ZENSHIN 2009/03/30(No2385 p06)

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第2385号の目次

(写真 前代未聞の「情宣禁止」に反撃 法政大 法政大当局と東京地裁による「情宣活動禁止等仮処分命令申立」の攻撃を、文化連盟と全学連が法大九段校舎・総長室前で徹底弾劾【3月26日 千代田区)=記事5面

1面の画像
(1面)
3・20大デモの勝利から4月闘争へ
3・25鉄建公団訴訟判決を弾劾する
動労千葉ストの地平発展させ1047名解雇撤回へ今こそ
記事を読む  
貨物機炎上事故徹底弾劾
新自由主義の下で安全無視
成田空港をただちに廃港へ(3月23日)
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資本救済の先兵と化す連合
日本型ワークシェア推進 政労使合意に反撃を
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
鉄建公団訴訟控訴審判決 1047名闘争の解体狙う
4者4団体の全面投降は9・15判決への屈服が原点
動労千葉と共に解雇撤回へ(3月25日)
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ジェコー労組がスト
大量解雇攻撃に怒り
体制内労組支配うち破る(投稿/埼玉I)(3月24日)
記事を読む  
動労高崎 春闘スト
”解雇撤回の原則を貫く”(3月24日)
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都庁前行動 分限解雇阻止へ150人
根津さん河原井さん不起立貫く(3月25日)
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日機労組 36年ぶり半日スト
”賃下げ・リストラ許さぬ” (投稿/三多摩労働者M)(3月23日)
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「君が代」処分取消請求訴訟
反動判決を弾劾する
屈服路線と決別し前進を
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(3面)
労働者のストとデモで戦争とめよう
日本の闘い世界に届く
3・20イラク反戦6周年集会の発言
春闘でベアゼロ・定昇凍結に総屈服
日本型ワークシェア=賃下げと不安定化、税金投入、スト圧殺
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(4面)
教員免許更新制 絶対反対!
「10年有期雇用化」の大攻撃
1人の首切りも許さず闘おう(革共同教育労働者委員会)
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フランスで再びゼネスト(3月19日) 記事を読む  
〈焦点〉 西松建設献金事件の核心
“小沢政権阻止”へ強権発動
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日誌 2009年 3月18日〜24日
海自に初の“ヘリ空母”配備/成田空港で貨物機が横転・炎上
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(5面)
法大 「仮処分」粉砕し大宣伝戦
「営業権」叫ぶ当局に怒り
4・24法大解放集会へ進撃
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法大弾圧裁判 友部君への有罪弾劾
暴行を“正当防衛”と居直る(3月24日)
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7・24弾圧 内田君らに求刑
4・17最終弁論に結集を(3月18日)
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4・21裁判員制度阻止へ(上)
推進派・日本共産党を弾劾する
「良い裁判員になろう」と叫び延期要求を取り下げ
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2・26西郡闘争の教訓
部落解放闘争の路線的飛躍
一つの階級として団結し決起
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(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
道州制攻撃粉砕の闘いとして 入管法改悪を阻止しよう
09外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会
4・19京大-5・10横浜市教育会館へ
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迎賓館・横田差し戻し審 検察証拠採用の暴挙
5月弁護側立証が始まる(3月24日)
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23年間の指名手配から奪還
2同志と団結集会(3月7日)
記事を読む  

週刊『前進』(2385号1面1)(2009/03/30 )

 3・20大デモの勝利から4月闘争へ

 3・25鉄建公団訴訟判決を弾劾する

 動労千葉ストの地平発展させ1047名解雇撤回へ今こそ

(写真 前代未聞の「情宣禁止」に反撃 法政大 法政大当局と東京地裁による「情宣活動禁止等仮処分命令申立」の攻撃を、文化連盟と全学連が法大九段校舎・総長室前で徹底弾劾【3月26日 千代田区)=記事5面

 「労働者のストライキと国際的団結で戦争とめよう」のメインスローガンのもと、イラク反戦6周年の3・20集会には全国から1850人が結集し、戦闘的デモで渋谷の街を席巻した。3・20は、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の闘いの貫徹をかけた、1〜3月の最大の闘争だった。われわれはこの闘いに、職場生産点から体制内指導部との党派闘争を貫き、時代認識と路線で強固な団結をつくりだし、大勝利した。3・20を打ち抜いた地平から、4月闘争へ進撃しよう。

 党派闘争を貫き勝利ひらく

 第一に、3・20を頂点とする3月決戦は、4者4団体派との党派闘争だった。そこに徹底的に絞り上げて闘いぬいた。
 われわれは1〜3月の闘いで、吹き荒れる解雇攻撃と職場で徹底的に対決し、春闘ストを全力でぶち抜き、「生きさせろ!」ゼネストの実現に向け、総力をあげ前進してきた。そしてこの地平に確信をもち、国鉄1047名解雇撤回闘争を先頭に、4大産別において道州制・民営化粉砕の闘いを戦略的路線的柱として徹底的にうち立て闘うという09年決戦の方針を、3・20でより鮮明に再確立した。革命情勢が深まれば深まるほど、時代認識と路線をはっきりさせて、徹底的に党派闘争を貫いて闘うことが求められるのである。
 第二に、動労千葉のストライキ闘争の意義は巨大である。動労千葉は3月17日〜19日の3日間、組織の総力をあげてストライキを貫徹した。ライフサイクル粉砕を軸にJR職場に決定的分岐をつくりだし、「スト破り」を決然と拒否して国労から動労千葉に加入する労働者が生み出された。さらに「平成採」の青年労働者を獲得する圧倒的な展望をつかんだ。
 JR東日本は、「スト破り」の屈辱と怒りが動労千葉への大結集となることを恐れ、その対策に大わらわになった。動労千葉組合員はストライキの威力への確信をますます深めた。「組織拡大春闘」としてストを構えたことの決定的勝利性だ。
 第三に、体制内勢力との党派闘争をとおした路線的確立、路線的一致と団結によってこそ、青年労働者を獲得し、職場に根を張った細胞建設をかちとることができるということを、3・20と3月決戦の核心としてつかんだことは重要だ。
 体制内指導部との党派闘争はこれからいよいよ本格化する。6千万労働者の階級的指導部として自己を確立し、第2、第3の動労千葉型拠点を、細胞建設論を基礎に目的意識的に打ち立てること――これが09年決戦の戦略的課題だ。3・20の大勝利で、11月労働者集会1万人結集の路線的土台は形成された。11月への進撃を開始しよう。4〜5月闘争へ突き進もう。

 日帝危機と麻生の国策捜査

 民主党代表・小沢の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件(公設秘書が起訴)は、日帝・支配階級の腐敗と危機と分裂と暗闘の深さ、激しさを突き出している。これは労働者階級にとって、「民主党も自民党もどっちもどっちだ」とか「小沢は辞任すべきだ」とかいうレベルの話ではない。
 戦後史的にも最大級の政治危機にあえぎ、統治能力を喪失している日帝・麻生は、元警察庁長官の官房副長官・漆間などを使って、「自民党政権護持」「民主党・小沢政権阻止」に向け、これまでの事例からは法的にも無理があり批判があるのも承知で、事実上の指揮権を発動し、国策捜査を強行した。小沢の「第7艦隊発言」に象徴される対米対抗性に危機感をもつ米帝の一定の意思が麻生の強権発動を尻押ししたことも明白だ。
 この事態の背後には、大恐慌情勢の激化と大量解雇・賃下げ攻撃の嵐の中で、いよいよ高まる労働者階級人民の怒りがあり、革命情勢の進行がある。日帝・麻生とブルジョアジーは、労働者の反乱と革命的決起を心底から恐怖している。だからたとえまだ議会主義的幻想にとらわれていても、労働者人民が「与野党逆転」に動くことなど許さないというわけだ。
 したがって民主党・小沢への今回の異常とも言える強権発動は、本質的に労働者階級人民への攻撃であり、連合と民主党にクサビを打ち込み、より一層の屈服を迫る狙いにも貫かれている。
 この一方で自民党は「これで良いのか日教組」の大キャンペーンを始めた。日教組本部はこれに全面屈服し、全国教研集会(広島)で革命派に機動隊を差し向けるまでに反動化した。自治労本部は道州制・民営化攻撃に全面賛成し、絶対反対で闘う労働者に襲いかかっている。JP労組本部は「いっさいの争議行為を圧殺する」ことを郵政資本に誓った。3月23日の政府、日本経団連、連合の「政労使一丸で日本型ワークシェアリングを推進する」なる政労使合意は、首切り、賃下げ、団結破壊の巨大な予防反革命である。
 こうした日帝ブルジョアジーの攻撃と小沢問題への労働者階級の回答は、1047名解雇撤回闘争を軸とする4大産別(6大産別)決戦の爆発、「生きさせろ!」ゼネストへの総決起だ。そして「労働運動の力で革命を」の階級的労働運動の発展で日帝・麻生を打倒し、一切の議会主義的幻想を打ち破り、破産し生命力の尽きたブルジョア独裁を粉砕してプロレタリア独裁を打ち立てるために闘うことだ。

 4・25尼崎闘争に結集しよう

 3月25日の鉄建公団訴訟控訴審判決を徹底的に弾劾し、1047名闘争の発展を切り開こう。
 3・25高裁判決は、05年9・15一審判決を超える極悪の反動判決だ。
 組合差別・不当労働行為を認めながら、「差別がなければJRに採用されたとは認められない」などと言いなし、一審どおり国家的不当労働行為による解雇を全面的に容認した。
 しかも高裁判決は、9・15判決以上に1047名を分断する意図に貫かれている。“停職処分歴があるものはJR不採用は当たり前”と、9・15判決と同様に、国鉄時代に6カ月以上または2回以上の停職処分歴がある原告をあらかじめ排除した。高裁判決はこれに加え、「広域採用辞退者」(6人)は「期待権に対する損害賠償550万円」を半分の275万円に減額、第2希望のJR採用辞退者(4人)はゼロと露骨に切り捨てた。
 3・25判決は、動労千葉の徹底排除―1047名闘争の全面的解体を労働者支配の根幹に据えるという日帝権力・資本の基本路線を、9・15判決以上に悪辣(あくらつ)に貫いた極反動判決だ。
 これは、1047名闘争を解体しなければ、青年・学生を先頭とする6千万労働者の怒りと、1047名解雇撤回闘争が結合し、革命へ発展してしまうというブルジョアジーの恐怖から来る大反動だ。1047名闘争は今こそ自らの存在意義と力を確信し、大恐慌下の労働者階級の反撃の拠点として、自らを断固登場させる必要がある。
 3・25反動判決は同時に、「解雇撤回」が「革命」に発展することに恐怖した4者4団体路線の全面破産でもある。4者4団体は9・15判決の賛美から出発した。そこから動労千葉排除が始まり、解雇撤回を引き下ろすまでにいたった。裁判闘争に原告団員・闘争団員をしばりつけ、「労働者には力がない」と敗北主義を蔓延(まんえん)させ、和解=政治解決という底なしの「お願い路線」に追い込んできたのだ。
 今やその4者4団体路線は全面破産した。今こそ3・25反動判決を徹底弾劾し、1047名闘争の革命的再生と発展の道を大きく切り開こう。
 当面する闘いの課題は4者4団体主催の4・1集会をめぐる攻防にかちぬき、4・25尼崎現地闘争に総決起し、11月労働者集会への進撃を開始することだ。4者4団体派と全戦線で対決し、革命的分岐をつくりだそう。国労5・27臨大闘争弾圧裁判と「国労5・27基金運動」を組織化の決定的武器とし闘おう。
 そして、第2次国鉄決戦を突破口に、道州制・民営化攻撃粉砕の4大産別(6大産別)決戦の大前進をかちとろう。
 学生戦線は、いよいよ09年の新歓闘争を迎える。主流派へ躍り出る決定的チャンスだ。法大での情宣活動禁止の不当な仮処分攻撃を粉砕し、4・24法大解放1000人集会へ攻め上ろう。
 4・21裁判員制度廃止の日比谷野音大集会を絶対に成功させよう。「海賊対処法案」の成立を阻止しよう。3・20の大勝利の地平からさらに4〜5月闘争へ進撃しよう。
 マル青労同・マル学同各1000人組織建設に全力で取り組もう。機関紙を武器に闘おう。

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週刊『前進』(2385号1面2)(2009/03/30 )

 貨物機炎上事故徹底弾劾

 新自由主義の下で安全無視

 成田空港をただちに廃港へ

 「世界で最も危険な空港」成田

 3月23日早朝、成田空港A滑走路において、米フェデックス社の貨物機が着陸に失敗、横転して大破・炎上し、機長と副操縦士の2人の労働者が命を奪われた。
 われわれはこの大事故を帝国主義の新自由主義政策がもたらした航空労働者への虐殺攻撃として、また三里塚農民の農地を奪って建設が強行され、安全性を度外視して運用を続けてきた成田空港の根本的破産として、徹底的に弾劾する!
 3・29三里塚全国総決起集会を成功させた労農連帯の力で、今こそ成田空港を廃港へたたき込もう。職場生産点の支配権を奪還し、革命へと前進しよう。
 マスコミは「成田では初の死亡事故」などと、あたかも安全が保たれてきた場所でたまたま事故が起きたような報道をしているが、とんでもないことだ。もし事故機が大型旅客機だったらとてつもない惨事になっていた。着陸コースがそれていたら、市東孝雄さんを始め天神峰、東峰など空港周辺の農民の生命や家屋、農地に大災害をもたらしていた。これはなんら架空の想定ではない。
 成田は「国際空港」とは名ばかりで、横風用滑走路もなく、誘導路はいびつに湾曲してジェット機同士がすれ違うこともままならず、管制塔の視界も悪い欠陥だらけの「世界で最も危険な空港」だ。現に開港からこれまで事故は頻繁に起こり続けてきた。そして、農民追い出しのために農家の頭上40bにジェット機を飛ばしている!
 もともと空港には不向きな内陸部の農村地域に、農地を破壊し無理やり滑走路を敷きつめ、土地買収や反対闘争つぶしのためには躍起になって法外な金を投じてきた。
 事故当時は最大瞬間風速21bの強風が吹き、「ウインドシア」と呼ばれる急激な風の変化が起きていたことが指摘されている。だが、事故原因は自然現象に解消されるべきものでは断じてない。ウインドシアへの注意喚起が繰り返し各航空会社に流されていたが、離発着が次々と強行され続けたのだ。事故は起こるべくして起きた。

 規制緩和の波に乗って急成長

 さらに今回の事故は、根本的には帝国主義の新自由主義攻撃がもたらした結果である。航空という絶対的に安全性が求められる業界でも、むき出しの競争原理が幅をきかせ、利益優先、コスト削減、リストラ、労働強化の波が押し寄せている。航空機の大型化、燃料価格の高騰などによって、航空会社はパイロットの訓練や技量維持に回す金と時間を削減しているのが現実だ。
 昨年9月に米ボーイング社の労働者2万7千人がストライキに立ち上がったことで明らかなように、整備士労働者は、徹底的な賃下げとアウトソーシングの攻撃と闘っている。管制業務の労働者も過酷なリストラと強労働を強いられている。
 またフェデックス資本は、米国内全域の翌日配送を保証する「オーバーナイト配送」や世界中に48時間以内に届けることを売り物に、規制緩和に乗って急成長してきた総合物流の最大手。そして一貫して労働組合結成を抑圧してきた企業だ。
 こうした条件の中でウインドシアの危険を押して離発着が強行され、事故は発生した。ほかの機が事故機になっても不思議でない状況だった。問題はパイロットの技量や自然条件に帰するものではなく、新自由主義攻撃にあるのだ!
 動労千葉が反合・運転保安闘争の中で確立した「闘いなくして安全なし」というスローガンが、ここでも問題の核心を突いている。労働者は闘って団結して職場支配権を取り戻すことなくしては、自分(および乗客)の命と安全を守ることはできない。
 自らの職場から立ち上がり、全世界の労働者に闘いの展望を示そう。暫定滑走路北延伸・農地強奪を粉砕しよう。3・23事故を徹底弾劾し、成田空港を廃港へ! 

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週刊『前進』(2385号1面3)(2009/03/30 )

 資本救済の先兵と化す連合

 日本型ワークシェア推進 政労使合意に反撃を

 春闘でベアゼロ・定昇凍結に総屈服

 日本型ワークシェア=賃下げと不安定化、税金投入、スト圧殺

 09春闘は、賃上げどころかベアゼロ・定昇凍結が続出し、大幅賃下げ春闘となった。「経営の危機」を前面に出した経営側の主張に、連合はもろ手を挙げて屈した。それどころか3月23日、連合の高木会長と日本経団連の御手洗会長、麻生首相らは「日本型ワークシェアリング」と称する政労使合意を発表したのだ(写真)。

 09春闘の惨敗

 国内自動車メーカー8社の2月の生産・輸出実績によると、国内生産は前年同月比56%減。輸出でも64%減と大きく落ち込んだ。昨年9月15日のリーマンショックから半年。1930年代以来の世界大恐慌は日本経済を直撃し、金融のみならず自動車・電機などの産業全体が未曽有の危機に陥っている。
 こういう情勢の中で連合と経団連は09春闘の期間中の1月と3月に「雇用の安定・創出」などと唱えて労使共同宣言を発表した。今回それが政労使合意にまで行き着いたのだ。ブルジョアジーは、連合を丸抱えで体制内に取り込み、必死で日本資本主義救済の政治をやっているのだ。これが政労使合意の正体だ。
 政労使合意の記者会見で高木と御手洗は口をそろえて「最大の雇用対策は景気回復」と語った。すっかり利害と使命を同じくする同志なのだ。政労使合意の狙いは、労働者の怒りを資本主義救済にゆがめ、労働者の反乱とストライキを圧殺することにある。これが連合の労働運動の一切なのだ。58単産670万人の組合員を擁する日本最大の労働組合のナショナルセンターの正体である。
 日本型ワークシェアとは、数十万人に及ぶ派遣労働者の首切りの上に正社員の大幅賃下げと不安定雇用化である。のみならず生産性向上運動を労働者に強制する。さらに各種助成金と称して巨額の税金を投入してブルジョアジーを救済する。これを労働組合の名で遂行するのだ。
 09春闘もベアゼロのみならず定期昇給凍結=事実上の大幅賃下げを労働者階級に強制する史上最悪の春闘となった。

 連合への怒り

 資本の代官となっている連合に対する労働者の怒りは大きい。連合は体裁だけの8年ぶりのベア要求を掲げた。当然、回答は一律ゼロ。逆に日立・東芝・NEC・富士通などが定昇凍結を提案し、電機連合傘下の主要15労組の半数が定昇凍結を受け入れたのだ。一時金もパナソニックや東芝などは業績連動型でガタ減りは不可避だ。自動車はベアゼロ・定昇維持で並んだが、トヨタが一時金67万円ダウンなど各社で大幅減額となった。
 電機連合は結局「雇用維持が最優先」としてベア要求を引っ込め、定昇凍結=実質賃下げをのんだ。だがその雇用も「派遣切り」「雇い止め」について議論もほとんどない。雇用維持も一蹴された。3月14日、「雇用の安定と創出に最大限の努力を行う」と唱える空証文の労使共同宣言を発表しただけだ。
 いまや日本資本主義は、労働者をまともに働かせて賃金を払うこともできない。金融も産業も壊滅状態で資本主義社会は土台から崩れる危機に陥っている。
 資本主義そのものが社会のくびきと化しているのだ。「3月危機」の次は「5月危機」が来ると言われている。年度末決算が発表される時期だ。日本銀行やFRB(米連邦準備制度理事会)は数十兆円単位で国債や社債を買い取る禁じ手を乱発している。数百万人の首切りが始まっている。労働者の怒りは満ちあふれ、労働者階級の存在そのものが巨大な情勢を生み出しているのだ。
 資本主義はもう終わりなのだ。資本主義の存在そのものが問題なのだ。資本主義と労働者は共存できない。世界大恐慌をプロレタリア革命に転化することが人類史の課題なのだ。
 これを「雇用を守れ」を旗印に資本主義救済にねじ曲げているのが連合なのだ。考えてみれば89年結成から20年。これほど連合が社会的に注目され、経団連や政府から「尊重」され「対等」に扱われるのは初めてだ。いつ何時、労働者の大反乱が始まってもおかしくない情勢の中で、連合は資本主義救済を叫び、階級支配の矢面に立ち、日本帝国主義の支柱になっているのだ。連合こそが労働者の反乱を抑える最悪の存在なのだ。逆に言えば連合労働運動を打倒することが日本資本主義打倒のプロレタリア革命の展望を切り開く。
 労働組合をどうするのかが最大の問題なのだ。何より4者4団体派が国鉄1047名闘争圧殺の最悪の先兵に堕し、動労千葉攻撃の急先鋒になっている。連合や日本共産党、4者4団体派などの体制内労働運動との激突こそが資本や当局との力関係を変えるのだ。これが労働者階級が社会の真の主人公として階級的パワーを発揮し、命脈が尽きた資本主義を打倒して、新たな社会を建設する道なのだ。
 米国では、オバマ政権のもとで医療や清掃労働者の組合であるSEIU(サービス従業員国際労組)が非正規の低賃金労働者を組織して急成長している。約200万人の組合員を擁する。だがSEIUは資本とまったく闘わない。非正規化や首切りを前提として、企業と共同で職業訓練や転職をあっせんする運動をやっているのだ。

 オバマ支える米の労働組合

 

昨秋の大統領選でSEIUは約80億円の資金を投下し、3千人の専従スタッフ、10万人のボランティアを投入し、オバマを当選させた。スターン委員長は一時、労働長官候補に名前が挙がった。
 オバマ政権を支えているのはブルジョアジーのみならずAFL―CIO(米労働総同盟・産別会議)やSEIUなどの体制内労働運動なのだ。この連中はオバマ政権を支持することが「労働者の雇用を確保する」労働運動だと主張している。
 だからイラク反戦6周年の3月20日でも、SEIUなどがかかわるピース&ジャスティス(イラク開戦時には数十万人のデモを組織)は「未曽有の経済危機の中でイラク反戦は取り組まない」としてデモを中止した。
 世界の労働者の直面する課題は同じだ。「自分たちの労働組合を甦らせ、労働運動の現状を変革することだ。それこそが今、最先端の変革である」(『新版 甦る労働組合』)
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 ■製造業大手の09春闘の状況

企業名         ベア   定昇   一時金
トヨタ自動車   0(1000)   実施  186万円(253万円)
日産自動車   0(1000)   実施  4.2カ月(6.1カ月)
ホ ン ダ     0(800)   実施  5カ月(6.6カ月)
三菱自動車  要求せず   実施  2.4カ月(4カ月)
マ ツ ダ     0(800)   実施  4.06カ月(5.8カ月)
富士重工業     0(0)   実施  4.2カ月(5カ月+5万)
日立製作所   0(1000)   凍結  4.2カ月(4.91カ月)
パナソニック   0(1000)   実施  業績連動型
東   芝    0(1000)   凍結   業績連動型
N E C     0(1000)   凍結  業績連動型
富 士 通    0(1000)   凍結  業績連動型
三 菱 電 機 0(1000)   凍結  5.06カ月(5.83カ月)
シ ャ ー プ   0(1000)  凍結  4.1カ月(5.26カ月)
※カッコ内は昨年春闘実績

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週刊『前進』(2385号1面4)(2009/03/30 )

前進速報版から 前進速報版から

▼日機で36年ぶりの春闘半日スト▼東海合同労組でついに不当配転を撤回させ勝利▼ジェコーで期間従業員92人全員解雇にストで反撃

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週刊『前進』(2385号2面1)(2009/03/30 )

 鉄建公団訴訟控訴審判決 1047名闘争の解体狙う

 4者4団体の全面投降は9・15判決への屈服が原点

 動労千葉と共に解雇撤回へ

 東京高裁は3月25日、鉄建公団訴訟控訴審の判決を下した。この判決は、不当労働行為による解雇を全面的に容認し、05年9月15日の一審判決を貫き、さらに反動化した極悪の判決だ。4者4団体指導部はこの反動判決に全面屈服し、なりふりかまわず解雇撤回を投げ捨てて国鉄闘争をなきものにしようとしている。断じて許すわけにはいかない。今こそ3・25判決を徹底弾劾し、動労千葉とともに1047名闘争の全面的発展を切り開くことこそが勝利の道だ。

 1047名の分断策す判決

 高裁判決は、05年9月15日の東京地裁判決と同様、90年の国鉄清算事業団による解雇を撤回せよという原告の訴えを全面的に退けた。判決は、国鉄によるJR採用候補者名簿の作成に不当労働行為があったと言いながら、「国鉄清算事業団からの解雇が無効であるという一審原告らの主張は採用できない」と公然と言い放った。
 口先では「不当労働行為の事実を認定した」という素振りを見せながら、「不当労働行為による解雇は無効」という原則をあからさまに踏みにじって、解雇撤回を拒みとおしていることにこそ、この判決の反動性が端的に表れている。9・15判決に続き、90年解雇は有効だと強弁した3・25判決は、1047名の解雇撤回は断じて認めないという支配階級の反動的意思を、あらためてむき出しにしたのである。
 その根底にあるのは、世界大恐慌情勢下で大量解雇の攻撃を貫かなければ延命できない資本主義の体制的危機だ。1047名の解雇を撤回したら、今日、嵐のように吹き荒れる非正規職労働者への解雇攻撃や、道州制導入による公務員労働者への首切り攻撃は貫けない。だから権力と資本は「解雇は有効」と絶叫し続ける以外にない。
 だが、そこにこそ敵の攻撃の破綻点が現れている。解雇撤回の原則を貫くことこそ、最も有効で最も大きな打撃を敵に与える闘い方なのだ。
 05年の東京地裁9・15判決は、国鉄時代に6カ月以上の停職処分または2回以上の停職処分を受けた者などはJRに採用しないとした「採用基準」を絶対化し、この基準によりJR不採用とされた5人の原告を慰謝料支払いの対象から排除していた。
 その狙いは、国鉄分割・民営化に対してストライキで闘った動労千葉を徹底的に排除することにあった。そのために9・15判決は、停職処分を受けてJR不採用となった鉄建公団訴訟原告を他の原告からことさらに区別し、1047名を分断する攻撃を仕掛けてきたのである。
 今回の高裁判決には、9・15判決の悪辣(あくらつ)な意図がさらに凶悪な形で押し貫かれている。高裁判決は、「第二希望のJRに採用されながらこれを辞退した者」4人についても慰謝料支払いの対象とせず、「国鉄清算事業団在職中に追加的広域採用に応募しながら、これを辞退した者」6人については慰謝料を275万円に減額した。
 日帝権力とJR資本の基本路線は、動労千葉を徹底して排除し、それにより1047名を分断し、1047名闘争を最終的に解体することだ。3・25判決を打ち破り、1047名闘争に勝利するためには、9・15判決を徹底弾劾する立場に立つことが絶対に必要だ。

 動労千葉排除し権力に依存

 世界大恐慌がさらに激化し、「生きさせろ!」という労働者の嵐のような決起が巻き起こる中で、権力と資本は1047名闘争を解体する以外に労働者支配を貫徹できないところに追い込まれている。資本は労働者階級にすさまじい大量首切り攻撃を仕掛けながら、これに対する労働者の根底的な怒りが1047名闘争と結びつくことを恐れている。だから権力は、今ここで1047名闘争を解体しきらなければ革命を呼び起こすという激しい反動的危機感に駆られて、今回の反動判決を振り下ろしたのだ。
 この反動判決を引き出したのは、動労千葉を排除し、解雇撤回を投げ捨てて「政治解決」を呼号し続けてきた4者4団体の裏切りだ。彼らは、1047名闘争が動労千葉の闘いと結合して貫かれれば、革命に結びつくことに恐怖して、動労千葉の排除に走った。
 この4者4団体は、9・15判決に屈服し、9・15判決に体現された権力の意図に乗ったところから生まれた。彼らは、9・15判決を賛美することにより、自ら1047名の中に分断をつくり出してきたのだ。
 動労千葉排除から始まった4者4団体の裏切りは、解雇撤回の原則を投げ捨て、ついに「政治解決」と称する権力・資本への底なしの屈服にまで行き着いている。それはもはや、労働運動の最低限の常識をもかなぐり捨てた、全面投降そのものである。
 控訴審判決が出されたことにより、4者4団体の「判決前政治解決」は全面破産した。同日の判決報告集会で、国鉄闘争共闘会議の二瓶議長は自らの破産を全面的に居直りつつ、「国会開催中に解決したい。そのために自民党をどうしても引き込みたい」などと公言した。それは、1047名をとことんまで自民党に屈服させるということだ。4者4団体は、東京高裁の南裁判長が「判決を機に早期解決を望む」と発言したことを最大限に持ち上げて、1047名闘争の自己解体へとさらに激しくのめり込もうとしている。
 4者4団体の幹部は、「雇用・年金・解決金の3項目は譲れない」「解決金だけの解決は受け入れられない」などと言う。だが、その3項目を実現するためには、解雇を撤回させなければならないのは自明のことだ。にもかかわらず、彼らは「解雇撤回」の4文字は何としても消し去ろうとする。それは、実際には4者4団体が「雇用・年金・解決金」の3項目要求も投げ捨てているということにほかならない。
 4者4団体幹部がしていることは、敵に土下座し、団結を自ら崩して、闘争団員の絶望をあおることでしかない。それは「政治解決路線」ですらない。階級的原則を貫き闘う労働者に敵対する者たちは粉砕あるのみだ。

 大量解雇との闘いの先頭に

 3・25判決を機に、1047名闘争はその原則的貫徹か、最後的解体かをめぐるかつてない攻防に突入した。この情勢を前に打ち抜かれた3月17〜19日の動労千葉のストライキは、1047名解雇撤回に向けての突撃路を切り開いている。平成採の青年労働者を結集し、JR資本と真っ向から対決する動労千葉の闘いこそ、勝利の展望を指し示している。3・20渋谷大デモは、動労千葉とともに闘う青年労働者を先頭に全国から1850人の労働者を結集し、圧倒的に打ち抜かれた。
 今や労働者を襲う首切り攻撃に対して、全国・全世界で無数のストライキが激発している情勢だ。こうした闘いと結合し、その最先頭に国鉄闘争が立った時、1047名の解雇撤回という歴史的勝利を実現することができる。
 4月25日には動労千葉の呼びかけのもと、尼崎事故弾劾の現地闘争が行われる。国労5・27臨大闘争弾圧被告団はこの闘いの先頭に立つ。闘争団を始め闘う国鉄労働者は4・25尼崎現地闘争に結集しよう。職場から闘いを巻き起こし、JR資本と徹底的に闘うことが、1047名闘争の勝利を引き寄せるのだ。
 3・25判決は、4者4団体にその破産を明白に突きつけた。反動判決を徹底的に弾劾し、4者4団体路線を怒りを込めて粉砕しよう。解雇撤回の原則を高々と掲げて勝利の道を歩もう。解雇撤回を貫くことのみが敵階級への回答だ。

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週刊『前進』(2385号2面2)(2009/03/30 )

 ジェコー労組がスト

 大量解雇攻撃に怒り

 体制内労組支配うち破る

 埼玉県行田市にあるトヨタ系自動車部品メーカー・ジェコーで、3月24日、92人の期間従業員全員雇い止めの攻撃に対し、白紙撤回を求めるストライキが打ち抜かれた。24日始業時から翌25日未明の夜勤終了時までの18時間、期間従業員と正社員、被解雇者を含めたJAM神奈川ジェコー労働組合の組合員12人がストに突入した。
 ジェコー資本はこれまでと一変し、ものものしい検問態勢をしいてきたが、労組は支援者も含めて早朝から工場通用門前でスト突入集会を行った。出勤する労働者に「一緒にストをやろう」と呼びかけながら、ビラを渡す。マイクで「忙しい時は過労死寸前まで酷使しておきながら、会社の都合が悪くなればゴミのようにほうり出す。そんなことが許せるか。経営能力のない役員は土下座しろ。辞任しろ」と激しい弾劾を浴びせる。
 この日生まれて初めてストに立った4人の期間従業員もビラまきに立つ。その表情は明るい。
 構内に一列に並んだ職制たちは、アジテーションの前に下を向いている。労務担当取締役だけがうろたえながら携帯でどこかに連絡をとっている。かつて激しくスト圧殺の先頭に立った二組の姿もまったくない。体制内労組の協力によって成り立ってきた労働者支配が、「自動車壊滅」情勢の中で崩れ始めたのだ。
 スト突入集会後、正門側に移動して構内に突入。20人近くが本社社屋の2階にある総務の部屋にかけのぼり、「92人もクビにして、それが人間のやることか! 労務担当は出て来い!」と激しく弾劾した。
 午後は熊谷市内での動労連帯高崎のスト報告集会に合流。夕方には夜勤者のスト突入に合わせた情宣活動を展開した。
 (投稿/埼玉I)
(写真 工場通用門前でスト突入を知らせるビラが次々と配られた【3月24日 行田市】)

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週刊『前進』(2385号2面3)(2009/03/30 )

 動労高崎 春闘スト

 ”解雇撤回の原則を貫く”

 国鉄高崎動力車連帯労働組合は動労総連合春闘統一ストの一環として、3月24日未明から2人の組合員がストライキに突入した。同日午後、熊谷市商工会館でスト報告集会が開かれた。(写真) 自動車部品メーカー・ショーワで働く一般合同労組さいたまユニオンの仲間や、この日ストに入ったJAM神奈川ジェコー労働組合など、派遣切りと闘う非正規労働者が大量に合流した。
 和田山繁委員長は「こういう時代だからこそ3万8000円の賃上げ要求を掲げてストに立った。また、非正規雇用労働者の闘いに連帯する意味でストを24日にした」と提起した。さらに「今回のストライキにはJR東労組ではなく国労をスト破りに入れてきた。東労組だと動労総連合に加入してしまう情勢だからだ。スト破りに応じた国労は問題だ」「動労連帯は1047名解雇撤回の原則を貫いて闘う。原則を曲げてしまったら労働運動にならない」と決意を語った。全参加者はこれに応え、団結ガンバローを三唱。
 大量首切り攻撃が襲うこの時こそ、解雇撤回の原則を貫く国鉄闘争は闘いの結集軸となることができる。動労連帯高崎のストライキは、それをはっきりと示している。

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週刊『前進』(2385号2面4)(2009/03/30 )

 都庁前行動 分限解雇阻止へ150人

 根津さん河原井さん不起立貫く

 3月25日夕、「『君が代』処分にNO! 3・25都庁前アクション・アンサンブル第2弾」が都庁第2庁舎前で行われ、教育労働者を先頭に150人が集まった。解雇恫喝を突き破って「日の丸・君が代」不起立を闘う根津公子さん、河原井純子さんの所属する町田教組や都障労組、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会などが呼びかけた行動だ。
 3月24日に都立あきる野学園の卒業式で不起立した根津さんは、「私の不起立をきっかけに、同僚から『生徒にしっかり話をしないことは加害だよね』『ありがとう』という言葉も寄せられた。分限免職も懲戒解雇も、停職処分も絶対やめさせたい」と訴えた。3月19日、都立八王子東特別支援学校の卒業式で不起立した河原井さんは、3月12日に都立七生養護学校「こころとからだの学習」裁判で勝利判決をかちとったと報告。「おかしいことにはおかしいと言い続ければ、『10・23通達』を白紙撤回させる日が来る」と述べた。
 卒業式で不起立した東京の教育労働者は「同僚に『42秒間ストライキします』と宣言して不起立した」と報告、「道州制攻撃に、不起立で団結をつくり出して反撃しよう」と訴えた。同じく卒業式で不起立した神奈川の教育労働者は、同日の鉄建公団訴訟控訴審反動判決に触れ、「解雇撤回を投げ捨てた結果。解雇を辞さず闘う根津さん、河原井さんとともにあいまいさを許さない闘いを貫こう」と呼びかけた。
 町田教組委員長は「根津さんの分限解雇を許さない闘いは、教育の民営化を止める闘い」と強調。都障労組委員長も「河原井さん、根津さんに最大限の支援をしていく」と述べた。
 都教委は3月30日10時から臨時会を開き、卒業式の処分を決めようとしている。都教委に怒りの声をたたきつけ、あらゆる処分を阻止しよう!
(写真 判決公判に臨む根津さん【中央左)と河原井さん(同右)(3月26日 東京地裁前】)

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週刊『前進』(2385号2面5)(2009/03/30 )

 日機労組 36年ぶり半日スト

 ”賃下げ・リストラ許さぬ”

 JAM日本機械工業労働組合(東京都八王子市)の組合員150人は3月23日、春闘半日ストライキに一人の脱落もなく決起した。
 昼過ぎから支援の労働者が駆けつけ、午後の就業時間からいよいよストだ。全組合員が職場旗を先頭に食堂前に集合、闘争委員長がマイクを握り、「経営陣の責任を追及し、これからの半日を怒りのストライキとして構えよう! 『リストラするな!』を宣言し、みんなの団結の力で最後まで闘いたい」と決意表明。続いてストライキ宣言を高らかに読み上げ、36年ぶりの半日ストライキについに突入した。
 合同労組八王子委員長、三多摩労組交流センターなどから熱い連帯のあいさつを受けて、14人の職場委員と青年女性部長が「団結して最後までがんばろう!」と発言。
 いよいよ会社に対して全組合員による怒りの抗議行動だ。隊列を組むデモは初めての人が多い。デモ訓練後、2隊列に分かれてデモに出発だ。工場内を「要求貫徹! 春闘勝利!」とコールしジグザグデモで社長室前に向かった。全員がそろって「賃下げ・リストラを許さないぞ!」「勝つまでストライキで闘うぞ」「組合員は怒っているぞ! 要求貫徹まで闘うぞ!」とシュプレヒコールを上げる。日頃の怒りが青空のもと爆発した。
(写真 「要求貫徹! 春闘勝利!」と工場内をジグザグデモする日機労働者【3月23日 八王子市】)

 組合の再生かけ

 今春闘は大恐慌が全産業に及ぶ中、当初から闘う労働組合の再生をかけて取り組まれた。2月の臨時大会から3月初めの地区の春闘集会、回答促進に向け職場委員を中心にした連日の朝ビラをやり、職場全体の力で春闘態勢を確立していった。
 だが、会社は17日の回答指定日になんの回答も用意しなかった。組合員の怒りに火がついた。「ふざけるな! 組合員をなめるな! この間ずっと賃下げ状態だ。もう我慢の限界だ」
 18日昼休みの闘争宣言集会に続き、19日の勤務時間終了後、会社のふざけた態度に対する抗議集会を行い、執行委員全員がストに立ち上がる決意を表明し、23日のストに臨んでいったのだ。
 ストの後半。まず動労千葉の闘いの記録映画「檄」(88年)を全員で鑑賞し、春闘について職場討議を行った。ほとんどの職場から「ここまできたら納得のできる闘いをしよう」「半日のストをやってよかった」という声が多く上がった。
 まとめでは「09春闘の勝利に向かって」が提起され、今後の方針として、「団結を強化して一人の首切りも許さない闘争をつくっていこう」と訴えられた。再度、外に出て団結ガンバローで半日ストを締めくくった。
 今回のストは@「労使共同宣言」の連合打倒、A道州制・民営化に絶対反対、B動労千葉との連帯――を掲げ、階級的労働運動の路線をとことん貫くストとして打ち抜かれた。
 (投稿/三多摩労働者M)

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週刊『前進』(2385号2面6)(2009/03/30 )

 「君が代」処分取消請求訴訟

 反動判決を弾劾する

 屈服路線と決別し前進を

 3月26日、東京の「日の丸・君が代」不起立闘争をめぐる二つの裁判の判決公判が行われた。一つは、04年卒・入学式で不起立・不伴奏で戒告・減給処分を受けた都立校の教育労働者172人の処分取り消し請求訴訟。もう一つは、06年卒業式の不起立で停職3カ月処分を受けた根津公子さん、06年1月の創立30周年式典で停職1カ月処分を受けた河原井純子さんが処分取り消しを求めた訴訟。いずれも東京地裁民事19部の中西茂裁判長が、原告の請求を棄却する反動判決を下した。
 とりわけ停職処分に対する初の司法判断となった判決で、処分を合憲・合法としたことは、絶対に許すことができない。
 03年「10・23都教委通達」から6年。今春卒業式でも「日の丸・君が代」不起立は続き、都立高校だけでも2けたを超えた。こうした根強い抵抗闘争に、政府・文科省も石原・都教委も完全に震え上がっている。支配階級の不起立闘争への憎悪を体現した反動判決を徹底弾劾し、怒りも新たに闘いを広げよう!
(写真 判決公判に臨む根津さん【中央左)と河原井さん(同右)(3月26日 東京地裁前】)

 裁判唯一主義を突き破り闘おう

 この裁判闘争において被処分者の会の一部指導部と弁護士が果たした反動的役割を、徹底弾劾しなければならない。
 彼らはこの間、裁判所と中西裁判長への幻想を徹底してあおってきた。「中西裁判長の心証をよくすることが大事」と言い、原告の教育労働者に「意見陳述には、いかにすばらしい教師であるのかを示す教育実践を記せ」と指示して、猛反発を買いながらも、陳述を何度も書き直させた。現場の抵抗闘争を封じ込め、裁判長に同情を請うて「減刑」を嘆願する路線だ。自らの生き様をかけて闘いぬいた誇り高き被処分者をおとしめるのもいい加減にしろ!
 25日の判決日は、教育労働者を先頭に400人が裁判所に駆けつけた。反動判決の報を聞き、誰もが怒りをたぎらせた。にもかかわらず一部指導部は「シュプレヒコールで抗議しよう」という声を封じて裁判所前から解散させようとした。激しい怒りでシュプレヒコールをやらざるをえなくなったものの、「では3回だけ」。ふざけるな!
 彼らの職場闘争を放棄した裁判唯一主義こそ、被処分者を先頭にした教育労働者の闘いを困難に陥らせてきたのだ。屈服路線と決別し、職場から団結をうち固め、都教委と一体化した組合幹部をぶっ飛ばす闘いの先頭に被処分者が立とう!
 都教委と激突して不起立を継続しながら裁判を闘ってきた根津さん、河原井さんは、反動判決後の総括と決意も鮮明だ。根津さんは「不当判決は許せないが、この判決に対してみんながどう立ち上がるのかが課題。 『10・23通達』を撤回・破棄させる闘いをみんなでつくろう」と呼びかけた。河原井さんは「どんな勝利判決が出ても、私たちが日常生活で職場で具現化しなければ、すぐ紙切れになる。反動判決だって同じ。私はけっしてあきらめない。『10・23通達』をなくすまで闘いましょう」と訴えた。
 不起立で団結し、道州制・民営化攻撃と全面対決して闘うことこそ、反動判決への回答だ。根津さん・河原井さんへの処分を許さず闘いぬこう!

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週刊『前進』(2385号3面1)(2009/03/30 )

 労働者のストとデモで戦争とめよう

 日本の闘い世界に届く

 3・20イラク反戦6周年集会の発言

(写真 各組合、団体の旗を林立させ、大部隊で渋谷の街をデモ【3月20日】)

 

イラク反戦6周年3・20渋谷大デモは、世界金融大恐慌の進展と新たな戦争の危機、すなわち資本主義の終焉(しゅうえん)という歴史的大転換期にあって、「労働者のストと国際的団結で戦争とめよう」のメインスローガンのもと、プロレタリア世界革命をめざして闘う階級的労働運動の力強いメッセージを世界に発信した。問われていたのはプロレタリア革命の思想と路線だ。アメリカの既成の反戦団体の多くが「恐慌下」を理由に行動を取りやめ、イギリスの統一反戦行動も開催できなかった。労働者のゼネストに直面したフランスでは、第4インターが「マルクス主義」の看板を下ろして解散、革命を否定する体制内指導部の「反資本主義政党」に合流した。革命以外に出口がない情勢で、既成指導部の混迷が、労働者の怒りと革命への闘いを抑えこむ構図は世界共通なのだ。この中で、動労千葉ストを先頭とする1850人の渋谷デモは、体制内派との激しい党派闘争に勝ちぬく際だった戦闘性を示し、日帝権力を震え上がらせた。(編集局)

 青年労働者が基調報告

 労働組合再生へ路線闘争を ワーカーズアクション実行委員会

 イラク開戦から6年。世界金融大恐慌が始まり、戦争か革命かが問われる時代です。「労働運動の力で革命をやろう」と訴えて2年。路線が問われ、労働組合をよみがえらせることに一切がかかっていることが鮮明になりました。
 大恐慌と派遣切り、大量解雇の情勢をどう見るか。リーマンの破綻だけで64兆円の損失。日本も1000兆円を超える財政破綻です。そのツケを労働者に押しつけるために「聖域なき構造改革」を叫んだ小泉政権の郵政民営化がありました。
 経済大国といわれた日本が目の前で崩れている。終身雇用、年功序列、企業内組合というあり方を政府・資本家が自ら壊してきた。そして資本主義最後の延命策の新自由主義が「民営化・規制緩和と労働組合の解体」でした。95年に日経連が提言した「正社員は1割で、9割を非正規に」は現実となりました。もはや「会社あっての労働者」という労働者支配は成り立ちません。
 支配階級が労働者を黙らせるためにはメシを食わせることですが、それができなくなった。労働者は首を切られても「自己責任」だと。これに連合は屈服し、経団連の「労使一丸」体制を自ら担っている。このもとであらゆる体制内勢力が、闘う労働者を弾圧している。これと真っ向から対決して、職場から闘う団結を作り出そう。
 日本階級闘争は国鉄闘争を軸に大きな分岐点です。87年の国鉄分割・民営化、総評解体と連合発足から労働組合が急激に右旋回しました。行き着いた先が派遣法改悪。これは連合傘下の電機連合の提言で進められた。その先に現在の派遣切りがあります。
 国鉄分割・民営化に唯一ストで闘って勝利したのが動労千葉です。動労千葉は、大恐慌の時代に民営化絶対反対の路線で組織を拡大し、労働組合をよみがえらせようと訴えています。これに対して国鉄1047名解雇撤回の旗を降ろし、「政治解決」路線に転落したのが4者4団体派です。
 彼らは本日、ワールドピースナウ主催の集会で何をしているか。民営化賛成で戦争反対を闘えるか。断じて否です。彼らの「政治解決」路線も、鉄建公団訴訟の3・25判決で破産した。本日の反戦デモも激しい路線闘争です。
 民営化賛成と生産性向上運動の最悪の先兵であるJP労組は、春闘でスト破り宣言を社長に提出するまでに労働者への敵対を深めています。小包の子会社化と強制出向攻撃と真っ向から闘い、団結と労働組合をよみがえらせる決意です。
 ロシア革命も「パンと平和」から始まった。不況の底が抜けた現在は資本主義の終わりの時代です。労働者が資本家から権力を取って代わる時代です。労働組合の路線闘争は全世界の課題です。09年決戦に躍り出よう。
(写真 「世界の労働者と団結して戦争とめるぞ!」会場全体を熱気がおおう)

 動労水戸の開会あいさつ

 動労総連合も続々とストに 動労水戸書記長 木村郁夫さん

 大恐慌で激しい首切りリストラが襲いかかり、労働者が生きていけない状況となった。資本主義の崩壊です。この社会を変えられるのはわれわれ労働者・学生・農民・人民以外にありません。
 私は動労水戸の運転士登用差別事件で、20年ぶりに最高裁判決の勝利をかちとった当該です。これまで国鉄分割・民営化に反対し、民営化の手先となったJR総連を打倒するために闘ってきましたが、資本の労働者分断支配の根幹を打ち破る勝利です。
 JR資本は最高裁判決を無視し、開き直る態度を決め込んでいる。彼らは完全に追いつめられたのです。私たちは18日、動労千葉とともに春闘ストライキを貫徹しました。動労総連合の仲間も続々とストに決起しています。
 労働者こそがストライキで社会を変えられることを実感する時代です。そのような断固たるデモを貫徹しましょう。

 反戦を闘う全学連

 民営化反対と反戦はひとつ 全学連委員長 織田陽介さん

 法大当局が情宣活動禁止の仮処分命令申立を出しました。法大でビラをまくな、集会をやるなと。これを裁判所に命令させようとしている。絶対に許せないし粉砕します。
 88人も逮捕者を出して闘いをつぶせなかった法大当局が、ついに集会も表現の自由も奪う攻撃に出た。憲法の枠を超えた治安弾圧。これが改憲の核心です。大恐慌の中で、戦争衝動が大学や資本、至る所で激しく噴き出している。これらとの闘いが道州制決戦です。
 民営化された成田空港は運ぶものがなく、戦争が始まれば軍隊を受け入れるといいます。農民の農地を取り上げ、破壊して資本がもうける農地法改悪も始まりました。
 大学は学生から集めた何千億円もの金を金融取引につぎ込んでつぶれそうです。「教育の民営化」は深刻です。アメリカでは「予算カットされたくなければ軍隊に名簿を出せ」とやられている。学校の中から戦争の衝動が噴き出している。沖縄では道州制で「独立」するために戦争をやろうという攻撃です。
 別の「反戦集会」がWPN主催で行われていますが、あっちは民営化賛成のグループ、4者4団体派です。戦争にどういう態度を取るかは、民営化に反対するのかどうかの路線闘争です。
 全米鉄鋼労組は「戦闘機の生産が減ると解雇されるから軍縮するな」とオバマの軍縮方針に反対している。ヨーロッパでも、移民排撃の「愛国スト」が右派の労働組合で起こっている。労働組合を巻き込む愛国主義や排外主義に対して、全世界の労働者の階級的団結が問われています。
 日本共産党は資本主義の発展を望むと公言した。資本と闘わない労働組合は、資本の利益と延命のための戦争にも反対できません。彼らは「ソマリアの海賊は立派な違法行為」と言い放った。JR総連は「理想でメシは食えない」と軍事輸送推進を言う。社会主義を語っていた連中が戦争の先兵になるのは、第1次大戦に賛成した「第2インターの崩壊」と同じです。反戦闘争の路線的分岐なのです。
 道州制攻撃の中で、自治労、日教組の労働者が先頭に立てば全人民の革命的蜂起は可能です。11月集会1万人結集へ、民営化反対・国鉄1047名解雇撤回、道州制反対で闘いましょう。

 スト貫徹の動労千葉

 分割・民営化に決着つける時 動労千葉委員長 田中康宏さん

 動労千葉は302人が3日間のストをやりぬきました。スト初日、業務命令を受けた国労の組合員がその場で動労千葉に加入し、ストに突入するという大きな成果をかちとりました。分割・民営化との決着をつける一歩を踏み出したのです。
 派遣労働者をはじめ大規模な首切りが始まっていますが、国鉄分割・民営化に決着をつける時、国鉄闘争の勝利こそがすべての労働者の怒りを爆発させます。今日の労働者の状況はすべて分割・民営化から始まったものだからです。
 今春闘で連合は、定昇凍結まで受け入れた。労働者の怒りを組織できるのは私たちだけです。全力で組織しぬこう。
 大恐慌の一方で戦争が拡大している。労働運動全体が産業報国会に転落した戦前と同じ分岐点です。ここで4者4団体派は政府・自民党に泣きついた。結果は3・25判決ですべて破産です。
 アメリカの仲間も闘っています。資本家の手先となったSEIU(サービス従業員国際労組)指導部にカリフォルニアの労働者15万人が大反乱を始めています。こういう闘いに今こそ続こう。

 決戦の三里塚反対同盟

 労働者・農民の連帯で勝利を 反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 三里塚は43年間、全国の労働者・農民・学生と連帯して闘ってきましたが、いますべての人々、とりわけ若い人に、生きるためにいかに闘うかが問われていると思います。自らの力で未来を切り開く。これが闘いの原点です。自分自身が動かなければ、けっして世の中は変わりません。そうした思いで三里塚も闘ってきました。
 いまの政治は無責任でデタラメです。43年を経た三里塚でもいまだに大きな犠牲を生んでいる。農民が命の糧である食糧を生産し、労働者が機械を動かす。この労働者・農民の大きな連帯があれば、今のような政治はいりません。
 私の青春は第2次世界大戦で明け暮れました。今日死ぬか明日死ぬか、という毎日でした。そしていま、歴史はくり返されようとしています。
 三里塚の闘いも再び決戦となりました。暫定滑走路の北延伸を阻止し、市東孝雄さんの農地取り上げをなんとしても阻止する決戦です。
 3・29全国集会を三里塚現地で行います。搾取のない時代をつくるために、皆さんとともに闘う決意です。

 闘う弁護士戦線

 4・21裁判員制度阻止へ 弁護士 森川文人さん

 時代は「蟹工船」「チェ・ゲバラ」、闘う労働者の反乱の時代です。私も法大闘争を軸にサミット粉砕闘争など、皆さんと共に闘ってきました。
 弁護士戦線も司法改革反対、裁判員制度反対、弁護士激増反対、改憲阻止を掲げ、日弁連会長選挙を闘いました。結果は一歩届きませんでしたが、マルクスいわく「革命的反乱は、労働者階級が勝利するまでは失敗せざるをえない」です。日共スターリン主義を打倒したものの、最終的勝利には至らなかっただけと総括しています。4・21日比谷野音集会は最大の激突点、大結集をお願いします。
 いま最も暴力支配が露呈している場所が法大キャンパスであり、東京地裁429号警備法廷です。「ビラまき禁止仮処分」攻撃も粉砕します。
 民主党・小沢の秘書が逮捕されたり、支配階級も激しく分裂を開始しています。支配階級は「自己責任」などといって労働者に犠牲を押しつけますが、労働者の自己責任とは権力奪取でありプロレタリア独裁を自己解放的に闘い取ることです。未来をわれわれの手でつかみましょう。

 労働者からの決意表明

 ●国労5・27臨大闘争弾圧被告・羽廣憲さん

 検察の論告求刑は、立証もなしで「労働運動に関与し国家転覆をもくろむ者だから有罪にせよ」というふざけた内容でした。6月からの最終意見陳述は国鉄闘争を決する闘いです。関西の被告は「有罪・解雇」攻撃とのまったなしの闘いに突入しています。4・25尼崎事故4周年闘争の大爆発をかちとりましょう。
 解雇撤回を投げ捨てた4者4団体の「政治解決」路線は、鉄建公団訴訟の3・25判決の決定で完全に破産しました。金さえ出れば1047名解雇撤回闘争を解散すると言った体制内指導部を絶対に許せません。
 いまや革命以外に敵の攻撃を止めることはできない時代です。敵権力と資本の意志は明確です。国鉄闘争が階級闘争として残っている限り、郵政民営化も「日の丸・君が代」攻撃も貫徹しません。1047名闘争は全労働者の結集軸です。
 私たち7被告と弁護団は、5・27裁判闘争を国労本部打倒・1047名解雇撤回闘争の最先端の闘いとして、国労共闘の組織をかけて闘います。

 ●八尾北医療センター労組・灰垣美佐子さん

 私たちは西郡の森本さんの住宅を奪う2・26強制執行に対し、強制執行絶対反対、八尾北医療センター民営化絶対反対のストに決起しました。部落差別による分断を打ち破り、資本と非和解で闘う労働者の団結をつくって勝利しました。
 労働組合が2・26をストで闘うことで、住宅闘争は6千万労働者の闘い、道州制粉砕の闘いとなって爆発しました。
 解同本部派や自治体に巣くう共産党の労組執行部による反動は、体制内派を打ち破って労働者の決起をかちとる絶好のチャンスです。ともに闘いましょう。

 ●部落解放同盟全国連合会西郡支部・岡邨洋さん

 私たちは2・26の森本さんに対する強制執行阻止を闘い勝利しました。住宅の問題は、部落差別を利用して労働者を分断し、団結させない攻撃でした。しかし、われわれはこれまでの解放運動の枠を打ち破り、労働者階級の闘いとして住宅闘争を闘いました。敵はひとつ。道州制を進める資本であり、橋下知事です。
 大恐慌は革命のチャンスです。解同全国連本部や、うそとだましの解同本部派、八尾市住宅管理課と徹底的に対決し、6千万労働者とひとつにつながる闘いをやりぬく決意です。

 ●大阪豊中市の自治体労働者

 沖縄の自治体で闘う女性部の2人の仲間がこの集会にカンパを寄せてくれました。
 動労千葉の闘いが4者4団体派を打ち破り、革命への巨大な突破口を開いています。このなかで3・6の道州制粉砕・橋下打倒の大阪集会が450人で大成功しました。
 公立病院の全面的な民営化計画が明らかになるなかで、自治労の衛生医療評議会が「攻めの民営化」を打ち出した。自治労本部と大阪府本部の腐った正体が暴露されたのです。私たちはこれと非和解で闘う自治体労働者の全国潮流を登場させることができました。
 偽女性部ニュースをまいて集会を妨害し、向こうに行った女性部の副部長と書記長を解任しました。これから豊中市職が民営化賛成か反対かで半分に割れる過程に入ります。階級的団結で行こう!

 ●広島の青年教育労働者

 2月に広島で行われた日教組の教研集会で、私を含む4人に「誓約書」が送られてきました。会場内外でチラシをまくな、不規則発言はするな、教研の開催中は日教組、広教組の指示に従え、という誓約書にサインしろというものです。中に入って闘うべきか迷いましたが、断固拒否で闘いました。法大のようにマイク握って、機動隊の大部隊に囲まれながら訴えれば、必ず中の労働者は決起すると信じて闘いました。大正解でした。勝ちました。
 当日、多くの教育労働者の仲間が誓約書撤回要求の署名に応じてくれました。「あなたのように闘っている人に会えて良かった」と固い握手をする人がいました。涙を流して喜んで『前進』の読者になった人もいます。
 ソマリア派兵を目の前で強行されて悔しかったが、悔しさを団結の力に変えて麻生もオバマもぶっ飛ばそう。

 ●沖縄うるまユニオン・富田晋さん

 沖縄は今、道州制と米軍再編の二大攻撃を受けていますが、沖縄の労働者は一歩も引いていない。2年前の教科書検定反対12万5千人、あのゼネスト情勢は何も変わっていません。革命と戦争の時代です。沖縄労働者が歴史の表舞台で闘う時がきたのです。
 オバマは「北朝鮮のテポドン発射」をあおり立てて、太平洋艦隊のすべてを沖縄と日本海に向かわせている。
 沖縄の体制内指導部はこの間まで、このオバマに頼めば基地は撤去できると本気で言っていました。当然にもダメでした。今度は民主党がアメリカに働きかけてくれれば何とかなると。ふざけるな、という話です。僕を「命を守る会」から解雇した連中の問題は、米軍再編と道州制に屈服するかどうかの問題だったことが明らかになったのです。辺野古の体制内指導部は、沖縄の反戦闘争をぶっつぶす、体制に屈服する道にカジを切ったのです。こんな奴らはぶっつぶしてやろう!
 動労千葉のストライキに続こう! 沖縄反戦闘争の旗を労働者階級のもとに取り戻そう!

 ●東京北部の医療現場で闘う精研労組

 動労千葉と連帯しストライキを貫徹しています。体制内、日本共産党・医労連と闘い、青年労働者が圧倒的に決起しています。動労千葉に続く労働組合をつくろうと闘っています。
 国鉄闘争が重大な局面を迎えています。労働組合らしい労働組合をよみがえらせようと闘っています。
 党派闘争をやりぬくことです。4者4団体が解雇撤回を投げ捨て、資本を救済することに走っている。これと徹底的に非和解で闘うことが、労働組合をよみがえらせる道です。そうして2月28日のストライキをやってこの集会に合流しました。ともに闘いましょう。
(写真 集会をかちとり全発言者が登壇しインター斉唱)

 ●関西合同労組技能育成センター分会

 派遣先の奈良の森精機で3波のストライキをぶちぬきました。今年に入っても2波の抗議闘争をぶちぬき、資本家を震え上がらせています。
 派遣元のラディア・ホールディングとプレミアラインは3月18日、大量の労働者を解雇し、会社をたたむと通告してきました。労働者を殺し、労働組合をつぶす許し難い攻撃です。
 これに対して、私たちは動労千葉のストライキに連帯して抗議闘争に決起しました。そして昨日19日、派遣元の2社に対して、解雇は許さないとストライキをたたきつけました。
 われわれの闘いは全国のゼネストに発展する闘いです。皆さんとともに資本主義をぶっ飛ばす闘いを続けます。

 法大解放へ

 4・24に学生の蜂起を闘う 法大文化連盟副委員長 恩田亮さん

 法政大学は監視カメラが150個、キャンパスの周りは有刺鉄線、ビラをまけば停学、集会をやれば退学、抗議すれば逮捕、逮捕者は88名。起訴者は22名。絵に描いたような監獄大学です。
 先日、法大当局と裁判所から、大学前での情宣活動を禁止するという仮処分の申立書が送られてきました。大学はどこまで腐っているのか! こうなったのもすべて新自由主義が悪いんです。
 われわれは黙っていない。先日も文化連盟と全学連は総長の自宅にデモをかけてきた。4月24日には、法大で大規模な学生蜂起を行う! 新自由主義に苦しむ人は全部集まって下さい。監獄大学をぶっ壊すぞ!

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週刊『前進』(2385号4面1)(2009/03/30 )

 教員免許更新制 絶対反対!

 「10年有期雇用化」の大攻撃

 1人の首切りも許さず闘おう

 4月から教員免許更新制が本格実施されようとしている。これまで生涯有効だった教員免許を10年ごとの更新制とし、教育労働者全員に10年ごとに「いったん全員解雇・選別再雇用」が襲いかかる大攻撃だ。すでに現場労働者から「ふざけるな!」という怒りの声が噴き上がっている。日教組本部を打倒し、教育労働者の首切り自由化=教員免許更新制絶対反対で闘おう!

 道州制・民営化粉砕へ怒りの反撃が始まった

 世界大恐慌が本格化する中で、日本帝国主義は今、その延命を道州制攻撃にかけている。道州制への労働者の怒りが噴き出し、反撃の狼煙(のろし)が上がっている。
 2月26日の西郡住宅強制執行粉砕闘争は、「住宅追い出しの強制代執行は道州制攻撃であり、全労働者への攻撃だ。労働者の団結にこそ勝利がある」という確信のもと、八尾北医療センター労組のストライキを軸に、全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会が一体となって決起した。
 3月6日には道州制粉砕・橋下打倒の大阪府庁前行動が自治体労働者・教育労働者を先頭に闘われた。豊中市職女性部が呼びかけ、体制内労組幹部の妨害を粉砕してかちとった画期的な闘いだ。
 動労千葉の春闘ストと3・20渋谷を先頭に、道州制粉砕・資本主義打倒の「生きさせろ!」ゼネストへ、階級的労働運動の猛進撃が始まった。
 全国の教育労働者は、教育を民営化し、教育労働者を非公務員化する道州制攻撃と真っ向対決して、今春「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬいた。不起立闘争は、文科省の手先となった日教組本部を打倒し、不起立を貫くわれわれが階級的団結をつくり出し、主流派となる宣言である。

 全員解雇・選別再雇用にストライキで対決を

 4月から、33歳、43歳、53歳の教育労働者を対象に、教員免許更新制が本格実施されようとしている。
 学校現場で命を削る思いで何年も働いてきた教育労働者に、何が今さら30時間の研修を受けて合格しないと「免許失効=失職=解雇」だ! ふざけるな! こんなことが認められるか!
 しかも09年度から発行される教員免許は10年の有効期限の免許だ。免許取得から10年ごとに「免許更新=いったんクビ」にするというのだ。
 教員免許更新制はすべての教員を終身雇用から10年の有期雇用の非正規労働者に変える、次元を画する攻撃だ。「公務員はいったん全員首切り、教育公務員は民間に、半分の人員で倍働け」の道州制攻撃そのものだ。
 橋下大阪府知事は「トップの方針に従わない教員はクビ」「公務員の身分保障でぬくぬくとやっている」と教育労働者に悪罵(あくば)を投げかけながら、「関西州」導入に向け、教育労働者の団結を破壊している。
 大阪府は府立学校の非正規職員(教務事務補助員など)346人を3月で解雇した。次々と学校の非正規労働者の首を切り、これを皮切りにすべての教育労働者を「首切り自由」にする攻撃が教員免許更新制だ。
 教員免許更新制は、すべての教育労働者が避けて通れない攻撃であるにもかかわらず、免許更新の当事者を毎年度の33歳、43歳、53歳に限定。分断し怒りの爆発を抑えつけようとしている。
 悪辣(あくらつ)な団結破壊に、腹の底から怒ろう。52歳の教育労働者は「体がボロボロになるまで働いてきたのに、この上休みの時間を使って研修を受けるなんてコリゴリ。もう辞めるしかない」と怒っている。早期退職に追いやる攻撃だ。
 青年教育労働者にとっては、今から「10年ごとに『研修・評価・解雇』の不安と向き合いながら生きろ」ということだ。「研修先を自分で探し、研修費も自分で支払い、研修に行く時間も自分で見つけよ。近くに研修先がなくても受講するのは自己責任。合格するかしないかも自己責任」
 ふざけるな! 現場に責任を取ってきたのは私たち教育労働者だ。なぜ忙しい時間を割いて研修を受け、教員資格の合否を判定されなければならないのか! 現場の教育労働者をなめるな!
 「免許失効=解雇」の恫喝で教育労働者を資本・国家の奴隷にできるのは、教育労働者が闘わずおとなしくしている限りのことだ。教員免許更新制は、教育労働者のたまりにたまった怒りに火を付けた。

 推進者になり果てた日教組

 日教組本部も各単組執も、教員免許更新制の完全な推進者だ。「制度化されたものは仕方ががない。不利益を受けないよう問題点の解説、不安解消のアドバイスを行う」という態度で、文科省と一体となって教育労働者に分断を持ち込み、当該を孤立させ、あきらめを組織している。
 日教組本部は全国教研から根津公子さんらのレポートを排除し、広教組本部は「君が代」被処分者を排除した。闘う組合員に警察・機動隊2100人を差し向けた中村委員長は、全体集会で「警察の警備に感謝する」と表明。塩谷文科相の「先生方の資質向上に向けた免許更新制に一層の御努力と御協力をお願いする」というメッセージを読み上げ、抗議した組合員も会場から排除した。
 日教組本部はもはや「闘わない日和見主義」ではない。現場で必死に闘う組合員を警察権力に売り渡したのだ。こんな幹部は打倒するしかない! 私たちは機動隊と対峙して闘いぬき、「日教組本部を打倒し主流派になる」と宣言した。
 「『教員免許更新制絶対反対・制度撤廃!』を掲げて、当該を孤立させず、当該と全組合員の団結にかけて全組合員のストライキで闘おう。一人の免許失効=失職=解雇も許すな!」という方針を掲げ、日教組の体制内幹部と激突し、その中からストライキを闘う階級的団結をつくり出そう。その時、教育労働者の闘いは2000万青年労働者、6000万労働者の怒りと合流し、ゼネストに向かってエネルギーを解き放つ!

 動労千葉のように団結して闘えば必ず勝てる

 免許更新制で教育労働者を10年の有期雇用に。「不適格教員・D評価は分限免職」攻撃で「言いなりにならない教育労働者」をクビに。「日の丸・君が代」攻撃で職場の支配権を奪い、教育労働者の団結を破壊。不起立などで闘う者は処分し、真っ先に解雇の対象にする。多忙化と過酷な労働で精神疾患に追いやりながら「精神疾患も病休は1年しか認めない」と首切り対象にする。
 これらは道州制攻撃そのものだ。道州制は公務員いったん全員首切りの攻撃だ。「国家の忠実な公僕になり、半分の人員で倍働く」と誓った者だけを選別再雇用する。教育労働者と現業労働者は無条件に非公務員化する。労働者全体を解雇自由の非正規職に置き換え、賃金を半分にする。その狙いは自治労・日教組つぶしだ。
 しかし麻生も橋下も資本家も労働者の反撃を死ぬほど恐れている。労働者が団結すれば勝てる!
 1980年代の国鉄分割・民営化に対し、最大労組・国労は闘わずに屈服し、その結果20万人の組合員はわずか5年で4万人になり、200人の自殺者を出した。しかし動労千葉は唯一ストライキで闘い、国鉄分割・民営化攻撃を打ち破った。
 動労千葉は今年、3人の組合員のために全員がストを構え、ライフサイクル(40歳以下の運転士を駅に配転)による配転を阻んだ。3月17〜19日には労使共同宣言体制をぶっ飛ばす春闘ストを打ちぬき、今や世界大恐慌を革命に転化する労働者の国際的団結の軸になっている。動労千葉のように団結し闘えば勝てる!

 不起立で団結し闘う組合を

 今春不起立闘争は道州制をぶっ飛ばす闘いだ。日教組本部を打倒し、私たちが主流派になる宣言である。「道州制反対! 免許更新制反対! 評価制度・査定給反対! 非正規労働者の首切り反対!」を掲げストライキで闘う日教組をつくろう。
 国鉄分割・民営化攻撃の全社会化、改憲・戦争国家化の攻撃である道州制攻撃を前にして、私たちには今、国労本部のように屈服し資本・権力の餌食にされるのか、動労千葉のように非和解で闘うのかが問われている。
 日教組本部を打倒し、現場組合員の力で闘う日教組をよみがえらせ、6000万労働者とともにゼネストを闘いとろう!
 〔革共同教育労働者委員会〕

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週刊『前進』(2385号4面2)(2009/03/30 )

 フランスで再びゼネスト

 3月19日、フランス全土で今年2度目のゼネストが闘われた。1月29日の250万人を上回る300万人が全国200カ所以上でデモ。サルコジの大統領就任以上最大の闘いだ。学校や交通、医療、行政など公共部門の労働者に加え、民間企業や地方中小都市の労働者の決起が増えている。この2カ月、大学を占拠・閉鎖している学生、研究者・教員も連帯した。
 パリで35万人、マルセイユで32万人がデモ。パリの北、コンピエーニュでコンチネンタル社のタイヤ工場閉鎖に反対する数千人の労働者がデモを膨れさせた。東部のミュルーズでは製薬、自動車、建設機械の労働者ら1万人、北西部のレンヌでは学生・教育労働者、自動車、電機の労働者ら3万5千人、アルプスのグルノーブルでは6万人がデモした。
 「民営化反対」「解雇撤回」「不安定雇用反対」「最低賃金引き上げ」「購買力向上」などのスローガンを掲げた労働者の圧倒的な決起によりサルコジ政権は譲歩を余儀なくされた。ダルコス教育相は20日に「マスター化計画」(「教育の名人、達人を作る」と称し競争と分断、不安定雇用化を図る)の実施を1年延期すると発表したのだ。
 フランスの労働者階級は体制内労組・政党の制動を打ち破り、「大恐慌下のゼネスト」をかちとっている。
 (写真は南部のナントのデモ)

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週刊『前進』(2385号4面3)(2009/03/30 )

焦点 西松建設献金事件の核心

 “小沢政権阻止”へ強権発動

●麻生・漆間による国策捜査
 3月3日に政治資金規正法違反容疑で逮捕された、民主党代表・小沢一郎の公設第1秘書が24日に起訴され、それを受けて小沢が「代表続行」を表明した。この事件は、小沢・民主党が準大手ゼネコンの西松建設と深く結びつき政治献金を受けていた金権腐敗を暴き出したという次元の問題ではない。明らかに、麻生政権が漆間官房副長官を使い検察を動かして、「小沢政権」が生まれるのを阻止するために仕組んだ、戦後史上かつてない「国策捜査」であり、超重大事態である。
 麻生と日帝権力中枢が指揮権発動にも等しい検察権力の行使をもって、自民党政権護持のために周到に準備し、政敵=民主党・小沢に攻撃を仕掛けたものだ。
 それは民主党・連合のもとにある労働者階級全体に対する攻撃を本質としている。まだ議会主義の幻想のもとにあって民主党政権を求めること自体をも支配階級として許さないということだ。民主党と連合に一層の屈服のくさびを打ち込むことを狙っている。
 それは大恐慌下の日帝の危機、日帝政治支配の末期的危機の表現であり、支配階級がこれまでどおりのやり方ではやっていけないという統治能力の喪失をさらけだし、支配階級内部で激烈な分裂と暗闘を繰り広げていることの現れでもある。つまり、労働者階級が資本家政府を倒して権力を握らなければならない情勢であること、革命的情勢そのものであることを告げ知らせているのだ。
 大恐慌に直撃されて、日帝支配階級は震え上がっている。日帝は帝国主義の中で「最弱の環」であることがますます浮き彫りになっている。特に昨年9月のリーマン・ブラザーズの破綻以降、輸出依存の日帝経済の弱点が完全に明らかになり、自動車・電機・鉄鋼を始め日帝の基幹産業が総瓦解し、資本家階級は派遣切りを始め大量解雇と賃下げ、「聖域なきリストラ」の強行で一切の矛盾を絶望的に突破しようとしている。
 この中で、帝国主義ブルジョアジーの政治委員会である麻生政権が、支持率10%台に低迷し、政権運営もままならない状況にあり、政治危機を深めていたことは、支配階級にとってゆゆしき事態だったのだ。麻生では総選挙は闘えない、と「麻生降ろし」の動きが強まっていた。「かんぽの宿」問題が噴出し、郵政民営化そのものの破産が突きつけられていた。定額給付金をめぐって、衆議院での再議決には加わらないと小泉元首相が言明し、「造反」がどこまで出るかが取りざたされていた。
 まさにこういうタイミングで小沢の秘書逮捕が敢行され、政治情勢は一変したのだ。そしてそれを境に、民主党が防戦に回っただけでなく、自民党内の「麻生降ろし」の動きもぴたりと止まった。検察が時の政権の直接の利害の道具としてフルに権力を行使するという前代未聞の事態だ。そして、新聞は連日、検察当局のリークに沿った情報を垂れ流し、権力の意のままに情報操作を行った。
 そして、元警察庁長官の漆間内閣官房副長官が、オフレコの会見で「(捜査は)自民党には波及しない」と発言した。二階経済産業相や森元首相以下多数の自民党議員が西松建設から献金を受けてきたこと、しかも政権政党である自民党の方が職務権限を持っていることが明らかなのに「自民党には波及しない」と言うのは、この捜査が民主党をたたくために発動されたことを自己暴露するものだ。漆間は、樋渡検事総長らと直接的なパイプがあり、連携していることも明白だ。
 今回の小沢・民主党への攻撃の背後には、小沢の「日本改造計画」=国連中心主義と一連の対米対抗的言動があった。最近の「在日米軍は第7艦隊で十分」という小沢発言は、現在の米軍再編を否定するような露骨な対米対抗性をエスカレートさせたものだ(とは言え、実際に小沢政権になっても単純に日米同盟破棄となるわけではない)。また、クリントン米国務長官来日時に面談を求められて小沢が拒否したこと(後に会見)も、米軍再編や米国債購入などについて米側から言質を取られないように「一線を画す」態度の現れだった。日帝支配階級と麻生は、小沢発言に対する米帝の一定の「意思」をも受けて、小沢への攻撃を早めたとも言える。
●プロ独こそわれわれの回答
 この一連の事態に対し、日本共産党は、ここぞとばかりに小沢・民主党「批判」を満展開しているが、検察の異様なまでの政治的捜査についてはまったく言及せず、事実上検察側に唱和し尻押ししている。そこには、支配階級の分裂と暗闘という見方も、統治能力の崩壊という見方もなく、検察庁とともに現体制を維持することに腐心する腐敗した姿がある。「資本主義の枠内での民主的改革」とは、大恐慌下で、絶望的にあがく支配階級と一体化することにほかならない。
 だが事態は麻生の思うように整合的に進んでいるわけではない。権力・ブルジョアジー内部の意思も一つにまとまらず、動揺と分裂を拡大している。日帝の政治危機はこれからますます激化する。
 われわれの回答は、ブルジョア独裁に対して、プロレタリアート独裁を対置する、プロレタリア革命への闘いに決起するということである。「生きさせろ!」ゼネストに立ち上がり、資本家階級を打倒しよう。動労千葉のストを先頭にした3・20闘争は、その第1歩をしるした。麻生・御手洗打倒へ今春闘争の爆発を切り開こう。

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週刊『前進』(2385号4面4)(2009/03/30 )

日誌'09 2009年 3月18日〜24日

 海自に初の“ヘリ空母”配備/成田空港で貨物機が横転・炎上

●志賀原発、二審は運転容認 国内最大級の北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)について、住民が運転差し止めを求めた訴訟の控訴審判決が名古屋高裁金沢支部であった。「原子炉の安全性は確保されており、住民の生命、身体を侵害する具体的危険性は認められない」として、運転差し止めを命じた一審判決を取り消し住民側の請求を棄却する逆転判決。(18日)
●海自にヘリ空母配備 海上自衛隊の新鋭ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」の引き渡し式が横須賀市磯子区の工場であり、横須賀市の横須賀基地にに配備された。ほぼ同時に3機のヘリが発着できる。最大11機を収容でき、ヘリ空母とも呼ばれる。(18日)
●軍役強制延長の全廃を発表 イラクとアフガニスタンの二つの戦場を抱える米軍が、陸軍志願兵の契約期間を強制的に延長して兵員不足をしのいでいる政策について、ゲーツ国防長官は、来年6月までに対象者を半減、11年3月までに全廃すると発表した。今年1月末段階でこの政策で足止めされている陸軍軍人は約1万3千人。(18日)
●国、沖合修正に応じず 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の代替施設建設をめぐり、防衛省が4月初めにも沖縄県に提出する環境影響評価(アセスメント)準備書で、仲井真沖縄県知事が求めている移設案の沖合修正は「合理的理由がない」と応じず、名護市辺野古沿岸部移設を推進する政府原案を堅持することが分かった。(19日)
●ミサイル破壊命令発令へ 北朝鮮が4月上旬に人工衛星の打ち上げを予告していることに対し、浜田防衛相は、打ち上げ失敗で日本に落下する場合に備え、自衛隊法82条の2に基づく「弾道ミサイル等破壊措置命令」を発令する考えを明らかにした。発令されれば同条項の初適用になる。(20日)
●軍用地賃貸契約を拒否 軍用地などの財産を管理する沖縄県金武町伊芸の伊芸財産保全会が総会を開き、保全会が米軍キャンプ・ハンセン内7カ所に持つ約326平方bの軍用地について、これまで沖縄防衛局と交わしてきた賃貸借契約を10年度以降は締結しないことを決めた。原因究明が進まない金武町伊芸被弾事件や度重なる騒音被害などに対する抗議の意志を示すため。(22日)
●成田空港で貨物機炎上 成田空港で米航空貨物大手のフェデックスの中国・広州発の貨物機(乗員2人)が着陸時にバランスを崩し、滑走路でバウンドして横転、炎上した。機長と副操縦士は死亡。A滑走路は約26時間にわたり閉鎖された。(23日)
●不発弾爆発、米兵死亡 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の廃弾処理場で不発弾処理の準備中に爆発事故が発生し、爆破物処理班に所属する米海兵隊員1人が死亡し、海兵隊員と海軍水兵の2人が負傷した。(24日)
●在沖米軍施設の油漏れ21件 防衛省の山内地方協力局次長は参院内閣委員会で、03〜08年度に同省が米側などから通報を受けた在沖米軍施設・区域関連での油漏れ件数が8施設、計21件に上ることを明らかにした。(24日)

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週刊『前進』(2385号5面1)(2009/03/30 )

 法大 「仮処分」粉砕し大宣伝戦

 「営業権」叫ぶ当局に怒り

 4・24法大解放集会へ進撃

 4・24法大解放集会に向かって、激闘のゴングが鳴らされた。法大資本・増田体制がまた新たな学生弾圧に手を染めたのだ。
 3月17日、法大当局は東京地裁に対して「情宣活動禁止等仮処分命令申立」を行った。法大文化連盟と全学連の8人の闘う学生に対し「オープンキャンパス」が行われる3月26日、法大キャンパスの「半径200b以内の近隣」で「幟(のぼり)・横断幕等を掲げ、ビラを撒(ま)き、演説を行い、シュプレヒコールを行う等」の行為を禁止し、違反したら法大に100万円を払え、という命令を求めるものだ。徹底的に弾劾する!
 最大の反革命的特徴はその理由だ。8人の情宣活動が法大の「営業権」なるものを侵害しているから禁止すべきだというのだ。法大当局の「申立書」によれば、高校生などにキャンパスを開放する「オープンキャンパス」は「大学の存立、運営に不可欠な」学生を確保する「きわめて重要な業務」だ。情宣を禁止しないと「営業権」が侵害され、「回復しがたい甚大な損害を与えることは明らか」などという。
 つまりは法大の金もうけの邪魔をするな、ということであり、そのためには「言論・表現の自由」など関係ない、憲法など裁判所の手で踏みにじってしまえ、ということだ。改憲・道州制攻撃そのものだ。絶対に許さない。粉砕あるのみだ。
 3月24日、東京地裁民事第9部で仮処分の審尋が行われた。非公開の法廷なのに法大当局の職員2人が傍聴席に座っている。一丸となって弾劾すると、「2人は大学の関係者」であるが「所属と名前は、学生の追及が怖いから言えない」という。そんな人間を傍聴させるな! 追及も終わらないうちに、針塚裁判官は8人に「言い分を聞く」と呼び出しておきながら、学生の怒りの激しさに怖れおののき、意見をまったく聞かずにボソボソと閉廷を宣言した。
 学生の怒りは頂点に達し、法廷から逃亡する当局職員と法大の代理人弁護士・芝昭彦、そして裁判官を徹底追及した。芝は弁護士になる前は神奈川県警で不祥事をもみ消し免職になった極悪の弁護士だ。学生の怒りは法廷を解放区に変えた。
 裁判所は翌日、法大当局の言い分どおり「仮処分」を決定した。法大資本の手先となり「金もうけのために演説・ビラまきを禁止する」という改憲決定を強行したのだ。東京地裁はもはや「司法」を名乗る資格はない。針塚は恥を知れ!
(写真 「情宣禁止」攻撃はね返し法大正門前で演説とビラまきに決起【3月26日 千代田区】)

 高校生と討論消耗する当局

 そして3月26日、オープンキャンパス当日を迎えた。闘う学生は正門前と総長室のある九段校舎前の2カ所で断固として情宣を展開。法大職員・近藤清之や小川らは恥知らずにもビラをまく学生に向かって地裁の「決定書」を読み上げ、「お前は8人に入っていないが、これで8人は100万円を払うんだ」とうそぶく。ふざけるな! き然としたビラまきに追いつめられ、「オープンキャンパス」に訪れた高校生を正門から出させまいと必死だ。揚げ句の果てにビラを受け取った高校生一人ひとりに「決定書」を見せ、ビラを回収・強奪する始末だ。
 九段校舎前は「200b以内」には入らない。「禁止命令」を出された学生が次々とマイクをとり演説し、ビラをまく。道行く労働者が次々とビラを受け取る。不当処分撤回の署名に応じる労働者もいる。オープンキャンパスに訪れた高校生にも出会い、討論になった。弾圧に来た職員たちは、うなだれるばかりだ。不当なビデオ撮影を追及されると、入口のシャッターを閉鎖し奥に逃げ込んでしまった。「これぞ監獄大学! こんな大学のあり方は一ミリも認めない!」。織田全学連委員長のアジテーションが九段の街に響き渡り、多くの労働者が足を止めて聞き入った。
 4・24法大解放1千人集会に向けた激闘は、こうして幕を開けた。あらゆる弾圧を踏みしだいて、法大生と全国学生は新歓決戦から4・24法大集会へと進撃するぞ!

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週刊『前進』(2385号5面2)(2009/03/30 )

法大弾圧裁判 法大弾圧裁判 友部君への有罪弾劾

 暴行を“正当防衛”と居直る

 法大4・27暴行デッチあげ弾圧裁判の友部博文君に対する判決公判が、3月24日に東京地裁刑事第18部で行われた。判決内容は、懲役4カ月、執行猶予3年、未決算入100日という有罪判決だ。断じて許すことができない。
 友部君とともに闘ってきた学生たちが傍聴席を埋め尽くし、廊下にまであふれるなか、福崎伸一郎裁判長が「被告人を懲役……」と判決文を読み上げ始めた。直ちに傍聴席から「友部君は無実だ!」「福崎、お前が牢屋(ろうや)に行け」とシュプレヒコールがあがり、退廷処分を辞さない抗議が続いた。
 判決はまず、06年3・14弾圧について「何の権限も有しない学外団体が、大学の管理権と平穏を妨害した」から、「大学当局と警察が結託したことは法治国家として当然」などと言い放った。さらに、「全学連には学籍者がいたが、学外団体であり」、これを助成した友部君を処分したことも、「大学の裁量権の範囲内」などと開き直った。そして、退学処分になった友部君には「建造物侵入罪が成立していた」ので、4・27に教職員が学生の手足を持って暴力的な排除を行ったことや、友部君の腕を殴りつけるなどの暴行を行ったことは「管理権の侵害を防ぐための正当防衛」だと決めつけた。
 退学者には建造物侵入罪が成立するからどんな暴力も正当化されるが、反撃することは許さないと言うのだ。しかも、3・14以来のデッチあげ弾圧や不当処分をすべて肯定し、他の法大裁判までも有罪と決めつけるに等しい暴論だ。こんなふざけた判決を認められるわけがない。友部君も、読み上げをさえぎって、福崎に向かって強く抗議の声をあげた。
 学生は黙って支配されているだけの存在ではない。4月24日、法大解放総決起集会の爆発で反撃しよう。団結を打ち固め、法大当局と裁判所を打倒しよう。

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週刊『前進』(2385号5面3)(2009/03/30 )

 7・24弾圧 内田君らに求刑

 4・17最終弁論に結集を

 3月18日、10・17ならびに7・24法大弾圧裁判の論告(求刑)が行われた。求刑は、内田晶理君に懲役1年2カ月、市川知寛君に懲役8カ月、鈴木研也君に懲役8カ月だ。まさに改憲、共謀罪の先取りだ。
 07年10月17日に内田君は他の2人の学生とともに、11月労働者集会への参加を呼びかけ、08年7月3日には3被告は、文化連盟の倉岡雅美さんと斎藤郁真君の処分阻止行動への結集を訴えていたのだ。何が「建造物侵入」だ! 絶対に許せない。
  国家権力も法大当局も、7・24全国集会で「一人の仲間も見捨てない」という路線を確立した私たちの団結を崩すことはできなかった。闘う中で団結を強化していくわれわれと文連の前に、7・24弾圧は完全に粉砕されたのだ。
 破綻し、追い詰められた半田靖史裁判長は、論告の内容に抗議する内田君を閉廷後に退廷させる暴挙に出た。次回4月17日の最終弁論で、不当な論告を粉砕しよう!

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週刊『前進』(2385号5面4)(2009/03/30 )

 4・21裁判員制度阻止へ(上)

 推進派・日本共産党を弾劾する

 「良い裁判員になろう」と叫び延期要求を取り下げ

 高山俊吉弁護士インタビュー(本紙前号5面)は、裁判員制度粉砕闘争がいかに歴史的な階級決戦なのかを鮮明に、かつ分かりやすく、熱く語っている。これをしっかり学習し討論して、4〜5月決戦に猛然とうって出よう。「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかける4・21全国集会(要項別掲)の大結集を全力で実現しよう。
 既成野党と連合・全労連などの既成労組指導部がおしなべて裁判員制度賛成・推進の立場をとっているにもかかわらず、労働者人民の8割以上が反対や拒否の意志を表明している。これを単純化して言えば、「支配階級+資本主義擁護勢力」VS「労働者人民」という対立構造である。ここに、裁判員制度粉砕闘争の超重大性が示されている。
 そこにはプロレタリア自己解放闘争が爆発的に進展する展望がある。資本主義擁護派の反労働者性を徹底的に暴き、粉砕していく党派闘争に挑み労働者人民の怒りの総決起を獲得しよう。「裁判員制度絶対反対、5月実施阻止」で闘い抜こう。

 資本主義擁護では闘えない

 全労連、自由法曹団、日本国民救援会の日本共産党系3団体は2月、『裁判員になるかもしれないあなたへ』と題するリーフレットを発行した。A3紙を四つに折っただけのものだが、とんでもない内容である。いわく、「裁判員制度では、皆さんがどういう裁判員になるのかが問われます」「裁判員になって、職業裁判官のゆがみを正す」「ゆがみのない目で証拠を見ること、あなたに期待します」と。なんという言いぐさか。怒りなしにはけっして読めない。支配階級に代わって“良い裁判員になれ”と命令している超反動的なリーフだ。
 もしも裁判員が裁判官の「ゆがみ」を正せてしまえるなら、権力はこんな制度は絶対に導入しない。仮に一人の裁判員が「疑わしきは罰せず」を主張したとしても、多数決で圧殺できるようになっている。アメリカの陪審制とはまったく違う仕組みなのだ。3〜5日で判決を下してしまう超迅速裁判の中で、裁判員は権力の思うがままに操られるだけである。そもそも良い裁判員か悪い裁判員かで、裁判の結果が変わるような制度ではない。
 日共は、このような制度的問題点を知らないわけではない。事実、日共系弁護士団体や救援団体の内部では賛成・反対の対立が続いていた。にもかかわらず、そうした問題点を基本的に塗り隠し、“良い裁判員になろう”“良い裁判員制度を実現しよう”と宣伝することに踏み切ったのだ。
 だからこのリーフには「実施延期」という文言がない。昨年8月、日共の市田書記局長は「実施の延期を求めていく」と記者会見したが、今ではまったく言わなくなっている。リーフには「ぜひ、今から、改善を求め、実現していきましょう」とある。つまり“2〜4月で裁判員制度の改善を求め、5月21日の実施を実現しよう”ということだ。
 これは日共としての方針転換である。裁判員制度にはもう一切反対しない、04年に裁判員法の制定に賛成したように、積極的にこれを推進するという決断である。
 なぜか。本質的な理由は、昨年9月以降の世界金融大恐慌情勢である。「健全な資本主義の発展」(志位委員長)を唱える日共は、日本資本主義を破綻させないために裁判員制度を実施させようとしているのだ。ブルジョアジーとまったく同じ立場と思想なのだ。労働者の敵=日共を、裁判員制度もろとも粉砕しようではないか。

 5月実施阻止の旗を掲げて

 資本主義の崩壊や支配の破綻を見抜けず、この時代を労働者階級の勝利のチャンスとしてとらえることのできない政党・党派や諸潮流は、裁判員制度に反対しない、反対できない。この現実が目の前で明らかになっている。
 社民党は昨年8月に「実施延期を含め、再検討を求める」と言った。しかし今年2月には福島瑞穂党首は「裁判員制度を監視して育てていくべき」と推進発言をしている。財界と手をつないできた連合中央は、04年の段階で「司法の民主化ともいうべき裁判員制度」と絶賛し、実効ある司法改革をともに進めると表明してきた。民主党は党として沈黙することで裁判員制度推進の態度を表明している。
 裁判員制度の導入は、このような野党や体制内労組指導部の協力なしには絶対に成功しない。なぜなら裁判員制度は、労働者人民を裁判員として、裁判所に強制動員する制度だからだ。“よい裁判員になろう”という日共の主張がどれほど犯罪的か。徹底的に粉砕しよう。
 求められていることは、労働者階級の一個の指導部として、裁判員制度絶対反対の旗を振って、職場や地域で力強く登場することである。全労連や連合傘下の労働組合内部でもすでに分岐や決起が進行している。勝負はこれからである。
 権力はなぜ裁判員制度を導入しているのか、その狙いは何かを徹底的に訴え、職場や地域で一緒に闘う仲間を組織しよう。4・21までの3週間をまず全力で取り組もう。
 (花石佳美)

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週刊『前進』(2385号5面5)(2009/03/30 )

 2・26西郡闘争の教訓

 部落解放闘争の路線的飛躍

 一つの階級として団結し決起

 地区党の飛躍かけ全力決起

 われわれはこのかん、「恐慌を革命へ」「世界単一の労働者党建設」の実践として、プロレタリア独裁を実現する地区党への飛躍をかけ、総力で森精機の3波ストに決起した。時代認識で一致し、資本と闘って路線を現場でつくることを学び、第2、第3の動労千葉と階級的指導部形成へ向けた闘いを開始した。この地平から2月26日、森本政二さんに対する住宅明け渡しの強制執行阻止闘争に決起した。
 2・26闘争に向け「体制内派は単なる日和見主義や反動ではなく闘争圧殺の先兵。地区協こそ4者4団体派であり、これとの激突がムラの総決起をつくりだす」ことを明確にさせた。さらに、資本主義の危機の激しさゆえの道州制の先端攻撃として強制執行をとらえきった。この2点での武装と構え直しが、階級的団結論を深め、部落解放闘争の路線的飛躍をかちとる決定的テコとなった。
 わが地区委員会は「強制執行はわれわれの路線への挑戦である。地区党として受けて立ち、必ず勝利する」と腹をくくった。そして、2・26闘争を一個の蜂起として構え総決起し、断固として責任を取りきり勝利した。
(写真 機動隊の突入を許さず森本さんの店の正面を守る労働者学生【2月26日 八尾市】)

 八尾北ストで労組が主導性

 応能応益家賃制度は、住宅の民営化による住民追い出し攻撃だ。解放同盟本部派=地区協が「見返り」と引き換えに行政の手先になって推進してきた。すでに1000人以上の労働者が西郡から追い出されている。しかし、部落解放同盟全国連合会西郡支部は、応能応益絶対反対を貫き、家賃供託で団結を守り抜いてきた。店舗と住居を奪う強制執行に対して森本さんは「自分だけの問題じゃない」と、西郡支部と団結し決起した。
 これを受けて八尾北医療センター労組は、2月18日にスト権投票を行い「強制執行絶対反対、八尾北医療センター民営化絶対反対のストライキ」を決定し、26日にストに立つことを宣言した。
 「八尾北労組は森本さんの手を絶対に離さない。資本が打ち込んだ部落差別による分断を全国連西郡支部とともに実力でぶち破り、ひとつの労働者階級として決起する」「道州制の突破口に位置づけられた公立病院の閉鎖・民営化攻撃は、労働者の生首を切り、生存条件以下の奴隷労働にかりたてようとしている。私たちは奴隷じゃない!」「労働者の武器である労働組合を今こそよみがえらせ、資本の墓掘り人としての労働者の団結と誇りを取り戻す。それが2・26ストライキだ」(「スト宣言」)
 スト権投票に至る過程で労組は真剣な討議を積み重ねた。「資本主義はもう終わりだ」との時代認識に立ち、資本主義を前提にした「地域医療を守れ」という体制内思想と闘った。「森本さんへの強制執行は6千万労働者にかけられた道州制攻撃」「民営化=団結破壊との闘いそのもの」「労働組合の絶対反対の闘いが時代を切り開く」「部落民も労働者。ひとつの階級を部落差別によって分断してきた資本主義の分断支配を打ち破る」「医者も労働者だ」。
 そして、スト決定から当日までに労組員の意識はドラスティックに転換していった。スト賛成票を50%も上回る労組員が、強制執行実力阻止の闘いを決断し決起した。
 また「患者も労働者だ」と「八尾北命と健康を守る会」も労組と一体で立ち上がった。この力で八尾北労組は、25日に八尾市にスト通告書をたたきつけ、26日には終日ストを貫徹した。
 2・25〜26決戦は、労組がストライキで決起し、地域の労働者を組織して闘いきったことに核心的内容がある。
 住宅問題が6千万労働者の闘いになり、道州制粉砕の最初のストライキに、自治体、教育、国鉄、全逓労働者がともに決起した。森精機の派遣労働者もともにスクラムを組んで権力と激突した。労働組合の革命闘争における主導性が鮮明になり、労働組合が地域ソビエトを組織していく萌芽がここにはあった。

 勝利の確信を全員が共有

 さらに決定的だったのは、部落解放闘争の革命的路線的飛躍を実現したことだ。部落民が労働組合をとおして「労働者はひとつ」であることをつかみとり、分断を打ち破って労働者階級としての単一性を実際の闘いをとおして奪還した。「われわれは誇り高き労働者階級だ」(八尾北労組員=西郡支部員)、「労働者の団結に生きる」(森本さん)という確信は闘いの中でつかんだものだ。「労働者が団結すれば本当にすごい力がある」(八尾北労組員)ことを示した闘いだった。
 西郡支部は、森本さんとひとつになり「強制執行来るなら来い」と支部全体の決意をうち固めて立ち上がった。
 女性労働者が多数の八尾北労組が、固いスクラムを組み肉弾戦で権力に立ち向かい追い返した。2人の医師は前夜から森本さん宅に泊まり込み、座り込んで闘った。あちこちでガードマンを味方につけ、動員された八尾市職員を動揺させ、正面を敵権力に一歩も踏み込ませず守り抜いた。
 執行官らは卑劣にも裏口から鍵穴をこじ開け侵入した。しかし「われわれは勝った。失うものは何もない。家を奪われてもこの団結があれば勝てる」と森本さんは階級的確信をつかんだ。現場で闘いぬいたすべての仲間がこれを共有した。供託者も「今日の闘いは誇りだ」と確信を深めた。

 全国連本部と地区協の破綻

 ムラのど真ん中で権力と激突し勝利した2・26闘争は、地区協支配を破綻させた。地区協の吉村議員は3月6日の八尾市議会で、「見返りをもらって応能応益に賛成した」「外の者が口出しするな」と言い放ち墓穴を掘った。差別を使い行政からモノを取るため、解放運動を階級闘争から切断し、資本が部落差別で労働者を分断する攻撃に手を貸し固定化してきた正体があらわになった。
 決定的なのは与田残党が巣くう全国連本部だ。このかん強制執行について一切語らず、1カ月もたった3月20日になって「見解」を出してきた。2・26闘争でついに引きずり出された全国連本部は、資本・権力に屈服し先兵と化した体制内勢力としての本性をむき出しにしてきた! 徹底的に批判・断罪する!
 第一に、森本さんへの強制執行は「迷惑行為をめぐる条例違反です」と完全に八尾市行政の立場に立ち、強制執行賛成を表明している。住民追い出しの道州制・民営化攻撃に屈服し、その先兵になり果てているのだ。
 第二に、森本さんは「もともと他に住み……、店も大阪市内に別に持って営業しておられます」と許し難いデマで踏みにじっている。絶対に許せない。
 第三に、「見解」には解任された元青年部長Yの「手紙」なるものが添付されている。その中でYは「今ひとりも(デッチあげ)青年部が欠けるわけにいかないから(2・26の現場に行かなかった)」「逮捕者もなく拍子抜けした」などと言っている。権力の弾圧にすくみ上がりながら、闘う者への弾圧を期待していたのだ。ふざけるな!
 第四に、最大の核心は、八尾北労組のストライキに憎悪を持ち、日本共産党の矢田教育差別事件と同じだとしていることだ。部落民を革命から引きはがすため、労働者(階級)への不信と絶望を組織し、団結破壊をやるという宣言だ。
 2・26ストは労働者をひとつに団結させ、労組の団結が解放運動の革命的飛躍を実現した。八尾北労組と西郡支部を破壊する策動を許さない。
 大恐慌は革命の時代だ。地区協と全国連本部を打倒し、1047名解雇撤回・国鉄決戦勝利、民営化・道州制粉砕、11月集会1万人決起の先頭で闘おう。
 〔革共同東大阪地区委員会〕

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週刊『前進』(2385号6面1)(2009/03/30 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 いすゞ藤沢工場門前で解雇撤回を要求 合同労組かながわ 山口恵一

 私は、孫請け会社による契約更新拒否により2月末日、首を切られました。その元凶であるいすゞ自動車は、”業務提携の関係にない会社での解雇”を理由に2度にわたる団交申し入れを断ってきた。現在もなお首切りが続けられている中で、これ以上黙っているわけにはいかないと、3月12日、私は合同労組かながわの仲間とともに門前の座り込み闘争に実力決起しました。
 いすゞ自動車は敷地内からの排除を試みましたが、命懸けの抗議の座り込みの前になすすべがなく、神奈川県警に弾圧を要請するかたわら、”事前のアポが無かったので会うこともできないし、申入書を受け取るわけにもいかない”として、私たちを無視し続けました。ともに働き、ともに首を切られた仲間も座り込みを聞きつけて参加してくれる中、抗議集会は続行されました。「いすゞの労働者はともに闘おう」という訴えが工場構内に響き渡りました。
 私たちの抗議行動に耐えられなくなったのか、ついに退職強要を行った孫請け会社の人事部長といすゞ藤沢工場の総務課長らが引きずり出されてきました。
 会社は必要な時には全国から労働者を雇い、低賃金で残業や休日出勤を強制しながら、経営危機に陥れば真っ先に非正規労働者の首を切るなど、人を何だと思っているのかと徹底的に追及し、すべての責任はいすゞ本体にあることを明らかにさせ、すべての『解雇撤回』と今後、雇用形態にかかわらず一切の首切りを行わないよう要求書を受理させました。
 労働者の誇りにかけての実力行動であり、解雇撤回まで闘い続けます。

 国際婦人デーで久しぶりにマイク握った 仙台 春野和香

 3月8日、仙台市中心街に「社会を変えよう! 道州制・民営化に反対しよう!」の訴えが響きわたりました。宮城労組交流センター女性部と婦人民主クラブ全国協議会宮城支部で主催した今年の3・8国際婦人デーには、八戸や福島の女性たちが合流し、力強い連帯がかちとられました。
 25人余りが街頭を席巻、次々と発せられる発言で、さながらミニ集会のよう。「人がカネに支配される社会を壊しましょう。資本家どもを倒すために革命をやりましょう!」と火の出るような訴え。傍らには娘。久しぶりのマイクに緊張していた声がりんと響く。
 誘われて見学に来た賃金未払い状態数カ月の民間保育士さんは、街宣を聞いて「こんなこと言っていいの? 何かひどい目にあわされないの?」とびっくり。「こういう運動をしている人たちを知ってよかった。泣き寝入りしないでがんばりたい」と感激していた。
 交流の場では、「職場の不安定雇用の若者は結婚もできないくらいの低賃金。若い世代を応援しなければ」「自分の組合の問題だけでなく、どんどんみんなでやってくことが大事」「夫はビラまいただけで解雇。生活は大変。でもガリガリ喧嘩(けんか)しながらだけど、楽しい生き方になってる」「デモもストも行わない今の組合を、生きてる実感もてる闘う組合に生まれ変わらせたい」
 家事、育児、介護、さまざまな日常を抱える闘う女性たちが連帯の絆(きずな)を強めて時代を切り開いていく貴重な一歩となりました。

 最近数人で『資本論』の学習を始めました 秋田 生坂勇樹

 最近数人で『資本論』の学習会を始めました。国民文庫版の第2分冊の中の「労働日」から読み始めたら、本当に認識を新たにする内容で、『共産党宣言』や『賃労働と資本』だけではつかめないような領域で、資本主義に対する価値観を根本からひっくり返されて皆で驚いています。『資本論』こそ資本への怒りを取り戻す、労働者自己解放の武器だと心から思いました。だまされたと思って、ぜひ、みんな読んでみてほしいと思います。まずわれわれの中で『資本論』ブームを起こそう!
 以下は、「労働日」を終えた2人の青年労働者の感想です。

 資本主義の本性がよくわかった

 私もついに、『資本論』の学習に突入しました。はじめに「労働時間」について学習してみました。
 「絶対的剰余価値」を追求するむき出しの資本主義と労働者階級=人間との闘いが露骨に鮮明に描き出されていました。資本主義の本性がよ〜くわかる内容でした。読めば読むほど”現在の自分たちの状況とそっくりだなあ”と思える内容で、とてもすんなりと頭に入ってきました。
 以前は資本主義者として何一つ疑問に感じず肯定していた労働時間を、マルクス主義者としてとらえ直すことができるようになりました。
 次は「相対的剰余価値」について学習します。これは、むき出さない資本主義(?)と労働者階級との闘いみたいなので少し難解かもしれませんが、自身の中の「内なる資本主義者性」との力関係の闘いを押し切るために、どんどん読みまくります。(マル青労同1年生)

 8時間労働制を闘いとった歴史

 労働者階級が8時間労働制を闘いとった歴史がよくわかりました。労働時間をめぐる闘いは、階級闘争だということがよくわかった。
 自分は、最近までよかれと思って、サービス労働をしたりしてましたが、それは、今までの労働者階級の闘いをほごにする行為だと気付きました。長時間労働で過労死するような今の状態は、労働者階級の職場の闘いで粉砕しなければならないと思いました。(民間C)

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週刊『前進』(2385号6面2)(2009/03/30 )

 道州制攻撃粉砕の闘いとして 入管法改悪を阻止しよう

 09外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会

 4・19京大-5・10横浜市教育会館へ

 今国会で新たな入管法改悪が策動されている。これと真っ向対決し、国鉄決戦勝利・道州制粉砕を軸に反撃しようと、4・19京都大学−5・10横浜市教育会館で「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会」が開かれます。全国実行委員会の呼びかけを紹介します。(編集局)
 金融大恐慌が世界中に波及しています。私たちの目の前で資本主義が音をたてて崩壊を開始しています。かつて経験したことのないこの情勢を前に、私たちは、「在日・滞日外国人と団結し、『生きさせろ!』ゼネストを闘いぬこう!」と声を大にして呼びかけます。「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者と団結しよう!」のスローガンを掲げて09年外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会を以下のように開催します。
◎第18回関西集会/4月19日(日)京都大学・法経4番教室(本部構内)
◎第20回全国集会/5月10日(日)/横浜市教育会館
 ■
 昨年、私たちは関西・全国の集会で、「支配階級によって築かれた分断の壁を打ち砕き、民族・国籍・国境を越えた労働者階級の団結を固めていくのが、新たな、そして本来の入管闘争です」と宣言しました。1年がたった今、「民族・国籍・国境を越えた労働者階級の団結を固めていく入管闘争」の役割はさらに重要になっています。
 呼びかけ人の一人、国鉄千葉動力車労働組合の田中康宏委員長は、「『万国の労働者、団結せよ』、ここにマルクス主義の核心がある。それを一番困難なところから始めたい。労働者にとって一番困難なのは自らの職場だ。ここで頑張れる人間は戦争反対の闘いを始め、民族差別との闘い、あらゆる闘いに絶対立てる。そういう団結する力をもった労働者になろう」と力を込めて呼びかけました。韓国から駆けつけた民主労総ソウル本部長イジェヨン氏も、国際連帯闘争の強化を訴えました。新自由主義攻撃の先駆けであった国鉄分割・民営化攻撃と首をかけてストライキで立ち向かい、闘うことで団結を強めて今、世界に11月労働者集会を呼びかけている動労千葉と結合し、階級的労働運動の実践として入管闘争を進めていきたいと考えています。「生きさせろ!」ゼネストへ、国鉄決戦勝利、民営化・道州制攻撃粉砕を全力で闘うことが入管闘争の課題そのものです。
 ■
 いま日本経団連が先頭になって道州制導入を叫んでいます。道州制攻撃の核心は、公務員360万人をいったん全員解雇・選別再雇用しようというものであり、自治労・日教組の解体にあります。「国鉄分割・民営化攻撃の全社会化」を推し進め、自治体まるごと大企業がほしいままにするというものです。この攻撃の先兵として大阪府知事・橋下徹が立ち現れています。すでに関西では、昨年からの森精機派遣労働者の波状的ストライキ、住宅追い出しの強制執行攻撃を部落解放同盟全国連西郡支部と八尾北医療センター労組を軸にした階級的団結で大勝利をかちとった2・25−26西郡闘争から「道州制反対!橋下打倒!3・6大阪府庁前行動」へと猛然たる決起が続いています。この怒り、この勢いを全国へ拡大しましょう。3・17〜19動労千葉全面ストライキ−3・20イラク反戦6周年全世界一斉行動渋谷デモから、さらに今春、4〜5月の闘いへと進撃しましょう!
 ■
 こうした道州制粉砕の闘いと結合して、新たな入管体制強化攻撃を粉砕しなければなりません。3月冒頭、在日・滞日外国人を住民基本台帳に搭載するために住基法改定案、「在留カード」導入のための入管法改悪案が閣議決定されました。ここから排除される非正規滞在者、難民申請者を徹底した治安管理の対象にすえようというものです。1980年から開始された指紋押捺拒否闘争をはじめ、入管体制は在日・滞日外国人をはじめとした労働者人民の闘いによって破綻させられてきました。「不法残留・不法就労」キャンペーンと摘発攻撃による年間4〜5万人もの強制送還にも屈せず、今も、首を切られ、職を奪われた日系ブラジル人らが、各地で行動に立ち上がっています。
 ■
 大恐慌は世界中の労働者人民を一挙に一つに結びつけています。世界中で同じスローガンが叫ばれ、デモやゼネストが闘いとられています。世界は革命情勢です。なんらかの改良でこの流れを押しとどめることはできません。「派遣切り」・賃下げ・リストラ・大量解雇に対して、ガザ侵略戦争に対して、民族・国籍・国境を越えた労働者の闘いが全世界で始まっています。第2次国鉄決戦勝利、民営化・道州制攻撃粉砕を軸に09春闘ストを大爆発させましょう。「生きさせろ!」ゼネストから11月労働者集会へ、一気に革命情勢を煮詰める時です。4〜5月入管集会を世界革命への総決起集会としてかちとりましょう。
 09東西研究交流集会の運営経費は、すべて賛同金と参加チケット代金でまかなわれています。東西集会の成功のために団体・個人のご賛同、ご参集を心よりお願い申し上げます。
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 日程 09外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会

☆第18回関西集会
4月19日(日)午後1時
京都大学・法経4番(本部構内)
☆第20回全国集会
5月10日(日)午後1時
横浜市教育会館ホール
集会後、桜木町デモ
◎基調報告/全国実行委員会
◎牛久入管収容所問題を考える会
◎韓国・民主労総ソウル本部
◎国鉄千葉動力車労働組合
◎部落解放同盟全国連西郡支部
 八尾北医療センター労組
◎闘いの報告/決意表明

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週刊『前進』(2385号6面3)(2009/03/30 )

 迎賓館・横田差し戻し審 検察証拠採用の暴挙

 5月弁護側立証が始まる

 3月24日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し審第15回公判が東京地裁刑事第20部で開かれ、林正彦裁判長は、事件とも3同志とも関連性のない検察側証拠19点すべてを採用する暴挙に出た。
 公判冒頭、須賀武敏・十亀弘史・板垣宏3同志は怒りを込めて、3人は無実であり、国家権力のデッチあげで22年間も被告人として裁判を強制されていることを激しく弾劾した。特に、@差し戻し審の検察側立証が何の立証にもならないまま終了し、完全に破産したこと、A証拠捏造(ねつぞう)の事実まで暴露されていること、Bそうした立証の破綻・失敗を、突如大量の証拠・証人を撤回し、迅速裁判に逃げ込むことで取り繕おうとしたことを暴露し、「直ちに無罪判決を行え!」と意見表明を行った。
 この後、検察側の証拠採否に移った。差し戻し審で行ったのは、差し戻し前の一審で関連性がないとして却下されていた「金沢借家」「橿原借家」「関之沢林道」関係の「証拠」である。それを控訴審では「審理不尽」と強弁して無罪判決を破棄し、差し戻し審が強行されていたのだ。
 だが3同志の冒頭意見にもかかわらず林裁判長は、これらの「証拠」19点をすべて採用する暴挙に出た。弁護人と3同志が直ちに異議をたたきつけた。藤沢抱一弁護士は「先ほど採用になった証拠は本件との関連性がない。時間的にも内容的にも関連するものが何もない」と全面的に批判した。十亀同志は「23年間も無駄な裁判を強制されている。そもそも一審の無罪判決だって遅すぎたのだ。しかし私は、国家権力によるデッチあげは絶対に許さない。レーニンが言う裁判の原則的闘い方に従い、私は徹底して無罪を争う」と全身で怒りを表明した。須賀同志は「金沢借家は私が病気療養のために借りたもので、本件との関連性はまったくない。金沢借家が信管製造工場だったなどという検察官の主張は虚構だ。はらわたが煮えくり返る」と声を荒らげて弾劾した。板垣同志は「関連性がないばかりか、検察官立証が終了し、その破産が明らかになっているのに、なぜ無駄で意味のない証拠を採用するのか」と鋭くつきつけた。傍聴人からも弾劾がたたきつけられた。
 しかし、林裁判長は異議を却下し、あくまでデッチあげ「証拠」を採用したのだ。
 この後、被告・弁護側は立証計画の概要を明らかにし、「検察は隠し持つ証拠を全面的に開示せよ」と要求した。
 いよいよ次回公判、5月11日から被告・弁護側立証が始まる。無罪判決を覆そうとする検察・裁判所一体の攻撃を被告・弁護側立証で粉砕し、差し戻し審に勝利しよう。福嶋同志の上告審に勝利しよう。
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 ■迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判

 1986年4月米軍横田基地、5月東京サミット歓迎式典開催中の迎賓館に革命軍のロケット弾攻撃。翌87年、別件勾留中の3同志を逮捕・起訴、福嶋昌男同志を指名手配(93年逮捕・起訴)。04年3同志に無罪判決。控訴された東京高裁で06年一審無罪判決破棄・差し戻しの反動判決。福嶋同志は06年東京地裁で懲役12年、高裁控訴棄却、上告中。

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週刊『前進』(2385号6面4)(2009/03/30 )

 23年間の指名手配から奪還

 2同志と団結集会

 木下治人同志と古川康三同志が23年間の長期指名手配攻撃を打ち破り、時効をかちとって堂々と帰ってきました。3月7日、勝利を祝う団結集会を千葉で開催しました。2同志の出身組織である東京北部地区と弘前大学の仲間を始め、元浅草橋戦闘裁判被告団、元10・20三里塚闘争被告団など全国から80人が集まる大盛況でした。
 革共同の天田三紀夫書記長は、「いま大恐慌突入情勢の中で国鉄分割・民営化攻撃を根幹において打ち破った同志たちと相まみえ、ともに階級的労働運動路線を爆発的に発展させることができるのは大きな喜びだ」と歓迎の言葉を贈りました。
 古川同志は、「1985年を振り返ると楽しかった思い出ばかり。23年間も楽しかった。いま資本主義がぼろぼろの危機にある中、明るく自己解放的に闘っている全学連を見て、未来はわれわれのものだと確信します」と語り、教育労働者だった木下同志も「元気でみなさんと合流できた。今の学校現場は労働強化がすさまじく、分断されている。動労千葉の団結した闘いに学びたい。全学連が目を輝かして”革命”と言っている内容を発展させ、頑張っていこう」と語り、大きな拍手に包まれました。
 「三里塚第一公園で遊んでいた子どもたちが、今は職場生産点で頑張っている。きょうは新たな闘志に火が付いた」「木下同志が戻ってきた時に『こいつらとなら一緒にやっていける』と思ってもらえる組織にしようと闘ってきた」と東京北部地区の労働者。
 「85年蜂起戦には活動を始めて間もない学生がたくさん立ち上がった。その中心に古川君がいた。彼は自分のクラスから何人も組織した」「階級的労働運動路線のもとに2同志を迎えた。革共同と動労千葉、党と労働組合の両方の勝利で浅草橋戦闘を総括できる」と、弘前大学出身者。
 動労千葉の田中康宏委員長は、「分割・民営化攻撃に落とし前をつけなければならない。時代はめぐって一つにつながった。こんな世の中全部ひっくり返そう」と檄(げき)を飛ばし、中野洋常任顧問もみんなを激励しました。動労水戸の石井真一委員長からもメッセージが届きました。
 「革共同の議員、浅草橋戦闘を戦った議員として闘いぬく」と語ったのは、乾杯の音頭をとった北島邦彦杉並区議。「この集まりは私の原点。ここにいる人たちは日本の良心。2人を守ったのは人民の海。2人も、支えた人たちもすごい」「弁護団として有罪判決でも晴れ晴れとした気持ちにさせてくれた貴重な裁判闘争だった」などの発言が続き、2同志の指名手配後に生まれた学生が「動労千葉と革共同がつくってきた地平を継承する」と決意を語りました。ビデオやライブ、さらに指名手配攻撃や爆取弾圧などと闘ってきた幾多の戦士たちの発言ありの、多彩な集会でした。
 「85年からの道のりは平坦ではなかったが、われわれは一本道を来た。この道を進もう!」――一同志のこの言葉が行く手を照らし出しました。
 (元11・29浅草橋戦闘被告団長/鎌田雅志)

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