ZENSHIN 2009/05/11(No2390 p06)
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週刊『前進』(2390号1面1)(2009/05/11 )
麻生・オバマ打倒!6・14大闘争へ
圧倒的な核独占狙うオバマ演説を「心から歓迎」と絶賛する日共・志位
革共同は本紙春季特別号(2389号)の坂本論文において、<戦争・改憲と民営化・労組破壊〉の攻撃と全面対決し、第2次国鉄決戦を基軸とする国鉄・自治体・教労・全逓の4大産別決戦を闘いぬき、世界大恐慌をプロレタリア革命へと転化していくという、日本革命の新たな戦略方針を真っ向から提起した。この戦略方針の猛然たる実践に向け、5〜6月闘争を闘いぬこう。そして当面する闘いの一切を、<オバマ打倒! 麻生打倒!〉を中心スローガンとする6・14中央政治闘争、6・14―15連続大闘争(関連記事2面)の爆発へと集約し、4大産別を先頭に総決起しよう。
戦略的総路線の転換的発展
<戦争・改憲と民営化・労組破壊〉の攻撃と全面対決する4大産別決戦の前進と勝利こそ、歴史的生命力が尽きた資本主義・帝国主義の新自由主義攻撃がもたらす一切の現実を打開して、万余の青年労働者・学生を革命運動に結集し、プロレタリア革命勝利を開く、実践的な基本路線だ。
かつて70年安保・沖縄決戦において革共同は、<闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ〉<米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒〉の戦略的総路線を提起し、青年労働者と学生を先頭に総決起して、激しい実力闘争を展開した。
米日帝国主義のベトナム侵略戦争とどう対決するか。これが当時の革共同と青年労働者や学生にとって、最もラディカルな中心的課題だった。
ベトナム人民の不屈の民族解放・革命戦争は最大50万人を超える米軍を敗勢に追い込み、全世界でベトナム反戦闘争が大高揚した。沖縄では全軍労がストライキで基地機能を停止させ、島ぐるみの復帰闘争が爆発した。東大や日大を始め大学闘争が激発し、十数万人の学生の決起で大学は革命の砦となった。反戦派と呼ばれた青年労働者の闘いは、国鉄や全逓を先頭に全国・全産別で嵐のように巻き起こった。
こうした青年労働者や学生の闘いを生み出したものこそ、反スターリン主義・革命的共産主義運動によるマルクス主義の復権としての、革共同の帝国主義打倒に向けた戦略的総路線だった。
今日の革共同の<戦争・改憲と民営化・労組破壊〉粉砕のスローガンと、国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦勝利の路線こそは、革命を担う階級的主体を鮮明にした、70年闘争での戦略的総路線の転換的発展そのものである。階級的労働運動の実践の中でついに手にしたこの革命勝利の戦略方針に圧倒的な確信をもち、闘う労働組合をよみがえらせ、強固な党組織を建設し、帝国主義の命脈を断って日本革命の血路を開くために前進しよう。
新自由主義の破産と大恐慌
今日の世界大恐慌は、一時的・循環的な景気変動ではない。29年大恐慌をはるかに超える後のない歴史的大恐慌であり、資本主義の最後的な終わりを告げる大恐慌だ。
帝国主義の戦後発展は、74〜75年恐慌で完全に行き詰まった。米日欧の製造業は過剰資本・過剰生産力状態のもとで利潤率が鈍化する状況が30年以上続いた。この危機をのりきるためにレーガン、サッチャー、中曽根は帝国主義の最後の延命策として新自由主義政策に突進した。
それは一方で「福祉国家」=社会保障制度を解体し、民営化と労働組合の弱体化で労働分配率を下げ、労働者からの極限的搾取と収奪で資本の利潤を増やそうとした。他方で、実体経済から離れた金融とバブル経済を極限まで拡大し、金融市場で利潤と資産を増大させる政策にのめり込んだ。
この新自由主義のもとサッチャーやレーガンは、労働組合と労働運動を徹底的に攻撃した。日本の中曽根は、動労カクマルを先兵に国鉄分割・民営化を強行し、総評を解体して連合が結成された。同時に労働者派遣法の制定・改悪など、戦後労働法制を解体する攻撃が一挙に進んだ。
同時に、米帝レーガンはソ連を「悪の帝国」と呼び、世界を核戦争の危機にたたき込む大軍拡を展開し、91年にはソ連スターリン主義を崩壊させ、帝国主義は東欧や中国を世界市場に取り込んだ。これにより全世界の労働者を超低賃金で搾取する構造がつくられた。
米帝はこの新自由主義のもとで、貿易赤字・経常赤字を膨張させつつ世界から投資マネーがアメリカに集中し、異様なITバブルや住宅バブルと過剰消費を継続する仕組みを作り上げた。このもとでの金融バブルの膨張は、最後に膨大なサブプライムローンの証券化商品を世界中にバラまき、07年8月のパリバ・ショックを契機に、住宅バブルの崩壊がついに世界金融大恐慌として爆発するにいたったのである。
まさに世界金融大恐慌の爆発・激化と、08年9・15リーマン・ショックを新たな契機とする実体経済の大崩落への波及、世界大恐慌への深化・発展は、新自由主義の完全な破産そのものである。この大恐慌をプロレタリア世界革命に転化することのみが、全世界の労働者階級と農民、全人民の生きる道である。
米帝オバマや日帝・麻生は、大恐慌で瀕死(ひんし)の大銀行・大企業を救済するために天文学的な規模の公的資金=税金を注入し、特に米英帝国主義などは金融機関を次々と「国有化」し、他方で労働者階級人民への<階級戦争と侵略戦争〉に全力を挙げている。その攻撃の核心は、プロレタリア革命を圧殺し粉砕することにある。
いま必要なのは、生命力の尽きた資本主義・帝国主義の救済や延命ではない。世界大恐慌にあえぎ、階級戦争を激化させつつ侵略戦争・世界戦争へと突き進む最末期帝国主義を、労働者階級の国際的団結と決起で打ち倒すことなのだ。
大恐慌と戦争の時代の到来にうち震え、革命に敵対する一切の体制内勢力と指導部を打倒して、プロレタリア革命勝利を切り開こう。そのための戦略方針こそ、<戦争・改憲と民営化・労組破壊〉粉砕、第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦勝利の路線である。
体制内勢力との党派闘争へ
今日の日本の労働運動、階級闘争を規定している原点は、80年代の国鉄分割・民営化攻撃とそれに対する闘いだ。国鉄分割・民営化攻撃で、動労カクマルは中曽根のファシスト先兵となり、国労は「たこつぼ」に入って闘えずに組織を切り崩され、総評は解散に追い込まれ連合が登場した。
これに対し動労千葉は分割・民営化絶対反対の3波のストライキを打ちぬき、団結を守り、総評・民同労働運動の破産と崩壊をのりこえて闘ってきた。またこの闘いが国鉄1047名闘争を生み出し、国労も残った。自治労や日教組を始め連合下で100万の国鉄支援陣形も形成された。ここに1047名闘争と動労千葉を中心とする連合への決定的な<対抗基軸〉が確立されたのだ。
今日の4者4団体の和解=政治解決路線こそ、まさに解雇撤回を放棄し1047名闘争を最後的に解体する大裏切りであり、最悪の転向だ。4者4団体路線との闘いは、1047名闘争と動労千葉を軸とする連合への対抗基軸を発展させるのか、解体するのかの大党派闘争でもある。そして今日、4者4団体の最大の体制内的反動であるのが日本共産党だ。日共スターリン主義は、今や1047名闘争を解体する最先兵であるばかりか、オバマ反革命の最大の賛美者となっている。
オバマが米帝の圧倒的な核独占(核拡散阻止)を宣言したプラハ演説を、日共委員長・志位はなんと「歴史的な意義を持つ」「心から歓迎する」と賛美し、オバマに書簡を送り、「核兵器廃絶へイニシアチブを発揮」してくれと懇願したのだ。
これは帝国主義の最大の頭目=米帝オバマの侵略戦争や抑圧・支配と闘っている全世界の労働者階級人民に対する、許し難い裏切りであり、敵対である。戦争と抑圧の元凶である米帝オバマを支持せよと、日共・志位は労働者人民に要求しているのだ。この日共を先頭に今や既成の原水禁運動の指導部なども、こぞってオバマ支持・賛美の一色である。オバマを8月に広島・長崎に呼ぼうなどと大合唱している。
米帝オバマを賛美し、「招待」して、原水禁運動などは断じて成り立たない。この日共を先頭に、今や4者4団体からカクマル、塩川一派、旧与田派まで、すべての体制内勢力・反革命勢力が、帝国主義に屈服し、革命に敵対している。
日共や4者4団体を始め、一切の体制内勢力との党派闘争を貫き、1047名解雇撤回を先端とする第2次国鉄決戦と4大産別決戦の勝利へ、オバマ・麻生打倒へ、5・15沖縄闘争、8月反戦反核闘争の爆発へ、確信に燃えて進撃しよう。
何よりも当面するすべての闘いを、動労千葉が呼びかける6・14中央政治闘争、6・14―15連続闘争の爆発へと集約し、全国の職場、キャンパス、地域・街頭からオバマ・麻生の打倒をかけて大結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2390号1面2)(2009/05/11 )
尼崎事故4周年
“反合運転保安・1047名解雇撤回”
JRに怒り新た650人がデモ
(写真 尼崎事故の元凶は分割・民営化だ 犠牲者の無念と怒りを体現しJR西日本を弾劾。「静粛な慰霊の日」を「怒りと闘いの日」に変えた【4月25日 尼崎】)
4月25日、JR尼崎事故の事故現場に、「尼崎事故弾劾! JR西日本の責任を追及するぞ!」というシュプレヒコールが響き渡った。
動労千葉が呼びかけ、実行委員会が主催した「尼崎事故4周年弾劾!反合理化・運転保安確立!1047名解雇撤回!全国総決起集会」には、関西を始め全国から650人が結集した。
JR西日本はこの日を頂点に、全社員に献花や立哨を強制し、資本への忠誠運動を組織した。一方、JR資本と一体となった体制内労組指導部は、事故責任を現場労働者に押しつけるJR資本を擁護し、責任追及の闘いを圧殺しようとした。しかし、この闘争圧殺体制を打ち破り、JR資本と真っ向から闘う部隊が登場したことの意義は絶大だ。4者4団体が一層の屈服を深める中で、1047名闘争勝利の道はJR資本との非和解的対決にあることを、この日の闘いは鮮明に示した。
闘いの先頭には動労千葉・動労総連合と国労5・27臨大闘争弾圧被告団・闘う国労闘争団員が立った。こちらの側からJRとの非和解的激突をたぐり寄せ、JR体制を内部から食い破る荒々しい決起がたたきつけられたのだ。国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦は力強く開始されている。
赤旗を林立させ、尼崎駅北口広場で集会が始まった。事故現場に向かう犠牲者の遺族も、期待を込めたまなざしで集会に注目し、歩みを止めた。
集会の冒頭、動労千葉の田中康宏委員長があいさつに立ち、「尼崎事故の原因は民営化・規制緩和・弱肉強食の新自由主義の攻撃にある」と訴え、「安全は労働者が闘って資本に強制する以外にない。事故の半分の責任は闘いを忘れた労働組合にある。腐った労働組合の幹部に、現場から労働者の力を示す闘いを開始する」と力強く宣言した。(発言要旨2面)
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾執行委員が連帯あいさつをし、国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんが基調報告を行った。富田さんは4者4団体路線を弾劾し、1047名闘争の勝利はJR資本との闘いにあると提起、反合理化・運転保安闘争路線でJRと徹底対決すると断言し、国鉄決戦を軸に戦争や道州制・民営化と闘おうと訴えた。(発言要旨2面)
1047名の解雇撤回へ!
さらに、小倉地区闘争団の羽廣憲さんが、「4者4団体と対決し、何年かかっても解雇撤回まで闘う」と不屈の決意を表明し、秋田闘争団の小玉忠憲さんは「4者4団体幹部は闘いを首を切った自民党にお願いする運動にねじ曲げている。しかし今、資本家どもを倒せという声が巻き起こっている。これと結合すれば必ず勝利する」と声を強めた。動労千葉争議団の中村仁さんは「分割・民営化は断じて認められない。1047名闘争を資本を倒す闘いにしたい」と訴えた。
5・27臨大闘争弾圧被告の原田隆司さんが「検察は私に懲役1年を求刑した。だがわれわれは1047名闘争を牽引(けんいん)し、JR資本と妥協せず闘う」と決意を述べ、同裁判弁護団長の葉山岳夫弁護士は検察の論告を徹底弾劾した。この日の闘いは、被告の有罪−解雇を狙う権力・資本の攻撃と立ち向かう不抜の隊列を形成した。
JR体制打倒の火の手は全国で上がっている。動労水戸の高野安雄副委員長は運転士登用差別を居直るJR東日本を弾劾、動労西日本広島支部の大江照己委員長は「安全闘争を全力で闘う」と述べ、8・6ヒロシマへの結集を呼びかけた。
尼崎事故弾劾の闘いは、道州制導入・民営化や派遣解雇との闘いとも一体だ。ス労自主、自治体労働者、教育労働者、全逓労働者、全国社会保険協会連合会労組、関西合同労組大阪東部支部技能育成センター分会、同かねひろ運輸分会、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北医療センター労組の発言が続いた。京大の学生は、前日の法大解放闘争の勝利を高らかに報告した。
5・27臨大闘争弾圧被告の橘日出夫さんが「第2次国鉄決戦の勝利で労働運動の主流派に躍り出よう。6・14渋谷大デモに結集しよう」と集会をまとめ、全参加者が事故現場までのデモに出た。
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週刊『前進』(2390号1面3)(2009/05/11 )
不当逮捕の6学生の勾留延長を弾劾する
5月5日、東京地裁は4・24法大解放闘争で不当逮捕された6学生に対して、10日間の勾留延長を決定した。警察・検察・裁判所が一体となった暴挙を徹底弾劾する。
「東京都公安条例違反」や「公務執行妨害」を口実にした逮捕は、4・24闘争の1500人決起に恐怖した権力が、文化連盟や全学連の中心的活動家を狙いうちにした政治弾圧だ。戦争・改憲の攻撃と対決し、日本革命の最先端に躍り出た学生運動を破壊するための戦時型弾圧だ。
逮捕後、警視庁と麹町警察署は、無関係な友人宅や大学サークルBOXまで含む全国8カ所の家宅捜索を強行。勾留理由開示裁判では、裁判官は求釈明に何ひとつ答えられず、無様にも強権を振るうばかりだった。
取り調べは毎日5〜6時間、警察署内の密室で「お前をつぶす。頭をかち割ってやる」「大学はビジネスだ。お前は金もうけにマイナスだ」などの悪質な転向強要がくり返されている。風邪で熱を出している恩田君を取り調べに連れ出した公安検事は「お前は犯罪者だ。ふざけるんじゃねえ」などと、やくざまがいの暴言を吐いている。
6学生は「権力はどうしようもなくしょぼい。彼らに1ミリの正義もない。かけがえのない仲間の団結と正義を胸に、絶対に勝利します」と誇り高く完黙・非転向を貫いている。
すべての学生・労働者の怒りの包囲で6学生を直ちに取り戻そう!
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週刊『前進』(2390号1面4)(2009/05/11 )
4・30 法大解放へ闘いは続く
4・24闘争1500人の大高揚に続き、4月30日、60人が参加して正門前集会と抗議デモが闘われた。追いつめられ正門を封鎖して弾圧する法大当局。土手には公安警察。「これが大学か!」「不当処分撤回しろ。6人の仲間を返せ!」。キャンパスの内と外で闘いは続いた。その後、法大総長室と、恩田亮・文連副委員長が勾留されている麹町警察署に怒りのデモをかけた(関連記事4面)
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週刊『前進』(2390号2面1)(2009/05/11 )
JRと対決し国鉄闘争勝利へ
分割・民営化体制打倒を宣言
4・25尼崎集会の発言から
(写真左 尼崎事故を居直るJR体制打倒へ、650人が一斉にこぶしを突き上げた。第2次国鉄決戦を闘いぬく不抜の隊列がここに形づくられた【4月25日 尼崎駅北口広場】)
(写真右 事故現場に「尼崎事故弾劾」のシュプレヒコールをとどろかせ怒りのデモ【4月25日 尼崎】)
尼崎事故弾劾の4・25闘争は、650人の結集で戦闘的に闘いとられ、JR資本との非和解的対決を宣言した。集会での国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんの基調報告と、呼びかけ人としてあいさつした動労千葉の田中康宏委員長の発言を紹介します。(編集局)
労働者の階級性かけて 国労5・27臨大闘争弾圧被告団長 富田益行さん
3・25判決弾劾! 1047名解雇撤回を!
3・25超反動判決を徹底弾劾します。これは1047名闘争根絶判決であり、労働者階級全体に対する攻撃です。資本家階級は1047名解雇撤回闘争が6千万労働者、2千万青年労働者、道州制攻撃と闘う400万の公務員労働者と結びつくことに恐怖しています。
4者4団体は資本家階級の手先になり、土下座して1047名解雇撤回闘争を終わらせようとしています。大恐慌は、あらゆる勢力を鮮明に分岐させ、革命の立場に立たない体制内勢力を翼賛勢力にしたのです。
首を切った自民党に土下座したら、さらにその頭を自民党から踏みつけにされるだけです。
今こそ絶対反対派の闘争団、資本との絶対非和解を貫く国鉄闘争をつくりだす時が来ています。4者4団体派との大党派闘争は、革命をたぐり寄せる決定的闘いです。動労千葉を先頭とした私たちだけが1047名に責任をとれるのです。
尼崎事故4周年弾劾!JR体制を打倒しよう!
国鉄分割・民営化が生み出したのは、1047名の解雇であり、尼崎事故です。1047名解雇撤回も尼崎事故弾劾も、JR体制とは徹底非和解であり、革命のスローガンそのものです。本日の闘争は、国鉄を軸に4大産別決戦に全力で決起し、すべての産別で4者4団体派打倒の党派闘争に攻勢的に乗り込む戦闘宣言、主流派宣言です。
尼崎事故は、国鉄分割・民営化が原因であり、JR資本とその手先となった体制内労働組合指導部にその責任があります。
尼崎事故以降、JR西日本は事故責任を完全に居直り、「労働者(高見運転士)に事故責任あり」と言って、現場労働者に責任を転嫁しています。全社員に「献花」「立哨」「反省文」を強要しています。尼崎事故をめぐる職場攻防は、労働者の階級性をかけたすさまじい攻防です。
4者4団体は、JRとの闘いから真っ先に逃亡しています。今、国労革同は、尼崎現地から逃亡し、大阪の国労会館で3・25判決賛美・JR体制擁護集会を開いています。私たちを警察権力に売り渡した国労内共産党を打倒し、階級的国鉄労働運動を復権させなければなりません。
動労千葉は、分割・民営化絶対反対のストライキを打ち抜き、1047名闘争をつくり出し、戦争・改憲と民営化の攻撃に立ちはだかってきました。そして今、JR東日本の「ライフサイクル」粉砕を掲げ、平成採の青年労働者の結集を実現しています。動労千葉のように闘い、JR体制を食い破る闘いをつくりだそう。「反合理化・運転保安確立」の闘いをあらゆる職場で闘おう。
第2次国鉄決戦を軸に民営化・道州制粉砕へ!
資本家階級は、大恐慌情勢で破産した新自由主義をさらに徹底化する以外いかなる方策も持ちません。3・25判決と北朝鮮ミサイル問題をめぐる排外主義の攻撃は一体です。1047名を先頭とする国鉄闘争をたたきつぶす以外に、帝国主義は戦争に突入できないのです。資本家階級はまた、大阪府知事・橋下を先兵に道州制攻撃をかけてきています。これは一大反革命クーデターです。
しかしこの攻撃は粉砕することができる。動労千葉が分割・民営化と闘い勝利してきたことは決定的です。動労千葉労働運動を全職場・全産別で実践しよう。資本・体制内勢力と非和解で闘い、職場に革命の団結をつくりだそう。6・14全国闘争を断固として打ち抜こう。第2次国鉄決戦を基軸にした4大産別決戦を貫こう。本日の闘争を世界の労働者とひとつのものとして闘いぬき、国際的な団結の力で資本主義を打倒しよう。
闘わない労組が殺した 動労千葉委員長 田中康宏さん
尼崎事故から4年、今日集まったのは、107名への哀悼のためではなく、闘うためだ。新自由主義と民営化・規制緩和と闘うことが犠牲者への追悼になる。
尼崎事故後、JR東日本は「あれは西日本の問題。東日本には問題がない」と言い張った。それがJRの姿だ。その東日本で羽越線事故が起き、5名の乗客が殺された。
動労千葉の安全運転闘争に対し、JRは「違法争議」と言い、監視し恫喝し処分した。JRには何の反省もない。
尼崎事故の原因は、民営化・規制緩和・弱肉強食の新自由主義にある。動労千葉は、千葉支社管内で200`の区間のレールを交換させた。しかし、それでもったのはわずか2年。2年後にまたレールが折れている。
信濃川発電所でJR東日本が水泥棒をしてきたことが発覚した。データも改竄(かいざん)し、国土交通省にウソの報告を上げていた。しかし社長は、減給処分だけで開き直っている。
派遣労働者への首切りの現実と尼崎事故の根本はひとつだ。だから事故を絶対にあいまいにしてはならない。
この現実を根本的に変えるのは、労働者の団結した力だけだ。安全は労働者が闘って資本に強制する以外にない。JR総連、JR連合、そして国労まで闘いを放棄している。事故の半分の責任は闘いを忘れた労働組合にある。闘わない労働組合が労働者を犠牲にした。
労働者派遣法見直しの声が上がっているが、これに最も反対しているのが電機連合だ。彼らは、製造業派遣の禁止に反対すると言っている。
闘う労働運動の復権が最大の課題だ。ヨーロッパ、アメリカ、アジアで労働者は激しい闘いに立ち上がっている。数百万のゼネストが繰り返し闘われている。日本の労働者はまだおとなしい。それには原因がある。連合という存在だ。
連合が労働者に今の状態を強いている。その出発点が国鉄分割・民営化だった。動労千葉は分割・民営化に決着をつける闘いに入る。連合を下から食い破れば、日本の労働者は必ず団結して立ち上がる。
腐った労働組合の幹部に対し、現場から労働者の力を示す闘いを開始しよう。労働者こそが社会を動かしている主人公だという誇りと団結を取り戻し、社会を根本からひっくり返そう。
JRは安全を崩壊させた。職場を労働者の手に取り戻す。それがわれわれの革命だ。動労千葉はその闘いに立ち上がる。
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週刊『前進』(2390号2面2)(2009/05/11 )
6・14集会第1回実行委 全力の組織戦を誓う
田中委員長 “大恐慌下に飛躍しよう”
6・14全国労働者総決起集会第1回実行委員会が5月1日、東京都内で80人の労働者・学生の参加で開催された。(写真)
6・14〜15闘争は動労千葉が呼びかけ、6・14集会実行委員会が主催する。「国鉄1047名解雇撤回、改憲阻止、麻生政権打倒!6・14全国労働者総決起集会」(東京・代々木公園に午後1時結集)、「法大学生弾圧粉砕!6・15反弾圧全国労学総決起集会」として闘うことを決定した。
大恐慌と戦争の時代に「戦争・改憲と民営化・労組破壊」との対決をがっちりすえて、革命派と体制内派のどちらが4大産別をはじめとする労働組合を獲得するのかをかけた大党派闘争に決着をつけていく闘いだ。
動労千葉の田中康宏委員長は冒頭、「大恐慌情勢に対するわれわれの大きな飛躍をかけた転機としたい。11月集会1万人を集める力をもとう」と述べ、集会の意義を全面的に提起した。
一つは、国鉄1047名闘争が6月、正念場を迎えているということである。「政治和解路線を絶対許さず、1047名解雇撤回闘争が今の腐りきった社会を倒していく力があることを宣言する集会」にすることだ。二つに、憲法審査会設置の動きが始まるなか、改憲阻止を真っ向から掲げて闘うことだ。三つに、総選挙情勢に対して労働者人民自身の手で麻生を打倒する集会だ。
田中委員長は、国鉄決戦を軸とした4大産別決戦(道州制粉砕)こそ「この時代に立ち向かう基本戦略」だと強調。
国鉄分割・民営化攻撃は「現在の階級攻防、労働者の現状の一切を規定している」「敵の戦略は国鉄労働運動・4大産別の労働組合を解体し改憲・戦争することであった」と指摘。そして「4大産別をめぐる闘いが大恐慌情勢下の戦争と改憲をめぐる攻防」となっている時代において、「国鉄労働運動に決着をつけた時、日本の労働運動の高揚は間違いなく始まる」と1047名闘争のもつ決定的位置を明確にした。特に分割・民営化攻撃への屈服の所産である連合と、日本共産党の打倒をもって「日本の労働者は立ち上がる」と核心的提起を行った。
道州制粉砕決戦についても「国鉄分割・民営化を全社会化する攻撃。この決戦は資本主義を打ち倒す闘いだ」と述べた。とりわけ「法大闘争こそ最先端の攻防。全労働者の未来がかかっている」と6・15闘争を呼びかけた。
提起を受け学生・労働者が次々と発言。道州制決戦を闘う自治体労働者は「連合・全労連指導部と対決し労働組合をつくり変える」。全逓労働者は「民営郵政とそれを支える労組幹部を打倒する闘いが6・14だ。自分の職場を戦争動員の急先鋒(きゅうせんぽう)にはさせない」。学生からは法大文化連盟委員長の斎藤郁真君と織田陽介全学連委員長が発言。斎藤君は「金が大学も社会も食い物にする。止めなければならない」と決意を述べた。
田中委員長は「自分自身の集会にしていこう。職場の仲間を実行委員会にどんどん結集させよう」と締め括った。
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週刊『前進』(2390号2面3)(2009/05/11 )
「つくる会」教科書“合格”弾劾
今夏採択を阻止しよう
不起立闘争と結合して杉並・山田区長と対決を
文部科学省は4月9日、「つくる会」中学校歴史教科書(自由社版)の検定合格を発表した。この暴挙を弾劾する!
自由社版の教科書は、4年前に合格した扶桑社版とほぼ同じ内容。加えて改悪教育基本法に踏まえ、教育の目標に「公共の精神」「伝統と文化の尊重」「我が国と郷土を愛する」を明記。「出雲大社」「戦艦大和」などの学習テーマや、昭和天皇の「お言葉」を2nで特集するなど、扶桑社版に比べてもより悪質だ。
この教科書に対して文部科学省は昨年12月、516カ所の誤記を指摘、いったん不合格とした。再申請でも136カ所に意見がついたが、すべて「修正」の上で合格させた。大量解雇に対する労働者の決起が始まったことに震え上がった日本経団連と麻生政権は、なんとしてもこの教科書を使わせるため、間違いだらけ、不備だらけであっても検定を通したのだ。
自由社版の合格により、今年8月までに行われる教科書採択(10年度から使う教科書を区市町村ごとに採択)は、「つくる会」歴史教科書は自由社版、扶桑社版の2種が対象となる(公民教科書は扶桑社版のみ)。
06年度から「つくる会」歴史教科書が使われている杉並区では、山田区長が採択に向け、中間派の教育委員長を更迭、「つくる会」派を教育委員長に据えた。6月には区主催で北朝鮮拉致被害者家族支援の講演会や映画会を企画し、区職員にブルーリボンバッジの着用を強要している。7月には「真に誇りある日本をつくる会」主催で前空幕長・田母神俊雄と評論家・渡部昇一の講演会が企画されている。再びの「つくる会」教科書の採択を絶対許さない!
戦争・改憲、民営化推進の教科書
「つくる会」歴史教科書(扶桑社版・自由社版)は侵略戦争を肯定するとともに、民衆の闘いの歴史を真っ向から抹殺している。天皇や支配者の心情は細かく述べ、歴史は天皇や支配者がつくったものと描くが、民衆が支配者をうち倒し、歴史をつくってきたことはまったく書いていない。
アジア人民の虐殺、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下、「従軍慰安婦」など、日本が行った侵略戦争の残忍さは露ほども書かず、他方で「国王を処刑するなどの過激な流血事件に発展」(フランス革命)、「共産党が敵とみなす貴族、地主、資本家、聖職者、知識人らが多数処刑」(ロシア革命)などと倒された権力の悲惨さだけは強調。労働者の闘いを死ぬほど恐れ、憎悪しているのだ。
また扶桑社版の公民教科書は、憲法改悪を前提にした教科書だ。「憲法改正」の項目を設け、同じ項で道州制も説明。領土・拉致・不審船などで排外主義をあおり、自衛隊の海外派兵、国防の意義を唱えている。戦後の年表には36項目しかないのに「電電公社・専売公社民営化」「国鉄分割民営化」を記載し、「規制緩和」のコラムを設けて民営化を絶賛している。
杉並の山田区長は「つくる会」教科書導入と一体で、師範館教員の育成、学校支援本部、「夜スペ」導入などで競争をあおってきた。団結を徹底的に破壊した結果、事故が相次ぎ、教育労働者が業務上過失致死容疑で書類送検される事態になっている。また麻生政権は、自衛隊のソマリア沖派兵を強行し、北朝鮮の人工衛星へのミサイル迎撃体制に自治体労働者を動員している。
「つくる会」教科書とは戦争と改憲、民営化・労組破壊、道州制攻撃を進めるための教科書だ。世界大恐慌下で沸き上がる労働者の闘いをつぶし、教育労働者に対して「お国のために死ぬ」教育をすること、資本に滅私奉公で働く人間を育成することを迫るものであり、自治労・日教組を破壊し、労働者の団結を解体する攻撃だ。
労働者の団結で葬り去ろう!
05年夏の採択では「つくる会」教科書は歴史0・4%、公民0・2%と低採択率で、ついに会を分裂に追い込んだ。杉並区では2人の教育労働者が「『つくる会』教科書は使えない」と告発した。07年のアンケートでは、社会科教員約40人のうち10人が「この教科書は使えない」と回答、教室では「大東亜戦争」を「太平洋戦争」に訂正させるなどしている。さらに教育基本法を改悪した安倍政権の崩壊、教科書検定撤回の沖縄12万人県民大会など、労働者は「つくる会」教科書を進めてきた政府と日本経団連を追い詰めている。
労働者を路頭に投げ出す資本への怒り、戦争や大資本に税金を湯水のように投入する政府への怒りは4年前とは比べものにならないほど大きい。「つくる会」の言う「守るべき国」は、日々労働者を殺し、資本家は労働者の血を最後の一滴まで搾り取っている。
全世界で教育の民営化と対決するストが激発し、韓国の労働者は検定合格に抗議声明をたたきつけた。「つくる会」教科書は労働者の闘いで跳ね返すことができる。不起立闘争をさらに発展させよう。6・14渋谷大デモと6・15闘争をかちとり、「つくる会」教科書採択を阻もう!
(東京西部 飯野依子)
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【注】「つくる会」分裂と、自由社版・扶桑社版
「つくる会」現会長の藤岡信勝らが執筆し、扶桑社が発行した中学用歴史教科書は2000年度、04年度の検定に合格したが、反対運動が巻き起こり、ほとんど採択されなかった。これをきっかけに「つくる会」は分裂した。
藤岡らの「つくる会」は08年度、自由社発行の歴史教科書を検定に申請し、今年4月に合格。
他方、元会長で高崎経済大教授の八木秀次らの「教科書改善の会」は引き続き扶桑社から教科書を発行。まったく改訂しなかったため検定対象とならず、今夏の教科書採択の候補となる。
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週刊『前進』(2390号2面4)(2009/05/11 )
東京「日の丸・君が代」闘争
卒業式被処分者が提訴
“都教委の暴走止めるため”
今年3月、都立校の卒業式で「日の丸・君が代」不起立・不伴奏を理由に戒告・減給・停職の不当処分を受けた教育労働者6人が、4月24日、東京都人事委員会に対して処分撤回を求めて不服審査請求を行った。
人事委への請求後、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会が記者会見を行い、被処分者がそれぞれ自らの思いを熱く語った。(別掲)
03年「10・23都教委通達」による「日の丸・君が代」強制に抵抗して、不起立・不伴奏などで戒告以上の処分を受けた教育労働者は、のべ422人にいたった。
とりわけ今春は、昨年7月に都教委が策定した「分限対応指針」に基づき、07年度・08年度と2年連続で停職6カ月処分を受けた根津公子さんに対する分限解雇が狙われていた。しかし、解雇の脅しをも突き破って根津さん・河原井純子さんを先頭に不起立・不伴奏を貫く労働者が広がり、ついに根津さんの分限解雇も阻んだのだ。初めての不起立者が登場したことも決定的なことだ。
都知事・石原は04年4月、「日の丸・君が代」強制について「5年先、10年先になったら、首をすくめて見ている他県はみんな、東京のまねをすることになるだろう。それが、東京から日本を変えていくことになる」と豪語していた。
しかし、教育労働者の誇り高き闘いは、この石原の思惑を完全に打ち砕いてきた。「10・23通達」から6年目の春を迎えてもなお、東京の教育労働者の抵抗はやまないばかりか、ますます広がっている。この6年間に都教委が推し進めてきた主幹制度導入(03年度)、業績評価に基づく賃下げ(04年度)、主任教諭制度導入(09年度)などの度重なる攻撃に対して、労働者はますます怒りを募らせている。
さらに全国の教育労働者が「東京に続け」と陸続と不起立で闘い、09年卒・入学式でも東京のように画一的に職務命令を出した道府県はない。
労働者の闘いを必死で押しとどめている組合幹部と闘いぬき、主任教諭導入による団結破壊、免許更新制度、夏季一時金カットに「絶対反対」を貫いて反撃しよう。そのすべての怒りを不起立で解き放とう! 6年間の闘いの勝利に自信と確信を持って前進しよう!
“多くの教員の声援受け” 処分撤回請求した被処分者の声
第1節■都立高校の音楽教員(4回めの不伴奏で減給〈10分の1〉6カ月)
私は、学校教育が「天皇の命令によって死ぬことが最高の道徳だ」と教え込み、侵略戦争に駆り立てた歴史を考えないわけにはいきません。「君が代」の歌詞は、明らかに天皇制の永続を願う歌です。それを生徒に無条件に歌えと教え込むことはできません。なんとしてもこの現実を覆したい。
第2節■都立高校教員(3回めの不起立で減給〈10分の1〉6カ月) ナチスのようなものが登場した時に「ノー」と言う言論の自由こそ、二度と世界大戦を起こさないための仕組みだったはず。多くの教員が「日の丸・君が代」強制に対してナチズムと同じだという思いを抱いています。だから職場でも、ほとんどの教員が私に「頑張ってください」と言っています。
第3節■都立高校教員(初めての不起立で戒告処分)
不起立したのは、いまだに新たに不起立する者がいることを都教委に知らしめたかったからです。「10・23通達」以降、学校には物を言えない制度がさらに増えた。業績評価では都教委が校長に、教員の2割に「C=いま一歩」という評価をつけろと命令。今年から給与体系もまったく違う主任教諭制度が入った。しかしここであきらめたら、都教委や国の暴走は止められない。だから堂々と不起立しました。単なる国旗・国歌の問題ではない。この国が危機的な方向に流れようとしているからこその不起立です。
第4節■特別支援学校教員(5回めの不起立で停職3カ月処分) 「日の丸・君が代」処分を理由に、勤続25年で全員が得られる5日間の「リフレッシュ休暇」を奪われたが、裁判で勝った。こういうひどいことをやった人たちは一切処分されず、私たちには累積処分を重ねるのは、本当に理不尽。見せしめの暴力装置です。
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週刊『前進』(2390号3面1)(2009/05/11 )
動労千葉夏季物販に全力を
4大産別に動労千葉派つくろう
6・14集会から国鉄決戦勝利へ
動労千葉09年夏季物販闘争において第一に訴えたいことは、国鉄1047名解雇撤回!改憲阻止!麻生政権打倒!6・14全国労働者総決起集会を大成功させ、4者4団体による1047名闘争の早期終結策動を葬り去るための最大の闘いが物販闘争だということだ。
3・25東京高裁判決をテコとして4者4団体は、1047名闘争の早期終結策動を強めている。この5−6月のうちにも何か動きがあると言われている。
3・25反動判決は、解雇自体は「憲法違反でも無効でもない」と闘争団の控訴を一刀両断で切り捨てている。その上で、採用基準の判断資料となった「職員管理調書」の「具体的運用」において、「不当労働行為」ではなく「不当労働行為の意思」があったと「推認される」と言っているのだ。けっして「不当労働行為」自体があったとは言っていない。
つまり法的整備さえしておけば、具体的運用段階での不当労働行為はやり放題ということだ。道州制攻撃における公務員360万人いったん全員解雇・選別再雇用に司法的根拠を与える許し難い反動判決なのだ。
国鉄分割・民営化は最初の新自由主義攻撃だった。そして今日、道州制攻撃をもって、官公労・公労協労働運動を最後的に解体し、労働者階級を戦争に動員する国家体制への転換を強行しようとしている。
新自由主義とは、帝国主義の戦後的延命策としての国家独占資本主義政策が破綻するなかで開始された労働者に対する全面的階級戦争である。その核心は労働組合運動の根絶にある。それは労働者階級の階級性を解体し、侵略戦争に労働者を丸ごと動員する攻撃だ。
だが国鉄労働者は、動労千葉と1047名解雇者を先頭にこの攻撃を跳ね返し、22年にもわたって日帝の戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を阻み続けてきた。その結果、敵は本格的改憲攻撃を開始しながら、いまだに4大産別の労働運動を制圧できていない。
世界大恐慌の爆発で資本主義の破産は白日のものとなり、全世界で労働者の闘いが燃え上がっている。革命情勢が到来している。そして1047名闘争は、労働者階級のかけがえのない結集軸となっている。このときに4者4団体は、解雇撤回を投げ捨て、敵階級に全面屈服し、1047名闘争を一刻も早く終結しようとしている。物販闘争は、この4者4団体との最大の党派闘争の戦場となった。物販闘争の力で6・14労働者集会の大結集を実現し、4者4団体路線を粉砕しよう。
1047名闘争支援陣形獲得を
第二に訴えたいことは、国鉄闘争を軸にした4大産別決戦の戦略的方針を物販闘争をつうじて推進しようということだ。
全国100万人といわれる1047名闘争支援陣形の中心は、4大産別の労働者であり、同時に物販勢力である。この100万物販勢力の存在が4大産別決戦の物質的基盤なのだ。この100万の労働者を「労使共同宣言」路線が獲得するのか、動労千葉の階級的労働運動路線が獲得するのか。ここに4大産別決戦の生命線がある。動労千葉物販をもって分け入り、100万物販勢力を動労千葉物販勢力に再組織する。ゴリゴリの動労千葉派を4大産別の中につくる。ここに国鉄闘争を軸に4大産別決戦を闘うことの路線的意義があるのだ。
動労千葉の1047名闘争とは物販闘争である。裁判闘争でも労働委員会闘争でもましてや請願闘争でもない。動労千葉にとって物販闘争とは、最初から新自由主義との闘いを全労働者階級の中に持ち込み組織する闘いだった。同時に解雇者とJR本体の組合員との団結をつくる闘いだった。動労千葉は、JR本体の全組合員が年休を取って物販オルグをやった。現場組合員の総力をあげた闘いとして物販を路線的に位置づけ闘ってきたのだ。
動労千葉は、反合運転保安闘争路線のもとでの職場闘争と、1047名解雇撤回闘争における物販闘争とを車の両輪にして国鉄闘争を闘ってきたのだ。物販闘争は反合運転保安闘争と並ぶ動労千葉の路線的柱なのだ。
物販問題は路線問題である。物販闘争を4大産別決戦の死命を決する路線的柱としてうち立てよう。本紙春季特別号論文の結論は「組織!組織!組織!」である。それは「物販!物販!物販!」ということだ。09年夏季物販闘争の力で6・14労働者集会の大結集を実現し、4者4団体路線を粉砕しよう。
〈申込先/動労千葉協販部 TEL043(227)7833 FAX043(227)8125>
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週刊『前進』(2390号3面2)(2009/05/11 )
裁判員制度粉砕!連続闘争へ
“絶対に阻止できる”
5・2 攻めの改憲阻止集会開く
5月2日、東京・文京区民センターで「攻めの改憲阻止集会」が開かれ、210人の労働者・学生が参加し、改憲阻止と裁判員制度5月21日実施粉砕の闘いへの決意を打ち固めた。
5月14日は霞が関デモ、5月20日は銀座デモ、5月21日は全国一斉行動だ。5・20デモは、国民救援会などが組織する「明日からあなたも裁判官」なる「下からの運動」を装った裁判員制度推進集会と真っ向から対決し、21日の制度実施を崩壊させる決定的な闘いだ。また6月14日の麻生政権打倒・全国労働者総決起集会への大結集が呼びかけられた。
8・15実行委(戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会)代表の葉山岳夫弁護士が主催者あいさつ。「麻生政権のもと戦争と改憲の攻撃が強まっている。自公が憲法審査会設置規程法案を提出した。『攻めの改憲阻止闘争』とは今闘うこと。5月21日までの運動で裁判員制度実施を阻止するために今日の集会を成功させよう」と訴えた。
次に二つの講演が行われた。平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんは「改憲は始まっている」と題し、連日つぶさに傍聴している国会情勢を報告した。自公が来年5月18日施行予定の国民投票法に基づいて憲法審査会を始動させようとしていることや「海賊対処法案」が「海賊」の規定さえしないまま衆院可決に至っていることを暴き、事実に基づく歴史認識を共有し、9条改憲阻止、裁判員制度廃止へともに闘おうと呼びかけた。
憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士は「裁判員制度は阻止できるぞ!」と題して講演した。自らも呼びかけ人となっている「裁判員制度はいらない!大運動」が主催した4月21日の日比谷野音集会・銀座デモが雨の中、約2千人の大結集でかちとられ、これが状況を一変させ、裁判員制度廃止の機運を全社会的につくり出していると総括。自公民が再び改憲・戦争へと動き始め、全政党が裁判員制度賛成であるにもかかわらず、9条改憲と裁判員制度を許さない圧倒的多数の国民がいることに確信をもって闘おうと力強く提起した。
(写真 210人の労働者・学生が結集。改憲阻止・裁判員制度廃止へ決意を打ち固め“団結ガンバロー”【5月2日 文京区民センター】)
5・14-20デモで実施粉砕を
二つの講演を受けて、裁判員制度候補名簿搭載者、新自由主義大学と闘う法政大学文化連盟、道州制阻止を闘う自治体労働者、動労千葉が発言、大恐慌下で戦争・改憲、民営化・労組破壊との対決を訴えた。
まとめと行動提起を鈴木達夫弁護士が行い「法大生の闘いは学生運動の再建・再興の時代が来たことを示す。中曽根は国鉄分割・民営化で総評・国労を解体し、新しい憲法を床の間にかざると言った。それは労働組合運動が改憲阻止の鍵を握っていることを教えている。労働者人民の団結で資本主義を倒し、新しい社会をつくる発想で闘おう」と提起、改憲阻止、裁判員制度廃止へ5・14―5・20デモ、5・21全国一斉行動、6・14闘争に立とうと呼びかけた。
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週刊『前進』(2390号3面3)(2009/05/11 )
4・27国会行動 翼賛国会を弾劾
「現代の赤紙」に怒り
裁判員制度実施阻止へ怒涛の闘いが始まっている。「裁判員制度はいらない!大運動」は4月27日昼、国会前集会と記者会見を行った。国会前集会には弁護士先頭に各市民団体など約40人が結集。午前中には制度廃止を求める署名1万2千筆を国会に提出した。
労働者民衆の8割が反対している裁判員制度。だが国会議員は全会一致で賛成している。何が民主主義だ! 腐った国会を徹底弾劾する行動だ。
司会を務める武内更一弁護士は、「国会は動揺している。『裁判員制度を問い直す議員連盟』も出てきている。実施したら政府が倒れるという力を示し、『下からの運動』でぶっつぶそう」と力強く呼びかけた。
高山俊吉弁護士は、裁判員裁判では事実認定がおろそかになるなど「まともな」裁判ができないことを最高裁が自認していると批判。にもかかわらず日本共産党系一部弁護士らは、「冤罪のない裁判員制度にしよう」と最高裁を補完し「国民の司法参加」をうたい推進している。高山弁護士は「裁判員制度の対決点は国民の司法動員。絶対反対以外にない」と弾劾した。
鈴木達夫弁護士は、「裁判員制度を柱とする司法改革は、国鉄分割・民営化以来の〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>の新自由主義『改革』であるが、その全体が動労千葉をはじめとする闘いによって全面破綻しようとしている」と指摘。裁判員制度についても「宣伝すればするほど『現代の赤紙だ』など怒りが充満していく。憲法に人を裁く義務などどこにあるのか! いまや破産は明確」と喝破した。闘えば勝てる。しかし、実施前日に「明日からあなたも裁判官」と制度推進集会をもつ日共などの体制内勢力が「最後の救済者」として登場している。鈴木弁護士は「これらの勢力と対決し、5月14日、最高裁−法務省−日弁連という推進実体にデモをかけよう。絶対にひっくり返せる」と檄(げき)を飛ばした。
街頭も熱い。「大運動」の事務局の川村理弁護士、婦人民主クラブ全国協議会、破防法・組対法に反対する共同行動、百万人署名運動杉並連絡会と全国事務局が、各地の闘いを報告。4・21集会には生まれて初めてデモに出る人も多数いた。怒りあふれる街頭の反応に、勝利を確信する発言が続いた。また法大弾圧弁護団の森川文人弁護士や法大生も駆けつけた。
集会後は、東京地裁の司法記者クラブで記者会見。マスコミ各社が会場いっぱいに集まり、注目の高さを示した。制度廃止運動に追い詰められた裁判所は会見場にまで介入し、「裁判員いらないインコ」のマスコットの同席を禁止した。
5月21日実施予定の裁判員制度をいよいよ粉砕する時がきた。5・14−20−21連続行動へ総決起しよう!
(写真 弁護士先頭に約40人が結集。翼賛国会に怒りのシュプレヒコール【4月27日 国会前】)
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週刊『前進』(2390号3面4)(2009/05/11 )
「明日からあなたも裁判官」?! 推進派の日共
8割の労働者民衆が裁判員制度に反対し、裁判員候補者29万5千人への通知に対し12万5千人が突っ返している。制度は大破産し、廃止の情勢が到来している。まさにこの時、闘いを裏切り支配階級の最後の救済者として登場し、闘う者に襲いかかる連中がいる。日本共産党だ。
国民救援会などは実施予定日前日に「なくせ冤罪!5・20大集会−明日からあなたも裁判官」なる制度推進の翼賛集会を開こうとしている。許せない。
日共は昨年8月、社民党とともに実施延期論を打ち出したが、いつの間にかそれを転換し、推進論に舞い戻っている。
日共の理論誌『前衛』5月号の坂本修弁護士論文に、その反革命ぶりが満展開されている。そこでは、裁判員制度について「司法に対する国民参加の積極的な意義をみとめる」と日共の立場を確認した上で、現裁判員制度では冤罪を引き起こす可能性があると指摘する。だが裁判員制度の廃止を求めるわけではない。「裁判員法の五月施行、七月からの裁判員裁判の開始は、おそらく避け難い。そうである以上、私たちは来るべきものに備え、たたかう決意を固め、攻勢的に立ち向かう必要がある」とし、「裁判員として積極的に参加し、力を発揮する」と力説しているのだ! しかも全労連、自由法曹団、国民救援会発行の“良い裁判官になろう”という『裁判員になるかもしれないあなたへ』なるパンフレットを「適切な内容だ」と絶賛している。これが「明日からあなたも裁判官」集会なのだ。
裁判員制度の核心問題は、国民の司法動員にある。労働者階級の階級意識と団結を解体し、支配階級の側に立たせ、侵略戦争に動員する攻撃だ。だから廃止以外にない。
日共は「たたかう決意を固め」と言う。それはわれわれ制度絶対反対派に対して「たたかう」ということなのだ。このファシストまがいの運動を粉砕し、連続闘争に総決起しよう!
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週刊『前進』(2390号3面5)(2009/05/11 )
メーデー 道州制粉砕”を訴え
各地で体制内派と対決し
連合中央と東京地公労
4月29日、マル青労同と全国労組交流センターは、代々木公園で行われた連合中央メーデーに登場、「国鉄1047名解雇撤回 道州制・民営化反対5・9全都労働者総決起集会へ」の横断幕を掲げ、3万6千人の労働者に「資本主義は終わった。大恐慌を革命に転化しよう」と訴え、ビラ8千枚を配布した。
集会で高木剛連合会長は3月23日の政労使合意を称揚、舛添要一厚労相の発言や麻生太郎首相メッセージを支持、資本・国家への屈服・協力、労働者への弾圧を誓った。
他方、東京労組交流センターは、公務員関係労組が勢ぞろいする東京地公労メーデーに登場、「道州制・民営化絶対反対!5・9全都労働者総決起集会」への結集、公務員の夏季一時金削減を狙う臨時人勧粉砕を訴えた。5・9集会呼びかけ賛同人となり参加を決める労働者が次々現れた。
(写真 連合中央【4月29日 東京】)
(写真左 全労連中央【5月1日 東京】、写真右 全労協【1日 東京】)
全労連中央
5月1日、労組交流センターは代々木公園での全労連中央メーデーに登場、「国鉄1047名解雇撤回 道州制・民営化反対5・9全都労働者総決起集会へ」の横断幕を掲げ、3万6千人の労働者に「大恐慌を革命に転化しよう」「5・9全都労働者総決起集会に集まろう」と呼びかけた。5・2攻めの改憲阻止集会、裁判員制度5・21実施阻止闘争、6・14労働者総決起集会も訴えた。
特に労組交流センター・医療福祉部会は独自ビラで「医労連・体制内指導部を打倒し、医療丸ごと民営化と道州制ぶっとめよう」と全労連―医労連幹部打倒を宣言。
集会で志位和夫日本共産党委員長は「大企業の内部留保吐き出しで内需拡大を」と資本主義救済策を打ち出し、オバマ米大統領に4・5プラハ演説「歓迎」の書簡を送ったと得意げに報告、労働者の怒りを買った。
全労協
労組交流センターは5月1日、日比谷野外音楽堂で開かれた全労協系の日比谷メーデーに登場し、1万2千人の労働者に5・9集会と麻生政権打倒の6・14集会への結集を訴えた。
石上浩一国労東京地本委員長は「4者4団体は政治解決を目指すと確認した。解決実現の最終局面に突き進むために総力を結集する」とあいさつ、全面屈服の政治解決路線のめり込みを表明した。だが1047名解雇撤回を貫く労組交流センターの宣伝は圧倒的注目を集め、多くの労働者が5・9集会への呼びかけ賛同人署名を寄せた。
(写真左 連合大阪【1日】、写真右 連合広島【4月29日】)
連合大阪
5月1日、労組交流センターと全学連は大阪城公園で開かれた連合メーデーに登場、カクマルと塩川一派を圧倒し、「4大産別決戦で大恐慌を革命に転化しよう」「労働組合とマルクス主義をよみがえらせよう」「国鉄1047名解雇撤回、民営化・道州制粉砕」を訴える全国統一ビラ、4・25尼崎闘争報告ビラ、4・24法大解放闘争報告ビラなどをまき、労働者と大きく結びついた。『前進』がどんどん売れ、法大解放署名も集まった。
連合広島
広島県労組交流センターは4月29日、広島・中央公園で開かれた連合の広島中央メーデーに登場、連合広島の妨害をはねのけ、「闘う労働組合よみがえらせ大恐慌を資本主義の打倒へ」と訴えるメーデー・ビラ1500枚と4・25尼崎闘争報告ビラを配布した。大恐慌で情勢が一変、労働者は闘う方針を求めている。百万人署名運動広島連絡会も「つぶせ!裁判員制度」のリーフを1600枚以上配布した。
愛労連
5月1日、愛知労組交流センター、東海合同労組は名古屋・白川公園で行われた愛知中央メーデー(愛労連系)に登場、「資本主義打倒こそ大恐慌への回答」「改憲・戦争、民営化・労組破壊に立ち向かおう」「麻生政権打倒! 6・14闘争へ」「トヨタやJRに対しストライキで闘おう」と訴え、2500枚のちらしをまき、青年労働者と結びついた。
(写真 愛労連【1日】)
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週刊『前進』(2390号4面1)(2009/05/11 )
4・24 法大生1500人の怒り爆発
不当処分撤回! 法大解放! 新たな学生運動の扉開く
6学生の不当逮捕はねのけ 300人の機動隊と激突
(写真 集会の破壊を狙って襲いかかった機動隊を固いスクラムで撃退。その際、機動隊・公安警察が5人の学生を不当逮捕。もはや国家暴力でも法大解放闘争の爆発を抑えることはできない【4月24日 法大正門前】)
4・24法大解放総決起集会1500人の大爆発は、新たな学生運動の歴史の始まりだ(前号速報)。学生が歴史の主人公となる胸躍る時代の扉を、文化連盟(文連)と全学連が自らの行動をもって押し開いたのだ。それは6・14〜15連続闘争への総決起として進んでいる。学生・労働者は法大闘争に決起しよう!
情宣禁止の「仮処分」策動、富山や広島でのデッチあげ逮捕・ガサ攻撃など、あらゆる破壊策動を打ち破り、全国学生は4月24日を迎えた。当日は朝から、外濠(そとぼり)校舎前に結集した文連・全学連が積もった怒りを爆発させた。ビラをまいたら処分。それに抗議したら逮捕。学費が払えない学生には借金を背負わせて社会に放り出す。そうやってかき集めた学費をマネーゲームにつぎ込み、それで大損失が出たら「ビラまきで営業権が侵害されて大学がつぶれそうだ。禁止してくれ」と裁判所に乞い願う。これが大学の民営化=私物化じゃなくてなんなのか! 大学を俺たち学生の手に取り戻せ! あまりに真っ当な、正義を貫いた怒りがキャンパスを解放していった。
法大当局は正門を閉鎖したが、それが精一杯だ。それでも学生がどんどん外濠校舎前に結集してくる。当局は「授業妨害をやめろ」という看板をもって現れた。これに学生の怒りが爆発、「何が授業妨害だ! お前らがどれだけの学生の人生を破壊してきたと思ってるんだ! すべての不当処分を撤回しろ!」と文連を先頭に詰めよる。学生の怒りは外濠門に配置されていた暴力ガードマンを簡単に蹴散らし、法大生と大合流して集会が始まった。文連の恩田亮副委員長、斎藤郁真委員長、倉岡雅美さんを先頭とした訴えに、授業中にもかかわらず、1階や、吹き抜けとなった上の階から教室を飛び出し耳を傾ける学生。教職員が「見るな、見るな」と叫ぶが、そんなものは完全無視。処分という団結破壊を打ち破り、正義を貫いた学生がキャンパスを取り戻した感動的瞬間だ。教職員は一言も発することもできない。
この解放的状況に、今度は警察が「無届け集会だ」と弾圧してきた。文連が「悔しいけど、正門前に移動して集会をやる。みんなついてきてくれ!」と訴えると、学生が教職員によるピケットを打ち破って正門前に結集。正門前道路、外濠公園は学生・労働者によって解放区になった。
ここに、仲間を逮捕し、集会を破壊しようと300人の機動隊が突っ込んできたのだ。ふざけるな! 文連と全学連は固くスクラムを組んで激突した。機動隊・公安警察どもは学生を押し倒し、殴る蹴るの暴行を加えた末に恩田君、倉岡さんをはじめとする5人の学生を「東京都公安条例違反」「公務執行妨害」で不当逮捕した。
斎藤委員長は怒りに震えながら、「学生諸君! これが法大の姿、学生を商品として扱う新自由主義だ。こんな社会に可能性はない。社会を変革しよう。自由を取り戻そう。集会やるぞ! デモに出よう!」とアピールし、集会が始まった。校舎の窓、封鎖されたキャンパス中央の向こう側、ボアソナードタワーの中、キャンパスのあらゆる場所から学生が顔を出し、発言する一人一人に注目している。仲間を目の前で奪われ、涙を流している学生もたくさんいる。タクシー労働者からも封筒にメッセージを書いたカンパが寄せられ、斎藤君が感涙を拭いながらそれを読み上げた。動労千葉の労働者も「こんな大学は許せない。ともに闘う」と熱いアピール。織田陽介全学連委員長は「みんな、授業もぶっ飛ばして集会に来てくれた。本当に感動している。この力で大学を取り戻し、未来を切り開こう!」と訴えた。
さあ、怒りのデモに出発だ。「自由をかちとろう!」「大学が未来を奪うな!」というコールが市ケ谷の町に響き渡る。デモ後、直ちに麹町署に怒りの抗議行動を叩きつけた。このときに1人の仲間が不当逮捕された。
4・24闘争後、直ちに6人の仲間を奪還する闘いが開始され、釈放要求の署名は200筆を超えている。文連と全学連は連日キャンパス集会を開催し、ビラまきを妨害する教職員を打ち破ってビラを受け取りに来る学生も現れるなど、キャンパス中央は解放的な雰囲気に包まれている。
(写真 勝利感と解放感あふれるデモ。学生・青年労働者の新しい闘いが始まった【4月24日】)
30日―麹町署直撃するデモ
30日には総長室−麹町警察署−暴力警備会社ジャパン・プロテクションを直撃するデモを叩きつけ、5月1日には勾留理由開示公判を闘った。
4・24闘争の大爆発に追いつめられた日帝・東京地裁は6人の学生のさらに10日間の勾留延長を決定した。6人の仲間は、連日の長時間の取り調べ=転向強要を粉砕し、非転向で闘いぬいている。6人の仲間を直ちに奪還し、4・24闘争の勝利を打ち固めて、法大解放闘争の一層の爆発をかちとろう!
(写真 「6人の仲間を取り戻すぞ!」麹町警察署に向かって怒りを叩きつける【4月30日 麹町署前】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2390号4面2)(2009/05/11 )
勾留理由開示公判 “即時釈放しろ!”
逮捕の6学生と熱い合流
4・24法大総決起集会で不当逮捕された学生6人の勾留理由開示公判が5月1日、東京地裁で開かれた。
「接見禁止」のもとに置かれている6人との熱い合流をかちとるべく、法大文化連盟と全学連の学生を先頭に、労働者、家族などがかけつけ傍聴席を埋めた。まず「公安条例違反」をデッチあげられた文化連盟の恩田亮君、倉岡雅美さんら3人の開示公判が始まった。尾藤裁判官は「無届けの集団示威行動を行った。笛を吹き太鼓を打ち鳴らして参加者を誘導した」等々の”被疑事実”を並べ立てた文章を棒読みしただけで、弁護士の求釈明に一切答えず強権的に手続きを進めようとした。「ふざけるな!」「まともに答えろ!」――傍聴席から猛然たる追及と怒号がたたきつけられた。
裁判官はうろたえながら退廷命令を乱発。裁判所職員が次々と暴力的に襲いかかったが、法廷の怒りはまったく収まらない。
弁護人は怒りの意見陳述を行い、「被疑事実に該当するものは存在しない」「憲法で保障された政治的表現の自由への不当な弾圧だ」「警察署の取り調べでの転向強要を許さない」との弾劾を突きつけた。
続いて同じ尾藤裁判官で、「公務執行妨害」で逮捕された3人の開示公判が開かれた。ここでも尾藤は「被疑事実」を棒読みするのみで、デッチあげ不当弾圧を居直り、弁護人の求釈明に一切応じない態度をむき出しにした。だが、退廷命令をいつ出すかだけに注意を奪われ、弁護人の言うことにも上の空で浮き足だっていたというのがこの小心な尾藤の現実だ。弁護人はこの裁判官としてあるまじき傍若無人ぶりを徹底弾劾し、傍聴人も一体となって退廷命令を恐れず闘いぬいた。
2006年3・14弾圧以来、法政大学をめぐる闘いでの逮捕者の数は実に94人。だがそれを猛然と打ち破って4・24法大解放闘争が爆発した。6人は勝利感にあふれて完黙非転向を貫き獄中闘争を闘っている。恩田君のオールバックも、倉岡さんの笑顔も健在だ。
一日も早く、6人を奪還しよう。
(写真 法廷の恩田君と倉岡さん。それぞれに警官2人が密着する重戒護体制【5月1日 東京地裁】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2390号4面3)(2009/05/11 )
新樹寮C棟明け渡し阻止、5・31全国集会に結集を
マル学同中核派・富山大学支部
はじめに
全国の学生・労働者の皆さん! 富山大学では、寮生無視の新樹寮改修強行=自治寮つぶし絶対反対、5月31日のC棟明け渡し期限粉砕を掲げ、C棟に残る寮生を先頭に5・31全国集会が開催される。当局はこの決戦を前に、学内にある学生自治会室の明け渡し仮処分に、なんと「所有権」を語って踏み切ってきた。すべての仲間は5・31富山大学へ!
大恐慌を革命に転化する学生の反乱が始まった。法大闘争を先頭とする学生の決起は、教育が本来持つべき未来を切り開く力を学生が取り戻す闘いだ。この闘いは4大産別決戦、道州制決戦と一体で闘われ、世界革命に行きつく闘いだ。
富大支部は5・31の新樹寮廃寮阻止の全国集会、6・14〜15連続闘争に攻め上る!
6学生の勾留延長徹底弾劾
まず何より、4・24法大解放総決起集会で逮捕された恩田亮君(法大文化連盟副委員長=無期停学処分)や倉岡雅美さん(全学連副委員長=停学9カ月)を含む6学生の勾留延長決定を徹底的に弾劾する! 6学生への取り調べは、風邪を引いて熱を出す学生を無理矢理連れ出して「いい気味だ!」と罵倒(ばとう)するなど、法大闘争で敗北を味わってきた公安警察の憂さ晴らしとなっている。こんな勾留を認めた裁判所など、燃やし尽くさなければならない! 何より公安警察よ、文化連盟と全学連の訴えに、全国の学生と労働者、そして何より千人規模の法大生が大合流し、1500人の大集会となって感動的にかちとられた4・24法大集会の勝利を消すことはできない。勾留延長がさらなる学生の怒りの決起に転化するのを目に焼きつけるがいい!
4月5日、米帝オバマはプラハで、「核兵器独占宣言」「北朝鮮・イラン侵略戦争宣言」ともいうべき演説を行った。世界の帝国主義はますます保護主義・ブロック化へと突き進み、世界大恐慌の深まりは、世界戦争に向かって進んでいる。日帝・麻生政権は、ソマリアへの武装自衛隊の派兵、北朝鮮「ミサイル」への迎撃での戦争体制への突入、そして憲法審査会の今国会での始動を決定し、改憲・戦争へ一気に舵(かじ)を切った。
しかし、戦争は法律を変えるだけではできない。労働組合や学生の団結を解体しないかぎり不可能だ。労働組合の団結を破壊し、労働者の権利の一切を奪い尽くす民営化攻撃として進められてきた新自由主義政策を、国鉄1047名闘争の解体と、公務員360万人のいったん全員解雇・選別再雇用という4大産別の労働組合つぶし、改憲攻撃として進めようとしている。
日本共産党やカクマルなどの体制内労働組合指導部たちはあまりの攻撃の激しさに土下座状態だ。裁判員制度施行が狙われる5・21を前にして、共産党を先頭に裁判員制度翼賛行動が組まれ、「今年の8・6ヒロシマにはオバマを呼ぼう」などという策動まで始まっている!
こうした帝国主義の戦争への踏み切りと体制内勢力の屈服にもかかわらず、世界の労働者階級はゼネストやデモ、暴動と、闘いに立ち上がっている。日本でも4・21裁判員制度粉砕デモや、4・24法大集会の報道は全国の労働者・学生の魂を揺さぶった。4・25尼崎事故弾劾闘争では、国鉄労働者を先頭として、新自由主義政策に断を下す闘いがたたきつけられた。闘う勢力が力を持ち始めている。逮捕された6学生はこの階級闘争の前進のすべてを引き受けて闘っている。
寮生無視の廃寮に怒りを
大恐慌時代の帝国主義の攻撃は、戦争・改憲と民営化・労組破壊だ。大学においては、大学自治破壊、学生の団結破壊としてあり、新樹寮の改修、自治寮廃寮攻撃は、その最先端の激突だ。
5・31全国集会は第一に、寮生無視の廃寮攻撃に怒りの反撃をたたきつける大集会だ。
大学当局は突如1月末に改修計画を発表し、入寮募集停止の決定を行った。当該寮生の意思を無視しての「明け渡し」決定。「入学する自分の兄弟が大学に通えなくなるじゃないか!」という寮生の追及をも無視して決定された入寮募集停止。こんな一方的な決定をのんで寮生の意思など貫けるはずがない。当局の狙いは自治寮つぶしだ。
そして、同時にこの改修は民営化攻撃そのものだ。自治寮では学生が管理運営してきたものを、資本の支配と管理に変えようという攻撃だ。銀行からの長期借入金の導入から、寮を金もうけの対象にし、厚生施設であるべき寮の存在意義の根本が否定される。まったく同じケースで改修された大分大学の寮の場合は寄宿寮だけで700円から2万400円までも跳ねあがっている。共同生活の場である自治寮が、完全個室の寮につくり変えられ、寮生がバラバラに分断される。資本家のための金もうけであり、寮生のための改修などではまったくないのだ!
新樹寮は、仲間と団結し、おかしいことにはおかしいと声を上げて学生の権利を守り抜いてきた誇り高い自治寮である。こうしたあり方すべてを否定する一方的決定=自治寮つぶしに怒りの声を上げよう!
教育の民営化=道州制粉砕へ
5・31全国集会は第二に、教育の民営化=道州制、改憲・戦争に対する反撃だ。
日帝の麻生政権と資本家階級は、大恐慌の生き残りをかけ、道州制攻撃に一切をかけている。それを富山大学で端緒的に示しているのが西頭学長体制だ。何よりも西頭学長は、学長選挙で最下位だったにもかかわらず、富山県経済同友会の力で学長に就任し、資本家の代表として富山大学を独裁支配している。資本家の大学支配で学生は教育を奪われ、資本の食い物にされて借金漬けで捨てられている。新自由主義政策で労働者の人生を奪って金もうけをし、金融でバブルをつくり出し、そのすべてを破産させた資本主義は、ついに若者の未来、いわば社会の未来を食いつぶすまでに至ったのだ。
そして、教育の民営化は戦争・改憲への道だ。法政大学同様、極悪職員がビラまき、情宣活動を徹底的に弾圧し、昨年、武藤淳範君が学内でのビラまきを理由に逮捕・起訴されている。学生自治・寮自治は、侵略戦争に対する怒りで敗戦直後、学生の団結によってつくられたものだ。西頭学長独裁体制によって新樹寮の団結・寮自治を破壊し、再び戦争衝動を噴出させ始めた資本の自由を大学において解放することは、再びの軍事研究と学徒動員の道だ。
新樹寮廃寮阻止の闘いを、戦争と民営化の大激突点である4大産別決戦と一体で大爆発させよう!
体制内執行部打倒し団結を
5・31全国集会は第三に、体制内執行部を打倒して寮生の団結を取り戻す闘いだ。
われわれは新樹寮廃寮を全国の学生・寮生と労働者とともに実力で絶対に粉砕する。寮生がC棟の解体、叩き出しにおとなしく従うと思ったら大間違いだ。誰もが新樹寮廃寮攻撃に対して怒りを感じている。寮生が団結を固めれば絶対に廃寮を阻止できる。
だからこそ、絶対に許すことができないのが新樹寮の体制内執行部だ。寮生の大学当局への怒りを徹底的に抑え込み、廃寮反対の闘いを弾圧しているのだ。
富大当局の改修案は、1年に1棟ずつ4年かけて改修工事を行うというものであり、一番戦闘的に闘いぬいてきたC棟の自治を、寮生自らの手で破壊させようという攻撃だ。こんな攻撃に屈して「民営化されてもその下でも自治は残る」(寮執行部)はずがない。ふざけるなということだ。体制内執行部は自ら寮の管理人(大学職員だ!)を招き入れ、内側から自治寮を解体しようとするところまで屈服している。
そもそも、体制内執行部が闘う方針をまったく出さない中で、寮生が絶望し退寮を余儀なくされている。絶対に許せない。
富大支部は闘う寮生とともに、体制内執行部から寮生の手に新樹寮を取り戻す。すでに闘う寮生から戦闘宣言が発せられている。「寮生が大学内で行動を起こせば他の富大生もともに闘ってくれるはずだ。学生たちが団結すれば大学の許可なんて関係ない!」。問われているのは、資本が大学を支配するか、学生が大学を取り戻し、社会の主人公として登場するかどうかだ。
われわれは4・24法大1500人決起を引き継ぎ、5・31新樹寮廃寮絶対阻止の全国集会を大爆発させる! 6・14〜15連続闘争で日本の学生運動の荒々しい爆発から、世界革命に攻めのぼる!
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週刊『前進』(2390号4面4)(2009/05/11 )
2009年 4月22日〜5月5日
自公が憲法審査会の始動狙う/「海賊」法案が衆院通過
●国会議員87人が靖国参拝 超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・島村宜伸元農水相)の計87人が春季例大祭が開かれている靖国神社に参拝した。閣僚は参加しなかった。(22日)
●憲法審査会、始動方針 自民党の細田幹事長、公明党の北側幹事長らが会談し、改憲に向けて問題点を議論する国会の憲法審査会について、今国会中の始動をめざす方針を決めた。審査会は07年、国民投票法の成立を受けて両院に設置されたが、野党が法案の強行採決に反発し、運営規程も委員数も決まっていない。(22日)
●在韓米軍司令官「作戦計画を準備」
在韓米軍のシャープ司令官がソウル市内で講演し、「北朝鮮の不安定な事態に備えた作戦計画を準備している。偶発事態に対応できる」と述べ、概念計画「5029」を、実戦に耐えうる作戦計画に格上げする作業がほぼ完了したことを示唆した。5029は、北朝鮮が大量破壊兵器を管理できない事態や現体制の崩壊、内戦の発生などを想定。(22日)
●「海賊」法案が衆院通過 ソマリア沖に派遣している海上自衛隊の活動の新たな根拠法となる海賊対処法案が衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、参院に送られた。(23日)
●北朝鮮「核処理を再開」 北朝鮮の朝鮮中央通信は、同国外務省報道官が「使用済み核燃料棒の再処理作業を始めた」と述べたと伝えた。北朝鮮は、ミサイル発射を非難する国連安保理の議長声明に反発し、6者協議離脱を表明し、同協議の合意に基づいて停止していた核開発を再開する考えを示唆していた。(25日)
●名護市が辺野古区に財政支援 米軍普天間飛行場代替施設建設に伴う新たな基地負担を受ける辺野古区からの要請に対し、名護市が再編交付金による助成や地方交付税の傾斜配分割合などを定めた財政的支援措置を区に約束していたことが分かった。(26日)
●米軍ヘリ、渡名喜島に緊急着陸 米空軍嘉手納基地所属のHH60型ヘリコプター1機が沖縄の渡名喜島の村管理ヘリポートに緊急着陸した。嘉手納基地によると、燃料システムの不具合で緊急着陸。さらにもう1機が緊急着陸機の修理のために着陸した。(27日)
●「必要あれば自衛隊機派遣」 浜田防衛相は、新型インフルエンザへの対応について「海外で飛行機が飛ばない場合、政府として対応しなければならないのであれば、(防衛省が)飛行機を出すこともある」と述べ、発生国に自衛隊機を派遣し、日本人の帰国を支援する考えを示した。(30日)
●日米防衛相会談 訪米中の浜田防衛相がゲーツ米国防長官と国防総省で会談した。日米が年末年始に向け国防政策を見直すのを踏まえ、同盟関係を一段と強化することで合意した。ミサイル防衛(MD)での連携強化も確認した。日本側が年末に「防衛計画の大綱」を見直し、米側は来年2月に「4年ごとの国防政策見直し」(QDR)を策定する。政策すり合わせのための協議継続を申し合わせた。(1日)
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週刊『前進』(2390号5面1)(2009/05/11 )
09年前期で『前進』1割拡大を
機関紙武器に青年を組織し11月1万人結集実現しよう
前進経営局
『前進』は青年・学生獲得の最大の武器
戦争と改憲、民営化・労組破壊の攻撃と闘い、6・14〜15中央政治闘争から11月1万人決起へ決起しよう。その勝利の鍵はマル青労同・マル学同各1000人建設にある。4・24法大解放闘争が切り開いた青年・学生の大決起をとことん推進し、大量の活動家・指導部を生みだそう。
それはいかにしたら実現できるのだろうか。青年を『前進』で獲得し、『前進』を武器に青年が青年を組織する時代を作りだすことだ。青年組織の建設にとって、機関紙は最大・最良の武器だ。
職場闘争を組織建設に結びつけるものは機関紙だ。体制内勢力との党派闘争の最良の武器は『前進』だ。機関紙の拡大なしに4大産別・6大産別の職場細胞は建設されない。『前進』は階級的労働運動の新聞であり、マルクス主義の新聞である。『前進』を武器に階級的労働運動を実践し、『前進』を武器に体制内勢力との党派闘争に勝利し、『前進』を武器に労働者細胞を建設しよう。
「党内闘争」を貫き新たな増勢始まる
08年後期、機関紙拡大闘争は画然と始まった。東京都委員会は、機関紙担当者会議を組織し、『前進』3割拡大方針を掲げ、これまでに倍する拡大を実現した。多くの地方・地区で、職場と街頭で目的意識的な拡大を実現した。学生戦線は大量逮捕で苦闘したが、獄中で鍛えられた学生共産主義者を先頭に今春3倍拡大へ猛ダッシュを開始した。機関紙活動は、明らかに飛躍への転機にさしかかっている。
「党の革命」から3年、塩川一派などの脱落・逃亡などによって減部が増部を上回る事態が続いていたが、新たな増勢が始まったのである。この3年間は、動労千葉労働運動に学び、階級的労働運動路線のもとに党が階級の党へと生まれ変わり、職場と大学に拠点を建設する闘いであった。
激しい党内闘争であった。しかしそれは、最末期帝国主義の新自由主義攻撃と闘い21世紀革命に勝利するためのきわめて価値創造的な闘いであった。塩川一派の惨状を見るにつけ、この闘いの大きさを実感する。彼らは革命的共産主義運動の歴史から何一つ革命的なものを学びとることができずにその清算に熱中し、体制内派に追随し、動労千葉へのデマ宣伝を唯一の存在意義とする反マルクス主義・小ブル革命主義の転向集団になり下がってしまった。
われわれは、動労千葉の歴史的闘いとその到達地平から、資本に対する「絶対反対論」、それと一体の「階級的団結論」、革命的リーダーと組織を打ち立てていく「組織建設論」を学び、実践してきた。権力と資本に対する非妥協の闘いをとおして、党内外から血債主義・糾弾主義、小ブル的・日和見主義的・体制内的部分をたたき出し、党を階級の党へと変革し、階級の指導部としての党の団結をつくりだしてきた。この闘いが青年の決起を軸に、地区党の団結、職場の団結、地域の団結を次々に生みだしてきた。われわれが今、新たな飛躍期を迎えているのは、階級的団結を実践で学んでいるからである。
闘う労働組合とマルクス主義をよみがえらせ、職場にこだわり何ものをも恐れずに闘い抜いてきたがゆえに、大恐慌と戦争の攻撃に階級的団結を固めることができた。帝国主義の危機ゆえの凶暴化を前にして、体制内党派はもとより、塩川一派などついこの前まで「革命的言辞」を弄(ろう)していたすべての勢力が屈服・転向するなかで、4者4団体派との党派闘争を闘い、唯一勝利の路線と展望をもつことができた。それは、国際的普遍的教訓であり、昨年11月の「単一の党」の建設に向けた国際連帯闘争を推し進めたのである。
階級的労働運動と一体の機関紙活動
労働組合運動と機関紙活動を一体的に展開することが今ほど必要なときはない。革命党の機関紙は階級的労働運動の新聞であり、マルクス主義の新聞である。それは、階級的労働運動の実践とマルクス主義によって創(つく)りだす新聞である。「時代認識と路線」で活動家を武装し、党に組織する。機関紙を読み、広め、活用することによって、活動家は組織者になり、指導部になる。党派闘争をとおして『前進』を6000万プロレタリアートに広め、読者網を基礎に労働者細胞を建設し、強固な革命の拠点を築くことができる。
どうやって勝っていくのかということにわれわれが本気で責任をとらなければいけない。国鉄1047名闘争をめぐって、国鉄と自治体職場をはじめ国鉄闘争支援陣形の中で4者4団体派との激しい党派闘争が闘われている。この闘争は日本革命の帰趨(きすう)を決める戦略的闘いである。この闘いにとって、労働組合運動と機関紙活動を一体的に闘い、党派性を鮮明にし、体制内勢力を打倒し、階級を獲得することだけが勝利の道である。拠点職場においては、大衆的活動家を集め、時代認識と路線をめぐって討論する『前進』フラクションが絶対に必要である。それなしに階級的労働運動を組合レベルで貫徹していくことはできない。国鉄を軸に4大産別・6大産別に読者網をつくり、拠点職場をつくることである。
08年の到達地平と本年の新たな課題
東京都委員会が地区キャップとは別に各地区に機関紙担当者を決め、担当者会議を開催し、拡大目標を設定し、半年間の実践で軌道に乗せたことは決定的であった。
担当者会議が活動推進軸に
独自の担当者を決めたことによって機関紙財政を独立化し、日常的に機関紙活動を掌握・点検することができた。11月集会参加者全員を中心に3割拡大方針を掲げて実践した。3割拡大はできなかったが、青年労働者を中心に拡大数をこれまでの2倍にした。激動期であり、党派闘争の激化と青年の流動性によって減部も多いが力強く前進した。
もちろん、地方委員会・地区委員会が月1回、機関紙活動(機関紙拡大と機関紙財政)を主テーマとする会議をもつことが絶対に必要である。しかし、機関紙活動は具体的実践について具体的に議論しないと一歩も進まない。このためには担当者会議によって機関紙活動の推進軸をつくることが大切である。教訓化してほしい。担当者会議で議論することは、拡大目標、青年労働者の拡大対象、拡大活動、拠点政策と職場フラク政策、街宣政策、機関紙財政などである。
東京都委員会は09年前期、再び3割拡大方針に挑戦している。学生戦線は、法大決戦を主戦場に、新入生歓迎号の販売を突破口に3倍拡大方針で突撃を開始している。こうした拡大への機運を全党の目的意識的な拡大闘争へと転じたい。09年前期、何としても全党で1割を拡大しよう。
読者会広がり集団的オルグ
機関紙活動の積極化は、職場での公然活用への意欲を生み、多くの成果を上げている。
「組合事務所で学習会を始めようと、国鉄職場でついに3・25判決批判について『前進』の読み合わせを始めた」(A地方)。
「職場で『前進』を読み、配ることを提起し、開始した」(B地方)
「作業所の平場で『前進』学習会を始めた。やってみると大衆自身がどんどん討論をリードし、楽しみにする状況が生まれた」(東京都委員会)。この細胞では10部を拡大し、地区全体で15部の拡大を実現した。
職場ごとに条件が違うので画一化できないが、このような条件が広がっていることに注目すべきだと思う。
機関紙拡大闘争が、個人的力量によるものから集団的な力によるものに変わってきていることは、重要な前進である。もちろん、一人ひとりの決起が決定的である。しかし、一人が責任を持つにしても、学習会や交流会や会議などをとおして、この人たちは信頼できる、この人たちと一緒に活動したいという団結の力、魅力を形成することが獲得の本質的な力なのである。機関紙拡大闘争は対象の良し悪しではなく、主体の側にかかわるのである。生き生きとした組織になれば、読者は次から次へと拡大すると言っていい。
定期的な大衆的読者会が始まっている。「決定をともなう会議ではなく、みんなで交代で声を出して読み合わせをしています。時間は夜7時から8時半くらいです。指示伝達や集金、常任の解説はありません。労働者同志からの質問や感想が中心です」(C地方)
配布の改善も一貫したテーマである。「1日でも早く、半日でも早く渡して、会議の時には一定読んでいる状況を目指そう。『前進』を読了し、読みこなしていくことはものすごく古いテーマであり、非常に今日的なテーマ」(D地方)
あらゆる創意で積極的に活用と拡大に取り組み、その経験を共有することが重要だと思う。
街頭での販売を強化しよう
「党建設の戦略的課題は、マル青労同・マル学同各1000人建設を絶対に実現し、その中から新たな階級的指導部を形成することである。その決定的武器は機関紙とマルクス主義の学習会である。マル青労同1000人建設と階級的指導部をつくっていく場合、会議を『前進』を使って主催できる、『前進』を使って政治武装をちゃんとできるということで鍛えられ階級的指導部として成長していく、飛躍していくことがポイントだと思う」(東京都委員会)
街頭は革命派にとって資本主義に怒り、闘いを求めている無数の青年労働者・学生を始めとする労働者人民と結合する決定的場だ。6月、11月にむかって恒常的に街頭宣伝を強化していこう。そして街頭宣伝でこれまで以上に強力に機関紙を持ち込もう。街宣に必ず機関紙販売を位置づけ、1部、2部の販売をゴリゴリ追求して闘い抜こう。
昨年9・15のリーマンショック以降、街頭での拡大は飛躍的に進んでいる。街頭での拡大にとっても、集団の団結力が読者獲得の核心的力である。
投稿で紙面を活気づかせる
機関紙は労働者の生活に結びついてこそ、生き生きとしたものになる。
「かつて『隠れキリシタン』なんて自嘲(じちょう)した時もあったが、自分が中核派であると、『前進』が自分の分身であると、自分のことを紹介するには『前進』に載せてくれと、こういうところにまでわれわれの闘いによって、あるいは情勢によって、なっている」(D地方)。投稿が多過ぎて、本紙からあふれ出している。これが本来の機関紙のあり方である。積極的に投稿し、紙面を活気づかせよう。自分の新聞として広めていこう。
財政改善への持続的努力を
機関紙財政の最も基礎をなすものは、機関紙発行を維持する機関紙分担金を定期的に納入することである。もとより、機関紙財政はブルジョア的経済的合理性に依拠することはできない。必要な資金は何としても集めなければならない。しかし、その資金は一人ひとりの同志・読者が生みだす力をもっている。1部300円、月1400円の『前進』を6000万プロレタリアートに一部一部広げること、広げられることが機関紙財政の力である。
われわれは本質的に革命勝利まで機関紙財政・党財政のための苦闘から逃れることはできない。この闘いは党組織を鍛える。ユーゴスラビアの指導者チトーは、スターリンからの財政援助を断ることで党を鍛えることができた。機関紙拡大闘争を組織討議すると同時に、機関紙財政の現状を組織討議し、解決にむけて持続的に努力していこう。
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週刊『前進』(2390号5面2)(2009/05/11 )
泉州住民の会総会が成功
“労働者軸に関空闘争を”
4月26日、泉佐野市内で60人が集まり、「関西新空港絶対反対泉州住民の会2009年度総会」が開かれた。
今年の総会は25年余の粘り強い闘いを踏まえ、「ついに関空闘争が勝利する時代がきた!」という基調が貫かれた総会になった。また昨年までの延長ではなく、住民の会が多数の労働組合、労働者とともに闘う関空闘争に飛躍していく方針に貫かれた緊張感がある総会になった。
関空は、世界大恐慌の直撃を受け便数が激減している。橋下府知事は経営危機に陥る関空を救済するために関空を「関西州」導入攻撃の中心に位置づけた。関空闘争が労働者階級の中心課題であることがこれほど明らかになった時はない。
泉州住民の会会員は現役労働者と退職労働者ばかりだ。今年はその中から青年労働者が役員になり、元気に闘っている。関西合同労組泉州支部が住民の会に入って労働者組織化の先頭に立っている。
今年の総会はそんな役員が総決起して成功した。総会は中山さんの司会で始まり、平尾さんが開会あいさつをした。活動報告と会計報告は小林さんが行った。「昨年は(部落解放同盟全国連)西郡支部に発言してもらえずに失礼しました。今年7月集会では発言してもらいます」と述べた。
国賀祥司事務局長(泉佐野市議)がパワーポイントを使って活動方針を提起した。「世界大恐慌はこれから本格化する。関空は便数が激減している」「これまでの粘り強い運動がついに勝利する時代がきた!」と宣言した。そして「道州制を推進する橋下との闘いが決定的。橋下は関西州の中心に関空を据えた。泉佐野市立病院の独法化は民営化・道州制攻撃そのもの。医療を金もうけの手段にしている」と批判した。そして方針では「今年の7月集会で西郡支部に必ず発言してもらう」と宣言し、「労働組合とともに関空闘争を闘う! 7月全国集会は泉州住民の会の力で成功させる!」と締めくくった。
来賓として、永井満淡路町空港反対同盟代表と山本善偉新空港反対東灘区住民の会代表があいさつした。
また、入江史郎ス労自主委員長、深町加代子豊中市職女性部長、藤木好枝八尾北労組委員長、田中雅志関合労大阪東部支部長が連帯のあいさつをした。
メッセージが、北原鉱治三里塚反対同盟事務局長、森田恒一泉州住民の会前代表、都政を革新する会、婦人民主クラブ全国協から届けられた。
入江さんは「社会を動かしているのは労働者。労働者が反撃できる情勢が来ている」と連帯あいさつした。深町さんは「戦争をやるために民営化と労組破壊をやり、新しい機構をつくるのが道州制。しかし資本家以外は労働者。みんな団結できる。資本にぶつかっていこう」とあいさつ。藤木さんは、西郡支部の岡邨さんのメッセージを持って参加し、住宅強制収用に対してストで闘った意義を語った。田中さんは森精機の闘いについて「どういう時代で闘っているのか、時代認識をはっきりさせる論議をして闘ってきた」と述べた。
黒瀬博匡関合労泉州支部支部長が、「関合労は関空闘争に責任を取りきる」と決意を表明。閉会のあいさつは井上さんが行った。
世界大恐慌情勢下、関空闘争が三里塚に続いて圧倒的に前進することを確信させる総会になった。関空闘争は橋下の弱点になる。7月全国闘争を闘おう!
(写真 国賀祥司事務局長が「労働組合とともに関空闘争勝利へ」と方針提起【4月26日 泉佐野市】)
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週刊『前進』(2390号5面3)(2009/05/11 )
日共・志位がオバマを絶賛
核独占演説「心から歓迎」
オバマ米大統領の「核廃絶」に関する4・5プラハ演説は、2388号の本欄で弾劾したとおり、「核廃絶」の名で核独占を狙うものであり、マスコミが宣伝するような「平和への前進」とは百八十度逆のものだ。だが、既成の原水禁運動などは、この発言に飛びつき、オバマを広島・長崎に招待しようなどという運動さえ起こそうとしているありさまである。その反動的デマ宣伝の先頭に立ってオバマにエールを送っているのが、日本共産党委員長の志位だ。
オバマがプラハ演説で言っていることは、核兵器の拡散つまり新たな核保有国の出現は認めないということであり、米帝の圧倒的な核の独占宣言そのものだ。それを「核のない世界をつくる」などの美辞麗句で粉飾しているのだ。「削減」もぺてんである。「削減」の名で旧式兵器を廃棄し、戦力アップした新兵器に置き換え圧倒的な核優位を保つことなのだ。
現にオバマは、アフガニスタン侵略戦争を拡大し、米軍再編・辺野古新基地建設を推進している。クリントン国務長官が来日して最初にやったことは、新基地建設を促す「グアム協定」の調印だった。こうした現実と対決することなく、オバマへの幻想をあおることは許されない。
4月30日、志位は、オバマあてに書簡を送ったことを発表した。プラハ演説に「大きな感銘」を受けた、「歴史的な意義を持つものであり、心から歓迎する」と手放しで絶賛している。そして、「私は、大統領に、核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、国際交渉を開始するイニシアチブを発揮することを、強く要請するものです」と、オバマに「指導力の発揮」を求めているのだ。
志位はそこで、オバマに米帝自ら核兵器を放棄するよう求めているのですらない。「国際条約の締結、国際交渉の開始」の音頭をとってほしいと要望しているに過ぎないのだ。こんなものがどうして「前人未踏の挑戦」であるものか。「人類的課題の追求」であるものか。笑わせるな!
志位にとってオバマは、憎むべきアメリカ帝国主義の頭目でないばかりか、世界の新しい希望を託す指導者、ともに「人類的課題」を追求する同志なのだ。帝国主義という概念そのものが蒸発し、階級協調の立場に立ってしまっているのだ。
いろいろ「相違点はあるが」あえて「核兵器廃絶という人類的課題の一点にしぼって」書簡を出したと志位は言うが、核の問題を超階級的に扱うことは絶対にできない。核兵器を生み出し、それを世界支配、階級支配の不可欠の手段にしてきた帝国主義の体制を打倒しない限り核兵器は廃絶できない。それが階級的真理だ。
世界大恐慌で資本主義の命脈は尽きた。オバマは大銀行・大企業の延命のために膨大な公的資金を投入し、さらに財政危機を深めている。帝国主義間の矛盾と対立は深まり、ブロック化・世界戦争を不可避としている。オバマ打倒、麻生打倒、大恐慌を帝国主義打倒のプロレタリア世界革命に転化することのみが、帝国主義戦争(核戦争)を阻む道だ。日共スターリン主義の帝国主義翼賛を弾劾し、8月反戦反核闘争へ闘おう。
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週刊『前進』(2390号5面4)(2009/05/11 )
情報操作し戦時動員狙う
新型インフル問題の核心
「新型インフルエンザの脅威」が国家権力とマスコミ総がかりで大宣伝されている。総務省は「対応ガイドライン」を発し「国家の危機管理上の重要課題だ」と叫んでいる。新聞には連日「検疫」「厳戒」「脅威」の見出しが躍る。麻生首相は「非常事態」の陣頭指揮を執るポーズで人気回復を狙っている。こんな状況を徹底的に打ち破らなければならない。
まず「新型インフル感染が手の施しようもなく拡大し猛威を振るっている」かのような意図的な情報操作と危機管理を粉砕しよう。メキシコでは特定できる死者は40人以上、疑い例を含めると100人を超すと言われる。だがこれは高い貧困率、極端な格差社会、人口あたりの医師・看護師数の絶対的不足というメキシコの社会的現実をぬきに語ることはできない。病気になっても医者にかかることができない中で、病状が悪化し多くの人が亡くなったのだ。
ところが日本においては、実際には何も起きていない社会の中から感染者を発見=摘発するために、国家、地方自治体、マスコミが「検疫」「予防」に躍起になり、医療、自治体、教育、空港などの労働者が徹底的に動員されている。修学旅行帰りの横浜市の高校生が感染の疑いをかけられ、学校には「生徒の通学路はどこだ」などの電話が相次いだ。高熱で病院を訪れた人が診療を拒否される事態も次々に起こっている。
感染の恐怖だけが誇大に宣伝されているが、現実の被害は起きていない。だが一方で、日本では毎年3万人以上が自殺に追い込まれている。これが現実なのだ!
この間の「ミサイル発射」問題での北朝鮮脅威論と迎撃ミサイル実戦配備―戦時体制構築、裁判員制度導入、民主党・小沢一郎に対する検察の国策捜査、さらには「公然わいせつ」を口実とした芸能人の警察による逮捕と世論操作――。これら一連の動きと一体の治安管理、戦争への労働者動員体制づくりの攻撃が「インフル脅威」キャンペーンの正体だ。
アメリカ合衆国においては「メキシコからの不法外国人が豚インフルを持ち込んだ。国境を閉鎖し移民を国外追放せよ」という排外主義運動が台頭し始めた。ロサンゼルスのメーデーではこの排外主義にヒスパニック系労働者から強い抗議の声が上げられた。
起きている事態の本質は、帝国主義の末期的な腐敗と危機だ。
今われわれが住むこの世界の自然環境と食糧事情は、最末期帝国主義のもとで異常な事態にある。食肉消費のために家畜が大量に飼育され、世界の穀物生産の38%が飼料にされ、牧草地のために膨大な熱帯雨林が焼き払われている。一方で飢餓と貧困が拡大している。今日の帝国主義的な経済・社会、文明・文化のあり方が、食糧、健康(衛生・疾病)、エネルギー消費など労働者人民の生活そのものに深刻な危機と打撃をもたらしている。「新型インフルエンザ」もその帰結だ。
すべての事象には階級性が備わっている。超階級的な「病気」も「自然災害」もそれらへの対処も存在しない。最末期の帝国主義を打倒して労働者が革命に勝利しこの社会を変革する以外に、われわれの未来は存在しないのだ。
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週刊『前進』(2390号6面1)(2009/05/11 )
団結ひろば投稿コーナー
「茨城・星野さんを取り戻す会」を結成 茨城県労組交流センター 岩澤仁志
4月18日、水戸市で「茨城・星野文昭さんを取り戻す会」の結成集会を行いました。1月の千葉県に続き、全国で20番目の結成です。
杉並の狩野満男さんと中央事務局の金山克巳さんの提起は、34年間不屈に闘う星野さんとの固い絆(きずな)を感じさせました。熱を込めた訴えは、参加者の確信を強め、茨城での会結成の意義が鮮明になりました。
参加者がさまざまな意見・感想を述べました。「今年、なぜ立ち上げるのか、星野闘争が今の問題だからだ。70年のような闘いをやらせないという攻撃に対して、われわれが大恐慌情勢に革命をやる、ということをはっきりさせる闘いだ」「『かわいそうな人』ではなく、同じ時代を一緒に闘っている星野さんをとりもどそう、という訴えが大切」「昔、杉並で星野さん救援をやっていたので、本日の会結成はとてもうれしい」「こんなきれいな絵を描いていることを初めて知った」「われわれ自身が今の体制と必死で闘うことが核心だと思う」。討論の時間が足りなくなるほどでした。
最後に、会則を全体で承認し、今後の行動方針について討論しました。星野さんに手紙を出そう、できるだけ早い時期に徳島刑務所での面会を実現しようと確認。会員拡大に特に力を入れ、職場、地域に働きかけよう、きょう参加した全員が活動家になろうと提起され、確認されました。
私が最初に逮捕された25年前の三里塚のデモで、取り調べの公安刑事から「お前は星野みたいになってもいいのか」と言われたのですが、この間法政大で大量逮捕された学生諸君もやはり「お前は星野みたいになってもいいのか」と言われているとのこと。星野さんの完全黙秘・非転向の闘いは権力と非和解で闘う原則だとあらためて思った次第です。
会場の壁一面に貼(は)られた星野カレンダーの絵、その前での記念撮影、そして交流会と、大いに盛り上がりました。
狭山現地調査で権力犯罪に怒り沸き立つ 法政大学 中島宏明
4月12日、部落解放東日本共闘会議が呼びかけた狭山現地調査に取り組みました。無実の石川一雄さんと連帯して狭山闘争の勝利をもぎりとるための闘いです。
昨年5月の現地調査の直後から、獄中闘争を経て1年ぶりに現地を訪れて、まず驚いたのは駅前の変わりようです。駅前再開発で、「すずや」(デッチあげストーリーで石川さんが牛乳を買ったとされる店です)などの駅前の商店も取り壊され、石川さんが実際に雨宿りしていた荷小屋跡もフェンスで囲われています。
石川さんが事件当日歩いた真実のコースと、デッチあげ「犯行」ストーリーのコースをそれぞれ歩き、寺尾確定判決の「事実認定」なるものが、いかにデタラメで差別にまみれたものかを検証しました。
石川さんと被害者の中田善枝さんが連れだって歩いたとされる道の脇の畑で農作業をしていた人や、「殺害現場」のすぐ近くで作業していた小名木さんの「見ていない」という証言を無視してストーリーをデッチあげる国家権力は、本当に許せません。
午後は、警察が真犯人を取り逃がした現場である佐野屋や、石田養豚場のある堀兼を訪れました。歩くには遠い距離ですが、この「距離」にもまた、デッチあげ性が示されています。
現地調査を重ねるごとに、権力犯罪への怒りが沸き立ちます。46年にわたって狭山差別裁判を強行・継続してきた国家権力は、今、第3次再審請求の棄却をねらっています。
国家権力に対する差別徹底糾弾を貫き、権力打倒に燃える石川さんの怒りは、私たちの怒りでもあります。警察・検察・裁判所が一体となった階級分断=団結破壊の部落差別攻撃を許さず、階級的共同闘争の発展で再審棄却策動をうち砕きましょう。
解放共闘の呼びかける5・23狭山集会を成功させましょう!
漁船沈没・行方不明は平戸市当局の責任だ S市 Y・A
4月14日午前8時過ぎ、平戸市生月町館浦漁港の旋網(まきあみ)漁船「第11大栄丸」が大波を受け転覆・沈没し、12人の乗組員が行方不明となった。報道は風速20b、波の高さ2〜3bだったという。現地の漁民の話では、これくらいの天候では出漁するのは当たり前だったということだ。つまり荒天下での出漁はそれほど恒常化していたというわけだ。
かつては隆盛を極めた当地の旋網漁業も、漁獲量の激減により今では数えるほどの業者しかいなくなっている。こうした状況の中で無理な出漁が恒常化してしまっていたのである。救助された漁民の中にも「精神症状」を生起している人もいる。これは単なる「労働災害」などではない。明らかに平戸市の「業務上過失致死傷」である。否、殺人・殺人未遂にも当たるのではないか。
当地の漁業者はほとんどが当地出身県知事・金子原二郎の息がかかっている。資本は漁業労働者に対しても命を奪う無理な出漁を強いているのだ。満腔(まんこう)の怒りをもってかかる所業を糾弾・弾劾するものである。
30年代米労働者描く『ビッグ・ストライキ』 動労千葉を支援する会 広沢こう志
国際労働運動研究会から『THE BIG STRIKE』(ビッグ・ストライキ)というパンフレットが出された。港湾労働者をはじめとするサンフランシスコの労働者が1934年のゼネストをかちとる過程、資本・権力との激しい攻防、そしてその後を、ダイナミックな筆致で記録したマイク・クインの原著を、読みやすく躍動感あふれる日本語で抄訳したものだ。著者が徹底的にランク・アンド・ファイル(現場組合員)にこだわっている点に特徴がある。
ジャック・ヘイマン氏をはじめとするILWU(国際港湾倉庫労組)の仲間たちは、今もこのゼネストを誇りを持って語り、その指導者であるハリー・ブリッジスの名を何度も口にする。このパンフレットを読んで、その気持ちに近づくことができたような気がする。何よりも、ヘイマン氏たちが動労千葉の闘いに触れて、瞬時に「同じものを感じた」わけがわかった。序文とあとがきにハリー・ブリッジスが言葉を寄せている。
「彼らランク・アンド・ファイルは、自らが教えを請うた経済学者や法律家、財務顧問、それに組合幹部さえも、尊敬に値する真に有能な助言者であったとしても、自分たち労働者の団結した力に勝る存在であるとは考えなかった。ランク・アンド・ファイルの力は、あるがままの姿で現われるのであって、何にも替え難い貴重なものである。この原理は永遠に不滅である。このことを、クインは労働者階級の指導者を志すすべての者に伝えたかったのだ」
この「永遠不滅の原理」が時空を超えて動労千葉の中に受け継がれ、そして全世界の労働者の中に生き続けている。
1930年代の比ではない世界大恐慌に突入している今、サンフランシスコの誇り高き労働者の思いと闘いのすべてを、われわれの闘いの中で何倍にもし、「労働者階級の究極の勝利」をついにかちとる時だ。
動労千葉はこの7月、ゼネスト75周年を記念して行われる国際労働者会議に招かれ、サンフランシスコの地を訪れる。
(200円。前進社でも扱います――編集局)
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週刊『前進』(2390号6面2)(2009/05/11 )
5・23狭山闘争アピール
西郡住宅闘争の地平を貫き狭山第3次再審闘争勝利へ
世界大恐慌への突入の中で保護主義が台頭し、帝国主義の内側から戦争への衝動が噴き出している。排外主義と差別主義をあおり、賃金奴隷制を維持し戦争に動員する攻撃を、労働者の団結で拒否し、資本主義を打倒しよう。無実の部落民・石川一雄さんを「殺人罪」でデッチあげた国家権力の部落差別犯罪を徹底糾弾する狭山闘争は、その先端の闘いだ。「石川さん不当逮捕46カ年糾弾・第3次再審闘争勝利」を掲げ東京、大阪、広島での5・23集会を成功させよう。
狭山差別裁判糾弾闘争は、1963年5月1日の事件発生−23日の石川さんへのデッチあげ逮捕から46年にもわたって闘い抜かれてきた。国家権力の部落差別犯罪を暴き糾弾し、石川さんの無実を明らかにし、完全無罪判決をかちとる闘いだ。部落民であるがゆえに「殺人犯」にデッチあげられたことへの石川さんの怒りと、国家権力に対する不屈・非妥協の闘いは、300万部落民と労働者階級の共感と感動をもたらし、階級的連帯意識を呼び覚まし、陸続とした決起を生み出した。
無罪判決と権力打倒を求めてやまない石川さんの意志と闘いは、第一審の「死刑判決」、第二審の「無期判決」、31年7カ月もの投獄、「仮釈放」後の監視下での屈服攻撃をもってしてもくじかれることはなかった。
石川さんの「司法権力による部落差別弾劾、権力打倒」の叫びこそ狭山闘争の原点であり勝利の方針だ。それは、世界大恐慌から世界戦争へと向かう帝国主義を打倒する闘いにとって決定的な意義と位置をもっている。
この狭山闘争の原点を破壊し司法へのお願い運動にねじ曲げ敗北に導こうとする動きが従来にもまして激化している。北朝鮮ロケット発射での迎撃態勢突入と排外主義扇動や、前空爆長・田母神論文「侵略ではなかった」などの侵略戦争への動きに屈し、狭山闘争を内側から解体する策動を粉砕しよう。
裁判員推進する解同本部派
ひとつは、部落解放同盟(既成解同=解同本部派)による裁判員制度推進だ。解同は、「市民参加を取り入れた裁判制度をめざすという趣旨には賛成」「不備を放置したままで実施するな」(完成させろ)と言っている(09年度運動方針)。あからさまな裁判員制度推進だ。3日から5日で死刑・無期の重大事件の判断を素人の裁判員にさせる。冤罪が激発することは火を見るよりも明らかだ。石川さんの46年におよぶ無実の叫びと苦闘を踏みにじる暴挙だ。
そもそも裁判員制度は、治安=国家体制を守るために裁判員になる義務を労働者人民に課すものだ。徴兵制だ。資本家の国家に忠誠を誓い戦争動員に応じて、国家権力徹底糾弾の狭山闘争を闘うことはできない。裁判員制度に賛成する者に狭山闘争を勝利させることはできない。
与田派も権力と資本に屈服
もうひとつは、解同全国連を私物化し引き回している旧与田派残党の国家権力への屈服だ。
指導部が弾圧を受けた際、完全黙秘の原則を破って取り調べに応じ、起訴を逃れ罰金刑で済ませるために司法取引にも応じた。国家権力に屈服しておいて、非転向で闘う石川さんの無罪判決をかちとる狭山闘争を、どう闘うというのか。国家権力を糾弾できるのか。
国家権力・法大当局とと激突し、非妥協で闘っている学生戦線での組織内討議で、こうした全国連指導部のあり方に疑問と批判が出るのはあまりにも当然だ。これを完全に開き直り押し隠すために「広島差別事件」をデッチあげたのだ。しかし、「差別者」呼ばわりされた学生は、94人もの逮捕者を出しながら全員完全黙秘を貫いて国家権力と堂々と闘い、今この瞬間も勝利している。ここに狭山闘争勝利の展望もあるのだ。
狭山差別裁判の強行は国家権力・資本家の階級意思によるものだ。だから狭山闘争は国家権力との闘いであると同時に、資本の部落差別による労働者階級分断・団結破壊との闘いでもある。
国家権力・資本に屈服した旧与田派は、世界大恐慌−世界戦争をプロレタリア世界革命に転化する闘いが全世界で爆発し、労働者が資本主義を打倒し賃金奴隷の鉄鎖から解放されていくことに恐怖して、全国連第18回大会で「スト撲滅」を方針化した。政労使合意でスト圧殺を宣言した連合と手を組む既成解同とどこが違うのか。旧与田派のスト撲滅=資本救済、狭山闘争破壊策動を粉砕しよう。
3支部と共に5・23成功を
国家権力・資本に屈服した既成解同と旧与田派による狭山闘争解体のあがきを打ち破って、狭山闘争の原点をよみがえらせる新たな発展を切り開く闘いが前進している。国家権力を発動した住宅明け渡し強制執行に対し、労組のストを軸に実力闘争を貫いた2・26西郡闘争がそれだ。
全国連西郡支部とストに立ち上がった八尾北労組をはじめとする労働者・学生の団結による2・26闘争は、戦争・改憲と民営化・労組破壊の道州制攻撃に対する最初の実力反撃として打ち抜かれた。資本の部落差別による階級分断を双方から打ち破って、同じ労働者階級として団結し闘いぬき、団結を拡大した。
ここに狭山闘争、部落解放闘争の勝利と展望がある。2・26闘争を闘った勢力だけが、狭山闘争の勝利と発展を切り開くことができる。
全国連西郡・杉並・品川支部と団結し、東京、大阪、広島での5・23集会を成功させ、6・14麻生政権打倒・全国労働者集会、6・14―15連続闘争に総決起しよう。
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5・23狭山集会 要綱
<東京>
不当逮捕46ケ年糾弾!石川さんは無実だ! 狭山第3次再審闘争勝利! 道州制=民営化・団結破壊絶対反対! 労働者階級の団結の力で狭山闘争・西郡住宅闘争の勝利をかちとろう! 5・23狭山集会
5月23日(土)午後6時開場、6時半開会
南部労政会館(JR大崎駅前ゲートシティー大崎ウエストタワー)
主催 部落解放東日本共闘会議
<大阪>
2・26は狭山勝利の道をきりひらいた
不当逮捕46カ年糾弾! 道州制粉砕! 労働者の団結の力で狭山闘争・住宅闘争の勝利へ! 5・23狭山集会
5月23日(土)午後6時開場、7時集会開始
桂人権コミュニティセンター
主催 全国連西郡支部・八尾北医療センター労組・関西労組交流センター
<広島>
石川さん不当逮捕46カ年糾弾! 西郡住宅闘争と狭山闘争を両軸に部落解放闘争の新たな発展をかちとろう 5・23部落解放広島共闘集会
5月23日(土)午後2時
広島市西区地域福祉センター4階会議室(広島市福島町)
主催 部落解放広島共闘会議
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週刊『前進』(2390号6面3)(2009/05/11 )
P3C2機ソマリア派兵阻止を
「海賊対処法」成立策動と一体
陸海空の1千人が恒常的な展開
浜田防衛相が4月17日、ソマリア沖への海自P3C哨戒機2機の「派兵準備」を発令した。これを受け赤星海幕長は、P3C2機を5月中に海自厚木基地の第4航空群から派遣し、6月にも現地で活動を開始する方針を明らかにした。しかも、このP3Cの拠点となるジブチ空港の「警護」に陸自の中央即応集団直轄の中央即応連隊(宇都宮駐屯地)1個小隊40人も派兵される。
この中央即応連隊は「テロ・ ゲリラ」への対応部隊として昨年3月、宇都宮駐屯地に本部管理中隊と3個中隊700人で編成された部隊だ。拳銃、小銃、機関銃で武装し、軽装甲機動車も送り込まれる。イラク戦争でクウェートを拠点に空自が米軍の支援輸送を行った際も陸自の派兵は行われていない。
さらに、拠点となるジブチ空港にP3Cの駐機と「警護」に必要な物資を輸送するため小牧基地から空自1輸空のC130輸送機も派兵される。つまり「海賊対策」を口実に陸海空3軍が恒常的に展開するのだ。
5月の派兵要員は約150人である。すでにインド洋に派兵されている補給艦と護衛艦、ソマリア沖の護衛艦2隻、そしてP3C2機がアラビア半島を囲む広大な海域で一体的に軍事展開し、米軍と合同の軍事行動も行う。全部で陸海空の自衛隊1000人を超える大部隊が実際に侵略戦争に突入するのである。
また、3月にすでに呉基地から派兵された護衛艦2隻の交代として、6月には横須賀と大湊(青森)から護衛艦が派兵される。日帝の海外派兵―侵略戦争政策は恐るべき段階にきているのだ。
(写真 海自の不審船制圧訓練)
「海賊対処法」の成立阻止しよう
現在、ジブチに派遣されている哨戒機は米軍の3機のほかに、ドイツ、フランス、スペインの各1機だ。日帝のP3C2機の派兵は突出している。米軍のソマリア沖での「海賊対策」は、「対テロ戦争」の一環として展開され、P3Cを海上だけでなく陸上の偵察にも使っている。しかも海自P3Cの情報は米軍が統括することになる。すでに国連安保理決議は陸海空からのソマリア攻撃を容認している。米帝は「海賊対策」と称して「陸上拠点」への攻撃をも画策しているのだ。
「海賊対処法」、は今国会で成立がもくろまれており、すでに衆院通過が強行された。この法案では自衛隊の発砲でソマリア漁民を虐殺しても「正当」とされ、責任は問われない。護衛対象は外国船を含む全船舶に拡大、ソマリア領内への侵攻はもとより、沿岸国への領海侵犯(「追跡」)も容認する。まさに全世界に派兵できる恐るべき侵略戦争法なのだ。「違憲」とか「改憲」のレベルをすでに超えている。1931年の9・18「柳条湖事件」に匹敵する侵略戦争がすでに始まっていることを直視しよう。
現在、ソマリア沖では17カ国の艦艇が「軍事作戦」を展開している。日帝の陸海空3軍のソマリア沖派兵は、「海賊対策」を口実にした、中東石油の支配をめぐる帝国主義間争闘戦への日帝の歴史的踏み込みである。
道州制攻撃、裁判員制度導入、北朝鮮の「人工衛星ロケット発射」をめぐる排外主義と迎撃態勢発動。さらに日帝内部から噴き出ている「国連脱退」「核武装化」「集団的自衛権行使」などの一連の反動発言。入管体制の強化。すでに「集会制限」報道すら飛び出している「新型インフルエンザウイルス」キャンペーンをつうじた危機管理体制の強化。これらは一本の糸でつながっている日帝の戦争と改憲の攻撃、戦争国家化攻撃なのだ。
職場から決起し侵略派兵と闘う
世界大恐慌下、全世界で帝国主義ブルジョアジー・翼賛議会・体制内労働運動指導部と全労働者階級との非和解的な対決構造が、日々、明らかになってきている。1930年代がそうであったように帝国主義は、「国益と排外主義」「保護主義と自衛権」などを叫び、一方では「職と住」を奪う大失業攻撃を激化させ、「青年労働者の生きる道は軍隊だけ」という攻撃を開始している。
大恐慌下の戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃に対決し、国鉄を基軸とした4大産別決戦勝利へ決起しよう。
厚木、小牧、宇都宮からの5月陸海空3軍のソマリア沖派兵・P3C派兵を職場からの決起で阻止しよう。
労働者と兵士の階級的団結で、世界大恐慌をプロレタリア革命に転化するために今こそ闘おう!
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週刊『前進』(2390号6面4)(2009/05/11 )
法大弾圧裁判 5・28「暴行」デッチ上げ
“文連存続で当局窮地”
新井君が更新意見 弾圧の不正義性暴く
4月23日、東京地裁刑事第18部(福崎伸一郎裁判長)で、5・28「暴行」デッチあげ弾圧裁判の第10回公判が2カ月ぶりに開かれ、新井拓君と中島宏明君が出廷した。冒頭、左・右陪席裁判官の交代に際し、新井君、中島君がそれぞれ更新意見を述べた。新井君は、福崎裁判長によって下された4・27「暴行」デッチあげ弾圧被告・友部博文君への有罪判決を徹底的に批判した。続いて中島君が、法大当局と東京地裁による「情宣活動禁止」仮処分を弾劾し「あらゆる反動をうち破ってあすの法大解放集会をかちとる」と宣言した。
弁護人の冒頭陳述のあと、新井君への被告人質問に入る。今回は、一昨年11月の4・27弾圧での保釈から現在までがテーマだ。
新井君がキャンパスに奪還された2007年秋は、法大当局の学友会解体攻撃に対して、文連などのサークル団体がいかなる態度をとるかが大テーマになっていた。当局の攻撃に屈して自ら「解散」するのか、それとも当局との対決を貫いて団体存続の道を選ぶかをめぐって、サークル団体の会議では連日激論が交わされていた。「私はサークル員としてそれぞれの会議に参加し、学友会廃止絶対反対で団結するべきだと訴えた」(新井君)。
法大当局は会議を破壊するために、新たに暴力ガードマンを増員して張り付かせた。5・28デッチあげ弾圧で「被害者」や「目撃者」と称して登場した正木敦行や富山豪也もこの時期に東京警備保障に入社し配属された人物だ。
法大当局はさらに、新井君に対して処分も呼び出しも説明も行わないまま、突如「入構禁止」措置をとる。そのデタラメさは、送り付けられてきた「内容証明」の文書が、「いつから」入構禁止なのかも明らかにできないばかりか、日付の記載が1年前になっていたことからも明らかだ。
卑劣な妨害をはねのけ、新井君は学友会廃止攻撃との闘いの先頭に立つ。当局に買収された団体執行部の「団体解散」策動をはねのけ、文化連盟は08年3月に「団体存続」を決定し、裏切り執行部を全会一致で除名する。そして4月には、斎藤郁真委員長体制の新執行部を選出し、「恩田亮君への処分を許さない」と歴史的な決起を開始した。それは、法大当局の学友会解体と御用団体デッチあげを破綻に追いやるものだった。いよいよ5・29第2波法大包囲デモの爆発も不可避になるなかで、闘いを圧殺するために「4月11日の事件」をデッチあげ、デモ前日に5人逮捕を強行したのだ。この一点だけでも5・28弾圧の不正義性は鮮明だ。
新井君は最後に「明日4・24法大解放集会に立つ。処分を撤回させ、仮処分を粉砕し、団結を回復する歴史的な集会としてかちとる」と宣言した。
次回公判は5月13日。中島君の被告人質問だ。
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法大裁判に集まろう!
★5月13日(水)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第11回公判(被告人質問)午後1時30分開廷
★5月14日(木)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第12回公判(論告)午後1時30分開廷
★5月20日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第14回公判(論告)午後1時30分開廷
★5月27日(水)7・24建造物侵入デッチあげ裁判
第11回公判(判決) 午後1時30分開廷
★5月28日(木)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第12回公判 午後1時30分開廷
★6月3日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第13回公判(最終弁論)午後1時30分開廷
★6月10日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第15回公判(最終弁論)午後1時30分開廷
◎いずれも東京地裁429号法廷
開廷1時間前に地裁傍聴券配布所に集合を
★富山大ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
第9回公判(判決)5月27日(水)
午後1時30分開廷
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