ZENSHIN 2009/01/26(No2376 p06)
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週刊『前進』(2376号1面1)(2009/01/26 )
オバマ反革命政権打倒を
「労使一丸」ふざけるな 2・16国鉄・春闘集会へ
全国の職場と大学、街頭で、大恐慌と戦争に立ち向かう革命的で大胆な挑戦が次つぎと闘われている。ストや「ガザを生きさせろ!」の反戦デモに、世界の労働者・学生が立ち上がっている。世界金融大恐慌から生み出されている世界史的事態と革命情勢を、真っ正面から見すえよう。革命は「生きさせろ!」ゼネストの闘いに宿っている。動労千葉のスト決起と2・16国鉄・春闘大集会こそ09年決戦の号砲だ!
株価の急落が就任式を痛撃
1月20日の米新大統領オバマの就任式は、ニューヨーク市場の株価急落に痛撃された。180万人が集まった式典の「興奮」なるものも、大統領選過程とは違い、明らかに冷めていた。それは大恐慌の爆発と、アフガニスタン・イラク侵略戦争の泥沼的敗勢やパレスチナ情勢という、未曽有の体制崩壊的現実に直ちにぶち当たって破綻を深めるしかないオバマ政権の絶望的危機を、リアルに突き出した。
就任演説でオバマは、「われわれは重大な危機にある。……争いの代わりに団結を……共産主義に勇敢に立ち向かう……どんな嵐が来ようとも耐えよう」と宣言した。
オバマは大恐慌とアフガニスタン・イラク侵略戦争の泥沼的危機という、かつてない体制崩壊的危機の中で登場した反革命政権だ。オバマが直ちにかけてくる攻撃は、空前のリストラ・大量解雇(=労働者階級への階級戦争)であり、アフガニスタンを先頭に「テロとの戦い」という侵略戦争攻撃の激化だ。
ニューディールを気取った大量の財政投入は、天文学的な財政赤字を一層拡大し、ドル暴落とインフレで大恐慌をさらに深刻化させる。就任演説で「チェンジ(変革)」のキーワードも封印したオバマは、危機の米金融独占ブルジョアジーの階級的利害をいよいよむき出しにしてくる。
だが1月10日、アメリカ全土で闘われたガザ虐殺弾劾の大デモは、米労働者階級によるオバマ打倒の戦闘宣言だった。体制内指導部を突き破って決起するアメリカの闘う労働者と固く連帯し、大失業と世界戦争のオバマ反革命政権を打倒するために、全世界の労働者階級人民は今こそ団結し総決起する時だ。
大恐慌下でさらに危機激化
米帝の大恐慌下の経済危機はすさまじい。1月16日、前大統領ブッシュは経済報告で09年の失業率を7・7%、GDP成長率も09年前半までマイナスが続くとした。だがこれも楽観的見通しにすぎない。米失業者統計は1110万人を超え、オバマ自身がすでに就任前から「2ケタの失業率」を口にしているのだ。
さらに、09年度の米財政赤字は1兆1860億jと発表したが、これには大型景気刺激策8250億jは含まれていない。米長期債務はすでに11兆jにも及ぶ。さらには自動車ビッグ3と、シティグループ、バンク・オブ・アメリカの破綻も迫っている。
そして米帝以上の危機にあえいでいるのが日帝だ。最大の基幹産業であり、内需も輸出もリードしてきた自動車で、トヨタが2〜4月の生産を9000台〜1万台に半減する壊滅的事態である。
さらに、ブルジョアジーが「鉄は国家なり」と言ってきた鉄鋼では、約30基の高炉のうち10基が過剰となり、JFEスチールの倉敷、新日鉄の君津などの高炉が休止するに至った。
日帝はこの危機突破をもくろみ、田母神的クーデターの衝動が台頭し、麻生はソマリア沖海自派兵を策動している。これを断固粉砕しよう。
国鉄1047名解雇撤回へ
連日、「雇用不安」や「派遣切り」が報道されている。NHKを始めとしたマスコミは、労働者を「哀れな救済されるべき存在」として描くとともに、「労働組合に相談を」と報道し、連合や全労連の相談窓口や「派遣村」を紹介している。
だがこれらはすべて、「労使一丸」(経労委報告)すなわち「体制内指導部を使った労働者支配」で危機を乗り切ろうとする日帝ブルジョアジーの選択肢の一つなのだ。体制内指導部はその先兵となって、雇用労働者から失業労働者を分断し、解雇した資本の責任を免罪し、行政への請願と救済運動に切り縮めている。同時に体制内指導部は、動労千葉派・11月集会派が「派遣村」の労働者と合流することを、必死に妨害してきた。
なぜか? ブルジョアジーと体制内指導部が、労働者の団結とスト決起を死ぬほど恐れているからだ。こうした時に、労働者を大量解雇する資本の総本山=日本経団連への連続デモは、決定的な闘いになってきている。そして動労千葉を先頭とする国鉄1047名解雇撤回闘争こそは、大失業と闘う中軸である。分割・民営化以来二十余年の全蓄積を解き放つ決定的闘いに立とう。
この闘いを破壊する4者4団体が、「解決金」の吹聴(ふいちょう)に奔走していることに、今や闘争団と国鉄労働者の怒りが高まっている。すでに動労千葉に次つぎと平成採の青年労働者が結集して、2月1日からのライフサイクル・第2次強制配転阻止のスト態勢に突入して闘っている。国鉄労働者と闘争団の未来もここにあるのだ。
09春闘は、「09年3月問題」での派遣労働者への大量解雇の策動と、鉄建公団訴訟判決情勢、3・20のイラク反戦世界一斉大デモという空前の情勢の中で闘われる。
ここで体制内指導部と資本は、「解雇」の脅しで団結破壊をしてきた点でまったく同じだ。彼らは2千万人の非正規労働者と基幹産業の正規労働者の分断と対立をあおることで、かろうじて支配を維持してきた。こうした中で2・16国鉄・春闘集会が、11月集会派と体制内労働運動との直接対決になった。この構図となったこと自身が大勝利である。これは09年階級闘争が凝縮された大決戦だ。(5面に関連論文)
2・16大結集への決定的な武器として、今こそ、5・27臨大闘争弾圧裁判支援運動をJR職場を軸に拡大しよう。国労NIPPO物販は「5・27物販」だ。全力で広め支えぬこう。
橋下打倒―道州制粉砕を!
日帝ブルジョアジーは道州制攻撃にしゃにむに突き進んでいる。彼らは昨年12月の沖縄に続き、1月31日には宇都宮での「国民との対話」を打ち出した。道州制ビジョン懇談会座長の江口克彦(PHP研究所社長)などは、「県境があるから救急車が隣県に行けない。道州制なら解決する」とうそぶく。だが千葉の銚子市立病院や大阪の松原市立病院の閉鎖は、新自由主義の医療破壊の中で起こっている破綻であり、道州制の先取りなのだ。さらにまた、沖縄道州制特区は「第4次琉球処分」の攻撃だ。
道州制では、410万人の公務員のうち、警察・自衛隊・消防を除く360万人をいったん全員解雇する。橋下が「警察OBや民間から広く採用」と言っているように、体制内指導部がごまかす「継続して雇用」はウソだ。杉並区はすでに約7千人の区職員のうち3千人が臨時職員だ。「時給740円。6時間。手取り月8万円」という自治体さえある。
これを全体化していくのが道州制だ。だがこれは、労働者階級の反撃を想定しない、「絵に描いたモチ」でしかない。自治労、教労はもちろん、第二の郵政民営化=要員の非正規化や、医療・福祉も道州制攻撃との正面戦だ。橋下打倒―道州制粉砕へ、6大産別決戦で勝利しよう。
「生きさせろ!」の闘う路線
11・2から年末年始にいたる闘いは、森精機(関西合同労組技能育成センター分会)の、派遣先の職場を武器にしたスト決起に全国の労働者が励まされて、圧倒的に戦闘的にうちぬかれた。
ここにおいて、合同一般労組が青年を軸とした怒れる労働者の決起の決定的水路となっている。また、賃金・労働強化・雇用(解雇・退職強要・倒産・内定取り消し)をめぐる闘いとともに、「解雇=ホームレス化」という、資本主義の最末期の新たな情勢の中で、「住宅問題」が急浮上している。西郡闘争を先頭に、住宅闘争を反失業闘争と一体で闘おう。
2千万人の非正規雇用労働者の「生きさせろ!」の叫びと闘いの最前線に立つとともに、その勝敗の帰すうが4大産別決戦の前進にあることを徹底的に明確にして闘おう。ここではまた、労組交流センターの存在と闘いが決定的である。さらに街頭を「もう一つの職場」として闘おう。
1〜4月は壮大な決戦だ。1・29第2波経団連デモに決起し、2・16集会に1000人の大結集を実現しよう。そしてオバマ打倒をも掲げた3・20全世界一斉大デモと、3月春闘スト、「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発へ進撃しよう。
職場とキャンパスと街頭に、あらゆる闘いの場に『前進』と新版『甦(よみがえ)る労働組合』を持ち込み、拡大しよう。マル青労同・マル学同1000人建設に勝利しよう。闘う労働組合とマルクス主義を甦らせ、「生きさせろ!」ゼネスト貫徹の路線で闘おう。それが革命勝利の道だ。
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週刊『前進』(2376号1面2)(2009/01/26 )
ガザ侵略弾劾に立つ
大学からゼネストへ進撃
(写真 広島大の学生・生協職員が講義棟内デモ。食堂前広場で総括集会【1月15日】)
全学連の闘う学生は、1月冒頭から法大闘争に決起すると同時に、全国の大学で一斉に闘いを開始した。1月15日には広島大、東北大、京大で、「イスラエルのガザ侵略弾劾!」を掲げて学内集会・デモが闘われた。
広島大学では、広大生と留学生に生協職員も加わった総勢50人が、キャンパス中央の通称「スペイン広場」で昼休みに集会を行った。「ガザで殺されている労働者も、内定を取り消された学生も、派遣切りされた労働者もみんな同じ存在だ。アメリカが中東を軍事力で支配するのも、企業がリストラするのも、すべて世界金融大恐慌から来ている。資本主義はもう終わりだ。これに対して世界では資本主義社会をのりこえる労働者階級の団結がガンガン形成されている。俺たちは団結できるんだ! 団結したら絶対この社会は変わる。今日は世界の闘いと連帯するデモだ!」
圧倒的な注目の中、講義棟内へのデモに突入。「今すぐ戦争やめろ! 石油のために血を流すな! ガザでヒロシマを繰り返させるな! 全世界の労働者と学生は団結しよう!」のシュプレヒコールが講義棟内に響き渡った。
東北大学では、学生自治会主催の学内集会・デモが自治会旗を高々と掲げてかちとられた。「本日デモやるぞ! 怒りを声に、怒りを行動に!」。昼休みで多くの学生がキャンパスを行き交う中、芝生広場での集会では自治会執行部を中心に次々とマイクが回され、侵略戦争への弾劾と同時に、「大学・教育を学生の手に取り戻せ!」という熱烈なアジテーションが行われた。
集会後、「資本主義は終わった! 首切り・賃下げふざけんな! 生きさせろ!ストライキへ!」の横断幕を掲げ学内デモ。ふだんは居丈高な大学当局は集会・デモの間、学生の前に姿を現すこともできなかった。
京都大学では、吉田南キャンパスの広場で「ガザ侵攻弾劾! 京大集会」がうちぬかれ、デモ初参加の学生が多く集まった。司会の学生が「派遣切りとガザ侵略は一つだ。労働者がモノとして扱われている」「われわれ一人ひとりに戦争を止める力がある。嘆き悲しむのではなく労働者の隊列の一員として立ち上がろう」と訴えた。
立命館の学生は、大学職員の妨害を打ち破って学内宣伝をやりぬいたことを報告。「われわれが解体しようとしている帝国主義を守ろうとしているのが立命大当局と共産党だ。絶対に許せない」と怒りを語った。参加者から口々に「闘うことは楽しい」の声が上がり、デモは京大キャンパスを席巻した。
さらに1月18日には、全学連の呼びかけで京都市内デモが闘われた。急きょ集まった労働者とともに三条河川敷で緊急集会を開催し、雨の降りしきる中で繁華街をデモした。集会には飛び入りの学生も参加。街頭の労働者は圧倒的にデモ隊に注目し、行動方針を求めていることを示した。
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週刊『前進』(2376号1面3)(2009/01/26 )
受験生、直ちに決起
センター試験で宣伝
大学入試センター試験が行われた1月17日と18日、闘う学生は、試験会場となった各地の大学キャンパスに登場し、ビラまきやマイク宣伝をやりぬき、受験生との圧倒的な合流をかちとった。
法大市ケ谷キャンパスには、法大文化連盟と全学連がそろって登場。正門前に並べてあった入校禁止者リストの看板はこの日は一枚もなし。受験生に見られるのを恐れた当局がこそくにも前日にすべて撤去していた。ゼネストと1・24法大闘争勝利集会を呼びかけるビラが、瞬く間に受験生の手に吸い込まれた。
「大恐慌には革命しかない」という全学連のゼッケンを見て「1789年フランス革命」とつぶやく受験生に、法大生がすかさず「1917年ロシア革命! 一緒に革命しよう!」と返す一幕もあった。
東北大では、学生自治会がのぼりと横断幕をキャンパス中央に掲げて登場。いたるところで革命やストライキをめぐって討論が巻き起こった。ある受験生は新自由主義大学の現実に「こんなの大学じゃない」と怒りを爆発させ、翌日の仙台市内デモにその場で参加を決めた。そして友達と一緒にデモに参加し、最先頭で革命を訴えた。
恐怖した大学当局は学生に襲いかかってマイクや拡声器を奪い、羽交い絞めにしてキャンパスからたたき出そうとしてきたが、学生は拡声器を奪い返して逆に試験場の入口まで迫り、最後まで闘いを貫徹した。
富山大では、ビラを受け取った学生が「ゼネスト」の文字にくぎ付けとなり、ストライキ団結署名に次々と署名した。西頭学長独裁体制打倒の訴えに、学生の親も「頑張って下さい」と声をかけてきた。富大生と受験生との結合に大学当局は消耗し、ほとんど弾圧もできなかった。
全学連はこのほか、早稲田大を始め都内の各大学にも登場し、大量のビラをまき切った。
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週刊『前進』(2376号1面4)(2009/01/26 )
ヘイマンさんら 労働者の団結訴え
米民主党の戦争支持弾劾
ガザ侵略を弾劾する全世界的な抗議行動で、アメリカの闘う労働者階級は、イスラエルとともに米帝を侵略戦争の元凶として真っ向から弾劾した。その先頭に立ったのが、1月10日のサンフランシスコの1万人の集会とデモ(前号既報)だ。
この集会で発言に立ったILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10執行委員のジャック・ヘイマンさんは、パレスチナ問題に対してアメリカ労働者階級がとるべき態度を次のように言い切った。
「パレスチナ人が難民キャンプにとどまることを強制されている限り、中東に平和はありえない。彼らに故郷への帰還権を認めよ。パレスチナ人民に自決権を! 根源はイスラエル国家の創設にあり、これ自体がシオニストによるテロだ」
「われわれは、シオニストのテロリズムに反対しなければならない。イスラエルの労働者と結合してシオニスト国家と闘うことがパレスチナ人労働者の利益だ。(イスラエル国家とパレスチナ国家という)『2国家案』ではなく、イスラエルとパレスチナの労働者に一つの国家が必要だ。バンツスタン(注)政策こそすべての反アパルトヘイト運動が闘ってきたものであり、われわれがパレスチナ人とともに闘わねばならない対象だ」
ヘイマンさんとともに闘ってきたスティーブ・ゼルツァーさんは、民主党の政治家たちがイスラエルを支持して米政府とともに侵略戦争を推進していると断罪し、彼らを戦争犯罪で告発せよと訴えた。そして「民主党から脱退しよう。決別しよう」「労働組合がイスラエルに対するボイコットを組織することが必要だ」と呼びかけた。
オークランド教組(OEA)執行委員のボブ・マンデルさんは、OEAが労組として「イスラエルの殺人攻撃を無条件で弾劾する」との決議を挙げたと報告。さらに「反戦の母」シンディ・シーハンさんらが米帝とイスラエルへの怒りをたたきつけた。
(注)南アフリカのアパルトヘイト下で作られた黒人居住地。
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週刊『前進』(2376号1面5)(2009/01/26 )
スト構え青年組合員の配転を阻止!
動労千葉は1月23日夕、総決起集会を開催し、ライフサイクルの事前通知段階で組合員の強制配転を完全に粉砕した大勝利を確認。ライフサイクル制度そのものの完全粉砕、09春闘へさらに総決起する決意を固めた(DC会館)=詳報次号
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週刊『前進』(2376号1面6)(2009/01/26 )
▼オバマの米大統領就任演説を弾劾する!
▼占領下のイラクで労働組合がガザ大虐殺に抗議
▼東北石けん労組終日スト
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週刊『前進』(2376号2面1)(2009/01/26 )
道州制攻撃をぶっとばせ
360万人いったん全員解雇に 労働組合を甦らせ総反撃を
革共同自治体労働者委員会
世界金融大恐慌下で、「生きさせろ!」の闘いが資本の支配を打ち倒す革命の時代が始まった。非正規雇用労働者2000万人を先頭に、解雇撤回・職よこせの闘いが一斉に火を噴こうとしている。公務員360万人全員解雇、自治労・日教組壊滅の道州制・民営化攻撃との決戦はこうした情勢下で闘われる。国鉄1047名解雇撤回の動労千葉春闘ストライキを先頭に「生きさせろ!」ゼネストへ闘おう。体制内指導部をぶっとばし、職場から闘いをまき起こそう。4大産別の労働者、自治体労働者は、6000万労働者の先頭で民営化・道州制決戦を闘おう。
自治労・日教組の壊滅を狙う反革命クーデター
労働者の闘いに恐れおののく日帝ブルジョアジーは、闘いをたたきつぶす絶望的な攻撃にうって出てきた。道州制攻撃は、労働者の反乱に恐怖する反革命クーデターだ。
道州制導入は、破綻した新自由主義を極限まで推し進めるきわめて暴力的な攻撃だ。警察と自衛隊を除く国と地方の公務員360万人をいったん全員解雇し、民営化のルツボにたたき込んで自治労・日教組を壊滅させ、労働組合運動総体を根絶する。これが最大の狙いだ。
道州制は、これまで行われてきた「退職不補充」や「特例転職」といった手法とはまったく違う、生首の飛ぶ全員解雇攻撃である。22年前の国鉄分割・民営化時には40万人全員解雇・選別再雇用の攻撃が行われた。それをもはるかに超える「明治維新以来の統治形態の根本的転換」=「究極の構造改革」としてかけられる一大階級戦争だ。破産した戦後体制を一変させてむき出しのブルジョア独裁に代え、改憲と戦争国家化に突き進む道州制との闘いは、公務員のみならず6000万労働者の未来のかかった階級決戦である。
金融大恐慌下で道州制攻撃は一気に加速している。「関西から日本を変える」「関西州」構想をぶち上げる橋下大阪府知事が道州制攻撃の先兵となって登場し、激しい攻防となっている。日本経団連は「国の債務800兆円すべてを地方に移管すべし」(道州制第2次提言)と主張し、御手洗ら経済3団体代表は年頭のあいさつで「日本再生のための道州制導入」を口々に唱え、麻生政権は今通常国会にも「道州制推進基本法案」を提出しようとしている。
「民営化絶対反対」を貫く職場の闘いが道州制崩す
資本主義の根本的な矛盾の爆発を戦後の47都道府県制や「中央集権体制」、「官僚主義」の問題にねじ曲げ、あたかも「地域主権」の道州制導入で国家の危機を打開できるかのようなデマをあおって強行しようというのだ。支配階級の分裂と日帝政治委員会の崩壊のなかで、ブルジョアジーの鬱積(うっせき)した極反動エネルギーが道州制攻撃として噴出している。
自民党を離党した渡辺喜美衆院議員は、無所属の江田憲司衆院議員と組み、政府の道州制ビジョン懇談会座長の江口克彦PHP総合研究所社長や国鉄分割・民営化時に「国鉄労働者国賊」キャンペーンの旗振り役を果たした屋山太郎とともに「脱官僚」「地域主権」を掲げた「危機打開の国民運動」にうって出ようとしている。日本経団連の「ポスト御手洗」(2010年5月改選)は、日本経団連道州制推進委員会委員長の中村邦夫パナソニック会長が本命となっている。道州制とは、最末期を迎えた日帝ブルジョアジー・日本経団連による絶望的な攻撃なのだ。道州制・民営化攻撃との闘いは、国鉄1047名解雇撤回闘争と一体である。
国鉄分割・民営化攻撃に対し、動労千葉は全組合員の首をかけた2波のストライキに決起して団結を守りぬき、今日まで続く1047名解雇撤回闘争の出発点を切り開いた。民営化絶対反対を貫く動労千葉の闘いが、安全問題、要員問題の爆発、労働者支配の破綻に至ったJR資本を追いつめ、青年労働者の決起と新規加入を次々とかちとっている。解雇撤回・民営化絶対反対を闘いぬくことは、全労働者の闘いの階級的原則であり、勝利の道である。国鉄分割民営化攻撃をうち破った動労千葉の09春闘ストライキに続こう。
道州制との闘いは、国・自治体丸ごと民営化との決戦だ。本来なら市場原理にさらしてはならない教育、医療、福祉などの公的領域に踏み込む民営化攻撃は、社会の根幹を破壊する絶対的矛盾を抱えている。「市場化テスト」によって自治体のほとんどの事業が民営化か廃止できるとされ、現に社会保険庁解体、銚子市民病院閉鎖として分限解雇攻撃が始まっている。民営化・非正規職化をめぐる職場の攻防こそ、道州制攻撃との最大の激突点だ。今や全国の自治体職場の4割に達した非正規職や民間の労働者と一つになって闘うことが決定的である。
今国会に、地方公務員法改悪案が出され、人事評価制度の法的強制が狙われている。人事評価制度・査定給を強制して職場の労働者を競争原理のもとに組み敷き、労働者分断と労組解体の攻撃に全力をあげてきている。しかし職場では、人減らしによって業務自体が成り立たなくなっている。病気休職したり、早期退職する同僚が続出している。労働者の誇りすら奪う攻撃の中で、いたるところに怒りが渦巻いている。もうがまんの限界だ。自治体労働者が「生きさせろ!」の闘いの先頭で職場から闘いをまき起こしたとき、民営化・道州制攻撃は粉砕できる。わが路線として確立した道州制粉砕・丸ごと民営化絶対反対、人事評価制度粉砕・査定給導入阻止を猛然と闘おう。
道州制導入に全面賛成の連合自治労本部打倒せよ
1月15日、日本経団連と連合の「雇用安定・創出にむけた労使共同宣言」が発表された。「雇用確保へ労使一丸」とわめき、首切りをあくまで実行することを前提とした上で、その後に起こる労働者の決起を「救済」の名で圧殺する「労使共同宣言」だ。この「労使一丸」の論理こそ、4者4団体路線ではないか。金融恐慌が爆発し大量解雇との闘いがまき起こっている情勢下で動労千葉を排除し、国鉄1047名闘争から「解雇撤回」を引き降ろして「和解・救済を求める」運動にねじ曲げることなど断じて許されない。この4者4団体が行き着いた先が、昨秋10・24国鉄集会での機動隊導入であった。「生きさせろ!」の反乱が爆発する情勢において、体制内労働運動の立場に立ち続けることは資本主義体制の最悪の擁護者、救済者に転落するということなのだ。
連合の中心労組である自治労は、こうした革命の時代に民営化・道州制推進の先兵として登場している。1月29、30日に開催される自治労第137回中央委員会の「春闘方針」案は、その最たるものだ。政府の地方分権改革推進委員会勧告や日本経団連の道州制提言とうり二つの表現で「地方分権改革の基盤となる地方税財政制度の抜本改革、地方消費税の充実強化、大幅な税財源の移譲、自治体の自己決定権の拡大」を主張するにいたった。いったいこれが労働組合の立場か。国と地方自治体の財政危機の爆発の中で、ブルジョアジーと同じ危機意識から、「地方分権改革」と「地方税財政制度改革」を自治労の春闘方針として掲げたのだ。
さらに議案では、「緊急雇用対策として、自治体に対して、森林、福祉分野などの将来の雇用創出につながる事業の推進、離職者に対する住宅確保、相談業務を求める」とした。そもそも今日の非正規雇用労働者の大量解雇を許したのは、民主党や連合が派遣法や民営化に全面賛成したからではないか。「生きさせろ!」の闘いが爆発し労働者の怒りが資本に向かっている今そのときに、同じ労働者・労働組合として資本に対して闘うのではなく、行政当局に依存して労働者の怒りをなだめ分散させ、森林・福祉分野での新たな低賃金・非正規職労働者としての確保を求めるとは何ごとか。首を切られた労働者は救済や施しの対象ではない。闘いの主体なのだ。
100万自治労として民営化・道州制に絶対反対し、全労働者の解雇撤回、非正規職撤廃と派遣法廃止、一律大幅賃上げ、最低賃金の一律大幅賃上げを求めるゼネストを闘うことが求められている。そのときに、資本・当局と一体となって道州制・地方分権改革に協力し、ワークシェアリング論をふりまわして労働者の闘いの火消しに回るなどもってのほかである。
「資本主義の枠内の改革」を掲げて資本主義体制の最後の擁護者として登場し、「反対する力がない」といって現場の闘いに敵対する自治労連中央も同じだ。職場の団結の力で、腐りきった体制内指導部をぶっとばし、闘う労働組合をよみがえらせよう。
動労千葉ストライキ先頭に09春闘―2・16集会へ
動労千葉の呼びかける国鉄1047名解雇撤回! 09春闘勝利2・16労働者総決起集会に総結集しよう。09年決戦は、年初より世界金融大恐慌がもたらす革命的激闘として進行している。資本主義300年の歴史的終焉(しゅうえん)という革命的情勢に真っ向からきりむすび、1〜4月決戦を世界大恐慌をプロレタリア世界革命へと転化する一大飛躍点としてかちとろう。
革命的情勢を革命に転化するには革命的行動と組織建設=党建設が必要となる。革命的労働組合と革命的労働者党建設・職場細胞建設をかぎりなく一体のものとして前進させていくことが決定的である。その基軸はマルクス主義青年労働者同盟・マルクス主義学生同盟1000人建設である。
4大産別の労働者、自治体労働者が動労千葉春闘ストライキを先頭に1047名解雇撤回を闘い、民営化・道州制絶対反対を非妥協的に闘いぬくことが決定的だ。現場労働者の手に労働組合を取り戻し、「生きさせろ!」ゼネストに立とう。橋下大阪府知事打倒を全国の闘いとしてかちとろう。革命に敵対する4者4団体=体制内派をぶっとばし、青年労働者を先頭に第2、第3の動労千葉をつくりだそう。
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週刊『前進』(2376号2面2)(2009/01/26 )
道州制導入へ暴論 江口克彦新著を批判する
大恐慌の現実を直視できず
「企業展開やり易く」が狙い
1月4日の朝日新聞に江口克彦著『国民を元気にする国のかたち 地域主権型道州制のすすめ』(PHP研究所)の全面広告が出された。政府の道州制ビジョン懇談会座長を務めるPHP研究所社長の江口が数千万円の広告費を投じて宣伝している。道州制基本法案の早期策定、今国会提出に向かっての大キャンペーンだ。
労働者さげすみ繁栄が至上目的
新著は大資本の都合に基づく荒唐無稽(こうとうむけい)で牽強付会(けんきょうふかい)な主張に満ちている。
だが軽視できない。世界金融大恐慌のなかで支配階級=資本家階級は、道州制導入にしか打つ手を見いだせず、延命をかけて攻撃を強めているからだ。道州制は、国・自治体丸ごと民営化、公務員360万人全員解雇・選別再雇用、自治労・日教組壊滅を狙う大攻撃だ。しかし労働者の一大反撃を組織すれば、必ず粉砕することができる。
江口の最大のごまかしは大恐慌の現実を見すえないことだ。これは日本経団連の道州制第2次提言(08年11月)も同じだ。世界金融大恐慌が爆発し、新自由主義の歴史的破産が明らかとなり、資本主義そのものの終わりという時代が来ているのに、そのような時代認識、危機感を全然示していない。隠しているのだ。1929年大恐慌を上回る危機の到来に打ちのめされているのだ。
「地方の疲弊」「日本の衰退」は新自由主義攻撃の結果であり、資本主義・帝国主義の根本的な矛盾が世界金融大恐慌として爆発する過程で起きた現象だ。ところが江口は「中央集権体制」とそのもとでの「官僚主義」に原因があるかのようにねじ曲げ、それに代わるものとして万能膏薬(こうやく)のように「地域主権型道州制」を対置する。こんなことで資本主義の矛盾が解決され、息を吹き返すことなどあり得ない。
そもそも江口は「開発」による「繁栄」を最も素晴らしい社会状態だとしている。開発至上の高度成長期の価値観のままの古くさい人間だ。
そして資本がもうかれば、その地域全体に波及すると考える。これこそ破産があらわとなった「トリクルダウン理論」だ。「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がこぼれ落ちる」――まさに労働者をさげすむブルジョア思想だ。
「トヨタの成功」持ち上げ難破
「四十七都道府県では、もはや細切れすぎる」という節に江口の主張の核心が展開されている。
道州制に賛成しているのは日本経団連、経済同友会、日本青年会議所などブルジョアジーの団体ばかりだが、「どうして経済団体3者がそろいもそろって道州制を支持しているのか。やはりそれは都道府県制度のもとでは企業展開がやりにくいから」(87n)だという。
「企業展開をやりやすくする」。資本のために道州制を導入するのであって、住民=労働者階級のためではないということだ。都道府県を廃止し、国の役割を限定し、都道府県を超えた「欧州諸国並み」の巨大な道州権力をつくる。それを大資本が握り、規制を撤廃し、産業基盤を整備し、自由に展開するのだ。
江口は露骨すぎたと思ったのか、「住民にとっても四十七都道府県は細切れすぎる」と言い、救急車による患者のたらい回し事件、ごみ焼却施設の建設地の押し付けあいなどの解決を広域自治体化―道州制に求める。
現実はそんな問題ではない。病院が患者を受け入れられないのは、医師を確保できないからだ。ごみ焼却施設を他県に持っていってもそこで公害が問題となる。
さらに、トヨタの「成功」に言及したところで江口の主張の破綻は決定的となる。
「トヨタ自動車では、……歳出削減に努力すると共に、同時に事業拡大、つまりは新製品を次々と市場に送り込んでいる。守りを固めながら、常に攻めの経営を展開している」(106n)
江口が本を書いていた11月時点で少なくともトヨタの営業利益の大幅減少が不可避なことは分かっていたはずだ。見て見ぬ振りをして、新著を出版したのだ。そうしないと成功例がなくなってしまい、道州制論も難破してしまうからだ。
結局、政府・資本家階級が道州制導入でやることは、国・自治体の丸ごと民営化、公務員の大量解雇、自治労・日教組解体の階級戦争なのだ。だが、大恐慌の到来で後のないブルジョアジーにとって、道州制攻撃は自らの墓穴を掘る絶望的なものにしかならない。なぜなら労働者階級の「生きさせろ!」ゼネスト、09年道州制粉砕決戦の爆発は不可避だからだ。
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週刊『前進』(2376号2面3)(2009/01/26 )
「賃金カットで妥結」認めない
1月19日、神奈川労組交流センターは三浦半島教育労働者部会を先頭に、公務員労働者の3%賃金カットと人員削減案を妥結しようとする労組執行部への闘いに立ち上がった。14人が神教組事務所に詰めかけ「妥結は絶対に認めない」「財政危機は労働者の責任ではない」と猛然と抗議した。
12月に「一般職3%賃金カット2年間」を提案してきた県当局に対し、県労連(神教組、神高教など)執行部は、闘争態勢を組むことなく最終的に20日の未明に妥結した。だが闘いはこれからだ。職場からの決起をつくりだそう。
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週刊『前進』(2376号2面4)(2009/01/26 )
中四国革共同集会 “ゼネストへ”熱い宣言
青年・学生が圧倒的に結集
若々しい党へ
「資本主義は死んだ。09年をプロレタリア世界革命の始まりの年としよう! 労働組合をめぐる資本・権力・体制内指導部との闘争こそ革命の成否を決する決定的戦場だ。『生きさせろ!』ゼネストへ! 職場、学園、地域で組織しぬこう!」(基調報告)
1月18日、革共同中四国政治集会が広島市のワークピア広島で開催され、中四国地方委員会は断固として09年「生きさせろ!」ゼネスト宣言を発した。
集会には昨年を大きく上回る150人が参加した。塩川一派と血債主義者らを一掃したことで党の団結は最高に強まり、党勢はぐいぐいと伸びはじめ、とりわけ青年労働者、学生の獲得が進んでいる。まさに若々しい党へと生まれ変わっている。古参メンバーも「ついにここまできたか」と感慨をもらす。
集会は、司会のマルクス主義学生同盟広大支部の同志の開会宣言で始まった。中四国地方委員会委員長の労働者同志が開会あいさつに立ち、「革共同50年の歴史の中で初めて現実に革命の勝利を手に入れる情勢がきた。これまでのあり方を全部ひっくり返し、昨年11月の地平をひっさげて世界革命勝利の一点に向かって闘おう」と訴えた。つづいて法大弾圧被告の広大生の3同志が出獄アピール。「出獄をかちとったのはここにいる全員の団結の勝利。逮捕されても、解雇されても、退学にされても闘う」と法大闘争の核心を提起し、集会のボルテージは一気に高まった。
連帯のあいさつでは全国被爆者青年同盟に続いて反戦被爆者の会の大槻泰生会長が登壇し、「資本主義の末期の今こそ、私たちは世界革命をこのヒロシマから闘おう」と力をふりしぼって訴えた。さらに国鉄西日本動力車労働組合広島支部の労働者が「革命に照準を合わせて闘おう」と決意を述べ、徳島と広島の星野文昭さんを救う会から星野同志奪還の熱烈なアピールが発せられた。
(写真 革命への情熱と青年労働者・学生の活気にあふれた革共同中四国政治集会【1月18日 広島市】)
職場で勝負を
中四国地方委員会書記長が「世界革命に勝利する労働者階級の党をつくりあげよう」と題した基調報告を行った。革命情勢の到来下で党内外の体制内思想・勢力と分岐し激突しぬいて、マルクス主義で武装した革共同をつくりだしたことの決定的意義が明らかにされ、「闘う労働組合をよみがえらせる闘いは、労働者階級自身の党をつくる闘いと一体」と訴えた。
島崎光晴同志の講演は時代認識を鮮明にさせ、革命への圧倒的な確信を与えた。島崎同志はまず現下の大恐慌情勢について「後のない大恐慌。『100年に一度』ではなく資本主義300年の歴史の終わり。支配階級にはもう次がない」と核心的に提起した。ついで30年代アメリカの階級闘争の教訓を示し、大恐慌下で11月集会陣形を形成しているわれわれは「すでに過半は勝利している」と述べた。そして「ロシア革命は『平和・土地・労働者統制(・管理)』のスローガンで勝利した。革命の一番の核心は職場生産点での死闘をとおした職場支配権の確立だ」と述べ、「職場で団結しよう! 団結の究極の拡大が革命だ」と鮮明化した。
新たな指導部
集会後半は、マル青労同の同志の「生きさせろ!」ゼネストアピールから始まり、ついで道州制決戦を先頭で闘う自治体、教労をはじめ6大産別の労働者同志が次々発言。集会の最後はマル青労同とマル学同の決意表明だ。中四国各地のマル青労同の同志が壇上に並び、ストライキを貫徹した報告をはじめ、ひたむきに路線を貫いて闘う同志たちの発言が参加者全員を獲得した。マル学同広島大支部、岡山大支部、さらに四国の学生らが、激しい党派闘争を闘い、法大決戦に勝利して、300万学生の「生きさせろ!」ゼネストをやりぬくと発言。青年・学生の新たな指導部としての登場に感動と勝利の確信がみなぎった。
年末年始の街頭宣伝で出会った初参加の青年労働者は、集会後ただちに『前進』の定期購読を申し込んできた。中四国の全党員と闘う人民は、革共同集会でさらに強固な路線的団結を固め、「生きさせろ!」ゼネストの決戦体制を確立した。
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週刊『前進』(2376号3面1)(2009/01/26 )
大阪 全社労が2波のスト
健康管理センター3月閉鎖
解雇絶対阻止に立つ
1月14、21日、全国社会保険協会連合会労組(全社労)は、大阪で三つの健康管理センター(福島、長堀、淀川)の3月売却・閉鎖=解雇攻撃を粉砕するため、2波のストライキを打ちぬいた。
3センターは、中小企業労働者の健診業務などを担ってきた、全国に53病院・4診療所(健康管理センター)ある社会保険病院・診療所であり、年間13万人以上の利用者がいる。この施設を3月9日をもって廃止し、高松建設・心斎橋健康倶楽部などの土建屋や怪しげなコンサルタント企業にたたき売り、300人もの労働者を「希望退職」という首切りか、整理解雇という首切りのどちらかに追いこもうとしているのだ。どうしてこんな攻撃を許せるだろうか。
14日は福島健康管理センターを拠点にして闘った。森精機で3波のストライキを闘った青年労働者をはじめ50人が結集しストライキ行動をともにした。
全社労と闘う仲間は、福島・長堀の2センターとJR野田駅でビラをまき、さらにスト突入・連帯集会、全社労3回大会をかちとり、地域へのビラ入れ、宣伝カーと終日闘った。
午後3時からは、のこのこやってきた買い受け先の建物調査員とセンター管理者に怒りを爆発させ、1時間以上の追及・弾劾を行った。首切りへの加担など許せるか!
(写真 長堀センター前で怒りの行動【1月21日 大阪】)
「命かけ闘う」と第2波スト
21日、全社労の労働者は第2波ストに決起した。拠点となったのは長堀にある長堀健康管理センターだ。早朝より全社労の労働者を先頭に約40人の労働者・学生が集まり、センターの廃止・売却と解雇攻撃への怒りをたたきつけ、出勤してくる労働者や利用者にストライキ決起を呼びかけるビラを配布した。
8時40分、スト突入とともに行われた集会では、長堀でストに突入した労働者が「全社連は、『退職金を1・8倍にするから』などという口約束で希望退職に追い込んでいる。使うときはいいように使ってきて、今度はクビ。ハラが立って仕方ない。命かけて闘う」と宣言した。
この日も終日のストライキを闘い、昼からは周辺でのビラまきなどをやりぬいた。
健康管理センター廃止・売却攻撃との闘いは、社会保険庁解体を突破口とする公務員制度改悪、道州制導入、公務員360万人首切り攻撃との闘いそのものだ。
解雇攻撃との闘いはこれからが正念場だ。全社労は、「大恐慌の時代、労働者は団結なしに1日たりとも生きていけない」「3月閉鎖=解雇通告をつきぬけて闘う。『生きさせろ!』春闘ゼネストへつなげるストライキで闘う」と決意している。
(投稿/労組交流センター医療福祉部会・小川恵)
【解説】
自公政権は構造改革による医療・社会保障解体、民営化・労組破壊攻撃の最大の標的として社会保険庁を定め、年金・保険部門を非公務員型公法人の日本年金機構、全国健康保険協会へと解体・再編する攻撃を進めている。これに先行して、その他の社保庁関連施設を05年10月設置の独立行政法人年金・健康保険福祉施設機構(RFO)に移管、次々と廃止・売却している。RFOは健康管理センターの業務を全国社会保険協会連合会(全社連)に委託してきたが、3月9日に契約を打ち切り、同センターを廃止・売却、職員を全員解雇しようとしている(淀川、長堀、福島の大阪3センターは9月8日に落札)。全労連―医労連傘下の健康保険病院労組本部は攻撃に屈服、闘おうとしないため、大阪3センターの闘う労働者は08年3月、全国社会保険協会連合会労働組合を結成、ストライキで闘っている。
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週刊『前進』(2376号3面2)(2009/01/26 )
破綻深める郵政民営化
JP労組体制内指導部打倒し09春闘―物ダメ・ストライキへ
革共同全逓委員会
全国で闘う労働者のみなさん! イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への侵略戦争を怒りを込めて弾劾しよう。無差別虐殺の張本人は、米帝・ブッシュやオバマだ。それはアメリカ帝国主義の生き残りをかけた中東石油支配をめぐる侵略戦争である。ついに資本主義が大崩壊を始めた。「資本主義社会は終わりだ!」と全世界の労働者の闘いが始まっている。資本家と、それを支える体制内労働運動指導部を打ち倒し、09春闘を「生きさせろ!」ゼネストの路線で闘おう! 闘う全逓労働者は、4大産別職場の先頭で断固として物ダメ・ストライキを切り開こう!
(写真 東京中郵の廃局攻撃に対して全逓労働者を先頭に反撃のデモ【昨年4月21日 東京中郵前】)
労働強化・首切り・労災激増
世界金融大恐慌が爆発する中で、民営郵政はより矛盾を深め破綻が深刻さを増している。国債の3分の1を買い支えてきた郵貯・簡保(合計315兆円)の信用が揺らぎ、残高も急激に減少している。
職場では、1万5千人の欠員で出発した民営郵政の絶対的矛盾が、極端な労働強化となって噴き出している。郵政資本はこの上さらに、他の運輸・通信資本との競合で、2万4千人規模の要員削減を強行する計画だ。
とくに青年労働者に民営化の矛盾は集中して襲いかかっている。民営化過程で6万人を超える本務者を削減し、全国でゆうメイトなどの非正規雇用労働者が20万人を超える状態をつくり出したにもかかわらず、そのゆうメイトを雇い止めで首にしなければ生き残れない絶対的矛盾に陥っている。これが民営郵政の現実なのだ。
現場の矛盾は爆発している。すさまじい労働強化による誤配・遅配が続出し、事故や労働災害が激増している。ビル丸ごと郵便物が届かないという空前の破綻状態まで生まれた。資本の論理が一切の「民営」郵政では、郵便事業自体が成り立たないことが証明されたのだ。
さらに道州制攻撃と同じ資産の強奪攻撃が郵政民営化の実態としてあらわになっている。昨年12月26日、日本郵政は「かんぽの宿」70施設をオリックス子会社のオリックス不動産に一括譲渡する契約を結んだ。資本が郵政事業をことごとく食い物にするということだ。世界金融大恐慌の到来の中で公的なものをすべて奪いつくし、資本のみが生き残ろうというのだ。
こうした惨状は、御用組合・JP労組中央が闘いを放棄したのみならず、積極的に資本に協力し始めたことで劇的に進行している。
しかし彼らのもくろみは必ず破綻する。現場労働者は、もはや「闘わなければ生きていけない」のだ。動労千葉派の労働者の非妥協的な闘いをとおして、「今こそ団結し、御用組合幹部を打倒し、闘う労働組合を甦(よみがえ)らせよう」との機運が急速に広がっている。職場支配権を現場労働者が奪い返すことはまったく可能なのだ。経団連・御手洗と連合・高木の「労使一丸」春闘を粉砕し、今こそ全国の郵政職場で物ダメ・ストライキをたたきつけよう。
資本家の支配を終わらすときだ
トヨタ、日産、ソニー、パナソニックなど、名だたる大企業を先頭に「派遣労働者の首切り」が爆発的に広がっている。労働者を残酷なまでの低賃金と、いつでも首を切れる無権利状態にたたきこんでボロもうけしてきた資本家たちが、不況でモノが売れなくなった瞬間、すべての生産を担ってきた労働者を大量に路頭に放り出している。その一方で、政府は大銀行や大資本を税金で救済する方策を練っている。冗談ではない! 彼らは自分たちが支配階級として生き残ることしか考えていないのだ。
春闘に向けて、経団連・御手洗は「不況だから首切りも賃下げも我慢せよ」「賃上げなど論外」「ワークシェアリング(大幅賃下げ!)も」と、労働者の闘いに敵意をむき出しにしている。連合・高木やJP労組中央もこれに完全に屈服した。支配階級がふりまくこの反動的イデオロギーを今こそ粉砕しなければならない。
大恐慌だからこそ、世界の労働者が団結して、大幅賃上げを要求してストライキで闘うのだ。資本家の支配に終止符を打つために立ちあがる歴史的瞬間が訪れている。300年にわたって労働者を搾取し、戦争にかりたててきた資本主義の時代がついに終わったのだ。
低賃金で朝から晩まで働きに働いてきた大量の労働者が、不況になったら使い捨てられる。これが資本主義だ。果てしない競争と生産の拡大で富は圧倒的に蓄積されているのに、大量の失業者が生まれる。これはまさに資本主義の破綻なのだ。土地や機械、大工場などの生産手段を一握りの資本家が私的に独占しているからこうなる。
資本家は一銭の富も生産しない。大企業の巨大な生産設備も製品も、郵政事業の巨大なシステムも莫大な利益も、すべて労働者が生みだしたものだ。「会社あっての労働者」という言いぐさは大うそだ。生産手段は本来、労働者が生きるための社会的共有財産だ。今こそすべての生産手段を奪い返し、階級のない共同社会を築くために闘う時なのである。労働組合の路線と闘う方針こそが問われている。
アメリカの労働者たちは「もうけを独り占めにしてきた銀行や大資本を救うな! やつらは監獄行きだ」とウォール街でデモに立ちあがった。資本家どもをゴミ箱にたたき込んで、労働者が人間らしく生きられる社会をつくろう! これが労働者のスローガンだ。
動労千葉のように闘おう!
闘いの指針は、世界に先駆けて新自由主義―国鉄分割・民営化=20万人首切り攻撃と唯一真っ向から「絶対反対」で闘い抜き、今日まで闘う団結を維持してきた動労千葉の闘いにある。動労千葉はこの大恐慌下の今春闘に向かって「第2次国鉄決戦」を宣言、4大産別の全国の職場に先駆けてストライキで闘う体制を構築している。今や現場の青年労働者が続々と動労千葉に加入している。この闘いとともに、職場、産別を超えて全国の労働者のゼネスト決起を闘い取ることが労働者階級の勝利の道だ。
かつての国鉄分割・民営化を引き継ぎ、小泉政権が郵政民営化を強行し、そして今、自民党も民主党も推進している「道州制」が新自由主義攻撃の仕上げだと言われている。それはあらゆるものを資本が食いつくし、闘う労働組合を一掃するための攻撃だ。国鉄の時と同じ手法で、自治体・教育労働者など全国360万人の公務員をいったん全員解雇し、その一部だけを選別して再雇用するのが道州制攻撃の核心的な狙いだ。いまこそ動労千葉のように闘うことが、すべての労働者にとって死活的なのだ。
「労使一丸」体制を打ち破れ
2月に連合JP労組の中央委員会が開かれる。その中身は昨年12月に日本経団連が出した「経営労働政策委員会報告」とまったく同じだ。そのタイトルは「労使一丸で難局をのりこえよう」である。
何と中央委員会では、ベア要求は一切行わない方針を決めるという。
世界大恐慌で失業者があふれているのに、一切の闘いを放棄しろというのがJP労組中央(連合)の方針なのだ。
3兆円以上の剰余金を貯めこんだキヤノンが、派遣切りの先頭に立って「苦渋の選択で雇用調整」(御手洗)などとのたまっている。ソニーは「雇用ではなく利益を出すことが使命」と言い放っている。「賃労働と資本の非和解性」を敵の側から宣言しているのだ。
ところが、これに対する連合の「見解」(12月16日)は「信頼に裏打ちされた労使関係」「内需喚起を促す」と資本の救済を後押しし、「財界の指導力を」などと、破産した資本家たちをもちあげている。経団連と手を組んで労働者の怒りを抑え込もうというのが運動方針なのだ。
また1月15日に開かれた経団連と連合の首脳懇談会で発表された「労使共同宣言」は、「労使一丸」で賃下げと大量の首切りを進めることをうたい、そのための「セーフティーネット(安全網)」の整備などという議論を開陳した。
JP労組中央も経団連と同じ主張だ。2月中央委では、成果主義賃金=賃下げ、JPエクスプレスへの出向、日逓への一社統合(1月)と子会社化(3月)、非正規の雇い止め容認、2万4千人削減などの攻撃すべてを妥結・丸のみし、現場組合員の利益を売り渡そうとしている。JP労組中央の「生産性向上運動」の行き着く先は、戦前の「産業報国会」の道だ。
JP労組中央の思想は国鉄1047名解雇撤回闘争を裏切った4者4団体派とまったく同じだ。「労働者はニンジンをぶら下げなければ闘わない」「結局会社に従うんだ」と労働者を蔑視し、労働者階級が資本主義を打倒し、自己解放を実現していく主体であることを否定するのだ。全逓戦線においても体制内労働運動、4者4団体的思想・路線との闘いが攻防の環だ。
私たち労働者は闘わなければ生きられない。資本家の手先となった連合JP労組中央を現場労働者の力で引きずりおろそう。「生きさせろ!」は派遣労働者だけの声ではない。郵政職場でも「生きさせろ!」の怒りの声が全国を覆っている。
春闘「生きさせろ!」ゼネストを全国の郵政職場で切り開こう! 青年労働者はその先頭に立とう。動労千葉が主催する「1047名解雇撤回! 09春闘勝利」の2・16労働者総決起集会に結集しよう。
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週刊『前進』(2376号3面3)(2009/01/26 )
ソマリア沖派兵阻止せよ
「海賊」口実に自衛隊法で
自民、公明の与党は1月20日、「海賊対策」と称するプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、現行の自衛隊法に基づく海上警備行動を発令して海上自衛隊の護衛艦を東アフリカ・ソマリア沖に派遣することで大筋合意した。22日の正式決定を受けて麻生が派遣準備を指示、浜田防衛相が海上警備行動を発令して、3月にも派兵を開始しようとしている。日帝の海外派兵の決定的エスカレーションであり、断じて許せない。
麻生は昨秋にも、国連決議を盾に、ソマリア沖への自衛隊派兵のための特別措置法の制定を策動したが、麻生政権自身の支持率の低迷と国会運営の困難さから、すぐには無理と判断、現行法での派兵に方針転換した。
特措法あるいは「海賊対策新法」自体は依然として追求しており、3月の予算成立後に提出し成立を図ろうとしている。そこまでの「つなぎ」として、現行法の拡大解釈でまず突破口を開けようとしている。インド洋上で米軍艦船に対する給油支援を継続している海上自衛隊が、今度はソマリア沖でも新たな軍事作戦に出ようとしているのだ。
「海上警備行動」と称して、領海からはるか離れた東アフリカまで乗り出すのは初めてだ。こじつけも甚だしい。さらに「正当防衛・緊急避難」として武器使用を認めようとしている。これも「海賊」と実際に衝突することによって武力行使の突破口を開こうとしているのだ。そういう形で実戦経験を積もうとしているのだ。
護衛艦2隻で日本関係の船舶に伴走して警戒するとしている。この護衛艦には「特別警備隊」と称する自衛隊特殊部隊が乗り組むと言われている。P3C哨戒機による洋上監視も計画されている。
すでにソマリア沖へは、ヨーロッパ各国や、中国、韓国が次々と派兵している。ソマリア沖は帝国主義と大国間の争闘戦の戦場となっており、日帝もそこに割り込もうと狙っているのだ。
日帝は”海賊対策は多くの国が共同して当たっている国際的な事業であり、日本だけが加わらないでは国際社会は納得しない”と言う。しかし問題は、一握りの資本家の権益のため、中東石油の確保のために武力衝突を辞さない道に踏み込んでいるところにある。
そもそもソマリア沖の「海賊」とは何なのか。彼らはもともと貧しいソマリアの漁民だった。1991年以来、ソマリアが国家的に破産する中で沿岸警備隊も消滅、外国水産資本による漁場荒らし・乱獲と、欧米大企業による有害廃棄物投棄で漁業ができなくなった漁民が、生きるための手段として武器をとり「海賊」を余儀なくされているのが実態だ。ソマリア沖をわが物顔に荒らし回った日米欧の帝国主義こそが元凶だ。
これはイラク・中東参戦の新たな拡大であると同時に、改憲に向かっての攻撃である。
ソマリア沖派兵については、自民、公明のみならず、民主党も基本的に賛成だ。「反対」と称する日本共産党も「海賊対策は海上保安庁の責務」などと言って、帝国主義の立場に立って提言する始末。こんな連中を吹っ飛ばして、侵略戦争と改憲の攻撃に労働者階級の闘いをたたきつけよう。
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週刊『前進』(2376号3面4)(2009/01/26 )
ガザ封鎖継続を許すな!
戦争の再激化狙う「停戦」
1月17日夜(日本時間1月18日未明)、イスラエルは「作戦の目標は達した」として「一方的停戦宣言」を行い、ガザへの攻撃をいったん停止した。だがこれは、米帝とイスラエルが開始した今回の侵略戦争の中止を意味するものでは断じてない。暴虐の限りを尽くしてパレスチナ人民の解放闘争の圧殺をもくろんだにもかかわらず、虐殺を重ねれば重ねるほど、逆に米帝とイスラエルの側が危機に陥り、戦争体制の立て直しを迫られたからだ。「停戦」は21日の米新大統領オバマの就任式に合わせて演出されたに過ぎず、一層凶暴で絶望的な攻撃への突進と、新たな大激突は不可避である。
昨年12月27日から始まったイスラエルのガザ侵略は、世界金融大恐慌の爆発によって没落と崩壊のふちに立たされた米帝が、イスラエルを先兵としてしかけた中東での新たな侵略戦争だ。金融大恐慌は、イラク戦争の敗勢にあえぐ米帝を直撃するとともに、米帝の中東支配の最大の柱であった軍事基地国家イスラエルを存亡の危機にたたき込んだ。しかも大恐慌下で各国による石油資源の争奪戦は一挙に激化した。追いつめられた米帝とイスラエルは、むきだしの暴力による中東の軍事的再制圧をかけてガザ侵略に突っ込んだ。
それは、パレスチナ人民への無差別大量殺りくそれ自身を目的とした攻撃だった。第2次大戦時の広島・長崎への原爆投下や1937年のナチスによるゲルニカへの空爆同様に、皆殺しの戦争をやってその恐怖をテコに屈服を迫るものだ。実際に、人体に触れると5000度の高熱で骨まで焼き尽くす白リン弾のような残虐兵器が、住宅密集地域にばらまかれた。国連施設など住民の避難所が意図的に攻撃され、救急車や病院も標的にされた。パレスチナ人の死者は1月17日までに1300人、負傷者は5300人に達した。その大半が女性と子どもだ。
だが、これほどの大虐殺も、パレスチナ人民の抵抗の意志をくじくことはできなかった。ガザの人民はあらゆる攻撃に耐え抜いて徹底抗戦の決意をますます固め、その闘いはパレスチナ全域に拡大している。さらに、全世界の労働者階級がこのパレスチナ人民に連帯し、米帝とイスラエルを弾劾するデモに数百万の規模で決起した。とりわけイスラエルの国内とアメリカ国内で、侵略戦争に真っ向から反対する大規模な闘いが爆発したことは決定的だ。まさに戦争の内乱への転化だ。これが米帝・オバマ新政権に打撃を与え、「停戦」へと追い込んだのである。
したがってこの「停戦」はまったく表面的で一時的なものに過ぎない。オバマは大統領就任演説でブッシュ同様、米帝の世界支配に敵対する者を「必ず打ち負かす」と宣言し、新たな戦争準備を開始した。イスラエル軍はなおも大軍がガザの境界線に陣取り、ガザの再占領をあくまで狙っている。封鎖も解かずガザへの兵糧攻めを一層強化して、ガザの人民を疲弊させた上に再度の大攻撃に打って出ようとしている。
ガザ情勢は今や世界革命情勢の重大焦点に押し上げられた。不屈に闘うパレスチナ人民と連帯し、3・20へ、労働者階級の全世界的な一斉決起をつくりだそう。
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週刊『前進』(2376号4面1)(2009/01/26 )
「生きさせろ!」ゼネストの路線で
地方委員会の年頭の決意(下)
革共同東北地方委員会 革共同北海道地方委員会 革共同東海地方委員会 革共同北陸地方委員会
30年代の闘い乗り越え世界単一の労働者党へ 革共同東北地方委員会
東北地方委員会は、年頭より「生きさせろ!」ゼネストへの闘いに総決起した。ゆうメイトの不当解雇にストライキで反撃したS郵便局では、当該同志、全逓の同志、地域のマル青労同、マル学同の同志が元旦ビラに立ち、郵政民営化を絶対粉砕する階級的団結をたたきつけた。A市では昨年末、不当解雇攻撃に合同労組を結成、文字どおり正月返上で職場門前闘争と街頭宣伝を闘い抜いた。
各地で厳寒を吹き飛ばし、街頭、職場で「パレスチナで労働者を虐殺し、労働者の首を切る帝国主義を打倒しよう!」「俺たち労働者は救済の対象ではない。社会の主人公だ。闘う労働組合をつくり反撃しよう」と訴え、新たな決起を生み出している。東北では「派遣切り」が1万人を超え、有効求人倍率は0・5を切った。「生きさせろ!」の怒りは燃え上がり革命への欲求は日々高まっている。
このとき、体制内労働運動は「派遣切り労働者救済」の名のもとに解雇撤回を投げ捨て、労働者の怒りをそらし、資本家救済に躍起となっている。だがそんなことで世界金融大恐慌を乗り切ることはできない。
200兆jとも言われるバブルとともに「金融帝国アメリカ」は崩壊した。米帝の基幹産業である自動車産業=ビッグ3も崩壊の寸前だ。米帝・オバマがどうあがこうがドル暴落、アメリカ経済の崩壊から逃れるすべはない。米帝経済の崩壊は帝国主義世界経済の崩壊、資本主義の終わりの始まりなのだ。
労働者階級が積もり積もった怒りを解き放ち、プロレタリア世界革命に突き進む時代が到来した。1930年代のアメリカ労働運動がそうだった。港湾労働者やGMなどの工場労働者がランク&ファイル運動で体制内指導部の制動を粉砕しストライキに立ち上がると、地域の労働者もストライキに立ち、資本家どもの私兵や州兵との銃撃戦も辞さずに闘い、スト拠点を防衛した。「革命は現実に始まっている」と支配階級に言わせた階級的労働運動が全米を覆った。
この闘いを超える時代が始まったのだ。日本と世界で労働者階級の反撃が始まり、その要に動労千葉労働運動と11・2労働者集会が生み出した世界単一の労働者党建設をめざす階級的団結がある。マルクス主義を職場生産点で復権し、闘う労働組合をよみがえらせよう。
09春闘の先頭で動労千葉はストライキに立つ。断固これに続き、国労本部や4者4団体派の屈服を粉砕し、JR職場からのスト決起をかちとろう。職場闘争で4者4団体路線にとどめを刺そう。2・16労働者総決起集会に総結集し、国鉄1047名闘争と国労5・27臨大弾圧粉砕闘争を両輪に第2次国鉄決戦の大進撃を切り開こう。
09年は道州制粉砕決戦だ。出口を失った日帝は、危機と分裂を深めながら、道州制攻撃=自治労・日教組壊滅に唯一の延命を見いだそうとあがいている。大阪府知事・橋下打倒、道州制粉砕の全国大闘争をつくり出そう。体制内労働運動と真っ向から激突し、職場生産点から道州制粉砕決戦を切り開こう。
一般合同労組、民間職場の労働者は、「生きさせろ!」ゼネスト」の先頭に立とう。東北の地には「一人の首切りも許さない」という階級的原則を貫き、最高裁判決まで覆して解雇撤回、職場復帰をかちとった全金本山労組34年の勝利の地平がある。日々の職場実力闘争で団結をつくり、原則を貫くかぎり労働者階級は必ず勝利する。森精機の闘いに続き、労働組合をつくりストライキで闘おう。
東北大学生運動は法大決戦と一体で、300万学生ゼネストへの闘いに突入した。昨年末の5・29弾圧粉砕、獄中同志奪還に続き、内田晶理同志の奪還をかちとり、法大決戦勝利、第2、第3の法大決戦に突き進もう。
マル青労同、マル学同各1000人建設を原動力に本物の革命党へ飛躍しよう。「第2、第3の動労千葉」建設に挑戦する職場細胞と地区党を建設しよう。階級的労働運動の烈火で塩川一派ら転向スパイ集団を完全打倒しよう。09年を獄中の星野文昭同志奪還の年とすべく決意新たに闘い抜こう。21世紀革命の勝利へ、階級的団結を固め、09年決戦を突き進もう!
動労千葉のように闘い労働者階級の未来開く 革共同北海道地方委員会
09年はイスラエルのガザ侵略とそれに抗議する世界の労働者階級人民の決起で幕を開けた。パレスチナ人民は決死的反撃に立ち上がっている。イスラエルの労働者階級は「イスラエルとパレスチナの労働者の連帯」を掲げて立ち上がり、イスラエル軍内部からも公然とガザ出撃を拒否する兵士の決起が起きた。極限的な民族分断を超えて、労働者階級が一つになって世界革命への進撃を始めている。
ガザ侵略は、アメリカをはじめとする帝国主義が世界大恐慌で破局に突入する恐怖に突き動かされたものだ。大恐慌は帝国主義の最弱の環=日本帝国主義をも直撃している。
トヨタをはじめ自動車産業の壊滅的事態は全産業に波及し、「輸出立国」は崩壊する。非正規雇用の労働者をモノのように切り捨てても資本主義は延命できない。派遣労働者が製造業の主力を担い、生産の主人公でありながら、人間以下の扱いを受ける資本主義という社会のあり方への根底的な怒りが充満している。
資本主義はその墓掘り人を生み出すとマルクスは言ったが、それが現実となった。ところが労働者は正規雇用と非正規雇用に分断され、非正規の労働者も隣の非正規労働者と分断されている。そうして大資本は、労働者階級から貪欲(どんよく)に搾取して巨大な内部留保を蓄える一方、寒空に派遣労働者をほうり出した。しかしそれも終わりだ。
08年、日本の労働者は動労千葉を先頭に、韓国・アメリカの最も階級的な労働者と一体となって世界革命の大事業を開始し、体制内労働運動と真っ向から対決する闘いを開始した。北海道の同志たちも青年労働者を先頭に、全国の仲間との団結をめざして次々と職場闘争に突入し、サミット粉砕決戦の先頭を担い、11月労働者集会に過去最高の結集を実現した。
北海道では、自動車産業を中心に激しいリストラ攻勢が始まっている。自動車とその関連企業は苫小牧で500人以上、函館を含め800人以上の非正規労働者を3月末までに解雇しようとしている。全産業で正規職の解雇も始まり、6年ぶりの高水準の倒産で失業は急増していね。タクシー労働者に典型的だが、就業していても生きられる労働条件が奪われている。
北海道の自動車産業は「安い労働力」を基礎に84年から本格的に拡大し、出荷額は道内製造業の4%に及んだ。国鉄分割・民営化攻撃と軌を一にしてきたのだ。雇用の非正規化は、全国平均を3ポイントも上回る比率となった。自動車産業の危機は、本州での派遣・期間切りによる帰郷を含め、膨大な失業者を生み出している。
12月、北海道労組交流センターは苫小牧での連続街宣に決起した。「革命をやろう」「森精機の派遣労働者や法政大学のように団結し闘おう」という呼びかけに共感が広がった。北海道地方委員会は青年労働者、非正規労働者の置かれた現状にとことん食らいついて闘う。
09年は全産別が決戦だ。自治体による失業労働者の緊急雇用創出は、分断をテコに自治体労働者への賃下げ・解雇を加速する。道教委による四六協定(全国最後の教組との労使協定。71年締結)破棄宣言は体制内的なあり方からの脱却を敵の側から突きつけており、そのもとで「日の丸・君が代」不起立闘争が闘われる。1月15日のJR函館線での列車異常接近事故は、貨物列車に普通列車が追突する寸前の事態だった。安全崩壊は国鉄分割・民営化とその破産の結果にほかならない。
国労は政治解決路線のもとで安全問題でもまったく闘わなくなって久しい。1047名の解雇撤回要求を投げ捨てた4者4団体路線は、破産したJR体制を右から支えようとするだけでなく、JRを含めた青年や非正規の労働者の闘いに真っ向から敵対するものである。
動労千葉のストライキがなければ1047名闘争は始まらなかった。今、動労千葉には青年労働者が続々と結集している。動労千葉のように闘う中に労働者階級の未来があるからだ。
動労千葉が提起する「生きさせろ!」ゼネストは、体制内労働運動と対決して階級的労働運動を一気に拡大する闘いとなる。北海道地方委員会はその実現へ総決起する決意だ。
階級的労働運動実践しトヨタ打倒へ決起する 革共同東海地方委員会
自らがまねいた世界金融恐慌により、最末期帝国主義が音をたてて崩れ始めた。資本家どもは最後の生き残りをかけ、大恐慌の責任を労働者階級に転嫁し、非正規労働者への「派遣切り」の大攻撃をかけてきた。
しかし非正規雇用、とりわけ青年労働者の怒りは頂点に達している。闘う団結が拡大し、最末期帝国主義をたたきつぶす闘いがあらゆる地域で組織されている。東海でも激しい分岐と激突で鍛えられたマル青労同の仲間が、職場生産点で資本と非和解的に激突し〈次の自分>をオルグする闘いに突入している。また街頭宣伝活動においては、青年労働者に「非正規職撤廃」を大胆に訴え、連合や全労連など体制内指導部の「派遣法改正」路線を圧倒している。
東海地方委員会は08年の闘いをとおして、労働者階級の権力樹立に挑戦する力をつかみとった。労働者がマルクス主義で武装し立ち上がる時代がリアルに訪れている。現場労働者細胞を先頭に、労働者階級、青年労働者を組織する闘いを実践していく決意である。
塩川一派は、プロレタリア自己解放の思想=マルクス主義を否定し解体したことにより完全に破産した。彼らはニセ「革共同通信」を送りつけ、10年以上前に党からたたき出された東海の脱落逃亡分子を利用し、党破壊を試みたが、東海地方委員会は揺るぎない階級的団結でこれを完全に粉砕した。
09年こそ塩川一派を労働者階級の怒りで包囲し、全国の同志とともに階級的労働運動の実践で串刺しにし、歴史のくずかごに葬りさろう。
東海地方はトヨタの牙城(がじょう)だ。トヨタへの労働者の怒りは爆発寸前まで膨れ上がっている。問題は誰がこの怒りを解き放つかだ。それは「トヨタ打倒」をけっして口に出せない愛労連や、労働者を救済の対象としてしか扱わない連合ではない。トヨタと本気で対決し打倒できるのは、階級的労働運動路線で武装された団結をもつ革共同しかありえない。
全国の同志の皆さん! 東海地方委員会は09年をトヨタ打倒の闘いを組織し実践する年にすることを断固宣言する。
「トヨタショック」という言葉に象徴されるように、日帝ブルジョアジーは金融大恐慌の世界的波及に壊滅的打撃を受けている。トヨタは期間工労働者と派遣労働者を切り捨てた。いまこそ青年労働者を「非正規職撤廃」「解雇撤回」の路線で労働組合に組織し、「トヨタ打倒」「キヤノン御手洗を刑務所へ」という闘いを組織する時だ。
トヨタ資本は正規雇用労働者の賃金カットにも手をつけはじめた。1〜3月の減産体制を「無給休業日」として御用組合=トヨタ労組に突きつけたのだ。本来、会社の都合による休業日は、労働基準法26条により6割の休業手当が補償されなくてはならない。しかしトヨタが選択したのは御手洗の「ワークシェアリング」による賃金カットより悪質な「無給休業」で、「役員から一労働者まで減産休業した日の賃金を日当たりで減給する」という攻撃だ。この攻撃は早くも頓挫したが、日ごろ極限まで搾り取っている労働者を、賃金カットの時だけ役員と同列に扱うとは断じて許せない。「生きさせろ!」ゼネストで断固反撃する。
09年11月1万人結集の実現こそがプロ独=革命を切り開く闘いだ。革命情勢の到来にわくわくしつつ、革共同を本物の革命党へ飛躍させ、世界単一の党建設に着手しよう。階級的労働運動の白熱的実践こそ、労働者階級の自己解放を実現する路線だ。この確信に燃えて、東海地方委員会はいまこそ主流派への一歩を踏み出す決意だ。青年労働者が呼びかける3・15ワーカーズアクションをトヨタ打倒の第1波闘争としよう! 米帝―イスラエルによるガザ侵略粉砕! 世界の労働者の団結で帝国主義の世界支配を終わらせよう! 3・20イラク反戦中央闘争を青年労働者先頭に爆発させよう! 第2次国鉄決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒! 沖縄、三里塚の闘いと固く団結して09年を最先頭で闘う。
塩川一派粉砕した地平からさらに大胆に進む 革共同北陸地方委員会
300年の歴史に終止符を打つ資本主義の危機と崩壊の時代に、09年冒頭から11月労働者集会で切り開いた地平を打ち固め、「生きさせろ!」ゼネストに向かって猛然と進撃しよう。世界金融大恐慌に対する唯一の回答はプロレタリア世界革命だ。わが北陸地方委員会は、その闘いの最先頭で闘い抜く決意を明らかにする。
最末期帝国主義の新自由主義攻撃は、世界金融大恐慌を引き起こして大破産した。その対極で、08年11月労働者集会は、大恐慌の時代を真にのりこえる労働者階級の未来と展望を大きく切り開いた。階級的労働運動を非妥協的に実践し、「あらゆる職場に闘う労働組合をよみがえらせよう」と訴え、全世界の労働者階級にマルクス主義の復権と革命の現実性を指し示したのである。11月集会で切り開かれた日米韓3国の国際連帯の地平と、体制内指導部との対決を貫いた青年労働者・学生の荒々しい登場は、わが革共同に真の革命党としての飛躍を待ったなしに求めている。
われわれは、資本主義は崩壊したことを断固として宣言し、労働者階級の敵は誰なのかを鮮明にして闘わなければならない。延命を重ねてきた帝国主義の支配階級は、新自由主義攻撃のもとで労働者階級への搾取を極限まで強め、莫大(ばくだい)な富と利益を懐に収めてきた。その結末が世界大恐慌だ。
彼ら資本家は、恐慌に突入した途端、自分だけが生き残るために、労働者をモノのように使い捨てる。労働者階級の怒りを今こそ思い知らせる時だ。奴らこそたたき出せ! 労働者に権力をよこせ!
北陸地方委員会は、昨年冒頭から転向スパイ集団=塩川一派との路線闘争に決着を付け、党内から一掃した。08年の闘いは、塩川一派に突きつけた怒りをわれわれ自身の飛躍へと転化する七転八倒の闘いであった。
闘いは、富大ビラまき弾圧や法大弾圧との闘いによってより一層磨きがかかり、6月サミットを痛撃する闘いへと転化し勝利してきた。
11月労働者集会へ上り詰める過程は、獄内外の団結した力で職場闘争と大学闘争をまったく新たな段階へと押し上げた。度重なる弾圧をものともせず決起する富大生と不当な解雇攻撃に対し、職場闘争を基礎に闘う青年労働者の闘いが先頭に立ってきた。その質においてまったく新たな地平の地区党建設を成し遂げてきたのである。
われわれはこの09年、さらに大胆に、激しく08年を超える闘いとして突進していく決意だ。11月労働者集会の地平に安住することは許されない。
まず第2、第3の動労千葉をつくり出すために、青年労働者の闘いの先頭に国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦と道州制攻撃粉砕決戦を据え、開始した合同労組運動を前進させていく。不二越1000名解雇攻撃との闘いを始め、県内の職場門前に打って出る。その闘いと一体のものとしてマルクス主義を学びつかみ直すための労働学校の闘いを前進させていく。
さらに2人の獄中同志を奪還した学生戦線は、法大決戦を自ら闘い抜き、さらに第2の法大闘争を富大キャンパスで実現する。そのためにも新樹寮廃寮化攻撃を断固として迎え撃ち、逆に西頭学長体制を打倒する団結の砦(とりで)として、新自由主義大学をぶっ壊し、新樹寮を革命の砦に転化する。
さらには攻めの改憲阻止決戦として百万人署名運動を武器に、労働者階級と結びつき、階級的労働運動路線のもと、職場闘争を基礎にした反戦・反核闘争に大胆に打って出るのだ。階級的労働運動路線の実践こそが反戦・反核闘争の基礎であることは、昨年の「もんじゅ」反対闘争で画然と鮮明になった。
こうした闘いの一切を労働者階級の組織化と階級的団結の強化にまとめ上げ、地域ソビエトを建設していく決定的土台として地区党建設を推し進めなければならない。そのためにも、資本・権力と非和解的に闘い抜ける「鉄の規律」で武装された党を建設していく。
そのためにも職場細胞建設を、資本や当局との日常的闘争の中で形成し、その核心に据えて闘い抜く。
そして北陸地方委員会は、この09年、マル青労同1000人、マル学同1000人建設の最先頭で闘う決意である。
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週刊『前進』(2376号4面2)(2009/01/26 )
2009年 1月114日〜20日
3月にも海自がソマリア沖派兵/与党「海賊新法」提出も準備
●不発弾爆発で2人が重軽傷 沖縄県糸満市で、水道管工事で重機を使って掘削作業中、突然爆発が起きた。2人が重軽傷を負った。沖縄県警は、現場から不発弾と見られる破片が発見されたことなどから、沖縄戦中の不発弾と断定した。弾底信管は米国製で、爆発規模から不発弾は米国製250`爆弾とみられる。不発弾の爆発による人への被害は、県内では復帰後の1974年から2001年までに計11件発生した。うち死者は計6人、負傷者は計47人。(14日)
●米軍F22が訓練開始 米空軍嘉手納基地に飛来した米最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターが飛行訓練を開始した。F22の離陸に伴う騒音は98デシベルを計測した。F22は嘉手納基地に約3カ月配備され、同基地のF15や米海兵隊のFA18戦闘攻撃機などと訓練を実施する。米空軍は配備期間中、航空自衛隊を含む同盟国との共同訓練実施についても前向きな姿勢を示している。(14日)
●海自、3月にもソマリア派遣 政府はソマリア沖の「海賊」対策に海上自衛隊を派遣するため、3月にも自衛隊法に基づき海上警備行動を発令する方針を固めた。派遣する護衛艦は2隻、護衛艦搭載ヘリコプターが上空を警戒しながら安全海域まで伴走する。護衛艦は必要に応じて「海賊」に停戦命令や立ち入り検査を実施。武器使用は警察官職務執行法を準用する。海自の特殊部隊「特別警備隊」が乗り込むことも検討する。(16日)
●イスラエルが一方的「停戦」宣言
イスラエルのオルメルト暫定首相は、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を停止すると発表し、実行した。ハマスも条件付きで即時停戦入りを発表。ガザからの1週間以内のイスラエル軍撤退と、ガザ封鎖の解除をイスラエル側に求めている。だがイスラエル側は、軍はガザに残り、ハマスから攻撃を受ければ攻撃を再開する方針を明らかにしている。軍撤退の日程もガザからのロケット弾攻撃が完全に止まるまで考慮しないという。(18日)
●オバマ大統領が就任 民主党のバラク・オバマ前上院議員が第44代米大統領に就任した。初のアフリカ系大統領。オバマは「私たちは危機に瀕(ひん)している。わが国は戦時下にあり、経済はひどく衰弱している」などと演説した。(20日)
●「海賊新法」提出は3月上旬 与党海賊対策プロジェクトチームは、海上警備行動により海上自衛隊をソマリア沖に派遣した際の行動基準の「中間とりまとめ」を作成した。海警行動を「当面の応急措置」と位置づけ、「海賊」対策の新法案を「3月上旬を目途に国会に提出する」とした。(20日)
●ヘリパッド抗議に500人 沖縄県東村のヘリパッド建設に反対する住民らに対し、国が通行妨害の仮処分を申請したことに抗議する集会が県庁前で行われた。集会には500人以上が参加、「仮処分申請は、国策に従わない住民運動に対する新手の弾圧。断固としてはねのけていく」のアピールを採択した。(20日)
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週刊『前進』(2376号5面1)(2009/01/26 )
2・16国鉄・春闘集会に結集を
「1047名の解雇撤回」の旗高く
「生きさせろ!」の闘いの最先頭に
大量首切り攻撃がすさまじい勢いで広がり、被解雇者を先頭とする労働者階級の一大決起が始まっている。資本主義300年の歴史が終わりの時を迎えた。もはや後のない世界的な大恐慌を、プロレタリア世界革命へと転化すべき時がついにやって来た。この激動の中で、日帝国家権力による国鉄1047名解雇撤回闘争の解体攻撃がいよいよ激化している。同時に、国鉄闘争の中から生み出された4者4団体路線推進派の屈服と変質がいっそう激しく進み、革共同から脱落・逃亡した平田一派が、その最も悪質な先兵として登場してきている。こうした情勢の中で動労千葉は、1047名闘争の階級的な再構築への重大な決意をこめて「国鉄1047名の解雇撤回! 09春闘勝利 2・16労働者総決起集会」(要項別掲)を呼びかけている。この闘いこそ「生きさせろ!」ゼネストの根底的な爆発の扉を開く闘いだ。
4者4団体との対決貫き1047名闘争の発展を
4者4団体は、昨年秋に開催した「10・24集会」に警視庁・機動隊を導入するという暴挙に手を染めた。「解雇撤回要求を貫け」と訴える国労組合員らを「妨害勢力」と言いなし、警察の手を借りて集会から排除したのだ。この決定的事実こそ4者4団体路線推進派の腐敗と転落をまざまざと示している。彼らにとって「国鉄分割・民営化絶対反対、解雇撤回」の原点など、もはや屈服和解の妨害物でしかない。自ら原則を投げ捨てた瞬間に、あくまで原則を貫いて闘うものを平気で警察に売り渡すまでに一直線に転落したのだ。
核心は階級協調の思想であり、プロレタリアートの持つ力への不信とブルジョアジーへの信頼だ。体制内派にとって、1047名の被解雇者は「闘う主体」ではなく「解雇された犠牲者、救済の対象」でしかない。彼らは、「6月までに170万人」(東京新聞 1月12日付)と言われるすさまじい首切り攻撃を強行しているその張本人どもの前にはいつくばり、その「良心」に期待して救済をお願いしているのだ。激しい怒りを爆発させて決起を開始した数十万人の被解雇者、2千万青年労働者らに“政府や資本と闘っても勝てない。頭を下げて救済をお願いするしかない”と制動をかけているのだ。
「警察導入論はデマ」の大うそ
この「機動隊導入」という決定的事実について、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の旧弁護団らはこの間、「『警察権力の導入』論はデマ」という苦しまぎれの大うそを叫び始めている。こんな主張は集会現場にいた人であれば誰も信じないが、いま一度、10・24集会の真実についてはっきりさせたい。
集会当日、日比谷野音正門前には機動隊が横一列に並んでピケを張った。機動隊の隊長は「主催者の警備要請により、配置に着きます!」と連呼しながら警官隊を正門前に並べた。警察の背後には在京闘争団幹部らが並び、警察と一緒になって闘う国労組合員を排除した。会場にやってきた参加者は、舞台裏の入り口に回され、警察と主催者がつくる狭い列を通され、「面通し」までやられた。国労の現場組合員や支援の労働者は一様にわが目を疑い、「ここまで転落したのか」と激しい怒りを爆発させた。
10・26団結まつりで在京闘争団幹部は「おまえらを排除するために機動隊を入れたんだ。なにが悪い」と居直った。4者4団体の屈服和解路線の正体、それが「10・24集会への機動隊導入」の事実に凝縮されている。
1047名闘争の力を解き放て
動労千葉主催の2・16集会は、「生きさせろ!」の闘いの最先頭で新たな1047名闘争の開始を宣言する集会だ。
国鉄1047名闘争は戦後労働運動史上に前例のない画期的闘いだ。国家の総力をあげた労働運動根絶攻撃を打ち破り、20年以上にわたって連合に抗する強烈な対抗軸、労働者階級にとってかけがえのない結集軸として存在し続けてきた。
そして、ついに資本主義は終わりの時代を迎えた。1047名闘争が、全社会からわき上がる社会変革の熱烈な要求と結びつき、「首切りは絶対に許さない! 解雇撤回!」の原則を貫いて最先頭に立つならば、たちどころに5万人、10万人の労働者人民を結集することはまったく可能な情勢が到来している。さらに、国鉄分割・民営化攻撃の決着が何ひとつつかない中で「公務員360万人の全員解雇・選別再雇用」という自治労・日教組解体攻撃との大決戦が始まる。1047名闘争こそ、巨万の労働者を「生きさせろ!」ゼネストに決起させる決定的水路であり、動労千葉労働運動をあらゆる職場に拡大していく闘いだ。
だからこそ今、4者4団体を始めとするあらゆる体制内派との闘いが激化しているのだ。それは「労働者とはいかなる存在か」「いまの時代に労働組合はどうあるべきか」という根本問題をめぐる路線闘争だ。資本主義の「最後の防波堤」「救済者」として登場しつつある体制内派の正体を暴き出し、1047名闘争が本来持っている無限の力を解き放っていかなければならない。
屈服和解路線を賛美する体制内派の先兵=平田派
4者4団体が反動的正体をさらけ出す中で、革共同から脱落・逃亡した転向スパイ集団=塩川一派、平田一派が、4者4団体路線の最も悪質な先兵として登場してきている。とりわけ平田一派は「革共同の国鉄闘争論批判」なる文書で4者4団体の全面擁護を始めた。塩川一派も「警察導入」という事実に一言も触れずに機関紙で「10・24集会」を賛美している。
彼らは、4者4団体との対決を貫いて画期的地平を切り開いた11・2労働者集会―3労組共闘の前進、5・27裁判7被告の自己解放性あふれる闘いに追い詰められ、国鉄闘争の戦場に引きずり込まれてきたのだ。
第一に、そもそも平田文書の目的は何かということだ。それは、4者4団体路線の全面擁護、そして「動労千葉排除」に尽きる。そのために、あらゆるペテンを振り回しているにすぎない。彼らは1047名闘争の原点が「国鉄分割・民営化絶対反対、解雇撤回」にあることを一切語らないばかりか、「解雇撤回を掲げ続けることは愚策」「家族を抱え10年、20年と闘いを展開していくことは一般的ではない」「労働組合運動は資本主義の枠内の要求実現のためのもの。資本主義の枠内で解決することは妥協。その妥協が高いレベルか低いレベルかは判断基準ではない」と4者4団体の裏切りを擁護し、他方で、「動労千葉は民同以下」「手練手管、口八丁手八丁の物取り主義」とののしっている。
4者4団体幹部は「しょせん鉄建公団訴訟は負け戦」「闘争団と家族はもう持たない」「解雇撤回は玉砕」と敗北主義をまき散らし、1047名と家族を屈服和解路線で制圧しようとしている。平田一派はその最も悪質な先兵として“解雇撤回を下ろしても裏切りではない”“原則を貫くことは労働組合には求められていない”と言っているのだ。こんな屈辱的和解で労働者階級の闘いが一ミリでも前進するというのか!
第二に平田一派は、「革共同の『警察導入論』は自らの危機を隠蔽するための問題のすり替えだ」と述べて10・24集会への機動隊導入さえ擁護している。それどころか平田一派―松崎被告は、闘う国労組合員が警察権力と闘い、4者4団体幹部を弾劾している間中、その一部始終を舞台裏の入り口脇で黙って見ていた。権力の弾圧を容認し「第2の5・27弾圧」策動の加担者にまで転落したのだ。
分割・民営化攻撃に白旗をあげる
第三に、こうした平田一派―松崎被告の腐敗と転落は、05年9月15日の鉄建公団訴訟東京地裁判決に対する彼らの全面賛美に鮮明に示されている。平田一派は「9・15判決は国家権力の闘争団解体策動を頓挫させ、国労本部の屈服・転向方針を吹き飛ばした」と諸手をあげて賛美している。
9・15判決とは1047名闘争をなんとしても解体しようとする日帝支配階級の国家意志そのものだ。判決は、国鉄清算事業団による90年解雇の撤回を求める原告の訴えを退け、「正当な評価を受けるという期待権を侵害された」という名目でわずか500万円の慰謝料支払いを命じたにすぎない。しかも、国鉄時代に停職6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた原告は慰謝料支払いの対象からも除外された。動労千葉争議団、停職処分を理由に不採用となった本州闘争団員を救済対象から排除した。つまり“分割・民営化反対で処分されたやつらは本州3会社が欠員でもクビで当然”と言っているのだ。9・15判決は、国鉄労働運動絶滅という分割・民営化攻撃の核心をゴリゴリ貫いている。平田一派はこの9・15判決を賛美することで分割・民営化攻撃に白旗をあげ、体制内的な地金をさらけ出した。
第四に平田一派は、自らの屈服を合理化するためにのみ「革命運動は、労働組合運動とは相対的に区別された革命闘争として展開されていく」と“労働組合と革命運動の分離”論を展開し、動労千葉労働運動の否定に躍起になる。そして彼らの実践的結論は、「妥協は当然」「原則を貫くことは愚策」というとんでもない反マルクス主義に行き着く。これが階級的労働運動を職場生産点で実践するという最も困難な闘いから逃げ、革共同から脱落・逃亡した平田一派のなれの果てだ。
マルクスには「労働組合運動はもっぱら資本主義の枠内で闘う組織、革命運動は党がやること」という労働組合観はみじんもない。また、動労千葉の中野洋前委員長は新版『甦(よみがえ)る労働組合』で「労働組合は労働者階級が団結する手段だ。さらに労働組合というのは、階級対立に伴う社会全体の転覆の準備手段である。つまり階級対立をなくすための社会転覆の準備をするところだ。……労働組合運動の中で労働者階級は、自分たちが権力を握った時の能力を身につける」と述べている。このことをはっきりさせたのがマルクス主義なのだ。
体制内労働運動の限界を打ち破ってきた動労千葉
いよいよ1047名闘争がその本来の力を甦らせ、その勝利に向かって突き進むべき時が来た。だからこそ、体制内労働運動の限界を打ち破り続けてきた動労千葉の闘いの地平についてはっきりさせることが重要だ。
国鉄闘争をめぐる党派的な分岐・激突は、今に始まった話ではない。1047名闘争の全歴史は、一貫して「和解路線」をひた走ってきた国労本部、協会派、日共スターリン主義、カクマルとの熾烈(しれつ)な党派闘争の連続だった。そして、こうした体制内党派の転落の原点は、なによりも国鉄分割・民営化反対闘争過程にある。
戦後最大の労働運動解体攻撃の嵐が吹き荒れる中で、すべての党派が「国家権力が本気でやってきたら結局は負ける」「これだけ攻撃が激しい時代には頭を低くしてたこつぼに入るしかない」と闘わずして屈服する道を選んだ。カクマルは敵の先兵になり果てた。
中野洋前委員長はこの過程を振り返って、「そういう思想に日本の労働運動はずっとおかされてきた」「僕は書記長の時から『民同労働運動を乗り越えるということはどういうことか』と考えてきた。それは根底的には、動労千葉に結集している労働者の階級性、本来労働者が持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘うということだ」と言い切っている(『俺たちは鉄路に生きる2』)。
重要なことは、動労千葉がこの立場を具体的な実践の中で貫き続け、体制内的な労働組合運動の「常識」を打ち破り続けてきたことだ。日々の職場闘争を土台とした階級的団結と戦闘的指導部の形成、「ゼニカネが問題ではない」と組織の総力をあげて決起した三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、動労本部からの分離・独立闘争、国鉄分割・民営化絶対反対を掲げた2波のストライキ。「闘えば分裂する」どころか、動労千葉の組合員はストライキで圧倒的に団結を固めた。
89年〜90年3月には、動労千葉は3波のストで90年4月1日の清算事業団解雇を迎え撃った。JR体制下でのこの闘いは国労の現場労働者の魂を揺さぶり、国労もストに入らざるをえなくなった。国労本部の「全面一括解決」なる和解路線は吹っ飛び、清算事業団に踏みとどまって闘い抜いてきた国鉄労働者1047名が「解雇撤回・原職復帰」を求めて決起したのである。
動労千葉の闘いの歴史は、職場生産点での団結と職場支配権をめぐる死闘の中から、スターリン主義によって踏みにじられてきたマルクス主義を現場労働者の手に奪い返し、体制内労働運動の限界を突き破り、労働組合を闘いの武器として甦らせてきた過程そのものだった。
だからこそ日帝支配階級、JR資本、裁判所、さらにすべての体制内党派が動労千葉を排除し、動労千葉労働運動を否定することに躍起になる。「動労千葉排除」は1047名闘争解体の核心問題なのだ。
検察側の論告を迎え撃つ7被告
4者4団体路線絶対反対の闘いを先駆的に切り開いてきた国労5・27弾圧裁判7被告は、動労千葉と共催で12・14国鉄集会の大成功をかちとり、動労千葉と並ぶ第2次国鉄決戦の主体に躍り出た。
7被告は2・27公判で、検察側の論告という重大段階を迎える。現職の5被告は有罪判決が出れば解雇の危険性もある。JR資本と裁判所、そして国労本部が一体となった「指名解雇」ともいうべき攻撃を絶対に許してはならない。7被告はJR資本の憎悪を一身に受け、なおかつ1047名解雇の責任をJR資本に問い、尼崎事故弾劾―反合・運転保安確立の先頭に立ち続けてきた。「有罪判決、来るなら来い!」と大反動を引き受け、全人生をかけて闘い抜いている。この5・27被告団の闘いは、国労本部の奴隷的屈服と裏切りを体を張って暴き続け、国労内の分岐を促進し、JR本体の職場で苦闘する全国鉄労働者、とりわけ青年労働者を獲得する力を持っている。国労5・27弾圧粉砕闘争は、1047名闘争のいまひとつの基軸であり、全国の職場に「第2、第3の動労千葉」をつくり出す闘いの最前線だ。
「2・16労働者総決起集会」に総力結集し、新たな1047名闘争を圧倒的に登場させよう。
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■「2・16」とは?
国鉄分割・民営化を目前に控えた1987年2月16日、国鉄労働者7628人がJR不採用を宣告された。多くの労働者が、生活上のやむをえない理由からJR以外への再就職や本州JR会社への広域採用に応じたが、あくまで「解雇撤回・原職復帰」を求めて国鉄清算事業団に踏みとどまった1047名が、90年4月1日付で清算事業団から解雇された。ここから国鉄1047名解雇撤回闘争が始まった。
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週刊『前進』(2376号5面2)(2009/01/26 )
“解雇撤回まで闘う”
国労5・27弾圧裁判 羽廣被告が法廷で決意
国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第102回公判が1月16日、東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、羽廣憲被告への被告人質問が行われた。羽廣さんは1047名の一員であり、4者4団体路線との激突の先頭に立っている。その闘いの原点を、羽廣さんは全面的に語りきった。
この日から、法廷入口での傍聴者に対する身体検査が行われなくなった。被告が繰り返し裁判所に身体検査をやめろと迫ってきた結果だ。
公判の冒頭、意見表明に立った小泉伸被告は、「身体検査の措置の撤廃をかちとった」と述べるとともに、裁判所内での公安刑事による傍聴者への威嚇行為をやめさせろと裁判長に強く迫った。
JR不採用とされた時、羽廣さんは25歳だった。国鉄で正職員として働いたのは約6年、そのほぼ4倍にあたる年月の解雇撤回闘争を貫いてきた。弁護団の質問に答えて、羽廣さんは野球や車の運転に熱中していた青年時代のことを語った。国鉄に入社し国労に加入した後も、組合活動よりカーレースに出ることに熱意を傾ける青年だったという。また、工業高校機械科を卒業し、門司機械区に配属された羽廣さんは、機械に直接触れることのできる仕事に喜びを見いだしていた。
そうした羽廣さんは、国鉄分割・民営化攻撃と対決する中で闘う労働者へと生まれ変わっていく。羽廣さんは、「組合を変わらなければJRに採用されない」と脅しをかけ、労働者をとことん踏みにじる国鉄当局の攻撃に激しい怒りを燃やした。そして、機械区区長に呼び出され、分割・民営化への態度を問われた羽廣さんは、「分割・民営化反対」ときっぱりと答えたことにより人材活用センターに送られた。
1987年2月16日、羽廣さんはJR不採用とされた。羽廣さんが不採用となった理由は、国労を抜けなかったということ以外に存在しない。
90年の清算事業団からの2度目の解雇は、被解雇者一人ひとりに人生の選択を突きつけた。羽廣さんが所属する小倉地区闘争団も、「どんな反動判決が出ても解雇撤回まで闘う」という議論を何度も繰り返して結成されたという。だから羽廣さんは、「4者4団体が解雇撤回を捨てるのは許せない」と声を強めた。
羽廣さんは、物販闘争で生計を支えながら解雇撤回闘争を闘う道を選択した。それは容易な決断ではなかった。その闘いの中で羽廣さんは動労千葉と出会い、「労働者階級としてものを見ることができるようになった」という。羽廣さんは「解雇撤回闘争を闘う道を選んだのは正しかった。勝つまで闘い続ける。その決断に悔いは一切ありません」と言いきった。
羽廣さんへの質問は次回も続く。
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週刊『前進』(2376号5面3)(2009/01/26 )
市東行政訴訟 市東さん先頭に県追及
“2・3農地死守裁判初弁論に結集しよう”
1月20日、三里塚反対同盟の市東孝雄さんが千葉県を提訴した農地強奪阻止行政訴訟の第6回口頭弁論が、千葉地裁で開かれた。反対同盟農民を先頭に80人を超す労働者・学生・市民が支援、傍聴に駆けつけ、ともに闘った。
この日は、原告代理人である弁護団によって「土地収用法で取り上げることができなかった農地を農地法で取り上げることは、憲法違反」とあらためて突きつける準備書面8と、被告千葉県の釈明に対する具体的全面的反論を展開した準備書面9が提出され、法廷で読み上げられた。
空港公団(空港会社の前身)は1988年に、反対同盟の最先頭で闘っていた市東東市さん(孝雄さんの父)が耕す耕作地を地主からこっそり買収し、15年間もその事実をひた隠しにしてきた。旧地主は何食わぬ顔で市東家から地代を受け取っていた。こんな詐欺行為が明るみに出た上で、現に耕している農民に向かって「出ていけ」だと? 恥を知れ!
成田空港建設はまさに違法・脱法の数々で進められ、今また空港会社が農民の権利を奪い農業を破壊する暴挙に手を染めていることが容赦なく明らかにされ、それにお墨付きを与える被告・千葉県を追いつめた。
終了後に記者会見と報告集会が開かれ、市東孝雄さんが、「私の土地をめぐる三つ目の裁判が起こされました。2月3日がその第1回です。これは今日の行政訴訟と裏表の関係にあります。2月3日、裁判所の周りをいっぱいにするような、大勢の傍聴をみなさんにお願いします」と、いつにも増して気迫を込めて訴えた。葉山岳夫弁護士は「耕す者に権利があるというのが農地法の大原則」と断言し、裁判の内容や今後の見通しを述べた。(次回は4月21日)
北原鉱治事務局長は、「農民の土地を取り上げる前例をここでつくらせるわけにはいかない」と勝利への一層の奮起を促した。これにこたえ、動労千葉執行委員の関道利さん、市東さんの農地取り上げに反対する会の井村弘子さん、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さん、関西実行委の松原康彦さんが、決意を明らかにした。
最後に萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。「2・3は今年1年の行方を決めるような裁判闘争だ。これまで三里塚では“空港をつくるため”と正義も理屈もない違法がまかりとおってきた。収用法をかけられ、騒特法、成田用水、成田治安法……国家の総体制をあげた攻撃だった。そして今度は農地法で土地を取ろうという。絶対に許してはならない! このあまりにもひどい裁判を徹底的に闘って、その実態を民衆に知らせよう。市東さんの決意にこたえ、代執行を粉砕する陣形をつくりだそう」と訴え、2・3への全力決起を呼びかけた。
(写真 記者会見で気迫をこめて決意を語る市東孝雄さん【1月20日 千葉市】)
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週刊『前進』(2376号5面4)(2009/01/26 )
日程 三里塚・市東さん裁判傍聴を
◎鈴木幸司・いとさん一坪訴訟
1月29日(木)午前10時半 千葉地裁
◎土地取り上げ実力阻止・
農地死守裁判(第1回)
2月3日(火)午前11時 千葉地裁
★開廷前に千葉地裁へ向け市内デモ
午前9時 千葉市中央公園集合(パルコ前)
◎耕作権裁判
2月16日(月)午前10時半 千葉地裁
(いずれも開廷の1時間前に集合)
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週刊『前進』(2376号6面1)(2009/01/26 )
会社解散・解雇の撤回求め石けん労組スト 東北石けん労働組合執行委員長 洞口 明
仙台市の、純石けん「釜出し一番石けん」を製造している有限会社・東北石鹸佐藤工場の労働組合、東北石けん労働組合は、組合つぶしのための「会社解散・従業員全員解雇」攻撃に対して、1月19日、24時間ストライキに突入しました。
この間、営業譲渡、工場移転合理化を進めてきた東北石鹸資本は、新オーナーのもとで工場を移転する動きを労働組合を無視して進めてきましたが、組合の団体交渉要求に追い詰められ、さらに攻撃をエスカレート。17日に開かれた団交で、弁護士を立てた上で「会社解散、全員解雇」を通告してきました。
これに先立って組合では臨時大会を開催してスト権を確立して団交に臨みました。団交の場では、会社の攻撃に怒りを爆発させ、組合員、組合側同席者の長谷武志さん(全金本山労組副委員長)が一丸となって会社を徹底的に追及しました。「法にのっとって」と繰り返す会社に、私たちは現場で実力で反撃する意志をたたきつけました。
19日、当初の方針にはありませんでしたが、青年のA組合員の「もう会社に何の協力もしたくない」という声を受けて、他の組合員もまったく同感。即座に朝礼中の会社に対して、「こんな仕打ちを受けて身も心も働ける状態ではない。今日は休みます」と通告して、山猫ストライキに突入しました。この一撃で会社はまったく仕事が回らない状況にたたき込まれました。
“労働者の怒りを思い知れ! 工場を回しているのは労働者だ!”という真実を会社に「音の出る」形で突きつけたのです。
東北石けん労組は、文字どおり「生きさせろ!」09ゼネストの先陣を切る闘いに突入しました。今後何度でもストライキに突入して、会社に大打撃を与え、会社の悪行を社会的に暴き、支援の陣形を強固につくり上げながら闘います。地域の労働者・学生・市民の総結集で闘います!
★東北石けん労組は1月22日、19日の年休ストに続いて第1波の終日ストライキ闘争に決起!(『前進』速報版参照)
第1波津田沼デモ!飛び入りの参加者も 千葉 HA
千葉・習志野で1月18日、「生きさせろ! 第1波津田沼デモ」を掲げた千葉春闘団結集会実行委員会主催の集会とデモが行われた。京成・新津田沼駅近くの津田沼第一公園に千葉で闘う労働者40人が結集した。直前の街宣で知り合った4人の中学生グループも飛び入りで参加だ。
司会のちば合同労組の青年労働者が開口一番、「皆さん、もう資本主義は終わりです。労働者の団結でぶっ倒しましょう! 一緒にデモをやりましょう!」と元気良く呼びかける。最初に動労千葉を支援する会の山本事務局長、続いて三里塚現闘本部、医療労働者の発言と続く。最後にワーカーズアクション実行委員会の青年がとりわけ大きな声で「1・29経団連デモに立ち上がろう」と訴える。
デモ出発。新津田沼駅前とJR津田沼駅前を結ぶ繁華街を2往復するコースだ。若い女性がケータイで何度もデモ隊を撮影。年輩の女性が「私もデモに参加したいんですが、これから仕事なので。頑張って下さい」と話しかけてくる。中学生もボードを掲げて一緒に大声でコールを叫ぶ。JR津田沼駅前ではロータリーを一周。ここでも笑顔で注目する人が多い。デモ後の参加者の表情も全員明るい。「今日一日闘って良かった」
集会・デモに先立ち、新津田沼駅前で、20人を超える参加で街頭宣伝を行った。「自分も派遣切りされた」と怒りを表明する労働者、「高校生の就職口をなくさないで欲しい」と女子高生。街頭は怒りであふれている。職場で街頭で労働者の怒りを解き放ち、「生きさせろ!」ゼネストに向かって突き進もう!
経団連デモの訴えに「革命やらなくちゃ」 なんぶユニオン T
1月20日夕方、東京・品川駅高輪口で一般合同労組なんぶユニオンが街頭宣伝を行った。
一日の仕事を終え路上にあふれるばかりに行き交う労働者に「森精機の派遣労働者のように団結してストライキで闘おう!」「1・29経団連に対する怒りのデモに参加しよう!」と呼びかけた。家路を急ぐ労働者も足を止め、そこかしこで討論に。資本による大量解雇への怒りと、資本と非和解で闘う労働組合への共感は、皆共通だ。
駅前の京品ホテルを経営者が勝手に売り払い解雇された労働者が退去命令をはね返して自主営業していることを、誰もが知っている。
ユニオンの労働者の提起に応えて「『生きさせろ!』ゼネストの実現をめざす団結署名」にペンを走らせながら、「革命でもなんでもやらなくちゃね」と女性労働者が力を込めて語った。資本家どものやりたい放題にさせておくわけにはいかない。森精機のようなストの実現に向けて街頭をさらに熱いものに!
東大安田決戦40周年許されぬ歴史の偽造 東大闘争元被告 山本卓雄
1969年1月18〜19日の東大安田決戦から、早くも40周年を迎え、マスコミもテレビや新聞が幾つも特集を組んだ。
そのほとんどが現在につながらない過去の消耗な回想だったが、なかでも日本テレビが1月14日に放送した「東大落城」という2時間のドラマ仕立ての特別企画は、特にひどかった。歴史の偽造そのものでもあった。
一方の主役が権力側の現場指揮官だった佐々淳行(警視庁警備一課長)で、その言動なども怒りに堪えなかったばかりか、学生側の主役が工学部列品館に立て籠(こも)ったML派(毛沢東主義派)だったことも、安田決戦の実際の主軸とはかけ離れていた。列品館は重傷者が出たりしたため、早々と白旗を掲げて落城した。しかもML派はとっくに消滅し、現在の階級闘争とは無縁だ。
法文2号館から一人残らず敵前逃亡したカクマルは問題外だが、最大の主役の一人である東大全共闘の山本義隆議長も、最大部隊の中核派も、まったく出てこない。
思い返せば、わが中核派は全国結集した二百数十人の部隊で、70人以上が籠城(ろうじょう)した東大全共闘とともに、最後まで責任を取り切って闘った。中核派は、安田砦防衛の最重要部署である2階と、時計塔の6階、そして正門を入って右側の要衝、法研(法学部研究室)を受け持ち、大量の火炎瓶、鉄パイプと、石やブロック片で徹底抗戦し闘った。
2日間の逮捕者総数は786人、起訴は540人。私の大学は東大全共闘に次ぐ50人の部隊が上京して籠城し、法研砦(とりで)死守戦を軸に奮戦。私自身は1年8カ月近く未決勾留され、2年の実刑をくらった。
「安保粉砕・日帝打倒」「帝大解体」などのスローガンを掲げて闘われた東大闘争の歴史と精神は、革命勝利をめざす現在の革共同と中核派の闘いの中に生き生きと継承されている。
松原市立病院の3月閉鎖―全員解雇攻撃 大阪 渋谷あかね
大阪府南部の松原市で公務員労働者の大量解雇攻撃が始まった。昨年11月28日、中野孝則市長は「市民病院来年3月閉鎖」を発表した。私は「9月末の銚子市立病院閉鎖に伴う185人の医師や看護師の全員解雇は絶対許せない。いよいよ大阪でも公務員全員解雇攻撃が始まった」と、労組交流センター自治体労働者部会の仲間と「市長のクーデターは許せない! 解雇絶対反対で闘おう」とビラを作り、まきに行った。
市長の閉鎖発表の引き金になったのは07年12月の総務省「公立病院改革ガイドライン」だ。すべての自治体に年度内に公立病院経営改革計画を作ること、赤字病院は3年以内に結果を出すこと、結果の出ない病院はつぶしてしまえと激しく迫っている。市長と与党自民・公明は「建て替えに100億円もかかるから再建は無理」と突然閉鎖を発表し、12月議会で廃止条例を通過させたのだ。道州制を進める橋下府知事は「どこかで決断しないと自治体の財政は逼迫(ひっぱく)してしまう」と市長のクーデターを支持した。絶対許せない! 病院労働者は院長から「明日閉鎖発表」と聞いた27日、80人が市役所に押し寄せ、市長追及・弾劾に立ち上がった。病院存続を求める署名は2カ月で3万5千も集まっている。
許せないのが日共・自治労連だ。目の前で170人を超える労働者の生首が飛ぼうとしているのに、日共のビラや主張は病院労働者への解雇攻撃に一切ふれていない。
病院労働者は私たちのビラまきを歓迎し、「首になったら行くところがない。解雇は許せない」と怒り、国鉄分割・民営化絶対反対、解雇絶対反対の動労千葉の闘いに共感を示した。民営化や解雇攻撃に怒る労働者と結びつき、絶対反対で闘う医療労働者の総決起をつくりだそう!
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週刊『前進』(2376号6面2)(2009/01/26 )
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
4同志の無罪確定へ2・14集会
昨年6月から始まった須賀武敏・十亀弘史・板垣宏3同志の差し戻し審は、12月18日の第11回公判において、きわめて緊迫した事態を迎えました。検察官は、突如として差し戻し審で請求していた証拠・証人をほとんどすべて撤回し、あと1人で検察官立証を終了させるという、大攻撃を仕掛けてきました。検察官立証の不可能性に追いつめられて逆に開き直り、大幅に立証を省略、手抜き立証によって「迅速」裁判=早期結審策動に出てきたのです。
一方、福嶋昌男同志の上告審では5月11日の上告趣意書の提出期限が迫り、不当な控訴審判決の破棄に向けての闘いが進められています。
20年を超えて、国家権力の爆取デッチあげ弾圧・革共同絶滅攻撃と真っ向から対決してきたこの二つの裁判になんとしても勝利しなければなりません。とりわけ、15年半もの実質審理を経て無罪判決をかちとった3同志の裁判を、控訴審において1回も審理せず東京高裁・中川武隆が「破棄・差し戻し」した暴挙を絶対に許さず、粉砕しなければなりません。
二つの裁判での必勝を期して「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」は、2月14日、「『簡易・迅速』裁判粉砕し、4人の無罪確定へ2・14集会」を主催し、多くの方々の参加を呼びかけています。
世界金融大恐慌下、労働者の大量首切りの嵐が吹き荒れる中、労働者の革命的決起に恐怖した帝国主義国家権力による裁判員制度、「簡易・迅速・厳罰」化、共謀罪攻撃など、戦時司法への転換攻撃が激化しています。検察官立証の破綻を開き直ったムード的立証には証拠が存在しないという決定的弱点があります。
私たちは「生きさせろ!」ゼネストの闘いと一体となって、デッチあげ弾圧を粉砕し、3同志の差し戻し審での再度の無罪判決と、福嶋同志の上告審での控訴審判決破棄・無罪判決をかちとります。ぜひ、2・14集会に結集してください。
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【集会要項】
★日時/2月14日(土)午後1時30分★場所/豊島区民センター(コア・いけぶくろ)5階音楽室
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週刊『前進』(2376号6面3)(2009/01/26 )
爆取デッチあげ差し戻し審 証拠調べを撤回
拙速手抜き裁判許すな
昨年12月18日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し審の第11回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で行われた。
検察官は、11月に「立証趣旨の変更」の申し立てに伴って請求していた証拠・証人の取り調べを突然撤回した。さらに当初請求の証拠・証人まで1人を除きすべてを撤回すると言い出した。
これは3同志と弁護団の「関連性のない証拠・証人は必要ない」「撤回せよ」との要求と闘いに追い詰められた結果だ。しかし、同時にここには明らかに検察官立証の破綻を救済し、厳格な立証など必要ない、ムード的な立証で十分とする裁判所による検察官への卑劣な指導がある。裁判員制度を先取りした「迅速」裁判=早期結審、有罪判決を狙った大反動だ。
1月15日に行われた第12回公判の冒頭、3同志が決然と意見表明した。
板垣宏同志「検察官の突然の立証方針の変更と撤回は検察官立証の一貫性のなさを示している。これは検察官が白旗を掲げたということだ。裁判所は無駄な検察官立証の破綻を認め、直ちに無罪判決を出すべきだ。今回の立証の変更と撤回は、本来検察官の立証の不可能性=無罪とすべきところなのに、逆に審理を省略・手抜きすることで、事実審理をせずに事実上の事実認定を行った控訴審判決の誤りを繰り返すものだ。この理不尽な攻撃を必ず粉砕する」
須賀武敏同志「今回の攻撃は『簡易・迅速・厳罰の戦時司法』への転換攻撃だ。本件と関連性のない藤井俊裕証人の取り調べに固執するのは、金沢関係証拠を審理したという形式を整えるためにすぎない。早期結審・有罪判決を狙った攻撃を許さない」
十亀弘史同志「裁判所がもし早期結審策動を考えていないというのなら、@藤井証人を却下せよ、Aこれまでなされた橿原・関之沢林道関係証拠のすべての証人を証拠排除せよ、B直ちに無罪判決をせよ、という3点の実践により示せ」
「金沢借家」関連唯一の証人は金沢借家の捜索差し押さえを行ったという警視庁公安一課の藤井俊裕だ。検察官は10人を予定していた証人を藤井1人に絞り込んだ関係で、藤井が実際体験していないことまで証言させようともくろんでいた。
しかし弁護人が先制的に「証拠開示が遅い」「伝聞証言は許さない」と異議を申し立て、これを皮切りに3同志と弁護団が次々と異議をたたきつけた。検察官はたびたび立ち往生。露骨な検察擁護の訴訟指揮を行う林裁判長に対し、傍聴者も一体となって弾劾・抗議の声を上げた。結局検察官は捜索差し押さえに関してほとんど何も聞くことができなかった。
次回2月2日と24日の藤井の反対尋問では「金沢借家」関連証拠の破産を刻印する反対尋問を行い、反動を打ち破り差し戻し審に勝利しよう。裁判所と検察官が、追い詰められた結果とはいえ、全面的な拙速=早期結審方針へと転換したことで、差し戻し審は一気に決戦段階へと突入した。全力で傍聴に集まろう。
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週刊『前進』(2376号6面4)(2009/01/26 )
三浦五郎さんを追悼する
労農解放貫いた96年
三里塚現地闘争本部
反対同盟本部役員であり最長老の三浦五郎さんが1月14日、心不全のため亡くなられた。享年96歳だった。三浦さんは1月6日が誕生日。元気に96歳を迎え、前日まで普段の日常生活を過ごしていた。テレビで好きな大相撲を見ながら、反対同盟ニュースや支援団体の機関紙・ビラを隅々まで読んでいた。その直後の異変だった。
三里塚43年の闘いのリーダーであった三浦さんを失った反対同盟、そしてわれわれ支援者の悲しみは、何物をもってしても癒やされない。
しかし、「闘争に全人生をささげた」三浦さんの遺志を継ぎ、三里塚闘争を勝利させることこそ、唯一、三浦さんの闘魂に応える道と肝に銘じ、悲しみをのりこえて、空港廃港へ邁進(まいしん)することをここに誓うものです。
三浦さんは1913年、父美貞、母松世さんのもと、山梨県東八代郡に生まれた。山梨県は耕地が少なく、同年10月、五郎さんがまだ1歳にもならない時点で、美貞さんは千葉県遠山村(現・成田市)の御料牧場に24戸とともに集団で入植した。
入植とは言っても小作労働だった。御料牧場の小作人は天皇の農奴同然だった。開墾担当の地区を3度もたらい回しにされ、塗炭の苦労をしたと、折に触れお聞きした。ここから、父親が農民運動に目覚め御料牧場当局との闘いに立ち上がっていった。
芝山地区は、隣の八街・富里地区の明治以来の農民運動の影響を強く受けている地域だったため、農民運動先進地域だった。三浦さんは「子どものころからおやじのビラ配りをよく手伝ったよ」と話してくれた。
1932年には共産青年同盟の一員として治安維持法で逮捕されたことが新聞にも報道された。45年の敗戦後、横須賀から復員した三浦さんは直ちに農民組合運動に参加していく。そして、50年代になると農地解放闘争および御料牧場解放闘争の先頭に立つようになる。農地改革のための農地委員も務め、64年には芝山町議会議員にも当選した。
こうして自作農の地位も得、社会的な地位も安定してきたところへ降りかかったのが空港建設計画だった。農民無視のこの暴虐に、三浦さんは最先頭で反対運動に参加していった。
その後、67年の外郭測量強行、71年9・16戦闘後の激しい青年行動隊弾圧、77年の鉄塔破壊から78年の成田空港開港重圧による一部幹部の動揺、そして82年2月、戸村一作委員長亡き後の実質的な最高指導者・石橋政次元副委員長の脱落、83年3・8分裂、87年9・4分裂……。これらの反対同盟の試練の中に、常に三浦五郎さんの姿があり、反対同盟が「絶対反対同盟」として自らを磨き上げていく精神的な支柱として、「戦前以来の闘士」三浦五郎さんの存在があった。
2000年以後では、とりわけ市東孝雄さんへの農地法を使った農地強奪攻撃に怒りを燃やし、顔を真っ赤にして千葉県、成田空港会社の暴虐を弾劾していた姿を忘れることができない。
06年7月2日、市東さんの記者会見の場に三浦五郎さんの姿があった。高齢のため、集会には参加していなかった三浦さんだったが、この時ばかりは「はってでも参加する」というりりしい姿があり、農地法の精神を記者たちに直接解説し、農地法で農地を取り上げようとしている空港会社に対する怒りを爆発させていた。
三浦さんが育て、鍛え上げた三里塚反対同盟は43年の激闘を経てついに、日帝・国土交通省、空港会社と四つに渡り合い、一歩も引かぬ堅忍不抜の農民組織へと飛躍を遂げた。
私たち三里塚現闘は、三浦さんの遺志と闘魂を受け継ぎ、この反対同盟を支えて、三里塚闘争の最後の勝利まで闘いぬく決意をここに誓います。
三浦五郎さん。最後まで私たちの闘いを見守り、鼓舞激励して下さい。そして安らかに眠って下さい。
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週刊『前進』(2376号6面5)(2009/01/26 )
マルクス主義青年労働者同盟加盟の決意・抱負
マルクス主義に触れて自分の方向見いだした
東京 野中 絵美
私は今まで周囲の人びとの多くを軽蔑(けいべつ)してきた。労働者という認識のない人びと、資本家は敵ではないばかりか、仲良くしていれば自分に利益を分け与えてくれる存在であるかのように考えて、彼らにこびへつらい、他人を蹴落として上昇しようとする人びと、過剰な装飾、過剰な娯楽、過剰な利便性を追い求める人びと、彼らを軽蔑してきた。
でもマルクス主義の本質に触れて初めて、実は彼らは資本家によって分断され、資本家に利益をもたらすために巧妙に創(つく)り上げられた搾取構造の中で、互いに競争心をあおられ、合理化や同一化の過程の中で固有性を失っているに過ぎないことに気付いた。その事実に気付かずに一人ひとりの労働者の潜在的可能性を私は見誤っていた。
一方で私はかねてから、資本主義・帝国主義に対し、事象を差異化し、空虚な権力で人びとを抑圧、侵略する暴力装置と見、非実践的にただ批判してきた。非実践的にならざるを得なかったのは、私が方法を知らなかったためであり、さらに方法を知らなかったのはスターリン主義のためだった。しかし、労働者一人ひとりの自己解放とそこから得られる力での連帯が、誰にも支配されない、誰をも支配しない、個人と個人の違い以外の何の優劣もない平等な社会の実現へつながるのだと、マルクス主義によって教えられた今、自分の方向性が見いだされたように感じている。
残念ながら今の私はまだ、理論としては理解していながらも実践していく力がとても未熟だ。自分自身がそういった点を克服していくためにも、経験のある人びとから、マルクス主義から多くを学び取り、すべての人びとにとって平等な社会を築く中の一員となりたい。
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私にとってとりわけ思い入れの強い地であるパレスチナについて若干のことを書き記したい。
私は10年以上前に一度だけパレスチナを訪れた。その時に現地の人びとと交流を持って実感したのは、日々生活している生身の人間として何の違いもないということ、しかし一方で、私が悠々閑々と日常を送っているまさにその時に、彼らは自分の生命を守るだけのために生きていなくてはならない、ということだった。差があってはならないところに生じた差に対してどう働き掛ければよいか、これが課題だった。
今ガザでは、イスラエルによって帝国主義最後の断末魔のあがきにふさわしく醜い残忍な虐殺行為が進行している。しかし、このガザ侵略はすでに失敗している。イスラエルの残虐行為の結果が世界中に配信される中、それを歓迎する人間がどこにいるだろうか。歓迎するのは自国の利益だけが最大の関心事である帝国主義諸国のみだ。
しかしハマスこそは、パレスチナ人の生活に最も密着して活動し、それゆえパレスチナの地にしがみついて抵抗し続けている。イスラエルの殺戮(さつりく)はパレスチナ抵抗勢力の価値を一層高める結果となった。欺瞞(ぎまん)的和平工作を終焉(しゅうえん)させた。
そしてイスラエルによって手足をもがれた家族の復讐(ふくしゅう)に燃える人びとが立ち上がっている。世界中で怒りの声が上がっている。パレスチナ人と一部のイスラエル人が民族の差をのりこえ、同じ権力に抵抗するものとしてともに闘い始めている。またトルコでは賞賛すべき大規模なデモが各地で行われ、シオニズムの敗北と帝国主義の瓦解が確認されるとともに、靴を投げつけられたブッシュとオルメルトの操り人形が炎に包まれた。帝国主義の実態を知る人びとは今、国境を越えて連帯している。
欺きの停戦などによってイスラエル軍を充電させ、ハマスへの武器流入を止める、つまり抵抗の源泉をからす、そのようなことがあってはならない。ハマスは勝利するか戦争を終わらせないかどちらかだ。
良心と尊厳を有するすべての人びとは今、正しいもののために一斉に立ち上がらなくてはならない。
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だから、傲慢(ごうまん)にも他人を支援するのではない、同じ立場で同じ人間として権力と闘う方法をようやく見いだした私も、マルクス主義青年労働者同盟に加盟し、ともに闘うことを誓います!
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