ZENSHIN 2008/02/18(No2331 p06)

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第2331号の目次

「トレーナー処分」に根津さん怒りの追及

 「私はずっとこれを着て仕事に専念してきました。何が問題か説明してみなさい」。根津公子さんの猛抗議に都教委職員は沈黙。「君が代」解雇策動に怒り、100人以上が駆けつけた(2月14日 都庁)=記事2面

1面の画像
(1面)
3・16イラク反戦大デモを
米軍の少女暴行事件弾劾する
職場・生産点で団結を打ち固め4大産別先頭に春闘スト闘おう
記事を読む  
3・16全世界一斉デモへ 青年労働者は訴える@
職場で闘い団結つくろう
全逓労働者(東北) 中村淳司
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(2面)
2・12〜14 “根津さん解雇 許さない”
都教委に怒りの追及行動
つぎは2・21「1日行動」だ(2月12〜14日)
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不起立闘争で職場に団結を 全国からのアピール
自己解放と階級的団結の“すっげえ力のある闘い”
広島の教育労働者から訴え(佐伯知美)
記事を読む  
「君が代」不起立嘱託不採用撤回裁判
“10・23通達、職務命令とも合憲”
超反動判決を弾劾する
原告の怒りと結び闘おう(2月7日)
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2・10集会 教育労働者が不起立宣言
「根津さん解雇阻止」を決議(2月10日)
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(3面)
春闘をストライキで闘おう
体制内労働運動を打ち破り“一律大幅賃上げ”の実現へ
労働者はストに決起し始めた
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広島教労集会 “団結して不起立を”
卒業式闘争への決起を誓う(2月11日)
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〈焦点〉 サブプライム危機にも「無策」
G7で米日欧の分裂露呈
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〈焦点〉 アフガニスタンが重大情勢へ
タリバン攻勢と米欧亀裂
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(4面)
国際婦人デー行動に立とう
女性が労働運動の主軸を担いプロレタリア自己解放実現へ
深沢史子
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「地球温暖化対策」を口実に 原発大増設に走る米日欧
末期帝国主義打倒が核心だ(益子孝史)<
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日誌 2008年 2月6日〜12日
海外派兵恒久法狙う部会発足へ/沖縄米兵が中3少女に暴行
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(5面)
今こそ米軍基地撤去の実力闘争へ
米兵による女子中学生の拉致・暴行事件を弾劾する
革共同沖縄県委員会
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2・12 ゲート前で緊急抗議集会
“基地をなくす以外にない”(2月12日)
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少女暴行事件を糾弾し、即時基地撤去を求める抗議声明(2月12日) 記事を読む  
2・11日本原 迫撃砲試射に怒り
地元農民・労組200人がデモ(2月11日)
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2・11佐世保 “母港化許さぬ”
原子力空母入港に抗議(2月11日)
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(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
福嶋控訴審 デッチあげ有罪判決物理学者が論破
弁護側証人「却下」に怒り(2月12日)
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“徳島刑務所暴動”の真相
受刑者が医療虐待を告発 “生きさせろ”と獄中決起(徳島 T)(07年11月16日)
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4・27法大裁判 安東学生部長追及6時間
”次はキャンパスでやるぞ”
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週刊『前進』(2331号1面1)(2008/02/18 )

 3・16イラク反戦大デモを

 米軍の少女暴行事件弾劾する

 職場・生産点で団結を打ち固め4大産別先頭に春闘スト闘おう

“基地撤去しかない”

 米海兵隊司令部のあるキャンプ瑞慶覧ゲート前で米兵の少女暴行事件に対し怒りの緊急抗議集会(2月12日 沖縄)=記事5面

 イラク反戦5周年の3・16全世界一斉デモは、全世界の労働者が一つに団結し、巨大なストライキと街頭デモでイラク反戦と資本主義・帝国主義打倒の大反乱をたたきつける闘いだ。福田、御手洗よ。「労使は運命共同体」「生産性向上」など、ふざけるんじゃない! 労働者と資本家は非和解だ。労働者を食わせていけない資本主義の時代は終わりだ。国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の労働者を先頭に、08春闘をストライキで闘おう。同時に沖縄での米軍の少女暴行事件に根底的な怒りをたたきつけよう。職場の仲間とともに組合の旗を掲げて、3・16全世界一斉デモに大結集しよう。

 不起立闘争で団結の拡大を

 労働者階級の巨大な反乱が始まった。2月14日には、「日の丸・君が代」不起立を貫いて闘う東京の教育労働者・根津公子さんに対する新たな処分策動をはね返す大勝利がかちとられた。
 東京都教育委員会は、根津さんが「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO(「日の丸・君が代」に異議あり)」というロゴ入りのトレーナーを勤務時に着ていたことを口実にして、3月卒業式の前、14日の都教委定例会で解雇の処分を出そうとしてきた。これに対して全国から、アメリカから、労働者の怒りの大反撃がたたきつけられた。12〜14日の3日間は、のべ数百人が根津さんとともに都教委に押しかけ、都教委傍聴や庁舎内座り込みなど徹底抗戦した。
 追いつめられた都教委は、21日にもまた定例会を開催して、根津さんへの処分を決定しようとあがいている。徹底的に闘い、労働者の団結をさらに広げよう!
 教育労働者が「日の丸・君が代」強制に反対するのは労働者として当然だ。しかも教育現場で長年、一生懸命働いてきた根津さんに、「職務専念義務違反」などというのは絶対に許せない。現場の教育労働者が過労死しようが、自殺に追い込まれようが、自分の地位や利益を守るためには何でもやる都教委や石原に教育を語る資格はない!
 教育労働者は不起立で今こそ団結しよう。不起立は「40秒間のストライキ」だ。職場を教育労働者の手に取り戻そう。処分を恐れず現場で不起立を呼びかけて闘う教育労働者こそ、真の日教組執行部である。
 昨年の9・29沖縄県民大会で12万人の大結集を切り開いた沖縄高教組や沖教組の闘い、1月30日の北教組のストライキに続こう。3月卒業式の不起立闘争で、闘う日教組をつくり出そう。全国の教育労働者は3・16全世界一斉デモに、闘う日教組の旗をもって大結集しよう。

 本土-沖縄貫く労働者の怒り

 2月10日、沖縄でまたしても米海兵隊兵士による女子中学生暴行事件が起こった。絶対に許せない! 「はらわたが煮えくり返る思いだ」「子どもを預かる教員として満身の怒りがこみ上げてくる」「米軍基地をなくすため具体的に行動を起こすしかない」と、弾劾の闘いが爆発している。
 沖縄の怒りは、沖縄戦での日本軍による「集団自決」の強要という史実を抹殺する教科書検定意見への怒りともども、頂点に達している。沖縄基地と米軍の存在こそが諸悪の根源だ。イラクとアフガニスタンへの帝国主義的侵略戦争―世界戦争の攻撃の激化が元凶だ。
 本土の労働者も今回の事件を絶対に許さない!
 労働者の巨大な実力決起で基地を撤去する以外に、いかなる解決の道もない。怒りを燃やし、沖縄と本土の労働者は帝国主義と闘う一つの軍勢として団結し、闘おう。労働者のストライキとデモの力で、イラク・アフガニスタンへの侵略戦争をとめよう。3・16イラク反戦大デモこそ、そのような闘いなのだ。
 沖縄戦の「軍命削除」の教科書検定意見撤回を求める9・29沖縄県民大会12万人の決起は、再び沖縄を犠牲にして侵略戦争―世界戦争へと突き進む帝国主義への大反撃だ。この沖縄の労働者の怒りと闘いは、米日帝国主義との非和解の激突であり、基地撤去と帝国主義打倒の革命まで続く。
 イラク侵略戦争と少女暴行事件への怒りを、3・16全世界一斉デモで米帝ブッシュと日帝・福田にたたきつけよう。本土―沖縄の労働者階級は一つに団結して闘おう。

 「新自由主義」に世界で反撃

 戦争と民営化・規制緩和という帝国主義の新自由主義攻撃に対して、職場からストライキで反撃する時代が始まった。
 帝国主義の最後の延命策である新自由主義政策は、帝国主義をさらに末期的危機に陥れている。サブプライムローン危機の爆発を引き金に、今や世界金融大恐慌が現実化し、没落を深める米帝国主義は、イラク・アフガニスタンからイランへと侵略戦争の拡大を狙い、世界戦争の破滅の道へとのめり込みつつある。
 国内では、徹底した民営化・規制緩和で格差と貧困の拡大、団結破壊の攻撃を激化させ、アメリカでも日本でも労働者階級を耐えがたい状態にたたき込んできた。帝国主義の最後の延命策=「新自由主義」は、逆に資本主義の墓掘り人である膨大な労働者階級を全世界に生み出したのだ。
 何より決定的なのは、動労千葉の国鉄・分割民営化攻撃との20年の闘いとその勝利が、11月労働者集会での3労組共闘と日米韓労働者の国際連帯の発展を切り開いてきたことである。
 03年3月のイラク侵略戦争開戦から5年、米軍の占領と爆撃継続、傀儡(かいらい)マリキ政権支配のもとで、イラクの労働者階級が職場・生産点に労働組合をつくり、まさに帝国主義打倒のプロレタリア革命に向けた進撃を開始した。
 油田や採掘施設など石油産業の民営化―帝国主義による略奪を阻止しているのは、イラクの石油労働者組合だ。昨年6月にも、イラク南部から首都バグダッドへの石油輸送を止める1週間のストライキが闘われた。石油権益の独占を狙っていた米ハリバートン社は、イラクからたたき出された。労働組合の結成は、電気、港湾、鉄道、ホテル、学校、各工場へと拡大し、占領軍撤退・民営化阻止のストライキが次々と闘われている。
 米帝ブッシュとマリキ政権は、ストライキ参加者の頭上に戦闘機を飛ばし、労組の団体交渉を非合法化し、組合資金の押収や指導部の逮捕・拘束・暗殺など労組破壊の大弾圧を加えている。だが、労働者の団結はどんどん拡大している。
 侵略戦争と占領下のイラクで「労働運動の力で革命をやろう」の闘いが起きている。階級的労働運動路線を白熱的に実践し、帝国主義打倒とプロレタリア世界革命の勝利に向かって闘おう。

 今こそ4大産別決戦勝利へ

 3・16は、帝国主義打倒のプロレタリア革命の実現に向かって、職場の労働者の団結をつくり出していく闘いであり、連合・全労連指導部を始めとした体制内労働運動指導部を打倒して、階級的労働運動をあらゆる職場で復権させていく闘いである。またそのために、職場で動労千葉労働運動を実践し、資本と非和解に闘うことで、職場に階級的団結をつくり出すと同時に、組合権力を奪い返す闘いである。ワーキングプアを強制されている2000万の青年労働者の怒りと闘いに結合し、4大産別を始め全産別にマル青労同を建設していく闘いである。
 この意識性を強烈に貫き、日々職場で起こる合理化や労働強化に対してすぐさま反撃に立ち上がることが重要だ。そしておかしいことには「おかしい」と声をあげ、職場の怒りに火をつけ、資本や当局を取り囲んで弾劾するような、職場での実力闘争をやろう。
 4大産別決戦の軸をなす第2次国鉄決戦に、今こそ腹を据えて突入しよう。第2次国鉄決戦をめぐる死闘は、プロレタリア革命への前進を切り開く階級的労働運動の死命を制する。1047名の解雇撤回を貫いて闘う動労千葉とともに、あらゆる産別と職場で、08春闘をストライキで闘おう。
 自治体労働者もストライキで立ち上がる時がやってきた。特に「職員は破産会社の社員という自覚をもってもらう」「給料が半分に減るのは当たり前」などと叫ぶ橋下大阪府知事には、絶対にがまんがならない。自治体の財政破綻(はたん)は現場の労働者に責任があるとでもいうのか、ふざけるな! 全国の自治体労働者の怒りをストライキでたたきつけよう。
 全逓労働者は今こそ、「郵政民営化絶対反対」を一層高々と掲げて闘う時だ。1万5千人の欠員状態の上に2万4千人の削減など、冗談ではない! 全国で始まった超勤拒否の闘いを拡大し、春闘をストで闘おう。
 これら2〜3月の闘いの一切を、3・16の大爆発へと合流させよう。
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「トレーナー処分」に根津さん怒りの追及

 「私はずっとこれを着て仕事に専念してきました。何が問題か説明してみなさい」。根津公子さんの猛抗議に都教委職員は沈黙。「君が代」解雇策動に怒り、100人以上が駆けつけた(2月14日 都庁)=記事2面

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週刊『前進』(2331号1面2)(2008/02/18 )

 3・16全世界一斉デモへ 青年労働者は訴える@

 職場で闘い団結つくろう

 全逓労働者(東北) 中村淳司

 イラク開戦から5年。ブッシュを始めとした支配者たちが「テロとの戦いだ、自由を守る戦いだ」と言ってきたわけだけど、今そんなことを本気で信じる労働者はいない。
 この間、資本主義は生き延びるためにさまざまなことをやってきた。規制緩和、労働組合つぶし、リストラ・首切り・非正規化……。そのため食うや食わずの状況にたたき込まれた私たち青年は、この戦争の本質を見抜いている。そう、資本主義の延命のための戦争であり、労働者にとっては1ミリの正義もないということを。
 私の職場、郵便局でも民営化で労働条件は極限まで悪化し、多くの仲間が精神を病んだり、職場を辞めたり、さらには現職死亡している。しかもそれに既成労組執行部はまったく何もしないどころか、当局と一体となって生産性向上推進の先兵と化している始末だ。冗談じゃない!
 私は昨年、職場の同志とともに「郵政民営化絶対反対」を掲げて立ち上がった。これまでの、陰でこそこそやっていたあり方を転換したのだ。こそこそやったところで、実際に労働者の中で闘う団結をつくり出して革命をやる力に転化できなければ、そんなものはなんの役にも立たない。
 ビラを職場の門前でまき、組合の大会代議員選に出て、超勤拒否をやる。その中でさまざまな動・反動があり、わかったことは、現場の仲間はちゃんと見ているということだ。既成指導部、社共に失望している中で、われわれはどうなのかということを厳しく見ているのだ。
 年末年始繁忙で、あらためてそれが問われた。殺人的な忙しさの中で、それに完全に負けてしまった自分。「しょせん、こんなものか」とあざけられているような気がして、すごく苦しかった。悔しかった。それは、ほかの同志も同じだった。
 そのことを同志みんなで話し合う中で、「自分たちの団結が絶対大事だ」ということで一致した。確かにそうだ。同志が団結してなくて、どうして職場で団結をつくることができるだろうか。さまざまな行動をして、さまざまな反応を得たからこそわかったことだ。
 “よし、やろう!”ということで、1月末にJP労組中央委員会批判のビラを門前で同志とともにまいた。氷点下の寒さの中、みんなでにこにこ笑いながらまいた。すごく楽しかった。そんな中で私の大ファンという職場の仲間も出てきた。今、間違いなく展望がある。
 3・16イラク反戦5周年デモをなんとしても成功させたい。仙台で実行委員会をつくって議論を開始した。「資本主義への怒りを解き放とう!」「労働者の団結に誇りを持てる組合にしなければ。沖縄でできることは仙台でもできる」など、白熱した議論になった。この議論の中に、時代を変える力がある。
 3・16デモの大成功のためには、自分たち一人ひとりのさらなる決起が必要だと思う。間違いなく展望はあるのだ。
 今の社会をまともな社会だと思っている労働者は誰ひとりとしていない。みんな、なんとかしろと叫んでいる。その思いにがっしりとかみ合うのは私たちの方針、「動労千葉のように闘って団結をつくり出し、その力で革命をやろう!」しかないのだ。自分の中にある壁を突き破って、まわりに働きかけよう。みんな、それを待っているのだ。
 3・16仙台1000人デモ実現に向けて職場で行動するぞ! ただ、ひたすら前へ!  

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週刊『前進』(2331号2面1)(2008/02/18 )

 2・12〜14 “根津さん解雇 許さない”

 都教委に怒りの追及行動

 つぎは2・21「1日行動」だ

 「君が代」不起立を貫く根津公子さんへの「トレーナー」を口実にした都教委の新たな処分策動に対し、怒りが爆発した。12〜14日、支援者とともに根津さんが都教委を徹底追及し、14日の都教委定例会議での処分決定を阻止した。さらに21日の都教委定例会に駆けつけよう。
 都立南大沢学園養護学校の尾崎祐三校長は、根津さんが作業着として着用しているトレーナーの「OBJECTION (異議あり) HINOMARU KIMIGAYO」という文字プリントに「学校現場にふさわしくない」と言いがかりをつけ、職務命令違反および職務専念義務違反をデッチあげて都教委に「事故報告」した。これは根津さんを卒業式前に処分(解雇!)しようとたくらむ都教委の差し金によるものだ。
 12日午後4時半、都教委を訪れた根津さんは、8日に提出した公開質問状への回答を求めた。その内容は「当事者に伝えられたという認識のない職務命令は有効か」「何年も勤務中このトレーナーを着てきたが、なぜ禁止や事故報告するのか」など4項目である。ところが用意されていたのは「回答しない」という通告のみ。こんなもので一人の労働者の生活を奪おうというのか!
 都教委は職員・警備員を並べて阻止線を張り、「一切聞く耳持たない」態度をあらわにした。
 13日も午前から都教委追及行動が闘われた。根津さんは支援者とともに、事情聴取を行った職員を呼びだし説明させるよう要求した。そこに「君が代」不起立で嘱託不採用にされた不採用撤回を求める会や被解雇者の会の都立高元教員が、2月7日の東京地裁の判決を受けて、採用を求めて闘いに合流した。官僚的横柄と沈黙で対応する職員らに対し、「解雇許さない」の声を突きつけた。
(写真 「根津さんを解雇するな」「不採用を撤回しろ」。嘱託不採用撤回を求める会が、根津さんとともに都教委幹部職員に抗議【2月13日 都庁第2庁舎27階】)

 激しい追及に職員が大動揺

 14日、都教委の定例会の日。「懲戒処分をここで決めることなど許さない」と、朝8時から支援者が都庁舎前で宣伝・ビラまきに集まった。根津さんがマイクを握り、出勤する労働者に必死の訴えを行った。
 「都教委の『君が代』強制で、学校教育が破壊されている。見過ごしてはなりません。私を解雇させないでください!」
 9時30分から都教委の定例会が始まった。根津さんを始め20人が傍聴席から監視したが、「教員等の懲戒処分について」の議題に入るところで非公開を宣言し、傍聴人を追い出した。根津さんは「教育長に直接言いたいことがある」と要求したが、退出を強制された。もう許せない。処分の通告をおとなしく待てと言うのか。根津さんを先頭に50人が教育長との面会と公開質問状への誠意ある回答を求めて教育長室をめざして詰めかけたが、職員は阻止線を張り、「会わない」「回答しない」と繰り返すのみだ。根津さんが怒りを全身にたぎらせて追及の先頭に立った。「今あなたたちはだんまりを決め込んでいるが、それは教育をだめにし、私のクビを切ることへの加担だ。良心にしたがい都教委に反旗を翻す時ではないのか!」
 支援の人数が増え、激しい突きつけと、魂に訴える説得を浴びて、職員たちは動揺を隠せない。
 数時間におよぶ追及行動を貫徹し、都庁舎前の歩道で集会が持たれた。
(写真 都庁に出勤する労働者に根津さんと支援者がビラを配りながら訴え【2月14日】)

 残された年休使い全力で!

 根津さんが疲れも見せず発言に立ち、「今日の定例会では私のことは議題に出なかったようだが、さらに来週21日に1日行動を行います。残された年休を使い全力で駆けつけます」と決意を表明。終日の激闘に、惜しみない拍手が送られた。 根津さんの決起に連帯し、東京―全国で「君が代」不起立を拡大し、解雇攻撃を粉砕しよう。

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週刊『前進』(2331号2面2)(2008/02/18 )

 不起立闘争で職場に団結を 全国からのアピール

 自己解放と階級的団結の“すっげえ力のある闘い”

 広島の教育労働者から訴え

 職場の分断攻撃と対決

 私の職場の実態から報告します。昨年の4月に転勤して「職員会がない」という現実に驚きました。管理職と各部の「部長」、「学年主任」からなる運営委員会が仕切っていて、そこで決まったことが学年会におりてきます。下からの意見の反映はほとんどなし。それでも年度当初に「勤務時間の割り振り」等の職員会議があって、そこで質問だけしましたが、後から臨時採用の人に「すごいねえ」と言われて「エッ」。「物申す」ということが困難な雰囲気でした。先日も、いわゆる学年主任の人が、管理職から「システムが分かっていない」と言われたという話を聞いて、怒りがわきました。
 このシステムこそ、トップダウン方式の管理体制です。戦争国家化にとって、上からの命令がなんの抵抗もなくストレートに貫徹される体制は不可欠です。国家権力は教育基本法・教育関連4法の改悪を強行し、崩壊寸前の帝国主義体制を立て直すため、矢継ぎ早の攻撃を仕掛けてきています。労働者の団結破壊・労働組合の解体に躍起になっています。闘う日教組の再生は、職場での闘いをどう構築するのかにかかっていると思います。
 昨年4月以来、職場の管理体制について組合の仲間と話し合ったり、身近な学年集団の団結こそは守らなければと思ってきました。転勤してすぐの入学式では、事前に校長室に呼ばれ、地域性や公務員の立場性を持ち出して「不起立はやめろ」というような脅しがありました。しかし、「君が代」不起立を貫き、戒告処分を受けました。
 評価制度につながる自己申告書についても提出を拒否しています。管理職は「自分を振り返るためにつけるものです」「これで評価したり査定したりするつもりはありません」と巧妙に丸め込んできます。労働者に忠誠心を植え付け、ばらばらに分断支配するためだけの自己申告書。提出拒否の闘いも広げる必要があります。
 「君が代」不起立で闘う仲間をどう増やすのか。今春の卒・入学式闘争は、根津さん、河原井さんの「クビをかけた闘い」に連帯して、階級的団結の力で全教育労働者を獲得できるか、正念場の闘いです。とりわけ、青年教育労働者の獲得にかかっています。
 広島の青年教育労働者が訴えています。「座りたいから座る」「仲間とつながりたいから座る」「すっげえ力のある闘いなんだ」――この訴えをわがものとし、自己解放のために「君が代」不起立で闘おう。

 血債主義を打ち破って

 レーニンの「革命的理論なくして革命的実践もありえない」という言葉をかみしめています。これまでの私は「血債主義」的倫理観から不起立を貫き、仲間に対しても同じように自分の倫理観を押しつけていたと思います。しかし自らの自己解放をかけて闘わずして、隣の労働者に「革命をしよう」と呼びかけられるはずがありません。 ヒロシマにおいては、「日の丸・君が代」の闘いは、労働者階級の自己解放性に依拠した闘いではなく、血債主義・糾弾主義的な闘い、個々の良心を問う闘いに切り縮められてきました。したがって、既成の部落解放同盟が「日の丸・君が代」闘争を闘わなくなると、広教組本部も闘いを放棄し、あるいは闘う仲間を逆に押さえつける側に回りました。不起立を貫く私に対して、夜遅く組合専従から電話が入り、「本部方針に従え」という締め付けがありました。98年からの「是正指導」攻撃を団結の力ではね返すのではなく、組合員の間に分断を持ち込んできたのです。そのことによって、広教組の団結は見る見る切り崩されていきました。
 これに対して、既成解同と体制内労働運動=広教組本部と本質的に同根であった血債主義・糾弾主義者らは、教育労働者の階級性・自己解放性を根底的なところで信頼できず、それゆえに闘いの展望を失い、脱落していったのです。今日の革命的情勢の急接近に対応したマルクス主義に基づく階級的労働運動路線の実践がまさしく問われた瞬間、脱落していったのです。
 体制内労働運動と決別した職場闘争の実践に踏みだしていくことを拒否した彼らに対して、自らの実践で対決していきたいと思います。「『君が代』不起立から始めよう!」こそ、プロレタリア自己解放の闘いの実践そのものです。隣りにいる仲間に「不起立しよう」「団結して労働者の解放をかちとろう」と呼びかけたい。新たなる闘いに挑戦していきます。

 “闘う日教組”をつくる

 「君が代」不起立を拡大するための「2・11ヒロシマ集会」を開催しました。私の職場でも組合員は半数が賛同してくれました。組合員でない人も「気持ちは分かるよ」と応じてくれたり、「どうして『君が代』に反対なの?」と知りたがる人もいて、もっともっと宣伝する必要性を感じました。自分の地域で行った「君が代不起立」の上映会に来た仲間が、「組合が組織的に闘わなくなった時に、疑問を感じた」ことや、「根津さんは闘う人。だけど自分にはできない。ギャップを感じる」など、本音を語ってくれました。
 教育労働者も多忙化や管理体制強化のもとで、ばらばらにされ、「自分には力がない」かのように思い込まされています。やはり必要なのは階級的団結の思想と実践を取り戻すことであり、マルクス主義です。階級的団結の力で「君が代」不起立を闘い、不起立を闘って階級的団結を強化する。これが今春の不起立闘争です。
 教研全体集会を中止し、根津さんを警察に売り渡そうとするまでに転向・腐敗を深め、産業報国会への道を突き進む日教組本部を打ち倒そう。不起立闘争で階級的団結をつくる私たちこそ日教組です。労働者には革命的な力がある。労働者には、団結の力で、戦争によってしか延命できない帝国主義を倒し、世の中を変える力がある。今春こそ最大の決戦です。広島の教育労働者は生まれ変わって断固闘います。  
 (佐伯知美)

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週刊『前進』(2331号2面3)(2008/02/18 )

 「君が代」不起立嘱託不採用撤回裁判

 “10・23通達、職務命令とも合憲”

 超反動判決を弾劾する

 原告の怒りと結び闘おう

 2月7日、「日の丸・君が代」不起立を理由として嘱託採用を拒否された都立高元教員13人が訴えた「嘱託不採用撤回裁判」判決が東京地裁で下された。原告の主張をことごとく退けた超反動判決を徹底的に弾劾する。
 原告が「『10・23通達』は旧教基法10条1項の『不当な支配』に該当し、違法」と訴えた点について、判決は「(国の介入は大綱的な範囲にとどめるべきだが)教育委員会は教育内容や方法に関する介入を大綱的基準の設定にとどめるべき理由はない」として、原告の主張を退けた。
 「職務命令は思想・良心の自由を侵害し、憲法19条違反」という主張も退け、「違憲とは言えない」と判断。外部的行為の強制による思想・良心の制約については「必要性・合理性の基準」という最も緩い違憲審査基準を適用し、ピアノ伴奏拒否事件の07年2月の最高裁判決を踏襲して「(起立・斉唱は)客観的にみて通常想定され、かつ期待されるもの」とした。さらに「全体の奉仕者」「職務の公共性」を理由に公務員の人権の制約を正当とし、最高裁判決をさらに反動化させた。
 判決が「儀式において、出席者に一律の行為を求めることには合理性がある」と儀式を絶対化し、「地教委の教育内容への介入は、大綱的基準の設定にとどまらない」とした点は、嘱託合格取消事件の07年6月の佐村反動判決とまったく同じである。
 その上で「職務命令違反を過大視」して不採用にしたことは「裁量を逸脱、濫用したもの」と認め、一人あたり約210万円(1年分の賃金相当額)の賠償を都に命じた。しかしそれは「不起立は国旗・国歌の尊重に反し、式の円滑な進行を妨げ、斉唱している人に不快の念を与える」とし、職務命令違反が「勤務成績の消極的な要素として考慮される」ことを認めた上での判断だ。
(写真 判決を前に東京地裁に向かう原告団【2月7日】)

 これが「司法の良識」なのか!?

 原告には「これは自分のためだけの闘いではない」という思いが強い。嘱託不採用は、不採用された当人への攻撃であるだけでなく、「一度不起立したら退職後は採用しない」という脅しで現職の労働者の不起立を封じることを狙ったものだ。現場にかけられたこの重圧をうち破るための裁判でもあった。だからこそ違憲判決と不採用撤回をかちとりたかったのだ。
 この判決に対して、賠償が認められたことをもって「勝訴」とし、「都教委に司法が一定の歯止めをかけた」「司法の最低限の良識を示した」と持ち上げることは、原告のこの思いを完全に踏みにじるものだ。
 この判決を下した中西裁判長は、250人を原告とする04〜06年の処分取消訴訟や、根津さん・河原井さんの停職処分取消訴訟など、「10・23通達」下の「日の丸・君が代」処分の関連訴訟を担当している。今回の判決の論理では「処分容認」の結論は必至だ。担当裁判官の「良識」を持ち上げて「心証」にすがる裁判依存主義では、勝利は切り開かれない。

 “起立せず着席してよかった”

 判決公判には年休で駆けつけた教育労働者を先頭に250人が参加。報告集会では原告の怒りの声が相次いだ。(別掲)
 原告の一人が「起立せずに着席していてよかった。一緒に闘う仲間になれたことが一番うれしい。現職のみなさんには『立たないといっぱいいいことがありますよ』と言いたい」と訴えた。そうだ、そのとおりだ!
 団結して不起立闘争を拡大することこそ「10・23通達」と不当処分の撤回をかちとる道であることがあらためてはっきりした。3月卒業式へ闘おう。

 原告の声

◆Mさん 主文を聞いた時は「勝った」と思ったが、判決理由はひどすぎた。引用はほとんどピアノ裁判の最高裁判決や解雇裁判の反動判決。だんだん不愉快になってきて、最後は「これは敗北だ」と思った。「10・23通達」の違憲性を問いたいという思いひとつで闘ってきた。だから常に「お金じゃない」と訴えてきた。中西裁判長は処分取消裁判も担当しているが、この判決では処分取り消しはとてもじゃないが展望できない。なんとかひっくり返したい。
◆Aさん 冒頭に損害賠償が認められて舞い上がったんですけれども、その後に判決理由を聞いて、どすーんと下まで落とされた気分です。

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週刊『前進』(2331号2面4)(2008/02/18 )

 2・10集会 教育労働者が不起立宣言

 「根津さん解雇阻止」を決議

 2月10日、東京・中野ゼロホールで、都教委包囲首都圏ネットワークが主催した「『日の丸・君が代』強制反対!/処分撤回!/2・10総決起集会」が開催され、430人が参加した。
 ハイライトは根津公子さん、河原井純子さんを先頭にした教育労働者の不起立宣言だ。根津さんはトレーナー処分策動を弾劾し、「トレーナーで免職にするのか、不起立と抱き合わせで免職しようとしているのかわからないが、3月24日の卒業式にまだ免職になっていなければ不起立する」と宣言。「教員は黙っていたら権力の手先にされてしまう。声を出して行動しよう」と訴えた。
 河原井さんは「5月に京都で開かれた全国集会では『河原井・根津の問題はけっして個人の問題ではない。明日の私の問題だ』と確認され、とてもうれしかった。これからも『頑張らない。あきらめない。楽しみたい。つながりたい』を大切にする。とりわけ若者とつながりたい」と述べた。
 2人の教育労働者が、根津さん・河原井さんとともに卒業式で不起立する決意を述べた。葛飾教組の女性は「黙って座るだけでなくみんなで声をかけ合い、労働者として誇りを持って『40秒のスト』を貫こう。不当な命令と闘う闘いをつくり出そう」、都教組の男性は「都教委は『内心と外部的行為を分離しろ』、つまり頭と体を別々に使えと言う。これは『偽装起立』『偽装斉唱』の強要だ。不起立・不斉唱が教員不適格なのかどうかを都民に問いたい。頑張りましょう」と訴えた。
 2月7日に判決が出た嘱託不採用撤回裁判の原告は、「判決では冒頭『勝った』と思ったが、判決理由は憲法19条違反や行政の教育への不当介入をすべて否定し、『これは敗訴だ』と思った。私たちの目的は『10・23通達』と職務命令の違憲・違法性をかちとることだ」と表明した。
 都立板橋高「君が代」弾圧事件の被告、藤田勝久さんは、「私が裁判で学んだことは、検察官も裁判官も一部の弁護士もみな敵だということだ」と弾劾した。
 沖縄の闘いを、琉球大学の高嶋伸欣教授が報告した。12月末に文科省が教科書会社の訂正申請を承認したことを、沖縄の地方紙は「『軍が強制』認めず」と報じたが、本土の新聞は「軍関与の記述復活」などと報じたことを指摘し、「沖縄の闘いは終わっていない。石原都政下のみなさんと共通のテーマだ。ともに頑張りたい」と述べた。
 最後に「根津公子さんの解雇を阻止する特別決議」を採択。当面する行動として、根津さんのトレーナー処分を阻止するための緊急行動、都立高の卒・入学式でのビラ配布などを確認した。
(写真 「根津さん、河原井さんとともに卒業式で不起立する」と宣言した労働者に大きな拍手【2月10日 中野ゼロ】)

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週刊『前進』(2331号3面1)(2008/02/18 )

 春闘をストライキで闘おう

 体制内労働運動を打ち破り“一律大幅賃上げ”の実現へ

 労働者はストに決起し始めた

 「おれたちはもう我慢できない。08春闘をストライキで闘おう!」。この声が青年労働者を先頭にあふれている。見よ。労働者の賃金は9年連続で減少しているではないか。その一方で資本家どもは史上最長の景気回復などと言って、ぼろもうけをしている。働いても食えない現実に青年労働者が怒りの決起を始めている。いたるところでストライキの復権がかちとられている。決起を抑圧する体制内労働運動を粉砕して、資本主義を打倒する革命運動に決起しよう。動労千葉に続き、職場の団結を固め、08春闘にストライキで総決起しよう。その力を3・16イラク反戦闘争の大爆発につなげていこう。

 生存保障できぬ資本に怒り

 サブプライムローン(低所得者向け高金利住宅融資)問題の爆発を引き金に、全世界は1929年を上回る世界大恐慌の現実化へと突き進んでいる。これに対して全世界の労働者人民の決起が巻き起こっている。
 世界の帝国主義の中でも「最弱の環」の日帝は、最末期帝国主義の姿をあらわにして労働者階級人民に対して「外への侵略戦争と内への階級戦争」の攻撃をしゃにむにかけてきている。
 昨年6月発表の資料によれば、06年の自殺者総数は3万2155人で、90年代末以降、年間3万人を超え続けている。しかも「経済生活問題で自殺した者の割合」が一昨年は28・8%と4分の1以上になっている。まさに資本主義によって労働者階級が毎年3万人以上も殺されているのだ。この現実の背後にはすさまじい資本攻勢がある。
 昨年9月発表の「民間給与実態統計調査」によると、民間の労働者の平均賃金は435万円で、前年に比べて1万9千円少なく、9年連続で減少している(図参照)。年収別でみると、200万円以下の労働者は前年に比べて42万人も増えて、1023万人と21年ぶりに千万人を超えた。他方、年収が千万円を超えた者は9万5千人増加して224万人となった。まさに貧富の格差は拡大する一方だ。
 その結果、06年度の生活保護世帯数は107万5820世帯と前年度より3・3%増え、6年連続で過去最高を更新した。資本家どもが空前の利益を上げてぼろもうけしている一方で、働いても食えないワーキングプアが増大しているのだ。
 2月1日発表の「毎月勤労統計調査」によると、労働者の年間の総実労働時間は、規模30人以上の企業体では1852時間となっており、1995年以降一貫して1800時間を超えている。また別の資料では、一般労働者の総実労働時間は06年度で2024時間と、ここ数年増え続けている。長時間労働の結果、過労死や過労死自殺など、無念の死をとげる労働者も多い。
 このように賃金は下がるのに労働時間が増えているという許し難い現実は、労働組合が36協定を守らせる力がなくなっていることを示している。労働運動の原点の一つである「8時間労働制」復権の闘いが今こそ求められている。超勤拒否の闘いはその端緒だ。
 労働者階級総体を非正規雇用にたたき込もうという攻撃も吹き荒れている。07年には非正規雇用の労働者数は1726万人に達し、全労働者の3分の1を超えた。青年労働者では5割を超えている。しかも青年労働者を中心に日雇い派遣や偽装請負などの違法状態がまかり通っている。
 社会保障は解体され続け、資本家どもの投機によって生活必需品の値上げラッシュが押し寄せてきている。こんな階級戦争そのものの現実に怒らなくてどうするのか。
 労働者階級は黙ってはいない。今や荒々しい怒りの決起がストライキの復権として全国で巻き起こりつつある。全駐労は16年ぶりに2波のストライキを闘った。さらに1月30日には北教組が24年ぶりに1時間ストに決起した。相模鉄道労組も96時間ストライキをかまえて要求を実現した。東京都の特区連の現業労働者もストライキを要求して闘った。日雇い派遣のグッドウィルや、偽装請負に対する青年労働者の怒りの決起が始まっている。08春闘は労働者階級の怒りの総反撃の始まりになることは確実だ。

 生産性向上運動を粉砕せよ

 帝国主義はどん詰まりの危機にあえぎ、労働者階級の怒りは爆発を開始している。問題は、この怒りを真に解き放ち、プロレタリア革命の勝利にどう結びつけるかだ。その回答は、労働者階級の決起を抑えつけている連合や全労連の体制内労働運動指導部を粉々に打ち砕いて職場からの決起を巻き起こす中にある。
 日本経団連は支配階級として労働者階級の決起を死ぬほど恐れている。だからこそ08年版経営労働政策委員会報告(経労委報告)において、「企業は、労使の運命共同体」と主張し、連合や全労連を労働者階級の決起を抑圧する先兵として使おうとしている。
 だが、資本家と労働者階級は非和解であって、企業が労使の運命共同体などということがあるはずがない。それこそが体制内労働運動の奴隷の思想である。
 これに対して連合中央は一体何を言っているのか? 連合は、経労委報告発表直後に公表した文書で「(日本経団連は)生産性の上昇・国際競争力の強化を掲げている。……こうした課題は、連合としても共有認識として持ち得るもの」などと主張した。
 さらに1月23日に開催された日本経団連との懇談会の意見交換の中で、高木連合会長らは「春季生活闘争の最大のポイントとして、『生産性3原則に基づく積極的な成果配分の実現』を求めていく」と発言した。このように連合中央は「国際競争力」や「生産性向上」を持ち出されると簡単に賛成してしまうのだ。
 だが連合が主張する「生産性3原則」とは一体何か。それは、戦後労働運動を破壊するために政府が1955年に創設した日本生産性本部が唱えた「雇用安定、労使協調、公正配分」の3原則を意味する。この労使協調を掲げた生産性向上運動こそ、かつては戦闘性を誇った民間諸単産の労組をたたきつぶし、御用組合にした一大反動なのだ。
 69年から71年にかけて闘われた国鉄のマル生粉砕闘争は、この生産性向上運動を国鉄労働運動に持ち込み当時の国労・動労を解体しようとした敵の反動を打ち破った偉大な闘いであった。直接にはこのマル生での敗北を取り返そうとしたのが国鉄分割・民営化攻撃だ。全逓の78年越年闘争もまさにマル生反対闘争そのものであった。
 生産性向上運動を粉砕すること抜きに体制内労働運動の打破はあり得ない。日本の労働者階級によっていったんは打ち破られた反動イデオロギーを再度、それも労働組合の側が持ち出すしかないところに連合中央の危機がある。高木らはどん詰まりの危機にあえぐ日本資本主義の救済者を買って出て、生産性向上運動の先頭に立つことで生き延びようというのだ。こんな腐った連中はぶっ飛ばすしかない。連合中央を4大産別の労働者を先頭に粉砕、打倒して労働者階級の怒りの総決起を実現しよう。
 草刈日本経団連副会長(日本郵船会長)は、サブプライムローン問題の爆発と株価暴落を受け、「大盤振る舞いすれば共倒れになる」と賃上げを否定した。他の資本家も「(賃上げは)とても難しくなっている」「賃上げの状況ではない」などと主張し始めている。労働者階級の団結した闘い抜きに彼らは1ミリも妥協などしないのだ。
 08春闘を動労千葉を先頭に怒りのストライキで闘おう。職場の怒りを組織しよう。一律大幅賃上げ要求こそ労働者階級の切実な要求であり、団結を固めることのできる要求だ。一律大幅賃上げを掲げてストライキで闘おう。それを突破口に3・16イラク反戦の大デモを全世界の労働者階級とともにかちとろう。未来はわれわれのものだ。

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週刊『前進』(2331号3面2)(2008/02/18 )

 広島教労集会 “団結して不起立を”

 卒業式闘争への決起を誓う

 「団結して不起立しよう! 不起立して団結しよう!」――2月11日、広島の教育労働者が真っ向から3月卒業式での不起立闘争を呼びかける「『日の丸・君が代』強制反対! 不起立のたたかいをひろげよう! 根津さん・河原井さんの不起立解雇を許さない! 2・11ヒロシマ集会」が広島市中区のアステール ・プラザで開催された。広島の教育労働者と不起立闘争と連帯して闘う労働者、学生ら120人が参加し、香川からも教育労働者らがかけつけた。
 広教組の青年労働者が司会をつとめ、まず昨年11・3−4の国際連帯集会での日米韓の教育労働者の発言をまとめた15分のビデオが上映された。続いて昨年の不起立で処分された広教組の組合員が「不起立をひろげ日教組再生へ。多くの仲間を増やして不起立闘争を闘っていきたい」と開会のあいさつを行った。東京の被処分者の根津公子さん、沖縄県高等学校障害児学校教職員組合の松田寛さん、11月集会に来日したアメリカの教育労働者アーリーン・イノウエさんからのメッセージが紹介された後、広教組青年部で闘う青年教育労働者と東京の被処分者の河原井純子さんのアピールに移った。
(写真 集会終了後、東京の被処分者の河原井純子さんを先頭に「日の丸・君が代」強制反対を掲げて原爆ドーム前までデモし、不起立を誓い合った【2月11日 広島】)

 不起立から開始

 広教組青年部の青年労働者は、「この集会の目的は不起立者の拡大、不起立者同士の団結を強めること。『君が代』不起立の闘いを軸に職場に闘う団結をとりもどそう」と訴えた。「初めは一人かもしれないが、全国、全世界に仲間がいる。不起立は不起立で終わらない。不起立で闘う団結をつくる。職場支配権を教育労働者が握る。処分などにびびらない、処分すればするほど団結しちゃう。そうして本気で戦争を止める闘いをする、戦争協力を絶対に拒否する、憲法改悪なんか絶対させない、組合を闘う組合に変えていく――そういう闘いなのです。だから私は不起立から始めようと訴えます」。熱のこもった訴えに参加者全員がぐいぐい引き込まれた。さらに教研全体集会を中止し、根津さんを排除して警察権力に売り渡そうとした日教組本部を怒りを込めて弾劾し、「パートナーシップ路線は産業報国会まで行き着いた。不起立闘争はこの日教組本部のあり方に断固ノーを突きつけ、私たちこそが闘う日教組なのだと宣言する闘い」と述べた。最後に「労働者は団結の力をとりもどすことで無限の力を発揮する。教育労働者は不起立闘争を基軸に闘う団結をとりもどし、教え子をこれ以上戦場に送らない本気の闘いをしよう。みなさんいっしょに不起立しましょう! オレたち本当にすごいんです!」と呼びかけた。

 河原井さん訴え

 続いて河原井さんが「広島の青年教育労働者の熱きアピールに共闘の意を表したい」と述べて登壇した。「君が代解雇を許したら改憲・戦争の道を開くことである、根津さんの解雇を阻止する、その一念で全国行脚をしてきた」「戦争は教室から始まると言われるが、平和・変革もそうだ」「私は『がんばらない、あきらめない、楽しみたい、つながりたい』とやっている。闘いは根強く、屈しない、あきらめない。不屈、屈しないということは変革のエネルギー。そしてこれをつなげていくということが今大切なこと」「私はどんなに状況が厳しくてもあきらめません。10・23通達に従うことはできない」と静かな語り口ながらもどこまでも明るく揺るぎない確信に満ちた訴えに感動が広がった。
 「教基法改悪反対!ヒロシマ実行委員会」の栗原君子さん、広大の教職員と学生、自治体、国鉄労働者から連帯のアピールを受けた後、教育労働者が続々と不起立宣言を行った。「文書訓告を1回、戒告を5回受けてきたが、今年は職場にともに闘う仲間をつくってがんばっていきたい」「迷っていたが、生きた証しを残したい。無理せずやりたいと思います」「いっしょに座ろうやと呼びかける新たな闘いをやろうと思う」「仲間と職場の怒りを共有すると、いっしょにやろう、いっしょに不起立やろうという気持ちになってくる。そういう気持ちになるとパワーがみなぎってくる」「今年こそ不起立宣言をして不起立したい」と明るく解放感に満ちた宣言が続いた。最後に「団結して不起立を増やしましょう」というまとめと行動方針を提起し終了した。
 集会後、広島の青年教育労働者、河原井さんらを先頭に原爆ドーム前まで市内中心部を元気いっぱいにデモ行進。教育労働者の「不起立で闘うぞ」の声が響き渡り、沿道からは声援もとんだ。2・11集会とデモは、不起立闘争、職場闘争を闘う大きなエネルギーをつくり出して大成功した。
(写真 教育労働者が多数登壇し、「3月卒業式で不起立する」と続々宣言し、会場は熱気に包まれた)

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週刊『前進』(2331号3面3)(2008/02/18 )

焦点 サブプライム危機にも「無策」

 G7で米日欧の分裂露呈

 2月9日、東京でG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開かれた。主要テーマはサブプライム危機だったが、会議はなんの具体的対策も打ち出せず、危機の深刻さと帝国主義間の分裂をさらけだす結果となった。7月洞爺湖サミットもサブプライム危機が最大の焦点となることは不可避であり、世界金融大恐慌がいよいよ現実化し、帝国主義間の分裂と争闘戦が激化していくのは必至だ。
 G7は共同宣言で世界経済が「より困難で不確実な状況に直面している」ことを認めた。しかし今日の危機のレベルはそんな甘い状況ではない。米欧の金融機関は再証券化商品の評価損で、巨額の損失を出し始めている。損失を処理しても保有している証券が次々に不良化する。再証券化商品の損失は1兆5348億j(168・8兆円)に上るとの試算もある。しかも、金融保証専門会社(モノライン)によって保証された証券は米国外でも流通している。モノラインが経営危機に陥ると、その影響は世界的規模となる。
 このような大恐慌の現実化に対し、帝国主義諸国は有効な対策のとりようがなく、なすすべがない。何よりも、自己資本を失いつつある米欧金融機関の危機に対してどうするのか。日帝は日本の不良債権処理の経験から、米帝に対し「速やかに十分な公的資金を投入すべき」との立場を事実上表明した。しかし米帝は、金融機関に対し「資本増強」を呼びかけるだけで、公的資金の投入をあくまで拒んだ。公的資金の投入は市場原理の建前の崩壊、財政危機の促進となり、大統領選を前にそんなことはできない、というわけだ。
 また、米帝経済がすでに景気後退に陥り、世界経済もその影響を受けつつある時に、日欧は米帝との「協調政策」ではなく“わが道を行く”という分裂行動に走った。「ユーロ圏には景気刺激策は必要ない」(ユーロ圏財務相会合のユンケル議長)、「皆が同じことをしたら成果が上がるものではない」(福井日銀総裁)と。
 しかし、そもそも日帝は政策金利が0・5%と利下げの余地がなく、財政も膨大な債務を抱えて発動できない。「サミット議長国」としての面目など、最初からつぶれてしまっている。サミット本番に向け、日帝は「最弱の環」としてのぶざまな姿をさらけ出していかざるをえないのだ。
 さらには、「温暖化ガス削減」問題をめぐっても、帝国主義間の対立がきわだった。米日英は、温暖化対策で「途上国を支援する」と称する新基金構想なるものを共同で打ち出した。“風力・波力・太陽光などの発電技術を途上国に普及させる”と言う。だがその本質は「温暖化ガス削減」問題をめぐる仏独との争闘戦である。
 もともと地球温暖化問題では、京都議定書を批准もしていない米帝などが、最もネガなのだ。その上で温暖化の元凶こそ資本主義・帝国主義であり、プロレタリア世界革命で帝国主義を打倒することなしに、この問題のいかなる解決も絶対にないのである。
 7月洞爺湖サミットに向け、日帝の治安弾圧攻撃を粉砕し、帝国主義打倒の闘いを強化しよう。

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週刊『前進』(2331号3面4)(2008/02/18 )

焦点 アフガニスタンが重大情勢へ
 タリバン攻勢と米欧亀裂

 アフガニスタンでは、タリバンが完全に復活し、全土で大攻勢を強め、米・NATO(北大西洋条約機構)軍が一層追いつめられている。そうした中で2月9日、10日とドイツのミュンヘンで第44回安全保障政策会議が開かれ、米欧帝国主義の分裂と争闘戦の激化という現実が浮き彫りになった。
 会議での演説でゲーツ米国防長官は、独仏などNATO加盟国の一部が戦闘の激しいアフガニスタン南部への部隊の展開を拒んでいることに対し、「(戦闘に参加する意思のある国とない国に二分するなら)事実上NATOは崩壊するだろう」と、激しく恫喝した。そしてゲーツは「もっと負担を共有しなければならない」と、アフガン南部への増派をあらためて要求した。
 これに対し、ドイツのメルケル首相は新聞のインタビューに答え、アフガニスタンでのドイツ軍の任務を変更するつもりがないことを明言し、「われわれは北部での任務をしっかりとやっている。何もやっていないということではない」と、米帝の要求を拒否した。またロシアのセルゲイ・イワノフ第1副首相(前国防相)は、「ある国は、対テロの名目で、自国の地勢的、経済的目的を達成するという成果を得ようと努力している」と露骨に米帝を非難した。
 今日、アフガニスタンではタリバンが完全に勢いを増し、傀儡(かいらい)のカルザイ政権は首都と一部の都市の中心部を押さえているにすぎない。昨07年はタリバンの自爆戦闘だけで140回を数えている。2月11日には、カンダハル州のアサドゥーラ・ハリド州知事の車列が爆弾攻撃を受け、かろうじて難を逃れるという事態が起こった。先月末にはヘルマンド州の副知事が自爆戦闘を受けて死亡した。カルザイ政権の中枢が次々と攻撃を受けるまでに追いつめられているということだ。
 それだけではない。米軍やNATO軍自身がタリバンに包囲されて危機に陥り、米軍の攻撃は空爆に頼らざるを得なくなっている。米欧軍がいつ大包囲されて、全滅させられるかわからないという状況なのだ。NATO司令部は7500人の増派を要求している。危機に立つ米帝はすでに3200人の増派を決め、独仏などに増派と南部展開の圧力を強めているが、特にドイツは、すでに派兵されている部隊も比較的安全な北部から焦点の南部への移動をかたくなに拒否しているのである。
 アフガニスタンとイラクは、帝国主義が分裂と争闘戦を強め、相互に競い合いつつ、「テロ根絶」を叫んで帝国主義的侵略戦争―世界戦争へとのめり込んでいっている最先端の戦場だ。日帝もイラク多国籍軍とインド洋への派兵で、全力でこの過程にかんでいる。
 情勢は実に重大だ。世界金融大恐慌の現実化の中で、国内階級戦争を激化させながら世界戦争に突き進む帝国主義を、全世界の労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民の連帯で打倒し、世界革命をたぐり寄せる情勢が到来している。3・16イラク反戦大闘争はそのための決定的闘いである。

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週刊『前進』(2331号4面1)(2008/02/18 )

 国際婦人デー行動に立とう

 女性が労働運動の主軸を担いプロレタリア自己解放実現へ

 深沢史子

 08年の3・8国際婦人デー行動はロシア革命の口火を切った闘いの精神を受け継ぎ、発展させるものとして闘い抜かれようとしている。国際婦人デーの精神とは、労働者階級の解放の中にすべての人民の解放があるということである。帝国主義の階級分断攻撃を打ち破り、階級的団結を固め、プロレタリア革命勝利へ向かって闘う中にこそ、真の人間的共同性の奪還と、女性解放の現実性がある。3・8国際婦人デーを階級的に闘い、3・16イラク反戦5周年の闘いへとつなげよう。階級的労働運動路線と7月テーゼのもと、すべての闘う女性は自らプロレタリア革命の担い手となって立ち上がろう。
(写真 130人が集まり解放感あふれた昨年の国際婦人デー集会【東京】)

 革命は労働者階級の「生きさせろ」の要求

 革命情勢が急接近している。帝国主義の最末期の破綻(はたん)的状況が突き出されていると同時に、全世界の労働者階級人民の闘いが国境を越えて結合し始めている。これは労働者階級による「革命」のチャンスが完全に到来していることを示している。
 まず、帝国主義のもとではもはや労働者階級は生きられないことをはっきりさせよう。
 年初からのアメリカ・サブプライムローン破綻は、全世界の金融機関で30兆円を超える損失を生み出し、世界金融恐慌の危機を発生させた。株価の暴落は止まらない。原油・資源の高騰によって、世界経済不安が一挙に高まっている。G7会議においても「状況は不確実で深刻」と言わざるを得ないほど帝国主義各国首脳に危機感が広がった。帝国主義間の対立も際立った。
 あらゆる危機の繰り延べ策が破綻したアメリカ帝国主義は、低所得者層、貧困層を対象にした「貧困ビジネス」で、労働者階級人民からとことん搾り取り、住宅から追い出し、医療・社会保障をはぎ取り、搾取・収奪の限りを尽くしている。もはや、人間としての生存の限界にたたきこんでいるのだ。そして一方での戦争だ。47兆円もの戦費をつぎ込んだイラク侵略戦争5年の中で、イラク人民の死者は10万人と言われる。米兵の死者数も少なくとも3900人を超える。その多くが募兵官のデマによって戦争に連れて行かれた低所得者層の若者たちだ。しかし、侵略戦争の泥沼から抜け出すどころか、戦争の拡大しかない状態がさらに米帝の危機を促進させている。

 所得の格差が4千倍に拡大

 日本ではどうか? 命脈の尽きた日本帝国主義は1974〜75年恐慌から危機は深まる一方だ。80年代中期の中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃、国鉄分割・民営化攻撃、1995年の日経連プロジェクト報告による非正規雇用拡大と賃金制度の大転換、そして小泉「構造改革」の5年間で、日帝は労働者階級人民の生活をはじめとして社会全体を破壊しつくしている。
 所得再配分調査の数字を見ただけでも、60年代には、全体の2割の低所得者グループと全体の2割の高額所得者のグループの収入の格差は、10倍以内であったものが、2005年では4千倍にも広がったというのだ!
 現在トヨタが年商利益2兆円超というが、それを生み出すためにどれだけ労働者の命を奪い、首を切り、偽装・派遣などあらゆる手段で非正規労働者を生み出し、賃金を引き下げ、労働強度を強めてきたのか。ふざけるな!
 非正規雇用が全体の3分の1を占め、若年労働者においては、2人に1人がワーキングプアだ。一生展望のない生活を強いられている。正規雇用も逆に過労死・自殺が多発するほどの労働強化だ。女性労働者は非正規労働が多いのはもちろん、生計維持のためダブルジョブ、トリプルジョブをしなければ生きられない状況だ。妊娠・出産を告げれば解雇。これでは、労働者家族が成り立っていかない。
 一方、自動車その他の輸出拡大の見返りに、300万農家を14万経営体に削減する方向を打ち出すなど、農業ももはや壊滅的状態だ。何が輸入食料の安全だ! そもそも安全を解体しているのは帝国主義の側ではないか!
 教育・医療・社会保障などの領域を解体的に再編し、すべてを大資本が食いものにしてきた。大資本がもうければもうけるほど労働者階級人民が惨めな状態にたたきこまれてきたのだ!
 これが新自由主義だ。危機に立った最末期の資本主義・帝国主義は、もはや労働者に対して慰撫(いぶ)する何ものも与えることもできず、生きさせることもできない。むきだしの資本主義の姿がある。

 隣の労働者の獲得が第一歩 

 問題はここからだ。経済雑誌でさえ「世界恐慌」の見出しが躍る。しかし、これを革命的情勢の接近として喜びをもって見るのかどうかだ。
 動労千葉の闘いから、労働者階級の無限の力を基礎にして、闘う労働組合の階級的団結とマルクス主義を学んだ青年労働者は、昨年の3・18闘争で「労働運動の力で革命を」と呼びかけ立ち上がった。もはや「革命」は労働者階級の「生きさせろ」の要求そのものだ。この青年労働者の訴えは、衝撃を走らせ、瞬く間に労働者階級全体に火をつけた。
 昨年の11月労働者集会は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部・全国金属機械労働組合港合同・国鉄千葉動力車労働組合の3労組の呼びかけにこたえた全国の闘う労働組合・労働者人民が結集し、世界最強の韓国・アメリカの労組が合流し、国境を越えた闘いを実現した。新自由主義攻撃との闘いは世界共通であり、世界革命を展望できる闘いであった。資本による賃金奴隷制の廃止、労働者階級解放を自らの職場で、隣の仲間(労働者)に訴えていく。ここから革命は始まっているのだ。
 これに対して、帝国主義の危機と破綻に眉をひそめ、暗い顔をして労働者階級の悲惨な状態を悲しんでみせる連中こそ最悪だ。そんなものは労働者の団結の力で一瞬にして吹き飛ばそう。また、危機だからこそ、資本と折り合いをつけ、頭を垂れて生き延びようとする体制内労働運動派こそ、最悪の資本家の最後の支柱だ。こうした反動を粉砕して労働者階級は前進している。
 連合幹部はもちろん、ある学者は「市場原理とセーフティネットは両立可能!」とペテンをろうす。国鉄1047名解雇撤回闘争で動労千葉を排除し、4者4団体路線で屈服の道を走るイデオローグは「国鉄闘争は階級闘争。非和解だから妥協しかない。解雇撤回は下ろすのだ」などと、転倒した論理をふりかざす。ある既成婦人運動のリーダーは「革命と言うと人は怖がる」などと労働者階級の自己解放的決起を圧殺しようとする。革命へと突進する労働者階級の妨害物、ブルジョアイデオロギーとの徹底的な対決あるのみだ。対決が大きければ大きいほど、労働者階級の団結は打ち固められていく。革命情勢だからこそ、体制内派との分岐と対決は激しく、かつ革命への前進を切り開く。

 階級的労働運動路線で「7月テーゼ」獲得

 マルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟の生き生きとした闘いは、今、全労働者階級人民を鼓舞している。4大産別(国鉄・教労・自治体・全逓)の闘いはプロレタリア独裁の観点から、またすべての労働戦線を牽引(けんいん)する立場から決定的な位置を切り開いている。
 これらの闘いが可能になってきたのは、何より2006年の関西の労働者による「党の革命」への決起によってだ。最末期帝国主義の危機が労働者階級に悲惨な現実をもたらせばもたらすほど、この社会の「墓掘り人」たるプロレタリアートの存在は大きく、現場から階級の指導部が続々登場してきた。「プロレタリア革命は労働者階級自身の事業」としてとらえきったからこそ、階級の闘いに全責任をとるという労働者同志が立ち上がり、決定的に階級の党として屹立(きつりつ)した。与田らの腐敗、塩川らの反マルクス主義・解党派を、わが党の古参同志から青年同志までが一体になって粉砕し、階級的労働運動路線を推進し、「7月テーゼ」を闘いとってきた。単一の党建設へ向かう過程は、労働者同志の生き生きとした闘いの発展そのものだった。党は階級そのものである。そして11月労働者集会の中で、「新自由主義と闘い勝利した最も戦闘的な労働組合」である動労千葉を先頭に、闘う全国の仲間が文字どおり「プロレタリア国際主義」を現実のものとして体現した。
 「7・7思想の今日的再確立」は階級意識を鮮明にさせ、団結を前進させている。「7月テーゼ」を拒否した反マルクス主義者の、「日本の労働者階級は糾弾され、弾劾されなければ革命の主体にはなりえない」という考え方こそがプロレタリアートの階級的団結を破壊し、それを抑え込んできた元凶だったのだ。
 血債主義・糾弾主義は結局プロレタリアートの団結を破壊し、革命を投げ捨てている。
 女性労働者は今日帝国主義の基幹に位置を占めている。それだけ膨大な女性労働者が登場している。それだけたくさんの「墓掘り人」が登場しているということだ。働けば働くほど資本への怒りに火がつき、女性労働者は、労働運動・革命運動の主軸にすわる時が来た。プロレタリア自己解放の現実性はここにあるのだ!

 ロシア革命の突破口開いた闘いの復権を

 1910年の国際社会主義婦人会議においてクララ・ツェトキンは、1908年のニューヨークの女性たちのデモに端を発して、帝国主義の世界戦争の危機に対して、社会主義の立場から国際婦人デーを提唱した。「女性だからと言って同じではない。資本家階級と労働者階級の利害はひとつではない」とし、「階級的に闘おう」と訴えた。
 レーニンとボルシェビキは、第2インターナショナルの崩壊の中、当時のドイツなどの社会排外主義者たちと対決する立場から、「単に平和を求めるということを共通の言葉にするのではなく、帝国主義戦争を内乱へ転化することが必要」と訴えた。
 この闘いが、1917年3月8日(ロシア暦2月)、ロシアのペテルスブルクの労働者街ビボルク地区での女性労働者の50職場9万人の職場ストライキから20万人の「パンと平和、ツアー打倒」のデモにふくれ上がり、2月革命の火ぶたを切るものとなった。
 08年の国際婦人デー行動は、「7月テーゼ」を闘いとった上での国際婦人デー行動だ。首都圏では昨年以上に青年労働者・学生、全国労働組合交流センター女性部、婦人民主クラブ全国協議会などを中心に階級的な闘争が準備されている。
 この1年の職場生産点・地域・学園での闘いをひっさげ、4大産別の先頭で闘う労働者、医療や合同労組などで闘う民間の仲間が決起する。この闘いを3・16全世界一斉デモにつなげて、11月に今年こそ1万人結集を実現することを見据えて闘いぬこう。
 前進すれば次の壁が見えてくる。これを闘いのエネルギーに変えて進もうと真剣な議論がかわされている。ここからプロレタリア革命の口火が切られていくのがはっきりと見える。
 2月10日、沖縄において発生した在沖米海兵隊員による女子中学生暴行事件を許さず、すべての仲間は3・8国際婦人デー行動(3月9日)に結集しよう。
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2008年3・8国際婦人デー集会
3月9日(日)11時開場 12時30分集会開始 15時30分〜デモ出発
 労働者からますます搾り取る資本家どもぶっとばそう
 戦争なんかに希望はない! 労働者は団結して革命起こそう
 会場 コア・いけぶくろ(豊島区民センター)JR池袋駅東口から約500メートル
主催/3・8国際婦人デー行動委員会

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週刊『前進』(2331号4面2)(2008/02/18 )

 「地球温暖化対策」を口実に 原発大増設に走る米日欧

 末期帝国主義打倒が核心だ

 今年7月の洞爺湖サミットの最大の課題に、サブプライムローン問題の爆発を引き金とする世界金融危機が浮上している。ここでは当初から課題とされた環境問題、地球温暖化問題やアフリカ問題のうち、地球温暖化問題についての帝国主義の動向を明らかにしたい。
(写真 昨年7月の中越沖地震で火災が発生し、黒煙を上げる柏崎刈羽原発)

 ブッシュ新構想

 それは、米欧日帝国主義が「エネルギーの安定供給と地球温暖化対策としての原子力回帰」をスローガンにして原発大増設路線に踏み切ったことだ。米帝ブッシュは06年6月、国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)構想を発表し、原発大増設路線を打ち出した。米では現在103基の原発が稼働中だが、この30年間新規建設がまったくされてこなかった。炉心溶融という最悪の事故を起こしたスリーマイル島原発事故(79年3月28日)により原発安全神話が粉砕され反対運動が高揚し建設を阻んできたからだ。ブッシュ政権は「原発に対する国民感情の受容性が改善した」という御用調査報告を出させ、国内における原発建設に踏み切った。しかしこれは激しい原発反対闘争に阻まれることは必至だ。
 また、これまでの核廃棄物直接処分(貯蔵・埋め立て)一辺倒から核燃料サイクル開発(再処理と高速増殖炉)も追求する路線に転換した。これは原発を全世界に売り込み、そこから排出する核廃棄物を、核不拡散の観点からアメリカに集め再処理してプルトニウムを取り出し、そのまま高速炉で燃やして処理しようというものだ。背後には、地球温暖化を絶好のビジネス・チャンスとして全世界に1基3千億円もする原発を売り込もうという軍需産業がある。
 帝国主義は、新自由主義、グローバリズムで地球の隅々まで恐るべき速さと深さで環境破壊し、さらに地球温暖化を促進してきた。今度は地球温暖化を逆テコに使って「CO2を出さない」をうたい文句にして原発を全世界に売り込もうというのだ。しかも核拡散にならないようにということで、再処理工場や高速増殖炉を米仏日などの帝国主義国だけがつくり、他の国にはそれをつくらせず、プルトニウムは手に入らないような仕組みにするというのだ。
 しかし原発を拡大すれば、原発労働者が放射能に汚染され、地域住民が原発事故の恐怖にさらされる。原発の全世界的普及が核兵器の全世界的拡散につながることは明白だ。そして核戦争によって地球が滅亡するような事態をつくりだしていく。最末期帝国主義の打倒以外に労働者階級人民にとって生きる余地がなくなるということだ。

 原発巡る争闘戦

 昨年9月に資源エネルギー庁が出したレポート「原子力を巡る世界情勢と我が国における原子力立国計画の進捗(しんちょく)状況」によると、日帝は、こうした米帝の路線にのっかり、それと競い合って全世界に原発を売り込むための準備を急いでいる。レポートは、原子力産業(原発メーカー)は80年代には欧州4社、米国4社、日本3社であったが、今後はWH(ウエスティング・ハウス)=東芝連合、GE(ゼネラル・エレクトリック)=日立連合、アレバ(仏)=三菱重工連合という国際大再編が進むとしている。
 原発市場は、今後は日本で11、米で33、ロシアで40、中国で30、インドで20、その他のベトナム、インドネシアなどで原発設置が増え、市場はグローバル化するとしている。巨大な原発市場を巡る帝国主義間争闘戦が激化していく。日帝は柏崎刈羽原発で重大事故を起こしたにもかかわらず恥知らずにも国内でさらに11基、さらに海外に進出しようとしている。そして許せないことに核武装を狙っている。
 帝国主義は末期的な姿をさらけだしている。環境破壊、温暖化などで帝国主義は破産している。デタラメをし尽くした結末だ。ところがその対策が「クリーンでエネルギー安定供給の特効薬」の核・原発だというのだ。とんでもないデマ・ペテンであり、デタラメの極みだ。これは必ず全世界の労働者階級人民の巨大な原発反対闘争の渦を巻き起こし、帝国主義を打倒するまで終わらない。
 (益子孝史)

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週刊『前進』(2331号4面3)(2008/02/18 )

 日誌 2008年 2月6日〜12日

 海外派兵恒久法狙う部会発足へ/沖縄米兵が中3少女に暴行

●不起立で再雇用拒否に慰謝料 東京都立高校の卒業式などの「君が代」不起立を理由に、東京都が退職後に嘱託職員として採用しなかったのは違憲だとした訴訟の判決が東京地裁であった。中西裁判長は、都による不採用の判断は「裁量を逸脱している」として、13人に計2700万円を支払うよう命じた。一方で起立を命じた職務命令は、憲法が保障する「思想及び良心の自由」に反せず合憲だと指摘。都教委の03年10・23通達も旧教育基本法に違反しないとの判断を示した。(7日)
●海外派兵恒久法へ部会 自民党は、自衛隊の海外派遣の一般的要件を定める恒久法制定に向け、内閣、国防、外交3部会による「国際平和協力の一般法に関する合同部会」を発足させることを決めた。月内にも公明党を含めた与党プロジェクトチームを設置し、今国会で政府による法案提出を目指すという。(7日)
●小樽港に米艦入港 米海軍第7艦隊旗艦ブルーリッジが北海道の小樽港に入港した。友好親善や乗組員の休養が目的としているが、埠頭(ふとう)で市民団体など約200人が抗議集会を行った。入港をめぐっては、小樽市は米側の打診に対し、商船入港を理由に一度は断ったが、その後「商船の日程が変わった」として一転して受け入れる方針に変わった。(7日)
●名護市へ米軍再編交付金 政府は米軍普天間飛行場の移設予定地である沖縄県名護市に対し、環境影響評価(アセスメント)調査の早期着手を前提に、「米軍再編交付金」を支給する方針を固めた。これまでは現在の移設案に反対している名護市を交付対象から外してきたが、移設計画への協力を促すために方針を転換した。(8日)
●アフガン軍民一体活動に資金 日本政府が、アフガニスタン「復興」にあたる軍民一体型の「地域復興支援チーム」(PRT)が進める学校建設などの資金を途上国資金(ODA)で肩代わりしていることが明らかになった。アフガン中部で米軍やリトアニア軍などが管轄するPRTが進めている民生支援で、対象は教育、職業訓練、医療の3分野。(9日)
●岩国市長選、米軍機容認派が当選 在日米軍の再編に伴う厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への空母艦載機部隊移転の是非が争点となった山口県岩国市の出直し市長選が投開票され、移転容認派が擁立した前自民党衆院議員の福田良彦候補が、移転に反対する前市長の井原勝介候補を破り、初当選した。(10日)
●高村外相、自衛隊派兵「積極的に」 ミュンヘン安全保障会議に出席した高村外相が演説し、「日本は『平和協力国家』として、国際社会において積極的な責任を果たしていく」と述べ、国連平和維持活動(PKO)など自衛隊の海外派遣に積極的に取り組む姿勢を強調した。(10日)
●沖縄米兵が中3を暴行 10日、車の中で中学3年の女子生徒に乱暴したとして、沖縄県警が、在沖縄米海兵隊の2等軍曹を強姦の疑いで緊急逮捕した。(11日)
●地位協定改正に消極的 在沖米海兵隊員による暴行事件を受け、町村官房長官は定例記者会見で、日米地位協定見直しの可能性について「ただちに地位協定の改正というところに話がいくのは、過去の(外相)経験だけで言えば、そういうことにはならないのではないか」と述べ、消極的な考えを示した。(12日)
●在日米軍住宅に道路財源を支出 長崎県佐世保市の在日米軍住宅が西九州自動車道の建設に伴って移転する際、道路特定財源から約28億円が支出されたことが衆院予算委員会の質疑で分かった。1戸あたり2億5000万円という。(12日)

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週刊『前進』(2331号5面1)(2008/02/18 )

 今こそ米軍基地撤去の実力闘争へ

 米兵による女子中学生の拉致・暴行事件を弾劾する

 革共同沖縄県委員会

“またか!”全島が怒りに震えた

全員がスクラム・デモで基地に肉薄し抗議(2月12日 北中城村)

  (1)
 1995年9・4米兵による少女暴行事件を彷彿(ほうふつ)とさせるような、おぞましい、許すことのできない事件がまたしても発生した。2月10日夜、在沖米海兵隊の38歳の軍曹が、沖縄市のショッピング・モールで女子中学生を言葉巧みに誘い出して北中城(きたなかぐすく)村の自宅に連れ込み、途中から怖くなって逃げ出した当人を車で追いかけて拉致・監禁し、長時間つれまわした揚げ句、暴行に及んだというのである。報道によれば、女子中学生はこの間、携帯電話をつけっぱなしにして友人・家族に助けを求め続けたというのである。
 当人の気持ち、恐怖を想像してみると、腹の底から怒りがわいてくる。本当に許せない。またしても米軍によって引き起こされた事件、とりわけ、14歳という年端もいかない女子中学生がまたもや被害に遭ったということに対し、沖縄中が怒りに打ち震えている。
  (2)
 1995年の9・4事件に対する怒りは、米軍基地の撤去を要求する巨大なマグマとなって爆発し、日米安保体制を根底から揺さぶり、日米帝国主義を徹底的に追いつめた。それは、あの時、大人の誰もが、人間として、人の親として、次世代を担う子どもたちをこのようなめに遭わせてしまったことに、ある種の自責と痛苦の念をも込め、基地と米軍(帝国主義軍隊)が存在する限り必ず事件は起こる、二度とこのようなことは起こさせない、それは基地の撤去以外ない、と決意し立ち上がったからである。
 あれから12年。そして今回の事件に際し、われわれは意を決して立ち上がらなければならない。
  (3)
 最も重要なことは「基地の撤去」以外ないということだ。事件のたびに政府や自民党などから発せられる「米軍の綱紀粛正」「再発防止」の要求などという言葉。こんなふざけた言葉が躍ること自体、もうやめにしなければならない。12年前の決起にもかかわらず、再び(正確には「再び」ではなく、この間、何度もこの種の事件は引き起こされている)この事態を迎えてしまったことの最大の責任は、SACO路線と米軍再編にある。そして、何がなんでも沖縄を米軍基地、日米安保の土台とし、犠牲に甘んじろと基地との共生を強制してきた日本政府にある。そして、その札束でほおをたたくやり方に奴隷的に屈従してきた自民・公明の稲嶺―仲井真保守県政にある。今必要なのは、米軍基地の騒音が金の音に聞こえるようなやからもろとも、日本政府に労働者人民の怒りの大鉄槌(てっつい)を食らわせることである。
  (4)
 事件・事故で犠牲が出るたびに何百回、何千回と抗議決議を上げてきた。米軍も日本政府も、決議それ自身の重さなど、蚊が刺したほども感じてはいない。否、彼らにとっては、「大枠OK」のサインでしかない。
 今必要なのは、議会でも決議でもない。労働者の実力闘争だ。実力闘争とは、昨年9・29、教科書検定撤回を要求して11万余が立ち上がった県民大会を倍するような巨万の大集会と、世の中の主人公である労働者が労働組合に結集し職場を武器にゼネストに立ち上がることである。
 そして何よりも必要なことは、世直し=革命だ。沖縄を犠牲にしなければ存立できないような国家(それは”9割の労働者をいつでも首の切れる非正規雇用にせよ〔日本経団連〕”と叫び、労働者を食わせることもできなくなった国家と同じである)は根本からおかしいのだ。必要なのは政権交代ではなく、世の中の真の主人公である労働者の、本土と沖縄を貫いた実力決起、すなわち巨万の大衆行動とゼネストだ。
 全国の労働者は、今回の事件への怒りを共有し、3・16全世界一斉イラク反戦行動に総決起しよう。3・16に、全国津々浦々で「9・29沖縄県民大会」を実現しよう。そのエネルギーは今や全社会に充満している。米軍基地撤去、名護新基地建設阻止へ闘おう。

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週刊『前進』(2331号5面2)(2008/02/18 )

 2・12 ゲート前で緊急抗議集会

 “基地をなくす以外にない”

 2月12日午後6時から、北中城村のキャンプ瑞慶覧(ずけらん)ゲート前で、米兵による中学生暴行事件糾弾の緊急抗議集会が開催された(主催は沖縄平和運動センターと中部地区労)。北中城村は今回事件を起こした米兵が居住していた地域であり、キャンプ瑞慶覧には在沖米海兵隊司令部がある。
 集会には県内の労働組合を中心に約350人が結集した。今回の事件が起こった中部地域の北中城村・北谷町・沖縄市の自治労、教育労働者が集会を牽引(けんいん)する形で進められた。
 政党あいさつ、市民団体あいさつに続き、これら3地域の労働者が怒りをみなぎらせてマイクを握った。沖教組の代表は「教職員として、一人の親として、今回の暴行事件は絶対に許せない。軍隊があるがゆえに少女をまたしても犠牲にしてしまった。もはや基地撤去以外に県民の人権は守れないことがはっきりした」ときっぱりと宣言した。
 自治労の労働者は「今回の事件は、95年の少女暴行事件と何も変わっていないということ、それは沖縄が米軍基地に95年以降もずっと脅かされ続けているということだ。高村外相は『米軍再編に影響はない』と言い放ちました。石破防衛相は『米軍との信頼関係は揺るがない』と早々とコメントしている。わが耳を疑いたくなる。米軍との信頼関係など私たちには元からないし、これからもあろうはずがない! 生活と人権を脅かす基地をなくして平和な沖縄を取り戻す決意を今一度固めましょう」と怒りに声を震わせながら決意を述べた。
 集会後、参加者全員でスクラム・デモを行い、周囲の米軍フェンスに肉迫し、基地に対する強い怒りを表明した。
 在沖米海兵隊・キャンプコートニー所属の現役の二等軍曹は、14歳の中学生を「家に送ってやる」とだましてバイクに乗せ、自宅に連れ込み暴行しようとした。恐くなった少女は、必死に逃げようとしたが、米兵は執拗(しつよう)に追い回し、揚げ句に自動車に監禁し、公園の路上で暴行に及んだというのだ。拉致される過程で少女は、一緒にいた友人たちに携帯電話で「車から降りられない」「助けてー!」と救助を懇願し続けていたという。

 “95年県民大会以上の闘いを。

 今、沖縄全島が怒りに震えている。この中学生の受けた計り知れないキズに、親として、沖縄県民として、そして労働者階級として「今度こそ基地と米軍を許さない」という決意を固めている。昨年の9・29県民大会に続き、米軍再編と沖縄における米軍基地の存在そのものを許さない闘いへとついに「怒りのマグマ」が噴き出しつつあるのだ。誰もが「95年の10万人県民大会」を思いだし、「あれ以上の闘い」で今度こそ沖縄から米軍基地をたたき出すまでやまない闘いが始まろうとしている。それは辺野古新基地建設阻止の闘いにも直結している。3・16イラク反戦大デモは、沖縄人民の暴行事件弾劾の闘いと完全に一体だ。大結集をかちとろう。

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週刊『前進』(2331号5面3)(2008/02/18 )

 少女暴行事件を糾弾し、即時基地撤去を求める抗議声明

 沖縄県教職員組合(沖教組)、沖縄県高等学校障害児学校教職員組合(高教組)は12日、連名で事件に対する抗議声明を発表した。以下、その全文を紹介します。(編集局)

 少女暴行事件を糾弾し、即時基地撤去を求める抗議声明
 沖縄県教職員組合
 沖縄県高等学校障害児学校教職員組合

 2月10日午後10時半ごろ、本島中部において在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属の海兵隊員(38歳)による女子中学生への暴行事件が起こったことがマスコミ報道により明らかにされた。
 改めて95年のあの忌まわしい少女暴行事件を想起させ、沖縄県民に大きな憤りと強い怒りが沸き起こっている。とりわけ、教育現場で児童・生徒と日々向き合っている私たち教職員にとって筆舌につくし難い衝撃であり、絶対に許せるものではない。
 米軍は、事件事故が起きる度に「良き隣人」や「綱紀粛正」を掲げ、事件事故の再発防止を表明してきた。その度に多くの県民は今度こそはと期待をしてきた。しかし、95年以降も事件事故は発生し続けている。
 私たちは事件事故が発生する度に日米地位協定の抜本的改定と基地の撤去・縮小を訴えてきた。それに対し政府は「運用改善」を唱えるばかりであり、具体的な運用改善そのものを明らかにしないどころか、現状では、全てが米軍任せ(配慮による対応)となっている。
 沖縄は、戦後一貫して米軍による占領的支配状況の中にあり、復帰以降も米軍による事件事故は後を絶たず、今なお嘉手納基地の早朝離着陸に見られるように全てが軍事優先となっている。そこには県民の人権や生活など一顧だにされない状況が続いており、日米地位協定の全面改定が急務となっている。
 しかも、基地あるが故の事件事故であることを踏まえるならば、基地そのものの撤去を強力に推し進めなければならない。事件事故は戦後63年間(復帰36年)続いている。このような基地被害を踏まえるならば新たな基地の建設や受け入れ等はとうてい許されるものではない。
 私たち沖教組・高教組は改めて今回の女子中学生暴行事件に強く抗議・糾弾するものである。同時に日米両政府へ基地の即時撤去を求めるとともに実効力ある事件事故再発防止策を明らかにし、被害者である少女及び家族に対するケアと完全な補償を求めるものである。

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週刊『前進』(2331号5面4)(2008/02/18 )

 2・11日本原 迫撃砲試射に怒り

 地元農民・労組200人がデモ

 2月11日、岡山県奈義(なぎ)町の日本原農民・鷲田正見さんの田んぼで2・11日本原現地集会が行われた。美作(みまさか)地区の労働者を始め県内を中心に200人が集まった。
 2・11日本原集会は、1969年に地元奈義町議会が「大日本帝国憲法復活決議」を強行したことに対し、翌年の70年から毎年行われている。
 集会に先立つ1月24日、陸自第46普通科連隊の隊員約90人が参加し38年ぶりに「東着弾地」への迫撃砲の試射を強行した。この東着弾地は、70年4月に農民が座り込んでいるさなかにりゅう弾砲が発射されて以来、労働者・農民の闘いによって使用中止に追い込まれていた所だ。今年の2・11集会は陸自の試射強行に対する怒りの集会となった。
 日本原共闘会議の福島さんが主催者あいさつを行い、迫撃砲試射と日米共同訓練を弾劾した。弁護団の大石弁護士は、地元農民や労働者の闘いと連帯して行政訴訟などを闘ってきたことを報告。
 日本原農民の内藤秀之さんは、「3年前から立ち木を伐採し、迫撃砲の射撃を強行した。急な斜面への射撃で山が崩れている。長い間、地元労組を中心にした抗議行動で演習を中止させてきた。日米共同訓練でも、神社など民有地を立ち入り禁止にする根拠はないはずだ。イラクで多くの人が殺されている。今日を出発点に実弾射撃への抗議を続け演習に反対していく」と決意を述べた。
 津山市職労、岡山県教組、私鉄中鉄支部、マスカットユニオンの青年らが「自衛隊は日本原から出ていけ!」と大声で訴えた。アピールを採択し、こぶしを挙げた。
 集会後、参加者は駐屯地まで意気高くデモ行進を貫徹した。
 さらに百万人署名運動の仲間は、演習場内の迫撃砲射座の調査を行い、日本原基地撤去と3・16イラク反戦5周年デモへ向けて団結を固めた。
(写真 那岐山を望む地元農民の田んぼに、組合気を林立させ労働者が集まった【2月11日 奈義町】)

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週刊『前進』(2331号5面5)(2008/02/18 )

 2・11佐世保 “母港化許さぬ”

 原子力空母入港に抗議

 2月11日、米原子力空母ニミッツが佐世保に入港した。佐世保を始めとする長崎の労働者は、この暴挙を徹底弾劾した。長崎の反戦共同行動委員会の仲間、「とめよう戦争への道!百万人署名運動を推進する長崎の会」、福岡県労組交流センターの仲間たちも佐世保に駆けつけ、ともに弾劾の声を上げた。
 朝7時30分過ぎ、労働組合や市民団体の抗議船27隻が、ニミッツを迎え撃つために出航した。他方、約120人の労働者が岸壁から抗議の声を上げる。8時過ぎに、ニミッツがその巨大な姿を目前に現した。思わず怒りが込み上げる。「ニミッツは帰れ!」「母港化反対!」の声が海と陸の両方からたたきつけられた。抗議船がニミッツを巧みに追いかけ徹底弾劾する。
 午後0時45分から、佐世保地区労の青年労働者の若々しい前段集会が開催された後、1時30分から地区労が呼びかける弾劾集会が開催され、1200人の労働者が集まった。会場の島の瀬公園はたちまち人で埋まった。若い人たちの姿も多い。佐世保の労働者の基地に対する怒りが、この結集に示されている。集会終了後、米軍基地へのデモ行進。すでに街に繰り出し始めたニミッツの乗組員にも「戦争反対!」を訴えつつ、1200人のデモは徹底的にニミッツ入港と米軍基地・日米安保体制を弾劾した。
 さらに同日、福岡ではニミッツに随伴してきたイージス艦プリンストンが入港を強行し、これに対しても福岡県労組交流センターは抗議行動に立ち上がった。

 九州北部の前線基地化狙う攻撃

 今年はちょうど佐世保エンタープライズ入港阻止闘争から40年目にあたる。今回の原子力空母の入港は40年間で9回目となる。3年前からは毎年、佐世保に原子力空母が入港するようになっている。長崎が被爆県であることを百も承知で、この暴挙を続けている。
 米軍再編のもとで横須賀では今年8月、原子力空母ジョージ・ワシントンの母港化が狙われているが、アメリカ帝国主義は西太平洋にさらに空母を1隻配備しようとしている。佐世保を事実上のもう一つの母港にするつもりなのだ。そのために、地元の反対の声を踏みにじって連続的な原子力空母の入港を繰り返しているのだ。
 岩国基地には、この空母艦載機の乗組員のための宿舎が建設されようとしている。佐世保−岩国−横須賀が、朝鮮半島・中国、イラク・中東をもにらんだ侵略戦争出撃基地として強化されようとしているのだ。
 佐世保には今年1月、SM3(海上発射型迎撃ミサイル)を搭載した自衛隊イージス艦「こんごう」が配備された。さらに2010年には、福岡県内の三つの基地にPAC3(パトリオットミサイル)が配備されようとしている。ニミッツが入港した翌日からは航空自衛隊・新田原基地(宮崎県)で日米共同演習が開始された(12〜15日)。15日には、米海軍ミサイル駆逐艦ラッセンの長崎港への入港がたくらまれている。
 九州北部は、沖縄とともに米日帝国主義の侵略戦争の最前線基地になりつつある。職場での闘いを土台にして、反戦・反基地闘争を強めよう。
(写真 海上抗議船27隻の闘いと一体で岸壁から米原子力空母ニミッツに怒りをたたきつける【2月11日 佐世保】)

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週刊『前進』(2331号6面1)(2008/02/18 )

団結ひろば 投稿コーナー

 コムサで解雇撤回へ闘う私に届いた手紙 関西・20代 N

 私は昨年10月17日に法政大学でクラス討論弾圧を受けて、勤めていたコムサを解雇されました。すぐに関合労(関西合同労働組合)に入って2回の団体交渉と、元旦からコムサの店前での街頭宣伝や就労闘争など解雇を撤回させるために闘っています。
 先日コムサイズムで店長をしていた人から手紙が届きました。
 手紙には「店長になってからは売り上げの責任を押しつけられ、上司から毎日『もっと売れ』としかられ、社員が減らされるので、その分のしわ寄せで毎日13時間労働が当たり前になり、その末に精神科に通うようになって1年の病気休職になった」「復職後の雇用形態は正社員ではなくパートで『給料ドロボーにならないように』とイヤミを言われ、労災認定もなく退職強要と思える言葉を投げつけられた」「憤りが収まらず、コムサの労組に相談したら、何の解決にもならず逆にしかられて、会社に密告され(同僚によると労組は会社のスパイ組織のようになっているとか)、親と相談してコムサを辞めた」ということが書かれてあり、結びにはコムサに真の闘う労組ができたことに対する喜びの言葉と激励のメッセージが書かれていました。
 全国のコムサで同じことが起きています。私の知り合いも2人、労働強化によって体を壊して退職していきました。後輩は店舗異動を断ろうとしたら解雇で脅されました。こんな労働環境の中で御用労組と資本が一体で労務管理、争議対策をして労働者が立ち上がることを抑えつけています。でも闘う労組が出てきたことで、今まで抑えられていた労働者の怒りは表に出始めています。解雇撤回闘争も大阪で支援の輪が広がって、広島や京都でも仲間が連帯行動に立ってくれています。仲間って心強いなあと感動しています。
 ものすごい労務管理の職場だけど、だからこそ労働者の怒りはマグマのようにあるはずです。その怒りと結合してコムサの職場を労働者の力で解放していきたいと思います。困難はあるけど、法大闘争で培った団結の力でがんばります。

 アフガニスタン人民虐殺が「国際貢献」か 化学産業労働者 赤鬼

 村を焼き払い、地域住民を虐殺することが、「支援」と報道されている。買収されそうになるたびに議論されるTVの「公共性」は、「政府の都合に合わせる」ことを意味していると考えて間違いないだろう。
 アフガニスタン侵略戦争を正当化するアメリカとその同盟国の(へ)理屈を、日本のTVはまともに批判することはなかった。テロ特措法の議論が参院選後始まったが、その間、米軍やNATO軍がアフガニスタンで行っている住民虐殺の実態は、一切TVで報道されなかった。TVの報道では「テロリストを倒す」「日米同盟のため」「国際貢献のため」などと自公国会議員が垂れ流すへ理屈のみが一方的に宣伝されただけだった。
 ある地域を攻撃する側が目的をどう取り繕おうと、攻撃された地域住民が、自衛のために反撃するのは当たり前である。
 「テロリストを倒す」ことを錦の御旗にして、虐殺を正当化する輩の方が非道そのもの。最新の装備で武装した軍隊約5万人(ISAF〔国際治安支援部隊〕+OEF〔不朽の自由作戦〕=注)が駐留し、「治安」が維持できず、増派のために血眼になっている時点で、その地域の人々に貢献していないことを証明しているのではないか。
 労働者の怒りを受けて安倍前政権は打倒され、その成果として、アフガニスタン人虐殺のための給油を行っていた海上自衛隊はいったんインド洋から引き揚げた。
 アフガニスタンの人々への真の貢献のために、3月16日の代々木公園での反戦集会へ多くの労働者が結集するよう全力を尽くしたい。
【注/OEF】 01年9・11事件の首謀者を「アルカイダ」と断定した米帝は、アフガニスタンのタリバン政権がアルカイダをかくまっているとして同年10月7日、英帝とともにアフガニスタン空爆を開始。この侵略戦争の軍事作戦の総称が「不朽の自由作戦=Operation
 Enduring Freedom」。当初「無限の正義作戦= Operation Infinite Justice」とされたが「無限の正義」がイスラムでは神を意味するため、イスラム諸国から猛反発を受けて改名した。

 「無実の者を無罪に」という一念に学ぶ 東京・三多摩 加納敏弘

 1月、三多摩・星野文昭さんを救う会主催の「えん罪事件救援を生きて」と題する学習会を開きました。三鷹事件・松川事件・狭山事件などの数々のえん罪事件の救援にかかわってこられた篠原道夫さんに講演をしていただきました。死刑反対運動に取り組む清瀬市議の方や百万人署名運動の皆さんも参加しました。
 篠原さんは、今年80歳。今もえん罪事件の救援と野宿者の支援にかかわる現役の活動家です。第2次大戦末期に16歳でベトナムの戦地に赴き、現地の青年を他の日本兵と同じように蔑称を使って呼び捨てたところ、現地の女性からたしなめられ、差別者としての自己を思い知らされたというのが篠原さんの原点です。
 戦後、日本共産党に入党し、日雇い労働者として労働運動を始めます。その過程で三鷹事件・松川事件が発生し、国労などの労組幹部が逮捕されます。篠原さんは、これらの事件の救援運動にかかわるようになり、その中で「警察がえん罪をつくる」という事実を知ります(松川事件では、未成年者のウソの自白が「証拠」となり、弾圧が拡大されました)。
 篠原さんは、「戦後のえん罪事件救援運動は、戦前の救援運動を継承している」と述べられました。1910年の大逆事件、28年の共産党に対する3・15弾圧、30年代の小作争議やストライキへの弾圧に対して、労働者階級は労農救援会を組織して闘ってきました。戦後も労働運動へのさまざまな弾圧の中で労農救援会は復活します。
 篠原さんは、「無実の者を無罪に」という一念で救援運動を闘ってこられました。「星野さんの事件は政治的事件だが、えん罪だということをもっと強調した方が大衆に訴える力になる」とアドバイスされました。
 星野さんは無実です。帝国主義は、支配の維持のためならえん罪をつくりだす。そのことへの怒りが星野闘争の原動力です。

 『歌わせたい男たち』が再び上演されます 東京 金山克巳

 「歌わせたい」のは、「君が代」です。主人公の音楽講師(戸田恵子さんが熱演)は、売れない歌手をやめ、ようやくカタギの職を得ました。卒業式当日、校長は「必ずピアノ伴奏をしてください」とプレッシャーをかけてきます。それまで考えたことがないのに(彼女はノンポリです)、なぜ? という疑問がわいてきます。同僚に、「君が代」を拒否する教師がいることが分かります。校門では、ビラまきに来た人が逮捕されます。コンタクトをなくして譜面が読めません。時間は迫り、彼女はあせります。さて、どうなるでしょうか。
 3年前、この演劇は大きな反響を呼びました。作・演出の永井愛さんは、03年の10・23通達、04年の卒業式・入学式を丹念に取材して、この劇を書きました。評判を聞いて、多くの教育労働者が見に行きましたが、売り切れで残念な思いをした人もいます。
 今回、東京公演は2月29日から3月23日まで、新宿の紀伊国屋ホールで上演されます。この機会に、ご覧ください。
 唯一最大の欠点は、私たちにとっては料金が高いことです。一般5000円(あぁ)! 学割も3000円! 東京公演の後、北海道から九州まで全国ツアーも行われます。詳しいことは「二兎社」のホームページで検索してください。

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週刊『前進』(2331号6面2)(2008/02/18 )

 福嶋控訴審 デッチあげ有罪判決物理学者が論破

 弁護側証人「却下」に怒り

 2月12日、福嶋昌男同志が闘う迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の第2回控訴審が東京高裁第2刑事部(安廣文夫裁判長)で行われた。
 小雨の中、早朝から「完全無罪をかちとる会」が裁判所前でビラをまき、「本日行われるY証人に続き、福嶋さんの無実を明らかにするすべての証人を採用せよ」と闘った。
 安廣裁判長は、昨年12月13日の控訴審第1回公判で、「原審記録や控訴趣意書を読んでいるので、被告・弁護人の主張は十分に分かっています。書証等は採用しますが、証人調べはやらない。最終弁論も必要ないでしょう」と言い放った。ふざけるな! 福嶋同志は無実である。まったく不当な1審12年のデッチあげ重刑判決を覆すための証人を1人も採用しないなど断じて許すことができない。
 それから今日まで、福嶋同志を先頭に完全無罪をかちとる会は、連続的な裁判所前のビラまき、高裁第2刑事部への申し入れ行動を闘ってきた。弁護団は意見書の提出や裁判所との折衝を行った。こうして物理学者Y氏の証人をかちとった。
 1審服部悟裁判長は、岩手借家から押収された「メモ」の中に「本件両事件に向けた砲弾の飛距離増大化計画や、砲弾の飛距離計算を行った」ものがあると決めつけ、その「メモ」の筆跡が福嶋同志のものだという「筆跡鑑定」によってデッチあげ有罪判決を下した。
 Y証人は、1審判決は「メモ類に砲弾の飛距離を増大化する計画が書かれており、この計画に基づいて迎賓館・横田への金属製砲弾が発射された」と認めているが、メモ類の中にはそのようなものはなく、判決は物理学の理解を欠いた誤ったものであることを一点の曇りもなく明らかにした。
 まず、Y証人は砲弾などの飛距離計算の作業は、ばく大な資金と人材やコンピューターが必要であり、およそ手計算でそのような意味のある計算ができるものではないと証言した。また、メモは「火薬の燃焼が4段階で起きる」とする、およそ現実からかけ離れた想定のもとに計算をしようとしたものだが、そのような想定は物理学的な原理に反したものであり、そこに生み出された数値には何の意味もないこと、なんら火薬の燃焼を理論的に反映したものでないことを明らかにした。
 そして、Y証人はこれらのメモは、砲弾発射に関連して何かしら有効性のあるものではないこと、さらになんらかの改良や工夫によって実験や砲弾発射につながるものでもないことを全面的に明らかにした。
 このY証言によって、メモの記載内容の恣意的な解釈により福嶋同志を有罪にした1審判決がいかに誤っているかが完全に明らかになった。
 証人調べが終了した後、安廣裁判長はまったく許せないことに、筆跡鑑定人などの証人申請をすべて却下した! 福嶋同志を「有罪」とするもうひとつの核心は、その「メモ」を福嶋同志が書いたとデッチあげた「筆跡鑑定」にある。安廣裁判長の却下決定に対し、福嶋同志は「私はメモなど書いていない。私の筆跡ではないという筆跡鑑定人をどうして調べないのだ」と激しく弾劾した。傍聴人も「全証人を調べろ」と要求した。
 法廷に怒りが渦巻く中、安廣裁判長は、次回3月11日が最終弁論、3月27日が判決だと告げて閉廷を強行した。断じて許すことができない。

 2・23集会に集まろう

 2月23日、完全無罪をかちとる会主催の集会が開催される(要項別掲)。福嶋同志とともに白熱的攻防の控訴審に勝利するために総結集しよう。須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志の差し戻し審も東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で始まる。国家権力によるデッチあげへの労働者階級の怒りを結集させ、4同志の無罪をかちとるために全力で決起しよう。
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□迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
 4人に完全無罪を!2・23集会
 2月23日(土)午後1時開場/1時半開始
 上原区民会館4階・会議室1号(渋谷区上原1-18-6小田急線・千代田線「代々木上原駅」)
 主催/迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会
□『未決勾留16年』出版記念パーティー
 2月23日(土)午後5時半開場/6時開会
 渋谷区勤労福祉会館(渋谷区神南1-19-8)
 主催/『未決勾留16年』刊行委員会

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週刊『前進』(2331号6面3)(2008/02/18 )

 “徳島刑務所暴動”の真相

 受刑者が医療虐待を告発 “生きさせろ”と獄中決起

 昨年11月16日、無実の星野文昭同志がいる徳島刑務所で衝撃的な「暴動事件」が発生した。何が起こったのか。決起した受刑者たちは何を訴えているのか。現地徳島からのレポートです。(編集局)

 積もりに積もった怒り

 07年11月16日、星野文昭さんが囚(とら)われている徳島刑務所(荒島喜宣所長・定員1093人)で受刑者による暴動が発生しました。時間の経過とともに、ようやくその事実が明らかにされつつあります。階級的労働運動路線で団結した動労千葉派は、国際連帯集会として11月労働者集会をかちとり、続いて韓国の民主労総大会にも参加して闘いました。これと時期的に重なって刑務所暴動が起きています。
 12月に出所した人のインタビュー記事(徳島新聞)によると医務課長・松岡祐人医師(42)による「不適切な医療措置に対する積もりに積もった不満」が原因。「何かしないと医療問題は表に出ない。結果的に暴動を引き起こすことになったが、そうするしかなかった」「ベットで四つんばいにされ肛門に指をつっこまれるようになった」「薬もくれず、むちゃくちゃな行為をされたら診てもらいたくなくなる」「医務課長への怒りが根源にある。今回のような暴動は刑務所内でまず起こり得ない出来事だということをわかってほしい」と訴えています。
 特に05年10月、繰り返される肛門虐待と暴行の上、重度の肺炎の治療を拒否された1人の受刑者が抗議自殺をしたことは衝撃的です。また、留置中の男性が壁をたたいて苦しんだ後、心筋梗塞で死亡するという事態も起きています。監獄人権センターの調査によると、松岡医師の着任(04年4月)以降、7人が死亡し、1人が自殺しています。
 これは1人の医師だけの問題ではありません。受刑者を人間として扱わない、日帝・法務省による虐待の問題です。06年に荒島所長になり、昨年処遇部長が交替してからささいなことで懲罰や降「類」が乱発される厳罰主義が横行していました。

 やむにやまれず行動に至る

 事件が起こったのは、懲役作業開始直後の9時25分でした。受刑者らは刑務官5人に対し殴る蹴るなどし、消火器を噴射する暴動に発展しました。引き金は、医療虐待問題での人権救済申立を中心で担っていた受刑者を、刑務所側が「隔離処置」にしたことへの憤りだったと言われています。ニュース第一報では十数人の暴動と報道されましたが、30人前後がかかわっていたようです。
 過酷な報復(刑期延長、「類」の降格、面会禁止、懲罰房など)が予想されるにもかかわらず、やむにやまれぬ行動に至ったのです。日帝・刑務所が受刑者を虐待し続けていること、この事実を闇(やみ)から闇に葬ろうとしていることへの、獄中からの「生きさせろ!」という必死の闘いだったと思われます。
 1月になり徳島地検は受刑者2人を「公務執行妨害、傷害」で逮捕し、24人を取り調べています。刑務所側はあくまで「適正な医療行為だった」とコメントしています。また、当の松岡医務課長は、四国管内の刑務所の医療事務担当として高松矯正管区勤務に異動となりました。

 弁護士会などが声明

 徳島弁護士会は直後に調査を開始し、声明を出しています。声明では、「04年から07年までに受刑者からの人権救済申立が222件。そのうち医療98件」「顕著なものには警告や勧告が行われているが、(刑務所により)問題性が放置されてきた」「医師には受刑者の理解を得ようとする意識が極めて希薄」「受刑者の不満が蓄積されてきた」と指摘しています。
 国の施設で人権侵害事件が200件を超えて発生するという異常さ。しかも徳島刑務所側は、弁護士会が受刑者に事情聴取するのを妨害するなど、事実を隠蔽(いんぺい)しています。弁護士会が面会を通告していた3人が、面会直前に他の刑務所に移送され、ほかにも140人が散り散りバラバラに移送されています。
 弁護士会は、@適切な医療行為の実施、A必要な医師・看護師の配置と外部の病院での診療、B人権救済申立の事情聴取への協力、を求めています。
 また救援連絡センターは「虐待と弾圧を直ちにやめて謝罪すべき」と抗議文を出しています。被収容者処遇法のもとでの刑務所の反動的実態が明らかになりつつあります。

 完黙・非転向が力発揮

 まさに、ナチスのアウシュビッツ、日本軍の731部隊を想起させる虐待です。しかも、「虐待した側が、虐待された側を犯人として逮捕する」というまったく転倒した事態です。
 一見「暗黒の時代」を思わせます。しかし、この中にイラク・アブグレイブ刑務所と同様に労働者階級を支配する監獄・暴力装置本体の崩壊が進行していることがはっきりと見てとれます。
 さらに決定的なことは、不当な弾圧に対して「人間は断固として団結して立ち上がる」ということを示してくれたことです。動労千葉が職場の団結で分割・民営化攻撃を打ち破ってきたこと、そして国労5・27臨大闘争弾圧、関西生コン弾圧、法大弾圧など階級闘争の激突の根幹で転向攻撃を完全黙秘・非転向で打ち破っていることが階級的力関係を決めています。
 平然と死刑を強行する鳩山法務大臣などに殺されてたまるか! 「労働者階級の団結で革命をやろう!」という労働者の闘いで、非人間的な監獄は必ず解放できます。私は地元の徳島で、星野文昭さんの再審無罪・釈放のために闘います。
 (徳島 T)

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週刊『前進』(2331号6面4)(2008/02/18 )

 4・27法大裁判 安東学生部長追及6時間

 ”次はキャンパスでやるぞ”

 2月13日、4・27法大裁判の第12回公判が東京地裁刑事第18部で開かれた。安東学生部長への最後の反対尋問となった今回の法廷は、午後1時半から7時過ぎまで、実に6時間もの大決戦となった。被告団と弁護団の気迫に満ちた尋問と、退廷命令などにひるまない傍聴の学生、さらに廊下で待つ学生までもがひとつとなり、夜間に突入した法廷はさながら団交を思わせる雰囲気となった。
 終盤にはあの鉄面皮・安東が顔を真っ赤にして、ドクターストップ寸前だ。安東みたいなウソとデタラメしか言わないやつに学生は絶対に負けないということだ。今度は、これをキャンパスでやるぞ!
 4法廷のべ12時間にわたった安東への反対尋問ではっきりしたことは、06年の3・14弾圧以来の法大当局による学生支配の敗北であり、学生の闘いの勝利性だ。
 昨年4月27日、手足を持って排除された友部君や内海君、内山君がその直前、何をしていたのか。弁護人の尋問に答えて安東はことごとく「しゃがみ込んでいた」「特に何をするわけでもなかった」「歩いていた」「立っていた」と証言した。要するに何もしてないじゃないか! そんな人間を警告もせずに排除する理由は何だ!
 追及された安東は「そこにいるだけで大学を混乱させ、業務に支障をきたす」と言う。本当にデタラメだが、いかに安東はじめ法大当局が被処分者を先頭とした法大生の闘いを恐れているかが分かる。闘う学生の威力は本当に絶大だ。
 さらに当日、何の処分も受けていない新井君の排除については、「自分は排除をしていない、指示もしていない」「自分以外に排除を指示する権限はない」と証言した。ではなぜ新井君が排除されたのか? 安東は「言葉で言わなくても、態度や行動で指示した。他の教職員が新井君を排除するのに反対しなかったし」などと意味不明のことを言い出した。安東は自分にテレパシー能力があるとでも思っているらしい。これでは新井君が排除に抗議し、再びキャンパスに入ろうとしたのも無理はない。安東のテレパシーが新井君には伝わらなかったというだけである。
 友部君の逮捕が学内で行われたことについても「友部が学内にいることが異常であり、警察が突入し、逮捕されたことで正常になったのだ」と言い切った。「権力に魂を売る」とはまさにこのことだ。
 はっきりさせよう。こんなやつに大学で教えを請うのか。こんなやつらに学生の団結が破壊されてたまるか。怒りを爆発させて、団結した力で法大を解放しよう。

 2・18内田君の初公判に結集を

 この日の勝利は、獄中で闘う内田晶理君との団結の力でかちとった勝利だ。内田君の裁判は、2・18初公判から「警備法廷」となる。ガチガチ警備をぶっ飛ばす学生の団結を見せつけよう! 2月18日(月)正午に東京地裁に集合を!
 2・18クラス討論弾圧初公判の大爆発から、3・16闘争の全国1万人−首都圏5千人結集に向かって突き進もう!
(写真 受験生に3・16呼びかけ 闘う法大生と全学連は、2月初旬から法大入試情宣に決起。3・16全世界一斉デモへの参加と賛同署名を、数千人の受験生に連日がんがん訴えている。”いっしょに世界革命やろう”という熱い呼びかけに、多くの受験生が立ち止まり討論の輪が広がった【2月14日 法大市ケ谷キャンパス】)

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