ZENSHIN 2009/04/20(No2388 p06)

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第2388号の目次

(写真 “4・24法大解放集会へ” 文化連盟と全学連は4月14日、「不当処分撤回」「大学と教育を奪い返せ」と訴える法大包囲デモで4・24法大集会への総結集を訴えた【千代田区)=アピール5面

1面の画像
(1面)
4大産別決戦で革命勝利へ
裁判員-法大-尼崎を闘い麻生とオバマ打倒しよう
記事を読む  
反合・運転保安確立/1047名解雇撤回
4・25尼崎闘争に総結集を
記事を読む  
富山大 2名不当逮捕弾劾する  大衆的反撃で直ちに奪還(4月15〜17日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
道州制・民営化に絶対反対!
5・9全都労働者総決起集会へ  5・9全都労働者総決起集会の呼びかけ
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5・9の成功へ  ストで闘う組合へ転換を 夏季一時金削減を許すな 記事を読む  
世界政治に衝撃走る
ASEAN首脳会議を中止に 追い込んだタイの内乱的激突(4月11日)
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「北延伸滑走路の前倒し供用」許さぬ
三里塚反対同盟怒りの弾劾声明(4月11日)
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(3面)
経団連2・17提言を弾劾する
医療・福祉の民営化進める体制内指導部を打倒しよう
革共同医療福祉労働者委員会
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自衛隊兵士と労働者は団結し日米帝の朝鮮侵略戦争粉砕へ
革共同反軍闘争組織委員会
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(4面)
「禁じ手」発動はオバマの墓穴  FRBの国債購入/「粉飾会計」も容認
  世界大恐慌がいよいよ本格化   島崎 光晴
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「5・2改憲阻止!裁判員制度実施粉砕!集会」に集まろう 記事を読む  
日誌 2009年 4月8日〜14日
安保理議長声明に北朝鮮「6者脱退」/「海賊対処法案」が審議入り
記事を読む  
日程 5・2改憲阻止!裁判員制度実施粉砕!集会 記事を読む  
(5面)
監獄大学粉砕! 4・24法大解放へ
「情宣禁止」の新自由主義大学粉砕し、道州制・改憲うち砕け
マル学同中核派・法政大学支部
記事を読む  
革命求める新入生と合流  全国で新歓闘争 弾圧・逮捕うち破り 記事を読む  
〈焦点〉 「廃絶」の名で核独占狙う  オバマのプラハ演説弾劾 記事を読む  
〈焦点〉 税金投入で大資本救うな   追加経済対策が15兆円超 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧  4・24法大闘争を訴え
被告人質問 法廷が「革命の演壇」に(4月14、15日)
記事を読む  
「監禁」ねつ造を粉砕
広島大 岡山大 全学連弾圧うち破る(マル学同中核派・広島大学支部)(4月9、15日)
記事を読む  
富山再審勝利へ熱気の集会  “冤罪増やす裁判員制度反対” 記事を読む  
日程 法大裁判に集まろう 記事を読む  

週刊『前進』(2388号1面1)(2009/04/20 )

 4大産別決戦で革命勝利へ

 裁判員-法大-尼崎を闘い麻生とオバマ打倒しよう

 新自由主義大学=監獄大学を解体せよ!

(写真 “4・24法大解放集会へ” 文化連盟と全学連は4月14日、「不当処分撤回」「大学と教育を奪い返せ」と訴える法大包囲デモで4・24法大集会への総結集を訴えた【千代田区)=アピール5面

 4・21裁判員制度粉砕集会―4・24法大闘争―4・25尼崎現地闘争は、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃と全面対決し、世界大恐慌情勢下で日帝・支配階級の中から激しく噴出している戦争衝動をぶち破る決定的な闘いだ。全国から総結集して闘いぬこう。
 本紙前号に掲載された法大文化連盟の座談会・アピールの衝撃が、全国の労働者・学生に電撃のように伝わり、法大当局と国家権力には、計り知れない打撃を与えている。闘いに恐怖した日帝国家権力は、広島大・岡山大でデッチあげ弾圧を策動して破産し、富山大で2人を不当逮捕する弾圧を加えてきた(大衆的反撃で直ちに奪還された)。法大闘争にも新たな弾圧を策動している。これらすべてを焼きつくすような怒りの決起で、闘争圧殺と弾圧を粉砕し、4・24法大闘争に勝利しよう。
 新自由主義大学=監獄大学を解体する法大闘争は、現下の日本階級闘争の最先端における攻防である。闘う法大生を包み込む労働者階級人民の決起が、全情勢をさらに革命的に塗り替える。大学が自らに「死」を宣告したも同然の「営業権」を振りかざした「情宣活動禁止の仮処分」。それに全力で対決し、世界を変えるために闘う法大生と全学連。日帝・麻生は、法大闘争の全国化―全国大学闘争の爆発を根底から恐れている。このことをあらゆる人々に伝え、4・24決起を訴えよう。
 すべての労働者・学生は4月24日正午、法大市ケ谷キャンパス正門前に総結集せよ! 3万法大生の総反乱へ、1000人集会を闘いとろう!

 分割・民営化と尼崎事故を絶対忘れるな

 4・25尼崎現地闘争は、総破産する国鉄分割・民営化=JR体制と全面的に激突し、国鉄1047名闘争の新たな出発を宣言する闘いだ。分割・ 民営化攻撃と闘いぬいて勝利している動労千葉が、全国の労働者に4・25現地闘争への決起を呼びかけている。

 3・25判決弾劾

 鉄建公団訴訟の3・25控訴審判決は、国鉄当局が作成した採用基準は妥当であり、国鉄分割・民営化に反対して闘った者が新会社から排除されるのは当然だという極悪の反動判決である。解雇は有効だと結論づける「不当労働行為認定」など断じてありえない。
 そんなものに飛びついて「不当労働行為を認めた」「今が政治解決のチャンス」と言って、国鉄労働者20万人の首を切り国家的不当労働行為をほしいままにした分割・民営化攻撃への怒りも、労働者としての誇りも投げ捨てた4者4団体、政府・自民党への土下座運動を進める4者4団体の和解路線など絶対間違っている。
 「強労働・利益優先・安全無視」が引き起こした事故の責任の一切を労働者に転嫁し、高見運転士を外した「106人への黙祷(もくとう)」を毎朝強要し、全社員に「反省文」や「慰霊」「献花」「立哨」運動を強いるJR西日本。今やこの会社の先兵と化した国労・JR連合・JR総連指導部の総屈服が事故を生み、労働者の階級的団結を破壊しているのだ。
 国鉄分割・民営化を忘れるな! 尼崎事故を忘れるな! 世界大恐慌が本格化する中で、日帝は道州制攻撃、国・自治体丸ごとの民営化と改憲・戦争国家化攻撃に踏み出そうとしている。今こそ国鉄闘争の原点を徹底的にはっきりさせ、1047名闘争勝利の展望を切り開く時である。
 1047名闘争=第2次国鉄決戦を先頭とする4大産別決戦、そして戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を粉砕する闘いは、プロレタリア世界革命・日本革命を闘いとる戦略的基本路線だ。
 本格化する世界大恐慌は、帝国主義経済の収縮と分裂化・ブロック化を引き起こし、帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させ、今や労働者に対する階級戦争と外への侵略戦争・世界戦争の攻撃を急速に強めている。
 29年大恐慌を超える現在の世界大恐慌は、国際共産主義運動のスターリン主義的歪曲と裏切りによって延命してきた帝国主義の基本矛盾の爆発そのものであり、帝国主義の最後の延命策だった新自由主義の総破産の帰結である。すでに資本主義と最末期の帝国主義の生命力は尽きた。「大恐慌を世界革命へ!」の闘いこそ、レーニン帝国主義論と革命論を真に継承する戦略的な闘いだ。
 74〜75年恐慌で国家独占資本主義的な政策と戦後発展が完全に行きづまり破産した最末期の帝国主義は、80年代以降、最後の延命策として新自由主義政策を満展開してきた。国鉄分割・民営化こそは、日本での新自由主義攻撃の象徴であると同時にその原点だった。

 連合への対抗軸

 だが、その新自由主義の破産が07年8月のパリバ・ショックを契機に世界金融大恐慌として爆発した。他方では、動労千葉の存在と決起と国鉄1047名闘争によって国鉄分割・民営化攻撃の破産が突き出され、連合支配を打ち破る階級的な対抗基軸を形成するにいたっている。
 国鉄分割・民営化に2波のストライキで反撃し、団結を守り抜いて勝利してきた動労千葉は、総評・民同労働運動の歴史的破産と崩壊をのりこえて前進し、国鉄闘争を水路に連合支配を打倒するために闘ってきた。「資本家階級の権力を打ち倒し労働者の社会をつくろう」と闘っている真の階級的労働運動だ。
 国鉄1047名闘争の最後的解体を狙う3・25反動判決を徹底弾劾し、今こそ労働千葉とともに1047名解雇撤回へ闘おう。第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦―道州制・民営化粉砕決戦を戦略的な柱に09年決戦を闘い、4〜6月闘争から11月労働者集会へ進撃しよう。当面するその最大の闘いである4・25尼崎闘争に総決起しよう。

 裁判員制度と戦争・改憲に巨大な反撃を

 自衛隊ソマリア沖・アデン湾派兵の強行に続いて、日帝・麻生は北朝鮮の「人工衛星ロケット」打ち上げをとらえ、北朝鮮侵略戦争の全土臨戦態勢に突入した。これは労働者の戦争動員=階級戦争であるとともに、侵略戦争の発動そのものだった。徹底的に弾劾し、4・21裁判員―4・24法大―4・25尼崎で階級的な怒りをたたきつけ、総反撃しよう。
 この過程で、自民党組織本部長・坂本が「国連脱退」「核兵器保有」の反革命発言を行い、MD(ミサイル防衛)徹底強化の要求が自民党などから噴出していることは、戦争と改憲への情勢一変であり、労働者階級の団結と決起が決定的に重要になってきている。
 そうした中で、米帝オバマが4月5日にプラハで行った演説は、米帝が圧倒的な核兵器を独占しつつ、イランや北朝鮮には「核不拡散」を強制して体制転覆の侵略戦争をやるという宣言だった。これをマスコミは「核廃絶」演説と絶賛し、オバマを8・6広島に呼ぼうという体制内の翼賛運動さえ起こっている。とんでもないことである。
 4月14日には「海賊対処法案」が国会で審議入りした。これは事実上の派兵恒久法である。また防衛省は4月3日、5月にもP3C対潜哨戒機2機をソマリア沖に派遣することを決めた。P3Cを実際の任務で海外に派兵するのは初めてだ。4日には、護衛艦「さざなみ」が警備対象外の外国船からの要請で小型「不審船」を追い払った。すでに法を踏み破った実戦を強行しているのだ。
 こうした中で、改憲攻撃そのものとしてある裁判員制度の5月21日スタートは、破産的な危機にある。日帝・麻生政権は一層凶暴化し、「国民の意識を変える」(樋渡検事総長)とか、「『この国のかたち』の再構築に関わる一連の諸改革の『最後の要』」(司法制度改革審議会)などと叫び、5・21実施に躍起となっている。だが依然、8割の反対と非協力で裁判員制度は破産の危機にある。
 「現代の赤紙」「21世紀の『隣組』制度」に対する怒りを爆発させ、4・21日比谷野音に労働者人民は総結集しよう。
 4月決戦の大爆発をかちとり、階級戦争と侵略戦争に突き進む麻生とオバマを打倒しよう。

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週刊『前進』(2388号1面2)(2009/04/20 )

 反合・運転保安確立/1047名解雇撤回

 4・25尼崎闘争に総結集を

 動労千葉が呼びかけ、実行委員会が主催する「4・25尼崎事故弾劾!全国総決起集会」は間近に迫った。この闘いは、国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦の成否を決する闘いであり、日本労働者階級の総反撃の突破口を開く闘いだ。国鉄分割・民営化の矛盾と破産は今や全面的に露呈している。4・25尼崎闘争はJR体制と全面激突するものとなる。全国から4・25尼崎現地闘争に総決起しよう。

 JR体制と労働者階級は非和解

 05年4月25日のJR西日本尼崎事故は、国鉄分割・民営化が必然的に引き起こしたものだ。労組破壊・団結解体に総力を挙げてきたJR体制の破産は尼崎事故という形で衝撃的に突き出された。
 JR東日本における信濃川発電所の違法取水問題もしかりだ。国家の暴力を背景にほしいままの不当労働行為を行ってきたJR資本は、どんな違法行為をも恥としない体質にまみれている。
 JR西日本は、徹底した強権的労務支配のもと、「稼げ」「同業他社をしのげ」と呼号し、なりふり構わぬ利潤追求に走ってきた。無謀きわまる超過密ダイヤを設定した上、並行して走る私鉄から乗客を奪うためにスピードアップを強行した。そして、東西線と福知山線を連結するために事故現場となった半径300bの「魔の急カーブ」を造った。しかもそのカーブには、列車がスピードを落とさないため、意図的にATS(自動列車停止装置)を設置しなかった。さらに、事故現場のカーブには、直線からカーブ(円曲線)への移行区間に設けられる緩和曲線の長さが短いなど、線路構造に欠陥があった。
 もともと無理なダイヤを「定時運転」するために、JR西日本は労働者を徹底的に締め付けた。1分でも遅れようものなら、その運転士を懲罰的日勤で締め上げ、さらし者にし、運転士資格剥奪(はくだつ)の恫喝で強権的労務支配を続けてきたのだ。
 JR西日本は、尼崎事故という未曽有の惨事を引き起こしながら、なお重大事故を繰り返している。尼崎事故後も、伯備線事故を始め、何人もの保線労働者が触車事故で殺されている。
 JR西日本は、4年目の4・25を前に、尼崎事故以来4年、JR西日本は犠牲者から高見運転士を外し、「106名への黙祷」や反省文、事故現場への「慰霊」「献花」「立哨」運動を強いてきた。事故を反省するのではなく、ただひたすら事故を極限的な労務支配を強化する手段としてきたのがJR西日本だ。
 まさにJR体制と労働者階級は非和解だ。反合・運転保安闘争を貫く動労千葉とともに、JRの内部からJR体制を食い破る闘いを巻き起こさなければ、労働者は生きていけない。
 4・25闘争はJR体制と真正面から対決し、JR労働者の総反乱の号砲を打ち鳴らす闘いだ。

 1047名闘争の展望切り開け

 今年の尼崎闘争は、国鉄1047名闘争をめぐる歴史的決戦とも完全に重なった。
 国家権力とJR資本は、鉄建公団訴訟3・25判決という超反動判決を振り下ろすことで、1047名闘争を最後的に解体しようと策している。これに屈した4者4団体幹部は「政治解決」路線に一層のめりこみ、麻生政権に闘争団員をひざまずかせることのみを一切の方針にしている。
 この危機を突き破り、国鉄1047名闘争の勝利を切り開く核心は、動労千葉とともにJR内部からJR体制と徹底的に対決する不抜の部隊を生み出すことにある。1047名の解雇撤回は、JR資本と闘ってこそかちとることができる。
 そもそも尼崎事故は、国鉄分割・民営化による労組破壊攻撃に労組幹部が屈服した結果、引き起こされたものだった。JR西日本の強権的な労務支配は、国鉄分割・民営化を率先推進したJR連合・西労組やJR総連・西労、JR体制に最終的に屈服した革同支配下の国労西日本エリア本部を前提に成り立ってきた。こうした体制内労働運動幹部こそが、資本の手先となり、労働者に分断を強いてきたのである。
 尼崎事故弾劾の闘いは、事故直後から国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭とする闘う国労組合員が地道な闘いで積み上げてきた。昨年からこの闘いは、動労千葉の呼びかけのもとで闘われるようになった。これは、国労5・27臨大闘争弾圧被告団が自らを動労千葉派として鮮明に登場させ、階級的裁判闘争を不屈に貫き通すことでつくり出された地平だ。
 ここに、4者4団体の屈服を突き破り、国鉄闘争の勝利を実現する展望が切り開かれている。
 4・25尼崎現地闘争は、4者4団体に体現される体制内労組を打ち砕き、JR内から動労千葉と並ぶ階級的労働運動をつくり出していく闘いそのものだ。
 今や資本主義は終わりの時を迎えている。帝国主義の最後の延命策としての新自由主義は、日本においては国鉄分割・民営化から始まった。その総破産をつくり出してきたのは、動労千葉の闘いと1047名闘争の持続的展開であった。
 だから日帝は、国鉄闘争の解体とJR労働者の制圧に躍起となっている。国鉄闘争が不屈に貫かれるか否かに全労働者階級の命運がかかっている。道州制導入―360万人公務員労働者の首切りを阻む闘いも、大恐慌下における大量首切りに立ち向かう闘いも、第2次国鉄決戦を貫いてこそ勝利することができる。
 全国から4・25尼崎現地に結集し、国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦の勝利を切り開こう。

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週刊『前進』(2388号1面3)(2009/04/20 )

 富山大 2名不当逮捕弾劾する

 大衆的反撃で直ちに奪還

 富山県警は4月15日、富山大学生運動を最先頭で闘う武藤淳範(ぶとう・あつのり)君を、「建造物侵入」容疑をデッチあげて令状逮捕した。さらに、富山大学の学生自治会室ほか2カ所の不当な家宅捜索を強行した。15日深夜には大枝幸司さんを同じ容疑でデッチあげ令状逮捕した。腹の底からの怒りを込めて弾劾する!
 富山県警は、4月9日に富大キャンパスにおいて、武藤君が新入生に対して「新樹寮の廃寮に反対しよう! 資本家の手先=西頭(さいとう)学長をぶっ飛ばせ! 4月24日は法大解放集会に結集しよう!」と訴えてビラまきをしたことを「建造物侵入」としたのだ。これほどふざけた話があるか!
 当日起こったことは、情宣活動をする富大生に20人もの当局職員が襲いかかり、「囲め! 囲め!」などと叫びながら暴力的にキャンパスから押し出したということだ。いったいどちらが犯罪を犯しているのか! これが大学か!
 富大当局と日帝国家権力は、オリエンテーションや入学式で数千枚のビラが読まれ、新入生の決起がガンガン始まっていることに震撼(しんかん)し、膨大な富大新入生の4・24への決起に恐れおののき、たまらず弾圧に踏み込んできたのだ。

 勾留請求却下で2人を奪還

 16日夜には武藤君を、17日には大枝さんを奪還した。大勝利だ! 逮捕令状を出した富山地裁は、富大生を先頭とする全国からの抗議の声が沸き上がる中、大学キャンパス内でビラまきをしただけで逮捕するというあまりの不正義を前に、検察からの勾留請求を却下せざるをえなかった。令状逮捕したにもかかわらず勾留請求が却下されるとは、前代未聞だ。どちらに正義があるかは明らかだ。
 国家権力の全体重をかけた「4・24つぶし」攻撃を粉砕し、全国からの大結集で反撃しよう! 富大新樹寮決戦を爆発させよう!

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週刊『前進』(2388号1面4)(2009/04/20 )

前進速報版から 前進速報版から

▼3・25反動判決と4者4団体に新潟で怒りの緊急集会▼ギリシャで再び全国ゼネスト▼韓国で建設・運輸労組抹殺攻撃糾弾大会開く

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週刊『前進』(2388号2面1)(2009/04/20 )

 道州制・民営化に絶対反対!

 5・9全都労働者総決起集会へ

  「資本主義は終わりだ! 道州制・民営化絶対反対! 5・9全都労働者総決起集会」の呼びかけ文を5・9集会実行委が発した。3・6大阪に続き5・9東京で道州制反対の声を上げよう。(編集局)

5・9全都労働者総決起集会の呼びかけ

 「政労資一丸」ふざけるな! 労働運動の力で革命やろう!

 大恐慌への突入が労働者への膨大な首切りと賃下げ攻撃となって進んでいます。怒りの声は満ち、だれもが心の底で「生きさせろ!」「ゼネストが必要だ」と叫んでいます。「もう資本主義では労働者は生きていけない」=革命の時代が始まったのです。
 連合は経団連と「労使共同宣言」を結んでスト圧殺に動き、共産党は大企業の幹部に「自分たちは資本主義の健全な発展を希望している」と言って歩いています。私たちは、こんな指導部の下で「会社がつぶれたら労働者も終わりだ」「闘っても無駄」と思い込まされてきました。しかし、もうがまんならない!
 豊中市職女性部が呼びかけた3・6道州制粉砕・橋下打倒の大阪府庁前行動は、全国に響き渡りました。保育所民営化に続いて市立病院民営化に率先協力する自治労本部・市職本部の集会破壊・女性部解体策動をぶっ飛ばしたのです。動労千葉ストライキと3・20渋谷大デモは、労働組合が時代の最前線に躍り出る号砲となりました。社会を動かしているのは私たち労働者です。資本の支配を打ち倒そう! 労働現場から反撃に立ち、団結を取り戻し、闘う労働組合を甦らせよう。

 道州制・民営化攻撃をぶっ飛ばせ! 職場から総反撃だ!

 資本家たちは、労働者の反乱を死ぬほど恐れています。だから道州制で民営化・労組破壊を極限まで進めようというのです。行きづまった資本主義の延命のために、公務員360万人を解雇して非正規・非公務員化し、労働組合をつぶす。6000万労働者を今以上の大失業・低賃金にたたき込む。国鉄分割・民営化攻撃の全社会化です。国と自治体を丸ごと民営化し、医療・福祉・教育をはじめすべてを資本の餌食にする究極の新自由主義攻撃です。戦争のための改憲・「国家大改造」そのものです。
 国鉄・分割民営化の時の「国鉄赤字」キャンペーンと同じ「自治体破産」キャンペーンが大々的に流されています。「財政健全化法」をふりかざし「半分の人数、半分の賃金で倍の仕事を」という賃下げと際限ない労働強化、民営化の攻撃が全国の職場でかけられています。しかし、財政破たんは資本主義・新自由主義の結果そのものです。資本救済のために何十兆円も投入して、ツケのすべてを労働者に押しつけるなんてことがどうして許されるか。断じて否です。死すべきは資本主義であって、労働者ではありません。
 東京でも、16あった都立病院を8つに減らし、さらに民間に委託・譲渡しようとしています。この4月に豊島病院は公社化、板橋の都立老人医療センターは独法化・非公務員化され、八王子・清瀬・梅ケ丘の3つの都立小児病院の来年3月廃止攻撃が迫っています。公社化された荏原病院では、夜勤が激増し医師・看護師不足で産科は壊滅。妊婦搬送不能事故が頻発しています。
 さらに、公立保育園の民営化・縮小も一気に進んでいます。「経営効率」を理由に、医療も福祉もガタガタにされようとしているのです。保育園、病院、都営交通、水道の外注化・民営化、学校給食、用務、公務員ヘルパーをはじめ現業公務員労働者全廃、「杉並丸ごと民営化」、教育の民営化も道州制と一体です。もはやまったなし。動労千葉の反合・運転保安闘争のように、人事評価拒否、主任教諭導入粉砕、人員削減・労働強化絶対反対、民営化絶対反対の職場の闘いの爆発で打ち破りましょう。

  資本救済と民営化の手先、連合・全労連本部打倒! 国鉄4者4団体路線粉砕!

 許しがたいことに、この決戦の時、資本主義の最悪の救済者として登場しているのが連合・全労連指導部です。自治労本部は、地方分権の旗を振って全国一千の公立病院の「民営化絶対反対の闘いに反対」し、統廃合・民営化を組合から提案する「公立病院改革取組み指針」を出して現場の闘いをたたきつぶそうとしています。日教組本部は2月広島教研集会で「教育の民営化反対」「日の丸・君が代」不起立闘争を訴える組合員の声をつぶすために機動隊を導入しました。これが労働組合のすることか! 全労連も同じ。「住民に迷惑がおよぶ」「当局との交渉テーブルが壊れる」として職場の実力闘争やストライキを圧殺し、「ボス交」や選挙にねじまげようとするのです。
 国鉄4者4団体は、国鉄1047名解雇撤回の原則を貫く動労千葉排除のために、昨秋10・24集会で機動隊の弾圧にすがりました。しかし1047名闘争が解雇攻撃に直面している数千万労働者の怒りと結びつくことに恐怖した国家権力は、鉄建公団訴訟3・25高裁反動判決をもって、闘争の暴力的たたきつぶしに来ています。4者4団体のように政府・自民党に土下座し解雇撤回を投げ捨てるのではなく、動労千葉を先頭に全労働者の総決起で1047名解雇撤回闘争を爆発させる時です。国鉄決戦の爆発が道州制・民営化攻撃を根底からぶっ飛ばします。連合・全労連本部打倒! 国鉄4者4団体路線粉砕! 現場労働者の力を信じ、豊中女性部の闘いに続こう。

 闘う労働組合をとりもどそう! 東京の労働運動の転換をかけて総決起しよう!

 腐り果てた資本主義を倒すのは労働者です。労働者の団結とストライキの力がこの世の中を変えます。闘う労働組合を取り戻そう。第2第3の動労千葉をつくりだそう。青年労働者を先頭に闘おう。5・9を東京の労働運動の転換をかけた総決起のときとしよう。私たちは、東京で働くすべての労働者の皆さんに5・9労働者総決起集会への参加を呼びかけます。
 2009年3月
 5・9全都労働者総決起集会実行委員会 

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週刊『前進』(2388号2面2)(2009/04/20 )

 5・9の成功へ

 ストで闘う組合へ転換を 夏季一時金削減を許すな

 5・9集会は、大阪での3・6道州制粉砕・橋下打倒の闘いに続く首都での道州制・民営化反対集会だ。東京で動労千葉派の労働者が道州制・民営化絶対反対の旗幟(きし)を鮮明にし、団結した隊列を登場させることは決定的だ。青年労働者の結集をかちとり展望を切り開こう。
 大恐慌を革命に転化する道は、第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦の勝利、動労千葉型労働運動=階級的労働運動の推進にある。4大産別を先頭に改憲・戦争、民営化・労組破壊の攻撃と対決しよう。侵略戦争と階級戦争の攻撃を打ち砕こう。5・9集会はそうした闘いの結節環だ。
 5・9集会組織化の過程は、戦争と民営化の最悪の推進勢力と化した連合、全労連、4者4団体など体制内労働運動指導部との激しい党派闘争となる。
 自治労・自治労連都本部は、石原都政のリストラ・民営化・大幅賃下げ・人事評価・査定給の攻撃に限りなく屈服してきた。「交渉テーブルの維持」を自己目的化し、ストライキで闘おうという組合員の怒りを踏みにじってきた。組合の側から「働こう運動」と「攻めの民営化対応」を提案するまでに至っている。闘う方針を出すどころか、階級意識を解体し、団結を破壊し、戦闘力を衰弱させてきた。
 こうした体制内労働運動指導部を現場組合員の団結の力で打倒しよう。民営化絶対反対を貫き、団結強化を総括軸にストライキで闘う動労千葉のような労働組合運動につくり替えよう。そうしなければ改憲と戦争国家へ向かう道州制攻撃を打ち砕くことはできない。
 「ミサイル迎撃」で自衛隊が自治体を指揮し、自治体労働者を「戦争動員」した。賃下げ・労組破壊の攻撃もすさまじい。連合は労使共同宣言と政労資合意を結び、資本・国家の防衛のために「ワークシェア」「雇用確保」の名で賃金大幅引き下げをのんだ。これを受けて国・人事院―自治体・人事委は夏季一時金大幅削減の勧告をめざして調査を始めた。昨年度確定した賃金をさかのぼって削減する人事院発足以来の暴挙である。公務員労組の解体と6千万労働者全体に対する賃下げ攻撃だ。補正予算15兆円の財政支出と50兆円の株買い支えで大資本・銀行を救済し、労働者を失業と貧困にたたき込む――これが道州制攻撃だ。
 5・9集会で公務員労組の存在意義をかけてストで闘うことを宣言しよう。石原都政打倒へ道州制・民営化粉砕決戦の開始を宣言する集会として5・9をかちとろう。

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週刊『前進』(2388号2面3)(2009/04/20 )

 世界政治に衝撃走る

 ASEAN首脳会議を中止に 追い込んだタイの内乱的激突

 新旧支配層の対立

 4月11日、タイにおいて、タクシン元首相派(「反独裁民主同盟」、赤シャツ隊)による集会・デモが、中部のリゾート地パタヤで予定されていたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議やプラス3(日中韓)の会議を粉砕する重大事態が起きた。これはASEAN体制を根底から揺るがし、帝国主義の世界支配に打撃を与える衝撃的な出来事であった。
 その後の展開で、首都バンコクの占拠闘争に軍が排除行動を行い、死者が出るにいたった。この事態を受けてタクシン派が首相府周辺から自主的に退去・解散したため、ひとまず暴動的決起は収束に向かっている。しかし世界大恐慌下で爆発した、帝国主義の直接投資と「国際分業的」生産の拠点であるタイでの内乱情勢は、全世界に大きな衝撃を生み出している。
 タイでの内乱的激突を、7月帝国主義サミット(イタリア・サルデーニャ)粉砕、「大恐慌を世界革命へ」の闘いのバネへと転化して闘おう!
 アピシット現政権派は、06年にクーデターによってタクシン首相(当時)を打倒し、追放した。この06年の軍事クーデターの中心は軍、警察、裁判所などを軸とするいわゆる王党派であり、国王の補佐役プレム枢密院議長を中心としたタクシン登場前の旧支配層である。しかしその後、07年12月の総選挙で再びタクシン派が議会の多数派を形成し、タクシン派政権が誕生する。昨年の首相府占拠・空港占拠などの一連の「民主市民連合」(黄シャツ隊。黄色は「国王の色」)の運動は、これを覆す目的で行われたものだ。
 そして昨年12月の最高裁判所による与党「国民の力」党などへの解散命令によってタクシン派政権は崩壊し、軍が関与した議会内多数派工作によって現アピシット政権が誕生した。
 タクシン元首相は携帯電話事業で財を成した新興ブルジョアジーであり、北部を軸とした農民層と低所得者層に支持されている(タイ人口6500万人のうち農業人口は3割以上)。01年に発足したタクシン政権は、農民支配層を金で買収するなどの選挙対策で圧倒的な農村票を組織し、実際にそれまで病院にもかかれなかった貧困農民に対する医療保障などの改革を行うことで支持を固めた。またIT産業の導入などによりタイの支配層の再編を行い、労働者への合理化や民営化攻撃も進めた。
 タクシンはタイの支配構造を国王を頂点とする王党派や軍・官僚・旧財閥を軸としたものから、新興ブルジョアジーを中心としたものへと強引に作り変えようとしてきた。しかしそれは表現の自由を規制するなど独裁的な政治手法を駆使したものでもあって、都市部住民を中心に反発と怒りも生み出した。
(写真 タクシン派のデモ隊が警備の非常線を突破してASEAN+3首脳会議と東アジアサミット会場となったホテルを包囲【4月10日】)

 労働者階級の未来

 現在のタイの政治は、これまでどおりには支配ができない中で、新旧支配層の分裂と、一方での都市部中間層と北部の貧困農民層の対立(都市と農村の深刻な経済格差)を内包し、内乱的激突として展開している。
 だが、トヨタ、日産、ホンダや電機大手を始め日本企業も大量進出しているタイで、労働者階級は、この対立構造の中で独自の政治勢力として登場することが、まだできていない。
 しかし重要なことは、世界大恐慌の本格化のもと、世界的に成熟する革命情勢の一端が、タイでの新旧支配層の対立・抗争と、そこに多かれ少なかれ組織されている農民や労働者の決起を伴って、二重権力的激突として現れていることだ。だがタイの労働者や農民の未来は、現政権はもとよりタクシン派政権の復活などで切り開かれるものでは断じてない。労働者階級が農民とともに、プロレタリア世界革命の一環に自らの決起と権力奪取の闘いを位置づけ、新旧支配層全体を打倒し前進していくことの中にこそある。
 しかし、タイの内乱的激突が重要な国際会議としてのASEAN首脳会議などを粉砕した今回の事態は、まさに決定的であり、全世界の労働者階級人民にとって帝国主義サミット粉砕への新たな進撃の号砲だ。タイの決起に鼓舞され、連帯して、4〜6月総力決戦を闘おう!

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週刊『前進』(2388号2面4)(2009/04/20 )

 「北延伸滑走路の前倒し供用」許さぬ

 三里塚反対同盟怒りの弾劾声明

 金子国土交通相は4月10日、成田空港暫定滑走路北延伸の10月供用開始を発表した。3月貨物機事故を逆手に取った「前倒し供用」など許すことはできない。三里塚芝山連合空港反対同盟は即座に弾劾声明を発し、欠陥空港を廃港に追い込む決意を明らかにした。(編集局)

 弾劾声明

 反対同盟は暫定滑走路北延伸の前倒し供用開始の動きを徹底弾劾する。供用を中止し暫定滑走路を閉鎖せよ! 事故の惨事を顧みず、住民と乗客・乗員にさらなる危険を強制する空港会社と政府・国交省に、心底からの怒りを抑えることができない。
報道によれば、成田空港会社はフェデックス激突・炎上事故を口実に、延長滑走路を10月にも供用開始するという。事故で「計171便が欠航や目的地の変更を強いられた」「ジャンボが離着陸できない暫定滑走路の限界がクローズアップした」から供用を急ぐというのである。
冗談ではない。フェデックスの事故原因は、成田空港に頻発するウインドシアである。事故が起きたら暫定滑走路に着陸させるというが、そのような時こそ、房総と北総の境に位置し寒気と暖気が激しく衝突する天神峰・東峰が危険なのだ。その証拠が6年前のエアージャパン機(乗員・乗客102人)である。ウインドシアに煽られて滑走路をオーバーランし、あわや大惨事の事故を起こしている。
さらに「延伸して安全性が高まる」などというのは許せぬ欺瞞(ぎまん)である。延伸しても、いまの中型機より長い滑走路が必要なジャンボを飛ばせば安全性を高めるどころか、逆に危険性が増大する。
しかも、前倒しは「空港規模の拡大に見合う空港管制態勢が整わない」(千葉日報)なかでの供用であることすら露見しているではないか。
成田空港はアジア・ハブから陥落し、羽田国際化によってさらに危機を深めている。供用開始の前倒しは、競争原理による利益優先・安全無視の前に人命を差し出す暴挙であり、断じて認めることはできない。
「へ」の字に曲がった誘導路、段差4bの開拓道路が入り込む着陸帯、神社間際のオーバーラン帯、南側飛行直下を2度くぐる新誘導路、東関東自動車道をまたぐ進入灯――。暫定滑走路の欠陥をあげたらきりがない。これらはすべて無理・無謀の結果であり、その責任はあげて政府・国交省、空港会社にある。そのうえ年間飛行回数1・5倍化(30万回)などは言語道断だ。
欠陥だらけ暫定滑走路を閉鎖せよ! 反対同盟は市東さんの農地取り上げを許さず、天神峰現闘本部を守りぬき、不屈に闘う決意である。
2009年4月11日
三里塚芝山連合空港反対同盟

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日程 三里塚・市東さん裁判傍聴を

4月21日(火)
市東さん農地強奪阻止行政訴訟
午前10時30分 千葉地裁
市東さん農地法裁判
午前11時10分 千葉地裁
4月23日(木)
天神峰現闘本部裁判
午前10時30分 千葉地裁
※傍聴券抽選のため1時間前に集合

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週刊『前進』(2388号3面1)(2009/04/20 )

 経団連2・17提言を弾劾する

 医療・福祉の民営化進める体制内指導部を打倒しよう

 革共同医療福祉労働者委員会

 4大産別決戦貫き大恐慌を革命へ!

 1〜3月決戦は、1047名闘争=第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別・6大産別決戦の革命的再確立をかちとった。4大産別・6大産別決戦は、「内への階級戦争と外への侵略戦争」「戦争・改憲と民営化、労組破壊」の大攻撃と最も激しく対決する闘いだ。こうした路線で武装した4大産別・6大産別決戦こそが、破綻した新自由主義の絶望的続行である民営化・道州制攻撃と鋭く闘うことができる。
 この4大産別・6大産別を解体するために打ち下ろされたのが、3・25反動判決だ。3・25判決は国鉄1047名闘争の分断・解体を強行し、全社会に拡大する国鉄分割・民営化型の解雇・リストラ攻撃をすべて正当化し、労働者の反撃を絶滅しようとするものである。
 国鉄分割・民営化こそ、今日の新自由主義攻撃下でのあらゆる資本攻勢の始まりだった。だが動労千葉のストライキ決起によって切り開かれた国鉄1047名闘争は、今日に至るまでこれと真っ向から対決し続け、4大産別を解体して改憲を実現する戦争攻撃を核心において阻んだ。動労千葉の闘いが、国鉄分割・民営化という最大級の新自由主義攻撃を打ち破ってきたのだ。
 民営化・規制緩和―新自由主義の破綻した姿が大恐慌情勢である。資本家階級には、破産した新自由主義に代わる方策などない。全世界で資本に対する労働者階級の怨嗟(えんさ)と怒りが満ち、体制内を打ち破り資本主義の打倒へ向かう大流動と決起が生み出されているのだ。
 だからこそ日帝資本は、国鉄1047名闘争解体・動労千葉排除の3・25判決を出し、それと一体で対北朝鮮への戦争攻撃をしかけているのだ。資本は破綻した新自由主義を絶望的に推し進めることに、生き残りの一切をかけている。だが階級意識と労働組合の団結を完全に解体すること抜きに、侵略戦争も、民営化・道州制も実現できない。逆に全労働者の怒りが国鉄1047名闘争と結びつき、国鉄決戦を水路に4大産別・6大産別の闘いがプロレタリア革命へと発展することに、敵階級は根底から恐怖しているのだ。だから4者4団体派を闘争解体の先兵にさし向けたのだ。しかしこれも全面的に破産した。3・25判決情勢は、6千万労働者―2千万青年労働者を獲得する決定的なチャンスの到来だ。
 新自由主義下の医療・福祉の民営化は、すでに全世界的な労働者支配の破綻点となっている。道州制・民営化攻撃はこの矛盾をさらに全面化するものであり、必ず労働者階級の爆発的決起を押し開く。医療・福祉労働者の決起は革命情勢の重大な環を握っているのだ。医療・福祉労働者はこの情勢と真っ向からかみ合い、日共・医労連指導部、4者4団体派、塩川一派との激烈な党派闘争をかちぬいて、1〜3月闘争の勝利の総括を踏み固め、さらに第2次国鉄決戦を基軸にした4大産別決戦を貫く、医療・福祉労働運動の路線を打ち立てて闘おう。

 医療丸ごと民営化と道州制狙う提言

 医療・福祉、教育をめぐって、民営化と道州制攻撃が襲いかかろうとしている。それをはっきりと打ち出したのが、日本経団連の「国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度を目指して」なる2月17日付の提言だ。この提言は、医療のビッグバンといわれる医療の丸ごと民営化=道州制攻撃である。

 「社会保障は経済活力の源泉」

 それは第一に、医療・福祉を含めた社会保障制度の持つ公的領域をすべて民営化し、市場・競争原理に丸ごとたたき込もうという一大攻撃である。膨大なあらゆる社会保障―医療の領域を資本の延命のための餌食にしようとしている。
 道州制ビジョン懇談会座長・江口克彦が「道州制とは、競争の促進である」と公言するとおり、民営化と道州制とは、市場原理・競争原理で資本が労働者をどこまでも搾取し、それに対する決起を圧殺し、崩壊する資本主義の延命を図ろうとする攻撃だ。
 提言は「社会保障制度は……経済活力の源泉」「経済の活性化を図り、経済成長を高める」と言う。社会保障、医療・福祉を民営化し資本の暴利をむさぼる対象にしていくというのだ。そのために自治体の丸ごと民営化、教育の民営化を推し進める中で、公務員360万人のいったん全員解雇・選別再雇用によって労組的団結を根こそぎ解体しようとしている。
 第二に決定的なのは、皆保険制度の解体を狙っていることである。
 この提言の題名には「国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度」とある。この表現は新自由主義に基づく「自己責任」論である。国民年金未納や健康保険料の収納率の低迷、少子化などを理由にし、高齢者医療と貧困者を切り捨て、今その社会全体を崩壊させているアメリカ型の医療・福祉の全面的な民営化導入を明白に狙っているのである。
 そして「提言」でさかんに言っている「セーフティネット」の主語は資本だ。資本が延命するための「セーフティネット」なのである。それは、皆保険制度の解体を含む社会保障の全面解体、新自由主義の極限的な搾取と収奪をいっそう激化する攻撃だ。
 第三に、全面的な公立病院民営化をうたっている。これを突破口に道州制を導入しようとしているのだ。
 「一定の医療圏単位での医療機関毎の連携や機能分化を推進し、効率的な提供体制を構築する」とは、公立病院の合併・縮小、徹底したリストラ、民営化による道州制導入を全面的に推進せよということである。
 「ICT(情報通信技術)化の推進」「事務の効率化」「情報の共有や地域連携」「医療データの活用・開示」などはすべて、その布石である。
 医療の民営化は何をもたらすか。アメリカでは民営化の結果、民間保険会社などが患者を支配し、患者を人質に保険会社が経営に介入し、あこぎなリストラ・賃金切り下げ・過重労働で利益を上げ食い荒らしている。医者ですらワーキングプア化するというアメリカ社会の根底的解体が進行している。

 地域医療を口実に裏切る自治労本部

 こうした激しい民営化=道州制攻撃に全面屈服を表明しているのが、自治労本部衛生医療評議会の『運営形態変更・公立病院の再編・ネットワーク化に係わる取組み指針』(『指針』)だ。
 公立病院の民営化こそ、道州制攻撃の激しい突破口である。この『指針』は、「自ら指定管理者制度を適用させ、医療法人を立ち上げるべきだ」「民営化は労組機能度を高めるもの」とあるように、公立病院の民営化を、「新たな病院運営形態」による「攻めの民営化対応」で労組が率先して推進していくとしている。まさに自治労版「労使共同宣言」だ。
 『指針』の極反動性は、第一に、「攻めの民営化」を掲げて、「地方への権限委譲を進める道州制なら賛成」と道州制を全面的に推進していることだ。
 それは、自治労本部が、労組の立場から民営化を反革命的に推進する国鉄分割・民営化の際にカクマル松崎が果たした役割を担うということである。「攻めの民営化対応」のテコとなっている「雇用確保」とは、国鉄分割・民営化における松崎カクマルの論理であり、今日的には政労使一体の「ワークシェアリング」論となり、新たな首切りの論理となるのだ。
 第二に、「攻めの民営化」とは民営化への全面協力のことである。民営化とは、労働者へのどんな犠牲もいとわない攻撃であり、労働者の反撃をあらかじめ徹底的に圧殺するために、労働組合的団結をあらゆる手段で解体しようとする攻撃であり、絶対反対以外にない。国鉄分割・民営化においては、「国家権力の総力を挙げ、一切の妥協を許さない無慈悲な攻撃であった」(『甦る労働組合』)のだ。そういう攻撃としてとらえない限り、全面屈服の奴隷の道か、権力・資本の先兵になるしかないのだ。
 『指針』でどんなにまやかしの言葉を並べようが、「全適(地方公営企業法の全部適用)」=民営化を受け入れることは、果てしない屈服と裏切りへの転落である。
 第三に、『指針』の反動的核心は、「地域医療提供体制を守る」を口実として「医療の民営化」を全面的に推進することにある。
 この『指針』では、誰が地域医療を崩壊に追い込んでいるのか、まったく触れない。今日の医療崩壊の一切の元凶はまさに資本であり、破綻した新自由主義そのものだ。
 そもそも、「公立病院赤字問題」が生み出されたのは、07年6月「地方自治体財政健全化法」が作られ、これに基づいて総務省が自治体病院に@経営効率化、A再編・ネットワーク化(地域の医師を集約・再編)、B経営形態の見直し=民営化を要求する「公立病院改革ガイドライン」を発表したことから始まった。これ以降、自治体赤字問題が法律的に作り上げられ、公立病院が次々と赤字経営を「摘発」され、徹底した人員削減と賃下げ・合理化が進められ、民営化推進の餌食にされてきた。
 つまり現在の医療崩壊は、資本の論理で医療・福祉をじゅうりんすることを、国の政策によって追認することで引き起こされているのである。民営化=道州制攻撃とは、資本自らが地域医療を崩壊させながら、今度はそれを口実に、もっと極限的な資本の論理を導入することなのだ。それはまさにむきだしの賃金鉄鎖に、医療労働者および全労働者を組み敷こうということである。こんなことが許されるか! したがって資本と闘わない「地域医療体制の構築を」なるスローガンは、日本経団連と同一の立場でしかない。

 日共・医労連指導部と徹底対決

 日本共産党・医労連指導部もしかりだ。自治体病院の「経営悪化」について、あたかも「天から降ってきた災い」かのように描き出し、政府と資本を分けることで資本を擁護し、資本がもたらした民営化による医療崩壊の現実を抹殺している。資本との対決から逃げ、「経営の効率化」の攻撃に全面屈服した日共は、「聖職者」論をもって労働者の階級性を解体し、「地域医療を守れ」と叫んで労働者が資本への怒りに向かうことを阻む。そのことによって労働組合の存在を決定的におとしめ、本質的に資本救済論を展開しているのだ。医労連内部から労働者の反乱が巻き起こることは必至である。
 この点では、塩川一派も完全に同質の反革命である。
 この自治労本部の『指針』をはじめ、体制内的反動勢力を打倒し、「戦争・改憲と民営化・労組破壊」粉砕を掲げ、階級的団結をうち固めて闘おう!

 地区党を打ち固めマル青労同建設を

 道州制=民営化攻撃と立ち向かう労働者階級の巨万の決起をつくり出す、医療・福祉労働者はその突破口を開く重大な位置にある。党派闘争を徹底的に推進して、4大産別・6大産別の飛躍をかちとる先頭に立とう。とりわけ、4大産別・6大産別に細胞を建設し、マル青労同を建設することにプロレタリア革命のすべての展望があることを、一切のあいまいさなく鮮明にさせ闘おう。
医療・福祉産別は、体制内との党派闘争の最も激しい戦場である。「聖職論」などに常にさらされ、激しい職場の分断・差別化と闘うことが常に求められる。この中で分断を意識的に打ち破り、正規・非正規を超えた階級的団結を生み出そう。現場労働者の資本に対する激しい怒りに依拠した徹底的な党派闘争で、労働者を組織しよう。
その核心は、地区党を土台として組織性を打ち鍛えることによって党派闘争が貫徹されることだ。日和見主義が細胞性の解体を生み出すことに対してこれと闘い、細胞の再団結をかちとる党内闘争で自らをうち鍛えよう!
不抜の地区党建設を土台に、中央―地区―細胞の有機的結合をかちとることなしに、革命的激動を真に革命に転化する労働者党建設もない。産別主義に陥らず、さまざまな産別・職種の労働者によって形成される地区党を強固に建設し、職場攻防をプロレタリア革命の目的意識性から位置づけ闘い抜くことだ。
地区党の団結と細胞性の強化は一体である。時代認識と路線を打ち立てて、路線を武器に、党の路線を職場で実現する闘いとして職場生産点の攻防を闘おう。路線的一致と、路線的団結で職場細胞を建設しよう。
その中で、党建設を徹底的に基軸に据えて党派闘争を展開しよう。4〜6月決戦を、組織建設―マル青労同1千人建設の闘いとして完全に据えきり、6・14闘争から11月労働者集会へ攻め上ろう!

自治労本部の全面屈服方針

(自治労本部衛生医療評議会の指針)
「即座に『絶対反対』との闘争を組むことは過去の事例より『避ける』ほうが賢明」
「地方公営企業法の全部適用(=全適)を推奨」
「むしろ組合から逆提案という形でも望ましい」
「地方独立行政法人も選択肢として容認し取り組む」
「組合が医療法人を立ち上げて指定管理者制度を適用させ、雇用を守る」
「賃金削減を受け入れても病院(を守る・で働く)」
(公立病院民営化を推進し道州制の先兵となっている自治労本部。資本の奴隷そのものだ!)

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週刊『前進』(2388号3面2)(2009/04/20 )

 自衛隊兵士と労働者は団結し日米帝の朝鮮侵略戦争粉砕へ

 革共同反軍闘争組織委員会

 侵略戦争へと本格的に踏み込む日帝麻生

 北朝鮮の「人工衛星ロケット」発射に対し麻生政権は3月27日、安全保障会議の決定として浜田防衛相に自衛隊法82条2の3項に基づく「破壊措置命令」を発令させ、陸海空自衛隊三軍による「迎撃」の実戦配備を強行した。これは海自ソマリア沖派兵と一体の侵略戦争への画歴史的踏み込みである。今回の軍事作戦は07年以降、半ば報道管制下で配備を進めてきた弾道ミサイル防衛システム(BMD)初の実戦発動である。日帝の戦争政策の新段階への突入に対して、絶対反対!の反撃をたたきつけなければならない。
 今回の軍事作戦は日米韓合同作戦であった(図参照)。判明しているだけでも、日本海には空自の迎撃ミサイルSM3搭載のイージス艦2隻、太平洋にはイージス艦1隻を配備した。地上では、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が空自浜松基地から秋田・岩手両県へ、入間と習志野から市ケ谷駐屯地・防衛省へ、入間と霞ケ浦から朝霞基地へ、武山から習志野へとそれぞれ移動配備された。首相官邸と「帝都」防衛のためにPAC3の発射口は西方に向けられていた。まさに移動訓練を兼ねた実戦配備・戦争発動であった。
 米軍は、米韓軍事演習を終えたイージス艦「チェイフー」ほか横須賀基地の5隻とハワイから1隻を配置。韓国軍は韓国初のイージス艦「世宗大王」を出動させた。日米韓の計11隻のイージス艦と、さらに日米の潜水艦が日本海と太平洋に展開した。また、米軍の早期警戒衛星、米戦略偵察機コブラボール2機、在韓米空軍の戦略偵察機U2、海自EP3偵察機などが北朝鮮を包囲し、戦争突入体制の軍事重圧を加え続けていた。
 この中で、崩壊寸前の麻生政権は「危機管理に成功すれば支持率が上がる」「神風だ」と公言し、民主党・小沢に対する指揮権発動と「ミサイル迎撃」キャンペーンによって支配階級としての起死回生を図ったのだ。麻生政権はこの一大軍事行動を大々的に公開し、マスコミ各社を総動員し、「挙国一致」の戦争動員体制をつくりあげようとした。東北地方では自治体労働者が総動員され、住民防災無線、「ミサイル実況中継」などから、「北朝鮮脅威」「国難」が繰り返し地域全体であおられたのだ。

 排外主義に屈服する体制内派を打ち倒せ

 この日帝の排外主義攻撃に屈服したのが体制内翼賛勢力だ。
 31日の衆参両院本会議における「北朝鮮にミサイル発射自制を求める決議」への社民党や日本共産党の賛成は、「迎撃」そのものへの支持であり、排外主義攻撃への完全屈服そのものだ。共産党は『赤旗』や街頭で「危機管理能力の確立を」と絶叫している。こうした「迎撃能力」「2度にわたる誤報(情報伝達)」についての議論自体が祖国擁護=支配階級擁護の立場であり、軍事力強化や戦争政策を積極的に推進し、「敵基地を先制攻撃せよ」の大合唱へと導くのだ。事実、北朝鮮の「衛星発射」を受けて日帝内部(「北朝鮮に対する抑止力強化を検討する会」など)で「敵基地先制攻撃論」が激化しているではないか。
 さらに連合は4月6日付で「北朝鮮によるミサイル発射に断固抗議する談話」を事務局長名で発表した。その内容たるや日帝支配階級と完全に同一だ。国連決議違反だから「国連安全保障理事会の完全なる履行を求める」と戦争をあおっている。
 さらに「日本政府に対しては、北朝鮮の弾道ミサイル問題に毅然とした姿勢で臨むとともに、核開発の完全放棄、日本人拉致被害者の早期解放の包括的解決をめざし、国際社会にも訴え強力に取り組むことを要請する」と労働組合が排外主義攻撃の先兵となっているのだ。街頭で「イージス艦・PAC3の配備、ミサイル迎撃は戦争発動だ!」と日帝を弾劾して闘う労働者・学生への敵対だ。
 しかも、連合は裁判員制度にも賛成し、国家総動員体制を推進している。戦争動員体制は労働組合の転向・屈服をもって進められる。とりわけ4大産別労組の動員なしに戦争は成立しない。「戦争・改憲と民営化・労組破壊」と対決し、国鉄1047名解雇撤回闘争を軸に4大産別決戦に勝利することこそ、北朝鮮侵略戦争を止める闘いなのだ。

 日米帝による北朝鮮の体制転覆の策動

 そもそも北朝鮮の「人工衛星」打ち上げは、米帝オバマとの交渉に照準を当てた北朝鮮スターリン主義の対抗的メッセージであり、国内支配体制の強化と武器輸出拡大のため反人民的演出だ。
 米帝オバマによるイランや北朝鮮との「対話路線」は侵略戦争発動の時間稼ぎに他ならない。クリントン米国務長官は、2月のアジア諸国歴訪でミサイル問題を6カ国協議で取り上げる方針や拉致問題での日本支持などを表明している。
 北朝鮮は、こうした戦争重圧に対し、米領土を射程にした長距離ミサイル技術の開発という対米カードを切ることで対米直接交渉を引き出し、2012年の金日成生誕100年に向け「先軍政治」の「ポスト金正日」スターリン主義体制の延命を図っている。今回の打ち上げには食糧難を1年分解消できる米100万dに相当する3億j(300億円)の費用がかかったというが、まさしく労働者人民を犠牲にして延命する反人民的体制なのだ。
 だが、今回の「北朝鮮ミサイル問題」の最大の問題はどこにあるのか。米韓合同軍事訓練「キーリゾルブ」(08年3月、約71万人動員)、「フォールイーグル」(09年3月)で北朝鮮に軍事重圧を加え続け、北朝鮮の種々の動向を口実にした日米帝国主義による制裁と体制転覆―北朝鮮侵略戦争策動ではないか! そしてその占領と支配を足がかりに中国スターリン主義の体制転覆さえも狙っている。
 さらに米帝オバマ政権は、中東、アフガニスタン、パキスタンなどでの米軍増派の戦争拡大を行っているのだ。そのためにペテン的に核軍縮を唱え、世界の反戦闘争を体制内化する策動を強化していることを断じて許してはならない。
(写真 「迎撃」ムードを吹き飛ばす街頭宣伝が全国各地で行われた【4月5日 広島市】)

 「海賊対処新法」の成立を阻止しよう!

 赤星海上幕僚長は、ソマリア沖で護衛対象外の外国船舶を救援する時の武器使用の方針を打ち出した。侵略戦争行為の拡大だ。断じて許さない。「海賊対処新法」成立を断固、阻止しよう。
 また日帝支配階級は、ワークシェアリングの強化とともに「民間国土保全隊」なる構想を発表した(3・28朝日)。派遣切り・解雇で職と住居を奪われた青年を半年間、駐屯地に住まわせ、生活費を支給し、職業訓練の名のもとに軍隊への勧誘と反動教育を行うという恐るべき反革命策動である。15兆円という巨額の「追加経済対策」とは、資本家救済と反動的国家総動員体制の構築のために投入されるのだ。また、「平和学習」「職場見学」と称して高校生の修学旅行に駐屯地・基地訪問が導入されようとしている。田母神・つくる会教科書一派による策動であることは明白だ。断固、粉砕しよう。
 労働者・兵士の敵はソマリア人民でも北朝鮮の人民でもない。戦争で労働者と家族そして兵士の命を奪い、首切りで職と命を奪う資本家階級だ。これを世界単一の階級である労働者兵士の闘いによって打倒しなければならない。自衛隊兵士は労働者階級の仲間・同志としてこの闘いに合流しよう。動労千葉の闘いに続き「生きさせろ!」ゼネストへの一歩を全国でともに実現しよう。

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週刊『前進』(2388号4面1)(2009/04/20 )

 「禁じ手」発動はオバマの墓穴

 FRBの国債購入/「粉飾会計」も容認

  世界大恐慌がいよいよ本格化

 島崎 光晴

 世界大恐慌の震源地であるアメリカ経済は、実体経済でも金融でも一段と深刻な恐慌に陥っている。追い詰められたオバマ政権は3月末から4月初めにかけて、禁じ手の恐慌対策を次々に発動しはじめた。財政赤字の膨張と米国債発行の激増に窮して、FRB=中央銀行が米国債を買い取ることを決めたのだ。また、時価会計を緩和して金融機関が資産評価を勝手にやることを容認し、国家政策として粉飾会計を奨励した。二つの禁じ手を打ったことで、米帝の財政・金融など経済すべてに対する信用はますます崩れ、何よりもドルへの信認は崩壊していく。その意味で米帝オバマのこの恐慌対策は、世界大恐慌がいよいよ本格的に爆発していく画期をなす。
(写真 3月19日の全米デモに続き、4月3日にもアメリカの労働者階級・人民は「ウォール街と戦争にこれ以上金をつぎ込むな」「仕事をよこせ」と叫んでニューヨークのウォール街デモに決起した)

 自動車産業で過剰資本露呈

 一段と進む住宅バブルの問題!

 まず、住宅バブルの崩壊が一段と進んでいる。主要10都市の1月の住宅価格は前年同月比19・4%下落し、過去最大の下落となった。しかし06年春のピークからの下落率は30・2%にとどまっており、今後まだ何年にもわたって下落しつづけていくのは必至だ。
 住宅バブル崩壊で、住宅ローンを返せない人がさらに増大している。昨年10〜12月期には住宅ローンの延滞率は7・88%、差し押さえ率は3・30%と、ともに過去最高を更新した。二つを合計すると11・18%にもなり、全米の住宅ローンの約9件に1件で返済が行き詰まっている。
 また、同時期にサブプライムローンでは、両比率の合計が46・4%にも達した。サブプライムローンを組んだ人の半分近くが、住んでいる家からたたき出されそうになっているか、すでにたたき出されているのだ。詐欺まがいのやり方でサブプライムローンを押しつけ、あげくのはてに住む家からも追い出す。資本主義はもはや終わっているのだ!
 こうした住宅バブル崩壊を機に、実体経済は急降下を続けている。特に個人消費の柱をなす自動車販売台数は、2月には前年同月比41・4%減と、初めて4割を超えて減った。GMの1月初めから2月中旬までの北米での生産台数は、前年同期の3分の1にまで激減している。住宅ローンを借り増して自動車購入など消費に充てる、という従来の消費バブルが崩壊しているのだ。
 自動車販売激減で、GMとクライスラーは昨秋から米政府からの融資なしでは存続できなくなった。GMの08年通年の赤字は308・6億j(約3兆円)にも上り、08年末の債務超過額は861億j(約8・4兆円)にも膨らんだ。実質的には完全に破綻している。米政府は3月末までに、GM・クラスイラーへの追加支援について判断する予定だったが、GMには60日以内の再建計画見直しを求め、クライスラーには30日以内のイタリア・フィアットとの提携合意を求めた。問題の先送りにすぎず、両社が破産法を申請する危機が続いている。
 現在の大恐慌の基底をなしているのは過剰資本・過剰生産力状態であるが、それは自動車産業を最大実体としている。米・日・欧すべてがそうだ。アメリカの29年大恐慌も、自動車産業での過剰資本が最大実体だった。米自動車産業は1925年に、米製造業内で生産額、賃金支払い額、付加価値額、原材料費のいずれでも第1位となった。29年大恐慌では、自動車とその関連産業であるタイヤ・鉄鋼・石油などでの過剰生産能力が劇的に露呈した。
 第2次大戦後の帝国主義は、このアメリカ的生産力水準を平準化しつつ発展したが、74〜75年世界恐慌によって過剰資本状態に陥った。それ以降、IT化などと称しつつも結局は自動車を基軸とし頂点にした生産力水準を超えられないまま、現在の世界大恐慌に突入したのだ。29年大恐慌から80年を経て、またも同じ自動車産業を最大実体にして大恐慌に陥る。資本主義の生命力が完全に失われている、ということではないか!

 大銀行の救済に労働者の怒り

 金融面では、昨秋のリーマン・ブラザーズ破綻以降、大手銀行がますます実質破綻し、米政府が何波にもわたって公的資金の注入を繰り返すという惨状にある。
 2月末には米政府がシティ株の36%を保有することを決め、3度目の公的資金の注入に踏み切った。政府による株保有が50%を超えれば名実ともに国有化となるが、36%でも米政府が筆頭株主になる見通しで、事実上の政府管理下に置かれた。
 世界最大手の保険会社で昨秋に政府管理下に入ったAIGは、もっと破綻的だ。08年通年の赤字は993億j弱で、それ以前の22年間の利益合計(約991億j)を帳消しにするほど巨額になった。3月初めには4度目の政府支援を受け、AIGへの資本注入額は合計700億jと米金融機関で最高になった。AIGの株価は1jを割っている。ニューヨーク株式市場では1j割れが続くと上場廃止になるところだが、この基準を変更してまでAIGを延命させようとしている。
 このような銀行救済策に対し、米労働者階級の怒りが沸騰している。特にAIGの幹部社員に、1億6500万jもの賞与が支払われることが明らかになった。2月に成立した景気対策法では、公的資金の注入を受けた企業が支払う報酬に上限を設けたが、法案修正の過程で「過去にさかのぼって適用しない」という一文がオバマ政権によって追加されたためだ。
 これに対し3月19日には35州で「銀行を救済するな」のデモが闘われ、100万人以上が参加した。日本帝国主義も政府・日銀が大量の公的資金で大銀行=大資本を救済している。日本の労働者階級の怒りを爆発させよう。

 財政規律とドル信認崩壊へ

 このような大恐慌の進展に対して米帝オバマ政権は、ありとあらゆる恐慌対策を講じている。しかし、それが効を奏さないなかで、ついに禁じ手の対策に出はじめた。
 一つは、中央銀行であるFRBが米国債を買い取るという非常手段である。
 オバマ政権は2月に7870億jの景気対策、750億jの住宅ローン差し押さえ対策を決めた。両方とも効力はそれほどないにもかかわらず、財政赤字をますます膨張させている。昨年10月から始まった09会計年度では、3月までの半年間で財政赤字がすでに9567億j(96兆円)にもなった。前年の約3倍という過去最悪のペースだ。このため、09年の新規国債発行は2兆jに迫ると見られる。しかし、これほどの米国債が消化しきれるのか。もし米国債が国内外で買われなくなると、米経済は真の意味で崩壊する。
 このような切羽つまった状況のなか、3月18日にFRBは向こう半年で最大3000億jの米国債を購入することを決めた。ドル紙幣を発行する中央銀行であるFRBが、米国債を買い取るというのだ。
 ドル紙幣を印刷すれば、いくらでも米国債を買い取れることになる。財政赤字は野放しに膨れ、国債発行も無制限に増える。いわゆる「財政規律」が失われるのだ。また、実体経済とかけ離れて通貨供給量が増えるので、インフレの要因ともなる。だから、中央銀行としては戦時以外ではやってはならないこととされてきた。米帝も、第2次大戦下では長期国債をFRBが大量に買い支えたが、戦後の1951年にこれをやめている。それをまたやるのだ。
 没落する米帝には、巨額の財政赤字に耐える力など残っていない。「30年代ニューディール政策の時のような財政力、その基盤をなす生産力は今の米帝にはない」(本紙新年号島崎論文)。29年大恐慌と第2次大戦後の帝国主義の危機をのりきったような米帝の力量は失われている。逆に、その米帝の中心部が崩壊しているのだ。

 「有毒証書」は数兆jに達する

 もう一つは、4月2日に、米国の会計制度を仕切る米財務会計基準審議会が、金融機関の時価会計を緩めることを決めたことである。金融機関が保有する金融資産について、その評価額を時価ではなく、金融機関の勝手な見積もりで計算していいことにした。粉飾会計を認めるということだ。
 米金融機関は、住宅ローン担保証券などの価値が暴落したため、巨額の評価損にあえいでいる。米政府はこの不良資産を買い取ろうとしているが、それが証券化商品の形をとっているため、資産価格がまともに確定できないで立ち往生している。
 しかも、そこには「有毒証書(トキシックペーパー)」が混ざっている。バブル下ではインターネットを介した金融取引が増大し、電話での会話もなく、なんの書類もない取引が横行していた。このため、「記録がでたらめなためにその中身や所有者、価値や破綻リスクを確かめられない」ような証券化商品が膨大に生まれた(ニューズウィーク3月4日号)。所有者も価値もわからないのだ。
 文書の記録が不備なCDS(元利払い保証の金融商品)だけで1兆j、有毒証書は数兆jとも言われる。日本の銀行の問題債権は90年代のピークで100兆円だったが、有毒証書だけでその数倍にもなる。しかも、有毒証書は米大手銀行だけでなく、証券化商品を金融機関から買い取っているFRBにも入りこんだ。
 80年代以来の新自由主義による金融規制の緩和・撤廃は、このような恐るべき事態を生み出した。これほどまでに経済や金融が制御困難、解決不能となるのは資本主義史上初めてだ。最末期の帝国主義の延命策である新自由主義は大破産し、「有毒証書」のような“獅子身中の虫”を生み出して、資本主義を破滅させつつあるのだ。
 米帝にとってもはや万事休す。そこで、時価会計を緩めて粉飾会計を認めるという、最後の手段に出たのだ。シティはこれで金融商品6000億jについて粉飾が認められるという。もともと時価会計は、企業・銀行の財務内容を透明にするために導入された。それをやめて、米大手銀行の財務内容を隠そうというのだ。しかもそれを、米金融システム、米金融機関、米金融商品のすべてに対する信用が崩壊している時に、やるというのだ。
 取り返しのつかないまでに、米金融のあらゆる面での信用崩壊が深まるに決まっている。しかも不良資産を隠せるとなれば、金融機関が不良資産を抱えたままの状態が長引き、大恐慌はより長期で手に負えないものになっていく。
 こうした財政と金融の両面での禁じ手によって、当面はしのげるかもしれない。しかし結局は、米経済のすべて、何よりもドルに対する信認を崩壊させ、大恐慌を促進することになるのは確実だ。米帝オバマは墓穴を掘ったのだ。

 階級戦争・侵略戦争と対決を

 このような中で米帝オバマは、労働者に対する階級戦争と、アフガン・イラクなどへの侵略戦争によって生き延びようとますますあがいている。
 米政府発表の3月の失業率は8・5%に悪化した。83年11月以来25年4カ月ぶりの高水準だ。昨年11月からは毎月60〜70万人規模という、29年大恐慌以来のペースで大量首切りが強行されている。特に自動車生産・販売の悪化が部品会社、ガラス、金属加工などの関連産業での首切りに波及している。
 GMなどビッグ3では、昨年末の政府融資を決める際に“労働組合がストライキを実施した場合、政府は融資を凍結する”との条項が盛り込まれていた。レイオフ中でも給料が受け取れる「ジョブズ・バンク」制度は、すでに廃止された。さらにGMは、UAW(全米自動車労組)が管理している医療保険基金への拠出金200億jについて、その半分を株式に変更するよう強要している。株式などで支払われれば、ほとんど価値がなくなり、医療保険はつぶれてしまう。米帝は自動車産業の危機につけこんで、労働運動がかちとってきた労働者の権利を次々に奪い去ろうとしているのだ。世界の労働者の国際連帯闘争が切実に求められている。
 一方で米帝オバマは、バイアメリカン条項などの保護主義で帝国主義間争闘戦を強めつつ、アフガン・イラク侵略戦争をさらにエスカレートさせつつある。昨年12月の陸軍の新兵採用は目標を約15%上回ったという。大恐慌下でますます食っていけなくなった若者が、いやいやながら軍隊に入るしかなくなっている。階級戦争に対する闘いと侵略戦争に対する闘いは、その意味でも一つの闘いだ。
 労働者が生きていくには、資本主義・帝国主義を打倒する以外にない。アメリカ労働者階級を始めとする世界の労働者と連帯して、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するために闘おう。

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週刊『前進』(2388号4面2)(2009/04/20 )

 「5・2改憲阻止!裁判員制度実施粉砕!集会」に集まろう

 「5・2改憲阻止!裁判員制度実施粉砕!集会」が「戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会」の主催で開かれます。同実行委のアピールを紹介します。(編集局)

 許すな現代の赤紙・徴兵制

 04年通常国会で全会派の賛成で成立した裁判員法の「実施」が今年5月21日に迫っています。最高裁の調査でも8割以上の人たちが反対している裁判員制度、これほど国会と民意が「ねじれた」制度、しかも国家の機関である裁判所に強制動員する現代の「赤紙」を強行することなど絶対に許してはなりません。
 指名されたら辞退ができない、プライバシーは丸裸にされる、死刑判決も多数決で出してしまう、評議の中身を漏らせば処罰する、被告人は一切拒絶できない、裁判は処罰のための儀式の場になる――。「裁判員制度はいらない!大運動」はこのように指摘して4・21日比谷全国集会と銀座デモを呼びかけています。
 私たち「8・15集会実行委員会」は、この4・21全国集会と連帯して、「5・2改憲阻止!裁判員制度実施粉砕!」の集会を行います。多くの皆さんの参加を訴えます。
 今年の5月3日の憲法記念日をめぐる情勢はこれまでとは一変しています。

 戦争と改憲は始まっている

 4月5日の北朝鮮「人工衛星ロケット」をめぐるすさまじい排外主義と戦争キャンペーン、そして国会での全会一致での「抗議決議」。自衛隊の武器使用を目的としたソマリア派兵。改憲と核使用を公然と主張する田母神元空幕長の「全国行脚」。さらに、法政大学当局による「情宣活動禁止仮処分」申し立てという学生への言論弾圧。公務員360万人の首を切る戦争・民営化・労組破壊の道州制の導入攻撃など。
 これら歴史を画する改憲そのものの攻撃が、大恐慌情勢下での日本資本主義の根底的危機のもとでかけられています。裁判員制度の強行はこれらと一体の攻撃です。
 昨年11月、東京高裁長官から最高裁長官に14人抜きで「抜擢(ばってき)」された竹崎博允は「裁判員制度設計の中心を担った」人物。昨年7月に検事総長に就任した樋渡利秋は司法制度改革審議会の事務局長でした。今年3月、樋渡は「政権を奪取したら裁判員制度を見直す」と公言する民主党小沢をつぶすために、第一秘書を逮捕・起訴しました。

 裁判員制度の強行粉砕を

 ついに検察ファッショに訴えて強行する裁判員制度、それに延命をかける麻生政権! 裁判員制度も麻生政権もぐらぐらです。戦争と改憲の麻生政権をぶっとばす絶好のチャンスがきました。
 労働者の職場での生きさせろ!の闘いと一体で「攻めの改憲阻止決戦」として裁判員制度5・21実施粉砕をかちとろう。

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週刊『前進』(2388号4面3)(2009/04/20 )

日誌'09 2009年 4月8日〜14日

 安保理議長声明に北朝鮮「6者脱退」/「海賊対処法案」が審議入り

●普天間移設協議会が再開 政府と沖縄県の関係自治体による米軍普天間飛行場の移設協議会が首相官邸で開かれた。沖縄側は滑走路の沖合修正や今年度で期限が切れる「北部振興策」(計1千億円)の継続などを求めた。協議会開催は昨年7月以来9カ月ぶりで、麻生政権では初めて。(8日)
●北朝鮮制裁の延長を決定 政府は、4月13日に期限が切れた北朝鮮籍船の入港全面禁止などの経済制裁をさらに1年間延長することを閣議決定した。(10日)
●ASEAN首脳会議中止 タイのパタヤで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の主会場に、現政権の退陣を求めるタクシン元首相派のデモ隊が乱入。アピシット首相は、麻生首相も出席を予定していた「ASEAN+3(日中韓)首脳会議」などタイ主催のすべての会議の延期を発表、パタヤと周辺に一時、非常事態を宣言した。(11日)
●日中韓首脳会談 麻生首相は、中国の温家宝首相、韓国の李明博(イミョンバク)大統領との個別会談の後、日中韓首脳会談を行った。北朝鮮のロケット発射を受けた国連安全保障理事会の対応について、拘束力のある決議ではなく、議長声明の早期採択を目指すことなどで事実上一致した。(11日)
●原発配管データ改ざん 日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーは、納入した中部電力浜岡原子力発電所5号機(静岡県御前崎市)の蒸気配管の溶接データと、中国電力島根原子力発電所3号機(松江市、建設中)向けに製作中の配管の同様のデータに改ざんがあったと発表した。(13日)
●安保理議長声明受け北朝鮮「6者脱退」 北朝鮮のロケット発射問題で、国連安全保障理事会が公式会合を開き、発射を非難する議長声明を全会一致で採択した。北朝鮮は、外務省声明を出して核問題をめぐる6者協議に「再び絶対に参加しない」と脱退を表明。「自衛的核抑止力の強化」を進めると宣言し、核開発の再開を示唆した。(13日)
●「海賊対処法案」、衆院審議入り
ソマリア沖・アデン湾の「海賊」対策に自衛隊を派遣するため、政府が提出した「海賊対処法案」が衆院本会議で審議入りした。自衛隊は自衛隊法に基づく海上警備行動の発令を受け、3月末から現場海域で活動を始めているが、政府・与党は今国会での法案成立をめざしており、成立後は派遣根拠を切り替える。(14日)
●海兵隊移転協定が衆院通過 在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定締結の承認案が衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決され、参院に送付された。参院では野党多数のため否決される見通しだが、同協定は条約と同等の扱いで衆院の議決が優先されるため、遅くても参院送付から30日後に自然承認される。政府は、在沖海兵隊の定員を1万8千人から1万人に減らすと説明するが、沖縄県が作成した資料によると、実数は07年9月時点で1万3200人。実際に減るのは3200人に過ぎない。(14日)

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週刊『前進』(2388号4面4)(2009/04/20 )

 日程 5・2改憲阻止!裁判員制度実施粉砕!集会

 −国益と排外に憲法は屈するのか−
 5月2日(土)午後6時開場、6時半開会
 文京区民センター 3A会議室
 (文京区本郷4−15−14 地下鉄春日駅すぐ)
 ●講演
 「裁判員制度は阻止できるぞ!」 高山俊吉弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
 「改憲は始まっている」 西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)
 主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会

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週刊『前進』(2388号5面1)(2009/04/20 )

 監獄大学粉砕! 4・24法大解放へ

 「情宣禁止」の新自由主義大学粉砕し、道州制・改憲うち砕け

 マル学同中核派・法政大学支部

(写真左 法大総長室前で弾劾のコール【4月13日】)
  (写真右 3月14日、文連を先頭に総長の自宅【市川市)を直撃)

 全国の労働者階級人民の皆さん、『前進』読者のみなさん! そして何よりも新入生を始めとする全国300万学生のみなさん! 4・24法大解放総決起集会までいよいよあと4日。「世界大恐慌に立ち向かう歴史的決戦としての4・24法大」へ総決起を訴える!
 4月15日、闘う富山大生・武藤淳範(ぶとうあつのり)君ら2人の仲間が「建造物侵入」の令状で不当逮捕された。富山大正門でのビラまきを「建造物侵入」にデッチあげるとは許せるか! 
 真相は当局20人が2人に襲いかかり、羽交い締めにしてビラまきを暴力的に妨害したのだ。ふざけるな! 全国学生が「4・24大結集」の路線で強固に団結し、新歓闘争が力強く前進していることに恐怖した日帝・国家権力による4・24つぶしの大弾圧だ。徹底弾劾・粉砕あるのみだ!
 一方、14日行われた第1波法大包囲デモには、数百人の教職員、ガードマン、公安警察・機動隊による集会・デモ・ビラまき禁圧体制を打ち破って新入生が合流した。そして「こんな大学はおかしい。木原、浅見(法大の極悪教職員)は謝罪しろ!」と怒りを爆発させている。これは3万法大生と全国300万学生の怒りだ。
 この怒りに徹底的に依拠し抜くならば、どんな弾圧があってもそれを打ち破り、4・24法大キャンパスに1千人の団結が登場することは絶対に不可避だ。
 学生の団結や人間性を奪い、果てしなく競争させ、さんざん搾取しておきながら自ら破産した新自由主義大学=法大は、ついに「営業権」による宣伝活動禁止攻撃に訴えてきた。これは改憲・戦争=道州制攻撃につながる攻撃だ。腹の底から怒りを爆発させよう。やり場のない矛盾や怒りを抱えるすべての学生・青年は4月24日、法大市ケ谷キャンパスに集まれ!
 法大解放・プロレタリア革命勝利の一切は4・24の爆発にかかった。「4月24日、法政大学が変わる。これに来なかったら重要な歴史を諸君は見逃すと思う」(文化連盟委員長・斎藤郁真君)。この呼びかけに応え、ともに学生運動の革命的爆発を切り開こう!

 学生1千人の結集で不当処分撤回へ闘う

 4・24法大解放集会は第一に、法大当局による不当処分を撤回させる闘争だ。
 法大キャンパスで日々激突しているのは、「学生の自治」と「法大資本の営業権」だ。法大闘争は、06年3・14弾圧以来のべ88人の逮捕、22人の起訴、12人への不当処分攻撃を打ち破ってきた史上最強の学生運動だ。「教育を使ってカネもうけするな! 学生は商品でもモノでもない! 大学の主人公は学生だ!」という当然の要求、怒りを貫いてきた学生に下されてきたのが法政と全国の大学における処分であり、大量弾圧だ。これは労働者・学生の自治・自由と資本家階級の自由=「営業権」が非和解であることの証明だ。法大闘争は、資本家階級を打倒する革命以外に決着のない決戦だ!
 14日の法大デモに合流した新入生に法大職員は「大学に入ったばかりのくせに大学を批判するな」などと抜かした。ふざけるな! 閉ざされた門と配置された大量の暴力ガードマン、150台に及ぶ監視カメラ、張り巡らされた鉄条網、キャンパスで集会もビラまきもできない。一目見ればこんな大学はおかしいことは、すべての学生にとって明らかだ。この現実を批判したら処分とは、一ミリも認められない! すべての処分を撤回せよ!
 「あらゆる入構禁止や処分を話し合いではなく実力で撤回させて、自分たちが大学の主人公になろうというのが4・24です」(文化連盟・洞口朋子さん)。処分撤回の署名運動が全国ですでに1千筆に迫る勢いで前進している。法大生を先頭に、全国5千筆の署名から4・24の1千人結集へ全力で闘おう!
 4・24法大解放集会は第二に、「情宣禁止仮処分」という道州制=改憲・戦争攻撃を打ち砕く闘争だ。

 「営業権」ふりかざす仮処分攻撃粉砕を!

 3月26日、「情宣禁止仮処分」によって法大キャンパスの周囲、半径200b以内は憲法停止の戒厳令状態になった。法大資本の「営業権」を守るためにビラまき、集会、演説など、すべての情宣活動を法大と裁判所が禁止したのだ。法大資本と裁判所は4・24にもこの「仮処分」を狙っている。「戦争は学校から始まっている」のだ。4・24は北朝鮮「ミサイル」迎撃態勢と排外主義攻撃、ソマリア派兵という戦争突入攻撃に対して、団結して立ち向かう改憲=戦争阻止の大闘争だ。
 この改憲攻撃に弁護士も立ち上がった。全社会的反撃も始まっている。4・21裁判員制度阻止集会と一体で4・24を大爆発させよう!
 道州制によって大学・教育が資本家に完全に売り渡されることと、大学が丸ごと戦争に動員されることとは一体だ。アメリカの学生と教育労働者は軍隊に生徒の名簿を渡さなければ補助金をカットされる現実に立ち向かっている。民営化と戦争は一体だ。資本家どもは「教育の自由化」などと言うが、そもそも教育でカネもうけをしようという考え方自体が百パーセント間違っている。「『営業権』を大学が振りかざすようになったら、この大学はもう破壊するしかない」(文化連盟・増井真琴君)。学生の団結で、新自由主義攻撃の絶望的継続としての道州制をぶっ飛ばそう!

 世界大恐慌下で学生の団結を奪い返そう

 4・24法大解放集会は第三に、学生の団結を奪い返すキャンパス占拠−ストライキで「大学の主人公は学生だ」と宣言する闘争だ。
 世界大恐慌のもとで、すべての学生がどう生きていけばいいかと苦闘している。「就職も厳しくなっている中で、正社員になるにはどうしたらいいのか」と悩んでいる新入生にはこう答えたい。「目の前の現実=大学を変えることだ。そのために隣の仲間と団結しよう。その最高の方針が4・24法大解放集会だ」と。
 われわれはたとえ少数になろうが、法大当局、国家権力、体制内執行部の「三重包囲」を打ち破り、法大資本によるキャンパス支配、学生支配を根底から揺るがし続けてきた。そして今やそのすべてをなぎ倒す圧倒的攻勢に立っている。「徹底的に法政大学を蹂躙(じゅうりん)して占領する。われわれの力を見せてやろう。法政から4・24をもって世界にメッセージを発信する。ともに日本代表になろう!」(文連副委員長・恩田亮君)。「世界の学生がキャンパスを占拠し、ストライキとデモで新自由主義と闘っている。完全にこれとマッチする闘い」(文化連盟・倉岡雅美さん)。
 ASEAN首脳会議を粉砕したタイの労働者人民の闘いに続け! すべての法大生は文化連盟の旗の下に団結しよう! 
 マルクス主義学生同盟中核派に結集しよう! 
4・24法大に大結集し、ともに闘おう!

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週刊『前進』(2388号5面2)(2009/04/20 )

 革命求める新入生と合流

 全国で新歓闘争 弾圧・逮捕うち破り

 新自由主義大学=法政大にとどめを刺し、全国学生300万決起の突破口となる4・24法大集会への大結集に向かって、4月冒頭から全国大学で激しく躍動的な新歓闘争が闘われている。最大の特徴は、大学当局・国家権力によるあらゆる反動・反革命をはね返して新入生との結合が始まっていることだ。06年の3・14弾圧以降だけで88人逮捕、22人起訴という空前の大弾圧をはね返してきた全学連の不屈の進撃が、ついに新自由主義に対する学生大衆の革命的決起を生み出そうとしているのだ。
 富大弾圧を弾劾し、4・24へ残り4日間を全力で闘い抜こう!
(写真 富山大入学式で「学長独裁から大学を解放しよう」と訴える武藤君【4月8日 富山市】)

 ●法政大学

 日帝ブルジョアジーとの最大の激突点=法政大学では、全学連と文化連盟の固い団結のもと、4・24に向かって日々展望を切り開いている。4月8日には、倉岡雅美さん(人間環境学部3年)に対する百パーセント不当な「追加処分」を教授会が決定したことに対し、断固たる抗議の学内集会とデモに決起。ガードマンの制動を許さずキャンパスの新入生との大合流を果たした。
 そして4月14日には、昼集会と第1波法大包囲デモを決行。キャンパス中央での圧倒的な注目の中、新入生がビラまきに決起。それに対して狼狽(ろうばい)した法大当局はなんと「新入生のくせに大学を批判するな」「学生証を見せろ」などとわめき散らして財布を強奪しようという暴挙に手を染めたが、大衆的な弾劾の中、一瞬で粉砕された。法大・増田体制は3万法大生の怒りの4・24決起のリアリズムに恐れおののき、なりふり構わぬ弾圧に踏み込み、さらに墓穴を掘っている。
 何が「大学を批判するな」だ! ふざけるな! これこそ学生を奴隷化する法大資本の本音だ。4・24へさらに大衆的激突と路線的分岐を拡大しよう。すべての新入生の獲得と4・24集会1000人決起に向け、法大学生運動は09年度も劇的にスタートした!
(写真 大勢の学友の前で、文化連盟・倉岡さんへの追加処分攻撃を弾劾【4月6日 法政大学】)

 ●京都大学

 京都大学でも、画期的な新歓闘争を切り開いている。今年は去年までとは全然違う。どの新入生も心から革命を求めている。入学式前の健康診断では「4・24法大集会で新自由主義大学を粉砕しよう!」と訴え、その場で新入生の4・24への参加が決まるなど、感動的な結合が始まっている。
 14日の全学連・織田委員長の講演会では、学生の生き方として真っ向から革命を提起し大成功をおさめた。参加した新入生からは「誰もが今の社会に閉塞感を感じている。こんな社会は変えなきゃいけない」「どうやったら団結できるか」など、腹の底からの団結の欲求が次々と語られた。国労5・27臨大闘争弾圧被告・橘日出夫さんの講演会では、交流会の場で新入生が4・24への決起を表明した。彼は「学生がモノの様に扱われているのがイヤでたまらない」と、資本主義への根底からの怒りで4・24決起を決意したのだ。
 生き方をかけた闘い、歴史選択としての4・24を訴え、1000人結集へ進撃している。

 ●東北大学

 東北大学では、4月1日の健康診断から100筆を超える法大処分撤回の署名が新入生から集まっている。
 大学当局と学友会常任委員会は一体となり「心拍数や血圧が上がる」という理由ならざる理由で、全サークルに健康診断での「勧誘活動禁止」の通達を出してきた。法大での裁判所をも使った「情宣禁止仮処分」と一体だ。しかし学生自治会を先頭に全サークル員の力で当局=学友会常任委員会の支配をぶち破り、勧誘活動を打ちぬいた。
 大学当局は、入学式ガイダンスで「学生自治会は特定の学外組織(中核派)と密接に結びつき、反戦、平和、労働、政治経済などの社会問題を話題に『革命』を呼びかけているから入るな」と自治会破壊に公然と乗り出してきた。これを「思想・信条の自由の侵害」というのだ! 盗人猛々しいにも程がある! 大学当局が「教育」の名のもとに改憲攻撃を先取りして進めている。ふざけるんじゃない。
 これに対して新入生が弾劾の声を叩きつけ、当局のガイダンスを木っ端みじんに粉砕した。この怒りの中から、4・24への決起表明が続々と生み出されている。この力をさらに爆発させ、4・24大結集で法大当局・日帝権力を圧倒できる!

 ●広島大学

 広島大学では「大学の主人公は学生だ! 教育の民営化絶対粉砕!」のスローガンを正面から掲げ、4・24大結集運動が闘われている。これに対し、日帝権力が仕掛けた4・9「監禁事件」デッチあげと広大生宅への不当捜索は、完全に4・24集会つぶしを狙った卑劣にして違法極まりない襲撃であり、広大で民営化絶対反対の学生運動が爆発することを阻止しようという敵階級の意思を体現した弾圧であった。
 同志たちはこの襲撃を完膚なきまでに粉砕し、さらに勢いに乗って新歓闘争に突進している。とくに法大処分撤回闘争を武器に新入生の怒りと結合しているのが重要だ。新入生から「大学の主役は学生だ」「民主主義で尊重されるべき自由とは、資本の自由ではなく、人々の自由だ」等々のメッセージが数多く寄せられている。4月16日の全学連・織田委員長講演会も大成功した。

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週刊『前進』(2388号5面3)(2009/04/20 )

焦点 「廃絶」の名で核独占狙う

 オバマのプラハ演説弾劾

 米大統領オバマは4月5日、プラハで演説し「核廃絶をめざす包括的戦略」なるものを打ち出した。「核兵器のない平和で安全な世界」を追求するとのふれこみだ。マスコミはこぞって歓迎し、日本の被爆者団体なども「一歩も二歩も前進。期待できる」(広島県被団協)「オバマ政権の核廃絶への一歩と信じたい」(ピースデポ)とコメント。また日本共産党は「核兵器をなくす強い意志を表明した」とオバマを持ち上げた。
 しかし今回の「オバマ戦略」の実態は、「平和への前進」とは百八十度逆のものだ。大恐慌下で大国間の利害が激しく衝突する中、崩壊するアメリカ帝国主義の世界支配の危機を、新たな軍事・外交戦略で突破しようとする、独善に満ちた新たな戦争政策なのだ。
 プラハ演説の出発点は3月27日にオバマが発表した「アフガン・パキスタン包括戦略」だ。アフガンの米軍を年内に6万人規模に拡大、多国籍軍全体で9万人規模とし、ブッシュが始めた中東再植民地化のための「対テロ戦争」を、世界の帝国主義と大国を動員して継続する意志を明示した。
 そしてオバマは「アフガニスタン国際会議」(3・31オランダ)、米露首脳会談(4・1ロンドン)、さらにG20金融サミット(4・2同)をはさんでNATO首脳会議(4・3〜4ドイツとフランス)、米EU首脳会議(4・5チェコ)と、軍事外交政策にかかわる重要な国際会議を連続的に組織、「テロへの対応と中東和平」を中心とするオバマ政権の戦略に、世界の帝国主義諸国と大国を動員することに全力を傾けたのである。プラハでの演説はその仕上げだった。
 今回オバマが打ち出した「包括的戦略」なるものの柱は「核拡散防止条約(NPT)体制の強化とテロリストから核兵器と核物質を守る」というものだ。侵略戦争と殺戮(さつりく)の歴史の中で自らが招いた「反米帝」の民族解放闘争、国際的内乱への対処。これが戦略の実態である。
 具体的政策としては、@核実験全面禁止条約(CTBT)の批准、A核兵器用の核物質生産を禁止する「カットオフ条約」新設、BNPT体制による査察強化などだ。オバマは「ただし世界に核兵器が存在するうちは米国は核兵器を維持する」と言い放った。また「違反国には相応の処罰が必要だ」とも強調した。
 何のことはない。圧倒的ともいえる最大の核保有国であるアメリカが、自らの核は最後まで維持した上で、世界の核を取り締まるという“核独占戦略”なのだ。この種の演説で「処罰」を明言したことも重大だ。オバマは「核拡散阻止」と銘打った侵略戦争を継続すると宣言したのだ。ちなみに演説前日の4月4日、アフガンに展開する米軍は無人機によるミサイル攻撃でパキスタン北西部の部族地域を爆撃、女性と子どもを含む少なくとも13人を虐殺している。作戦の最高責任者はオバマである。
 帝国主義が帝国主義であるかぎり、核の廃絶などおよそ不可能である。オバマ戦略は、大恐慌と世界の分裂化・ブロック化の中で世界を破滅に導く新たな戦争の道なのだ。労働者人民による帝国主義の打倒、プロレタリア世界革命こそが、核廃絶の唯一の道である。

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週刊『前進』(2388号5面4)(2009/04/20 )

焦点 税金投入で大資本救うな

 追加経済対策が15兆円超

 日帝・麻生政権は、「景気の底割れを回避する」とか「株価暴落に備える」などと称して、「財政規律」を崩壊させるほどの野放図な財政投入に突き進んでいる。先のG20・金融サミットで、米英日が先導して「2010年までに総額5兆j(約500兆円)の財政出動」を確認したことをいいことに、4月10日には真水で過去最大の15・4兆円の財政支出(総事業規模56・8兆円)を軸とする追加経済対策を決定した。
 09年度当初予算と合わせた一般会計予算は、これでついに100兆円の大台を突破し、国債発行額も7〜8兆円の赤字国債を含め、初めて40兆円を超える。株価対策として政府の関係機関が最大50兆円の株を市場から買う「危機対応措置」を設ける、企業の資金繰り支援に約42兆円を用意する、中小企業向けの緊急保証枠を20兆円から30兆円に拡大するなどなど、まさに資本救済のための、財源もはっきりしない大盤振る舞いだ。しかも政府は昨年夏以降、「3段ロケット」と称する3度の恐慌対策で、すでに12兆円(総事業規模75兆円)を投入しているのだ。
 今回の追加経済対策の作成にあたり、これまで「財政再建派」の頭目だった与謝野は、「一時期、私は宗派を替える」と公言し、閣僚たちに「何でもいいからアイデアを出せ」と発破をかけ、政策総動員の旗を振った。これまで小泉政権を頂点とした新自由主義政策のもとで、労働者階級人民の犠牲の上に空前の高収益をほしいままにしてきた大企業・大銀行を、今度は税金を大量投入して、世界大恐慌の打撃から救済するのが、今回の空前の規模の財政投入の反人民的な最大の目的である。
 しかもこれは同時に、自民党幹部が「12〜13兆円ではとても選挙はできない」とうそぶいているように、税金で自民党・公明党の選挙対策を行い、総選挙に向けて「票を買う」という、とんでもない「バラマキ」政策でもあるのだ。まさに民主党・小沢への国策捜査で、労働者階級の決起への抑圧と襲撃をも狙った麻生の、断じて許し難い反革命的政策である。 
 すでに国と地方を合わせた日帝の長期債務残高は、08年度末で実に787兆円に達し、帝国主義諸国の中で最悪だ。麻生は「2011年度までに基礎的財政収支を黒字化」という小泉以来の「骨太方針」などいとも簡単に投げ捨て、国債大増発の大借金路線に突き進んでいる。だが市場に国債がだぶつき、金利上昇(債券価格下落)で恐慌が逆に促進される事態も、これから不可避となっていく。
 麻生は4月10日の会見で、「消費税を含む税制抜本改革の実施」を表明した。「財政規律」も破壊した野放図な財政投入政策のつけは、結局、消費税の大増税である。労働者人民からしぼった税金の空前の投入で大企業・大銀行を救済し、次には消費大増税で、首切り・賃下げや社会保障制度解体にあえぐ労働者階級人民から無慈悲に収奪する、これが麻生政権と日帝ブルジョアジーの政策だ。
 世界大恐慌は、資本主義・帝国主義の歴史的破産と終わりを告げている。今こそ全世界の労働者が団結し、資本主義救済の先兵と化す体制内指導部を打倒し、プロレタリア革命の勝利を開く時だ。

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週刊『前進』(2388号6面1)(2009/04/20 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 JR不正取水問題は分割・民営化の破綻 国労新潟 星野文男

 「JRは吸血鬼だ」「泥棒だ」―今、新潟県魚沼地方住民の20年来の怒りがあふれ、3月8日には1200人の総決起集会が開催され、JR東日本は激しく弾劾されている。信濃川は住民にとって密接な労働と生活の場であるが、その水を巨大独占・JRがだまし取ってきたのだ。JR東日本が流水占用料として新潟県に支払っているのは年間5億円だが、未払い金は年間275億円にも及ぶという。JR東日本社長・清野は居直り、「現場」に責任を押しつけている。事態が発覚したのは再三の住民の怒りで国交省が本格的な調査を迫られたからだ。
 不正取水の始まりは1990年であり、住田、松田ら歴代社長に責任があることは明白だ。分割・民営化で営利優先となったJRは、首都圏の輸送体制を20%も強化して、その電力供給を原材料費がタダでだまし取れる水力=信濃川発電所で補ってボロもうけしてきた。最高裁判事を使って国鉄改革法=合法的首切り法をつくりながら、河川法は全面無視してきた。まさに新自由主義―民営化は労働組合をつぶすことで資本が労働者の生理的限界まで搾取し、収奪する自由を全社会的に解き放った。信濃川不正取水はその典型だ。
 重要なことは、JR労資結託=癒着体制を打ち破ることだ。「水泥棒」を支えてきたのは、民営化に加担したJR総連・革マルだ。松崎と分裂した嶋田派=JR労組は、住民集会にもぐりこんでJR東日本を批判しているが、それは”松崎ではなく自分たちと癒着していれば起こらなかった”という哀願でしかない。協会派や革同の国労本部や4者4団体は、この悪行を批判すらできず、3・25鉄建公団訴訟控訴審極悪判決を契機に「政治解決」に走っている。こんな路線に未来はない。今こそ動労千葉のように職場生産点で闘って、民営化の矛盾を「平成採」の反乱に転化しよう。4・25尼崎現地闘争に結集しよう。(写真は取水で干上がった宮中ダム下流=08年11月)

 星野集会報告パンフは奪還の決定的武器 東京・三多摩 加納敏弘

 「星野文昭さんを自由に」11・29全国集会の報告パンフが、「星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議」から発行された。私もさっそく手にとって読んでみたが、昨年11月29日に四谷区民ホールで開催された集会の熱気がそのままに伝わってくる内容だ。星野同志奪還と、階級的労働運動の推進の武器に必ずなるだろう。
 圧巻は、第一に何といっても星野さんのアピールと、第二に弁護団のアピールだ。星野さんは、「資本主義の命脈が尽きている」いま、「絶望」のみを組織する労働運動の体制内指導部に対して、「生産を担い、社会を動かしているのは労働者だ」「資本を打倒して、社会の主人公になり、階級社会とその下での支配・抑圧にピリオドを打つのが労働者だ」と明確に言い切っている。
 いうまでもなく、星野さんは徳島刑務所という監獄の中にありながら、革命の現実性をひしひしと肌身で感じ取り、すべてを奪われた者として「すべてを奪い返す」闘い(それこそが革命だ)を、日々闘っているのだ。まさに、労働者が資本・権力と闘って、団結を取り戻していくのと一体ではないだろうか。塩川一派の言うような「星野は人柱」論など、ふざけるな!と言いたい。
 再審弁護団は、「断固として、第二次再審請求を出すことを決定した」と報告し、その上で「革命に向かう労働者と人民の闘いの高揚の中で、星野さんを奪い返すことが可能なのだ」(鈴木達夫弁護士)と熱烈に訴えている。世界金融大恐慌の中で、一切の犠牲を労働者階級に押しつける資本との闘いと、星野奪還の闘いは、まったく一体だ、これこそ「獄壁を打ち破る道筋」だと述べている。獄壁に阻まれていても、われわれと星野同志の志は固く一体だ。この団結の力で1日も早く星野同志を労働者階級のもとに取り戻そう。
 星野奪還と革命への希望に満ちた一冊だ。ぜひ購読して活用しよう。

 『障害者解放』創刊に革命の手応えと決意 東部ユニオン 風 実

 機関誌『障害者解放』の創刊、おめでとうございます!
 僕たちはこの社会で障害者と労働者に分断されている。資本主義の土俵に立たされて労働者は労働者同士の競争を、障害者は障害者同士の競争をさせられ、資本家の社会で生きるために生存競争をしなければならなくなっている。
 一つのパンを何百人で取り合いをし、誰も満たされない。労働者がつくった何百のパンが資本家のものになり、一つのパンを何十人、何百人で取り合うようにさせている。僕らは空腹に苦しみながら耐え、怒りを抑えることによってしか生きることが許されない。
 しかし労働者はこの社会を動かしている。そして、この社会を変えられる。つくったパンは、競争のためのパンじゃない。全部資本家から奪い返せ。労働者のためのパンにする!
 資本家にお願いして、頼みこんで服従したり、生きていくために仲間と能力や成果で競い合わされる社会は苦しい。資本主義社会のなかでは生存する事に値段がつけられる。僕は資本主義を徹底的に終わらせるために、障害者の仲間とともに闘う。
 塩川一派は障害者解放を「労働者への糾弾」に変質させ、労働者の革命を否定した。労働者を糾弾し、動労千葉を否定し、労働者と障害者とを分断することが、塩川一派の生き残る作戦であり、聖職者論で医療労働者をしばり、支配階級と一緒に生き残る、ということだったんだ。それならば、塩川一派と闘う以外にないじゃないか!
 僕らは勝利している。革命に向かって生きる。労働者階級として、労働運動の力で革命をたぐりよせよう!
(『障害者解放』創刊号障害者解放編集委員会編A4判16n200円/前進社でも取り扱います)

 三里塚農民と連帯し成田空港を廃港へ! 障害者解放を闘う労働者 堀木勇雄

 現在の三里塚農民は、敵階級の卑劣極まりない攻撃によって、農民として人間としての生活と生存を脅かされている。特にあの飛行機のすさまじい大爆音! 日々の生活はどんなものか想像するだけですさまじい。
 僕は精神的な病気があるのでよく昼過ぎまで寝ているけど、三里塚農民にとっては、ゆっくり寝ていることもできず、ゆっくり落ち着いて考えごとすらできない。ましてや、病気などしたらよけいに病気が悪化してもおかしくない。
 日帝ブルジョアジーの存在に対して激しい怒りが込み上げてきます。まさに廃港あるのみ!
 さらに、日帝ブルジョアジーの体制的・経済的危機からくる絶望的攻撃として、露骨に利潤追求する資本家どもが農地法を悪用して農地から農民を追いだすという、半ば道州制みたいな農地の産業化政策に対しても激しい怒りを感じました。
 労働者にとっては、生活と生命を維持するためには職場が大事ですが、農民にとっても農地が生活と生命を維持するために決定的に大事である。労働者にとって職場がなくなることは、今の「派遣切り」みたいな死を意味するのであって、農民が農地を奪われることは、農民にとっても死を意味することが、今さらのごとく分かりました。
 だから、労働者と農民のそれぞれの生活と生命を守るためにも、また、戦争国家化攻撃阻止として成田軍事空港を廃港に追いやるためにも、それぞれの生産点を死守し、そこから、労働者階級と三里塚農民にとって絶対的に非和解の日本帝国主義を実力闘争で打倒し、労農連帯のプロレタリア革命勝利へ闘っていきましょう!

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週刊『前進』(2388号6面2)(2009/04/20 )

法大弾圧裁判 法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧

 4・24法大闘争を訴え

 被告人質問 法廷が「革命の演壇」に

 4月14日と15日の2日間、東京地裁刑事16部と15部において、5・29法大デモ弾圧裁判の公判が開かれ、4・24法大集会に向けたキャンパスの闘いと一体で、法廷を「革命の演壇」と化す闘いがかちとられた。

 教育の民営化に次々と怒り

 それぞれ3回にわたる公判廷での被告人質問のしめくくりとして、第2グループの仲井祐二君(富山大学)と田中藤男君(東北大学)、そして第1グループの原田幸一郎君(京都大学)、中島敦史君(広島大学)、野地川泰介君(同)がそれぞれ証言に立った。
 仲井君は、国立大学の独立行政法人化の中での富大当局による学生自治破壊攻撃と先頭で闘ってきた経験を述べた。
 独法化攻撃は06年3・14法大弾圧と軌を一にして進められた。ブルジョアジーが大学の権力を握りひたすら利潤追求するなかで、ビラまきや演説の禁止、学長権限での学生団体解散などが次々と打ち出された。寮生とともに闘うなかで、学生は攻撃に易々と屈服する存在ではなく、団結し立ち向かう存在であることをつかみ闘ってきた。
 仲井君は、「先日富大当局はキャンパスに公然と公安警察を招き入れ、新歓闘争破壊と自治会室撤去を狙ってきた。教育の民営化に対し、新入生が怒りをもって立ち上がっている。親のリストラや奨学金の削減に対して『生きさせろ!』の怒りが噴出している。新樹寮の廃寮化攻撃を絶対に許さない。4・24法大集会は学生の反乱が世界の闘いと結合して世界革命へと進む闘いだ。国家権力は震え上がるがいい」と断固たる戦闘宣言を発した。
 田中君は、東北大学学生運動を先頭で闘ってきた歴史を述べつつ、労働者階級自己解放の思想であるマルクス主義を手にしたことの決定的意義を明らかにした。
 「現代は労働者階級が工場・職場を占拠し、奪われたすべてを取り戻す時代だ。その時にブルジョア法秩序にしがみつき『建造物侵入』などとわめくことは歴史の中でどれほど恥ずべき行為であることか。私は共産主義者として労働者階級の解放のために『秩序』などぶっとばす。5・29戦闘など過去のエピソードになるような闘いを4・24闘争で実現する」と決意を述べた。

 全被告の団結で証言を貫徹

 原田君は、高校時代に非常勤職員の首切りを目の当たりにし、校長らのもとに押しかけて撤回を求めたのが闘いの原点だ。管理職らが「話は聞いた」「今の社会では仕方ない」と居直る姿に憤った。京大入学後、小泉政権のもとでの有事立法攻撃と戦争国家化と闘うなかで、階級対立が一切の根底にあること、労働者階級の団結こそが未来を切り開くことを実践をとおしてつかみ、3・14弾圧以降の闘いに決起してきた。「ブルジョア支配のもとでは労働者は生きていけない。6000万労働者階級とともに法大当局・資本を打倒して革命に勝利する」と述べた。
 野地川君は、かつて法大を訪れ学生会館で法大生と交流を深めてきた経験から、3・14法大弾圧を自身への攻撃としてとらえ、昨年5月以降の文化連盟の決起にこたえるために法大に駆けつけて5・29戦闘を闘いぬいた。「法大闘争は、自分自身を取り戻す闘いでもあった」と、団結に生きる立場を鮮明に述べた。
 中島君は、新聞奨学生をしながら全学連が闘っている広島大学を志した。派遣労働者の時に参加した有事法制反対集会で、法大生・内海君の「革命に向かって進撃しよう」とのアジテーションにふれたことが決定的な転機だった。入学後、学生会館解体攻撃を許さず法大に駆けつけるなかで「一人のために全員が闘う」ことの決定的意義をつかんだ。「不当な勾留、拘置所での懲罰攻撃をすべて打ち破って勝利した。戦争と民営化と対決する労働運動、学生運動を切り開くことが私の闘いだ。4・24闘争の爆発で新たな社会を必ず切り開く」と被告席全員の決意を体現して証言を貫徹した。

 証人採用拒む裁判長を追及

 各公判での被告人質問終了後、稗田、後藤両裁判長が法大総長・増田壽男の証人採用を「必要ない」と決定したことに対し、弁護人と被告人は徹底的な弾劾をたたきつけた。
 なぜ必要ないのかさえも明らかにしようとしない態度に繰り返し弾劾がたたきつけられる。後藤裁判長が「理由は閉廷後に弁護人との打ち合わせで言う」とつぶやくと、中村真之君は「裁判を密室で進めようとする後藤裁判長のやり方こそ裁判員制度の先取りではないか。法大当局は倉岡雅美さんに対し『総長宅へのデモ』を理由に新たな処分を下した。法廷に出てくることさえも拒むことなど断じて許さない」と追及した。
 一方「理由を言う必要はない」とあくまで居直る稗田裁判長に対し、内山佳久君が立ち上がって発言した。「冒頭意見陳述で述べたとおり、この裁判で裁かれるべきは警視庁公安部と結託して『革命妨害罪』に手を染めた法大増田総長だ。追及されるべき増田を法廷に呼ばないということは、裁判所がこの権力犯罪の一端を担うと態度表明したに等しい」と弾劾をたたきつけた。
 4・24闘争の大爆発をかちとり、次回公判に予定されている論告求刑攻撃を粉砕しよう!

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週刊『前進』(2388号6面3)(2009/04/20 )

 「監禁」ねつ造を粉砕

 広島大 岡山大 全学連弾圧うち破る

 4月9日午前7時、岡山の同志と広大の全学連メンバーらの住居に対して、百パーセントデッチあげの「監禁容疑」による不当な家宅捜索が行われた。広大と岡大、ひいては4・24法大決戦を前に全学連全体の組織破壊をも狙った大陰謀である。これに対し、広大、岡大の全学連メンバーを先頭に怒りの反撃をたたきつけ、権力のデッチあげ弾圧を完膚無きまでに粉砕し尽くす画期的大勝利がかちとられた。
 4月9日は新入生の授業が始まる日であり、広大の全学連は自治会をいっしょにつくろうというビラを用意し、朝から登校してくる新入生にまく予定にしていた。岡大の全学連メンバーA君も応援に来てくれていて、広大のメンバーの部屋に宿泊していた。このA君が、「監禁」されているという「事件」がいつのまにかつくり上げられていたのだ。「監禁」事件の「容疑者」は、なんとA君の大学の先輩であるN同志になっていた。
 その真相は、愛媛・岡山・広島の県警公安課がグルになり、愛媛に在住するA君の両親をそそのかして捜索願いを出させ、広大の全学連メンバーの住居に押し入ってA君を拉致し、「監禁事件」をねつ造しようとしたということだ。広大の学生宅の捜索としては初めて機動隊まで動員し、私服とあわせて30人にもなる部隊でアパートと周辺を制圧した。
 しかし、このとんでもないデッチあげ策動は、A君の怒りの決起によって、一瞬にして崩れ去ってしまった。警察は、「被害者」も「容疑者」も実際にはいないという現実を突きつけられ、完全に立ち往生してしまったのだ。岡山の捜索では「容疑者」のN同志が立ち会いをやったが、警察はN同志逮捕を早々に断念し引き揚げた。
 「大捕り物」の構えで勢い込んで広大の学生のアパートに乗り込んできた愛媛・広島の両県警は、捜索中に「事件」自体が消滅するという前代未聞の事態に直面して完全に判断停止状態となり、延々と10時間近くもアパートに居座り続けるという大失態を演じた。
 われわれが「監禁だと言うならどうして被害者をすぐに救出しないのか」と追及すると、何も答えられずうつむくばかり。ついに日没が迫る中で捜索を打ち切り、全学連メンバーらは公安刑事どもを追撃し、徹底弾劾の怒りの声を浴びせかける。公安刑事どもは日頃の尊大な態度はどこへやら、完全敗北に打ちのめされ、ほうほうの体(てい)で退散した。デッチあげが明らかになったにもかかわらず、機関紙誌や前進縮刷版のCD(60年安保の頃の資料!)、さらに「被害者」にされようとしたA君の携帯電話などを押収し去ったのは、泥棒と同じだ。15日には押収品のすべてを奪還した。完全勝利だ。警察とデッチあげ令状を出した松山簡裁には絶対に責任を取らせる。
 一人の学生革命家を「つぶす」ために数十人の公安刑事、機動隊が家族まで巻き込み襲いかかってくるというこの現実こそ、まさに革命の現実性を示すものだ。大恐慌下で崩壊の危機にあえぐ日帝国家権力は、一人の学生の決起に万余の決起を見ている。しかし、仲間との団結を信じて決然と立ったとき、国家権力のいかなる弾圧も無力となり、支配を崩壊させることができる。4・9弾圧完全粉砕の大勝利は、4・24法大決戦爆発の号砲だ。新歓闘争に勝利し、広大、岡大から4・24法政大決戦へ進撃するぞ!
(マル学同中核派・広島大学支部)
(写真 弾圧のもくろみを完膚なきまでに粉砕され、なすすべもなく立ち往生する警察【4月9日 広島】)

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週刊『前進』(2388号6面4)(2009/04/20 )

 富山再審勝利へ熱気の集会

 “冤罪増やす裁判員制度反対”

 ■国民動員図る

 4月12日、東京・大井町駅前の「きゅりあん」で富山再審集会を行いました。「冤罪(えんざい)はなくなるのか―八海(やかい)事件、福岡事件、富山(とみやま)事件から裁判員制度を検証する」という企画が時宜にかなったこともあり、初参加者18人を含む68人で成功しました。
 講演は、浜田寿美男さん(奈良女子大教授)、宮本弘典さん(関東学院大教授)、阿藤周平さん(八海事件元被告)。
 供述分析の第一人者として甲山(かぶとやま)事件をはじめ数々の冤罪事件で鑑定書作成に取り組んできた浜田さんは、「『戦後最大の冤罪事件』と呼ばれる八海事件だが、『戦後最大』と呼ばれるべき冤罪事件の枚挙にいとまがないのが日本の刑事裁判の現実」「裁判員制度によって冤罪は増え、刑事裁判のブラックボックス化が進行する」と説明し、「日本の刑事裁判においては『事実認定は証拠に基づく』のではなく、証拠は事実認定によって決定されている」という実態を、八海事件、福岡事件、富山事件を分析しながら指摘しました。
 宮本さんは、「刑事裁判のもっとも重要な使命は提出された証拠に基づき無罪を発見すること。裁判員制度は、それに向けて制度を構築しているのか。否!」「裁判員制度は危機に立った国家が、政治犯、階級闘争、社会闘争の一掃に向けて国民の動員を図るもの」「今でさえ絶望的な日本の刑事裁判の性質をさらに変貌させて、異端審問、魔女裁判に変える」と喝破しました。
(写真 「裁判員制度には絶対反対」との阿藤さんの渾身の提起に参加者が聞き入った【4月12日 大井町「きゅりあん」】)

 ■阿藤さん熱弁

 圧巻は高齢を押して上京された阿藤さんの登壇。1審死刑、2審死刑、3審差し戻し、4審無罪、5審差し戻し、6審死刑、7審無罪・確定と、18年を費やして雪冤を実現する闘いのなかで5人の死刑囚の執行を見送った体験に踏まえ渾身の提起をされました。「人が人を裁くという相対的なものでしかない裁判で、死刑という絶対的な刑罰を科してはいけない。死刑は国家権力による犯罪」「一握りの国家権力の手から裁判を国民の手に取り戻さなければならない。捜査、取り調べ過程をそのままにして裁判制度だけいじっても冤罪が増えるだけ。今も獄中で無実を訴える人たちの存在に思いをいたさなければならない。裁判員制度には絶対反対」との迫力と説得力に満ちた訴えに、参加者は固唾をのんで聞き入りました。
 今井恭平さん(ジャーナリスト)をコーディネーターとするシンポジウムにおいて、私(富山)は、以下のように訴えました。
 「1審無罪は、目撃証人への丁寧な反対尋問が検察官によって隠蔽された供述調書の存在を暴き、証拠開示を実現させることによってかちとられた。だが裁判員制度下では、公判前整理手続きによってこれは阻止され、再審の手がかりすら見いだせなくなる。改憲の先取りであり、隣人の処刑に否応なく加担させられることによって人間性、階級性が解体・変質させられる」

 ■反対の声82%

 人民の血税を使って繰り広げられる裁判員制度賛美キャンペーンにもかかわらず、最高裁の調査ですら82%が「裁判員制度反対! なりたくない!」と拒否感を示している現状の危機の深さを見抜き、うまずたゆまずその正体を暴いていけば必ず阻止できると実感できた集会でした。
 4・21日比谷集会の成功で裁判員制度阻止に突き進みましょう。富山再審勝利・星野文昭同志奪還への前進をかちとりましょう。
 (富山保信)
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★富山(とみやま)事件
 富山保信同志は1974年10・3全逓カクマル山崎洋一せん滅戦闘を口実にデッチあげ殺人罪で逮捕された(75年1月13日)。「目撃証言」の虚偽を法廷で徹底的に暴き、1審は無罪。だが85年2審東京高裁の逆転有罪判決で収監される。87年最高裁が上告を棄却。10年の服役後、95年に出獄。現在、再審闘争中。

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週刊『前進』(2388号6面5)(2009/04/20 )

 日程 法大裁判に集まろう

★4月23日(木)5・28「暴行」デッチあげ裁判
  第10回公判(被告人質問)午後1時30分開廷
★5月13日(水)5・28「暴行」デッチあげ裁判
  第11回公判(被告人質問)午後1時30分開廷
★5月14日(木)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
  第12回公判(論告)午後1時30分開廷
★5月20日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
  第14回公判(論告)午後1時30分開廷
★6月3日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
  第13回公判(最終弁論)午後1時30分開廷
★6月10日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
  第15回公判(最終弁論)午後1時30分開廷
◎いずれも東京地裁429号法廷
 開廷1時間前に地裁傍聴券配布所に集合を

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