同・秋田市】)

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週刊『前進』(2393号3面2)(2009/06/01 )

 JP労組大会へ現場からの訴え〈上〉

 現場組合員が闘う時だ

 非正規職との団結強め 腐った幹部退陣させよう

 郵政民営化は、全国で1万5千人もの欠員という破綻状態から始まりました。以来、全国の職場で超勤が常態化し、わずかなミスでの処分乱発など労務管理の強化で怒りに堪えない毎日です。なぜこうなったか。「こんな職場はおかしい」「何とかしてくれ」「組合は何をしている」等々。全国から不満と怒りの声が聞こえます。この現場の声をひとつにして全国大会にぶつけよう。

 当局の悪行は組合幹部との「合意」がある

 小包部門のJPEX子会社化・強制出向との闘いは喫緊の課題です。攻撃は、民営郵政の絶望的な生き残り策として、組合幹部と一体で、正規職と非正規職を分断しながら進められています。正規・非正規の団結が本当に問われています。
 かんぽの宿問題やJPタワーの不動産ビジネスなど、民営郵政の悪行が報道されてきました。そして郵便事業会社が、障害者団体向けの郵便割引制度を悪用したDM不正事件が発覚しました。当局が組織ぐるみでやったことです。ところが新東京支店で当局の指示どおりに働いてきた現場労働者(JP労組組合員)が逮捕されたのです。民営郵政当局が私腹を肥やすために犯罪をやった。その責任を現場に押し付けるとは論外です。西川こそ責任をとれ!
 組合の沈黙も論外です。当局の言う「コンプライアンス違反」だから黙るのか。「コンプライアンス違反」を平気でやったのは当局です。当局と一体のJP労組本部の姿が見えます。
 民営郵政の合理化攻撃は、JP労組本部の合意で行われています。組合本部が「生産性の向上で企業に尽くす」「阻害要因は排除(要員減らし)」と公言し、それが目の前で起きているのです。民営化以後の極端な労働条件悪化を突破するには、現場組合員の団結で、闘う労働組合を取り戻す以外にありません。
 全国の闘う全逓労働者は、06年10・21東京・渋谷の宮下公園で「郵政民営化絶対反対」の戦闘宣言を発しました。以来、職場でその路線を断固貫き、激闘につぐ激闘を闘いぬいてきた。組合員の仲間と七転八倒の実践をとおして「民営郵政とそれを支えるJP労組本部・執行部を打倒しよう、職場から組合を変えよう」と訴えてきました。
 今一度、全国の組合員に訴えます。現場で「組合は闘わない」という言葉を良く聞きます。そうです。今の組合は闘いません。かつて全郵政との組織統合前の全逓でも、全国大会はまるで当局の方針発表会でした。発言のセリフも事前に本部の許可が必要で、およそ組合員を代表する会議ではなかった。

 闘うのは組合ではなく現場の「組合員」だ

 組織統合後のJP労組大会はどうか。「スト絶滅宣言」にまで堕落した幹部が決めることは、すべて現場労働者に敵対する内容です。今回の大会議案書は、JPEX子会社化推進を開き直った。本部はなんと「出向の要員不足は組合が責任を持つ」と会社と合意しました。この大裏切りをごまかすために大仰に「福祉型労働運動」などと言っているのです。社会福祉が崩壊したのは、労働組合幹部が闘わなくなったからだ。組合員をなめるにもほどがある。
 JP労組は、数で言えば、20万人を超える日本最大の単産です。しかし本部役員は闘うどころか「労使一丸」で現場の闘いをつぶしています。ではあきらめるしかないのか。そんなことはない! 本部の役員や本部派執行委員の数と、一般組合員の数を比べれば、一般組合員の数が圧倒的に多いではありませんか。一般組合員が束になって立ち上がれば、組合を現場労働者の手に取り戻すことができるのです。

 組合費使った酒飲み大会を許さないぞ!

 JP労組中央は、組織の権力で組合員を支配しています。組合民主主義も何もありません。全国大会代議員選挙でも、定数立候補であれば選挙は省略という規約で、組合員の信任・不信任も問いません。そもそもJPEX子会社化など組合員は誰一人認めていない。組合員が認めていないことを全国大会で承認しろと言うのです。こんなふざけた話はありません。
 支部役員選挙も、現場の組合員に「立候補権」はあっても「投票権」がないというデタラメな仕組みです。役員選挙は本部派だけが当選する仕組みなのです。
 だったら組合員全員の団結で、そんな規約もろともぶっ飛ばそうではないか。これが私たち現場労働者の決意です。
 全国の組合員のみなさん。全国大会開催地の仙台に乗り込み、組合員こそ主人公だと訴えよう。組合費で3日間も、一部役員だけに大酒を飲ませるな! 闘う労働組合を俺たち現場労働者の手に取り戻そう。
 (東京・全逓労働者 本田茂治)

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週刊『前進』(2393号3面3)(2009/06/01 )

 裁判員制度 必ず廃止へ

 各地に運動拠点つくろう

 労組を軸に戦争・改憲に大反撃を

 闘いはこれからが本番だ

 5・21実施阻止をかかげて攻め上った裁判員制度粉砕闘争は、歴史を画する勝利的地平を切り開いている。「裁判員制度はいらない!大運動」は5月21日に記者会見を行い、「あらためて本日、『裁判員制度を廃止しよう』の闘争宣言を発し、『裁判員制度はいらない!大運動』を全国でさらに力強く展開します」と、闘争の継続を高らかに宣言した。「大運動」呼びかけ人の高山俊吉弁護士は「私の拒否からみんなの拒否へ、みんなの拒否は制度の廃止へ。この思いで闘いの続行と強化を」と決意を述べた。裁判員制度粉砕闘争は、労働者人民の怒りの”総反乱”で、制度そのものを廃止に追い込む闘いである。攻防はこれからもっと本格化し全国化する。矛盾と怒りが必ず大噴出する。この問題を一つの大きな焦点として階級闘争が革命的に発展する大情勢となった。全国各地に運動の推進拠点を共に設け、闘争を継続・拡大していくことを熱烈に訴える。
(写真 5月20日に行われた銀座デモは大高揚)

 「反対大運動」が世論を獲得

 裁判員制度粉砕闘争が切り開いている地平は実に大きい。第一に、推進キャンペーンを徹底的に批判して、反対運動が”世論”を圧倒的に獲得して発展してきたことである。
 5月3日の読売新聞の世論調査では「裁判員裁判に参加したくない」が過去最高の79・2%、「裁判員制度の導入に反対」も62%、5月10日の日本テレビの調査では「参加したくない」が84・4%に達した。政府・法務省・最高裁・検察庁などが多額の血税をつぎ込み、日弁連やマスコミを手先に5年間の歳月をかけて総力でキャンペーンを展開してきたにもかかわらず、労働者人民の不満と怒りが日々拡大し続け、国家権力に巨大な「ノー」を突きつけたということである。
 「国民は、裁判員制度が『市民の司法参加』ではなく、被告人を処罰するという国家作用への強制動員であることを見抜いています。そして、重大な刑事事件をわずか数日で審理し、有罪か無罪かを判断し、死刑をも含む刑罰を決定することの無謀さを危惧しています」(「大運動」の5・21声明)
 そのとおりだ。労働者人民は裁判員制度の正体を見抜き、闘いの方針をますます求めている。
 第二に、最悪の裁判員制度推進派に転落した日本共産党を徹底的に弾劾し、翼賛運動を粉砕してきたことである。
 「大運動」が650人の参加で銀座デモを闘った5月20日、日本共産党系の日本国民救援会などが「なくせ冤罪!5・20大集会―明日からあなたも裁判官」という裁判員制度推進集会を九段会館で開いた。だが、この集会はわずか300人ほどの参加で、翌日の「赤旗」にも載せられないという破産した姿をあらわにした。
 日共の主張は”問題点を改善すれば良い制度になる”というものだが、誰もそのようには考えていないことが今や明らかとなった。
 日共の反革命性の核心は、裁判員制度が支配階級による労働者人民への攻撃であることを完全に塗り隠し、それに「司法改革」の展望があるかのように言いなし、支配階級に代わって人民を反動的に組織しようとしていることである。志位が米オバマを賛美したのとまったく同じ構造なのだ。完膚無きまでに粉砕しつくそう。

 7月実施阻止へ前進しよう

 第三に、反対運動が全国的に広がり、新たな地域で運動が生まれ、今後の闘争拠点が各地でつくられつつあることである。闘う弁護士と地域の労働組合や労働者、市民団体がつながり、ともに行動してきたことは決定的であった。この地平を生かし、全国で力強く発展させよう。
 裁判員裁判の実施は、5月21日以降に起訴された「重罪事件」を対象にするため、実際には7月下旬からになると言われている。報道によれば、21日から5日間で対象事件が15件になったという。裁判員裁判は全国で年間約3000件、月間200件以上になる。もはやいたるところで矛盾が噴き出し、混乱が起き、怒りの拒否が巻き起こることは確実である。
 5・21以降も労働者人民の反対の声はますます強まっている。21日には新宿で街頭宣伝が行われ、1時間半で1000枚のビラがまかれ、135人の署名が集まった。23、24日にも名古屋、茨城、群馬、千葉など各地で街宣が行われ、反応の強さが示された。闘いはこれからなのだ。
 裁判員を選ぶために、一つの事件に対して50〜100人の候補者を各地方裁判所に強制的に呼び出し、面接を行うことになる。その呼び出し状の送付が6月中旬頃から始まる。動労千葉が呼びかける6・14全国労働者総決起集会(東京・代々木公園)は、いよいよ裁判員制度廃止へのゴングを鳴らす大闘争となった。
 裁判員制度は改憲・戦争国家化の攻撃だ。連合本部や全労連本部の敵対をはねのけ、労働組合こそ裁判員制度粉砕闘争に決起しよう。
 各地で反対運動の拠点をつくり、裁判員制度の廃止と裁判員拒否を呼びかけ、ねばり強い街頭宣伝・署名活動、公開学習会などを積み重ねよう。裁判員裁判の7月実施を許さない行動を全国でまき起こそう。
 〔花石佳美〕

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週刊『前進』(2393号3面4)(2009/06/01 )

 全国で街宣行動

 「絶対反対」口々に共感

●群馬
5月21日朝から、群馬労組交流センターと群馬合同労組、100万人署名運動の仲間が県庁前と前橋市役所前に登場し街宣を行った(写真
「県庁の皆さん。人事院勧告で夏のボーナス1割カットが報道されました。政府は司法改革の目的は貧困で犯罪が増えるからだと言う。こんな裁判員制度を阻止しよう」
弁護士や市民が集まり、宣伝隊は16人に。マスコミも殺到した。前橋地裁前でビラ受け取りを拒否する裁判官に対し「市民の声も聞けない裁判員制度のどこが開かれた司法だ!」と弾劾。昼休みには職員ほぼ全員がビラを受け取った。
職場の攻撃と裁判員制度は一つのもの。裁判員制度は粉砕できると実感します。(群馬・A)

●福岡
弁護士を先頭に2年近く闘ってきた「市民のための刑事弁護を共に追求する会」の仲間総勢20人をこえる街宣隊が21日、福岡天神に展開した(写真)。「裁判員制度を廃止しよう!」――共同代表の渡辺富美子弁護士はマイクを握りっぱなしで訴えた。署名に応じた人々は真剣だ。「強制はおかしい」「3日間で死刑判決が出せるわけがない」「次の行動に参加する」等々。
前日、福岡地裁に抗議声明。会見には「裁判員制度はいらない大運動」全国呼びかけ人・大分哲照さんも同席。裁判員の相談にのる「ストップライン(仮称)」立ち上げも表明した。(福岡・W)

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週刊『前進』(2393号4面1)(2009/06/01 )

(写真 「銀行を襲え! 銀行家を死刑にしろ!」。ロンドンのイングランド銀行前で警官隊と衝突するG20抗議デモ【4月1日】)

 新自由主義30年の全矛盾が爆発

 大恐慌と戦争に6・14-15大デモで反撃を

 片瀬 涼

 大恐慌の進展と資本主義の終焉

 21世紀の資本主義は、労働者の生活を破壊し、世界を徹底的に荒廃させ、極限的に膨張した挙げ句の果てに体制としての限界を完全に超えて大恐慌として大崩壊を開始した。資本主義のもとで社会の発展はもはやない。大恐慌は新自由主義の総破産であり、積もりに積もった恐るべき負のエネルギーの爆発だ。だがオバマや麻生には〈戦争・改憲、民営化・規制緩和、労組破壊〉の新自由主義攻撃しかない。労働者の生きる道は、新自由主義と徹底的に対決して、世界大恐慌をプロレタリア世界革命に転じることだ。

 ドル暴落−大破局はこれからだ

 内閣府が5月20日に発表した09年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報によると、日本の実質GDPは年率換算でマイナス15・2%。08年10〜12月期も14・4%減で6カ月連続で戦後最悪のマイナス成長となった。
 1〜3月期のGDPの規模は年換算で516兆円。1年前の567兆円から1割減少している。マイナス15%が4年続けばGDPは半分になる。1929年の世界大恐慌で米国のGDPは4年連続で減少し、実質GDPは3割縮小した。これに匹敵するペースで日本経済は縮小しているのだ。
 企業の09年3月期決算では、電機大手9社の純損益の合計額は2兆2200億円の赤字。過去最高の黒字が相次いだ前年から一転して大幅赤字となった。赤字額はITバブルが崩壊した02年3月期の1兆9千億円を超える。日立製作所の純損失7873億円は製造業としては戦後最大だ。
 ソニーは2278億円の赤字で来年も1100億円の赤字の見通しだ。昨年秋からの業績悪化を乗り切るために1万6千人以上の人員削減に踏み切り国内外3工場の閉鎖を進めている。さらに追加のリストラ策として今年末までに岩手、千葉、静岡、メキシコ、インドネシアの5工場を閉鎖する。
 自動車大手10社の3月期決算の合計は3200億円の赤字。計4兆7千億円の黒字だった08年度3月期から一転した。来年3月期はさらに悪化、1兆円の赤字になる見通しだ。
 トヨタ自動車は、08年に過去最高の2兆2703億円の営業黒字をたたき出したが09年は急転直下の4610億円の赤字となった。トヨタの世界生産台数は半減し、1〜3月期の純損失は7658億円。経営難の米ゼネラル・モーターズ(GM)を上回る赤字だ。来年の予想は8500億円の営業赤字で2期連続の赤字になる見通しだ。国内企業では過去最悪となる。

 10年で資産3倍に

 今回の世界大恐慌は一時的・循環的な景気変動ではない。資本主義の誕生以来最大の危機の時代に突入したことは間違いない。29年世界大恐慌をはるかに超える歴史的大恐慌であり、資本主義の最後を告げる大恐慌だ。直接的には三十数年に及ぶ新自由主義の展開がため込んだ途方もない負のエネルギーが大爆発している。
 実際には資本主義の戦後発展は、74〜75年恐慌で完全に行き詰まっていたのだ。米日欧の製造業は過剰資本・過剰生産力状態のもとで利潤率が鈍化する状況が30年以上続いている。このとてつもない危機をのりきるために70年代半ばに登場したのが新自由主義だ。レーガン、サッチャー、中曽根は資本主義の最後の延命策として〈戦争・改憲、民営化・規制緩和、労組破壊〉の新自由主義攻撃に突進したのだ。
 それは一方で社会保障制度を徹底的に解体し、民営化と労働組合の弱体化で労働分配率を下げる攻撃だった。労働者からの極限的搾取と収奪で資本の利潤を増やそうとした。他方で、実体経済から離れた金融とバブル経済を極限まで拡大し、金融市場で利潤と資産を増大させる政策にのめり込んだ。
 同時に、レーガンは世界を核戦争の恐怖にたたき込む大軍拡を展開して91年にはソ連スターリン主義を崩壊させた。東欧や中国を世界市場に取り込むことにより全世界の労働者を超低賃金で搾取する構造がつくられた。
 米帝は、80年代半ばから金融自由化を徹底し、金融IT化、金融工学化、金融証券化を強力に推進。膨大な貿易赤字・経常赤字を膨張させつつ、世界中から資金を集め、カネがカネを生む構造をつくり出し、異様なITバブルや不動産バブルと過剰消費を継続する仕組みをつくり上げたのだ。
 95年に約64兆jだった世界の金融資産は、ピークの07年には187兆jに達した。資本主義世界は、最後のわずか10年余で資産が3倍になるけた違いの膨張をしたのだ。ある意味で創成以来400年の資本主義の「頂上」とも言える拡大を実現した。だが資本主義の歴史的生命力は完全に燃え尽きた。限界を超えた資本主義は、大恐慌として雪崩を打って崩壊を始めたのだ。

 本当の危機は何か

 世界金融大恐慌の引き金となったサブプライムローンと証券化商品の大破産がもたらす本当の危機は何か? 株価や為替の騰落で一喜一憂するレベルの話ではない。本当の破局はこれからやって来るのだ。米帝が世界中から巨額の投資マネーを集める最後のカラクリが完全にパンクしたのである。これは基軸通貨ドルの大暴落に必ず行き着く。
 米帝は、世界経済の基軸国でありながら類例のない巨額の経常赤字を垂れ流してきた。06年は87兆円、07年は76兆円。これだけ見れば米経済はとっくの昔に崩壊してもおかしくない。(経常赤字とは、貿易収支、旅行や輸送のサービス収支、外国投資の利子・配当など一国の経済取引の総計)
 ところが米帝は25年以上も経済崩壊しないで経常赤字を続けてきた。それどころか06年には、87兆円の赤字に対して166兆円という倍近い資金を集め、余剰分を再び海外に投資として出しているのだ。
 07年8月のパリバ・ショックを契機に世界金融大恐慌が現実化する以前の米帝は、世界中からマネーを吸い込み、また世界に吐き出すポンプのような存在だった。米帝の過剰消費(貿易赤字)を海外からの借金で埋め合わせ、その過剰消費が中国やインドなどからの輸出を支え、世界市場にマネーが再投資される構図だった。
 このメカニズムが完全に破綻したのである。米帝は90年代後半以降、バブルのリレーで世界から巨額の資金を集め続け、最後は、サブプライムローンと証券化商品で史上最大のバブルを生み出し、そして大破産したのだ。米帝への投資はいまや極限的に縮小している。これが米帝と世界の経済に与えるダメージは計り知れない。

 証券化商品の役割

 90年代後半にインターネット関連企業の株価が異常に上昇したITバブルは00年3月に崩壊し、さらに翌01年に起きた9・11反米ゲリラ戦争の衝撃で米帝への資金流入は低調になった。市場に資金を供給するために金利はどんどん下げられ、00年の6・5%から03年には1%に利下げされた。当時のインフレ率は約2%だから実質金利はマイナスだ。金融機関や企業は借りれば借りるほど得した。
 株価は低迷したが今度は不動産価格がぐんぐん上昇し始めた。持ち家比率がピークに達した03年、さらなる貸し手が必要になり、脚光を浴びたのがサブプライムローンだ。従来はほとんど住宅を購入できなかった貧困層にもローン貸付を広げて、住宅ブームと消費を一段と加熱させた。
 この時に米帝が世界中から投資マネーをかき集める手段として重要な役割を果たしたのが証券化商品だった。
 04〜06年の3年間で米経常赤字の2割強に匹敵する50兆円がサブプライムローン証券化商品の販売で世界中からが流れ込んだとも言われる。06年末には住宅ローンの残高は約1300兆円に上り、米国債市場をはるかに上回る規模になった。その6割が証券化され、世界中にばらまかれたのだ。
 住宅バブルに牽引された好況で企業の発行する社債にも巨額の資金が流入し、M&A(企業の合併・買収)や不動産の直接投資も激増した。
 証券化とは何か。債権と証券の違いは、債権が基本的に転売できない性格のものであるのに対して、証券はそれが可能である。多数の債権を合算し、その総額を担保に不特定多数に証券を発行する仕組みだ。この手法を使って30年の住宅ローン債権も証券化商品にして販売すれば、あっという間に現金に変わる。証券化を通じて金融機関の資金基盤とは無関係にいくらでも住宅ローンが提供できるのだ。
 こうして返済できる可能性の低い移民労働者などにどんどん住宅ローンを融資し、それを証券化して転売したのだ。驚異的な回転率でサブプライムローンと証券化商品は拡大した。世界的な超低金利とカネ余りの中、金融機関や投資ファンドは危険を承知で手を出したのだ。不動産などを証券化した市場での名目価値は、世界のGDPの10倍にまで達した。
 すべての前提は住宅価格が上がり続けることだった。

 金融バブルと投機の膨張と破裂

 このカラクリの中心に位置していたのがリーマン・ブラザーズやメリルリンチなどの投資銀行(証券会社)だ。
 米帝は80年代から対外債権(貸した金)より対外債務(借りた金)が多い純債務国になっている。だから通常なら外国との間の利子や配当などの所得収支はマイナスになる。ところが米帝はこの黒字を保ち続けているのだ。
 理由は収益の差だ。89〜06年の米帝側の外国投資の利回りは10・4%。外国側の米帝投資は6・1%。04〜06年に限れば15・1%と6・5%だ。ようは他国の資金を借りてきて、その運用で3倍近い収益を上げているのだ。
 米国の投資銀行は、自己資本に30〜40倍のレバレッジ(テコの作用)をかけて運用してきた。投資銀行が全盛期を迎える90年代後半から外国からの投資は急増し、約10年で3〜4倍に増えた。それに30〜40倍のレバレッジをかけた。大恐慌前、米帝の金融業界は実に10年前の百倍以上の資金を運用していたのだ。米帝の株や不動産価格が天井知らずで上昇するのは当然だ。
 これが最後にはサブプライム問題へ行き着いたのだ。
 住宅価格下落が表面化し始めた08年3月、米帝の投資銀行5位のベアー・スターンズがサブプライム問題で資金繰りが悪化、経営に行き詰まった。ニューヨーク連銀から30兆円の緊急融資を受け、JPモルガン・チェースに救済合併された。8月には、政府系住宅金融機関のファニーメイとフレディマックが破綻寸前で政府管理に置かれた。両者の住宅ローン残高は約550兆円。約160兆円が焦げ付いたと言われる。
 そして9月15日、米投資銀行4位のリーマンが60兆円の負債を抱えて倒産した。同3位メリルリンチはバンク・オブ・アメリカに買収され、2位モルガン・スタンレーと1位ゴールドマン・サックスは普通銀行へ転向し、FRB(米連邦準備制度理事会=中央銀行)の管轄下に逃げ込んだ。米帝の5大投資銀行はウォール街から消えてなくなってしまったのだ。
 サブプライムローンと証券化商品が大破産し、米の金融ビジネスの象徴ともいえる5大投資銀行が消滅したことの意味は大きい。もはや米帝はサブプライムローン証券化商品に代わる、投資マネー集中の仕組みなど絶対につくれない。

 ドル暴落の現実性

 世界中から資金を吸引し、また海外に吐き出す巨大な資金循環のパワーの源泉・土台が国際基軸通貨ドルだ。各国の外貨準備はドルが6割以上。ある国の貿易黒字が増加し、国の貯蓄が増えればドルの外貨準備は増える。だから資金が米帝に流れるのは不可避とも言える。
 71年のニクソン・ショックで、米帝はドルと金の交換を停止し、ドルは単なるペーパーマネーとなった。しかし世界の取引の多国間決済は、在米銀行のドル預金残高の振替で行われてきた。また中東産油国の多くが自国の通貨をドルに連動させるドルペッグ制を敷いている。ソ連スターリン主義と対峙・対決する政治的・軍事的パワーも決定的だった。その結果、米帝は長年にわたり巨額の経常赤字を計上しながらも、ドルは基軸通貨たりえた。
 しかし、それも限界を超えようとしている。米国発の金融大恐慌でドルの国際的信用は地に落ちた。もはや「強いドル」は最末期状態だ。最大の国際商品である石油の値立てと国際決済がドルから離れる時、基軸通貨ドルの地位は根本から揺らぐ。
 大恐慌で信用が極限的に収縮し、経済活動が著しく弱まる中で、各国政府と中央銀行は対抗手段として通貨を大量発行している。だが、これで恐慌が克服できるのか。米政府の70兆円の公的資金投入など焼け石に水だ。莫大な公的資金の投入は、財政赤字を未曽有のスケールに膨らませるだけだ。
 天文学的な財政赤字で米国債の償還のあてなどない。百兆円規模の国債発行がいつまでもスムーズにできるのか。日本や欧州、中国がいつまでも値崩れが確実のドル建て国債を購入し続ける保証は何一つない。
 ドルが暴落して紙切れになれば、世界にドルは環流しなくなる。米帝は世界中から借金をしてモノを買うことも不可能になる。国際決済もできない。今まではドルで行ってきた取引は円と元、円とポンド、ある意味で物々交換に近くなる。実体経済における取引は劇的に縮小する。文字どおり第一次大戦中や29年大恐慌後の30年代のような経済的破局が訪れる。

 衰退した米製造業

 そもそも実体経済の数倍になるほどの金融の肥大化を導いたのは、米日欧の低成長化で、蓄積された資本が増殖の機会を求めて、金融・資本市場に大量に流入を始めたことにある。特に90年代後半からは、低金利がマネーをさらに増殖させ、膨れ上がった資本が再び投資機会を求めて金融・資本市場を徘徊(はいかい)する現象が起きた。
 とりわけ貯蓄の規模が世界一の日本の金利が6〜7年間実質ゼロが続いたことが大きい。ヘッジファンドは、ただ同然の金利で日本から資金を調達し、外貨に換えて運用した。国内で金利を稼げないジャパンマネーが米帝の金融資産を増やすのに使われた。
 サブプライム証券化の根幹にあったのも世界のカネ余りだ。金融商品をつくる銀行や証券会社は、その旺盛な需要に合わせて証券化商品を組成した。21世紀に入って金融取引のすべてが証券化されるような状態になった。
 しかし、金融の世界だけで自己増殖し続けることは不可能だ。証券化は、突き詰めれば投資家に転売して将来の収入を先取りするものにすぎない。その暴走が転倒した時、その衝撃は実体経済を一気に縮減する。カネを回すだけでは世界は成り立たないのだ。
 オバマの新たな「ニューディール政策」で米帝経済が再生する可能性は限りなくゼロだ。金融の破産だけではなく、かつては米帝の主要産業であった繊維、自動車、鉄鋼、電子産業は軒並み衰退してしまった。
 自動車のクライスラーは1兆6千億円の負債を抱えて倒産した。約7兆円の債務を負うGMの破綻も秒読みだ。米帝は失業者数、個人消費、住宅着工件数などあらゆる経済指標が大幅悪化し、完全に縮小局面に入った。金融も実体経済も回復の見込みはない。

 恐慌の克服ではなく革命が必要

 基礎に労働力商品化

 恐慌の根本原因は労働力の商品化を基礎とする利潤率の傾向的低落による過剰資本という問題がある。利潤率は、資本の競争が激しい資本主義社会では低落する傾向があるのだ。過剰資本は利潤を生まない。
 資本は競争に勝ち抜くために常に新しい機械・技術を導入する圧力にさらされる。資本家にとって利潤とは投資した総資本を超えて得られる部分だ。分母が大きくなるので投資が巨額になるほど利潤率は下がっていく。
 現実社会の中では資本家が労働者から搾取する剰余価値は、自分の工場の中だけでなく、競争相手の工場労働者からの搾取も含まれる。だから資本は商品を平均的な価値より少ない価値で生産した方が得である。より低価格の商品をつくるためには工場や機械、原料などの増大が欠かせない。これが利潤率の傾向的低落を生み出すのだ。
 しかし、利潤率の低下は必ずしも利潤の絶対量の減少を意味するわけではない。むしろ逆で、労働者は、巨大になった機械装置や原料を使って、より少ない労働で生産するようになる。つまり労働の社会的生産力は圧倒的に発展しているのだ。
 したがって利潤率が傾向的に低落しても、むしろ資本家階級が取得する剰余価値の絶対量は増えるのだ(つまり労働者はより多く搾取される)。生産力の発展と利潤率の低下はコインの裏表の関係なのだ。
 にもかかわらず資本の増殖率である利潤率こそが資本主義的生産の唯一の動機であるので、利潤率の低落は、資本主義的生産過程に致命的な脅威を与えるのだ。利潤率の低下は結局、過剰生産、過剰資本、投機や失業者、最後には恐慌を生み出すからだ。
 生産力の発展が資本主義を危機に陥れる――これが資本主義の没落を不可避とする弁証法なのだ。資本主義は利潤を求めて永続的に生産手段を改良・拡大し、利潤率を下げていく。それが結果として資本と生産を過剰にし、市場を閉塞(へいそく)させるのだ。
 資本主義的生産様式は、資本の自己増殖だけが一切の動機・目的として現れる。生産が資本の増殖=利潤のためにしか存在しないのだ。だから生産手段は、けっして社会のために存在しない。資本主義はあくまで資本の利潤を実現するための経済なのだ。
 それゆえ消費と生産のアンバランスが起きる。過剰生産と言いながら、商品が欲しい人がいても買えない。こうした事態が資本主義が引き起こす過剰生産の状態なのだ。結局、資本主義的生産は、人類の欲望を満足させるには不十分な過小生産になる。
 利潤率が低落するにしたがい資本は過剰になっていく。やがて資本を追加しても利潤を引き上げられないレベルに達し、生産資本としては余剰になる。利潤率の低落は景気後退として現象し、過剰資本は資本家相互の競争を激化させる。自分だけが損をしないために相手を犠牲にする競争が始まる。

 基軸は労働者の搾取

 株式や債券、証券の世界は、資本主義のある意味で最高形態だ。新自由主義のもとで、あらゆる金融取引を証券にし、その配当をめぐって値打ちをつけて売り抜けるところまで暴走した。むき出しの高利貸資本の形態だ。しかし利子や配当は、最後の最後は生産資本の利潤からしか生まれない。誰も働かないで利子をとることはできない。
 新自由主義のもとで米帝の「強いドル」政策が満展開したこの十数年はカネがカネを生むかのような倒錯した状況だった。米帝の金融・不動産業のGDP構成比は2割を超え、製造業の2倍だ。新自由主義の常套句は「企業は株主のもの」である。利潤は労働者からの搾取ではなく、貨幣から生まれるという転倒した世界観である。
 本来の利潤は、貨幣が生産に投資されて生み出される労働者の労働力からの搾取しかありえない。資本主義の生産様式のもとでは労働者から搾取することなく資本が利子を生むことはない。資本主義が生産なしで進むことは無理である。
 この十数年は、金融資本が世界中から巨額の利子や配当をせしめる腐敗・腐朽の極限的な様相を呈していた。新自由主義のもとで数十億人の労働者が苦しんできた。あたかもひとりでに魔法のように生まれる利子や配当……だが利子だけで資本主義は発展するのか。貨幣が無限の利子を生むのか。結局、貨幣の背後には労働者が汗水たらして働く実体経済がなければ意味がないのだ。
 今回の大恐慌直前、資本家階級は、生み出される信用に見合うだけの実体経済が発展したように錯覚していた。利子や配当さえ払われていれば景気がいいと思う転倒した観念だ。確かに信用が膨張しても直ちには恐慌にはならない。さらにもうけを狙って生産の外部から来る投機の増加でブームは継続する。だからバブルは歯止めなく最悪の事態まで行き着くのである。
 新自由主義は、世界中で産業と商業を破壊し、世界経済を徹底的に疲弊させた挙げ句の果てに大恐慌を引き起こした。何よりも世界中の労働者を超低賃金でこき使い、仕事を奪い、貧困をつくり出してきた。これが資本主義の破局を導いた。
 大恐慌でもはや資本主義は自立展開できないほどの危機に陥っている。革命と反革命が激突する階級闘争が公然化する時代に入ったのだ。戦争か革命かをかけて階級闘争が内乱的に展開する時代だ。克服すべきは恐慌ではなく資本主義そのものである。資本主義社会はもう終わりだ。大恐慌をプロレタリア世界革命に転ずることが労働者の生きる道だ。米帝オバマと日帝・麻生の打倒をかけて6・14−15中央政治闘争に総決起しよう。

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週刊『前進』(2393号5面1)(2009/06/01 )

 原水禁運動-反核闘争の解体許すな

 米帝の核独占と侵略戦争を狙う オバマ演説を「核兵器廃絶」宣言と絶賛する日共・志位

 上川 久

 日本共産党の志位和夫委員長が米帝オバマの4・5プラハ演説を「核廃絶宣言」として美化し、「心から歓迎する」「歴史的な意義がある」と絶賛する書簡をオバマに出した。米政府から返書が来たと大騒ぎだ。だが実際には、オバマはプラハ演説で、最大の核保有国・米帝の核独占体制を維持し、核拡散防止の名で侵略戦争を激化・拡大し、世界戦争に向かうことを宣言したのだ。「核廃絶」を唱えたのは、原水禁運動や反戦・反核闘争を幻惑し、解体するためだ。日共をはじめ体制内勢力はこれに乗っかり、反戦・反核闘争をオバマ賛美運動へとねじ曲げ解体しようとしている。世界大恐慌下、自らの延命のために帝国主義への屈服・恭順を誓い、階級的労働運動に敵対してくる。日共―体制内勢力を打破
し、帝国主義打倒へ、6・14―15大闘争、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争に総決起しよう。
(写真 オバマの核独占プラハ演説を歓迎する志位書簡をとりあげる『赤旗』)

 “核廃絶のイニシアチブを”と戦争の元凶オバマに要請

 日共・志位は、オバマ演説を@「核兵器のない世界」――核兵器廃絶を国家目標とすると初めて明かしたA広島・長崎での核兵器使用が人類的道義にかかわる問題であることを表明したB「核兵器のない世界」へむけて諸国民に協力を呼びかけた――という3点にまとめ、「歴史的な意義を持つ」「心から歓迎する」と繰り返し賛美している。
 その上で、オバマが「核兵器のない世界」の実現は「おそらく私が生きているうちには無理だろう」と直ちにあけすけに語っていることには(ここにオバマ演説の核心がある)、さすがに志位も「同意するわけにはいかない」と書簡に書いたと弁明している。しかし志位はこんなことには構わず、オバマ演説をあくまで支持し、進言する。
 「何よりも重要なことは、核兵器廃絶を正面の課題にした交渉をよびかけ、交渉を開始すること」「大統領に核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、国際交渉を開始するイニシアチブを発揮することを、強く要請する」
 オバマのイニシアチブによる国際交渉で核廃絶が可能になるというわけだ。その国際交渉として、戦略核兵器削減条約(START)の交渉開始や包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准、兵器用核分裂性物質生産禁止(カットオフ)条約の締結、核不拡散条約(NPT)の見直しなどを挙げる。これらを核兵器廃絶の目標と一体の具体的措置として取り組むべきだと進言する。
 こうした条約にもかかわらず、2万発もの核兵器が存在する現実は、これらの具体的措置が核兵器廃絶の目標と一体的に行われず、部分的だったためだと説明する。だから逆に一体的に進めればよいというのだ。志位は「具体的措置」が帝国主義の核独占体制を保障する手段であるという現実を百%逆に描いている。
 つまり志位は、米帝オバマがかつて核を使ったことに「道義的責任」を抱き、「核廃絶」を国家目標に据えて、STARTやCTBT、カットオフ条約、NPTなどの諸措置を国際交渉で推進すれば、核廃絶に至ると主張しているのである。米帝オバマのイニシアチブで核廃絶ができるというのだ。なんとおめでたいことか。
 志位は特にNPTについて、米帝をはじめとする5大核保有国(米ロ中仏英)が「核兵器廃絶への真剣な努力を行うと約束した」と賛美している。だが、NPTなどの諸措置が5大国(とイスラエル)以外に核を保有する国や「テロリスト」が出現することを阻止することを目的にしていることは、公然たる事実である。にもかかわらず志位は、あえて帝国主義者の言葉を字義どおりに解釈し、5大国の核保有の論理を擁護しているのである。それは今、日本共産党が北朝鮮の核保有の動きを非難する排外主義キャンペーンに加わり、日米帝にくみしていることにも現れている。
 オバマは、最末期のアメリカ帝国主義ブルジョアジーの代表であり、大銀行・大企業に巨額の税金を投入し、労働者を大量解雇して救済・延命させている張本人だ。そのオバマにエールを送ることは、アメリカをはじめ全世界の労働者階級への敵対にほかならない。
 オバマ演説は、志位の主張するような素晴らしい演説だろうか。帝国主義諸国とりわけ米帝に核廃絶をめざして諸条約を結び履行する意思があるのか。断じてそんなことはない。
 オバマはプラハ演説でなんと言っているのか(全文の訳は『国際労働運動7月号』に掲載)。

 「核拡散阻止」を叫びイラン・北朝鮮への侵略戦争を策動

 オバマのプラハ演説は第一に、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の直後に行われ、冒頭で、チェコ共和国が武力攻撃を受けた場合に米帝が同盟国として反撃することを約束している。世界支配のための軍事力発動の決意表明だ。まず戦争ありきなのだ。
 第二に、その上で核問題に入り、「核攻撃の危険性は高まっている」「核兵器を保有する国が増えている」と危機を訴え、「核兵器を使用したことのある唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任がある」と述べている。つまり自らの核保有国としての地位を保ちつつ、他国と「テロリスト」の核保有と核使用、すなわち核拡散を抑えるために行動することを「道義的責任」だと言っているのだ。けっして自らの核兵器を廃棄するとは言っていないし、核攻撃をしないとも言っていない。
 したがって第三に、「私は、米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを、信念をもって明言する」と言った直後に「この目標は、私の生きているうちには達成されないでしょう」とただし書きを付け加えたのである。このただし書きに真実がある。オバマは核廃絶の彼岸化と核独占を宣言したのだ。「核兵器のない世界」とは、米帝が核を独占し、5大国以外に拡散していない状態を指しているのだ。
 「核のない世界」に言及した米大統領はケネディやカーターらたくさんいる。しかし彼らは米ソの勢力均衡を理由に実際上、核軍拡を進めた。レーガンさえも1984年に議会で「私たちの夢は核兵器が地上からなくなる日がくることだ」と語った。ソ連の大陸間弾道ミサイルを無力化する「戦略防衛構想」(スターウォーズ)を推進するためだった。米帝の言う「核のない平和な世界」の正体は明らかだ。
 レーガン演説とオバマ演説とはどこにも違いはない。オバマはむしろ「道義的責任」を米帝の独占体制構築の固い決意として語っているのだ。
 第四に、オバマは具体的な措置をとるとして、「国家安全保障戦略における核兵器の役割を縮小する」「核兵器が存在する限り、わが国は、いかなる敵であろうとこれに対する核抑止を行い、……確実かつ効果的な核備蓄を維持する」と述べている。「米国の安全保障(=防衛)」のために「確実(=ターゲットを確実に破壊する)かつ効果的な(=破壊効果が高い)核備蓄を維持する」という。核戦力を高度化し、核を備蓄し、核を行使するということだ。
 その上で第五に、「しかし、私たちは、自国の核兵器の保有量を削減する努力を始める」と言っている。「削減する努力」であって、「廃棄」や「なくす努力」ではない。その具体的措置として米ロの新たな戦略兵器削減条約交渉の開始、米国による包括的核実験禁止条約の批准、核分裂性物質生産禁止条約の締結、核不拡散条約の強化を挙げている。いずれも米帝をはじめとする5大国の核保有・核独占体制を前提にした条約だ。
 ただ、5大国その他が核を保有している限り、自らも核を持とうとする国、人びとが現れるのは不可避だ。現にイスラエルやインド、パキスタンは核保有を容認され、北朝鮮、イラン、日本は核開発を進めている。
 そこで第六に、米帝の核独占を維持し核拡散を阻止する決意を表明している。北朝鮮やイランを始め日本やその他の国、「テロリスト」の核開発・核保有・核使用を阻止する行動に出る決意を示しているのだ。侵略戦争の発動の宣言であり、帝国主義争闘戦がらみの恫喝である。特に、北朝鮮の「挑発行為は行動をとることの必要性を浮き彫りにしている」とし、「核拡散阻止」行動に出ると明言している。「規則違反は罰せられなければならない」――制裁と戦争だ。「イランの脅威」を理由にチェコ、ポーランドに「ミサイル防衛(MD)システムの導入を続ける」「イランへの関与を追求する」と約束している。国家に加え「テロリスト」「規則を破る人びと」の核爆弾購入・製造・使用、すなわち核拡散を封じ込めると宣言した。「テロリスト」の核保有を阻止する目的を含んで発動されたイラク―アフガニスタン侵略戦争を継続・拡大するという意味だ。

 オバマ賛美の大合唱粉砕し6・14-15から8・6-8・9へ

 以上のようにオバマ演説は徹頭徹尾、米帝の「核独占」宣言であり、核戦争を含む侵略戦争の激化・拡大、世界戦争の発動の決意表明だ。これを「核廃絶」をめざすものとして美化・礼賛することは反戦・反核闘争への解体・破壊・襲撃宣言にほかならない。オバマを絶賛する志位書簡の犯罪性は次の諸点にある。
 第一に、現に今、圧倒的な核優位と核独占を背景に侵略戦争を継続・激化させ、人民を虐殺している米帝オバマを完全に免罪している。そして一層の核軍拡と先制攻撃―世界戦争へ突き進む米帝を尻押ししている。日共は米帝の核独占と戦争を支持する側に立った。
 第二に、オバマを救世主のように押し出し、オバマ幻想にすがる運動を提起している。労働者人民の反戦・反核闘争、帝国主義打倒の闘いを解体し、敗北に導こうとしているのだ。
 第三に、米帝の核独占と「対テロ戦争」に伴うあらゆる反動政策を事実上擁護している。オバマは大統領就任直後、キューバのグアンタナモ米軍基地にある対テロ戦収容所の閉鎖命令を出したが実施していない。逆に「テロリスト」の予防拘禁、特別軍事法廷の再開、水責めなどの拷問を容認した。愛国者法もそのままだ。こんなオバマに核廃絶を期待することなど絶対にできない。
 今やあらゆる意味で日本共産党スターリン主義の反革命的本性は明らかだ。1930年代を超える世界大恐慌の爆発、資本主義の終わりの時代、世界革命情勢の到来のなかで、階級闘争、労働運動を帝国主義への屈服・翼賛運動にねじ曲げ絞殺しようとしている。30年代階級闘争の敗北を教訓化した革共同と労働者階級はスターリン主義反革命を許さない。反戦・反核闘争、階級的労働運動を強大に国際的につくり出し、民主党―連合―原水禁・核禁会議の帝国主義労働運動勢力と日本共産党―全労連―原水協のスターリン主義勢力をもろとも打倒し、日本プロレタリア革命―世界革命への大道を切り開こう。その突破口は6・14―15連続大闘争だ。

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週刊『前進』(2393号5面2)(2009/06/01 )

 麻生=「対米隷従政権」論で日帝を免罪するカクマル

 根っこは黒田の反米愛国主義

 “日本が危機なのは対米隷従だから”?!

 階級闘争とは無縁な存在になり果てて久しいカクマルが、最近、またしても驚くべき日帝・麻生政権=対米従属論(それは本質的には反米愛国主義・国粋主義だ)を満展開している。カクマル反革命機関紙『解放』紙上で連続的に「麻生政権は対米隷従政権だ」と騒ぎ立てている。
 『解放』第2041号(08年10月27日付)のトップ論文の見出しで「米帝権力者に隷従する麻生政権」と言い出したのが初出だが、それ以降、トップ論文の大見出しで、「アフガン占領支援に猛進する対米隷従政権」「対米隷従の道を突進する麻生ガタガタ政権」「対米隷従ゆえの八方塞(ふさ)がり」「対米隷従ゆえのジレンマに揺れる末期の麻生政権」などと、毎号のように麻生政権=「対米隷従政権」論なるものを叫び立ててきている。
 これまでもカクマルは、小泉、安倍、福田政権に対し「対米”盲従”政権」(ママ)などと規定してきた。これは日帝が小泉=奥田路線のもとで、新自由主義の構造改革攻撃を労働者人民にかけてきているまさにその時に、これを日帝の攻撃として階級的に対決するのではなく、「日本がこれほど危機なのはアメリカのせいだ」「アメリカに付き従う『盲従政権』が日本の危機を生み出しているのだ」と、カクマルは主張してきたのである。
 このようにカクマルは、日本共産党も赤面する対米従属論をわめき散らすことで、日本がまるで階級戦争・侵略戦争の攻撃を激化させている帝国主義国ではないかのように宣伝し、労働者階級の日帝に対する闘いに混乱を持ち込み、黒田的な反米愛国主義・国粋主義の立場から、日帝・麻生を必死に擁護・免罪し、尻押ししているのだ。
 70年安保決戦の大爆発に恐怖してK=K連合(警察=カクマル連合)による反革命襲撃をかけ、75年の3・14反革命で革共同の本多延嘉書記長を暗殺し、80年代の国鉄分割・民営化攻撃の最先兵となることで生き延びてきたカクマルは、世界に類例のないファシストであり、労働者階級を背後から襲撃する反革命集団だ。そのカクマルが今日、またしても麻生=「隷従政権」論をもって日本階級闘争への敵対者、襲撃者として登場しているのだ。
(写真 ”対米隷従政権批判”を叫ぶカクマル『解放』)

 日帝を帝国主義と規定できぬ『解放』

 もともと黒田の根強い反米愛国主義・国粋主義を党是とし、イデオロギー的基盤とするカクマルは、基本的に日帝を「対米従属国家」と規定してきた。これは日共スターリン主義の対米従属論と同質のものだが、カクマルの場合は、黒田の日本民族主義がより濃厚に刻印されて、日共とも異質な右翼的ファシスト的なナショナリズムに貫かれている。それはマルクス主義とも(社会科学とも)、レーニン帝国主義論ともまったく無縁のものだ。
 われわれの対米従属論批判を気にしてか、カクマルは、かつて次のように言い訳をしている。「『日本はアメリカ帝国主義に半ば占領された事実上の従属国』といえば、日本共産党がとうの昔に投げすてた『対米従属』規定。この規定は国家論的には完全な誤りだが、最近の日本を見ると、現象論的にはそうともいえるんじゃないか」(02年4月14日付『解放』1714号)と。
 「現象論的には」などと弁明しているが、まったくごまかしだ。カクマルには「日本は帝国主義なのか、そうではないのか」もはっきりしていない。戦前の日共の27テーゼ・32テーゼ以下の水準だ。マルクス主義もレーニン帝国主義論も分からないカクマルには、帝国主義を分析することなど絶対にできない。とっくに綱領的、路線的に破産している。だから当然にも「アメリカ帝国主義の『一超』世界支配」に組み敷かれる日本といった、通俗的で平板な解釈しかできない。右翼民族主義者と同水準の「日本よ独立国たれ!」がカクマルの政治的路線と主張の中心なのだ。
 日米安保同盟は、米帝と日帝がそれぞれの帝国主義的利害を貫くために結んだ帝国主義の強盗同盟である。米帝は日米同盟を米軍のアジア・中東展開の不可欠の柱とし、日帝はその米帝による世界支配に依拠して自らの戦後発展と経済大国的突出、軍事大国化を可能としてきた。この日米同盟の根底には、日米間の矛盾・対立と争闘戦が激しく貫かれている。だからこそ今日、日帝はこの日米安保のもとで、憲法9条的な帝国主義としての軍事的制約を突破しようと必死にあがいているのだ。
 日帝は、カクマルの言うような米帝の「従属国家」(カクマルは小泉政権の時代には日帝を「忠犬ポチ」と呼んでいた)などではない。今や1929年大恐慌をも超える世界大恐慌の爆発は、日米同盟の基底にあった両帝国主義間の利害対立と矛盾を一挙に沸騰点に押し上げている。G20の破綻と分裂に示されるように、帝国主義間・大国間の保護主義への突進、世界経済の分裂化・ブロック化の進行は、不可避的に政治・軍事面での対立を含むものとして帝国主義的侵略戦争−世界戦争の危機を激化させているのだ。
 カクマルの日帝・麻生=「対米隷従政権」論の絶叫は、この帝国主義間の対立と争闘戦、そしてその中での日帝の帝国主義的・侵略的衝動に棹(さお)さし、反米国粋主義と民族排外主義をあおるものでしかないのだ。

 根底に黒田の謀略論哲学が

 カクマルは「対米隷従政権」論を満展開させながら、麻生政権について、「ヨレヨレ政権」「ガタガタ政権」「臨死政権」などという非政治的で軽薄極まる規定を乱発している。これはおよそマルクス主義的・社会科学的な概念とも、日帝打倒=プロレタリア革命に向けて決起する労働者階級の団結や闘いともまったく無縁な代物である。
 そもそもカクマルの政治・情勢分析には、生きた労働運動・階級闘争と切り結び、その中から闘いの路線と実践方針をつかみ取るというマルクス主義者の立場は全然ない。かつて黒田は、「謀略論」デマ運動を推進するために『政治判断と認識』を出したが、その中で「政治判断によって現実認識は決定される」などと主張している。これは黒田観念論哲学=謀略論哲学の論理そのものである。
 結局、カクマルの「対米隷従政権」論は、黒田の反米国粋主義と謀略論哲学から導き出されたものだ。だから「米CIA」が、あるいは「アメリカ東部エスタブリッシュメント権力者」が、「麻生隷従政権」を「米帝に繋(つな)ぎ止めておくために」、または「政権の座から蹴落とすために」謀略攻撃をしかけているといった「謀略論」に行き着くのである。

 日帝の体制危機に反革命的な危機感

 さらにカクマルの「対米隷従政権」論は、日帝・政治委員会の崩壊的現実に対するファシスト的危機感の表現だ。安倍、福田、そして麻生政権と続く自民党政権の末期的危機は、統治能力の喪失を示している。戦後憲法体制のもとでの階級支配、議会制度をつうじたブルジョア独裁が全面破産し、機能停止状態に陥っている。「政権交代」の現実化の中で、政敵である民主党・小沢に国策捜査を強行しなければならない事態が危機の象徴だ。
 世界大恐慌がこの日帝・政治委員会を痛撃し、非正規労働者への「派遣切り」を始めとした首切り・大リストラ攻撃に対する、「生きさせろ!」の階級的怒りが爆発している。国鉄分割・民営化攻撃と徹底対決する動労千葉を先端とした国鉄闘争陣形が、闘う原則を貫きつつ連合支配を突き崩す「対抗基軸」としてぶっ立っている。「大恐慌を世界革命へ」の闘いが、4大産別決戦を軸にした革命勝利の戦略方針の実践として前進している。
 カクマルは、この大恐慌と戦争、そのもとでの革命情勢の成熟に対し、ファシスト反革命としてあらためて身構えている。日帝・政治委員会の危機に、「アメリカへの隷従はやめろ」「隷従しているから『八方塞がり』になり、『ジレンマ』に陥るのだ」と叫び、反米愛国主義・国粋主義の立場から、日帝を免罪・擁護し、反動的に尻押ししているのだ。日帝の戦争・改憲と民営化・労組破壊、道州制・民営化の攻撃に、国鉄分割・民営化の最先兵として、またしても労働者の団結を破壊し、大裏切りをしようとしているのだ。
 結論は鮮明だ。〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉〈道州制・民営化〉の攻撃と全面的に対決し、第2次国鉄闘争を基軸に4大産別決戦の一大飛躍をかちとろう。カクマル、連合、日本共産党、4者4団体派など一切の体制内勢力と徹底対決し、法大「暴処法」弾圧を全社会的な反撃で粉砕し、6・14−15中央政治闘争の大爆発をかちとろう!
 〔矢剣 智〕

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週刊『前進』(2393号6面1)(2009/06/01 )

 再審実現へ5・23狭山集会

 「石川一雄さん不当逮捕46カ年糾弾、狭山第3次再審闘争勝利、5・23狭山集会」が広島、大阪、東京で一斉に開催された。昨年の10・31集会をこの3地方でかちとってから半年、西郡住宅闘争と狭山闘争を両輪とする部落解放闘争が飛躍的に前進している。5・23狭山集会は、八尾北医療センター弾圧、法大学生弾圧への怒りをもバネに成功をかちとった。

 広島 福島町に闘う火柱 旧与田派は5・23闘争放棄

 広島の集会は、広島市西区福島町の地域福祉センターで開催された。定員50人の会場に闘う労働者、学生を中心に75人が集まり、闘う団結の熱気が覆った。集会後は福島町の住宅の間を通るデモ行進を行った。権力に屈服し「広島差別事件」なるものをデッチあげて労働者階級を分断しようとする全国連本部派の敵対を粉砕し、ついに福島町に闘う部落解放闘争、住宅闘争の火柱が立った!
 集会は同時に、法大大弾圧をぶっとばし、6・14−15総決起を誓い合う労学の圧倒的団結をうち固める闘いとなった。
 集会は、まず石川さんの5・23メッセージの読み上げから始まった。そして、全国連西郡支部と八尾北労組のアピール、戦前の水平社運動弾圧にも使われた暴処法を適用した法大大弾圧と闘う全学連の中島敦史君(5・29法大弾圧被告)の熱烈な特別アピール、広島解放共闘議長を務める広教組の仲間からの基調提起に続いて、4大産別を中心とする労働組合、車いすでかけつけた反戦被爆者の会の大槻泰生さんを始め、広島星野さんを救う会、広大解放研、婦人民主クラブ広島支部などが続々と決意表明を行った。登壇して発言した労働者、学生は実に20人をこえ、集会は予定を30分もオーバーしたが、階級的団結を固める感動的な発言が次々と行われ、あっという間であった。
 西郡支部と八尾北労組は、2・26強制執行実力阻止闘争の勝利の核心が強固な階級的団結をつくりあげたこと、この団結の拡大と強化のみが、住宅闘争に勝利し、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃をうち破る唯一の道だと鮮明に提起した。
 地元福島町で住宅闘争を闘う労働者が、職場の労働組合員とともに晴れやかな笑顔で登壇、労働者の団結で勝利するときっぱりと決意を表明し、満場の拍手が巻き起こった。すべての参加者が、差別・分断をうち破って労働者が一つの階級として団結することのすばらしさに感動した。これこそが階級的労働運動であり、真の部落解放闘争だ。広島解放共闘は、階級的団結の砦として新たな躍進を開始した。
 これとまったく対照的だったのが、革共同から除名された旧与田派残党らを中心とする全国連本部派である。彼らは何と5・23狭山闘争をほうり投げ、関西や関東からの「応援」まで得て、やっと10人ちょっとで解放共闘の集会場前に恐る恐るやってきた。ところが集会防衛隊に一喝され黙り込むのみ。シュプレヒコールのふりだけのアリバイ写真を撮り、集会開始の30分以上も前に逃げ散った。仰々しく全国から人をかき集めてやった「6・1真相報告集会」なるものから1年。旧与田派残党の「広島差別事件糾弾闘争」なるものは、その反動的政治性、デッチあげ性ゆえに、糾弾する主体自身に何の怒りもなく、完全に崩壊してしまったのである。
 広島の労働者、学生、闘う人民は、6・14−15総決起から8・6ヒロシマへ、あらゆる体制内反動派との党派闘争を激しく闘いぬき勝利する。
 (投稿/広島・W)
(写真 階級的団結の砦として新たな躍進を開始【広島市福島町】)

 大阪 西郡弾圧破り200人 関西解放共闘再建を準備

 関西集会は初の全国連西郡支部・八尾北医療センター労組・関西労組交流センター3者共催となり桂人権コミュニティーセンターに200人の労働者・学生が結集した。
 集会は、辻西幸子西郡支部書記長の「今が声を出すとき。団結を大きく弾圧をはね返す力を蓄えながら闘おう」との開会のあいさつで始まった。
 基調報告は八尾北医療センター労組委員長・藤木好枝さんが行った。
 法大と八尾北への弾圧はひとつだ。社会の根底的変革を求める団結が敵を追いつめ、むきだしの国家暴力を発動する以外なくなっている。一段と革命情勢が深まった。労働者の団結ではね返そう。石川一雄さんの5・23アピールに応え、われわれこそが狭山責任勢力となり狭山闘争を再確立しよう。石川さんは権力打倒に燃え屹立(きつりつ)している。戦争と革命の時代だからこそ狭山は決定的な闘いだ。動労千葉の闘いは、階級闘争の最深部で74年日比谷11万人結集を引き継ぎ寺尾無期攻撃をのりこえる団結をつくってきた。森本政二さんと西郡支部が決起し八尾北労組がストを打ち抜いた2・26闘争こそ、ついに差別分断を打ち破って階級的団結をつくり出した。狭山再審は革命の要求、世界は革命情勢だ。勝利の鍵は国鉄1047名闘争を先頭とする4大産別決戦だ。6・14―15総結集を。狭山と住宅を両輪に部落解放闘争の大前進をかちとろう――。藤木委員長の提起で闘いへの圧倒的な確信が生み出された。
 その後、5・12八尾北不当家宅捜索弾劾のDVDが上映され、闘いの報告と決意表明に移った。つれあいとともに登壇した森本さんは「国家権力には負けない、何ひとつ怖いもんはない」と新たな戦闘宣言を発し、供託者は住宅闘争と八尾市を追いつめる裁判闘争への決意を語り、両者に熱烈な拍手が巻き起こった。
 そして、八尾北命と健康を守る会会長の高橋進さん、法大弾圧と闘う全学連の学生、高槻医療福祉労組団結速報グループ、森精機とプレミアラインによる解雇と闘う関西合同労組大阪東部支部の発言が続いた。主催者の関西労組交流センターを代表し平沼和典さんが「狭山闘争は国家権力と非妥協の闘いだ。資本主義は終わりだ。労働者が社会を動かしているし、労働者は団結できる。革命へ6・14―15へ総決起しよう」と訴えた。
 末光道正西郡支部事務局長が「動労千葉−狭山・西郡−法大、ここに世界革命の火柱がある。4大産別決戦の勝利で革命に転じよう」とまとめ、6・14―15へ、西郡支部青年部の音頭で団結ガンバローを三唱した。
 西郡支部と八尾北労組は、同時開催の東日本と広島の集会に代表を送り全体に責任をとった。関西集会は、塩川派と旧与田派残党によって破壊された関西解放共闘の再建を準備するものとなった。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
(写真 藤木八尾北労組委員長が基調報告【八尾市】)

 東京 国家権力糾弾貫く 杉並支部が闘争アピール

 東京集会は、品川の南部労政会館で開催され部落解放同盟全国連合会西郡支部、杉並支部、品川支部を先頭に労働者・学生136人が結集した。
 集会に先だち、2・26森本政二さんへの住宅追い出し強制執行実力阻止闘争の記録を上映、森本さんの勝利宣言を全員で共有した。主催者あいさつで東日本解放共闘議長の田中康宏動労千葉委員長が、「資本、権力との闘いに自らを投入するときすべてが鮮明に見えてくる。差別をのりこえ団結する力を獲得する。それを西郡と石川さんの闘いが示してくれた」と感動的に語った。
 石川さんの5・23メッセージが紹介された。「『真実と正義は必ず勝つ』の確信と信念は不変」とした上で、「狭山再審闘争は最大の山場を迎え、勝敗の分岐点でもある」から「再審実現のため全力で活動を」と支援者の奮起を促すものだった。これを受けて杉並支部が渾身(こんしん)の力を込めて狭山闘争アピールを行った。
 「この1年は旧与田派が牛耳る全国連中央の権力への屈服−転向をうち破って解放共闘が狭山闘争を引き受けて闘い前進した」と総括し、全国連中央が糾弾闘争を「要求を実現する手段」などと既成解同と同じく体制内的にねじ曲げていると痛烈に批判。「狭山闘争解体攻撃をうち破り差別裁判糾弾闘争を貫こう」と呼びかけた。資料をもとに、事件発生から部落への見込み捜査、石川さんのデッチあげ別件逮捕、再逮捕、自白の強要、起訴に至る過程と石川さんのハンストを含む不屈の闘いを報告。会場は国家権力の差別犯罪への怒りが充満した。
 大阪府警による5・12八尾北医療センター不当捜索弾劾闘争のDVDが上映され、権力が激しい弾劾を浴びるたびに歓声が上がった。拍手に迎えられて西郡支部・八尾北労組が登壇。「医者も看護師も患者も労働者として団結して2・26を闘った。その団結の拡大を恐れての弾圧だ」と喝破し、「石川さんのように権力と真っ向から闘うべき」ときっぱり。これに応えて、品川支部が、「非妥協で不屈に闘う人たちが集まった。みんな輝いている。西郡の闘いに勝利への唯一の道がある」。杉並支部は、「西郡の労働者とともに労働者階級として部落解放闘争を闘うことに未来がある」。確信みなぎる発言に熱い拍手がわいた。
 全学連のカンパアピール、千曲ユニオンのメッセージ紹介に続いて東京労組交流センター、動労千葉、動労水戸、婦人民主クラブ全国協が闘いの決意を述べた後、全学連の学生が獄中12人の学友の奪還へ火を吐くようなアピールを発した。この日の集会は、前日の法大弾圧粉砕総決起集会の高揚を受け、全発言者が法大弾圧粉砕への決起を訴えた。まとめに立った解放共闘の井上長治事務局長は、動労千葉が呼びかける6・14−15集会への総決起を訴えた。
(写真 全国連3支部を先頭に狭山再審実現を誓う【東京・品川】)

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週刊『前進』(2393号6面2)(2009/06/01 )

 北朝鮮ロケット口実に有事法制の実戦発動 秋田からの報告

 「国民保護計画」を先行実施

 自治体労働者の戦争動員を狙う

 麻生政権は、4月3日の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)スターリン主義によるの「人工衛星ロケット打ち上げ」に対して、「破壊措置命令」という歴史を画する軍事対応に走り、秋田を始め地方自治体で事実上有事法制が発動された。戦時ムードが扇動され、自治体労働者や教育労働者が動員された。社民党や日本共産党は沈黙して屈服し、連合中央は「北朝鮮によるミサイル発射に断固抗議する談話」を発表して政府の戦争政策に労働組合として積極的に協力する態度を表明した。今回の攻撃を検証し、4大産別決戦の戦闘的爆発に向かっての武器にしていきたい。
 (投稿/秋田・GK)

 破壊措置命令は戦争発動だ

 麻生政権は、日本に危害を加えようとするものではない「人工衛星打ち上げ」に対して、「破壊措置命令」という軍事行動を強行した。それを中心に政府の決定した「対処方針」に地方自治体を従わせ、事実上の国民保護法の発動を強制した。
 今回北朝鮮が打ち上げたロケットは、ミスで軌道がそれたり、打ち上げに失敗したりしても、日本に落下する危険はほとんどなかった。
 このような対象に対し、イージス艦の展開だけでなく、PAC3を動員した破壊措置命令を発令したことは、政府として北朝鮮に宣戦布告の意思を示し、実行したことを意味する。これは改憲攻撃そのものであり、世界恐慌下の中で麻生政権が戦争による資本主義の延命を渇望していることを表明するものだった。

 危機管理連絡部設置の意味

 秋田県は北朝鮮が人工衛星打ち上げの事前通告を行った翌日、麻生政権が迎撃態勢をとると表明したことを受け、危機管理連絡部を設置した。これは形式上、危機管理計画に基づくものだが、秋田県国民保護計画ではその想定対象に「弾道ミサイル攻撃」が入っており、その対処方策として連絡体制から構築していくことが定められている。県の連絡室の設置自体が有事法制の発動であり、政府の有事対応に下から応えるものだ。
 有事法制に従って作成された秋田県国民保護計画を見ると、「対処活動の全体像」として有事における自治体の対応策が八つの分野で図解されている。政府の「破壊措置命令」と「対処方針」の決定によって、最初の「事態認定」が行われ、前倒しで「実施体制の確立」として「危機管理連絡部」および「対策本部」などの設置が行われ、「初動情報の処理」として打ち上げ速報が伝達され、「避難・待避」活動や「被災情報の収集」「安否情報の収集」が行われた。
 そして、秋田県の「素早い」対応は、市町村に対して一種の模範として、有事における緊急体制の構築を促した。
 有事法制・国民保護法の発動の最初の行為は、「警報の通知、伝達」である。しかし、警報の伝達システムは、政府の方針が一貫していなかったこともあって複数の系統があり、全国的統一的に整備されていなかった。軍事問題に関して簡単には導入を強制できない地方自治の壁があるからだ。
 今回の事態で、政府は国民保護法のために作ったエムネット(Em―Net)を急速に普及させ、実戦に使用することに成功した。これはインターネットを利用し政府からの情報を県を仲介しないで直接市町村に伝達するシステムだ。これまで秋田県でエムネットを導入していたのは、県と秋田市だけだった。
 しかし政府が破壊措置命令と併せてエムネットによる緊急情報の伝達を決めたことを受け、秋田県も旧来の伝達方針を転換し、4月2日までに県内の全市町村がエムネットを導入した。これによって戦後初めて政府は地方自治の壁を破って全国の市町村に瞬時に「警報」を発令する体制を整備し、これを実戦的に発動したのだ。

 地方自治体を自衛隊が支配

 もう一つは、有事体制の発動によって自治体と自衛隊の一体か化が進められたことだ。秋田県が危機管理連絡部を設置して以来、自衛隊の連絡官が県庁に常駐し、県の対処方針の決定に深くかかわっていた模様だ。地方自治体を自衛隊が直接支配する構造が生まれたことが重大だ。
 しかも大仙市は、今年度から新設した総合防災室の初代防災管理官として陸自秋田駐屯地の自衛官を採用していた。自衛隊と自治体の一体化は、戦争に反対する公務員労働運動への破壊攻撃だ。
 ほとんどの自治体が、政府がエムネットで流した情報を、様々な手段で住民に「通知・伝達」する仕事を行ったことは、有事法制に規定された「警報の通知」の一環であり、公務員労働者の戦争動員そのものだった。
 県内市町村の多くは、打ち上げ予定日前に県の「対策連絡部」に対応する組織を作り、連絡体制の整備や対処方針の作成などを行い、打ち上げ予定日は休日返上で対応に追われた。
 秋田県の国民保護計画の「市町村の警報伝達の基準」で、伝達方法の一つとされる「武力攻撃が迫り、または現に武力攻撃が発生したと認められる地域に当該市町村が含まれる場合」「原則として同報系防災行政無線で国が定めたサイレンを最大音量で吹き鳴らして住民に注意を喚起した後、……警報が発令された事実等を周知するものとする」という項目をそのままむき出しで実行して注目を集めたのが八峰町だ。同町は防災行政無線を使用してサイレンを鳴らした。事前に2度の試験放送、2度の誤報も流し、本番の速報もすべて流した。そのたびに町全体から警報のサイレンが鳴り響いた。「こんな思いはもうごめんだ」という怒りの声が起こった。
 予定日に先立って、横手市や由利本荘市は「日中は外出を避けるように」「落下物や被害を発見した場合は連絡してください」などのチラシを全戸に配った。打ち上げ予告の最初の2日間は土日だったが、ほぼすべての市町村は休日返上で担当者が役場に詰め、速報や訂正を住民に伝えた。
 県の発表で一切伝達を行わなかった自治体もあったが、結局19市町村が国民保護法で規定したなんらかの伝達を行った。
 ミサイル騒ぎを口実に、政府はかつてない規模で自治体労働者に国民保護法の実戦演習を行わせた。かつて戦時において公務員は官吏として、労働者人民を戦争に動員する手先にされた。今回の伝達はまさにその再来だ。戦争動員をとおした思想攻撃、労組破壊攻撃だ。絶対に許せない。

 「避難訓練」で学校を戦場に

 国民保護計画の重要な行動の中に「避難」が規定されている。秋田県国民保護計画には具体的な想定の中に「弾道ミサイルによる攻撃の場合」が明記されており、今回その模範として各地の学校で避難行動が行われた。
 3月31日、県教委は全学校にメールで連絡体制の整備を指示した。状況によっては北朝鮮の発射する「飛翔体」が落下してくることがあり得るとして「被害が及ぶと考えられる場合は屋外行事の中止や階下への避難など必要な措置を講じること」などと通知した。実際に、入学式の準備をしていた生徒や教職員がテレビの誤報で体育館に避難したり、部活をやっていた生徒が部室や体育館に避難したりというケースがあった。「ほんとにミサイルが落ちてくるんじゃないかと思って怖かった」という6年生の声が報じられている。まさに戦時中の空襲警報から防空壕(ごう)へという世界だ。かつて子どもたちを戦場に送るのが教師の役割だった。その再来のような光景だ。
 今回有事法制で強制的に戦争動員の義務を負わされているマスコミ各社や東北電力などの指定公共機関でもこれと関連した動員が行われた。
 県の危機管理対策本部は、国からの発射速報の伝達の後、直ちに安否確認の作業を行った。これも国民保護法に規定されたシナリオどおりだ。そしてこれを確認した段階で、対策本部を連絡部に戻した。

 最大の戦場は4大産別決戦

 この攻撃は、戦争と改憲の攻撃であり、4大産別(国鉄・郵政・教労・自治体)労働運動破壊の攻撃だ。有事体制の発動は、明らかに自治労や日教組の破壊を狙った攻撃だ。4大産別決戦・道州制決戦で、戦争と改憲、民営化・労組破壊の攻撃を粉砕しよう。

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週刊『前進』(2393号6面3)(2009/06/01 )

日誌'09 2009年 5月20日〜26日

 裁判員制度を強行/北朝鮮が「核実験成功」と発表

●米上院、グアンタナモの閉鎖を拒否
 米上院は、キューバのグアンタナモ米軍基地の収容所の閉鎖のための歳出を禁じる法案を賛成多数で可決した。(20日)
●裁判員制度始まる 裁判員制度が始まった。殺人や傷害致死などの重大事件が対象。裁判官・検察官・弁護人の3者で裁判の争点を絞り、初公判の6週間前までに裁判員候補者に「呼び出し状」を送る手続きがあるため、最初の裁判員裁判は7月下旬ごろと見込まれる。(21日)
●米兵自殺率が倍増 イラクやアフガニスタンで従軍した米陸軍兵の昨年の自殺率がイラク戦争前に比べて倍増し、ベトナム戦争以来初めて一般の米国民の自殺率を上回ったことが分かった。戦争の長期化で米兵の6人に1人が3回以上従軍。米陸軍の調査によると、繰り返し配備された米兵は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)発症の割合が5割高くなる。(21日)
●防災訓練に海自揚陸艇初参加へ 沖縄県が9月に宮古島で予定している総合防災訓練に、海上自衛隊佐世保基地のホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)の参加を検討していることが分かった。同揚陸艇の県防災訓練への参加は初めて。輸送艦おおすみに搭載して運用するため、訓練にはおおすみも同行する。陸上自衛隊と航空自衛隊も参加する。防衛省が現在策定中の新防衛大綱で離島への自衛隊駐留も検討していることから「離島への部隊展開のアリバイづくりではないか」との指摘も出ている。(21日)
●嘉手納基地、70デシベル超131回 米空軍嘉手納基地でF15戦闘機やFA18戦闘攻撃機などが相次ぎ離陸。午前中だけで100デシベル(電車通過時の線路わきに相当)を超える騒音が17回も記録され、同基地周辺は朝から轟音(ごうおん)にさらされた。午後5時までの騒音発生回数(70デシベル以上)は131回を記録。住民から「我慢できない」などの苦情が相次いだ。(21日)
●盧前韓国大統領が死亡 韓国の盧武■(ノムヒョン)前大統領が釜山近郊の自宅近くで登山中に転落、死亡した。遺書があり自殺の可能性が高い。大統領任期中の妻らの巨額の金銭授受疑惑にからんで検察当局から事情聴取を受けていた。(23日)
●自衛隊将官がPKO要員訓練で講習
 アフリカの国連平和維持活動(PKO)要員の訓練を行うため、エジプトで自衛隊の将官が講師となり、アフリカ十数カ国の軍幹部らに指導する講習会が始まった。自衛隊将官がPKO訓練講師となるのは初めて。(24日)
●敵基地攻撃能力の保有を要求 新「防衛計画の大綱」の今年末政府決定に向け自民党国防部会の小委員会がまとめた提言案で、北朝鮮のロケット発射を受け、敵基地攻撃能力の保有などを要求していることが明らかになった。(24日)
●北朝鮮が核実験 北朝鮮が「自衛的核抑止力を強化するための措置の一環として核実験を成功裏に実施した」と発表した。北朝鮮による核実験は、06年10月以来。(25日)

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週刊『前進』(2393号7面1)(2009/06/01 )

 「海賊法案」阻止へ

 参院審議・国会延長許すな

 6・14闘争で大反撃を

 「海賊対処法案」は27日、参院本会議で審議入りした。4月23日の衆院通過以来1カ月が経過した。野党が参院で採決に応じなくても、国会会期を延長すれば6月22日に衆院再議決―成立が可能となる。国会会期の延長を許すな。そして、法案の成立を阻止しよう。6・14−15闘争がいよいよ決定的だ。

 武器使用して相手攻撃可能

 海賊対処法案は、@「正当防衛」以外でも武器の使用が可能となる、海賊行為抑止のため停船目的での危害射撃を認める、A活動海域の制限はなく、世界のどこへでも「海賊対策」と称して自衛隊の派兵が可能となる、B日本以外の外国船舶の「護衛」が可能となる、C国会は事後報告を受けるだけで、国際平和維持活動(PKO)派兵で必要とされる国会の事前承認も必要とされない――など、これまでの海外派兵の枠組みをも大きく踏み破る重大な侵略戦争攻撃だ。しかも、イラク派兵時のような期限付きの特別措置法ではなく一般法として制定される。まさに、ソマリア沖派兵の事実を先行させておいて、戦後憲法の枠組みを大きく踏み破る事実上の恒久的な海外派兵法が制定されようとしているのだ。
 派兵部隊の武器使用は、これまでPKO参加5原則で「要員の生命保護など必要最小限にする」と、厳しく制限されてきた。ソマリア沖の海上警備行動でも、ひとまず「正当防衛と緊急避難」に限定している。
 ところが法案ではこれに加えて、「警告射撃などにもかかわらず民間船に接近し続ける海賊船への射撃」を容認した。
 これは相手船舶を撃沈し全員を殺しても構わない、ということに必ず行き着く。また米英軍など他国軍隊との共同作戦も可能になる。
(写真 厚木基地からジブチに向けて飛び立つP3C哨戒機【5月28日】)

 海外での日米共同作戦狙う

 ソマリア沖派兵がそうであるように「海賊対処法」が制定されると、海自のみならず空自・陸自もさまざまな口実で出兵することになる。「海賊対策」を名目に自衛隊が世界中どこへでも自由に海外に展開できることになる。侵略戦争への重大な踏み込みだ。戦争はこのようにして始まるのだ。
 参院での審議入りと軌を一にして28日に海自の哨戒機P3Cが2機、厚木基地からジブチに出発した。海自部隊100人、陸自部隊50人(特殊戦闘部隊を含む)が併せて派兵された。ソマリア沖派兵と01年以来8年続くインド洋の派兵部隊を合わせると合計1000人を超える。自衛隊の海外展開は完全に主要任務になっている。
 P3Cの航続距離は9千`にも及ぶので、ジブチを拠点にすることでアフリカ東部のインド洋、アラビア半島沿岸、アラビア海からパキスタン、イランまでもの広大な海域・空域の偵察飛行ができることになる。米帝の中東・アフリカ・西アジアでの侵略戦争に自衛隊が共同参戦する態勢ができるのだ。海賊対処法の制定は、この点で決定的な意味を持ち、侵略戦争に直結する。

 恐慌と戦争の攻撃うち破れ

 自衛隊のソマリア・ジブチ派兵と「海賊対処法」制定策動は、世界大恐慌のもとで帝国主義各国が一斉に保護主義に突き進む中での日帝支配階級の必死の対応だ。それは帝国主義の侵略戦争、世界戦争の危機を一層加速する。
民主党、日本共産党、社民党と連合中央は、「海賊対策は必要」論で政府のキャンペーンに屈服している。衆院での再可決−成立に手を貸そうとしている。絶対に許すな。職場・キャンパス・街頭で、法案の反動性と狙いを暴き、絶対粉砕へ闘おう。
大恐慌下で侵略戦争に突き進む帝国主義を階級的労働運動と学生運動の力で打倒しよう。その前進をかけて、6・14−15闘争に結集しよう。
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「海賊対処法案」はこんな侵略戦争法案だ

@「正当防衛」以外でも武器が使用できる。「海賊行為抑止」のための危害射撃を認める。
A活動海域の制限はない。世界のどこへでも「海賊対策」と称して陸海空の自衛隊を派兵できる。
B米英軍など他国の軍隊との共同作戦ができる。
C日本以外の外国船舶の「護衛」ができる。
D国会は、報告を受けるだけ。派兵にあたって国会の事前承認が必要ない。

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週刊『前進』(2393号7面2)(2009/06/01 )

 韓国 盧武■前大統領の死は何を意味するか

 李明博との全面対決に

 5月23日、韓国のノムヒョン(盧武■)前大統領が韓国南部・金海市にある自宅近くの岩山から身を投げ死亡した。ノムヒョンは、4月末に包括収賄容疑で最高検察庁の事情聴取を受け、近々逮捕状請求の判断が出されようとしていた。事件はその矢先だった。力で労働者階級の闘いをねじ伏せるしかすべのないイミョンバク(李明博)政権に対し、6月闘争を頂点に大反撃が開始されようとしている中、この事態の階級的な意味とその大きさをはっきりさせる必要がある。
 ノムヒョン前大統領に対するイミョンバク政権のこの間の露骨な政治的攻勢は、ノムヒョン支持勢力に象徴される対抗勢力を一挙にたたきつぶすことを狙ったものであり、もってノムヒョン前政権与党の流れをくむ民主党の議会的抵抗を粉砕するために仕掛けられていたものだ。
 現在、国会では、非正規職法の改悪案や言論統制、集会・デモ弾圧のための法案など、いわゆるMB(ミョンバク)悪法の6月成立が狙われており、政権としては最大野党・民主党の抵抗を何がなんでも封じる必要がある。この間猛然とわき起こる労働者階級の怒りの決起を国家暴力でねじ伏せるために、それを合法化する法律を作ることが死活的に求められているからだ。これは、日帝政府・自民党が民主党・小沢の違法献金疑惑を追及し、ついには小沢を党首の座から引きずり降ろしたのと同じ構図だ。
 しかし今回、ノムヒョンの自死で、逆にイミョンバク政権に対する人民の怒りに火がついている。実際、ノムヒョンの地元に設けられた焼香所には25日朝までに20万人が弔問の列をなし、さながら現政権批判のデモの様相を呈している。だからこそイミョンバク政権は、この怒りを鎮めるために、ノムヒョンの葬儀を「国葬」に次ぐ位置づけの「国民葬」として行うことを決めたのだ。
 その上でわれわれは、2003年から07年のノムヒョン政権とは労働者階級にとって何であったかをはっきりさせなければならない。今日のイミョンバク政権による新自由主義攻撃全面化への道を整備したのがノムヒョンだ。それは一言で言って〈戦争と民営化、労組破壊>の一大階級戦争であった。イラク・アフガニスタン派兵、韓米・韓日・韓チリFTAの推進、鉄道・教育・医療の民営化、非正規職法の制定を頂点とする非正規雇用化、労働者のストに対する損害賠償請求・仮差し押さえ、労働者大量逮捕、「労使関係先進化ロードマップ」、公務員労組不認定など徹底した労組破壊攻撃、国家保安法をとおした治安弾圧など枚挙にいとまがない。
 だが、これに対し労働者・農民は命がけの闘いに立ち上がった。その一方で、「民主的弁護士」出身のノムヒョンが80年代民主化闘争世代を政権内に取り込み、民主労総指導部が急速に体制内化していく傾向を示し始めたのもこの時期だった。
 動労千葉と民主労総ソウル本部が出会ったのは、まさにノムヒョン政権の初年であり、労働者・農民の焚身(ふんしん)決起が相次いでいた時期だった。しかし、だからこそソウル本部と動労千葉は〈戦争と民営化、労組破壊>に対する闘いで共感し、またソウル本部は、「日本の連合の道をたどってはならない」と、労働運動の体制内化と闘う動労千葉に注目したのだ。
 今回のノムヒョンの自死という事態を受け、イミョンバクに対する労働者階級人民の怒りにますます火がつくことは明らかだ。イミョンバク政権自身はそのことに恐怖している。民主労総の活動家は「イミョンバク政府はノムヒョン前大統領の葬儀が終わった後、再びMB悪法を強行するだろう。この時から全面戦が展開される。そうなれば7月まで非常に緊張した情勢と闘争が展開される」と伝えている。
 今回の事態を、支配階級内部の抗争と軽視してはならない。支配階級内の対立とは、本質的に階級対立を背景としたものであり、そこで生起した事態が被支配階級の革命的決起の引き金となった歴史的事件はあまた存在する。ノムヒョンの自死という今回の事態が、韓国の革命的情勢を一挙に加速することは必至だ。それは同時に朝鮮半島と東アジア全域を大激動にたたきこみ、米帝危機・日帝危機、とりわけ日帝・麻生政権の危機と絶望的な凶暴化を一層決定的に促進する。この胸躍る革命情勢への確信も新たに、決戦態勢を強化しなければならない。6・14−15闘争の爆発がますます決定的だ。
(写真 ノムヒョンの地元に設けられた焼香所には、25日朝までに20万人が列をなして弔問に訪れた)

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週刊『前進』(2393号7面3)(2009/06/01 )

 ブルーリボン 着用を区職員に強制

 現場労働者の団結した力で戦争翼賛の山田区長打倒へ

 杉並区議 北島邦彦

 山田宏杉並区長は09年度区政事業において、戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃を真正面から推進しています。
 そのひとつとして、北朝鮮拉致被害者家族への支援事業を打ち出しています。6月2日に杉並公会堂に横田夫妻をはじめ拉致被害者家族会や中山恭子首相補佐官(日教組への暴言で辞任した中山成彬前文科相の妻)を招いて大講演会をするほか、区施設でのパネル展示などのPR活動などを計画しています。区職労働者には、拉致被害者を救う会が始めたブルーリボンバッジの着用を区長が呼びかけています。
 これは、朝鮮侵略戦争への突入を自治体の側から促進する戦争・改憲攻撃です。絶対に許すことはできません! 北朝鮮「人工衛星ロケット打ち上げ」への「対処」として東北地方を中心に行われた自治体労働者の戦争動員の杉並版です。
 7月13日には同じ杉並公会堂で、田母神前航空幕僚長の講演会が民間団体によって企画されています。これは、7月末〜8月初めに中学校歴史教科書として「つくる会」教科書を再度採択させるための「決起集会」です。北朝鮮拉致被害者家族支援事業で排外主義を扇動しようとする山田区長の狙いもこめられています。
 拉致被害者家族会が求める北朝鮮への制裁の強化は、北朝鮮への戦争発動に行き着きます。イラク侵略戦争を見れば明らかなように、制裁は戦争への前段行動だからです。
 山田区長は、「(北朝鮮拉致被害者を)強い意志で……必ず取り戻す」という言葉を並べて、「北朝鮮への戦争を発動すべき」とあおっています。何が「共感の輪」(支援事業の名称)か! 山田区長は、北朝鮮拉致被害者家族への支援事業で、在日朝鮮人・韓国人と日本人との間に分断と敵対を持ち込み、戦争をあおっているのです。このような支援事業をただちに中止させなければなりません。
 山田区長は「杉並丸ごと民営化」攻撃によって、橋下大阪府知事と並んで道州制攻撃の先取りをしてきました。徹底した民営化攻撃によって労働者の団結を破壊し、労働者を分断して競争・対立させてきたのです。

 道州制・民営化粉砕で闘おう!

 道州制とは何か? 大資本の意を体した橋下や山田のような首長が、資本の延命のために戦争政策を「地方分権」の名によって強行する。自治体の公的業務を資本に利潤追求の場として提供する。それに反対する労働組合をたたきつぶす。自治体首長が戦争をあおり立て、戦争国家体制を下からつくりだすファシスト運動を推し進める。
 「道州制粉砕! 民営化絶対反対!」こそ、戦争・改憲攻撃と対決する労働者人民の闘いのスローガンです。
 問題は、日共スターリン主義をはじめとする体制内勢力がこうしたファシスト勢力に屈服し、闘いを抑え込む最悪の手先となっていることです。日本共産党・志位委員長はオバマの「プラハ演説」を礼賛し、米帝国主義による核独占・「テロ撲滅」の世界戦争政策をもろ手を上げて歓迎してさえいます。
 しかし、杉並区職労働者が団結して、日共スターリン主義が牛耳る区職労本部の制動をはねのけ、戦争動員体制づくりのためのファシスト運動を拒否すれば、ファシスト区長・山田宏など一瞬にして吹っ飛ばすことができます。山田区長による戦争教育に断固反対して、杉並の教育労働者は「日の丸」「君が代」不起立闘争を連年闘っています。現場労働者の闘いで山田区長を打倒しよう!
 世界大恐慌情勢下で戦争衝動を強める日本帝国主義・麻生政権の戦争政策を積極推進する山田区政を、団結した労働者の闘いで打倒しよう!

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週刊『前進』(2393号7面4)(2009/06/01 )

 革共同に夏期大カンパを

 法政大「暴処法」弾圧粉砕と4大産別決戦勝利のために

 社会を丸ごと変えよう。ついにその時が来た。この時を逃すな!
 革共同はすべての同志、すべてのみなさんに、革命を実現する09年夏期カンパを心から訴えます。

 新自由主義攻撃を打ち破る法大闘争

 この1年間で激化した賃下げ・解雇攻撃に追い撃ちをかけるように、すべての労働者に増税や一時金減額の攻撃が襲いかかっています。「もう生きられない!」と、日本列島に麻生政権への怒りが充満しています。麻生政権は、この怒りに恐怖し、その矛先をそらそうと、北朝鮮核実験や新型ウイルス対策を口実に、治安・戦争体制づくりに躍起になっています。この攻撃の頂点が、法政大学「暴処法(暴力行為等の処罰に関する法律)」弾圧です。
 法大当局は、学内でのビラまき・立て看板設置・演説の禁止に抗議する学生を処分し国家権力と一体となって弾圧してきました。06年3月14日以来、のべ107人が逮捕され、24人が起訴、多くの学生が停学・退学などの処分を受けました。構内には多数の監視カメラが設置され、暴力職員と暴力ガードマンが徘徊しています。まさに「監獄大学」そのものです。ついには大学が「営業権」を振りかざし情宣活動も禁止してきたのです。むき出しの暴力と金もうけ――これこそ新自由主義大学の実態です。
 今回の「暴処法」弾圧は、正門前に出された看板を学生が破壊したことを理由にあげています。しかし、その看板は、大学に抗議して処分された学生の実名がさらされ、彼らの構内立ち入りを禁止する内容なのです。学生の誇りをとことん踏みにじる看板を出すこと自身、教育機関のやることなのか!
 みなさん! 法大当局がやっていることは全国の学校、職場で起こっていることとまったく同じではありませんか。これらの攻撃を打ち破ることにこそ、すべての労働者・農民・市民の未来があるのです。
 学生たちの勇気ある決起は法大3万学生の魂を揺さぶり、ついに4月24日、法政大学キャンパスで1500人の学生が決起しました。新自由主義攻撃を打ち破る決起が始まったのです。動労千葉をはじめ多くの労働者の姿もありました。
 日本の階級闘争は、戦前戦後一貫して、労働者農民の地の底からわき起こる怒りの決起と学生運動が合流した時に、体制そのものを転覆するエネルギーを爆発させてきました。戦後革命、60年安保闘争、三里塚、70年闘争もそうです。そして今回の4・24闘争。学生と労働者が一体となり、新自由主義を粉砕し革命にむかう巨大な歴史的うねりがついに開始されたのです。
 これに震え上がった支配階級は、全学連・法大文化連盟の組織壊滅を狙い「暴処法」弾圧にふみきったのです。戦前においても、1925年の治安維持法国内初適用は京都学連事件でした。
 しかし獄中の仲間たちは不当な弾圧をはねとばし、むしろ意気軒高と獄中から「外」に檄(げき)を飛ばしています。まさに日本労働者階級人民の誇りとも言える存在です。

 体制内指導部倒し労働者党の建設を

 革共同はこの宝のようなわれらが分身を必ず早急に取り戻します。
 私たちは今、資本主義が総崩壊する歴史的現場に立っています。GMやクライスラーの破綻は資本主義崩壊の象徴です。
 支配階級にはこの危機を解決する能力はありません。戦争と搾取で数十億の民を殺し地球を破壊しても、自分だけは生き残ろうとあがくのが帝国主義です。
 一方、革共同の階級的労働運動路線の実践、とりわけ動労千葉を軸にした日米韓国際連帯の前進は、日本革命−世界革命をたぐり寄せています。革共同は『前進』春季特別号で「国鉄闘争を基軸に4大産別決戦の前進で日本革命の扉を押し開こう」と、日本革命−世界革命に勝利していく革命戦略を提起しました。
 4大産別(国鉄・自治体・教労・全逓)は、戦前、労組が禁圧され戦争動員を担わされたように、帝国主義支配体制の要中の要です。しかし現在も帝国主義と最も激しく階級戦争を闘っている戦場が4大産別なのです。その核が〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>攻撃と20年以上激突し意気高く闘い抜いてきた国鉄闘争です。なかでも国鉄1047名解雇撤回闘争と国労5・27臨大闘争弾圧(暴処法弾圧)との闘いがその柱です。
 国鉄闘争を軸にした4大産別決戦の前進で、プロレタリア革命へのゼネスト・蜂起が具体的課題になってきました。だからこそ民間産別と全戦線の闘い、労農連帯の決定的重要性も鮮明になってきました。
 重要なことは、これを可能にしたのは、70年代半ばに世界の資本主義が破綻して新自由主義に突っ込む中で、世界で唯一、動労千葉(労働運動)だけがこれと真正面から闘って勝利してきたことです。
 だからこそ麻生政権は動労千葉破壊に全力を投入しているのです。あえていえば、すでに自民党に土下座している「4者4団体」を、なお屈服させ国鉄1047名闘争破壊に必死になっている目的は一点、動労千葉破壊のためです。しかし動労千葉はこの攻撃をも、青年労働者の集団的加入をかちとることを原動力に日々粉砕しているのです。
 4・24法大闘争は動労千葉労働運動の実践が生み出しました。いよいよ動労千葉労働運動の勝利の地平をもって法大闘争を先頭に大攻勢にうってでる時です。
 日帝支配階級が統治能力を喪失する中で、今や連合・全労連、4者4団体、日共、カクマルなどの体制内指導部が帝国主義支配体制の最後の支柱となっています。北朝鮮スターリン主義への排外主義を宣伝しオバマを絶賛する日共、「北東アジアの非核1千万署名」なる下からの戦争動員体制づくりを担う連合指導部。腐りきった資本主義が生み出す現実に怒る労働者の決起を押しとどめているのが体制内指導部なのです。絶対に許せない! 日本革命−世界革命勝利の道は体制内勢力を打倒し、階級の指導部を形成することにあります。つまり強大な労働者党建設を労働者自身の手でつくり出すことにかかっているのです。
 革共同は、国鉄を軸にした4大産別を先頭に、すべての職場と学園にマル青労同・マル学同を建設し、階級的力関係を一変させ、巨万の労働者決起の水路を切り開きます。6・14−15連続闘争の歴史的爆発をかちとろう。
 同志のみなさん。そして、闘いを長年にわたり支えてくれた支持者のみなさん。『前進』読者のみなさん。ついに日本階級闘争は、革命が問題になる胸躍る時代に突入しました。だからこそこの情勢をつかんで離さず日本革命―世界革命を実現するために、とりわけ法大解放闘争を闘う獄中同志を奪還するための思い切った額の夏期カンパを重ねてお願いします。

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週刊『前進』(2393号8面1)(2009/06/01 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 5・16-18沖縄闘争に参加して 6・14デモで怒りぶつける 神奈川 北谷 海

 今回の沖縄で印象に残ったことが三つあります。一つ目は洞口さんが逮捕されたことです。
 織田君や法大の学生たちが逮捕されたことを聞いていたので、最初に洞口さんを沖縄で見かけた時はうれしい気持ちになりました。その日の夕方、洞口さんが国際通りのデモの後に逮捕されたことを聞きました。とても驚き、とても怒りを感じ、警察も法律もいったい何なのだろうと思いました。
 二つ目は県民大会で、主催者の男性の態度が変わったことです。
 私はその時にビラまきをしていましたが、その男性は初めはにこやかな態度で案内をしていました。しかし、何か騒ぎが起こりはじめ、見るとその男性と学生たちが口論になっていました。
 後で聞くと、主催者の男性は道州制反対の呼びかけをするなと言っていたということでした。道州制がどんな存在か、少し見えた気がしました。
 三つ目は、数多くの現場の労働者の声です。
 特に全国青年労働者交流会の時がそうでしたが、職場での理不尽極まりない状況の数々は、本当に怒りに堪えないものだったし、こんなに多くの職場がひどい状況になっているのかと驚きでもありました。
 6月14日には、自分の怒りとともに、沖縄で聞いた労働者の怒りも、デモでぶつけようと思います。

 5・16-18沖縄闘争に参加して 動労千葉派が主導権奪った 東海 熊田 亘

 沖縄行動の3日間は、今までになく道行く人びとからの注目も多く、飲み屋でも「このデモ見たよ」といういい反応もありました。
 また、県庁や那覇市役所前のビラまき、基地労働者へのビラまき、辺野古へのビラまきでも、道行く人びとが次から次へ受け取っていきます。沖縄の人びとから道州制への怒りがひしひしと伝わってきています。
 沖縄県民大会でもビラまきをした人に聞いてみましたら、ほとんど全員がビラを受け取ったということです。
 そういう中で県民大会の主催者はやばいと思ったのか、ついに動労千葉派に「道州制反対を出すな」と言ってきました。
 そして那覇のデモの後、警視庁が機動隊を用意して洞口さんを取り囲み、で令状を示すこともなく逮捕してきました。
 こういう形で弾圧してくるということは、われわれ(動労千葉派)がもうすでに体制内派から主導権を奪っているということだと思います。権力も体制内派の反応も、それに対する恐怖に違いないと私は考えます。
 みなさん、弾圧を恐れず、6・14−15へ総決起していきましょう!

 5・16-18沖縄闘争に参加して 「一体になれた!」と感動 群馬合同労組 中尾 実

 3回目の参加になりますが、今回の闘争ツアーは今までとは全然違うものだと実感しました。
 学生への弾圧、許せない! みんなのキラキラした顔を覚えているからよけいです。
 この闘争に行ったことで、自分の中でいろんなことがはっきりしました。いくつかあげると、県民大会での体制内指導部の腐り切った姿を本当に目の前にして、こいつらが労働者を押さえつけているんだということ。でも現場の労働者はそうではないってこと。
 ツアー解散後ですが、空港の喫煙室で、平和行進で南コースで歩いたという青年労働者が向こうから話しかけてきて(自分のバッグから赤い旗が出ていたのを見たらしい)、少しだけだけど話ができた。ありったけの思いで「労働組合は闘わなきゃいけないんだ」と訴えました。
 それと団結のすばらしさをあらためて身をもって体験しました。一人だと、本当に俺が思っていることが正しいのかな?と不安になることもあるからです。みんなで闘ったし、仲間の苦しみも聞きました。とにかく、俺の中では「一体になろう」「一体になれた!」って感動がありました。
 あとは、やりきったからこそ、自分の中で次の課題も明らかになりました。結論でいうと、もっと革命に確信をもってガンガン周りに声をかけようってことです。
 沖縄に行きたくても行けなかった仲間がけっこういます。その人たちとも一緒に行ったつもりで全力で沖縄から吸収できたと思います。大勝利だ!

 5・16-18沖縄闘争に参加して 怒りと行動で情勢つくれる 合同労組かながわ 秋田一雄

  沖縄現地での闘いで、労働者の怒りを真正面から提起し行動することで情勢をつくれると実感できました。
沖縄現地での5・15に向けた闘い、法大闘争への暴処法弾圧などの情勢の中で、3日間の闘う方針が出された時に“よし、ここにいる仲間と団結して闘うぞ!”という気持ちになれました。
1日目、「道州制反対、基地撤去!」という真正面からの訴えで、国際通りでの解放的なデモ。沿道のものすごい反応で完全に沖縄の怒りと結合できました。
3日目に辺野古の各戸ビラまきをしました。その時、「表だっては言えないけれど、基地賛成の人なんかいない」という地元の方の話を聞き、確信できました。動労千葉のように現場の怒りに依拠して原則を貫いて闘う方針を出せば、労働者は必ず決起する、必ず団結できると。
2日目夜の集会は決定的でした。冒頭、学生弾圧に対する、全学連の圧倒的な怒りのアピール、これが集会を牽引(けんいん)し、参加者が一つになって団結し、革命的高揚をかちとりました。
私たちの団結した闘いに対して、暴処法による学生への弾圧、沖縄現地での拉致同然の洞口さん逮捕、さらには県民大会で主催者が「道州制反対」と言うなと暴力的に排除してくるなど、絶対に許せません。
しかしこれは、矛盾を暴かれ、デタラメな弾圧に出てくるしかない資本家・国家権力とその手先の体制内労組の姿です。これに対する私たちの答えは団結です。弾圧に怒りを燃やし、5・15沖縄を闘い抜いた地平で6・14−15への組織化、大結集を実現しよう。

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 市東さんの会主催の現地企画が盛大に 東京 田宮龍一

 5月17日市東さんの農地取り上げに反対する会(略称/市東さんの会)が主催する三里塚現地のフィールドワークに参加した。私も現地調査は初めてではないが、予想していた人数を上回る人びとが地元千葉県を中心に、東京、埼玉などから駆けつけた。特に農民の方々が多く参加したことは、うれしい驚きだ。
 あいにくの雨模様ではあったが、マイクロバスとワゴン車を連ねて、東峰神社、開拓組合道路、市東さんの耕作地(写真)、現闘本部など、現地攻防の焦点を見学。暫定滑走路北側では、東関東自動車道をまたぐ、約900bもの赤く巨大な鉄橋をかけた進入灯設置工事が行われていた。豊かな農村地帯が空港施設によっていびつに侵食されている現実に、あらためて怒りが募る。
 夕方からはガーデンパーティーが市東さんの離れの庭で盛大に開かれた。子どもたちも参加しての餅つき大会。つきたてのお餅や取れたての新鮮野菜がテーブルに並ぶ。本当においしい。市東孝雄さん、萩原進さん、鈴木謙太郎さんらがあいさつし、農民としてこの地で農業を続け闘っていくことを述べた。
 それに応えて参加者が次々とマイクを握り、市東さんの闘いとともに歩む意気込みを語った。日もとっぷりと暮れた中で、最後はシャンソンのミニライブ。農家の庭で、ジェット機の轟音にたびたび邪魔されながら聞くシャンソンは格別な味わいだ。威容を競うニューヨークの摩天楼を題材にしたアダモの曲も歌われた。それは今の欠陥空港にもあてはまる。
 市東さんの畑は無農薬野菜とともに、闘いに共感する多くの人びとを育んでいることを、強く実感した一日だった。

 モスト『資本と労働』とりあえず15冊注文 静岡 松田明男(61歳)

 わずかに159nの小さな本で、片手のてのひらの中で持てる。マルクスの『資本論』のわかりやすいダイジェスト。
 これを見て、ああ、これだ!とすぐに思った。そうだ誰でもこういうのが欲しかったんだ。もちろん、私も渇望していた。そして手中にした晩、一気に読み終えることができた。とてもいい。わかりやすいし、ヨハン・モストの「はじめに」から、章立ての順序も入りやすいし読みやすい。今の情勢ともよくかみ合っている。本当にいいのを出してくれた。
 第1章「商品と貨幣」は、価値についての抽象的な、いわば前提だから、たしかに頭に入ったような入らないような進み方で行くが、しかし、やはりここに、諸商品の価値の中身を、つまり商品の中には労働者の労働時間が詰まっているんだということを、はっきりと定めたところに第一の出発点があると思う。
 少しがんばって読み進んだら、その商品を生産する労働時間の中から、資本家がいかに抜け目なく、剰余価値のすべてをかすめとり、不当にもうけているか、本の中の数字を本といっしょに計算しながら進めばよくわかるだろう。原理がわかるというのは、こんなにうれしいことなんだ。
 そして最後までどんどん読むのは少しも難しくない。資本の無慈悲さも、資本家階級が労働者階級とは相いれない階級だということも、ぐんぐんと理解できるだろう。
 最後に、この社会の富のすべてはわれわれ労働者階級がつくり出している。なのにこの一方的な不公平な社会は何なのだ!と。
 私はこの本を売る、そう決めました。さっそく妻と2人の子どもに。そして兄と友人、また労働者の仲間に。とりあえず15冊注文します。
★新訳『資本と労働』(モスト原著)1000円/注文は前進社へ!

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週刊『前進』(2393号8面2)(2009/06/01 )

 大阪・星野さん取り戻す会結成

 “労働者の解放で”

 全国で21番目 大阪各地から60人参加

 5月21日、ついに大阪で全国21番目となる「大阪・星野文昭さんを取り戻す会」を結成しました。
 結成集会には、大阪各地から60人が結集し、星野闘争を階級的労働運動そのもの、革命闘争そのものとして闘い、勝利しようと誓い合いました。司会が冒頭、この結成集会を、5・12から始まる法大弾圧と関西弾圧に対する弾劾の集会としようと提起しました。
 連帯のあいさつとして、関西でいち早く「取り戻す会」を結成して闘ってきた「取り戻す会・京滋」から、この間の面会闘争が報告されました。一度は面会を拒否されながら、必死の決意でゴザとシュラフを持って徳島に行き、2月に面会を闘い取りました。
 部落解放同盟全国連西郡支部と八尾北医療センター労働組合は、応能応益家賃反対で闘う中で星野さんからメッセージとカンパを寄せてもらい、その心の優しさに打たれたことを報告し、「ともに団結して闘っていきたい」と発言しました。
 全学連は、5・12〜18法大弾圧を徹底弾劾し、弾圧を目の前にした新入生が「弾圧で階級性を獲得した」と決起していることを報告し、「星野のようになりたいのか、と権力が言うなら、私たちは当然『そうだ、そういう闘いがしたいんだ』とたたきつける」と宣言しました。
 ス労自主は、組合員8人の不当解雇・大弾圧に徹底非妥協で闘いぬいてきたこと、労働者が資本と徹底して闘い、生き抜いていくことに星野さんとの連帯がある、と語りました。
 関西労組交流センターからは、国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんが発言。昨年面会をかちとり、星野さんの闘いをいち早く関西の労働者のものとしてきたこと、国鉄闘争に勝利していくことが星野さんの闘いに応えることだと提起しました。
 豊中市職女性部の深町加代子さん、大阪府職の労働者が、星野闘争と労働運動の結合が進んだこと、道州制粉砕・橋下打倒の闘いの報告と決意を表明しました。
 基調報告を「大阪・取り戻す会」代表を引き受けた南谷哲夫さん(豊中水道労組)が行いました。彼は、星野さんのメッセージを大阪の会の指針、共同綱領にしていこうと提起しました。星野さんは「2・26西郡闘争と3・6府庁闘争によって、大阪を闘う不抜の拠点として打ち立て、すべての闘う労働者人民の先頭で闘う大阪の地に、星野を取り戻す会が結成されることに心から感動しています」と述べ、「星野を救援の対象ということではなく、一体に、今の資本主義の世の中を変え、労働者の解放をとおした人間解放を実現していくものとして星野を闘うということこそ意味」がある、と語っています。
 会の方針として、労働者階級の〈戦争・改憲と民営化・労組破壊粉砕>の闘いと一体となって星野闘争を闘うこと、第2次再審闘争に必ず勝利し、星野文昭さんを取り戻そうと確認しました。
 星野文昭さんのメッセージは、革命運動と星野闘争を切り離し、自己変革を拒否して腐敗していく塩川派を懇切丁寧に批判し、断罪しています。大阪の会こそが、塩川派の星野闘争破壊を粉砕して、プロレタリア革命闘争そのものとして星野闘争を推進していきます。
 第2次再審闘争アピールを星野再審弁護団事務局の大形敏也さんが行いました。国家権力によるデッチあげであることはまったく明らかです。
 人事と会の名称を全体で確認して「大阪・取り戻す会」はスタートしました。法大弾圧粉砕、裁判員制度粉砕、6・14−15闘争の爆発、6月星野全国総会の圧倒的成功をかちとりましょう。
 (大阪・D)
(写真 「第2次再審闘争に勝利し、星野さんを取り戻そう」と提起する南谷哲夫代表【5月21日 大阪】)

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週刊『前進』(2393号8面3)(2009/06/01 )

 全国再審連絡会議 5月星野沖縄行動を闘って

 5月16日午後4時、那覇市内パレットくもじ前は、黄色い「星野のぼり」で席巻されました。星野・全国再審連絡会議の呼びかけによる5・15沖縄行動の一環としての星野街宣が始まったのです。地元の「うまんちゅの会」も加わり、全国の仲間が、獄中34年の沖縄闘争戦士・星野文昭さんの再審無罪と即時釈放を訴えました。(写真左)
 ビラの受け取りはほぼ100%、署名は8〜9割というものすごい街宣です。特筆すべきことは、復帰闘争を知らないどころか、それ以後に生まれた世代の、星野さんの闘いに対する圧倒的な共感と署名です。
 午後5時半、青年労働者と学生の国際通りデモが始まりました。半数の仲間が「星野のぼり」をもって、これに合流しました。星野闘争と青年の闘いが一体になり、「星野さんの闘いに続こう! 星野さんを取り戻そう」とともに声をあげました。(写真上)
 翌日、宜野湾市海浜公園に行き、ビラまき、署名集めの後、県民大会に参加しました。この集会は那覇で感じた時代のうねりとはまったくの別物で、ただ単に選挙を意識したというか、そのためだけの集会でした。
 夜の青年労働者の集会の会場では「星野文昭絵画展」が開かれ、ここでも青年・学生の闘いとの一体性を実感しました。
 この地に立ち、いつも気になることは、沖縄戦の悲惨さが「散華」とか「玉砕」とかいう言葉で飾られていることです。
 最終日、摩文仁の丘では、真新しい碑に日本郵政社長・西川善文と仲良く並んでいるJP労組委員長・山口義和の名前を発見しました。やつらは労働者に戦死(再度の沖縄戦)を強制しようとしているのです。ふざけるな! われわれ労働者階級こそが墓掘り人としてやつらを「追悼」してやろうという思いを強くして、帰路につきました。
 (投稿/杉並・矢沢備作)

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週刊『前進』(2393号8面4)(2009/06/01 )

 新刊紹介 国際労働運動

 大恐慌と闘う労働者 7月号

 世界大恐慌は激化している。最末期帝国主義による新自由主義政策のもとでEU帝国主義も金融バブルの先端を担ってきた。だからフランスの最大手銀行のパリバがバブル崩壊の発端となったのだ。そしてEU帝国主義は深刻な打撃を受け、中・東欧諸国も経済破綻状態に陥っている。危機のりきりのために独仏伊などから保護主義が台頭し、EU諸国間の対立が起こり、労働運動が激化し、欧州は大動乱の情勢に向かっている。
 第1章は、金融大恐慌下の欧州経済の現状を「実体経済の後退」「パリバショック」「英・金融立国の危機」「中・東欧諸国の危機」「EUの構造的問題性」「保護主義の台頭」の6点でまとめた。
 第2章は、工場閉鎖・大量首切りに反対してストライキ・工場占拠で闘うフランスのキャタピラーとコンティネンタルの労働者の闘いを紹介している。
 第3章は、体制内労働運動の反動的流れに合流したフランス第4インターの崩壊と転向を徹底的に弾劾している。
 翻訳資料はオバマのプラハ演説の全文である。4月5日に米大統領オバマはチェコのプラハで「核廃絶宣言」をしたと大宣伝がされている。しかし全文をよく読めばオバマ演説が「核廃絶」宣言などではなく、米帝の「核独占」宣言であることは明らかだ。

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