ZENSHIN 2008/01/21(No2327 p06)
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週刊『前進』(2327号1面1)(2008/01/21 )
08春闘勝利・3月イラク反戦闘争へ
第2次国鉄決戦と不起立闘争を先頭に4大産別決戦の勝利開け
帝国主義の破局的危機を世界革命で迎え撃とう
1〜3月期の闘いに08年決戦全体の勝利がかかっている。帝国主義は米帝を先頭に全世界で破局的な危機を深め、一切の犠牲を労働者階級に押しつけている。もう、資本主義のもとでは労働者階級は生きていけない。今や資本主義のあれこれの改革ではなく、資本主義体制そのものを根底からひっくり返すプロレタリア革命が問題となっているのだ。その勝利に向かって、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別を先頭に、動労千葉型の階級的労働運動を白熱的に実践しよう。08春闘と3・16イラク反戦闘争を今春闘争の最大の結集軸として打ち立て、青年労働者、学生を先頭に1〜3月闘争に総決起しよう。
(写真 寒風を突いて反対同盟は新年第一弾のデモに立ち上がった【1月13日 成田市東峰】)
「党の革命」が切り開く躍動
革共同は今、塩川一派打倒の闘いを推進し、結党以来最高の飛躍を遂げつつある。青年労働者、学生の若いエネルギーが党内に充満し、それが牽引(けんいん)力となって、真の革命的な労働者党への飛躍をかちとりつつある。
これまでの革共同自身の内部にあったあいまいさや中途半端さ、そして不純な要素がごまかしようもなく暴き出され、ふるいにかけられている。そしてこの闘いの渦中で、革命をめざす青年労働者、学生が次々と革共同に結集していることは、実に画期的なことである。まさに党に革命が起きているのだ。さらに「党の革命」をとことん推し進めよう。ここにこそ、プロレタリア世界革命勝利への道があるのだ。
革共同が08年の新年に当たって「階級的労働運動路線の白熱的実践」と「階級的団結」論を打ち出したのは、思い切った党的飛躍をかけた決断であり、革命勝利の路線の提起である。革命的情勢の急接近が突きつける党の飛躍の課題、労働者階級の要請に、全力でこたえようとするものだ。「階級的労働運動路線の白熱的実践」の闘いに全力で突入し、歴史的勝利を開こうではないか。
反マルクス主義に変質し脱落・逃亡した塩川一派は、革命の戦取が本格的に問題となる情勢の急接近の中で、労働者階級が突きつける党の飛躍に耐えきれず、自己保身的に変革を拒否した。そして権力への完黙原則を放棄するまでに腐敗し、階級的労働運動と動労千葉への全面敵対と党破壊の集団に転落した。これに労働者党員の怒りが爆発し打倒されたのだ。
党自身を純化し、党に力と生命力を与えたレーニンの党内闘争が、メンシェビキ分派に打ち勝ってロシア革命の勝利を切り開いたように、塩川一派打倒の闘いは、革共同が闘う労働者階級と労働運動の中に強固に内在して、プロレタリア革命に勝利するための必須不可欠の跳躍台である。
階級的労働運動路線の圧倒的な実践とその前進をもって、塩川一派を最後的に打倒・一掃し、プロレタリア世界革命勝利の時代に躍り出よう。
体制内労働運動を打ち破り
新年冒頭から帝国主義の世界支配は音を立てて崩れ始めている。帝国主義の最後的延命策としての「新自由主義」の政策と攻撃は、支配の安定をもたらすどころか、サブプライムローン問題を引き金とする世界金融大恐慌の現実化に示されるように、一層の破局的危機をつくり出している。
そしてそれは労働者階級に対し、さらなる民営化・労組破壊、失業と賃下げ、非正規雇用化、労働強化、さらに社会保障制度解体、増税、石油価格や生活必需品の値上げなどの大攻撃として襲いかかっている。
労働者階級は資本主義・帝国主義のもとでは、本当にもう生きていけない。だから全世界で労働者階級が怒りと危機感を爆発させ、生きるための闘いに立ち上がっているのだ。
だが、帝国主義はどんなに危機を深め破産しても、自ら権力を手放すことはない。労働者階級に一切の犠牲を押しつけ、労働者の闘いを弾圧し、自分たちだけは生き延びようとする。だからこそ労働者階級が団結して総決起し、やつらの息の根を止めてやる必要があるのだ。ロシア革命がそうであったように、闘う労働組合・労働運動こそがその中心的役割を果たさなければならない。
ところが、この労働者の闘いを抑圧し、帝国主義の延命を助けているのが、連合や全労連などの体制内労働運動だ。日本経団連の08年経労委報告に対して連合中央はなんと言っているか。
「生産性の上昇・国際競争力の強化……は連合としても共有認識として持ちうる」「企業は労使の運命共同体……連合もこうした認識を否定するつもりはない」
ふざけるんじゃない!「生産性向上」や「国際競争力」の名のもとに、どれだけ多くの労働者が強搾取され、過労死や業務災害で殺されていることか! どれだけ多くの労働者が日々、首切りの恐怖にさらされ、超低賃金・長時間労働に苦しめられていることか!
賃労働と資本は絶対的に非和解なのだ。このことを否定し、ブルジョアジーと一体となって「労使は運命共同体」(だからストライキなど絶対にやってはならない!)と叫ぶ連合中央、体制内労働運動の幹部を打倒しなければ、労働者の未来はない。
そもそも政府・支配階級がなぜ「公務員制度改革」や「道州制」「教育改革」を叫び、自治労・日教組解体に全力を上げているのか。それは労働者の団結と革命の足音に脅えているからだ。
ところが、自治労や日教組など体制内の労組指導部が政府・権力や資本に屈服していることによって、労働者の巨大な力が抑えつけられ、無力化されているのだ。
4大産別を始めとした労働者が本来持っている力を発揮すれば、どれほどの闘いが実現できるか。それは、沖縄高教組や自治労の労働者が中心になって闘いとった昨年9・29沖縄県民大会への12万人の大結集がはっきりと示したではないか。
労働運動の指導部が変われば、本土でもあのような壮大な闘いが絶対に実現できる。なんとしても労働運動の階級的革命的変革をかちとらなければならない。4大産別決戦は、プロレタリア革命の戦略的重要産別である国鉄・教労・全逓・自治体において、体制内労働運動を打ち破り、階級的労働運動への一大転換をかちとるための最重要の決戦である。全力で闘いぬき勝利を開こう。
「労働者に権力をよこせ!」
階級的労働運動は、「資本家の時代は終わった。俺たち労働者がやってやる。労働者に権力をよこせ」という立場に立った労働運動だ。そういう気概、使命感に燃えた労働運動でなければ、もはや闘えない時代になっている。職場闘争を粘り強く闘いぬき、職場の団結をつくり出し、全国に無数の階級的労働運動の拠点をつくり出そう。
動労千葉は階級的労働運動を指導部と組合員が一体となって体現し、最先頭で闘ってきた。
1980年代の国鉄分割・民営化は、日本における「新自由主義」の攻撃の先駆けだった。その核心的な狙いは中曽根がその後はっきり公言したように、国労をつぶし総評・社会党を解体し、日本の労働運動を根絶することだった。この国家の総力をあげた攻撃に対して、動労・カクマルは総屈服して敵の先兵となり、国労内の民同、協会派、日共などはまったく闘えず総崩れとなった。
この中で唯一、動労千葉のみが全組合員の大量処分覚悟の総決起をもって、85年と86年に2波のストライキを打ち抜き、分割・民営化に大反撃し、組合の団結を守り抜いたのであった。
さらにこの地平の上に動労千葉は、01年から田中委員長体制のもとで、「第2の国鉄分割・民営化」とも言うべきJR大合理化攻撃と真っ向から闘いぬき、組合の団結を守り、勝利してきた。反合・運転保安闘争を路線的に再確立し、〈戦争と革命の時代>の労働運動、労働組合の闘う道を突き進んでいる。
1〜3月闘争が08年決する
すべての労働者、労働組合が今こそ動労千葉の闘いに学び、全産別で動労千葉型労働運動を実践し、団結をつくり、拠点労組や拠点細胞の建設に全力で突入しよう。『俺たちは鉄路に生きる2』『同3』(労働者学習センター発行)はその絶好の武器である。
この1〜3月、08春闘と3・16イラク反戦闘争を、昨年をも超える迫力と熱気をもって、全国で圧倒的に爆発させよう。
1月下旬〜2月上旬に国労、JP労組、自治労が相次いで中央委員会を開催する。4大産別決戦の大前進をかけて、中央委闘争に決起しよう。
第2次国鉄決戦、教育労働者の今春「日の丸・君が代」不起立闘争を先頭に、4大産別決戦の爆発へ全力で闘おう。
全逓戦線の年末超勤拒否闘争は、組合権力を取っていなくても、少数でも階級的原則を貫いて闘えば、必ず仲間を獲得し団結を拡大できる展望を示している。「産業報国会」運動に組合員を駆り立てるJP労組中央を打倒し、郵政民営化絶対反対を貫いて闘おう。
日帝・福田は、対テロ新特措法(給油新法)を衆議院で再可決・成立させ、海自艦隊にインド洋への派遣命令を出した。さらに自衛隊派兵恒久法を狙っている。これは9条改憲攻撃そのものだ。これと対決し、階級的労働運動と結合して改憲阻止の百万人署名運動を圧倒的に発展させよう。
三里塚闘争と沖縄闘争の戦略的勝利へ闘おう。部落解放闘争を始め差別・抑圧と闘う人びとと固く連帯し、共同の闘いを発展させよう。
マル青労同、マル学同の1000人組織建設にプロレタリア革命の未来がかかっている。断固やりぬこう。革共同に結集しプロレタリア革命の勝利へともに進撃しよう!
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週刊『前進』(2327号1面2)(2008/01/21 )
三里塚旗開き 反対同盟 3・30集会へ檄
市東さんの農地を守れ “一緒に革命やろう”
1月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟の新年恒例の団結旗開きが行われた。
午前中は今年初の現地デモ。天神峰の開拓組合道路に反対同盟と支援の労働者、学生150人が結集した。新年のあいさつを交わし合う中、三里塚08年決戦の闘志がみなぎっていく。目前を大型ジェット機が走行するこの場所は、空港敷地に深々と食い込んだ闘争の拠点だ。
寒風を突いて意気高くデモに出発。暫定滑走路飛行直下の東峰部落を通り、天神峰の団結街道を北上、「へ」の字誘導路わきの市東さんの畑に到着した。
その後、東峰神社に移動し、新年恒例のしめ縄の付け替えを行った。この神社もまた、暫定滑走路の真南に立ちはだかり完全空港化を阻止している重要拠点だ。
(写真 「団結ガンバロー!」3・30総決起へ反対同盟と労働者・学生の決意は固まった)
空港絶対反対を不屈に貫く
午後、成田市内のレストランで旗開きが盛大に行われた。冒頭に司会の伊藤信晴さんが「08年は労農同盟を深化する出発点」と力強く宣言した。
事務局長の北原鉱治さんは、「三里塚闘争は足かけ43年を迎えた。昨年は再び韓国労働者を現地に迎え、動労千葉呼びかけの11月集会に参加した。労農連帯・国際連帯の強化が反戦平和につながる。農地法をつかって土地を奪う暴挙を許さず08年の勝利に向け前進しよう」と呼びかけた。
続いて事務局員の鈴木謙太郎さんが反対同盟の08年「闘争宣言」を読みあげた。
「空港はぶざまな姿をさらしている。『成田開港30年』が宣伝されているが、平行滑走路の見通しはたたない。飛行回数の1・5倍化や、3500b化の動きは、未完・欠陥の現実に追いつめられたあげくの暴挙である。反対同盟は『空港絶対反対』を不屈につらぬく決意である」
1ミリの妥協もないこの鮮明な闘いの方針こそ、三里塚闘争の真骨頂だ。闘う労働者・学生はあらためて反対同盟との血盟を胸に刻んだ。
農地取り上げの不法と闘う市東孝雄さんがマイクを握ると、参加者とマスコミのすべての耳目が集中した。
「昨年は憲法違反で千葉県を訴え反撃の足がかりをつくった。空港会社は開港30年などというキャンペーンを張っているがあせりにあせっている。労働者も農民もこのままでは生きていけない。私は精一杯闘うのでご支援お願いします」
力強く簡潔な決意表明に参加者全員が熱い拍手でこたえた。
本部役員の鈴木幸司さんの音頭で乾杯した。
連帯のあいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長が立ち、「11月集会に結集した仲間に『市東さんの農地取り上げをやらせていいのか』と3・30への結集を全力で呼びかける。08年を労農連帯の真価をかけて勝負の年にしよう」と訴えた。
全関西実行委代表世話人の永井満さんは、「77年4・17鉄塔決戦に反対同盟は“北総大地を100万人民で埋めつくせ”と全国総結集の号令を発した。それにこたえて今の全関西実行委が発足した。あれから30年、再び三里塚の地を埋めつくす全力決起を3・30で実現しましょう」と全参加者の奮起を促した。
顧問弁護団の葉山岳夫さんは、「08年、三里塚裁判は正念場だ。空港絶対反対・農地死守の闘いと一体で闘おう」と裁判傍聴を呼びかけた。
市東さんの農地取り上げに反対する会、都政を革新する会代表の長谷川英憲さん、婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さん、動労水戸委員長の石井真一さん、群馬県実行委の青柳晃玄さんと小池正男さん、デッチあげ無期攻撃と闘う星野文昭さんの連れ合い星野暁子さんらから次々とあいさつが続いた。
織田陽介全学連委員長は、「分断の攻撃に対しては団結を! 11月1万人決起の成否は緒戦で決まる。3・16イラク反戦5周年デモを『万国の労働者団結せよ』のスローガンを掲げて闘う」とアピール。革共同の天田三紀夫書記長は、「国際連帯闘争の中軸に三里塚がある。3・16国際反戦闘争を爆発させ、その力で3・30大結集を実現する」と宣言した。
「労農連帯」の熱い呼びかけ
事務局次長の萩原進さんがまとめのあいさつに立った。「07年の闘いは、成田空港を矛盾の深みに追いつめた。われわれは市東さんの農地を絶対に実力で守りぬかなくてはならないが、敵が実際に手をかけるまで待っているのではダメだ。裁判闘争も徹底的に闘い、それと一体で現地闘争をやりぬいて、敵が容易に手を出せない陣形をつくる。FTA反対の闘いは農民だけの問題ではなく労働者階級自身の課題だ。車を売るために農産物の規制を外すという。トヨタを打倒し資本主義そのものを打倒するのが階級的労働運動ではないか。その発展のために、農民の側から一緒に革命をやろうと三里塚は呼びかけている。ともに闘いましょう!」
この労農連帯の熱い呼びかけに満場の拍手が続き、全参加者は08年にかける反対同盟の並々ならぬ決意を心底から共有した。最後に北原事務局長の音頭で団結ガンバローを三唱、3・30三里塚現地総決起を誓い合った。
(関連記事5面)
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週刊『前進』(2327号2面1)(2008/01/21 )
動労千葉とともに解雇撤回・JR総連解体の決戦に立とう
破産した分割・民営化体制うち砕け
革共同国鉄委員会
サブプライムローン問題は全世界に金融恐慌を引き起こし、帝国主義を末期的危機に突き落としている。帝国主義を労働者の決起で打ち倒し、プロレタリア世界革命の道を押し開く時が来た。動労千葉は昨年の定期大会で、「われわれは分割・民営化攻撃に唯一団結を守り抜いてJRに乗り込み、20年を経た今、分割・民営化に勝利したと宣言できる地平に立った」とする勝利宣言を発した。まさに今、JR資本とJR総連カクマルの結託体制は大きく崩壊しつつある。この好機をとらえ、われわれは分割・民営化体制を打ち砕く第2次国鉄決戦に立つ。
1047名闘争の原点貫け
日本経団連の08年版経労委報告は、小泉=安倍政権下で強行された民営化攻撃に対する2000万青年労働者の怒りの反乱が革命に結びつきかねないことに恐怖して、「生産性向上」「企業は労使の運命共同体」と叫んでいる。それは現代版「産業報国会」運動そのものだ。
だが、開始された労働者階級の決起を、もはや誰も押しとどめることはできない。11・4労働者集会には、国境を越えて5700人の労働者が結集した。その闘いを牽引(けんいん)したのは、「労働運動の力で革命をやろう」を合言葉に権力・資本・体制内労働運動派と激突する職場実践を貫いてきた青年労働者たちだった。
その闘いと結合し、われわれはこの1〜3月、1047名解雇撤回闘争を原則的に貫き、3月ダイ改阻止−ライフサイクル深度化粉砕の08春闘から3月反戦行動へと闘いぬく。プロレタリア世界革命の扉を開く08年決戦に勇躍突入する。
(写真 5・27臨大闘争弾圧粉砕を軸に1047名闘争勝利を誓った「許さない会」集会【12月9日 東京】)
全面無条件降伏唱える川副論文
1月26日に国労は第178回拡大中央委員会を開く。今中央委に向け確認したいことの第一は、危急存亡の危機にある1047名闘争の現状を打破し、解雇撤回の原則をあくまで貫くことだ。
1047名闘争の内部から無条件降伏への動きが激しく進行している。昨年10月31日、4者・4団体が「JR不採用問題の解決にあたっての基本的態度」なる要請文を冬柴国交相に提出した際、国鉄闘争共闘会議の二瓶議長は民主党への「白紙委任状」を極秘裏に差し出した。4党合意に反対した勢力を含むすべての体制内派が、4者・4団体路線のもとで国労本部と手を携えて「奴隷の道」を歩んでいる。
1月23日には全動労争議団訴訟の、3月13日には鉄道運輸機構訴訟の判決が出される。この重大な時期に、4者・4団体路線を進める幹部から「来年はない」「解雇撤回を外してどこが悪い」という声が出ている。1047名闘争を自ら敗北させる裏切りだ。
それを最も露骨に主張しているのが、『地域と労働運動』誌に掲載された川副詔三氏の「国鉄闘争の現局面をめぐる諸論点」と題した論文だ。
川副論文の核心は、「自主解決を推進する場合、要求水準を引き下げることは、運動上、必要不可欠な合理的判断となる」として、解雇撤回を投げ捨てたことを「正しい判断だ」と居直っていることだ。彼は、「自主解決、自主和解」というレトリックで、政府・与党に一切をゆだねる「政治解決」路線を1047名全員に迫っている。
川副論文はまた、「階級闘争だからこそ妥協しかない」「妥協を拒否するということは……労働組合における階級闘争論それ自体の否定」とのたまい、解雇撤回を貫くことは「原理主義的運動論」だと言うのだ。敵階級が一切の妥協を拒んでいる時に、自ら要求を切り下げれば、権力や資本が全面屈服を迫ってくることは明らかだ。これを「無条件降伏宣言」と言わずに何と言うのか。
だが、20年に及ぶ解雇撤回闘争を貫いてきた闘争団が、おしなべてこんな無条件降伏を受け入れることなど絶対にあり得ない。すでに四国や全国各地で怒りの声が噴き出ている。解雇撤回を非妥協的に貫くことによって初めて、敵に妥協を強制することができるのだ。闘争団は、今こそあらゆるしがらみを断ちきり、「国鉄闘争の原点に返れ」と声を上げよう。
1047名闘争の勝利は、被解雇者とJR本体の労働者が階級的団結を打ち固めてこそ切り開かれる。また、解雇撤回を掲げぬく以外に、1047名は団結できない。それを根本から否定しているのが4者・4団体路線だ。
5・27弾圧粉砕し国労再生へ
そもそも、4者・4団体が解雇撤回を要求から引き下ろしたのは、動労千葉を排除して1047名の団結を解体し、権力・資本の手先と化した国労本部を引き入れるためだった。
国労本部は、闘争団の統制処分に反対した国労組合員を、5・27臨大闘争弾圧で公安警察に売り渡した存在だ。公安警察の忠実な手先と化した国労本部と「共闘しなければ政治解決は実現しない」という川副氏の主張の中に、「4者・4団体による政治解決」の本質とその現実的帰結は明確に現れている。
1047名陣形を立て直し、1047名とJR本体の闘いを緊密に結合させれば、解雇撤回は必ず実現できる。4者・4団体路線を粉砕し、すべての体制内派を打ち破って1047名闘争勝利の道をこじ開けよう。
今中央委員会に向かって確認したいことの第二は、5・27臨大闘争弾圧裁判に全力を挙げ、「無罪獲得」「1047名闘争勝利」「国労再生」の1年間決戦に断固として突入することだ。
被告は、全員が完全黙秘・非転向を貫き闘いぬいてきた。それは、国鉄労働運動が生み出した誇るべき労働者群像だ。彼らは、どんな困難をも恐れず、自らが引き受けて国鉄闘争の正義と大義を貫いている。この不屈の闘いは、JR資本を追いつめ、権力を震撼(しんかん)させ、JR総連カクマルを奈落の底にたたき込んでいる。
敵権力は、異例の労働・刑事裁判として丸5年闘いぬかれた公判闘争に打ち負かされ、青柳裁判長を更迭した。最高裁が直接に裁判闘争圧殺へと乗り出してきたのだ。
これに対し、われわれは全国キャラバンを始めとした1年間決戦で対決する。すべてのJR職場に「5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の会員を拡大することが、国労本部を打倒し国労を再生させる要をなしている。
塩川一派打倒の最大の決戦場
5・27臨大闘争弾圧との闘いは、塩川一派との徹底対決を貫く闘いそのものである。動労千葉への敵対を極める塩川一派は、完全黙秘・非転向を貫いた5・27臨大闘争弾圧被告にも憎悪を募らせ、今や4者・4団体路線を全面賛美するまでに転落した。国鉄決戦こそ塩川一派との最大の戦場だ。われわれは塩川一派打倒の最先頭に立つことを宣言する。
JRと対決する春闘ストを
今中央委員会に向かって確認したいことの第三は、反合理化・運転保安闘争を貫く動労千葉とともに、大幅賃上げ獲得・非正規雇用撤廃とJR総連解体に向け、08春闘をストライキで闘い抜くことだ。
07年、ついに国鉄分割・民営化は破綻(はたん)し、JRの資本=カクマル結託体制は音を立てて崩れ始めた。動労千葉を先頭とする20年の闘いが、ついにこの情勢を生んだのだ。JRは安全問題、要員問題に続き、労務政策でも根底的な破産をさらけ出している。
そもそも中曽根の民営化=新自由主義攻撃は、JR総連カクマルのファシスト労働運動を支柱とすることなしには成り立たないものだった。団結を総括軸に据えて民営化絶対反対を貫き、反合・運転保安闘争を闘いぬいてきた動労千葉と、1047名闘争の不屈の展開が、資本=カクマル結託体制を打ち破ったのだ。今やJR総連は解体的危機にあえいでいる。
これは、JR労働運動全体を大再編過程にたたき込んでいる。平成採の青年労働者のJR資本への怒りを抑え込んできた「最後の留め金」が、ついに外れようとしているのだ。その中で、動労千葉は08春闘を組織拡大春闘として闘う方針を打ち固めている。
こうしたチャンスにもかかわらず、国労本部は長年にわたってストライキを放棄した末、今中央委員会に「スト基金のエリア本部への割譲」案を提案しようとしている。4者・4団体路線のもとで国労の流れ解散をもくろむ者たちが、これを「JR連合への持参金」としようとしていることは明白だ。包括和解でJRに全面投降した国労本部は、今や1047名に対しても無条件降伏を迫っている。こんな策動は絶対阻止あるのみだ。
ライフサイクルの強行を阻もう
今中央委員会に向けて確認したいことの第四は、すべての「平成採」労働者の革共同国鉄委員会とマルクス主義青年労働者同盟への結集をかちとるために総力を挙げることだ。
JR東日本は1月10日、40歳未満の運転士全員を駅業務に5年間強制配転する「ライフサイクルの深度化」について、4月実施を提案してきた。これは、青年労働者の怒りに迎え撃たれる中で、昨年10月、いったんは「実施延期」に追い込まれたものだ。
分割・民営化体制の破産を、青年労働者に犠牲を強いてのりきろうとするこの攻撃を、なんとしても阻止しなければならない。この闘いの中で動労千葉の組織拡大を実現し、JR労働運動を根底から塗り替える決定的なチャンスにしよう。
JR資本に先んじて、ライフサイクル深度化を自ら提案したのは東労組カクマルだ。資本=カクマル結託体制の中で、安全はどこまでも崩壊し、極限的な合理化で職場は慢性的な欠員状態だ。だが、それによってJRは鉄道をまともに動かすこともできなくなった。動労千葉のように、その矛盾を突いて闘えば絶対に勝てる。
「生きさせろ」と声を上げた2000万人の青年世代は、革命を求めて立ち上がっている。これに呼応し、4者・4団体路線のもとでの無条件降伏を打ち破る闘争団員の不屈の決起も始まった。その分岐をとことん推進してこそ1047名闘争勝利の路線は確立できる。JR本体からも、1047名闘争と一体となって12・22羽越線事故弾劾、1・20伯備線事故糾弾の闘いが闘われ、4月の尼崎事故3カ年現地闘争が準備されている。
最末期を迎えた帝国主義は、世界を戦争と民営化にたたき込み、地球規模で自然と人類を三度、破滅の道に引きずり込もうとしている。その核心は労働者の階級的団結を破壊することにある。
だが、JR総連カクマルの手を借りて強行された中曽根以来の新自由主義攻撃は、動労千葉の20年の闘いを最先端に打ち破られたのだ。この勝利を切り開いたのは労働者の階級的団結と闘いだ。ここにプロレタリア世界革命への突撃路がある。職場からJR資本に立ち向い、その闘いを基礎に3月反戦行動に総決起しよう。
すべての青年労働者は、革共同国鉄委員会とマルクス主義青年労働者同盟に結集し、ともに勝利を切り開こう。
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週刊『前進』(2327号2面2)(2008/01/21 )
JP労組中央委に向け訴える
現場から民営化絶対反対貫き産業報国会と化す中央打倒を
革共同全逓委員会
全逓(JPU)と全郵政が組織統合しJP労組となって第1回目の中央委員会が、1月29〜30日に開催される。われわれはこの中央委員会を絶対に許すことはできない。何よりも、商業新聞でも大々的に報じられた2万4千人削減問題について、議案は一言も触れていない。現場労働者には一切知らせずに、郵政当局とすでに合意しているからだ。「郵政民営化絶対反対」の闘いこそ、日帝の帝国主義としての最末期的危機からくり出す民営化・労組破壊の新自由主義攻撃と全面的に激突する壮大な闘いだ。全逓労働者は「民営化絶対反対」を一層高々と掲げて闘おう。全国各地で開始された超勤拒否の闘いをさらに拡大し、日帝・福田の民営化攻撃への本格的反撃を現場から巻き起こそう。
(写真 全逓解散−JP労組結成の臨時大会に怒りのデモに立った全逓労働者【10月22日 東京】)
2万4千人削減を容認するJP労組
今中央委員会こそ、全逓・全郵政の組織統合を画期として全逓労働運動を現代版産業報国会に引きこみ変質させようとするものである。
中央委員会議案ではなんとJP労組の『3つの視点』として、「改革者」「事業人」「労働組合」の視点に立て、と打ち出した。まず「改革者として」意識変革しろとわめき、労働者意識をかなぐり捨てた「事業人として」「生産性運動の積極展開」にのめり込めと叫ぶ。さらに許せないのは「労働組合として」、「民営化に相応(ふさわ)しい労働条件の実現」へ「要員課題」に取り組めと言っていることだ。
重大なのが、昨年11月30日に商業新聞で暴露された、郵便事業会社と郵便局会社の2万4千人を2011年度末までに削減する計画に対する対応である。西川社長は12月6日の参院総務委員会で2万人削減を計画していることを認めた。さらに早期勧奨退職を進めることを認め、「今後労組と交渉する」としている。すでにJP労組中央とは話がついているということだ。今でさえ1万5千人の要員不足にもかかわらず、さらに2万4千人削減だと? ふざけるな! 絶対に許さない。
議案では「2万4千人削減」について一言も触れていない。しかし「民営化に相応しい労働条件」として「2万4千人削減」に応ずることを示唆している。さらに「ワーク・ライフ・バランスの実現」と言って、非常勤化の推進にも協力しようとしている。
全逓本部はかつて「民営化されても雇用は守られる」と言った。しかし郵政会社は民営化直後に2万4千人の首切りを宣言したのだ。民営化そのものが発足直後から破綻(はたん)をきたし、その破綻の責任を現場労働者にすべて押し付けてのりきろうとしている。
そればかりではない。議案は日本経団連が経営労働政策委員会報告で打ち出した「企業は労使の運命共同体」という名の現代版産業報国会運動に真っ先に呼応している。連合の急先鋒(せんぽう)となって全逓労働者を産業報国会運動に引きずり込むことを、われわれは絶対に許さない。
JR、NTT、JTなどを見ても明らかなように、民営化とは相次ぐ分社化・子会社化を含む大量首切り・人員削減の始まりであり、第2・第3の民営化攻撃とのより本格的な闘いの始まりだ。4大産別をめぐる日帝の戦争と民営化攻撃に対する階級決戦そのものとして闘わなければならない。
JP労組中央は、春闘と賃金の改善問題でも本気で闘おうとはしていない。議案には具体的賃上げ要求と戦術がない。「月例賃金の改善」であり、国家公務員賃金と民間賃金を見極めてから要求額を決定し3月内の妥結を目指すとし、具体的戦術の判断や交渉の妥結判断は「中央執行委員会に一任を」求めている。
本部一任など認められるか。そもそも03年の大幅賃下げや一時金の引き下げを認めたのは中央本部だ。現場をうそとペテンでだまし裏切り続けるJP労組中央を打倒する闘いを、待ったなしで強力につくり上げなければならない。
やった!!超勤拒否で年末繁忙期直撃
この年末繁忙期に、東京中央郵便局で超勤拒否の闘いが大きく巻き起こった。また全国各地で現場労働者が超勤拒否の闘いに立ち上がった。
民営化の破綻によって年賀を始め年末繁忙期の郵政の現場は大混乱に陥った。東京中郵では、局長の一声で突如管理職たちが「超勤が多すぎる」「超勤にならないように働け」「超勤をするな」と言い出した。ふざけるな! 誰のせいで超勤していると思っているのか。好き好んで超勤している者などいるか。たちまち現場に充満していた怒りが爆発した。
10・1民営化を超勤拒否で闘った全逓労働者は新たな決意で断固として超勤拒否を宣言した。いったん開始された超勤拒否はたちまち拡大し、現場労働者は続々と超勤拒否に立ち上がった。
「超勤するなと言ったのはお前だからな!」 全逓の組合員だけでなく全郵政や郵産労の組合員も超勤を拒否した。労組幹部の制動を打ち破り、組合の壁を越えて、口々に「定時に帰るのは気分がいいね」と語り合い、祝杯をあげた。あちこちの課や班で超勤拒否が広がり、いったい何人が拒否したか数えきれない。
闘う全逓労働者の魂は生きている。体制内労働運動指導部が腐り果て、裏切れば裏切るほど、生き生きとよみがえるのだ。超勤拒否・物ダメ、そしてストライキへと向かう全逓労働者の本来の闘い方がここにある。これは職場と社会の主人公は労働者であることを明らかにする闘いである。
昨年2月の全逓(JPU)臨時全国大会は「生産性向上運動」と「全郵政との組織統合」を決定し、7月全国大会、そして10・22全逓・全郵政の解散大会とJP労組結成大会と、完全な産業報国会への道を突き進んできた。この中でわれわれは10・1「民営化スタート」を迎え撃った。
ここで立ち上がらなければ、体制内労働運動の民同となんら変わらない口先だけの存在になってしまう――このことが鋭く問われた。処分を恐れず、民営化絶対反対の闘いを職場でどのようにつくり上げるのかが突きつけられる中で、まず自分が超勤拒否の闘いに突入することを決断し、闘いを開始した。この闘いの中で、11・4労働者集会に全国の全逓労働者が結集し、ともにその成功をかちとったのだ。
郵政民営化粉砕とJP労組中央打倒は、昨年われわれが闘いぬいた階級的労働運動路線をさらに全面的に推進することによってこそ可能となる。現場労働者は闘いを求めている。闘う指導部と方針さえあれば決起するのだ。階級的労働運動路線に圧倒的確信を持って、08年を闘おう。
全逓労働者は塩川一派打倒の先頭に
革命的情勢の到来の中で、わが党内から生み出された右翼日和見主義、反マルクス主義集団へと転落した塩川一派との対決をあいまいにしてはならない。とりわけ全逓戦線の転落分子の敵対は絶対に許さないことを断固として宣言する。
彼らはこの間、「郵政民営化絶対反対」スローガンを「現実にそぐわないから降ろすべきだ」という、連合全逓民同と寸分違わない主張をしてきた。そしてついに革共同破壊と全逓委員会破壊に総力を挙げてきた。彼らは必死になってエセ『革共同通信』なるものを発行し、エセ「全逓委員会」をも立ち上げている。その中身は動労千葉労働運動の全否定、公然たる敵対宣言である。
こんなやつらを許しておいて階級的労働運動の前進はない。全逓委員会は階級的労働運動の全面的実践と塩川一派打倒の最先頭に立つことを宣言する。
連合支配の崩壊が始まった
戦争によってしか生き延びられない帝国主義は、「死滅しつつある資本主義」「プロレタリア世界革命の前夜」という最末期の姿をあらわにしている。金融大恐慌とドルの暴落が迫っている。他方、全世界で労働者の闘いが始まっている。労働者の団結した力、階級的労働運動が時代の最前線に登場する時がやってきた。新自由主義による民営化と労組破壊に対する闘いが、全世界の労働者階級と労働組合の共通のテーマとなっている。
日帝危機の深まりの中で昨秋、福田・小沢会談による「大連立」が策動された。日本経団連・御手洗は大連立を「高く評価する」と発言した。日本経団連は12月に「優先政策事項」「08年版経営労働政策委員会報告」を、さらに1月1日に提言「成長創造〜躍動の10年へ〜」を発表し、このままでは帝国主義大国としての地位を失うという危機感をむき出しにして、自民・民主に「あらゆる政策手段を結集」せよと迫っている。
そのキーワードは「生産性向上」だ。民営化と労組破壊を満展開し、体制内労働運動幹部を資本の内側に取り込み、現場労働者に襲いかかろうとしている。実際、連合は08年版経労委報告に対する「連合見解と反論」で「生産性の上昇・国際競争力の強化や全員参加型社会の必要性」は「連合としても共有認識」だとしている。「生産力の向上」とは、戦時下に労働組合を解散して結成された産業報国会のスローガンだった。連合中央はこれに全面的に屈服し、率先推進しているのだ。その最先頭を走っているのがJP労組中央だ。
だが、郵政民営化と新労組の「スタート」は、連合支配の崩壊のスタートである。「もう我慢ならない」という怒りが現場に渦巻いている。現場労働者は闘う力を失ってはいない。実際に全国各地で連合支配を打ち破り、闘いを始めている。
今こそ体制内労働運動とそれに屈服し補完物となろうとする者たちを、階級的労働運動の力でぶっ飛ばす時だ。
郵政民営化絶対反対を貫き、超勤拒否の闘いをさらに拡大し、物ダメ・ストライキを復権しよう。今こそ増員要求を掲げ闘おう。非正規雇用労働者の正規雇用化をかちとろう。輸送部門を始めとした関連会社の統廃合に反対し、ともに雇用と労働条件を守り抜こう。現場から反撃の闘いを巻き起こし、JP労組第1回中央委員会に現場の怒りをたたきつけよう。それらの闘いを糾合し、3月反戦行動に立とう。
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週刊『前進』(2327号3面1)(2008/01/21 )
動労千葉 組織拡大春闘へ戦闘宣言
旗開きに組合員の熱気
“分割・民営化に決着つける”
動労千葉は1月12日、団結旗開きを開催し、意気高く08年のスタートを切った。動労千葉は昨年、最大の組織破壊攻撃であった基地統廃合攻撃と闘い抜いてより強固な団結を固め、何よりも2人の青年の新規加入をかちとって組織拡大への決定的展望を開いた。『俺たちは鉄路に生きる3』に結実した反合・運転保安闘争の地平、そして昨年の11月労働者集会で切り開いた大きな地平を土台に、動労千葉は08年、いよいよ本格的な組織拡大の闘いに突入しようとしている。
会場のDC会館には、07年の前進を映し、例年を上回る組合員が各支部から集まった。また、11月集会の先頭に立った労働学校受講生や全学連を始め、多くの闘う仲間、来賓が駆けつけ大ホールから参加者があふれかえる盛会となった。
冒頭、12月31日に急逝された千葉運転区支部副支部長の荘司仁さんに、全員が黙祷(もくとう)をささげた。開会のあいさつに立った君塚正治副委員長は、「08年の最大の目標は組織拡大。08春闘勝利をめざす第一歩として今日の旗開きがある。今年1年、元気に闘い抜こう」と述べた。
続いて田中康宏委員長が年頭あいさつを行った。田中委員長はまず、「08年は資本主義体制の破局が爆発的に進行する年になる。あらゆる意味で潮目が変わりつつある中で労働者、労働組合が何をなすべきなのかが問われる年になる」と激動の08年を展望した。その上に立って、「国鉄分割・民営化とはいったい何だったのかを、今もう一度問い直すことが重要だ。現在、世界の労働者にとって最大の災厄になっている新自由主義攻撃―国鉄分割・民営化攻撃に対し、動労千葉は小なりとはいえ真っ向から立ち向かい、勝った。それは何よりも、労働者の団結した力の一点に依拠して闘い抜く階級的立場に立ちきって闘ってきたからだ」と述べた。
そして田中委員長は、「国鉄分割・民営化攻撃との本当の意味での決着はいよいよこれからだ。われわれが、さらにもう一歩前進するには、本格的に全組合員をあげた組織拡大闘争に総決起するしかない。この闘いを動労千葉がやり抜くことができた時、JR職場だけでなく、予想もつかないようなインパクトを労働運動全体に与えるだろう」と組織拡大闘争の大きな意義を明らかにし、「08春闘は“組織拡大春闘”だ。この過程で2人に続く仲間をなんとしても獲得しよう」と訴えた。参加者は大きな拍手でこれにこたえた。
続いて、三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉顧問弁護団の葉山岳夫さん、三里塚全関西実行委代表であり動労千葉を支援する関西の会代表でもある永井満さんが来賓あいさつに立ち、三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争などを振り返りながら熱い思いを込めて動労千葉とともに闘う決意を表明した。
田中委員長と佐藤正子家族会会長による鏡びらきに続き、中野洋常任顧問の音頭で参加者全員が乾杯! 久々に顔をあわせた各支部の組合員、共闘の仲間が杯を傾けながら交流を深めた。
水野正美勝浦市議、家族会、OB会、動労千葉争議団、動労水戸、千葉合同労組、支援する会、ス労自主、西村綾子相模原市議、北島邦彦杉並区議、織田陽介全学連委員長などから発言が続いた。織田全学連委員長は“万国の労働者、団結せよ”をスローガンに3・16イラク反戦5周年の全世界一斉デモを闘おうと呼びかけた。
最後に、各支部代表が08春闘への決意を表明。「これまでの殻を破り、組織拡大にむけて全組合員の決起を実現しよう」と口々に語った。
(写真上 団結旗開きの最後に全員でインターナショナルを歌い、激動の08年決戦への総決起を誓い合う参加者【1月12日 千葉市・DC会館】)
(写真下 各支部代表が組織拡大にむけた決意を表明。10月に動労千葉に加入した青年労働者も発言に立った)
ライフサイクル4月実施粉砕を
JR東日本当局は1月10日、昨年10月実施が破産した「ライフサイクルの深度化」に関して賃金・手当に関する提案を行い、4月1日実施強行を宣言した。このライフサイクルの実施粉砕、1047名解雇撤回闘争をも大きな攻防点にしながら、08春闘はJR体制=分割・民営化体制との最後的決着をかけた大決戦の始まりとなる。動労千葉はこの闘いの先頭に立ち、階級的労働運動の再生をかけた組織拡大春闘に総力でうって出る態勢を固めている。
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週刊『前進』(2327号3面2)(2008/01/21 )
〈民営化絶対反対〉を貫き道州制=改憲攻撃粉砕へ
職場から革命めざす労働運動を
革共同自治体労働者委員会
激動の08年は株の暴落で始まった。世界金融大恐慌への突入、アメリカ帝国主義のイラク・アフガニスタン侵略戦争の泥沼化、イラン侵略戦争衝動の激化――。帝国主義の破局的危機の巨大さは、世界革命こそが全世界の労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民の現実的な切迫した要求であることを告げ知らせている。
07年11月4日、戦争と民営化=労組破壊に怒る日本・米国・韓国の闘う労働者5700人が東京に結集し、集会・デモに立ち上がった。帝国主義打倒の世界革命に向かう国際プロレタリアートの階級的団結の決定的な地平が切り開かれたのだ。
帝国主義の死の苦悶(くもん)と世界革命の現実性――この地平に立ち、08年の革共同自治体労働者委員会の決意を明らかにしたい。
自治体労働者委員会は第一に、塩川一派打倒の闘いを全力でやりぬく。11月労働者集会や動労千葉に悪罵(あくば)を投げつけ、公然たる敵対・破壊集団に転落した塩川一派をわれわれは断じて許さない。塩川一派との非和解的な闘いは、体制内労働運動をぶっ飛ばし革命をめざす階級的労働運動の前進をかちとる闘いと一体だ。
第二に、〈民営化絶対反対>を自治体労働運動の綱領的路線として確立し、全国の自治体職場から青年労働者を先頭とした総反乱を組織する闘いをやりぬく。路線を職場の白熱的攻防の中で打ち鍛え、階級的団結をつくり出す。ここに細胞建設―産別委員会建設の決定的前進の鍵がある。
第三に、改憲=道州制導入阻止、公務員制度改革粉砕、社会保険庁解体絶対反対、自治労解散―地公3単産組織統合阻止の闘いを、帝国主義の「最弱の環」=日帝を打倒する闘いの最先端攻防、プロレタリア革命への実践的突破口として位置づけて闘う。
怒りを行動に変えよう。08年をすべての労働者が立ち上がる激闘の年にしよう。自治体労働者委員会は断固として闘いの先頭に立つ。
自治労08春闘方針は産業報国会運動
日本経団連の経営労働政策委員会報告2008年版は、労働者をこれまで以上に搾取・収奪し、資本と闘う労働運動・労働組合を解体して、日本帝国主義の危機をのりきることをあけすけに宣言している。「企業は労使の運命共同体」とうそぶき、「生産性向上によるワーク・ライフ・バランスの実現」を「08春討」の重点課題として押し出している。まさに「21世紀版産業報国会運動」の方針だ。
さらに2010年を目標に道州制導入をと叫んでいる。道州制導入とは、明治以来140年続いてきた国家の統治形態の転覆をめざすクーデター攻撃であり、「国家」丸ごとの民営化攻撃である。膨大な公務員のリストラ・首切り、自治体労働運動の解体の攻撃である。そして福祉行政や労働者人民の生存権を奪う大攻撃である。
この道州制導入の突破口として公務員制度改革が位置づけられている。その最大の柱に分限処分の拡大、「夕張」に示された事実上の首切り要件の緩和が据えられている。この間の政労協議による協約締結権など「労働基本権付与」議論の狙いの核心も、「解雇のあり方を民間労働者と同レベルに」(『行革・公務員制度改革についての連合の考え方』)することにあるのだ。
まさに日本経団連の「春討方針」と連合―自治労本部の「春闘方針」は完全にワンセットだ。
連合は、「ワーク・ライフ・バランスの実現」のために「働き方改革」を宣言し、「自己と職場の改革」運動を進めようと提起している。労使一体で帝国主義の危機を救おうというのだ。
自治労本部は、この連合春闘方針にのっとって以下の3本柱を自治労2008春闘の基本方針としている。@賃金改善・同一価値労働・同一賃金を実現する取り組みA脱「格差社会」にむけ公共サービスを再構築する取り組みBワーク・ライフ・バランスの実現と職場のワークルールを確立する取り組み、だ。
自治労08春闘方針の第一の特徴は、現場に渦巻く怒りや危機感とかけ離れた「情勢認識」だ。
「日本の景気は戦後最長の回復をしている。しかし、賃金が上がらず、格差が開いたので、その実感がない。構造改革路線を転換し、内需主導型で生活をよくしよう」「労使関係が新たな局面を迎えることを意識し、これまで以上に交渉を重視した取り組みが求められる」と言い、「交渉」を前面にした新たな労使関係をつくるとする。春闘から闘いを一掃しようとしているのだ。
第二の特徴は、300万自治体労働者、500万公共サービス民間労働者が一致団結して闘う行動方針が皆無である、ということだ。キャンペーンと意見交換、集会と中央行動だけなのだ。
第三の特徴は、労働組合と組合員の「意識改革」運動の全面的推進を提起していることだ。これが最大の問題だ。
自治労本部は「ワーク・ライフ・バランスの実現」「公共サービスの再構築」のために、連合の掲げる「私たちの働き方改革宣言」運動を自治体労働者に強制しようとしている。資本主義の危機を解決するために、政府・資本・連合―自治労が一体となって「労働者の働き方」を変えよう、と提唱しているのだ。
「企業と働く者は、協調して生産性の向上に努めつつ、職場の意識や風土の改革とあわせ働き方の改革に自主的に取り組む」「労使で目標を決め、点検し、実行する。働き方を見直し、業務の進め方・内容の見直しや個人の能力向上によって、時間当たりの生産性の向上に努める」(連合春闘方針)
この公務労働版として「良い社会をつくる公共サービス」キャンペーンなるものを展開しようとしている。
〈民営化絶対反対〉路線で闘い団結を
国家独占資本主義政策が総破産して「死の苦悶」にあえぐ帝国主義は、新自由主義攻撃を繰り出してきた。その本質は、一切の社会的連帯(人間的共同性)、何よりも労働者階級の闘いと団結を競争・搾取の自由の敵とし破壊しようとするところにある。
こうした帝国主義の破局的危機の中で21世紀版「産業報国会運動」が春闘方針に登場したのだ。「長時間労働をなくそう」とか「男女平等を進めよう」とかのスローガンで装っているものの、その正体は帝国主義の危機救済のための政労使一体の生産性向上運動だ。
だが、自治労本部がこのような春闘方針を打ち出したことは、労働組合を「革命の学校」にする絶好のチャンスだ。新自由主義が破壊した社会の共同性を政労使で新たにデッチあげるというなら、われわれは労働者の連帯・団結・共同を全職場、全労働組合につくり上げることで応えよう。
道州制=改憲という日帝の反革命クーデター策動は、それに先行して全国くまなく民営化を進めて自治体労働運動を解体しなければ貫徹しえない。逆にいえば、全国における民営化攻撃との激突こそ改憲阻止の最前線の闘いなのだ。
中曽根政権の国鉄分割・民営化攻撃に始まった新自由主義攻撃と真っ向から闘い、勝利し抜いてきた動労千葉の労働運動こそ、全自治体労働者が学び目指すべき労働運動だ。
その核心的な路線こそ〈民営化絶対反対>路線だ。われわれは07年までの実践をとおして、〈民営化絶対反対>こそ自治体労働者を階級的に団結させる唯一の路線であることをつかみとった。労働者を団結させる職場闘争の路線として〈民営化絶対反対>を確立し、具体的実践を開始しよう。
何よりも、動労千葉が反合理化・運転保安闘争をとおして民営化―JR体制と対決し階級的労働運動をつくり上げてきたことをとらえ返そう。反合理化闘争は、本質的に資本との非和解的・絶対的な闘いであり、資本の否定であり、資本主義を打倒する闘いだ。安全問題ほど、資本と労働者の間の絶対的非和解性がむき出しになるものはない。動労千葉が三十数年実践してきた反合・運転保安闘争に学び、労働運動・職場闘争の原点として位置づけよう。全職場で反合・安全闘争を実践し、細胞の団結、職場の団結をつくり出そう。
革命めざす自治体労働運動つくろう
08春闘攻防の焦点は職場・労働組合だ。労働組合は何をめざして闘うのか。労働者こそ「社会の主人公」とはどういうことか。そのことが全面的に問題になる。08年を〈民営化絶対反対>路線を職場で貫き階級的団結を拡大する決定的な年としよう。200万首切りを粉砕しよう。社会保険庁解体絶対阻止の闘いはこれからだ。年金制度は帝国主義の決定的な弱点であり、プロレタリア革命に直結している。その鍵を握るのが全国の社会保険事務所の労働者だ。さらに杉並を始め指定管理者制度や市場化テストなど民営化攻撃は全国至るところで矛盾を噴出させている。さらに現業賃金切り下げ、人事評価制度など現場労働者の怒りの爆発はこれからだ。
第2次国鉄決戦、「日の丸・君が代」不起立闘争、郵政民営化絶対反対の闘いと連帯し、日帝打倒のプロレタリア革命戦略の要としての4大産別決戦の戦略的前進を切り開こう。自治体労働者こそプロレタリア革命の決定的担い手だ。08年11月は革命をめざす自治体労働運動の具体的な力を実現する歴史的な決戦だ。1・31―2・1自治労第135回中央委員会決戦から08春闘―3・16反戦行動に全力で立とう。
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週刊『前進』(2327号3面3)(2008/01/21 )
小沢が対テロ新法採決を欠席
派兵推進が民主党の正体
1月11日の衆議院本会議の対テロ新特措法採決で、民主党代表の小沢一郎が途中退席し、棄権するという事態が起こった。このことが当然にも問題になるや、民主党幹事長の鳩山が「大阪府知事選の応援のため」と釈明した。だが日帝・福田政権が、参議院で否決された戦争法案を衆議院で3分の2以上の賛成で再可決、成立させようとしている重大時に、小沢は採決を欠席して反対しないというあからさまな態度をとり、成立に協力したのだ。
この事態が示したことは、要するに小沢・民主党は対テロ新特措法に実際は賛成だということだ。そのことは民主党自身が、陸上自衛隊のアフガニスタン本土への派兵をも可能とする「テロ根絶特措法案(国際的なテロリズムの防止及び根絶のためのアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法案)」を国会に提出したことからも明白である。しかもこの派兵法案は参院で可決され、廃案ではなく、政府・与党の政治的思惑から通常国会への継続審議にされた。
民主党代表の小沢が、アフガニスタン侵略戦争参戦に積極的であることは、昨年11月、福田との会談で自民党との「大連立」に動いたことにも示された。小沢は、海上自衛隊がインド洋・ペルシャ湾から撤退せざるを得なくなり、このままでは日帝が帝国主義間争闘戦で決定的危機に立つという事態に、ブルジョア的・帝国主義的な政治家として心底から焦ったのであり、この中に小沢の徹底して反労働者的・反人民的な本質と正体が明確に示されている。
小沢・民主党が第2自民党であり、小沢が帝国主義と資本の「国益」に立った反動的で帝国主義的な政治家であることは明白である。自民党との違いは、帝国主義間争闘戦の激化の中で、「国連中心主義」を掲げてより対米対抗的に日帝の利益を貫こうとするのか、自民党のように日米枢軸の中でより現実的に日帝の「国益」を貫くのかという違いにすぎない。
だから小沢にとって、福田・自民党との「大連立」は、ひとまず破産したものの、今後も日帝の危機の中では絶えず出てくる反動的政策としてあるのである。
問題は、この民主党を労働組合のナショナルセンターである連合が支持していることにある。連合は、民主党を支持することによって労働者階級の利益を裏切り、労働者を侵略戦争に動員しようとしているのだ。労働者階級の団結体であるべき労働組合が、連合幹部によって資本の労働者支配の手先に使われているのである。そのことによって連合幹部は資本のおこぼれに預かっている。
日本経団連は、08年経労委報告で「企業は労使の運命共同体である」と言った。冗談ではない。労働者は日々資本によって徹底的に搾取・抑圧され、また労働災害や過労死を強制されている。その一方で大資本は、5期連続で空前の収益をあげているのだ。賃労働と資本の利害は非和解である。
08年こそ、小沢・民主党とそれを支持する連合の反動性を暴き、体制内労働運動を打破し、階級的労働運動の白熱的実践で、労働者階級の勝利の時代を開く時だ。
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週刊『前進』(2327号3面4)(2008/01/21 )
グッドウィルに事業停止命令
労働者派遣法こそが元凶
1月11日、厚生労働省は、日雇い派遣会社のグッドウィルが違法派遣を繰り返していたとして、全事業所を対象に事業停止命令を出した。違法の内容は禁止業務への派遣や二重派遣と知りながら派遣を続けたということだ。
違法派遣によって、港湾地区の倉庫で働いていた20代の男性労働者が、粉袋の積み降ろし作業中に崩れた荷物の下敷きになり、左足骨折で3カ月入院の「後遺症が残る」ほどの大けがを負ったことも報道されている。だがこれは本当に氷山の一角にすぎない。
派遣労働者を低賃金で働かせ、労災事故でけがなども負わせ、それによって大もうけしてきたのがグッドウィルグループ会長・折口雅博を始めとした資本家連中だ。折口が労働者の搾取の上にプール付きの豪邸に住んでのうのうと暮らしている一方で、労働者はネットカフェで寝泊まりし、将来の生活設計も立たず、その日暮らしの生活を強いられているのだ。
しかも「事業停止」処分によって1日3万人の派遣労働者の仕事が奪われようとしている。「処分」の責任は労働者にはまったくない。一切の責任は折口などの資本家連中と日帝政府にある。グッドウィルと政府には、当然にも事業停止期間中の賃金を労働者に全額保証する責任と義務がある。
もちろん折口のような腐り切った資本家は絶対に許せない。だが問題の元凶は労働者派遣法にあり、それをつくった政府や日本経団連などの資本家階級にある。そもそも「ピンハネ」として禁止されていた派遣労働が、1985年に労働者派遣法の制定で13業務に解禁され、99年に製造業や建設業などを除いて原則自由となり、04年に製造業への派遣も解禁されるにいたった。
この法律は、資本家が必要なときに必要なだけの労働者を低賃金で働かせ、徹底的に搾取し、健康保険や雇用保険も適用せず、必要がなくなったら放り出し使い捨てにするという、トコトン資本家連中にとってのみ都合がよい極悪の法律である。小泉「構造改革」のもとで派遣を始めとした非正規雇用の労働者が激増し、トヨタやキヤノンやシャープなどの大会社が「史上空前の収益」をあげて大もうけしてきたのである。
労働者派遣法が制定されたのは、1974〜75年恐慌の後、資本主義が「新自由主義」に基づく労組絶滅攻撃へと労働者支配を抜本的に転換させたことを背景としている。歴史的命脈の尽きた資本主義=帝国主義は、その延命のために徹底した民営化と規制緩和によって労働組合を破壊し、労働者をより一層の無権利状態と長時間労働、低賃金にたたき込み、極限的に搾取を強めてきたのである。
この労働者階級への歴史的攻撃の突破口とされたのが、1987年の国鉄分割・民営化であり、労働者派遣法の制定だった。
労働者が階級的に団結し、「生きさせろ」の叫びと反乱を拡大して、動労千葉のような階級的労働運動を爆発・前進させていくことこそ、労働者が生きかつ勝利する道だ。
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週刊『前進』(2327号4面1)(2008/01/21 )
革共同地方委員会 年頭の決意<下〉
第2次国鉄決戦-4大産別決戦勝利へ闘う
世界革命の勝利へ新たな進撃
帝国主義打倒の好機を告げる世界金融大恐慌 東北地方委員会
(写真 07年11・4労働者集会、青年のリレーアピール。階級的労働運動路線を実践する青年労働者は集会とデモを牽引した)
08年冒頭から世界を駆けめぐる株価とドルの大暴落、原油・穀物価格の高騰は、世界金融大恐慌への突入を誰の目にも明らかにしている。帝国主義打倒の歴史的チャンスがついに到来したのだ。階級的団結がある限り、勝利するのは労働者階級である。階級的労働運動路線の白熱的実践でプロレタリア世界革命へと真一文字に突き進もう。東北地方委員会はこの待ちに待った決戦を打って一丸となって闘いぬく決意である。
07年11・4労働者集会は、世界革命をかちとる階級的団結をつくり出した。その原動力こそ、動労千葉労働運動である。最末期の帝国主義は、労働者階級の団結を破壊し、分断することによってしか延命できない。体制内労働運動を自らの「運命共同体」として、生産性向上運動に労働者を組み伏せて搾取、収奪の限りを尽くし、侵略戦争、世界戦争にまで動員しようとしている。
この「新自由主義」攻撃を打ち破る力は労働者階級自身にこそあるのだ。それを実証しているのが動労千葉だ。日本帝国主義の総力をあげた国鉄分割・民営化攻撃に真っ向から対決し、40人の解雇者を出しながら階級的団結を守りぬき、反合・運転保安闘争を貫き、ついにJR結託体制を崩壊に追い込み、動労千葉は勝利したのだ。
マルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟の同志は、動労千葉労働運動の核心をつかみ、「生きさせろ」の2000万青年労働者の怒りを体現し、「労働運動の力で革命をやろう」の闘いに決起した。職場の仲間を心から信頼し、体制内労働運動と激突し、職場・生産点で、大学で、階級的団結をつくり出すために必死に闘いぬいた。処分・弾圧を恐れず闘うためには、何よりも党が真に団結していなければならない。真の団結を求めて徹底的な細胞討議が闘わされた。全党がこの闘いと結合して労働者階級のなかで自らを徹底的に変革し、階級的団結をつくり出した。それが11・4の戦闘的デモを実現し、日韓米の国際的団結を大きく発展させた。ここにこそ世界革命の現実性がある。
だからこそ、07年決戦の激しい格闘の中でマルクス主義を投げ捨てた塩川一派は、その本性を暴かれ、関西の労働者同志を先頭とする全党の団結の力で打倒されたのだ。また、労働者階級自己解放を否定する血債主義、糾弾主義を打ち砕き、革共同は生きたマルクス主義を自らに復権し、真に反帝国主義・反スターリン主義世界革命を実現する革命党としての変革・飛躍をかちとった。
塩川一派は、プロレタリア革命を裏切った者の無惨な残骸(ざんがい)でしかない。しかし、塩川一派の反革命的所業は絶対に許すことができない。階級的怒りで塩川一派を最後的に粉砕・打倒しよう。
08年の方針と決意は鮮明である。第2次国鉄決戦を先頭に、4大産別決戦を攻勢的に闘い、第二、第三の動労千葉をつくろう。4者・4団体路線を粉砕し、国鉄1047名闘争に勝利しよう。5・27国労臨大闘争弾圧を粉砕し、国労の階級的再生をかちとろう。
3月卒業式「日の丸・君が代」不起立闘争を教育労働者の自己解放闘争として闘いぬこう。現場の怒りにとことん依拠して、郵政民営化絶対反対の職場闘争をさらに発展させよう。自治体労働者は民営化攻撃と真っ向から激突し闘いぬこう。全金本山闘争34年の勝利が実証した「一人の首切りも許さない」労働運動を押し広げ、08春闘をストライキで闘おう。
労組交流センターの新たな発展をかちとり、各県、各地に闘う労働組合の共同センターをつくろう。合同労組をつくろう。とりわけ、労働者階級の思想としてのマルクス主義・レーニン主義をともに学ぶ労働学校をつくろう。
青年労働者、学生の怒りとがっちり結合し、3・16イラク反戦闘争を爆発させよう。東北大学生運動は法政大決戦とともに「革命の学校」として、300万学生ゼネストの先頭に立とう。攻めの改憲阻止闘争、六ケ所核燃闘争など反戦・反核闘争を推進しよう。そして、08年を星野文昭同志奪還の年とするために全党はさらに階級的団結を固め、闘いぬこう。
階級的労働運動実践し青年労働者を獲得する 東海地方委員会
帝国主義は最末期の危機に突入し、その命脈はすでに尽きている。いよいよ帝国主義打倒の巨大な歴史的チャンスが到来したのである。そして、全世界には社会主義革命のこだまが鳴り響いている。「労働運動で革命をやろう!」「団結の究極の拡大が革命だ!」というこだまであり、そこには「階級的団結論」が貫かれている。21世紀初頭、世界の労働者階級は「万国の労働者は団結せよ!」の旗のもと、世界革命へ向けた力強い進撃を開始したのである。
07年は、世界革命の実現をたぐり寄せる輝ける躍進の年となった。
第一は、青年労働者と学生のなかから「革命的階級的指導部」が綺羅(きら)星のごとく輩出されてきたことである。
今、青年労働者・学生は、帝国主義の最末期を象徴する「規制緩和・民営化・戦争」攻撃のなかで、働いても生きていけない状況に追い込まれている。そして、この攻撃の最大の狙いこそ団結の破壊なのだ。しかし、青年労働者と学生はこれにうちかつ武器を手にした。それは、「動労千葉のような団結=階級的団結」論の獲得であり、マルクス主義での武装と動労千葉労働運動の徹底的実践をもってついにつかみとった勝利の絶対的核心なのである。
第二は、塩川一派との闘いにおいてその分派主義・解党主義を徹底的に暴き出し、彼らを打倒・追放したことである。そして、この先頭に立ったのが青年労働者と学生であった。塩川一派は、青年労働者と学生が「労働運動で革命をやろう」のスローガンを掲げて決起したことに対して「革命の空叫び」と悪罵(あくば)を投げつけたが、ここにその反革命性の一切が凝縮されているのである。
塩川一派との「分裂」は、少しもネガティブなものではない。ここにおいて、08年を闘い抜く戦闘体制は断固として確立されたのである。
第三は、「7月テーゼ」での一致をかちとることをもって、単一の革命党建設へ決定的に踏み出すと同時に、「労働者階級への絶望の思想」としての血債主義・糾弾主義を打倒・克服し、真の国際主義の立場を確立したことである。
東海地方委員会は、青年労働者の決起を軸に階級的労働運動路線の実践を全力で闘い抜いてきた。とりわけ、職場闘争に決起し、「隣の労働者が仲間」であるという「階級的団結論」の核心をつかんだことは決定的であった。これをもって東海における階級的労働運動路線の一大発展は明確となった。
08年を、階級的労働運動路線の白熱的実践を徹底的に闘い抜き、東海地方委員会の圧倒的飛躍を実現する年とする。
一つは、青年労働者の圧倒的獲得をめざすことである。青年は革命の主体である。2000万ロストジェネレーションと結合することをとおしてマル青労同とマル学同各1000人建設の展望を開くことである。
二つは、4大産別決戦に総決起することである。第2次国鉄決戦への決起を断固としてかちとることだ。4者・4団体による国鉄1047名闘争の破壊策動を粉砕し、団結を取り戻し解雇撤回の道を突き進もう! この闘いを「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」が牽引(けんいん)して闘い抜こう! 1〜3月決戦の先頭に立つ教労の「日の丸・君が代」不起立決戦を全力で闘い抜こう!
三つは、「攻めの改憲阻止闘争」に全力で決起することである。この核心は、労働運動の力で改憲攻撃を阻止することである。小牧闘争を最大の戦場として闘おう!
東海地方委員会は、塩川一派打倒の闘いに総決起する。塩川一派との闘いは、階級的労働運動路線の白熱的展開と一体のものであることを明確にして総決起する。とりわけ、東海における跳梁(ちょうりょう)を1ミリたりとも許さず闘い抜くことを宣言しておく。
サミット、戦争・改憲、地方切り捨て迎え撃つ 北海道地方委員会
08年は世界金融市場の大混乱で明けた。帝国主義の危機が全面的に爆発しようとしている。階級的労働運動路線を全面的に実践して、世界革命に転化しよう。
「党の革命」の意義は塩川一派の分裂で鮮明になった。革命的情勢の接近はマルクス主義を貫く実践を求めている。この情勢に恐怖し、マルクス主義を投げ捨てて小ブル自由主義に陥没する道を選んだのが塩川一派だ。だが11月労働者集会は、彼らを含む全反動の妨害を吹っ飛ばして歴史的な勝利をかちとった。党が階級的労働運動路線で7・7思想を貫き、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」を実現する党に生まれ変わったからだ。
北海道地方委員会は、塩川一派打倒・08年決戦勝利の最先頭に立つ。
改憲攻撃は戦後統治形態の根底的で超反動的な転覆を狙いとしている。その軸に道州制導入、自治体・自治労解体攻撃があり、夕張市をはじめ大半の自治体が現にそれに直面している。郵政民営化も労働者への首切りと同時に地方切り捨ての攻撃であり、最大の合理化対象が北海道である。教育委員会と公立学校の統廃合、自治体病院や消防の再編も自治労や北教組の解体をにらんでいる。7月洞爺湖サミットは、農民切り捨てを含め、そうした攻撃を後押ししようとするものだ。
国鉄分割・民営化から20年、12月のJR北海道の相次ぐ大事故・運行停止、JR総連の分裂、JR資本との結託体制の崩壊は、JR体制の大破産を突き出し、国鉄決戦勝利の情勢を引き寄せている。この時に、既成指導部は4者・4団体路線で1047名闘争を内部から裏切ろうとしている。だが、動労千葉だけでなく闘争団の中からも4者・4団体路線を批判する声が上がっている。JRの青年労働者の不満も高まっている。
国鉄決戦の危機を突破して国労再生を実現し、「日の丸・君が代」不起立闘争を発展させて北教組解体攻撃を打ち破ろう。自治体・自治労つぶし攻撃に対しても、労働者階級の答えは一つだ。動労千葉のように資本・当局と非和解的に対決し、労働者の階級的団結の拡大を軸に全地域人民をそのもとに結集して闘うことである。
サミットに向けて札幌市が6、7月の公園使用を禁止するなど、日帝・権力は「テロ対策」を口実に弾圧を強化している。北海道の労働者階級の決起に恐怖しているからだ。一昨年のJR尼崎事故、昨年の北見市のガス事故を見よ。戦争と民営化・規制緩和、労組破壊によって、労働者階級・人民の生存を脅かしているのは帝国主義ブルジョアジーだということを労働者階級の決起で暴き出してやろう。
北海道でも青年労働者、非正規労働者の怒りは極点に達している。ここに帝国主義の支配の破綻(はたん)点があり、それを転覆するエネルギーがある。問題は、資本と既成指導部による分断で階級的団結の形成が阻まれていることだ。これを打ち破って青年を先頭に階級的労働運動を発展させよう。そこに4大産別をはじめとする労働運動を再生する道筋も示されている。北海道地方委員会は11月集会で提起された地域共同センターと労働学校づくりを実践する。
カクマルは、塩川一派の脱落やサミット警備で革共同が壊滅するのではないかと反動的に願望しているが、これはまったくの勘違いだ。「党の革命」の推進は、カクマルが巣くう全領域への進攻の合図であり、サミットは国際連帯と階級的労働運動を前進させる好機だからだ。全国の同志の皆さん、08年決戦に総決起しよう。
塩川一派打倒し階級的労働運動の実践へ全力 北陸地方委員会
07年、全世界で労働者階級の反撃が開始された。革共同は、革命的情勢の急接近という時代認識のもと、この世界の労働者階級の新たな決起と根底でつながり、プロレタリア革命へ向けて職場に拠点を建設していく階級的労働運動路線を必死になって実践してきた。それゆえ世界革命の現実性を確信をもって言い切ることができる。そして動労千葉労働運動を軸にした11・4労働者集会の日韓米3カ国連帯の前進は、この開始された世界の労働運動の高揚をプロレタリア世界革命へと導いていく「司令塔」としての位置を持つまでに至っているのだ。
08年、ついに訪れた革命の時代にわれわれは今こそ全身全霊をかけてプロレタリア革命の実現に向けて突き進もう。
この闘いは塩川一派打倒の闘いと一体だ。08年北陸地方委員会は、塩川一派打倒、血債主義・糾弾主義打倒をやりぬき、すべての同志の革命への情熱と階級的労働運動の実践へのエネルギーを全面的に解き放つ。塩川一派とは、革命的情勢への恐怖から階級的労働運動路線に反対し、動労千葉と11・4労働者集会に敵対し、革共同破壊分子にまで転落した最悪の日和見主義集団だ。
北陸地方委員会は「党の革命」を全力で推進し、今までのあり方を根本的に変革し、労働者階級、とりわけ青年労働者・学生の自己解放的決起をつくり出す闘いをやり抜いてきた。07年の前進は、この闘いの全面的発展が、「党の革命」に敵対し労働者同志が階級の指導部として屹立(きつりつ)することを憎悪する塩川一派を打倒し、労働者階級の決起を血債主義・糾弾主義で縛り付けるあり方を完膚無きまでに粉砕することによって成し遂げられることを明らかにした。
また07年7月テーゼは、労働者階級こそ自らの特殊的解放を全人民の普遍的解放として実現する歴史的使命を負った階級であること、労働者階級は労働者自己解放闘争の闘いの中で、帝国主義による労働者階級の差別・分断を打ち破る階級的統一をつくり出すことを鮮明にした。この7月テーゼを塩川一派打倒の闘いと階級的労働運動路線の白熱的実践の決定的武器として北陸地方委員会は闘い抜く。
この闘いこそ6000万労働者、とりわけ2000万青年労働者の怒りと結びつき、職場・生産点からの闘いをつくり出す革命への道だ。最末期帝国主義は金融大恐慌と世界戦争の危機を深めつつ、新自由主義攻撃を強めている。労働者階級は闘わなければ生きていくことができない。
こんな社会を根本的に打ち倒すために、資本・国家権力、体制内労働運動による分断と団結破壊を打ち破り、職場闘争を闘い、階級的団結をつくり出し、拡大していく。プロレタリア革命に向けて党=階級の拠点をつくり出すために闘い抜く。何よりも第2次国鉄決戦を軸に4大産別決戦を爆発させる。4大産別こそプロレタリア革命にとって最重要の戦略的戦場だ。また反革命クーデターである改憲攻撃との闘いこそ革命に至るプロセスだ。職場・生産点での闘いを基礎に、戦争と改憲の攻撃をプロレタリア革命に転化しよう。
08年、塩川一派打倒の闘いと階級的労働運動路線の白熱的実践の中で、北陸地方委員会の本格的建設を成し遂げる。その基軸はマル青労同、マル学同の建設だ。多くの青年労働者、学生が闘う方針・仲間を求めている。マル学同富山大学支部はこの青年・学生とつながり、自治会破壊攻撃を粉砕して闘い抜いている。青年労働者・学生が職場・大学での闘いを確信を持ち断固として実践する党を全力でつくりだす。党活動の3原則、マルクス主義で武装した労働者党建設をかちとる。世界革命に向け08年を驀進(ばくしん)しよう。
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週刊『前進』(2327号4面2)(2008/01/21 )
日誌 08年1月1日〜15日
政府が派兵恒久法制定検討へ/イラク人死者が15万人超える
●普天間代替で米、計画変更に応じず 米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設問題で、ゲーツ米国防長官が07年11月に訪米した福田首相に「部分修正は全体を壊す」と強調、V字形滑走路建設地の沖合移動への計画変更には応じられないと伝えていたことが分かった。(4日)
●イラク兵が2米兵を射殺 イラク駐留米軍は、昨年12月26日に米兵2人が米軍と合同で警備活動に従事していたイラク兵に射殺されたことを明らかにした。(5日)
●沖縄で2米兵逮捕 沖縄市で起きたタクシー強盗事件で、沖縄署は米海兵隊員2人を強盗致傷容疑で逮捕した。(7日)
●派兵恒久法制定検討へ 政府は、自衛隊の海外派兵を随時可能にする恒久法制定を本格的に検討する方針を決めた。町村官房長官、高村外相、石破防衛相が首相官邸で会談して一致したという。(8日)
●「都市型」移転1年半遅れ 沖縄県金武町のキャンプ・ハンセン内レンジ4の米陸軍都市型戦闘訓練施設をレンジ16付近に移転する件で、08年3月完成を目指しハンセン内3カ所で進められていた訓練施設の建設工事が09年10月ごろまで約1年半延びることが分かった。米軍がレンジ4での訓練停止を拒否したため。(8日)
●ブッシュ、イランに「警告」 イスラエルを訪問したブッシュ米大統領は、ペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡でイラン革命防衛隊所属と見られる船舶が米海軍の艦船への挑発行為をとったとして「もし彼らがわれわれの艦船を攻撃すれば、深刻な結果を招く。私から彼らへの助言は、そんなことをするなということだ」と述べた。(9日)
●イラク人死者15万人超 世界保健機関(WHO)は、03年3月のイラク戦争開戦から約3年間で、米軍の攻撃や内戦などにより死亡したイラク人が推計で15万1千人に達したとする調査結果を発表した。イラク開戦以降の死者数に関する初めての公的機関による大規模調査。(9日)
●補給支援法が成立 今国会最大の焦点、補給支援特別措置法が参院本会議での否決後、衆院本会議で再議決され、自民、公明両党などの3分の2以上の賛成で可決・成立した。憲法59条の規定に基づき、参院で否決された法案が衆院で再議決されて成立したのは57年ぶり。政府は2月中旬にもインド洋での給油活動を再開する。(11日)
●防衛研、「隊長命令なし」の見解添付
防衛省の防衛研究所が沖縄戦「集団自決」に関する資料に「集団自決は戦隊長命令ではなかったことが証明されている」とする見解を付けていたことが分かった。同研究所図書館歴史資料室は「不適切」として削除の意向。毎日新聞が報道。(13日)
●米兵死者最高に 01年に米国が始めたアフガニスタン戦争の戦闘行為に伴う07年1年間の米兵死傷者数が、843人(うち死者83人)と過去最高を記録した。03年3月開戦のイラク戦争の戦闘における死者も762人と過去最高となった。(13日)
●ブッシュ「イランは第一のテロ支援国」
中東を歴訪中のブッシュ米大統領は、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで演説し、イランを「世界第一のテロ支援国だ」と非難した。(13日)
●ブッシュ、サウジにイラン包囲への協力を要請 ブッシュ米大統領は、サウジアラビアのアブドラ国王に対イラン国際包囲網づくりへの協力を要請、サウジなど親米湾岸諸国に200億j(約2兆1600億円)の兵器輸出計画を提示した。(14日)
●防衛省、新宿でミサイル迎撃展開訓練
防衛省は、首都防衛体制づくりと称して東京・新宿御苑で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の移動展開訓練、発射候補地調査を初めて実施した。(14〜15日)
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週刊『前進』(2327号5面1)(2008/01/21 )
市東さんの農地守り3・30へ
違憲訴訟 被告=県を徹底追及
“畑の位置特定はデタラメ”
1月15日千葉地裁で、市東孝雄さんが千葉県を相手取って提訴した農地取り上げ違憲訴訟の第2回口頭弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟を始め、傍聴席の数をはるかに上回る労働者・農民・学生ら80人が駆けつけた。
(写真 反対同盟は千葉地裁前で農地死守の不退転の決意を表す横断幕を広げ、裁判傍聴に臨んだ【1月15日】)
この日反対同盟顧問弁護団は、昨年末に被告・千葉県側が出した釈明に対し、再度の求釈明を突きつけた。
そもそも県農業会議が下した「耕作権解約許可決定」の畑の位置の特定は、NAA(成田空港会社)による調査結果なるものをうのみにしたデタラメなものなのだ。まともな測量が行われた形跡すらない。位置確認の根拠として出してきた「同意書」「位置確認書」の二つの書面も実にいい加減なもの。
これらの諸点への当然の求釈明に対する昨年末の県側の釈明は輪をかけてひどい。「境界を示す杭は9本あったと思われる」「筆跡は(旧地主の)藤崎氏と思われる」。さらに、農業会議の審議の内容については「わからない」と。こんなしどろもどろの当て推量と居直りで、市東さんの土地を奪うことを許可したというのだ。千葉県=堂本知事こそ農地強奪、農業破壊の張本人だ!
弁護団の厳しい追及に対し被告・県は「前回の釈明で十分」とさらなる居直りを決め込み、堀内明裁判長はそれをかばうように「原告の主張の内容を早く出せ」としつこく迫り、早期結審の姿勢をあからさまに示してきた。法廷は原告の市東さん、反対同盟、弁護団、傍聴者の怒りによって満たされた。
終了後、弁護士会館に場所を移して記者会見と報告集会が行われた。
冒頭に市東孝雄さんが「今年も裁判闘争が始まりました。向こうは境界確認書、同意書で畑の特定は済んでいるという態度だが、弁護団と協力して追及します。私自身も意見を言っていきます」と力強くあいさつした。葉山岳夫弁護士らが法廷でのやりとりを解説し、さらに徹底追及することを明らかにした。
反対同盟事務局長の北原鉱治さんは、「これが公平であるべき裁判か。人道も正義もない。市東さんの農地に手をかけるようなことを絶対に許さない」と08年の決起を参加者に促した。
法対部長の鈴木幸司さんは、「市東さんだけの問題ではない。裁判所が土地取り上げに加担することを許さない」と決意を述べた。
全関西実行委の安藤眞一さんは「私たちにとって三里塚の闘いは命にも等しい。野菜市、写真展などをとおして3・30大結集に向けて闘いを関西で広げていく」と連帯のあいさつを行った。
動労千葉の滝口誠さんは「81年3月ジェット燃料輸送阻止闘争、あの時の感動と緊張に立ち返り、三里塚闘争の正念場に全力で決起する。JR体制は崩壊しつつある。青年労働者の三里塚への決起をかちとる」と決意を述べた。
群馬県実行委の青柳晃玄さんは「市東さんが県農業会議の傍聴席から農地課長を糾弾したあの時を思い出す。決定を白紙撤回させる闘いをやろう」と訴えた。
さらに「市東さんの農地取り上げに反対する会」の代表と地元千葉県の農民が、市東さんの闘いと裁判を支援し農業切り捨てを許さない決意を明らかにした。
集会のまとめを事務局次長の萩原進さんが提起した。「こんなやり口で農地を取ると言うのか。民衆に全力で訴えて決起を呼び起こそう。この問題は今激しく進む農業つぶしと完全に一体の攻撃だ。絶対に市東さんの農地を守りぬこう!」
最後に伊藤信晴さんの音頭で、3・30三里塚全国総決起集会への大結集に向けて団結ガンバローを行った。
次回期日は4月15日(火)午前11時。傍聴に全力で駆けつけよう。
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週刊『前進』(2327号5面2)(2008/01/21 )
1・27関西新空港闘争アピール
関空2期計画・軍事空港化を労働者の闘いで阻止しよう
最末期帝国主義の危機に世界中で闘争が拡大
闘う仲間のみなさん、日頃の奮闘に敬意を表します。2008年を労働者人民の決定的な勝利の年にするためにともに闘いましょう。
世界は、年明けから原油が1バーレル100jを超え、米欧日の株価が暴落しドルが急落、ついに世界大恐慌情勢に突入したと言わなければなりません。新自由主義の行き着いた末路であり、帝国主義の最末期が来たということです。すなわち労働者階級と資本家階級の決着をつけるときが来たということです。
昨年は、全世界で労働者人民の闘いが大発展した年でした。アメリカ、韓国、フランス・ヨーロッパ、イラク・中東、日本――、本当に全世界で労働者人民の闘いが激烈に拡大しています。日本では、9月29日沖縄県民大会が12万人の労働者人民が決起する歴史的な成功をかちとりました。また、11・4全国労働者総決起集会は日比谷野音に日本、韓国、アメリカの労働者人民5700人を結集し大成功しました。
関西新空港闘争では、7月22日全国集会を闘い、8月2日2期開港に抗議する闘いに決起しました。2期事業と軍事空港を許さない不屈の意志を示したのです。
今年は、1・27関西新空港闘争から、民営化・労組破壊攻撃との闘い、戦争・憲法改悪阻止の闘いを発展させましょう。
世界大恐慌の現実化とイラク侵略戦争とイランへの戦争拡大情勢は、帝国主義各国の争闘戦を激化させ、福田政権を危機に陥れています。小泉政権以来の戦争・改憲、民営化・労組破壊の攻撃をさらに強めようとしています。関西新空港を成田空港とともに軍事空港化する攻撃が強まる情勢でもあります。
それは同時に、労働者人民が立ち上がる情勢をつくりだしています。「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」が急増し、青年労働者が「生きさせろ!」と立ち上がり始めています。国際連帯闘争が飛躍的に発展しています。この闘いに未来があります。
塩川一派を打倒しよう! 「今は革命情勢ではない」と言い張って青年労働者の決起を妨げ、階級的労働運動路線に敵対し反革命に転落した塩川一派を労働者の手で打倒し、関西新空港闘争、全国―関西の労働運動を大爆発させましょう。
(写真 労働者、住民のねばり強い闘いが関空を危機に追い詰めている【07年1月28日】)
「国際貨物ハブ空港」はアジア侵略拠点づくり
関西新空港闘争も決戦を迎えています。日帝は昨年8月2日、関空2期開港を強行しましたが、便数は増えておらず、破産しています。
他方、6月26日「2期計画案」を発表し貨物に重点を移す「国際貨物ハブ空港」構想を発表しました。これは「アジアゲートウェイ」構想の一環であり、関空をアジア侵略の拠点空港に位置づける戦略です。中心は、「航空自由化(オープンスカイ)」と称する航空規制緩和策で関西空港と中部空港を指名し、「アジア侵略の拠点空港」と位置づけたのです。
便数が減り、経営危機に陥っている関空会社は、これに飛びつき「2期計画案」で「日本初の『国際貨物ハブ空港』」構想を打ち出してきました。これは日本帝国主義がアジア市場を巡る争闘戦に関空を拠点に打って出るということであり、帝国主義の危機突破のためのアジア侵略です。同時に労働者をとことんまで搾取し支配する政策に、生き残りをかけるということです。
日本帝国主義は、アジア市場に乗り出すことで関空の危機を乗り切ろうとしているのです。関空は、北米便が次々に撤退しています。夏ダイヤでは、3路線、週21便に減っています。98年ピーク時の4分の1。ヨーロッパ便も97年の6割、オセアニア便も97年の半分、増えているのはアジア便だけ。アジア侵略しか生き残る道はありません。
他方で、日米両政府は朝鮮侵略戦争を行うための「作戦計画5055」に合意し、昨春から現地調査を始めています。関空、成田など民間空港・港湾を米軍優先で軍事使用することが核心になっています。昨秋には完成しているはずですが、軍事機密扱いで隠しています。このように関空2期は、関空を軍事空港にするための計画であることは明らかです。
「関空を軍事空港にするな!」の闘いは今年最大の課題になりました。階級的労働運動路線を発展させ、関空で働く労働者とともに軍事空港を阻止しよう!
また、年末に国土交通省は来年度予算案で関空連絡橋を国有化する方針を打ち出しましたが、これもわれわれが以前から指摘していたように軍事空港化の一環です。連絡橋を閉鎖すれば、いつでも軍事使用できるということです。そのために泉佐野市の税収を10億円減らすことなど問題にもしていません。泉佐野市は、関空のために750億円もの借金をし、来年から連結決算を適用され赤字再建団体に転落する危機にあります。新田谷市政は、この危機を労働者、住民へのさらなる犠牲転嫁で乗り切ろうとしています。あらゆる意味で関空の本質があらわになり、労働者人民との対立が非和解的に激化するしかありません。階級的労働運動路線を全面的に発展させて闘う時です。
陸上ルート強行許さず三里塚とともに勝利へ
さらに9月27日から関空に着陸するルートまで「陸上ルート」を強行しました。98年離陸ルートの陸上ルート強行以上の暴挙です。破綻(はたん)した関空2期の便数を増やすために、地元住民に犠牲を強要するものです。こんなことは絶対に許せません。
関空の軍事空港化攻撃は、米軍再編を背景にした沖縄・三里塚などへの攻撃と一体のものです。42年間不屈に闘い抜く三里塚反対同盟への北延伸攻撃、市東孝雄さんの耕作地を「農地法」で取り上げようとする暴挙を絶対に阻止しましょう。三里塚、沖縄、北富士、神戸空港闘争など、福田政権の戦争政策と闘う人びととともに勝利しましょう。
〔革共同大阪府委員会・泉州地区委員会〕
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週刊『前進』(2327号5面3)(2008/01/21 )
米帝がイランに戦争挑発
ホルムズ海峡で連続的威嚇
ブッシュ中東歴訪で包囲網狙う
アメリカ帝国主義によるイランへの侵略戦争策動が重大な段階に突入している。昨年末から今年にかけ、ペルシャ湾のホルムズ海峡を軍事制圧している米海軍の艦船が、イランに対して露骨な戦争挑発をしかけている実態が明らかになった。
「威嚇」は米帝のデッチあげ
1月7日、米国防総省は、イラン革命防衛隊の艦船5隻が現地時間の5日夜から6日にかけてホルムズ海峡を航行中の米軍艦艇3隻に接近し、「爆破すると脅迫した」と発表した。8日にはその映像と無線でのやりとりを公開してみせ、米駆逐艦の艦長が「砲撃命令を下す寸前までいった」と証言するなど、「イランの脅威」を徹底的にあおった。9日にはブッシュ米大統領が、イランが米国の艦船を攻撃すれば「重大な結果を招く」と警告し、「すべての選択肢について検討している」と言い放った。
9日にはまた、米財務省がイラン革命防衛隊の幹部を対象にした追加制裁を発表した。
ブッシュによるこの警告と新たな制裁発動は、イランに対する事実上の宣戦布告にもひとしい。しかも許せないことに、イラン船が米艦を「威嚇した」という事実そのものが完全なデッチあげだったことが判明した。米の流した映像の作為性が暴かれる中、米紙ネイビータイムズが脅迫は第三者の妨害無線によるいたずらの可能性があると報道。13日には米第5艦隊報道官が「威嚇無線の出所は不明」と認めるところに追い込まれた。
それだけではない。AP通信によれば、ホルムズ海峡における一触即発の危機は実は昨年12月から、米軍自身の行動によって生み出されていたのである。昨年12月19日、米海軍の揚陸艦ホイットビー・アイランドが、近くを航行していたイランの小型艇に「警告射撃」と称して砲撃を加えていたという事実だ。12月22日にもフリゲート艦カーがイランの小艇3隻に対し、公然たる挑発・威嚇行動を行っている。
米帝ブッシュは今や、ホルムズ海峡でむきだしの戦争挑発を繰り広げ、あらゆる機会をとらえてイランへの全面的な侵略戦争突入を狙っているのだ。そして03年のイラク開戦時と同様、戦争の口実をつくるためならどんなデッチあげでも平気でやるとしている。これが帝国主義の正体だ。
米国防総省による「ホルムズ海峡危機」のデッチあげは、1月8日からのブッシュの中東歴訪に合わせて行われた。ブッシュはイスラエルとパレスチナ自治区(西岸)に始まり、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプトを歴訪した。その目的はパレスチナ解放闘争圧殺のための「中東和平交渉」の促進と、イラン侵略戦争発動に備えて湾岸諸国にイラン包囲網を築くことにあった。だがその思惑は二つとも破産した。
とりわけブッシュはイラン封じ込めに全力を挙げた。13日にはUAEで「イランは世界一のテロ支援国家」「手遅れになる前にこの危機に立ち向かわなくてはならない」と演説した。対イラン防衛として湾岸諸国に総額200億j(約2兆1千億円)の軍事援助を行い、サウジに高性能兵器(精密誘導弾JDAM)の供与を約束した。
3月反戦闘争で大反撃を!
しかし、米帝によるイラク侵略戦争への全世界人民の怒りがますます高まり、米の戦争政策の破産が明白な中で、生み出されたのはむしろ湾岸諸国の離反だ。さらにサブプライム問題を引き金とする世界金融恐慌とドル暴落の開始は、第2次大戦後の米帝のドルによる世界支配体制の全面崩壊として進んでいる。ブッシュがこの危機を侵略戦争の一層凶暴な拡大で突破しようとあがけばあがくほど、米帝の没落はさらに進む。それが、国際帝国主義によるむきだしの軍事力を使った中東石油の強奪戦に全面的に火を付けていく関係だ。
すでに仏・サルコジ政権は独自のイラン・中東侵略をも狙い、湾岸地域に初のフランス軍基地を建設する協定をUAEとの間で結んだ。福田政権による対テロ給油新法の成立強行と海自の派兵再開も、この情勢にさおさすものだ。日帝は今や米帝などとともにイラン侵略戦争突入の引き金を引こうとしているのだ。
3月イラク反戦5周年の闘いを、労働者階級の一大国際反戦闘争として闘おう。米帝の戦争挑発を徹底弾劾し、イラン侵略戦争を阻止しよう。
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週刊『前進』(2327号5面4)(2008/01/21 )
杉並区立中 塾と提携し「夜スペ」
公立教育の民営化へ先鞭
成績上位者にだけ夜間講座
杉並区立和田中学校で大手進学塾「サピックス」と提携し、成績上位の生徒を対象に夜間講習(夜スペシャル)を開講する計画が進められている。学校教育の民営化に先鞭(せんべん)を付ける攻撃である。
同校はリクルート社出身の藤原和博が校長を務め、「民間人校長による教育改革」の実験場にされている。「夜スペ」の運営は藤原が主導するボランティア団体「地域支援本部」の主催という形をとり、現在の2年生から選抜された19人を対象に放課後、土曜日などに受験向けの授業を行う。講師はサピックスから派遣され、カリキュラムと教材作りには藤原ら和田中の教員が参加する。費用はサピックスの通常受講料の「半額程度」というが、週3回の受講で1万8千円も取られる。
日本経団連御手洗ビジョン「希望の国、日本」では、「教育の再生、公徳心の涵養(かんよう)」と福祉・教育への地域のボランティアやNPOの参加、企業や個人の寄付の推進が掲げられている。この和田中「夜スペ」は、企業のもうけのための民営化攻撃だ。国や企業のために滅私奉公で働く人づくりを目指してきた山田区長が制定を宣言している杉並区教育基本条例の先取りだ。
教育労働者の団結破壊狙う
サピックスは「採算を取ろうと思っていない」と言っているが、そもそも企業がもうけにならないことをするわけがない。少子化と経済の低迷で伸び悩む受験産業にとっては公共施設を無償で提供され、運営は「ボランティア」(区の補助金とただ働き)、教材は学校(杉並区)と共同開発、そして杉並区が後ろ盾になって営利企業の宣伝をするのだ。
何より、狙われているのは、「地域住民」を学校現場に入れて、進学塾の講師と教育労働者を競わせ、団結を破壊することだ。「日の丸・君が代」の強制に対し不起立で闘う教育労働者を先頭に、労働者が団結して「教え子を戦場に送らない」「お国のために命を投げ出す子どもはつくらない」「『つくる会』教科書は使わない」とねばり強く闘ってきたことに対する攻撃だ。
19人といえば、杉並区の公立中学校生、1学年2000人のちょうど1%。「1%のエリートだけ教育すればいい。できんもんはできんままで結構」と言い放った三浦朱門・教育課程審議会元会長や石原都知事の差別選別教育そのものだ。受験戦争に勝ちぬき、もうけ優先の資本家や戦争をやりたい国家が望む人材になることだけがいいことだという価値観を擦り込み、競争をあおっていく。それは「夜スペ」だけでなく、すべての学校にも強制され、戦争教育が進められるのだ。
「杉並民営化」ぶっとばせ!
こんなことが、まかりとおると思ったら大間違いだ。
昨年、参議院選挙で示された民営化と戦争の自公政権に対する労働者の怒り、9・29沖縄県民大会12万人の決起、11・4全国労働者総決起集会5700人の決起に示された労働者の怒りは、杉並でも「つくる会」教科書の使用の強要や、「杉並まるごと民営化」に対し激しく渦巻いている。
08年度採用された区の事業の民営化はたった2件しかない。教育基本法を改悪した安倍政権が倒れて以来、「杉並区教育基本条例に関する提言」には反論が集中。小学校5校、中学校5校を減らすという学校統合計画も春まで先送りで、全然順調に進んではいない。労働者が団結すれば、山田区長の戦争教育は止められる! 「杉並まるごと民営化」もろともぶっとばそう!
(飯野依子)
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週刊『前進』(2327号6面1)(2008/01/21 )
労働力確保を要求し一人で超勤拒否開始 郵政労働者 北尾厚志
前略。私は郵便配達を27年続けています。
全逓青年部時代は青年部役員も経験し、分会長も務めました。10年前に今の職場に(出身地)定員調整で配転され現在に至っています。私は青年活動家ではありましたが特定のセクトには属さずおもに当時の総評青年協(社青同太田派)で闘いました。現在、JP労組に属していますが職場に闘いはありません。
昨年末、職場で仕事上のある理不尽な事がきっかけで管理者に大声で抗議をしました。職場は全逓役員出身の総括課長代理(反動分子)に支配され、気の弱い労働者は言いなりになっています。管理者もこの課長代理の支配下になっています。
職場では昨年10月、12月と続けて非常勤社員の交通事故が発生し、2人とも現在も意識不明です。彼らの直属上司は課長代理である現役JP労組支部書記長です。この課長代理も労働者に対し「仕事が遅い」などと罵倒(ばとう)していました。郵便配達の仕事なので上司から「仕事が遅い」と罵倒されれば非常勤社員の方たちは焦ってスピードも出しすぎることはあると思います。事故以来、課長代理はSKYT訓練の徹底をと声高に言っていますが、根本的な労働強化を正さなければ交通事故はなくならないと思っています。
私は動労千葉の「反合・運転保安闘争」を念頭に仕事をしていますが果たしてこのままJP労組所属でいいのか迷っています。郵政ユニオン、郵産労とは水が合いません。率直、中核派のJP労組対策をお聞かせ願えれば今後の私の運動の参考になります。
尚、現在所属の班の労働力0・5人分の確保を要求し、昨日より超勤拒否の闘いを一人で始めたところです。良い考えがあればお教えください。
核と原発を止めるのも労働者の団結の力 東京・杉並 K W
昨年暮れ、柏崎刈羽原発を見学した。12・8もんじゅ闘争の帰り、8・6―8・9反戦反核実行委の仲間と一緒だ。見学バスに乗って構内を見た。まだ起伏しているところもあるという話だったが、ところどころブルーシートがかかっている以外は、見た目には地震の被害はわからない。
案内役の女性が言う。110万〜135万`ワット級の原発が7基。「世界最大の発電施設」で「ギネスブック」に登録。この施設で働く労働者は5000人。東京電力の正社員が1000人、ほかは非正規。大半を地元の柏崎市と刈羽村の出身者が占めるそうだ。「地元へ貢献」と言いたいらしい。構内には大手の委託企業の事務所も多数構えられている。
公表されているデータによれば、東電の社員数は一定なのに、その他の労働者の数はひと月単位で大幅に変動している。正社員以外は不安定な雇用のもとで働かされている。原発の定期点検等、多数の労働者が短期間に雇われ、被曝(ひばく)しながら危険な作業を強いられている。震災事故直後、あふれ出た核燃料貯蔵プールの水のふき取りも、臨時に雇われた労働者が行った。
原発は、コンピューターで動く「クリーンな施設」ではない。労働者が被曝を強制され、命を削りながら働くことで動いている。「原発は安全」など、まったくウソだ。
このウソを支えているのが、連合傘下の電力総連(東京電力労組)の指導部であり、体制内労働運動なのだ。彼らは「柏崎刈羽原発の早期再開」まで主張している。
案内役は、使用済み核燃料が六ケ所村に運ばれることをしきりに強調した。六ケ所再処理工場↓高速増殖炉「もんじゅ」。それは核燃料サイクルと称して、核武装のためのプルトニウムを取り出す連鎖だ。
もんじゅ運転再開、六ケ所再処理工場の本格稼働、横須賀の原子力空母母港化の攻撃。改憲情勢の中で、08年は核をめぐっても決戦となる。核と原発を止める力も、戦争を止める力も、労働者にこそある。この力で世の中をひっくり返そう。
共に3-4月「日の丸・君が代」不起立を! 杉並区議 北島邦彦
08年春闘を階級的労働運動の実践として推進するために、中軸となるのはやはり教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争のさらなる拡大、根津公子さんの解雇を絶対に許さない闘いです。
新たに成人となった青年たちに「労働組合に入って闘おう! 労働運動の力で革命やろう!」と訴える気持ちで、杉並公会堂で開催された成人式に区議会議員として初めて出席しました。
ステージ上の席に座ってプログラムを見ると、まずは「国歌斉唱」から式典が始まることになっています。私の隣に座っていた生活者ネットワークの議員が「北島さんは座ったままなんでしょう? 私は立つけど歌いませんから」と声をかけてきました。「君が代」の斉唱が始まると、日本共産党の都議会議員・区議会議員もすべての議員が起立しています。
ステージにはスポットライトが当たり、客席を埋めた800人の新成人からは私が起立していないことがハッキリと見えたはずです。私の前で安倍政権時、自民党政務調査会長だった石原伸晃衆議院議員が正面の「日の丸」に向かって「君が代」を歌っています。
私は区議会議員でしかありませんから、「君が代」斉唱時に起立しなくても処分を受けることはありませんが、この雰囲気の中での40秒はかなりの時間に感じました。
ましてや、「立ちなさい!」とか「現認!」などと管理者から恫喝され、その結果重い処分を受ける不起立闘争を貫く教育労働者にとって、「わずか40秒」ではあるけれども「されど40秒」であることでしょう。この圧力をはねのけて闘う教育労働者が300人以上も存在し、さらに拡大しようとしているのは、ものすごいことです。
3〜4月「日の丸・君が代」不起立闘争を自分自身のものとして、教育労働者とともに闘おうではありませんか。
新年「東松かわら版」イラストに先見の明 東京・江戸川 S
「東松(とうしょう)かわら版」は、前進社が江戸川に移転して以来、13年間にわたって前進社周辺の住民を中心に町内会約1600世帯と江戸川区役所の全職員、江戸川区職員労働組合、江戸川区議会の全議員、区長と助役、町内会の会長などに毎号配布し続けてきているビラです。前進社の防衛のため始めたのですが、いまは住民の支持と獲得を念頭において、その観点から苦労しながら内容を考え作成しています。
ところで昨年1月号を飾ったのは、「美しい国」と書いた名札をつけた安倍首相が「改憲阻止」の旗をつけたイノシシ(昨年の干支〈えと〉)に追いかけられ、顔から脂汗を流しながら逃げ出すイラストでした。安倍は参院選の惨敗の結果、さんざん右往左往したあげく、突如政権をほうり出してしまいました。まさにイラストのとおりの展開となったのです。このイラストを描いてくれた田宮龍一同志の漫画家としての素質と、時代を見通す先見の明に脱帽です。
さて今年も描いてくれました。これがそのイラストです。昨年11月の3国連帯の労働者集会の爆発に、顔面蒼白(そうはく)、冷や汗たらたらで逃げ出す福田首相。これも実に正確に今年の情勢を予見しているのではないでしょうか。いや失礼! イラストに感心している場合ではありませんね。階級的労働運動の白熱的実践で、今年の総決算となる11月集会にはなんとしても万を超す労働者を結集させましょう。福田自公政権を打倒し、世界革命に向かって、党の団結を強力につくりだしながら、青年労働者と学生を先頭に怒濤(どとう)の進撃を実現しましょう!
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週刊『前進』(2327号6面2)(2008/01/21 )
4・27法大裁判 当局と警察が弾圧合作
安東学生部長が驚くべき証言次々
4・27法大裁判の第9回公判が07年12月26日に、第10回公判が08年1月11日に、東京地裁刑事第18部(福崎伸一郎裁判長)で開かれた。ついに法大弾圧の現場責任者・学生部長安東祐希への反対尋問が始まった。弁護団は、2回の公判で06年3・14弾圧を中心に本件4・27弾圧に至る経緯を鋭く追及した。
驚くべき事実が明らかになった。3・14弾圧は、法大生から言論・表現の自由と団結を奪うために強行された、法大当局と警察権力の合作だった! 綿密なシナリオのもとに実行された卑劣な政治弾圧だったのだ。
29人が不当逮捕された3・14弾圧以降、法大闘争はのべ45人もの逮捕者を出しながら、「闘いなくして弾圧なし、弾圧なくして団結なし」をスローガンに強固な階級的団結で革命的に前進してきた。4・27裁判の法廷も毎回、不屈に闘う2被告を先頭に裁判長の退廷・構外退去・監置の乱発という不当な訴訟指揮と闘い、一歩も引かない階級的裁判闘争を闘いぬいてきた。この闘いがついに安東証言を引き出したのだ。ここに食らいつき、一気に4・27裁判勝利へ突き進む時だ。
警察導入を準備
05年春、平林総長就任と同時に学生部長となった安東の初任務は、学生会館を解体して建造された外濠(そとぼり)校舎の使用規則を固め、全学連を排除することだった。安東が学生支配のために配置されたことが人定質問で明確になった。
法大当局は安東を押したて、06年3・14弾圧にのめりこんでいく。
00年の時点で法大当局は、校舎の壁などに張られたビラを規制する「掲示物に関するルール」を発表していた。執拗(しつよう)にビラをはがしてまわる大学当局に対し、学生団体を先頭に抗議の声が上がり、「ルール」は有名無実化されてきた。ところが06年の2月27日、突如として00年のルールの「運用について」なる文書が発表された。それには、立て看板の規制と、教室での置きビラ・配布の禁止、「学外団体」の表現活動の完全禁止が盛り込まれていた。法政大学の歴史を画する言論・表現圧殺のエスカレーションだった。
弁護人がこの点を指摘すると、安東は「00年のルールを厳しくするものではない。その精神にのっとって作っている。ビラ配布も掲示物として扱う」などと開き直った。
しかし、この「運用について」こそ、法大当局が言論を圧殺し、法大生の団結を破壊するために警察を導入した3・14弾圧への準備だったのだ。
全員逮捕を計画
08年冒頭の第10回公判では、安東自らこの事実を暴露した。冒頭、安東は、3・14の立て看板撤去の前に法大当局から警察権力に対して「安全対策がとられるよう訴えている」と驚くべき証言をし、窓口が総務部であることも認めた。
次に、3・14当日の写真を示して、弁護人が質問をする。デモに出た学生が戻る前から正門は全開で、戻った学生に教職員は声をかけること以外の阻止行為をしていない。安東は、第9回公判で「目の前で看板を撤去し、直接大学の意思を伝えることが大事と判断」したと証言。学生をキャンパスに引き入れたのは、法大当局の意思だったのだ。
弁護人が「デモから学生が戻った後110番して、たった2分で200人の警察官が学内に入ったことを不自然と思わなかったか」と質問すると、安東は「思わない。大学として混乱が予想されると警察に訴えていたのだから、警察が何も準備していない方が不自然だ」と言い放った。全員を逮捕する計画だったから200人もの警察官が待機していたのだ。
そして、立て看板の撤去作業のときに、「学生から物理的に手をかけられて引きはがされたか」との質問には、「それはない」と否定する。
要するに安東が言っていることは、@正門を全開にして、Aアリバイ的な警告のみで学生をキャンパスに引き入れ、B学内に入ったところで110番通報し、C立て看板の撤去作業を行うふりをして学生を挑発し、D近くに待機していた200人の警察官を突入させて学生全員を逮捕する、とのシナリオに沿って大学当局と警察が行動したということだ。
この3・14法大弾圧を絶対に許さない。3・14弾圧による学生支配に失敗した法大当局の絶望的あがきが4・27弾圧なのだ。今が勝負だ。新井君、友部君の無罪をかちとろう。10・17法大クラス討論弾圧で勾留中の内田君を東京拘置所から取り戻そう。
次回公判は、安東に本件4・27当日のことについて尋問する。4・27弾圧の下手人=安東を打倒しよう。1・23傍聴闘争の大結集を訴える。
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週刊『前進』(2327号6面3)(2008/01/21 )
新井君の保釈取り消しを粉砕
07年12月19日、東京地検は裁判所に新井君の保釈取り消しを請求した。理由は、新井君が法大キャンパスに行った際に、保釈条件に違反して教職員の安東、近藤、佐藤、猪脇に接触し、学生の内海君や内山君とデモ行進を行ったことが問題だ、などというものだ。
東京地検公判部機動班検事の藤本治彦と高橋俊介の連名で出された請求書は、新井君の保釈金200万円を没収し、再び獄中に戻ることを求める、許しがたいデッチあげ文書だ。
これに対し、弁護人と新井君から直ちに意見書が提出され、反撃が始まった。保釈後、初めて大学に行った新井君に向かって接触してきたのは、安東らの方だ。何の根拠も示さず、新井君の腕や腰をつかんで暴力的にキャンパスから排除した。これに怒った新井君は、昼休み集会に参加し、当局の姿勢に抗議するとともに、7カ月の獄中闘争を勝利者として闘いぬいたことを報告した。その後参加したデモ行進には、内海君や内山君も参加していたが、デモで自らの意思を表明することが保釈条件違反になるわけがない。
12月26日の第9回公判の場でも、新井君を先頭に検察官を徹底弾劾した結果、翌27日、東京地裁刑事18部は保釈取り消し請求に対する却下決定を行った。「被告人が集会やデモに参加したこと自体が条件に違反するものとまではいえない」との当然の判断だ。
保釈制度を悪用し、被告人を再び獄中に閉じ込めようとする検察官の卑劣な攻撃を完全に粉砕した。検察官の悪あがきを許さず、裁判闘争と法大闘争の勝利をかちとろう。
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4・27 法大弾圧裁判
第11回公判 1月23日(水)午前10時開廷
第12回公判 2月13日(水)午後1時半開廷
10・17クラス討論弾圧裁判
第1回公判 2月18日(月)午後1時半開廷
◎共に東京地裁。傍聴は1時間前に集合
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週刊『前進』(2327号6面4)(2008/01/21 )
共謀罪を永久廃案へ
通常国会 サミット前の成立狙う
1月15日に閉会した臨時国会で一度の審議もないまま共謀罪法案が通常国会に継続された。継続にした理由は、日帝・福田政権が洞爺湖サミットを前にした今通常国会で共謀罪成立を図ろうとしているからだ。
03年3月に国会に提出されてから足かけ6年、今度の通常国会でこそ、労働者階級人民の力と怒りで共謀罪法案を永久廃案に追い込まなければならない。
最末期帝国主義の危機を一層深める日本帝国主義は、改憲攻撃の重大な後退を強いられている。階級情勢は福田政権打倒の決定的局面に突入している。
こうした中で、共謀罪法案をめぐる攻撃がきわめて切迫していることを声を大にして訴える。
昨秋国会会期中に死刑を強行して弾劾の嵐を浴びた法相・鳩山邦夫は、昨年の8月28日の訓示で「法務大臣・司法大臣のサミット、そのときに条約にきちんと入っていないと国際的な批判を浴びかねない」と述べた。7月7〜9日の洞爺湖サミットに先立つ6月11〜13日、東京で鳩山を議長としたG8司法・内相サミットが行われるが、それまでに共謀罪を成立させようと狙っているのだ。共謀罪導入の「根拠」条約である国際的(越境)組織犯罪条約の批准を「対テロの国際公約」としてキャンペーンし、サミット戒厳体制の中で共謀罪制定を強行しようとしている。
政府・自民党は、05年6月に共謀罪法案の本格的審議に入ったが、「こんな現代の治安維持法を成立させてはならない」という労働者民衆の怒りの声が6年にわたって成立をストップしてきた。
だが、07年2月には「テロ等謀議罪」と偽装して共謀罪導入をたくらむ「修正」案を作成した。治安法特有の「小さく産んで大きく育てる」作戦で与野党合意にもっていき、619あった対象罪種を極限的に絞り込んでも「国際公約」を名目にサミットまでに成立させようとしている魂胆は明白である。
どんな「修正」と偽装を施しても共謀罪は共謀罪である。実行行為とは関係なく話しただけで罪に問う共謀罪は、たとえば労働組合の会議の話だけで労働組合員を刑罰の対象として労働者階級の団結権をつぶそうとするものであり、さらには密告者を刑事免責にすることによって奨励し、団結を内部から破壊しようという悪辣(あくらつ)な法律だ。労働者民衆の思想・信条・表現の自由を侵害する現代の治安維持法だ。労働契約法制定などと一体となって階級的労働運動路線に真っ向から敵対する反革命治安立法である。絶対阻止あるのみだ。
予算成立後の3月上旬から5月にかけて最大の攻防局面に入る。攻勢的に共謀罪の危険な中身を暴露し、反対運動を拡大しよう。階級的労働運動路線の前に立ちふさがろうとする共謀罪の成立を阻止し、今度こそ永久に廃案に追い込もう。
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■通常国会・国会前行動
1月22日(火)午前8時半〜午後1時
正午〜昼休み集会
■共謀罪永久廃案へ総決起集会
2月2日(土)午後6時
東京しごとセンター地下大ホール
講演 宮本弘典さん(関東学院大学教授)
「テロ対策の虚構と共謀罪廃案の展望」
発言 木下ちがやさん(一橋大学)
「新自由主義とサミット戒厳体制」ほか
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週刊『前進』(2327号6面5)
『共産主義者』 155号
階級的怒り満ちた情勢論
塩川一派に断下す諸論文
塩川一派との党内闘争・党派闘争がいかに階級的労働運動路線の実践にとって価値創造的なものか、本号を見てほしい。巻頭論文を始め各論文が新たな分野に切り込み、それぞれ新境地を開いている。
まず島崎論文。静的な情勢分析を吹き飛ばす階級的怒りに満ちた時代認識。階級的労働運動路線、動労千葉労働運動論を軸にすえて、その立場から世界と日本をつかんでいく展開が大きな特徴だ。労働者の直面する生きた現実に肉薄し、怒り、ともに決起していく革命論そのものである。
新自由主義とは、何よりも民営化・労組破壊という反革命的階級戦争なのだ。その立場でアメリカ労働者階級の現実を見たとき、「基軸帝国主義である米帝でプロレタリア革命が切実な課題になりつつある」という事実が明確になる。
また日本の労働者階級こそ革命の先頭に立つ条件が成熟している。労働者の命も奪う奴隷労働の強制。それによって最高益を更新し続ける大企業。労働者の怒りに包まれながら、日帝は一切の余力を失って大恐慌情勢を迎え、帝国主義の「最弱の環」に転落しているのだ。階級的労働運動の前進で一気に革命が現実化するダイナミズムをつかむ武器がここにある。
沖縄県委員会論文は9・29沖縄12万人決起論であるが、本土―沖縄を貫く労働者階級の普遍的立場から9・29をつかむことをとおして、革共同の沖縄奪還論を全面的に再構築していく画期的論文だ。
なぜ9・29が復帰後最大の決起となったのか? このことを塩川一派を始め全党派がつかめない。本論文はそれにズバリ答えている。階級的労働運動が軸になったとき初めて全人民の決起がつくりだせるのだ。「動労千葉労働運動への特化」が沖縄闘争にストレートに通用することが実証されている。
さらに速見同志の「当面する部落解放闘争の基本的諸問題」。いわゆる「広島問題」など、塩川一派に断を下す論争的論文だが、部落解放闘争の党的再確立を展望したもので、内容はきわめて全面的・普遍的である。
全論点について、「党とは何か、共産主義者とは何か、労働者階級とはいかなる存在なのか」というマルクス主義の原点的立場からとらえ返している。部落差別とは資本家階級による労働者階級分断支配の攻撃である。だから部落差別との闘いは「本質的に権力・資本との闘いであり、労働者階級との分断を粉砕し、階級的団結をかちとる闘い」だ。つまり共産主義者でなければ組織できない闘いなのだ。この点を否定したため与田や塩川一派は反労働者的に転落した。
経営局論文も出色の論文である。ロシア階級闘争に肉薄しながら『左翼空論主義』をとらえ返している。重要なのは、レーニンが労働運動内部で日和見主義・社会排外主義潮流との「長期にわたる、頑強な、仮借ない闘争」に「完全な勝利」を得ることがプロレタリア革命に勝利する条件であると言っていることだ。そこに総括軸をすえたとき、ドイツ革命敗北の根拠がきわめて鮮明になる。本論文はドイツ階級闘争史を詳細に検討し、その敗北の今日的教訓を明らかにすることに成功している。
本書はほかにも、不起立闘争論を打ち立てた教労委論文、夕張市の現実から道州制を批判した前島論文、中国の現実をつかみスターリン主義批判を深化させた刀根論文と実践的力作がそろっている。活用してほしい。
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