ZENSHIN 2009/05/18(No2391 p06)

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第2391号の目次

(写真 “裁判員制度反対!”最高裁を直撃する霞が関デモが大高揚【5月14日 千代田区)=記事2面)

1面の画像
(1面)
日共と連合弾劾 オバマ・麻生打倒へ
世界大恐慌と戦争に対決し労組の国際的団結で反撃を
法大闘争で8人新たに不当逮捕 恩田君・倉岡さんの起訴弾劾
記事を読む  
織田委員長を不当逮捕
法大闘争前進への政治弾圧(5月12日)
記事を読む  
1047名解雇撤回! 法大弾圧粉砕! 改憲阻止! 麻生政権打倒!
6・14-15連続大闘争へ
動労千葉が全国に呼びかけ 
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
日程 裁判員制度5・21実施阻止へ 20日(水)銀座デモ 記事を読む  
日程 6・14全国労働者総決起集会 6・15反弾圧全国労学総決起集会 記事を読む  
(2面)
全逓戦線に“第2の動労千葉”を
JPEX子会社化と全面対決し「スト絶滅」のJP労組中央倒せ
革共同全逓委員会
記事を読む  
大阪府警 関西9カ所を不当捜索
1人逮捕 診察中の診療所に乱入(革共同関西地方委員会)(5月12日)
記事を読む  
裁判員制度 実施阻止へ380人がデモ
最高裁・日弁連など串刺しに(5月14日)
記事を読む  
(3面)
5・9東京首都圏で道州制決戦の火柱立つ
反対集会 380人で大成功
3・6大阪府庁前行動に続き(5月9日)
記事を読む  
5・28〜29自治労中央委決戦(奈良)へ
道州制・民営化攻撃と闘い本部打倒-自治労の再生を〔革共同自治体労働者委員会〕
記事を読む  
(4面)
6・14-15連続大闘争に立とう
織田陽介全学連委員長が訴える
労働者と学生の団結の力でオバマと麻生を打倒しよう
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“今すぐ全員奪還するぞ”
法大闘争 織田君逮捕に新たな怒り(5月12日)
記事を読む  
“西郡住宅裁判 裁かれるのは八尾市”
禁圧をうち破り意見陳述(5月8日)
記事を読む  
日誌 2009年 5月5日〜12日
アフガン空爆で死者120人以上/民主・小沢が代表を辞任
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日程 5・23狭山総決起集会(各地) 記事を読む  
(5面)
国家的不当労働行為を居直り
4大産別の労組解体狙う3・25判決
6・14-15連続闘争に決起し 国鉄決戦勝利の展望開け
記事を読む  
市東さん耕作権裁判 土地特定の誤り暴く
NAAの主張崩す証拠提出(5月11日)
記事を読む  
〈焦点〉 憲法審査会始動に反撃を
与党が「審査会規程」提案
記事を読む  
〈焦点〉 国策捜査は危機と破綻へ
辞任に追い込まれた小沢
記事を読む  
(6面)
民族・国籍・国境を越えて階級的団結
第20回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
在日・滞日外国人と共に620人
入管法改悪阻止6・3デモへ(5月10日)
記事を読む  
5・11千葉 日韓労働者シンポ
時代認識を共有して現場から闘いを組織(5月11日)
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2391号1面1)(2009/05/18 )

 

 日共と連合弾劾 オバマ・麻生打倒へ

 世界大恐慌と戦争に対決し労組の国際的団結で反撃を

 法大闘争で8人新たに不当逮捕 恩田君・倉岡さんの起訴弾劾

(写真 “裁判員制度反対!”最高裁を直撃する霞が関デモが大高揚【5月14日 千代田区)=記事2面)

 日本帝国主義を根底から撃つ闘いが動労千葉によって呼びかけられた。戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃と対決し、国鉄1047名解雇撤回、法大弾圧粉砕、改憲阻止、麻生政権打倒を掲げた6・14渋谷−6・15法政の連続大闘争だ。5月15日、警視庁は4・24法大闘争で逮捕した6学生のうち、文化連盟の恩田亮君、倉岡雅美さんを起訴した(4人は奪還)。さらに暴力行為処罰法違反をデッチあげ、8人の学生を逮捕する新たな政治弾圧を行ってきた。襲いかかる反動は、学生運動・階級闘争の前進に対する支配階級の悲鳴だ。労働者・学生の全力決起でこれを打ち破り、4大産別決戦を推進しよう。

 労組めぐる体制内との激突

 全世界の労働者は、今年の5・1メーデーを戦闘的に闘いとった。
 フランスではパリの16万人を先頭に全土で120万人が決起した。ドイツでは全国で50万人が参加し、ベルリンでは戦闘的左翼が体制内労組を圧倒した。アメリカでは移民労働者を先頭にロサンゼルスで6万人、全米で数十万人がデモに立った。韓国ソウルでは民主労総を中心に3万人が結集し、警察との実力闘争を展開した。中国でも国営企業の労働者を中心に、各地でリストラ・賃下げ攻撃の激化に抗議行動が爆発している。
 この全世界での労働者の闘いと日本の闘いは、まさにひとつの国際連帯闘争だ。4・21裁判員制度反対集会、4・24法大解放闘争、4・25尼崎現地闘争を頂点とした4月の総力決起を闘いぬき、われわれ動労千葉派・11月集会派は、09年5・1メーデーをまさに革命情勢のただ中で迎えた。
 全国のメーデー集会会場で、膨大な労働者・労働組合との感動的な合流が、激烈な党派闘争の中でかちとられた。
 米帝オバマのプラハでの核兵器独占と侵略戦争強行の演説を賛美し、米帝への全面擁護に走る日本共産党スターリン主義。さらに道州制導入攻撃と闘わず、逆に闘いの圧殺者として登場し、北朝鮮脅威論と排外主義の「核廃絶1000万人署名」を打ち出した連合。この日共と連合の敵対と闘争破壊をうち破って登場し、労働者と合流したことは決定的だった。
 特に4月29日の連合メーデー会場には、JR総連カクマルが、「浦和電車区事件控訴審判決(6月5日)」のファシスト的な反革命運動の宣伝に「東労組」「東労組青年部」の旗を立てて青年部を動員し(これは彼らの組織的危機に転化する!)、さらに同じ会場内では、1047名解雇撤回を投げ捨てた4者4団体派も展開していた。このように4・29連合メーデー会場は、さながら体制内派やファシスト反革命勢力の「総結集」の場ともなった。
 この真っただ中に、国鉄1047名解雇撤回と、民営化・道州制攻撃粉砕を鮮明に掲げた動労千葉派・11月集会派の隊列が登場したことが、情勢を一変させた。
 今や5月闘争から6・14−15連続大闘争にいたる階級的攻防の核心が、1〜4月の闘いの過程以上に、労働組合の存亡をめぐる激しい党派闘争として闘い抜かれることは、いよいよ明らかだ。
 4者4団体は、この5〜6月にも「政治解決」を求めて、なりふり構わぬ総屈服にいよいよのめり込んでいる。国鉄1047名解雇撤回闘争の最後的解体を狙う鉄建公団訴訟3・25判決情勢のもとで、闘争の解体・一掃か、解雇撤回を貫いての勝利かの一大決戦が、激しい党派闘争として展開されるのだ。
 この攻防に絶対に勝ち抜き、1047名闘争の新たな歴史的発展を何としてもつくりだそう。

 改憲への攻撃の新たな激化

 帝国主義の侵略戦争と世界戦争の危機が激化している。世界大恐慌の本格的な進行は、資本主義・帝国主義の崩壊を促進し、その資本主義・帝国主義の体内からすさまじい戦争衝動が噴出している。大恐慌による世界経済の急速な収縮・崩壊が保護主義を引き起こし、激烈な排外主義と帝国主義間・大国間の争闘戦を深刻化させている。
 何よりも、日共を先頭に体制内勢力が全面賛美している米帝オバマは、今やアフガニスタンとパキスタンで、侵略戦争と人民大虐殺を継続、激化させている。これは絶対に許し難いことだ。
 この大恐慌と戦争情勢の激動的展開は、日帝が帝国主義の「最弱の環」である現実を、いよいよ白日のもとにさらけだしている。日帝は一方で自動車や電機を中心に実体経済の総崩壊にあえぎ、他方で麻生が戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を加速させている。
 ここで特に重大なことは、日帝・麻生が、「北朝鮮のミサイルを迎撃する」との口実で侵略臨戦態勢と北朝鮮排外主義を強め、ソマリア沖派兵を突破口とした「海賊対処法」成立の策動に全力を挙げていることだ。そして安倍政権の崩壊以降、一定の後退を余儀なくされてきた改憲攻撃を再び猛然と激化させている。
 しかもこの改憲攻撃は二つの点でこれまでの延長ではない。ひとつは、世界大恐慌のもとでの新自由主義の全面破綻、資本主義・帝国主義の後のない体制的危機と、さらには日帝・麻生政権の政治委員会としての絶望的危機のもとでの、かつてない凶暴な攻撃としてあることだ。
 今ひとつは、これがまさに労働者への階級戦争と一体のものとしてかけられてきていること。すなわち首切り・賃下げ、リストラの嵐が吹き荒れる中で、爆発する労働者階級の怒りと反乱を圧殺するための、民営化・労組破壊と一体の攻撃だということだ。
 だから改憲攻撃と国鉄1047名闘争をめぐる決戦攻防は、完全に一体のものだ。そもそも80年代の国鉄分割・民営化攻撃そのものが、「戦後政治の総決算」=改憲・戦争攻撃であり、4大産別解体の攻撃だった。
 動労千葉が呼びかける6・14中央政治闘争、6・14−15連続闘争の“1047名解雇撤回、法大弾圧粉砕、改憲阻止、麻生政権打倒”のスローガンこそ、まさに日帝の戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃と対決し、国鉄を先頭に4大産別決戦に勝利し日本革命を切り開くスローガンだ。
 労働者階級と労働組合の国際的団結で、大恐慌と戦争に反撃しよう。

 動労千葉夏季物販を武器に

 自民・公明両党は憲法審査会の始動へ、国会に「審査会規程」を提案してきた。また今後の反動諸法案の攻撃の中で、集団的自衛権の論議が浮上しようとしている。「拉致問題」での排外主義の扇動、杉並区などでの「つくる会」教科書の採択策動など、新たな反動が巻き起こっている。5・21裁判員制度実施阻止をめぐる攻防も、これからが勝負の時だ。
 6・14−15闘争は、何よりも米帝オバマと日帝・麻生政権の打倒を呼びかける大闘争だ。麻生が危機にのたうち回りながら民主党・小沢に仕掛けた「政権交代阻止」の国策捜査は、5月11日の小沢辞任で新たな危機と破綻に突入した。政権延命のために検察権力を動員し、民主党と連合にくさびを打ち込み、本質的には労働者階級の怒りの決起をつぶすことを狙った麻生を打倒しよう!
 世界大恐慌にのたうつ麻生と日帝ブルジョアジーの危機感は、革共同と動労千葉派・11月集会派への弾圧と根絶に、とりわけ青年労働者と学生に向けられてきている。現下の権力との白熱的攻防の焦点はここにある。
 5−6月の激闘を、何よりも職場で、資本・当局との非和解的対決として貫き、体制内勢力と闘い、さらに街頭や大学キャンパスで闘いぬこう。6・14−15闘争の組織化の最大の武器として、動労千葉物販をあらゆる職場に持ち込もう。
 5・15沖縄闘争に決起し、三里塚、5・23狭山を始めとするすべての闘いの勝利をかけて、6・14−15連続大闘争の爆発へと突き進もう。

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週刊『前進』(2391号1面2)(2009/05/18 )

 織田委員長を不当逮捕

 法大闘争前進への政治弾圧

 5月12日、法大正門前から出発した「総長室・麹町署包囲デモ」で、全学連の織田陽介委員長が警視庁麹町警察署によってデッチあげ「公務執行妨害」で不当逮捕された。(記事4面)
 国家権力は、4・24法大解放集会が法大生を先頭とする全国の学生と労働者の力で大爆発したことにすくみ上がった。そしてこの日も「6学生の即時奪還」を求めるデモが力強く進み、麹町署に接近するにつれてあせりにかられ、階級的憎悪を織田君に集中しなりふり構わぬ政治弾圧を強行したのだ。
 だがこれで法大解放への学生運動の前進を少しでも食い止められると思っているのなら、とんだ勘違いだ。怒りの火に油を注いだだけだ。
 織田委員長は、資本主義が学生を食い物にし、使い捨てにしている状況を誰よりも鋭く分かりやすく暴露し、学生が労働者階級とともにこの資本主義―帝国主義の打倒へと立ち上がる主体であることを訴え続けてきた。その闘いの神髄は文化連盟と全学連の固い団結となって結実している。
 全学連は全員が「第2、第3の織田」となり、300万学生の総決起をつくりだすために日々闘っている。織田君は獄中から「4・24の勝利の大きさを確認し、6・14―15の爆発へ進撃しよう!」と熱烈に訴えている。織田君を1日も早く取り戻そう。(織田君は5月15日、暴力行為処罰法違反デッチあげで再逮捕された。この弾圧を徹底的に弾劾する。全員奪還へ総決起を!)
(写真 数を頼みに襲いかかる警官に織田委員長が鬼神の形相で抗議。学生全員が身を挺して闘った【5月12日 千代田区】)

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週刊『前進』(2391号1面3)(2009/05/18 )

 1047名解雇撤回! 法大弾圧粉砕! 改憲阻止! 麻生政権打倒!

 6・14-15連続大闘争へ

 動労千葉が全国に呼びかけ 

 動労千葉(田中康宏委員長)から6・14―15連続闘争の呼びかけが発せられた。これにこたえて全国から全力で大結集し、麻生政権打倒へ本格的に攻め上ろう。(編集局)
☆国鉄1047名解雇撤回! 改憲阻止! 法大学生弾圧粉砕! 麻生政権打倒!
☆6・14―15連続闘争への賛同と参加のお願い
☆国鉄千葉動力車労働組合執行委員長 田中康宏
  ◇ ◇ ◇
 資本主義体制のかつてない危機が進行し、支配者たちは底知れぬ大恐慌の前に震えあがっています。新自由主義攻撃は、この20年あまり吹き荒れ、労働者の雇用や賃金、権利、社会保障制度や教育、地方自治、あらゆる社会的連帯や団結を破壊し、そして完全に破産しました。危機の中から保護主義や国家主義が台頭し、戦争の危機を生み出しています。世界中が「もうたくさんだ!」という怒りの声に包まれています。戦争・改憲と民営化・労組破壊の大攻撃と対決し、闘う労働組合を歴史の最前線に登場させなければいけない時がやってきました。
 派遣や期間工として働く労働者の首切りが嵐のように吹き荒れ、360 万人の公務員労働者を一旦全員解雇し選別再雇用するという「究極の民営化」=道州制攻撃がかけられようとしています。しかし、連合本部や全労連本部は、ワークシェアリングに関する「政労使合意」や「ルールある資本主義」論をもって、資本主義の最後の救済者に転落しています。
 こうした労働運動の現状の一切を規定しているのは、1987年の国鉄分割・民営化攻撃です。20万人もの国鉄労働者が首を切られ、総評・社会党が解体され、この20年余りの間に1千万人を超す労働者が非正規職に突き落とされたのです。「戦後政治の総決算」を掲げたこの攻撃が、その後の経済、政治、軍事、社会政策のすべてにおける重大な転換点でした。
 しかし、私たちは、今日まで攻撃の決着を許さない画期的な地平を守りぬいてきました。動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃に2波のストライキをもって立ち向かい、団結を守りぬきました。また1047名が全国の無数の労働者に支えられながら、解雇撤回の闘いを継続しています。東京高裁の3 ・25反動判決は、「民営化―一旦全員解雇・選別再雇用」という、新自由主義攻撃の最も典型的で暴力的な手法を正当化した点において、労働者への最も鋭い政治的攻撃です。攻撃の厳しさに負けて展望を見失い、解雇撤回の旗を降ろして政府に「解決」を嘆願する「4者4団体」の屈服を打破し、今こそ1047名闘争をすべての労働者の闘いの先頭に押し立てなければなりません。闘いはこの5―6月、重大な正念場を迎えています。
 一方、ソマリア沖への自衛隊派兵や「海賊対処」派兵新法案の制定、北朝鮮の人工衛星ロケット発射に対する異様なまでの脅威論の扇動や迎撃体制の発動など、戦後憲法体制をクーデター的に覆そうとする攻撃がエスカレートしています。6月に会期末を迎える今国会で、改憲に向けた憲法審査会が始動されようとしています。また、道州制攻撃や裁判員制度は、統治形態の根本的な転換を狙う改憲攻撃そのものです。帝国主義の危機が戦争への衝動を高め、それが労働運動の激しい分岐を生んでいます。日本では、オバマのチェコでの演説が「核廃絶演説」と大宣伝され、連合本部や全労連本部がオバマを「救世主」のように称賛するという転倒した現実の中で、労働運動の産業報国会的転落が進行しています。こうした現実を打破し、今こそ闘う労働運動を甦(よみがえ)らせなければなりません。
 新自由主義が破産した今、国家主義や国家権力のむきだしの発動だけが、支配を維持してゆく唯一の手段になろうとしています。とくに私たちは、94名に及ぶ逮捕者を出すに至っている法政大学での学生弾圧に注目し、この現実を全社会に知らせなければいけないと考えます。真実を求める学生を逮捕することが教育にとってかわり、大学が監獄となる現実こそ、戦争と改憲の時代を象徴しています。これは、教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争への弾圧や、国労本部の屈服に抗議した国鉄労働者への不当弾圧と軌を一にする攻撃です。
 資本主義体制は危機にあえぎ、怒りの声は満ちています。いよいよ労働者が社会を根本から変革する時です。これまでは多くの言葉の一つにすぎなかった「団結」の二文字が、労働者にとって生き抜くために絶対に必要なものとなっています。
 私たちは以上の趣旨のもとに、左記連続闘争を呼びかけることとしました。ぜひとも多くの皆様の賛同と参加をお願い致します。
 2009年5月

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週刊『前進』(2391号1面4)(2009/05/18 )

 前進速報版から

▼韓国・双龍自動車で整理解雇反対の共同闘争▼ジブチ派兵の中心部隊に派兵中止の申し入れ▼東北石けん労働組合、大行動打ち抜く

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週刊『前進』(2391号1面5)(2009/05/18 )

日程 裁判員制度5・21実施阻止へ 20日(水)銀座デモ

 裁判員制度5・21実施阻止へ/「大運動」が呼びかけ
 5月20日(水) 銀座デモ
 午後7時/日比谷公園霞門に集合

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週刊『前進』(2391号1面6)(2009/05/18 )

 日程 6・14全国労働者総決起集会 6・15反弾圧全国労学総決起集会

6・14全国労働者総決起集会
6月14日(日) 午後1時開会
東京・代々木公園B地区(けやき並木)
主催 6・14集会実行委員会

法大学生弾圧粉砕! 
6・15反弾圧全国労学総決起集会
6月15日(月)
法大包囲デモ第1弾 午前11時 東郷公園結集
法大包囲デモ第2弾 12時半  外濠公園結集
主催 6・14集会実行委員会

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週刊『前進』(2391号2面1)(2009/05/18 )

 全逓戦線に“第2の動労千葉”を

 JPEX子会社化と全面対決し「スト絶滅」のJP労組中央倒せ

 革共同全逓委員会

 世界大恐慌の止めどない深まりの中で、日帝・郵政資本は道州制攻撃と軌を一にする”第2の郵政民営化”攻撃として、小包部門の子会社化=JPEX(JPエキスプレス)への強制出向攻撃を発動し、全逓労働運動の解体に総力を傾けている。そしてJP労組中央が、このすさまじい労働強化と合理化計画を現場に強要する先兵として立ち現れている。4大産別決戦と全逓労働運動の帰趨(きすう)をかけた決戦である。米帝オバマ政権、日帝・麻生政権と真っ向から対決する6・14中央政治闘争、6・14―15連続闘争の大爆発をかちとり、郵政民営化絶対反対、民営郵政打倒、JP労組中央打倒の路線と闘いをかけて、6・17〜19JP労組大会(仙台)闘争を全国の全逓労働者の総決起で闘いとろう!

 第2次国鉄決戦を軸とした4大産別決戦が革命への道

 資本主義は終わった。労働者が権力を握る時代がやって来た。世界金融大恐慌は加速し、実体経済は大崩壊を始めている。世界のブルジョアジーは震え上がり、大量解雇と大幅賃下げ、巨額の財政出動と大増税などで、一切の犠牲を労働者階級人民に押しつけ延命しようとあがいている。
 しかし大恐慌は労働者階級の根底的な怒りの爆発に転化しつつある。全世界でスト、工場占拠、街頭デモが爆発している。世界大恐慌情勢をプロレタリア世界革命に転化する条件は急速に成熟している。
 闘う労働組合とマルクス主義をよみがえらせ、日帝の〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉攻撃との全面対決を第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦として貫く中に、日本革命=世界革命の展望がある。JPEX決戦を始めとする全逓労働者の闘いは、日帝・総資本との全面的な対決であり、4大産別決戦の重要な環である。

 革命と反革命の激突始まる

 大恐慌のもとで階級情勢は急速に煮詰まっている。日帝・麻生政権は、一方でソマリア沖派兵、北朝鮮「人工衛星ロケット」発射に対する「迎撃」体制の発動、改憲へと大きくカジを切り、他方で道州制によって公務員360万人の全員解雇―選別再雇用と労組破壊、全面的な民営化攻撃に踏み込んでいる。革命と反革命との激突は始まっており、労働組合と労働運動を階級的に復権することに日本革命の未来はかかっている。その鍵を握るのが第2次国鉄決戦と4大産別決戦だ。
 かつての侵略戦争は「学校と役場から」始まった。日帝はここを反革命的に制圧し、4大産別の労働組合を侵略戦争の先兵として現代版の産業報国会(注1)に組織しようとしている。それをテコに、労働組合を始めすべての組織と運動を一掃し、未然に革命を圧殺しようとしている。
 この攻撃をはね返し、第2次国鉄決戦を基軸とした4大産別の労働者が全存在をかけて立ち上がるかどうかが、日本革命の分岐点なのだ。
 戦後、日帝は労働者階級の闘いとプロレタリア革命の恐怖から国独資政策(注2)を採用し、「大きな政府」をつくった。しかしそれは、膨大な公共部門の労働者をブルジョア独裁の権力機構の内側に抱え込むことになった。戦後の労働運動史は、4大産別の労働者の闘いをめぐる激突を展開軸としてきたのだ。
 いま体制内労働運動幹部が決定的に変質し、裏切りと屈服を深めているが、労働者の抵抗と闘いは脈々と受け継がれている。新自由主義の全面破産が大恐慌として爆発した今、支配階級は4大産別を先頭にした階級的労働運動の復権におののいている。
 1月15日、日本経団連と連合は「労使共同宣言」を締結した。さらに3月23日には政府を加えた「政労使合意」を交わし、ストライキをやらせないことで合意した。JP労組中央はこの直後に「スト絶滅宣言」まで出している。この労使共同宣言体制を打ち破り、ストライキを復権させることが日本革命勝利の扉をこじ開けるのである。その最大の突破口が第2次国鉄決戦なのだ。
 国鉄分割・民営化は、新自由主義攻撃の出発点であり、革命と反革命との激突の始まりだった。分割・民営化攻撃との闘いは、動労千葉を先頭とする革命派と、動労カクマルを先兵とする反革命との激突をとおして展開された。国労指導部に巣くった旧社会党系のグループや日本共産党系の革同は、分割・民営化との闘いから逃げた。そして総評解散―連合結成に行き着いたのである。
 この国鉄分割・民営化と真っ向からストライキで対決したのが動労千葉だ。この闘いが「解雇撤回」を掲げて20年を超える大争議を闘いぬく国鉄1047名闘争を生み出した。
 この国鉄1047名闘争の解体か全階級への発展かの分岐点が訪れている。4者4団体が「解雇撤回」を投げ捨て、「政治解決」の名による全面屈服を組織しているが、これを許すことは、戦前の産業報国会の道なのである。
 国家的不当労働行為と闘ってきた鉄建公団訴訟で3月25日、東京高裁は、民営化に反対した労働者への「解雇の自由」を認めるという、憲法すら否定する極悪の判決を下した。これは公務員労働者360万人全員をいったん解雇する道州制攻撃の先取りだ。4者4団体派の裏切りを粉砕し、4大産別を先頭に階級的労働運動を復権させる闘いは、労働運動全体の帰趨がかかった攻防なのだ。
 これらの日帝・麻生政権とブルジョアジーの侵略戦争と階級戦争の攻撃に対し、総反撃をたたきつけなければならない。6・14中央政治闘争は、労働者階級が産別や職場の枠を越えて日帝・麻生政権との全面的な対決に踏み出す闘いである。全逓労働者はその最先頭で闘う決意だ。

 民営郵政資本を追いつめる動労千葉派の労働者の闘い

 全逓委員会は、4大産別決戦の先頭で闘い、全逓労働運動に断固として”第2の動労千葉”の旗を打ち立てるために総決起する決意である。
 07年10月に強行された郵政民営化は、新会社発足当初から破産に次ぐ破産をくり返している。2万4千人削減計画のもとで、圧倒的な要員不足による誤配・遅配は日常化し、交通事故も多発している。鳴り物入りで開始された「トヨタ方式」のJPS(同じ時間で3倍働かせるマニュアル)は、早くも現場では過去の遺物となった。御用組合幹部の裏切りにもかかわらず、現場労働者の抵抗は、郵政資本の思惑を大幅にうち砕いている。
 こうした事態を生み出している階級的闘いの核は、動労千葉派の存在と「民営化絶対反対」の闘いだ。連合・JP労組中央が完全に闘いを放棄する中、職場生産点で原則的闘いを貫く動労千葉派は、郵政職場での主流派、情勢決定要因として登場しつつある。
 動労千葉派への支持は着実に拡大している。われわれは、現場労働者に社会を変革する偉大な力があることを知っている。そして圧倒的な労働者が、自らが社会の主人公であることを急速に自覚しつつある。わが動労千葉派があらゆる職場で労働者を獲得するチャンスである。
 大恐慌のもとで、2000万青年労働者、6000万労働者の怒りは、必ずやわが動労千葉派と大合流するだろう。ここに圧倒的確信をもって闘いを推し進めよう。

 JPEX出向反対の意思を現場労働者全員の行動へ!

 全逓労働運動は決戦のただ中にある。郵政民営化が本格的段階に突入し、JPEX子会社化・強制出向の攻撃が現場労働者に襲いかかっている。全逓労働運動を壊滅させるための”第2の郵政民営化”攻撃である。
 JPEXへの出向攻撃は、今後5〜6年にわたる大合理化・大量首切り攻撃として継続される。年間労働時間は、これまでの1968時間から「最大2680時間」となる。現場の「自己責任」で事実上の無制限労働が強要される。賃金は固定給の廃止で「成果報酬型」となり、「働きの悪い社員」の賃下げが公言されている。「病気休暇」や「冬季・年始休暇」「定期昇給制度」も廃止。現場の労働者同士を競わせる「組織管理」政策、すなわちヤマト運輸に倣ったSD(サービスドライバー)方式の導入も明記された。SD職の年収も現在の賃金と比べ200〜300万円の賃下げとなる。時給制契約社員の場合は、フルタイムでも年収250万円以下だと公言されている。
 また会社が提示した業務内容表によれば、JPEXでは極端な変形労働時間制も導入される。競争に明け暮れる運輸業界で既成事実になっている問題だが、繁忙期には一日8時間を超えて労働時間が増えても、超勤手当等を出さずに実質的なサービス残業を強要するシステムだ。そして残った郵便事業の現場は、徹底的なリストラ・合理化が準備されている。
 このようにJPEX子会社化は、何から何まで労働者を奴隷のように働かせ、「いやなら辞めろ」という、労働者をなめきったデタラメきわまる攻撃なのである。
 日本郵政グループ子会社の日本郵便輸送会社(旧日逓)は、4月27日、東京・中野営業所で働く「集荷パート臨時社員」(コンビニ集荷)の14人の労働者に対し、突然「5月31日で契約満了、更新はしない」なる雇い止め=解雇を通告してきた。これとの闘いが現場で非和解的に進められている。
 JPEXへの強制出向の大部分は非正規職に集中している。すべての全逓労働者は、今こそ正規・非正規の分断を打ち破る時だ。
 問題はJP労組中央の対応だ。民営郵政が生き残るためには首切り・賃下げもOK、長時間労働は当たり前、定年まで働く従来のあり方すら自ら否定するぶざまな転落ぶりだ。そして決定的な問題は、強制出向を労組幹部自らが組合員に強制しようとしていることだ。実はJPEX子会社化・強制出向攻撃とは、このJP労組中央の積極的同意があって初めて成り立つ攻撃なのだ。JP労組中央は、今や資本の忠実な手先、戦争・改憲と民営化・労組破壊の推進者に転落した。
 現場の労働者が団結すれば、子会社化それ自体が破綻する以外にない。ここが敵の弱点だ。今こそ御用幹部を打倒し、組合の団結を現場労働者の手に取り戻すために立ち上がろう。
 われわれは労働者の階級性を日々実感している。JPEX子会社化・強制出向攻撃との闘いこそ主流派として躍り出る絶好のチャンスだ。仁王立ちして民営郵政当局と対決しよう。先進的に闘う職場では、JPEX子会社化の「意向確認」攻撃に対し、@現場の全員が「郵便事業会社を引き続き希望する」を選択しよう、A労組執行部は全員参加の職場集会を開け、B支部・分会で「JPEX子会社化反対」の意思表示をせよ、C全員一丸で行動しよう、などの行動綱領が職場全体を揺るがし始めている。すべての職場で、JPEX子会社化・強制出向攻撃への怒りを解き放ち、資本と御用組合執行部を徹底的に追いつめよう。
 JPEX子会社化の正式な承認の場になろうとしている6・17〜19JP労組大会を、全国の現場労働者の怒りで包囲し、JP労組中央打倒の闘いを大きく前進させよう。全逓戦線にマル青労同の強力な部隊を組織・拡大しよう。
 米帝オバマ政権打倒・麻生政権打倒の6・14中央政治闘争、6・14―15連続闘争に産別の枠を越えて全労働者は総決起しよう!
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 これがJPEXの実態


6、業界初の「多様な働き方」モデル企業へ
 JPEXで働くモチベーションやインセンティブを高めるためにも、業界初の「多様な働き方」モデル企業となることを勧めたい。
 学校を卒業してから定年まで、ずっと決められた勤務時間を働く生き方ではなく……ある時期は短時間で、そしてある時期は目一杯長時間働く。

7、SD制、「小集団活動組織」の導入
 ヤマト運輸はSD(セールスドライバー)方式による5〜8名の小集団活動組織を導入しており、グループ間の競争と組織管理を行っている。
 この小集団組織活動によって、経営への参加意識が高まる、グループ間の競争意識が出る、グループは「独立採算」で責任を明確にする……。(JP労組第3回中央委員会「追加議案」の付属資料より)

●解説 驚くべきことに、これは会社の資料ではなく組合執行部が出した資料である。
 「6」は、労働者階級がかちとってきた「8時間労働制」を解体し、変形労働時間制を導入しようとしている。資本の都合で労働者の首を切ったり極限的な長時間労働を強制するということだ。これは職場全体の非正規職化攻撃として進む。
 「7」は、SD方式なる「独立採算」「自己責任」の小集団組織によって労働者を分断し互いに監視させ、果てしない競争に追いやろうとしている。ヤマト運輸や佐川急便との競争に勝つために、ヤマトや佐川の労働者以上の労働地獄にたたき込むということだ。

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週刊『前進』(2391号2面2)(2009/05/18 )

 大阪府警 関西9カ所を不当捜索

 1人逮捕 診察中の診療所に乱入

 5月12日、織田全学連委員長への不当弾圧と完全に一体に、大阪府警公安3課はA同志を「免状不実記載・同行使」容疑で逮捕した。そして、100人以上の警察権力で前進社京都支局と八尾北医療センター、北部ユニオン、京大熊野寮など合計9カ所に不当な家宅捜索を強行した。
 今回の家宅捜索は絶対に許せない。とりわけ八尾北医療センターに対する家宅捜索は大阪府警公安3課・橋本正の指揮のもと、診察中の診療所に機動隊を導入し、当該の立ち会いを一切認めず勝手に警察が用意した「立会人」(八尾市職員だ!)を引き込んで強行するという前代未聞の弾圧だ。八尾北労組、西郡支部、守る会、患者一丸となった抗議闘争で2時間にわたって大阪府警を立ち往生させた。
 橋本は、押収品目録も一切交付せず、デッチあげ「立会人」と二人で脱兎(だっと)のごとく逃げ出した。これに対しても最後まで雨あられと抗議闘争がたたきつけられ、必死で機動隊バスで逃げ帰ったのだ。現在も八尾北医療センターでは何が押収されたかすら、まったく明らかにされていない。
 警察権力は、塩川一派をたたき出したわが革命派が関西地方委員会として全国の党の最先頭で階級的労働運動路線=〈戦争・改憲と民営化・労組破壊■との闘いをぐいぐい実践的に切り開いていることに恐怖し、憎悪を募らせ、今回の大弾圧に踏み込んできた。
 この恐怖と憎悪は、何よりも6000万労働者の「生きさせろ」の怒りと結合し解き放つ2・26森本政二さんへの住宅明け渡し強制執行実力阻止の闘いに向けられている。八尾北以外の7カ所の家宅捜索で、西郡や住宅闘争に狙いを定めて『前進』やビラ、部落解放闘争に関する資料、医療福祉労働運動の資料などを押収した。
 ふざけるんじゃない! 2・26とは、資本・国家権力の部落差別による階級分断攻撃を実力でぶち破り、八尾北労組のストライキを土台に労働者としてひとつに団結し、「道州制絶対反対!」「住宅追い出し許すな!」を掲げ逮捕覚悟で闘った実力闘争だ。この団結が全国の部落のきょうだいを奮い立たせた。ある県営住宅では滞日労働者が期限付き入居を強制され派遣切りで住宅からも追い出される攻撃に、国籍を越えて労働者が団結して闘いを始めている。2・26の団結が広がることを権力は恐れているのだ。闇雲な弾圧の中に、敵の危機が透けて見えるではないか。
 大阪府警は直ちにA同志を釈放せよ! 大阪地裁はこんなメチャクチャな家宅捜索令状を直ちに取り消せ! 大阪府警公安3課・橋本正よ! 押収したすべてと、勝手に撮ったビラなどの写真のネガを直ちに返せ! 八尾市は「立会人」の氏名を明らかにせよ!
 われわれの回答は、5・23狭山闘争への総決起と6・14―15闘争の大爆発で11月1万人大結集を開始することだ。
(写真 乱入した機動隊を徹底弾劾【5月12日 八尾北医療センター】)
 (革共同関西地方委員会)

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週刊『前進』(2391号2面3)(2009/05/18 )

 裁判員制度 実施阻止へ380人がデモ

 最高裁・日弁連など串刺しに

 裁判員制度実施予定まで1週間に迫った5月14日、「裁判員制度はいらない!大運動」の呼びかけた裁判員制度実施阻止の霞が関デモが、弁護士を先頭に意気高く打ちぬかれた。この間学習会や小集会を積み上げてきた多くの市民団体、動労千葉や争団連、昼休みストで決起したス労自主などの労働者、法大文化連盟・全学連の学生ら380人が大結集した。
 出発は最高裁判所の目の前の社会文化会館。制度推進の権力実体である最高裁−東京地裁−日弁連−法務省を直撃する官庁街を突っ切るデモだ。
 マスコミ各社が多数かけつける中、武内更一弁護士は「憲法違反のデパートである裁判員制度を無理やり実施しようと最後まであがいている最高裁、日弁連、法務省。彼らを串刺しで弾劾するデモだ。人民の怒りを突きつけよう!」と訴えた。「大運動」の呼びかけ人である高山俊吉弁護士は「竹崎最高裁長官は裁判員制度の運用準備が整ったと言う。だが8割の市民が拒否している。裁判員制度やめろという最後の審判が国民によって示された。最高裁の中からここはよく見えよく聞こえる。この声をぶつけよう」と呼びかけた。
 デモは最高裁を弾劾し出発。街頭は昼休みの労働者であふれている。「裁判員制度絶対反対」「裁判員制度は現代の赤紙だ」「しゃべったら懲役? ふざけるな」などのシュプレヒコールが響き渡り、のぼりや労組旗、横断幕、プラカードがひしめくデモに沿道の注目が圧倒的に集まる。ビラは次々と受け取られ同僚の間で会話が始まる。デモの先頭に立つマスコットの「裁判員いらなインコ」にも関心が寄せられ、沿道から合流する若者も。街頭の日常がデモによって打ち破られ解放されていく。
 いよいよ弁護士会館前だ。「国民の司法参加」などと権力の手先となって制度推進に奔走しているのが日弁連執行部・日本共産党系の一部弁護士である。「日弁連は権力と手を結ぶな!」。徹底弾劾の声をあびせた。
 解散地の日比谷公園では、直近の法務省、東京地検・高検の前に詰め寄り、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 武内弁護士は今回のデモについて「ついにここまで来た。大成功だ」と勝利を確信。高山弁護士は「今日のデモを一番気にしているのは最高裁長官と検事総長そして日弁連会長だ。彼らは本当に震え上がっている。何を言ってもみんなが付いてこない。これほどお上と私たちの間に亀裂をつくったことはない。私たちは今、最高の所に到達した。この力で5月21日を完全にぶっとばそう!」と力強く締めくくった。
 実施阻止へ5・20−21闘争へ決起しよう!
(写真 「裁判員制度はいらない!」の声が霞が関を席巻【5月14日】)
●高山弁護士のコメント
 今日のデモは沿道のみなさんと心がつながった。デモに対して「何をやっているのかな」ではなく「そうだよな」という共感が伝わってきた。国家あげての大キャンペーンでも、8割の人々が反対し国に刃向かっている。この運動は、根本のところでこの国、社会のあり方を問う革命的な闘いだ。

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週刊『前進』(2391号3面1)(2009/05/18 )

 5・9東京首都圏で道州制決戦の火柱立つ

 反対集会 380人で大成功

 3・6大阪府庁前行動に続き

 5月9日、東京・文京区民センターで「道州制・民営化絶対反対! 5・9全都労働者総決起集会」(主催5・9集会実行委員会)が開かれた。380人の労働者・学生が結集し、「3・6道州制反対! 橋下府知事打倒! 大阪府庁前行動」に続き、首都・東京で道州制・民営化阻止決戦の火柱を上げた。現場労働者が集会を牽引(けんいん)し、多くの青年労働者の参加を得て、大成功した。国鉄を始め4大産別の労働運動を推進し、戦争・改憲、民営化・労組破壊、道州制攻撃と闘い、日本革命を実現する、革共同の新たな戦略方針の物質化の第一歩となった。

 鮮明な路線を提起した基調報告

 初めに「世界は革命情勢2009」のビデオが上映され、世界の労働者の闘いの革命的高揚を確認した。その後、東交(東京交通労働組合)の青年労働者と世田谷区職労の労働者の司会で集会が始められた。
 冒頭、中野区職労の北島一恵さんが基調報告を行った。実行委員会で討論を重ねて練り上げられたものだ。「大恐慌が戦争を加速している。これを打ち砕くのが労働者の闘いだ」と、資本主義が終わり革命の時代が来たという時代認識を明らかにした。次に「労働組合をよみがえらせ、道州制・民営化絶対反対で闘おう」と闘いの路線を提起。労働組合運動を現場労働者の手に取り戻し、団結をよみがえらせるなかに勝利の展望があることを示した。
 さらにその闘いがすでに全国の職場で猛然と開始されていることを具体的に紹介した上で、「体制内指導部をぶっ飛ばし、国鉄を先頭とする4大産別決戦で勝利しよう」と述べ、4大産別の労働組合をめぐる体制内勢力との攻防の重要性、国鉄分割・民営化との闘いの基軸性、動労千葉の闘いの歴史的意義を強調、連合・全労連中央打倒、4者4団体路線粉砕を宣言した。結論として「職場から闘いを巻き起こし、第2、第3の動労千葉をつくり出し、東京の労働運動を塗り替えよう」と呼びかけた。
(写真上 中野区職労の北島一恵さんが「労働組合をよみがえらせ道州制絶対反対で闘おう」と基調報告)
 
最後に「鉄建公団訴訟3・25東京高裁反動判決に屈服した4者4団体の政治解決路線で国鉄1047名闘争が重大局面を迎えている」と警鐘を乱打、動労千葉が呼びかける6・14―15連続闘争への総決起を訴えた。
 鮮明な路線提起に勝利の展望を確信した参加者は万雷の拍手で応えた。
 次に、森川文人弁護士が改憲・裁判員制度粉砕のアピールとして「世界は革命情勢。国民を国家の手先とする裁判員制度に8割の国民が反対している。いい裁判員になろうというのは誤り。制度は廃止あるのみ」と述べた。
 法大生の洞口朋子さんは監獄大学と化した新自由主義大学=法大に「積年の怒りが爆発し、4・24法大解放闘争は1500人の集会を実現して大爆発した」と生き生きと報告、当日逮捕された6学生の奪還を訴えた。
(写真中 道州制・民営化絶対反対・全都労働者総決起集会のハイライト。自治体、教労の労働者が闘う決意を表明した【5月9日 文京区民センター】)

 動労千葉が特別報告で展望示す

 動労千葉の清水匠執行委員が特別報告に立った。「中曽根首相(当時)は、国鉄分割・民営化で国労・総評―労働組合運動を解体し、改憲・戦争に突き進むことを狙っていた。しかし動労千葉はこれをストライキで打ち破り、現在、平成採のJR労働者を獲得して前進している」と動労千葉の闘いの勝利性、普遍性を明らかにすることで、道州制・民営化粉砕決戦の勝利の展望を示した。また第2次国鉄決戦―1047名解雇撤回闘争を原則を貫いて闘うと宣言、6・14―15連続闘争への結集、夏季物販闘争への総決起を訴えた。
 各方面から闘いの報告と決意を受けた。北島邦彦・杉並区議は、山田宏区長が北朝鮮拉致被害者家族支援のブルーリボン着用を職員に強制していることを弾劾する緊急闘争を行ったと報告、橋下徹・大阪府知事とともに道州制導入の先兵となり杉並丸ごと民営化を強行する山田区長と労働者の立場から対決すると宣言した。
 国鉄1047名闘争の解雇撤回闘争を貫いている国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、国労小倉闘争団で国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告の羽廣憲さん、5・27裁判被告の原田隆司さんが登壇して決意表明(写真左)。小玉さんが、「道州制、やれるものならやってみろ。公務員360万人が団結したら革命だ」と力強く発言。羽廣さん、原田さんも4者4団体派と対決し、1047名闘争と5・27裁判闘争に勝利する固い決意を述べた。
 全逓の青年労働者が非正規14人雇い止め攻撃との闘いを報告。福祉労働者連帯ユニオンの青年労働者が医療・福祉を突破口とする道州制との闘い、4大産別決戦の意義を訴えた。
 消防車を製造する日本機械工業労組の代表は、36年ぶりの半日ストライキを貫徹したことを報告し、4大産別とともに闘う決意を述べた。東京西部ユニオンの代表は、合同労組も道州制・民営化と闘うと決意を明らかにした。

 自治体と教労の青年先頭に登壇

 道州制・民営化攻撃の最大のターゲットとなる教育労働者と自治体労働者が青年労働者を先頭にずらりと登壇し、次々と発言した。(要旨別掲)
 まとめと戦闘宣言を江戸川区職労の佐藤賢一さんが行った。「大恐慌の時代、日本経団連も麻生政権もボロボロだ。労働者が立ち上がるチャンスが来た。労働者が主体の社会をつくろう。道州制による戦争・改憲・民営化・労組解体を叫ぶ麻生政権を打倒し、侵略戦争を阻む勢力として決定的な団結と決起をかちとった」と集会を総括、5〜6月の行動方針を提起した。立川市職労の労働者の音頭による団結ガンバローで締めくくった。
 5・9集会の成功は、世界大恐慌下で連合・全労連中央、4者4団体派など体制内労働運動指導部が資本と国家に屈服し道州制・民営化推進の先兵に転落するなかで、階級的労働運動を実践する動労千葉派こそ、唯一の道州制・民営化反対勢力、革命勢力であることを示した。
 集会はまた、裁判員制度実施阻止へ5・14、20デモを闘い、1047名解雇撤回! 改憲阻止! 麻生政権打倒! 法大学生弾圧粉砕! 6・14―15連続闘争の爆発をかちとる橋頭保となった。
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 自治体と教育労働者の発言

●東京教組の労働者
 今年度から教員免許更新制が本格実施になりました。30時間の受講で最低3万円を自己負担させられ、さらに修了手続きに3300円が要る。本当にひどい制度です。
 先ほど法大生が発言しましたが、平成生まれの人たちが今大学生となり頑張って闘っていることに、すごく元気をもらいました。
 なぜ教育労働者だけに免許更新制が導入され、こんな目にあわなければならないのか。私たちも免許更新制廃止へ声を上げていくが、皆さんにもより一層声を上げていただきたいと思います。
●区職の青年労働者
 職場で「道州制反対」のビラを受け取り、自分たち自身がこうした攻撃の危険にさらされていることを実感した。
 職場の組合は、年に2、3度しか活動しない。役員選挙で職場を回ってきても、内容がない。自分たちがもっと平成生まれ、同年代の人とつながり、考えていかないと、道州制の波にのまれ、自分たちの立場が危うくなる。
 社会の不安も渦巻いている。この流れを止め、新しい、もっとよい社会をつくりたい。団結してがんばりましょう。
●東交の青年労働者
 自分の仕事は事故と隣り合わせ。事故が起きないようにと、助役を追及している。組合幹部は言い訳ばかり。火消しに躍起となっている。そんなことで安全が守れるのか。事故が起きれば最初に死ぬのは運転士。尼崎事故はひとごとではない。怒りが爆発する。労働条件が悪くなれば事故の確率が上がる。安全は当局の弱点。当局を追いつめていきたい。
 道州制について初めは何のことか分からなかったが、われわれが最初に標的になると分かってきた。360万公務員労働者が団結すれば阻止できると確信をもってがんばっていきたい。
●都校職組の労働者
 「ハローワークの求人欄におまえの学校が載っている」と知人に言われた。非常勤職員に置き換える道州制攻撃が始まっている。
 「日の丸・君が代」不起立闘争に敵対する日教組ダラ幹打倒の闘いを東京から起こす。職場組合員を信頼して闘う。
●東京清掃の労働者
 自治体労働者を戦争動員に駆り立てる側に立つことを求める攻撃が激化している。自治労本部の路線は間違っている。われわれの闘いを職場全体のものにしていこう。

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週刊『前進』(2391号3面2)(2009/05/18 )

 5・28〜29自治労中央委決戦(奈良)へ

 道州制・民営化攻撃と闘い本部打倒-自治労の再生を

 3・6道州制反対・橋下打倒・大阪府庁前行動と5・9道州制・民営化絶対反対・全都労働者総決起集会の大成功をもって、道州制決戦は第2次国鉄決戦とともに完全に4大産別決戦の中心課題にすわった。とりわけ体制内勢力との激闘を経てかちとられた3・6大阪府庁前行動は、道州制粉砕―プロレタリア革命へ向けた4大産別決戦の前進・飛躍への最初の扉を決定的にこじ開けた。道州制決戦は全党・全労働者階級の課題である。全国の闘う自治体労働者は、体制内勢力と激突し、職場から道州制粉砕、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃との闘いを組織し、4大産別決戦の勝利で日本革命を切り開く戦略方針を物質化しよう。

 3・6大阪-5・9東京で道州制決戦は始まった

 闘う自治体労働者の当面する闘いは、5月28〜29日に奈良市で行われる第136回自治労中央委員会に国鉄1047名解雇撤回、改憲阻止、道州制・民営化絶対反対の路線を持ち込み、自治労本部打倒の闘いに決起することである。その上で〈国鉄1047名解雇撤回! 改憲阻止! 麻生政権打倒! 6・14全国労働者総決起集会、6・14―15連続闘争〉の大結集へ攻め上ろう。
 自治労本部は今、「攻めの民営化対応」と称して道州制・民営化を推進し、現場の労働者の闘いを当局と一体となってつぶしにかかっている。豊中市職執行部は豊中市立病院の民営化に賛成し、偽「女性部ニュース」を発行してまでも3・6道州制反対・橋下打倒・府庁前行動をつぶそうとして失敗した。しかしなおも豊中市職女性部つぶしに全力を挙げている。このような反革命的策動を絶対に許さない。
 また自治労本部は、大不況を理由にした夏季一時金1割削減の人事院・人事委臨時勧告を闘わずして従おうとしている。全国一斉ストライキで闘うべきときだ。
 自治労の3単産組織統合が破産的危機に陥っている。自治労本部は全水道との協議が不調に終わり、3単産組織統合=2010年新組織移行プランの挫折を余儀なくされた。そもそも組合員の大多数が3単産組織統合に反対なのだ。
 世界大恐慌下、連合―自治労は日帝国家と資本の救済のために政労使合意や労使共同宣言を結び、戦争・改憲を認め、民営化、賃下げ・リストラ・労働強化を組合員に押し付けてきている。組合員を犠牲に、自らは組織統合で大単産を維持し労組官僚として生き延びる――このような腐敗したあり方は許されない。
 さらに、自治労中央委員会で本部は今夏衆院解散・総選挙で民主党を支持し政権交代へ組合員を動員しようとしている。だれが第2自民党の民主党を支持するか。すでに小沢一郎の代表辞任で民主党の破産と自治労本部の破産は明らかだ。
 政労使合意、労使共同宣言で戦争翼賛、産業報国会への道を歩む自治労本部、労働組合を命脈の尽きた帝国主義のもう一方の支柱にしようとする腐敗労組官僚を打倒しよう。戦争・改憲、民営化・労組破壊と対決し、日本革命を切り開く戦略方針を持つわれわれ動労千葉派が組合権力を握り、自治労を闘う労働組合につくりかえよう。

 世界大恐慌とは、戦争か革命かが問われる時代

 資本主義の命脈はもはや完全に尽きた。資本主義の時代はもう終わりなのだ。ビッグスリーの破綻、トヨタの大赤字など世界大恐慌は金融から実体経済へいよいよ深化・本格化している。保護主義の強まりと資源争奪戦、侵略戦争の拡大・激化――。世界大恐慌は、1930年代がそうであったように、世界戦争か世界革命かが問われる時代の到来を意味する。
 世界大恐慌の中で帝国主義の最弱の環・日帝は、改憲・戦争と民営化・労組破壊の攻撃を強めている。麻生政権は、衆院選後の見通しもまったく持てず、さらなる政治再編と混乱の渦に突入しようとしている。このなかで激化する帝国主義間争闘戦を生き抜こうとあがいている。
 自衛隊のソマリア沖派兵の強行、「ミサイル迎撃」臨戦態勢への突入と自治体を自衛隊指揮下に置いての国民総動員、憲法審査会始動の動き、集団的自衛権への踏み切り、新型インフルエンザ対処をめぐる情報操作と「危機管理体制」=戦争動員体制づくりなどが進められている。また、田母神俊雄前空幕長論文・発言、「敵基地」先制攻撃論、核武装論、国連脱退論、集団的自衛権行使論、改憲論、「つくる会教科書」検定合格と採択の動きなど、旧安倍政権以来の極右的・ファシスト的戦争勢力が排外主義扇動を強めている。
 これら改憲・戦争、民営化・労組破壊の最大の柱、最大の国内階級戦争としてしかけられているのが道州制攻撃である。

 国鉄-4大産別決戦を基軸に

 新自由主義の全面的破産の上に強行されるこの道州制攻撃こそ、戦争国家化・改憲攻撃であり、国と自治体の全面的な民営化攻撃、極限的な市場原理主義、究極の新自由主義攻撃であり、社会を破壊し尽くす大攻撃だ。
 これといかに闘うか?
 第一は、第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦を闘うことである。国鉄決戦は、労働運動を始めすべての闘いの展望と成否を左右する戦略的・基軸的な闘いだ。
 国鉄分割・民営化以降、日帝・支配階級、歴代の政権は、国鉄闘争を始めとする4大産別の闘いの解体、4大産別の労働運動の圧殺と変質に全体重をかけてきた。なぜか? それは、国鉄労働運動の息の根を止め、4大産別労働運動を解体し尽くさない限り(それは絶対に不可能な話だが)、日帝が日本労働運動を平定・制圧することが絶対にできないからだ。国鉄闘争と4大産別の労働運動こそ、資本攻勢のエスカレーション、合理化、民営化、搾取強化、そして戦争国家化、戦争動員体制構築にとって絶対的・決定的な制約となるからだ。
 かつて日帝がアジア侵略戦争を遂行しえた国内支配体制の最大の要は、天皇制国家の内務省―警察であり、天皇制教育・学校と地域支配だ。「学校と役場から戦争が始まった」と言われるゆえんである。ところが敗戦帝国主義・日帝は、戦後民主主義体制への再編を余儀なくされ、かつてのような階級支配の足場を完全に喪失した。労働組合運動が革命的に再生・発展し、官公労・公労協が組織され、労働運動の中心部隊となっていく。この〈国家機構内部の労働組合〉の存在こそが日帝の戦争国家化と改憲(=9条改憲)を決定的に阻んできたのだ。
 日帝・中曽根が〈戦後政治の総決算〉を掲げ、国鉄分割・民営化攻撃とそれを突破口とした総評解体攻撃を〈行革攻撃〉の基軸に据え、戦争国家化と新憲法制定をめざした意味もここにある。
 そして今日、総評を解体して20年を経たにもかかわらず、時の政府・支配階級はいまだに「自治労・日教組の解体」を絶叫している。たとえどれほど自治労・日教組中央が腐り果てていようとも、自治労・日教組の労働組合としての階級性(労働者の本質的階級性)が現場に脈打っている限り、日帝は、資本は、どのような反動攻撃をしかけても絶対にある一線を越えられないのである。
 大恐慌下、衆院選をはさんで日本の支配体制が大きく揺らぐ09年、第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦こそがすべてをこじ開ける鍵を握っているのである。

 体制内勢力を打倒し現場労働者の怒り解き放とう

 第二は、国鉄決戦および道州制・民営化粉砕決戦の位置を明確にして闘うことである。
 国鉄闘争・国鉄決戦とは何か。この闘いは、日帝・資本の体制的体重をかけた戦後史上最大の労働運動解体攻撃との闘いであり、現在もなお闘い続けられている。敵は全体重をかけたにもかかわらず、国鉄闘争を解体することができなかった。
 動労千葉の85〜86年のストライキ、90年1〜3月のストライキを始めとする20年余りの渾身(こんしん)の闘いによって、国鉄闘争は国鉄1047名闘争として日本階級闘争の最大の結集軸にすわり、発展し、労働者の階級性を発揮し集約する主導力・求心力を保持してきた。このことが日帝の多くの攻撃にとってどれほど制約となり、多くの攻撃の矛先をくじいてきたのか、想起すべきである。
 ところが今日、国労本部を頂点とする4者4団体は、政治解決=全面屈服路線をもって国鉄1047名闘争を終結させようと画策している。しかし、この策動を打ち破って国鉄1047名闘争が完全によみがえり、再び日本労働運動の首座となった時、それは今日のやりたい放題の資本攻勢、首切り・リストラに対する労働者の闘いと完全に合流するものとなる。
 道州制決戦はこの国鉄決戦と一体の闘いである。現に、鉄建公団訴訟3・25高裁判決は「不当労働行為があったとしても解雇は有効」とすることで道州制による公務員360万人解雇を合法化する根拠を与えた。

 労働運動解体を狙う道州制

 道州制攻撃の核心は、労働運動の完全な解体、反革命クーデターである。〈国のかたち〉を決定的に転換し、国の役割を戦争と外交、治安に特化・集中させる一方で、医療・福祉・社会保障、教育などにおける行政の役割をゼロベース化し、完全に切り捨て、社会の隅々まで資本の利潤追求の場、弱肉強食の競争の場、市場原理の貫徹の場につくり変える。資本による専制と無法、社会の破壊を極限まで進める。
 そして、公務員労働者360万人をいったん全員解雇し、選別再雇用する。国鉄分割・民営化で使われた「血の入れ替え」だ。すべての労働条件・労働慣行の白紙化、雇用形態・賃金制度の解体と転換を強行し、労働運動を根絶しようとしている。国鉄分割・民営化攻撃でもできなかった労働運動総体の解体、自治労・日教組の解体を狙っている。
 しかし、致命的な弱点がある。第一にこの攻撃は、労働者の反乱・反撃が起きないことを前提にしている。公務員360万人いったん全員解雇をやれるものならやってみろ! 公務員労働者の雇用・賃金・労働条件をクーデター的に破壊する攻撃が広範な反撃・反乱なしにできるわけなど絶対にない。
 第二にこの攻撃は、日帝に完全屈服した連合―自治労・日教組、全労連―自治労連・全教などの体制内執行部、体制内勢力の全面協力なしには成り立たない。
 橋下徹・大阪府知事の攻撃を見よ! 自治労大阪府本部と単組指導部の橋下への完全な屈服と「絶対に橋下に反撃しない、逆らわない」という執行部の方針、それによる職場への締めつけによって橋下の攻撃は支えられている。これを打ち破り、労働者が職場から本気で立ち上がったとき、体制内勢力もろとも橋下は打倒されるのだ。
 最も許し難いのが自治労本部の「攻めの民営化対応」=「公立病院民営化に係わる取組み指針」だ。「絶対反対を掲げるな」「民営化と闘うな」「組合の側から民営化形態を逆提案せよ」――この主張は、国鉄分割・民営化当時の動労カクマルを想起させる。労組の側から敵の攻撃に同調し、協力し、推進する恐るべき方針・思想だ。労働者の闘いを絶対に信じず、労働者の闘いを敵視しつぶすことで当局に取り入り、延命を図る、という背信と反革命の思想・方針だ。
 こうした方針を掲げる体制内勢力・体制内執行部を打ち破り、現場労働者の怒りを解き放つことが4大産別の闘いの最大の鍵だ。闘う労働組合を取り戻し、職場の労働者の団結した力で資本・当局に立ち向かおう。
 闘いは3・6と5・9で開始された。国鉄闘争を先頭とする4大産別決戦の力で道州制粉砕―〈戦争・改憲、民営化・労組破壊〉攻撃粉砕の壮大な闘いに突入し、日本革命をたぐり寄せよう。裁判員制度5・21実施阻止闘争、5・23狭山集会に決起し、6・14―15連続闘争へ攻め上ろう。
 〔革共同自治体労働者委員会〕

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週刊『前進』(2391号4面1)(2009/05/18 )

 6・14-15連続大闘争に立とう

 織田陽介全学連委員長が訴える

 労働者と学生の団結の力でオバマと麻生を打倒しよう

 法大闘争に絶対勝利しよう。麻生・オバマ打倒へ、動労千葉が呼びかける6・14−15連続闘争に総結集しよう。その勝利のために、5月10日に横浜市で行われた「第20回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会」(記事6面)での織田陽介全学連委員長のアピールを紹介します。(編集局)

 ■4・24の感動的闘い

 4・24闘争を闘い抜いた学生の決意を述べていきたい。06年3月14日、立て看板撤去に抗議して29人の学生が逮捕されてから3年間、法政大学でついに決定的な闘いを切り開くことができました! 今までのたくさんの支援や連帯行動に、本当に感謝します。
 3年間で逮捕者が94人、起訴が20人以上です。退学処分や停学処分になっている学生もいます。立て看板も出せなくなり、学内で集会すらできなくなりました。しかし、この「監獄大学」の中から、ついに1500人の学生が立ち上がって、抗議の意志を示した! これが4月24日の闘いです。
 この集会を最先頭で闘った6人の学生が「公安条例違反」などで逮捕され、今も勾留されています。起訴攻撃を絶対に粉砕しなければいけないと思っています。
 当日、僕たちは処分された学生を先頭に、外濠校舎にガードマンをぶっ飛ばして突入しました。1階を解放区にし、職員が阻止線を張る中、断固集会を打ち抜きました。学生が授業をどんどん抜け出して集まってくる状況が生まれました。職員も手を出せなくなって、吹き抜けの2階、3階、4階と学生が集まってきて大集会になる、そのまま昼休みに入ったら、とてつもないものになるところでした。
 そこに現れたのが警察です。「公安条例違反で逮捕する」と言って介入してきました。その時、文化連盟の恩田君が、「悔しいけれども、正門前で集会をやるからみんな来てくれ」と一生懸命訴えて正門に移ったんです。
 訴えに応えて、職員の阻止線を突破して多くの学生が合流してくる事態が生まれました。最後は正門で警察300人と激突になって、それを見ていた学生が「やっぱりこの大学はおかしい」「こんなことは絶対おかしい」と、どんどん合流してきました。
 本当に感動的な事態でした。不当処分撤回の意志表示が1500人によって行われたのです。これが「公安条例違反」なんでしょうか。これが違法行為なんでしょうか!
 この集会に対して最後に大学当局は、「手を振ったりすると、彼らに写真を撮られて利用されるから、手を振るな」と言った。「こんな大学おかしい」と意志表示している学生に対して、「お前は利用されている」と。“ふざけるのもいい加減にしろ!”ということです。
 警察の取り調べではこんなことも言われている。9カ月の停学処分を受けて闘っている全学連副委員長の倉岡雅美さんに対して、公安刑事は「売春婦!」「うそつき! 痴漢事件をデッチあげる女どもと同じだ」「学生をたぶらかしている」と暴言を吐いている。法大闘争の正義性に愚弄(ぐろう)の限りを尽くしている。こんな弾圧が許されていいのか! 1500人の意志表示がつぶされていいのか! 私たちはさらに闘いを爆発させ、情勢を切り開かなければいけない。

 ■新自由主義粉砕を

 4・24法大集会は、学生が団結して闘うことの素晴らしさ、威力を完全に示しました。職員とガードマンが暴力的に学内を支配して私物化されている大学。この中で金もうけの限りが尽くされ、いったい何人の学生が大学を追い出されたのか。何人の学生が借金漬けにされ社会に放り出されたのか。
 法大は「大学を卒業しないと就職できない」と学生を脅して徹底的に金もうけしてきた。その金を株などに653億円も注ぎ込んでいる。どんどん学費を上げてきた。大恐慌になってどうなったか。学費も払えなくなり、多くの学生が大学に来れなくなっています。入学志願者が1万人も減りました。当局は、「営業権」を主張し、僕らのビラまきに対して「回復しがたい甚大な損失を被る恐れがある」と言っている。
 こうした大学の現状をひっくり返すために、学生が団結して大学を占拠した時にどうなるのか、4・24闘争はその展望を示しました。学生が団結することの威力を、みんながこの日、実感した、確信したと思います。
 今、新自由主義攻撃が吹き荒れています。道州制・民営化攻撃です。アメリカでは教育の民営化の結果、どういうことが起きているか。成人の37%が計算機を使っても10%引きの計算ができないと言われています。教育を奪われた労働者階級の現実です。支配階級の主張は結局こうです。「どうせこいつらは半年後に首を切られるんだから、教育なんかいらないだろう」「どうせこいつらは戦場で死ぬのだから、教育なんかいらないだろう」と。
 彼ら帝国主義の支配者どもは、明日の社会をまともに運営する気はさらさらありません。だから俺たち労働者階級が、“資本主義は終わった。この社会の権力を俺たちに寄こせ”と言って立ち上がることが一切の結論じゃないでしょうか。新自由主義は破産しました。絶対に私たちは、帝国主義をぶち壊し勝利することができます。

 ■4大産別決戦へ

 4・24闘争を闘った総括として、私たちは、4大産別決戦に突入することを宣言します。
 法大闘争にものすごい共感が集まっています。タクシー労働者が集会中にカンパをくれた。弁護士が一生懸命、救援活動をやってくれています。この共感はいったい何だろうか。
 今、教育が奪われることが、全労働者家族の切実な問題になっています。だから学生が教育を奪う民営化攻撃と対決して立ち上がった時に、労働者家族、全人民が一斉に立ち上がると僕は確信しています。
 道州制攻撃によって民営化されようとしている自治体、医療・福祉、交通、郵便の労働者が立ち上がった時に、全人民的蜂起は必ずや実現される。
 教育だ、医療だ、福祉だ、すべての矛盾が労働者家族に押しつけられています。だけど一方で労働者は、この世界のすべてを生み出している存在なわけです。この分断された労働者家族が今、階級的に団結することこそが私たちの展望じゃないでしょうか。
 労働者には、医療も福祉も教育も住宅も、すべてを保障する力があるのだということをはっきりさせて、「プロレタリア独裁権力を樹立しよう」と訴えたい。
 労働者が占拠した街や、労働者が占拠した社会がどれだけ自由か、想像しただけでわくわくします。マルクスは言いました。「自由というのは、人に対して干渉しないってことじゃない。団結することに自由があるんだ」と。
 全人民が蜂起する、その突破口が4大産別決戦です。歴史的に振り返ると、敵は4大産別の労働者を屈服させて、逆に支配の道具、戦争動員の道具に使ってきたわけです。大恐慌と戦争の時代の中で、この4大産別をめぐる決戦があらためて決定的になった。
 だから「4大産別決戦で革命をやろう」と訴えたい。これは私たちの本気の革命宣言です!
 国鉄分割・民営化以来22年間、国鉄労働者は不屈に闘って新自由主義攻撃を破産させてきました。全労働者階級と全人民の利害をかけて、1047名解雇撤回闘争の勝利のために闘ってきてくれました。だから私たちはこの道州制粉砕決戦で、本当にこの闘いに合流し、1047名解雇撤回闘争を勝利させようではありませんか。

 ■大党派闘争を貫き

 当面する最大の決戦が6・14−15連続闘争です。この闘いは、第2次国鉄決戦を先頭とする4大産別決戦を戦場として、日本共産党スターリン主義、「4者4団体」派との労働組合をめぐる党派闘争をやり抜き、労働者階級の団結でオバマと麻生をうち倒す闘いです。
 世界大恐慌情勢は、資本主義の崩壊を促進させ、支配階級の内部から、激しい戦争衝動を噴出させています。オバマのプラハ演説は「敵を抑止するため、効果的な核戦力を維持する」「規則を破ったり、理由なく核不拡散条約から脱退しようとする国に、すぐに実のある措置をとる必要がある」と、これまで以上に核独占と核戦争への突入を全世界に宣言するものです。
 そして、この大恐慌と保護主義の強まり、戦争情勢の劇的進展で、最も危機に陥っているのが日帝・麻生政権です。麻生政権は焦りに駆られて、北朝鮮に対するミサイル迎撃の臨戦態勢を突破口に、改憲と侵略戦争の攻撃を加速させています。
 しかし、この情勢は、労働組合運動をよみがえらせる決定的チャンスでもあります。ひとつは、日帝の戦争・改憲攻撃は、階級戦争と一体であり、大恐慌のもとで、これまで以上に解雇、賃下げの嵐を激化させ、労働者階級の怒りを圧殺するために、労働組合を解体する攻撃を激化させるものとなっているということです。この中心に国鉄1047名解雇撤回闘争があります。そもそも国鉄分割・民営化は、「戦後政治の総決算」として、戦争・改憲に向けた攻撃であり、4大産別の労働組合を解体する攻撃でした。この攻撃にいまだ決着がついていないことが麻生政権の戦争・改憲攻撃を核心的なところで破綻させているのです。
 もうひとつは、日本共産党スターリン主義の大裏切りです。日本共産党は帝国主義の崩壊とプロレタリア革命の現実性に恐怖し、3・25反動判決を賛美し、裁判員制度を推進し、オバマ演説を「核廃絶演説」と賞賛して労働組合の闘いを圧殺しようとしています。資本主義を擁護し、戦争を推し進めているのは日本共産党だ。このことをはっきりさせて大党派闘争にうって出よう!
 この闘いは、これまで抑えつけられてきた青年労働者、学生の怒りを爆発させる起爆剤となります。革命に向けたエネルギーを解き放ち、日本階級闘争の荒々しい復権をかちとる闘いが、6・14−15連続闘争です。全力で取り組もう。
 徹底した党派闘争で、4大産別の職場に動労千葉派を組織し、組織し、組織しよう!

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週刊『前進』(2391号4面2)(2009/05/18 )

 “今すぐ全員奪還するぞ”

 法大闘争 織田君逮捕に新たな怒り

 5月12日、法大文化連盟と全学連の呼びかけで「総長室・麹町署包囲デモ」がかちとられた。4・24法大解放集会を1500人の力で闘いとったことに対し、法大当局と結託した警察は、公安条例違反と公務執行妨害をデッチあげて恩田亮君、倉岡雅美さんら6人の仲間を逮捕した。
 「全員を今すぐ奪還するぞ」の意気込みに燃えて、この日も法大生、首都圏の学生、そして全国から駆けつけた学生が法大市ケ谷キャンパス正門前に集合した。
 昼休み、文化連盟委員長の斎藤郁真君の司会で集会が始まった。まずヘルメット姿の法大1年生が「倉岡さんの笑顔が見たい、恩田さんのアジが聞きたいという人は、デモに参加しよう!」と力一杯呼びかけた。さらに洞口朋子さんがマイクを握り、「法大職員の妨害の壁をぶち破って、4・24で1500人が集会に合流したことに私は心底感動した。起訴攻撃を粉砕し、6人全員を取り戻そう!」と渾身(こんしん)の訴えを行った。
 法大生と集会とを分断しようと、木原学生センター長を始め法大職員が20人以上も正門近くにせり出し、棒立ちしている。だが法大生たちはベンチで、ピロティ下で、食堂前で、あるいは校舎の中や屋上で集会に注目し聞いている。その手応えをひしひしと感じながら集会が続いた。首都圏の各大学や東北大、広島大の学生の怒りのアピールが、キャンパスのすみずみまで届いた。
 斎藤君がまとめの発言を行った。「ビラ1枚自由にまけないのは大学じゃない。このことに怒って集会をやった恩田さん、倉岡さんが逮捕された。彼らの行動を支持するし、彼らが友だちだから助ける。恩田さんを間違っているかのように言う法大の秩序に対し、勝負をしかける。何度でも! 6人を奪還するデモに出よう」
 午後1時半にデモ出発。「法大は学生弾圧をやめろ!」「教育で金もうけするな!」というコールが市ケ谷周辺にとどろいた。
 途中の総長室前での攻防をへて、並進規制の警察官らがたびたび全学連委員長・織田陽介君を取り囲み罵声(ばせい)を浴びせ、からだをぶつけて行進を妨害する行為を繰り返した。抗議する織田君に対し、一人の警官の体当たりを合図に一斉に襲いかかり、暴力的に逮捕したのだ。
 デモ隊の学生の怒りが大爆発した。両手両足を締め上げて織田君を引きずる警官たちに、全員が猛然と反撃・阻止の闘いに実力決起し、文字どおりの肉弾戦となった。この気迫と唯物論的打撃に警官たちは打ちのめされながら、ただただ織田君の身柄を奪うことだけに躍起になり、車に押し込み連れ去った。
 デモ隊は抗議の叫びを一層高く響かせ進んだ。織田君が連行された麹町警察署を、怒りのシュプレヒコールが直撃した。ここに恩田君たちも留置されている。絶対に取り戻すぞ!
 さらに、あのゴロツキまがいのジャージ部隊を法大に送り込んだ警備会社「ジャパンプロテクション」に抗議をたたきつけ、四ツ谷までのデモをやりぬいた。
(写真 昼休み集会をかちとり麹町署を直撃するデモへ。このあと権力は織田君を不当逮捕した【5月12日 東京・千代田区】)

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週刊『前進』(2391号4面3)(2009/05/18 )

 “西郡住宅裁判 裁かれるのは八尾市”

 禁圧をうち破り意見陳述

 5月8日、西郡住宅明け渡し裁判は、2・26闘争の地平で岡邨洋さんの意見陳述をもぎ取り、冒頭から勝利感にあふれる階級裁判を実現した。
 「森本さんの怒りは、世界大恐慌で職を奪われ住居までも奪われている全国の労働者の怒りだ。私たち供託者だけでなく、八尾北医療センター労組はストライキで立ち上がり、患者さんも『命と健康を守る会』として一緒に立ち上がった。全国から労働者が集まり、住宅追い出し強制執行を実力阻止で闘い抜いた。10年以上の応能応益絶対反対の住宅闘争が森本さんの決起を生み、ひとつの労働者として団結し、差別分断をぶち破った」。岡邨さんの力のこもった声が、法廷を圧倒し、八尾市を徹底的に弾劾し追いつめた。
 前回公判は、森本さんに対する強制執行直後だった。しかもそれは大阪地裁執行官によって強行されたものだ。一体誰が怒りを抑えられるだろうか。だが山下郁夫裁判長は「森本さんへの強制執行と本件裁判は関連性がない」と被告団の意見陳述要求を禁圧した。被告と傍聴団は一体になって弁護団とともに実力で意見陳述をやりぬいた。
 森本さんへの追い出しは、新自由主義=道州制による公営住宅民営化攻撃の現れそのものだ。応能応益は収入超過者には最高家賃のさらに2倍の家賃をふっかける。子どもが引き続き住むことを認めない。期限付き入居。要は住民追い出しだ。労働者の居住権、生存権を踏みつぶす、被告3人と全国6000万労働者への攻撃だ。
 岡邨さんの意見陳述は、応能応益家賃制度がすでに破産しており、もはや廃止以外にないことを暴き出した。とりわけ、2・26闘争が引きずり出した3月八尾市議会での吉村議員「見返り」発言を徹底的に弾劾した。応能応益制度が議会で審議された97年6月当時、吉村は解放同盟本部派の支部長だった。その吉村が、「応能応益については、地元議員として受けたが、それの見返りをくれと言ってきた」と決定的な言辞を吐いたのだ。2・26闘争が、「住民の同意」などまったくなしに応能応益が導入されたこと、八尾市と地区協結託のムラ支配が崩壊を開始したことを白日のもとにさらした。「八尾市こそ裁かれるべきだ」と岡邨さんは怒りを込めて弾劾した。
 法廷では被告側の第6準備書面が提出され、八尾市の「家賃問題は最高裁判決ですでに確定した」論を粉砕しきった。
 この日は全国連杉並支部、品川支部、強制執行と闘った森本さんの連れ合いも参加した。総括集会で関西労組交流センター事務局長・ス労自主の上村敏行さんが、西郡支部と八尾北労組とともに関西労組交流センターが5・23狭山集会の主催団体に加わると報告した。狭山と住宅闘争は部落解放闘争の両輪だ。労働者の階級的団結で石川一雄さん不当逮捕46カ年弾劾!狭山勝利を闘おう。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
(写真 4月29日の西郡村内練り歩き。奪われた自宅前で不屈の戦闘宣言を発する森本さんの連れ合い【中央】)

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週刊『前進』(2391号4面4)(2009/05/18 )

日誌'09 2009年 5月5日〜12日

 アフガン空爆で死者120人以上/民主・小沢が代表を辞任

●米で普天間同型ヘリが墜落 米カリフォルニア州サンディエゴの米海兵隊ミラマー基地によると、同基地所属のAH1W(スーパーコブラ)攻撃ヘリコプター1機が夜間訓練中に基地周辺の国立公園内に墜落、乗組員2人が死亡した。米軍普天間飛行場にも同型ヘリが配備されている。同ヘリは、米国内で、02年に国立公園に1機、03年には、メキシコとの国境付近で2機が墜落事故を起こしている。(5日)
●米空爆で120人以上死亡 アフガニスタン西部のファラ州で米軍機がタリバンへ空爆し、村は完全に破壊され、巻き添えで住民が多数死亡した。現地の報道では120人以上が死亡したと語っており、過去最悪の犠牲となる可能性が高い。(5日)
●オスプレイ、12年秋から普天間配備
 米海兵隊の09年会計年度航空機配備計画で、次期主力輸送機の垂直離着陸機MV22オスプレイを米軍普天間飛行場に12年10月から配備する予定であることが分かった。米海兵隊岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機の後継として、次世代のF35B統合打撃戦闘機16機を16年10月以降配備させることも盛り込んだ。(8日)
●柏崎刈羽原発が試運転 07年7月の新潟県中越沖地震で停止していた東京電力柏崎刈羽原子力発電所の7号機が試運転を始め、1年10カ月ぶりに運転を再開した。地震で被災し長期間停止した原発が再稼働するのは初めて。(9日)
●アフガン空爆を継続 ジョーンズ米大統領補佐官は米ABCテレビのインタビューで、住民犠牲者の増加で問題になっているアフガニスタンでの空爆について「空爆を行わないと言うのは、軽率なことだ。司令官らが手を縛られて作戦を行うようなものだ」と述べ、継続する方針を示した。(10日)
●民主・小沢が代表辞任 民主党の小沢代表が記者会見し、代表辞任の意向を表明した。公設第1秘書が西松建設からの違法献金問題で起訴されて以来、辞任論が続いていた。(11日)
●アフガン司令官を更迭 ゲーツ米国防長官は、アフガニスタン駐留米軍のマキャナン司令官(陸軍大将)を、特殊作戦に精通し06年6月のアルカイダ幹部殺害作戦で功績があったとされるマクリスタル中将と交代させると発表した。マキャナン司令官は事実上の更迭とみられる。(11日)
●日ロ、原子力協定に署名 麻生首相は、来日したロシアのプーチン首相と会談した。日ロ原子力協定などへの署名に立ち会った。(12日)
●クラスター爆弾禁止条約の批准案が衆院通過 クラスター爆弾の保有や使用を禁じる「クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)」の批准案が衆院本会議で全会一致で可決された。(12日)
●F22、嘉手納基地に一時配備 米空軍嘉手納基地報道部は、今月から約4カ月間、米バージニア州ラングレー空軍基地所属のF22最新鋭戦闘機12機を同基地に一時配備すると発表した。同基地への配備は3度目で、4月に約3カ月の一時配備を終えて帰還したばかり。(12日)

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週刊『前進』(2391号4面5)(2009/05/18 )

 日程 5・23狭山総決起集会(各地)

 石川さん不当逮捕46カ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利!
 5・23狭山総決起集会

〈東京〉
5月23日(土)午後6時開場 6時30分開会
南部労政会館(JR大崎駅前ゲートシティ大崎ウエストタワー)
主催 部落解放東日本共闘会議

(大崎駅南改札口を出て連絡デッキ途中にあるエレベーターで1階に降りウエストタワー1階の入り口から会場へ)

〈大阪〉
5月23日(土)午後6時開場 7時集会開始
桂人権コミュニティセンター
主催 全国連西郡支部
   八尾北医療センター労組
   関西労組交流センター

〈広島〉
5月23日(土)午後1時30分
広島市西区地域福祉センター(4階会議室、広島市福島町)
集会後福島町内デモ
主催 部落解放広島共闘会議

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週刊『前進』(2391号5面1)(2009/05/18 )

 国家的不当労働行為を居直り

 4大産別の労組解体狙う3・25判決

 6・14-15連続闘争に決起し 国鉄決戦勝利の展望開け

 国鉄1047名闘争は、解雇撤回の原則を貫きその革命的発展の道を切り開くのか、4者4団体路線のもとに屈辱的敗北を強いられるのかをめぐって、かつてない決戦局面に突入した。動労千葉は「1047名解雇撤回、改憲阻止、法大学生弾圧粉砕、麻生政権打倒」のスローガンを掲げ、6・14−15連続闘争を呼びかけている。これは、国鉄闘争に勝利し、革命をたぐり寄せる決定的闘いだ。他方、4者4団体は、3・25鉄建公団訴訟控訴審判決に屈服し、「自民党にも対応窓口ができた。6月までに解決する」と唱えて、一層の政治解決路線にのめり込み、1047名闘争の終結を策している。これと対決し、動労千葉を先頭に、〈国鉄決戦を基軸とした4大産別決戦>を打ち抜くことこそ勝利の道だ。3・25反動判決と4者4団体路線を粉砕し、国鉄闘争の歴史的勝利に向けて突進する時が到来した。
(写真 4・25尼崎闘争で事故現場をデモ)

 1047名闘争の勝利かけ大党派闘争に勝ちぬこう!

 6・14闘争は国鉄1047名闘争の帰趨(きすう)をかけた大党派闘争となった。4者4団体などは、6月14日に「憲法9条改定を許さない」という名目で、対抗的な集会を開こうとしている。そこにはJR総連カクマルを始め、あらゆる反動勢力が密集する。革共同から脱落・逃亡した塩川一派、旧与田派も、そこへの潜り込みを策している。国労5・27臨大闘争弾圧被告団によって解任された旧弁護団も、3・25判決を賛美し4者4団体を擁護する立場から、分裂「許さない会」を公然と立ち上げた。この5・27闘争への破壊策動を徹底的に粉砕しなければならない。
 今や4者4団体派の本質は明白だ。彼らは、動労千葉と動労千葉派を敵権力に差し出すことと引き換えに、涙金を恵んでもらって1047闘争を終わらせようとしているのだ。
 これら密集した反動と激突して6・14−15闘争は闘いぬかれる。労働者階級が勝利する道は、〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>の攻撃と全面対決し、国鉄を基軸とする4大産別決戦にうなりを上げて突入することだ。その最初の大決戦が6・14−15闘争だ。
 革共同は、本紙春季特別号の坂本論文で、革命の主体は労働者階級であり、革命の成否は4大産別の労働組合をめぐる攻防にかかっていることを徹底的に鮮明化させた。4大産別の労働組合は、敵階級の側から見れば獅子身中の虫だ。国家機構の内側に労働者の団結体を抱えたままでは、戦争も遂行できなければ、大恐慌下での支配を貫くこともできない。それは同時に、4大産別の労働組合を革命派が握ることなしに、革命をリアルに構想することはできないということでもある。われわれは、革命を現実にたぐり寄せる主体的な戦略路線を、ついにこの手につかんだのである。
 支配階級は、労働組合を徹底的に体制内化し、翼賛勢力に変質させ、4大産別労組を壊滅に追い込むことに常に全力を挙げてきた。連合中央との「労使共同宣言」体制を構築した麻生政権は、連合元会長の鷲尾悦也に旭日大綬章を与えた。その連合は、「核廃絶」の名でその実、北朝鮮への排外主義を叫び立て、そのための署名運動に傘下組合員を動員している。ついに労働組合のナショナルセンターが公然と侵略翼賛に転じた重大な事態だ。米帝による核独占を宣言したオバマのプラハ演説を賛美する日本共産党・志位も、その最悪の先兵になっている。
 大恐慌の中で、帝国主義はかつてなく戦争衝動を高めている。大恐慌下の首切り・賃下げ攻撃との攻防も、戦争・改憲との攻防も、その最大の戦場は労働組合だ。とりわけ4大産別の労働組合を革命派が握るのか、体制内派に明け渡すのかが歴史を決する。1047名闘争も、その中に位置づけられてこそ、勝利の道は明らかになる。
 国鉄分割・民営化は、労組絶滅を根幹とする新自由主義の攻撃の突破口だった。敵階級は国鉄分割・民営化を強行するや直ちに4大産別労組をたたきつぶす攻撃に着手し、改憲へと突き進むプランを描いていた。その敵階級の戦略を、根本において打ち砕いてきたのが、動労千葉の闘いであり、1047名解雇撤回闘争の存在だ。
 だからこそ敵は、1047名闘争の絶滅へと全力を挙げている。そのために振り下ろされたのが、鉄建公団訴訟の3・25判決だ。4者4団体派は、この敵の攻撃に呼応して、1047名闘争を内部から崩壊に導こうとしている。
 6・14−15連続闘争は、帝国主義の最後の支柱と化した4者4団体派との激突だ。ここに〈国鉄闘争を基軸とした4大産別決戦>の成否はかかっている。

 国鉄改革法を絶対化し解雇にお墨付き与えた3・25判決

 鉄建公団訴訟の3・25判決は、1047名闘争の解体を目的とする超反動判決だ。
 3・25判決は、国鉄改革法を絶対化し、1047名の解雇を全面的に居直った。判決は「一審原告らは、種々の事情を挙げて、国鉄改革関連法は憲法28条等に違反するなどと主張するが、最高裁判所による累次の裁判の結果等に照らし、採用できない」「JRに応募しても同社に採用されなかった職員については、国鉄が事業団に移行した後は、再就職必要職員に指定されるものとされており、そのこと自体は憲法違反でも無効でもない」と言い放っている。
 そこには、国家が法律に基づいて強行した労働組合つぶしの攻撃は、不当労働行為でも何でもないという支配階級の意思が強固に貫かれている。
 今日、麻生政権と資本家どもは、道州制導入による360万公務員労働者のいったん全員解雇・選別再雇用を狙っている。3・25判決は、まさにこの攻撃と一体のものだ。法律さえ作っておけば、どんな不当労働行為もやりたい放題、憲法など関係ないと司法権力が言い放ったのだ。これをテコとして、資本は全労働者を対象としたこれまで以上の首切り攻撃に乗り出そうとしている。
 さらに3・25判決は、「国鉄による不当労働行為がなかったと仮定しても、一審原告らが希望する地元JRに採用されたはずであるとの証明がされていない」と言う。これは、政府が定めたJRの定員枠を不動のものとし、首を切られた当事者に向かって、他人を押しのけて自分が定員枠に確実に入れたことを証明してみろという、とんでもない言いがかりだ。
 こうして司法権力は、国鉄改革法を盾にして、「不当労働行為による解雇は無効」という労働法の基本原則を解体した。

 JR総連要求の採用基準を是認

 さらに許しがたいのは、3・25判決が、JR総連カクマルのごり押しにより設定された「採用基準」を是認していることだ。分割・民営化を前にして国鉄当局は、大量の労働者を希望退職という名の実質解雇に追い込んでいった。そのため、本州JRでは採用希望者が定員枠を下回るという事態が発生した。
 これに対してJR総連カクマルは、あくまで国労や動労千葉の組合員はJRから排除しろと叫び立てた。
 そのため国鉄は、「1983年4月以降、6カ月以上の停職処分または2回以上の停職処分を受けた者は採用候補者名簿に登載しない」という採用基準を急きょ極秘裏に設定した。「83年4月以降」とは、動労カクマルが分割・民営化賛成に転じた後ということだ。 この採用基準こそ、資本とカクマルが結託することで形成されたJR体制の根幹にあるものだ。
 3・25判決は、「停職6カ月以上の処分又は2回以上の停職処分を受けた者を採用候補者名簿に記載しないことは……適法なものというべきである」と断定している。
 その意図ははっきりしている。動労千葉争議団は全員が、分割・民営化反対のストライキを闘ったことを理由に停職処分を受け、JRから排除された。この動労千葉争議団を絶対にたたきつぶすという意思が、この判決には込められている。その意図を貫くために3・25判決は、分割・民営化に対して職場で抵抗し、停職処分を受けた国労闘争団員を救済の対象から除外したのだ。
 そもそも国鉄分割・民営化は、「職場規律是正」の大合唱から始まった。それは、労働組合による職場支配を根絶し、資本による専制的な労働者支配を確立することが目的だった。それに対して職場で抵抗した労働者をあくまで排除し続けるという支配階級の意思は、今日まで何ひとつ変わってはいない。

 “解雇撤回闘争終わらせよ”と迫る

 一審の05年9・15判決は、採用基準によって不採用とされた5人の原告を慰謝料支払いの対象から排除したが、3・25判決はさらに1人をこれに加えた。それにとどまらず、3・25判決は「第二希望のJRに採用されながらこれを辞退した者」4人についても慰謝料請求を認めず、「国鉄清算事業団在職中に追加的広域採用に応募しながら、これを辞退した者」6人については慰謝料を半減した。ここには、1047名を徹底的に分断するという凶悪な意図が貫かれている。
 3・25判決は、採用候補者名簿の作成にあたり不当労働行為が行われたことを、形の上では認めている。だがそれは、結局は“550万円の慰謝料で一切の闘いを終わらせろ”と原告に迫るための理屈として持ち出されているのだ。司法権力の本音は、慰謝料請求を認められなかった原告に対して、「中労委が命じたような採用候補者の再選考がされたとしても採用されなかった可能性が非常に高い」と言い放っていることにも表れている。つまり、“不当労働行為があろうがなかろうが、お前たちが首を切られたことに変わりはない”と3・25判決は宣告したのだ。

 JR青年労働者の獲得こそ国鉄決戦勝利の関門を開く

 3・25判決は、国鉄改革法を神聖不可侵なものとして絶対化した。これに対し、4者4団体幹部は、「裁判では国鉄改革法23条の壁を破れないから政治解決しかない」と言う。裁判だけに依拠して国鉄改革法を打破できないのはそのとおりだ。だが、だからといって「政治解決だ」とは絶対にならない。
 国鉄改革法護持は、国家権力の絶対的意思だ。道州制導入で360万人もの公務員労働者の首を切ろうとしている麻生政権が、国鉄改革法の枠組みを自ら壊すはずがない。4者4団体が依存する民主党は、自民党以上に公務員労働者への凶悪な牙をむき出しにしている。その自民党や民主党に対して、慰謝料のわずかばかりの増額を哀願しているのが4者4団体の政治解決路線だ。それは1047名の被解雇者の誇りをどこまでも踏みにじるものでしかない。
 1047名闘争勝利の展望は、破綻したJR体制と徹底的に対決し、解雇撤回を実力でもぎり取ることにある。
 尼崎事故を始めとした重大事故多発や信濃川発電所問題は、国鉄分割・民営化から22年を経て、JR体制が崩壊の瀬戸際に立っていることを突き出している。動労千葉を先頭に闘いぬかれた4・25尼崎現地闘争は、JR内部からJR体制を食い破る荒々しい労働者の決起がついに始まったことを満天下に示した。それは、1047名の解雇撤回を実現する唯一の闘い方を照らし出している。有罪−解雇を狙う権力・JR資本の攻撃と立ち向かう5・27弾圧被告団の闘いは、その不可欠の一翼を担っている。ついに第2次国鉄決戦がJR本体からの決起として始まったのだ。
 JR体制の破産は、何よりも資本=カクマル結託体制の崩壊に現れている。資本=カクマル結託体制こそ、日本の青年労働者を最も過酷に抑圧している元凶だ。日々、資本の抑圧にさらされ、ひとたび事故が起きれば全責任を押しつけられ、揚げ句にJR総連カクマルの浦和電車区事件運動に引き回される平成採の怒りは深い。動労千葉への青年労働者の結集は、動労千葉と動労千葉派の闘いこそ青年の希求しているものであることを示している。「鉄道を止めるストライキを!」の思いは、間違いなく青年労働者の心中にある。
 第2次国鉄決戦は、JRの青年労働者を動労千葉労働運動の隊列に結集してこそ勝利する。その関門を突破できるか否かは、6・14−15連続闘争にかかっている。4者4団体派との大党派闘争に勝ちぬき、国鉄決戦勝利をかけて6・14−15闘争へ突き進もう。

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週刊『前進』(2391号5面2)(2009/05/18 )

 市東さん耕作権裁判 土地特定の誤り暴く

 NAAの主張崩す証拠提出

 5月11日、市東孝雄さんの耕作権裁判第11回弁論が千葉地裁で開かれ、三里塚反対同盟を始め80人の労働者・農民・学生が傍聴席を埋めて、市東さん、弁護団とともに闘った。
 成田空港会社(NAA)は市東さんが祖父の代から耕してきた耕作地の一部を「不法耕作」と決めつけ提訴に及んだ。盗人猛々しいとはこのことだ! だがその中身は、市東家が一度も耕したことのない土地「南台41―9」を“契約地だ”と言い張る、実にずさんでデタラメなもの。この一点で、提訴は根本的に成り立たない。
 この日、反対同盟顧問弁護団は満を持して、石橋政次反対同盟元副委員長の妹である関根とめさん、石橋の息子の妻である石橋恵美子さんそれぞれへの2007年の聞き取り報告書とその録音の反訳(テープおこし)、さらに反対同盟法対部による市東東市さん(孝雄さんの父・故人)への1988年の聞き取り調査を証拠として提出した。
 いずれも市東家の耕作状況を明らかにし、戦前戦後一貫して「41―9」の土地を市東家が耕したことはなく、石橋家が植木を植えていた場所だったことを確定する決定的な証拠だ。NAAの主張は「不法耕作地」も「契約地の解約」もことごとくデタラメであることがはっきりした。市東さんが今現に耕している土地すべてに、耕作権が存在しているのだ。
 さらに、1966年に成田空港の事業認定申請が出された時の航空写真の提出を求めていたにもかかわらず、NAAが「68年より前のものは存在しない」と居直ったことなどについて、怒りの求釈明が行われた。
 NAAが自分たちの主張の根拠にしているのは、旧地主の手による「同意書」「確認書」などのインチキなものだけで、NAAの代理人はまともに答えることもできず、「次回までに……」とうなだれるばかりだ。
 裁判終了後の記者会見と報告集会は、市東さんの力強いあいさつから始まった。「向こうは何も釈明できていません。これで裁判を維持できるのか。弁護士の先生方と皆さんの傍聴の力でこれからも闘います」。勝利への意気込みがあふれる決意表明に割れんばかりの拍手が起きた。
 記者の熱心な質問に、葉山岳夫弁護士らが要点を詳しく解説した。
 北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「今日のようなデタラメの積み重ねが成田空港建設の歴史だった。徹底的に追及しよう」と呼びかけた。
 市東さんの農地取り上げに反対する会の井村弘子さん、動労千葉の滝口誠さん、関実の松原康彦さん、群馬の青柳晃玄さん、全学連の内田晶理君が連帯の発言を行った。
 最後に萩原進事務局次長が発言に立ち、「新型インフルを口実に航空機の乗客が近くのホテルに隔離されている。これも有事・戦争態勢づくりの一環であり、断固粉砕しよう。7月に現地闘争を闘い、誘導路供用開始の攻撃を迎え撃とう」と力強く提起した。
 次回の耕作権裁判は7月27日。全力で駆けつけよう。
(写真 裁判終了後、記者会見と報告集会に臨む市東さんと葉山弁護士【5月11日 千葉市】)

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週刊『前進』(2391号5面3)(2009/05/18 )

焦点 憲法審査会始動に反撃を

 与党が「審査会規程」提案

 自民・公明両党は、4月23日の衆院議院運営委員会で憲法審査会の「審査会規程」案を提出し、趣旨説明を行った。この間、停滞を余儀なくされていた日帝の改憲攻撃が、いよいよ動き出した。
 憲法審査会は、07年5月に極右・改憲の安倍政権が強行した国民投票法の成立により、衆参両院に形式的には設置されたが、その後、参院選での自民党の大敗や安倍政権の崩壊で、機能停止状態を続けてきた。委員数や具体的な議事手続きなどを定める審査会規程も作られないまま今日まで来た。
 この根底には、労働者階級が依然として階級的力を保持し、改憲攻撃の前に立ちはだかっている現実がある。特に、動労千葉の国鉄分割・民営化阻止の2波のストと90年3月スト、この闘いが切り開いた1047名闘争の不屈の継続、100万人を超える国鉄闘争支援陣形の存在、そして4大産別が解体されずに組合的団結を保ち続けているという階級的力関係が改憲攻撃を破綻させてきた。
 しかし今や、世界大恐慌が本格的段階に突入し、帝国主義各国は一斉に保護主義に走り、世界経済の分裂化・ブロック化と争闘戦の激化から侵略戦争・世界戦争の爆発が不可避な情勢に入った。
 だからここに来て日帝・麻生政権は凶暴化し、戦争と改憲へのなりふり構わぬ策動を開始した。それがソマリア沖派兵の強行、事実上の派兵恒久法としての「海賊対処法」制定策動、今回の憲法審査会の始動、さらには裁判員制度や道州制・民営化の大攻撃だ。
 審査会の規程案は、@委員数50人、A国会開会中・閉会中を問わず活動できる、B表決は出席委員の過半数、などとなっている。またこの規程案が提出されたのと同じ4月23日には、衆院本会議で「海賊対処法案」が自公の賛成で可決され参院に送られた。同時に進行しているこの二つの攻撃が日帝・麻生政権の危機と凶暴性を如実に示している。
 この「海賊対処法」こそは、事実上の海外派兵恒久法なのだ。この法案が成立すると、武器使用は「正当防衛」以外でも可能となり、「海賊対処」を口実に活動海域の制限もなく世界中どこにでも自衛隊が出兵し、米軍など他国軍隊との集団的自衛権の行使、むき出しの侵略的戦闘行動が可能となる。従来の戦後憲法的な枠組みは大きく踏み破られるのだ。
 戦争と改憲をめぐる最大の攻防点は、労組破壊攻撃との闘いにある。なぜなら帝国主義は、労働組合を絶滅せずに戦争を遂行することはできないからだ。帝国主義の戦争と改憲の攻撃に対して、改憲阻止闘争、反戦闘争を真っ向から闘うと同時に、国鉄を先頭とする4大産別を軸に民営化・労組破壊と徹底的に闘い、労働組合をプロレタリア革命の最大の武器として打ち固めることが決定的だ。
 「戦争・改憲と民営化・労組破壊」の攻撃を一体的にとらえ、それと徹底対決し、第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦を主戦場に、今こそ〈攻めの改憲阻止決戦>に総決起する時である。
 国民投票法の規定では、来年5月以降は改憲案の審査・提出が可能になる。6・14−15連続闘争を大爆発させ、改憲阻止決戦の歴史的な火柱を上げよう!

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週刊『前進』(2391号5面4)(2009/05/18 )

焦点 国策捜査は危機と破綻へ

 辞任に追い込まれた小沢

 麻生政権の支持率が10%台に落ち、自民党内で「麻生降ろし」が激化、日帝にとって危機的な情勢の中で、去る3月3日、民主党代表・小沢一郎の公設秘書が「政治資金規正法違反」の形式犯で逮捕された。それ以降、マスコミを中心に「小沢辞任」の大キャンペーンが展開され、民主党自身も「選挙で勝てない」とグラグラになった。そして5月11日、ついに小沢は代表辞任に追い込まれた。
 この小沢問題の核心は、解散・総選挙情勢下で民主党優位が鮮明となり、「小沢政権」誕生が現実化した中で、政権交代阻止のために麻生と検察権力が強行した事実上の指揮権発動=「国策捜査」ということだった。その背後には麻生と官房副長官・漆間、検事総長・樋渡の連携があった。その一端は、前警察庁長官・漆間の「捜査は自民党には及ばない」という重大発言で自己暴露された。しかし、この漆間のふざけきった発言も、マスコミなどで深く追及されることなく、「小沢辞任」への大合唱でかき消された。
 確かに、自民党・旧竹下派の中心にいた小沢が、西松建設を始めゼネコンから巨額の献金を受けてきたことは事実だ。小沢と民主党は、体制内のブルジョア政治家であり、ブルジョア政党そのものでもある。しかし「金権腐敗」という点では、国会議員の政治資金収入ランキングでも企業献金額でも、政権政党の自民党が野党の民主党や小沢を圧倒している(政党レベルの政治献金額は、自民党の224億円に対し民主党は40億円)。西松建設からの献金も、大半は公共事業発注の職務権限を持つ自民党に流れている。
 しかし民主党・小沢がターゲットにされたのは、絶体絶命の危機にあった麻生、裁判員制度「見直し」などを公言する小沢に恐怖する法務省・検察庁を始め、日帝権力中枢がこぞって「民主党小沢政権」絶対阻止に動いたからだ。また、「第7艦隊」発言や米国債の買い取り拒否を示唆する小沢の対米対抗的なスタンスに対する、米帝の懸念と一定の政治意思も小沢攻撃を後押しした。
 そして何よりも、この小沢への強権発動の核心的狙いは、「民主党支持一本化」へと動く連合にくさびを打ち込み、連合のもとにいる労働者階級の、日帝権力と資本への怒りの決起をたたきつぶすことにこそある。まだ議会主義的な幻想のもとではあれ、世界大恐慌情勢下で、労働者階級が自民党政権打倒の「政治選択」を行うことを許さないという攻撃なのだ。
 小沢辞任で、麻生と検察の狙いは貫かれたかにみえる。しかしこの間、麻生の支持率上昇などにほくそえんでいた自民党や権力中枢は、小沢辞任の衝撃後の政治情勢が、再び麻生政権と自民党への「逆風」となる可能性にも恐怖し始めている。事態は断じて麻生や権力の思惑どおりにはいかない。
 今や大恐慌の進展の中で世界的に問題となっていることは、資本主義の終わりであり、革命の現実性ということだ。日帝・麻生政権を打倒し、4大産別決戦の勝利でプロレタリア革命をたぐり寄せることこそ、労働者階級の現実的課題である。麻生とオバマの打倒を真っ向から掲げ、6・14―15の中央政治闘争に総決起しよう。

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週刊『前進』(2391号6面1)(2009/05/18 )

 民族・国籍・国境を越えて階級的団結

 第20回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会

 在日・滞日外国人と共に620人

 入管法改悪阻止6・3デモへ

(写真 「在留カード」導入阻止へ街頭デモに出よう! 5月10日 横浜市教育会館)

 5月10日、横浜市教育会館ホールで第20回「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会」が開かれ、多くの在日・滞日外国人を含む620人が参加した。最寄りのJR桜木町駅で街宣中の神奈川労組交流センターからビラを受け取り、会場に直行した人も。演壇に掲げられた「打ち破ろう分断!/全世界の労働者は団結しよう」は世界共通のスローガンだ。全国実が呼びかける入管法改悪阻止・「在留カード」導入粉砕の6・3デモに立とう!(本紙/室田順子)

 「世界は革命情勢だ」

 開会に先立ってビデオ「世界は革命情勢」が上映された。警察部隊と激突したソウルの5・1メーデーも映し出され、会場は拍手に包まれた。
 司会の2人が開会を宣言した。「腐り切った資本主義、帝国主義を打倒し、民族・国境を越えて労働者の団結で革命をやる時が来ました!」と全学連の内田晶理君。三浦半島教組の教育労働者も「学生の闘いは本当にすばらしい。私たち労働者も負けてはいられない」と決意を語る。
 西村綾子さん(婦人民主クラブ全国協代表、相模原市議)が開会あいさつに立ち、「実践をもって分断を打ち破り、実践をもって団結を固めよう」と呼びかけた。
 5・21裁判員制度阻止へ連日奮闘中の武内更一弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長)が「裁判員制度は人民の力で止めることができます」ときっぱり。沖縄民権の会の座覇光子さんは「民権をもって国権を撃つ。沖縄から軍事基地をなくすために道州制反対を叫びたい」と思いを語った。さらに獄中の星野文昭さんの「入管闘争が階級的労働運動の推進によるプロレタリア世界革命−11月集会・国際連帯の闘いを牽引するものになることを確信しています」というメッセージを、4月に星野さんに面会した鎌田雅志元全学連委員長が代読した。
 圧巻は基調報告だった。冒頭、「世界は革命情勢です! この集会の名において『打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう』と全世界に呼びかけましょう」と宣言し、戦争・改憲と民営化・労組破壊に対し絶対反対で闘う私たちの団結と闘いを恐れているのは支配階級の側だと指摘。「全国・全世界の労働者に『希望はここにある』『私たちとともにあることが希望であり、未来なのだ』と自信をもって大きな声で語りかけ、組織し、行動しよう!」と呼びかけ、「6月3日、入管法改悪−『在留カード』導入阻止へ、街頭行動に打って出よう」と方針を提起した。
 結びに、「母から教えられたこと」を紹介。「赤ちゃんはなぜ両手を握りしめているのか。左手には生きるための糧、コメを、右手には人として生きていくための魂を握りしめている。魂を捨てたやつらは手を開いて金をかき集めようとする。私たち労働者は誇りをもって働いている。突然首と言われたら、なぜだと怒る。その怒りが労働者の魂です。魂をぎゅーっと握りしめて団結ガンバロー!」
 韓国から参加の民主労総ソウル本部のチェジョンジン本部長も「世界経済危機に立ち向かい、労働者国際連帯で資本主義をのりこえ、代案社会を建設しよう」と力強く呼びかけた。(別掲)
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が、「20回目にして、この現実に対するわれわれの回答は、社会主義の実現だと確信をもって言えるところまで来た」と語り、6・14−15連続闘争への総結集を訴えた。(別掲)
 集会のもう一つの山場は滞日労働者の登場だった。まず、牛久入管収容所問題を考える会とともにビルマ人、クルド人など難民認定を求めて闘っている滞日外国人労働者が演壇を埋めた。
(写真 新自由主義攻撃の結果、昨年の難民申請者は1599人に達した。だが認定されたのはわずか57人にすぎない!)

 滞日外国人が大結集

 牛久の会の田中喜美子さんは、昨年過去最大の1599人もが難民申請をしたこと、にもかかわらず難民認定は異議申し立てが認められた人を含めてもわずか57人であることを弾劾し、資本主義の新自由主義政策が大量の難民を生み出していることを指摘した。さらに今次入管法改悪が非正規滞在者や難民申請者たちの排除を目的にしていることを暴露した。
 東京なんぶユニオンの金子浩委員長が労働争議中の外国人組合員とともに登壇、17年も働いてきたのに給料は「社長のポケットマネー」から出されており、雇用契約すら存在しなかったことなどを声を大にして報告した。当該も「最後まで闘う」と宣言した。
 静岡・浜松からは、解雇された日系ブラジル人の現状を静岡労組交流センターの労働者が報告。厚生労働省は「帰国支援事業」と称して一人当たり30万円を支給するが、その条件として「日系人としての再入国を認めない」という。さらに緊急措置として公営住宅に入居することができた日系人も「1年後には出ていけ」と言われていると、怒りを込めて弾劾した。
 住宅追い出しの強制執行と団結を打ち固めて闘いぬく解同全国連西郡支部と八尾北医療センター労組が報告に立ち、自信にあふれて「日系ブラジル人も西郡のように闘おう」と呼びかけた。

 6・14―15連続闘争へ

 決意表明では戦争・改憲と民営化・労組破壊と闘う労働者が次々に発言した。さらに青年労働者が5・15沖縄闘争をアピールし、最後に全学連の織田陽介委員長が「4・24ついに監獄大学の中から1500人の学生が立ち上がって抗議の意思を示した!」と感動を語り、「自民党が必死につぶそうとしてきた国鉄決戦。今度はこの闘いで自民党をぶっつぶそう。4大決戦で革命をやろう。6・14−15に大結集しよう」と結んだ。
 閉会のあいさつと団結ガンバローを入江史郎さん(スタンダード・ヴァキューム石油自主労組委員長)が行い、肩を組んでインターナショナルを斉唱した。
 集会は質量ともに大成功だった。ここから次は東京で6・3入管法改悪阻止のデモを闘おう!
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 共に代案社会の建設へ 民主労総ソウル本部 チェジョンジン本部長

 米国発の経済危機が世界を強打し、この30年間、猛威をふるってきた新自由主義体制が破局に陥っています。
 しかし、韓国のイミョンバク政権は、廃棄すべき新自由主義を強化する政策により、財閥には減税や規制緩和などあらゆる優遇措置を与え、労働者民衆に危機の責任を転嫁しています。
 メーデーとロウソク1周年記念集会において200名を超す労働者・市民が警察に暴力的に連行されました。デモ隊は独裁打倒・イミョンバク退陣を要求しています。私たち民主労総は、5月労働者総闘争を組織し、6月総決起でイミョンバクと闘うでしょう。
 日本の労働者・学生も程度の差こそあれ、経済危機の余波に苦しみながらも、活発な闘いを展開していると聞いています。
 新自由主義を打破し、代案社会を建設していく課題、これこそ今日の、世界の労働者の共通の課題だと考えます。
 同志たち、ともに代案社会の建設に向けて闘いましょう。闘う世界の労働者との強固な連帯を組織しましょう。
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 社会主義を実現する時 動労千葉 田中康宏委員長

 入管集会20回目にして今この時代に、この現実に対するわれわれの回答は、社会主義の実現なんだと確信をもって言えるところまで来た。
 分断を打破して在日・滞日外国人とどうやって団結を回復するのか。自分たち自身が自らの職場で資本と絶対に屈せず闘いぬくこと。この単純な真理に20年かかってたどり着いた。労働者階級の解放は労働者自身の事業なんだ。団結した力は世の中を変えることができる。
 1929年の大恐慌も戦争に行き着いた。あの時代が暗黒だったのではありません。当時のアメリカ共産党はニューディールを全面的に支持して戦争に協力した。僕らは歴史の選択に失敗することはできない。労働者の怒りを抑え込み、分断している体制内的な労組指導部と闘って、私たちの力で日本の労働運動の現状を変えていく。
 国鉄分割・民営化に決着をつけたい。その攻防の焦点は道州制です。これは敵の弱点です。この闘いで日本社会の根本的な変革を実現しよう。
 動労千葉は6・14−15闘争を呼びかけます。今年は11月労働者集会に1万人集めたい。僕ら自身が殻を破って、一人ひとりが確信に燃えて職場を組織しよう。

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週刊『前進』(2391号6面2)(2009/05/18 )

5・11千葉 日韓労働者シンポ

 時代認識を共有して現場から闘いを組織

 5月11日、「世界大恐慌下における国際労働運動の方向」と題する日韓労働者シンポジウムが動労千葉と「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会実行委員会」の共催で開かれた。昨年11月に東京とソウルで開かれた理念交流を引き継ぎ、実践に引き寄せて発展させていこうという試みだ。
 まず、民主労総ソウル本部のチェジョンジン本部長が「もはや新自由主義資本体制は持続可能ではない。世界的大恐慌が始まるだろう」という時代認識を踏まえた情勢分析を行った。それを受けてイピョンソン組織部長が「危機はチャンスだ。社会変革運動としての労働組合運動を再確立し、新たな労組運動を展開しなければならない」と述べ、4月に実施した差別撤廃大行進から6・10大規模ロウソク集会を闘い、6月末の労働者総決起・ゼネスト闘争を実現する闘争方針を明らかにした。
 動労千葉からは、田中康宏委員長が「世界大恐慌下におけ労働運動の方向」を発題、「われわれが反撃すべき時。心の中に居座っている敗北主義を振り払おう」というイジェヨン前本部長の言葉を紹介し、「社会主義をめざす労働運動への変革をいかに構想するか」を動労千葉の闘いの教訓から提起した。
 88年鉄道ストライキを指導したチェジョンジン本部長の体験談、学力テスト強制と闘う全教組ソウル支部の闘いと解雇攻撃などについて、活発な討論が交わされた。
(写真 5・11日韓労働者シンポジウムで世界大恐慌下の国際労働運動の課題を討論【11日】)

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週刊『前進』(2391号6面3)(2009/05/18 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 全一日行動うち抜き解雇撤回へ闘争宣言 東北石けん労組委員長 洞口 明

 5月7日、東北石けん労働組合は、地方労働委員会闘争と新工場・愛島台現地闘争を全一日行動として打ち抜き、解雇撤回まで闘い抜く新たな闘争宣言を発した。
 地労委第2回調査には当該を始め30人が結集、不当解雇への怒りで審問室を埋め尽くした。
 東北石けん労働組合は、新工場オーナー、畑惣商店・畑文雄を被申立人として追加するよう地労委に求めた。畑文雄こそ、東北石けん佐藤工場・佐藤吉範とともに全員を解雇し、新工場から組合を排除した張本人だ。委員長の私は公益委員の制止を打ち破り、当事者として畑を追加することを求めると発言。当該と補佐人も、労組を排除して新工場が操業している事実への怒りをたたきつける。
 畑の当事者性は明らかだ。商標登録、旧工場の機械設備などすべて買い取り、佐藤吉範が技術指導として毎日通い、組合脱退者2名が就労している。組合員の雇用以外すべてが継承されている。何が「別会社」だ。ふざけるな!
 怒りの追及の中で、地労委は佐藤吉範に対し、守秘義務を口実に隠し続けてきた営業譲渡契約の内容を明らかにするよう求めた。重大な勝利だ。佐藤吉範、代理人弁護士前田は顔面蒼白だ。
 地労委調査の後、名取市愛島台の新工場に移動して門前闘争を闘った。
 組合を排除して、ぬけぬけと三百人町旧工場と同じ「釜出し一番石けん」を製造している「畑惣商店名取工場」を眼前にして怒りが爆発。門前を赤旗で埋め尽くし、弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた。資本の110番で警察権力が登場し、門前闘争の圧殺に乗り出したが、「争議に警察は介入するな!」。怒りはさらに高まった。権力の介入を跳ね返して門前闘争を貫徹した。
 解雇撤回まで資本が平穏に過ごせる時など一時もない! 東北石けん労組は闘い続ける。

 「新型インフル」動員を団結で粉砕しよう 関東・自治体労働者 坂上健介

 「新型インフルエンザ」が連日報道されるなか職場はまるで戒厳令下のようになっています。
 所属長が「職員の健康のためにサージマスクと手袋の着用義務」を指示し、職場はまるで「集中治療室」のようです。こんなことのために夜遅くまで時間外労働させるほうが、よほど健康破壊です。一方で、市民を刺激しないように、尋ねられたら「風邪」と答えろなどと言っている。管理職自身はただの一度もマスクなど着用しないし、この騒ぎのさなか、市役所では「定額給付金の現金支給」を行い、多数の労働者が休日出勤させられている。当局は最初から「職員の健康」など本気で考えていないのです。
 隣の市役所では昨年初めて「インフルエンザ対策会議」が開かれました。そこには担当の健康福祉課以外に環境衛生などの部署や委託業者が動員され、自衛隊や警察、東京電力など「国民保護協議会」のメンバーが入りました。完全にインフルエンザ対策に名を借りた職場支配と戦争動員体制づくりです。
 新年度から着任した所属長は、職場の仲間同士に不信感を抱かせようとし、「市民や業者の立場に立って業務を行う」と唱和させ、「JR尼崎事故は民営化が原因ではない」と平気で発言する。経営の立場から労働者の「集団欠勤」で職場が回らなくなることを恐れています。「インフルエンザ」まで利用して職場を支配しないと成り立たない自治体も帝国主義も完全に終わっています。
 「インフルエンザ」には、マスクなどではなく団結こそが最大の「抵抗力」です。私はマスクの着用を拒否し、6・14闘争へのオルグ戦を開始します。団結破壊の民営化・勤務評定に絶対反対で闘っていきましょう。
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 ターニングポイント 〜世界大恐慌バージョン 団 結実

資本主義社会の終わりが始まった
金融大恐慌

無数の労働者が
生きさせろ!の叫びを
地球中に響かせ
ストライキやデモで
怒りの声集めて闘ってる

社会を動かしてる
労働者階級が団結力(ちから)を合わせた時

いろんな”違い”越えて
一瞬でつながれる
それを知った時僕は
絶望が希望に変わる仲間(きずな)この手でつかんだんだ
利益のためになぜ
人生(いのち)が奪われる?
これ以上
心と身体(からだ)傷付けられたくない

みんなの気持ちがひとつになれたなら
世界を変える力に必ず変わっていく

この地球(ほし)の岐路に立ち
どの路線(みち)に生きるのか?
突き付けられてる
いま ターニングポイント

できることからでいい
できることは無限に広がっている
いま ターニングポイント

この地球(ほし)の岐路に立ち
どの路線(みち)を前進(すす)むのか?
突き付けられてる
いま ターニングポイント

できることからでいい
できることは無限に広がっていく
いま ターニングポイント

☆この歌詞は法大救援会のパンフに書いてあった恩田亮君の言葉を基に作りました。6人の勾留延長は絶対に許せません! だけど、それこそが敵の大破綻です。労学連帯で6・14―15闘争を大爆発させて世界革命にガンガン突進していきましょう!

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